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前 ※人間、妖怪等は出てきません ※俺設定あります ※某ゆっくりがとても美化されております 春も中盤にさしかかった。まりさの子供達は順調に育っている。 まりさと同じく、普通のゆっくりでは考えられないほどのスピードで成長していた。 今では既に全員大人ゆっくり並みの大きさになっている。 この一ヶ月余り、まりさ親子は不幸に見舞われながらもその度生還した。 ある時は発情していたありす達に襲われてはそのコミュニティを壊滅させた。 ある時は牙を剥いてきた数匹の体無しれみりゃを難なくやっつけた。 ある時は周りのゆっくり達に迷惑をかけていた体長2mほどもある巨大ゆっくりを倒した。 皆で力を合わせれば怖いものなんて無い。自分達は無敵だ。 何度もやってくる危機は、まりさ達に過剰ともいえる自信を与えていた。 そんなある日の事。 まりさ達親子は草原でかけっこをしたりお昼寝したりしてゆっくりしていた。 そして日も沈みかけたころ、まりさの耳にこの世で最も憎い声が聞こえてきた。 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 忘れることなど出来ようか。 それはかつて幸せだった自分達の家族を引き裂いた存在。 声のした方向にまりさは目を向ける。 そこにはあの日と同じように、にこにことした笑顔を浮かべる体つきれみりゃがいた。 勿論、以前とは違う個体だろう。だがまりさはその姿を見るだけで、心の奥から憎しみが湧きあがってくるのを感じた。 「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~! おまえたちはれみりゃのでぃな~になるんだどぉ~☆」 両手を天に掲げ、れみりゃはまりさ達に向かってくる。 以前と同じ光景。母を失ったあの時と。 だが自分はあの時とは違う。あれから沢山の出来事を体験した。 何度も何度も死にかけたし、家族を持ち幸せな時間も過ごした。 体も大きく強くなったし、自分と同じぐらい強く逞しい子供達もいる。 いくら体付きれみりゃであろうと、自分達が力を合わせればどんなゆっくりにも負けはしない。 まりさはそう信じている。 「ゆっ! みんな! あのれみりゃをやっつけるよ!」 「「「ゆーーー!」」」 まりさの掛け声を号令に、子ゆっくり達は散らばり、れみりゃを取り囲む。 それが何を意味しているのか、れみりゃのお馬鹿な頭では全く理解できない。 「う~? あそんでないではやくれみりゃのでぃな~になるといいどぉ~!」 れみりゃは一番近くにいた子まりさに手を伸ばした。 非常にゆっくりした動作。故に子まりさはそれを難なく避ける。 そして空いたれみりゃの脇腹へと勢いよく体当たりした。 ドガッという音と共にれみりゃの顔が苦痛に歪む。 「う゛あ゛~~~!! い゛だいどぉ~! な゛にずるんだどぉ~~!!」 突撃した子まりさは再び元の位置へと戻り、体勢を立て直す。 それからは同じような事の繰り返しだった。 れみりゃの空いた背中や脇腹へまりさ達は体当たりをし、そして定位置へ戻る。 実に単純な攻撃。だが頭の悪いれみりゃ相手には効果的な戦法だった。 何度か繰り返すと、漸くれみりゃの体に負担が来たようで、彼女はその場に膝をついた。 ぜーはーぜーはーとれみりゃは息を荒げている。 その様子を見てまりさは再び子供達に号令をかけた。 「ゆ! いまだよ! みんなでとびかかるよ!」 周りを囲っていた子まりさ達が一斉にれみりゃへと飛びかかる。 不意打ちを食らったれみりゃはその衝撃でうつぶせに倒れた。 まりさ達はそのままれみりゃの体へと飛び乗り、体重をかけてプレスする。 「う゛あ゛~! や゛め゛る゛んだどぉ~~!!」 れみりゃが手足をジタバタさせて暴れる。 その力はとても強く、まりさ達は体から跳ね飛ばされて地面へと着地した。 だがれみりゃが立ち上がる前に再びその体へ乗って飛び跳ねる。 しばらく繰り返すと、れみりゃは疲労と痛みが蓄積したのか、横たわったまま全く動かなくなった。 息はしているので死んではいないようだ。 まりさ達もまりさ達で既に満身創痍だった。 途中何度か、れみりゃのジタバタ攻撃によって子供達もダメージを受けてしまっていた。 攻撃を受けた部分がへこんだり痣になったりしているが、幸い命に別条はないようだ。 「うぅ…いたいよぉ…!」 「だいじょうぶ!? がんばったね!」 一対多数とはいえ相手は捕食種、それも最上位にランクする体付きれみりゃである。 いくらまりさ達が進化したとはいえ、誰一匹も死なずに済んだのは幸運としか言いようがない。 まりさは子供達を励ましたあと、近くの木にあった太く長い蔦を数本れみりゃに巻きつけた。 無事な子供達にも手伝ってもらい、身動きできないようにしっかりと結びつける。 「う゛~! これをほどくんだどぉ~! さもないとたべちゃうどぉ~!」 話せる程度に回復したれみりゃは体を動かそうとするが、足首までしっかり結ばれているため全く身動きできない。 移動する事も出来ないので、まりさ達を食べることはできない。 とうとうあの体付きれみりゃをも倒せるようになった。力を合わせた自分達は無敵だ、とまりさは思う。 それと同時に優しい母の顔を思い浮かべ、涙を流した。 お母さんの仇はとったよ、と。 思えばあれから色々な事があった。何度も何度も辛い経験もし、その度に自分の無力さを嘆いた。 だがこれからはもう大丈夫だ。自分達に怖いものはない。 早くゆっくりプレイスを見つけて、可愛い子供達と一緒にゆっくりと暮らそう。 と、そこでまりさはお腹がすいているのに気が付いた。 「ねー、おかあさん。おなかすいたよ!」 「なにかたべものをさがそうよ!」 子供達も先程の戦いで疲れたのか、空腹なようだ。 とは言っても周りに食べ物は無い。 やはりこれから探しに行かなければならないか、と思ったところでまりさはいい匂いがすることに気づいた。 食欲を刺激する肉の香り。それはどうやられみりゃから発せられているらしい。 少しためらったが、まりさは試しにれみりゃの指を食べてみた。 「う゛あ゛ーーーーー!! や゛め゛る゛んだどぉーーーー!」 刹那、まりさの口内に肉汁が染み、具の肉まんの旨みが広がった。 何て美味しいんだ! まりさは子供達にもれみりゃを食べてみるように言った。 最初は恐る恐るだった子供達も、一口れみりゃの一部を口に含むととても幸せそうな顔になる。 「「「「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」」」」 まりさ達の合唱と、れみりゃの悲鳴が周囲に響いた。 蔦で縛っている部分を避けながられみりゃを食べていると、まりさはある事に気が付いた。 何と、食べて無くなったれみりゃの体の部位が再生してきたのだ。 「ゆ! すごいよ! すぐにもとどおりになるよ!」 「これならいくらでもたべられるね!」 むしゃむしゃと再び生えてきたれみりゃの部位を食べるまりさ達。 食べられては再生し、再生しては食べられるという恐ろしいループへと陥ったれみりゃは泣き叫ぶしか出来ない。 それからまりさ達はお腹いっぱいになると、そのままゆっくりと眠り始めた。 こんなところで堂々と眠っていたら捕食種が襲ってくるかもしれないが、それでも自分たちならば負けないという自信があった。 しばらくすると、まりさは大きな叫び声で目を覚ました。 どうやらその声は縛られているれみりゃが出しているものらしい。 どういうわけか、れみりゃは元々不細工な顔をさらに涙でぐしゃぐしゃにしながら泣き叫んでいた。 「う゛あ゛ーーーーー!! はやぐれみ゛り゛ゃをじゆう゛にするんだどぉーーーー!!」 その声はいつもの呑気な様子はなく、切羽詰まった声色である。 恐らく先程の出来事を思い出して泣いているのだろうとまりさは思った。 「むにゃむにゃ…なんだかうるさいよ」 「ゆー…おかーさん、どうしたの?」 れみりゃの悲鳴を聞いてまりさに続いて子供達も目を覚まし始めた。 まりさは子供達に起こしちゃってごめんねと言い、れみりゃには静かにして、と怒鳴る。 だがそれでもれみりゃは一向に叫び止む気配がない。 「うあ゛ーーーーー!! だずげでぇーー!! ごごがら゛に゛げるん゛だどぉーーーー!!」 「しずかにしてね! ねむれないよ!」 と、そこでまりさはおかしな事に気づいた。 れみりゃは先程の光景を思い出したか、またはこれからの事を考えて泣き叫んでいるのかと思っていた。 だがれみりゃは自分を見ていない。顔を上げ、遥か上空に視線を定めている。 一体何なんだ、とまりさが言おうとした瞬間――。 ゾクリ とまりさの背中に凄まじい悪寒が走った。 一刻も早くこの場から逃げ出したくなるような、刃物で体内を滅多刺しにされたような感覚。 れみりゃは何を見ているんだろう。 そう思ったまりさは自分も振り向こうとする。 だがゆっくりの本能が訴えかけていた。見てはいけない、さっさと逃げ出せ、と。 それでもまりさは何とかれみりゃの視線の先――自分の背後の夜空を見た。 まりさは三つの間違いを起こした。 一つ、さっさとれみりゃを処分しなかったこと。 一つ、あまりにも自分の力を過信していたこと。 そして――『それ』の存在を知らなかったこと。 れみりゃとまりさが見つめる先、美しく光を放つ満月を背に『それ』はいた。 煌めく金色の髪を風になびかせながら、『それ』は無機質な目で下界を見下ろしている。 見た目はれみりゃに似ている。しかし、れみりゃを出来損ないのぬいぐるみと例えるなら、『それ』はまるで職人によって精巧に作られた人形のようだ。 何よりその圧倒的な威圧感はれみりゃなぞには出せはしない。 ゆっくりの一種ではあるが体が存在し、その背からは一対の優雅に輝く羽が生えている。 れみりゃの匂いに惹きつけられ、やって来た『それ』――最強にして最凶の捕食種、ゆっくりふらんは今宵の獲物を確認すると二マリと口を開いた。 「ゆっくりしねっ!!」 その言葉が周囲に響くやいなや、空中のゆっくりふらんの姿が消える。 「ゆゆっ!? どこにいったの!?」 まりさが困惑していると、彼女の後ろから悲鳴が聞こえた。 「う゛ぎゃ゛ぁ゛ぁぁぁぁーーーーーー!! い゛だい゛どぉぉぉーーーー!!」 その声の主はれみりゃの様だ。恐る恐るまりさは振り返る。 そこで見た光景は。 「や゛べでぇ゛ぇ゛ぇ゛ーー!! ざぐやーーー!! ざぐやーーー!!」 「ゆっくりしねっ!!」 ふらんが後方かられみりゃの頭を齧っていた。ゆっくりふらんは一瞬にして地上まで急降下し、肉に噛みついたのだ。 真正面から見ているまりさの眼には、涙や肉汁でぐしゃぐしゃになったれみりゃの顔と、その頭を頂点から鋭い牙で削り、咀嚼する楽しげなふらんが写る。 それを見たまりさの背中に冷たいものが走った。 れみりゃは縛られているため身動きができず、ただただ泣き叫ぶことしかできない。 「あ゛あ゛あ゛ーー!! れみ゛り゛ゃはだべもの゛じゃな゛い゛どぉーーー!! ざぐやーーー!! だずげ」 「うるさいっ!!」 「ぶべ゛ぇっ!?」 ブチッ、という大きな音。それはふらんが齧りついていたれみりゃの頭部をそのまま力任せに胴体から引き千切った音だった。 「びぃぎゃあ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!?」 「うるさいれみりゃはさっさとしねっ!!」 ふらんは頭だけになったれみりゃを手に持ち直す。 既に元の三分の二ほどの大きさになった顔の正面から、彼女は大きく口をあけてそれを喰らった。 無数の細く、鋭い牙がれみりゃの顔面を一瞬にして削り取る。 くちゃくちゃとふらんが肉まんを噛む音が辺りに木霊した。 断末魔を上げる暇もなく、れみりゃはこの世のものではなくなった。 「あーーん」 と、ふらんは口を開けて後ろ半分だけになった頭部を両手で掲げ、絞るように力を入れた。 顔だったモノの断面から肉汁が滴り落ち、それを咽の奥へと導く。 「んぐっんぐっ…ぷはっ」 肉汁を完全に絞りとり、全て飲み終えてから水分の無くなった頭部を捨てる。地面に叩きつけられ、乾いた後頭部は粉々に砕けた。 唇の周りに付着した肉片や肉汁を紅い舌で丁寧に舐めとった後、ふらんは未だにピクピクと痙攣しているれみりゃの体を食べ始めた。 ほんの数分の出来事。しかし、まりさ達にとってそれは永遠とも感じる時間だった。 彼女たちの目の前であのれみりゃがなす術もなく見たことないゆっくりに食べられていった。 逃げなければならない。本能はそう告げるが体が動かない。 体を震わすまりさたちの目線の先では、ふらんがれりみゃの体をむさぼっていた。 まりさ達にとって恐るべき天敵だったものの四肢を引き裂き、胴体両腕と次々にその体内へ取り込む。 皮を齧りとり、中身を喰らい、肉汁をすする。 「けふっ、たべたべた」 最後に残った右足を食べ終え、満足そうにふらんは言う。彼女の前にはれみりゃを縛っていた数本の蔦しか残っていなかった。 ガクガクと本能的な恐怖で震えるまりさ達。 そして次はそんな彼女たちが標的にされることとなる。 「うー、まだたりない」 ふらんが体勢を整え、まりさ達に目を向けた。 それはまるで蛇と蛙。その場にいる時点で決着がついた、食う者と食われる者。 どんな生き物でも、自分の運命を受け入れるしかないと考えるような状態。 だがまりさは違った。今までの経験から、自信が付いていたまりさは今回も大丈夫だという確信があったから。 皆がいれば何も怖くはない。 怯えを捨てて勇気を振り絞り、まりさは子供達に言った。 「だいじょうぶだよ! まりさたちはつよいんだから! あんなやつ、かんたんにやっつけれるよ!」 母親の言葉に励まされ、子まりさ達も闘争心が燃え上がる。 そうだ、自分たちは進化した強いゆっくりなんだ。たとえどんな相手でも負けるものか、と。 「そうだよ! おかあさんのいうとおりだよ!」 「あんなれみりゃみたいなやつなんかにまけるはずないよ!」 れみりゃの時と同じように、まりさ達はふらんを取り囲む。 まりさ達は進化した。 れいむやありすは勿論、あの巨大ゆっくりや体付きれみりゃでさえも力を合わせた自分たちに勝てはしない。 それに、いくら見たことがないゆっくりだからって所詮大きさはれみりゃ程度しかないじゃないか。 だから今回もいつも通り、自分達は負けはしない。そう思っていた。 しかし――。 「しねっ!」 「ゆ゛ぶぅ゛っ!!!」 一匹の子まりさがふらんに飛びかかった瞬間、その体が鋭利な爪で引き裂かれた。 輪切りになって絶命する子まりさ。 高い再生能力を手に入れたといっても所詮はゆっくり、頭の中心部、中枢餡子が完全に破壊されてしまえば再生など出来なかった。 「ゆゆっ!?」 まりさ達は一瞬何が起こったのかわからなかった。 れみりゃの時のように誰が飛びかかり、相手の体がぐらついた時に全員で跳びかかれば簡単に倒せる。 まりさ達はそう思っていた。だから今目の前で起こった事を脳が処理できない。 そしてふらんの足元に転がり、ぴくりとも動かぬ子まりさを見て、まりさ達はゆっくりと理解した。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛さのこども゛がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「お゛ね゛え゛ぢゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃん!!」 「な゛んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ゛!!??」 スライスされた家族の姿を見てまりさ達は号泣する。 自分が生んだ可愛い子供。今までも、そしてこれから一緒にゆっくりしようと誓ったとても大切な家族。 それを失ったまりさの悲しみは大きく、次々と涙をあふれさせる。 その様子をふらんはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら見ていた。 まりさは涙を流しながらも般若のような形相になる。 「よ゛ぐもま゛り゛さのごども゛ををををををををを!!!」 我が子を殺され、怒り狂ったまりさがふらんに突進する。そのスピードは尋常ではない。 さらにこのまりさは皮が分厚く、中身も通常より重いため、その突撃の威力は恐ろしく高い。 「まりさのこどもをころしたやつはゆっくりじね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇ!!!」 怒涛の勢いでふらんへと体当たりするまりさ。 そのまま自分の攻撃でふらんは倒れるだろうとまりさは予測していた。 しかし、残念ながらその予想は外れてしまう。 「うー!」 「ゆっ!?」 ガシッとまりさの体は何の苦労もなくふらんに掴まれた。 「ゆー! ゆっくりはなしてね!」 まりさは何とか拘束から逃れようとするが、がっちりとホールドされていて全く動けない。 一体この華奢とも言える腕のどこにそんな力があるのだろうか。 「ゆっ! まりさをはなしてねっていってるんだよ!」 「あー、うるさい」 「ゆぶぶぶべっ!?」 ドゴッとふらんはまりさの頬を軽く殴った。それだけでまりさは意識が飛びそうになる。 今まで受けたことのないような威力の攻撃。 たった一発殴られただけでまりさの皮は破裂し、餡子が噴き出す。 さらにその衝撃が体内を波のように伝わり、激しい嘔吐感に襲われて口からも餡子を吐きだした。 ふらんはまりさを掴みながら羽を使い、宙に浮く。 そして勢いよくまりさを近くの大木の枝に突き刺した。 「あ゛ぎゃ゛ゃ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 芯がしっかりしている枝は、まりさの体を深々と貫通した。 何とか中枢餡子は傷つかなかったものの、体内を引き裂かれる痛みにまりさは声を上げた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい゛だい゛よ゛おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「おかあ゛あ゛さぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「まっでて、いま゛たすけであげるから!」 子まりさ達は身動きできない母に近づこうとする。 しかし、そんな彼女らの前にふらんが立ちはだかった。 そのドス黒い笑顔にはどんなゆっくりも怯えるしかないだろう。 だが子まりさ達は違った。 「ゆっ!? そこをどいてね!」 「おかあさんをたすけるんだから!」 子まりさ達とふらんが睨み合い、緊張が張り詰める。 とその時、この場に予期せぬ来訪者が現れた。 「う~! おいしそうなにおいがするんだどぉ~!」 「あのきからにおってくるどぉ~!」 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 緊張感の欠片もない声を上げながら低空飛行でやってきたのは、三匹の体付きれみりゃだった。 さっきの一匹といい、どうやらこの辺りにはれみりゃの巣があるらしい。 木に突き刺さったまりさの餡子の匂いに誘われてきたのだろう、その顔には何の危機感もない。 そしてまりさは思った。あの体付きれみりゃが三匹もいるならあの金色の化け物にも勝てるに違いない。 だからまりさはやって来たれみりゃ達に向かって叫んだ。 「れみりゃたち! そこのゆっくりをやっつけてくれたらまりさをたべさせてあげるよ!」 それを聞いた子まりさ達は困惑した。 何故お母さんはそんな事を言うのだろうと。 だが同時に、お母さんに何か考えがあるのだろうと思って黙っていた。 子供達の考え通り、まりさにの頭の中では既に計画が完成していた。 まず三匹のれみりゃにあの恐ろしい金髪のゆっくりを始末させる。 それから自分を食べやすいようにとの理由をつけて、れみりゃに木から下ろして貰ったところで奇襲をかけようと。 三匹もいるが、れみりゃなら倒すことができることがつい先程証明された。 子供達と力を合わせ、各個撃破していけば何とかなる。 それがまりさの考えだった。 「う~? そこのゆっくりってどれだ…ど…!?」 まりさの言葉を聞き、辺りを見回したれみりゃ達はそこで初めてふらんの存在に気が付いた。 刹那、れみりゃ達の体に恐怖が湧きあがって来る。 それは捕食種の中でもとても強い自分達をも喰らう究極の捕食種。 れみりゃ達は命の危機を感じ、普段なら有り得ないような高さまで飛び立った。 しかし、ふらんは目にも止まらぬスピードで先頭のれみりゃの前へと先回りする。 そして両手でれみりゃの手首をそれぞれ掴み、力任せに引き千切った。 「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い、い゛だいどおおぉぉぉぉぉぉ!!」 肉汁が飛び散り、地面へと降り注ぐ。 それを浴びながら、ふらんは千切り取った両腕を放り捨てると、右手をれみりゃの顔面へと突き刺した。 さらにれみりゃが悲鳴を上げる暇もなく傷口へと左手も抉りこませ、そのまま左右に引き裂いた。 顔を二つに裂かれた両腕のないれみりゃの死体が地上へと墜落し、グチャリと音を立てて潰れる。 休む暇なく、ふらんは別のれみりゃへと襲いかかった。 「う゛あ゛ーーーー!! ごわ゛いどぉーーーー!! ざぐやーー!! ざぐやーー!!」 何とか逃げようとするもふらんのスピードに敵うわけはなく、あっさりと捕まって羽を毟り取られた。 飛ぶための機能を失い、バランスを崩したれみりゃは先程のれみりゃと同じように落下し始めた。 だが幸いにもこのれみりゃは飛行していた高度が低かったため、そのまま落ちたなら命は助かりそうである。 「うー♪ なんとかたすかりそうだどぉ~~♪」 そのまま落ちたなら。 「う゛あ゛っ!?」 「うー♪」 落下しているれみりゃの後頭部へと、ふらんは足を乗せた。 そのまま体重をかけ、地上へと墜落する。 地面とふらんの足に挟まれたれみりゃの頭は潰れ、肉まんの具を周囲に飛散させた。 ふらんは潰れた頭部から足をどけ、れみりゃの体からまだ温かい右手を引き千切って再び飛翔した。 残るれみりゃはあと一匹。 その最後の生存者は顔をぐしゃぐしゃにして必死にこの場から遠ざかろうとしている。 しかし努力空しく、すぐにふらんに追いつかれ、その手に持っていた仲間の右腕で頭を思い切り殴打された。 「う゛あ゛゛ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い゛だいっ! でみり゛ゃのぷりぢーなあ゛だまがぁぁぁぁーーーーーー!!」 頭がへこみ、ショックと痛みで声を上げるれみりゃ。 そんな彼女の胴体を、ふらんは両手で掴んで飛行する。 その目的地は一本の大木、そこから突き出ている太い枝だった。 「う゛あ゛ーーーーーー!! やっ、やべべべべべっっ!!」 最後まで言い終わらぬうちに、れみりゃの顔面に枝が突き刺さった。 鋭く尖った枝はそのままれみりゃの体内を楽々と通り続け、股間から貫通する。 「れみりゃのくしざしいっちょうあがり♪」 ピクピクと動くれみりゃの右足をもぎ取る。それを食べながら、ふらんはまりさ達の近くへと戻って来た。 一部始終を見ていたまりさ達は先程より大きくガクガクと体を震わせている。 木の枝に突き刺さっているまりさはもとより、子まりさ達もあまりの恐怖に動くことが出来ない。 あのれみりゃを一瞬にして三匹も屠り去ったゆっくりふらん。 圧倒的な力による一方的な虐殺。 まりさ達は漸くその恐ろしさと力の差を真に理解した。 ゆっくり、ゆっくり、とふらんは不敵な笑みを浮かべながら子まりさ達との距離を詰める。 「う゛…う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 金縛りが解けた子まりさ達は一斉にバラバラに逃げた。 体を震わせながらも、それを見ていたまりさはいい考えだと思った。 いかに強くても相手は一匹だけ。様々な方向に逃げだせば助かる可能性が高い。 運悪く標的にさたなら命はないだろうが、全滅するよりはましだ。少しでも多くの子供に生き残って欲しい。 だがその願いも無残に打ち砕かれる。 「しねっ!」 何と、ふらんが掛け声をあげた直後、その体が四つに増えたのだ。 これぞゆっくりふらんの特性。自分の分身を三匹まで作り出すことが出来る。 四匹のふらんはそれぞれ素早く移動し、四方から子まりさ達を取り囲んだ。 ガチガチと歯を震わせ、子まりさ達は涙を流す。 と、その中の一匹が勇気を振り絞って言った。 「お、おまえなんてこわくないよ! まりさたちがちからをあわせればまけるはずないもん!」 声は震えていたが、その言葉で子まりさ達は皆勇気を出し、それぞれ捨て身の思いで数匹ずつ目の前のふらんへと飛びかかった。 そして――。 「うー、しねっ! しねっ!」 まりさ達は進化した。 だが悲しきかな、そんなことは彼女たちの目の前にいる怪物には全く関係がなかった。 ゆっくりふらんとゆっくりまりさ。両者の差は数字で例えると1と0。それは極めて近く、それと同時に果てしなく遠い距離。 どれだけ強くなっても、どれだけ餡子の質が良くなっても、どれだけ数が多くても、それが自然から生み出されたものである限り、 ゆっくりまりさがゆっくりふらんを超えるなど不可能だ。 0が何倍になろうとも、0がどれだけ集まろうとも、『1』という最小の数字さえ超えることが出来ないのだから。 ある子まりさは地面に叩きつけられ餡子を飛び散らせて死んだ。 ある子まりさは顔の中心部から引き裂かれて死んだ。 ある子まりさは勢いよく踏みつけられて死んだ。 ある子まりさは顔の上半分を噛み千切られて死んだ。 ある子まりさは餡子をじわじわ吸い取られ、皮だけになって死んだ。 ある子まりさは―――。 死因は様々。だがその全てに共通しているのは即死ではなくゆっくりゆっくりと死んだことだ。 ふらんは子まりさ達をすぐには殺さず、だからといって生き残ることは出来ないぐらいの絶妙の力加減で攻撃していたのだった。 そのどれもこれもが中枢餡子を破壊され、再生もできなくなっていた。 これがゆっくりふらんの性格。獲物を出来る限り痛めつけて殺すという恐ろしき習性。 「い゛だい゛い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! や゛め゛でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「どぼじでごんな゛こどにな゛っだの゛おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ぐべっ……ゆ゛ぐべべべべ…っ…」 「ああ…あ゛あ゛…」 まりさは滝のように涙を溢れさせてその様子を見てることしかできなかった。 目の前で次々と子供達が無残に殺されていく。絶望がまりさを覆い、もう叫ぶこともできない。 もういい、このまま死んでしまいたい。 思考するのをやめ、意識が深い闇へと沈み始めたその時。 「い゛や゛あああぁぁぁぁ!! お゛がぁざぁぁんたすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 その言葉にはっと我に返るまりさ。 見れば、最後の一匹となった子まりさをふらんが右手で掴んでいた。 ほとんど大人ゆっくりと同じ大きさの子まりさはふらんの片手に収まるような大きさではない。 だがふらんの圧倒的な握力によって体をねじ曲げられ、無理やり手の中に押し込まれていた。 既に周囲に分身はおらず、元のふらん一匹だけに戻ったようだ。 「もうさいご。つまらない」 「おがぁぁぁぁぁぁざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 泣き叫び、自分を呼ぶ愛しの我が子。その声にまりさの中に再び気力が燃え上がった。 ふらんは徐々に握る力をあげていく。 子まりさの表皮が黒ずみ、今にも目や口から餡子を吹き出しそうだ。 「ゆっくりしね――」 「まって!!」 突然のまりさの声にふらんは力を加えるのを止める。結果、ぎりぎりで子まりさは握り潰されずに済んだ。 ふらんはギロリと目をまりさに向ける。 その眼光にまりさは背筋が震えたが、何とか声を絞り出した。 「ま、まりさはどうなってもいいから、まりさのこどもをにがしてあげてね!」 状況は圧倒的に不利。というより有利不利などというものは無い。相手は一方的な惨殺者、こちらの言うことなど聞く必要はない。 しかしそれでもまりさは言った。自分は死んでもいいから子供だけは生き残って欲しい。 たとえどれだけ確率が低くても、可能性があるならそれに賭けてみたかった。 ふらんは考えるように沈黙し、暫くして口を開いた。 「いいよ、ちびはにがしてあげる。やくそくする」 それはまりさにとって信じられない言葉。しかし、確かにふらんはそう言った。 まりさは喜びで飛び上がりそうになったが、同時にあまりに上手くいきすぎるとも感じた。 「ぜったいだよ! やくそくだからね!」 「だいじょうぶ、やくそくはまもる」 そう言ってふらんは子まりさを握る右手を緩めていく。その手つきは優しく、先ほどまでの荒々しい様子はない。 それに安堵したのか、まりさの顔に笑みが浮かぶ。 さらにふらんは空いている左手でまりさの刺さっている枝を根元から折り、そのまままりさを地面へと置いた。 子まりさは寂しそうな顔をしているが何も言わない。いや、言えない。 完全にふらんの手から握力が無くなり地面に落ちると、最後の子まりさは親の元へと駆け寄った。 「ゆー…おかあさん…」 「おかあさんはだいじょうぶだよ! でも、これからはいっしょにいられないからひとりでいきてね! まりさのこならだいじょうぶだよね!?」 暗い表情の子供に対して、まりさは少しでも元気を出してあげようと笑いながら明るい声で言う。 「うん…、まりさがんばるよ!」 それに励まされ、少し表情が明るくなる子まりさ。 親子は頬を擦り合わせて、最後になるであろう抱擁を交わす。 その様子をふらんは微笑みながら見ている。今度は純粋な、まったく害のない笑みだった。 そんなふらんの笑顔を見てまりさは完全に安心した。良かった、もう子供は大丈夫だ、と。 しかし、まりさは気付かない。優しく微笑むふらんの口から、わずかに緑色の光が漏れているのを。 「ゆっ…じゃあそろそろいくね!」 子まりさは決心した。 おそらくもう母親には会えない。でももう大丈夫だ。母が助けてくれたこの命、大切にしよう。 子まりさの言葉に、まりさは無言で、しかし力強く頷いた。 子まりさは背を向け、数歩進み――勢いよくふらんの口から放たれた弾幕が直撃し、爆散した。 辺り一面に飛び散る餡子。その破片がまりさの頭にべったりと張り付く。 おそらく子まりさは自分が死んだ事も認識できずにその生涯を終えただろう。 まりさは何が起きたのかわからない。 自分の子供はどこにいったのだろう。何故ふらんは楽しそうに口を開けているのだろう。 一体この顔にかかった黒いものは何なんだろう。 そして降りかかった餡子が顔を伝い地面に落ちた時、まりさは漸く理解した。 「どぉぉぉじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! や゛ぐぞぐはま゛も゛るっでいっだのに゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「やくそくはまもった。 ちびをにがしてあげた」 「でぇぇぇぇぇも゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 その言葉にゆっくりふらんはとびきりの、悪意の塊のような素敵な笑顔で答えた。 「でも…ふらんはちびをころさないとはいってない♪」 「う゛…う゛あ゛…」 まりさは震え、そして爆発した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! じね゛っ!! じね゛っ!! ゆっぐり゛じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇ ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!こ゛ろ゛す゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! こ゛ろ゛し゛でや゛る゛っ!! じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 まりさが動けないことなど関係なく、その場にいたものならどんなゆっくりでも、 例え捕食種のれみりゃであっても逃げ出すであろう、怒り、憎しみ、絶望…あらゆる負の感情を孕んだ咆哮。 だがゆっくりふらんは全く物怖じすることなくケタケタと笑っている。 当然だ。いくら負の感情をかき集めたとしても、そんなものは本物の純粋な悪意の前では何の意味もなさない。 「さて、そっちもやくそくをまもってもらうよ」 そう言うと、ふらんは呪詛を吐き続けるまりさの底面からその体を貫通している太い枝を抜き取った。 ぐちゃぐちゃと音をたて、枝がまりさの体内を通過していく。 「ひ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 体を内部から引き裂かれるような痛みがまりさに走る。そして数秒後には彼女は空を飛んでいた。 ふらんはまりさを帽子の上から鋭い爪を食い込ませて固定させている。 飛翔してから数秒後、枝が貫通していた穴が早速再生し始める。それを見たふらんは新しいおもちゃを見つけた子供のような顔をした。 悪意が充満した純粋な瞳をキラキラと輝かせている。 「すごいすごい、まりさなのにかいふくする」 「はな゛ぜぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「あー、うるさいなぁ」 そう言うとふらんは指でまりさの右目を貫いた。そのままぐりぐりと指を回し、少し曲げて引っこ抜く。 ボコリと音をたて、まりさの目玉がえぐり出された。空洞となった部分から餡子が漏れだす。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ま゛り゛ざのめ゛がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 無くなった右方の視界。残る左目には自分の目玉を食べるふらんが写る。 頭の片隅で、そう言えば以前もこんなことがあったな、とまりさはどこか冷静に考えていた。 あの後はぱちゅりーに出会ったっけ…。 それをきっかけに、これまでの記憶が次々と浮かんでは消えていった。 母に祝福されて生まれた。可愛い妹達と一緒に旅をした。美しい妻と出会い、自分の家庭を持った。 そしてそれらはすべて壊された。その後に出来た子供も、今自分を掴んでいるこの化け物に全て殺された。 どうしてこんなことになったんだろう。自分はただゆっくりしたかっただけなのに。 しばらくするとまりさの右目は再生し始め、五分もすると元通りになった。 「うー、おもしろい♪」 今度は右手の指をVの字にし、まりさの両目に突き刺すふらん。 痛みと視界が無くなった恐怖でまりさは絶叫する。中途半端に高い再生力のせいで気絶することも出来なかった。 あと数分もすれば失った両目も完全に元通りになるだろう。 美しく輝く満月を背に、ゆっくりふらんが夜空を舞う。 その手に持つは両の目の無いゆっくりまりさ。 それからまりさにとって地獄のような日々が始まった。 ふらんの巣の中に動けないように固定され、何度も何度も痛めつけられる。 ある時は髪を千切られ、ある時はおやつとなり、ある時は両目や口を引き千切られ、それでもその度に体は再生して元通りになる。 こうしてまりさはその命が終きるまでゆっくりできることなどなく、ふらんのおもちゃとなるのだった。 終わり あとがき ふらんちゃんの すごい 無双。 前中編で影も形もなかったのでオチはバレバレだった気がしますが。 あまり捻った話が書けなくてごめんなさい。 こんな長い駄文を最後まで読んでくださった読者様、有難うございます。 どうでもいい質問コーナー Q.これ別に進化させなくても、普通のまりさで良くない? A.ぶっちゃけ強さよりも再生力が欲しかっただけです。 Q.何でゆふらんが普通に喋ってるの? あと厨スペックすぎね? A.かわいいから仕方ない。 今まで書いたもの それいけ! ゆっくり仮面 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~ お兄さんの逆襲 前後編 ゆっくりれいむの悪夢 あるゆっくりまりさの一生 前中編 by.ダイナマイト横町 このSSに感想を付ける
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注)今回は虐待要素が変な方向に向かってますw 僕はゆっくり改造お兄さん! 略してゆ改お兄さんだよ! 僕はゆっくりを直接改造して良個体にする仕事をしてるんだ! 今日はゆっくりを改造するところを見せてあげるよ! ここは僕の働く研究所! ここでゆっくり改造をしてるんだ! 早速僕の作品を見せてあげよう! まずは「絶対にれいぱーにならないゆっくりアリス」 「ゆー!お兄さんはとかいはねー!」 このアリスはどれだけ振っても振動を与えてもれいぱーにならないんだ! 試しにやってみるよ!」 ブンブン! 「ゆー!れいぱーは全然とかいはじゃないわー!!」 「ね!れいぱーにならないでしょ!」 作り方は簡単!発情しにくいゆっくりれみりゃの中身をごく少量スポイトで取り出してアリスに打ち込むだけ! 他にも「プリンの嫌いなれみりゃ」! 普通なられみりゃはプリンが欲しくて駄々をこねることがあるでしょ? でもこのれみりゃは矯正してないのにプリンを欲しがらないんだ! 実際に見てみよう! 普通なら・・・ 「れみぃはぷでぃんが食べたいどーー!!!」 「ぷでぃんくれなきゃやだああああ!!」 うるさいから始末しとこうw 「うーーー!!!いぢゃいどおおおおお!」 「ちゅぶれるどおおおおお!!!!!」 ブチュッ! 気をとりなおして改造ゆっくりだと・・・ 「うーー!おにーさん!おかえりなさいだどー!」 「そうだ!プリンあげようか?」 「うー!れみぃにきをつかわなくてもいいどー!そのかわりに他のゆっくりにやさしくしてあげてほしいど ー! ね?賢いでしょ? 他にも「れみりゃと仲のいいゆっくりふらん」や「衝撃に強いぱちゅりー」などの作品をつくってるんだ! この作品で僕はお金を稼いでるんだ! 次は実際にゆっくりを改造しているところを見せてあげよう! 続く あとがき ついに長編としての作品作りをはじめました! いやーwどんなことも始めることはとてもすがすがしい気にさせてくれます!これからもよろしくお願いします! by No.13 P.S スパゲッティのナポリタンって日本で出来たんですよ!
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※ゆっくりがゆっくりでは無い生き物に変化させられています。 ※レミリアによる、ゆっくりふらん性的虐待。言い逃れできない18禁エロ。 ※冒頭から延々とエロシーンです。スカ要素ありのアナルものです。 ※同意じゃない性行為は性的虐待である、と言う拡大解釈の元に書かれました。 ※前編fuku1514.txt、中編fuku1665.txtの続きです。 ※エロシーンと非エロを分割しましたので「後編その1」と言う形です。 ※後編その2はエロ無しです。今回読まなくても内容通じるように手を入れてます。 ※ある意味ではレミリア虐めかも知れません。キャラ性格の俺解釈ひどすぎるので。 ※「美鈴と森のゆっくり」の後日談的な感じとなっておりますが、これ単独でも普通に読 めるようにしたつもりです……一応。 ※当然のように俺設定満載な感じです。 ※原作キャラもゆっくりも俺設定要素多大ですので、イメージと大きく違う場合もござい ます。ご注意ください。 読む このSSに感想を付ける
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「おりこうふらん」 庭で雀がさえずる、穏やかな朝。 両親や祖母はすでに食卓についていたが、妹は寝坊したらしく、慌ててやって来た。 家で飼ってるゆっくりふらんもぱたぱたとやって来る。 今日の朝食はトーストらしい。 私はご飯。 ホカホカとした香りが漂ってくる。 妹は勉強の愚痴をこぼしている。 もうそこまで進んだんだ。もう私には分かんないレベルだ。 こらこら、ふらんに振っても分かる訳無いでしょうが。 朝の団欒は早くも終わり、両親も妹も家を出た。 私は今日は家に居ることにした。 祖母はふらんと遊んでいたが、いつもの時間になると、出掛ける準備を始めた。 ふらんも同じだ。 二人は準備が終わると、いつもの場所に出掛けた。 私も後をつけて行く。 途中、鍵を締めたかどうか気になったけど、そもそも開けて無かった。 相変わらず、間抜けだなぁ、私。 二人はそこに着くと、黙って手を合わせた。 そして、辺りを綺麗にし始めた。 「ふらんちゃん、上手になったねぇ。」 「うー!ゆっくりし……」 ふらんはそこで、詰まり、涙ぐんだ。 「ゆっくり……しんじゃったぁ……。」 ごめんね。 ふらんのせいじゃないんだよ。 ゆっくり出来なかった私が悪いんだよ。 祖母がふらんをなだめて、二人は作業を続けていく。 私の名前を刻んだ御影石は、とても綺麗になっていた。 えーき様がいるから、きっと大丈夫!! 生まれ変われるとしたら、また人間?それともゆっくり? どちらでも、待っているのは幸せな未来。 -- ゆっけの人 (2009-01-01 10 33 03) 切ない……こういうのもいいですねぇ。 「私」の来世に幸あれ! -- 名無しさん (2009-01-01 17 46 09) 外の世界っぽいから映姫さまの管轄外なような・・・ -- 名無しさん (2010-11-26 19 10 48) 名前 コメント
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※○ちゃん「ぱられるぱられる、もうどうにでもなれ〜」 ※「僕はこうして〜」シリーズの無断クロスです。レイパーさん、ごべんなさい ※いじめは、うん・・・すまない、特にないんだ。正直作者の自己満足の境地です ※登場人物紹介とかはあとがきの後に記載しています 「おねーさん!すいか、ゆっくりにんげんさんにあいたいよ!」 きっかけは我が家で飼っている珍種ゆっくり、ゆっくりすいかのそんな一言。 ゆっくり人間とはすいか曰く、人間とゆっくりの間に生まれたナマモノで外見は人間と変わらないらしい。 が、身体の成分が一部ゆっくりのそれに類似しており、またゆっくりにエライ勢いで好かれるそうだ。 すいかはこんな馬鹿げた都市伝説をどこからか、恐らくテレビ辺りで仕入れ、なおかつその実在を見事に信じきっているらしい。 そんな生物学者がまた何人か発狂しそうなナマモノがいるはずも無いと言うのに、連日連夜会いたい会いたいと喚き続けるすいか。 私はずっと「居ないものとは会えない」の一点張りで押し通してきたのだが、結局彼女の執念に負けしてしまった。 「そんないきさつでれいむたちはゆっくりにんげんさんをさがしにおでかけをしているんだよ!」 「きょうはどんなゆっくりしたことがおきるのかな?!」 「ゆっくりにんげんさん・・・ゆっくりにんげんさん・・・ゆっくりしていってね!」 「アンタら、誰にナレーションしてる?」 左右の肩にれいむとまりさ、頭上にすいかという傍目には私こそゆっくり人間だろうと言わざる得ないような出で立ち。 それ以外はジーンズ、Tシャツ、白のコート、メガネと至ってシンプルなのだが人の顔の周りで騒ぐこいつらのせいで道行く人々の注目を意味も無く集めていた。 これが私の美貌のなせる業・・・であればどれだけ優越感に浸れただろうか。 しかし、現実というのは残酷なもの。 他の女性を圧倒しているものは胸くらいの私にそこまでの魅力はなく、行き交う人々の視線は私の顔の周りでゆんゆん歌っているゆっくり達に向けられている。 地元ならまだしも、見ず知らずの土地へ向かう電車の中では「何、あのゆっくり馬鹿」と言わんばかりの好奇の眼差しが少し痛かった。 「ということで、れいむたちはゆっくりにんげんさんのまちについたよ!」 「ゆっくりにんげんさんはみつかるかな?!」 「ゆっくりにんげんさん・・・すいかといっしょにゆっくりしようね〜〜〜〜〜!!!」 目的の駅に到着した時、また誰かに向けてナレーションをし始める我が家のゆっくりども。 近くに座っていた中学生のグループがクスクスと笑うのを一瞥し、電車を降りると、階段を駆け下りて、改札を後にする。 余談だが、すいかのおかげで無料で乗車できた。理由は言わずもがな。 この無意味にピンポイントなサービスは一体誰が得をするんだろうか・・・心の中でそう突っ込んだ直後に、自分が得をしていることに気付いた。 ゆっくり人間を探して訪れた街は一見すると何の変哲もない普通の街だった。 強いて特徴を挙げるとすればゆっくりが比較的浸透していて、飼いゆっくりや野良ゆっくりが平然と人々の隙間を縫うようにして通りを行き来しているくらい。 そのあまりの平凡さを訝しく思ったれいむは「ほんとうにここにいるの?」と首をかしげていたが、私がこの街を訪れたのには理由があった。 「ねえ、おねーさん?」 「んあ?」 「ほんとうにゆっくりにんげんさんはここにいるの?ゆっくりしたふつうのまちだよ?」 「ああ、多分ね」 この街にゆっくり人間がいると思った理由は至って単純。 私が勤めているゆっくりショップのバイト仲間にゆっくり人間について尋ねてみたところ、この街の名前が挙がったからである。 彼が適当なことを言っていたり、間違っている可能性もあるのだが、話を聞いた後に調べてみたらこの街には“ミスターゆんちぇいん”がいることが判明した。 「みすたーゆんちぇんってなあに?」 そう言って首をかしげたのはまりさ。 すいかもれいむも言葉の意味が理解できずに首をかしげている。 そんな訳で、私は彼女らに、私自身最近知ったその言葉の意味を説明してやった。 「ミスターゆんちぇいんって言うのは・・・ゆっくり関係で凄すぎる記録を残したせいでゆっくりカンパニーの人工衛星で常時監視されている人のことだよ」 もっとも、一介のアルバイトに過ぎない私では流石にその監視衛星の映像を見ることは出来ないし、眉唾もいいところではあるが。 「ゆゆっ!じゃあ、ゆんちぇいんさんはすごくゆっくりしてるんだね!れいむゆんちぇいんさんにあいたいよ!」 「まりさも!まりさも!」 ついでに彼らが時速5km以上で移動するとバッジに取り付けられた迷子防止用のGPSの座標が70mずれることも付け加えておいた。 すると、まだ何が凄いのかは一言も言っていないのにれいむ達は何か凄そうな人がいると聞いて大はしゃぎ。 そんな3匹の様子を見て、何が凄いのかを教えてあげた。 「ちなみにここのゆんちぇいんはゆっくりレイプギネス記録保持者ね」 「「「ゆげぇ!」」」 それじゃゆっくり出来ないよと言わんばかりの表情になった3匹は「かえろうよー!」などと言い出した。 が、「ゆっくり人間を探すんだろう?」の一言ですいかが立ち直り、れいむとまりさも巻き添えを食う格好ゆっくり人間捜索に参加させられる。 「にんげんさんのすっきりごわいよおおおお!」と泣き喚くれいむとまりさはなかなかに可愛かった。 そんなつまらないやり取りから数時間後。 何故か観光スポット巡りに興じてしまった私たちはゆっくり人間のことをすっかり失念していた。 気がつけば陽が沈み、弁当を買って立ち寄った公園には殆ど人影が見当たらない。 そんな静寂の中、ようやく見つけた私以外の人間は・・・ 「・・・・・・うへぇ」 「おねーさん!ここはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりしないでにげようね!」 長身の、ガタイの良い黒人の男性だった。 勿論、それだけならば驚くほどのことでもない。 問題は彼の、一糸纏わぬ生まれたままの姿にあった。 変態?危険人物?・・・普通に考えたら貞操の危機を感じるべきところなのだろう。 が・・・・・・ 「オー、ヤッパリタマニハゲンテンニカエッテオーソドックモイイモノデス」 「やべでえええええ!でいぶずっぎぢぢだぐないいいいいい!?」 「HAHAHAHAHA!」 その黒人男性はどうやらHENTAIお兄さん、もしくはゆっくりレイパーらしい。 HENTAIお兄さん・・・ゆっくりを性の捌け口にする異常性癖の持ち主の総称である。 流石に飼いゆっくりに手を出すようなことは稀だが、野良ゆっくりにとっては虐待愛好家に次ぐ脅威。 勿論、現物を、そして現場を目撃するのは私も初めてのことだった。 「・・・・・・そういえば」 流石にこの光景を平然と直視することは出来ないが、相手がゆっくりならとやかく言う事もないだろう。 そう思った私は、店の先輩から聞いた「レイパー同士は惹かれあう」という言葉を信じて彼にギネス記録保持者の居場所を聞くことにした。 彼がゆっくりれいむを犯している茂みから少し離れたベンチに腰掛け、そこにれいむとまりさとすいかを下ろす。 「ゆゆっ、にんげんさんまたきたの!まりさのはにーをいじめないでね!?」 「「「やめちぇね!ゆっくちできにゃいよ!」」」 「ワオ、マリサニコドモタチモヤッテキマシタ」 「ゆぎぃ!?やめてね!にんげんさんのすっきりはこわいよ!ゆっくりできないよ!」 どうやらつがいを助けに来たまりさやその子ども達を相手に第2ラウンドに突入したらしい。 流石にあれだけの数を相手するとなると長くなりそうなので、彼らの嬌声や悲鳴をBGMにして弁当を広げる。 我が家のれいむ達が「ゆっくりできないいいい!」と喚くのをでこピンで黙らせ、昼ごはんを食べ忘れたため8時間ぶりになる食事にありついた。 「むーしゃむーしゃ・・・幸せ〜」 「ず、ずっぎぢー!」 「もっちょ・・・ゆっくちちたかっちゃよ・・・」 「フゥ・・・スッキリー」 私が鮭弁当のチープな美味さを満喫し終えた時、ちょうど男性もゆっくりを満喫し終えた。 傍らでは我が家のゆっくり達が同胞を助けてあげられなかったことを悔やんで「ごべんねぇ!」と謝り続けていた。 いや、あの手つきと技術を見る限り殺さないように加減してるよ・・・そうフォローしようとした時、レイパーの男性が、ちゃんと服を着て茂みから姿を現した。 「イヤァ、オミグルシイモノヲ」 「ん、ああ・・・お構いなく。こちらこそ、お楽しみの邪魔をして申し訳ない」 ファミレスの椅子に腰掛けたままの私とドリンクバーの安物のコーヒー越しに視線が合った男性は頭をかきながら照れ笑いを浮かべている。 レイパーとは言え性癖以外は他の人と変わらないわけで、黒い肌とは対照的な白い歯を輝かせている彼はなかなかの好青年のように思えた。 彼に会釈しながら、れいむとまりさとすいかを抱きかかえて立ち上がり、必要も無いのに軽く自己紹介を済ませた。 「ボブさん、だったっけ?」 「ハイ、ナンデショウ?」 「あれ、趣味なの?」 「イエス、ワタシユックリダイスキデス!」 「ゆゆっ!だったらひどいことしないでね!ゆっくりできないよ!」 「そうだよ!ゆっくりさせてあげてね!」 満面の笑みを浮かべてサムズアップするボブに対して怒り心頭のれいむ達。 しかし、ファミレスで騒ぐと迷惑になるし、それに大声で話すようなことでもないので頭をはたいて黙らせた。 その後も3匹は頬を膨らませて抗議していたが、大声で叫ぶようなことはなかった。 「シツケガジョウズデスネ」 「特別なことをしているつもりはないんだけどね」 「ソレニシンライサレテイマス」 「全く嬉しくないけどね」 「ナニヨリスゴクカワイイ」 「1回50ドルで貸してあげても良いけどね」 そんな具合で、すぐにボブと打ち解けた私は早速彼にゆっくり人間について尋ねてみる。 しかし、帰って来た言葉は「ウワサクライハシッテイル」という非常に曖昧なものだった。 その回答に目に見えて落胆するすいかの頭を撫でながら、私はもう一つの質問をぶつけてみた。 「じゃあ、ここら辺で一番実力のあるゆっくりレイパーって知ってる?」 「レイパーハプライバシーヲマモリマス」 「・・・そりゃそうか」 多少親しくなったとは言え所詮は見ず知らずの相手。 もしかしたらレイパー撲滅を狙う組織の人間かもしれないし、そうでなくても金目当てで情報を売る可能性だってある。 最近もどこかでゆっくりレイパーの会合をアンチレイプの組織が襲撃しようとしたなんて話を聞いた気がする。 いや、そもそも世間に公表できるような性癖でないのだから、容易に口外できるものではないのだ。 「仕方ないか・・・今日は安いカプセルホテルにでも泊まって、明日また探そう」 本日の捜索を諦め、ボブに適当なホテルの場所を教えてもらった私は、会計の全てを彼に託してそそくさとファミレスを後にした。 『地球がゆっくりする日』や『Yull E』の話題で盛り上がった手前、少し気が引けたがホテル代を捻出するためだから仕方ない。 結局ゆっくり人間は見つからなかったが、ボブに遭遇したことで色んな情報を得ることが出来た。 彼の日本語の習得状況を鑑みるに、来日して何年も経っているようには思えない。 にもかかわらず、近くのファミレスやカプセルホテルの場所を知っていた。 それにあの公園でレイプされていたまりさは「にんげんさんまたきたの!まりさのはにーをいじめないでね!?」と言っていた。 つまり、あそこの公園のゆっくりは頻繁に人間からの干渉を受けていると考えられる。 確証はないが、明日はあの公園に張り込むのが最善策だろう。 翌朝、まだ陽も出ていない時間から私とれいむ、まりさ、すいかは例の公園での張り込みを開始。 懐中電灯片手に公園の中を散策すると、いとも簡単に野良ゆっくりの巣をいくつも見つけることが出来た。 まだ人間の姿は見当たらないが、そこには朝ごはんと称して人間の捨てたごみを集めて回るゆっくり達の姿があった。 余談ではあるが、その中に昨日レイプされたれいむ一家の姿もあった。予想通り、全員健在のまま。 「もうすぐにんげんさんのくるじかんだよ!」 「ゆっくりおうちにかえるよ!」 「「そろーり、そろーり・・・!」」 散らかしたゴミが巣まで一列に並んでいるのだが、どうやら彼女達はそのことに気付いていなかった。 あるものは子ども達を引率してゴミ置き場で拾った生ゴミを溜めて帰り、またある赤まりさはお菓子の袋を持って帰っていった。 そんな光景を尻目に私たちも彼女達と同じように適当な茂みに身を隠して、人間が来るのをじっと待つことにした。 「ぱちゅりーは本当に馬鹿ね」 「んぶぅ〜!」 「むきゅ〜、も言えないなんて伝説的だわ」 「ん〜、んん〜!?」 数分後、割りと珍しい胴付きぱちゅりぃを連れた少女が公園に姿を現した。 一見すると勝気そうで、なおかつ真面目そうな少女とお馬鹿で有名なぱちゅりぃというのは違和感を覚える組み合わせである。 しかし、よくよく見てみるとぱちゅりぃは猿轡と首輪を装備済み。 ああ、あの子もそっちの世界の住人なのか・・・と納得しながら、彼女を観察し続ける。 「さあ、ぱちゅりぃ。ゆっくりを連れてきなさい」 「んぶぅ〜・・・」 ぱちゅりぃはきょろきょろと辺りを見回し、においを嗅ぐような仕草をしながらふらふらと歩き始めた。 一方、少女は首輪のリードを握ったままぱちゅりぃの後を追いかける。 そして、必死の形相でゆっくりを探し回っていたぱちゅりぃがようやく見つけたゆっくりは・・・ 「んぶぅぅぅぅぅぅううぅぅぅ!!」 「ぱちゅりぃをゆっくりさせてあげてね!」 「ぱちゅりぃをゆっくりさせてくれないおねえさんがきらいだよ!ぷんぷん!」 「すいかおこるよ!ぷくぅぅぅうううう!」 「う゛・・・」 私と一緒に茂みに隠れていた我が家のゆっくりども。 目が合ったときの彼女のばつの悪そうな表情はなんとなく可愛らしかった。 「ふぅん・・・で、たまにここに来てゆっくりを虐待しているわけね」 「・・・はい」 ベンチに腰掛け、ホットコーヒーで暖を取る私と少女。 彼女はまるでポエムを書き溜めたノートを拾ってくれたが、不可抗力で中身を見てしまった親切な人を前にしたときのような表情を浮かべている。 これが知人であればしこたまからかってやるところなのだが、流石に見ず知らずの少女相手にそんなことはしない・・・はず。 せいぜい必死に弁明する彼女の表情をにやにやと笑いながら眺めつつ、私の膝の上でいまだに膨れているれいむ達の頭を撫でる程度。 「ゆっくりできないいいわけはやめてね!」 「そうだよ!ぱちゅりぃをゆっくりさせてあげてね!」 「そうだよ!ぷんぷん!」 我が家のゆっくりどもは同族の虐待風景なんか目の当たりにして黙っていられるような連中ではない。 こっぱずかしそうにしている彼女に向かってもっともな文句を口にする。 が、流石に早朝のまだ辺りも暗い時間に大声で喚かれては近所迷惑もいいところ。 「だからアンタら五月蝿いよ。頭を少しかじってやろうか?」 「「「ゆっ・・・!」」」 「・・・・・・愛でお姉さん、じゃないんですか?」 「じゃないんです、断じて」 できるだけ柔和に微笑みながら、言われたとおりに膝の上で黙っているれいむの額にでこピンをお見舞いする。 「なんだぁ・・・だったら、必死になって言い訳する必要なんてなかったのね・・・」 「Exactly」 ついでにもう一発、今度はまりさにでこピンをお見舞いするのを見た彼女は盛大にため息を吐いた。 「そもそも・・・仮に私が愛でお姉さんでも首輪や猿轡くらいは飼い主としての責任の範囲内だから責める理由がないし」 「・・・え?」 「それにまだ虐待らしい虐待の現場は目撃していなかったわけよ」 「それじゃ・・・」 ようやく状況を把握したらしく、赤くなった顔を両手で隠す少女。 そして、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべつつ、彼女の肩を優しく叩く私。 「そ、完全に、一部の隙もなく、貴女の自滅」 耳まで真っ赤になるのが手に取るように把握できた。 「と、まあ、そんなことは置いといて・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 指の隙間から見えるジト目に篭った殺気を感じた私は意地の悪い笑顔はそのままに話題を強引に切り替えた。 すると、彼女も顔を覆っていた手を膝の上に戻し、いつの間にか温くなってしまった缶コーヒーのプルトップに指をかける。 ようやく陽が昇り始め、徐々に明るくなってきた公園にぱちんっ!という軽快な音が響き渡った。 「一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」 「なんですか?」 「ゆっくり人間って知ってる?」 その言葉を聞くや否や露骨に怪訝な表情になる少女。 私だってそんな質問されたら同じような顔をしただろうからその気持ちはよく分かる。 というか、私だってすいかの与太話でその存在を知っただけだから半信半疑だ。 「そんなの訳の分からないもの知りません」 「だよねぇ・・・」 私は彼女の言葉に首肯した。 続いてレイパーに関する質問もしようかと考えたが、流石にカタギにする質問じゃないのでやめた。 立ち上がり、リードを握られたままのぱちゅりぃを指差す。 「こんなの人目にさらすのも体裁が悪いから、そろそろお開きしようか?」 そんなこんなで、挨拶もそこそこに彼女と別れた。 「いや、そんな都市伝説聞いたこともないよ」 「ゆっくりにんげんさん?れみりゃのことなのぜ?」 「強いて言うなら君が一番そんな感じだよ」 「ち〜んっぽ!びっくまらぺにすっ!」 「JAOOOOO!JAO!JAO!JAOOOOOOOON!」 「そんなことよりれいむのおうたをきいていってね!」 少女と別れた私たちは、公園に住むゆっくりや散歩中の人達にしらみつぶしに話しかけてみるが全く成果が得られない。 ゆっくり人間の事を訊けば怪訝な顔をされるし、ギネスレイパーのことを訊いても人間なら顔をしかめ、ゆっくりなら怯えるばかり。 代わりに得た情報と言えば以前この公園のゆっくり達を二分していた対立と、両勢力の共通の敵となることでその対立を鎮めたレイパーのこと。 そして、人間に虐められているのを助けてくれたゆっくりふらんを連れたとてもゆっくり出来るゆっくりのこと。 もしくは時々この公園に出没するゆっくりふらんを連れた少年のこと。 「う〜ん・・・やっぱり情報が集まらないな・・・」 「れいむ、もうつかれたよぉ〜」 「まりさもだよ〜・・・」 「ゆゆっ!でも、ゆっくりにんげんさんはこのまちにいるんだよ!」 元々半信半疑だった私とどうしてもゆっくり人間に会いたいわけではないれいむとまりさは半ば諦めモード。 対して、どうしてもゆっくり人間に会いたいすいかは私の頭の上から檄を飛ばす。 が、疲れていることもあって私やれいむ達の反応は鈍い。 「きっとアンタの妄想だよ・・・」 「れいむ、なんだかねむいよ・・・」 「まりさも・・・」 朝から歩き詰めでいい加減飽きてきた私はれいむ達と一緒にうつらうつらと舟を漕ぎ始める。 そんな私を起こすためにすいかは膝の上に飛び降り、お腹に何度も体当たりを仕掛けてくるが、何故か余計に眠くなってきた。 そうして、れいむとまりさが本格的に眠ってしまったその時・・・ 「どうも・・・清く正しく、きめぇ丸です」 「んあ?」 風と共に、どこからともなく姿を現したのはスレンダーなボディの上に乗っかった下膨れの顔をニヒルに歪めた鬱陶しい饅獣。 きめぇ丸・・・かなり貴重なゆっくりの一種で、胴無しのものは知人が飼っているので何度か見たことがあるが、胴体付きを見るのはこれが初めて。 睡魔と戦っていたこともあって、私は彼女がゆっくりであることを理解するのに3秒程度の時間を要した。 「あなた達ですか、ゆっくり人間を探していると言うのは?」 「ん、まあ・・・一応」 「ゆっくり人間は見つかりましたか?」 きめぇ丸はニヒルな笑顔を一層ニヒルに歪める。 「いや、ヒントすらもつかめない状況」 「そうですか」 私の返答と、今までの聞き込みで得た情報を聞いた彼女はブンブンと高速で首を振った。 そのあまりのゆっくり出来なさ加減にすいかがすっごい表情で怯えているが、まあ気にすることでもないだろう。 「で、アンタは何のために話しかけてきたの?」 「みょんやめーりんと話せる人間が居ると聞いたので、少し興味が湧きまして。本当なのですか?」 「あー・・・本当だよ。なんか知らんけど言葉が分かる」 「おお、すごいすごい」 またしても高速シェイクするきめぇ丸。 少々鬱陶しいが、何らかの悪意があって話しかけてきたわけでもなさそうなので我慢する。 「ところで・・・」 「んあ?」 「ヒントすら掴めていないと言いましたが多分それは間違いです」 そう言って彼女は自信満々に微笑んでみせる。 パッと見、先ほどと変わらぬニヒルスマイルだがその笑顔に宿る感情が微妙に違うのに気付いた。 「あなたがいくら特殊なゆっくりと話せたところで人間以外の何者でもありません」 「そりゃそうだ」 「だから私の目にも人間の目にもあなたがゆっくりとして映ることはないでしょう」 「当たり前・・・あれ?」 ここまで言われてようやく、私は彼女の言葉の意図を理解した。 みょんやめーりんと会話できたところで私は人間だから誰の目にも人間としてしか映らない。 どんなに知能が高くてもきめぇ丸はよほど寝ぼけていない限りは人間と見間違えることはない。 なら、ゆっくりと人間のハーフなるものが居たらそれはどのように映るのだろうか? 「ああ、そうか・・・」 相変わらずニヒルな下膨れ顔を左右に振るきめぇ丸から視線を外し、俯いて考える。 もし、ゆっくり人間が人間の目には人間として、ゆっくりの目にはゆっくりとして映るのであれば、私たちは既に大きなヒントを得ている。 勿論、どちらの目にも同じように映る可能性はあるが、そうなってしまうと肉眼に頼る手段では判別不可能だから私たちにはお手上げだ。 「ふらんを連れたゆっくり・・・か」 もし、ふらんを連れたゆっくりがれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすなどのメジャーな種族であれば彼女達は必ず種族名も教えてくれるはず。 ましてや、ふらんを連れているのにゆっくりしているというのはどこかおかしいように思えた。 その上、ゆっくりふらん自体が既に貴重な種族で、めったにお目にかかれるようなゆっくりではないのだ。 「なのに、この公園にはふらんを伴う人(orゆっくり)が二人もいる・・・」 きめぇ丸のもったいぶった言葉に意味があるならば、この両者は同一人物なのではないだろうか? からかわれている可能性もあるが、他に頼りに出来る情報がない以上、信じるしかあるまい。 なら、私たちがすべきことは一つ。 「ふらんと飼い主を、それも私の目には人間に見えて、すいか達の目にはゆっくりに見える人を探せばい・・・あれ?」 すべきことを理解した私が顔を上げた時、きめぇ丸もとい敬意を表してきめ子さんと呼ばせていただこう、の姿はなくなっていた。 それからはとんとん拍子で事態が進んでいった。 ふらんの飼い主が地元の中学生だか高校生だかの少年であることが判明し、すぐにその少年の学校も割り出すことが出来た。 「むにゃ・・・そんなわけで、れいむたちはぎわくのゆっくりゆっくりふらんがおさんぽしているのをみつけたよ!」 「ふにゃ・・・これでゆっくりにんげんさんにあえるかな?」 「ゆっくりにんげんさん・・・すいかといっしょにゆっくりしようね!」 と、れいむ達の説明の通り、現在私たちは通りで見かけたゆっくりふらんを尾行していた。 念のため買っておいたサングラスを装着し(もちろんれいむ達も)、電柱の影から彼女を見守る。 「・・・・・・あのー?」 「ゆゆっ!いまとりこみちゅうだよ!」 「ゆっくりあとにしてね!」 若い男の声を聞き流しつつ、私たちはふらん監視を続行する。 「・・・いや、取り込み中じゃないだろ」 「もう、おにーさん、れいむたちとりこみ・・・ゆゆっ!!?」 「どうしたのれい・・・ゆゆゆゆっ!!!」 「んあ?どうした?」 振り返ると、そこにいたのは地元の学生と思しき少年。 一見するとこれと言って変わったところはないのだが、彼の姿を見たれいむ達は目をハートマークにして見惚れている。 確かにパッと見はごく普通の少年なのだが、どこか違和感を覚える。そして・・・ 「「すごくゆっくりしたおにーさんだよ!」」 れいむ達の発したその一言で、彼こそ探していたゆっくり人間であることを理解した。 同時に、彼の訝しげな視線を見て、自分がかなり不審であることを把握した。 もしかしたら「ゆっくりフェロモンで一儲けしようとした企業が、彼を拉致って精液を搾り取ろうと送り込んできた刺客」だなんて誤解をされているかも知れない。 何故か知らないがそんな懸念を抱いた私は彼の警戒心を解く為に、出来るだけにこやかな笑みを浮かべて挨拶をした。 「こ・・・こんばんは、ゆっくりしていってね」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 確かな文章力と優れた構成力に裏打ちされたレイパー氏の作品の中でもこの作品は特に魅力的だと思うんですよ その理由を考えてみると、この世界の人たちって日常を何となく想像できてしまうくらい存在感があるからじゃないかと 猫被って?瀟洒に振舞っている委員長とか、HENTAI要素を隠しきれていないボブとか もっとも、想像は出来たところで、真偽を知る術はレイパー氏に聞くしかないわけだし、あらゆる面で氏にかなわない以上、レイプになってしまうのは否めないわけですが ほんと、レイパーさん、ごべんなさい byゆっくりボールマン 【登場人物紹介】 お姉さん 初登場は『ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり』 ノリと勢いでゆっくりを10匹も飼う事になってしまった一人暮らしの女子大生 恐るべき酒豪で、お胸がドス級。ゆっくりに対してはかなりハイスペック みょん語等を解し、天性の飼育上手で、好かれ易いが生物学的には平凡な人間 口も性格もあまり良くないし、わりと容赦しないタイプなのに何故か懐かれる れいむ&まりさ 初登場は『ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり』 今作ではいらない子。若干頭が良い程度の平凡なゆっくりで六児の親 ただし、れいむはゆっくりながらもインターネッツを使いこなせたりする すいか 初登場は『ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか』 角にお酒が詰まっている。空気を吸い込むと半端なく膨らむ(曰くみっしんぐぱわー) かなりのテレビっ子で、ワイドショーやくだらない都市伝説が大好き みすたーゆんちぇいん 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 会社員。課長クラス。ゆめぇ丸を妊娠させた経験がある ゆっくりレイプに関しては右に出るものがいないが、世間的には真人間で通っている ボブ 初登場は『ゆっくりいじめ系1632 ボブはこうして出会いました』 スラム育ちの巨漢の黒人男性。ゆっくりが大好物(二つの意味で)の変態 注:日本において単独でレイプを行うかどうかは微妙なところです 少女 初登場は『ゆっくりいじめ系1682 僕はこうして出会いました』 学校では成績はトップ、真面目で明るく、誰の相談にも乗る優しい素敵な委員長 しかし、優等生にも色々あるらしく、ゆっくりに八つ当たりすることがあるとかないとか 注:ぱちゅりぃに対する虐待?は『僕はこうして出会いました』の記述と矛盾します ぱちゅりぃ 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 胴体付きのゆっくりぱちゅりー。この種族の例に漏れずお馬鹿である 一時はみすたーゆんちぇいんの愛人だったこともあるが、現在は少女のペット きめぇ丸 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 人間との間に子どもをもうけた前代未聞のゆっくり。彼女もまたド変態 注:考えてみりゃ彼女がお姉さんに助言する動機は微塵もありません ゆっくりふらん 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 ゆっくり人間のペットと誤解されているが、実際にはゆっくり人間の恋ゆっくり 注:レイパー氏の作品世界においてゆっくりが単独で散歩するかどうかはわかりません ゆっくり人間 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 学生。思春期まっさかりの少年。実はゆっくりと人間のハーフだったりする ゆっくりに対してはかなりハイスペックな性能を有する
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※登場するゆっくりがやけに賢いと思う部分もあると思いますが、そういうものとしてご了承下さい 「ゆっ、なにしてるんだぜ! さっさとうーぱっくにのせるんだぜ!」 ゆっくりまりさに命じられ、ゆっくりれいむは未だ寝ているゆっくりをうーぱっくに乗せていく。 うーぱっくに乗せるゆっくりはゆっくりれいむとゆっくりまりさ。 自分と同種であるゆっくりに対しこのような事をしている事に、ゆっくれいむは罪悪感を覚えた。 結構手荒に扱っているのだが、寝ているれいむとまりさはまるで睡眠薬でも飲まされたかのように起きない。 やがて二匹ともそれぞれうーぱっくに乗せることができた。 「まったく、とろいんだぜ! はやくしないとくいーんありすがきちゃうんだぜ!」 偉そうにしている語尾が「だぜ」のゆっくりまりさ、だぜまりさは今ゆっくりれいむが属している群れの、先輩にあたるゆっくりだ。 今このだぜまりさとれいむの二匹は、クイーンありすの命のもとある仕事をしているところだ。 だぜまりさは自分はまるで手伝わなかったくせに文句ばかりれいむに言い捨てると、自分はさっさと残ったうーぱっくに乗り込んだ。 れいむもうーぱっくに乗ろうとしたが、よく見るとうーぱっくは寝ている二匹の分とだぜまりさが乗っている分の計三匹しかいない。 「ゆゆっ? れいむのぶんがないよ?」 「うーぱっくは忙しいんだぜ。おまえにまわすうーぱっくはないんだぜ。おまえはあるいてこいなんだぜ!」 だぜまりさはそれだけ言い残すとさっさとうーぱっくに移動を命じた。 パタパタと羽ばたき三匹のうーぱっくはれいむをその場に残し飛び立っていく。 飛び立っていく先はクイーンありすと落ち合う地点。れいむもそこへ向かわねばならない。 れいむは仕方なく跳ねていくことにした。 このゆっくりれいむや先のだぜまりさ、うーぱっくらが属している群れは、現在ゆっくりの中で最大の規模を誇る、ドスまりさとクイーンありすの群れだ。 だがれいむはこの群れのリーダーが『ドスまりさ』を騙っているだけの巨大ゲスまりさだということを知っている。 元々は本物の『ドスまりさ』が治めていた群れだった。 賢者と呼ぶに相応しい知能と平和を慈しむ心。頼れる巨体を誇るドスまりさによって率いられていた群れ。 だがある時、そんなドスまりさのやり方に反発を覚えたゆっくり達が反乱を起こした。 その反乱軍を扇動していたのが、現在のドゲスまりさとクイーンありすだった。 当時はそこまで巨体ではなかったドゲスまりさとクイーンありすであったが、数で勝る反乱軍はあっという間にドスまりさ達を殺した。 その時死体を解析した反乱軍のリーダーゲスまりさは、ドスまりさしか使えないとされるドスパークを習得した。 その後ドスまりさ並に体の大きくなったゲスまりさは、群れのゆっくり達にドスまりさとして崇められることとなった。 反乱軍の副リーダーであったありすも同様に体が大きくなり、クイーンありすとして崇められている。 ありす種特有の旺盛な性欲と、ドゲスまりさとクイーンありすの巨体を活かし、二匹は度重なる交尾をしたくさんの子を産んだ。 更にドゲスまりさとクイーンありすをゆっくりの英雄として崇める者達が集い、群れは先代ドスまりさが率いていた頃よりも遥かに大きくなった。 ゆっくりれいむは現在、そんな群れの下っ端として属しているのだ。 待ち合わせの時間に遅れたらまたお仕置きされる、と急いで待ち合わせの場所に急いでいたゆっくりれいむの前に、人間が現れた。 れいむは一瞬身構えたが、襲われることはないと思い出すと警戒を解いた。 現在ドゲスまりさの群れと人間との間には不可侵協定が結ばれている。 ゆっくり達は人間や人間の所有物に手は出さないが、人間達もゆっくりに手を出さないというものだ。 この協定を結んだのは先代ドスまりさであったが、特に不自由もないのでドゲスまりさにリーダーが変わった今でも協定は守られている。 不本意とはいえゆっくれいむは現在ドゲスまりさの群れに属している。 こちらから手を出さなければ人間も襲ってはこないだろうと判断し、れいむは話しかけた。 「れいむはどすまりさのむれのゆっくりだよ! だからおそわないでね!」 「あぁ、別に襲わないよ。ただ聞きたいことがあるんだ」 特にゆっくりに対する敵意を感じさせることのない青年に、れいむは安堵した。 人間の中には虐待お兄さんと呼ばれるゆっくりをゆっくりさせない者もいるからだ。 「ゆゆっ、なぁに?」 「このあたりでゆっくりれいむとゆっくりまりさを見なかったかい? あぁ、君のことじゃないよ」 その言葉を聞いた瞬間、れいむは青ざめた。 この辺りのゆっくれいむとゆっくりまりさと聞き、先ほど誘拐した二匹のゆっくりが頭に浮かんだからだ。 「俺は最近河童に用があってね、河童の所に行くときにその二匹も散歩に連れ出してあげるんだ。 それで俺が河童と話している間は、その二匹はこのあたりで遊ばせているんだ。よく昼寝しているみたいだけどね」 確定だ。 先ほど誘拐したゆっくりれいむとゆっくりまりさの誘拐計画は、最近いつも同じ場所で同じ時間に昼寝していることから計画されたものだからだ。 れいむは更に青ざめた。 だとしたらあの二匹のゆっくりはこの人間の飼いゆっくりだ。 つまりれいむ達は、人間の所有物に手を出したことになる。 不可侵協定を破ったことにある。 すると人間達はゆっくりを襲う理由を得る。 全ての人間がゆっくりを襲わないにしても、少なくとも目の前の青年は自分たちを襲うだろう。 取り戻すだけで済むか殺されるかは知らないが、人間一人でもゆっくりの群れにとっては大損害を被る恐れがある。 れいむはドゲスまりさの群れに属している。いや実行犯だ。 明かせば殺される。 「ゆゆっ、そんなこしらないよ? れいむはいそいでるからじゃあね!」 れいむは早口にそう捲くし立てるとすぐにその場を離れようとした。 青年は特に怪しむこともなく、「そうか、悪かったな引き留めて」と言うとれいむと反対方向に歩いていった。 「まったく、おそいんだぜ! もうすぐくいーんありすがくるんだぜ!」 れいむが待ち合わせ場所に着いた時、まだクイーンありすは来ていないようだった。 ようやく、ようやくだ。 ようやく、復讐の機会が来た。 ゆっくれいむがドゲスまりさの群れに属している理由。それは復讐のためだ。 かつてれいむはドゲスまりさとは違う別の小さな群れに属していた。 その群れを、クイーンありす達が襲ってきたのだ。 クイーンありす配下のゆっくり達がれいむ達が集めたエサを奪い、巣を荒らしていく。 歯向かった者は殺されて食われるか、〝すっきり〟の道具にされた。 れいむのパートナーであるゆっくりまりさも〝すっきり〟の道具にされてしまった。 それもクイーンありすのだ。 「ん゛ほぉぉぉぉぉ!!! まりざがわい゛い゛よ゛ぉぉぉぉぉぉ!! ずっぎりざぜであげるがらねぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆ゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!! やべでぇぇぇぇぇ!! ずっぎりぢだぐない゛ぃぃぃぃl!!」 「つんでれのまりさもがあ゛い゛い゛い゛よお゛お゛お゛お゛!!!」 クイーンありすに歯向かい吹き飛ばされ、ボロボロになったゆっくりれいむはその光景をただ見ていることしか出来なかった。 ニメートルを越すクイーンありすの交尾に、並みのゆっくり程の大きさしかないまりさが耐えられる訳が無い。 「んほおおおおおおおおお♪ イっく゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!! …………すっきりー!!!」 クイーンありすが絶頂に達した瞬間、まりさは黒ずんで朽ちていった。 後に残されたのはゆっくりの原型すら留めていない真っ黒の子ゆっくりの実を宿した蔓と、それを頭から生やした真っ黒いまりさの死骸だけだった。 まりさはクイーンありすに殺された。 奴らは気まぐれで襲い、気まぐれで帰っていった。 皆殺しが目的では無かったようで、れいむは奇跡的にも生き延びた。 その時から、れいむは復讐を誓った。 れいむは傷を癒すと、ドゲスまりさの群れを訪れ、自分も群れに入れてもらえるよう頼み込んだ。 向こうはれいむの顔を覚えていなかったようで、適当にドゲスまりさやクイーンありすを褒め称える言葉を並べたら群れに入ることが出来た。 群れに入った理由はもちろん、内側にもぐりこんでクイーンありすを殺すためだ。 だが群れに入ったはいいが、下っ端であるれいむがクイーンありすに会える機会は殆ど無かった。 あったとしても他の取り巻きのゆっくりが大量にいる状態で手出しが出来なかった。 れいむとしては死ぬ覚悟は出来ている。だが死んでもクイーンありすを殺せなければ意味がない。 クイーンありすを殺す機会がないまま、今日まで来た。 だが、遂に今日その機会が訪れた。 だぜまりさがクイーンありす直々に命を下され、その手伝いとしてれいむが駆り出されたのだ。 仕事の内容は、ゆっくりれいむとゆっくりまりさの誘拐。 ハッキリとそう言われたわけではない。クイーンありすが命じたのは『すっきりできるゆっくりをつれてこい』だからだ。 つまりは性欲解消の道具を持ってこいというわけだ。 自分のパートナーのまりさを犯したくせにまだ……、とれいむは吐き気を覚えた。 いざ誘拐という段取りになっても、このゆっくり達をパートナーのまりさと同じ目にあわせてよいものかと悩んだ。 しかし逆らえば下っ端である自分は殺されてしまうかもしれない。 クイーンありすを討つためと、心を鬼にした。 そして待ち合わせ。 あらかじめ指定の場所と時間に誘拐したゆっくりを連れてくる。 そこにクイーンありすがやってきてそのゆっくりの選定をする。 クイーンありすのお眼鏡に適えば見事そのゆっくりは『すっきり』の道具となる。 この時、クイーンありすは単独で来る。 いくら厚顔無恥なクイーンありすといえど、最低限の恥じらいはあるのか、性欲解消の相手を選ぶところをあまり多くのゆっくりに見られたくないようだ。 そこでクイーンありすの腹心の部下たるだぜまりさと、どうでもいい下っ端のれいむが実行犯に選ばれたのだ。 つまり、クイーンありすが単独でやってくるこの時こそ復讐のまたとない機会。 だぜまりさがいるが一匹だけ。うーぱっくは好戦的ではない。 これまでと比べて破格の条件だ。 「ゆゆっ、くいーんがきたぜ! くいーん、こっちなんだぜ!」 やがてクイーンありすがやってきた。 だぜまりさがその場で跳ねて呼びかける。 ニメートルを越す巨体は相も変わらず圧巻だ。 たるんだ下顎は不快感と吐き気を催させる。 だらしなく緩んだ顔は殺意を抱かせる。 さぁ、どうやって殺そうか。 圧倒的な体格差はある。だがれいむは決死の覚悟で挑む。 口の中に入って中を喰らい尽くそうか。 頭に噛り付いて頭部を抉ってやろうか。 刺し違えてでもれいむはクイーンありすを殺すつもりだ。 殺意が顔に表れぬよう気をつけながら、れいむはクイーンありすの到着を待つ。 ボスボスと跳ねてこちらにやってくるクイーンありすを睨みながら、頭の中ではだぜまりさを出し抜きクイーンありすを殺す算段を立てる。 あれ、と声をあげたのはれいむだったのかだぜまりさだったのか。 クイーンありすの遥か後方から謎の影がやってくる。 とてつもないスピードだった。 れいむは途中で気づいた。あれは胴付きのゆっくりふらんだと。 そして、貫かれた。ゆっくりふらんがクイーンありすの体を貫いたのだ。 れいむはその瞬間を見逃さぬように目を凝らす。世界から音が消えた。 クイーンありすの後方から飛んできたゆっくりふらんが、後頭部から顔にかけて一気に体を突っ込ませ、突き破る。 クイーンありすの顔からゆっくりふらんが出てくるのが、見えた。 ふらんはそのまま空中で体をひねると、クイーンありすの頭部に着地する。 着地し、そのままでは終わらない。 両腕のクイーンありすの頭部にあてたかと思うと、ビリビリとその頭部を裂いた。 クイーンありすの顔が痛みで歪むのが見えた。 ふらんは裂いた頭部から腕と顔を突っ込むと、クイーンありすの中身を食べ始めた。 クイーンありすは絶叫する。中身を食べないでと懇願している。 ふらんは聞く耳もたず、クイーンありすを食していく。 中身が減り、余った皮がたるむ。 皮もちぎられクリームが漏れる クイーンありすの目から生気が失われていく。 やがてクイーンありすの側頭部の皮を突き破って、全身クリームまみれの胴付きゆっくりふらんが現れた。 その顔は満足そうな表情で満たされている。 満足そうな表情をしたゆっくりふらんは、その後クイーンありすにもこちらにも目もくれず、その場を飛び去っていった。 その間ゆっくれいむもだぜまりさもうーぱっくも、声を発することができなかった。 世界に音が戻った。 しばらくクイーンありすは呻き声をあげていたが、すぐに絶命した。 「…………ゆ?」 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 復讐を、横取りされた? つづく このSSに感想を付ける
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どこかの世界にあるとある森。 人里に近いその森には多数の野生動物が生息している。 最近は『ゆっくり』なる生物が住み着いたが、特に何か変わったわけでもなく 平穏なままだった。 「ゆっくりしね!」 「うー! ゆっくりつぶすー!」 「これおいしい・・・」 体長50cmぐらいの生物が3匹。俗に言うゆっくりふらんである。 「これたべてね!」 そういって一匹のふらんが他の二匹に潰したばかりのありすを渡した。 ビクビクと震えているが、生きているのか死後硬直なのかはわからない。 「たべるー!」 「まぁまー! これこわれちゃったー!」 そういって二匹のふらんが振り向く。二匹は先ほど見つけたれいむの家族に夢中だった。 「おぎゃーじゃんがあああああああああ!!!!」 「おうぢがえるううううううううう!!!」 「どうじでごんなごどずるのおおおお!!!」 泣きわめく玩具達を思い思いの方法で遊んでいたせいか、二匹の手は餡子でベトベトだった。 しかしそれを気にすることもなく、目の前のありすに齧りつく二匹。 先ほどまで遊んでいたれいむ達の事はすっかり頭から消えていた。 ふらんはこの森で一番強いゆっくりだった。 普通のゆっくりは元よりれみりゃやゆゆこにだって負けはしない。 自慢の木の棒『れーばてぃん』の前には全てのゆっくりがひれ伏した。 なので何をしても許された。 食べる訳でもなく赤れいむを木の枝に突き刺しても。 れみりゃをみんなで痛めつけて羽を千切っても。 親まりさのまえで子供を一匹づつちゅーちゅーしても。 全て許された。だから遊んだ。 ある日、三匹は人里に向かった。 最近どうも森でゆっくりを見かけなくなったからだ。 「うー!おもちゃさがすー!」 「だれかあそんでー!」 子供たち二匹は初めて見る人里に興奮していた。パタパタと飛びながら周りを見渡す。 早速遊びに行こうとしたが二匹のお腹が急にぐぅーとなりだす。 「おなかすいたー!」 「さきになにかたべるー!」 親は周りを見渡すと 「まずはごはんたべる・・・あれ! あれたべるよ!」 そういって三匹のゆっくりを見つけた。 れいむとまりあとありす。普通のゆっくりではあるが、今まで見た事のないほど綺麗なゆっくりだった。 そのうち2匹が頭にバッチを付けて、ありすだけが花の飾りをつけていた。 「ゆゆー♪ ゆっくりできるおひさまだね!」 「ゆっくり〜のひ〜♪ すっきり〜のひ〜♪ まったり〜のひ〜♪」 「べ、べつにうたってほしいわけじゃないのよ! し、しかたがないからとかいはのありすはきいてあげるわ!」 とても幸せそうなゆっくりである。 そして凄く頑丈そうなゆっくりでもある。 とても楽しく遊べそうだ。 そう思った三匹はそのゆっくりへ駆け寄ろうとして、目の前に何かが現れた事に気づいた。 「ふらんとはまた珍しい・・・でもあれは俺のペットなんで駄目です。」 ふらん達は初めて自分たちより大きいその生き物を見た。他のゆっくりはそれを人間だと知っているのだが 彼女らは初めて見た生き物の名前など知らない。 ただそれが、自分たちの行く手を阻んでいることだけはわかった。 「うー! ゆっくりしね!」 右手に持ったれーばてぃんを振りまわす親ふらん。 「まぁまがんばれー!」 子どもたちも応援する。が、男はそれをやる気のなさそうな動きで掴むと、ポイっと横へ捨ててしまった。 「うー?」 「まあまーどうしたの?」 三匹とも今の状況を把握しきれていなかった。自分たちの最高の武器があっさりと奪われたことに。 「うー! しね! しね! ゆっくりしね!」 「ふらんもてつだうー! ゆっくりしね!」 「うー!」 今度は三匹で同時に男を攻撃する。力を込めた拳で男を叩くが ペチペチとした音が響くだけだった。 男は何か考えているのか唸っていた。しかしふらん達にはそれがダメージを受けているのだとしか見れずに 攻撃を止めなかった。 「うー! はやくたおれろ!」 そんな必死の攻撃を余所に男はある事を考えていた。 (あ〜どうすっかなこれ・・・。まあ三匹居るし十分だよな。珍しいし) 頭の中で結論を出した男は、まず子供のうち一匹を持ち上げた。 「うー? ゆっくりはなせ!」 「しんではなせ! ゆっくりはなせ!」 親と子の要求をスルーして歩きだす男。抱えられたふらんはジタバタしているが問題ない。 後ろの二匹も付いてきてる事を確認した男はそのまま自分の店へと入っていった。 市街地から離れ、鬱蒼とした場所に閉店と看板が出ている店はあった。 それから一週間後の夜。 男の店は昼間と同じように光が付いてるだけで、とても静かな店だった。 ただし客はそれなりに入っていた。その客は全員が男性であった。 一人の客が店に入る。入口に座っていた店員らしき男と会話する。 「いらっしゃいませ○○様。本日はどの子で?」 「4番のありすちゃんあいてる?」 「ええ、では奥の8番の部屋でお待ちください。」 そういって男達は奥の通路を進む。 部屋に入った客は、目の前のありすに話しかける。花の飾りを付けた綺麗なありすだ。 「やあ、ありすちゃん。今日もまた来たよ。」 「ありすは少し照れたように頬を赤く染めながら 「べ・・・べつにおにーさんなんかまってないわよ! で、でもどうしてもっていうなら とかいはのありすはあそんであげていいわよ!」 「そうか・・・ありすはとかいはだね。」 そういって男は自分のズボンを脱いだ。そして(省略) 店の二階。『すぺしゃるぷれいす』と書かれた扉を開けた先の部屋には 何人かの男たちが居た。どうやら世間話に夢中なようで 「最近の若いもんはホント困りましてねー。うちの娘なんか・・・」 「○○の部長の××、あの人ほんとゴルフ下手でねぇ・・・」 そんな会話の最中、扉が開いた。 部屋に入ってきたのは、いつかの男と、それぞれ手錠と、翼に紐を巻かれたふらんの家族三匹。体中に殴られた跡や痣が残っていた。 しかし三匹とも、いつも着ている服が脱がされていた。恥ずかしそうに全体的にまん丸い体を 必死に小さな手で隠していた。 「みなさん今晩は。今日はスペシャルゲストをお連れいたしました。」 言うや否や部屋の男たちは、おおぉ〜と声をあげた。 「まさかふらんが手に入るとは・・・やるじゃないか君。」 「いやーれみりゃもいいんですけどね。ふらんはもっと珍しいですし。」 男は部屋の客に営業スマイルを向けながら、恭しく頭を下げた。 「恐縮です。それではみなさん時間までお楽しみください。」 そういって三匹をを置いて部屋から出た。 「だづげでえー! まあまだづげえー!」 「ざわるな! うぅうー!」 「ゆっぐるじね! ゆっぐりじね!」 一匹例外を除いてふらん達は怯えつつも強気の態度を見せ付ける。 客の男たちはそれをニヤニヤと見つめていた。 「いやーいいですねこの強気な態度が。」 「いやほんとほんと。高い金を出してる分は取れますね。」 そういってふらん達に手を伸ばす。 部屋の隅でガタガタと震えながら、ふらん達はそれでもこう言った。 「ゆっくりしね!!!」 男は自室で書類を纏めていた。良く来る顧客の名前と簡単なプロフィールを纏めた書類である。 そうして、ふと窓の外から森を見た。 あの森は、元々は男の家に先祖代々伝わる土地だった。男は借金の穴埋めに土地を売ろうとしたのだが 中々買い手もつかずに困っていた。 そうしてある日、あの森にゆっくりが住み着いた事を知った。 最近現れたゆっくりは、未だに動物なのかどうかで激しく争われていた。 現状の動物愛護法の適応外なその生物は、裏では虐待用として取引されていた。 男も最初はそれに目を付けた。だが、ただ取って売るだけではそれなりの収入しか得れない。 借金を返しつつ豪遊出来る秘策はないかと考え・・・ゆっくりが人に似ている事に気づいた。 風俗関係は厳しく取り締まられる昨今。しかし法律の埒外のゆっくりをどうしようと罪にはならない。 なら何してもいいじゃないか。 そうして始めたこのゆっくり売春宿は、ディープな趣味の連中の間で話題になり、中々の売上をみせた。 男は書類の整理を終え、二階の部屋へ向かった。 そうして大事な客を一人一人見送ると、部屋で力なく倒れている三匹をチョコンと蹴り飛ばした。 「ほら体を洗うぞ。」 親のふらんは殺意を越めた目でこちらを見た。赤い瞳がこちらをギロリと睨んでいる。 男は少し意地悪な事を思いついて、床に腰をかけた。 「俺と腕相撲をしよう。勝ったらここから出してやる。」 ふらんは喋る気力もないのか、ただ睨みつけて、腕を出した。」 しっかりとふらんの手を握り 「レディー・・・・ゴォ!」 ドンっと一瞬で勝負がついた。ふらんの手の甲は地面に叩きつけられた。 ふらんの悔しそうな目を見ながら 「負けたら仕方ないよね。いつでも挑戦していいよ。」 そういって三匹の首根っこを掴んで風呂場へと向かった。 【後書き】 クリスマスはSS投下祭になる予感! 俺はポケモンやってますが 描写が温い? 脳内で保管すればいいじゃない by バスケの人
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ゆっくりは胴体つき捕食種と本物の見分けはつくのだろうか…とふと思った ※フランの設定がおかしいかも ※フランがあほの子です 紅魔館を抜け出して夜の散歩を楽しむフランドール 途中、動物の巣らしきものを見つけたのでちょっと覗いてみた 「「「「ふ"ら"ん"た"ぁぁぁぁぁ!!」」」」 巣を覗くフランの顔を見た瞬間、 泣きわめきながら狭い巣の中を逃げまどうゆっくり一家 その騒ぎであかちゃんれいむの数匹が踏みつぶされ、餡子の残骸と化した それを見て絶叫するお母さんれいむ もはや巣はゆっくりできる場所ではない まさに阿鼻叫喚の地獄絵図だ しかし一家の大黒柱であるまりさは驚きと悲しみの中、あることに気づいた ゆっくりふらんならば、ゆっくりの巣を見つけたなら中の様子を見たりせず、問答無用で襲撃をかけるはず かつてゆっくりふらんに襲われて、前の家族を失った苦い経験からの発想だった ならば、目の前のゆっくりふらんはゆっくりふらんじゃない きっとゆっくりできない人間が化けているんだ そう考えれば行動は早かった 素早く巣から出ると、 「おねえさん、ゆっくりふらんじゃないね! ふらんのまねなんかしたせいでまりさのあかちゃんがしんじゃったよ!! あかちゃんをころしたおねえさんはじぶんのおろかさをかみしめながらゆっくりしね!」 怒りと共にフランに襲いかかるゆっくりまりさ。 それにしてもこのまりさ、死ぬ気マンマンである。 以下、おまけという名の蛇足 いきなり襲いかかってきたゆっくりまりさをあっさり成敗したフランは、 「何で変な饅頭が自分の名前を知ってるんだろう」 と不思議がりながらも、紅魔館への帰路につくべく振り返った そこにあったのは自分の顔 ゆっくり一家を狙って巣へやってきた胴体つきゆっくりふらんだった なんという偶然! 「……!?」 「……!?」 戸惑う両者。 ゆっくりについてほとんど知らないフランと、 フランを知らないゆっくりふらんだから無理もない。 とりあえず手を前に出してみる。 目の前の自分も同じように手を前に出した。 片手を上げてみる。 目の前の自分も同じように片手を上げた。 なんだ、分身か。 いつの間に出したんだろ? お互いそう結論付けて、フランとゆっくりふらんは何事もなくそれぞれの住処に帰って行った。 このSSに感想を付ける
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ゆっくり霊夢は思う。 このぽかぽかとした場所は、とってもゆっくりできると。 現にれいむは日向にいるような居心地に眠くなってきている。 なんの心配も無く、ほんわかしていてゆっくりできる。 周りには他のお友達もいる。 ゆっくりありす、ゆっくりめーりん、それにゆっくりれみりゃにゆっくりふらんもだ。 普段であれば自分に襲い掛かるれみりゃやふらんも、この場所だとすっごくゆっくりしている。 皆みんなお友達だ。 ここは本当にゆっくりできる場所だね。そう思いながら、れいむは夢の世界へ引き込まれた。 たまに、目を覚ますとお友達が減っていることがある。 自分たちにご飯をくれる人間に、ご飯の時間に聞いてみた。 すると 「選ばれたゆっくりたちは、ゆっくりさせるためにもらわれていったんだよ」 と教えてくれた。 れいむは、自分もここでゆっくりするより、誰かをゆっくりさせたいと訴えたが、人間は何度か首を振るだけだった。 その人間が決められることではないらしい。 どうやったら選ばれるの? いつになったら選ばれるの? そのれいむの問いに、人間はただ 「あそこでゆっくりしていれば、そのうち選ばれるよ」 という答えをよこした。 それかられいむはいつもよりゆっくりした。 ぽかぽかとした心地よい場所で、いつも以上にゆっくりしていた。 いつのまにか寝入っていたれいむは、寝ぼけ眼で何気なくあたりを見回すと、見知らぬ人間と目が合った。 れいむは、なんだろう?と思った。 その見知らぬ人は、ご飯をくれる人間に一言二言告げていた。 ご飯をくれる人間は、とてもゆっくり出来る場所かられいむをとりだすと、その体に綺麗なものをつけていった。 れいむは、自分が選ばれたことを察した。 自分はあの見知らぬ人間をゆっくりさせることが出来る。 そう思うと、まだゆっくりできる場所にいる同胞に対して、立派な姿を見せようと思いつき、胸を張った。 誇らしげな想いと、どんな人間だろうというわくわくとした感じ。 包まれる感触と知らない温かみに、れいむはどきどきした。 見知らぬ人間の温かみだった。 その人間と共に外に出ると、身を切るような風が吹いていた。 思わず寒いと言ってしまいそうになったが、それではゆっくりさせることができないと想い、口をつぐんだ。 ゆっくりしていってね! 人間にそう告げようと振り向いたとき、笑顔のれいむが見たものは、穴だった。 白い弧と桃色の塊を持つ、黒い穴だった。 それはとても怖い気がした。 終わり。 「ほのぼの」と「少ない要素」を目指してみたら意味わからんようになってしまった。 舞台はコンビニ的な場所w 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
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※ゆっくりがゆっくりでは無い生き物に変化させられています。 ※レミリアによる、ゆっくりふらん性的虐待。言い逃れできない18禁エロ。 ※冒頭から延々とエロシーンです。スカ要素ありのアナルものです。 ※同意じゃない性行為は性的虐待である、と言う拡大解釈の元に書かれました。 ※前編fuku1514.txt?、中編fuku1665.txt?の続きです。 ※エロシーンと非エロを分割しましたので「後編その1」と言う形です。 ※後編その2はエロ無しです。今回読まなくても内容通じるように手を入れてます。 ※ある意味ではレミリア虐めかも知れません。キャラ性格の俺解釈ひどすぎるので。 ※「美鈴と森のゆっくり」の後日談的な感じとなっておりますが、これ単独でも普通に読 めるようにしたつもりです……一応。 ※当然のように俺設定満載な感じです。 ※原作キャラもゆっくりも俺設定要素多大ですので、イメージと大きく違う場合もござい ます。ご注意ください。 読む このSSに感想を付ける