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ダッシュ、小走り中でも案外当たる。 当たらない時は素直にあきらめるしかない。 当てられる時に当てないと、すぐ弾がなくなってしまう。 -- (名無しさん) 2009-01-14 09 03 30 弾速最高値は嘘では無い、ある程度相手が速くても当てられる。 偏差撃ちまで修得すればブーラン陸も逃がさない。 両手アクセルなら全弾発射で狙えるスタン率は比較的高い。 ロングレンジかけると超高速の弾が目視範囲外の相手に飛んでいく。 -- (名無しさん) 2009-01-15 06 52 53 ↑検証の必要があるが、レンジユニットは弾の射程とともに速度も上昇させる能力がある可能性あり。 -- (名無しさん) 2009-01-30 17 24 03 可能性っていうか実際上がってるよね弾速 ロングレンジのかかったアクセルガンは中~遠距離じゃほぼ必中とも言えるほど凄まじい命中率になる -- (名無しさん) 2009-01-30 17 55 26 150↑程度の中距離だと命中率はカスマグと大して変わらない 当てれる人は近距離でも当てれるので自分の戦闘スタイルと相談 -- (名無しさん) 2009-02-09 00 45 58 カスマグと非常に似通った性能だが、 最近では中距離以遠から攻撃できるこちらの人気が高まっている。 -- (名無しさん) 2009-02-12 12 10 49 カスタムマグよりアクセルのほうが当てずらいと思っているのはおれだけか? -- (名無しさん) 2009-03-22 12 31 39 カスマグとアクセルじゃ用途が異なる アクセルガンは遠くまで届くけど弾が小さくて初速が遅いから中距離~遠(と言っていいのか分からんけど)距離向け カスマグは初速が速くて弾がでかいけど射程が心もとないから近距離~中距離向け カスマグのほうが当てやすいってのはそういう間合いで戦ってるからじゃないかな 距離を取ってちょっとした偏差撃ちっぽい事が出来るようになればアクセルの命中率もグンと上がるよ -- (名無しさん) 2009-03-22 18 30 06 間合い的には カスガン<カスマグ<<<アクセル という感じかねぇ -- (名無しさん) 2009-03-23 09 01 00 射陸、M砲など様々なロボの主力武器。 基本に忠実で扱いやすく、 初級者から上級者まで実に様々なプレイヤーのニーズに応えてくれる。 しかし、近距離では当たりづらい中距離向きの武器なので、 カスガン・カスマグとも使い比べてみるといいだろう。 -- (いつもの人) 2009-05-16 15 58 44 ラピッドチューンして、無チューンと同時に壁撃ちしたところ 全く同じタイミングで着弾、距離による変化も無かった -- (名無しさん) 2009-05-27 17 23 41 検証したわけではなく体感ですがレンジユニットで弾速上がりますよね ここのコメントにもありますが、こいつはリーチ+ラピッドの効果ではないかと思われます にもかかわらずラピッドチューンで弾速変わらないってことはリーチだけで弾速上がる? それともラピッドチューンでも射程外での弾速上がってるとか? ↑可能ならリーチも試してたもれ(ヒトマカセダ -- (名無しさん) 2009-06-15 00 12 42 だんだん弾が加速していくんだから、射程が長くなればその分最大速も上がるのは必然では 初速からして違うってなら話は別だけど -- (名無しさん) 2009-06-15 01 38 50 簡易ライフルとはうまい表現だね 遠距離から狙うにはいい武器 アサライが出ない人・コストが微妙に足りない人にはいいかも -- (名無しさん) 2009-07-14 13 51 17 アリーナでは本当に頼りになる。低コスト機に持たせてもそれなりに活躍できる。 200-150くらいの中距離戦での強さはまさに鬼。ある程度距離を取って戦うべき。 -- (名無しさん) 2009-07-19 17 37 11 先端部の命中率は異常 -- (名無しさん) 2009-08-04 22 42 15 サテライト連射すると、誘導するような感じで命中する。(わかる人はわかるはず) 中距離から瀕死を食うのに最適なので、使い方をマスターしておくべき。 -- (名無しさん) 2009-08-05 05 45 13 乱戦時に使ってみたが、恐ろしいまでの使い勝手の良さだった。 自分では目視で当たってるように見えないんだけど、妙に補正がかかって(若干カーブする感じ?)しっかり当たってる。 気が付いたら撃ち尽くすまでこれに頼ってる。そんな良武器。 -- (名無しさん) 2009-08-16 14 18 38 片腕にこれ、もう片方にカスマグ持たせて遠距離からの牽制、逃げる瀕死へのとどめにアクセル、アクセルじゃちょっと辛い間合いにカスマグなんて使い方どうだろう -- (名無しさん) 2009-08-16 14 33 56 ↑使えなくはない。が、実際に使ってるとどうしても残弾数に差が出てくる。 正直言ってよっぽど立ち回りが上手くないと真価を発揮出来ないかと。 アクセルならアクセル、カスマグならカスマグのみで割り切った方が、汎用性が高かったりする。 -- (名無しさん) 2009-08-16 14 52 03 リーチを刺せば、超速度の遠距離砲になるということだな。 -- (名無しさん) 2009-10-29 03 05 55 なぜかアリーナで使ってる人をあまり見ない武器 ほとんどがマグ使ってるせいなのか・・・・ -- (名無しさん) 2009-11-06 18 14 20 最大ロック位置よりある程度近づかないと当てられないが近すぎると当たらず、高速化している今のアリーナだと有効な射程を保つのが難しい ステイプロックスやグリンウィンドなどの広い平野を持つマップだと使いやすい。 タイマンで戦う場合だと近づいて戦う場合がほとんどなのでほとんど役に立たなくなる。 対空戦としては当ててもスタンまで行くことが殆どないので牽制程度にしかならない。 -- (名無しさん) 2009-11-14 22 48 10 中距離で真価を発揮するアクセルガンは補助機に持たせてもなかなかいける。 戦闘補であってもやはり補助機、あまり前には出られないのでこいつの有効射程範囲を保つ距離で戦闘していれば逃げやすいところもある。 陸戦にしても高機動機だと接近しての攻撃が有効となるためあまり向かない。 持たせるとしたら中速の機体だろうか、陸戦ならジャガーアームが妥当。 補助にしてもデジトロイドに持たせると良い感じ、バーストビット展開中はこれを使わないでもう1つの武器を使おう。 近い距離だと説明文通り非常に当てにくい。 近付かれた場合を考えてマシンガンなりバズーカなり近距離の敵を迎撃できる武器を持たせてあげよう。 良い点もあるが悪い点も多め、弾が小さいため大型機ならともかくSサイズ陸戦および空戦にはなかなか当てられない。 多少狙う相手を選ぶことも必要となる武器だろう。 -- (名無しさん) 2009-12-10 00 32 17 スロ3が登場したのでリーチ系挿して ブーラン中でもブレないライフルとして使うのが吉 地味にHPを削り取ってくれる -- (名無しさん) 2009-12-27 17 02 41 リーチ×3強化でレーザーのように当たるがレーザーのように弾切れがる。 -- (名無しさん) 2009-12-27 19 22 07 こいつのS3が登場したおかげで、他のアクセル系を使う意味が薄れた気がする。 特にピースメーカーはもう不要。 -- (名無しさん) 2009-12-28 09 19 56 前線よりやや後方の位置で、特攻してきた相手に引き撃ちすることで真価を発揮できる。 相手との距離を200前後に保てれば、こちらから一方的に攻撃することが可能で命中率も高い。 特攻用、近接戦用のカスマグorドラムガンと併用することで、自在に戦場を走り回れるぞ! -- (アクセルを見直す会) 2010-01-18 16 43 49 最近のアリーナでは、かつての射陸の主力兵器アクセル・カスマグはほとんど見掛けない。 射陸自体が減っているのもあるが、居たとしてもほとんどがハンバズ持っている。 いっそのこと、アクセル・カスマグは30くらいコストを下げても良いんじゃないか? -- (名無しさん) 2010-05-15 09 41 54 空戦の火力インフレに伴い陸が仕事しにくくなっただけでなく、 発射間隔が長すぎるせいで現役武器の平均DPSをはるかに下回ってるのが原因。 同調していた時期のアクセルサイコが最盛期だったが、それ以降は全く姿を見せなくなった武器。 -- (名無しさん) 2010-05-15 13 36 56 DPSは大した問題じゃない。 問題は接近しての命中率が見込めない分、ショトブ機に非常に当てにくいこと -- (名無しさん) 2010-05-15 13 49 46 ショトブとか大した問題じゃない。 問題はアクセル等で緊急回避できることで接近戦の距離がさらに縮んだこと。 近すぎるとあたらネイあたらネイ。 -- (名無しさん) 2010-05-15 15 23 10 アクセルループに関しては別にこの武器に限ったことではない。 空戦に使わせるとチートの他にないからな…今の空戦無双の要因の一つ。 アクセルループで緊急回避・接近されると接射ラジバズぐらいしか当たらないのが現状。 -- (名無しさん) 2010-05-15 20 35 31 リーチ系のコメントが怪しいので検証した。 Gリーチ×3のアクセルガンで検証したが、リーチチューンでは弾速が落ちる。 終端の弾速は調べようもないが、 おそらく終端速度を480にするように加速するものと推測される。 -- (名無しさん) 2010-07-01 23 03 02 検証乙 …ということは射程を削るチューンを行うとより早いペースで加速するのか -- (名無しさん) 2010-07-01 23 24 33 その発想はなかった。 誰か試してくれんかのー。 -- (名無しさん) 2010-07-02 00 45 42 Gラピαで射程削りつつ弾速UPで倍率ドンですね分かります でもラピッド挿しても確か最終速度が上昇するだけで初速は変わらなかったと思うけど そして射程削るならカスマグで良いって言う(´・ω・`) 初速がハンドガンレベルの遅さってのが昨今の高速化アリーナでは本当にどうしようもない -- (名無しさん) 2010-07-02 01 42 40 初速が遅いのはアクセルガンの特性だから、チューンではフォローできないか。 -- (名無しさん) 2010-07-02 02 02 33 うえ検証したよ。 アクセルガンでS3ないから改だけど。速度いっしょ。 Gフォで射程削ってみた。 検証方法は 定速度武器を片手にもう片手に変速武器のアクセル持たせて。 壁際から同時に壁に着弾する距離まで離れる。 (同時に着弾するところが定速武器の速度が出てる距離帯と目測で分かる) ↑分かりづらい説明でスイマセン 射程200まで削った結果初速も速くなったので近距離も前よりまし。 所感チューン前と違い、かなり命中率が高くなった。届けば空戦でも当たる。 距離200は厳しいのでもたせれる機体は限られるが・・・。 何より威力アップで弾速もあがるのだから悪くは無い? (Gフォ×2:元威力16×(1+0.09+0.09)=威力19 -- (名無しさん) 2010-08-11 13 02 07 アクセルガンにGラピさして無チューンと一緒に両手で撃ったところ、Gラピのほうが若干早い結果になりました。 らずちゃん等の自己ロングレンジが使えるロボと組み合わせれば強いんじゃないか? -- (名無しさん) 2011-08-09 10 25 45
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[部分編集] 愛 オルガンティノ-海祝- Sレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 21 Lv1 攻 2980 防 2540 知 2880 LvMAX 攻 5960 防 5080 知 5760 スキル [夏の想い出【火】] Lv1/7 自分自身の攻防アップ 武芸者計略 攻撃力アップ【発動率:低】 売却価格 両 コメント 「南蛮寺落成祝いに海に行くわぁ」ザ「おヤ……」オルガンティノは来日直後からキョウでの布教を受け持ち、天正4年高山友照の協力を得ては南蛮寺を落成、より一層布教に励んだ。 台詞 「海言うたら泳がなあかんわぁ」 図鑑 ガチャ:愛 備考 Illust:ぬえびーむ水着ガチャ第3弾「異国バカンス」限定 ↓進化↓ [部分編集] 愛 [京]オルガンティノ-海祝- Sレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 21 Lv1 攻 3400 (4592) 防 2880 (3896) 知 3320 (4472) LvMAX 攻 6800 (7992) 防 5750 (6766) 知 6630 (7782) スキル [夏の想い出【火】] Lv1/7 自分自身の攻防アップ 武芸者計略 攻撃力アップ【発動率:低】 売却価格 両 コメント オ「♪」ザ「オルガン、布少な過ぎデス!!」フ「メモメモ……」オルガンティノは来日直後からキョウでの布教を受け持ち、天正4年高山友照の協力を得ては南蛮寺を落成、より一層布教に励んだ。 台詞 「あんさんはどの水着がええと思う??」 図鑑 ガチャ:愛 備考 ()内数値は2MAX ↓進化↓ [部分編集] 愛 [落成]オルガンティノ-海祝- Sレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 21 Lv1 攻 3880 (5276) 防 3250 (4435) 知 3820 (5175) LvMAX 攻 7760 (9156) 防 6500 (7685) 知 7630 (8985) スキル [夏の想い出【火】] Lv1/7 自分自身の攻防アップ 武芸者計略 攻撃力アップ【発動率:低】 売却価格 両 コメント オ「♪♪」コ「マジかヨ、アレ……」ザ「ダメデス……」オルガンティノは来日直後からキョウでの布教を受け持ち、天正4年高山友照の協力を得ては南蛮寺を落成、より一層布教に励んだ。 台詞 「こっちの水着も……ええやろ??」 図鑑 ガチャ:愛 備考 ()内数値は3MAX4MAX 攻9360 防7854 知9188 ↓進化↓ [部分編集] 愛 [完成記念]オルガンティノ-海祝- Sレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 21 Lv1 攻 4430 (5942) 防 3680 (4957) 知 4390 (5865) LvMAX 攻 8850 (10362) 防 7350 (8627) 知 8780 (10255) スキル [夏の想い出【火】] Lv1/7 自分自身の攻防アップ 武芸者計略 攻撃力アップ【発動率:低】 売却価格 両 コメント 「みんなと海来れてうれしいわぁ♪」ア「準備体操してくだサイヨー」オルガンティノは来日直後からキョウでの布教を受け持ち、天正4年高山友照の協力を得ては南蛮寺を落成、より一層布教に励んだ。 台詞 「あんさんもこれぇ……舐めてみ??」 図鑑 ガチャ:愛 備考 ()内数値は4MAX6MAX 攻10682 防8888 知105788MAX 攻10722 防8922 知10618 コメント 名前
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第2回団体戦大会 Dブロック 対戦結果 NO チーム名 1 超速突暴走王パンツ 2 赤の死とりに刈取機 3 玉砕屋バフォロマン 4 R―ウ普通の落デス No 01 02 03 04 01 \ ○ ○ × 2W1L 1位 02 × \ × × 0W3L 4位 03 × ○ \ ○ 2W1L 3位 04 ○ ○ × \ 2W1L 2位 コメント 第一試合 ○超速突暴走王パンツ ×赤の死とりに刈取機 開始早々月影伍長がリンチされる。続いてIron冥界がリンチされる。炸裂砲を回避中にレール直撃のコンボが痛い。 残ったチキンも3方向から撃たれてはどうにもならなかった。 第二試合 ○超速突暴走王パンツ ×玉砕屋バフォロマン 開始直後ジバフライドが地面に派手に激突するが無事。20秒、六号バッドがパンツァーアングにいびられて退場。40秒、挙動不審だった クラーケンバッドもパンツァーアングのショットと超速チキンに挟まれ応戦するも撃破される。残るジバフライドを襲う炸裂砲・ビーム・ショットの嵐。 結局被弾により高度が下がったところにショットの直撃を受けて飛散した。 第三試合 ×超速突暴走王パンツ ○R―ウ普通の落デス 超速チキンに降りかかるレールガンの嵐。恐怖の起き攻めでそのまま爆散。石弓フライドはアング+ローケンを引きつけて善戦。40秒過ぎ、 鯨バッドにロックが集まる。カノンとレールに一気に削られる。鯨も応戦するが、灰色ラスティのジャンプを捕らえることが出来ず、57秒で爆散。 残ったパンツァーアングも大量のミサとカノンの前に力尽きた。 第四試合 ×赤の死とりに刈取機 ○玉砕屋バフォロマン 霧深い戦場の中、クラーケンバッドが突撃。月影伍長を襲うのも何故か格闘。どうやらクラーケン直当てを狙っている模様。 そこに横から冥界が割り込んできて刈り取られてしまった。24秒、六号バッドのカノンで伍長が散り2対2。 アイロン冥界、熱暴走しながらもビームと鎌で攻めるが保たず、同時に子連れチキンも爆散し試合終了。 第五試合 ×赤の死とりに刈取機 ○R―ウ普通の落デス 霧の中、軽武装で撃ち合いに弱い赤の死とりに刈取機軍。カノンお手玉で伍長が爆散する。しかしアイロン冥界もビーム連射に灰色さんが捕まり、 地雷にも触雷し五分五分に。その後88秒、今度は子連れチキンがレールでお手玉して爆散。このまま押し切るかと思いきや、ウルフバッドは狭い視界 の中バックを続け、石弓フライドとアイロン冥界も互いに撃たなくなり時間切れ。R―ウ普通の落デスの勝利。 第六試合 ○玉砕屋バフォロマン ×R―ウ普通の落デス 序盤ウルフバッドがレールガンを連続被弾。シールド1枚では堪えられない。灰色さんはジバフライドに目を付けられ地雷と重装弾のコンボを受ける。 21秒、ウルフバッドにロケットが直撃して爆散。そのあとを灰色さんが追って3対1に。残る石弓フライドも回避で手一杯となり時間切れ。玉砕勝利。 戻る
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Aの魔方陣 日常編 通常ルールガイド(案) Aの魔方陣の日常編ルールガイドです。Aマホやってみたけど、よく分からない点などを確認してください。。また、協調行動・受動判定についてはルールガイド3にて説明しています。併せてどうぞ。 なお、このページは以下の公式ルールに準拠する形で書かれています。公式ルールを確認したい場合は、公式サイトにて確認してください。 Aルールサマリー -Aの魔法陣- 公式ルール(Ver.2.5) 日常編 -Aの魔法陣- 公式サプリメントの一つ。本ルールガイドは、このサプリメントを前提に書かれています。 Aの魔方陣 日常編 通常ルールガイド(案)1、キャラの作成例 2、セッションの開始例 3、成功判定3-1 状況説明&質疑応答 3-2 行動宣言 3-3 前提変換 3-4 成功要素提出 3-5 判定 例 4、終了 例 5、成長 1、キャラの作成 根源力 1000 抽出単位 100 成功要素 10 Aルールサマリー -Aの魔法陣-|公式ルール(Ver.2.5) 能力:技能:装備(所持品)=3:4:3として割り振る 上記の抽出単位は100なので10の成功要素がある。(抽出単位を300にしてそれぞれ一つずつにして簡易化する事もある) 本来は上記に加えて性別・血液型・星座なども加え成功要素とする(SDの裁量により使用するか判断する) 例 名前: A太郎 能力: 【長身】【糸目】【耳がいい】 技能: 【ネコなで声】【保父志望】【実家が植木屋】【直感技能】 装備: 【孫の手】【ニボシ】【マタタビ】 2、セッションの開始 プレイヤーの要望を参考にしてSD(セッションデザイナー)がその場で作成する 例 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。A太郎:希望ちゃんを守りたい! SD:OK、ではゲームを始めよう。htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 M*希望を守れ 難易度 20抽出条件 不明一時成功要素 21ターンゲーム 3、成功判定 成功判定は以下の流れで行います。遡って処理を行うことはできません。この流れを抑えることが、Aマホを理解する上で極めて重要です。 状況説明&質疑応答 行動宣言 前提変換 成功要素提出 判定 3-1 状況説明&質疑応答 SDがセッションの状況を説明し、プレイヤーが解決するべき課題を提示します。この段階で、難易度や行動順の確認を行うとよいでしょう。 3-2 行動宣言 3-1の状況と質疑応答の結果を受けて、プレイヤーは「行動宣言」を行います。1センテンスでシンプルに書きましょう。(細かい注釈や説明は、3-3「前提変換」、3-4「成功要素」で行います) 3-3 前提変換 行動に対する別アプローチを行う(または新しい状況設定をプレイヤーが行う)事によって当初の難易度を変更させます。これを「前提変換」と呼びます。ただし、いつも難易度が低下するわけではなく、プレイヤー次第で上昇する事もありえますので注意してください。「前提変換」でどの程度、難易度が低下するかはSDの裁量に任されています。 3-4 成功要素提出 前提が下がった難易度**に対してプレイヤーは最初に決定した「成功要素」を説得力のある形で提出する。書式は、下記の要に要素と説明を切り分けておくのが一般的。 成功要素:その説明 また、プレイヤーはその状況の中で生かせる要素を「一時成功要素」として提出できる。なお、一時成功要素の提出数はSDが決定する。 3-5 判定 SDは説得力ある成功要素を判定し「抽出成功要素」として難易度と比較する。抽出成功要素が難易度に及ばない場合はSDの裁量による「中間判定」か「サイコロを振るか(ダイスロール)」をプレイヤーは選択できる。 サイコロを振って成功に及ばなくても1を出して自動失敗さえおこらなければ中間判定となる 例ではサイコロは1個か2個かの選択だがそれ以上振ることも出来る。ただし、1の自動失敗率も上昇する 中間判定では状況が変わらず、成功以外に意味がない判定もある 例 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。SD:希望ちゃんは高い木に登って降りられない子猫を助けようとしている A太郎:よし!助けるぞ!「行動宣言」:子猫を助ける その辺に踏み台か何か無い? SD:整備部品が入っていた空き木箱があるね A太郎:よし、それを踏み台にして高さを稼ぐぞ SD:「前提変換」で難易度は20→10に下がった A太郎:よっしゃあ! SD:では、成功要素を提出してください A太郎:はい、これでお願いしますhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 成功要素提出: 能力: 【長身】木の枝までの距離が短い 【糸目】上を向いて太陽を見てしまってもまぶしくない 【耳がいい】子猫の鳴き声を聞いてやる気を出す 技能: 【ネコなで声】子猫を怯えさせません 【保父志望】子供(希望)に支持を出して行動させることが出来ます 【実家が植木屋】木の特徴を知っていて、どこが折れやすいか知っている 【直感技能】子猫の危険を察知します 装備: 【孫の手】子猫を伝わらせて受け止める 【ニボシ】子猫の気をこっちに引いて逃げないようにする 【マタタビ】匂いで気を引いて暴れない様にする 一時成功要素: 【希望ちゃんを肩車する】少しでも高さを稼ぎます 【子供の守護者】A太郎は子供好きなので希望ちゃんのために実力以上に力を出します htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。SD:【耳がいい】【直感技能】【孫の手】が通らない、抽出成功要素は9。 中間判定にするか (この場合SDの裁量によって結果が異なる、一般的に達成割合に比例する) サイコロを振るか (詳細ルールは後述、成功するか中間判定か失敗するかの3択) どちらにする? A太郎:男は当然ダイスだぜ! SD:OK、では難易度10、抽出成功要素9なので 10×2≦(9-1)×2+1D6でサイコロ振って4以上か 10×2≦(9-2)×2+2D6でサイコロ振って6以上かを選択してくれ。 ちなみにサイコロのうち1個でも1が出たら自動失敗になるぞ A太郎:期待値は2D6の方が大きいな、よし2D6だ! 2D6=2+3=5 SD:(9-2)×2+5=19 足りない。中間判定だね A太郎:あと1、あと1足りなかった・・・ SD:では、君が肩車した希望ちゃんがなんとか子猫を木から抱きとめた瞬間足場にしていた木箱が壊れて君は地面に叩きつけられた幸い、倒れながらも希望ちゃんを自分の体の上で受け止められたので希望ちゃんにケガはなかったが、子猫は驚いてどこかに走って逃げてしまった。ちなみに1が出て失敗だったら希望ちゃんにケガをさせてたよもしそんな事になったら、厚志と瀬戸口とブータにバラバラにされて栄光号の廃棄生体部品と一緒に捨てられていたところだったね。 A太郎:(*1))ガクガクブルブル htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 4、終了 判定の成功が終わったらSDはその結果をプレイヤーに伝えゲームを終了する。下の例ではロールを行っているが、これは別にここに限らずゲーム中いつでもできる。 例 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。SD:希望「ふぇぇ、Aちゃんごめんねぇ、のぞみのせいで・・・」 そう言うと希望は泣きそうになるのを我慢しながら君を保健室へ連れて行って手当てをした A太郎:「君が泣きそうになる事はないんだ大人が子供を守るのは当然なんだよ」 SD:そして君は保健室で泣きそうな希望に手当てをされて申し訳ない気分で家に帰った A太郎:トホホ、でも希望ちゃんにケガさせなかっただけでもマシか・・・ (了)htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 5、成長 SDはセッション成功後、難易度、プレイ時間等によってプレイヤーに根源力を与える ただし、これはいつも同じ顔ぶれでプレイする時に行うもので、2マホでは毎回、新たに作り直してプレイするのが一般的 文章原案投稿:シュワ@デスゲームSD topへもどる
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autolink GT/W29-T08 GT/W29-088 カード名:クールガール せいら カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《タロット》?・《スポーツ》? 【起】[①]あなたは他の自分のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1000し、このカードのパワーを+1000。 TD:赤点取ると外出禁止 C:どっちでもいい レアリティ:TD C illust. 13/10/08 今日のカード。
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<第三階層・前編> ◆目次 イレーヌの見た夢 その3 骸骨の魔物を探して リリとソロル その2 リリとソロル その3 アイタイ ~会いに行こう アイタイ ~今がその時だ アイタイ ~ギヌメール兄妹 アイタイ ~死神と死霊術師 アイタイ ~君は薔薇より美しい お兄ちゃんがんばる アイタイ ~リリ アイタイ ~ソロル インターミッション ここでは13Fまでのお話をまとめてあります。続き、そして第三層ボスとの決着は後編にて。 ◆イレーヌの見た夢 その3 好奇心で足を踏み入れた第三階層のありさまに驚いて、遭遇した魔物の姿に恐れおののき、命からがら樹海磁軸で逃げ帰った私達は、どうにか気を取り直して酒場で軽く慰労の杯をあげ、任務の報告は明日へ回すとして宿に戻った。 ――その夜、案の定夢を見た。 夢の中の声もやはり、これまでと同じ人物のものと思われ、語り部の老婆であるという者の話を代弁する。その声をぼんやりと聞きながら、眼前に広がる光景を見渡すとそれは、私達が実際に見た第三階層のそれだった。仄暗い中に死臭さえする墓所の廃墟を眺めながら、私はだんだん気が遠くなっていった……。 ◆骸骨の魔物を探して ミレイユ「どうする?私達は既にボーンアーチャーを見かけているから、一応報告はできるけど」 イレーヌ「いえ……待ってちょうだい」 ティアナ「? どうしたんです、お姉様」 イレーヌ「ボーンアーチャーがいるなら、ボーンランサーやボーンキャスターもいるかもしれないわ!」 ティアナ「はぁ??」 ミレイユ「確かに……あくまであれはガイコツ系統の魔物の一種で、他の武器や能力を持った別個体が存在する可能性はじゅうぶん考えられるね」 ファナ「一層のチビゴーレム共の前例もあるしねェ」 ティアナ「ちょ、ちょっと」 コーデリウス「そしたら、ボーンセイバーとか、ボーンアサシンなんてのもいるのかも……」 ティアナ「兄さんまでよしてください!」 マイト「五人揃って……」 「「「ホネレンジャー!!」」」 ティアナ「……。」 その後……。 コーデリウス「結局、ザコとしての亜種はいなかったわけだけど……」 グレゴリオ「まさか、一際強い骸骨の剣士が潜んでいたとは」 マイト「報酬も上乗せしてもらっちゃったな!へへっ」 イレーヌ「依頼主の息子さん、大丈夫かしら。トラウマになってないといいけど……」 ◆リリとソロル その2 『こんにちはー!』 イレーヌ「あら、この声は」 フローリアン「すっかり聞き慣れたね」 キャロ「リリ〜!ソロル〜!」 リリ『へへへ〜。久しぶりだね、キャロ。それにみんなも』 カザン「よお。毎度お互い無事に再会できて何よりだな」 リリ『この樹海をあたしたちは“晦冥の墓所”と呼んでるの』 キャロ「かいめい……?」 フローリアン「要するに、真っ暗闇ってことだよ」 リリ『そう!暗ーい足元に毒の地表が広がり、怪しいアンデッドが徘徊するとても危険な森だよ!』 イレーヌ「へ、へえ〜……そうなんだ……」 ティアナ(そんなおそろしいことをなんで楽しそうに言ってるんでしょうか、この子) リリ『みんなも二つ名を得て、この地を探索するだけの力はつけてると思うんだけど……それでも気をつけてね。ここはとっても危険な場所なんだから』 カザン「大事なことだから二度、ってか?ははっ」 そう話すリリに、隣に立っているソロルが小さく声をかけた。 ソロル『リリ。……』 リリ『あ……うん』 キャロ「? どうしたの?」 リリ『ううん、気にしないで!』 リリは改めてこちらへ向き直り、微笑みかけてきた。 リリ『もっと話したいこともあるけど……それはもう少し後にするね』 フローリアン(……?) リリ『その時まで頑張って!』 キャロ「う、うん。よくわかんないけど、がんばるよっ」 ソロル『おい。お前ら』 イレーヌ「うん?何かしら」 ソロル『ここから西に入った小道の突き当り……オレとリリが探索の拠点にしている場所がある』 イレーヌ「拠点……!?こんなところで?あなた達が!?」 ソロル『驚きすぎだぞ、お前』 ティアナ「ここは危険だと自分達の方から忠告してきた矢先じゃないですか。どういうことですか?」 ソロル『だからこそだ。あまりに危険が多いから、墓所のあちこちに拠点を用意して探索しているのさ』 カザン(マジに言ってんのか、こいつら……物好きっつーか、なんつーか) フローリアン「うーん……理にかなっているような、いないような」 キャロ「こ、こんな場所で……」 ソロル『お前らなら……、ま、オレ達のいない間にでも使わせてやるよ。怖いってんなら、無理にとは言わないがな』 キャロ「うぐっ」 痛いところを突かれ、キャロが唸る。 ソロル『疲れた時は立ち寄ってみるといい』 イレーヌ「それは……どうもありがとう。もしもの時にはお邪魔させてもらうわ」 ティアナ「相変わらず上から目線なのが気にくわないところですが、ありがたいことは確かです。感謝します」 ソロル『ふん』 ◆リリとソロル その3 ソロル『よう、また会ったな』 そう声をかけてきたソロルの隣には、案の定リリが笑顔を浮かべて立っていた。 イレーヌ「あ、二人とも……よく会うわね。二日ぶり……かしら?」 ソロル『この忌々しい樹海を軽々と抜けてここまで来るとは……驚いたな』 これまでと異なり、どうやらこちらに敬意を表しているらしいその言葉に、思わずティアナが動揺の色を見せる。 ティアナ「……。そのように率直な感想を頂くと……拍子抜けするんですが」 カザン「ンだよティアナ、おめーもめんどくせぇヤツだな」 ティアナ「悪かったですね」 ソロル『さあて、そんなお前らにふさわしい話だ』 イレーヌ「なあに、もしかしてまた評議会から?今度はなんて?」 ソロル『ご名答だ。今、評議会では第三階層を調査する緊急の事態が起こったらしい』 キャロ「ま、またおっきなゾウさんがいるとかだったらどうしよう」 ティアナ「さすがにそれは……ここはお墓だし、天井も低いですから、あそこまで巨大な生物がいることはないと思いますよ」 キャロ「そっ、そうだよね!……オバケはいたけど」 ティアナ「……」 カザン「……」 二人はこれまで戦ってきた魔物の姿を思い出して、若干げんなりした。 ソロル『アイオリスにおいて、第三階層を探索できるギルドは未だ数少ない……評議会はおそらく、お前らをあてにしてるんだと思うぜ。一度街へ戻るといい』 イレーヌ「わかったわ。すぐにレムスに謁見してみる」 ソロル『いつもならオレ達も協力するんだが……今回ばかりはそうもいかないんだ』 イレーヌ「あら、そうなの?それは残念」 ソロル『――探し物が近い……そんな気がするんでな』 ティアナ「え……?」 ソロルはそう告げると、リリに頷きかけて北方向へ足を向けた。……笑顔でいたはずのリリはいつの間にか、普段よりも緊張した表情に変わっている。 ソロル『伝えることは伝えた。後はうまくやれよ。……じゃあな』 そう言い残して、二人は立ち去っていった。 フローリアン「彼女、『探し物』がどうとかって……」 イレーヌ「ワケありっぽいわね……あの様子だと」 キャロ(……リリ……ずっと黙って……口を結んで、いつもと違う顔してた……) ……後日…… ミレイユ「……それで、結局やることは宝探しってわけか。やれやれ」 イレーヌ「何言ってんの!これでこそ冒険ってもんよ!胸が高鳴るわぁ〜!」 ミレイユ「腕が鳴る、の間違いじゃないかい」 ティアナ「ミレイユさん。そもそもこの辺りをまともに歩けるギルドの方が圧倒的に少ないんですから、真面目にやってください」 ミレイユ「はいはい」 評議会の依頼とは“英雄の武具を探してほしい”というものだったのでした。 ◆アイタイ ~会いに行こう 最後にリリとソロルとに会ってから数日後の夜。キルガントは、全員で酒場の大テーブルを囲んでいた。 カザン「どーも引っかかるよなァ、あいつら」 カザンが無造作に髪をかき上げながらつぶやき、残り少ない杯の中身を一気に飲み干す。 イレーヌ「ソロルとリリのこと?」 カザン「ああ。さっきまで隣にいたおっさんもあの二人組のこと、ぼやいてたぜ。レムスが『他の連中に心配されてる』っつってたの、マジみてーだな」 イレーヌ「そーねえ……」 イレーヌはグラスを傾けながら、評議会で会ったレムスの気がかりそうな表情とその言葉を思い出していた。――第三階層まで足を運んで、彼女らと話すことができる者は少ない。もし君達にその気があるのならば、二人と話してあげてほしい――と。 ファナ「あの小娘らが、趣味だけで墓地に何箇所もねぐらを構えるような酔狂には見えないねェ」 マイペースに呑んでいたミレイユがふと、そのファナの言葉に視線を上げて言葉を発した。 ミレイユ「……ねえ。あの二人、もしかしてまともに街に帰ってないんじゃないのか」 マイト「うえぇ!?ずっと休憩して寝泊まりしてるってコト!?あそこで!?」 ファナ「だーかーらー、んなモン好きでやってるんじゃなかろっつってるんだよ、このターバン小僧」 マイト「あだッ」 酒の勢いもあるのだろう、ファナがマイトの頭をぺしっ、と勢いよくひっぱたく。マイトは叩かれたところを軽くさすりながら反論した。 マイト「そ、そりゃそうだけどさ。場所が場所だし、普通の山ごもりみたいなのとは違うだろー?」 ティアナ「……何が、二人をそうまでさせているのでしょう」 目を伏せてつぶやくティアナの表情は、いつにも増して深刻そうに見える。 イレーヌ「そうよね。ずっと樹海にカンヅメでいられるほど、……あるいはそうしなきゃいけないほど、探索にご執心になる理由。何なのかしら」 コーデリウス「ご親族のお墓でも探してるんですかね?」 カザン「バーカ。あそこは旧時代の戦死者の墓地っつったろ。仮に自分の血縁だの何だのの墓があそこにあるとして、どんだけご先祖様だっつーの」 これまた酔っているカザンのツッコミも、至って辛辣だ。 コーデリウス「そ、それもそうですね……スイマセン」 ロラン「でも、少なくとも『探しものをしてる』ってことは確実なんだよな?」 フローリアン「うん。確かにソロルが言ってるのを聞いたんだ。探しものが近い、そんな気がする――って」 その場にこそ居合わせなかったロランだが、先程からずっと顎に手を添え、懸命に考えを巡らせている。 ロラン「なら……例えば誰かの墓碑じゃなかったとしても、よっぽど二人にとって大事なものなんだろうな。そのぐらいは想像に難くない」 イレーヌ「あの広大な……暗い墓所を……たった二人で血眼になって探すほど……」 ティアナ「……」 ファナ「……」 彼女らが背負っているのであろう何かしらの重い事情に思いを馳せ、自然と場の空気が重くなる。 キャロ「……リリとソロルにとって大事なものって、いったい何なんだろうね。考えてみたら私、ちっとも知らないや。二人のこと」 キャロはさっきから、お冷の入った平底グラスを両手でかたく握りしめ、ずっとうつむいている。……彼女は今夜、大好きなはずのベリージュースもハーブティーも、注文していなかった。 コーデリウス「……それは、二人が今まで自ら口を開いてこなかったからさ。キャロが後ろめたく思うことじゃあない」 キャロ「そうかもしれないけど」 コーデリウスが優しくフォローに回ろうとする。しかしキャロは依然として沈んだ表情のまま、ぽつり、ぽつりと話し始めた。 キャロ「私……初めてリリに会った時、たぶん自分と同じぐらいの歳の子かなぁって思って……そんな子に樹海で出会えたのが嬉しくて……お友達が、できたみたいで」 もはや一同の視線は、キャロただ一人に注がれていた。テーブルを囲むその全員が、黙ってキャロの涙声に耳を傾けていた。 キャロ「その後はソロルとも出会えて……何回も、二人に元気で会うことができて……そのたんびに、また会えるのが嬉しくて、お話するのが楽しくて、嬉しくて……、……勝手にっ、二人の……友達に……、なんにも知らないのに、仲良しになったつもりに、なってたんだぁ、わたし」 途切れ途切れにそこまで語ったところで、ついにその瞳からぽろぽろと大粒の涙がこぼれだす。 ティアナ「……キャロ」 隣席のティアナが、上下するキャロの肩を抱きしめ、頭をそっとなで始めた。 キャロ「うっ……う……うう」 キャロはその腕の中で、ただただ涙を流し続けている。 イレーヌ「……いつだってあの二人は、私達の前を往く存在だったわね。折に触れて、私達を導いてくれた」 ファナ「餞別をもらっちまったこともあったねえ」 マイト「あー……あの肉はうまかった」 カザン「たまーに通せん坊だったこともあったケドな。何かってーと、街へ帰れってよぉ」 コーデリウス「あはは……」 イレーヌ「でも……それだけ。キャロの言う通り、私達は二人の事情を、何も知らない」 イレーヌもまた、沈痛な面持ちで視線を落とす。 グレゴリオ「あの第三階層に至るまで、仔細ある素振りなど我々には一切お見せにはなりませんでしたからな。リリ嬢はひたすらに朗らかに、ソロル嬢はただただ冷静に……」 イレーヌ「心の奥に何かを隠しての振る舞いだったのかもしれないと思うと……、私も、胸が痛い」 キャロ「むり……してたのかな、二人とも……」 重い空気のまましばしの間が空いた後、イレーヌがやにわに顔を上げ、キャロの方へその身を乗り出した。 イレーヌ「ねえ、キャロ。レムスのお願い事、覚えてるわよね。私達に、二人と話してあげてほしいって」 キャロ「うっ……うん……」 何かを察し、ティアナはキャロの身体からそっと手を離す。 イレーヌは席を立ち、キャロの椅子のそばへしゃがみこんで、涙をたたえた目と真正面から向き合い、力強く語りかけた。 イレーヌ「行きましょうよ、一緒に。今度こそちゃんとお話をするために、私達の方から会いに行きましょう。私達が知らないこと、二人が抱えこんでいる何かを、教えてもらうために」 その言葉に一瞬目を大きく見開いた後、キャロは不安げな様子で応えた。 キャロ「お話……してくれるかな?教えてくれるのかな?」 イレーヌ「大丈夫よ!」 イレーヌはキャロの両肩に手を添え、いつもの明朗な声と優しいまなざしで言葉を続けた。 イレーヌ「リリだって言ってたじゃない、『もっと話したいことがある』って」 キャロ「あ……」 キャロは、墓所で初めて二人と交わした会話を思い出す。 ティアナ「あの時は、また後でとはぐらかされてしまいましたが……その時が来たということなのでしょう」 ファナ「小娘が自分でそう言ってたんなら、もう訊かない理由がないね」 イレーヌ「……ね?」 涙を流しながら――しかしその涙は感極まった嬉し涙であろう、キャロはみるみるうちに笑顔を取り戻していく。 キャロ「……、うん!」 大きく頷いた彼女を見て、よし、と一言発してから、イレーヌは立ち上がって全員へ呼びかけた。 イレーヌ「決まりね!じゃあ、明日も三階層の探索に出かけましょう。二人がそこにいることだけは間違いないんだから、必ずどこかで会えるはずよ」 キャロ「うん……うんっ」 すると、ティアナが胸に手をあてて席から立ち上がった。 ティアナ「私も行かせてください」 コーデリウス「ティアナ?だって君、ソロルさんのこと、さんざん気にくわないとか無愛想だとか言ってたのに……」 ティアナ「た、確かにそうですけど!何というか、その……同業者の因縁ってものです」 その言葉はしどろもどろではあるが、どうやら彼女なりにソロルのことを気にしているという意思表示ではあるらしい。その様子に、思わず一同は微笑ましい目を向けた。 ティアナ「そ……それに、こんなにキャロを泣かせておいて、何もなしってことはないでしょう」 イレーヌ「あはっ、そうよね」 ティアナ「落とし前はきっちりつけてもらいます」 コーデリウス(――ああ、そうか。そうだった。素直じゃないんだったよな、こいつは) コーデリウスは改めて妹の気質を実感し、同時にその横顔に、どこかで頼もしさも感じていた。 ファナ「そういうコトなら、アタシもついていかせてもらおうかねえ」 次いで立ち上がったのはファナである。さすがと言うべきか、酒が入っているもののその動作にふらつきはなく、眼光はしっかりしていた。 イレーヌ「あら。あなたもやっぱり『同業者』だから、気になる?……リリのこと」 ファナ「まー、それもあるけどねェ。初めて会った時から、あの小娘のことはタダモノじゃないとは思っちゃいたんだ。一目置いてたのさ。それがこんなことになっちまったってんだから、もう放っておけないんだよ!あああ、アタシもすっかりお人好しになっちまったもんだ」 半ばやけっぱちな様子で、ファナはがさつにその金髪をかきむしった。 イレーヌ「あはは!いいじゃないの、お人好しで」 キャロ「ティアナさん、ファナさん……!ありがと……!」 ◆アイタイ ~今がその時だ 笑顔を浮かべ、静かな足取りと共にイレーヌが自席に戻り、机上に愛用のメモ帳を広げた。 イレーヌ「さて、ここからは現実的な話になるけど……前列に私とティアナ、後列にキャロと姐さんを置くとして……あと一人、どうしようかしら?」 カザン「んん?四人で向かうってハナシじゃねーの?」 ティアナ「探索する以上は、五人全員の枠が埋まっていた方が安心できますよね?」 イレーヌ「そーいうコト」 ミレイユがやってきて、簡易に描かれた隊列図を覗き込む。 ミレイユ「全体的に……薄いね。そこはイレーヌが壁になってくれればなんとかなるだろうけど」 イレーヌ「うん、そこは臨機応変にやるつもり。キャロがいるなら立て直しも早いだろうしね」 イレーヌがウインクしてみせると、キャロがえへへ、と照れくさそうに頬をかいた。 ティアナ「残りの一人には、そこそこの耐久力と火力を兼ね備えた人が適切……といったところでしょうか?」 イレーヌ「ご名答」 ファナ「刀の坊やは火力にゃ申し分ないけど、いかんせん軽装だからねェ」 カザン「悪かったな!」 ファナの皮肉げな目にカザンが憤慨する一方で、キャロがグレゴリオに声をかける。 キャロ「グレゴリオさんは……ティアナさんのお供しないの?」 幼い彼女の思わぬ指摘に、歴戦の竜騎兵はううむと唸った。 グレゴリオ「……難しい質問ですな」 キャロ「え?」 グレゴリオ「此度はこのような経緯ですからな。お嬢様が自らご決意めされ、事を成さんとしておられるのであるからして……わたくしはあえてお見送りをする方が、かえってお嬢様のためとなることもありましょう……」 ティアナ「爺……」 グレゴリオ「お嬢様も、だいぶご立派になられましたからな」 わずかに寂しさを滲ませながら、しかし優しい瞳で、グレゴリオは主君の少女を見遣った。 グレゴリオ「しかしそれを踏まえた上で、あくまで戦術としてわたくしの力が必要とおっしゃるならば、喜んで馳せ参じますぞ!はっはは」 ティアナ「爺、……ありがとう。私は、きっと大丈夫です。後はお姉様の采配に任せます」 イレーヌ「あらま。もしかして私、責任重大?」 ティアナ「ふふっ」 ……次の瞬間、ずっと黙っていたコーデリウスが席を立ち、口を開いた。 コーデリウス「――イレーヌさん。僕に、行かせてください」 ティアナ「兄さん……!?」 突然の申し出にティアナも、イレーヌも目を丸くして彼を見つめる。 イレーヌ「コーデリウス……確かにあなたなら、装甲も火力も申し分ないわ。前線で一緒に戦ってくれるなら、とても心強いと思う。だけど……急にいったいなぜ?」 コーデリウス「今こそ妹の近くにいて、兄としてその顛末を見届けておきたい、って理由があるのも否めませんが……なんて、こう言ったら君はまた余計なお世話だって怒るかな。ティアナ」 視線をギルドリーダーから妹へ移し、いつもの軽い調子で微笑む兄。しかし、なぜかその時のティアナは冷たく返すことも、怒ることもできなかった。……その目が合った瞬間に直感したのだ。これは、何かを考えている時の目であると。 イレーヌ「他にも理由があるのね?」 イレーヌの追及にも、コーデリウスは落ち着いた声で答える。 コーデリウス「はい。妹に対する兄としてだけでなく……死神に対する剣士として、このキルガントにいる剣士として」 黒い瞳が、一層真剣な輝きを放った。 コーデリウス「――僕に考えがあります」 ◆アイタイ ~ギヌメール兄妹 酒場を出たその後、宿のロビーにて。 「……びっくりしました。兄さんが珍しくまともそうに見えたので」 「珍しくとはひどいなー。あははっ」 「でも、正直に言えば私も……心強いのは確かです。……どうも」 「どういたしまして、我が妹よ」 小さな声で礼を言う妹へ向かって、兄コーデリウスは、わざと気取った風にお辞儀をしてみせた。そして、顔を上げてから穏やかな声で語り始める。 「爺の考えもまた正しいし、僕だって、兄妹だからといってティアナにベッタリなつもりはない。必要があればやはり見送る側になろう、って選択肢も頭をよぎったよ。でもそれと同時に――それとは矛盾するかもしれないけどね――肉親としての僕は、同行しておまえの力になりたいと、素直に思ってることに気づいたのさ」 いつもなら、要らぬお節介です、と即答しているところだ。しかしティアナもまた、今は素直に、兄の厚意をありがたいと感じている自分に気づいていた。 「そして、剣士としての僕もひらめいた。仲間としての、死神としてのおまえと力を合わせて戦える、とっておきの方法をね」 「秘策とでも?あんなにかみ合わなかった私達なのに……兄さんはいったい、どんな策を思いついたっていうんです?」 「――ナイショ」 コーデリウスはその唇に人差し指をあて、いたずらっぽくウィンクしてきた。肝心なところはすぐに教えてくれないのか、と、ティアナはため息をつく。 「それじゃあ、お兄ちゃんは一足お先に休むとしますかね。ティアナも明日に備えて、早く寝るんだよ」 「わかってますよ、そのぐらい。いつまでも子どもじゃないんですから」 「ははは、その調子だ。じゃあね、おやすみ」 去っていく兄の背中を見送りながら、ロングスカートの端をつまんで、誰に見られるともなく深々とお辞儀をして、妹は静かにつぶやいた。 「おやすみなさい。……コーデリウスお兄様」 ◆アイタイ ~死神と死霊術師 その数十分後、宿のテラスにて。 ティアナは柵に両腕を預け、夜風にあたりながら、ぼうっと遠くを眺めていた。 「眠れないのかい」 不意に聞こえてきた声に振り返ると、そこに立っていたのは、バスローブに身を包んだ紫艶の肌のネクロマンサーであった。 「あ……ファナさん」 ファナはゆったりとした足取りでティアナの隣へ近づき、自らも背中から柵へもたれかかる。 「ここにいたんだねぇ。女子部屋になかなか戻ってこないもんだから、探しちまったじゃないか」 「それは……すみません」 「この時季はまだ冷えるんだから、外で考え事すんのもほどほどにしときな」 時は笛鼠の月の末。暦としては春の足音は近づきつつあるものの、夜間の冷えは未だに厳しい。ファナがティアナの肩を軽く叩く。 「……どうも。そちらこそ、夜更かしは美貌に差し支えますよ」 「はっはっは!言うじゃないのさ、大鎌の嬢ちゃん。悪いけど、あたしゃもともと夜型でねェ」 「答えになってませんけど」 呆れてツッコミを返した後、ティアナは、はた、と気づいてファナに問いかけた。 「ところで、あの……キャロはちゃんと寝付けましたか?」 「ああ、にんじん娘なら心配ないよ。……泣き疲れたってのもあるんだろうねえ。準備ができたら、おやすみ三秒だったさ」 「それはよかった……」 心底ほっとするその様子を見て、ああ、この子もなんだかんだで心根の優しい娘なのだと、ファナは口元を緩めた。 ティアナはほうっと息をつき、夜空を見上げてぽつりとつぶやく。 「何でしょうね……明日のことを思うと、どこか落ち着けなくて。緊張……なのでしょうか」 「……自分の気持ちの正体がわからない時ゃ、あえてわかろうとしないのも手さ」 「そういうものですか」 「案外、忘れた頃にフッとわかる時が来るもんだよ」 「忘れてしまってたら、意味がないじゃあないですか」 「あっはっはっ……それもそうだねえ、こいつぁ一本取られたわ」 「もう、何なんですかまったく」 「独りでいるにゃ寒すぎるだろ、こんな夜は」 唐突に真剣な、しかしあたたかな声色で放たれた一言に、ティアナはたじろいだ。……宵闇においてなお紅く光るファナの目と、視線がぶつかった。時間が、止まる。 「……なーんて、アタシが男でイケメンだったらもっとサマになったかねえ」 沈黙を破ったすっぴんの唇の奥から、くっくっと自嘲気味な笑みが漏れていた。 「いえ……なんというかその、お気遣いは素直に嬉しいので……まあ、ありがとうございます」 「そうかい?ならよかった、よかった」 ファナがまたしてもケタケタと笑った。不思議だ。なんだか調子が狂うけど、こんな感じも悪くない。人との会話にそんな心地よさもあるのだということを、ティアナは初めて知った。 そしてこの機に、初めて気づいたもうひとつのことを、思い切って話してみることにする。 「……あの……ファナさん」 「なんだい」 「思えば私達――死神と死霊術師って、どちらも“死”を冠するものですよね」 「そうだねえ」 「そんな共通項があるのに、私は今までずっと気づかなくて……意識したことがありませんでした」 「やってることが丸っきり違うからねえ。そりゃムリもないさ」 思えばあの二人――リリとソロルもまた、そんな組み合わせである。 「ファナさんが『既に死んでいる魂』を使役する者であるなら、私は……『生きているものに引導を渡す』方でしょうね」 「それこそ『死を振りまく死神』ってねェ」 「でも私は……、魂に干渉できるわけじゃありません。あくまで毒や呪いを仕込んだり、神経や五感に作用するすべを持っているというだけで……つまりは、肉体的なアプローチをしてるにすぎないんです。その魂にまでは……少なくとも私は、関知できないから……霊魂さえ扱えてしまえるファナさんは、単純に凄いと……そう感じます」 理屈っぽく語るティアナには、ネクロマンサーのファナの所業がまるで人智を超えたもののようにでも映っているようだ。彼女なりに評価しているのは理解できたが、やれやれ、とファナは肩をすくめた。 「アタシはね、嬢ちゃん。死霊の魂に意味を与えてやってるだけなんだよ。やってることは、使い捨てだけどね」 「意味を……」 「他の死霊術師がどうかは知んないけどね、少なくともアタシのトコに寄ってくるヤツらは、命の使い道を求めてる連中ばかりさ」 「死してなお、彼らは『命』の使い道を欲してるというのですか?」 「そうともさ。『どうせ死ぬなら悪者に一矢報いてやりたかった』だの『どうせ死ぬなら最後に人の役に立ちたかった』だの……まあ、個々人の事情はこの際アタシにゃどうでもいいハナシだ」 「えっ」 ティアナが目をぱちくりさせる。どうでも……よいのだろうか、それは。 「要はどいつもこいつも、現世(うつしよ)に留まっちまってる自分の存在に意味が欲しいだけさね。一人ひとり言い方が違ってもね。……だからアタシは、アタシに寄りつく死霊どもにまず断りを入れるのさ。アタシは、アンタみたいな連中を“使い捨てる”ようなヤツだってことを」 ……自分が知らないだけで、ともすればこの人は、今までの冒険者稼業で理不尽に批判を受けることもあったのだろう。覚悟を宿すファナの横顔を見て、ティアナは息をのんだ。 「嬢ちゃんはさっき、アタシのやってることを指して『魂を扱う』ってぇ言い方をしたね。死神は肉体的なアプローチしか云々ってのも」 「はい」 「だったらアタシの『魂を扱う』って行為も、文字通りのアプローチにしか過ぎないとアタシゃ思うねェ」 そう言ってから紅の瞳が前に向けられ、キッと鋭く輝く。そう、まるでそこに死霊がいるかのように、そしてそれと対峙するかのように、ファナは虚空に向かって語りかけ始めた。 「アタシはアンタを救うわけじゃない。導けるわけでもない。それでもいいってんなら、アンタの欲しがる存在理由とやらを与えてやる。方法はちょいと荒っぽいが、覚悟はできてるかい?」 その語り口は、まぎれもなく幾度もの修羅場をくぐり抜けてきた死霊術師のものだ。 「――そう訊いて、構わないって答えたヤツだけがアタシに憑いてきてくれる。それだけのコトなのさ。だから嬢ちゃんが思ってるほど、そんなご大層なコトをしてるワケじゃあないよ。たぶんね」 「はあ……。でも、そういうお話を伺うと……ファナさんの心構えや矜持にはやはり、頭が下がります」 「なーに言ってんだい。アンタにもあるんだろ?死神としての矜持が」 ……思わぬところで、褒められてしまった?ティアナはうろたえて言葉を失う。認めてもらえている、と思って、いいのだろうか。 「それにアタシからすりゃあ、神経毒やら何やらに精通して使いこなしてるアンタの方が、よっぽどスゴいと思うしね」 「えっ?そ……そうですか?」 「そうだとも!墓場の魑魅魍魎どもさえばったばったとなぎ倒すあの姿、アタシはシビれたね。ゾクゾクするほどに!……って言っても、墓場をうろつくようなヤツらはもともと死んでるんだっけねェ」 「……うふふっ。言われてみれば確かにそうでしたね。なんだかおかしな話です」 「あっはっは」 軽快な笑い声に、重く冷えていた心があたたまり、ほぐれてゆく。 「……ファナさん。そろそろ……戻りましょうか」 「ん?気分、落ち着いたかい?」 「おかげさまで」 「じゃあ行こうか。寝てる連中を起こさないように、静かにね」 「はい」 「……明日はよろしく頼んだよ」 「ええ。ファナさんも……背中は任せましたよ。キャロのことも、横からちょくちょく気を配ってあげてください」 「もちろんさ」 二人は女子部屋へ向かい、揃って歩き出した。 「あー、ちなみにねえ、寄ってくる死霊の中にはたまーに『むしろご褒美です!』とか言い出すトンチキもいるんだけど」 (ああ、そういう……) ◆アイタイ ~君は薔薇より美しい コーデリウスがティアナと会話を交わした直後、同じく宿の廊下にて。 「あら、コーデリウス。もう部屋へ戻るとこ?」 すれ違いざま立ち止まり、声をかけてきたのはギルドリーダーのイレーヌだ。 「ええ。ついでにせっかくですから、可愛い妹に一言あいさつを済ませてきました」 「マメなのね。いいお兄ちゃんだわー、うらやましいですこと」 「それはどうも、お褒めに預かりまして」 「明日の件……どうぞよろしくね。あなたの『作戦』、楽しみにしてる」 「お任せください!今回は自信があるんです。美しい女性のためならがんばっちゃいますよ、僕」 「あははっ!もう、口がうまいんだから〜。前々から話には聞いてたけど、あなたってホント、」 「女好きだと思いますか」 思わぬ遮り方と一瞬の真剣な表情に、ついイレーヌは言葉を詰まらせる。 「まあ、否定はしませんけどねー。けれど僕のそれは、相手の女性への賞賛でもあるつもりです。美しいという言葉は」 「……単に見目麗しいという話ではなくて?」 「外見だけで美しさは語れません。今回の件に関して言えば、まず僕はキャロの『相手を思い遣る気持ち』を非常に高く評価してるんです。その相手が動物であっても、人間であってもそうでしたよね」 「ああ――あのオオカミの一件は、私もよく覚えてるわ」 「勤勉でもあり、日々薬師としてがんばっているキャロのそんな姿を、僕は美しいと思います。ブラニーゆえに姿かたちは小さなままでも、じきに彼女は立派なレディになるでしょうね」 「違いないわ」 「ファナさんだってそうです。奔放で豪快な方ですから誤解されがちですけど、何だかんだで面倒見、いいですよね」 「そうそう、そうなのよ。さばさばしてるけど、冷たいと感じたことは一度もないわ」 「でしょう?放っておけない、ってあの一言に集約されてましたよ。それに豊かな金髪も、赤い瞳の強い眼差しも、傷だらけの昏い肌だって、僕は綺麗だと思います」 「へえ、こう言っちゃなんだけど意外ね……あなたがそんな視点を持ってるなんて」 「失礼しちゃいますねー。目立つ傷があるから醜い、なんて決めつけることこそ、まったくもって美しくないですよ」 眉をひそめるコーデリウスの語り口には、いつになく熱がこもっている。 「あの傷の事情は聞いてませんが、知っていても知らなくてもたぶん同じです。ファナさんが強くたくましく生きているという今の事実がすべてで、そういうファナさんはやっぱり、美しい女性ですよ」 「……本人が聞いたら照れ隠しにどついてきそうね」 ふふっ、と軽く笑った後、何か思いついたような顔をして、イレーヌはコーデリウスに問うてみた。 「じゃあちょっと、そんなコーデリウス君に意地悪な質問をするけど」 「何ですか?」 「あなたの妹さんはどうなの?『美しい』?」 「あー、あいつは……そうですね、悪くない見た目だと思いますよ。贔屓目かもしれないですけどね、あれも強い意思の宿ったまっすぐな瞳をしてます」 「わかるわかる!敵襲の時にキッと向ける眼差しがステキよねー」 「あはは。イレーヌさんがそんなこと言ってくれるなんて、それこそ本人が聞いたら照れちゃいますよ。……近頃は爺の言う通り、ティアナもずいぶんと立派になりました。皆さんともうまくやれてますし……あいつの成長も、やっぱり美しいと言えますね」 「うんうん。満足のいく回答だったわ。どうもありがとう」 「どういたしまして。……ああ、ところで」 「なに?」 「――貴女もですよ、イレーヌさん」 「……はい?」 予期せぬおまけの回答に、イレーヌは思わず間の抜けた返事をしてしまった。 「薄紅のバラにも似た色の髪、高みを志す、曇りのないマホガニーの瞳」 「え……」 「大胆不敵で勇猛果敢で、そのくせ普段は朗らかで陽気でチャーミングだ。だからこそ、いざという時の真剣さが際立ちます」 「ちょ、ちょっと」 いくらなんでもベタ褒めしすぎよ、と言い返す前に、お喋りな紳士の声が飛んできてしまう。 「最近はだいぶ肩の力も抜けて、しなやかになられましたよね。何より僕らや街の人々に向けられる眼差しは優しく……」 「コーデリウス!」 「美しい」 しばらくの間が流れた。 「貴女もまた、美しいひとですよ。イレーヌ・ワッツ」 「……参ったわね。こんなに褒め殺しされるとは思ってなかったわ」 やれやれ、といった様子で、イレーヌは額に片手をあてて首を横に振る。 「はは……個人的主観に基づいて事実を述べたまでですよ」 「もー。オネエサンをからかわないでよね」 「やだなぁ。からかってるつもりはないですよ?」 「またそういうこと言うー」 「美しいひとを美しいと、ましてその本人へ面と向かって言うのに、どうして冗談やからかいや嘘が必要でしょうか」 微笑むその瞳は、やはり無礼や冗談を言う時の表情ではなかった。この直球にはさすがに、イレーヌといえど頬を染めて目を逸らさざるを得ない。 「……っあ、ありが、と」 「どういたしまして、お嬢さん。それじゃあ僕はこれで」 「あっ、う、うん」 「明日はよろしくお願いします」 「こっ……こちらこそよろしく!がんばっていきましょう」 「はい!おやすみなさい、イレーヌさん」 「おやすみなさい!じゃねっ」 ……かわいいひとだなあ。そう思いながら、コーデリウスは男子部屋の方へ向かっていった。 直後、イレーヌさんは真っ赤な顔を押さえて、たちまちその場にしゃがみこんでしまいましたとさ。 ◆お兄ちゃんがんばる 翌日、その五人で向かった晦冥ノ墓所にて。 ファナ「おっと、団体さんでお出ましかい!」 イレーヌ「ティアナ!前列は任せたわ!」 ティアナ「はい!……思い知りなさい、惨毒の鎌の力を!」 キャロ「やった!効いてるよ!」 直後、毒にうめく魔物に颯爽と追撃を加える影があった。 コーデリウス「――その隙ッ、もらったぁッ!!」 その突撃に、一瞬にして魔物達が斃れ、その姿を崩壊させる……。 イレーヌ「コーデリウス!?」 キャロ「かっ……こいい……」 ティアナ「兄さん、今のは……いや、今の追撃は……一体!?」 コーデリウス「敵が何らかの状態異常、または部位封じを受けた瞬間に、すかさずその対象に追撃をお見舞いする……名付けて『チェインキラー』ってね」 イレーヌ「考えがあるって……そういうことだったのね!よくやってくれたわ!」 ファナ「こりゃあまた器用になったもんだよ、青髪の坊や」 コーデリウス「はは……マイト君やロラン君に特訓に付き合ってもらったおかげですよ。うまくいってよかったぁ」 戦闘が終わったこと、初披露の技がうまく決まったことへの安堵からか、コーデリウスはその場に勢いよく座り込む。 コーデリウス「……どうだいティアナ、これからはおまえとも連携プレーができるようになったんだよ、僕……もちろん、さっき言ったようにマイト君達ともね」 ティアナ「……、兄さん」 コーデリウス「うん?」 ティアナ「――お見事でした」 コーデリウス「…………へへっ」 コーデリウスは、息を整えながらVサインを作り、にかっ、と笑った。 ◆アイタイ ~リリ 晦冥の墓所、十三階。五人はついに、木々の陰でひっそりと立ち尽くすリリの姿を見つけた。キャロが真っ先に、彼女のそばへ駆け寄って手を握る。 キャロ「あっ!リリ!会いたかった!……会いたかったよぉ……」 『キャロ……ありがと。あたしもみんなに会いたくて……ここで待ってたんだ』 キャロ「えっ?どういうこと?」 『この三階層、晦冥の墓所をここまで探索してきたみんなに聞きたいことがあって……』 ファナ(ここをねぐらにしてる、まして手練のこの小娘が、それでも後進のアタシらに聞きたいことだって?どういう風の吹き回しだってんだい) イレーヌ「ええ。もしも私達でわかることなら、喜んで答えるわ」 キャロ「リリ、なあに?それってどんなこと?」 『あのね……、あたしが聞きたいのは、あるネクロマンサーのことなんだ』 ファナ「ほお?」 『私の一族は……ある事情で、遥か昔から一人のネクロマンサーを追い続けていて……』 薄暗い樹海の中でも、リリの表情が思い詰めたものであることはすぐにわかった。何より、その声色はいつもより深刻だった。……思った以上に深い事情がありそうだ。コーデリウスは、少し身構えて彼女の話に耳を傾ける。 『そのネクロマンサーは、私の故郷にある魔術の塔から、ある魔法の品を盗み出したの』 ファナ「ははあ。さては、そいつがそのままズラかっちまったってわけかい?」 『はい。アーティファクトと呼ばれるその品は、魔術の塔でも重要視されている物で……取り戻さないといけないのです』 ティアナ「……“アーティファクト”……」 『そのために私の父も祖父も、そのまた祖父も、ずっとそのネクロマンサーを探し……見つからぬたびに、子や孫へと任務を伝え続けてきたのです』 少女の話を聞いていて、イレーヌはふと気づく。 イレーヌ(……ん?ちょっと待って……アーティファクトの方でなくて『ネクロマンサー』を?そのネクロマンサーは……遥か昔と呼ぶほど前からずっと今も、長い年月を生き続けてるっていうの!?一体リリの何代前……いつの時代から!?) 内心ぞっとするリーダーをよそに、キャロがリリに尋ねた。 キャロ「その任務を負ってるのが……今はリリだってこと?」 『うん。これまで集めた情報から、相手がこのアイオリスの迷宮にいる可能性が高いって考えて、私はソロルと一緒にやって来たんだ』 ティアナ「……そういうことでしたか」 『ネクロマンサーが隠れ住むならこの階層だと思って、ソロルと二人で必死に捜したんだけど、見つからなくて……。だから……同じようにこの階層を歩いているみんなに聞きたかったの。怪しいネクロマンサーらしき人物を、この階層で見ませんでしたか?って』 ……怪しいネクロマンサー。リリの問いに、全員が言葉を失う。そのような人物はついぞ見たことがない。そもそも、まともな人間でさえ、この墓所では出会う方が稀であったのだ。 イレーヌ「……残念だけど、今までそれらしい人は見かけていないし、聞いたこともないわ。……ごめんなさい」 事実を伝えると、案の定リリは目を伏せてしまった。 ティアナ「リリ……」 『そっか』 キャロ「ごめんね……力になれなくて」 『ううん、いいんだよ。……けど、あたしはきっとこの樹海にいると信じてる』 その口調は力強く、目は前に向けられている。 『だからあたし達は、これからも調査を続けるけど、もしよかったら……』 しかしそこまで告げたところで、リリは途端に言いよどみ始めた。 イレーヌ『うん?よかったら、なあに?』 イレーヌが促すと、申し訳なさそうに、そして遠慮がちに、リリは言葉を続ける。 『みんなが何か手がかりを得たら……私達に教えてもらえないかな?』 キャロ「うん!もちろん……約束するよ!どんな小さなことでも、もし何かわかったらすぐ知らせに行くからね!」 『ありがとう……。もちろん、相応のお礼はしますので……』 ぺこぺこと頭を下げるリリに、ファナは少し涙ぐんだ声で応えた。 ファナ「ばかだねえ、この子は……この期に及んで、そんなこたぁ気にしなくったっていいんだよ」 イレーヌ「そうよ、そうよ。あなたやソロルにはお世話になったし、それを思えば、お礼しなくっちゃいけないのはあたし達の方だわ。私達が恩返しをする番が来たってことだと思うの。今後は私達も、もう少し気をつけてこの墓所を調べてみるわね」 『ありがとう、ほんとに……。それじゃ、ね』 ◆アイタイ ~ソロル 同じ階のその先で、五人はソロルの姿を見つける。……相変わらず、醸し出すその雰囲気は冷たい。 『よう。キルガントか、久しぶりだな』 イレーヌ「ソロル。……久しぶり、ね。こんばんは」 ファナ「昼も夜もよくわかりゃしないようなトコだけどねえ、ここは」 コーデリウス「これはこれはソロルさん、妹のティアナがいつもお世話に」 ティアナ「なってません!」 『……ふん』 目の前で繰り広げられる兄妹漫才に呆れながら、ソロルは皮肉たっぷりに言葉を続ける。 『まったくお前らの成長っぷりには驚くぜ。この気持ち悪ィ階層を、ここまで順調に進んでくるなんてな』 ティアナ「褒め言葉と受け取っておきましょう。そちらこそ、よくぞご無事で」 『……ところで、少し聞きたいことがある』 イレーヌ「ええ。あたし達でよければお答えするわ。こっちも、」 ティアナ「もとよりそのつもりです」 『!』 ソロルが若干面食らった顔をするのを、全員が見逃さなかった。 イレーヌ(ティアナ……) ティアナ「もし、あなた方に何らかの事情があるのなら。その上で私達に聞きたいことがあるというのなら。それを想定して、……あなたと対話するつもりで、ここへ来ています」 『……ふ』 初めて、参った、とでもいうような顔をして、ソロルの口元が嗤う。 『もう、リリのヤツから聞いてるよな?あのネクロマンサーのことだよ』 ファナ「ああ、あの小娘の故郷からお宝を盗んでトンズラこいたとかいうヤツの話だろ?しっかと聞いてきたさ。この耳でね」 『それならいい。でも突然いろいろ言われたって、お前らは何が何だかわかんないだろ』 イレーヌ「うーん、そうねー……あの子の話で判ったのは、盗まれた秘宝が“アーティファクト”って呼ばれてるってことと、あの子の一族が代々そのネクロマンサーを捜し続ける役目を負ってるってこと……ぐらいかしら」 『だろうな。だからよ……オレが知ってることを少しだけ聞かせてやろうと思ってな』 ティアナ「願ってもない話です。あなたが自らの意思で話してくれると言うのなら」 キャロ「……ソロル、聞かせて。リリのためにも」 キャロの眼鏡越しの真剣な眼差しを見遣った後、ソロルは虚空を見上げ、何かを思い出すようにしながら言葉を発し始めた。 『――遥か昔に、ルナリアの魔術の塔に双子の魔術師がいたんだとさ。漆黒の髪と瞳を持つ兄はクロウ、白き肌の妹はスワンと呼ばれていた』 コーデリウス「鴉と……」 ティアナ「白鳥、ですか」 ファナ(ここでも兄と妹かい。……なんとも奇妙な巡り合わせがあるもんだね) 『そのクロウがある時、生命の理の先を追い求め、魔術の塔の秘宝である不死者の指輪を盗み出したんだ』 そこまで聞いて、ティアナとイレーヌがそっと耳打ちし合う。 ティアナ「リリの話と一致する部分が出てきましたね」 イレーヌ「そうね……!ってことはアーティファクト、イコール『不死者の指輪』?」 『当然、魔術の塔は怒り、妹のスワンを追手として差し向け、クロウの抹殺と指輪の奪還を命じた』 まるで“魔術の塔”そのものが主体性を持っているかのような話しぶりだ。 ティアナ(塔が自ら意思を持っているかのような言い方……それは、単なる建造物の名称ではないということだろうか?何かもっと広義の、組織や存在をも内包している名前……?) 『だが、逆にクロウは追手として来た妹を傷つけ、さらに異国へ逃げ去った……』 コーデリウス「……どんな野望があったかは知らないけど、肉親にまで手をかけるとはね。美しくない」 『傷付き、死の淵にあった妹は、己のまだ幼い子達に、クロウを追い指輪を取り戻せ、と命じたという』 ソロルはそこまで話すと、一度言葉を切り、五人の顔をゆっくりと眺め見る。 『こいつはよ、すげえ古い話で……オレには、聞いてるだけで理不尽に思える話だ』 キャロ「うん」 『だけど……そんな大昔の話に囚われて、てめえの人生を自由に生きることのできないヤツがいるんだ』 その声はどこか悲しげだ。 キャロ「うん、うん……っ」 『オレは、ソイツをなんとかしてやりたい』 キャロ「……うん……っ」 ティアナ「それが、あなたの『本当』ですか」 『そうさ。何の目的もなく刃を揮ってきたオレは、それが自分のやるべきことだと感じて、リリを支えてここまで来たんだ……』 ティアナ(自分がリリを支えると言いながら、きっとこの人は……、何の目的もなかった自分の人生が、リリによって意味を与えられたと思って……この人の方こそ、リリに支えられて生きている……) 『……だからこそオレは、リリと共にこの樹海の探索を続けてきた。この墓場を目指してな。けどよ……もう、限界なんだ』 キャロ「限界って……ソロル、どこか具合でも悪いの!?」 『違う。オレの……力量の問題だよ』 キャロ「え……?」 ソロルが歯噛みしながら答える。 『ここから先に進むには……悔しいが、力不足なんだよ、今のオレじゃ……だから、限界なんだ』 キャロ「……、……」 強く拳を握りしめ、唇を噛むソロルを前に、キャロだけでなく他の面々も言葉を失っていた。しかしその中にあって、ただひとり彼女に言葉を投げかけた者がいた。 ティアナ「勝手なことを言わないでください」 静かで、しかし憤りのこもった強い声が、墓所の空気の中をこだまする。 ソロルは目を丸くし、ティアナの方を見た。その顔に浮かんでいるのは、驚きと……何が起きているのかわからない、とでも言うかのような戸惑いであった。 コーデリウス「ティアナ!おまえ、」 また失礼な態度を、と言おうとしたコーデリウスを、ファナがそれを上回る声量で制止する。 ファナ「青髪の坊や!よしな」 コーデリウス「だって、ファナさん!」 ファナ「アンタも男だろ。あの子の兄貴だろ。……言いたいこと、言わせてやりな」 その言葉に、はっ、としたコーデリウスは意を決して口を結び、改めて妹とソロルの話す方へ視線を向けた。 ティアナ「……昔話のことはよくわかりました。でも、あなたの個人的な事情……黙って聞いていれば、何なんですか。大切な人を支えると言っておいて、自分で勝手に己の成長の限界を決めつけて……“自分”をあきらめると言うんですか!……ソロル!!」 ああ、言ってやった。言ってしまった。もうどうにでもなれ。依然としてあっけにとられた表情で目を合わせてくるソロルに、ティアナも負けじと眼力をこめて見つめ返す。そうしていると、ソロルはがっくりと頭をうなだれ、目を閉じた。 ……しばらく重い沈黙が流れた後、それを破ったのは以外にもソロルの方であった。 『お前……確か、ティアナとか言ったよな。名前』 ティアナ「いかにも。それが何か」 『いいや?……そっちこそ、黙って聞いてりゃ随分と言ってくれるもんだぜ。まったくよ』 顔をあげたその表情は、先ほどよりは幾分か和らいで見える。そして何よりも――ひねくれてはいるものの――笑っていた。 キャロ(ソロルが……笑った!?) イレーヌ(ウソ……) 『ご高説どうも、ティアナ様。オレに説教垂れるなんざ、お前も物好きだな』 ティアナ「いえ」 『けどな……おかげでちっとは気分がスッキリしたぜ』 ティアナ「! それは……な、何よりです」 声が明らかに動揺している。……よくがんばったわね。イレーヌは心の中でティアナをねぎらった。 『オレは、……オレ達は、今後も自力でできる範囲の探索と調査を進める。それはあきらめねえ。リリを助けたいってのもな。だが、“今の”実力でこれ以上先に進むのが難しいのは事実だ。……残念ながらな』 ティアナ(“今の”……!私の話を……わかってもらえ……た……?) 『それを踏まえた上で……お前らキルガントを見込んで、このソロルから頼みたいことがある』 イレーヌ「何かしら」 『お前らに、調べてきてもらいてえんだ。今はオレ達でも進めないこの亡者の樹海の、その奥を』 ファナ「……アタシらに託して、本当にいいんだね?」 『先に言っただろ。お前らと見込んで、ってな』 イレーヌ「……あなたからそんなことを言ってもらえる日が来るなんてね。光栄だわ、ソロル」 『っ、だからって調子に乗るんじゃねえぞ』 イレーヌ「はいはい。ふふっ」 いつもの様子に戻って粗暴に言ってみせるソロルに、イレーヌもまた、微笑みで返してやった。 『……それでだな。オレ達が追いつくまでにもし何かわかったことがあったら……その時は教えてほしい』 イレーヌ「もちろんよ!その話、喜んで引き受けたわ。任せて」 キャロ「ソロル!あのね、リリとも同じ約束したんだ。何かあったらすぐ伝えに行くからねって」 『そうだったか』 キャロ「うん。だから、えーとえーと……ま、任せてよ!私達、がんばるからね!」 『ふっ……じゃあな、お前ら。オレはまた、オレの道に戻る』 イレーヌ「わかった。どうか無事でね」 立ち去ろうとするソロルの背中を、ティアナがひときわ大きな声で呼び止めた。 ティアナ「ソロル!」 『なんだ』 振り返ったその顔を確かめてから、ティアナはありもしないスカートの端をつまむような仕草で、うやうやしくお辞儀をした。 ティアナ「……お達者で」 そう、まるで舞踏会に現れる令嬢のように。 ◆インターミッション 探索から帰還し、再び酒場の大テーブルにて。 イレーヌ「……っていうことらしいの」 コーデリウス「イレーヌさん、字、字」 イレーヌ「あ~、ゴメンね!熱がこもってつい走り書きに」 ロラン「しかも激おこってリーダー……」 イレーヌ「テヘ」 ミレイユ「しっかし……にわかには信じがたい話だね。そもそも対象が物品ですらない」 フローリアン「まさか、人捜しをしてたなんて……」 マイト「しかもこいつ、リリのご先祖サマの仇ってことじゃんか!」 ティアナ「……そういうことになりますね」 ロラン「俺はてっきり、二人が失くしものでもしたのかと思っていたよ。……こないだのはとんだ見当違いだったな」 グレゴリオ「まあ、実際に盗品が絡んでいるわけではありますし……一大事、という意味では当たらずとも遠からず……というところではないですかな、ロラン殿。ささ、二杯目をどうぞ」 ロラン「お。ありがとな、グレゴリオのおっちゃん。……実情が想像のだいぶ斜め上だったけどな……」 カザン「斜め上どころか、超展開すぎて頭が追いつかねーよ。何だよ、遥か昔のネクロマンサーって?何百年何千年昔だか知らねーけどよ。なあ、ルナリアってそんなに長く生きるモンなのか?」 ミレイユ「さあ?」 カザン「おい該当者テメエ」 イレーヌ「そこはあたしも気になったんだけどね……よく考えて。このクロウってヤツを追いかけるのに、リリの一族は何代も費やしてるのよ」 カザン「……あ」 ミレイユ「まあ、中にはスワンと同じく返り討ちに遭って、寿命を待たずして亡くなった例もあっただろうね。でも、全員が全員クロウと対峙できたわけじゃなさそうなんだろう?リリの言い分だと」 ファナ「あァ、この盗っ人野郎をどうしても見つけらんなきゃ代替わり、ってコトだったよ」 フローリアン「つまり、今なおクロウがターゲットであり続けてるこの状況も、少なくともリリの一族の人達と比較した場合のクロウの寿命も……明らかにおかしい」 ミレイユ「そーいうこと」 フローリアン「でもそれは……塔にあった秘宝のことを踏まえて想像してみると、筋が通るんじゃないかな」 キャロ「このアーティファ……っじゃなかった、『不死者の指輪』?うーん……確かに、いかにもってかんじの名前だよね……」 カザン「するってーと、何か?その指輪のせいで、クロウってヤツは本当に不死の存在になっちまったと?」 フローリアン「……僕の憶測に過ぎないけどね」 ロラン「でもどんな魔法の指輪だろうと、きちんと身に着けない限りは効力が発揮されないんじゃ?俺はルナリアでも魔術師でもないから、よくわかんないけど……」 ミレイユ「いや、その認識で合ってるはずだよ。私達がセリクからアクセサリーを買って身に着けるのと同じ原理だと思う。つまり……」 ティアナ「クロウは不死者の指輪を、身に着けてしまった……」 イレーヌ「……盗み出しているっていうことは、自らの意思で指を通したのよね。……なんてことを」 フローリアン「クロウは『生命の理の先を求めて』指輪を盗んだんだよね。クロウの言うところの『生命の理』って、どんなことだったと思う?」 ミレイユ「ふむ……」 イレーヌ「うーん……、生きとし生けるものの寿命が……すべて限りあるものであること……かしら」 ファナ「基本中の基本じゃないのさ」 フローリアン「うん。でもだからこそ、ボクはイレーヌさんの今の答えが正解なんじゃないかと思う」 ティアナ「では『生命の理の先』とは、つまり……無限の……命?」 フローリアン「……きっとね」 イレーヌとキャロが身震いをする。 ロラン「何だか今日はやけに攻めるな、フローリアン?」 フローリアン「あは……ボクの故郷にも、不死を求めた男の伝説があってさ。それを知ってるだけにゾッとしなくて」 ロラン「ほー」 マイト「その……フローリアンの故郷の伝説のソイツは、どうなったの?」 マイトの問いに、フローリアンは以前イレーヌにも話した昔話を軽く語って聞かせた。 フローリアン「暴君と化したその男は念願叶って不死の力を手に入れたけど、そこへ一人の神子が現れて、神子の持つ強大な雷の力によって不死を打ち砕かれてしまった」 マイト「……」 フローリアン「だいぶ端折ったけど、だいたいそんなお話だよ」 ロラン「天罰……だな。まるで」 キャロ「そんな自然の決まりに逆らってまで、その人も、クロウって人も、いったい何がしたいのかな」 コーデリウス「まったくだ。いのちは限りあるからこそ美しいのに」 フローリアン「さっきのボクの話の場合は、永遠の栄光が欲しくて男は暴挙に出たってことになってる」 ロラン「そういう奴にとって、不死ってのはそれ自体が目的じゃなく、手段でしかないわけだ」 ファナ「けどそうなると、ますます盗っ人野郎の本心が見えてこなくなるねェ……栄光や富や名声が欲しいんなら逃げも隠れもしないで、とっくに何か行動を起こしてそうなもんだよねえ」 イレーヌ「そういう次元にとどまらない何か……あたし達じゃ想像もつかないような、もっとおそろしいことを企ててるのかもしれない……」 震えあがる者と、憤る者。反応は分かれたが、その恐るべき存在に対する嫌悪感は変わらない。 ファナ「……ちッ」 ファナが憎々しげに舌打ちをする。 カザン「案外、永遠の命ってのにしがみつきたいだけだったりしてな」 ティアナ「なんですかそれ。もし本当にそうなら、器が小さすぎますね」 ファナ「そん時ゃ、思いっきり笑い者にしてやるさ」 そうつぶやくファナはいつもの軽妙な調子ではなく、静かな怒りをにじませる、重く低い声をしていた。 イレーヌ「……とにかく、ソロルとリリの話をまとめた上でこうしてみんなと話し合って、頭も気分もだいぶ整理できたわー。本当にありがとう。……いくつか、私の見解を述べてみるわね」 ミレイユ「どーぞ」 イレーヌがその場で席を立つ。 イレーヌ「まず、リリとソロルに調査を頼まれたネクロマンサーの件だけど……ソロル曰くその名は『クロウ』。そしてクロウは自らの意思で『不死者の指輪』を身に着けていて、その恩恵によって自身をアンデッド化させている可能性が非常に高い――」 フローリアン「……うん」 グレゴリオ「げに恐ろしきことよ……」 マイト「……今ってどんな見た目してんだろうなぁ、そいつ」 ミレイユ「あー、“不死者の”と銘打ってるけど“不老”とまでは言ってないからねー……案外、白骨化してたりして」 マイト「うひぃえぇぇえぇえ」 イレーヌ「こらそこ、マイトをいじめない!」 ミレイユ「おっと、こりゃ失礼。リーダー殿、続きを」 イレーヌ「……おほん。次に、クロウの居所。これまで晦冥ノ墓所を、十一階に始まって十三階まで歩いてきたわけだけど……くまなく調べても、ついにあたし達がそれっぽい男と鉢合わせることはなかったわよね」 コーデリウス「むしろ生きてる人間といったら、僕達とあの二人組だけでしたね……」 イレーヌ「つまり、よ。リリ達の調査と目のつけどころが確かなのだとしたら、クロウはきっと、あたし達がこれから行く先の階にいる」 マイトが肩をすくめる。 イレーヌ「……ホントは知らないうちに、今までのどこかですれ違ってたのかもしれないけど」 マイト「ひいいいい!そっちの方がコワイって!!」 キャロ「だ、だいじょぶだよ、マイトくん!みんな気配を感じるのが上手だもん!それに、もし近くに何かいたらパウが黙ってないでしょ?ね、ロランくん」 ロラン「ん?お、おう」 マイト「そ……そっか、そうだよな。……ぶるる」 カザン(情けねーヤツ……) ティアナ「お姉様、質問があります」 ティアナがそう言って挙手する。 イレーヌ「はい、ティアナさん。何でしょーか」 ティアナ「仮にこの先、樹海でクロウに遭遇する事態が発生した場合……私達はどうすればよいのでしょうか」 問題はそこだ。そして、最も痛いところでもある。 カザン「俺もそこは気になってた」 震えあがっている親友を尻目に、カザンも組んでいた腕をほどき、ティアナに次いで手を上げる。 カザン「相手は『遥か昔』から追手を撒き続けて、やたらと修羅場をくぐり抜けてきた百戦錬磨の死霊術師なんだろ?しかも、不死の力のオマケつきときたもんだ。そんなヤツ相手に……俺達はどうする?殺り合うとして、勝ち目はあるのか?」 今はあくまで慎重な姿勢を貫くべき――そう考えたイレーヌは、カザンの問いにこう答えた。 イレーヌ「ないでしょうね」 ミレイユ(おー、ずばり言ったなあ) マイト「じゃ、じゃあ……逃げるしかないってコト?」 イレーヌ「悔しいけど、それが得策だと思うわ。ホントは、動きを封じてリリ達に引き渡すところまでできればベストなんだろうけど……今はそこまでできる気がしないのよ、正直」 グレゴリオ「咄嗟のこと、ましてあの暗い地帯では難しいやもしれませぬが……遭遇した地点や状況、相手の背格好をよく覚えておき、無事逃げ切った後に、あのお二方へその情報を確実に伝えるのが、我々の最優先事項でしょうな」 イレーヌ「ええ。今のあたし達にできるのは、それぐらいよ。……だからみんな、今後の墓所の探索はより一層気をつけてね。ヤバくなったら、すぐに糸で帰ってきて。そして、少しでもおかしなことに気づいたらすぐ教えて……リリ達にも、なるべく早く伝えに行けるように」 後編へ続きます。
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ステータス 加入方法 所属国滅亡後 短評 運用方法メインモード チャレンジモード ステータス レベル クラス 統魔力 統魔力成長 統魔範囲 HP MP STR INT AGI メインモード 7 ファイター 197 C 3 516 108 80 72 64 チャレンジモード 1 ファイター 173 C 3 608 122 61 46 23 加入方法 1年目6節にシノビに自動加入 所属国滅亡後 ゲーム中から登場しなくなる。 短評 鍛冶屋を営むオッサン。 カルラいわく臭くてかなわないらしい。 加入時にレア度は低いが武器を2つ持参してくれる。 槍持ってきてくれたんだからちょっと臭いぐらいは許してやれ。 運用方法 メインモード STR,INTともまずまずの数値。 AGIは低いので昇級先はナイトの方がいいだろう。シノビには壁役を担えるナイト系の騎士が居ないので、その穴埋めの意味でも適任。 チャレンジモード AGI23はサイラスと並んで全騎士中ワーストの値。 STR全振りのギニーすら下回る低さで、使うなら相当覚悟しておいたほうがいい。 HPはかなり高くSTRも人並みにはあるが、あまりにもAGIのハンデが重過ぎて、それも誤差程度の意味合いしかなくなってしまっている。 名前 コメント
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ベイルガン(C) 基本情報 名前 ベイルガン 種族 魔種 ジョブ アタッカー 召喚コスト 10 <タイプ> 蛮闘士 タイプ ダークウォーカー HP 300 ATK 10 DEF 10 覚醒 不可 超覚醒 不可 アーツ 有 アビリティ 召喚 なし アーツ スピリットフレイム 範囲内にいる自身と同じ種族の自ユニットのうち、最も攻撃力が高いユニット1体の攻撃力を20上げ、移動速度を10%上げる。ただし、自身は死滅する。 消費マナ 20 効果時間 60秒 wait時間 なし ステータス 状態 HP ATK/DEF 召喚 300 10/10 DATA・イラスト・フレーバーテキスト +Ver3.2 Ver3.2 身長 2.1[meter] ――なぜ、こんな体に生まれてしまったんだ…。一族の中でも、とりわけ力が弱く、体躯も小さかった彼は、いつも周りの者から見下されてきた。魔界においては強さこそ正義であり、強さだけが全てだった。そんな中で、「弱い」ということはそれだけで悪であり、弱者である自分は常に蔑まれてきた。しかし、そんな彼の世界を変える者が現れた。巨大な槍を持つ赤い戦士――ふらりと街に現れたその戦士は何を語ることもなく、ただ巨大な槍を頭上に掲げた。『俺を倒せると思うヤツはかかってこい』という魔界においての挑発だ。その挑発に、街の屈強な戦士共がこぞって応えた。…馬鹿だな、この街は魔界でも屈指の戦士の街なのに…、彼は赤い戦士の敗北を確信し、その場を後にし――響き渡る悲鳴に振り返った。見ると、街一番の巨躯が巨槍に串刺しにされていた。――あの時、私は本当の強さを見た。. 私もあの赤い戦士のように、純粋な強さが欲しい. そしていつかはあの戦士をこの手で…!赤い戦士との邂逅から数年後…確かな強者へと成長した彼は、記憶の中の赤い戦士を追って異世界へと足を進めた。 体重 210[kg] 移動力 35[km/h] 武器 戦斧 生息域 地の底 目的 赤い戦士と戦う イラストレーター 赤木 俊介 +Ver3.4(VerRe 3.0) Ver3.4(VerRe 3.0) 身長 2.1[meter] 体重 210[kg] 移動力 35[km/h] 夢 魔界最強 血統 魔界戦闘士の一族 当面の目的地 “塔” イラストレーター 西野 幸治 フレーバーテキスト 異世界へと辿り着いたベイルガンは、『赤い戦士』の跡を追い旅を続けた。旅の中、いくつかの足跡を見つけはしたが、赤い戦士の行方はようとして知れなかった。しかし、彼は焦りもしなければ、むしろその道中を楽しんでさえいた。闘争を求める彼にとって、戦乱に満ちたその異世界はいたく刺激的で、また彼も、本能の赴くままに戦い続けていれば、必ずや赤き戦士と戦場でまみえることを確信していたからだ。やがて、幾多の戦場を敵対者の鮮血で染め上げた彼は、『白い戦士』として異世界で名を馳せるようになっていた。ある日、戦いを終え、新たなる戦場を求め滅びた街を後にしようとしたその時、ベイルガンは不可思議な殺気を感じた。彼はけだるそうに戦斧を抜くと、その一振りで瞬く間に殺気の主たちを返り討ちにした。見ると、地面には、醜くひしゃげた青銅の体を持つ戦士達が転がっていた。「珍しいな。 ブロンズゴーレムか。 つまらぬ戦いを…貴様ら低級魔種が、 ダークウォーカーたるこの私に敵うはずもなかろうに…誰に使われている?」青銅の戦士は、うつろな眼で答えた。「“赤キ王”ハ 強者ヲ求メテイル 喜ベ…オマエハ我ラガ王ニ 謁見スル資格ヲ得タ…」“赤き王”…まさか――その言葉を聞いた時、ベイルガンの脳裏にあの戦士の姿がよぎった。「…闘争ヲ求メルナラバ 行クガイイ… 赤キ王ハ“塔”デ オマエヲ待ッテイル…」そう告げると共に、その体から命が消え去り、青銅の戦士はただの無機物へと還った。ベイルガンは、煙を上げる建物の隙間からのぞく、遥か彼方にそびえる塔を見つめると、そこで待つ闘争の予感に体を震わせた。「ふむ…赤き王とやらがあの戦士であるなら、私は宿願を果たすまで。 別の者であろうと、この戦斧で叩き斬るまで。 いずれにせよ…フフ、赤き王とやら 今行くぞ」 考察 魔種単用の投げアーツ持ち使い魔。発動マナは20であるものの、自身死滅があるので実質マナ30消費である。 フルフルに比べると適用使い魔はかなり多いが強化は控えめでデメリットもある。 単純に火力と防御と速度が上がるため悪い効果ではないのだが、死滅のせいで扱いづらい。 そこまで速度が伸びないのでパーシヴァル的な使い方も難しめ。 アーツ+自身死滅で累計30マナ消耗とやや重めなのが辛く、どうせなら主覚醒してトライブサポートなりを重複した方がいいんじゃないか感が漂う。 ゴグマゴグとは悪くない相性だが、施設アタック勢を切ってまで入れるべきかというと微妙なところである。 使っていくならば元から火力が高い使い魔、タルタロスやレッドクイーン、カイネなど強烈な打点になる。 またキルアップを持つバハムートやアジルスなどを育成するための火力底上げとして使う手段もある。 移動速度上昇も逃げる敵アタッカーと併走しなくなり追いつけるようになるという点では強い。 キャラクター説明 出典のないLoVオリジナルキャラクター ウォドノスと同じ魔界戦士の一人。 関連カード +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント
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おれァ何百年と旅を重ねてきたからこそわかる。国ってのは繁栄する時は繁栄するが、滅びる時は、滅びる運命(サダメ)なんだよ……… 名前……名前を言わなきゃならないのか、面倒臭え…… ドラゴニフ・ガルガンドラだ。 性別……見てわからねえかよ全く…… 男、だ! 職業……俺の職業、だって? しがねぇ旅人さ。 種族……種族なんざ聞いてどうするんだよまったく…… 龍人、ドラゴニュートだ。 年齢……は?……えーと……確か今年で…… 2156歳だ。 身長……知りたがり屋だなこの野郎……… 176cmだ。 体重……もういいだろ?もう解放してくれるよね?……62kgだよ。 容姿 赤髪に紅眼の、見た目はどこからどうみても人間のドラゴニュート。 顔はどちらかと言えばイケメンな方だが、本人の好みは1800~1900歳の年頃の龍人なので 人間にモテてもそこまで嬉しくないらしい。 一目みただけでは分からないが、彼の眼は爬虫類、龍族に特有の眼をしているとわかる。 また衣服で隠れているが、翼や尻尾もある。 性格 面倒くさがりで愚痴が目立つ。 だが、ここぞと言う時は本気をだしてかかっていく。 意外に面倒見は良く、義理に厚い性格をしている。 概要 気高き龍の種族、ドラゴニュート。 だが彼はやる気に欠け、いまいち気高さとは離れているように見える。 龍石で体長5mほどの紅いドラゴンになり、鋭い牙と頑強な鱗、 炎を吐く口に丸太のような尻尾、毒を有する鍵爪など、 自分の体で出来ることは全てを利用して勝利をつかむ。 本人はドラゴンモードの方が好きらしいが、ドラゴンモードを維持するだけで体力を消耗するため やむなく人間モードで過ごしている。 800年ほど前から世界を旅していて、国が繁栄しては滅びて行く様を見ては面白がっている。 適当な火山を本拠地にして、国を転々と行くように旅している。 今年で2156歳。ドラゴニュートは長寿なのだ。ドラゴンほどではないが。 出身地は、世界のどこかにあるとされる「ドラゴニュートの里」。 人間に対して 龍石は闇ルートで超高値がつくため、かつてドラゴニュートを乱獲した人間を地味に恨んでいるが、 相手が龍石狙いでなければ分け隔てなく接する。 逆に言えば龍石狙いの相手なら本気で殺しにかかる。 『ドラゴンモード』 ドラゴンモードとは、ドラゴニュートがドラゴンになった状態のことを指す。必ず一匹ずつに何らかの特徴がある。 ドラゴニュートのドラゴンモードはドラゴンよりもサイズが小さいが、 それでも強さは変わらないため怒らせてはいけない。 ドラゴニフのドラゴンモードは紅く、鍵爪に毒を有しているのが特徴となっている。 鍵爪の毒は弱いが、対象を少しずつ蝕んでいくだろう。 『人間モード』 通常形態。普通の人間に比べてとても貧弱となっている。 またドラゴンの名残(翼や尻尾)が残ってしまうが、 それらを衣服で隠せば完全に人間である。 総計 - 本日 - 昨日 - 名前 コメント
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ショート専用スレ 1 名前: 九野 月流子 投稿日: 2004/12/27(月) 16 33 【ここは小説書き用スレです。】 モノ書きスレッド。 ショート専用スレ。共用です。 短いとか外伝とかはこっち。リレーや大殲とは別なので混同はダメ。 共用なので書き方としては (前に書いたレス番) (題名) それで本文スタート みたいな感じですねー。 特に予定は無いくせに立ててみたわけですが。凍結覚悟で一応。 2 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/06(木) 01 58 姉妹対決 昼でも真っ暗な森は、夜を迎えたことでその暗さを一層強めている。 もうすぐ日が昇るが、それでも薄暗い。昼に懐中電灯をつけることになるだろう。 進むたびに足下で聞こえる音は、何年も経ち、白骨化した生物の骨を踏み砕く音、朽ち果てた巨木を踏みしめる音、いろいろだ。 そのため、この周辺に住む人間は、この森を『死の森』と呼ぶそうだ。 確かに、こんな環境で何年も生き延びる事が出来る生物は少なさそうだ。 歩いていくと、右方向から声が聞こえた。私は、その声を聞くためにココに来たのだから。 「どうしたんですか姉さん?こんな所に・・・それも一人で。」 声のした方向にゆっくりと顔を向ける。辺りは闇に包まれているため、一般人では顔を見ることは出来ないだろう。 しかし、戦闘のために視力を強化されている機械人形にとっては、この程度の闇は何ら問題としない。 「どうしたんですか、ね・・・。アンタこそどうしたの?アイツに持たされた人殺しの道具なんか、いつまでも持っちゃって。」 シェリスの腰のベルト、それの後ろに装備されている折り畳み式の巨砲、両サイドの拳銃を見ながら言う。 機械人形のデータを引き抜いた後、シェリスが精神操作をされて敵になっていた時に持っていた物。 明らかに、今までのシェリスなら自分から触れようともしなかったものだ。が、今は実際に目の前に証拠がある。 「モノは使いよう、ってヤツですよ。」 「使い方次第で人を助けることも、傷つけることも出来る、って?・・・よく言うわね。使用目的が後者なクセに。」 シェリスの顔は笑顔、しかし何も言葉を発さない。その表情は、外見だけなら今までのシェリスとまったく変わりは無い。 「それに、蒼津ならもうダメよ。アレは逝くところまで逝ったから。今更何してもアイツの考えは曲がらないわ。」 「決め付けないでください。まだ大丈夫ですから。」 私の表情が強張っていくのに対し、シェリスの表情は笑顔のまま。 少し、聞いてみたくなった事がある。 「聞きたいことがあるの。・・・貴女にとって、蒼津はどういう存在?」 その質問に対し、シェリスは目を丸くして驚いている。しかし、くすっ、と笑った後には表情は再び笑顔だった。 「変な事を聞きますね、姉さん。決まってるじゃないですか。敵ですよ。姉さんたちにも、私にとっても敵です。」 「そう、ならもう一つ。・・・その敵に対して妙に執着するのは何故?」 その質問をすると、シェリスの表情が動いた。怒りとも悲しみともとれない無表情。 そのとき、辺りが少し明るくなった。日が昇り始めたのだ。 シェリスも口を動かし、私の質問に対する答えを言った。 「そうですね・・・なんとなく、というのが理由でもいいですか?」 「アンタ、私を馬鹿にしてるわね?」 シェリスは首を横に振る。そして、笑顔でこう告げた。 「もともと馬鹿じゃないですか。」 爆発しそうになる怒りを、その場はぐっと堪える。今までのシェリスなら、私を馬鹿だと思っても、決して口には出さなかった。 3 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/06(木) 02 00 2 ふと笑いたくなった。表情が緩まるのが自分でも嫌と言うほど分かる。シェリスに続いて自分までおかしくなったのだろうか。 いや、私は元々こうだった。人を殺し、それで笑う。何人もの人間を殺し、血が飛び散るのを見て快感を得ていた。 自分が気に食わないモノであれば、壊し、殺し、この世から消していた。恐らく、シェリスとて例外ではないだろう。 だが、『裏の私』はそうではない。私がシェリスと戦う事になれば、『彼女』が私を退けてでも表に出てくるかもしれない。 しかし、少なくとも今この時は『彼女』は表に出してはいけない。多分、シェリスに殺される。 『彼女』が死んでも、私には何の影響も無い。ただ、この身体の住人が半分に、つまりは私だけになると言うこと。 もともと私の身体に住み着いた人格だから死んでも構わない、と思うことが何度もあった。それに、その方が気楽だ。 が、寝る時は彼女が話し相手だ。夢の中で会話し、夢の中で一緒に過ごす。他人に話しても『それがどうした』と返されるだろう。 でも、いつしかそれが『日常』になっていった。悩み事を打ち明けたり、時には深く話し込みすぎて喧嘩になった事だってある。 だから、彼女には死んでほしくない。喧嘩相手が居なくなることにもなるし、相談相手が居なくなることにもなる。 それに、私も女。男には相談できない事だってある。そういう時は、彼女が快く話を聞いてくれた。 そして、彼女も相談してきた。『私はもう何とも戦いたくない』と。私は問うた。『じゃあ何故今まで戦っていたのか』と。 帰ってきた言葉はこうだった。 ―――――瀬の傍にいるには、そうするしかないから。 この言葉をあの男が聞いたらどう言っただろうか。真面目に聞くのか、ふざけた意味で取るのか。 5分5分、といったところだろう。正直、あの男の事はよく分からない。もっとも長く一緒に居た『裏の私』でも分からないらしい。 優しくしてみたり、突き放したり、からかったりする。『私』にはそういった事はあまりしないが、『彼女』にはそうしている。 もしも私がこのような事を言われたら、恐らく何も出来ないだろう。相手にとって何が最良なのか分からず、戸惑うだけ。 彼女が今まで何を考えて戦っていたのかが少しだが解った気がする。一言で表すならこうだ。 『純粋』なのだろう。しかし、そのせいで自分を隠している。知られたくない事を隠し、その想いを隠している殻で相手に接する。 どれだけ辛かっただろうか。その殻を破り、隠している事・・・一緒に居る理由を伝えたくなったことが何度もあった筈だ。 それを耐えるのは並みの精神力では不可能だ。私にその事を明けたとき、彼女は泣いた。それほど辛かったのだ。 だから、その殻を自分で破り、その中の想いを伝える事が出来るようになるまで、彼女は死んではけない。死なせもしない。 「どうしたんですか?黙り込んで。」 だから、この戦い―――シェリスとの戦いになった場合、私は妹を全力で殺す。そのくらい、彼女の長年の我慢に比べれば些細な事だ。 「・・・別に。ただ、口が達者になったな、って思っただけ。」 「そうですか?姉さんの頭じゃ考えられないほど難しい言葉でしたか?」 そう、殺す。今の言葉を聞いたら、怒りゲージがMAXを少しばかり超えた。つまり、キレた。 「・・・ふふ、アンタの頭じゃ理解できないのかしら?」 「何をです?」 「アンタが、私に喧嘩で勝てると思う?」 「やってみなきゃ分かりませんよ。『結果』しか見ないのがダメなんですよ。それまでの『過程』でどうにでもなるんです。」 右手の中指を立て、シェリスに突き出す。 「過程?ハッ、馬鹿にはそんな事分からないでしょ?」 「・・・それもそうですね。申し訳ありませんでした。」 右手を捻る。今度は親指を立て、下に向ける。 「だから、馬鹿は馬鹿なりに『結果』を出してやるわよ。アンタが負ければ・・・つまり、死ねばその証明よ。いいわね?」 「ええ、いつでもどうぞ。不意打ちだろうが伏兵だろうが、好きにしてください。」 4 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/06(木) 02 02 3 シェリスが自分の後ろ髪を掻き揚げる。それを合図とし、一瞬の時間を以って接近する。 攻撃は相手の動きを制御する攻撃。行動を潰す事を目的とする。まずは足だ。右足による蹴りで叩こうとする。 「パターンが変わってませんね。いつもと同じじゃないですか。」 軽い跳躍で避けられる。だが、空中では姿勢制御は不可能に等しい。そこへ右拳でのアッパーを撃つ。 「そのパターンも同じですか。跳んで正解でしたね。」 私の拳に両手を当て、威力を殺してダメージを減らしてきた。だが、威力の軽減だけでは済まなかった。 「相手の行動を利用して攻撃する・・・それが私流ですね。そのほうが自分の被害が少なくて済みますから。」 私の拳に触れた事によって軸が出来たのか、身を翻して私から見た左側と避ける。 着地すると私の右の袖を掴み、攻撃している腕が進む方向へと力を掛ける。自分が掛ける事のできる最大の力に更に力を加える事となる。 すると、私の体が簡単に揺られた。足に力が入らず、半ば浮いた感じになる。 「力任せに攻撃してちゃダメなんですよ。だから馬鹿って言われるんです。『馬鹿の一つ覚え』・・・聞いた事ありますよね?」 柔道の背負い投げのように投げられ、森の中に出来た水溜りに叩きつけられた。さほど衝撃はなく、痛みも我慢できない事は無い。 立ち上がる。水溜りに投げられた事で服に水が染み込み、気持ち悪い。服が重くなり、動きが鈍くなった感じがする。 相手の動きを鈍らせようとした行動の結果、自分の行動を自分で鈍らせる事となった。 「泥塗れですね。帰ってシャワー浴びた方がいいんじゃないですか?」 「そうね。でも、『帰って』じゃなくて『ココで』じゃあダメかしら?」 「残念ですが、今日の天気予報は昼から雨ですので、この時間帯は雨は降りませんよ。」 シェリスがそう言うのだ。天気予報が違っていても、シェリスなら自分で雨が降るか降らないかぐらい分かる。 と言うことは、泥を取るのは帰ってから、という事になる。だが、雨なら自分で降らせることが出来る。 「血の雨ならいつでも降らせられるわよ。」 「・・・姉さんがそういう台詞を言うと、姉さんは絶対に負けるんですよね。」 「妹に負ける姉って言うのは格好悪いわね。」 「表の姉さんも裏の姉さんも、料理も洗濯も何も出来ませんよね?その時点で人間として負けですよ。」 ブチッ。 この擬音が一番適当だろう。 シェリスの後ろに回りこみ、心臓の真後ろ、背骨の中心に衝撃を与えようとする。すると、シェリスの両脇の下で何かが光った。 「短気なところも、敗北要因の一つです。」 がん、がん。 シェリスの腰のベルトの両サイドのホルダーに拳銃が無かった。後ろを向いたままのシェリスの両手には拳銃が握られている。 放たれた銃弾の軌道を見切るのは、この至近距離では蒼津、シェリス以外に不可能、なおかつ避けるのは蒼津のみが可能だ。 見切ることすら出来ない私は、勘で避けるしかない。音を聞いた感じでは、最初に発射されたのは左。シェリスは右手で銃を握っている。 その次が右。シェリスの左手が銃を握る。発射された感覚には少し間があり、両方とも避けることは不可能ではなかった。 しかし、元から無い冷静さを更に欠いた私には両方避ける事など出来はしない。どっちに当たれば一番被害が少ないか。 瞬間的に判断した結果、最初の銃弾を避ける事にした。が、その考えが間違っていた。発射角度だけでも見ておけばよかった。 2回目に発射された銃弾は、ごくわずかだが1回目の銃弾とは違う方向に撃っていた。その方向は、私で言う右。避ける方向だ。 避ける事が出来ず、右目に直撃する。右側の視界が失われ、後頭部の右側の骨を銃弾が貫通するのが分かった。 だが、それも一瞬。N.A.R.S.による再生で、破壊された部位は瞬間的に再生する。それによる傷みも未然に防げた。 5 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/10(月) 02 20 薬莢が排出され『ちん』と言う音と共に地面に落ちる。爆発で熱された薬莢は、湿った地面に落ちた瞬間に『じゅっ』と言う音を立てた。 薬莢の排出と同時、次弾が装填される音が聞こえた。一度距離を取り、見切って回避できる距離まで離れる。 「状況判断は重要ですよ?もっとも、判断できないと意味はありませんが。」 「いちいちカンに触る言い方するわね・・・。」 「そう聞こえるのは、姉さんの脳がそうとしか理解しようとしないからですね。」 もうヤメだ。生かしておいても何の利益も得も無い。これ以上我慢するのは自分が耐えられそうに無い。 N.A.R.S.を攻撃にスイッチしようかとも考えたが、シェリスはこちらの攻撃を逆手に取る。一方的な展開になるのは目に見えている。 ではどうするのか。勿論、このまま攻める。部位破壊、多少の痛みはN.A.R.S.で耐えることができる。それを利用して攻め込む。 「じゃあ、私もアンタに理解させてあげる。馬鹿の一つ覚えは、時には最強だって事。」 「興味深いですね。じゃあ、ぜひその『結果』を見せてください。」 自分の心の中で覚悟を決め、走る。シェリスは右手の拳銃だけをこちらに向け、射撃体勢を作る。 やっぱ馬鹿にしてんのね。そんな妹にはお姉さんが優しく指導してあげないといけないのかしら。 発砲音が一つ聞こえた。距離は幾らか離れているため、容易に回避できた。が、距離が詰まってくる次弾以降はそうも行かない。 距離は約5m、シェリスが動いた。両手に持っていた拳銃をホルダーに仕舞う。手を後ろに回し、何かのロックを外した。 取り出すのは巨砲。折り畳み式のグレネードランチャー。畳まれている砲を真っ直ぐに伸ばし、ジョイントにロックをかけるのが見える。 砲の後部の装弾口に、白いラインが引かれた弾丸を装填する。左腕一本で持ち、砲口をこちらへ向け、トリガーを引かない。 舐められているのか、とも思ったが、片手で持つと照準精度が落ちるのだろう。だが、それならば両手で持てばいいはず。 何か裏がある。その事を念頭に置き、更に接近する。シェリスは動かない。 攻撃の手段を潰せば後は流れに任せれば何とかなる。そうと決まればやることは只一つ。砲身を叩き壊して発射できなくする。 恐らく一回は撃たれるだろう。だが、壊してしまえば撃てなくなる。一回の被弾くらい、すぐに修復できる。 直径5cmはあろうかと言う巨大な砲に狙いを定め、右の拳を動かす。同時、シェリスがトリガーにかける指が動き、砲声が聞こえた。 次に聞こえたのは破砕音。しかし、金属がひしゃげる音ではない。何かが割れる音。それも、氷のようなものが砕けた音だ。 目をやると、砲は傷一つ付いていない。形状が歪んだ形跡も無い。そこからあがるのは硝煙。弾が発射されたと言う証拠。 だが、痛みは感じない。何故だ。あの距離なら私の右腕が焼け焦げても良い筈、と思いつつ右腕を見る。 右腕が無い。肘から指先にかけて、丸ごと消え去っている。 「―――え?」 見えるのは、白く固まった肌と、温度差によるスモークを噴いている氷。無論、それは私の腕だ。 何故こうなっているのか。理解するには要素が足りない。シェリスに攻撃して、砲声が聞こえた。ただそれだけなのだ。 私の腕が凍り、破砕する理由が無い。瞬間的に凍らないと不可能だし、何より破砕に必要な衝撃は何処から与えられたのか。 「・・・訳が分からない、って顔ですね。」 シェリスが唐突に口を開いた。意識を戻し、シェリスを見る。砲に弾頭を装填している。その弾頭は赤いラインが2本書かれている。 じゃこん、という音と共に弾が装填される。セーフティロックを掛け、攻撃しようとする素振りは見せない。 「どんなトリックかしら?ぜひ聞いておきたいわ。」 「分かりました。お教えしますね。ずばり言っちゃうと、液化窒素です。」 「液化窒素・・・?理科室にありそうな・・・あの?」 ええ、とシェリスは首を縦に振る。瞬間的に凍った理由は一応納得できるものになった。だが、破砕したのは何故かが分からない。 6 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/10(月) 02 29 5 「・・・じゃあ、私の腕が砕けた理由は?」 「凍った腕で私のランチャー殴って自滅したんじゃないですか。そこは私の責任じゃありませんよ。」 確かにランチャーを壊そうと動いていた私の腕が凍ったのだ。ランチャーとぶつかって砕けてもおかしくはない。相当馬鹿馬鹿しいが。 ましてや水溜りに突っ込んで濡れたままの衣服を着ていて、その衣服が凍ったのだから、通常より早く凍結している。 砲口までの接触時間内に十分に凍る。そして、凍った後は腕に勢いがついたまま砲を殴った。破砕して当然と言えば当然か。 そうだ、と前置きを一つ。ロックを外し、シェリスが砲を構えた。氷となって破砕した私の腕、肩の部分を狙っているようだ。 「その氷、邪魔ですよね?私が処理しますね。」 その言葉を言い終えた直後、砲声。距離は1mも離れては居ない。回避できるはずもなく、当たる。 弾が接触すると、中から液体が溢れた。それは熱を持っており、温度差で陽炎を揺らめかせている。 溢れたのは液体と言うよりはジェル状であり、肩の部分に付着したジェルが肌を伝い、濡れた衣服に付着する。顔の右半分にも付着した。 その後、信じられない感覚を味わった。熱い。ジェルの這った道が焼け付き、重い火傷となっている。 服も燃え始めた。何という高温なのだろう。空気中に出ることで自然発火、全てを燃やす炎を発する。 「ゃ・・・ちょ、何!?」 「あぁ、ナパームジェルを満たした特殊弾頭で『ナパームⅡ』です。もう一種類は・・・使わないでおきます。」 N.A.R.S.の再生が氷によって妨害されていたところに、今度は炎と来た。傷口が焼け付き、出血はないが再生が鈍い。 「ぐ・・・ぅ・・・!」 あまりの熱さに苦悶の息が漏れ、膝を突いた。火事の家に飛び込むより熱い。溶鉱炉に近い感じかもしれない。 痛みを抑えようと左手を右肩に添える。すると、ぬちゃり、とも、ぐちゃり、とも取れない感触がした。 表皮が焼け爛れ、剥がれ始めている。だが、N.A.R.S.は活動に時間が掛かっている。この遅さはおかしい。 N.A.R.S.の回復機能が鈍っているのだろうか、とも考えた。しかし、それより現実的な想像をした。 N.A.R.S.の行動を妨害する何かがある。 はっ、と顔を上げる。シェリスの顔が見える。その表情は、口の両端を僅かに上げ、目を細め、こちらを見下すかのような目付き。 「どうですか?N.A.R.S.妨害用のECMは。これは私に内蔵してありますので、私を殺さない限り解除は不可能です。」 完全にしてやられた。こうなってしまっては、私は只の運動神経が秀でた人間になってしまう。 バックステップで距離を離し、少しでも時間を稼ごうとする。それに、離れればECMの効力も薄れるだろう。 シェリスが笑った。そして、言った。 「ECMレベルはまだ序の口ですよ?最大にしますか?N.A.R.S.を停止させられますから。」 マズイ。私のやる事なす事全てが無力化されている。N.A.R.S.の停止イコール、致命傷は即『死』に繋がる。 でも、ECMレベルがどれだけ高くても範囲には限界がある。その範囲外へ出さえすれば勝機は見えるはず。 しかし、勝機が見えても掴めなければ意味が無い。掴む事のできる可能性は、恐らく0に近いだろう。小数点以下かもしれない。 だが、何もしないよりは確実に確率が高い。シェリスに背を向け、走る。危険な賭けだが、やるしかなかった。 「・・・鬼ごっこですか?いいですよ、私が鬼ですね。」 ちらり、と後ろを見ると、シェリスはその場に立ち止まり、目を閉じながら数を数えている。 この間に出来る限り距離を取り、N.A.R.S.の回復を利用して反撃に出るしかない。 7 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/10(月) 02 31 6 巨樹が立ち並ぶ森の奥深くへと駆け込み、一番太い樹の裏へと身を潜める。 その大樹の下は小さな空洞があり、小動物か何かの巣があった。その中心には4個ほどの小さな卵がある。 すると、空洞の影からウサギに似た動物が顔を出した。こちらに怯える様子も無く、卵の上に自らの身を乗せて暖める。 ウサギっぽいのに卵か・・・。 不思議な生き物だな、と思いつつ自分を見る。右腕は少しずつ再生を開始し、痛みも少しずつ和らいできている。 燃えた服は、何とか隠せる程度には残っている。アイツが見たら飛び掛って来るのは考えるまでも無い。そして返り討ちが基本だ。 腕が形を取り戻し、焼け爛れた皮膚も元通りになった。自分の身体を少し変形させるが、やはり反応速度は鈍いままだ。 「相当離れたのに・・・器用な妹を持つと苦労するわね・・・。」 シェリスに何かを作らせると、ヘタな物は作らない。料理にしても道具にしても、全て使えるものを作る。 瀬も道具を作るのには長けていたが、使い物になるのは一部。残りは失敗やら効果が無いやらワケの分からない物やら。 だが、シェリスは自分から道具を作ろうとはしなかった。頼まれたら作る、といった感じだ。料理は自分から作るが。 そのため、シェリスの作るものがどういった物なのかが良く分からない。あまり見たことが無いからだ。 それに対する免疫・・・いや、経験か。それが足りない。ということは、対処の仕方が分からない。 急に目の前が眩しくなった。シェリスが私を見つけたのか、と思ったが違った。木々の隙間から見える陽光だった。 暗い森の中に一筋の光が差し込み、辺りが少しだけ明るくなる。まるで私がステージの上でスポットライトを浴びているようだ。 ぴ、ぴ、という鳥の鳴き声が近づいてきて、私の近くに生えている小さな木の枝に止まる。小鳥の重量で木自体が少し揺れた。 その鳴き声が次第に多くなっていく。見渡せば、そこには先の動物を初めとした、小さな命がたくさんに有る。 「・・・なんか、照れる。」 何故だろう、コンクールが始まったみたいな気分になった。小さな観客がこちらに注目し、黙って見ている。 これなら、『死の森』ってのも悪くは無いわね。 ふと、そう思う。その後に苦笑が漏れ、こんな状況でこんな事を考える自分を恥ずかしく思った。 それにしても、こう注目されると何かしなければならないのではないか、という気持ちになるのはどうしてだろう。 だが、それもいいかもしれない。ずっと気を張り詰めてピリピリしているより、気が休まる事をした方がいいと思った。 「・・・何がいいかな・・・。」 少し考えてみる。道具を必要としないで出来る事、と考えていると、思わず首を横に振った。 これは天実の専売特許だ。私には到底出来ない。しかし、現状ではそれしか出来ないのも事実だ。 歌、か。 まぁ、天実が歌うのを何度も聞いているから歌詞は覚えている。問題はただ一つ。自分の歌唱力だ。 「・・・音痴でも文句言わないでね。」 周りの観客にそう前置きし、一度息を吐き、大きく吸う。 8 名前: 白泉 夢月 投稿日: 2005/01/10(月) 02 32 7 歌うのは、少年と少女が、満月の夜に大樹の下で誓いを交す、というような内容の歌だ。 実際、私に『歌詞の意味は?』と聞かれても、本当に少ししか答えられないほど難しい意味だ。・・・と思う。 静かな森に私の声が響き、そして消える。まるで森全体が私の歌を聴いているような感じがした。 だが、この歌は幸せを歌うだけで終わる歌ではない。第4節、最後のフレーズ。 誓いを果たした数日後、少女が病に倒れ、息を引き取る。そして、残された少年も後を追うように事故で死ぬ、という内容だった。 正直、天実が歌っている歌を聴いていたときも、この部分だけはあまりいい気持ちに慣れなかった。天実は分かってなかったみたいだが。 歌い終え、こちらを見ていた観客が、隣の観客たちと一緒に首を傾げ始めた。何かが分からない、不思議だ、という風に見える。 地面に着いていた手に、柔らかい体毛の感触を感じ、そちらを見る。先ほどのウサギのような動物だ。 そして、振り向いた時に、目から何かが毀れた。 涙だ。 何故?何故私は泣いているのだろう?考えるまでもない。この歌に出てくる少女と自分を重ねてしまったのだろう。 病で死ぬ、というわけではないが、今は妹に追い込まれていつ死んでもおかしくない状況にある。きっとそのせいだ。 私が泣いている所を誰かが見ていたらどう思うだろう。今は眠っている夢月はともかく、私が泣くのだ。機械人形の私が。 人前では弱音すら吐かず、相手に対しては手加減などしなかった私が、歌を歌っただけで泣いた。 その涙の理由は、言葉としても現れた。 「死にたく・・・ないよぉ・・・。」 両手で涙を拭いながら呟く。しかし、涙は一向に止まる気配を見せない。嗚咽も漏れ始め、深い森に響く。 泣いているとき、死にたくない理由が分かってきた。 私も、夢月と一緒でアイツのことが好きなんだろう。だから死にたくない。もっと一緒に居たい。 だが、私たちのどちらかが生き残るには、どちらかが死ぬしかない。そうしないと精神が消え去らないからだ。 しかし、両方死ぬ場合が殆どだろう、と思う。 私が死ねばN.A.R.S.は停止、破損した肉体は修復されず、夢月の意識が身体を支配しても、結局は出血多量か何かで死ぬ。 夢月が死ぬと、相談相手が居なくなった、などの理由で私が逆上し、返り討ちにあって死ぬだろう。 「・・・結局、死んじゃうのね・・・。」 涙が収まり始め、嗚咽もなくなった。小さな観客はまだそこに止まっている。一同を介してこちらを見ている。 一応頭を下げ、礼をする。これで終わりとなるが、楽しくもあり、悲しくもあった時間だ。 立ち上がろうとする。が、それより一瞬早く動物達が散開する。まるで何かに怯えるかのように。 声が聞こえる。まだはっきりとは聞こえないほど遠いが、聞こえる。シェリスの声だ。 声が途切れ、数秒。たぁん、という音が遥か遠くで聞こえた。 9 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/03/25(金) 21 10 19 Another Disk Edition〝第三幕〟九野 月流子&アルバート 特別配布用ファットパックVer.1.2 【Story line】収録「プロローグ」 朝の通り。 様々な人間が行きかう中、異様な影が一つあった。 羽織る黒のローブは法儀済みの由緒あるものだが今は見る影もないほどにところどころが擦り切れている。………質屋に入れたところで一銭にもならないだろう。 そのフードの奥の素顔を黒いバイザーで隠した〝聖堂騎士〟は挙動不審だった。 何度も周りを見回してからブツブツ言って再度見回すその挙動はあまりに不審すぎる。 「チッ、転移索敵にも霊視にも魔力感知にも引っかからねえ………が、それらしい痕跡はあるな………」 ぼやくバイザー。 アルバート=C=E=ファイレクシア、それがその男の名前。 その機関に属する聖堂騎士はミシュアルの命を受けてこの交易都市ロスタニスで人を探している。たった一件の目撃情報を受けて。 その話はこんなものだ。この地域にしては珍しい黒髪で、被召喚者の周りに見られる常に微々たる次元の歪みがあったという。 そしてそんな女性が天から落ちてきて、何事も無かったかのようにショッピングしているそぶりを見せて何処かへ去っていったという。 バイザーの所属する機関はそんな高等なジョークに反応するほど馬鹿ではない。冷やかしに悪戯、プロパガンダ。糞真面目に反応していたらラチがあかない。 今回バイザーが動く破目になったのは上司にあたるミシュアルの命令によるものだ。 ある程度高い役職になると直下の部下に個人の判断で命令権が与えることを許される。本来自分にその命令権を行使できるのは直下の上司レオンハルトだけなのだが、レオとミシュアルは仲が良い。アルバート自身ミシュアルには世話になっているため断るつもりは無かったのだが………知ってたら投げ出していたと推測される。 そんなこんなで、目撃情報に沿って早朝、交易都市ロスタニスへと足を運んだのだが。 「………………だりぃ。」 早くもやる気を無くしていた。 第一、本当に被召喚者が居るのか解らない。 第二に、本当に居たとしてもそこらをふらついているわけが無い。 これらの要素をアルバートの思考ミキサーでミックスすればだるい、となるようだ。 しかしだからと言って全く仕事をしないのも不味い。 こんな無理難題かつ面白くない仕事は完成させる事で評価を受けるつもりは無い、ならばせめて精一杯やったというようにアピール出来れば十分。 それはバイザーの軽い思考の中で養われた人間関係を見る目と機関と言う環境で完成された処世術。 「………さて、とりあえずはこんなところでOKだな。あとはどう時間を潰すか………それにこの忌々しいバージョンアップ済みの記録(レコーダー)をどうやり過ごすかも考えなきゃな。」 何も、この手の仕事は実際に精一杯やらなくてもいい。 やられたらやりかえるのと同じように、理不尽を押し付けられたら理不尽な回避手段を取る。 バイザーの軽い思考、その象徴なのかもしれない。 「まずは………こいつを片付けるか………」 そう言って記録(レコーダー)―――教団側直属の任務の場合の時につけさせられる腕輪。単独任務の場合は当事者が、複数人での任務の場合副官がつけ、会話を逐一記録させられる代物―――と格闘する。 一見腕時計に向かって悪態をつく様はその風貌も相まって不審さ倍増。 人の流れは川の清水が岩を避けるが如く、バイザーを避けて通る………筈だった。 10 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/03/25(金) 21 15 06 9 ふわり、と。風が急に柔らかく感じられた。 ふとバイザーが顔を上げる。 白いブラウスの女性が、ごく当たり前のようにバイザーと人の流れの間に出来た空白を通過していた。 一般的な流れというものを常識とするのなら、この女性は異常と言ってもいいのかもしれない。 そして―――ここがバイザーにとって大事なことなのだが―――何処か遠くを見ているような雰囲気を携えたその女性は〝黒髪〟だった。 珍しいとは言ってもまったく見ないわけではない。しかし、感じた違和感とその〝黒髪〟は彼の関心を引くには充分すぎるほどのものだ。 バイザーの直感が告げる―――もしかして自分はとんでもなく幸運なのかもしれないと。 だからと言ってこの場所で話しかけるほどバイザーも考え無しではない。 万が一に賭けて尾行し、接触のタイミングを見る。 流石にこの場所で今話しかけるのは色々不味い。静かに、怪しまれないように尾行を続けなければいけない。 下手すれば通報モノだ。案外洒落にならない。 「聖堂騎士がストーカー!」 一面を飾ること請け合い。バイザー騎士としてのプライドと機関の尊厳は木っ端微塵だろう。 そして何よりレオとミシュアルに殺される。 二人がキレたところを見たことは無いが、必ず殺される。 言葉通りに一刀両断されたりクビを切られたり串刺しになるだろう。 バイザーが物騒極まりない予想をしている間に先ほどの場所から随分離れていた。ここなら問題ないだろう。 接触を図るにあたりバイザーは考える。 相手の性格は全く外面から見て殆ど掴めない。 だが、ここで引いたらそれこそ失格だ。まずは軽く挨拶代わりの第一声を軽く頭の中で構築し、相手に叩きつける。 11 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/03/25(金) 21 16 16 10 「そこのお嬢さん?私の探している方に………よく似ておられるようだ………」 梃子摺らせてくれてどうもありがとう。逃げんな、逃げんなよ?信じてる、ああ信じてるとも。 その想いは果てしなく切実なのだが同情する気になれない。 その少しトチ狂った第一声に一瞬きょとん、として。 「初めましての相手に言うのもなんだけどさ。その格好、とっても危ういよ。」 ………正直、もう少し。もう少しあれな性格を期待していたなんてことはない。決してそんなことはない、動揺もしてはいない。 「はは、失敬。何しろこれが正装なもので。まぁ、確かにこれはいささか」 「バイザー装着が正装っておかしいよ、それ。」 弁解の速度を高速とするなら追い討ちの速度は音速に等しい。 「そんなことは無いさ。これは黒水晶で作られた由緒正しいバイザーに魔力加工を加えたもの。霊視から暗視、さらにはお日様まで直視出来る優れ物です。何か問題でも?」 完璧。まるでバックにキラキラと何かが浮かんできそうな点でバイザーの発言は完璧だ。 「何か私悪いことしたかなぁ…」 ぼそり、と聞こえないように呟く女性。 しかしその表情と声の含みは何処か楽しげだ。あくまで自分は一般人、と言葉だけは誇示しておいて実際との相違に自分で笑っている、というような感じだろうか。 そしてそのままその口は次の一手を放つ。 「いい病院知ってるけど、紹介しようか?」 今のは少しカチンと来た。実際のところは結構カチンと来ている。抑えろ、抑えるんだ畜生。 この会話は記録(レコーダー)に収集されている―――――! 「病院、と。生憎目は何処も悪くありません。むしろ保護のためにつけていますが…ね?」 「例えば、一般市民から投げられる石からとか?」 プツン。何かが切れた。 「喧嘩売ってるのか?」 脊髄からの条件反射。 何が楽しいのか女には少し笑みが浮かんでる。ちぃ、非常にいけない、完全に相手ペースだ………このままでは地が出るのも時間の問題だろう。 「…コホン。聖堂騎士とは民衆から敬愛されるべき存在です。つまり…「皆で石遠投大会」の石が当たったら大変と。まあそうですね。」 「それってさ、どんな大会なの?」 即帰ってくる一手。 「石を遠くに投げるんです。」 「それでどうするの?」 バイザー自身も理解している。この勝負は既に負けているのだと。 「記録を計るんです。」 「そr」 「優秀者は表彰するんです。さあ、行きましょうか。言ってる意味、解りますよね?」 ちっ、我ながら無茶だったか。でもいいよな?な?というオーラが全開。何かがやばい。 「ねぇ、何が悲しいのか知らないけど…自分で言ってて虚しくない?」 チェックメイトがかかった。もう逃げ場は無い。 「頼む、触れるな。自分でも後悔している。」 まだ俺は終わらないとばかりに苦し紛れの一撃は地を出すという失態に終わる。 「教会に行って懺悔でもして来たら?」 「前言撤回します、聖職者に置いての「後悔」の念。其即ち「咎」…です。」 それらしく取り繕う。見てるこっちが白々しい。 「何かキミ、格好含めて色々無理してない?やっぱり病院に行った方がいい、かも。 無理、ですか。無理、ねえ。男に無理の二文字は無えッ! レッツゴーパッション、魂の叫びとは裏腹に限界はちらちらと見えてくる。 12 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/03/25(金) 21 17 30 「………無理なんてしてませんよ?」 バイザー改心の笑み。その顔にバイザーがくっついていなければもう少しまともに見えたであろうに、バイザーでは逆効果によってマッドな笑みに見えないことも無い。俗に言う放送禁止顔というヤツに分類されるかもしれない。 「……………………」 少し眉を顰め、如何にも訝しい物を見たように僅か顔を傾け横目でバイザーを凝視する。 その表情からは「ママー、あの人バイザーつけてるよー」「シュウちゃん、指差しちゃいけません」だの「メルメルメー(僕の名前はシュナイダーだよ)」だの「しまった!逃げろ、ハンス!ルアゴイフだ!」だのを始めとする様々なものを連想させる。この瞬間、その女性は一般大衆の意思の具現となった。 「……………………」 「……………………♪」 同じ沈黙だと言うのにここまで雰囲気が違うのは何故だろうか。 ピキン。………沈黙から6秒経過、バイザーの中で大切な何かが音を立てて決壊した。 「………俺だって上(レオ)直々の指定が無ければ普通に話すさ!あの野朗、どっかで記録(レコーダー)提出した後にクスクス笑うんだろうな…クソっ!OK、これが本来の喋り方だ、文句無いだろう?あ゛あ゛!?」 吐き出される言葉は瀑布の如く。心の壁を決壊させたジョークルホープスはもう止まらない。 「うん、これで文句無し。」 一連の流れに満足したように笑う目の前の女性。 その余韻も覚めやらぬまま、突然何か大切なことを思い出したように女性は少し顔を傾け、悩んでるようなそぶりを見せ。 「それで、君………誰?」 今更、そんなことを口にした。 13 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/04/29(金) 23 49 44 Another Disk Edition〝If〟 「はあ、はあ、はあ………」 月の射す夜だった。 暗い森の中を、息切れしながら走る影がある。 「はあ、はぁ、ひ、は―――」 影は男。 その体に着る法衣は赤く染まっている。まだ渇いていないところを見ると、その血はまだついたばかりのようだ。 その男はがちがち歯を鳴らしていた。寒さではない。恐怖に震えている。息が苦しいが、立ち止まったらどうなるかを考えるとただ走るしかない。 「はあ、はぁ…は―――」 この森に居るのはその男だけではなかった。 ザザザザ、と草を掻き分けて走る追跡者の音。 殺気も物音も微塵と隠そうとしないソレは、いつでも追いつけるとばかりに一定の間隔を空けている。 死ぬ。アレに追いつかれたら確実に死ぬ。 遊ばれている。でももしかすると逃げ切れるかもしれない。 でも死ぬ。アレは自分に追いつくことが出来る。 「ひ―――げっ、がっ………」 足をもつれさせながら死に物狂いで逃げる。逃げ続ける。 肺を圧迫する息苦しさも、足の痛みも限界に達している。 逃げないと死ぬ、それも生半可な死に方ではないだろう――― だが、最悪の時にこそ不幸は訪れる。 全てが狂乱する最中、足に何かが当たる。 「あ―――――」 気づいた時には既に、その体は前につんのめる形で転倒していた。 ドサリ、という音と同時に腹部へ衝撃が男の体に走る。 胃液がこみ上げてくる嫌な感覚と共に、生々しい嘔吐感。 男はそのまま地面に嘔吐物を撒き散らした。 と、その時不意に。 「――――あら、追いかけっこはここで終わり?」 暗闇からの追跡者が、木立から姿を現した。 女。長髪に碧眼。 闇に染まるコートに身を包んだ、氷のような美貌。 しかし、それをかき消すくらいこの空間には恐怖が覆っている。 姿形とは裏腹にその身が人外であることは誰の目から見ても明白。 「――――――――」 身を起こす。 飛び散った鮮血と同僚の死にパニックしていたその顔は、既に解き放たれている様子だ。 それを見て歪に口元を緩める女性。 そうでなければ楽しくない、と、語っている邪悪な笑み。 男が恐怖を押し殺せている理由は、偏に自らの歪んだ誇りにある。 人間とは不思議なもので、狂信的なその方向性に染まってしまえば恐怖を押し込めることも出来るのだ。 静かに剣が抜かれる。男がこの仕事についた時与えられた一振りの長剣。 そして次の瞬間。対魔の力が与えられた一閃が振るわれる。 ―――目の前の相手は油断している。 長髪の女と男の距離が急速に縮む。 剣の軌道は首。 ―――行ける。 回避には遅く、素手故に防御手段も存在しない。 刃が首を捕らえ、両断する。 その、はずだった。 「あ―――――?」 鮮血。 次の瞬間、浅はかな勝利の確信は一瞬で弾け飛んでいた。 男が感じることが出来たのは、抉り取られたかのように骨が露出した右腹部の痛覚を通り越した灼熱感と、地面に落ちた剣の音。 何故こうなったのか、解らない―――そんなことを思いながら、男は大地に伏した。 「――――っっ――――――!」 喉が壊れているかのような叫びは押し殺した泣き声のようにも聞こえ。 そんな声が静けさを振動させる。 ―――答えは単純明快な話なのだ。 ただ女は高速で屈み、そのまますれ違いざまに右の腹部を引き千切った。 ただそれだけ。説明するのはとても簡単だが、それには圧倒的な瞬発力と反射神経、運動能力が必要となってくる。それは既に人外クラスのもの――― 紅色が地を染める。どくどくと音を立てて侵食する。おそらくは、あと数分でその命はこの世界から喪失してしまうだろう。 それを見ながら女は嗤う。その瞳には狂気の色が滲んでいる。殺戮に快楽を感じている―――そう、言っている。 今宵もまた、冷たさが夜を支配する。 14 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/04/29(金) 23 51 40 山積みの書類が綺麗に整頓されているデスクに座った女が、何かの紙を見ている。どうやら報告書のようだ。 そのデスクの傍らには工事帽を被った男が倒れているが、全く女は気にも留めず報告書を読んでいる。 事の発端は、ロスタニス周辺の原野での不自然な魔物の目撃情報だった。 監視する役割である諜報員側からも目撃の話があったため、今回魔物を狩る役割を持つ機関が動いたというわけだ。 そして今朝、魔物の討伐に向かった小部隊が全滅した。 七名、全員が死亡。死因は頭蓋の回収が困難なほど打ち砕かれたもの、首の骨を著しく変形させられたもの、致命傷からの出血多量など様々だ。 状況は内四人が同じ場所で死亡しており、その場所には討伐対象となっていた魔物の死骸らしきものも残っていたという。 不自然なのは残り一人の隊長である。一人離れた場所で死亡しており、死因は出血多量。 右腹部の肉は削ぎ取られ、肋骨が露出していたとのことで、右腹部の肉は鑑定の結果〝引き千切られたもの〟だと解った。 にも関わらず、隊長の殺害現場には靴の跡らしきものが見つかっている。 奇妙なことに、現場からは一つの銃弾が発見された。位置・形状からして〝頭蓋の回収が困難なほど打ち砕かれた〟男の殺傷方法だと思われる。 その銃弾は弾殻を含め想定したところ、12mmという判断が出た。 12mmというと、おそらくそれなりの大きさを持つ銃器のモノだと思われる。少なくとも拳銃ではない。 以上が報告書の内容をかいつまんだものだ。 「……はぁ。」 ため息をつく女性。 それもその筈。銃器と怪力。二つの殺傷方法はあまりに違っている。前者は人の手によるもので、後者は怪物の範疇だ。 二つの条件を満たすためには両方の力が必要だ。複数の犯行か、あるいは亜人の仕業か。 しかし後者は有り得ない。亜人はこんな場所までは現れないし、ここは人の領地。単独で此処まで辿り着くのは困難であり、殺人を犯すメリットは無い。集団だとして取り決められた契約を破ることにも同じくメリットは無い。 と、なると前者の複数という線が濃くなってくるのだが、こちらとなると特定できる数が多すぎる。 「……はぁ……」 デスクに報告書を投げ、もう一度大きくため息をつく。 彼女はとてもうんざりしている様子だ。それもその筈、今唸っていた件は本来彼女がこなすべきものではない。 「……あの人、何処に居るんだか。どうせ何処かで……」 「何処かで……何ですか、アベンフィアー・フィルフトクリューネ?」 自分のフルネームを呼ばれ一瞬どきりとした後、首を錆付いたブリキのように旋回させ後ろを振り返ると、そこには。 「……何か?独り言の邪魔したつもりは無いのですが。何か聞かれたら不味いことでも?」 真後ろの扉を開き、彼女の上司―――ミシュアル・アルメイディアが立っていた。 その目は明らかにフィアを責めている。 「……そのようなことは、決して」 顔を少し落としながら叱られた子供のように消え入りそうな声で返答するフィア。 それを見てミシュアルは仕方ないですね、と小さく呟き、話題を変える。 「また死んでるんですか、この人は」 デスクの真横で横たわっている工事帽の男を見やるミシュアル。 ミシュアルの言う「死んでいる」とは「倒れている」と同義ではない。 「はぁ、そうなんです。死因は急患が運ばれてるときにぶつかって死亡」 一見聞くと意味の解らない相槌をさも当然とでも言わんばかりに口にする。 フィアの言っていることは紛れもない真実、確かに数時間前急患が運ばれてる最中、それにぶつかってその男は死んだ。 「……どうしようもないですね、本当」 「本当に、命って儚いですよね」 はぁ、と二人でため息をつく。 紛れも無くここで死んでいる男の名前はスプリオ・ランケルヌ。 特徴はヘッドライト付きのヘルメットといかにも貧弱そうなやせこけた体、そして冬でもシャツ一枚とジーンズなのだ。 とても死にやすい死亡条件を持つ変わりに残機と呼ばれる命のストックを有し、ストックさえあれば何度でも生き返ることが出来る特殊な体質である。 自称探検家。現在死亡した人間唯一の蘇生成功例としてフィアが世話……もとい管理をすることになっている。 「それで……残機は?」 「200は残ってる筈ですけど」 最初は戸惑いもあったが、今ではこの通り死亡だの残機だのにも慣れてしまっている。 15 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/04/29(金) 23 53 04 14 「ならいいのですが。それで、報告書の処理はどうなってますか?」 残機の確認が終わった途端、あっさり話を切るミシュアル。 それに対し何かを思い出したようにデスクへ投げた報告書を取り、ミシュアルに渡すフィア。こちらも切り替えが早い。 「どうも腑に落ちない点が幾つかあって……再度調査か、保留扱いになると踏んでいるのですが……」 そう言いながら実のところミシュアルに対する足止めだと言うのが本音だ。 大抵、処理の確認が終わればまた矢継ぎ早に次の命令が下される。休みの時間が他の部署に比べて圧倒的に少ない、それがミシュアルクオリティ。 まぁ、報告書を簡潔に纏め、備考を書いた上で提出する仕事をつい最近まで一人で受け持っていたミシュアルの手腕は天才的と言える。フィア自身、自分の処理速度はミシュアルの半分程だと思っている。 今現在報告書の4分の1をサポートするのがフィアのスタンダートだ。そんな中で再度調査・保留扱いとなりうると判断した件があれば、それをミシュアルに提出することになっている。 もしそれが素人目に見た為の判断だった場合は上から見てミシュアルの心証が悪くなってしまう。それを避ける為の措置である。 そんな時は高確率で次の命令を忘れて再度調査・保留扱いと判断した報告書を処理する。数分のささやかな幸せというヤツだ。 「……確かに、報告書の通り一部合点の行く要素がありませんね」 しばらく報告書を読んだミシュアルが肯定する。 「やはり、ですか……それで、再調査(リサーチ)ですか?それとも保留(テイクノート)に?」 自分の判断がミシュアルと一致したのが嬉しかったのか、少し声が弾んでいる様子だ。 「それの決定権は私ではなく、上部が持つものですよ」 「十中八九、ミシュアルさんの書いた備考通りになると言うのに、何を……」 何がおかしいのか、にや、と笑うフィア。 前述の通り、ミシュアル及び専属の部下であるフィアの主な仕事は雑多な報告書を簡潔かつ解りやすく纏め上部の人間に渡すことである。 その中で、必要と判断すればミシュアルは備考と呼ばれるものを書くことが可能だ。 「褒めても何も出ませんけど」 別段特別なものではない。ただ単に今後のリアクションに関して「こうするといいかもしれない」的な事を実行部隊を動かす上部へ伝えるための、6行あまりの欄。大半は見向きもしないだろう。 ただ、それの書き手がミシュアルであるとなれば話は別となる。そのたった6行あまりに秀逸な文面で今後の提案を出す。あまりに完璧な指示故に、あの上部にさえ一目置かれているというわけだ。……実際は上部がめんどくさがってるだけという噂もあるが。 「事実を述べたまでですよ。そもそも貴方を褒めたところで何も出てこないのは知ってますから」 「確かに、それもそうですね」 きっぱりと認めるその声からは皮肉めいた言動に対する含みは一切無い、淡白な反応。 「……つまんないの……」 その反応の淡白さについ不平を漏らす。 それが聞こえたのか聞こえていないのか。 「さて、それはさておき……手早く書類の処理を済ませるとしましょうか。先ほどの件も早いところ纏めて提出したいところですしね」 「……解りました……」 怒っているかは定かではない。しかし、これだけは確実だ。 毎度ながら自らに処理の災厄が廻ってくるのは明白だと言うことだけは。 16 名前: 九野 月流子 投稿日: 2005/04/30(土) 00 20 47 翌日。 「むにゃむにゃ……さんらぁいずぼんばー……3……2……1……しっこくしっこくー」 「もうお昼です、起きてください」 そう言って、謎の寝言をカタコトで話しながらソファーに横たわっているフィアを揺さぶる。 「……ふぇ?」 目を覚ますフィアは寝ぼけ眼に考える。どうやら深夜まで書類の処理を続けて、自分のノルマ達成と同時に寝てしまってたらしい。……ふと。自分の妙に寝てる場所が軟らかいと気づく。あれー、ベッドのスプリング壊れたかな?と思っていたのだが。 あろうことか、デスクルーム……もといミシュアルの私室兼仕事部屋のソファーで思いっきり寝ているではないか。 これって……不味い?とっても不味い?もしかして怒られる!? 音速でソファから飛び降り。 「お願いですから許してください」 神速で頭を下げる。 「……何か勘違いしてませんか?」 「……ぇ?」 やれやれ、と言った感じのミシュアルに馬鹿みたいな声で応答する。……お察しの通り、フィアは朝に弱い。 「ここ最近無理な仕事ばかり頼んでますからね、それくらいの睡眠も必要でしょう。本来ならもう少し休ませても良かったのですが……少し言っておくことがあったものですから」 「聞いておくこと?」 時折見せる思いやりに少しだけ感動してみるフィア。しかし、それ以上に最後の話が気になったのか。きょとん、とそのまま復唱する。妙に仕草が単純で可愛らしい。 「はい。先日の件ですが、つい先程、今夜私が再調査(リサーチ)する方向で纏まりました。アルバートからの報告も兼ねて、ですが」 「あ、そうなんですか。…………うぇ?」 応答したものの、思考を回転させる際に何か疑問でも生まれたのか。何とも間の抜けた声が最後に入る。 「いいんですか?書類処理とか……」 書類の処理をそんな間空けておいたら事だ。ま、まさかその処理を私に任せる、とか言うんじゃあ……と、内心びくつきまくる。 「いいんですよ。今でこそ私はこの仕事してますけど、元々書類の処理は私の管轄じゃありませんし。それで……まず言うことは2つあります」 「2つ……ですか」 ごくり、と唾を飲み込む。2つの用件があってもバシバシと続けて言うのがミシュアルの特徴なのだが、わざわざナンバリングする時は重要であることが多い。 「1つ目はあの人のことです。」 そう言ってクイ、とある方向を指す。 そこにはスプリオ・ランケルヌの死体が横たわっている。 「……死因は?」 「書類ファイルの雪崩による打撲、とでも言いますか……むくりと起き上がった瞬間の話ですが」 はぁ、とため息を付く二人。 「それで、二つ目は?」 既に死亡=日常ということでスイッチの切り替えは早く、興味は既に二つ目の話に移っているようだ。 「先述したとおり、処理書類の類は本来の管轄である方がやってくれますから。それで私は今夜、アルバートを拾うのも兼ねて再調査にロスタニスへ赴きますが……私の専属である貴方は私が言えば同行する権利を持てます。希望するなら同行届けを出しておきますが」 ……フィアの思考過程はたった一つ。たった一つの単純(シンプル)な答え。 行 か な か っ た ら 書 類 処 理 に 回 さ れ る 。 「……私、行きます、お手伝いします」 猛スピードでの返答。 シナプス伝達速度と答えを口にするスピードが重なったような気がした。 「そう言って貰えると助かります。では申請してきますから、仕度を整えてください」 そう言って部屋から出て行くミシュアル。 フィアは仕度を始めるかと思われたが、何やら白銀の篭手を見つめて僅かな笑みを浮かべている。その篭手には各指の先端部は輝石に取り替えられており、各指の第二関節に何か宝石の外れた指輪のようなものがついている。 「久々になるかなぁ……コレ使うのも」 17 名前: つるねぇ 投稿日: 2005/08/07(日) 01 12 20 Another Birthday Edition 『プロローグ Aパート』 「ん……」 意識が目覚め、うっすらと視界が開ける。 ……すぐさま異変に気付く。 見慣れた天井が、無い。そもそも天井と言えないほど高い。 とりあえず自分の姿を確認する。寝巻きでベッドに寝ている。 周りを確認する。とても暗く、巨大な魔石の採掘所の坑道を思わせる空気が漂っており、土の壁からは紫色のきらめきが所々剥き出しになっている。 記憶を再確認。アカデミーの自室で就寝した。 心当たりを探してみる。多分これは夢だ。 しかし、夢にしてはやけに思考が冴えているのがひっかかった。 とりあえずベッドから起きたその瞬間、それが視界に入った。 「おはようズフィルー」 そこにいたのは少女だった。黒の長髪に赤の眼、何かド派手な装飾のついた紫の服。それでもとても可愛らしかったのだが、そんな印象がどうでもよくなるほどその語尾はブッ飛んでいた。 嫌な夢を見ている。 そんな夢はさっさと寝覚めるに限る、そう思ってもう一度ベッドに身を預ける。 関わりたくない私とは裏腹に、どうしても何らかのリアクションが欲しいらしい少女はお構い無しにベッドをよじ登り丁度腹のあたりに座する。 「ちょっ、軽くスルーは酷いと思うズフィル」 瞬間、少女は吹っ飛んだ。ほぼ反射的に私の拳が顔面を粉砕したためであり、心なしかその拳からはプスプス煙が出ている。 勝手に人の寝床に上がるなぞ無礼の極み。例え夢の中であろうと少女であろうと万死に値する。 「い、痛い……児童虐待ズフィル、そん