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「うっう~~♪ れ~みりゃ~だどぉ~~♪」 最高級の不協和音が聞こえた俺は、何の気なしに後ろを振り向いた。 「うっう~~♪」 「うあうあ~~♪」 そこには、やはりれみりゃが居た。 しかも二匹。 二匹とも紅魔館のれみりゃなのだろう、日傘をエッチラオッチラ運びながら、その顔は何かやり遂げたような、そんな顔をしている。 どうせ帰ったら八つ裂きだろう。 以前近くで野苺を摘んでいたらそんな声が聞こえてきたから。 なら、俺が一思いに実験してやろう。 「二人とも、ぷっでぃ~~んたべる?」 一瞬、驚いたような顔をした二匹だったが、互いに顔を見合わせて大声で叫んだ。 「「う~~♪ れみりゃはぷでぃ~~んたべるど~~~♪」」 近頃は、霊夢達もワンクッションおかないと付いてこないというのに、こいつらはホイホイ付いてくる。 まさに、ゆっくりらしいゆっくりだ。 「さぁ、ここがおにーさんのお家だよ」 「う~~♪ ちいさいど~~~♪」 「こ~まかんのほうがおおきいどぉ~~♪」 家に上がりこむなり、好き勝手に言い放ちながら中を蹂躙する二匹。 「う~~~♪ ごっほぉんだどぉ~~」 「う~~♪ らぁんぷ~だど~~♪」 まな板と玉子を手にとってなにやら嬉しそうにはしゃぎ回っているが、これ以上モノが壊されないうちに仕掛けようと思う。 「お~い!! お前達は紅魔館のお嬢様なのか?」 「「う~~♪ れみりゃはこ~まがんのおぜうざまだどぉ~~~♪」」 さも当然のように答える二匹だが、俺はこれっぽっちも信じていない。 この二匹の紅魔館は、一体どこに有るのだろう。 それでも、この言葉は好都合だ。 「そうだろ。だったら髪も綺麗だと思ったんだよ」 「「う~~♪ れみりゃのかみはしるぐのよぉ~にきれいだどぉ~♪」」 「それじゃあ、専用のスタイリストが居るのかな?」 「う? じゅだだいずと?」 「う~。 ずだーじど?」 聞いた事ないのも当然か、こいつ等髪伸びないし。 「髪の毛を綺麗にしてくれる人の事だよ。君達も、由緒正しい紅魔館のおぜうさまならその人に切って貰って居るんだろ?」 「う~♪ おぜうさまじゃないどぉ~♪ おぜうさまだどぉ~~♪」 「れみりゃのかみはきれいだどぉ~♪」 「そうだね!! でもおじさんがもっとかっこよくしてあげるよ!!」 「「う?」」 そういって、一枚のカタログを二匹に見せる。 そこには、髪をカットしていく様子が事細かに書かれている。 「「うーーーーーー!!!!!」」 大きく目を見開いて、その写真を眺める二匹。 どうやら、動機付けは成功したらしい。 「どうだい? おにーさんがかみを切ってあげようか?」 「うっう~~~~はやぐきっで~~~♪」 「う~~♪ かわいくきゅ~どにするんだどぉ~~~♪」 うん、それ無理だから。 「それじゃあ、最初はお前から。ここに座って」 「う~~~♪」 無造作に一匹を選んで椅子に座らせる。 鏡を前において、スキバサミを入れていく。 「う~~~♪ きれでないどぉ~~~♪」 ハサミが入ったのに見た目には変わらないので不思議がっているらしい。 「これはね、少しずつ切っていくんだよ。ほら、髪の毛は切れてるだろ?」 「う~~♪ れみりゃはきゅ~~どになるど~~~♪」 その後、数回はさみを入れて終了。 「どうだい?」 「う~~~♪ きゆ~どだどぉ~~~♪ うっう~~~うあうあ~~~♪」 見た目にはぜんぜん変わっていない髪形を見せられたれみりゃは大喜びでダンスなぞを踊っている。 「それは良かった。それじゃあ、君がもう一人の髪を切ってみたらどうだい?」 「う~~♪ れみりゃはてんさいだからかっごよくきれるど~~~♪」 「う~~♪ はやくきるんだどぉ~~♪」 帽子を外し手早く椅子に座らせ、一匹にはさみを持たせる。 「う~~~♪ じょっきん♪」 根元から思いっきり行ったが、スキバサミなので見た目は殆ど変わらない。 「「う~~~♪ かっこよくなったど~~~♪」」 鏡を見ている本人と、切っているヤツ。 二匹ともビックリするようなほど上機嫌になっている。 お目出度い頭だなァ。 「おっと、こっちのはさみを使ったほうが、紅魔館のお嬢様として最高だよ!!」 「う~~♪ はやくよこすんだどぉ~~~♪」 手早く俺の手からはさみを奪い取ったれみりゃは、丁寧に髪にはさみを入れ……きった。「「あああああああ!!!!」」 前髪が綺麗になくなったのを見て、絶叫する二匹。 予想通り。 「あああーーー!!! れみりゃのきゅーどなかみがーーー!!!」 「ああああ!!! どうしでーーーー!!!!」 うんうん、俺も初めの頃にやったよ、スキバサミとカットバサミを間違えるのは。 「あーあ。天才なのに失敗しちゃったんだ~」 「!! うーーー!! ちがうぞーー!! もうずごしでうまぐいぐんだぞーーー!!」 チョッキンチョッキン♪ 「あああーーー!!! やめでーーー!! やめでーーーー!!!」 「うーー!! なんでかっごよぐならないのーー!!」 見る見る間に、一方のれみりゃの髪の毛がドンドン減っていく。 「うーーー!! なんでふえないのーーーー!!!」 「うあーーー!! やめでーーーちょっぎんしないでぇーーー!!!!!」 もはや両方涙目。 見ているほうとしては楽しくて仕方が無いと言った状況だ。 「うーーー!!! どーーじでーーー!!!!」 「うう!! うあーーーーーーーー!!!!!!!!」 とうとうハサミでは切れないくらいまでにバッサリと切られた一方のれみりゃの髪の毛。 まさに本人たちからすれば、かなり衝撃的なのだろうが、見ているこっちはとても楽しい。 「うわ!! ひどいなぁこれは。こっちのれみりゃは可哀相に……」 おそらく十回くらい転生しても使わないであろう言葉を使って、坊主頭のれみりゃを慰める。 「うーーー!!! れみりゃのきゅーーどでぷりでーーなざらざらへあーがーーー!!!」 「うーーごめんだどぉーーー!!! ごめんだどぉーーー!!!」 必死で謝っている所を見ると、仲間意識はあるのかもしれない。 「こんな酷い事をするれみりゃにはお仕置きだな!!」 「う? いやだどぉーー!! はなすんだどぉーーー!!!」 「だまれ!!」 「うぎゃ!!!」 暴れるれみりゃを捕まえて、髪を切っていく。 使う道具はバリカン、長く不快な髪の毛がドンドン地面に落ちていく。 「あああーーー!!! れみりゃのかみのけがーー!!!」 もう一匹のれみりゃと瓜二つにした所で、剃刀を取り出して仕上げをする。 「うああーー!! やめるんだどぉーーー!! やめるんだどぉーー!!!」 お前達はもうちょっとボキャブラリーを多くしたほうが良いよ。 その方が面白いから。 「はい出来上がり。見てごらん。すっごくに有ってるよ」 「う~~? !!!! うあーー!! ざぐやーーー!! ざぐやーーーー!!!」 自分の姿を見たれみりゃは大興奮で叫び出した。 ツルツルな頭がとっても気に入ったようだ。 「う~~♪ れみりゃのかみのけをめじゃくじゃにしたばつだどぉ~~♪」 「じゃあ今度は君の番ね」 「いやだどぉーーー!!! やめるんだどぉーーーー!!!!」 いやいやながら涙を上げて喜んでいるもう一匹の失敗れみりゃの髪も、キチンをツルツルにして上げた。 「よく似合ってるよ!!」 「「れみりゃのかみのげがーーーーー!!!!」」 仲良く頭に手を当てて、目を真ん丸くして泣き叫ぶれみりゃを眺めるのは良いことがだ。 主に心が癒される。 「「うーーー!! れみりょのぷりっでぃーーなぼーじかえじでーーー!!!」」 「これのこと?」 「「う~~~♪」」 どうしてここまでシンクロするんだろう? やっぱり馬鹿で単純だからか? 「そんなに生かす髪型なんだから、もういらないよね? ポイするよ!! ポイッとな」 「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!! れみりゃのおぼーじがーーーー!!!!」」 ビリビリに引き裂いて、薪代わりに囲炉裏の中へ入れる。 数刻のうちに灰に変わり果てた帽子をみて、二匹はこれ以上ないほどに泣き出した。 「うああーー!! れみりゃのぼうじーーー!!!」 「れみりゃのかみのげーーー!!!!」 やれやれ、煩い煩い。 「その方がかっこいいよ。きっとその格好で街に行ったら、いっぱいプリンをもらえるんだろーなー」 ……やっぱり切り替えが早いようだ。 「う~~~ぷりんじゃなくで、ぷっでぃ~~んだどぉ~~~♪」 「う~~~♪ まちにいくどぉ~~~~♪」 仲良く玄関から出て行く二匹に向かって、俺は最後の言葉を投げかけた。 「あっちの方向に、れみりゃ大歓迎のお店があるよ!!」 二匹は仲良く踊りながら、食品街へと向かっていった。 このSSに感想を付ける
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れみりゃにアドバイス 虐待ほぼ無し。虐待のダシにはなるかと 「うぅ~☆とどかないんだど~」 れみりゃが岩の隙間の穴に手を突っ込んでいる。どうやら奥にゆっくりが居るようだ。 「あまあまでてくるんだど~☆れみりゃがちゅ~ちゅ~してあげるんだど~☆」 「なにいってるの?ばかなの?さっさとあきらめてどっかいってね!」 穴の奥は思いのほか深く、れみりゃの手が絶対に届くことは無かった。 「ここはれみりゃもはいってこれないゆっくりプレイスだよ!れみりゃはゆっくりりかいしてね!」 安全なのが分かっているのか、ゆっくり達はれみりゃを罵倒している。 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ゆっくりできないれみりゃはさっさとしんでね!」 「うぅ~、あまあまのくせになまいきだど~☆」 「おぉ、こわいこわい!」 ゆっくり達が捕まえられないのと罵倒されているのとで、れみりゃはイライラしていた。 それを見かねたお兄さんがれみりゃに声を掛ける。 「やぁれみりゃ!どうしたんだい?」 「おくにいるあまあまがとれないんだど☆あまあまたべたいんだど!」 「なら良い方法があるよ。教えてあげようか?」 「おしえてほしいんだど~!」 「それはね・・・」 ゆっくり達は人間とれみりゃのやり取りを穴の奥から見ていた。 話の内容は聞き取れないが、どうやら人間がれみりゃを追い払ってくれる。そう思っていた。 しかし現実は甘くない。れみりゃはまた穴の所まで戻ってきたのである。 「あまあまつかまえるど~☆」 「むだだってわからないの?ばかなの?ばかなれみりゃはさっさとしね!!」 「うっう~☆」 れみりゃはゆっくり達の罵倒も気にせず、穴に尻を押し付けた。そして 「うっう~☆れみりゃ~ぶーーーー☆」 屁をかました。 「ゆぎゃぁああぁぁぁ!!ぐざいぃぃぃぃぃいいい!!」 「ゆげぇええぇぇぇえぇ!!エレエレエレエレ・・・・」 「ゆぎゃぁぁあああああああ!!おめめがいだいぃぃぃぃい!!」 屁の強烈な臭いにゆっくり達は悶絶した。小ゆっくり達はあまりの臭さにショック死したものもいる。 ゆっくり達は堪らず穴から飛び出した。それを捕らえるれみりゃ。 「つかまえたど~☆いただきますだど~☆」 「ゆぎゃぁぁぁぁああ!!」 飛び出たゆっくりは全て捕まり、全てれみりゃに食われた。 ゆっくりを完食したれみりゃはとても満足してお兄さんにお礼を言った。 「あまあまのつかまえかだおしえてくれてありがとーだど~☆うっう~☆」 「ははは。どういたしまして!」 「うっう~☆」 「どうせならこの捕まえ方を友達に教えてあげたらどうだい?きっとみんなも喜ぶよ」 「うう~、れみりゃのともだちのれみりゃにもおしえてあげるんだど!そしたらあまあまいっぱいだど~☆」 きょうはありがとだど!ばいばいだど~☆」 そう言ってれみりゃは山へ飛んでいった。 その日の夜中 「「「「「うっう~☆れみりゃ~ぶーーーー☆」」」」 「「「「ゆぎゃぁああああああ!ぐざいぃぃぃぃいぃぃ!!」」」」 ゆっくり達の叫び声が山のあちこちで響いた。 終
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メイド秘技「ボ・ラギノール」 注:こんなタイトルですがうどんげは出てきません ========================================== れみりゃは必死に逃げていた。 紅魔館の厨房に侵入し大好きなプリンを手に入れようとしたところ誤って洗い終わった食器の山を地面にぶちまけてしまったのだ。 メイドはみんな怒ったが特に怒ったのはその日の食器洗い担当。 麺棒片手に明鏡止水なんて無視した怒りのハイパーモード全開でれみりゃを追い回しはじめたのだ。 れみりゃにしては上手く逃げたがそれもこれまで。ついに行き止まりに追い詰められてしまった。 「覚悟しなさい、咲夜さんにたっぷり怒ってもらうんだから!」 「う゛、う゛う゛~!」 じりじりと迫るメイド。しかしそのれみりゃの顔には余裕の笑みが。 「やっぱりめいどはばがだどぅ~♪ れみりゃにはおくのてがあるんだどぉ~~♪」 そういうといきなりメイドに尻を突き出した。 (しまった!) そう思ったときには遅かった。ブッボォォォゥッッ!!という凄まじい爆音と共にれみりゃの尻からオナラが放たれた。 顔面に放屁が直撃したメイドは一ヶ月夏場の常温で放置された餃子のようなニオイが鼻を通過したと思うとなすすべもなく卒倒した。 「う゛っう゛~♪ ごーまがんのおぜうさまはさいきょうでかわいいんだどぅ~♪」 勝ち台詞をメイドに言い放ち、リズムがいろいろおかしいヒゲダンスを踊りながら満足げに去っていった。 「お、おにょれぇ~……」 三日後。 またしてもれみりゃは必死に逃げていた。 紅魔館の厨房に侵入し大好きなプリンを手に入れようとしたところ誤って工作用ニスを廊下にぶちまけたのだ。 プリンを手にいれようとしてどうやったら工作用ニスが必要になるかはさておき。 特に怒ったのはその日の廊下清掃担当。 ちなみに三日前、彼女は食器洗い担当だったそうな。 そして案の定、メイドは行き止まりにれみりゃを追い詰める。 「今度は逃がしませんよ!」 「う゛っう゛~! れみりゃはとってもぷりぢ~でがっごよくでつよいんだど~♪」 そう言うとまたしてもれみりゃはメイドに尻を突き出した。 メイドは咄嗟に反応した。 (あのオナラを避けるには――これしかないッッ!) この三日間何もしていなかったわけではない。 ガスマスクも消臭力もない状況であのオナラを回避する方法。 とても危険な方法であるがそれをメイドは発見していたのである。 メイドは両手をあわせ、人差し指を突き出した。 そして覚悟を決め、れみりゃの尻に向かって特攻する。 「うおお~~!!死なばもろとも―――――ッ!!」 ブスッ 決まった。れみりゃの尻に、メイドの七年殺しが決まったのである。 れみりゃの尻に、メイドの七年殺しが決まったのである。(大事なことなので2回言いました) 「ヴギャオ゙お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!?!?」 れみりゃは今まで上げこともないような悲鳴をあげ、尻をおさえてのた打ち回った。 「か、勝った……」 「ぎゃあぉーー!? んぎゃおおおおおうぅっ!!」 よほど痛かったのだろうか、しばらくすると顔は真っ青になり白目を剥き目からは肉汁があふれ出ししばらく小さく痙攣していた。 「お゛っお゛っお゛っ……」 れみりゃにブッ刺した指を見ると肉汁が少し付いていた。若干貫通したようだ、痛くないはずがない。 エプロンで肉汁をぬぐう。油汚れなのでなかなか落ちなくなってしまうだろうが、メイドはとても清々しい笑顔だった。 「さてと。今日こそ咲夜さんに叱ってもらいましょうね~、れみりゃ様~?」 と、メイドがれみりゃを抱き起こそうとした直後。 ブッボォォォゥッッ!!という音と共にれみりゃの尻から屁が噴出した。 まさに最後っ屁。痛みで悶絶していたれみりゃ自身にはその気はなかったようだが。 一時間後、仲良く気絶しているメイドとれみりゃが紅魔館メイド長によって発見されましたとさ。 -了- ========================================== 作:ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 8/27;ミス修正、加筆 このSSに感想を付ける
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■警告■ いわゆる虐待設定を使用した作品です。ゆっくりが死ぬシーンや弱肉強食やデタラメ生物設定が苦手な人はプッシュ戻るボタン。 れみりゃの一日。 朝。 「ふわぁぁぁ、朝がきたどー!」 れみりゃは太陽に負けじと大きなあくびをしながら、木の枝の上で大きな伸びをした。 れみりゃは習性として高い木の上で腹を中心にして枝に干されるようにぶらさがって寝る。 胴体があるため、普通のゆっくりのように巣を作って中で寝るといったことは難しいのだ。 れみりゃが住める程度の大きさがある洞窟を偶然発見できた場合は、そこを巣にすることも稀にあるが、自分で作ることはあまりしない。 もっとも、れみりゃはそこそこ大きいため、巣がなくとも鷹や梟に襲われることは少ない。 高いところにいる限りは外敵の心配はほぼない。高い場所にいるれみりゃを狙うのはふらん種くらいであろう。 「うー、おはよう!」 「うー!」「うー!」 起きたれみりゃは、近くの木の枝でぶら下がって寝ていた胴体のない子れみりゃ数匹に声をかけた。 ゆっくりが群を作るものと作らないものがいるように、れみりゃも家族を作るものと作らないものがいる。このれみりゃは前者だ。 だが、この一家に血の繋がりは全くない。たまたま出会って、たまたま一家になっただけだ。 れみりゃの主食であるゆっくりはいくらでも転がっており、外敵も少なく命の危険もあまりないため、 れみりゃ同士には協力感情や敵対感情といったものは基本的に存在しない。 組むこともあるが組まないこともあり、それらは全て完全な気まぐれで決まる。 起きたれみりゃ一家が空をふらふらと飛んでいると、さっそく草むらの中で草を食べているゆっくりの一家を発見した。 「うー、ぷっでぃーん♪」 れみりゃは素早く降り立ち、近くで追いかけっこをしていた赤ゆっくりを捕まえて一口で飲み込んだ。 子れみりゃたちも近くに居た子ゆっくりに牙を立てて襲い掛かる。 「ゆゆっ!? れみりゃだよ!?」 「こっちこないでね! ゆっくりしていってね!」 ゆっくりの親は近くの子供だけ口に含み、れみりゃ付近の子ゆっくりを見捨てて逃げ出した。 取り残された子ゆっくりの助けを呼ぶ声を無視し、親ゆっくりは涙を呑んでひたすら疾走した。 一見残酷な行為に見えるが、野生では仕方のないことだ。下手に歯向かって全滅する方が最悪だ。 子供なんていくらでも作ればいい、それが自然の世界では真理なのである。 だが、れみりゃが一匹で来ているならよかったが、今回は子れみりゃも一緒だ。 れみりゃたちはあっと言う間に子ゆっくりを頂き、ターゲットを親ゆっくりに切り替える。 子供をおとりにした決死の逃亡も虚しく、空中から取り囲まれてあっと言う間に捕まってしまった。 「ぷっでぃん、ぷっでぃーん♪」 「うー♪」「うー♪」 捕まった親ゆっくりたちは、口内の子ゆっくりごと全てその場で平らげられてしまった。 れみりゃに「エサを溜めておく」という習性は基本的にない。 れみりゃは生まれたときから狩りができるため、赤れみりゃに食べ物を調達するようなことはなく、 中身がほかほかの肉まんなので寒中でもよっぽどひどい吹雪でもなければ問題なく行動でき、冬眠や越冬もしない。 ゆっくりの場合、ごくれまに動けない仲間に食べ物を運んでいくことがあるが、 れみりゃはその再生力のおかげで「全く健康」と「死んでいる」の極端な状態しかなく、そういうことはしない。 ただし、何らかの理由で巣を作ったれみりゃは、ゆっくりをその場で食べずに浚って保管(「しまっちゃう」と呼ばれる)する事もあるが、 珍しい現象であまり確認されておらず、研究の進展が待たれるところである。 れみりゃ一家はゆっくりの吸殻を放り捨て、また別の場所に飛んでいった。 そして数時間経ち、夜になる。適当に空を飛んでいると、段差の近くに木の枝や葉っぱの屑が集まっているところを発見した。 よく目を凝らせば、地面の土が不自然に固まり、周辺の草木の中には大きな穴があることが分かる。ゆっくりの巣だろう。 ゆっくりは巣の入り口を葉っぱや木の枝など自然物でカモフラージュするが、 巣には頻繁に出入りするし最終的には内側からしか隠せないため、巣の入り口が大きいこともあってどうしても完璧な隠蔽はできない。 また、内部を増築するためにはどこかに土を捨てなければいけないし、 雨などで大きく動けない日は巣の周りに生えた草を食べる事が多いので、住めば住むほど巣の入り口は更に目立ってくる。 入り口を塞ぐのは風を防ぐにはいいが、他の生き物からすれば一目瞭然だった。 「うー、ぷっでぃん発見だぞ! 入るんだど!」 「うー! うー!」 親れみりゃは子れみりゃに、入り口を指差して指示した。 さすがに胴体付きの成体は狭い入り口に侵入できないので、入るのは子れみりゃの仕事になる。 丸っこいゆっくりの巣はどうしても入り口が広がってしまうので、子れみりゃが入れないことはない。 知性の優れた成体が巣を発見し、子れみりゃが巣を襲う。実に合理的だ。 もっともれみりゃの食事は、昼や夜に出歩いているゆっくりだけ食べられれば足りるので、巣を襲うことは珍しい。これも気まぐれだ。 子れみりゃは空中で勢いをつけて入り口の適当に束ねられた草木を体当たりでぶっ飛ばし、巣にスルスルと入っていく。 子れみりゃは小さい足があるため、狭い場所では這いずる事しかできない通常のゆっくりよりも遥かに早く移動できる。 「ゆ・・・? うわああああ! れみりゃだあああああああ!!」 巣の中でお昼寝していたゆっくり一家が起き、安全なはずの閉鎖空間で逃げ場を失って慌てふためく。 体格と数はゆっくりの方が勝るが、狭い巣の中では体当たりも押しつぶしもできない。 後は噛みつきでの戦いになるが、そうなれば牙という武器があり移動も素早いれみりゃが負ける事はない。 まず、子れみりゃは一家の中で一番大きいまりさに噛み付いて大きく切り裂いて仕留めた。 動けなくなったまりさの餡子を、子れみりゃはちゅーちゅーと吸っていく。 「うわあああああああ!! うわあああああああ!!」 一家で一番大きいまりさがやられたゆっくり一家は必死で逃げ惑い、押し合い圧し合いの大混乱になっていた。 だが、何とか一部のゆっくりは落ち着きを取り戻し、れみりゃが来なかった方の通路を使って巣から脱出した。 巣には別の出入り口があったのだ。 ただし、本来のゆっくりは巣に非常口などを掘ることはあまりしない。 ゆっくりの力では新たな通路を掘るのは重労働だし、そもそも掘ろうとしても穴の中ではどっちが外に通じるか分からないからだ。 実際は貯蓄庫でも作ろうとして、たまたま外に出てしまったのであろう。が、とにかく今回はこのおかげで命拾いをした。 「うー、そっちにもぷっでぃん発見だぞー!」 しかし、せっかく拾った命も数秒で手放すことになってしまった。 入り口でゆっくりを待ち伏せしていたれみりゃたちが、ゆっくりが別の場所から出てきたのに気付いたのである。 ゆっくりの巣の大きさなどせいぜい数メートルしかない。当然、入り口同士の間隔も全然離れていない。 その上ゆっくりには叫びまくるため、せっかく脱出してもどこから出てきたのかバレバレである。 「たーべちゃうぞー!」 こうしてゆっくりと生きていたゆっくりの一家は、一夜で全滅した。 だが死んだわけではない。その生命は今でもれみりゃの血肉と同化して生き続けているのである。 巣に住むゆっくりは皮だけ残して天に昇ったが、巣は残った。 ゆっくりが巣に住まなくなると、土が崩れたり草が生えたりして巣の入り口がより見えにくくなっていくのは皮肉である。 この巣も今は持ち主がいなくとも、いつか偶然発見した他のゆっくりが住むこともあるかもしれない。 ゆっくりが巣を作るのは非常に大変で、最初から完成された巣は貴重だからだ。ゆっくり同士で巣を奪い合うことすらよくある。 巣を見つけたゆっくりが、先客がいたとしても思わず「ここは○○のおうちだよ!」と言ってしまうのも仕方ないだろう。 数十分後、れみりゃ達は大きな木を発見すると、太い枝を探してその上に乗った。 もう時間は完全に真夜中だ。 「ふわああ、おねむだど。zzz・・・」 子れみりゃは逆さまになって足で掴まり、成体れみりゃは腹を中心にして手足をぶらーんと垂れ下げた体勢になる。 そして一家は先ほど食べたばかりなのに、もう眠ってしまった。おいおい、こんなんだから太るんだぞ。 子れみりゃが多数いるこの一家だが、ゆっくりを食べた量は決して決して多くない。一体のれみりゃ辺り、一匹半も食べていないだろう。 れみりゃは非常に小食である。ゆっくりに対して無敵に近い捕食種でも、ゆっくりを食べつくしてしまわないのはそれが理由だ。 それでもれみりゃの数を考えれば、結構なペースで毎日多数のゆっくりが食べられてしまうのだが、 ゆっくりは繁殖力が高いので、ちょうど拮抗している。自然のバランスは非常にギリギリの部分で保たれているのである。 だから人間が下手な手を入れれば、自然なんて簡単に壊れてしまう。 「むにゃむにゃ、さくや、もう食べられないんだぞー・・・」 れみりゃは下膨れした顔をニヤニヤさせながら何やら独り言を言っている。 自分がこーまかんのおぜうさまになった夢でも見ているに違いない。 我々人間も地球の一員として、この不思議な生き物たちの笑顔を失わせないように気を引き締めなければならないだろう。 終 可愛いぜ・・・ -- 名無しさん (2009-05-17 23 02 40) 食物連鎖というか自然の摂理を見た -- 名無しさん (2009-05-25 03 39 33) れみぃはかわいいな -- 名無しさん (2010-11-27 15 22 53) 食べられたゆっくりが可哀相だな。 -- 名無しさん (2012-12-29 01 03 30) 名前 コメント
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へたれみりゃ 名前 へたれみりゃ 主使用武器 M4A1 AK TRG 得意マップ 強いて言えばウェアとか、第三、後はOTとか(´・ω・) 不得意マップ 特にはありません(´・ω・) プレイスタイル フリーダムという名のカオス(´・ω・) マウス感度 10~12 クロスヘアー クロスヘア2 FPS暦 2ヶ月 れみりゃふりぃぃぃぃだぁぁぁぁむぅぅぅぅ! byマ ふりーだーむ(`・ω・) byれ 「\___/ヽ. // ヽ > ---───--- 、..,, ヽ. ゝ "´ `ヽ. ヽ_. ./‐-、_/ ヽ ハ ,ー‐`--、/´ ̄`ヽ、二ヽ、_,.ィ ヽ ハ |ヽ、____,/-‐/´` 、 `ー、 `ヽ、 ヽ r ゙i .,r ´.,r .,r | ヽ.___丿,. , r イ ハ i | |ヽ. ヽ.`ヽ. /ヽ. 亅 ..| ./ iヽ`ゝ、ハ ハ_,.!イヽ. , Y ! ヽ! アi " ̄`iヽヽ. / アi  ̄`Tヽ. | !/ ふりーだむすぎてクラン戦でいつも迷惑ばっかかけてるのでサービスカッt(ry / ハ 〈 !、__ r! V ! 、_ r! 〉ヽ! , ノ _,!/!ヘ ,ゝ- `ー" / , ヽ. _ __ 「´/ /!从" ` ___ "/! i ! \\ _,..- " ./ | ハ . i iヽ、 ヽ ̄ ン // _ハ / ヽ \ / / | ,!.イ ! , `>.、.,_ ̄_,,..イ ` r `ヽ/ | .ト、.\ / , イ / V _,、、-‐ ´~ ~ ~` ‐ 、 | .| , , / / .| | ,、 ´ ` -、 / / . , , / / | | , ヽ ,__.. ゙ .、 / / , , . / / | | i ` - ‐ ~ } / 〈. , , / / ./ヘ \ l 、 i二二二二 / , ,. , , . / / // \ ` ‐r ゙、 ヽ; / /_ |.| , , , , ..| .| // | ト──゙, Y ヽ/ . / |.| , , |. | ..| l,. ⌒ヽ,// /./ ゙, _,,.. -‐"´ ̄`" ト、.,_. ,,--,┐ノノ ⌒^ レ ⌒ヽ, |. | ..| ! レ ⌒ヽ ././r── .゙, r-、 ァ ´ _ト、.,__ノ ノ `ヽ,ヘ, // / , \| i ..| / ∨/ ノヾ、rァ __,ゝ‐i"`y __]` ー、 / ` t,// / ! l l . || ` (__!r-‐i__」-‐ "´,i ` ー、」ー-ヘ、イ "´ .! ||||| / l .l そこまでよ! r‐ァ ´]-‐ / ! ハ /!ィ i ` ー 、/ゝ | ||||| ;t 、 ノノ ヽ7´ ! !/!メ、!」 レ-rァ iT7 iヽ」`i´! !!!」 ノ ! i i´ヽ. | .! ! !-rァ T 、,_,ノ !__トr┘i r 、` ´ ; (`ヽ;、 `ヽr、. └ `ゞ、, ハ. 、_ノ ⊂⊃ ! ;./ ; ゝ.,二二7i ,.-`ヽ i_,!`ヽ、/ | !⊃ r‐-、 /! ! ヽ._」 / ! byれ サービスカット…調子が毎日良くなりそうです。迷惑なんてかかってないとおもいます。by褌 PCスペック OS ** CPU ** メモリ ** HDD ** ビデオカード ** サウンドカード ** モニター ** マウス ** マウスパッド ** キーボード ** ヘッドセット ** インターネット環境 ネカフェぷれいやー
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日も落ちかけた紅魔館近くの森で新たな生命が誕生しようとしていた。 「う~♪」 と声を上げて誕生したのはゆっくりれみりゃの赤ちゃん。 「うっう~♪ れみりゃのあがじゃんだどぉ~♪」 隣にはお母さんれみりゃ。 まだ上手く力の入らない手足をプルプルさせながら何とか立ち上がろうとしている。 決してお母さんれみりゃは手をかさない。 一人で大自然を生き抜く力をつけて欲しい訳ではない、単純に無知なのだ。 しかし、立ち上がれないまでも、うつ伏せのまま大きく目を見開いて初めて見る世界を眺める。 「う~♪」 目の前には、始めてみる木々、地面、そしてその奥に見える大きなお屋敷。 「う~♪」 赤ちゃん特有の大きな目が細くなる、笑顔を作っているのだ。 「う~♪ れみりゃのお屋敷♪」 どうやら始めてみる、ある程度大きな家を自分のお屋敷だと思ってしまうらしい。 「う~れみりゃたちのおやしきだどぉ~♪ あどでおがあさんといっしょいくの~♪」 「う~♪ まぁまぁといぐ~♪ おやしきいぐ~♪」 赤ちゃんれみりゃは大興奮だ。 一人で立ち上がって、もう一度自分のお屋敷を見る。 それは随分大きく、まさしく紅魔館の主である自分にはぴったりの屋敷だ、言わんばかりの表情だ。 「まぁま~♪ れみりゃおうじいぎだぁい~♪ れみりゃのお~じいきだい~♪」 「う~♪ おかあざんもいぎだぁいどぉ~♪ これからいぐどぅ~♪」 パタパタと紅魔館に向かって飛んでいく。 赤ちゃんにとっては始めての飛行。 と言っても、母子ともども一メートル前後しか浮いていないのだが二匹はご機嫌で自分たちのお屋敷へ歩を進めていった。 「うっう~♪」 お母さんれみりゃはご機嫌だ。 ここのところ毎日あのお屋敷で過ごしていた、お庭にはたくさんのれみりゃ達がいる。 他の人間は皆れみりゃ達の言うことを聞いてくれる。 だってれみりゃは紅魔館のお嬢様だから。 「う~♪ ぷっでぃんたべどぅの~♪」 「う~?まぁま~ぷっでぃんってなぁに~?」 赤ちゃんれみりゃが大きな目をくりくりさせて聞いてくる。 「ぷっでぃ~んは、あま~くてぷるっどしでうっう~なの~♪」 「う~♪ れみりゃもぷっでぃ~んたべたい!!」 語彙の少ないれみりゃの答えでしっかりと理解する赤ちゃんも凄い。 あま~い、の一言に反応しただけかもしれないが……。 「う~♪ れみりゃのお~じについだどぉ~♪」 「う~!! れみりゃのおうち~♪」 あかちゃんれみりゃはその目で、改めて自分のお屋敷を見る。 なかなか大きな建物、門もしっかりしてる、なによりお庭は広くて美味しそうで綺麗な花もいっぱいだ。 「う~♪ れみりゃのおやしき~♪」 バンザイして喜ぶ赤ちゃんれみりゃ。 さぁ、二人仲良く自分のお家にご帰宅だ。 「う~♪ うっう~♪」 お母さんれみりゃが門番に手を振る。 いつもさくやに苛められている門番、れみりゃの中では一番下の階級に位置していた。 「こらこら、ダメよここはあんた達のお家じゃないんだから!」 そういって一番下の階級のものに回れ右される。 プッディン脳みそで数歩、歩いた後下膨れの顔を更に腫らせて慌てて戻ってくる。 この間あかちゃんれみりゃはメイド長が一瞬の内に回収した。 「う~! ここはれみりゃのおうちだどぉ~!!!!」 「あ~はいはいじゃあこっちに来なさい。お友達も皆こっちに居るわ」 「う~♪」 裏庭に案内されるれみりゃ。 そこにはたくさんの自分のお友達であり、紅魔館のお嬢様でもあるゆっくりれみりゃが大量に一人の少女と遊んでいた。 「はい、あの女の人が心行くまで遊んでもらいなさい」 門番がそういう前に既にれみりゃはその少女の前に走っていた。 女の人は他のれみりゃと遊んでいるそうだが、日も完全に落ちかかっている今ではもっと近寄らないと確認できない。 いや、今はそんな事はどうでもいい。 さっき自分の赤ちゃんと約束したことがあった。 赤ちゃんはどこかに行ってしまったが、きっと大丈夫泣けば直ぐ誰かが駆け寄ってくれるから。 「う~♪」 漸く少女の前に到着したれみりゃ。 遊んでいた友達も見ないで少女に駆け寄りご自慢の笑顔で呟く。 「うっう~♪ れみりゃぷっでぃ~んだべたいの♪ あかちゃんのぶんど、ぷっでぃ~んふたづもっでぎで~♪」 ……。 ……、また体が千切れた。 今度は足だ、さっきまで泣き叫んでいたお友達はみんな動かなくなっている。 何が起こっているかなんてプッディン脳では理解できない。 取り合えず、痛い事と、咲夜助けて、それだけだ。 「あはは、お姉さまの顔を、服を、風評を無様に汚した罰だよ。そのお姉さまには似つかない無様な顔で生まれた事をせいぜい後悔しなさい。あっはっはっはっは~~~」 ここは紅魔館内の図書館。 先ほど、ドサクサにまぎれてつれて来られた赤ちゃんれみりゃは、初めて長距離を移動したこともあり、 生まれたときのようにうつ伏せのまま、その大きなクリクリした目で辺りを見渡していた。 「う~♪」 その目だけを見ると純粋そのものだが、その奥には成長したれみりゃ同様悪戯心が潜んでいる。 「う~♪ とどきゃない♪ だれがー!! どっでーーー!!!」 立って取ればいいモノを、それもしない。 理由はこう言えば誰かが取ってくれるから。 これもゆっくりれみりゃ(四肢有)が本能的に備えているものだ。 「はいは~い♪ 小悪魔がお取りしますよ~♪」 予想通り直ぐに誰か来た。 「う~♪ ぞのふぉんどっで~♪」 親同様にふてぶてしい笑顔を振りまいて伝える。 目がパッチリとしているだけこちらの方が純粋さはあるが。 ゴッツン。 「んじゃん!!!」 「あ~すいまえん~間違って落としちゃいました~♪」 そんなのはお構いなし、見事に大きな辞書の角に頭をぶつけたれみりゃ。 腫らした額に両手を当てて、アワアワと声にならない声を上げて涙を流すれみりゃ。 ゆっくりとはいえ、クリクリ目を持つ子供がそんな格好で泣いているのは良心が痛む? そんな事は無い、彼女は小悪魔だから。 「……!! ……!! しゃくやーー!! ここにこわいひとがいるよーーー!!!」 漸く、それだけ言葉に出す赤ちゃんれみりゃ。 「は~い♪ 怖い人ですよ~♪ じゃあこっちで一生怖い思いしてもらいましょうね~♪」 「いやーーー!!! さくや!!? さくやどこー!!!」 「どうしたの咲夜、ボーっとしちゃって」 「いえ、誰かに呼ばれた気がして……」 「気のせいよ、それよりパチェ、どうしてあの子供一匹だけ残したの?」 テラスのカフェで起き上がりのティータイムを楽しんでいたレミリアはふと疑問に思ったことを友人に聞いてみた。 「最近観察の為に飼い始めたゆっくりの餌よレミィ。子供のうちから餌にしておいたら、色々なことを知らずに暮らせるでしょ。せめてもの情けよ。 ……しかも、なぜかものすごく食い意地が張ってるのよ、あれ」 「まるで本人みたいですね♪」 いつの間にかこの場所にいた小悪魔が、パチュリーの肩に手を載せながら呟く。 「……小悪魔。仕事は済んだの?」 背中から紙を剥がしながら尋ねるパチュリー。 「はい、きちんとゆっくりさんの所に持って行きましたよ。ものすごい勢いで食べ初めて、でも、ちゃんと頭だけ 残すように言っておきましたから」 「私は何処でも良いって言ったんだけど、顔を残しておいたら煩いじゃない」 「大丈夫ですよぉ~、魔法で防音処理されてるじゃないですか~」 「それは良いとして、飼っているゆっくりはどの位生きるのかしら、体が弱いって聞くけど」 ここまで二人の濃厚なボディータッチを見せられながら、レミリアが呟く。 隣の従者の目が真っ赤になってこちらを向いていたけど気にしない。 「それを調べるための観察でもあるわ。ブリーダーの記録によると、七年くらい生きた例もあるそうよ」 「そんなに生きるの?」 「そうよ」 七年、それは自分たちにとってはあっという間の年数だ。 しかし、ゆっくり達にとっては長いのだろう、現に七年といえば霊夢種や魔理沙種の限界とほぼ同じだ。 本当にそこまで生きるだろうか? 「大丈夫。そこまで生きる確信がなかったら、ゆっくりれみりゃを餌にだなんて思ってないわよ」 「そうですね♪」 小悪魔も賛同する。 それにしてもこの二人、ノリノリでイチャイチャである。 ただ、誤算だったのはれみりゃの本能が予想より我侭だったこと。 そしてぷっでぃんの言葉を知っていたこと。 対象が予想に近い年齢を全うして、れみりゃが夕食に並ぶまで、ぷっでぃんと暴れ、おうちかえるーと騒ぎ、紅 魔館のお嬢様なのにーと泣きながら訴え続けた。 勿論えさにプリンをくれることもしないが、その誤算は図書館の司書と屋敷の主には良い誤算になったようだ。
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「うっう~~♪ きょうはぴぐにっくなんだどぉ~~♪」 人間が寄り付かない屋敷、紅魔館。 その中の、草木が生い茂った庭に一組のゆっくり家族が整列していた。 「うっう~~♪ きょうはぴぐにっぐだどぉ~~~♪」 「う~~~♪」 一家の今日の予定はピクニック。 お母さんれみりゃが、自分のポーチからガさゴソと取り出したメモ帳には、ゆっくりがのたくった様な線で幾何学模様が書かれていた。 「う~~♪ きょうのすけずーるだどぉ~~♪ かえっでぎだらおいしいぷっでぃ~~んがまってるどぉ~~♪」 「「「う~~♪ ぷっでぃ~~ん♪」」」 ゆっくり一馬鹿な頭で、幾何学模様の暗号を解読したれみりゃは、この日の同伴者の姿を求めて一声あげる。 「う~~~!! おそいどぉ~~~!! おそいどた~べちゃ~うぞ~♪」 「すみませんね~~♪ 遅れちゃいました♪」 「う~~♪」 何時も通り自分が呼ぶと、直ぐに人が来ることを確認したれみりゃは満足そうに頷く。 「それでは、楽しい楽しいピクニックに出発しましょうか」 「うっう~~♪」 れみりゃ五匹を後ろに引き連れての大行進。 「ば~~か♪」 「う~~~♪」 「う~~~!!」 門番に悪態をついて屋敷を出た後に、綺麗な湖を過ぎ、緑の森を過ぎ。 そして、漸く今日の目的地、人里へとやってきた。 「う~~!! ここはちがうどぉ~~♪ ぴくにっぐをしにきたんだどぉ~~♪」 そう言って、お母さんれみりゃはスカートをグイグイと引っ張ってくる。 「……。プリン食べたくないですか?」 「うっう~~♪ ぷっでぃ~~んだべる~~♪」 街の男達の視線が一斉に此方に向いたが、気にせずにれみりゃに提案する。 勿論、反論も起こる筈も無く本来の目的も忘れてぷっでぃ~んコールを始める親子。 「ふふふ。こっちですよ」 微笑を浮かべ、一つの店へと案内する。 「「「「「う~~♪」」」」」」 そして、何の疑いも無くゾロゾロと中に入ってくる一家。 傍目には、そこはどう考えても洋菓子屋には見えない。 「いらっしゃいませ~~~!!」 「いらっじゃいませ~~!!」 「う? う~~~~♪」 中に入ると、一匹のれみりゃと一人の男が一行を出迎えてくれた。 そのれみりゃは、何時ものババァ臭い紫の衣装の上に夏らしい金魚のアクセントが涼しげな、水色のエプロンをつけている。 「依頼されていたれみりゃ、親1、子4です」 「どうも、有難うございます。やはり今日は忙しいですから一家族だと足りないんですよ」 男が、れみりゃを引率してきた者と喋っている間に、れみりゃ家族は店員れみりゃに近寄っていく。 「うっう~~♪ おどるんだどぉ~~♪」 「「「うっう~~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪ にぱ~♪」」」 仲良くれみりゃダンスを踊ろうと近づいていったようだが、肝心の店員れみりゃはうんともすんとも答えない。 「うーー!! うーーー!!!」 せっせと、ひたすら何かを作っているだけだ。 「う~~?うーーー!!!!」 それが何なのか、ニコニコと覗き込んだお母さんれみりゃの顔が一気に驚愕の表情となる。 そこでは、店員れみりゃが、自分の子供と思われるれみりゃ達から、ドンドンドンドン肉まんを作っていたからだ。 「うーー!!! うーー!! わるいやつだどぉーーーー!! やっつけるどーーー!!!」 子供殺し、というよりかわいいかわいい自分達の子供をこんな風にする事が許せなかったお母さんれみりゃは、その店員れみりゃに攻撃しようと近づいていった。 しかし、寸での所で男に抱え上げられる。 「うーー!! はなぜーー!! れみりゃはこーまかんのおぜーさまだどーー!!」 「今回は、余り時間が無いので、少し強めにやります」 そう言うと、抱え上げたれみりゃに、なにやら話し始めた。 「さて、今からお前も自分の赤ちゃんで肉まんを作ってもらうぞ」 「うーー!! ばぁ~~がぁ~!! れみちゃはそんなごとしないどぉ~~♪ !! ぎゃーーーー!!!!」 「どうだい? 作る気になったかな?」 時間が無い、と言っていたとおり男は持っていた包丁でれみりゃの頬をくり貫くと、そこに熱々の油を流し込んだ。 「あああーーー!!! あづいどぉーーー!! ざぐやーー!! ざぐやーーー!! だずげでーー!!」 目に大粒の涙を浮かべ必死に今まで世話をしてくれたものの名前を呼ぶ。 が、しかし、生憎とその従者はここには居ない。 博麗神社で行われる宴会の準備に借り出されているのだ。 「ほらほら、作るのかい? 作らないのかい?」 男は手を休めない。 既に両頬、背中、そして今は片目にナイフが迫ろうとしていた。 「うーーー!! つぐるーーー!!! つぐるーーーー!!!!!」 その勢いに負けたのか、はたまた自分が助かるためのおべっかか。 ともかく、このお母さんれみりゃは肉まん作りを納得したようだ。 「それじゃあ、これ着て」 「コッチ来て」 「良くこのれみりゃを見て」 「ちょっとやってみて」 「下手だね。美味くできなかったら、油を流すよ」 とは、男の声。 「う~~♪ れみりゃにないすににあってるどぉ~~♪」 「うっう~~♪」 「うーー!! いやじゃーー!! うぐぐ!! みだぐないーー!!!」 「う~~♪ れみりゃにかかればかんたんだど~~♪」 「うーー!! れみりゃはへたぶそじゃないどぉーーー!! ぎゃはーー!! あづいーーー!!!」 此方は、れみりゃの声。 その後、十回油を流された所で漸く人様に出せるほどの肉まんを作ることが可能になった。 「まぁ、良いだろ」 「うっう~~♪ れみりゃはてんさいだどぉ~~~♪」 自分の作ったモノが褒められて嬉しいようで、満面の笑みで男にアピールするれみりゃ。 「う~~♪ あがじゃんたじもみてだぁ~~? ?」 振り向いた先に、自分の赤ちゃんは居なかった。 「う~~? あがじゃんどご~?」 「ここだよ」 男が見せてくれたのは、大きなサウナだった。 「うーー!!」 「あじゅいどーー!!」 「まぁまぁーー!!」 「うあーー!!」 中では、余りの高温で赤ちゃん達が泣き叫んでいる。 「あああーーー!!! れみりゃのあがじゃんーーー!! あがじゃんーーー!!!」 お母さんれみりゃの声も、中に居る子供達には届かない。 「おいれみりゃ。どの子供が一番かわいい?」 「う~~? !! あにょこ!!」 中で、泣き叫んでいる内の、一番不細工な赤ちゃんを指差しながら答えるお母さんれみりゃ。 「そうか」 と、男はそのれみりゃを中から取り出し、店の表へと引き返していく。 「うーーー!! れみりゃのぷろで~なあがじゃんをぞんなふうにもっじゃだめーー!!!」 お母さんれみりゃが懸命に講義するが、そんな事は男の知った事ではない。 そそくさと、カウンターに戻ると、店員れみりゃはキチンと肉まん作りに精を出していたようだ。 「ほら、お前も作るんだよ」 「う~~? !! にぐまんつくるどぉ~~!! あがじゃ~~ん!! まぁまぁはつくるのがうまいんだどぉ~~♪」 「びぎゃーーーー!!!!」 「うわーーー!!! なにするんだどぉーーー!!!!」 「何って、さっきもやっただろ? ほら、さっさと作れ、それともお仕置きが良いか?」 自分の赤ちゃんの腕を目の前に置かれ、泣き叫ぶお母さんれみりゃだが、お仕置きは嫌らしく渋々と肉まん作りを始めていく。 「遅い!! 60秒に一個作らなかったらお仕置きだぞ!!」 「うーー!!! はいーーー!!! はいーーー!!」 そこからは、二匹の親が次々と肉まんを作っていった。 途中から開店時間になり、店員れみりゃはオーダーの肉まん作りに回り、普通の肉まん作りはお母さんれみりゃ任された。 「はいーー!! れみりゃのこどもたじがらつぐったおいしーーにぐまんですーー!!」 「ありがどーーございましだーー!! まだおいしいれみりゃのにぐまんをかいにぎでくださいーー!!!」 「遅いよ!! れみりゃは肉まん作るのが天才なんだろ?」 「はいーー!!! いそぎまずーーー!!!」 どちらのれみりゃも大忙し、あっちでもこっちでも泣き声が聞こえてくる。 それでも人波が途切れないのは、この味と、この声の所為かもしれない。 「れ! れみりゃのぷりでぃーーな!! ……れみりゃのあがじゃんのおいじーにぐまんでずーー!! こーまがんのれみりゃたじのにくまんはおいしーでずーー!!!」 午後になると、予約販売分の肉まんを求めて、またまた長蛇の列ができた。 それの相手はお母さんれみりゃが任せられた。 「本当においしそうね! さすがれみりゃのあかちゃんね!!」 「はいーー!! れみりゃのあがじゃんはおいじーですーー!!!」 「さすが紅魔館の肉まんだ。とっても美味しく育てたんだね!」 「ぞうでずーー!! れみりゃがおいじぐなるよーにあがじゃんをさだでたんですーー!!!」 ずらっと並んだお客が、次々とれみりゃを褒めて店を出て行く。 もし文句を言ったら、その場でお仕置き。 そして、永遠に続くかと思われた列も途切れ、漸く今日の営業は終了した。 「おし! 二匹ともお疲れさん!!」 「おずがれざまでじたーー!!!」 「うーー!! うーーー!!!!」 激務から開放された二匹は、思い思いの言葉で男に答える。 「それじゃあ、君の赤ちゃんを返すよ」 「う~~~!! あがじゃんをがえすんだどぉ~~!!」 今もってくるから、そう言って奥に引っ込んでいった男を尻目に、お母さんれみりゃは店員れみりゃに話しかける。 「う~~~♪ れみりゃだどぉ~~♪」 「う~~♪ そっちもれみりゃだどぉ~~♪」 「うっう~~♪ あうあう♪」 「う~~~~♪ うっうう~~~~♪」 ここで肉まんを作り始めてから、仲間に有った事の無い店員れみりゃもご機嫌な様子でお母さんれみりゃに答える。 「おーい!! つれてきたぞーー」 「「れみ☆りゃ☆う~~~♪ にぱ~~~♪」」 男が戻ってきた所で、二人のダンスも終わりを迎えた。 「う~~♪ はやくかえるんだど~~♪」 「「う~~♪」」 「「まぁまぁだ~~♪」」 久しぶりの親子再開で、何時もの調子を取り戻した一家は、さっさとこの家を出ようと今日一緒に来ていたモノの名前を呼ぶ。 「う~~♪ かえるど~~~♪ さぐやにいっていじめでもらうど~~♪」 「うーー!!」 「うーー!!」 「ごぁぐま~~♪ どこだどぉ~~♪ はやくでてくるんだどぉ~~♪」 「うーー!! でてごーーい!!」 「ででごーーい!!!」 「遅れてすいませんでした!!」 呼ばれた小悪魔は、店の奥ではなく、入り口から現れた。 「う~~♪ はやぐかえるんだどぉ~~♪ ぷっでぃ~~んのよ~いをするんだどぉ~~♪」 「この五匹で何個の肉まんができますか?」 「まぁ、百五十個位かな?」 「それじゃあ、お願いできますか?」 「いいよ、今日はこっちが卸して貰ったから、肉まん代は只でいいよ!!」 「有難うございます。では、できたら頃にまた寄らせてもらいますね」 れみりゃと全く視線を合わせずに、また店から出て行ってしまう小悪魔。 「うーー!! まつんだどーー!! れみりゃをおいってちゃだめだどぉーーー!!!」 「お前はこっち!」 「うぎゃ!!」 一緒に外に出て行こうとするれみりゃを捕まえて中に引き戻す。 「ほら、良く見てろよ」 「うーーー!! はなすんだどぉーー!! こーまかんのれでーにこんなことしちゃだめなんだどーー!!」 「おい!! しごとだ!!」 「「「「ぶぎゃ!!」」」」 店員れみりゃの前に四匹の赤ちゃんれみりゃを蹴り出す、勿論それはお母さんれみりゃの赤ちゃんだ。 「あああーー!! あがじゃんをげっじゃだめーーーーー!!!!」 「それ、全部使って肉まん作れ!! 今すぐ!!!」 「!! はいーー!!」 言われて、直ぐに一匹を捕まえ調理していく店員れみりゃ。 「お前もだ」 そして、男の腕の中で泣き叫んでいるれみりゃにも伝える。 「うーー!! いやだーーー!! はなぜーーー!!!」 しかし、お仕置き、というと素直に従った。 「うーー!! おやしぎにかえりだいどーー!!!」 黙々と作業をするれみりゃ達。 二匹とも、一匹目の調理が終わり二匹目に取り掛かろうとする。 しかし、お母さんれみりゃの方は、頭を残している。 自分達が再生することを知っているからの処置だろう。 当然、だからこそ今までもそこまで激しく抵抗しなかったのだから。 「おい! コイツの頭の変わりにやってやれ」 「はいーー!!」 しかし、今回は違った。 男は、残った頭を店員れみりゃへ渡すと、調理を支持したのだ。 「やめでーーー!!! それはれみりゃのあかじゃんだどーーーー!!!」 「ちがうよー! これは美味しい最高級の肉まんだよ」 「やめでーー!! ざぐやにいいつけでやるそーー!! れみりゃもやめでーー!!!」 これ以上このれみりゃは調理不可と結論付けた男は、また腕の中にれみりゃを抱き店員れみりゃの流れるような作業を見学させた。 「あああーーー!!! なんでーー!! なんでそんなことするんだどぉーー!!!」 「うーー!! ごめんだどーー!! ごめんだどーー!!!」 一匹が非難し、もう一匹が謝罪する。 その間にも、ドンドンと材料が肉まんの形になっていく。 「まぁまぁーーー!!! びひゃ!! ……」 そして、最後の一匹が肉まんになった。 同時に、男の他が緩む。 「うああーーー!! れみりゃがやっつけでやるどーーー!!!!」 お母さんれみりゃが、店員れみりゃに殴りかかろうとしたが、今だ男の手の中に居るのでそれは叶わない。 「!! うぎゃーー!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 それどころか、両腕に激痛が走った。 慌てて自分の両腕を見ると、既に男の手から店員れみりゃの目の前に置かれていた。 そして、肉まんが生まれていく。 「ああーー!! それはれみりゃのおててだどぉーー!!! たべものじゃないどーーー!!」 そんな事で作業の手が止まるはずも無く、足、胴体と来て最後に頭部だけとなった。 「うーー!! どーじでーーー!!!」 「うああーーー!!!」 さっきまで、仲良く踊っていた二匹の目が合う。 同時に、二匹はこの日一番の声で泣き叫ぶ。 「ほら、さっさとやれよ!! 時間が無いんだ」 「はいーー!! やりまずーー!!」 男の声は絶対だ。 「それに、今日以降はまた一家族で事たりるしな」 お母さんれみりゃの目に最後に映ったのは、台の上に置いてあった自分のポーチだった。 ―― 「おまたせしましたーー!! 紅魔館特製肉まんですよーー!! 土用丑の日にはぴったりですよーー!!!」 日が落ち始め、宴会が始まった直ぐに小悪魔が沢山の肉まんの入った箱を抱えてやってきた。 「良く転ばなかったわね」 魔理沙と、珍しく来ていたアリスと一緒の茣蓙に座っていたパチュリーが、物珍しいモノを見たように話しかけてきた。 「はい!! 来る間にゆっくりの子供を二三潰しちゃいましたけど」 「意外と少ないわね」 「いえ、単位は家族分ですよ。流石に大きいお母さんは踏まなかったですけど」 「レミィ達も肉まんをまっているはわ、そっちにも持って行ってね」 「はい♪」 近くの茣蓙を探すと、霊夢と一緒にお酒を飲んでいるレミリアを直ぐに見つけることができた。 「レミリア様。肉まんをお持ちしましたよ」 「ありがとう小悪魔。さぁ、れいむ!! これが巷で評判の紅魔館肉まんよ!!」 「ふーん、これがねー。……どうでも良いけど。あんた前に、もう絶対屋敷に入れないって言ってなかったけ?」 一口食べて、思い出したようにレミリア尋ねる。 「そう思ったけど、パチュリーや小悪魔が、ここで育った肉まんはとっても美味しいからって言ったから、屋敷の中で飼うことを許可したのよ。結構な高値で売れるしね」 「それは、あのメイド長が喜びそうね」 「そうねぇ。でも、養殖という事を咲夜は知っていないし。私や小悪魔が色々と悪戯して、大体半数の肉まんはそのまま死んでしまう。勝手に外へ行っても、やっぱり人間の手にかかるし。それにね、突然居なくなった肉まんを、咲夜が一生懸命探す様子は見ものよ!! 最高よ!! 今度一緒に見てみる?」 嬉々として語るレミリア。 「そうね、私のれいむにもちょっかい出すし。良い暇つぶしになりそうだわ」 「ふふふ。それじゃあ今度招待するわ。小悪魔を使いに出すから」 「それよりも」 「何?」 「そんなに儲けてるなら賽銭くらい入れてきなさいよ」 このSSに感想を付ける
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『れみりゃと俺』 俺の家には胴付きれみりゃが居る。 初めはゆっくりなんざいらねと、外に放り出したもんだが 「う~う~うええええええええん!!」 とまあ、子供みたいに泣くもんで何とも言えず気分が悪い。 ご近所の目もあることだし、とりあえず家に上げることにしたんだが、 「うー♪」 何とも嬉しそうに笑うのよ、このれみりゃって奴は。 ああ、俺は負けを確信したね。この笑顔はホンモンだ。 で、家に上げたのは良いものの、ホントどうしたものか困ったもんで。 たしか、最初はこんな感じだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 家に上げたら、泣き疲れて腹が減ったとのことで、 聞いていた話だとこいつは他のゆっくりを食べるらしい。 「ここはれいむのおうちだよ!!さっさとでていってね!!」 と、まあ都合の良いことに俺の家の庭に、家を失くした野良のゆっくりが来た。 で、そのゆっくりを鷲掴みにしてれみりゃにぷれぜんつ。 「れみりゃいやあ゛あ゛あ゛!!はなじでええええええ!!だべられだぐなぃぃぃぃいい!!」 「うー、ぷでぃん!!ぷでぃんがいいぞー!!あまあまだぞー!! れみりゃはかりすまだかられいむなんてたべないぞぅ!!」 あらま、お嬢様ご機嫌斜め。つか我侭だなこのれみりゃ。他のれみりゃは食べるそうだぞ。 まあ、お嬢様はれいむはいらないとのこと。 とりあえずこのれいむとやらには、せんべいをプレゼントした上で。 「しあわせー!!」 がし!!ぶん!!!! 「ゆっくりしていってねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 と大投擲して帰っていただいた。ここはわたくしのお家です。自分でお家を作ってね!!! じゃあ、ぷりんか。今から店に行って来るけど、プリン以外なんか食わないのかな。 よし、試してみよう。 つ白飯 つ焼き魚 つ野菜炒め 「うー、ぷい!!」 「くんくん、ぐざいぞぅ~・・・。」 「ぴーまんきらいだぞう!!」 んー。俺の晩飯は気に入らないそうで。じゃあこれはどうだ? つチョコ 「うー!!うーうーうまうまー!!!あまっあまっだぞぅ♪!!!!」 大変お気に召されたようで楽しそうに腰を振って踊っておられる。 こらこら、チョコが溶けて服についてるだろう。本当にお子様みたいだな。 「うーうー、しあわせだぞー!!」 で食べ終わったら終わったで、べたべたの手のまま色んなもん触るからたちが悪い。 「うーうー!!きょうからここはこーまかんだぞぅ!!!よきにはからえー?!!」 はいはい、自分で言ってて意味が解らない言葉を使おうとしないの。 てな感じで、俺は完全にやられたね。俺の妹のちっさい頃みたいで素直に可愛いと思ったよ。 今のあんたの妹はって?ああ、聞かないでくれ。年月ほど怖いもんもねえ。 即興の人 可愛いですね。続きがあれば見てみたいです。 -- れみりゃ好きの人 (2008-11-19 08 16 36) 可愛いぜ・・・ -- 名無しさん (2009-05-17 23 04 21) れみぃマジプリティ! おぜうさま最高! -- 名無しさん (2010-11-27 19 00 11) うー★ -- 愛で好きの人 (2012-12-06 16 17 19) 名前 コメント
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人間の小屋の中にまた勝手に住み着くゆっくりがいた。 それ自体はよくあることである。 そして、子持ちである事もよくあるが、今回は少し変わったゆっくりが住み着いていた。 「う~♪ れみりゃのぷりてーなあがちゃん~♪」 「う~~♪」 一匹のお母さんれみりゃと赤ちゃんれみりゃ。 出生は不明だが、どこかのお屋敷から抜け出してきたのかもしれない。 こーまかんと、この小屋を重ね合わせているのかもしれないからだ。 邪魔な農具の類は全て乱雑にぶちまけ、開いたスペースにお尻を着いたお母さんれみりゃはニコニコと赤ちゃんれみりゃを眺めている。 「うっう~♪ おながへっだどーー!!」 突然、何の脈絡も無しにお母さんれみりゃが立ち上がり、天を指指し高らかに宣言する。 「う~ごひゃん~♪」 赤ちゃんれみりゃも純粋な瞳をお母さんに向けて微笑む。 どうやら、こちらもお腹が減ったようだ。 「う~~~いぐどぉ~~♪」 その声を聞いたお母さんれみりゃは、少しスピードを殺して、そのまま母屋の方へ戻る。 この小屋は、母屋の人間が倉庫として使っていたものだったようだ。 しかし、最近は使っていなかったらしく、それゆえゆっくりの進入を許してしまったらしい。 そんな事をこれっぽっちも知らない二匹は、さも当然のように、今まで来た事のない母屋に向かって歩を進めてゆく。 後ろからヨチヨチと赤ちゃんれみりゃが付いて来るのでお母さんはご機嫌だ。 お母さんは歩いて、赤ちゃんはお母さんの顔の高さまで浮かび上がって、仲良く歌いながら母屋の中へ。 「がぁ~お~た~べちゃ~うぞ~!!!」 「じょーー!!」 障子を破り捨てて更に奥へ進む。 目指すは台所。 「う~~♪」 台所へ着いたお母さんれみりゃは、おいしそうな香りを出しているおかずには一切目もくれずに戸棚や氷室の中を調べ上げる。 「う~!! ぽいするのぽい!!」 自分が食べたいもの以外を処理する事も忘れない。 ここも自分のお屋敷、だから何をやっても良い、自分の好きなように振舞う。 笑顔のまま、台所の棚という棚を漁りまくっているれみりゃの顔は、飛びっきりの笑顔であった。 「うーー!! ざぐやにいいづけでやるーーーーー!!!」 どうやらお気に入りの食べ物が無かったようで、家の中をめちゃくちゃにしてから、笑顔でれみりゃ親子はこの家を後にした。 「う~~~~……」 出来る限り高く(2メートル)飛んで辺りを見回すお母さんれみりゃ。 めぼしい家が見当たらないようで、迷っているようだ。 「うーーーおかーしゃん!! あのおーち!!」 赤ちゃんれみりゃが指差した家は、手前の家が陰になってよく見えないがそれなりに豪華そうな家だった。 「う~~~♪ いっくどぉ~~~~♪」 元気百倍肉饅頭のポーズでその家まで飛んでゆく。 「うーーーー!!!」 門の前まで来ると、やはり、なかなか大きな家のようだ。 「うっう~♪」 塀を飛び越え庭に、そこから家の中へ入っていく。 「うーーー!! がぁおーーー!! がぁおーーー!!!」 「ぎゃおーーー!!」 先ほどと同じように、障子を破り捨てて奥へ奥へと進んでゆく親子。 直ぐにお目当ての台所が見つかった。 しかも、この家には大きな冷蔵庫もある。 「う~~!!」 喜び勇んで早速お目当てのものを探し出す。 こっちをあけたらポイ。 あっちをあけてもポイ。 今回も全て捨てるだけなのかと思われたそのとき、親子から嬉しい悲鳴があがった。 「う~♪ ぷっでぃ~ん♪ れみりゃのぷっでぃ~ん♪」 「うーーー!! ぷっでぃーーん!!」 その手に握られていたのは、大きなプリンだった。 「「う~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー」」 自分の一丸の好物、しかもこんなにも大きなものを手に入れたれみりゃはご機嫌だ。 さっそく、食べようと蓋を剥がす。 「う~~~♪ ……う~? うーーーーーーー!!!!!!!」 おかあさんれみりゃが懸命に蓋を外そうとするが、なかなか剥がせない。 それもその筈、剥がすための出っ張りは、綺麗に切り落とされていたのだから。 「まぁまーーがんばっでーーー!!!」 「ううーーーーー!!! ううーーーーーーー!!!!」 愛娘の応援を受け、必死になって蓋を剥がそうと奮闘するお母さんれみりゃだが、小さなその手で開けられるほど、幻想郷の包装技術は遅れていない。 「ううーーーー!!! ざぐやにいいづけでやるどぉーーーー!!!!!!」 結局開けられないことが分かると、興味をなくしたようにプリンを投げ捨て更に物色し始める親れみりゃ。 「う~~~うっう~~♪」 次に見つけたのはカステラだった。 買ってきたばかりなのであろうそれは、親れみりゃの顔ほどの大きさがあった。 「う~~~~♪ おがじ~♪ むっしゃむっしゃ♪」 床に腰を下ろし、両手でしっかりと掴んで食べ始める。 「う~~? れみりゃのぷっりでーなあがじゃ~ん♪ おっがじ~あるどぉ~♪」 近くに居るはずの赤ちゃんに呼びかける、しかし、返事は意外なほど遠くから聞こえた。 「うーーーー♪ まぁまぁーー♪ れみりゃごれかいだのーーー!!!」 赤ちゃんれみりゃが手渡したのは一枚の画用紙だった。 そこにはクレヨンで満遍なく線が書いてあるだけだ。 「う~~~♪ れみりゃのこどかいてくれだの~~?」 「うーーー♪ まぁまぁをかいだのーーー!!!」 どうやら、それは自分の事を描いた絵だと認識したらしく、お母さんれみりゃはにこにこしながら両手でそれを持って眺めている。 「うーー♪ これおいじーー♪」 一方の赤ちゃんれみりゃは、先ほどの母親と同じような格好で残ったカステラに齧り付いていた。 「うっう~♪ れみりゃもかくどぉ~♪ ぐれよんどぉごぉ~?」 「うーー♪ こっぢーーーー!!!」 赤ちゃんに連れられてお母さんれみりゃが向かった部屋には、沢山のクレヨンと画用紙がばら撒かれていた。 「うっう~♪ れみりゃはぷっりでぃ~なあかちゃんど、さぐやのえをかくど~♪」 「れみりゃももっとまぁまぁのえをかくどー♪」 その楽しい一家団欒は、この家の主が帰ってくるまで続いた。 その間に、絵を描く事に飽きた親子は、先ほどの家と同じように全てをめちゃくちゃにし、クレヨンで家中の飾り付けを終えたようだ。 親子とも大の字になってぐっすり眠っていた。 「……オラ、起きろ」 帰ってくるなり、我が家の変わり果てた様子に愕然とした男は、お腹に蹴りをぶち込み二匹を叩き起こす。 「うぎゃーー!!! ざぐやーーどごーー!!」 「まぁまぁーー!!! しゃくやーー!!!」 たいしたダメージにはならなかった様で、二匹とも元気にのたうち回っている。 「おい! 俺のうちで何してんだ?」 「う~ここはれみりゃのおーぢなの♪ ざぐやにいっでべっどど~、ぷっでぃ~んをはこんでもらうの♪」 「うーー♪」 早くも回復した親子がニコニコと男に語りかける。 「う!! うっう~♪」 母親が何かに気付いたようその場を後にする。 残ったのは男と赤ちゃんれみりゃだけ。 「うーーー!! うあうあ~~~♪ うぎゃ!!!」 好き勝手に踊っている赤ちゃんれみりゃを掴み上げ、引きちぎる。 中からは、おいしそうな肉まんの匂いが漂ってきたが、男はそれを食べようとはせず、お母さんれみりゃが 戻ってくるのをじっと待っていた。 「うっう~♪ はやぐこのぷっでぃ~んあげでね~♪」 先ほどのプリンを持ってきたれみりゃが、有無も言わさぬ態度で男に命令してきた。 「そのまえに、ここは俺の家だよ。そして、お前達は俺の家をめちゃくちゃにしたんだよ。分かる?」 「うーーーー!! いいがらはやぐあげるの!! ざぐやにいいつげるどぉーーーー!!!!」 あくまで聞く耳が無い。 まさに饅頭に説教である。 「わかったよ。じゃあその間これでも食ってろ。うまいぞ~♪」 「う~♪ れみりゃちゃべりゅ~~~♪」 男から渡された、モノを両手でしっかりと受け取るれみりゃ。 「う~♪ あーーn? うあーー!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 口に入れるその段階で漸く、それが自分の子供だと気付いたれみりゃは、どうして良いのか分からず持ったままおろおろとしている。 「ほら、開いたぞ。それじゃあ交換な」 ヒョイっとれみりゃの手からソレを取り上げて変わりにプリンを載せる。 なかなかゆっくり思いの男のようで、しっかりと安っぽい紙皿の上にプッチンされていた。 「……ううううう……」 「どうした? くわないのか?」 右手をバリッと食いちぎる男。 手に持っているプリンを男が持っているソレを交互に見比べながら、れみりゃは必死に何かを考えているようだ。 「うーーー!! それはれみりゃのあがちゃんなの!! たべものじゃないの!!!」 漸く考えが纏まったようで、顔を真っ赤にしてそれだけを叫んだ。 「ん? そうなのか? そいつは悪いことしたな」 「ほら、返すよ」 お母さんれみりゃの前に子供れみりゃを投げ捨てる。 「うーー……まぁまぁ……」 まだ息はあるようで、しきりに母親の名前を連呼している。 「うあーーー!! れみりゃのぷりでーなあがちゃん!! あがちゃーーん!!!」 手に持っていたプリンを投げ捨てて、必死に赤ちゃんの元へ駆け寄る。 しかし、後一歩の所で男の足が気持ち悪い親子の再会を阻んだ。 「うあーーー!! まぁまぁ!! まぁまぁ!!!」 「ああああ!!! ざぐやーーー!!! ざぐやーーー!!! ごわいひどがいるどぉーーー!!!」 必死に自分の面倒をみてるれる者の名前を叫ぶが聞こえるはずも無い。 「さて。もう一度聞くけど、お前たちが勝手に家をめちゃくちゃにした事は分かってるかい?」 「はいーー!!! だがらゆるじてーー!!!」 「ごめんにゃしゃいーーー!!!!」 何処で覚えたのか、お母さんれみりゃは必死に土下座までして男に謝っている。 そんな様子を見ていた男は、ゆっくりと赤ちゃんれみりゃを踏んでいた足から力を抜いていく。 「う!! う~~♪」 その事に気が付いた赤ちゃんれみりゃは、必死の泣き顔から一転、100万発の笑顔に早変わりした。 「おっと、そうだここは誰の家かな?」 勿論、ここまでされたゆっくりが次に言う台詞はお決まりのものである。 「「うっう~♪ れみりゃのおへやだどぉ~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー♪」」 何も言わずに再び足に力を込める。 「いっぎゃーーー!!!! ぎゃーーーー!!!!」 更に、足を捻っていく。 「あああ!! ぎゃは!! あががががが!!!!!!」 赤ちゃんがボロボロになったところで、持ち上げて母親に投げつける。 「うぎゃあ!!」 「あああ!! あがじゃんがーーー!!!!」 「もう一度だけ聞くけど? ここは誰のお家?」 「おにーざんのおーじ!! ゆるじでーーーー!!!」 「漸く分かってくれたかい? それなら良いんだ」 「うーー!! でもれみりゃたちにがわいおもいざぜたがら、ざぐやにいいつげてやるど~♪」 「そうだった。家をめちゃくちゃにしたお仕置きと、折角のプリンを落としたお仕置きが済んで無かったね♪」 子供を抱いて逃げ様としていたれみりゃの羽を掴んで、勢いよく叩き落す男。 「あががが!!!」 突然の衝撃に、お母さんれみりゃは何がなんだか分からず、痛みだけをこらえている。 その様子を笑みを浮かべて見ていた男は、ノコギリでゆっくりと四肢と胴体をばらしてゆく。 「いだい!! いだい!!!」 質の悪いノコギリのようでなかなか上手く切断する事ができない。 「うががが!!!」 ギーコ 「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーー!!!!!!!」 「まぁまぁーーーー!!!!」 「お前はこっち」 「う? ああああじゅいーーー!!!」 子供は大きな寸胴の中へ、蓋をして数時間じっくりと煮詰める。 「ああああああ!! れみりゃのあがじゃんどーずるのーーー!!!」 「食べるんだよ? どうしてそんな事聞くの?」 「なんでーー!! れみりゃはたべものじゃないどぉーーー!!!」 「何でって言われてもね。君一匹だけ売ればお金は十分だからね」 四肢を落とし終えた男は、れみりゃの目の前でソレも鍋の中に放り込んでいく。 必死に泣き叫んでいるれみりゃの声をものともせず、再度蓋をし終えた男は、れみりゃの方に向き直りニッコリとして呟いた。 「はい。これお口に入れるよ」 「う? うぐぐ!!」 「はい縫い付けるよー♪」 「うぎゃあ!! あが!! はが!! げほ!! おえ!!!」 入れられたのは先ほど楽しく描いていたクレヨン当然美味しくも無いが、吐き出すこともできない。 「人が趣味で使ってたものでこんな事するなんてねー」 口を縫い付けると、そのまま頬を思いっきり殴りつけた。 「!!! うううーーーー!!!」 何度も、何度も殴る。 「ううーーーーー!!!!」 口の中では涎とクレヨンがごちゃごちゃに混ざっている事だろう。 「よし。これ位で良いか」 ひとしきり殴り終わり、四肢も再生したソレを今度は土間まで連れ戻す。 「このままじゃ売り物にならないからね」 スプーンを使って口の中をくり貫いてゆく。 「いだい!! いだい!!! いだいーーーーー!!!!!!!」 当然、歯もボロボロと床に落ちる。 「ざぐあy---!!!! ざぐああーーーー!!!!! どごーーー!!!!」 それでも、口の中を書き出す手を休めない。 いや、既に口の中は存在していない。 「ああーーーーーーーーー!!! あーーーーー!!!」 最後の方になると、もはや喋る事もできないようで、ただ空気を吐き出しているだけになった。 しかし、直ぐに再生するので余り深く考えなくても良いだろう。 寧ろ、恐怖を与えて旨みを増幅させる事が大事なのだ。 男は、ソレを狭苦しい箱に無理矢理収めると、ダシを取っておいた寸胴で料理を始めた。 翌日。 紅魔館では、珍しく美味しい餡が入ったとびっきりの餃子が振舞われたという。 このSSに感想を付ける
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紅魔館の近くから、れみりゃを拾ってきた。 なに簡単だ。 「プッディーンを食べさせてあげるよ」 っていえば、うっう~と気色悪い顔ぶら下げていそいそと付いてくる。 メイド長? なに、帰らなきゃばれないさ。 この頭なら、帰ってもばれなさそうだけどな。 「ここがおれの……」 「ぷっでぃーんどごー!! ぷっでぃーん!!!」 人が玄関開ける前から入ってくるんじゃねえよ。 「う~!! ぷっでぃーん!! はやぐぷっでぃーんもっできてー!!!」 煩いなぁ、はいはい持ってきてやるよ、でもその前に。 「う~?」 食台付きの子供用の椅子に、れみりゃを乗せて腰と首をベルトで固定する。 これなら幾ら食べ溢しても気にならない。 「う~!! うごげない゛ーーー! ざぐやー! ざぐやー!!」 皆さんは、子供椅子の上でババア服を着て手足をバタバタさせている肉まんを見てどう思うだろうか。 俺はめちゃくちゃ気持ち悪いと思う。 「ほら、ぷっでぃーんだぞ」 そういって泣きじゃくるれみりゃの前に大きなカップに入ったぷっでぃーんを出してやる。 「う~!! ぶっでぃーん♪ ぷっでぃーん♪」 嬉しそうに万歳してそのプリンを眺める。 スプーンが無いことを確認すると素手で食い始めた。 計画通り!!! 「う~? うー!!!」 俺が出したプリンは固まってないどろどろしたプリンだ。 「う~♪ う? どれないーー!! どれないよーーー!!!」 カップも食台に固定されているので持ち上げて飲み干すことも出来ない。 「うーーー!!! うーーーーー!!!!」 必死になってカップに手を突っ込んでるれみりゃ、服にまでプリンが染み付いて酷い格好だ。 「どうだい、おいしかったかな?」 笑顔で尋ねる、だってカップの中身は空っぽだから。 「うーーー!!! だべでない!! れみりゃだべでないよ!!!」 「そんなことないだろ。素手で意地汚く食ってたじゃないか?」 「うーーー!! だべでないーーー。ざぐやー!! ざくやー!!!」 「また朝に、同じプッディーンを出してやるよ」 「やだー!! ぞのぶでぃんやだー!! ざぐやにいいづけでやどぅー!!!」 この、最高に愉快なこのショーを一週間程続けてやる。 頭が最高に緩いのか、毎回プリンを出されても同じ反応を繰り返す。 一週間経つ頃には、あのれみりゃも随分しおらしくなってきた。 「れみりゃ、夕食のプッディーーーーンの時間だよ♪」 「うーー、ぷっでぃん。れみりゃ、ぷっでぃんたべどぅー」 こんな状況でも俺に愛想笑いしてくるれみりゃ。 いいか、それは愛想笑いじゃなくて喧嘩売ってんのか? っていうんだぜ。 「ほら、今日は固いプッディーンだぞ!」 そういってカップから皿に移し変え、スプーンと一緒に出してやる。 「う~~~!! ぷっでぃーーん♪」 途端に目の色を変えてプリンを食べ始める。 スプーンをグーで持ってる所為かやはり結構食べ溢す。 「おいしいか? れみりゃ?」 言いながら首の固定を外してやる。 まぁこの顔見てるだけで分かるけどな。 「う~ぷっでぃーんおいしい♪ ぷっでぃーんおいしいどぉー♪」 うん、これ無理♪ 「食べ物食ってる時にしゃべるなーーー!!!」 「うーーーーー!!!!!」 豚の顔を思いっきりプッディンに押し付ける。 紙皿だがら破片が顔に刺さることもない。 「ごめんなさいは?」 「う~!!! ざぐやにいいづけでやどぅー!!」 もう一発。 「うぎゃーーー!!! ごめんなざい!!! ごめんなざい!!!」 ……、手を離す。 「うーー!! ぷっでぃんが!! れみりゃのぷっでぃんがー!!!」 もう一発。 「うっぎゃーーーーーー!!!」 静かになったところで拘束を外してこいつを料理する。 「さいなら、プッディーンは美味しかったかな?」 「べーーー!! ざぐやにいいづけでやる♪ ばぁ~か♪」 さっきまで期限切れのプッチンプリンを喜んで食ってたくせに、いけしゃあしゃあとそんな事言いながら玄関を後にするれみりゃ。 「う~♪ ? う゛わ゛ーーーーーー!!!!!」 お決まりの様に存在するトラップ。 あっという間に四肢がバラバラになって泣き叫ぶれみりゃ。 それを拾い集めて、博麗神社から貰ったお札で再生を阻害する。 あっという間にノーマルれみりゃの完成だ。 残った部位は肉まんの形に整える。 あとはそれを、れみりゃの顔の前で美味しそうに食べるだけだ。 「う~!! それはれみりゃのーーー!!! にぐまんじゃない゛ーーー!!!」 「いやー。これは美味しい肉まんだぞ。ぷっでぃーんよりおいしい肉まんだぞ」 「れみりゃはにぐまんじゃなもん!!! こうまがんのおぜうさまだもん!!!」 「はいはい。それにしてもおいしいなこの肉まん。プッディーンより断然上手い」 「れみりゃはにぐまんじゃないもんーーーーー!!!!!」 翌日が仕事のない日だった俺は、酒を片手に高級食材のその肉まんを心いくまで堪能した。