約 4,219,241 件
https://w.atwiki.jp/prrmydress/pages/634.html
コーデ マイデコ例 コーデボーナス ジャンププログラム 【吹き出しコメント1】イエローとリボンでデコもり☆ 【吹き出しコメント2】きわだつカラーでちゅうもくのまと 【メモ】 ブランド クール コーデ トップス 不明 不明 ボトムス - - シューズ 不明 不明 アレンジ - - ▲ マイデコ例 チャーム1 チャーム2 フレーム イエロー リボン - ▲ コーデボーナス ステージ コーデボーナス プリズムストーンショップ ◆◆◇◇◇ ほしぞらロックフェス ◆◆◆◇◇ プリズムLIVEスタジアム ◆◇◇◇◇ パウダースノーパーク ◆◇◇◇◇ スイーツカフェ ◆◇◇◇◇ プラネタリウム ◆◇◇◇◇ プリズムアリーナ ◆◇◇◇◇ トロピカルビーチ ◆◆◆◇◇ プリズムフューチャーアリーナ ◆◇◇◇◇ ゆうぐれロックフェス ◆◆◆◇◇ ディアクラウンショップ ◆◆◇◇◇ プリズムマイ☆デコアリーナ ◆◇◇◇◇ はらじゅくストリート ◆◆◇◇◇ ギャラクシースターファイナル ◆◇◇◇◇ ▲ ジャンププログラム 順番 ジャンプ 得点 サプライズ 1 スターダスト★シャワー 100 あり 2 フレッシュフルーツバスケット 150 3 ゴールドスパイラル! 200 4 クールスプラッシュ 200 ▲
https://w.atwiki.jp/switchsoft/pages/1592.html
片恋いコントラスト ―collection of branch― パッケージ版/ダウンロード版 女性向けノベル 7,344円(税込)7.0GB 幾重にも分かれ、再び重なり合う。 彼と歩んだ枝葉の記憶―― 私の選んだ道は、 『大切な人』との未来であり、『大切な人』との別れでもありました―― 中高一貫校である冠咲(ルビ:かんざき)学園に通う橘川冴子は、 この春から高等部へ進級。 これまで恋愛とは程遠い生活を送ってきたが、 大好きなラジオ番組のパーソナリティ・アルカンジェ舞渡華の言葉がきっかけで、 『初めての恋』を経験する。 恋することの楽しさ・喜び・幸福感を知ると同時に、 不安・寂しさ・切なさも味わい、 その初恋はやがて終わりを迎える―― 「恋なんてもうしない」 そう誓った冴子の傷付いた心を癒したのは、 皮肉にも『新たな恋』の始まりだった。 しかし、また恋をすることに 前向きになった冴子の心を、初恋の相手が再び揺り動かす。 『忘れられない過去の恋』と『失恋の傷を癒した未来の恋』 この二つが同時にやってきた時、 あなたは最後にどちらを選びますか? □第一巻あらすじ---------- 入学式の日、学園の庭園で見つけたハリネズミを追いかけると、 人知れず涙を流していた一人の男子生徒と出会う。 それはクラスメイトの椎葉亜樹那だった。 変わり者の亜樹那に気に入られ、半強制的に友達になったり、 亜樹那の幼馴染である樫永和兎の秘密を偶然知ってしまったりと、 幼馴染同士のこの二人と深く関わることに。 そして、冴子はやがて亜樹那に惹かれていき、初めての恋をする。 亜樹那と和兎、二人を縛り付ける『ある過去の出来事』を知る由もなく―― □第二巻あらすじ---------- 入学式の日、高等部の生徒会長・桐阪保に 冴子の不注意でぶつかってしまったことがきっかけで、 生徒会に強引に加入させられてしまう。 生徒会に入って初めての大きな行事である球技大会が終わり、 ホッとしていたのもつかの間、なんとその日の放課後に 下級生の檜渡鈴太朗に告白される。 冴子は戸惑いながらも、勢いでその告白を受け入れる。 保に言われた『ある言葉』を思い出して―― □第三巻あらすじ---------- 入学式の日、災難続きで疲れているところに プレゼント応募シールのチラシを校内で拾った冴子。 しかしそれは、日本史の教師・楠見清孝のものだと分かり、 すぐに取り上げられてしまう。 そんな清孝とひょんなことから、図書室で 補習と称した二人の時間を共有するようになる。 次第に惹かれあう二人だったが、ある出来事をきっかけに距離ができてしまう。 そんな時、冴子のクラスに楡居 凪が転校してきて―― 【本作の特徴】 オトメイト×フロンティアワークスが送る【triAngle PROJECT】の第2弾として 2018年9月から3ヶ月連続でリリースした『片恋いコントラスト ―way of parting―』の3本をまとめ、 追加要素と共にNintendo Switchに登場! ウダジョ氏がキャラクターデザインを担当する本作では、 学園×純愛をテーマに切ない三角関係をお届けします。 【追加要素について】 物語中に新規CGを6枚追加 後日談ショートストーリーを各メインキャラクターに1本ずつ、6本追加 PC版の全巻購入特典ドラマCDをボーナスイベントとして新規CG1枚と共に収録 立ち絵の目パチ口パクを追加 メーカー アイディアファクトリー 配信日 2019年8月22日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 対応コントローラー Nintendo Switch Proコントローラー タッチスクリーン プレイモード TVモード, テーブルモード, 携帯モード プレイ人数× 1 対応言語 日本語 レーティング CERO B 恋愛, セクシャル, 犯罪 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sea0416/pages/24.html
まぁまぁでした。まだ使えるので使っています。 編集する。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2344.html
5 時間と場所のコントラスト トリステイン魔法学院の中央に聳える塔の最上階。学院長とその秘書が働く一室にて、一人の老人が震える手で湯飲みを掴み、夏場でも湯気を立てるほどに熱いお茶を窄めた口でゆっくりと啜り上げていた。 ホッと一息ついて、窓の向こうに視線を向ける。 どこまでも青い空には、雲ひとつかかっていない。何者にも束縛されずに飛び交う鳥達の鳴き声は、まるで歌を歌っているかのようで、聞く者の心を穏やかにしてくれた。 平和な昼下がり。 今この瞬間、この時だけは、世界が平和だと信じられる。窓の外の風景は、そう思わせるのに十分な暖かさを備えていた。 「ほげぇ~」 言葉になっていない言葉を溢した老人の声に、学院長室の中央に用意されたテーブルを囲うように並べられたソファーに座っていた人物の一人が、頬を引き攣らせて責任者に問いかけた。 「おい、あのジジイ、本当に大丈夫なのか?」 「いつもの事だよ。放っておきな」 手にある二枚のカードを睨み付けたまま目を放さずにマチルダは冷たく言い捨てると、テーブルの北側、窓辺で日向ぼっこをしているボケたオスマンに向かい合う形で座っているジェシカに、カードを握っていない手を差し出した。 「ヒットだ。一枚よこしな」 「あ、はい。どうぞ」 手の中に詰まれたカードの山から一番上のカードを一枚抜き取ったジェシカは、差し出された手にそれを乗せる。マチルダは、受け取ったカードを引き寄せて表に書かれた数字に目を向けると、苛立った様子でもう片方の手に握っていた二枚のカードと一緒にテーブルの上に叩き付けた。 「チクショウ、バストだ!21をオーバーしちまったよ!」 「ハッ!欲張るからだぜ」 テーブルの上に散らばったカードに目を向けて、そこに絵柄の付いたものが二枚と5の数字のカードがあるのを確認すると、ホル・ホースは鼻で笑った。 絵柄のカードはすべて10として計算されるため、そこにあるカードの合計数は25。恐らく、マチルダの手元にあった最初の二枚は絵柄と5のカードで15だったのだろう。もう一枚カードを手にするかどうかは、判断の微妙なところだといえる。 「アンタも人のことは言えないだろ!」 「オレは22だもんね!テメエと違って、ギリギリまで読みきってんだよ!!」 マチルダを笑っておきながら、ホル・ホースも21をオーバーしているらしい。マシか、マシではないかという議論も、ブラックジャックのルールでは同じく負けなのだから、言い争うだけ無駄である。一体、どういう意地の張り合いなのか。 「私は堅実に、スタンドで」 カードを一枚だけ手元に持っていたカステルモールが、ジェシカから一枚カードを受け取ると、短くそう言って手札を伏せた。 最後の順番であるエルザにジェシカがカードを一枚送ると、元からあった一枚と追加された一枚を見比べて、エルザの淡いピンク色の唇が、ニヤリと歪に歪んだ。 「いえーい!ぶらっくじゃーっく!」 わあ、と両手を挙げながら手札を曝け出したエルザに、ホル・ホースとマチルダがどうせ負けだったからと不貞腐れた表情を浮かべ、カステルモールは来るべきディーラーとの戦いに頼もしい援軍を得たとばかりに惜しみない拍手を送った。 晒された手札には、どこぞの太っちょの肖像が描かれたJとハルケギニアには存在しないはずのAの文字が描かれている。Aは1か11であるために、この場合、合計は21と計算することが出来る。ナチュラルブラックジャックの完成だ。 ディーラー役のジェシカもエルザを祝福するように手をぱちぱちと叩き、その後で自分の手元に置かれた二枚のカードを表に向ける。 そこにもやっぱりAの文字が描かれていて、薔薇を口に咥えたギーシュがKのアルファベットを抱えてポーズをとっていた。 「ゴメン、エルザちゃん。あたしもブラックジャックだった」 「え、えぇー……?」 ジェシカの言葉に、脱力したようにエルザはテーブルの上に突っ伏す。せっかく勝利を掴んだと思ったのに、肩透かしを食らった気分だ。このゲームでは特に金を賭けているわけではないから損は無いのだが、やっぱり勝負には勝ちたいものらしい。 互いにブラックジャックを発動させた時点で引き分けが決定し、カステルモールは言うまでも無く敗北を喫している。 ジェシカ対ホル・ホース、エルザ、マチルダ、カステルモール連合は、勝率が大体九対一でジェシカが勝ち越していた。ジェシカのたった一回の負けは、ルールの分かっていなかった最初の一回目で、本人が21をオーバーした時だけだ。 恐るべき強運を誇るこの平民に、そろそろ勝ち星を挙げたいエルザたちなのであるが、これがなかなか上手くいかないようだった。 「いくらなんでも運が良過ぎるだろ!イカサマでもしてるんじゃねえのか?」 「バカ言わないでよ。このゲームを知ったのは今日が初めてなんだから、イカサマなんて出来るはずないだろ?」 今のところ、全戦で21をオーバーしていて勝負にもなっていないホル・ホースがケチをつけるが、ジェシカはカードを回収しながらそれを真っ向から否定する。 ルールだってつい先程覚えてばかりなのだ。イカサマどころの話ではない。 実は魔法が使えるのではないか?エルフの血が混じっているとか、始祖の奇跡が使えるのかもしれない。なんてことを囁き合うホル・ホースたちに、何を馬鹿なことを、と冷たい視線を投げかけたジェシカは、回収し終えたカードを綺麗にまとめてシャッフルすると、再びカードを配り始めようとする。 それを、ノックの音が遮った。 「どうぞ、開いていますよ」 本来の粗野な部分を一瞬で消して、魔法学院での顔であるロングビルらしい口調に声を整えたマチルダが、ノックの音に答える。 マチルダの声に促されて遠慮がちに扉を開けたのは、厨房の料理長を務めるマルトーと使用人宿舎を管理している若いメイド長だった。 やや緊張した面持ちの二人が丁寧に通った扉を音も無く閉めると、マルトーが一歩前に出て 頭に飾ったコック帽を脱ぎ、お辞儀をする。そして、軽く部屋を見渡した後に口を開いた。 「お呼びになられたと聞いて参りましたが、その……、いったいどのような御用でしょうか」 マルトーとメイド長を呼んだのは、他ならぬマチルダだ。 理由はジェシカの用事に関係している。 ジェシカがトリステイン魔法学院に訪れた理由は、ここで働く従姉妹に会うためだ。 従姉妹とは以前から同じタイミングでの帰省を約束していたのだが、母の一件から一足先にタルブに向かってしまったために、その人物を置いてきぼりにする形となってしまったのである。 これでは流石に申し訳が立たないからと、ジェシカは自分が足を運んで従姉妹を迎えにいこうと考えていた。ホル・ホースたちが学院に向かおうというする話は、ジェシカにとってはまさに、渡りに船、だったわけだ。 そして、その集合の約束をした日が今日から三日後のことなのだが、ここにきて、一つ問題が起きた。 目的としていた従姉妹の姿がどこにも無いのだ。 先に行ってしまった謝罪と迎えに来たという用件を伝えるために、この学院長室に向かう途中でメイドの何人かに声をかけて従姉妹の所在を尋ねたのだが、どうにも要領の得ない返事しか返ってこない。その様子から何かを察したのか、マチルダが直接動いて、学院で働いている使用人のスケジュールを確認するためにわざわざマルトーたちを呼び寄せたのである。 たかがメイド一人姿が見えないだけで責任者を呼びつけるなんてと、今でこそゲームに興じてリラックスしているジェシカも、マチルダが権力を発動した瞬間には酷く居心地が悪そうにしていた。普段、権力を行使される立場としては、それがどれほど心象の悪いものか、ジェシカは良く理解しているのだ。 実際に呼び出された人間がその場に現れると、ジェシカは持っていたカードをテーブルの上に置いて、申し訳ない気持ちで胸を一杯にしながら神妙な面持ちで事の成り行きを見守ろうとしていた。 余計な口出しはするな、とマチルダはホル・ホースたちを睨みつけると、ソファーから腰を上げて頷く程度の目礼をして、用件を切り出した。 「忙しい中、お呼び出しして申し訳ありません。一つ、ご確認したいことがありましたので」 そう言って、マチルダは自分の仕事場である秘書用の執務机へ向かうと、そこから数枚の書類を持ち出して、中身を一瞥した。 そこには、学院で働く使用人達が提出した夏期休暇の届出に関する項目が簡潔に纏められている。名前と役職、それに上司の名前が一組で書かれ、何日から休暇が始まり、何日に職務に復帰するのかが丁寧に記されていた。 真夏の間は、学院は教育機関としての機能を停止させる。生徒達は帰省を始め、教員もまた長い休暇に羽を伸ばすのだ。そして、学院が休息を得るのであれば、使用人たちもまた、休息を得ることが出来る。学院に留まる僅かな生徒や教員の世話が出来る人数を残して、休暇の日程を適度にずらして順繰りに休みを取れるように細かく調整されたスケジュール。それが、マチルダの手にしている紙の内容だ。 マチルダが目的とした項目の欄には、ちょうど三日後に夏期休暇を始めると書かれた人物の名前がしっかりと刻まれていた。 シエスタ。それが、ジェシカの従姉妹の名前だった。 「ミスタ・マルトー。こちらで確認した限りですが、一人、本来のスケジュールに沿わない行動をされている方がいらっしゃるようですね?」 意図的に貴族ではないマルトーにミスタという敬称をつけて問いかけたマチルダに、聞かれた本人は肩を大きく震わせて口の中をモゴモゴと動かした。視線が彷徨い、顔色が徐々に悪くなっていく。 マチルダは平民だ。しかし、このトリステイン魔法学院で学院長付きの秘書として働いている以上は、貴族であると認識されている。つまり、平民にとっては他の貴族同様、恐ろしい相手であるということだ。 責任者は責任を負う者。部下が勝手を働けば、その責任を被らなければならない。当たり前のことだが、責任を問う上司が元より恐ろしい存在であるとなれば、感じる重圧は通常のものの比ではないだろう。マルトーの胃は、歪に捻れて痛みを発しているかもしれない。 緊張に身を竦めるマルトーとメイド長の様子をしっかり見つめた上で、マチルダはもう一度書類に目を通し、ふと、笑みを浮かべた。 「責任を感じていらっしゃるのであれば、強く言うつもりはありません。元より、使用人たちのスケジュール調整はあなた方に任せているのですから、この程度ならばお預けした裁量の範囲といえるでしょう。安心してください、お咎めはありませんよ」 マチルダの言葉に、マルトーとメイド長が目に見えて分かるほど気を抜いて大きく息を吐く。 学院で働く何十人という使用人たちの中の一人を、都合に合わせてスケジュール調整しただけ。そう言葉にすれば、大したことではない。 改めて考えて、責任を問われるほどのことではないと思い直したのか、顔色のよくなったマルトーとメイド長は、幾分か余裕を取り戻して心持ち丸くなっていた背を伸ばした。 「でも、スケジュールの変更をされる場合は、きちんと届出を忘れないでくださいね。突然の来客に対応できない場合もありますので。たとえば、今日のような」 気を抜いたところで釘を刺され、マルトーとメイド長の顔がまた強張る。 悪戯っぽく笑って横目でジェシカを見るマチルダの様子を見れば、それが些細な小言であることは判断が付く。マルトーはすぐにそれに気が付いて苦笑したが、メイド長の方はそこまで気が回らずに表情を凍らせたままだった。 「しかと、肝に銘じておきます。しかし、実のところ、そのメイドの休暇が早まったのは昼時の少し前でして……」 「昼時?というと、今から二時間ほど前ですか。随分と急ですね……。どのような理由か分かりますか?」 二人を呼び出した本来の用件ともいえる問いかけに、マルトーは視線を彷徨わせてどうにも言い辛そうに表情を歪める。ウソのつけないタイプなのだろうが、それでは理由を誤魔化すことも出来ないだろう。今更知らないといっても、信じることなど出来はしない。 もう一度、分かりますか?とマチルダが言うと、マルトーは誰にも聞こえないような小さな声で「すまん、シエスタ」と呟いて事の顛末を話し始めた。 学院の生徒が数名、授業をサボって宝探しに出かけたこと。その中の一人と特に懇意にしていたシエスタが連れ出されたこと。どこへ向かったのかは分からないこと、など。 若干マルトーの主観が混じった説明だったが、大凡を理解したマチルダは、反芻するように重要そうな単語を口の中で繰り返してから静かに頷いた。 「……なるほど、いいでしょう。そういうことであれば、仕方がありませんね」 平民の使用人には、貴族の要求を断ることは難しい。責めるのは酷というものだろう。 急な申請が昼の忙しい時で手が放せず、マルトーも報告する暇が無かったと考えれば、今回の件は不可抗力と言えなくも無い。 マルトーは出来る限りのことをしたのだと意図的に良心的な判断を下し、書類の条項に修正を加えたマチルダは、手に持った羊皮紙を執務机に置いてジェシカに顔を向けた。 「それで、どうされますか?今から追えば間に合うかもしれませんが……」 風竜の翼なら、人間や馬の移動速度による二時間の差など、大したものではない。後を追えば、合流できないことも無いだろう。 そう思っての発言だったが、ジェシカの表情はあまり思わしくは無かった。 「追うのはいいけど、どこへ行ったのかは分からないんだろ?合流したところで、シエスタと一緒に居る貴族の方々に同行するわけにもいかないし。シエスタを引っ張っていけば、あの子の立場が悪くなる。正直に言って、シエスタを追うのは時間の無駄だと思う」 わざわざ責任者まで呼び出してもらったのに、悪いね。と言って、ジェシカが諦めた様子を見せると、それにマチルダは頷いて、マルトーらに仕事に戻るようにと告げた。 マルトーとメイド長は一礼して踵を返し、学院長室の出入り口の扉のノブに手をかける。そのとき、廊下側から誰かが扉をノックをした。 「失礼しますぞ……、と、ご来客でありましたか。これは、ご無礼を」 この部屋に入ることに慣れているのか、オスマンの代理であるマチルダの返事も聞かずに扉を開けたのは、学院で教鞭をとっている中年の男性、コルベールであった。 学院長室にオスマンやマチルダ以外の人間が居るとは思わなかったのだろう。酷く驚いた様子で息を呑むと、詫びるように頭を下げて、すぐに扉の向こうに消えようとする。それを、マチルダの声が止めた。 「お待ち下さい、ミスタ・コルベール。丁度、こちらの話も終わったところですので、ご用件を窺います」 「よろしいのですか?……ああ、なるほど」 マルトーとメイド長がすれ違いに廊下に出て行くのを横目に見つつ、その場に留まったコルベールは、視線を部屋の一箇所に固定した。 話に出番がまったく無いために暇になったらしいエルザが、カードを使ってピラミッドを作ろうとしている姿がある。隣に並んで手伝っているカステルモールも視界に入っているようだが、ジェシカやホル・ホースに気付いた様子は無い。 妙に偏った視線だが、その理由はすぐに本人の口から語られた。 「娘さんに母君に職場を見せておられるのですな?確かに、前回はフーケの騒ぎで忙しかったですからな。えーっと、ミス・エルザでしたか。そちらのご亭主と会うのは、今回が初めてですな」 始めまして、当学院で火の系統に関する魔法を指導しているコルベールと申します。ご夫人にはいつも大変お世話に……、などという定例の挨拶を何故かカステルモールと交わし始めたコルベールを、マチルダはぴきりとこめかみに青筋を立てて睨みつけた。 何をどう勘違いしたのか。コルベールはカステルモールがマチルダの夫で、エルザがその子供であると思い込んでいるらしい。以前にも同じ誤解を受けたが、そのときは誤解を解くのも忘れて殴り倒したため、それが今も尾を引いているのだろう。 なんのことかとコルベールの挨拶に戸惑うカステルモールや、大体事情を把握したエルザのニヤニヤ笑いを無視して、マチルダは杖を振って魔法を発動させた。 「ほげ?」 のんびりと日向ぼっこをしていたオスマンの手から、熱いお茶の入った湯飲みが離れ、宙を舞う。熱湯ともいえる東方から輸入された緑に色づいた液体は、そのまま飛散し、中途半端に禿げ上がった中年男の頭に降りかかった。 防御の薄い頭皮が、一気に赤く染まる。 「おわあああぁぁぁぁっ!?あっづううううぅぅぅぅぅぅっ!!?」 お茶がもっとも美味しく飲める温度は50度から60度の範囲だというが、それがハルケギニアでも通じるかどうかは分からない。ただ、オスマンが飲もうとしていたお茶の温度がそれを大きく上回っていたことだけは確かだ。 圧倒的な熱量を受けて床を転げまわるコルベールをホル・ホースとエルザがニヤニヤと見つめ、マチルダはキッと目を鋭くさせて再び杖を構える。ジェシカとカステルモールは、この展開に付いていけずに口をぽかんと開けていた。 「どこの誰が夫で、どこの誰が娘だって!?あんまりふざけた事ぬかすと、その頭に見苦しく残った髪を残らず引っこ抜くよ!!」 「ああああぁぁ!ええ、は、な、なにが!何が起きたのですか!?」 怒声に合わせて使用された錬金の魔法によって、コルベールの頭を濡らす熱湯が一瞬にして蝋に変化する。 だが、自分の頭を見ることが出来ないために、コルベールは何が起きているのか理解出来ていないようだった。自分の頭が蝋で固められていることも、それを力技で引っ張れば、恐らくは頭髪が一本残らず抜け落ちることも。 「そっちもそっちで、覗いてるんじゃないよ!」 出入り口の扉を睨んで再び杖が振られると、作りかけだったエルザのピラミッドが崩れて青銅のカードが木製の扉に突き立つ。少しだけ開いていた扉の隙間から、マルトーとメイド長が部屋の中を覗き込んでいたのだ。 どたどたと足音を立てて逃げ出す音に合わせて「ミス・ロングビルに隠し子が居た!」なんて言葉が聞こえてくる。あっちもあっちで、酷い誤解をしているらしい。 「あーっ、もう!やっぱり、あんたたちが来ると碌な事がない!疫病神だよ、まったく!」 今から追っても、もう噂の波及は止められないだろう。憂さを晴らすために熱を持った蝋を頭に貼り付けたコルベールを踏みつけるが、コルベールはコルベールでどこか嬉しそうにしているから、マチルダのストレスはさっぱり解消されなかった。 「自分の運が悪いのを人のせいにするなよ。なあ?」 「ええ。わたしたちは何もしてないんだし、文句を言われる筋合いは無いわ。日頃の行いが悪いんじゃないの?」 心外だと訴えるように互いに顔を見合わせて責めるような視線を向けるホル・ホースとエルザ相手に、マチルダは奥歯をギリリと噛み締める。 ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う。なんとも腹の立つ二人組みだと、改めてマチルダは認識した。 「ホントに憎たらしい娘だね、このクソガキは!」 「あら、ごめんなさぁい。どこかの誰かと血縁に間違われるせいか、口が悪いところがいつの間にか似ちゃったみたいだわ」 「こ、このアマ……!」 余計な一言を加えてオホホホと高笑いするエルザに、マチルダは握った拳を震わせる。 「上等だよ!この場でぶち殺してやる!!」 「出来るものならやってみなさいな!」 “ブレイド”の魔法を発動させて杖に青白い魔力の光を宿したマチルダがエルザに飛び掛る。 それとほぼ同時に、ジェシカの腰元にまだ下げられている地下水を手に取ったエルザは、マチルダを真っ向から迎え撃った。
https://w.atwiki.jp/yugioh_dl/pages/171.html
戦士の魂を継ぎ、覚醒する黒き竜 概要 パッケージでは「真紅眼」のBOXに思われるが、「武神」カテゴリが多いBOXとなっている。 BOX内容 UR2種、SR8種、R14種、N16種の全40種、80パック。 カード名 レアリティ 枚数 《スナイプストーカー》 UR 1枚 《真紅眼の黒刃竜》 UR 1枚 《黒竜の聖騎士》 SR 1枚 《曙光の騎士》 SR 1枚 《武神‐ヤマト》 SR 1枚 《闇竜の黒騎士》 SR 1枚 《守護神の矛》 SR 1枚 《ガード・ブロック》 SR 1枚 《スキル・サクセサー》 SR 1枚 《煉獄の落とし穴》 SR 1枚 《ヴァンパイア・グレイス》 R 5枚 《カース・オブ・ヴァンパイア》 R 5枚 《聖鳥クレイン》 R 5枚 《デイブレーカー》 R 5枚 《武神‐アラスダ》 R 5枚 《武神器‐イクタ》 R 5枚 《武神器‐ハチ》 R 5枚 《フレムベル・パウン》 R 5枚 《サファイアドラゴン》 R 5枚 《招来の対価》 R 5枚 《フォトン・リード》 R 5枚 《レインボー・ヴェール》 R 5枚 《王宮の号令》 R 5枚 《剣現する武神》 R 5枚 《ヒール・ウェーバー》 N 10枚 《武神器‐イオツミ》 N 10枚 《武神器‐オハバリ》 N 10枚 《武神器‐オロチ》 N 10枚 《武神器‐チカヘシ》 N 10枚 《光神機‐閃空》 N 10枚 《サンド・ギャンブラー》 N 10枚 《邪悪なるワーム・ビースト》 N 10枚 《八つ手サソリ》 N 10枚 《鏡鳴する武神》 N 10枚 《黒竜降臨》 N 10枚 《バグ・ロード》 N 10枚 《カウンターパンチ》 N 10枚 《捨て身の宝札》 N 10枚 《罰則金》 N 10枚 《ミス・リバイブ》 N 10枚 有用なカード、かつて有用だったカード モンスターカード 《スナイプストーカー》手札を1枚捨てサイコロで1or6以外の目が出た場合、カードを破壊できる効果モンスター。 魔法カード 罠カード 《煉獄の落とし穴》相手がATK2000以上のモンスターの特殊召喚成功時、その効果を無効にし破壊する通常罠。 主なデッキ 関連ページ 有用カード
https://w.atwiki.jp/sea0416/pages/37.html
昔、お金がなかったので使っていました。 編集する。
https://w.atwiki.jp/tianlang/pages/407.html
アップロードIMGを参照。 レベル補正(⌘ + L)で画像のコントラストを薄くする場合は、 出力レベルを上げると良い。
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/15747.html
デスコントラスト(ですこんとらすと) 概要 ヴェスペリアに登場した帯系の武器。 登場作品 + 目次 ヴェスペリア合成 デスコントラスト+1 合成 デスコントラスト+2α デスコントラスト+2β レイズ 関連リンク関連品 ネタ ヴェスペリア 光と闇をモチーフにした絵画の一片とされるが、詳細は不明。何かを封印した痕跡がある リタ用の武器、帯の一種。 物理攻撃力+411、魔法攻撃力+500で闇属性とスペルキープ、マジカル3のスキルを持つ。 ザウデ不落宮で拾える。 No. 310 分類 帯 物理攻撃力 411 物理防御力 0 魔法攻撃力 500 魔法防御力 0 敏捷 0 属性 闇 買値 - 売値 9500 スキル スペルキープマジカル3 装備者 リタ 入手方法 拾 ザウデ不落宮 合 不思議な布×1ヒピオニ樹皮×2摩訶珠×2(Lv:9500ガルド) 合成 素材1 素材2 費用 完成品 デスコントラスト×1 キノコパウダーMAX×1トレントの花×1 12000 デスコントラスト+1 デスコントラスト+1 光と闇をモチーフにした絵画の一片とされるが、詳細は不明。何かを封印した痕跡がある リタ用の武器、帯の一種。 物理攻撃力+444、魔法攻撃力+522で闇属性とスペルキープ、アブソーションのスキルを持つ。 合成で作成できる。 No. 311 分類 帯 物理攻撃力 444 物理防御力 0 魔法攻撃力 522 魔法防御力 0 敏捷 0 属性 闇 買値 - 売値 12000 スキル スペルキープアブソーション 装備者 リタ 入手方法 合 デスコントラスト×1キノコパウダーMAX×1トレントの花×1(Lv:12000ガルド) 合成 素材1 素材2 費用 完成品 デスコントラスト+1×1 魚人の得物×2サイのツノ×2 14000 デスコントラスト+2α 硬い皮×2鱗竜の皮×2 14000 デスコントラスト+2β デスコントラスト+2α 光と闇をモチーフにした絵画の一片とされるが、詳細は不明。何かを封印した痕跡がある リタ用の武器、帯の一種。 物理攻撃力+500、魔法攻撃力+565で闇属性とアブソーション、フェイタルボーナス、ストレングス3のスキルを持つ。 合成で作成できる他、ゾフェル氷刃海のイベントでも入手できる。 No. 312 分類 帯 物理攻撃力 500 物理防御力 0 魔法攻撃力 565 魔法防御力 0 敏捷 0 属性 闇 買値 - 売値 14000 スキル アブソーションフェイタルボーナスストレングス3 装備者 リタ 入手方法 イ ゾフェル氷刃海 合 デスコントラスト+1×1魚人の得物×2サイのツノ×2(Lv:14000ガルド) デスコントラスト+2β 光と闇をモチーフにした絵画の一片とされるが、詳細は不明。何かを封印した痕跡がある リタ用の武器、帯の一種。 物理攻撃力+500、魔法攻撃力+565で闇属性とアブソーション、フェイタルボーナス2、ディフェンド3のスキルを持つ。 合成で作成できる。 No. 313 分類 帯 物理攻撃力 500 物理防御力 0 魔法攻撃力 565 魔法防御力 0 敏捷 0 属性 闇 買値 - 売値 14000 スキル アブソーションフェイタルボーナス2ディフェンド3 装備者 リタ 入手方法 イ ゾフェル氷刃海 合 デスコントラスト+1×1硬い皮×2鱗竜の皮×2(Lv:14000ガルド) ▲ レイズ リタ用の☆4武器。 ストーンブラストを習得できる。 関連リンク 関連品 ネタ 名前は「死の対比」という意味。 ▲
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2345.html
鋭い刃物と変わった杖とナイフの鍔迫り合いが始まった。 「いて、いててて!ちょ、ちょっと待った、お嬢!魔法にオレを直接ぶつけんな!!」 「ちょっとくらい我慢しなさい!っていうか、痛いならあんたも魔法を使えばいいのよ!」 流石に、地下水もブレイドの魔法によって強化された杖と直接ぶつかると刃が負けるらしい。 そこらの剣よりも遥かに鋭い刃を作り出すブレイドには、材質的には普通のナイフでしかない地下水では荷が重いようだ。 エルザの指摘に、おお、と声を上げて地下水もブレイドの魔法を自分にかけると、エルザとマチルダの戦いはすぐに均衡を取り戻した。 体格的にマチルダが優勢でも、単純なパワーならエルザのほうが若干上回っている。幼女と大人の女の喧嘩は、見た目に反してかなり苛烈なものとなっていた。 「あんたはねえ!前から何度も言おうと思ってたけど、大人を馬鹿にするのも大概にしな!」 「あらぁ?どこに大人が居るのかしら?わたくしの目には年下の姿しか映りませんけど?」 「ああもう、このガキは!ホントにムカつくね!!」 実質年齢で比較すれば、マチルダとエルザは一回りほど離れている。外見とは逆の形で。 その細かい指摘に、マチルダの腹は例えようも無く煮え返っていた。 もはや、この怒りは簡単なことでは収まりそうに無い。 「一回、死ね!」 たった一言にすべての怒りを叩き込んだマチルダは、体重を利用して杖を更に押し進める。 怒りによって増強されたマチルダのパワーは、僅かにエルザを上回ったらしく、エルザの背が徐々に弓なりに反り始めていた。 「こ、これは、ちょっと、やばい、かも……!?」 「アハハハハハッ!人を舐めるからそうなるんだよ!くたばれクソ吸血鬼!!」 危ない目をしたマチルダの笑い声が学院長室に高らかに響き渡る。エルザの体も限界まで曲がり、これ以上耐えられないところまで来ていた。 「こんなところで殺し合いなんてするんじゃねえよ。表でやれ、表で」 「止めようよ」 呆れた様子で眺めていたホル・ホースの言葉にジェシカが突っ込む。だが、そういうジェシカもエルザとマチルダの戦いを止める気はないらしい。というより、止める力が無いだけなのだが。 「トドメだ!」 杖に魔力を流してブレイドの威力を高めると、マチルダは最後の一押しをする。 だが、それを傍観者達は見過ごさなかった。 「そろそろ落ち着きたまえ」 「あっ、何すんだい!?」 何時の間に後ろに回ったのか。カステルモールがマチルダを羽交い絞めにし、流れるように腕を動かしてマチルダの手から杖を取り上げる。 「チャーンス!」 「いや、テメエも落ち着けよ」 動きを止めて無防備になったマチルダを仕留めるべく目を輝かせて動き出したエルザも、ホル・ホースの手によって絞められる。羽交い絞めではなく、チョークスリーパーだ。 上手い具合に極まったのか、程無くして、かくん、とエルザが意識を落としたのを見たマチルダは、深く息を吐くと、未だ自身を羽交い絞めにするカステルモールを横目に睨みつけた。 「もう、落ち着いたよ。放してもらえるかい?」 「……本当に大丈夫か?」 「あたしを何だと思ってるんだい。信用しなよ」 本気で喧嘩をしていたとしか思えなかったため、そんなにすぐに冷静になれるものかと、カステルモールは訝しげにマチルダを見ながらゆっくりと腕を放す。開放されたマチルダは、強く締められた肩をぐるりと回して調子を確かめると、気を失っているエルザにそっと近づいた。 「フンッ!」 「ごは!?」 容赦のないボディブローがエルザの鳩尾に突き刺さり、ロリ吸血鬼が白目を剥いた。 「落ち着いてないではないか!?」 「良し!これで、ちょっとは気が晴れたよ」 再びマチルダを拘束しようとするカステルモールの腕から逃れ、マチルダがすっきりとした表情で体を伸ばす。実に清々しい笑顔だ。 呆れたように肩を竦めて首を振るカステルモールを、さっきまでの自分のことなど欠片も覚えていないかのように振舞ってマチルダが励ます。そんな二人の姿を見て、一人の男が全身を小刻みに震わせながら涙を流していた。 マチルダに足蹴にされてちょっと興奮していた、どこかのぽっちゃりさんに続く変態候補のコルベールである。 「な、なんという……、なんという仲睦まじい親子の姿……!このコルベール、暖かい家庭の存在から目を逸らしてミセス・ロングビルに密かな想いを抱いていた自分を恥ずかしく思いますぞ……!」 コイツの存在を忘れていたと、せっかく気分を良くしていたマチルダの顔色が一気に淀み始めた。 マチルダのトリステイン魔法学院での偽名であるロングビルに、結婚した女性を指す“ミセス”の敬称をつけて名前を呼んでいるということは、まだ勘違いをしているらしい。どこの世界に自分の娘と本気で殺し合いをする母親が居るのか。居ないとは言い切れない世知辛い世の中ではあるものの、普通に見れば、二人が血縁だとは思わないだろう。そもそも、殺し合いの場を見て、どうして仲睦まじいなどと思えるのか。 どうにも、頭のネジが緩いらしい。世間一般と感性が違うようだ。 「ミスタ・コルベール」 「おお、ミセス・ロングビル!この哀れな敗北者をお許し下さい。慈母の如きあなたに思いを馳せてしまった、この卑しい男をどうか、どうか……」 信仰する神に出会ったかのように、神妙な態度で両手を組んで祈るコルベールに、マチルダは殴りつけたくなる感情を押さえつけて、ニコリと必死に笑った。 「ミス……、です」 「は?」 「ですから、わたしはまだ結婚しておりませんので、敬称には“ミセス”ではなく、“ミス”をお付け下さい」 一瞬何を言っているのか分からない様子でマチルダの言葉を聞いていたコルベールは、ぼんやりとマチルダの顔を見つめた後、はっと意識を取り戻して気絶しているエルザの姿を視界に納めた。 「では……、彼女は私生児ですか?入籍は、まだされておられない、と?」 本当に一度固定化された観念を払拭するのは難しい。コルベールは、まだエルザがマチルダの娘で、カステルモールが夫だと思い込んでいるようだ。 マチルダは、そんなコルベールの前で首を振ると、眼前に杖を突きつけて言った。 「子供を生んだ覚えはありませんし、夫を選ぶようなことをしたことも、ありません。よろしいですか?彼も、あそこで寝ている少女も、わたしとは一切、まったく、これっぽっちも関係ありません。分かりましたか?」 まったく笑っていない目でしっかりと訴えかけるようにコルベールに真実を伝えると、流石のコルベールも理解できたのか、青褪めた顔で必死に首を縦に動かした。 そして、すぐに中年男にしてもらいたくない恥ずかしげに頬を赤らめる、という行動を取る。 まだ何かあるようだ。 「そ、それほど必死に否定されるということは……、その、わたしに誤解されたくないということでしょうか?つまり、ええと、わたしにも、まだ日の目を見るチャンスがある、と」 モジモジ、と純情な少年のように上目遣いでマチルダの様子を見ながら、傍から見ていて吐き気のするような空気をコルベールは作り出す。 マチルダに気があったものの、夫や娘の存在が明るみに出て諦めていたのだろう。だが、それが否定された瞬間、押し留めた恋の炎が燃え上がったようだ。炎蛇の二つ名に似合わず、ミミズやナメクジのような粘っこい男である。 歳をとっても恋が出来るということは、とても素晴らしいことだ。だが、出来れば、見た目にも気を使ってもらいたい。 頭に蝋を乗っけた中年男のラブロマンスでは、誰もときめかないのだから。 「こいつ、殺していい?」 愛の矛先に立たされたマチルダも、当然ときめいてなどいなかった。代わりに出てきた言葉といえば、実に辛辣な問いかけだ。 話を振られたホル・ホースは、寝ているのをいいことにエルザの顔にペンで落書きをしながら面倒臭そうに返事をする。女は尊敬しているが、男はどうでもいいと思っている人間の意見なんて、一つしかないだろう。 「オレに聞くなよ。イエスとしか答えねえぞ」 「だろうね」 どういう答えが返ってくるのか分かっていたマチルダは、それを許可と受け取って、杖に魔力を込め始めた。 人間を錬金したらどうなるんだろう。昔から、ちょっと興味があったんだよね。 そんな、無邪気な好奇心が一万分の一、残りの九千九百九十九を殺意として、マチルダは錬金の魔法を唱えようとした。 肉は肉に、骨は骨に、変態は生物学的な意味で変態しておけ、と。 「あ、あの、そこまでしなくてもいいんじゃないかな?一応、好かれているわけだし。悪いことじゃないでしょ?」 後一歩で、特に何のイメージも固めずに使用された錬金によって、なにか良く分からないものになりかけたコルベールを、ジェシカの言葉が間一髪のところで救い上げた。 人に好意を向けられているということは、見た目はアレでも、マイナスではない。 流石に、殺すのはやり過ぎかもしれないと、ちょっとだけ気分を盛り返したマチルダは、杖をそっと懐にしまって、まだ顔を赤らめてモジモジとしているコルベールの頭に手を伸ばした。 「ていっ!」 「ぎゃああああああああっ!?」 布の両端を引っ張って無理矢理引き裂いたような音が、コルベールの頭皮を覆っていた蝋が剥がれるのに合わせて響き渡る。 元がお茶であったため、液体はコルベールの頭髪の隙間にしっかりと染み込んでいたのだろう。蝋に変化した後は、染み込んだ分だけ髪に絡み付いて放さなかったに違いない。 コルベールの頭部は、今この時、荒野に生えたささやかな草原から、焦熱の砂漠へと生まれ変わったのだった。 「お、おおおおおおお、わ、わわ、わたしの、わたしの髪が……」 床に転がった黒い髪を巻き込んだ蝋の塊を凝視して、コルベールが涙混じりに呟く。 毛根が終わりを迎えないようにと、普段から必死にケアを続けていたはずだ。多種多様な薬に手を出しては挫折し、健康の為に好きな食べ物すら我慢する日々。それを、すべて台無しにされたコルベールのショックは計り知れない。 ある意味、コルベールはマチルダの手によって殺されてしまったのだ。 「ま、今回はこの程度で良しとしましょう。さて、ミスタ・コルベール。あれこれと話が横道に反れて聞いておりませんでしたが、ここへ来た用件についてお聞かせ下さい」 腹の内に溜まったものを吐き出したマチルダが、ミス・ロングビルの声と態度を取り戻して訊ねる。だが、コルベールはそれどころではなかった。 禿げたことのない人物に毛根を残らず奪い取られて、この程度とさえ言い捨てられる。 その事実は、日々頭髪について悩み続けてきたコルベールの心から、マチルダに対する恋心を奪うのに十分な力があった。 何もかもを失ったような濁った目を遠くに向け、窓辺で日光浴をしながら無くなった湯飲みを探し続けているオスマンの姿に自分を重ねたコルベールは、何もかもがどうでも良くなった気分のまま、マチルダに本来の用件を伝えた。 「私用ですはありますが、休暇を頂こうと思い、足を運びました。……が、それももう、必要ない気がしますな。どうせ、この頭では外出も出来ませんし……」 一気に煤けた様子のコルベールが、ゆっくりと踵を返して部屋を出て行こうとする。 頭髪の消滅は、コルベールから外に出るという選択肢を奪い取ったのだ。スキンヘッドの方がバーコードヘアーよりも若者受けするだろうし、ある意味吹っ切れる。そう思うのは、素人の考えなのかもしれない。 ゆらりと体を揺らして歩くコルベールのあまりに悲しい背中に、カステルモールが目頭を押さえてコルベールの肩に手をかけた。 「待つんだ……、いや、待って欲しい。あなたに、朗報がある」 「慰め、ですかな?ふふ、若い者には分からないでしょうが、わたしの残り少なかった頭髪はプライドも同然だったのです。それが奪われた以上、わたしは、もはや負け犬……」 元々痩せていたコルベールの頬が、更に痩せているように見えるのは、錯覚などではないのだろう。精神の磨耗が、肉体に影響を与えているのだ。 それを理解して一層熱くなった目元を拭ったカステルモールは、若くして騎士団の団長の地位にまで上り詰めるきっかけを作った魔法を、コルベールに語りかけた。 「フェイス・チェンジという魔法を、あなたはご存知ですか?」 「風の、スクウェアスペル、でしたかな?使い手の殆ど居ない、顔の見た目を変化させる魔法だとか……」 研究熱心な脳が働き、記憶の片隅から知識を引っ張り出したコルベールだが、魚の死んだような目をしていることに変わりはない。 こくり、と頷いたカステルモールは、自身の杖を取り出すと、更にコルベールに問いかける。 「もし、それを私が使えるとしたら。そして、その魔法を使えば、あなたの髪を取り戻せるとしたら、どうでしょうか?」 「……ま、まさか。いや、そんな!ありえない!」 コルベールの瞳に生気が戻る。だが、カステルモールの言葉を信じきれないのだろう。戸惑いに声を上げては首を横に振っていた。 「勿論、フェイス・チェンジで作られる髪は偽物です。しかし、諦めてはいけません。風の魔法による頭皮への刺激は、過去に例のないほどの発毛効果を発揮するのです。そう、かつての私の上司が、そうでした」 カステルモールは思い出す。 まだ一介の騎士見習いだった頃、当時既にスクウェアクラスに片足を突っ込んでいたカステルモールは、覚えたてのフェイス・チェンジの魔法を使いたくてたまらなかった。 思えば、自分も若かったのだろう。天より授かった自身の系統こそ最強だと、皆が同じ事を考えているとも知らず、恥ずかしげもなく風の魔法が如何に強力かと語り歩いていた時代だ。 当時恐れていた鬼教官と兵舎の廊下ですれ違ったとき、何の因果か、偶々換気の為に開けられていた窓から風が吹き、教官の頭を撫でていった。 ぽとり、と床に落ちた青味の強いなにか。それがカツラであることに気付いてしまったカステルモールを顔を青くして見ている教官の顔は、今でもはっきりと思い出せる。 誰にも言うな。と釘を刺され、そそくさと逃げるようにその場を後にする教官に声をかけたのは、弱みを握ったために気が強くなっていたからだろう。いや、新しく覚えた魔法が使いたかっただけかもしれない。 呼び止められた教官は、ガリア王族の血を僅かにだが引いている。脅すには向いていない相手だし、人を脅せるような性格のカステルモールでもなかった。だから、次に出た言葉は、教官への親切心からだった……、はずだ。 風で落ちることも、手触りに不自然さを覚えることも、頭皮が蒸れることもない。究極のカツラとして、カステルモールは教官にフェイス・チェンジの魔法の使用を申し出て、日に一度のペースで魔法を使い続けることを約束した。 思えば、アレが出世の切っ掛けだったのだろう。まるで若い頃のようにふさふさになった髪にご満悦の教官は、カステルモールを褒め称えていた。 そして、一月もフェイス・チェンジの魔法を使い続けた頃、教官の頭に不思議な現象が見られるようになった。 全滅したとばかり思っていた教官の頭皮から、毛が生え始めたのだ。 カツラという劣悪な環境から開放され、若き日の不衛生な生活とは禿が発覚してから遠く離れて十分に気を使われた頭皮は、数十年ぶりに息を吹き返したのである。 全ては偶然かもしれない。教官の頭皮がまだ真の死を迎えていなかっただけで、カツラに抑制されていたものが芽を出しただけという可能性もある。 だが、教官はすべてカステルモールのお陰だと涙ながらに感謝し、見習い騎士だったカステルモールを正式な騎士として迎え、表舞台に立たせてくれた。その際、オルレアン公の助力もあったという教官の話は、現在に至るオルレアン家への忠誠の原点ともなっている。 「あなたにも同様の効果があるとは限りません。しかし、希望を捨ててはいけない。諦めたら負けなのです。騙されたと思って、試してみませんか?ミスタ・コルベール」 「お、おお、これは、始祖ブリミルの思し召しなのか……?」 すっかり禿げ上がった頭に手をあて、そこについ先ほどまであったはずの感触が存在しないことに絶望しながらも、コルベールはカステルモールの囁きに希望に満ちた顔で頷いた。 髪が帰って来る。 たったそれだけのことにこれほどの喜びを見出したことが、果たしてコルベールの人生に存在しただろうか。 コルベールにとって、カステルモールの言葉は天啓も同然だった。 「流石はミス・ロングビルが選んだお方だ!ありがとう。本当に、ありがとう!」 「まだ言うか、このオヤジ」 カステルモールの手を取って涙ながらに溢した発言に、マチルダが顔の隅に青筋を浮かべた。 「では、早速……」 杖を手に、カステルモールが魔法の詠唱を始める。 フェイス・チェンジは風の高等魔法だ。韻竜であるシルフィードが使う姿を変える先住魔法には大きく見劣りするが、その効果は想像以上に続く。顔の形で人物を判別する機会の多い人間社会では、ある意味、多種多様な用途がある魔法といえるだろう。 長い詠唱を終えた後、カステルモールが杖を振るうと、周囲の風がコルベールの頭部に集まり、それがやがて、黒く細い形を作り出す。 若者のそれに勝るとも劣らない元気な黒髪が、コルベールの頭部を包み込んだ。 「お、おお、おおおおおお!」 風の抵抗によるものなのか、触れればその通りの感触が肌を撫で、確かな髪の質を伝える。 ジェシカが気を利かせて手鏡をコルベールに渡すと、鏡面に映った黒い偽物の髪は、以前より若干ながら多く見えた。カステルモールが気を利かせて、一見して分からない程度に髪を増量させたのだ。 「す、素晴らしい……、素晴らしい魔法だ!ギトー君がしつこいくらいに風がもっとも優秀な系統であると豪語するのも、今なら分かる気がしますぞ」 絶対に本人はそんなつもりで言っていないのだろうが、今のコルベールにそんなことを指摘しても無駄だろう。 三時間以上も髪型に悩み、ついに理想の形を作り出したデート前の少女のように鏡に映る自分に見惚れるコルベールの姿は、傍で見ていたホル・ホースにはとても正視に堪えられないものだった。これなら、エルザの顔に落書きをしていたほうが数百倍はマシだ。 というわけで、実際にエルザの顔への落書きに没頭し始めたホル・ホースは放置され、コルベールとカステルモールの奇妙なやり取りは邪魔が入ることも無く終焉を迎えようとしていた。 「ミスタ・コルベール。フェイス・チェンジの魔法は、外部から影響を受けるようなことが無ければ、およそ一週間続きます。しかし、魔法での戦闘などを行えば、恐らく、その場で失われることでしょう」 「うむ、うむ。その点に関しては心配無用ですぞ。私はただの教育者に過ぎません。戦場に立つなど、有り得ない話ですな。……しかし、一週間ですか」 言葉の最後にポツリと溢した呟きに、カステルモールは問いかける。 「なにか、不都合でも?魔法であれば、かけ直しに定期的に学院を訪れるつもりですが」 風竜の翼なら、タルブの村からでも日帰りが出来る。時間的には問題ないはずだ。ついでに言えば、コルベールへの行動は全てが善意ではなく、定期的にシャルロットの様子を見るための都合をつける意味合いもある。確実に、足繁く通うことだろう。 だが、コルベールはそうではないと首を振ると、マチルダに体を向けた。 「ミス・ロングビル。先程の休暇を頂きたい、という件なのですが……」 「なんでしょうか」 問い返すマチルダに、コルベールは髪が生えたように見える頭に手を当てて話を始めた。 「実は、私的に行っておる研究の為に、“竜の羽衣”があるというタルブ地方に向かうつもりなのですが、なにぶん遠く、一両日とは参りません。片道で二日、天候の影響で足止めを受けることも考慮すれば、更に一日余裕を見て、往復で五日といったところでしょう。現地での調査に時間を取られれば、十日は学院を空けることとなります。それだけの長期の休暇は、そうそういただけるものとは思っておりませんが……、どうにかなりますかな?」 「十日ですか。……まあ、ミス・シュヴルーズのようにバカンスで三週間も遠くへお出かけになられるのに比べれば、控えめな方ですね。教員の方々に割り振られた夏期休暇期間は少し先ですので、担当授業に代理を立てて頂ければ、すぐにでも許可を出しましょう」 マルトーと話していた時とは別の書類を戸棚から取り出したマチルダが、そこに書かれた教職員の休暇スケジュールを確認して言うと、コルベールはホッと息を吐いて、顔色をすぐに悪くさせた。 「ありがとうございます、ミス・ロングビル」 深くお辞儀をして礼を言うと、コルベールはカステルモールに意識を向けた。 「お聞きになられたでしょう?私は、暫くここを離れることになります。タルブは遠く、私の都合でご足労をお掛けする訳には参りません。ああ、しかし、どうすればよいのやら。研究を優先すれば、帰るのに間に間に合うことなく頭髪は失われ、此処に留まればせっかく見つけた研究対象への思いが募るばかり。せめて、馬車よりも早い移動手段が手元にあれば……」 苦悩する様子を見せるコルベールの隣で、カステルモールが、へえ、と感心するように息を吐いたジェシカやエルザの顔を真っ黒にしたホル・ホースと顔を見合わせ、驚いたように目を見開く。 どうしたのかとマチルダとコルベールが不思議そうな顔をするのを余所に、ホル・ホースはジェシカとカステルモールを呼び寄せて、都合のいい展開に口元をニヤリと歪めた。 「ちょうどいいじゃねえか。いっそのこと、全員連れて行こうぜ?」 自身の身の危険を察したマチルダは身を凍らせ、コルベールは再び髪か研究かに悩み、この部屋の本当の主であるオールド・オスマンは、やっと見つけた湯飲みの中身が存在しないことにとても悲しそうな顔をしたのだった。 アルビオン空軍工廠の町、軍港ロサイスは王都ロンディニウムの郊外に位置している。 ロサイスは、革命戦争と称されることとなった先の内戦より前から王立空軍の工廠であった。 ハルケギニアの空中における主力兵器である軍艦は、空を飛ぶという性質を持ちながらも巨大だ。そのため、この町にはそれに見合った工場が立ち並び、船の材料となる木材が山と積まれた空き地がいくつもある。そして、軍艦に積むべき大砲を製造する鉄工所も、また多く存在していた。 空軍の発令所である赤レンガの建物には、レコン・キスタを表す三色の傍が翻っている。本来なら、それは現政府の権威の象徴となるのだろうが、今は降りしきる雨に色を窺うことも難しい。その代わり、時折窓辺から顔を覗かせる兵士達には緊張の色がはっきりと見られた。 町の中心ともいえる港には、一際目立つ巨艦が鎮座している。雨避けの布をテントのように広げた巨大な戦艦の名前はレキシントン。アルビオン本国艦隊の旗艦である。 全長にして二百メイルに及ぶ巨大帆走戦艦は今、突貫工事の真っ最中だった。 その工事の視察に来ている神聖アルビオン共和国の初代皇帝オリヴァー・クロムウェルの背中を睨みつけて、雨の中にも関わらず懸命に作業を進めている職人達を監督していたサー・ヘンリー・ボーウッドは下品な舌打ちをした。 艤装主任であるボーウッドは、アルビオンの慣習に従って、この工事が終わり次第艦長に就任することになっている。かつては巡洋艦の艦長であったことを考えれば、旗艦となるレキシントンの艦長となるということは、大変な出世だ。 だが、胸には不満や怒りといった感情ばかりが渦巻き、自分を評価し取り立ててくれた皇帝への感謝の気持ちなど、欠片も存在していなかった。 その理由は、自身に与えられた最初の任務にあった。 「何が親善訪問だ!不可侵条約を結んでばかりの国に奇襲をかけるだと?冗談ではない!」 そう声高に叫び、新しい上司を散々に罵りたい気分を押さえて、ボーウッドは視線をレキシントンに向ける。 かつてはロイヤル・ソヴリンという名でアルビオンの空を駆けた王国の象徴も、今となっては愚者の手先に過ぎない。見た目は大きく、その身に積むことになる新型の砲がトリステインやゲルマニアの砲に比べて優秀だからといって、掲げられる正義がまやかしでは、そこに刻まれるべき誇りなどありはしないだろう。 トリステイン女王アンリエッタとゲルマニア皇帝アルブレヒト三世の結婚式に、神聖アルビオン共和国の閣僚が国賓として出席する。その際の御召艦が、目の前にあるレキシントンだ。 来月の始めに執り行われる式に合わせ、事前に親善訪問を執り行う。そういう予定だった。 だが、クロムウェルはその親善訪問をトリステインへの奇襲の場とするつもりらしい。親善訪問でありながら艦に砲を積むのは、そういう理由だ。 アルビオン王国を滅ぼしたレコン・キスタが立った理由が、ハルケギニアの人類統一とエルフの排除、そして、聖地の奪還であることを考えれば、戦争が広がるのは仕方が無い。現在のアルビオン貴族は、それを理解した上でレコン・キスタに賛同していたはずだし、ボーウッドもまた、それを分かっていて命令に従ってきた。 軍人としてはクロムウェルのやり方に黙って従うのが正しいのだろうが、それでも、このような恥知らずの行動に、ボーウッドは耐え難い怒りを腹の内で煮え滾らせていた。 貴族としての誇りか、軍人としての誇りか。天秤にかけて、一度は軍人を取ったボーウッドだが、二度目もまた軍人として生きることが出来るのか、迷いが日に日に強まっている。 名誉ある最初の任務が、汚物塗れのバージンロードとは。コレも、王家を裏切った男に対する始祖ブリミルの罰なのかもしれない。 上官に引き摺られる形でレコン・キスタに参加することになったが、あの時、自分が踏み止まっていたなら、名誉ある死を迎えられたのだろうか。 もし、ああだったら。もし、こうなれば。そんな過去の可能性を考えて陰鬱な気分になっている時点で、もはや、軍人としての生命は長くないのだろう。 それを自覚しているボーウッドは、この戦を最後に退役を考えていた。 「しかし、果たして、簡単に逃がしてもらえるかどうか……」 抱え込んだ一つの不安。 神聖アルビオン共和国は、内戦の中で多くの死者を出し、人手が極端に不足している。精神的に参っているからといって、艦長の地位にまで上り詰めた働き盛りの男を、容易く手放すとは思えない。それは、ある程度覚悟しているものだ。何もかもが嫌になれば、戦場に出て戦死してしまえばいい。乱暴極まりないやりかただが、そう考えれば、このまま軍人を強要されることも耐えられる。 だが、ボーウッドを不安にさせているのは、軍人を続けることよりも、“死なせてもらえない可能性がある”ということだ。 換装工事を行っているレキシントンの向こう、港の端の兵舎側に並ぶ奇妙な一団。 二百人か、三百人か。雨の中でも顔色一つ変えず、朝から今まで休憩も挟まずに訓練を続けているというのに、疲れどこか笑みさえ見せて、杖を振るい、剣を振るい、槍を振るっている。 そこにボーウッドは視線を向けると、湧き上がる吐き気に表情を歪めた。 クロムウェルがレコン・キスタの指導者となりえたのは、単に権力を握っていたからではない。レコン・キスタを影で支える出資者との直接の窓口、という理由も少なからずあるが、主な理由はクロムウェルが使う魔法の系統にあった。 虚無。 ハルケギニアでは伝説とされる、始祖ブリミルの用いた奇跡を起こす系統だ。 クロムウェルは自分が虚無を扱えるということを理由に、ハルケギニアの全土の正当なる王となる運命にあると主張した。レコン・キスタは、そんなクロムウェルの意思に賛同したもの達の集まりが大本だ。 勿論、世迷言なら国をひっくり返すようなことなど出来はしない。クロムウェルが虚無の系統を使えるという話は確かな事実として認識され、賛同者もその奇跡を目の当たりにしている。 ボーウッドも、かつては半信半疑だったクロムウェルの系統について、今は確かな確信を得ていた。 ただ、始祖の系統であるとは信じていない。あれは人の使う系統魔法などではなく、もっと本質の異なる、忌々しい力。それが、ボーウッドの認識だ。 「人を蘇らせる、命を司る系統……、か」 軍事教練中の集団を構成しているのは、かつて王党派としてレコン・キスタと戦った兵士やメイジである。 捕虜などではない。死んだ者たちを、クロムウェルは魔法で蘇らせたのだ。 内戦の最後の戦場に無造作に積み上げられた死体がクロムウェルの魔法によって一つ一つ蘇り、クロムウェルの前に跪く姿を、ボーウッドは先ほどのことのように思い出せる。 恐ろしい光景だった。 敵として戦っていた者たちが、手の平を返したようにクロムウェルに忠誠を誓い、目の前で次の戦争の準備をしているのだ。叛乱の気配など、一つも無く。 異常だった。 彼らの中にはボーウッドの友人だった人間も居たが、会話を試みると、それこそ生前のままに話が出来る。だが、クロムウェルへの忠誠だけは、まるで刷り込まれたように当たり前に受け入れて変えようとしない。暗に批判をすれば、目の色を変えて否定をするくらいだ。 生き返らせた際に、中身を作り変えられてしまったかのようだった。 だが、そう思っても、それをどうにかする術をボーウッドは持っていない。そもそも、どうすればいいのか分からない。目の前の光景が正しいのか、正しくないのかさえ、判断できないのだ。 アレが虚無だというのなら、人の生は、死は、一体なんだというのか。人の歴史は、戦場に積み上げられた死体は、何の意味があったのか。信仰する始祖ブリミルの正体は、人の命を弄ぶ狂人だったのか。 なにか、とてつもない不自然な力の片鱗に触れた気がして、恐怖が心を埋め尽くす。 唐突に感じた寒気に身震いしたボーウッドは、淡々と軍事教練に励む集団から目を逸らした。 雨脚は強まり、頬を叩く水滴には痛みすら感じる。 自然の摂理を大きく変える、魔法という力そのものに疑問を覚えたボーウッドは、何も言葉に出来ず、ただ呆然と、改修が続けられるレキシントンの姿を眺めた。 クロムウェルは、この世界をどうするつもりなのだろうか。 破滅か、それとも、真に平和が訪れるのか。 何もかもが信じられない現実に押し潰されそうになりながらも、たった一つだけ理解している事実を確かめて、ボーウッドは雨に濡れながら宿舎へと足を向けた。 トリステインは、きっと地獄になる。 死者の軍勢に踏み潰される罪の無い人々の姿を幻視して、ボーウッドは雨に冷えた体を小さく震わせた。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/22229.html
こんふりくとこんすとらすと【登録タグ CD CDこ Re nG Re nGCD こ 全国配信 曲 殿堂入り 神威がくぽ】 作詞:yuki 作曲:Re nG 編曲:Re nG 唄:神威がくぽV3(Native) 曲紹介 高速ギターレスピアノロックに挑戦。(作者コメ転載) 本作が、初のがくぽV3使用曲となる。使用DBは Native 。 歌詞を yuki氏 が、イラストを 都氏 が手掛ける。 KARENTレーベルよりダウンロード販売が行われている。 KARENT配信 前作 本作 次作 激情トラジェディー コンフリクトコントラスト Resonant Gene 発売:2012年8月6日 価格:¥150 流通:配信 レーベル:KARENT ジャケットイラスト:都 iTunes Storeで購入する 曲目 コンフリクトコントラスト (feat. 神威がくぽ) 歌詞 優しさゆえに吐く嘘も嘘だと 君はまだ知らなくていい 届かない願い 小さな世界の中 誰でもいいだけだよ 正しく言い聞かせる相手は誰? 自分自身 ありもしない赤い糸を 切り落として嘆き明かす 踏み外した階段 一人転げ落ちる 欲と愛をはき違えて なじるような雨に打たれ 弱き者に想い寄せる 弱さを隠す素顔 見抜かないで 失うことでしか憶えらえない しなやかに伸びた手足に 心奪われて 束ねた髪ほどいて縋るような視線に 今まで誰の為に押し殺した? ひずむ景色 夢が夢で終わるように 焦れる夜を祈り明かす 掛け違えたボタンに 二度と触れられない 助けようと伸ばした手が 突き落としてしまう前に 恋焦がれた日々を詫びる 愚かな胸を晒し 憐れまれて 青いままでもぎ取られた 果実を手に立ち尽くして 未来の無い秘め事 共に転げ落ちる 欲と愛をはき違えて なじるような雨に打たれ 穢れの無い君を愛し 穢してしまいそうな コンフリクト 弱き者に想い寄せる 弱さを隠す素顔 見抜かないで コメント V3がくぽはみんないい声だね、GJ! -- 名無しさん (2012-07-16 13 33 04) 惚れました!かっこいい!! -- 名無しさん (2012-07-16 23 20 18) がくぽが好きになりました!歌詞も好きです! -- APO (2012-08-02 21 54 22) これ凄い好きですわ -- 名無しさん (2012-08-03 08 36 31) がくぽ曲で好きになったの初めてかも… -- 名無しさん (2012-08-03 08 37 32) 前奏でグッと来ましたー… やばばば -- がくぽ廃 (2012-09-26 00 16 22) 一枚の静止画なのに、歌詞やメロディからその物語が想像できるいい曲だと思う。 -- 名無しさん (2012-11-09 13 37 10) がっくんヤバい//////本当に大好きだぁ♪カッコいい!! -- Rea♪ (2012-11-22 21 57 59) この曲のお陰で殿の魅力にどっぷり浸かりました -- 名無しさん (2012-11-22 22 49 27) この曲でV3がくぽさんが好きになれた^p^ -- 名無しさん (2012-11-23 19 49 14) CD発売日当日に買った!!!この曲と 変態王子P の曲がいいわー★あと、natsuPの3曲も!!!これぞ、ネ申 って感じー(^_^)v -- みしゅあ (2012-12-13 20 41 13) 歌いやすくてかっこよくて好きです。 -- 咽餅 (2013-01-12 15 14 49) V3がくぽさん、なんかV2がくぽさんより声高くなっていたので、アルバムを買ってがっかりしてあたのですが、この曲を聴いて、V3がくぽさんを好きになれました。有り難う御座います。 -- 長文orz (2013-02-09 21 56 04) 流石れんじさん。れんじさんの殿はすごい -- 名無しさん (2013-03-17 11 56 10) ↑4貴方は俺ですかw 全く同じ事考えてた -- 名無しさん (2013-04-06 10 08 51) Re nGさんはいい曲つくるよな、本当 -- 名無しさん (2013-06-08 20 19 55) 曲はもちろん都さんの絵の素敵さは異常 -- 名無しさん (2013-07-07 13 37 48) がっくんずきにはこの曲やばい。歌詞とかもおぉってなりました! Re nGさんのがくぽ曲最高 -- ココア (2014-03-29 01 26 53) かっこいい曲です!ずっと気になってたんですけど、がくぽが触れてるのって誰の手なんでしょうか? -- 名無しさん (2014-08-11 12 17 43) Re nGさんの曲はかっこいいです! -- 名無しさん (2014-08-11 12 19 41) Re nGさん+がくぽ=かっこいい -- 名無しさん (2014-08-11 19 04 58) 「愚かな胸を晒し」のあと、何て読むんですか? -- 名無しさん (2015-01-09 22 00 44) ↑あわれまれて です。 -- 名無しさん (2015-01-13 07 33 59) ↑ありがとうございます!助かりました -- 名無しさん (2015-01-25 21 52 39) 名前 コメント