約 2,160,311 件
https://w.atwiki.jp/vip_guiter/pages/143.html
ギターにまつわる都市伝説 寝る前にFコードをめいいっぱい練習して、朝起きるとFコードがラクに弾ける 下痢のときに弾くと実力以上の力が発揮できる おちんぽみるくらめえ アドリブのソロなんてコピーしなくていいんだ ギタリストは脇汗が止まらない オナ禁してかっこよくなれるとか思ってる?
https://w.atwiki.jp/legends/pages/643.html
秋祭り2日目~夜2 「…ぜぇ、はぁ……!」 荒く乱れた息を吐く。 身体は既に限界に近く、手足は鉛のように重い。 それでもなんとか戦況の小康状態を保てているのは、ただ単純に根性で身体を動かしているからだ。 「ま…ったく、なんつー運の悪い……っ!」 思わず呟く。 完全に無駄なことだとわかってはいても、そうぼやかずにはいられなかったから。 既に日は沈み、太陽に替わって月が辺りを照らしている。 戦い始めてからどのくらいたっただろうか。 こっちの身体はダメージ的にも能力の使用時間的にも、限界がすぐそこまで迫っていた。 対するマスコットたちは未だ健在。 黒服たちの数こそだいぶ減ったものの、高い再生力を誇るマスコットたちには大きな傷はない。 戦闘に入る前のこちらの分析はこうだった。 自分と《夢の国》のパレードとの力の差は歴然。 ならば自分の能力の最大の長所であるスピードを最大限に活用し、先手の奇襲で少なくとも一体くらいは撃破してしまわなくては、勝ちの目などありえない。 そして、その考えの通りに動いた。 ホッピングを駆使してビルの側面から高速で飛びかかり、最も防御が薄そうなティ○ンに必殺の一撃を叩き込む。 手応えはあった。 確実に、標的である○ィモンの身体は、こっちが生み出した整地用ローラーによって潰されていた、"はずだった"。 あわよくばこのまま二体目も、と素早く周囲を見やったその時。 ズドム!! と。 全身の骨を軋ませるかのような一撃が、こっちの腹に突き刺さった。 がふ、と肺から息を絞り出されながらも、全力で後方へと飛び去って体制を立て直す。 なんとか息を整えようとするこっちの目に飛び込んできたのは、今さっき叩き潰したはずのティモ○が、何事もなかったかのように佇んでいるという状況だった。 「な、あ…!?」 あまりに予想外の状況に、一瞬思考がフリーズする。そこに、こっちに勝るとも劣らない速さで、ブル○アイが突っ込んできた。 咄嗟に横っ飛びでかわすものの、そのあとには無数の黒服たちとトランプ兵士たちの集団が続く。 (いくらなんでも、こんな状況でこんな数は、とても相手はしてられない…!) その集団の合間を、縫うようにして避けていく…が。 いきなりガクン、と足が止まる。 足元を見ると、そこには自分の足に絡まるロープが。 「な、まずっ…!」 手に鎌を出現させ、ロープを切り裂く。 これでよし、と顔を上げたこっちの目に入って来たのは。 こちらに全速力で突進してくる、プ○バァの姿だった。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/646.html
秋祭り2日目~深夜2 《夢の国》の革命が成り、『鮫島事件』が釣りに終わった、その夜。 一人の男が、学校町を見下ろしていた。 「―――ここが、学校町かァ」 そう呟くと、その男は手に持った"なにか"を噛み千切り、そのまま咀嚼し始める。 夜の静寂の中に、なにか柔らかいものを咀嚼するクチャクチャという音が響く。 …その男は、一見普通の男だった。 どこにでもいそうな普通の服装に、特に目も引くこともない中途半端に整った顔立ち。 しかし、その纏う雰囲気は異常だった。 まるでホラー映画のゾンビのように生気のないその様子。 中途半端に整った顔の中でギョロギョロと蠢くその目は、見るものに爬虫類のような印象を与える。 …なによりも異様なのは、その右手に握られている物体だった。 月明かりを受けてぬめりと光る、べちゃべちゃとしたその物体は―――。 「…うん、なかなかのもんだなァ?」 ―――それは、内臓だった。 未だにポタポタと血を滴らせる、新鮮な臓物。 所々に、なにかに食い千切られたかのような痕がついている。 ならば先程、男が噛み千切ったものは。 今男が、クチャクチャと美味しそうに咀嚼しているものは。 「―――エサがたくさん、嬉しい限りだぜ」 男は嗤う。 その街に住む全ての人を、ただのエサだと言い切って。 その街には、あらゆる都市伝説が集まるという。 強さも弱さも、善悪の区別すらなく。 《夢の国》と『鮫島事件』という、二つの大きな波を乗り越えたその街に、今宵新たに入る都市伝説。 それはこの街に、何をもたらすのか。 「―――は。楽しい楽しい、食事の始まりだ」 そう言ったその男の顔は、邪悪な歪みに満ちていた。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/552.html
プロフィール 女装少年と愉快な都市伝説 これまでのお話 メインのストーリー的なもの プロローグ的なもの 秋祭り2日目~夕方1 秋祭り2日目~夕方2 秋祭り2日目~夜1 秋祭り2日目~夜2 秋祭り2日目~夜3 秋祭り2日目~深夜1 秋祭り2日目~深夜2 秋祭り3日目~昼頃 秋祭り3日目~昼頃 とある組織の通話録1 秋祭り3日目~昼頃 小ネタ~将門様からの招待状~ vs《鎌男》 黒服Hさんによるピュアな少年のための淫語講座 宴会当日、宴会の準備 宴会の風景 宴会の風景~コアラの少年と姫君 宴会の風景~エンジェルさんの契約者 宴会の風景~姫さん とある組織の通話録2 女装少年の受難~マッドガッサー襲来 女装少年の受難~トバさん暴走 vs因縁の相手 Dさん宅にて~寝起き編 Dさん宅にて~朝ご飯その他 マッドガッサー達との接近遭遇~幼女マリ、路上にて マッドガッサー達との接近遭遇~マッドガッサー、教会にて 中央高校での決戦~高校潜入 中央高校での決戦~vsHさん 中央高校での決戦~vsラ〇ン、そして合流 中央高校での決戦~笛吹きとの顔合わせ クリスマス~メリー苦しみます クリスマス~花子さんの契約者(獄門寺君)宅にて クリスマス~深まる誤解 新年あけましておめでとう~同居人達の初夢 サブストーリーとか過去編とか脇役とか とある男の日記帳 蟲使いコンビの話 ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/mandanoikoi/pages/64.html
都市伝説 とは? 『人面犬』然り、 『トイレの花子さん』然り、 『口裂け女』然り…… 時代を超え語り継がれる背中が粟立つようなこわ~~いお話。 と言っても、話自体はその時代に合わせ日々変化しているのでジェネレーションギャップが垣間見える事もちらほら。 『学校の怪談』とか観ると結構いろんな奴らが出てくる。(これも結構古い作品だが) 因みに。 『○○持って行くとレア出易くなる!』 『あれ(カンストのクルクルキラキラ)って初期の頃に出てたモーションでしょー?』 『パンマス使うとパンミしなくなるよ!!』 等といった現実逃避やネタにも使われる事がある。 おなまえ こめんと すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/legends/pages/553.html
秋祭り2日目~夕方1 「…はぁ」 思わず、深い溜め息をつく。 何にか? 勿論、今自分が陥っている状況にだ。 "周囲を武装したグー○ィーと無数の黒服たちに取り囲まれている"。 な、何を言ってるのか(ry。 そんな下らないボケをセルフでかましている内に、剣を構えたグ○フィーがこちらに突っ込んできた。 ズドン!! という盛大な踏み込みの音、そのスピード、更にはその余波によって吹き荒れる風。 全ては、そのグーフ○ーがただの着ぐるみではないということを、雄弁に物語っていた。 だが。 向こうがただの着ぐるみでないというのなら。 ―――こっちは、普通の人間(ヒト)ではない。 「…っ、よっ…と」 着ぐるみにあるまじき速度で繰り出された斬撃を、紙一重の差でかわす。 唸る剣に引き裂かれた空気がこっちの肌を痛めつけるが、それだけだ。 黒服たちはまだ動かない。逃げ出さないよう防いでいるのか、それともグーフィ○一体が勝負をつけるつもりなのか。 必殺の斬撃をかわされた○ーフィーはこちらへの警戒を強めたようで、ほぼ棒立ちだった先程までとは違い、その手に持った剣と盾を構えている。 それと同時に黒服たちにも動きがあった。 いつでも飛びかかれる体勢へと移行し、その圧倒的な数で以て文字通りこちらを"圧倒"しようとする。 「……はぁー」 また溜め息を一つ。 ○ーフィーだけならなんとか逃げ切れもしたかもしれないが、黒服が加わるとなるともう無理だ。 数のせいで逃げ場がない。 となれば、もう能力(ちから)を使うしかないだろう。 ―――人間(ヒト)にあらざるそのチカラ。 ―――今向かい合っている敵と同じ、都市伝説のチカラを。 自らの都市伝説を発動させる前に、最後の確認を行う。 これまでに経験した戦いの中で、癖になってしまった確認を。 「―――嘆願一。 武器を捨てて、退いて貰えませんか?」 返事はない。 ただ、殺気が満ちていく。 「―――忠告二。 武器を捨てて、早く退きなさい」 返事はない。 辺りに、殺気が充満した。 「―――命令三。 武器を捨てて、さっさと退け」 返事の代わりに、アスファルトを踏みしめる、ザリザリという音が重なった。 「―――宣告四。 いい度胸だ……さっさと死ね」 その瞬間。 地を揺るがすドン!! という轟音と共に、人外たちの戦いが始まった。 グーフィ○は、その少年のことを侮っていた。 確かにこの町には強大な契約者が多い。 だがたった一人で、契約した都市伝説すらその側に従えていないその少年をそこまでの脅威だとは到底思えなかったし、しかも対峙するのは自分だけではない。 夢の国の象徴(マスコット)の一体である自分ほどでなくても、黒服たちはそれなりに強い―――並みの契約者ならば、その数の前に呑み込まれてしまう程度には。 だから、真正面から突撃した。 この程度の相手、すぐさま取り込んでみせるとでもいうように。 …結論から言うとするならば、それがグーフ○ーの命取りとなった。 真正面から突っ込んだグ○フィーには、少年が何かを呟いた瞬間に現れた巨大な鉄の塊を避けることが出来なかった。 その鉄の塊はグー○ィーの剣をへし折り、盾をへしゃげさせても止まることはなく、その身体を数十メートルも吹き飛ばす。 無様に地面に叩きつけられそれでも何とか身体を起こしたグーフ○ーの眼に、しかし少年の姿は映らない。 グーフィ○に出来たのは自分を覆った影を感じ、振り向くことのみ。 ―――次の瞬間。 ズドン!! という轟音と共に降り下ろされた巨大な鉄塊に、○ーフィーの身体は潰され、粉微塵となって消えた。 「…はぁ」 溜め息。 同居人には「幸せが逃げますよ?」と散々たしなめられているのだが、こればかりは直らない。 何に対しての溜め息か? …当然、さっきの戦闘に対してのだ。 祭りに参加するため、自分+同居人二名は南地区へと向かっていたのだが、途中で財布を忘れたことに気付き、ちゃっかりと準備万端だった同居人たちを残して自宅であるマンションに帰ってきた。 それだけならよかったのだが、再度祭り会場を目指す途中で《夢の国》の黒服部隊+グー○ィーと首なしのバイクマン バールっぽいものを装備した女の子との戦いに遭遇し、そのバイクマンたちが逃げ去った後にコソコソとやり過ごそうとしているところを黒服の一人に発見され、その結果として(心の底から不本意ながら)戦闘が始まった。 …のだが、その戦闘自体は既に終わっている。 油断していた○ーフィーに不意討ち気味のカウンターを喰らわせ、さらに高速かつ高威力の追撃を行うことで速攻撃破。 残りの黒服たちは適当に整地用ローラーで薙ぎ払いつつ、全速力で離脱し撒いた。 グ○フィーが油断していなかったらもっと苦戦していただろうが、それでも敗けはしなかったと断言出来る。 しかし、一月ほど前にこの町に引っ越してきて以来、「のんびりまったり平和に暮らす!」という目標のもとに「都市伝説? ハ、何ですかソレ? 美味しいの?」という態度で生活していたのが、これでもうパァだろう。 夢の国にはもう捕捉されただろうし、その他の組織に身元がバレるのもおそらく、時間の問題。 となれば。 「とりあえず、合流しますか…」 まずは今頃祭りを楽しんでいるだろう、同居人たちを回収して、襲撃に備えよう。 後のことは、彼女らと相談して決めればいい。 手札は三つ。 幸いにして、こっちの都市伝説《ジェットばあさん》のスピードはかなりのものだ。 人の身でありながら100キロ近くの速度を叩き出し、さらに高速のホッピングを可能とする上攻撃用の鎌を造り出すことも出来るその能力ならば、黒服くらいからなら簡単に逃げられる。 さらに高い汎用性を誇る《地震発生装置》に重量たっぷりの整地用ローラーを出現させる《重いコンダラ》の二つも合わせれば、物理的な戦闘力ならば相当なものになる。 マスコット連中とやりあっても、易々と敗けはしないはずだ。 …物理的な能力に特化している分その穴もあるのだが、夢の国の能力が噂に聞く限りなら何とか大丈夫だろう。 「……はぁ」 また溜め息が漏れる。 脳裏に浮かんでいるのは、ほんの少し未来の映像(ビジョン)。 楽しみにしていた祭りを邪魔された同居人たちはきっと、その恨み辛みをこっちにぶつけてくるだろう。 何らかの埋め合わせを要求される可能性もある。 自分のせいでないのにその責任を追求されるのは中々に不条理だが、世の中そんなもんだ。 「…はぁ」 最後にもうひとつ溜め息を吐き、同居人たちがいるであろう、南地区の祭り会場を目指すのだった。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2157.html
都市伝説で10のお題 「首なしライダー」 真夜中の街中をバイクが走る 首のないライダの乗ったバイクが、爆音響かせ走り続ける 自分は、どうして首を失ったのか? ライダーは、もう覚えていない 都市伝説と化した瞬間に、忘れてしまった 彼女は既に都市伝説と化してしまっているのだから だから、やるべき事は、ただ一つ 向かいから走ってきたバイク しゅるり 彼女の手元から、ワイヤーが伸びて ------すぱぁん 正面から走ってきたバイクのライダーの首は、綺麗に切り落とされた 彼女は知らない、覚えていない 自分が、首なしライダーになってしまったのは 今、自分がしたように、他の首なしライダーに首を切られたからだと言う、その救いようのない事実を 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/484.html
408 都市伝説 sage 2008/07/17(木) 23 05 11 ID R+G1nXJR こんな姉・妹がいたら怖くなくなる。 メリーさん 「わたし、メリー。いま駅にいるの…」 「わたし、メリー。いまタバコ屋の角にいるの…」 「わたし、メri」「兄さん!ドコの女と話してるの?私に貸して!」「ちょっ…おまっwwww」 「わたし、me」「マリーだかメリーだか知らないけど兄さんを盗ろうとする奴は…殺すっ!」 「わたし、メリー。あなたのうsi」ドズン! 「あらぁ、ハッタリかしら?こんな小汚い人形を送り込むなんてね…雑魚が!」 俺が部屋に入った時に見たモノは頭カチ割られ、粉々になったゴズロリ人形と、文化包丁片手に高笑いしている妹だった。
https://w.atwiki.jp/okarowa/pages/55.html
00◆都市伝説 最近世間でまことしやかに囁かれている、いわゆる都市伝説ってやつがあった。 その名も「文字紙の招待状」。 夜寝るときに枕の下を見て、不思議な虹色のインクで文字が書かれた「文字紙」があったらそれが招待状。 文字紙を貰ってしまった人は、そのあと何もせずに寝てはいけないのだ。 もし寝てしまったら、起きたときにはそこは異次元。 まるで別の世界に飛んできたように、それはそれは不思議な空間に連れ込まれて――帰ってこれなくなる。 のだという。 「と、言っても……参ったなあ。何もせずに寝てはいけない、とは聞いていたけど、 何をすればこれを回避できるのか、ってのをちゃんと聞いてなかったぜ」 さて皆様。 たった今、オレが寝ようとしていたマイベッドの枕の下。 例えばここに一枚の紙があって、今それをオレが見ているとする。 それも前段で説明した都市伝説をそっくりそのままなぞったような虹色のインクで、 書かれている文字は「○一七・紆余曲折」と読めるわけです。 これが噂の「文字紙」である確率。果たして何パーセントくらいなんですかねえ? 「って、まあそりゃ百パーセントに決まってるよな……」 何しろオレは部屋にカギをかけている。そしてマンションの4階だ。 親や弟のイタズラ、空き巣の仕業とはちょっと考えにくい。 それに、都市伝説には欠けている、どんな文字が書かれているか、っていう部分。 ここには異世界の文字とか、呪いだとか死だとかが入るもんだと思っていた。 実際イタズラ目的ならそういう文字を書くはずだ。 だけど――この紙に書いてあるのは「○一七」と「紆余曲折」。 番号札と四字熟語。 何の脈絡のないこの文字群が逆に、イタズラならこんなことをしないという思いを深めるのだ。 「それだけじゃ、ない……この紙見てると、なんか、眠くなってくるというか…… 体力奪われてる感じ、だ。なのに目が、離せ、ない」 古来から、文字には力が宿っているとよく言われる。 人って手のひらに書いて飲み込むと緊張が和らいだりとか、そういうようなのから、 姦って字を見るとなんかエロい気がしてしまうとか、まあそういうのまで含めて。 文字の力は、あなどれない。 「――だから私たち幻想言語学者は、その力を長年に渡って解析していくことにしたのです。 ほんとうに、長い時間を要しました。ここに至るまでの過程で死者は数知れずでました、ええ。 しかしその甲斐あって、四字熟語クラスの明確性を持った言葉の力までなら、 我々は自在にそれを解釈し操ることが可能となりました」 ……ここはどこだろう? 寝てしまった、のだろうか。 なんだかここに至るまでに、「紆余曲折」があった気がする。 でも思い出せない。思い出せるのは、僕が「文字紙」をどうにかしようと足掻いていたあの時間まで。 そこから意識が飛んでしまったみたいに――気が付いたら僕は不思議な空間に居て、変な女の人の演説を聞いている。 ここは、大学の講義部屋、みたいなところだ。ただし机やイスはない。 ただ何もない白い空間の中、前方のステージで白衣を着た、ちょっと地味目な女の人が演説をしている。 あの人は誰だ? それに、それだけじゃない。 部屋を見回せば――僕のように訳が分からないって顔した知らない人たちが、十人よりは多いくらいいる。 女の子からおじいさんまで様々。十五、十六……僕を入れて、十七人。 演説している人を含めて、この場には十八人。 「文字の力。幻想言語学者たちの間ではこれを解釈能力、ここではルール能力と呼びますが――、 私たちはまだこの力を抽出したばかりで、データがあまりにも足りないのです。 貴方がたにお渡しした文字紙にも書かれていたでしょう、四字熟語が。あれが今回の実験に使う四字熟語で、 同時に貴方がたの実験体名、平たく言えばコードネームでもあるのです」 「……実験?」 「そう実験です。手荒な真似をして申し訳ありませんが、貴方がたには実験に参加してもらいたいのです。 と言っても、強制ですがね。いやあこれは本当に、内容が内容なもので、すいませんとしか」 ぺろりと舌を出して平謝りをする白衣の女の人。 こういう態度の人には、ぼくはあまりいい印象を持てない。僕の×××だってよく――、 って、あれ? 「ルールその一を説明しましょう。 まず、実験なので。貴方がたの、人間関係に関する記憶。 もとい人格等、個人のアイデンティティを決める要素には、少し手を加えさせてもらいました。 故に貴方がたは――本名と。 親兄弟や友達などに関する記憶が、全く思い出せない状態となっております」 白衣の女の人の一言で、部屋の中がざわつき始める。 実際、僕も凄く動揺していた。さっき僕は、僕の×××の姿や声を全く思い出せなかったのだから。 いや、考えてみれば――僕、は。 僕、なんて一人称を、本当に使っていたのだろうか? 「静粛に静粛に。 預からせてもらった貴方がたの名前は、すべてが終わったらちゃんとお返ししますから。 心配しないでください。 ルールその二を説明しましょう。 ……実験は、仮想ショッピングセンター「娯楽施設」で行われます。 施設内には薬局、コーヒーショップ、お菓子売り場、広間などさまざまな場所がありますので。 上手く利用してください。 行動可能な範囲は施設内と、施設併設の駐車場のみです。 といってもかなり広いので、あとで地図をお渡ししますね。 それと名簿と、ここで説明しきれない細かいルールのおさらい用紙。 あと……武器を一つ。デイパックに入れてお渡ししましょう」 武器。 という言葉に、再び部屋の中の人たちが、小さく反応を見せた。 もちろん分かっていた。実験、実験って連呼したって、都市伝説で「帰ってこれない」になってる以上、 僕だってこの状況からそれを連想していたし、恐らくほかの人もそうだったんだろうけど。 部屋に、一気に満ちたのは――緊張感と、殺気。 そして白衣の女の人は、殺気を舐めるように舌を出しながら、決定的な一言を放った。 「ルールその三。実験の内容、そして終了条件は…… 与えられたルール能力を駆使し、娯楽施設における最後の一人になるまで、殺し合うことです」 「――ふざけんな!」 誰もが言いそうになった言葉を最初に言ったのは、どこかの店の制服を着た男の人。 僕を含めて全員が男の人に目を向ける。 歯を食いしばって必死の形相で、男の人は白衣の女の人をにらんでいる。 「殺し合いだと!? いきなり拉致してきてそんな、すいませんでしたって笑えるレベルじゃねえだろ! 幻想言語学者だかなんだか知らねえけど、ふざけやがって警察呼ぶぞ!」 「ああ、無理ですよそれは。 携帯電話等の連絡機器は没収していますし、ここ及び娯楽施設は世界とは隔絶してありますから。 外との通信はできません。 以心伝心やあ意思疎通のルール能力ならあるいは……ですが、今回この四字熟語は非参加ですし」 「んだと……っつーか! そもそも俺の文字紙には「ハズレ・焼肉定食」って書いてあったじゃねえか! ハズレってなんだよ! しかも四字熟語でもないしよお!」 「ああ、それはですね――ルールその四、ですよ」 「はぁ?」 「勘のいい人は気づいてるんじゃないですかねえ……? 先に、私たちは貴方がたの記憶を弄らせていただいた、と言ったでしょう。 そのとき同時に身体も弄られているであろうことくらいは想定済みかと思います。 はい、埋め込ませていただきました。爆弾です。 心臓に、絡みつくように、ね。 ああ、大丈夫です。私、奇々怪々のルール能力は《不可思議の現実化》ですので、身体に傷はありません」 瞬間――焼肉定食さん(便宜上こう呼ぶ)の顔が、さっと青ざめる。 僕や他の人たちも、何が起こるかを理解して、焼肉定食さんから目を背けようとした……が、 それは一瞬、遅かった。 「ルールその四。司会に逆らうと、爆発します^^」 「……やめ、ぴ、あぎゃ!」 盆祭りで買った水ヨーヨーが割れちゃったときみたいに、素早く、そしてあっけなかった。 焼肉定食さんの身体、胸のあたりが突然、ぶばんと弾けとんで。 大動脈から血をびゅうびゅうとほとばしらせながら、床に倒れて、血を吐いた。 さっきまで、元気に威勢のいい言葉を、吐いていたのに。 うわ、あ。 そんな。どう表現すればいいのか分からない感情を僕は抑えきれずに、床にへたりと座り込む。 「よくある殺し合いでは首輪を使うのですが―― サプライズをやりたかったので、いったん埋め込み式と言う形をとりました。驚かせて申し訳ありません。 しかし大丈夫です、ええ。本番ではしっかり首輪を使用しますので。このように、ね」 驚き冷めやらぬまま、にこりと笑う奇々怪々が指をぱちん、と鳴らした。 すると僕らの首にはいつのまにか、冷たい鉄の感触。 「無理に外そうとすれば爆発します。もう一度焼肉定食さんで実演してもいいですよ?」 全員、首を横に振った。 首輪以上に、奇々怪々さんの起こす魔法じみた現象に僕らは、もはや反抗の意思を完全に奪われている。 また最初のように、部屋の中は静かになった。ただ、血なまぐさい死の臭いが、部屋に充満していたけれど。 「まあ、言われなくても実演するんですけどね」 ぼん。 焼肉定食さんの首が飛ぶ。 結局やるんですか。 「さ、余興はこれくらいにして、本題に移りますか。恐らくみなさん、二つ疑問があると思うんです。 なぜ貴方がたが実験に選ばれ――なぜ自己に関する記憶を消されているのか。 これには先に答えておきますね。まず前者、選ばれた理由ですが、 ありません。偶然です。 年齢指定は十五歳以上としましたが、それ以外は無作為ですので、運が悪かったと諦めてください。 後者、自己の消去については、情の消去という目的が一つ。 なにしろ、無作為選出ですので。調べでは近親者はいないはずですが、親戚や知人くらいならいるかもしれません。 そういう人と相対したとき、変な情で殺すのを躊躇われるのはこちらとしては困るのです。 心情はデータに残せませんからねえ。学者根性で排除させてもらいました。 あともう一つ、副作用的に、名無しのほうが名前に引きずられやすいという理由もあります。 貴方がたには、四字熟語になっていただきますので。 四字熟語に……名前に見合った振る舞いをしてもらわねばならないのですよ」 ほら、証拠に私なんか、実に奇々怪々といった振る舞いをしているでしょう? 長台詞の最後をそう締めくくると、奇々怪々さんは一人の参加者、 残った十六人の中でも一番幼いと思われるお下げ髪の女の子を両人差し指で指差して、 「一四八、勇気凛々。GO!」 景気よく叫び――少女の姿をこの場から消してしまった。 どうやら、「娯楽施設」への移動が始まった、らしい。しかも多分また無作為に、一人ずつ。 「○七四、心機一転。GO!」 「○○二、青色吐息。GO!」 「一一五、破顔一笑。GO!」 次々、口答えの間もなく送られていく参加者たち。 見る見る間に数は減って、気付けば僕と、いかつい体つきのおじさんの二人だけになっていた。 「さて、次は……○一七、紆余曲折。GO!」 ぐい、と何かに引っ張られるようにして。僕は実験の舞台へと、強制的に連行された。 最後に見えたのは、いかつい体つきのおじさんの、なにやら神妙そうな顔。 そして――なぜかおじさんの方を向いて怪しく笑っている、奇々怪々さんの姿だった。 と、まあ。こんな「紆余曲折」を経て。 バトルロワイヤルがスタートしたことだけは、ここに記しておこうと思う。 【幻想言語実験 Test Start】 【焼肉定食:死亡――あと十六名】 次のお話 邂逅一番 前のお話 四字熟語 次のお話 紆余曲折 急曲直下 焼肉定食 実験終了 用語解説 【焼肉定食】 四字熟語界隈ではよく弱肉強食と間違われてしまうと噂のただの熟語。 wikipediaにも「焼肉定食(熟語)」で載ってしまっているほどに認知度が高い。 しかし、筆者は実際には一度もお目にかかったことがない。何円が相場なのだろうか。 本作においては、焼肉チェーン店でチーフを務める男だった。
https://w.atwiki.jp/ixtupaitosi/pages/16.html
主にジブリ トトロ メイはすでに死んでいる ラピュタ 隠された幻のエンディング 魔女の宅急便 クロネコヤマト ナウシカ 火星 ポニョ 天国 もののけ姫 ハンセン病