約 4,777,003 件
https://w.atwiki.jp/ichinavi/pages/21.html
[戻る] ホームページ作成 シンプルで機能的なホームページを超リーズナブルな利用料金でご利用いただけます。 インターネットに接続できれば、事務所や自宅など「いつでも」「どこでも」記事の更新ができます。メールやワードが使える人なら、誰でも簡単に操作できるのが特徴です。 今、ホームページは持っているだけでは本来の効力も発揮できないと思うのです。簡単で、便利で、活用できる事が最大の効力だと思います。活用してこそが価値観だと思います。 活用方法は、本日の目玉商品や、ランチ、売り出し、サークル活動、紹介、イベント情報と、利用目的に応じて、画像や文章でリアルタイムで表示できます。当社のホームページをご提案いたします。 料金について 基本作成料 40、000円を無料作成 基本月管理費 1,800円から 基本作成料無料件数 東北6県限定、各エリア先着200件まで無料です。 (200件作成次第終了と致します) 詳しい内容については、ぜひご連絡ください。 担当者がお伺いしご説明いたします。 ◆お問い合わせ・お申し込み: 市navi 住所 〒021-0002 岩手県一関市中里字新川原185-1 電話 0191-21-8304 メール sgt-pc-ict@song.ocn.ne.jp (担当:佐藤) メールで仕込み内容の場合 氏名(担当者) 住所 連絡先等
https://w.atwiki.jp/botproof/pages/12.html
スピネル鯖の党ホームページへのリンク集です。 規約違反者を発見した場合など、党への対応を求める際など御利用してください。 Valkyrjur党 http //azrael.main.jp/val/nyuto.htm 天下騎士党 http //tenka.maryn.jp/ Bullet-Proof党 http //www40.atwiki.jp/bulletproof/pages/1.html 追加記載の依頼等はコメント欄に残してください。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hunya/
長らく続けてきたと思われるギルドですが、今回をもちまして解散、ホームページの閉鎖を致しました。 ギルメンの皆様、今までありがとうございました^^
https://w.atwiki.jp/gokaiger/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/enahigasi/pages/5.html
【生徒数】453名 【職員数】28名 【学級数】14 学校の教育目標 「知識を深め 心豊かに 躍動する生徒」 【学校の教育目標】知識を深め 心豊かに 躍動する生徒 【校訓】切磋琢磨 東中の旧ホームページhttp //www.enahigashi-j.ed.jp/ 東中の新ホームページhttp //www.ena-gif.ed.jp/enahigashi-j
https://w.atwiki.jp/kyoryu/pages/18.html
獣電池セット ※販売月ごとに部分編集 [部分編集] 獣電池セット01 945円 2013.02.16 No. 獣電池名 獣電池カラー 備考 17 オビラップー 18 イゲラノドン 19 トぺランダ [部分編集] 獣電池セット02 945円 2013.03.02 No. 獣電池名 獣電池カラー 備考 20 グルモナイト 21 アーケノロン 22 プクプトル [部分編集] スーパー戦隊獣電池セット01 945円 2013.06.01 No. 獣電池名 獣電池カラー 備考 V ゴーバスターズ ゴーカイジャー ゴセイジャー [部分編集] スーパー戦隊獣電池セット02 945円 2013.08 No. 獣電池名 獣電池カラー 備考 V シンケンジャー ゴーオンジャー ゲキレンジャー [部分編集] スーパー戦隊獣電池セット03 945円 2013.09 No. 獣電池名 獣電池カラー 備考 V デカレンジャー ハリケンジャー ガオレンジャー
https://w.atwiki.jp/gakutya001/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/gakutya001/pages/16.html
http //mb2.whocares.jp/mbb/u/gakutya/
https://w.atwiki.jp/gokaiger/pages/48.html
サブタイトル 鎧のスーパー戦隊講座 サボった三人組 トラックの運転手が聞いていた曲 劇場「いま 風のなかで」 宇宙忍者 登場したレジェンド椎名 鷹介(しいな ようすけ)・野乃 七海(のの ななみ)・尾藤 吼太(びとう こうた) 豪快チェンジ超獣戦隊ライブマン 爆竜戦隊アバレンジャー 轟轟戦隊ボウケンジャー(ボウケンシルバー) 登場した技・用語等ダイノダイナマイト 宇宙忍法・縄頭蓋(うちゅうにんぽう・じょうずがい) サガスナイパー・サガスモード 宇宙忍法・巨大身の術( - きょだいみのじゅつ) 大いなる力風雷丸(ふうらいまる) サブタイトル 『忍風戦隊ハリケンジャー』のサブタイトルの法則性については、第25話・第26話共通ネタを参照。『ハリケンジャー』の巻之一(第1話)のサブタイトルは「風とニンジャ」。 鎧のスーパー戦隊講座 大いなる力の解説を行う際、解説対象の戦隊に応じたポーズを取っている。「まず、一番最初は、マジレンジャーのマジドラゴン」右手の親指・人差し指・小指を立て、手の甲が視聴者側に向くように胸の前で構えるポーズは、『魔法戦隊マジレンジャー』の本編でも敵を倒した際などに登場していたマジレンジャーの決めポーズで、「チェックメイト」と台詞を言う。 「そして、デカレンジャーのパトストライカー」『特捜戦隊デカレンジャー』におけるデカレッドが名乗る際のポーズ。 「ガオレンジャーのガオライオン」『百獣戦隊ガオレンジャー』におけるガオレンジャーの名乗りシーンの最後に登場する決めポーズ。 「そのガオライオンが、シンケンジャーの力で変形合体して、シンケンゴーカイオーに」『侍戦隊シンケンジャー』におけるシンケンジャーの変身ポーズ(携帯電話型の変身アイテムのショドウフォンを変形させた筆で、それぞれの属性に応じた文字を宙に書き、最後に弾いて反転させる動作)。効果音も『シンケンジャー』本編と同じである。 「忘れちゃいけない、ゲキレンジャーのゲキビースト」『獣拳戦隊ゲキレンジャー』におけるゲキレンジャーの名乗りシーンの最後に登場する決めポーズ(ゲキレッドのポーズ)。 「更に、カ~レンジャー」『激走戦隊カーレンジャー』におけるカーレンジャーの名乗りシーンの最後に登場する決めポーズ。 「ギンガマン」『星獣戦隊ギンガマン』におけるギンガマンの名乗りシーンの最後に登場する決めポーズ。 「ゴーゴーファイブ」敬礼をしているが、これは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』本編におけるゴーゴーファイブの名乗りシーンで、全員が敬礼を行っていることから。 「タイムレンジャー」背後に貼られたタイムレンジャーの集合写真におけるタイムファイヤーと同じく、右腕でガッツポーズを取っている。 「ジュウレンジャー」『恐竜戦隊ジュウレンジャー』におけるジュウレンジャーの変身ポーズ(ベルトのバックル兼ナックルガードである変身アイテムのダイノバックラーを胸の前に掲げ、上下反転させる動作)。 「アバレンジャーの大いなる力です」『爆竜戦隊アバレンジャー』におけるアバレキラーの変身ポーズ(左手首に着けたブレスレット型の変身アイテム・ダイノマインダーのボタンを押す動作)。ただし、第19話と同じく、今回も左手ではなく右手を掲げている。 「そして、ゴレンジャー」『秘密戦隊ゴレンジャー』におけるゴレンジャーの名乗りシーンの最後に登場する決めポーズ。ゴレンジャーの名乗りポーズは、『ゴレンジャー』のアクション担当が大野剣友会からジャパン・アクション・クラブ(現ジャパン・アクション・エンタープライズ)に変わった際に大きく変更されており、今回使用されたのは大野剣友会版(序盤~中盤)である。 サボった三人組 ハリケンジャーの初期メンバーは忍風館の朝礼をサボっており、鎧のスーパー戦隊講座をサボったマーベラス、ジョー、ルカとは共通する部分がある。ハリケンジャーの3人は忍風館がジャカンジャに襲撃された時、別の場所にいたおかげで襲撃から免れた。 トラックの運転手が聞いていた曲 『ハリケンジャー』挿入歌の「忍び恋」が流れていた。「忍び恋」はハリケンブルー・野乃 七海が演歌歌手・野乃ナナとして活動した時のデビューシングルである。元々は下連雀あろま『忍び恋』をカバーした曲であり、『爆上戦隊ブンブンジャー』13話では原曲のカセットテープが登場している。 劇場「いま 風のなかで」 『ハリケンジャー』のEDが「いま 風のなかで」であることに由来する。 宇宙忍者 第25話・第26話共通ネタを参照。 登場したレジェンド 椎名 鷹介(しいな ようすけ)・野乃 七海(のの ななみ)・尾藤 吼太(びとう こうた) 第25話・第26話共通ネタを参照。 豪快チェンジ ボウケンシルバー以外はマーベラスとジョー、ルカの3人が変身。今回3人で豪快チェンジした戦隊は、今回レジェンドが登場したハリケンジャーと同じく、「最初は3人戦隊として活動していたが、2人が途中から加わり5人戦隊となった」、「初期メンバーは男性2人と女性1人で構成されている」という共通点があり、なおかつ「今までキリのいい人数(3人か5人、もしくは5人+追加戦士)で揃って豪快チェンジしたことがなかった」戦隊である。太陽戦隊サンバルカンはメンバーが全員男性であり、最初から最後まで3人戦隊であったため除外される。 獣拳戦隊ゲキレンジャーは第7話で5人、炎神戦隊ゴーオンジャーは第19話で6人、それぞれ揃って変身しているため除外される。 超獣戦隊ライブマン 変身時のワイヤーフレームのエフェクトは、『超獣戦隊ライブマン』本編において、ライブマンの初期メンバー3人の変身でも使用されている。ハリケンジャーとライブマンは3人制戦隊であることや敵によって学校が破壊される、モチーフの動物を初めとした共通項が多く見られる。 ハリケンジャーの敵である宇宙忍群ジャカンジャの幹部である暗黒七本槍の五の槍サーガインを演じた岡本美登は、『ライブマン』でボルトの幹部である毒島嵐/ドクター・アシュラを演じていた。 爆竜戦隊アバレンジャー アバレンジャーは『爆竜戦隊アバレンジャーVSハリケンジャー』でハリケンジャーと共闘した。 変身した直後にマスクのゴーグル部分が一瞬大きく開く演出は、『アバレンジャー』本編でアバレキラー以外のメンバーの変身時に使用されている。 ハリケンジャーとアバレンジャーの初期メンバーには以下の共通点がある。アバレッド・伯亜凌駕は事故で兄夫婦を亡くし、姪(兄夫婦の娘)の舞と共に暮らしており、ハリケンイエロー・尾藤 吼太も両親を亡くし、妹・鳴子と共に養護施設で育った。 アバレイエロー・樹らんるは元アイドル歌手であり、ハリケンブルー・野乃七海も演歌歌手などを勤めた。 アバレンジャーのパートナーの爆竜達はエヴォリアンの襲撃で大切な家族や恋人、友達を失った経験があり、ハリケンジャーも敵の襲撃で多くの学友を失った。 またライブマン34話に登場したミクという女性はアバレンジャーの時代(2003年)の住人である。 轟轟戦隊ボウケンジャー(ボウケンシルバー) 変身者は鎧 びっクリの製造工場を探し当てるために使用。プレシャスの保護というボウケンジャーの活動目的と一致する。『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』には『ハリケンジャー』からハリケンブルー・野乃七海とフラビージョが登場している。 『ボウケンジャー』Task,25(第25話)では木の実が登場する他、戦隊メンバーが忍者(ダークシャドウ)と戦う話になっている。 登場した技・用語等 ダイノダイナマイト 『アバレンジャー』に登場した、アバレンジャーの必殺技。アバレンジャーの初期メンバー3人の専用武器(ダイノウエポン)を合体させた必殺武器・ダイノボンバーから強力なエネルギー弾を放つ。 宇宙忍法・縄頭蓋(うちゅうにんぽう・じょうずがい) サンダールJrが使用した技だが、『ハリケンジャー』本編でサンダールが同じ技を使用している。自身の頭部(鮫)を模したエネルギー体に乗り高速で突進する術。 サガスナイパー・サガスモード 『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場した、ボウケンシルバーの専用武器・サガスナイパーの機能の一つ。サガスナイパーを変形させたサガスピアを用いて敵の位置を特定したり、プレシャスの探知ができ、ターゲットを捉えた際に「ヒット!」という電子音声が流れる。今回は「ヒット!」の電子音声は流れなかった。 宇宙忍法・巨大身の術( - きょだいみのじゅつ) サンダールJrが使用した自身を巨大化させる技。元は劇場版で初登場したものだが、『ハリケンジャー』本編でサンダールが同じ技を使用している。 大いなる力 風雷丸(ふうらいまる) 第25話・第26話共通ネタを参照。
https://w.atwiki.jp/kitakoutarou/pages/166.html
そして、彼女達に仕掛けられた運命とはっ!? 今、ザンギャック帝国にゴーカイジャーの怒りが爆発するっ! 冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原を行く若者たちがいた。 宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し、海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快な奴ら! その名は、海賊戦隊ゴーカイジャー! http //www.youtube.com/watch?v=dQta-fJobys 海賊戦隊ゴーカイジャー 第13.50話「そんなの、無理に決まってる」 ―――side マーベラス ジョーが斬る。 ルカが薙ぐ。 ハカセが投げる。 アイムが穿つ。 ついこの間のアイムの誘拐騒動。今、その時と同等の怒りが俺たち全員の心を満たしている。 目の前のゴーミンを手にした武器ごと切り裂く。後ろから迫るスゴーミン共をゴーカイガンの連射で防御した腕の装甲ごと打ち砕き、粉々にする。 無謀にも殴りかかるゴーミンの顔面を握り潰し、盾にしつつ突撃を掛ける! 結界のそこかしこで同じ様な光景が広がっていた。 結果、ザンギャックが展開したあれほどの大部隊は、ものの数分で完全に結界の一角に追いつめられていた。 「……止めだ!」 サーベルにゴーカイジャーのレンジャーキーをセットし、全員が必殺技「ゴーカイスラッシュ」を放つ。 斬撃波に切り刻まれ、瞬く間にザンギャック兵は壊滅した。 これで残るは戦艦に篭る奴一匹。……いや、もう一匹。 「魔女」と言う異形がゆっくりとこちらに迫っている。 外見は正直に言って、非常に可愛らしい。 が、裏に潜む実力はどの程度なのかまるで察しがつかない。 迷いが生まれたその一瞬に、戦艦が結界から離脱しようと動き始めた。 「……させるかよっ!」瞬時に「ゴーカイブラスト」の体勢に入り、戦艦を落としにかかる。 が、放たれた5色の弾丸はザンギャック艦ではなく謎の黒い怪物に飲み込まれ、咀嚼された。 地上のぬいぐるみ魔女が、瞬時に吐き出したのだ。 おそらくあれこそが奴の本体なのだろう、その黒くてフザけた顔の塊が一直線にこちらに迫る。 「……早ぇっ!?」とっさに全員が15番目のスーパー戦隊「ジェットマン」へとゴーカイチェンジし、空中へ飛び上がる。 一瞬遅れて魔女が殺到し、先程まで俺たちが居た地面を貫いて、また反転する。 巨体に見合った破壊力と、それにそぐわないこのスピード。 おまけに地面の大部分はぬかるんで自由を奪う生クリームだと来ている。 言葉こそ喋らないが、こいつは中々の知恵者かもな……。 「おいお前ら!あそこで寝てる嬢ちゃん達は、毎日こう言うのを狩って来てんだ!…プロの海賊が負けられねぇよな!?」 おう、と4人が力強く応える。へっ、全く頼もしい事だ……! 「ジョー、ルカ!突っ込むぞ、付いて来い!アイムとハカセは撹乱しながら援護だ!」 5人の鳥人が、一斉に羽ばたいた。 ―――side 暁美ほむら 最初に目を覚ましたのは、私だったようだ。 むくりと白い大地から顔を上げる。……三つ編みがベタベタ、でも今はそんな事言ってる場合じゃ無い。 魔法少女では無くなったからか、能力で盾に収納していた火器が足元に散乱していた。 インキュベーターが私達を騙していたって事はわかってた。でも、まさかこんな真相が裏にあったなんて……あいつの本性を見抜けなかった自分に歯噛みし、辺りを見回す。 周囲はまだ一面お菓子の地獄、魔女の結界の中みたい。結界が健在なのにも関わらず、ザンギャックに射殺された訳でも魔女に食われた訳でも無い。 あのイレギュラー達がきっちり守ってくれたみたいね。 牽制にマシンガンを連射し、空を見上げる。 私達を守ってくれた5人のスーパー戦隊は、上空で「お菓子の魔女」と激戦を繰り広げていた。 巨大な魔女の周りを正しく縦横無尽に飛翔する「ジェットマン」…いえ、「ゴーカイジャー」。 並行して隊列を組んで居た5人が二手に分かれる。 白と黒の二人はより遠くへ飛び、残った三人はその場で剣を抜き放つ。 そして…「バードブラスター!」二筋の閃光が赤・青・黄の鳥人をかすめ、「お菓子の魔女」のふざけた顔面に肉薄する! その刹那、すかさず魔女は大口を開けてレーザー光を飲み込む。しかし、歴戦の海賊戦隊から見れば、その一瞬すらも永劫に映るのだろう。 三人の鳥人が大口を開ける事で自ら前方の視界を閉ざした魔女へと肉薄する。 鳥葬のように冷徹に、迅速に、魔女の黒く巨大な身体は刻まれて行く。 「……飛行斬りッ!」赤い戦士が一声の気合を発し、最後の一閃が振るわれた。 まさに一瞬、正確に言えばほんの2~3秒。たったそれだけで、魔女をぽん、と押せばバラバラと崩れ落ちてしまわせそうなほどの傷を負わせられるのだ。 「……すごい」 中学2年生にもなったのにこんな小学生並の感想しか出てこない自分を情けなく思う。 それでも、あの時の私はこう言うだけが精一杯だった。そう言わせるだけの凄まじい戦闘力。年甲斐もなく、思わず胸が弾む。 ……それだけの戦果、そして彼らの実力への信頼が隙を生んだのか。 私は後ろに迫る触手に気づきながらも、声が出せなかった。 「……逃げてぇっ!」叫んだ時には遅い。 最も肉薄した赤い戦士は、無数の傷口から生えた魔女の細い分身達の攻撃を全身に受けていた。 「……ぐあぁぁっ!?」 まどかの作った傷口を魔女に抉られでもしたのか、普段の不遜な態度からはそうそう聞けないであろう派手な苦痛を漏らし、赤い船長が落ちていく。 その姿は何時の間にか、ジェットマンからゴーカイジャーへと戻ってしまったようだ。修復を完了した魔女本体が、喜色満面で追いすがる。 ―――間に合わない 私の直感は恐らく当たっている。残った4人も全速力でゴーカイレッドを目指している。が、黒と白の二人は距離が開きすぎ、また、牽制攻撃も今の魔女は興奮して意に介さない。 さりとてより近い青と黄の二人は、傷口から伸びるミニサイズの魔女達の相手に手間取っている。 そして、私自身は。 「痛いッ?……銃がっ、撃てないっ……!?こんな時にッ!」 そう。私は最早、誰かを守る魔法少女では無く。 ドジで、ノロマで、愚かなただの中学生「暁美ほむら」でしか無いのだった。肩から先、右腕がきしむ様に痛む。 先ほど魔女に対して行った89式小銃の無計画な連射は、もはや私の右腕から筋力のほぼ全てを奪い取っていた。 誰も、何も出来ず、ただ赤い戦士が貪られるのを眺めるばかりなのかと。 私がそう諦めかけて、せめてと視界を閉ざした瞬間。 「暁美さんっ!支えなさい、早く!」聴きなれた誰かの声が響いた。 私は訳もわからず手を前に突き出し、その誰かの腰部分を抱く。この悪夢の中、ようやく頼る物が出来たような感覚。 ほっ、と一息ついた次の瞬間、耳をつんざく轟音が響き、ドチャァァァッと何かが落ちる。地面を抉り取る鈍い音が続く。 巴さん、否、巴マミが私のカスタムデザートイーグルで魔女の急所を狙撃したのだ。 怒りに燃えた瞳でこちらを睨む魔女の鼻のすぐ下、俗に言う「人中」の辺りに巨大な穴が穿たれている。 対戦車マグナム弾の一撃には、流石の魔女も耐えられなかったようだ。 「……巴さん、その……腕は」何の訓練も積まない少女の肉体で、ノーリスクであんな化け物を撃てるはずも無い。 当然、巴マミの右腕は、肩口から痛々しく垂れ下がっていた。 思わず目を背けた私にすかさず次の命令が下る。 「やっぱり単発銃じゃあ、威力があっても再生されちゃうのね……暁美さん、あなたM249持ってたわね?早く貸しなさい。弾丸も、ありったけ」 「……!? 無茶ですよ、そんなっ!今の私達は魔法少女じゃない、普通の女の子なんです!ここは任せて皆と逃げましょうよっ!」 「黙りなさい。…やっぱりあなた、美樹さんの言った通りかもね。何もかも諦め切っちゃってる。」 「良いこと?私はあなたなんかよりずっと前から、この街を守る魔法少女なの。これまでも…そして、これからも!」 巴さんは外れた右腕をがごっと嫌な音をさせつつ無理やりに嵌め、こちらに伸ばす。 「……わかりました。でも、今のままじゃこんなの撃てませんけど」 「撃てないなら撃てるようにすれば、良いのよっ!」 そう叫ぶと、少女には長大すぎる機関銃を抱えて、巴さんは走りだした。そしてすぐに止まり、手近にあった巨大なマシュマロの置物に「埋まる」。 「私も、お菓子作りが上手なのよ?同じ趣味を持つ者として、食べ物で遊ぶような子にはお仕置きしてやらないと、ね!」 その手の内で、機関銃が存分に猛り狂う。 連射された弾丸は全て狙い違わず魔女に命中。ゴーカイジャーに注意を向けていた魔女の魔眼が巴さんに刺さる。……!?ゴーカイレッドが居ない。 「よぉ、時間稼ぎご苦労。だがよ、怪物退治は戦隊の仕事なんでな!」 「ゴーカイチェンジ!」―――ダァァイナマァン! ゴーカイジャーの姿が7番目のスーパー戦隊「ダイナマン」へと変わる。 この時間軸にたどり着いてから学習した事が一つ。彼らがこの形態を用いる場合、する事はほぼ決まっている。 「おいお前ら!爆風が行くぞ、さっさと逃げな!」 あぁぁぁやっぱり!結界の中なのにどこへ逃げろって言うのよぉっ! ……いや、手近にあるわね。 「美樹さやか、佐倉杏子、鹿目…さん!起きて、走るのよ!」 むにゃむにゃ…と、書き文字で擬音を付けたくなるようなのろい仕草で3人が覚醒する。 「暁美さん、何を……?…今二人を預けられても困るわ、私が撃てないじゃない」 まだ戦うつもりなのか。 「今は、そんなの、良いじゃないですか……鹿目さんも、すぐ連れてきます。吹き飛びたく無いなら、マシュマロに、入れてあげてください」 それだけ言い捨てて、私はまた走りだす。急がないと、結界ごと吹き飛ぶのはごめんだわっ!心臓が早鐘を打つ。 「鹿目さんっ!…走って!」 「ふぇぇっ!?ほ、ほむらちゃん!」 …こんな状況なのにやっと目を覚ましたみたい。この娘って、ほんと暢気よね……。 ―――side マーベラス この「魔女」の能力はとてつもなく厄介だ。 口を開ければエネルギー波は飲み込まれ、物理攻撃をすれば外皮を脱ぎ捨てるか傷口から分身を出すかの二つで無効化される。 それにもちろん、パワーとスピードも折り紙付き。まともに戦えばとても適う相手では無い。 そんな強敵に対しては。「真っ向から叩き潰してやらねぇとなぁ!」 「ちょっ、マーベラス待ってよ!そんなの作戦って言わなモゴモゴ……」 ルカが即座にハカセの口をふさぐ。 「ダイナマンのキーを使ってるのにまだわかんないの?子供ねぇ~」 「ま、良い考えだと思うよ?下手に攻撃すると、再生されるばっかりだもんね。それならいっその事!」 「おう、その通りだ!行くぜお前ら!」 「「「「「ニュー・スーパー・ダイナマイト!!」」」」」 ズドグォォォォォォォォォォォォォォォォォン! ベギャァァァァァァァァァァァァァァァァン! ドッガァァァァァァァァァァァァァァァァン! バグォォォォォォォォォォォォン! バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン! 子供じみた擬音だが、あの轟音を文字で表すならこう表現する他無い。 結界の中の物は一瞬でほぼ全て消し飛んだ。残ったのは半壊のザンギャック艦と、ほど良い色の焼きマシュマロ。 そして、そこから顔を出した5人の少女だけ。 Ex-side:α-01 「お菓子の魔女」 ……絶望・苛立ち・怒り・悲しみ・妬み。マイナスの感情をたっぷりと吸込み、この世界へと「誕生」する。 なんや、ここ病院やないか。べぇはんも趣味が悪ぅおまんな、よりによってわいをここで孵化させようやなんてな。 文句言える身体なら言うとるやろな。 しかも何やねん、もう魔法少女おるやないか!サービス悪すぎやでほんま、あの白饅頭は営業マンの屑やな。 ご丁寧にグリーフシードを囲みよってからに、本気で潰す気か?はぁ…上等やで。お前らみたいなペーペー、何人でもわいだけでいてもうたるわ! さー、結界張ったったで。どっからでも入って来なはれ……ってあれ。 …ザンギャックの皆さんやないの。ご機嫌よろしゅう……って、こいつらには念話でけへんのやったな。 しかし、なんでおるねん? お、そうこうする間に一匹入って来よった。おいでおいで青いの、わいはもっと奥やでー。 お仲間はん達もはよおいでなはれや。何立ち止まっとんねん? ……なんや、わいの菓子食おうとしてるんか? けったくそ悪い、泥棒が後輩におるなんてな! 全く、わいが魔法少女やった頃はなぁ……って、べぇはんやないの。 これはどういう事ですのや?あんなザンギャックのおもちゃなんか連れ込んで? え……?スーパー戦隊?35番目?ゴーカイジャー? はぁ……時間は経つもんやなぁ。こないだ孵化した時は…えっと、冒険じゃあ?とか言う連中がわいわいやってた頃でしたなぁ。 ……はぁ、そいつら絡みの作戦にわいらを使いたい、と。さいでっか。 どうせ拒否できる立場や無いですし、存分にやらせてもらいまっさ。 ……安請け合いするもんや無いな。 なんやこいつら、滅茶苦茶強いやんけ。みんな殺られてもうた。 べぇはん、ほんまにえぇんですか? まだ脱出に時間かかりまんのやろ?いくらわいが強化されてるからって、ちょびっと危ないんと違います? ……なんや、あの白饅頭念話切りよってからに。 やってられへんわ、あいつから食うたろか、ほんま…… あ、冗談でっせ?ほら、撃たれてますよー。ほらほら、わいがいないと危ない所でしたやん。気をつけへんとなー。 さて……魔法少女やのうて、戦隊と戦うなんて思ってなかったけどな。 わいがやる事はかわらへん。食いちぎって、貪って、噛み潰すだけや。 行くで、「ゴーカイジャー」! ……躱されて思い切り顔ぶつけてもうたがな。あぁ、鼻いた。 しかし「ジェットマン」……どこぞで聞いた名前やな。スーパー戦隊の一つなのは確かやけど。 ッ!…レーザーか。んなもん飲み込んだるわ! って、あぁぁ痛い痛い痛い。んな殺生な、今何度切りはった? あぁ……こんなに傷ついとる。これだけやられちゃ……相当生まれるな。 それみんな、目の前の赤いのに噛み付いたり! ……どや、そこの黒い眼鏡のお嬢ちゃん。さっきから目ぇ丸くして見とったけど、これがわいの力やで。 安心しいや、腹ん中で10人仲ようさしたるからな。何や、物騒なもん持ってどうしたんや?構えもでけへん癖に生意気やな。 邪魔せずそこでじっくり見とけや。じゃ、赤いの頂きまーす! 痛い!! 痛い痛い痛い痛い!な、何してくれる!わいの顔にこんな、こんな大穴開けよって! 許さん、絶ッッッ対許さん!ブチ殺したるわこの黄色! 頭から行ったる、噛んどるとこ見せつけたるからな! なんやカラフル、邪魔するな、どけや! ……爆発!? 死んだ。あぁまた死んだ。どんどん「わい」が焼け死んでくわ。 あ、死ぬ死ぬ。一番長く伸びたわいが死ぬ。一番後ろで菓子食ってたちびっこいわいも死ぬ。 死んだ。死んだ。死んだ。あ、今度は二匹まとめて死んだ。あ、もうこのわいの番かいな。 はぁ、死んだ。 『やっと、終わったの?……これでまた眠れるのね』 全てが終わった後、ほんの一瞬訪れる私だけの時間。 と言った所で、別にする事なんか何一つ無い。 再び悲しみの種に閉じこもるまでの数瞬、私は「何故こんな事になったのか?」 と、何十回目かの自問をする。 降り止まない雨の中から、白いアイツがやってきた。 私はお菓子の袋を「消す」。魔法のお菓子は素質有る人にしか見えないけど、食べながら話すのは悪いものね。 「……やぁ、―――!元気かい?」 「その名前で呼ばないでって、何回言ったっけ?あなたと契約した時から私は魔法少女、マジカル☆シャルロッテになったんだから」 「……確かに君を魔法少女にしたのは僕だけど。この病室の名札には別の名前が書いてあるよ?」 「僕も魔法少女を産み出して長いけど、君みたいな発想の子には初めて会うね。そんなネーミングセンスの持ち主にも」 「……黙んなさい」 呆れ顔から一転、もとの無表情に帰り、キュゥべえが問う。 「ところで、隣のベッドが空いたんだね。あの青年は退院できたのかい?ひどく重症だったみたいだけど」 「あの人?あぁ、この間亡くなったわ。最後の最後まで誰かに怯え続けて。見る影もなくガリガリに痩せこけて、ね。」 「私、最後の瞬間にあんなにはなりたくないわね」 「……ね、ここだけの秘密、教えてあげようか。彼ね、『次元戦団バイラム』の幹部だったみたい。古新聞にあった顔写真とそっくりだったもの。」 「でもみんな現金なものね……バイラムの事も、ジェットマンの事も。みんな無かった事みたいに、今はジュウレンジャーとバンドーラ達の戦いに一喜一憂してるんだから。ヒーローも報われないよねぇ」 「……そうだね。しかし、ジュウレンジャーか。懐かしい名前だ」 「あれ、キュゥべえ、ジュウレンジャーの事知ってるの?宇宙人の癖に。その癖フラッシュマンも、デンジマンの事も知らなかったのに?」 「昔、少し世話になった事があるだけだよ。それより……君の、精神分裂症の方だ。治りそうなのかい?」 思わず押し黙る。 会話を絶やさないようにしてたのに……キュゥべえのバカ。 誰の声も響かなくなり、たちまち病院本来の静けさが部屋中を包む。 聞こえるのは降り止まない雨のしたたりと、切れかけた電球のじじじじ、と言う耳障りな音だけ。 「……状況は好転したとは言いがたいわ」 「まず、そもそもこれは治るような病気じゃないのよ。ビリー・ミリガンの話は知ってる?」 「今でも一日に少なくとも30分は、もう一人の私が出てきてるらしいわ。その時はコテコテの関西弁になるんだって。今まで一度も行った事無いのにおかしいわね、ほんと」 キュゥべえが頷く。 「なるほど、そうなのかい。こんな特殊状態に陥った魔法少女なんて君が初めてだからね、参考として知っておきたかったのさ」 何こいつ、人の事をモルモットみたいに……同情する気なんてこれっぽっちも無いのね。 感情がない(笑)なんて馬鹿にしてたけど、こりゃ真性かも。 「ソウルジェムを見せてもらえるかな?」 「……見てどうするつもりなのよ」 「ソウルジェムは名前の通り、君の魂を写す鏡だよ。……もしかすると、二つに分かれてたりして」 「怖い事言ってくれちゃって……壊したら死ぬ、って言ったのはあんたでしょ」 そう言いつつも、ソウルジェムを取り出してかざしてみる。 命と言えるこの宝石について、なんだかんだキュゥべえの方が詳しいのは事実なのだ。 久々に魂の宝石を眺めてみると、特に変わった様子は無かった。 ただ一点、ドス黒い染みが付いている以外は。 「あっちゃ……しばらくグリーフシードを補給して無かったからなぁ…」 私はぼやく。 キュゥべえもぼやく。 「……なんだい、そんな事だったのか。つまらないね、君も他の子達と同じじゃないか」 その後、あいつは何て、言ったんだっけ………駄目みたい、思い出すにはもう時間が足りないか。 このまま絶望から絶望へ、何時までも絶望まみれの泥沼を歩み続ける……そんな運命なんだから、もうちょっと時間をくれても良いじゃない 少女だったモノの呟きを聞く者はいない。 呪いの黒い宝石がクリームの地面に刺さり、一瞬後に真っ白い大地は漆黒のアスファルトに変わる。 暗黒の石はアスファルトの黒に紛れ、誰にも気づかれる事なく、何時までも、ただ突き立っているだけだった。 ―――side アイム ザンギャックの「魔女」との戦いが終わり、辺りの様子は一転して元の駐車場へと戻って行きました。 ……それにしても、あの怪物も元は「魔法少女」だったなんて。 この事実を知ったら、あの元魔法少女達の心は持ちこたえられるのでしょうか……? 今しがた、唯一信じていた仲間に裏切られて、自身の存在意義すら失ったばかりだと言うのに……。 最初に動き出したのは……巴、マミさんでしたか。リーダー格だった金髪の少女でした。 彼女は「たとえ生身でも自分一人で魔女退治を続ける」とだけ言い残し、その場を走り去って行きました。 後ろ姿を見つめるほむらさんの瞳に諦観が滲んでいたのは、銃器を奪われたから、と言うだけでは無いのでしょう。 次に動きを見せたのは、意外にも、ゴーミン達を撃破されてから沈黙を守っていたザンギャック艦でした。 半壊状態で地に伏していた巨体がいつの間にか浮揚し、誘導ビームを病院に撃ちこむが早いか、人質にするのか数人の患者さん達を攫ってしまいました。 これではゴーカイガレオンや、ゴーカイオーでの大規模な攻撃は出来ません。……本当に卑怯な行動隊長。 その様子にいち早く反応したのは、青い少女。「美樹さやか」さんでした。 「恭介ッ!」と、あの中にいた誰かのお名前でしょうか?男の方のお名前を叫び、何か念じていたかと思うと、 「鹿目まどか」さんとほむらさんの必死な制止も振り切り、誘導ビームの光に飛び込んで行ってしまいました。 その姿が完全に消えるのと、ほむらさんが血を噴き出して倒れたのはほぼ同時でした。 回収を終えたザンギャック艦も徐々に透明になり、姿をくらましてしまいました。 最後に、今まで沈黙を保っていた「佐倉杏子」さんが 「これで名実共に魔法少女同盟消滅、か……ま、達者でやんなよ」と言い捨てて、足早に歩き出しました。 何時の間にか、立っているのは「鹿目まどか」さんだけになっていました。 そうだと分かった時の彼女の表情をわたくしは一生忘れられないでしょう。 まどかさんの顔に張り付いた「忘我」そのものの表情は、星を滅ぼされた日のわたくしの表情に余りにも似ていたのですから。 ―――side ルカ 「魔女」との激戦から数十分後。あたし達がほむらとマーベラスの負傷者二名をとりあえず病院に担ぎこみ、駐車場に戻って来て見ると「鹿目まどか」は姿を消していた。 言葉を失い、呆然と立ち尽くす姿が印象的だっただけに、良く動けたものだと感嘆してしまう。 いや、寄る辺を全て失ったからこその帰巣本能だろうか? 人間、やっぱり一番安心出来るのは自分の故郷であり、自分の家だ。 ……まぁ、今のあたしには故郷なんか無いようなもんだけど。 「しかし、これからどうするのさ?ここら辺にはお宝も無いみたいだけど?」 「……その事なんだがな。俺は、あの少女達がどうしても気になる」 …は?ジョーさん、今なんておっしゃいました? 「ごめんジョー、あたしそっちの趣味にはついていけないわ」 「その通りですわ……ジョーさん、イエスロリコン・ノータッチって標語、ご存知ですか?」 「ば、馬鹿!茶化すな!……良いか、考えてみてくれ。」 「俺達が取り逃した艦はザンギャックの船でも特に隠密性の高い特殊工作艦だ」 「それに恐らく、奴らの言う”魔力”でバリアが張ってある筈だ。」 「それだけでもうガレオンのレーダーには映り込まないだろう」 「あの白い獣はソウルジェムをレンジャーキーと同じような物だと言っていた。」 「……つまりだ、あれがもし解析、量産でもされたらどうする?」 「数の優位があるとは言え、中学生をスーパー戦隊を倒すまでに強化する代物がザンギャック全軍に行き渡ったら?」 「……恐らく、残る大いなる力は総取りにされ、この星での仕事もしづらく…いや、完全に不可能になると見て良いだろうな」 「最悪、俺達も全滅させられるだろう」 「それを阻止する為にはあの船を沈めるのが絶対条件だが、あいにく俺達には行方が掴めない。」 「だからせめて、行動隊長と親交があった彼女達に動きを読んでもらえればだな……」 (必死になって否定する方が怪しいって気づいてるのかな?) 「……おい!聞いてるのかルカっ!」 「あ、はいはい!」 「まぁ……それは良いけどさ、あの娘達の行方、わかるの?」 「一人は敵中、一人は元から行方の知れないホームレス、一人は血を吐いて気絶中……」 「残りは一番こっちを敵視してたマミって子と、今行っちゃったまどかちゃんの二人だけだよ?上手く話を聞いてくれると良いけど、ねぇ…?」 ジョーがぐっ、と言葉を詰まらせる。 散々長文並べた割に。、そこまでは、考えて無かったと。 やれやれ、肝心な所でツメが甘いんだから……。しかし、これで振り出しに戻っちゃったか。 何か、何か手は……何をすれば 「そうだっ!」 突然、ハカセが大声で叫んだ。同時に、モバイレーツを物凄い勢いでプッシュしている。 「うわぁっ!?……いきなり何、電話?番号知ってたの?」 手が早いじゃん、何時の間に情報を…と、続けようとした矢先。 「ううん、『魔法少女』の番号は一つも知らない。僕はマーベラスと一緒に留守番してたからね?」 「でもこう言う時に最後に頼るべきは……」 「やっぱり、ガレオンのナビィだよね!さぁお告げを頼もう!」 「……何も知らない上に結局運頼みかいッ!!」 すッッッぱァァん、と良い音を立てて、あたしの平手がハカセの顔にめり込み、吹っ飛ばす。 あぁ、また反射的に手が……今日はいつもより心なしか強く入ったような…大丈夫かな? 「ったくもう……ま、良いや。ナビィー?そういう訳だから、またよろしく頼むよ」 「マータナグッタノォ?マッタクモォ…ランボウナンダカラ。」 「マ、イーヤ!ソレジャサッソク、レッツ!オタ……イヤ、チガウカ?」 「正確に言うなら、尋ね人ですわね」 「ソウ、アイム、ソレソレ!レッツ、タズネビトナビゲェートォーッ!」 どすんばたんがっしゃんがらがら、どごん。 ナビィの創りだした惨状が見えるかのような騒音が響いてから1、2、3秒。 「………キタキタキタキタキタァーーーッ!」 「トナリマチデトナリアウ、『シロイハイシャトクロイハイシャ』ニアウトキチ!ダゾヨ~?」 はぁ?こないだのが嘘みたいな、今までに無いほど抽象的な予言じゃん 白い歯医者と黒い歯医者?何かの比喩?……わけわかんないよ……。 まぁ、でもやってみるしか無いかな?「やりたい事をやってやれ」ってね。 ―――side ジョー 翌日。俺たちはマーベラスを病院に残し、一人ずつ分かれて見滝原の四方へと向かった。 俺がやって来たのはその内の「五郷(イツサト、と読むらしい)」と、言う街だ。 先ほどから俺はこの街中の歯科医と言う歯科医を虱潰しに渡り歩いている……いや、いた。 医学・工学・生物学……多種多様な分野における、この国の科学技術の粋が集められた特殊な、正に未来都市。 それが先ほどまで俺たちが居た見滝原と言う街の真の姿だったのだ。 当然、そこから一歩踏み出たこの街にある通常のテクノロジーのみ。俺たちが最初に降り立った街とさして変わらない。 ……見滝原のように、地区ごとに大規模なメディカルセンターがあるような生やさしい作りでは無いのだ。 特に人口の多いこの地区には、街中至る所に町医者が点在していた。 要するに……足で稼ぐ方針で動いていた俺は、何時果てるかも知れない道程・季節にそぐわない炎天によって、気力と体力を相当奪われていた。 恐らくだが、他の3人も状況は同様。 俺でさえへこたれそうになっているこの猛暑、ハカセやアイムには相当酷だろう。 ……やはり、行き当たりばったりでは破綻を招く事になる。 計画的思考と言う物は大事なのだ。 (……次に見えた通行人に聞いて見つからなければ) (この街は諦めてガレオンに帰ろう……) 目前に迫った終末へ向け、額の汗を拭き、最後の気合を入れ直す。 我ながら、なんとも情けない海賊もあったモノだとは思う、が。 「……悪いが、道を訊ねたいんだが」 目の前を歩く二人の内、いくぶん背の高い少女の肩を叩き、声をかける。 が、彼女は胡乱(うろん)そうな一瞥をくれただけでまた視線を横の少女に向けてしまった。 どうやら俺の事が気に障っているようだが、あいにく周りには代わりになってくれそうな通行人の影は無い。 「……すまない、先ほどの行為が気に障ったなら謝る」 「この星にはまだ不案内なんだ、まだ文 化 系 統 へ の 理 解 が、ぁ……?」 その時、不思議な事が起こった。 先ほどの少女に謝罪しつつ、もう一度質問しようと歩み寄った瞬間、俺の身体は 「極端に鈍重な動きしか取れなくなっていた」のだ。 そして、反応が取れずに足元の小石に蹴つまづいて顔面から倒れこもうと言う所を 「まるで、識っていたかのように」もう一人の「白い少女が」そっと受け止めた。 こんな超常現象を起こせる人種を、今の俺は知っている。 「……ごめんなさい、私達もこの街に来たのはつい先日の事でして……あら」 「……あなた、『鹿目まどか』を知っているの?」 「『鹿目まどか』?」 もう一人がやっとこちらを省みる。 その眼光はひどく鋭い。そしてその剣幕は…… 「どー言う事かな……いきなり肩触って、声かけてきて……」 「わたしと識莉子の仲を引き裂こうとするただのセクハラ変態ヤローだとばかり思ってたけど」 「その名前を知ってるって事は、ただの人間じゃないよねェッッッ?」 ……ひどくうるさかった。 正直に答えなければもっとうるさくなりそうだ。 直射日光とアスファルトの反射熱でハムエッグにされた頭にはキツすぎる。 「……その通り。俺も、とりあえず人間ではない。ゴーカイジャー、と言えば思い出せるんじゃないか?」 「そして……お前達も、魔法少女、なのか?」 白い少女が口を開く。 この炎天下、真っ白いローブに身を包みつつも、魔法の効能であろうか?その顔に疲労の色は無く、額から溢れる汗の筋一つない。 「……そう。貴方達が見滝原の街を」 「その通り。私達も鹿目さん達と同じく、魔法少女です。」 「私は美国識莉子。こっちの子が」 「……呉キリカ。なんだい、馴れ馴れしくしちゃってさ!」 「ゴーカイジャーだか炊飯ジャーだか知らないけどっ、識莉子との話の腰を折るような奴なんか嫌いだよッ!」 「はいはい、むくれないでキリカ……では、ジョー・ギブケン。今度は貴方のお話を聞かせてもらいます。」 「ここでは何ですし、私達の家においでください」 「……無論だ」 あからさまに怪しいが、正直今は少しでも涼しい所へ行きたい。 ……そして。 ちらり、と彼女達の手を見る。二人の左手には、確かにそれぞれ白と黒の宝玉が嵌めこまれた指輪が輝いていた。 ……この色について、彼女達なら何か掴んでいるはずだから。 ―――更に数十分、炎天下を歩かされ、俺たちは美しい薔薇園を備えた巨大な洋館に辿り着いた。 ザンギャックでの兵卒時代にも、もちろん海賊稼業を始めてからも見た事の無いような、まさに『豪邸』だ。 何時ぞやの『金のなる木』を持つ親子の家よりも更に巨大だが、二人を出迎える使用人一人出てこない。 これだけの大豪邸に、たった二人だけしか住んでいないと言うのか? 疑念を抱く間もなく、黒い少女――キリカ、だったか。に、背中を押され、中庭の更に奥へと導かれる。 招き入れられた先には、真っ白いテーブルと椅子。そして、バラバラにされた鎧のような謎のオブジェ群。 白い少女『オリコ』は椅子に、俺はオブジェの内の一つに腰掛ける。 黒い方は俺に興味が無いのか、更に奥の薔薇園へと姿を消した。 「色々と聞きたい事はあるが……要件だけ言おう」 「俺達は『暁美ほむら』を除く4人の魔法少女の行方を探りに来た。何か知っているなら教えて貰いたい」 オリコが首をかしげる。 「知っている事は教えて差し上げたいのですが……私も、彼女達とは面識があると言う程度なので」 「連絡先は存じませんし、今どこに居るかなんて特定できませんけど……?」 嘘だ。こいつは自分の力を隠している。 「今更、シラを切るつもりか?お前に助け起こされたあの時、明らかに俺の動きを先読みして動いていただろう」 「察するにお前の能力は……恐らく、未来を予知する力じゃないのか?」 「その力さえあればあいつらの行動も予測出来るはずだろう。俺たちに力を貸してくれ」 俺の予想は的中したのか、観念したかのようにオリコが目を細める。 「流石に百戦錬磨の宇宙海賊ですね。……あの短時間で私の能力を理解出来るだなんて」 大胆不敵な白い魔法少女は、意外にあっさりと秘密を吐いた。 「でも、これだけは理解出来ない。なぜ、こんな星の普通の子供の為ににそこまで力を注ぐの?」 「力を貸してあげても構わないけれど、事情くらい聞かせて欲しいわ。もちろん見返りは別に欲しいけれど」 少女はそこまで言い終えると、何時の間に用意したのか、手元のティーカップの中身を啜った。 その眼光は以前鋭く、むしろ先程より強まったようにも感じられる。 彼女から漂うプレッシャーを、身体全体で受け止める。 時折じろり、と睨めつけられる今の俺はまるで卸売市場で競りにかけられた鮮魚同様。 ええい……正直に話せば良いんだろうが、正直に話せば……! 「レンジャーキーと『大いなる力』についての作戦阻止の為に、行動隊長の癖を知りたいのもそうだが」 「――お前は、美樹さやかを知っているな?」 「ええ。鹿目まどかの1の友人にして、剣を用いる新米魔法少女。素質とやる気はあるのだけれど、技術が身についていない」 「……そして、今はザンギャックに捕らえられている。こんな所かしら」 「美樹さやかが、何故ザンギャックに捕まっているか、わかるか?」 「私の能力は未来予知であって、過去視でも読心術でも無いわ。過去の出来事なんてわからない」 「……あいつはな、『キョウスケ』とか言う男を追って自分もそのまま牽引ビームの中に入って行ったんだ」 「ほむらの言う話では、さやかはその男を好いているらしい。いわゆる片思い止まりだったようだがな」 「何が言いたいのか、要領を得ないわ……」 オリコが口をはさむ。……こいつ、微妙にわがままな奴なんだな。 「良いから黙って聴いてろ。……俺にもかつて、大切な人と別れた経験がある」 「軍人時代の話だ。俺の仲間達は人を人とも思わない、まさにゴミ野郎共だった」 「だが、あの人だけは人間らしい温かみを持ちあわせていたんだ」 「それ故にあの人は……シド先輩は、帝国を裏切らずには居られなかった」 「そして俺と一緒に脱走する途中、二手に分かれて……生きた彼を見たのはそれきりだ」 「つい先日、先輩は無惨な死体として帰ってきた」 「魂も何もかも無くして、忌み嫌った帝国の操り人形となってな」 信じたくは無かった。腐った国の中で唯一輝いていたあの人が、ゾンビとなって帰って来たと言う事を。 だが、現実は残酷だ。 「……俺は二度とザンギャックにかけがえの無いモノを奪われたくは無い。そして、そうされた人をこれ以上見たくない」 「俺は守れなかったが、あいつはまだ守れるかも知れない。その為の力が足りないなら、俺が力になる」 何時の間にだろうか。話終えて一息ついた時には、俺の拳は硬く握りしめられていた。 オリコは、そんな俺を先程と変わらぬ瞳でただ、淡々と眺めていた。 ティーカップの中身が全く減らず、冷め切ってしまっている所を見ると真面目に聴いてくれてはいたようだが。 「……事情はわかりました。私も、大切な人と別れる辛さは知っているつもりです」 「だから、協力して差し上げます。4人の場所を見ますから、地図を用意して下さい」 そう言うと、俺が取り出した「グンマ」一帯の地図を広げ、紙上に視線を滑らせ始めた。 「……ペンを貸して」 眼球運動を絶やさず、紙面を睨んだまま声をかけられると、いくら見た目は可憐な少女でも気味が悪い。 「あなた、何考えてるの?」 「まぁ良いわ。これらの赤い印が佐倉杏子、こちらの黄色い印達は巴マミよ。……この二人は居場所を転々としているから、なるべく多くのポイントを見張った方が良いわ」 「こっちのピンクが鹿目まどか、ついでにこの緑色は……」 オリコの説明は、半分程度しか頭に入っていなかったように感じる。 俺の視線はただ一点、青い印に注がれていた。 「やっぱり気になるのね。そう、それが美樹さやかの所在を示す印。この位置だと……」 「JR見滝原駅の旧停車場かしら?インキュベーターも考えた物ね、あそこならある程度巨大な戦艦でも気づかれずに配置出来る」 「……そうか、それさえわかれば!じゃあな、世話になった」 そう言って歩き出した俺は、たった2秒後に「ぐぇぇ…」と無様な声を上げて突っ伏す事になる。 この白野郎、俺に何の恨みがあるんだ?いきなり襟首を引っ張るとは……! 「見返りが欲しいって、言ったはずよね?聞かずにバイバイってのは、無いんじゃないかしら」 客人に暴力を振るっておきながら、オリコは微笑していた。……地球のガキは悪ガキばかりだな。 「ちっ……何が望みだ。さっさと言え」 「簡単な話よ?鹿目まどかを守りきって貰えればそれだけで良い。あの娘は私達が確実に仕留めたいの」 地球で言う「全身が総毛立つ」と言う表現はこう言う場合に用いるのだろう。 目の前の少女は何時の間にか、冷徹な戦士の仮面を付けていた。その瞳には微塵の迷いすら無い。 「貴様……自分が何を言ってるのかわかってるのか?誰かを失う痛みを、知っているのなら、何故そんな事が言える!」 「あの娘は最強・最悪の魔女になる運命の魔法少女。今でこそ力を失っているけど、何時その力が利用されるかわかった物じゃないわ」 「私には見えます。見滝原の街をあの娘の魔女が覆い尽くす未来が」 「圧倒的な多数の為になら、一つくらいは犠牲にするしか無いじゃない」 「何かが欲しければ、他の何かを捨てなきゃ。この理屈、わからないかしら?」 少女は冷徹に言い切った。 正義の為になら、ここまで残酷になれる。……こんな奴らを守って”スーパー戦隊”は戦って来たのか? ……だが、今の俺に迷っている時間など無い。 「情報提供された恩もある、そして何より時間が無い」 「……だから今は何もしない。だが、お前達がそれを実行に移そうと言うなら俺は容赦しない。それだけは憶えておけ」 吐き捨てて立ち去る所に、後ろから声がかかる。 「出ていくなら裏口からどうぞ。海賊風情が、堂々と正門から出ようだなんて思わないでくださいな」 「ならばそうさせて貰おう。……もう二度と俺の前に姿を見せるな。次に会った時は俺に斬られる時だと思え」 「……望む所です」 今度は一切の妨害を受けず、俺は走り出した。 ―――side 美国識莉子 ゴーカイブルー=ジョー・ギブケンが進言通りに裏口から退出し、ようやくほっと一息つく事が出来た。 やはり現役で地球を守る海賊戦隊の一員と言うのは伊達じゃないのね……凄まじい殺気だった。 でも、あれだけの実力が無いと見滝原を任せる事なんて出来ない。 さっきはあんな事言ったけど、ほんとは期待しているのよ?ゴーカイジャー。 “初めからそうやって仲良くしてれば良かったのに” キリカからの念話だ。 “あら、聴いてたの?……まぁ良いのよキリカ、「敵を欺くにはまず味方から」とも言うでしょう?” “ザンギャックと私たち、2つの勢力を同時に敵に回しているって緊張感があった方が力が入るでしょうし、ね?” “ふーん……そういう物なのかな。ところで識莉子、ザンギャックの新手を壊滅させたよ” “やっぱり識莉子の作戦は完璧だ!……突然散歩に行こうだなんて言い出したのはびっくりしたけどね” “まさか町内全体にわたしの魔方陣を張って、奴らを家に近づく前に全滅させる為だったなんて思わなかったんだよ” "……ごめんね、識莉子……わたしは識莉子を誤解してた……” “あらあら、気に病まないで。私の方こそ無理をさせちゃったわ。” "あんな大規模な魔方陣を長時間維持したまま戦うのは疲れたでしょう?家に戻って、グリーフシードで回復しましょう。” そう、まずは準備を整える。そしてその上で…… “そしたらその後は、この家を捨てて他へ移る。そういう手はずだったよね” “でも本当に良いのかい?……この家は、ご家族との思い出が詰まってる大切な場所なんだろう?” “ ……良いのよ。この家では確かに楽しい事もいっぱいあったけど、その分辛いことだって沢山経験したし。” “ それに、この家に固執していては行動が制限される。そのせいで「恩人」を助けられないような事があったら一大事だもの” “何より、今の私にはあなたが居るから。二人ならどこに行ったって大丈夫、そうでしょ?” “う……うんっ!そうだよその通りっ!識莉子、わたしはこれからもっと、もぉぉっと頑張って識莉子を支えて行くからね!” ”二人でやれば何だって出来るよ!それじゃ、今すぐ戻るから!” 念話が中断され、キリカが走りだした。 本当に、私は良い仲間を持った。 キリカは辛い時も、楽しい時も、いつも私の傍に居てくれる。 辛い事は半分以下に、楽しい事は2倍以上にしてくれる。 私はこの二人だけの小さな幸せを守りたい。そして、そんな「最高の友達」を絶望から救ってくれた恩人に、何としても報いなければならない。 ……お父様。お父様はこの国全体の「大きな幸せ」を作ろうとして戦い、挫折して歪まれてしまいましたね。 私も同じでした。 大きな滅びから全てを救おうとして、身近の小さな幸せを壊して、そしてその為に足元を掬われて負けてしまいました。 ……だから、今度は身の周りの小さな幸せから守っていきます。 それが広がって、いつかもっと大きな幸せになると信じて。 ありがとう、お父様。そして、さようなら。 「……やっほー!識莉子識莉子っ、今帰って来たよーっ!」 「あら、キリカ……!?」 「ソウルジェムがこんなに濁ってる。可哀想に、ひどい事させちゃったわね……ごめんなさい」 「いやぁ……あはは。ザンギャックを倒すのは大した事なかったんだけどさ、ちょっと遠くまで行き過ぎちゃって」 「帰りの道にある信号機全部遅くして青信号のままにしたらさ、予想外に魔力使っちゃったんだよね……」 「……呆れた。そんな娘にはもうグリーフシード分けてあげませんからね」 「えぇっ!?……そんなのって無いよ識莉子、識莉子に嫌われたら私は、私は……」 「……冗談よ。今度からはあなた一人に任せたりなんてしないわ。二人で頑張りましょう?」 「うんうんっ!約束だよ、識莉子ッ!」 ああ、お父様。識莉子は今、幸せです……。 ―――side 美国識莉子 fin BACK 海賊戦隊ゴーカイジャー「見滝原市……?」 1 Next 海賊戦隊ゴーカイジャー「見滝原市……?」 3