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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 あるところに、一匹のゆっくりれいむがいました。 ゆっくりれいむは原っぱの真ん中でとてもゆっくりしていました。 ゆっくりしていたれいむは、ふとゆっくりの気配がする事に気付きま した。 「ゆ?」 れいむはきょろきょろと周囲を見渡します。すると、草の陰に一匹の ゆっくりの姿を見つけました。 れいむは元気良く声を上げます。 「ゆっくりしていってね!」 その草の陰にいたゆっくりは、れいむの元気な挨拶にこう答えました。 「んほぉー! れいむかわいいわー!!」 そして勢い良くれいむに飛びかかると隆起したぺにぺにをれいむの体 にこすり付けます。 そう、このゆっくりはれいぱーありすだったのです。 「ゆ? ゆ?」 れいむはいきなり飛びかかられ、混乱してしまいます。 しかし、れいぱーありすはそれ以上に混乱していました。 「どぼじでまむまむがないのーーー?!」 そう、このれいむはぺにまむのないタイプのゆっくりだったのです。 「ごれじゃずっぎりでぎないーーー!!」 大声で泣きながらもぺにぺにをこすり付けるのはやめません。 それまで混乱しながら様子を伺っていたれいむは、閃いたように頭上 に電球を出現させ、ほっぺをありすのほっぺにくっつけて小さく震わ せ始めました。これはぺにまむ非装備型ゆっくりのすっきりです。 「ゆっゆっ!」 れいむの顔が次第に赤くなっていきます。 すっかり落ち込んでいたれいぱーありすもれいむの意図を理解したよ うで元気な声で、 「んほぉー!! れいむったらだいたんねぇーー!!」 と叫びました。 やがて、二匹の顔は真っ赤に染まり、そして絶頂に達しました。 「「すっきりー!」」 快感に陶酔し、ぴったりと息の合った声が響きます。 が、次の瞬間、れいぱーありすは自身の頭上から伸びたその蔓の存在 を感じ、驚愕して叫びました。 「どぼじでありずがにんっしんっじでるのー?!」 そう、ありすはにんっしんっしていたのです。すりすり型のにんっし んっは交尾した二匹のうちどちらがにんっしんっするかわからない両 刃の剣。下手をすればどちらもにんっしんっする事すらある玄人好み の扱いにくすぎるにんっしんっ方なのです。なのになんだってありす の野郎は目先の快感に囚われてそれを忘れてしまったのでしょうか。 「ごれじゃじばらぐずっぎりでぎな……ゆ゛っ?!」 失意の底にあるありすを更なる悲劇が襲います。 「な゛、な゛にごれっ?! や゛だ! ゆ゛ーーーー?!」 自身の体に起きた異変にありすは思わず頭上に生えた蔓を見上げなが ら悲鳴を上げます。 その蔓は、ありすの頭の上でじゅるりじゅるりと異音を放っていたの です。そして、その音が響くたびにありすの顔がみるみるうちにやつ れていくではありませんか。 「や゛べで! ずわないで! がずだーどざんずわれだらゆっぐりで ぎないでじょーーー?!」 そう、ありすは頭の上に実った赤ゆっくり達に急速に養分を吸われて いるのです。しかもその速さはありすの中の常識を激しく逸脱するほ ど早く、このままでは命の危険すらあるほどに。 ありすは近い未来訪れる身の破滅を予感しながら、近くにいるれいむ に助けを求めました。 「でいぶーーー! どがいはなありずをだずげでねーーー?!」 そしてれいむは、ありすの頭上を見上げてにこやかに笑いながら答え ます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐりでぎないーーーーーーー!!」 ありすもまた大声でお返事しました。 そしてその間も養分は吸われ続け、もはややつれる部分すらなくした ありすはやがて体色を黒く変じ、 「も゛っ……ずっぎり……じだがっ……」 すっきりから1分後、そう言い残してこの世を去っていきました。 と、同時にありすの頭上に実っていた赤ゆっくりがぷるぷると震え出 し、そして蔓から離れ、萎れたありすの残骸を踏み台にして地面に降 り経ちます。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 そして目の前の親へ元気良く挨拶をしました。 親となったれいむは、生まれた我が子を頭上に乗せ、ありすの死骸に 一言「ゆっくりしていってね!」と告げると、そそくさとその場を立 ち去っていきましたとさ。 ところで、子供達がありすを吸い殺したのにも当然訳があります。 実はありすとすっきりをしたこのれいむ、かなり古い時代……具体的 に言うと、にんっしんっから出産までが異常に早く、更にすっきりの 直後には母体が黒ずんで死んでしまう事が一般的だった頃の生態を保 持したゆっくりだったのです。このれいむとすっきりをした事であり すはれいむと同様の特性を持ったにんっしんっをしてしまい、黒ずん で死んでしまったのです。 哀れありすは一度のすっきりで命を落としてしまいました。そしてれ いむはありすに貰った子供達を大事に育てて幸せに過ごしましたとさ。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 めでたしめでたし。 おわり おまけ やがて子供は育ち、立派なゆっくりれいむとなってひとり立ちしまし た。 ひとり立ちしたれいむが原っぱでゆっくりしていると、一匹のゆっく りまりさに声をかけられました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 二匹はそのまま意気投合し、友達になり、日が落ちることにはつがい になっていました。 そして、その晩二匹はまりさのおうちで愛を育みました。 「「すっきりー!」」 絶頂の声が上がり、れいむの頭上からひょろりとした蔓が伸び、その 先にいくつか小さな丸いものが実ります。 まりさは感涙しながら言いました。 「ゆゆーん! すごくゆっくりしたおちびちゃんだよ! ほらほら! れいむもみてみて! れい……」 そして、まりさはれいむが黒ずんで死んでいるのも見つけました。 「で、でいぶーーーー?! ゆ゛あ゛ーーーー!! どぼじでごんな ごどにーーーー?!」 まりさは非ぺにまむ装備ゆっくりでしたが、すっきりの後にすぐ死ぬ ゆっくりではありませんでした。なので、れいむが死んでしまったの はきっと自分があまりに激しいすっきりをしたせいだと思い込んでし まったのです。 「でいぶごべんねぇーーー!! ばりざが、ばりざがぁーーーー!!」 まりさは黒くなってしまったれいむの頬に激しく頬を擦りつけながら 謝り続けます。すると、頭上からぼきんという音が響き、目の前を細 い何かが横切って地面に落ちました。 まりさはきょとんとした顔でそれを見下ろします。 蔓でした。 先には三匹の未熟な赤ゆっくりが実り、しかしそのどれもが見る見る うちに黒ずんでいきます。 そう、まりさが母体を激しく動かしたため脆くなっていた土台が崩れ 蔓が落ちてきてしまったのです。 「お゛、お゛ぢびぢゃんまでぇーーーー?! どぼじでーーーー?! ばりざはだだゆっぐりじでだだげなのにーーーーー?!」 一日にして得た最愛の妻と子供達を一夜の内に失ってしまい、まりさ は今まで生きてきて経験したことがないほど泣き叫び、そして巣の中 に溢れた自分の涙であんよが溶け、それが原因で死んでしまいました。 最後の言葉は、 「みんなでゆっくりしたかった」 だったそうな。 めでたしめでたし。 おしまい このSSに感想をつける
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい 道を歩いていると、目の前にいきなり一匹のゆっくりれいむが飛び出 してきた。 「ゆっくりしていってね!」 「断る」 俺は迷わずそいつを蹴り飛ばし、そそくさと家に帰った。 れいむはゆっくりしていってねと言ったのにゆっくりしてもらえない どころか蹴り飛ばされて自分がゆっくりできなくなったので草葉の陰 で泣いた。 それから一週間。 俺はまたあの時の道を歩いていた。 すると、目の前に一匹のゆっくりれいむが飛び出してきた。 「ゆっくりまっ」 「断る」 喋っている途中のれいむの口目掛けて爪先をねじ込み、そのまま何度 か爪先を持ち上げたり勢い良く地面に振り下ろしたりしてから適当な 方向へ投げ捨てる。 れいむはゆべっとかゆ゛っゆ゛っとか呻きながら白目で口から泡など 吐いて痙攣していた。俺はそれを見届けると、れいむが通行の邪魔に ならないよう道の脇にそっとどけてそのまま家に帰ろうとする。が、 やけに足首が重いような気がして(気のせいかと思ってしばらくその まま歩いてたが、やはり重い)見てみると、まるで地面を引き摺られ てきたような哀れな姿になったれいむが靴紐に必死にしがみついてい た。 「ゆ゛……ゆ゛っぐり……ま゛っでね……」 「あ、あぁ……」 その地獄から響き渡るような声に俺はつい返事をしてしまう。 すると、れいむは急に元気に立ち上がった。 「ゆふふ……れいむはこのまえゆっくりしてくれなかったおにいさん をゆっくりさせるためにきびしいしゅぎょーをつんできたんだよ! ちからづくでゆっくりさせてあげるからかくごしてね!」 れいむはそう言って、きっとこちらを睨みつけてきた。 そして、俺は…… 「……………………………………………………………………この前?」 「どぼじでおぼえでないのー?!」 全く身に覚えがないのでとりあえず困っておいた。 れいむは泣いた。自分はずっとお兄さんの事を考えて過ごしてきたの に、お兄さんはれいむの事などどうでもよかったのだ。 お兄さんはそんなれいむを見かねて、若干申し訳なさそうな表情を浮 かべる。 「いやぁなんかスマン。全く覚えてないけど。今日は別に急いでない からゆっくりしてやってもいいぞ」 お兄さんからの提案。 ゆっくりしてないお兄さんからの完全降伏。これを受けてれいむは。 「どぼじでぞんなごどいうのー?!」 泣いた。 そしてそのまま続ける。 「それじゃせっかうのしゅぎょーがむだになっぢゃうでじょー?!」 「俺にどうしろと」 若干目的を見失っている感のあるれいむにお兄さんは言う。れいむは 器用にもみあげを動かして涙を拭うと、お兄さんを見上げて告げた。 「れいむとせいせいどーどーしょうぶしてね! れいむがかったらゆ っくりしてもらうよ!」 「……まぁ別にいいけど死んでも恨むなよ?」 所詮はただの饅頭であるれいむを労わりそう言ってきた。しかし、そ のような言葉に恐れるれいむではない。 「ゆふふ、りょうてりょうあしへしおってでもゆっくりしてもらうっ てばよ!」 「そんな状態じゃゆっくりできねーよ」 「うるさいよ! じゃあいくよ!」 そして闘いが始まった。 「ゆふふ、これがれいむのひっさつわざだよ! ぶんしんのじゅつ!」 れいむが叫ぶと、突如れいむの姿がゆっくりしてない速度で動き始め やがて残像が見えるほどになる。しかも、その残像は少しずつはっき りとした輪郭を持ち始め、とうとう元のれいむと同じ姿を持って地面 に立ったではないか。 4つに増えたれいむ達は揃って声を上げた。 「「「「これじゃどれがれいむかわからないでしょ! ゆっくりこう さんしてね!」」」」 「じゃあとりあえず一番右端から」 俺はなんとなく選んだそいつに軽くケリを入れてみる。 「ゆびぇっ?!」 そいつは潰れた饅頭のような悲鳴を上げると勢いよく後方に吹っ飛び ボールのようにぽよんぽよんと弾むと太い木にぶつかり、また潰れた 饅頭のような悲鳴を上げて止まった。 その様子を見て、残った三匹のれいむは薄笑いを浮かべて叫ぶ。 「「「ひっかかったね! そっちはほんたいだよ!」」」 「本体がやられちゃ……駄目なんじゃないか?」 そう聞くと、三匹の分身は揃って小首をかしげ、「何を言ってるんだ こいつ」みたいな顔をする。 「おにいさんのいうとおりだよ! ぶんしんははやくたたかってね!」 と、その間にずりずりと元の位置まで這ってきた本体が声を上げた。 三匹の分身は無様な本体の姿を一度見下ろし、お互いの顔を見合わせ て相談を始めた。 「だれからいく?」 「どうしよう」 「じゃあれいむがいくよ」 「いやいやここはれいむが」 「でもあえてれいむがいくよ」 「れいむがいくって」 「ぎゃくにれいむが」 「やっぱりれいむが」 誰かが声を上げると他の誰かが志願し、それを見たほかの誰かがさら に立候補する。 いつまでも終わらない議論。それを見ていた本体は憤り声を上げた。 「なにしてるの! ぷんぷん! こうなったられいむがいくよ!」 「「「どうぞどうぞ」」」 分身たちはこれ以上ないほど息のあった声を上げた。 そして本体のれいむは不敵な笑みを浮かべながらこちらに向かって飛 びかかってきた。 「おにいさんはゆっくりしたれいむにゆっくりやられてね!」 思い切り跳ね上がるれいむ。その位置は丁度俺の右拳の延長線上。 俺は躊躇わず拳を打ち込んだ。 打ち下ろし気味の右拳は容赦なくれいむを地面に叩きつけ、スーパー ボールよろしくれいむを上空へと跳ね上げた。 およそ3メートルほど。その高さから落ちながられいむは叫ぶ。 「どぼじでごうなるのーーーぉんぶ?!」 そして顔面から地面にぶつかり、再度潰れた饅頭のような声を上げた。 戦場がしーんと静まり返る。この隙に攻撃すればもう終わりなのだが、 そういうのはオサレではないしなんだか悪い事をしてるみたいな気分 になってきたので控えておく。 しばらくして、れいむが起き上がって言った。涙を滝のように流しな がら。 「でいぶいだいのもうやだ! づぎごぞぶんじんがいっでね!」 そしてぽよんぽよんと分身たちの後ろに隠れようとする。 集まっていた分身たちはサッと別れ、三方から本体れいむを取り囲む。 「だいじょうぶ! つぎこそかてるよ!」 「もーいっかい! もーいっかい!」 「ほんたいさんのちょっといいとこみてみたーい!」 そして、見事なコンビネーションで本体れいむをおだて始めた。 「ゆ~、じゃあもういっかいだけだからね!」 「「「ゆわーい」」」 普段褒められ慣れていないれいむは棒読みくさいその言葉にあっさり と乗せられ、まだ涙の跡が残る顔をこちらに向けて跳ねてきた。 「れいむにぶんしんたちのまえでいいかっこさせてね!」 そう言って渾身の体当たりを繰り出してくる。 その姿が余りに痛々しくて、俺は右拳を入れてやらなくちゃいけない 所をつい平手でべちんと頬を引っぱたいてしまう。 「ゆべしっ!!」 横から衝撃を受けたれいむは、綺麗なきりもみ回転を疲労しつつ頭か ら地面に突き刺さった。 まさか平手でもそこまでのダメージを負うとは思わなかった俺は、上 下逆さで地面に横たわるれいむにそっと手を伸ばす。 「ごべんなざいーー! もうでいぶのまげだがらいだいごどじないで ねーーー?!」 と、それを追撃だと思い込んだれいむは大声で泣きながら降参の意を 示した。 大声で泣き続けるれいむを前に、すっかり困った俺は残っている分身 たちに目を向けた。 分身たちはにたにたと笑っていた。 「ゆふふ、ほんたいがやられたようだね」 「ほんたいはれいむたちのなかでもいちばんのこもの」 「にんげんさんごときにやられるとはれいむのつらよごしだよ」 「「「おぉよわいよわい」」」 先ほどまでの嫌らしい笑みから一点、大声で笑い始める分身たち。本 体のれいむはその場で(上下逆さで動けないため)声を上げた。 「どぼじでぞんなひどいごどいうのー?!」 「うるさいよ!」 「うごけないほんたいなどひつようないよ!」 「ゆっくりしね!」 そう言って分身たちは揃って上下逆さの本体の上に飛び乗り、本体れ いむを押し潰した。 「ゆぴぃっ!」 「「「きたないはなびだね!」」」 三匹が縦に重なりまるでトーテムポールのような形になってそう言う 分身たち。こいつらどこの戦闘民族なのだろうか。 俺は、いい顔でそこに佇むトーテムポールに向かってささいな疑問を 投げかけてみた。 「お前ら、分身なのに本体なしで存在できるのか?」 「「「…………」」」 それを聞いた分身たちは、目を白黒させる。 そして、揃ってこう叫んだ。 「「「うっかりー!」」」 分身たちが叫ぶと同時に、一番下の分身の体が潰れた本体れいむの餡 子の中へずるずると引きずり込まれだした。きっと母なる海へと帰る のだろう。 涙目になった分身達は、引きずり込まれながらも俺に向かって言葉を 投げかける。 「これでかったとおもわないでね」 一匹目が完全に飲まれる。 「たとえれいむがきえてもひとのこころにゆっくりしてないこころが あるかぎり」 二匹目中ほどまでが飲まれる。 「だいにだいさんのれいむがおにいさんのまえにあらわれるよ」 三匹目の足が飲まれ始める。 「そのときまでせいぜい」 そして、三匹目の頭が完全に飲まれるかどうか、という所で。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 声を揃えてそう言うと完全に分身達はこの世から消え、後には一匹分 のれいむの死体だけが残った。 俺は、あの分身たちの言葉を思い出す。 『ひとのこころにゆっくりしてないこころがあるかぎり――』 人がゆっくりするまで、ゆっくりという哀しい存在は生まれ続ける。 人はもっとゆっくりするべきだ。それを教えるため、ゆっくりは生ま れ、そして死んでいくのだろう。 俺は、もうれいむのような哀しい存在が生まれないよう願いながら、 言った。 「さて、余計な時間を食ったし急いで帰るか」 おわり このSSに感想をつける
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・愛で過ぎ注意 ――――――――――――――――――――――――――― 「大体、箱を開けてから1分程度で目を覚ましますので。では。」 「はい。分かりました。ありがとうございます。」 あぁ、ついに来てしまった・・・・・届いてしまった。 嬉しさの余り配達員さんの前で叫びそうになったけど我慢したよ・・・・ うれしいんだけどちゃんとゆっくりさせてあげられるか心配だ。 でもねぇ・・・かわいいしね・・・・ にへへ・・・ とりあえず私はあの子の入ってるアタッシュケースの前で小一時間ほど小躍りしちゃったよ。うへぇ。私きもちわるい。 開けなくちゃなにも始まらないし開けてみますか。 「ようこそ我が家へ・・・ゆうかにゃん・・・・・・」 ――――――――――――――――――――――――――― ゆっくりを飼うのが上手くなった人? ~ようこそ、ゆうかにゃん~ ――――――――――――――――――――――――――― うっへぇ!眠ってるよ!ヘイ!やばいよ!ギャース!! お口ムニャムニャしてるって!?あぁ、貴女は私を殺す気ですか? っていかんいかん。鼻血が・・・・ 「ん・・・・・・・・・わかるわー。あなたがわたしのかいぬしさんなのねー?」 はうぅ!ゆ、ゆうかにゃんのお声・・・・ 「そ、そうだよ。うん。私が飼い主。おねぇさんってよんでね!?。」 かなりドモってしまった。正直自分で自分をキモいと思ったよ。 するとゆうかにゃんは不思議そうな顔をして質問をしてきた。 「わからないわー?どうしておねえさんははなぢをだしているのかしら?どこかにぶつけたの?」 飼い主を気遣うその思いやり・・・・れいむとまりさには無かったものだ。 「心配してくれてありがと。でも大丈夫。」 手を鼻から離してゆうかにゃんと向き合ったらゆうかにゃんが動揺し始めた。 「わ、わからないわー!?あきらかにだいじょうぶじゃないしゅっけつりょうよ!?」 うわっ。ホントだ。スゴい出てるよ!? 「あー大丈夫大丈夫。ティッシュ詰めるよ。」 正直他人には見せられない姿ではあるよね。 でもゆうかにゃんには見せちゃう!私のすべてを見て欲しいの!! 「これでよし。さて、それじゃあこれからの事について話して見ようか。」 「わかるわー。だいじなことなのねー。」 コクコクうなずくゆうかにゃん可愛いなぁ・・・ ――――――――――――――――――――――――――― 「まず。どうやら私はゆっくりを飼うのが下手みたいなの。」 お兄さんに言われた通りまずは話し合いだ。 「?わからないわー?どうしてなのかしら?」 ゆうかにゃんに聞かれたから全部話してみた。 れいむはのどが渇いたと言っていたから、コーヒーをあげて殺しちゃったこと。 まりさにれいむを飼っていた頃に、れいむがやりたかった事やゆっくりできるって言ってたことを試したこと。 でも結局ゆっくりさせてあげられなくて、今温室に居るっていうこと。 全部ありのままに話したら、ゆうかにゃんは目を細めながら優しくこう言ってくれた。 「わかるわー。おねえさんがゆっくりさせてあげようとしてたことはわかるわー。 おねえさんはゆっくりのことをしらなかっただけなのよー。」 「ゆ、ゆうかにゃん・・・・ぷしっ!・・・・」 やべ、また鼻血出た。ティッシュ吹っ飛んじゃった。 「おねえさん。わからないことならわたしがおしえるわ。だからひとりでかんがえないでねー。」 あぁ、なんて出来た子なんでしょう。 「ゆうかにゃん・・・・ありがとう・・・・」 「わかるわー。あたりまえのことなのねー。 それじゃあまず、しっておかなければならないことからはなすわー。」 その後ゆうかにゃん先生から小一時間ゆっくりについての基本的な知識を教えてもらったよ。 ゆっくりには様々な分類が存在すること。まず、通常種と希少種って分類。 通常種っていうのは町でよく見かけられる、れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす、ちぇん、みょん、といった具合。 基本的にゆっくりっていったらこいつらを指すらしい。 次に希少種とか準希少種、数が少なかったりして殆どが人間に所有されてるみたい。 ゆうかにゃんもこの枠に入るらしいね。 そして捕食種。れみりゃやふらんちゃんがその代表各。 捕食種は食べ物としてゆっくりを食べる種類みたい。 ちなみに希少種、準希少種の殆どはゆっくりを食べるみたいだから一応捕食種なんだって。難しいね。 後は性格上ゲスって呼ばれる奴らの事。 ゆっくりだったら誰にでもなる可能性のあるものなんだって。 ただ、数的に通常種の方が多いから通常種のゲスばっかり目立つみたい。 一応希少種にもゲスはいるみたいだね。ゆうかにゃんが居たペットショップにもゲスゆうかがいたんだって。 どんなものか見てみたい気がするなぁ。 ただ、これでまりさが赤ゆを食べてあんなに動揺してた理由がわかった。 まりさは通常種で普通ならゆっくりを食べない種類だったんだね。 いやぁ、悪いことしちゃったよ。ごめんね? それから赤ちゃんの事とかあんよの事だけど、ゆうかにゃんにこんな事を言われた。 「わかるわー。そのれいむはでいぶだったのねー。」 「でいぶ?」 「ゲスれいむのとってもふてぶてしいやつよー。 とくちょうとしてはうごくことをきょくたんにきらったり、いっぱいのあかちゃんをもとめたりするわー。」 つまりめんどくさい奴なのですな。 なんでも正常なゆっくりなら運動だってちゃんとするし、そんなに赤ちゃん赤ちゃんうるさくないみたい。 まぁ、ペットショップの処分品ワゴンの中の百円れいむなら仕方ないか。 でもそう考えると、まりさにはホントに悪いことしちゃったかも。 「ねぇ?ゆうかにゃん。私まりさに謝った方がいいかなぁ?」 「わかるわー。やってしまったことはしかたないわー。 まりさもゲスだったみたいだしきにしないほうがいいわー。」 ゆうかにゃんがそういうなら私もう考えるのやめよ。 「よし。それじゃあまりさはもうどうでもいいや。ただの甘いもの製造機ってところかな? それじゃあゆうかにゃん!本題に入ろうか。ゆうかにゃんがゆっくり出来る事ってなんだい?」 今まで一番聞きたかったことだ。 いくらゆっくりの知識を付けてもゆうかにゃんをゆっくりさせてあげられなかったら意味がない。 「おはなさんがそだてられたらしあわせなのよー?」 一応、ゆうかにゃんを買うときに注意書きで書いてあったけど、やっぱり植物が好きなんだ。 「それから、おねーさんといっしょにいられたらしあわせだわー。」 ・・・・・・・・・鼻血がでるのは仕方ないと思うんだ。 「わからないわー!?お、おねーさんだいじょうぶ!?」 うわぁ・・鼻血が止まらないのが自分でわかるし、顔がニヤケてるのもありありと分かるよ・・・・・・ さすがにここまでくると気持ち悪いかもしれないからゆうかにゃんに表情が分からないように顔を手で隠した。 「大丈夫・・・・・うん、大丈夫。にへへ・・・・・・・ よし。なら温室行きましょ!あそこで植物いっぱい育てるの! いざ!ゆうかにゃんの幸せのために!!」 私はかなり高ぶったテンションのままにゆうかにゃんを抱き上げると温室へと走って行った。 「わ!わからないわー!?はやすぎるわー!!??」 ――――――――――――――――――――――――――― ゆうかにゃんを抱えたまま温室に入って行って、すぐにテンションが下がってしまった。 「ゆっがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!やっときたんだぜ!!! さっさとまりささまのあんよをなおすのぜ!!!ついでにあまあまよこすのぜ!!!」 やめてよね。これから楽しい楽しいゆうかにゃんとの土いじりが始まると思ったのに邪魔が居るって・・・・・・・ 「はぁ。そうだったんだ。このままだったんだ。ゆうかにゃん、これどうしたらいいかな?」 どう処理しようかと考えて、ゆうかにゃんにアドバイスをもらおうと、ゆうかにゃんをのぞき込むと目を輝かせていた。 「わ、わかるわー!ここがおんしつさんなのね!すごいわー!ここならなんでもできそうなきがするわー!!」 ありゃ?まりさに目がいってないみたい。 てかそんなに喜んでもらえたなら温室作っておいた甲斐があったってものだ。 「ここはゆうかにゃんが好きにしていいんだよ。もう既にゆうかにゃんの物みたいなものだね。」 そう言うとゆうかにゃんは更に目を爛々とさせた。 「ほ、ほんと?」 「ほんとほんと。」 「おねーさんだいすきだわー!!!」 ゆうかにゃんが私の体にゆうかにゃんの体をぐりぐりしてきた。 うへぇ・・・これが私の幸せ・・・・ 「よ、よせやい・・」 ゆうかにゃんとの幸せタイムを満喫してたらまりさがまたもや邪魔してきた。 「ゆっがぁぁぁぁぁあぁ!!!!むしするななんだぜぇぇぇぇ!!!! ここはまりささまのゆっくりぷれいすなのぜ!!??くそにんげんとへんなゆっくりはどっかいくんだぜぇぇぇぇ!!! ついでにまりささまのあんよをなおして、おちびがもううまれないようにするんだぜ!!! ついでにあまあまとびゆっくりをよういするんだぜぇぇぇぇ!!!!!」 私はまりさには悪いことをしたと思っている。 これからはゆっくりさせてあげられるようにと考えていたりもしていた。 が、もうだめだ。 まりさ。お前今ゆうかにゃんの事変なゆっくりって呼んだか? 私への悪口ならいくら言われても構わない。悪いの私だし。 でもゆうかにゃんへの悪口はダメだ。どんな理由があろうと、どんな状況であろうとゆるさん。 私がまりさに怒りの鉄拳を喰らわせてあげようと、ゆうかにゃんを置き一歩進もうとした時、ゆうかにゃんの一言が私を止めた。 「わからないわー!!おねーさんをくそにんげんだなんてよぶあなたがわからないわー!!! おねーさんはとってもすばらしいにんげんさんなのよー!!??それをくそにんげんだなんて・・・・・・・ ゆるさないわー!!!!」 あふん!ゆ、ゆうかにゃん・・・・・・あなたって娘は・・・・ なんて優しいんでしょう。なんて思いやりに満ち満ち溢れているのでしょう・・・・・・ あ、鼻血出てきた。 「おねーさん!ここはわたsわ、わからないわー!?おねーさん、またはなぢがでてるわー!?」 「うん。そうね。でも大丈夫。これは生理現象みたいな物なの。それになんかもうすごく幸せなの♪」 なんかもう、ゆうかにゃんが居ればもう全部どうでもいいかなー? あ、まりさは許さないよ?それに今のゆうかにゃんの言葉で頭が冷えた。 まりさは今ここで潰すんじゃなくてもっと痛めつけてあげよっと♪ 「ゆうかにゃん。ありがと。私いいこと考えちゃった♪」 ――――――――――――――――――――――――――― 私は温室の隅の土をシャベルで掘っていく。 「ほら、まりさの頭だけみたら植物みたいじゃない?だから、埋めてあげようと思うの。ふぅ。」 「わかるわー。いいアイディアなのねー。」 ゆうかにゃんには私のモチベーションを保つために常時私の目に入る場所に居てもらっている。 とはいえ、思ったより土掘るのって大変なんだね。ちょっとびっくり。 「あー!もうやだ!疲れた!これで十分入るでしょ。完成だ!」 まりさと全自動オレンジジュース注入装置が埋まるくらいの広さの穴は掘れた。 それじゃあまりさを入れてみよう。 「うわ!軽っ!なんでこんな軽いの!?」 「ゆがぁぁぁぁぁぁ!!!!!きたないてでさわるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!はなせぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 まりさの体は驚くほど軽かった。最初にまりさをこの家に連れてきたときと同じぐらいの軽さだ。 茎がいっぱい生えてて、なおかつ赤ゆだっていっぱいできてるのにも関わらず軽かった。 「わかるわー。ゆっくりはふしぎせいぶつなのよー。」 「あー。そうやって納得するしか無いね。よいしょっと。」 「ゆふん!!やっとはなしたんだぜ!!それじゃあさっさとなおすんだぜ!?あまあまもよこすんDなにしてるのぉぉぉぉぉぉ!!!???」 まりさを穴に入れて土を掛け始めたら、まりさがまたうるさくなった。 「何って、埋めてるんでしょ。みたら分かるでしょうが。」 「いみわからないんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????」 意味分かんないならもうそれでいいよ。埋めるだけだし。 「やめろぉぉぉぉもががががががが!!!!!」 おっと。口まで土がいったか。これで少しは静かになってくれるかなぁ。 「わかるわー。おてつだいするのよー。」 そういってゆうかにゃんは口と尻尾を器用に使ってシャベルシャベルだけじゃ土の入れられないところに土を入れ始めた。 「ありがと。ゆうかにゃん。」 順調にまりさを埋めていく作業は進んでいったと思われたのだが、ちょっと意図してなかったことが起こった。 「あちゃー、目のところがちょうど土から出ちゃってるよ・・・・・」 「わかるわー。ちょっとグロテスクなのねー。」 「むぅぅぅぅぅ!!!!むぅぅぅぅぅ!!!!!」 穴の深さが足りなくて、目まで土で覆うことが出来なかったのだ。 「うーん・・・土盛れば隠せそうだけど・・・・・これはこれでいいか。」 「わかるわー。むけいかくなのねー。」 「そういう事言わないの。」 ゆうかにゃんの頭をちょっと軽く叩いてみた。 「いたいわー。」 ちょっと睨まれちゃった。あぁ・・・・やっぱりかわいいなぁ・・・・・・・ 「そんなことよりおねーさん。ここでなにをそだてるのかしらー?」 うん?そういや何育てるか考えて無かったな。 「うーん・・・・・あ、果物がいいな!ラズベリーとか育ててみよ?簡単みたいだし。」 ゆうかにゃんにラズベリー。なんか想像しただけで愛おしさMAXなんですけど・・・・・・・ ヤバい・・・・・・顔がニヤケる・・・・ 「わからないわー?おねーさんどうかしたのかしらー?」 「な、なんでもないよ。なんでもない、なんでも・・・・・・・・にへへ・・・・」 今日から始まるゆうかにゃんとの園芸生活を想像すると、ニヤケが止まらない私なのであった。 ついでに、まりさはというと、人知れず涙を流していたのであった。 ――――――――――――――――――――――――――― ~その後~ 「はぁはぁ・・・ゆうかにゃん・・・かわいいよゆうかにゃん・・・・・」 一生懸命ラズベリーの収穫をするゆうかにゃんをファインダーに捉え、私は興奮を抑えられない!! 「わからないわー!!おねーさんもてつだってほしいのよー!!!」 「へぁ!?あ、ごめんごめん!なんか欲望を抑えることが出来なかったよ。」 ゆうかにゃんに怒られちゃったよ。ま、一緒に収穫しようって約束してたしねー。 さてさて、手伝いに行きますかな? ゆうかにゃんが来た日から結構時間がたった。 その間に一緒に植えたラズベリーの木は結構な量の実を作っていた。 収穫作業が意外と面倒だよ。 まぁ、私が調子に乗って十株も買うから収穫が大変になったというのもあるんだけど。 でも、こうしてゆうかにゃんとの楽しい楽しい時間が過ごせるって言うのは素晴らしいことだと思うんだ。 「おー。赤くておいしそーな実ですこと!一個いただき!」 「わからないわー!!おねーさん!つまみぐいはゆっくりできないわー!!!」 「んー!ごめんごめん。ほら、ゆうかにゃんも、あーん♪」 「にゃん!?にゃ、にゃぁぁん・・・・・・・・あまくておいしいわー♪」 「うん。これでゆうかにゃんも一緒だ。つまみ食いはゆっくりできないんじゃないのぉ?」 「にゃ、にゃん!?・・・・・お、おねーさんがわるいのよ!?」 「あはは♪」 まぁ、なんやかんや言って仲良く楽しく暮らしているわけだ。 むっふふーん♪もう毎日楽しくって楽しくって仕方ないよね! え?まりさ? あぁ、あれなら今でも隅っこに居るよ?今では土いじりで疲れた時用の糖分補給所みたいな物になってる。 最初の頃は親の仇でも見るような目で見たり、涙を流したり色々リアクションしてたんだ。 でも最近は焦点の定まらない虚ろな目をしてるよ。 そんなのでも甘い赤ゆを半永久的に作ってくれてるから置いてあるんだ。 そういえばお兄さんのふらんちゃんが来たときは凄かったなぁ。 ずっと赤ゆをパクついてたんだけど、まりさの方も際限無く赤ゆ作るもんだからふらんちゃん食べ過ぎで倒れちゃって。 あれは面白かったなぁ・・・・・・ ま、可愛さで言えば家のゆうかにゃんの方が上だけどね。 「おねーさん!またてがとまってるわー!!ちゃんとやってほしいわー!!」 「はいはい。やりますよー。」 今日も私はゆうかにゃんに振り回される。 けど悪い気は全然しないよ? だって楽しいもの♪ おわり ――――――――――――――――――――――――――― あとがっきー どうも、ぬちゃぬちゃあきです。 さて今回は気持ち悪いぐらいの愛でですね。てかゆうかにゃんもおねーさんもある意味ゲスだね。 うえー。俺、気持ち悪ー。 ラズベリーなのは僕がラズベリー好きだから。すっぱくっておいしいよね。 あと感想くれた人、ありがとうございます。 貴方のその一言が私の元気の源になっているんです。もっと書いてね!? 今回はこの辺で。 ではでは
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 あるところに、一匹のゆっくりれいむがいました。 ゆっくりれいむは原っぱの真ん中でとてもゆっくりしていました。 ゆっくりしていたれいむは、ふとゆっくりの気配がする事に気付きま した。 「ゆ?」 れいむはきょろきょろと周囲を見渡します。すると、草の陰に一匹の ゆっくりの姿を見つけました。 れいむは元気良く声を上げます。 「ゆっくりしていってね!」 その草の陰にいたゆっくりは、れいむの元気な挨拶にこう答えました。 「んほぉー! れいむかわいいわー!!」 そして勢い良くれいむに飛びかかると隆起したぺにぺにをれいむの体 にこすり付けます。 そう、このゆっくりはれいぱーありすだったのです。 「ゆ? ゆ?」 れいむはいきなり飛びかかられ、混乱してしまいます。 しかし、れいぱーありすはそれ以上に混乱していました。 「どぼじでまむまむがないのーーー?!」 そう、このれいむはぺにまむのないタイプのゆっくりだったのです。 「ごれじゃずっぎりでぎないーーー!!」 大声で泣きながらもぺにぺにをこすり付けるのはやめません。 それまで混乱しながら様子を伺っていたれいむは、閃いたように頭上 に電球を出現させ、ほっぺをありすのほっぺにくっつけて小さく震わ せ始めました。これはぺにまむ非装備型ゆっくりのすっきりです。 「ゆっゆっ!」 れいむの顔が次第に赤くなっていきます。 すっかり落ち込んでいたれいぱーありすもれいむの意図を理解したよ うで元気な声で、 「んほぉー!! れいむったらだいたんねぇーー!!」 と叫びました。 やがて、二匹の顔は真っ赤に染まり、そして絶頂に達しました。 「「すっきりー!」」 快感に陶酔し、ぴったりと息の合った声が響きます。 が、次の瞬間、れいぱーありすは自身の頭上から伸びたその蔓の存在 を感じ、驚愕して叫びました。 「どぼじでありずがにんっしんっじでるのー?!」 そう、ありすはにんっしんっしていたのです。すりすり型のにんっし んっは交尾した二匹のうちどちらがにんっしんっするかわからない両 刃の剣。下手をすればどちらもにんっしんっする事すらある玄人好み の扱いにくすぎるにんっしんっ方なのです。なのになんだってありす の野郎は目先の快感に囚われてそれを忘れてしまったのでしょうか。 「ごれじゃじばらぐずっぎりでぎな……ゆ゛っ?!」 失意の底にあるありすを更なる悲劇が襲います。 「な゛、な゛にごれっ?! や゛だ! ゆ゛ーーーー?!」 自身の体に起きた異変にありすは思わず頭上に生えた蔓を見上げなが ら悲鳴を上げます。 その蔓は、ありすの頭の上でじゅるりじゅるりと異音を放っていたの です。そして、その音が響くたびにありすの顔がみるみるうちにやつ れていくではありませんか。 「や゛べで! ずわないで! がずだーどざんずわれだらゆっぐりで ぎないでじょーーー?!」 そう、ありすは頭の上に実った赤ゆっくり達に急速に養分を吸われて いるのです。しかもその速さはありすの中の常識を激しく逸脱するほ ど早く、このままでは命の危険すらあるほどに。 ありすは近い未来訪れる身の破滅を予感しながら、近くにいるれいむ に助けを求めました。 「でいぶーーー! どがいはなありずをだずげでねーーー?!」 そしてれいむは、ありすの頭上を見上げてにこやかに笑いながら答え ます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐりでぎないーーーーーーー!!」 ありすもまた大声でお返事しました。 そしてその間も養分は吸われ続け、もはややつれる部分すらなくした ありすはやがて体色を黒く変じ、 「も゛っ……ずっぎり……じだがっ……」 すっきりから1分後、そう言い残してこの世を去っていきました。 と、同時にありすの頭上に実っていた赤ゆっくりがぷるぷると震え出 し、そして蔓から離れ、萎れたありすの残骸を踏み台にして地面に降 り経ちます。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 そして目の前の親へ元気良く挨拶をしました。 親となったれいむは、生まれた我が子を頭上に乗せ、ありすの死骸に 一言「ゆっくりしていってね!」と告げると、そそくさとその場を立 ち去っていきましたとさ。 ところで、子供達がありすを吸い殺したのにも当然訳があります。 実はありすとすっきりをしたこのれいむ、かなり古い時代……具体的 に言うと、にんっしんっから出産までが異常に早く、更にすっきりの 直後には母体が黒ずんで死んでしまう事が一般的だった頃の生態を保 持したゆっくりだったのです。このれいむとすっきりをした事であり すはれいむと同様の特性を持ったにんっしんっをしてしまい、黒ずん で死んでしまったのです。 哀れありすは一度のすっきりで命を落としてしまいました。そしてれ いむはありすに貰った子供達を大事に育てて幸せに過ごしましたとさ。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 めでたしめでたし。 おわり おまけ やがて子供は育ち、立派なゆっくりれいむとなってひとり立ちしまし た。 ひとり立ちしたれいむが原っぱでゆっくりしていると、一匹のゆっく りまりさに声をかけられました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 二匹はそのまま意気投合し、友達になり、日が落ちることにはつがい になっていました。 そして、その晩二匹はまりさのおうちで愛を育みました。 「「すっきりー!」」 絶頂の声が上がり、れいむの頭上からひょろりとした蔓が伸び、その 先にいくつか小さな丸いものが実ります。 まりさは感涙しながら言いました。 「ゆゆーん! すごくゆっくりしたおちびちゃんだよ! ほらほら! れいむもみてみて! れい……」 そして、まりさはれいむが黒ずんで死んでいるのも見つけました。 「で、でいぶーーーー?! ゆ゛あ゛ーーーー!! どぼじでごんな ごどにーーーー?!」 まりさは非ぺにまむ装備ゆっくりでしたが、すっきりの後にすぐ死ぬ ゆっくりではありませんでした。なので、れいむが死んでしまったの はきっと自分があまりに激しいすっきりをしたせいだと思い込んでし まったのです。 「でいぶごべんねぇーーー!! ばりざが、ばりざがぁーーーー!!」 まりさは黒くなってしまったれいむの頬に激しく頬を擦りつけながら 謝り続けます。すると、頭上からぼきんという音が響き、目の前を細 い何かが横切って地面に落ちました。 まりさはきょとんとした顔でそれを見下ろします。 蔓でした。 先には三匹の未熟な赤ゆっくりが実り、しかしそのどれもが見る見る うちに黒ずんでいきます。 そう、まりさが母体を激しく動かしたため脆くなっていた土台が崩れ 蔓が落ちてきてしまったのです。 「お゛、お゛ぢびぢゃんまでぇーーーー?! どぼじでーーーー?! ばりざはだだゆっぐりじでだだげなのにーーーーー?!」 一日にして得た最愛の妻と子供達を一夜の内に失ってしまい、まりさ は今まで生きてきて経験したことがないほど泣き叫び、そして巣の中 に溢れた自分の涙であんよが溶け、それが原因で死んでしまいました。 最後の言葉は、 「みんなでゆっくりしたかった」 だったそうな。 めでたしめでたし。 おしまい このSSに感想をつける
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一人暮らしでゆっくりゃを飼うとどうなるんだろ。 毎朝8時には家を出て9時に帰宅。その間ゆっくりゃはケージの中で昼のやざいを食べてもらう。 ケージから出すとゆっくりゃは背中の羽をダバダバさせながら「うっうー♪おかえりうー!」 ってもたもたと甘えてくる。 「ただいま、れみりゃ。寂しかったね」 「ん”-!ざびじがっだぁぁあああ!ん”-!」 とか豚みたいなキモいしゃがれた鳴き声で擦り寄ってくるの。 この時が一日で最も自尊心が満たされる瞬間。 でゆっくりゃの帽子をとって水色の不健康な頭をナデナデしてあげる。 「モッドナデナデジテー」とか泣きながら肉汁の匂いが漏れてくる。クセェ。 そう思ってゆっくりゃの首筋にチョップしたら「モルスァ」とか言いながら飛んで行った。
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こんばんは。猫です。初投稿ということで駄文になるかもしれません。 このSSはゆっくりを拾ってただ飼う…という単調な内容です。 外の世界にゆっくりがスキマ経由でやってきたという設定です。 本編に登場する村は架空のものであり現実には存在しません。 パロデイが若干あります。 ~本編~ ここは日本のどこかにある村…めんどくさいのでA村と呼ぶことにしよう。ここA村は農業に水産業が盛んでありそれ以外に観光スポットもない普通の村だ。 そしてそこに一人の男が居た。彼もまたどこにでも居る普通のサラリーマンである。男は今自転車で家へ帰宅するところだ。そして家の玄関まで着くと… 「ゆぅ…ゆぅ・・・」と変な音が聞こえてきた。どうやら庭に何か居るらしい…。男は落ちてた石を握り締め庭へ歩を進めた。そこにはなんと生首がころころと落ちていた。 「ひぃ」咄嗟に持ってる石を生首目掛けて投げた。ボコッ…と音と共に少し生首が膨らんでいた。そして生首はこちらに振り向き… 「いたいよーゆっくりしていってね!!」と叫んだ。 男はインターネットでこの生物を検索したり雑誌を読んで調べあげた。どうやらこの生物は「ゆっくり」と呼ばれるもので黒くて中に眼がたくさんある空間からやってきたとゆっくりたちは言っていた。 同時にゆっくりの飼育方法が書いてあるマニュアルもその空間から出てきたためゆっくりをペットにする人間は増えた。男はそのマニュアルを印刷して読むことにした。こうして普通の男とゆっくりれいむの同居生活は始まった。 ~一日目~ ジリリリリ…。目覚まし時計が鳴り響いた。 「うーん…朝か」男は目を覚ましたが「ゆっくりしてよー!れいむがゆっくりできないよー!」生首…もといれいむが跳ねて時計の置いてある台に乗ろうとするが届かずに跳ね回ってた。 男は時計を止めて着替えを始めた。「ゆ!れいむのまえではだかになるなんてだいたんね!!」という声が聞こえてきたが男は着替え終わるとささっと部屋を出て行った。 リビングに行きいつもの目玉焼きとパンという洋風な朝食を作り始めた。ゆっくりはどうやら果物や甘いものが好物らしいので角砂糖を2つ分け与えた。 「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!!」れいむは角砂糖を食べていた。その間に男は仕事へ出て行ったがれいむは目の前の角砂糖に夢中で気づかなかった。 ‐‐‐‐‐ここからはれいむのターン‐‐‐‐‐ 「ゆっくりごちそうさま!…ゆ?おじさんどこにいったの?かくれんぼだね!」れいむはかくれんぼだと勘違いして家の探検に行った…が、 「どうしてすずめないのー!」と叫んでいた。ドアもしっかり閉めてあるのでリビングから出られないがれいむはただの壁にしか見えず閉じ込められていると勘違いしているようだ。 それからも探索も進めたが座布団に座ると「とてもゆっくりしてるねー…ZZZZzzzz・・・」あっという間に寝てしまった。 ‐‐‐‐れいむのターンエンド‐‐‐‐ 夕方になり男が帰ってきた。仕事で疲れてきたがれいむの寝顔に見とれていつの間にか疲れは取れていた。これがゆっくりの癒し効果なんだろうな…男はそう確信した。 晩御飯の支度を続けていくといつの間にかれいむが「ゆっくりしていってね!!」と男の足に擦り寄ってきた。晩御飯をテーブルに運んで食事が始まるがれいむは一切口に運ぼうとしない。 「…どうした?食べないのか?」「これたべものなの?みたことないものだね、ゆっくりしてる?」どうやらオムライスを見たことないから食べれるかどうか警戒しているようだ。 「大丈夫だ、それはオムライスと言ってな…食べると幸せになれるとてもゆっくりした食べ物だ」男は少年時代を思い出しながら語った。その数秒後「むーしゃ!むーしゃ!しあわせ~!」という声が家を包み込んだのは言うまでもない。 オムライスを食べ終わりれいむの皿を見ると・・・新品同様に輝いていた。洗剤を使っても落ちない汚れも綺麗に落ちていた。…汎用性が高すぎるぞ!ゆっくり!。 れいむはオムライスに夢中だったせいか顔…いや全身ケチャップまみれだった。しかしゆっくりは水が弱点らしく長期的に水に入れるとあっという間に溶けてしまう。そのため男は濡れ雑巾で体を拭いていた。 「くすぐったいけどとてもゆっくりできるよー!おじさんありがとうね!」れいむは男にお礼を言った。一通り綺麗になり男もお風呂を堪能したところでそろそろ寝ることにした。 れいむはお昼寝で使った座布団が気に入ったらしくその座布団の上でぐっすり寝ていた。男もその癒される光景を見ながら夢の世界にダイブしていった。 ~あとがき~ ゆっくりの小説なんて初めてで設定も思いつくがままの勢いまかせで書き上げました。一応好評であれば続きを書いていきたいと思います。 ありきたりなネタらしく被ってるかもしれませんが今後ともよろしくお願いします。by猫愛好家 ありきたりな日々を描いてるだけかもしれないけど、 そこがまたほのぼのしていて・・・本当にゆっくりできる 内容だと思います♪ -- 名無しさん (2009-01-24 00 53 19) いいセンスだ。 -- 名無しさん (2012-11-07 07 09 23) ゆっくりしたわ -- 名無しさん (2013-09-24 22 54 29) ゆっくりできますねー -- 名無しさん (2013-12-23 17 57 46) 名前 コメント
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※東方キャラが登場します ※体つきれみりゃが登場します ※虐待突入前に終わります 「しゃくや~、れみりゃのおやしきがせまいど~!」 冒頭から偉そうな事を抜かすのは紅魔館のメイド長十六夜 咲夜のペットのゆっくりれみりゃ。略してゆっくりゃ。 ゆっくりゃの寝床は紅魔館の中庭。20m×20m程度の広さがあり、大きめの成体でもせいぜい80cm程度しかないゆっくりゃにとっては十分すぎる広さである。 もちろん何十匹も飼っているのであれば話は別だが、小悪魔が勝手に売りさばいたり、美鈴が勝手に売りさばいたり、勝手に出て行って帰ってこなかったりで、現在は成体は6匹程度しか居ない。 しかし、最近になって3匹のゆっくりゃがいっぺんに個体数の多い植物型で出産したため、赤ちゃんゆっくりゃが18匹もいるのだ。 とはいえ、普通はいきなり広い場所を用意できるはずが無いので邪魔なゆっくりゃを捨てるしかないのだが、生憎と飼い主は色々と普通じゃない。 「まったく、わがままね。まあ、いいわ」 口では文句を言いながらも、手間のかかる子ほど可愛いとでも言い出しそうな笑顔を浮かべたメイド長がパチンと指を鳴らした瞬簡、中庭が広大な平原になった。 どのくらい広大かと言うと・・・20km×20kmくらい。ゆっくりゃの歩行速度は時速2km程度、飛行すると何故か遅くなり、走るとすぐに疲れて動けなくなるので、歩くのが最速の移動手段。 また、ゆっくりゃは1日の半分近くを寝て過ごす(それも朝寝10時間、夕寝1時間、夜寝1時間)ため、壁伝いに移動するだけで1日が終わってしまう。 ちなみに、ここに居るゆっくりゃたちは全員が普段咲夜お手製のふかふかベッドで寝ている上に、彼女のしつけによって地べたで寝ることはエレガントじゃないと言う認識を持っている。 「この寝床から東に行けば水場が、南にいけば餌場が、南東に行けばプリンをあげるわ。わったかしら?」 が、そんなことをゆっくりゃに説明したところで何の意味も無いことを承知しているメイド長は以上のことだけを簡潔に話すとさっさと屋敷の雑務に戻った。 【詳細を書くのがめんどくさいので図解】 20km ______ A| ∵ |B | | |∵ ∵ ∵| 20km | | C| ∵ |D  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ A:寝床(日光&雨避けの屋根つき。一応全員が入れる) B:水場 C:餌場 D:ぷっでぃーん(1匹につき1日1個) ∵:樹木(雨&日光避けになる。1度に入れるのは親1匹と赤ちゃん2匹まで) そして、ゆっくりゃのゆっくり出来ない日々が始まった! ---あとがき?--- スレ38の「東京ドームでゆっくりを飼ってみたい」と言うレスが元ネタ。 余談だけど咲夜さんがゆっくりゃを飼っているのは主人への悪戯みたいなものだと認識している。 レミリアに青い紅茶を飲ませたり(儚月抄3話)、福寿草茶を飲ませたり(比良坂三月精8話)する人だし。 ゆっくりゃの見てしかめっ面をしているお嬢様を見て悶絶してるに違いない。なんと言うダメ人間。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 その日、都内のとある一軒家で、余りに哀しい闘いが勃発していた。 「これはれいむのおやつだよ!」 「うっせー! 半分くらいよこせ!」 そのゆっくりれいむと少年は、一つのケーキが乗った皿を必死に取り あっていた。饅頭相手に必死になっている少年は、人としてのプライ ドなど欠片も見て取れない、あまりに哀れな姿をしていた。 「前から思ってたんだがお前の顔むかつくんだよ!」 「ゆがー!」 そしてとうとうケーキの皿を巡っての諍いはとうとう殴り合いの喧嘩 にまでハッテンしてしまった。 「ふっ!」 少年は膝を落とし、片手を床につけて右足を軸に、床の上を薙ぎ払う ような低空の回し蹴りを放つ。れいむはニヒルな笑みを浮かべながら その場で軽く跳躍し、蹴りを避わす。少年は舌打ちをしながら蹴り脚 を引き―― 「なっ?!」 その脚にもみ上げを絡みつかせ、足を引き戻す勢いを利用して一気に 距離を詰めてきたれいむの姿を見て驚愕の声を上げた。 少年は慌てて床につけていた手を戻し、その場に尻餅をつきながらも れいむを押し戻すように顔面目掛けて掌低染みた平手打ちを入れる。 「ゆぶぅ!」 さすがに空中では避ける事ができず、れいむの顔面から小気味のいい 音がし――同時に、少年の全身に稲妻が走るような鋭い痛みが襲った。 「?! ッ、ァ……?!」 肺が引き攣り、呼吸すら満足に行えず、少年は床に投げ出される。 横たわる少年の目に入ったもの。それは、れいむのもみあげが少年の 掌の一箇所をほんの軽く押さえて、ニヤニヤと笑っているその姿だっ た。 人体の経絡を用いた骨子術。非力なゆっくりであるれいむが人と対等 に戦うために得た技術である。 「ぐーりぐーり」 「アヒッアヒィィイ! 痛ァィィィィィィ!!」 赤子の手を捻るように少年の未熟な体を弄ぶれいむ。少年はただ不規 則に訪れる苦痛に喘ぐばかりであった。 もみあげで少年の体をつつくれいむ。 口から泡を噴きながら虚ろな目で叫ぶ少年。 それを見下ろしながらドン引きしている少年の友人。 ……………………。 少年は痛む身体にムチ打って、首をぐりんと横に曲げた。 「助けろ!」 そして渾身の力を振り絞って叫ぶ。少年の友人は一瞬だけ凄まじく嫌 そうな表情を浮かべてから、勝ち誇った顔のれいむにそっと脚を添え て優しく転がすように蹴りつけた。 「ゆぅー?!」 れいむは困惑し蹴られた勢いのまま横に転がり、そのまま隣の部屋ま で転がっていった。 少年はびくんびくんと痙攣する体に鞭打って、友人に微笑みかける。 「フッ、助かったぜ」 「きめぇ」 「ゆぅー! どうしてじゃまするのー?!」 と、そこへ先程向こうまで転がっていった。れいむが怒りながら戻っ て来る。少年はヒェエと上ずった悲鳴を上げ、友人の体を盾にする。 「待てれいむ! 暴力で物事を解決するなんていけない事だぞ!」 「ゆ?! だっておにいさんがさきにてをだしてきたんで……」 「暴力は何も解決しない! ただ新たな争いを生むだけだ!なのにど うしてお前はそうやって戦う事ばかり考えるんだ」 「だっておにいさんがさきに……」 「馬鹿! 馬鹿! あんこ! 志半ばに死んでしまったまりさの最期 の言葉を思い出せ!」 少年がそう言うと、れいむがハッと目を覚ましたような顔をする。 同時に、少年の脳裏にもあの時の情景が想起されていた…… 『おにいさん? れいむ? じょ、じょうだんなんだぜ? まりさは たべられないんだぜ? だ、だが……だがら……ぞんなめでみるのは やべるんだぜぇーーーーー?!』 「死んでいったまりさのためにも、暴力を振るうのはやめるんだ」 「ゆぅ、れいむがわるかったよ」 「れいむ……」 「おにいさん……」 そして熱く握手を交わす二人。人間とゆっくりという異種族間に生ま れた奇妙な友情を、友人は冷めた目で見下していた。 「というわけで、ここは一つ平和的にじゃんけんで勝負して買った方 がケーキを手に入れる事にしよう」 「だからそもそもそれはれいむのけーき……」 「馬鹿! まだそんな事を言っているのか! 死んだまりさがその日 の朝に言っていた事を思い出せ!」 れいむの身勝手な主張を聞いた少年は瞳を涙で滲ませながらそう叫ん だ。少年とれいむの胸中にあの日のまりさの記憶が蘇る。 『もう! どこをたべたらいちばんおいしいのかなんてそんなぶらっ くなじょーくはやめるんだぜ! えっ、じょーくじゃない? だから そんなぶらっくなじょーくはゆっくりできないんだぜ!』 「まりさのあの言葉に報いる為にも、そんな我侭を言っててはいけな いんだ!」 「ゆぅ、しかたないからじゃんけんでしょうぶするよ」 こうして解りあった二人は固く握手を結び、友人は適当な所にタンを 吐き捨てた。 こうして二人のじゃんけん対決が始まった。手の無いれいむには代わ りにグー、チョキ、パーの絵が描かれた三枚の札が渡されている。最 初は両面に絵がかかれたものを使わせようとしたが、れいむから「そ れじゃおにいさんにだすのがばれちゃうよ!」との指摘があったため 片面だけに絵が書かれた物を、絵が描かれた面を下にして使う事にな った。 にらみ合い、熱く火花を散らす二人。 そして、 「「じゃーんけーん」」 声をあげ、れいむが床に置かれた絵札を咥え、少年が高々と拳を振り 上げ―― 一瞬の後、二人の勝負手が相対した。 「ちょき!」 「ジャッカルゥッ!」 ………… 「ゆ、ゆ?」 れいむは、その見た事の無い異様な手の形(どことなく犬に似たよう にも見えなくはないかもしれない形。じゃんけんにも関わらず何故か 両手を使っている)に戸惑い、思わず口から絵札を落とした。少年は そんなれいむを見下ろして勝ち誇った表情を浮かべている。 「なにそれ? ゆっくりせつめいしてね?」 少年の顔色を見て不安になったれいむがそう問いかける。少年は一度 ふんっと鼻を鳴らすと、後方に控えていた友人に目配せをしてから口 を開く。 「ジャッカルはチョキの五倍の威力があるんだ!」 「あぁ。パーはもちろんチョキもひとたまりもないぞ!」 「どぼじでぞんなのがあるのーーー?!」 図解付きでノリノリで解説する二人を見上げながら、れいむは瞳に 涙を滲ませてそう叫んだ。そしてれいむのそんな姿を見下ろしながら 少年は底意地の悪い笑みを浮かべる。 「えーマジ? ジャッカル知らないの?」 「キモーイ」 「ジャッカル知らなくて許されるのは小学生までだよねー」 「ぞんなのじっでるわげないでじょーーー?!」 何故か女子校生チックな喋り口になる二人を見上げるれいむの慟哭が 響く。しかし時既に時間切れ、後のカーニバル。覆水は盆には帰ない。 少年はぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁーっ! と歓喜の叫びを上 げながら、ケーキを掴み上げて言われなくてもスタコラサッサと走り 出す。 「ゆ゛ぁー! でいぶのげーぎざんもっでがないでねーーー?!」 慌ててそう請いながら走り出すが、二足歩行生物が全力で逃げるのを 追えるほどゆっくりの体は便利にはできてはいなかった。見る見るう ちに距離を取られる。れいむは開けた差を必死に埋めようとあんよに 力を込めるが、無駄な力を入れすぎ、微妙なバランスを崩して盛大に すっころんでしまう。 全身の痛みに鞭打ってすぐに起き上がるが、その時にはもう少年の姿 は見えなくなってしまっていた。 「ゆ゛ぅーーー!! ゆ゛ぁーーーーん!!!」 れいむはその場に蹲り、嗚咽を漏らしながら考える。 何故こんな事に。れいむはただゆっくりしたかっただけなのに。3ヶ 月前に貰って、ずっと取っておいたおとっときのけーきさんを食べて ゆっくりしたかっただけなのに。 れいむはいくら考えてもどうしてこんな事になってしまったのか全然 わからないので……やがて考えるのをやめた。 その日の夜、少年は原因不明の食中毒に見舞われ病院送りになった。 おわり 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 このSSに感想をつける
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ゆっくりを飼うのが流行りだした 人々はその愛くるしさ(キモカワイさ?)からゆっくりを可愛がり ゆっくりもまた飼い主の愛情を受けてゆっくりした生活を送っていた 私の周りでもゆっくりを飼う人が増えた 友人の家にはゆっくりちぇんのケージがあり時折わかるよーと聞こえてくる そして別の友人はみょんを飼っていた 良種らしく「ゆっくりしていくみょん!」と挨拶された また、れいむとまりさを飼っている友人はぞうきんがけを覚えさせていた 働くことの充実さを教え込んだらしい ゆっくりありすを飼っている友人(女性)は「ちょっとおませな子なのよ」と語っている 中々ペットとして悪くないと思い始めた私も本日ゆっくりを購入するためペットショップを訪れた 「ゆゆ、おにいさんれーみゅをかってね!」 「わかるよーちぇんをかいにきたんだねー」 「ゆっくりしていってね!」 「みょん!」 中では様々なゆっくりが展示されている 値段を見ると手頃な一匹1000円(躾がキチンとできる方向け)から上は万単位の血統書付きまで様々すぎる 「当店では通常種は勿論変わったゆっくりも扱っております」 先ほど述べた4匹にぱちゅりーを加えたのが通常種だ この店では他にも扱っているのか 「例えばこのうーぱっく。れみりゃの亜種で中に他のゆっくりを入れて空を飛べます」 そこでは丁度だんぼーるのようなゆっくりが放し飼いされていた 中には確かにゆっくりが乗っており「おそらをとんでりゅよー♪」と楽しげな声をあげている 「他のゆっくりから好かれやすくギブアンドテイクで中に乗せたりします」 店主はそれが野生の知恵ですと付け加えた また、その隣のエリアではれみりゃとふりゃんがいた 「うー☆うー☆」 「うあー♪うー♪」 この二匹は確か捕食種のはずだが仲が良い 野生だとれみりゃはふりゃんに食べられているのだが 「当店では産まれたときから教育を施し種の垣根を越えてゆっくりできるゆっくりを扱っております」 確かに言われてみればこの二匹はまるで姉妹のようだ どうやら胴付きはいないみたいだ よくみるとゆっくりさくやとゆっくりめーりん、ゆっくりぱちゅりーもいる まるで紅魔館だ ゆっくりこぁというのもいたらしいが先日買いとられたらしい 「めーりん種は喋りませんが温厚で、何かを守る習性があります。そのため畑を野良から守ることも」 それは便利そうだ ウチに畑はないが と、そこで私は貴重なものをみた ゆっくりぱちゅりー、ゆっくりけーね、ゆっくりえーりんが話し込んでいる どうやら内容は他のゆっくりについてのようだ この三匹はゆっくりの中では賢く群に一匹は欲しいゆっくりだ ちなみにこの三匹には短所があり、ぱちゅりーは病弱、けーねは少々頭が硬く満月には気が立っているらしい そしてえーりんはと言うと、何故かゆっくりかぐやと一緒にいることが多くかぐやの世話ばかりするという 「他にもゆっくりちるのやゆっくりみのりこ、しずは、かなこ、さなえ、ケロちゃんがおります」 この店は希少種を取り扱っていることで有名であり、みすちーなどはどこかの合唱団が買いとっていったらしい 比べるのはイササカ吝かではあるが、希少種はそれぞれ特性を持っている 「品種改良で水の上で暮らすまりさなども」 が、私の目的は一つだ 「このゆっくりを一匹ください」 「ゆ?」 私が求めるのはこのゆっくりもこう 野生の場合一匹狼を気取るらしいがいざとなれば他のゆっくりを助けたりするいぶし銀なゆっくりだ ゆっくりもこうは少量であれば炎も出せるし他のゆっくりと比べて温かい 実は我が家は少々すきま風が吹くので寒いのだ もこうがいれば温かくなるかもしれない 「ゆっくりもこうですね、分かりました」 店主はもこうのケージを開け、持ち帰りようのケージに移す そして餌と水をケージに供える 私は代金の5万円を支払いもこうを受け取る どうやらもこうは買われることが嬉しいらしく 「ゆっくりしていってね!」と喜んでいる 店を出るときには他のゆっくりに 「ゆゆ~おしあわせに~」 「むきゅぅ、がんばってね」 と見送られ店を後にした 「さて、よろしく頼むぞもこう」 「ゆ!」 ケージから若干熱気が伝わっておりこのもこうも素直で良い子のようだ こうして私のゆっくりライフが始まることとなった もこうを飼おう! その1 その2へ ゆっくり自ら私を買ってと懇願されると心が揺れてしまうよ… -- 名無しさん (2008-12-06 01 22 37) ゆっくりは天使 -- 名無しさん (2010-11-25 17 36 42) 本物のもこたんをくれ!! -- 名無しさん (2011-04-27 19 30 33) 私もゆっくり欲しいな♫ -- 名無しさん (2011-12-30 16 24 36) ケロちゃん?ああ、すわこか。 -- 名無しさん (2012-07-26 19 42 08) 名前 コメント
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 その日、都内のとある一軒家で、余りに哀しい闘いが勃発していた。 「これはれいむのおやつだよ!」 「うっせー! 半分くらいよこせ!」 そのゆっくりれいむと少年は、一つのケーキが乗った皿を必死に取り あっていた。饅頭相手に必死になっている少年は、人としてのプライ ドなど欠片も見て取れない、あまりに哀れな姿をしていた。 「前から思ってたんだがお前の顔むかつくんだよ!」 「ゆがー!」 そしてとうとうケーキの皿を巡っての諍いはとうとう殴り合いの喧嘩 にまでハッテンしてしまった。 「ふっ!」 少年は膝を落とし、片手を床につけて右足を軸に、床の上を薙ぎ払う ような低空の回し蹴りを放つ。れいむはニヒルな笑みを浮かべながら その場で軽く跳躍し、蹴りを避わす。少年は舌打ちをしながら蹴り脚 を引き―― 「なっ?!」 その脚にもみ上げを絡みつかせ、足を引き戻す勢いを利用して一気に 距離を詰めてきたれいむの姿を見て驚愕の声を上げた。 少年は慌てて床につけていた手を戻し、その場に尻餅をつきながらも れいむを押し戻すように顔面目掛けて掌低染みた平手打ちを入れる。 「ゆぶぅ!」 さすがに空中では避ける事ができず、れいむの顔面から小気味のいい 音がし――同時に、少年の全身に稲妻が走るような鋭い痛みが襲った。 「?! ッ、ァ……?!」 肺が引き攣り、呼吸すら満足に行えず、少年は床に投げ出される。 横たわる少年の目に入ったもの。それは、れいむのもみあげが少年の 掌の一箇所をほんの軽く押さえて、ニヤニヤと笑っているその姿だっ た。 人体の経絡を用いた骨子術。非力なゆっくりであるれいむが人と対等 に戦うために得た技術である。 「ぐーりぐーり」 「アヒッアヒィィイ! 痛ァィィィィィィ!!」 赤子の手を捻るように少年の未熟な体を弄ぶれいむ。少年はただ不規 則に訪れる苦痛に喘ぐばかりであった。 もみあげで少年の体をつつくれいむ。 口から泡を噴きながら虚ろな目で叫ぶ少年。 それを見下ろしながらドン引きしている少年の友人。 ……………………。 少年は痛む身体にムチ打って、首をぐりんと横に曲げた。 「助けろ!」 そして渾身の力を振り絞って叫ぶ。少年の友人は一瞬だけ凄まじく嫌 そうな表情を浮かべてから、勝ち誇った顔のれいむにそっと脚を添え て優しく転がすように蹴りつけた。 「ゆぅー?!」 れいむは困惑し蹴られた勢いのまま横に転がり、そのまま隣の部屋ま で転がっていった。 少年はびくんびくんと痙攣する体に鞭打って、友人に微笑みかける。 「フッ、助かったぜ」 「きめぇ」 「ゆぅー! どうしてじゃまするのー?!」 と、そこへ先程向こうまで転がっていった。れいむが怒りながら戻っ て来る。少年はヒェエと上ずった悲鳴を上げ、友人の体を盾にする。 「待てれいむ! 暴力で物事を解決するなんていけない事だぞ!」 「ゆ?! だっておにいさんがさきにてをだしてきたんで……」 「暴力は何も解決しない! ただ新たな争いを生むだけだ!なのにど うしてお前はそうやって戦う事ばかり考えるんだ」 「だっておにいさんがさきに……」 「馬鹿! 馬鹿! あんこ! 志半ばに死んでしまったまりさの最期 の言葉を思い出せ!」 少年がそう言うと、れいむがハッと目を覚ましたような顔をする。 同時に、少年の脳裏にもあの時の情景が想起されていた…… 『おにいさん? れいむ? じょ、じょうだんなんだぜ? まりさは たべられないんだぜ? だ、だが……だがら……ぞんなめでみるのは やべるんだぜぇーーーーー?!』 「死んでいったまりさのためにも、暴力を振るうのはやめるんだ」 「ゆぅ、れいむがわるかったよ」 「れいむ……」 「おにいさん……」 そして熱く握手を交わす二人。人間とゆっくりという異種族間に生ま れた奇妙な友情を、友人は冷めた目で見下していた。 「というわけで、ここは一つ平和的にじゃんけんで勝負して買った方 がケーキを手に入れる事にしよう」 「だからそもそもそれはれいむのけーき……」 「馬鹿! まだそんな事を言っているのか! 死んだまりさがその日 の朝に言っていた事を思い出せ!」 れいむの身勝手な主張を聞いた少年は瞳を涙で滲ませながらそう叫ん だ。少年とれいむの胸中にあの日のまりさの記憶が蘇る。 『もう! どこをたべたらいちばんおいしいのかなんてそんなぶらっ くなじょーくはやめるんだぜ! えっ、じょーくじゃない? だから そんなぶらっくなじょーくはゆっくりできないんだぜ!』 「まりさのあの言葉に報いる為にも、そんな我侭を言っててはいけな いんだ!」 「ゆぅ、しかたないからじゃんけんでしょうぶするよ」 こうして解りあった二人は固く握手を結び、友人は適当な所にタンを 吐き捨てた。 こうして二人のじゃんけん対決が始まった。手の無いれいむには代わ りにグー、チョキ、パーの絵が描かれた三枚の札が渡されている。最 初は両面に絵がかかれたものを使わせようとしたが、れいむから「そ れじゃおにいさんにだすのがばれちゃうよ!」との指摘があったため 片面だけに絵が書かれた物を、絵が描かれた面を下にして使う事にな った。 にらみ合い、熱く火花を散らす二人。 そして、 「「じゃーんけーん」」 声をあげ、れいむが床に置かれた絵札を咥え、少年が高々と拳を振り 上げ―― 一瞬の後、二人の勝負手が相対した。 「ちょき!」 「ジャッカルゥッ!」 ………… 「ゆ、ゆ?」 れいむは、その見た事の無い異様な手の形(どことなく犬に似たよう にも見えなくはないかもしれない形。じゃんけんにも関わらず何故か 両手を使っている)に戸惑い、思わず口から絵札を落とした。少年は そんなれいむを見下ろして勝ち誇った表情を浮かべている。 「なにそれ? ゆっくりせつめいしてね?」 少年の顔色を見て不安になったれいむがそう問いかける。少年は一度 ふんっと鼻を鳴らすと、後方に控えていた友人に目配せをしてから口 を開く。 「ジャッカルはチョキの五倍の威力があるんだ!」 「あぁ。パーはもちろんチョキもひとたまりもないぞ!」 「どぼじでぞんなのがあるのーーー?!」 図解付きでノリノリで解説する二人を見上げながら、れいむは瞳に 涙を滲ませてそう叫んだ。そしてれいむのそんな姿を見下ろしながら 少年は底意地の悪い笑みを浮かべる。 「えーマジ? ジャッカル知らないの?」 「キモーイ」 「ジャッカル知らなくて許されるのは小学生までだよねー」 「ぞんなのじっでるわげないでじょーーー?!」 何故か女子校生チックな喋り口になる二人を見上げるれいむの慟哭が 響く。しかし時既に時間切れ、後のカーニバル。覆水は盆には帰ない。 少年はぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁーっ! と歓喜の叫びを上 げながら、ケーキを掴み上げて言われなくてもスタコラサッサと走り 出す。 「ゆ゛ぁー! でいぶのげーぎざんもっでがないでねーーー?!」 慌ててそう請いながら走り出すが、二足歩行生物が全力で逃げるのを 追えるほどゆっくりの体は便利にはできてはいなかった。見る見るう ちに距離を取られる。れいむは開けた差を必死に埋めようとあんよに 力を込めるが、無駄な力を入れすぎ、微妙なバランスを崩して盛大に すっころんでしまう。 全身の痛みに鞭打ってすぐに起き上がるが、その時にはもう少年の姿 は見えなくなってしまっていた。 「ゆ゛ぅーーー!! ゆ゛ぁーーーーん!!!」 れいむはその場に蹲り、嗚咽を漏らしながら考える。 何故こんな事に。れいむはただゆっくりしたかっただけなのに。3ヶ 月前に貰って、ずっと取っておいたおとっときのけーきさんを食べて ゆっくりしたかっただけなのに。 れいむはいくら考えてもどうしてこんな事になってしまったのか全然 わからないので……やがて考えるのをやめた。 その日の夜、少年は原因不明の食中毒に見舞われ病院送りになった。 おわり 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 このSSに感想をつける