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【涼宮ハルヒの願望】難易度5 【涼宮ハルヒの願望】難易度5 【掲載】 やる夫は人生のフルコースを作るようです18 依頼主 超美食屋 報酬 二星球 同行人 可 説明文 『漢島』にいる二首亀の捕獲を手伝って欲しいのよ 待っていてキョン!
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今日 - 合計 - ギャラクシーエンジェル ゲームボーイアドバンス 盛りだくさん 天使のフルコースおかわり自由の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] TV、コミックで大人気のギャラクシーエンジェルがゲームボーイアドバンスに初登場!!エンジェル隊の一人になって、過激な?ミッションにチャレンジ!!アニメーション&ビジュアルが豪華に展開する、GBAならではのハイスペックなバラエティゲームが出来ちゃいました!! スラップスティックなギャグコメディでアニメーションの新機軸を具現化した「ギャラクシーエンジェル」が、とうとうGBAになりました。5名の特務部隊「エンジェル隊」が、TVアニメさながらのハイテンションを旨に10数種類もの圧倒的ボリュームの対戦ゲーム群を縦横に駆使して対戦バトルを行います。 128M高容量ROMに動画・描き下ろし画像やオリジナルボイスなどをふんだんに盛り込み対戦ゲームでバトルしましょう。更におまけモードも充実しています。 ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月24日 (水) 09時39分12秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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狼達のフルコース~ Pasto di pieno-corso di lupi~ 「自分の頑張ったログ、ちゃんと人に見てもらえてるのかな・・・・・・」 「このログの私、最高に輝いてるよネ」 「・・・・・・・・ふつくしい・・・・・・・・」 「目立たないかもしれない、映えないかもしれない、他の人にしてみればどうでもいいログかもしれない、でも私にはちゃんと意味があるんだ」 「明日もう一度このwikiにきてください、こんな偽物じゃなく、本物のクマ鍋をご紹介しますよ」 そんな人狼ジャンキーな貴方達が作る8つのメニュー。 貴方の作った貴方だけのフルコースをみんなに紹介しよう! 狼達のフルコース~ Pasto di pieno-corso di lupi~ 例1) 身代わり亭ひふみん コース名 - 労働の後の一杯 オードブル(前菜) 蒼11111番地 狼勝利 ……挨拶が早いから吊った、ような スープ 小鳥11111番地 村人勝利 ……就職はとっても嬉しいなって 魚料理 流石11111番地 恋人勝利 ……もう恋人は恐くない 肉料理 翠11111番地 狼勝利 ……初日狂人なんてあるわけない メインディッシュ 金11111番地 村人勝利 ……初日占いも潜伏狂人もあるんだよ サラダ 裏世界11111番地 村人勝利 ……こんなの絶対おかしいよ!? デザート バーボン11111番地 狼勝利 ……そんなのにアタシは吊られクマ ドリンク 翠22222番地 村人勝利 ……クマ鍋は飲み物かなって シェフからの一言 さくさくさんかく 要はトリコのあれです。テーマを先に決めてつくってもいいし。最後に決めてもいい。 もちろん自己編集です、だってWIKIですしおすし。 管理人は12346です、良いプレイをしたとき、 そっとここに書き込みにくる、そんな場所にしたいな ゆっくりと、自分だけのメニューをつくってネ。 ちなみにWIKIの書き込みは初心者でも大丈夫、難しくないよー。え?デザインが合わない?お隣さんに迷惑にならない、景観を著しく損ねない、常識の範囲なら全然変えてイイよー。それも含めて楽しんでねー。 このページ制作にご協力いただいた乗月さんと、 また見本ページをつくってくれたガリさんには感謝(きらっ 色物横丁オープンしました、参加希望者は部屋と同じく 下でコメントフォームかTLで私に直接、希望をください シェフの部屋も横丁も一人一部屋まで、とりあえず、ネ スレからの参加希望者はHNと、開いてる場所で書き込みたいところを 書いてください。書き込みいただいてから、1日ぐらいで 場所をここに記載の上場所を確保してご案内します。 また下のコメントフォームに入りたい場所を書いてくれれば 下のご連絡でちゃんと場所はお返事します。 お知らせ 2011年8月11日、翠鯖1-4000番地のログへのリンク切れ修正しました。 お知らせ 2012年10月10日、真紅鯖1-1000,早苗鯖1-1000番地のログへのリンク切れ修正しました。 11月23日をもちまして、当WIKIは移転します 移転先はこちら 年内にこちらは閉鎖予定 ご連絡 腰痛さん6-7で登録完了ですwありがっとーw 梅こんぶさん2-5登録完了!総帥がんばってーw かなさん3-8登録しました!超ありがとうw みんな初心者の時はあるよ!私もげふんげふんw inngerさん確認したよーwありがっとーw登録したよーw うみゃさん登録しますたーwありがとーございまーすw いぬふくさん、登録しました、質問はYESです、というか自分の部屋は 好きなように加工していいですネ。 悶々さんOKですよー、ありがっとwあと連投消しときますたw もちろんですよー。好きな場所をこちらで申請してくださいなー>はおさん いや申請なんて堅苦しいもんでもないけどww はおさん登録しましたー。ありがとー! あさりさん登録したよーwおまたせーwごめん昨日きづかなかったw アークさん登録したよー!ありがとー! 伏惟さん登録したよーありがとーw ジョーさん登録したよー!さんくー! 空木さん登録したおー!ありがとー! 炙り鮭さん登録したよー!ありがとー! 3月21日パスワード変更しました。 @wiki関係のトラブルは解消したかな? 是非やりたいので6-7でお願いしまっす! -- 腰痛 (2011-03-15 18 46 46) 僕に2-5をください 絶対に幸せにします! -- 梅こんぶ (2011-03-23 18 48 41) 恥ずかしいレベルの人でもうしわけありませんが、3-8をもらっても良いでしょうか -- かな 1-8いただきます、というかここに気づかずもういれちゃいましたw 目次の更新よろしくお願いします -- innger (2011-03-25 20 56 47) 2-6、いただいてもよろしいでしょうか? -- うみゃ (2011-03-27 08 31 13) 色物1-10、登録をお願いします。あと質問、いただいてる枠のコースの更新は可能ですか?(複数コース登録ということでなく、現行コースの更新的な意味です。) -- いぬふく (2011-03-29 05 15 40) 6ー6を頂ければ。 -- 悶々 (2011-04-30 19 34 26) あたいも一部屋いただいていいかい?選手入場でログ見返してたらここのこと思い出したんだ -- はお (2011-10-04 20 24 01) んではシェフの6-9を予約していいかな。メニューは今から考える -- はお (2011-10-05 21 34 17) 炒めるとおいしいあさりです。4-9、間借りできますでしょうか -- あさり (2011-11-02 22 20 37) 7-5、あいているなら是非おかりしたいですがいいでしょうか? -- アーク (2011-12-31 16 18 48) 色物横丁の3-3をおかりさせていただきたい -- 伏惟 (2012-01-27 18 43 30) 色物3-3は予約済のようなので色物1-3でお願いします。 -- 伏惟 (2012-01-27 18 45 58) 順序が逆になってしまいましたが6-4希望します -- ジョー (2012-04-29 23 35 08) 7-7を頂いてよろしいでしょうか。 -- 空木 (2012-10-07 21 10 43) 秘密の部屋の1の2と添い遂げさせてください -- 炙り鮭 (2014-02-26 02 31 03) 名前 コメント
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「あーっははははははははは! アスカの奴、全力全開で頭冷やされてる~」 「あらあら、こちらのアスカさんは――あら? 弾幕で画面が真っ暗ですわ」 「けどこうして色んなシンを観てるとつくづく思うけど、お前さんってほんっとに女運が無いんだねぇ……あ、刺された」 『自業自得です』 「い……イジメだぁっ!!」 スクリーンに映し出される様々な〝シン〟を眺めながら言いたいコメントする蘭花達に、シン・アスカは今にも泣き出しそうな声で絶叫した。 壁際のサボテンの隣で膝を抱えるシンの頭を、ヴァニラが慰めるように優しく撫でる。 ここは地球から遥か何万光年も離れた銀河の果て、トランスパール皇国。 古代文明の遺産〝ロストテクノロジー〟の回収を主な任務とし、銀河の平和と安全を護るために日夜戦い続ける特殊部隊が、彼女達ギャラクシーエンジェル隊である。 ……筈なのだが、 「うわぁ、本当にどのシン君もシン君なんですね! どの世界のシン君も皆楽しそうです」 スクリーンを観ながら感動の声を上げるミルフィーユに、シンは最早言い返す気力すら無かった。 全ての発端はブリーフィングルームの中央に鎮座する映写機のような機械、今回の任務で回収したロストテクノロジーにあった。 本体に残る製作者名らしきサインから暫定的に〝スカリエッティの機械〟と名付けられたこのロストテクノロジーは、何と平行世界を映し出す投影機らしいのだ。 何故軍の解析も待たずしてそのような事実が判明したかと言えば、何ということはない、ミルフィーユがうっかり装置を起動させてしまっただけである。 起動した〝スカリエッティの機械〟が映し出したのは、シン・アスカの別の可能性――この宇宙に、エンジェル隊に出会わなかったシンの姿だった。 ―――機動六課の一員として次元世界の平和のために戦うシン・アスカがいた。 ―――魔導探偵の助手となりアーカムシティの闇を駆けるシン・アスカがいた。 ―――螺旋王の尖兵として地上に迷い出た人間を駆逐するシン・アスカがいた。 ―――銀の薔薇乙女と契約しアリスゲームに巻き込まれるシン・アスカがいた。 ―――全てを受け入れる楽園で吸血鬼の屋敷の執事となるシン・アスカがいた。 ―――調律者の少女の護衛獣としてリィンバイムを旅するシン・アスカがいた。 ―――個性豊かな仲間達とともに世界を大いに盛り上げるシン・アスカがいた。 ―――コジマに汚染され尽くした世界で傭兵として生きるシン・アスカがいた。 ―――マネージャーとなってアイドル達に日々振り回されるシン・アスカがいた。 ―――ネオ童美野シティの最下層でデュエルに命を賭けるシン・アスカがいた。 ―――馬鹿馬鹿しくも温かい狂乱の中で新たな家族を手に入れたシン・アスカがいた。 ―――平行宇宙に迷い込むこともなく、ZAFTの軍人として戦い続けるシンがいた。 あり得たかもしれないシンの可能性、今ここにいるシンとは似て非なる〝シン〟達の姿に、ある者は無邪気に目を輝かせ、またある者はその痴態醜態に腹を抱えて笑う。 人は言う、「他人の不幸は蜜の味」と。 それは過酷な任務を忘れるささやかな息抜き、銀河の天使達がその羽を休めるひとときの休息と言えるかもしれない――ただ一人、シン・アスカ本人を除いて。 考えてもみて欲しい。 多少は気心の知れてきたとはいえ――或いは気心が知れてきたからこそ――異性であるミルフィーユ達に、平行世界とはいえ自分自身のあられもない姿を除き見されているのだ。 それは何という羞恥プレイ以外だろうか。 だが世界はどこまでも厳しかった。 羞恥に悶えるシンを余所に、ミルフィーユ達は〝スカリエッティの機械〟を取り合うように弄り回し、更なる平行世界へのチャンネルを繋げる。 当然である。彼女達にとってシンの煩悶などどうでも良い――まさに「他人事」なのだから。 「次はこっちのダイヤルを弄ってみましょうか?」 「あー、ズルイです蘭花さん! わたしにも貸して下さーいっ!!」 「わっ!? ちょ、ちょっと押すんじゃないよミルフィーユ!」 「あらあら。では、わたくしが今の内に――」 「こらーっ!抜け駆けすんじゃないわよミントぉーっ!!」 当人を無視して盛り上がるミルフィーユ達に、ノーマッドが呆れたように『浅ましい』と零す。 そして遂に、シンの中で何かがキレた。 頭の中がクリアになり、感覚が刃物のように研ぎ澄まされる。 「お前らいい加減にしろーっ!!」 怒号と共にシンは立ち上がり、自らも〝スカリエッティの機械〟の争奪戦に参戦するべく大股でミルフィーユ達の元へ歩み寄る。 今こそ戦わなければならない時だった。運命と! 「アンタら一体何なんだぁーっ!!」 「わー、シンがキレたーっ!?」 「アスカさん、殿中、殿中ですわーっ」 「怒りで我を忘れています。もう光玉も虫笛も効きません」 「仲間はずれにしてごめんねシン君。シン君にもちゃんと貸してあげるから、だからちょっと落ち着いてーっ!?」 「ちょ……この馬鹿アスカ、変なトコ触ってんじゃないわよ! ぶっ殺すわよ!?」 「上等だこん畜生、こうなったら戦争だーっ!!」 「シンくーん!?」 その場はまさにカオスだった。 かつてない勢いで暴走するシンに、ミルフィーユ達は為す術もなく狼狽えるばかりである。 しかしそれもある意味当然だった。こんな事態は初めてであったのだから。 『普段ストレスを溜め込む人程、限界を超えた時は何しでかすか分からないものですからね』 「溜め込むタイプかぁ、あのウルトラ短気坊主が?」 これまでの鬱憤を晴らすかのように暴れるシンを眺めながら冷静に解説するノーマッドに、ちゃっかり一人だけ非難していたフォルテが茶々を入れる。 その時、ブリーフィングルーム出入口の自動扉がスライドし、エンジェル隊指揮官、ウォルコット中佐が血相を変えた表情で駆け込んで来た。 「た、大変です皆さん! 先程回収したロストテクノロジーについて、とんでもない秘密が判明しました!!」 切羽詰まったようなウォルコットの声に、シン達は思わず動きを止め――次の瞬間、ミルフィーユの肘が〝スカリエッティの機械〟にぶつかった。 バランスを崩した〝機械〟が斜めに傾く、このままでは横倒しになるのは必至である。 「あ……」 「「「「「「あ!?」」」」」」 一同の狼狽の声がブリーフィングルームに木霊する中、〝スカリエッティの機械〟は勢い良く床に叩きつけられ――、 ――粉々に砕け散った……。 「あー、やっちゃった……」 「ったく、何やってんだよマユ」 ばつの悪そうな顔で天井を仰ぐ妹を叱咤し、シン・アスカは床に散らばる破片を拾い始めた。 不幸中の幸いと言うべきか、割れてしまった皿は特に高価な名器でも、別に家族の思い出の品という訳でもなく、単なる安物の大量生産品である。 だがそれでも、母親の小言は免れないだろう。思わず溜息を吐きたい衝動に駆られながら、シンは床に身を屈めた姿勢のままマユに声をかけた。 「ほら! 大きい欠片は俺が拾っとくから、お前は掃除機取って来いよ。うっかり踏んで怪我するんじゃないぞ?」 「わ、分かってるよお兄ちゃん!」 兄に急かされ、マユは小走りでダイニングルームから出て行く。シンは今度こそ嘆息を零した。 いつまでも危なっかしさの抜けないあの妹の将来が、少し不安になってくる。今年で幼年学校も卒業だというのに。 不安と言えば自分自身も同じである。ハイスクールを卒業し、今は二年制のカレッジに通っているが、そろそろ本格的に進路について考えなければならない。 モルゲンレーテ社の系列企業への就職を目指すのが妥当だろうが、訓練校に入学して軍人を目指すのも一つの道かもしれない。 身体の頑丈さには自信があるし、数年前の戦争から未だ人手不足にある国軍は「就職先」としては狙い目だろう。 それに何より、シンも「オトコノコ」である。モビルスーツのパイロットへの憧れが無い訳ではない。 問題は国の軍縮政策による雇用の減少と、両親を如何にして説得するかなのだが――、 「――っと、いかんいかん。今はそんなこと考えてる場合じゃないだろ」 脱線した思考を現実に引き戻し、シンは作業を再開した。 ある程度の大きな破片を拾い集めたところで、掃除機を抱えたマユがダイニングルームに帰ってきた。 シンは残りの片づけをマユに任せ、食器棚から新しい皿を取り出す。 壁のカレンダーに目を移すと、今日の日付に大きな赤い丸印がつけられているのが見える。今日は両親の結婚記念日だった。 共働きで普段忙しい両親の結婚記念日を祝うため、シン達兄妹は協力して夕食を準備しているのだ。 「……よし」 テーブルに食器を並べ終え、シンは安堵したように息を吐いた。 料理も完成し、食器の準備も済んだ。マユの方も床の掃除が終わったようである。 全てにおいて準備は完璧、あとは両親の帰宅を待つだけだった。 「ばっちりだね、お兄ちゃん」 「ああ、そうだなマユ」 両親の驚く顔を想像し、兄妹は仲睦まじく笑い合う。 しかしこの時、シンは気づいていなかった。〝自分〟達を待ち受ける過酷な運命を、間近に迫る破滅の足音を。 ――種は弾け、欠片は数多の大地に散らばり、無限の色の花を咲かせた。 ――時の迷い子が傷を癒し、血塗れの羽根が生え揃う時、終わりの始まりの鐘は鳴る。 ――憎悪の炎が天を焦がし、嘆きの叫びが花畑を枯らす。 ――無限の運命が交わる場所で、世界はただ一つの明日を選びとるだろう。 世界の崩壊が始まろうとしていた。 ――To be continued... 前に戻る 次へ進む 一覧へ
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種は弾け、欠片は数多の大地に散らばり、無限の色の花を咲かせた。 時の迷い子が傷を癒し、血塗れの羽根が生え揃う時、終わりの始まりの鐘は鳴る。 憎悪の炎が天を焦がし、嘆きの叫びが花畑を枯らす。 無限の運命が交わる場所で、世界はただ一つの明日を選びとるだろう。 ――『預言者の著書』第7章13項 「戦争が、始まる……?」 聖王教会騎士カリムから唐突に告げられた衝撃的な未来予想図に、シン・アスカは動揺を隠せなかった。 隣の八神はやても真剣な表情を浮かべ、無言でカリムの顔を見つめている。 カリムは半年から数年先の未来を、年に一度、詩文の形で書き出す能力、『預言者の著書(プロフェーテン・シュリフテン)』を保有している。 先日作成した〝今年分〟の預言書のページ、その中の一節――『終わりの始まりの鐘』という言葉を、カリムは『戦争が始まる』と解釈したのだ。 シンとはやて、二人の視線を真正面から受け止めて、カリムは重々しい面持ちで言葉を続ける。 「『終わりの始まりの鐘』を合図に戦争が始まる、それは大規模な次元戦争になる可能性が高いわ。『憎悪の炎』と『嘆きの叫び』が、天地を焼き尽くしてしまう程に……。 戦争の原因は分からないけど、この『種の欠片』や『血塗れの羽根』って記述が何かの鍵だと思うの。そして熾烈な闘争の果てに、たった一つの世界だけが生き残る……」 「……この『無限の運命が交わる場所』っていうのは?」 言葉を選びながら慎重に口を開いたシンの問いに、カリムは硬い表情のまま首を横に振った。 どうやらその記述はまだ解読出来ていないらしい。 「無限の『運命』、数えきれない程の『デスティニー』……騎士カリムは、この『運命』って記述は俺の〝デスティニー〟を表していると考えてるんですよね?」 重ねて尋ねるシンに「カリムで良いわ」と一言置いて、カリムは首肯する。 〝デスティニー〟――それはかつてシン・アスカが次元漂流者として時空管理局に保護された際、共に管理局に回収された巨大質量兵器である。 シンの出身世界〝コズミック・イラ〟ではモビルスーツという機動兵器に分類されるそれは、簡潔に形容すれば巨大な機械人形、更に単純に「巨大ロボ」と言えば解り易い。 原則として一切の質量兵器を禁止している管理社会において、当然デスティニーも存在そのものが許されていない。 本来ならば即刻解体処分して然るべき代物であるのだが、デスティニーが搭載する核エンジンの存在が問題をややこしくしていた。 迂闊に手を出して放射能汚染でも起きたら目も当てられない……そのような理由からデスティニーは解体を免れ、現在は機動六課隊舎の地下格納庫に厳重に封印されている。 ――閑話休題。 眉間にしわを寄せながら何やら思案を巡らせるシンに、カリムは怪訝そうに首を傾げた。 「……シン君?」 遠慮がちに声を掛けるカリムを仰ぎ見て、シンはおもむろにこう言った。 「カリムさん、もしかしたら『無限の運命』って言葉は俺の世界――コズミック・イラのことを指してるんじゃないでしょうか」 「え……どういうこと?」 突然のシンの言葉を上手く呑み込めず、カリムは思わず訊き返した。 カリムの疑問を受け、シンは再び口を開く。 「『運命』がデスティニー、つまりモビルスーツのことを表してるならば、『無限の運命が交わる場所』というのは数えきれない程のモビルスーツがある場所だと解釈出来ます。 そして『交わる』という表現が使われていることから、無数のモビルスーツが交錯し、互いにぶつかり合うような場所……戦場のことを言っているのではないかと俺は考えます」 「なるほど……」 シンの解釈に、カリムは得心したように頷いた。 モビルスーツ、または同系統の巨大機動兵器は、質量兵器自体を保有も製造も禁止するミッドチルダを始めとした管理世界には存在しない。 魔法技術を用いて同様の兵器を造ることも不可能ではないが、実際に行動に移す馬鹿は皆無だろう。 そのような「玩具」に資金や労力を注ぎ込むよりも一人でも多くの高ランク魔導師を擁する方が余程建設的だということは自明であるのだから。 付け加えるならば、わざわざ「人型」に拘る意味も無い。 一方管理外世界の方は、そもそもモビルスーツのような兵器を造るだけの技術が無い。 自然科学・魔法科学の両面から見ても、二十メートル級の人型機械が動き、尚且つ戦闘まで行うというのは驚異的なのである。 結論として、デスティニーのような兵器はあらゆる意味で次元世界には存在しない、ましてや同様のものを無数に集めるなど不可能だということになる。 それこそ、〝デスティニーが造られ、また実際に使われた世界〟でない限りは……。 シンは続ける。 「コズミック・イラにはそれこそ腐る位モビルスーツが溢れてますし、加えてあの世界は少し前まで大規模な戦争を――いや、もしかしたらまた戦争を始めてるかもしれない。 とにかく、あの世界ならカリムさんの言う『戦争』の火種なんて幾らでも転がってるし、この預言は〝コズミック・イラの戦争〟のことを言ってるんじゃないか。――でしょうか」 興奮してきたのか最後には敬語すらも忘れ、後から慌てたように言い直すシンを微笑ましく見遣りながら、カリムは小さく頷いた。 「そうね……それが正解だと断定するのは早計でしょうけど、貴方の解釈も候補の一つに入れておいた方が良いかもしれないわね。貴重な意見をありがとう、シン君」 「いや、その……出しゃばったことを言ってすいません」 柔和な微笑みを浮かべるカリムに、シンが狼狽えたような顔で頭を下げる。 こうやって他人から正面からお礼を言われたのは、思い返してみれば随分と久し振りの経験だった。 その時、それまで黙って二人の討論を見守っていたはやてが、おもむろにティーカップの紅茶を口に含んだ。 「……違うな、シンもカリムも間違っとるで」 唐突に否定の言葉を口にしたはやてを、シンとカリムが同時に振り仰ぐ。 「は、やて……?」 「何だよ部隊長、間違ってるって一体どういう意味ですか?」 困惑の表情を浮かべるカリムと胡散そうに眉を寄せるシンを横目で見遣り、はやては真犯人を暴く名探偵のような顔で語り始めた。 「初めにおかしい思うたんは、カリムが『運命』と『種』と『時の迷い子』って記述、これ全部シンのことやって断定した時や。 確かにこれらはシンを連想させる言葉ではある。でもカリムの預言書はある意味暗号や、そんなストレートに書かれとる筈がない」 「いきなり前提条件から崩しやがったなオイ。というかあんた十分前と言ってることが違うくないですか部隊長?」 シンのツッコミを無視してはやては続ける。 「そこんトコがちぃと気になってな、わたしもずっと考えとったんよ……こんな簡単は筈は無い、もっとオモロ――違う何かが隠されてるに違いない、ってな」 「オモロイか? 今オモロイって言おうとしたよな!?」 更に無視して、はやては再びティーカップを手に取った。 じらすようにゆっくりと紅茶を喉の奥へ流し込み、はやては科白を再開する。 「初めの二節、『種は弾け、欠片は数多の大地に散らばり』、『時の迷い子が傷を癒し、血塗れの羽根が生え揃う』――この時点で『種』も『羽根』もシンやないゆーのは確定やな。 これ直訳したら、シンが一度バラバラになった後、元通りに復活するってことになるんやで? 一体どこの帰ってきた光の国の巨人かっちゅー話やねん。 シンやない、でも全くの無関係でもない「何か」がこの二つの正体やろうな。ついでに言えば、それは戦いを最初から最後まで左右する「鍵」みたいなもんやとわたしは考える」 「「鍵……?」」 声を合わせて訊き返す二人にはやては首肯する。 「二文目の『血塗れの羽根が生え揃う』ゆーんは、最初の『欠片は数多の大地に散らばり、無限の色の花を咲かせた』の言い換え、つまりこの二つは同じ意味やないかな。 花が咲き羽根が生え揃った時、『終わりの始まりの鐘』は鳴り、『憎悪の炎が天を焦がし、嘆きの叫びが花畑を枯らす』戦いの果てに『ただ一つの明日』が選ばれる。 この『明日』って言葉も、『花』や『羽根』と同じもんを指しとると推測出来る。無数の『花』や『羽根』の中からただ一つの『明日』を選ぶ、それこそが戦いの目的なんや」 「明日を、選ぶ……?」 反芻するシンに一瞥を向け、はやてはまたティーカップを傾ける。 ……空だった。 仕方なく隣のシンの紅茶に手を伸ばし、渇いた喉を潤す。 ティーカップの中で揺れる冷めた紅茶は、別にシンの味などしない普通の紅茶だった。 「――いきなり話は変わるんやけど、機動六課、特にシンの周りってかわいい娘が揃うとるて思わへん?」 「本当にいきなり変わりましたね」 というか紅茶返せ、と視線で訴えるシンを黙殺して、はやてはどこか憂いを帯びた眼で吐息を零す。 「なのはちゃんは課内アンケートで「彼女にしたい局員」部門第一位やったし、フェイトちゃんの方は「嫁にしたい局員」部門ナンバーワンや。スバルとティアナも素材は一級や。 見た目は年上のお姉さん(シグナム)からロリっ娘(ヴィータ)までオールコンプリート、中身は天然ツンデレ何でもござれ……ホント、まさに「これなんてエロゲ」状態やな。 更にもーちょい視野を広げてみれば、医務室に行けばきれいなお姉さんが笑顔で出迎えてくれるし、何よりこんな理想の美人上司が目の前におる。まさに完璧な布陣やないか。 おまけに最近は義理の娘まで出来そうな勢いやし? ついでに愛と憎しみの戦場ラブロマンスは最早お約束や。……ホンマ、あんたは一体どこのギャルゲー主人公様や? シン」 「何馬鹿なこと言ってやがるんですかyagami」 「yagami言うな! ……真面目な話、シンは自分が今置かれとるこの状況をどう思とるん? 男なら誰もが羨む夢のシチュエーションやで? わたしは女やからよー解らんけど」 そう言って真剣な顔で赤い瞳を覗き込むはやてに、シンはたじろいだように思わず視線を背けた。 訊かれている内容は果てしなくくだらないものである筈なのに、答えなければならない強迫観念のようなものを感じてしまうのは何故だろうか。 「どうって……別にどうもしませんよ」 逡巡するような沈黙の後、シンは躊躇いがちにそう口にした。 「なのはさん達隊長もスバル達新人も、グリフィスやリイン達ロングアーチの皆も、そして勿論あんたも、俺にとっては皆仲間で……それ以上でもそれ以下でもないです。 そりゃあ俺だって健全な男ですし、異性を意識することが無いとは言いません。でも俺だって立場とか、自分がやらなきゃいけないこととかは弁えているつもりです。 恋愛とか、そういうのに感けてるような時じゃないでしょう、今は。そんな余計な感情に惑わされて、迷って、間違えて……それで後悔するのはもう懲り懲りなんですよ」 まるで自分自身に言い聞かせるような口調で胸の中の思いを言葉にするシンを、はやてはどこか憐れむような眼で一瞥して、一言。 「――つまらん」 「オイ!?」 「冗談や」 「…………」 ジト目で睨むシンを軽やかに無視して、はやては再び(シンの)紅茶に口をつける。 「シンの言いたいことはよー解った、正しいとも思う。面白みは無いけどな。でも皆が皆、シンみたいに割り切っとるとは思わんことやな」 「……どういう意味ですか?」 「わたしらはシンみたいに〝大人〟やないっちゅーことや」 皮肉めいたはやての科白に、シンは無意識に眉間にしわを寄せていた。 あからさまにむくれるシンを「ガキやなぁ」と笑うはやての顔が、その時不意に陰りを帯びた。 「夜天の主とかエースオブエースとか呼ばれとるけど、わたしらだって年頃の女の子や。シンが「健全な男の子」やってのと同じようにな。 シンの言う「余計な感情」ってもんに感けて間違うこともあるかもしれへん――いや、寧ろ間違いをそのまま押し通すんやないやろか? 邪道やって繰り返して他の皆に広めればいつの間にか王道になっとることも多々あるし、今までそれで上手いこと進んできたんやしな。 ともかく、わたしらは管理局員である前に一人の女の子やっちゅーことや。男である前に管理局員であろうとするシンとは正反対に、な?」 「……それは、」 口を開きかけるシンを制し、はやては自嘲するように空笑いを浮かべた。 「とんでもない問題発言やろうなぁ、これ。次元世界の法と正義を護る管理局員、しかも仮にも部隊一つを預かる責任者様が、使命よりも色恋事を優先するなんて言うたんやから。 本当なら建前だけでもシンみたく――シンは本気やから処置無いんやけど――「世界のために頑張ります!」みたいなことを言わなアカンやろうけど、まぁオフレコってことで。 繰り返しやけど、わたしらだって女の子や。男の子に興味津々なお年頃やし、もう一歩踏み込んで恋だってする。そんなわたしらに一番近い「男の子」って、実はシンなんやで?」 「――って俺!?」 急に神妙な顔になったはやてから、しかもいきなり話題を振られ、シンは狼狽えたような声を上げる。 「年齢的にもエリオやヴァイス君よりシンの方が、わたしらにもフォワード部隊の娘達にも近いし、グリフィスは基本的に裏方やからスバル達とはあんまり接点無いからな。 その点シンはなのはちゃんの助っ人でよく訓練に顔出しとるし、一緒に出撃する時だってある。スバルやティアナからすれば、エリオ以外でほぼ唯一かつ一番身近な異性なんや。 そーゆー訳で、スバルやティアナにとってシンは「訓練に付き合ってくれる人の良い先輩」、なのはちゃんから見れば「教導も手伝ってくれる頼りになる後輩」ってところやろな。 シグナムやヴィータとかも、シンに対して特に悪い感情は持ってへん。寧ろ結構好感度高いんやないかな。弟分とか舎弟とか、そんなノリで。リインもシンがお気に入りや。 良かったなぁシン。周りの女の子達、誰もシンのこと嫌っとらんで? 皆シンのことが大好きや。フェイトちゃんもシャマルも、勿論わたしもな。シンはわたしの自慢の下僕や」 「最後の最後で酷ぇなオイ。ていうか買い被り過ぎですよ部隊長……」 「そんなことないで? 今言ったこと全部、課内アンケートに書かれてた皆のシンの評価や。無記名アンケートやったんやけど、筆跡鑑定で個人を特定してみました!」 「あんた何やってんだよyagami!?」 「だからyagami言うなぁーっ!!」 大舌戦、再び……と思いきや、意外にもはやての方が舌先を納め、取り繕うような咳払いと共に話を再開した。 「……とにかく、わたしらが〝彼氏彼女未満〟の範囲で、シンにそれなりに好意的であることは、これで解ってくれたと思う。ていうか解っとらんでも割り切れ、先に進まんから。 で、や。今のところはまだ誰も恋愛感情までは発展してへん(と思う)けど、いつ誰かが〝一線〟を越えてもおかしくない状況でもあるんや。こんな職場、それは尚更やな。 死と隣り合わせの特殊な環境――要するに戦場やね――に置かれた男女が、極度の緊張を恋愛感情と誤認するのは誰にでもあり得る……って、これはシンには釈迦に説法やね。 つまりシンは極めて「フラグ」が立ち易い状態やってことやけど、その「フラグ」こそが、天を焦がし花畑を枯らす大戦争を引き起こす、『種』や『羽根』やとわたしは考える」 「ふ、フラグ……?」 何の前触れも無く話が戻ったことに驚くよりも、はやてが口にした預言書のとんでもない解釈にシンは唖然とした。 はやての瞳がキラリと輝く。 「『種は弾け、欠片は数多の大地に散らばり、無限の色の花を咲かせた』――これはシンが敵味方問わず恋愛フラグを乱立させることを表しとる。『花』は堕とされた女の子の暗喩や。 心の傷を癒した『時の迷子』、つまりシンがフラグを立てまくった結果、大量生産された〝恋する女の子〟達は飽和状態になり、やがて爆発する……壮絶な修羅場の始まりや。 『終わりの始まりの鐘』が鳴り、『憎悪の炎が天を焦がし、嘆きの叫びが花畑を枯らす』大激戦が始まるんやけど、いつかは『世界がただ一つの明日を選びとる』決着の時が来る。 数多の犠牲の果て選ばれる結末はたった一つ、でも誰も『無限の運命が交わる場所』――シンに至ることは無いかもしれへん。『血塗れの羽根』は、多分シンの死亡フラグやから」 つまり……と言いながらはやては立ち上がり、深呼吸するように大きく息を吸い込んだ。 そしてシンの鼻先に人差し指を突きつけながら――、 「――つまり、シンの女難が世界を滅ぼすんやぁぁぁーーーっ!!」 「「な、何だってぇぇぇーーーっ!?」」 「――って、何だそりゃぁぁぁーーーっ!?」 雄叫びを上げながら飛び起きたシン・アスカの眉間を、次の瞬間、弾丸のように高速で飛来した白チョークが直撃した。 再び机の上に轟沈したシンの後頭部を、女教師ちっくなスーツに身を包んだ銀髪の少女――アル・アジフが、眼鏡の奥の翡翠色の瞳を不機嫌そうに細めながら片手で鷲掴みする。 「このうつけが! 世界最強の魔導書たるこの妾、アル・アジフ直々の魔術講義の最中に居眠りとは良い度胸だ。そんなに寝たいならこのまま永眠させてくれようか!?」 「ぐぇええええ……ギ、ギブギブギブギブ! 死ぬ、マジで死ぬからギブ!!」 握り潰すような勢いで後頭部を締め上げるアルに、シンは思わず絶叫する。 「ほう……ギブ(give)か、死にそうな程に妾の指先が欲しいか? ならばくれてやるわ、この馬鹿弟子がぁぁぁーーーっ!!」 「ぎゃあああああああああああああああああっ!?」 「……原本(はは)よ、それ以上やってはマスターが死んでしまう」 指先に更に力を籠めるアルに、額にユニコーンのような角飾りを着けた金の髪の少女が制止の声を掛ける――セーラー服のコスプレで。 シンが契約した魔導書【ネクロノミコン・機械語写本】の精霊、エイダである。 「……むぅ。しかし我が写本(こ)よ、このようなうつけには調きょ――もとい、身体に直接教え込むのが一番であろう。 万が一死んでだとしても、その時は所詮その程度の術者だったと諦めれば良い。なぁに、これが死んでも代わりなどいる」 「……私はまだはぐれ魔導書に戻りたくはないのだが」 嗜虐的な笑みを浮かべるアルに、エイダは困ったように吐息を零す。 大十字九郎探偵事務所には、依然としてシンの悲鳴が響き続けていた。 時は、大黄金時代にして大混乱時代にして大暗黒時代。 大魔道都市アーカムシティの夜は、かくも賑やかに更けていく。 ――To be continued... 前に戻る 次へ進む 一覧へ
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我が唯一の君よ、 暗き深淵に堕ちた魂に、どうか慈悲を……。 「――ってことがあってさぁ。ったくあの似非ロリめ、いつか必ず逆襲してやる」 「あーっははははは!! 何それ、シンそれ面白過ぎ……!」 事の顛末を最後まで聞き終え、金色の少年は腹を抱えて爆笑した。 傍らの黒い少女も――口元は掌で隠していたが――肩を震わせて笑っている。 「笑ってんじゃねぇよ、ペル! それにエセルも……俺あの時本当に死にかけたんだぞ!?」 周囲の目を憚ることなく笑い転げる二人の友人を半眼で睨み、シン・アスカが苦々しそうに唸る。 まるでビームでも出しそうな勢いで睨みつけるシンに、ペルと呼ばれた少年――ペルデュラボーが笑いを噛み殺しながら口を開く。 「ごめんごめん。いや何というか、「人の不幸は蜜の味」って格言は本当だったんだなーって今初めて実感してるっていうか……やっぱり君といると退屈しないね、うん」 「それ全然フォローになってないというか寧ろフォローするつもり無いだろお前?」 「気にするな。僕は気にしない」 「うわぁ……居直りやがったよこの金ぴか野郎」 まるで漫才のような掛け合いを続けるシンとペルデュラボーを、エセルと呼ばれた少女が傍から微笑ましそうな顔で眺めていた。 昼休みは、かくも緩やかに流れていく。 ミスカトニック大学――アーカムシティ中心部に位置するその世界屈指の名門校に、シン・アスカが編入してから数ヶ月が経とうとしていた。 覇道財閥の援助を受け、表向きは歴史学科の学生として大学に通うシンだが、その実態は大きく異なる。 シンが学んでいるのは隠秘学、つまり魔術理論である。 森羅万象の法則を暴き神の領域に挑む学問、魔術理論……それは同時に世界の摂理に背く外道の知識でもある。 一部では「魔術に関わる者は死よりも尚凄惨な末路を辿る」とまで言われて忌避されるこの禁断の知識を、力を、しかしシンは求めた――否、求めなければならなかった。 世界は邪悪に犯されている。 最先端都市として未曾有の好景気の直中にあるアーカムシティだが、光が強ければ強い程、陰もまた深く濃くなるものなのだ。 犯罪結社〝ブラックロッジ〟の暗躍、破壊ロボによる破壊活動と見え隠れする魔術師の影……。 激化するブラックロッジの犯罪活動に対抗するため、覇道財閥がその財力と技術力の全てを結集して造り上げた最後の切り札が、鬼械神デモンベインである。 ふとしたきっかけで魔導書【ネクロノミコン・機械語写本】と契約したシンは、鹵獲した破壊ロボを改修したデモンベイン二号機〝デモンペイン〟のパイロットとなり、アーカムシティの平和を守るためにブラックロッジと戦うことを決意した。 そのような経緯からシンは現在、昼はキャンパスで禁断の知識を学ぶミスカトニックの学徒、夜は最強の魔導書を家庭教師にマンツーマンで外道の技術を教わる見習い魔術師、そして破壊ロボが出ればデモンペインで出撃し、奇怪な事件が起きれば魔導探偵の助手として夜の大魔道都市を駆けるなど、毎日24時間どっぷりと闇の世界に浸かった日々を送っている。 そんなシンと、ペルデュラボーやエセルとの関係はと言えば――良くも悪くも「昼飯を一緒に食べる仲」としか言い表しようがない。 魔術を学んでいることは伏せ、表向きの所属である歴史学科の学生として二人に接しているし、またシン自身もペルデュラボーとエセルの詳しい経歴も、二人の関係も知らない。 二人が兄妹なのか、それとも恋人なのか……それすらもシンは知らないし、また知りたいとも思わなかった。 二人はこの大学に入って初めての――そして現時点では唯一の――友達である、その程度の認識でシンは満足していた。 そう、シンにとってペルデュラボーとエセルは友達であり――〝護るべき人達〟なのだ。 魔術漬けの毎日の中で、二人と他愛も無い雑談に興じるこの短い時間だけ、シンは闇の世界を忘れることが出来る。 二人の存在が、狂気に押し潰されようとするシンの心を「こちら側」に繋ぎ留めているのだ。 シンにとってペルデュラボーとエセルは、〝元の世界〟でどれだけ渇望しても結局手に入らなかった「優しくて暖かい世界」そのものだった。 だから「護る」と誓ったのだ……ペルデュラボーを、エセルを、このアーカムシティを。 魔術師ではない、ただのシン・アスカとして二人と笑い合いながら、密かに決意を改めるシンだった。 その時、シンのポケットの中で携帯電話が振動し、メールの着信を告げる軽快な電子音が辺りに響いた。 瞬間、まるで時間が凍りついたかのようにシンの笑顔が固まる。 駆動系が擦り切れたモビルスーツのようにぎこちない動きで携帯電話を取り出し、液晶画面に浮かぶ差出人の名を目にした瞬間、シンは思わず天を仰いだ。 否、初めから解っていたことではないか……〝携帯電話もインターネットも無い〟この世界で、自分に〝メールする〟人間などたった一人しかいないのだから。 シン・アスカには苦手とする女性が「この世界」に三人いる。 一人は最強の魔導署を自称する見た目はロリっ娘中身は鬼婆な家庭教師、二人目は下宿している教会のシスター。 そして最後の一人が、このメールの送り主――シンの学生生活を経済的に支える〝足長お姫様〟にして魔導探偵師弟の雇用者。 世界経済を牛耳る超巨大財閥、覇道財閥の総帥にしてアーカムシティの実質的な支配者。 液晶画面のメール差出人欄には『覇道瑠璃』の四文字が、その下の本文には「すぐ来い」とやはり四文字が羅列されていた。 あの人はどこぞの非公開組織の総司令かよ……と、携帯電話を折り畳みながらシンは深々と嘆息する。 どうやら午後の講義はサボり決定らしい。 「またバイト?」 「ああ、急な仕事が入ったから今から来てくれだってさ」 怪訝そうな顔で尋ねるペルデュラボーに簡潔に説明し、シンは携帯電話をポケットに捻じ込んだ。 「アルバイトにばっかり夢中になって、単位落としても知らないわよ?」 心配そうな言葉を――しかし大して案じていないような涼しい顔で――かけるエセルに、シンは「平気平気」と掌を振って返しながら席から立ち上がる。 善は急げ、急がば回らず正面突破である。 必要以上に時間をかければ援助の打ち切りどころか社会的に抹殺されかれない、覇道瑠璃とは(地位的にも性格的にも)そういう人間なのだ。 「じゃ、そういう訳だから」 「ん、頑張ってね」 まるで敬礼するように片手を上げるシンに、ペルデュラボーが首肯を返す。 「それにしても……便利なものだね、その〝ケータイ〟ってものは。電話線が無くても電話が出来るし、一瞬で手紙を送れたりもする」 「まだまだ実験段階だけどな。でも来月には――試験的にだけど――アーカムシティで一般発売されるし、来年の今頃には世界規模でのサービスが予定されてる」 感嘆の声を上げるペルデュラボーに、シンはそう言って照れたように苦笑いを浮かべた。 「ペルやエセルもモニターをやってみないか? 覇道のお姫様に頼めば試作品の一つや二つ位なら回してくれると思うぞ」 シンの提案に、ペルデュラボーとエセルは揃って首を振る。 「僕は良いよ、そういう〝ハイテク〟には余り明るくなくてね。どうせ来月には正式販売されるんだし、その時改めて考えさせて貰うさ」 「右に同じく。別に今すぐに必要って訳でもないしね」 二人の返答に、シンは「そっか」と言って残念そうに笑う。 「じゃあな。ペル、エセル」 「またね、シン」 「さよなら、アスカ君」 別れの言葉と共に席を離れるシンに、ペルデュラボーとエセルも手を振って応える。 そして――、 「「「――また、明日」」」 三人の言葉が、重なった。 「また明日、か……」 シンが消えたカフェテリアの天井を物憂げな瞳で見上げ、ペルデュラボーは静かにひとりごちた。 「――『明日』など来るものか。ここは永久に覚めぬ夢の中、無限に連なる閉じた円環の内。 我らは輪廻の鎖に繋がれた時の囚人、出口の無い迷宮を永遠に彷徨い続ける迷い子なのだから」 嘲笑するように、あるいは自嘲するように酷薄な笑顔で紡がれるペルデュラボーの独白を、傍らに寄り添う黒い少女ただ一人だけが聞いていた。 周囲にはエセルを除いて誰もいない。 昼食時の最も混雑する時間帯だというのに、二人が座る席の周囲だけ、まるで別世界のように人の姿も、気配さえも存在していなかった。 否――「まるで」などという曖昧なものでなく、事実、二人の周囲は異界と化していた。 濃厚な闇の気配が付近に充満し、徒人を寄せ付けぬ強固な結界を形成しているのだ。 眼鏡を外し、亀裂のような笑みを浮かべる金色の少年の横顔には、つい数分前までシンと笑い合っていた〝ペルデュラボー〟の面影など、最早どこにも無かった。 「ここは最果てよりもなお荒涼とした、鉛色の地平が続く陰鬱な世界。瘴気と狂気は犯し合い、果て知れぬ夜を流れるのは恐怖と冒涜――憐れだとは思わないか、エセルドレーダ? 大十字九郎も、シン・アスカも、この世界に生きとし生ける全てのものが、夜が明ければ日はまた昇る、冷たい夜を越えれば『明日』は必ず訪れると盲目的に信じて疑わない。 そして人は、世界は何度も繰り返す。偽りの『明日』を求めて生き足掻く。その無意味さに最期まで気付くことなく、未来永劫、過去永劫……何という道化、何という愚かしさ! 如何に足掻こうと、どれだけ抗おうと、結局誰も救えず救われぬというのに。〝優しい世界〟など所詮は幻想に過ぎぬというのに。何故あいつは気付かない、何故戦い続ける!?」 「マスター、怒ってる……?」 不安そうに見上げるエセルドレーダの呼び掛けに、金色の少年はふと我を取り戻した。 昂っていた感情が急速に冷めていくのを感じる、そのことが不思議と名残惜しかった。 懐かしい衝動だった。 遥か昔に朽ち果て、忘れ去って久しい心の昂りだった。 魔術とは感情を理性で制御し、昂る魂と魔力を融合し、製錬し、精製するものである。 そんな魔術を識り究める魔術師にとって、このような剥き出しの感情など、「怒り」など邪魔なものでしかない。 ――怒り? 「……そうだな、エセルドレーダ。認めよう。余は怒っていた、余は憤っていた。シン・アスカの短気が伝染ったのか、それとも〝ペルデュラボー〟に侵されたのか」 そう言って今度は愉しそうに笑う己が主に、エセルドレーダは甘えるようにしなだれかかる。 シン・アスカと出会ってから、主はよく笑うようになった。 それも他の大多数の人間達やあの忌々しい〝魔を断つ剣〟相手のように嗤うのではなく、まるで一人の人間のように主は笑っているのだ。 否――その瞬間だけは、シン・アスカの傍でだけは、主は本当に〝人間〟として過ごしている。 偉大なる〝神の子〟として生まれた金色の魔人は、彼を友と呼ぶ少年の前でだけは〝人の子〟として生きようとしているのだ。 それは退屈に蝕まれる魔人のほんの戯れなのかもしれない、あるいは全てを支配し弄ぶあの〝混沌〟への主なりの悪足掻きなのかもしれない。 何にしろ、主がペルデュラボーと名乗るその瞬間だけは、主とシン・アスカは対等だった。 〝終末の獣〟の対となる存在が〝魔を断つ剣〟だとすれば、〝ペルデュラボー〟の対となる者は間違いなくシン・アスカだろう。 常に主の傍に寄り添う、主の「半身」たるこの自分ではなく。 そのことがエセルドレーダには妬ましかった、憎らしかった。 シン・アスカが、羨ましかった。 傍らの黒い少女が嫉妬の炎を燃やすその隣で、金色の少年もまたシン・アスカについて思いを巡らせていた。 シン・アスカ――〝混沌〟によって創世され、終わりと始まりを無限に繰り返すこの箱庭の〝外〟からやって来たイレギュラー。 台本も役割も与えられていない部外者の身でありながら、勝手に舞台に上がり込み、アドリブで道化を演じる大根役者。 金色の少年にとって、シン・アスカの存在は路傍の石ころに等しい無価値なものに過ぎなかった。 しかし〝ループ〟を重ねる中、その存在はいつの間にか、ただ踏み躙られるだけの砂利から気を抜けば躓く小石程度に影響力を増していた。 更に繰り返す内に、石は石でも磨けば光る宝石の類ではないかと思うようになり、いつしかその存在に執着のようなものを覚えていた。 そして気がつけば、シン・アスカの存在は彼の中で、あの〝大十字九郎〟と同等の――ベクトルは正反対だが――重さを持つようになっていた。 認めよう、〝人の子・ペルデュラボー〟はシン・アスカに友情を感じていると。 そして同時に、〝神の子・マスターテリオン〟にとっても、シン・アスカは無視出来ない存在であることを。 マスターテリオン――黙示録の獣の名を冠する大魔術師、ブラックロッジの大導師(グランドマスター)、それがペルデュラボーを名乗る金色の少年の真の姿だった。 この惑星の旧き支配者たる神々を蘇らせ、その邪悪なる力を以て地上を支配する“C計画”、その成就のためにブラックロッジは存在している。 実はその“C計画”すらも建前で、その目的は別のところにあるのだが……それについては割愛する。 無限に繰り返す〝ループ〟の中で、マスターテリオンと大十字九郎は幾度となく「C計画の先の舞台」で侵し合い、犯し合い、熾烈なる血闘を続けてきた。 しかしシン・アスカは一度たりとも「その領域」に辿り着いていない……〝毎回〟その前に、マスターテリオン自身の手によって殺してきたから。 「我が唯一の友よ、無限に殺され犯され続ける哀れなる贄よ。あと何度、余は貴様を殺せば良い……あと何度君を殺せば、僕は〝終わり〟に辿り着く……?」 「マスター……」 嘆くように弱々しくひとりごちる主の肩を、エセルドレーダが優しく抱き締める。 その時だった。 「う~ん、そうだねぇ……少なくとも「今回」は駄目そうだなぁ、残念ながら」 空気を読まない不快な声が、二人の間に割り込んできたのは。 瞬間、エセルドレーダの顔に鬼相が走る。 テーブルを挟んだ二人の向かい側、それまでシンが座っていた席に、いつの間にか胸元が開いたスーツを身に纏う長身の女性が妖艶な笑みを浮かべて腰掛けていた。 「……〝這い寄る混沌〟!」 「ナイア、と呼んでくれないかな。エセルドレーダ?」 「お前が気安くその名で呼ぶな!!」 番犬のように歯を剥き出して威嚇するエセルドレーダに、ナイアと名乗った女性は「やれやれ」と肩を竦める。 「……それで、一体何の用だ?〝混沌〟」 興味なさげに前髪を弄りながら先を促すマスターテリオンに「つれないねぇ」と嗤いながら、ナイアは本題に入る。 「いやなに、君にはちょっとばかり謝らなければならないみたいなんでね……「今回」の舞台、残念ながら最期まで続きそうにないんだ。最悪“C計画”発動前に、世界が壊れる」 「……ほう?」 ナイアの言葉に、マスターテリオンは興味を持ったように金色の双眸で一瞥を投げかける。 「何があった? また〝エドガー〟のような突然変異種でも現れたか?」 過去唯一自分と「拮抗」した血闘を演じ、それ故に〝無かったことにされた〟幻のマスター・オブ・ネクロノミコンの名を口にする金色の少年に、ナイアは掌を振って否定する。 「それがちょっと説明が難しくてね……言うなれば今度は〝外的要因と内的要因の相互作用〟かな? しかも所謂「世界存亡の危機」レベルの。 最近〝外〟から妙な圧力が掛けられててね、このままだと宇宙が潰れてしまう。しかも異常の中心は、どうやらまたシン・アスカみたいなんだよ」 そう言ってナイアは――〝這い寄る混沌(ナイアルラトホテップ)〟は大袈裟な仕草で嘆息を零す。 この宇宙は「ある目的」のために〝這い寄る混沌〟によって創られ、そして永劫に繰り返し続ける隔絶された世界である。 天敵である〝旧き神々〟の介入を避けるべく、内側だけで完結したクラインの壺として創造した筈のこの宇宙は、しかし二度も〝外〟からの干渉を受けることとなった。 一度目はシン・アスカの出現――これは別に問題ない、寧ろこの想定外の客人の存在は〝物語〟の完成度の向上にはとても有用であると言える。 舞台を飾る二大俳優を引き立たせる「名脇役」として、シン・アスカはこの上なく使い勝手の良い駒だ。 〝魔を断つ剣・大十字九郎〟にとっては共に戦う仲間として、〝終末の獣・マスターテリオン〟にとっては偽りの平穏の象徴として、今やシン・アスカの影響力は計り知れない。 そのシン・アスカがクライマックスを目前にして倒れることで、二人の最終決戦はより劇的なものになる。 大十字九郎は赦さないだろう、大切な弟分を殺したマスターテリオンを。 マスターテリオンは絶望するだろう、唯一の友を殺した自分自身に。 シン・アスカの死によりこの対極なる者達は一層〝窮極〟に近づき、シン・アスカが死ぬ度に世界は一層〝窮極を超えた結末〟に近づくのだ。 それが幾千幾億もの永劫を重ねた由緒あるこの「大舞台」で、シン・アスカというイレギュラーを〝混沌〟が黙認してきた理由の一つである。 そしてもう一つ、主演男優の片割れである大十字九郎が何らかの理由で〝潰れた〟場合、その「代用品」としてシンを使おうという打算もある。 そのために数ある魔導書の中から【機械語写本】を選び、〝第二のデモンベイン〟まで与えたのだが――その成果は残念ながらあまり思わしくない。 どうやら舞台のもう一人の主役であるこの大導師殿はシン・アスカを主役昇格させることがお気に召さないらしく、〝毎回〟力をつける前に潰してしまうのだ。 しかしこちらに関しては、大十字九郎が健在である現時点では然程問題にはならない。 閑話休題。 そのような経緯でシン・アスカという〝外からの異物〟を一度は受容したこの世界は、現在、二度目の〝外からの危機〟に瀕している。 具体的には無数の妙な圧力のようなものが〝外〟からこの世界を襲い、このままでは針を刺された風船のように宇宙が破裂してしまう。 しかも突き刺さる「針」の先端は揃いも揃ってシン・アスカに向けられているのだ、こいつが宇宙崩壊の元凶であることは間違いない。 要約すれば、大体以上のようなことを力説するナイアだったが、その渾身の長口上に対するマスターテリオンの反応は――、 「コーヒーうめぇ」 ――全然聞いちゃいなかった。 「き、君も大概いい性格になってきたね……」 ずり落ちた眼鏡を持ち上げながら珍しく美貌を引き攣らせるナイアに、マスターテリオンは冷めたコーヒーを啜りながらつまらなそうに鼻を鳴らす。 「貴公の言う「〝外〟からの妙な圧力」とやらだが、それについては余に心当たりがある。つい先程のシン・アスカとの閑談の中に、謎を解くヒントが幾つかあった」 「へぇ……聞こうじゃないか?」 興味ありげに目を細めるナイアに、マスターテリオンは首肯して続ける。 「昨夜、彼奴は夢を見たそうだ。夢の中で、シンは一つの預言を受けたらしい」 「預言?」 「シンの女難が世界を滅ぼす、という預言だ」 「…………は?」 その瞬間、不覚にもナイアの思考は停止した。 ナイア自身、人智を超えた異形の存在であるのだが、そのナイアを以てしてもマスターテリオンが何を言っているのか全く理解出来なかった。 「いつかは刺されるだろうとは思っていたが、まさか世界ごと潰されそうな修羅場になっているとは……あのラッキースケベ、今度は一体何をやらかしたのやら」 「アレでしょうか。シン・アスカが手に入らないならこんな世界は全力全壊、みたいな? ……傍迷惑な。ヤンデレにも程がありますわ」 唖然と固まるナイアを余所に、マスターテリオンとエセルドレーダはほのぼのと談笑している。 言ってる中身は色々とアレだが。 何だこれは、何なんだこの会話は。 女難がヤンデレで全力全壊? この二人は一体何の話をしているんだ。 解らない、二人が何を言っているのかさっぱり解らない。 もしや……これが巷で噂の〝じぇねれーしょんぎゃっぷ〟とかいう現象か!? 些か現実逃避気味なナイアの傍で、二人の会話(というかマスターテリオン)は更なる暴走を始める。 「ところで……突然だがエセルドレーダ、余も戯れに〝ラブコメ〟をやってみようと思う」 「本当に唐突ですね、マスター」 ラブコメって何だよ、おい。 「所詮この世は戯れに過ぎない。だから余も〝ラブコメ〟をやって、無意味にフラグを立てたり修羅場に入ったりする」 「あのマスター、もしかして喧嘩売ってます?」 「シチュエーションは、やはり学園モノが良い。妹キャラと隣の家の幼馴染はデフォ設定、曲がり角でぶつかる転校生とのファーストコンタクト。 攻略対象は他に委員長や部活の後輩、あとコンビニのお姉さんとか禁断の担任教師ルートなど多種多様。シナリオは全て書き下ろしでお送りします」 「そー言えばこの人、この前そんな感じの馬鹿話をアスカ君としてたわね……あのマセガキ、後でブッ血KILL」 「そして学園を突如襲う怪異。緩やかに移ろう怠惰な日常は、一転して狂気と絶望と背徳の世界へと裏返る。 異変の謎に迫る主人公は余、ラスボスも余。怒涛の如く進む展開、続々と参戦する新たなヒロイン達。 やがて来たる最終決戦の場で、余と対峙したシン・アスカはこう問いかけるのだ……それなんてエロゲ、と」 「果てしなくあの男にだけは言われたくないセリフですね……というかマスター、何気に目的を見失ってませんか?」 「最後に全ルートを制覇した後に出現する隠しシナリオ、その名も〝シン・アスカ補完けいk――」 「「はいダウトーッ! 色んな意味でそれダウト!!」」 異口同音に声を上げるナイアとエセルドレーダ(直後、嫌そうな表情で顔を背けた)に、薔薇色のベクトルへ話を暴走させていたマスターテリオンはふと首を傾げる。 「ふむ……やはり〝シン・アスカ光源氏計画〟の方が良いと思うか、エセルドレーダ?」 「名前の問題じゃありません! そんな「今日の献立は何にしよう」みたいな淡白な顔で、何をトチ狂ったことを言ってやがるんですか貴方はーっ!!」 「そう目くじらを立てるな、エセルドレーダ。こただの余興だ。この永劫の中、余とて遊びに興じたくなる時もある。 大体そこのストーカー女だって余と大十字九郎で似たようなことを――ハッ、ということはもしや余は攻略対象!?」 「……駄目だこの人」 「本当に代用品が必要なのは、九郎君じゃなくてこの子の方なのかもしれないねぇ……」 「朱に交われば赤くなる」という極東の格言さながらに、いつの間にか愉快な人格に変わり果てていた終焉の使者に、その従者とゲームマスターは揃って嘆息する。 不意に、マスターテリオンは笑みを浮かべた。 嘲笑するような、自嘲するような、まるで亀裂のような笑顔で嗤った。 「そう悲観することもあるまい。空間も時間も我らにとっては意味をなさない、宇宙の全ては泡沫の夢。壊れたら、また創り直せば良い……それだけのことだろう?」 そう言ってマスターテリオンは手元のカップを再び、すっかり冷たくなったコーヒーに口をつける。 「愉快なことだとは思わないか、エセルドレーダ。路傍の石ころだと侮っていたシン・アスカが、今や隕石となって惑星を砕こうとしているのだぞ? こんな展開は余も初めてだ。 無貌なる神よ。これよりこの宇宙で起きるあらゆる事象に介入は許さん、全てをありのままに見届けよ。その果てに待つものが単なる滅びだったとしても、余は一向に構わない」 「良いのかい、マスターテリオン。もしかしたら「次」は無いのかもしれないよ、九郎君ともシン・アスカとも決着がつかぬまま終わってしまうかもしれないのだよ?」 意地悪く嗤いながら問う〝混沌〟に、マスターテリオンも薄く嗤う。 「――それこそ、我が本望だ」 時の糸は、斯くものろまに巻かれてゆく……。 ――To be continued... 前に戻る 次へ進む 一覧へ
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――あんなに一緒だったのに……、 どうしてこんなことになってしまったのだろう……シン・アスカの背中に庇われながら、ミルフィーユ・桜葉は自問する。 自分達に突きつけられる冷たい銃口、銃を向けるのはこれまで不落を共にしてきたギャラクシーエンジェル隊の仲間達。 夢ならば今すぐ醒めて欲しかった、悪い夢だと思いたかった。 「……追い詰めたよ、二人とも」 右手に握るリボルバーの撃鉄を下ろし、フォルテが冷然とした声で口を開く。 その背後に控える他のエンジェル隊員達――蘭花にミント、そしてヴァニラまでもが、まるで敵を見るような冷たい瞳でシンとミルフィーユを見つめていた。 「ミルフィーユは関係ない」 「解ってるよ。……皆あんたが悪いんだ」 突きつけられた銃口を見返しながらそう口にするシンに、フォルテは拒絶するような硬い声音で言い返した。 「あんたのせいで何もかもがおかしくなった、あんたが全部狂わせたんだ!」 顔を歪めて糾弾の言葉を吐き出すフォルテの右手は、まるで寒さに凍えるように小刻みに震えていた。 「……どうしてなんですか? 何でこんなことになってるんですか!?」 盾になるように立ち塞がるシンの背中を押し退け、ミルフィーユが涙を浮かべた顔でそう叫んだ。 「わたし達、仲間なのに……同じエンジェル隊の仲間なのに! 何で喧嘩しなくちゃいけないんですか!? どうして皆でシン君をいじめるんですか!?」 「煩いわね! この馬鹿ミルフィーユ!!」 声の限りに制止を訴えるミルフィーユに、蘭花が逆上したように叫び返す。 「分かってるわよ、分かってるのよ……アンタに言われなくたって、アタシ達だってそんなこと分かってるのよ!! シンが誰だろうと、「何」だろうと、アタシ達エンジェル隊の仲間だって! おかしいのはこの世界の方だって!!」 「だったら、どうして……!!」 「……仲間だから、ですわ」 目の前の銃口が目に入っていないかのように身を乗り出して抗議するミルフィーユに、ミントが吐息と共にそう口にした。 「アスカさんが仲間だからこそ、わたくし達エンジェル隊の一員だからこそ……このことに関してはわたくし達自身の手で決着させたいんです」 「……ずるいです、ミントさん」 ミントの科白を、ミルフィーユは泣き笑いのような表情を浮かべて非難した。 「卑怯ですよ、そんな言い訳……。そんなこと言われたら、認めるしかないじゃないですか。認めたくないのに、納得なんてしたくないのに……。ずるいです」 泣き崩れるミルフィーユから逃げるように目を逸らし、フォルテは改めてシンに銃を向けた。 「ごめんなさい……なんて言わないよ。シン」 感情を捨て去ったように平淡な声と顔で、フォルテは銃の引き金に力を籠める。 「――あんたの女難が、世界を滅ぼす」 その瞬間、乾いた銃声が響き渡った。 ――夕暮れは、もう違う色……。 「――という夢を見たんです」 「うん、それは夢や。ちゃんと現実を見なアカンよ、シン?」 そう言って朗らかに笑う八神はやてに、シン・アスカも「そうですね」と恥ずかしそうに笑い返した。 しかしこの時、シンは極上の笑みを浮かべるはやてが放つ闇色の魔力光に、不幸にも気付いていなかった。 「――ところでシン、それもーちょい詳しく話してくれんかなぁ? 特に夢に出てきたゆー女の人達について、もっとじっくり訊きたいんやけど」 時空管理局――次元の海の中に数多存在する異世界を統括し、次元世界の法と正義の番人として君臨するその超巨大組織に、新暦75年春、とある部隊が新規に設立された。 「あらゆる状況に即時対応する精鋭部隊」を謳い文句に、一年間の試験運用という形で発足したその部隊の名は、機動六課。 部隊長八神はやてを筆頭に複数の高ランク魔導師を実動部隊隊長兼教官役として迎え、その他の部署も一流の人材を取り揃えた機動六課の中で、シンの役職は少々特殊と言えるだろう。 書類上、シンの所属ははやてが部隊長を務める後方支援部隊〝ロングアーチ〟となっており、実際に雑用やデスクワークなども行っている。 しかしその傍で、新人フォワード部隊の訓練に補助として駆り出されたり、時には単独で出撃を命じられることもあるなど、その仕事は事実上、六課専用の「使い走り」に近い。 今回、シンは聖王教会本部に呼び出されたはやての随行で、次元世界ミッドチルダ北部にあるベルカ族自治領を訪れていた。 機動六課の後見人の一人である聖王教会騎士カリムは、未来の事象を年に一度だけ、詩文の形で預言するという稀少技能を保有している。 そして先日、カリムは「今年の預言」を得たらしいのだが、その内容に関してはやてに何か相談したいことがあるという。 「預言、ねぇ……」 マーケットの人垣を掻き分けながら胡散そうにぼやくシンを、先導するはやてが肩越しに振り返る。 「あー! シン、馬鹿にしとるやろ?」 「べ、別にそんなわけじゃないですけど……」 頬を膨らませるはやてから咄嗟に顔を逸らし、シンは否定の言葉を口にする……が、その如何にも後ろめたそうな行動そのものがシンの本音を雄弁に語っていた。 シンはこのミッドチルダを始めとした魔法文明世界の出身ではない。 コズミック・イラ――自然科学のみに依存する未熟な文明社会でありながら、宇宙に進出する程の高度な技術体系を持つ管理外世界が、シンの生まれた世界である。 そのような魔法の「ま」の字も無い世界で生まれ育ち、しかもオカルトや超常現象に欠片の興味も無いシンから見れば、預言など眉唾以外の何物でもないというのが本音だった。 「カリムの預言は凄いでー、よく当たる占い並によく当たるんや。六課を設立する時も、シンを六課に引き込んだ時も、カリムの預言が決め手になったりならなかったりしたんよ?」 「それって今一つ凄いのかどうなのか分かんないような気がするんですけど……」 はやての科白に呆れたような相槌を打ちながら、しかしシンはふと首を傾げた。 今何か聞き捨てならないことを聞いたような気がする……。 「――おい、今さらりととんでもないこと言わなかったかこのチビ狸?」 「チビ狸言うな! ちょーっと身長高いから言うて調子に乗りおって、シンのくせに生意気や!!」 「ちょ……俺のくせにって何だよ、俺のくせにって!? ていうか今、機動六課の存在意義とか俺がここにいる意味とかが根底から揺らいだよーな気がするんですけどっ!?」 「やかましいっ! そーやって小さいことに一々拘っとるから、いつの間にか主役の座を追い落とされとるんやで?」 「小さいのか? これって小さいことなのか!? ていうか今言っちゃいけない禁句ワードを躊躇なく言いやがったなこのチビ狸!!」 「だからチビ狸言うなぁーっ!!」 マーケットの真ん中で壮絶な舌戦を繰り広げるバカップルを、往来の通行人や出迎えの教会騎士達が冷めた目で眺めていた。 聖王教会とは、次元世界最大の宗教組織であり、また時空管理局と同じく危険な遺失物(ロストロギア)の調査と保守を行う非営利機関でもある。 ミッドチルダ北部、ベルカ族自治領の中心部に本部を置くこの宗教団体は、古代ベルカ時代の偉人「聖王」を信仰対象とし、「教会騎士団」と呼ばれる私兵団を保有している。 時空管理局との関係は概ね良好、それは教会の騎士であるカリムが理事として管理局に籍を置き、機動六課の後ろ盾となっていることからも伺える。 後ろ盾――つまり「偉い人」なのだ、これから会う〝カリム・グラシア〟なる人物は。 大理石が敷き詰められた長い回廊を進んだ奥、聖王教会本部、騎士カリムの執務室の扉の前に立った時、シンは柄にもなく緊張している自分に気付いた。 粗相があれば、自分だけでなくはやてや六課の仲間達にも累が及ぶ……。 胸に重く圧し掛かるプレッシャーは、20年に満たないもののそれなりに波乱万丈なシンの人生でも初の感覚かもしれない。 自分がまだZAFT――コズミック・イラの軍にいた頃、何の因果か、軍の最高指導者と朝食を共にすることがあるが、その時にもこれ程の重圧は感じなかった。 「責任」というものの重みを、シンは初めて知ったような気がした。 取り敢えず何を言われても――腹が立とうが話が訳分からなかろうが――黙っておこう……蝶番が軋む音と共にゆっくりと開かれる扉を見つめながら、かつて感情に任せて故国の首長を正面から罵倒した男は密かにそう決意した。 カリム・グラシアは、シンの想像よりも随分と若い、温和そうな女性だった。 教会騎士の中でも特別な地位にあり、また六課の後見人として〝あのはやて〟の上に立つ者であるという先入観から、シンはカリムを、かつての母艦の艦長のような女傑だと想像していた。 しかし蓋を開けてみれば、穏やかな笑顔と共にはやてと自分を迎えた部屋の主は想像とはほぼ正反対の人物であり、シンとしては拍子抜けした感が否めなかった。 「いらっしゃい、はやて」 「ごきげんよう、カリム。こうして直接会うんは四月のガジェット事件の時以来やね」 柔和な笑みを浮かべて旧友を歓迎するカリムに、はやても表裏の無い笑顔を返した。 はやてとカリムは八年来の友人であり、二人の関係は八年前、はやてが教会の仕事に派遣された時以来の付き合いであるという。 本来は信念も立場も役割も違う自分達二人だが、今回は互いの目的が一致して、機動六課という「形」になった……ベルカ量領行きの列車の中で、はやてがそう話してくれた。 直後、「まるで共犯者だな」という感想を口にしてはやてにしばき倒されたのは、我ながら浅慮だったとシンは反省する。 はやてを見下ろしていた顔を上げ、カリムは続いてシンを見た。 見つめられ、シンは反射的に背筋を伸ばす。 「貴方がシン君ね、話ははやてからよく聞いてるわ。はじめまして、聖王教会騎士、カリム・グラシアです」 「シン・アスカ特務空士であります。お会い出来て光栄です、騎士カリム」 にこやかに笑いかけながら自己紹介するカリムに、シンはZAFT式の敬礼で応える。 シンの挨拶にカリムは首肯し、再びはやてへと視線を送る。 「立ち話もなんだし、お茶でも飲みながら話しましょう。ファーストリーフの良いところのを用意してるの」 ティーカップの中から白い湯気が立ち上り、まろやかな香りが鼻孔をくすぐる。 執務室の一角に置かれた白い丸テーブルの上には、三人分の紅茶の他にクッキーの小皿も載せられ、まるでお茶会のようにほのぼのとした空気を醸し出していた。 否――「まるで」などではなく、これはまさにお茶会そのものである。 ティーカップを片手に談笑するはやてとカリムを横目で見ながら、シンは何とも言い難い居心地の悪さを感じていた。 この二人だけならばまだ良い、友人なのだし積もる話もあることだろう。 だがこの場には自分もいることを忘れないで欲しい、とシンは切実に思う。 朝一番ではやてのお供を突然言い渡され、ついて来たら来たで放置プレイのようなこの扱い……自分の今日の運勢は恐らく最悪だろう。 独りいじけるシンを余所に、はやてと取り留めも無い雑談に興じるカリムの笑顔が、その時不意に陰りを帯びた。 本題に入るつもりか……カリムの変化を読み取り、はやても表情を引き締める。 「――それで今回はやてとシン君に来て貰った理由なんだけど……」 憂いを孕んだ声でそう口にしながら、カリムは一枚の紙片を取り出した。 「これは……」 テーブルの上に置かれた紙片を見下ろすはやての眼が険呑な色を帯びる。 シンも紙片を覗き込んではみたものの、書き込まれている文字を読むことすら出来なかった。 「――預言書のページ、やね?」 はやての確認に、カリムは無言で首肯する。 「私が受け継ぐ稀少技能『預言者の著書(プロフェーテン・シュリフテン)』、半年から数年先の未来を、年に一度、詩文の形で書き出す能力。これはその今年分のページよ」 「『種は弾け、欠片は数多の大地に散らばり、無限の色の花を咲かせた』……」 預言書のページを手に取り、はやては傍のシンにも解るように、古代ベルカ語で記述された詩文を読み上げる。 ――種は弾け、欠片は数多の大地に散らばり、無限の色の花を咲かせた。 ――時の迷い子が傷を癒し、血塗れの羽根が生え揃う時、終わりの始まりの鐘は鳴る。 ――憎悪の炎が天を焦がし、嘆きの叫びが花畑を枯らす。 ――無限の運命が交わる場所で、世界はただ一つの明日を選びとるだろう。 全てを読み上げ、はやては難しそうな表情を浮かべた。 ……さっぱり解らない。 隣のシンなど舟を漕ぎ始めている、全く良い度胸だとはやては胸の奥で舌打ちする。 「預言書に記された『種』と『運命』、そして『時の迷い子』って言葉は、多分シン君のことだと思うの」 「へ? 俺!?」 突然話を振られ、シンは思わず素っ頓狂な声を上げた。 何だそれは、今の流れから何故いきなり俺の名前が出てくる!? 狼狽えるシンを後目に、しかし横のはやては納得したように頷いていた。 「なるほどなぁ……確かに〝運命(デスティニー)〟はシンの象徴みたいなモンやし、それに〝アレ〟の翼は血に濡れたみたいに真っ赤やからなぁ……」 「いやいやいや! 待てよ、待って下さいよ部隊長!?」 あっさりとカリムの解釈に同意するはやてに、シンは必死の形相で待ったを掛ける。 百歩譲って『運命』、つまり〝デスティニー〟の解釈はそれで正しいと仮定しよう、だが『種』やら『時の迷い子』などという訳の解らない単語まで自分と断定されては堪らない。 次元漂流者ならば自分の他にも少ないながらも存在するし……大体『種』とは何だ、『種』とは。 シンの指摘に、はやてとカリムは一瞬顔を見合わせ、そして次の瞬間――、 「「さぁ?」」 ――と、声を揃えて問題を丸投げした。 「どうしてって言われても困るんだけど……強いて言うなら、去年以前のページに似たような単語が出てきてて、その解読結果がシン君だったからかしら?」 「そうそう、『運命』=『種』=『時の迷い子』=シンは大前提や。そもそもそれでシンを機動六課に引っ張り込んだんやから、今更「違う」言われてもわたしらが困る」 「あんたらって人は……!」 いい加減極まりないカリムとはやての科白に、シンが憤りの声を発する――が、 「それで次に『終わりの始まりの鐘』の解釈なんだけど……」 ――当事者の怒りなど綺麗に無視して、カリムは紙片の上の該当する単語(らしき文字列)を指差す。 そして次の瞬間、この日一番の爆弾が落とされた。 「――私はこの部分が、『戦争が始まる』って意味なんじゃないかと思うの」 カリムの突然の言葉に、シンとはやては言葉を失った。 ――To be continued... 次へ進む 一覧へ
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――…………―― ――………ン!―― 声が聞こえる……。 ――……ン、ちょ……シン……って!―― 誰かが、俺の名前を呼んでいる……? 誰だ……? 「――シン!!」 「!?」 その瞬間、目を開けたシン・アスカの視界いっぱいに、見慣れた仲間の顔が飛び込んできた。 「……ルナ?」 「もう……やっと起きた、シン?」 寝起きのためか焦点の定まらない瞳を揺らしながら、視界を占領する相手の呟くシンに、ルナと呼ばれた赤い髪の少女――ルナマリア・ホークが呆れたように吐息を零す。 「合同任務のミーティング、とっくに始まってるのよ? 皆待ってるんだから、早く準備しなさいよね」 「あ……いっけね!」 ルナマリアの言葉を聞き、シンは慌ててベッドから跳ね起きた。 ミーティングの時間まで軽い仮眠をとるだけのつもりだったのだが、どうもうっかり寝過してしまっていたらしい。 椅子の背もたれに引っ掛けていた上着を急いで羽織り、デスクの上に積み上げた書類の山を抱えて部屋の出口へ急ぐ。 その忙しない様子を眺めながら、ルナマリアは再び息を吐く。 「もう……しっかりしてよね? シン。 ――あんたはあたし達の隊長なんだから」 ルナマリアの叱咤の声に、シンの足が一瞬止まる。 隊長……ああ、そうだ。 今の俺はルナマリア達の――〝アスカ隊〟の隊長なのだ。 袖も通さず、マントのように肩に羽織っただけのZAFTの軍服は、まるで雪のような純白に染め抜かれている。 かつての自分やルナマリアに与えられた赤服が〝エリート〟の証ならば、白はそのエリート達をも束ねる〝キャプテン〟の色彩だった。 そしてキャプテンには――〝白〟を纏う者には、相応の役目と責任もある。 「――ああ、解ってるよ」 そう言って肩越しにルナマリアを一瞥し、シンは再び歩を進める。 室内に無機質に響くシンの靴音に合わせて、軍服の白い袖が振り子のようにゆらゆらと左右に揺れていた。 ――C.E.77、〝メサイア戦役〟から三年の月日が経とうとしていた。 戦争は終わり、世界は平和に……なっていない。 「げっ……!」 ブリーフィングルームに足を踏み入れた瞬間、シンは思わず呻き声を上げた。 室内の(真面目にミーティングに集合していた)隊員達が、遅れて現れた二人の上官を一斉に振り返る。 それほど広いとは言えない室内にひしめくのは、目が痛くなる程鮮やかな赤服、緑服、黒服。 そして――、 「非道いな……遅刻して漸く来たと思ったら、人の顔を見るなりいきなりそれ?」 「……ヤマト隊長」 ブリーフィングルームの最奥で苦笑する、まるで雪のように穢れなき純白が、一人。 キラ・ヤマト――現在のプラントの指導者〝ラクス・クライン〟の親衛隊長を務め、また二度に渡る大規模な戦争を終結に導いた〝英雄〟の一人。 そしてシン・アスカが個人的にこの世で〝二番目〟に苦手とする男が、まるで王族のように優雅な佇まいで、そこにいた。 「合同任務って、あんたの隊とでしたっけ?」 嫌そうな顔で尋ねるシンに、キラは柔和に微笑するだけで何も語ろうとしない。 代わりに、シンの傍らに控えるルナマリアが口を開いた。 「初めはジュール隊と組む予定だったけど、あんたがグースカ寝てる間に色々と事情が変わったのよ」 「事情って――」 不服そうに声を上げるシンを制するように、成り行きを見守っていたキラがその時口を開いた。 「そのことについてもこれから説明するから……取り敢えずミーティング、再開して良いかな?」 そう言って困ったように笑うキラ背後には、如何とも名状し難い、まるでオーラのような黒い何かがたゆたっていた。 「えーと……キラさん、怒ってます?」 「ん、何に?」 今すぐ回れ右をして逃げ出したい衝動を自制しながら尋ねるルナマリアに、キラは爽やかな笑みを湛えて小首を傾げる。 うわぁ、この人めっちゃ怒ってるよ……引き攣る顔の筋肉を自覚しながら、ルナマリアは傍のシンの首根っこを掴んで席へ急ぐ。 普段は穏やかなこの青年が、しかし怒った時にはそれはもう怖ろしいことを、ルナマリアはよく知っていた。 上司を文字通り引き摺る部下……上下関係が完全に逆転しているその光景を、しかし咎める者はこの場には誰もいない。 ――というか、いつものことなので誰も気にしない。 三年前――C.E.74、五月。 ユニウスセブンの落下をきっかけに勃発した二度目の戦争は、メサイア基地の陥落と当時のプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの死亡により終結した。 同年六月、プラントとオーブ連合首長国との間に停戦条約が締結、ラクス・クラインやカガリ・ユラ・アスハなどの若き指導者の下で世界は復興の道を歩み始めた。 戦争は終わった、だが世界は未だに平和とは程遠い。 世界を裏から管理してきた秘密結社〝ロゴス〟の壊滅による経済の混乱、横行するテロや海賊行為……例を挙げればきりが無い。 そして不均衡のしわ寄せは、全て力を持たない弱者に向けられる。 戦争が終わっても「戦い」は終わらない、「敵」は一向にいなくならない。 しかしそのおかげで――「戦い」が無くならないから、「敵」がいなくならないから、シン達軍人は生きていけるのだが。 今回アスカ隊に与えられた任務は、軍縮の影響で閉鎖された北米大陸中央部の軍事施設、スペリオル元基地を拠点に近頃活発な活動が目立つ、とあるテロ組織の壊滅である。 その思想から旧〝ブルーコスモス〟の流れを汲むと思われるこの組織は、主に大西洋連合の元軍人で構成され、モビルスーツなどの兵器も多数保有しているという。 中には比較的新型の機体も複数確認され、その辺りから連合と何らかの繋がりがあるのではと考えられる……が、そういう邪推を巡らせるのはシン達の仕事ではない。 シン達軍人の為すべき役目は「敵」の殲滅、それ以上でもそれ以下でもないのだ。 ただ、「その範囲」で……気になることはある。 「――やっぱり解りませんね、ヤマト隊長」 粛々と進む作戦会議の最中、キラの説明を遮るようにシンが挙手、席から起立しながら口を開いた。 その瞬間、ブリーフィングルームは水を打ったように静まり返る。 「今回の任務、何であんたが出てくる必要があるんですか? いや、そもそもこの任務自体、複数の隊が合同で行う程の重要性を俺は感じない。 更に言えば、親衛隊の仕事はプラント本国の防衛でしょう、反乱分子の鎮圧は管轄外だ。余計な仕事に首を突っ込む程、あんた達は暇なんですか?」 暗に「自分達だけで十分だ」と主張するシンに、非難と困惑を織り交ぜたような一同の視線が集中する。 シンの発言に小さく頷き、キラは手元のパネルを操作、スクリーンに映像を表示した。 「二十数時間前、スペリオル元基地を連合のテロ制圧部隊が強襲したんだ。これはその時の映像」 キラの説明と共に画面に大きく映し出されたのは、目標らしき軍事施設と空中を飛び交う無数のモビルスーツ。 そして地の底から姿を現わした、巨大な、余りにも巨大な――、 瞬間、画面を焼き尽くす閃光と共に、映像は終わった。 「――戦略装脚兵装要塞、通称〝デストロイ〟。ベルリンを焦土に変えた超大型モビルスーツ、前大戦の負の遺産……って、これは余計だったかな?」 重苦しい沈黙に包まれたブリーフィングルームに、キラの声だけが淡々と響く。 「アスカ隊長の言う通り、ただのテロ組織の掃討に複数の部隊を投入してる程ZAFTも暇じゃない。 だけど〝デストロイ〟は一機いるだけで大きな脅威だ、野放しにしておけば酷い被害が出てしまう」 「……そのための、この無茶な編成ですか? 最小限の戦力で最大限の成果を挙げるために」 神妙な表情で問うシンに、キラも無言で首肯した。 過去の大戦において〝デストロイ〟と交戦経験があり、尚且つ現在まで生き残ったパイロットはごく僅かである。 シンとキラ、そしてルナマリアの三人は、その「ごく僅か」に生き残った〝デストロイ〟との交戦経験者だった。 またシンとキラはプラントが誇るトップエースであり、それぞれが率いる部隊も精鋭揃いである。 そのため普段から多忙を極める両部隊であるのだが、シンの指摘する通り、管轄が違うためこの二部隊が合同で任務に当たるなど本来ならばあり得ない。 しかし今回、その無茶が押し通された。 それだけ司令部も今回の件を重要視しているということだろうか、それはシンには分からない。 分かる必要も、ない。 シン・アスカがキラ・ヤマトへ抱く感情は、それはもう複雑極まりないものがあった。 家族を殺し、護ると誓った人を殺し、親友や尊敬する議長をも殺した〝フリーダム〟のパイロット、自分から全てを奪ったあの男は憎んでも憎みきれない。 しかし実際に会って話した生身のキラは、どこまでもお人好しで、どこかぼーっとしていて、あと鈍感で……別の意味で、憎めなかった。 おまけにスーパーだか何だか知らないが、二度の戦争では数々の伝説を残す程の活躍を見せ、隊長職の激務にもあっさりと順応した完璧超人。 しかも軍人として正規の訓練を受けていないにも関わらず、である。 一体どうやってつき合えば良いのか、教えてくれる奴がいたら是非とも教えて欲しかった。 もっともシンの私怨を除外すれば、前線での活動を主任務とするアスカ隊と、ラクス・クラインの護衛とプラント本国の防衛を担当するヤマト隊との接点は皆無に近しい。 そう、二人の接点など殆ど無い筈なのだが、共通の知人(シンにとっての元上司、キラにとっての幼馴染)の紹介で知り合って以来、プライベートの交流が惰性的に続いている。 共通項であったアスラン・ザラはオ―ブ軍に正式に移籍し、結果的にキラを押しつけられる形となったシンは、〝あの時〟の邂逅に元上司の陰謀を感じずにはいられなかった。 三年前のオ―ブ・オノゴロ島、岬に建てられた慰霊碑の前で、シンはキラに引き合わされた。 いきなり「〝フリーダム〟のパイロットだ」とアスランから紹介されて戸惑うシンに、キラは笑って手を差し伸べた。 幾ら吹き飛ばされても自分達はまた花を植える、と。 だから一緒に戦おう、とも。 そう言って差し出されたキラの右手を、シンは迷いながらも握り返した。 だからシンは、ここにいる。 あの時の選択が正しかったのかどうかは今のシンには分からないが、たとえ間違いだったとしても、シンは過去を悔むつもりは無い。 もう二度と、後悔はしないと決めたから。 ――と、まるで現実逃避でもするように過去の思い出に浸りながら、シンはハンガーに格納されるモビルスーツをぼんやりと眺めていた。 ミーティングの結果、デストロイ――というかテロ組織のモビルスーツは全てシンとキラの二人が相手をすることになった。 その隙にルナマリアを中心とした別働隊が敵の拠点に突入、中のテロリストを一網打尽にするというのが今回の作戦である。 「君も無茶な作戦を考えたね、シン」 「これが一番効率的で、尚且つ上の連中が喜ぶやり方でしょう?」 いつの間に格納庫にやって来たのか、背後で苦笑いを浮かべながら口を開くキラに、シンは振り返ることなく淡々と答えた。 シンの返答に、キラも「まぁね」と肩を竦める。 部下達の手前、会議中に口に出すことはなかったが、実のところ〝デストロイ〟が一機程度ならばシンやルナマリアだけでどうにでもなる。 寧ろ人手不足が深刻な今のZAFTならば、アスカ隊単独での任務完遂を求めるだろう。 にも関わらず、司令部は任務の助っ人にヤマト隊を派遣し、しかも「両隊長はモビルスーツで出撃せよ」という特命まで下った。 恐らく上層部が望んでいるのは示威行為、圧倒的な〝力〟を見せつけて交渉を有利に進めることだろう。 それが地球との外交に使われるか、或いは旧ザラ派やデュランダル派などの非クライン派勢力相手に利用されるか、もしくはその両方か――それはシンには分からない。 たが一度命令を受けたならば、上が期待する以上の働きをしてみせるのが軍人の義務である。 自分が戦うことを望まれているのならば、徹底的に薙ぎ払ってやろうではないか。 そしてそのためには、周りを飛ぶ〝仲間〟の存在は邪魔であると言わざるを得ない。 だから取り払った、全力で暴れて味方を墜とすような真似はしたくなかったから。 それはキラにも同じことが言える。 キラの専用機である〝ストライクフリーダム〟は火力・機動性共に史上最強と謳われる高性能モビルスーツである。 それ故に親衛隊で――否、ZAFTで〝ストライクフリーダム〟と連携出来るパイロットは存在しない。 ただ一人、シン・アスカを除いて。 皮肉な話だった……戦争中は互いに憎み合い、幾度となく刃を交えて殺し合った宿敵同士が、今や唯一背中を預けて飛べる〝仲間〟となっているのだから。 「……僕達は、何をやっているんだろうね」 格納庫に整然と並ぶモビルスーツを見上げながら、キラが自嘲するように口を開いた。 「戦争が終わって三年が経つけど、未だ戦いは終わらない。僕達は何を手に入れたのか、本当は何が欲しいのか。 僕達は花を植えているのか、逆に吹き飛ばしているのか。それすらも分からないで、ただ我武者羅に戦っている」 「……何が言いたいんです?」 苛立ったような声と共に振り返るシンに、キラは哀しそうに嗤いながら言葉を続ける。 「デュランダル議長が最期に言ってたんだ。混迷する世界を避ける道を、しかし誰も選ばない。人は忘れ、繰り返すって。 僕達は――僕は『明日』を望んで、戦う道を選んだ。変わらない毎日は嫌だったから、『明日』は変わるって信じてたから。 それは僕のわがままだったのかな、傲慢だったのかな。時々自分が怖くなるんだ、あの時の選択は正しかったのかなって」 「――甘えるなよ、キラ」 硬い声音に、キラは弾かれたように面を上げる。 気がつけば、シンの真紅の双眸がキラを真正面から見据えていた。 「〝デスティニー・プラン〟を――戦いの無い世界を否定したあんたが、俺から全てを奪ったあんたが、今更議長を肯定するのは俺が許さない。 戦うって決めたなら、最後まで戦い抜け。それが正しいとか、間違ってるとか、そんなのは関係ない。今更迷ったり逃げたりするのは、卑怯だ」 「シン……」 突き放すようなシンの科白に、キラは動揺したように目を見開き……そして自嘲するような笑みを浮かべて小さく吐息を零した。 「そっか、そうだね……ごめん、ちょっと甘えてた」 「解れば、いい」 素直に謝るキラにぶっきらぼうな言葉を返し、シンはばつが悪そうに顔を背けた。 「その代わり……」 「え?」 顔を背けたままぼそぼそと何かを口にするシンに、キラは怪訝そうに首を傾げる。 「――その代わり、あんたが戦い続ける限り、あんたが花を植えるのをやめない限り、俺があんたを護ってやる」 「――っ!」 今度ははっきりと聞こえたシンの科白に、キラは思わず息を呑む。 格納庫で向かい合う二人の青年を、二体の鋼鉄の巨人が見下ろしていた。 片方は青い翼を背中に生やした白い刃金の天使――キラの愛機、〝ストライクフリーダム〟。 そしてもう片方、背中に大剣を背負うもう一体のモビルスーツは……赤かった。 頭部から爪先まで、まるで血のような真紅で染め上げられている。 〝インフィニットジャスティス・トゥーソード〟――それがシンの今の機体の名前だった。 アスランが軍を除隊し、乗機である〝インフィニットジャスティス〟がZAFTに返還される際、彼は愛機の次の搭乗者にシンを指名した。 その願いを受け入れ、ZAFTは〝ジャスティス〟を大幅改修して完成したのが、この〝トゥーソード〟である。 両腕はかつての愛機〝デスティニー〟のものに換装され、背部リフタ―左右には対艦刀を装備、他にも随所に改修を施されている。 かつてのアスランの愛機は、今や完全にシンの〝相棒〟となっていた。 「あんたは花を植え続けろ、花畑は俺が護る。俺と〝ジャスティス〟が、あんたを護るから」 「――心強いよ」 決意に満ちたシンの言葉に、キラも覚悟を決めたように頷いた。 三年前、後に〝メサイア戦役〟と呼ばれる最終決戦で、シンはアスランの駆る〝ジャスティス〟に敗れた。 その時、シンと〝デスティニー〟は謎の光に包まれ――ることもなく、〝デスティニー〟は月面に墜落。 シンはルナマリアに救助され、戦闘終了後にアスランに回収された。 もしもあの時、違う世界に飛んでしまったら……そんな夢を、見ることがある。 ――紋章機を駆る銀河の天使になり、宇宙の平和のために戦う夢を見た。 ――時空管理局の魔導師となり、次元世界の平和のために戦う夢を見た。 ――人間掃討軍の幹部として、獣人を率いて地上の人間と戦う夢を見た。 ――救世主候補の仲間と共に、根の国を脅かす〝破滅〟と戦う夢を見た。 様々な自分でない自分の夢を見た、色々な〝自分の可能性〟を夢に見た。 しかし所詮それは夢に過ぎない、現実のシンはここにいるのだから。 この世界で、生きているのだから。 『明日』を探して、戦い続けているのだから……。 ――そんな、夢を見た。 ――To be continued... 前に戻る 次へ進む 一覧へ
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登録者1 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント ふしぎなふしぎな魔女のキッチン(るっち=レオ=春花) コース名 - 絶対の魔女による夢色フルコース オードブル(前菜) ☆バーボンハウス鯖2143番地「4鯖合同トーナメント・バーボン鯖予選村」☆ 村人勝利 まずは「おばけカボチャのイエローマリネ」です。 基本RPのラムダであることといい、一番私らしいログをまずは召し上がってくださいませ。 なお、シェフは時々砂糖と塩を間違えるため、完成品はとても甘くなっている可能性がありますがご容赦のほどを …… スープ ☆猫又鯖822番地「初心者歓迎放送村」☆ 引き分け 「涙の真珠色スープ」。 トラウマのスパイスがきいているために少々人を選びますが、シェフはこの一品で諦めない心を学びました。 諦めない限り、幸福は『絶対』に訪れるのです。 …… 魚料理 ☆翠星石鯖2692番地「【翠1995】やる夫たちの普通村」☆ 人狼勝利 「紅白小魚と白黒小魚の一口フライ」。 隠し味に先程のスープを使用しました。 勝負は最後までわからないもの。 土俵際の粘りをどうぞご賞味ください。 …… 肉料理 ☆わかめて鯖80126番地「第625回うみねこ散 るっちさんのフラグ村」☆ 人狼勝利 「桃色兎のオレンジソースかけ」。 対抗即抜きしかやったことがない狼騙りによる初めての信用勝負。 荒削りな部分もありますが、とくと召し上がってくださいませ。 …… メインディッシュ ☆わかめて鯖83988番地「第744回うみねこ散 アイコン追加記念兎杭村」☆ 妖狐勝利 「生地はこんがり狐色の具沢山ピッツァ」。 このゲームをやりはじめたきっかけは「人狼のなく頃に」という動画に憧れたからでした。 「大好きなラムダデルタで狐勝利をしたい!」という目標を夢に掲げ、人狼を続けてきました。 そして今、魔女にはその権限が与えられた。 夢の結末を、どうぞご賞味くださいませ。 …… サラダ ☆バーボンハウス鯖2725番地「土曜のお昼ふうつ村」☆ 人狼勝利 「緑茶の香りがする和風サラダ」。 ここらで馬鹿馬鹿しいお笑いをひとつ。 さっぱりとした香りでホッと一息ついてください。 人狼だけでなく、なにをするにしても楽しんでやるのが一番です。 …… デザート ☆猫又鯖1414番地「深夜に超・闇鍋生放送村」☆ 村人勝利 「ホワイトチョコレートフォンデュ」。 星の数だけある色とりどりの具材に、切ない恋の味がするチョコソースをたっぷりつけてお召し上がりください。 …… ドリンク ☆猫又鯖1738番地「夜の普通村」☆ 人狼勝利 最後は「王道の紅茶」で喉を潤してください。 ハラハラドキドキのギリギリ勝利だけではなく、スマートな勝ち方もできるのです。 …… シェフからの一言 魔女に憧れて人狼をはじめたポップでキュートな私のフルコース、いかがかしら? このページを見ているあなたは、味見役の実験台よ! え、誰に食べさせるための料理かって? そんなの、愛しのベルンに決まってるじゃなーい♪ 名前 コメント 登録者3 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント 登録者4 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント アークさん コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント 登録者6 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント 空木さん コース名 - 前衛的人狼芸術 オードブル(前菜) 翠4099番地――人狼勝利 ……まずはあっさり目の10人村。初手で崖下に落とされた(吊られた)でっていうを踏み台に人狼は勝利する――ある意味様式美。 スープ 四条121番地――人狼勝利 ……初心者村での一幕。言葉の端を読んで、一撃で狩人を撃ち落とす。 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 「野獣の殺し合いではなく、もっと、こう……一つ作りたくなる奴が良かったのだ……」 名前 コメント 登録者8 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント 登録者9 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント 登録者10 コース名 - 未定 オードブル(前菜) 番地 …… スープ 番地 …… 魚料理 番地 …… 肉料理 番地 …… メインディッシュ 番地 …… サラダ 番地 …… デザート 番地 …… ドリンク 番地 …… シェフからの一言 名前 コメント
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とりあえず攻略。 後半にHP SP増やすのにはうってつけのようなので、ね? 最短かどうかはわからないけど、ね? あと大量に作る方法です、はい まずは何がどこでとれるのか説明を ゴールデン果実・・・雪山、大地 もしかしたらほかにも・・・ないか? ゴールデンヘラクレス・・・草原、砂浜 もしやほかn(ry ゴールデンホエール・・・砂浜 もしやほk(ry 金の卵・・・草原、雪山 もういわないぞ で、まずはヘラクレスからとろう 草原と砂浜があるが、草原のほうがとりやすいのでお勧め 橋を渡った先にいるが、ふつうのカブトの確率が高いので、洞窟と行き来しましょう で、そこにいる電伝虫を捕まえるとまれに金の卵を落とすとか・・・ 私はめんどくさいのでとってません とらなくても支障はないのでご安心 で、行ったり来たりした後にヘラクレスをたくさん捕まえたら倉庫へ(容量は開けといたほうが吉) で、次に果実と卵 まず雪山へ行き(え?だれか大地のほうがとれるって言った?) 最初のザコで左へ 雪の足場(水に浮いてるやつ)へいきザコを倒して氷を破壊する 先にマジン兵がいるので倒す で、その先に岩があり金の卵らしきものがある(歩きすぎると海賊と戦うはめになるのできをつけて) るふぃでダッシュジャンプからの風船(ため ためないと引き寄せられない)をする ゲット!これを何回も繰り返す(めんどいけど で、ある程度たまったら戻り、最初のザコのとこでこんどはまっすぐに で、バズーカ海兵などがいるところで凍った木があるのでそこで果実入手 ただ、取れないときもある そこが取れないと・・・ほかはどこだろう(おい まあ・・・うん すいません そこでたむろしてたくさんとったあとはいよいよ島影を取りに 砂浜で洞窟先、キノコでジャンプ、細い砂浜で敵を倒したあとに登場! 釣り方は攻略情報の釣り参照 あとは集まったものを料理したら 上手に焼けました~!で、あげる 終了。(え まあこれしかないけどすいません 追記 電伝虫がおとすのは卵ではなく果実のようです