約 1,586,500 件
https://w.atwiki.jp/jojoson/pages/1393.html
明け方過ぎの古い街並み 霧雨の中 貴方は消えた 「必ず絶頂 取り戻すよ」と見送る後姿に勝利信じた 受話器越しでの話は絶えず心許して笑い合えてた 貴方の声がただ愛しくて電話が鳴ると夢中で探す 「いつも守りたい」と 「それが幸せだ」と 直に貴方の目も見れずに心の声に誓う 運命の中 出会った人に青春の日々 全てを捧げ いつか貴方の大きな夢を 過去を乗り越え 叶えたら共に笑おう 貴方の誇り守れるのなら僕は眠れる奴隷となろう 叶うはずの夢と吹き始めた旋風(かぜ)の 狭間で響くのは信じる貴方の優しい声 「側にいたい」と強く願えど 置いてかれてく不安はよぎる 電話もならず孤独に震え 最期の願い 涙集め声枯らす 今も信じているよ 電話待っているよ 最後の一言を交わした あの日と同じ場所で 眠りを覚ます黄金の旋風(かぜ) 輝く未来かき消されてく それでも僕は貴方の為に 命を懸けて守ると決めた 終わらぬ闇に声が届いて いつか会えたら もしも会えたら 両手広げて 受話器を置いて 名前を呼んで 抱きしめて共に笑おう 今度は目を見て話そう 原曲【ツバサ/アンダーグラフ】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm1783706】
https://w.atwiki.jp/diavoloremix/pages/31.html
レトろす氏による作品。 1Fに必ずイギーが配置され、イギーと一緒に攻略していくダンジョン。 基本情報 製作者 難易度 対応ダンジョン 現ver レトろす氏 5 ディアボロの試練 0.2 説明(txtより) イギーと一緒にクリアを目指すダンジョンです。 1階に必ずLv1のイギーが居ます。 2階からイギーが倒されるか居なくなるとディアボロも死にます。 落とし穴は即死を防ぐため他の罠になっていますがソフト側の都合でそのままの場合があります。 ラクガキの罠もかなり詰み易いので他の罠になります。 その他はオリジナルと同様です。 備考 仲間についての情報。 マップ上に黄色の点で表示。 常に鈍足状態。戦う仲間は仲間にすると通常速度になる。 遠距離攻撃などでダメージや状態異常を与えることができる。 フー・ファイターズのDISCで撃つと回復する(F・Fの攻撃ではダメージを受ける) ゾンビ馬を投げると回復する。 ヤバいクスリを投げると回復&混乱する。 カエルを投げても回復はせず微ダメージを受けるだけ。 仲間が混乱や盲目時でもディアボロは攻撃されない。 仲間混乱時は普段の会話が出来ない。 仲間盲目時は普通に話すことが出来る。 JOJO A GOGOを投げると999ダメージを与える。 康一のDISC、ピンクダークの少年、ヒロヒコのサイン色紙を投げると1レベルアップする。 サンドマンのDISCを投げるとそのフロアにいる間ずっと倍速行動になる(ただしそのターンで敵を倒してしまうと仲間のターンはそのターンで終了)。 メタリカのDISCを投げるとそのフロアにいる間ずっと透明状態になるが、プレイヤーからの視認が出来なくなるだけで敵はちゃんと感知して攻撃してくる。 ホルマジオのビンには入らない。 ヘブンズドアーのDISCを発動させることで敵図鑑への登録が可能。 Xキーで位置入れ替えを行うとそのターンはもう行動しないが、マンインザミラーを撃って入れ替えた場合はそのターンに行動してくれる。 仲間キャラが敵を倒すことで経験値上昇(倒すのみで可、その際経験値はディアボロと半分に分けられる)。 現在の経験値とHPはサバイバーで確認可能。会話でも確認可能(HPもある程度は分かる)。 基本的に仲間は敵の特技を受けない。またハーヴェストなどの通常攻撃しない敵からも攻撃を受ける。 レベルは最高で10まで上がる。レベル10の状態だとレベル1の時のHPの2倍になる。 レベルアップする総経験値:50→200→500→1000→2000→4000→10000→20000→40000 レベルアップするとHPが全回復する。 レベルアップすると敵と違い、防御力も上昇する。 全体攻撃などに巻き込まれてしまう。 敵の隣にディアボロと仲間がいると確実に仲間に攻撃してくる。 敵と仲間が隣接するまでは敵は普通にディアボロを追いかけてくる。 遠距離攻撃の敵は射線上に仲間がいると隣接していなくても仲間を攻撃する。(誘導弾を撃つ敵を除く) 同じ部屋内に敵がいるとそちらに向かっていく。(怒ったトニオさん含む) 同じ部屋内に敵が複数いる場合は最も近くの敵に向かっていく。(透明の敵には向かわない) 透明の敵には隣接したときのみ攻撃する。 ディアボロが水の上にいるとついて来ない。 ディアボロから離れた状態で階段から下りてもいなくなる。(同じ部屋にいたらついてくる) ディアボロ同様歩いても回復する。 DIOの罠に巻き込まれるとディアボロと同じくHPが1になる。 ドッピオのDISCを使うとついて来ない(ディアボロに戻るとついて来る) ペットショップのDISCなどで同じフロア内ではぐれると部屋を右往左往する。ディアボロが近づくと向かってくる。 パープル・ヘイズのDISCを攻撃に装備して話しかけると、時々変な方向を攻撃してしまう。 爆発で仲間は倒れる。 攻略 仲間がいるおかげで序盤は楽。 ただしイギーは攻撃力が低いため、強敵にガチで競り勝つのにはあまり向いていない。 康一DISCを見つけたらLv9で投げてあげたい。 30F以降は、レクイエムより強い敵の出現が遅いとはいえ若干辛くなってくるかも。 その後、特に杜王町ゾーン及び90F~は魔界。 終盤(特に80F~)はディアボロが仲間を守るくらいのつもりでいかないとコロッと死ぬ。 イギーは防御力が高いため一撃死し辛く、道連れシリーズの中ではもっとも簡単。 また非常に重要なこととして、爆発で仲間は即死する。 普段以上に爆弾に注意しよう。 バグ・不具合 ソフト側のもののみと思われ。 ダウンロード 本体同梱 クリア報告、不具合、難易度、感想など 普通に無理な件 経験者さんアドバイスください - 名無しさん 2010-09-25 16 48 26 名前
https://w.atwiki.jp/etorarowa/pages/145.html
「うぅうう…僕がドッピオだ…くっそおおお、 こんなえっちなすけべイベントに召喚しやがって…健全を…」 なぜか血まみれで倒れている少年、 みんながどういうわけかみんな寝起き状態のようで言動がちゃらんぽらんな 世界にて、娘の腕をちぎって持って行く邪悪の別人格であるドッピオが 殺し合いに呼ばれた自体に憤っていた。健全さはどこにあるのか。 「行くか。どっかへ行こう。俺は…俺どっかへ行きます…」 メンタルを尋常では無い早さで切り替えてから 直ぐに立ち直り当てもなく歩くことにしたようだ。 「それにしてもアツーイ…いやヒエール?とにかくあのジョコマンは 何の目的で僕をこんな場所へ召喚した…」 それはそれとして主催の行いへ疑問を感じているようだ。 そしたら、緑色の無数の細い線につるされている、 「何 ノ理由 があっテ呼ばれたの!? [[suケベR18] ]な殺し合い ニ!」 「アノ恩知ら、。ずのしがないスポンジヲ [[ぎったンげったん] ]に レ ナキャならない ノに!せ かくワタ94が全て差し出しの二!」 なんかロボットみたいなスタイリッシュな胴体に 購入したばかりの白紙のように白い顔で 鼻の長いめがね男があらわれた。 どうやらこいつも殺し合いに召喚されて憤っているらしい。 「だれですあなた!?」 当然びっくらこいだドッピオ。元々居た世界でも 客の目の前でタクシー代の桁を堂々とごまかして請求したり 質問に答えなかったくらいで殺すぞなんて言われる不条理かつ劇的な世界であったが だからといって突如現れたへんてこなロボットに驚かぬ道理は無い。 「ア!!そこ のアnタ[ [あnぽnたn]] 、[ [こnにちわ] ]! みnな ガお気にの、。偉イ[ [セールスマン] ]」 「ワタ94がスパムトンで゙su!」 初対面の相手をあんぽんたん呼ばわりする上に おまけに口調も支離滅裂ときた。 どんな生活や習慣を持てばこんな意味のわからない しゃべり方になるのだろうか、一応怪しいセールスマンというのは理解できた。 「セールスマンアレルギーなので…帰りますね。」 もう色々と関わったらやばい要素ばかりだと 直感したドッピオはさっさとずらかろうとするが。 「帰らない で !待って待っte!」 引き留められてしまった。 絶対ろくなことにならないだろ。 「じゃあ何をすれば良いんです?」 うんざりとして嫌がった表情で問いかける。 「ワタ94ハ[ [[BIG] ]になり た ンdeath。 [ [夢は大きく!] ]」 「その ためには必要 です !! アnタの」 「[[吹けば飛ぶチックな命] ]ヲ!」 スパムトンはドッピオに向けて右手に搭載されたバスターを突き出した。 「はぁ!?やっぱこんな…えっと… 物騒な展開になんのかよぉ!!ばかぁ!ばかぁ!!」 怒りを包み隠さず表現するドッピオだが 開始早々命の危機に見舞われてしまった。 「ダカラみんなぼコシ て帰る! オ金 トか願いドウ でもいい、。! 早くかえって あの[ [しがないスポンジ] ]ノ 、。あやシイ[ [いのち] ]を [ [吹き飛ばす] ]。!!」 「お前の方が怪しいだろ!!」 怪しさの塊のようなロボットにつっこみつつも ドッピオは戦闘態勢に入った。 ボスから与えられたと思われている エピタフを使いこなせればこんな危機など くぐり抜けられるだろう。 断言できないのは寝起きの世界は元の 「ジョジョの奇妙な冒険」の世界に一応基づいて誕生した世界であり、 登場した人物は一応そちらをなぞった人生を送ったり元ネタ通りの展開になる。 元のジョジョの世界でのドッピオはエピタフという 予知力があるスタンドをディアボロに 分け与えられているためこのドッピオも たぶんエピタフを分け与えられているのだ。 【ドッピオ@寝起き一発目で振り返った ジョルノの奇妙な冒険 没】 [状態]:健康 [装備]:通常の服装 [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況]基本方針:脱出優先する。 1:目の前にロボットから逃げる。 [備考] 特にありません。 【スパムトンNEO@DELTARUNE】 [状態]:健康 [装備]:特になし。 [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況]基本方針:[ [みんな]]をぼこぼこレてR18なココから 脱出 します! 1:目の 前 ノ[ [あnぽnたn]]をヤッケマ su! [備考] [ [Aルート]] で[[しがないスポンジ] ]と戦う直前から の参戦death!
https://w.atwiki.jp/diavoloremix/pages/33.html
レトろす氏による作品。 1Fに必ずツェペリさんが配置され、ツェペリさんと一緒に攻略していくダンジョン。 基本情報 製作者 難易度 対応ダンジョン 現ver レトろす氏 5-6 ディアボロの試練 0.2 説明(txtより) ツェペリさんと一緒にクリアを目指すダンジョンです。 1階に必ずLv1のツェペリが居ます。 2階からツェペリが倒されるか居なくなるとディアボロも死にます。 落とし穴は即死を防ぐため他の罠になっていますがソフト側の都合でそのままの場合があります。 ラクガキの罠もかなり詰み易いので他の罠になります。 その他はオリジナルと同様です。 備考 仲間についての情報。 マップ上に黄色の点で表示。 常に鈍足状態。戦う仲間は仲間にすると通常速度になる。 遠距離攻撃などでダメージや状態異常を与えることができる。 フー・ファイターズのDISCで撃つと回復する(F・Fの攻撃ではダメージを受ける) ゾンビ馬を投げると回復する。 ヤバいクスリを投げると回復&混乱する。 カエルを投げても回復はせず微ダメージを受けるだけ。 仲間が混乱や盲目時でもディアボロは攻撃されない。 仲間混乱時は普段の会話が出来ない。 仲間盲目時は普通に話すことが出来る。 JOJO A GOGOを投げると999ダメージを与える。 康一のDISC、ピンクダークの少年、ヒロヒコのサイン色紙を投げると1レベルアップする。 サンドマンのDISCを投げるとそのフロアにいる間ずっと倍速行動になる(ただしそのターンで敵を倒してしまうと仲間のターンはそのターンで終了)。 メタリカのDISCを投げるとそのフロアにいる間ずっと透明状態になるが、プレイヤーからの視認が出来なくなるだけで敵はちゃんと感知して攻撃してくる。 ホルマジオのビンには入らない。 ヘブンズドアーのDISCを発動させることで敵図鑑への登録が可能。 Xキーで位置入れ替えを行うとそのターンはもう行動しないが、マンインザミラーを撃って入れ替えた場合はそのターンに行動してくれる。 仲間キャラが敵を倒すことで経験値上昇(倒すのみで可、その際経験値はディアボロと半分に分けられる)。 現在の経験値とHPはサバイバーで確認可能。会話でも確認可能(HPもある程度は分かる)。 基本的に仲間は敵の特技を受けない。またハーヴェストなどの通常攻撃しない敵からも攻撃を受ける。 レベルは最高で10まで上がる。レベル10の状態だとレベル1の時のHPの2倍になる。 レベルアップする総経験値:50→200→500→1000→2000→4000→10000→20000→40000 レベルアップするとHPが全回復する。 レベルアップすると敵と違い、防御力も上昇する。 全体攻撃などに巻き込まれてしまう。 敵の隣にディアボロと仲間がいると確実に仲間に攻撃してくる。 敵と仲間が隣接するまでは敵は普通にディアボロを追いかけてくる。 遠距離攻撃の敵は射線上に仲間がいると隣接していなくても仲間を攻撃する。(誘導弾を撃つ敵を除く) 同じ部屋内に敵がいるとそちらに向かっていく。(怒ったトニオさん含む) 同じ部屋内に敵が複数いる場合は最も近くの敵に向かっていく。(透明の敵には向かわない) 透明の敵には隣接したときのみ攻撃する。 ディアボロが水の上にいるとついて来ない。 ディアボロから離れた状態で階段から下りてもいなくなる。(同じ部屋にいたらついてくる) ディアボロ同様歩いても回復する。 DIOの罠に巻き込まれるとディアボロと同じくHPが1になる。 ドッピオのDISCを使うとついて来ない(ディアボロに戻るとついて来る) ペットショップのDISCなどで同じフロア内ではぐれると部屋を右往左往する。ディアボロが近づくと向かってくる。 パープル・ヘイズのDISCを攻撃に装備して話しかけると、時々変な方向を攻撃してしまう。 爆発で仲間は倒れる。 攻略 ツェペリさんは40Fくらいまではかなり戦える仲間なので、康一DISCをストックしておいて早めにLv10にすれば、回復してやることで60Fあたりまでは使える。 しかしツェペリさんは攻撃高め防御低めの設定なので、深層ではイギーやスピードワゴンよりコロッと逝く。 特技も失敗する可能性のある波紋の壺程度なので、あてにしすぎないほうがいい。(2部ゾーン、究極カーズ対策としては優秀) クリアはイギーの次くらいには簡単かと。 ただし開幕小部屋・大型モンハウには弱いので、対策用の全体攻撃アイテムかツェペリさんに投げるためのペットショップDISCは欲しい。 バグ・不具合 ソフト側のもののみと思われ。 ダウンロード 本体同梱 クリア報告、不具合、難易度、感想など 名前
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/491.html
長い長い数分が経ち、改めて4人は顔を合わせる。 泣き腫らした二人の顔はどこも赤く染まり、昂った感情の大きさを物語る。 もっとも、それ以外に『人の前で泣いたこと』が大きいことは事実だが。 「……すみませんね、みなさん。あんなに、子供のように泣いてしまって……人前に立つ身なのに、これじゃあいけませんよね」 「……いや、早苗は悪くないよ、しょうがないよ。一番悪いのはなんだかんだ理由をつけて自己保身に走ろうとするはたてだ、そういうことにしよう」 「マジっすか」 「マジです」 同性同士だからか、受け止める側だったからか。すぐにいつも通りに話し始めているはたてと諏訪子、そしてそれは早苗の落ちた気を上げようとも見える。 だが、その空気もドッピオには少々心苦しい。 状況がどうであれ、人前で、女性の胸を借りて泣き喚いたことによる恥が彼の心で暴れ出す。 「…………」 できることなら、今すぐにでも逃げ出したい。 先に聞いた話を改めて自分の中で反芻して納得しようとする時間ももちろん欲しい。 しかし一番大きいのはその話の前まで敵対していた、少なくとも自分はそう思っていたはたての胸の中で泣いてしまったこと。 まだ一人で泣いていた方が、自分の精神的にも楽だったんじゃないか。 「いやまあ、しかしはたても隅に置けないね! まさかこんな子どもを手籠めにするたぁね。利己的な輩が多いという天狗なのに、どういう風の吹き回しなのやら」 「ちょ、洩矢様、何も目の前でそういうの言わなくてもいいでしょうよ、ねぇ」 「……ふぁ、そういえばそこは気になりますね」 そんな彼に追い討ちをかけるように諏訪子は話を持ち上げる。 早苗もそれを聞いて少し明るい声を出す。まだくぐもった声だが、諏訪子の狙いは成功している。 「……やめてくれよ……」 もっとも、それがドッピオにとって良いことではないことも確か。 今一番触れられたくない点に早々に食らいつく彼女らに恨みがましい感情しか湧いてこない。 はたてがどう思っているかは知らないが、どう思っていようが、その点にドッピオは触れられたくはない。 「そっちが先に聞かれたくないことを聞いたんだからそれくらいいいだろう? 恥は掻き捨て、世は情け」 「今この状態のどこに情けがあるのさ……」 「十分有情だよ、ドッピオとやら。女を泣かせた男なんだってことを覚えておきな? それに、君は気にならないのかい?」 そう言われてしまえば、いいえと答えたら嘘になる。ドッピオ自身も、急な彼女の心変わりが気にならないわけではない。 だが、それを何も直後に本人の前で聞かなくてもいいだろうに、この神様は笑顔で訪ねてくる。 その姿は、昼下がりにゴシップを見て楽しむ姿。 「いつもはくだるかくだらないかの瀬戸際新聞くらいなのに、当の本人が記事に乗っちゃいそうなことしちゃってさー」 「いやまあ、洩矢様。そのー、ねぇ。聞きます?」 対して、割合まんざらでもない様子のはたての姿。 「なんていうか、私と似てたんですよね、コイツ。八方塞がりなところに救いの手を求めている姿。……あの時はこんなに女々しくしていたつもりはなかったんですけど、きっとあいつからしてみたらこんな顔をしていたのか、なー、なんて」 少々の恥ずかしさを顔にだし、目線を外して頬を掻く仕草。小さな仕草は彼女の癖なのかもしれない。 はたての回答に対して合点のいった顔をして頷く早苗と諏訪子。そして二人は、声に出さずとも先を促している。 「あー、それに、あいつは口が悪くても何だかんだでこっちの面倒を見たりしてるし。憧憬みたいなの、ちょっと持ってたのかも。もちろんこういう男の子好みだけど……もういいでしょ?」 「えー」 「えー」 話を打ち切ろうとするはたてに対して、二人は口をとがらせる。 「中々のインパクトもあったので、もっと聞いてみたいですね。私のいない間にどこまで仲睦まじくなったのか」 「おかんか」 「おい、それは絶対に言いふらさないでくれよ」 これ以上三人に喋らせていては何にもならない。 けれど、この茶化しあいは自分の心を抑える要因にもなった。別の心が浮かび上がってきているが、それはもうどうでもいい。 「せっかくの天狗の恋バナなんだから、もっと聞いておきたいじゃないですかー。幻想郷ってそういうの全然ないんですよ? ちょっとみんな自分に生き急ぎすぎてるというか」 「別に、そういった話題なら人里とか行けばあるだろうし、山の鼻高天狗とかはいつも発情、年中女募集してるけど?」 「そんな愛の無い男女関係なんていりません!!!」 「おい」 痛くなってくる頭を押さえながらドッピオはまた声をかける。 これ以上彼女たちの好き勝手を許してしまえば、自分の知らぬところでおもちゃにされてしまうに違いないだろう。 「そういうのはもういいからさ……気になることが」 「よくありませんよ!! ドッピオさんさっき気になるって言ったじゃないですか!!」 「言ってない! ……じゃなくって、さっきの話で気になる点があるから、それを答えてくれないか」 むっとした表情で話す早苗は、先の悲しみが大分薄れていることを窺える。 悲しいことがあったとしても昔の話。そこにいつまでも捕らわれていてはいけない、と考えていることがわかる。 だが、ドッピオはそうではない。 「今から11年前って言ってたよね、2001年が。……いや、そこじゃないな。今が127季、早苗たちは122季にここに来た、と」 「そーですよ?」 「……早苗は、何歳だ? あの日記の内容から垣間見るに学生だったろうけど、ここに来てから5年でその成りだとしたら随分小さいころに来たことになる。……その割には漢字も使っていたし」 そこまで自分で話し、自分で口走った内容に違和感を感じる。 何故イタリアでしか過ごしていなかった自分が日本語を読める? 思い返してみれば、命蓮寺でも人里でも違和感なく読み取れていた。 今口に出している言語も、気がついてみれば日本語だ。 「……」 そこで押し黙った彼を、鋭く見つめる諏訪子。 それに気づいたのは、この中にはいなかった。 「……とにかく、5年の歳月にしては早苗は成長しなさすぎている、と感じるんだ。それはどうなってる? まさかそれで成長期は過ぎているだなんて言わないよな?」 「い、言いますねドッピオさん……!」 先ほどまでとは違う、それはドッピオが表に出していた恥の感情。 その感情が早苗の顔を赤くし、胸を隠すように腕を組む。……別にそこは指摘をしていないのだが。 「あー、それは幻想郷の癖というか。長く楽しむコツというか」 「そ。永く永く楽しむという、外でできないそれがここでは行える」 問の回答ははたてと諏訪子から出た。 「どういうことだい、それは」 「厳密に言うと違うが、分かりやすく言ってしまえばここでは歳は取りたいときに取るのさ。妖怪は当然ながら、人間も少なからずね」 諏訪子が答えると、はたての腰をポンとたたく。 はたてはわかっていたかのように手帳から一枚の写真を取り出す。 そこには蝙蝠のような羽が生えた少女と髪型以外は今とほとんど変わらない巫女の姿。赤く輝く満月を背景に、二人が激しく弾幕ごっこをしている写真。 「これ、紅霧異変の頃。今から9年くらい前かな?」 「……本当に?」 さすがに10年近くも経っていると言われて今と変わらぬ姿を取っているとなれば、理解の前に納得がいかない。 「誰だって、楽しいことはずっと楽しみたいじゃない? 妖怪がそれを願い、人間もそれを享受すれば肉体の衰えは僅かに歪む。その結果、肉体も精神もそれ相応に維持されるのさ。 もちろん、だからといって成長しないわけじゃない。遊んでばかりの子供の時代はいつか終わる、その終焉をどちらかが理解すれば、人間は自然と周りに追いつくようになる」 諏訪子が指を立てて解説するが、ドッピオの表情は変わらず理解に苦しんでいることを窺える。 「まだ遊びたいという『想い』が、外の世界で忘れられた『想い』がここで実っているというわけ。私たちが外に居た頃から既に友と日が暮れるまで遊んでいられるという時代ではなかった。 子供でも、大人でも、風習や因習、慣習といった要因でその想いは踏みにじられ忘れられていった。幻想郷は、そんな『想い』も受け入れる」 そこまで話し、諏訪子はドッピオの胸をトン、と叩く。 その言葉と行為で、何か忘れていた物を思い出したような、そんな風が吹きとおったような感覚が身体を走る。 「誰かに教わったわけでもなく、誰かから教えられたわけでもなく、ここの皆はおのずとそれを理解している。もはや、それが常識。 幻想の壁とは常識の壁。全てが逆になるわけではないけれど、『あるはずの無い希望』位ならあるかもしれない。……こんなところかな?」 はたてが諏訪子に続き、話を締めくくる。 もちろんそれに完全に納得したわけではないが、自分が雲に乗って移動する、といった彼女らの言う『あるはずの無い希望』に触れている以上、そういったものだと受け止めるしかないこともわかっている。 「……いずれ大きくなるからいいんです」 口をとがらせながら、早苗は呟いていた。 「さて、ドッピオとやら。ここから麓まで降りるには大分時間がかかる。悪いがここは赤色しかない神社と違って色立つことは苦手でね、男を泊めるわけにはいかない。 さっきの話が本当ならば天狗に送らせるのも不安だから私がその役を引き受けてあげよう」 「へっ? いやいやいや、洩矢様にそのようなこと。それに、んなことするわけないでしょうよ、この私が」 諏訪子が急にドッピオの手を引き、下山を促そうとする。 確かに山の麓で椛と会ったのが正午ごろ、そこからそれなりに時間は経っている。もしそのまま下山に時間を使えば日は落ちてしまうだろう。 ……あの時椛にはああ言ったものの、確かに妖怪の腹の中と変わらないこの中、夜闇を動くには危険かもしれない。 先の発言があった以上、はたても何をするか、分からなくなってくる。 「天狗って若い男の子を攫って自分のものにするって聞きましたよ」 早苗がにこやかに、ドッピオに説明するかのように話す。多分に意を含んだその言葉。 「それに、はたてにはウチの早苗を自分の我欲の為に利用した罰を与える必要があるからね。狂王の試練場クリアするまで返さないよ」 「え、勘弁してくださいよそういうのー。それになんですその珍妙な名前の物は」 「諏訪子様それ好きですよね……何周してるかわからないくらいやりこんでますし。……まあ、ドッピオさん。言うとおりさすがに夜に一人で行くのは危険ですよ。……ちょっとお泊めになるのは、その」 にぎわう外野をよそに、確かに早苗は彼の身を案じてはいるらしい。そして、霊夢と違い『そういったこと』に抵抗があるらしい。 「さあさ、時間は待ってくれないよ。行くなら急いだ方がいい。早苗ははたてを確保しておいてくれ。逃がさん、お前だけは」 「ちょ、ちょっと待ってくれよ、まだ」 そう言うと諏訪子は強引にドッピオの手を引き神社を出ようとする。 傍から見れば幼子の我儘に手を取られ、強引に連れまわされているようにも見える。が、ドッピオとて勝手に決められては困る。 「君の本当に知りたいことはここでは言えない」 抗議の声を上げようとしたとき、それを見越したかのように、小さな声で諏訪子が呟く。 そこから感じた印象は先までの得体の知れない神のような存在でもなく、早苗の保護者としての彼女でもない。甘言で人を堕へ突き落とす悪魔の様な。 その先を聞けば、もう戻れなくなってしまうような囁き。まだ、何も始まっていないというのに。 「…………」 その言葉を聞いた時、ドッピオの中で何かがざわめく。 自分の中で抗いたい行動なのに、その何かが足を止めずに動かしている。そんな、矛盾。 「洩矢様、そんなに無理にやらないで私に任せれば、っ、がっ」 「諏訪子様の言うとおりに! ……大丈夫ですよ、諏訪子様は取って喰ったりしないですって。たぶん」 何か鈍い音と共に早苗の大きく送り出す声が辺りに響く。おそらく、それは最初のやり取りとは逆になっているのだろう。 ドッピオは、それに振り向くこともせずに諏訪子に手を引かれるままに足を運んで行った。 「……どういうこと?」 諏訪子に手を引かれるがまま、石段を下りて進む。 繋いだ手から伝わる温度が運動からかじわりじわりと温かくなっていくのを感じて。 「言葉通りの意味さ。さっきのはたての話、不完全だったろう? その空いたスキマは私が知っているということさ」 石段を降り切ったあたりで諏訪子は答える。 「肝心な所はわからない……大妖は知っているかもしれない……奴はそんなことを言っていたはずだ。そしてそれは正しい。外の者が幻想郷をも喰らい尽くす様な力を持っているとするならば、幻想は何のためにある? 妖怪は人に恐れられる存在でなければならない。すごく簡単に言ってしまえばそれが存在理由。それよりも恐ろしい力を持つ者が外に居るとわかってしまえばこちらの世界の存在理由が危ぶまれる。 長らくその存在を知っていながらも、誰も詳しくは知らなかった。『それ』がここまで大きな力を持つと思っていなかった」 手を大きく広げ、仰々しい口調と身振りで演説する。その姿は、先に感じた違和感を強調させる、支配階級の頂点に立つ者の纏う雰囲気。 ……それを察知した瞬間、ドッピオは諏訪子に向かって駆け出し距離を詰めていた。 「わかってるじゃあないか、少年」 と、と諏訪子が後ろに下がるように跳ねると、それと共に先ほどまでドッピオの居た場所に多数の木々が生えてくる。何かしてくる、その予感が働きいち早く駆けだしていたからこそ、ドッピオはそれを躱すことができた。 もし自分の予感を信じずにおとなしく聞いていたなら木々に囲まれ身動きが取れなくなっていたか貫かれていただろう。 僅かな距離を完全に無くそうと、その離れた距離をさらに詰める。彼女に、息つく暇を与えずに。 そんな彼を嘲るかのように、後ろに下がった諏訪子はそのまま地面に倒れこむ。 「何!?」 諏訪子は地面に潜り込んでいった。まるで、水面にそのまま飛び込んだかのように吸い込まれていった。 想像を超えた出来事に一瞬、隙が生まれてしまう。 「「ゾッとしたみたいね」」 背後から、右後方左後方の両方から諏訪子の声が聞こえる。 それとほぼ同時に、背後から飛び掛かるように両腕を抱え込まれ、その勢いで地面に叩きつけられる。先ほどの諏訪子とは違い、地面に潜ることはない。そこは固い固い石畳のままだった。 「がふっ!」 身体の前面に衝撃が走り、体内の空気が吐き出される。 冷たい石畳に這うドッピオの眼前に、ずるずると、諏訪子は這い出てくる。沼から現れる蛇のように。 全身を浮上させると、うつぶせになっているドッピオを見下ろしながら、 「『宝永四年の赤蛙』」 そう呟くと、両腕から押さえて拘束していた二人がドッピオを仰向けにするようにひっくり返す。 二人の諏訪子は、赤い霊体の様にうっすらと色を帯び、実際に存在しないように揺らいでいる。 三人の諏訪子は、くすくす、くすくすと静かな笑みを湛えていた。 「……何をする気だ? 憂さ晴らしのつもりか?」 「そんな! そんな頭の悪いことをしたいわけじゃないよ。もっとも、人によってはもっと頭の悪いことと言うかもしれないけどね」 そう言うと、本体である諏訪子がドッピオの胸に顔をうずめる。 「んっ……すぅ、んはぁ……!! んんっ、はっ……!」 彼の服の上から、激しく、それを貪りつくすかのように香りを味わい始める。 聞こえる吐息から、熱くなり抑えきれない劣情をありありと感じられる。 その姿からは、外側だけ同じで中身は全くの別人であるかのように、見た目は幼い子供にしか見えないが、本質はまるで別であることを嫌でも感じさせた。 「はぁ、ぁ、久しぶりだ、長らく味わっていなかったよ。この雄の香りと、どれだけ落としても拭いきれない、染み着いた血の香り。……興奮する」 顔を上げた彼女は、顔を紅く上気させ、求める様な上ずった声で語りかける。 薄く開いた目、唇から出る舌は上唇をなめずり、 「だが、まだ足りない」 「!? っ、がっ」 変貌にあっけにとられていたドッピオの首にその小さな両の手を伸ばし、へし折るかのように力を入れる。 「ぐ、あっ……!! ぎ、ぁ……ぁ!!」 「絞められて、落ちる瞬間が最も気持ちいい。……知らないでしょう? 少しずつでいいから、頭から抜けていく気力と共に最後の抵抗を示してみなさいな」 ぎりぎりと、容赦など全くなく。 その細腕にどれだけの力がこもっているのかと、もし当人でなければ何の感情も抱かず考えてしまうほどに。 今、ドッピオの両腕は変わらず赤い霊体の様な諏訪子に押さえつけられ全く動かすことができない。 それでも、このまま、こんなところで。 「ぎ、ん、ぐぅっ!!」 動かない両腕の代わりに、見えない何かが諏訪子の手首を掴み、そのまま握りつぶすかのように力を加える。 視覚として存在しないにも関わらず、確かにある何かは万力の様な力で細い腕を砕こうとする。 「出したね、『スタンド』を」 そのまま両の腕を潰されることを受け入れるかのように、諏訪子は特に何もしなかった。ただ何もせず、ドッピオの首を絞め続けていた。 「ようやく出してくれたというべきかな。……存在しえない、認知の無い、そんな外の力。幻想郷をも揺るがすことのできる……こんなものじゃないはずだ。さあ、私に見せてみてよ」 「ぐ、そぉ……っ!! が……っ!!」 「確かに感じるんだよ、でも違う。『この身体なのに人を殺した事があるのは君じゃない』。それは確かなんだ! さあ!! もっと! もっと!! 私が一番だ、私は見たいんだ、君の力を、味わいたいんだ、君の身体を!! 偽りの身体なんざ捨てて、私に感じ てちょうだい!」 一声ごとに、諏訪子の力が強まっていく。身体もどんどんと前にのめり、自らの体重全てがその両腕に掛るように、その苦しむ顔の全てを収めようとなる。 対して、ドッピオは視界がぼやけ、徐々にスタンドの力も薄れていく。諏訪子の両の腕に刻む腕の痕も、それに合わせて薄くなっていく。 そして、体の力も抜けていき、意識も薄れ、やがて閉じていく。 絶頂に達しようとしていた諏訪子が気が付いた時、そこには地面に手をついている自分の姿だった。 そしてそれは自分の分身も同じ。押さえつけていた少年の姿はどこにも存在しなかった。 次に気が付いたことは三つ。自分を覆うような影、それにより自分の背後に誰かが立っていること。 もう一つは、その誰かが自分の首根をがっちりと掴んでいること。先まで自分がやっていたように。 最後の一つは、ドッピオの首を折らんばかりに握っていた両腕、その腕を砕かんばかりに掴んでいたスタンドによる痕。そして、それに合わせて砕けきった自分の腕。 「……? がぶふっ、……」 わからないまま、自らの腹部が何かに貫かれる様。 大量の血と臓物が前面に飛び散り、ドッピオが倒れていた地面を汚す。 貫かれた穴から飛び散るには足らず、衝撃で顔まで逆流してきた血が口や鼻から飛び出、垂れる。 そこまでして、分身の視界に入り、ようやく共有している感覚が自分を攻撃してきた正体を知る。 そこにいたのは、逞しい肉体、どこまでも深い闇を堕ち、その行程を見てきた暗い瞳、それでも淵から立ち上がろうと、前に進もうとする覚悟の意志。 「……キングクリムゾン」 今までの様なふらついた足取りではない。明確な意志を持って目的の為に歩く、そのための足。 ディアボロは、そこに立っていた。 「……なん、て……いつか、ら……」 わずかに残る体内の空気が、諏訪子の血でかすれた声から漏れる。そんな明らかな重傷状態でもディアボロは全く警戒を解かずに見つめる。 それは当然。本体である身体が傷ついてもその分身は全く傷ついていないから。ディアボロからすれば、その分身たちからいつ次の攻撃が来てもおかしくはない状態。 だが、諏訪子からすれば『当人が何もしていない状態』で『質量をもった何かで攻撃を行った』という状態。 「このまま殺してもよかったが……おそらく人間とは違いこの程度では死なないだろう。その点においては信用する。それより、聞いておきたいことがあるからな」 掴んでいる諏訪子ごとスタンドを手近に戻し、その左手は首、右手は背中。足で腰を踏みつけて、そのまま地面に押さえつける。 立場は完全に逆転した。 「……確か、に。神殺しには及ばないけど、このままじゃあ抵抗すらも、ぼほっ、できない、ね……」 「……想像以上に元気そうだな。恐ろしいものだ」 「あは、口だけね。……答えるのも辛い。そういった意味での抵抗はもうしない。だから、あれを戻してもいいかな? 少しは力が戻って、話しやすくはなる」 「…………許可する」 どうも、というと二つと分身が消え失せる。そして、その力は諏訪子に戻ったのだろう。僅かだが、押さえつけている諏訪子の体が力を増したように感じる。もっとも、傷は戻っておらず確かに抵抗しきる力まではないようだ。 ディアボロは辺りを見回す。周囲は閑散としており人気は感じないが、同時に隠れる所も見当たらず尋問をするには不向きである。 一連の流れをもし最初から見られていたのならば――もちろんそれはディアボロが良しとするわけではないが――まだ諏訪子から仕掛けてきたと言い訳はできるがここだけを見てしまえばどうにも弁解はできない。 「……安心しなよ。ここは妖怪の山と守矢神社との領域の空間地帯だ。本当に通りすがりがない限りは誰の目にも止まらない。私と一部の天狗以外は空間の存在を知らないし、ここで何があっても咎めない。悪巧みには便利でしょ?」 その考えを察したのか、血に濡れた顔を歪めて諏訪子が話す。 確かにはたても同じことを言っていた。一部の天狗が既に知った顔なのも、近隣にいることを知ったことも、それはいい都合である。 「聞きたいことが多すぎる。何から聞けばいいか整理する必要があるが……まず聞こう。お前は私をどこまで知っていた?」 少なくとも命蓮寺の者たちは知っているようには見えなかったし、知っていてそれを隠しているようにも見えなかった。白蓮以外は。 「お前は『スタンド』の事を知っているようだ。だが、どうやら名前だけらしい。……私がそれを持っていることを知っているなら、他には何を知っている?」 「……答える前に聞いておきたいけど、私も君の事で聞いてみたいことがある。それは、いっ、ぎゃああああ!?」 「答えてもいいなら答えてやるが、自分は相手の事を知らないのに、相手は自分を知っている事が私は嫌いなのでな。仕返しはこれだけだ。お互い仲良くしようじゃあないか」 諏訪子の腹の傷を踏み躙りながら、ディアボロはそれを解答とした。 自分に対しての冷酷な瞳、手段を選ばぬ残忍な心。 「……あっ、……いい、ね、ぇ……責められるのが趣味ってわけではないけど」 「……答えるのか、答えないのか、どちらだ?」 「ぐああっ!? 答える、はっ、答えるから、足どけてよぉ!」 再び踏み躙り、そのたび諏訪子の悲鳴が辺りに響く。……確かに、聞かれてしまうのはまずいことではある。 まだ罰を与えなければ気は済まないが、それより用件を済ますことが先ではある。 「うぅ……、あぁ……。どこから、話そうかな……」 「時間稼ぎなどを考えるなよ。解放されるのが遅れて困るのは自分自身なのだからな」 「解放してくれる気なのは助かるけど……いや、そうじゃないね。……ざっくりだけど、はたての話の続きから話そうか」 躙る程、開くごとに口から血が垂れ、辺りを塗らす。 「幻想郷の中で、スタンドを知っている者はほとんどいない。今までにスタンド能力を持ってここにきた者も少なくとも私は知らない。伝聞でもね。 そんな中、先の事変だ。……知っている者は皆それをスタンドによるものだと考えていた。……だから、そのケースを呼び込んだんだ、ここにね」 「……続けろ」 「……続けろって言っても、私が知ってるのは大体それだけ。君がその呼び込まれたケースだって気づいたのは実際に会ってからさ。呼び込まれたケースがどのような人物かは知らされていない……私は外の世界の極悪人、とだけ聞いていた。 だからあんなちんちくりんが来たときは全く気付かなかったけど、話や素振りを見てそれだと気づいた。……まだ外見しか見てないが、良い男じゃあないか」 いっぱいに首を回し、視線を片寄らせてなんとかその顔を見ようとしている。 倒れた状態では見えていないのだが、分身から共有したその姿と、今僅かに見える逆光で見えないディアボロの表情は彼女に十分の好奇を感じさせている。 「スタンド、については確かに私はよくわかっていない。使用者の精神に依る像、それによる特殊な力。それがベースであり君がどんな能力を持っているかは知らない。……さっき見た感じだと、知り合いと同じような能力みたいだがね。 過去、私たちがまだ外に居た時代、早苗の生まれる前。それを示唆した老婆が早苗の父にその力と、それを使う何かの集団に誘っていたよ。あまりの不気味さから断っていたけどね」 説明を聞きながら、過去を顧みる。 スタンド能力を開花させる矢。早苗が生まれる前。示唆する老婆。それがどれだけ離れていたかはわからないが、一応符号は合致しなくはない。 「そこまで正直に話してくれることには感謝するぞ。……次の質問だ。私をここに呼び込んだ者は、どこにいる? ……おそらく、ヤクモユカリ、という人物だが……いや、妖怪か」 今までいくらか話に上がってきた、八雲紫。博麗神社で聞いた時にはアリスより力のある者、程度の認識だったがはたての話ぶりから『有名で、知っていて当然』と思えるほどの者。 また、先の事変について『全て知ってそう』と表現していた。おそらく、その事変に類する、対抗する力を持つ者の一端であるはず。 「それについては、上手い答えを持っていない。奴はどこにも存在しているようで、どこにも存在していない。神出鬼没の妖怪だ。探そうとして会える者でないが、会いたくないときには顔を出す。……そんな奴だ。ただ」 「ただ?」 「この空よりさらに上……冥界の中、白玉楼には奴の友人、西行寺幽々子がいる。同じ程度に喰えない奴だけど……紫に近づくのであればそいつに近づくのが一番、かなぁ」 「…………冥界、まであるのか……」 さすがに様々な出来事が起き、やや感覚が麻痺してきていると思えるほどだが、さすがに死後の世界まであるということには驚かされる。 もっとも、ディアボロにとってそこはたどり着くことすらできない世界だったのだが。 「……最後の質問にしよう。私の能力は、そのユカリが解除したと考えてよいのか、それとも別の者が解除したのか」 一番知りたいこと。 それを感付かれたくないからという心が、この質問を最後まで持ってきた。 自分を縛り続けていた鎮魂歌の力。死ねばまた再発するのか、という疑問もあるが、そもそも死に至ることがないまま時間が過ぎている。 人間を越えた力だが、それを超える者がいくらでも存在するこの世界。……現に今足元で転がっているのも神の一柱であるという。その力を解除したものがいるのかどうか。 「……能力? 解除? ……何のこと?」 だが、その質問に対しては諏訪子は知らなそうな素振りを見せる。 今まで素直に答えていた態度と同じく、素直に知らないといったような態度だ。 「隠すことは許可しない」 「いや、ほんとに知らないって! 何が君を縛っていたのか知らないけど……もし何か、それに境界を設けられそうなものなら奴はそれを弄れるだろうね。紫は境界を操る程度の能力を持つ。 空と海といった、物理的な境界から現と夢、そう言った概念的境界まで。幻想郷を作り出した当人だ、何ができてもおかしくはない」 「……想像以上、だな……その、ヤクモユカリの事実は」 舐めていた、正直に。心のどこかでは、自分の力を用いればどのような事態も予測し回避できる。故の自信があった。 もしその話をそのまま受け入れるのであれば、自分は全くの勝ち目はない。また、今までに聞いた全てのおかしな事柄には納得できる。 言うなれば、鎮魂歌の能力は生と死の境界を操り、あやふやのままにしておいた、といったところか。言葉の壁、とも言われるほどの言語の問題もその力を使えば簡単な設問だ。……サービスのつもりだろうか? だからといって、それに恐れて足を止めることはないのだが。 「……お前から聞くことは、以上だな。最後に」 「……?」 「私の事は誰にも言うな。私に関する、全ての事を。今以前に知っていたことも、不用意に広めるな……できるな?」 できなければ、今ここで殺す。 その意図は十全に詰めた。つもりだが、元よりこの状態で生きていられる存在だ。自分に、本当に彼女を死に至らしめることができるかはわからない。 そして、本心は消せるのであれば消し去りたいが、その先を考えると少々骨が折れる。諏訪子はドッピオと離れ、そして帰ってこない。天狗は支配下に置いてあり、並の妖怪では天狗には適わないとと椛の談。 諏訪子に従う早苗と、まだ見ていないが同格であろう神奈子という神。それら全てをドッピオの状態で敵に回すことはしておきたくはない。 「……してもいいよ。だけど、それは約束。脅しているつもりなら今ここで必死の抵抗をしてあげるよ?」 それを読めたか、諏訪子は顔を歪ませて答える。その歪みは、悦楽を含んだ、敵対の意志も感じ取れる。 こう出てくることが、ディアボロにとっては好機だ。その先を促すように、口を開かず待つ。 「抱いてよ、君を私に感じさせてよ。久しぶりなんだ、私が満足できるような男が来たのは。……ねぇ、いいだろう? それとも、私の見た目じゃ君が満足できない?」 提案した見返りは、予想は付いていた。……本当に要求してくるとは思わなかったが。 確かに今まで男性で力のある者は少なかった。人里であった霖之助も線が細く、この女が喜ぶような人間ではないだろう。 「……悪いが、女に対してそのようなことはしないことにしている。痛い目を見たのでな」 諏訪子に対して、外見だけであれば何の感情も抱かないが、精神や振る舞いはおそらく一流の娼婦に劣ることはないだろう。おそらく、欲求を全て叶え自らに陥らせるくらいはできると見える。 だが、あの忌まわしき出来事が、過去の過ちこそが全ての原因。行きずりのあの女に。あの娘さえ生まれていなければ。 「……子供の心配なんてしなくていいよ? もう年中安全日だ、気に入ったら作れる」 「そういう問題じゃあない」 「……じゃあさ、せめて顔を見せてよ。誰にも言わない。君を、私の心に刻んでおきたい」 これには、少しの間を置いてからスタンドによる拘束をやめる。そして、今までほとんど動かしていなかった自身の身体で、諏訪子の身体を仰向けにする。 その顔は血にまみれてとても見れた顔じゃないが、それでも、喜びと悦びの表情をしているのがわかる。 「……ああ、理解した。さっきの違和感。何でさっき感じ取れなかったのか。……そっちの身体が本当の身体。だから、どこか見せかけの様な感じだったんだね。 ……自らの為ならばいくらでも他人を使い捨てられる。いくらでも手に血を染めることができる。拭い去れなくなるほどの血の匂い……ふふふっ」 実際に相手にしなくても、『自分に気を向けていてくれている』だけで舞い上がる女もいる。 最後に見せた諏訪子の笑みも、それに近しい物だった。 「……行きなよ。私の事は放っておいてくれていい。むしろその方が互いに助かると思うよ。君が欲するであろうものは私は全て出したし、私は、まあ、満足ということにしておいてあげる、から」 見れば、腹の傷は少しずつ蠢き小さくなってきている。それでも十分すぎる大穴は空いているが、やはり殺すには足りず、殺しきれるかはわからないといったところか。 彼女を欲求を叶え、籠絡し手持ちにすることができれば、まさに最高の駒になることだろう。 「……当然だが、そこではないな……」 ここにいるとだんだん自分も違うものになっていく気がする、とディアボロは感じた。今までの現実から乖離しすぎたそれは、やはり感覚を鈍らせてきている。 相手は神だ。自分は人だ。神を求めようとして天に向かい、地に落ちる逸話は、なんであったか。 そんな逸話では苦労して手に入れた翼を、いともたやすく自分は扱えるようになっているが、それは違う。 違うのだ。 「見抜け」 そんな矛盾を持ちながら、その先を向く。それは、高い山よりさらに高い、彼方空、雲の上を目指していた。 「ただいまー」 「お帰りなさい、諏訪子様……どうしたんですか、その服!」 「あーうー、転んだ?」 「なんで疑問形なんです!? もう……お着替えなさってください。私、繕いますから」 「助かるねぇ。はたては?」 「サイコロ何度も振って、今のうちに強いキャラ作らないとー、って頑張ってますよ。ボーナスポイント13でた、ってさっき喜んでました。私にはよくわからないですけど」 「一発振りだ」 「あ、はい。伝えておきます」 「よろしく。……ごめん、私少し寝るよ。服は本殿の前に置いておくから」 「え、また寝るんです? ……まあ、諏訪子様がそういうなら」 「うん、お休み」 あくまで普段通りに、あくまで普通に。 元々欺くのは得意だから、早苗もそれには気づかなかった。 本殿の中に入り、誰もいないことを確認してから。 腹を抱え、うずくまる。額には小さく汗が浮かび始める。その抱えた腕からも、不協和音が全身に響き渡る。 「ぐぅ、うぅ……」 身体を苛む猛烈な痛み。肉体だけではなく精神から削られる苦痛。 あの時、嘘を言った。もし彼がそれを知ってしまえば最悪自分の手のひらだけで収まらないだろうから。 スタンドは、神殺しの武器に十分になりうる。神といかなくても、精神を憑代とした妖怪たちを滅ぼす退魔と十分になりうるだろう。 精神から成り立つ像。単純な力をどれだけ持っているかを試してみたが、これほどとは。 「うぐ、ぅ……へ、へへへ……」 笑みがこぼれる。 神遊び、巫女との弾幕ごっこも楽しい物だった。ごっことはいえ、誰も彼もその一瞬では自分の存在を賭けて戦っているのだ。 でも、彼の力は違う。同じだが、それはごっこ遊びではない。真剣な、命のやり取りなのだ。互いに交わしたのは一撃、けれどその一つにどれほどの存在を賭けていたか。 「どうだ、八雲の……!! 私が一番だ、唾付けたのは私だ、女狐めぇ」 スタンド能力がどれほどの脅威を持つか。それを調べるのは元々藍の役目であり、主人のそれとは違い、純粋に危惧していた。 が、その別諏訪子と同じような劣情をディアボロに抱いているのを隠していた。同じ考えを持つ者、互いに腹に一物抱えている者だ、何かを隠そうとしていることがわかるのだ。 諏訪子がその細腕で大樹をちぎり取れる様な力を加えても、首を折るにも至らなかった。 生半可な攻撃では傷つかぬこの身体をも、やすやすと貫いた。 精神性を織り交ぜた、妖力や巫力といった力を交えた攻撃は効果が薄くなる。また、逆に相手にはそれらで守れた盾を破る力がある。 ……違う、精神そのものが像となっているのだ。それが無意識に肉体を守っている。物理的な力だけから外れている妖怪の力では、圧倒することができない。対等に至れる。 試していないが、精神の像同士がぶつかり合えば、きっとそのダメージは肉体に反映される。もっとも、砕けきったこの両腕、握られているという感覚は全くなかった。感じ取れもしなかった。 「……どうでもいいや、今は」 そう言ったことを考えるのは今を担いたがる奴らだし、それは既に行っているだろう。 確かに幻想郷の脅威になりうる、が彼がその器足るかはわからない。……そんな、ことより。 「……ぁ」 自分の胸に手をやる。痛みとは違う甘い感覚がぴりぴりと走る。身体を治すための鼓動とは違う、もっと別の感情が体幹を駆け巡るから。鼓動も早くなっているのがわかる。 ―――久しぶりに、一人でしようかな。 す、とわずかに夕日が差す本殿が暗くなる。諏訪子が周りと隔絶させ、一人の空間を作り、その中で横になる。 時間が、また経った。 前へ|次へ
https://w.atwiki.jp/jojobr2/pages/330.html
『バトル・ロワイヤル』会場地下ーーーそこにはりめぐらされたトンネル内部を、一本の列車が疾走している。 永遠に続くかと思われるようなトンネルの暗闇を引き裂き、軽やかな金属音を立てて電車は駅に到着した。 『---サンタ・ルチア駅、サンタ・ルチア駅です~。お降りの際は足元に注意してお忘れ物のないように……』 無機質な音声が響き渡るなか、三つの人影がホームに降り立った。 「ちょッ……これ暗ッ!?つーか寒ッ!?」 人影の一つが大声をあげた。 そう、このサンタ・ルチア駅(地下鉄)非常灯の一つすら灯っていない真っ暗闇なのである、ついでに震えあがるほど寒い。 この状態は、つい先ほど川尻早人がヴァニラ・アイスと死闘を繰り広げたことが原因なのだが 大声を上げた人影ーーー音石明にそのような事がわかるはずもなかった。 「うるさいぞ、貴様。誰かがこの上に潜んでいたらどうする。」 自分のスタンドで、音石の口を塞ぎながら横に降り立ったディアボロが言う 彼が着ている、ペイズリー柄に編みあげられた網の様な服は、音石以上に露出が高かったが 体を寒さで震え上がらせている様子はない。これが帝王の貫録というものなのだろうか、………ちょっと違う気もする。 「ディアボロくん、ワシのスタンドなら調べられるぞい」 ディアボロに肩をかしてもらっていたジョセフが言う、カーズによって傷つけられた目と鼻はまだ回復していないようだ ジョセフはその場にしゃがみこむと地面に手を押し付け、炎症を起こしている瞳を閉じた。 その動きに答えるように、ジョセフの腕から紫色の茨が出現する 「『隠者の紫』!この上に生物がいるか調べろ!」 『隠者の紫』はザワリとその体をゆらめかせると、壁をつたって蔦を伸ばしてゆく 「どうだ?ジョセフ」 「ふむ・・・、階段の上で待ち伏せ。とかは、なさそうじゃのう」 ディアボロは「そうか」とうなずくと、いまだ口をふさがれたままジタバタしている音石の方を見る その視線に気づいた音石は、蛇に睨まれた蛙のようにビクッと動きを止める (こッ・・・怖えーーーーよ!!とりあえず俺の正体をばらさないでくれるとは約束してくれたけど・・・ お願いだから俺を危険にさらしたりしないでくれよオオオオオオオ!たのむぜ!!) 音石が期待を込めた目でディアボロの方を見つめなおすと 向こうもその視線の意味を悟ったのか、こちらに向かってうなずく。 音石がそれにほっとしたのもつかの間 「じゃあ、こいつを斥候としてこの上に行かせるか」 (ちょっとオオオオーーーーーッ!?) 全然、察していなかった。現実は非情である。 再びジダバタし始めた音石を見やりながらディアボロは冷静に言う 「なにか言いたいことがありそうだから一つ言っておく、俺は手負いのジョセフを守りながら移動しなければならない それと俺はあまり自分の手の内は知られたくないのだが、これだけは言っておく。 俺のスタンドは近距離タイプだ。 俺が斥候に向かうより、遠距離まで移動できるお前のスタンドの方が向いている。 俺達が今一番にすべきことは、ジョセフが回復するまでの時間を確保できる場所を見つけることだ。 ここでゆっくりしていれば、あのカーズとかいう男も追いかけてくるだろう ぼやぼやしている暇なんて俺達にはない。わかったか?」 よどみなく話し終えると、ディアボロはジョセフに向かってこれでいいか、と尋ねる 「ああ、ワシはそれでかまわんよ」 答えるジョセフの声には覇気が無い、笑ってはいるが、無理をしているのがバレバレだ 妻に子供に友人に師の訃報は彼の心に相当なダメージを負わせたようだ。 普通の人間ならばこの様子に同情し、涙の一つでも浮かべるだろうが あいにくここにいるのはビビリのヘタレと、悪魔の名を持つ帝王だけであった。 「それと後もう一つ」 ディアボロがこちらに振り向く 「なッ・・・なんでしょうカ?」 まだ何かあるのかと、音石の声はおもわず声が裏返ってしまった その様子に頓着することなく帝王は言う 「逃げようとする素振りを少しでも見せてみろ・・・・・・・・・・・・・・・ちぎるぞ」 (どこをッ!?) とは怖くて聞けなかった、指とかじゃなくて股間に付いてるアレだったたらひどすぎる。 音石は頭をガクガクと縦に振ることで肯定の意を示した。 * * おばけ屋敷もダッシュで逃げ出す大惨状。 非常灯から非常灯へと『レッド・ホット・チリペッパー』を移動させる音石の頭をそのフレーズがよぎる。 もっとも本当のおばけ屋敷と違うのは、目に飛び込んでくる血の手形は血糊ではなく本物だし 転がってるのは人形ではなく、死体である。ついでに構内に漂う死臭もおばけ屋敷では体験出来ないものである (怖ぇーーよ!メチャ怖ぇーーーーーーーーーーよッ!!) 思わず涙目になる音石の傍に『キング・クリムゾン』が出現する 「何かわかったか」 「うおッ!?いきなり背後に立つなよ! 心臓に悪ッ・・・いや何でもないですその手を降ろして下さい千切らないデ」 荒れた息をととのえ、音石は報告する 「と・・・とりあえず、構内に人はいないぜ。廊下に一つ、北側出口の方の花の中に子供の死体が二つある 停電してたのは、ここのブレーカーが誰かさんに電圧掛けまくられたせいで、落ちてたみたいだ・・・です」 「花の中、だと?」 問い返してきたディアボロに音石はうなずくと続ける 「ああ、誰かは知らねえが子供の死体の周りに花を置いてったみてぇなんだ。手も組まされてたし。 後、その子供の死体の傍にデイパックが三つ置いてあった」 「デイパックが三つ・・・?どういうことだ、二つの死体ならバックも二つのはずだが。 よし、ジョセフが回復しだいそれを回収する。お前は引き続き構内の探索を行え、外には出るなよ。 ちょっとでも怪しいと思ったら、すぐ俺のいるトイレまで戻って来い。わかったな?」 音石が頷くのを確認すると、ディアボロは元来た道を引き返していった ジョセフが目を洗う場所を見つけたとはいえ、手負いの人間を一人残しているのは不安なのだろう もっとも、その不安はジョセフの体を気遣ったものではなく、自身の保身のためなのだが。 音石はディアボロが自分の目が届かない距離まで去ったのを確認すると、大きく息を吐いた。 きびきびと仕切ってくれるのは良いのだが、あの魚の死んだような眼は怖い。 人なんてダース単位で殺してそうな目だ。音石はぶるっと体を震わせた (あいつに付いてゆくのも怖い、かといって逃げれるとも思えない。だったら、いっそのこと殺すか?) 一端はステルスマーダーになろうと決めた身でもある 音石はちらりと『レッド・ホット・チリペッパー』を見る、体色はそろそろ黄色になろうかという所だった。 黄色になるまで回復できればディアボロとも対等に渡り合えるだろうか 天井の非常灯の電力だけでは足りないだろう、ディアボロからはやめろと言われたが やはり外に出るしか電力を供給するしかない。 (グダグダ悩んでてもしょうがねぇ、俺の『レッド・ホット・チリペッパー』は最強なんだ!やってやるぜ!!) 『レッド・ホット・チリペッパー』もその意思をくみ取ったのかこちらに向かって来る。 よしッ、と気合を入れると音石は出口に向かって歩き始めた (でも、やっぱ怖いからスタンドだけ外に出そう……) 音石明19歳。ビビリの彼のマーダー歴はまだ始まったばかりである。 * * えらくない、ぜぇ~んぜんえらくない。 俺はバイク(ハーレーだかベスパだかは知らねぇぜ?俺はバイクにくわしくないんだ)を走らせながら一人ごこちる いくら進んでも見えてくるのは木ばかりで、追いかけていたはずの女の姿は見あたらない。 どう考えても見失っています、本当にありがとうございました。 数時間前に、あの女を探すのに役に立つものはないかとバックをあさったら 地面に落ちた紙の中からいきなりバイクが飛び出してきやがったんだ、携帯電話もこんな風に入ってたのかねぇ~? あんとき、俺はまだ運に見放されていないと思ったんだがねぇ~現実は非情ってやつか。ちくしょう。 俺は木の影にバイクを止め、当たりを見回した。どうやら森を抜けきったらしい。 目線の先には駅らしき建造物と線路が見える、俺は鉄塔からずっと南下してきたはずだから ここは、H-3「サンタ・ルチア駅」か?ずいぶんと遠くまできちまったもんだぜぇ~ ん?なんか今電灯のあたりに何かいなかったか~?あれは……スタンド? 動きからして電灯から電気をねこばばしようって根胆かぁ~?わざわざえらいねぇ~ どうやら入口に立ってる髪がウザイ男が本体らしいな、俺の姿には気がついていないらしい こっちは女見失ってイライラしてんだ、お前には悪いが俺のストレス発散につきあってもらうぜぇ~ ミスタとエリナの時のようなヘマはしねぇからよぅ~、覚悟しろよ~? アレッシーの影はぐにゃりと歪むとその姿を音石に向かって伸ばしはじめた * * 「よし、こいこいこいこいこいこいこい・・・キターーーーーーーーーー!!」 音石は思わずガッツポーズをしてしまった、この「バトルロワイヤル」に放り込まれてからはや7時間。 ようやく『レッド・ホット・チリペッパー』は本来の姿を取り戻したのであった ひさしぶりに黄色に輝く自分のスタンドを見ると感慨深いものがある あ、涙出てきた。 「お喜びの所わざわざ悪いねぇ~」 「誰だ!?」 いきなり話しかけられて音石は飛び上がった、視線の先にはニヤニヤ笑いを浮かべた小男が立っていた 音石は警戒して『レッド・ホット・チリペッパー』を小男の近くの電灯に潜むように指示を飛ばす。 この距離ならば確実に電線の中に引きずり込めるだろう だが、その事を知ってか知らずか小男は話をやめない 「私……自分よりも弱い奴をを見ると………… なんとういか……その…………フフ、いじめてストレスを発散させたくなるんですよねぇ~ んでもって、ある女を追いかけてたんですけど見失っちまいましてねぇ~今すっごくイライラしてるんですよぉ これ以上イライラを我慢すると俺の精神衛生上とても悪いんで、あなたに付き合っていただきたいんですよぉ~」 「はぁ!?ふざけんな、なんで俺がお前のそんなアホな趣味に付き合わなきゃいけないんだ ってゆーか、お前は俺が弱いとでも言いたいのかよ、えぇ!?オイ! 『レッド・ホット・チリペッパー』めんどくせぇからコイツを電線に引きずり込め!!」 そう叫びながら人差し指を小男に突きつける いつもなら、指示を飛ばした時点で勝負はついているのだが。 「……なんで出てこない!?もう一度!『レッド・ホット・チリペッパー』!」 もう一度スタンドを召喚しようとして、音石明は自身の異変に気づいた。 体型が、子供になっている。 相手を指したままの己の手は、いつもの半分くらいのサイズになってしまっていた (こんな手じゃギターの弦を抑えることができねーじゃねぇか!大変なのはそっちじゃないだろ俺!! なんか知らない内に、こいつのスタンド攻撃をくらっちまってたのか ちくしょう、スタンドさえ使えりゃこんな男ボッコボコに出来んのによー! この状況じゃ戦況は不利だっ! 38計逃げるにしかずってやつで、いったんあいつらのいるトイレまで引き返す!) 音石はきびすを返すと、ディアボロ達の方へと走り出す 小さな子供の体格では自分の服がブカブカしすぎていて、走りにくいことこの上ない 「うわっ!?」 自分の喉から、まだ変声期を迎えていない声が飛び出したことにも驚いたが それよりも何も無いところから、足に殴られたような衝撃が走ったことのほうが重要だった 足に走る激痛に、子供の体格の音石はあっけなく転んでしまう。 足元を見れば自分の影の他に、棒を持った土偶のような影が目に映る。 「ミスタとエリナの時失敗したのはよぉ~近づき過ぎたからなんだよなぁ~ こうやって離れた所からいじめれば大丈夫ってわけだぁ、ん~俺ってえらいねぇ~~~」 アレッシーの持つ木の棒が何もない空間に振り下ろされた その動きと同じように土偶のような影が音石の影に向かって棒を振り下ろす どうやらアレッシーの影が自分の影に攻撃した箇所がダメージを受けるようだ 「ギャッ!?」 音石は痛みに体を歪めた、もう体は5歳児ほどの姿になってしまっている 子供の姿では、体を縮めて与えられる痛みに耐えるしか方法がなかった (もうだめだ……俺ここで死んじゃうんだ……! 死ぬ前に……もう一度ギターを……引きたかった……な……) 前にも一度同じことを思った気がしたが、思考も体の変化に引きずられているのか、上手く考えがまとまらない 再度振り上げられた棒に音石が観念して、ぎゅっと目をつぶったその時 「『隠者の紫』!」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 紫色の茨が傷ついた音石の体を包み込むと、ジョセフ達の方へと引き寄せ、ディアボロが両手でキャッチする 小さな体を受け止めたディアボロは、あることに気づき目を見開いた 「この服……信じられんが、この少年は俺達と共に行動していた男のようだぞ。ジョセフ」 「フム、するとこの男のスタンドは『影で触れた相手を子供化する程度の能力』といったところかのぉ そういえば、どこかでそんな話を聞いた気が……」 傷ついた音石を挟み冷静に推理をくりひろげる男達に対し、音石を攻撃していた男はジョセフの顔を見ると驚愕する 「ゲェッ!?貴様はジョセフ・ジョースターッ!?」 音石の怪我の具合を見ていたディアボロはひょいとジョセフの方に顔を向けて尋ねる 「知り合いか?」 「いや……、でもワシの顔を知っとるスタンド使い……相手を子供にする能力………… もしかして君は、承太郎とポルナレフが戦ったという『アレッシー』かね?」 「わかってんなら話は早ぇ、手前ぇの孫にブッ飛ばされたこの恨みをここではらしてやるぜぇ~~~~ッ!!」 その宣言と共にアレッシーの影が大きく歪んだかと思うと、こちらに向かってその形を伸ばしてくる 「ディアボロくん、君はその子を連れて奥まで戻ってくれ。ここはワシが引き受ける」 「無茶だジョセフ、あんたはまだ目が治りきっていないんだぞ。 それに今のお前は、身内の死で冷静な判断がしづらくなっている。 今のあんたじゃ死に向かって突き進むようなものだ、俺がこいつの相手をする。」 「…………すまない、ディアボロ君」 「礼はいい、さっさと行ってくれ」 ジョセフはアレッシーに向かって拳をかまえるディアボロに背を向けると、 ぐったりとした音石を担ぎあげ駅の奥に向かって走り出す。 「させるかよォ~~~ッ!『セト神』こいつら全員子供に変えろッ!!」 アレッシーは『セト神』を操ると、ディアボロの方へと路線を変更する この距離なら確実に取れる、目の前の男から一つずつつぶしてゆける、はずだった。 「!?」 目の前からディアボロの姿が消えている。 どこに行ったと辺りを見回そうとするアレッシーの首を何者かが押さえつける (『キング・クリムゾン』、俺以外の時間を5秒だけすっとばした 俺がお前の背後に回り込んだという経過は無くなり、俺がお前の背後に立ったという結果だけが残る) ディアボロはアレッシーの首をしめあげながら話しかける、 「少しでも妙な動きをしてみろ、命はないと思え」 「ッ!?な何ッ!?お前、瞬間移動するスタンドか!?」 「答える必要はない、それに質問するのは俺の方だ」 だが、自分のペースで話を進めようとするディアボロを遮るようにアレッシーはニヤッと笑う 「いひひぃ~~~?そんな事言ってていいのかなぁ~~~~~ッ!?」 その声と共にぐぉっという、ジョセフの悲鳴が奥から聞こえてくる。 下を見れば自分の方に向かっていたはずの影から枝分かれするように、ジョセフの方へと影が伸びている ディアボロに向かって出した影はダミーで、ジョセフの方にさし向けたのが本命だったのだ アレッシーも、ディアボロがジョセフの声に気を取られた隙に『キング・クリムゾン』の腕から脱出している ディアボロも再び『キング・クリムゾン』を発動させ、時を飛ばそうとするが 一度「時飛ばし」を行ってから、まだ時間がたってないため発動できない。 『キング・クリムゾン』の腕は空を切ったのみに終わった。 ディアボロはチッと舌うちをする、『キング・クリムゾン』の能力を知られないためにジョセフを引き離したのに、これでは逆効果だ 『ブラックサバス』のような影に潜んで移動するスタンドを、なまじ知っていたがために、 このスタンドも似たようなものだろう、と知らず知らずの内に高をくくって油断していた、自分の完全なミスである。 ディアボロは額に意識を集中する、『キング・クリムゾン』が再発動できる時間が始まったのだ (だが、あせることは無い。いつも通り『エピタフ』で未来を見て 俺に都合の悪い未来だけを『キング・クリムゾン』で消し飛ばせ……ッ!?) ディアボロは目を見開いた。 『エピタフ』に映る映像にディアボロは愕然とする かつて栄光の座を欲しいままにしていた頃は、何千回いや何万回と見ていた姿だった。 自分が唯一心を許した参謀、可愛いい我が半身 (……ドッピオッ!?いや違う、あれはこいつのスタンドで子供化した俺の未来の姿だ この映像が実際に起こってしまう前に『キング・クリムゾン』を発動しないと!) さてここで一つ疑問を皆さんに投げかけてみよう、「スタンドは原則、一人一つまで」 だがここにいるディアボロは『エピタフ』と『キング・クリムゾン』二つの能力を扱うことができる、 それは一体どうしてなのか? 答えは簡単である。 『エピタフ』と『キング・クリムゾン』が同一のスタンドだからだ 『エピタフ』が拳を構える動作、『キング・クリムゾン』が拳をくりだす動作と書けば伝わりやすいだろうか だが、この状況においてディアボロの拳は止まったままである、 ひさしぶりに見たドッピオの姿は、 『キング・クリムゾン』を発動するのにタイムラグを生じさせるほどの衝撃を帝王に与えたのだった そう拳はそのままでは何も出来ない、振り下ろさねば意味を持たないのだからーーー 「ぐあッ!?」 次の瞬間、エピタフで見た姿と寸分たがわぬ形で横たわるディアボロがいた。 『キング・クリムゾン』に呼びかけても、内から消えてしまったように反応が無い 子供化は完全に自分の身におこっていしまったようだ 「ん~~~~、やっぱりというかその格好はそっちの姿の方が可愛いねぇ~~~」 大人のディアボロが着ていると、ただの痛いおっさんで終わるこの網のような服も 少年の姿の彼が着ると何だか、いかがわしい物に見えてくるのは何故だろう、露出度のせいか。 下卑た笑みを浮かべ舌舐めづりをするアレッシーに、先ほどとは別の意味で身の危険を感じてディアボロは後ずさる いくら帝王とて人間である、この体中を舐めまわされるような視線に、生理的な嫌悪感で涙目になるのは仕方のないことであろう (また俺は死ぬ・・・のか?) 今回は死ぬまでの時間がいつもより長かった、それだけのことだったのだ。 この地獄から抜け出せると思わせておいて、ドン底まで落とし込む。今回はそういう趣向だったのだろう そう考えると体中から力が抜けてゆく 何回も殺されいれば、これから一体どんな死に方をするのか大体想像がついてくる。 どうせ何をやっても死ぬのだ、諦めという水たまりはディアボロの心を毒のようにじんわりと蝕んでゆく (嬲られて、殺される。か・・・『今回』は長い死に方ってわけか。『次』はもっと楽な死に方だといいーー) その時だった。 「波紋疾走!!」 メ メ タ ァ! 独特の効果音と共に、結構分厚いはずの駅の壁がクッキーでも砕くように吹き飛ぶ もうもうと立ち込める土煙の中、男の人影が浮かびあがった。 子供サイズの人影ではない、まぎれもなく大人の影だ。 「何ィ~~!?ジョセフ・ジョースター!?手前ぇ俺の攻撃をくらったはずだぞ~~!?」 一体どうしてなのか あの時確実に『セト神』をくらっていたはずなのにジョセフの姿が変わらないのは何故か? アレッシーはあることに、はっと気づき大声を上げた。 「しまった……ジジィだから一回影に触ったくらいじゃ餓鬼になんなかったのかァ~~~~~!?」 つまり、そういうことであった 今のジョセフの外見は白髪ではなく黒々とした髪をたくわえた筋骨逞しい波紋戦士の姿である。 限界まで鍛え抜かれたギリシャ彫刻を思わせる体からは、ディアボロでさえたじろぐほどのビリビリとした殺気をはなっている たびかさなる身内の死に、先ほどの攻撃にこの状況。温和な彼でもさすがにプッツンしたという所か 20代ほどに若返ったジョセフと10代まで若返ったディアボロ、3歳児くらいの音石 そしてこの事態の元凶であるアレッシーが対峙する ジョセフには二つの選択肢がある、スタンドが使えない今、波紋のみでアレッシーに挑むのか それともディアボロの保護を優先し、体制を立て直すのか 一方のアレッシーは距離を取って様子をうかがうのか、それとも勢いにまかせて攻撃をしかけるのか 彼らの選択とは? 「逃げるんだよォ~~~~~~ッ!!」 アレッシーは、あっけにとられるジョセフとディアボロを尻目に森に向かって全力疾走する えりまきトカゲも「まいりました」と頭をさげるような見事な逃げっぷりであった 一呼吸おいてドルンドルンとエンジンを噴かすような音が聞こえてくる、どうやら逃走用にバイクを隠していたらしい 「HolyShit!(なんてこった)あいつ足を持っていやがったのか、早く追いかけないと……ッ!」 森に向かって足を踏み出したジョセフだったが、3歩も歩かない内に地面に崩れ落ちる 劇薬とアレッシーによる怪我は三半規管にまでダメージを与えているようだ 地面に体がつかないようにジョセフの体を支えたディアボロは 体が若返った事により精神まで影響を受けているのか、若者のようにいきりたつジョセフをなだめる 「待てジョセフこっちは丸腰だ、今から走ってもあいつに追いつけるとは限らない お前と同行者の男の怪我もある、しばらくはこの駅にとどまって籠城したほうがいい」 「だが…………ウッ!糞ったれ、また目が痛みだしてきやがった……」 ジョセフの肩を支え直すとディアボロは構内へと歩き始める、10代まで縮んでしまった自分の身長では 2メートル近いジョセフの体を支えるには少しキツイものがある。 (今のスタンドが使えない状況で無理に追いかけるよりも あの男が自滅するこで俺達のスタンド効果が解けるのを待ったほうがいい、 あの様子なら誰彼かまわず襲いかかりそうだしな ジョセフも手負いとは言え妙な技は使えるようだし 無理に危険な場所に身を投じるより、ここに籠城したほうが危機は少ない) 確かに、ディアボロの読みどおり 今のアレッシーには、体になんらかの異常があると「セト神」の効果が消える制限がかかっている ここにとどまるという彼の判断は適切(ベター)だと言えるだろう、しかし 「………………。」 いまだこの『バトル・ロワイヤル』には60人ちかい参加者が残っているのだ 今後のことを考えると最良(ベスト)の選択であるとはいえないかもしれない ディアボロは駅のガラスに映る自分の顔を見つめる。 そばかすのういた顔、柔らかな瞳、柔和と呼ぶよりは臆病そうな顔立ち 「ドッピオ……。」 「うー?」 いつの間にかトコトコと傍にやってきた音石が、自分が呼ばれたのかとこちらの顔を見上げてきた お前のことじゃないよ、と頭をなでてやると安心したのか音石は甘えるようにジーンズにしがみついてきた そうやってると、まぎれもなく3歳児である。 音石の場合、子供に戻されすぎてスタンドどころか記憶まで失っているのかもしれない (ドッピオ、今お前が俺の中にいてくれたら、この選択に自信が持てるのか? 俺が絶頂に君臨していた頃は、何があっても二人で乗り越えてきた 「『光と影』『表と裏』『二重の人格』その秘密があるかぎり俺の栄華は廃れる事は無い」 サルディニアで会った占い師が言ったとうりになった 「私」はお前がいない限り絶頂に返り咲くことは出来ないという事なのか、ドッピオ?、 今の俺はこの選択で栄光をつかむよりも、お前が傍にいてくれることのほうがよっぽど嬉しいのだがな……) 朝の光に照らし出される構内に3人の男達が佇むーーーーーー実際には、気絶中の川尻早人を入れて4人なのだが。 おのおのの思惑をふくんだ彼らの顔を見つめるように、ガラスに映ったドッピオの顔が少しだけ微笑んだような気がした 【H-3サンタ・ルチア南側駅前広場/1日目 朝7時】 【チキン三羽~たまごクラブ、ひよこクラブ、こっこクラブ~】 【ディアボロ】 [時間軸]:レクイエムジョルノに殺された後 [状態]:外見が15歳(ドッピオ似)。目が死んでる。強い恐怖 。 セト神の効果によりスタンドが使えなくなってます [装備]:なし [道具]:支給品一式 [思考・状況] 基本行動方針:とにかく生き残り平穏な生活を送る。 0. とりあえず、サンタルチア駅で籠城する、ひきこもり乙とか言わないように 1.ジョルノには絶対殺されたくない。普通に死ねるならそれでもいいや。苦しまないように殺して欲しい。 2.自分の顔と過去の二つを知っている人物は始末する。ボロは絶対に出さない。 3.とりあえずはジョセフに協力。でもジョセフのへたれ具合によって対応を変える。捨て駒も視野に。 4.チョコラータ、電車内の謎の攻撃、謎の男(カーズ)怖いよ、キモイよ…… 5.ジョルノや暗殺チーム、チョコラータとジョセフ達を上手く敵対させたい。ぼろが出そうだから怖いけど…… 6. 早人の傍にあるデイパックを回収したい [備考] ※音石明の本名とスタンドを知りましたが、ジョセフに話すつもりはありません。それを取引に協力させたようです。 ※セト神のせいで『キング・クリムゾン』と『エピタフ』が使えなくなっています 【ジョセフ・ジョースター】 [時間軸]:DIO討伐後、日本に帰る飛行機の中。 [状態]:外見が2部終了時。胸に浅い傷(止血済) 目と鼻につらい炎症(失明はしない程度)。深い悲しみ [装備]:なし [道具]:支給品一式 [思考・状況] 深い悲しみ。立ち直れそうで立ち直れない 基本行動方針:必ず生きて脱出する。打倒アラキ! 0.怪我がなおるまで駅に籠城する 1.承太郎、花京院辺りと合流して自分の推測について話し合いたい。 2.ジョージ、ジョナサン、ツェペリ、エリナ、スピードワゴン、徐倫は見つけ次第保護する。 3.殺し合いに乗っていない参加者達も護る。或いは協力。機械に詳しい人間がいたら首輪の内部構造を依頼。 4.ディオや柱の男達は見逃せない。偽者の東方仗助を警戒?(攻撃したのは彼?ディアボロ君に任せるか)。 5.ディアボロに若干の信頼。でも自殺をしそうで怖い。 [備考] ※参加者達は時代を超えて集められたのでは?と推測しています(ディアボロにはまだ話していません) ※首輪を『隠者の紫』で調べましたが機械には疎く詳しい事がわかりません。分かった事といえば隙間がまったく無い事くらい。 ※1で挙げた面子はジョセフが聡明と判断した面子なだけで別にポルナレフが信用できないというわけではありません。 ※波紋の呼吸を絶えず行っています。その影響である程度の運動なら息ひとつ乱れません。 ディ・ス・コの薬品の負傷はいずれ治るようです。いつごろかはわかりません。 ※セト神のせいで『隠者の紫』が使えなくなっています、波紋は問題なく使えます 【音石明】 [時間軸] チリ・ペッパーが海に落ちた直後 [スタンド]:レッド・ホット・チリペッパー(黄色です) [状態] 幼児化(3歳程度)、体中に打撲の跡(中) [装備] なし [道具] 基本支給品、不明支給品 ×1 [思考・状況]基本行動方針:優勝狙い 0.うー? ↑現在幼児化しているため、このくらいのことしか考えられません 幼児化が解除された場合の思考は下になります 1.とりあえずスタンドが黄色になって良かった……! 2. とりあえず仲間(ディアボロ)ができたのは良かった。でも状況変わってない……。 3.もしできたら様子を見てディアボロ達をを殺……せるのかな……この俺に……。 4.サンタナ怖いよサンタナ 5.電線が所々繋がっていないのに電気が流れているこの町は何なんだッ!? あやしすぎて怖えー! [備考] ※バトルロワイアルの会場には電気は通っているようです。 しかし様々な時代の土地が無理やり合体しているために、電線がつながっていなかったりと不思議な状態になっているようです。 スタンドが電線に潜ったら、どうなるかわかりません。(音石は電線から放電された電気を吸収しただけです) ※ミセス・ロビンスンをスタンド使いだと思っています ※セト神のせいで『レッド・ホット・チリペッパー』が使えなくなってます 【アレッシー】 [スタンド] 『セト神』 [時間軸] はるかかなたにフッ飛ばされて再起不能した後 [状態] 顔面に殴られた痕(ミスタからとエリナからの分)、背中に刺された傷(浅い)、地面を転がり蹴られたのでドロドロ、 片腕に少女エリナの歯型、足のつま先に痛み、顔中鼻血の跡、貧血気味、 [装備] メローネのバイク [道具] カップラーメン(アレッシーは毒入りだと勘違いしています)、携帯電話、メローネのバイク、支給品一式。 [思考・状況] 基本行動方針 ゲームに乗るつもりは今のところないが、明らかに自分よりも弱い奴がいたら虐めてスカッとしたい 1. とりあえずなんかヤバそうだから逃げる! 2.ダービーを抱えた女と合流……できたらいいなぁ、信頼を得て保護を受ける。 鉄塔近くの奴らとヘリは無視だ! 3.その後、携帯電話を使わせる。 4.でも本当はいじめまくりたくて仕方が無い。 5.上手く不意を突ける機会があればミスタとエリナとジョセフとディアボロと音石に報復する [備考] ※セト神の持続力が弱体化しているようです。アレッシーが気絶しなくても、アレッシーに何らかの異常があれば子供化は解除されるようです。 ※その制限に薄々気がつきはじめています、そのためやや警戒気味 ちょっとでもヤバイと感じたら逃走するようです ※『名に棲む鬼』における鉄塔の戦いの一部を目撃しました。会話は聞き取れていません。 ダービーが投下された瞬間を見逃し、最初に目にしたのはF・Fに抱えられた治療後の姿だったため彼がカビに感染していたことを知りません。 また上空の戦いは見ておらず、プッチ神父とサーレーの姿もよく見えていませんでした。 ※ジョルノのスタンド能力を『触れたものを一定時間固定する』能力、F・Fのスタンド能力を『治療が可能な』能力 ディアボロのスタンド能力を『瞬間移動』する能力と認識しました。 エシディシに関してはスタンド能力がどういったものであるかイマイチ確信を持てていません。 ※ンドゥール、オインゴ、マライア、ダニエル・J・ダービー、ヴァニラ・アイスとはお互い面識がありますが、スタンド能力は把握していません。 ※アレッシーが何処に逃げていったかは次の作者様におまかせします ※川尻早人は北側出口入口にて気絶したままです ※サンタルチア駅は引き続き停電しています、あと寒い。 支給品説明* 【メローネのバイク】(燃料十分)(5部出典) 読んで字の如く、暗殺チーム所属のメローネ私物のバイク、アレッシーへの初期支給品 原作ではベイビィ・フェイスに乗り逃げされたり、ジョルノに燃やされたりと色々とついていない おい、メローネ。お前のバイク燃えてんぞ? 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 104 イエスタディを聴きながら ジョセフ・ジョースター 131 今ここに生きる意味を(前編) 104 イエスタディを聴きながら ディアボロ 131 今ここに生きる意味を(前編) 104 イエスタディを聴きながら 音石明 131 今ここに生きる意味を(前編) 96 『ベスト』より『ベター』を アレッシー 131 今ここに生きる意味を(前編)
https://w.atwiki.jp/diaboro/pages/8.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/diaboro/pages/16.html
ここにジャグリングどうがを載せていきます!!!!
https://w.atwiki.jp/olgn/pages/268.html
イビリチュア・オクトディアボルス 水 水族儀式 レベル2 ATK0 DEF0 「リチュア」と名のつく儀式魔法カードによって降臨。1ターンに1度、相手フィールド上に表側攻撃表示モンスターを1体選択し、このカードに装備カード扱いとして装備することができる。このカードの攻撃力はこの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の2倍の数値分アップする。
https://w.atwiki.jp/bankett/pages/96.html
《ディアボリック・エミッション》 ●5/3 ストラテジー [[イラストレーター]]:是露巣 行動済みのキャラクターすべてを破壊する。 純粋魔力攻撃に特化した広域砲撃魔法。 射程、火力共に高出力。魔法ランクはS-。「闇に……染まれ」 ・考察etc ここに記入する予定です。