約 5,322,382 件
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概要 短剣スキルで修得する特技の1つ。 敵一体に通常攻撃と同等のダメージを与え、更に一定確率で即死させる攻撃。 DQⅧ ゼシカが【短剣スキル】を22ポイントまで上げると習得する特技。消費MPは8。 ただし当然ボスに即死は発生しないし、仕様上メタル系にも効かない。残念。 短剣スキルを100ポイントにすると【ライトニングデス】に進化する。 2回攻撃で2度即死判定が起こるので、即死に期待するなら【キラーピアス】か【はやぶさのけん】を装備するといいだろう。 DQⅨ 【短剣スキル】を58ポイントまで上げると習得できる特技。消費MPは3。 性能自体はⅧと変わらないが、メタル系にも通用するようになっている。 同じく、即死に期待するならキラーピアスを装備すると有効。 敵では【アサシンエミュー】が使用してくる。 DQMJシリーズ、テリワン3D 【アサシン】のスキルで習得する。初代ではまだれんぞくと○○ブレイクがなかったので、あまり使えなかった。 ザキブレイクとれんぞくを持ったモンスターなら上手く扱える。 テリワン3Dの【キラーストーカー】(れんぞく6回)が最も上手く扱えると思われる。
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空を、見上げていた。 場所は町外れの廃教会、その敷地内。 放置されて久しい庭園で一人の少女が立ち尽くしていた。 両側で結んだ黒髪に眼鏡を掛けたその少女――――神長香子は、ぼんやりとした表情で宙を眺める。 彼女の視界が映しているのは夜空だ。 夜闇に瞬くは無数の星々。 一欠片の光達は天の海から世界を見下ろす。 (こんなに、綺麗だったんだな) こうして静かに空を眺めたのは何年振りだろう。 組織の暗殺者として活動して以来、静かに星を眺める暇なんて無くなっていた。 幼い頃、級友達にからかわれた時のことを思い出す。 私は昔から『落第生』だった。 周りからはからかわれて、馬鹿にされて、いつだって独りぼっちだった。 そんな私をいつも支えていてくれたのは、イレーナ先輩。 落ちこぼれの私を常に気に掛けてくれて、何度も慰めてくれた優しい人。 ――――こんな星空を眺めながら、二人で色々語らった時もあったかな。 だけど、もうその人はいない。 自分が死なせてしまったのだから。 (…聖杯、か。夢のようだな) 最後の晩餐に用いられた杯。 イエスの血を受けたとされる聖遺物。 それと同じ名を冠する奇跡の願望機こそが、この戦いにおける報酬だという。 まるで御伽話のような話だ。 だが、自らの望みを思い出し、サーヴァントを召還した時点から確信していた。 全て現実であるということを。 物心ついた頃には、孤児院を装った暗殺者の組織で育てられていた。 来る日も来る日も、殺しの為の技術を磨いていた。 拒否権は無い。逃げ出すことも出来る筈が無い。 そんな組織の中で、私は落ちこぼれだった。 人殺しなんてしたくなかった。 だから私は実力を伸ばすことが出来なかった。 それ故に、優しかったイレーナ先輩を不手際で死なせてしまった。 『暗殺なんて本当は向いてない方がいい』。 かつてイレーナ先輩が口にしていた言葉が脳裏を過る。 始めから、人殺しの技術なんて磨かない方が良い。 誰かを殺す為の人生なんて、捨て去りたい。 一度は黒組というチャンスがあったというのに、私はそれを掴み取ることが出来なかった。 もう誰も殺したくはない。 その為にも『聖杯』が必要だ。 ――――人を殺して足を洗うなんて、矛盾していないか? (…お前の言う通りだろうな、東。 だけど、今の私にはそれしか手段が無いんだ) かつて相対した『一人の暗殺者』の言葉もまた、脳裏に蘇る。 暗殺から足を洗うべく、私は組織を抜け出した。 だが、組織の追手は変わらず私を攻め立てる。 過去は蛇のように私を追い立ててくる。 遅かれ早かれ、いずれ刈り取られるのが関の山だ。 たった一人で生き延びることなど、到底無理だろう。 しかし、聖杯の力さえあれば全てを終わらせられる。 私の生涯を築いてきた『過去』を振り払える。 「主よ、御気分は如何ですか」 思考の最中、背後から聞こえてきたのは男の声。 突然の呼びかけに少し驚いてしまったが、すぐに冷静な判断を取り戻す。 声が耳に入るまでその気配に全く気付けなかった。 ―――――これがサーヴァント、暗殺者“アサシン”の隠密能力か。 そのまま私はすぐに振り返る。 視線の先には、白い髪を靡かせる長身の男が立っていた。 その両手には死神を彷彿とさせる二本の鎌が握られている。 「大丈夫だ…もう落ち着いてきた」 「それは安心致しました」 会釈をするサーヴァントを見据えつつ、私は右手の甲をゆっくりと撫でる。 そこに浮かぶのは痣のような十字架の紋様。 この聖杯大戦における、マスターとしての証。 「戦う覚悟も…お決めになられましたね?」 「無論だ。私は、私の為に聖杯を勝ち取る」 「フフフ…それならば良かった。この姫橘もまた聖杯を求める所存。 貴女が決断しなければ此方も困り果てていた所でした」 慇懃無礼に笑みを浮かべる男を見据える私の表情は、冷ややかなものだっただろう。 この男の願い、そして真名は聞いた。 日本において知名度が高いと言える英雄だった。 そして男の抱える『歪み』を知った私が感じたのは、哀れみ。 殺意を切り捨てたいのに、人を殺すことでしか生きられないサガ。 ただ普通の人間として生きたいのに、狂気から逃れられない感情。 ある意味私と同じなのかもしれない。 だからこそ、私のサーヴァントとして召還されたのだと思う。 しかし、私はこの男を心から信用することが出来ないらしい。 (こいつは、油断出来ない) 暗殺者として劣っている私でさえ、この男は危険だと理解することが出来た。 こいつは単なる狂気に犯された破綻者じゃない。 歪な精神の中に狡猾さを隠し持つ、毒蛇のような殺戮者だ。 それに――――――この男は、裏切りを促進する保有スキルを備えている。 暗殺者としての特性を生かせば、私を抹殺することさえ容易いかもしれない。 故に、決して油断しない。場合によっては令呪の使用も辞さない。 (だけど、決して失敗はするものか。私はこの男を――――アサシンを使い、勝ち残る) 不敵な笑みと共に霊体化した男を尻目に、私は首にぶら下げるロザリオを握り締める。 イレーナ先輩の唯一の形見。そして、私をこの月に召還したモノ。 これが最後のチャンス。 誰も殺さない人生を得る為の、最後の戦い。 過去と決別する為に行う、最後の殺人。 (この戦いが、最後の『暗殺』だ) ――――拙き暗殺者“アサシン”は望む。 ――――この戦いを以て過去を断ち切り、人として生きることを。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アサシンのサーヴァント、明智光秀。 天下統一に最も近いとされていた戦国大名「織田信長」の重臣。 本能寺の変を起こし、志半ばの信長を討ち取った謀反人。 香子に限らず、日本人ならば殆どの者がその名を知っているだろう。 尤も、香子らが知る『明智光秀』とは少々異なる存在ではあるが。 彼は、殺戮と加虐に快楽を見出す狂人。 愛を求め、普通の人間としての生を渇望する狂人。 相反する欲望を同時に抱えてしまった、破綻者。 (私は…人間になれなかった…慈悲深き僧侶『天海』としての道を歩んでも… 結局、あの御方への執着を捨てられなかった…狂気を断ち切れなかった…) 彼は過去を追憶する。 織田信長の忠臣として、殺戮の限りを尽くした。 数え切れぬ程の血肉を。殺戮を。死を。 常に間近で眺め、その身で味わってきた。 常に主の手足となる残忍な処刑人として戦場を駆け回っていた。 そして、その果てに主を裏切った。 主が苦痛と屈辱に悶える姿をこの目で見る為に。 血塗れた殺戮の日々と決別する為に。 ―――――だが、矛盾を抱える彼が変わることは出来なかった。 ―――――最期の最期まで、信長への執着を捨てられなかった。 この狂気から逃れたい。 この苦悩から逃れたい。 真っ当な人間に、成りたい。 それが彼が聖杯に託す望み。 (この戦が、最後の晩餐です) 願望機を手に入れれば、望みは完全に果たされる。 ならば最後の宴は心行くまで楽しまなくてはならない。 そう、快楽の限りを尽くさなくては。 見納めとして、全ての欲望を吐き出す。 切って。 貫いて。 引き裂いて。 嬲って。 踏み躙って。 殺して。 殺して。 殺して。 殺して。 ――――――存分に、殺し尽くす。 (天の海の彼方にて照覧あれ、信長公。 この姫橘、奇跡の願望機を手にし、人と成ります――――――!) ――――歪な殺戮者“アサシン”は望む。 ――――この宴を以て狂気を断ち切り、人として生きることを。
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アサシンの特徴として、コンボ攻撃が繰り出せる事が挙げられます。 しかし、そのコンボ攻撃は、ある一定の法則に従わなければ その性能を発揮できません。 ということで、アサシンのスキル使い方講座!! 例として、PvPテンプレにある メランドルファング(R/A)のスキルを用いて説明します。 セットされているスキルは↓コレ。(他はアサのスキルじゃないので割愛) 1:ジャグストライク 2:フォックスファング 3:オックスホーン 4:フォールスパイダー 5:ツイストファング 1つずつスキルを見ていきましょう。(ダガーマスタリー12の場合) 1:ジャグストライク リードアタック:攻撃が成功した場合、ターゲットした敵は8秒間「出血」状態になります。 スキルグラの右上に線が1本入っているのは、そのスキルがリードアタックであることを示します。 2:フォックスファング オフハンドアタック:このスキルは、リードアタックの次に使用します。このスキルはブロックや回避されることがなく、攻撃が成功した場合は18の追加ダメージを与えます。 スキルグラの右上に線が2本×に入っているのは、そのスキルがオフハンドアタックであることを示します。 スキルグラの左上に線が1本入っているのは、そのスキルをリードアタックの次に出さないとならないということを示します。 詳しい使い方については後述します。 3:オックスホーン デュアルアタック:オフハンドアタックの次に使用します。攻撃が成功した場合、27の追加ダメージを与えます。また、攻撃した敵が味方に隣接していない場合、その敵は転倒します。 スキルグラの右上に※印が入っているのは、そのスキルがデュアルアタックであることを示します。 スキルグラの左上に線が2本×に入っているのは、そのスキルをオフハンドアタックの次に出さないとならないということを示します。 4:フォールスパイダー オフハンドアタック:転倒中の敵に対して使用します。攻撃が成功すると31の追加ダメージを与え、ターゲットした敵は17秒間「毒」状態になります。 このスキルは、オフハンドアタックですが、左上に線が何もありません。 つまり、リードアタックやデュアルアタックに続けて出さなければならないわけではないということです。 その代わり、転倒中の敵に対して使用しなければ、効果がありません。 5:ツイストファング デュアルアタック:オフハンドアタックの次に使用します。攻撃が成功した場合、18の追加ダメージを与え、その敵は17秒間、「出血」および「重症」状態になります。 スキルグラの右上に※印が入っているのは、そのスキルがデュアルアタックであることを示します。 スキルグラの左上に線が2本×に入っているのは、そのスキルをオフハンドアタックの次に出さないとならないということを示します。 以上が、スキルの説明です。 次に、具体的な使い方についてです。 まず、相手の生命バーの以下の状態を「通常状態」と呼ぶ事にします。 この状態の敵に対して、スキルグラの左上に何らかの線が入っているスキル(2・3・5がそれにあたる)を発動させても、以下のように、 ミスになってしまいます。 つまり、スキルグラの左上に描かれている線に対応するスキルに続けて出さないと、意味がないということです。 ちなみに、ミスしてもエネルギーはしっかり消費します( A`) では、通常状態の相手に対して、リードアタックである1のジャグストライクをしてみます。 すると、以下の状態になります。 1の効果である出血を表す下矢印と、 その右にリードアタックが入っている事を示す線が1本入っていることがわかると思います。 この線は、続けてコンボや再びリードアタックを入れない限り、大体15秒弱で消えます。 また、ターゲットの敵を切り替えても消えてしまいます。 つまり、コンボ技を出す際は、一人の敵に集中している必要があるということです。 この状態が続いているうちに、2のフォックスファングをしてみます。 すると、以下の状態になります。 線が2本の×印になったことがわかります。 これは、現在相手に対してオフハンドアタックが入っているという事を示します。 この状態が続いているうちに、3のオックスホーンをしてみます。 すると、以下の状態になります。 線が※印になったことがわかります。 これは、現在相手に対してデュアルアタックが入っている事を示します。 これで3コンボの出来上がりです。 さらに転倒するので、その間に4のフォールスパイダーを入れると、このようになります。 また、1→2→5とコンボを決めると、このようになります。 補足として、リードアタックのスキルはいつでも有効です。 相手の状態をリードアタックに戻したい場合は、リードアタックのスキルをかましましょう。 以上、アサシンコンボの使い方でした。
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SEQUENCE 7 『城の鍵』 - 150x年xx月・ローマ ◆Memory-1 「漏れを止める」 敵を一掃して盗賊ギルドの場所を知られないようにし、狐と一緒に盗賊を助けに行く盗賊ギルドを守る 狐の後を追って盗賊の所へ行く 盗賊を助ける 狐の後を追って盗賊の所へ行く 盗賊を助ける 狐の後を追って盗賊の所へ行く 盗賊を見つける 盗賊を助ける フル・シンクロ条件 - 体力ブロックを5つ以下にしない ◆Memory-2 「代役の名は」 ミケロットをつけ、野外劇の舞台を確認し、アサシンの弟子を劇中に潜入させる方法を見つけるローマの東門でミケロットを探す ミケロットを尾行し舞台を探す ミケロットの部下を見つける アサシンの弟子を使ってターゲットを始末しミケロットの尾行を続ける ミケロットを尾行し舞台を探す ミケロットの部下を見つける アサシンの弟子を使ってターゲットを始末しミケロットの尾行を続ける ミケロットを尾行し舞台を探す ミケロットの部下を見つける アサシンの弟子を使ってターゲットを始末しミケロットの尾行を続ける ミケロットを尾行し舞台を探す フル・シンクロ条件 - 弟子にターゲットを暗殺させる ◆Memory-3 「退場」 気づかれることなくコロッセオに忍び込み、ミケロットに殺される前に役者のピエトロを見つけて助け出す見つからずにコロッセオを登る 銃兵を倒し、舞台裏へ向かう 舞台裏で変装した弟子と合流する 変装した弟子を舞台まで護衛 怪しまれないよう芝居中の適切な立ち位置を見つける 怪しまれないよう芝居中の適切な立ち位置を見つける 怪しまれないよう芝居中の適切な立ち位置を見つける ミケロットを見つけ倒す フル・シンクロ条件 - 銃兵以外は殺さない ◆Memory-4 「介入」 毒に侵されたピエトロをコロッセオ外の医者に連れて行き治療を受けさせるピエトロを医者まで運ぶ 逃げる盗賊を追い、捕まえる 狐がマキャヴェリを殺すのを止める フル・シンクロ条件 - 泳がない ◆Memory-5 「就任式」 クラウディアと血盟の盟友を塔へ誘う 実績 / トロフィー「血の日曜日」取得 シークエンス7・補足 >>>シークエンス8へ Sequence 7開始直後開始年月不明 美術商で新しいアイテムがアンロック 新コントラクトがアンロック 盗賊ミッションが追加盗賊ギルドで狐と話す メールが届く。アニムスから出てメールをチェック10/01/2012 12 40AM Memory 2のフル・シンクロ条件の「弟子にターゲットを暗殺させる」は弟子に殺させても時々失敗することがある。弟子が暗殺に手間取ると失敗になると思われる。弟子の行動に左右されるのでコレといった対策は無いが、失敗する確率は高くはないので数回やればフルシンクロ成功させることが出来るはず。最後のターゲットが3人の所では矢の嵐を使うと確実。 Memory 2~4は連続ミッション Memory-3「芝居中の適切な立ち位置」はタカの目で探す Memory-3 「退場」終了後ミケロットの肖像画を入手 >>>シークエンス8へ
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APO/S53-068 カード名:“凶行”黒のアサシン カテゴリ:キャラ 色:青 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》・《霧》 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札を上から1枚見て、山札の上か下に置く。 【自】 このカードがリバースした時、このカードのバトル相手のコストが0以下なら、あなたはそのキャラを山札の下に置いてよい。 R:うん! SR:でも、また魔術師が来てくれたみたいだよ レアリティ:R SR Fate/Apocrypha収録 CIPでのデッキトップチェック、コスト0以下相討ちを持つレベル1。 同じくレベル1の相討ち持ちである“玉座の間”赤のアサシンと比べると、コスト1のキャラを倒せない点で劣る。 一方で倒した相手を山札の下に送ってしまうのは凶悪。 手札アンコール・クロックアンコールを許さず除去できる上、1枚分の逆圧縮にも繋がる。
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【アサシンの武具・カード売買のページです】 売)デッドリーダンシング×3、ソニックブレード、アポカリプス×4、シャドースタブ×2、シャドークラッシュ×3、シャドーウンド×2、フェイタルウェーブ、クリムゾンターピュランス、サドンラッシュ、ディストレーションオブレイジ×5、クロークオブシャドー、ソニッククロス×2 値段は相談して決めましょう -- D・Lion (2009-03-29 01 09 26) 売) アポカリプスC、ディストレーションオブレイジCx2、サドンラッシュC, -- グロ (2009-03-29 13 00 48) 売)クロークオブシャドーC あります。 -- グロ (2009-03-29 13 01 36) 売)サドンラッシュ、クロークオブシャドー -- ルティ (2009-04-16 07 54 21) 名前 コメント
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本当にほしかったものに気づいたのは、命が尽きる間際のことだった。 それは目の前にあった。ただ、見ていなかっただけだった。 あの形で人生を終えたことに、悔いは無い。 だがもし、もう一度やり直せるというのなら……。 ◆ ◆ ◆ 「……これが僕という、愚かな男の人生だ。暇潰しくらいにはなったかね、アサシン」 町外れの廃ビルの中で、一組のマスターとサーヴァントが顔をつきあわせていた。 マスターの名は、伊東鴨太郎。 ここではないどこかの世界の日本で自分の所属していた組織を乗っ取ろうと企み、そして死んでいった男だ。 たしかに死んだはずの彼は、いかなる奇跡か気が付けばこの冬木の地にいた。 ちぎれ飛んだ腕を始めとして、傷は完全に癒えていた。 そして混乱する伊東に与えられたのは聖杯戦争の知識と、アサシンのサーヴァントだった。 「世界が一つじゃないってのは、英霊になってから得た知識で知っていたが……」 これまで伊東の身の上話を黙って聞いていたアサシンが、ゆっくりとしゃべり出す。 「世界が違っても、似たようなものは出てくるんだな。 『しんせんぐみ』の近藤、土方、沖田か……」 「まったくだ。僕もあなたの真名を聞いて、心底驚いたよ。 世界の壁を越えてまで、また土方という名前の男と出会うとはね」 そう、アサシンの真名は土方歳三。 新撰組の副長として幕末にその名をとどろかせた男である。 そして、伊東の好敵手と非常によく似た名前を持つ男でもあった。 「まあ、これも何かの縁だ。仲良くやろうぜ、マスター。 俺はあんたの名前にいい思いは抱けねえけどなあ」 「まあ、名前はともかく……。仲良くはやっていきたいと思う。 生前……と言っていいのかはわからないが、かつての僕は他人との絆をものにできなかった。 それを手に入れれば……違った生き方ができる気がする」 「甘っちょろいこと言ってやがるなあ。これから殺し合いやるんだぜ、俺たちは。 そんなんで本当に大丈夫かよ」 辛らつな言葉を吐く土方。しかし、その顔には笑みが浮かんでいた。 「まあ、あんまりきついこと言うのも可哀想か。話を振ったのはこっちだしな。 仲間同士で信頼を深めるのは、何も悪いことじゃねえ。 とっさの連係が必要になることもあるだろうしな。 勝つために、やれることはやっておくべきだ」 「勝つために、か……。そうだな、僕は勝ちたい。 本来死人であるはずの僕が願いを叶えようとするなんて、おこがましいのかもしれないが……。 それでも僕は、やり直せるものならやり直したいんだ」 「やり直す……」 土方は、ふいに天井を仰ぐ。 (もし、もう一度やり直したとしたら……俺たちは勝てるのか? 新撰組は壊滅せずに済むか? いや、おそらくは無理だ……。しょせん俺たちは、時代についていけなかった連中だ。 仮に無理やり勝たせたとしても、それは日本の未来を歪めることになる。 高確率で、悪い方にな……) 土方の口元が、自嘲に歪む。 「何か……?」 「いや、たいしたことじゃねえ。ちょっと考えの整理をな」 不安げな伊東に対し応える土方の顔は、すでに平静を取り戻していた。 「とにかく、俺は戦って勝つことが目的だ。聖杯はおまえさんが好きに使えばいい」 「ああ、遠慮無くそうさせてもらおう」 「それじゃまあ……改めてよろしく頼むぜ、マスター」 土方が、無造作に手を差し出す。 伊東は少し考えたあと、その腕を取った。 (もう少し早く、こうして他人の手を取っていれば……。 いや、それは今思うべきことじゃない。 それをやるために、僕は戦うんだから) 伊東鴨太郎の新たな戦いが、ここに始まる。 【クラス】アサシン 【真名】土方歳三 【出典】史実(日本・幕末) 【性別】男 【属性】秩序・悪 【パラメーター】筋力:B 耐久:C 敏捷:C 魔力:E 幸運:D 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:C 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 軍略:C 多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に有利な補正がつく。 仕切り直し:B 戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻し、技の条件を初期値に戻す。 同時にバッドステータスの幾つかを強制的に解除する。 拷問技術:A 卓越した拷問技術。拷問器具を使ったダメージにプラス補正がかかる。 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 【宝具】 『誠の旗』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:200人 新撰組隊士の生きた証であり、彼らが心に刻み込んだ『誠』の字を表す一振りの旗。 一度発動すると、かつてこの旗の元に集い共に時代を駆け抜けた近藤勇を始めとする新撰組隊士達が一定範囲内の空間に召喚される。 各隊士は全員が独立したサーヴァントで、宝具は持たないが全員がE-相当の「単独行動」スキルを有しており、短時間であればマスター不在でも活動が可能。 また、隊士によっては魔剣の域に達した剣術を使用可能なため、総合的な攻撃力は高い。 ちなみにこの宝具は新撰組の隊長格は全員保有しており、 効果は変わらないが発動者の心象によって召喚される隊士の面子や性格が多少変化するという非常に特殊な性質を持つ。 土方が使用した場合は、拷問などの汚れ仕事を行ってきた悪い新撰組として召喚される。 【weapon】 「和泉守兼定」 生前からの愛刀。特殊な力はない。 【人物背景】 幕末の京都を守護した「新撰組」の副長。 厳しい規律で隊士を統率し、「鬼の副長」と恐れられた。 戊辰戦争においては各地を転々としながら終盤まで新政府軍に抵抗を続け、最後は函館・五稜郭にて戦死することとなる。 なお今回はアサシンでの召喚ということもあり、おなじみの浅葱色の羽織ではなく黒い着物を着用している。 【サーヴァントとしての願い】 勝利を味わう 【マスター】伊東鴨太郎 【出典】銀魂 【性別】男 【マスターとしての願い】 真撰組入隊時から、人生をやり直す 【weapon】 無銘の日本刀 【能力・技能】 頭脳は優秀。剣術の腕もかなりのものである。 【人物背景】 真撰組入隊からわずか1年で、参謀という地位を手に入れた人物。 他の隊士たちが苦手な外部との交渉を一手に引き受け、局長の近藤からも篤く信頼されていた。 幼少期は文武両道の神童であったが周囲からは嫉妬しか向けられず、次男であるがゆえに両親からも冷遇されて育つ。 それ故に歪んだ自己顕示欲が膨らみ、自分の力を他人に認めさせることに固執するようになった。 敵であるはずの攘夷志士・鬼兵隊と手を組んで真撰組の乗っ取りを企てるが、元より鬼兵隊からは捨て駒としか見られておらず、まとめて始末されそうになる。 その中で裏切り者の自分を守ろうとする近藤の姿に自分が真に欲していたのは「他者との絆」であること、 そしてそれはすでに真撰組の中にあったことを知る。 しかしその時にはすでに致命傷を負っており、最後は土方によって裏切り者ではなく仲間として葬られた。 【方針】 聖杯狙い。
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月読ジゼル&アサシン ◆CKro7V0jEc ♪~ ナレーション:ともさかりえ かつて山奥の村で起こった血なまぐさい連続猟奇殺人事件。 七人目のミイラを名乗る殺人犯が作り上げた幾つもの死体の山は、今も異人館村こと六角村で怨念を放ち続けていると言われている。 十人以上の人間の血を啜った飢え渇いたミイラは、一人の少年の活躍によってその殺人の連鎖を終え、深い眠りについた。 しかし、まだあの殺人マシーンはどこかで生きているという噂が人々の間で囁かれていた。 それは、ただのありきたりな噂なのか、それとも……。 ◇ 今宵、聖杯戦争の舞台となるこの月上──その一角の教会で、同じ世界の二人の人間が互いの姿を見合わせずに会話していた。 片や、飾り気のない髪型で、遊びを感じさせない顔付の男。彼は祭壇に肩を乗せて寄りかかっている。 片や、ゴスロリ衣装を身に纏ったロングヘアの少女。彼女は、そこと向かい合える最前列の席で俯いている。 一方がマスター、一方がそのサーヴァントであった。 同一世界の出身者である事だけではなく、二人はある一本の線で結びついており、それがまたお互いに厭に会話を弾ませていた。 「あの金田一の知り合い、ねぇ……」 アサシンの英霊──飾り気のない髪型の男、六星竜一は、自らのマスターである月読ジゼルの全身を、厭らしい目つきで見流してからそう言う。 何も、彼はジゼルに性欲を感じているわけではなかった。それは、彼の捻じ曲がった人間性が、相手の嫌がる行為を本能的に行った結果なのである。 彼の本能下では、それなりの形の良い女性を見たとしても、性欲よりも、征服欲が優先されるのである。──殺人マシーンとなった時から、そのように書き換えられたのだ。 その強い欲に身を任せ、ジゼルを不快がらせようと、このように迫るような目つきでジゼルを眺め見下ろしている。 そうしなければ、マスターに余計な反抗をされ、サーヴァントの自由が束縛されかねないという危機感もあるだろう。 効果はあるようで、ジゼルは目線を斜め下にそらして、小刻みに震えながら爪を噛んでいる。怯えている女性のしぐさだ。元々、気が弱い性質らしい事も手に取るようにわかった。 「……知り合い、と言っても、先ほど申し上げた通り、私にとってあまり良い思い出のある相手ではないわ」 震える声でそうアサシンに言うジゼル。先ほどから、ずっとこの調子で二人は話している。 滅多に合致しないであろう共通項を持ちながら、両名ともに相容れない形の性質であったのだ。 その「共通項」の実行において、アサシンは快楽を覚え、ジゼルは不快を覚えた。だからこそ、これからまたそれを行う事にジゼルは怯えているのかもしれない。 「そりゃあ、俺にとってもそうさ……。"ローゼンクロイツ"さん」 アサシンとジゼルは、────「殺人犯」という境遇で共通していたのである。 ローゼンクロイツは、ジゼルがかつて犯罪を行った時の名前であった。 二人の犯罪を見破った男が「金田一一」という少年であったという点も、また奇跡的な共通項であった。 二人は、自らの殺人を隠蔽する方法を見出し、複雑な方法でそれを実行し、「完全犯罪」をもくろんだ天才的犯罪者だった。 まったく、傍から見れば「不可能犯罪」としか言いようのない奇怪な死体を作り上げ、それによって何人かの人間に「復讐」を遂げてきたのだ。 そんな経験のある人間は、世界中を探してもほとんどいないであろう。 その奇跡的な共通項を持ちながら、二人は正反対のタイプであった。 アサシン、六星竜一は、「七人目のミイラ」の名を使って殺人を行い続けた犯罪者である。 とある村に憎しみを抱えた母のもとに生まれ、母の復讐を代行する為に暗殺術を教えられた境遇から、彼は平然と他者を殺す殺人マシーンへと成長を遂げた。 そして、私立不動高校の教師を殺害してその男になり替わり、一年近くも温厚な先生として過ごしつつ、不動高校に通う「ターゲット」に近づいた。 そのターゲットを糸口に、無関係な第三者を装って村の有力者全員を殺害した彼は、まさしく「アサシン」であったといえよう。 月読ジゼルは、「ローゼンクロイツ」の異名を持つ殺人鬼であった。 自らの母を殺された復讐の為、四人の人間を殺害した経緯があるものの、己の殺人には限界も感じている。 こうして、マスターとしてサーヴァントに殺人を一任する形で、母の蘇生を願うのが今回の参戦理由である。 「しかし、あの名探偵の坊ヤがあの後もしっかり名探偵をやってくれているとはな。どれだけ事件に巻き込まれれば気が済むのかね、あの坊ヤも……」 「……あの少年はそういう天命を持った星の下に誕生したのよ。何でも、偉大な名探偵の孫だとか……」 金田一一という男はあくまで普通の男子高校生として生きているが、実際はその血筋に特異な点が存在する。 彼の祖父は、日本で知らぬ者はいない偉大な名探偵なのである。 その苗字から、その名前を察する事ができるだろう。ゆえに、何か事件が起きたとなれば、祖父譲りのその頭脳は凄まじい速さで回転する。 世の中の多くの犯罪は、彼がその場に居合わせるだけで大抵解決されてしまうのである。彼自身が殺人事件の現場に偶然居合わせてしまう事もそう珍しい話ではなかった。 金田一少年を自分のフィールドに招き入れてしまった二人は、軽率であり不幸であったといえるだろう。 アサシンは笑った。 「天命、ねぇ……そいつはケッサクだ。それなら、あんたも同じだろ? なぁ」 「……」 ジゼルは黙秘する。 血縁が天命であるならば、ジゼルもまた同じだ。 ──彼女は、金田一と敵対する犯罪コーディネーターの異母兄妹にあたる人間だった。 ジゼル自身は自らの血縁者に犯罪者がいる事実を生理的に嫌悪しているのだが、一方では、自分が「復讐」を行う上で彼の存在が勇気にもなっている。 しかし、やはりここでまた無関係な人間を殺す事に、一切の抵抗がないわけでもない。 マスターの願いの為に、サーヴァントを使役するというシステムは、彼女にとって最も理に適った手法だ。 それがこんな殺人マシーンであるなら、余計に勝率は上がるだろう。マスターを殺す戦法に実に合致している。 「俺の親父も狩猟して美しい剥製にするのが趣味だったからな。生物を殺して死体を飾り付ける星ってのがあるなら、見事に俺もそれにあたるわけだ」 まるで、まるで自分への皮肉のようにそう言うアサシンであった。 彼は決して、父親を嗜虐主義者だと思っているわけではなかった。むしろ、もしかすれば己の母の唯一の味方として評価しているかもしれない。 しかし、もしある事件がなければ、父も、母も、自分も、こんな風にはならなかっただろうという確信も持っていたので、「天命」を信じてはいない。 ジゼルは尚も、何も言わなかった。 「まあいいさ。……俺はあんたに協力してやってもいい」 全く反応を示さないジゼルの気を引くかのように、ふとそう言った。 ジゼルは目論見通り顔を上げた。その瞳が、「何故?」と問うていた。 それは、アサシン自体が、他人の目的の為に利用されるような器ではないと思っていたからだろう。 アサシンの性格を知る限り、彼は「芸術犯罪」を好んでも、他者の為に何かをする事はないと考えていたのだ。 しかし、実際には、アサシンのかつての殺人の理由そのものが利己的ではなく、利他的であったのも事実である。 「……母親の為って動機が泣かせるからな」 「ふざけた嘘を……」 「本当の事さ……」 遠い瞳で、過去を見つめるその瞳は、殺人マシーンにしては淡く煌めいていた。 【クラス】 アサシン 【真名】 七人目のミイラ(六星竜一)@金田一少年の事件簿 【パラメーター】 筋力D 耐久D 敏捷E 魔力E 幸運C 宝具C 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 気配遮断:A サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。 彼の場合は、普通の人間に紛れ、サーヴァントとしての本能を隠す事ができる。 マスターのフリをしてマスターに接触し、殺害するといった戦法が可能なレベル。 【保有スキル】 不動高校:A 強力な犯罪者の血と、それに付随する悲壮な過去。 彼の場合は、愛している人間や無関係な人間も含め、十名の人間を躊躇なく殺害する事ができる殺人マシーンとしての特性を持つ。 なり替わり:B NPCをペナルティ殺害し、その戸籍を乗っ取って平然と「人間」として暮らす事ができる。 特に「今度新しく付近の高校に赴任する事になった25歳~30歳程度の高校教師」が有効手である。 顔が変わるわけではないので、殆ど街の人間とかかわりのない人物としかなり替われない。 芸術犯罪:B 殺人に芸術性を求め、死体に何らかの細工を施す趣向。 彼の場合は、「かつての事件になぞらえて被害者の体の部位を大きく切断する」という行動をわざわざ行う(最初のトリックに必要だったとはいえ)。 【宝具】 『七人目のミイラ』 ランク:EX 種別:対人 レンジ:1~5 最大補足:1~20 都合良く殺人事件が起きる『金田一因子』を発動させ、殺人者側としてかなり手の込んだ殺人が何故か都合良く上手くいくようになる宝具。 この宝具は常時発動しており、この宝具によって死んだNPCは「ペナルティ」には抵触しない(聖杯を以てしても止めようがない為)。ある意味究極のバグ。 彼の場合、「直接手を下さなくても勝手に復讐相手が心臓発作で病死する」という高い精度を持つほか、「教会で死体が発見された夜に誰も教会を見張らず寝静まる」(その隙に死体を入れ替える)、「五塔夫人殺害の際にその場に居合わせた美雪が都合よく気を失う」、「集中線まで使って現れた警察が雑魚」、「高校側が何故か新任教師の顔を知らない」という感じで、この宝具をかなり上手に運用している。 サーヴァント自身の低いパラメーターを補う強力な宝具であるが、マスターやサーヴァント自身が死ぬパターンが充分にありえるというのが問題点。 『芸術的な死体』 ランク:B 種別:対人 レンジ:1 最大捕捉:1 父・風祭淳也から受け継いだ、「凄まじい速さで人体を解体して死体に細工する」という特異な力。 彼の父である風祭は、燃え盛る教会の中、ナイフだけで死体×6を瞬時に解体して七人に見せかけるというトンデモない離れ業を行っている(狩猟が趣味で動物の身体構造をよく知っているから…らしい)。 それと同様に「七人目のミイラ」も、死体を切り刻みまくっている。 更に、「刻んだ死体を他人の家の鎧の中に入れる」、「隣で美雪が寝てる中で死体を切り刻んで館ごと燃やす」という行動を行いながら、誰にもバレずにそれを行っており、こうした行為に対する敏捷性が備わっていると考えられる。 『禁断の果実(エデンのリンゴ)』 ランク:B 種別:対作品 レンジ:∞ 最大捕捉:- 他の犯罪者が利用したトリックを無自覚に盗む宝具。 このトリックの運用により、書き手は投下作品そのものが闇に葬られかねないスリルを味わう事ができる。 また、いかに有名なトリックであっても、他のマスターやサーヴァントが「あの小説で使われていたトリックだったから」という理由でトリックを暴いたりはしない。 【Wepon】 ナイフ 【人物背景】 「金田一少年の事件簿」の「異人館村殺人事件」に登場する殺人鬼。 多くの殺人者を輩出した実績のある私立不動高校の教師・小田切進の正体。 普段は温厚な先生を演じているが、「本物の小田切進」を殺害してなり替わり、一年近くも平然と教師を続けてきた 母ともども戸籍がなく極貧生活だった彼がどうやって高校教員レベルの知識を得たのかは謎だが、とにかく物凄く頑張ったのだろう。 実は青森県六角村で生まれた風祭淳也と六星詩織の息子であり、父親の顔は知らず、母親と一緒に暮らしてきた。 詩織はかつて、村にある大麻畑を告発しようとした両親を目の前で殺害され、自らの六人の姉妹と一緒に教会で生きたまま燃やされそうになってしまった過去を持っており、村人に強い憎しみを抱いていた。 生き残ったものの、職と住まいを転々とする極貧生活を、生まれた子供と共に送り続ける母は、もはや復讐に狂う殺人鬼となり、愛する人との間に生まれた子供・竜一さえも復讐の道具に利用したのである。 竜一は、そんな母によって、殺人術・格闘技などを教え込まれ(詩織はどこで殺人術を学んだんだ…)、感情のない殺人マシーンとして育てられる。 「お前は母さんの代わりにあの連中に復讐するんだよ…お前はあいつらを殺す為に生まれてきたんだから!!」 そんな彼は、さまざまな殺人術を仕込まれた上で、「最後の仕上げ」として母を殺す事を命じられた。 涙ながらに母親を殺した後は、半ば感情を失い、「何人殺しても何も感じなくなった」と言っている。 小田切進を殺害して不動高校に赴任したのはその後で、六角村の名家の娘・時田若葉をターゲットにする為に赴任した。 若葉を利用する為にひとまず恋愛関係になって近づくも、ラブホテルから出てくる瞬間を激写され(六星の自演)、若葉の父親が怒って政略結婚させるために村に帰すところから物語は始まる。 六星は金田一一、七瀬美雪とともに六角村に行き、そこでザルすぎる村人たちの監視を乗り切って、時田若葉、草薙三子、一色寅男、五塔蘭を殺害。兜霧子も若葉を教唆して殺害。復讐相手の一人である時田十三はこいつの凶行で娘を殺されたショックからか、心臓発作を起こして勝手に死んだ。 さらには、金田一に真相を明かされて手詰まりと思われた段階からも、兜礼二、連城久彦を殺害。美雪を人質にしたり、金田一を猟銃で撃ったりと大暴れした。 最終的に、父である風祭に殺害されるが、風祭は大麻畑を燃やしつつ、寄り添うようにして自害。 その結果、この事件では、金田一、美雪、俵田(警察)、モブを除く、全ゲストキャラが見事全滅した。ここまでやったのは、20年以上の歴史ある金田一少年の事件簿でもこいつだけ。 今シリーズでも彼に次いで異常な犯罪者である遠野英治、的場勇一郎もそれぞれ同じ不動高校の生徒と教師なので、もしかしたら高校内ですれ違った可能性さえある。そう思うと恐ろしい。 人を虫けらのように殺す犯罪者としての側面を持ってはいるが、普通に育っていれば心優しい素直な人間に育っていたようで、若葉にはだんだんと愛情が芽生えていた模様。 母や若葉を殺害する時には涙を流しており、殺人マシーンとなりながらもどこかで他人を愛していたようにも見える。 メチャクチャ撃たれた為に死んだかと思われていたが、「金田一少年の一泊二日小旅行」にて生存していた事が発覚。 六星に一瞬でやられた警官二名が実はメチャクチャ強い警官だった事や、連城が実は既に百人殺している殺し屋だった事が判明し、その耐久性や戦闘力の高さが化け物じみている事が明かされた。 この設定を流用すれば、サーヴァントとして身体能力込みでそこそこ強い事になる。 ちなみに、以上の内容は全て、「金田一少年の事件簿」の事件のネタバレになるので、本編を読んでから読むように。 【願い】 不明であるが、他のマスターやサーヴァントを殺すつもりである。 【マスター】 月読ジゼル@金田一少年の事件簿 【マスターとしての願い】 母の蘇生。 【能力・技能】 詩人として活躍するすぐれたポエムの才能。 人間の体を杭で撃ちつけ、貫通して床まで叩きつける女性離れした腕力(その後、その杭を軸にして部屋のカーペットを糸で引っ張って回転させているので、超人的な筋力の持ち主と思われる)。 館を一つ吹き飛ばす爆弾や毒薔薇を調達する行動力。 薔薇やギリシャ神話などに詳しい博識ぶりは高遠に評価された。 また、今回の登場人物ほぼ全員が有名な指名手配犯の顔を見ても気づかないのに対し、彼女だけは一目見て高遠だと気づいたので、ニュースも人並みにわかるはず。 【人物背景】 「金田一少年の事件簿」の「薔薇十字館殺人事件」に登場する殺人鬼。 「ローゼンクロイツ」という名前を名乗って薔薇十字館で連続殺人事件を発生させた。 本名美咲ジゼル。月読は親戚の名前であり、詩集を出した時のペンネームである。 表向きは、青い薔薇を見に薔薇十字館にやって来た花詠みの詩人であり、年齢は20歳。巨乳。18歳の時はショートヘアだが、20歳の時点ではロングヘア。お風呂に入る時は髪を結ぶ。 常に黒いゴスロリを着ており、「蝶のように飛んでまいりました」などというアレな自己紹介をする。回想ではメイド服も着ており、その恰好のまま外出している場面まである。ポエムや服装は演技でも何でもなく、素。 回想シーンでも痛いポエムを読んでいたり、何故かギリシャ神話に詳しかったり、おそらくは、元からそういう人なのだと思われる。 かなりの美少女であるにも関わらず、美女に弱い金田一に避けられるレベルであり、「俺の苦手なプッツン系」と言われた。 殺人事件の真っ最中でも空気の読めないポエムを読み続け、「うるさいのよあんたっ!」とキレられた神経の持ち主。 美少女なのに残念すぎて登場人物ほぼ全員に嫌われてしまう可哀想な子。 実は、シリーズ最大の黒幕・高遠遥一の異母兄妹である(物語の開始時点で、「高遠の妹がこの中にいる」と言われていたが、23歳の高遠より年下なのがこの子しかいないので、結構バレバレだった)。 お互いにそれを知らずに生きてきたが、あるきっかけでそれを知る事になる。 2年前、新種の青い薔薇を完成させた母・美咲蓮花(ちなみに母子家庭)と共に、薔薇の博覧会の為にローズグランドホテルに宿泊。 その際に、青薔薇を盗もうと企んだ皇翔、小金井睦、祭沢一心、禅田みるく、冬野八重姫の五名が、ホテルを放火し、鉢合わせた蓮花を衝動的に殴って気絶させた。 その結果として、蓮花はジゼルとドア一枚を隔てて焼死してしまい、ジゼル自身も背中に十字型の火傷を負ってしまう。 母が遺した五つの燃えた薔薇を頼りに、「薔薇の名前がつく宿泊者」を探しだし、彼らに復讐する事を決意。 最初に皇翔を殺害した時点では、彼女には殺人への抵抗感もあったが、殺人の直後に、自分の兄が指名手配犯の高遠遥一である事を知り、「自分は殺人犯と同じ血を持っているのだから殺人ができるはず」と強く自分に念じる事になる。 そして、今回の事件の罪を全て兄に被せる為に高遠を薔薇十字館に呼び、ついでに金田一がついてきてしまった。 復讐相手のうち、冬野八重姫を除く全員を殺害した後、「全員が一つずつ薔薇の名前が入っている名前なのに、ジゼルだけ二つ薔薇の名前が入っている」という金田一の難癖によって犯行が発覚。 この事件自体は久々のグロ死体や本格推理の舞台設定で、近年の作品にしては評価が高いものの、歴代トップクラスの難癖推理でもあり、ジゼルが「何となくそう思っただけ」と言えば言い逃れられるような状況証拠ばかり金田一が指摘している。 逆に、毒薔薇で八重姫を殺害しようとした決定的瞬間を抑えられた時には、「私が薔薇を振り上げたのは放たれた殺人鬼に命を狙われる恐怖を薔薇に込めて詠んでみたくなったからですわ」という斜め上な言い逃れをしている。 物的証拠は全て、「館の中にある指紋や髪の毛を後で警察が調べればいい」という投げやりっぷりであるが、それをカバーするかのようにすかさずジゼルは、館を爆破する起爆スイッチを取りだそうとする。 …が、高遠の活躍でそれは回避され、高遠の催眠術で気絶したジゼルは金田一必殺の説教を受ける事もなく、そのまま逮捕されてしまった。 「あんたの母親は復讐なんて望んでいなかったはずだ!」とか言おうにも、母親本人が思いっきり手がかりを残して復讐を助長してしまっているので言いづらいのだろう。 ドラマ版では、藤井美菜が演じており、金田一の説教はちゃんとある。 もし金田一単独なら解決できず、そこに美雪や警察勢が加わっても判明しなかった可能性が高いので、歴代犯人でも結構強力な部類。 ・女湯の中でも、裸を見られるのを極端に嫌がり、事件の鍵となる背中ではなく体の前を隠す ・解決シーンでも、「男湯を覗いたわけでもない限り、あんたはこの事実を知らないはずだ」と言われて恥ずかしそうにする(この追求も難癖だが) ・重要な証拠はスカートの中、爆弾の起爆スイッチは胸元に隠している(「これで調べられないだろっ!ヘヘン」とか思っていたのかもしれない) ・男性である高遠に対して身体検査をしない といった描写から、メチャクチャうぶである可能性が高い。そのため、高い確率で処女と思われる(自己検証)。 作中描写を見ていくと、両利きの可能性が高い(自己検証)。 ちなみに、この事件ではほぼ言葉の端を抓まれて犯行が発覚してしまったが、その一部はわざわざ言わなくても良かったようなポエムである。黙っていればバレなかったかもしれない。 ついつい余計な事を迂闊に喋ってしまうのは彼女の弱点の一つだろう。 その他の弱点としては「火が怖い」という点が挙げられる。 これは先述の火災によるものであり、火事になるとトラウマが再発して「お母さんっ!お母さんっ!」と叫んでパニックになる。ドラマ版では「オ゙ガ゙ア゙ザ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ン゙」に改変されている。 そんな深いトラウマがあるにも関わらず、館を爆破して証拠を隠滅しようとする点は流石の執念といえよう。 ちなみに、以上の内容は全て、「金田一少年の事件簿」の事件のネタバレになるので、本編を読んでから読むように。 【方針】 アサシンと一緒に勝ち残って母を蘇生させる。 アサシンは、殺人においても芸術性重視。しかし、秘匿しておきたい死体はなるべく隠す。
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人が人を殺す事は、悪だ。 現代においてそれはもはや常識である。 地球上でほぼ全てといっていい数の人間が、当たり前の知識として知っている。 人の死は何も生まない。 誰かを傷つける行為。悲しませ、苦しませ、痛めつけ、最終的に何もかも無くさせる手段。 これらは許されぬ事。罪深き事。公にされ、裁かれるべき業である。 何故。何故、人を殺す事は悪とされるのか。 テレビのニュースで。新聞の見出しで。途切れなく多くの殺人が報道される。 映し出される、涙に暮れた遺族。被害者の名を悲嘆げに叫ぶ友人。 内容が残酷であるほど人々は憤り、非難の声は集中する。 何故か。簡単な話だ。 それは"善人を殺したから"だ。 多くの人に愛され、親しまれて暮らす一般人。 そんな人が恨まれ、殺される道理など存在しない。 存在しない道理によって殺される。それこそが悪だ。 道理なき殺人こそ悪の正体であり、裁かれなければならない犯罪なのだ。 人が文明を築いて数千年。 21世紀に入った現代社会で、人が人を殺す事を許されている例は三つのみとなった。 それは戦争による犠牲。 人類の歴史と常に共にあって、今も何処かで流れ続けている流血。 悪と定め、起こしてならないと口を揃えて禁忌としているのに、戦争が止む日は未だない。 国の利益。民族の尊厳。個人の信念。 それらは正しい。どれも手にする権利がある、肯定されるべき概念だ。 だが世界の全てで、各々の意見を折り合わせるには人類は増えすぎた。 複数の正しさはかち合う。百人の幸福には等量の不幸が百人に降り注ぐ。 幸せを追い求めて、正しさを知りたくて、けれど取り分は予め決まっていて。 だから人は他人を悪とした。 心を殺さず戦場で生きるには、敵を人間(同胞)と思ってはいけない。 前線に立つ誰かは言う。「戦争で人が死ぬのは仕方がない」。 皮肉ではなく本心から、誰かはそう思った。 それは法律による処刑。 人を裁く役目を人でも王でもないシステムに委ねる。 現代で法治国家と呼ばれる構造。 犯罪者は警察に捕まり、裁判にかけられ、罪に応じた罪を課せられる。 世界中の国家で、それは法によって定められている。 そして余りにも罪が重い者が出れば、法は殺人を許可する。 生きている事で償いにならない。更生の余地、反省の色が見られない者に、死刑判決を下す。 法律の規定に準じ、人を殺す行為を公的に認められるのだ。 あるいは、法律のひとつである正当防衛。緊急避難。 人は自身と他者を襲う危機から身を守る権利があり、それによって襲った人間を殺したとしても重い罪には問われない。 他者を犠牲にして自分の身を助けても、状況を加味すれば許されるカルネアデスの板。 法は状況によっては、人を死なせる事を咎めない。 私情で揺れ動かず、擦り減る心もない理想の支配。 この瞬間、人は背負ってきた罪のひとつから解放されたのだ。 それは、あるいは―――― まだ人の文明が発展途上の頃。そこでは当然のように認知されていた存在。 健康管理の不届きの病死。雷や地震の自然現象の事故死。 歴史に現れる暴君の死の原因に、高次元の意思を見出す試み。 幾つかの偶然が重なり、因果が絡まり、それが起きた時。 人は喜びを以て迎え、その行いを責めるどころか称賛する。 天の裁きと呼ばれる、絶対の死の運命を人は易々と受け入れていた。 先の時代の者が見れば、無知な様を滑稽と笑うだろう。 だが現代の中ですらそれを信じる者はいる。 見る者も感じる者もいないのに、いると伝えられるだけで"在る"もの。 神と呼ばれる、法を超えた域による殺人だ。 ◇ ◆ 『……昨夜未明、新都の宝石店で強盗殺人の容疑で捜査中の◯◯容疑者が路地裏で遺体の状態で発見されました。 遺体は首を切断されており、鋭利な刃物で寸断されたとされ……』 自宅で家族一緒に朝食を取る最中には不釣合いなニュース。 父は何かの使命感を秘めた目でニュースの文面を見据え、母はそれを心配そうに見つめる。 だが息子である夜神月(ライト)はそれを気にした風もなく聞き流しながらトーストを口に含んだ。 『見ての通り、仕留めた』 『ああ、ご苦労だった、アサシン』 家族の誰にも聞こえない男の声に、やはり彼の中でしか聞こえない領域で応える月。 念話という、契約したサーヴァントと精神対話を可とするスキル。 他者に映らない相手との付き合いは心得ている月にとって、不自然さを見せることのない習得は容易なものであった。 『暫くは情報収集に努めよう。本格的に始まれば派手に騒ぐ連中も出てくるだろう。自分で手に入れたものじゃない力で舞い上がった奴なんてそんなもんだ。 そうして絞り込んだ相手が孤立したところで、君をぶつける』 『了解した。お前が特定し、俺が裁く。理想的な役割分担だ』 そうして秘めやかな会議が行われる中、画面には被害者の過去の犯罪歴が挙げられ男の凶悪さを説明している。 現代ではそうお目にかかれない怪死に住民は困惑こそするが、同時に誰もが思っているだろう。 たとえ口に出すのを憚れるとしても。犯罪者といえど殺人は罪であると、公然の知識を弁えていても。 望んでいる者がいる。往来をはばかりなく歩く罪人の死を。 そしてこう呟くのだ。裁きが下った、因果応報だ、と。 『召喚に応じた以上、俺の用途は全てお前の自由だ。道具として存分に使え』 『分かってる。お前が僕のサーヴァントなのは一番の幸運だよ』 幸いにして自分のサーヴァントは予想を超えて従順だ。英霊というにはリュークのような一筋縄ではいかない人格と思いきや、このサーヴァントは遥かに従順であった。 だがそれも、サーヴァントの真名を知る月にとってみれば違和感ではない。 なにせ自分が契約した英霊は戦場での勇猛果敢で名を馳せたのでも、人類の発展に貢献する偉業を為したのでもない。 『ただ、人を殺し続けた』。 戦でも功利でも恐怖でもなく淡々とそれを続けてきただけでしかないのだから。 人魂を思わせる蒼の髪。眉目秀麗ながら冷血冷淡の極みにある相貌。 纏う黒服はかの悪名高きナチスドイツの制服。その上にはさらに薄い黒衣を羽織っている。 形こそ人の姿をしているが―――その存在感は月の知る『死神』と全く相違のない、死の具現そのものだ。 ―――異世界に連れてこられて契約するのがまた死神とはな。つくづく縁があるよ、オマエたちとは 名前を書いた人間は死ぬ―――死神が持つノート、デスノート。 捕らえられてない凶悪犯。人の手を超えた道具で罪人に死の裁きを。 偶然によって手に入れた月はノートに名を書き連ねた。私欲ではない、余にはびこる犯罪者を一掃して善人だけが生きられる世界、真の理想郷を生み出す使命によってだ。 それがキラ―――名も顔も知れぬ救世主に人々が名付けた月のもう一つの真名である。 そう、月には蔓延る全悪を消し新世界を作る崇高な目的がある。 こんな見知らぬ場所で殺し合いに興じる暇など本来なら間違ってもない。 表向きキラ対策班に加わり、指揮を執る探偵『L』を出し抜く心算を図らなければならないのだ。 それがいったいどうして、聖杯戦争などという儀式に巻き込まれてしまったのか。見当もつかない。 妹が辛気臭いニュースを嫌がってチャンネルを変える。画面では犬が飼い主につられながら地方の住人にもみくちゃにされていた。 ―――アサシンの能力は格別高くない。だが宝具は条件さえ満たせば一撃必殺だ。大概のサーヴァントは嵌まるだろうが戦闘で遅れを取る可能性も鑑みるとできればマスターがいい。 既に罪人である者。この街で犯罪を重ねてる者。ここでも僕の父は警察だ。パソコンから情報も引き出せる。あとは…… 手にした『道具』の威力を月は実体験として確かめ、計算する。 サーヴァント。宝具。人類史に名を残した伝説の英霊。今も自分の背後にいる暗殺者の英霊のスペックは把握しておかなくてはならない。 殺し合いなどに巻き込まれたのは甚だ不本意だ。加えて、他の犯罪者のような相手と一括りにされている状況にも納得いかない。 だが……その『優勝賞品』には興味が湧いた。 聖杯。救世主の血を受けたとされる杯。あらゆる奇跡を起こし、世界の傷を癒やすとされる聖遺物だ。 世界中の人間が知っている神の宝物。新たなる神となる月が手にするには、見事に嵌まるシンボルだろう。 宗教家達を一気にキラ派へ傾倒させる材料にもなるかもしれない。いずれにせよ新世界創造の助けに大いに役立ってくれるには違いない。 なし崩しとはいえ参加する以上、身に入る旨味と使い道を把握しくのは当然といえた。 自分は必ず勝ち残らなければならない。 生きて還りキラの活動を継続するのは勿論、手に入る聖杯とマスターの存在を危惧する故だ。 なにせ万能の願望器だ。謳い文句がどこまで真実かはまだ疑念があるが、英霊召喚という実績がある以上、効力があるのは確かなのだろう。 少なくとも、強力無比な力にものを言わせ、欲するものを好きに奪い、蹂躙してのけられる程度の力は。 この街に集まってるマスターの大半はそうした手合いだろう。法を忘れ自分の欲望を自制せず、他者に暴力を振るい犯罪を重ねる…… まさに月が忌み嫌う悪(クズ)、キラとしてこれまで裁いてきた死すべき犯罪者と大差ない。 そんな悪に聖杯が渡ればどうなるかなど馬鹿でも分かる。自分の世界に被害が回ってくる可能性は決して否定しきれないのだ。 禁忌の果実という誘惑に耐え、聖杯を所有し正しく使えるマスター……そんな人物はこの自分以外にはいない。 「それじゃあ父さん母さん、行ってくるよ」 身支度を整えて一足先に外へ出る。向かうのは通っている新都の大学だ。 アサシンに言った通り暫くは市井に溶け込み情報を集める。キラとして動いた頃と変化はない。 サーヴァントという必殺の武器を手に、殺すべき相手の所在を突き止める知恵比べ。強いて変化があるなら敵にも同じ武器が与えられてる点。 ―――僕は負けない。用心を重ね今まで通りやれば、順当に勝ち残れる自信はある…… 天から落とした聖物は、新たな神の手元に置かれるべきだ。 新世界に君臨する新たな野望を燃え上がらせながら、月は今後に備えた戦略を練り出していた。 ◇ ◆ 月のない夜。 街の外灯も届かない路地の裏で、一人の男が立っていた。 黒き装束に蒼髪。抜かれた真剣のような、そこにいるだけで周囲の気温が下がっていく威圧感。 生ける者の気配がなく、双眼の視線は絶対の零度に凍えている。 これはこの世のものではない。これは世界にいてはいけない。 英霊の残響。神秘の絶地より来たる境界記録帯(ゴーストライナー)。 サーヴァントという、冬木という街に巣食う無数の化外の一つに他ならない。 「…………」 男の前にはひとつの死体がある。 倒れている全身。泣き別れにされた頭部の瞳は恐怖に見開かれたまま固まっている。 恐怖で固まった犯罪者(おとこ)は、痛みを感じる間もなく命を刈られていた。 手には血に濡れたばかりの刃が添えられている。 刀というより鎌に近い形状。死神が掲げるには相応しい象徴。 実態は、ギロチンだ。罪人の首を落とす断頭台は、男の右の肘から直接生えていた。 「死体が臭うな」 すん、と男は鼻を鳴らす。 視線は自身が今殺した眼前の死体に向いてない。 虚空を見上げ、此処にはいない相手に言葉を投げかけていた。 「墓から戻って屑籠を漁り何になる、死人共が。それは矛盾であり、幽世の穢れだ。現世に持ち込むな」 殺人に柳眉を動かさず、道具として生きるのに何一つ不満のない男が。 侮蔑に満ちた声を漏らしていた。 殺意を孕んだ宣言を下していた。 『処刑人』には不要な、感情という炎を湛えさせていた。 男は殺した。無数の人間を。戦争犯罪者を。 罪に関わらず、善悪に揺れる事なく、処刑の道具として完全に在り続けた。 取り零さず精確に計測したその数は、歴史に打たれるべき事実と化した。 称賛にも悪評にも男は動じない。蔑まされ続けた晩年すらも男にとっては涼風のような時間だった。 男に感情などというものがあるなど周囲の誰もが思いもしなかった。 同じ一族である家族すらも露とも思わず、本人すらそれを考えた事もなかった。 この、瞬間までは。 「俺達には既に命の輝きはない。これ以上生者の世界を汚す前に、再び終わりをくれてやる」 聖杯戦争を男は憎む。それは死者を蘇らせる悪辣なヴァルハラであるからだ。 サーヴァントを男は殺す。死者の生を認めず、全てを土に還す為に。 「この、ヨハン・ライヒハートの死(な)を思い出せ」 世界で最も人を殺した処刑人は、死神として舞い戻ったのだ。 【クラス】 アサシン 【真名】 ヨハン・ライヒハート 【出展】 史実(20世紀・ドイツ) 【性別】 男性 【身長・体重】 176cm・63kg 【属性】 中立・中庸 【ステータス】 筋力D 耐久D 敏捷B+ 魔力E 幸運C 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:E- 処刑とは秘されて行われるべきではない。公的に執行されるべきものである。 このランクだと実質機能していないに等しい。 【固有スキル】 白日の断頭:A 攻撃、暗殺は防げても決定された処刑は逃げようがない。 ヨハンを見た者に意思ST判定を行い、失敗したら数ターン行動不能になる「恐怖」のバッドステータスが付く。 死刑執行人という、民衆にとっての恐怖の象徴がスキルとなったもの。 標的を逃がさず殺すという点のみでいえば、天性のアサシンともいえる。 処刑人:A+++ 悪を以て悪を断つ、究極の裁断行為。 属性、悪に対するダメージが向上する。 また、そのサーヴァントの行為が悪と見なされた場合も対象となる。 ここまでくると、もはや本人が生きる処刑装置そのもの。 人間観察:C- 人々を観察し、理解する技術。 ヨハンの場合、"その者にどれだけの罪状があるか"に特化している。 その分析はむしろコンピューター的な思考に近い。 【宝具】 『死は慈悲の幕引きなり(グナーデン・シュトース)』 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1人 より速く、多く、そして確実に、痛み無く処刑することを求められたヨハンとライヒハート家、 ひいては全ての処刑人の精神が宝具と化したもの。 逃げられず、防ぎ切れず、免れようのない手段として当然の帰結――――光のギロチンによる斬首法。 最大の特徴は真名解放から完了までのタイムラグの短さ。発動すれば光の速さでギロチンが対象の首に走り、瞬く間に切断する。 魔力や運命に依らない、速さと鋭利さ故に回避も防御も不可能という単純な理屈。 また対象の罪状の重さで魔力消費が減少するという特性を持ち、 極刑級になれば極めて低魔力で済み、連続発動も可能。 あくまで最大補足は1人だが、目の前に100人の死刑囚がいるとして、 全員の首を飛ばすのに"1人1人順番に殺して"も理論上は10秒とかからない。 基本的には極刑の相手にのみ使用する。 『処刑刃(トーデス・シュトラーフェ・マイスター)』 ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 自らの意思を殺し、処刑を行使する装置として生きると定めたヨハンの精神が宝具と化したもの。 ヨハンの肉体、服飾は世に知られている全ての処刑道具を再現できる。 無数の暗器を仕込んだアサシンにも見れるが、本人にそうした用途の考慮は一切ない。 【Weapon】 『処刑刃』による処刑道具。 手はギロチンでベルトは首吊りの紐、抱擁は鉄の処女(アイアンメイデン)である。 【人物背景】 ドイツの死刑執行人の家系ライヒハート家の8代目。 史上最も多くの処刑を行った男。 その数3165人。第2位のシャルル=アンリ・サンソンの500人以上である。 これだけ多くの執行を重ねたのも、フランス革命の最中で処刑人を務めたサンソン同様、 第二次世界大戦中のナチスドイツが席巻した時代に居合わせたことが大きい。 大戦に入り死刑囚の数は爆発的に増加。死刑執行人も大量増員された。 そんな多忙の中でもヨハンは執行手順を厳格に守り、1人ずつギロチンで首を落としていった。 敗戦後ナチ党員だったため逮捕されるが、「死刑執行人としての義務を遂行したものである」として無罪。 その後連合国側から執行人として再雇用され逆にナチスの戦犯を処刑することになる。 敵も。味方も。無実であるはずだった者も。 ヨハンは眉を僅かにひそめもせず全てを平等に処刑した。 人はいずれ必ず死ぬもの。そして人は往々にして理不尽によって死する。 ならば善悪に差異はない。そも処刑人たる己に善悪を測る権利はない。 刃は情を持ってはならない。刃に心は許されない。重き方に傾く無謬の天秤たれ―――― それが死刑執行人として生まれた者の使命。 鉄の意志を以て、ヨハンは処刑人という刃の役目を完遂した。 数多の人を殺し続ける――――過去の処刑人が抱いた苦悩を一切抱かずに役割に殉じた執行者。 長年ライヒハート家が求めた理想の処刑人は、直後の死刑制度の廃止によってあっけなく姿を消した。 廃止後のヨハンは周囲に忌み嫌われ息子も自殺し、孤独な人生を歩んだという。 その時初めて、彼の顔に人間らしい安堵が生まれたことを誰も知らぬまま。 【特徴】 ナチスの黒服の上に黒衣を羽織っている、蒼髪の美青年。 しかし人間とは信じられない鉄血冷淡の雰囲気はまさに死神そのもの。 【サーヴァントとしての願い】 サーヴァントとしては極めて忠実。己を道具として使われるのをよしとし、マスターにもそうするよう求める。 善悪を基準としないヨハンだが、死に関してだけは一生に渡り重く見続けてきた。 死は世界にとって絶対の境界線。死者が地上に戻ることなどあってはならない。 それは道具に初めて芽生えた意思。彼をして許せないと奮起するに至った生への侮辱。 "全てのサーヴァント(死人)を殺すこと" この聖杯戦争で抱いた、唯一無二の願いである。 【マスター】 夜神月@DEATH NOTE 【能力・技能】 容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能のなんでもござれ。 世界最高の探偵「L」とも渡り合える頭脳を持つ。 【人物背景】 全てに恵まれながら日々に退屈していたある日、 「名前を書きこんだ人間が死ぬノート」、デスノートを拾ったのを機に燻っていた世の中への不信が爆発。 悪が存在しない、善人だけの理想世界を目指し、新世界の神となる事を決意。 裁かれぬ犯罪者をノートに書きこみ続け、やがて救世主「キラ」として世界中で信仰される存在となる。 最初に興味本位でノートを使い人を殺した罪悪感に追い詰められ、デスノートの利用を「自分にしかできない」と転換する人間的な弱さがあったが、 次第に自分の正体を探る邪魔者を始末するのに躊躇しない、自分の正義を疑わない傲慢さが大きくなっていった。 【マスターとしての願い】 聖杯を悪用されないためにも自分が手に入れる。 その後は新世界創造の助けに使う。 【方針】 情報収集。マスターと思しき犯罪者にアサシンを当て確実に始末する。
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アサシンバグ(あさしんばぐ) 登場作品 + 目次 ファンタジア(SFC) ファンタジア(GBA) 関連リンク関連種ファンタジア(SFC・GBA) ネタ ファンタジア(SFC) HP 5580 TP 0 攻撃力 825 防御力 50 EXP 4000 ガルド 9000 アイテム - 出現場所 未来トレントの森未来忍者の里周辺の森 防御属性 無 地 水 火 風 雷 光 耐性率 - - - - - - - 行動内容 斜め下に針を飛ばして攻撃する。 斜め下に針を連射して攻撃する。 総評 蜂型のモンスター。G・ビー系最上位種で紫色のオリジナルカラー。 未来のトレントの森や忍者の里周辺の森によく集団で出現する。 攻撃間隔がかなり短くなり、新たに針を連射する攻撃が追加された。 クレスで相手をしようとするとよく針で叩き落されて邪魔されるので術で応戦するといい。 ステータス自体は大したことないので倒すのは容易。 蜂の癖に金持ちで1匹につき9000ガルドも持っている上に4匹の集団で出現することがあるため倒し得なモンスターである。 G・ビー系の中で唯一、PS版で続投できなかった・・・ ▲ ファンタジア(GBA) No. Lv HP 5580 TP 攻撃力 413 防御力 131 敏捷 1000 攻撃属性 物 EXP ガルド 落すアイテム - 盗めるアイテム - 出現場所 - 防御属性 無 地 水 火 風 雷 光 闇 物 耐性率 - - - 弱 - - - - - 行動内容 斜め下に針を飛ばして攻撃する。麻痺の追加効果。 総評 SFC版からカラーがオレンジ色に変更。 行動パターンがPS版のクィーンビーのものになったため麻痺攻撃を使うようになり厄介さが増した。 相変わらず金持ちなので稼ぐ際は麻痺対策をしておこう。 ▲ 関連リンク 関連種 ファンタジア(SFC・GBA) G・ビー ホーネット G・ワスプ ▲ ネタ 名前は英語で「暗殺者虫」という意味。 アサシン(英:assassin)=暗殺者、暗殺断、刺客 バグ(英:bug)=虫 ▲