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02-748 :282:2011/01/12(水) 21 46 46 ID oaQddDSN その日は土曜で、授業は昼までだった。 ホームルームが終わり、帰り支度を始めた時のこと──。 ざわついていた教室が、突然静かになった。 異様な雰囲気に顔を上げると、開いた教室の扉から本条美沙希(ほんじょうみさき)が覗き込んでいる。 ウチのガッコの生徒会長だから知らない者などいない。 ただ、その独善的かつ独断的な言動もそれなりに知れ渡っているため、慕われているとは言い難い。 そんな女がわざわざ別のクラスにやってきて、殲滅すべき目標をサーチするような鋭い目であたりを見回しているんだから、放課後の教室が静まり返るのも無理はなかった。 俺の席は前から4つ目、窓側から2列目だ。 すぐに目が合った。 ──やう゛ぇ。 何がヤバいのかはよくわからないが、とにかくマズい。 そして、悪い予感ってヤツは大抵当たる。 彼女はクラスメイトたちを押しのけ、すぐに俺の席までやってきて言った。 「つきあってくれ」 「へ?」 慌ててあたりを見回す。 さすが生徒会長だけあって、……かどうかは知らないが、本条の声は張りがあって、大声でなくてもよく通る。 気がつくと、教室は分厚い氷の張った真冬の湖のように静まり返っていた。 遠くでちらちらとこちらを見ている女子の一群がいる。 あからさまに、好奇の視線だ。 だが、当の本条はそのことに全く気づいていない。真っすぐ俺の顔を見つめてくる。 セラミックみたいに滑らかな顔や大きくて澄んだ目は、確かに綺麗だ。 だが、何の表情も浮かんでいない。はっきりいって何を考えているのかわからない。 俺にわかっているのはただ、こいつに常識は通用しないということだけだった。 02-749 :282:2011/01/12(水) 21 47 37 ID oaQddDSN 正直なところ、俺=結城大地(ゆうきだいち)は、この女=本条美沙希とつきあっている。 ──いや、つきあっているなんて言ったら、コイツは間違いなく否定する。 本人に言わせると恋とか愛とかつきあうとかいうのがどうにも苦手らしい。 これは想像だが、自分が男女交際をしていると認めるのが嫌なだけなんじゃないかという気もする。 ただ、そんなわけで、事実としては完全につきあってる筈なんだが、二人の間ではそうじゃないことになっている。 ま、俺の方も相手の意思を尊重して、話を合わせている。それが無難な選択と言うものだし、そうしといた方が便利なこともあるし。 何より本条相手に反論しても、話が明後日の方に飛んでいき、そのまま行方不明になるのがオチだったり。 ――それが、突然の「つきあってくれ」だぁ? そんなこと言われても、何を今さらな話だったりするわけだが、……何でまた、他の生徒が大勢いるところで、ここまでおおっぴらに言わなきゃなんないんだ? もしかして、ようやく自分の気持ちに正直になり、本気でつきあう気になった、とか? いや、さすがにそれはない。……と思うが、断言はできない。 成績優秀・品行方正で教師の信頼も厚く、さらに生徒会長の役も積極的に果たし、おまけにとびきりの美少女。──それが本条美沙希だ。 もちろんそれだけなら典型的な生徒会長キャラってことで、もう少し人気があってもいい筈だが、そうは問屋が卸さない。 対等または目下の者には基本的に命令口調でつっけんどん。人使いは超荒いし、常に自分が正しいと思っているような強引・マイ・ウエイ。クールといえば聞こえはいいが、実際のところはただの無表情──。 他人の気持ちや事情には一切おかまいなしに、生徒会の仕事をバリバリこなす様子は、さしづめ感情のないマシンのよう。 ある時、俺の悪友が言った。──あの整った顔の皮膚一枚下には、超高性能の電子部品(デバイス)がぎっしり詰まっているんじゃないか、と。 つまるところ、人間そっくりのロボットそっくり。ってわけで、ついたあだ名がホンジョロイド。 ──まあこれは、俺と俺の友人がこっそりそう呼んでいるだけなんだが。 とにかく、彼女の演算システムは人知を超えた結論を導きだし、しかも当人はそれが妥当だと信じて疑わない。 おかげでこっちは七転八倒、今日もまた振り回されるハメになる……。 02-750 :282:2011/01/12(水) 21 48 34 ID oaQddDSN 相変わらず何の感情も感じられない低い声で、彼女が言った。 「今日これから予定あるのか?」 「え?」 「ちょっと、つきあって欲しいって言ってるんだけど」 「……あ、そっか」 ──それね。その『つきあう』ね。 どうやら俺は、動揺しているらしい。いきなり身体の両脇に、つーっと汗が流れ落ちるのがわかった。 教室の隅では、普段俺とはほとんど話さない女子の一群が、こちらを見ながらヒソヒソ話を続けている。 できることなら、『知っての通り、俺は生徒会の会計なんですぅ。生徒会長がやってきてつきあえとかいうのも、きっと仕事に決まってますぅ』と、力いっぱい説明したいところだ。……もちろんそれはそれで余りに不自然なわけだが。 別に二人の関係を隠したいってわけじゃない。数人だが、俺たちがつきあってることを知ってるヤツもいる。 ただ、コイツがわざわざ俺の教室までやってくるなんて想定外で、……それだけでなんか激しく疲れていた。 「何ぼっとしてるんだ? どうせヒマなんだろう?」 多分、彼女のバイオ・コンピューターは、断わられないという答を算出済みなんだろう。 非常にシャクだが、確かに俺は頼まれると断れない性格だ。 それにこのところ、生徒会の仕事で一緒にはいても、マラソン大会やら入学試験の準備の手伝いやら何やらで、二人きりの時間なんてなかった。 今日はようやく、久しぶりに何の予定もない土曜日で、元々こっちから誘おうと思っていたところだ。 「あ、ああ、いいよ……大丈夫だ」 だがやはり、またいつものように振り回されている気がする。 そう思いながら、のろのろと立ち上る。 記憶に間違いがなければ、確かコイツは俺のドレイだった筈なんだが……。 02-751 :282:2011/01/12(水) 21 49 13 ID oaQddDSN 出口に向かって廊下を歩く。 ホンジョロイドは学生鞄とは別に、肩から大きな布袋を下げていた。 それなりに重量があるらしく、歩くバランスが微妙に変だ。 ひと足ごとに、上半身が左右に振れる。 「重そうだな。……持とうか?」 「そうか、すまない。助かる」 渡された袋の中身は、ノートPCだった。 確かにそれはそうなんだが、……何だこれ? よくあるA4ノートタイプよりかなりデカい。このサイズだと多分17インチ、かなりビッグな部類だろう。 そのガタイのデカさに違わず、重さも相当なものだ。 いや、確かに最近はデカめのノートPCも増えている気がするが、新製品というわけではない。袋の口からちらっと覗き込んだだけだが、どう見てもかなり古そうだ。 本条の話によると、親戚のおじさんから貰ったお下がりらしい。 最先端のバイオ・メカニクスの結晶のような超高性能美少女ロボには、似合わないというか時代考証が間違っているというか、──とにかくチグハグな印象だった。 「ってか、何でこんなの持ってきてんの?」 「……実はこのコの調子が悪い」 ツッコミどころ満載なわけだが、気にしない気にしない。下手にツッコむと、余計に話がややこしくなるだけだし。 「どこがどう悪いんだ?」 さして機械に強いわけでもないんだが、話の流れでそう尋ねた。 だが、彼女の答を耳にした途端、俺は激しく後悔した。 「どうやらメタボリックシンドロームらしい」 「は、はあ?」 ……結局ややこしい話になっていた。 校舎を出て校門を抜け、商店街を歩きながら何度か質問を繰り返し、ようやく概要がつかめたのは、もう間も無く駅に着く頃だった。 どうやら起動やアプリの起ち上げに時間がかかるようになり、動作もかなり緩慢だということらしい。 それが何でメタボリック症候群や、寂しいとウサギは死んでしまうというのは本当か、なんて話になるんだ???? ぐったり疲れ果てた俺を尻目に、彼女はさらっと言い放つ。 「同じクラスのコに聞いたら、大事なファイルは別に移して、いらないものを消したりするといいらしい」 「……ああ、そうだな。ま、原因がメモリ不足なら増設した方がいいだろうし、最悪OSを再インストールすることになるかもしれないけどな」 「そう、なのか……? 外付けなんとかを買おうと思ったんだが、それじゃ駄目なのか?」 「いや、多分、それで大丈夫な筈だ」 「そうか。ギガバイトがどうしたとか、野菜みたいなのがどうしたとか言われたんだけど、実はよくわかっていない。……どうも機械は苦手だ」 ええええ? 機械が苦手? ――いつも普通にパソコン使ってただろ? っていうか、ロボのくせに機械が苦手って、……いいのかそれで? それに、これから行くのは八百屋じゃねーぞ? 02-752 :282:2011/01/12(水) 21 49 52 ID oaQddDSN 駅前のファーストフードで食事を済ませ、その後、電車で15分ほどの町にある大手量販店に外付HDを買いに行くことにした。 電車の中で並んで座り、バックアップや外部記憶メディアについて話した。……わかってもらえたかどうかは全く自信がない。 ホンジョロイドは普段、サクサクとPCを使っている。少なくともそう見える。 だが、どうやら機械の動作や構造にはまったく関心がないらしい。 話の途中で、さっき本条が言った『野菜みたいなの』というのが実はNASのことだったとわかったが、そこ説明し出すと気が遠くなりそうなのでヤメにした。 結局のところ、俺の話は彼女がさえぎる形で終わりになった。 「全部キミに任せる。普通に動くようにしてくれればそれでいいから」 いつの間にか、作業も俺がするという話になっている。 ──ま、それはかまわないけどさ。 会話が途切れた。 電車に揺られながら、静かな時間が流れる。 ぼそっと彼女がつぶやいた。 「何か話せ」 「何か、っていわれてもなあ……」 「黙ってると気詰まりだ。こうして二人でいると、まるでデートみたいだし」 「ふふ、そうか」 「嬉しそうな顔をするな。私は全然嬉しくない」 「だけど、お前がつきあえって言ったんだぞ?」 「それはそうだけど、別にデートではない、ただの買い物だ」 本条は相変わらず頑なに恋人になることを拒否している。 普段のホンジョロイドは以前と変わらぬ硬質なマシンだ。 「っていうか、教室にいきなり入ってきて『つきあえ』だなんて、さすがに驚いたけどな。まあ、俺は恋人同士ってことでも全然いいし、クラスの連中にバレたって構わないっちゃあ構わないんだけどさ」 「だから、そういう意味じゃない。ただ買い物につきあって欲しかっただけだ」 「だったらメールくれればよかったのに」 「何言ってる……。休み時間の使用は暗黙の了解になっているとは言え、携帯の使用は校則違反だぞ」 「まさかお前、携帯持ってきてないのか?」 「持ってはいる。だが、飽くまで緊急用だ。余程のことがない限り、校内では使わない。たとえ悪法であっても、法は法だ。それが問題だというなら規則を変えるのが筋だ」 もちろん俺に、何か意見があるわけじゃなかった。あったとしても、コイツと議論する気はない。 だが、彼女は一人で話を続ける。 いつの間にか『民主主義とは何か』にまで発展した熱弁を、なんとか片手を上げて制した。 「っていうか、俺たちがつきあってるの、間違いなくバレたと思うぞ?」 「まさか。……というより、その『つきあってる』っていうのはやめろ。あの程度で回りが勘違いするとも思えないけど、もしそうなら後でちゃんと訂正しておくよーに」 「どう訂正するんだよ? 『本条は俺の恋人とかそういうんじゃない。実はドレイなんだ』とか言えばいいのか?」 にやっと笑って、俺はそう言ってやった。 だが彼女は、顔色ひとつ変えない。 「そんな非常識なこと、キミが言う筈ない」 「言ったらどうする?」 「殺す」 「そうか。俺はまだ死にたくないな。困ったな……」 俺はふざけてそう返したのだが、こちらの顔を覗き込むホンジョロイドの目はぜんぜん笑っていない。 「私もキミには長生きして欲しい。だから余計なこと口走ったりしないように」 俺の目を見つめそう告げる彼女の顔は、やはりいつもの無表情だった。 02-753 :282:2011/01/12(水) 21 50 53 ID oaQddDSN 予算にあわせて500GBのポータブルの外付けを買った。 彼女の大きな布袋にはまだ余裕があり、買った外付HDも箱ごとその中に詰め込んだ。 かさばるが、どちらにしたって運ぶのは俺だ。 できるだけさりげなくきいた。 「どうする? ウチ来るか?」 「ああ、キミさえよければ。……修理の道具とかも揃っているだろうし」 何も気にしていないように本条はそう言った。 パソコンの修理に、何か工具が必要だと思っているみたいだった。最悪、必要になるケースもあるかもしれないが、ノーパソを開いてハード的な問題を解決するスキルは俺にはない。……とはいえ、今はそんなことどうでもいい。 内心の期待と興奮を押し殺し、俺は黙々と荷物を運ぶ。 って、まがりなりにも俺がご主人様で、本条の方がドレイなのだが、それはまあ目を瞑ってやる。 ホンジョロイドは作業用のロボではないし。 ──って、そもそもそういう話でもないわけだが。 ここ最近、エッチしていない。……って、そうそう、そういう話だ。 行事やら試験やら生徒会の仕事やらでなんだかんだで忙しかったし、とにかくそういう雰囲気になる時間がなかった。 何度か生徒会室で二人きりになることはあったんだが、俺がテを出そうとする度に、上手くかわされたり、無理やり押しのけられたりしている。 正直、かなり悶々としていたところだ。っていうか、間違いなく俺は、欲求不満だ。 そんなところへ昨夜、長電話を終えた母親が言ってきた。 『今の電話、学生時代の友だちからなんだけど、温泉行かないかって。無料宿泊券が余っているんだって。……でも、いくらなんでもいきなり明日だしねえ。困っちゃうわよねえ』 そう言えば、父親も来週半ばまで出張中で今はいない。 そのことに思い至った瞬間、すぐさま俺は『親思いの息子』に変身した。 『オヤジもいないんだし、たまにはゆっくりしてくるのもいいんじゃね? 滅多にないことだしさ。俺は別に一人でも全然平気だし』 俺がそう答えた途端、それまであまり乗り気じゃないようなことを言っていた母は、いそいそと参加を伝える電話をかけていた。 午後には友人と駅で待ち合わせと言っていたから、今頃は列車に揺られている筈だ。 ──というわけで、実は最初から誰もいない家に本条を誘う気マンマンだったのだ。 それが向こうから飛び込んできた。 しかも、彼女が『そのつもりだ』と答えたってことは、つまり『そのつもり』だということだろう。 ──とはいえ、やはりきちんと伝えておかないとな。 俺はできるだけさりげなく本条に告げた。 「母は温泉に行ってていない。……あと、父親も出張中」 「そうか。……でも、あんまり遅くならないうちに帰るよ」 やはり何でもないことのように、彼女はそう答えた。 02-754 :282:2011/01/12(水) 21 51 45 ID oaQddDSN 家に着き、本条のコートをハンガーにかけて、俺の上着と並べて吊るした。 コーヒーを淹れて部屋に戻ってくると、彼女は何もせずにちょこんとベッドに腰を下ろして待っていた。 ──可愛いじゃん。 行け! そのまま押し倒せ! 脳内でそのような命令が下った気がしたが、俺は無難を愛する男だ。ガッツキすぎなのはみっともないと思い直し、椅子に座った。 時間はまだたっぷりある。 コーヒーを一口飲んで、まずはノーパソのメンテを済ますことにした。 ほとんど無意味な常駐アプリがあったので、それを外す。さらにフリーソフトを使って、間違いなく使ってないと思われるアプリを削除すると、それだけで動作が改善した。 俺のパソコンでググったところ、7年前の機種であることが判明した。ただメモリはめいっぱい積んであったし、どうやらHDDも換装しているらしい。何よりハードの故障では無さそうで、一安心だった。 ただ、買ってきた外付HDを繋いでパーティションを切り、ファイルを移動する段になって、急に作業効率が落ちた。 そもそも、他人のパソコンというだけで随分と勝手が違う。何が入っているか、どういう風にファイルを整理しているかも、人それぞれだ。 しかもこれはホンジョロイドのPCだ。 あるべき筈の場所にあるべきものがなかったり、同じ書類がいくつも別のフォルダに保管されていたり、意味が不明だ。 どこに何があるのか尋ねても、当人もよくわかっていない。 本当なら丸ごとバックアップとってOSを再インストールすべきなのかもしれない。だが、前と同じように使えるようにすることまで考えると、俺のスキルではいくら時間があっても足らなくなりそうだった。 しばらく悩みながらいじっているうちに、非圧縮フォーマットのまま入れてある音楽のデータがかなりの量を占めていることがわかった。それを外付に移動させただけで、内蔵HDの使用量が3分の1以下になり、動作も見違えるほど軽くなる。 彼女を椅子に座らせ、今後その類いのファイルは外付に溜め込むよう手順を教え、ついでにバックアップソフトの使い方も説明した。 さすがに高性能美少女ロボだけあって飲み込みは速い。 動作が快適になったのが嬉しいらしく、ふんふん鼻歌を歌いながら操作を試す様子は、機械が苦手には到底見えない。 ──って、ホンジョロイドが鼻歌???? それくらい上機嫌ってことか、リラックスしているのか、……とにかく俺にとって悪いことじゃない筈だ。 正直いって俺は待つのに飽きていたし、これ以上我慢するつもりもなかった。 そろそろエローなモードを発動させる頃合いだった。 02-755 :282:2011/01/12(水) 21 52 26 ID oaQddDSN 背中から抱きしめようと立ち上がりかけたその時、くるっと椅子を回して彼女がこちらを向いた。 「快適だ。キミはパソコンの達人だな」 「……別に達人ではないけど、そ、そうか、よかった」 幸い、ぎりぎりのところで、まだ何の行動も起こしていない。 ──いや、そうじゃなくて、こっちはご主人様でこいつはドレイなんだぞ? 本当ならいつだって好きな時に抱いていい筈なんだが。 俺の葛藤と困惑をよそに、ホンジョロイドは何の感情も浮かべずに言った。 「何かお礼をしないとな」 「何?」 「パソコンを動くようにしてくれたお礼。買い物にも付き合わせたし……」 正直今の俺の頭の中は、エロいことでいっぱいなんだが。 目の前にいる本条の制服の胸の膨らみや、椅子に腰掛けたスカートの裾から顔を出した膝や、揃えられた足が時折僅かに開いてできる影の領域とか、白く滑らかな首筋とか、その無防備な仕草とか、……お礼ならぜひその身体で! しかし、残念ながら俺は、無難を愛する男だ。 己の淫らな欲望をストレートに相手に伝えるのは、さすがに時と場合を選ぶ。──たとえそれが自分のドレイ相手であったとしても。 「気にするな。大したことじゃない」 そう答えた俺の声は、妙にかすれていた。 慌てて冷めたコーヒーを飲む。 ホンジョロイドは無表情なまま、じっとこっちを見ていた。 だがすぐに、「そうか」と答えて後ろを向くと、再びパソコンの操作に戻る。 背中を向けたまま静かに彼女が言った。 「そう言えば、キミは今でも私のことを本条と名字で呼ぶけど、それはそれでいいのか?」 「どういうことだ? お前だって俺のこと、結城って呼んでるじゃないか」 「ご主人様とでも呼んだ方がいいか?」 俺は一瞬、口に含んだコーヒーを吹き出しそうになった。多分同時に鼻の下も伸びていたに違いない。 だが、実際に本条が俺をそう呼ぶところを想像して、すぐに気持ちが萎えた。 [想像1]『ご主人様、さっさと仕事を片づけろ』 [想像2]『私は忙しい、ご主人様ひとりで何とかするよーに』 [想像3]『これは決定だ。ご主人様の意見など聞いてない』 ──こ、こんなご主人様は嫌だ。 「い、いや、今のままでいい……」 「そうか、よかった。もしそんなことを望まれていたらどうしようかと、少し心配してたところだ。……ただ、ドレイを苗字で呼ぶのは、やっぱりちょっとおかしい気がする」 それを言ったら、高校生の分際でご主人様だったりドレイだったりする事自体、完全にイカレてる。……成人してればいいのかという話はともかく。 それに、俺たちが本当にご主人様とドレイなのかと言えば、かなり相当微妙に違う気がするし、……っていうか、この会話自体、何もかもが果てしなくイカれてる。 とはいえ、ホンジョロイドに常識は通用しない。そしてその非常識ぶりを、俺は実のところかなり気に入っていた。 02-756 :282:2011/01/12(水) 21 53 02 ID oaQddDSN 「……ドレイをどう呼ぶのが正しいのか、俺にはわからんが」 「私だってわからないけど。ただ、今イチ私にはドレイとしての自覚がないみたいだ。普段はすっかり忘れてるし。それってもしかすると、名字で呼ばれてることにも原因があるんじゃないかと思って」 ど、どうしたんだ、ホンジョロイド……。 さすが高性能キテレツロボットだけあって、その着眼点は無駄に鋭い。しかも間違った方向に。 ──いや、この間違いは問題ない、っていうかもっとやれ! 本当はドレイの自覚とか言うこと自体どうかしているが、そんなことはどうでもいい。実にこれは、追究するに値する問題じゃないか。 「そう言われてみれば確かに大問題だ。俺も時々、お前がドレイであることを忘れてるしな」 「まあ、元々普通に友だちだったんだから当然といえば当然か。その上キミが平凡な呼び方で接してくるんだから、ドレイとしての自覚がなくてもアタリマエ、……私のせいではないな、うん」 「お前は愛だの恋だのが嫌いだから、平凡な呼び方の方がいいんだとばかり思ってた」 「私は平凡な、どこにでもいるごくごく普通のニンゲンだからね。ただ、その、なんだ……、キミが時々私のことを『お前』と呼ぶのは、ちょっとそれっぽい、かも」 「そうか?」 「……うん。まあ、少しだけ」 「じゃあ、もっとそれらしい呼び方すれば、お前はドレイの自覚を持つのか? だったら……、えっと、何だろ? ――『このメスブタが』とか?」 冗談めかしてそう言った。 本条はどこか嬉しそうに身体を弾ませ、高い声で反応する。 「あ、それ、聞いたことある。……だけど、却下。確かに私はメスだけど、ブタじゃないし。 知ってるか? ブタって凄く可愛い動物なんだぞ? それを人は計画的に繁殖させ殺して肉を食べる。大量殺戮しておいて、しかも蔑みの言葉に使うとは、あのコたちに対して失礼だ。 百歩譲って食べるのは仕方ないとしても、その食べる相手を馬鹿にするなんて、食べ物を粗末に扱っているようなもんだ。 このメスサンマが、とか、メス納豆が、なんて絶対に言わないだろう?」 頭が痛くなるような論理展開だが、ホンジョロイドにおいてはこれこそが平常運転だ。 ──っていうか、一体何の話をしてるんだ? 「いや、まあ、えっと、その、何だ……。本条がエコに関心あるのは知ってたけどさ。まさかお前、肉は食わないとか? もしかして、ベジタリアンだったりするのか?」 「豚以外は食べるよ? 魚も好きでよく食べる、全然可愛くないし。 仔牛は可愛いからあまり食べないようにしているけど、でかい牛や鶏は大して可愛くない上に妙に美味しいしね。 ――だけど、ブタは本当に可愛いぞ? 私のことをブタと呼んでも、それは可愛いといってるようなもんだ。罵倒にならない上に、全然的確じゃない。 ちなみに、ブタって本当は凄く清潔好きな動物なの知ってるか? あと、中国のメイシャントンっていう種類のブタは西遊記の猪八戒のモデルとも言われててるんだが……」 「わ、わかった、もういい、ブタが可愛いのはよくわかった」 豚の魅力についての力説を遮られ、ホンジョロイドは僅かに憮然とした表情になったが、そのまま黙り込み小さく溜め息をつく。 それからコーヒーをずずずっと啜り、ちらちらとこっちを見てくる。 「あの……」 「そういえば……」 ほぼ同時に、彼女は立ち上って何か言いかけ、俺の方はコーヒーカップを回収しようと手を伸ばしていた。 その後、先に口を開いたのは本条の方だ。 「何だ?」 「いや、コーヒーのお替わり淹れてこようと思って。もう無いだろ?」 「そうか、……でも」 「作業も終わったし、一息入れよう?」 「……ああ、うん、わかった」 小さく頷いて、彼女はまた椅子に座り直す。 俺は一階に降りて新しいコーヒーを淹れ、部屋に戻った。 その間に、彼女はパソコンと外付HDを袋の中にしまっていた。 「ほれ、コーヒー。砂糖なし、ミルク多め」 「ありがと」 彼女は両手でマグカップを受け取り、そっと口をつける。 ずずっと音をたてて少し飲むと、静かに言った。 「いや、ホントにパソコン助かった。コーヒーも美味しかったし。……とはいえ今日はこき使いすぎたみたいだな。これ飲み終わったら帰るから」 え? 帰る?? えええええーーーーっ! どうして? 何故だ? 何故なんだ? いくら何でも、そりゃないだろ。 『そのつもり』じゃなかったのかよ!? 02-757 :282:2011/01/12(水) 21 53 36 ID oaQddDSN 穏やかな午後の陽射しが、無表情な彼女の美貌を照らしていた。 時計の針は3時を回ったところだ。 久しぶりの二人きりでデートっぽく買い物して、彼女も何だか妙に機嫌がよくて、……何も問題ない筈だった。 いや、俺だってそりゃエロい期待は常にありつつも、チンプンカンプンな会話だって楽しくなかったわけじゃない。 逆に楽しかったからこそ、突然の帰宅宣言に不意を突かれた。 元々、コイツの考えることはわからない。だが、少なくとも俺の部屋までついて来て、ついさっきまで楽しく会話してて、なのにそのまま帰るって……? ――意味不明。 その後、突然沈黙が増えた事だけは確かだ。 気がつくと、ホンジョロイドはコーヒーを飲み終わっていた。 彼女は小さく「ごちそうさま」と言って立ち上がり、上着を身につけコートを羽織った。 学生鞄を手に取り、重い布袋を肩から下げる。 俺は無言で、その布袋を彼女の肩から外そうと手を伸ばす。 「送ってくれなくても大丈夫。さすがに道も覚えたし、ちゃんと一人で帰れる」 「荷物かさばるし、重いだろ」 そう答える俺の声は、自分でも不機嫌そうに聞こえた。 どうやら俺は、本気でがっかりしていたし、怒ってもいるみたいだった。 「……じゃあ、途中まで頼む」 そういって彼女は布袋を俺に手渡す。 すぐに後ろを向き、部屋のドアを開けて、出て行こうとする。 何か考えがあったわけじゃない。 そうしようと思ってしたわけではなかった。 とっさに俺は荷物を床に置き、彼女の肩を掴んでいた。 まるでダンスみたいに、本条の身体がくるっと半回転した。 次の瞬間、俺の腕が、その細くて柔らかな身体を抱きしめていた。 何の感情も感じられない声で、ホンジョロイドがつぶやく。 「……どうした?」 何と答えたらいいのかわからない。 俺はただ黙って、彼女を抱く腕に力を入れた。 くっと、小さく彼女の喉が鳴る。 彼女の頬が、俺の顎に重なった。 顔を動かし、耳元に唇を寄せて言った。 「もう少し、いたっていいだろ」 「……腕を離せ」 「いや、離さない」 びくっと小さく彼女の肩が震えた。 それから抑揚のない声で、小さく言った。 「何故だ? 何故こんなことをする……」 「ん?」 「……キミは一体、何を考えてるんだ?」 間違っても、今この場で、コイツにそんなこと言われるとは思わなかった。 何考えてるかわからないのは、100%お前の方だーっ! 02-758 :282:2011/01/12(水) 21 54 47 ID oaQddDSN ──今、何を考えてるかって? 自慢じゃないけど、俺はかなり相当エロいことが好きだ。今だって、頭の中はエロい期待ではちきれそうだ。 だけど同時に、これまた自慢じゃないが無難を愛するごくごく普通の男だったりする。……いや、普通ってところにあまり自信はないが。 とにかく、エロい雰囲気になってない本条に対して、露骨な言葉を使うのはちょっとマズい気がした。 俺はもう一度、自分が何を考えているのかじっくり考えてから答えた。 「お前とエッチなことしたいと考えてる」 「えっ?」 えええええーっ? っつか、『えっ?』じゃないっつーの! 今本条は『えっ』て言ったけど、それって驚きの『えっ』だよな? だけど、俺が考えてたことって……、 「そんなに驚くようなことか?」 「……変な嘘つかなくていい」 「嘘じゃないって。……急に帰るなんて言いだして、そっちの方がよっぽど意味不明だ」 「パソコンの作業も終わったし、後は帰るしかないだろう……」 「お前の方こそ何考えてるんだよ。ちょっと前まで楽しく過ごしてたのに」 「そうか、よかったじゃないか。ホントにキミは、パソコンと相性がいいんだな」 「はあ? ……ちげーよ。それって、お前が俺に頼んだことだろ?」 「それはそうだけど……。もちろん直してくれて感謝してる。でも、これ以上、無理して私の相手をしなくてもいいから」 「エッチなことしたいって言ってんだろ。お前の方こそ何考えてんだよ」 「それって多分、女性を傷つけないための嘘ってヤツだろう。でも、したくもないのにされるのは、こっちだって迷惑なだけだ」 「お前さあ、……何で、俺がしたくないなんて決めつけてんだよ?」 「キミは大抵の場合、二人きりになるとすぐにちょっかい出してくる。でも、今日はそうじゃない。そういう気分じゃないからに決まっている」 「それをいつも撥ね付けるのはお前だろ。先週だって、ブチ切れられたぞ?」 そうだった。 確かに先週、生徒会室で本条にちょっかい出して、凄い勢いで突き飛ばされたんだった。 「当たり前だ。突然あんなことされたら、誰だって驚く」 「……服の上からちょっと胸触っただけだろ?」 言ってから、俺は自分の発言を猛烈に後悔した。ほとんど開き直った痴漢の言い訳みたいじゃないか。っていうか、いかにもセクハラ男が言いそうなセリフだ。 「昼休みだったんだぞ。鍵もかけてなかったし、そもそも鍵かけるのも不自然だし、いつ誰が入ってきても不思議じゃない状況で、あんなことするのが悪い」 「だからそれは、……すまなかった」 「誰か来たら、私だけじゃなくキミだって困った筈だ」 「……でも、突き飛ばさなくたっていいだろ?」 「ああでもしなけりゃ、キミは私をおかしくする気だった」 「そこまでするわけないだろ?」 「いや、しそうだった。……本気で慌てたんだからな。まさかこんな時に、って思った」 「それなら、口でやめろって言えばそれで済む」 「口で言っても、キミはやめない」 「うーん、そうか? やめたと思うぞ。……ああ、でも、もし本条が『あんっ』とか声出したら、もう少しいろんなことしてたかも」 「私は『あんっ』なんて言わない。けど、だったらやっぱり、他に方法がなかったってことだ。……あの日のことを気にしてキミが私を遠ざけているのだとしたら、仕方ない」 「……遠ざけてる?」 「お礼をしたいといっても断るし、ドレイの話をしても話を逸らすし、いつまでたっても何もしてこないし、……キミに避けられていることくらい私にだってわかる」 話を逸らしたのは本条の方だ、と思ったが、指摘するのはやめにした。 それより、その可愛らしい耳にキスする方が何倍も素敵なことに思われたからだ。 チュっと音をたてて、唇で吸った。 ひく、っと、小さく彼女の身体が揺れた。 本条の耳は、熱を持って赤くなっていた。 そして突然、このズレまくりで意味不明の会話が、実はそれほど悪い展開ではないように思えた。 02-759 :282:2011/01/12(水) 21 55 55 ID oaQddDSN 片手を彼女の腰にまわし、反対の手は彼女の頭を後ろから包み込むようにした。 耳たぶから頬にかけて、唇を滑らせた。 やがて、彼女の薄い唇の端に届いた。 その場所をついばむように数回音を立てて吸った。 顔を離すと、本条はむずがるような声で言った。 「ほ、ホントはしたくないくせに、無理するな」 「……ずっとしたかった」 「嘘だ。だったら何で、今まで何もしなかった?」 「そうか、……ごめん」 どうやら俺たちは二人とも、相手の出方をうかがっていたようだった。 ぼそっと、ぎりぎり聞き取れるくらいの小さな声で、本条がつぶやく。 「……私に興味なくなったんだろう?」 「まさか、そんなことあるわけないだろ。興味のない相手の買い物につきあったり、パソコンのメンテ手伝ったりしないよ」 「どうかな。キミは元々親切だし。それに男というヤツは、一人の女にはすぐに飽きるらしい。私が異性として興味を持たれ続けるのはかなり難しそうだ」 そう答える本条は、どこかふてくされた表情だ。 僅かに身体を反らして、彼女の顔を覗き込む。 瞬きを繰り返す目が、すっと逸らされた。 もう一度、キスをした。 今度はすぐには離さない。 何度か唇をなぞった舌を、ゆっくりと差し入れる。 最初は無反応だった本条の身体が、突然びくっと震えた。 その途端、彼女が舌を合わせてきた。 くふっと、鼻から息が漏れる。 ほのかに、甘い体臭が漂う。 長い間、舌を絡め、互いに吸いあった。 唇を離した時には、彼女の息は荒く変わり、顔はますます赤味を帯びていた。 そして突然、本条の身体が俺の腕をすり抜け、崩れ落ちるようにベッドに腰を下ろしていた。 すぐに逃げるようにベッドに上がり、そのままぺたんと座り込む。彼女は微かに困ったような表情を浮かべ、こちらを見上げた。 何度も瞬きを繰り返す目が、しっとりと濡れている。 それからこちらに背中を向け、ゆっくりとコートを脱ぎだした。 俺はそんな本条の後ろ姿をしばらくぼうっと見ていたが、彼女がコートを脱ぎ終わるのと同時に立ち上がり、ハンガーを手にして戻った。 「ほれ、コート」 「あ、ああ、ありがと」 背中を向けたまま、本条がコートを手渡す。 俺はそれをハンガーに通し、部屋の入口にあるフックにかけ、エアコンの温度を上げる。 ベッドの上の本条はすでに制服の上着とセーターを脱いでいて、丁寧にたたんで椅子の上に載せている。 ブラウスの下から、白く丸い肩が現れた。 思わず抱きしめて唇を押し付けたい欲求に駆られたが、それより自分も服を脱ぐのが先だ。 パンツ一枚残して裸になり、先に潜り込んだ本条を追って、ベッドに入る。 布団の中には、ホンジョロイドの甘い匂いが広がり、俺を誘っていた。 男を、……いや、俺を夢中にさせる匂いだ。 横から抱きつき、彼女の顔を覗き込むと、むずがるように本条は顔を背ける。 「……久しぶりだな」 「こんな時に、普通の会話なんて、……しなくていい」 本条は真剣な表情でそう答える。 だが、じっとこちらを見つめるその目は、どこか照れた笑みを隠しているようにも見えた。 「悪かった。久しぶりのせいか、俺の方もうまく言いだせなくて、タイミングも合わなくて、ドギマギしてた。お前に帰るって言われた時はマジでガックリきた」 「……だったら、さっさと好きにすればよかったのに」 「そうかもしれない。だけど、俺は別に、本条を無理やり好き勝手したいわけじゃないから」 「そんなこと私に言われても困る……」 「それに、お前だって好きなようにすればよかっただろ?」 「そんなの、どうすればいいかわからない」 「お前に抱きつかれたら、俺いつだってすぐにその気になるって。わかってるだろ?」 「……そんなこと、できるわけない」 そう言って彼女はぷいっと顔を逸らす。 耳たぶが前よりも赤くなっている。 どうやらホンジョロイドは、すでに変形が終わっているらしい。 ──Mモード発動! チェンジ、ミサロイド! 俺は心の中で、そう叫んでいた。
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■ 7.アオは【真夏の夜の夢】を見るか? 目の前にはおにいちゃんとシタラさんが見えた。 シタラさんはじっと私を見ている。 当然、私のことはモニタ画面としか見えていないのだろうけど、涙を流してじっと見ている。 少し引いてみてみると、みんなが見えた。 『よかった』 そうつぶやくと、それはみんなを祝福するようにリンクの柔らかな光となって降り注いだ。 今朝に階段から落ちてしまってから、気分が悪かった。 でも、今日は告白するのに絶好の日なのだ。 意地でも学校に行くしかなかった。 学校についてから、少し気分はよくなった。 無事に授業をこなしつつも、私は同じ教室にいるタカナシくんを見ていた。 私が渡した手紙をちゃんと読んでくれただろうか。 今日の放課後に体育館の裏に来てくれるだろうか。 なによりも私の気持ちに応えてくれるだろうか。 心配の種は尽きることなく、私を不安がらせた。 だけど、運命の放課後は中々来ることはなく、私は不安から生まれる不安に踊らされていた。 やっと4時限目の英語の時間になった。 目の前には英語の教科書が開かれている。 当然英語のノートもセットで開かれているわけだけど、そこに書かれているのはタカナシくんの似顔絵と私の自画像だった。 「SVOの例文を作ってもらおうか」 英語の先生が文法を説明している。 「じゃあ、オオイズミ」 オオイズミと言えば、このクラスには私しかいない。 「は、はい!」 慌てて立ち上がると私の椅子は後ろにひっくり返ってしまった。 みんなが大笑いするなか、ゆっくりと椅子を戻す。 「気をつけろよ。SVOの例文を言え」 SVOと言えば、すぐに思いつくのは『I love you.』とか、『I want you.』とか、『I need you.』とか。 ダメだ。恥ずかしくていえない。 他の例文を考えなきゃ。 ……思いつかない。 「I love you.です」 言ってしまった。 チラッとタカナシくんをみると、こっちを見ている。 図らずとも言いたい人の前で言いたいことを言ってしまった。 「よろしい。今のはいい例文だな」 先生の言葉も耳に良く入らないまま、私は教科書に顔をうずめた。 「ちょっと、アオバ!」 私は廊下でぼおっとモップを持って突っ立っていた。 友達が声を掛けてくれてから少ししてそれを認識する。 「なに?」 実に間の抜けた返事。 「なにじゃないよ。どうしたの?」 友達も私の様子が変なことに気が付いているみたいだ。 自分でも分かっているのだけど、どことなくさっきの『I love you.』の余韻が残っているのか、私は何かを考えられなくなってきていた。 「大丈夫だよ」 なんとかそれだけを返す。 「ならいいけど、具合悪かったら帰りなよ」 私は小さく頷くとモップを動かし始めた。 しっかりしなきゃ。 今日は大事な日なんだから。 私は今週の占いのことを思い出していた。 ★今週のメッセージ ┗告白には絶好調の日。 場所は体育館裏が良さそうだよ。 告白しようと意思を固めてから1ヶ月目の朝に出た最高の占い結果。 私は今まで何を迷っていたのかわからないぐらいに今日に告白するぞと意気込んでいる。 やっとのことで廊下のモップ掛けを終えると私は時計を見た。 『17 30』 約束は『18 00』だ。 あと30分で私の運命が決まる。 掃除の片付けが終わると私は体育館の裏に急いだ。 しかし、走ろうと思っても思うように手足が動かない。 「うわ」 私はバランスを崩し、右手を廊下の壁につく。 何とか転ぶことを免れた。 壁についた手に違和感を感じる。 なんとなく壁に触っている気がしないのだ。 しかし、強く押し付けると壁のざらざらした感触が戻る。 勘違いだったのかと思い、私は廊下を歩き始める。 「もういるかな?」 一人でつぶやきながら歩く私は、まわりから見たら少し怖いかもしれない。 体育館の裏が見えるところまで来たが、タカナシくんはまだいないようだった。 「よかった……」 そう思いながら私は体育館の裏に置かれたベンチに座る。 ちょっとしか走っていないのに疲れているのか、立っていることが少しつらかった。 学校が高い丘の上にあるため体育館の裏からはあまり広くはない町が見下ろせる。 青い空が広がり、灰色の地面と対照的で綺麗だった。 私はアオバという名前を貰ったけど、空色の青ではなく、大地に根ざす緑の意味。 自由に空を飛びたかったけど、じっくりと大地に根を張り少しずつ空に近づいていくしかない。 ポケットから鏡を取り出すと、そんなに美人でもない顔を見ながら、乱れた髪型を直す。 鏡の中の私は異様に白く、髪型を直したところで告白の結果が変わるほど変化はない。 「はぁ……」 こんなことなら、もっと美人になるように化粧を教わっておけばよかった。 私の持っている鏡にため息がかかる。 鏡をポケットにしまうと私はゆっくりと立ち上がった。 まだ少しフラフラするが、私の横を気持ちのいい風が抜けていく。 少し暗くなってきた町には街灯が灯り始め、ところどころに光の点が見え始める。 それは道路に沿って光っているので、何かの模様を描くように見える。 見ていると目がチカチカしてきた。 そう言えば、すでに18 00を回った頃だろうか。 それにしては、外がやけに明るく見えた。 ずっと見ていると、時間が経つにつれて暗くなるどころか、町全体が明るくなっていく。 「なんでだろう?」 私は呟いてベンチに座ろうと振り返る。 急に白い光が私の目の奥に入ってきた。 違う。 目の奥から光が出てきたような感じだった。 私は真っ白になってしまった視界に呆然と立ち尽くす。 何が起きているのか理解ができなかった。 「とにかくベンチに戻らなきゃ」 そう思い出し、前にあるはずのベンチに歩く。 しかし、私の足は前に進むことはなかった。 そのまま転んでしまい、私は地面に横たわる形になった。 どうなるんだろう、私。 連絡を受けたオレ、オオイズミ トウサイは病院に急いだ。 病院に着き、予め聞いていた病室に行くと、そこにはアオバが横たわっていた。 先についていた両親が横で泣いている。 医師と看護士も俯いている。 「死んだって……嘘だろ」 朝はあんなに元気だったはずだ。 どうして死ぬのか理解できなかった。 誰も否定をしなかったので、オレはアオバに近寄る。 「アオバ」 呼びかけても全然動かなかった。 だが、見た目には寝ているようにしか見えない。 表情は穏やかで死んでいるようには見えなかった。 横まで来るとアオバの様子に違和感が感じられた。 本当に1ミリも動かないアオバは人形のように見えた。 「トウサイ……アオバは階段から落ちたのが原因で死んだそうだ。硬膜外血種というらしい」 父さんが説明する。 硬膜外血種というと脳内出血が原因で起こる病気だろうか。 今思えば階段から落ちた後のアオバの様子がおかしかった。 だが、今となっては誰もアオバを助けることもできないし、時間を戻すこともできない。 どうしようもないことなのだ。 アオバの側から離れると、オレはトイレに向かった。 そこで声を押し殺して泣いた。 アオバの通夜はその日の夜に行われ、葬式は次の日に行われることになった。 通夜から葬式にかけてアオバの友達がたくさん訪れた。 オレと違いアオバは交友関係が広く、みんなに好かれていたようだ。 訪れた友人のほぼ全員が泣いていた。 「お悔やみ申し上げます」 口々にそう言ってアオバの眠る場所に行く。 オレは無表情で出迎えていた。 葬式が終わると、アオバは小さな壺に収まってしまった。 両親より先にお墓に収まってしまったアオバ。 今になってアオバがこの世からいなくなったことを分かることができた。 アオバはもう戻ってこない。 アオバが階段から落ちてきたときに言ってしまった言葉が思い出される。 『ドジだな』 そんな簡単なことじゃなかったんだ。 ICT社会になって、オレはパソコンから流れてくる情報だけで世の中のすべてを知ったような気になっていた。 だが、現実にはアオバのおかしな様子に気が付いていてもアオバを助けることもできない。 オレは無知だ。 力もない。 今まで築いてきた自分の価値観がなくなって、どこまでも落ちていくような気がした。 しばらくは何も手に付かなかった。 製作途中だったゲームも放り出し、オレは学校と家の往復を繰り返していた。 布団にもぐればアオバのことが思い起こされる。 どんな思いで体育館の裏に行ったのだろうか。 体育館の裏で何が起きたのか。 死にたくなかっただろうに。 オレは起き上がった。 そして、着替え始める。 時計はすでに「1 23」を指していた。 着替え終わったオレは両親を起こさないように玄関に移動し、家から出る。 学校に向かって歩き始める。 学校までは約8分。 途中はすべて登り坂になっていた。 体育館の裏にはアオバが死んで以来、一度も足を踏み入れていなかった。 そこに行ったら、すべてが本当に終わってしまうような気がしていたのだ。 行かなければアオバがまだ生き返る可能性がある……そう漠然と思っていた。 何の根拠もなく、オレの勝手な理屈に過ぎない。 だが、それに頼るほかなかった。 もういいだろう。 オレはアオバの死を受け入れる決心をしたのだ。 自然と涙が溢れてくる。 アオバの死を受け入れざるオレは自分が悔しくて泣いた。 私、アオバは結局のところ死んだのか、生きているのか、わからなかった。 ずっと眠っていたら私の意識は『アオ』の中に入っていたようだ。 今はシタラさんの病気を治す方法を説明している。 シタラさんの病気は治療を続けてから3ヵ月後に急速に回復していった。 病気の進行は収まり、退化してしまった運動機能もリハビリで回復している。 「本当にありがとう」 シタラさんは毎日のように私のいるサーバールームに訪れる。 そして、一言だけ私に感謝の気持ちを伝えてくる。 毎日の日課というわけではなく、いつも気持ちが込められた最高の感謝の言葉だった。 お兄ちゃんがシタラさんを好きなのも頷ける。 「あれ? いたんだ」 タカナシくんがシタラさんに声をかける。 「うん。アオにお礼を言いに来たの」 タカナシくんは頷くとシタラさんの横に来てマイクに向かった。 「俺もお礼を言うよ。ありがとう」 大好きなタカナシくんのお礼にすごく照れた。 『どういたしまして』 だけど、アオはあまり抑揚のない声でひねりのない返事をする。 私の気持ちは二人には伝わらない。 ちょっともどかしかった。 アオはお兄ちゃんが新しいプログラムを入れて、『検索エンジン』というのもやっている。 Googleにも勝てるって豪語していたのは、このサービスが成功するっていう自信があったからに違いない。 新しく始めた検索エンジンは、『次世代型』と呼ばれているもので、基本的にはキーワードか、画像ファイルか、音声ファイルを携帯から入力すると『オススメ』サイトを5件だけ表示する仕組みになっていた。 『オススメ度』はサイトを閲覧した行動経過から、望むものが手に入ったかどうかをチェックしている。 そこに日付の情報なども加味して最終的にはアオの人工知能部分でオススメするかどうかを決定しているのだ。 検索結果が5件のみという手軽さと、的確なオススメをしてくれるお陰で人気のあるポータルサイトの仲間入りを果たしていた。 広告費やオススメで売れた商品の手数料で収入は格段に上がり、タカナシくんが背負っていた4億円も返済することが出来た。 そんな感じで私は結構役に立っていたので、さきほどのタカナシくんの話となった。 「急な話だよな」 タカナシくんはシタラさんに同意を求めるように言った。 「なにが?」 どうやらシタラさんには思い上がる節がないらしい。 「オオイズミが海外留学するなんて……」 その言葉を聴いたときにシタラさんは凍りついた。 知らなかったらしい。 それにタカナシくんも気が付く。 「知らなかったのか?」 シタラさんはその言葉にゆっくりと頷いた。 「ヤモトが医者になるために海外に留学するのと同時に向こうの大学に渡って、そのままMBAを取得するつもりだって言っていた」 MBAと言えば、日本の大学院の経営修士に当たる資格だ。 そうなると何年も海外に行ったままになってしまう。 シタラさんの受けたショックは大きいと思う。 心が繋がっている人と思っていたら、相談もなしに海外に行ってしまうなんて。 「でも、オオイズミくんらしいね」 シタラさんはそれだけ言うと少し俯いた。 その様子を見たタカナシくんは、「ちょっと」と言ってどこかに行ってしまった。 私はなんて声をかけていいかわからなかった。 ごめんね、バカなお兄ちゃんで。 とか言いたかったけど、アオにはそんなことは関係ない。 お兄ちゃんとシタラさんはせっかくいい感じになっていたのに、生涯にまたとないチャンスだったのに、お兄ちゃんは相変わらずの鈍さだった。 しばらく待っているとタカナシくんがサーバールームに返って来た。 「来たよ」 シタラさんに向かって言う。 「来た?」 私も意味が分からなかった。 「電話したらすっ飛んできた」 タカナシくんの後ろからお兄ちゃんが姿を現した。 ちょっと息が切れている。 走ってきたのだろうか 「シタラ……」 お兄ちゃんはシタラさんの名前を呼ぶと、ゆっくりと近づいていく。 「オレの行動が誤解させてしまったようでごめん」 シタラさんの側に立ち、謝った。 「誤解って、そんな、私は誤解なんかしてないよ。MBAの資格は必要なものだし、海外留学だって仕方ないよ」 シタラさんはお兄ちゃんの目は見ていなかった。 ただ声は冷静に聞こえた。 「ヤモトとも、タカナシ先生とも話したんだ。シタラを海外に連れて行けるかどうか」 その言葉の意味はすぐに私にも、タカナシくんにも、シタラさんにも分かった。 「もう十分回復したし、大丈夫だろうって言っていた。それにヤモトと同じ大学にオレもシタラも進学できることになったから、何かあってもバックアップできる」 あっさりとすごいことを言ってのけるお兄ちゃん。 高校に1年しか通っていないのに大学へ進学? 「飛び級ってオオイズミくんは分かるけど、私は自信ないよ」 シタラさんの顔は曇る。 現実的じゃない提案だと、妹の私も思う。 その反応に意外だという顔をするお兄ちゃん。 「もう入学手続き終わったのに何を言っているんだ? タカナシ先生に書類書けって言われて書いただろう」 シタラさんはお兄ちゃんに言われて少し心当たりがあるようだ。 「あれがそうなの?」 思い当たったのか驚いている。 「何か英語の書類だったから、よくわからなかったし、先生がサインしてくれればいいよとしか言わなかったから」 その状況だったら、私でもサインしてしまうかもしれない。 「ついて来てくれ。オレにはシタラの助けが必要なんだ」 お兄ちゃんはシタラさんの目をまっすぐ見ていた。 シタラさんはしばらくお兄ちゃんの目を見つめると、ゆっくりと頷いた。 「……よかった」 一世一代の告白というか、プロポーズまがいなことを言ったお兄ちゃんはそう言うとシタラさんの前にある椅子に座った。 「断わられたら、どうしようかと思ってたよ」 タカナシくんはそれを見て笑っていた。 どうやら、タカナシくんは以前から状況を知っていて、わざとシタラさんにばらし、お兄ちゃんを焚付けたみたいだ。 高校生になってもタカナシくんは変わっていなかった。 「これからよろしくね」 シタラさんが右手を出す。 お兄ちゃんは力強くシタラさんの手を握った。 「あぁ、またよろしくな」 タカナシくんは2人の雰囲気を見ると、静かにサーバールームを後にしていった。 私も意識をサーバールームから外した。 熱いシーンを見たい気もするけど、お兄ちゃんのことだから、あんまり進展ないだろうなと思った。 妹としても残念なことだ、まったく。
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今注目されている出会いチャット用のアプリというのは、最近の使いやすいスマホの浸透とともに、ダウンロード数も急速に増えているいわゆる無料アプリのひとつなのです。 サイトのトップの箇所に、誰でも気づくように規定及び注意点に関する詳細が掲載済みで、加えて、どこにあるなんという会社が管理や運営を行っているのかの確認がすぐできるサイトなら、安全性が高い可能性が大きくなってきます。 女の人のための恋愛情報やデータは、そこそこ参考になるのですが、当然ながら一番感動するのは、好きな人からの心のこもった「愛してるよ」の一言に尽きます。 どのような人であっても、異性に会うためだけに資金を投入してもいいなんて思いません。それゆえ、ほとんどの男性については無料で使える出会い系サイトに申し込んでいます。貴重な女性会員を巡る争奪戦をしているのです。 「出会いがない」なんて、めそめそ嘆いてばかりいるのではありませんか?素晴らしいパートナーを見つけたいと思っているのなら、逃げずに他のことは後回しにして出会いが生まれるきっかけを増やすことがポイントです。 とっても愛しているのに反対の行動を取ってしまったり、傷つけるようなことを言っちゃったり、恋愛対象がいる方なら全員が共通の恋愛の悩みごとなどを克服する時にも、心理学がかなりお役にたつと思います。 顔とか体型にダメなところがあるとか、どっちみち美人の女の子って受けがいいんですよねぇ…と一人で勝手にあきらめてしまって、異性を自分で遠ざけているのかも。男の人の恋愛感情を生み出すために利用していただきたいのは、男女の恋愛テクニックです。 自身の体験がベースの公平な情報だと思われる、口コミだったりレビューをしっかり確認してから登録を行う。こうすることがベストな出会い系サイトの使い方です。 恋愛相談を持ちかけたときは、指摘されたことや助言を真摯に聞いてください。厳しい忠告をされた場合や見抜かれたと感じたときに、逆らってせっかくいただいた意見や助言を排除するのは愚かな行為だと言えます。 もしやあなたがわかっていないだけかも?どのようなシチュエーションで、どうやって始まるのか想像もできないというのが恋愛の現実。恋にあこがれるアナタに欠かすことができないのは、本心への素直さと自信を持つことだと言えるでしょう。 同僚や上司とか長年つきあいのある友達や同級生とも親しくしておくべきです。いろんな年代の方との交わりをプラス思考でするべきです。出会いにつながる交流は少しでも多い方が良いというのは本当です。 一歩ずつ好きという感情が芽生えるのが恋愛だと言えるでしょう。焦ることなく、じわじわと好きになるのでいいのです。ここまでは気になる異性がいなくたって、いつの日か出会うことになるでしょう。 もしも恋愛の成功・失敗によって、自分の生活がおかしなものになったり、一つの恋愛に失敗するごとに深い傷を受けていては、いつの間にか恋愛できないような人になってしまうかもしれません。 言うまでもなく、誠実・真剣に管理・運営されている実績が豊富な出会い系サイトも実在します。それらの優れたサイトの場合は、マッチングサイト等他とは少し違う名称で呼ぶようにしていることがほとんどです。 結婚前提での真剣な出会いややりとりをしたいなと思っている人には、本気で結婚を考えている男女が多く集っている、信頼できるコミュニティやイベントを訪問するというのがイチオシです。
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前ページ次ページ村企画 屍鬼村4〜この村は死によって包囲されている〜 [#g3579630] 概要 [#a193c785] 村の目的 [#yb4d6598] ローカルルール/世界観 [#pa5d66e4] 役職設定 [#o9075a09] 発言ルール [#tb86e76d] 進行 [#wdd3680e] プロローグ [#x92d5010] 一日目 [#hf661095] 二日目 [#dc8e803e] 三日目以降 [#o7d4902a] キャラ予約 [#r01af02b] コメント [#xceb5492] 屍鬼村4〜この村は死によって包囲されている〜 周りから 隔絶 された集落、 (そとばむら){外場村 };。 昔から変わることの無いこの村では、今でも 土葬 の習慣が根強く残っていた。 平和だった村に最初に起こった 小さな変化 。 それはどこからか移築された 古い洋館 だった。 なかなか越して来ない洋館の 住人 。 ある日 壊されていた 村中の 神像 。 次々と増える 死因不明 の 死者 。 そして、村の住人達は気付く、 「この村は死によって包囲されている」 と……。 お騒がせしましたが、議事国RP-xebecにて無事村建ちました。 村名の文字数制限の関係から少しタイトル省略されてます。 村はこちらです。 3/26wiki作成 5/5日程、設定について追記 5/217月前半開催に決定、アンケート追加 5/29キャラ予約欄を設置、アンケートいくつか撤去 6/30日程から暫定を外し、アンケート撤去。 7/2設定について追記。 概要 村建て人 nagare-s(流) 開催国 人狼議事RPxebec 種別 言い換えガチ 更新間隔 24h 投票方法 無記名 発言制限 むりせず(777pt) キャラセット 人狼議事、帰還者議事(*1) 募集人数 9〜14(ダミー込み) 編成 自由設定(C編成の狼を智狼に置換) 更新時刻 7 00(仮) 開催時期 7/6 役職希望 無効 幽界トーク オン 村の目的 小野不由美著「屍鬼」の世界観を元にしたRP色のある言い換えガチ村です。 和製ホラーの雰囲気でRPを適度に楽しみつつ、幽界トーク有りでガチるのがこの村の趣旨です。 議事セットで屍鬼村をやってみたい、というのも今回の目的の一つ。 ローカルルール/世界観 「屍鬼」の世界観を元としていますが、既読である必要はありません。 ・90年代の日本の閉鎖的な田舎の村であること。 ・人狼ではなく屍鬼と呼ばれる吸血鬼に襲われること。 ・参加者は村の住人であり最初は吸血鬼の存在など知らない一般人であること。 以上、三点を把握していただければ大丈夫です。 厳密に元ネタの設定に合わせることを目的とした村ではありません。RPは雰囲気でOK。 登場人物は日本人です。入村後、メモにて村の住人として自然な人名と設定を記載して下さい。 進行中、その人名で呼ぶことになります。 村建てメモで人名表は貼ろうと思います。 また、屍鬼村最大の特徴として、幽界トークが有りになっています。 死者は「屍鬼」として蘇り、屍鬼陣営(赤)の下僕(*2)になります。 勝利条件は生存時のままですが、下僕なので諦めて屍鬼に協力しましょう。 ノリノリで従うもよし、渋々従うもよし。 墓下に落ちたからといって、必ずしも全力で屍鬼勝利を目指す必要はありません。 雰囲気を楽しみましょう。 なお、村建て人の嗜好と都合により、更新立ち会い不要の個人戦となります。 まとめ役を設けない自由占い自由投票ですが、意見を擦り合わせて統一することは可能です。 参考までに。前回はこんな感じです。 役職設定 役職 言い換え 設定 村人 村人 ただの村人。 占い師 先生/医師/医者等 血液検査で屍鬼を発見する。 霊能者 御院/坊さん/坊主等 死亡者の情報が入ってくる立場。 守護者 狩人 護符など、屍鬼の忌避するものを知り、設置することで襲撃を防ぐ。 囁き狂人 兼正の主人/兼正の旦那/兼正等 屍鬼の根城である兼正の屋敷のオーナー。 智狼 屍鬼/起き上がり等 村の住人を全て屍鬼にしようと企む、屍鬼を名乗る吸血鬼。 言い換えは厳密にこれというものではありません。設定に合う呼び方であればお任せします。 ※屍鬼について。 屍鬼には日中動くことができず、日光を浴びると灰になるものと、そうでないものが居ます。 後者を「屍鬼」においては人狼と呼んでいますが、この村ではどちらも屍鬼と呼びます。 墓下は前者、赤は後者の屍鬼とします。 夜目が効いたり、傷が治ったりする程度で、超常的な能力はありません。 心臓に杭を打つことで完全に殺すことができます。 ※智狼設定について。 墓下落ちした人間に役職COを訊ねることができる為、実質的に智狼となり得るのですが。 成り立たせる為には立会いが必要になる為、その手間を省く為に智狼としています。 必須ではありませんが、設定に合わせて墓下、赤間でRP上で役職COすることを推奨します。 発言ルール ・人名は和名で、役職は言い換えに従って、呼ぶこと。 ・★☆【】●▼▲等の記号は使用しても構いません。 ・CO、PP等、雰囲気にそぐわない専門用語は用いないで下さい。 ・ト書きは不可。act.は言葉通りアクションです。使用は動作のみ。 「キツく睨んだ」「悲しそうに俯いた」など、表情の形容はまではOKですが、「屍鬼への恨みを込めて睨んだ」など、思考や感情を含めることはしないで下さい。 (※RP色が強くなり過ぎない為の処置です。感情面の描写で役職が透けることの予防措置でもあります) (※本編中の白ログのみ。赤、灰、墓下、プロエピはその限りではありません) ・メモ、秘話は地上では使用しません。 ・ガチが成り立つ範囲で、村の雰囲気を大切にする発言をお願いします。 進行 プロローグ 村の中に何らかの懸念、疑惑を抱いている者も一部いるかもしれませんが、屍鬼の存在まで思い至っている人はいません。 葬式が多いことや、山中の洋館、村の各所の地蔵や社が破壊されたことなどに漠然と不安や嫌な予感を感じている程度でしょう。 いつも通りに村での生活を送っています。 一日目 村に"起き上がり"、屍鬼の噂が広まります。 不可解な死因の多さから医者や僧侶は異変に気づいています。 病院からは気がかりな症状があれば、検査を受けるように訴えられています。 ダミーは既に死亡しており、葬式が行われています。 葬式で顔を合わせれば、色々と話すこともあるでしょう。 二日目 死んだはずのダミーが屍鬼となって捕縛されています。 村人は神社に集められ、ダミーを見せしめとして、屍鬼の存在と殺害方法を知ります。 村から屍鬼を排除する為、"虫送り"と称して屍鬼狩りが開始されます。 存在を知られた屍鬼の襲撃も激化し、犠牲者が増え始めます。 三日目以降 村では屍鬼狩りが継続されています。 一方、屍鬼になる見込みのある死者は掘り起こされ、山の上の洋館・兼正の屋敷に連れてこられます。 そこで、己が一度死に、屍鬼として蘇ったことを知るでしょう。 キャラ予約 参加CO数把握も兼ねて、キャラ予約欄を設けました。 人狼議事のみとしていましたが、帰還者議事から選んでも構いません。他はご遠慮ください。 IDの記入は必要ありません。 未定、もしくは先にキャラを決めたくないのであれば「未定」でも構いませんので、参加予定の方は記入してくださいませ。 村建て日は7/6(土)です。 参加枠が埋まった場合もプロローグの期間は2日間、取ります。 no. 希望キャラクター 備考 01 雷門 ダミー 02 03 04 05 06 07 08 09 10 未定 入ってもいいですか? 11 未定 是非とも! 12 イアン 行けると思います 13 ロビン 様子見て変えるかも 14 クシャミ 飛び入りですが ご参加、お待ちしています。 役職希望についてアンケートを設置していましたが、役職希望は無効の方向でいこうと思います。 コメント ご意見、ご質問等こちらにどうぞ。 議事国に新しい州ができたらしいですね。ガチ使用可、幽界トーク可、秘話なし、ということでそちらのがいいかもしれませんね。開催日までの状況で細かいことは考えます。 -- 企画人nagare-s ダミーは雷門の予定です。参加者は議事セットのみで、と考えています。エクスパンションは、応相談で… -- 企画人nagare-s あれ?以前はこのシリーズ村、瓜科で立ってませんでしたか? -- はい。前回までは瓜科でしたが、今回は議事国のキャラセットでやってみたいというのもあって議事国の予定です。 -- 企画人nagare-s 「人狼議事夢の形」と「Cabala Cafe」のどちらが開催国になりますか? -- 村枠が足りないとかでない限り「夢の形」の予定です。 -- 企画人nagare-s どっちも空いてなかったら、については、多分大丈夫だろう…と思うのですが、その場合は…考えます。 -- 企画人nagare-s すみません、帰還者セットなのですが…キャラ選択まずかったでしょうか? もし変更必要なら、議事セットの方に変えさせていただきます。 -- クシャミ よく見たら帰還者はOKだったのを確認しました。お騒がせしてすみません。 -- クシャミ いいえ、お気になさらず。COありがとうございます♪>クシャミさん -- 企画人nagare-s 設定上のわからないことがいくつかありますが、村建ってから質問した方がよろしいでしょうか。 -- いえ、どうぞご自由に質問なさって下さい。 -- 企画人nagare-s 「屍鬼」はやすよさんのランジェリー姿は記憶にありますが・・・、設定は割りとあやふやなのを最初に断っておきます。狂人噛まれたら起き上がりにはなれないのでは。 -- 「ト書きは不可」←[…は〜]という表記禁止という認識でいいですか?赤・青ログではいいのですか? -- 霊界トーク設定上参加できない人いるのではとチラリと考えました。杭打たれたら生き返らない設定だから(うろ覚え)。 -- 墓落ち後の赤陣営(狂含む)の扱いに関しては記載漏れですが、推理発言なしで見守るなり幽霊RPなりしていただければと思います。 -- 企画人nagare-s ト書きに関しては、その認識でOKです。地上では、アクションと発言でできる範囲でのRPを、ということです。RPとガチのバランスを取る為の措置として、今回付け加えた項目です。 -- 企画人nagare-s 回答ありがとうございました。もうひとつ「屍鬼」は【噛んだ相手の正体がわかる】と【襲撃死者(村側の人間)を仲間にできる】を推理材料にしてもよろしいのですか。 -- 回答ありがとうございました。もうひとつ「屍鬼」は【噛んだ相手の正体がわかる】と【襲撃死者(村側の人間)を仲間にできる】を推理材料にしてもよろしいのですか。 -- はい、何を推理材料にするかは余程メタメタしいものでなければ自由です。過去、死後ブレイン化した村人もいれば、積極的に味方しない方もいましたので、どの程度墓下メンバーの影響があるかは保証できませんが。 -- 企画人nagare-s 聞いておいて正解だったかな。まだあります。狂人の呼び名「兼正の主人/兼正の旦那/兼正」はまず男性かわからないというのと「兼正」は家柄をあらわしていたような(屍鬼も「兼正」名乗ってましたよね。)村人はその地域にいる人間でなので、「兼正」かどうかを他の村人がしらないというのも違和感があります。村建てさんがそこを承知でしたら、特に私から言うことはないのです。私の認識不足でしょうか。一応見解を聞いておきたいと思いまして。 -- 「元々屍鬼陣営だった者は滅びます」←村人も心臓に杭打たれたら死にます。処刑死したものは赤と会話できず、襲撃死したものの内狂人以外が赤と会話できるという認識であってますか?例えば、11人村ならば11 10 8 6 4 epで、最終日三人下僕ができるということですね? -- 「兼正」に関しては、ファジーに捉えていただければ、と。過去にはwikiに「または女主人」と表記したこともありますが、「主人」は必ずしも男性を表す語ではないし、オーナーは男性と思い込んで「旦那」と呼んでいたが、女だった、ということがあってもいいかと表記を省いています。屋敷の建つ場所自体も「兼正」と呼ばれており、そこに建つ洋館を「兼正の屋敷」と呼んでいる、そのオーナーが不明ということです。例えば医者が誰かわからないというのもおかしな話ですので、その辺りはガチ村故のご都合主義で。 -- 企画人nagare-s ちなみに、兼正を名乗ってはいませんよ。屍鬼は「桐敷」を名乗っています。 兼正は、元々土地を持ってた一族の屋号ですね。転じて場所自体の呼び名に。-- 企画人nagare-s 処刑者についても、ご都合主義を適用させています。吸血済みの人間が死んだら屍鬼になるので、その死因が心臓に杭を打たれたからであっても…ということでしょうか。理屈をつけるとすれば。設定はある程度ファジーに、「RPは雰囲気」主軸は「ガチ村」であるという認識でお願いします。 -- 企画人nagare-s 回答ありがとうございました!すっきり。丁寧にありがとうございます。ちなみに「兼正」は『屋号』だと思っています。 -- 先日はありがとうございます。現在、夢鯖の方が一気に建った関係で枠いっぱいなのですが…代替案、開始延期などあり得るでしょうか?cafe鯖だと、操作感がかなり重く環境によってはガチ村不向きな状態の州なので、そちらでの建てだと参加が厳しいかもしれません。 -- クシャミ 夢鯖空き待ちで数日程度の延期でしたら、スケジュール的には問題ないです。 -- クシャミ 私のパソコンだと、cafe鯖の方はちょっと相性よくないので私も夢の形の方がいいです。 -- イアン 埋まってて残念。空き待ちと言っても、どの村も始まってないので時間かかりそうですね。何処か良い場所があるといいんですが。 -- まさかの村建てさんが大好な「リア充」とか。半分冗談ですけど。cafeの方に立てて夢の形空くまでゴロゴロさせるって手はどうです。 -- イアン まさか埋まるとは…深夜見た時空いてたのでちょっと想定外です。 -- 企画人nagare-s cafe鯖で建てる、延期、議事セット諦めて他の国で建てる、のいずれかでしょうか。 -- 企画人nagare-s コメント欄でもいいのですが、緊急アンケ立てます。ご協力下さい。 -- 企画人nagare-s 私としては、議事国セットを使いたい思いもあるので、他の国で建てることには消極的です。これまで通り瓜科で建ててもいいのですが…待ってもよろしいのであれば、延期でも構いません。 -- 企画人nagare-s 私は待ちますよ。これどのくらい待つのかわからないんですけど、だいたい時間どれくらいかかります? -- イアン 次村の予定が20日建ちなので、そこまでにエピ入れそうな日程ならば、大丈夫です。 -- クシャミ 後一個問題としては、枠を取れたにしても始まるまでに時間それなりにかかりそうってことも考えられそうなこと。飛び入りいないと始まらないわけですから。 -- イアン 私9人くらいで開始だと勝手に予測しているんですが、編成どうなるんです? -- イアン 私9人くらいで開始だと勝手に予測しているんですが、編成どうなるんです? -- イアン 一応特にこれといって希望はありません! -- さかけー ご検討ありがとうございます。議事国のロビーで問い合わせてみた所、他の州で建てても大丈夫そうなのでそちらに建てようと思います。 -- 企画人nagare-s 編成については村の情報欄にも記載しますが、2狼で9人で占霊、10人で狂、11人以降で狩が入ります。 -- 企画人nagare-s 乙です。 -- イアン お疲れ様です。 -- クシャミ アニメ観ただけです、大丈夫でしょうか。 -- 10未定 はい。一応、RPは雰囲気、予備知識なしでも入れる村のつもりで建てています。アニメを見られたのなら十分過ぎるぐらいですよ。歓迎します。>未定さん -- 企画人nagare-s 投票COとかどうします?これ専門用語抜きで伝えるのが大変かもと思ったりします。 -- イアン 投票COってシステムメタ的側面があるから個人的には好まないんですよ。 -- イアン 無記名投票の個人戦なのでそもそも投票COは難しいかと。そういう意図もあっての無記名投票だったりします。村建てサイドで禁止事項と明言した方がよろしいのでしたらそうしますが。>イアンさん -- 企画人nagare-s 投票COを使う事態は来ない想定ではいるのですが、個人的には、この設定内で提案する人がおり、その提案が通るならば使ってもいいというスタンスですね。 -- 企画人nagare-s 霊がいるということはまとめできるから投票COは一応可能なんで、気になったのです。まあなるようになる!多分(楽観)ということでひっこみます。お騒がせしました。 -- イアン 投票COについて伝えるのが大変なこと自体も含めてこの村ですからね。その上で「可能」であるならその実行を禁じることはしたくないのです。かと言って実行の為のサポートもしないということです。村建てのスタンスとしては。 -- 企画人nagare-s プレイヤーとしては、普通に、利があると思えば賛同するし、ないと思えば反対しますので。「やれることをやればいい」と思いますよ。 -- 企画人nagare-s 屋敷見に行く流れは断ち切れません!(キリッ -- 名前 コメント 前ページ次ページ村企画
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『まりさは、今日もお仕置きされている。』 19KB 愛で 思いやり 愛情 野良ゆ 現代 自分の祖父母の家はもうなくなっちゃったなぁ 初作 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 前作 anko4110 れいむは、今日もゆっくりしていた。 ・上記のモノを書いています ・愛で系 ・本作のゆっくりは「ゆ虐的」な愚かさは無い ・虐らしい虐は無い どっちかというと基本お仕置き系 ・ちょっと今まで書いた事ない系統で書きました うまく書ける人にはほんと憧れちゃうね ・題名は似てるけど前作とは内容がまったく違う ・以上 ここはもうほとんど使われていない畑。 そこに堂々とやってくるゆっくりが一匹。 「きょうもゆっくりいただきなんだぜ!」 ゆっくりまりさ。 ここいらに住んでいる野良の一匹だ。この家にはよく来るやつで、いつも悪さをしている。 まりさが花壇の花を食べようとした時、家の窓が勢いよく開いた。 「こらお饅頭! 何日かこないと思ったらまた悪さして!」 「ゆぐふ?! ゆっくりしないでにげるんだぜ!」 「まちなさい、今日も楽しい折檻だ!」 「ぼうりょくはんたいなんだぜ~!」 住民であるばあさんが現れ、箒片手にまりさをおっかけまわす。 大分高齢であることもあって。ゆっくりの中では割と俊足といっていいまりさとの追いかけっこはいい勝負である。 「そうれ!」 「ゆげぴー!」 箒で突いて、まりさの尻を刺す。 数十の針で刺されたようにまりさはのた打ち回る。 「ゆっぐぇー! いたいんだぜー!」 「ふふん、さぁ今日はどんなお仕置きをしてあげようね」 「ゆわー! ばばあ、はなすんだぜ! ゆ!? そこにいるのはおじじだね! まりさをたすけるんだぜ!!」 おじじ、とまりさは言うが、そこにいるのはおじいさんではなく青年。 ばあさんの孫である。 「誰がおじじだ、俺はおにいさんだ!」 「ゆげぴぉー!!」 ばあさんに捕まって身動きの取れないまりさの尻を平手打ち。 たまらずまりさは暴れるが、ばあさんの手はまりさを逃がすほど弱っていない。 「まぁ、ゆっくりからみたらわたしもトシもじじばばだよ」 「確かに、俺はおまえが産まれた時から今にいたるまでの時間をいっぱい過ごしたからなぁ」 「……にんげんさんはすごいながいきなんだぜ」 まりさは人間が長生きである事は知っている。 自分たちと同時に産まれたとしても、自分らが寿命を迎えても、人間はまだ子供になったくらいだろう。 自分は大分大きくなったが、ばばあもおじじもまったく変わっていない。 「しかし悪いねートシ。こんな年寄りに毎週会いに来なくてもいいのに」 「何いってんの。いつ逝くかわからないんだから誰かが見にこないと」 「言うねこの子は。わたしもそう簡単にくたばる気はないよ。せめて曾々孫は見ないと」 「そんなに生きたら妖怪だぜばあちゃん」 「すでにばばあはようかいなんだぜ」 だよなー、と笑いあう一人と一匹。 「おだまり!」 「あで!?」 「いじゃぃ!」 一人と一匹はこの後一時間ほど折檻と説教をされた。 このまりさは天涯孤独だった。 幼い頃に親を亡くしてからは一人で生きてきた。 と言ってもここは人が少なく、生きるだけならば不自由はしない田舎だ。 欲を出して農家に侵入しなければ、生存確率は街のゆっくりの比較にはならない。 だから子供だったまりさも一人で生きられた。 そんなまりさが見つけたのが、ばあさんの家だった。 他と違って人が一人しかおらず、畑もあまり使っていなかったので進入してちょっとくすねてやろうと思ったのだ。 しかし、運悪くばあさんと出くわしてしまった。 まりさは恐ろしくてちびりそうだったが、勇気を振り絞ってばばあだのなんだのと威嚇した。 結果は逆効果。 あえなく御用となったまりさは数十分、ゆっくりにとっては数時間のような体感で折檻された。 まりさは殺されるのでは、と怯えていたが、一通りのお仕置きが終わるとばあさんはまりさを解放した。 「二度と来るんじゃないよ」 「ゆ、ゆっくりしないでにげるよ!」 助かった。 とりあえず助かったらしい。 お仕置きは痛かったが、行動に支障はなかったのでさっさと逃げる。 しかし、数歩進まぬうちに何かに捕まえられた。 「ゆぎぃ?! うごげないんだぜ?!」 捕まえていたのはばあさんだった。 まりさは恐怖した。 人間の気まぐれで生かされたが、その人間はやはり気まぐれでまりさを殺そうと思ったのだ、と思った。 「持っていきな。もうダメになっちゃったからね」 「ゆ?」 そう言ってばあさんはまりさの帽子の中に、先ほどまりさが荒そうとした花壇の中で萎れてしまっていた花を突っ込んだ。 まりさが呆然としている間に、ばあさんは下投げで軽く投げて家に戻っていった。 「?????」 何が起こったかわからなかったが、とりあえずまりさはおいしいごはんを手に入れた。 それから、まりさはまたばあさんの家に行った。 無論、花の味が気に入ったからだ。 「そろーり、そろーり」 今度こそばれないようにそろりそろりと。 がしかし、それがまずかった。 ゆっくりは擬音を口にするという癖があるらしく、「そろーりそろーり」などと言ってしまったがために気付かれてしまう。 「あ、その帽子傷、あの時のやつか!」 「ゆひぃ!?」 今度こそは殺される!? そう思ったまりさだった。 「これに懲りたらもう来るんじゃあないよ」 「ゆぎゅう……」 また生かされた。 今回はさすがに食べ物はもらえなかったが、殺されなかった。 しかし、現在のゆっくりはこれで相手を甘く見るような愚かな固体が少ない。 人間の恐ろしさはすでに世代を越え、地域を越え、ゆっくりという生命体の根っこに植えつけられている。 だからこそ、まりさはこのばあさんが自分を生かすのが良くわからなかった。 「やーいばばあ! くやしかったらここまできてみるんだぜー!」 今度はおちょくってみた。 ちょっと距離を置いていたのでさっさと逃げればいいだろうとたかをくくったが、ばあさんは見事な投擲で脳天に石をぶつけられた。 「ゆぎゅぅ」 「またおまえかい。勝てないと思ったら今度は悪口か。まったく悪い口だね」 こうしてまたもつかまりお仕置きが繰り返された。 しかしやはり殺されなかった。 「あ、この野郎、野菜食おうとしやがったな!」 「ゆひっ!」 農夫が鬼の形相で迫ってくる。 まりさは反射的に逃げ出した。 距離があったため、すぐには追い付かれなかったが、農夫が投げた石のいくつかが直撃した。 「ゆ、ぐち……」 直撃した石はまりさの体の一部を引き裂いた。 中身が少しずつ漏れている。 あの農夫は確実に殺す気だった。 あの家のばあさんと違って、あの距離からでもわかる殺気を感じた。 やはり人間は恐ろしい……そうまりさに再認識させるには十分な出来事だった。 しかし、ではなぜあのばあさんはまりさを殺さないのだろう。 そんな疑問が次第に大きくなる。 だが、そんな事を考えている余裕はない。 今にもこうして中身が漏れている。 これは助からない。 野良に生きるゆっくりは、その身が裂けてしまえば修復する手段がない。 まりさは、このまま死ぬしかない。 「やだよ……まだ、ぢにだくない……」 泣いて這い蹲る。 動くたびに傷が痛い。 動くたびに中身が漏れる。 だけど動かなければ、逃げなければ。 死にたくない。死にたくない。死にたく―― 「目ぇ覚めたようだね」 「ゆぇ?」 目が覚めた時にはあのばあさんの膝の上にいた。 家の中ではなく外ではあるが、ぽかぽかとした太陽が気持ちよい。 「おまえ、他の家に行っただろ。運がいいね、よく生きてたものだよ」 まりさはばあさんに助けられていた。 傷跡は多少残っていたが、完全に塞がれている。 それになんだか体が綺麗になっている気がした。 「傷はふさいどいたよ。綺麗にはならなかったけど。ついでに体中あらったから。臭いったらありゃあしない」 「ばばあのかれーしゅーさんよりはましなんだぜ……」 体力が戻ってないせいかうまく声が出せないが、悪態はつけた。 こんな状態でお仕置きされたら死んでしまうだろうが、思考が回っていない今のまりさにはそこまで考えられない。 ばあさんとの普段どおりの会話をしているだけなのだから。 「それだけいえるならもう大丈夫だろうね。これ食べて元気になったら帰りなさい。もう他所の畑に入らないように」 「むぐ、むぐ……しゃーわせぇ……」 ちょっと砂糖をまぶしてある茹でてやわらかくした野菜。傷ついたまりさに噛み易い様にされている。 まりさは、こんな状態ながら、産まれてから一番ゆっくりした気分になっていた……いや、一番ではない。 一番しあわせだったのは産まれた頃だろう。 両親がいて、姉妹がいた。そんな産まれた頃。 今はもう昔。家族は全員いない。 やんちゃだった姉妹は自分を含めて親の言う事をあまり聞かず、好き勝手して困らせていた。 そうやって少しずつ自業自得で数を減らしていき、親まりさと自分以外は全員死んでしまった。 それからはゆっくり出来ない事ばかりだった。 それでも親まりさはまりさを守り、まりさを心配し、まりさを育てた。 しかしまりさは親まりさを困らせてばかりいた。 甘えたい盛りの子供だ。わがままを言ってしまうのも無理はない。 親まりさはまだ満足に餌の調達ができないまりさのため、いつも忙しくしていた。 それがまりさにはつまらなかった。 そして、ある程度の大きさにまでまりさが育った頃、親まりさは、眠ったまま“永遠にゆっくり”していた。 そして今となる。 田舎とはいえ、農家があるこの地域は、一度一斉駆除でゆっくりが激減したため、ほとんどゆっくりは見かけない。 ただでさえ広いので、各々があまり干渉しないくらいに遠くに離れているからだ。 そのせいでまともに友達も作れず、たまに会うゆっくりとも会話がほとんどできないまま、孤独にまりさは成長した。 「うっぐ、えっぐ……」 「おや、まだ痛むのか?」 「ちがうんだぜ……ちが、うんだぜ……ひぐっ」 どれだけ前だろう。人間にしてみれば少し前の話なのだが、寿命の短いゆっくり……特にゆっくり盛りの子供であったまりさには随分と昔の事に感じる。 忘れていた、暖かい、ゆっくりできる暖かさに、まりさは知らず知らずに泣き出していた。 それからまた少し時は経つ。 傷が癒えて元気に動き回るまりさは、懲りもせずにばあさんの家で悪態をついてはお仕置きされたり逃げ切ったりを繰り返していた。 もう日課に近い感覚だった。 そうやって少しずつわかった事がある。 ばあさんは朝が早い。 定期的にばあさんの孫がやってくる。 その孫もまりさを殺そうとはしない。 まりさはいつもどおり。 そんな日々に、まりさは満足していた。 「なんて薄汚いんだ。少し洗ってやるからこっちきなさい」 「みずはこわいんだぜぇええええ!!」 たまに雨が降ると、ばあさんからまりさを捕まえに来て泥まみれの体を洗い流したり。 「おまえにあげるごはんはないけど、ゴミ処理くらいならさせてやらないでもないよ」 「いただくんだぜ!」 ゴミ処理と称して何か食べさせてもらったり。 「こら、また荒したな!!」 「ゆべぇぇ!! ぼうりょぐはんだいぃぃぃ!!!」 そしてやっぱりお仕置きされる。 次第にばあさんの家に入ったりする事も多くなっていった。 それでも人間と野良の関係に変化はない。 その距離感に、まりさは満足していた。 だが、最近ばあさんは追っかけたりする事が減ってきた。 悪態をついても、はいはいで済ます事が多くなり、ちょっとまりさは不満だった。 その代わりにばあさんの孫のトシに悪態をついてはばあさんより厳しいお仕置きをされる事になる。 自分が死ぬまで、こんな楽しい事は続く。 そんな風にまりさは考えていた。 人間の寿命は長い。まりさよりずっと。 だから、この毎日はまりさが死ぬまでは続くんだ。 ある日、まりさはばあさんに泊まっていかないか、と声をかけられた。 「かいゆっくりでもないのにやなんだぜ。かいゆっくりもごめんだけどだぜ」 「まぁいいじゃないか。妖怪饅頭と妖怪ババァが一緒にいたって問題ないない」 半ば強引ながらまりさは一泊する事になった。 この日はなぜかいっぱいゆっくりさせられた。 体も綺麗に洗われ、食べた事がないものも食べた。 とてもゆっくりした一日だった。 でも、一番ゆっくりできたのはばあさんの膝の上で撫でられながらゆっくりしていた時だった。 「ゆふぅ……ぽーかぽーかなんだぜぇー」 「楽しかったよまりさ。お正月でもないのに大分充実した一日だった」 「おしょうがつ?」 「お正月っていうのは、まぁお祝い事のひとつだよ。その日は必ずババァの子供たちがみんな会いに来てくれるのさ」 「うるさそうなんだぜ」 「でも、いいもんだよ」 「そんなもんなのぜ」 「嘘だと思うならその時にはおまえもうちに来るといいさ。もっとも、ちびちゃんたちのおもちゃになるだろうけどね」 くっくっく、と悪い顔でにやけるばあさん。 まりさはちょっとびびりながらもいつもどおりに返す。 「そ、それくらいどうってことないんだぜ。かえりうちなんだぜ」 「できるもんならやってみろぃ」 こうして夜までばあさんとまりさはいろんな話をした。 まりさがひとりになったこと。 いっぱいゆっくりできなかったこと。 まぁ、いろいろと。 「今日はお前を枕にして寝ようか」 「ぐぇ、こ、これが狙いだったのかぜ……」 タオルをまきつけて抱き枕のようにがっちりつかまれて布団の中に入るばあさんとまりさ。 弾力のあるゆっくりの体は、なるほど気持ちがいいかもしれない。 「そいじゃあおやすみ。また明日ね。まりさ」 「ゆっくりさっさとねるんだぜ……くるしいんだぜ」 一人と一匹はゆっくり眠った。 寝る前にまりさがばあさんの顔を見た時、ばあさんの顔はとてもゆっくりした寝顔だった。 「ばばあどうしたんだぜ。もうあさもいいじかんなんだぜ」 朝、といっても日が上がる頃だが、まりさは目を覚ました。 この時間は、すでにばあさんが外に出ている時間だ。 揺さぶったりギャーギャー言ってもばあさんは起きない。寝る前に見たゆっくりした寝顔のまま。 今日は寝坊なのか、と思ったが、まりさは何か引っかかった。 何か似ている。 なんだろう。 いつかどこかで―― 「だれか……だれかいないのかだぜ!!」 まりさは走り出した。 同じかもしれない。 自分の小さい頃に、親が亡くなった時と。 いつもなら起きてるはずなのに、まったく起きる気配も無く、いつもの寝てる状態よりゆっくりしていた親は死んでいた。 それと同じ気がする。 取り越し苦労ならそれでいい。でももしかしたら―― まりさは家を飛び出した。まだ夏。昔と違って農家も戸締りをしっかりするようになったが、この付近の住民はそこまで厳重にはしていない。 開いている窓を抜け、どこでもいいから向かった。 場所がわかるのは一箇所。前にまりさが死にかけたあの農夫のいる家。 まりさがやってくるのを見て、農夫はあらされる前に潰そうとしたが、まりさの怒鳴るような叫びに行動を止めた。 「ばばあが……ばばあがめをさまさないんだぜ!」 まりさは病院にいた。 ばあさんが昨日綺麗に洗っていたおかげで、ケースの中という条件ではあるが、病院内に一応入る事が出来た。 孫のトシも来ている。他の家族はトシより遠いためまだ来ていない。 「ばばあ、どうしたんだぜ」 「……」 トシは黙っている。 「……ばばあ、だいじょうぶなのかぜ?」 それにもトシは答えない。 まりさも答えが返ってこない以上黙るしかなかった。 「このままだと、数日もつかどうか」 医者の話はまりさにはよくわからない。 だが、トシの表情からあまりよくないという内容だとはわかってしまった。 「おじじ」 「俺はじじじゃない」 「ばばあ、どうなるんだぜ」 「……」 トシは黙った。 だが言わなければならないだろう。 ゆっくりの換算ではあるが、ばあさんと付き合いが長い相手だ。 知らせないわけにもいかない。 「ばあちゃんは、あと何日かで死んじまうだろう、ってさ」 「……じょうだん、じゃ」 「ないな」 まりさの表情が曇る。 「に、にんげんさんはまりさたちよりずっとながいきっていってたんだぜ?」 「そうだな。前にも言ったとおり、俺もばあちゃんも、お前が生まれてから今に至るまでの日数をおまえが信じられないくらい生きたな」 「まりさはまだいきてるんだぜ? まだはやいんじゃないかぜ?」 「まりさ、ばあちゃんはな、そんな長生きの人間の中でも特に長生きした人間だ。 おまえの仲間も、歳取ったら最終的に“えいえんにゆっくり”してしまうんだろう? それと同じで、ばあちゃんもその時期が来たのかもしれないんだよ」 「でもきのうはあんなにげんきだったのぜ」 「ほんとはどうだったんだろうな。もしかしたら、辛いのに頑張って元気に見せてただけかもしれない」 本当のことはわからないけど、とトシは言った。 しかし、まりさは微妙に思い当たる節はあった。 まりさとのおっかけや折檻も、日に日に少しずつ少なくなっていっていた。 ばあさんの疲れた表情もよく見るようになった。 やはり無理をしていたんだろう。 「……まりさのせい?」 「ん?」 「まりさのせいで、ばばあはゆっくりできなくなってるのかぜ……?」 「それはねぇよ」 そう言ってトシはケースの中で震えているまりさの頭をガシガシと乱暴に撫でた。 「むしろお前に感謝してるさ……」 第一発見者でもあり、一緒にいたまりさは特別に入室を許可された。 まりさは病室に入ると、急いでばあさんの隣にある棚に飛び乗り、ばあさんが見える位置に立った。 「ばばあ、めをさますんだぜ」 ばあさんは起きない。 「なんでおきないんだぜ」 ばあさんは目を開かない。 「まりさが何かしたのぜ」 ばあさんは答えない。 「まりさがすきかってしたせいなのかぜ」 ばあさんは反応しない。 「あやまるんだぜ。だからおきてほしいんだぜ」 ばあさんは動かない。 「また……またなんにもいえないままなのかぜ。 またなんにもいえないままゆっくりおわかれしちゃうのかぜ? そんなのいやだよ。もっとおはなしをしたいよ。 もうわるさしないよ。ぜんぶあやまるよ。 だからはやくおきてよ。それでまりさをおこってよ。 いつもみたいにほうきさんふりまわして。 いつもみたいにどたどたはしって……」 ばあさんは、喋らない。 トシは知っていた。 ばあさんがまりさを手の掛かる子、あるいは孫のように可愛がっていた事を。 トシは知っていた。 まりさがばあさんの家に近づく野良ゆっくりを追い払っていた事を。 トシは知っていた。 ばあさんがまりさのおかげで今の今まで元気でいられた事を。 まりさがいなければ、もっとはやくにこうなっていたかもしれない。 いや、多分そうなっていたと思う。 そして気付かれる事なく、こうやって病院に連れ込まれることもなく、ひっそり逝っていただろう。 「おねがいだよ、めをさましてよおばあちゃん! まりさはもういやだよ。おとーさんにもおかーさんにもありがとうっていえなかったよ。 こんどこそはいいたかったんだよ。でも、はずかしかった……またいえないまんまはいやだよ。 だから、だからおきてよおばあちゃん! まりさをおっかけてよ! まりさをしかってよ! まりさを……まりさと……まりさといっしょに、ゆっくりしようよぉぉおおおお!!!」 あれから半年近く経った。 まりさはばあさんの家でトシと話をしていた。 「このいえはどうするんだぜ」 「このままにしとくさ。壊す意味も無い。まぁ、やる事はいろいろあるけどな」 外はすっかり寒くなっている。 まりさは冬の間はトシの家にお邪魔する事になった。 それなりに知った仲だし、問題は無い、という事でトシが提案した。 最初は野良として渋ったが、寒いのはゆっくりできないとしてやっぱり世話になることにした。 今は大晦日の準備のためにこの家にいる。 自分の仕事を片付けたので、二階の電気ストーブの前で一人と一匹はゆっくりしていた。 「……ありがとうな」 「なにがだぜ」 「ばあちゃんと一緒にいてくれて」 「おれいいわれることしてないんだぜ」 「おまえのおかげで、ばあちゃんは元気でいられたんだ。礼くらい言わせろよ」 「そこまでいうなら言わせてやるんだぜ。ありがたく思うんだびょひぃ!」 まりさの顔に打つ平手は実にいい音をたてる。 「やっぱ言うんじゃなかったな」 まりさはいつも一言余計だった。 「トシ、まりさ。何あそんでるんだい。暇なら手伝いな!!」 下から怒られる。相変わらずうるさいものだ、と一人と一匹は顔をあわせる。 「わかったんだぜー。いまいくんだぜー」 「今行くんだぜー」 一階。女性陣がおせちを作っている。 「まったく遊んでばかりいるんだからねぇこいつらは」 そこにはしっかりと二本の足で歩くあのばあさんがいた。 「まったく、ようかいばばあはしぶといんだぜ」 「ほんとだなぁ」 「聞こえたよ!」 「いだっ!」 「ゆげぴ!」 おたまで叩かれたトシとまりさは今日もまたばあさんにお仕置きされる。 だがまりさは満足している。 この日常はまだ当分続くのだ。 いつ終わるかはわからないが、まだ続く。 それまでは“今”をしっかりゆっくり生きよう。 まずは、あの日聞かされた、“おしょうがつ”とはどんなものか、そこから知るとしよう。 そしてまたいろいろやらかしてお仕置きされるだろう。 これでいい。 こんな毎日が望みなのだから。 まりさは、今日もお仕置きされている。 おわり い、いかがなものだろう……ビクビク 最初はばあさんをそのまま逝かせるつもりでしたが、やっぱり生きててもらいました。 自分は祖母とあまり会話できなかったので、せめてまりさとトシはばあちゃんといっぱいお話してほしいなぁと。 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko4106 ゆっくり教材Vol.5『ペットとちぇんと野良と飼い主』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 anko2433 ゆっくりは繰り返す anko2439 ゆっくりがいる日常。 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko4103 ゆっくりと人間は違う anko4107 れいむ anko4110 れいむは、今日もゆっくりしていた。
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泉どなた ◆Hc5WLMHH4E氏の作品です。 目で見たもの、耳で聞いたもの、手で触ったもの、舌で味わったもの、鼻で嗅いだもの。 人はその五感で感じ取った情報によって、喜怒哀楽と様々な感情を抱く。 そしてその時抱いた感情は、思い出と共に頭の中にインプットされるのだ。 夕暮れ時の太陽が辺りを淡いオレンジ色に染め上げる今の情景を目にして、 なんとも説明できないわびしい気持ちになってしまうのは、 今でも鮮明に思い出すことが出来る、幼い頃に夕日の中公園を走り回ったあの日と、 汚れた格好のまま食べた安い駄菓子の美味しさを、もう二度と味わうことが出来ない。 そのことに心のどこかで気付いているからなのかもしれない。 それは色の所為なのか、沈み行く太陽の姿にそう感じてしまうのか、 夕暮れは人の感情を揺さぶり、センチメンタルなものにする。 さらに困ったことに、こうして静かな空間にいると余計その度合いが増してしまうのだ。 「でも綺麗だね」 「あぁ」 夕日に照らされたつかさの顔はやはりオレンジ色で、目前に広がる夕焼け空に つかさが何を感じ取って何を思うのか、その感情を読み取ることは難しかった。 始め椅子に座っていたつかさは、やがて立ち上がり窓際に向かった。 そして俺に背を向けて窓にそっと手を沿えると、食い入るように外を眺めていた。 「……スン」 俺はてっきり、このような鼻を啜る音が聞こえてくるのは、 つかさが風邪を引いているからだとばかり思っていた。 ……それに嗚咽が混じり始め、その小さな背中が震えだすまでは。 「うぅ……ぐすん」 「つかさ?」 理解しがたい光景を目の前にすると、誰であろうと一瞬思考がストップしてしまう。 しかし泣いているつかさをこのまま放っておくわけにもいかない。 俺は傍まで行き、出来うる限り穏やかな口調で語りかけた。 「……どうした?」 嗚咽を繰り返しながら、つかさは首を左右に振る。 「ち、ちがうの……何でもないの」 「何でもないわけないだろう?」 「ううん……悲しいことも、嫌なことも何も無いの。 みんな優しくて良い人ばかりだし、毎日がとっても楽しいんだ」 つかさは小さな手で、流れ出る涙を懸命に拭いながら答える。 では、その涙は一体何なのだろう。 嬉しいのか? 悲しいのか? 悔しいのか? 苦しいのか? 「わかんない…けど、あの夕日を見てたら……」 夕暮れは人の感情を揺さぶり、センチメンタルなものにする。 ギュッと唇を噛み締めるつかさ。 だがその目からは涙が止め処なく流れていた。 「うわぁぁぁん! キョンくーん!」 殆どタックルに近い状態で俺に飛びつき、つかさは幼子のようにワンワンと泣き出した。 自分でも何が何だか分からぬまま、ただ流れ出る涙を抑えきれずに泣き叫んでいる。 それなら涙が枯れるまで、思う存分泣けばいいさ。 その時まで俺がこうして頭を撫でてやるし、背中を叩いてあげようではないか。 「落ち着いたか?」 「うん、ゴメンね」 ようやく泣き止んでくれたつかさは、もう一生分は涙を流したというほど疲れきった表情をしており、 目は充血し、鼻はまるでそこにリンゴの実が生っているかのようだった。 「なにか飲み物買ってくるから、その間に顔でも洗ってろ」 笑顔が戻ってきたつかさにそう言い残して、 ――つかさは確か水やお茶が飲めないとか言っていたような…いやあれは違ったか? などと考えながら廊下に出てみると、窓から見える空はまだオレンジ色だった。 この日の出来事も、二人の心の中の『夕日』というカテゴリに保存されることだろう。 それをふと思い返すのは、一体いつになってからだろうな。 もしその時にまたつかさが泣き出したとして、涙が枯れるまで頭を撫でてあげるのは、 震えが収まるまで背中を叩いてあげるのは、やはり俺なのだろうか? 外では夕日が輝いている。 作品の感想はこちらにどうぞ
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依頼主 ラクシュマナ 出現条件 ラクシュマナ解放後 クリア条件 以下のアイテムを持ってくるタンドリーチキン:必要数3 成功報酬 薬草(HP回復) 貢物値:30 依頼時 オマエ、タンドリーチキンって知ってるか?オレはお城でたくさん食べたんだ。インド魔宮にもあるんだって。すっごくおいしいんだぞ! クリア時 オマエすごいな、おなかぺこぺこだったんだ。よし、さっそく食べるぞ!
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幻想郷の空の色は、何も書かれていないスペカの色だった ここはサンダースによるダークな東方改変キャラver.2の事情を無駄に詳しく説明するページです。 ※一言:まぁ、黒ver.を作る相手は選んでますよ。さすがに…… 幻想郷奇譚に出てきた、黒い魔理沙のアイデアを発展させてみました。とりあえずは、美咲が異変を起こさなかった場合のif/アフターストーリーという扱いになりますが、作者のSF好きが祟ってかなり変貌してしまった感があります。 ちなみに、ページ名の元ネタは無名03の銃と同じく『ブレードランナー(原作:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)』より。そして見出しは『ニューロマンサー』のパロディ。とりあえずノワールでサイバーパンク風ということを表しています。登場するガジェットも、それらのオマージュが多いです。 状況説明 ヤマタノオロチの怨念が宿った鬼神器『八岐鏡』を魔理沙が拾ったことで、もう一人の魔理沙が生まれてしまった。もう一人の魔理沙は、魔理沙の悪の側面を強く反映したコピーで、目つきが悪く、言葉遣いも荒い。さながらジキルとハイドであった…… ……というところまでは、幻想郷奇譚と被る部分。本題はここから。 世界観 オリジナル魔理沙を有機的に取り込んで自らの意志を取り戻した『八岐鏡』は、怨念という精神体を幻想郷に拡散させ、複製を大量に生み出すことで博麗大結界【ハクレイ・ネットワーク】とは異なる精神世界層【キリサメ・ネットワーク】を作り上げることに成功した。 怨念は幻想郷の住民の感情と記憶を一部だけ奪って、そっくりな自我を持つ。その際、近隣の有機物を再構成してオリジナルそっくりの肉体を構成することで、身も心も複製している。そうやってある人物の一部だけを持った複製はハイド、残ったオリジナルはジキルと呼ばれる。 つまるところ、ハイドの本質とは精神生命体である。 ハイドを生み出す際に食われたジキルの感情は欠落、あるいは減弱する。多くが好戦的な部分を奪われるため、複製の方がオリジナルより強いことが多い。それがK・ネットの拡大に寄与していることは言うまでもない。 H・ネット(運良く複製されずにすんでいる者や生き残りのオリジナルは、K・ネットに対抗して本来の幻想郷をこう呼ぶ)は再び幻想郷をあるべき姿に戻すため、霊夢と紫を中心にして戦い続けている。しかし前述の通り、高い戦闘力を持つK・ネットの猛攻に劣勢に立たされている。というのが現実である。 ストーリー K・ネットにより半分以上が支配された幻想郷で、最初の複製【ハイド】、黒い魔理沙はK・ネットに反旗を翻し(かといってH・ネットにも属さず)、神出鬼没のテロ活動を行っていた。 旧き神(という名目の高度な術式)【オロチ】に魔理沙の抹殺を命じられたA級エージェント・アリスは、その圧倒的な戦闘力で敵を排除しつつ、黒い魔理沙を執拗に追いつめていく。しかし功を横取りしようと企む仲間の裏切りや妨害、新勢力の誕生によって、アリスは次第に『追う側』から『追われる側』へと変わっていくことになる…… (なんて書いたけど、即興なので細かいところは全然考えてません) 用語説明 【キリサメ・ネット】 『八岐鏡』が大量の複製を生み出して幻想郷に発生させた精神世界層。物質的なものは核となるサーバー、霧雨魔理沙と『八岐鏡』が融合した有機ユニット『オロチ』のみ。通称、K・ネット。 【ハクレイ・ネット】 博麗大結界のこと。本来の幻想郷をK・ネットと比較してこう呼ぶ。通称、H・ネット。核となっているのは陰陽玉という噂がある。 【ハイド】 複製のこと。オリジナルの感情と記憶の一部を奪い取って作られた精神複製体。いわば心のクローン。有機物で肉体を構成することができる。 奪った感情の影響を強く受けるため、オリジナルからマイナーチェンジしていることが多い。 【ジキル】 オリジナルのこと。複製された後の抜け殻で、一部の感情が欠落していたり、減弱していたりする。 【スペルディスク】 K・ネットにおけるスペルカード。スペルメモリーとも。ハイドの宿る素体に挿して使うソフトウェア。 【ドール】 K・ネットにおける式神。あらかじめプログラムされた人工精神メモリーで、ドール用の素体に挿して起動する。式神よりも高度な行動が可能。 【イザヨイ・ネット】 小さな第三勢力。前身は紅魔館。複製された自分との戦いで行動不能に陥ったレミリアに代わって、十六夜咲夜が率いているサンクチュアリ。 【オロチ】 黒幕で、霧雨魔理沙を核とする有機ユニットで、旧支配者の1柱、クィヴ=クヴィーダが仮の姿。 精神世界キリサメ・ネットワークを構築するための霊脳データベースとして機能する世界のコアで、その周囲は高次元霊脳空間と超情報が物理世界を浸食して現れた、途方もなく巨大で煩雑な城塞がそびえ立っている。 キャラ紹介 【執行者アリス】 真っ黒な衣装に身を包んだ、ダークな雰囲気のアリス。 外見年齢は20歳。すらりと背が高く、スマートな感じ。 両手の指にはめた指輪から伸びる『不可視の糸』を自在に操って敵を切り刻む。身体能力がきわめて高く、白兵戦も難なくこなす。音声入力で三体の式神(ドールと呼ぶ)を操ることもできる。 このアリスは優しさや甘さを持たない複製【ハイド】で、性格は冷徹非情。目的の邪魔になるものは機械的に排除していくキリングマシーン。公式記録によるとオリジナル【ジキル】はすでに殺害されている。当然、彼女はキリサメ・ネットに所属している。 離反精神やハクレイ・ネットからの侵入者を抹殺するエージェントという立場でありながら最新素体を持たず、スペルディスクを使うことができない。それにも関わらず、アリスはA級エージェントとして君臨している。 13番目の複製【ハイド】。2〜12番目の複製は【キリサメ・ネットワーク】が完成する前にアリスによって殺害されている。 その素性や過去は謎に包まれており、K・ネットにも情報がない。 【魔理沙・フラットライン】 黒い外套を羽織り、黒い服に身を固めたダークな魔理沙。 外見年齢は18歳くらい。あまり背が高くないが、シャープな輪郭。 最初の複製【ハイド】にして、K・ネットに対してテロ行為を繰り返す危険人物。しかしH・ネットに所属することもなく、独自の革命活動を続けている。その目的を知る人物はほんの数人である。 ミニ八卦炉や箒を持っておらず、黒い雷撃や爆発魔法を操る。フラットラインというのは、停止した心臓を自分の雷撃で再起動させたことから。移動手段はどこからか手に入れた大型バイク。また、黒い西洋剣での白兵戦を得意としているところも、オリジナルとは異なる。敵の生命信号を停止させる『反動心電』は十分すぎるほどに驚異である。 『オロチ』はなぜか魔理沙をかなり危険視しており、刺客を何人も放っている。 【魂白妖夢】 オリジナル。いつもの格好をしていて、半霊もいる。 静謐な必殺の意志、斬る喜びを奪われており、彼女の剣はやや精彩を欠く。奪われたものを取り返すため、K・ネットとの戦いに身を投じている切り込み隊長。両者に被害を与える魔理沙への説得を試みるも、毎回軽くあしらわれている。 【処刑人・黒魄妖夢】 黒いスーツ姿の妖夢。シャツと髪は白いまま。ただし、傍らに半霊がいない。 外見年齢は19歳。非常にドライで、鋭い雰囲気の持ち主。 18番目の複製【ハイド】であり、複製される際に妖夢の未熟さとは切り離されているため、剣の腕は魂魄流の極致にまで達している。『必殺の意志』と『斬る喜び』から生まれたためかスペルディスクを使うことを好まず、自らの剣の腕をなによりも頼りにしている。 やや殺人鬼じみた性格で、A級エージェントであるにも関わらず命令に従わない。世界を白黒で見ており、「極彩不要。問答は剣にて」など古風で意味がよくわからない発言が多い。精緻な脈絡や含蓄、風流を尊び、それを欠く者を蔑んでいる。 気分を損ねると仲間に対しても刃を向けるため、敵味方双方から恐れられる。敵でも味方でもないが、悪人。 【ヘイ・リンシャン:黒 鈴仙】 黒いチャイナドレスに身を包んだ、ハードな優曇華院。 外見年齢は21歳。すらりと脚の長いクールビューティー。 16番目の複製【ハイド】であり、優曇華院の「戦う意志」と「勇気」を喰らって誕生した。本来の気弱さや小ずるさが弱まっており、危険な任務にも進んで従事することが期待された。しかし彼女の本質は『兵器』であり、『輝夜を守る』という行動は複製であっても全てに優先される。彼女がK・ネットを裏切るにはさほど時間が掛からなかったのだ。 ハッキングに天賦の才があり、K・ネットにジャックインして活動を巧みに妨害することを得意とする。そのため、輝夜たちを匿っている『イザヨイ・ネット』にとっては重要な戦力となっている。 【裏切りの優曇華院】 オリジナル。お馴染みブレザー姿の、気弱な優曇華院。 いつもおどおどしており、人前に出ることを嫌がるヘタレイセン。 本来ならH・ネットに所属するはずだが、勇気を持って行かれたためK・ネットに寝返ってしまった。 アリスの任務を後ろからサポートするオペレーターであり、情報収集力は健在。臆病なので決して戦闘には出てこないが、孤高の存在であるアリスにとっては頼れるパートナーとなっている。 【十六夜咲夜】 空間を操るがゆえにK・ネットに浸食されなかったメイド長。 レミリアが複製と相討って行動不能になったため、紅魔館を代理で率いることになった。イザヨイ・ネットという名称はレミリアが命名した。彼女は主の命令もあって、争いから逃れてきた者たちを匿っている。さながらジャンヌ・ダルクのような存在として、まだまだ小数ながら慕う仲間も増えてきている。 彼女のように、複製を作られていない存在をフルムーンと呼ぶ。十六夜が数少ない満月なのは皮肉な話である。 【魅魔・フラットライン】 魔理沙の師匠であり、天才的ハッカー。 かつてハクレイ・ネットワークが構成される際に、抵抗勢力の一人としてクラッキング行為を繰り返していた。しかしネットワークの支配者である当時の博麗の巫女に破れ、肉体を失ってしまった。二度とジャックアウトできなくなった魅魔は、鼓動のない悪霊となって幻想郷をさまよい、博麗の巫女への復讐を企んでいた。 今では引退し、地獄という別の世界に旅立っているが、魔理沙に与えた影響は大きい。 番外 【黒塚文隆】 魂ミニふみの1つを喰らって誕生した複製【ハイド】ふみちゃん。通称、黒ふみちゃん。 本人いわく、 「ふみちゃんの本質はそのフリーダム性にある!『その世界の最強キャラクターに反比例して弱体化する』という制約を自分で振りほどいたハイドふみちゃんは、サンダースさんの想像を絶するチート野郎だ!」 ……らしい。コジマ粒子も情報干渉も通じていない様子。どうやらK・ネットの支配が弱いせいで暴走状態(つまりふみちゃん任せ)にあるようだ。凶悪な旧支配者が構築したK・ネットだが、彼の制御は不可能と判断した模様。近くにいた黒魄妖夢に処断任務を与えた。 がんばれ、オリジナルふみちゃん! ちなみに作者は勝手にアブナイ男前というビジュアルを妄想しています。 。
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《そして誰もいなくなるか?》 通常罠 このカードは相手ターンのみ発動する事ができる。 自分フィールドに存在する「悪魔の妹 フランドール・スカーレット」1体をゲームから除外する事で、 フィールドに存在する全てのカードを破壊する。 このカードを発動した次の自分のエンドフェイズに、 自分の除外ゾーンに存在する「悪魔の妹 フランドール・スカーレット」1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。 《悪魔の妹 フランドール・スカーレット》を条件に発動できる全体除去。 フィールドリセットとしての性能は高いものの、条件となる《悪魔の妹 フランドール・スカーレット》の召喚自体が難しいため多用はできないだろう。 《悪魔の妹 フランドール・スカーレット》にも単体除去効果があるため、それだけでは対処しきれない時や対象をとる効果に耐性のあるモンスターを相手にした時に真価を発揮する。 但しその場合も、自分ターンに3700攻撃力が生かせない(逆に生かせたら反則的なダメージを叩きだせるが)ことに注意すべし。 相手の手札が少ない時に発動できれば、ガラ空きの場に適当なモンスターでダイレクトアタックするだけでも大きく流れを掴むことができる。 全体としては非常に強力であるものの、イマイチ使いどころに乏しいカードである。 しかし、フランドールの召喚だけを狙ったデッキの場合では、召喚までのディスアドバンテージを覆せる強力なカードとなる。 流石に特化したデッキでも、そう簡単には《悪魔の妹 フランドール・スカーレット》を出すことは出来ないため、召喚まではどちらかと言うと守備側で、《紅き月 レミリア・スカーレット》も、《紅魔の従者》で出す場合が多いと思われるため、攻撃できず大抵、相手は攻撃に対処するカードを残しているはずである。 そこで、このカードの出番である。 相手のターンでの除去を《亜空間物質転移装置》のように避けながら使えたり。 さながらエンド前に撃つ《サイクロン》等のように撃つことができる。しかし、破壊力は《サイクロン》などと比べ物にならない。 そうして大量のカードを失わせた後、《悪魔の妹 フランドール・スカーレット》で相手を追い詰めて行きやすくなる。 また、エンドフェイズに撃てばエンドフェイズまで効果を持つカードや《亜空間物質転移装置》などを無力化出来る。つまり《幻想の境界 八雲紫》に勝てるのである!エンドフェイズまで生き残る必要がある上に、偶にしか起こりえない状況だが。 まさに、全てを破壊する程度の能力をカード化したような効果なので、フラン好きなら是非とも使いこなしたいカードである。 効果発動時 She died by the duel, and then there were none. と演出メッセージが出る。 原作・アニメにおいて―~ 東方紅魔郷におけるフランドールのスペルカード。いわゆる耐久弾幕。 発動している間はフランドールが画面から消える演出がなされる。 関連カード 《悪魔の妹 フランドール・スカーレット》
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誰もが儲かる上昇相場が続いていますが、貴方の投資成績は如何ですか? 多くの銘柄が移動平均線に沿って右肩上がりに上昇して行くのですから、これほど美味しい相場はないですね! それとも、指をくわえて、ただ上って行くのを見ているだけ? そんなことはないですよね! このような相場の場合、何を買っても儲かるからといって、とかく買い方が荒くなることがあります。 大切な資金を投資するのであれば、利益を得るにしてもより大きな利益を目指すべきです。 そのためには、どの様にしたら良いのでしょう。 思うような投資成績を残しておられる方は、常に意識していらっしゃると思いますが、どんな相場にも必ず「旬なテーマ」と言うものがあります。 この「テーマ」というものを念頭に投資するのと、無視して投資するのでは、成績は大きく違ってきます。 例えば「2000年~2001年」にかけては、ご存知「インターネット関連」の銘柄が大きく値を飛ばした「ITバブル」でした。 「ITバブル」の崩壊後は、「不良債権処理」が片付き、好業績を背景に「金融関連」が買われ、経済の血液としての通貨の流通が円滑になったため「不動産関連」や他の「内需関連」銘柄も安心感から買われています。 最近では、「中国関連」や原油の高騰から「市況関連」などが主役となったことは記憶に新しいところです。 ところで、「株は懐疑の中に育つ」もの! 大きく値を飛ばしている銘柄に気をとられていると、少しづつ鎌首をもたげてきている銘柄を見落としてしまうこともあります。 今後のテーマは「次世代エネルギー」「ICタグ」「ナノテク」「地球温暖化」等々あります。 さて貴方は、どんな「テーマ」に注目していますか?! 主観や感覚的に株式投資をするのではなく、 誰でも簡単に『買いポイント、売りポイント』が判断できる 投資法があったらいいと思いませんか? ↓↓ ■超短期投資分析表作成マニュアル そして, 確実に勝つためのデイトレ入門,そして応用テクニック 今すぐ実践できる方法を教えるそんなマニュアルです ↓↓ ■デイトレ分析表作成マニュアル ■デイトレテクニカルマニュアル