約 1,621,931 件
https://w.atwiki.jp/noryokusyayo/pages/683.html
そこは、異能の者の集う世界。 力無き無能力者は存在せず、あるいは殺し合い、あるいは共に言葉を交わす。 裁罪の光、支配せし者の闇とはぶつかり合い、世界を汚す。 黒き眷属の者の呼び出す、召喚の神々は大地を揺るがす。 優しき癒し手の力は混沌の中の湧き水となり 人ならざる、機巧の蟲の眷属は森にて悪鬼を喰い尽す。 暗黒の母は巨鬼を母乳として子を育み、獣を愛する少年は、戦いを求めて世界を巡る。 天使の翼を持つ幼子は黒猫を抱き、呪術師の煙管は空に新たな雲を呼ぶ。 年若き老人は酒とともに督戦し、その弟子は老人に付き従う。 逞しき者の鋏は滝をも切り裂き、理解者は世界を理解すべく放浪す。 虚空の穴を従える者は、面を外して内なる者と対話する。 水晶を従える青年、霊魂を従える青年とはあるいは惹かれ合う、あるいは殺し合うか。 光を操りし少年は、内なる自分と向き合うか否か。 万象を石と化す少女は、この世界で何を得、何を失うのか。 文字と紙とを自在とする邪の白衣、機巧人形の操り手と相対す。 新たに来たりし法術の少女は、この世界にいかなる色を流し込むや。 そして東洋より来たりし博徒、賽を放る。 心せよ、賽は投げられたのだ。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/660.html
11月も後半になると、さすがに冷え込む。 普段はそれほどお風呂に時間をかけないアタシでも、さすがにこう冷えると少しだけ長風呂になる。 でもね、よく「私、お風呂は1時間くらい入ってるの」なんてタワケた事をぬかす女子が居るけど、そればかりは何を考えてるのかサッパリ解らない。 時間の無駄よ!「時は金なり」って言葉、知ってるのかしら。 まあ、今日みたいな日は別だけどね。 ゆっくり温まらないと、寒さで感覚を失ってしまった足がどうにかなってしまいそう。 まったく、何で女子はズボンを履いて学校に行っちゃいけないのかしらね・・・。 あ。色々とくだらない事を考えていたら、のぼせてきた! 早く上がらなくちゃ。 お風呂から上がって、髪を乾かそうと洗面台の前に立ったアタシは、足元に見慣れない機械を見つけた。 てゆうかコレ、体重計?・・・にしては、訳の判らないスイッチがたくさん付いてるわね。 -母さーん!洗面台のトコにあるヤツなーに? とりあえず母さんに聞いてみる。 少し間を置いて、台所のあたりから返事が返ってくる。 のんびり屋の母さんらしい間の取り方・・・ 「体重と体脂肪が計れるのよ!通販で・・・」 ああ、思い出した。 この前、テレビショッピングでやってたヤツだ! まさか本当に買うとはね・・・。 まあ、いいわ! 少しだけ使ってやろうじゃないの! アタシは、とりあえず体脂肪を計ろうと色々なスイッチを何度も押してみる事にする。 だめだ、さっぱり解らない。 とりあえず乗れば、体重くらいは計れるかしら・・ そーっと乗っかると、液晶の画面の中で数字が忙しく動きだした。そして・・・数字が・・・止ま・・ でえええええええっ?51.2っ!? 何なのっ!?この数字はっ! ボーダーラインの50キロを越えてる・・・しかも1キロ以上も・・・ 「ハルヒー?どうしたのー?」 母さんの声で、ふと我に帰る。 や、やばい。五月の身体測定の時は、ちゃんと46キロをキープしてたのに。 原因は一体・・・ もしかして胸が大きくなった・・・訳ないわよね。バカキョンのせいで少し垂れただけだ・・・ とりあえず、ここ数日間の食生活を思い出してみる事にする。 三日前━みんなで来来軒に行ってチャーシューメン葱ダク 二日前━みくるちゃんが買ってきたケーキ・・・ユキが隣に遊びに行っている隙に、ユキの分も合わせて二人分食べる 昨日━キョンと肉まんを食べる。丁度店先に六個残ってたので、二人で買い占めて三個づつ・・・ トホホ、太る訳だわ・・・ なんとかしなくちゃ! ━━そして、次の日の朝━━━━ アタシは当然の展開ながら、ダイエットを始めた。 まず、朝食! トースト一枚と紅茶! 当然、マーガリンは抜き。 紅茶には砂糖もミルクも入れないっ! 正直、もの足りないけどしょうがないわね。 とりあえず、学校に行くか! いつもの場所で少し待っていると、キョンがやって来た。 「おはよう・・・ん?元気ないな。飯、ちゃんと食ったか?」 -お、大きなお世話よっ!さっさとアタシを乗せて出発しなさいよ! まったく、キョンは普段は鈍いくせに妙に鋭い時があるのよね! でも今のところ、毎朝アタシを自転車に乗せてる癖に「最近重くなった気がする」なんて話はしないな・・・。 要するに、キョンにはバレてない! これは、バレる前に痩せるしかないわねっ!頑張れアタシっ! しばらくすると、アタシ達はいつも寄る販売機に着いた。 とりあえず、ココでも気を抜かない。 「何か、買ってくる。」 と言うキョンに、すかさず・・・ -お茶にして! と言う。勿論無糖の! 「ミルクティーか?」 -だから無糖って言ってるでしょっ! そして、学校に着く。 学校での最大の課題は昼食ね! 手短に必要なカロリーを取るには・・・これこれっ!黄色い箱のカロリーなメイト! コレをミネラルウォーターで流しこんでおけば間違いないわっ! そんな感じで、アタシのダイエット初日は過ぎていった。 さすがに放課後近くになると、お腹が鳴りそうになったけどね。 でも、そこはなんとか気合いでカバー! 帰り道だって、キョンの誘惑には乗らなかったわよ? 杵屋の団子は、ちょっと魅力的だったけどね。 とにかく今は我慢我慢! 家に帰って、夕食代わりのヨーグルトを食べて今日はおしまい。 日が沈んでからの食事は、そのまま蓄積されて脂肪になるから気を付けないとね! ━━そして、次の次の日の朝━━━━ 朝起きると体が凄くダルい。 食べる量を急に減らしたからかしら。 でも、負けてられない。とにかく学校へ行かなきゃ・・・ 待ち合わせ場所には、もうキョンが来てた。アタシを見て、少し驚いてる・・・ 「おい、ハルヒ!どうした?真っ青だぞ?」 -うるさいいわねっ・・・女の子の朝は八割方貧血なのよ。早く・・・行くわよ・・・ なんかフラフラするし、お腹が鳴りそう・・・でも、負けない・・・ その後、アタシは昨日と同じ様にカロリーなメイトで昼食を済ませた。 ━そして放課後━━ 部室へ向かおうとするアタシを、キョンが呼びとめた。 「おい、ハルヒ!大丈夫か?昨日からお前、何か変だぞ?」 -煩いわね、何でもないわよっ! 「いや、絶対変だ。」 -何でもな・・・ あれ?目が回る・・・ 足に力が入らない・・・っ・・・ 「おい!どうした、ハルヒっ!?」 ああ・・・キョンの声が遠くに聴こえる・・・・・ どれくらい時間が経ったろう。 気が付くと、アタシは保健室のベッドの上に寝かされてた。 横には・・・キョンがいる! -キョン?アタシ・・・ 「馬鹿だな、ちゃんと飯食ってなかったろ!」 -えっ? 「おまえ、貧血だって。先生が言ってたぞ?」 -貧血ね・・・まあ、そんな時もあるわよ。 「しかも、ちゃんと食事がとれてないって。まあ、それは俺にも少し前に判ったけどな。ダイエットでもしてるのか?」 -え?なんで? 「お前、寝てるのに腹が鳴ってたぞ?」 -・・・。 恥ずかし過ぎるっ! 何でこんな事になるのよっ! とりあえず起きなきゃ・・・あれっ? 急いで起き上がろうとしたら、足がふらついて転びそうになった。 そんなアタシをキョンが慌てて抱きとめる。 そして・・・そのまま、ギュッと・・・抱き締められた・・・ 「心配したんだからな・・・。もう、ダイエットなんて馬鹿な真似はやめろよ?」 -な、なによ!アタシの気持ちなんか全然っ解ってない癖にっ! 「ああ、解らんね!でもな、ハルヒ。女の子は・・・抱き締めた時に少しだけフワッとする方が良いと思うぞ・・・。」 -キョンの・・・バカ。 なんとなく安心して、張りつめていた気持ちが一気に崩れた。 だからだろうか、自然と涙が溢れる。 「うわっ?どうした?何か俺、マズイ事言ったか!?」 -ち、ちがうわよ・・・・グスッ・・・キョンと・・・ヒック・・・・キョンとお腹いっぱいラーメン食べたいよぉ!うああああん」 それから、すこし後・・・ アタシ達は来来軒に寄り道して、夕食にする事にした。 -ええっと・・・おっちゃーん!ラーメンと餃子にチャーシュー丼!あと棒々鶏もね! 「おい、ハルヒ・・・俺、あんまり金が・・・」 -ふーつ、杏仁豆腐も食べようかしらっ! ほら、キョンもしっかり食べないと、もたないわよっ!」 おわり
https://w.atwiki.jp/for_orpheus/pages/133.html
廃ビル、槍同士がぶつかり合う音が流れる、 方や和風、方や洋風。 剛槍と俊槍、相対する槍兵がぶつかり合っていた。 「悪くねぇ…けど…押しが甘え!」 制したのは傭兵だった、喉元に槍を突き刺し、決着を付ける。 「こっちはついたが…そっちはどうだ、マスター」 青色の槍兵は後ろのマスターへと声をかける。 「終わったぜランサー、こっちは締めた」 奥から出てきた男。 褐色、白目、まるで悪魔。 手にはナイフを持っている、血はナイフにはついているが、彼の皮膚にはあまりついていなく、彼が圧勝であったことを示している。 「一仕事終えたし…やるか?久々に」 「いいじゃねぇか…たまにはやりてぇ…」 殺戮のあとの男たちが目指す先といえば―― ◆ 「お待たせしました、軟骨のからあげと旬の刺身の盛り合わせです」 「どうも、届いたぜランサー」 「お、来たか!」 男たちが来たのは――大衆居酒屋。 東京随一のターミナル駅、東京駅。 中は土産屋ばかりではなく、飲食店が多く並ぶ。 もちろん、居酒屋の様な夜遅くまでやる店も。 褐色の大男――ムテバ・ギゼンカとそのサーヴァント――ランサー――クー・フーリン。 戦闘時の格好では無く、ラフな恰好のランサーと洒落着に身を包んだムテバ。 既にテーブルには貝の焼き物、蟹の味噌汁、冷やしトマト、ビールジョッキ4つと、既に来て数十分経ったということがわかる。 そこにレモンのついた軟骨の唐揚げとカレイ、タイ、サワラ。 言ってしまえば、戦勝後の酒盛りである。 「…そうだマスター、一度こういう場で聞きたいことがあった」 「なんだ?」 「…あんたの願いってなんだ?」 聖杯にかける願い。 それは―― 「…休みだ」 「は?」 休み――そうムテバの口からは出た。 「体のなまらない程度…一週間…いや二週間は欲しいな…とにかく休みがほしい…」 「…それまじで言ってるのかよ…」 「当たり前だ、体をなまらせたくはないからな」 そこは一人の男として譲れない――と酒をジョッキに当てながら言う。 それに対してランサーは。 「へっ…面白れぇマスターを引いたもんだな俺も…」 「そうか?」 「少なくとも、聖杯にそれを願うやつはいねぇよ…まぁいいさ…」 ランサーは周りの食器を端に寄せ、邪魔をなくし、正面から己のマスターを見る。 「ランサー、クー・フーリン、一介のサーヴァントとして、突き合わせてもらうぜ、マスター!」 「あぁ、頼んだぞ、ランサー」 虐殺者、コンゴの死神、暗黒大陸の殺戮マシーンなど複数の異名を持つ傭兵、ムテバ・ギゼンカ。 アイルランドの光の御子、クー・フーリン。 闘魂輝かせ、今日も冥奥を歩んでいく。 【CLASS】ランサー 【真名】クー・フーリン@Fate/stay night 【ステータス】 筋力B 耐久C 敏捷A 魔力C 幸運E 宝具B 【属性】秩序・中庸 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 【保有スキル】 戦闘続行:A 往生際が悪い。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 仕切り直し:C 戦闘から離脱する能力。 不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 ルーン:B 北欧の魔術刻印・ルーンの所持。 矢よけの加護:B 飛び道具に対する防御。 狙撃手を視界に納めている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え、対処できる。 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。 神性:B 神霊適性を持つかどうか。 高いほどより物質的な神霊との混血とされる。 【宝具】 『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大捕捉:1人 突けば必ず相手の心臓を貫く呪いの槍。 魔槍ゲイボルクによる必殺の一刺。 その正体は、槍が相手の心臓に命中したという結果の後に槍を相手に放つという原因を導く、 因果の逆転である。 槍を放つ前に槍は既に心臓に命中しているのだから、結果が作りあがった後に何をしようと 防御も回避も不可能。 ゲイボルクを回避するにはAGI(敏捷)の高さではなく、ゲイボルクの発動前に 運命を逆転させる能力・LCK(幸運)の高さが重要となる。 【weapon】 魔槍ゲイ・ボルグ 【人物背景】 ケルトの大英雄、クランの番犬。 罠に嵌った末、敗北した猛犬。 【サーヴァントとしての願い】 強者と死力を尽くした戦う 【マスターへの態度】 面白えマスター、いずれはやり合いたい 【マスター】ムテバ・ギゼンカ@ケンガンアシュラ 【マスターとしての願い】 休暇 【能力・技能】 鍛え抜かれた軍隊格闘技と中国武術。 また全盲であることにより発達した超感覚。 そして、ファッションセンス。 【人物背景】 戦場を生き抜いた伝説の傭兵、虐殺者。 合理的で金銭周りに厳しい、しかし、義理人情が無いわけではない。 【方針】 主従に関しては生き残るためにも全力で殲滅する。 しかし、NPCとはいえ、無関係の住人を殺害することはしない。 【サーヴァントへの態度】 ビジネスパートナー…とはいえ、互いに酒を酌み交わすぐらいには進展。
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/3944.html
《全(すべ)てを振(ふ)り切(き)るラストバレット/Last Bullet》 あの戦いから5年が経つ。 "英雄"と"四皇帝"――――"希望"と"絶望"がぶつかり合う、激しい大戦が繰り広げられたが いまだ決着はつかず… しかし長い月日を越えて、再び両者が会い見える。 "希望"と"絶望"―――――どちらが勝利を掴むのか… そのすべての決着が、今、始まろうとしていた 壮絶な闘い、その最果てへ――――― 登場人物 モララー 英雄の一人で、かつてユークと対峙し敗北した過去を持つ。 5年間の時を得て再びユークと対峙し、彼と最終決着をつけるべく、互いに剣を交える。 成長の証である“TURBO”や“アンビション”を持ってユークを圧倒するが、彼が禁断の剣を手にしたことから逆転され、窮地に追い込まれる。 絶体絶命の最中、歴戦の仲間たちの顔を思い出したモララーは、あるとっておきの『秘策』を開放し、最後の戦いに挑んだ。 ユーク 『四皇帝』の一人、通称Yの称号を持つ男。 5年前の戦いでモララーに一度敗北の二文字を与えたことがあるが、二度目に対峙した際には少し成長を遂げた彼に若干押されたことで、 引き分けという形で彼の前から姿を消した。 長い年月を越えて、ふと、かつてモララーと戦いを繰り広げた荒れ果てた荒野へと赴き、その場にたまたま居合わせたモララーと5年ぶりの再会を果たす。 その後最後の決着をつけるためにモララーに剣を振るうが、急激な成長を遂げたモララーに圧倒される。 しかし長年封印していた禁断の剣『輝皇神剣アステリスク』を解禁したことで状況が一変し、再び彼に絶望を叩き込むが…。 キサナ モララーとユークの激戦の後、荒れ果てた荒野に赴き、ある衝撃的な事実を呟くように明かした。 BGCOLOR(silver) 関連ページ 全てを振り切るクリアマインド 歴史 其の五へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/tech1warn/pages/10.html
フィールドの格闘技! ラグビーワールドカップ2019 ラグビーワールドカップを直前に控えた日本。20ヶ国の男の魂が日本でぶつかり合う。 プールAにはアイルランド、スコットランド、日本、ロシア、サモア。 プールBに、ニュージーランド、南アフリカ、イタリア、ナミビア、カナダ。 プールCに、イギリス、フランス、アルゼンチン、アメリカ、トンガ そしてプールDに、オーストラリア、ウェールズ、ジョージア、フィジー、ウルグアイ。 日本は開会式後の初戦にロシアと肩をぶつけ合うことになっている。 海外メディアでも大盛り上がり ラグビーワールドカップ史上初めて、アジアで開催されることで海外メディアも大興奮。 しかも開催地が日本とくれば尚更だ。何よりも海外陣を喜ばせているのは、開催地である。海外観光客なら誰もが立ち寄りたい名地が試合開催場所となると、旅行会社をはじめ各メディアも大忙しである。各ウェブサイトでも、 JRパス の予約や切符の買い方、東京や横浜のホテルやレストランの紹介がよく紹介されている。 入れ墨のある訪問者は、温泉、ジム、スイミングプールへの入場を拒否される場合があるなどの注意も書かれていたりする。 たくさんのサポーター達の来日で、いつもの10倍賑やかになりそうな日本である。 プールAのアイルランド イギリスのお隣、アイルランドが日本と同じプールAにいる。イアン・ヘンダーソン、ジ ェームズ・ライアン、タッディグ・ベイルンなどの強力なスクラム戦士と、クリス・ファ レルやウィル・アディソンなどの、マジックセンターがアイルランドチームには存在する。 アイルランドのカーベリー選手は、足首の故障より復帰しており、9月22日に横浜で行 われるスコットランド戦への準備は整っているとしてる。 見逃すな!感動の1場面 忙しい社会人でも、仕事帰りにパブなどで試合観戦で盛り上がれる時間帯に、ほとんどの試合は行われるとしても、どこでもいつでも試合が見れてしまうわけではない。 しかしちょっとした工夫で、感動の試合を見逃すことを回避することも可能である。スマホでNHKの試合が見たい!モバイル端末で、好きなところでゆっくりと試合観戦がしたい、または外国人友人と ITV で一緒に観戦したいといった人におすすめのツールが存在する。アプリケーションをダウンロードした後は、ストリーミングするのみ。ラグビーW杯をネット中継で観戦する方法もありだ。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/246.html
「おい、大丈夫だろうな…」 首なし騎士は片手をあげOKサインを出す。 「よし、急ぐか」 「…あ…あの」 後ろから声をかけられた。小さな声だ。 声の主は小柄な少女。明かなに病弱そうな見た目。強い風が吹けば倒れそうな印象すらある。 とある都市伝説から彼女を助けたことで知り合った仲だ。 「なに?」 「何かを警戒してるようですけど……」 はい、してます。 「いや、なんでもないよ」 「そう…なんですか?」 疑惑の目、明らかに疑っている。 しかし、彼女はあのとき何をしていたのだろうか? 化学準備室で骨格標本にかぶりついていたが…… 「そういえばさ、あのとき何してたの?」 彼女の疑惑をごまかすついでに質問してみた。 突然の質問に彼女はビクリと肩を震わした。 「あ…あれは…その……美味しそうだったもので…つい…」 てへへとでも言いそうな顔。 「…あ、そう」 だが、返事に困る答えだった。 「あ、そうだ。早く行こう」 そう、こんな所でもたもたしている暇は無いのだ。 夢の国、もしくは組織に見つかりでもしたら大変だ。 「って、首なし騎士、何やってんだ?」 先頭に立ち、見張り役をしていたはずの首なし騎士。 それが気づいたら俺達の一番後方にいたのだ。 「おい、首なし騎士」 呼びかけても反応がない。 ある一方向に体を向けたまま微動だにしない。 何かを見つけたのだろうか? まさか…夢の国か組織の黒服か…… 恐る恐る首なし騎士の視線の先を……正しくは体の向いている方向に視線を向ける。 その視線の先にいたのは………普通の人だった。 20代前半程度の普通の男。髪は長め、身長は高め。 だがやはり普通の人だ。首なし騎士はどうしてこの男を見つめて(いや、頭無いけど)いるのだろうか? 「おい、首なし騎士…なんで……」 そのとき、首なし騎士が剣を抜いた。 そして馬を走らせる。その男めがけて。 「っておい!まて!」 俺の制止を無視して首なし騎士は突き進む。そして、その男の後ろから切り掛かる。 思わず目をつむってしまった。 おそらく次に聞こえてくるのは、その男の悲鳴。 しかし、実際に聞こえてきたのは、金属どうしのぶつかり合う音であった。 「………ん?」 目を開けたとき、その場の光景に俺は驚愕した。 その男は小刀(で合ってると思う)で首なし騎士の剣を受けていたのだ。 ただ者ではない…… 「この太刀筋、おぬし…あの国で戦ったないと、とやらか…」 ああ、うん………普通の人ではないのは確かだ。 なんとも特徴的な話し方の男。 何より、後ろから切り掛かられたはずなのに…… 「首を失ったというのに再度勝負を挑むとは……その心意気やよし!」 ん?今何か言ったぞ。首を? もしかしてこいつ……… 「いいだろう……その再戦受けてたとう! 勝てたら首を返してやらんこともないぞ。こい、鎧武者!」 お、おい、首って言ったぞ。 男の叫び終わると、蹄の音がこえた。 聞き慣れた音だ。首なし騎士が馬に乗っているから日常的に聞いてる音。 そして現れたのは、まさに鎧武者。 時代を一切無視した光景がそこにあった。 前ページ次ページ連載 - 首無し騎士の契約者
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2263.html
世界は夏の夕暮れだった。 高く伸びた二つの影が並んで、時折一つに交わった。 吹く風はいつも暑い。 「ん? つかさ? どうしたの、体調悪いとか?」 「う、ううんっ! 平気だよ」 また二人の影が一つになる。 今日は朝から調子が悪かった。 何をしても、何を考えても、 浮かれてるのか落ち込んでるのか、懐かしんでるのか焦っているのか、 ふわふわして、いつだって浮いていて、凄く不安だった。 きっと昨日見つけた思い出達の所為だ。 物置になってる部屋の押入。 そのずぅっと奥にしまい込んだ、子供らしい二つの道具箱。 箱に汚い字で書かれた私達の名前。 中身はたくさんの思い出、私達が生きてきた証達。 それは幾多の二人を写した写真であり、 誕生日に互いに交換しあった宝物であり、 初めて二人でお洒落をした時の記念だった。 きっとあれらの所為で、やっと忘れられそうになっていた私の本心が、 今頃になって目を覚ましているのかも知れない。 その証拠に、ほら。 「えへ、ちょっと熱中症なの、かな……」 お姉ちゃんに声をかけられただけで、言葉が震えて、まっすぐ前を向けない。 「あーもー、辛かったらちゃんと言うのよー?」 記憶を遡る。 思い出せる限界まで遡ってみて、それまでのどの時間にも私の隣にはお姉ちゃんがいた。 私が一人でいても、気付けばお姉ちゃんが手を握っていてくれた。 お母さんが言っていた。 私達は双子だから、仲良くしなさいと。 だからこれは家族としての仕事なんだと、思っていた。 私はどちらかと言うと家で遊ぶ子で。 お姉ちゃんは外で遊ぶ子だった。 小学生になってからは、私はお姉ちゃんに連れられて、 普段は行かないような色んなところに遊びに行った。 知らない公園。隠れるように開かれた駄菓子屋さん。隣町の噴水公園。 かき氷が美味しいお店。男の子達が遊んでる土手。見たことのない大きな駅。 二人で歩いて、周りの街並みを全て自分たちのものにしようと、隅々を歩いて回った。 帰り道にはいつも、二つの高く伸びた影。 私はちょっと走るとすぐ疲れちゃうけど、お姉ちゃんは男の子みたいに丈夫で。 どれだけ遠くに行っても、家に帰るまで笑顔でいられる強さが羨ましくて。 私が男の子だったらなと、あの頃は毎日のように考えていた。 二人でいる時間は言葉に出来ないくらい楽しくて、暖かくて、嬉しくて。 気付けば私達は中学生になっていた。 私達は知らないうちに少しずつ大人になっていて、 子供のように振る舞う事も少なくなった。 その頃のお姉ちゃんは、同年代で比べれば大人っぽくて、喋り方もしっかりしてて、でもたまに可愛くて。 だから人気が出るのも当たり前で、私にとっては自慢のお姉ちゃんだった。 そんなお姉ちゃんを、男の子が放っておくわけもなくて。 3年生の夏に、お姉ちゃんは隣のクラスの人に告白された。 その夜、私とお姉ちゃんは夜が更けるまで語り合った。 お姉ちゃんの相談を聞いているうちに、私はだんだんその男の子が羨ましくなって。 次の日、その人とぎこちなく向かい合うお姉ちゃんの間に割り込んで、 『あのねっ、お姉ちゃんは他に好きな人がいるの、だからその、ごめんねっ!』 と、これから始まるはずだった二人の仲を裂いてしまった。 酷い事してごめんね、と泣きじゃくる私に。 お姉ちゃんは怒ることなく、呆れたような、子供をあやすような笑顔で、 そっと頭を撫でてくれた。 しょうがないわね、つかさは、って。 その、お姉ちゃんの顔を見て、私は気付いた。 もう子供の頃みたいにはなれなくて、 私は負担になり始めてるんだって。 だから私は、その日から少しずつ、ほんの少しずつ、姉離れを始めていた。 高校生になってから、友達が出来て、お姉ちゃんといる時間が少しずつ減っていって。 たまに迷惑はかけるけど、それでも昔みたいに束縛する事はないって、 凄く順調だったのに。 もう、心配かけてないはずなのに……。 「ほら」 私の足から伸びた影が、もう一つの影と繋がっていた 「つかさ……?」 ダメ、心配かけてる……。 私は応えるように、その手を握り返す。 「平気だよ、一緒に帰ろ」 そう言って、二人で歩き出す。 あの頃のように、長く伸びた、一つになった二つの影を従えて。 家に帰ってからも、私は昔みたいにお姉ちゃんから離れないでいた。 離れたくなかった。 きっと昨日見つけた思い出達の所為? 違う、きっとこれが、私の本心なんだ。 ご飯を食べて、お風呂から出て、寝る時間になって。 私は結局、お姉ちゃんの部屋から出れない。 「つかさ、明日起きれなくなるわよ?」 友達と話す時と同じ声の出し方。 そんな些細な事実一つで、また胸が痛んで、涙腺が熱くなる。 「お姉ちゃん……私達、どうして双子なのかな……」 「は? つかさ何言って、ちょっ!」 言いかけたお姉ちゃんの言葉が揺れる。 私は自分の言葉を言い終わると、真っ直ぐにお姉ちゃんを抱きしめていた。 ぎゅぅっと、強く。 遠い夏、倒れた私を強く抱きしめてくれたあの時のお姉ちゃんのように。 二人の胸が押しつぶされて、鼓動が混じり合うくらい、強く。 「ちょっと……つかさ、痛い」 「私も……痛い……」 自分でも怖いくらい声が震えていた。 全身から伝わる体温が心地よかった。 酷く懐かしかった。 「甘えんぼね」 髪を撫でられる。 私に応えるように、お姉ちゃんが抱き返して、頭を撫でてくれていた。 頬を重ねて、なんでも許された子供の頃のように。 「つかさ、どうしちゃったの?」 顔は見えないけど、耳にかかるその声は、友達に向けられるものじゃなくて。 あの頃と同じ、妹の私にだけ向けられる声だった。 「ごめんねっ……ごめ、ん……あれ、私、あれれ……」 もう限界だった。 数年ぶりに再会したあの頃のお姉ちゃんが、あまりにも懐かしくて、 私もあの頃のように、泣きじゃくっていた。 お姉ちゃんの身体が傾いて、ベッドに吸い込まれた。 私もつられて倒れる。 倒れた先にはお姉ちゃんの顔。 「はは、酷い顔」 優しく笑って、私の涙を指でそっとすくう。 その仕草に、また胸が痛んで、私はお姉ちゃんに抱きついていた。 こつん、と額同士がぶつかる。 視界いっぱいにお姉ちゃんが広がる。 また胸が痛い。 「もうここで寝ましょ。今のつかさ、部屋に帰せないわよ」 目の前のお姉ちゃんが、あの頃と同じように、頭を撫でる。 どんどん、胸が痛くなる。 わかってた。 お姉ちゃんが好きだって事は。 小さい頃からずっと憧れて、憧れなのにいつも傍にいてくれて。 中学生の時、お姉ちゃんが告白されて、その時にはっきりとわかったんだ。 私は、ずっとずっと、うんと前から、お姉ちゃんが好きだった。 でも私とお姉ちゃんは、当たり前のように双子で、姉妹で、女同士で。 好きになったって、幸せになれないのも当たり前のように決まっていて。 でも、私が好きって伝えれば、お姉ちゃんはそれに応えてくれそうで。 だから余計に伝えられなくて。 伝えたい、今すぐ伝えたいって、胸がキリキリ痛む。 本当は姉離れだってしたくなかった。 いつまでもずっと、お姉ちゃんの妹でいて、私のお姉ちゃんでいてほしかった。 いつかの歌も言っていた。 神様は何にも禁止なんかしてないって。 きっと、私が愛していると言ってしまえば、お姉ちゃんは酷く困ってしまう。 優しくて、責任感が強くて、面倒見が良くて、 そんなお姉ちゃんだから、私の為にたくさん困ってくれる。 また、涙がこぼれた。 「何があったか知らないけど、甘えていいんだからね」 「私、つかさのお姉ちゃんなんだから」 ああ、そうだ。 やっと、わかった。 お姉ちゃんはあの頃から何も変わっていない。 いつでも私の傍にいて、私が困ってると手を貸してくれて、 私が甘えたい時はいつでも胸を貸してくれて。 本当は、あの頃から何も変わってないんだ。 変わってしまったのは、姉を姉として見れなくなった、私だ。 「それにしてもさ、つかさとかがみっていっつも一緒だよねー」 「いや、そんな事ないわよ。結構別々よね」 「うん、私ももうお姉ちゃんに迷惑かけちゃいけないかなって」 「そうそう、つかさもしっかりしてきたのよ。どっかのこなたとは大違いよね」 「うぐっ……今日のかがみんはツン要素が強いな」 私達は、今日も双子だ。 ふたり分の影 ~ Lucky Star コメントフォーム 名前 コメント ううーん...こんなに素晴らしい作品があったとは...GJです!! -- 名無しさん (2011-02-22 14 59 05)
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/93.html
水難事故 ◆MrWWMupjJ6 星の光が辺りを照らす中、長いストレートの髪が風に揺れる。 少女、古手梨花はぼうっと星を見ながら考えごとをしていた。 (私の知り合いは、沙都子と圭一とレナ、頼れる大事な仲間。心強いけど心配でもあるわね) 共に運命を乗り越えた部活メンバーが集まれば、こんな殺し合いだって乗り越えられるはず・・・梨花はそう信じていた。 (みんなで力をあわせればきっと・・・) そこで梨花の思考は途切れる。 「梨花、大変だ!すぐ来てくれ!!」 「みー!ズシオ、一体どうしたのですか!?」 旅の連れの緊迫したその声に梨花は慌てて後を振り向く。 「マヨ取ってくれマヨ、手が届かんし」 「・・・」 見るとそこには地面に座ったズシオが茶碗片手にご飯を食べていた。 3m先に置いてあるディバックの上には確かにマヨネーズがある。 梨花は黙ってマヨネーズの容器を掴む。 にょろにょろにょろ 「あがあがが」 直接口の中に注いであげた。 (はぁ・・・) 内心ため息をつく。この男はズシオ。 なんでも滅ぼされた帝国の王子さま(自称)らしい。 「みー、のんびりご飯を食べてる場合じゃないのです! 早くこの山を下って町へ行かないと」 「もぐもぐ・・・せめて馬がもぐもぐ・・・余の愛馬シルバーがいれば一瞬でつくのにな」 「シルバー?お馬さんの名前なのですか?」 「うむ、世界一の名馬だ」 「それはスゴイのいです!きっと銀色の毛並みのお馬さんなのですね」 「いや、汁吐きかける婆さん書いて汁婆(シルバー)だが?」 「・・・もういい、黙って。あんたの話を聞いてると頭が痛くなってくるわ」 梨花は頭を抱えながらいった。 ズシオとの会話は非常に疲れる。 ついさっきもこんな事があった。 数時間前 「キーング・ジョイスティック・シャワー」 じょー 「ガ、ガンダーッム!!」 ズシオはいきなり出会ったばかりの巨大ロボットにとんでもない事をしでかした。 「ちょっとズシオ!いきなり何を!」 「ハッハ!ガンダムを成敗してくれたわ!」 すっきりした笑顔でズシオはいう。 「よ、よくも・・・ガンダムに小便をかけたな」 「怒ってるのです、凄く怒ってるのです!ズシオ早く謝る・・・」 「来い、汁婆ーーー!!」 唐突にズシオは叫ぶ。 「し、しるばー?」 わけが分からず私はとまどう。 「余の声が聞こえたら来るのだ、汁婆ーーー!!」 ひたすらに叫ぶズシオ。 「ニンジンやるから(ボソッ)」 その想いに導かれるかのように、ズシオの背後、川から水しぶきをあげ現れた巨大な物体。 それは、馬が乗る馬。 ―――風雲再起(ロボ)降臨ッッッ!! 「なにこれっーーーーー!!?」 梨花にはもう何が起こってるのか理解できなかった。 「よし!」 「よし、じゃないわよ!なに?何のよこれ!?」 「馬だ!汁婆じゃないけど馬だー!ひゃっはー」 そしてなんとなく乗り込むズシオ。 ガシイ!! ロボットとロボットが激しくぶつかり合う。 梨花はその衝撃で吹っ飛んだ。 「うう、なんなのですか、これは・・・」 そんな梨花に向かってズシオが叫ぶ。 「下がっていろ、王の勤めとは皆を守る事!そのために余は・・・」 ぶしゅううう ぶつかり合った衝撃で大規模地下水脈発見。 土石流発生!ゴッドガンダムと風雲再起、流される。 「余はあああああああ!?」 「ガ、ガンダーーーーーム!!」 「ズ、ズシオぉぉーーーーー!?」 吹き飛ばされ運良く土石流に呑まれなかった梨花だけが残った。 そう・・・ひぐらしだけが彼らがどうなったかを知っているのだろう。 実際はズシオはボロボロになって数時間後に帰ってきたけど。 【位置:H-5 山/黎明】 【古手 梨花@ひぐらしのなく頃に】 【服装】服 【装備】なし 【状態】黒梨花 【持ち物】支給品一式 、茶碗とマヨネーズと箸 【思考】 1:部活メンバーと合流する 2:殺し合いという運命に抗う 【ズシオ@余の名はズシオ!】 【服装】上半身裸、ズボン 【装備】なし 【状態】健康 【持ち物】支給品一式 【思考】 1:なんで水なんか出たんだろ?80%・信仰20% 一方セツナは。 「ガン・・・ダム・・・」 気を失いドザえもん状態で川を流されていた。 【ゴッドガンダム、風雲再起 破壊確認】 【位置:F-4 川/黎明】 【名前】 刹那・F・セイエイ@機動戦士ガンダム00 【服装】 パイロットスーツ 【状態】 気絶 【装備】 【持ち物】なし 【思考】 1:ガン・・・ダム・・・ 2:俺がガンダムだ 3:俺はガンダムだ 時系列順で読む Back 道の終わり Next 無能生存体 投下順で読む Back 俺には声が無い、それでも俺は叫ぶ Next 結成!奇妙な凸凹トリオ 余の名はズシオ 古手梨花 古手梨花のなく頃に 余の名はズシオ ズシオ 古手梨花のなく頃に あの時、思った 刹那・F・セイエイ ガンダム00 DESTINY
https://w.atwiki.jp/vsmashbros/pages/87.html
【ストックorタイム】ストック 【大乱orチームorタイマン】大乱闘 【アイテム】緑ブロ たべもの 多い 【ステージ】シャドーモセス島 【募集人数】3 ふっとびは無論0,5倍 まさに体と体のぶつかり合い 勇敢に敵陣へ攻め込み 吹っ飛びをものともせず拳をぶつけ合い そして飯を見つけたらすかさずがっつく そんな漢を感じる戦い
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/649.html
…━━━━━放課後、部室へ向かう廊下の途中… ふくれっ面のハルヒが、俺の横を歩きながら不満げに口を尖らせる。 「あーあ、寒いっ!寒いわね!建物の中でも吐く息が白いって、どういう事かしらっ?」 「俺に文句を言ったって、しょうが無いだろうが!」 「それに…あのハンドボール馬鹿のホームルームは長いのよ!たいした内容なんて無い癖に…」 (お前だって、早々とホームルームを終らせて欲しい理由になる様な用事など、特に無い癖に…) 俺はふと、そんな事を思い付いて「最近、本当に何も無いな…」と改めて思う。 「何も…」とは…他でもない『閉鎖空間』やら『なんとか思念体』やらの事だ。 もう何事も無さ過ぎて、最近では長門や古泉や朝比奈さんが普通の人間に見えてきた…。 でも…まあ、それならそれでいい。 特に何事も無く今年はこのまま…… そうだな、ハルヒの立てた計画の通りに忘年会でもやって…無事に正月を迎えたいものだ━━━━━━… 【コーヒーふたつ最終話・SaveOurSouls】 ━━━1日目━━━ 別にハルヒの機嫌をとりたい訳では無いが、とりあえず俺は忘年会の話題に会話の内容をすりかえてみる事にする。 ハルヒも、まんざらでは無いようで「忘年会」と聞いた途端に、不機嫌な表情はそのままに目を輝かせながら喋り始めた。 「みくるちゃんとオッチャンには悪いけど、来来軒はパスね?」 「なんでだ?」 「座敷が無いもの!」 「座敷…ね」 「そう!でね?バス通りにある寿楽にしようかと思って!」 どうしてハルヒは中華料理屋ばかり…しかも、どちらかと言えば「ラーメン屋」の類ばかりを候補に上げるのか。 まあ、訊いたところで「安くてイッパイ食べられる」とかそんな返事が返って来るのは目に見えているが… それでも俺は、とりあえず訊いておく事にする。 何故なら俺的には「忘年会」くらい「それらしい」場所でやりたいと考えていたりするから。 1年の締め括りがイキツケもしくは準イキツケのラーメン屋では、なんともお粗末な話だ。 「ところでハルヒ。何で候補が全部ラーメン屋なんだ?」 「え?…『少しくらい、お酒を飲んでも怒られなさそうだから』に決まってるじゃない!」 「………不良」 「あっ?何よっ、マジメぶって!高校生ともなれば誰だってビールの一本や二本くらい…」 「…一杯や二杯の間違いじゃないのか…?」 「………っ!もういいっ!アンタとは一生お酒を飲んであげないっ!」 「………。(おいおい)」 やれやれ…だ。 万が一バレて大騒ぎになった時の事とか… 考えて無いんだろうな、ハルヒは。 だいたい、ハルヒが普段から酒を飲んでいるなんて話は聞いた事がない。 おそらく、毎度お馴染の「特盛の好奇心」から生まれたアイデアなんだろうが、そんなハイリスクなアイデアは御免被る。 それに俺だって、親父に付き合わされて飲まされた事くらいはあるが、あまり美味い飲み物だとは思わなかったぞ? とりあえず……話の内容的に廊下ではマズいな。 「なあハルヒ、続きは部室でな?みんな居るかもしれないし、そのほうが都合が良いだろ?」 「それも…そうね!」 ハルヒはすっかり機嫌を直した様で、俺の一歩前に出ると「そうと決まれば善は急げよっ!」とばかりに、俺の手を引いて勢い良く歩き出した。 意気揚々と辿り着いたハルヒとは対照的に、部室は期待外れの静けさに包まれていた。 俺はハルヒが「なーんだ」と落胆の声を出す前に「少し待てば、みんな来るさ」とドアに手をかける。 そしてドアを開け… ……すぐに閉じた! (な…なんだっ?今のはっ?) 朝比奈さんと古泉が…何か『とんでもない事』になっているのが見えた気がしたが? 「キョン?どうしたの?」 「あ…いや!俺の目の錯覚だ!」 「え?何の事よ?」 「あ…ああ…何でもない」 何でもない訳が無かった。 確かに抱き合ってた…様な…。 俺はもう一度、そっとドアを開けて部室を覗きこむ。 すると…やっぱり朝比奈さんと古泉だ…。 しかも只今…ハリウッド映画顔負けのキスシーンの真っ最中ときたもんだ…。 まあ、二人にはそういう関係になる要素が皆無だったとは言い難いが… そうなった経緯がさっぱり解らん。 とか考えつつも… 覗いてる俺は只のスケベ野郎………… あれ? 何か様子がおかしい…? 窓から差し込む光で、二人の様子は陰でしか知り得る事が出来ないが、キスを止めた朝比奈さんの唇が動くのが何と無く解る… (サヨナラ…って言った…のか?) そして…次の瞬間、朝比奈さんは……… 消えた。 俺は、突然の事に暫し呆然としてしまったものの、先程まで側に居た筈のハルヒが居なくなっている事に気が付いて、慌ててその場からハルヒを探しに走り出した。 (まさか…『消えた』所を見ちまって、驚いて逃げた訳じゃないよな…) 俺はその「消える」事に対しては何と無く理解しているから大丈夫…… とはいえ、消えた『理由』は解らないんだが。 とりあえず、心あたりのある場所をハルヒを探して順番に走り回ってみる。 そして探し回る事、数十分… 俺は、駐輪場で俺の自転車の荷台にポツリと座っているハルヒを見付けた。 「なんだ…ここに居たのか」と声をかけ、恐る恐る「見たか?」と尋ねてみる。 ハルヒは、うつむいたまま「見たわよ…抱き合ってたわね…」と呟いた。 (よかった、消えたトコは見てない様だ…) 俺は少し安心して話しを続けてる。 「まあビックリしたな…でも、意外だった。」 「何が?」 「いや、ハルヒなら…そのまま部室に踏み込んで『ああっ!見たわよっ?二人はそういう関係なの?いつから?白状しなさいっ?』くらい言うと思った」 「…バカ」 「すまん…」 「…ううん……そうしてやりたかったのはヤマヤマなんだけどね?なんか、力が抜けて…少しガッカリしちゃったのよ」 「なんでさ?」 「…それならそうと、みくるちゃん…何で団長のアタシに先に報告してくれなかったのかな…って」 ハルヒは多分、『何で友達のアタシに打ち明けて…』と言いたかったんだろうと思う。 なんとなく気持ちは解るが…… 俺は仮に、谷口が今回の朝比奈さんの様な立場になっても、別段なんとも思わないだろう。 そこらへんは男と女の感情的な部分の構造の違いなのだろうか。 とはいえ… 柄にも無く落ち込んでいるハルヒを見ているのは少々辛い。 俺は「きっと落ち着いたら…詳しく話してくれるさ…」と笑って見せると、ハルヒを乗せたままスタンドを外して、自転車に乗って走りだした。 ━━━2日目━━━ 俺はハルヒを迎えに行きながら、朝比奈さんが消えた理由をボンヤリと考えていた。 まあ、学校に着いてから古泉にでも訊けば済む事なんだろうが、あまりにも突然だったし何やら悪い予感がする。 それに『サヨナラ』って… 朝比奈さんはもう学校に来ないのだろうか。 だとしたら、仮に古泉だけが事情を知っていたとして、俺や長門…そしてハルヒはどうすれば良いんだろう。 考えていても仕方が無いのは解っているが、どうも頭の中がスッキリしない。 そして頭の中がスッキリしないのは、待ち合わせ場所に現れたハルヒにとっても同じ事の様だった。 ただハルヒの場合は、俺よりも少し軽めの内容で考えこんでいると思われるが。 (まだ…昨日の事を気にしてるのか? まったく、こっちはそれどころじゃ無いのに…) 俺は「おはよう」と挨拶をした直後から、暗い顔で無口なままのハルヒを少し疎ましく思ってしまう。 そして、昼休みにハルヒが言った思い掛けない一言に、思わずその気持ちを爆発させてしまった…。 「ねえ…キョン…」 「なんだ?」 「アタシ…やめちゃおうかな…」 「何を?」 「SOS団」 「……ちょっと待て!そんな無責任で我儘な話があるか!」 「な…なによ…ムキになる事ないじゃない…」 「ムキにもなるさ! 大体、昨日の事を気にしてるんだろうがな? オマエがそんなんだから、朝比奈さんだって何も打ち明けられなかったんじゃないのか!? だいたいオマエは、いつもみんながついてきてくれる事に対して、ありがとうとか思った事が少しでもあるのかよ!」 「………偉そうに!もう、つまらないからやめるって言ってるの! SOS団はアタシが作ったのよ? そのアタシがやめるって言ってるのよ! 文句ある?」 「ふざけるな!いい加減にしろ! 今、俺がどんな気持ちでいるかも知らない癖に!」 少し…声がデカ過ぎたか… ハルヒが目を丸くして固まっている。 そして、そのまま少し黙った後で静かに言葉を投げ掛けて来た。 「アンタの気持ちって…何よ?」 「…いや…それは…」 答えられる訳がなかった。 俺は迂濶な自分を殴りたい気分になる。 そして、そんな気分に追い討ちをかける様に、ハルヒの瞳から大粒の涙がポロポロと溢れ始めた。 「アタシは…何も知らない…みくるちゃんの事も古泉君の事も… キョンの気持ちも解らない…このままじゃ…多分ユキの事だって…」 「…ハルヒ」 「…アタシ…今日は帰る」 ハルヒはそう告げると涙で濡れた顔はそのままに、忙しく支度を済ませてから席を立った。 「さよなら…」 俺は何も言えず…ただ、走り去るハルヒの背中を見ていた…… ふと、気が付くと教室に居る殆んどの奴らが、こちらを見ている。 (やばい…な、これは) 俺は、とりあえず何事も無かったかの様に席についたものの… 居心地の悪さに耐えきれなくなって、ものの数分で教室を後にした。 なんとなく校舎の中をふらつきながら、少しだけ時間が気になって腕時計を見ると、とっくに授業の始まる時間を過ぎていることに気が付いた。 しかし… 今は慌てて教室に戻ろうという気にはならない。 (部室にでも行くかな…) そう思い付いて俺は、結局SOS団の在る生活に心底ハマッちまったんだなと改めて感じる。 そして、おそらくその気持ちはハルヒだって同じ筈なんだ…… そうだ、後でハルヒに電話をしてやろう。 別にメールでもいい。 そして明日、みんなを集めて忘年会の話でもしよう。 しかしそれには、朝比奈さんの事を古泉に確かめる必要があるがな。 俺は、我ながらまとまってきた胸の内に足取りを軽くしながら、部室へと向かった。 とりあえず昼寝でもして時間を潰す… それから放課後にでも古泉に話を訊けばいい… 頭に浮かんだ予定を整理しながら、俺は部室のドアに手をかけた。 (ん…誰か居る…?) 中から微かに人の居る気配がする。 もしかしたら、ハルヒが待っててくれてるのかもしれない… 何故かそんな気がして、俺は慌ててドアを開けた。 「ハル… あれ?長門?」 部室の中に居たのは長門だった。 相変わらずの無表情を保ちながら窓際に座り、読みかけの本を片手にこちらを見ている。 俺は「ごめんな、何でもないんだ」と告げると適当な椅子に腰を降ろした。 そして軽く眠る為に、机に伏せようと体の力を抜きながら前屈みになろうとした… …その瞬間! それまで窓際に居た筈の長門の存在が、俺のすぐ側にある事に気が付く。 驚いて顔を上げると、俺の右側にピタリと寄り添う様に長門が立っていた。 そして、顔を上げた俺を…… 優しく抱き締める!? 「な…長門…!これは一体なんだっ?」 「動かないで」 「ちょっ…やめ……」 俺が『やめろ』と言い終わらないうちに、長門は自分の唇で俺の唇を塞いでいた。 (な……なんだっ……?) 突然の出来事に俺は混乱しまくる。 何が何だかさっぱり解らない。 そして… 長門は静かに体温の低いその唇を離すと「来る」と呟いてから再びキスを続けた。 俺は意味も解らずに、長門に唇を重ねられたまま部屋の中を見回す。 (何が来るってんだ?) と、その時… 部室の出入り口のドアが勢い良く開いた! そして同時に… 聞き馴染みのある声が聞こえる! 「キョン……ユキ?…何……やってんの?」 声の主はハルヒだった。 長門は唇を離してそっと顔を上げると、何事も無かったかの様に窓際へと戻る。 俺はただ… ハルヒの方を見るだけで精一杯だ… ハルヒは声を震わせながら、俺を睨みつけている… 「何…よ。さっきは言い過ぎたと思って、教室に戻ったら居なくて… ここに居るかなと思って来てみたら… なんでこんなことになってるのよっ!」 「いや、ハルヒ…違うんだ…」 「………嫌いよ………キョンもユキも…古泉君もみくるちゃんも… ………全員死んじゃえっ!!!」 ハルヒはそう叫ぶと、部室から飛び出して行った。 俺は、とにかくハルヒを追いかけたくて立ち上がろうとする。 しかし… 体が思う様に動かない。 (まさか…これも長門の仕業なのか…?) 俺は振り替えって長門を睨みつけた。 「何で…こんな事を…!」 長門は何も言わずに、ただ俺を見ている。 そして開かれたその瞳から… 一筋の涙を流した。 「…長門?」 「…これでいい」 長門は、そう呟くとゆっくりと立ち上がり部室から出ていった。 一体何なんだ… 昨日消えた朝比奈さん… 突然キスをした長門…しかもハルヒが来るのが解っていた様な感じだった… それで…俺はハルヒに何て言えば良いんだ…? 「長門がいきなりキスを…」駄目だ…。 本当の事なのに、もの凄く嘘っぽい…。 しかも… さっきの長門の涙の所為か、長門を悪く言うのは避けたいと感じる。 いっその事「オマエと揉めてて気が立っていたから、長門にキスを…」と嘘をついてしまおうか。 それで、全力で謝る? 無理だな… ハルヒの前では、俺はいつだって嘘がつけないんだった…。 ついてもすぐバレるから。 色々と考えてるうちに、窓の外はすっかり暗くなっていた。 どうやら、古泉は今日は来なそうだ…。 (帰るかな…) とりあえず、戸締まりの点検がてら部室の中を見回す。 長門のいつもの席… ハルヒの机… 朝比奈さんの衣装… 古泉の机の上にあるオセロ… 一昨日までの日常が、昨日から突然訪れなくなった部室は、俺を言い様も無い位に寂しい気持ちにさせる。 そして、いつも隣で笑ったり悪態をついていたハルヒも今は居ない。 会いに行こうと思えば行ける… けど、長門のキスの言い訳が全然思い付かない今は行っても無駄だ。 (やれやれ…明日から、どうしたもんかな…) 俺は電気を消すと、部室を後にした。 ━━━3日目━━━ 家に帰ってからも、ダラダラと学校での出来事について考えていた俺は、全く眠れずに朝を迎えてしまった。 当然の事ながら… 何も答えなんて出ないし、出るわけがない。 ただなんとなく、学校に行く前にでもハルヒの家に寄ってみようとは思っていた。 今や電話もメールも拒絶されてしまったものの、直接会いに行けばどうにかなりそうな気がしたからだ。 しかし… その僅かな希望も、学校へ行く支度を整えて、自転車を家の庭から引きずり出した時点で潰えた。 (ちっ、パンクしてやがる…しかも前後両方…) 仕方なく俺は、学校へと歩き始めた。 まったく…良くない事とは重なるものだな。 家の前の路地から大通りへ出ると、同時に眩しい冬の朝の日差しが寝不足の俺の頭を直撃した。 色々とあった所為かそれだけで憂鬱になり、思わず今日は休もうかと思ってしまう。 だが…そうもいかないんだな。 古泉に会って、朝比奈さんの事を確かめなくてはいけないし、長門にだって昨日のキスの理由を確かめたい… 俺は半開きの眼差しのまま、背中を丸めつつ大通りを歩いた。 歩き始めてからしばらく… 俺は背後から迫ってくる車の音に気付き、それを避ける為に少し体を車道から遠ざけながら立ち止まった。 (危ないな…飛ばして来るなよ…) しかし、そんな俺の気遣いもよそに、その銀色の車は俺の直ぐ側をかすめる様に通りすぎて行く。 そして… 俺を追い越したその場所から少し離れた場所で…停まった。 (な…なんだ?道でも尋ねるつもりか…) 俺は立ち止まったまま、その車に視線を向ける。 運転席のドアが開き、誰かが降りて来るのが見えた。 そして…その降りてきた人影に、俺は…愕然として思わず声をあげた…!! 「…っ…古泉!?」 運転席から降りてきたのは間違いなく『あの』古泉だ! 古泉はいつになく神妙な面持ちで、こちらに向かってくる。 そして、俺の側まで来ると「すいません…とりあえず、乗って頂けませんか?」と引きつった笑みで語りかけてきた。 「な…なんだ?しかもお前…車の運転って…」 「時間がありません…早く!」 「あ…ああ…」 古泉の態度に唯ならぬものを感じた俺は、言われるままに車の助手席へ乗り込んだ。 そして俺がドアを閉めた瞬間、車は物凄い勢いで走り出した。 「古泉…これは一体…?」 「申し訳ありません…しかし…今は説明する時間すら惜しまれる…」 古泉は険しい顔のままハンドルを回しながら、呟く様に語る。 「……異常事態です。しかも…貴方がこれまでに経験したこの無い程の」 「………まさか、ハルヒの仕業か?」 俺は、昨日までの出来事を瞬時に思い出した。 そして…すっかり忘れていた事だが、ハルヒの今の状態は非常に『危険』だという事も。 待てよ…? だとしたら、昨日の長門の行動はツジツマが合わない。 長門だって、ハルヒがあの…「閉鎖空間」を作ってしまう事や「世界を改編する」のを防ぐ様な目的で、古泉や朝比奈さんと行動を共にして来たんじゃなかったのか? 明らかに昨日の長門は…ハルヒが来ることを知っていながら、俺にキスをした…。 どういう事だ… ? 必死で考える俺を横目に、古泉は話を続ける。 「とりあえず…現時点で言えることは、以前貴方が経験した『世界の改編』が全く別の形で始まってしまったと言う事……そして、それに合わせる様に別の『脅威』が発生してしまったという事です」 「別の…脅威?」 「ええ…そして、その脅威は貴方を狙っています」 「…………!?俺を?」 「以前僕は…世界の命運を貴方が握っているのかもしれない、と言った事がありましたよね?」 「え…?ああ…」 「つまり…そう考えているのは僕だけでは無いって事です。」 車は、気付かぬうちに学校へと近付いていた。 そして、校門の少し手前で古泉は車を停める。 「とにかく、キョン君は安全な場所に居てください。…そうだ、部室が妥当でしょう!」 「え?……ああ、解った…」 「僕は仲間達と共に、事態の収拾に当たらなければなりません。 ……ただ、必ず後で戻って来ますから」 そう告げると、古泉は俺を車から降ろして走り去ろうとした。 「…おい、待ってくれ!」 俺は、朝比奈さんの事を訊きそびれた事に気が付き、慌てて問掛ける。 「朝比奈さん…朝比奈さんは、一体どうしたんだ!?」 「朝比奈さん?」 「ああ…一昨日お前の前で消え………すまん、覗くつもりはなかったんだ」 「…………彼女は、緊急で連れ戻されました。つまり、今回の事態はそれほど深刻という事になります」 俺が「そうだったのか」と答える間もなく、古泉は走り去って行ってしまった。 仕方なく俺は部室へと向かう事にする。 そして歩きながら、ハルヒが昨日部室を出ていく時に叫んだ言葉を思い出し、少しだけ恐怖した。 『みんな、死んじゃえ』 まさか…今俺は、そのままの結末に向かっているわけじゃないよな… 畜生…せめて、あのキスの誤解さえ解ければ… 部室へ近付くにつれ、やりきれない思いで胸が一杯になる。 そして部室に辿り着いた俺は、そっとドアの内側に身を隠すと… ……声をあげ泣いた。 ━━━0日目━━━ どれくらい時間が経っただろうか。 俺はいつもの席に座り、ただ刻が過ぎるのを待っていた。 素直に古泉の言う事を聞くのは少し癪だったが、俺は古泉が語った言葉に含まれる恐ろしさを、これまでの経験から痛いほど分かっていたし… …こうする以外、今は何も出来なかった。 そして俺は壁に掛けられた時計を見て、針が動いていない事に気が付く。 恐らく、それは『電池切れ』なんていう生易しい原因によるものでは無い。 何かが…始まっちまったんだ… 思わず目を伏せて溜め息をついたその時… 部室のドアが『ガチャリ』と開く音がした。 「古泉か…早かったな…!」 俺は顔をあげ、思わず安堵の声を漏らす。 しかし、ドアの前に立っていたのは… 見覚えのある、かつてのクラスメイトだった。 「朝倉………か?」 朝倉涼子!かつて、俺を襲い…それを阻止するべく現れた長門に敗れて消えてしまった筈の彼女が今…此処にいる! 「お久しぶりね」 屈託なく笑う朝倉に、俺はあの時の恐怖を思い出す。 それと同時に、さっき古泉が車の中で言っていた『脅威』と『異常事態』の事も思い出した。 「何をしに来た…」 「簡単よ…あなたを殺しに来たの」 「…今更…だな。もう…俺を殺した所でどうにもならない」 「何故?」 「よく…解らんが、世界は書き換えられはじめたんだ…」 「知ってるわ」 「…………!」 「でも…これじゃないの」 「何?」 「私『達』の望む結末は、これじゃない…だから、あなたを殺す」 そう言われた瞬間、俺は思わず朝倉の手元を見た。 (ナイフは…持って無い様だ) しかし、そんな少しばかりの安心も次の瞬間には見事に打ち消された。 俺の体が…浮いている…。 朝倉が浮かしているのか…? そして浮いている自分を自覚した直後… 俺は床へと物凄い速度で落下し、激突した!息も出来ない程の激痛が全身を支配する… 目眩と耳鳴り…嘔吐感… それらの隙間から…朝倉の声が聞こえてくる。 「うふふっ…どう?痛い?」 答えられる筈がない…それなのに、朝倉は喋り続ける。 「ねえ、あと何回…これに耐えられるかしら…」 何回!?まさか…俺がくたばるまで続けるつもりかよ… 勘弁…してくれ! 「そうね…あんまり苦しめてもキョン君が可哀想だし…次で終らせてあげるね?」 再び、俺の体が軽くなっていく感覚を感じる。 そして体が浮きあがろうとしたその時… 俺の体に働いていた力が突然抜け、俺は床に倒れ込んだ。 「い…痛てえっ…」 なんとか声は絞り出せたものの、体が思う様に動かない。 今何が起きたのか… どうにか確かめたくて、俺は起き上がれないままに必死に辺りを見回した。 すると… 俺の目の前に見覚えのある上履きが見えた…横に小さく名前の書いてある、あの上履き… (長門…長門か?) なんとか上を見て確かめようとするが、これ以上首が曲がらない。 しかし、声だけは聴こえてくる… 間違いなく… 長門だ… 「朝倉涼子……何故…あなたが此処にいるの」 「そう望まれたからよ」 「………………。」 「丁度良いわ…長門さん?あなたもついでに殺してあげる。 本当の事を言っちゃうとね?この前…少し悔しかったんだ…」 「今から空間閉鎖をする気?」 「そんな面倒な事はしなくて良いのよ…。うふふっ…」 「……………?」 「もう全て終わってるの。だからアナタのセオリーは通用しない」 朝倉が言い終える…と同時に長門の体が宙に浮く。 そして、身動きがとれない俺の限られた視界をそのまま真横に滑る様に飛び、壁に激しく激突して止まった。 そのまま長門は…まるで壁に貼りつけられた様に固まっている。 朝倉はそこに近付くと、蔑む様な声で長門に語り始めた。 「長門さん…あなたも不敏ね…」 「…………?」 「わざわざ…彼の唇まで奪って凉宮ハルヒを刺激したのに、凉宮ハルヒは彼との二人の世界を望むどころか……おそらく全ての消滅を望んだわよ?」 「…………!」 「まあ、おかげ様で私も予定通りここに来れたから良かったけどね。 あなたの狙い通りに、また凉宮ハルヒが彼を『取り込んで』アレを始めてしまったら、打つ手がなかったわ」 「……情報結合の解除を申請する」 「あはははっ!だから無理なのよ!もう、そんなのは終わってるの! 長門さん?あなただって薄々気付いているんじゃないのかしら?」 俺は昨日の出来事を思い出しながら、なんとなく朝倉と長門の会話の意味を理解しかけていた。 おそらく長門は知っていたんだ… この…以前にも増して凶暴になった朝倉と、自分でもどうにも出来ない事態が訪れる事を… そして…あの、夏の少し前の日の出来事と同じ状況を作り出す事で、迫り来る『脅威』から俺とハルヒを遠ざけようとした………? しかし……だとしたら、あの涙の意味はなんだ… 「長門さん?まず、あなたから死になさいな」 俺が僅かばかりの思考を廻らせている間に、状況は悪化していた。 朝倉が長門の首に手をかけ絞め上げている! 俺は「やめろ」と叫ぼうとするが、声も出せず床にヘバリついたままだ。 「このまま…苦しみなさい?そしてゆっくりと、苦しいままの…あなたの『情報連結を解除』してあげる」 長門の喉元にある朝倉の手が爪を立てているのが見える。 そして、その爪先から幾筋の赤い血が流れているのが見えた。 もう…やめてくれ… 声にならない声が、俺の口元から無様な呼吸音になって漏れた。 その瞬間… 「バタン」とドアの開く音が聞こえ、それと同時に物凄い爆発音が部室の中に鳴り響いた! ズドン! 何が起きたのか判らない… ただ…先ほどまで微笑みながら長門を追い詰めていた朝倉が、苦痛の表情を見せている…。 目を凝らしてよく見ると、それが背中に受けた攻撃によるものである事に気が付いた。 そして…その爆発音とともに朝倉に攻撃を仕掛けたのは… …古泉だ! 古泉が手元に拳銃の様な物を構えて、朝倉を睨みつけている! そして、睨みつけながら「お待たせしましたね…」と口元だけで笑った。 俺は必死に声を絞り出しながら、古泉を見る。 「古泉…来てくれたのか…」 「遅くなりまして…それと、申し訳ありません。 貴方に部室に居てくれと言ったのは誤算でした。まさか、『脅威』の正体がコレだったとは…」 「べ…別に良い…それより、手に持ってるソレは…」 「ご安心ください、『本物』ですよ」 この世に、本物の銃を見せつけられて安心する人間が居たら紹介して欲しいものだ。 しかし今は… 古泉の持つソレは、朝倉の動きを止める一番有効な手段だと思う。 「機関から『有事の際に』とコレを渡された時は、正直困惑しましたがね?なるほど、こういう事態も有りうるという訳ですね…」 古泉は喋りながらも、銃口を朝倉から反らさない。 そして、朝倉は… 震えながら古泉に向かって何か呟いている… 「………ないわよ」 「なんです?朝倉さん?」 「邪魔するんじゃないわよ!このチンカス野郎!」 朝倉が叫んだ瞬間、古泉の体が宙に浮かんだ! そして、天井高くまで浮かんだ古泉の体が、目で追えない程の早さで床へと叩き付けられる! それも…一回や二回じゃない、何度も何度も… やがて、何度も床に叩き付けられた古泉は、床に貼り付いたままピクリとも動かなくなった。 「もう…本当に腹立たしいわ…男子はこれだから嫌。ね?長門さん?」 朝倉は、動かなくなった古泉を見下ろしながら、壁に貼り付いた長門に微笑みかける。 そして、長門の腹に拳を突き立てながら喋り始めた。 「あーあ、なんだか本当に頭にきちゃった! そうだ、長門さん?死ぬ前に私に辱められてみる?」 朝倉はそう言いながら、拳を長門の腹に食い込ませる…いや!長門の腹を拳で裂いている! 俺はあまりの惨状に反射的に目を閉じた。 「ねえ、長門さん?知ってる?私達のタイプの筐体はね、体内を掻き回されると気持ち良いんだって!」 目を閉じた俺の耳に「グチャグチャ」と気持ちの悪い音が聞こえる。 「どう?長門さん…」 「…あなたは…最低」 「そう…。でも、私の気分は今最高なの!それに、なんだかとても愉しいわ!」 恐る恐る目を開けると…壁に貼り付けられた長門と長門の腹に右腕を突き刺して動かしている朝倉が見えた。 そして…その朝倉の背後に、倒れながらも銃を構える古泉が居る! 「それ…ま…で…だ…今すぐ…長門さん…解放…しろ…」 瀕死の古泉が銃口を向けながら、朝倉に言う。 しかし…朝倉は「あははっ」と笑うと古泉に蔑む様に言い返した。 「あらあら…私の頭を狙ってるのは正解だけど…その距離でそんなものを私に当てたら、突き抜けた弾はどうなるかしら?」 朝倉の頭のすぐ向こうには、長門の頭がある。 弾が朝倉を貫通したとすれば…間違いなく長門にも当たる…。 古泉もそれが解るのだろうか… 狙いを定めたまま、微動だにしない。 「どう?古泉君?残念ね」 朝倉がそう言いながら微笑みを浮かべた時、長門が静かに呟いた。 「…ちなさい」 「あら…長門さん、何か言ったかしら?」 「…撃ちなさい」 「ん~?なあに?」 「撃ちなさい!古泉一樹っ!!」 古泉の腕が一瞬ビクッとした! その瞬間、再び先ほどの爆発音が部室に響きわたる… そして……まるで、地面に落とした西瓜の様に朝倉の頭が吹き飛び… 壁から長門が落ちるのが見えた… それから暫く…呆然としていた俺は、慌てて足元に倒れていた古泉を揺すってみる。 しかし…古泉は冷たくなっていた。 そして…長門… そうだ!長門なら、どうにか出来るかもしれない! 長門っ! 痛みを堪えて体を引きづりながら、長門に近付く。 そして少しだけ体を揺すると…長門がゆっくり目を開いた…。 頭にある傷は…先ほどのか… 「大丈夫か…長門…」 「……駄目」 長門はひと言だけ答えると、震えながら腕を伸ばして俺に指先を向けた。 その指先は…俺の口元に近付く… 「長門?」 そして、指先が俺の唇に触れた瞬間… 長門は微笑みながら、静かに目を閉じた。 「長門!古泉!おい!おまえら何なんだよ!冗談じゃないぞ! 今、救急車を呼んでやるから! こんなのは…冗談じゃない!」 俺は夢中でポケットから携帯を取り出す。 しかし無情にも、ディスプレイには『圏外』の二文字が踊っていた! (畜生!) 俺は部室棟の入り口にあった公衆電話を思い出して、部室から出ようと体を引きづりながら、ドアを開けた。 すると…廊下の彼方から近付いてくる足音がある事に気が付く… (今度は何だ…) 足音は近付きながら、その姿を徐々に現した。 そしてその姿を、俺は一番良く知っている事に気が付く…。 (ハル……ヒか?) ハルヒだ!ハルヒが居る!ハルヒが来てくれたんだ! 俺は体を引きづりながら、ハルヒに近付く。 そして、ハルヒの足元にすがりつきながら、これまでの事を必死に訴えかけた! 「大変なんだ!古泉も長門も!死にそうなんだ!ヤバイんだ!」 「……………」 ハルヒは黙ったまま、何も言わない。 「ハルヒ………?おい、ハルヒ!何とか言えよ!ハルヒ…」 「…………ろう?」 「えっ?」 「帰ろう…?」 「ハルヒ?」 「一緒に…帰ろう?」 その瞬間…目に映るもの全てが白く輝き出し……俺とハルヒを溶かすよう包みこんだ…。 なんだ…この感じ…… もう…おしまい…なのか………… それとも…… はじまるのか… ━━━エピローグ━━━ 気が付くと、俺は授業中の教室に居た。 辺りを見回すと、日常の光景が目の前に広がる。 そして…振り返ると、教科書にマンガを隠しながら読むハルヒの姿が見えた。 (…悪い夢を見ていたのか…) いや!そんな事はない! 今感じているこの感覚… 眠りから醒めた感覚なんかじゃない! 俺は立ち上がると、夢中で教室の出口に向かって走り出した。 驚くハルヒの顔… 「どうしたんだ?」と叫ぶ教師の声… ざわめくクラスメイト… 全てを振りきって俺は走る…! やがて俺は部室棟へと辿りつくと、俺達の部室へと階段を駆け上がった。 俺達の… SOS団の部室へと… そして、遂にドアの前に立った俺は、思わず床に膝をつく。 (やっぱり…だ) ドアには鍵がかかっていた。 そして… いつだったか、ハルヒがマジックで書いた「SOS団本部」のプレートが無い。 ふと、頭の中を「書き換えられた世界」という言葉が駆け巡る。 (こういう事かよ…) やりきれなくて… 悲しくて… でも不思議と涙は出ない… 俺は立ち上がると、フラフラと教室へ歩き始めた。 そのまま一日は、普通に過ぎていった。 気が付くと放課後になっていて、帰り支度を済ませたハルヒが席に座ったままの俺の横に来て微笑む。 俺も、それとなく微笑み返すと立ち上がり、コートをはおりながら鞄に手をかけて、ハルヒの手をとり歩き出した。 そして教室から出たところで、ハルヒが微笑みながら「寒いわね、何か暖かいモノを飲んでから帰ろう?」と言う。 俺は「買ってきてやるよ、何が良い?」と聞きながら、カフェオレ…とハルヒが答えるのを待った。 「やぁねぇ、いつもの…アンタと同じので良いわよ」 「……同じ…か?」 「な、なによ?同じじゃ駄目なのっ?」 「い、いや…なんでもない……」 俺は、昇降口の横にある販売機で紙コップに入ったコーヒーを2つ買う。 そして、それを手渡されたハルヒは美味しそうにカップを傾けて見せた。 「ふーっ、温かい!生き返るわね!」 「……そうか」 「さあて!キョン、行くわよ?」 ハルヒの「行くわよ」に、思わず「部室へ…だよな?」と言葉を返しそうになる。 しかし、ハルヒが俺の手を引いて向かったのは駐輪場だった。 つまり… そういう事なんだ… ここにはもう…朝比奈さんも古泉も長門も居ない… そして… SOS団も… 俺はハルヒを荷台に乗せ、ボンヤリと自転車を走らせる。 これで良かったのかどうか解らないまま… ただ… ハルヒの家へと… 「ちょっと、キョン!どっちに向かって走ってるのよ!」 「えっ?な、なんだ?」 「そっちじゃ無いでしょ?寿楽よ!寿楽っ!」 「な…」 「早く戻りなさいよバカキョン!みんな待ってるんだからね!」 …みんな? みんな…って、どういうことだ? 「早くっ!」 俺はハルヒに急かされるままに今来た道を戻って、バス通りにある寿楽へと向かった。 そして、店に着き暖簾をくぐると… …奥の座敷に見慣れた人陰が見える! 立ち尽くす俺を追い越して、ハルヒが先に座敷に向かう。 「みーんな!お待たせっ!」 「いえ…僕らも今来た所ですから…」 「うふふっ…鈴宮さん、お鼻が真っ赤ですよ?」 「………………。」 古泉!朝比奈さん!長門! ……おまえら…! 驚く俺に、古泉が語りかける。 「本当に僕らは『今』ここに来たばかりなんですよ。…でも、これで良いのかもしれません。ね?長門さん?」 「………私もこれで………………これがいい」 「……………キョン君……黙って消えてしまってごめんなさい……でも、ただいま!……です」 俺は何か言葉を返そうと必死で考える。 でも…無理だ… 涙が止まらない…… そんな俺を見て…ハルヒが不思議そうに首を傾げる。 「あれ?キョン、なに泣いてるの?」 「う…煩い…自転車をこいでる時に…目にゴミが入ったんだ…」 「ふーん、まあいいわっ!それより…みんな見て!」 ハルヒは何やらカバンを開けてガサガサとやると、中からノートくらいの大きさのパネルを取り出した。 「はーい注目!我がSOS団の新しい表札よっ!ちなみに…古いのは昼休みに外して捨てちゃったからね!」 あ、部室のドアのパネル… 「さてさて?みんな揃った所で…ちょっとアタシの話を聞いてくれる?」 全員の視線がハルヒに集まる。 そして、ハルヒが頬を赤くしながら喋り出した。 「みんな……あのね?いつもアタシに付き合ってくれて……ありがとう。 今年はもう少しで終っちゃうけど、来年も…これからもよろしくねっ!」 コーヒーふたつ・完