約 492,932 件
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/51.html
第一話「大戸島の異変」 第二話「地球防衛軍日本支部」 第三話「黒き怪獣王」 第四話「出現! 二大怪獣」 第五話「東京大災害」 第六話「希望の光」 第七話「白銀の天使」 第八話「破壊神の猛威」 第九話「束の間の休息」
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/34.html
オス! おら花子。 おかっぱと赤い吊りスカートがチャームポイントの美少女。 元男子中学生で、今は幽霊やってる。 なんでこんなことになったかというと、ある日突然女の子になってたっていうわけ。 その後、クラスメイトの視線に耐えられなくて自殺したんだけど……今思えばこの体を使ってもう少しなにかできたかもと思う。 まあ、トイレで生徒達の噂話聞いたり、今はなんとか楽しくやってる。 お、なんか暗そうなやつがトイレに入ってきたぞ。 眼鏡をかけてて、なんだかもてなさそう。 「ハァ……」 なんだよ、魂も一緒に吐き出すくらいの溜息だな。 もしかして、自殺か? やべえなあ。 ただでさえ一個室一幽霊なのに。 このままじゃ幽霊のすし詰めになっちまう。 まあ、先輩だし、ここは悩みを聞いてやるか。 俺はそう思って、眼鏡少年の前にすうっと降りていった。 「おい、そこの眼鏡君」 声をかけると、そいつは肩をびくっと震わせた。 「や、や、山田の花子さん!!」 おい、眼鏡割るぞ? 「お前、なんか悩みあるんだろ? よかったら聞いてやるよ」 「ゆ、幽霊に話すことなんかない!!」 確かにそうだわな。 「まあ、そう言うなよ。幽霊だからこそ、わかるってこともあるぞ。一応先輩だし」 「そ……それじゃあよろしくお願いいたします」 よし、素直なのはいいことだ。 とりあえず、壁にもたれかかってそいつの話を聞くことにした。 「僕……好きな人がいたんです。それで、ラブレター出したんですけど『オタクは2chでも逝っとけや!!』とかいって振られまして……。あ、ちなみに僕、ガンオタです」 「きついな、その女。付き合ったら絶対尻に敷くタイプだぞ」 「でも、でも!! 好きだったんですよおおおおお!!!」 荒い息を吐きながら、眼前まで迫る眼鏡。 うわ、やっぱこいつもてなさそう。 そういえば、昔似たようなこと言われたことあるなあ……。 俺も軍事オタだったし。 「まあ、そのうちいいことあるって」 「そんなありきたりなセリフで済まさないでくださいよ」 「いや、ありきたりじゃないかもな。やっぱり波長ってやつがあるんだよ。ほら、よく言うじゃん。男と女って、瘴気で惹かれあうんだって」 「瘴気で惹かれあうって、妖怪同士の恋愛かよ!?」 あれ、違ったかな? 「まあ、つまりだな……趣味を受け入れてくれる、そんな女が現れるってことだな。やっぱり、愛ってのはお互い求め合う関係だろ?」 うわ、俺今めっちゃかっこよくね? お、涙ぐみやがった。 まあ、当然だろうな。 ところが、眼鏡は俺の予想だにしなかった行動を仕掛けてきた。 そいつは、いきなり抱きついてきたのだ。 「キャッ!!?」 思わず声を上げてしまう俺。 って、こんな声上げたのか! 恥ずかしっ! 「女の子とこんなに話せたの、今日が初めてだ!! 幽霊でもいい、僕と付き合ってええええええ!!」 やっぱこいつ最悪! おい、スカートに触るんじゃねえ!! ちょ、やめ……駄目えええええええ!! 「……んで、勢いあまって?」 「はい、勢いあまって」 トイレの管理人である、紫婆には頭が上がらない。 ちなみに、今の俺は本当に土下座している。 溜息を吐く鬼婆……じゃなくて紫婆。 「まったく、ただでさえ狭いってのになに考えているんだい。まあいいや、お前が面倒見るんだよ」 そう言って、壁際を顎でしゃくる紫婆。 その先には、満面の笑みを浮かべた青い服の女が。 その正体は、あの眼鏡だ。 俺には、絞め殺した相手を性転換させる能力がある。 その能力を、つい使ってしまったのだ。 「お姉様ぁ!!」 いきなり抱きついて頬をすりすりと擦りつける元眼鏡。 うーん、あまり悪い気がしない……じゃなくて! 「お前、さっさと成仏しろよ!!」 「だってぇ、お姉さまと一緒にいたいんだもん! 責任……とってよね」 いや、本当に殺すつもりなんてなかったんだよ。 なんて、ひき逃げ犯みたいなこと言ってもあとの祭りか。 元眼鏡は、俺の手をギュッと握り締めた。 「今日は、2人で楽しいことたくさんしようね!」 そう言って、ぐいっと三番目のトイレに引っ張られる俺。 ちょ、こいつ滅茶苦茶怪力!! 助けて、ホーリーメイデンズううううう!! その日から、三番目のトイレの前を通ると、不気味な喘ぎ声が立つという噂が絶えなくなった……。
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/76.html
リンク ようこそ、リンクの部屋へ。 ここでは、私のお友達サイトを紹介いたします♪ リンク(学校の怪談系) リンク(特撮系) リンク(少年少女系) リンク(その他)?
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/48.html
特撮小説 「新・海底軍艦」 「ウルトラマン対ゴジラ」 「ゴジラXシリーズ」? 「暴竜王 アンギラス」? 「その他」?
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/4.html
掲示板 掲示板 お絵かき掲示板 お絵かきチャット
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/149.html
[次回予告] 「うわー!!」 「ギャピー!!」 「シュワッチ!!」 ……わかんなかったら第2回を見てください。 →Episode2「二人揃ってツンデレンジャー」
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/129.html
第7話 虐殺を止める! 俺、ラック・ブレイスは弟のブレイスと共に大急ぎでロシアに来た。俺は18歳の頃、ロシアに来てあまりの寒さで4日間熱を出したことを覚えている。あと弟はバナナで釘を打ちつける実験をしたことを覚えている。 ロシアの町は空から降る雪、家の屋根にある雪と道路に積もる雪、ロシアの人々が寒さをしのぐために着た服に雪が少しついていて、まさしく銀世界だ。 そう、昔は・・・ 今は雪は降っていない。それならいい。だが、前に来たときと違うのは、多くの人々が逃げまとっている。悲鳴と叫びが多くこだまし、大音量のスピーカーでロックを聴いているみたいだ。 もう一つ違うのは、ロシアの大地を埋める死体、死体、死体、死体。全てロシア人だ。後ろから刀で刺され、殺された死体。助けを求める途中で殺された死体。子供を守るために親子共に殺された死体。殺人犯に対抗するために立ち向かい、殺された死体。これがロシアの地を埋めている。 そして、この死体を作り出している外道は、前に滅亡したフランスで俺とバクスが戦った 狂戦士 である。 しかし、前回と違ったのは、狂戦士が 一人じゃない ということだ。 逃げまとう人々の中から俺の目で見える狂戦士は約百人。そして、百人の狂戦士は逃げる狂戦士を殺している。 え?俺はどうしているかって?もちろん俺は・・・ 無茶苦茶怒っている!!!! バクスも同じだ。多分、2人で狂戦士にむけて怒りの眼光を向けている。そして俺とバクスは、狂戦士軍に立ち向かいに行った。 俺は剣で一体の狂戦士の首を斬り、俺に愚かにも立ち向かいに来た狂戦士に拳銃の弾を心臓めがけて4発、そして、一瞬動きを止めた狂戦士に剣を心臓に突き刺した。これで狂戦士を殺した数は17体目。 一方、バクスもすごい。我ながら自慢の弟だ。雷竜<サンダードラゴン>魔法、火の矢の雨、どこから出てきたか知らない水の激流魔法、バクスの後ろから風で構成された虎が狂戦士の腹を噛み切る。 しかし、これだけ殺しても狂戦士は全滅しない。 え?何であの強かった狂戦士がこんな簡単に倒せているかって?それは分身する悪魔の分身体は本体よりも弱くなる。ましてこんな数になったらもっと弱くなる。この狂戦士は小悪魔<インプ>級だ。小悪魔は悪魔の中で下級だ。しかし、紺だけ数が多いと2人だけじゃ苦労する。現に俺の拳銃の弾はもう残り2発程度。バクスもあんまり魔力がないとも思われる。バクスの腹が鳴っている。 それでも、俺たちは休むことはない。何故なら俺らが諦めたら、ロシアはフランス同様、滅亡するからだ。俺らはこの戦いを諦めるわけにはいかない。当然、死ぬことも・・・ 続く
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/60.html
同時刻、大戸島付近。 そこでは、空と海からの連続攻撃がゴジラに行われていた。 「どわあ!!」 青白い火炎放射を回避する篠田の声が通信機から聞こえる。 轟天号内の瀬戸内は顎をなで、ポツリと呟く。 「やばい状況だな。相手を翻弄するのには成功しているが、効果的なダメージは与えられない」 「それほどの相手、ということですね……」 ひきつった笑顔を浮かべる窪田、その肌理細やかな肌には冷や汗が数滴流れている。 薩摩は渋い顔で腕組みをする。 やはり、あの時篠田がゴジラを攻撃していなければ……。 そのような考えを慌てて振り払う薩摩。 隊長が諦めてしまっては部隊は終わり。 冷静になって考えるんだ……冷たい? 「そうだ! 瀬戸内、冷線砲をゴジラに発射するんだ!!」 訝しげな表情をし、片目を開く瀬戸内。 「ハァ? 海中じゃあやつに攻撃当てるのは困難だぜ」 「いいからやれ!! やつに当たらなくてもだ!!」 「……了解」 渋々そう言って、レバーに手をかける瀬戸内。 ドリルの先端から放たれる青白いレーザー「冷線砲」。 それはゴジラを捉えようとするが、その両腕を前に突き出す。 瞬間、弾かれる光線。 「あの爪……あれでミサイルや魚雷が弾かれたんですよね……」 レーダーとモニターを交互に見る窪田。 「ひるむな!! 続けて右方向!! 左斜め!!」 次々と放たれる光線、やはりゴジラの爪に弾かれる。 「もうエネルギーも残り少ないぜ。どうするんだ、隊長さんよ?」 モニターから目を離し、瀬戸内は薩摩の顔を見る。 自然と、顔がほころんでくる。 頃合だ。 「見ろ、そろそろ奴も身動きが取れなくなってきている」 急ぎ、前のモニターを見る瀬戸内と窪田。 それは白く凍りついた氷の檻。 ゴジラはそれに周りを囲まれ、身動きが出来ない様子。 「そうか! ゴジラではなく、周りの海水を狙っていたのですね!」 満足そうにうなずく薩摩。 その横で瀬戸内は小さく舌打ちをする。 「さあ、一気に叩くぞ!! 全兵器、一斉発射!!」 薩摩がそう言った次の瞬間、轟天号とα号から次々と武器が発射された。 何千何万ものミサイルは、一斉に氷に命中する。 轟音と共に巻き起こる水しぶき。 それは天にも届かんばかりの勢い。 その水しぶきも、冷線砲によって凍りついてしまう。 「やりましたあ!!」 まつげの長い目を細め、喜ぶ窪田。 その場の全員に、安堵の表情が見える。 その時だった。 氷を突如青白い熱線が貫く。 熱線は一直線に、轟天号の黒々としたボディーを捉える。 次の瞬間、大きく振動する轟天号内。 まるで頭が割れんばかりの轟音が響き渡り、衝撃で首が折れそうになる。 「轟天号、損傷率28パーセント!!」 窪田の声を聞きながら、体制を起こす薩摩。 一体なにがどうなっているんだ? 混乱し、モニターに目を移す。 そして、思わず目を見開いた。 そこには黒々と立ち尽くす、ゴジラが。 覆っていたはずの氷は影も形もない。 ゴジラは低い唸り声を上げながら、その濁ったような目で轟天号を捉えていた……。
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/74.html
――気がつくと、僕「碓氷冬雪」は霧の中を充てもなく歩いていた。 ここは、どこなのだろう? 右もまっしろ、左もまっしろ、全部まっしろ。ただただ惰性で歩いているだけ。深い霧の迷路は、ずっとも続いている。どこまで行っても、景色は変わらない。寒々とした純白の世界が広がるだけ。 なんでこんなところを、僕は歩いているのだろう? いつから霧が出ていたのか、いつから迷い込んだのか、記憶にない。 濃い霧の海を一足踏み出すたびに、心細さは増していく。 ――秋綺、春花ちゃん……夏月。誰か、いないの? 心の中で、親しい友の名を呼ぶ。けど、返事は返ってこない。 やはり僕は……ひとりぼっちなんだ。 「ひくっ……うっ……うぅ……」 じんわりと、目じりに涙が浮かぶ。寂しさが、切なさが、心細さが、次々と溢れてくる。だけど、歩みは止まらない。 もう、歩くのをやめてもいいんじゃないか? 多分、僕は霧の中から一生出ることなんてできないだろう。だったら、ここで休んでしまった方がいい。なのに、僕は歩くことを止めない。足は、勝手に歩き続ける。 どうして? 希望なんて、欠片すら見えないのに。 その時。 「――冬……くん……」 今にも消え入りそうな声が、耳を突く。 空耳? 「――冬……くん……」 ――確かに聞こえた。幻聴なんかじゃない。 僕は、声のした方向へずんずんと歩き出す。 助かった。助かったんだ。多分、声の主は夏月。きっとそうに違いない。必死に呼びかけ、僕を待っているはず。ぎゅっとしてくれる。おかえりって言ってくれ、 「冬雪くぅん!!!」 突如、僕はたくましくて太い腕に抱きとめられる。 「ふ、ふぇええ?!」 僕は、反射的に情けない声を上げてしまう。全身がカァッと熱くなり、肌が火照ってくる。 え!? 一体なに?!! 夏月じゃないの!!? 「いやぁ……よかったです……本当に。冬雪君が、帰ってきて……――やっと……やっと、僕の愛が通じたんですね……」 感涙にむせび泣く、背の高い眼鏡少年「桃ノ木三四郎」君。な、なんでこんなところに……? 「あ、あのさ……もしかして、さっき僕を呼んだ声って……」 「はい、僕です♪」 三四郎君は、あっけらかんと答える。にこにこと笑みを浮かべた顔は、爽やか過ぎて気持ち悪いくらい。 そっか、三四郎君か……へぇ……夏月じゃなかったんだね。ガチャガチャをやって、持っている人形と同じものが出てきた気分。 ……と、いけないっ! 三四郎君は、わざわざ僕を助けにきてくれたんだよね。感謝しなきゃいけないこと。うん、やっぱり三四郎君は、いざという時にとっても頼もしい。今度、なにかお礼をしなきゃ。 などと、思考を巡らせている僕の腕を、三四郎君はガッチリとつかむ。 「そんなことより、すぐに始めましょう! 時間も、押し迫っていますし!」 「……へ?」 始める? なにを? そういえば、三四郎君の服装がいつもと違う。純白のパリッとしたスーツを着ている。スラッと背が高い三四郎君に、よく似合う。胸元には、名探偵コ○ンがつけているような蝶ネクタイが。なんだか、タキシードみたい……ていうか、タキシードそのもの。 三四郎君は、ニパッと白い歯を見せて言う。 「なにをおっしゃるウサギさんっ! 君と僕の――結婚式でぃす!!!」 瞬間。ピシッという音と共に、僕の思考回路は凍りつく。ぽかぁんと口を開け放ったまま、呼吸すら忘れてしまう。頭の中は真っ白で、なにも考えられない。 ……そして、時は動き出す。 「えぇぇえええええええええええええええええええええええッ?!!」 素っ頓狂な声を上げる僕。三四郎君は、キョトンとした目をしている。なぜ、僕が大声を上げるのかわからないみたいに。 「きっ……聞いてないよ!! そんな話ぃ!!」 僕は、必死に抗議する。大体、僕には夏月という素敵な恋人が。 「もぅ、見苦しいよ冬雪っ! そんな姿で今更!」 霧の中からひょこっと顔を出す、ポニーテール少女。僕の幼馴染、「坂田夏月」。真夏の太陽みたいにキラキラ輝く瞳から、勝気な性格がにじみ出ている。ピンク色のドレスに身を包み、うっすらと化粧をしている。 ていうか、僕の姿? 言われたとおり、しげしげと自分の姿を見てみる。 僕は、スカートの裾が床ほどもある、純白のドレスを着ている。透き通るような真珠色の生地は、雪であつらえたよう。上半身には透き通ったヴェールがかかっており、背中まである髪は、アップにまとめられている。雪の結晶みたいな模様が胸元に刺繍されており、手にはブーケを持っている。 えぇと……もしかしなくてもこれは…………――ウェディングドレス? サァッと全身から血の気が引いていく。なんで? さっきまで、普通の服を着ていたはずなのに。 刹那、霧が晴れる。と同時に、十字架に貼り付けられた、イエスキリストの像が目に飛び込む。気がつけば、僕と三四郎君は、ステンドグラス煌びやかな教会に立っていた。辺りは、瞬く間に拍手と歓声に包まれる。 「おめでとうございます、冬雪ちゃん!」 「俺も、負けないようにがんばるぜ」 「くすくす、お幸せに」 等と、全然めでたくない賛辞の言葉が次々に送られる。 ――――ていうか、誰か止めてよ!! もう、わけがわからない。なにが、どうなってるの? 状況に翻弄され、オタオタとする僕の両肩に、三四郎君はポンと手を置く。 「冬雪君……うぅん、冬雪さん。僕は、あなたを――幸せにしてみます!! ひとりの女性として!!」 「いや、なんの罰ゲーム!? ちょ、やめてよ三四郎君!! 僕、元は男だよ!! 知ってるでしょ!?」 「過去は、二人で協力して乗り越えればいいのです!!」 「僕の気持ちを無視してる時点で、協力もへったくれもあるかぁあ!!」 僕が、息を切らせながらツッコミを入れまくっている横で、河童みたいな頭をした神父さんが咳払いをする。 「コホン! アノ、よろしですか? 桃ノ木三四郎、碓氷冬雪。あなた方は、互いを将来の伴侶とし、日本が沈没しようが妖星が地球に衝突しようが、あの世までも寄り添いあっていくことを、誓いますか?」 「はい!! 冬雪さんも同じです!!」 「ちょ、勝手に決めないでよ!! あ、神父さん!! 異議アリッ!!」 「よろしい。では、誓いのA、B、Cを」 全然よろしくない!! ていうか、BやCは早いって!! …………え、もしかして、この場所で!? ふと、三四郎君に目を移せば、カチャカチャとベルトをはずしている。思い切りがよすぎ!! 「さぁ……冬雪さん――観念してくださぁああああああいいッ!!!」 手をわしゃわしゃと動かし、三四郎君は迫ってくる。いや、観念って――目がやばいんだけど!! いや、ちょ、心の準備が……。 「ひぅっ!! …………さ、三四郎君……やめ――――」 獣のように迫り、ウェディングドレスの胸元に手をかける三四郎君。紙が破れるかのように、ドレスは一気に引き裂かれる。 宙に放られるブーケ。 スカートのから露出するふともも。 あっという間に押し倒され、僕は身動きが取れなくなる。 「安心してくださいねぇ? 最初はちょ~っと痛いかもしれませんが、直に気持ちよくなりますよぉ~。僕が……女の喜びってヤツを、冬雪さんに教えちゃいますからぁ。げひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃあぁぁあああああああッ!!! あびゅらぼひゃげひょッ!!!」 三四郎君は、もはや人語すら忘れている。目は血走り、口内では赤い舌がチロチロとうごめいている。その迫力は、アヤカシを三割増くらい上回っていた。 そして、そのまま三四郎君の顔が、すぐ目の前まで接近し――。 「――――きぁぁあぁぁぁああああああああああああああッ!!!」 僕は、喉が張り裂けんばかりの叫び声を上げ、布団からガバッと飛び起きる。 「はぁ……はぁ……」 トクントクンと心臓が波打つ。全身は汗びっしょり。息をするのがとても苦しくて、全力疾走直後のよう。 ふと、周りをぐるりと見る。見慣れた木目の天井、所々塗装のはげた机や椅子。どうやら、僕の部屋らしい。 「はぅ……夢、かぁ……」 ガックリと首を垂れ、僕はうなだれる。なんで、あんな夢見たのだろう? 僕が生きてきた人生中、最悪の寝覚め。しばらく、三四郎君とは口が利けそうにない。 「冬雪~~、早く準備しないと遅刻するわよ~~?」 階下から響く、母さんの声。あぁ、もうそんな時間か。早く制服に着替えなきゃ。 僕は、くしくしと目をこすり、階段を下りていった。
https://w.atwiki.jp/kakinoki/pages/82.html
半径365m! 序章(前編) 半径365m! 序章(後編)