約 1,352,619 件
https://w.atwiki.jp/hayate_tcg/pages/166.html
冬-09(R) LE01-45 Bカード カードタイトル:マリア パワー:1500 アドヴァンス:パーティーx2 ジョブ:パーティー iluus:文倉十 DS 3 PS 2 このカードがバトルで負けた時か引き分けた時、あなたの捨場にある『マリア』以外の「パーティー」のBキャラカードを1枚まで選んで、手札に加える。 まったくもぅ… この天然さんたちはどうしましょう? まず勝てないパワーを持っていてこの効果は素晴らしい マリアが関係ないパーティーデッキでもこれだけ組み入れる価値はある
https://w.atwiki.jp/00805/pages/35.html
すべてが終わる前に、明かりが帰る前に 「はい、あなた」 栞さんが、仕事帰りで腹ペコの俺に白米をよそってくれる。 俺の隣には、彼女との子供―――ひとり息子が行儀よく座り、家族三人で食卓を囲んでいた。 あの奇妙なバトルロワイアルツアーでの三日間、俺と栞さんは恐怖を憶えつつも互いに励まし合い生き延びた。 思ったよりも犠牲者は少なく、優勝者も決まらなかったため得点を巡る争いにも発展せず。 多くの生存者はこれまで通りの、または俺のように少し変わった生活に戻っていった。 だから、これは多くの参加者にとってのハッピーエンドという奴なのだろう。 「......」 だが、それでいいのか。 栞さんに許され、俺は過去に犯した罪を清算したといえるのか。 「あなた?」 栞さんが俺の様子に気が付いたのか、顔を覗き込んでくる。 「どうかしたの?」 「...俺は、本当にこれでよかったのかな」 同じ生還者として、つい本音を漏らしてしまう。 「栞さん。きみは俺を許してくれた。でも...きみの兄さんは、あいつは、俺を許してくれるはずがないんだ」 つい箸を握る手に力が籠ってしまう。このままへし折れそうなくらいだ。 「岳人だけじゃない。俺は、両親やきみも不幸にしてきた。そんな俺が、こんな...幸せに...!」 俺はなにを言っているのか。 決して不幸になりたいわけじゃない。 けれど、このままではいけない―――そんなふうに思ってしまう。 「...きみは、まだ自分を許せてないんだよ」 しばらく間をおいて、俺の子供が口を開いた。 「蒼介くん。俺は、きみを許さない」 「おまえ...なにを...?」 俺は子供に手を伸ばし―――気が付く。 彼の声が、顔が、彼自身の存在がまるで別の者に変わっていくことに。 「でも、きみが夏美を幸せにしてくれるなら、俺のことを忘れずに時折思い出して弁護士として頑張ってくれるなら。俺はそれでもいいと思ったよ」 「あ、あぁ...」 俺はわかった。 俺の子供が、なにに、誰に変わっていくのかを。 「きみは...ああ、そんな...!」 「でも、肝心のきみが納得していないなら駄目だ。きみがこの人生を幸せだと思ってくれていても、納得していないなら駄目だ」 俺の子供―――いや、『彼』は言った。 悲しいくらい優しげな微笑みを浮かべて―――『彼』は俺の手にそっと掌を重ねた。 「だから...もし、きみが『納得』していないなら、最後まで戦ってくれ。きみが弁護士を目指した本当の理由と共に」 『彼』―――岳人のその言葉を最後に、俺の偽りの幸せは消え失せた。 ☆ 「うっ...」 冬部蒼介は目を覚ます。 彼の隣には、葉崎栞―――自分がイジメ殺してしまった青桐岳人の妹―――が眠っている。 別に殺した比喩とかではなく、普通にスースーと寝息を立てて眠っているのだ。 ここはどこだ―――周囲を見回し、これまでのことを思い出す。 俺は葉崎栞に刺されることで罪を償い、彼女に疑いをかけぬよう桜を己の傷口に刺して後は死を待つのみだったはずだ。 ところが、目を覚ませば傷はすっかり消えており、あの九条とかいう男から珍妙な殺し合いツアーの説明を受け、再び眠りにつかされた。 目を覚ませばそこは樹海で、暗闇のために視界もきかず、このまま突っ立っていても仕方ないのであてもなくさまよっていた。 傷は塞がっていたものの、出血はそのままだったようで、貧血気味になりながらもやがて初めて参加者に遭遇。 その参加者は紛れもなく葉崎栞―――俺がその命をもってして償おうとした少女だった。 あの事件のこともあってお互いに気まずい空気が流れ、俺がどうにか声をかけようとしたその時、彼女は深々と頭をさげ謝罪の言葉を涙とともに吐き出した。 突然のことに俺も動揺してしまい、それ以上に混乱する彼女を落ち着けるためにも俺は近くにあった物置らしき場所に避難。 彼女から大まかな説明を聞いている内に貧血で気絶。次第に彼女も泣き疲れてしまい眠りについた。 事の顛末はこんな感じだった。 (...まあ、流石にあんな目立つ防空壕に三日間二人っきりなんて都合がよすぎるよな) あの防空壕で過ごした三日間は夢だったのだろう。あんな都合の良い出来事、夢に決まってる。 冬部はそう結論付けた。 状況を整理したところで冬部はこれからの方針を考える。 自分はもちろん、あの様子では栞も優勝には興味が無いだろう。 また、自分は死んでも構わないが、栞は絶対に死なせるわけにはいかない。 そこで優勝を目指さない自分達がとるべき行動は二つ。 争いを望まない参加者と合流すること。そして、三日間無事に過ごせる場所を探すことだ。 さて、いつ栞を起こそうかと冬部がタイミングを測っていた時だ。 『――――――――――!』 耳に届いた悲鳴。 あの甲高い声は、子供だろうか。 (まさか、殺し合いに乗った奴に襲われて――――!!) このまま隠れて見殺しにするわけにはいかない。 かといって、危険人物のもとに栞を連れて行き危険に晒すわけにはいかない。 「栞さん、起きてくれ」 そこで、冬部が選択したのは、自分一人が現場へ向かうことだった。 突如起こされ、状況がつかめない栞の肩を掴み冬部は説明と共にこれからの行動を指示する。 「いいかい。さっきこの近くで子供の悲鳴があがった。俺はそこへ向かい、その子供を救けに行ってくる」 「だ、ダメよそんな...危険だわ!」 「見捨てることはできないんだ。...それで、もし俺が20分以内に戻ってこなければ、きみはどこか遠くへ逃げてくれ」 「...わ、わかったわ」 渋々と頷く栞を物置に待機させ、冬部は貧血で覚束ない足取りで悲鳴のもとへと向かう。 (頼む、間に合ってくれよ...!) ☆ (ますみお姉ちゃん...!) 少女は走る。ただ走る。 自分を逃がしてくれた、遊んでくれると約束したあの人を救うため、ひたすらに我武者羅に走る。 だが、未だに希望は見えない。 進んでも進んでも森、森、森。 自分がちゃんとあの場から離れられているのかもわからない。 どれほど走っただろうか。 やがてるりは森を抜け、道路へと到着する。 よかった、ようやく抜けられたのか。そんな安堵すらする暇もない。 例え足が潰れようとも、救けを見つけるまで足を止めてはいけない。 よろよろとした足取りで、それでもるりは進む――― 「おっと」 カーブの影で隠れていた青年の膝にぶつかり、るりは尻もちをついてしまう。 「どうしたのきみ?そんなに慌ててさ」 青年は控えめに見ても整った顔立ちであり、その爽やかな笑みからは、人見知りのケがあるるりからしても良い印象しか受けない。 「おい、多間木。なんか見つけたのか?」 次いで後方から現れたのは、どこか冷たい目をしたロン毛の青年と、ジャージ姿の目付きの悪い女性。 多間木と呼ばれた青年以外は、どこからどう見ても悪人面である。 「古谷...いや、なんか女の子がぶつかってきてさ。大丈夫かな~、お嬢ちゃん」 「ハンッ、イイヒトぶってんじゃないわよ」 「人聞きの悪いこと言うなよ海堂」 意地わるく鼻を鳴らす海堂に、多間木は困ったような笑みを見せる。 多間木以外は少し怖い雰囲気を漂わせているが、少なくとも先程のおばさんのような気味悪さは感じなかった。 「あ、あのっ!」 だから、ようやく出会えた希望にるりは賭ける。 「ますみお姉ちゃんを助けて!」 決して縋り付いてはいけない泥船に乗り合わせてしまったことにも気づかずに。 ☆ 「なあ、連城さん。これって子供の足跡だよな?」 その頃の獄門塾付近の森の中。 そこに参加者の調査をしに来た警官Bと連城の二人は、子供の足跡らしきものを発見する。 「......」 「とりあえず追おう。子供なら保護しないといけないしな」 連城の返事を聞かず、警官Bは足跡を追っていく。 まあ、返事も何も、覆面被ったままほとんど言葉を発さないような奴なのでこの対応は間違ってはいない。警官Bが悪いわけではないのだ。 数分程歩くと、途中で足跡は薄くなり、追跡は困難となってしまった。 「ちっ、これじゃあ見失ったも同然じゃないか」 警官Bは、舌打ちと共に溜め息をつく。 そんな己の無力感に苛立つ警官Bの肩を叩き、連城が指を西方へと向けて指を指す。 「なんだ?...あれは物置か?」 連城は頷き、物置へと足を進める。 もしかしたらなにか見つかるかもしれない。そう思ったからだろうか。 警官Bとしても、道具はあるにこしたことはない。 そのため連城に続き、物置へと向かう。 そして、連城が扉を開けたその時だ。 「きゃああああああ――――――!!」 !? 突如、女性の悲鳴が響き渡りペットボトルやらチョークやら様々なものが連城へと向けて投擲される。 明らかに恐怖し錯乱している。それほど怖い目にでもあったのか。 そう思った警官Bは、連城の前へと進み出て、女性を落ち着かせるために手帳を見せる。 「安心してください、私は警察です。よければ事情をお聞きしたいのですが...」 「え...警察?」 警察。それは法に従い悪を捕える正義の味方である。 それを認識した彼女―――葉崎栞は、どうにか気持ちを落ち着かせて現状を告白することにした。 ちなみに、なぜ彼女はモノを投げつけたか。 隠れていたところに突如不気味な覆面男が扉を開けてきたら誰だってそうするでしょ。 ☆ るりは語った。 ますみと共に変なおばさんに襲われたこと、そしていまはますみが足止めをしてくれていることを。 「げぇ~、マジかよ」 多間木は殊更に嫌悪の表情を醸し出す。 ボウガン片手に女の子を色々な意味で狙い撃ってくる熟女など想像もしたくないだろう。 多間木の反応は決して間違っていない。 「どーするよ」 「決まってんでしょ」 るりは、目を瞑り祈る。 どうか、彼らがますみの助けになってくれることを。 「んなヤバイ奴がいるならさっさと逃げるのよ」 海堂の言葉に続き、多間木と古谷も荷物を纏めていつでも出発できる準備をする。 「ま、待って!」 るりは、一番近かった多間木の足に縋り付く。 わかっている。 誰しもが他人のために命を賭けられるわけではないことは。 けれど、ここで彼らと別れてしまえば、ますみはもう助からないかもしれない。 そのため、なんとしても手助けして貰わねばならない。 そのるりの焦りが彼らに縋り付くことになってしまう。 だがそれが逆に彼らの逆鱗に触れた。 「しつけーんだよ、ガキが!」 多間木の突如の豹変。 これには思わずるりも驚き息を詰まらせてしまう。 「どうして俺たちがテメェのツレを助けなきゃならねえんだ、ああ!?んなもん警察にでも頼みやがれ!」 しがみつく手は、しかし振り払われ足元に唾を吐きかけられる。 その様を見て、古谷も海堂もニタニタと笑みを浮かべている。 恐い。さっきまで大人しかった人たちが、いまはあのおばさんみたいに見えてくる。 でも、ここで逃げたらますみは助からない。だから。 「お願い、るり、なんでもするから!だから...!」 「しつけーって言ってんだよ、なんべんいわせりゃわかんだよ!」 「多間木」 怒りの激をとばす多間木を押しやり、古谷がるりの前に立ちはだかる。 「こういった生意気な手合いはな...」 瞬間。 るりの腹部に古谷の爪先がメリ込み、あまりの激痛にるりは蹲る。 「こうしちまうのが一番だ」 古谷はしゃがみ込み、蹲るるりの髪を掴み上げる。 「おいガキ。これでもまだ俺たちに頼みたいか、あ?」 「おねが...い...ますみ、おねちゃんを...」 「しぶといガキだ」 古谷は拳を握りしめ、るりの顔へと向けて振り下ろす―――が。 「ちょっと待ちなよ」 海堂の制止の言葉により、古谷の拳は止まる。 「殴るのも悪くないけど、どうせならもっと面白いゲームにしない?」 彼女が手に持つのは、手ごろなサイズのビデオカメラ。 それをまわしながら、海堂は笑みを浮かべつつるりへと歩み寄る。 「ねえ、さっきなんでもするって言ったよね?」 「え...」 「だったらさ、当然、こういうのも覚悟できてるんだよねぇ!」 海堂はるりの帯を解き、着物をはだけさせる。 「きゃあああああ!」 「ハンッ、ガキの癖に一丁前に恥ずかしがっちゃってさ!」 思わず両手で着物を掴むるりを海堂は鼻で笑う。 「お、おい...?」 「アッタマワリーわね。ここに玩具があって、ビデオカメラ持ってたらやることは一つでしょ」 「...ああ、そういうことか」 海堂の言葉に、多間木と古谷は邪悪な笑みを浮かべ、るりを取り押さえようとする。 「小学生のヌードっつーのは売れるのか?」 「さぁねえ。けど、マニアな奴には人気あるっしょ...まあ、そういうわけだから、あんまり見えるところを殴らないでよね」 「ハッ、良い趣味してるぜ」 迫りくる凶悪な男と女たちの魔の手。 (いや...) これからなにをされるか―――そんなことはわからない。 けれど、このまま彼らのいう事を聞いていても、ますみの助けには向かってくれないだろう。 (あたしは、ますみお姉ちゃんを助けるの...だから...!) だったら―――もういい。 こうまでして邪魔するつもりなら、もうこんな奴らには頼まない。 るりは、隠し持っていたスタンガンで古谷と多間木の腕に電流を流す。 「ぐっ!」 「あがっ!?」 腕を抑えてもがく悶える男たちを尻目に、るりは元来た道を引き返す。 「...っのガキ!」 怒りを露わにする多間木が、次いで古谷、最後に撮影しながら海堂が後を追う。 追ってきた。狙い通りだ。 るりは、もう多間木たちに助けを求めなかった。 断るだけならいざ知らず、邪魔までしてくるのだ。だったらこちらも手段を択ばない。 だから、多間木たちをあのおばさんにぶつけ、同士討ちさせる。 敵の敵は味方―――なんて言葉があるが、るりはそれをやってのけようとした。 ただ、誤算は走りつかれたいまの自分の体力の無さ、そしてほとんど万全である多間木たちとの速度の差だ。 ほどなくして、るりは再び捕まり、今度こそ下着姿に剥かれてしまう。 結局、彼女一人では運命を変えられなかった。 るりはこの三人に玩具にされ、ますみも救えず、悲惨な人生を送ることになる。 それが、るりの運命だった。 故に。 「なにをしている、おまえたち!」 もしも運命を変えられるとしたら、それは第三者の介入だろう。 ☆ 悲鳴を聞きつけ、辿りついた先には、三人の男女に押さえつけられ囲まれている女児という異様な光景だった。 (クソッ...) 冬部はまるで悪夢を見ているようだった。 いま眼前で行われているのはまさにイジメ。 冬部も加担していた最低の行いだ。 それも、男二人に女一人という人数比まで同じとくれば、まるであの時の自分達のように見えて仕方ない。 「その子を...放せッ!」 冬部は力づくでるりから古谷たちを引きはがそうとする。が、貧血気味ではロクに力が入らず、突き飛ばされればあっさりと倒れてしまう。 立ち上がっては転ばされ、立ち上がっては転ばされ。 その姿はまさに親父狩りにあうサラリーマンそのものだった。 「なんだぁ、このよわっちいおっさんは」 「もしかしてロリコン?性癖キッモイわね」 ヒャヒャヒャ、と邪悪で歪んだ笑みを浮かべる三人に、冬部は歯ぎしりをする。 こんなやつらに勝てない悔しさではない。 自分と同じ道を歩もうとしている彼らに怒りを抱いてだ。 (チクショウ...) 冬部は、岳人を死なせ、両親までも死なせてしまった時、心から決めた。 自分と同じ過ちを犯す人間をこれ以上増やしたくない、加害者も被害者も必ず減らして見せると。 彼が弁護士になったのもそのためだ。 「...お前達がなにをしようとしてるのか、わかってるのか」 「は?」 「お前達のやっていることは、お前達だけの問題じゃないんだ...!」 だから冬部は訴える。 心から声を絞り出し、彼らの、『かつての自分達』の凶行を止めるために。 ☆ 冬部は語った。 かつて自分達が犯した罪、そしてそれが招いた被害の全てを。 「イジメは、加害者と被害者だけの問題じゃない...お互いの家族まで不幸にする最悪な行いなんだ。だから、もう止めるんだ...!」 息を切らしながら、冬部は言葉を終える。 苦しい。 当然だ。 貧血による疲労のみならず、自分の過去の傷口を抉っているのだから。 やがて。 海堂がふらふらと冬部へと歩みよる。 彼女は小刻みに身体を震わせていた。 「そ...そんなことがあるなんて...」 「...本当なんだ。俺も、岳人の妹も、全てを失った。きみたちが思っているほど、イジメは軽いことじゃないんだ」 「あ...あたし...!」 海堂は顔を俯けつつ、冬部へと抱き着く。 「お、おい...?」 「冬部さん...」 海堂の冬部を抱きしめる力が強くなり、海堂は未だに身体を震わせている。 よかった、伝わったのか。 仮に、彼女が今までも同じようなことをしていても、後悔する気持ちがあるならまだ間に合う。 被害者に謝り、罪をつぐな 「アンタ、あったまワリーわね」 ドス。 冬部の背に激痛と灼熱が走る。 冬部の背には、海堂が握り隠していたボールペンが突き刺さっていた。 ―――ボールペンが身体に突き刺さるという格闘漫画でもめったに見られない光景を理解し難い・許し難い人もいるかもしれない。 そんな方は金田一少年の事件簿の単行本の一つ『錬金術殺人殺人事件(下)』に同時収録されている事件、高度1万メートルの殺人を一読することをお勧めする。 「ぁ...が...ッ!?」 「ハンッ、なに今さら偽善者ぶってんのさ。所詮あんたも同じ穴のムジナの癖に」 倒れる冬部に追い打ちをかけるように、海堂は彼の頭を踏みつける。 次いで古谷も冬部の掌をぐりぐりと踏みつける。 「くだらねえ綺麗ごとばかり吐きやがって。要はあれだろ?あんた、不様にもマトモな後処理ができなかった負け犬ってことだ」 「キャハハ、言えてる」 何が可笑しいのか、古谷と海堂は互いに笑い合い、ついでと言わんばかりに冬部を蹴り、踏みつけ痛めつける。 「そーそー、それに、そん時は未成年だったんだろ?バレたところで誰かを主犯にして押し付ければよかったじゃん。そうすりゃ年少にちょこっと入るだけで済んだのによ。やっぱバカと金の無い奴は駄目だね~」 多間木ははケタケタと笑いながら、るりを抑え込み下着を剥ごうとする。 「おい、海堂。そっちのおっさんのリンチは譲るからさ、ビデオカメラ貸してくれよ」 「なぁに、あんたもこのおっさんみたいにロリコンなわけ?」 「ちげぇよ。けどどうせならやってみたいだろ、JSのハメ撮りってやつ。中々できることじゃないし、何事も経験よ経験」 「ハッ、人のこと言えないじゃん」 海堂はビデオカメラを放り渡し、多間木は受け取りビデオ撮影を始める。 「やだ、やだぁ!」 「暴れんなって。じゃないとまた痛い目に遭っちゃうぞ~?」 (コイツラ...!) 冬部は、痛みを与え続けられる身体に耐えつつ怒りに手を震わせる。 おそらく彼らは既にイジメかそれに近いモノを加害者として経験しているのだろう。 だが、その態度がこれか? 反省の色が無いどころかまるで玩具のように人の尊厳を、命を弄び、踏みにじる。 これが人間のやることなのか。これが―――!! 「があああぁぁぁぁああ!!」 荒ぶる怒りの感情に任せて冬部が吼える。 ―――火事場の馬鹿力、というものをご存じだろうか。 土壇場になって限界以上の力を引きだせるというアレだ。 過去の金田一少年の事件簿においても、短時間で女手一つで氷の橋を作ってみせた雪夜叉や、常人よりは鍛え上げられているであろう剣持警部を暗殺者の如く一撃で殴り倒したファントムの花嫁などがいい例だ。 これは所謂犯人補正という奴かもしれないが、ここはバトルロワイアルという全員が被害者であり加害者にも成り得る場である。 となれば、冬部がその補正を使えたとしてもなんら不思議ではない。 冬部は海堂と古谷を跳ねのけ、多間木を突き飛ばし、るりを救出する。 痛む腹部と貧血から苛まれる頭痛と吐き気に苦しみながらも、冬部はるりを抱きかかえて走り出した。 だが、僅かに走っただけで覚束ない足取りになり、ドサリと前のめりに倒れ込んでるりを落としてしまう。 限界だ。 もう、これ以上自分の力で動くことはできない。 せめて、この畜生どもから彼女だけでも逃がさなければ――― 「に...げろ...」 絞り出した声は、ひどく弱弱しいものだった。 だが、冬部にはもうどうすることもできない。 この少女の、物置に残してきた栞の安否を心配しながら息絶えるだけだ。 しかし。 眼を瞑ろうとした冬部の視界に入るのは、少女の背中。 彼女は、多間木たちから冬部を庇うように立ち塞がっていた。 「な...ぜ...」 冬部は知らない。 るりが、ここに至るまでに既にますみという新たにできた"友達"を置いてきてしまったことを。 そんな彼女が、自分を助けてくれた冬部を見殺しにするなど、出来る筈もなかった。 やがて、追いついた三人に囲まれたるりは、突き出したスタンガンもあっさり躱され取り押さえられてしまう。 五党蘭に敵わなかったるりが、彼ら三人に敵う道理はない。 冬部は最期の力で立ち上がろうとする―――が、現実は非常だ。 二度も火事場の馬鹿力は起こらない。 冬部に出来るのは、幼気な少女があの薄汚い野獣どもに蹂躙されるのを見届けることだけだ。 (誰か...彼女を助けてくれ...!) 冬部の瞳から涙が毀れ落ちる。 そんな冬部の願いが届いたのだろうか。 ガサリ、と音がしたかと思えば、道脇から現れるのは警官と謎の覆面男。 彼らは、三人を殴り飛ばしるりを救いだす。 るりは気を失っているようだが、命に別状はないようだ。 その光景を見た冬部は、思わず安堵の涙を流してしまう。 「冬部さん!」 彼らの後から現れた栞は倒れる冬部に声をかける。 だが、冬部はもう答えることすらできない。 このままではまずい。 彼の容態を見て危険だと悟った警官Bは三人へと向き直る。 「栞さん、連城さん!あんたたちはその子達を連れて逃げてくれ!俺がコイツラを食い止める!」 相手は三人。ならば片方が残り、片方が怪我人たちを逃がすのが道理である。 そして、怪我人を護衛するならば強い方がつくのも定石だ。 連城はこくりと頷くとすぐさま冬部を背負い、栞にるりを抱きかかえさせる。 「お、おい、警官だぜ。どうするよ」 「慌てるな多間木。ここは殺し合いだ。警官の一人や二人、殺したところで誰も気にかけねえよ」 「そーそー、三人に勝てる訳ないでしょ」 古谷は、ゴキゴキと拳を鳴らし、これ見よがしに強さをアピールする。 (流石に死ぬかもな...) 警官Bは、去っていく二人を横目で見て、冷や汗と共に死を覚悟する。 だが、か弱き市民を護って散るなら警官冥利に尽きるというものだ。 (無事でいてくれよ、連城さん、栞さん!) 警官Bは、己の職務を果たすべく、舌打ちと共に悪鬼どもへと殴りかかった。 ☆ 『なに今さら偽善者ぶってんのさ。所詮あんたも同じ穴のムジナの癖に』 『くだらねえ綺麗ごとばかり吐きやがって。要はあれだろ?あんた、不様にもマトモな後処理ができなかった負け犬ってことだ』 『そーそー、それに、そん時は未成年だったんだろ?バレたところで誰かを主犯にして押し付ければよかったじゃん。そうすりゃ年少にちょこっと入るだけで済んだのによ。やっぱバカと金の無い奴は駄目だね~』 朦朧とする意識の中、冬部の脳裏にはあの三人の言葉がぐるぐると渦巻いていた。 冬部個人としても、彼らの言動は許せない。 しかし、こうも思う。 もしも、両親が自殺していなかったら。 もしも、自分が彼らのように上手くイジメのことを隠蔽したとしたら。 もしも、主犯を絵東や斧田に仕立て上げていたとしたら。 自分も彼らと同じ道を歩んでいたのではないか。 自分のしてきた償いは、罪から逃れるためのただの自己満足にしか過ぎないのではないか、と。 この期に及んで、彼という人間は己の安否よりも、そんな"IF"に苦しんでいるのだった。 (なあ、岳人。俺のしてきたことは...全部、偽物だったのかな) 『僕にはわからないよ』 今わの際に冬部が言葉を交わすのは、自らが殺した『被害者』。 もちろん、彼は既に死んでいる。 そのため、いま話しているのは彼の魂かもしれないし、冬部の頭の中の幻想かもしれない。 それを冬部自身が確認する術はないが、いまとなってはもうどちらでもよかった。 (...岳人。俺は、やっぱり死んで正解だったのかな) もしも一皮向けば奴らのような畜生と同類だというのなら、やはり死んでしまえと思う。 ならば。 栞の罪を被る形で死のうとしたあの時の決意は、やはり間違っていなかったのだろうか。 『...きみがそれで納得するなら、それでいいよ』 岳人は、目を瞑り肯定する。 やはりそうなのか。 俺も奴らと同じ、最低な悪党なんだな。 『けれど、きみがいくら偽物だと思おうとも、きみの償いや弁護士になった理由は間違っていないと思うんだ』 岳人は目を開け笑顔を浮かべる。 『それに、環境が影響した結果とはいえ、きみはあいつらとは違う。その証拠に、ホラ』 岳人が指を刺すと、そこには涙目になりながら冬部に声をかけ続ける栞の姿が見えた。 『夏美...いや、葉崎栞がきみのために涙を流している。それ以上の理由がいるかい?』 (...いいや) 冬部は、呼びかける栞ににこりと笑いかけ、『だいじょうぶ』と口を動かす。 それを見てホッとした様子の栞を見た途端、冬部の身体は奇妙な心地よさに包まれた。 きっと、これは自己満足の結果にすぎないのだろう。 しかし、それでも。 僅かな一時でも彼女を安心させられた―――その充足感に包まれ、次第に目蓋も落ちていく。 冬部は、最期に浮かべたその笑顔のまま、静かに意識を手放した。 【冬部蒼介@吸血桜殺人事件 死亡確認】 ※参戦時期は栞に刺させた後に自分の腹部に木の枝を突き刺して意識を手放している最中でした。 ※加賀谷が小金井に突き刺したボールペン@高度1万メートルの殺人 は冬部の背中に刺さったままです。 ※死因は失血死です。 【一日目/黎明/獄門塾敷地内】 【斑目るり@黒死蝶殺人事件】 [状態]疲労(絶大)、精神的ダメージ(絶大)、激しい怒り、五塔・多間木・古谷・海堂への憎しみ(大)、下着姿、気絶 [装備]速水玲香を気絶させた時に安岡真奈美が使用したスタンガン@速水玲香殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:脱出して金田一お兄ちゃんと遊ぶ 0:...... 1:ますみおねえちゃんを救けに行く。 2:あいつら(多間木・古谷・海堂)は許さない。 ※参戦時期は金田一と遊ぶ約束をした後。 【葉崎栞@吸血桜殺人事件】 [状態]疲労(中)、精神的ダメージ(中) [装備] [所持品]基本支給品一式×2、不明支給品1~2、冬部の不明支給品1~2(武器の類ではない) [思考・行動] 基本:三日目まで生き残りたい。 0:冬部さんと最後まで生き抜く。 ※参戦時期は金田一に全ての事情を聞かされたあと ※冬部の死に気が付いていません。 【連城久彦@異人館村殺人事件】 [状態]疲労(大)、六星への憎しみ。 [装備]高遠が使ったトリックナイフ@露西亜人形殺人事件 [所持品]基本支給品一式、不明支給品0~1 [思考・行動] 基本:若葉の仇をとる。それ以外はたぶん殺さない。 0:若葉の仇(六星)を見つけ次第殺す。 1:若葉の仇を探し出す。 2:とりあえず落ち着ける場所で冬部とかいう男を休ませる。 [備考] ※参戦時期は六星にナイフを刺す直前 ※六星を見つけ次第殺しにかかります。 ※冬部の死に気が付いていません。 一方の警官Bと多間木、古谷、海堂ら三人組だが、彼らの勝負など誰も興味がないと思うので割愛させていただく。 結論だけ述べよう。 警官Bは勝利した。 特に重傷を負うことも無く、舌打ちしながら殴りかかってたらあっさりと勝てた。 当然だ。 なにせ、三人とはいえその面子が、目付きが悪いだけの女の海堂、喧嘩は毒島に頼りっきりの多間木、深町のような気弱な少年さえ集団で虐めていた古谷だ。 そんな『喧嘩なんて急所狙えばヨユーっしょ』な考えの彼らが、鍛え上げられた警官、ましてやその中でも屈指の腕前と噂される彼に敵うはずもない。 とりあえず気絶させておこうと考えたところで、多間木は煙玉を使い三人で逃走。そのまま背を向けて走り去って行った。 不意をつかずに即座に逃げ出すあたり、やはり素人である。 これがあの六星竜一ならばまず間違いなく警官Bは殺されていただろう。 (とりあえず、あいつらを追う前に連城さんたちと合流しなくちゃな) 彼らが逃げた先に六星のような強者がいないとも限らない。 ならば、彼らの身の安全を保障する意味も込めて早めに合流するべきだろう。 これ見よがしに死亡フラグを立てておいてほぼ無傷で合流するのは恥ずかしい気もするが、いまはそんなことを言っている場合ではない。 こうして警官Bは、先に逃がした市民たちと合流することにした。 【一日目/黎明/獄門塾敷地内】 【六星に瞬殺された警官B(腕を折られた方)@異人館村殺人事件】 [状態]疲労(中) [装備] [所持品]基本支給品一式、不明支給品1~2 [思考・行動] 基本:殺し合いを止める 0:連城たちと合流する。 1:六星竜一がいればこんどこそ止めてみせる。 2:あのクソガキ共(多間木、海堂、古谷)は必ず逮捕する。 [備考] ※参戦時期は六星に腕を折られる寸前。 ※どんなキャラかわからなくなったら、基本舌打ちしながら殴りかかる人だという認識で大丈夫です。 「はぁっ、はぁっ...」 煙玉を使い逃走した三人は、木陰に座り込みひとまずの休憩をとる。 「冗談じゃねー、あの警官強すぎるだろ」 「ふん...正攻法で無理なら奇襲かトリックでも使って殺せばいいのさ」 「賛成ィー。あたしらのゲームを知っちゃったんだもの。生かしておくわけにはいかないっしょ」 三人は、なんの反省もなくケタケタと笑いながら警官B及びあの覆面男たちの殺害計画を練り始める。 さて。 『首つり学園殺人事件』『獄門塾殺人事件』『剣持警部の殺人』の三作品を呼んだことのある方ならばここで一つの疑問が生まれると思う。 『なんでこいつらこんな仲良く行動してんの?』と。疑問に思わないなら別にいい。 彼らが共に行動する理由―――それを語るにはおそらくそれ相応の文字数がかかることだろう。 果たしてそれは語られるのか、それとも語られずに流されるのか、檜山爆弾が投下されるのが先か。 彼らの行きつく果てはわからないが、これだけは言っておこう。 彼ら三人は"同じ穴のムジナ"である、と。 【一日目/黎明/獄門塾敷地内】 【チーム:同じ穴のムジナ】 【多間木匠@剣持警部の殺人】 [状態]疲労(大)、腕にスタンガンのダメージ、警官Bに殴られたダメージ(大) [装備]煙玉@高度一万メートルの殺人 [所持品]基本支給品一式、不明支給品0~1 [思考・行動] 基本:好きにやる 0:いーよねー、「バトロワ」ってヤツは!犯罪するならやっぱ殺し合いでってかー? 1:とりあえず古谷、海堂とつるんで行動する。 2:魚崎がいれば合流する。 3:毒島や湖森弁護士がいれば利用する。 ※参戦時期は魚崎死亡前 【古谷直樹@首つり学園殺人事件】 [状態]疲労(大)、腕にスタンガンのダメージ、警官Bに殴られたダメージ(大) [装備] [所持品]基本支給品一式、不明支給品1~2 [思考・行動] 基本:好きにやる 0:誰が死のうと知ったこっちゃねえ。負け犬は死ぬ、ただそれだけのことさ。 1:とりあえず多間木、海堂とつるんで行動する 2:室井、仁藤がいれば利用する。 ※参戦時期は室井が宮園の花壇を踏み荒らしたあたり 【海堂瞳@獄門塾殺人事件】 [状態]疲労(大)、警官Bに殴られたダメージ(中) [装備]佐木竜二のビデオカメラ@金田一少年の殺人 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:好きにやる 0:こんなものゲームよ。そう、ただのゲーム 1:とりあえず多間木、古谷とつるんで行動する 2:元のメンバー(鯨木、絵波、近衛、霧沢、茂呂井)よりこいつらの方が気が合うから優先するのはこっちにする。いたらいたで利用する。 ※参戦時期は茂呂井死亡前 018 if 時系列 019 生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい 019 生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい 投下順 021 霧と雲が混ざりあって…… 018 if 冬部蒼介 GAME OVER 018 if 葉崎栞 034 産声 005 君がいるから・・ 斑目るり 034 産声 GAME START 海堂瞳 GAME START 多間木匠 GAME START 古谷直樹 013 meet again 六星に瞬殺された警官B 028 Q.なぜ八尾の別荘は燃えていたか? 013 meet again 連城久彦 034 産声
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/440.html
◇◇◇◇◇◇ . その日、私は。 生まれて初めて、ドレスを着た。 真夜中のように、深い黒色だった。 物心ついた私にとって、最初の記憶だった。 きれいな青い空だった。 雲ひとつ無くて、ひどく澄んでいて。 その下に、私達は佇んでいた。 空の色には似合わない、黒い衣服を纏って。 私達は、それを看取る。 これから何かが、燃えて失くなる。 ささやかな葬式だった。 揃ったのは、ほんの僅かな両親の知人達。 故人の親族は、私と“あの人”だけだった。 お父さん。お母さん。 突然の交通事故で、遠くへ行ってしまった。 今となっては、記憶も曖昧だ。 どんな顔をしていたのか。 どんな風に過ごしていたのか。 私のことを、愛してくれていたのか。 もう、朧気にしか思い出せない。 窯の中へと焚べられ。 思い出と共に、二人は灰になる。 燃える。燃える。燃える―――。 やがてお父さんも、お母さんも。 小さくて、寂しげな箱へと、詰められる。 幼き日の私がそれを理解していたのかは。 今となっては、分からない。 火葬が終わるのを、外で待っていた。 ただ淡々と、粛々と、時間が過ぎていく。 思い出が、少しずつ灰になっていく。 ひどく綺麗な、青空の下で。 そんな私のすぐそばに、“あの人”がいた。 ――はじめまして。 ――私は、あなたの“叔母さん”です。 初めて出会った日を、ふいに思い出す。 交通事故で、独りぼっちになった後。 私は、気が付けば“あの人”のもとへ引き取られていた。 私にとって、唯一の“親族”らしかった。 見知らぬ人だった。聞いたこともなかった。 両親は、一度もこの人の話をしてくれなかった。 “あの人”もまた、両親との関係についてはぐらかすばかり。 結局どんな仲だったのかは、今となっては分からない。 だけど、そんな人が。 両親の葬式は執り行ってくれた。 どうして、と私は“あの人”に聞いた。 丁度お金を工面できる宛があったから。 “頼んだら、お金をくれる人”がいたから。 だから、あの二人が寂しくないように。 ――――これが、最後の愛だから。 “あの人”は、そう答えてくれた。 果てしない青空の下。 私と同じような、黒い喪服を纏って。 “あの人”は、私の手をただ握ってくれた。 優しげで、底の見えない笑みを浮かべながら。 私と“叔母さん”は、過去が燃え落ちる時をじっと待ち続けていた。 私が記憶している、最初の愛。 私の心の奥で濁り続けた、小さなビターピース。 苦い苦い日々の、はじまり。 . ◇◇◇◇◇◇ 洗面台の前に立って。 自分の顔を、じっと見つめた。 むすっとした仏頂面。 目の色からは、どこか疲れが滲み出ている。 ――情けないぞ、飛騨しょうこ。 そんなふうに自分を鼓舞してみても、やはり誤魔化せないもので。 何ともないと思っていた筈だったけど。 思った以上に、疲れていたらしい。 だけど、それも当然なのかもしれない。 本戦が始まって、たった一日。 今日という日を、こんなに濃密に感じたことはなかった。 さとうと再会して。 しおちゃんやあさひくんのことも含めて、真正面からぶつかって。 それから、私達は同盟を組むことになった。 電話で色々と情報交換したり、ぶつかりそうになったり。 さとうとは、微妙な関係が続いたけど。 やがてあの“青い龍”が急に現れて。 とんでもない大暴れをやらかして。 アーチャーが果敢に戦ったけど、家を失う羽目になって。 そうしてひょんなことから、さとうの家へと転がり込んだ。 頼れる相手は、結局さとうしかいなかったから。 そしたらさとうのサーヴァントが、アーチャーと戦ったことのある奴で。 更に、あさひくんがこの世界にいることも分かって。 さとうか。あさひくんか。そのどっちかの二択を突きつけられた。 私はアーチャーに支えられながら、悩んで。悩み続けて。 最後は、あのキャスターから友達を庇うような形で、私はさとうを選んで。 それから、本格的に戦いへと乗り出して―――さとうの叔母さんとも再会した。 神戸しおちゃんの存在も、そこで知ることになって。 ―――ねえ、さとう。 ―――しおちゃんに会った時は、どうする? 私は、あの豪邸を出る前に。 さとうに対して、そう聞いた。 あの時のさとうが、何を感じていたのか。 何を想い、何を考えていたのか。 私には、その断片しか掴み取れなかったけれど。 それでも、私はその心を知りたくて。 それから少しだけ考えてから、さとうは答えた。 ―――いつか出会ったら。 ―――その時に、考える。 ―――答えを出すのは、あの娘と直に向き合ってからにしたい。 もしも、しおちゃんと遭遇した時は。 あの娘が、どこまで歩けるようになったのか。 どんなふうに成長して、前を向いているのか。 それをこの目で確かめて――そうしてから、先のことを考えてみたい。 さとうは、そう伝えてきた。 今はそれ以上、追及はしなかった。 あの二人の関係については、未だに深くは知らない。 それでも、確かに分かることもある。 さとうには、さとうの喜びや苦しみがあって。 そして、あの娘なりの――決意がある。 だから私は、さとうの今の答えをただ受け止めた。 色々なことがあった。本当に。 たった一日で、私の物語は一気に動き出した。 諦めるのは、もう飽きたから。 何かから目を逸らすのは、もう嫌だった。 だから私は、前を向き続ける。 私の背中を押してくれて、私と共に飛び立ってくれる―――あのアーチャーと一緒に。 バーサーカー達との連絡先は交換した。 向こうがどう動くのかははぐらかされたけど、「必要とあらば連絡は入れる」という断りはあった。 私達は、当初の予定通り動くことになった。 近場のホテルを拠点にして、新宿の動乱にかこつけて動き出したサーヴァントを狩る。 それで、ホテルの部屋を確保したら、荷物を置いて散策に出る筈だったんだけど。 いざ部屋に着いてみると、それまでの疲労感がどっと押し寄せてきた。 色んな出来事がある中で、なんとなく忘れていたけど。 あれだけの出来事を、たった一日で経験し続けるのは―――実際疲れる。 身体が草臥れているというよりかは、メンタルが疲れ切っていた。 ずっと気を引き締めていたぶん、どこかで休息を挟みたかったのかもしれない。 だから私は、暫くホテルで休ませて貰うことにした。 さとうも付き添ってくれた。「しょーこちゃんが元気になるまで待ってるね」とのこと。 こっちの事情に付き合わせてしまうことには、何とも言えない申し訳無さがあった。 因みに私達は同じ部屋で泊まっている。 「部屋代が安く済むし、有事の際の相談もしやすいから」とのことだった。 さとうはそう言っているけど、少しでも気を許して貰えたような気がして、満更でもなかったのは内緒。 アーチャーはキャスターと共に、一旦偵察へと赴くことになった。 本格的な行動に出る前に、周囲の気配や不審な事柄の有無を探るとのこと。 あんな奴と二人きりにさせるのは気が引けるけど、アーチャーは粛々と受け入れてくれた。 「もしものことがあれば、その時はマスターにも情報を共有する」と付け加えて。 暫く見回りをしてから戻ってくるとは、言っていたけれど。 少なくとも、今の私の側にアーチャーはいない。 そのことを改めて認識して、私は深呼吸をする。 すぅ、はぁ――息を整えて、気を引き締める。 鏡の前の自分を、改めて見つめた。 ひどい顔をしていたけど。 疲れ切った顔をしていたけど。 ずっと休んでる場合じゃない。 此処から先、覚悟していかないと。 私は、再び自分を奮い立たせる。 さっきよりも少しだけ、マシな顔になった気がした。 もう大丈夫――そう言い聞かせて、私は洗面所を後にする。 2つのベッドが並んだ部屋に戻ると。 さとうが、窓際で電話を掛けていた。 静かに響き続ける発信音。 その度に通信が切れて。 再びさとうは番号を確認する。 そうして、発信して―――再び通信が切れる。 繰り返し。何度も、何度も、電話を掛け続けて。 だけど、実を結ぶことは無かった。 電話を見つめるさとうは、目を細める。 何かを考え込むように―――というより。 何かを、悟ってしまったかのように。 どこか、冷たい眼差しを落としていて。 私は、何か胸騒ぎを感じた。 予期してない自体が起きたような。 良からぬことが起きたような。 そんなさとうの素振りに、私は思わず不安を覚えて。 ほんの一瞬の躊躇いを感じたけれど。 それでも息を呑んで、私はさとうを見据える。 「さとう……どうしたの?」 それから私は、さとうに声を掛けた。 振り返るさとうの眼差しには――微かな憂いが宿っていた。 ◇◇◇◇◇◇ . これまでも。これからも。 私はずっとさとうちゃんを愛してるから。 ずーっと、ずーっと。 勿論――――会えなくなってからもね。 . ◇◇◇◇◇◇ 「あいつから連絡があった」 さとうが、ふいに呟いた。 あいつ――それは、さとうが従える“あのキャスター”のことだろう。 歪んだ愛について吐く、あの妖怪のようなサーヴァントだ 偵察に行ってる彼らが、何かを発見したのだろうか。 しかし、アーチャーからの連絡は無い。 つまりそれは、キャスターが真っ先に察知した事柄ということであり―――。 「あのバーサーカー、“いなくなった”って」 そして、さとうが。 唐突に、そんなことを言ってきた。 いなくなった。そう、いなくなったと。 一瞬、何を言っているのか分からなかった。 「……いなくなった?」 「うん。あいつ、上司の気配探れるんだけど。 それが、ぷっつりと消えたって」 私は思わず、唖然とした。 別にあのバーサーカーは強いからとか、アーチャーと互角に戦ったキャスターの上司だからとか、そういう理由じゃない。 ただ、あまりにも呆気なくて―――容易くそれを告げられたから。 さっきまで確かに目の前にいた奴が“消えた”と。 本当にいきなり、伝えられたから。 「それ……消滅したってこと?」 「そういうことになる、みたい」 私は、そう確認して。 さとうも、取り留めのない様子で答えた。 ほんの数時間前に別れたばかりの相手の、唐突な脱落。 それに少なからず驚愕していることは、なんとなく察せた。 「キャスターの勘違いとか、偶々探知の範囲から外れたとか。 そういうのじゃないの?」 「間違いなく、この界聖杯から消え失せたって……あいつは断言してた。 嘘を付いてるようにも、勘違いしてるようにも見えなかった」 自分だって驚いている。 さっきも言ったように――本当に突然のことだったから。 この聖杯戦争において、私は“戦い”というものを直に経験はしていない。 サーヴァントを目撃したのだって、さとうのキャスターを除けばあの“青い龍”だけだ。 アーチャーが予選中は2回しか交戦しなかったこと、そして本戦までは私を出来る限り戦場から遠ざけてくれたことが大きかった。 だからこそ。 一度は顔を合わせた相手が、もうここにはいない。 誰かと戦って―――そして、殺された。 その事実が、何とも言えない尾を引いていた。 何処か遠くの出来事のように感じていた戦いを、改めて“隣り合わせ”のものとして感じ取ってしまった。 「ねえ、さとう」 あのバーサーカーが、消滅した。 それは何とか理解できた、けれど。 そうなると―――もう一つの懸念が浮かんだ。 聖杯戦争は、サーヴァントとマスターという二人一組の主従で戦い。 共に勝ち残ることで、初めて聖杯というものが掴める。 だけどサーヴァントが脱落してしまえば、残されたマスターは勝ち残る権利を失う。 同じように相棒を失ったサーヴァントとの再契約を結ばない限りは、再び舞台に上がることは出来ない。 界聖杯から流れ込んだ知識で、そのことは私も理解していた。 サーヴァントがいなければ、マスターは戦えない。 そういう意味では、捨て置いてもいい存在のように見えるけれど。 それでも、再契約さえ果たせれば――また敵として立ちはだかることになる。 それにサーヴァントの中には、マスターの暗殺を得意とするアサシンのクラスだって存在する。 つまり、マスターを排除することは確かな“戦術”の一つで。 再契約というケースもある以上、サーヴァントを倒したならマスターも積極的に排除した方がいいということになる。 つまり。 私が言いたいことは。 私が抱いていた、不安は。 「その……叔母さんには、連絡入れた?」 私の問いかけに。 さとうは、沈黙した。 何も答えず、黙り込んだ。 さとうの叔母さんにも、連絡先の携帯電話は用意されていた。 あのバーサーカーが用意したもの――通話や簡単なメールが出来る程度の安物だったけど。 向こうは相当に「仕方なく」「嫌々に」といった様子だったけど、外出する時に同盟相手との緊急の連絡手段として持たせていたらしかった。 その電話番号を、私達はすでに控えている。 そしてさとうは、暫く考え込んでから。 それから――ふぅ、と。 ゆっくり、溜息を吐いた。 「電話は、もう入れた」 さとうは淡々と、言葉を紡ぐ。 「何度も確かめたけど」 そう。ありのままに、淡々と。 「……掛からなかった」 そうして。 結論を、告げてきた。 それって、つまり――。 私が言葉を続けようとした矢先に、再びさとうが口を開く。 「あのバーサーカーにとって、叔母さんは枷。信頼なんか無い。 二人で外に出たなら、間違いなく自分の目が届くところに置くと思う」 さとうは冷静に、現状の事態を推察していた。 「叔母さんを放置するとは思えない以上、どこかに一人だけで隠すなんて真似もしないはず」 バーサーカーとあの叔母さんの関係。 それを踏まえた上での行動や思考。 それらについての予想を、黙々と話す。 「だから少なくとも、叔母さんを近くに置いていたと思う。 でも、そのバーサーカーが消滅した」 さとうは、私より要領が良いし。 私なんかよりも、ずっと頭が回る。 「仮にバーサーカーと繋がってる連中が叔母さんを安全な所で保護してたとしても、それなら連絡が一切通じないのは不自然」 だからこそ、それらの推察にも説得力があって。 私達が頭の中に浮かべていた“一つの答え”への道筋を、粛々と作っていく。 「だから……叔母さんも、多分そういうことだと思う」 そう、それはつまり。 さとうの叔母さんは―――。 「叔母さんは、もうここにはいない」 そういうこと、だった。 ◇◇◇◇◇◇ . お葬式だったんですよ。 小鳥と、あの子の。 ―――ね、さとうちゃん。 . ◇◇◇◇◇◇ さとうの叔母さん。 初めて会った時のことは、鮮明に覚えている。 それは、さとうの心へと一歩踏み込んで。 そして、目を逸らしてしまった――そんな苦い思い出の中で、顔を合わせた。 忘れもしない。私にとって、「さとうと向き合えなかった」という後悔の始まりだったから。 あの人がさとうの叔母さんで。さとうは、そのあの人の姪で。 その事実を前に、私は躊躇ってしまった。 臆病で、情けなくて。そんな弱い自分を、苛めて。 そんな時に、“あの子”から励まされた――。 さとうの叔母さんと会ったのは、結局3回だけだ。 元いた世界。あのマンションでの初対面。 さとうの居場所について訪ねた時。 そして、界聖杯―――あの豪邸での思わぬ再会。 たったそれだけの面識。 それでも、その存在は脳裏に焼き付いている。 あんな人は、きっとこの世の中。 どこを探しても、存在しないと思うから。 深い深い、夜の闇のような人だった。 誰かを魅了して、底へ誘い込むような禍々しさで。 ぎらついた欲を、丸ごと飲み込んでしまいそうで。 まともなのかどうかさえも、怪しくて。 ひどく気持ち悪くて、理解ができない。 もう二度と会いたくないと思ってしまうほどの、異様な雰囲気だった。 でも。今になって、思う。 なんでさとうは、愛を求めるようになったのか。 その根源はきっと、あの叔母にあるのだと。 あなたを混乱させたのは、あの人の存在なのだと。 私は、直感で悟っていた。 私は、沈黙していた。 どこか気まずくて、居たたまれなくて。 さとうも、黙り込んでいた。 あの娘の顔は、なんとなく見れなかった。 悲しんでいるのか。何とも思っていないのか。 それを確かめることも、躊躇われた。 だって―――仮にも、親友の身内が亡くなったのだから。 だから、私達は何も言わなかった。 背中合わせ。互いのベッドに腰掛けて。 顔を背けるようにして、私は俯く。 静寂。無言。 私とさとうの間に流れる、無音のひと時。 叔母さん達に、何が起きたんだろう。 バーサーカーは、どうなったんだろう。 何処で、誰にやられたんだろう。 答えは知る由もなくて、それを考え合う気にもなれない。 今は、そんな気分になれなくて。 そうして私達は無言の中、ただ黙々と時間が過ぎるのを待っていく―――。 「しょーこちゃんがいなくなった後さ」 そんな矢先。 ふいにさとうが、口を開いた。 「あのマンションで、叔母さんとはもう決別した」 淡々と、静かに。 過去を振り返りながら、さとうは呟く。 「だから、これは二度目のお別れ。 この世にいるか、いないか、それだけの違い」 私がいなくなった後。 ――それはつまり、私がさとうに殺された後のこと。 さとうは元の世界で、何らかの形で叔母さんに別れを告げている。 そういうこと、らしかった。 「……色々あったんだね、さとう」 「うん。ほんとに、色々と」 ぽつりと、私達は言葉を交わし合う。 それから、少しの沈黙を挟んで。 私は、あの日のことを思い返す。 言葉さえも融け落ちそうな、あの夜の下。 私はさとうに刺されて、一度命を落とした。 あれからのさとうがどうなったのか、知る術はない。 だけど、さとうはあのままでは居られなくなったのだろう。 しおちゃんとの幸福な生活を守るために、何かをせざるを得なくなったんだと思う。 それはきっと、私を殺したから―――大きく変わってしまった。 そんな中で、叔母さんと別れることになったのだと思う。 さとうにとって。 叔母さんとは、どんな存在だったのだろう。 改めて、そんなことを思う。 きっとさとうは、叔母さんがいたから――何かが変わってしまった。 それだけは、読み取れる。 「……ねえ、しょーこちゃん」 そうして、ふいにさとうが呟く。 私は何も言わずに、耳を傾ける。 「私、小さい頃さ。叔母さんに引き取られて」 ぽつり、ぽつりと。 さとうは、自分のことを語り出す。 思えば――この界聖杯に導かれて。 予選をなんとか生き抜いて。 そしてあの池袋駅で、さとうと再会して。 真正面から、ぶつかり合って。 少しでも、お互いに踏み込めて――。 そうなるまでの過程は、大変だったけれど。 きっと私達は、以前よりも寄り添えているのだと思う そのおかげで、さとうも話す気になってくれたのかもしれない。 あの人と過ごしてきた日々のことを。 「ずーっと、二人で暮らしてきたの。 吐き気のするような、あの人と一緒に」 絞り出されるような言葉に、感情は乗せられていなくて。 そこにあるのは、ただただ――虚しさのような色だった。 「あの部屋で……あの苦い苦い箱庭で。 甘さなんて一欠片も感じられない、あの檻の中で」 それは、きっと。 さとうにとっての“すべて”だったもの。 「それが、私にとっての世界だったの。 あんなものが、幼い私を取り巻いていた」 あの叔母さんに育てられた日々。 それこそが、今のさとうを作っている。 「……だから」 そうだ。 私が感じ取っていたことは。 「“愛”が何なのか、わからなくなった」 確かな、真実だった。 呆然と吐き出された言葉が、この小さな部屋に響く。 「でもね。愛がわからなくなって。 愛について、迷い続けたから――」 そして、さとうは。 「だから、しおちゃんに逢えたの」 そんな一言を、ぼやいた。 神戸しおちゃん。 さとうにとっての、最愛の人。 あの娘が本当の愛を抱いた、たった一人の存在。 さとうと、しおちゃん。 二人が如何にして出会ったのか。 二人がどうして愛するようになったのか。 そうなるまでの経緯は、分からない。 だけど、確かなことはある。 しおちゃんと出会ってから、さとうは私との“遊び”をきっぱりやめてしまった。 きっと、さとうは――ずっと彷徨っていたのだと思う。 あの叔母さんに育てられて。 歪んだ生活の中で、愛を掴めなくなって。 私と友達になって、色んな愛に触れようとして。 それでも、真実は見つけられなくて。 そんな矢先に、しおちゃんと出会ったのだと思う。 あのさとうが、ここまで焦がれている。 あのさとうが、こんなにも執着している。 そして―――さとうが、本気で想っている。 「たまに、思ってたんだ」 ここでもしおちゃんのことを“教えてもらって”、思い出した。 さとうはそう付け加えつる。 どこか不安げな声色で。 窶れたような雰囲気で。 そして。 「結局……“叔母さんがいたから”なのかな、って」 さとうが、そんなことを言い出したから。 私は、思わず―――さとうの方へと向いて。 「―――さとう。違うよ」 そうやって、言葉を返した。 言わずにはいられなかった。 さとうの不安を、察してしまったから。 「さとうがしおちゃんと会えたのは、叔母さんが居たからじゃない」 さとうの愛は、間違っている。 さとうの愛は、歪んでいる。 そう思っていたのに。 そう思ってたはずなのに。 「お姫様と王子様が、赤い糸で結ばれてるみたいに――」 でも、この気持ちは止められなかった。 さとうが、自分自身の愛を一瞬でも疑う。 そんな姿は―――見たくなかったから。 「二人の間に、運命があったからだよ。 真実の愛って、そういうものでしょ?」 だから私は、伝える。 さとうが信じたものを、さとうに教える。 そうせずにはいられなかった。 そして、何より。 ―――しおちゃんには、まだ会えないよ。 あのとき。 しおちゃんがいると伝えられた時。 しおちゃんと会える機会を与えられた、あの場で。 敢えてそう伝えた、あなたの目には。 紛れもなく、真摯な愛が宿っていたから。 間違いなく、愛ゆえの苦悩があったり だから、放っておけなかった。 「さとうはずっと、しおちゃんを想い続けたんでしょ。 自分を疑うなんて、さとうらしくないよ。 弱音なんか吐かないで。あんたは、あんた自身が思ってるより強いんだから」 さとうは少しだけ、変わってきている。 なんていうか。うまく、説明できないけれど。 さとうにとっては、しおちゃんが全て。 それだけはきっと、変わることはない。 でも。さとうの見る世界は、もっと閉ざされたものだった。 誰も踏み込めない箱庭の中に、心を閉じ込めていた。 だけど―――今は、ほんの僅かだけど。 それでも、あの雨の夜とは、絶対に違っている。 こんな想いも、傲慢なのかもしれない。 でも―――この世に、傲慢じゃない愛なんてないのかもしれない。 だったら私は、傲慢でいたい。 さとうと向き合えるなら、それでもいい。 さとうは、暫くの間。 何も言葉を返さなくて。 そして、ゆっくりと。 私の方へと振り返っていた。 「……そういうとこ、さ」 少しだけ、驚いたように。 ほんの僅かに、目を丸くしていたけど。 やがてさとうは、フッと――ほんの僅かに、微笑んだ。 「しょーこちゃんらしいよね、なんか」 そう呟くさとうの表情には。 微かにでも“安心”を感じられたのは。 私の思い込みかもしれないし、気の所為だったのかもしれない。 だけど、それでも――さとうが微かに笑みを見せてくれたことは、紛れもない事実だった。 「ごめんね、しょーこちゃん。急にあんなこと言っちゃって」 「いいって。アンタらしくない姿なんて、見たくなかったから」 どこかほっとしたような空気が流れて。 私も思わず、微笑んでしまったけど。 それから私は、一呼吸を置く。 息を整えて、柄にもなく真剣な顔をして。 「それに―――さとうが叔母さんのせいで悩むの、放っておけなかった」 私は、さとうにそう告げた。 それを聞いたさとうは、改めてほんの僅かに驚いて。 やがて、何か物思いに耽るように沈黙した。 さとうは、時折。 ふいに寂しげな顔を見せる。 昔からそうだった。 その根っこにあるのは、きっと空虚感だったのだと思う。 だけど、今のさとうの横顔は。 そういうものとはまた違った、複雑な表情で。 「叔母さんは……」 憂いを込めたような面持ちで、さとうはぽつりと呟く。 自分の根幹を形作ったひとに、再び思いを馳せる。 「独りぼっちなんだろうなあ、向こうでも」 ――どこか、憐れむような一言と共に。 そんなさとうの顔を、私は見つめていた。 「……さとうはさ」 そうして私は、さとうに声を掛ける。 愛を見つけられなかったさとう。 愛に迷い続けてきたさとう。 そんなさとうを作った、たった一人の肉親。 だから、敢えて聞きたかった。 さとうの本心――みたいなものを。 「叔母さんのこと、やっぱり嫌いだった?」 「うん。大嫌い」 私が、問いかけて。 さとうは迷うことなく、そう返した。 そこに笑顔は無かった。 ただ黙々と、事実を確認しているようで。 「でも」 それでも、なにか気付くものがあったように。 「本当にいなくなったんだ、って思うと」 さとうは、ゆっくりと。 自分の思いを、言葉として紡いだ。 . 「案外、寂しいものなんだね」 . ◆ 「いつぶりかな、こういうの」 着替えや日用品を整理して。 最低限の荷物だけを携えて。 準備を整えた矢先に、ふいにさとうが呟く。 「こんなに夜更しして、二人で出かけて」 「さとう、ぶっちゃけだいぶ前だと思う」 カーテンを軽くめくって、さとうは窓の外を見つめていた。 外は真っ暗で、街の光だけがぽつぽつと明かりを灯している。 「そうだっけ、そういえば」 「すぐ懲りたでしょ、ああいうの」 「……あー、確かに」 「夜遊びは程々に、って。あのとき学んだわ」 既に時刻は深夜を回っている。 女子二人で出歩くことなんて、普通なら考えられないことだったけど。 そういえば昔、一回だけやったっけなぁ――なんて、思い出を振り返る。 思えばさとうと二人で、軽くやんちゃしたこともあった。 結局、痛い目を見たり修羅場に出くわしたりする前にすぐ止めたけれど。 「じゃあ、『久々』ってことだね」 さとうの一言に、私はほんのりと笑みを零して。 そして―――ふいに、昔のことを思い出す 「……やっぱり懐かしいなぁ。さとうと二人で遊んでたころ」 「昔は色々遊んだもんね。“どっちが先にあの男の子落とせるか”とかやったし」 「あー、すっごい懐かしい……確か山形くん?だっけ」 「名前は忘れちゃった。男の子なんて一杯いたから」 「さすが、このモテ助め」 思わず私は、笑みを綻ばせてしまう。 向こうがどんなことを思っているのかは、わからないけれど。 それでも、こうやって冗談を言い合えることに嬉しさを感じつつ。 私は――ギュッと、気を引き締める。 ここから先は、聖杯戦争の時間。 軽く偵察を行っている“二人のサーヴァント”と合流して、当初の予定通りに散策へと出る。 つまり、マスターとしての役目を果たす。 サーヴァントはマスターから供給される魔力によって活動する。 そして魔力の出力は、物理的な距離が近い方がしっかりと機能する。 そんな話を、私はアーチャーから聞いていた。 私達が此処までわざわざ赴いたことにも、確かな意味がある。 「ねえ、さとう」 「なぁに、しょーこちゃん」 そうして決意を固めつつ。 私達は、互いに呼び掛け合う。 「私さ、負けないからね」 「こっちこそ。愛する人と生きるためなら」 「でしょうね。でもさ、私だってもう昔とは違うから」 「……しょーこちゃんってやっぱり度胸あるよね。いっかい刺されたのに」 「あんたに刺されたから吹っ切れたってわけ。 今度はもう、やられてやんないから」 傍から見れば、すごい状況だと思う。 掛け替えのない親友と、命懸けの喧嘩なんかして。 なのに、こうして軽口混じりに当時を振り返っている。 「なら、上等だよ。しょーこちゃん」 そんな会話につられてか。 さとうも、仲良しだった昔みたいに。 そう言ってくれた。 久々の夜遊び。 それも、とびきり危険な――命懸けの戦い。 さとうと共に、夜の闇へと。 「行こっか、しょーこちゃん」 「……うん。行くよ」 私達は、そう言葉を交わし合って。 そして二人で、ホテルの一室を後にした。 ねえ、さとうの叔母さん。 あなたはずっと、さとうを苦しめてきた。 さとうの愛を、掻き乱してきた。 そんなあなたを、さとうはきっと許さない。 私も、親友を傷つけてきたあなたを認めたりなんかしない。 だけど、さとうは。 ほんの少しでも、あなたに想いを馳せたから。 僅かにでも、あなたのことを振り返ったと思うから。 だから、今は安心して―――ゆっくり休んで下さい。 【ニ日目・未明/中央区・ホテル】 【松坂さとう@ハッピーシュガーライフ】 [状態]:健康 [令呪]:残り3画 [装備]:なし [道具]:最低限の荷物 [所持金]:数千円程度 [思考・状況] 基本方針:しおちゃんと、永遠のハッピーシュガーライフを。 0:行こっか、しょーこちゃん。 1:しおちゃんとはまだ会わない。今会ったらきっと、あの子を止めてしまう。 2:どんな手を使ってでも勝ち残る。 3:しょーこちゃんと組む。いずれ戦うことになっても、決して負けない。 4:もし、しおちゃんと出会ったら―――。 [備考] ※飛騨しょうこと連絡先を交換しました。 ※キャスター(童磨)からの連絡によってバーサーカー(鬼舞辻無惨)の消滅を知りました。 ※松坂さとうの叔母が命を落としたことを悟りました。 【飛騨しょうこ@ハッピーシュガーライフ】 [状態]:健康 [令呪]:残り2画 [装備]:なし [道具]:最低限の荷物 [所持金]:1万円程度 [思考・状況] 基本方針:さとうを信じたい。あさひくんにお礼を言いたい。そのためにも、諦められない。 0:うん―――行こう。 1:さとうと一緒に戦う。あの子のことは……いつか見えるその時に。 2:それはきっと"愛"だよ、さとう。 [備考] ※松坂さとうと連絡先を交換しました。 [共通備考] ※アーチャー(ガンヴォルト(オルタ))とキャスター(童磨)はさとう達に先んじて偵察へと出向いています。 二人がどのように行動しているかは後のリレーにお任せします。 . ◇◇◇◇◇◇ . 黒いドレスを身にまとって。 私は、あなたを見下ろしていた。 真夜中のような闇色は。 無垢に澄んだ世界で、影法師のように佇む。 あの日と同じ、きれいな青い空。 思い出が燃えて失くなる日の、美しい空。 お父さん。お母さん。そして、あなた。 誰かがいなくなっても、世界は変わらない。 空はいつだって美しく、呆然と横たわる。 何もない、緑色の広場。 孤独に佇む、小さな墓碑。 寂しげな棺の中で、あなたが眠る。 ここに眠る人は、あなた以外にいない。 あなたの傍には、誰ひとり寄り添わない。 澄んだ世界が、私達を呆然と見守っていた。 棺の中には、花が敷き詰められていた。 紅く蝕まれた、いびつな百合の花だった。 それはまるで、あなたから溢れ出た――命の証のようで。 鮮やかに濁った色に包まれて、あなたは安らかに横たわる。 これは、葬式。 忌まわしいあなたを葬る、最期のお別れ。 紅いリリイに囲まれて。 全ては土に還り―――灰へと還る。 白と紅のコントラストに抱かれて。 棺の中で、あなたは眠る。 それは、あなたにとって最後の揺りかご。 甘くて安らかな、ホワイトシュガーガーデン。 あるいは、苦さに満ちた、ブラックソルトケージ。 目を閉じるあなたを、じっと見つめて。 穏やかなその表情を、静かに見つめて。 そして私は、棺の中に“それ”を添えた。 クマのぬいぐるみ。 幼い日の私が抱き締めていた、お気に入りの品。 私が“ここにいる”という、唯一の証。 私にはもう必要のない、在りし日の思い出。 あなたの棺へと手向ける、私からの贈り物。 結局、“あの部屋”に。 あなたが戻ることはなかったから。 せめて最期くらい、私から届けようと思った。 これはもう、いらないもの。 必要のないもの。 だから、死にゆくあなたに渡す。 あなたは、愛を貪った。 多くの人を蝕んで。 多くの人を狂わせて。 多くの人から吐き出されて それが愛だと語り続けた。 そんなあなたが、大嫌いだった。 私と同じように、あなたにも欠落に至る理由があったのかもしれない。 歪みに歪んで、ここまで堕ちてしまった根源が、存在するのかもしれない。 だけどそれは、私にとって――関係のないことだ。 あなたに感謝なんかしない。 憎んでいた。恨んでいた。 忌まわしくさえ思っていた。 あなたがくれた愛は、濁りきった紛い物だった。 あなたの生き方は、私から本当の愛を奪い続けてきた。 あなたというひとは、私になんの光も与えてはくれなかった。 あなたという存在は、私にとって。 愛の形を雁字搦めにする、呪いだった。 けれど。 どれだけ愛を食んでも。 どれだけ愛を受け止めても。 あなたは、独りぼっち。 あなたを弔ってくれる人は、いない。 あなたにとって世界は、飴玉の詰まった瓶。 全てを愛してるけれど、それは“美味しいから”でしかない。 人として愛しているんじゃなく。 満たし満たされる為のモノとして、皆を愛している。 それはきっと、全てを無価値だと思ってるのと変わらない。 誰もが平等ということは、誰も特別に思っていないのと同じことだ。 そんなあなたは、誰にも惜しまれない。 沢山の人から、欲の捌け口に使われて。 “女としてのあなた”を、渇望されて。 やがてあなたは、忘れ去られていく。 あなたの愛は、絶え間ない孤独と共にある。 だから私が、来てあげた。 寂しそうで、ちっぽけで、ひどく惨めで。 そんなあなたを、私は一度だけ看取る。 そんなあなたに、私は一度だけ寄り添う。 両親を亡くして。 独りぼっちだった私を。 あなたが、引き取ってくれたように。 この先も、きっと。 たとえ遠い未来になっても。 二度と逢うことは無いでしょう。 私は、私の愛のために生きます。 生きて、生きて、生きて、生き抜いて。 最期のときまで、あの娘と歩み続けます。 だから、もう。 私は、何があっても前を向ける。 あなたという人は、振り返らない。 きっとあなたは、また独りぼっちになる。 そんなあなたを、哀れんだりはしない。 私の愛を、あなたに教えたりなんかしない。 淀んだ愛に溺れ続けたあなたにとって、これは必然の末路。 ―――だけど。 それでも、最期くらい。 たった一度だけでも、家族として。 あなたのことは、見送ってあげます。 だから私は、あなたに告げる。 ほんのささやかな、餞別を。 別れの言葉を、改めて。 . さようなら。 どうか、お元気で。 . ◇◇◇◇◇◇ 時系列順 Back 崩壊-rebirth-(前編) Next 械翼のエクスマキナ/Air-raid 投下順 Back 崩壊-rebirth-(前編) Next さまよう星と僕 ←Back Character name Next→ 086 世界で一番の宝物 松坂さとう 122 ねぇねぇねぇ。(前編) 飛騨しょうこ 122 ねぇねぇねぇ。(前編)
https://w.atwiki.jp/echizen/pages/450.html
緊急発令「涼州藩国における医療品工場爆破事件について」 越前藩国藩王 セントラル越前、ここに記す 涼州藩国に存在する医療品工場が何者かによって爆破されるという事件が発生した。 幸いにして大きな被害は出ていないとのことだが、残念ながら犯人は逃亡、現在もその行方は分かっていない。 現在医療品工場の存在する諸藩国に対して警戒の要請がなされており、我が、そして我らが越前藩国においてもこれにのっとって医療品工場周辺の警備を強化するものである。 警察、救急、消防への指示 一、医療品工場が存在する港湾地区周辺の見廻りなど、警備体勢を強化する。 一、港湾地区に存在する消防署に対しては、万が一何らかの被害が発生した場合に即応出来るよう体勢強化を命ずる 一、爆発物や毒物・劇薬の不正な持ち込みを阻止するため、周辺区域での検問(荷物検め、身分証の確認等)を実施するよう命ずる。 国民の皆様へのお願い 一、市販や病院で処方された薬等を服用した際に変な味やにおいを感じた場合はすぐに吐き出し、救急及び警察に通報を行うこと。 一、また、薬の服用後に体の不調が発生した場合もこれに準じる。 一、万が一これらの通報が見られた場合、救急・警察より直ちに医療品工場への通達を行い、該当する薬品の出荷停止、回収、服用の停止の広報を実施すること。これにかかった費用については後に藩国にて補填を行うため、速やかな対応を求める。 一、犯行声明については本令発令時点では確認されていないが、仮に犯人を名乗るグループより声明があったとしても藩国府等の公式な発表を待ち、不正確な情報に惑わされることの無いように注意を呼びかけるものである。 以上
https://w.atwiki.jp/mhf_louise/pages/29.html
目指せG級!手にせよ「穿龍棍」!! GスキルカフやG級武具まで強化可能なイベントオリジナル武具の生産・強化素材が手に入るGG直前イベント 期間: 03/19(水)~04/16(水) -ハリセンネコのイチオシ 【 ハリセンネコのイチオシ 】 アイテム 用途/必要個数/所有個数 くじ・素材 確率 狩猟奇譚x3 若紅葉/翡戸隠シリーズ30=3個x10部位、 30 教官秘蔵の品・1 緑色に輝く腕輪x3 20% 教官のご褒美・1 ハンターコイン紫x3 5% カフの素G・萩x1 G剛撃カフSA314=2個x7、 5@7、2消費 教官のご褒美G・1 ハンターカード紫x3 10% カフの素G・水仙x1 G剛撃カフSA37=1個x7、 6@0、1消費 教官秘蔵の品G・1 赤色に輝く腕輪x3 10% 教官のご褒美G・1 ハンターカード紫x3 2% 荘厳な箱x3 オレウムシリーズ30=3個x10部位、 30 教官のご褒美・2 ハンターコイン紫x2+謎の液体・黒x1 5% 教官秘蔵の品・2 空色に輝く腕輪x3 20% カフの素G・鬼灯x1 G痛撃カフSA38=2個x4、 0 教官のご褒美G・2 ハンターカード紫x2+謎の液体・黒x1 10% カフの素G・茄子x1 G痛撃カフSA34=1個x4、 4 教官のご褒美G・2 ハンターカード紫x2+謎の液体・黒x1 2% 教官秘蔵の品G・2 桃色に輝く腕輪x3 10% 地纏う玉鋼x10 鋸自慢【初心】(太刀)20=10個x2本、 20 教官のご褒美・2 ハンターコイン紫x2+薬液の小瓶・黒x1 10% 風纏う玉鋼x10 鋸自慢【孤高】(太刀)10、 10 教官のご褒美・2 ハンターコイン紫x2+薬液の小瓶・黒x1 3% 陽纏う玉鋼x10 鋸自慢【慢心】(太刀)10、 40 教官のご褒美・2 ハンターコイン紫x2+薬液の小瓶・黒x1 3% 天纏う玉鋼x10 、 20 教官のご褒美・3 カフの素G・竹x1 G一閃カフSA38=2個x4、 0 教官のご褒美・2 ハンターコイン紫x2+薬液の小瓶・黒x1 10% カフの素G・薄x1 G一閃カフSA34=1個x4、 2 教官のご褒美・2 ハンターコイン紫x2+薬液の小瓶・黒x1 2% 素材 期間 クエ ランク 依頼内容 ハンターコイン紫 04/02(水)-04/09(水) 雪原を揺らす獰竜 HR17- [ア]アビオルグの狩猟 迫りし氷爪の氷狐竜 HR22- [ア]デュラガウアの狩猟 夜の沼地に吼ゆる響狼 HR61- [ア]カム・オルガロンの狩猟 高地を眩ます瞬光 HR71- [ア]クアルセプスの狩猟 雨を切り裂く雷光の竜 HR81- [ア]ベルキュロスの狩猟 剛闇!黒穿竜 HR100- [ア]メラギナスの討伐 剛天!輝界竜 HR100- [ア]ゼルレウスの討伐 剛吸!喰血竜 HR100- [ア]バルラガルの狩猟 04/03(木)00 00-23 59 HRP大量獲得!【毒怪鳥】 HR11- [ア]ゲリョス1の狩猟 HRP大量獲得!【金獅子】 HR31- [ア]ラージャンの狩猟 HRP大量獲得!【黒狼鳥】 HR31- [ア]イャンガルルガの狩猟 GRP大量獲得!【水竜】 GR1- [ア]ガノトトスの狩猟 ハンターカード紫 04/02(水)-04/09(水) 瞬く爆炎 GR1- [ア]ミドガロンの狩猟 砕け!闘獣の顎尾 GR1- [ア]ゴウガルフ2頭の狩猟 紫電を纏いし龍 GR1- [ア]レビディオラの討伐 高地を震わす蛮角 GR1- [ア]グレンゼブルの狩猟 04/03(木)00 00-23 59 GRP大量獲得!【水竜】 GR1- [ア]ガノトトスの狩猟 謎の液体・黒 04/02(水)-04/16(水) 教官の特訓・飽食絶倒 HR31- [ア]パリアプリア1頭の捕獲 薬液の小瓶・黒 教官の特訓・冥叫師酔 HR91- [ア]ドラギュロスの狩猟 緑色に輝く腕輪 04/04(金)12 00-04/07(月)12 00 棘竜と緑の腕輪 HR11- [ア]エスピナスの狩猟 空色に輝く腕輪 蒼白眠鳥と空色の腕輪 HR71- [ア]ヒプノック希少種の狩猟 黄色に輝く腕輪 極龍と黄色の腕輪 HR71- [ア] 赤色に輝く腕輪 盾蟹と赤き腕輪 GR1- [ア]ダイミョウザザミの狩猟 桃色に輝く腕輪 桃毛獣と桃色の腕輪 GR1- [ア]ババコンガの狩猟 青色に輝く腕輪 鎌蟹と青き腕輪 GR1- [ア] +オリジナル武具とGスキルカフの性能 【 「オリジナル武具とGスキルカフの性能 】 オレウムGXシリーズ(剣士タイプ防具) レベル7 防御力: 1929 スロ: 15 発動スキル: 砥匠、剣術+2、餓狼+2 個別スキル: オレウムGXヘルム 三界の護り+3、斬れ味+5、達人+5、いたわり+5、溜め威力+3 オレウムGXメイル 研ぎ師+5、剣術+5、断食+5、食事+5、移動速度+4 オレウムGXアーム 研ぎ師+5、剣術+5、断食+5、運気+5、喝+5 オレウムGXフォールド 研ぎ師+5、剣術+5、断食+5、審判+5、回避距離+4 オレウムGXグリーヴ 研ぎ師+5、剣術+5、断食+5、広域+5、生命力+4 オレウムGXシリーズ(ガンナータイプ防具) レベル7 防御力: 1683 スロ: 15 発動スキル: 麻痺瓶追加、連射、餓狼+2 個別スキル: オレウムGXキャップ 三界の護り+3、調合師+5、達人+5、いたわり+5、射手+3 オレウムGXレジスト 麻痺瓶追加+3、連射+5、断食+5、食事+5、移動速度+4 オレウムGXガード 麻痺瓶追加+3、連射+5、断食+5、気配+5、弾丸節約術+3 オレウムGXコート 麻痺瓶追加+3、連射+5、断食+5、審判+5、回避距離+4 オレウムGXレギンス 麻痺瓶追加+3、連射+5、断食+5、広域+5、生命力+4 若紅葉GXシリーズ(剣士タイプ防具) レベル7 防御力: 1908 スロ: 10 発動スキル: 剛撃+3、ブチギレ、砥匠、回避性能+2 個別スキル: 若紅葉GX【角】 スタミナ+5、鼓舞+6、属性攻撃+5、達人+5、鉄腕+7 若紅葉GX【肩鎧】 剛撃+5、怒+5、研ぎ師+5、回避性能+5、反射+6 若紅葉GX【篭手】 剛撃+5、怒+5、研ぎ師+5、回避性能+5、吸血+5 若紅葉GX【虎布】 剛撃+5、怒+5、研ぎ師+5、回避性能+5、痛撃+6 若紅葉GX【足枷】 剛撃+5、怒+5、研ぎ師+5、回避性能+5、溜め威力+5 翡戸隠GXシリーズ(ガンナータイプ防具) レベル7 防御力: 1676 スロ: 10 発動スキル: 剛撃+3、ブチギレ、装填数UP、反動軽減+2 個別スキル: 翡戸隠GX【角】 スタミナ+5、鼓舞+6、装填+5、精密射撃+5、剛撃+5 翡戸隠GX【肩鎧】 剛撃+5、怒+5、装填数+5、反動+5、回避距離+6 翡戸隠GX【篭手】 剛撃+5、怒+5、装填数+5、反動+5、弾丸節約術+5 翡戸隠GX【虎布】 剛撃+5、怒+5、装填数+5、反動+5、移動速度+6 翡戸隠GX【足枷】 剛撃+5、怒+5、装填数+5、反動+5、尻上がり+6 Gスキルカフ カフ名称 スキルポイント G剛撃カフSA1 剛撃+3、匠+3 G一閃カフSA1 一閃+3、匠+3 G痛撃カフSA1 痛撃+3、匠+3 G剛撃カフSA2 剛撃+3、精密射撃+3 G一閃カフSA2 一閃+3、精密射撃+3 G痛撃カフSA2 痛撃+3、精密射撃+3 G剛撃カフSA3 剛撃+3 G一閃カフSA3 一閃+3 G痛撃カフSA3 痛撃+3
https://w.atwiki.jp/nld_nld/pages/21.html
5/16司会台本草案 内山 : では二年生による裁判員制度についての発表をしたいと思います。裁判員制度を1年生の皆さんに理解していただくために模擬裁判を行い、その後数人のグループに分かれて話し合い、判決を考えてもらいます。 杉田 : でも、裁判員制度っていったいどういうものなの? 出口 : でも裁判員制度っていったいどういうものなんだろ?下手すれば僕が裁くかもしれないんでしょ?でも一般の国民が有罪か無罪かを決めるんでしょ?なんか難しそう。 内山 : でも、そんなこと言ってたって2009年、つまり2年後には裁判員制度が始まっちゃうんですね。 出口 : たしかアメリカには陪審員制度ってものがあったよね? 内山 : うん。でも陪審員制度と裁判員制度とはちょっと内容が違うんですよね。 杉田 : 何が違うの?「裁く」という点では同じでしょ? 出口 : あっ、そういえばこの前耳にしたんだけど、評議の仕方が違うんでしょ?アメリカとかの陪審員制度では12人の陪審員だけで罪を決めるけど、この裁判員制度だと、一般の国民から選び出した裁判員6人と、裁判官3人で決めるんでしょ。 内山 : そういうことですね。もう少し補足すると、さらに、陪審員制度では「有罪か?無罪か?」だけを決めるんですが、裁判員制度では、それに加えてもし有罪なら「どういう刑にするのか?」まで決めるんです。もちろん、刑罰とかは裁判官の人たちがしっかりと教えてくれるから刑法とかがわからなくても大丈夫ですよ。自分だって、刑法わかりませんし……民法ならまだしも……。 杉田 : というか、なんでこんな制度ができたの?訳がわからないし……。 出口 : あれでしょ?確かこれって「司法制度改革」の一環として導入されたんでしょ。国民が刑事事件に参加することにより、裁判が身近でわかりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼向上につながる、とかって。 内山 : そういうこと。多分、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が皆さんの持っている六法にも載っています。持っている人は見てみてください。2007年度六法ですと89ページにあります。その第一条にそんなことが書かれていますね。 出口 : そういえばこれを見てみると、地方裁判所で、重大な犯罪についてのみ行う、みたいな事が書いてあるんだけど? 杉田 : 2条の条文でしょ?隣に書いてあるね。 内山 : そうなんですよね。地方裁判所、つまり第一審だけで裁判員制度を導入し、さらに重大な刑事事件で実施するということで、民事事件とかは関係ないんだよね。 杉田 : そうそう、裁判員にはどうやってなるの? 内山 : 基本的に各地方ごとにクジを使ってランダムに選びだされます。 選び出されるのは20歳以上の国民、つまり有権者の中から選ばれるのです。 杉田 : 20歳以上!というか僕もう20歳だし、出口もうっちーも2009年には20歳を過ぎているじゃん! 出口 : でもそのころってまだ俺たち学生じゃん!それも4年生でしょ。学校の勉強は忙しいだろうし、バイトもあるし…… 杉田 : 僕も落としまくった単位を取り戻すのに必死だろうし……旅にだって出たいし…… 内山 : そんなやむをえない理由をもった人たちのために、裁判員を辞退することも可能になっています。学生だから勉強をしないといけない、というのも理由のひとつになりますね。なので大学生の間は辞退することが可能です。けどバイトがあるから、とか旅に出たいから、だけではやむを得ない理由として成り立ちません。また、弁護士とか法学部の大学教授みたいな法律のプロはそもそも裁判員になれません。 出口 : バイトとか仕事を急に休んだら首にされちゃうんじゃ…? 内山 : 裁判員として仕事を休んだことを理由として、会社がその人を解雇したりすることは法律で禁止されています。 杉田 : それとさ、裁判ってものすごく時間がかかるイメージがあるんだけど。 内山 : 今回の裁判員制度導入に当たっては裁判を迅速化するためにさまざまな努力がなされています。たとえば、公判前整理手続を行い争点を絞り、2,3日で審理を終わらせることができます。 内山:そのほかにも、裁判員への報酬やプライバシーの保護など、裁判員制度をよりよくしていくために様々な対策がなされます。 出口杉田 : なるほど、裁判員制度について少しは理解できたよ。 内山 : それでは皆さんも実際に裁判員になったつもりで裁判劇を見てもらいましょう。 裁判員の法律は六法の89ページ。学生だから辞退できることをもっとストレートにいったほうがいいと思います。 -- うっちー (2007-05-15 13 16 46) 迅速化のために公判前整理手続きも今回の制度改革のポイントだと思います -- 出口 (2007-05-16 00 00 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tomokazu0525/pages/192.html
最終更新日時2011-09-29 ■目次 perlでスクレイピングする方法を解説した本 perlでスクレイピングをするときの代表的な方法Web Scraperというモジュールを利用するネット上の情報 Web Scraperに触れている本 モジュール:libwww-perlを利用する。 未分類 ページフッタこのページの1階層上のページ このページの1階層下のページ このページに含まれるタグ このページへのアクセス数 ■本文 perlでスクレイピングする方法を解説した本 WEBでチマチマ探すよりも、一冊読んだ方が時間の短縮になるし、応用も効く。 SPIDERING HACKS―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選 『Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選』(オライリー) コメント:主にperlを使ったスクレイピングについて解説されている。ただし2004年発刊。 perlでスクレイピングをするときの代表的な方法 Web Scraperというモジュールを利用する ネット上の情報 use Web Scraper; - 今日のCPANモジュール 駱駝の背中に乗って行こう Perlでスクレイピング(Web Scraperモジュール) 鎌団子にPerlを教える「スクレイピング編その1」 - ゆーすけべー日記 WWW Mechanize Plugin Web Scraperでスクレイピングをもっと簡単に - perl-mongers.org Web Scraperでスクレイピングして地震速報をツイートしてみる - Vive Memor Mortis Web Scraper で XPath と CSS セレクタを混ぜて使う例 - Tociyuki Diary Web Scraperに触れている本 『Perl CPANモジュールガイド』冨田尚樹 (著), タナカユカリ (イラスト) Perl CPANモジュールガイド amazonの商品説明に目次がないため、目次が見られるページへのリンクを貼っておく。Perl CPANモジュールガイド /冨田尚樹 著|ワークスコーポレーション この本『Perl CPANモジュールガイド』には著者によるサポートブログがある。 「CPANモジュールガイド」編集後記 モジュール:libwww-perlを利用する。 Googleにもアクセス拒否され、スパム送信源と化した「libwww-perl」とは? - GIGAZINE 2007年04月10日の記事。 未分類 perlでスクレイピング「HTTPでページを取ってくる」 - メメメモモ perlでスクレイピング「正規表現でデータを取得」 - メメメモモ perlでスクレイピング「HTML解析してデータを取得」 - メメメモモ perlでスクレイピング「データ保存のためのディレクトリ操作」 - メメメモモ perlでスクレイピング「URL操作」 - メメメモモ Web Applicateion Testing with Scraping Framework - Ktat s Wiki ここを編集 ページフッタ このページの1階層上のページ このページの1階層下のページ このページに含まれるタグ Perl スクレイピング このページへのアクセス数 今日: - 昨日: - これまで合計: -
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/321.html
□ 「はっ……はぁっ……やった。やったんだ、ベガさんの仇を……この手で討ったんだ」 撃墜した敵機を見下ろし、荒い息をつく。 操縦桿から手を離そうとするも、強張った指先は中々動かない。興奮が冷め、ようやくカミーユは冷静になった。 ピンポイントバリアパンチは正確に敵機のコックピットを抉った。生命反応はない―――殺した。 だが、達成感などない。怒りに任せて動いたものの、残ったのはどうしようもない気持ち悪さだけだ。 「なんで……なんでなんだよ。お前にも帰りたい場所があって、大切な人がいたんだろう……?」 落ち着いてみれば、あのパイロットが言っていたことも理解できなくはない。突然こんな戦いに放り込まれれば、錯乱もする。 ベガを殺したことは到底許すことなどできないが、それでも他に方法があったのではないか……そんなことを考える。 と、キョウスケから通信。 「カミーユ、落ち着いたか?」 「……ええ、中尉。すみません、勝手なことをして」 「構わん。お前は結果を出した……それに元はと言えば俺が下手を打ったのが原因だ。お前が気に病むことはない」 「でも」 「責任があるとするなら、俺と。そしてユーゼス、貴様だな」 キョウスケの乗るビルトファルケンは黒い特機へと向き直っている。その様はまるで今にも剣を交えんとする戦士のようだ。 「あの特機は何なのか。乗っていたパイロットはどこにいたのか。どうしてこんな事態が起こったのか。 そして貴様は何をしていたのか……答えてもらうぞ、ユーゼス・ゴッツォ。返答次第ではただでは済まさん」 キョウスケの声は静かながらも言い逃れを許さない剣呑さを帯びている。 自分もユーゼスは信用できない。ここはキョウスケの話を聞くべきだ。 もし、やつが想像通りの邪悪なら……再び、この機体を駆けさせることになる。ユーゼスの動き、欠片も見落とすまいと集中する。 「答えよう、キョウスケ・ナンブ。ただし」 響いた声は黒い特機からではなかった。 発信源……ローズセラヴィー。ユーゼスは黒い特機に乗っているんじゃなかったのか。 だが映像ははっきりとローズセラヴィーのコックピットハッチに立つユーゼスを映し出している。 一瞬、カミーユ・キョウスケともに注意がブラックゲッターから外れた―――その刹那。 「がッ……!?」 鋼鉄の隼・ビルトファルケンを、復讐鬼・ブラックゲッターの斧が斬り裂いた。 「え……何を。何を、して、るん、だ……?」 キョウスケの苦悶。弾け飛ぶファルケン。 ブラックゲッターはその勢いのまま、今度はカミーユへと向かってくる。 「君が、それまで生き残っていれば、だが」 「キョウスケ中尉……キョウスケ中尉――――――ッ!」 落ちていくビルトファルケン。だが、それを追えるほどの余裕を、ブラックゲッターは与えてはくれなかった。 □ 「……が、あ……」 目を開くと、とたんに何故目を開けたのかと後悔した。 視界いっぱいに広がる赤。体のそこかしこに突き立つ鋭い破片。 「……幸運は、二度も、続かんか……」 すべての始まりといえるシャトル事故を思い出す。エクセレンが死亡し、己は瀕死の重傷、だが生き残った事件。 「やったのは、ユーゼス……いや、おそらくはあの男、か。つくづく……甘いな。俺と、いう男は」 ビルトファルケンは辛うじてまだ空にある。だが、肝心の中身が……キョウスケは、もはや牙の折れた手負いの狼だ。 あのとき機体を襲った衝撃はコックピットの中を跳ね回り無数の飛礫と化してキョウスケを襲った。 致命傷だ。 モニターを見やれば、消去法で考えれば恐らくアキトが搭乗しているだろうブラックゲッターとカミーユの戦闘機が、激しいドッグファイトを演じている。 先程の人事不省寸前といった体からは考えられない鋭い動き。あの薬のおかげだろうか? 援護しようにも、腕がどうしようもなく重い―――操縦桿を引くことにさえ、凄まじい重さを感じる。 どうしようもない……いや。 薬。あの薬なら一錠持っている。念のためにアキトから奪っておいた、最後の一錠が。 得体のしれない薬、普段なら飲むはずなどないが――― (俺が蒔いた種だ。俺が刈り取らねば……な) 鉛のような腕をどうにか動かし、躊躇いなくカプセルを飲み下す。 どくん、と。 体の奥で何かが脈動した。 (痛み止め……ではない!? なんだ、この薬は……!) 凄まじい熱。次いで、氷のような冷気。自分という存在が、浸食されていく。 「ぐ……がああああああっ!」 頭の中で激しく火花が散る。影、霧のような、何かが、見える―――これは。 時間が止まる。近づいてくるのは――― 視界が黒に染まる。おぞましくも懐かしい、この気配。 (捕らえた……ぞ) 脳裏に直接響く声。知っている、この声は。 (ようやく……届いた。我が……声が……) 「この……声、貴様はッ……!」 かつて打ち破り、そして今また己が運命を操ろうとする存在、ノイ・レジセイア。 撃ち貫くと誓った存在が、ここにいる。キョウスケのすぐ傍に。 (……お前こそ……ふさわしい。審判の……存在……) 「何を……言っている。俺に、何の用だ……!」 (お前は……またも、生き延びた。そして、我を受け入れるに、足る……器を、手に入れた……) 「受け入れる、器……? 俺を、支配しようというのか―――エクセレンのようにッ!」 (拒むことは……できない。お前は、選んだ……人でなくなる……ことを。我に……近い存在と、なる……ことを。だから、我と……繋がる、ことが……できる) あの薬。危険なものだとは覚悟していたが、まさかここまでのものだったとは予想していなかった。 キョウスケは知らぬことだが、件の薬一つ飲んだだけで人でなくなるということはない。 薬の正体は希釈されたDG細胞。アキトのように身体に欠落する箇所があるものが服用すれば、DG細胞はそこを補うように展開する。 対して健常者が使えば、DG細胞は拡散する場のないまま沈殿する。そして感染力の弱められたそれは、時間とともに体内の免疫細胞によって駆逐される運命にある。 キョウスケの不運は、体力の低下した状態で薬を服用したこと。 結果、普段なら駆逐されるべきDG細胞がさしたる抵抗もなく体内に行き渡ってしまった。 そして、ノイ・レジセイアの波動。意志を持たないDG細胞に指令を下し、その働きを統制するもの。 キョウスケの体の支配権は急速に奪われつつあった。 下手を打った―――後悔が頭をかすめ、だが同時に、どこか奇妙なほど冷静な内面の己が叫ぶ。 ―――ここが勝負所だ、と。 手の届かないところにいた主催者が、降りてきた。それも手の届くどころではない、己の内面という極めて近く……限りなく遠い場所に。 何故人間たるキョウスケの身の内に降りるのか。アルフィミィの気まぐれか、あるいはそれほど差し迫った理由があるのか――― どちらにせよ、好機。 かつてエクセレンがそうであったように、アインストとなった自分が突破口となる―――この箱庭の戦いの。 賭けに負け、自分が自分でなくなったとしても……止める力はある。かつての仲間たちと同じ、信頼できる力が。 「くくっ……ああ、いいだろう……この身体、存分に貪るがいい。だが、もし貴様が俺を、人間を、取るに足りない存在だと驕っているのなら」 不思議なことに、微かに楽しくなってきた。 そう、キョウスケ・ナンブという人間を端的に表すのなら一文で済む。 ―――分の悪い賭けは嫌いじゃない。 「遠くない未来……貴様は再び打ち砕かれる。 この牙を貴様の喉笛に突き立て、その存在を欠片一つ残さず消し去ってみせる。今度こそ、完全にな」 言葉を切ると同時、気配が遠ざかり、体の感覚も薄くなっていく。 落ちていく鋼鉄の隼。その先に眠るは、相棒たる鋼鉄の孤狼。 「フッ……そうだな、お前がいなければ始まらんな―――アルト。付き合ってくれ、地獄の底のさらに下、俺の、最後の戦場へ……!」 鋼鉄の系譜……ともにつがいを失ったものが、互いに互いを抱擁する。これが始まり―――キョウスケは目を閉じた。 □ 「テンカワ……といったか。目的は果たしただろう、ここは引くぞ」 「……何故だ。俺としてはこの機体もここで仕留めたいのだがな」 可変戦闘機……おそらくYF-21と同じバルキリーであろう機体と干戈を交えていると、ユーゼスが通信してきた。 あの化け物のような機体からだ。横目で見やると、驚くべきことにあれだけの攻撃を受けてもあの機体は健在だった。 とはいえパイロットはさすがに死亡したようだ。 仮面の男が抉り取られたコックピットから何かを引きずり出し、放り投げるのが見えた。 どうも人体のパーツであると思わしきそれらは大地に叩きつけられ、粉々になった。 「仕留められるのならそれもいいが、何があったか私にも把握し切れてはいない。 君の位置からも見えるだろう? ファルケンがアルトと未知の反応を起こしている。 墜落したキョウスケ・ナンブがなんらかの変化をもたらした公算が大きい。現時点では交戦を控えるのが賢明だ」 見れば、墜落したキョウスケの機体はアルトと溶け合っていくように見える。 まさか斧の一撃で機体が融解するほどの熱量が発生するわけもない。何かが起こっているのは疑いのないことだった。 アルフィミィからアルトを譲り受けた時のように、いささか信じがたいものであったが。 「だが、こちらは二機だ。どうであれ押し切れるのではないか?」 「君が健常ならな。ああ、言ってなかったがブラックゲッターの中はモニターさせてもらっていたよ。 大事そうに抱えてきたあの薬は劇薬のようだが、確証はあるのかね? 効果が切れるまでにあれとその戦闘機を倒せると」 「……ないな。だが薬にも限りがある。一つ使ってしまった以上、おいそれと引くわけにはいかん」 ユーゼスの抜け目のなさというより自分の不用心さに憤る。薬のことを知られたのは痛い。 「その点は問題ない。サンプルさえあるなら今のAI1で量産が可能だ。 もちろん、君が私に貴重な薬を一つ預けてくれるなら、という条件付きではあるが」 「何が狙いだ、貴様。俺が優勝を狙っているのは知っているだろう」 「さあ、どうせ何を言っても君は信じはしまい? だからこうとだけ言っておこう。『どちらでも構わん』と」 「……、どういう意味だ」 「何、そのままさ。君が私を信じようと信じまいと、どちらでもいい。 信じないのならここで別れるだけだし、信じるのならそれなりの見返りは約束しよう。どのみち最後は戦うことになるのだろうしな」 「条件付きの同盟というわけか」 「そうとってもらって構わん。……おっと、これ以上言葉遊びに時間を費やすのもいかんな。さあ、選びたまえ。私とともに来るか否か」 「……いいだろう。俺からの条件は薬と情報だ。それを満たすのなら貴様の指示に従ってやる。 ただし、残り5人あたりになれば手を切らせてもらうがな」 「ふむ……交渉成立だな。では行こうか」 戦闘機もアルトの変化に気づいたようだ。パイロット―――キョウスケの名を叫びつつ距離を取り、旋回している。 といってもこちらに隙を見せているわけでもないが、少なくとも注意は向けられていない。離脱するのは容易かった。 戦域を離れ、ある程度距離を置いたところで語りかける。 「で、どこへ向かう。基地に向かってくるやつはいるはずだ。そいつらを狙うのか?」 「さしあたっては別の施設だな。君の薬のこともある。研究所などがあればいいのだが」 「施設……それなら心当たりがある。と言っても、問題はあるが」 「ほう?」 「戦艦を二隻、確認している。一隻は戦いに乗っていて、もう一隻は不明だ。俺としては……後者、ナデシコを探すことを薦める。あれならば研究設備も充実しているからな」 「ほう……勝手知ったる口ぶりだな?」 「……貴様には関係ない」 「フ、まあいい。では当面そのナデシコなる艦との接触を目標としよう。では行こうか……共犯者よ」 共犯者。仲間、相棒などと称されるよりよほど合っていると思った。 どうせ目的を果たすまでの仮初の同盟。いずれ殺す相手に必要以上に気を許してはいけない。 特にこの仮面の男は底が知れない。迂闊な隙は見せられない。 ……不意に、自分が討った男を思い出す。 ユリカを失った自分と、まるで鏡に映したような境遇の男。違うとすれば悪魔の誘いに乗ったかどうか。 内心はどうあれ、あの男は自分を助けた。だがその返礼として自分は彼を背中から斬った。 後悔はないものの、胸が痛まないということはない。 しかし、やつは生きているかもしれない。戦斧は確実にコックピットを切り裂いた、それは確認している。 なのにあの赤い機体は狙ったようにアルトアイゼン、己が放置した機体のすぐ傍に落ち、融合を始めたのだ。 傍目にも尋常な様子ではなかったが、はたしてあの変化の内部にいた男は無事なのか。 万が一無事だったとして……その時キョウスケは、もはやアキトを保護すべき対象としては見ないだろう。 次に会ったときはその身を喰らい合うことになる、それは確実だ。 ガウルンともまた違う、奇妙な縁ができた。影と戦うようなものだ、とおかしさがこみ上げる。 (キョウスケ・ナンブ。許しを請うつもりはない……だから、俺の前にお前が立ちふさがるのなら、何度でも) 決意は変わらない。何よりも重いのは、ユリカの命だ。 (そう、何度でも撃ち砕く。戻る気はない……これが俺の、俺にできる唯一の……贖罪、なのだから) □ 通信を切る。この男、テンカワ・アキト。 先程の動きをみるに、腕は確か。そしてあの割り切った態度、道行きを共にするには申し分ない。 だが……失望した。この男は己を滅する敵たり得ない。 この男にはキョウスケ・ナンブほどの信念を感じない。おそらくは優勝すれば望みが叶うという口車を信じたのだろう。 だがその望みがかなう保証はどこにもない。己が主催者の立場なら、今頃さぞ口角を吊り上げているだろう―――哀れな道化。 自ら勝ち取る道を選ばず、ただ与えられるものを享受する……そんな輩に興味などない。 しばらくは協力するが、AI1が問題なく稼働するようになればいつでも切り捨てる。 仮面の魔人にとって黒き復讐者はその程度のものだった。 基地を放棄したのも些事だ。あとはある程度の設備があれば首輪の解析は可能。 ベガは……惜しいことをした。彼女にはまだまだ有用性はあったのだが、まあ仕方ないことだ。 カミーユ・ビダン。これもまた、些事だ。賢しいだけの子供などいくらでもあしらえる。 当面はナデシコなる戦艦を探しつつ、首輪とバーニィが遺した戦闘データを解析する。 これでAI1はまた成長できる。あの半端者も、最後の最後で少しは役に立ってくれた。 それよりも、思考を占めるのはキョウスケ・ナンブのこと。 アキトの一撃はたしかにやつに致命傷を与えたはず。だが、この背筋に残る怖気は何なのだろうか。 死んではいない―――そんな予感が頭から離れない。 あの男の操縦技術、決断力はたしかに目を見張るものがある。 しかしそれだけではこの状況を説明できない。撃墜し、沈黙したと判断したその瞬間、あの得体のしれない気配は「来た」。 念動能力者でもサイコドライバーでもないキョウスケ・ナンブとただのパーソナルトルーパーでは成し得ない事態、考えられるとするなら。 メディウス・ロクスが仕掛けたヘブン・アクセレレイションは一瞬、確かに次元に穴をあけることに成功した。 バーニィ如き未熟者でなく自身が乗っていたなら正確に観測できていただろうが、是非もないことだ。 とにかくあの一瞬。あの一瞬、何かが「紛れ込んだ」のだ、この世界に。 キョウスケ・ナンブの話では、彼は主催者の化け物と浅からぬ因縁があるという。 あの場で介入して来る存在と言えば、一つしかない。主催者がキョウスケを死なせないために行動したということだろうか。 だが解せないのは何故時間をおいてあの気配は発現したのか。 キョウスケ・ナンブが何らかのアクションを起こした―――何を? だがその答えは現状では導き出せない。 ともかく、生死が確認できていないのなら、やつは生きているとして扱うべきだ。 そして生きているならあの男は今度こそ向かってくる。必滅の決意とともに。 ぶるり―――我知らず肌が泡立った。愛しき宿敵以外にこんな感情を持つのはいつ以来だ? まったく、退屈しないな、この世界は―――哄笑を抑えきれず、身を反らす。 いいだろう、来るがいいキョウスケ・ナンブ。私は逃げも隠れもせん。 お前の牙がこの身に届くと信じているなら……喜んで相手をしてやろう。 己が映し身のように、彼に導かれたサンプル達のように。強い「力」を、更なる力でねじ伏せることで。 「その意志が、その熱が―――私を遥か超神の高みへと押し上げるのだからなぁ―――!」 □ 「キョウスケ中尉! 応答して下さい、キョウスケ中尉!」 ニュータイプの感性に頼るまでもなく、わかる。 今、キョウスケ・ナンブという男は変わりつつある。 寡黙だが信頼できる男の発する気配は、時を追うごとに歪んだ何かへとすり替わっていく。 「……カ、ミ……ユ。き……える、か……」 「キョウスケ中尉! 無事なんですか!?」 「……いい、か、よく、聞け。ユー……ゼスは、危険だ……。奴と、もう、一人。テン、カワ……アキトという、男……こいつらは、乗っている……躊躇う、な、倒せ」 聞こえてきたのは己のことではなく、敵のこと。まるで、仲間に後を託して逝く戦士の声。 「あなたは……何を言ってるんです! すぐに救助します、もう喋らないで下さい!」 「聞け……ッ! 俺は、もう……長くは、持たん……。エクセレンの時と、同じことが……時間が、ない。不本意、だが……お前に、託す。聞くんだ……」 「そんな勝手なことを……!」 強引にでもコックピットから引きずり出して……そうしようとした瞬間、眼前の異常に目が奪われる。 ビルトファルケンの鋭角なシルエットが崩れる。下敷きとしていた蒼い機体と溶け合っていくように、一つになって。 真紅と、深蒼が、混じり合う。 「俺は、かつてあの、化け物……ノイ・レジセイア……を、撃破、した。やつが何故、蘇ったのかは……知らんが、決して、倒せ、ない存在では……ない」 何かが、生まれる。存在してはいけない何かが。 だがその渦中の男は構わず喋り続ける。かつてあった戦い、その結末を。 そしてこの世界であった、新たな戦いを。 「カミーユ……力を、集めろ。お前……だけでは、足りん……もっと多くの、強く、激しい力、で……今度こそ、やつの、存在……を、消し去る……ために」 「中尉……ッ!」 「そして、力が……集ったのなら、……カミーユ。まず、俺を……殺しに、来い。 他の誰でもない……お前が、だ。俺の声を聞いた、お前が……俺を、止めろ」 「何を、言ってるんです、中尉? どうして俺があなたを殺さなきゃならないんですか!?」 「俺は……やつらと、同じ……存在に……アインストに、なる。 だが、恐らく……ユーゼス・ゴッツォ、あの男……は、それ……さえも、利用……しようと、する、だろう。 だから、その前に、お前が……俺を殺せ。あの男の……良い様に、踊らされるなど……真っ平だから、な」 「俺に、あなたと同じことをしろって言うんですか!? ゼクスさんやカズイを殺した、あなたと……!」 「ゼクス……、そうか、やつも……こんな気分、だった……のかも、しれん、な……お前には、重いものを、背負わ、せる……すまん、な」 不意に、水音。大量の水をぶちまけたような。狭いコックピットで考えられるものなど、一つしかない―――血だ。 「もう……行け。そろそろ、限界……俺が、俺でいられるのは……ここまでの、ようだ……」 「中尉、俺は……俺は……ッ!」 「……行けッ! カミーユ・ビダンッ!」 もう口を開くことさえ辛いはずなのに、その一喝はカミーユを怯ませる。 「ま……待って下さい、俺はまだ、あなたに……ッ!」 「ベガはお前を守って……死んだのだろうッ! その命、もはやお前の勝手で容易く捨てられるものではないぞ! 生きろ……戦え、カミーユ! お前が生きて、やつらを討てば……それが、俺達の勝利だッ……!」 「……中尉」 と、もはや形も定かではないビルトファルケンの腕が伸びる。取り付けてあったブーストハンマーを外し、こちらに放り投げた。 「これを……使え。 ……勝て、カミーユ。お前には……力がある。想いを、強さへと変える、ことが……できる、力が。俺の……命。持って、行け……」 「あ……お、俺は……!」 「さらばだ……、カミーユ。死ぬな、よ……」 やがて、真紅が駆逐され、深蒼が湧き出でる。 二機の影は一つになった。 ―――蒼い、アルトアイゼンに。 「……ッ、……う、あッ……あ、うぁぁあああああああああああァァッッ!」 ハンマーを拾い上げ、ファイター形態へと変形。変わっていくビルトファルケン……否、もはや隼でも古い鉄でもない機体から、「逃げる」。全速で、振り返らず。 (俺は……俺は……ッ! 守ってもらうばかりで、あの人たちに何も……何も!) 「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!」 もう背中を守ってくれるキョウスケはいない。隣で支えてくれるベガは、前に立ち導いてくれるクワトロはいない。 危険と知りながらユーゼスを放置した、その自らの甘さが招いた惨劇―――ベガと、キョウスケが代わりにそのツケを払った。 クワトロとは出会うことなく死に別れた。すべてが遅すぎたのだ。 後悔、怒り、悲しみ、憎しみ。そのすべてが混沌となり、だが皮肉にも身体を突き動かす力へと変わっていく。 「やってやる……やってやるさッ! ユーゼスも、アキトってやつも、あの化け物も……そしてキョウスケ中尉、あなたも! 俺が……俺が! 俺が、全て倒すッ! あなたの望み通りに……あなたを、ベガさんを、クワトロ大尉を―――勝利させるために……ッ!」 身体の奥に、熱い―――熱い、炎が灯る。すべてを灼き尽くす、根源の力。 今、この荒ぶる熱とともに誓うべき言葉は、ただ一つ。そう――― 「すべて……撃ち貫いてみせる……!」 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルⅡ(マクロス7) パイロット状況:強い怒り、悲しみ。ニュータイプ能力拡大中。精神が極度に不安定 機体状況:ブーストハンマー所持 反応弾-残弾0 EN・火器群残弾10% 現在位置:G-5 第一行動方針:対主催戦力と接触し、仲間を集める 第二行動方針:ユーゼス、アキト、キョウスケを「撃ち貫く」 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:アインストをすべて消滅させる 備考1:キョウスケから主催者の情報を得、また彼がアインスト化したことを認識 備考2:NT能力は原作終盤のように増大し続けている状態】 【テンカワ・アキト 搭乗機体:ブラックゲッター パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭、疲労状態 薬の持続時間残り15分 機体状態:全身の装甲に損傷、ゲッター線炉心破損(補給不可) 現在位置:F-7北東部 第一行動方針:ナデシコの捜索(とりあえず前回の接触地点であるD-7へ) 第二行動方針:ガウルンの首を取る 第三行動方針:キョウスケが現れるのなら何度でも殺す 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に"ボソンジャンプの使用"が追加。 備考2:謎の薬を3錠所持 備考3:炉心を修復しなければゲッタービームは使用不可 備考4:ゲッタートマホークを所持】 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス パイロット状態:若干の疲れ 機体状態:全身の装甲に損傷、両腕部・右脚部欠落、コックピット半壊、自己再生中 現在位置:F-7北東部 第一行動方針:ナデシコの捜索、AI1のデータ解析 第二行動方針:首輪の解除 第三行動方針:サイバスターとの接触 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第五行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 備考4:機体の制御はAI1が行っているので、コックピットが完全に再生するまで戦闘不能】 【メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) 機体状況:??? 現在位置:G-6基地内部】 【月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) 機体状況:右半身大破、月の子全機大破、EN残量0 現在位置:G-6基地】 【バーナード・ワイズマン 搭乗機体:なし パイロット状態:死亡】 【残り21人】 【二日目 7 10】 □ (行った……か。まったく……世話の焼ける……) もはや声が出ているかも定かではない。 だが不思議とキョウスケに恐怖や後悔といった感情はなかった。 (エクセレン……遅くなって済まないが、まだお前のところには行けないようだ……) 意識は朦朧としているのに、感覚が広がっていく。機体に神経が繋がるような…… これはそう、アルト。いや、ゲシュペンストMkⅢという方が正しいか。アルトは蒼くはないものな……と、かすかに笑みがこぼれた。 (気がかりはユーゼスとあの男……手の内をすべて見せたわけでもあるまい。まだ何か企んでいるか……) そして、主催者。アルフィミィにノイ・レジセイア。問題は山積みだ。 (……だが、勝つのは俺たちだ。ノイ・レジセイア、何をしようと貴様の滅びは決まっている……俺達を敵に回した時から、な) 意識が消える、その刹那。彼女が、笑った気がした。 『ほんと、分の悪い賭けが好きねぇ』 (フン、何とでも言え……見ていろ、あいつは来る。俺を……撃ち貫き、この闘争の世界を、破壊するために。 俺の命をチップにしたんだ、それくらいの配当がなければ釣り合わん……なあ、そう……だろう―――カミー、ユ―――) 勝て―――その意志を残し。 ―――そして、「キョウスケ」が沈んでゆく――― □ 静寂の……世界。創らねばならない…… 望まぬ……者を……望まぬ……世界を……破壊しなければならない…… 人間……これこそが……この、身体こそが…… 試す……そう、試さねば……この器が、新たな、宇宙を……創るに足る、ものか…… すべて……消去する。我の前に……立ちふさがる者、すべて…… ――――――撃ち貫く、のみ―――――― 【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ゲシュペンストMkⅢ(スーパーロボット大戦 OG2) パイロット状況:アインスト化 、DG細胞感染 機体状況:アインスト化。 現在位置:G-6基地跡地 第一行動方針:すべての存在を撃ち貫く 第二行動方針:――――――――――――――――――――カミーユ、俺を……。 最終行動方針:??? 備考1:機体・パイロットともにアインスト化。 備考2:ゲシュペンストMkⅢの基本武装はアルトアイゼンとほぼ同一。 ただし全般的にスペックアップ・強力な自己再生能力が付与。 ビルトファルケンがベースのため飛行可能。 また実弾装備はアインストの生体部品で生成可能】 本編160話 すべて、撃ち貫くのみ(1)すべて、撃ち貫くのみ(2)
https://w.atwiki.jp/lcss/pages/30.html
040-230 ――Cの世界―― 040-521 040-533 041-089 041-391 041-479 【黒の騎士団の場合】 042-383 042-403 ライが女の子だったら 「特派編」 042-469 042-504 042-508 043-330 ゲームセンターに行こう 043-655 夕日に照らされた月 044-106 仁義なき女たちと反逆のライ 044-277 Re;Birth/Re;Start 044-309 045-651 生徒会役員共 045-653 生徒会役員共2 *
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/62.html
URLを書きたいときはhをとってください。 色々とご迷惑をおかけして申し訳ございません。今日スレを閲覧して貴サイトを確認いたしました。本当にありがとうございます。 -- (バレ) 2007-05-06 15 21 34 >ふらーりさんありがとう -- (ゴート) 2007-05-07 00 00 53 >バレさん -- (ゴート) 2007-05-07 00 01 20 お体の方はもう大丈夫でしょうか? これからこのサイトの今後とかいろいろ話せると嬉しいです。 -- (ゴート) 2007-05-07 00 14 34 誰かがやらねば、なら俺がやる……なかなかできることではありませぬ。 -- (ふら~り) 2007-06-11 22 26 34 漢・ゴート殿には感服させられ、今もしておりまする。お見事也! -- (ふら~り) 2007-06-11 22 26 54 ありがとうございます。でもその言葉はスターダストさんに。 -- (49スレ) 2007-06-16 23 16 51 あ、↑の49スレは私です。 -- (ゴート) 2007-06-16 23 17 59 Linkのハロイさんのページ、リンク切れしてますね -- (名無しさん) 2009-12-18 01 52 42 私の作品の全削除をお願いします。 -- (フルメタルウルフズ作者) 2011-01-22 17 02 08 名前 コメント すべてのコメントを見る