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俺たちが、変態だ。 ○お知らせ○ ※お知らせの更新履歴 4/1 色々と項目追加 19d2f0f6_1238914880018.jpg 壊れる日々に射す、優しい光 二年前のアフリカ国際音楽ホール爆発テロ事件。 この事件から苦しくも生還を果たした少年、櫻井雪。 彼はとある夏の雨の日に、一人の少女と出会った。 先天性の病を患う少女、小日向比奈 数奇なる因果に結ばれた二人が出会った時、彼らの中で止まっていた時が、再び動き出す―― ※直接書きなので、色々と粗が目立ちます、随時修正予定。 名前 コメント
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弓道場を後にした星光(シングァン)は、すがすがしい気分と、曇った心を 同時に抱いていた。訓練の後はいつもこんな気分なのだ。自分を待ち受けてい るであろう書類の山を想像するとぞっとする。 自室へ戻ると、案の定机の上には書類が山と積まれていた。しかし、文句を 言うわけにもいかない。帝や月光(ユェグァン)の机にはこの倍をゆうに超え る量が置かれているのだ。 星光が腹をくくって椅子に座ったとき、突然囁く声が聞こえた。『殿下、少 しお時間を頂けますか?』 『彼ら』は用があるときはいつもこうだ。星光は頷いて言った。 「構わん。参れ」書類の山を後回しに出来ることならなんでも大歓迎だ。 星光の背後に、ストン、と何かが着地する音が聞こえた。振り向くと、見慣 れない小柄な男がひざまずいていた。予想を裏切られ、星光はすっと短刀に 手を添えた 「貴様、刺客か?」すると、男は落ち着いた様子で言った。「いいえ。殿下 の盾です」 それを聞いて、星光は首を傾げた。現在星光に仕える盾は二人で、そのどち らもこの者より大柄だ。やはり見覚えは無い。 「貴様、『名』は何だ?」星光が問うと、男は口を開いた。 「蒼豹(ツァンバオ)と申します」 そう言って、顔を覆っていた覆面を外し、星光に顔が見えるようにした。 星光が男だと思っていた相手は、身の丈160を少し超えた程度のやや大柄な女 だった。 星光は、盾の名を聞いて、自分が数日前に、盾の長、金龍(ジンロン)に極 秘に命じ、盾を一人増やしたことを思い出した。盾は女だと聞いていたが、 低い声と覆面のせいで分からなかったのだ。よく考えれば、刺客ならば 紅兎(ホントゥ)と紺鮫(ガンジャオ)がとっくに取り押さえているはずだ。 「そうか。お前が俺の新しい盾か。」星光が言うと、蒼豹は静かに言った。 「は。命を賭してお守り致します。」 それを聞くと、星光はふっと笑って言った。「俺の為に命なぞ賭けるな。 まぁともかく、死なない程度に守ってくれ。」それを聞いて、蒼豹は 少し黙っていたが、結局それには答えず、さっと一礼して言った。 「失礼致します。」 星光が『盾』の方を見たときには、そこにはすでに蒼豹の姿は無かった。 NEXT 7話
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「・・・・・・」 「お、気がついたか?」 俺が目覚めると、声をかけてきた者がいた。 鳳凰 零(ほうおう ぜろ)。本来の名は別にあるらしいが、基本的にこの名を名乗っている、不死鳥の青年である。 「帰っていたのか?」 「『大賢者』に、至急もどれって言われてな」 俺の問いに、零はうなずく。 「しかし、しゃれにならんことになっているようだな。あんたが止められないなら、ほかの連中じゃ手におえんだろう?」 「まあな。一部を実体化させたに過ぎない今の状態では、何度やっても結果は同じだろう」 俺は『王』と呼ばれる、『世界』そのものが力の一部を実体化させた存在である。基本的に『王』は自分の『世界』にしか実体化できないが、俺は長年の研究の末に異世界にも実体化させることができるようになったのだ。ただし、普段は霊体で(他の事情もあって竜の守護例をやっていた)、使える力も極端に制限される。 しかし、実体化が維持できなくなるほどダメージを受けたのは予想外であった。 「それで、奴は?」 「無差別に街を破壊した後、休眠状態に入る、ということを繰り返しているわ。幸いなのは活動時間が一日のうち5,6時間程度であること。戦闘になればまだ早く休眠状態にできる。ただ、休眠状態では一切の攻撃が通用せず、しかも直前に無作為転移するって問題があるけど」 零の問いに答えたのは、竜の母、天界神 ミナであった。 彼女の姿を見たとたん、零は一歩後退した。ミナも零と同じく不死鳥なのだが、零はミナを苦手としているらしい。『一歩後退』は以前から比べるとだいぶましになっている。 「いたんですか?」 「いたわよ」 ミナは一見笑顔だが、目が笑っていない。『一歩後退』は見逃してはもらえないだろう。 「やはり、止められるのはあいつくらいか。死神たちから連絡は?」 それをあえて見なかったことにして、俺はミナに問いかけた。 「死神王も動いているけど、まったく見つからないようね。どこかに閉じ込められていると考えていいわね」 死神たちの役目は魂の回収。今回の一件の要因となった、魔女も例外ではなかったのだが、死神が魂の回収に向かった時にはすでに消えていたらしい。以来、行方不明となっている。 先ほど俺が言ったように、竜の暴走を止められるとすれば彼女くらいだから、その魂が見つからないのはかなり怪しい。 いや、それ以前におかしいことがある。 死神たちを統括する、死神王は、必然的に人(だけではないが)の寿命を知ることとなる。その死神王が言っていたのだ。 「彼女はあの場で死ぬはずではなかった」 と・・・・・・。
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例えば今までの仮定を否定してみる。 今まで「それ」を人間という生命の形をした存在として仮定して考えていた。 今回はそれを否定し、全く別の存在として扱い考える事にする。 つまりは人間としての大きさや、質量を別のものと仮定する。物理法則を全て無視するのは次の機会にするとしよう。 まず最初に「それ」の情報を整理してみよう。 壹、「それ」は一度も視界に入れて見て、確認した事がないので、大きさと形は一切不明である。 貮、「それ」は背中から声を必ず掛けてくる。 參、「それ」は私と会話出来ている。つまりは「ヒト」としての言葉が使える。 肆、「それ」は私より高い声を出しており、性別で言えば女性という仮定が有力である。 伍、「それ」は家から離れても付いてくる事が出来る。 睦、「それ」は移動中の音が一切無い。 漆、「それ」は私の近くに他人がいる時は一切発言をしない。 捌、「それ」は他人も見る事が不可である。 玖、「それ」は夜になると活発に発言してくる。 拾、「それ」は食事をしていない。 こんなところだろうか。 それでは仮定を開始する。 まず「ヒト」である仮定を無くしたことから、いくらでも大きさの仮定を変化出来る。大きさは私の後ろに常駐出来る事から、最大で私の部屋に収まるくらいだろう。高さは三米以内、幅は仮定しにくく、移動も出来る事から最大で一米あれば十分だろうか、最小で言えば須臾以下だろうと考えられる。だが、流石にここまで小さいのは仮定しかねる。何故なら「それ」の言葉は明らかに鼓膜で聞き取っているのだ。テレパシーでも使わない限り、そんな小さいものの音なんて拾う事が出来ないだろう。 次に何故背中からなのかという点。ただ単に姿を見せたくないだけなのだろうか。それ以前に「それ」は背中にどのように移動しているのかという事を考える。もし「それ」が本当に極少の小ささで、背中にひっついているのだろうか。小さいのであれば重さは確かに感じる事も無く、後から声を掛ける事も可能であろう。そして続けて「ヒト」としての言葉が聞こえる点。これはかなり現実離れしているが、宇宙人なのだろうかも知れない。宇宙人なら声を変える技術だってあるだろう。 ……まあ流石にこれは無いとして次だ。 声は女性と決めつけてしまうのもあれだが、確かに高い声で、男性には出せない高さである。もし男性だと仮定するならば、声変わりをしていないか、子供であるとも言える。と、普段は仮定するが、今回は「ヒト」以外である。これも宇宙人……なんて事は言えず、全く見当もつかない。 次に纏めて言ってしまうが、「それ」は私がどこに行こうが、一人きりになってしまえば、話しかけてくる。これは「それ」を私しか確認する事が出来ない為、「それ」が他人から私が変な人に思われないようにと思っての行動なのだろうか? それなら外出時は大人しく留守番でもしてほしいものである。そして移動は家にいる時と同様音が聞こえない。背中にべったり付いているのであれば、浮いていない限り足音が多少聞こえるはずだ。確かに屋外なら他の人の足音などが邪魔をして聞こえないかも知れないが、屋内であれば聞こえるはずなので、これは浮いているのか、先ほど仮定した、背中にひっついているかのどちらかだと仮定する。 次に夜になると活発に声を掛けてくる。まあ私としては夜にテレビを見て一緒に会話する相手というのはいいものだと思うのだが、これも疑問でもある。朝よりは夜の方が頻繁に声を掛けてくる回数が増えるというのも、何か訳があるのか、それとも私に声を掛けるには何か条件でもあるのだろうか? 最後に食事ついて、「それ」は食事を一切取らずに存在を確立している。生命というのは何かしら糧がないと存在を維持出来ないものである。それを考えれば「それ」は食事以外の何かで糧を作っているのかも知れない。 「ふぅ」 私は一口分残っていたコーヒーを口に含み飲み干し、片付ける為に立ちあがる。 「ねぇ」 今回も「それ」は何も発てずに声だけを掛けてくる。 「何?」 私はキッチンでコップに付いたコーヒーの後をスポンジで擦り落としながら答える。 「楽しい?」 ある意味難しい質問をして来る。 「普通」 いつものようにあしらう。 「私との会話は?」 「楽しいわよ」
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人々が行き交う、名もない無法地帯の街。 活発な町並みの裏には、住む所を失った人間が犯罪を繰り返す汚れた世界が広がっている。 住宅街にある一軒家の前に、二人の少年少女が行き着いた。 そして一人の少年がうなだれながら呟く。 「・・・きちまった・・・。」 そう、彼は食欲に負けたのだ。 半ば強引に連れてこられ、最終的には自分から付いていく形になってしまったのだ。 「どーぞ?入って。」 そう言うと、少女は家の扉を開け少年を案内する。 「・・・座って。」 テーブルと椅子がある部屋へと案内された少年は、少女の言う通り木製の椅子に腰掛けた。 辺りを見渡せば、広い部屋に数枚の写真が飾られている。 「・・・お前、親は?」 幸せそうに写る三人の家族の写真を見て、少年が少女に問いかける。 「・・・殺されたわ。あなたが持ってる・・・疑心刀を狙う奴らにね。」 「・・・疑心刀?」 少年が少女に再び問いかける。 「・・・知らないの?」 持っていた荷物から食料を取り出し、少年が腰に携えている刀を指差した。 「・・・あなたが持ってる刀の事よ。それがどんな刀か・・・知らないで使ってたの?」 「・・・。」 疑心刀。 今まで刀の名前に興味を持たなかった少年にとって、初めて聞く名前だった。 「・・・見た所、かなり強い『憎しみ』が入ってるみたいだけど・・・。」 今はもう錆びれた刀を見て、少女が言う。 「知ってる・・・?疑心刀って、人間の強い感情が刀に入り込んだものなのよ?」 「・・・人間の感情?」 「うん、強い感情がそのまま刀に宿るの。・・・その人の命と引き換えにね・・・。」 「・・・!」 突然、少年が何かを確信したかのように自分の腰にある疑心刀を手に取った。 「・・・そう・・・か・・・。」 悲しい表情で、疑心刀を見つめる少年。 そして次第に、その表情が憎しみの表情に変わっていく。 「・・・どうしたの?」 「・・・十年前・・・。」 「・・・え?」 突然、口を開く少年に、少女が少し戸惑う。 「・・・十年前・・・、俺は親に捨てられた。・・・二歳上の姉と共に。」
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年明けたからって 何かが変わるわけではない ただ挨拶して 餅食って おせち食っているだけ 何がそんなに そこまでめでたいのだろう 去年が何事もなく 終わったから? 身内が死んだところも あるじゃないか 新しい出会いが 自分たちを待ってるから? 過去に縋り付くやつも いるじゃないか 別に 過去を忘れて 「初めまして」と 言うわけでもなし ただ 時間が一定の周期を回った たったそれだけの ことなのに なんでそんなに めでたいのだろう なにがそんなに めでたいのだろう
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広大なこの地上で 僕らは何処へ行けるのか 広すぎて広すぎて 行ける範囲が少なくて それに虚無感を覚えて 大きすぎて大きすぎて 行けるところが多すぎて それに迷いを覚えて いつしかくるくる回って くるくる過去の二の舞を 犯.すのか間違えるのか わからないわからないわからない 思考回路と行動は こうして静かにショートを起こす
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自分が嫌い 自分は悪い子だから 嘘をすぐに出して それを本当と思ってくれる人がいて それを信じてくれても 良心が痛まないのです 自分はいつも仮面を被っています。 とても冷たい 仮面を それを本当の自分の顔だと思ってくれる人がいても 良心が痛みません 自分には大切な人がいます でもなぜでしょう やはり彼女にも仮面を被って話しています 簡単に嘘を吐き 簡単に裏切りそうで それでも それでも なぜか良心は痛みません 自分は嫌いです なぜか? 自分は普通じゃないからです 自分はおかしいからです 自分は良い子になれないからです 自分は 本当の仮面の無い自分を 忘れてしまったからです――
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朝は光 闇から抜け出せず ずっと苦しみ 道に迷っているあなたのために 光を運ぶ鳥でいましょう 夜は闇 孤独に震え ずっと悲しみ 泣いてるあなたのために 美しくそばで舞う蝶でいましょう たとえ この想いが届かなくても 愛されることがなくても わたしはあなたを 『見守っています』
https://w.atwiki.jp/shousetsu/pages/325.html
キミが望むなら 心なくとも 操り人形になろう そう決めたんだ 思いのままに わたしを動かして キミの前でひざまづき お辞儀をする そうすれば キミは笑顔で 『かわいい僕の操り人形』 って抱き締めてくれる キミの命令には 逆らえない 惹かれてしまったから 楽しませたいから だから もっとわたしを 虜にして下さい キミの思いのままに