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『お掃除まりちゃ』 2KB いじめ 小ネタ 赤ゆ いつもの小ネタです。ちょっと短いです。 「ぺーりょぺーりょ…ゆぅぅ…くっしゃいのじぇ…なんかきたないのじぇ…」 顔をしかめながら舌を伸ばして、真っ白な床を舐めなる一匹の帽子なしの赤まりさ。 一舐めする事に身を震わせて涙をこぼし、聞かれてもいないのに感想をボソボソと呟く。 この赤まりさは、生まれる寸前で親まりさに無理やり茎からもぎ取られ、最初の食事も済ませぬまま床を舐めろと強く命令され、訳も分からずにそれに従っている。 「ゆっくち…ゆっくち…どーしちぇ…にゃんで、こんなことしなくちゃだめなの…じぇ?おとーしゃ…ゆっひぃ…ゆっくち…ゆっくちしちゃい…」 生まれてすぐの重労働で、そろそろ疲れてきた赤まりさは上目遣いで親まりさの顔色を伺う。 だが親まりさはそんな赤まりさを人睨みすると、お下げで掴んだ小さな帽子を見せびらかすようにゆらゆらと揺らした。 赤まりさは親まりさと自分の帽子を見比べると、唇を噛みながら涙をこぼして小さく唸る。 「ゆっくち…ゆっくち…きちゃない…ゆっく…くっしゃい…ゆっくち…ゆっくち…もうやだ…ひっく…おうちかえりゅ…ゆっくち…ゆっくち…ゆびぇぇ…」 チラチラと親まりさの顔を横目で見つつ、舌を動かして床を舐める赤まりさ。 体は自らの涙と唾液でベトベト。 床に付着した汚れや臭いにまみれてたせいで目も虚ろだ。 それでもなんとか白い床を全て舐め終わると、暗い表情のまま親まりさを見上げる。 「ゆぅ…おとーしゃ…ゆっくちおわったの…じぇ…ゆぐぅ…だから…まりちゃのおぼーちかえしちぇ…」 両目を潤ませながら首をかしげるように体を傾け、わざとらしくブルブルと震えてみせる赤まりさ。 「ふむ、ご苦労。でもあんまり綺麗にはならなかったな…」 「ゆぅぅ…ゆっくち…」 「じゃあな。トイレットまりさ、さよならだ。そびえ立つうんうん帽子にもお別れだ」 だが親まりさは持っていた帽子をお下げで破ると、赤まりさの目の前の水たまりの中に投げ捨てた。 「ゆ…ゆっ?…ゆぅ…?…ゆっ!…ゆんびゃぁぁぁぁ!まりちゃのおぼーち!おしょらにそびえる、くろがねのおぼーち!ゆんやぁぁぁぁぁ?!」 親まりさがそう言うと、赤まりさの周囲に突然水が流れ出す。 水に浮かんだ帽子に向かって、必死に舌を伸ばしていて泣いていた赤まりさは、その流れに乗って水たまりの中に落ちる。 「ゆっぴぃぃぃ!なにこぼべぇぇぇ?!ゆごぼげぼぼぶごぼぉぉ…」 流れはそのまま小さな渦を作ると、赤まりさを巻き込んで吸い込まれるように何処かに消えてしまう。 親まりさは帽子を取ると、赤まりさの入っていた白い床を眺めるような位置に置かれた鉢植えの上に鎮座する、肌色の物体の上に帽子を乗せた。 ぐぶぅ…ぶぶぶ…ぐぶ!…ぶんぶんぐぶぶぅぅ…!! 唸っているのか震えているのか、口を縫い付けられた鉢植えに押し込められたゆっくりは、涙目で帽子をかぶっていた男をを睨みつける。 「そんな怖い顔をするなよ、『おとーしゃん』。お前がこの家の庭に現れなければこんな事にはならなかったんだぞ?まあ、可愛い我が子を見られて『しあわせー!』だろ?なあ、トイレットまりさ君」 男は鉢植えのゆっくりを馬鹿にするかのように語りかけると、和式トイレを後にした。 鉢植えのゆっくりは悔しそうに顔を歪めてブルブルと震えるが、額から生えた茎に実った二匹の実まりさを見上げて悲しそうに涙をこぼすのだった。 完 徒然あき
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『飼われまりちゃ』 13KB いじめ 小ネタ 子ゆ 透明な箱 いつもの小ネタです。 「まりちゃをかいゆくちにしゅるのじぇ!まりちゃは、とーってもつよいのじぇ!まりちゃのめーれーきかないと、いたいめみるのじぇ!!」 元気良くそう宣言する一匹の子まりさ。 得意そうに眉毛を吊り上げて、踏ん反り返っている。 その後ろでは親れいむと親まりさが、飼いゆっくりにしろと同じ様に自信たっぷりに踏ん反り返る。 「れーみゅは、とーってもかわいいゆっくちだよ!かいゆっくりにしにゃいのは、おーばかだよ!いっしょーのしょんだよ!」 その隣では尻をプリプリと振りながら、片目を閉じてニヤニヤと微笑む赤れいむ。 だがこの一家は全体的に体が汚れており、帽子やリボンに変なシミやゴミが付いている典型的な野良一家である。 「うーん…どうしよかな?…」 そんな一家を目の前にし、腕を組んで悩む一人の少年。 品定めするように、親まりさと子まりさを見比べる。 「どーしたんだぜ?!まりささまのつよさをさとって、びびってうごけないんだぜ?!ゆっぷっぷっぷ!これだから、よわむしさんはこまるんだぜ!」 「ぷっぷー!くしょにんげんは、まりちゃをみてびびってるのじぇー!しーしーもらしゅのじぇ?ないちゃうのじぇ?おぉあわりぇ、あわりぇ!!」 まりさ親子は少年を見下すように笑い始めると、二匹そろって少年に尻を向けて屁をこく。 れいむ親子も飼いゆっくりになれると確信したのか、ウネウネと動きながらあまあま持って来いとか、ゆっくりさせろと騒ぎ始める。 「よし、こっちに決めた!やっぱ、小さいほうが良いかな?」 「ゆわーい!おしょらをとんでるみたーい!さいこーのきぶんなのじぇー!!」 少年はそう言うと子まりさを捕まえ、野良一家に背を向けて歩き出す。 子まりさは突然の浮遊感に、ゆっくりお決まりの台詞を口にしてキャッキャとはしゃぐ。 「ゆゆっ?!ちょ、ま、まつんだぜぇぇぇ!!までぃざもかいゆっくりにじろぉぉぉぉ!まてぇぇぇ!このくそにんげんがぁぁぁぁ!!」 「ゆっがぁぁぁぁ!れいむもつれていけぇぇぇぇ!れいむをゆっくりさせろぉぉぉぉ!」 「ゆっぴぃぃぃ!まちぇまちぇぇぇぇ!れーみゅをかいゆっくちにしろぉぉぉ!まちぇぇぇぇぇ!!」 子まりさだけを持って去ろうとする少年を、慌てて追いかける三匹のゆっくり。 鬼のような形相で、唾を撒き散らしながら必死で跳ねる。 だがそれでも少年の足の方が速く、少年は自分の自転車のカゴに子まりさを入れるとそのまま自転車を漕ぎ出す。 「までぇぇぇぇ!までぇぇぇぇ!までぃざのしゅんそくから、にげられるどおもうなぁぁぁ!ゆひー…ゆひー…よ、ようやくおいつ 『グチャ!』 びゃ!」 「おぉ?何か轢いた!グチャっていった!」 それでも何とか少年に追いつき、自転車の前に踊り出た親まりさ。 だが少年は何の躊躇いもなしに、自転車で親まりさを轢いていく。 親まりさは体を真っ二つにされる形で轢かれ、呻き声を上げると動かなくなる。 しかし少年は特に振り返ろうともせず、そのまま家に帰っていった。 「ゆがが!なにやってるのぉぉ?!くそにんげんが、にげちゃ………ゆっぎゃぁぁぁぁ?!までぃざが、はんぶんずつになっちゃったよぉぉぉぉ!でいぶ、じんぐるまざーになっちゃっだのぉぉぉ?!」 「ゆんやぁぁぁぁ!おちょーしゃん、、どーちておたべなしゃいしてるのぉぉ?!ゆっぴぃぃぃぃぃぃ!!」 やっとの思いで、親まりさまりさの元まで跳ねてきたれいむ親子。 親れいむは、親まりさの姿を見るなり罵声を浴びせ始める。 だがすぐに、両目を飛び出さんばかりに見開いて死んでいる親まりさに気がつき、涙を流しながら絶叫する。 それに続いて赤れいむも、親まりさの死に顔を見てゆんゆんと泣き始める。 れいむ親子は、まりさの死体のそばで何時までも泣き続けるのだった。 「ゆぺーっち!いちゃい!…ゆっぴぃぃぃ!なにしちぇるのじぇ、このくしょどれー!まりちゃおこるのじぇー!!」 少年は家に着くとすぐに透明な箱を取り出し、その中に子まりさを乱暴に入れて蓋をした。 幸い箱の底には土が敷いてあったため、子まりさは大した怪我も無い。 子まりさは着地の痛みに顔を歪めるが、すぐに体勢を立て直して少年を涙目で睨みながら罵声を浴びせる。 「えっと、ゆっくりって何でも食うんだったかな?とりあえず、これでいいか」 だが少年は子まりさ事を気にしておらず、蓋に付いた小さな小窓を空けると、そこから粒上の餌を箱内に入れてすぐに蓋を閉じた。 そして子まりさの様子を観察するかのように、箱の中をじっと覗いた。 「ゆっがぁぁぁ!きーてるのじぇ?!このくしょどれー!おわびとして、あまあまたくさんもってこいのじぇー!ぷんぷんぷん!!」 「あれー?食べないな。腹減ってないのかな?まあいいか、TV見よう!」 子まりさは少年の態度に腹を立て、頬を膨らませて怒鳴る。 少年はそんな子まりさの様子には気が付かず、餌を食べ始めない事を不思議がりながらも他の部屋に行ってしまった。 「それにしても、あんちゃんから貰ったあの箱すごいや。ゆっくりの鳴き声が聞こえなくなるなんて。これなら母ちゃんに、五月蝿いって言われずに済むな」 少年は満足そうに笑うと、お気に入りのアニメを夢中になって見始めた。 その日は、それ以上少年が子まりさを構う事はなかった。 一方子まりさは空腹に腹を立てて、少年を見かけるたびに叫び続けたが、少年に気付いてもらう事はなかった。 「うぅ…もう朝か…ん?こいつ、まだ寝てるのかな?朝だってのに、のん気なやつだ…」 「ゆぴー…ゆぴー…ゆぴー…」 母親に無理やり起こされた少年は、両目をこすりながら布団から這い出る。 そんな少年の目に止まったのは、何だか幸せそうに眠っている子まりさ。 もちろん幸せそうに見えたのは少年にだけで、よく観察すれば頬に涙の後が付いているのが解っただろう。 だが少年には、子まりさの寝顔がとても腹立たしく見えたのだ。 「おら!起きろ!朝だぞ!ほら、さっさと餌を食え!起きろー!!」 「ゆちゃ、むにゃむにゃ…『バンバンバン!』 ゆっぴきぃ!なんなのじぇぇぇ?!ゆわぁぁ…おねしーしーしちゃったのじぇ…ゆえぇぇ…」 少年は箱の中に餌をばら撒くと、子まりさを起こそうと箱を強く手で叩いた。 箱は丈夫な造りの為、少年が叩いた程度では軋みもしなかったが、子まりさを叩き起こすには十分な程の振動を与えた。 子まりさは振動に驚き跳ね起きると、ショックで少ししーしーを漏らす。 しーしーを漏らした事に気がついた子まりさは、顔を真っ赤にして両目に涙を浮かべる。 だがすぐに目の前に少年が居る事に気が付き、慌てて少年を睨み始める。 「ゆゆぅぅ!おまえのせーなのじぇ!おまえのせーで、まりちゃはおねしーしーをしちゃったのじぇー!ゆるせないのじぇぇぇぇ!!」 「おぉ、起きた起きた。朝から元気な奴だな。ゆっくりってうらやましいな、学校行かなくて良いし、のん気でさー」 少年はそう呟くと、子まりさが怒っている事に気が付かずそのまま学校に行ってしまう。 「ゆぅぅ!まつのじぇぇぇぇ!まりちゃ、おこってるのじぇー!!ぷんぷんぷーんのじぇ!!」 涙目で頬を膨らませ怒る子まりさだったが、その声は少年に届く事はなかった。 「ゆぅぅ…おなかすいちゃ…くしょにんげん、あまあまもってくるのじぇー…ぐすっ、ゆえぇぇ………どこなのじぇ…まりちゃ…ひとりぼっちなの…じぇ?さみしいのじぇ…ゆびゃぁぁ…」 薄暗い部屋の隅に置かれた箱の中で、本日何度目か分からない命令をする子まりさ。 最初の内は怒って跳ね回ったり、膨れ上がったりして怒ってみた。 だが子まりさの命令を聞くものなど誰もおらず、大声を張り上げた分だけ、動いた分だけ腹が減るのであった。 子まりさは力なく身を伏せると、一人ぼっちの寂しさを紛らわせるように目を閉じた。 「ゆうぅぅぅ…おとーしゃ…おかーしゃ…いもーちょ…どこなの…じぇ?ゆえぇぇぇ…」 だが目を閉じ思い出すのは、家族と共に暮らした楽しい、ゆっくりとした日々の事ばかり。 子まりさは身を震わせて涙をこぼすと、狭い箱の中をノソノソと動き回り、居るはずもない家族を探し回った。 「あれ?なんだこいつ、のん気に寝てやがる。まったくゆっくりって、本当にゆっくりしてるんだな!おい起きろ!餌だぞ!良いもってきたぞ!!」 「ゆぴゃ!…なんなの…じぇ………ゆうぅぅ!くしょにんげん!あいたかっ…ゆぅぅ!なにしてるのじぇ!さっさとあまあまもってくるのじぇぇぇぇ!!」 帰ってきた少年に叩き起こされる子まりさ。 寂しさのあまり思わず涙を浮かべるが、慌てて少年を怒鳴る。 だが少年には聞こえておらず、少年は持っていたビニール袋から何かを取り出して子まりさの箱の中に入れる。 「ほら、お前ら甘い物が好きなんだろ?給食で出たメロンだぞ!…まあ皮だけど、ゆっくりには充分だろ?残さず食えよ!」 「ゆぅぅ?!あまあま?おいししょーなにおい!ゆわぁぁぁい!どれーのくせによくやったのじぇ!ほめてつかわしゅのじぇ!ゆっくちー!!」 メロンの皮から漂う甘い匂いに、思わず微笑んで飛び跳ねる子まりさ。 幸せそうに体を揺らすと、メロンの皮に向かって這って行く。 少年はそんな子まりさを満足そうに眺めると、またどこかに行ってしまう。 子まりさは少年がいなくなった事には気が付かず、にっこりと笑いながら大きな口を開けてメロンの皮に齧り付いた。 「ゆっくちいただきまーしゅ!むーしゃ、むー…ゆぅぅ?!なにこりぇ!かたいのじぇぇぇぇぇ!しょれに、あんまりあまあまじゃないのじぇぇぇ!!」 幸せそうに皮を齧る子まりさだったが、その皮の硬さに顔をしかめる。 その上少年が綺麗にメロンを食べたせいで、その熟れたオレンジ色の身は殆ど残っていなかった。 しばらく不満そうに頬を膨らませて飛び跳ねていた子まりさだったが、空腹には勝てずに再びメロンの皮に噛みつく。 「むーちゃ…むーちゃ…あまあま…にがにが…やっぱりかたいのじぇ…どぼちて………ゆっくち…ゆっくち………ゆえぇぇ…」 もはやいくら文句を言っても、どれだけ怒っても何も解決しない事を悟ったのか、子まりさは両目に涙を浮かべると顔をしかめながらメロンの皮に齧りついた。 その日、子まりさは少年の姿が見える度に何かを叫んだが、少年が子まりさを見る事はなかった。 子まりさは少年が見えなくなる度に、ブルブルと身を震わせて涙をこぼした。 「おい、朝だぞ!あれ?なんだ、全然メロンの皮が減ってないじゃないか!ちゃんと食えって言ったのに!」 「ゆぅぅ…なんなの…じぇ…ゆっくち…まりちゃ、ゆっくちしたしのじぇ…ゆっくち…ゆっくち…ゆっくちさせちぇよぉぉ…」 少年が箱を揺すったせいで、子まりさが力なく身を起こす。 頬には涙の跡が残り、両目は真っ赤になっていた。 「ありゃ?なんか元気がないな。日に当てた方が良いのかな?じゃあ、今日は特別にベランダに出してやるぞ!ありがたく思えよ!!」 その子まりさの元気の無さに気が付いた少年は、子まりさの箱を持ってベランダに出ると、一番日の当たりの良い場所に箱を放置した。 「ゆぅぅ…なんなのじぇ…まぶしいのじぇ…でも、とーってもきれいなのじぇ…!きらきらしてるのじぇ!ゆっくちー!」 「おっ…なんだか元気になったみたいだな。じゃあ、その皮食べ終わるまで、次のエサは無な。じゃあな!」 子まりさは朝日の眩しさに目を細めるが、その美しさに思わず微笑む。 少年はそんな子まりさを見て満足そうに笑うと、学校に行ってしまった。 子まりさは朝焼けを、幸せそうにいつまでも眺めていた。 「ゆぅぅ…あついのじぇ…のどがかわいたのじぇ…ゆっくち…おみじゅ…おみじゅがのみたいのじぇ…」 苦しそうに顔を歪める子まりさ。 呻くような声を上げると、水を探してノソノソと力なく箱の中を彷徨う。 綺麗だった朝日も、日が高くなるとその熱で少しずつ水分を奪い、子まりさをジリジリと苦しめた。 帽子を被っている分、多少日差しから逃れる事は出来ているだろう。 だが真っ黒なその帽子は日の光を吸収し、子まりさの頭を熱する。 子まりさは何故こんなに暑いのか、何故こんなにのどが渇くのか解らずに狭い箱の中を逃げ場探して彷徨い続ける。 「ゆっくち…あまあましゃん…おみじゅをちょーだいにぇ…むーちゃ…むーちゃ…」 メロンの皮にわずかに残ってた水分を求めて皮を齧るが、殆ど乾いていて満足にのどを潤す事が出来ない。 「ゆぅぅ…いじわるしにゃいでよぉぉ…まりちゃ、かわいそーなのじぇ…ゆっくちしたいのじぇ…ゆびぇぇぇ……ゆぅ…あそこなら、すずしそーなのじぇ…?」 ゆんゆんと泣いていた子まりさだったが、メロンの皮に出来る影を見つけて、何とかそこに身を隠して休む事にする。 「ゆぅぅ…ここなら、すこしすずしいの…じぇ…ゆっくち…ゆっくち…」 少し楽になったのか、子まりさはそのまま寝てしまう。 だが影はすぐに形を変えて移動し、子まりさは再び日の下に晒されてしまう。 「ゆぅ…ゆぅ…ゆっくち…ゆゆっ!どーしちぇまりちゃ、またあつあつなのじぇぇぇぇぇ?!」 暑さに目を覚ました子まりさは、再び影の中に身を隠すとぐったりと眠り始める。 「かげしゃん、いじわるしにゃいでね…まりちゃは、ゆっくちしたいだけなのじぇ…」 そしてまた日が子まりさを照らし、子まりさは慌てて影の中に入る。 そんな事を繰り返している内に子まりさはすっかり弱りきってしまい、少年が帰ってくる頃にはろくに動けなくなっていた。 「ゆぅぅ…おみじゅ…ゆっくち…おとーしゃ…おかーしゃ…ゆっくち…ゆっくち…」 「あれー?もしかして死んでる?」 帰宅した少年が、子まりさの箱を取りにベランダに出る。 だが子まりさはその事に気がつく余裕もなく、力なく震えては小声で何かをボソボソと呟くだけだった。 少年は殆ど動かない子まりさを見て首を傾げると、箱の蓋を取った。 「おーい!生きてるか?…うっわ!くっせー!何だこの臭い?駄目だこりゃ、捨ててこよう!」 少年は子まりさに触ろうとするが、その前に鼻を付く異臭に気が付くと、顔をしかめて慌てて蓋をしてしまう。 日の下に放置されたメロンの皮と、子まりさが食べずに放置した魚のえさが、土の水分を吸って箱の中に異臭を充満させたのだ。 少年はその臭いのせいで子まりさが要らなくなり、箱を抱えると近所の公園まで持って行った。 「とりあえず、花壇に捨てておけばいいか!次は土じゃなくて、砂を入れようかな?」 少年はそう呟くと、箱の土を子まりさごと花壇の土の上にぶちまけた。 子まりさはコロコロ転がって箱の外に出る。 幸い転がったおかげで、少量の土を頭から被るだけで土に埋もれる事はなかった。 「じゅべっべ…げぼっ…ごぼっ…っち…ゆっくち…」 「あれ?生きてたのか?でもこいつ、最初は威勢が良かったのに、あんまり元気じゃなかったからなぁ…病気持ちだったのかな?つまんねぇの」 子まりさはむせながらも、何とか体についた土を払って力なく震える。 少年はその弱りっぷりを見て面白くなさそうに顔をしかめると、砂を手に入れるために砂場に向かった。 「さて、砂をーっと。おっ!ゆっくり発見!こいつはあれより元気かな?」 「ゆゆぅ!なにしゅるんだじぇ!はなしゅんだじぇ!ぷくーしゅるんだじぇ!!」 「ははっ!元気がいいや。今度はこれにしよう!!」 砂を箱に入れていた少年は、早速別の子ゆっくりを見つけて捕まえる。 自分の手の中で、ブリブリと元気良く体を動かす子ゆっくりを見て、その様子に満足そうに笑う少年。 「ゆっ…ち…ゆ…ち………ゆえぇ…ぇ………ぇ…………」 捨てられた子まりさは、そんな様子を見て狩れ果てたはずの涙を一粒零す。 そして身震いをすると、そのまま崩れる様に地面に伏して動かなくなった。 「だしぇー!だしぇー!ゆっくちせーさいしてやるんだじぇぇぇぇ!!」 「おぉ!何言ってるか分からないけど、もの凄く元気に動いてる!これなら、さっきの奴みたいに簡単に死なないかな?ラッキー!」 少年はそんな子まりさに気がつく事も無く、新たに手に入れた子ゆっくりを見て満足そうに微笑んだ。 完 徒然あき
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『まりちゃは最高のゆっくり』 22KB 虐待 制裁 飾り 野良ゆ 現代 虐待人間 ぺにまむ テンプレまりちゃいじめ。 おさげあき そのまりちゃは最高のゆっくりだった。 優しい両親から生まれ厳しい野良生活の中であっても一際輝いている存在だった。 その理由はお飾りがとてもゆっくりしていたから。 ピンと尖って汚れ一つ無い素敵なお帽子。 サラサラの金髪と可愛いおさげ。 ゆっくりは飾りでその個体のゆっくり具合を見極める。 その基準に照らし合わせるとこのまりちゃは最高にゆっくりしたおちびちゃんらしい。 だが両親との幸せな生活も父まりさの一言で終わりを告げた。 「ひろいゆっくりぷれいすをひとりじめしてるくそにんげんをせいっさい!しにいくのぜ!」 自分達は小さいダンボールのおうちなのに人間はすごく大きいおうちに住んでいる。 ゆっくりにも広いおうちに住む権利はあるはずだ。 それなのに人間は広いおうちを明け渡さずにずっと住み続けている。 だからせいっさい!してゆっくりぷれいすを奪還するのだ。 父まりさの言葉に母れいむも同意しまりちゃを連れ親子総出で人間の家へと乗り込んだ。 そしてその結果は…… 「ぼっど……ゆっぐじ……じだが……っべぇ!?」 「で……でいぶぅぅぅぅぅぅ!?」 「おかあしゃぁぁぁぁぁん!?」 家主の男による苛烈な反撃である。 父まりさと母れいむは目を覆いたくなるほどの虐待を受け、今さっき母れいむが潰されたところである。 ちなみにこの男、ゆっくり虐待が趣味である。 さらに言えば家に被害は無い。 男の家は強化ガラスを使っていて家の中に侵入出来なかったのだ。 だが未遂だろうと何だろうと関係ない。 ゆっくりには地獄以上の恐怖と絶望を。 その考えを持つ男によって捕らえられ今に至る。 「糞ゴミでいぶは文字通りゴミになったわけだが……次はまりさ、てめぇがゴミになる番だ」 「ゆ……ゆひぃぃぃぃぃ!!」 父まりさは男の睨みでおそろしーしーを漏らし戦意を既に喪失している。 母れいむと同様に苛烈な虐待で父まりさの自信は崩壊しきっているから。 「ゆ……ゆるじでぐだざいぃぃぃぃ!ばでぃざがおろがものでじだぁぁぁぁ!だがら……!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 「ぶげぇ!」 男は父まりさを足で踏みつけ、少しずつ体重を掛けていった。 「ぶぎぃぃぃぃぃ!ばでぃざじぬぅぅぅぅ!じんじゃうぅぅぅぅ!!」 父まりさは尻をブリンブリンと揺らしながら必死の抵抗を試みるが無駄な行為だ。 「もう諦めろ、てめぇは死ぬ」 「いやだぁぁぁぁぁぁ!ばでぃざじにだぐないぃぃぃぃぃ!ぼっどゆっぐりじだいぃぃぃぃ!」 「地獄ででいぶと一緒にゆっくりしていけ。じゃあな、ゴミクズまりさ」 「ぶぎゅ!?」 こうして父まりさも死んだ。 「さてと……あとは子まりさだけか」 「お、おちょうしゃぁぁぁぁん!?まりちゃをおいていかないでほしいのじぇぇぇぇ!」 「そうだな、こいつはすぐには殺さずじっくりたっぷりいたぶるとしよう」 「ゆぎぃ!?このくしょにんげんがぁぁぁぁ!よくもまりちゃのかじょくをぉぉぉぉ!」 これまでまりちゃは子ゆっくりという事で後回しにされていたので無傷だ。 頬を膨らませ精一杯の威嚇をするまりちゃだがその行為は男を昂ぶらせる材料でしかない。 「さーてと、まずは何をしようか?お帽子破壊?おさげブッチン?あんよ焼き?まむまむ破壊?」 「い、いやなのじぇぇぇぇ!おちょうしゃぁぁぁん!おきゃあしゃぁぁぁん!たしゅけてなのじぇぇぇぇ!」 「両親ならそこでゴミになってるじゃないか」 「まりちゃのかじょくはごみじゃないのじぇぇぇぇ!」 「元気があっていいな!それでこそまりちゃ!そんなまりちゃにご褒美だ!」 男はまりちゃを持って振動させる。 「ゆゆ!?まりちゃ……にゃんだかしゅっきりしたくなってきたのじぇ!」 まりちゃを振動させるとすぐに発情し小さなぺにぺにが生えてきた。 「まりちゃ……もうすぐしゅっきりー!しゅるのじぇ!しゅしゅしゅ……しゅっき……」 「させるかぁ!」 男は今にもすっきりーしそうなまりちゃのぺにぺにを指で弾いた。 「ぴぃぃぃぃぃぃぃ!?まりちゃのぺにぺにぎゃぁぁぁぁ!!」 生まれて初めて味わう苦痛にまりちゃは顔を醜く歪めて絶叫を上げた。 子ゆっくりの体は脆いが男は虐待に手馴れているようでまりちゃのぺにぺには赤く腫れ上がるだけで済んでいた。 「ぴぎぃぃぃぃぃぃ!いぢゃいのじぇぇぇぇ!まりちゃちんじゃうのじぇぇぇぇぇ!」 痛みに弱い子ゆっくりはすぐ死んでしまうが当然このままあっさり死なすつもりは無い。 男はオレンジジュースをまりちゃにぶっかけた。 「ゆひぃ……ゆひぃ……いちゃい……いちゃいのじぇ……でもすこしゆっくちできるのじぇ……」 オレンジジュースで死を免れたまりちゃだがここで死ねなかった事はまりちゃにとって最大の不幸だろう。 「さてと、ぺにぺにも縮んでまむまむに戻った事だしこんどはまむまむをぐーりぐーりしてみようか?」 「い、いやなのじぇぇぇぇぇ!まむまむだけはゆるちてほしいのじぇぇぇぇ!」 「そんなにまむまむが大事かい?」 「まりちゃのばーじんしゃんはだれにもわたさないのじぇ!まりちゃはいれられるよりいれるほうがいいのじぇ!」 活発なまりさ種は父親になる事が多い。 だからまりちゃの言う事も理解出来るがそれで虐待をやめる気にはならない。 むしろロストバージンのまりちゃを見てみたいと思う男だった。 「じゃあまりちゃのバージンは俺が貰ってやろう!」 「ゆ……?」 男は人差し指をまりちゃのまむまむに近づける。 「ただし俺の指だけどな!」 「や……やめちぇぇぇぇぇぇ!!!」 ズブゥ!!! 「ゆっぎょぉぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!ばりぢゃのまむまむがぁぁぁぁ!!ばーじんしゃんがぁぁぁぁ!!」 「まだ子ゆっくりなのに初体験を済ますなんてまりちゃは淫乱饅頭だな!はははっ!」 「ゆぎぎぎっげげげげげえぇぇぇぇ!いぢゃいぃぃぃぃ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!ぬいちぇぇぇぇぇ!!」 「なるほど、ピストン運動してほしいんだな!ゆっくり理解したよ!激しくするから楽しんでいってね!」 「ちぎゃうぅぅぅぅ!ぎゃぁぁぁぁぁ!!うごかしゃないでぇぇぇぇ!!」 小さいまりちゃのまむまむは男の指によって拡張され無残な形となっていた。 中身の餡子を抉られる激痛にまりちゃは狂う一歩手前だが狂う事も苦痛で死ぬ事も許されない。 何故ならオレンジジュースを随時与えられているから。 「ぎぃぃぃぃぃぃ!!もうやじゃぁぁぁぁ!!おうちかえるぅぅぅぅ!!」 「何を言ってるんだ?お楽しみはこれからじゃないか!沢山俺を楽しませてね!」 「にゃんでくしょにんげんごときをたのしましぇないといけないんだぁぁぁぁ!このごみくじゅがぁぁぁぁ!」 みっともなく泣き叫んでいたまりちゃだがオレンジジュースで回復するとすぐ男に対しデカイ態度を取るようになった。 嫌な記憶はすぐ消去する単純な餡子脳。 だからこそ苛めがいがあるというものだ。 「そうだな……次はそのお飾りをびーりびーりと破いてみよう」 「ゆゆぅぅぅぅ!?」 男がそう言ってまりちゃのお帽子に手を近づけるとまりちゃは激しく抵抗する。 「まりちゃのしゅてきなおかじゃりにきたないてでふれるんじゃないのじぇぇぇぇ!」 「あー、そういやこいつの飾りって野良のくせにやたら綺麗だよな」 「まりちゃのおかじゃりはいのちよりたいせつなものなのじぇぇぇぇ!」 「それほど大切なお飾りを失った時のまりちゃの反応がみたいからゆっくり破らせてね!」 「ゆゆぅぅぅぅ!?」 男は激しく抵抗するまりちゃから容易く帽子を奪う。 抵抗と言っても体をブリンブリンと揺らしたりおさげを振り回して威嚇するだけなので帽子を奪うのは簡単だった。 「かえしゅのじぇぇぇぇ!まりちゃのしゅてきなおぼうちかえしゅのじぇぇぇぇ!」 男の足元でぴょんぴょん跳ねて騒ぐまりちゃ。 「そんなに大切ならさっさと取り返したら?ほれほれ」 「ゆんやぁぁぁぁ!!まりちゃのおぼうちぃぃぃぃ!おぼうちぃぃぃぃ!」 まりちゃの頭上に帽子を持っていく男。 当然あと少しで届かない高さにしてあるので思う存分まりちゃの無様な姿を観察する。 「まりちゃのしゅてきなおぼうちしゃぁぁぁぁん!ゆっくちしないでまりちゃのあたまにもどってきちぇぇぇぇ!」 跳ねるだけでなく三つ編みのおさげを手のように伸ばし必死に自分の帽子を掴もうとするまりちゃ。 「どぼちてとどかないのじぇぇぇぇぇ!?まりちゃのしゅべてをつかみとるおしゃげしゃんをのばしてるのにぃぃぃ!」 「自分のお帽子すら掴めないゴミで無価値なおさげなのに何を言ってるんだか」 「ゆゆぅぅぅ!?まりちゃのおしゃげしゃんをばかにしゅるなぁぁぁぁ!」 男の言葉に劇的に反応し物凄い形相で威嚇するまりちゃ。 よほど自分のおさげに自信があるのだろう。 「つーかさ、れいむ種のもみあげみたいに二つあるわけでもないのに何でそんなに自信タップリなの?」 「れいみゅのもみあげとまりちゃのおしゃげしゃんをいっしょにしゅるなぁぁぁぁ!あんなのただのごみなのじぇぇぇぇ!」 「まあれいむ種がゴミなのは同意だけどまりちゃだって同じようなもんだろ?」 「まりちゃはさいっきょう!なのじぇ!なにもできないむのうなれいみゅといっしょにしゅるなぁぁぁぁ!」 「ゴミクズのまりさ種はホント最強って言葉が好きだよな、クズで無能のまりちゃには決して手に入らないのに」 「まりちゃはむのうじゃないのじぇぇぇぇ!ゆっくちていせいしゅるのじぇぇぇぇ!」 「どうでもいいがそろそろお帽子破くぞ」 「や、やめるのじぇぇぇぇ!さいっきょう!のまりちゃのめいれいをきくのじぇぇぇぇ!!」 「そおい!」 男はまりちゃの自称素敵なお帽子を真っ二つに裂いた。 目を見開くまりちゃ。 そのまりちゃの前に二つに裂けた帽子を置いてやる。 「細切れにするのは勘弁してやろう、原型を残していたほうが絶望感も増すからな」 「……」 「おや?どうした?まりちゃ?」 男がまりちゃの体をツンツン突くが反応しない。 「やべっ、もしかしてショック死したか?」 男がそう思った時だ。 「ぴっぎぇぇぇぇぇぇぇぇ!!ばりぢゃのむてきでさいっきょう!できゅうっきょく!のおぼうちがぁぁぁぁぁ!!」 突如まりちゃが絶叫を上げじったんばったん滅茶苦茶に暴れ始めた。 どうやらあまりのショックで一瞬意識を失っていただけらしい。 まりちゃが生きていた事に安堵する男。 「ゆっぴえぇぇぇぇぇん!まりちゃのぉぉぉぉ!まりちゃのしゅてきなぁぁぁぁ!とってもしゅてきなおぼうちぃぃぃぃ!」 まりちゃは顔を床に擦りつけゆんゆん泣き叫ぶ。 自称「全てを掴み取るおさげ」とやらもペチンペチンと何度も床を叩いている。 行き場の無い怒りと悲しみを地面にぶつけているかのように。 「テンプレとはいえやっぱまりさ種のお飾り破壊は最高だわ」 男はニヤついた表情でまりちゃの愚かで無様な姿を楽しんだ。 そんな男に構わずまりちゃがガバっと顔を上げ目の前の帽子を一心不乱に舐め始めた。 「なおっちぇぇぇぇ!まりちゃのかっこいいおぼうちしゃぁぁぁぁん!おぼうちしゃぁぁぁぁん!」 無駄な事をするまりちゃ。 一度破れたお飾りは二度と元には戻らない。 それを本能で分かっていながらまりちゃは必死に舌で修復を試みる。 どうやら唾液を接着剤代わりにして裂けた帽子をくっ付けようとしているらしい。 しばらく切断面を念入りに舐めた後、慎重に帽子を繋ぎ合わせる。 しかし当然帽子がくっ付く事は無い。 「どぼちてくっついてくれないのじぇぇぇぇ!?むてきのおぼうちしゃんならくっつくはずなのじぇぇぇぇ!」 「無敵ならそもそも破れたりしないだろ?という事はそのお帽子はゆっくりしてないお飾りって事なんだよ」 「だまるのじぇぇぇぇぇ!もとはといえばおまえのせいなのじぇぇぇぇ!ぶちころしてやるのじぇぇぇぇ!」 「おお、こわいこわい」 「ぎぎぎぎぃぃぃぃ!」 男の態度に歯をギリっと噛み締めて怒りを表現するまりちゃ。 男への殺意を撒き散らすまりちゃは今にも飛び掛りそうな雰囲気だ。 「そんなに俺が憎いか?」 「あたりまえなのじぇぇぇぇ!いますぐしぇいっしゃい!してやるのじぇ!おぼうちのかたきなのじぇ!」 「ならさっさと制裁すれば?」 「さいっきょう!のまりちゃのつよさにおそれおののくがいいのじぇ!あやまってもゆるしてやらないのじぇ!」 「御託はいいからさっさと掛かってくれば?やっぱまりさ種は口だけの無能饅頭だな」 「ゆぎぎぎぎぃぃぃぃ!まりちゃをおこらせたむくい、そのいのちでつぐなってもらうのじぇぇぇぇ!」 「口先だけは達者のまりちゃよ、いつになったら掛かってくるの?バカなの?死ぬの?」 「くしょにんげんがぁぁぁぁ!まりちゃをぐろうするのもいいかげんに……!」 「ホントは怖くて掛かってこれないんだろ?なら早くそう言えばいいのに」 「ちぎゃうぅぅぅぅ!まりちゃはさいっきょう!なのじぇぇぇぇ!こわくないのじぇぇぇぇ!」 「無理すんなよ、ホントは恐怖で小便漏らしそうなのを必死で耐えてるんだろ?お漏らしまりちゃちゃん♪」 「ぐっごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 怒りの沸点が限界を超えたのか鬼の形相で男に襲い掛かるまりちゃ。 「しにぇぇぇぇぇ!まりちゃのさいっきょう!のたいあたりでしぬのじぇぇぇぇ!」 「はいはい、最強最強」 「ゆっぎぃぃぃぃぃ!しにぇぇぇぇぇ!しぬのじぇぇぇぇぇ!さっさとしぬのじぇぇぇぇ!」 必死に体当たりするまりちゃだが当然男にダメージは無い。 「えー?もしかしてそれがさいっきょう!のまりちゃの攻撃なの?ぷぷっ!そんなんじゃ赤ゆっくりにも勝てないわ」 「ゆっぎぃぃぃぃぃぃぃ!!だまるのじぇぇぇぇぇ!だまるのじぇぇぇぇぇ!」 無駄な体当たりを続けるまりちゃだがすぐ体力が尽きたらしく動かなくなった。 それでも男への暴言は止まらない。 「しにぇ……さいっきょう!のまりちゃのこうげきでしゃっしゃと……」 「口だけはホントに達者だな、さすがは無能饅頭!」 「ゆぎぃ……」 弱弱しく男を睨むまりちゃ。 「そんじゃオレンジジュースだな」 男がオレンジジュースを掛けるとまりちゃは元気を取り戻す。 だがまりちゃが再び男に襲い掛かる事は無かった。 男との力の差を理解したのだ。 だが理解はしても男に屈服するのだけは嫌だ。 となるとまりちゃの次の行動は…・・・ 「まりちゃをおうちにかえしゅのじぇ!このくしょにんげん!」 男への暴言だけである。 それに対する男の答えは…… 「うーん、そうだな。おうちに帰してやってもいいけど」 「ゆ?ゆゆ?ほんとなのじぇ!?」 「ああ」 「ゆふん!やっとまりちゃのおそろしさがわかったのじぇ!さいしょっからそうすればよかったのじぇ!」 「でも両親も居ないのに小さいまりちゃ一匹で生きていけるのか?」 「まりちゃはおちょうしゃんからかりのしかたをおそわってるのじぇ!だかららくしょうなのじぇ!」 「ま、野生はそんなに優しくないけどな。んじゃおさげ引き抜くか」 「ゆ?」 「おうちに連れてく前にまりちゃのおさげを引き抜くよ」 「ゆゆ……?」 男の言葉に硬直するまりちゃ。 今、凄くゆっくり出来ない事を言われた気がする。 二度も言ったのにまだ理解してないのかと呆れるが男は優しいのでもう一度ハッキリ言ってあげる事にした。 「おうちに連れてく前にまりちゃの全てを掴み取るおさげをブッチンと引き抜くって言ったんだ、理解出来る?」 「……」 言葉を失うまりちゃ。 そして次の瞬間には盛大に暴れ始めた。 「いやじゃぁぁぁぁ!まりちゃのおしゃげしゃんだけはじぇったいまもるのじぇぇぇぇ!」 まりちゃはぷくーっと頬を膨らませたり歯をむき出しにして威嚇したり自慢のおさげをブンブン振り回して暴れ始める。 おさげだけは守るという意思表示なのだろう。 男の手がおさげに近づくとまりちゃは自慢のおさげで男の手をペチンペチンと叩きまくる。 「どうなのじぇ!?まりちゃのむちのようにしなやかではかいりょくばつぐんのおしゃげしゃんのこうげきは!?」 「ん?これ攻撃のつもりだったの?撫でてくれてるのかと思ってたよ!気づかなくってごめんね!」 「ゆっぎぃぃぃぃぃ!ばかにするにゃぁぁぁぁ!!」 バカにされた事に憤慨したまりちゃのおさげによる攻撃はさらに激しくなっていくが当然男にダメージは無い。 「そろそろブッチンと引き抜くとするか」 「やれるものならやってみろなのじぇぇぇぇ!まりちゃのおしゃげしゃんではじきとばしてやるのじぇぇぇぇ!」 突然まりちゃがおさげをクルクル回転させ始めた。 「ん?それ防御してるつもりか?」 「このむてきの「おしゃげしーるど」はどんなこうげきもはじくのじぇ!」 「よっと」 「ゆぅぅぅぅぅ!?」 男はあっさりと回転するおさげを掴んだ。 それに驚愕するまりちゃ。 「どぼぢでまりちゃのおしゃげしーるどがきかないのじぇぇぇぇ!?」 「まりちゃのおさげがゆっくりしてないからだろ?そんじゃゆっくりしてないゲスなおさげを引き抜くか!」 男は片手でまりちゃを押さえながら少しずつおさげを引き抜いていく。 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!いちゃいのじぇぇぇぇ!おしゃげしゃんがぬけちゃうのじぇぇぇぇ!」 まりちゃは必死に体をブリンブリンと揺らすが無駄な行為だ。 その間にもまりちゃのおさげは確実に抜けていく。 「おっ、まりちゃのおさげが今にも抜けそうだぞ!おさげとバイバイする準備は出来たかな?」 「ゆんぎぃぃぃぃぃ!やじゃやじゃやじゃやじゃーーーーーー!おしゃげしゃんとばいばいしたくないのじぇぇぇぇ!」 「いつかはこの世ともバイバイする事になるんだからその予行練習と思えばいいんじゃね?」 「やじゃぁぁぁぁ!!おしゃげしゃんはじゅっとまりちゃといっしょにいるのぉぉぉぉ!はなれちゃくないぃぃぃぃ!」 ブチン そしてついにおさげがまりちゃから抜けた。 「ゆっぴぃぃぃぃぃぃぃぃ!ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぶっごぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 おさげが抜けた痛みよりもおさげを失ったショックにこれまでで最高の騒音を立てるまりちゃ。 「ほれ、この汚いおさげは返してやろう、せいぜい後生大事にしていってね!」 男がおさげをまりちゃの目の前に落とすと…… 「ぎいぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!ばりぢゃのぉぉぉぉぉ!ばりぢゃのおしゃげしゃんがぁぁぁぁぁぁ!!」 帽子を破られた時以上の絶叫を上げるまりちゃ。 この小さい饅頭のどこからそんな声が出てるのか疑問に思えるほどの騒音である。 「うるせぇけどこの絶叫は最高だぜ、やっぱゆっくりは絶望の叫びを上げるのがお似合いだわ」 「しろいおりぼんがちゃーむぽいんとでさいっこうにゆっくちしててさらさらできれいなおしゃげしゃんがぁぁぁぁ!」 「そしてこのベタ褒めの台詞!咄嗟にこれだけの言葉を吐けるゆっくりって饅頭はマジすげーな」 「むちよりもしなやかでぇぇぇ!あらゆるものをひきさいてぇぇぇ!どんなものもつかめてぇぇぇ!」 「つーか、まだ続いてるのかい」 「みんなからあいされてぇぇぇ!さいこうのびゆっくちのあかしでぇぇぇ!」 「しかし自画自賛しまくりだな」 「このよのどんなほうしぇきよりもうつくしくてえきしゃいてぃんぐなおしゃげしゃんがぁぁぁぁぁ!!」 「はいはい、エキサイティングエキサイティング」 最初はニヤついていた男だがあまりの長い台詞に呆れてしまった。 「いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!これじゃもうゆっくぢできにゃいぃぃぃぃ!!」 「あ、だじぇ口調じゃ無くなった。お飾りを失うと自信を無くすのはどのゆっくりも同じだな」 「ど……どぼぢてごんなごどするにょぉぉぉぉぉ!?ばりぢゃなにもわるいごどじでないのにぃぃぃぃ!」 「おっ、ようやくその台詞が来たか!んじゃいつも通りの返答をするかな」 男は無意味な質問をするまりちゃに向かって当然のように答えた。 「ゆっくりを苛めるのが楽しいからに決まってるだろ?バカなの?死ぬの?」 「ばりぢゃだっていぎでるんだよぉぉぉぉ!?いきものをいじめちゃいけないんだよぉぉぉぉ!」 「やっぱ最後はどのゆっくりも言う事は同じだな、所詮餡子脳だし」 「ひっしにいぎでるゆっぐぢをいじめてなにがだのじいのぉぉぉぉ!?」 「糞饅頭が生きてるとか笑わせんなよ、それにゆっくりってのは苛められるために存在してるんだろ?」 「ぞんなわげないぃぃぃぃ!!ゆっぐぢだってじあわぜーになるけんりが……!」 「その権利とやらをぶち壊すのが楽しいんじゃないか、という事で……」 ズボ 「ゆっぎぃ!?」 男はチャッカマンをまりちゃのまむまむに突っ込んだ。 オレンジジュースで完治したとはいえあの時の痛みを思い出し絶叫を上げるまりちゃ。 「ぬいちぇぇぇぇぇ!やじゃぁぁぁぁぁ!やじゃよぉぉぉぉぉ!」 「二度と妊娠出来ない体にしてやろう、こんな機能があるから生きる権利を主張するんだもんな」 「やじゃぁぁぁぁ!おちびちゃんうめにゃいからだになるのやじゃぁぁぁぁ!」 カチ 「ぴっぎぃぃぃぃぃぃぃ!ばりぢゃのなかがぁぁぁぁぁ!ちぬぅぅぅぅぅ!ちんぢゃうぅぅぅぅぅ!」 「オレンジジュースあるから死なないよ、安心して焼かれていってね!」 「ぎぎぃぃがががががぁぁぁぁぁぁ!!!」 物凄い形相で苦痛に悶えるまりちゃ。 男がチャッカマンを黒コゲになったまむまむから引き抜いてもまりちゃは小刻みに痙攣するだけだった。 「まりちゃの……まりちゃのまむまむが……」 「じゃあ次は植物型妊娠も出来なくさせよう」 「ゆひぃ!?しょれだけはぁぁぁぁ!!しょれだけはゆるちてぇぇぇぇ!!まりちゃにのこったしゃいごのたからものなのぉぉぉぉ!」 男はまりちゃの額にチャッカマンを近づけた。 当然まりちゃは暴れるが男がしっかり手で拘束しているので無意味だ。 「おにぇがいしましゅぅぅぅぅ!しぇめておちびちゃんだけはうましぇてぇぇぇぇ!まりちゃのしそんをのこさせちぇぇぇぇ!」 「ゆっくり諦めてね!」 男が満面の笑みと共にチャッカマンを点火させた。 火はまりちゃの額を確実に焼き焦がしていく。 「あぢゅいぃぃぃぃ!いぢゃいぃぃぃぃ!やめぢぇぇぇぇ!やめぢぇよぉぉぉぉ!ばりぢゃからしゅべてをうばわにゃいでぇぇぇぇ!」 まりちゃの懇願も空しく額は前髪を燃やし尽くしながら完全に黒コゲとなった。 ご丁寧にも鏡を用意しまりちゃの無様な姿を見せてあげる。 「ぞ…ぞんにゃぁぁぁぁ!?きゃわいいばりぢゃがぁぁぁぁ!?ぜっせいのびゆっくぢのばりぢゃがぁぁぁぁ!?」 自分の変わり果てた姿に絶望の叫びを上げるまりちゃ。 そんなまりちゃに追い討ちが。 「おっと、まだあんよが無事なのをすっかり忘れてたよ!そんじゃあんよも焼こうね!」 「い……いやじゃぁぁぁぁぁぁぁ!ばりぢゃのしゅんっそく!のあんよさんだけはぁぁぁぁ!しょれだけはぁぁぁぁ!」 「ほい!点火!」 まりちゃの懇願をスルーし男がまりちゃの底部を焼いていく。 再び襲ってきた激痛にまりちゃは目を見開いて絶叫を上げた。 「いぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!あぢゅい!あぢゅい!あぢゅいぃぃぃぃぃ!!」 「まあこんなもんか」 男があんよ焼きを終了させた時にはまりちゃの底部は黒コゲになっていた。 これでは二度と跳ねる事も這う事も出来ないだろう。 「しょ……しょんなぁぁぁぁ!ばりぢゃのぉぉぉぉ!ばりぢゃのしぇかいしゃいしょく!のあんよしゃんがぁぁぁぁ!」 「うん、いい姿だ!やっぱまりさ種は無様な姿が一番似合うぜ!」 「ゆっぐ……おぼうちしゃん……おしゃげしゃん……おちびちゃん……あんよしゃん……みんな……なくなっちゃった……」 絶望のまりちゃ。 ここにやってきた時と比べいい表情になったもんだ。 男はまりちゃのそんな姿に満足していた。 「ああ、それとさっきの約束だけど」 「ゆ……?」 「ほれ、おうちに帰してやるって約束」 「ゆぅぅぅ……まりちゃ……やっとおうちに……かえれるんだね……ゆっくち……できるよ……」 「あれは嘘だ」 「……」 男の言葉を聞いて絶句するまりちゃ。 「もう一度言おう、あれは嘘だ。まりちゃはこれからもここで死ぬまでいたぶられるんだよ」 「い……いやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!しょんなのやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「いい声だ、これからもそんな声を聞かせてくれ」 「やじゃぁぁぁぁぁぁ!!かえしちぇよぉぉぉぉぉ!!まりちゃをゆっくちしゃしぇてぇぇぇぇ!」 「ゆっくり諦めてね!」 満面の笑みの男の言葉を否定するかのようにまりちゃはただ叫び続けた。 あれから数日が経った。 「やあ!今日もゆっくりしてるかい?」 「ころちて……まりちゃを……ころちてくだちゃい……」 ついに死を望むようになったまりちゃ。 だがまだまだ殺さない。 まりちゃにはたっぷりと生き地獄を味わってもらいたいから。 「今日は特別ゲストの登場だ!その名もれいぱーありす!」 「むほぉぉぉぉぉ!すっきりしたいわぁぁぁぁぁ!」 その辺で適当に拾ってきたれいぱーありすをまりちゃにけしかける男。 ありすは飾りの無いまりちゃでも構わず襲い掛かった。 「おかざりがなくてゆっくりしてないまりさにありすのあいをあたえてあげるわねぇぇぇぇ!」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!?」 必死に抵抗するまりちゃだが底部が黒コゲで一歩も動けない。 ただ尻をブリンブリンと揺らすだけだ。 その行為がありすを昂ぶらせた。 「まりさはあにゃるにいれてほしいのねぇぇぇぇ!わかったわぁぁぁぁ!」 「ち、ちぎゃうぅぅぅぅ!やめぢぇぇぇぇ!!ばりぢゃのあにゃるしゃんだけはぁぁぁぁ!しょれだけはぁぁぁぁ!」 唯一無事だったあにゃる、それだけは許してと懇願するまりちゃだが当然無視。 ありすは尻を振って誘惑するまりちゃのあにゃるに巨大なぺにぺにをぶち込んだ。 「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃぃぃ!ぢぬぅぅぅぅぅぅ!ぢんぢゃうぅぅぅぅぅ!!」 「ゆほぉぉぉぉぉぉ!いいわぁぁぁぁ!まりさのなかはさいこうよぉぉぉぉぉ!」 幼く小さいまりちゃのあにゃるは無残に裂けありすのぺにぺにはまりちゃの中を貫通しまりちゃの口から飛び出た。 その状態で激しいピストン運動をするもんだからまりちゃは想像を絶する苦痛を味わっていた。 いつ死んでもおかしくない状態だが実際は死ねない。 オレンジジュースの点滴を受けているし中身の餡子もそれほど漏れていないから。 発狂する事も出来ない。 苛烈な痛みで無理やり現世に戻されるから。 「いくらすっきりーしても子供は出来ないから好きなだけまりちゃと楽しんでいくといいよ」 「わかったわぁぁぁぁぁ!きょうはずっとすっきりーぱーてぃーよぉぉぉぉ!」 「ごぼぉぉぉぉぉ!?ぐっぼぉぉぉぉぉぉぉ!!」 目で必死に拒否するまりちゃだが当然無視。 今日はありすの願い通りありすがすっきりーのしすぎで死ぬまでずっと楽しんでもらうつもりだ。 「ははっ!まりちゃは最高のゆっくりだぜ!こんなに俺を楽しませてくれるんだからな!」 これからもまりちゃは男を楽しませるために永く生きるだろう。 まりちゃの意思とは関係なしにそれこそ男が飽きるまでずっと。 れいぱーに体を貫かれるまりちゃの願いはただ一つ。 「ぶっぐぢじぢゃぎぃぃぃぃ!!」(ゆっくちしちゃいぃぃぃぃ!) それだけだった。 おさげあきの作品 anko3167 まりさはさいっきょう! anko3068 つむりとでいぶ anko3048 ゆっくりこいしとラブラブちゅっちゅ anko3013 れいむの幸せなゆん生 anko2974 白蓮のゆっくりいじめ anko2748 まりさはゆっくりできない anko2672 お飾りを操る程度の能力 anko2161 まりさには不幸がよく似合う anko2051 流行り物の宿命 anko2027 まりさと図書館でゆっくり2 anko1982 れいむはゆっくりできない anko1949 まりさと図書館でゆっくり1 anko1875 幽々子のゆっくりいじめ anko1838 まりさつむりはゆっくりできない
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『まりちゃの武勇伝』 19KB いじめ 小ネタ 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです。ちょっと長めです。 「ゆんゆんゆーん!ゆっくちゆっくちー!」 得意げに眉を吊り上げて、まるで胸を張るかのように仰け反りながら、這いずって行く一匹の小汚い子まりさ。 少しでも自分を大きく見せようとしているのか、大げさに尻やお下げをフリフリ振って英雄気取りで小汚いダンボールの家に凱旋する。 「ゆっくちただいまのじぇ!!きょーは、ざっそーしゃんと、ありしゃんをたくさんたおしたのじぇ!!ゆっへん、ゆっくち!!」 公園の植え込みの裏に隠れるように置かれたダンボールの中に入ると、満面の笑みを浮かべながら高らかに宣言する子まりさ。 倒したと言っても、その辺に生えている草に体当たりをし、蟻を数匹踏み潰した程度。 それでも未熟な子ゆっくりを増徴させるには十分の戦果である。 「ゆぉぉぉ!おねーちゃ、すごいのちぇ!かっこいいのちぇー!ぶゆーでんなのじぇー!!ゆっくちー!」 「おねーちゃん、すごいにぇ!おとーしゃんみたい!かがやいてるよー!ゆっくちー!!」 その声を聞いた妹達も思わず両目を輝かせて、ゆんゆんキャッキャとはしゃぎ出す。 子まりさも妹達の反応を見て、嬉しそうに顔をほころばせながら、りりしく眉毛を吊り上げてみせる。 気を良くした子まりさは、尊敬の眼差しで自分の事を見つめる姉妹達に、得意そうに「ぶゆーでん」を語り始める。 この子まりさは、先日親であるまりさに「ぶゆーでん」を聞かされた。 カマキリと死闘の末に勝っただの、卑怯な毛虫をやっつけただのという、スケールの小さい体験談を熱く語られた。 それでも子ゆっくり達にとっては、壮大な冒険活劇に聞こえていた。 盛り上がった子ゆっくり達に乗せられた親まりさは、ごみ漁りをしていた所を人に見つかり、必死に逃げ回った体験談を捏造して、人間を倒して追い払っただのとの調子に乗って語ったりもした。 「おとーしゃん、すごいのじぇ!さいきょーなのじぇ!えいゆーなのじぇ!すーぱーひーろーしゃんなのじぇ!!」 そんなほら話に一番魅せられていたのが、長女であるこの子まりさ。 両目をキラキラと輝かせながら親まりさの話を聞き、飛び跳ねたりユラユラと体を動かしたりしながら、まるで自分が主人公になったつもりで話に聞き入っていた。 元々まりさ種は自信過剰で、自分達がこの世で一番強いゆっくりだと思っている。 故にまりさ種のゆっくりが○○と戦って「勝った」という話が大好きなのである。 その上野良生活で大して遊べなかった反動からか、親の嘘で塗れた話に引き込まれていった。 「すごいのじぇー!すごいのじぇ!!まりちゃも、おとーしゃんにまけないくらいの、さいきょーのぶゆーでんをつくるのじぇ!!」 「ゆふふ、つよーいおちびちゃんなら、きーっとりっぱな、ぶゆーでんをつくれるんだぜ!がんばるんだぜ!!」 「ゆぅぅ!そーなのじぇ?!やっぱりまりちゃは、さいきょーなのじぇ!ゆわぁぁぁい!ゆわぁぁぁぁぁい!」 親まりさから意味もなく褒められて、ご機嫌の子まりさ。 ユラユラと幸せそうにカラダをゆらし、空想に思いを巡らせてはニヤニヤと微笑むのだった。 その日から子まりさは、毎日のように外に出かけては何かと戦っていた。 「ゆふふ!まりちゃは、とーっても、ちからもちさんなのじぇ!このでんせちゅは、ずーっとかたりつがれるのじぇ!!」 ある時は、妹が躓いた小さな小石をお下げで吹き飛ばし。 「ゆっぷっぷー!まりちゃがこわいのじぇー?!おくびょーなのじぇ!ひんじゃくさんは、かわいそーなのじぇ!!」 またある時は、風に流されて飛んでいく風船を見上げて罵声を浴びせ。 「ゆわーい!これはでんせつのけんなのじぇ!かっこいいのじぇー!まりちゃ、えいゆーけっていなのじぇ!!」 またある時は、捨ててあったアイスの棒を拾って大喜びした。 そんな「ぶゆーでん」を、毎日親まりさや妹達に楽しそうに語るのが、子まりさの日課になっていた。 「ゆゆーん!きょーもまりちゃのぶゆーでん、いーっぱいつくるのじぇ!!」 今日も元気いっぱいにダンボールを飛び出した子まりさは、何時ものように決めポーズを取るかのように得意そうに仰け反って宣言する。 だが今日は何時もの出陣とは少し違う。 「ゆゆーん!おねーちゃ、きょーもかっこいいのちぇー!ゆっくちー!」 「おねーちゃんのかつやくが、じかにみれるなんて、れーみゅはとーってもたのしみだよ!ゆっくちー!」 子まりさの後を追って元気に飛び出してきた妹ゆっくり達は、幸せそうに体を揺らしならが朝日に輝く姉の後姿を見て微笑む。 子まりさもそんな妹達の声援を背中で聞きながらニヤニヤと笑うと、より一層体を仰け反らせて得意そうに眉毛を吊り上げた。 今日は妹達にせがまれて、かっこよく戦う自分の姿を見せる事になったのだ。 歩く自爆装置、生きた死亡フラグと比喩されるゆっくり、それも子ゆっくりが警戒心ゼロでウロウロしていれば大抵ろくな事が起こらない。 普段から親まりさに外は危険だと言われてきてはいたが、ここ最近「ぶゆーでん」で調子に乗りまくっていた子まりさにはそんな忠告など忘却の彼方だった。 「ゆっくちー!まずはあのありさんなのじぇ!まりちゃのつよさをおもいじるのじぇー!!」 早速小さな蟻を見つけた子まりさは、軽快に跳ねて蟻の側までやってくる。 そして頬を膨らませて蟻を威嚇すると、小さく飛び跳ねて蟻の上に飛び乗った。 「よーくみておくのじぇ!まりちゃのひっさつ!ぷくーあんど、あたっくしゃんなのじぇ!」 『ゆぉぉぉぉぉ!おねーちゃん、かっこいい!(のちぇー!)』 蟻の上に乗ったまま、キリッと眉毛を吊り上げて仰け反る子まりさ。 妹達はその姿に見惚れ、子まりさの周りをピョンピョンと飛び跳ねる。 「ゆゆゆ~んゆっくちー!まりちゃは~さいきょ~♪さいきょ~のゆ~っくち~♪」 『ゆっくち~♪おねーしゃんはさいきょ~♪ゆっくち~!!』 子まりさは自分を褒め称える妹達を見て上機嫌になり、思わず体をユラユラ揺らしながら自分を称える歌を歌いだす。 するとそれに合わせて妹達もユラユラと揺れだし、即興で子まりさを称える歌を歌いだした。 「よーち!きょーもぜっこーちょーなのじぇ!まりちゃ、かっこよくきまってるのじぇ!ゆっくち~!!」 自画自賛な歌が一通り歌い終わると、子まりさは再び得意そうに仰け反り妹達を引き連れて次の獲物を探しに出かけた。 「ゆゆぅ…おねーちゃ、おなかすいたのちぇ…ゆっくちー…」 「れーみゅもおなかがすちゃよ…ごはんしゃん、むーしゃむーしゃしちゃいよ…」 「ゆゆぅ?そーいえばおなかがすいたのじぇ…なにかごはんしゃんをさがすのじぇ!」 ドラ○エのように列を作って行進する子まりさと妹ゆっくり達。 だが妹ゆっくり達が立ち止まり、お腹がすいたと子まりさに訴える。 子まりさ達は、親まりさが狩りと言う名のごみ漁りに出かけてから、昼になるまで何も食べないで草や小さな虫と戦ってウロウロしていた。 今までは「ぶゆーでん」に夢中になって気がつかなかったが、燃費の悪い子ゆっくりの腹もそろそろ限界が来たのだ。 「まりちゃはかりのてんさいなのじぇ!よーくみてるのじぇ!ぜーったい、おいしいごはんさんをとってくるのじぇ!ぶゆーでんなのじぇ!!」 今まで食料調達などした事の無い子まりさだったが、自信たっぷりに仰け反って宣言する。 妹達を連れて「ぶゆーでん」を紡いだ事により、もはや自分に出来ない事は無いと確信しての宣言だった。 「さーすがおねーしゃんなのちぇ!ぶゆーでんなのちぇ!いきるでんせつしゃんなのちぇ!!」 「おねーちゃん、とーってもたよりになるにぇ!とーってもゆっくちしちぇるにぇ!ゆっくちー!!」 そんな子まりさの姿を見て、妹達も一緒に仰け反ってキャッキャとはしゃぐ。 妹達も子まりさの強さに酔いしれ、自分達も強くなったと勘違いしているのだった。 「ゆゆぅ?…あれはくそにんげんなのちぇー?おとーしゃがいってたのちぇ!くしょにんげんは、あまあまをいーっぱい、もってるのちぇ!」 「ゆゆぅ?!あまあま!!れーみゅ、あまあまたべちゃい!いーっぱーたべちゃいよ!ゆっくちー!」 「ゆふふのふ…ここはぶゆーでんのおねーちゃんにまかせるのじぇ!おねーちゃんはでんせつなのじぇ!ゆっくち!!」 子まりさは妹達にそう言うと、ベンチに座っている青年の前まで元気よく跳ねていく。 そして青年を見上げると、得意そうに眉毛を吊り上げて大声で叫んだ。 「やいくそにんげん!でんせつのまりちゃさまに、あまあまよこしてしぬのじぇ!こわければ、あまあまたくさんおいてにげてもいいのじぇ!」 「ん?…げぇ!臭そうな汚れゆっくりだな…しっ!しっ!あっちいけ!飯が不味くなる!」 そんな子まりさを見た青年は鬱陶しそうに顔をしかめると、コンビニ弁当を食べる手を止めて子まりさを追い払うように手を振る。 一方子まりさは、汚れていると言われたのが頭にきたのか、両頬を膨らませて青年を睨みつける。 「ぷっくぅぅぅ!まりちゃ、きたなくないのじぇ!おはなしゃんより、おほししゃんよりもきれーなのじぇ!ばかにするんじゃないのじぇー!!」 「ゆぉぉ!おねーちゃ、つよいのちぇー!くそにんげんが、びびってしんじゃうのちぇー!やっぱりおねーちゃはすごいのじぇぇぇ!!」 「おぉ、あわりぇあわりぇ!くそにんげんは、おねーちゃんにみじめにころされるんだにぇ!ゆっぷっぷー!!」 膨れ上がった子まりさを見て圧倒的な力の差を確信し、勝利の喜びを飛び跳ねたり、踊ったりで表現する妹ゆっくり達。 だが青年は、そんな妹ゆっくり達を見て気分悪そうに顔をしかめると、足で二匹を転がすように軽く蹴る。 「ゆゆぅぅ?!こーりょこーりょ………ゆびゃぁぁぁ!おかおがいちゃいぃぃぃ!ゆんやぁぁぁぁぁぁ!」 「ゆびぇぇぇぇぇん!れーみゅのぷりちーふぇいすがぁぁぁぁ!どーちてこんなことしゅるのぉぉぉ?!とっぷあいどるに、しっとしちぇるのぉぉぉ?!」 二匹の妹ゆっくり達は、大した外傷もないのにグネグネと体をくねらせて、ゆんゆんと大泣きを始める。 三流芝居なのか本気なのかはわからないが、それでも子まりさを激昂させるには十分だった。 子まりさは大きく息を吸い込むと、青年に向かって大声で叫ぶ。 「ゆっがぁぁぁ!なにしてるのじぇぇ!ゆるざないのじぇぇ!!えいえんにゆっぐちざぜであげるのじぇぇぇぇ!まりちゃをおこらせた、おまえがわるいのじぇぇぇぇぇ!!」 青年は顔を真っ赤にして怒る子まりさを気にも留めず、二匹の妹ゆっくりを蹴りながら花壇の方へ移動を始める。 子まりさはそんな青年の態度にさらに地団太を踏むように飛び跳ねると、青年の足に体当たりを始める。 「いっちゃいぃぃぃ!おねーちゃぁぁぁ!ゆっぴぃぃぃぃ!ころころいちゃいのじぇぇぇぇぇぇ!!」 「おめめがまわりゅりゅぅぅぅぅ!おかおがいちゃぁぁぁぁぁ!ゆびゃぁぁぁぁぁん!ゆびゃぁぁぁぁぁぁん!」 「やめるのじぇぇぇ!くらうのじぇぇぇ!くらうのじぇぇぇぇ!いもーとがいたがっちぇるのじぇぇぇ!ゆぐぅぅぅぅぅ!!」 転がりながら涙としーしーを撒き散らし、子まりさに助けを求める妹ゆっくり達。 子まりさはそんな妹達に気を配りつつ、必死に青年の足を追いかけて体当たりを仕掛ける。 だが子まりさの体が青年の足に触れる前に、青年の足は先に進んでしまい、子まりさの体当たりは青年には当たらない。 子まりさは体当たりが空振りする度に悔しそうに唇を噛み締め、涙目になりながら必死に青年の足目掛けて跳ね寄って行く。 「ゆひっ…ゆひっ…ゆぅぅ…まつの…じぇ…まって……まっ…て…ゆぐっ……ひっ…ひっ…まりちゃ…の…たいあたり…くらっちぇ…よぉ…ゆっぐ…」 青年の歩く速度はそれほど速くはないのだが、子ゆっくりが追いつけるほど遅くもない。 飛び跳ねる度に息を切らせ、着地する度に目に溜まった涙をこぼす子まりさ。 「ゆん…ゆ…ん…ゆっぐぢ……ゆぐっ……ゆぐっ…まりちゃ…ぶゆーで…ゆぐっ…ゆ……ゆんべぇ?!」 青年が急に足を止める。 子まりさはそれに気がつかずに、顔面から青年の踵にぶつかっていく。 子まりさは顔を真っ赤に腫らして、おさげで顔を覆いながらゆんゆんと泣き始める。 「ゆびぇぇぇぇん!ゆびぇぇぇぇぇん!いたいのじぇぇぇ!どーちてぇぇぇ?!まりおちゃ、むてきのぶゆーでんしゃんなのじぇぇ!こんなのひどいのじぇぇぇ!!」 「はははっ!無敵だって?!ゆっくりって奴は、何時でも夢ばかり見てるんだな!ほら、よく見て置けよ!お前の無敵のぶゆーでんが泣いてるぞ!」 そう言いながら青年は、背後で泣き喚く子まりさを足で蹴飛ばして自分の前に転がす。 子まりさはコロコロと不規則に転がりながら、周囲に涙と涎を撒き散らす。 青年はそんな子まりさを足で突ついて起こし、子まりさの位置を微調整する。 「いちゃい!いちゃい!ゆびゃぁ!やめちぇ!ゆびぇぇぇ…ゆぇ……ぇ…ゆぅ?」 ゆんゆんと泣く子まりさが、目の前の物体に気がついた。 「ゆびっ…ぎぎぃ…いがい…おべーじゃ…だずげげ…ゆっぐぢ…ゆぐぐ…ぎ…」 「いびゃい…げ…ぎ…ゆ…ぢ…だずげ……ぼうや…だ…ぼうぢ…がえ…る…ゆじ…じじ…ぎ…」 そこにはガタガタと震える二匹の妹ゆっくり達がいた。 頭からは割り箸を1本ずつ生やし、両目を小刻みに動かしながら涙を流している。 割り箸は口の中からも見えており、妹ゆっくりの舌を貫通して地面に突き刺さっている。 口から涎と餡子を少量吐き出しているが、割り箸が邪魔で餡子が上手く吐き出せないでいる。 たった1本の割り箸が刺さっただけで、身動きはおろか言葉もろくに喋る事が出来ない妹ゆっくり達を目の前にして、子まりさは両目をまん丸に見開いて思考停止する。 「………ゆひっ…!なにごれぇぇぇぇ?!まりちゃのかわいーいもうとだちがぁぁぁ?!なにがあっだのぉぉ?!どーじでこうなっだのぉぉぉ?!」 「何言ってるんだ?見てなかったのか?やっぱりゆっくりは呑気だなぁ。ゆっくりしてるって言うやつか?」 ようやく硬直が解けた子まりさは、涙を流しながら大声で騒ぎ出す。 今見ているものが信じられないと言わんばかりに、体を大きくくねらせながら妹ゆっくり達を何度も見比べる。 子まりさは、あまりにも必死に青年の足を追いかけていたせいで、青年が妹ゆっくり達に割り箸を突き刺していた事にまったく気がついていなかったのだ。 「ゆっぎぃぃぃ!ひどいのじぇぇぇ!ひどいのじぇぇぇ!どーちて、こんなことできるのじぇぇぇ!まりちゃたち、とーってもゆっくちしてたのにいぃぃ!!」 「どうしてって?そりゃ、お前がゆっくりしてたから、助けられなかったんだろ?それにお前が俺に絡んでこなけりゃ、こいつ等は幸せに暮らせたんだ。全部お前が悪いんだよ」 「ゆっぐぅぅぅ?!なにいってるの…じぇ…」 青年を涙目で睨みながら両頬を膨らませて飛び跳ねる子まりさ。 青年に向かって罵声を浴びせ問いかけるが、青年の返しに少し戸惑う。 そして無残な姿に変わり果てた妹達を見て再び固まる。 「ゆぎぎ…おべーじゃ…どぼじで…までぃじゃ…いだいの…おべーじゃ…の…ぜいなのぢぇ?…ゆげぼっ!がばっ!べべっ…ゆっ…ぢ…ぎぎぃ…」 「おねーぢゃ…どーじで…だずげでぐれな……おねーじゃだけ…ゆっくぢじでだ…の?…ゆびぃぃ…ゆぐっ…ゆがっ…ゆっぐぢぃ…ゆっぐぢぃ…」 「はははっ!そーです!お前達のおねーちゃんは、お前達が苦しんでいる間にゆっくりしてたんですよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆがぁぁぁぁ!なにいってるのじぇぇぇ!まりちゃ、ゆっくちなんか、じてないのじぇぇぇ!まりちゃ、くしょにんげんとたたかってたのじぇぇぇ!どぼじでしょんなこというのじぇぇぇ!!」 苦悶の表情を浮かべながら、涙目で子まりさを見つめる二匹の妹ゆっくり達。 二匹は必死に口を動かして、途切れとぎれになりながらも子まりさに対しての罵声を紡ぎ出す。 子まりさはその視線から、思わず目をそらしてしまう。 そしてそんな二匹の言葉を、顔を真っ赤にしながら否定する。 「いつ戦ってたって?全くこのゆっくりは嘘つきだな。お前達はこの嘘つきゆっくりに騙されたから、こんな酷い目にあったんだぞ!」 「ゆぐぃ…おべーじゃ…うじょついてだ…のぢぇ?……ゆっぐぅ…じんじでたのにぃ…ゆるぜないの…ぢぇ…ゆびぇ…ゆびぇ…」 「おねーぢゃ…うぞづき…ゆっくぢだっだにょ…?じょんな………ひどいよぉ…ぎぎぃ…がが…ゆっぐぢ…」 「ゆびゃぁぁぁ!まりちゃ、うそなんかついてなのじぇぇぇ!!………ゆっぐぅぅ!ぜーんぶ、このくしょにんげんが、わるいのじぇぇぇ!ぶゆーでんの、えいゆーまりちゃがやっつけてやるのじぇぇぇ!!」 青年の言葉に驚き、カッと両目を見開く二匹の妹ゆっくり達。 ブルブルと大きく震え出しながら、餡子まじりの涙を流して子まりさを睨み始める。 子まりさはそんな二匹達に大声で訴えると、身を翻して青年の方を向く。 そして唇を噛みながら、青年を見上げて睨みつける。 「ぶゆーでん?えいゆー?また適当な嘘ばかりついて…こんなに弱いゆっくりが、何を言ってるんだ?」 「ゆぅぅ!まりちゃ、よわくなんかないの…ゆわぁぁい!おしょらをとんで………ゆっぴぃぃぃぃ!いたいのじぇぇぇぇぇぇぇ!!」 青年は子まりさの言葉を聞いて、大げさに首を傾げてみせる。 そして体当たりをしようとしてきた子まりさをあっさり捕まえると、咥えていた爪楊枝を手に持ち変えると、爪楊枝で子まりさの底部を何度も突き刺していった。 子まりさは幸福な浮遊感に思わずテンプレセリフを吐くが、すぐに底部に走る痛みに顔をしかめてゆんゆんと泣き始める。 「いっちゃい!いっちゃい!やめちぇ!やめちぇよぉぉ!まりちゃのきゅーとで、しゅんそくな、ぷりちーあんよしゃんが、いたいっていってるのじぇぇぇ!ゆびゃぁぁぁぁぁ!!」 爪楊枝を刺される度に大きく体を震わせて、底部をうねうねと波打たせる子まりさ。 しーしーと涙をダラダラと溢れさせ、イヤイヤと体をくねらせるが青年の手からは逃れる事が出来ない。 底部が穴だらけになると、今度は頬や顔の周りに爪楊枝を刺されていく。 「いちゃぁぁぁぁ!ゆびゃぁぁぁん!ゆびゃぁぁぁん!ごべんなじゃいぃぃぃ!あやまるから、ぼうやめちぇよぉぉ!かわいーまりちゃが、やめてっていってるのじぇぇぇぇ!!」 「ほらしっかり見たか?これが『ぶゆーでん』だぞ?これが『えいゆー』だぞ?こんなに弱いのに!あっいけね(棒読み)」 楽しそうに爪楊枝を子まりさに刺していく青年。 串刺しの妹ゆっくり達に見えるように、大げさな動きをつけて何度も子まりさを突き刺していく。 そしてわざとらしく、子まりさの目に爪楊枝を突き刺した。 「ゆっひぃ………ゆっぎゃぁぁぁぁ!まりちゃのつぶらな、ほーせきよりきれいなおべべがぁぁぁぁぁぁ!!」 「あぁ、悪い悪い。ほら、お前があんまりグネグネ動くから、間違って目を刺しちゃったよ!(棒読み)じゃあ、せっかくだから爪楊枝はこのままにしておくよ!」 子まりさはより一層大きな悲鳴を上げると、まるで水揚げされた魚のように青年の手の中でグニャリグニャリと体を揺らす。 青年は子まりさに全く悪気が無さそうに謝ると、目に刺さった爪楊枝をそのまま奥に押し込んでいく。 「ゆっじゃぁぁぁ!びびゃぁぁぁぁぁぁぁ!!どっで!どっで!!どっでよぉぉぉぉぉ!!!いだぁぁぁぁぁぁぁぁ!ゆぎべぎぃぃぃぃ!じょばぁぁぁぁぁぁ!!」 噴水のようにしーしーを吹き出させ、尻をブリブリと振り回しながら脱糞する子まりさ。 青年はそんな子まりさを見て顔をしかめると、妹ゆっくり達の目の前に子まりさを叩きつけるように地面に投げつけた。 「汚ねぇな!この糞ゆっくりが!!」 「じゅんばぁ?!………ゆ…ぎぎ…げ……ゆ…ぢ……ぢ…ど…ぼじ……まり…ぢゃ……えいゆ……ぶゆー…ぎぎ…ゆ…っぢ…ゆぐぐぅ…ぐずっ……」 子まりさは地面に叩きつけられた衝撃で餡子を吐き出し、全身に開いた穴からも少量の餡子を飛び出させる。 ビクビクと体を痙攣させながら、掠れた声でブツブツと何かを呟きポロポロと涙をこぼす子まりさ。 半分飛び出た無事な方の目をキョロキョロと動かして、助けを求めるかのように目の前の妹ゆっくり達を見る。 だが妹ゆっくり達の目は、悲しそうな、がっかりしたような、子まりさを憐れむような色をしていた。 「おべーじゃ………ぼんどーに…よわいの…ぢぇ?…ぼんどーに…いばばで、うじょづいてだのぢぇ…?」 「おねーぢゃ…うぞづき…ぶゆーでん…じゃなかっだ…の…うぞづき……うぞづ……ぎぎ……ゆっぢ…ぢ…」 「ぢが……までぃ…ぶゆーで…ん……ぼんどー…なのぢぇ…ぼんどーなの……ゆぅ……ゆちっ?…いちゃ…?」 妹ゆっくり達に責め立てられて、半死ながらも悔しそうに唇を噛みながら顔を上げる子まりさ。 力なく顔を左右に振って、違う違うと言うかのような仕草をする。 青年はそんな子まりさの姿に満足したのか、少し笑いながらどこかに行ってしまう。 子まりさは情けない顔でポロポロと涙をこぼし泣いていたが、その体に新たな痛みが走り、思わず体を震わせる。 何者かが体の上を這い、チクチクと痛みを与えている。 「いちゃ………なに…ゆぅぅ…?…あれ…にゃに…?」 目の前を小さな黒いものが横切る。 それは弱った子まりさの目では追えないほどの速度で移動し、次第にその数を増やしていく。 「いちゃ…いちゃ…なに…?…やべで…いちゃ…ゆぅぅ……まじゃか………ありじゃん…?…ゆぅ!…」 子まりさは驚きを隠せなかった。 それはかつて自分が倒したアリであり、それが大群を連れて自分に群がり始めていたのだ。 「やべちぇ…いちゃ…い…だずけ…いもーちょ…」 じわじわと湧き出る涙をこぼし、妹ゆっくり達を見上げて助けを求める子まりさ。 だがその妹達にも大量のアリが群がり始めていた。 「いじゃ…いじゃ…ゆぎぎ…やべ…べ…いがが…ありじゃん…ぼうやべべ…ゆ…ぢ…ゆっぐ…ぢ…ぢ…ぢ…」 「おね…じゃ…がが…いがが…ゆっぢ……ぢ…やじゃ…ぼう…おうぢがえる…る…ゆ…ぎぎ…あり…あり……あり…あり…」 「ぞんな………ありじゃ…ん……どぼじ…で……ゆ…ぢ…までぃぢゃ……ありじゃん…たおじだの…に…ぃ…ゆぐっ…」 子まりさは目を伏せるように下を向き、歯を食いしばりながらブルブルと震えて再び泣き出した。 アリが子まりさを噛む度に小さく震えて嗚咽をもらし、かすかに動くお下げでアリを叩こうとする。 だがお下げでアリに触れるより先にアリが動き、結局子まりさはアリに攻撃する事が出来ないでいた。 「おどーじゃ……ゆっぐち……だずげ…で……ゆぅぅ…ぐぐ………ぎ…ぎ…」 子まりさは頼みの綱である親まりさに助けを求める事しかできなかった。 ゆぅ…ゆがっ…ぎ……いだ………ご………い……ゆる……で… 「ゆぅ……このごえ……おどーじゃ……?……」 子まりさの叫びが聞こえたのか、朦朧とした意識の中で聞き覚えのある声が聞こえてくる。 霞んでいた視界が鮮明になり、最後の希望にすがる思いで重たい体を少しずつ動かし、親まりさの姿を探す。 「おどーじゃ………おどーじゃ…どこ………ゆ…ぢ……までぃぢゃ……ここなの………だずげ…で………ゆぅ……うぅ?!」 そしてやっとの思いで、親まりさらしきゆっくりの姿を捉える。 だがその目に映ったのは、ボロボロになって涙としーしーを垂れ流す哀れなゆっくりの姿。 普段見慣れたかっこいい親まりさではなかった。 「なにあ…れ………おどーじゃ…?……どぼじ…で…?」 親まりさは人間の少年達に蹴られて転がされ、木の棒で何度も叩かれたり、何度も刺されたりしていた。 親まりさは子まりさ同様に情けない顔で泣き叫び、薄汚れた体をグネグネとくねらせながら必死に少年達に謝罪していた。 子まりさは自分がボロボロにされた時以上に驚き、しばらくその光景をじっと見続けた。 「おどーじゃ………ぶゆーでん…は……?…えいゆー…は?………ゆっぐぢ……ゆ…ぢ…ゆびゃ……ゆびゃぁぁぁ…あ…ぁぁ…ぅぅ……」 固まったままの子まりさが、両目から餡子まじりの涙を流し、最後の力を振り絞るかの如く泣き叫ぶ。 だがその声も親まりさには届かないのか、親まりさは地面に頭をぶつける勢いで少年達に頭を下げていた。 子まりさは目を背けようにもろくに目を動かす事も出来ず、少し飛び出した目玉のせいで瞼を瞑る事も出ないまま、その体をアリに蝕まれながら親まりさ の最後を見届けた。 完 徒然あき
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小話です ゆうかがゆっくりできない話の作者です。 閲覧数 - 「まりちゃたんけんたい!しゅっぱちゅなにょじぇ!」 森の中のごく一般的な群れの子ゆっくり達の探検が今始まる! 「ゆゆっ!ありさんがいるよっ!むーしゃむーしゃするよっ!」 ありさんが現れた! I> まりちゃ(10/10) れいみゅ(9/9) ちぇん(13/13) I> 攻撃 魔法(笑) 逃げる キリッ! まりちゃのこうげき!2のダメージ!ありさんを倒した! 2の経験値を獲得した!ちぇんは胴付きに進化した! 「いよいよぼすせんさんなのぜ!きをひきしめていくのぜ!」 超人鬼威惨が現れた! まりちゃ I>dead end I>ゆんやー! I>ぼっちょ..ゆっぐぢ..じだがっぢゃ... I>ヒャッハー! ちぇん(9999/9999) I>逃げる成功率100% れいみゅ(9/9) I>あみゃあみゃちょうらいね! ちぇんはにげだした! 「あみゃあみゃちょうらいね!」 ぶちゃっ!れいみゅに無量大数の二乗のダメージ!れいみゅは死んだ、 「れいみゅをこりょしたげちゅはちにゅのじぇ!」 まりちゃのdead end! 超人鬼威惨を怒らせた! 超人鬼威惨の地震!まりちゃにエラーにより表記できませんのダメージ! まりちゃどころか周りの群れ全て壊滅した! ぜんっめつした... 周りの土地と群れが 終わり 選択肢 投票 しあわせー! (2) それなりー (7) つぎにきたいするわっ!んほぉぉぉぉ! (35) 前作の方がマシでした.... 今大作を書いています -- 作者 (2021-06-24 23 28 00) 名前 コメント
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『まりちゃの雨宿り』 1KB いじめ 小ネタ 子ゆ いつもの小ネタです。 あめあめ ふーりぇふーふぇ おとーしゃんが ゆっくちおむかえ うれちーな♪ 公園のベンチの下で、一匹の子まりさが雨宿りをしている。 子まりさはとても上機嫌。 今日は良い事があったからだ。 恐いと教えられていた人間に、あまあまを貰ったのだ。 ゆゆ?なにかあるのじぇ?あれなーに? 子まりさは見た事のない不思議な黒い塊を見つけた。 それは丁度自分の親のまりさくらいの大きさ。 始めは石かとも思ったが、どうやら違うらしい。 それは雨が当たる度に震えているような気がした。 ゆゆー?へーんなにょー?おとーしゃんが、むかえにきてくれたら、いっしょにゆっくちみにいくのじぇ! 子まりさは目を輝かせながら、幸せそうに体を揺らす。 子まりさはあまあまを食べた後、すぐ眠ってしまった自分を起こしてくれた人間の言葉を思い出す。 ここで待っていれば、親のまりさが迎えに来てくれる。 人間の親がそうであるようにと。 その様子を見せて教えてくれた。 母親と並んで歩く人間の子供は、楽しそうに歌を歌っていた。 自分も真似して、同じような歌を歌う。 ゆぴゆぴ ちゃぷちゃぷ ゆんゆんゆーん♪ 楽しそうに微笑がなら、自分の歌に身を委ねてゆらゆらと揺れる子まりさ。 その姿を悲しそうに見つめる黒い塊。 水が染込みにくいようにと黒く焦がされた皮には、少しずつ確実に雨が入ってきていた。 迎えにくる事の無い自分を待っている子まりさを見て、黒い塊は涙を流す。 だがそれも雨と一緒に流される。 天気予報では、この雨は明日の昼まで降り続くそうだ。 地面のあちこちに、大きな水溜りが姿を現し始める。 ゆゆ?おみじゅしゃん?でも、まりちゃはへーきなのじぇ!もうしゅぐ、おとーしゃんがおむかえなのじぇ!ゆんゆんゆん~♪ 人間が平気な顔で雨の中を歩いていた。 きっと自分の父も平気なはずだ。 子まりさはそう信じて疑わなかった。 あめあめ ふーりぇふーふぇ おとーしゃんが ゆっくちおむかえ うれちーな♪ ゆぴゆぴ ちゃぷちゃぷ ゆんゆんゆーん♪ 完 徒然あき
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『まりちゃのたからもの』 11KB いじめ 小ネタ 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「ゆわぁぁぁ!なにこりぇぇぇぇ?!とーってもきらきらしてるのじぇー!!」 一匹の子まりさが、落ちていたおもちゃの指輪を見つけた。 生まれてずっと野良生活をしていた子まりさには、それはとても珍しくステキな物に見えた。 「ゆゆ~~ん!すごいのじぇー!どーしちぇきらきらしてるのじぇー?!まりちゃのおめめみたいに、きらきらしてるのじぇー!!」 金メッキとプラスチックの宝石の輝きに目を奪われる子まりさ。 ユラユラと体を揺らしながら、幸せそうに指輪を眺めて微笑む。 指輪の周りを円を描くように移動して、いろいろな角度からその輝きを楽しむ子まりさ。 「ゆっくちー!これはゆっくちしたまりちゃに、かみしゃまがおくりものをくれたのじぇー!まりちゃはきーっと、かみしゃまにとっても、とくべつなそんざいなのじぇー!!」 子まりさは満面の笑みを浮かべると、指輪を拾って帽子の中にしまう。 そして楽しそうに跳ねながら巣に戻っていった。 「ゆわぁぁぁ!しゅごいしゅごーい!とーってもきれいだにぇ!まるでれーみゅみたい!ゆっくちー!とーってもゆっくちできりゅねぇ!」 「ゆふふ!どーなのじぇ!すごいのじぇ?これはまりちゃがみつけたのじぇ!おたからしゃんなのじぇ!ゆっへん!まりちゃはすごいのじぇ!!」 子まりさはダンボールの巣に帰ると、早速拾ってきた指輪を姉妹の子れいむに見せびらかす。 子れいむは見た事も無い指輪の輝きに感動し、思わずしーしーを漏らして揉み上げをワサワサと震わせる。 子まりさはそんな子れいむの反応を見て、満足そうにふんぞり返るとキリっと眉毛を釣り上げた。 「れーみゅ、これ、とーってもきにいっちゃよ!これをれーみゅのたからものにしゅるよ!ゆっくちかんしゃしちぇね!」 「なーにいってるのじぇ!これはまりちゃのみつけた、まりちゃのたからものなのじぇ!どーしてそれをほしがるのじぇー!!」 「ゆゆぅ?!おねーちゃん、どーしちぇそんなこというにょぉぉ?!ひとりじめはゆっくちできにゃいよ!れーみゅおこるよ!ゆっくちぷんぷくりーん!」 「ゆゆゆぅ?!まりちゃだっておこりゅよ!ぷくーしゅるのじぇ!ぷっぷくぷー!!」 突然の子れいむの宣言に驚く子まりさ。 指輪をすぐに自分の元に引き寄せると、子れいむを睨みつける。 だが子れいむも子まりさを睨み返すと、頬に空気を溜め込んで怒りを顕にする。 それを見た子まりさも、対抗するかのように膨れ上がるとお下げをブンブン振り回して子れいむを威嚇する。 両者一歩も譲らずに、黙ったまま睨み合いがが続いた。 「ゆっくりただいま!ゆゆっ!なにしてるの、おちびちゃん!けんかしただめだよ!ゆっくりできないよ!!」 そこに沈黙を破るようにして現れたのは二匹の親であるれいむ。 親れいむは二匹の頭に揉み上げを乗せると、そのまま撫でるように揉み上げをワサワサと振るわせる。 「どーしてけんかしてたの?おかーさんにはなしてね!おかーさんが、なんでもかいけつしてあげるよ!すーぱーしゅふでごめんね!!」 親れいむは二匹の顔を覗き込むと、眉毛を吊り上げて得意そうに仰け反った。 「ゆゆぅ…そーいうことだったんだね!おちびちゃんたちが、しんぐるまざーでたいへんなおかーさんに、ぷれぜんとをくれることで、もめていたんだね!!」 『ぜんぜんちがうよ(のじぇ)ー!!』 「ゆふふ!てれなくてもいいよ!このたからものは、おかーさんがありがたくもらうよ!しんぐるまざーでごめんね!いいこをもつとつらいね!!」 にんまりと笑いながらそう親れいむ。 元々ゆっくりは物事を自分に都合の良い様に解釈し、それを自分勝手に話す。 相手が聞きやすいようにとか、解りやすい様に考えて話す事などしない。 そんな、人間でも難解なゆっくり独自の思考による言い訳を、ゆっくりが正確に理解出来るはずもない。 だから話を聞いているゆっくりも、自分に都合の良い様に解釈する。 その結果出た答えがこれなのであるが、子ゆっくり達が納得するはずもない。 二匹の子ゆっくり達は頬を膨らませて抗議するが、親れいむはすっかり上機嫌。 自分の為に喧嘩する健気な子供達だと本気で感心し、そんな幸せな自分に酔いしれるように体を揺らして満足そうに微笑む。 「ゆゆぅぅぅ!ちがうっていってるのじぇー!これはまりちゃがみつけっていってるのじぇー!どーしてわかってくれないのじぇー!ゆっくちぷんぷーん!!」 「そーだよ!それはまりちゃの宝物だよ!だからおにーさんがありがたく貰ってあげるよ!ゆっくり感謝してね!!」 『ゆゆぅ?!』 突然の声に驚くゆっくり親子。 親子はそのまま声のする方、ダンボールハウスの入り口の方を見る。 そこには一人の青年が、まるで子まりさが指輪を見つけた時のように目を輝かせて一家を見ていた。 「ゆゆぅ?!なんなのじぇー!くしょにんげんなんか、およびじゃないのじぇー!あっちにいくのじぇー!しっしっなのじぇー!」 「ゆゆっ!?さすがれいむのおちびちゃんだよ!れいむのために、くそにんげんとたたかってくれるんだね!いさましいよ!でんせつのえいゆうだよ!もつべきものは、ゆっくりしたおちびちゃんだよ!!」 青年に対して苛立ち、お下げをブンブン振りながら頬を膨らませて怒る子まりさ。 親れいむは自分の為に怒っていると勘違いし、出来の良い我が子に感動している。 青年はそんな親子の反応を見ると、満足そうに微笑みながら子まりさを摘み上げ、ダンボールハウスから取り出す。 「ゆわーい!まりちゃ、たからもののちからで、おしょらをとんでるのじぇー!!これはやっぱち、ゆめのたから…ゆうぅぅ?!なにしゃわってるのじぇ、このくしょにんげん!まりちゃをはなしゅのじぇー!!」 子まりさは突然の浮遊感に両目を輝かせてはしゃぐが、すぐに青年に向かって罵声を浴びせる。 だが青年は顔色一つ変えずに、子まりさがお下げで持っていた指輪を取り上げる。 「ゆゆぅ!なにしゅるのじぇー!それはまりちゃのたからものなのじぇー!かえすのじぇー!かえすのじぇー!」 「こんなゴミが宝物なのか?まりちゃは安上がりで良いねー」 子まりさは体をグネグネと動かしながら、お下げを振り回して無駄な抵抗をする。 青年はそんな子まりさの様子が楽しくて仕方ないらしく、わざと子まりさに見せびらかす様に指輪を近づけたり離したりする。 「ゆがぁぁぁぁ!くしょにんげんには、かちがわからないのじぇー!くしょにんげんには、もったいないのじぇー!かえしゃないとおこるのじぇー!ぷんぷんなのじぇー!!」 「もう怒ってるんじゃないの?だから価値はないって言ってるだろ?ゴミだよゴミ。ゴミまりちゃちゃんは、家族もゴミ、宝物もゴミなんだね」 「ゆゆぅ!ききずてならないよ!れいむはせかいのたからものだよ!ていせいしてね!!」 「しょーだよ!ぷりちーなれーみゅは、えーげかいのしんじゅだよ!しぇかいのほーしぇきだよ!ぷんぷんぷん!」 ダンボールハウスの中から様子を見守っていたれいむ親子は、青年の言葉に腹を立てて入り口付近までやってくる そして青年を睨みつけながら、揉み上げをワサワサと動かして威嚇する。 「ゴミがゴミ箱から出てきたよ!ゴミはゴミらしく黙ってゴミ箱に入っていてね!!」 「ゆっがぁぁぁぁ!なにいって 『ドカッ!』 ゆべばっ?!」 「ゆゆっ?!おかーしゃ 『グチャ!』 ちゃばべ?!」 青年はそう言うと、親れいむと子れいむをダンボールハウスの奥に蹴り飛ばした。 蹴りを喰らった親れいむと子れいむは、餡子を吐いて呻き声を上げながら、コロコロと狭いダンボール内を転がる。 青年はれいむ親子がダンボールの奥まで転がったのを確認すると、入り口が空を向くような形でダンボールを起こした。 「ごじゃば?!ゆぼご!なにごれぇぇぇぇ?!」 「ちゅびゃびゃ!ぶびぃ!おかーしゃ、おもいぃぃぃ!ちゅぶれゆぅぅぅぅ!」 「これで大分ゴミ箱らしくなったよ!ゴミはゴミ箱の中で大人しくしていてね!!」 急にダンボールを起こされたせいで、親れいむはあんよが上を向いた状態になってしまう。 転がって体勢を立て直そうとするが、狭いダンボール内ではうまく動けずに子れいむを潰しそうになる。 青年はそんな親子を満足そうに眺めると、ポケットからペンチを取り出して子まりさの持っていた指輪を挟んだ。 「ゆゆっ?!なにしょれ?しょれでまりちゃのたからものに、なにをするつもりなのじぇ?!ふざけたことしゅるなら、まりちゃがせーしゃいしゅるのじぇ!!」 「あれ?宝物の事は気になるのに、家族の事はどうでもいいの?やっぱりお前の家族はゴミだったんだね!!」 「ふざけるにゃぁぁぁぁ!ごみはおまえなのじぇー!!ゆるしゃないのじぇー!ぶっころしてやるのじぇー!!」 「おぉ、怖い怖い!あんまり怖いから、おにーさんはまりちゃの宝物を壊すよ!」 青年の言葉に腹を立てた子まりさは、ブリブリと尻を振りながらお下げで青年の手を叩く。 当然青年には何のダメージも与えられてはいないのだが、青年はワザとらしく怖がったふりをするとペンチを持った手に少しずつ力を入れる。 指輪は音を立てて軋み、少しずつ変形していく。 ペキ……ペキペキ……パキ! 「ゆっ?ゆゆっ?ゆゆぅぅぅぅぅぅ?!ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁ!まりちゃのたからもの!きらきらたからものしゃんがぁぁぁぁぁぁ!!」 そしてついに男の力に負けてリングが完全にぺしゃんこ潰れてしまう。 子まりさは何が起こっているのか理解出来ないでいたが、指輪が完全に潰れたのが分かると涙を流して大声で叫んだ。 「ゆびゃぁぁぁぁぁ!ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁ!まりちゃのたからものがぁぁぁぁぁ!ゆっくちなおってね!ぺーりょ、ぺーりょ…」 「はははっ!いい顔になったね!やっぱりまりちゃは泣いているのが一番良いよ!もっと泣いてね!もっと叫んでね!もっと悔しがってね!!」 子まりさは潰れた指輪に向かって、必死に舌を伸ばして舐めようとする。 だが子まりさもペンチも青年が手に持ったまま。 当然舌が指輪に届く事はなかった。 「ゆえぇぇ…どーしちぇこんなことしゅるのじぇ…まりちゃ、なんにもわるいことしちぇないのじぇ…」 「はははっ!出たねお決まりのセリフ。どうしてって?そりゃ俺は、ゆっくりをぬるーくいじめるのが大好きだからだよ!それに制裁は無理だよ!ゆっくり理解してね!!」 両目を涙で潤ませた子まりさは、ブルブルと震えながらもキリッと眉毛を釣り上げて青年を睨む。 青年はそんな子まりさを楽しそうに見つめると、子まりさを持った手に少しずつ力を込める。 「ゆっぐぇぇぇぇぇ…なにこりぇ…くるぢぃぃぃぃ!ゆぶぶぶぶ…」 子まりさは突然の圧迫感に顔を歪め、口の中に押し寄せてくる餡子を吐かないように必死に歯を閉じる。 ミチミチと体が軋み、頬に収まりきらなくなった餡子が歯の隙間からこぼれ始める。 青年はそんな子まりさの額に、でこピンを数発お見舞いする。 「ゆびゃ!いちゃ!ぐべぇ!げぼぼぼ!ゆっげぇぇぇぇぇ!!」 子まりさは、あまりの痛みに思わず口を開けて叫んでしまう。 そのせいで餡子を吐き出し、苦しさのあまり思わずしーしーを漏らしてしまう。 「げへっ!がはっ!ゆべぇ!ゆっくち!ゆっくち!もうやめでぇぇぇぇ…いちゃいのも…くるちーのもいやなのじぇ…ゆっくちしちゃい…がはっげぼっ…」 「だから言っただろ?弱い弱いゴミ虫まりちゃに、せーさいなんて無理だって。ゴミ虫まりちゃは、下を向いて泣きながら地面を這っているのがお似合いだよ!」 青年にそう言われて悔しそうに唇を噛む子まりさ。 だが子まりさにこの苦しみから逃れるすべはなく、ただポロポロと涙を流して震えるだけだった。 「じゃあ、おにーさんはそろそろお家に帰るよ。ステキな泣き顔をありがとう!ゴミまりちゃは一生そこで悔しがって泣いていてね!」 「ゆげぇ!なにこりぇぇぇぇ!くっしゃい!くっしゃいぃぃぃぃ!!」 青年は子まりさを地面に置くと、目の前に潰れた指輪を置いた。 そして潰れた指輪の残骸に、ラー油を数滴垂らしてその上からゆっくり避けのスプレーを撒いた。 子まりさはスプレーの臭いに顔を歪めて後ずさるが、それでも必死に指輪の元に這っていく。 「あぁ、そう言えばゴミ箱の中にもゴミが居たね。こっちにもサービスだよ!」 青年はダンボールの中の親れいむと子れいむにラー油を数滴垂らすと、指輪と同じようにゆっくり避けのスプレーを撒いた。 「ゆぶぼっ!がらっ!いだい!ぐっざぁぁぁぁいぃぃぃぃ!ゆぐぇぇぇぇぇぇ?!」 「いちゃ!からいぃぃ!ゆぶぶぶ!ぐぇぇぇぇ!おかーじゃ…あばれにゃ…ゆげべぇ!」 辛さと臭さに驚いた親れいむは、グネグネとダンボールの中をうねり転がる。 そして同じように苦しんでいた子れいむを、自ら押し潰して暴れまわる。 「ゆっくぢ…まりちゃのたからもにょ…ゆっくち…ぺーりょ…ぺー…ゆぴぃぃぃぃ!かりゃいぃぃ!ゆげっゆっげぇぇぇぇ?!」 臭いに耐えて何とか指輪の元にたどり着いた子まりさ。 舌を伸ばして指輪を舐めるが、付着したラー油も一緒に舐めてしまい、あまりの辛さに両目を飛び出さんばかりに見開いて悲鳴を上げる。 餡子を吐きながらゴロゴロと転げまわると、身を起こして悔しそうに顔を歪めてポロポロと涙をこぼす。 「ゆっぐ…ゆぅぅ…どぼじて…ゆえぇぇぇ…」 それでも再び顔をしかめながら、指輪に向かってゆっくりと這い始める子まりさ。 「ゆっくぢ…ゆっぐち…まりちゃのたかにゃものしゃん…ぎらぎらしゃん…ゆっくち…ゆっくち…ゆえぇ…」 すでにその眼には指輪しか見えておらず、ダンボールをグネグネとうねらせてもがく親れいむの事など気にもならないようだ。 子まりさは何度も餡子を吐いて転げまわりながら、涙を流して指輪を舐めに向かった。 数時間後、子まりさは潰れた指輪のそばで、悲しそうに顔を歪めたまま餡子の吐きすぎで死んでいた。 完 徒然あき
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『公園のまりちゃ』 12KB いじめ 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです 「ゆびぇぇぇぇぇん!おちょーしゃぁぁぁん!こわいのじぇぇぇぇぇ!」 「ゆっがぁぁぁぁ!なにしてるんだぜぇぇぇ!おちびをはなすんだぜぇぇぇ!!」 公園で野良ゆっくりの親子が騒いでいる。 一人の男が子まりさを捕まえて、デコピンしたり、皮を抓ったりして、反応を楽しんでいる。 足元にはその親のまりさが、必死に叫び声を上げて男の足に体当たりをしている。 「ゆびゃい!いちゃい!おちょーしゃぁぁぁん!はやくたすけちぇよぉぉぉぉ!!まりちゃ、いちゃいのいやなのじぇぇぇぇ!!」 子まりさの体はあちこち赤く腫れ上がり、顔は涙でくしゃくしゃになっている。 デコピンされる度にしーしーを漏らし、つねられる度に逃げようと必死に尻をぶりぶりと振る。 男はそんな子まりさを、楽しそうに見ていた。 「はなせ!はなせ!はなせぇぇぇぇ!おちびをいじめるなぁぁぁぁ!!やべるんだぜぇぇぇぇ!!」 泣き叫ぶ我が子を助けようと、鬼のような形相で必死に体当たりを繰り返す親まりさ。 足にぶつかる度に跳ね返され、地面に転がる。 痛む体をすぐに起こし、ぶつかる度に速度をあげて挑むが、男が子まりさを手放す様子はない。 それどころか、傷つくのは親まりさの体ばかり。 それでも何時かは倒せると信じて、親まりさは体当たりを続ける。 「ゆびゅ?!ゆぴゃぁぁい!いっちゃいのじぇぇぇぇぇ!」 子まりさの背中を、何度目か解らない痛みが襲う。 刺すようなその痛みに、思わず叫び声を上げてうんうんを漏らす子まりさ。 「ゆっがぁぁぁぁ!やべろぉぉぉぉぉぉぉ!」 その声を聞いた親まりさは、より一層力を込めて男の足にぶつかって行く。 しかし所詮はゆっくりの攻撃。 どんなに力んでも、届く事の無い虚しい低抗。 だが何が味方したのか、男が親まりさの一撃を喰らった途端に、子まりさを手放した。 落下した子まりさは、運良く親まりさの帽子の上に落ちる。 「ゆおぉぉぉぉ!やったんだぜぇぇぇ!おちびをとりかえしたんだぜぇぇぇ!にんげんにかったんだぜぇぇぇ!」 「ゆびゃぁぁぁ…?ゆえぇぇぇん!おちょーしゃぁぁん!こわかったのじぇぇぇぇ!!」 勝利の雄たけびを上げる親まりさと、救出された事に安堵の表情を浮かべて泣く子まりさ。 親まりさはこの期を逃さんと、子まりさを帽子に乗せたまま、男に背を向けて跳ね出した。 「おちびちゃん、しっかりつかまっているんだぜ!おとーさんといっしょに、にげ…ゆ?」 だが1mも飛び跳ねない内に、頭を何かで押さえつけられ、跳ねられなくなった。 男が足で親まりさの頭を、踏み抜かない程度の力加減出で押さえたのだ。 「ゆっぐ!くぞぉぉぉぉ!どぼじで…しんだんじゃ…こうなったら、おちびちゃんだけでも、はやくにげるんだぜぇぇぇ!」 そう叫んだ親まりさは、帽子の上に乗っていた子まりさを振り落とした。 「ゆっぴゃい!いちゃいのじぇぇぇぇぇ!ゆえぇぇぇぇん!」 「おちびちゃん、ないてるばあいじゃないんだぜ!はやくにげるんだぜ!ここは、おとーさんがくいとめるんだぜ!さあ、はやくおうちにかえるんだぜ!」 「ゆわぁぁぁん!しょんなこと、できにゃいのじぇぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁ!おしょーしゃんも、いっしょににげるのじぇぇぇ!」 何やら、臭い芝居を始める親子ゆっくり。 踏まれている親まりさに、一緒に逃げようと無茶な事を言う子まりさ。 親まりさはそんな子まりさを、軽く突き飛ばす。 「さあ、いくんだぜ!おちびちゃんは、もうりっぱなゆっくりなんだぜ!おとーさんなら、だいじょうぶだぜ!またあえるんだぜ!」 「ゆびぇぇぇぇん!おちょーしゃぁぁぁん!………わかったのじぇ!まりちゃ、いくのじぇ!おちょーしゃん、またあおうのじぇ!」 泣くのを止めて、涙目でキリッと格好つける子まりさ。 親まりさはそれを優しい目で見守る。 男が、何故それに突っ込みを入れないかは分らないが、安っぽい芝居を黙って見ている。 やがて、子まりさが跳ねだした。 親まりさは、それを寂しそうな顔で見守る。 「おちびちゃん、げんきでだゆげぇぇ?!ゆびゃん!いだいぃぃぃぃ!やべでぇぇぇぇ!ゆぎぃ!ゆっごおぉ?!………」 親まりさの悲鳴、うめき声を後ろに聞きながら、それでも振り返る事無く子まりさは跳ねていった。 「どーしてなのじぇ?!ここはまりちゃと、おとーしゃんのおうちなのじぇぇぇぇ!」 「ゆゆ?なにいってるの?ここは、れいむがみつけた、れいむのための、おうちだよ!へんなこという、まりさは、さっさときえてね!」 泣きながら、家に帰ってきた子まりさ。 だがすでに別の野良ゆっくりが、家として使っていたダンボールの中で鎮座していた。 「どーしちぇなのじぇぇぇ!ゆえぇぇぇん!まりちゃのおうちぃぃぃ!」 「ゆゆ?こまったこだね…ゆ!そうか、おちびちゃんは、みなしごさんだね!ゆっくりのるーるを、おそわってないんだね!れいむがゆっくり、おしえてあげるよ!」 それからしばらくの間、親切な野良れいむが、泣き続ける子まりさをなだめる様に、ゆっくりのルールと言う物を教えていた。 だがれいむが語る話は、既に子まりさが知ってるものばかり。 「そーいうわけだよ!わかった?おちびちゃん。ゆっくりのるーるーをやぶるのは、ゆっくりできないんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「ゆびぇぇぇん!でも、ここはまりちゃたちが、すんでいたのじぇぇぇ…おうちを、かえしちぇよぉぉぉ!」 「なにいってるの?ここはれいむが、みつけたんだよ!ゆっくりできないおちびちゃんだね!えいむがおこるまえに、どこかにいってね!」 子まりさは、れいむに揉み上げで叩かれ、コロコロと転がった。 「ゆわぁぁぁぁん!どぼしちぇなのじぇぇぇぇぇ!ひどいのじぇぇぇぇ!ひどいのじぇぇぇぇ!」 叩かれた痛みなのか、お家を盗られて悔しいのかは解らないが、子まりさは大声で泣いた。 そんな子まりさを見ていたれいむが、ダンボールハウスの奥にしまってあった木の枝を取り出すと、子まりさに近づいていった。 「うるさいよ!これじゃまるで、れいむが、わるいことしてるみたいでしょぉぉぉ?!さっさとどこかにいかないと、こいつでちくちく、ぷすぷすするよ!」 れいむはそう言うと、枝で軽く子まりさを突付いた。 子まりさは、必死に跳ねて何処かへ逃げていった。 「ゆぅ…しゃむいのじぇ…くやちいのじぇ…かなちいのじぇ…おなかすいちゃのじぇ…むーしゃ、むーしゃしちゃいよ…おちょーしゃ…ん」 何処で拾ったのか、新聞紙に包まって震えている子まりさ。 公園の公衆便所の裏で、ガタガタと振るえながら夜を過ごす。 何時もなら、古びた雑巾に包まって寝る事が出来た。 何時もなら、そばに父のぬくもりを感じでいる事が出来た。 何時もなら、僅かではあったが、ご飯を食べる事が出来た。 そう考えると、悲しくて悲しくて涙が止まらなかった。 翌朝、空腹で目を覚ました子まりさ。 あたりを見渡し植え込みの中に、申し訳なさそうに生えている雑草を見つけて、朝食にしていた。 「ゆぅ…にーが、にーが、ふしあわしぇぇぇぇ…ゆえぇ…」 普段良く口にする、苦い雑草の味。 何時もは父と一緒にそれを食べていたから、多少気が紛れていたのだが、今日は一人ぼっち。 そのせいか、苦味も普段より濃く感じていた。 「しゃむいのじぇ…やっぱり、あたらしい、おうちをみつけなくちゃ、だめなのじぇ…」 何とか空腹を満たした子まりさは、新しいお家を探す事にした。 だが、ゆっくりが住める場所など、簡単に見つかるわけもない。 「なにしてるの?!ここは、ありすのおうちよ!きたないまりさは、でていってね!まったく、とかいはじゃないわ!」 「ゆえぇぇん!どーしちぇぇぇぇ!まりちゃが、さいしょにみつけたのじぇぇぇぇ!おうちしぇんげんも、したのじぇぇぇ!ゆっくちのるーるじゃないのじぇ~?!」 頑丈な木箱を見つけた、子まりさ。 だがすでに、ありすが家として使っており、帰って来たありすに追い払われる。 確かに子まりさが、「最初」に見つけたし、「お家宣言」もした。 ゆっくりのルールとしては、間違っていないだろう。 だが子まりさには、まだ知らないルールがあった。 「だまりなさい、いなかものまりさ!ここはありすのおうちよ!いたいおもいをしたくなかったら、さっさとどこかにいってしまいなさい!」 「ゆびぇぇぇぇん!いじわるなのじぇぇぇぇ!まりちゃ、どーしちゃらいいのじぇぇぇぇぇ?!」 「弱肉強食」、それはゆっくりにも適応されるルールなのである。 どんなにゆっくりのルールを厳守しても、弱ければ意味がないのだ。 子まりさは、泣く泣く何処かに跳ねていった。 人間にとっては、それほど広くないこの公園。 しかも人通りも滅多になく、野良ゆっくりにとっては住みやすい場所だ。 それでも、ゆっくりにはかなり広い。 子まりさにとっては途方もない広さなのだが、それでも野良ゆっくりが住めるような場所は限られている。 だがそんな場所にはもうすでに、他の野良ゆっくりが居を構えていた。 それを力で覆せる事が出来ない子まりさにとって、この公園で暮らす事は困難を極めた。 「ゆえぇぇぇん!こーえんしゃん、いじわりゅしないでよぉぉぉ!!まりちゃを、ゆっくちさせちぇよぉぉぉぉ!!」 耐え切れなくなった子まりさは、大きな声で泣き叫ぶ。 まるで駄々をこねる子供のように、地面をコロコロと転がりおさげをぶんぶん振り回す。 「やだやだやだぁぁぁ!いやなのじぇぇぇぇぇ!!ゆっくちしちゃい!ゆっくちしちゃい!ゆっくちさせちぇよぉぉぉぉぉ!!」 しーしーを漏らしながら、まるで水揚げされた魚のように飛び跳ねる子まりさ。 誰もそんな子まりさを、助けようというものはいないし、声をかけるものもいない。 「ゆ…おちびちゃ…ん…まりさの、おちびちゃんなんだぜ?…良かった、無事だったんだぜ?」 ところが、そんな子まりさに声をかけるゆっくりが現れた。 「ゆびぇぇぇ…ゆぅ?だーりぇ?………ゆ…?!………ゆゆ?………おちょーしゃ?…」 両目を真っ赤に腫らした子まりさが見たものは、何とあの時別れた親まりさだった。 帽子が多少ボロボロになっている気もするが、確かに親まりさだと確信する子まりさ。 子まりさは、元気良く親まりさの元に跳ねていった。 「おちょーしゃぁぁぁん!あいちゃかったのじぇぇぇぇぇ!さみしかたのじぇぇぇぇぇ!!」 「大丈夫だよおちびちゃん、もう心配しなくていいよ!悪い人間はどこかに行ったよ!」 子まりさは、親まりさに寄り添ってゆんゆんと泣いた。 「なんつって…ね」 急に親まりさの帽子が、ハラリと地面に落ちた。 泣いていた子まりさも、それに気がつき帽子を見る。 「おちょーしゃ、ぼーしがおちたの………じぇ?………」 そう言って、親まりさの顔を見た子まりさは固まった。 優しく微笑んでいたはずの、親まりさの顔は真っ白に変っていたのだ。 「ははっ!こんなので騙されるんだ。ゆっくりってやっぱりアホだな」 子まりさが声が聞こえる方を見ると、そこには一人の人間が立ってた。 「よう!元気だったか?やっぱり、子ゆっくりの行動範囲は狭いな。これなら発信機をつける必要はなかったな」 男はそう言うと、子まりさを持ち上げ背中をつねった。 「ゆっぴゃ!いちゃい!なにするのじぇ!おちょーしゃん、こいつやっつけちぇよぉぉぉぉぉ!」 子まりさは体をブリブリと振りながら、親まりさに助けを求める。 子まりさにつけた発信機を回収した男は、そんな子まりさを面白そうに眺めた。 「ははは!お前、まだそんな事言うのか?あれは、お前の親じゃないぞ?バレーボールだぞ?まあ、言っても分からないか」 男はそう言うと、子まりさを地面に置いた。 子まりさが改めてバレーボールを見ている間に、男は持っていた袋から何かを取り出した。 「こんなになってるんだが、解るかな?ほら、これ何だと思う?」 「ゆ?なんなの…じぇ…こりぇ?」 子まりさの目の前に置かれたのは、ビンの中に液体と共に浮かんでいる2つの丸い物体。 他にも、瓶詰めになっている物が並べられていた。 複数の白い塊、赤い分厚い物、肌色の皮、黒い物、黒い丸い塊、金色の髪、金髪のお下げ。 「やっぱりこれがないと駄目か?ほら…」 男は大小さまざまな大きさのビンの前に、親まりさの帽子を置いた。 「ゆ?…これ…ましゃか………そんなこちょ………うしょ……!」 「おぉ!流石に解ったか?そうです!あなたの親です!おちょーしゃんですよ!!」 子まりさは、引きつった顔でガタガタと震えだす。 「なんで?どーなっちぇるの…」 「あぁ、親切に説明してやるとだな。あの後お前の親を持って帰った俺はな、お前の親を生きたまま解体したんだよ。どうだ?綺麗に分けてあるだろ?」 それを聞いた子まりさの頬を、涙が伝う。 男はなおも続けた。 「いやー、最近ゆ虐もマンネリ気味だったんでね。ちょっと手を掛けてみたんだよ。子ゆっくりを、絶望のどん底に突き落としてみたくなってね。 だから、お前を逃がしたのもワザと。ゆっくりごときが、人間から逃げられる訳がないだろ?」 「…しょ………うしょ………うしょなの………うしょなのぉぉぉぉ!おとーしゃん、へんじをしちぇよぉぉぉ!にんげんしゃんを、やっつけたんでしょぉぉぉ!!」 「はははっ!いい顔になったな。よしお前、俺の飼いゆっくりにしてやるよ!安心しな、殺しはしないさ!」 男は、何時までも泣き続ける子まりさを持って帰った。 「へー、これがその子まりさか。本当にいい表情をしてるな。絶望の中の希望を潰す、か。いい出来だな」 「だろ?傑作だろ?この『おうち』の出来もいいだろう?」 男は得意そうに、友人に子まりさを見せる。 子まりさは、透明な箱を改装した「おうち」の中を、力なく這っている。 その表情はとても暗いのだが、口だけはだらしなく開いて何故か笑っている。 背中には、男特製のオレンジジュースのボンベを背負っており、それが点滴の様に絶えず子まりさに栄養を補給していた。 「おうち」の床には、金色のフサフサした絨毯。 壁は3面肌色の壁紙で飾られており、赤くて分厚い物が壁に掛けられている。 白い塊で作られたベットには、これまた金色の毛で編んだ布団が置いてある。 インテリアには、ビンの中に浮かぶ2つの丸い塊と、四角い透明な小箱に入ったゴルフボールくらいの黒い塊。 天井には、黒と白の布のカーテン。 「これ、良いな!ステキなゆっくり再利用だな。俺もやってみよう!」 男の友人は、子供のように目を輝かせて見入っている。 男も、その様子に満足そうに笑う。 「ゆびゃ…びゃ…おちょーしゃ…いつも…いっしょ…ゆけけ…ゆびぃ…ゆえぇ…」 子まりさは、そんな男たちに気がつかないのか、見えていないのか、ただ、虚ろな顔で「おうち」の中をウロウロと徘徊していた。 完 徒然あき 挿絵:
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『どすまりちゃ再び』 17KB いじめ 小ネタ 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「ゆわぁぁ…ゆゆぅ?ここはどこなのじぇ?おとーしゃ?おかーしゃ?どこいっちゃのじぇ??」 拾ってきた、と言うか勝手に拝借してきた子まりさが目を覚ました。 子まりさは眠たそうに欠伸をすると、おさげで目をこすりながら周囲を見渡す。 「ゆぅぅ?これにゃーに?なにかうごいちぇるよ?」 子まりさは一定のリズムで動く振り子に目を奪われる。 不思議そうに首をかしげるような仕草をすると、揺れる振り子を目で追いかける。 「ゆーら、ゆーら、ゆーら…ふしぎなのじぇー。ふーり、ふーり、ふーり…」 いつしか目だけではなく、体もゆらゆらと揺れ始める。 「ゆゆぅ?…なんだか、へんなきぶんなの…じぇ………ゆぅぅ………どしゅ?…まりちゃ、どしゅなの?…どしゅ…」 やがて子まりさは眠たそうに目を細めた。 「ゆーん!おちびちゃーん!どこいったのぉぉぉぉ?!かくれてないで、ゆっくりでてきてねぇぇぇ!!」 「おちびちゃーん!そろそろくらくなるんだぜぇぇぇ!こわいこわーい、れみりゃのじかんなんだぜー!はやくおうちにかえるんだぜー!」 公園の草むらを掻き分けて、大声で我が子に呼びかける野良ゆっくりの番。 突然いなくなった我が子を必死で探しているのだ。 日が傾き始め辺りがうす暗くなってきたせいもあり、ゆっくりと言う名に相応しくなくゆっくりしていない二匹。 何かあったのかもしれないと思いつつも、我が子だけは例外、きっと何事もなく帰ってくるだろうという根拠のない自信があるせいか、根気よく我が子に呼びかける。 「ゆぅ………ゆゆ?!あのかわいらしいおぼうしは、おちびちゃん?!」 「ゆおぉぉぉ?!かんどうのさいかいだぜぇぇぇ!おちびちゃぁぁぁん!おとびちゃんの、かっこよくて、すてきなおとーさんはここだぜぇぇぇ!!」 「こもちでも、みりょくがぜんぜんおとろえない、うつくしいおかーさんはここだよぉぉぉぉ!!」 自信たっぷりに眉毛を吊り上げ、二匹は得意そうな顔で見慣れた帽子を目指して跳ねる。 「ゆゆん…にゃんにゃの?うるちゃいの…じぇ…ゆぅ?…おとーしゃ?おかーしゃ?」 『そうだよ!!(だぜ!!)おちびちゃんの、すてきなおかーさん(おとーさん)だよ!(だぜ!)』 子まりさの問い掛けに、両目をキラキラと輝かせる二匹。 子まりさも嬉しそうに両親に跳ね寄ると、得意そうに眉毛を吊り上げる。 「おとーしゃ!おかーしゃ!きいちぇ、きいちぇ!まりちゃね!どしゅになったんだよぉぉぉ!」 『ゆへ?どすぅ?』 自信満々に仰け反る子まりさを、二匹の親ゆっくりは目をまん丸にして呆然と見つめていた。 「だーかーらー!まりちゃは、ゆっくちしたどしゅになったのじぇー!どーちてしんじてくれにゃいのじぇー?」 「ゆぅぅ…またなのちぇー、おねーしゃん?まりしゃ、もうききあきたのちぇー」 「おちびちゃん、ゆっくりゆっくり!きっとおちびちゃんは、どすになったゆめをみたんだぜ!でも、どすのゆめをみたなら、きっとどすになるんだぜ!」 「ゆふふ!きっとそうだね!でも、おちびちゃんみたいに、とーってもゆっくりしたゆっくりなら、きっとどすにもなれるよ」 必死にドスになったと主張する子まりさ。 それを呆れた顔で見つめる妹まりさ。 親ゆっくり達はそんな我が子のやり取りを、微笑みながら見守る。 実際に野良ゆっくりがドス化する事は殆どない。 自然界で暮らすゆっくりよりも、遥かに低い確率なのだ。 だが二匹の親ゆっくりは、親バカフィルターで我が子を見ている為、将来は有能なドスになってくれると期待し始める。 妹まりさは、そんな風に褒められている姉まりさの事が面白くないのか、頬を膨らませてムッとする。 「ゆっくちぷんぷんぷーん!どーしちぇ、おねーしゃんのいうことがわからにゃいのぉぉ?!おねーしゃんは、どしゅになったのじぇ、っていってるのじぇ!!」 「ゆうぅぅぅ!どこがどしゅなのぉぉ?!おねーしゃん、うそばっかりつくのちぇー!うそちゅきはゆっくちできないのちぇー!ぷんぷんぷん!!」 二匹の子まりさが、頬を膨らませて喧嘩を始める。 最初は仲良く遊んで居たのだが、姉まりさのドス発言で妹まりさの機嫌が悪くなった。 姉の子まりさが、自分はドスだと主張し、妹の子まりさがそれを否定する。 そんな事をしている内に、どんどんお互いが憎らしくなり、今では両者の睨み合いまで発展している。 「ゆぅぅぅ!こいちゅ、なまいきなのじぇ!どしゅのまりちゃが、ぷくーしてるのに、じぇんじぇんおどろかないのじぇ!しーしーもらさないのじぇ!!」 「おねーしゃんこしょ、いつもまりしゃのぷくーで、しーしーもらしゅのに、つよがりはやめるのちぇー!」 妹まりさにそう言われ、顔を真っ赤にする姉まりさ。 涙目でプルプル振るえながら、妹まりさをキッと睨む。 「ゆへへ~ん!どーちたのちぇ?ほんとーのことをいわれて、くやちーのちぇ?くやちかったら、どしゅしゅぱーく、うってみるのちぇー!」 ゆへへと舌を出して、姉まりさをバカにする妹まりさ。 姉まりさに尻を向けると、ぷりぷりと振りながら屁をこく。 流石にこれは頭にきたのか、姉まりさは鋭い目つきで妹まりさを睨む。 「ゆるしゃないのじぇー!いもーちょのくしぇにぃぃぃぃ!どしゅしゅぱーくうつよぉぉぉぉぉぉ!!」 「ゆぅぅ?!や、やれるもんにゃら、やってみるのちぇー!まりしゃ、ぜんぜんこわくないのちぇー!!」 姉まりさはそう言うと、何やら口をもごもごと動かし始める。 一方の妹まりさはその様子を見ながら得意そうに踏ん反り返るが、内心は本当に撃たれたらどうしようと冷や汗を流していた。 「お!いたいた!ゆっくり発見ー!」 「おぉ!やっぱりどこにでもいるな!石ころやタンポポより見かけるんじゃね?」 『ゆわぁぁぁぁぁ?!にんげんなのじぇ!!(ちぇ!!)』 姉まりさの声を聞いた少年達が、植え込みの木を掻き分け突然現れた。 二匹は少年達の姿に驚き、思わずしーしーを漏らす。 「うわっ!きったねー!小便もらしてるぞ!」 「あはは!ゆっくりって、すぐ漏らすよね。栓でもしておいた方がいいんじゃないの?水漏れ注意ってね」 そんな二匹の姿を見て大笑いする少年達。 二匹は少年達に恥ずかしい姿を見られて笑われた事に、顔を真っ赤にして怒り出す。 「ゆぅぅぅぅ!なにみちぇるのぉぉぉ!まりしゃおこりゅよぉぉぉ!さっさとあっちいくのちぇぇぇぇ!ゆっくちぷんぷん!!」 「まりちゃのはずかしーすがたをみて、わらうなんちぇ………ゆぅぅぅ!ゆるしゃないのじぇ!こいちゅら、いかしてかえしゃないのじぇ!!」 二匹は頬を膨らませてその場でぴょんぴょんと跳ねると、少年達を睨みつける。 だが少年達はそんな子まりさ達の仕草が面白いのか、怯える様子も無くニヤニヤと笑っている。 「生かして返さないって?ゆっくりが何言ってるの?俺達にびびって小便漏らしてるくせに!」 「だよなぁ。こいつ等って弱いくせに偉そうなんだよな。だから、すぐに泣いてあやまる姿が面白いんだよな!」 「ゆぅぅぅ!どしゅのまりちゃをおこらしぇるなんて、なんておろかににんげんなのじぇ!ゆっくちこうかいしゅるのじぇ!!」 少年の態度に我慢できなくなった姉まりさは、大きく息を吸い込んで跳ねると、少年の足に体当たりをし始めた。 「ゆっぷっぷ!どーなのじぇ?いたいのじぇ?ないちゃうのじぇ?あやまっちぇも、ゆるしてあげないのじぇ!!」 「ゆわーい!おねーしゃん、かっこいいのちぇー!まりしゃもやるのちぇー!」 姉まりさの勇ましい姿を見て、我もと妹もまりさも跳ねだす。 そして二匹で交互に少年の足に体当たりをする。 「ゆぷぷ!しんじゃったのちぇ?ばっかなのちぇー!まりしゃをばかにしゅるから、じごくにおちちゃったのちぇー!」 「どしゅのちからを、おもしった?まりちゃは、ゆっくちさいきょーの、とーってもゆっくちしたどしゅなのじぇ!」 何の反応も示さない少年に気を良くしたのか、二匹の子まりさは踏ん反り返って勝利宣言をする。 「おい?お前本当に死んだのか?靴を汚されてショック死したのか?」 「あはは!それはないって!ゆっくりで死ぬなんて、豆腐の角で死ぬよりむずかしいって!」 『ゆゆぅぅぅぅぅ?!』 死んだと思っていた少年が、声を上げた事に驚く子まりさ達。 ショックのあまり、そのまま固まって動かなくなる。 「あはは!そんなに驚くなって!お前等の方が驚いて死ぬんじゃないのか?」 「ゆうぅぅぅ?!どーしちぇいきてるのじぇ?うそなのじぇぇぇぇぇ!こいちゅ、おばけなのじぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆんやぁぁぁぁぁ!おばけしゃんこわいぃぃぃぃ!ゆっくちできないのちぇぇぇぇぇ!!」 少年が生きている事が信じられない二匹は、少年をお化けと呼んで怯える。 そう呼ばれた少年は少しムッとするが、友人はそれを見て大笑いする。 「なるほど!ははは!お化けか!そりゃいいわ!はははははっ!」 「なんかすげー馬鹿にされてる気がするんだが…にしても、ドスって言ってる割にはすっげーびびりだよな?こんな弱そうなドスは見たことないぜ!」 「ゆびぇぇぇぇぇぇん!ゆびぇぇぇぇ…ゆぅぅぅぅ?!」 お化けと言われた少年は、お返しと言わんばかりに姉まりさをバカにする。 少年に怯えてゆんゆんと泣いていた子まりさだったが、馬鹿にされた事に腹を立てて泣くのを止める。 「まりちゃ、よわくないのじぇぇぇぇ!おこったのじぇぇぇぇ!ひっしゃつの、どしゅしゅぱーくをおみまいしてやるのじぇぇぇぇ!!」 「おー?やれるもんならやってみろ!弱虫スパークでも撃ってろよ!はははっ!」 「ゆっぴぃぃぃぃ!ゆるしゃないんだじぇぇぇぇぇ!どしゅぅぅぅぅ!すぱぁぁぁぁぁぁく!」 『へ?』 子まりさは少年に挑発されると顔を真っ赤にして、口をもごもごと動かし始める。 そして急に力み始めた子まりさを、少年達も何事かと見守る。 そしてドススパークの叫びと共に、子まりさは勢いよくしーしーを放出した。 「はははっ!おもしれー!お漏らしスパークだ!はははは!!」 「無理するなよ、弱虫ゆっくり。怖いんだったら、おかーしゃーんって助けを呼べよ!はははっ!!」 「ゆぅぅぅ?!にゃんでにゃんでぇぇぇ?!どーしちぇ、どしゅしゅぱーくがでないのぉぉぉ?!ゆんやぁぁぁぁ!!」 盛大にしーしーをした子まりさを馬鹿にする少年達。 妹まりさも、あまりの事態に顎が外れたかのように口を空けて固まったままだ。 姉まりさはドススパークが出せない上に、しーしーまで漏らしてしまった事に混乱して跳ね回りながらゆんゆんと泣き喚く。 「はははっ!そんなに泣くなよ!お前はまだ完全なドスじゃないから、失敗したんだよ!俺が完全なドスにしてやるよ!」 「お前、何するつもりだよ?」 「まあまあ、いいから見てろって」 何かを思いついた少年は、二匹の子まりさを掴んで何かを探し始める。 友人も首をかしげながらそのあとに続いた。 「ゆんやぁぁぁぁ!みゃんみゃー!きょわいよぉーーー!たしゅけちぇーー!!」 「ゆっぴぃぃぃ!ゆっぴぃぃぃぃぃぃ!ゆっくちぃぃぃ!ゆっくちぃぃぃぃ!」 「おみゃぁぁぁぁ!おみゃぁぁぁぁぁ!ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ゆっがぁぁぁぁ?!なにじでるのぉぉぉぉ!れいむのかわいい、てんしちゃんをかえしてね!かえしてね!!」 野良ゆっくりの家であるダンボールの中から、三匹の赤ゆっくりのれいむを取り出した少年達。 突然の訪問者に混乱する親れいむと、それ以上に混乱してゆんゆんと泣き喚く赤ゆっくり達。 「そんなに騒ぐなよ。未来のドスの為に協力してくれよ!な?」 少年はそう言うと、捕らえた赤ゆっくりを地面に置き、その頭の上に足を軽く乗せる。 「ゆぅぅぅ?!なにしゅるのぉぉ?まりちゃを、りっぱなどしゅにしてくれるんじゃないのじぇ?そういう、きょーてーじゃなかったのじぇ?」 少年の行動を不安そうに見守る姉まりさ。 「ほら、ドスってさ。死んだゆっくりのお飾りを着けたりするんだろ?ムシゴロウ王国で見たんだよ。だから、こいつら殺してお飾りをお前に着けるんだよ」 少年はそう言うと、赤ゆっくりを一気に踏み潰した。 グチャ! 「ゆぴゃぼ!」 「ゆんべぇ!」 「みゅびゃ!」 三匹の赤れいむは汚らしい音と共に、仲良く口から餡子を吐いて潰れた。 少年はその死骸からリボンを毟り取ると、餡子を少し払った。 親れいむは潰れた我が子を見て狂ったように叫び声を上げると、少年達に向かって勢いよくはねていく。 「ゆっぎゃぁぁぁぁ?!なにじでるのぉぉぉぉぉ!おちびちゃんをかえ 『ドカッ!』 ゆんぼぉ?!」 「うっせー!今日はこいつと遊んでるんだから、お前はあっち行ってろよ!」 体当たりをしようとした親れいむにカウンターの蹴りを浴びせた少年は、新たな赤ゆっくりを探して何処かに行ってしまった。 「ゆえぇぇぇぇん!ゆえぇぇぇぇぇん!くしゃいのじぇぇぇぇぇ!これとっちぇよぉぉぉぉ!」 「ゆびぇぇぇ…おねーしゃ…まりしゃ…ゆっくちしちゃいよぉ…ゆっくち…ゆっくち…」 死んだ赤ゆっくりの飾りを大量にボンドで張り付けられ、その死臭に顔を歪める姉まりさ。 殺されてきた赤ゆっくりの姿を沢山見せられた妹まりさは、泣き疲れたのか精神的に参ってしまったのか、ぐったりとした姿で力なく泣いていた。 「まあ、飾りはこのくらいでいいかな?あとはもう少し太らないと、ドスっぽくないよな?」 「何食わせる?こいつらって、何でも食うんだよな?でも、やっぱり餡子の方が良いのかな?」 「それならこいつしかいないだろ?ほら、丁度いいのがいるだろ?」 「ゆゆぅ?」 弱った妹まりさを覗き込む少年達。 一人が姉まりさの口を無理やり開かせると、もう一人が妹まりさをそのまま丸呑みさせようと、.頭から姉まりさの口に押し込み始める。 「むごめごぉぉ?!げぼっ!ごぼっ!びゃべべぇぇぇぇ!がぼげげぇぇぇ!!」 「やめちぇよぉぉぉ!まりしゃ、おねーしゃんに、たべられたくにゃいよぉぉぉぉ!ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!」 両目をまん丸に見開いて、苦しそうに抵抗する姉まりさ。 涙と涎をダラダラと垂れ流しながら、お下げをぶんぶんと振りまわす。 流石に同じくらいの大きさの妹まりさは簡単に口の中には入っていかず、少年達は少し苛立ち始める。 「うーん…上手く入っていかないな…そっか、舌と歯が邪魔なのか」 「そんなの全部取って良いんじゃないのか?後から付けてやればいいんだし」 少年はそう言うと、まるでトウモロコシの実を取る様に姉まりさの歯をパキパキとへし折る。 姉まりさは痛みに体を捩るが、今度は少年の手が口の中に侵入し、うねうねと動く舌を捉えた。 「ぎゃびぃぃぃぃぃ!がびゃびゃぁぁぁぁ!ごぼっ!ゆげぇぇ!ぶんびゃぁぁぁぁぁ!!」 姉まりさは苦しさと苦痛に顔を歪め、少年の腕をお下げで必死に叩く。 だがそれもなんの抵抗にもならず、少年を余計に苛立たせるだけだった。 「くっそ!ヌメヌメしてつかみにくいな!何か良い方法はないかな」 「そうだなぁ…じゃあ、枝でも刺して引っ張ってみようぜ」 「びっびゃびゃぁぁぁぁ!やびゃびゃぁぁl!いぢゃぁぁぁ!いぢゃぁぁぁっぁ!!」 少年は枝を拾ってくると、姉まりさの舌に突き刺して枝ごと引っ張り始める。 姉まりさはポロポロ涙をこぼしながら、枝の刺さった舌を必死に引っ込めようとする。 だが、舌を動かす度に激痛が走り、子まりさはそ痛さの余りしーしーを漏らす。 ビリビリッ! 「びゅっじゃぁぁぁぁぁ?!までぢゃのしだじゃんがぁぁぁぁ!ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「あー舌がちぎちゃったか。もうめんどうだから、このまま押し込むか」 結局、刺さった枝がそのまま姉まりさの舌を引き裂き、姉まりさの舌はまるで蛇のように先で二つに分かれてしまった。 少年達は姉まりさの舌を引き抜くのを諦め、再び妹まりさを口の中に無理やり押し込め始める。 「ゆびょぉぉぉぉ!げぼっ!ゆごっ!ゆんげぇぇぇぇぇ?!がびゃ!ごぼぼぉぉぉ!!」 「ゆんやぁぁぁぁぁ!やめちぇよぉぉぉ!まりしゃ、しにちゃくにゃいよぉぉぉぉぉ!もっちょゆっくちしちゃいぃぃぃぃぃ!!」 姉まりさの抵抗も空しく、妹まりさの体が口の奥にどんどん押し込められていく。 妹まりさは姉まりさの口からはみ出た尻をブリブリと振って抵抗するが、その行為が姉まりさを苦しめる。 「ぐびょぉぉぉ!ぐぼぐなぁぁぁぁ!ごげべぇぇ?!ぶぎゃ!ごぼぉ!げべぇぇぇ!!」 「おねーしゃぁぁぁぁ!まりしゃをたべにゃいでよぉぉぉぉぉ!まっくらでなにみえにゃいよぉぉぉぉ!!やじゃぁぁぁぁ!ここからだちてよぉぉぉぉ!!」 妹まりさの叫び声が、姉まりさの腹の辺りから響き渡る。 姉まりさは体内でもそもそと動き回る妹まりさのせいで、ガタガタと体を震わせながら白目を剥く。 少年達はそんな姉まりさの事に気がつかないのか、妹まりさを必死で押し込むのに夢中になっていた。 「くっそー!これが限界か?こいつ、意外と体が伸びないんだなー」 「いっその事、この尻切り落とすか?それともこのまま絞ってみるか?」 少年はそう言うと、ブリブリ動く妹まりさの尻を握り締める。 「ぶんびゃぁぁぁ?!ゆげごぼげろおぉぉぉ?!」 少年が妹もまりさの尻を握り締めたせいで、妹まりさが姉まりさの体内で餡子を吐いたようだ。 なすび状に変形した姉まりさの腹の辺りが突然膨れ上がり、まるで妊娠したかのような姿になる。 「ぶごぉぉぉぉ?!げびょぎょぉぉぉぉぉ!ぎぎぃぃぃぃぃ!ががががががぁぁぁぁぁ!!」 「ゆぎゃぼえぇぇぇぇ!がばばぁぁぁぁ!げばぼごぉぉぉ!ぶびゃぁぁ!げぼごごぼぉぉぉ!!」 「はははっ!すっげー音!なにこれ? どうなってるの?!」 「おぉ!全部餡子が入ったんじゃない?すっげー!お前天才だな!」 子まりさ二匹の悲鳴と呻き声を聞いた少年達は、楽しそうに目を輝かせる。 姉まりさの口からは、萎んだ妹まりさのしりの皮がだらしなく垂れ下がり、姉まりさは泡を吹いて気絶していた。 少年は余った妹まりさの皮を姉まりさの口に押し込めると、姉まりさの口を無理やり塞いだ。 「よっしゃ!完成!ミニどすだー!!」 「すげー!でも、ドスだって分かりにくいから、マジックで書いておこうぜ!」 少年は油性マジックを取り出すと、姉まりさの腹に「ドスまりさ」と書きこんだ。 そして姉まりさ達を捕まえた付近で姉まりさを解放すると、そのままどこかに言ってしまった。 しばらくすると、子まりさ達を探しに親れいむと親まりさが姿を見せる。 「ゆぅぅぅ!おとびちゃぁぁぁぁん!どこなのぉぉぉぉ!かくれてないで、ゆっくりでてきて…ゆぅ?!そのおぼうしは、おちびちゃんだねぇぇぇ!!」 「ゆおぉぉぉ!おちびちゃん、かくれるのがじょうずになったんだぜ!これなら、れみりゃにおそわれても………」 「おがーじゃ…おどーじゃ…ぎぎ…ごご…まりぢゃ…どず…どす…まりちゃ…どずぅ…ゆげげ…げご…」 二匹は変わり果てた姉まりさを見つけてしばらく固まる。 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁぁ?!なんなのごれはぁぁぁぁぁぁぁ!!どぼじでこんなずがだにぃぃぃぃぃぃ?!」 「おちびぃぃぃぃぃ!!じっがりずるんだぜぇぇぇぇぇ!!いもーどは?いもーどはどうじだのぉぉぉぉぉぉ?!」 姉まりさの体はゆがんだ糸瓜のようになっており、髪の毛には餡子と死臭のついた無数の赤ゆっくりの飾りがベットリと貼り付けられていた。 両目は真っ赤に血走って、しーしーと涙と涎が壊れたようにダラダラと流れて止まらない。 二匹の親はそんな子まりさをペロペロと舐めながら何時までも泣き続けた。 「と言う訳で、今回の催眠術実験は失敗に終わりました。ゆっくりはその思い込みの強さのせいで、簡単に催眠術にかかります。ですが、結局ドスにはなれませんでした」 白衣を着た女性が、変わり果てた姿の子まりさの写真をレーザーポインターで指しながら解説する。 彼女は加工所の研究員で、例の子まりさを使って催眠術をかけたのだ。 結果としてはドスと思い込ませる事には成功したが、体は子まりさのままで少年達のおもちゃにされてしまっただけだった。 「まあ、これでドスが出来たら面白かったんだけど、野良でドスは迷惑だと思うんですけど?それに普通に研究所のゆっくりで試せば良かったんじゃないの?」 「だから私がそばで観察してたんでしょ?ドスになったら即始末してたわよ。それに研究所のは精々胴付どまりで終わったでしょ?ドスを作ってみたかったのよ」 得意そうにそう言う彼女を呆れ顔で見つめる同僚。 「それなら、自然のゆっくりの方がいいんじゃないの?」 「あぁ、それねぇ…私、虫とか嫌いなのよ。山って虫が多そうじゃない?」 「………」 彼女は毎回こんな調子で、ゆっくりを使って色々実験をするのだが、肝心な所が抜けていると言うか、いい加減なのである。 同僚はため息をつくと、やれやれといった顔でそれ以上突っ込むのを止めたのだった。 完 以前書いたものを少し膨らませてみたら、膨らみすぎた気がします。 徒然あき 挿絵: 挿絵:
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『ゆっくり牧場のまりちゃの記録』 55KB 虐待 調理 赤ゆ 加工場 現代 失礼します。 [ゆっくり牧場のまりちゃの記録] 「ゆっくちしゅるのじぇ!」 朝の日差しとともに眼を覚まし、赤まりちゃが何よりもまずするのは、ゆっくりしたごあいさつ。 ゆっくりの餡子に古くから受け継がれた、この世界で最もゆっくりできる行為だ。 「ゆっくりしていってね! おちびちゃん、ゆっくりおはよう!」 「ゆっくりしていくのぜ! おちび、きょうもゆっくりするのぜ!」 赤まりちゃが見上げると、既に起きている親れいむと親まりさが、ゆっくりとしたごあいさつを返してくる。 厳しくも優しい、威厳あるおとうさん。家族をゆっくりと包み込んでくれる、温かいおかあさん。 自分自身がゆっくりしていると信じてやまない赤まりちゃが見ても、とてもゆっくりした親ゆっくりだ。 いつかゆっくりし、ゆっくりし続けて、両親のようなゆっくりしたゆっくりになるのが、赤まりちゃの目標のひとつだった。 「ゆ……ゆぅ……? ……ゆっきゅ…………り?」 「……ゆゆっ! ゆっきゅち! ゆっくちー!」 「ゆっくち! ……ゆっくち! じぇ! だじぇ!」 切り株の根元に掘られた空洞、親まりさが見つけた、ゆっくりしたおうち。 その一番奥、枯草の積まれた「ふかふかべっどさん」の上で、起きだした赤ゆっくりがもぞもぞ、ころころと体を揺らしはじめていた。 まりちゃよりもさらに小さなころころした体に、ぷにぷにもちもちのまんまるほっぺさん。 動物型にんっしんっでただ一匹生まれた、赤まりちゃにとっては初めての妹ゆっくり。先日茎から落ちたばかりの可愛い可愛い妹たちだ。 「いもーちょは、まりちゃがゆっくちさしぇるのじぇ!」 妹たちの声に赤まりちゃは振りかえり、ゆんっ! と張り切った様子でべっどさんへと向かう。 「ゆぅっ! ゆわぁぁ……ゆっくち! ゆっくちー!」 「おねーちゃ! ゆっくち、ちちぇにぇ!」 「ちゅーり、ちゅーり……ちゅり、ちゅり……まりちゃのいもーちょ、ゆっくちしゅるのじぇ!」 「ゆっきゅち! ぺーろぺーろ! ゆっくち! のじぇ!」 ピンポン玉サイズの小さな小さな妹が、痛い痛いにならないように。まりちゃは力を加減しながら、妹たちにすーりすーりを繰り返す。 ころころとした体を舌であやされて、末っ子の赤れいみゅなんかはちょろっとうれしーしーをしゅっきり! してしまっている。 親れいむと親まりさが渡してくれた葉っぱさんでしーしー穴のあたりを優しく拭うと、ゆんゆんきゃっきゃと嬉しそうに笑い、またぺーろぺーろのおねだりを始めた。 まりちゃには既に、姉としての自覚がある。 自分も生まれてから一週間足らずしか経っていないにもかかわらず、妹の世話の手伝いすると言いだして、両親もこれを認めていた。 「おちびちゃんには、すーりすーりとぺーろぺーろをおねがいするよ!」 そう母れいむに任されてから、三匹のかわいい妹に囲まれてのスキンシップが、赤まりちゃの朝の日課になった。 右のほっぺにすーりすーりをされては、左のほっぺをぺーろぺーろと舐められて、妹赤ゆっくりたちはご満悦だ。 植物型妊娠で生まれたばかりの妹たちは、赤ゆっくり言葉のまりちゃよりも、さらにおしゃべりがきごちない。それでも、姉からすーりすーりとぺーろぺーろを与えられて、たどたどしくもゆっくりしたお声を聞かせてくれる。 同じ餡子を分けあった姉妹をゆっくりさせることを、またその大役を母ゆっくりから任されたことを、まりちゃは誇りに思っていた。 「おちびちゃんたち、そろそろあさのむーしゃむーしゃをしようね!」 朝のゆっくりを補給し終わった。次はぽんぽんをゆっくりさせる時間だ。 今日の朝のごはんさんは、シャキシャキの葉っぱさんにぷりっぷりのいもむしさん、そしてデザートに赤くてあまあまな木の実さん。 ゆっくりをゆっくりさせるために、勝手に生えてきてくれるごはんさん。それらは「狩り」で父まりさが集めてきて、おうちの奥にこんもりと山を作っている。 朝になれば、そこかしこで、大きな緑の葉っぱやあまあまな果物が見つかる。切り株の根元のおうちだって、少しぴょんぴょんをすればすぐにお引っ越しができるくらい沢山ある。 ゆっくりたちの理想郷、夢見てやまない究極の「ゆっくりぷれいす」に、まりちゃたちはいる。 そこに生まれ、ゆっくりと暮らし、ゆっくりし、ゆっくりし、ゆっくりし続けていた。 「ゆぅっ! むーちゃ! むーちゃむーちゃ!」 「ゆぅぅーっ、むーちゃ、むっきゅく! むっくち!」 「くっちゃ、くっちゃ、ちゃわちぇぇぇ!」 くっちゃくっちゃとごはんさんを食べ、しあわせー! を思う存分取り込む妹ゆっくりたち。 その様子にかけがえのないゆっくりを感じながら、まりちゃは自分もむーしゃむーしゃを始める。 噛めばじゅわっと広がるいもむしさんのゆっくりした味は、まりちゃの大好物だ。 あっという間に平らげてお腹もぽんぽこりんっになり、思わず幸せいっぱいの顔になってから、その場でころりん、と仰向けに寝そべってしまうのだった。 「かりにいってくるのぜ!」 「……ゆっ? ゆゆっ!?」 と、聞こえてきた言葉にまりちゃは慌てた。 ころり、と起き上がる――しかし起き上がろうとしたのは、まりちゃの頭の中だけだ。実際はぷっくぷくになってしまったぽんぽんのせいで、うまく起き上がることができず、ころんと少し横に転がっただけ。 「ゆっ、ゆゆゆ! ゆーん! ゆっく……ちぃ!」 ぷるぷると震えてから、反動をつけて起き上がる。 左右を見れば、まだむーしゃむーしゃ、しあわせー!が上手ではない妹ゆっくりたちはゆっくりと食事を続け、母れいむはそれをゆっくりした表情で見守っている。 キョロキョロと見まわしたまりちゃがおうちの出口に目を向けると、そこには狩り場に向かって跳ねていく、黒帽子をかぶった父まりさの後ろ姿があった。 「ゆーっ! ゆぅぅー! まっちぇにぇ! まっちぇにぇ! まりちゃも! まりちゃもいくのじぇぇぇ!」 「ゆっ! おちびちゃん、だめだよ! おそとはまだ、おちびちゃんにははやいよ!」 ぴょんぴょんをしようとするまりちゃを、後ろから母れいむが呼びとめる。聞きわけが良く、れいむのことを信頼しきっているまりちゃは、こうすれば必ず立ち止まるのだ。 2、3度ぴょんぴょんをしたところから、すごすごと引き返してきた。 「ゆじぇぇ……まりちゃ、はやくおしょとにいきたいのじぇ……うっくち……」 「おそとは、もうすこしゆっくりしてからにしようね。おとうさんがいいっていってからだよ」 昨日今日と、まりちゃは狩りにでかける父まりさについて行こうとした。 まりちゃには、おそとでもゆっくりできる自信があった。 おうちの中で習った「ぴょーんぴょーん」と「ずーりずーり」は、おそとを存分に駆けまわれるほど上達したはずだ。 母れいむと父まりさから、たっくさんのゆっくりを受け取った今。狩りについていけば、ゆっくりできるものを見つけて来ることができると信じ切っている。 「……ゆっくちりかいちたのじぇ!」 しかし、両親の言葉はまりちゃにとって、そんな気持ちよりもはるかに上にあるものだ。 大好きなおとうさんとおかあさんが、まりちゃにとっての誰よりも尊敬する両親が、まだ早いとまりちゃを止めるのなら。それはきっと真実のはずだ。 だから、まりちゃはおうちの入り口までは来ても、決して外に出ることは無い。 それはまりちゃの、親ゆっくりへの信頼のあらわれであり、そのことをを母れいむは「ゆっくりしたおちびちゃんだね!」と非常に嬉しく思っていた。 「ゆぅ…………」 「ゆ? おちびちゃん?」 だがこの日ばかりは、まりちゃはまだ納得しきっていないようだ。 横を向いたまりちゃの呟きは、悩ましそうな表情とともにどこかゆっくりできないものを孕んでいて、母れいむはそれを疑問に思う。 しかし母れいむは、まだ妹おちびちゃんたちのむーしゃむーしゃを見ていなければならない。その後には朝のうんうんさんをしゅっきり!させる必要がある。だから一通り朝の日課を終えた頃になると、母れいむはその疑問をすっかり忘れかけていた。 それを思い出させたのは、おずおずと話しかけてきた、当のまりちゃだった。 「おかーしゃ。おしょとには、ほかのゆっくちもいるのじぇ?」 「ゆん。すこしいったところに、おかーさんのおともだちもいるんだよ。もうすこししたら、つれていってあげるからね!」 「ゆっ……ねぇ、おかーしゃ? おしょとには、ゆっくちだけしかいにゃいのじぇ?」 「ゆ……?」 どうしてそんなことを言うのだろう、と母れいむは思う。 このおちびちゃんは、確かにまだおそとに出たことはない。ぴょんぴょんはこのごろ大変上手くなってきたが、それでも万が一のことがあってからでは遅い――そんな父まりさの方針に、れいむも同意して従っている。 しかしゆっくり以外に何もいないのか、という質問も妙だ。世界はゆっくりだけのために存在しており、そこにゆっくりしかいなくても何も問題は無いのだから。 でも、ひょっとしたら、それが寂しいのかもしれない。 この広い広いゆっくりぷれいすに、ゆっくりたちだけが生きているというのが、子まりさを心細くしたのかも。 そう考えて、母れいむは思った。何てゆっくりしたおちびちゃんなのだろう。 妹やれいむたちにゆっくりを感じるだけではなく、まだ見ぬ他の生き物たちにも、ゆっくりを見出そうとするなんて! 「ゆっくりだけじゃないよ、おちびちゃん……」 「ゆぅっ……!?」 「おそとには、いもむしさんやむしさん、ゆっくりしたおやさいさんが、かってにはえてきてくれてるよ! ゆっくりだけじゃないよ!」 「……ゆっ……」 まりちゃはその答えを聞いて、言葉に詰まった。 思っていたことと違う答えが返って来た、というのが、ありありと見てとれる態度である。 しかし、観察眼のよろしくないゆっくりのこと。母れいむはその様子を見ても、わずかに違和感を感じる程度であった。 「おちびちゃん? どうしたの……?」 「ゆっ! にゃ、にゃんでもないのじぇ! おしょとには、ゆっくちできるもにょが、たーっくしゃんありゅのじぇ!!」 「……そうだね! いつかおそとにでたら、おちびちゃんにもたくさん、たくさんみせてあげるよ!」 母れいむはまりちゃがごまかすと、すっかり疑念は晴れたようで、ゆっくりした笑顔になる。 その表情を見て、嘘をついていることにわずかなゆっくりできなさを感じながら。まりちゃは母れいむのゆっくりした様子に、「ゆっくり」を感じた。 まりちゃはまだしばらく、自分のかかえるこの秘密を、自分の餡子の中にしまっておくことに決めるのだった。 まりちゃは知っている。 このゆっくりぷれいすは、実はゆっくりできないものによって、脅かされているかも知れないということを。 あれは二日前の夜の事だった。 まりちゃはおねしーしーをしゅっきり! しそうになって、こっそり起きだしておトイレさんに向かった。 おうちの中のおトイレさんは比較的出口に近いところにあり、うんうんやしーしーがベッドさんにかかることはない。 ひとりでしーしーができるようになっていたまりちゃは、誰も起こさないようにベッドを抜け出し、抜き足差し足でおトイレに向かう。 「ちー……ちー……しゅ、しゅ、しゅっきりぃ……! …………ゆ?」 しょわしょわと排泄し、ぷるぷると震えるまりちゃ。 その視界の隅、おうちのいりぐちの向こう側、遠くの方に何かの影が動いているのを、まりちゃはたまたま見つけた。 月明かりの下に見えた姿は、人間という生き物のそれだった。 人間を見たことが無いまりちゃにも、ゆっくりたちの餡子に刻まれた記憶から、それが人間なのだとまりちゃには分かった。 生理的に「ゆっくりできない」と感じるその姿に、まりちゃは全くゆっくりできないまま、しかし呆然とそのシルエットを見続けた。 まりちゃたちのゆっくりぷれいすに、まりちゃと大好きな家族のいるゆっくりぷれいすに、人間というゆっくりできない存在がいたという事実は、まりちゃにとって何よりも衝撃的だったのだ。 まりちゃは以来、そのことを秘密にし続けている。 おとうさんとおかあさんは、どうやら人間に出くわしたことはないらしい。今まで人間のにの字も口にしたことがなかったし、今回聞いてみてそれがはっきりした。 両親のことが大好きなまりちゃは、おとうさんとおかあさんが自分と同じ「ゆっくりできない」気持ちになるのをきらって、ずっと話すことができずにいたのだ。 今後も秘密にしていこう、とまりちゃは決心する。このことを話す時がくるとすれば、それはきっと、まりちゃの夢が叶った時だ。 (まりちゃは、いちゅか、ほんとうのゆっくりぷれいしゅをちゅくるのじぇ!) あの夜から、それがまりちゃの夢になった。 ゆっくりぷれいすは平和そのものに見えて、実はその平和が脅かされている。 だから、あのゆっくりできない「にんげん」や、他のまだ見ぬゆっくりできないものたちをもやっつける。 ゆっくりを脅かすものを追い出して、ゆっくりぷれいすに平和を取り戻すのだ。 やがてまりちゃはえいゆんとなり、このゆっくりぷれいすを率いていくゆっくりしたゆっくりに成長する。 ゆっくりぷれいすのゆっくりを率いて、この広い広い世界に、どんどんゆっくりぷれいすを広げていくのだ。 世界の果てまで続くような広大なゆっくりぷれいすで、おとうさんとおかあさんと妹たちが、自分と一緒にゆっくりしている。 まりちゃにとってはいつか叶う、そう信じる夢だった。 (ゆふふ……おちびちゃん、なにをかんがえてるんだろうねっ) 決意も新たに、キリッとした表情をするまりちゃを母れいむが見守る。 このおちびちゃんは、れいむとまりさにとってのはじめてのおちびちゃんだ。 優しくて家族思いの、このゆっくりしたおちびちゃんは、ゆっくりと成長を続けている。 れいむが見たことのないものを見て、行ったことのないところへ行き、やがてれいむの元を離れ、旅立っていくのだろう。 「……ゆんっ。おちびちゃん、すーりすーり」 「ゆっ? おかーしゃ?」 「れいむのかわいいおちびちゃん。すーりすーりだよ。ゆっくりしていってね!」 「ゆぅぅっ……! しゅり、しゅり……ゆっくち! ゆっくちなのじぇ!」 しかし今は、まだ今は、れいむの元に居てほしい。 いつか旅立ってしまうとしても、それまではれいむに、ゆっくりとした成長を見せてほしい。 そんな気持ちが極まって、れいむは自然と、まりちゃに向かって体をすりつけて、愛情のたっぷりこもったすーりすーりを与えていた。 まりちゃも戸惑った様子から、一転して母恋しさが沸き上がって、ゆっくりとしたすーりすーりを返す。 「ゆぅ! ゆーゆー!」 「ゆーう! しゅり! しゅり! じぇ!」 「ゆっ! いもーちょ! いもーちょも、しゅりしゅりしゅるのじぇ!」 その様子を見つけて、うとうとしていた妹ゆっくりたちも一気に眼を覚まし、すーりすーりをおねだりしはじめる。 まりちゃと母れいむは、仕方ないね! という顔をして、かわるがわるすーりすーりを与え始めた。 いずれ、ゆっくりぷれいすに平和を取り戻すための闘いが、まりちゃを待っている。 しかしまりちゃは、今の家族をゆっくりさせることからはじめようと思った。 家族をゆっくりさせていれば、餡子さんがぽーかぽーかする。そうすることで自分の餡子さんに、ゆっくりがどんどん増えていくのだ。 いつかゆっくりプレイスを率いるときが来るまでに、まりちゃはそうやってゆっくりしたゆっくりに成長し、他のゆっくりから認められるようにならなければならない。 「しゅり、しゅり! ゆっゆんっ! ゆっくち!」 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくち! ゆっくちー!」」」 「まりちゃのいもーちょ、ゆっくちしゅるのじぇ! ゆっくちしてるのじぇー! ゆっくちー!!」 大好きな家族に囲まれて、まりちゃはゆっくりと、ゆっくりとした日々を送っていた――。 「やじゃ……やじゃ……まりじゃ……じにだくない……うまれだぐにゃい……」 暗闇の中で、実まりちゃがすすり泣いている。 青々とした茎に頭をつけた、生まれる直前の実まりちゃが、恐怖のあまりガタガタと震えながら涙をこぼしている。 おそろしーしー・おそろうんうんも盛大に垂れ流しそうな様子だが、このまりちゃのしーしー穴とあにゃるは既にふさがってしまっている。 ゆんゆん、ゆっぐゆっぐ、としゃくりあげるのに合わせて、その痕にあたる部分が広がろうとするように震えて、ぷるぷるひくひくと痙攣するだけだ。 自分が世界の全てから祝福された、特別な存在だと妄想しながら生まれてくるはずの実ゆっくり。 もう眼も開き、今にも茎から離れようとしているそれが、死にたくない、死にたくない、と繰り返している。 生まれたくないとすらこぼしている。 歯の根が合わないほど震えて、ボロボロと枯れることのない涙を流し続けている。 「いらっしゃいませー!」 「ドリンクバーはあちらになります!」 「かしこまりました。失礼いたしまーす!」 実まりちゃからは聞こえない、防音の施されたパックの外では、活発そうなウェイターやウェイトレスの声が響いていた。 ゆっくりというのは適当なつくりをしたナマモノであり、素材さえ選べばただ周囲を覆うだけで、ほとんど音が届かなくなるほど聴覚が弱い。 自然な状態のゆっくりがキンキンとけたたましい声で人間を不快にさせるのは、別にそう意図してのことではなく、そうしなければまともにコミュニケーションもままならないからだと言われていた。 ここはファミリーレストランの厨房だ。 実まりちゃは食材として、これからレストランの提供する料理に使われるべく仕入れられたのだった。 茎の根元にあるはずの、親にあたるゆっくりの姿は無い。 この実まりちゃの親にあたるゆっくりまりさは、加工所の中の歯車のひとつ。子ゆっくりを作る機械として働いている。 牧場で生まれ、のびのびと育った「ゆっくりした」まりさは、3か月もの時間をかけて、虐待に虐待を繰り返された。 欠損がない部位の見当たらないほどボロボロになり、1日中しーしーとうんうんを垂れ流す廃ゆんになり果てたところで、精子餡を投与して実ゆっくりを作らせるのである。 こうやって生えてきた茎に垂れ下がる実ゆっくりは、祖先から伝わる「ゆっくりはゆっくりできる」という妄想と同時に、壮絶な虐待を加えられた実まりさの記憶を、潜在的に餡子に受け継いで生まれてくる。 そうしてやや従順に、卑屈になった実ゆっくりたちに、自分たちがどうやって死ぬのか、何のためにすり潰されぐちゃぐちゃにされて殺されるのかを、ドスまりさの声を使って何度も何度も聞かせるのである。 「おまえらはくずだよ! ごみだよ! ゆっくりできないやくたたずだよ!」 「せかいじゅうのみんながおまえらをにくんでいるよ! くるしんでくるしんでくるしんで、さっさとしんでほしいとおもっているよ!」 「でもあんしんしてね! おまえらがうまれたら、ただちにころしてあげるよ! ぐっちゃぐちゃにすりつぶしてあげるよ! くるしんでしんでね!」 ドスまりさといえば、子供でもプラスチックのバットひとつで撃退できる、でかいだけで糞の役にも立たないブ饅頭だということが広く知られている。 しかしゆっくりにとってみると、それが世界の王たる存在だと餡子の底に刷り込まれているのだ。 人間に捕えられ拷問にかけられ、完全服従となったドスまりさの声を録音したものだとは、実ゆっくりたちが知る由はない。 できたばかりの実ゆっくり、しかも虐待の記憶をわずかながら引き継いで屈服しかけのゆっくりに、その言葉がもたらす影響は大きく、何より効果が確実だった。 「ゆっ……ゆひっ……ぴぃっ……ぴ…………」 「やじゃ……やじゃ……やじゃ……」 「まりじゃ……どうなるのじぇ……? ごあいのじぇ……しゅごく……まりじゃ……ごあいごあいのじぇぇ…………」 茎には他にも、いくつかの実まりちゃが生っている。 茎を経由して実まりちゃたちには、栄養豊富な水をたっぷりと、成長促進剤とともに与えられている。普通の植物型にんっしんっで作られた子はおしゃべりがたどたどしく言葉をなさないものだが、この茎に生った実まりちゃは既に、動物型にんっしんっのおちびちゃんとと同じくらいにおしゃべりができる。 姉妹の震えを茎越しに感じて、それに恐怖してさらに怯えるもの。いやだ、いやだと誰に言うでもなく助けを求めるもの。これから死ぬことを理解し、ご苦労な事にその心境を実況し続けるもの。醜い顔をさらに不細工にゆがめて、みな一様に涙を流している。 周囲は真っ暗な闇の中だ。 助けを求めようにも相手がおらず、聞こえるのは惨めったらしい実ゆっくりのすすり泣きだけだ。 わざわざ暗闇の中で保存されているのは、ゆっくりに外部の情報を与えず、味の質をならすためだ。真っ暗闇のまま何も見えないというのはそれだけで恐怖をあおり、実ゆっくりの味が甘味を保つという効果もある。実際ただ眠らせておくより味は良い。 それだけなら眼をアマギった方が確実だが、それはしないことになっていた。焼き赤ゆを作る際にぷちゅん!と弾けた眼球の、とろとろとした内容物が好評だし、眼球をそのまま料理に使うことだってあるからだ。 「くらいくらいさんがおわったら、すぐにころしてあげるよ! ゆっくりしんでいってね!」 ドスまりさの声で散々謗られ、貶され、罵声を浴びせられた実まりちゃたちが、そう最後に言われて以来。出生阻止剤を投与され、茎ごとパックし出荷されても気付かないまま、暗闇の中を絶望的な面持ちで、ただ悲惨な死を待つばかりとなっていた。 実まりちゃたちの出荷されたレストランは、全国にチェーン店を展開する大手のファミリーレストランだ。洋食を中心に各種サイドメニューやデザート、ドリンクも一定のレベル以上のものを提供している。 中でも、女性客にもっと足を向けてもらう方針の一環として、デザートやドリンクをより充実させようという試みが行われているところだった。実まりちゃたちは、その犠牲者である。 食用ゆっくりの入荷が始まったのはつい最近だが、今のところ好評である。ゆっくりの身の程を知らない言動や振る舞いに、人間が既に見切りをつけたこの時代。ゆっくりとは人間にとってどんなに非道で残酷なことをしてもよく、殺せば殺すほど、あるいは苦痛を与えれば与えるほど、世の中のためになるものと認識されている。 ましてそれを食べることに、「汚そう」「汚れていそう」という以外の、いわゆる禁忌感や罪悪感を感じる人間は、もはや皆無となっていた。 「2名様、オーダーはいります!」 「かしこまりましたー!」 厨房に、実まりちゃたちの聞こえないところから、死の宣告が届いた。 休日ということで、甘いものを食べようとやってきた2人の女性客の注文は、「まりちゃのクリームあんみつ」。この店のゆっくりスイーツのなかで定番の人気商品が、まりちゃたちの墓碑銘となった。 「茎付き実まりちゃ」は1回の注文で、1パック全てが使い切りになるようデザインされている。厨房のコックが収納ボックスから、まりちゃたちが梱包された1パックを取り出した。 黒く色素が塗られ、遮光された茎付き実まりちゃのパックを、コックはその端の切れ込みから、引き裂くように開いた。 「「「「ゆぴっ……!」」」」 取り出されるときの揺れ。つづいて開封。 数日ぶりのまぶしい光に、実まりちゃたちは大きく震えた。 「やべ…………やべ…………やべ…………」 「あ゛っ……あ゛っ……あ゛っ……あ゛あ゛……!」 「ゆぴ…………ゆぴぴぃ…………」 「い゛や……い゛や…………い゛やなのじぇ…………」 ドスの声で何度も何度も刷り込みをされた実まりちゃたちにとって、外の光はもはや地獄からの使者にも等しかった。 焦点の合わない目で虚空を見上げながら、いよいよ迫りくる死にガタガタと震え、いやいやをするように身をよじる。 他のどんな生物と比べても弱い、弱すぎるゆっくりというナマモノ。しかも生まれていない実ゆっくりとあっては、抵抗などできるはずがない。 それにドスまりさの罵声によって既に、実まりちゃたちは精神的にあらゆるものに屈服してしまっていた。自分の置かれた立場をこれほどまで正確に理解できているゆっくりも珍しい。ゆっくりの中では何代にもわたって虐待された餡統のゆっくりや、食材として生まれ食材として「教育」されたゆっくりくらいのものだろう。 「あ…………あ……にんげ…………」 「あ゛……にん、げん、しゃ…………」 「だじゅげで……だじゅげでぐだじゃい……」 「まりじゃ! どりぇ! どりぇになりまじゅ! だがらごろじゃにゃいで! ごろじゃにゃいでぐだじゃい゛!!」 定まらない視点で、それでもコックの姿をなんとか捉えて、実まりちゃたちはそこに最初で最後の希望を見出した。情けない顔を涙でくしゃくしゃにしながら、茎にくっついたままの頭を下げようとしてへこへこと動く。 対してコックは、実まりちゃたちに声をかけたりはしない。もちろん彼は、ゆっくりをイジメ殺すのが大好きな虐待鬼威惨。食材ゆっくりの悲鳴を聞いてゆっくりできるこの仕事は、彼にとって願ったり叶ったりの職である。 本来ならばこれから美味しく料理されてしまうゆっくりたちの絶望と懇願、悲しみに満ちた表情をひとつひとつじっくり観察したうえで、虐待・殺害方法を懇切丁寧に解説し、その通り地図をなぞるようになぶり殺しにしたいところだ。しかしそれはできない。既に完成された「製品」であるところのゆっくりに、虐待鬼威惨が手を加えることは許されていないのだ。 できるだけ味を変えないように、という方針のもと、コックは実ゆっくりたちのありとあらゆる行動を無視することが義務付けられている。 もっとも彼は、こういうところで「ヒャッハー!」とならないためにも、賞味期限切れの食材ゆっくりたちを散々虐待し尽くしており、この手のゆっくりをいじめる欲求は存分に満たしている。それに惨めったらしい実ゆっくりたちが恐怖に震えながら出す声は、わざわざ手を加えずとも、十分に鬼威惨をゆっくりさせてくれるのだった。 「ゆっ……ゆ、ゆわあああああああ!! あ゛あ゛ああ゛ああ゛!! ごべんにゃじゃい! ごべんにゃじゃい! ごべんにゃじゃい!」 調理にかかろうとコック鬼威惨がつまみあげたのは、奴隷になります、と自分を売ってまで生き残ろうとしていた、特に元気な実まりちゃだ。 一際大きく叫んでから、土下座をするように体を折り曲げ、本来は謝罪を意味する、しかし「そうすれば助かりやすい」という理由で餡子に染みついただけの意味のない鳴き声を繰り返しはじめる。身の程というものを理解しており、この手の食材ゆっくりは抵抗はほとんどしない。 鬼威惨が引っ張ると、ぷつん、と茎から引き剥がされる。それが誕生だとすれば、わずか30分にも満たない、短い短いゆん生の始まりだった。 「ごべんにゃじゃい! ごべんにゃじゃい! ごべ…………ぎぃぃぃィィ!?! ギぃィやああア゛アアあああああああああああ!!!」 形だけでも「ゆっくり」でいられた時間はもっと短く、数秒ほどにすぎなかった。 コック鬼威惨は小さなナイフを手に取ると、さくさくとあんよに切り込みを入れ、鼻歌でも歌いそうなゆっくりした気分のまま左右に引っ張った。 ぺりぺり、とわずかばかりの抵抗の後、そこには皮を完全に剥かれ、全身の餡子をむき出しにされた、ただの餡子玉だけが残った。 生まれて数秒の実ゆっくりとは思えないほどの、ゆっくりの欠片もないおぞましい悲鳴を上げている。 「ゆっひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 「ひぃー! ひー――――! ひーひーひーひ――――!!」 「あ゛あ゛あ゛!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おがーじゃあ゛!!!! おがーじゃあ゛あ゛!! おがーじゃあ゛あ゛あ゛!!!!!」 残された実ゆっくりたちはその目に焼き付けていく。寒天の眼球を取られ、歯を上下まとめて引き抜かれ、「ゆっくり」からかけ離れたおぞましい姿になっていく姉妹の姿を。 自分が何をされるのか、どんな無残な姿になるのかを克明に見せつけられて、ひきつけを起こしたようなかすれた声や、ここに居ない母ゆっくりを呼ぶ叫びが上がる。 救いのないことを心底理解し、それでも生きたい、何としてでも生きたいと願う実ゆっくりたちの叫び声は、コック鬼威惨の職場での楽しみのひとつだ。 「ぴいいいいい! いぎぁあああああああ!!!!」 「いぢゃあああああああ!!!! いぢゃあいのじぇええええええええええ!!!!」 「じじじじじ!!! じじじじじじじじじぃぃ!!!!!」 しかしここはお昼のレストラン。厨房は戦場であり、のうのうと楽しむ時間は無い。 姉妹は茎から次々ともぎ取られ、あっという間に皮を剥かれ、痛みを叫ぶだけのただの餡子玉に姿を変える。 餡子以外の部分を取り終わったら、最後にのどを簡単に潰してまともに喋ることができなくし、それで「材料」としての準備は完了。 ゆっくりの被虐ボイスをBGM代わりに使うレストランも、個人経営の店ではいくつかある。しかし一般のお客様どうしの会話の時間を大事にしたいという方針で、この店では音量控えめ、大人しく苦しむゆっくり料理が採用されていた。 「お待たせいたしました。『まりちゃのクリームあんみつ』になります」 「ぎ…………ぎ…………」 「っぐじ…………じじ…………」 黒眼部分を取りのぞいた白くてキラキラした寒天と、ひんやりあまあまなバニラアイス。それにぷるぷると震える生きのいい餡子をのせ、蜜をたっぷりと贅沢にかける。 最後に実まりちゃたちがくっついていた、かすかに甘くもほろ苦い茎を添えれば、「まりちゃのクリームあんみつ」の出来上がりだ。 「びっ!」 「ぴぴ……ぴ……ぴぃっ!」 「んー美味し! 甘いものなんて久しぶりなのよ!」 「そうそう、知ってる? 隣町のレストランに……」 客が食材ゆっくりたちの言葉にならない悲鳴を、断末魔の小さな叫びを気にすることは無い。 注文を入れた2人の女性客はあまあまに舌鼓を打ち、午後のティータイムを思う存分ゆっくりするのだった。 ゆっくりできないと甘味が増すという性質上、ゆっくりを使った料理で同じ味を再現するのは難しい。 ゆっくりを食材として使えないか、と模索していた外食産業が、なかなか実現にたどり着かなかった背景にはそんな理由がある。食事時のレストランの厨房というのは、先に述べた通り戦場のようなものであり、膨大な数の食材ゆっくりひとつひとつに対して、厨房で全く同じ虐待をするような時間は無いのである。 しかし加工所は、地球上のお荷物、役立たず、穀潰しのクズであるところのゆっくりを、世のため人のために役立るのに努力を惜しまない。 現場の拘束時間を抑え、かつ味にムラのない食用ゆっくり製品が、街中のレストランに商品として並ぶ。ゆっくりを好物とする人たちにとっては待ちに待ったそんな時代が、膨大な数のゆっくりの死骸の果てに実現していた。 とはいえ、当初は難題もあった。 ゆっくりは基本的に、人間の手を借りなければすぐに全滅してしまいかねない脆弱な饅頭である。なのでゆっくりを安定して供給するには、野生のそれを集めてくるのではなく、人工的に飼育して回収するという、養殖のプロセスが求められた。 生きたままの新鮮な、食材として使えるゆっくりの提供を目指す加工所は、はじめ加工所の施設内で「工業的」に生み出されるゆっくりたちをそこに充てようとした。 しかし製造・虐待の後に行われた試食会で、職員たちは口をそろえて同じような問題を指摘した。 味がくどいのである。 殺してから、饅頭などの完成された「製品」に加工されたゆっくりは、その製造ラインのどこかで、調味料などで味を調整されている。 生きたまま出荷する、というコンセプト上、今回加工所が目指した食材ゆっくりたちは出荷段階で殺されることはない。その苦しみや絶望は、調理寸前に最高潮に達し、加工所の職員たちの想像を越えて甘くなり過ぎたのだ。 その後の検討の結果、この問題はゆっくり製造のラインというより、むしろ材料として使われるゆっくりたちの側にあることが分かった。加工所で虐待された親から生まれた子の、そこから生まれた孫の、ひ孫、玄孫……連綿と受け継がれてきた虐待の記憶で、ゆっくりたちの甘さは限度を超えてしまっていた。 そこで、生きたまま、手軽に加工できる食材ゆっくりを目指す加工所は、ゆっくりをゆっくりさせる、という異例の試みに出た。 ゆっくりはこの世界では、害虫であり汚物であり、人々のあまねく憎しみの対象である。 それにわずかばかりとはいえ幸せを与えるという提案が出た時、それを受けた他の職員はずいぶんと首をひねったという。しかし、この試みは成功に終わった。 しつこくなく、舌触りが良くて、それでいて一定以上の甘味を保った赤ゆっくりを生産する、良質な親株が得られたのだ。 ゆっくりの生きていける環境を整え、賞味期限が切れたり商品にならなかった残飯や屑野菜を用意し、そうして育ったゆっくりを「収穫」して親株に利用するサイクルが、現在うまく回っている。 それが、ゆっくり牧場。 そこではゆっくりたちが人間のためだけに飼育され、育っては集められ、そして好きなように利用される。 何かの庇護を得なければ生きていくことすらままならないゆっくりたちにふさわしい、絶望を孕んだ箱庭だ。 ゆっくりプレイスとは上っ面の、生きながら無残な死を決定された墓場ともいいかえられる場所。 あの心優しく、家族思いで、地平線の果てまで広がるゆっくりプレイスを夢見る赤まりちゃは、そこで生まれ育ち、ゆっくりと暮らしていたのだった。 人間が設置した切り株の根元の「おうち」で、そうとも知らずに両親と妹ゆっくりに囲まれて過ごしていたあの赤まりちゃも、ついに人間の手によって「収穫」される時が来た。 食材ゆっくりの親株として回収されるゆっくりは、自然の中でゆっくりしていればゆっくりしているほど良いと言われている。 ゆっくりがゆっくりできる、と感じる状況もいくつかあるが、そのうち親株ゆっくりとして最適なものは「おちびちゃんはゆっくりできる」というものだ。 特に「はじめてのおちびちゃん」がある程度成長し、狩りと言う名のゴミ拾いに出かけられるようになったあたりが、親株にとって最も収穫に適しているとされる。 赤ゆっくりだったまりちゃが子ゆっくりと呼べるくらいに成長するよりわずかに早く、父まりさはまりちゃに「あした、おちびをかりにつれていくのぜっ」と打ち明けた。 赤まりちゃは飛び上がらんばかりに喜んで、おうちの中をぴょーんぴょーん!し、こーりょこーりょ!して全身でそれを表現した。 それを何よりも温かなまなざしで見守る母れいむ。憧れとそんっけいっでいっぱいの顔になって、「ゆっくちがんばっちぇにぇ!」「おねーしゃ、しゅごいのじぇ!」と応援し激励する、おしゃべりの上手くなった妹ゆっくりたち。 大好きな家族を狩りでゆっくりさせてあげられることが、まりちゃにとって何よりも嬉しかったのだ。 しかしそれは、死刑執行の書類に印を押すことと同義だった。 切り株の根元のおうちには、暗視に優れた小型カメラが、集音マイクといっしょに設置されている。 ゆっくりの声というのは人間にとっては画一的で聞きわけがきかない。 しかしその点、機械によって会話を分析させることは非常に容易かった。 「597番、『はじめてのかり』到達です。収穫お願いしまーす」 「了解ー」 「かり」という単語が何度も繰り返されているのをマイクが拾うと、コンピュータ上におうちの番号がポップアップで表示される。職員が再度確認することで、まりちゃたち一家のその夜の収穫が決められた。 ゆっくりすーやすーやするよ、と眠りについた後。回収にあたる職員が念のためラムネスプレーで深い眠りに就かせてから、箱詰めにして運ぶのだ。ちなみにまりちゃが夜中のすーぱーちーちーたいむで目にした人間は、この作業をしている真っ最中の作業員であった。 この後、ゆっくりたちはその種類・サイズごとに、目的別に振り分けられていく。 親ゆっくりは先述のとおり、食材ゆっくりの親株がメインだ。ゆっくりとしてのゆん生はここで終了し、あとは精神崩壊した廃ゆんにまで虐待されつくした後、精餡を流し込まれて、食材用赤ゆっくりを生産する機械へと変わる。 このとき子ゆっくり・赤ゆっくりも回収され、知らぬ間に親ゆっくりと離れ離れになった後、こちらは別の用途にあてられる。ゆっくりさせた親から生まれた子というのもなかなか美味なので、これらも食用だ。 味を言えば、ものによってばらつきが大きく、統一された「食材」として出荷するのには難がある。 だが、それならそれで。使い方によってはこの子供ゆっくりたちも、より輝きを増すのである。 「う、う゛ー! う゛ー!」 「ゆぴぴ……ゆぴ…………ゆ? にゃに? れーみゅ、ねみゅねみゅしゃんぢゃよ……れみりゃだああああ!!!」 「ゆ!? にゃんにゃのじぇ? ……れ、れみりゃだああああ!!!」 「ゆぴぃぃぃ!! やめちぇええええ!!!」 収穫された子ゆっくり、赤ゆっくりたちに対して、まず食用にできるか、そうでないかのスクリーニングが行われる。 ゆっくりしすぎたため、糖分が不足したゆっくり。おかざりに欠損が有り、いじめられたため逆に甘すぎるゆっくり。知らぬ間に寄生虫やカビに、内部から冒されているゆっくり。これらのゆっくりは少数派だが、それでも母数が多ければ、塵も積もれば、である程度の数が存在する。 これらを第一に選別するのは、捕食種であるゆっくりれみりゃだ。 選別のラインでは、ベルトコンベアで運ばれてくる子ゆっくりたちの上を、ゆっくりれみりゃが絶えず旋回している。 このれみりゃたちは虐待の後に忠誠を誓わされ、念の為無理やり作らされた子れみりゃを人質ならぬゆん質に取られていた。 美味くないと思うゆっくりだけ、別のラインにぽーいしろ。怠慢だったりつまみ食いをした者は、ガキをお前たちと同じ目に合わせてから、家族まとめて殺してやる。 そう命令されたれみりゃたちは、捕食種としての能力を人間のためだけに利用される。ゆっくりを食糧とするゆっくりれみりゃは、舌が馬鹿になるほど甘かったり、栄養価が少なかったり、異物の入ったゆっくりに対してはそこそこ敏感であり、人間の機械による選別と併せて、限りなく100%に近い的確な選別効率を誇っていた。 「ゆぅ……? ゆ……まりちゃ、ゆっくちおきちゃのじぇ! ゆっくちしゅるの……じぇ?」 あの赤まりちゃは、その選別ライン上で目覚めた。 ゆっくりのあんよの動きを封じるラバー材のベルトコンベア上で、ゆっくりと運ばれている最中であった。今までもゆっくりと過ごし、これからもそんな日々が続くと信じて疑わなかったまりちゃにとって、まるで青天の霹靂のような突然の事態であった。 この選別にあたる際、子供ゆっくりたちの覚醒・睡眠は問われない。条件をそろえる必要が、このラインでは生じないからだ。だからまりちゃの前後にも、少し離れたところをみれば、まだゆぴゆぴと寝たままの赤ゆっくりれいみゅや、起き始めている子まりさなどが見られる。 「ゆぅぅ? ここ、どこにゃのじぇ? ……おかーしゃ! おちょーしゃ! まりちゃのいもーちょ、どこにいりゅのじぇ……? ゆじぇぇぇ……」 まりちゃは自分がおうちと違う場所にいることを知り、きょろきょろとあたりを見回して両親と妹ゆっくりを探す。 しかし大好きなおとうさんおかあさん、可愛いいもうとたちの姿をどこにも見つけられず、なんだかゆっくりできない臭いや気配に不安を感じて、ゆんゆんと半ベソをかきはじめてしまった。ずっと家族に囲まれて過ごしてきたまりちゃにとって、家族と離れてひとりぼっちになるというのは何よりもゆっくりできない状態だった。 「う、う゛ー! う゛ぅー!」 「ゆ…………!?」 その頭上から声が聞こえてきて、まりちゃの餡子が凍りつく。 餡子の奥底に受け継がれてきた記憶から恐怖を揺り起こすその声は、何よりもゆっくりできないものであり、そして逆らいようのないものであることをまりちゃは知っていた。 「う゛ー! う゛ー!」 「れ…………れ…………れみ………………!」 まりちゃを品定めするように見る割れた瞳と、当のまりちゃの視線が重なった。 虐待を重ねられ、無理やり働かされているゆっくりれみりゃの、疲弊した声の様子に気付く余裕はまりちゃにはない。 まりちゃは捕食種を見たことは無い。まりちゃの暮らしていたゆっくり牧場には捕食種除けのネットやトラップなどが完備されており、基本的に捕食種に出くわす機会は無い。 中枢餡に刻まれた祖先の記憶で、それが何であるか察しているだけだ。 「ゆ…………ぴ……………!」 生まれて初めて感じる鮮烈な恐怖が、まりちゃから言葉と、動きを奪った。 ゆっくりできないものを退治して、ゆっくりプレイスに平和を……と夢見ていたまりちゃだが、捕食種の恐怖はそれをいともたやすく上回ったのである。 動くに動けず、咽喉が詰まったように沈黙したまりちゃは、れみりゃの姿を震えながら見続けるしかない。 おかざりの形。凶器のような犬歯。縦に割れた紅の瞳。それらが恐怖とともに、中枢餡に深く刻みつけられる。 「…………う゛ー! う゛ー!」 「ゆ…………ゆっ……」 やがてれみりゃは、まりちゃの頭上から飛び立って行った。 まりちゃは食用にするのに「適正である」と認められ、その場の処分を逃れたのだ。 死の先送りに過ぎないその行為だが、まりちゃはれみりゃが目の前からいなくなると、安堵のあまりおそろしーしーをじょぼじょぼと漏らしていた。 目を閉じてもまぶたの裏に、写真のフィルムのように焼き付けられたれみりゃの姿に、まりちゃはしばらく親や妹を探すのも忘れて、呆然しながら震えるおもらしゆっくりであり続けるのだった。 そして「選別」が終わると、次は加工の時間だ。 地べたを這いつくばって生きるゆっくりは基本的に汚れており、人間が食用とするには洗浄と殺菌の処理が必要だ。 「ゆあああああ!! あぢゅいいぃぃぃい!!」 「あぢゅいよおおおおおお!! ゆんぎゃああああああああ!!!!」 「まりじゃ、ぴょんぴょんじゅるのじぇ! にげりゅのじぇ! にげりゅうううう! にげりゅうううういいいい!!!」 コンベアをくるりと覆うように、壁と屋根のように取りつけられた加熱器。その中は高温で保たれており、希薄な砂糖水で表面を洗い流された子供ゆっくりたちは、その中をベルトコンベアに乗ったまま通り抜ける。 高温に苦しみさいなまれ、悲鳴を上げる子供ゆっくりたちからは、加熱が終わる頃にはおそろしーしーやくるしーしー、げきつうんうんなんかが全て出切っている。 薄皮にはわずかな糖分がツヤを出して、健康で元気な、新鮮な食材であることを印象付ける外見になるのだ。 「ゆあ゛あ゛あああああ!! おがーじゃ! おどーじゃ! だじゅげっ、あぢゅうぅぅぅうううああああ!!!」 まりちゃも加熱の段階に入ると、もはや妹や両親を探す余裕もなく叫び声を上げた。 「どぼぼぼじぃぃぃ! ぴっぴぴゅうぅうういいい! ぼう!! おうぢ!! おうぢがえりゅのじぇえええぇえ!!! もうやぢゃああああああ!!!!」 えいゆうになる、と誓ったはずの。特別なゆっくりであるはずのまりちゃ。 しかしその様は他の凡百の子供ゆっくりと何ら変わらない、虐待鬼威惨たちが大好きな、何とも可愛らしい悲鳴をあげるただの子ゆっくりであった。 ぴょんぴょんもずーりずーりも封じられているまりちゃにできるのは、ただただ痛みを訴えるだけだ。 どうして自分がこんな目に遭っているのか。 猛烈な熱と苦痛で朦朧とする意識で、まりちゃの餡子さんはそんなことをまりちゃ自身に語りかける。 まりちゃにはその理由が、まったく見当もつかない。まりちゃには何も悪い事をした覚えが無い。まりちゃの中にあるのは、家族をゆっくりさせ、妹をゆっくりさせ、まりちゃ自身もゆっくりしてきたという、ゆっくりした毎日の記憶だけだ。 くるしいよ。いたいよ。あついよ。こわいよ。たすけて。おとうさん。おかあさん。たすけて。たすけてください。たすけてください。 自分で状況を打開することが出来ないことを、まりちゃは教えられるでもなく察してしまった。その餡子はここにいない両親に助けを求めはじめる。 しかしその両親は既に虐待が開始されており、片目を無理やり開かれて眼球だけを1ミリずつスライスされるという1日目の山場を迎えている。たとえ目の前にいたとしても、もはやまりちゃを助けられるような状況ではなかった。 こうして食品としての安全を確保された子供ゆっくりたちは、その後目的ごとに振り分けられる。 最も多いのは、後になって中身を絞り出すためだけの、言わば食材袋というカテゴリーだ。中身に一定の質が保たれていれば、皮や髪や目やその他もろもろの特徴は問わない。 基本的に何でも良いという手軽さから、他のどの用途にも向かない駄目な個体がこのグループに振り分けられることになっていた。 しかしまりちゃの場合、行く先は違った。 「もうやぢゃ……おうち……おとーしゃ、おかーしゃ……ゆ?」 今まで単調に、ただまっすぐ進んでいただけのベルトコンベア。それが突然向きを変えたのに気付き、ゆっぐゆっぐと泣くばかりだったまりちゃは起きだした。 ここから先は、子ゆっくりに近くまで成長した子供のなかでも、皮の強度が一定以上の個体だけが向かう場所。 他の個体はエアーを当てられて、はじかれるようにコンベアから、下段のラインへと落とされていく。 それらはそれらで別の使い道がある。まりちゃが知るよしはないが、少なくともまりちゃとは別で、中身はよく似た、ゆっくりできない運命をたどることになる。 「ゆぴ……ぴ……ゆ……?」 「おかーしゃ……おとーしゃ…………おねーちゃ……ゆっくち…………ゆ?」 「ゆ……ゆぅぅ! おねーしゃ! おねーしゃぁぁ!! ゆっぐちぃぃ!!」 「ゆぅっ! ま、まりちゃのいもーちょ!」 しかし運命は、まりちゃにいたずらな希望をもたらした。 まりちゃが乗っているラインと並走する、別の製品を目的とするベルトコンベア。 そこから上がる声にまりちゃが目を向けると、そこにはまりちゃの大事な、大切な妹ゆっくりの姿があった。 まりちゃと同じく、不幸にもれみりゃに選別される瞬間に目が覚めて、恐怖に固まったまま全身を高温であぶられてここにいる。 「おねーちゃぁ! たちゅけちぇぇええ!!」 「まってりゅのじぇ! まりちゃがたしゅけりゅのじぇ! いもーちょをたしゅけりゅのじぇ! ゆっくちしゃしぇるのじぇ!」 「ゆぅぅ! おねーしゃ! おねーしゃぁぁ!」 「ゆっくちぃぃぃ!! おねーしゃ! いちゃいいちゃいやだじぇ! もうやぢゃやぢゃじぇぇええ! ゆじぇぇぇええん!!」 自分をゆっくりさせてくれた、大好きなおねえちゃんの姿を見つけて、赤ゆっくりたちは必死に助けを求め始める。 まりちゃもそれに応えようと、全身の餡子を奮い立たせた。 ゆっくりからしても、遠くない位置に妹ゆっくりたちはいる。 ぴょんぴょんだ。ぴょんぴょんをして、妹たちのいるところまでどうにかしてたどり着くのだ。 「ぴょーんぴょーんしゅるのじぇ!! ぴょんぴょんぴょーんなのじぇ! ……ゆううううう!! どーちて! どーちてうごかにゃいのじぇぇぇ!!」 「だじゅげてぇぇ! もうやぢゃ! いちゃいのやぁぁ!! あちゅいあちゅいのやぢゃああああ!!!!」 「ああああああ!! ああ!! ゆじぇえええん!! ゆじぇええええああああ!!!」 しかしもう、まりちゃはぴょんぴょんをすることができない。 ベルトコンベアの柔らかな素材が、餡子の運動エネルギーの大半を拡散させてしまい、思ったように体を動かすことができない。 たとえ床が普通の地面さん、ふかふかの土さんであったとしても、高温にさらされたまりちゃのあんよは、既におかしくなってしまっている。 人間で言うところの低温やけどのような状態で、まりちゃのあんよはまともな構造を失ってしまっていた。 「おねーじゃ! おね! おねーじゃ! おねーしゃああああ!!」 「ああああ! いがにゃいで! おねーじゃ! おねーじゃあああ! いやぢゃああああ!!」 まりちゃがぐねぐねうねうねと身をよじり、必死なダンスを踊っている間に、ベルトコンベアは再びゆっくりと、その向きを変えつつある。 まりちゃと妹たちがいた2つのラインは、同じ方向に、ほぼ等しい速度で並走していた。そのためまりちゃたちにとって、お互いがほとんど止まっているように見えていた。 それが向きを変えたことで、突然お互いの距離が開きはじめる。 妹ゆっくりたちからすれば、唐突におねーちゃんが遠くに離れはじめたようにしか見えず、恐怖と不安でより一層悲鳴を上げはじめた。 「まりちゃのいもーちょ! いもーちょをたしゅけりゅのじぇぇぇ! にゃんでぇぇ!! にゃんでなのじぇぇえ!! ゆじぇええええ!!!!!」 「ゆ……ゆあああああ!!! あああああああ!! ああああ゛あ゛あああ!!!!」 「おねーしゃ!! おねーしゃあ!! ゆんやああああ!! ゆんやああああああああ!!」 「やぢゃやぢゃやぢゃあああ! ゆんじゃあああ!! ゆぴいいい!!!」 まりちゃにはどうしようもない。救いを求める声を聞きながら、そばに駆け付けることさえできない。 おとーさんとおかーさんがいなくて、さぞ不安だっただろう。心細かっただろう。 だがそんな大好きな妹たちを、すーりすーりをして慰めることも、救い出してあげることも出来ない。 ベルトコンベアは妹ゆっくりと、その裂けんばかりの絶叫をのせたまま、ゆっくりとまりちゃから離れていく。 おさげを延ばし、少しでも近づこうとするも、やがて泣き叫ぶ妹たちは離れていき、別のトンネルのような工程に入り、ついにまりちゃの視界から消えた。 「いぼーぢょぉぉおお!! ゆあああっ!! ゆ゛あああああ!!!」 これから妹ゆっくりたちには、潰されて中身を絞られるだけの運命が待ち受けていることをまりちゃは知らない。 だが、自分が妹たちを前に何もできなかったことに、触れることさえできなかったことに、まりちゃは悲しみと悔しさ、嘆きの入り混じった声で泣いた。 おとーさんを超え、おかーさんを守り、いもーとたちをゆっくりさせると誓ったまりちゃが、何もできずに妹を全て奪われたのだ。希望に満ちた、満ちていたはずのまりちゃの餡子に、消えようのない深い傷を作るのに十分だった。 「ゆじゃああああああ!! いぼーぢょ!! どぼじでえええええええ!! ゆじぇええええええええ!!!!」 咽喉が枯れ、声までひび割れそうになっても、まりちゃは出荷前にラムネスプレーを投与される直前まで、叫ぶことを止めようとしなかった。 レストランは今日も盛況だ。 時は休日。親子連れの客で、夕方にさしかかった今もレストランは賑わっていた。右から左から注文を取る声や、「いらっしゃいませ!」「またお越しください!」の挨拶が聞こえてくる。 夕飯にはまだ少し早い、と言った感じのこの時間。親子連れの客の目当ては、やはり甘味である。 口の周りにチョコレートをつけた小さな女の子や、雪のように白いクリームをほおばるように食べる男の子の姿が、あちらこちらの席で見られている。 ゆっくりちぇんやゆっくりぱちゅりーから取れた質の良い甘味をケーキに加工した、加工所の有名商品のひとつは、このレストランでも子供たちに人気の一品であった。 「ぱぱー! これ、もっとのみたい!」 「お? もう飲んじゃったのか。虫歯になるといけないから、もう一杯だけだぞ。いいね?」 「うん! これでさいごにする!」 「あと、お店の中では静かにしなさい。他のお客さんも居るんだから」 「はーい。しずかにするー」 一組の親子連れが、そう言って席を立った。父親が子供の手を取り、空っぽになったカップを片手に、レストラン内部の中央、カウンターのようになった場所へと足を向ける。 そこはドリンクバーだった。 飲み放題のメニューを注文した客は、ここで好きな飲み物を好きなだけ飲んでも良いことになっている。 色とりどりの文字で、様々なドリンクが縦に横に並んで、客がやって来るのを待っていた。ソフトドリンク、紅茶にコーヒー、お冷、緑茶。 何でもある。 「ゆっ……ゆ゛…………ゆ゛…………」 まりちゃはそこにいた。 妹ゆっくりを救うことができず、永遠の別離に涙し、自分の無力さを嘆き叫んだあのまりちゃだ。 他の数え切れない数の子まりちゃと一緒に、寿司詰めのようにところ狭しと、透明なケースの中に押し込められている。 ここにいるゆっくりたちは、どれもまりちゃと似たような境遇のものだった。 親ゆっくりたちにとっての「はじめてのおちびちゃん」であり、姉妹の有り無しやその数こそ一致しないものの、両親の愛情をいっぱいに浴びて育った。 狩りができるくらいにのびのびと育った、元気で健康な、皮の丈夫な子まりちゃたちだ。 「あしたはおちびちゃんをかりにつれていくよ!」と言われて大喜びで眠りについたと思えば一転、地獄の釜の底に叩き落とされたゆっくりたちは、今は絶望しきった表情で、ひたすら最後の時を待っている。 「にゃっ……に゛ゃ……やべ……わが、わがらにゃっ…………!」 親子連れがそのケースに近づく、かと思うとその隣へと移った。 子供の腋に親が手を入れて抱き上げると、ぴっ、と子供がボタンを押す。カップにぽとり、と落ちたのはガタガタと震える子ゆっくりのちぇんだ。 父親がそこに熱湯を注ぐと、ちぇんは悲鳴を上げる間もなくどろどろに溶けた。ビクンビクンと震える2本の尻尾ごとマドラーでかきまぜると、ちぇんだったものの形はあとかたも無く消え去った。 「おとうさんありがとー!」 中身がぴくりとも動かなくなり、中枢餡すら溶けてなくなったのを見ると、それを子供に渡してやる。 カップを見、父親を見上げて笑顔になる男の子。 父親は静かにね、ともう一度釘を刺してから、たまたますぐ近くにいた客の向ける温かい視線に気付き、どうにも面映ゆくなってそそくさと息子の手を引くのだった。 ドリンクバー用の子ゆっくり。それがまりちゃのゆん生の終着点だ。 ひとりせいぜい200円程度、食事と一緒に注文すればさらに安くなる値段で、ひとりいくらでも飲み放題。 カップから落下したときに皮が破れ、見栄えが損なわれてしまわないように、子ゆっくりの中でも皮の厚い個体が、ここで消費されるために選別されていた。 熱湯、あるいは冷水によって、ほとんど一瞬に近い時間の死が約束されているが、それはまりちゃたちにとって何ら救いにはならなかった。 ここで使われるゆっくりは、調理用として茎に生る段階から管理されてきた食材ゆっくりと比べて、味のばらつきがかなり大きい。 しかしそれは、調理には確かに向かないけれど、こうして飲み放題のドリンクに使ってしまえば、逆に「どんな風味が楽しめるかわからない」、「飲むたびに味が少しずつ違う」という点で客の興を買った。 とくに子供たちは、この手のくじ引きのような遊びが大好きだ。今度は何が出るか。次はどんなのが出るか。そんなことを期待して、ついついカウンターに向かおうとする。 「ゆっくりおしるこ・こしあんれいみゅ」と、同じシリーズの「つぶあんまりちゃ」、そして別系統の「ここあちぇん」が、ゆっくりドリンクとしては最もメジャーである。 他にもコーヒーを飲む大人たちのために、ゆっくりの歯を使った角砂糖を始め、様々なトッピングが用意してもある。中身がクリームのぱちゅりー、チョコレートのちぇんなどの赤ゆっくりが、「ご自由にお使いください」のプレートとともに並んでいた。 これらの子ゆっくりたちは、コーヒーサーバーのすぐそばのカゴで、客が通りがかるたびに、いよいよ恐怖が最高潮に達してガタガタと震えている。客が通らない時は、カゴの傍らにある、銃のようなボトルのような物体を見て、醜く顔をひきつらせながらやはりぶるぶると震えている。 直接手で引き裂くのが面倒、という人のために、種類別に赤ゆが入ったカゴのすぐそばには、それぞれ専用の「ゆっくり絞り器・SSサイズ」が添えつけられていた。中に入れた赤ゆっくりを手動で圧縮し、中身をホイップクリームを絞るように取り出す、100円ショップでも買えるお手軽な屠殺用具。 そこから漂うあまりにゆっくりできない死臭に、嫌でも自分の悲惨な結末をありありと想像させられ、言葉も忘れるほど怯えながら、延々と死刑台の順番待ちをしているのだった。 「ゆ゛……いぼーど…………おど……じゃ…………おが……じゃ……」 まりちゃは心ここにあらずといった様子で、もう会うことのないかつての家族を呼び続けていた。 両親と3匹のいもーと、まりちゃの大事な大事な家族たちは、まりちゃにとってかけがえのない存在であり、また自分自身のゆっくりを象徴する存在でもあった。 特に守りたい、ゆっくりさせたいと願った妹ゆっくりたちを、目の前で何もできずに奪い去られたときのあまりに深い悲しみで、まりちゃの心はもはや限界近くまで消耗している。今にも押しつぶされそうな状態だった。 それでも未だに正気を保っていられるのは、出荷直前まで投与し続けられていた精神安定剤(適した量と濃度の砂糖水)のおかげだ。 そして同時に、まだ両親は生きている、きっと妹も無事でいるという、最後の希望を捨てきれないでいたからだった。 人間のようなゆっくりできない存在のいない、本当の平和に満ちたゆっくりプレイスを作りあげ、両親と妹たちをゆっくりさせてあげるという夢。 その夢を叶えていない、まだ叶えられていないのだという思いが、かろうじてまりちゃを正気にとどめていた。 しかし、親ゆっくりはもういない。 虐待が始まって10日を待たずして、父れいむと母まりさは廃ゆん一歩手前まで壊れている。 まりちゃが目の前に現れても、声をかけても、もうそれと分かることはない。 妹たちももういない。 まりちゃが知るすべはないが、まりちゃが出荷されるちょうど1日前、加工所で潰されてあっさりと死に、中身を絞り出された後はゴミ箱行きだ。 あの加工所のライン上、突然現れたおねーちゃんに一瞬希望を見出したものの、結局救われることなく、死ぬ直前まで3ゆん仲良く絶望に泣き叫び続けていた。 そうとも知らず。まりちゃはただ家族の名を口にする。 ともすると忘れてしまいそうな、家族とともにあったゆっくりした記憶を、塗りつぶされてしまわないようにしているかのようでもあった。 「おかーさーん。それ、それにするっ」 「あらそう? おしるこなんて、飲んだ事あるの?」 「あるもん!」 「……あったかいの?」 「つめたいの!」 まりちゃの死神は、母と娘の親子連れだったようだ。 父親が席で見守り待つ先で「ゆっくりおしるこ・つぶあんまりちゃ」のプレートを指さし、母親の女性を見上げている。 母親が子供用の丈の短いカップをセットし、ぽん、とボタンを押すと、まりちゃに浮遊感。 「ゆっ……? ……べぇっ!」 おそらをとんでるみちゃい! のボイスもなく、カップに落下する。 べしょ、とあんよから落ち、思わず中身を吐きそうになる。 ズキズキと痛みを訴えるあんよさんにうめき声を上げつつ、まりちゃは久方ぶりの外からの刺激に、呻きながら視線を上げた。 「ええと、この上から冷水を……あれ? 髪とかはこのまま? うーん……」 にんげん。 にんげんの姿があった。 半分虚ろな目で見上げるまりちゃ。間違いなく、人間の姿だ。 「ゆ……う……う゛っ……? …………ゆぅぅぁあっ……!!」 そう認識したまりちゃの餡子に、もう長い事消えていた力が、少しずつ沸き上がって来た。 ここで人間を倒せば。 人間をやっつけさえすれば、ゆっくりプレイスに平和が戻るのだと、まりちゃはあの日、人間を目にしてからずっと思い続けてきた。 その思いがまりちゃに、最後の力を与えようとしている。 人間をやっつければ、おとうさんとおかあさんが戻って来るかもしれない。離れ離れになった妹ゆっくりたちにも会え、「おねーじゃぁあああ!!」「あいだがっだよおおお!!」とまりちゃのおからだに飛び込んで来てくれるに違いない。 幸い、当の人間はまりちゃの復活に気付かず、カウンターに貼ってある「ゆっくりおしるこ・つくりかた」の紙を読んでふんふんとうなずいている。本当にやっつけられるのかはともかく、不意を突き状況を打開するには千載一遇のチャンスだった。 (おどーじゃ……おがーじゃ……いぼーど……まりちゃに、ちからをかしてほちいのじぇ――!) 祈るような願いを込めて。 まりちゃは跳躍しようと、あんよに力を込めた。 「ゆぅぅうっ! ゆ…………ゆあ゛? …………あ……? あ……?」 しかしその奮起は、あっという間におさまった。 既に高温であんよが駄目になっている、というのは問題ではない。あんよに込め、爆発させようとしていたなけなしの力を、まりちゃは自分で知らずのうちに解いてしまったのだ。 んー、と手元の紙きれを眺めながら首をひねる人間さん。その傍らを、手にトレイをのせた、ウェイトレスが通り過ぎて行くのを、まりちゃは観た。 まりちゃはそれを視界の端にとめ、外して二度見し、目を疑って三度向け、呆然とした顔になった。 トレイの上から、ちらりと見えた「もの」に、はっきりと覚えがあったのだ。 「『れみりゃのソテー・ほろにが茎添え』になります! 鉄板の方、お熱いのでご注意くださーい!」 背の低い子供用の、浅くつくられたプラスチックカップにまりちゃは入れられていた。 不幸なことに、少し体を伸ばせば、まりちゃからも見えるテーブルがある。まりちゃはその一部始終を、すべて目の当たりにすることができた。 その席につく男性にそう言って、ウェイトレスはトレイの上から鉄板をおろす。男性の方は待ってましたとばかりにナイフとフォークを手に取り、細かく切った肉汁たっぷりの焼きれみりゃを口に頬張り始めた。 れみりゃを、人間は、美味しそうに食べていた。 しかしそれ以上にまりちゃに衝撃を与えたのは、そのれみりゃに見覚えがあったからだ。あのれみりゃは、ただのれみりゃではない。忘れるはずもない。 あのお飾りの形はまさしく、空中からまりちゃを睨めつけ「選別」した、怖い怖い思いをさせられたあのれみりゃのものであった。 ゆっくりにとって最も効率よく記憶されるのは、色濃い恐怖を伴ったそれだ。ゆん生で最も巨大な恐怖とともに、「選別」のときのれみりゃの記憶が、まりちゃの餡子に二度と消せないほど刻み込まれていたのだ。 「選別」に一日中飛びまわり、極限まで運動させられつづけたれみりゃも、再利用されて食用にされていたのだった。 こうして酷使させられるほど、肉に含まれる味が深みを増し、より柔らかな肉になる。まりちゃは恐怖のあまり気付かなかったが、あのれみりゃはフラフラだった。だから個体の入れ替えを兼ねて、まりちゃのすぐ後に出荷されたのだ。 「あ…………あ………………ああああ…………ああ…………」 まりちゃは愕然とした表情で、ガタガタと震えはじめる。 もはやかつての家族、そして共に過ごしたゆっくりした思い出など、餡子の隅にさえ思い出すことができなくなった。 れみりゃを食べている。人間が、あのれみりゃを食べている。 まりちゃがあれほど恐れ、おそろしーしーさえ漏らしたあのれみりゃを、人間は美味しそうに顔をほころばせて食べていた。 もうまりちゃは、かつての妄想じみた夢で心を保つことはできない。 まりちゃはれみりゃが怖い。でもれみりゃは、人間に食べられちゃう。 単純な三段論法だった。「でもにんげんはゆっくりしてないから――」などというていっせつっを覆すほどの衝撃で、まりちゃは事実を、はっきりと理解した。 人間は強い。人間はゆっくりよりも強いのだ。 かつて人間を、ゆっくりプレイスから追い出すことを夢見たまりちゃ。しかし今まりちゃは、それが思い上がりもはなはだしい、単なる幻想であることを知った。 人間は簡単に、赤子の手をひねるよりも無造作に。 人間は、まりちゃを殺してしまえるのだ。 「ひ…………ひぃっ…………ひ………………ひ…………!」 とたんに、まりちゃの体を、尋常でない強い震えが襲った。 心がぽっきりと折れてしまったまりちゃは、恐怖に対抗する術をなにひとつとして持っていなかった。苦痛と不安、恐怖に震える毎日で、まりちゃをかろうじて支えてくれた傲慢にも等しい夢は、こっぱみじんに打ち砕かれてしまった。 まりちゃにはもう、心を支えるものがない。 彷徨うように左を見て、右を見る。ぴょんぴょんでは越えられない、カップの縁があるだけだ。 そうして見上げると、しかしカップではないものがあった。 人間だ。 もはや寄る辺のない、進退窮まったまりちゃは、震えの止まらぬ体のまま、涙にぬれた声を上げた。 「に、にんげ……にんげんじゃんばぶびョ゛っ!? ……び…………」 まりちゃの最期の声は言葉にもならなかった。 作り方を試す人間さんに向かって、まともに命乞いもできず、機械で冷水を上から注がれて、まりちゃはあっけなく死んだ。 冷水にすすがれ、断末魔の叫びもまともに上げられず、最後の言葉さえまともに聞いてもらえないまま、まりちゃはぐずぐずになって息絶えた。 まりちゃは物言わぬお汁粉になってしまったのだった。 粉々に砕け散った、幻のようなゆっくりドリームと一緒に。 「えーと、黒い飾りはこっちに捨てて……よし、と。できたわよー」 冷水では餡子の溶け方が若干遅くなる。そしてこの女性、このレストランは初めてだ。 そんな理由は時間はかかったが、とりあえず完成した「ゆっくりおしるこ・つぶあんまりちゃ」。娘に渡そうと視線を下に投げ、横にスライドし、 「おいしーい!」 「なんでコーラ飲んでるの……あなたおしるこ飲みたいって言ったじゃない……」 「あ……ご、ごめんなさい……」 そこにいたのは、いつの間にか別の子供用カップに、コーラを勝手に注いで飲んでいた娘の満面の笑みだった。 がっかりして指摘すると、しゅんとしおらしくなったので頭をなでてあげる。申し訳なさそうにしながらも、どこか嬉しそうな顔をするのを見て、今度からはお母さんに言うのよと言えば、すぐにうん、とうなずいてくれた。 子供といっても背も伸びて、カウンターに手が届くくらいの身長はある女の子。 母親が作っている間に、他の客がやっているのを見て、見よう見まねでそのまま自分もやってしまったのだ。 「む……」 さてこうなると、問題になるのは娘と自分の手にあるカップの中身である。 旦那はもう十分飲んだという。自分もさっき食べた「赤ゆっくりの姿焼き」で餡子は遠慮願いたい気分だ。そして娘はどうかと聞けば、「やっぱりこっち!」とコーラの入ったカップを手放そうとしなかった。おしることは何だったのか。 右左と視線を彷徨わせていると、何やら見つけたお母さん。液体を注ぐ漏斗の口のようになったゴミ捨てに、「飲み残しはこちら」の文字が。 一瞬ためらったかと見せるが、すぐに、 「……えい」 まりちゃだったものをじゃっと捨て、使用済みのカップ置き場に子供用のカップをこっそり載せてしまう。飲まないのだから仕方ない。 店員さんごめんなさい。とだけ心の中で謝ると、そのまま娘のコップを左手に受け取ってやり、娘の手を右手にとってテーブルに戻っていくのだった。 >おしまい< 【書いたもの】 anko4019 実験お姉さんの休日 anko4059 雪国とゆっくり anko4065 音 anko4168 ゆっくり食べようえだまりちゃ anko4462 冬のゆっくりキリギリス anko4577 ゆっくりパラサイト anko4639 おかざりジャンケン