約 541,262 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2551.html
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風 【じょじょのきみょうなぼうけん おうごんのかぜ】 ジャンル 黄金体験アドベンチャー 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 カプコン 発売日 2002年7月25日 定価 6,800円(税抜) プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上対象)(*1) 廉価版 Best Price 2007年9月20日/1,990円(税抜) 判定 なし ポイント 初の「三部以外」ゲーであり初の3Dゲー戦略性が低くやや単調なアクションそれなりには遊べるが全体的に中途半端な出来声優とBGMは高評価 ジョジョの奇妙な冒険シリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 荒木飛呂彦氏の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』の第五部『黄金の風』を元にした作品。 従来の『ジョジョ』のゲームは、人気シリーズである第三部『スターダストクルセイダース』を元にしたものばかりだったため、本作は初の第三部以外のゲーム化となる。 また、これまではドット絵だったが本作で初めてキャラクターが3Dで描かれた。 特徴 プレイヤーはジョルノ・ジョバァーナを始めとするブチャラティチームを操作し、第五部の展開を追体験していく事となる。 原作を再現したステージを駆けまわり、現れる敵と対決。原作の場面を再現すると「シークレットファクター」が入手できる。最終的に入手したシークレットファクターと残り体力に応じて「ジョジョアビリティ」が蓄積される。 評価点 とにかく第三部以外の映像化は目新しかった事があげられる。 今でこそ第一部『ファントムブラッド』から現時点での最新作『ジョジョリオン』まで多岐にわたるメディア展開が繰り広げられている『ジョジョ』だが、一時期はアニメもドラマCDもゲームも第三部のものしかなかった。 特徴的な3D表現。 「アーティストゥーン」という、3Dポリゴンでありながら漫画・アニメのような画風を再現する技法が取り入れられている。 今でこそ珍しくない技術だが、当時は3Dポリゴンといえばリアルな立体物を再現するというのが主流で、技術レベルが上がるにつれ、漫画アニメのキャラクターを描くのには逆に不向きにもなってきていた。そんな中で、漫画のデフォルメされた絵柄を3Dで再現した本作のグラフィックはなかなかに先進的だった(同じ方向性の『ゼルダの伝説 風のタクト』が本作より少し後に発売されている)。この技術は背景にも取り入れられており、漫画の雰囲気をゲームの中で高水準で再現している。 声優がハマっている。 主人公ジョルノを演じた朴璐美氏(*2)やナランチャを演じた瀧本富士子氏(*3)といった女性陣を始めとして、男性陣にもブチャラティ役の櫻井孝宏氏にアバッキオ役の稲田徹氏など有名所を多数起用。当然演技力も申し分なく、物語を盛り上げてくれる。 デモシーンはフルボイスであり、原作でも印象深かったセリフをフルボイスで喋ってくれる豪華仕様。 PS版3部ゲーにもあった「スーパーストーリーモード」は今回も健在で、シークレットファクター等原作再現のやりこみが楽しい。 シークレットファクターを入手すると体力回復や最大体力アップといったボーナスを得られる。体力回復用にシークレットファクターを温存するといった戦い方も可能。 BGMのクオリティが高く、人気も高い。 重厚な曲調のBGMが多い。イタリアを舞台とした五部に絶妙にマッチしている。 特に3部ゲーに存在したポルナレフのテーマが流れる演出は、彼の参戦とともに多くのファンに感動を与えた。 ジョルノ&ゴールドエクスペリエンスの父親譲りの「無駄無駄」、五部における裏の主人公ブチャラティ&スティッキィフィンガーズの「アリアリ」などの『ラッシュ』技も再現。上手く敵にぶち込めば爽快感がある。 五部は『ラッシュ』のバリエーションが豊富だが、どの『ラッシュ』も気迫がこもっている熱い演技となっている。 五部の仲間キャラ全員を収録している。 近距離パワー型としてある種オーソドックスで無駄無駄が主力なジョルノ・ジョバァーナ&ゴールド・エクスペリエンス 上記の無駄無駄ラッシュのほかにも、カエルを生み出して攻撃を一度だけ反射したり、ツタや木を生み出して敵の動きを止めるなどの技も持つ。 ストーリーモード最終決戦ではブチャラティの遺志を受け継いで『矢』を使って進化したゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが登場。キング・クリムゾンの時間を吹っ飛ばす能力中でもスタンドは自由に動ける他、「サソリを飛ばす」という原作でも進化直後に放った飛び道具も使える。 アッパーカットをぶち込んだ後にアリアリラッシュを仕掛けるブローノ・ブチャラティ&スティッキィ・フィンガーズ ジョルノと同じく近距離パワー型であるが、ジッパーを用いた高速移動やロケットパンチなど、射程や機動力にも優れる。 終盤レクイエムによってディアボロと体が入れ替わった状態でレクイエムと戦うステージがある。性能はほぼ同じだが声優が変わる。 逃げ回りつつリロードしながら一斉射撃を狙うグイード・ミスタ&セックス・ピストルズ 敵を吹っ飛ばすタメ撃ちや跳弾による攻撃、敵の周囲にピストルズを残すことでその後の射撃のヒット数(=威力)を爆発的に増加させる事も可能。 ステージ全体を高速で飛び回る戦闘機で敵を追い詰めるナランチャ・ギルガ&エアロ・スミス スタンドを出してる間は本体が無防備なのだが、移動スピードがトップクラスな上にボラボララッシュも完備している為に、本作最強と名高い。 ラッシュはないがタメて敵を掴んで一気に大ダメージを与えるパンナコッタ・フーゴ&パープル・ヘイズ 流石にウィルスの殺傷能力は再現されていないが、その一撃の重さは本作でも随一。だが、スタンド操作中に本体は動けず、スタンドの移動速度も遅いのが難点。 本体の動きを記録し、再生する事で本体と同時に畳み掛けるレオーネ・アバッキオ&ムーディ・ブルース スタンドは戦闘に向いておらず、独自の能力である記録・再生機能も使いこなしづらいが、元警官という経歴に見合う本体の戦闘能力の高さが特徴。 近距離パワー型としてジョルノに近いラッシュ攻撃「WANABEEEEE!!!」を持つトリッシュ・ウナ&スパイス・ガール 物体を柔らかくする能力を活かしてジャンプキックしたり敵を大きくバウンドさせたり、さらには鉄パイプで突き刺してグリグリする技まで再現されている。 車椅子に乗りながらも歴戦の戦士っぷりを見せるジャン・ピエール・ポルナレフ&シルバー・チャリオッツ 声優が変更されているが、コマンドは違うものの「ミリオンスピット」「レイダーツ」「ラストショット」など同社開発の三部ゲーの要素を引き継いでいる。 特に本来戦闘向けではないアバッキオ&ムーディ・ブルースを「本体を強めにする格闘キャラ」に据えた割り切り方がキャラの特色になっている。 おまけ要素の存在。 ステージを攻略する毎に付与されるジョジョアビリティポイントを増やしていくことで様々な要素がギャラリーに追加されていく。BGMやボイスを聴くことのできるサウンドテストや設定資料集はもちろん、ステージを歩き回るだけのモードや、キャラクターのモーションを入れ替えて遊ぶカオスなモードもある。 再現度の高いアクションパート。 イルーゾォの鏡の世界(*4)や、動くものに反応するノトーリアスB.I.Gなど、原作の設定を上手くゲーム部分に絡めている。また、シルバーチャリオッツ・レクイエムの影の向きなど、細かい部分もしっかり再現されている。 賛否両論点 3Dのモデリングの出来がイマイチという声がある。 元々が特徴的な筆致の荒木先生の画風だけに、表情が動くだけでも違和感がある。同様の理由から、漫画再現のための独自の描画エンジン「アーティストゥーン」がかなり癖が強い。決して似ていないわけではないのだが…。 そんな3Dモデリングの中で特に槍玉に上がるのはモブキャラクターのモデリングで、こちらはPS1レベルという意見も。 会話アニメシーンの演技や効果音 評価点の通り声優陣の演技は好評だが、会話シーンでのジョルノが少々早口過ぎるという声も。 またジョルノの声優が声の高い女性で、当時は特に問題なかったが5部のアニメが放送された現在では男性声優のイメージが強く違和感を持つ人もおり意見が分かれている。 また、会話アニメシーンでの「ドドド」「ゴゴゴ」というSEが、かなりうるさく、セリフの邪魔に感じられた人も。 問題点 アクションが単調。 主に使うことになるジョルノ&ゴールド・エクスペリエンス、ブチャラティ&スティッキィ・フィンガーズをはじめ、どのキャラもコンボがワンパターンで作業感が強い。 ステージ内を各能力を使って、逃げ回る敵を追いかけたり攻撃を回避してから、攻撃を当てていくのがパターン。 しかもそれが前述の単調な攻撃を当てるしかないので非常に長く感じる。故に、シークレットファクター開放が作業になり苦痛。 高難度になると敵の体力が異常に高くなり、隙を見て「無駄無駄」を何十回もぶち込むなどのバトルスタイルを強要させられる。 「前転」というアクションがあるのだがこれが全身無敵。もちろんこれを使うことを前提として作られている。 ラスボス・ディアボロの「時を吹っ飛ばす」というかなり超常な攻撃(*5)であろうと、前転の動作に入りさえすれば全て回避出来てしまう。 でんぐり返りでゴロゴロ転がって接近して攻撃、これを繰り返すバトルは見た目にかっこ悪いが、これをしないと攻略は難しい。 最終戦ではジョルノのスタンドが、ディアボロのスタンド・キングクリムゾンよりも上位存在である「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」になったから、本体であるジョルノも無敵回避が出来る…というかなり強引な脳内補完は出来るかもしれないが、タイミングは難しいものの他のキャラでも回避可能なのである。 本作に限らないが、原作を知らないと意味不明と思われるシーンが多かったり、あるいは原作の名台詞が削られたりしている(*6)。 原作エピソードの一部が、ゲームとして再現されておらずテキスト描写で済まされている。 「ソフトマシーン」「クラフトワーク」「ベイビィフェイス」「トーキング・ヘッド クラッシュ」、そしてブチャラティチームと直接対決しなかった「メタリカ」あたりが該当。 この影響で、暗殺チームのリーダーであるリゾット・ネエロは死体としてのみの登場というかなり不遇な扱いを受けている。 テキストでの補完もかなり端折った駆け足の説明で、原作を知らないプレイヤーがストーリーを楽しむのは難しいだろう。 ちなみに再現されなかったエピソードはゲームで再現が難しいものが多い。実際今作で再現されたエピソードはスタンド同士の肉弾戦がある相手が中心となっている。 クラフトワーク戦が削られているため、ミスタが操作できる場面がギアッチョ戦と原作よりも更に遅い。しかもミスタの3Dモデルが初登場する場面が乗客の調査にあたっていたところを自らを老化させ無害な乗客になりすましていたプロシュートによって戦闘不能になるというあんまりなもの。 バトル中のセリフ。例えばナランチャ、画面にネズミなんかいないのに「ネズミどもか~」、ゲームでは腕を失っていないイルーゾォが「腕を失う覚悟までして~」、ギアッチョがまだジョルノ達の車に追いついてもいないのに「車の中に、トリッシュが隠れてる『亀』がいねェーじゃあねーか」など、セリフが原作通りであるがゆえに逆に矛盾してしまっているシーンが多々ある。 説明にも矛盾があることがあり、例えばブチャラティ「だめだ ヤツ(ボス)があの状態の時に攻撃すると 攻撃を返されてしまう…」キング・クリムゾンはそんな能力ではないのである。 他にも、原作でベイビィフェイスの攻撃を受けたジョルノが、ここに「お前に「5発」もえぐられたんだ… 攻撃の「間合い」は覚えている!」と発言するシーンがあるが、ゲームでは何故か攻撃している側のベイビィフェイスが発言している。 技名やその内容がおかしいことがある。例えば、アバッキオの「地面にキスしてなッ!」は原作の彼にそんなセリフは無く、むしろ近いことを言っていたのはミスタ。また、「スタンドで掴んでやるッ!」という技名、セリフとしては原作には無いし、そもそも技名としてはかなりショボい。せめてもう少し考えられなかったのだろうか。 逆に、トリッシュの「スットロいッ!」はセリフ自体は一応原作にもあったが、その技のように「ハイヒールで踏みつける」なんてことはしていない。 ストーリーモードではジョルノ、ブチャラティ、ミスタ以外のキャラを1ステージでしか使えない。それ自体は流れ的に仕方ない所もあるが…。 そのため原作では有りえない組み合わせで戦うアナザーストーリーモードが主な出番となるのだが、こちらもステージごとに決められたキャラ4人しか使えない。 特にポルナレフの出番はギアッチョ戦以降で、逆にフーゴは離脱後に使えるのがレクイエム戦しかない。また、このモードではG・E・レクイエムを使えない。 前述の通り「キング・クリムゾンVSメタリカ」の枠が削られているため、第9話は戦闘を全くしないイベントシーンを見るだけの回となってしまっている。 総評 声優のハマりぶりや、熱い演出、世界観を盛り上げるBGMは好評。 またやり込み要素のある各モードなどはありジョジョのキャラゲーとしては及第点。 しかしアクションゲームとしての出来が単調過ぎるゆえにやや評価が低い1本。 そのアクションも作業感はあるがそれでいてつまらないともいえない。 せめてもっと各キャラと自由に対戦できるモードがあればまた評価は違ったという声も。 全体的には佳作という評価だが、ジョジョのファンならば楽しめる内容と言えるため遊ぶ価値は十分にあるだろう。 余談 実は今作は改定前のフーゴの名台詞「ド低能がァ!!」をボイス付きで聴ける唯一の作品でもある。なぜかアバッキオも言うが ちなみに何故「改定前」かというと、原作では文庫版発行に合わせて「クサレ脳ミソがァー!!」に改訂されたため。「余計にひどくなっている」とツッコむのはお約束。 細かい点だが、アナザーストーリーモードでジョルノを使用すると、戦闘中の台詞「運命とは眠れる奴隷だ。オレはそれを解き放ってみせる!!」 と一人称が「僕」だけじゃなく「オレ」と言う場面がある。 最終的に没となったが、開発段階では空条承太郎と広瀬康一の参戦も予定されていた。 没となった収録ボイスはサウンドトラックにて収録されている。因みに声優はいずれもメインキャラを演じる声優が兼役している。 広瀬康一は原作だと序盤でジョルノと出会ってポルポのブラック・サバスに対し共闘して立ち向かう展開があったが、本作では康一の出番はカットされている。 PS版3部ゲーが格闘ゲームだったこともあってか、「対戦モードが無い」「敵キャラが使えない」という批判をされることが多い。 本作のジャンルがアクションゲームなのに上記の批判が何故集まったかと言うと、アクションゲームで実装されて当然のスタートから目的地まで目指すコース等や道中の敵キャラ等が一切実装されておらず、終始格闘ゲームの連続試合の様な構成になってしまったからだと思われる。 操作キャラでは「小型で飛行可能」なナランチャの性能が最も高いが、仮に対戦があった場合はペットショップの再来となっていただろう。 没データには涙目のルカやリゾットのモデルデータが入っており、チュートリアルの枠はブチャラティではなくルカ戦で、戦闘が全くないイベントのみの9話でドッピオが操作できる場面があったのかもしれない。 ちなみになんとあの荒木飛呂彦氏の自画像(右上には(仮))と書いてあったものも没データとしてある。一体何に使う予定だったのだろうか? Vジャンプでの攻略本で原作者の荒木先生がフーゴの扱いについて語っている。(*7) 当初は「聖書のユダのような裏切り者」として想定していた(*8)が、仲間想いな側面も描かれた事もあって彼と敵対すると「展開が重苦しくなる」という事でフェードアウトした模様。 後に上遠野浩平氏による小説『恥知らずのパープルヘイズ ジョジョの奇妙な冒険より』で後日談が書かれたが、当時から別作者による小説『ジョジョの奇妙な冒険II ゴールデンハート/ゴールデンリング』でフーゴのフォローがされていた事にも言及している。 本ゲームでは、この小説中の台詞も出てくる。 チョコラータのスタンド「グリーン・デイ」は、原作に全身が描かれているカットが存在しなかったため、下半身は本作オリジナルのデザインでスカートのようなものなっている。アニメ版のアイキャッチでは2本足になっている。 本作における「ポルポ」の担当声優は同じくジャンプの漫画である『こち亀』の「ボルボ」と同じ岸祐二氏だったりする。 名前が奇妙に似ている2人が同じ声ということで、双方のファンで多少話題になった。 ついでに補足するが、『こち亀』方のモデルは『ゴルゴ13(デューク東郷)』である。 のちに発売された『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』及び『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』には、開発会社が別なこともあり、好評だった本作の声優やBGMは引き継がれなかった。 今作でジョルノ役の朴璐美氏は4部の広瀬康一を、フーゴ役の三浦祥朗氏は8部の東方常秀の声を担当している。 本作の発売から約16年後の2018年10月から2019年7月にかけて第5部のアニメ版である『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』が放送開始。なお、こちらも本作の声優は引き継がれていない。 ちなみに今作でブチャラティ役の櫻井孝宏氏はアニメ版4部『ダイヤモンドは砕けない』で岸辺露伴、アバッキオ役の稲田徹氏はアニメ1部『ファントムブラッド』でタルカス、ミスタ役の伊藤健太郎氏はアニメ3部『スターダストクルセイダース』でンドゥールの声をそれぞれ担当した。
https://w.atwiki.jp/ps1po/pages/301.html
ジョジョの奇妙な冒険の動作報告(*1) 引用元 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/jojost/pages/204.html
外伝 ジョジョの奇妙なクリスマス 12月24日、俺はハルヒや徐倫達とのクリスマスパーティーを終え、家の布団にくるまっていた。 うとうとしながらもなぜか寝付けず、12時直前の事だ。2階の俺の部屋の窓を誰かが叩いた。 「……誰だ………」 「おい、キョン。とっととこれに着替えろ。時間がねーんだ」 そう言った誰かは俺に赤い服を渡した……ってこれサンタの服じゃねーか!そう言おうと見上げると、 「徐倫!?」 しかもサンタの姿だ。朝比奈さんが着ていたようなミニスカではなく、伝統的なズボンのサンタ姿だ。 「な……なんでそんな格好………」 「つべこべ言わずにさっさと着替えろォォォォォォォ!」 「は……はいーーーーーッ!」 10分後、俺達はトナカイに引かれた空飛ぶそりに乗っていた。 「サンタってなんで始まったか知ってるか?」 当たり前だ。聖ニコラスが貧しい人達にプレゼントを配ったのが始まりだろ? 「正解だ……1か所だけ間違いだが」 「何処がだ?」 「聖ニコラスはスタンド使いだったんだよ」 ……………は? 「よく考えてもみろ、いくら聖人だからって家に忍び込んで配れるわけねーだろ」 まともな奴には無理だろーな。 「聖ニコラスのスタンドがどんなだったかは分からない……何度か遺体を調べようって話にはなったけどな」 遺体なんて残ってんのか? 「イタリアのバリにある。今でも安置されてるはずだ」 「ふーん……で、なんで徐倫がサンタの格好してんだ?」 「お前馬鹿だろ……いくらスタンド使いでも一人でカバーできる範囲はたかがしれている。聖ニコラスは仲間を集めたんだ」 「なるほど」 「その仲間達が次の世代のスタンド使い達に伝えてさらにその世代が次の世代に伝えて……って続いてきた伝統なんだよ」 信じがたい話だが、嘘とも思えない。……まあ宇宙人に超能力者、未来人までいるんだ……サンタがいてもおかしくはない。 「なあ……じゃあ今日はアナスイとかも………」 『ヘイッ!キョンじゃあねえか!懐かしーな……元気してたか?』 エルメェス!? 『エルメェスはアメリカ担当じゃなかったの?』 『幸い代わりの人が見つかってよ~~ここらへんに空きができたって聞いたから無理して変わってもらったんだよ!』 二人が会話で盛り上がる。……話すんなら日本語にしてくれ。英語は分かんねーんだよ。と、その時、 「徐倫~~~~~~~ッ!」 こっちに猛スピードでそりが走ってきた。徐倫のそりの側に来た瞬間、 ゲシッ 徐倫のトナカイが鈍い音と共にそりに乗った男を蹴った。 「ちくしょ……俺最近こんなんばっか………え?もしかして俺の出番これだけ?……………ちくしょーーーーーーーーッ!」 一台のそりが街のはずれの雑木林に落ちるのと同時に2台のそりがこちらにやってきた。 『さっきのそりはなんだ?』 ウェザーさんだ。 『気にすんな』 「……お前達、おしゃべりはそこらへんだ。急がないと間に合わないぞ」 承太郎先生が言う。 「……そうだな。そろそろプレゼント配りに行かねーと」 『んじゃ、また後でなッ!』 エルメェスの声が合図になり、4台のそりは別の方向に向かう。 「なあ……徐倫………」 「なんだ?」 「最初は何処だ?」 「みくるの家だな」 そうか……朝比奈さんの家か………ってハア? 朝比奈さんの家は長門とはまた別の高級マンションだった。 「なあ徐倫………」 「なんだ?」 今俺達は扉の前にいる。 「どうやって朝比奈さんの家に入るんだ?合鍵でもあんのか?」 「無い」 「じゃあ窓から不法侵入か?」 「いや……ピッキングだ。あたしのストーンフリーならそれができる」 そう言って徐倫は鍵穴の前に座る。 「……もしかしてみんなスタンドで鍵をこじあけてプレゼント配ってんのか?」 「方法は人によって違うけどな……開いたぞ」 靴を脱いで忍び足で朝比奈さんの寝室を目指す。朝比奈さんの家は女の子らしいファンシーな小物やカーテンで溢れかえっていた。 「盗んだら犯罪だぞ」 ………残念だ。 朝比奈さんはベッドでスヤスヤと眠っていた。実にかわいらしい。天使のようだ。 「あんま騒ぐな。起きられたら厄介だ」 ところで……朝比奈さんはどんなプレゼントを欲しがってんだ? 「あーー……ちょっと待てよ……」 そういうと徐倫は持ってきたゴミ袋ぐらいの大きさの白い袋に手を入れる。 「ここらへんに……あれ?おかしいな?どこ行った?」 そういうと徐倫は今度は顔から上半身をまるごと袋に突っ込んだ。……嘘だろ?どう見たってそんな大きさに見えない。 「お……あったあった………」 そう言いながら徐倫は高級そうなお茶とお茶入れを取り出した。 「朝比奈さんらしいな」 「だろ?」 カメラがあったら撮りまくっているであろう朝比奈さんの寝顔と名残惜しく別れを告げると俺達は次の家を目指した。 「で……何処だ?」 「古泉だ」 古泉の家は何処にでもありそうな一戸建ての家だった。……少し高そうな所を見ると古泉の家はそれなりに上流なようだ。 「んじゃいくぞ」 ピッキングを終えた徐倫にせかされ家の中へと入る。中はよく片付けられて小綺麗な印象を受ける。 家具や調度品もなかなか高級だ。いかにも古泉らしく、無性に腹が立ってくる。 「古泉の部屋は2階だ。いくぞ」 古泉の部屋はまるで何処かのビジネスマンかと思うような部屋だった。でかい机と椅子、そしてフロイト大先生やフェルマー大先生等の頭の痛くなりそうな学術書ばかりの本棚があり、部屋の隅のベッドで古泉は寝ていた。 「寝顔は見ねーのか?」 どうせいつものにやけ面浮かべてるだけだろ。 「ご明察」 「古泉には何をプレゼントするんだ?」 「本だ。心理学のとびきり難しいやつをな……読むか?」 「遠慮しとくぜ」 んなもん読んだら頭が痛くなりそうだ。俺の頭はそこまでハイスペックじゃないのさ。 「懸命だな」 「次は何処だ?」 「普通の家だ……もしかして有希かハルヒの家を期待したのか?」 「そんなんじゃねーよ」 幾つもの家を配り終え、夜明けも迫ってきた頃、俺達のプレゼントは残り二つとなっていた。 「次は何処だ?」 「お待ちかねの有希の家だぜ」 ……なんでお待ちかねなんだよ。 「別に……最近お前有希ばっか見てるしな」 「そんなんじゃねーよ」 徐倫は面白がるような顔を浮かべる。 「分かってるって……まああたしは案外お前と有希はお似合いの気がするがな」 ……どういう意味だよ。 「深い意味はねーよ……やっぱハルヒの方が好みか?」 「いきなり何を言い出すんだ」 俺の言葉を聞いて袋を覗いていた徐倫は顔をあげ、少し真面目な顔をする。 「ま、よく考えときなさい」 長門の家にたどり着き、鍵を開けて上がる。しかし最近はよく長門の家に来るな。そう思いながらリビングに入ると、 「……………」 長門が沈黙と共にいた。おい、見られたけどいいのか? 「普通ならぶん殴って記憶を奪っておくとこだが……有希なら別にいいだろ」 「………用事は?」 「有希、サンタクロースって知ってるか?」 「知っている」 「なら話が早い……サンタからのプレゼントだ」 「……………」 長門は少し戸惑い、まるで自分に受け取る資格は無いとでも言いたげな視線を向けてきた……気がした。 無表情なのは相変わらずなのでよく分からん。徐倫も俺と同じ事を思ったのか、 「遠慮しなくてもいいぜ。サンタさんはプレゼントを渡すのが仕事だしな」 「………しかし………」 「クリスマスってよ~~日本じゃXmasって略して英語だと思ってる奴が多いがよ~~ それはギリシャ語で英語じゃねえんだよ!なんで英語でChristmasって書かねえんだ!クソックソッムカつくぜ~~~~」 「……………」 「……………」 徐倫としてはかたくなに拒む長門を和らげようと放った渾身のギャグのようだが……… 「あー……悪い……今のは忘れてくれ………か、代わりにピザの歌でも歌うから!ピザ・モッツアレラ ピザ・モッツアレラ………悪い………」 「いい。受け取る」 確かにこれ以上滑るギャグを言わせるわけにはいかないだろう。……しかし徐倫にこんなにもギャグのセンスがなかったとはな。俺のトナカイの一発ギャグの時苦笑いせずに同情するような目だったのはこのせいか? 長門に分厚い本を何冊も渡した後、俺達は最後の家へと向かっていた。 「なあ……何処なんだ?最後の家は?」 「着いてからの楽しみだ」 「まさか……ハルヒ……なわけないよな……無い無いそれは無い………無いよね?無いって言ってくれ………なあ………ほんとに違うよね?」 「……………」 これは確定だな………。 俺達の最後の家は案の定ハルヒの家だった。ハルヒの家は俺の家と同じくらいの大きさの普通の家だった。 「なあ……住所は何処なんだ?」 「残念ながら教えちゃいけない決まりだ。鍵開いたぜ……いくぞ」 そして玄関から忍び込み、リビングの横を通ろうとした瞬間、 「待て……リビングに誰かいる」 なんだと?誰か家族が起きてたのか? 「あたしが見てくる……ここで待ってろ」 徐倫はそう言うとリビングに音をたてずに忍び込む。するとすぐに、 「寝ている……入っても大丈夫だ」 その返事を聞いた俺はリビングへと向かう。するとそこには机に突っ伏して寝ている見慣れた奴がいた。 「………ハルヒ?」 「どうもサンタを捕まえようとしてたみてーだな……見ろよ」 徐倫が指差した部屋の隅には網にロープ、はては何処から手に入れたのか、ネズミ挟みまであった。 「サンタを待ってて疲れて寝たのか………」 「ハルヒらしいな」 「で……どうすんだ?」 「ま……プレゼント渡して帰るぜ……と言いたいが………」 徐倫が上司から無茶な命令をされて参った会社員のような顔をうかべる。 「ハルヒがよ……サンタに手紙を出してたんだ」 ああ……フィンランドだかアイスランドにあるサンタ協会とかいう場所か。 「グリーンランドだ……んでその手紙の内容なんだが………」 そう言った徐倫は一枚の手紙を俺に見せる。 『サンタに会わせなさい!』 そうハルヒが書きなぐった文字があった。 「……どうすんだ?」 「ま……こういうのは無視するのが普通なんだが………」 徐倫は言葉を一旦切り、肩をすくめる。 「相手はハルヒだしな、出血大サービスだ……写真撮るぞキョン」 なんでだ? 「今のあたし達がサンタなんだぜ?ほら早くハルヒの横にいけ……タイマー入れたぞ」 徐倫は袋の中から三脚とカメラを取り出し組み立てていた。 「その袋……どんだけ入るんだ?」 「サンタの袋だからな、特別なんだよ」 そしてセットを終え、タイマーを入れた徐倫はハルヒを挟んで俺の反対側に立つ。その瞬間、カメラがフラッシュをたいた。その強烈な光に俺は目を閉じ……… 「……ハルヒが起きたらどうすんだッ!」 その叫び声と同時に俺は布団から飛び起きていた。………あれ?さっきまで俺は徐倫といたはずじゃ………まさか……夢……だったのか?その瞬間、俺の携帯が鳴る。 「ちょっと!これどういう冗談よ!」 こんな朝っぱらから電話をかけてくるのは常識の無い奴のする事だ。そしてそんな事をするのは俺の周りでは一人だけだ。 「……なんだ、ハルヒ」 「あたし昨日はサンタを捕まえようとリビングで張り込みしてたのよ。そしたら寝ちゃって……で、起きたら写真があったのよ!」 まさか……その写真って………。 「でもいつ撮ったのよこんな写真……あんたと徐倫がリビングで寝てるあたしの横でサンタの服着て立ってる写真なんて…… そもそもキョンあたしの家来た事無いでしょ?」 確かにそうだ……が、昨日の出来事を言うわけにはいかない。 「……合成じゃねーのか?」 「うーん……まあそうなんだろうけどね………だけどねキョン」 ハルヒの声のトーンが少し落ちる。……ヤバい……… 「こんなくだらない事であたしを驚かせようなんて1億光年早いのよ!」 こいつはいつになったら光年が距離だと理解するのだろうか。 「聞いてるの!?バカキョン!いい、あんたには罰としてSOS団員全員にお年玉を払ってもらうからね!」 後日、俺は徐倫やウェザーさん、アナスイを問い詰めてみたが3人とも夢を見たんだろうとあしらわれてしまった。 ……けどな、俺は今でもあれは夢じゃないって信じている。だって宇宙人に未来人に超能力者がこの世にいるんだ。サンタがいてもおかしくないし、いてくれた方が楽しいに決ってんだろ? なあ、あんたはどう思う? ジョジョの奇妙なクリスマス 完
https://w.atwiki.jp/jojobr3rd/pages/21.html
追跡表 JOJO s Another Stories ジョジョの奇妙な外伝 前へ 戻る 次へ The Book 蓮見琢馬 15 029 未来日記 ◆vvatO30wn. 067 The Day of Night ◆4eLeLFC2bQ 086 愛してる ――(I still......) 前編 ◆c.g94qO9.A 愛してる ――(I still......) 後編 090 BLACK LAGOON ♯01 ◆vvatO30wn. BLACK LAGOON ♯02 BLACK LAGOON ♯03 108 メメント ◆SBR/4PqNrM 112 黒金の意志 ◆c.g94qO9.A 144 相性 ◆yxYaCUyrzc 151 レベルE ◆vvatO30wn. 157 デュラララ!! -裏切りの夕焼け- ◆vvatO30wn. デュラララ!! -コンプリケイション- 173 無粋 ◆yxYaCUyrzc 174 されど聖なるものは罪と踊る ◆/SqidL6HL. 186 ブレイブ・ワン ◆HAShplmU36 194 キングとクイーンとジャックとジョーカー ◆c.g94qO9.A 201 際会 ◆yxYaCUyrzc 207 どこへ行かれるのですか? ◆LvAk1Ki9I. 双葉千帆 16 010 執筆 ◆yxYaCUyrzc 049 Break My Body/Break Your Soul ◆Osx3JMqswI 060 生とは――(Say to her) 前編 ◆ZAZEN/pHx2 生とは――(Say to her) 後編 084 『日陰者交響曲』 ◆c.g94qO9.A 089 Requiem per Mammone (前編) ◆c.g94qO9.A Requiem per Mammone (後編) 120 Dream On ◆4eLeLFC2bQ 131 死神に愛された者たち ◆c.g94qO9.A 147 夢見る子供でいつづけれたら ◆c.g94qO9.A 160 役割 ◆yxYaCUyrzc 173 無粋 ◆yxYaCUyrzc 174 されど聖なるものは罪と踊る ◆/SqidL6HL. 182 祭の前にさすらいの日々を ◆HAShplmU36 188 火蓋 ◆yxYaCUyrzc 189 風にかえる怪物たち ◆OnlAmXGbfQ 195 かつて運命になろうとした『あの方』へ ◆HAShplmU36 207 どこへ行かれるのですか? ◆LvAk1Ki9I. 恥知らずのパープルヘイズ シーラE 14 040 復讐の名の下に ◆Rf2WXK36Ow 050 戦う女と泣けない復讐者 ◆c.g94qO9.A 083 由来 ◆yxYaCUyrzc 090 BLACK LAGOON ♯01 ◆vvatO30wn. BLACK LAGOON ♯02 BLACK LAGOON ♯03 106 男たちの挽歌 ◆c.g94qO9.A 115 死亡遊戯(Game of Death)1 ◆SBR/4PqNrM 死亡遊戯(Game of Death)2 136 理由 ◆yxYaCUyrzc 152 新・戦闘潮流 ◆c.g94qO9.A 163 星環は英雄の星座となるか? ◆3yIMKUdiwo 168 Trace ◆LvAk1Ki9I. 179 矜持 ◆yxYaCUyrzc 184 さようなら、ヒーローたち ◆c.g94qO9.A 190 次の目的地に向かえ! ◆OnlAmXGbfQ 198 英雄 ◆yxYaCUyrzc カンノーロ・ムーロロ 16 038 恥知らずのウォッチタワー ◆VjwVrw6aqA 077 人生を賭けるに値するのは ◆Rf2WXK36Ow 095 Panic! At The Disco! (前編) ◆c.g94qO9.A Panic! At The Disco! (中編) Panic! At The Disco! (後編) 107 fake ◆c.g94qO9.A 115 死亡遊戯(Game of Death)1 ◆SBR/4PqNrM 死亡遊戯(Game of Death)2 144 相性 ◆yxYaCUyrzc 148 大乱闘 ◆c.g94qO9.A 157 デュラララ!! -裏切りの夕焼け- ◆vvatO30wn. デュラララ!! -コンプリケイション- 172 獣の咆哮 ◆q87COxM1gc 173 無粋 ◆yxYaCUyrzc 174 されど聖なるものは罪と踊る ◆/SqidL6HL. 186 ブレイブ・ワン ◆HAShplmU36 194 キングとクイーンとジャックとジョーカー ◆c.g94qO9.A 200 Rule Out ◆LvAk1Ki9I. 204 Tangled Up ◆LvAk1Ki9I. 206 始動 ◆yxYaCUyrzc マッシモ・ヴォルペ 11 026 TRIP HEAVEN ◆ZAZEN/pHx2 062 神に愛された男 ◆Rf2WXK36Ow 081 計画 ◆yxYaCUyrzc 097 君は引力を信じるか ◆c.g94qO9.A 105 トータル・リコール(模造記憶)(上) ◆SBR/4PqNrM トータル・リコール(模造記憶)(下) 122 神を愛する男たち ◆c.g94qO9.A 138 裏切りの虹村形兆 ◆c.g94qO9.A 148 大乱闘 ◆c.g94qO9.A 158 ReBorn ◆c.g94qO9.A 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- ◆3hHHDZx0vE トリニティ・ブラッド -リライト- 172 獣の咆哮 ◆q87COxM1gc ビットリオ・カタルディ 7 019 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 前編 ◆vvatO30wn. 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 後編 063 狂気 ◆c.g94qO9.A 095 Panic! At The Disco! (前編) ◆c.g94qO9.A Panic! At The Disco! (中編) Panic! At The Disco! (後編) 111 境遇 ◆yxYaCUyrzc 126 Wake up people! ◆m0aVnGgVd2 152 新・戦闘潮流 ◆c.g94qO9.A 163 星環は英雄の星座となるか? ◆3yIMKUdiwo
https://w.atwiki.jp/jojoson/pages/572.html
繰り返す言葉は今も わたしの胸の中で響いてる いつからか無敵の世界 あなたの期待裏切らない 奴らに敗北を我らに勝利を 必ず仕留めてみせる 私だけを 私だけを信頼してほしい あなたのために命を捨てられるから あなただけを あなただけを思っては生きてる 亜空間の中ひとり勝利願っている 薄れゆく意識の中に あなたの姿探しさまよう 柔らかなその優しさに もう一度だけ包まれたい ポルナレフなんかに 負けられないのに この身体灰になってゆく 私だけが 私だけがあなた守れるのと 必ずジョースターどもを 仕留めてみせる あなたをただ あなたをただ信じ続けただけ 私が死ぬのはその後でもいいだろう 触れる物すべてを飲み込む力 この力あなたのために使いましょう 果てるまで… 私だけの 私だけのあなたになりますように 輝く世界に声が届くのならば 私はまだ信じていると声が枯れるほどに 亜空間の中ひとりあなた求めている 原曲:【yozuca*/記憶の海】 元動画:【http //www.nicovideo.jp/watch/sm2346145】
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/3496.html
「!? 止めろ。ルーミア」 「……敵か」 ジョジョの言葉にルーミアが車を止める。 目の前には筋肉隆々でスーツを着た男が一人……どこかで見たことがある。 「久しぶりだな、ジョジョ」 「―――草野」 草野と呼ばれた男。 そうか、思い出した。確か『世界・○しぎ発見!』の司会者の男だ。 ……テレビで見るよりもムキムキだ。 ボッ 次の瞬間、草野の右拳がジョジョに向かって飛んでいった。 迅い、空気の壁を突き破る程の勢いだ。 だが、ジョジョも迅い、紙一重の所で攻撃をかわした。 そして、懐に入り込み、ジョジョの左拳がボディに入っ…… 「……相変わらず、軽い拳だ」 「チッ」 ノーダメージ……だと……? ジョジョの攻撃をもろともしていない。どういうことだ。 「……鋼霊身だ」 「知っているのか、ルーミア!?」 「体を硬化させて攻撃を防ぐ技だ。シグの字、恐らく奴は気功術の使い手だ」 なるほど、さっぱり意味がわからない。 要約すると、あの筋肉は見せかけではないということでいいのか? 「では、こちらから……ハァッ!」 「ッ!? シグの字、伏せろ!」 ルーミアの言葉に気付いた私はその場で身を伏せた。 ボッ 凄まじいまでの爆発音。 いや、アレは草野の右拳が何かを破壊した音だ。 ジョジョは無事なのか? 「やれやれだぜ」 ジョジョは避けていた。……一体、どうやって避けたんだ? ジョジョのいた位置はクレーターが出来ている。 草野の右拳はその中心の地面に突き刺さっている。 そして、ジョジョはまたワープらしき技を使って草野の首辺りにダーツを突きつける。 「チェックメイトだ。草野」 「相変わらず、それはずるいな」 「よく言われる」 「まあいい、俺の負けだ、これ以上やり合う気はねえよ」 その言葉を聞き、草野の首付近のダーツを戻すジョジョ。 どうやら、戦いは終わりらしい……というか、なんで日本のテレビスターは化物ばかりなんだ? 「草野、お前の目的は?」 「主催者をボッシュートさせる。それだけだ」 「では、何故ジョジョを襲った?」 「一緒に戦うなら強い奴が仲間が必要だからな」 「やはりな、前に戦った時よりも弱く感じたのはそのせいか」 この男はジョジョを見定めていたのか? それにこの男はまだ本気を出していないという事なのか。 「それでどうするんだ、ジョジョ?」 「断る理由はない」 「すまないな、ジョジョ」 というわけ、筋肉隆々のおっさんが仲間になった。 【三日目・21時10分/新惑星・東京都】 【シグナム@リリカルなのはシリーズ】 【状態】健康 ニート 【装備】レヴァンティン、ショットガン 【道具】支給品一式 【思考】基本:働きたくない 1:ジョジョについて行く 【ルーミア@東方Project】 【状態】健康、満腹、全身血まみれ(返り血) 【装備】 【道具】支給品一式、そーなのCAR(車) その他不明 【思考】 0:DIOがいないのでJOJOについていって美味しいものを沢山食べる 1:そーなのかー 【所ジョージ@現実】 【状態】ダメージ(小)スタンド使い 【装備】ダーツ 【道具】不明 【思考】 1:仕方ないので、草野を手伝う 2:やれやれだぜ 【草野仁@現実】 【状態】ダメージ(小) 【装備】己の肉体 【道具】不明 【思考】 基本:主催者をボッシュートさせる
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/70.html
ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第10話:地下の大図書館、そして吸血鬼 その? 弾幕ゴッコ。元々は幻想卿内の揉め事や扮装を解決するための手段であり、人間と妖怪といった実力差のある相手や大妖怪と大妖怪のような周りになんらかの被害がでる対決をなくすために作られたものである(ってAQNがいってた)。 ルールは単純で、敵の宣言するスペルカードを避けつつ自分の弾、あるいはスペルカードを一定量相手にぶつけるだけ。ただし、避けることの出来ない弾幕を製造してはならないらしい。 にとりの言葉を思い出しながら相手と用心深く距離をとる。 「じゃあ、いい?いくよ!禁忌!【クランベリートラップ】!」 満面の笑顔でカードをかざす少女。妖夢の時のような殺気もなく、ただ純粋に楽しんでいるように見える。 「さぁ、来いッ!」 ニヤリ、と笑って構える。どっちにしろ、元々このルールは覚えなくてはいけないのだ。なら練習するのに異論は全くない! 四方八方から迫り来る赤と青の弾幕を慎重に引きつける。自分に向かってくる弾を選定して避ければ無駄に体力を消耗しないはず、と踏んだのだ。 「って、あれ・・・?」 まぁ、そんな甘っちょろい考えで避けられるほどヤワな弾幕なぞそうそうない。FFは瞬く間に前後を封じられた! 「うおぉおおおッ!?」 とっさに上へ飛び、FF弾を少女に向けて放つ。あっさりと避けられるが、反動を利用して弾幕から逃れることが出来た。 なんとか距離を離してから用心深く敵の弾を観察する。少女はこちらの様子を見るだけで何かしてくる様子はない。 「・・・おー。なるほどなァ・・・」 観察してわかったことだが、この二種類の弾はそれぞれ違う役割を与えられているようだ。 自分を追ってくる赤い弾と追われた先に待ち構える青い弾。この弾がうまく噛み合ってアレだけの弾幕が作り出されているのか。 「にとりの言うとおり、か・・・」 『弾幕はいくつかのパターンに分かれてるの。それさえわかっていればある程度は避けられるわ。』という河童の言葉を体現したような弾幕だ。 確かに、それさえわかれば避け方は自ずと見えてくる。FFは唇をなめ、再び迫ってくる弾を睨みつけた。 その頃、にとりとパチュリーは・・・ 「えーっと・・・これで、動くはず・・・パチュリーさん、えっと・・・レバーを引いてみてくれますか?」 「え?これ・・・?」 にとりの言葉におどおどとしながらレバーを引くパチュリー。すると、咲夜の時ではうんともすんとも言わなかった巨大な本棚がスムーズにスライドし、奥の本棚が見えるようになった。 「おぉー。」 「ふぅ・・・うまくいった・・・これでよかったですか?」 本棚の裏からひょこっと顔を出すにとり。ホコリと油で体中真っ黒であることにも気づかず、目元の汗をぐいっと拭う。 「うぎゃっ!?い・・・痛いィイイッ!目が、目がァアアア!」 「・・・ぷっ・・・ふふふ・・・」 まるでどこかのエセ王様の如く痛がるにとりを見てパチュリーは思わず吹き出した。 「ひ、酷いです・・・笑うなんて・・・目、目が・・・」 「ご、ごめんなさい!えっと・・・こぁー!濡れタオルと着替えを持ってきてー!」 「へぇ・・・もう気づいちゃったんだ?」 ある程度パターンを読み、自分にFF弾を撃つ余裕が出来たFFを見てにやりと笑う少女。その幽々子とも違った冷たさがさらにFFを警戒させる。 この【少女】・・・いや、【少女に見える何か】は試している。自分を。 「すごいすごい!魔理沙と霊夢以外にコレを避ける人間がいるなんて!」 「いや、私は人間じゃあない。お穣ちゃんも・・・【人間】じゃあないな?」 急に弾幕を放つのを止めた少女に怪訝な顔をしながら応える。先ほどの恐ろしい笑みがウソだったかのような無邪気な笑みだ。 普通の人間ならそれを見ただけでゲロ吐く程の恐怖を味わうことになるだろうが、FFはそれを感じなかった。 何故なら――邪気がない。 「【人間じゃあない】・・・?そっか。だから【目がたくさんある】んだね?」 「目・・・?何のことだ・・・?」 急に納得したかのようにポン、と手を打つ少女。その姿に思わず気が緩みそうになるが、先ほどの弾幕を思い出し、警戒心を保つ。 「あ、自己紹介してなかったっけ。私はフラン。フランドール・スカーレットって言うの。」 そう言ってお辞儀をする少女。咲夜やこぁと違い無駄がたくさんあるものの、それなりに似合った仕草だ。 「目ってね?みんなにあるの。それでね?それが私の手の中にあってね。キュっとするとどかーんって壊れちゃうの。」 「はぁ?」 今度こそ、気が完全に緩んでしまうFF。言っていることが全く理解できない。みんなにある目?キュっとしてどかーん?全くわからない・・・ 言っている本人もわかっていないのか、うんうんと唸っている。 「うーん・・・何て言えばいいんだろ・・・?壊して見せればわかりやすいけどお姉さまと魔理沙にやっちゃダメって言われてるし・・・」 腕を組んで必死に考える少女――フランがなんだか可愛く見えてきた。 「フラン、だったか?お前さんの能力は要するに、何でもかんでも壊せるって事でいいか?」 「うん。そういうこと。」 それは確かにやっちゃダメだな。と深く納得した。 射程や精密性、素早さなどはわからないが、下手をすれば例えば彼女が逃げられないようなトラップを作り、一斉にそれを発動したとしてもその【目】をぎゅっとしてしまえば即、どかーん・・・つまり、壊れてしまうのだろう。 「そういえば、お姉ちゃん・・・人間じゃないなら何?妖怪?宇宙人?」 「いや、そんなもんじゃあないが・・・宇宙人?」 実際に見せた方が早いだろう。幸い、水に余裕はある。そう考えたFFは適当なところにFF弾を飛ばし、クイクイっとフランを呼ぶ。 ててて、とFFのそばによっていったフランはそれを見ておー、と感嘆の声を上げた。 「増えてる増えてるー。」 「これが【私の一部】だ。これが集まって私、フー・ファイターズになってる。」 面白そうに増殖しているフー・ファイターズを突っついているフランに説明してやる。 さっきまで戦っていたとはとても思えないな、とは思うがこれだけストレートな反応をしてくれるとこちらも面白くなってくる。 FFはしばらく、フランの様子を見ていることにした。 その頃の以下略 「え!?ここにも魔理沙って本盗りに来るの!?」 「そうなの。何とかして捕まえたいんだけど・・・」 「うーん・・・私の発明も通用しないし・・・」 「こないだ、ロイヤルフレアをトラップに置いたんだけど、効果ないのよ・・・」 濡れタオルで体をふき取り、パチュリーの着替えを借りたにとりはFFが戻ってくるまでパチュリーと話すことにしたのだった。 内容は何故か魔理沙の泥棒談義である。 「普通にモノ盗むだけなら問題はないんだけどね・・・」 「むきゅー・・・」 にとりの言葉に溜息をつくパチュリー。というか溜息なのかそれは。 「まぁ・・・ねぇ・・・イロイロ盗むし・・・イロイロ・・・」 「え?他にも盗まれたの?」 「えぅッ!?ち、違うの!?」 「え、てっきり結構遊びに来てくれる事かと・・・」 「む、むきゅー・・・」 どんどんと墓穴を掘っていくパチュリーなのだった。 「うわっ!?手にくっ付いた!」 「あぁ、ソイツは水分――水に反応するんだ。水がある方へある方へと移動する。」 「へー、おもしろーい!」 しばらくフー・ファイターズ(無論、本体と違い知性などない)と遊んでいたフランを見てFFは内心、ますますワケがわからなくなっていた。 (こんな少女が、さっきみたいな笑みを・・・?何者なんだ・・・このフランとか言うヤツ・・・) こうして遊んでいる姿はやはり最初に見た子供そのものであり、先ほどの笑みがウソだったかのように思える。しかし、いやだからこそ気になる・・・ 「ん?どうしたの?お姉ちゃん。」 「ん?いや、何でもない。」 まぁ、何らかの事情があるのだろう。後でパチュリーか、ダメなら文にでも聞けばいいだろう。 「そうだ。ソイツ、フランにあげようか?」 「へ?」 びっくりしたような顔で此方を向くフラン。 「いいの!?」 「あぁ。毎日、手にすくったくらいの水をあげてればそうそう死んじまうこともないだろう。」 どうせ本来は敵にぶつける代物なのだ。それに、こんなによろこんでくれると思っていなかった。 「ありがとう!」 そう言って微笑むフランに不覚にもどっかのペド長のようにフー・ファイターズを余分に吹き出しそうになるFFだった。 そn(ry 「え、ってことは貴方もなの?にとり。」 「私もってことはまだライバルがいるのか・・・魔理沙には・・・」 「えぇ・・・アリスにフラン、幽華・・・最近は山のガンキャノンと2Pカラーも狙ってるって噂よ・・・」 「うぅわ・・・何気に競争率高いのねー・・・」 パチュリーから貰った緑茶(元は魔理沙のために買った。量が多すぎて半分くらいウーロン茶化している)を啜りながらにとりは溜息をついた。 「にしても、妖怪の山で人間と交流があるのってあの新聞記者だけかと思ってたけど・・・」 3杯目の紅茶を飲み干し、こぁにお代わりを要求しながらパチュリーが問う。 「こないだの神様騒ぎの時にあの紅白巫女と魔理沙が来てねー。それ以来お客さんが絶えなくなっちゃったのよ。」 絶えないといっても、密漁しにくる魔理沙と退屈(空腹)で山の神にたかりに来る腋巫女くらいなのだが。 「ウチと一緒か。まぁこっちはやってくるのは大抵魔理沙なのだけれど・・・」 パチュリーは溜息をつきつつうんざりした口調で言った。つもりなのだが、にとりは紅茶のカップに隠れたニヤニヤ笑いを見逃さなかった。 きっと、仏頂面(だと本人は思っている)の顔に笑みを浮かべて『何よ。また来たの?』と言っているのだろう。 「・・・?私、何か変な事言ったかしら?」 「あ!いや、なんでもない!にしても、FF遅いなぁ・・・」 ついうっかり吹き出しそうになったのがばれたのだろう。慌てて緑茶を飲んでごまかしつつ別の話題を振る。 「そういえばもう一人いたのだったわね。ここは広いから迷ってるのかも。探しに行って・・・」 バガァアアン! という何かが壊れるような音と共に、図書館全体に地響きが鳴る! 「え!?何!?」 びっくりして緑茶を引っくり返すにとりとは裏腹に溜息をつくパチュリー。どうやら原因がわかってるらしい。 「噂をすれば・・・ね。」 「噂って・・・まさかッ!?」 「そのまさか、よ。図書館より先に妹様の所へ行ったのが気に食わないけど・・・」 気に入らないのだろう、すこしぶすっとした顔でつぶやく。 「魔理沙が来たわ。」 前へ 目次へ 続き
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/9638.html
ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド 機種:PS2 作曲者:中村隆之、太田亜紀、和賀翔、有賀聡、田原卓 開発元:アンカーエンターテイメント 発売元:バンダイナムコゲームス 発売年:2006 概要 荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第1部『ファントムブラッド』をゲーム化した作品。ジャンルは3Dアクション。 アクションゲームとしての完成度は低いが、原作の再限度は高くモブや端役を含めたほとんどの登場人物が使用可能。 原作では名前だけの存在であった獅子王ウィンザレオ、イナズマの騎士アイクマン、独眼のカイネギスが登場するのもポイント。 音楽は中村隆之氏率いる株式会社ブレインストームのスタッフが制作している。 収録曲(仮曲名) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Track01 アステカの族長(オープニング) Track02 VS.いじめっ子/ディオ(ボクシング)/ディオ(2回目)/スピードワゴン Track03 VS.騎士ゾンビ/ディオ(気化冷凍法)/アダムスさん/血管針ゾンビ Track04 Track05 戦闘開始前 Track06 VS.ディオ&三騎士(ラストバトル) Track07 ポコの姉に迫るディオ Track08 ツェペリ登場 Track09 VS.ディオ(吸血鬼)/ワンチェン/ジャック・ザ・リッパー/ブラフォード/タルカス/ドゥービー Track10 Track11 スタッフロール Track12 スピードワゴンの自己紹介 Track13 ジョナサンとエリナのハネムーン Track14 Track15 逮捕されるディオ/ポコ登場/アダムスさん登場 Track16 ジョナサンとディオとの対峙 Track17 ブラフォードの最期/ツェペリの最期 Track18 Track19 食屍鬼街到着 Track20 ジョナサンの最期
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/26334.html
登録日:2013/12/15(日) 12 11 16 更新日:2024/08/24 Sat 00 05 02 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 8部 なんだよこの展開… ウルトラジャンプ ギスギスシーン多し ジョジョ ジョジョの奇妙な冒険 ジョジョリオン ロカカカ 伏線丸投げ ←作者自認 岩人間 怪作 杜王町 東方定助 漫画 荒木飛呂彦 謎多き作品 賛否両論 集英社 鬱展開 鬱展開多し これは「呪い」を解く物語―― その始まり――「呪い」とはある人に言わせると、自分の遠い先祖の犯した罪から続く「穢れ」と説明する あるいは――坂上田村麻呂が行った蝦夷征伐から続いている「恨み」と説明する者もいる また違う解釈だと 人類が誕生し物事の「白」と「黒」をはっきり区別したときにその間に生まれる「摩擦」と説明する者もいる だが とにかくいずれの事だが「呪い」は解かなくてはならない さもなくば「呪い」に負けてしまうか… 【概要】 ウルトラジャンプで連載されていた荒木飛呂彦のロマンホラー漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第8部。全27巻。 口上で語られているが、これは「呪い」を解く物語となる。 舞台は第4部『ダイヤモンドは砕けない』と同じ地名の架空の町・M県S市紅葉区杜王町が舞台となっている。 ただし並行世界の話である。 7部の約百年後が舞台であり、7部のキャラも一部物語に関わっている。 また、前作同様に過去作の小ネタ(特に4部)が散りばめられている。 【ストーリー】 2011年3月11日の大震災(東日本大震災がモチーフ)の被害を受けた杜王町に突如出現した「壁の目」。 ある日、広瀬康穂はそこに全裸で埋もれていた記憶喪失の謎の青年・東方定助を発見。康穂は定助の記憶を取り戻すために協力するのだった。 物語は主人公・東方定助の記憶を取り戻すために進行していくが、展開するごとに様々な『謎』が絡み合い複雑なストーリーを形成している。 過去作と同様スタンドバトルも繰り広げられるが、4部のように日常における心理戦が繰り広げられることもある。 【主な登場人物】 ○メインキャラクター 東方定助 「壁の目」と呼ばれる場所に全裸で倒れていた主人公。史上初の金玉が4つある主人公。8人目のジョジョ。 水平帽にセーラー服を着た船乗りのような格好をする。すきっ歯。 首筋に星形のあざを持つ。発見された時点で記憶喪失で、日常生活における記憶以外何も憶えていない。物語は彼の記憶を中心に話が展開する。 スタンドは「しゃぼん玉」が物体に触れて割れることで、その物体の物理的な何かを一時的に奪う「ソフト&ウェット」。 広瀬康穂 ヒロイン。彼女が「壁の目」にいた定助を助けたことで物語が始まる。 ミニスカートを履いたおさげ髪の少女。19歳の大学一年生。 定助の記憶を取り戻そうとすることで、奇妙な冒険に巻き込まれることになる。「定助」の名付け人。 序盤はただの一般人であったが後にスタンド使いとして覚醒する。 スタンドは情報を集め対象を導く「ペイズリー・パーク」。 吉良吉影 「壁の目」で死亡していた、定助に関係がある人物。 生前は船医をしていたらしい。死体が見つかった場所は定助が埋まっていたすぐ下で、彼には睾丸がなかった。また、定助のDNAは彼のものとほぼ同じ。 実はジョースターの血を継いでいる。 4部の登場キャラと同じ名前だが直接的な関係は現在のところない。 スタンドは「キラークイーン」。外見は4部の「キラークイーン」と同じだが能力は微妙に異なっている。 空条仗世文 物語が進むうちに登場した謎の多い人物。 特徴的なリーゼントをしている。首の左後ろに星型の痣を持つ。 名前は2部・3部・4部主人公のジョセフ、承太郎、仗助から採られたものと思われる。 スタンドは定助と同じ「ソフト ウェット」だが、少し能力に差異がある。 〜東方家〜 東方憲助 身元不明の定助を引き取った東方家当主。「東方ふるうつ屋」を経営する。 7部に出たノリスケ・ヒガシカタの曾孫。 一見気さくだが、腹に一物抱えたような行動も多い。 当主として家や家族を守ろうとする意思は本物。 スタンドは匂いを可視化し追跡する能力の「キング・ナッシング」。 東方常敏 東方家長男。 32歳で1男の父。趣味はクワガタムシ。 クワガタが絡むこと以外では抜け目のないビジネスマン。顔に縦に走った傷跡のような線が特徴。 度々相田みつをの詩から引用したセリフを使う。 スタンドは物体のある一点の温度を上昇させる「スピード・キング」。 東方蜜葉 常敏の妻。31歳。 学生時代に「ミス・サクランボ」で優勝し、フルーツのために世界を旅行してその関係で常敏と知り合って結婚した。 夫には内緒で2億円の豊胸手術などを受けるなど、結構自由にやっているが自分の子供への愛情は本物。 スタンドは「矢印」をくっつけた方向にエネルギーを移動させる「アウェイキング・Ⅲリーブス」。 東方鳩 東方家長女。 職業はモデルの24歳。かなりのおバカさん。 彼女が家に連れてきた恋人が物語に一波乱起こす。 スタンドは本体の「かかと」を硬質化して伸ばす「ウォーキング・ハート」。 東方常秀 東方家次男。18歳の大学一年生。広瀬康穂の幼なじみ。 康穂に執着し、定助を敵視している。しかし当の康穂本人には敬遠されている。 タラちゃんみたいな刈り上げた髪型をしている。 スタンドは物体にネジとナットを埋め込み、ナットを取ることで分解する「ナット・キング・コール」。 東方大弥 東方家二女。16歳。 耳付きフードのパーカーを着た少女。小さい頃の事故で視力を殆ど失っている。 家に居候することになった定助のことが好きになり、彼を独り占めするために戦闘する。 スタンドは「公正なルールを破った」相手の記憶を1つだけ盗む「カリフォルニア・キング・ベッドちゃん」。 東方つるぎ 常敏、密葉の子供。かなりのダジャレ好き。 本当は9歳の男の子だが、訳あって女の子の格好をしている。 彼もまた、ある目的を持って行動している。 スタンドは顔やデザインの区別をつかないようにさせる「ペーパー・ムーン・キング」。 東方花都(かあと) 憲助の元妻。52歳とは思えない若々しい容姿の持ち主(若作りの可能性もあるが)。 殺人事件を起こして収監中だったが、本編中に刑期満了し出所。 憲助とは絶縁状態な一方、子供たちには惜しみなく愛を注ぐ。 特に事件の前から物心ついていた常敏とは秘密を共有している。 スタンドはカードとカードの間に物体を収納する「スペース・トラッキング」。 〜東方家関係者〜 虹村京 東方家に仕える家政婦。22歳。 感情をあまり表に出さない人物。メイド服に学帽、星の模様のタイツを身につけている。 ある理由で東方家に家政婦として潜入している。 スタンドは「物を開く」と大型のバイクが敵を自動追跡する「ボーン・ディス・ウェイ」。 田最環 鳩が彼氏として家に連れてきたクリーニング店の店長。自称23歳。 だが、どう見ても中年にしか見えない。小太りで薄毛であり、ボソボソと喋る。 鳩とは仕事を通じて知り合ったとのこと。 スタンドは本体が付けた「指紋」に触れた生物をドロドロに溶かす「ビタミンC」。 ジョニィ・ジョースター 第7部主人公。故人。 東方家と意外な関係がある。 吉良・ホリー・ジョースター 吉良吉影の母であり、ジョニィの曾孫。52歳。 奇病に罹ってTG大学病院に入院中。 豆銑礼 (「東方家」ではなく)憲助専属の果樹栽培師。31歳。 紹介を受けた定助と共に「ロカカカ」を追い、後半の相棒となる。 【用語】 壁の目 大震災によって海岸沿いの大地が隆起した土地。吉良の死体と定助が発見された土地でもある。 この土地のある秘密が物語に大きく関わる。本作に登場する人間のスタンド能力もこの土地の影響によるもの。 『病』 東方家の長男のみが発病する奇病。 初期症状では記憶が無くなっていき、やがて皮膚に折り紙のような線が入り、身体が石のようになって死亡する。 岩人間 皮膚を石のよう硬くすることができる人間。石になった身体はとてつもなく硬いが、欠けると血が出る。 高低温や乾燥などの自然現象に耐えられるようになるが、酸素がないところだと窒息する。 数人が登場しており、憲助の推測では社会には岩人間がひっそりと生活している可能性があるとのこと。 ロカカカ イチジクのような見た目をした果実。 この実を食べると石化や欠損などの身体の不調が回復する。ただし効果は等価交換であり、身体の何処か(主に頭部)が石のようになって崩れる。 上記の効果より、この実を狙っている人物もたくさんいる。 新ロカカカ とある方法で生まれた、新種のロカカカ。 等価交換の対象が本人から近くにいる者に変わっており、他人を犠牲に自分の不調を完全に治せる。 「定助…追記修正で「直す」…もう失われてしまったのかなぁ……あれは永遠に………このアニヲタwikiには……冥殿は…」 「在るかも………な………例えばネットの海のどこかのサイトには……」 「でもここには……もう…他の管理人を探せる人間は……いない」 To be Continued →Part9 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 他の項目との統一感を出す為にジョジョリオンの前に「ジョジョの奇妙な冒険 Part8」と付けない? -- 名無しさん (2014-02-02 03 15 20) この世界の吉良は本当に善人なのかわからないのが怖いな……ジョースター家だけど、この世界のジョースター家はご先祖様が漆黒の殺意とか持ってる人だし -- 名無しさん (2014-02-02 06 31 38) そこは承太郎の位置にいる人物ってのを信じたい。桜二郎の指食わせも人で遊び半分で人を傷つける事への制裁だよな? ジョルノよりエグイとは思うけど -- 名無しさん (2014-03-02 23 08 47) ↑エグイっていうかやり方が陰湿だよな・・・wぼそぼそ囁き続けてってチョコラータみたい(医者だし) -- 名無しさん (2014-03-03 00 33 42) 今までのシリーズと違って(今のところ)明確な敵が存在していないよな。これが第三部の流れなら記憶を何者かに奪われ、その何者を追いかけていくって流れになるのに。 -- 名無しさん (2014-04-21 20 26 05) やっぱり完結までSBR(24巻)並にかかるのかな?四部に比べて展開はゆっくり目だよね -- 名無しさん (2014-06-09 22 22 17) 地味にルフィとチョッパーがゲスト出演してるのな -- 名無しさん (2014-06-15 13 16 12) 同じ舞台で「日常に潜む非日常」の脅威を描いた4部と比べると、全編にわたってホラー色というか不気味な感じが強いよね -- 名無しさん (2014-06-15 13 26 23) ルフィとチョッパーいつ出たよ? -- 名無しさん (2014-06-15 18 46 59) ↑ググってみ -- 名無しさん (2014-06-15 19 17 49) なんかムシキングが始まった...w -- 名無しさん (2014-10-18 23 35 54) ↑常敏兄貴が帰ってきてから面白さの質が変わった。仗助VS露伴のチンチロリンの頃の熱さが戻ってきた感じで嬉しい -- 名無しさん (2014-10-19 01 10 42) 鳩ねーちゃんかわいいけど名前が某元首相みたいだから嫌 -- 名無しさん (2014-10-22 19 36 45) 世にも奇妙な物語見てるような気分になる不気味さ。良い意味でだけど。 -- 名無しさん (2015-12-01 11 41 49) 八部吉良は「ジョースター補正でそれなりにきれいになった吉良」って感じだな、今のところは -- 名無しさん (2016-04-05 16 05 02) 熱い展開だけど、もはやすべての覆面 -- 名無しさん (2016-04-20 10 16 45) ↑ミス 熱い展開だけど、もはや今までのすべての伏線が放棄されるじゃないか? -- 名無しさん (2016-04-20 10 17 33) 誰か「ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン」に項目名変更してくれ -- 名無しさん (2016-06-02 22 13 06) ↑してもいいけど、wiki内にあるリンク修正してくれるの?項目名変更は後始末が大変なんだよね。 -- 名無しさん (2016-06-02 22 16 15) て言うか結構「ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン」でリンク貼ってあるのも多い。変更され次第リンク修正する所存 -- 名無しさん (2016-06-02 22 26 53) 今一気読みしてるけど、月刊だからか毎回冒頭におさらいがくっついてたり、台詞が直感的&繰り返し多かったりでクドくて目が滑る漫画になっちゃったなあ。 -- 名無しさん (2016-09-02 04 17 39) セリフが回りくどいのは昔からだ、問題ない(褒め言葉) -- 名無しさん (2016-09-23 22 25 05) 岩人間のスタンドは双子以外えぐいの多いな -- 名無しさん (2016-12-31 15 06 42) ムシキング回の虫がどれもなつかしの大型昆虫なのは地味に嬉しかった -- 名無しさん (2017-06-29 08 33 59) すっかり鳩ちゃんがあの一家随一の真人間に -- 名無しさん (2018-01-08 21 50 06) 謎が多すぎる -- 名無しさん (2018-11-18 23 51 04) 敵味方やモブですら頻繁に性的な言動するので欲望に忠実感が強く、全体的な印象というか治安がマッハで悪い。黄金の精神はどこにいったんだよ…… -- 名無しさん (2019-08-09 22 27 43) ついにラスボス登場…か? -- 名無しさん (2019-09-12 15 01 20) 過去最高レベルにグダグダな展開な上に主人公の目的にも悪役にもサブキャラにも全くワクワクさせられない。 いつからこんなナマクラになったんだ・・・ -- 名無しさん (2020-01-01 11 50 34) ミステリーメインで無かった部の頃から度々矛盾や設定忘れ等があったのにミステリーメインで話作ったらそりゃグダるのも仕方ないのかなぁ・・・まあ20巻以上話が合って読者からすればそれだけ長く作る必要性があったのか、という点も気になるし -- 名無しさん (2020-01-22 12 02 46) メインキャラも含めてまともな住民が少なすぎな気がする -- 名無しさん (2020-02-06 21 25 25) 間違いなく怪作なのだが、読者含め打ち切られずにみんなついてきているのは普通に凄い。一部の一巻を延々と見せられているような気分だけど -- 名無しさん (2020-06-24 19 55 58) 記憶の男と宝石持った子供の話は回収されるのかされないのか -- 名無しさん (2020-07-13 11 37 56) 完結したら読もうと思ってたんだがコメント見てると微妙なのか・・・? -- 名無しさん (2021-01-07 13 46 49) 最近の展開は盛り上がってるし随所で面白い場面はあるんだけど、とにかく話が冗長だから忍耐が要求される。 -- 名無しさん (2021-02-20 11 56 05) 冗長だけど豆銑さん出てTG病院と全面対決になってから超面白い -- 名無しさん (2021-05-08 03 31 12) 記憶の男と赤ちゃんは例によって回収されなさそうだなぁとは思ってたけどホリーさん… -- 名無しさん (2021-08-19 18 27 58) ↑4正直惰性で買ってる層が大h…「どの部が良いか論争」はジョジョにはつきものだけど6部や7部と違って逆張りの多い〇んJやアニオタ系まとめですら「8部が一番面白い」という声はほとんどないしねえ。10年も連載してやっと完結したのに大して話題にもならないし -- 名無しさん (2021-09-28 13 19 28) 月一で読んでたら確かにしんどいし投げ出すけど、一気読みしたらマジでおもろい。ジョジョ自体が一気読みするのがいい。 -- 名無しさん (2022-06-28 09 58 18) 荒木先生自身が、漫画の指南に目標に向かって進むべきって言ってるように、ラスボス討伐とかどこかにゴールするとか荒木先生が絶対忘れないような明確な目標が、早期に必要だったんだと思う -- 名無しさん (2022-10-20 13 31 32) 家族、人間、愛、絆の物語。最も人間讃歌を体現したパートかも知れない。 -- 名無しさん (2023-01-05 03 26 20) 記憶の男と宝石の赤ん坊は結局何も触れられないまま終わったの?意味深に出てきた事がノータッチになるのはよくあることだから今更驚きはしないけど -- 名無しさん (2023-01-27 11 52 38) サブイベントの作りこみを放棄した出来損ないのオープンワールドゲームみたいだったな~。 四部と重なる内容になってるだけに余計に作者の衰えが際立つ。 -- 名無しさん (2023-03-16 07 26 28) バケツから足だけ出してた謎の人間は何だったんだろう…… -- 名無しさん (2023-04-11 21 14 28) ×2 自分は逆にサブイベはよくできていて、メインがお使いクエストの継ぎ接ぎだと思った。 -- 名無しさん (2023-05-09 08 28 49) バケツから足出してた人は桜二郎に捕まってた人 最後に東京帰りたいみたいなこと言ってるから同一人物 -- 名無しさん (2023-05-21 12 52 27) 3部と違ってホリーを助けようって気持ちにあんま同調できないのが問題な気がする。ホリーは絶対に幸せにならなきゃいけない人みたいに言われるのもイマイチ共感できないし -- 名無しさん (2023-05-23 12 06 24) ↑3 そのサブイベントだって面白かったのはせいぜいクワガタとミラグロマンぐらいだしなぁ。 思わせぶりな伏線バラまくだけバラまいて結局ほぼ使わないという読み込んだ人ほど馬鹿を見る作品。 荒木にもう長編は無理なんじゃないか。 -- 名無しさん (2023-07-06 07 12 28) なんというか…「優れた漫画作品」ということの代償として「辛すぎる現実観」を -- 名無しさん (2023-10-26 01 10 09) (送信ミス、続き) も同時に押し付けてくる、という感じ… 容赦ないけど、ジョジョの性質上しかたねえ -- 名無しさん (2023-10-26 01 13 49) 作並カレラ載ってないな あれだけ重要人物っぽく出てきて最終決戦~エンディングまで影も形も出なかったのはたまげた -- 名無しさん (2024-02-10 23 14 29) 自分も連載途中に読んだ時はなんかダレてんな〜って感じだったけどまとめて読むと格段に面白く感じた -- 名無しさん (2024-06-06 05 31 32) まとめて読むと面白いけど連載中はよく分からなかった。 -- 名無しさん (2024-07-13 16 19 27) 1部から9部(まだ序盤だけど)の中で一番好きな作品 最後に残った『想い出』はとても素敵なものだった -- 名無しさん (2024-08-14 17 25 39) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/79.html
ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第19話(外伝):不思議なあの人はエイリアン その③ 「大丈夫かしら輝夜様・・・」 輝夜に追い出された鈴仙と未起隆は扉の前の廊下で待つことにした。当然ながら未起隆は普通の状態だとテラ不審者なので鈴仙の服に化けている。 「大丈夫でしょう。輝夜様はあれでかなり聡明な方です。その【魔法の言葉】とやらもあながち間違いではないでしょう。それよりも・・・」 鈴仙の服――性格には化けている未起隆が身じろぎする。パっと見、鈴仙自身がクネクネと身じろぎしたようにしか見えない。 「ちょっとサイズが違うのですかね・・・ちょっと窮屈なのですが・・・」 「バッ!?ちょッ!?そんな訳ないでしょオ!?何を言って・・・」 「貴方が申告したサイズだとちょっと胸周りが緩くて胴回りが窮屈なんですよ。」 「そういう事を宣言すんなッ!ちょ、どこ触ってんの!!」 「正確に測るために地球の言葉で胸部、正確にはち・・・」 「そこまで正確に言わんでいいッ!つか触るなッ!!」 ここの使用人たちが見れば首を傾げざるを得ないような一人漫才(にしか見えない)をしていると、不意に扉がバタンと開いた。 驚いて扉を見ると、輝夜がぐったりした阿求に肩を貸して出てきているところだった。 「か、輝夜様っ!?まさか殴りあい・宇宙したんじゃあないでしょうねッ!?阿求さんはお体が弱いんですよッ!?妹紅さんとは違」 「勝手にどっかのニュー○イプにしないでくれる!?ただ単に貧血を起こしてるだけよ!いいから手伝って頂戴!」 重そうにしている輝夜が怒鳴る。確かに、長い間作業し続けていた影響か顔色が悪いものの、阿求の顔は穏やかだ。 「すみません・・・気が抜けたせいか体に力が入らなくて・・・」 自分達が何日もかけて出来なかった事を数分でやってのけてしまうとは、さすがは月の姫と言ったところか・・・ 鈴仙は改めて自分の上司の懐の深さに気付く事となった。まぁ、それ以外は欠点だらけのお姫様なのだが。 「輝夜様、私が代わりますよ。今は未起隆着てないんですから、普段の力はないでしょう?」 早々に疲れてしまったらしく阿求に潰されてもがいている輝夜を見て苦笑する鈴仙だった。 夜。めずらしく輝夜は自室でパソコンと向き合っていなかった。夕食を食べ終えると、ウキウキした様子で身支度を整えると竹林へ出かけていったのだ。 目的はただ一つ。殺し合いという名の喧嘩である。もう何十、何百年やったかわからないほどの恒例行事だが、輝夜はこの瞬間をなにより楽しみにしているのだった。 永琳や鈴仙、てゐ、未起隆はそれを知っているのでついていくなどと言うヤボな事はしない。 「よぉ!蓬莱ニート!人里に出てきたんだって!?自宅警備員はもう辞めたのかよ?」 「もう数年前から止めてるわよ!アンタが知らないだけでね!」 竹林に紛れていてもよく判る流れるような銀髪と赤白の服が輝夜の正面に見える。あちらからもこちらが見えているだろう、嬉しそうな声で皮肉が飛んでくる。 あちらも久々の喧嘩が楽しみなのだろう。それは、こちらも同じだった。 「この言葉もね!いい加減その鳥頭何とかしたら!?」 「ハッ!私は要らないことはすぐに忘れる性質でね!手前ェの言葉も明日にゃ忘れてるだろうよ!」 この皮肉の応酬も久々だ。自然と輝夜の精神も高ぶってくる。この高揚感があるから妹紅との喧嘩は止められないんだなぁ、と今更ながらに実感した。 それはあちらも同じなのだろう。 「ま、そろそろ始めるか!?輝夜ァアアアッ!!」 「望むところよ!妹紅ォッ!」 お互いに叫ぶと妹紅は一気に踏み込み、輝夜は手に持った蓬莱の枝を優雅に左右に振るッ! 「不死ッ【火の鳥 鳳翼天翔】ォオオ!」 妹紅の体が一瞬、弾けたかと思うと幾重にも重なった炎がまるで生きもののように蠢き、輝夜に迫りくる! だが、輝夜はそれを避けない。避けようともしない。普通なら塵一つ残らないような巨大な炎を相手にして身じろぎ一つしない! 炎が当たるか当たらないかのその瞬間。左右に振っていた蓬莱の枝を炎に向け、叫ぶ! 「神宝!【ブリリアントドラゴンバレッタ】ッ!」 枝の先の宝玉から幾重もの光がほとばしり、迫る炎を貫いたその五色の光はそのまま妹紅の半身を焼く! しかし、炎をギリギリまでひきつけたせいで輝夜自身も身体の正面が消し炭になっていた。 それでも、二人は戦うのを止めない。妹紅は焼けた半身を気にも留めずに、輝夜も己の目の無事だけを確かめ。片方は荒々しく、もう片方は優雅に夜空を舞う。 「不滅ゥ!【フェニックスの尾】ッ!」 「神宝ッ!【サラマンダーシールド】ッ!」 欠けた月を背後に二種類の真っ赤な弾幕がお互いを押しつぶさんと広がってゆく。同じ赤のはずなのだが、二人の弾幕はそれぞれ滝と壁をイメージさせる。 まるで彼女達自身をあらわしているようだった。壁を貫かんとする妹紅と滝を全て受け止めようとする輝夜。対照的なはずの二人の弾幕は混ざり合い、文字通り幻想的な文様を作り上げていた。 「ハン!相変わらずえげつない弾幕使うなァ輝夜ッ!」 「一点突破だけじゃあ芸がないって事よッ!たまには防御も考えたら!?」 「抜かしてろッ!」 お互いの体が砕け、千切れ、崩壊しているのにも関わらず笑顔で悪口の応酬を行う二人。そんな二人は、この瞬間。間違いなく【生きて】いる実感を全身で味わっていた。 永遠亭。現存する幻想卿の建物の中でも最も古い建築方法で建てられている(ように見える)建物である。しかし、その割りに古臭さは少しもなく文字通り【永遠】を感じさせる屋敷だった。 その入り口で、未起隆は自分の主が帰ってくるのを微動だにせず待っていた。 いつもならそろそろ妹紅が迷子状態になってベソをかいている輝夜を引きずってやってくるはずなのだが・・・ 「あら、未起隆。そんな所にいると風邪引くわよ?」 「あ、永琳様。私は大丈夫です。体内に風邪のウイルスを殺す菌が入っていますから。」 どこまで本当なのかわからない(少なくとも本人は割りと本気)未起隆の発現に苦笑する。永琳はそれ以上何も言わずに未起隆の隣に立ち、一緒に輝夜の帰りを待つことにした。 ふと上を見上げたら半月だった。少なくともかつては自分はあの裏側に住んでいたのだと思うと、月も感慨深いものがある。この自称宇宙人もどこかの星を眺めて自分と同じ気持ちになったりするのだろうか? 「姫様を待ってるの?」 「はい。輝夜様を見守るのが今の私の仕事ですから。」 それっきり黙りこむ二人。無言で佇む二人の間を気持ちのいい風が吹きぬけていく。普通は無言でいると気まずいものだが、そんな感じは微塵もない。寧ろ、未起隆自身が安心できるような温かみを感じられるほどだった。 一緒にいて安心できる雰囲気。そんな雰囲気を持つ永琳だからこそ輝夜も心を許し、数百年以上に渡って共に暮らしているのだろう。声にこそ出さないが、未起隆はそんな永琳が羨ましく、また尊敬していた。 【外の世界】にいる時とはまた違った感覚。相変わらず宇宙船との通信は取れないが、地球という星がこんなにまで多種多様な場所である事を知らせたいと思った。 「おぉ~い、未起隆~、永琳~」 竹林の奥から声が聞こえる。どうやら妹紅が来たようだ。となると輝夜もいるはずなのだが・・・ 「すまん、遅くなった・・・つか今日はそっちに泊めてもらって良いか・・・?」 「あら、妹紅!?どうしたの貴方!?」 永琳が驚く。本来なら不老不死である妹紅は怪我をしてもすぐに回復するはず。それなのに、全身傷だらけで同じく傷だらけの輝夜を担いで来ていたのだ。 妹紅に担がれている輝夜は、満足したとでも言わん顔で眠っていた。 「いや、スマン・・・つい喧嘩がヒートアップしてな・・・帰る時間を考えずに喧嘩したらこの有様さ。身体を回復させてから連れて帰ったんじゃあ朝になっちまうってんで・・・」 気恥ずかしそうにたはは、と笑う妹紅。そんな妹紅を見て苦笑した永琳は妹紅から輝夜を受け取り、未起隆に渡した。 「仕方ないわね。未起隆。貴方は姫様を布団にお連れして頂戴。妹紅、お風呂はどうする?」 「あー・・・絶ッ対ェ沁みるからヤだ。出来れば寝るだけがありがたいんだが・・・」 「駄目よ。布団が汚れるじゃないの。沸かしてくるから客間で待ってて頂戴。」 「うーい。」 喋りながら奥へ消えていく二人。ふと、未起隆は渡された輝夜の顔を見る。相変わらずいい笑顔だ。きっと夢の中でも妹紅と喧嘩をしているんだろう。 未起隆は輝夜を起こさないように気をつけながら永遠亭の入り口の扉を閉めた。 前へ 目次へ 次へ