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影 陽介の影 千枝の影 雪子の影 完二の影 りせの影 クマの影 美津雄の影 直斗の影 鳴上悠の影※「Persona4 the ANIMATION」に登場 シャドウラビリス※格闘ゲーム「ペルソナ4~ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ~」に登場アステリオス※格闘ゲーム「ペルソナ4~ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ~」に登場 シャドウ(主にP4新登場の種類。アルカナ順) 魔術師 アブルリー 球体に口がついたようなシャドウ。 仮面は口の反対側にある。 「アブルリー(Hablerie)」とは、フランス語で「大言壮語」の意。 女教皇 ペーシェ 魚のようなシャドウ。 巻物(経典)をほどいて作ったような胴体を持つ。 「ペーシェ(Pesce)」とは、イタリア語で「魚」の意。 余談だが、西洋占星術では、タロットの「女教皇」は「月」を象徴する。 また、タロットの「月」は「魚座」を象徴する。 壷 壷から液体状の女の上半身が出てきたような姿をしたシャドウ。 その半分の出現が雨の日限定である。 女帝 バンビーノ 頭に花の咲いた赤ん坊のような姿をしたシャドウ。 仮面は花の中央に埋もれるように存在している。 「バンビーノ(Bambino)」とは、イタリア語で「子供」の意。 大型シャドウとして、「刹那の児」がいる(色・形は「秘密のバンビーノ」と同じ)。 皇帝 キング 名前通り王様の姿をしたシャドウ。 仮面が王冠になっている。 大型シャドウとして、「矛盾の王」がいる(色・形は「ぽじてぶキング」と同じ)。 法王 ファズ 太った警官の姿をしたシャドウ。 腹に穴が空いており、その中に鍵がある。 よく見ると、口元にドーナツを咥えている。 「ファズ(Fuzz)」は、通常はフランス語で「縮れ毛」を意味するが、この場合は「警察官」を指す。 大型シャドウとして、「狭量の官」がいる(色・形は「収賄のファズ」と同じ)。 ファズの装備と制服には機動隊の出動服姿風のものなど、何種類かある。 恋愛 パピヨン 蝶の群れのような姿のシャドウ。 「恋愛」のシャドウらしく、蝶の一匹一匹がハートを二枚に折りたたんだような姿をしている。 「パピヨン(Papillon)」とは、フランス語で「蝶」の意。 戦車 パンツァー 円盤型の戦車のような姿をしたシャドウ。 最上級の「雷鳥のパンツァー」に至っては、まんまUFOである。 「パンツァー(Panzer)」とは、ドイツ語で「戦車」の意。 大型シャドウとして、「極論の器」がいる(色・形は「狼狽のパンツァー」と同じ)。 正義 巨兵 剣を持った、アニメのヒーローロボットのような姿をしたシャドウ。 右肩に「正」、左肩に「義」の文字がある(合わせて「正義」)。 大型シャドウとして、「逃避の兵」がいる(色・形は「鋼鉄の巨兵」と同じ)。 隠者 翁 時代劇で有名な、世直しをする御隠居「水戸黄門」がモデルだと思われる。 魔法攻撃をする際の声が嫌にハイテンションなのも特徴。 「公式設定画集」によると、本体を支えている2体の人形のうち、目つきが鋭い方が「助さん」、もう一方が「格さん」のイメージらしい。 大型シャドウとして、「迷いの翁」がいる(色・形は「浅薄の翁」と同じ)。 運命 ジェーン 遺伝子(DNA)のような体をしたシャドウ。 二重螺旋に手足が生えており、上に顔が浮かんでいる。 「ジェーン(Gene)」とは、英語で「遺伝子」の意。 ダイス サイコロ型のシャドウ。 剛毅 女御 着物(十二単?)を着た樹の姿をしたシャドウ。 因みに頭(?)の枝は、 招きの女御:何もない 徒花の女御:桜 惜愛の女御:紅葉 寂滅の女御:白梅 とレベルごとに咲いているものが違う。 刑死者 レキシー、デキシー、カロシー、ジュンシー 人形の姿をしたシャドウ。 レキシー デキシーは、前作P3のプロローグムービーに出てきた人形に酷似している。 レキシー→轢死 デキシー→溺死 カロシー→過労死 ジュンシー→殉死 ミノタウロス ギリシャ神話に登場する半人半牛の怪物の見た目を持つシャドウ。 天上楽土以降で出現し、壱号から肆号、および黄泉比良坂限定で中ボス・一般シャドウとしてネオミノタウロスが存在(※中ボス型はアルカナが「魔術師」)。 死神 刈り取る者 前作「ペルソナ3」でも御馴染みの敵シャドウ。 一周目には登場せず、二周目以降に登場する。 不定 霧雨兄弟 霧雨姉妹 赤い霧のような形をしたシャドウ。 「兄弟」「姉妹」に分けられているが、仮面以外の見た目は変わらない。 雨の日限定で出現する。 「霧雨姉妹の四女」→魔術師 「霧雨兄弟の四男」→女教皇 「霧雨姉妹の三女」→女帝 「霧雨兄弟の三男」→皇帝 「霧雨姉妹の次女」→法王 「霧雨兄弟の次男」→恋愛 「霧雨姉妹の長女」→戦車 「霧雨兄弟の長男」→剛毅 バザルト 岩のような姿をしたシャドウ。 名前に最初に付く言葉は、各アルカナを象徴している。 名前の由来は六方石を意味するBasaltからだろうか… 「我欲」→魔術師 「自律」→女教皇 「無為」→女帝 「肥大」→皇帝 「依存」→法王 「苦悩」→恋愛 「不遜」→戦車 「源泉」→剛毅 なお、シャドウを倒した際に落とす素材アイテムを一通りストックしておくと、霧雨兄弟・姉妹がバザルトと関連あること(変異体?)をうかがえる並びになっている。
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【名前】 ダイニングセットブラザーズ 【読み方】 だいにんぐせっとぶらざーず 【登場作品】 烈車戦隊トッキュウジャー 【登場話】 第31駅「ハイパーレッシャターミナル」第32駅「決意」 【所属】 シャドーライン 【分類】 シャドー怪人 【主】 ネロ男爵 【闇駅名】 裏返市 【モチーフ】 机、椅子 【詳細】 ネロ男爵の配下となる4兄弟のシャドー怪人。 机を模した兄の「テーブルシャドー」、椅子を模した3つ子の弟の「チェアシャドー」で構成されている。 弟は人間を椅子から立てなくする能力、兄はあらゆるものをひっくり返す能力があり、組み合わせて人間から「心の闇」を集める事ができる。 実質的な「心の闇」の収穫量が芳しくないからか、ネロ男爵も彼らの出撃を長らく渋っていた模様。 第31駅でモルク侯爵が発見したレインボーラインの拠点「ハイパーレッシャターミナル」の襲撃を目論むと陽動役を担当したネロ男爵によって「派手な暴れ方」を買われ、ネロ男爵に扇動される形で陽動として隣町に出現。 陽動は成功するも、シュバルツ将軍の奇襲と皇帝の体調の変化によりハイパーレッシャターミナルの襲撃に失敗、チェアシャドー1体が倒されてしまう。 第32駅で再度ハイパーレッシャターミナルを襲撃するべく、今度はチェアシャドー2体と共に出撃するが、トッキュウジャーの「ダイカイテンキャノン」の前に敗北、闇暴走により巨大化する。 巨大戦ではテーブルシャドーの高い防御力やコンビネーション技の巨大ちゃぶ台返しで超トッキュウオーとビルドダイオーを苦戦させるが、新たに登場したハイパーレッシャーの攻撃によりチェアシャドー1体が倒され、超トッキュウオーの「超トッキュウオーフルバーストフィニッシュ」とビルドダイオーの「ビルドダイオーバケットブレイク」でもう1体が倒され、残ったテーブルシャドーもハイパーレッシャテイオーの「ハイパーレッシャテイオージャイアントフラッシュ」の前に爆散した。 【余談】 本編においてネロ男爵の配下の最後の怪人となった。 第31駅にてレインボーラインの本拠地「ハイパーレッシャターミナル」と共にレインボーラインの総裁が登場。 更に第32駅でトッキュウジャー誕生の謎とメンバーそれぞれの本名が明かされている。
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【名前】 ダイニングセットブラザーズ 【読み方】 だいにんぐせっとぶらざーず 【登場作品】 烈車戦隊トッキュウジャー 【登場話】 第31駅「ハイパーレッシャターミナル」 【所属】 シャドーライン 【分類】 シャドー怪人 【主】 ネロ男爵 【闇駅名】 裏返市 【モチーフ】 机、椅子 【詳細】 ネロ男爵の配下となる4兄弟のシャドー怪人。 机を模した兄の「テーブルシャドー」、椅子を模した3つ子の弟の「チェアシャドー」で構成されている。 弟は人間を椅子から立てなくする能力、兄はあらゆるものをひっくり返す能力があり、組み合わせて人間から「心の闇」を集める事ができる。 実質的な「心の闇」の収穫量が芳しくないからか、ネロ男爵も彼らの出撃を長らく渋っていた模様。 第31駅でモルク侯爵が発見したレインボーラインの拠点「ハイパーレッシャターミナル」の襲撃を目論むと陽動役を担当したネロ男爵によって「派手な暴れ方」を買われ、ネロ男爵に扇動される形で陽動として隣町に出現。 陽動は成功するも、シュバルツ将軍の奇襲と皇帝の体調の変化によりハイパーレッシャターミナルの襲撃に失敗、チェアシャドー1体が倒されてしまう。 第32駅で再度ハイパーレッシャターミナルを襲撃するべく、今度はチェアシャドー2体と共に出撃するが、トッキュウジャーのダイカイテンキャノンの前に敗北、闇暴走により巨大化する。 巨大戦ではテーブルシャドーの高い防御力やコンビネーション技の巨大ちゃぶ台返しで超トッキュウオーとビルドダイオーを苦戦させるが、新たに登場したハイパーレッシャーの攻撃によりチェアシャドー1体が倒され、超トッキュウオーの超トッキュウオーフルバーストフィニッシュとビルドダイオーのビルドダイオーバケットブレイクでもう1体が倒され、残ったテーブルシャドーもハイパーレッシャテイオーの「ハイパーレッシャテイオージャイアントフラッシュ」の前に爆散した。 【余談】 本編においてネロ男爵の配下の最後の怪人となった。 第31駅にてレインボーラインの本拠地「ハイパーレッシャターミナル」と共にレインボーラインの総裁が登場。 更に第32駅でトッキュウジャー誕生の謎とメンバーそれぞれの本名が明かされている。
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【アサシンの武具・カード売買のページです】 売)デッドリーダンシング×3、ソニックブレード、アポカリプス×4、シャドースタブ×2、シャドークラッシュ×3、シャドーウンド×2、フェイタルウェーブ、クリムゾンターピュランス、サドンラッシュ、ディストレーションオブレイジ×5、クロークオブシャドー、ソニッククロス×2 値段は相談して決めましょう -- D・Lion (2009-03-29 01 09 26) 売) アポカリプスC、ディストレーションオブレイジCx2、サドンラッシュC, -- グロ (2009-03-29 13 00 48) 売)クロークオブシャドーC あります。 -- グロ (2009-03-29 13 01 36) 売)サドンラッシュ、クロークオブシャドー -- ルティ (2009-04-16 07 54 21) 名前 コメント
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ハロウィン杯(PⅢ) 10/31(ハロウィン)→11/01 ゴースト限定 大会概要 トーナメント シングルLv50フラットの3on3(見せ合い3体~6体→3体選出) ミラクルシューターなし 使用アイテム:重複しなければおk 技規制:眠り重複、最後のポケモンで滅びの歌、自爆、大爆発したら技を使った方の負け。 特性:胞子で2匹以上眠らせてしまっても反則負けにはならない。 出場可能 ゲンガー系 ムウマージ系 ヌケニン ヤミラミ ジュペッタ系 ヨノワール系 フワライド系 ミカルゲ ユキメノコ ロトム デスカーン系 ブルンゲル系 シャンデラ系 ゴルーグ系 出場禁止 テッカニン オニゴーリ FCロトム ギラティナ 柚木ティナ アンティナ アルセウス霊 変色でゴーストタイプになったカクレオン 英恵 英霊 ママン 幼女 爺 Wii 大会結果 ┏━デファッサ ┏━┛ ┃ └─ランニングデュエルアクセラレーション★┛ │ ┏━リバル └━┛ └─ファントム 決勝戦 ★デファッサ ゲンガー、フワライド、ミカルゲ☆リバル デスカーン、ゴルーグ、シャンデラデファッサはゲンガーを繰り出したリバルはデスカーンを繰り出した★ゲンガーの守る☆デスカーンのトリックルーム☆デスカーンのシャドーボール ゲンガーの襷発動★ゲンガーのシャドーボール 急所に当たった デスカーン瀕死リバルはゴルーグを繰り出した★ゲンガーの守る☆ゴルーグのシャドーパンチ 不発デファッサはゲンガーを引っ込めてフワライドを出した☆ゴルーグのシャドーパンチ フワライドは倒れた ゆうばく発動デファッサはゲンガーを出した★ゲンガーの守る☆ゴルーグのシャドーパンチ 不発 トリックルームの効果が切れる★ゲンガーのシャドーボール ゴルーグは倒れたリバルはシャンデラを繰り出した☆シャンデラのシャドーボール ゲンガーは倒れたデファッサはミカルゲを繰り出した★ミカルゲの不意打ち シャンデラ赤ゲージ☆シャンデラのシャドーボール ミカルゲ4割程残る オボン発動★ミカルゲの不意打ち シャンデラは倒れた勝者デファッサ
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誓い ◆ZqxRMEDNEs シーダ、放送でその名前が呼ばれた時。マルスはまず自分の耳を疑った。次に放送の真偽を疑った。しかし、それらの可能性を全て自身であり得ないことだと認めてしまった。 そしてマルスは少しだけシーダの為に黙祷を捧げた。本当はいますぐ駆け出して彼女の生死を確かめたい。 しかし、そうできない理由があった。だから今少しの間だけシーダの死を考えないように数秒間の黙祷を行って茂みの中に声をかけた。 「そろそろ出てきたらどうだ」 その一点を睨みつけたままそう告げる。 それに答えは返ってこない。いや、数秒間の後に茂みの中から一人の男が現れる。 「その剣を下げてほしいのサ。こんな状態で戦おうなんて思わないのサ」 足を引きずりながら両手をホールドアップの状態で。 その足の怪我はかなりの重傷なのだろう、体を一本の太い木にもたれかけさせたその姿からは戦意など感じえない。 マルスは剣をしまう。 「では、聞かせてもらえるか?何があったのかをな」 マルクは余りにもうまくいくことにより浮かぶ笑みをこらえ話をする。 話を聞いた後、マルスはため息をひとつついて言う。 「つまり、ディディ、メタナイト、ロイそしてドロッチェ。この四人に襲われたということか」 「そう、そうなのサ。あいつらは本当に恐ろしい奴らなのサ」 うっすらと涙すらも浮かべさせながら語る。その姿を見れば同情を感じ得ない者などいないだろう、それほどの演技であった。 マルスはため息をひとつつく。 「そうか、そんなことがあったのか。それは災難だったな」 マルスの声はあくまで静かだった。 マルスはマルクに同情していたがシーダの名前がマルクの口から出なかったことに喜んでいた。 それはかすかな表情であったが、マルクは感じ取ったのだろう。 「あんたナンなのさ?ぼくの仲間を侮辱するならゆるさいのサ」 「あぁ、いやそんなんじゃないんだ。ただこのゲームに自分の大切な人が参加させられてるんだ、すまなかった」 「そうだったの、こっちも悪かったのサ。良ければ名前を教えて欲しいのサ」 「あぁ、まず俺の名前は……」 その時だった、空気を震わす振動が二人の元まで届いた。それはクッパが発した叫び声だったのだが、二人にはそれが何かを認識することは出来なかった。 あまりにも異質なその音は二人にそれが一人の人物が発した声だという発想をわかせなかった。 「いったい何なのサ」 「分からないけど……」 困惑しながらも危険を感じる二人に茂みの中から新たな声がかけられる。 「貴様らに聞きたいことがある」 そこにいたのはブラックシャドー。傷ついた体でありながらその姿は以前と変わりなく、威厳を保っていた。 マルスとマルクの二人が出会う少し前、ブラックシャドーは傷の痛みに僅かに呻きながらも身を起こす。 悪の帝王としての意地とでもいうのだろうか、敗北を許すことは出来なかった。 傷は酷く痛むが我慢出来ない程ではない。もちろんこれはブラックシャドーだからではあるのだが、簡単に見積もっても腹部の骨折箇所は十では収まらないだろう。 ブラックシャドーはその強靭な意志で痛みを無視して歩き出す。 しばらく歩くと話声が聞こえてきた。もちろんブラックシャドーにそれを避けて通るなどという思考など存在しない。 そして、ブラックシャドーは特に警戒することも無くその二人組に声をかけたのだった。 「いったいお前は誰なのサ?」 突然現れたブラックシャドーに驚いたように叫ぶマルク、そのマルクを庇うようにマルスはマルクの前に立つ。 だが、ブラックシャドーにとっては二人に警戒されることなどとるに足らないことなのだろう。トーンすら変えることはない。 「そんなことはどうでも良いだろ、それよりお前だな。さっきずれてたこと言ってたのは」 マルクに向かってそう言う。その表情はまるで新しいおもちゃを見つけた子供の様な笑顔であった。 「お前なんなのサ。まさかゲームにのってるのか?」 「そのようなこと聞かなくても解るだろ。特に貴様のようなものにはな」 「いったい何が言いたいのサ」 「もう止めようぜ。お前の嘘は単純すぎるんだよ」 「嘘だって、僕が嘘なんか言うもんか」 ブラックシャドーはため息をひとつつく。 「全く……仕方ないな。じゃあ、一つずつ言ってやろうか。まず、このゲームのルール上こんな短期間に四人もの殺人鬼たちが協力することなんか有り得ない。あともしそのようなチームが有ればザックの一つも残さないさ、勿論生存者なんてもっての他だ」 このゲームのルール、すなわち最後の一人になるまで残ること。つまりはチームでの優勝狙いは確実に破綻する。 勿論これが成立する条件もある。一つ目は対等な立場ではなく、一方的に誰か一人を優勝させるためだけに組んだ場合。 そして二つ目、裏切ることを前提として前半の人数が減るまで戦う場合。しかし、どちらもそれが成立するのが早すぎる。 「元々の知り合いが四人ゲームが始まってすぐに出会うなんて偶然は有り得ないしな」 横で二人の話をマルスは黙って聞いている。いつしか剣は抜かれていた。 しかし、マルクは慌てることなどしない。マルクは一流の嘘つきであった。 「これは僕の予想だけど……あいつらは主催者達が用意したジョーカーなんじゃないかな」 マルスは何も言わない。ブラックシャドーすらも黙り、ただマルクの言葉を促す。マルクもここで疑問を挟ませる訳にはいけない。 「お互いの位置を知ることが出来ればこの狭い場所で出会うことはそれほど難しいことじゃないサ」 「なるほどな……そうかも知れないな」 「ようやく分かってくれたのサ?」 「ふざけたことをぬかすな。貴様は俺の手下にする価値もない」 ブラックシャドーは先ほどまでの態度からは想像もつかない程の速度でマルクに拳を振り下ろす。 足を怪我したマルクにかわせるはずもない。その筈なのに、その拳が振り下ろされた先には誰もいなかった。 ブラックシャドーは少し見上げる。その視線の先にいたのは先ほどまでは存在すらしていなかった翼を広げ、空中を飛ぶマルク。 「どうして分かったか、説明して欲しいサ」 「単純なことだよ、ついさっき襲われて仲間を殺された奴がそんな冷静に分析なんて出来る訳がない。お前は完璧に被害者の真似をしすぎたんだ、本当に不幸を経験した人はもっと必死に話すんだよ」 二人を分けた物は住んできた環境の差。平和な環境と常に戦いが絶えない環境、その違いがブラックシャドーにマルクの嘘を見破らせた。 「へぇ、勉強になったのサ」 「勉強になるだって、おかしなことを言うな。勉強ってのはこれからまだ可能性がある者がすることだろ」 「だったら僕以外にいないのサ」 「分かってないな。殺すぞ」 ブラックシャドーは駆け出す。空と地という違いはあるがそのようなことはブラックシャドーにとっては特記すべき事ではない。 何よりも人を騙して生き残ろうなどと考える奴が自分に勝てる訳がない。 その思いが僅かにブラックシャドーの拳の勢いを僅かに鈍らせた。まるで金属と金属がぶつかるような音、一瞬火花が見えたようにも感じた。ブラックシャドーの拳はマルスの剣によって受け止められていた。 「どういうつもりだ」 ブラックシャドーが静かにマルスに問いかける。何故マルスがマルクを庇うのかまるで理解が出来ないというふうに。 マルスはブラックシャドーを真っ直ぐに睨みつけながら話す。 「お前、今あいつを殺そうとしただろ」 「あぁ、当たり前だろ。あんな奴は生かした所で障害となるだけだ、ならば早い内に殺しておいた方が良いだろ。それとも何か、まだあいつの嘘の意味が分からないのか?」 「分かってるさ、あいつは他の人を貶めて生きようとした。あいつの嘘は新たな悲劇を生む」 マルスは剣を振り、ブラックシャドーを僅かに下がらせる。 「ならば何故だ。何故、守る」 「こんなくだらないゲームで、こんな場所でもう誰一人失いたくないからだ」 マルスはマルクが嘘をついたことに怒ってはいなかった。むしろ当然のことだと受け止めていた。 自分の身を守るためにはそれもしかたないことだと。もちろん、マルクの言った嘘は許されないことだ。あの嘘は人を貶める嘘だ、新たな戦いを産み、新たな被害者を産む嘘。自らが生き残る為ではなく、他者を蹴落とす為の嘘。 だが、マルスにはそれ以上に優先すべき事があった。数多くの大切な人を失ったからこそマルスはこれ以上誰であろうと失いたくはなかったのだ。 「貴様、そいつは障害にしかならんぞ。ゲームを打倒しようとしても、最後の一人を目指すにしてもだ」 「だとしてもだ。俺は守り抜いてみせる、全てをだ」 マルスがブラックシャドーに駆け出す。 必殺の一撃を繰り出す。 「そのようなことが可能だと思っているのかっ」 ブラックシャドーはブラスターを構え何発か放つ。ろくに狙いをつける暇すらない。そのような攻撃が当たる筈もない。 マルスは楽々それをかわし、ブラックシャドーを射程圏内に入れる。 「全く、お前は甘すぎる」 マルスが炎に包まれた。 ☆ ★ ☆ ★ マルクは冷静に戦況を見ていた。一見このままマルスに任して逃げれば良いようにも思えるが、二人には自分が嘘をついていたことを知られてしまった。 ここで確実に殺しておかなければ後々どのような不利な状況になるか分からない。 ブラックシャドーとマルスの戦力差を見比べる。ブラックシャドーは確かに強いだろうが、既に満身創痍の彼と比べて健康体のマルス。戦力差は明らかだ。 そこまで考えたところでマルスが炎に包まれた。ブラックシャドーの手には一輪の花、マルスは地面を転がり火を消す。それはさほどのダメージでは無いのだろう、地面に両手をつき勢いよく立ち上がる。 ブラックシャドーの能力を警戒しているのだろう、先ほどのように跳び出すことはしない。 「でも、それじゃ困るのサ」 マルクは背負っていたザックから一本の太い木を引き抜いた。 ★ ☆ ★ ☆ マルスは自分の背後から殺気が膨れ上がるのを感じた。 僅かな目の動きだけで後ろを確認する。そこにあったのはマルスが今まで見たことが無いものであった。 しかし、マルスの戦士の勘がそれを危険だと判断した。 急いでその場を離れる。前転の要領で体勢を低くして。 離れた所で振り返ると先ほどの攻撃が通った場所の草木が刈り取られていた。 斬撃を飛ばす攻撃、それを放った者がマルクであったこと。特に何も感じない、感じる暇すらないというのが正確か。 マルスの足元に何発かの銃弾が撃ち込まれる。それは地面に穴を穿ち煙があがる。 マルスは圧倒的に不利な状況で諦めることはしない。 ひとまず自らの背後にあった木の後ろに回る。 そこに襲いかかるマルクの斬撃。その攻撃は木を斬り飛ばしマルスの髪の毛を掠め、明後日の方向に飛んでいく。 マルスは足元に転がっていた石をマルクに向かい投げる。 牽制にもならないがマルクの攻撃は止んだ。 そちらを見てみると、ブラックシャドーの銃撃がマルクを襲っていた。 ☆ ★ ☆ ★ ブラックシャドーはマルクに銃撃をあびせるが、それは当たらなかった。 翼を大きく動かし、空に飛び上がるマルク。 さらに上空から数え切れない程の斬撃を浴びせる。 「チィッ」 ブラックシャドーはマルクに銃撃をあびせるが、それは当たらなかった。 翼を大きく動かし、空に飛び上がるマルク。 さらに上空から数え切れない程の斬撃を浴びせる。 「チィッ」 ブラックシャドーは考えていた。このままでは絶対に不利なのはこちらだ。何とかしてマルクを地面にまで引きずりおろさなくてはならないと。 だが、それは自分一人では無理なことは分かっていた。 戦力が足りない、ブラックシャドーはマルスを見て叫んだ。 「貴様、俺の手下になれ」 ★ ☆ ★ ☆ 「貴様、俺の手下になれ」 マルクはこの声を上空で聞いていた。そして、このことが自分にどのような意味を持っているのかも理解していた。 今、マルクは圧倒的に有利な状況にいた。 何故ならば空高くを飛ぶマルクにダメージを与えうるのはブラックシャドーが持つ銃しかない。 しかし、マルクは容易にマルスとブラックシャドーに攻撃をしかけることができる。 しかし、もし二人が手を組めばこの優位はなくなる。 攻撃手段を持たないマルスが防御に、銃を使えるブラックシャドーが攻撃に専念出来るからだ。 「そんなことさせないのサ」 マルクは攻撃の手を早めた。 ☆ ★ ☆ ★ マルスは頭上から降り注ぐ斬撃をやっとのことで避け続けていた。 その場から動く事すらなく、手に持った剣で打ち払い続ける。 その流麗な剣裁きは柔の剣と言われるほど。 ブラックシャドーを見ると、その斬撃の間をなんとか走り抜けたようだ。少し離れた所から応戦している。 「おい、早くこっちへ来い」 ブラックシャドーがマルスに向かって叫ぶ。手下になるなどとは一言も言っていないのだが、マルスが断る可能性など考えてもいないのだろう。その姿にマルスは確かに威厳のような物を感じた。 それは数多くの王族達を見てきたマルスにとっても今まで見たことがない程の物であった。 しかし、マルスにはマルスの誇りがある。 「僕は悪の手下になんかならない」 堂々とそう言い放った。 ★ ☆ ★ ☆ ブラックシャドーは舌打ちしたい思いだった。 マルスの考えが全く理解できない。このままでは二人とも死ぬだけだ、それ程に見ず知らずのマルクの命が大切なのか。 まるで自分自身と相容れない。磁石のように同一にして反発しあう関係、それがマルスとブラックシャドーの関係であった。 「貴様、このままでは死ぬだけだぞ」 そう言いはしたが、答えは分かっている。 「それでも構わない。僕は自分の信念を貫く」 ☆ ★ ☆ ★ マルクは笑っていた。地上で言い争う二人が異常に滑稽に見えた。 命よりも信念の方が大事などと気が狂っているとしか思えない。死ねば終わりなのだ。 何をしても生きた方が良い、マルクは何も信じていなかった。 全てが自分よりも価値の無いものだと信じ、行動していた。 現にマルクは既に自分が負けることなど想像すらしていなかった。 ただ、マルスとブラックシャドーを八つ裂きにする場面しか想像していなかった。 「そろそろ終わらせるのサ」 傷のせいか、マルクはかなり疲れを感じていた。普段は無意識の状態でしている羽ばたくという動作ですら億劫になる程に。 次の瞬間、マルクの姿が消えた。 テレポート、それを繰り返し剣での斬撃を浴びせるのがマルクの戦闘スタイルだ。マルクはこのバトルロワイアルという特殊な状況であっても自身の戦闘スタイルを忠実に再現して、なおかつ二人をより効率よく倒す方法を探っていた。 ★ ☆ ★ ☆ マルスはマルクの姿を見失った。そして吹き上がる気配、訳が分からないがそこにいるという確信を持って自分の正面を見る。 そこにマルクはいた。太い木を構え、こちらに向かってふりかぶる。マルクは優れた剣士だ、それは分かった。あの様なただの木をあそこまで自在に振れる者はそうはいないだろう。 だが、それは一般の視点から見ての事だ。マルスから見ればその剣技はまだまだ未熟な点が多い、避けられる。それは結果を見るまでもなく明らかだ。しかし、違う。マルクはマルスを見ていなかった、その視点の先にあるのはブラックシャドー。 「くそっ」 マルスは気づいた。気づいてしまった、そして気づいてしまったら避けることは出来なかった。それは自分の信念を否定することになるから。 例え、守る相手があのブラックシャドーであろうとも。マルスは足を踏みしめた。 そのマルスに荒れ狂う突風が襲いかかった。 ☆ ★ ☆ ☆ マルクによって生み出された突風はマルスを吹き飛ばした。 何か飛び道具の攻撃がくることは予想していたが、このような攻撃がくる事は予想外であった。 体勢を立て直すことすら出来ない。何かにつまづいて、背中から酷く打ち付ける。それでも突風は吹き終わらずにマルスを後退させる。 視界の端に太い木が見えた。それに急速に近付いていく。自分の手に持った剣で自分自身を傷つけないようにする事が精一杯だった。 そして衝撃がきた。 それは激しい物であったが、予想していた程ではない。一瞬息が詰まったがそれだけだった。 マルスの体はブラックシャドーによって受け止められていた。 腹の怪我が酷く痛むだろうに外見にはそれを全く出すことなくマルスの顔を正面から見る。 しばし交差する二人の視線。先に口を開いたのはブラックシャドーだった。 「おい貴様、貴様の目的は何だ。何故そのような振る舞いをする。貴様の行動は支離滅裂だ。全てを守ることが目的ならば、何故殺さない。奴は、俺はこれから人を殺すぞ。邪魔な人間は容赦なくな。答えろ、貴様はどうするんだ」 そのブラックシャドーの言葉にマルスは迷いすらなく答えた。 「だったらその時はまたお前たちを倒して、救ってやるよ」 ブラックシャドーはやはり理解できなかった。何故、そのような余計な苦労を背負うのか。 ブラックシャドーは自分以外の全ての物を自分以下の存在と確信していた。だからこそ自分の邪魔をするファルコンに怒りを感じていた。 しかし、マルスには怒りを感じなかった。その理由はブラックシャドーには分かっていた。マルスは自分に似ていた。 その目指す方向は正反対であるものの最終的には同じ。それは自分の主張を通すこと。 ブラックシャドーは他人を傷つけることでそれを成そうとし、マルスは他人を守ることでそれを成そうとしている。 ブラックシャドーは自分が笑っているのに気づいた。今まで想像すらしていなかった道であったが、この男が歩む道を見てみるのも面白いと思った。 「誓ってやろう。俺は貴様らは殺さん。その代わり、貴様も誓え。俺に協力すると」 ☆ ★ ☆ ★ マルスは曖昧な意識の中でそれを聞いていた。 その誓いに答える為、マルスは体を起こし、剣を天に掲げる。 「ブラックシャドー、確かに聞いたぞ。その誓い、ならば我も誓おう。我は汝のその誓いの為、協力を惜しまないと」 今ここで誓いがなされた。自らの主張を通す為に戦っていた二人の主張が重なった。敵はただ一人だった。 二人立ち上がり、マルクを睨みつける。戦うべき敵、二人には負ける気など全くしなかった。 ☆ ★ ☆ ★ 「まずいことになったのサ」 マルクは今の心境を一人呟く。今の状況は非常に悪い物であった。しかし、まだ勝ち目が無いという訳ではない。マルクにはまだ使っていない切り札があった。 ブラックホール、あれさえ使えば生き残る者などいない。全てを吸い込む絶対の技。 そしてあと一つ、マルクには勝算があった。 「そろそろ終わらせるのサ」 マルクは手に持った太い棒を二人に向けた。 ☆ ★ ☆ ★ 二人に襲いかかる。今までとは比べ物にならぬほどの数の斬撃。 しかし、もはや逃げない。 「みんな、見ていてくれ」 マルスはその場から一歩たりとも動かなかった。 ブラックシャドーもそうであった。まるで、襲いかかる斬撃が見えていないかのようにブラスターを撃つ。マルクは斬撃を放つのを中止して避けざるを得ない。 しかし、二人はまだ動かない。 斬撃が二人を捉える直前、マルスが動いた。 その一瞬後にはマルクが放った斬撃は全て叩き落とされていた。 マルクは正直驚いていたが、ここで動きを止めればブラックシャドーのブラスターによって身を焼かれるだけだ。翼を大きくはためかせて空を舞う。 しかし、マルクは気づいていなかった。自身の疲れが出血によるものだけではなく、主催者からかけられた制限によるものだということを。さらに主催者達は空を飛ぶという能力を警戒し、他の者たちよりも重い制限をかけていたということを。 マルクは次第に高度を保てなくなっていた。 徐々に高度を下げるマルク、それはブラックシャドーとマルスにとって初めて訪れた攻撃の機会であった。 ブラックシャドーはマルクの眼前にファイヤーフラワーを投げつける。マルクは何か把握出来ず一瞬動きを止めるが、ファイヤーフラワーは投げつけただけでは効果は殆どない。 それを手に持った棒で叩き落とそうとした時、ファイヤーフラワーが爆発した。 それを起こしたのはブラックシャドーが放ったブラスターの弾丸。それはファイヤーフラワーを貫いた。その一輪の花の中、蓄えられた炎がブラスターの一撃により爆発を起こす。 溢れる炎はマルクを焼こうと迫るが、マルクは間一髪でそれをかわす。あまりの熱気に肌がちらつく。しかし、なんとか凌いだ。そう思い、油断した一瞬。飛び上がったマルスの剣がマルクの翼を両断していた。 姿勢を制御することすら出来ずに地面に激突するマルク。口の中を切ったのだろう、血の味が広がる。 しかし、マルクはそのようなことは最早思考の外である。 頭の中に敗北の二文字がちらつく。ブラックシャドー、マルスが二人ともこちらに向かって走ってくる。 それを見て、マルクは切り札を使うことにした。 「惜しかったのサ」 ブラックホール、全てを飲み込むその技は発動した。しかし、それはマルクが考えていた規模とは全く違っていた。 一メートル程まで迫っていた二人を一瞬にして吸い込む筈だったその技はブラックシャドー、マルスの体勢を崩すほどの影響しか与えることは出来なかった。 それはマルクにかけられた制限のせいであったし、今まで与えられた数々の傷のせいでもあった。 マルクはそのことは知らなかった。しかし、マルクはそれで動きを止める様な者ではなかった。 接近してくるブラックシャドーに向けてザックから取り出したある物を構えた。 それはもう一つの勝算。絶対にあの二人は自分に勝てないと思った理由。 空気を引き裂くような音が響いた。一瞬にして30発もの弾丸が放たれ、それらは今まさにマルクに殴りかかろうとしていたブラックシャドーを吹き飛ばした。 マルクは放送が始まる前、あの惨劇の場所に一度戻っていた。もちろん目的は放置された支給品。 そこにあった物を全て回収し、放送を聞いている間に襲われないように隠れていた森の中でマルスを発見したのだった。 そしてサブマシンガンに自分が持っていた弾を込め、いざという時に備えていた。 更にはマルス達に自分が飛び兵器などを持っていないと認識させる為にわざわざ森の中で棒を一本拾ってきた。 そして、その慎重な作戦がマルクに勝利をもたらしたのだった。 「ブラックシャドー!!」 マルスの声が響く。しかし、ブラックシャドーは元々マリオの攻撃によって傷つけられた腹部をさらにサブマシンガンの弾丸によって内蔵までもグチャグチャに傷つけられていた。 最早死は避けられない。その絶望的な状況の中、ブラックシャドーだけは諦めていなかった。 崩れかけた姿勢を地面を叩きつけることで持ち直す。 そして叫んだ。肺が潰れているのだろう、声は出せなかった。だが、その叫びはただの空気の振動としてではなく、マルスそしてマルクをの心を揺さぶった。 そのままブラックシャドーはマルクを殴りつける。死にゆく者とは思えない程の力強さであった。 それはマルクの脳を揺さぶらせ、マルクを地面に転がさせる。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 いつしかマルクも叫んでいた。しかしそれはブラックシャドーとは全く違った叫び。 マルクは生まれて初めての恐怖に襲われていた。マルクはブラックシャドーに恐怖を感じていたのだ。 何故立ち上がれるのか。何故立ち向かってこれるのか。それが全く理解出来ない。 理解出来ない者には立ち向かうことは出来ない。恐怖を感じること以外何も出来ない。 ブラックシャドーは一歩ずつ近づく。 その歩みはあくまでも力強い。 まるで地面の感触を確かめるように歩く。 微かに聞こえる呼吸の音はいまだ消えぬ生を主張しているのか。マルスはその光景に圧倒され、何もすることが出来ない。 「来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 マルクは手に持った木の棒をめちゃくちゃに振り回す。 それは先ほどまでの鋭い斬撃とは違った恐怖から逃れる為だけの攻撃。 しかし、それによってブラックシャドーの攻撃が止んだ。 吹き飛ばされるブラックシャドー。一メートル程後退させられ、なんとか木にもたれかかることで姿勢を保つ。 そして、その手に持ったブラスターをマルクに向ける。 「ひぃ……」 小さく漏らすマルクの声、この距離でまさか外す事もないだろう。更にマルクは最早翼も、足も、切り札の一つであったテレポートすらも使えない。 それ程までに消耗してしまった。最早両手を動かすことしか、しかもそれ程激しく動かすことは出来ない。それがマルクに許された唯一の行為であった。 「えっ………」 涙すら浮かんだその顔で見上げたブラックシャドーの姿、それは樹木にもたれかかったその姿からは相変わらず、圧倒的な力を感じた。 しかし、何か違和感があった。まるで、迷っているように。今さら人殺しを拒むような健全な精神ではないだろうに、最後にはブラスターを下げた。 「何だかわからないけど、チャンスなのサ」 マルクは最後の力をふりしぼって剣を振るう。 それによって放たれる斬撃、マルスはそれを防ごうと走るが、それは間に合わなかった。 いや、それは正確ではない。マルスは確かに間に合った。攻撃を剣で阻む事は出来た。 しかし、それは先程までとは全く違ったことはただ一つ。マルスが持っていた剣。それは神剣ファルシオンのレプリカ。つまり、神剣に似せる為に造られた剣。確かに素晴らしい剣であったが、マルス程の剣士がその実力を発揮仕切るには少し役不足であった。 神剣ファルシオンのレプリカは根元から折られていた。 マルスはそれを確認するとブラックシャドーの方を振り向く。 そこには以前と変わらぬ姿のブラックシャドー。 良かった。心から安堵し、駆け寄るマルス。 駆け寄り、ブラックシャドーの体を揺さぶる。そして気づいてしまった。 ブラックシャドーは息をしていなかった。 更にまるで置いていた物が落ちるように、余りにも簡単にその首が地面に落ちた。 マルスの両手の中にあるブラックシャドーには既に首から上が存在していなかった。 血液がその最後の命を主張するようにマルスの両手を濡らす。 「嘘だろ……」 マルスは言葉を発する事が出来なかった。余りにも簡単に訪れたブラックシャドーの死に考えが全く追いつかなかった。 そのマルスの思考を現実に戻したのはマルクの笑い声だった。 マルスはマルクを睨みつける。しかし、マルクは最早恐怖など感じていなかった。何故なら最早ブラックシャドーは死んでいたから。 死んでしまえば何も出来ない。 「はははははは、死んじゃったのサ。何が誓いなのサ、下らないのサ」 「黙れ」 「何なのサ、僕はお前なんかもう恐くない………」 「黙れ、ブラックシャドーは誓いを守った。お前なんかにブラックシャドーを馬鹿にする価値などない」 そう、ブラックシャドーはマルクを殺すことが出来た。手に持ったブラスター、それをマルクに向かって放てば簡単に殺すことが出来た。 しかし、無意識であったとしてもブラックシャドーはそれをしなかった。 マルスは信じていた。ブラックシャドーの誇りを。 だからこそ、自分自身に強く怒りを感じていた。 何故ブラックシャドーを守ることが出来なかったのか。 そんな自分に嫌気がさすが、今一番重要なことはマルクを拘束すること。 「殺しはしない、だけど動きを拘束させてもらうぞ」 「悪いけど、それは無理なのサ」 すぐそばに置いていたサブマシンガンを手に取る。 それは最早弾薬は尽きていたのだがマルスへの牽制くらいにはなる。 そう思い、手にしたのだがマルクの『打算』はマルスの『決意』にかなう筈がなかった。 一瞬にしてマルクの右腕ごと両断されるサブマシンガン。 マルスは剣の刃の部分を両手で直接握りしめていた。当たり前のように手のひらの皮膚が裂け血が流れ出るが、そのようなことは今のマルスに意識させるに足る筈がない。 剣をつきつけ叫ぶ。 「認めろ、お前の負けだ」 マルクは考えを巡らすが、何も思いつかない。 「分かったのサ、認めるのサ」 マルスは両手を掲げて言う。 しかし、マルクは自分の負けを認めるつもりなど全くなかった。 「まぁ、それは嘘なのサ」 近くに転がっていたマルクによって放たれた固定化された斬撃。それを拾い上げ、マルスに投げつける。 それはマルクには避けられるタイミングではなかった。しかし、マルスはマルクの想像すらもはるかに超えた素晴らしい剣士だった。 考えての行為ではなかった。まるで人が熱いヤカンを触った直後に耳たぶを触れるように、脳で考える前に反射的にマルスの剣はマルクの胸を真っ直ぐ斬りつけていた。 余りの鋭さに一瞬のタイムラグがあり、噴き出す血液。 「あっ………ああああああああああああああああああ」 マルクは傷を押さえようとするが、その傷は深く。出血の量は致死量を既に越えていた。 「死にたくないのサ……」 最後にそうとだけ漏らして、マルクは息絶えた。その表情からはマルクとは出会って間もないマルスであってもマルクが抱いた無念さを感じるほどの物であった。 マルスにはそれを見続けることはできなかった。 「誰だってそうなんだよ」 最後に言い残したマルスの声は虚しく空に響いた。 マルスは後悔していた。ブラックシャドーとの誓いを守れなかったことを。 マルスは剣を放し、ブラックシャドーの遺体に向き直る。 「ブラックシャドー。ごめん……君との誓いは守れなかったよ。僕は、これからどうしたら良いのかな……」 マルスの迷い、それを解決出来る者は誰もいなかった。 言葉を返すことが出来る者すら。 [D-8/日中] 名前 マルス@ファイヤーエンブレムシリーズ 健康状態 中程度の疲労、両掌に傷、精神的疲労大、自分がこれからどうするべきか迷っています 武装 なし 所持品 神剣ファルシオン(レプリカ)の刃@星のカービィ、支給品一式 現在位置 D-8 基本行動方針 人を助けつつシーダを探す 最終行動方針 ゲームを潰す 備考 マルス、ブラックシャドーの持ち物を持っていくかどうかは次の書き手さんに任せます。 【死亡確認 マルク@星のカービィ】 【死亡確認ブラックシャドー@F―ZERO】
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/509.html
HELL ON EARTH(中編) ◆EboujAWlRA ◆ ◆ ◆ 「荷電粒子砲、光学兵器、回転式機関銃砲、マイクロ波場発生装置、そして巨大な艦体を覆うエネルギーバリアー。 さらに看板には幾つものガトリングガンが待ち構えている、か」 「そういうこった」 ハザマは宙へと浮かび上がった煉獄を睨みつけながら、湾岸部まで引き返したヴァンとクーガー、上田の話を聞く。 浮かび上がった、と言っても煉獄はそれほど宙高く空を舞い踊っているわけではない。 精々が高さ15メートル程度、ビルの四階ほどの高さだ。 とは言え、この高さが最大の浮遊距離と決まったわけではないが。 「無茶苦茶だ! 戦艦につぎ込む武装じゃない!」 「で、どうするんですかぁ? まあ、追いかけっこじゃ負けませんからじっくり考えてくださーい」 上田が叫び声を上げ、クーガーは車へと背をもたれながら揚々とした声を投げかける。 「少し借りるぞ」 ハザマはベレッタM92Fの引き金に指をかけ、躊躇いなく引き絞った。 ベレッタM92Fの銃口から一発の銃弾が煉獄へと向かって放たれる。 飛び出た弾丸は、しかし、煉獄へと到達する前にブレイズルミナスの生み出すエネルギーシールドによって煉獄に触れることすら叶わない。 「全面方位か」 輻射波動機構とブレイズルミナス、この二つの防御は強力だ。 どちらも乗り込むことはもちろん単純な物理攻撃を防ぐ鉄壁の盾だ。 しかし、この装甲とて万能魔法であるメギドならば通る。 メギドとはすなわちソドムとゴモラを滅ぼした神の炎、天罰の力だ。 どれだけ人が知恵を振り絞ろうと防ぐことは出来ない絶対の力。 故に、煉獄を破壊するすべは確かに存在する。 ただ、マイクロウェーブ装置や光学兵器、ハドロン砲が厄介だった。 「……っ」 ハザマは考える。 仮面ライダーナイトは空を飛べるが、先ほどのように簡単に侵入を許すわけがない。 空を飛ぶ方法も全くないわけではないが、その間の防御が手薄となる。 かと言ってただ眺めているだけではジリ貧だ。 先ほどのハドロン砲はシャドームーンによって防いだが、シャドームーンは手負いなのだ。 極大の損傷を受けているシャドームーンが倒れれば、煉獄の撃破もとより会場からの脱出すら不可能となってしまう。 「問題はない」 そんなハザマの思考を遮るように、シャドームーンは低い声で発する。 神の力を手に入れた魔人皇ですら、心が底冷えするような声だった。 「荷電粒子砲、光学兵器、あらゆる装甲……全て、この次期創世王の前では問題とならん」 そう言うと、シャドームーンは踵を返してバトルホッパーに跨る。 バッタを模したスーパーマシーンは王の騎乗に応えるようにして複眼型のライトを数度だけ点滅させる。 ハザマはシャドームーンの意図が読めず、困惑するしかなかった。 シャドームーンが満身創痍であることは間違いない。 仮面ライダー龍騎・正義武装との死斗に間を置かずに薔薇水晶との戦闘。 月の石の力を利用した修復の時間もなかったのだ。 シャドービームとて無制限に連発できるものではないはずだ。 「道を作れ」 困惑するハザマを無視するようにシャドービームを放つ。 ただし、煉獄へ向けてではなくその煉獄の下に広がる海水へと向けて、だ。 海水は衝撃を受けて大きく水柱をつくり上げた。 その瞬間、ハザマはシャドームーンの意図を理解した。 狂気の沙汰、だがシャドームーンの複眼はハザマを射抜いている。 躊躇は一瞬だった。 「マハブフダイン!」 海が凍りついていく。 ちょうど坂を作るようにして出来上がった氷の道。 その道を確認した後にシャドームーンはバトルホッパーを発進させた。 ちょうど、煉獄の船首を突き刺すような氷の道へと向けてバトルホッパーは走りだす。 「ま、待て! 確かに道……といえば道だが、あの空中戦艦には届かないぞ!」 上田は何度目かになる叫び声を上げる。 その言葉通り、氷の道は確かに天へと伸びるように続いているが煉獄の船首には届かない。 このままバトルホッパーで進んでも途中で海へと落ちるだけだ。 いや、まず氷の上をバトルホッパーを走れるのだろうか。 「……走れるのだろうな」 ハザマは舌打ちをしながらバトルホッパーに跨ったシャドームーンを眺める。 あのマシンはただのバイクではない。 やがて全宇宙を支配するとまで言われる創世王の騎馬となるバイクだ。 不可思議な力を用いてそのタイヤを変質させることも可能だろう。 その証拠に、シャドーチャージャーから溢れ出る緑光がバトルホッパーの両輪を包んでいく。 光りに包まれたバトルホッパーのタイヤは、普通ならば進めるはずのない氷の道をなんの問題もなく進んでいった。 「……クーガー、クルーザーを出せ! 上田はここに残っているんだ……少し危険だ。 それと、ヴァン!」 「あいよ」 ハザマは瞬時にこれからの戦略を組み立てる。 シャドームーンが走りだした以上、それに続くしかない。 自惚れか確信かは判断がつかないが、シャドームーンなりに何らかの思惑があっての行動だ。 「フラムを貸せ」 ならば、それに乗じるしかない。 幸いというべきか、シャドームーンのおおよその狙いは想像がついた。 ただ、その行動が本当に可能なのか――――ハザマには、はなはだ疑問ではあったが。 「ほれ」 「お前は機を見て空から煉獄に侵入しろ、経路は私とシャドームーンが作る……ただ、無理はしなくていい。 確信が持てるまでは上田を護衛してくれ」 フラムを受け取ると同時に、ハザマは最大最出力の氷結魔法で海面を凍らせる。 そして、クーガーのRGSクルーザーへと乗り込んだ。 クーガーのアルター能力で作られたRGSクルーザーは、クーガーの意思に応じてどこにでも扉や窓を作ることが出来る。 「クーガー、クルーザーを出せ!」 「了解いたしましたァァァ! さァァァ行くぞォォォォォォ!」 クルーザーが走りだした瞬間、煉獄の4銃身4mm回転式機関砲が火を噴く。 しかし、クーガーのRGSクルーザーは銃弾の雨を巧みに回避する。 それに調子を良くしたのか、クーガー自慢の舌が回り始めた。 速さの中にある瞬間こそ、この男は輝きを放ち始めるのだ。 「この世の理はすなわち速さだとは思いませんか!? 本来ならば通るたびに破壊されていく氷の道も俺の速さならば消滅してしまう前に走り続けることが出来る! そう、俺が破壊するのは氷ではなく必要とする時間なんですよカザマさぁぁぁぁん!」 「私はカザマではなくハザマだ……アギ」 ハザマはクーガーの話を聞きながら、RGSクルーザーの窓を開く。 今も変わらず4銃身4mm回転式機関砲がRGSクルーザーを襲うが、その銃弾が被弾することはない。 ハザマは窓からフラムをなるべく遠方へと投げつけ、海水へと着水する前にフラムにアギをぶつけて爆発を起こさせた。 そして、爆発によって水柱が生まれる。 「マハブフダイン!」 ハザマはフラムの爆発で生み出した水柱にマハブフダインを直撃させて急激な坂を作り上げた。 バトルホッパーの走る氷の坂と同じく煉獄へと向かう道だ。 クーガーの運転するモンスターマシンへと向かって煉獄の4銃身4mm回転式機関砲と輻射波動機構が放つ輻射波動砲弾が襲いかかる。 その光景をシャドームーンは眺めていた。 「……無意味なことを」 シャドームーンはハザマの意図を理解しながら、それを無意味だと切り捨てた。 煉獄は強大だ、おおよそ人の叡智の詰まった最大の戦艦。 ハドロン砲。 4銃身4mm回転式機関砲。 ユグドラシルドライブ。 GER流体制御システム。 輻射波動機構。 レーザー砲。 ブレイズルミナス。 水中魚雷。 フロートユニット。 全自動迎撃機能。 ――――全て、シャドームーン一人で事足りる相手なのだ。 「このサタンサーベルが方舟を切り裂く……!」 シャドームーンは左手にサタンサーベルを所持しているためにバトルホッパーのハンドルを握っていない。 しかし、王の愛馬として生み出されたバトルホッパーはキングストーン所持者の意のままに動く。 まかり間違っても王を振り落とす不敬を働くわけがないのだ。 バトルホッパーに跨ったシャドームーンの眼前にそびえるハドロン砲と向かい合う。 左手に持ったサタンサーベルを振り上げる。 「無駄だ……貴様の正体が単なる粒子の塊だというのならば、この世の覇者である世紀王の敵ではない」 ハドロン砲の巨大な砲口がシャドームーンの眼前で唸りを上げる。 巨大な質量の塊がストレイト・クーガーと比類するスピードで撃ち出されるその瞬間。 シャドームーンは自身の丹田に備えられたシャドーチャージャーへと、サタンサーベルを握った左手をかざす。 「シャドーフラッシュ!」 シャドーチャージャーからシャドームーンの姿を包み隠すほどの翠緑の光が発せられる。 翠緑で彩られた光の壁にハドロン砲が激突する。 光の壁はあくまで光だ、そこに物理的な存在を遮る障害は存在しない。 しかし、シャドーフラッシュはただの光でもない。 この世のどんな光とも似つかぬ王の光。 その光によって重力場が、磁場が、世界を構築する全ての数値が変化する。 シャドームーンの周囲一体に『異次元』が構築されたのだ。 「バカな……こんなことが……!」 上田が何度目にもなる呆然とした言葉を漏らす。 シャドーフラッシュを浴びて、ハドロン砲の軌道がぐにゃりと歪む。 地上から飛び立とうとする影の月から目をそらし、天に聳える真実の月へと逃げ去った。 「化け物め……」 RGSクルーザーの中からハザマが忌々しく呟く。 ハドロン砲は覇王の威光を前に、奴隷のごとくひれ伏した。 ハドロン砲が真なる月よりも、偽りの月を恐れた瞬間を確かにハザマは目にしたのだ。 「よし……クーガー、その道を昇るんだ」 ハザマの言葉とともに、クーガーは氷の坂へと向かってRGSクルーザーを走らせる。 そして、氷の坂へとたどり着いた瞬間、RGSクルーザーの船底が再構成される。 そこに生まれたものはタイヤだ。 ラディカルグッドスピードによってスーパーカーすら凌駕するモンスターマシンと化したRGSクルーザー。 その車体は氷の道をガリガリと削りながら疾走していく。 単なる車ではこの氷の坂をまともに走ることは出来ない。 しかし、アルター能力であるラディカル・グッドスピードによって生み出されたこのモンスターマシンは『普通』という概念から最も遠いマシンだ。 四つのタイヤは特殊な材質で構成されスパイクの仕込まれた四つのタイヤと車の底に備えつけられたブースターがブレーキングとコーナリング可能とさせる。 ラディカル・グッドスピードに再構成されたRGSクルーザーは氷の坂を駆け登る。 「カザマさぁん! 俺はね、こう思ってるんですよ! どいつもこいつも車を選ぶにあたって燃費や価格ってやつにばかり目が行って単純なスピードというものを蔑ろにしている、と! 確かに一般人が150kmも200kmも出す必要はないのだから仕方がないとも言えるでしょう! だがしかぁぁし! それでもスピードというものは出せれば出せるほどいいんですよ! なぜなら車は速く走るための道具だから、でぇぇぇぇぇす!」 「お、おい! クーガー、そこまで行かなくていい! メギドが当たる距離まで近づけばいいだけで……それと私はハザマだ!」 ある程度まで近寄れば後は海へとダイブすればいい。 このRGSクルーザーならば着水の衝撃をほぼ0に出来る。 しかし、行き過ぎた。 RGSクルーザーは、いや、ストレイト・クーガーは止まるという言葉を忘れてしまったかのように氷の坂を走り続ける。 「大は小を兼ねるのか!? 速さは質量に勝てないのか!? いやいやそんなことはない! 速さを一点に集中させてぶつかればどんな非常識な盾であろうと砕け散るゥゥゥゥッ! ハッハッハッ、ハァァァァァァ!!!!」 クーガーの言葉通りスピードは同時にパワーとなるが、今回の場合は別だ。 このスピードではブレイズルミナスを打ち破ることは出来ない。 障壁にぶつかったRGSクルーザーはその運動エネルギーの行き場を失い、自身の身体を崩壊させるだろう。 RGSクルーザーが氷の坂から飛び立ち、その巨大な機体が宙を舞う。 「……ッ! フロントを外せ、クーガー!」 「はいぃ!?」 ハザマの言葉にクーガーは間の抜けた声を漏らすが、しかし素早くフロントボディを再分解する。 フロントが見開きの車体となったRGSクルーザーとブレイズルミナスのエネルギーシールドが激突しようとする。 その瞬間を見計らったように、ハザマはベレッタM92Fの引き金を絞った。 銃口から飛び出した銃弾が煉獄へと到達する直前でブレイズルミナスが阻む。 そのエネルギーで作られた壁の姿を視認すると、ハザマは手を伸ばす。 魔人皇ハザマイデオの乗るRGSクルーザーの背後に時の神の姿が映し出された。 白い法衣と同色の王冠、そしてその顔色はすべてを飲み込むような漆黒の皮膚。 ハザマイデオが取り込んで生まれた、この姿こそが真の『魔神皇』の姿なのだ。 時の神は天を仰ぐように空を眺め、両手を翳した神から力の波が放流される。 神ならざる身でありながらも神の力を手に入れたハザマならば扱える天の炎。 ブレイズルミナスのエネルギーシールドを歪めるように強大な力の塊が渦巻き始める。 超常の存在である悪魔ですらも力を理解できる者が限られる神の御業。 光すらも含む、『万』物が『能』うことのできない力。 すなわち『万能』の力。 「メ」 エネルギーの集合体であるブレイズルミナスのシールドもまた万物のうちの一。 「ギ」 ハザマの身体から放流される力の集合体、それは何物であろうと防ぐことも耐えることも出来ない真なる神の力だ。 「ド」 『そこに存在する全て』を砕く力が空間を捻じ曲げていく。 「ラ」 故に、ありとあらゆる衝撃を拒絶するはずの煉獄の壁は。 「――――オン!」 断罪の光の前に容易く打ち消された。 「……ッ」 しかし、ハザマは力が身体から抜け出す虚脱感に膝を折る。 ラプラスの魔という魔物を取り込んだ主催から科せられた枷は神の力を持ったハザマを蝕んでいる。 その状態で最大の魔法を放てば、当たり前のように然るべき反動を受ける。 とは言え、その成果は絶大だ。 煉獄を覆っていたブレイズルミナスのエネルギーシールドの半分が砕け散っていた。 RGSクルーザーがその穴へと飛び込んでいく。 「ラディカル・グッドスピィード脚部限定ィ!」 ブレイズルミナスのシールドを打ち破った事実と、ハザマの異変を理解したクーガーの行動は素早かった。 クーガーはラディカル・グッドスピード脚部限定を発動させ、フロントを足場にして大きく跳躍して煉獄へと飛び移る。 その際に疲労の激しいハザマの身体を抱え込むことも忘れない。 そして、RGSクルーザーは船体から離れたクーガーとハザマを尻目に煉獄へと突き進む。 RGSクルーザー自身が弓矢となり、煉獄と激突。 衝撃に耐え切れずにエンジンが崩壊し、燃料と引火して巨大な爆炎を巻き上げた。 「ンゥゥゥ……ドラマティーック……エスセティーック……ファンタスティーック、ラーンディーングー……!」 ラディカル・グッドスピードの力によって甲板上へとたどり着いたクーガーは肩で息をするハザマをゆっくりと地面へと座り込ませようとする。 しかし、無数の銃口がクーガーたちへと向けて口を開けている姿に気づき、直ぐ様にハザマを抱え直す。 止まったクーガーへと向かって回転式機関砲が火を噴く。 龍が放つ火の息吹じみた周囲に火薬の匂いが立ち込める。 「おぉっと……激しいお出迎えじゃねえか」 だが、そんな速さではストレイト・クーガーを捕らえることは出来ない。 ストレイト・クーガーは一つ一つ、その装甲が施された脚部で回転式機関砲を破壊していく。 だが、一つの回転式機関砲を破壊した瞬間に生まれる隙を残った複数の回転式機関砲は逃さない。 「テトラカーン……!」 しかし、その隙はクーガーが一人だけだった場合に生まれる隙だ。 魔人皇ハザマイデオが反射魔法を唱えることで、逆に攻撃の機会へと変化する。 ストレイト・クーガーとハザマイデオが着実に煉獄の甲板を破壊していく。 そんな中、船首の方角でブレイズルミナスに罅が入り、魔王の声が響き渡る。 「容易い……所詮、この程度か!」 時はほんの少しだけ遡る。 シャドームーンはハザマの放ったメギドラオンを目視すると、バトルホッパーの鞍に立ち上がる。 氷の坂を駆け登るバトルホッパーは、しかしそれでもシャドームーンを振り落とすことはない。 やがて、その坂が途絶えようとしている。 しかし、バトルホッパーはスピードを落とそうとはしない。 そのまま断崖への道を駆け出し、断崖の数メートル前までたどり着いた瞬間だった。 閃光のような素早さでシャドームーンはバトルホッパーの鞍を蹴りつけて天空へと向かった飛び出す。 そして、バトルホッパーはシャドームーンのジャンプの衝撃で氷の坂に後輪をえぐり込ませ、強引にストップをかける。 氷の道が終わる数十センチ手前で止まったバトルホッパーはくるりと踵を返し、坂を下っていく。 一方でシャドームーンは宙を舞う。 無数の星と巨大な月が照りつける夜空の中、その全ての光をかき消すようにシャドーチャージャーから光が放たれる。 シャドーチャージャーから放たれた翠緑の光がボロボロのシャドームーンの装甲に纏い始めた。 「シャドーキック!!」 キングストーンの力がそのまま蹴り足へと伝わっていく。 ブレイズルミナスの障壁とシャドームーンの両足が激突し、周囲に火花が走る。 しかし、損傷したシャドーチャージャーから力を引き出し過ぎたためか。 シャドームーンの放ったシャドーキックは、普段のシャドーキックを大きく下回る威力だった。 シャドーキックはブレイズルミナスを破壊できず、シャドームーンは煉獄甲板に乗り込むことなく再び宙に舞うこととなった。 シャドーキックとブレイズルミナスの対決はブレイズルミナスに軍配が上がった。 ――――かに見えた。 「バトルホッパー!」 シャドームーンは宙を舞いながら大きく叫ぶ。 王者の輝石、キングストーンが埋め込まれたシャドーチャージャーが月夜のもとに妖しく光る。 マハブフダインにより氷の道と化した海をバトルホッパーが再び駆け出す。 今度は途中で止まることなく、断崖目指して突き進み大きく飛び出した。 月を背にしてシャドームーンが空を舞う。 そして、シャドームーンはバトルホッパーの回転する前輪へと脚を掛ける。 ぐっと膝を大きく折ると、シルバーガードに隠された強化筋肉・フィルブローンが膨れ上がり始める。 シャドームーンはその膨れ上がった筋肉を爆発させ、バトルホッパーを大きく蹴り返す。 バトルホッパーは乱暴に押し戻されて氷の上へとバウンドするように着地し、そのまま氷の坂を滑り落ちていく。 そんなバトルホッパーには目もくれず、シャドームーンは月の光を浴びながらシャドーチャージャーから再び光を放つ。 「シャドーキック!」 シャドー反転キック。 その勢いのまま、再びブレイズルミナスのシールドへとシャドーキックを放った。 キングストーンの力だけでは足りなかった威力がバトルホッパーの推進力で補うのだ。 ブレイズルミナスのエネルギーシールドに罅が入る。 その罅割れをシャドームーンが認識した瞬間、シャドーチャージャーから放たれる光が増し始める。 シャドームーンが翠緑の光りに包まれ、シャドーキックの破壊力が増していく。 光が増すごとにブレイズルミナスが悲鳴を上げる。 ブレイズルミナスの表面がパズルピースの集合体のようにひび割れていき、ついにはその鉄壁の壁が崩れ落ちた。 「所詮、人の盾……相手になどならん!」 シャドームーンはそのまま煉獄の甲板へと降り立った。 そして、降り立つと同時に360度全方面に向かってシャドービームを放つ。 現れる回転式機関砲を破壊する。 だが、撃ち漏らした回転式機関砲がひとつだけ存在した。 ちょうどシャドームーンの背後に現れた回転式機関砲だ。 ―― FINAL VENT ―― シャドームーンに続くようにヴァンが空中から煉獄へと潜入する。 仮面ライダーナイトのファイナルベント、飛翔斬を用いた大胆な潜入方法だ。 ファイナルベントのカードによって身につけたマントが身体に巻き付き、ヴァン自体が一本の槍へと変化する。 そして、煉獄へと向かってその槍を突き刺した。 この攻撃こそが仮面ライダーナイトの必殺技、飛翔斬だ。 「……」 「余計な真似を……恩でも売ったつもりか?」 「うるせえ」 ヴァンは明確な敵意をシャドームーンに向けつつも、しかし、煉獄の甲板を歩きまわる。 シャドームーンもヴァンの敵意を確かに認識していたが、無視するように突き進む。 煉獄の内部が四人の戦士によって破壊されていく。 「……」 ヴァンは月光を照り返すシャドームーンの鎧を眺めながら、手の中に残ったエアドロップを握りしめた。 エアロドップの感触がペリドットの髪をした女の顔を連想させる。 なぜ連想してしまうのかはヴァン自身はわかっていない、無意識のものだった。 ただ、大事なものは連想されるビジョンだ。 その女――C.C.の顔がゆっくりと血に染まっていく。 やがて、C.C.の顔は別の女の顔へと変わっていく。 雪代巴の顔だった。 この女もまた血に染まっている。 そして、ヴァンにトドメを刺すように、雪代巴がエレナへと変わる。 当然のように白いウェディングドレスが血に染まっていた。 C.C.、雪代巴、エレナ。 三人の女が血の海に沈んでいる。 いや、三人だけではない。 そこにはやはり血に染まった雪代縁と――――南光太郎の姿もあった。 そこに立つのは、やはり血に染まったヴァンだけだ。 血に染まっても、ヴァンはまだ生きていた。 「……ったく」 ヴァンのシャドームーンへの消えない敵意は、南光太郎への哀れみも関係しているのだろうか。 それはヴァン自身すら分かっていない。 彼の単純な精神性とは裏腹に、現在の状況は複雑すぎた。 姉の死を忘れられなかった雪代縁の記憶、伸ばした手が親友へと届かなかった南光太郎の過去、笑みを浮かべて死んでいったC.C.。 光景は把握できても、その心情を理解することはできなかった。 ただ、はっきりしていることは一つ。 南光太郎の届かなかった手が、血に染まった花嫁へと伸ばした花婿――ヴァン自身の手を連想させたのは事実だ。 秋月信彦という青年を奪ったシャドームーンという魔王を、どうしても許せなかったのかもしれない。 いずれにせよ、いつかは決着を付けなければいけない。 それが今でなくても、いつかは必ず。 「ヴァン、お前も来たのか!」 「じゃあ、上田先生は地上に一人ってことか……さっさと終わらせますかね」 そんなヴァンへとハザマとクーガーが駆け寄る。 空中を浮かぶ煉獄の甲板に乗り込んだ四人。 その四人の中でシャドームーンだけが一人、会話に加わらずに破壊行動を続けていた。 「しかし、ド派手な真似ですねぇ」 シャドームーンがやたらめったらに煉獄の甲板へとシャドービームを放っていく。 内側からの攻撃では輻射波動機構によって無効化することもできない。 煉獄の操縦室を、機関室を、全てを破壊していく。 ヴァンやクーガー、ハザマが居ることも構わず、いや、自分自身の安全すら無視するかのような破壊行動だった。 人間の作り上げた方舟が王である自身の頭上を跨ぐ。 その事実に対する怒りの感情もあるのだろう。 破壊行動には一片の悔いも見受けることが出来なかった。 「くっ……脱出するぞ! ヴァン!」 ハザマはシャドームーンの容赦の無い攻撃に、唯一空を飛べるヴァンへと駆け寄る。 このままではシャドームーンのシャドービームへと被弾してしまう。 シャドームーン自身に害意はないというのにシャドームーンの攻撃を受けてしまう、これほど馬鹿らしいことはない。 「へいよ」 ヴァンはシャドームーンを尻目にダークウイングが変形したマントを広げて天高く舞い上がる。 その際、脇に抱えるようにしてハザマとクーガーを抱きかかえる事も忘れない。 煉獄からの追撃はなかった。 船内ではシャドームーンのシャドービームが内側から破壊していた。 「落下しながらでも壊してやがる……」 やがて、シャドームーンがフロート機能も破壊する。 大地の持つ強大な力である重力を無視して宙を泳いでいた煉獄が、大地へと引き摺られる。 ゆっくりと、空気の塊を押し出すようにして落下する煉獄。 機関室だろうか、船腹部から凄まじい爆発音が響き渡った。 爆発によってバランスを崩した煉獄は船尾を下にして落下する。 「ッ!」 その中で、船首から銀燭の光が閃いた。 光学兵器かとヴァンは身構えるが、その正体は光も捻じ曲げる王の姿。 隻腕のシャドームーンが煉獄から飛びだった姿だったのだ。 トドメの一撃とばかりにシャドービームが一撃、煉獄へと放たれた。 そして、王の帰還を待ちわびるようにバトルホッパーが氷の坂を駆け上る。 坂の頂上まで登りつめたバトルホッパーの鞍へとシャドームーンが着地。 これで全員が煉獄から離脱した結果となる。 「……」 ハザマはヴァンの腕の中で落ちる煉獄の姿を眺めていた。 煉獄が、沈んでいく。 主催者が明確にハザマたちバトルロワイアルの参加者に牙を向いた、その象徴である煉獄が沈んでいっているのだ。 「時間だな」 ヴァンはハザマとクーガーを乱暴に降ろすと、仮面ライダーナイトへの変身を解除する。 黒いバトルスーツは霧状に霧散していく。 ファイナルベントを使用したことによって、これで向こう二時間は変身が不能となる。 しかし、戦力がダウンした要因はヴァンのナイトへの二時間の変身不能だけではない。 シャドームーンは相変わらずの猛威を振るったが、破損したシャドーチャージャーで無理矢理にキングストーンの力を引き出せば当然反動が生まれる。 ただでさえ仮面ライダー龍騎・正義武装との死闘で右腕を失い、シルバーガードは本来のそれとはかけ離れた穴あきの鎧となったのだ。 シャドームーンも着実に限界を迎えようとしている。 同時に、ハザマもまた制限によってその力を縛られている。 そこから無理矢理に魔法を絞り続けることは危険だ。 煉獄をなんなく落としたように見えてその実は非情に綱渡りの行動だった。 「ここからだな」 「あん?」 「ここから、本当の戦いが始まる」 ヴァンによって地面に降ろされてから、ハザマは小さくつぶやいた。 それでも、陥落させた煉獄は狼煙となった。 この会場に居るハザマたち八人は、主催側が用意していた道筋とはいえ、バトルロワイアルを放棄したことを明確に証明したのだ。 この瞬間、ハザマ達の戦いの舞台は六十五人の殺し合いという惨劇から反逆の革命へと姿を変える。 その最初の戦闘はまずハザマたちに軍配が上がった。 首輪を外す上で必要となる研究所を守りきったのだから。 「で、どうするんですか?」 「そうだな、追撃の可能性を考えるとここから離れることは……待て、上田はどこだ?」 上田がハザマ達の姿を確認したら喜び勇んで出てくるだろうと考えていたハザマは、未だに姿を見せない上田に怪訝に眉をひそめると同時に悪寒が背中を走る。 恵まれた巨体を縮こませて隠れているだけならば良い。 しかし、ハザマ、ヴァン、シャドームーン、クーガーたちが離れている隙に上田を殺されていたのだとすれば不味い。 「くそっ!」 ハザマは一も二もなく駆け出す。 ここで死人が出たとすれば士気に関わるのは当然として、ハザマ自身がそれが許せなかった。 手には今も竜宮レナの重みが残っている。 生命が失う姿を確かに覚えている。 「ン、アイツは……」 その中でヴァンが疲労に塗れた声で呟く。 多くの戦闘と隻眼となったことで不自由で不慣れな視界により大きな疲労がヴァンを襲っている。 ヴァンはそんな状態でも獣じみた五感により一つの影を目ざとく発見した。 その影は煉獄の内部に存在していた巫女服の少女だ。 「……悪魔、か?」 ハザマはその少女から悪魔と同じ気配を感じた、髪飾りにも見える角はアクセサリー等ではなく確かな角だ。 この角は皮膚が硬質化して生まれた、少女の身体の一部分だ。 そして、妖気とも呼ぶべき奇妙な威圧感が少女から溢れ出ている。 『……』 少女の視線からは敵意は感じない。 だがしかし、悪魔とは人智を逸した存在である。 楽しみながら人を殺せば、邪鬼のない笑顔で人を騙す存在だ。 「ならば、アギラ――――」 そうなると、先手必勝。 この場に悪魔らしき存在が居るとすれば、V.V.の手先である可能性は高い。 ハザマが単体中級火炎魔法であるアギラオを威嚇射撃のように放とうとしたその瞬間だった。 『竜宮レナ』 「ッ!?」 少女の口から、一人の少女の名前が漏れる。 ハザマは動揺して動きを止める。 神の力を持ちつつも人の心のままであるハザマイデオにとって、その名前は心を揺さぶるには十分すぎる言葉だった。 『……助けて、レナの友達』 そのハザマを眺めながら少女は言葉を続けた。 敵意はない、ハザマはそう確信する。 少女の目はハザマと同じだ。 ハザマと同じ、人間の感情を持った悲しい目だ。 『貴方と同じレナの友達を、梨花を助けてください』 「待て、お前はいったい……!」 ハザマは少女を呼び止めるが、少女は水晶の中へと消えていく。 薔薇水晶の能力である世界を渡る力だ。 少女が何者なのか、それは今のハザマでは理解できない。 しかし、竜宮レナと関わりのある人物の可能性は高い。 囚われた、あるいは利用されている人物。 そう考えるのが妥当だろう。 「Hey! Hey you!」 そんな中で野太い声が響き渡る。 先ほどの少女のか細い声の記憶すらも上書きするような、無駄に精気の溢れた声だった。 「ユーたち! ひどいじゃないか、この私を置いて行くなんて! その上、銃も持っていく! この私でなく一般ピーポーがこんな状況に置かれたら恐怖のあまり失神していたところだぞ!」 「……上田か。銃ならばもう一つあっただろうが」 「上田『か』!? 上田『か』と言ったのか!? さすがの防弾ガラスじみた強靭な私のハートでもちょっと挫けてしまうぞ!」 「いやぁ、上田先生。ご無事で何よりです」 「君だけだよクーガーくん……やはり文化人を自称するだけのことはある」 その声の先には巨体を揺るがしながら駆け寄る上田の姿があった。 ハザマはどこかで安心しながらも、気の抜けたような気持ちになった。 そのため、素っ気ない返事となったハザマの言葉に大げさに叫び声を上げた上田に対してクーガーが対応を引き取る。 クーガーの言葉に気を良くした上田はクーガーとの会話に熱中する。 巨大戦艦・煉獄を落としたという高揚感から感情が昂ぶっているのだろう。 「梨花……レナの、友達……」 その横でハザマは確かめるように小さく呟く。 ハザマの心に謎が生まれたが、同時に決意も生まれた。 レナの友人と会いたい。 そこから何かが生まれるかもしれないのだから。 完全に、心を人へと戻すための大事なものを。 「戻ったぞ」 「……シャドームーンか」 シャドームーンがゆっくりと歩み寄ってくる。 ボロボロの肉体と色の鈍くなったシャドーチャージャーは全盛のシャドームーンとは程遠いが、しかし、その威圧感は消えない。 先ほどの煉獄はシャドームーンを無くしての打倒は難しかったが、同時にシャドームーンこそがハザマたちの最大の障壁であることを思い知らされた。 「よぉ」 「なんだ」 「別に用ってわけじゃねえよ」 そのシャドームーンへとヴァンが簡単な声をかける。 シャドームーンはヴァンの言葉を無視してドサリと勢い良く座り込む。 確かにシャドームーンの身体にも大きな反動が生まれていたのだ。 「……」 「先走るなよ、ヴァン」 今なら殺せるんじゃないのか。 そんなヴァンの考えを見ぬいたようにハザマはストップをかける。 それはもちろんシャドームーンの力を理解しているための静止ではある。 いくら満身創痍とは言え、シャドームーンとまともにぶつかればただでは済まない。 下手をすれば返り討ちをあって全滅の恐れすらある。 「今はV.V.を倒す。それが優先事項だ」 「わかってるっての……」 しかし、何よりもこの殺し合いの会場から抜け出すためにもシャドームーンは必要不可欠な人材だ。 ここでシャドームーンが剣を振るっても、ハザマは簡単にシャドームーンを殺すことが出来ないのだ。 シャドームーンを失うことは絶対にできないのだ。 「で、もう一度聞きますが、これからどうします?」 「……今考えている」 クーガーの言葉にハザマは思考を巡らせる。 脱出のことだけを考えたならばこの研究所に留まるべきだ。 いつ研究所を破壊しようと追撃が来るかわからない。 何よりもハザマもシャドームーンもヴァンも、そして表立って態度に出さないが、クーガーも疲労が溜まりきっている。 先に研究所の中で首輪を外してジェレミアと北岡、つかさを待つ。 ベストではないかもしれないがベターの選択ではあるはずだ。 しかし、ハザマたちが助けに向かわなかったため、ジェレミアたちが生命を落とすという自体も当然考えられる。 そして、ランスロットは強力な機体だ。 その可能性は当然ある。 研究所で待つか、研究所で首輪を解除してから向かうか、特定の人物だけがジェレミアの元に向かうか、全員で向かうか。 選択肢ならば多く存在する。 「私たちは――――」 ハザマが出した答え――――それは果たしていったい。 【二日目/早朝/F-10 沿岸部】 【狭間偉出夫@真・女神転生if...】 [装備]:斬鉄剣@ルパン三世、ベレッタM92F(7/15)@バトルロワイアル(小説) [所持品]:支給品一式×2、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、 鉈@ひぐらしのなく頃に、琥珀湯×2 [状態]:人間形態、疲労(大)、魔力消費(大) [思考・行動] 0:殺し合いから他の者達と一緒に脱出する。 1:これから―――― 2:シャドームーンとの契約を遵守する。 3:翠星石を保護する。 [備考] ※参加時期はレイコ編ラストバトル中。 ※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。 ※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページのユーザ名はtakano、パスワードは123です。 またこれらを入手したことにより、以下の情報を手に入れました。 全参加者の詳細プロフィール 全参加者のこれまでの動向。 現時点での死者の一覧。 各参加者の世界観区分。 nのフィールドの詳細及び危険性。 「彼」が使用したギアスの一覧。 ※目的の欄を閲覧することはできませんでした。 【ストレイト・クーガー@スクライド】 [装備]:車 [所持品]:基本支給品一式、昇天石×1@真・女神転生if…、リフュールポット×1 [状態]:身体中に鈍い痛み、疲労(大) [思考・行動] 0:生きる。 1:翠星石を迎えに行く。 ※総合病院にて情報交換をしました。 ※ギアスとコードについて情報を得ました。 ※真司、C.C.らと情報交換をしました。 ※田村玲子が同化して傷を塞ぎました。アルターについては応急的な処置なので寿命が延びる事はありません。 それ以外の影響があるか否かは後続の書き手氏にお任せします。 ※君島の車@スクライドとミニクーパー@ルパン三世はクーガーのアルターで同化しました。 【ヴァン@ガン×ソード】 [装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(先端部欠損)、ヴァンの蛮刀@ガン×ソード [所持品]:支給品一式、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎、昇天石×1@真・女神転生if…、 エアドロップ×1@ヴィオラートのアトリエ、調味料一式@ガン×ソード [状態]:右目欠損、疲労(大) [思考・行動] 0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。生き残る。 1:V.V.を倒した後シャドームーンを殺す。 [備考] ※まだ竜宮レナの名前を覚えていません。 ※C.C.の名前を覚えました。 ※ファイナルベントを使用したため、二時間変身不能です。 【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】 [装備] サタンサーベル@仮面ライダーBLACK、バトルホッパー@仮面ライダーBLACK [支給品] 支給品一式、不明支給品0~2(確認済み) [状態] 疲労(極大)、ダメージ(極大)、全身に負傷、全身に火傷、右腕欠損、シャドーチャージャーに負傷 [思考・行動] 0:創世王を殺す。 1:創世王を殺した後、他の参加者を皆殺しにする。 2:狭間との契約は守る。 3:キングストーン(太陽の石)を回収する。 【備考】 ※本編50話途中からの参戦です。 ※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。 ※会場の端には空間の歪みがあると考えています。 ※空間に干渉する能力が増大しました。 ※nのフィールドの入り口を開ける能力を得ました。 ※回復が始まっていません。回復するかどうかは後続の書き手に任せます。 ※狭間偉出夫とシャドームーンは契約を交わしました。内容は以下の通りです。 シャドームーンは主催者を倒すまで他の参加者を殺害しない。(但し正当防衛の場合は例外とする) 狭間はシャドームーンの首輪を解除する。 狭間はシャドームーンが首輪を解除するまで護衛する。 シャドームーンは首輪を解除できれば他の参加者と協力して主催者と戦う。(シャドームーンは会場脱出や主催者の拠点へ侵攻する際は他の参加者と足並みを揃える) 主催者(の黒幕)の殺害はシャドームーンに一任する。 主催者を倒した後はシャドームーンと他に生き残った全ての参加者で決着を付ける。 主催者を倒すまでにシャドームーンが誰かに殺害された場合、狭間は必ずその報復を行う。 【上田次郎@TRICK(実写)】 [装備]ニンテンドーDS型探知機 [支給品]支給品一式×4(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE、予備マガジン3本(45発)、 上田次郎人形@TRICK、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、情報が記されたメモ、浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品(0~2)、 ファサリナの三節棍@ガン×ソード、倭刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード [状態]額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲 [思考・行動] 0:ヴァン達に協力する。 ※水銀燈、真司、C.C.、縁の遺体がF-8民家に安置されました。 ※水銀燈、L、真司、C.C.のデイパックが車内に置かれています。 ※水銀燈のデイパック 支給品一式×10(食料以外)、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒、双眼鏡@現実、首輪×3(咲世子、劉鳳、剣心)、 着替え各種(現地調達)、シェリスのHOLY隊員制服@スクライド、農作業用の鎌@バトルロワイアル、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、 カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿、剣心の不明支給品(0~1)、ロロの不明支給品(0~1)、 三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル ※Lのデイパック 支給品一式×4(水と食事を一つずつ消費)、ニンテンドーDS型詳細名簿、アズュール@灼眼のシャナ、角砂糖@デスノート、 情報が記されたメモ、首輪(魅音)、シアン化カリウム@バトルロワイアル、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、おはぎ×3@ひぐらしのなく頃に、 女神の剣@ヴィオラートのアトリエ、DS系アイテムの拡張パーツ(GBA)、才人の不明支給品(0~1)、ゼロの剣@コードギアス、 ※真司のデイパック 真司の確認済み支給品(0~2) 、劉鳳の不明支給品(0~2)、発信機の受信機@DEATH NOTE、カードキー、神崎優衣の絵@仮面ライダー龍騎 ※C.C.のデイパック 支給品一式×4、ゼロの仮面@コードギアス、ピザ@コードギアス、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、 白梅香@るろうに剣心、確認済み支給品(0~1)、S&W M10の弾薬(17/24)@バトル・ロワイアル ※浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品のうちの昇天石×5@真・女神転生if…は、北岡・つかさ・ジェレミア・ヴァン・クーガーで配分しました。 時系列順で読む Back HELL ON EARTH(前編) Next HELL ON EARTH(後編) 投下順で読む Back HELL ON EARTH(前編) Next HELL ON EARTH(後編) 165 HELL ON EARTH(前編) 上田次郎 168 メギド――断罪の炎――(前編) ヴァン ストレイト・クーガー 狭間偉出夫 シャドームーン GAME START 羽入 165 HELL ON EARTH(後編)
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ストーリー 用語 ア 【項目名】アギト 【平仮名】あぎと 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人。 仮面ライダーではない。 仮面ライダーJにも登場 【関連項】 【項目名】あゆみ 【平仮名】あゆみ 【説明】 兄と登山していたときに怪人軍団に襲われる。 【関連項】 カ 【項目名】仮面ライダーJ 【平仮名】かめんらいだーじぇい 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人と戦う仮面ライダー。 仮面ライダーJにも登場。 【関連項】 【項目名】仮面ライダーZO 【平仮名】かめんらいだーぜっとおー 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人と戦う仮面ライダー。 仮面ライダーZOにも登場。 【関連項】 【項目名】仮面ライダーBLACK 【平仮名】かめんらいだーぶらっく 【説明】 シャドームーンの回想に登場した仮面ライダー(映像は仮面ライダー世界に駆ける?のもの)。 仮面ライダーBLACKにも登場。 【関連項】 【項目名】仮面ライダーBLACKRX 【平仮名】かめんらいだーぶらっくあーるえっくす 【説明】 シャドームーンの回想に登場した仮面ライダー(映像は仮面ライダー世界に駆ける?のもの)。 仮面ライダーBLACKRXにも登場。 【関連項】 【項目名】ガライ 【平仮名】がらい 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人。 今回は、怪人体でも言葉を発する。 仮面ライダーJにも登場。 【関連項】 サ 【項目名】サイ怪人 【平仮名】さいかいじん 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人。 仮面ライダーBLACKにも登場。 【関連項】 【項目名】改造兵士レベル2 【平仮名】さいぼーぐそるじゃーれべる2 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人。 真・仮面ライダー序章?にも登場。 【関連項】 シ 【項目名】シャドームーン 【平仮名】しゃどーむーん 【説明】 全宇宙を征服するために怪人たちをよみがえらせ、仮面ライダーを倒すよう指示した世紀王。 今作では巨大化して仮面ライダーJと戦う。 仮面ライダーBLACK、仮面ライダーBLACKRXにも登場。 【関連項】 ス 【項目名】ズー 【平仮名】ずー 【説明】 シャドームーンの力でよみがえった怪人。 仮面ライダーJにも登場。 【関連項】 ハ 【項目名】バイオライダー 【平仮名】ばいおらいだー 【説明】 シャドームーンの回想に登場した仮面ライダー(映像は仮面ライダー世界に駆ける?のもの)。 仮面ライダーBLACKRXにも登場。 【関連項】 ヘ 【項目名】ベリー 【平仮名】べりー 【説明】 仮面ライダーJに協力したバッタ。 世紀王や怪人の復活を仮面ライダーに知らせようとする。 仮面ライダーJにも登場。 【関連項】 ユ 【項目名】ゆうき 【平仮名】ゆうき 【説明】 あゆみの兄で、あゆみと一緒に怪人軍団に襲われる。 【関連項】 ロ 【項目名】ロボライダー 【平仮名】ろぼらいだー 【説明】 シャドームーンの回想に登場した仮面ライダー(映像は仮面ライダー世界に駆ける?のもの)。 仮面ライダーBLACKRXにも登場。 【関連項】
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「……バレちゃったよ、どうすんのさ?」 / . . \ / . . ヽ ,′. 〃 ',. ′. i ″ リ| { │i '. i l | | | |i | | | i i i │| | | | |i | │;. | | ! ! ! . |'T j「¨ │l ii | 「 | |`l | | ,′゙| . |_j厶..,」_、┘{ i;└ー _」..L..,」_、 | |. / イ│ 小 ん心` ´仏ィハ 丿 │ | ノ ノ │ { ,ゞヒ リ ゞ ;ノ、 | | │ く__ノ| .; ', ´ ̄  ̄` ,′ | │ | | '、 i / ,゙ | │ | | ト、〉 ` 厶 イ | │  ̄| i ヘ、 r‐- -‐‐ァ イ」 | │ | i |丶、 `ー--‐' /│| | │ | i | | 、 ,. ´ | | │ │ . イ | | ', ` ー ´ .| ! │丶、 , イ{ | | | } ,リ │ | `ト、. /. , ', `ー-L_」 | /厶 -┘'" / /\ { ', '、 卜、 . -─/ . /. .ヽ 【名前】 シャドウ 【読み方】 しゃどう 【胸ランク】 並盛 【種別】 悪魔 【種族】 外道 【Lv.】 52 【初登場】 4thday 【AA出典】 喰霊 【人物】 見るものの姿で現れるドッペルゲンガーの上位種。シュバルツバルトに呼び出された。 自由に姿を変質させることができ、『蠅の王』が倒された光を見てやってきた夜神月らを足止めする係を担い彼らと対峙するも、遅れてやってきたやる夫が水銀燈のせいで落下しかけたため彼を救う。 その後封鎖を解除させた英雄として有名になったやる夫の影武者を務めている。 彼が持っていた『王の剣』は「救世主」の象徴とも言える武器であるので基本的に彼女が携帯している。
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フヨウ ○サマヨール Lv48 技:シャドーパンチ/のろい/怪しい光/守る ○ジュペッタ Lv49 技:シャドーボール/鬼火/だましうち/おんねん ○ヤミラミ Lv50 技:シャドーボール/影分身/ナイトヘッド/だましうち ○ジュペッタ Lv49 技:シャドーボール/サイコキネシス/からげんき/10まんボルト ○サマヨール Lv51 技:シャドーボール/冷凍ビーム/岩雪崩/地震 賞金:5100円 Next プリム