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563 キモウト日記~SからMへ~ sage 2009/05/07(木) 03 14 42 ID RVGbN4Ig ○月×日 今日は朝から兄さんに怒鳴られた。 理由は昨夜私が兄さんの大切にしていた本を破り捨てたからだ。 兄さんが寝静まった後部屋に入り、本棚から取り出したそれを部屋中に破り散らかしてやった。 余程大切な物だったのか、先週目の前で携帯をへし折った時より兄さんは遥かに熱り立っていた。 いつ見ても兄さんの怒る顔は気持ちが良い。 最近は兄さんもかなり腹に据え兼ねているのか、私に対して怒りや嫌悪以外の態度を示さなくなった。少し寂しい。 でも兄さんを怒らせるのは凄く楽しい。 次は何を壊してやろうか。 564 キモウト日記~SからMへ~ sage 2009/05/07(木) 03 15 09 ID RVGbN4Ig ○月△日 今日兄さんが知らない女と一緒に歩いていた。楽しそうに談笑していた。 兄さんは家では見た事がないぐらい笑顔だった。 私にはそんな顔してくれないのに。 気がつくと私は兄さんの後をつけていた。 聞き耳を立ててみると、兄さんは仕切りにゴメンねと繰り返し、女はいいよと笑顔を返していた。 どうやら私が破り捨てた本はあの女からの贈り物だった様だ。いい気味だ。 いい気味のはずなのに、なぜだか腹が立つ。イライラする。吐き気がする。 なんで私が兄さんに苛つかされなきゃならない? 苛つかなきゃいけないのは兄さんなのに。 565 キモウト日記~SからMへ~ sage 2009/05/07(木) 03 15 34 ID RVGbN4Ig ○月□日 今日も兄さんがあの女と歩いていた。 しかも手をつないでいた。 二人の、とりわけ兄さんの顔は今まで見た事がないくらい幸せそうだった。 その時、私の頭に鈍器で殴られたみたいな衝撃が走った。 気分が悪過ぎてそれ以上はよく覚えていない。多分放心状態で家に帰ったんだと思う。 ありえない。 なんで兄さんはそんなに幸せそうなの?嬉しそうなの? なんで私はこんなにイライラしなきゃいけないの? 今こうして日記を書いている最中も頭が痛い。 帰宅してから既に四回は嘔吐している。 なんで私がこんな目にあわなきちゃいけないの。 悪いのは全部兄さんだ。本当にイライラしなくちゃいけないのは兄さんなのに。 決めた、次はあの女を壊そう。 566 キモウト日記~SからMへ~ sage 2009/05/07(木) 03 18 08 ID RVGbN4Ig ×月○日 今のうちに昨日の出来事を書いておこう。 昨日は兄さんに殴られた。 ビンタや叩くなんて生易しい物じゃなく、本気で殴り飛ばされた。 口の中が血の味でいっぱいになり、鼻血が止めどなく出るぐらい。 どうやらあの女を■■したのが私だと直感したようだ。 殴られうずくまっている私のお腹を兄さんは容赦なく蹴りつけた。 何度も何度も。それこそ死んじゃうんじゃないかというくらい。 今にも気を失いそうな痛みの中で私はある事に気がついた。 私は兄さんの怒った顔が好きなんじゃなくて、兄さんに怒られるのが好きなんだと。 だから痛いのにこんなにも気持ち良いんだと。 567 キモウト日記~SからMへ~ sage 2009/05/07(木) 03 18 41 ID RVGbN4Ig ×月○日続き 今日はいつもより書くことが多い。 兄さんは私を二、三十回は蹴りつけた後、私の髪を掴み、倒れた体を無理矢理起き上がらせ耳元でこう言った 「今度は俺がお前を壊してやる」 そう言うと所々血の付いた私の服を引き千切り、同様に下着も引き千切られた。 それから一日中私は兄さんに犯され続けた。 少しでも抵抗すれば頬をぶたれ、後ろから犯されている間は常にお尻を叩かれた。 今や私の体は全身傷と痣でいっぱいだ。 でも嬉しい。私が嫌がれば嫌がるほど兄さんは私を怒ってくれる。 次に日記を書けるのがいつになるのかはわからないが、兄さんが起きたらまたしばらく怒ってくれる。 今日は昨日より怒られるだろう、もしかしたら殺されちゃうかもしれない。 でも幸せだからいいや。
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935 :関西から来たキモウト1 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/19(土) 21 12 47.55 ID 6A/eOGsd (2/8) 『件名:お兄さんへ511 差出人:神菜 一ヶ月前 暖かくなってきましたね。 新学期も始まり私も高校生活を楽しんでいます。 受験の時は本当にありがとうございました。 私が合格できたのは、お兄さんがメール越しにでも勉強を丁寧に教えてくれたおかげです。 お母さんはまだ、お兄さんとお父さんと会うのを許してくれませんが、いつかは会ってみたいです。 東京に行ってみたいです。そして、できればお兄さんと一緒に一緒の高校に通いたいです。 お兄さんは元気でしょうか。体は大丈夫でしょうか。 そちらの近況も聞かせてください。お返事待ってます』 生まれは東京、育ちも東京。 俺は東京が好きだ。 地元と言う意味でもそうだし、なにより東京は日本の中心だし、なんでもある。 日本中じゃなく世界中から人が集まってくるし、何もかもが新しく文化の中心。 世界に誇れる街。それが東京だ。 その反対に大阪が大嫌いだ。 野蛮な喋り方で図々しい。 やけにフレンドリーでテンションが高く付き合った大阪系も苦手な奴らばかりだった。 奴らがネットスラングで阪人だの大阪民国だと言われるのもわかる。 何よりテレビを見ればその品のなさは見て取れる。 阪神ファンは最悪だし、マスコミに出てくる芸人らの下品なトーク。 何より気持ち悪いのは一方的に東京を変に意識していることだ。 ネットでも高圧的な奴が多い気がする。 そんな俺には2歳下の高校一年の可愛い妹がいる。 家の事情でもう10年以上会ってないが妹は大阪で暮らしている。 関西人でも妹だけは例外だ。 それは定期的にやり取りしているメールの文体からも読み取れる。 女子が普段使うような絵文字や顔文字もほとんどない。 きっと環境が良くて大阪に染まらずに育ったんだろう。 たまにメールと一緒に写真も付いてるが、はっきり言って可愛い。 黒髪のショートカットがとてもよく似合っている。 目元もぱっちりしていて笑顔が最高だ。 妹バカと言われるかもしれないが自慢の妹だ。 なんせ最近付き合いだした幼馴染の彼女が嫉妬するくらいだ。 実はそんな可愛い妹がこの夏休みに大阪から東京に来ているのだ。 936 :関西から来たキモウト2 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/19(土) 21 13 27.21 ID 6A/eOGsd (3/8) 『件名:お兄さんへ1023 差出人:神菜 3時間前 やっと会えます! お兄さんがどんな人か楽しみです! 東京も楽しみ! 直接お兄さんとお喋りできます! あと彼女も紹介して下さいね!』 妹はもう新幹線で東京に着いていると言っていた。 あとはこの場所にいつ来るか。 目の前には忠犬ハチ公がいる。 渋谷でもこの場所は有名だし。 妹が見たいと言っていたし喜ぶだろう。 『件名:お兄さんへ1024 差出人:神菜 やっと着きました。ひょっとして水色のカッターシャツの人ですか?』 お、近くには来てるのか? 『そうだよ』と返事をする。 妹らしき人物を探すべく周りを見渡す。 …トントン 肩を叩かれて振り返る。 そこには妹がいた。 間違いない。写真と同じだ。 ショートカットの髪型にグレーのラフなTシャツにチェックのスカートが似合ってる。 「…」 「…」 なんせ10年ぶりの再開だ。 お互い顔を見合わせるが言葉が出てこない。 しばし見つめ合う。 「…お兄ぃ…なん?」 「…神菜…か?」 「うわ…写真よりかっこええやん」 「そ…そうか」 おまえも可愛いぞ、と言いたいが黙っておく。 「なあ、めっちゃ疲れたから、その辺でお茶せーへん?」 「いいよ」 「じゃ、あっこのマクドでええ?」 「あ、ああ」 うわぁ…関西弁だよ。なんかカルチャーショックだ。 喋るとメールの印象とは随分違う。でも間違いなく妹だ。 10年越しに会った妹は生粋の関西人だった。 937 :関西から来たキモウト3 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/19(土) 21 14 24.65 ID 6A/eOGsd (4/8) 「お兄、彼女できたんやって?」 「うん」 「どんな女なん?」 「普通だと思う」 「幼馴染なんやろ?」 「まあ」 「メールで聞いたけど結構気ぃキツイんやって?」 「いや、おまえほどじゃ…」 やばっ…うっかり本音が… 妹のこっちを見る目が変わる。 品定めをされるような視線が… 「ふぅん。で、可愛いん? 美人? どっちなん?」 「び…美人かな…」 それにしても何か圧迫感を感じる。 メールで想定していたギャップが余計にそう感じさせるのか? さらに可愛い外見とは違いキツそうな性格。 「写真どこ?」 「え? 何の?」 「幼馴染のんに決まってるやろ。メールでゆったけど送ってくれへんかったやん」 「あ、こ、これ…」 ケータイを操作して幼馴染の彼女の写真を見せる。 それを黙って無表情で見つめる妹。 「告白したん、この女からやろ?」 「え?」 なんでわかったんだろう。メールには付き合い始めたとしか書いてないのに。 「お兄の性格みたらわかるわ。あと喋っててもわかる」 「ど、どんな性格なんだよ」 なんか見透かされてる感じがして気分が悪い。 「良うゆうたら大人しい。悪くゆえば…」 「言えば?」 「ヘタレ」 ぐさっとくる。ああ、そりゃ大人しいほうだよ。 だから押しの強い人間が苦手なんだ。 妹の神菜は違うと思ってただけにショックだ。 おまえも世間で言われてるような関西人なのか? 「やっぱ決めたわ。一週間で大阪戻る予定やったけど夏休み中ここにおる」 「げ…マジかよ…」 「なんかゆうた?」 「う…」 「そんでアタシがお兄を一人前の男に育てたる」 可愛い顔に似合わない、拳を立てるポーズを取る。 お前はどこの仙一だよ、と突っ込みたくなった。 が、できない自分を呪うのだった。 938 :関西から来たキモウト4 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/19(土) 21 15 56.56 ID 6A/eOGsd (5/8) ちなみに家のマンションに入るまで、妹に東京の何ヶ所の名所に案内させられた。 観光名所を見ながら、その説明をさせられた。 その間、妹はやけに興奮していた。 すっご、やっば、めちゃええやん、とか繰り返していた。 さらに大阪との違いについても質問されるはめに。 俺がそんなん知るかよって。 もうすでに1年分の関西弁を聞いた気がする。早く帰って欲しい。 「うち、コーヒーちゃうくて、紅茶な! 砂糖多めで牛乳な!」 お茶を出そうと思った瞬間にこれだ。 あと、ソファにもたれかかる時、ふぅー疲れたわーとか言ってゴロンと横になる。 その間パンツが見えたが黙ってたら、むっつりはダメとか怒られた。 何様だお前は。家族だからってちょっとは遠慮しろよ。 「お兄、リモコンどこなん?」 「あ、テレビの下じゃなくてテーブルの下」 「ん、あんがと」 「そこは『おおきに』じゃないのか?」 会ってから始めての感謝の言葉に思わず突っ込んでしまう。 「アホ、マスコミに乗せられすぎや。若いんは老人以外使わへんで」 「そうなのか」 あまり勉強ならない。つーかどうでもいい知識だ。 「なんや、テレビも大阪とあんま変わらんやん。つまんなー」 「そんなもんじゃないのか? 大阪だって一応、都会だろ」 「…いちおう?」 こ、怖い。妹の表情が変わる。ひょっとして俺は今、大阪をバカにしてしまったのか? 「いや、大阪は最高の都会だよ。日本で一番人材を輩出してるのは関西、それも大阪だと言い切れるね」 「せやろ? わかってるやん」 っていうか、なんで俺は、客の立場である妹にお伺いを立ててるんだろう。 自分のヘタレさ加減に泣きたくなる。 939 :関西から来たキモウト 最終話 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/19(土) 21 18 34.96 ID 6A/eOGsd (6/8) 「はい、紅茶」 「ん…サンキュ…ずず…」 そこにプルルルルと電話が鳴る。家の固定電話だ。 「はい、もしもし」 「有か?」 「ああ、父さん」 「神菜とは会えたか?」 「今家にいるよ」 「そうか良かった。あのな。落ち着いて聞いてくれ」 「なんだよ、もったいぶって」 「俺はしばらく帰らん」 「はぁ?」 「その…ひょっとしたら復縁するかも知れん」 「誰と?」 「母さんだ」 「はぁ?」 「お前と神菜の母さんだ」 「マジかよ…もう離婚届け出してるんじゃなかったのか?」 「…詳しくはあとで話す。今は母さんと大事な話があるんだ。 仕事の関係もあるが、しばらくは大阪に滞在することになる」 「ちょっと待て…」 「すまん。神菜とは仲良くするんだぞ」 「無理だって! ちょっと待て!」 ガチャン…ツーツーツー… なんつー勝手な親だ… そりゃフリーライターだから仕事場は選ばないだろうさ。 結婚だって父さんの自由だ。 でも、だからってこのタイミングで行くか? 「お兄…」 「おまえは知ってたのか?」 「うん。でも心配ないで」 「気休めはよせ」 「ちゃうって。お兄はアタシが育てるもん」 「…」 軽く目眩がした。 俺の夏は終わりそうにない。 きっと妹に関西人にされてしまうんだ。 夏が終わる頃には俺も関西弁になっているんだ… もうやだ…このキモウト… ~終了~ 目次 次へ
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80 :関西から来たキモウト9 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 03 37 13.00 ID NxPjrPjo (2/11) 「とにかく、お兄とアタシは今、家族会議中やから切んで」 『なっ…? ちょ、ちょっと待ちなさ…』 ―プツ 神菜はそう言いながら俺の携帯を操作した。 そのあと俺に向かって、ひょいと携帯を投げてきた。 「お兄は今、大事な時期やから、その女とは電話ナシな。メールだけにしとき」 「大事な時期ってなんだよ…あ、着信拒否になってる。ヤバイって」 「ええやん。メールはできるんやから」 「よくないって! あのな、こんなことしたら…」 ―ドン! ドン! ドン! ―ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン! ほら…こういうことに… ドアを叩く音とチャイムの音が連続で鳴り始める。 そう、マンションのお隣さんだから幼馴染なわけで… 「ん? なんなんいったい?」 そう呟いてから玄関に向かう神菜。まずい。 「おいっ神菜! 俺が行く!」 「どうせセールスかなんかやろ。ウチが追い払うわ」 「ちょっとその前に包丁置けって!」 「あ、ごめん。忘れてたわ」 それをテーブルに置いてから玄関に向かう神菜。 だから俺が行く…と言おうとしたときにはもう遅かった。 玄関のドアをチェーンは付いたまま、少し開いた状態で対応していた。 「ん? なんなんアンタ?」 「有の彼女よ! 開けなさい!」 「セールスちゃうくて宗教か。夜中に非常識で迷惑やで。ほんじゃ」 「なっ? ちょ…」 ―ガチャン すると、またチャイムとノックが鳴り響く。 「うっさいなー、なんなん? もう!」 もう一度ドアを開ける神菜。 「ちょっと有! 開けて! 中に入れて!」 「うわ、エロ~、いきなり中に入れてとか考えられへんわ~」 「卑猥なのはあんたよ! 有! ちょっと! ドア開けて!」 結局、なんだかんだで幼馴染の翔子を家に招くのだった。 81 :関西から来たキモウト10 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 03 38 10.56 ID NxPjrPjo (3/11) 「こいつは妹の神菜。こっちは幼馴染の翔子」 二人にお互いの紹介をする。 さっきから睨み合いはしないものの、険悪なムードを漂わせながらテーブル越しに座っている。 二人ともまともに話す気がないみたいなので、俺が全員の紹介をするしかなかった。 泉水 有こと俺。身長も体重も一般男子平均値だ。 泉水 神菜こと妹。身長155㎝で小柄でスレンダー。顔は可愛い系だと思う。生まれも育ちも大阪。 鳴瀬 翔子こと幼馴染。身長165㎝で大柄で良い体格。顔は美人系。生まれも育ちも東京。 ここでは敢えて性格の紹介を省く。 先に切り出したのは神菜だった。 「引越しそばくらいないん?」 「あんたは引っ越してきたわけじゃないでしょ」 「まだわからんで。一緒に暮らすかも知らんし」 「は? 本当なの、有?」 俺に振るなよ。 「いや、詳しくは父さんに訊かないと…」 「一週間だけって言ってたじゃない」 「いや、それも…」 「なんなの? はっきりしなさいよ」 「いや、だからさ…」 翔子の鬼のような形相が怖い。 ちなみに怒った顔も美人とは翔子のような女子を言うんだと思う。 幼馴染で見慣れてしまっているが、神菜と一緒でかなりルックスはいい。 ただ同じルックスや体型でも二人とも正反対だ。 神菜のショートカットの髪型と対比して腰まで届きそうな長い髪のロング。 「やめや。お兄が困ってるやろ。ウチらにもわからへんねん」 「あなたには訊いてない。有、どうなの?」 「アタシ夏休み中はここにおるで」 「あなたには訊いてないって言ってるでしょ! 本当なの、有?」 だから俺に訊くなって。 「わからんって言うてるやん。アタシもわからんって事はお兄もわからんってことや」 「…あなた一年なんでしょ? 私と有は三年。先輩にはちゃんと敬語使ったら?」 「尊敬でけへんから別にえーやん」 「このっ…」 「翔子、落ち着けって。神菜も煽るなよ」 とりあえずテーブルに置いてあった包丁をしまっといてよかった。 同族嫌悪か知らないが二人ともかなり性格が似ている。 まあ神菜の方は今日になるまでわからなかったけど。 「この子、本当に有の妹なの? 性格真逆じゃない」 「失礼やな。誰がどう見ても兄妹やん。顔もよう似てるし」 「あなたね…さっきから…」 まずい。翔子が切れかかってるのがわかる。 幼馴染が故に表情と空気で読めてしまうのだ。 逆に神菜の方はメールは全然参考にならないので読めない。 82 :関西から来たキモウト11 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 03 39 19.13 ID NxPjrPjo (4/11) 「とりあえず、あんた、もう帰りや。ウチも眠いしお兄にしてもらうこと、やまほどあんねん」 「…」 翔子が無表情で黙る。まずい。危険レベルが急激に上がっていく兆候だ。 それも危険指数はこれまでとは比較にならない。 「ウチらの夕飯もまだ作ってる最中やねん。前からお兄はうちも料理食べたいゆうてたし、邪魔や」 「…フフフ」 「何笑ってん? キモ…」 「ふふ…そこはね。いつもは私の席なの。ふふ…」 「なんなん? この女…」 「ふふふ、うふふ…」 俯き加減の翔子からプチンと聴こえない音が聞こえてきそうだ。まずい… もちろん神菜にそんなことがわかるはずがない。 俺は怖くて黙るしかなかった。 「いい? はっきりさせといてあげるわ、神菜ちゃんだっけ?」 「気安う呼ばんといて」 「そんなにお兄さんのことが好き? メールでは一途だったわよね」 「…!? お兄、見せたん?」 神菜の質問にぶんぶんと首を振る。 携帯の中は翔子はもちろん父さんにも見せたことがない。 「とりあえず私と有が結ばれたときの為にも練習はしてた方がいいんじゃないからしら。 私のこと『お姉さん』って呼んでみてよ。ね? 神菜ちゃん」 「…」 今度は神菜の方が黙る。 表情からは…何も読めない… ただ只事じゃない気はした。 「…人のメール盗み見とか最悪やな」 「有の話を聴く限りじゃ、必要だったからね。有にもあなたにも」 「最低や…」 「あなたは妹。有が抱きたいのは私なの。ごめんね。 所詮あなたは妹で、あなたがやってることは無駄な努力。 有が妹のあなたを異性として好きになることはありえないの。 ちゃんと言ってあげないとダメと思ってね。 勘違いしてそうだから」 こんなの見たくなかった。翔子のそれは明らかに女として神菜を見下しているものだった。 神菜もうっすらと涙目になってる。ここに来て気弱な妹も見たくなかった。 そして知りたくもなかった。妹が女として俺のことが好きな事実を。 でも思えばそういう気配はメールからもあった。 無意識に目を逸らしていたのかもしれない。 「ひぐっ…帰れ…! 帰れーーーっ! くんなっ! 二度と来んなッ! はよ帰れっ!!」 ちゃんと気づいてやってれば、泣き叫ぶ神菜を見ずに済んだのかも知れない。 翔子がメールを覗いた事実も。 気づいたら翔子はいなかった。 神菜はずっと『好きんなってゴメンな』と俺に謝りながら泣いていた。 83 :関西から来たキモウト12 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 03 40 11.93 ID NxPjrPjo (5/11) 『件名:お兄さんへ756 差出人:神菜 12ヶ月前 いよいよ夏休みです。 今年もお母さんにお兄さんの所に行けるように頼んでみます。 ただ会えるだけで楽しみで仕方ありません。 きっとお兄さんと会ったら、色々な何かが変わると思うんです。 本当は大阪じゃなくて東京のお兄さんの高校を受験したいです。 私立でもいいなら受けられるんですけど残念です。 もし今年が無理でも来年は高校生ですから、一人でも絶対に東京に行きます。 その時はよろしくお願いします(_ _;)』 84 :関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 03 40 35.60 ID NxPjrPjo (6/11) 投稿終わりです 87 :関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 11 35 33.28 ID NxPjrPjo (7/11) サンクスです。追加投下します。 88 :関西から来たキモウト13 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 11 37 24.11 ID NxPjrPjo (8/11) 私は勝ったんだろうか。ふと、ため息をつく。 暗い部屋のノートPCの画面に有の家のリビングを映し出す。 どうもあの子はあのまま泣き疲れてそのまま眠ったようだ。 有の介抱にも嫉妬しないくらい落ち着いている自分に気付く。 『巨人まさかの9点差をひっくり返す大逆転! これで一位の順位が入れ替わりました!』 『これは球史に残る一戦かも知れません。誰がこんなことを予想したでしょうか』 『敗因はやはり阪神の慢心ですね。二軍上がりの投手を見ていつでも打てると思ったのが間違いでした。そもそも…』 ぼんやりとあの子の予想した試合を見る。 あの子は8回の表で阪神の勝ちだと予想した。 当然だろう。12対3で勝っていたらだれでもそう思う。 加えて8回の表で交代した2軍上がりの名前も知らない投手が出てくれば、誰でも敗戦処理に走ったと思うのは当然だ。 だけど私は『巨人が勝つ可能性が広がった』と予想した。 あの投手は身体能力的には問題ない選手だったし、今年の巨人と阪神のチームの出塁率と長打率はほとんど変わらない重量打線同士だ。 阪神の投打が緩むのは目に見えた。 実際、夏のビジターの連戦で主力を休ませて、抑え投手も昨日の激投で出ないことが明らかだった。 この時点で阪神のチーム出塁率と長打率が半分以下、予想防御率が5点台になったが、巨人は変わらなかった。 統計学的に見れば巨人がチーム予想打率が5割の状態だったのだ。 これだと何が起きてもおかしくない。 あの子はそれが見えていなかった。 兄を思う気持ちと一緒で、『感情だけで見ているから』こういうことになる。 あの子は二年前の私だ。 有に付きっきりで一途だったあの頃の私。 二年前のそんな私に屈辱的な敗北感を与えたのがあの子だった。 きっかけは有が私に誤送信した一つのメールだった。 89 :関西から来たキモウト14 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 11 38 46.23 ID NxPjrPjo (9/11) 『件名:神菜ヘ256 差出人:有 二年前 こうやってメールでしか話せないのってちょっと寂しいな。 電話は父さんと母さんに止められてるけど、お前が必要なら公衆電話でもスカイプでも使えばいい。 バレたら怒られるだろうけど、今、お前は辛い状態だろ? 告白された男子のことはちゃんと吹っ切れたって本当なら安心だけど、 その本当に好きだけど無理だと言ってた奴のことの相談にも乗るぞ。 いつでも連絡入れてきてくれ。あ、俺もお前のこと好きだぞ』 この時初めて妹とのメールのやり取りを知った。 そして直感的に感じた。件名の数字を見れば二人の親密度がわかった。 この妹が兄に家族としてではなく異性として好きな事も。 『好きだけど無理だと言っていた奴』とは間違いなく有のことだ。 そしてその二人の積み重ねの大きさに、私は恐怖した。 少なくともこんな濃密なやりとりを、有としたことなんて私は一度もなかったから… 私はすぐに有の携帯を無断で借り、メールのデータを自分のPCにコピーした。 妹とのやりとりも逐一チェックした。 でも、時が経つごとに、こちらとは超えられない線があることに気づいて安心していた。 あの子はどんなに頑張っても東京には来れない。 メールだけのやりとりだけなら許してやるのが恋人というもの。 そう思っていた。今日の朝に来たあの子と有の二人の様子を見るまでは… 「お兄、ほら、皇居やで! 広ぉ~」 「こら、くっつくなって」 「えーやんえーやん」 「あはは…で、まだどっか行くのか?」 「あったりまえだのクラッカー!」 「…」 「なんなん? そのリアクション? そんなときはこうや」 有の肩を思いっきりはたいた後で、あの子が眩しい笑顔で笑う。 「何世紀前のギャグやねんって!」 「痛ってーな」 「ほら、やってみ?」 「無理」 「ほらほら~叩いてや~」 「お前はマゾかい」 「お、ええツッコミやん!」 どこから見てもカップルのそれだった。 私は見つめるだけだった。 あまりにもお似合いのカップルだったから。 しばらく呆けながら二人を観察していた。 渋谷のハチ公前からマンションに帰るまで全部。 どの観光名所でも二人はベストカップルだった。 途中、嫉妬と憎悪で、胸が破れるんじゃないかと思ったほどだった。 二人はカップル…それもお互いを知り尽くした恋人同士そのものだった。 90 :関西から来たキモウト15 ◆qtuO1c2bJU [sage] :2012/05/29(火) 11 40 11.46 ID NxPjrPjo (10/11) 私にはあんな笑顔で話してくれたことなかったじゃない! 私にあんなフランクに接してくれないじゃない! …あの子は危険だ…私があの子から有をおぞましい近親相姦の道から救ってあげないといけない! それに、あの子は有と血が繋がっているんだから。 そしてそれがもっとも危険なのだ。 すでの私の想い込めた料理の中には私の血、愛液などがあり、有の体は私の物と言えるけど、そんなのとは比較にならないくらいあの子の血は、有と共有しあっている。 私が負けている点はそこだ。そしてそんなことは絶対あってはいけない。 有のためにもあの子を切り離さないといけない。 最悪の場合は殺してでも… ―ピンポーン 家の玄関を開けるとそこには有がいた。 「翔子、頼みがあるんだけど」 「何…?」 嬉しさより戸惑いを感じた。 有から見たら私は妹を泣かせた幼馴染の彼女だ。 あの子に嫌われるぶんにはいいけど、有にも嫌われたんじゃないだろうか気が気じゃなかった。 戻る 目次 次へ
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608 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17 34 11 ID AtGQRRn4 わっ私、青木麻奈は今日とっても大変でした!!! ま、まず、お昼ご飯の時に桜が一人くんに抱きついたりそれはもういつもとは違いすぎたり なんか私もお菓子あげたりしたら一人くんに頭をなでられたりして…あぁああああもう!!!思い出しただけで恥ずかしいいぃいよおぉおお。 なんなんでしょうこの気持ちは!?恋なのですか(>o<)!!!!!! (回想) 一人くんたちとお昼ごはんを食べているのですがすごく視線を感じます!!どうやら一人くんを見にきている女子が原因だからだと思うんだけど… それでも多いですよ!!多分他のクラスからもきているんじゃないかというほどです!!!それもひとりひとりが 「はぁあ~~ん」 「きゃぁあああ!!!一人くんが食べているわ!!!」 「カッコイィぃイィっぃ!!」 とかすごく黄色い声援です!!!確かに一人くんはひきこもりだったのが信じられないほどイケメンさんです!!! ですが、その黄色い声援で気まずいかというとそんなじゃなくて桜が一人くんに、な、な、な、なんていうかその、あ~んをしているからだと思います!! 桜は私と結構仲がいいんですけどこんな桜は初めて見ましたよ!!それに男子たちが阿鼻叫喚状態です!!! 一人くんは一日にして学校の男子の殆どを敵に回してしまったようです!!! 一人くん自身気づいていないと思いますが………まぁ一人くんですからね。桜も学校でお兄さんとご飯を食べれて嬉しそうですし別にいいのかな!? ってそんなことよくないぃぃいいいい!!!!! 目の前でイチャイチャされたら私だってむかっーっときますよ!!!紗耶ちゃんもなんか目がギラついています!!! なんか一人くんも驚いているみたいですし、桜が暴走しています!!お兄さんなのに押し負けているってなんか変ですね(笑) 「兄さん、はい食べてください。あ~んです。」 「さ、桜?兄さんちょっと困るかな……?いつもはこんなことしないよな?な?、なんで今日に限ってなのかな?!」 「別にいいじゃないですか兄さん。たまにこういうのアリですよ?」 「い、いやぁ~?そういうことはだね、えぇっとその、彼氏とか彼女さんのいる人がやることでして、ね?なんか周りの空気もおかしいから、ね?」 「そこまで兄さんが言うなら無理はしませんが……その、すみませんでした…。」 「ま、まぁ桜?落ち込まないでくれよ…ちょっと心が痛むからさ。」 「あ…兄さん…すみません。…私は、その、いつも兄さんに迷惑かけていますから…。」 「あぁあああもう!!!桜!そんなに落ち込まないでくれよ。ほら…その、あーんしてもいいからさ……。」 「…あぁ兄さぁん!ガバッ!!!」 うわぁあああ!!!桜が一人くんに抱きついてます!!!!これはだめですーーーー!!兄妹でやることじゃないですーーーー!!! 桜がうらやましいぃいいよぉおおお!!!!ってそんなことじゃないー!!もうだめです!!!私がガツンと言わないとです!!! 「桜!!!一人くん困っているです!!!!それにいつもと違いすぎです!!!!」 「スリスリスリスリ……むぅ、せっかくいいところでしたのに…麻奈は空気を読めないのですか?」 「そ、そんなことないもん!!!さっきから空気読めていないのは桜のほうだよ!!一人くんが困っていますよ!!!」 「兄さんは照れているだけです。だから困ってはいないんです。兄さんのそういうのは昔からのことです。」 「そ、そんなこと言ったって…。」 「…プルプル…ちょっとアンタたちいい加減しなさいよね!!!昼ごはんを食べているときに目の前でイチャイチャされたらムカつくじゃない!!! それに一人さんもちゃんと言いなさいよ!!!男なんだからガツンと言わないと威厳ってものがないでしょ!!?」 「はっはい?!すみまえんでしrた!!!!」 (回想終了) なんてことがありました!!!!!もう本当に大変だったんですよ!!? 帰るときにもまた一悶着ありましたしもうなんていうか大変だったんです!!!! 「麻奈~!!いつまでお風呂に入っているの~。早く出てきなさい~。」 あ!!!お風呂に入っていたことを忘れてしまいました(笑) 「母さんわかったよ~!!!」 609 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17 34 58 ID AtGQRRn4 (一人side) 足が重い、それと呼吸も少し荒い。心臓の響きが全身を激しく巡っている。 なんだろう、痛いわけではないが胸がどくどくする……違和感を感じるけれども特に体に問題はない。 運動不足は本当に恐ろしい。少しの期間でも体はすぐに鈍るものだ。 今は家に帰ってすぐに風呂をすませてベッドで横になっている。なんていうか……疲れたって言葉が似合うのかもしれない。 夕飯の時間までは結構あるはずだから少し休むことにする。 ここ数日学校に行くための仕度とか色々忙しかったし、なにより昼の桜の抱きつきが精神衛生上非常に良くない。 桜はあんなことは家でもしないはずだ。やっぱり嬉しかったのかな……。 中学校の時のあの日からずっと迷惑をかけている。妹に苦労をかける兄なんて駄目な兄だ。 両親がいないのにずっと俺が桜を苦しめていた……。 だから桜が大人になるまでは俺がしっかり支えてやらないといけない。 俺もこれから少しずつ料理とか裁縫を勉強していこうと思う。 ちょっとずつ覚えていけば2年もかからないだろうし桜の負担にならなくてすむ。 桜の誕生日にケーキを作ってみたりしたら喜んでくれるかもな。桜のことだ、目を大きくして喜んでくれるはずだ。 口は達者な妹だけど心は子供のままだもんな、今日のお昼みたいに我を忘れて抱きついてきそうだ。 桜の嬉しそうな顔が浮かんだ。想像の中でも妹の笑顔というのは可愛くてつい頬が緩んでしまう。 桜はあまりプレゼントとか欲しいものはないらしい。毎年訊いているけれど大体「いらないです。」と言われてしまう。 桜なりにお金とかそこら辺のことを考えて遠慮しているのかもしれない。 しかし青春の中でそういったモノを与えられないのは兄としても一個人としても情けないしかわいそうに思えてくる。 たしかに両親の保険のお金でまだ生活には困ってはいない。だがそれでは駄目だ。 バイトでもしてコツコツと貯金して桜に立派なプレゼントをあげれるようにしないとな。 といっても桜の好きな物とかは正直良くわからない。 部屋は共同だからゲームに良くある女の子の部屋という感じでもない。それとなく時計とタンスなんかが置いてあるだけだ。 ぬいぐるみとかが女子では流行っていると思っているのだが妹からはそんなことは微塵も感じさせない。 昔はもっと女の子って感じだったんだけどいつからか今みたいな性格になった気がする。 こうなると俺のセンスが試されるわけで、俺にとってはそういう物を売っている店すら知らないわけだからほとんど詰んでいる状態だ。 コンコンッ! 「兄さん。ご飯できました。いつでも用意出来ていますから温かいうちに来てください。」 「わかった、今いくよ。」 610 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17 37 35 ID AtGQRRn4 「兄さん今日のご飯どうですか?結構自信があります。」 「いつもより美味しいよ。で、桜?」 「なんですか兄さん?」 「もう少し先に誕生日あるけど欲しいものある?」 「兄さんいくらなんでも早くないですか?私は12月生まれですよ?あと3ヶ月くらいあるじゃないですか。」 「いや、そうだけど今年は盛大にしたいからさ。何か欲しいのある?」 「ないといえばないですけど…あるといえばあります…。」 「なんだ…?遠慮しなくていいんだぞ。」 「あの…兄さんと…買い物がしたいです…。」 「買い物?本当にそんなのでいいのか?」 「はい、そろそろ服の買い替え時ですし兄さんも服を買わないと困ると思います。」 「そっか…俺も外に出たりするかもしれないからか。気を利かせて悪いな。」 「大丈夫です。それが私のお仕事みたいなものですから…(それにデートができるんですから私が感謝しないといけません)。」 「ならいいけど別に遠慮とかいらないからな?桜にはいつも悪いと思っているんだから誕生日くらいはいい思いさせてあげたいんだ。」 「兄さん…私は遠慮なんかしていません。いつも楽しいですから大丈夫です。それに兄さんはもっと自分の魅力に気づくべきです。」 「魅力…?」 「いえ、なんでもないです。それよりお買い物ですけど12月になると服買っても遅いですから今度の休みにでも行きましょうか?。」 「そのほうがよさそうだな。」 (桜side) 夏も過ぎたはずなのにやけに暑く感じます。 ベッドのフカフカが肌に心地良くて落ち着けます。 このベッドの下には兄さんが寝ています。二人の部屋です、あの頃と変わらない、何も変わらない、二人だけの世界です。 今日は私にとってとても心に残る日でした。 兄さんが学校に通うようになって麻奈や紗耶ともそれなりに仲良くなっていました。 それに兄さんが私の誕生日のことをこんなにも前から考えてくれているとは思いませんでした。 兄さんに愛されていると実感できます。私はなんて幸せなのでしょうか。 お昼の兄さんの言葉を思い出します。 思い出すだけでも興奮してくるのが分かります。 兄さんのことを想うと独りで慰めることが多くなった気がします。 兄さんが引き篭っていたときはほんのちょっとした時間で兄さんの服の匂い嗅いだりしていました。 今日のお昼だってあんなことを言われてしまっては絶頂しそうでした。 兄さんの困った顔はとてもかわいいです。あんな顔で言われてしまったら私は為す術もないです。 611 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17 38 23 ID AtGQRRn4 兄さんははしたない女性は嫌いですからこんなことをしていてはダメです。 ですが兄さん、私は兄さんとの関わりがないと死にそうです。 今すぐにでも兄さんと交わりたいです。兄さんに愛の言葉を囁かれたいです。 幼い頃みたいに二人でひとつのベットを使って寝たいです。 兄さんにたっぷり甘えたいです。いつもはできないことをいっぱいしたいです。 しかし兄さんのことがこんなにも好きなのに兄さんは振り向いてくれません。 やはり昔のことで避けているのでしょうか……。 今でも兄さんはあの頃の話は一切喋りません。 不思議なのはまるで本当になかったかのように接してくれているところです。 ですが兄さんのことです、私を気遣っているのかもしれません。 あの事件以来私は兄さんを普通の兄としてみようと努力しました。 けれどそれは無理なことでした。 あんなに愛している人をどうみたって普通になんか見れません。 だから私は兄さんが私を好きになってくれるように努力しました。 料理に洗濯、家事全般は完璧と言っていいくらいにまで上手になりましたし 兄さんが好きそうな髪型やキャラをパソコンから探してマネするようになりました。 だから私は兄さんが兄さんの口から本当に愛していると言ってくれるのを信じています。 兄さんを信用できずに愛しているだなんて矛盾しています。愛しているから信用しているんです。 兄さんに死ねと言われたら迷いなく死にます。 裸になれと言われてたら大通りでも裸になります。 セックスをしろと言われたら兄さんが納得するまでします。 いわれたことなら何だって喜んでやります。 奴隷の扱いでも私は兄さんの隣にいれたらいいんです。 はぁ…熱くなりすぎてしまいました。 612 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17 39 04 ID AtGQRRn4 (翌日) 「えぇ~!!?私が一人くんにですか!!!」 「ちょ!!ちょっと麻奈ちゃん声大きいよ!!!」 「あぁ!!!すいません!!!」 「で、ホントナンデスカ?」 「うん、だって昨日のお菓子って手作りでしょ?」 「そうですけど~私なんかでいいんですか?」 「俺…男の友達がいないしなにより名前知っているのが紗耶ちゃんと麻奈ちゃんしかいないんだ…。」 「す、スミマセンっ!なんか聞いちゃダメでしたね…。」 「い、いや別にいいけどさ…。で、大丈夫かな?」 「大丈夫ですけど…味は保証しないでくださいよ?私も人にケーキの作り方教えるのは初めてですから。」 「よかったーホッとしたよ。ありがとね麻奈ちゃん。」 「いえいえ、どういたしましてです。それでは週末にやってみますか?」 「そうだね、そうしよっか。」 スタスタッ 「どうしたんですか兄さん?」 「おお、桜か。特に何でもないよ、ちょっと麻奈ちゃんに学校のこと聞いてただけだよ。」 「そうですか、別に私に聞いても良かったんですよ?」 「桜がいなかったから私がやったんですよ~だ。(チラッ 話はあわせておきますよ)」 「麻奈ありがとう。兄さんこの後暇ですか?」 「ん、なんかあるの?」 「私一人だと重たいので夕食の食材を持っていただけないですか?」 「今日は飯が豪華なのかそっか、じゃあ手伝うよ。」 「ありがとうございます。では早速行きましょうか。麻奈、また明日です。」 「それじゃ麻奈ちゃん気をつけてね。ばいば~い。」 「お二人ともこそ気をつけてくださいねー!!!」 (麻奈side) ふぅ~それにしても桜と一人くんはお似合いですね~。 一人くんとお菓子づくりか~楽しみです。 はっ!?そうしたら家に一人くんが来ることになるよ!!!! 部屋とか片付けとかないと!!!!それに部屋に男の人をつれるのとかって初めてだ!!! あぁダメです、興奮してきました…。と、とにかく準備はしとかないとっ!! 早く週末になってくれないかな。 戻る 目次 次へ
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79 キモウトより愛をこめて sage 2008/01/16(水) 01 35 13 ID CcnX7+hA 「……兄さん……」 金曜日の夜だった。妹の部屋の前を通りかかったとき、俺を呼ぶような声が聞こえた。 だから、扉を開けた。 ノックを忘れたのが、全てを変えるキッカケとなった。 『キモウトより愛を込めて』 妹は、右手を股間に、左手を胸にあてていた。 下半身は、”肌色”だった。下着も何にも、無かったのだ。 上は、上着がずらされ、けしからんほどふくらんだ胸が頂きまで丸見えになっていた。 その上着は……俺の洗っていないパジャマだった。 妹は、かつて見たことの無いようなうるんだ瞳と惚けた顔で俺を眺め、……俺は見てはいけないものをみた直感で、そっと扉を閉めた。 俺なりに配慮したつもりだった。 80 キモウトより愛をこめて sage 2008/01/16(水) 01 36 04 ID CcnX7+hA 俺の妹は、美緒という。 ストレートの黒髪、知性と優しさに満ちた瞳、美しく通った鼻筋、桜色の控えめな唇、それらのパーツを絶妙に配置した小ぶりの顔で、ご近所と高校随一の美少女である。 妹を見慣れたせいで、俺はもてないくせに女への顔の評価がむやみと厳しくなってしまった。 そして天は妹にだけは惜しみなくなんでも与えたようでスタイルも抜群だった。 160cmほどのちょうど良い身長に、良く育っているが体型を壊していない胸、引き絞られたウエストにこぶりな尻と、モデル並みに伸びた白い足が続く。 頭の方もこれまたそこそこ良く、運動もばっちりである。 美人コンテストには幼児のうちから他薦で何度も入賞し、小学校では、学校の特集をした地方局のTV番組で長々と出演していた。 中学生にもなると、男女の取り巻きができて、クラスの中心となり、男女双方からのラブレターに事欠かなかった。 それでいて性格は優しく奢らず慎ましい。 まさに、たおやかな美少女という形容がぴったりで、親も自慢の娘だった。 俺? 俺のことはどうでもいいと思うのだが……。 わかった、手短に説明する。俺は大学生。 自分を評するなら偏って根暗な凡人というのが正しい。 男だらけの理数系の学部に入り、実験とレポート三昧で、青春を浪費している。 友人は、オタクな奴が少数なだけ。根暗で孤独癖があり、協調性は無い。 両親の俺への評価はそれなり。異性からの評価は問題外。以上。 寄り道をした。 そういうぱーふぇくとがーるな妹の思わぬ姿をみて、俺はちょっと驚いただけだった。 もっともこのときは、妹が俺の名を呼んでいたことと、”俺の洗っていないパジャマを着ていた”意味を見落としていたのだが。 (ま、年頃だから、オナニーのひとつもするよな) そんな陳腐な結論で妹の痴態を振り払い、俺は部屋に戻ってゲームを再開した。 興奮しなかったのか? と馬鹿な事を聞く奴もいるだろうからあらかじめ言っておく。 妹がいかに美少女だからって、家族なら興奮したりはしないもんだ。 それに、妹とは割と大きくなるまで一緒に風呂に入ったり、一つのベッドで寝たりしていた。 もちろん、大きくなってそういうのは良くないってわかり、妹が中学生の時に止めたのだが。 そういう訳で、俺が童貞だからってみさかいをなくすようなことはない。 周りが思うほど、俺はけだものではない。単に底抜けの馬鹿だっただけだ。 ともかく、俺はゲームをとりあえず区切りのいいところまで進めて、速攻で爆睡に入った。 81 キモウトより愛をこめて sage 2008/01/16(水) 01 37 22 ID CcnX7+hA 目が覚めると、枕元にパジャマを来た妹が立っていた。土曜の朝になっていた。 「おはようございます、兄さん」 こいつは、家の中でも敬語を使う真面目な女だった。 俺は大きくあくびをしながらのびをしようとしたところで、手が上がらないのに気づいた。 「……あれ?」 「手と足は縛っています」 その言葉でベッドに磔になった事実を認識して、俺の頭脳は今度こそ本当に覚醒した。 手足は荷造り用のビニール紐でくくられ、俺自身はトランクス一枚の姿だった。 声を頼りに妹の顔を探すと、そこには怖いくらいに思い詰めた顔があった。 「兄さんに話があります」 「……話はともかく、なんでこんな事を」 抗議を込めて妹をにらむが、異様な迫力をたたえた妹の目が俺をにらみ返し、思わず俺は視線をそらした。 ……見つめるとやばいものってのは、世の中にはいろいろあるわけで。 「兄さんには、逃げてもらいたくないのと、ちゃんと話をして欲しかったのでこうしました」 情けないことに俺はうなずくしかできなかった。 そんな俺をみながら妹がかすかに頬を染め口ごもった。 「……兄さん、昨日……その……」 さすがに鈍い俺も気がつく。 「あ、ああ。……気にするな。俺は忘れるから、おまえも気にするな、な?」 普通の妹ならこれでよかったと思う。 だが、なぜか俺の返答は妹の逆鱗を引っ掻いたようだった。 「……忘れる?」 妹の美しく細い眉毛が、剣呑な気配をはらんで逆立った。 「お、オナニーは誰でもするしさ……、どうしたんだよ?」 「忘れておしまいにする気なのですか? なかったつもりにする気なのですか?」 「へ? 何が?」 このとき俺はまったく妹の言葉がわからなかった。 ふと妹が、俺に向かってきて、ベッドの上に乗った。 そして俺の下腹部に腰を下ろした。柔らかい感触が意外さを俺にもたらす。 くだらないことに囚われてると、妹は着ていたパジャマを脱いでいた。 とはいえ、驚くことでもない。下にもう一枚男物のパジャマを着ていたからだ。 男物? 「……それ、俺のパジャマ?」 何気なく指摘した俺自身が、違和感を感じていた。なぜ、俺のパジャマ? だが、妹はそれを無視して話を続けた。 「兄さん、妹が自分で慰める姿を見たなら即座にけだものになって襲うのが兄の礼儀でしょう」 「……はぁ?」 「ましてや、部屋に鍵も掛けず、その上、タイミングを見計らって兄さんを呼んだのですよ。 なのに兄さんときたら、まるで間の悪いところに出くわしたって顔して行ってしまうんだから」 「……」 「全く、スルーされた私の身にもなってください」 そういうと腕組みをし、頬をふくらませて俺を睨んだ。 だが、このとき俺は自分の聴覚を100%で疑っていた。 普段の慎ましやかで冷静な妹が発するとは思えない言葉だったからだ。 「襲うって、誰が、誰を? スルーって?」 「……兄さんが、私をです」 「……なぜ俺がおまえを襲わなければならない?」 「私のあられもない姿で獣欲が起きませんでしたか?」 妹は少し不安そうな顔で俺に尋ねたが、俺の脳は言葉の意味を理解せず無駄に空転していた。 そんな俺の表情を読んだらしい。妹は、やがてため息を一つついてつぶやいた。 「……そうですか。兄さんを縛ったのはやり過ぎかとも思ったのですが、これで良かったのですね」 「あのー、美緒?」 しばらく何かをぶつぶつとつぶやいた後、美緒はいきなり顔をあげた。 「……兄さん、よく聞いてください」 そして俺の目を見据えて妹は、はっきり宣言した。 「兄さん、私は、兄さんを、女として、愛しています。兄さんに抱いてもらいたいのです」 82 キモウトより愛をこめて sage 2008/01/16(水) 01 40 42 ID CcnX7+hA 気がつくと妹の顔が、真っ赤になって俺に近づいていた。 腕が伸び、俺の顔が細く柔らかい手に固定される。 えっと思った時は、すでに唇が重ねられていた。 小さく柔らかいくせに、俺の口を蹂躙しつくす意志をもって、舌が口の中を這い回る。 俺の舌が絡め取られ、妹の舌にしごかれて、それだけで下半身が堅くなった。 下品な音を立てて、唾液がすすられて、ようやく俺の飛んでた意識が舞い戻ってきた。 妹が一心不乱に俺の口をむさぼっていた。 しかも目をあけて、獲物を絶対に逃さないというような光を目に映していた。 長い時間が過ぎたと思うが、実際は数分だろう。 ようやく妹が顔を離すと、感触を楽しむかのように舌で自らの唇をなめ回して、口を開いた。 「ずっと好きでした。幼い頃からずっと。 小学校卒業するころには、既に兄さんとSEXすることを考えてました」 その言葉で俺は盛大に咳き込むこととなった。 「だから、これ……」 そういって、妹は俺のパジャマの襟をつかんだ。 「兄さんのパジャマを着て慰めると兄さんに愛されてる感じがして、それで我慢してきました」 「が、我慢ですか……」 「兄さんが悪いんです。添い寝も一緒のお風呂も禁止するから。……だからどんどん我慢できなくなって」 「……美緒、俺たちは兄妹だよ? 近親相姦はいけないんだよ?」 「近親相姦? 確かに一般的にはタブーですね」 頬を染めていた妹が、この単語で顔色を元に戻した。 そして俺はやっと、まともな返答が聞けて現実感覚を取り戻したと思った。 「そうだ。許されないことなんだ。法律で禁止されているしな」 だが俺の言葉で、美緒がにやりと笑う。獲物が罠にかかった時の笑いだった。 「で、なんの法律で禁止されてるんですか、兄さん?」 「え?」 「近親相姦を禁ずる法律を教えてください。それと罰せられた人も」 「……ほら、三等親以内は結婚できないとか」 「別に結婚しなくても近親相姦は可能ですよ」 「……えーと、遺伝子的に悪い子供が生まれるとか」 「それ、法律ではありませんよ」 押し黙った俺の胸に、美緒は唇を寄せて、俺の乳首をなめた。 「そうです。私たちが愛し合うことを禁ずる法律なんて無いんですよ。 ただ世間一般でいけないということになっているだけ」 「……しかし美緒!」 「だから兄さんが誰にも言わなければ、問題はなにもありません。それに……」 そういうと美緒は、俺の下半身のテントを優しい手つきでなでた。 「兄さんは童貞でしょう?」 瞬時に俺の顔が熱くなる。そんな俺を美緒は上げた顔に微笑みえを浮かべて眺めていた。 「初めては大事です。なら、やはり兄さんを一番愛している私が最適なんです」 「でも……」 「兄さんの素晴らしさを知るのは私だけだから、私が兄さんの初めてになるのです。 薄汚い売春婦や、だれにでもさせるだらしない女なんかにあげては駄目です。 私も初めてだから、兄さんに……」 「よせっ、美緒! 処女ってのは本当に好きな人のためにとっとく……」 「……そうです。だから本当に大好きな兄さんにあげるのです」 「美緒っ!」 「今日は新婚初夜。これまでは単なる兄妹でしたが、これからは夫婦で兄妹なのです」 目に異様な光をたたえ恍惚とした表情で美緒はしゃべった。 まだ朝だというつっこみをしたら、殺されそうに感じたので俺は黙っていた。 「さあ、兄さん、夫婦になりましょう。紙切れ一枚でつながった凡百の夫婦ではない、血と愛でつながった本当のつがいに……」 83 キモウトより愛をこめて sage 2008/01/16(水) 01 41 39 ID CcnX7+hA そういうと美緒は顔を俺の脇の下に潜り込ませ、そして歓喜の声をあげた。 「ああっ、兄さんの……臭いが……」 毛ごと脇の下が舐められて、俺は背筋を駆け上がる快感に身をよじった。 脇の下から胸に舌をはわせていた美緒が、つぶやいた。 「……ほんと馬鹿な私。世間体に囚われて、こんな素晴らしい兄さんを我慢するなんて」 妹は胸板に舌をはわせ、乳首をまた舐めた。時折耐えかねたようにため息を漏らし、腰を揺する。 「美緒! 今ならまだ引き返せるから……ぐぅっ」 がりと音を立てて乳首をかまれ、俺は痛みにうめいた。 「引き返す? 遅すぎたくらいです。もっと早く、勇気を出して兄さんが自分で慰めているところに乗り込むべきでした」 「み、美緒?」 胸に這っていた舌がそのまま腹へ降りていく。その下で勢いよくテントを張ったものの事は考えたくもなかった。 「そういえば兄さん、あんなブスで慰めるの、これからは許しませんから。本とDVDは捨てますね」 立てられた妹の爪が俺の脇腹に軽く食い込む。罰ではなく警告の痛み。 「……」 「でも兄さん、安心してください。我慢できない時は私で処理すればいいんです」 俺はさぞ情けない顔をしてたのだろう。美緒は俺の顔をみて優しい笑顔を浮かべた。 そして美緒の舌は、腹部を這い回って、とうとうトランクスのところにたどり着く。 「な、美緒。考え直せ」 だが、美緒は首を振った。 「もう充分考えました。タブーだと思って我慢もしました。……でも私はやっぱり兄さんが欲しいんです」 いきなり美緒は有無を言わせず俺のトランクスをずり下げた。 俺の男の印が虚空にそそり立つ。そのとき俺はトランクスの前が、やたらに濡れていたことに気付いた。 だがその疑問も美緒の行動ですぐに吹き飛ぶ。 勃起した俺の肉棒を美緒は躊躇無く手でつかみ、ほおずりしたのだ。 「兄さん、兄さん。これを……私に……ください」 普段、清楚な顔立ちで明るくほほえむ妹が、上気した顔で局部に頬ずりし、あげくに舌で舐め始める姿は強烈な倒錯感だった。 俺がもはや声すら出ず、呆然と眺めるだけなのを美緒は了承ととったようだった。 みれば、美緒の左手は自身の局所でみだらな水音を立ててうごめいている。 その左手がパジャマの下を降ろし、右手が上を取り去って、美緒は瞬く間に全裸となった。 肌は上気して桜色に染まり、目は潤んでいて、そして内股もべったりと濡れ光っていた。 美緒は恥ずかしがるそぶりを見せず、膝立ちで俺の腰まで歩み、秘所に俺の肉棒を押し当てた。 美緒の溶けそうに柔らかい膣口が、俺の先端を引き込もうとして吸い付いていた。 「兄さん……、やっと……一つに」 このとき美緒の顔には、神々しさすら感じる喜びの表情が浮かんでいた。 その表情のままゆっくりと美緒が腰を下ろしていくと、それだけで目がくらむ快感が押し寄せた。 あっけなく俺は一回放ってしまい、それを受けた美緒が声をあげてのけぞり、腹をおさえた。 俺の肉棒は出して僅かに萎えたものの、美緒の壁が巻き付くと、すぐに堅さを取り戻した。 精液が潤滑油になったのかスムーズに腰が最後まで落ちた。 その勢いのまま、美緒の上半身が俺の胸に倒れ込む。 乱れた長い黒髪が自身と俺にからみつくように広がり、その中で美緒は荒い息をついていた。 「美緒、痛いんじゃないのか?……もういい、もうよ……んむむっ」 俺の口を、ひきつった笑みを浮かべた美緒の唇がふさぐ。 美緒の中もまた、どん欲に俺を締め付け、からみついて絞っていた。 「……兄さんが、こんなに熱い……私の中で……あぁん……出したがっている」 美緒は、俺を納めたまま動こうとせず、そのまま俺たちは荒い息の下、無言でつながっていた。 そして当然ながら、先に俺が耐えきれなくなった。 思わず腰を動かすと、美緒が悲鳴をあげて俺にしがみついた。 「ああっ、兄さん! 私に、私にぃぃぃ」 すでに理性はとんでいて、欲望のままに腰を振って、美緒を下からむちゃくちゃについた。 そんな事をして保つはずもなく、また強烈に蜜壺もからみついたせいもあって、俺はまもなく盛大に妹の中に噴射した。 目の奥で花火が散るような感じに襲われ、そのまま俺は意識を闇に落としていった。 84 キモウトより愛をこめて sage 2008/01/16(水) 01 43 53 ID CcnX7+hA 気がつくと、昼過ぎだった。 手足の拘束は解かれていたが、縛られた証としてしびれが残っている。 そしてもう一つの証もあった。全裸の美緒だった。 ベッドの中で俺に抱きついていたのだ。 その妹の顔をみて、俺は何をしてしまったのかをはっきりと認識した。 「……妹に中出し……俺、終わった」 鬱に浸る俺に美緒は笑った。 「確かに兄さんの赤ちゃんは欲しいですけど、さすがに今は産もうとは思わないです」 「……中絶するのか?」 さすがに俺の顔が引きつるが、美緒は首を横に振った。 「まさか。ピルを飲んでますから」 「ピル?」 「ええ。でもこれから兄さんが私を避けたりしたら、……ピル飲むのを止めます。 そして兄さんの子供を産んで一人で育てますから」 そういうと美緒は自らの腹部を撫でた。 「……兄さん、これから私の事……」 そして美緒は、その顔を不安にそめ、訴えるのを我慢するかのように俺を上目遣いで眺めた。 その瞳にかすかに涙が浮かんでいるのをみて、俺は何かに負けたと感じた。 「……こんな変態妹、危なくて人にやれないよ」 ため息を盛大について、俺は肩を落とした。 「しょうがない。俺が面倒見るしかないんだよな」 どんと押し倒されかねない勢いで美緒は俺の首に抱きついてきた。 涙と鼻水でぐじゅぐじゅに崩れた声で美緒は兄さんと何度も俺を呼んだ。 いつも済まして優等生だった妹が、本当に久々に見せた泣き顔だった。 その後、俺は部屋にあったお気に入りのエログッズが全て無くなっているのに気がついた。 その代わりにあったのは…… 「美緒、これ、おまえの水着写真……」 「はい、兄さんの定期入れにも私の写真入れましたし、コンピューターの壁紙も私にしておきました。携帯の待ち受けも私のお気に入り写真です」 「……」 「兄さん、むらむらしたときは、私がちゃんとしてあげますから、あんなものは必要ありません」 がっくりとうなだれる俺に美緒は可愛く舌を出して笑った。 「私だけ変態ってのは悔しいです。兄さんもシスコンにしてあげます」 「……、なにかいろいろと、俺、終わった」 そんな俺を美緒はほんとうに幸せそうな顔でみつめるのだった。 end
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145 キモウトとひきこもり兄Ⅳ sage 2010/09/25(土) 01 35 39 ID IEd262kT (一人side) 「兄さんお出かけですか?」 「あぁそうだよ」 「どこにいくんですか?」 「えぇっとまぁ散歩みたいなもんだよ」 「そうですか、車に気をつけてくださいね。あ、すぐ帰ってきますよね?」 「たぶん大丈夫だと思うよ。」 「ならいいです。行ってらっしゃい兄さん。」 「ん、行ってくる~。」 バタンッ!! こんな風に外に出たはいいものの身体からは汗がダラダラ出ている。 暑い……これじゃ麻奈ちゃん見つける前に俺が干からびるぞ……。 携帯とかほとんど使わないからアドレスも聞いてないし…というか持ってきてないな…これじゃ探すのにも一苦労だ。 あたりを見回しても住宅が並んでいるだけでこの暑さの中で外に出ているのは俺ひとりだけだった。 とりあえず日陰でも探して休まないと死にそうだ……。 「あちぃ……それにセミさんも頑張りすぎだろ…。お前達死んでいいころじゃないのか……?」 時間は12時を過ぎた頃。 空から照りつける太陽が燦々としており身体から水を奪っていく。 アスファルトから映える陽炎は頭の中のようにゆらゆらとしている。 意識もなんだか朦朧としてきた。 少し先に人がいるようだけどかすんで見えない。 「あ!!!一人くん!!!!こっちです~!!!!こっち~~~!!!!」 スタタッ どうやら天使が迎えに来たのかもしれない。そうだ、桜のこと頼むように言っておかないと……。 「天使さん、妹のこと頼みます…。」 「何言ってるですか!!!私ですよ!!麻奈です!!!」 「麻奈ちゃん…?!麻奈ちゃんって天使だったの……?」 「ふざけたこと言ってないで早く家にきてください!!!水ならいくらでも出しますから!!」 「うおっ!?麻奈ちゃん引っ張らないで!!!痛い!!痛いって!!!」 半ば強引に麻奈ちゃんに連れていかれた。意外と力が強い。怒らせたら怖いタイプなのかな? 「はいお茶です!!!それにしても体力ないですね~もっとガツーンとしないと女の子を守れませんよ!!?」 「お茶ありがと、なんだか最近体の調子が悪くてさ、まだ学校に慣れてないのかもしれないからね。」 「そうなんですか~。なら一回ゆっくりしてからケーキづくりの練習にしましょうか?」 「いや大丈夫、お茶飲み終わるころにはよくなってるから。」 「なら大丈夫そうですね!私は先にある程度用意しておきますから終わるまで待っていてください!」 ひとりだけになってしまった。 改めて麻奈ちゃんの部屋を見ると俺と桜の部屋とは真逆の可愛い部屋にみえる。 一言でいうとぬいぐるみだらけだ。あちこちにネズミさんやらクマさんのぬいぐるみがある。 というか初めて女の子の部屋に入った。今さらだけど恥ずかしいな。 146 キモウトとひきこもり兄Ⅳ sage 2010/09/25(土) 01 36 55 ID IEd262kT (麻奈side) 一人くんと二人きりです!!!この前みたいに桜に邪魔されないから仲良くなれるチャンスです!!!! これはデートなんじゃないですか!!!?しかも最初から家でデートだなんて///// よし!!!今日は頑張るです!!!一人くんとケーキを食べたりしてイチャイチャするですよ!!! 卵よし!!砂糖よし!!薄力粉よし!!!その他よし!!準備バッチシです!!! 「一人くん~!!準備できましたよ~!!!」 「早いね、もう準備できたの?」 「そりゃ楽しみにしていたんですから~!!それに早く作りたいかな~って思ったからです!」 「ありがと麻奈ちゃん。」 ナデナデ 「っ~~~~!!!!な、何するんですか!!!?」 「うわぁ!!そんなに驚かないでよ!?この前もそうだったけど。」 「いきなり頭ナデナデされたらだれだってびっくりしますよ!!??」 「そういうものなの?!桜はいつも嬉しそうだけど…?」 「桜は普通じゃありません~~~!!!それにいつもナデナデってどういうことですか!!?」 「桜に感謝するときとか、なんとなく気分でやってるけど?」 「むむむ、兄妹で変なのですか……これだと太刀打ち出来ないです。」 「ま、まぁそんな細かい意味はないから安心していいよ。」 「そうなんですか?」 「うん、そう。」 「そうですか、ならいいです!早速ケーキですよ!!!」 (数時間後) 「どうですか~?これが手作りケーキの破壊力ですよ!!」 「これは……美味い!!麻奈ちゃん美味いよこれ!!!」 「当たり前ですよ~!!はい、あ~んです!!」 「麻奈ちゃん!!?」 「あ~んです!」 「あ、あ~ん。モグモグ」 「どうです?美味しいですよね!?」 「お、美味しいよ…麻奈ちゃん強引な性格なのか……。」 「強引じゃないです!!!桜がやっているんですから私もやるのですよ!!」 なんかおかしい気がするけど気にしちゃだめだ。 147 キモウトとひきこもり兄Ⅳ sage 2010/09/25(土) 01 38 00 ID IEd262kT (数時間後) 「今日はほんとありがとね麻奈ちゃん。」 ナデナデ 「っ~~~~~!!!恥ずかしいですよ!!。」 「ホント動物みたいでかわいいな~。」 「動物じゃないです!!!人ですよ!!!!…それにかわいいだなんて……。」 「麻奈ちゃんは十分可愛いよ。あ、そうだ!そういえば麻奈ちゃんはいつ桜と仲良くなったの?」 「な、なんでですか!?」 「いつ桜と仲良くなっていたのかな~って。」 「そ~ですね、多分高校の初めのころですよ。」 「何がきっかけで?」 「お話してたらです。性格があっていたんだと思いますよ?」 「ふ~ん意外だな~。」 「意外とは何ですか!!!私は桜とすっごく仲良しなんですよ!!?」 「お…おお、じゃあ桜が欲しがりそうな物ってわかる?」 「そうですね~~一人くんが渡せば何でもいいと思いますよ。」 「俺が?」 「一人くんが桜のことを考えて選んだってことに意味があるんです。女の子はそういうものなのですよ!!」 「そうか、そうなのかもね。ありがと麻奈ちゃん。」 「いえいえです。あ、桜の分のケーキはもって帰らなくていいですか?」 「ケーキは誕生日のドッキリにしようと思っているんだ。だからまだ遠慮しておくよ。」 「そうなのですか~!一人くん優しいお兄さんですね!!!私もこんなお兄さんが欲しいです!!!」 「は、恥ずかしいな~。そうだ、麻奈ちゃんも誕生日教えてくれたら一緒にパーティーしようね。それに妹ならいくらでも大歓迎だよ。」 「はぅ……冗談なのに!!一人くんはもしかしてシスコンさんなのですか!!?」 「…シ…シス。」 「一人くん?」 「ぁ……ぁあ…。」 「一人くん!!!どうかしたのですか!!?」 「ぬわぁあ!な、なに麻奈ちゃん!?」 「なにボケっとしてるんですか!!!!」 「いや、なんでもないよ……ちょっとボケっとしてただけ…。」 「顔色悪いですけど本当に大丈夫ですか?」 「大丈夫だよ、心配かけてごめんね。」 「本当に桜と一人くんは似ていますね~!!不思議なところもそっくりです!!」 「そうなのかな。あ、麻奈ちゃん今日はもう帰るね。」 「あ、もう少しゆっくりしていってもいいんですよ?」 「いや、よしておくよ。桜がご飯作っていると思うから。」 「そうなのですか…少し寂しいですね。」 「ごめんね麻奈ちゃん…それと今日はありがとね。」 「一人くんが頑張っているのを応援するくらいお安いなのです!!玄関までですけど送りますね。」 「それじゃ麻奈ちゃんまたね。」 「バイバイで~す!!」 バタンッ うぅ…一人くん行っちゃったよ…でも今日は楽しかったです!! それにしても一人くんが急に黙り込んだのは何か理由があったのかな。 それとも一人くんなにか昔にあったのかな…。 148 キモウトとひきこもり兄Ⅳ sage 2010/09/25(土) 01 39 09 ID IEd262kT (一人side) ケーキ美味しかったな~。ある程度覚えたし紙にまとめたから一回練習すれば大丈夫か。 日も傾きだした。 辺りは夕日が影を作り、暖かさの中にどこか静けさを感じさせている。 行くときもそうであったように道には人の気配は感じられず、まるで世界に一人だけいるかのような錯覚が起きる。 やはり今日も体調が悪いのだろう。昼の時といい、ボケっとしていたときのことも。 それでも明日だけは意地でも…。 「明日は桜と買い物か……久しぶりだな。」 帰り道の寂しさを紛らわすためにひとり呟いた。 返事が返ってくるわけでもなく、声は闇の中に消えていった。 もうすこしで家につくはずだ。 そうしたら家に桜もいるはずだしこの寂しさは消えるだろうと頭に思い浮かべながら歩いていた。 道をよく見ると懐かしさがわいてくる。 しかしどこか変わっている。どこか違っていた。 だからこそ今を大切にしていこう思った。 学校に再び行けるようにもなったし、麻奈ちゃんや紗耶ちゃんとも仲良くなった。 少しずつだがこうして昔のように人と関わりを持てるようになった。 ___桜のおかげだな だからこそ俺がしっかり者にならないとな。 あともうすこしだ、早く歩くか。 (桜side) 兄さん……遅いです。 どこにいるんですか…早く帰ってきてください…。 はぁはぁ……兄さん!兄さん!!兄さん!!! 兄さん、散歩じゃないんですか…!? もしかして事故に巻き込まれたとか……いやです!そんなの絶対にありえません!! 連絡も取れません…心配です…兄さん…。 兄さんのベットに入って慰める。 私は兄さんがいなくて心配なのになにをやっているんでしょうか…。 股間はおもらしをしたみたいに濡れてしまっています…。 でも兄さんの匂いがします…。 今はこの快楽に溺れても…。 「兄さん…ハァハァ…クンクン…クチュクチュ…っ!ハァハァ…兄さんのが入ってくるよ…ぁ!にいさん!!にいさん!! にいさんごめんなさい…えっちで汚い妹でごめんなさい!…ハァハァ…でもにいさんじゃないとだめなんです!!! いいですにいさん!!もっとわたしを犯してください!!ずっとにいさんといられるからだにしてください!! クチュ…あぁ!!兄さん気持ちいいです!!ひゃ!にいさん痛い!!!いたいよ!! だめ!!もうだめです!!イク!イッちゃいます!!!兄さぁあああああん!!!」 ハァハァ……兄さん……汚い子ですみません……。 でも…兄さんしかいないんです…。 兄さんがいないと私……。 149 キモウトとひきこもり兄Ⅳ sage 2010/09/25(土) 01 40 55 ID IEd262kT ピンポーン!! 兄さん!?兄さんなんですか!!?は、早く兄さんを兄さんを!!!! 私は急いで着替えて玄関を開けました。 ですがそこにいたのは……。 ガチャ 「兄さん!!?」 「……コホン…すみません。こちらに紅瀬一人さんはいますか?」 「あっ……。」 「すみません、紅瀬一人さんはいますか?」 「は、はい…私の兄ですが今は出かけていますのでよろしければ中で待っていただけますか?」 「お心遣い感謝します。」 「いえ、どうぞお入りください。」 兄さん、誰ですかこの人は…私は兄さんのことは何でも知っているはずです…。 くやしいですが綺麗な人です。歳は兄さんと同じくらいかもしれません。 私の小さな胸よりもずっと膨らみが大きい胸です。それに振る舞いの一つ一つがとても優雅です。 一番気になるのは髪の色がブロンドで眼の色も私とは違う青色。日本人のそれとはかけ離れた容姿。 「あのすみません、兄さんとはどんな関係で?」 「今日はそのことについて話に来たので一人が来てからでいいでしょうか?」 兄さんを呼び捨てで呼んだなんて……何者なんですか兄さん。 許しません…絶対に許しません…。 (一人side) ふぅ…もう目の前だ。 昼よりかは日差しもなかったから倒れることはなかったしスムーズにいけたな。 ありゃ…鍵持ってくるの忘れてたな。まぁ桜がいるだろうから大丈夫か。 鍵を探してポケットの中に入れていた手でそのままインターホンを押す。 家の中からスタタッと桜の歩く音が聞こえてきた。 ガチャ 「兄さんお帰りなさい。」 「ただいま、桜。」 「兄さん今お客さんが来ています。兄さんに会いに来たようです。」 「そう、随分珍しいね。それじゃ先に居間に行ってるよ。」 「はい、わかりました。私はお茶を用意しておきますね。」 居間に入るとそこにいたのは金髪の女性だった。俺にこんな知り合いがいたかと思考を張り巡らしたが全く覚えがなかった。 「会いたかったぞ一人!!」 ガバッ!! いきなり抱きつかれた、自分でもなにが起こっているのかわからなかった。 「一人!!一人!!!あぁ~本当に嬉しいよ!君に会えてよかった!!」 「ちょ、いきなり抱きつかないでください!!!」 「あ、あぁすまない…つい嬉しくて…。」 「で、改めてお訊きしますがどちら様ですか?」 「え…?なにを言ってるんだ一人…私を忘れたとでも言うのか…?」 「すみません本当に覚えてないです。」 「嘘だ!昔から好きだったじゃないか!!ずっと、ずっと!!君は憶えていないのか!!?」 150 キモウトとひきこもり兄Ⅳ sage 2010/09/25(土) 01 42 17 ID IEd262kT 肩を掴まれた。彼女の頬には涙が垂れている。どうやら本当に俺の知り合いらしい。 「落ち着いてください!話なら十分聞きます。私も思い出すかもしれません。」 「落ち着いていられるか!!!君のためにここまで来たというのに!!!なんてバカバカしいんだ!!」 顔がものすごく近い、彼女の顔は怒気にみちていたが声にはどこか涙が混じったように聞こえた。 「一人っ!!なんで!!なんでだ!!!ぐすっ…私はずっと君に逢いたくてしかたがなかったのに…。それなのに!!君ってやつは!!」 「落ち着いて!!! ってちょっtうわぁああああ!」 彼女を落ち着かせるために彼女の手を抑えたが力が強く彼女に押し倒されてしまった。 そして運が悪く、ちょうどそこで桜がお茶を持ってきてしまった。 「兄さんお茶持ってきまし……な、何やっているんですか…兄さん。」 あぁやばい完全に誤解されてる……。このままじゃ今日は一緒の部屋じゃ寝れないな…はは…。 「兄さん?お客さまと戯れるのは後にして下さい。それにまだちゃんと自己紹介していないようですし早くしましょう?」 「あ、あぁそうだな…。すいませんどいてくれますか?」 「妹さんも来たようだしそうしようか、一人さっきは取り乱してすまなかった……このとおりだ。」 彼女は立ち上がると俺に目をあわせて申し訳なさそうに謝った。 育ちの良さを感じさせる謝り方だ。どこかの社長娘とかなのかもしれない。 「お名前を教えていただけないでしょうか?」 桜が切り出した。桜の顔はどこか好奇心にあふれた表情だった。彼女に興味があるのだろうか。 「改めて名乗ろう、私の名前は伊吹瀬里朱だ。どうだ?一人思い出してくれたか?」 「せ、せりす…?」 「そうだ、お前の彼女にして許嫁の瀬里朱だ。」 理解できなかった、そう言うしかない。 隣座っている桜の見ると表情は読み取れなくなっていた。ただ、黒い何かが見えた気がした。 戻る 目次 次へ
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175 名前:関西から来たキモウト23 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 14 19.33 ID U8zyW0CA この子を追い込んであげないといけない。 それも徹底的に。二度と兄である有を愛せなくなるように。 近親相姦の嫌悪感という常識はお互い兄妹にもある。 それを利用して徹底的に想いをズタズタにしてやるのだ。 私のそんな雰囲気が伝わったのだろうか。 目の前の有の妹、神菜は私にかなり恐れを持っているみたいだった。 「あ…あの…来てたんですか…」 ふふ…敬語になってる。 なんだかこの子が可愛く見えてきたのは気のせいだろうか。 まあ有と目元が似てるのもあるんだろうけど。 でもそんなことは関係ない。この子が危険な事に変わりはない。 有の妹と言う目で見るのではなく、一人の女として見るべき。 だから今日来たのも理由がある。 「友達も連れてきてるの。紹介するわ」 「…え? 誰なん…ですか」 怯えてる怯えてる。そりゃ怖いわよね。 でもね。あなたはここではヨソ者なのよ。 それを思い知らせてあげる。 「普段私と有とも仲のいい友達よ。私達の仲も公認してくれてる子。見たら驚くわよ」 「…っ! …ほんなら挨拶してきます」 そんな険しい表情してたら相手もびっくりするでしょうに。 するとリビングで神菜が美佳と顔を合わせたようだ。 「あ! テレビの!」 「お邪魔してます。初めまして。泉水君と翔子のクラスメートの宮野美佳。よろしくね」 「し、知ってます! 女子高生実業家のミミちゃんですよね?」 「そのアダ名はやめて。美佳でいいよ」 「あ、じゃあ、美佳さんでええですか?」 「うん、よろしくね」 「こ、こちらこそよろしくお願いします。泉水有の妹の神菜って言います」 「そんなにかしこまらなくていいってば。翔子に強引に連れてこられただけだし」 「翔子…さんにですか」 「うん、あなたの歓迎会。ようこそ東京へ」 「そんな…こっちこそ…」 「それと関西弁可愛いね」 「…ありがとうございます」 その光景を見ながら思う。私はね、これくらいの子を呼べるくらいここでは人望があるの。 あなたみたいな、ちんちくりんとは訳が違うの。とにかく今日の作戦はこの子の戦意を喪失させること。 いかに私に逆らうことと、有を好きになることが無意味かを教えてあげないといけない。 私はその一歩を切り出す。 「ほら、あなたのお祝いに一緒に食べましょう」 「でも…うちとお兄の二人前しか作ってへんですし…」 「大丈夫。さっきの麺は伸びきってたから全部捨てといたわ」 「…え?」 「私が作るわ」 「え…え…」 「あなたのために。いいわよね?」 「う…うん」 「敬語忘れてるわよ」 「は、はい」 それで料理の腕の差も見せてあげる。私の料理はあなたとは根本的違うんだから。 176 名前:関西から来たキモウト24 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 18 06.12 ID U8zyW0CA なんだかんだであの女の料理を食べてしまった。悔しいくらい美味しかった。 そこら辺の外食なんか行くくらいなら、みんな、この女の料理を食べたがると思う。 たぶんお兄も。お兄はこんな料理をいつも食べてきたんだ… アタシじゃ無理なん? 泣きたなってきた… それにしても本当に美味しくて食事が進んだ。 横にいる美佳さんが絡んでくるほど。なぜか酔っ払ってるし。 さっきまで携帯で話してた仕事の話はいいんだろうか。 今日中に2億のリターンがどうとか言ってたけど。 「神菜ちゃんってホント可愛いね。ねえ泉水君。この子頂戴よ。私の妹にするから」 「いや…神菜の自主性を重んじてるから」 お兄ヘタレすぎ…自分じゃわからんから妹に全部任せるってゆうてるもんやん… あと、美佳さんもウチの胸触るのやめて欲しい… 「有、別にいいんじゃないの? 美佳なら神菜ちゃんを大切にしてくれると思うわよ」 このアマ…死ね! 百回死ね! さっきまでも散々アタシのけもんで三人で喋るように仕向けてたくせに! 美佳さんがフォローしてくれへんかったら完全にぼっちやったわ! どこが歓迎会やねん! 「神菜ちゃんでいいかな?」 「は、はいっ!」 「お兄ちゃんは好き?」 「え、はい…好き…です」 なんで突然そんなことを訊くんだろう。美佳さんには関係ないのに。 それとは関係ないが、お兄とあの女が、離れたところで仲良く喋ってるのに目が言ってしまい、どうしても嫉妬が抑えられない。 悔しい…アタシは所詮妹…妹に過ぎない…あかん…また泣きそ…… 「本気で?」 「ど、どういう意味ですか?」 「そのままの意味かな」 美佳さんは笑顔で真っ直ぐに見つめてくる。 なんだろう、この感覚。なんかとても優しい感じがする。 そして凄く落ちついた感じ。 さっきも一緒に喋ってたけれど、何か他人じゃない感覚がする。 「さっきも話したけど私には弟がいるの」 「はい、テレビでも見たことあります」 「でね、これがまた可愛くて大好きなのよ」 「そうなんですか」 ブラコンと言うやつだろうか。人のこと言えないけど。 でも真剣じゃないんだから参考にならない。 「泉水くんを見つめてる神菜ちゃん。完全に恋する乙女の顔だったけど」 「え…そんなん…ちゃいますって…」 「私にはそう見えたんだけど見間違いかなぁ」 「きょ…兄妹仲がいいってよくあることやと思いますし」 「そうだね。でも本気で結ばれたいと思ってる人もいるよ」 「そんなん、ごく一部ちゃいます?」 「私みたいに、いるところにはいるのよ」 「…冗談きついです…」 177 名前:関西から来たキモウト25 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 21 40.46 ID U8zyW0CA お兄と翔子がテレビを見ながら盛り上がってる。 これからこんなん見なあかんの? 耐えられへん…また泣きたなってきた… 「ううん、もちろん家族としても好き。でもそれ以上に異性としても好き」 「でも本気ちゃうんでしょ」 「本気なんだけどな」 どうせからかってるんやろと思ってしまう。 それともあの女から全部聞いたんちゃうかって。 「たぶん私のことは信じてくれないと思うけど」 「…」 「でも一言言っとくよ」 「…」 「私ね、神菜ちゃんみたいな子嫌いじゃないわ。むしろ好き。大好き。あなたは報われない恋だと思ってるようだけど、それは違うわ。少なくとも私はちゃんと見てるから」 気が付いたら景色がぼやけていた。例え冗談でも認められた気がして嬉しかった。 「ほら泣かない」 ハンカチを渡される。そして視界からあの女が見えないように座ってくれる。 「ぅぐ…な…なんで…そんな優しいん…ですか? 関係ないのに…」 「関係あるのよね。神菜ちゃんみたいな子、結構いるのよ。もちろん少数だけど」 あ、翔子がこっちに気付いた。 「あと、ここは盗聴されてるわよ。気をつけて」 「…え?」 「それとこれ」 メモを渡される。 「頑張ってね」 「は、はい」 すると横からあの女が話しかけてくる。 「随分仲良くなったのね」 「まあねぇ、この子可愛くて面白いし」 「確かに関西弁だけは面白いわね。芸人みたいで」 「あのさ、あんまりこの子いじめないであげてよ」 「別にいじめてないわよ。何聞いたか知らないけどその子の被害妄想じゃないの」 「だから、そうやっていじめないでって」 「…ふん」 「まあ気持ちは分からなくもないけど…」 そのあと美佳さんは帰ってしまった。 そしてアタシは翔子が帰るまで生き地獄を味わうのだった。 散々お兄といちゃつきながら思い出話をされて、使用人みたいに扱われて。 それに最近のここでの暮らしなんかまったくわからないから完全に置いてけぼりだった。 もうお兄のことはあきらめた方がいいのかと何回も思わされるくらい。 178 名前:関西から来たキモウト26 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 23 33.26 ID U8zyW0CA 「えっと…お兄! パソコンあるん? アタシも使いたいんやけど」 さっき美佳さんから渡されたメモにはURLとIDとパスワードが書いてあった。 どこのサイトか知らないけど。 「あ、ちょっと待ってくれ。持ってくるから」 「確かノートやったっけ?」 「ああ」 しばらくしてお兄が自分の部屋からノートPCを持ってくる。 「もうちょっと待っててくれ」 「なんで? 普通に使えるやん」 「いや、ちょっとログインの設定するから」 「う、うん」 確かにお兄も一人の男子だ。 見られたくないものもあるのかも。 でもお兄のお気に入りとかも見てみたい。 えっちなのもあるんだろうし、どうゆうのが好きなのか知りたい。 設定が終わってアタシも使えるようにしてくれた。 これからはリビングに共用PCとして置いてくれるらしい。 お父さんの部屋にもあったけど勝手に使ったらダメみたいだ。 「じゃ俺、風呂入ってくるから」 「うん、わかった」 「先に入るか?」 「ううん、あとでええよ」 ホントは一緒に入ってみたいけど… お兄の体、意外とたくましかったし… あ、抱きついた時の感覚が…濡れてきた… あかん、まずはパソコンに集中集中。 雑念を振り払う。 「ログインと」 パスワードの設定は別にええか。見られて困るもんないし。 そして例のURLを入れるとサイトが出てくる。 「え?」 思わず声を出してしまった。 179 名前:関西から来たキモウト27 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 25 59.71 ID U8zyW0CA ―Kimo a Net キモ ア ネット? タイトルからしておかし過ぎるけど、IDとパスワードを入れてもっとびっくりする。 会員制の掲示板だけど、こんな掲示板見たこと無い。 泥棒猫を社会的に抹殺する方法23(377) 兄萌えVS弟萌え(864) 姉妹でも女として見られたい33(122) 以下に続く一見変なスレッドの数々。 「なんなんこれ…?」 信じられないものを見てしまったのと同時に『そういうサイトの掲示板』だと気付く。 夢中で読む。 妹は幼馴染に勝てるか?5(262) これだ。クリックして読んでみると、アタシと同じ境遇の人が何人もいるのがわかった。 みんな、よく考えてると思った。それにみんな真剣で本気だった。 私のやり方がいかに悪かったかもよくわかる。 『幼馴染相手に妹が真っ向勝負なんかしても勝ち目がないよ』 『まずは相手を知らないとダメ』 『ちゃんと敵の強さを測ったほうがいいよ。無意味に敵を大きくしたら余計に自信を無くすから』 全部自分に当てはまってる。 アタシは夢中で今の状況を書き込んだ。 何か今の状況を変えれるレスポンスがくるかも… 「おい、神菜」 そう、アタシは真っ向勝負したからダメだったんだ。 「神菜ってば。風呂開いたぞ」 ちゃんとあの女のことを知るべきだ。 「おーい」 あの女だって隙はある。アタシにだってチャンスはある。みんなの言うとおりだ。 勝手に敵を大きくして諦めかけてた。 「神菜!」 肩に手の感触がしたと同時に叫んでいた。 「ぎゃあああああああああ!!」 180 名前:関西から来たキモウト28 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 29 04.14 ID U8zyW0CA あのあと、ちゃんとお兄には謝っておいた。 それにちゃんとパソコンにもパスワードを設定した。 あのサイトは危険過ぎる。でも…それと同じくらい可能性を感じていた。 あれから毎日、寝るときはお兄の部屋で寝ている。 お兄は代わりにお父さんの部屋で寝ている。 このことも考え用によってはチャンスだ。 あの女…翔子のことも知れるし。お兄のこともよく知るチャンス。 … あれから数日ずっとあのサイトを見ていたが、みんなの勧めで見た『キモウトになろう』というスレッドがためになった。 ちょっと引いてしまう内容だったけど、逆にあれくらいしないとあの女には勝てない。 みんなも応援してくれてるし心強かった。 あれからだいぶと周りの環境を変えられたと思う。 盗聴器の場所は全部わかったし。盗撮だってされてた。 この家はあの女の巣にされかけてた。 そりゃお兄だって骨抜きにされても仕方ない。 はっきり言ってあの女は異常だ。 でもそれがアタシのチャンスでもある。 今日の作戦もそのひとつ。 「ふぅぅ~」 大きく深呼吸を付く。 そして絶叫している心臓の音を抑え、ドアに手をかける。 初めは何気ない気配を装って。 動け。怖がるな。 あの女に取られてもいいん? 絶対イヤや!! 「ふんふん~ふーん」 お風呂場のドアを開ける。 偶然を装え。 「ふーん…あっ!」 「か…神菜?」 お湯に浸かってるお兄とまともに目が合う。 「あ…お兄…えっと…」 「ご…ごめん」 「え…いや、アタシの方こそ…」 自分でも声が震えてるのがわかる。 動悸が止まらない。お兄の引き締まった体。 つ…次の行動を取らないと… 動いて! 動け! 181 名前:関西から来たキモウト29 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 30 53.74 ID U8zyW0CA 「あっ…!」 「ちょっ…神菜?」 上手くバスタブの方に倒れ込めた。やった…! 「大丈夫か…」 「あ、うん。ちょっと滑ってもうて…」 このアングルで。 あのお兄のお気に入りのサイトの子と同じ上目遣いで… 胸を隠しながら少しだけチラッと見せて…‥ お兄はこういうシチュエーションが好きなはず… いける…いける…大丈夫… 「ちょっと…動けるか?」 「うん。あ…痛っ!」 「どうした?」 「あ、あかん…ひねったかも…」 「マジか? 見せてみ……ろ!?」 と動きが止まる。そう、お互い裸なのだ。 アタシの左足首を見る時、お兄の目がアタシのあそこに目が行ったのを見逃さなかった。 でもちょっとは意識してくれてると確信した。 「痛っ…」 「…ちょっと…腫れてる?」 自分であらかじめ左足首を強く叩いておいたのだ。 お兄もなんだかんだでアタシの体を見てる。 チラチラ胸を見てる。たぶん意外とある思ってるに違いない。 アタシはかなり着痩せするし。 「ご…ごめんな…お兄」 「いいって…き、気にすんな…きょ…兄妹だろ」 「う…うん」 やった。お兄の声も震えてる。意識してくれてる。 今度はアタシのことを見ようとしてない。 「シ…シップ持ってくる」 お兄が出ようとするのを体で全力で止める。 「…あっ」 体をお兄に絡ませる。後ろから腕を、お兄の胸に絡めて、おっぱいをお兄の背中に押し付ける形になる。ああ幸せ… 自分の心臓の音が外まで鳴ってる感じがする。 182 名前:関西から来たキモウト30 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 33 30.70 ID U8zyW0CA 「お兄、ちょっと待って…お願いやから…」 「神…菜…?」 最後のひと押し。見たらお兄はさっきから勃起してる。隠そうとしてるけどまるわかり。 「たぶん、こんな機会もうないから…お願いあんねん…」 「…なんだ?」 「アタシ妹やし…お兄と結ばれへんってわかってるから…お願い」 「…っ!」 あかん…心臓麻痺おこしそう… 「思い出…ちょうだい…抱いてくれへん…?」 「それは…」 「もう…帰るから…明日…大阪帰るから…お願いやから…」 ここからは何も計画は立ててない。 泣いて頼むしかなかった。 お兄…お願いやからセックスして… 「…」 「…」 あ、唇…お兄の顔がせまる… 見つめ合ったあと軽くキスをしてくれた。 「お兄、好きやってん…ずっと…好きやった…ちゅ…ちゅ…ん…」 「ん…わかってた…ん…ちゅ…ん」 こんな夢あるんや…お兄と舌を絡め合ったキス。 夢中でお兄の口を貪る。 「ん…好き…おにい…ちゅ…ん…ん…」 「…ん…んぐ…ん…んう…ん…」 アタシが唾液を送るたびに、お兄もそれを返してくれる。 顔や耳、首…全身を触りまくる。お兄も同じようにアタシの首から触っておっぱいを揉んでくれる。 「ん…ん…きもひいい…もっと…お兄…んーーーーーーーー!!」 お兄の指がおめこを触った瞬間、目の前が真っ白になる。 「お…おい…だいじょうぶか?」 「あ、あれ…アタシ…今…イったん…?」 「触って…大丈夫か…?」 「う…うん…もっと触って。おめこ触って」 「そっか、関西じゃそういうんだっけ」 「え? あ…お、おまんこ触って…」 「神菜…それ反則…」 お兄がぎゅっとアタシを抱きしめてくれる。 幸せ…あれ? なんでアタシ泣いてん? 「お前すげえ可愛いよ。俺、お前が妹じゃなかったら絶対告白してる」 「う…うえぇぇん…うん、アタシは…アタシはもう告白したわ…ぐす…」 183 名前:関西から来たキモウト31 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 35 38.66 ID U8zyW0CA お兄の指がクリに触れる。 「んっ…あん…!」 「ここでいい…のか? これが…クリトリス?」 「うん…あんっ…合ってるで…ん…」 お兄のおちんちんがギンギンに勃起してる。 「お兄…入れて…セックスして…それ入れて」 「う、うん…」 お兄がアタシの腰を両手でつかむ。それだけでイキそうだった。 逞しいおちんちんが、おめこの膣口に触れる。 「行くぞ」 「う…うん…来て…あっ!」 入ってくる…! ぐちゅぐちゅに濡れてたので、覚悟してた痛みじゃないけど… 「い…痛!」 「あ、ごめん」 「やめんといて…そのまま入れて…もっと深く…お兄のん深く…」 「ぐ…締まる…出そう…」 「ええよ…大丈夫やから…中でもええよ…」 お兄のおちんちんがお腹の中でいっぱいになってくる。中にお兄が入ってる。 「あっ…」 全部入った。 「…え?」 突然、お兄が動き出す。 「あんあん…! あんっ! お兄! 激しっ…あん!! あん! …あんあん!」 されるがままだった。お兄に膣の中まで侵される感覚を感じるだけだった。 「ああん! お兄! いい! もっと! お願い! あん! お兄! 好きやから! あん!」 「やばっ…でるっ!」 お兄の顔が歪む。その顔を見るたびに女の幸せを感じる。 お兄とセックスしてる! やっぱ兄妹同士って気持ちええっていうのホンマやった… だんだん痛みより快感が勝ちだしてきた。 「出してもええで! 出して! 中に注ぎ込んで! あん! ああぁん! あん! あん! お兄! お兄!」 「神菜! 神菜! 出る! 出すぞ! 神菜! 好きだ!」 …お兄が『好き』って言ってくれた… …もう死んでもええわ… 「ぐっ! 出るっ!」 お兄の射精と一緒に、お兄の背中に足を絡めつける。 「あぁぁーーーーーーー!!」 膣に…おめこに大量射精されてる…なんなん、この満足感… お兄とセックス…お兄と…幸せ… 184 名前:関西から来たキモウト32 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 38 11.20 ID U8zyW0CA 終わったあと、お互いダランとなって横に寄り添いあう。 でもここからが問題でもある。 お兄のことだから絶対に妹とのセックスを後悔する。 それだけはさせちゃいけない。 楽しく振る舞え。 これが一番重要だとあのサイトでも書いてあった。 この状況を楽しむんだ。 「お兄…よかった?」 「あ…あのさ…神菜…」 「ほら、言ってみ? よかったん?」 「え…あ…」 「ちなみに具合が悪かったとかゆうたら鉄拳な」 「う…良かった…良かったよマジで…気持よかった」 「やったぁ!」 「ったく…喜ぶところかよ」 よかった。ちょっとは安心してもらえた。 「お兄…」 「何?」 「ちょっと熱ない?」 「まあ風呂場だしな」 「ほら、お兄、ちょっと来て」 「わっ、なんだよ」 お兄の手を引っ張ってリビングに連れ出す。 ちなみにお互い服は適当にしか着てない。 「お兄、ゲームしよ」 「へ、なんの?」 「大人のゲーム」 「は?」 ちなみに概要は、アタシが小声で『ほら言って』と言ったことを、一字一句お兄が言うというゲームだ。 アタシが『ほら言って』と言えばどんなことでも一字一句間違えずに言う。 間違えたらおあずけか終了。これもお兄を落とす技術としてあのサイトにあった。 何より重要なのはあの女に見せつけることだ。 お風呂場でセックスを選んだのは、あの女の監視から逃れるためだ。 盗聴器と盗撮器はリビングとお兄の部屋とキッチンにある。 ちなみにアタシがお兄の部屋で寝始めてからは、あの部屋にパソコンを持って行って、盗聴盗撮を全部できないようにした。 盗聴盗撮器の前に大きい荷物を置く。これだけで充分だった。 185 名前:関西から来たキモウト33 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 39 44.14 ID U8zyW0CA 『しゃぶれよ』 『え…嘘…お兄…』 『口でしろよ』 『う…うん…んちゅ…これでいひ…?』 『ん…気持ちいいよ、神菜…』 「何よ、これ…?」 目の前で起こってることがわからなかった。 理解できない。これは何かのアダルトビデオだ。 そうだ。映像に変な電波が紛れ込んでるんだ。 「違う…これは有とあの子じゃない…なんでこんなのが入ってるの?」 目の前で乱れた服でいる兄妹。リビングで兄が妹にフェラチオを強要している映像。 兄が壁にもたれ掛かり、その前に妹が膝まずいて懸命に口で奉仕している。 『ほら、自分でもオナニーしろよ』 『うん…わかった…ん…ちゅ…ちゅる…ちゅぽ…』 妹が自分の胸とあそこをいじりながら、兄のペニスにむしゃぶりついてる。 『ん…ちゅぽ…ん…ん…おひい…お兄…ん…ちゅ…ちゅる…』 『神菜…イク…イきそう…』 『ん…イって…お兄…んーーー!!』 今度は兄がイマラチオしながら妹の口に精液をぶちまける。 それを美味しそうに飲む妹。 『だ、大丈夫か?』 『ぅん…こくん…ん…おいし…』 違う。これは違う。別人だ。 でも…どうして…どうしてこんなに有とあの子そっくりなのよ!! ―ガシャン! 思い切り近くのガラスコップを壁に投げつける。 186 名前:関西から来たキモウト34 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 23 41 02.52 ID U8zyW0CA そのあともこの出来の悪い三流AV動画を見続けた。 妹がテーブルに手を付き、後ろから兄に犯される場面。 『お兄! 気持ちええから! もっと! 後ろから! ついて! もっと! ああん! あんあんあん!』 『神菜! お前の体、最高だよ!』 『ああん! 嬉しい! もっと! あん! あん! いいっ! お兄のザーメンもっと体にちょうだい!』 『ぐっ…出る!』 ペニスを引きぬいて妹の背中に精液をかける兄。 うっとりした表情で後ろを振り向きながらそれを見つめる妹。 『あはっ…お兄、別に中でも良かってんで…』 『いや…出し過ぎたら妊娠するかもって』 『だから今日は大丈夫やって。もっと中に出してや。お兄を感じれるもん』 『神菜…』 甘く抱きしめ合う兄妹。腕を絡ませ合いながらディープキスしあう二人。 私がAV監督でも、もっとマシなものを作る。 妹がキッチンの台にお尻を乗せて、兄がそれを正常位でつく場面。 『お兄! いい! 食べて! もっとアタシを食べて! あん! いい! あんあん!』 『く! ヤバイって…俺、変になるって!』 『ん! あん! 変になったらええやん! あん!』 『出すぞ? 中に出すぞ!?』 『うん! 来て! お兄のん来て!』 『ぐっ…!』 妹は足を兄の背中に絡ませながら、ぎっちりと兄の腰をホールドしている。 お互いきつく抱きしめあいながら、兄は精液を妹の中に出し続けている。 『お兄! お兄…! 離れたない! 離れたない!』 『俺もだ! ずっと俺といろ!』 『ホンマに!?』 『ああ、俺の恋人としていてくれ!』 『ああん!! お兄! お兄! お兄! 嬉しい! 本気なん?』 『ああ本気…ぐっ…出る!』 『あーーーーー! お兄のんがお腹の中に入ってくる! ああ! お兄! 好き! 大好き!』 『俺もだ…愛してる神菜…ホントはずっと好きだったよ…女としても見てたことある…』 『うん。お兄…うん。ありがとう。お兄…大好きアタシのお兄さん…』 ―ブチン それは映像が切れた音なのか、自分が切れた音なのかわからなかった。 戻る 目次 次へ
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234 名前:関西から来たキモウト35 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 04 28 58.54 ID WH4SfJSE 妹の体に夢中だった。 「あん! いい! もっとついて! お願いやから! もっと! もっと来て! お兄! 好き!」 神菜の体は最高だった。小柄でスレンダーだけど、このむっちりとした尻が俺のペニスに当たるたびに、妹は嬉しそうに喘ぎ声をあげる。 その肉付きの良い尻を後ろから掴んで、必死に自分の下半身に打ちつける。 正直、何回精子を出しても出し足りない。 「あんあんあんあん! いい…お兄…! いい! あんあん! あん! …そこ…もっと!」 「…ぐ!」 もう精液を妹の膣の中に、生で出すのに同意も得なくなった。 きゅっと少し締まるマンコの中に、自分の欲望をありったけ込めて打ち出す。 思い切り神菜に覆いかぶさりながら、後ろから胸を揉む。 神菜の背中のラインとうなじが、たまらなくエロかった。 柔らかくて華奢だけど肉付きが良くて、何度抱いてもたまらない。 何度精子を出しても飽き足らない。 「あぁあぁ…来てる! …お兄のん来てる! お兄の精子中に出てる…!」 神菜は俺の方を向いて半べそで笑う。処女だからたぶん痛みもあるんだろうに。 何回もセックスするうちに、初めは体だけしか意識がいかなかったのに、気持ちも思いやれるようになってきた。 オナニーだとイッた後に冷めると言う状態になるけど、神菜とのセックスではあまり感じなかった。 ただ神菜に夢中だった。神菜が淫らに喘ぐ仕草。神菜が俺の顔を見つめながら懸命に腰を振る姿。 こんなのを見ていると正気ではいられない。ただただ神菜を求めた。 「お兄…好き…お兄…お兄…」 「俺もだ…神菜…好きだ…」 後背位を崩したあと神菜を抱きながら振り向かせて唇を塞ぐ。 「ん…」 「ちゅ…ふふ…お兄って可愛いねんな…」 神菜が可愛く微笑むと、俺もそれに釣られて軽く笑ってしまう。 その時だった。 ―コンッ… 小さな音だったけどやけに大きく聴こえた。 音の方を振り向くとキッチンの方から風が流れてきた。 ザーッと雨の音もする。雨が振ってるのか? 次にペタペタと濡れた音がキッチンの方から聞こえてくる。 そして、その音が近づいてくる。 なんなんだ一体? キッチンの電気は消したままでなのでわからない。 神菜を見ると険しい顔をして音のする方向を見ていた。 俺たちは裸のままだった。 濡れた音が止まる。こちらのリビングからはちょうど見えない位置で。 「有、ちょっといいかな? …用事があって…」 翔子? まさか隣の部屋まで聴こえてた? 急いで服を着ようとする。 235 名前:関西から来たキモウト36 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 04 29 48.00 ID WH4SfJSE 「ちょっと待ってくれ…」 「別にええよ。出てきいや」 「おい、待てって…」 トランクスを履いて神菜にTシャツをかけようとした時に、翔子がリビングの明かりに姿を現した。 「おまえ…なんだよ、それ…」 翔子は雨でボトボトに濡れて長い黒髪からタイトな黒いシャツとスカートまでびしょびしょだった。 「…さあ…何かしらね…よくわかんないわ…」 声もかすれている。壁に持たれながら話しかけてくるその姿はやけに弱々しい。 俺は服を着替え終え、神菜にもそれを急かした。 神菜は翔子の方を睨みながら着替えている。 「ベランダから…来たのか?」 「ええ…小学生以来かしら…」 「二階だぞ、ここ…」 「昔はよく、こうやって来たじゃない…」 「あの時とは…」 違う、と言おうとした時、びしょ濡れの姿で気付かなかった翔子の表情に気づく。 泣いてる? こいつが泣いたことって中一の時以来じゃないか? 「…そう…違うよね…もう…あの時とは…」 こいつが泣くことはありえない。それだけ俺は…罪深い事をしたってことか…? 「お兄っ!!」 神菜の声でふと我に返る。見るとすでに着替え終わっていた。 「お兄、翔子…さん、濡れてるからお風呂場連れていくで」 「あ、ああ…」 「あと、お兄は部屋に戻ってて」 「わ、わかった…」 神菜は翔子を連れてリビングから風呂場に入った。 236 名前:関西から来たキモウト37 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 04 31 32.35 ID WH4SfJSE 目の前には今すぐにでも首を絞め殺したい関西人女がいる。 有の匂いが体の奥まで染み込んだ女。 殺せるなら千回は殺しているだろう。 …でも今はそんな気力はなかった。 「…私の負けよ…」 「思てへんくせに」 「…これは本当。完敗だわ」 「はよ風呂入りや」 「悪い…わね…」 「…大丈夫なん?」 この子にも罪悪感と言うものがあるのだろうか。 こちらを覗きこむ表情は明らかに心配した表情だ。 …罪悪感…そう…近親相姦の罪は重い… 風呂に入ろうとした時にマットに血が付いているのを見る。 「ここで…?」 後ろに倒れそうになるのを後ろから支えられる。 「倒れるんやったら、あとにして」 「…くぅ…」 負けたんだ…本当に…この子に…たかが妹に…私が… シャワーで涙を隠しながら泣くしかなかった。 「笑いなさいよ…あなたは勝ったのよ」 必死に振り絞って声を出す。 「笑われへんわ…アタシがあんたの立場やったら死んでるから…」 やめなさいよ! そんな哀れなモノを見つめる目をしないでよ! 散々、有と獣のように交わった雌豚のくせに… 「アタシ大阪帰るから…」 「…!? なんでよ…」 「お兄とは結ばれへんから」 「そんな冗談…」 「冗談ちゃうよ」 何この子。何考えてるの? 「めっちゃ泣いたんやろ? 目も声もおかしいし」 「だから、なんなのよ」 「試合に勝って勝負に負けるっていうやん」 「意味がわかんない」 「あんたのこと見て思たわ。あかんって」 「だから…」 さっぱり…わからない… 237 名前:関西から来たキモウト38 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 04 32 15.76 ID WH4SfJSE 「お兄がどんだけ、あんたの事思てるかわかる?」 「…」 「あんな、お兄な。セックスの最中な…」 思わず目をつむって耳を塞ぐ。 そんなの聞きたくない! そうしてるとシャワーがやむ。 見ると神菜が蛇口を止めていた。 「ほらバスタオル」 「あ…ありがとう」 「ふぅん、あんたでも言えんねんな。初めて聞いたわ」 「…何を企んでるのよ」 用意されていた、私の貸していた服を着ながら尋ねる。 中学の頃の服なので結構キツかった。 特に胸元が圧迫されて… 「その服かてそうやけど、それ着たアタシ見て『懐かしい』とか言われんねんで。たまらんかったわ」 確かに中学の頃はこの服で有とよく遊んだ。 中1の頃は私の方が成長が早くて、よく身長のことを口にしていた。 すぐに追いぬかれちゃったけど。 服を着終わったので髪の毛を拭く。 こういう時だけは長い髪は損だと思う。 「キスかて、してたんやろ? お兄もお兄でファーストキスちゃうて正直に答えんでもええのに…!」 していた。あれは一緒に高校に合格した日の夕方。 公園でウトウトしていた時だったので有は気づいてないと思ってた。 「お兄は譲ったる」 …!? 「でもな…」 胸ぐらを掴まれて顔が近くなる。 「お兄はアタシのもんや…だから絶対に幸せにせえ…せんかったら…ぶん殴りに来るからな…ぅぐ…」 なんでこの子が泣いてるのよ? 泣きたいのはこっちよ… でもこの子が演技でもなく本気なのはわかる。 「なんでなの? なんで有を諦めるの?」 「気ぃ変わる前に、はよ返事せえ!」 「…」 この子が私なら…きっと… 「はよ、せえ! アタシはお兄と寝てんで! あんたは二番目やねんで!」 最後は自分が愛した人。兄の幸せを願うんだと思う。 「…ごめんね、神菜ちゃん…有は…あなたのお兄さんは絶対に幸せにするから…」 238 名前:関西から来たキモウト 最終話 ◆qtuO1c2bJU [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 04 34 17.45 ID WH4SfJSE 「ただいまー!」 私は約束通り7時に帰る。今日は大学のレポートで忙しかったのだ。でも、そこにはいつも有が待っていてくれる。 「おかえり、翔子」 「ご飯は?」 「いや…今日はさ…」 「なんなのよ、もう」 ふと玄関の靴箱に見慣れない靴がある。 「おねえーーーーっ!!」 「わっ…」 どんっ…とぶつかって来る人影が… 「神菜? あんた、また来てたの?」 「おねえに会いたかってん!」 「お『にい』の間違いでしょ…」 「ツンデレなおねえ、ええわ~」 「あんっ…胸を揉むな。胸を」 「ええやないか、ええやないか」 「良くあらへんわっ!」 ときどきこの子の言葉が移ってしまう。 「お前ら、俺がいるところでいちゃつくなよ」 「「黙ってて」」 「…はい」 神菜の食事は悔しいくらい美味しかった。もう私の腕じゃかなわないと思う。 食事が進むこと。進むこと。三人で喋る話題も楽しいし、豪勢な料理も。 だって、とっても美味しいから。そう、眠たくなっちゃうほど。 「私…ちょっと寝る…よ…」 「「おやすみ」」 私はその場に寝転んだ。今日は疲れた。 なんか夢の中で声が聞こえる。 「お兄、眠ったん?」 「ああ、たぶん」 「まだ、この女騙されてるん?」 「まあ神菜の言うとおり処女は守ってるよ」 「アホやな、この女。ウチらはやりまくってんのに」 「でもまさか本当に神菜の言うとおりになるとは…」 「結婚してからしか処女は貰えへんって?」 「信じられないよ」 「そんなもんやって、女って。アタシかってそう言われたら守るで、たぶん」 「でも…ん…」 「お兄…ん…ちゅ…愛してる…」 「やめろ、起きるって…ん…」 「そのスリルがたまらへんねんって…お兄ィ…ん…好きってゆうて…お兄…」 「ん…好きだ…好きだ…神菜…」 「入れて…もう、ウチこんなやねん…」 「行くぞ…」 「うん…来て…お兄…来て…アタシのお兄…お兄さん…ん…」 なんだか終わりそうにない夢だった。 ~終~ 戻る 目次
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202 21歳のキモウト~最終回変~ 1/7 sage 2009/08/05(水) 23 49 33 ID R/Zzq+U1 「…………」 やぁみんな、こんばんわ。俺の名は七志野…え?タイトルを見れば解る?それは失敬。 でだ。俺は今、自分の家(アパート)の扉の前にいる。どうしてさっさと開けないのかって? 聞かなくても解るだろう?詳しくは過去作品を参照してくれ。 「…ふぅ」 いつまでもこうしているわけには行かない。そろそろ覚悟を決めるか…いい加減腹も減ってきたし。 「ただいま…」 ドアを開けてただいまの挨拶。さて、あの愚妹は今日はどんな格好で… 「お帰りなさい、兄さん」 「…あれ?」 今日はどんな姿で出迎えるのかと思いきや、いつものコスプレ系の服ではなく、ごく普通の私服(ライトグリーンのTシャツに薄いピンク色のミニスカート、そして白い薄手のカーディガン)に、黄色のエプロンを着ていた。 「?どうしたの兄さん」 「いや…」 今日はどうやって突っ込んでやろうかと思っていたが、拍子抜けしてしまった。 「あ~、とりあえずただいま」 「おかえり兄さん。御飯にする?お風呂はあと5分くらいで温まるけど」 「んじゃあ飯にするか」 「わかった。あ、その前に背広渡して。ハンガーにかけとくから」 「ん、頼む」 あれ? 「はい、兄さん」 「ああ、ありがとう。いただきます…」 「どう?」 「普通に美味い」 「よかった」 あれれ?? 「兄さん、お風呂温まったよ?」 「じゃあ入るか」 「あっ、今日は洗濯する日だから、お風呂に入る前に、洗濯機のスイッチを入れておいてね」 「了解」 あれれれれ???? 203 21歳のキモウト~最終回変~ 2/7 sage 2009/08/05(水) 23 50 01 ID R/Zzq+U1 「ふぅ…さっぱりした」 「何か飲む?ビールとか」 「酒はいいや。麦茶あるか?」 「補充したばっかりだから少し薄いけど」 「じゃあ何かジュースくれ」 「はい、ポ○リ」 「俺はアク○リアスの方が好きなんだけどな…」 「文句言わないの」 「へいへい」 ………… 「っじゃねえ!!」 「何よ急に」 「どうしたんだお前!?熱でもあるのか!?それともどこか調子悪いのか!?」 「は?」 「こうしちゃいられん!救急車!110番!…じゃなかった119番だ!」 「もしもし?」 「えーと、夜間でもやってる病院は…」 「とりあえず落ち着けバカ兄貴」 「あふんっ!?」 か、踵落とし…ミニスカで繰り出す技じゃないぞ。 「落ち着いた?」 「ああ、すまん。少し動転していたようだ」 「そ、ならいいけど」 「で、何があった?」 「何って?」 「いつもなら、俺が帰ったと同時にコスプレで出迎え、キチ○イじみた言動を繰り広げては勝手に暴走、自滅のコンボを決めるではないか」 「自滅って…」 「何かあったのか?」 「別に。ただ、たまには普通に出迎えようかなって思っただけだよ」 「そうだったのか。すまん、妙な勘繰りをしてしまったみたいだな」 「あとネタが無かったし」 「マテ」 随分メタな発言だな。 「まぁいい。明日は休日だが、どうする?夜更かしでもするか?」 「それなんだけど…」 何やら口ごもる舞。 「ねえ兄さん、一緒に寝よう?」 「だ が 断「何もしないから」…る?」 「お願い。襲わないから。誘惑しないから。何もしないから。本当に、ただ寝るだけでいいから。だからお願い。一緒に寝よう?…お兄ちゃん」 「何かあったのか?」 「…………」 「…まあいい。約束だぞ」 「うん…」 204 21歳のキモウト~最終回変~ 3/7 sage 2009/08/05(水) 23 50 34 ID R/Zzq+U1 電気を消し、二人でベッドに入る。どうせ寝に帰る部屋だからと、思い切ってダブルベッドを買っていたのだが、今日、それが初めて役に立った。 (いつもは舞がベッドで、俺が床で布団を敷いて寝ている) 「ねえ兄さん。こっち向いて?」 僅かな逡巡の後、俺は舞の方へ身体を向ける。 「…………」 『綺麗だ…』 思わずそう口走ってしまいそうだった。 元々美形の舞だが、月の光に照らされていると、ある意味神秘的な雰囲気を醸し出している。 「うふふ♪えいっ!」 「なっ!?おまっ!?」 少しの間魅入っていたようだ。その隙に、半人分の空間を一気に詰め、舞に身体を密着させられた。 「どうしたの?兄さん」 「お前…何もしないって…」 「私は何もしてないよ?ただ抱きついただけだもん」 くっ!…た、確かに、この程度では『誘惑』とは言えまい。むしろ過剰反応すれば、この妹に何を言われるかわかったものではない。 後、俺の左腕を腕枕にするな。人間の頭って結構重いんだぞ。 「久しぶり…兄さんの胸の中…」 うっとりした声で呟く舞。意外にも本当に抱きついているだけで、アレをアレしたりコレをコレされたりすることは無かった。 『アレ』や『コレ』では解らないって?君達のお姉さんか妹に聞いてみなさい。 「最後に抱っこしてもらったのって、いつだったっけ」 「日曜に俺が昼寝していた時」 「もう!そうじゃないよ!」 「悪い悪い。そうだな、確か舞が中学に上がった頃くらいまでじゃないか?」 「そうだったね…」 別の言い方をすれば、俺が高二になった頃でもある。 さすがにその頃になると、舞も女らしくなってきていて、密着されるのが苦痛だったりした。 ちなみに、一緒に風呂に入るのを止めたのもその頃だ。 こう見えても結構ストイックな人間だったのである。 …ごめん。ただもてなかっただけです…orz 「泣き虫でいつも虐められていた舞がな…随分大きくなったもんだ」 「当たり前だよ。私だって、いつまでも子供じゃないよ?」 「そうだな。でも俺にとって、舞はいつまでも可愛い妹のままだよ」 「それ、あんまり嬉しくない」 「そうか?」 205 21歳のキモウト~最終回変~ 4/7 sage 2009/08/05(水) 23 51 02 ID R/Zzq+U1 いつもの攻防(性的な意味で)を忘れて、昔話に花を咲かせる。 「ねえ、お兄ちゃん」 「ん?」 「好き」 「…………」 「私はお兄ちゃんが大好き」 「舞…?」 「兄としてじゃなくて、一人の男の人として、私はお兄ちゃんが、蛍さんが好き」 不意打ちだった。今までも性的な意味で襲われていたので、舞が俺をそういう目で見ていることには気付いていた。 だが、『ひょっとしてからかっているのではないか?』という希望的な考えもあったのだ。 しかし、それが今全て覆された。 「…舞、俺は…」 「解ってる。兄さんが私のこと、妹としてしか見ていないって。妹としか見ようとしないって」 「…………」 「兄さん知ってる?私結構、ううん、かなりもてるんだよ?」 「そりゃミスキャンパスだからな」 「正確にはセミキャンパスだけどね。今まで沢山の人に告白されたよ。3桁、もしかしたら4桁行ってるかも」 「中学の頃からラブレターもらいまくってたもんな。ある意味羨ましいよ全く」 「中には2~3回告白してきた人もいたなぁ」 「それだけ本気だったってことだ。でも結局は振ったんだろう?」 「うん」 臆面もなく肯定する舞。実は一度、俺は告白の現場に偶然居合わせたことがある。 『ごめんなさい。私、好きな人がいるんです。世界で一番、好きな人がいるんです』 その時の舞はそう言っていた。思えばその頃から、舞は俺を男として見ていたんだろう。 「お前は理想が高すぎなんだよ」 「誰のせいだと思ってるの」 そこで俺に振るか。 「今まで告白してくれた人の中には、兄さんよりも素敵な人もいたよ。兄さんよりカッコよくて、兄さんより頭 がよくて、兄さんよりしっかりしてて、兄さんより優しい人もいたよ」 「そりゃあ、俺は中の中、凡人って言葉が服着て歩いてるようなもんだからな。で、そいつはどうしたんだ?付き合ったのか?」 「振った」 バッサリだなお前。 「ダメなの。どうしても。どうしても兄さんと比べちゃうの。相手が完璧であればあるほど。相手が兄さんに似ていれば似ているほど。『どうしてこの人は兄さんじゃないんだろう』って」 「…………」 「ねえ兄さん。多分私は、兄さんがいる限り普通の恋愛って出来ないんだと思う」 「…………」 「兄さんが私の手の届くところにいる限り、私が兄さんに期待している限り、私は他の男の人を『そういう』目で見られないんだと思うんだ」 「…俺にどうしろってんだよ」 「…結婚して」 「へ!?」 「私以外の人と結婚して。私以外の女の人と結婚して、私以外の人の赤ちゃんを作って」 「…舞…?」 「そこまでしないと、私はきっと兄さんを諦めない。私より素敵な人を見つけて。私より綺麗で、私より優しくて、私より兄さんを愛している人と結婚して!そうでないと私…わたし…」 206 21歳のキモウト~最終回変~ 5/7 sage 2009/08/05(水) 23 51 30 ID R/Zzq+U1 舞の声が震えだす。密着しているから顔を見なくてもわかる。 「舞…泣くな…」 「お兄…ちゃん…!」 舞の背中に右腕を回し、左手で舞の頭を撫でる。 「落ち着いたか?」 「…ぅん…」 5分…いや、10分くらい経っただろうか? ようやく舞の嗚咽が止み始める。 「ごめんな舞。そこまで思いつめてるなんて知らなかったよ」 「いいの。本当はね、兄さんと一緒に、暮らすつもりは、無かったんだ。どこか、遠いところで、兄さんのいない、ところで、兄さんのこと、思い出せなく、なるくらい、遠いところで、生きるつもり、だった、のにっ!」 嗚咽で詰まらせながらも、必死に言葉を紡ぐ舞。 「でも、ダメだった。私は、兄さんがいないとダメなの!私には兄さんしかいないの!兄さんがいてくれないと生きていけないの!」 「舞、俺が結婚すれば、お前は生きていけるんだな?お前が勝ち目が無いって思えるくらいの相手と結ばれれば、お前は俺が居なくても生きていけるんだな?」 「…うん…」 「…解った」 腕に力を入れ、舞の身体を強く抱きしめる。 「俺、きっと見つけるよ。お前よりいい女を。お前より愛せる人を。お前より愛してくれる人をさ…」 「…うん…」 今日が最初で最後だろう。妹を女として、抱いて眠る夜は。 「ねえ兄さん」 「ん?」 「キス、して」 「え?」 「約束の、キス…」 「…解った。目、閉じろ」 15年ぶりの妹の唇は涙の味がした。 207 21歳のキモウト~最終回変~ 6/7 sage 2009/08/05(水) 23 53 31 ID R/Zzq+U1 「ごめんなさい、兄さん…」 兄が寝静まってから、私は小さな声で謝罪した。 「私、きっと諦めない。きっと諦めきれない」 兄のためなら、自分は何でもする。兄を愛するためなら、自分は何でもできる。 「どんな女と結ばれても、その女と子供を作っても、きっと私は、全てを壊す」 私はそういう女だ。独占欲と嫉妬の塊。いや、狂愛で生きる人間というべきか。 「兄さんを取り返すために。兄さんの愛を奪い取るために」 思い出すのも忌まわしい。8年前、私は一人の人間をこの手にかけた。 兄に好意を抱く女性だ。名前は確か…いや、どうでもいいことだ。 兄にとって最初の、そして最後の恋人。 可愛らしい女性だった。そして優しい女(ヒト)だった。 兄が初めて『その女』を家に招いた時は、家族総出で驚いたものだ。 父はしきりに『信じられん』と繰り返し、母は『天変地異の前触れか』と経文を唱えだす始末。 兄は憮然とし、その女は愛想笑いをしていた。 私は…多分苦笑していた、いや、苦笑している振りをしていたと思う。 なぜなら、その時私の心を支配していたのは、抑え切れない憎悪だったからだ。 『兄さんに微笑まないで!』 『兄さんに触らないで!』 『兄さんの名を呼ばないで!』 『兄さんを返して!』 少しでも気を緩めれば、そんな言葉を叫んでしまいそうで、私は挨拶も早々に、部屋へ引きこもってしまった。 3ヶ月。たった3ヶ月。私が耐えられたのはたったそれだけ。でも、それが限界だった。 当時の私は13歳。中学1年生。子供であるはずの私が、一人の人間を殺したのだ。それも何の躊躇も無く。 「そのために、兄さんの幸せを壊してしまう…」 正直、自分がそこまでする人間だとは思わなかった。同時に理解した。 『私がいる限り、兄さんは誰とも結ばれない』 狂喜した。そして絶望した。 「だからお願い。守ってあげて」 兄さん… 「私からその人を守ってあげて」 208 21歳のキモウト~最終回変~ 7/7 sage 2009/08/05(水) 23 53 58 ID R/Zzq+U1 愛してる… 「私を愛さないで」 私を見て… 「私を憎んで」 私を愛して… 「私を殺して…」 兄さんに殺されるなら 「兄さん…愛してる…」 地獄に堕ちても 「…アイシテル…」 きっと、笑顔でいられるから… 「…………」 「どう?兄さん」 「とりあえず一言言っていいか?」 「うん」 「妄想乙」 「それほどでも~」 「褒めてねぇよ。で、こんな嘘99.9%の文章読ませてどうする気だ?」 「『キモ姉&キモウトの小説を書こう』のスレに投下しようと思って」 「投下するのはいいけど実名は止めろ」 「ごめん、もう投下しちゃった♪」 「ちょっ、おま」 「言ったでしょ?私は最初から兄さんにLOVEだって!」 「いつ言った。全国の七志野・蛍さんと七志野・舞さん。ごめんなさい…orz」 「と言う訳で兄さん!早速私達も結ばれましょう!」 「脈絡が全然無いぞ。そしてあえて言おう」 「だ が 断 る!」 「そう言うと思ったよ。でも今日という今日は逃がさない。最初に言っておく!私は色々な意味で、 か~な~り、限界だ!」 「その後、兄は妹の愛を受け入れ、末永く幸せに暮らしましたとさ。 21歳のキモウトシリーズ…完!」 「嘘をつくな」
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147 名前:関西から来たキモウト16 ◇qtuO1c2bJU[sage] 投稿日:2012/06/13(水) 15 47 09.09 ID FdkUhPFU …目が覚める。ここはどこなんだろう。 ベッドに手をつき周りを見回す。 いつもの景色と違う。いつもの匂いとも違う。 アタシはどうなったんだろう。やけに頭が痛い。 『あなたは妹。有が抱きたいのは私なの。ごめんね。 所詮あなたは妹で、あなたがやってることは無駄な努力。 有が妹のあなたを異性として好きになることはありえないの。 ちゃんと言ってあげないとダメと思ってね。 勘違いしてそうだから』 「…っ!!!」 すぐに思い出して吐き気を催す。 (あの女…八つ裂きにしたる…!) 強烈な殺意と共に、その時のお兄のアタシを見るなんとも言えない顔を思い出す。 (アタシの想いは終わったん…?) そのあとに続くのは深刻な悲しみ。悲恋? それも、もとから報われることのない。 『神菜の本当に好きな人のことは知らないけど、それが本当に無理な恋なのか。 それを考えたらいいと思う。無理ならさっさとあきらめる。好きなら頑張ってみる。 可能性があるなら頑張れ! 応援してるぞ! あんまり泣くなよ!』 「お兄…う…ぐす…ぅ……」 涙が止まらない。頭が痛い。胃がムカムカする。 (無理とちゃう! 無理とちゃう! 可能性があるなら応援してくれるって言ってたやん…!) でも…やっぱりアタシは妹…世間では認められない。 可能性は考えた。結婚はしなくても、一緒に暮らすようにすること。 親が離婚したあと戸籍を変えること。別の国に移住すること。 どれも現実的じゃない。 そもそもお兄がアタシを女として見てない。 結ばれるという前提条件がすでに無いのだ。 「お兄…お兄さん…ウチのお兄…グス…」 だから一番の目的はアタシを好きにさせることだったのに。 涙でぼやけた過去のメールの文字を見直す。 まだメールがなくて手紙のやりとりをしていた時の文章も、今では全部携帯の中に入っている。 それを見ながら思う。あの頃のままでいれたらどんなに良かったか… 『おにいへ とうきょうはどんなとこ? おもろいん? うちもこんど行くで。 おにいとけっこんしたら、どっちですんだらええんかな。 いまからなやんでいます。おにいだいすき! そっちからもあいにきてや!』 結局あの頃、両親はうまく行くことはなく時間と距離だけが過ぎて、文字でしか離せなくなった。 でも実際の距離が遠くなって時間が経つごとに、アタシはお兄との心の距離が近づいていった。 なんでも話せる相手。一番大事な相手。 思春期に入った頃には、もうお兄を一人の男性として愛していた。 148 名前:関西から来たキモウト17 ◇qtuO1c2bJU[sage] 投稿日:2012/06/13(水) 15 48 13.10 ID FdkUhPFU なんでも話せる相手。一番大事な相手。 思春期に入った頃には、もうお兄を一人の男性として愛していた。 ―ガチャ 遠くからドアの開く音がした。誰な? お兄? アタシは急いでベッドに寝転び毛布にくるまった。 気付かなかったけど自分の服と下着が汗でびっしょりで気持ち悪かった。 頭痛も治りそうになかった。 149 名前:関西から来たキモウト18 ◇qtuO1c2bJU[sage] 投稿日:2012/06/13(水) 15 49 15.04 ID FdkUhPFU 「ただいま」 俺は玄関から妹を寝かせた自分の部屋に向かう。 正直気まずい。神菜が俺を男として見てる。 そんなことを意識してしまうと、なぜか緊張してしまう。 いつも通りにしてればいいのに。 『ゴメン…好きんなってゴメンな、お兄、好きやねん…ゴメン…』 くそ。神菜の泣き顔を思い出すたびに心が締め付けられる。 ドアの前に立つ。持っている大きな手さげ袋を見る。 中にはさっき翔子から借りてきた服が入っている。 『服? こっちに来る時、持って来なかったの? ま、いいわ。ちょっと待ってね。あの子の身長だと…』 翔子は意外にも親切に、神菜用の服を貸してくれた。 神菜が夏風邪を引いたみたいと言ったら、自分にも責任があると目を逸らしながら謝っていた。 ―コンコン 自分の部屋のノックをするなんて始めてだ。 「神菜、入っていいか?」 返事がなかったので入った。神菜は寝ていた。 まだ意識がないんだろうか。相当ショックだったみたいだし。 ベッドの側に座って神菜の額に手を当てる。 「…ん…っ」 神菜の息が漏れる。起こしてしまったと思ったがそのまま寝息を立てている。 それにしても凄い熱だ。汗も酷い。 俺は熱を計るため、体温計を手にとった。 神菜の左肩に手をやり、その脇に当てた。 「…ん…んぅ…ぅ…ぅん…」 妹の声がやけに色っぽいので、こっちまで変な気分になりそうになる。 体温計を固定するために肩と腕を抑えたままじっとする。 待ってる間にふと妹の胸に目が行く。 上下してる胸の膨らみが、小さかった妹も女になったんだと改めて意識させる。 ―ピピピ 体温計が鳴ったので温度を見る。 「40度!? ヤバ…! 医者呼ばないと…」 携帯をポケットから出そうとした瞬間、腕を掴まれた。 「か、神菜?」 「医者は呼ばんでええよ」 「…でも、こんなに高熱…」 「熱やないから」 「無理すんなよ」 「ちゃうってホンマに」 「でも…」 「もっかい体温計貸して」 「あ、ああ」 150 名前:関西から来たキモウト19 ◇qtuO1c2bJU[sage] 投稿日:2012/06/13(水) 15 49 40.55 ID FdkUhPFU 神菜は何度か深呼吸をしたあと、目を閉じて自分の脇に体温計を当てて計り直す。 … 「38度1分…?」 神菜の体温は下がっていた。それでもかなりの熱だけど。 「さっきの40度はなんだったんだ?」 妹を見つめながら質問する。 「お兄が触るから…」 「え?」 「お兄のせいで熱上がっただけやから…」 「悪い」 「謝ることちゃうから、ええ」 つまり…そういうことか…? 結局、神菜はそのあと大人しく着替えたあとバファリンを飲んでから眠った。 服の着替えのとき『あの女の匂いがする』って言ってたけど。 はあ、しばらくは安静だけど、これからどうなるんだろう。 戻る 目次 次へ