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アイテム ◆コレクションアイテム ブラハム ブラハムの帽子 コトリ コトリのメガネ ホトリ ホトリのメガネ 宝箱 巨大な豆 ◆アイテム 神兵 きずぐすり シャンディアの戦士(仮面) ビン入り牛乳 シャンディアの戦士(帽子) きずぐすり 宝箱 塩 宝箱 きずぐすり 宝箱 アロエ 宝箱 白のカギ※ 宝箱 黄金のカケラ※ 宝箱 サカナの塩焼き 宝箱 400~550ベリー 草 緑の薬草 草 にんにく 草 エンドウのツル 宝箱 地酒 大地の恵み ※"巨大な豆"の宝箱を開けるのに使用する 白のカギの場所 PC用 携帯用 ※"巨大な豆"の宝箱の2回目以降の中身は、 白のカギを持っている場合は「黄金のカケラ」持っていない場合は「アロエ」 海賊コイン 計3枚 ホトリ&コトリ 3枚(1回) アイテムショップ きずぐすり(弱) 120 きずぐすり 340 毒消し 180 ビン入り牛乳 90 ビン入りコーラ 150 火薬星 4 新技習得 ◆ブラハム戦闘直前 : ゾロが "三十六煩悩鳳" を習得 攻略 "巨大な豆"の宝箱を開けるには、"白のカギ"が必要。 ナミを連れて行くと、ホトリ&コトリ戦で炎貝による攻撃を封じる事ができる。 白のカギは緑色のカギと同様、同時に複数持つ事はできない。 …白のカギの宝箱… シナリオ6で"宝石の施された王冠"を取得していない場合:アロエが出る。 "宝石の施された王冠"を取得済の場合:白のカギが出る。 …道の選択… 向かって右の道(にぎやか)→左の道 を選択すると…"白のカギ"の宝箱へ 向かって左の道→右(にぎやか)の道 を選択すると…"白のカギ"の宝箱へ 向かって右の道(にぎやか)→右の道(にぎやか)を選択すると…"巨大な豆"の宝箱・草の生えたエリアへ 選択するルートによって、最後に上から現れるシャンディアの戦士の人数も変わる。左→左…………………1人左→にぎやか…………2人にぎやか→左…………2人にぎやか→にぎやか…3人 コトリのメガネを取得するには…にぎやか→にぎやかへ進む。 ホトリのメガネを取得するには…にぎやか→左へと進む。 草の生えたエリアには、0~8本の草がランダムに生えている。 上へ戻る メニューへ戻る .
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デビルサバイバー2 公式サイト http //ds2.atlusnet.jp/ 7月16日 4Gamer.net ― 「デビルサバイバー2」,侵略者「セプテントリオン」や新キャラ「ケイタ」などの概要を押さえよう。携帯公式サイトにも最新情報が満載だ(デビルサバイバー2) http //www.4gamer.net/games/130/G013038/20110715036/ 6月29日 『デビルサバイバー2』PV第2弾を2本同時にファミ通.com先行公開 - ファミ通.com http //www.famitsu.com/news/201106/28045873.html 6月17日 『デビルサバイバー2』巷に流行する死に顔サイト“ニカイア”とは!? - ファミ通.com http //www.famitsu.com/news/201106/17045234.html 『デビルサバイバー2』のパッケージイラストが公開 - ファミ通.com http //www.famitsu.com/news/201106/16045346.html 5月20日 4Gamer.net ― 「デビルサバイバー2」の先着特典は伊藤賢治氏&アトラスサウンドチームの手がけるサウンドトラック。公式サイトにはプロモーションムービーが登場(デビルサバイバー2) http //www.4gamer.net/games/130/G013038/20110520021/ 5月17日 『デビルサバイバー2』侵略者セプテントリオンと対抗組織“ジプス”を紹介 - ファミ通.com http //www.famitsu.com/news/201105/17043458.html 4月15日 『デビルサバイバー2』発売日が決定 - ファミ通.com http //www.famitsu.com/news/201104/15042508.html 4月6日 4Gamer.net ― 「デビルサバイバー2」公式携帯サイト開設。公式PCサイトとの連動企画も予定(デビルサバイバー2) http //www.4gamer.net/games/130/G013038/20110405022/ 4月1日 4Gamer.net ― 「デビルサバイバー2」は2011年夏に発売予定。突如襲来した謎の侵略者「セプテントリオン」に対抗すべく,悪魔との契約を結べ(デビルサバイバー2) http //www.4gamer.net/games/130/G013038/20110329016/ 3月24日 『デビルサバイバー2』悪魔使いと侵略者の戦いが始まる! クリエイター陣のコメントも掲載! - ファミ通.com http //www.famitsu.com/news/201103/24041611.html
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「いやー、にしても随分と広い所だな、ここは!」 「・・・浮かれてる状況じゃない。」 デビットとガンナーは現在1階を探索している。 「デビット、どうやらこの建物結構広いから、一人になって探そうぜ!」 「え?何でだ?」 「固まって探すより、バラバラになって探す方が能率がいいだろ?」 「なるほど・・・よし、それじゃ合流地点はどうする?」 「よし、んじゃ給食室前が合流地点だ!分かったな!」 「よし、分かった。」 そう言うと二人は別々の場所を歩き出した。 デビットの方は上の階から探索をしている。 「・・・さて、どうしたものか・・・」 「何やら気配を上から感じる・・・行ってみるか」 デビットは4階へあがっていった。 一方のガンナーはと言うと。 「おらおらおらおら!!」 「だめだ、びくともしねぇ・・・」 ガンナーは鍵がかかって開かない放送室を壊そうとして入ろうとしているが・・・ 扉はびくともせず、それ以前に傷一つも付かない。 「ちくしょう・・・ここはあきらめるか。」 そう言うとガンナーは別の場所を探し始めた。 ~~~波楼 第2話~~~ 「・・・よし。 誰にも会わなかったぞ・・・」 階段を駆け下り、廊下を走りながら波楼は思った。 「波動が使えたら、もっと遠くの敵も探知できると思うんだけどなぁ・・・」 しかし波楼は波動を感じることがヘタクソで生き物か、物かしか分からないのである。 その矢先、曲がり角でチラリと水色の尻尾が見えた。 (敵・・・?) 一瞬思ったが、よくよく考えれば、尻尾の位置が低い。 (自分よりちいさ・・・い?) それに微妙に先の曲がった尻尾、あの色からして、 「・・・リオル?」 そのときだった。 カツン。 「!! 誰だ!」 目の前に居たのは、一匹のカブトプス。 「ケケケッ。 まさか俺の鎌を血でぬらすのはどうやらお前のようだな・・・」 「・・・・・。」 そして戦いは始まった。 カブトプスは一直線に“とっしん”してきた。 (・・・遅い。) 波楼はそれを受け流すかのように避ける。 そして、 「“はどうだん”!」 近距離で“はどうだん”をぶち当てた。 本来、“はどうだん”は相手にショックを与える技である。 カブトプスは血を流すことなく、その場に倒れた。 「ふぅ・・・よかった。」 安心してさっきのリオルを追いかけようかと思った瞬間、 「もらったぁあああぁぁぁ!!!」 さっきのカブトプスが襲い掛かってきた。 倒れているフリをしていたのだ。 (しまった!! よけられな・・・・) どすっ。 何かがカブトプスの急所、ミゾオチに突っ込んできた。 最初は速すぎて見えなかった。 (“でんこうせっか”・・・? !) 突っ込んできたのは、あのリオル―――ココだった。 応急処置を終え、校庭を歩く祐樹すると……… 祐樹「ん?誰だ?外出ようと攻撃してるやつ」 その名はガンナーと言うらしい 祐樹「(なんやかんやで一緒に行動かよ………)早く行こう」 そして彼らはどこに行くか話し合うことにした ある生徒はこう言った。 「アトロポスさん・・・? あ、あぁあの人ね!3年前に転校して来た・・・確か女子だったと思うけど」 しかし、ある生徒はこう言った。 「知ってるよ。アトロポスってあの薄気味悪い男子だろ?入学式の時見た事あるような気がするから同学年だと思うが、6年間で同じクラスになった事は無いな」 そしてある生徒はこうも言った。 「え?アトロポス?・・・そういや、そんな名前の奴が今度転校して来るんだっけ? いや男か女かなんて知らねぇよ。まだ会った事無ぇもん。」 アトロポスという生徒がいつからこの学園にいたのか。 ・・・・・・それをこの学園の生徒達に聞いた結果がこれである。 では具体的にどんな生徒だったのかを聞いたなら、どんな返答が返って来るのか。 意外な事に、今までの返答とは打って変わって誰もが同じ返答を返してくるのである。 「何も分からない」 アトロポスの声を聞いた事のある者はいない。 常に仮面を被っているアトロポスの素顔を見た事のある者はいない。 そして好きなものは何なのか、どこに住んでいるのか、そもそも男か女かすら誰も知らない。 かろうじて分かるのは、種族がキマワリであるという事のみ。 「・・・・・・・・・・・・・・ここで君に会うとはな」 アルティカがそう言うと、アトロポスはゆっくりとアルティカの方へ顔を向けた。 気持ち悪いほどの満面の笑みを浮かべた仮面を被りながら。 「アトロポスちゃん? ・・・アトロポスちゃんなの!?」 「ちょっと待て」 ミミアンの言葉にアルティカは疑問を覚え、その疑問を解消すべくすぐさま質問を投げかけた。 「アトロポス”ちゃん”って何だよ・・・女じゃあるまいし。 そもそもコイツは僕と同学年。つまり君から見れば先輩だぞ?生意気にも程が・・・」 「何言ってるの・・・?」 今度は逆にミミアンが疑問を覚えた。 「アトロポスちゃんは1年前に転校してきた女の子じゃなかったの・・・?」 「はぁ!? 1年前!? 君、人をからかうのは勝手だけど・・・・・・彼は少なくとも3年前にはこの学園にいた。この事を僕は知っているんだ。だから」 「ねぇ、アナタが何を言っているのか分からないんだけど・・・」 次第に2人の話はただの水掛け論と化した。 ミミアンは相手が男でもちゃん付けをする少女だが、それを踏まえてもなおアトロポスは自分と同い年の女子と言い、そしてアルティカは自分と同い年の男子だと言い張る。 しかし、この2人が『何 故 自 分 が ア ト ロ ポ ス の 名 前 を 知 っ て い る の か 』という疑問を持つ事は無かった。 結局2人の話は収集が付かず、結論も出ないまま終わってしまった。 普通なら本人に直接聞けば済む事なのだが、言葉を発する事の無いアトロポスに返答など期待できるはずもなかった。 「お・・・・・・・・・おい、待てよ」 アトロポスがどこかへ行こうとした事に気付き、アルティカは慌ててアトロポスを引き止めた。 するとアトロポスの体から根が生え、床に根付き・・・次第に根は文字の形になっていった。 ”ついてきて” アルティカとミミアンがその文字を確認した直後、アトロポスは根を引っ込めて再びどこかへ向かって歩き出した。 「待てって!・・・・・・僕を置いていくな!」 「え? ・・・・・・・・・・・・・・・え!? まま、待ってくださぁ~い!」 +++プロローグ 斬子&美羽+++ 『今から君達に、この学園を舞台に10匹になるまで殺し合ってもらう。』 「…は?」 意味分からん。それが、鬼瓦斬子が最初に思いついた一言であった。 斬子は、フカフカのソファの上で目を覚ました。欠伸をしながら伸びをして、ようやく目が覚めた所で、短いノイズの後にあの放送が聞こえた。 「…いや、いきなり殺し合えーとか言われても…つーか、ここ何処?何で起きたら見覚えの無い部屋で見覚えの無いフカフカソファの上に居ましたーって事になってんだ?」 言い切った後、斬子はソファの背中部分から、背後にあった窓の前に飛び降りる。 「外はどうなってんだ?」 のん気に言いながら、窓に設置されていたブラインドに爪を引っ掛ける。窓からはグラウンドが見えていた。が、見た瞬間に戦慄が走った。 「何…だよ。……コレ」 本当にやってた。まさか、本当に殺し合いが行われてたなんて。 斬子の見たグラウンドでは、ポケモン同士の殺し合いが行われていた。どんな状況か、どう言えば…いや、言いたくも無い。 そんなあまりの惨状を思いがけず突然見てしまった斬子は、ついその場にへたり込んでしまう。 「…はぁ、ビックリした…。いきなり言われて、半ば冗談だと思ってた…あーあ、冗談だったらよかったのになぁ~…」 本当に殺し合わなければならないのか…自分も…もしかしたら、殺されるかも…そしたら、もう『あいつ等』とも…あーっ、もう! 頭の中で、様々な思いが交錯するが、考えてる途中でイライラしてきたのか、突然頭をブンブン横に振っては、すくっと立ち上がる。 「こんな所で思い詰めてても埒明かねぇ。何かやらねーと!…とは言っても、どうするよ?」 斬子は、部屋のドアを開けて外の様子を伺う。 「さっきの放送どおり、ホントに学校みてーだな。目の前には廊下、で、ここは…」 斬子は、教室名が書かれている標示プレートへと目をやった。それには『校長室』と記されている。 「…オレ、校長室のソファで寝てたのか。ま、いいや。現状に比べりゃそんな事。さて、どーすっかな…ちと危ないかもしれねーが、出てみるか」 校長室を出た斬子は、なるべく足音を出さないように、1階の廊下を歩き始めた。 「殺し合い…か」 職員室の窓辺からグラウンドでの殺し合いを眺めていた天津美羽は、ぽつりと呟いた。 「さっきの放送は本当みたいだし…あたしも、生き残る為には他のポケモンを殺すしか…ないのね」 ドアを開けて、少し身を乗り出して外の様子を伺ってみる。 「今の所、近くには誰も居ないみたいね…」 もう少しここで様子を伺ってみようかと思い、頭を引っ込めようとしたその時だった。 「ひっ!?」 一瞬、ドキッとした。さっきまで誰も居なかったが、ここから2部屋ほど離れた所の教室から、誰かが出てきた。 「…はぁ。やっぱりこういうのって、ビックリするものね…ん?」 ふと、目を疑う。あのポケモン…誰かに似てないか?背丈に加え、あの頭といい、鋭い爪の生えた手。おそらくマニューラだが、何処か懐かしい面影がある…つい最近まで、会ったことがある気がする…まさかッ!? 「斬子…?」 此処を出て、今すぐそのマニューラの元へ急ごうとした時だった。 「ッ!」 何時の間にか、一匹のエレブーが美羽に襲い掛かろうと、かみなりパンチを繰り出してきた。が、間一髪で美羽はそれを避ける。 「い、何時の間に…」 「悪いが、死んでもらうぜ…おらァッ!!」 再び、かみなりパンチを繰り出すエレブーだが、それもまた美羽にかわされてしまう。 「どうやら、本当に殺らなきゃならないみたいね…」 職員室で、美羽にとって最初の死闘が繰り広げられようとしていた。 「とりあえず、助けてくれてありがとう。ワタシはミライ。・・・アナタは?」 表面上の微笑を浮かべ、ミライは目の前のシャワーズに話しかけた。 「・・・・これから殺すかもしれない相手に名前を教えるの?・・・・まぁいいや、ボクは白雪水於。」 「そう、ミオっていうの。」 ミライは相変わらず表面上の微笑みを浮かべている。 「・・・じゃあね、精々生き残れるようにがんばれば。」 そういい捨てると、ミオは背を向けずに立ち去ろうとした。 「・・・待って。」 「・・・・何?」 「ワタシと・・・手を組まない?」 「・・・・は?」 ミオは、「何を言っているんだ」と言わんばかりの目でミライを見た。 「どうせそんな事言って裏切るつもりだろ。ボクが油断した隙にあんたが殺さない保障はあるの?」 「保障ね・・・・それはないわ。」 「じゃあ無理だね。ボクは殺されるつもりはないから。」 ミライは少し考えた。 「じゃあ、信じてくれなくてもいいわ。ただ、一緒に戦ってほしいの。」 「ふざけるな!なんでっ・・・・・。」 「アナタは水タイプでしょう?もしさっきみたいに電気タイプが出てきたり、草タイプが出てきたら困るでしょう?ワタシだったら効果抜群とは行かなくても、それなりのダメージは与えられるわ。」 「・・・・。」 反論できず、黙るミオ。 「お互いの弱点を補えば、生き残る確立も高くなると思わない?」 「うっ・・・・。」 「・・・どう?ワタシと手を組まない?」 今度は表面上ではなく、純粋に笑いかけるミライ。ミオは、反論できずに尚黙っている。 「仕方ないなぁ・・・・。その代わり、裏切らないでよ!」 「ええ、裏切らないわ。」 こうして、4階のランチルーム前でサーナイトとシャワーズが手を組んだ。 何が正しいのか分からない。 きっと、正しいことなんてどこにもないんだ。 どうすればいいか分からない。 彷徨うだけで救われれば、どんなに幸せだろう。 それでも闇から抜け出したい。 例え、自分自身が「闇」であっても―― * * * 「殺してはいません……です。命は……平等です……から」 それは相手のルカリオ――波楼に言っているより、自分自身に言い聞かせているように見えた。 そして心なしか、震えているように見えた。 ココはゆっくり波楼の方へ顔を向け、一瞬、目を見開いた。 「……兄上……?」 それは、とても小さな声だった。 「助けてくれてありがとう。俺は波楼。時闇 波楼っていうんだ」 「ココ……です。ココ=ルーンと申します……です。兎に角、……すぐに移動しましょう……です」 簡単な自己紹介を終えてから、ココはすぐ移動するよう促した。 あくまで「気絶させただけ」なのだ。いつ起きてまた襲ってくるか分からない。 「トドメを刺しては駄目……です」 そう言って、波楼の手を引き足早にその場を去っていった。 「お前……どうして……」 「どうして……とは?」 暫く行った所で、波楼の問い掛けにココは足を止めた。 「どうして見ず知らずの奴を助けたんだ? もしかしたら、この殺し合いに乗ってるかもしれないぞ?」 「そんなことを言うあなたは……きっと殺し合いには乗っていない……です」 見透かされている。この時だけは波楼は、ココが自分より大人びて見えたという。 自分より、ずっと小さいというのに。 「それに……そう、ですね。あえて言うなら……」 ココは波楼の手を引いたまま、一つの部屋に入る。 妙に立派なソファ、そしてテーブル……そう、校長室のようだった。 「手が、暖かかったから」 その時のココの笑顔は、酷く不器用で幼く、脆かったという。 「ここで……作戦を立てましょう……です。今後の……方針を……」 次の表情は、既に感情を押し殺した無表情へと戻っていた。 うう、臭い。 臭いったらありゃしない。アゥ。 「こんな臭いとこに居れるか、アゥぅうう!!」 ――ガコン!! 思いっきりゴミ箱を投げ飛ばしてみた。 だけど、何も起こらない。 「・・・一応空飛んでみよう・・・アゥ」 ばさっ・・・ばさっ・・・ ばさっ・・・ばさっ・・・ …どれだけ飛んだのだろう。 なのに、全然届かない。 …諦めよう。 再び降りてみると、下駄箱の所に着いた。 西昇降口、と言うだろうか。 でも・・・何故か、人の気配がした。 気味が悪い。 そのまま歩き出してみた。 校長室―…そこに、人影がふたつ、映っていた。 敵かもしれない。 そしたら、もう逃げられないかもしれない。 其の覚悟で、私は…― 「喰らえェエぇええ、 ドラゴンダァアアアアアイブ!!!!!!」 火炎放射の準備をしながら、扉に向かってドラゴンダイブを咬ました。 ガッッシャァアアァン!!! 「「!!??」」 扉はそのまま勢い良くぶっ飛び、一匹のポケモンに直撃した。 「い゙でぇ・・・!!」 ...間抜け面(ひでぇ)の声がした。 「え・・・」 「と………巴巳?」 そこには何と、ココが居たのだった。 「・・・よし!これで完成だ!多少時間が掛かってしまったが・・・まあ問題ないだろう」 一見普通のポケギアに見えるための偽装加工と、トリックなどの技の影響を受けないための電磁フィールドの安定に時間を取られたものの、パソコンルームでのレーダー製作が一通り完了した刻皇は、現在時間を確認した後、教室内のパソコンに、全て五十桁のパスワード製のロックを掛け使用不可能にし、レーダーを左腕に付け早速行動を開始する事にした。 このゲームが開始されてから、パソコンルームに近づく他の参加者が一匹もいなかったのは、幸運と言わざるを得ないだろう。 一番の理由は、最初の放送が流れてから暫く経った後に響いた狂気の笑い声のおかげで、四階にいる参加者達の数が少なかったのが原因だと思われる。 一応侵入者撃退用の為、パソコンルームの出入り口にトラップを仕掛けておいたのだが、結局無駄になったようだ。まあ殺し合いが始まっているこの状況で、念には念を入れるのは当たり前なのだが。 トラップを解除しパソコンルームを出た後、レーダーを確認しながら次に行く場所を考えた。 (まずは早急に使える駒が二・三人は欲しいな、固まって行動しているグループに接触するか。しかし、仮に誰かに攻撃された後で、警戒している状態だと厄介だ。学園内でのテレポートが正常に使えるかどうか解らない状態で離脱するには、逃げ道の確保をしておく必要もあるからな) そう考えながら三階へ降りた後、廊下を移動している時、自分の背後に反応が一つ現れた。 しかもその反応は自分と同じスピードで移動している事から、後を付けているのは明らかだ。 (声を掛けて来ない上に気配も消していると言う事は、明らかにこのゲームに乗ったゴミか。・・・・・・フンッ!まあ良い、軽い準備運動には丁度良いだろう) 取り敢えず気付かないフリをしながら歩いて、そのまま角を曲がり、後ろにいる追跡者も獲物を逃がさないよう急いで角を曲がろうとしたその時――――― ヒュンッ!! ―――――それは一瞬だった。 追跡者のストライクが自分に何が起きているのか理解出来たのは、自分に後を付けられていたフーディンが待ち伏せしており、手に持っていたスプーンで自分の喉笛を掻っ切られた事だけだった。 そのまま喉から血を流し即死したストライクを見下ろし、刻皇は余裕の笑みを浮かべていた。 実は彼の持つスプーンは普通のスプーンではなかったのだ。なんとメスに匹敵するくらい鋭利な刃物になっており、しかも戦闘技術の方も超能力を用いた戦闘は当然ながら、スプーンを用いた多少の肉弾戦も得意としていたのだ。 再びレーダーに視線を移動させようとしたその時、背後から小さい悲鳴が聞こえた。 「・・・・・・ひっ!!」 声のした方を振り向くと、いつの間にか目の前に十歳前後のケーシィの少女が怯えながらこっちを見ていた。 (チッ!見られたか!!だが気配は全く感じなかったぞ、どういうことだ?) 内心舌打ちをしながらも目の前のケーシィの少女に、これは正当防衛だと主張しようと近づこうとした時――――― 「いやああああああああああああ来ないで、こっち来ないでええええええ!!!」 刻皇が一歩踏み出したのが引き金となったのか、そのケーシィの少女はまるで狂ったように悲鳴を上げ姿が消えた。・・・・・・いやエスパータイプである刻皇には、テレポートを用いた戦闘離脱だということにすぐに気付いた。 すかさずレーダーに目をやり出現位置を探し始めた。レーダーではポケモンの特定は出来ないが、テレポートを使った参加者なら、何も無い場所から突然反応が出てくるので、校舎内ならすぐに見つけることが出来る。 しかし出てきた場所は、自分の今いる場所と目と鼻の先にある高三の教室からだった。 (どういう事だ?この学園内では、テレポートの効果が制限でもされているのか?それとも、パニックで遠くに移動出来なかったのか?・・・兎に角、捕まえて吐かせるか) 一方教室の教卓の中では、先程逃げ出したケーシィの少女が涙目で震えながら隠れていた。 「グスッ、助けて・・・ママ、助けて・・・パパ・・・・・・死にたくない、私死にたくないよう」 たしか昨日の夜は、明日家族三人で山にピクニックに行く事になって、それで興奮してよく眠れなかったのは覚えている。 しかし目が覚めたら訳の解らない場所にいて、いきなり殺し合いをしろと言われた。テレポートを使って脱出しようにも、どういう訳かこの敷地内から出ることができず、ひたすら他の参加者達の攻撃からテレポートを使い戦闘離脱して行くと、その先で血を流したストライクの死体と恐らく犯人であろうフーディンを見てしまった。思わず吐き気が来てしまったがなんとか抑えながらも、もう十回以上使ったのだろうかテレポートで目の前にあった教室に入り込み、現在この場所に隠れているのである。 ふと廊下の方へ耳を傾けると、先程ストライクを殺した殺人鬼のフーディンらしき足音が、遠くの方へ移動するのが聞こえた。 「良かった・・・行ってくれた~」 ケーシィの少女はホッと胸を撫で下ろし、教卓の中から出て今いる場所を見た。他のポケモン達の死体がいくつか見つけたがあまり見ないようにしていると、机や椅子がいっぱいある部屋だった。 人間の住処は良く解らないが、どうもこの場所は死角が少なく隠れるには向いていない場所のようだ。まずは隠れるのに適した場所を探そうと教室から出た時――――― が し っ 「っ!?」 不意に背後から口と体を押さえられ、ケーシィの少女の心臓が大きく跳ね上がった。 訳もわからずそのまま先程隠れていた教室の中へ引き戻され、口を押さえていないもう片方の手でドアが閉められてしまった。 ケーシィの少女が口を押さえられながらも何とか相手の顔を見たその瞬間、サーと全身の血の気が引いた。 そこにいたのは遠くへ移動していったはずのさっきの殺人鬼のフーディンだったのだ。 実はケーシィの少女の居場所を知っていた刻皇は、遠くへ移動するフリをしてその場にいながら足音だけを少しずつ小さくしていただけだったのだ。 さらに教室の中にケーシィの少女以外の参加者がいない事をレーダーで確認し、安心して出てきた所を声を出さないよう取り押さえ、教室へ流れるように入り込んでいった。 そして今この場所では殺人鬼の刻皇と、非力なケーシィの少女が二人きりになっていた。 「ンッー!ンッー!」 ケーシィの少女は必死に相手の腕を振りほどこうとするが力の差は歴然である上に、テレポートで逃げようにも、さっき逃げる時にPP切れになってしまい使う事ができず。出来る事といえば非力な悪あがきをする事しか出来ない状況だった。 その時首元にヒヤリとした何かと「大人しくしていろ」と脅しを掛けた言葉により思わず動きが止まってしまった。 (わ、私・・・殺されるの?) あまりの恐怖にビクビクしながらも言われたとおり大人しくしていると、突然相手の方から何か言ってきた。 「おまえ、さっきのテレポートは何度か使ったのか?」 (???) 突然な上に意味がわからない質問の内容に考えていると――― 「質問に答えろ!」 と、今度は語尾を荒くしながら言ってきたので、ケーシィの少女は慌てながらも質問の内容を理解した後、首を縦に振った。 「なら次は、おまえがこの敷地内の移動でテレポートを使い続けて、体に何か異常は起きたか?」 これは当然NOだ。この敷地から出られないのを除けば、テレポートはPP切れになるまで使っても、敷地内だけなら特に自分の身に何も起きてはいないし、当然使えば出てくる疲労以外の異常なんて無い。 この質問の答えには首を横に振って否定の意思表示をすると、また次の質問を言ってきた。 「それじゃあ、おまえのテレポートは敷地内限定なら普段どおり正確な場所へ移動できたか?」 さっきから質問をしてくる以外相手が何もしてこないからか、頭の中が冷静になってきたおかげでこの質問には即答で首を縦に振って答える事ができた。 しかしどうしても解らない事がある。なぜこの殺人鬼のフーディンはテレポートについてこんなにも聞いてくるのか? そんなに気になるなら自分で確かめれば良いのでは? それともこの殺人鬼のフーディンはテレポートを使えないのだろうか? いろんな事が頭の中を駆け巡り混乱しているといつの間にか口を押さえられていた手や首元に当てられたヒヤリとした物が離れていった。 「えっ!?あの!?」 何故開放してくれたのか解らなかったが、とにかく一瞬大声を出して助けを呼ぼうと思った。しかし相手の手に持っている物を見たとたんそんな気が起きなくなった。 よく見たら相手の手に持っていたのは、ナイフのような物では無くスプーンだったのだ。 考えてみれば、フーディンはいつもスプーンを持ち歩いているポケモンだと知っていたのに、さっき自分は非常にパニックに陥っていた為か、首元にヒヤリとした物でナイフだと勘違いしてしまったのだろう。 という事はこのフーディンの殺人鬼・・・じゃなかった。フーディンのお兄さんは、最初から私を殺す気なんて無かったということだ。 それじゃあ、さっきのストライクの死体は? もしかしたら、フーディンのお兄さんが見つけて近づいただけで、殺していないのでは? もしそうだとしたら、自分はとんでもない勘違いをしてしまったのではないのか? だったら、自分のやるべき事は一つ! 相手が何か言いかけようとしていたが、ケーシィの少女はわれ先に――――― 「御免なさい!!」 すかさず頭を下げて謝った。 相手のフーディンのお兄さんは、キョトンとしている様だが、そんなことはお構い無しに頭を下げながら言葉を続けた。 「お兄さんの事、殺人鬼だと勘違いしちゃって、思わず悲鳴を上げてしまってすみませんでした!!」 フーディンのお兄さんは暫く何か考えているようだったが、ようやく口を開いた。 「いや、良いんだ、兎に角頭を上げてくれ。おれがテレポートは正常に使えるかどうか、どうしても知りたかった為だけに、こんな可愛い女の子を恐がらせるような事をしてしまったんだから。寧ろ謝るのはおれの方だ」 「かっ、可愛いなんてそんな・・・私全然可愛くなんて無いですよ!」 「そんなこと無いって。おれから見れば十分可愛い女の子だ」 「そっ、そうですか?」 「そうだとも。少しは自分に自信を持てよ」 ケーシィの少女から見たフーディンのお兄さんは、何だか眩しく輝いているように見えた。 (はわわわわ、なんだか私胸がドキドキする。もしかしてこれが物語に出てくる『恋』ってヤツかしら?) などと乙女チックな事を考えていると。 「なあ、聞いてるか?」 突然フーディンのお兄さんが顔を近づけてきた為、思わず――――― 「わひゃあっ!」 変なリアクションを取ってしまった。 「『わひゃあ』?どこの言葉だ?」 「あっ・・・いえ、ちょ・・・ちょっと驚いただけです!(あうう~どうしよ~、あのお兄さんドン引きしてる。絶対変なヤツって思われてるよ~)」 などと内心涙目で考えていると、フーディンのお兄さんから質問が飛んできた。 「ところでおまえの名前は?」 「はい?」 「いや、だから名前。これから一緒に行動するのに、相手が名無しじゃ変だろ?」 「あっ、そうですね・・・って一緒にいてくれるんですか!?」 流石にこれは思いも寄らなかった。てっきり自分は足手纏いになるから、ここで別行動にされるのかと思っていたら、向こうから誘って来たのだ。 「当たり前だろう。どの道、女の子一人では生存確率なんて0に近い程なんだから、おれが一緒にいてあげるのは当然だ」 「あっ、有り難うございます!」 また頭を下げてしまったが、今度は感謝の意味だった。 「おれは刻皇、冥羅刻皇だ」 「わたしは佳奈、青木佳奈です」 一通り自己紹介が終わった後、これからの行動を決める事にした。 「取り敢えず、この先戦うにせよ、身を守るにせよ、お互いの技は理解しておいた方が良いからな。と言う訳で佳奈、おまえは今何の技が使える?」 「テレポート!」 何故か選手宣誓の様に、自信満々に答えた。特に意味は無いが。 「それと?」 「それだけです!」 「・・・それだけ?」 「はい!あっ、でももうテレポートのPP使い切っちゃったから、今使える技は悪あがきだけでしたね・・・」 フーディンのお兄さんは何か思い出した表情をした後。 「・・・もしかして、さっきおれに捕まった時に使った、全く痛くない攻撃は・・・」 「えへへへ、すみません。私ってあまり筋力は無い方ですから」 フーディンのお兄さんは暫く考えた後、いきなり肩を掴んで顔を近づけて来た。 「あへ!?」 思わずまた変なリアクションを取ってしまったが、そんな事を気にするよりも今この状況の方が頭でいっぱいだった。 (ちょ!!・・・これってまさか!?・・・・・・わー!!タンマ!タンマ!私まだ心の準備が出来てないんですけど!) などと頭の中が混乱しながらも、内心ちょっと期待していたのだが。 しかしその期待は別の意味で裏切られる事になった。 「じゃあ、消えろ」 「えっ、何g・・・」 『何がですか?』と言い掛けようとしたのだが、何故かその先が全く喋れなかった。 その代わり近くでヒューヒューと隙間風のような音がしており、その音が自分の喉元から流れている事に気付くのに、対して時間は掛からなかった。 そして佳奈はすぐに理解した。自分の喉が切られている事に、そしてその切った相手が目の前にいる、佳奈にとっての初恋の男性である事に。 (なんで?・・・なんで?なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで) 佳奈は叫びたかった、何故こんな事をするのか?しかし発しようとした言葉が、まるで切られた呼吸気管から空気と一緒に漏れるように何処かへと流れて行ってしまい、全く伝える事ができなかった。 その時自分は泣いている事に気付いた。これは喉を切られた痛みなのか、それとも初恋の男性に、自分の気持ちを伝えられなかった事への悲しみなのか、その答えは出てくる事も無くそのまま佳奈は息絶えてしまった。 佳奈の死体を見下ろした刻皇は、死亡を確認してから言い放った。 「全く、何かの役に立つかと思っていたが、まさかテレポートだけしか使えないゴミだったとは・・・」 最初は佳奈の事を、それなりに使える駒だろうと考えていた。 そしてそのまま自分の駒として有効利用するために、引き込もうと思っていたのだが、どうも佳奈はテレポートだけしか使えない上に、その技はすでにPP切れ、おまけに悪あがきの攻撃も雀の涙と来ていた。 結果、佳奈の事は、自分の嫌いな使えない駒と結論付け処分するに至った。 まあ佳奈は自分に好意を持っていたようだが、そんな瑣末な事はどうでも良い。 それよりも新しく出てきた疑問は、一体主催者は何を基準にこのゲームの参加者を選んだのか。まさか目に付いたヤツらを片っ端から、適当に拉致してきたとでも言うのだろうか? 自分だったらこのゲームの参加者には、常にハイレベルな戦いを観戦するために、それなりに実力のある奴らを選ぶ。その方が素人の戦いよりも百倍面白いのは明らかだ。 何はともあれ、佳奈の証言から、学園内限定だがテレポートの使用に問題は無い事が確認できた。そう考えれば、先程の手間を差し引いても十分お釣りは来るだろう。 兎に角、疑問の方は先送りにすることにして刻皇は再度レーダーに目を向けた。 するとこちらの方へ少数のグループが近づいている事に気が付いた。 (さて接触するにしても、まずは会話をしなければならないからな。より警戒されず、かつ自然に入り込むには・・・) ふと刻皇の足元に倒れている佳奈の死体と、廊下にいる先程殺したストライクの死体の血の付いたカマを見た瞬間、刻皇はニヤリと笑みを浮かべた。 この時、刻皇の頭の中には、物凄いスピードでこれからやろうとする悪魔のような計画が完成されていたのだ。 そして思いついた瞬間にはすでに行動を開始していた。 まず廊下に誰もいないのを確認した後、ストライクの死体を素早く教室の中に引きずり込み、そのストライクの腕のカマを佳奈の喉元に当て、自分が切りつけた傷跡の上に当ててから首の半分くらいまでカマを沈め、あたかもストライクのカマに切りつけられたような傷跡に偽装した後、ストライクの死体を教室の中にある他の死体の下に隠し、佳奈の死体をおんぶで抱え、先程のグループの元へ走った。 一方グループの方は、突然前方から誰かが走ってきた事に気付き、すかさず戦闘体勢を取ったが、良く見ると首元から血を流してぐったりしているケーシィの女の子を抱え、息を切らせながら慌てて走っているフーディンだった。 一同は只事ではないと思い話しかけようとしたが、走ってきたフーディンの方が先に口を開いた。 「たっ、助けてください!!いきなり背後からストライクに襲われ、佳奈が・・・義妹が切りつけられたんです!」 刻皇の本性を知っている者なら思わず『誰テメエ!?』とツッコミしたくなるくらい気弱そうな喋り方だが、彼は決して二重人格の類とかではない、実は優秀なのは頭脳や戦闘技術だけでなく猫を被った演技力もずば抜けていた。 ちなみに佳奈と会話する時に演技をしなかったのは、質問の時、すでに素を出していた為である。まあそれでも刻皇を警戒していなかったので、本人にとっては大した問題では無かったのだが。 何はともあれ刻皇は、他人の命だろうが感情だろうが、使える物は全て利用し自己の目的だけを達成させる程、卑怯で残忍で狡猾な男である。 (こいつの死で皆からの同情を誘い、仲間として誘ってもらうと同時に、ショックで戦えないフリをしてこちらの体力を温存させる、クククク完璧だ。まあ使える技を聞かれてもサイコキネシスとだけ答えればいいだろう。ミラクルアイとトリック、そしてこのゲームで生き抜くのに最も重要なテレポートは、なるべく知られないようにしないとな。仮に使わざるを得なくなっても、『途中で覚えた』とでも言えば済む話しだ。問題はこいつらが使える駒なのかどうかだが、これから判別していけばいいだろう) 怯えている表情に似合わず、悪魔のような計画を立てていることに気付く者はこの場には誰もいなかった。 アトロポスに連れられ3階に降りたアルティカとミミアンは、向こうから走ってくるフーディンに助けを求められた。 「はぁッ・・・・・はあッ・・・・・いきなりスイマセン。ぼくは冥羅 刻皇、コクオウと呼んでください。」 いきなり自己紹介をするフーディン、コクオウに、3人は警戒を解かない。少しの間黙っていたが、アルティカが口を開いた。 「ストライクは・・・捲いたか?」 「はい。なんとか・・・・。」 「その子に息はあるか?」 「・・・・ありません。」 「どこを切られた?」 「・・・首です。」 コクオウは、佳奈を床に寝かせると、首の傷を指さした。 「ひっ・・・・。」 その傷の痛々しさに、思わずミミアンは顔を歪めた。 「・・・・」 アトロポスは相変わらず黙ったままだ。 「・・・・良い機会だ。実験をしておこう。」 アルティカはそう呟くと、黒い袋を取り出した。 「それ、何?」 「見ての通り何の変哲もない袋だ。さっき図工室から拝借してきた。」 ミミアンの問いに、アルティカは手を動かしながら答える。 袋から、ラップに包まれた透明な液入りのビーカーを取りだし、その内の一つのラップを剥がした。そして、ビーカーを佳奈の首の上に持っていき、慎重に傾けた。 ジュワッ! 液が佳奈の傷に数滴落ちた瞬間、熱そうな音を立てて、傷は綺麗に塞がった。 目を丸くして驚く3人。アトロポスは分からないが。 「ククク、驚いたかい?これは傷を塞ぐ薬だ。でも、そんなことはどうでも良い。重要なのは、使い方だ。」 アルティカは佳奈の頭をつかんで、高く持ち上げた。 「おい、ミミアン。もしこの『人形』がいきなり目の前に出てきたら、どう思う?」 「えと・・・ビックリしちゃいます~。」 「だろう?これを利用して、相手の隙を作り、殺す。そうすれば、ボクの薬で外傷を消し、『人形』は幾らでも作れる。強そうな『人形』を出せば、相手の動揺を大きく出来るからな。それに、大量に作って教室に並べておけば、あたかもたくさんのポケモンが集まっているように見えるだろう。とまぁ、このように利用方法は幾らでもあるのさ。これが天才科学者アルティカ・リクロアスの実力だ!」 長々とした説明を終え、満悦した表情のアルティカ。この説明を理解できたのは、恐らくコクオウだけ。もしくは、コクオウとアトロポスだけだろう。ミミアンは、未だに首を傾げている。 「なるほど。相手の心を乱すところが素晴らしいですね、アルティカさん。」 「クハハハ!そうだろう!」 笑顔で言うコクオウに、ますます得意気になるアルティカ。その笑顔が演技とも知らずに、安心したミミアンがコクオウに自己紹介した。 「わたしはミミアンだよ~。よろしくね!あと、こっちがアトロポスちゃん!」 「そうか、宜しくね。ミミアンちゃん、アトロポスさん。」 表面上の笑みでミミアンの頭を撫でるコクオウが何を思ったか、それは、コクオウにしか分からなかった。 「・・・・・・いつまで歩かせるつもりだ」 先ほどからずっと先頭にいるアトロポスに、痺れを切らしたアルティカが聞いた。 もちろん返事は無い。 はずだったのだが、意外な事にアトロポスは振り向いてアルティカに顔を向けた。 「ようやく喋る気になtt・・・」 言い終わる前にアトロポスは葉っぱカッターを放ち、それはアルティカの頬をかすって飛んで行った。 じわり、と頬から血が流れていく。 「・・・ッ!テメェ!一体何・・・」 ―――――バタッ その音はアルティカの背後から聞こえた。 「きゃああああああああっっ!?」 廊下中にミミアンの叫び声が響く。 そこにあったのは、動脈を葉っぱカッターで切り裂かれた1人のゴーリキーの死体だった。 「・・・・・・・・・・・・そいつ1人を倒しただけで油断しないでください。 囲まれてます・・・」 コクオウの言うとおり、気配だけはあらゆる方向から感じ取る事ができる。だが姿を確認する事はできない。 そんな中、突然アトロポスが走り出した。 こちらに顔を向けながら。 ミミアン・コクオウ・アルティカの3人はアトロポスが自分達に何を伝えようとしたのか、この時ばかりはすぐに分かった。 ”こっちだ。急いで” 3人はアトロポスに連れられて走り出した。 斬子は校長室を出た後、1階を回って2階へ、更に2階を回って3階へと上がっていった。 「さて、3階にはどういう教室があるのやら…」 そんな事を言いながら、廊下を歩いて行く。その時、足元からピチャッという音がした。水でも零れていたのかと、斬子は足元を見てみる。 「こ、これ…血だ」 ふと前のほうを見ると、血溜りが出来ている。そこには、ゴーリキーの死体が転がっていた。動脈を刃物か何かで切りつけられた様な跡がある。 「ま、まさか、こんな所に…んっ?」 いきなり死体を直視して気が動転していた斬子であったが、何者かの気配を感じ取り、後ろを振り向く。 「後ろに誰か…いや、後ろだけじゃ無ぇみてーだな」 どうやら斬子は、前からも気配を感じ取ったらしい。 「挟み撃ちされたかねぇ。オレとした事が…まぁここは、アレだな」 斬子は、そう言うと前かがみになる。何かをする体勢なのだろう。 「行くぜ…!」 そう言うと、斬子は前方へと飛び出した。 シュタタタタッ……! 逃げるが勝ち、と言わんばかりに、斬子は廊下を駆け抜けるのであった。 「よしっ。何とか前に居たヤツもやり過ごせたな。もうそろそろ止まっても…ふげっ!」 時折後ろを見ながら走っていた斬子は、ふと前を見た瞬間、何かとぶつかった。そりゃあ、廊下をとてつもない速さで走っていれば何かにぶつかるもの当然だが。 「あいててて……いってー…な…?」 文句を言おうと前を見るなり、斬子は絶句した。そこに居たのは、ポケモンだったからである。しかも、向こうも相当ご立腹のようだ。 「…ヤバ」 そう呟く斬子であったが、それは到底声にならなかった。
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全学共闘会議、鯖でサバゲーの反省を活かして完成した究極のサバゲー企画。 広い場所=高田馬場、サバゲー感=全学の時の銃、で完全なものとした。 しかし、企画当日の天気予報は生憎の雨。 延期にせざるを得ないと思われたが、 実際は雨があまりふっていなかったので実施されたデバッグ企画。 本物の企画はReババイバルゲーム、通称、リバイバルゲーム、として 8月に延期された。 7月実施
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プロローグ レイナ 「うっ…ここは?」 レイナはどこかの一室にいた。おそらく理科室だろう。 レイナは理科室に自分が倒れていたことにおどろいた。 自分は姉と一緒にあそんでたあずなのに…と。 すると、突然… 『今から君達に、この学園を舞台に10匹になるまで殺し合ってもらう。』 スピーカーから感情の感じられない声がした。 「えっ?殺し合い?なんで?」 レイナは絶望した。 「でも誰も殺し合いなんかしてないよね?するはずがないもん!」 そう自分にいいきかせて歩き始めた。 だがそんな願いは虚しかった。 歩き始めてすぐ目にとびこんできたもの。 それは… マッスグマの死体だった。 正直、驚いた。そして、確信できた。本当に殺し合っているんだと。 「き…きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 理科室にレイナの悲鳴が響きわたった… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ プロローグ ルナ ルナは太鼓の音で目がさめた。 寝ぼけてしっぽで叩いたのだろう。 「なに…ここ…」 太鼓があることから音楽室だとわかった。 「私は確かレイナと遊んでいたはず…」 ルナが独り言を言っているとスピーカーから声がした。 『今から君達に、この学園を舞台に10匹になるまで殺し合ってもらう。』 「なっ!」 ルナは当然驚いた。 「いいなり殺し合えと言われても…」 「!!もしかしてレイナもここに?それならモタモタしてられない!」 そして、ルナが音楽室をでてすぐのことだった。 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 悲鳴がきこえた。 「この声はレイナ?やっぱりレイナもいる!」 その声はまぎれもなく妹のレイナだ。 ずっと一緒に暮らしてきたので声をきいただけでわかる。 ルナは走った。悲鳴がした方向へ。 刻皇は走りながら、周りに気付かれないよう、心の中でそれぞれの三匹について考えていた。 まずは、最初に話しかけてきた、おそらくグループのリーダーであろう、ジバコイルのアルティカだが、この男は間違いなく使える駒である。 しかも、まさかこんなに早く、最優先で引き込もうと狙っていた、あの知識人を見つける事が出来たのは夢にも思わなかった。 こいつの存在に気付いたのは、学園内のセキュリティシステムのOSを書き換えていた時、理科準備室にある薬品庫の電子ロックが、放送直後の時間帯に、何者かに開けられていた記録を発見してからだった。 しかも、壊して強引に開けた訳ではなく、多少の細工の形跡は残っていたとはいえ、スムーズに開けていた事から、自分と同じ機械に詳しい知識人が、このゲームに参加しているのを知る事ができた。 そしてアルティカに出会った時、この男が薬品を入れていた袋を、四階にある図工室から拝借してきた、という話を聞いた瞬間もしやと思い、最初の放送が流れていた時、どこにいたのかさりげなく聞き出してみると、案の定、四階の理科準備室にいたと答えただけでなく、その後、その場所で先程使った薬品を作っていた事まで話してきた。 これだけでも、電子ロックを開けた知識人の正体が、アルティカだというのは十分理解出来た。 しかし、この男はナルシストな性格なのだろうか?別に聞いてもいないのに、これらの薬品の材料を手に入れるために、理科準備室の電子ロックを、いとも簡単に開けた事まで自慢し始めた。 『そんなことは、聞いていない』と言ってやりたかったが、今の自分は臆病で気が小さく、心優しいフーディンを演じなければならなかったので、取り敢えず笑顔でおだてる事にした。 全く・・・演技とはいえ善人面も楽じゃない・・・。 何はともあれ、知識人がこちら側に入ったのは都合が良い。 なにしろ、例のバリアシステムのセキュリティレベルは非常に高く、解析には自分一人では間違いなく厳しいだろう。だからこそ、優秀な頭脳を持った知識人は、このゲームからの脱出には、非常に欠かせない戦力なのである。 それに、『自分の研究が成功すれば、周りの事はお構いなし』的な、根っからのマッドサイエンティストは、ある程度こちらの本性を見せ易い。 まあそれは、もう少し後になってからだが・・・。 次に、フリフリワンピースとリボンを付けた、ミミロルのミミアンだが。 佳奈の死体を見た時の怯えた表情から察するに、余り場馴れしていないようだ。 精神面においては、足手まといになり易そうだが、覚えている技は捨て身タックルや冷凍ビーム等、それなりに使える技を覚えている分、佳奈よりはマシな方だろう。 問題なのは、こいつがアルティカの事を気に入っているらしく、必ずアルティカの後を付いている事だ。 もしアルティカをこちら側に引き込めば、『もれなくミミアンが、セットで付いて来ま~す』・・・などと、どこぞのファーストフード店みたいな事になる。 アルティカは兎も角、ミミアンは少なくとも、自分の本性を受け入れられるタイプではないと思うから、その時になったら、始末する方がいいだろう。・・・まあそれまでは、仲間を増やすためのサクラとして、精々利用させてもらうつもりだが。 最後は、仮面を被っており、現在先頭を走っている、キマワリのアトロポスだが。 こいつははっきり言って分からない事が多すぎる。 男か女か分からない以前に、年齢も性格も、ましてやこいつの今の目的でさえ、何一つ分からないのだ。 だが、それよりも気になる事は、アルティカとミミアンがアトロポスの事を多少知っているにも関わらず、その情報が余りにも食い違っている事だった。 アルティカが言うには、アトロポスは、少なくとも三年前はこの学園にいた十五歳の男子だと言うが。 ミミアンが言うには、一年前ここにやって来た九歳の女子だと言う。 ただ、具体的な話を、二匹に聞いてみたが、どちらとも声を合わせて――――― 「何も分からない」 ―――――と、答えるだけだった。 しかし、二匹の身の上話を信じるならば、どう考えても初対面であるアルティカとミミアンがアトロポスの事を、中途半端とはいえ知っている違和感から、ある一つの仮説が立った。 もしかしたら、アトロポスには記憶を操作する力があるのではないのか。ただ理由は分からないが自分を除いては・・・。 もしそうだとすれば、主催者は何故そんなヤツまで、このゲームに参加させたのか? いや、もしかしたらこいつは、このゲームが始まる前から既にこの学園にいて、主催者もヤツを探しており、しかも、こいつに何かさせる、あるいは何かされるかを、しようとしているのではないのだろうか? 黙々と考察を続けるが、所詮は机上の空論でしかない。しかし、刻皇は直感的に感じていた。 アトロポスが自分にとって、敵であろうが味方であろうが、主催者にとっては弱点の存在に成りえるのではないのか、と。 (アトロポスか・・・こいつの正体が、このゲームの鍵になるかもしれんな) エンメイ「これからどうするんだ?」 マリアが加わりその後の事を考える事にした メイ「周りは敵だらけ…でもマリアは違うね…」 マリア「そうとは限らないよ」 『き…きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』 いきなり叫び声が聞こえた、そこには一匹のブースターがいた マッスグマの死体を見たのだろう… エンメイ「早速いたか…さてどうする?」 メイ「あの人…混乱している、気絶させたほうが…」 マリア「ここは私に…」 即座にマリアは弱めの十万ボルトを繰り出しそのブースターを気絶させた エンメイ「で…やったのはいいがこの子はどうするんだ?」 メイ「保健室で寝かしておこうよ…」 エンメイ「そうだな、俺が運ぶよ」 ミオは、目の前に立つマニューラを、敵意のこもった目で精一杯睨み付けた。 長い沈黙が流れ、恐る恐る、というようにマニューラが口を開いた。 「えーと・・・わ、悪かったな。行き成りぶつかったりして。」 「そんなことを言って、誤魔化せると思う?」 「・・・へ?」 「とぼけるな!ボクに体当たりを食らわせて隙を作るつもりだったんだろう!?」 「・・・はい?」 二人のやり取りを冷静且つ客観的に見ていたミライは、二人の間に勘違いが生じていることに気が付いていた。 マニューラの方は、恐らくぶつかろうと思ってぶつかった訳ではなく、事故であるといいたいのだろう。 一方ミオは、音もなく走り行き成りぶつかってきたマニューラが自分を殺すために体当たりで攻撃してきたと思っているようだ。 ミライの経験上、一方は事故で一方は故意だと思っているこの手の勘違いが一番厄介だ。 「だーかーらー、あれは事故なんだって!ホント悪かったよ!」 「嘘をつくな!そんな事でボクが信じるとでも思ってるのか?」 事故だと主張するマニューラにとってはミオの発言がカチンと来たようで、急に攻撃態勢になり声を荒げた。 「人の話を聞きやがれこの野郎ッ!冷凍パンチ!」 「本性を現したようだね!水の波動!」 マニューラの拳とミオの波動がぶつかり合う・・・・・直前だった。 「・・・・何で邪魔したんだ。」 ミオの放った水の波動はミライのサイコキネシスで相殺され、マニューラは催眠術で眠っていた。 「無益な争いなら避けた方が良いわ。無駄なダメージを追ってしまうし、PPももったいないもの。」 微笑みながらミオを制すミライ。ミオは渋々攻撃を止めた。 「とりあえず、この人が起きてから話を聞きましょう。」 2人は、3階の廊下でマニューラが目覚めるのを待つことにした。 祐樹「…………?、 ここは?」 彼はなぜかすごい眠気におそわれ夢の世界へ行ってしまった 祐樹「と……とりあえず歩こう、」 そして進むと、 ?「お前ハ誰ダ?」 まるで自分のような声が来た 祐樹「そ……それはこっちのセリフだ!」 裏祐樹「俺ハお前ダ」 突然意味不明の言葉が来た 祐樹「は?」 祐樹が首を傾げているうちに 裏祐樹「シネッ!!」 裏が襲いかかって来た! 祐樹「げっ!!!」 すかさずよける祐樹だが裏は 裏祐樹「マダマダァ!!!」 祐樹「しっ死ぬ!!!」 必死でよける祐樹、 裏は遊んでいるかのように攻撃を続ける 祐樹「おらあ!!」 祐樹が攻撃をし始めた!!!、 裏祐樹「アマイッ!、 ナッ」 ドカッ 体当たりが当たる音がした 祐樹「どうだ!!!」 裏祐樹「オワリダ………」 祐樹「ぐわっ!!!」 追い詰められる祐樹、 追い詰める裏、 そのとき!!!! 祐樹「負けたくない!!しにたくない!!!」 裏祐樹「?」 祐樹「うらああああああああ」 祐樹がアイアンテールを使った! 裏祐樹「グフ!!!」 ドサッ 祐樹「………………」 裏は倒れ消えていく そう、自分からいなくなっていくように 裏祐樹「………キエルノカ…」 祐樹「そうだな」 裏祐樹「………また会おうな」 そして裏は消えた とある部屋の1台のパソコンに、それは映っていた。 「・・・・・・・・・? 真っ直ぐ・・・こちらへ向かっている?」 その声は、この狂気に満ちたゲームの参加者ならば誰もが聞いたであろうあの声と同じだった。 『今から君達に、この学園を舞台に10匹になるまで殺し合ってもらう。』というアナウンス。その声の主がPCを見て言った。 「真っ直ぐ・・・最短ルートでこちらへ向かってきている? まさか、私の居場所を知る者がいるというのか!? 誰だ!?」 ”声の主”。主催者であるかどうかはまだ分からないこの男は、すぐさまPCのモニターに映っている者達が誰なのかを調べ始めた。 といっても、やる事は生徒名簿と照らし合わせる程度の事だが。 アルティカ・リクロアス。 ミミアン=ミルシュート。 冥羅 刻皇。 名簿に載っている者の名前が特定されるのには、さして時間はかからなかった。た だ 1 人 を 除 い て 。 「誰だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・?こいつは・・・・・・」 4人の先頭を行く1人のキマワリ。ただ1人、この生徒の名前だけは見つける事ができなかった。 ―――――いや、そもそもこの学園の生徒であるという証拠など最初から何一つ存在しない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・こいつは・・・一体誰だ・・・?」 ――――――――――――――――――――――――― 思えば、最も敵である可能性が高いのはアトロポスではないだろうか。アルティカは走りながらそう考えていた。 そもそも「ついてこい」と一言・・・しかも喋って伝えた訳じゃない。自分から生やした根っこをそういう文字の形にして伝えただけだ。 最悪の場合、アトロポスは敵の中心まで自分達を誘い込んで嬲り殺しにする可能性だってある。 現に今、アトロポスについて行ったせいで大量の敵に追いかけられる事になってしまっている。 そしてアルティカは、その原因がもしこいつについて行った事にあるのだとしたら・・・・・・・・・という推論に到った。 主催者側と手を組んでいるのか、あるいは主催者側に狙われているのか。どちらにせよ、このゲームの鍵を握る存在である可能性は高い。 図ってか図らずか、刻皇が考えた推論と一致した。 「はぁっ・・・・・・ はぁっ あ、あの・・・アトロポスちゃん? はぁ・・・・・・ね、ねぇ、ここって・・・」 息を切らしながら問うミミアンに、刻皇が代わりに答えた。 「体育館だね」 電気は通っているらしく、壁のスイッチを入れるだけで体育館中の灯りが灯った。 照らされていく館内。 次々に見えてくる様々な物。バスケット用のゴール、地面にテープを貼る事で作られた白線、用具倉庫の扉。 そして・・・・・・・・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・・・状況が全く好転してない気がするんだが?」 周りを見渡しながらアルティカが言うと、体育館のありとあらゆる場所から大量のポケモン達が一斉に現れた。 その数はかなり多く、のんきに数えていたらその間に殺されてしまう程である。 一度取り囲まれた中を抜け出して、更に多くの敵達に取り囲まれる。確かに状況は好転どころか悪化の一途を辿っている。 「でも、これで1つ分かった事があります」 敵達を目の前にして4人が1箇所に集まっている中、刻皇はさして慌てる様子も無く口を開いた。 「アトロポスさん。あなたがもし敵だったら、すぐにでも敵側に付くはずですよね? でも今、あなたがそんな事をする様子は無い。それどころか敵達もあなたを味方だとは思っていないようです」 刻皇がそう言っている間にも、敵達は四方八方からじりじりと近づいて来ている。 「そして、この敵の量。主催者側にとって、あなたはよっぽど邪魔なのでしょうね。 その理由が今までの行動にあるのだとしたら・・・」 敵の1人が痺れを切らして飛び掛った。 「主催者の居場所、知ってるんですよね。そして今あなたはそこへ向かっている。だからこいつらは・・・!」 言い終わると同時に放った刻皇のサイコキネシスが、飛び掛ってきた敵を直撃した。 そして刻皇とアトロポスは互いに顔を見合わせ・・・片方は表面上の笑みで、もう片方は満面の笑みの仮面でアイコンタクトを交わした。 どちらも偽りの笑みである事に変わりは無い。 「上等じゃないか。これだけ大勢いれば薬の人体実験も飽きるほどやれるしね」 アルティカは服の中に隠し持っていた数本の薬のビンを器用に指と指の間に挟んで取り出した。 一体どこに隠し持っていたのか非常に気になるが、どれも一目見ただけで危険である事がすぐ分かる程鮮やかな色をしている。 「わ・・・私も戦う!足手まといになんかならない!」 この敵の集団を全滅させなければ先へは進めない。4人にはそれがなんとなく分かった。 いや、アトロポスに到っては最初から全てを知っていたとしても不思議ではない。 この先に何があるのかを確かめる為、4人は戦闘を開始した。 大量に押し寄せる敵たちを倒すべく、アルティカ、ミミアン、アトロポス、コクオウは四方に散らばり攻撃を開始した。 「クハハハハ!君も僕の薬の実験体になりに来てくれたのかい!」 そう言い放つと、アルティカは薬品の一つのビンのふたを開けて敵達に思い切り浴びせかけた。 「ぎゃああああ!!!」 ポケモンたちは、焼けるように熱い液体にもがき苦しむ。 「いいね!この薬は回復薬だけではなく、攻撃にも使えそうだ!」 そういい終えた直後、アルティカは敵の塊に向かって電磁砲とジャイロボールを連続発射した。 どんどん倒れていく敵たち。4人の戦闘で敵の数はすごい勢いで減って行った。しかし、後から後から襲い掛かる敵たち。一向に全滅は見えない。 「クソッ・・・キリがない!」 電磁砲で襲い掛かるピジョットを倒すと、少し離れた後方に異様な雰囲気を漂わせるポケモンが控えていた。 「・・・?」 アルティカが異様な雰囲気に気づいた直後、前方のポケモンを全て倒してミミアン、コクオウ、アトロポスが集まってきた。 「何なの、あの人たち・・・。」 怯えた様子でミミアンが呟く。 「普通とは違う、そんな気がします。」 「・・・・」 コクオウとアトロポスが身構える。すると、一番手前に居たキルリアがスッとミミアンを指差した。 「え?わたし?」 その時、嫌な予感がしたアルティカが叫んだ。 「気をつけろ!何か来るぞ!」 「う~ん…」 レイナは薬の匂いがする部屋で寝ていた。 「あれ?確か私は理科室にいて…それからどうなったんだろう?」 「マッスグマの死体を見て気絶してたのよ」 聞き覚えのない声がした。声がした方をみてみると色違いのキルリアがいた。 その横にはバシャーモとグレイシアがいた。 「あなた達は誰?もしかして私を殺すつもりですか?」 レイナは疑いながらも攻撃をする体勢にはいらなかった。 一方、ガンナーの方はと言うと・・・ 「祐樹、まずは広い場所を探すぞ。体育館から探索だ!」 「体育館より、グラウンドの方がいいだろ。」 ガンナーは祐樹と話し合いをしていた。 「いや、あんな広い場所だと隙だらけだ。まずはでかい建物に立てこもって身を守るってのが基本だ。」 「うーん、じゃあ体育館でいいか。」 どうやらガンナーと祐樹の行き先は体育館に決まったようだ。 「祐樹!はぐれるんじゃねえぞ!」 「分かってる!」 一方のデビット。 「何だ!?今声がしたぞ・・・」 現在デビットはガンナーと離れて、4階から降りて体育館付近を探索していた。 体育館の周りを探していたが、声が聞こえたため、デビットはゆっくりと扉の前に立った。 「うおぉぉおぉぉぉお!!」 何を食らうかは分からない。デビットは扉を開けた直後、10万ボルトを放った。 「!」 たまたまいたキルリアは、その攻撃をさっと避ける。 「な、何だ!?」 「味方・・・なの?」 「・・・」 「そうかもしれません。」 コクオウ、アルティカ、アトロポス、ミミアンはデビットの事を気にしている。 デビットはキルリアに電磁波を何発も放つが、なかなか当たらない。 だがデビットの目的は麻痺させる事じゃない。 どんどん後ろに下がらさせて4人から遠ざけようとしているのだ。 デビットが後ろを向くと、デビットの方を見ていた4人にこう言った。 「大丈夫か!?」 「ああ。」 「助けてくれてありがとうございます。」 「・・・」 「あなたは一体・・・?」 コクオウがデビットの名前を聞く。 「話は後だ、来るぞ!」 そう言うとキルリアがデビット達に突っ込んでくる。 「あまり戦いはしたくないんだが・・・仕方ない!」 デビットが瓦割をしようと突っ込んでいく。 キルリアは炎のパンチで防ぎ、念力ではじき飛ばした。 「ぐ・・・!」 空中で宙に浮いたままのデビットに、キルリアはマジカルリーフをとばしてきた。 「(このままでは死んでしまう・・・!何か、何か無いか・・・)」 「(・・・そうか、あの技が・・・!)」 デビットはある技を使った。 その瞬間、マジカルリーフはデビットの心臓に直撃し、地面に倒れた。 「「「「!!」」」」 4人は目を見透かした。 「その程度かい?」 なんとデビットは生きていた。マジカルリーフが当たったデビットは影分身だったのだ。 「さあ、反撃開始だぜ!」 斬子が3階廊下で眠っている一方、美羽は職員室で死闘を繰り広げていた。 「くっ!」 何度も繰り出される雷パンチを避ける美羽。だが、彼女自身はまだ一度も技を繰り出していなかった。敵に圧倒され、防戦を強いられているのだろうか。 「オラどうしたァ!このままじゃ殺されるのも時間の問題だぜ!」 敵のエレブーにそう言われながらも、美羽はまだ何もしようともせず、相手の技を避けるのに必死だった。 「あっ!」 美羽は、とうとう自分が壁に追い込まれた事に気付く。だがその時、敵が電磁波を放つ。間一髪、美羽はそれを避け、電磁波は壁に打ち付けられた。 「はぁ…はぁ……うッ!」 不意をつかれ、美羽の首に相手の両手が襲い掛かる。 「あ…がぁ…」 かなりの力で喉元を圧迫され、美羽は声にならない声を出す。 敵は、生き残りへの第一歩を踏み出したとでも思っているのか、満面の笑みを浮かべている。だが、今殺そうとしている相手である美羽が、口元で冷たい微笑を浮かべた事には気付かなかった。 ―ザシュッ 「……?」 敵のエレブーは、自身に今何が起こったのか、全く分からなかった。そして、自身が相手のエアスラッシュで首を引き裂かれたと言う事を理解できずに、そのエレブーは死亡した。 「ゲホッ!ゲホゲホッ、ゴホッ!……はぁっ、はぁっ、はぁ…」 敵に首を絞められ、激しく咳き込む美羽。落ち着きを取り戻してから、ようやく口を開く。 「まさか首絞めが来るとはね…まあ、結果的に隙が出来たからよかったけど」 どうやら、隙を突いて一発で殺すつもりだったそうだ。 体力を大幅に消費したな、と思った美羽は、羽休めで体力を回復し始めた。 「ふぅ…結構返り血浴びちゃったなぁ…至近距離だったし、しょうがないわね」 体力を回復した美羽は、近くにあった紙やらタオルやら使い、血を拭った。 「結構綺麗になったわね…はっ。そういえば、斬子!」 慌てて職員室から出る美羽。だが、斬子が居るはずも無かった。 「居ないか…そりゃそうよね…でも、あの時見たのは確かに…」 だが、美羽は直ぐに決意を固めた。 「私は…生き残る。そして、斬子に会う。2人で生き残ってやる!」 「たしか上の方から声がしたはずだけど…とりあえず上に行くか…」 ルナは階段を駆け上がった。そして廊下を少し歩いていくとシャワーズとサーナイトがいた。そしてマニューラが寝ていた。 「…お前達ここで何をしている?」 ルナはシャワーズに話しかけた。 ルナにきずかなかったのか少しビクッとしてから攻撃体勢にはいっていた。 「なんだおまえ!!そうか、お前もボク達を殺すつもりだな?」 「ミオ。落ち着いて…」 「そんなことよりこっちにブースターの女の子こなかった?」 「そんなことってなんだよ!どうせそのブースターもお前から逃げてたんだろ!」 「だから、落ち着いて。」 「なっ!」 口喧嘩になり最終的に2匹とも戦うことになった。 「だから二人とも落ち着いて!」 しびれをきらしたのかサーナイトが怒鳴ってきた。 「二人とも何か勘違いしてない?」 「だってこいつボク達を…」 「私は殺しなどに興味はない…」 「えっ!?」 シャワーズはとても驚いていた。 なんで。なんでなんでどうして。 そこに巴巳が居るのか分からない。 とりあえず…―― 「ご…ごごご…ごゆっくりィぃいアゥぅウウうゥウ!!!」 そう大声で言って、猛烈猛ダッシュで逃げていった。 ――― ああ、もう自分馬鹿だ。 馬鹿としか言いようが無い。 どうして知ってる人までスルーしたんだろう・・・ ばたばた… 階段を思い切り昇りきると、着いた場所は四階の―… 「理科…準備室?」 ―…だった。 ――― そこには、誰かが絶対居たような跡があった。 足跡でもなければ指紋でもない。其れは… 「電子ロック、解除されてる・・・」 其れだったのだ。 特定された生徒だけじゃ、普通に分からない筈の薬品庫の電子ロックが―… 「…使えそう」 そう一言つぶやくと、彼女はいきなり薬品を全て引っ張り出した。 そして、混ぜる。混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる。 混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜ る混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる混ぜる 混ぜる混ぜるマゼルマゼル・・・・・・・・・ 必死に調合した。 ただたんに混ぜているだけなのに、それだけで必死だった。 「使えるはず・・・絶対に!」 …そして、気がつけば、青緑色に光る、得体も知れない水溶液ができていた。 「……できた」 その青緑色の水溶液を、試験管に満杯になるまで入れ、空の瓶にも全て入れた。 「決戦場は・・・運動場に或るのみ。アゥ」 そう一言言い、彼女は理科準備室を後にした。 ―…彼女の言っていた事が、まさか本当に成るとは思いもせずに… 私にとって大切なものって何? 自分自身に問いかける。 皆みんなミンナ、一緒? 自分が一番可愛いの? ……違う。チガウ。 「わたし」は、きっと違う。 それを行動で示したい―――― * * * 「と……もみ…?」 「いってぇ……なんなんだ一体! 突っ込んできたと思ったら出てって……」 ココは唖然としていた。間違いない。巴巳だ。 鮮やかな青緑色の羽、どこか幻想的な水色の炎。自分の知っている「舞 巴巳」だ。 大好きな友達に会うことの出来た嬉しさと、 こんな殺し合いの場で出会ってしまった悲しさに、同時に襲われた。 涙は溢れてこなかった。それが普通だったから。 けれど―――― (巴巳……尋常じゃなかった……。何時も落ち着いてる巴巳が……) そう。落ち着いていて、同い年のポケモンよりずっと大人の風格を漂わせている巴巳が、あれだけ慌てているのはおかしい。 ……否、おかしくなんかない。取り乱し、冷静さを失うことの方が正しいのだ。 自分の用に、ずっと落ち着いている方が――「殺し慣れている」ということの方が、ずっとおかしいのだ。 (だめ……ダメ……! あんなに取り乱してたら……死んじゃう……!!) 殺し合いの場で冷静さを欠くことがいかに大変なことか、ココは知っていた。 だからこそ、巴巳を助けたい。否、「大切な友達」だからこそ助けたいのだ。 『ココはいい子ら゙ねぇ。アゥ』 そう言って、穏やかな表情で。 ゆっくり頭を撫でて―― 存在を、認めてくれた。ミオ以外の友達。 血で穢れた自分を、『いい子』だと言ってくれた掛け替えのないトモダチ―― ココは無言のまま、ふらりと校長室を出ようとドアに歩み寄った。 「お、おい! どこに行くんだよ」 「彼女を……巴巳を……追いかけます……です」 慌てて呼び止める波楼に対して、ココはいとも当たり前のように答えた。 何時もの、無表情で。 「無茶だ! どこに行ったかも分からないってのに!」 「巴巳は……随分取り乱していました。何かしら形跡は残っている、ハズです。いくらか近づければ……波導を感じて追跡出来ます」 「けどっ……!!」 するとココは何を思ったのか、波楼の方へ向き直る。 そして床に膝を、手を着き、地面に額を合わせる。――土下座、だった。 「なっ……」 「お願い……します」 その声は、震えていた。 「ぼくは……彼女を助けたい……。一緒に……一緒に、帰りたい……!!」 紛れもなく、本心。 穢れた手の罪滅ぼしでもなく、ただただ「トモダチ」を助けたい、それだけ。 「……分かったよ」 波楼は渋々承諾した。上がったココの顔は、どこか明るかった。 裏「俺はキエタ…………ノニナンデマダイルンダ?」 裏は消えてなかった 裏「俺は表ニコロサレキエタ…………」 ?「あなたにもう一度………チャンスを与えます」 裏「ダレダァ!」 ?「誰でもいいです、けどこれだけは聞いてくださ」 裏「シネッ」 シュン ?は消え別の場所に現れた 裏「マテ!!!」 ?「金縛り!!!」 裏「ウッ!!!金縛りカ………」 ?「私は全ての技を覚えている、無駄だ」 裏「ダッタラ教えロ、イイタイ事はナンダ?」 ?「あなたを一回だけあそこへお連れします」 そこは体育館だった 裏「ドウシテダ」 ?「そこで待ち伏せをしてください、」 裏「ソレデ?」 ?「そこに来た者を、 殺す 」 裏「………ワカッタ、ダガ」 ?「ん?」 裏「名前をキコウ」 ?「名前は…………」 そういっている内に裏は落ちて行った 裏「マアイイアリガトヨ」 ?「一人でも殺す事を失敗したら」 裏「ワカッテル」 そして裏は体育館に立った 裏「サア、殺し合いヲハジメルゼェ!!!!!」 そのころ一方祐樹達 祐樹「!!!!!」 ガンナー「どうした」 祐樹「いや、何でも」 「だから私は殺しなどに興味はない…」 どうやらルナは勘違いされていたようだ。 「でも殺し合わなきゃ生き残れないんじゃ…」 「別に殺し合わなくても主催者見つければすむ話ではないのか?」 「じゃあさっき言ってたブースターって?」 「妹だ…。さっきも言ったが見なかったか? ルナはレイナのことをききなおした。 「見てないわ…4階か1階いるとおもうけど…」 ルナの問いにはサーナイトが答えた。 「そうか。ならお前等にようはない…じゃあな…」 ルナは立ち去ろうとした。が… 「ちょと待って!!」 サーナイトに呼び止められた。 「あなたも仲間がいたほうが楽じゃないかしら。私たちと手を組まない?」 「なっ!ミライ、何考えてるんだよ!!」 シャワーズは反対のようだ。 ルナは少し考えた。 (たしかにレイナを探すには大勢のほうがいいな…) 「…私の妹を殺さないと約束するのならな…」 「そう!じゃあ決まりね♪私はミライ! こっちのシャワーズがミオ!よろしくね!」 「ミライかってにきめるな!」 「いいじゃない。で、あなたの名前は?そして妹さんの名前は?」 「私は…ルナ。妹はレイナ…」 「さあ、反撃開始だぜ!」 デビットがキルリアと対決している最中、アルティカがある違和感に気が付いた。 「ちょっと待て、刻皇はどこにいる?」 「えっ?あれ、そういえば・・・」 アルティカに言われて気付いたミミアンも後ろを見たが、いつの間にか背後にいた筈の刻皇の姿が消えていたのだ。 「まっ・・・まさか、誰かにさらわれたの?」 「バカ言え!悲鳴位は上げている筈だ・・・」 アルティカは周囲を見回したが結局、刻皇の姿を見つけることが出来なかった。 一方、激戦中が続いている体育館、その屋根の上に刻皇はいた。 「クククク、主催者の居場所が分かれば、もうあいつらは必要ないか」 実は、アルティカ達がデビットとキルリアの対決に視線が向いている隙に、テレポートで体育館から脱出していたのだ。 何しろあれだけの数だ、このまま戦い続けてもジリ貧になるのは目に見えている、ならば無駄な体力は消耗せず即座に離脱すれば良い、勿論周りの連中を捨て駒にしてだが。 取り敢えず、あの三匹が・・・いや、後からやってきたあのピカチュウ、名前は聞きそびれたが、腕は立つのは間違いない、そいつも含めれば四匹だが、いずれにせよ、焼け石に水程度の戦力に変わりないが。 仮に、そいつらが運良く主催者を倒せればそれで良し、もし倒せなかったとしても、向こうも無傷では済まないだろうから、体制が整う前に他の参加者をけし掛け続ければいずれ落とせるはず。 兎に角、わざわざ自分が戦う必要はどこにも無い、だから、このゲームから脱出したいと考えているゴミ共を利用すれば、自分は高みの見物をするだけで充分という事だ。 「とは言え、レーダーの範囲が無い外は危険だな、まずは校舎内へ・・・・・・ん?」 その時、自分のいる校舎体や育館を見た瞬間、刻皇はあることに気付いた。 「おかしい・・・何故どこにも、あれが無いんだ?」 刻皇は校舎の全体をくまなく探してみたが、そこに在るべきはずの物が無かった。 いや、この場合在る方が不自然なのだが、それだと今までの理由が付かないのだ。 この学園は高い塀とバリアで囲まれており、外部から完全に隔離されている為、電気が通らない筈である。つまり、在るべき物とは電線の事なのだ。 それが無いにも拘らず、主催者がアナウンスを使ったり、パソコンルームでパソコンが使えたり、体育館の電灯までも点く事が出来たのは、恐らくそれらのエネルギーは学園内で生成されているかもしれないという事である。 しかも、学園全体となるとその量も半端ではない筈、しかしその様な発電施設が見つからないのはポケモンの力を使っている確率が非常に高い。 だとすれば、今この学園を覆っているバリアシステムのエネルギー・・・いや、このバリアその物も、別のポケモンの力を用いているのではないか? もしそうなら、そのポケモンがいる可能性が一番高い場所はバリアの中央部分、つまり校舎手前に立っている、一番大きな桜の木の中という事になる。 しかし調べようにも、確実性も無い上に、見晴らしの良いグラウンドに出るのは余りにも自殺行為である。 どうやって行くか考えていると、四階の理科準備室の窓から色違いのリザードンが飛び出してくるのが見えた。 よく見ると、青緑色の見るからに危ない薬品が入っていそうな試験管やビンを、両手に沢山抱えており、その表情は冷静さを完全に欠いている上に、いつ心が壊れてもおかしくない状態だった。 この様子を見た刻皇は、あのリザードンを囮として利用する作戦を思いついた。 方法は簡単、リザードンを抑えたらグラウンドの真ん中へテレポートで飛ばし、薬品の一つをトリックで奪い取り、それを相手の目にぶっ掛け視界を封じ、パニックに陥らせて暴れ回らせば良い。 そうすれば、グラウンドにいる連中が囮を仕留めるまでの間、桜の木を調べるくらいの時間は稼げるはずだ。 「クククク・・・・・・恨むなら、おれに目を付けられた不幸を恨むんだな」 言い終わった瞬間、刻皇は色違いのリザードンの背後に現れていた。 がらら 祐樹達は体育館の扉を開ける 祐樹「!!あれは!」 ガンナー「祐樹が言ってた裏!!」 裏「ケケケ………ヒサシブリだなア」 祐樹「くそっ、まだお前い………」 裏「アアン?なんてイッタ?」 ガンナー「とにかくこいつをたお ぐおあっ!!」 ガシャン ガンナーは閉じ込められた 祐樹「ガンナー!!!」 裏「無駄だア、そいつハ俺ノ獲物ダ」 祐樹「は?」 裏「とにかクこいつハ俺ガコロス」 祐樹「させるか……」 ガシャン 祐樹も閉じ込められた ガンナー「祐樹!!」 裏「サア、シネ!!!」 祐樹「させるかあああああああ!!!!!!」 祐樹の体が光につつまれ、デルタになった ガンナー「あれはデルタ!!!、自分のタイプを変えられ、そのタイプの代表的技が使えるようになる!!!」 祐樹「さあ……………いくぞ!!!」 裏「アア、キナ」 エンメイ「馬鹿言え、殺す気などはない」 レイナ「よかった…とりあえず今の現状はわかりますか?」 そこで3人は説明した、何が起こっているのかを メイ「という訳なんだよ…」 レイナ「そうなんですか…」 マリア「だけど君はどうするの?一緒に来る?」 レイナ「いいのですか?」 エンメイ「ではないと君は殺されてしまうかもしれないぞ」 メイ「そうです…どうなってしまうか」 今の現状を見てこの三人についていったほうがいいと咄嗟に判断したのか… レイナ「わかりました…一緒に行きましょう」 マリア「私はマリア、よろしくね」 メイ「バシャーモのほうはエンメイ、そして私はメイ」 お互いの名前を教えあった…この先人数は多いほうがいいのだろう… エンメイ「これからどうするんだ?」 マリア「保健室に行ってみようよ一応怪我を治す薬とかありそうだし」 レイナ「あと…姉を探してくれませんか?」 エンメイ「姉?」 レイナ「ルナって名前のエーフィ…知らない?」 メイ「ごめん、でもどこかで会えるかもしれないよあきらめずにいこうよ」 レイナ「うん!ありがとう!」 四人は保健室に向かうため理科室を出た…その間際… エンメイ「なんだ…この薬品?…まあいい…一応持っていくか…」 マッスグマの死体に目を少し向けてその後すぐに理科室を後にした デビットとキルリアが対峙していると、行き成りキルリアはニィッと気味の悪い笑みを浮かべた。 「・・・・?」 身構えるデビット。その瞬間、キルリアは影分身をして一斉に炎のパンチで襲い掛かってきた。 「くそッ!」 四方八方から来る炎のパンチ。デビットは僅かな隙間を見つけて脱出した。・・・・ハズだった。 「ぐあッ!!」 いつの間にか分身は消え、キルリアがデビットの背後から炎のパンチをくり出した。 「オイ待て!そのキルリア、変だ!」 何かに気付いたアルティカが叫んだ。デビットが一瞬目をそらす。その一瞬に、デビットの後ろにいたキルリアは消えていた。 「何!?・・・ぐあッ!」 デビットがキルリアを探そうと振り返ると、背後にいたキルリアがまた、目にも止まらぬスピードで炎のパンチをくり出した。 「やはり・・・・あのキルリアは素速さが異常だ!」 アルティカの呟きに、ミミアンが「え?」と顔を向けた。 「さっきはそうでも無かったが、あのキルリア、笑った後はスピードが格段に上がっていた!一体何故・・・。」 二度に渡って炎のパンチを受けたデビットは、一か八かの作戦に出た。 「十万ボルト!」 キルリアに向かって十万ボルトを放つ。案の定キルリアは消え、デビットは右に走った。 「よし!」 キルリアは右に避けていた!キルリアが驚く間に、デビットは電磁波でキルリアを麻痺させ、十万ボルトを食らわせた。 「やったか!?」 後ろに下がるデビット。黒こげのキルリアは、突然高笑いした後早口で喋り始めた。 「オマエラニ、シラベサセハシナイ!」 そう言い残すと、キルリアはボンッと音を立てて破裂した。跡形も残さずに。 「・・・・。」 驚きのあまり皆、声が出ない。アルティカは1人、キルリアの謎を考えていた。
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アーケード用対戦格闘ゲーム「サバイバルアーツ(1993 スカラベ/サミー)」の攻略wikiです。 各種稼働情報 稼働情報 2018/5/20 高田馬場ゲーセンミカド「ミカド大感謝祭」にて稼働予定!