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ここはゆっくり実験室。 月の頭脳、八意永琳のゆっくり実験が、今日もゆっくりと行われるのだ。 さて。 「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」」 永琳の目の前に、四匹のゆっくりれいむがいた。 どこからどうみてもただのれいむで、実際その通りなのだが、ちょっとだけ違うところがある。 この四匹のゆっくりは、産まれた直後に親から引き取り、永琳が自ら管理・育成したものだ。 ちなみに親は子供達を取られることに激しく抵抗を示したが、ちゃんと育てると言ったらすぐ納得してくれた。 純粋なのか薄情なのか。それとも単に『子を取られる親』のポーズをしていただけなのか。 いずれにしろろくなものではない。今はどこかの部屋でゆっくりしていることだろう。 閑話休題。 この四匹のれいむは、産まれたときからずっと同じように育てられてきた。 同じ量の餌を与え、同じ量の運動をさせ、同じ時間に眠らせ、同じ時間に起こされた。 その甲斐あってか、四匹のゆっくりは全く同じ体型・重量を持つゆっくりとなった。 無論、永琳の目的はただ同じゆっくりを育てることにあったのではない。 これからこの四匹を使って、とある実験を行うのである。 まず、実験の前段階として、永琳はれいむ達に簡単なテストをしてみた。 「今日はみんなにこれをあげるわ」 と、永琳はれいむ達に、赤、青、黄、緑の色違いのリボンをつけてあげた。 「ゆゆ! れいむかわいいよ!」 「れいむもにあってるよ! おしゃれさんだね!」 「おねえさんありがとう! ゆっくりかんしゃするよ!」 「またなにかちょうだいね!」 最後に若干厚かましいことを言ってきたが、それを気にした様子もなく永琳は笑ってみせた。 「うふふ、でもずっとつけてると髪にクセがついちゃうかもしれないから、晩ご飯の前に一度外しましょうね」 「「「「ゆっくりそうするよ!!!!」」」」 四匹は唱和して、その日も(本人達は自由に遊んでいるつもりだが)永琳が用意した運動メニューに沿って過ごした。 晩ご飯を食べたあと、永琳は前もって予告していた通りにリボンを外した。 「もっとつけていたかったよ!」 「ごめんなさいね。また明日つけてあげるわ。そのかわり、ちょっとみんなで遊びましょうか」 と永琳は、三つの黒い箱を持ってきた。ちょうどれいむがぴったり収まるサイズだ。 「なにするの?」 「当てっこよ。今から、三人に箱をかぶせて、私が一つずつ箱をどかすから、残った一人がそれが誰か当てるの。いい?」 「「「「ゆ! おもしろそう! やるやる!」」」」 早速、永琳は四匹のうち三匹に箱をかぶせた。普通ならここで騒ぎ立てたりするのだろうが、新しい遊びということで好奇心が勝ったようだ。 「それじゃあ行くわよ。……はい!」 待ち構えていた一匹の目の前で、永琳は箱を外した。三十秒ぶりにゆっくり姉妹が対面する。 「これは誰かしら? さっき着けていたリボンの色で答えてね」 「ゆ! わかるよ! きいろのりぼんをつけてたれいむだよ!」 得意げに、青いりぼんをつけていたれいむは答えた。 「正解! よーし、それじゃあ次に行きましょうか──」 その後、残りの二匹についても、れいむは正解してみせた。 難易度を上げて、箱にいれた三匹のれいむをシャッフルしても結果は同じだ。 念のため残りの三匹についても同じことをしてみせたが、やはり全員全問正解だった。 もちろん、自分がつけていたリボンの色も覚えている。 永琳から見ても同じ顔にしか見えないゆっくりだが、どうやら個体識別はちゃんとできているらしい。 「すごいすごい! あなた達、ちゃんと姉妹の顔が分かるのね。判子絵師が描いた立ち絵みたいな均等品質のくせに」 「あたりまえだよ! れいむたちはかぞくだもん!」 「かぞくのかおをまちがえるわけないよ!」 「ねー!」 「ねー!」 何気にバカにしていた表現にも気づかず、気をよくするゆっくり達。 ……ところで、永琳からも見分けがつかないほど同じ顔をしたゆっくり達なのに、何故永琳はれいむの答えが正解だと分かったのか。 それは実に単純な話で、リボンを外したあとのれいむ一匹一匹の動きを、完全に記憶していただけのことである。 そんな天才薬師八意永琳は、いよいよ今日の実験の本番に取り掛かった。 「正解したみんなへのご褒美に、今日は特別な晩ご飯を用意したわ」 「ゆぅん! はやくもってきてね!」 「おなかすいたよ! ゆっくりはやくね!」 口々にご飯をせがむゆっくり達を、まぁまぁ、と永琳はなだめる。 「そう慌てないで。何しろ特別なご飯だもの。食べ方もちょっと特別なの。頭のいいあなた達ならわかるわよね」 「! うん! れいむたちあたまいいからね! ちゃんとわかってるよ!」 「ゆっくりまつよ! だからはやくね!」 永琳はにっこり笑うと、さっきと同じ黒い箱にれいむを四匹とも入れた。 ただし今回の箱は、れいむの正面と左側に、同じ大きさの穴が開いている。 「ゆ! せまいよ! なにもみれないよ!」 「ゆっくりだしてね! ごはんちょうだいね!」 みじろぎも出来ないほど狭い箱に押し込まれて、ゆっくり達が抗議の声を上げた。 「だから慌てないで。これからみんなをごはんのあるところに連れて行くの。 ちょっと準備が大変だけど、ちゃんとみんな食べられるから安心してね。 口のところにある穴からストローが差し込まれるから、それを吸えばご飯がでてくるわ」 「ゆ、そういうことならゆっくり待つよ!」 わくわくとした気配で、ゆっくり達はご飯が出てくるのを今か今かと待ち続けた。 「…………」 永琳は無言で、ゆっくり達の左側面の穴に、穴と同じぴったり太さの管を差し込んだ。 管は、箱の中のゆっくりの皮を貫いて、その先端を二センチほど体内にめりこませた。 「ゆぎっ!? な、なにかはいっでぎだよぉ?!」 構わず、永琳は残り三匹についても同様の処理を行う。 「ゆぎゃっ!」「ざざっでる! へんなものがざざっでるよぉ!」「ぬいでぇぇぇ!」 さっきまでとは打って変わって悲鳴が上がるが、永琳はそれを笑顔で封殺する。 「ごめんなさいね。しっかり固定しておかないと危険かもしれないの。 痛いけどゆっくり我慢してね。そうでないと、ずっとゆっくりできなくなるかもしれないわよ?」 「「「「ゆっ……ゆっぐりがまんずるよ!!!!」」」」 ゆっくりできない、という言葉が効いたのか、ゆっくり達は素直に痛みに耐えた。 「うん、あなた達は強いゆっくりだわ。それじゃあ今から、ご飯をあげるわね。口を開いていてね」 そして永琳は、四つの箱を正方形に並べた。 あるゆっくりの側面の管は、隣のゆっくりの正面の穴に宛がわれている。 そのゆっくりの側面の管は、やはりその隣のゆっくりの正面の穴へ── 全方向から同時に押し込めば、箱とゆっくりが四本の管で円状に連結されることになる。 (そう……これこそ『ムゲンゆっくリング』!!!) カッ!と心の中に稲妻を轟かせ、永琳は天才的なネーミングセンスによってこの実験に名を与えた。 天才とは凡人には理解できないものである。 永琳は鈴仙とてゐとついでに適当な兎に手伝わせ、四方向から箱を押し込む。 「「「「ゆっ!!!!」」」」 ゆっくり達の口の中に管が差し込まれる。 狭いところに押し込まれ、痛い思いをしてまでようやくありつけたご飯だ。ゆっくり達は、それぞれ思いっきり管を吸った。 そして口の中に甘みが広がり──同時に、自分の身に起きた異常を悟る。 「「「「!!??!?!!?!!?!?」」」」 自分の中身が、さっき痛みを感じた場所からどんどん流れ出ていく感触。 あんこの量が生死を左右することを、ゆっくりは本能的に知っている。だからこそ、自らに迫りつつある死の気配を、れいむ達は敏感に感じ取った。 そして同時に、自分が吸っているものの正体が何であるかも悟った。 抜け出すのと同じ量だけ入ってくる甘み。味わったことがないはずなのに、どこか懐かしさを感じさせる味。 それは、自分の姉妹の中身なのだと。 そして、自分の中身もまた別の姉妹に食われているのだと。 だが気づいたところでどうしようもなかった。一瞬でも動きを止めれば、その隙に自分の餡子が吸い出されてしまうのだ。 四匹のゆっくりは、最早相手が姉妹であることも忘れたように、ひたすら餡子を吸い続けた。 一匹でも力尽きれば、その瞬間に最終勝利者が決定するこの地獄のループ。 だが永琳の手によって、完全に均質に『調整』されたゆっくり達は、どれも同じ吸引力を持ち、どれも同じように疲労していった。 餡子を吸い、吸われ、吸い、吸われ── そして一時間と十五分と三十七秒が経過したとき、四匹のゆっくりは同時に力尽きた。 「……ゆっ?」 ゆっくりれいむは目を覚ました。きょろきょろと辺りを見回すと、自分以外も三匹も同時に目を覚ましていた。 「あら、起きたかしら?」 いつも聞いている声が降ってきた。 それは自分達に餌をくれる優しいお姉さんの声だった。 だが今日は、いつもと事情が違う。 「ひどいよ! れいむにれいむのあんこたべさせたね!」 「あんなひどいことするおねえさんとはもうゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできないおばさんはゆっくりしんでね!」 「しね! ゆっくりしね!」 四匹分の罵声が、永琳を攻め立てた。だが永琳はただ、いつもと同じ笑みを浮かべるだけ。 「はいはいゆっくりゆっくり。大丈夫よ、もうあんなことしないから。 でも、訊いてもいいかしら」 「……なに」 警戒心もあらわに、れいむ達は上目遣いで永琳を睨みつける。 永琳は笑みを深めた。 それは氷のように冷たい笑みだった。 「──ねぇ。 自分が何色のリボンをしていたか、覚えてる?」 そう訊かれ、れいむ達は思い出そうとして、──思い出そうとして、 「「「「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?!?」」」」 四匹のれいむは、完全な恐慌状態に陥った。 「「「れ゛い゛む゛は゛だ゛れ゛な゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!????」」」」 「自らの存在を問う──哲学的ねぇ」 そこら中を転げまわるゆっくりの中で、永琳はしきりに頷いて見せた。 永琳は、ゆっくりの餡子がゆっくりの血であり肉であり、内臓器官であり、脳であることを、これまでの実験で理解していた。 通常の生物で考えれば『おかしい』作りではあるが、あえて人間の器官で表現すれば、ということだ。 また、多少の餡子が喪われても、他のゆっくりの餡子を詰め替えたり、或いは市販品の餡子を詰めてやれば、意識が回復することも分かっている。 およそ半分の餡子を喪うと死に至ることも同時に明らかになっているが、つまりそれは、餡子の量によって意識の主導権が変わるのではないかと永琳は踏んだ。 それを踏まえての今回の実験である。 一時間と十五分をかけて、ゆっくりの体内の餡子は均等に混ざり合った。体内の餡子の総量自体は全く変化させないままに。 その結果がこれである。 改めて、ゆっくりの自我の実在と、驚くべき生命力(人間で言えば脳味噌をかき混ぜられたようなものだ)が明らかになったわけだが…… (指摘されるまで気づかないなんて……これぞゆっくり脳ってことなのかしらねぇ) 全く以て飽きない実験材料だ。永琳はそう思いながら、絶叫の合唱をよそに、実験室を去った。 三日後。 鈴仙に適当に餌だけ投げ込んでおくよう指示していた永琳は、例のれいむ四姉妹の様子を見に行くことにした。 「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」」 れいむ達は、再び新たな自我を確立していた。無論、永琳のことも覚えていた。 色々聞いてみると、どうやら三日前の記憶は綺麗さっぱり消えてしまっているようだ。 だが、永琳があの四色のリボンを取り出すと、全員石像のように硬直してしまう辺り、完全に忘れたというわけではないようである。 『逃避』という高度な精神活動が行われたことに、永琳は素直に驚きつつ、次の実験のテーマを練り始めた。 (次は、ゆっくりの精神活動について、詳しく調べてみましょうか……) このゆっくり達は、後日、四匹の母親を加えてまた新たな実験が行われることになるのだが……それはまた、別の話である。 ここはゆっくり実験室。 月の頭脳、八意永琳のゆっくり実験が、明日もゆっくりと行われるだろう。 あとがき 前々から考えていたネタを、904.jpgを見た誰かに先を越される前に書いた。 反省はしていない。 あと、別に判子絵師(誰とは言わない)に恨みがあるわけではありません。むしろ好きです。イベ絵は綺麗ですし。 これ以上は年齢制限にグレイズかしら…… このSSに感想を付ける
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「ホホホホ....よくぞいらっしゃいました。さて今日はどんなご用件で?ああ?猟ゆっくりをご覧になりたいと承知しました。ではこちらへ」 私はある興味深い話を聞いて里にほど近い廃農場を改築してできたゆっくりの養成所に来ていた。 「ここ最近ゆっくりの駆除数は多くなってますが、ゆっくり全体で見れば統計上減るどころかむしろ増えてるのが現状です なにしろあれはゴキb・・・失礼雑草のようなものですからねホホホホ...それはともかく減らないのは駆除の仕方に問題があるからなのです。 臭いものは元から断つのが一番。巣を見つけてコロニーごと叩きつぶすのが最も効果的と言うわけですなホホホホ.... しかし人間では隠れたゆっくりの巣を見つけるのは難しい。そこでわたくしめはゆっくりにやらせてみればと思いついたのです つまりはコペルニクス的思考転換と・・・オホン、まぁ毒を以て毒を制すと言う訳ですな」 歩きながらの男の説明終わったあたりでガラスの向こうに厩舎らしき場所にいくつもの鉄柵の囲いがいくつもある場所にきた 「ここは未来の生まれたばかりの猟ゆっくりの卵たちを育てる場所でございます。猟ゆっくりというのは若いうちから育てないといけません。 ま、当然ですな…躯が大きくなると態度も大きくなって育てるのも難しいですからなホホホホ....」 一つ囲いの中には大体5~6匹のちびゆっくり達が居る。まだビー玉大から野球ボール程の大きさの様々の子ゆっくりが飼育されている 「ゆっ!」 「ゆ~ゆゆ~♪」 まだまだ子供なのでどれも元気に跳ねまわったり、歌ったり、仲間同士で追いかけっこっしたり藁の上で飛び跳ねたりして遊んでいる。 「猟ゆっくりと言うのは全てのゆっくりがなれるものでは有りません。ここは適性があるかどうかを調べる場でもあるのです。おや… そろそろ時間の様ですな」 案内をしている男がそう言うと厩舎内のベルが鳴り始めた。すると周囲のゆっくり達が急に騒ぎ始めゆっくり達の大合唱が始まった 「ゆ!ゴハン~!」 「おなかしゅいたよ!はやくれいむにごはんをちょうだいね!」 白衣を着た男達がバケツを抱えてやってきた。男たちは囲いの前に立つと餌をエサ入れに流し込む。よく観察してみると小さいゆっくりの 囲いには大量の餌を入れているが、比較的育っている子ゆっくりの方にはその半分かそれ以下しか入れていない。明らかに囲いの中の ゆっくり達の十分の量なエサではない。どういう訳か尋ねてみる 「ホホホ...よくぞお気づきになられました。これも適性を図るプロセスの一つなのです。まぁこちらをご覧ください」 私は案内役に促され今白衣の男が給餌している一つの囲いを覗く。中では3匹の子ゆっくりれいむと2匹のゆっくりまりさ達がエサ台の前に集まっていた。 「ゆ!きょうはきのうよりごはんがすくないよ!おじさんごはんもっとちょうだい!」 一匹の子れいむが声を上げる。しかし白衣の男は次の囲いの給餌に行って既に居ない 5匹はゆーゆーと不満の声を上げていたが 「だいじょうぶだよ。わければみんなたべれるよ」 と5匹の中で2番目に大きいれいむが提案する 「みんなでいっちょでたべればおいちいよ!」 「そうだね!」 と嬉しそうに飛び跳ねながら口々に声を上げる3匹のれいむとまりさ 「そんなのぜったいやだよ!おっきなまりさはわけたらまんぞくできないよ。」 一番大きいまりさが異を唱えた 「ねんちょうしゃのいうことはぜったいだよ!」 それに3番目に大きいれいむが一番大きいまりさの横で援護する。こいつはどうも一番大きい奴の側らしい 「でもみんなでわけないとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!」 口ぐちと非難をあげる3匹 「ちっちゃいくせなまいきだよ!まりさをうやまわないれいむはしね!」 そう言うとガキ大将は他の3匹を跳ね飛ばす。 「ゆぎゃっ!」 「い゛た゛い゛よぉぉぉ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅ」 3匹と言えど体格差ではまりさには足元に及ばず成す術もない 「おねえちゃんのいうこときけないけっかがそれだよ!」 と言ってガキ大将の側についてた腰ぎんちゃくのれいむが跳ね飛ばされて動けないゆっくり達の傍で芥悪態を付く 結局餌はガキ大将まりさが総取りし、そのおこぼれを腰ぎんちゃくのれいむが食べていた 「ハフッハフッ!めっちゃうめ!」 「しあわせ~♪」 「おなかすいたよぉ~…」 「ずるいよぉ~…」 「ゅぅ…」 残る3匹はおこぼれすら貰えずその様子を見て愚痴ることしかできなかった。しかし空腹に耐えられず敷いてある稲藁を力なく 食み始めた 「さてお客様ここで一つクイズです。この5匹の中猟ゆっくりの適性があるのはどれだと思いますか?」 私はおそらく一番大きいゆっくりまりさでないかと答えた 「なるほど…ホホホ、それでは選別を行いますのでしばしお待ちください」 案内役はジェスチャーで指示を出すと、一人の白衣の男が今みていたゆっくり達の囲いにやってきた。 「ゆ?おじさんこんどはでざーと?はやくだしてね!」 ガキ大将まりさは開口一番生意気な口を叩く。白衣の男は何かを取り出す 「じらさないでまりさのためにはやくちょうだいね!」 白衣の男は表情一つ変えず何かをまりさの口に素早く突き出す そばで大きな口を開けて餌をねだる口には餌の代わりに尖った鋭い棒が刺さる 「げぶぁッ!」 後頭部に突如風穴を開けられるガキ大将まりさ 「どぉぼでぃでぇぎょんぼどずるのぉ...」 ガキ大将まりさにさした棒を引き抜き何度も突くのが繰り返される 「ゆ゛…ふ゛り…たか…よ」 何かを言い残し息絶えるガキ大将まりさ 「ざまぁだね!」 「いじわるなまりさしんでね!」 それを見たガキ大将に跳ね飛ばされてた3匹のゆっくりは嬉々として飛び跳ねる 「ホホホホ....お客様残念ですが不正解です。あのゆっくりまりさは体格や強さなどは申し分ありませんが、猟ゆっくりに求められるのは、 他の猟ゆっくりとの協調性と主人への忠誠心。 ゆっくり狩りというのはゆっくりの集団を追い込み仕留めるのを目的しております。 単独では難しいので普通はチームを組むのが基本です、お山の大将など必要ありません。強さなどは二の次…そんなものは訓練次第でどうでもなります。無論同族食いする様なのはNGですぞ。例えば10匹の群れを追うのに1匹に食いついて9匹を逃すようなのを猟ゆっくりとは言えませんからねホホホホ....。 それと人を小馬鹿にするようなことを堂々と言うゆっくりが主人の言う事など聞くはずありませんからねぇ。当然ダメ おっと何時までもここで時間を取ってたら昼になってしまいますな。それでは次に参りましょう、ホホホホ....」 案内役は私を次の部屋へ案内する。次は猟ゆっくりに選ばれた奴らが野生のゆっくりの巣の追跡や集団を追い込む 訓練が見れるらしい このSSに感想を付ける
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博麗神社の裏で子鬼が寝ていた。 小さな百鬼夜行 伊吹萃香だ。 昨夜も宴会で朝まで飲んでいたようですでに日は真上に昇っている。 「ん~?」 まだまだ寝ていたいのだが騒がしい声に目を覚ます萃香。 見ると目の前には最近幻想郷で大量発生しているゆっくりがたくさんいた。 ゆっくり霊夢に、魔理沙、ちぇぇぇんにみょんの四種類だ。 宴会のために天界から持ち出した桃の余りをそいつらは食していた。 籠に入れておいたのだがこいつらが籠を倒したようで、桃はそこらに散乱してる。 見る限り無傷なものは一つもない。 「あーっ!後で霊夢と一緒に食べようと思ってたのに!」 思わず叫んでしまう。 その声にゆっくりたちが反応する。 「ゆっ、おねえさんゆっくり寝てたね!」「ゆっくりしていってね!!」 「このくだものおいしーよ!!」「おねえさんもゆっくりたべる??」 「ちーんぽっ!」「まだあるよー、わかるよー」 30匹はいるだろうか。それだけの数のゆっくりが一度に話しかけてくるのでうるさいし聞き取れない。 「うるさいねぇ。ま、好きに食べていいよ。どうせすぐに取ってこれるし」 天界には山ほどの桃の木があるのだ。それはもう飽きるほどに。 寝てる間に食べられたのはちょっと癪だけど、わざわざ怒ることもない。 しかしすぐに取ってこれると言う言葉にゆっくりたちは目敏く反応する。 「ゆっくり取ってきてね!!」「むきゅ、ゆっくりまってるね!」 「ゆっくりはやくもってきてね!!」「やさしいおねえさんはゆっくりできるね!」 やはりうるさかった。相手をするのも面倒なので「あー、はいはい」とあしらうとその場を立ち去ろうとした。 その時いつも持ってる瓢箪、酒が無限に湧く瓢箪が手元に無いことに気がついた。 「あれ? どこかにやったかな」 見回すが見つからない。 くるりと回って後ろも見る。あった。 ただし瓢箪の周りにもたくさんのゆっくりが群がっていて 「次はれいむの番だよ!!」「ちがうよ!まりさの番だよ!!」 瓢箪の口から湧く酒を奪い合っていた。中にはすっかり出来上がったものもいて、地面にぺにょーんとだらけたゆっくりもいた。 「そんなとこにあったのか。ほら、返してもらうよ」 萃香は特に気にする様子もないし、特に怒りもしないで瓢箪をゆっくりの群れから取り上げる。 「ゆっ!! つぎはまりさの番だよ! 取らないでね!!」 「ゆっくり返してね!!」「それはゆっくりたちがみつけたものだよ!!」 生意気な事を言ってるけど萃香は無視した。こいつらと問答しても聞かないだろうから。 しかしゆっくり達は続ける。 「ゆっくりできないならそれを置いてでてってね!!」 「ちちちーんぽっ!」「むきゅむきゅむっきゅ~ん!!」 「どろぼうはでてってね!!」 萃香を罵倒しながら体当たりしてくる。ゆっくり達は酔っていて普段よりぷにぷにボディなので衝撃はほぼ0だ。 ここまでされると流石の萃香もいらついた。 なんでただの饅頭如きにこの鬼である私が攻撃を受けてやらないといけないのか。 「いい加減やめなさい。お前たち達が私に敵うわけないよ」 萃香は妖気を発しながら威圧するように話しかける。普通はこれで大抵の妖怪や妖精は震えて逃げ出す。 しかしゆっくりは萃香の想像より遥かに下回る鈍感さをもっていた。 「みんなでかかれば倒せるよ!!」 「ゆっくりしんでね!!」「ゆっくりたおれてね!!」 体当たりしてくるゆっくりが増えてきた。ここら一帯に集まっていたゆっくりが萃香を取り囲んで攻撃する。 反撃しない萃香をみて体当たりが効いてるとでも思っているのだろうか。 舐められたものだ。 そう言えば霊夢も神社の食料を求めて集まるこいつらの相手にはうんざりのようだった。 そしてここは神社の裏、霊夢のためにも灸を据えてやることにした。 「身の程を教えてあげた方がいいようだねぇ。この鬼の力、特別に見せてあげるよ」 萃香はスペルカードを発動する。 萃符「戸隠山投げ」 萃香の能力で周囲の石や岩を萃(あつ)めて敵へぶん投げる豪快な技だ。 ただし今回萃めるのはゆっくり達だ。 3mほど宙を浮かんだ萃香の右手に妖力が集中する。そしてその右手に向って辺りの空気が吸い込まれていく。 「ゆゆーっ!?」「すいこまれるよー、わからないよー」 「ゆっくりできないよ!やめてね!!」「むぎゅぅぅ」 事態を把握できないゆっくり達が萃香の右手の先に為すすべなく萃められていく。 全部で50近くいたそれはものの数秒で直径2mぐらいの饅頭の塊になった。 恐らく中央付近のゆっくりはすでに潰れて餡子と皮だけの存在になっているだろう。 「そらっ、技はまだこれからだよ!」 萃香は腕をぐるぐる回す。これからゆっくり達の塊を投げるための勢いづけだ。 「ゆ”ーー!!」「ゆ”っぐりでぎない”~!!」 「まわずのゆ”っぐりじでぇぇ!!」 塊の外側にいるゆっくりはまだ話せるようで悲鳴を上げる。 「ゆっくりしたい? ならゆっくりさせてあげるよ」 この時萃香は自分が楽しんでいることを感じた。 こいつらの悲鳴を聞いてると何とも言えない気持ちになるのだ。 このまま地面に勢いよく叩きつけたらどんな反応を示すだろう。 それを早く見たくなった萃香はいつもより本気でゆっくり達の塊を地面に向けて投げ付けた。 ゆっくり達が投げられたことを認識するよりも前にゆっくりの塊が地面に激突する。 「ゆ”べっ!!」「ぅ”あ”!!」 途端に弾ける大量の餡子。そして断末魔。 ゆっくり達の塊のうち、4/5は一瞬にして餡子と化した。 なんとか形を保っているのは地面に激突したのと逆側にいた残り1/5のゆっくりだった。 それでも激突した衝撃が伝わって驚愕の表情のまま絶命しているものがほとんどだった。 「ちょっとやりすぎたみたいだねぇ」 そう言う萃香だったがその顔は綻んでいた。 「ゆっ、ゆ”」「あ”あ”あ”」 苦しそうな声を出すゆっくり達。だがその数はたったの四匹。ゆっくり霊夢一匹とゆっくり魔理沙の二匹、ゆっくり橙が一匹だ。 しかし焦点が合わないもの、皮が破れて餡子が他の死んだゆっくりたちの餡子の湖に流れ出ているもの、 舌が取れてしゃべれないもの、嘔吐しているものと無傷のものなど一匹もいない。 萃香はそのうち二匹を天界へ持っていくことにした。他の二匹はおそらくこのまま死ぬだろうからほうっておく。 天界の一角に萃香は現在住んでいた。天人の娘と闘って得た場所だ。 一面に花が咲き誇り、天敵となるものもいない。楽園と呼ぶにふさわしい場所だったが萃香にとっては少し退屈だった。 そこで今回生き残った二匹のゆっくり、れいむとまりさを飼って退屈を紛らわせる道具にしようと考えていた。 死にかけのゆっくりに桃をしぼって与えると少し元気を取り戻したようだ。 目立った外傷もないようだし後は放っておけば治るだろう。 「さて、今度こそ神社に遊びに行くかねぇ」 萃香はいくつかの桃をゆっくり達の周りに置くと、桃をもって再び神社へと遊びに行った。 翌朝 萃香は天界へ再び戻ってきた。 ゆっくり達は治ったかなと思いながら見に行くと、それはもう元気に跳ねまわっていた。 ゆっくり達は萃香を見ると元気に挨拶する。 「「ゆっくりしていってね!!」 萃香は少し驚いた。自分に何の恐れも抱いてないとは。 まあゆっくりは記憶容量が小さいのだ。きっと昨日のは忘れたのだろう。 「おねえさんれいむたちのおうちに何の用?」 「いっしょにゆっくり出来る??」 さらに萃香の場所を自分の場所だと主張する。 困ったものだ。これはお仕置きしないといけないな。 萃香に芽生えたSな感情がふつふつと湧き上がる。 「何か勘違いしてるみたいだねぇ。ここはお前たちのおうちじゃないよ」 「ちがうよ!! れいむとまりさのおうちだよ!!」 「ゆっくりできない人はゆっくりでていってね!!」 「そうかい。口で言って分からないなら体で覚えてもらうしかないねぇ」 昨日と同じようにゆっくり達を自らの腕へと萃める。 「ゆっ!?」 この吸い込まれる感覚は味わったことがある。なんだっけ? 確か昨日こんなことがあったような。 「!! や、やめてね!!」 「あ”あ”あ”!! ゆっぐりざせでぇ!!」 ゆっくり達は思い出す。この吸い込まれる感覚。その後起きた惨劇。 「さて、この後はどうなると思う」 萃香は今にでも投げるぞと示すように腕をくるくる回す。 「やめてえぇぇ!! まわざないでぇ!!」 「ごめんなざいぃぃ!!!」 命乞いの声に何かが満たされるのを感じた萃香はさらに続ける。 「何がごめんなさいなのか言ってごらん?」 「わだじだちがわるがったよ”おぉぉぉ!!」「ゆるじでぇぇぇ!!」 「じゃあここは誰のおうちだい?」 「れ”いむだちのおうぢぃぃ!!」 「まだ分からないのか。じゃあ投げるよ!!」 「「お”、お”ねえざんのおうぢでずうぅぅ!!」」 「分かったなら降ろしてあげる」 ぽとりと地面にゆっくりを落とす。目が回ったのかフラフラしている。 さてここで終えるのも勿体ない。もっとゆっくり達が自分を恐れる声を聞きたかった。 攻撃をすると簡単に潰れるからできない。楽しめないから。 どうしたものかと考えた結果、瓢箪から出る酒を使うことにした。 「ほら、元気が出る飲み物をあげるよ。口を開けな」 「ゆっ!飲み物! 欲しいよ!!」 「ゆっくり飲ませてね!!」 目が回ってフラフラしていたのはどこへやら。一瞬で元気になりぴょんぴょん跳ねておねだりを始める。 「じゃあ口を開けて並びな」 二匹は言葉に従って並ぶと、口を大きく開けてこっちを見上げてくる。 「ゆっくりはやく飲ませてね!!」 「はいはい、すぐ飲ませるよ」 昨日のは甘い桃の酒。 しかし今回は酒豪の萃香も満足できるほどの強い酒だ。こいつらには刺激が強いだろう。 瓢箪からゆっくりの口へと酒が流し込まれる。次の瞬間ゆっくりの顔が固まる。 急いでもう一方のゆっくりにも飲ませる。 「ゆ”ばばばびぃ!!」「がふっがふっ」 今までにない反応だ。これは楽しい。 ゆっくり達は口の中の燃えるような感覚に転げまわった。 「大袈裟だねぇ。でもおいしいだろ?」 「お”いじっ、ぐない”ぃ!!」 「がら”っ、い”の、い”や”、だよ”おぉ!!」 涙を流しながら萃香を睨めつける。 「ゆっぐりあやまってね!!」「ひどいおねえさんとはゆっくりできないよ!!」 「なに、これからゆっくり出来るよ。体がポカポカしてきたろ?」 「ゆ?」 言われてみると確かに体がポカポカしてきていた。それになんだかゆっくりした気分になってくる。 そう言えば昨日も甘い味のする水を飲んだときも同じようにゆっくりした気分になった。 もちろんこれはお酒を飲んだからなのだが、ゆっくり達には不思議だった。 「おねえさん、ゆっくりできるよ!!」「ぽかぽかー!!」 「それはよかった。ならもっと飲むかい?」 笑顔でゆっくり達に酒を勧める萃香だったが、その眼は観察をする眼だった。 ゆっくり達は隠された悪意に気付かない。今はとにかく不思議な水をもっと飲みたかった。 「ゆっくりのませてね!!!」「でもからくないのにしてね!!!」 「ふふっ、いいよ。辛くない酒だね」 今度は瓢箪から甘いお酒を出す。しかしアルコール度数は高い。 萃香はゆっくり達を限界まで酔わせてみようとしていた。 「「ごーく、ごーく、しあわせー!!」」 それから十分近くゆっくり達にお酒を飲ませ続けていた。 明らかに体積より多く飲ませているが、まだ飲んでいた。 「さて、そろそろいいかな」 ゆっくりの様子を見て萃香は二匹に酒を与えるのを止める。 「ゆ~? もっろのませれよぉ」 「まだのめるよ! もっとのませてね!!」 ゆっくり魔理沙はべろべろに酔っ払って舌が回らないうえ、見るからにふらふらで右へふらふら左へふらふら揺れていた。 それに対してゆっくり霊夢は比較的まともだ。 しかしこれはお酒の強さとは関係がない。 萃香はゆっくり魔理沙に与える酒だけ強いお酒、ゆっくり霊夢には1%程度のお酒とも言えない程度のお酒を飲ませ続けていたのだ。 「な~にひてんのぉ!! まりふぁはもっろのめるぉ!!」 「その前にいいことしてあげるよ」 萃香はゆっくり魔理沙を後ろから両手で抱えるとゆっくりと揺さぶる。 以前、人形遣いがゆっくりにやっていたことの真似ごとだ。 ゆっくり達はこうやって揺さぶってやると発情するらしい。普段なら。 しかし泥酔状態の今ならどうか。 萃香自身は酒で潰れないので体感的には分からない。 だが前に神社で宴会をしたときに見たからどうなるか大体知っている。 珍しく酔っ払った霊夢を悪ふざけで揺さぶったら…いや、言うまい。 あの後しばらく霊夢は口を利いてくれなかった。 ともかくだ。酔っぱらった状態で頭を揺さぶるとひどいことになる。 ゆっくり魔理沙も揺さぶられて、性と酔いの二重の快感に酔いしれていた。 しかし少しずつ、いや急激にそれは込み上げてくる。 口をだらしなく開けていたゆっくり魔理沙が「うぐっ」と言ううめき声とともに口を必死に閉じる。 絶えず襲ってくる吐き気。 「んぐっ、むぐっ」 頬を中心にゆっくり魔理沙が膨らんでくる。吐いてしまうのを必死で耐える。 とても苦しいのだろう。涙が滝のように流れている。 「ゆっくりできるでしょ。ほらほら、もっと揺さぶってあげるよ」 「んむぐぅぅぅ!!」 ゆっくり魔理沙は「ゆっくりできないよ! すぐにやめてね!!」と言いたいがそれはできない。 口を開けたら途端に中身を吐き出してしまうだろうから。 しかしいくら吐き気を我慢しても萃香は揺さぶる手を止めない。 我慢の限界ももうすぐそこだ。 その時ゆっくり霊夢はと言うと呑気に 「まりさばかりゆっくりさせてもらってずるいよ!! れいむもゆっくりさせてね!!」 ゆっくり魔理沙が苦しんでいるというのに酔ったゆっくり霊夢はそれに気付かない。 ゆっくり霊夢は早くゆっくり魔理沙と代わって欲しくて萃香の周りをぐるぐると飛び回る。 萃香はゆっくり魔理沙に耳打ちする。もちろんゆっくり霊夢に聞こえぬように。 「お前のお友達はひどいね。苦しんでるお前を助けようともしない」 「んぐ~~!!」 お前が苦しめてるんだ。と萃香に避難の目を向けるゆっくり魔理沙だったが、 確かにゆっくり霊夢は自分を助けようとしない。それどころかぴょんぴょん跳ねてゆっくりしている。 ゆっくり魔理沙は絶望してしまった。そして絶望が諦めを誘発した。 「ぅごぇえぇぇぇぇぇぇ!!! お”べええええええ!!!」」 逆流する餡子に耐えきれず、ゆっくり魔理沙は餡子を吐いてしまう。 それは半端な勢いじゃない。明らかに生きるのに必要な分の餡子まで出してしまうほどだ。 美しい天界の花畑を汚らしい餡子がびちゃびちゃと汚していく。 汚したのはそれだけではない。 萃香の周りを跳ねまわっていた霊夢にもそれはかかってしまう。 「あ”あ”あ”! なにこれぇぇ!!?」 「ははは! 友達の餡子だよ。ほら、すごい勢いだよ?」 ゆっくり魔理沙から吐き出される餡子をさらもゆっくり霊夢へと浴びせる。 「や”、や”めで~~! ま”り”ざがしんじゃうよおお!!」 「そうだねぇ。このままだと死ぬかもねぇ」 そう言って未だ吐き続けるゆっくり魔理沙を地面へと置く。 「ほら、餡子を戻してやらないと死ぬよ?」 「がほっ、げぼっ、じに、だぐな”い、おげっ」 吐きながらも死にたくないと訴える友達をゆっくり霊夢は放っておけるわけがない。 ゆっくり霊夢は餡子まみれになりながらも、吐き出された餡子を自らの口に含んでゆっくり魔理沙に 口移ししようとする。 しかし、口移ししたそばからそれ以上の量の餡子が吐き出されるのだから意味がない。 「まりざぁ、あんこを飲んでよぉぉ!! しんだらゆっくりできない”よぉ!!」 だがゆっくり魔理沙は答えない。答えられない。 すでに瞳に光はなく、口から出るのは餡子だけだ。 「まりさぁぁぁ!! あんこをのんでぇぇぇぇぇ!!」 ゆっくり霊夢はバカの一つ覚えのように餡子をゆっくり魔理沙の口へと運び続けていた。 何度かそれを続けるとようやくゆっくり魔理沙が餡子を飲み込んだ。 「ゆっ!」 ゆっくり霊夢はこれでまりさが回復すると希望を持てたのだろう。 「もっとのんでね!! あんこいっぱい戻したらまた一緒にゆっくりしようね!!」 次々と餡子をゆっくり魔理沙の口へと運び続ける。その動きはさっきよりずっと生き生きしていた。 萃香はその様子をずっと見続ける。その顔には満足が浮かんでいた。 (これは確かに面白いねぇ。あの人形遣いや氷の妖精なんかが熱心になる理由がよく分かる) ゆっくり魔理沙はとっくに死んでいた。餡子を体に詰めなおしたところで生き返りっこない。 萃香はそれも分からずに回復するかもと、希望にすがるゆっくり霊夢をニヤニヤ眺めていた。 ゆっくり霊夢が二度とまりさが動かないと理解したのは、半日も経ってからだった。 ゆっくり霊夢はぴくりとも動かなかった。 まりさが死んだことを理解したくないのに死んだことを理解してしまったゆっくり霊夢は、何も考えたくないと現実から逃避してしまっていた。 「あーあ、こんなになっちゃったらもうつまらないや」 反応がないと虐めがいがない。萃香はゆっくり霊夢を掴むと神社へ遊びに行くことにした。 (このゆっくりは霊夢と一緒に食べるとしよう) そして帰りにゆっくり達を調達しよう。 次は何してみようか、何をさせたら面白ういだろう。 この先のことを考えると楽しくて仕方がない萃香であった。 終
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ずっと考えていた。 ゆっくりフラン、ゆっくりれみりゃを繁殖させるにはどうしたらいいのだろう? 事の発端はこうだ。 俺はゆっくりが大好きで、家でゆっくりれいむ、魔理沙たちにゆっくりアリスをけしかけて繁殖しては、食べたりつねったり沈めたりごちそうを与えてすぐに奪ったり思い切り蹴飛ばしたりしていた。 俺の行動一つで表情が極端に変わり絶叫するゆっくりが可愛くて仕方なかった。 とくにお気に入りなのがゆっくりれみりゃことゆっくりゃだ。しかしこのゆっくりゃは紅魔館付近でないと見つけられない貴重種。命がけで紅魔館に侵入し手に入れたこの一匹が、俺のそばにいる唯一のゆっくりゃだった。 「うー! うー!」 もちろん大事にしている。 他のゆっくり以上に、千切って食べたりつねったり沈めてみたりごちそうを与えてすぐに奪ったり思い切り蹴飛ばしたりして可愛がった。比率でいうと、他のゆっくりが1ならゆっくりゃは10だろう。とくにいくら千切っても再生してくる肉まんの生地は最高だ。 「も゛うやめでー!!」 ああ、可愛いな泣き顔。 そんな風にゆっくり達を可愛がりながら過ごしていたある日。 発情したゆっくりアリスがゆっくりゃに襲いかかっていた。 「れっ、れっ、れみりゃっ!」 「お゛、お゛う゛ち゛か゛え゛し゛て゛ー!」 思わず、手荷物を床に落としてしまう。 普通なら襲われてもゆっくりゃは飛び立ち、そのまま返り討ちだろう。 しかし今のゆっくりゃには羽がなかった。正確にいうと昨日俺が千切ってまだ再生しきっていなかった。 飛べないゆっくりゃはただのゆっくり肉まんだ。不意を突かれたらどうしようもない。 なんでだ……なんでゆっくりアリスがここにいるんだ……ちゃんとドアに鍵を閉めて隔離しておいた筈だぞ……。 「ゆ、ゆっくり! ゆっくりぃぃぃっ!」 「い゙い゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!」 呆然とする俺の前で痙攣するゆっくりアリス。普段の声からは想像できない絶叫を上げるゆっくりゃ。ゆっくりゃは絶叫も可愛いな……。 とりあえず落ち着こうと、痙攣してゆっくりしているアリスを鷲づかみで持ち上げ、そのまま串に刺し、火で炙ることにした。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ! あ゙づい゙よ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙っ!」 やっぱり冷静になるには甘味が一番だよな。 甘露、甘露。美味しかった。 どうにか冷静には慣れたが、現実の重さが俺を押しつぶそうとする。 ゆっくりゃは目を見開き、口を開いたままぴくりとも動かない。絶叫を上げたまま逝ってしまっていた。 ああ、ゆっくりゃ……俺の唯一のゆっくりゃが……。 また紅魔館に侵入するしかないのか……。 がっくりと項垂れながら動かないゆっくりゃに手を伸ばす。 あらためてゆっくりゃを見ようとそのまま持ち上げた時、ふと疑問が浮かび上がった。 「……なんで茎が生えないんだ?」 普通ゆっくりは、繁殖が終わると母体の体から茎が生えてきて、そこへ実をつけるように赤ん坊のゆっくりが生まれてくるものだ。少なくとも家で試したゆっくりはそうだった。 しかしれみちゃの体には茎なんて生えてくる様子がまるでない。仮にも繁殖行為だったのだから、何か生えてきてもおかしくない筈だ。 「……」 ゆっくりれみりゃは希少種だ。他のゆっくりに比べて非常に数が少ない。 それはもしや、繁殖方法が特別だから……? 湧き出てきた疑問をきっかけに、俺の頭は回転し始める。 頭へ栄養をまわそうと、手に持っていたゆっくりゃを丸呑しながら、俺は考えを巡らせていった。肉まん美味しいです。 夜も耽り、辺りが真っ暗になった頃。 草むらで音が立たないように忍び足で進みながら、俺は紅魔館の庭を歩いていた。 結局いくら考えても実際に試さないと埒が明かないものだ。まずは色々試してみよう。 ちなみに探しているのはゆっくりゃともう一匹、ゆっくりフランことゆフランだ。 下手にゆっくりゃで実験し、またすぐにゆっくりゃを失うのは困る。まずはゆフランで実験し、それからゆっくりゃだ。 二匹を捕まえるのは一見大変に思えるが、実はゆっくりゃを捕まえたらゆフランは釣られて出てくるのだ。前回ゆっくりゃを捕まえた時がそうだった。あの時はせっかく捕まえたゆっくりゃを食われそうで焦ったが、おかげでゆフランの対処法はわかっている。 だからゆっくりゃさえ見つけてしまえば話は早いんだが……。 「うー! うー!」 ……噂をすればなんとやら。 声に反応して振り向くと、にこやかに笑っているゆっくりゃがいた。口にあんこがついているので餌にありつけたばかりだったのだろう。 それにしても……可愛いな。 満腹そうな顔が可愛くて思わず蹴り飛ばしたくなる衝動を必死で堪えた。さすがにこれまでの苦労を一蹴りで水の泡にするわけにはいかない。 俺は忍び足を止めて、そのまま自然にゆっくりゃへと近づいていった。 「う?」 こっちへ顔を向けるゆっくりゃ。 近づいてくる俺に気がつくと、嬉しそうに近づいてきた。 「がぁおー。たーべちゃ~うぞ~!」 他のゆっくり達ならこの言葉に恐怖するだろうが、俺からするとまたじゃれついてきたなと思う程度だ。 紅魔館のゆっくりゃは可愛がられた結果、人慣れしすぎたのか、人を見つけるとそのまま無防備に近づいてくるのだ。 だからゆっくりゃさえ見つけてしまえば、後は近づいていってそのまま手で捕まえてしまえばいい。 「うー! うー!」 知らない人の手で掴まれているのに、遊んでくれると思っているのか喜び始めるゆっくりゃ。 さて、あとは……。 がさがさっと、木の枝が揺れる音がした。 「うあ!」 腕の中のゆっくりゃが声を上げる。近づいてきているモノがなんなのか、本能的に理解しているのだろう。 ゆフランはゆっくりゃに気がつくと飛び立ち、そのまま一直線にこちらへと向かってくる。その際に羽が木の枝に当たって音がするので、どこから鳴ったかさえしっかり聞いていれば飛んでくる方向は分かるのだ。 ギョロりとした目をゆっくりゃに向けて、勢いよく正面から突っ込んでくるゆフラン。 「うあ! うあ!」 だから、こうして勢いよく近づいて来た所を── 「ゆっくりしね!!!」 「断る」 撃退すればいい。 俺のかかと落としをまともに喰らい、ゆフランは地面にめり込んだ。 後頭部にはくっきりとかかとの跡が残っている。 あ、拙い、微妙に餡が出た。ちょっと強くしすぎたか……。 ゆフランの回復力を信じて、痙攣したままのゆフランを持ち上げ、持ってきたかごの中に放り込んだ。 「うー! うー!」 痙攣するゆフランを見ながらはしゃぐゆっくりゃ。はしゃぐのは良いけど、あまり暴れられると羽が体に当たって……。 「ぎゃおー!」 ……ん? ゆフランの入っているかごに向かって叫ぶゆっくりゃ。これは……? 「ぎゃおー! たーべちゃうぞー!」 ……。 ……もしかして勝ち誇ってるのか、これは? ゆっくりゃは何もしてないのに? 「ぎゃおー!」 叫んでいる意図に気づいた瞬間、反射的にゆっくりゃの顔に拳をぶち込んだ。 ……あ。し、しまった。つい勝ち誇ってる顔を泣き顔にしたくて……。 「う……」 ヤバイ、可愛い! じゃなくて! 「うわああああ!」 大声で泣き始めるゆっくりゃ。この声でまたゆフランが近づいてくる筈だが、泣き声が大きすぎて枝の音が聞こえない。不意を突かれたらそのままゆっくりゃを食べられてしまう。自分で自分の身を危険にしてどうするんだこの愛玩饅頭! ええぃ! 落ち着けおれ! こういう時こそこれだ! 俺は懐からホッチキスを取り出し、ゆっくりゃの口を塞いだ。 「……! ……!」 愛くるしい顔になったねっ! 途端、四方八方から聞こえてくる物音。 多いし! そんなにいらないのに! ……ええぃ、やったらーーっ! 泣き顔のゆっくりゃを脇に抱え、俺は飛んでくるゆフラン達と対峙した。 数時間後。 ようやく家に帰ってきたと腰を下ろす俺、同時に地面へ置かれたかごの中にはゆフラン達がぎっしりと詰まっている。元々少なめに考えていたので明らかに許容量を超えているが、全員がぐったりしているので無理矢理詰め込む事ができた。 ゆっくりの中で危険な種とはいえ結局は饅頭、押したら潰れるものだ。 「うー? うー?」 突然、紅魔館から別の場所に連れてこられ、不安そうにゆっくりゃが声を上げている。 ……さすがにここで泣かたり、暴れられるのは困るので。 俺は大きく息を吸った。 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっ!」 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっくりしようよっ!」 俺の声に反応して、隠れていたゆっくりれいむが3匹出てきた。普段は帰ってきたら何匹かは近づいてくるのだけど、今日は連れてきたゆっくりがゆっくりなので隠れていたのだろう。それでも声に反応するのがやっぱりゆっくりだが。 あ、1匹親れいむだ。あれは食い出があるぞーっ。 途端、ゆっくりゃの表情は輝き、れいむ達の表情は凍り付いた。 「がぁおー! たべちゃうぞー!」 「やーっ!」 「ゆっくり出ていってねっ!」 逃げるれいむに追いかけるゆっくりゃ。今の内にドアに鍵をかけて……と。 さて、それじゃ早速試してみるか。 俺はかごから一匹ゆフランを取り出す。丸い顔が変形し四角くなっていた。これはこれで可愛いな。 とりあえず手でこねるように形を丸くしてみた。 「ぁ゙っ、ぁ゙ぁ゙っ」 あれ? なんだ、意識あったのか。てっきりまだ戻ってないと思っていたんだが。 それじゃ回復を待つ必要はないな。 俺は両手で羽を持ち、そのまま思い切り毟り取った。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!」 途端、普段から見開いた目をより見開き、さっきとは比べものにならない大きさの声を上げるゆフラン。 初めてゆフランの絶叫を聞いたけど……これはこれで甘美だなぁ。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ! ざぐや゙ー! どごー!」 泣き叫ぶゆフランに、俺は魔法の言葉をかけてみた。 「これからたくさんゆっくりのいる場所に行くんだけど、来るかい?」 「……うー?」 興味深そうにこっちを見る。いいなぁこの変わり身の早さ。これからゆっくりは可愛い。 「ゆフランのためにたくさんのゆっくりを用意しておいたんだ、食べにいかないかい?」 「……う~♪」 泣いた饅頭がもう笑った。あとはこっちのものだ。 「それじゃ連れて行ってあげるよ」 そのままゆフランを抱えて、移動する俺。「うー♪ ゆっくりしね!」とはしゃぐゆフラン。その目はもういつもの通り瞳孔が開き、赤く輝いている。 やがてドアの前へ来ると、鍵を開け、ゆフランを中へと入れた。 気配が分かるのか、入った瞬間からゆフランは視線をあちこち移している。 「みんな怯えて隠れているかもしれないけど、ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっくりしね!」 飛び跳ねるゆフランにそう声をかけ、俺はドアを閉め、また鍵をかけ直した。ドアには窓がついているので開けなくても中の様子は伺える。 ゆフランは相変わらず、楽しそうにあちこち見ながら飛び跳ねていた。毟り取った羽はまだ回復していないが、背中についた跡はもう消えてしまいつつある。 実際、この部屋にはゆフランの期待通りゆっくりが大量にいた。ゆフランのお腹をいっぱいにするなら充分な量だろう。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ」 「うー♪ ゆっくりしね!」 「フっ、フっ、フっ、フランっ!」 ただ俺は、今まで発情したゆっくりアリス10匹に勝ったゆっくりを知らない。 襲いかかってくるアリスに噛みつくゆフラン。その瞬間、残りの9匹に押しつぶされた。 「ゆっ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆっ!!」 「ゆっくり゛ぃぃぃぃっ!」 悶絶するゆフラン。おおっ、ゆフランってこんな顔で悶絶するのな。いつかゆっくりゃと一緒に悶絶させたいものだ。 どうにか振り解こうと抵抗するが、1匹を振り解いてもすぐに別の1匹が襲いかかり、かまわず交尾を続けていく。 次第にゆフランの動きは止まり、だだ悲鳴だけが響くようになっていった。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛っ゛く゛ぅ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!」 「ゆ゛っ゛く゛り゛ぃぃし゛ぎね゛ぇえ゛え゛っ!」 ……そろそろ終わりそうだな。 「うー♪」 聞き覚えのある声に振り向くと、いつの間にかゆっくりゃがそこにいた。 口に大量のあんこをつけて。 「……美味かったか?」 「うーうー♪」 顔面を蹴り飛ばす。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」 やっぱり満足顔からの泣き顔が特に可愛いな。 結果として。 ゆフランには茎が生えてきた。 しかし生まれたのは1匹だけだった。 その1匹は、今、俺の手の中で遊んでいる。生まれたてで小さく、言葉も親ゆフランの「ゆっくりしね!」は言えず、ただただ「うー♪」と呻くだけだ。このまま丸呑みしたいな……。 しかし試しにと親れいむに子ゆフランを預けた所、その家族達を全部平らげてしまったので、小さいながらもやっぱりゆフランは違うというのを思い知らされた。 ここで問題なのは、子ゆフランを生んで親ゆフランは絶命してしまった事だ。以前、ゆっくりアリスに襲われたゆっくりゃのように朽ち果て、死んでいってしまった。 せっかく繁殖したのに一人の親で1匹では意味がない。そもそも他のゆっくりはだいたい4匹は繁殖していたのに、ゆフランだけ1匹なのはおかしいだろう。 一応、ゆっくりアリス以外のゆっくりも発情させて試してみたが、ほとんどの場合は子供は生まれず、ゆフランは最初のゆっくりゃのように絶叫したまま死んでしまった。 やっぱり繁殖の仕方が違うんだろうか……? そうして俺が悩んでいると、れいむが必死の形相でこっちに向かって来ていた。 「ゆっくりやめてね! ゆっくりさせてね!」 その後を追うように、ゆっくりゃが飛びながら追いかけている。 「がぁおー!」 ますます顔が涙で濡れるれいむ。しかし突然、目を輝かせて叫んだ。 「ゆっくり助けて! おじさんゆっくりさせて!」 どうやられいむは、俺に希望を求めたらしい。 「……」 そのまま足下へ駆け寄ってくるれいむ。このまま俺の後ろにでも隠れようと思っているのだろう。 ふむ……。 れいむをゆっくりゃに向けて蹴り飛ばした。 「ゆ゛っ!」 空を飛ぶれいむ。飛んでいく先では、口を大きく開き、ゆっくりゃがしっかりと待ちかまえていた。 「たーべじゃーうぞー!」 「ゆ゛っぐり゛ぃぃぃぃっ!」 にこやかにれいむを食べていくゆっくりゃ、凄く嬉しそうだ。 泣き顔もいいけど、たまには笑顔もね。……なんてな。 もちろんこれには事情があった。 この食べられているれいむ、実は隔離していたれいむと魔理沙が勝手に発情して作ってしまった子供なのだ。家の部屋にも限りがあるので繁殖する時もいろいろ考えて数を増やしているのに、勝手に増えたりすれば住めるスペースがなくなってしまう。 とりあえず親れいむと魔理沙はまだ生き残っているゆフランに食べてもらい、そして今、残りの子供達をこうしてゆっくりゃに食べてもらっていたのだ。 「んまんま♪ んまんま♪」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!」 しかしいきなり部屋を覗いたら子供が増えていたのはびっくりした。俺の手で無理矢理揺らして発情させない限り交尾なんて滅多に行わないので油断していた。やれやれ。今度からはもうちょっと気をつけないとなぁ。 「んまーーーっ♪」 「ゆ゛っ゛ぐ゛り゛さ゛せ゛て゛ぇぇっ!!」 ……。 ……ん? そういえば……。 食事を済ませ、その辺りを楽しそうに飛び回るゆっくりゃ。その楽しげな様子に思わずバレーボールのようにたたき落としたくなるが、今の俺にはそれ以上に浮かんだ疑問が頭の中をしめていた。 ゆっくりゃって……。 「うー♪ ……う?」 もしかして、発情するのか? 気づけば、両手でしっかりとれみちゃを捕まえていた。 法悦とした様子だった。 「う゛っ……う゛っ」 どちらかといえば幼さの残るあどけない表情なゆっくりゃが、今はゆっくりアリスもびっくりなほど欲情した顔つきをしている。頬は赤くなり、口からはいつものあんこじゃなくよだれのような何かを垂らしていた。なんなんだこれ? 肉汁か? 自分の考えがあっていた事を喜びたい。……しかし疲れた腕はそれを許さず、ただ痙攣しているゆっくりゃをゆっくりと運ぶだけだった。 あれからゆっくりゃを抱え揺さぶり続けると確かに発情はした。しかし3時間振動させ続けてようやくだ。 他の種と違い、ゆっくりゃは性欲が薄いのか、軽く振動させただけではまるで反応はなく、暴れるゆっくりゃを押さえながら振動させ続けた結果、ようやく発情してくれた。おかげで腕は棒の用だが、必死で暴れるゆっくりゃがだんだん法悦としていく様子は俺の心に潤いを与えるには充分だ。 今のゆっくりゃはイキそうなところで揺らすのを止められ、触れたら暴発しそうなぐらいの興奮状態になっている。これから後の事がなければこのまま弄り回したいところだが、それは後に取っておこう。 もちろんこれから試すのは繁殖だ。しかし今までゆっくりアリスに襲わせて駄目だったものが、ゆっくりアリスを襲ってどうにかなるとは思えない。 ここはちょっと危険だが、賭けてみよう! ゆっくりゃをその部屋へ放つ。その部屋にはれいむのリボンや魔理沙の帽子や、ゆっくりアリスの食べカスが落ちている。 「……うー? ゆっくりしね!」 そこはゆフランの部屋だった。 無謀だと自分でも思う。 普通ならゆっくりゃはゆフランに食われて終わりだろう。そうなったらとてもとても悲しい気分になりながらゆフランを殴って泣き叫ばし、そのまま食べて落ち着こうと思うが、しかし発情したゆっくりゃならどうにかしてくれると、俺はどこかで期待していた。 「ゆっくりしね!」 大好物の登場に、ゆフランは赤い目をギロりと光らせながら近づいていく。 ゆっくりゃはピクリとも動かない。俺がまるで予想していなかった状況だ。睨まれた恐怖で竦んでしまったのだろうか? 口を開けて、食べる準備は万全なゆフラン。 そこで初めて、ゆっくりゃが動きをみせた。 「う゛……」 「う?」 まるで声も上げなかったゆっくりゃを不思議に思っていたのか、ゆっくりゃの上げた声にゆフランが反応する。 ゆっくりゃが続けて声にした。 「う゛……う゛ま゛せ゛て゛っ」 「ううっ!」 その時、始めてゆフランがゆっくりゃに対してたじろいだ。おおっ! スゲェ! 「う゛ま゛せ゛て゛ぇぇぇっ!」 「うーっ!!」 いつもと違う様子に慌てて逃げ出すゆフラン、それを上回る速度で追いかけていくゆっくりゃ。 その時によく見えたゆっくりゃの表情は、まるでゆフランのように目を見開き、赤く光っていた。 次第に追いつかれ、ゆフランはゆっくりゃに後ろから組み付かれた。 「ゆ、ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「う゛う゛う゛う゛っ!」 「ゆ゛っく゛り゛し゛ね゛ぇぇぇっ!」 どんどんゆっくりゃの体が激しく振動していく。 お互い、ゆっくりアリスに犯された時のように絶叫しながら、果てていった。 ドアの向こうで様子を見続ける。これが成功なら、後はゆフランに茎が生えて赤ん坊達が生まれてくる筈だ。 高まる期待。そんな俺の気持ちに合わせるかのように、ゆフランから茎が伸びてきた。 「きたきたきたきたぁーーーっ!」 思わずドアを開けて中に入る。 「うー♪ すっきり」 さっきまでゆフランのように変貌していたゆっくりゃは、何もなかったかのようにいつも通りの表情に戻っていた。 「う゛ー……う゛ー……」 「おぉっ! ゆフランも生きてる!」 今まで一度も生き残らなかったゆフランが生き残っている。俺は期待を一気に膨らませていった。この茎からたくさんの子ゆっくりゃが……!! そうして生まれてきた子供は。 ある意味、俺の期待を半分裏切ってくれた。 疲れた体を引きずりながら、部屋へと入っていく。 「あ、おじさん!」 「おかえり! おかえり!」 「ゆっくりしていってね!」 「みんなでゆっくりしようね!!」 一気にわき上がるれいむの声。大量にいるゆっくりが一度に喋るから、後半はもうなんと言っているのか聞き取れない。 ここは俺がれいむを繁殖させていた部屋だが、他の部屋には移さずここでひたすら繁殖させていたために、気づけばどこを見てもゆっくりの顔があるぐらいぎゅうぎゅう詰めの状態になっていた。 「おじさん狭いよ、外に出してよ!」 「ゆっくりドアを開けてね!!」 ゆっくりしていってね!と言って間もなく、そんな要求をしてくるれいむ達。いつも餌を持ってきている俺に対しても、相変わらずの傍若無人っぷりだ。 「そうだな……今日はその事でいい報告をしに来たんだ」 「ゆ?」 「今日からは外に出て遊んでもいいぞ」 「ゆっ!」 れいむ達から驚きの声が上がる。無理もないだろう、今の今まで何があっても外には出るなと言い続けてきたのに、いきなり外に出てもいいと言われてたのだから。 「本当に? ゆっくりしてもいいの?」 「ああ、本当さ。外でゆっくりしてもいいんだよ」 「ゆっくり外に出るね!」 ゆっくり達が外に出られるようにと、まず仕切りになっていたシャッターの鍵を開け始める俺。こいつら全員を移動させるには、ここを開けるのが一番だろう。 「おじさん、ゆっくりいそいでね!」 「おそとであそんでね!」 「おじさん大好き! 早くあけてね!」 「分かった分かった」 鍵を開け、そのまま両手でしっかりとシャッターを掴む。 「それじゃ開けるぞー」 「早くゆっくりしてねっ!!」 「おそとであそばせてねっ!!」 「ゆっくりしないでねっ!!」 俺は渾身の力を込めて、シャッターを一番上まで開けた。 勢いよく飛び出していくれいむ達。 そして、ほとんどのれいむは硬直して動けなくなった。 「うー! うー!」 「ゆっくりしね!」 「ぎゃおー! たーべちゃうぞー!」 シャッターの向こうでは大量のゆっくりゆフランとゆっくりゃが待ちかまえていた。 「そいつらの向こう側に外へ出るドアがあるから、みんな頑張ろうー」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 いち早く反応した親れいむの絶叫を合図に、大混乱が始まった。 食べられ襲われ逃げまどい追いつかれる中で、俺は一人ドアを開けて部屋を出た。 廊下には机と椅子を用意してあり、座ったまま部屋の中を覗くための窓も ある。 この日のために用意した部屋での光景は、俺の気持ちを高ぶらせるには充分な光景だった。 子れいむはゆフランとゆっくりゃ、そして身内である筈のれいむからも噛みつかれあっという間にいなくなっていた。普通のれいむも食べていたのは、混乱の中で側にいたからとりあえず食ったのだろう。食べたれいむは笑顔のまま口を動かしている。あ、ゆフランに噛みつかれた。あはは、絶叫してるや。 親れいむは必死に子供たちを守ろうとするが、それが仇となって集中砲火を浴び、もはや中身の餡もほとんどない状態で床に倒れ、痙攣を繰り返していた。10匹を超えるゆっくりゃとゆフランに襲われてるなんてここでしか味わえないだろう。貴重な体験だったね。 そんな親れいむを見て子れいむが「お゛があ゛ざん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!」と泣き叫んでいるがまるで反応はない。子れいむはそのまま泣き叫び、近くに来たゆっくりゃに食べられていった。 あの時、ゆフランの茎から生まれてきた赤ちゃんは4匹、ゆフランとゆっくりゃで2匹ずつの子供が生まれていた。 てっきり襲ったゆっくりゃの子供だけ生まれてくると思ったので最初はびっくりしたが、どうやらゆフランとゆっくりゃの組み合わせだとお互いの子供が生まれるらしく、ゆフランを欲情させてゆっくりゃを襲わせても、場所や時間を変えてみても変わらずお互いの子供が生まれてきた。 だがそれよりも、ゆフランもゆっくりゃも死ぬことなく繁殖を繰り返す事ができたのが大きかった。何度も何度も発情させて無事に生まれてくるのを確認した時、俺は喜びのあまり思わず生まれてきた赤ちゃんを全員そのまま食べてしまったぐらいだ。あんまんと肉まん美味しいです。 それにしても、この2匹が希少種になった理由もよくわかった。ただでさえ相手が少ないのに、ゆフランはさらにゆっくりゃを襲って食べてしまう。繁殖できる相手なのにお構いなしなのだ。これでは数は増えないだろう。 「あ゛あ゛あ゛あ゛っ! ゆ゛っぐり゛がま゛な゛い゛で!」 「うー♪」 部屋の中では子ゆフランが自分より大きなれいむを少しずつ食べて食べて消化していく。噛みつかれたれいむは、まるでシロアリに犯された柱のように徐々に削られ、穴が開いている。全部食べられるのも時間の問題だ。 そんな子ゆフランの横で、ゆっくりゃの側を離れずについていくゆっくりがいた。体は普通の大きさだが、他のゆっくり達が絶叫している中で、ひたすら楽しそうに笑っている。 それこそが子ゆっくりゃだった。 子ゆっくりゃは、他のゆっくりを食べるゆっくりゃの子供とは思えないぐらいに弱かった。 生まれたての割に体は大きいのだが、そのくせ子ゆっくりゃは赤ちゃんれいむにさえ勝てないぐらい弱いのだ。 それなのに目立つ体格なので他のゆっくりたちから狙われやすい。 生まれてから長い間、ゆっくりゃは子供の側から離れない事が多かった。まだ子供には自分を守れる力がないと分かっていてしっかり守っていたのだろう。 しかしそんな子ゆっくりゃは、こういう場所では足を引っ張る役目にしかならない。 「ゆっくりしねっ!!」 「う゛ーーーっ!」 守っていた親ゆっくりゃはゆフランに食い殺されてしまった。 そのまま子ゆっくりゃに近づいていくゆフラン。 「うー♪ うー♪」 しかし子ゆっくりゃはまるで状況を分かっていない。まるで遊んで欲しそうに手を伸ばして笑顔を向けようとする。それを見てゆフランの口が楽しそうにつり上がった。 結局、子ゆっくりゃが危険だと理解したのは、ゆフランに噛みつかれて餡を吸い出された瞬間だった。 「あ゛あ゛あ゛ーーーーっ!」 叫んでみたものの抵抗らしい抵抗なんて出来はしない。そのまま吸い続けられ、全ての餡を全て吸い尽くされた。 まさか、ゆっくりゃの子供があんなに無力な存在だったなんて……素敵すぎる。 長い日をかけて準備してきたこの宴もそろそろ終わりが近づいてきた。やはり生き残っているほとんどはゆフランだが、れいむも僅かに生き残っている。 「ゆ……ゆ゛っく゛り゛ー! ゆ゛っく゛り゛し゛て゛ね゛ー!!」 部屋の隅に縮こまってガタガタと震えているが、もうお腹いっぱいになったのだろう。ゆフランもゆっくりゃも反応しなくなっている。 ゆっくりの色々な顔を見たくてやってみたこの宴だったが、俺的には大成功だった。あんな愛くるしい顔で絶叫されたり絶望に打ち震えたり恐怖に怯えたり嬉しそうにはしゃぎ回られる姿を大量に見られて俺はもうゲップが出そうだ。 「うー♪ うー♪」 「ん?」 向こうからとたとたと、ゆっくりゃが歩いてきた。他のゆっくりゃと違い、饅頭から体が生えており、羽より足を使って移動することが多くなったゆっくりゃだ。 このゆっくりゃは一番長生きしているゆっくりゃだ、どうもゆっくりゃは他のゆっくりとは違い徐々に成長して、立派な体が生えてくるらしい。このままさらに長生きさせたらどうなるんだろうな? ゆっくりゃは俺の周りを走り回っている。どうやら駆けっこをして楽しんでいるようだ。 足を引っかけて転がしてみた。 「えぐっ! ……うぅーっ」 涙目になるが、涙は流れない。こうやって何度も転けさせたせいでちょっと慣れたのだろう。凄い我慢している。 ゆっくりゃが泣くのを必死で耐えるなんて……。 そんな新しい反応で、俺をまた喜ばせてくれるのかい! 嬉しさのあまり身を悶えさせながら、俺はゆっくりゃの頬を引っぱたいた。 「うぅ、う゛あ゛ーーーーー!!」 泣き声が俺の全身を燻る。 ……今度はどうやってゆっくり達を愛そうかな? 明日のゆっくりに楽しみが止まらない俺だった。 by 762 このSSに感想を付ける
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畑がうるさいので見に行くと畑に来る小動物用に仕掛けていた罠に子ゆっくりが4匹捕まっていた。 れいむ種とまりさ種だ。この二種類は里に近いところに住んでいるのでよく見かける。 子ゆっくりはどうやら畑の作物を食べようとしていたらしい。 「ゆゆっ!でぐちがどこにもないよ!」 「さっきまではあったのに!」 「ここじゃそのうちゆっくりできなくなるよ!」 「だれかたちゅけちぇね!」 先ほどの騒ぎ声は罠に嵌り出れなくなった子ゆっくりのものだったようだ。 一匹は赤ちゃんか、赤ちゃんに良いとこ見せようとしたんだな。 罠をがたがたと揺らして逃げようとする姿をじっと見るのもいいがそうもいかない。 「ゆゆっ!だれかきちゃよ!」 「おじちゃんたすけてね!」 「れいむちがうよ!けがふさふさだからおにーさんだよ!」 「ゆっ!そうだね!おにーさんたすけてね!」 誰が仕掛けたと思ってるんだ。無視して罠を交換する。 出してもらえると思った子ゆっくりは早く出してねと俺を急かしている。 どうやら運が良かったようだ。 「ゆゆっ?おにーさんどうしたの?はやくしてね!」 「たかいところはこわいよ!はやくおろしてね!」 「入ってるのがゆっくりだけで良かったな。」 前に仕掛けていた罠はゆっくりといのししが一緒に入っていた。 そのため俺が気づいたときにはいのししが食い散らかしていた。 今回は掃除しなくてすみそうである。 「おにーさん早くだしt・・・ゆべべべべ!」 「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいい!」 「おね゙ええええぢゃあああああああん!」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!」 うるさいので箱を揺する。箱の中で跳ね回る子ゆっくり達。 面白いので縁側まで揺すってしまった。 死んでは無いだろうが餡子を吐かれては困る。 家につく前に飛んでいたうーぱっくを呼び寄せ、この子達の親を呼んできてもらう。 その後、近くに置いていた新聞を手早く広げ、そこにゆっくりを慎重に出していく。 「ゆ~、みんなぐりゅぐりゅ~」 「れいむにげないでね!」 「まりさこそにげないでね!」 「きもちわりゅいいいいい!」 まだ、餡子を吐くほどではなかったか。 それでも目を回した状態のゆっくりは跳ねようとして転がったり見当違いの場所に進んだりしている。 一匹吐きそうだったので口を押さえて背中を撫でてやる。 「口から出さずに飲み込め。」 「ゆぐぐぐggggゴックン」 どうせ餡子を吐くんだから飲んでも問題ないだろうと思ったのだが、苦しいのは苦しいらしい。 飲み込んでる間に立ち直った他のゆっくりが苦しんでる子ゆっくりに近づいてくる。 それを待ってからゆっくりに話しかけた。 「何で捕まってたか分かるか?」 「わからないよ!ゆっくりおしえてね!」 「それは君達が取ろうとしてたのは俺が育ててた野菜だからだ。」 「ゆぅ・・・でもれいむたちおなかすいてたんだよ!」 「ちゃんと柵作ってたんだけど小さいからすり抜けれたんだな。」 「いもーとだっておなかすいてたんだよ!」 「ひとのものをとっちゃだめって言われなかったかい?」 思い当たる節があるのか口を噤むれいむ達。 それでも一匹のれいむは納得できないようで、 「ゆぅうう・・・まりさ!このおにーさんはゆっくりできないよ!」 「でもおかーさんはひとのものとっちゃだめっていってたよ!」 「そんなのわすれちゃったよ!まりさはゆっくりしたくないの!」 「ゆゆっ!ゆっくりしたいよ!」 「じゃあおにーさんをたおせばいいんだよ!」 「そうだね!みんなねきょうりょくすればかてるね!」 ある程度は予想していたがこうも簡単に説得されるとは。 子供だから自分達の力を過信してるんだろうね。 ここで説得できずに反省して変えられても困ったので素直に用意してた小石を手に掴む。 「ゆゆっ!おにーさんまりさたちとやるきだね!」 「けがしてもしらないよ!」 「おねーしゃんがんばっちぇね!」 臨戦態勢に入った子ゆっくりが膨らんで威嚇してくる。 そのまま体当たりをしてくるのを避けて赤ちゃんれいむの頭上に腕を動かす。 「ゆゆ!?あかちゃんはやめてね!」 「かわりにまりさたちとしょうぶしてね!」 「あかちゃんはやくこっちにきてね!」 だがもう遅い。俺は掴んでいた小石を赤ちゃんの上に落とす。 「ゆ゙べべべっ・・・」 悲鳴を言っていた赤ちゃんも小石に埋まって見えなくなってしまった。 「ぎゃあああれいむのいもうとがあああああ!」 「ゆ!まだたすかるよ!ゆっくりこいしをどけてね!」 赤ちゃんゆっくりに落とした小石は頭上すれすれからだったので餡子を出していない。 それに気づいたまりさはれいむ達に声をかけ小石を取り除き始める。 れいむたちも小石を取り除き始めたので静かになった。 俺はと言うと小石を回収している。まだ使うからな。 とうとう赤ちゃんゆっくりの顔が見えた。 光が来たときうれしそうだった顔はたちまち涙を溜め始める。 「ゆうううごわがっだよおおおおおお!」 「もうだいじょうぶだからね!」 「あかちゃんはそこでゆっくりしててね!」 そういって周りの石も取り除き始める子ゆっくり。 それからしばらくして全部の小石を取り去った。 「おにーさんあかちゃんにらんぼうしないでね!」 「そうだよ!あかちゃんがかわいそうだよ!」 「先に仕掛けたのはお前達じゃないか。」 「ゆぅぅぅぅ・・・やるならまりさたちでね!」 「そうだよ!あかちゃんをねらうなんてひきょうだよ!」 「じゃあまりさにやろう。」 「ゆっ?」 そう言って今度は小石をまりさに落とした。 量を増やしたので赤ちゃんのように全部埋まる。 今度はまりさを助ける版だ。文句もそこそこにまりさを掘り出していく。 「おー赤ちゃんもがんばってるね。」 「うるさいよ!おにーさんはやくまりさをたすけてね!」 「君達は俺より強いんだろ?それなのに俺に頼っちゃだめじゃないか。」 「ゆうううう!じゃあ静かにしててね!」 そんなやり取りを繰り返しながらまりさを掘り出す。 まりさを掘り出したら同じようにれいむも埋めてやった。 「ゆぅ・・・おもがっだあああああ!」 「おに゙いさんも゙うやめ゙でえええええ!」 これ以上やると餡子が漏れそうだから止めてやる。 動かない俺を見て、安心したのか赤ちゃんを護るように集まる子ゆっくり。 「おにーさんはそこでゆっくりしていってね!」 小石で汚れた体を新聞に体を擦り付けたり、舐めあったりして汚れを取る。 しかし、全員分やるのを待つと昼になってしまう。 「おい、これで体綺麗にしろよ。」 「ゆゆっ?」 子ゆっくりの前に置いてやったのはお湯の入った皿だ。 ゆっくりは体の性質上、水を嫌うように見えるが汚れを取るためむしろよく水に入る。 泳げないゆっくりは沈んで水を飲みすぎて溶けるが、外皮は水に濡れても大丈夫である。 もちろん子ゆっくりも水浴びは好きなので仲良く一緒に飛び込んだ。 「ゆっくりし・・・あづいいいいいいい!」 「ここじゃゆっくりでぎないいいいい!」 「ゆぅうういちゃいよおおおおお!」 「だいじょうぶだよ!しばらくしたらなおるからね!」 はいってゆっくりするつもりだった子ゆっくりは余りの熱さにゆっくり出来なかったようだ。 赤ちゃんゆっくりはそこが赤くはれて涙目だ。火傷ではないがしばらく痛いだろう。 子まりさがそこを舐めてあやしている。子れいむは痛がりながら皿の水を眺める。 「ゆゆ?どーしいてあついのおおおお!」 「まえはいったときにはつめたかったよ!」 「おしおき中にゆっくりできると思ってたのかい?」 「ゆぅぅ・・・おにーさんのせいだね!」 「その通り。どうだすごいだろう?」 「ゆゆゆゆ・・・」 自分達がよく入る水がゆっくり出来ないものに変えられたのを知った子ゆっくりは眉間を寄せながら俺を睨む。 しかし、どうやって水が熱くなったのか分からない子ゆっくりは俺の力だと思ってさっきまでの用に歯向かう気はないようだ。 なべに入れて火で熱しただけなんだけどね。 怯えを含みだした子ゆっくりにどうしてお仕置きされているのかをもう一度教える。 「どうだ?人のものをとっちゃダメって理解できたか?」 「わかったけどそれじゃゆっくりできないよ!」 「そーだよ!それにうめられてこわかったよ!」 「おみずもあつかったよ!あかちゃんがけがしちゃった!」 「ゆっくちしたいよ!」 どうやら理解はしたが納得できないようだ。 すこしやりすぎたか。まぁもう少しで親が来るだろう。 それまでもう少し遊んでやることにした。 「じゃじゃーん。」 「ゆ?」 取り出したのは孫の手。背中を掻くときに重宝する棒だ。 「へんなかたちー!」 「おにーさんのてみたいだね!」 「そんなのこわくないよ!」 「ゆっゆっ!」 見たこともない棒を持った俺の周りを跳ねて思ったことを口にする子ゆっくりたち。 赤ちゃんゆっくりはまだ底が痛いのかすこし這ったりしている。 まずは赤ちゃんゆっくりからだな。 俺は孫の手を赤ちゃんを潰さないように圧し付けた。 「ゆびゅ!」 「れいむのあかぢゃんがああああああ!」 赤ちゃんの叫び声に気づいたれいむが一番に赤ちゃんに近づく。遅れて他のれいむとまりさもれいむを追う。 「ゆぎゅぅ・・・」 「もうだいじょうぶだよ!すぐにとってあげるからね!」 「ゆぐぐぐ・・・おもいいいい!」 「あかちゃんのためにゆっくりがんばってね!」 赤ちゃんの上から孫の手をどけようと咥えたり押したりとがんばる子ゆっくり。 だが子ゆっくりぐらいの力ならなんとか耐えれる。 孫の手をすこし動かしてやると「ゆぎゅ!」とか「ゆびゅ!」とか音が出るので面白い。 「おにーさんもうやてね!このままじゃあかちゃんがしんじゃうよ!」 「いじわるしないでね!やめてあげてね!」 「じゃあ次はおまえな。」 「でじゃびゅ!」 小石のときのように別のゆっくりも押さえつけていく。 今度はこっちに向かって体当たりしてくるのでデコピンで打ち落とす。 そんなやりとりを繰り返してるとうーぱっくが帰ってきた。 「うー!うー!」 「ありがとう。これはお代だ。」 「うー☆」 連れてきてくれたお礼に野菜をいくつか入れてやる。 飛び立ったうーぱっくのあとに残ったのは親と思われるゆっくりまりさだ。 子ゆっくりに向かう親まりさ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「おどおおおちゃあああん!」 「ゆっぐりでぎながっだよおおおお!」 「ゆぅううううううう!」 「ゆっくちちていっちぇね!」 いきなり現れた親ゆっくりに向かって跳ねていく子ゆっくり。 さんざん遊んであげたからみんな涙目で喜んでいる。 そして、感動の対面のように親ゆっくりに飛び込む子ゆっくりを親ゆっくりはよけた。 「ゆびゅ!」 親が受け止めてくれると信じてた子ゆっくりはそろって地面に顔を打ち付ける。 「どおしてにんげんのさとにいったの!」 「ゆゆゆ!だっておいしいものが・・・」 「ひとのものをとっちゃだめっていってるでしょ!おぼえてなかったの!」 「ゆゆっ!ちゃんとおぼえてたよ!」 「じゃあやっちゃだめでしょ!あかちゃんがまねしちゃったじゃない!」 「ゆぅ・・・」 おー、怒られてる怒られてる。 説教はしばらく続きそうだな。今のうちに昼ごはんを食べることにするか。 親ゆっくりの後ろで昼用に作ったおにぎりをほおばる。 子ゆっくりも気づいたのか、こちらを見て涎をだしてる。 親ゆっくりの説教もどこ吹く風だ。 「ゆっ!ちゃんときいてるの!」 「ゆゆ!ちゃんときいてるよ!」 親ゆっくりにあわてて反応してるのが面白い。 傍目からも聞いていないのが分かるぐらいにおにぎりを見つめている子ゆっくり達。 遊びつかれてお腹が空いているのだろう。 そんなことは知らない親ゆっくりは怒りゲージが上がりまくりだ。 俺が最後のおにぎりを食べ終わる頃には、 「どお゙じでぎがな゙い゙の゜おおおおおおお!」 「おがあしゃんごめんなさいいいいいい!」 と、泣きながら子ゆっくりに体当たりしだした。 子供よりも大きい親ゆっくりの体当たりは強烈だ。 子供達は吹き飛ばされながら必死に許しを請う。 泣きながら説教を始めた親ゆっくりの話を今度はちゃんと聞いているのだろう。 子ゆっくりは涙を目に浮かべながら顔を俯けていた。 お茶を飲み一服していると説教が親ゆっくりがやってきた。 「おにーさんまりさのこどもがわるさをしました。ごめんなさい!」 「こっちはすっきりできたからもういいよ。」 「ううん。だめだよ!ちゃんととったぶんはたらくよ!」 「そうか、じゃあ一緒に畑仕事をしてもらおうか!」 「ゆっくりがんばるよ!」 昼からはゆっくり家族ともに畑仕事だ。 といってもゆっくりではやることが限られるので、とりあえず雑草を抜いてもらった。 俺の説明を聞いた親ゆっくりの指導のもの雑草を食べていく子ゆっくり達。 さっきまで何も食べていなかったのでむしゃむしゃと雑草を食べていく。 たまに野菜に手を出そうとする子ゆっくりもいたが、すぐに親ゆっくりの体当たりを受けて雑草に戻っていった。 雑草をあらかた取ると次は水遣りだ。 井戸水を俺がくみ上げてやりゆっくりが水を口に含みたぷんたぷんと野菜まで運ぶ。 野菜の根元に水をかけてまた戻ってくるの繰り返し。 途中で子れいむ同士がどれだけ水を含めるか競争しだして片方が崩れかけたので日にたっぷり照らされた石の上に置いて乾かしてやる。 じゅううううとおいしいそうな音を立てながら乾くゆっくりを放置して次の野菜の収穫に向かう。 一通り見回り取れそうな野菜を確認すると鋏を入れていく。 取れた野菜はゆっくりが乗せている箱の中に。 虫食いなどを確認しながら手際よく進める。 しばらくすると、 「おにいさんおも゙ぃ・・・」 「ゆぎゅうう・・・」 箱にいっぱいになる前にゆっくりがつぶれてしまいそうになっていた。 重くなると畑の外にある箱に移すようにと言って作業を続ける。 井戸近くで「あづいいいいいいい!」と言う叫び声が聞こえたが無視だ。 しばらくすると転げまわったのか泥だらけになった子れいむ戻ってきた。 もう動いても大丈夫なようだ。 そんなこんなで畑作業を夕暮れまで続けた。 途中で虫を追いかけた赤ちゃんゆっくりが穴にはまったり、用水路で帽子を洗っていたまりさが帽子を流されたりしたので途中から手伝いとはいえなくなっていたがそれでもいないよりははかどった。 井戸水で体を洗っているゆっくり家族のうち親ゆっくりだけを呼び出す。 「今日は良くがんばったな。」 「ゆっくりがんばったよ!これでまりさのこどもたちゆるしてくれるよね!」 「あぁ。ついでにこれもやろう。」 「ゆゆっ!おにーさんいいの!?」 「あぁお前は何もしてないからな。その分のお礼だ。これで今から餌取りに行かなくていいだろう。」 「おにーさんありがとう!」 俺が渡したのは収穫のときに虫食いがあったりで売れないものだ。 人は食べないだろうがゆっくりなら食べる。 巣にもどってから見せるようにと帽子の中に隠してやる。 洗い終わった子ゆっくりがやってきて、 「おにーさんやさいとってごめんなさい!」 「もうしません!」 「つぎからはきをつけるね!」 「ちがうところでゆっくちするよ!」 そうやって俺に謝って帰っていった。 これでもう野菜はとらないだろう。今回のことは十分記憶に残ったはずだ。 こうやって人里に入った子ゆっくりに人の強さを覚えこませてきた結果ゆっくりは人里で物を取ることはなくなった。 かといってゆっくりが人里に下りてこないわけではなく、先ほどのように人を手伝ったりして食べ物を貰ったりしている。 人とゆっくりは今ではそれなりにゆっくりと生活している。 このSSに感想を付ける
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前書き このお話は現実世界にゆっくりが出現したような世界観で書かれています。 ゆっくりを飼い始めて1ヶ月ぐらいだろうか。 留守中にどこからか入り込り込んだゆっくりが布団で寝ていたときは驚いたが、 急いで台所を確認するがあらされた様子はない。 インスタント食品ばかりでゆっくりが食べられるようなものが無かったのが幸いした。 帰ってきた俺の気配に気づいたゆっくりが目を覚ます? 「・・ゆ?おじさんだーれ?ゆっくりできるひと?」 お決まりの台詞だ。 「ちらかってるし、ごはんもないけど、ゆっくりしていってね!」 確かに散らかっているが、お前が言う事じゃない。 起きたゆっくりがおもむろに動き出す。 「ゆ!」 ドーンと体当たりすると積んでいた漫画や雑誌の山が崩れだす。 ゆっくりはあたりをキョロキョロと何かを探しているようだった。 「ゆー、やっぱりごはんがないよ。」 「おじさん、ここはあんまりゆっくりできないところだから、 べつのところでゆっくりしたほうがいいよ!」 そう言うと今度は脱ぎっぱなしの洋服をくわえブンブンと振り回し始める。。 「おい!やめろ!」 あせって、ゆっくりを掴み取る。 「ゆ、ゆっくりはなしてね!れいむはおなかがすいたの!ごはんがないとゆっくりできないよ!」 「お前、お腹すいているのか?」 「すいてるよ!ゆっくりなにかたべさせてね!」 「あ、ああ、なにか食べさせてやるよ」 先に言われてしまったが、とりあえず何か食べさせてみよう。 冷蔵庫をあけ探してみるが、自炊などしないのでろくな物が無い。 「ああ、これなんていいかな。」 手にした食べ物をゆっくりに差し出す。 「ゆっくりたべさせてね!」 そう言ってゆっくりは口を大きく広げる。 こいつのあごの間接はどうなっているんだろうか。 「・・・・・・」 しらばらくそのままにしてみると、ゆっくりのまん丸な目がこちらを向く。 その目が徐々に早くしろよと言いたげなふてぶてしい物になる。 いいかげんに口に入れてやると、むしゃむしゃと幸せそうに味わいだす。 「うまいか?」 俺の問いかけに無言で口をあける。 「うまいか?」 もう一度聞くとさっきと同じような目をこちらに向ける。 俺が用意したご飯を食べ終えたゆっくりは窓際の日光がさしている所まで行き昼寝を始めた。 満足したのだろう。カビの沸いた蜜柑でもおいしいようだ。 それから今日までゆっくりは俺の生ごみ処理機として暮らしてきた。 もっとも、与えるのはカップメンの残り汁やまずくて食べられなかったコンビニの新商品ぐらいだった。 おなかがすいたと不満を漏らす事もあったが、目をつぶらせオレンジジュースと偽り水を流し込めばそれで満足していた。 さすがにおにぎりの包み紙や弁当の容器は食べられないようだが、小さいものであれば無理矢理の飲ませることもできる。 使用済みの丸めたティッシュやお菓子用の小さい包装紙はゴミとして出す必要がなくなった。 ゆっくりを飼ってから最初の冬を迎える。 家にはエアコンやファンヒーターといった都会派な暖房器具は無い。 暖をとるには一人用のコタツしかない。 昼間、日光がさしている時はそうでもないが夜になるとコタツ無しではいられない。 今夜もいつもの様に冷えてきた。 「さむいよ!ゆっくりさせてね!」 そういってコタツに入ろうとするゆっくり、 しかし、一人用のコタツは俺の足だけでいっぱいでゆっくりが入るスペースは無かった。 コタツ布団をもぐるだけでならスペースはあるが、 ゆっくりは真ん中のヒーターの下に移動しようとグイグイと押してくる。 かかとを落とすと静かになるのでそのまま蹴り出す。 そうすると静かになるので、そのまま蹴り出す。 ある日、帰ってくるとゆっくりの姿が見当たらない。 寒い外から帰って来た俺にはそんな事よりコタツが先だった。 カバンを置いてイソイソとコタツにもぐりこむ。 ああ、暖かい。ここが俺の桃源郷、体が温まるまでここでしばらくゆっくりしよう。 だが、待てよ。小さい一人用のコタツでもこんなに早く暖かくなるだろうか。 スイッチを切り忘れたか?いや、出かける前に切った記憶はある。 それに、なんだろう?このあったかいぷにぷにした物体は・・・。 コタツの中をみるとゆっくりがいた。 まさか、こいつが勝手にスイッチを入れたのだろうか・・・。 「ゆ?おじさん、おかえり!おなかすいたよ!ごはんまだ?」 「うるさい!おまえは出ろ!」 「ゆぐ!」 ゆっくりをコタツからけり出すと、ピョンピョン跳ねながら怒りをあらわにした。 「そこはれいむのゆっくりぽいんとだよ!おじさんはでてってね!」 「そんなにゆっくりしたいなら、おそとでゆっくりするよいいよ!」 「ゆっくりできないひととはいっしょにいられないよ!とっととでてってね!」 「そうか、おまえあったかい所でゆっくりしたいんだな・・・。」 「そうだよ!だからおじさんはでてってね!」 「ゆっくりするならもっといいところがあるよ。」 「ゆ?いいところ?だったらはやくあんないしてね!」 俺はコンロに鍋を置きその中にゆっくりを入れ蓋をしめる。 「ゆ!くらいよ!ここどこ!」 「おのれ謀ったなゆかり!だがこれで勝ったと思うな!」 「人の世に闇がある限り私は何度でも蘇る!」 「せいぜいその時まで・・・」 「ゆっくりしていってね!!!」 途中から訳のわからないことを喚きだすが、無視して火をつける。 火をつけて3分・・・・ 「ゆ?あったかくなってきたよ!ゆっくりできるよ!」 火をつけて5分・・・・ 「ゆふーzzZ・・・ゆふーzzZ・・・」 火をつけて10分・・・・ 「ゆ?あっあつよ!!ここどこ!ゆっくりだしてね!!!」 火をつけて15分・・・・ 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!あ”つ”い”-!!た”し”て”ー!!こ”こ”か”ら”た”し”て”ー!!!!」 「お”し”さ”ん”た”す”け”て”ー!!あ”つ”い”よ”ーー!!!!」 助けを求めてきたところで蓋をあける。 暑さに震えているゆっくりだが、俺の顔を見るといくらか安堵した顔をみせる。 「あ”あ”あ”・・・、お”し”さ”ん”た”す”け”て”・・・」 俺は鍋一杯になるまで水を入れてやる。鍋の温度は下がり水はぬるま湯になった。 ゆっくりはぬるま湯につかって気持ちよさそうにしていた。 「出してやろうか?」 「ゆ?もうちょっとここでゆっくりするよ!あとでだしてね!!」 「そうか、じゃあここでゆっくりしね」 「うん!ゆっくりしてるよ!!」 鍋に再び蓋をする。ゆっくりがまた何か言っているが気にせず蓋に重しを乗せておく。 10分ぐらい足っただろうか。 「おじさん!だして!そろそろだしてね!」 「はやくだして!ださないとゆっくりさせてあげないよ!」 「ゆ!ゆぐ!からだがとけるよ!はやぐたすけで!!」 いつの間にか静かになっていた。 時計を見ると水を入れてから30分ぐらいだ。 俺が静かになった鍋の蓋をあけるとそこには・・・・ Fin 後書き どうみてもお汁粉です。本当にありがとうございました。 設定として必要ないのですが、登場したゆっくりは一応霊夢です。
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*ゆっくり劇場 『ー幻想郷。そこは、すべてを受け入れる場所。そこにやってきた『実況者』達が独自の想像力で産みだす世界のことを【劇場】と呼ぶー』 ゆっくり劇場には様々な種類が存在する。『種類』というのは即ち『実況者の数』に同じ。その実況者が自分の世界を動画にすることで生み出される動画が『ゆっくり劇場』である。 輝ク蕾は、そのゆっくり劇場の最前線(輝ク蕾内でのみ)と呼ばれる作品「東方非泪章」はmagu9331様ことマグさんが自分の世界観を動画にしたものである。 次第にそれが評判を呼び、様々な実況者が独自の関係を持って作られた『ゆっくり劇場』が増えている… †三界劇場者† 『magu9331』『藤魄寺夢子』『touhoudaisuki8488』のことを示す。 主な理由は『magu9331』の世界観を生かしたまま、続編を制作しているためである。 つまり『magu9331』の劇場で作られた設定を引き継ぎ『マグの幻想郷』で物語が展開されている。 例:霧雨魔理沙は水無月マグのことが好き/水無月真黒は霧雨魔理沙のことが好き この一例をそのまま引き継いで行われているとも言っていい。 †三界劇場者と呼ばれる者のお送りする動画† 『東方非泪章』製作者 magu9331とある日の夜。眠れなかった射命丸文は、水無月マグと買い物へ言ってからお酒を飲んでいた。すると、突然目の前から姿を消してしまった。彼は…死んでいたのだ。 その夜を超えた朝、目を覚ました博麗霊夢と霧雨魔理沙を始め、これは何かの異変ではないのかと捜索を始める。マグの知り合いのゆるぱむはマグの手紙を読み上げる…三人の反応は… そして人間の里には謎の結界が貼られ、空は変に歪んでいる。閉ざされたその空の果てで待ち受けていたのは…『もう一人の水無月マグ』だった。 ※この劇場は『視聴者様参加型劇場』といい、抽選で選び抜かれた視聴者や実況者が動画で参戦している。 『東方鳳凰伝』製作者 touhoudaisuki8488とある異変から7年が経ったある日の夜。外の世界に茨木華扇と共に幻想郷を離れ、自分の本当の能力を探しに向かった藤原妹紅が帰ってきた。しかし、妹紅は『とある目的』のため、八坂加奈子と共に作り上げた幻想海域に「霧の艦隊を送り、海を制圧。自身の最高の相棒であるリオレウスと、大親友のゆるぱむに空を支配させ、自身は己の炎で幻想郷を包み込んだ。支配された幻想郷を奪取するために立ち上がった水無月マグ、精霊愛香、茨木華扇を始めとする人物と『霊式の巫女』と呼ばれる謎の一族。『創造者』を巡る物語が今幕を開ける。 ※この劇場は『視聴者様参加型劇場』といい、抽選で選び抜かれた視聴者や実況者が動画で参戦している。 『ー人は、儚くも生きようとする。私はそれが美しいことだと思うー』by,藤原妹紅 『東方幽魔異変』製作者 藤魄寺夢子幻想郷にとある男性が一人現れた。彼の名前は藤魄寺夢子。西行寺幽々子の身体を借りて、幻想郷での生活を満喫している。しかし、西行寺幽々子の雇う庭師『魂魄妖夢』に追われ、いつしか彼は『目的』を果たすために幻想郷中の者達を倒すという大異変を起こす。しかし、幽々子との約束…先代巫女との誓い。幻想郷を守るために襲ってくる敵を一人でなんとかしようとしている夢子を回りの関係者や実況者が強力して共に戦う物語… ※この劇場は『視聴者様参加型劇場』といい、抽選で選び抜かれた視聴者や実況者が動画で参戦している。 『俺にはやらなきゃならねぇことがある。でも、今はこの生活を楽しみたいんだ。だから今は…聞かないでくれ』by,藤魄寺夢子 それとは別の幻想郷を作り出した者達のゆっくり劇場作品などをここにまとめてみるらしい。 『東方柳影記』製作者;takeyuki1227 :YouTubeで活動しているユーザー『takeyuki1227』が主催するゆっくり劇場。多数の実況者とのつながり…『幻想郷』はそれぞれの『意思』が生み出した『産物』である。 ※この劇場は『視聴者様参加型劇場』といい、抽選で選び抜かれた視聴者や実況者が動画で参戦している。 『ー君は疑問に思ったことはないか?この幻想郷において、多数の実況者が、幻想郷の同一人物と、独自の関係を持っているだろ?ー』 by,洒落香辺骸 『幻想再生譚』製作者zeru1948 外の世界から死んで幻想入りした『ゼル』という一人の少年が、生前病気で亡くなった妹の『水風杏梨』の兄への愛情が恨みに変わり幻想郷を『破滅』させようとする。 兄の責任として妹を救うために、仲間たちと共に妹を迎えに行く。 ※この劇場は『視聴者様参加型劇場』といい、抽選で選び抜かれた視聴者や実況者が動画で参戦している。 『ー俺の魂が荒ぶってるぜ!!ー』by,伊邪那岐命 『幻想館の陰謀-過去の引き金-』製作者lunaprism085:「エレメンタル水晶」と呼ばれる属性の宿るお守り。伝説の陰陽師「安倍晴明」が作り出し、晴明直属の部下達が現在に至るまでその製作方法を継いできた。そのエレメンタル水晶を持つ者達の中で激しい対立… 暁家の息子として、エレメンタル水晶と謎の妖怪に取り憑かれ暴走した弟のtoraを助けるために仲間たちと壮絶な戦いを繰り広げる… ※この劇場は『関係者様参加型劇場』といい、投稿者のlunaprism085様の近辺の実況者や知り合いの方々が参戦している。 『ー師匠が来る前に…終わらせます!ー』by,lunaprism085 『狂骨異変』製作者Tuukounin322:雲ひとつない綺麗な朝だった。古明地こいしの姉である古明地さとりから一通の手紙が古明地こいしの元に届く。博麗の巫女である博麗霊夢が異変を解決した次の日の宴会の真っ最中に『既に異変が発生している』と告げられる。それを知った実況者達と通行人は古明地こいしとともに『死のゲーム』を開始するのであった… ※この劇場は『視聴者様参加型劇場』といい、抽選で選び抜かれた視聴者や実況者が動画で参戦している。 『ーさぁ、素敵なパーティーしましょう!ー』by,???
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ゆっくり伝 その男の姿は、奇妙に森に溶け込んでいた。 着ているものや肌の色を木々に紛れるようにしている、というわけではない。 身に纏う空気といおうか、そのようなものが森と調和しているようであった。 風雨に打たれて育った樫のような、荒々しくもどこか落ち着いた雰囲気の男であった。 そのような男であったから、この生物も無警戒に近寄っていったのかもしれなかった。 体高30cm。 自慢げな表情を浮かべている。 髪形や身に付けているものは何処となく博霊の巫女に似ている。 ゆっくり霊夢であった。 「ゆっくりしていってね!」 男の前にその不思議な生物はたたずんでいた。 豊かな山林である。 人に出会うことは少ないが、動物ならば珍しくもない。 時として妖怪が出るらしいと、そう噂されているのを聞いたこともある。 しかし今現れたこれは、動物とも妖怪とも言い切れない、なにやら不思議な雰囲気を漂わせていた。 男が、ぎろりとゆっくりを見た。 ――なんだ、こいつは。 そう言いたげであった。 「おにいさん、ゆっくりしていってね!」 ゆっくりがもう一度言った。 その表情は天真爛漫であった。 自分に危害を加えるものがあるなどとは考えたことがないかのようであった。 むずりと、男が左手でゆっくりを掴んだ。 軽々と顔の高さにまで持ち上げる。 「ゆゆっ!たかい!たかいよ!ゆっくりおろしてね!」 ゆっくりが少し慌てたような声を上げた。 その純真そうな瞳を見ていると、男の肉の裡に、凶暴なものが膨れ上がってきた。 きりきりと、男の唇が獰猛な形に吊り上がる。 たまらなかった。 ゆっくりというものには、妙に嗜虐心をそそるところがある。 外見は可愛らしく、人間に危害を加えるようなこともない。 それでいて、何故か虐めずにはいられないのであった。 「口を、大きく開けてくれないか――」 男がかすれた声を吐き出した。 「あーーん」 ゆっくりが、言われた通りに大きく口を開いた。 その瞬間であった。 「じゃっ」 男が鋭い呼気を吐いた。 男のごつい右手がゆっくりの口に深々と埋まっていた。 ゆっくりの口の中に、無造作に右手を突き入れたのである。 「ゆあっ!?」 ゆっくりが驚愕の叫び声を上げた。 口の中でうごめいていた男の右手が、ゆっくりの舌を掴んだ。 びくりと、ゆっくりの肉体が震えた。 「これから、俺がどうすると思う」 刃物をなで上げるように、男が囁いた。 「ゆぁ!ゆっ、ゆあぁぁあぁぁ!」 ゆっくりが叫び声で答えた。 目が恐怖に見開かれている。 男は、楽しくてたまらないといった表情を浮かべた。 「このよく動く舌をひきちぎってやるよ」 ゆっくりの顔が一気に青ざめた。 「ゆゆっ!?やえへ、ゆっふりやえへえ!!」 男の唇が喜悦の表情を浮かべた。 両腕に力がこもる。 「ふんっ」 ぶちり、 と、いう嫌な音が小さく響いた。 舌のちぎれる音であった。 男が、右手でゆっくりの舌を、根元から引き抜いたのである。 「ゆ~~~~~~っ!」 一拍おいて、ゆっくりの口から悲鳴が上がった。 耐え難い苦痛に、小さな身体が激しくのたうつ。 男が、右手を引き抜いた。 ちぎられた舌と、舌のかつてあった場所から、餡子が吹き出していた。 男が右手を開くと、分厚い舌がぼとりと地面に落ちた。 まだ痙攣しているそれに向かって、無造作に踵を打ち下ろした。 柔らかいものを踏み潰した感触と共に、靴の下から餡子が勢いよく迸り出た。 ぞくり、と男の背筋を震えが疾り抜けた。 嗜虐者の悦びであった。 拷問官の悦びであった。 ゆっくりの悲鳴は、途切れることなく続いていた。 苦痛の涙を湛えた瞳が、男に向けられた。 救いを求めているような瞳であった。 ぞくり、と先程よりも一層太い震えが男を貫いた。 黒い感情が、肉体を押し破って吹き出しそうになる。 男は震えをこらえて、左手の親指をゆっくりの下顎に、右手の親指を上顎にかけた。 何をされるか悟ったのか、ゆっくりが男の手の中で抵抗するように動いた。 男の唇がめくれ上がり、噛み締めた歯が覗いた。 「むんっ」 男が指に力を込めた。 ゆっくりも口に力を込めたが、男の力に適うわけもない。 大きな口が、たちまち限界まで上下に開かれた。 「ああぁぁぁぁぁ!」 ゆっくりが狂ったように声を上げる。 何とかして男の手から逃れようと、必死に身を捩ろうとする。 構わずに男は力を強めた。 鍛え抜かれた腕に、太い筋肉が浮かび上がった。 みちっ。 みちっ。 音がした。 ゆっくりの頬が、力任せに引き裂かれていく音だ。 無惨に開いた頬から、凄まじい悲鳴が漏れ出してくる。 男は笑みを浮かべた。 鬼の笑みであった。 ことさらゆっくりと、頬の裂ける感触を楽しむように、口を押し開いた。 「あいぃぃぃぃぃぃ!」 ゆっくりは獣のような声を上げていた。 やがて口が頭の半周程度まで裂けてしまうと、あれだけ大きかった悲鳴が小さくなってきた。 ゆっくりの瞳は既に虚ろになっている。 男の表情から、喜びの色が退いていった。 「おうっ」 男が両の親指にありったけの力を込めた。 ぶつり、と不気味な音がした。 ゆっくりが上下に真っ二つになっていた。 大きな瞳が、怨むようにこちらを見据えている。 ふと、男はその頭を齧ってみた。 思わず眉をしかめた。 たまらぬ甘さであった。 決して不味いわけではないが、とても全て食べようという気にはならない。 巨大な饅頭――どうやらこれはそのようなものらしかった。 男は二つの欠片を宙に放り投げた。 それを追うように、ふわりと男の右脚が浮き上がった。 「けえっ」 欠片が空中で重なった瞬間、回し蹴り気味の軌道を描いた脛が、そこに吸い込まれていった。 スピード、タイミング、パワー、どれをとっても申し分のない、会心の一撃であった。 小気味よい音と感触を残して、ゆっくりだったものは木々の間へと消えていった。 男は自分に言い聞かせるように呟いた。 「すっきり――」 いつの間にか、男の口元には再び笑みが浮かんでいた。 沈丁花の香る、春の夕暮れであった。 あとがき 遂にゆっくりの話を書いてしまった。 もしこの作品を読んで、中々やるじゃねえか、と思っていただけたとしたら、 これはもう獏文体好きの冥利に尽きるというものである。 あと一本か二本か、それはわからないが、とにかくネタが尽きるまではこいつを書いてゆくつもりである。 どうか、しばらくお付き合いのほどを。 平成二十年九月二十二日 小田原にて ゆっくり枕獏 このSSに感想を付ける
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人里から遠く離れた小さな山に、多くのゆっくりが暮らす森がある。 日当たりの良い広場があり、きれいな川が流れ、木の実を付ける広葉樹で構成されており、 小鳥は囀り、げっ歯類以上の大きさの哺乳類はおらず、妖怪も人間も足を踏み入れないというそこは、ゆっくり達の理想郷であった。 そんな美しい森に、とても生存本能の強いゆっくりぱちゅりーが居た。 他のゆっくりぱちゅりーは自らの運命…先天的に病弱で、長生きする事は叶わない自らの体質を受け入れている。 だが流石にこのゆっちゅりーは格が違った。自らの運命を自らの手で(ゆっくりなので手は無いが)変えようと強く思っていた。 ある日ゆちゅりーが短時間の散歩を楽しんでいると、木の洞に詰まって身動きが取れなくなっているゆっくりまりさがいた。 ふと、ゆちゅりーの拙い思考回路があるアイデアを生み出した。 まりさ種はゆっくり達の中でも殊に活動的だ。その点では、ゆちゅりーの理想と言ってもいい。 そのゆまりさの健康で活動的な肉体を得れば、自分もああなれるのではないか。 無論、肉体を手に入れると言っても脳を移植する訳ではない。元よりゆっくりにそのような知識は無い。 あるのは本能だけ。故に、他者の肉体を得る方法はただ一つ。―――食べる事だけだ。 ゆちゅりーは虚ろな表情で、ゆっくりとゆまりさににじり寄る。 「ゆっ!たすけてくれるの!!?ゆっくりひっぱってね!!!」 「…………」 ゆちゅりーは答えない。というか、聞こえていない。今のゆちゅりーにあるのは強烈なまでの食欲だけだ。 「ど、どうしたの!!?さっさとたすけてね!!!」 「…………」 偶然にも周囲にゆっくりの姿は無い。まるでゆっくりの神があるいは悪魔がセッティングしたかのような状況である。 もうゆまりさの体温すら感じられる程に肉薄している。耳障りな雑音も聞こえない。 ぶよぶよと震える皮は美味そうとしか考えられない。 普段は友愛を喚起させられる体臭も今では食欲をそそる香りだ。 肌身離さずかぶっている帽子や、美しい金色の髪に至るまでが御馳走に見える。 そして、 「ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!や゛め゛で!!!や゛め゛でよ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 思い切り良く頬に食らいついた。その瞬間、口の中をかつて無いほどの至福が駆け抜けた。 ―――すごい。こんなにまりさがおいしいなんて。ゆめみたい。 全身が四散しそうな程衝撃的な味は、ゆちゅりーを虜にした。 一心不乱にゆまりさを喰らう。否、このゆちゅりーはゆまりさをただ食っているのではない。愛しているのだ。 今のゆちゅりーの最大限の愛情表現こそがこの共食いという最も恐るべき行為だった。 「う゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!どうじで!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 一口齧る毎に、一声絶叫される毎に、ゆちゅりーは心身共に活力に満ちて行くのを実感していた。 このような感覚は生まれて初めてだった。母の蔓に生まれ、目を覚ました時ですらここまでの爽快感は無かった。 「ぐがが……お゛ぼぉ゛……ゆ゛……ゆ゛ぐぐ……ゆ゛っぐり゛ざぜでね゛!!!!!」 それがこのゆまりさの最期の叫びだった。後はただゆまりさの残骸を余さず食う音だけが響いていた。 「むきゅぅーん……」 ゆちゅりーは涙した。一時の激欲に身を任せて友を食べてしまった自責の念で。 もう二度と自分の知らない場所にまで連れて行ってくれた相手と会えない悲しみで。 そして、身も心もかつてない程のゆっくりに満ち溢れている喜びで。 もっと。もっとこのエネルギーが欲しい。友を喪うのは悲しいけれど、それを遥かに上回る喜びが得られるのなら。 「だから……!(福山潤の声で)」 翌日の朝、ゆちゅりーは森の中を全速力で駆け回っていた。恐らくゆっくりまりさと同等の速度だろう。 ゆちゅりーは感動している。速く走れるとはこんなに素晴らしいことなのか。それもこれもまりさと一つになったお陰だ。 もっとだ。もっと食べれば、もっと生きていられる。もっとゆっくりできる。そう、食えば食う程―――強くなる。 ……新たな餌を、発見した。 数年後、そこにはかつての貧弱さなど微塵も感じさせない力強いゆっちゅりーが居た。 体躯は通常のゆっくりより一回りも二回りも大きく、その眼力に他のゆっくりはただ畏れるしかなかった。 今やゆっくりれみりゃさえもゆっちゅりーには近付かない。 ぱちゅりー種でありながら餌を横取りされたゆっくりれみりゃの群れ十匹を返り討ちにするような怪物に逆らう程、ゆっくりも馬鹿ではないのだ。 そう。今やこのゆっちゅりーはこの森に住まうゆっくり達の王なのである。 好きな時に好きなゆっくりと共にゆっくりし、好きな時に好きなゆっくりを食べる。それが王の在り方だった。 だが、王はこの生活にも飽きてきた。以前とは比較にならない位強大な生命力を得た王にとって、通常のゆっくりでは物足りないのだ。 もっと。もっと大きくて栄養のある餌が欲しい。際限無い欲望を持つという点では、人間の王とゆっくりの王は大差無かった。 決意するのに、そう時間はかからなかった。王はこの楽園を捨て、新天地へ向かう事を決意した。 大丈夫。今の自分は強い。ゆっくりれみりゃやゆっくりフランでさえ自分を恐れて近付かない程に。 どんな敵が現れようと打ち倒し、食べるだけだ。 そうして王は向かった。幻想郷の中心部にある人間の里へ。 森を出て三時間、里の外れの外れにある小さな集落を発見した。 地面にしゃがみ込み何かをしている人間が居る。第一村人発見である。王はこいつが記念すべき最初の人間だと決定した。 射程距離まで音を立てず慎重に移動する。まだだ。あと十ym(ゆっくりメートル)。あと八ym、六ym、よし今だ―――! その瞬間、人間がこちらに気付いた。だが構うものか。後は飛び掛り、組み伏せ、食い尽くすだけなのだから。だが…… 王は知らなかった。ゆっくりと人間など、同じような物だと慢心しきっていた。 世界で最も強かったのはゆっくりフランで、自分はそれ以上の生物なのだと勘違いしきっていたのだ。 そう、つまり―――ゆっくり内での序列がどうあれ、ゆっくりである限り人間の食料に過ぎない事をまるでワカっていなかった。 「ごらー!おらの畑で何しとるだァー!!」 食い物である筈の人間はそう叫ぶと、手に持った棒切れを振りかざし、王の頭に振り下ろした。 ぐしゃり。 決定的な音を、王は確かに聞いた。懐かしい感覚。自分の意識から立ち昇る死の匂い。 嫌だ。せっかく生きられるようになったんだ。こんな絶望から逃げる為に同胞まで食ったんだ。 助けて、助けて、助けてまりさ。れいむ。ありす。にとり。うどんげ。にいと。あやや。てんこ。ちぇん。さくぽ。れみりゃ。フラン。 助けろ!私は、私はお前らの王なんだぞ……!! と、ありえない光景を見た。森に居た多くの仲間達が自分を見ている。ああ、やっぱり助けに来てくれた……皆! 「たすけろ、だってさ」 「おお、いやだいやだ」 大勢の仲間が、嫌な笑顔でこちらを見ていた。 どうしてこんな顔を向けられるんだろう。 どうしてこんな事になってしまったんだろう。 わたしはただ、みんなとゆっくりしたかっただけなのに…… 「おーい母ちゃん。こんなもんが畑を荒らしとったぞー」 「あんらーお前さんそりゃ『ゆっくり』だよぉ。それを里に持っていくと高く売れるんだわー」 「へぇそうかい。そいじゃちょっくら売ってくらぁ。おぅ、種蒔きは代わりにやっといてくれよ」 「そんな事言ってまた遊んでくるんじゃないんだろうね!いやだよこの間みたいに土産とか言ってエロ同人誌五十冊も買って来るのは」 「へっへっへ、もうあんな事はしねえよぉ。んじゃ行って来る」 「全く。気を付けて行って来てなあ!最近は妖怪が出るとか言うけんねー!」 「おおう!妖怪なんざ俺のコブラツイストでボッコボコにしちゃるけん!」 「調子いい事言うんだから。妖怪になんて勝てる訳……おや、何だいこりゃあ」 彼女の足元には文字が刻まれていた。そこはかつての王が息絶えた場所だ。そこにはこう書かれていた。 「ゆっくりしていってね!!!」 DEAD END
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「いっけーゆっくり橙!しっぽアタックよ!」 「わかるよー」 「ゆっ、いたいよ!ゆっくりやめてね!」 ネコマタ妖怪の指示を受けてゆっくりちぇんがゆっくりれいむに飛び掛りクルリターンして尻尾を叩き付けた。 「よーしその調子でやっちゃえー!」 「わかるよー、このままいけばかてるよー」 「ゆぐっ、もうやめて…」 バシバシと尻尾を叩きつけられて弱っていくゆっくりれいむに後ろから氷精が声を荒げて言った。 「ちょっとーちゃんとやりなさいよー! でないとこっちのゆっくりまりさをガシャーンとやっちゃうからね!」 「ゆ!」 氷精の言葉を聴いてゆっくりれいむがはっとした表情をした。 氷精の手には完全に氷付けにされた親友のゆっくりまりさが握られていた。 湖の近くで二匹でゆっくり遊んでいたところをこの氷精に捕まえられてゆっくり同士で殺し合いをさせられているのだ。 「どうじで…どうじでこんなことに…」 「わかるよー!わたしがかてるよー!」 頭に何度も尻尾を叩きつけられ、皮を裂かれながられいむは俯いて涙を流した。 「れいむは…れいむはゆっくりしたかっただけなのにぃー!!!」 れいむの、心の底からの叫びであった。 その叫びと共にれいむは頭に叩きつけられようとするだった尻尾に噛み付き思い切り引きちぎった。 「ぎゃああああああああああああ!?」 「ゆっぐりごべんね゛ええええええええ!!!」 引き千切った尻尾を吐き出すと今度はさっきまでの優勢が一瞬で消え混乱の最中にあるゆっくりちぇんの耳に噛み付いた。 「わからない!わからないよおおおおおお!!!!」 「ああああ!わ、わからなかったら人に聞くのよゆっくり橙!」 「わからないいいいいい!どうすればいいのおおおおおおおお!?」 「えーっと、どうしよう」 ゆっくり、トレーナー共に激しく混乱するネコマタ陣営。 「ごべんね゛ええ!ゆっくり…死んでね!」 「あ゛に゛ゃあああああ!!!」 遂に耳も食いちぎられ、れいむはそこに口を付けると力いっぱい中の餡子を吸った。 「ずっずぢゅううううう!ずぼっぉ!ずっちゅううう!」 「わからないいいいいい!なにもわからないよおおおおおお!!!」 「ゆ、ゆっくりちぇえええええん!」 こうなればもう捕食する側と捕食される側に分かれた一方的な狩りであった。 「やっぱりあたいったら最強ね!」 餡子を半分ほど吸われ完全に動かなくなったゆっくりちぇんを見て勝ち誇る氷精。 その足元には暗いものを宿した目で必死にすがりつくれいむが居た。 「はやく、はやくまりさを元に戻してね!」 「わかってるってば、そらっ!」 ガシャン 「あ」 「ま゛り゛さ゛あああああああああ!!!」 凍らせたゆっくりを元に戻すのは高等技術なのである。 れいむは同属殺しまでしたにも関わらず結局親友を救えなかったことに絶望して 白目を剥いて餡子を吐いて果てた。 「うにゃー、また負けたー…」 「ま、あたいに勝とうなんて三光年早いのよ」 「古典的なネタにわざわざ突っ込むのも何なんだが光年は距離だ」 さて、今の戦いは何かと言うと最近人里の子ども達の間で流行り出したゆっくりバトルという遊びなのだ。 子どもがトレーナーとなってその辺で捕まえてきたゆっくりに指示を出して戦わせる遊びなのだそうだ。 ゆっくり側には指示に従う謂れは無いので如何にゆっくりを指示に従わせてモチベーションをあげて戦わせるのかが重要な勝負の鍵になってくるらしい。 ゆっくりを闘わせる賭博が人里にて行われているのだがそれを子ども達が真似し出したのだろうと思う。 だが紫様曰く『あれが半端な形で幻想入りしちゃったみたいね 本格的にこちらに境界を越えて入ってくるのは少し先かしら、まだまだ現役ですものね』とのことだ。 紫様のおっしゃることは中々意味がわからない。 「うーん、餡子吸わせちゃったからあんまりおいしくないわね 大ちゃんこれあげるよ、あたいこっちの氷ゆっくり食べるから」 「え、うんありがとうチルノちゃん」 ちなみに負けたゆっくりは勝者がおいしく頂くようだ。 食べかけの上にほとんど餡子の残っていない饅頭を渡されて緑髪の妖精は愛想笑いを浮かべた。 「藍さま~全然勝てないよ~」 「うーん、とにかくもっと精進することだな」 今私の尻尾に腰掛けてゆっくりを食べているのが氷精のチルノ。 そのチルノからゆっくりを貰った緑髪の妖精が大妖精、名前はよく知らないので割愛。 そしてしっぽに包まって泣き言を言っているのが妖怪の式をやっている私の式である橙だ。 「へっへーんだ、あんたがいくら頑張ったってあたいには勝てないよ だってあたいが最強だもん!」 「うにゃー!腹が立つー!」 橙が尻尾のなかでじたんだを踏む代わりにじたばたともがいた。 このくらいで怒っているようではまだまだ修行が足りないかなとも思うが 友達と遊んでいる時に小言を言うのもなんだし尻尾の中で動かれるのが軽くくすぐったくて心地よいので放置する。 「くやしいー!藍さまー!敵をとってー!」 そうやって私を頼っているようでは修行が足りないと言わざるを得ない。 小言を言うのもなんだがせめて自分でなんとかするように言わないといけないか。 大体子ども同士の遊びに保護者がでしゃばるのは流石に大人気ない。 「橙、人に頼ってばかりいずに自分で」 「馬鹿ねー、そんな油揚げにごはん詰めたの食べるのが生きがいの妖怪の下っ端狐に頼ったってあたいに勝てるわけないでしょ! なんたってあたいは最きょ」 「よかろう受けて立とう」 「やったー!藍さま頑張って!」 私はすっと立ち上がると氷精の宣戦布告を受けた。 橙が万歳して歓声を上げる。 「えーと、あのぉ子どもの遊びに大人が出てくるのは流石に大人気ないんじゃ…」 大妖精が控えめに抗議をしてきた。 「私はゆっくりバトルに関しては全くの素人だ 経験的にはそちらの氷精が圧倒的に有利、だから私も一週間時間を貰いたい その間にゆっくりを調教してここに持ってきてそちらのゆっくりと戦わせる それなら充分対等な勝負になるはずだ」 「えー、でも…」 「上等じゃない!受けて立ってやるわ!」 「うむ、それでは一週間後に会おう」 おいなりさんを馬鹿にした奴は例え子どもと言えど許すわけにはいかん。 一週間後徹底的に叩き潰してくれる。 「とは言ったものの」 マヨヒガに戻り、勢いで勝負を受けてしまったもののノウもハウも無い状態からゆっくりを調教して戦わせるというのは中々難しい。 やはり受けるべきではなかったか、いやしかし油揚げの中に入れるものを酢飯ではなくごはんと言うような輩を許すわけにはいかん。 さてどうしたものかと頭を悩ませているとぴょこんぴょこんと橙がこちらに走り寄ってきた。 「藍さまー、どうやってチルノちゃんのゆっくりに勝つか決めた?」 「いや、どうしたらいいか皆目見当もつかない どういうゆっくりを捕まえればいいのかわからないしどうやればゆっくりを戦わせられるのかもまだわからないし あの子のゆっくりも息絶えてたからまた別のゆっくりで来るだろうから対策の立てようもない、はっきり言って八方塞だよ」 そういって私はハァ、とため息をついた。 「藍さま、そういうときはね」 私が何もわからないと聞いて橙が何やら嬉しそうな笑みを浮かべる。 「ん?どうした橙」 「藍さまが私に言ったことだよ」 「あ、なるほど」 私はぽん、と手を打った。 『わからなかったら人に聞く!』 二人の声が重なった。 経験者がすぐ近くに居ることをすっかり忘れていた。 「それでは橙先生、ゆっくりをどう戦わせればいいのか教えてくれるかな?」 「ふにゃ、先生なんてなんだか照れる うーんとねまずは…」 それから橙先生によるゆっくりについての講義が始まった。 まずゆっくりを戦わせる方法はいくつかあること。 ゆっくりは三大欲求に弱いのでそれを餌に戦わせる方法。 これはどんなゆっくりにも通用する、特に食べ物をちらつかせるのがオーソドックスだ。 おなかを空かせておくことでさらに効果は上がるがその分体力が低下するので難しい。 性的欲求不満にさせる方法は戦闘に集中しづらく戦闘中に交尾しようとしてしまうこともあって難しい。 しかしゆっくりアリス種はこの方法で戦わせるとかなりの強さを誇るらしい。 ただ子どもがゆっくりアリスを捕まえて、育てるのは中々難しいので中々出てこないらしい。 睡眠不足にしておく方法は徹夜ハイとうまくタイミングが合えば悪くない戦法だがやはりこれも体力の低下が懸念される。 次に情に訴える方法。 所謂人質による脅しである程度知性の育ったゆっくりは意外と情に厚くこの方法は中々有効なようだ。 橙を下したチルノのゆっくりもこの方法で戦わさせられていたようだ。 他にも母ゆっくりに対して子ゆっくりを人質に取るなどといった戦法もあるようだ。 次に恐怖に物を言わせる方法。 所謂体に覚えさせるという方法なのだが 普通に教えられればいいのだがゆっくりの知性だとどうしても肉体的精神的苦痛を必要とする。 これは調教がきっかりはまればかなりの戦闘意欲が期待出来、他にも戦闘技術を教えこみやすく強力だが 常にやりすぎてストレスや肉体的損傷で死亡する可能性が付きまとい、恐怖の余り錯乱状態に陥る可能性もある。 次に純粋な戦闘種を戦わせる方法でこれを使えばほぼ勝ちは決まったようなものだが これはゆっくりれみりゃなどの戦闘種は子どもの手には手に入りづらく 大人の財力に物を言わせて買うのも大人気ないので除外する。 最後に純粋にゆっくりと友情を結んで戦ってもらう方法。 この方法は食べ物などで釣りつつ少しずつ信頼関係を培う必要があり今回の二週間という制限時間の中では難しいだろう。 次にゆっくりの種類について まず基本となるのがれいむ種とまりさ種 オーソドックスな種類で強さはどちらも似たり寄ったりだが 戦闘意欲に関してはまりさの方が高いらしいが基本スペックはれいむの方が若干強く 特に母れいむの強さは一目置かれているようだ。 自分の手でれいむに子どもを作らせてそれを人質にする場合もあるとか。 それからゆっくりみょん れいむ種より若干強いらしいが、語彙が極端に少ないので意思の疎通が難しい。 モデルとちがって刀は使わないらしい。 そしてゆっくりちぇん 指示に従わせやすいらしいが戦闘力に関しては若干他の種に劣る。 マタタビを使えば簡単に従わせられるらしい。 他にもアリス種やみすちー種など色々な種類が居るが主に使われているのはこの四種のようだ。 「ふむ、かなり勉強になったよ」 「でも私もチルノちゃんには全然勝てないから勝つためにどうすればいいのかまではわからないの… あんまり役に立てなくてごめんね藍さま」 「いや、作戦を考える取っ掛かりができただけでも大きな前進だよ ありがとう橙」 「ふにゃっ、えへへぇ…!」 私は橙の頭を帽子越しにそっと撫でた。 私は縁側に座りおいなりさんをお茶請けにお茶を飲みながら思索にふけった。 「まずどのゆっくりをどういう方針で戦わせるか考えないとな」 恐らくこの四種の内のどれかから選んで戦うことになるだろう。 相手がどんなゆっくりを出してくるかわからない以上なるべく臨機応変に戦えるゆっくりがいいのだが。 時間が余りないことを考えれば意思の疎通が難しいみょん種は除外した方がいいだろうか。 母れいむを子どもを人質に戦わせる方法が一番ストレートでやりやすそうだがゆっくり一家は中々見つけるのが難しい。 適齢期のれいむならすぐに見つかるだろうが交尾させてから死亡されると時間的にあまり後が無い。 それに無理やり作らされた子どもが人質としてどこまで通じるかどうか。 「なるほど、これはなかなか難しいな」 子どもの遊びというのは意外と奥が深い、参った参ったと頭を抱えた。 「テンコー!」 「ん?」 縁側に九本の尻尾を付けたゆっくりがこちらを見ていた。 「テンコー!」 「テンコー…ゆっくり天弧といったところか」 そのゆっくりは九本の尻尾に私に似た狐耳を付けて、帽子をかぶったゆっくりだった。 「ちがうよ!ゆっくりてんこは最近出てきたにせものだよ! らんはゆっくりてんこーだよ!にせものはゆっくりしね!」 「うわぁ」 ゆっくりは今確かにらんと言った。 よりによって私の姿を模したゆっくりまで現れるとは、紫様や橙の姿を模したものだけでも割と苦手だというのになんということだ。 それにしても一人称はらんなのに名前はゆっくりてんこーとはどういうことだ。 らんはどこから来たのだ、どちらで呼べばいいのかよくわからない。 「えーっと、ゆっくりてんこーと言ったか」 「らんでいいよ!」 自分の名前で呼ぶのが嫌だからわざわざ長いほうを選んだというのにこの饅頭頭ときたら、空気を読んでくれ。 「それじゃあらん、一体ここに何をしにきたのか教えてもらってもいいかな?」 「いいにおいがしたからゆっくり来たよ!それゆっくりらんに頂戴ね!」 よりによって私のおいなりさんを狙ってきたとは、運の無い奴だ。 「他の食べ物なら分けてやらんことも無いがこれは駄目だ」 最後通告である、これを断ればこいつはもう二度とおいなりさんを拝むことは無い。 「いやああああああ!それたべたい!それたべたい!」 そう言って私のおいなりさんに向かってぴょんぴょんとジャンプを始めた。 仕方ない、殺すか。 「ぞれ゛え゛え゛え゛え゛!!!ぞれ゛だべだいどお゛お゛お゛!!! おでがい゛!いっごだげ!いっごだげえええええ!!!」 「……」 なんというおいなりさんへの執着心であろうか。 その切ないまでにおいなりさんへ想い焦がれる姿をみて私はふと気づいた。 おいなりさんを馬鹿にしたものを倒すのはおいなりさんを愛するものでなくてはならないということに。 「…いいだろう」 私はおいなりさんを半分に千切り半分は自分の口に、半分はゆっくりてんこーに渡した。 ゆっくりてんこーは夢中でそのおいなりさんを貪った。 「うっめええええええ!めっちゃうっめえええええええ!!!! こんなおいしいものたべたことないよおおおおおおおお!!!」 てんこーはべちゃべちゃ言いながらひたすら初めてのおいなりさんの味をかみ締めていた。 「もっと!これもっとちょうだい!ねえ!」 てんこーは私においなりさんを要求して体当たりを繰り返した。 ――重い おいなりさんを想って繰り出す体当たりとはここまで重いものなのか。 私はすっと立ち上がったがまだ足に対して体当たりを繰り返している。 「おいなりさんが食べたければ私の言うことを聞いてもらおう …どうしても倒さなければならない相手がいるんだ」 「ゆ!ゆっくりわかったよ!すぐゆっくりやっつけにいくよ!だからはやくおいなりさん持ってきてね!」 もう倒しに行く気満々でいる。 「ふっ、頼もしい奴だ、だが今日はもう遅い ゆっくり眠って英気を養うといい」 「ゆっくりやすむから明日はちゃんとおいなりさんよういしてね!」 よし、少々もったいないがおいなりさんを餌に明日からビシバシ鍛えよう。 「きょうからゆっくりしようね!」 次の日、小鳥の囀りと差し込んでくる朝日、そしてゆっくりてんこーの泣き声で目を覚ました。 「ん…ああおはよう」 とりあえず寝床から出て今は紫様が冬眠時期なので橙と私の分だけ朝ごはんを作り その中から油揚げを一枚、ゆっくりの方にほうってやるとピラニア並の獰猛さで噛み付いていて少し驚く。 その後私が食べようとしていた厚揚げに飛び掛って来たのでその跳躍力に感心しつつ尻尾を一本引きちぎって壁の方に投げつけた。 私はテーブルマナーには厳しいのだ。 それはそれとして千切った尻尾をよく見るとおいなりさんだった。 食べてみると油抜きが充分ではないのか油くさくてしつこい。 体が鈍っているのかもしれない、もっと運動させる必要があるようだ。 とりあえず体を動かさせ、同時にてんこーの身体能力を見るために散歩をしつつ手ごろな野生のゆっくりを探す。 10分ほど歩くともう息を切らせて「も、もっとゆっくりしようね!」などとほざいたので ここで甘やかしては強くなれないと思い蹴り転がしながら進むとすぐに 「じぶんであるぎまずう゛う゛う゛!」と目から涙を流し口からは餡子を吐きながら懇願してきたので 「ちゃんと歩かなくちゃだめだぞ」と言って歩かせる。 そのまま歩き続けているとゆっくりれいむの一家と遭遇した。 捕まえて決戦用に育てることも考えたが今はこのてんこーが居るので予定通りてんこーの強さを見るために 子ゆっくりを二匹取り上げ、その内一匹を捻り潰して残り一匹を返してほしくばてんこーと戦えと挑発すると 涙ながらに母ゆっくりが襲い掛かってきた。 勝ったらおいなりさんとてんこーを激励したものの母ゆっくりは強く、てんこーは防戦一方となった。 母ゆっくりが上に乗っかりそのまま押しつぶそうとしたのでこれは危ないと手に持っていた子ゆっくりを 母ゆっくりがよく見えるよう握りつぶして餡子を顔の辺りに投げつけてやった。 そして「れ゛い゛む゛のあがぢゃん゛ん゛んん゛んん!!!」と絶叫してコテン、と転がって逆さまになった隙にてんこーが逆に 母ゆっくりの上に圧し掛かってそのまま餡子が完全に出来るまで踏みつけ続けて事なきを得た。 体力はまだまだだが与えたチャンスを物にするくらいのことは出来るようだ。 てんこーは「はやくおいなりさん頂戴ね!ゆっくりしてるとおこるよ!」などと調子にのったことをぬかしたので 「ごはんの時間まで待ちなさい」と言ってからサッカーボールの様にドリブルしてそのまま家に帰った。 それからお昼ごはんにしたがてんこーは餡子を吐き続けていたので橙と二人だけで食卓を囲んだ。 午後は雑務を片付け晩御飯時にてんこーにはおいなりさんを一つ与えた。 ふと、もともと尻尾としておいなりさんが生えていたところにおいなりさんをくっつけたらどうなるのか気になって もう一つおいなりさんを取って朝千切った傷口の辺りにくっつけて押さえておくと 五分ほどでてんこー自身で動かせるようになっていた。 だいぶ疲れたのでその日はそのまま橙と一緒にお風呂に入ってから床に就いた。 てんこーはとりあえず箱詰にして棚にしまっておいた。 三日目、四日目、五日目もそんな感じで過ぎていき六日目 「らんってよんでね!らんってよんでね!」などとうるさかったので尻尾を引き千切ったり 「おいなりさんがたりないよ!もっとちょうだいね!」とほざいたので尻尾を引き千切ったり あの後母ゆっくりと再び出会うことはなかったものの普通のゆっくり相手ならばてんこーは危うげなく勝てる程度には戦えるようになっていた。 こちらの指示にもしっかりと応えているし戦意もおいなりさんを餌にすれば充分。 尻尾のおいなりさんの味も充分に引き締まっておいしくなっており最初に出会った時とは違う、そう確信できる。 あまりにおいしいのでついつい残り二本まで尻尾を食べてしまった。 4本目を食べた辺りで目に光がなくなってきたのでそろそろやめなくてはと思ったのだがやめられないとまらない。 寝る前に尻尾を付け足しておき、決戦の日に備えた。 そして運命の日。 「逃げずに来たことはほめてあげるよ」 「子ども相手に誰が逃げる大人は居ないさ」 「へっへーんだ、そうやって余裕ぶっていられるのも今のうちだよ! あたいは超レアなゆっくりを見つけたから絶対に負けないよ!」 「希少さなら私のゆっくりとて負けては居ないさ 来い、てんこー!」 「テンコー!」 九本の尻尾を器用に使っててんこーが大きくジャンプして私の横に着地した。 「そんな奴あたいのゆっくりでけちょんけちょんにしてやるわ! 来な、てんこ!」 「お前らは一級ゆっくりのてんこの足元にも及ばない貧弱ゆっくり そのゆっくりが一級ゆっくりのてんこの名前を騙ることでてんこの怒りが有頂天になった この怒りはしばらくおさまる事を知らない」 チルノの後ろから悠然とした態度でゆっくりと歩みを進めて出てきたのはゆっくりてんこだ。 一級ゆっくりを名乗るその戦闘力は伊達ではなくゆっくりれいむやまりさを寄せ付けない強さを誇るのだが 相当な希少種で普通子どもの手に捕まえられることは無いゆっくりなのだが。 「あ、私がチルノちゃんと一緒に頑張って探して来たんです 大人の人が出てくるんだからちょっとくらい手を貸してあげてもいいですよね」 大妖精、恐ろしい子――…! 「藍さま、あのゆっくり強いよ…!」 「大丈夫、心配要らないよ橙 もちろん構わないわ大妖精」 「ゆ!てんこーはらんが元祖だよ!偽者はゆっくり死ね!」 「てんこは私の方が初出なのは確定的に明らか だというのに勝手に名乗るとは…汚いさすがてんこー汚い」 きしくも真てんこ決定戦の様相になりバチバチと火花を飛ばす二匹のゆっくり。 戦意はお互いに充分、ならば勝負を分けるのは個体の能力と戦術、そしてトレーナーとゆっくりの信頼関係だ。 「それじゃ、私が審判やるから」 そう言って前に出てきたのは緑髪で少年風のいでたちの少女、リグル・ナイトバグだった。 「永夜の異変の時に会った蛍の妖怪か、フェアなジャッジを期待するわ」 「頼まれたからにはしっかりやるよ えーっとそろそろ始めちゃっていい?」 「無論、いつでも大丈夫だ」 「はやくしなさいよ!あたいがこてんぱんにのしてやるんだから!」 「チルノちゃん、戦うのはゆっくりだよ」 「藍さまー!頑張ってー!!」 全員の合意を確認し、リグルはそれじゃあと腕を挙げた。 「ゆっくりバトル…スタート!」 その言葉を聞くと同時に相手に飛び掛る二匹のゆっくり。 「ゆぅぅぅっ!偽者を倒してらんはゆっくりおいなりさんをたべるんだからはやくゆっくり死んでね!」 「同じ時代を生きただけの事はあるな、だがその程度ではゆっくりてんこに淘汰されるのが目に見えている」 「てんこー!がんばれー!」 「てんこちゃん、しっかりー」 二匹ががっちりと組合全力で押し合うがお互いにびくともしない。 てんこの方は表情ひとつ変えないがそれは個体の特性らしいので個体能力はほぼ互角と見ていいようだ。 「よし、力比べはもういい!離れろてんこー!」 「テンコー!」 「!逃げる気!?」 「ほう、経験が生きたな」 てんこーがカカっとバックステップし、一気に二匹の距離が離れる。 「てんこー、アルティメットブディストだ!」 「ゆっくりまわるよ!」 私の指示を聞くやいなやてんこーが回転しぶんぶんと尻尾を振り回す。 その姿を目を細めて警戒するゆっくりてんこ。 「虚仮脅しだよ!そんなの気にせずやっちゃえてんこ!」 「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」 「むっきー!誰に向かって言ってるのよ!」 「チルノちゃん落ち着いて!」 てんこーは回転しつつ器用にもそのまま体当たりを繰り出した。 敵も横に跳んで避けようとするも尻尾を完全に避けきれないゆっくりてんこにべしべしと当ててダメージを与えていった。 「よし、そのまま攻めるんだてんこー!」 「もっとゆっくりまわるよ!」 敵がこちらの出方を伺っている今がチャンス、私はさらに攻める様指示を出し てんこーもそれに応えて強烈な尻尾攻撃を繰り出していく。 ゆっくりにとって高速で振り回されるおいなりさん九個のパワーはかなり脅威となる。 私がこの一週間でてんこーに覚えさせた唯一の技である。 まあ技といっても回るだけなのでそれほど教え込むのは難しくなかった。 「お前それで良いのか?」 再び距離を取ってこちらの攻撃を見ていたゆっくりてんこがこちらに声をかけてきた。 まさかもうこの技の弱点に気がついたというのか、敵ながら恐るべきゆっくりである。 「偽者は話しかけないではやく死んでね!」 「お前要石でボコるわ…」 そういうとゆっくりてんこはその場に落ちている石を口に含むとてんこーの顔に向かってぺっ!と吐き出した。 「ゆ!?いたい!いたい!」 「ちょっと!石使うなんて卑怯だよ!」 橙が審判のリグルに抗議しに駆け寄った。 「どうなんですか、別に武器を隠し持っていたわけじゃないし構わないと思いますけど…」 それに続いて大妖精がすぐさまフォローに走る。 「うーん、その辺に落ちてるものだからセーフで」 「ええー!そんな~!」 橙の審判への抗議は失敗に終わった。 「耐えろてんこー!」 次々と小石がてんこーの顔にぶつかり、顔の皮が少し破れてちらりと中身を見せた。 「自由自在の破壊力ばつ牛ンの要石を決めれるばもうてんこーは早くもは終了ですね」 止めとばかりにゆっくりてんこが少し大きめの小石を口に含んでてんこーに狙いを付け発射した。 その一撃を待っていたのだ。 「てんこー!逆回転!」 「ゆ!さらにゆっくりまわるよ!」 てんこーが即座に逆回転し、飛んで来た小石を尻尾ではじき返してゆっくりてんこに直撃させた。 こんなこともあろうかと仕込んでおいた奥の手である。 「やったー!藍さますごい!」 「ああ!何やってんのよこの馬鹿!ちゃんと避けなさいよ!」 「これあてたの絶対てんこーだろ・・汚いなさすがてんこーきたない」 ゆっくりてんこの顔の皮がむけて辺りに桃の香りが漂ってくる。 「そのまま攻めまくれ!」 「テンコー!」 「お前天地開闢プレスでボコるは…」 私と橙が完全に勝利を確信した瞬間、予想外の事態が起きた。 ゆっくりてんこがジャンプをして空中から小石を吐き出して来たのだ。 上からの攻撃では尻尾で跳ね返すことも出来ないではないか。 それにしてもゆっくりにはあるまじきなんという跳躍力と滞空時間であろうか。 「くっ、天人を模したのは伊達ではないということか…!」 私は歯噛みをして拳を握り締めた。 「やっぱりあたいったら最強ね!」 「いだいいだいいだいいいいいいいいいい!!!!ごべんなざいも゛う゛やべでええええええええ!!!」 「てんこの名前にしがみついた結果がこれ一足早く言うべきだったな?てんこー調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」 勝ち誇るてんこ陣営、完全に戦意喪失したてんこー。 「ここまでか…」 私は地に膝をついた。 「あっがががががががががががががが!!!」 「もはやてんこの勝利は確定的に明らか やはりてんことてんこーの信頼度は違いすぎた」 その時、信じられないことが起こった。 「ス ッ パ ッ テ ン コ ー ! ! ! !」 小石に曝されるままだったてんこーが叫び なんと尻尾が外れゆっくりの命より大事と言われる頭飾りを脱ぎ去ったのだ。 「ゲェー!スッパテンコーですってー!?」 「知っているの、リグルさん!?」 「いや知らないけど」 リアクションをキン肉マンか男塾かどちらかに統一してほしい。 「お前ら目の前でスッパされる奴の気持ち考えたことありますか? マジでぶん殴りたくなるほどむかつくんで止めてもらえませんかねえ・・?」 ゆっくりの命より大事な飾りを捨て去ったことに対して嫌悪感をあらわにしてゆっくりてんこがてんこーを睨み付けた。 「もうゆっくりなんてしてられるか!」 てんこーが一瞬にして視界から消失した。 私は思わず立ち上がる。 「な!?」 「てんこーちゃんが消えた!?」 「な、何よ!逃げるつもり!?」 チルノと橙が驚愕の声を上げる。 「いいえ違います、あれを!」 大妖精が指刺した先には高速で動く何かに切り裂かれていくゆっくりてんこが居た。 「てんこの命がダメージでマッハなんだが」 「まさか…てんこー!?」 てんこーがゆっくりてんこの周りで現れては消え、現れてはまた消える。 そう、てんこーが視認できないほどの超高速で体当たりをしてゆっくりてんこをずたずたにしているのだ。 いや実はみんな突然のことで面食らっただけで普通に目で追えるスピードなのだがそれでもゆっくりとは思えないほど素早い。 「こ、これはまさにプリンセスてんこー -Illusion-」!!」 お前は何ギリギリ過ぎることを言っているんだこの虫けら。 「てんこーちゃんいっけー!」 「ああああああどうしよう大ちゃん!?」 「これはもうあきらめた方がいいと思うな」 呆気に取られる私を尻目に橙がてんこーに声援を送りチルノは狼狽し大妖精はひたすら冷静に戦況を分析した。 「よ、よし、止めだてんこー!!」 「スッパー!!!」 てんこーが真正面からズタズタに切り裂かれたてんこに襲い掛かった。 「想像を絶する痛みがてんこを襲った」 強烈な体当たりを喰らって遂にゆっくりてんこは桃風味の餡子を撒き散らして弾けとんだ。 「最強のあたいがぁ~~!!!」 「元気出して、チルノちゃんはよく頑張ったよ」 「やったね藍さま!てんこーちゃん!」 チルノが頭を抱えて絶叫しているのを尻目に橙が私に駆け寄ってくる。 「ああ、だが危ないところだった、よく頑張ったなてんこー …てんこー?」 橙を抱き寄せてにおいを嗅ぎながらてんこーを呼んだのだが返事がない。 「おい、どうしたてんこー、帰ったらおいなりさんを…」 私は橙と一緒にてんこーの様子を見に歩み寄った。 「死んでる…」 尻尾を自ら引き千切り、頭飾りを捨て去ったてんこーは出産に耐えられなかったゆっくりのように白目を剥いて果てていた。 違いは黒ずむのではなく真っ白になっていたことくらいか。 「結局スッパってなんだったんだろうね」 私の尻尾に腰掛けててんこーの形見のおいなりさんを食べながら橙が私に問いかけた。 「うーん、恐らく死に直面したストレスから来た一種の逃避行動だったんだろう」 私はそう言って空を見上げててんこーとの一週間を思い出していた。 中々いい息抜きになったし悪くない一週間だった。 ただ惜しむべくは最後にもう一度てんこーにおいなりさんを食べさせてやりたかった。 「どっちも死んだんだから引き分けよね!やっぱりあたいって最強!」 「ええー何よそれ、ちゃんと負けを認めなきゃだめだよ」 「審判としては時間差から考えててんこーの勝ちを宣言させてもらうわ」 「チルノちゃんがそれでいいんだったらまあそれでいいんじゃないかな」 四人は私の尻尾に腰掛けながら今回の勝負に関して思い思いの意見を述べ合っていた。 「それにしてもおいなりさんって意外とおいしいわね 油揚げにご飯つめるなんて変なのって馬鹿にしてたけど」 チルノがてんこーの尻尾をむしゃむしゃ頬張りながら言った。 食べながら言ったので私の尻尾にご飯粒がついたが気分がいいから許してやろう。 「それさえわかってくれればもう私から言うことは何もないよ まあ好き嫌いせずに色々食べてみるといいわ」 それにしてもてんこー、最初に食べた時はあんなにしつこかったのに本当においしくなった。 ちなみにさっき拾ってきた帽子は生姜で出来ていた。 子ども達は要らないというので私だけおいなりさんの付け合せにいただくことにしたのだ。 それは幻想郷のこの青空のように清清しい味のおいなりさんだった。 Fin