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1/10 【だるだるてるてる-エピローグ-】 「ーーということで、いつも通りになった」 「滅びろ」 「なんで!?」 前に相談に乗ってもらった高久田に事の収束を伝えると、本気で嫌そうな顔で歯ぎしりされた。 「なんだよそれっ! 結局二股続行じゃねーか!」 「二股って、俺は彼氏じゃないし」 「うっわ、最低だ……」 「違うんだって。 その、まだ恋愛感情持ってるとかわからないし。 もし、俺がどっちかを好きになることがあったら、ちゃんと答えは出すよ」 「控えめに見ても最低だわー」 「仕方ないだろ。 俺は二人のお世話がしたいんだ!」 「調教されてる!?」 結局、そんな結論に落ち着いた。 二人から明確に気持ちを伝えられたわけじゃないし、俺の勘違いかもしれない。 でも今の俺が明確に二人のことを『好き』って言うのも違う気がする。 そもそも、照さんとシロさん、『どっちの方が好き』なんて決められない。 確かに男としては情けないかもしれない。 でも、今は二人の笑顔を見ていたい。それだけは偽りのない気持ちなんだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2/10 「もし、ちゃんと好きって気持ちになったら、その時はちゃんと決められる」 「ほんとかー?」 「大丈夫、たぶん」 「……まァ半分冗談だよ。 別に女の子と仲がいいからって、イコール彼氏彼女の関係ってわけでもないもんな」 「そりゃそうだ。 そんなこと言ってたら高校時代とか」 「女子麻雀部でハーレムだったってか? やっぱうらやましーぞ、この!」 「そうは言うけどさ。 やっぱり居心地悪い部分もあったよ。 みんな気を遣ってくれてても、どうしても」 「そーだろーな。 むしろ須賀じゃなかったら耐えられないよな、って話題になってたし」 「マジで?」 「まじまじ」 知らなかった。高校時代そんな噂が立ってたのか。 俺は女の子と接するのが苦手ってわけじゃないし、女の子の友達も結構いる。 だけど男だけの方が気楽なのは間違いない。 今の照さんとシロさんの生活が楽しいのも、言っちゃ不味いけど女の子として見てなかったから、ってのもあるし……。 あっ、照さんの家の匂いだとか、寄りかかってくるシロさんのことを思い出す。 やべー、ちょっと興奮した。 あれ以来、意識しちゃうようになったんだよね。 落とされるのも遠くはない、かも。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3/10 …… … 「京ちゃ」 「はい、照さんチョコですよ」 「きょ」 「はい、シロさんお茶です」 「……」 「……」 「? どうしました?」 ササっと準備しておいたものを出すと、二人とも呆然とこっちを見ている。 ハギヨシさんならもっと早く声をかけられる前に出せるのかもしれない。 まァ、俺にはそんなことできないけどさ。 「京ちゃん、なんか気合い入ってる?」 「そりゃそうですよ。 俺はお世話がかりですから!」 「お茶が出てくるまでが早い……」 「なんかわかるようになってきたんですよね。 二人が何をしてほしいかを、ずっと考えているからかも」 「……」 「……」 「ど、どうしました?」 「京ちゃんはずるい」 「そういうのは良くない」 「まさかの不評!?」 「でも、とってもいいと思う」 「……悪くない」 「は、はは……」 プイッと視線をそらされた。 一瞬失敗したかと思ったけれど、照れてるだけみたいだ。 うん。二人のことがなんとなくわかってきた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4/10 照さんもシロさんも、無表情に見えるだけで感情がないわけじゃない。 二人とも負けず嫌いで、女子力?を競っていた時もあった。 料理だって二人で作ってあーだこーだ言い合っているし、麻雀も勉強も負けたくないらしい。 「本当、二人とも負けず嫌いですよね」 「……誰のせいだと思ってるの」 「京ちゃんだし」 「えっ、俺のせい?」 「……なんでもない。 京、お茶のお代わり」 「えっ、もう飲んだんですか? 熱くなかったですか?」 「白望は照れて無理やりお茶を飲んで誤魔化してる」 「えっ?」 「照。黙らないとその舌を捻じ切る」 ~~ ~~ -―――- ~ ~ ..... . `丶 / \ } } . . { { / / . . │ |\ |\ | . } } / | / | | ト- |--∨\ | { { / /| |ノ| 八 | _..斗-=ミ\| | | / | /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ | | }  ̄ ̄ | | イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| | | { { | 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | / | } |/| {. ハ (⌒)=='' /// |/} | | ヽ_| /// __,ノ | }. { | 八 _.. ‐~‐-、 イ | { 「京ちゃん、白望がこわい……」. } | 个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ | レヘ _≧=一ァ 〔/⌒T iT7ス / ∨\ /r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ } { ∧ | / / / ∧ { } / {\/⌒)_∠__/| / ∧ / ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ / ∨ハ. {_ / \/ _〉. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5/10 「あーもー、喧嘩しないでください」 「喧嘩していない。これはじゃれ合っているだけ」 「じゃれあいで舌を捻じ切るなんて単語出ませんよ!?」 「……」 「んあ? なんすか照さん」 照さんが俺の肩に頭を乗せてきた。 ちょっ、なんかいい匂いがするんですけど!? 「白望がこわいから守って」 「いや、これは冗談って言ってるじゃないですか」 「こわい」 「……照」 「そんなこと言って、シロさんは本当にそんなことするような人じゃないですよー」 「こわい」 何度言っても聞いてくれない。 心なしか照さんの顔が赤くなっているように見えるのは、気のせいだろうか。 なんだか俺まで恥ずかしくなってきて、顔を赤くする。 「京」 「……?」 「……」 「シロさんまで」 シロさんは珍しく膨れっ面で、こっちに頭を預けてきた。 照さんは肩で、シロさんは膝枕だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6/10 「白望、ずるい!」 「先に場所を選んだのは照でしょ」 「ぐぬぬ……」 「あ、あはは……」 いざ、意識してみるとさすがに察する。 とはいえ、今はそれを言葉にするべき時じゃないと思う。 「京ちゃん、私も!」 「あー、オッケーです。 シロさん、ちょっとずれてもらえますか?」 「……ん」 意外に素直だ。 シロさんは照さんが反対側から頭を預けられるように、少し身を引いた。 でも膝枕は止めないようだ。 「京ちゃんの膝、固いね」 「男ですからねぇ。 女の子とは違いますよ」 「……鍛えてる」 「ちょっ、どこ触ってるんですか!?」 「白望!?」 「腹筋が割れてる」 「わ、私も!」 「く、くすぐったいっす!」 「京ちゃん固い……」 「やめてぇ!」 二人とも寝転がりながら器用だな! 照さんは顔が真っ赤、シロさんはイタズラを成功させたように笑っている。 二人とも、笑ってる。 それなら、いっか!ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7/10 「女の子の膝はもっと柔らかいんだよ」 「照さん!?」 「特に白望の膝は心地よい」 「!?」 あっ、シロさんが驚いてる。 そういえば照さんが反撃するのって珍しいな。 「それに顔に胸が乗っかる。 白望は卑怯」 「マジで!?」 「……京、変態」 「あっ、違っ、これは……」 「むすー……」 「て、照さんなんで怒ってるんですか」 いや、想像はつくけれどもそれを言わないくらいは聡いつもりだ。 「いいもん。 私が膝枕してあげれば、京ちゃんの顔が見られるし」 「えっ、してくれるんですか?」 「きょ、京ちゃんがしたいなら、いいよ?」 「……京、スカスカよりこっちのほうがいい」 「え、えっと……それは大変魅力的な……」 / /. / j | ト |. | | | _i ∧ |i / /. | i | |. / `ヽ | |i | '´ | / V .| / ! i |ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .| 八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 | / |. 八 | 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | \{ ! {斗ニ刀 {斗ニj匀. i | ハ 气l∪iリ 气l∪ikリ. l | i l{',、 乂Zソ 乂ZZソ 「京ちゃんのえっち……」 | | j , | | { | | ヽ ,ィ⌒ー'⌒ヽ. | /| | > . `-⌒ ⌒'‐′ . < | / 乂| ∧ | 、 ≧= ___ <---ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8/10 「いや、照さんの膝枕もすごく魅力的で……」 「ふん、だ」 「あー」 へそを曲げてしまったようだ。 ど、どうしよう。 「京、頭を撫でて」 「!?」 「えっ!?」 「私と、照の分も」 「!!?」 「マジですか!?」 そんな、女の子の頭を撫でるなんて!? 髪の毛は女の命っていうし、彼氏でもそうそう触らせないって聞いたことあるのに! 「照はちょろいからそれで機嫌がよくなる」 「ちょろくないもん」 「じゃあ私だけ撫でて」 「!?」 「え、えっと、本当にいいんですか?」 「かまわない」 「そ、それじゃ失礼します……」 頭の中が真っ白になって、自分が何をしているかわかっていない。 欲望の赴くままにシロさんの頭を撫でようとすると、照さんが袖を引っ張った。 「……わ、私も撫でていい、よ」 「ーー!」 その反応はちょっと、可愛すぎじゃないだろうか。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9/10 …… … 「京ちゃん、くすぐったいよ」 京ちゃんに頭を撫でてもらっている。 おっかなびっくり、といった風に撫でているのがよくわかる。 『頭なんて撫でたことないですし』と文句を言っているけれど、聞こえないふりをする。 確かに撫で慣れていない。 撫でているというよりかは押し付けている、という感じかもしれない。 それでも、京ちゃんの大きな掌が私の頭を撫でているという事実が胸を暖かくする。 隣で寝ている白望も気持ち良さそう。 思えば彼女とも色々あった。……女子力勝負とか。 でも今は、京ちゃんも白望も、どっちも大切。 _ ´ノ ______ つ ´ `丶、 / \. / \ \ \ ′ / \ | │ │ | | | ヽ | . .. | '⌒| │|⌒∧ |  ̄ ̄ ` | . . . . . .|i | |八/l /| 人|/ ハ |. '. . . . . 八 |八| - |/ x.=ミ { . リ. '. . . r‐\ | x.‐=ミ . 、、、Ⅵ / | '. . 人て ⌒ 、、、 J}/ . | 「(えへへ、京ちゃん。とっても気持ちいいよ)」 、 . 个 ー -、 _ ‐~ァ イ\ │ \|\ \_{> `ー -=≦|ノ_ ∨ r≪⌒¨¨ \  ̄[\ 》 |\ //⌒≧==- マ⌒¨¨¨〉 // | ノ\ ーーだから今は、もうちょっとこのままでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 10/10 …… … 全く二人とも、世話がやける。 私がお世話をしてもらいたいのに、なんで私がお世話をやかないといけないんだろう。 京は体を使ってお世話をしてくれるけれど、心の機微に疎い。 もっと女の子の気持ちを捉えられるようにしてほしい。 「……京、こっちはちょっと痛い」 本当は痛くなんてないけれど、撫で慣れていない京をからかう意味で言ってみる。 京は焦ったのか、力を弱めて髪の毛を軽く触る程度に切り替えた。 そんな風に、私の一言でアタフタする京が可愛くて、愛おしい。 そしてまた、隣にいる照もそう。あんなに競い合っていたのに、今は大事な親友になれた。 「京、顔が赤くなってる」 「し、シロさんだって顔赤いじゃないですか」 〃-‐‐-----‐'/´ ,, - '' ー '、 ´ ヽ\ / / | | ヽ \ / ,/ /| l _< ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ  ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃 j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ / 廴 /// /// | } {/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/ 「ーーっ!」 / 〉 | 〉、 " /`ヽ ヽ〈 V/l ハ ,' | ヽ「」/ ヽ, l ! 〈/ヽ〉 } └t-ィ ヽ イ そんなこと言えないように調教しないといけない。 それでも、今は、今だけはーー ーーもう少しだけ、この奇妙な三角関係でもいい
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戦闘アニメのON/OFF 戦闘アニメのON/OFF概要 設定方法戦闘中に表示するOFF時のコメンド名 使用するスイッチ スクリプト 概要 ターン開始時にアニメのONとOFFを選ぶメニューを追加する。 毎ターン選択が可能。 ONを選択すると通常通りのアニメで戦闘を行う。 OFFを選択すると「通常攻撃」のアニメで戦闘を行う。 長くてカッコいい大技が、後半だらける時などに。 設定方法 設定場所は9行目と10行目 戦闘中に表示するOFF時のコメンド名 BattleAnimeCommandName = "戦う アニメOFF"の「戦う アニメOFF」部分 ここの名前が、戦闘中のメニューに表示されます。 ONの時の名前は、ツクール上で設定した「戦う」部分になります。 使用するスイッチ このスクリプトはゲームスイッチで管理しています。 ここで使用するスイッチ番号を指定してください。 指定した番号をゲーム中で使用しないよう、気をつけてください。 スクリプト このページ下記の「battleanime_1.0.txt」を右クリック保存してください。 IEだと問題ないですが、他ブラウザだと保存時拡張子が消える場合があります。 その場合、DL後拡張子に.txtをつけるか、開く時メモ帳なんかで開いてください。
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413 ぴかぴかてるてる序 2011/05/01(日) 21 39 31.65ID NBGZ469A 414 ぴかぴかてるてる① 2011/05/01(日) 21 44 34.37ID NBGZ469A 415 ぴかぴかてるてる② 2011/05/01(日) 21 49 50.48ID NBGZ469A 416 ぴかぴかてるてる③ 2011/05/01(日) 21 54 57.60ID NBGZ469A 417 ぴかぴかてるてる④ 2011/05/01(日) 22 00 05.07ID NBGZ469A 418 ぴかぴかてるてる⑤ 2011/05/01(日) 22 05 00.62ID NBGZ469A 419 ぴかぴかてるてる⑥ 2011/05/01(日) 22 10 06.98ID NBGZ469A 420 ぴかぴかてるてる⑦ 2011/05/01(日) 22 15 15.28ID NBGZ469A Sayほー! ……豪快に過疎ってますなあ びっくり 悲し あ、どーも 来ました 392 さん 399 さん レスに心より感謝です へへへ 絹ちゃん、ちゃんと謝った! 良い子! 地味にすごく嬉しい きっとええ子やて信じてたでー うんうん そして透華さまっ アホ毛も麗しくご健勝のご様子、なによりでございます ころもちゃんも楽しそうでほっこり 純のアニキたちも傍にいるのでしょうか 「おいおい、この巫女いいのかこれ? 全国放送だろ、これ」 「そう? 別に普通の格好じゃない? 夏だし」 「……見えてる」 はじめちゃんとハッちゃんは、気が合うに違いないのですよー てなわけでSS投下でございます ……なんだけど、 忍法帖、仕組みがよくわからぬのでござるよ 行規制とかこれまで通りでいいんじゃろか 前回何とかなったので平気かなと思うのですが、なんか規制とかされたら投下中止必至 出直します かような事態に至った場合、何卒ご容赦賜りたく候 あと連投容量規制がとても厳しいようなので、少々ゆるりと参ります 5分間隔くらいかな さて、前置きはこの辺で 照お姉ちゃんのお話しの続きで、7~8レスれす どぞ 出 演:チーム虎姫の皆さん、白糸台高校麻雀部エキストラの皆さん ほか 百合分:それは青い鳥のように エロ:ないのだ ばか度:安心と信頼のアレなのだ 280 「帰るところ、待っているひと」 の続きです おねえちゃんは一年生! なお話 ぴかぴかてるてる&すみれちん! それでは、 ↓スタート ************************* 「 あおい風、想いのかけら 」 「む? ……どこだ、ここは」 弘世菫はある部屋に立っている。見覚えがある。部室……? いや、細部が何処となく違う。「……ふむ。これは……」 軽く腕を組み、周囲を観察する。 菫は基本的に、常に冷静沈着である。 名門・白糸台高校麻雀部は常態百名を超える全部員の士気も一様に高く、所謂軍隊式の規律など とは程遠い自由な気風でありながら、ここ数年は一枚岩とも言える鉄壁の状態を保っている。 いかな名門と言えど、そうでなくては全国はおろか強豪ひしめくこの西東京で、団体戦において 近年これほどの戦績を成し遂げることは難しかっただろう。直接戦うのは頂点の5名であるが、 それを支える者たちの力を侮ってはならない。 そういった態勢(寧ろ”チームワーク”と言うべきか)を作り上げ、且つ維持することが可能で あった要因といえば、やはり 「宮永照」 という巨大なカリスマの存在が第一に挙げられる。 だが同時に、そのことを加味しても尚、これほどまでに見事に統率されている実質的な要因を思 うに 「弘世菫」 の存在は不可欠であり、その手腕によるところはすこぶる大である、と断言 することもできる。学内外を問わず、関係者の中でそのことに異を唱える者はいない。 理知的、聡明、合理的、冷徹、……、外部の彼女に対する評価は、その秀麗な容姿もあってか、 総じてクールビューティーという一言に集約される。しかしただそれだけでは、人は動かない。 彼女の持つ大きな優しさや暖かさ、実はそれこそが多くの部員が彼女を慕い恭順する本当の理由 なのだ。まあ言ってみれば、もう一人のカリスマである。 照の持つ異名の一つ、「猛き虎姫」、それに対となる 「怜悧なる虎姫」 とは菫のことだ。 「恥ずい。いやだ、中2っぽい」 とは本人の弁である。 「! ……照」 いつの間にか、菫の隣に照が佇んでいた。この世でただ一人、菫のこころを 惑わせる存在……。無言で菫を見つめ、にこやかに笑っている。「照、どうし…ぅわっ」 「ふにゃ~ん」 突然、照が甘えた声を出し、しなだれかかってきた。 「ふにゅ~ん」 菫の首に手を回し、その頬に情熱的な口づけをし始める。 「わっわっ! て、照! きき急になんだ、どどどどうしたこんなところでっ」 * * 「こら、やめっ、やめろって照、……うふふっ、もう、ばか、誰か来たらどうす……っん? む……ぅうおわっ!」 目覚めた菫の目前に、どどーんとアップで猫の鼻面が迫る。 ここは白糸台高校麻雀部部室棟、通称「虎姫城」 の3階、一軍ミーティングルームである。 ソファーに寝そべって優雅な午睡と決め込んでいた菫の上に、部員猫のカテリーナがその大きな 体を横たえていた。 「ふぐぅるる~、うるるるる~」 ゴロゴロ喉を鳴らしながら、前足で菫の胸元をもみもみしつつ、ぺろんと頬をなめた。 「カカッ、カテリーナ! こらやめっ、ちょっ、痛たタタイデデデデっ」 舌がザリザリなのだ。続けてそのまま、カプッとほっぺをアマガミ攻撃。「ふみゅるるー♪」 「うううくっ食われる、誰か、取って」 「あははっ、先輩、いい夢見てたみたいっすねー」 笑いながら誠子がよいしょっとカテリーナを抱き上げた。「うにょー」 猫様は不満げである。 「ずるーい、菫先輩ばっかりー。どうして私にはあんまり甘えてくれないのー?」 淡がぷくーっとほっぺを膨らませて抗議した。 「……淡は構い過ぎ」 湯飲みのふたを少し開けて、お茶の香りを嗅ぎながら尭深が呟いた。 カテリーナが来てから、尭深は部室の湯飲み全てに蓋を揃えた。抜け毛対策である。 でも特に不満というわけでもないらしい。普段はそっけないが、たまに無言で微笑みながら 猫じゃらしでカテリーナと遊ぶ尭深が目撃されている。 「ははは、照ママが留守だから、菫パパにべったりなんだよなー、カテ子」 「うみゃ」 「ちょっと待て誠子、なんで私の方がパパなんだ」 眠たげな目をして菫が言った。 「……そこですか……」 やれやれと尭深がお茶をすする。 もしこの場に蒲原がいたら、「そりゃーおっぱいおっきいからさー、チチだけに。ワハハー」 と、セクハラおやじギャグの一つもかましてくれたことだろう。しかしここは東京なのだ。 残念でならな……ゲフンッ、いやその、さておき、なぜ照が不在かというと、 「照先輩、今どこら辺ですかねー。長野かー、どんな処だろ」 誠子がしみじみと呟く。 「さてな。あいつ自分のこととか昔の話、したがらないしな……」 そう、照は帰省しているの である。今、学校は休暇期間中なのだ。しかし虎姫城は眠らない。公的には部活動も休みだが、 こんな時でも大抵誰かしら有志が登校し、熱心に活動を続けている。今日も菫たち以外にも、全 部員の約半数が出て来ていた。まあなんというか、練習は厳しくても、楽しいのだ。 「昔のせんぱい! 知りたい、知りたーい!」 淡が食いついた。 「だから、私もよくは知らんのだ」 尭深が差し出したおしぼりで顔を拭きつつ、菫が答える。 ノーメイクなのだ。でもぴちぴちなのだ。唇なんかもう、桜色のつやっつやなのだああもう。 「でも以前のことって、興味あるなあ。新入生の頃の先輩たちってどんなだったんですか?」 「……同意。聴きたいです」 「どんなって、あのなあお前たち……う」 期待に満ちた瞳をきらきらさせて、三人が身を乗り出し、菫を見つめる。きらきら。 カテリーナが菫の膝にひょいっと乗った。「うなっ」 さあ話せ、とでも言っているのか。 「ふぅ、まったく。話ったってなあ、さて何を……ふむ、そうだな……」 * * * * 「宮永……? 聞かない名だな」 初めて会ったときから、気にはなっていた。 中学の大会などではその名を耳にしたことは無かった。もっともこの女子麻雀界では何故か高校 から飛躍的に伸びる者が、他の競技に比べて圧倒的に多いと言われている。あるいは今まで隠れ ていた強者が台頭するのが、まさにこの年代からということになるのか。 とりわけこれまで魔物と呼ばれて来た者たちは、15歳前後を境にその能力を開花させている、 と主張する研究者もいる。「麻雀Today」 の特集記事のテーマになったこともあったが、もち ろん小中と安定して強かった選手もいるわけで、その信憑性は半信半疑といったところだ。 入学して半月が過ぎ、数十名の新一年生の中での格付けも、なんとはなしに付いた感がある。 菫と同様にトップグループに位置する者の中に、宮永照はいた。いや、頭一つ抜きんでている。 正式なランキング戦ではなかったが、ある時余興として急遽組まれた対局で、彼女は二軍筆頭の 3人を相手に、南三局で全員をとばしてのけた。たった一度の対局で評価されることもそうはな いが、その非凡な打ち筋はその場にいた全員に宮永照の名を強く印象づけることとなった。 ある日の休憩時間、一階3軍部室の窓際にぽつんと一人で佇む照に、菫はそっと近づいた。 「今日も調子いいみたいだな、宮永」 「……べつに」 にこりともしない。無愛想だ。 もしかしたら、試合中に表情を読まれることを警戒して、日頃から意識してポーカーフェイスで いるのかもしれない。勘ぐり過ぎだろうか。 「……何か、用?」 「用がなきゃ、話しかけちゃだめか?」 「……」 「ふふ……いや、お前ほどの奴が何で今まで無名だったのか、興味があってな」 実はそれだけではない。何故か妙に魅かれるのだ。気が付くと目で追っている。 「……ぬるいんだ」 「ん? 何だって?」 「ここが……ぬるいんだよ」 「は、あははっ、そうかぬるい、か」 名門も形無しだな。こいつ、面白い。 「おら、それだ! ローンッ!」 突然、部屋の中央付近の卓で大きな声がした。 上級生と思われる4人が卓を囲んでいる。3軍の生徒たちが遠巻きに取り囲み観戦している ようだが、何か様子がおかしい。全員一様に眉をひそめて、暗い顔をしている。 対局者の一人は、3年生であるが3軍の部員だった。とても面倒見のよい人で、新入生たちの 世話役みたいなことを率先してやっている人だった。あとの3人はあまり見ない顔だが、確か やはり3年生で、複数ある2軍チームの中でも、末席あたりの連中だ。 3軍の先輩の一人沈みのようだが……。 「コレでアンタ、残りぴったり千点ぽっきりだよん。ど・素・人w」 「残念でした~ツイてねーなーw、クヒヒッ、おまえ、日頃の行いとか悪いんじゃね?」 「そうそう、私ら見習って、ヒンコーホーセーでなきゃだめなのよ~ん?w」 ヒャッハーッハハハー、と3人の下卑た笑い声が部屋中に響いた。 「う、くっ……」 3軍の先輩は、悔しそうに俯いている。 「ねぇねぇ、アタシ前からあんたに訊いてみたかったのよね~」 リーダー格らしい一人が、 3軍の先輩の顔をのぞき込み、ニヤニヤ笑いながら言った。「弱いって、どんな気持ち~?」 ぶるぶると先輩の肩が震えていた。「おまえってさぁ、ここにいる資格、あんのかぁ~?」 「! ……わっ、私」 「はぁ~ん? 何だって~? 聞こえんなぁ~?」 ギャハハハハハ 「……なんだ、あいつら」 菫が眉根を寄せる。 「嫌な面だ。気に食わんな……ん? あれ? 宮永……って、おい」 隣にいたはずの照がいない。ふと前に目を戻すと、いつの間にか件の卓の脇に立っている。 3軍の先輩の肩に手を置いて、照がぽそりと言った。「……交代」 「あん? んだてめえ、すっこんでろや1年坊!」 2軍の一人が凄んだが、照は意に介した 様子もなく、3軍の先輩の手を取り席を立たせた。「み、宮永さん、あの……」 「交代」 有無を言わさぬといった感じで、無表情のまま、ふわりと着席した。「おいっ、こらてめ」 「 黙 れ 」 大声を出した訳ではない。透き通るように透明で、静かな声だった。 しかし照が発声した瞬間、ヴンッと何か目に見えない力のようなものが音もなく場を駆け抜け、 部屋全体が凍りついたように、しんと静まり返った。 呆然とする2軍三人のうちの一人が、はっと気づいたように身じろぎした。 陰惨な目つきで醜く顔をゆがませて、吐き捨てるように言った。 「……お、おまえ、確か宮永とか言ったな。調子こいた1年坊がいるって、噂んなってるぜ」 「……ば、バカな奴~。ここにはね、こわ~い先輩だって、いーっぱいいるのよ~ん?」 「……サルだな」 眉一つ動かさずに、照が呟いた。「? ああ?」 「猿山のサルが、無駄口を叩くな。賽を振れ」 「っ! こ、この」 「 賽 を 振 れ 」 照は静かな口調のままである。だがその声は、まるで物理的に大きな圧力を持つかのように、 その場にいた者の胸腔深くに響いた。 (何だ、こいつは……) 親番の2軍生が震える手でおずおずと賽のスイッチを押して、 静まり返った室内に、全自動卓の作動音だけが小さくコトコトと反響した。 配牌が済んで、対局が始まる。そのとき3人の2軍生がチラッと目配せを交わし合ったのを、 菫は見逃さなかった。「……あいつら、まさか……」 「は、ははっ、残り千点でなにができるっつーんだよ。カッコつけてんじゃね~よw」 一番大柄な下家の2軍部員が、照に向かって身を乗り出し、歯をむき出す。 「……何をしようと、無駄だ。 ……リーチ」 ぴしっと場に最後の千点棒を置いた。 「ダ、ダブリー!?」 「ここ、このやろ」 「ぅええっ?……あ」 「……ツモ」 ダブリー一発ツモタンピンドラドラ 倍満 2軍三人が青ざめる。照の表情は変わらない。 「さて……私の親だ」 細い腕をするりとのばし、形の良い爪の指先で賽のスイッチを入れる。 「てて、てんめぇ~」 2軍生が冷や汗をかきつつうなる。 「……何をしても、いい。好きにしろ」 なんともつまらない、といった風情で照が呟く。 「無駄だけど。……お前たちはもう、トンでいる」 あとはもう、一方的な展開だった。駆け引きも何も、あったものではない。そのときの照の闘牌 は、その場で観ていた者たちに、絶対的な強者による圧倒的な暴力を連想させた。 (ああ、あいつ、怒ってるんだ……) 怒れる魔王の無慈悲な鉄槌……。 涼しげな、しかしまだどことなく幼さの残る照の横顔を見つめて、菫は一人納得していた。 わずか数局で、照が2軍の三人を同時に吹き飛ばし、対局は終了した。 呆然とする三人に向かって、照が囁くように語りかける。 「自覚がないようだから、わかるようにしてやったんだが……どうだ?」 「? な、なによ」 リーダー格が虚勢を張るように、顎をあげた。 「貴様、訊いていただろう?……どんな気持ちだ?」 いかにもあきれたといった様子で、つまらなそうに照が言った。 「!、こ、このガキっ!」 三人が勢いよく席を立つ。「てめぇ、こ、ぎゃっ」 照に掴みかか ろうとした大柄な2軍部員の手を、いつの間にか傍に来ていた菫が捻り上げた。 「まさか天下の白糸台で、サマなんぞを見せられるとはな」 掴んだ手をぐいっと引いて卓の 上で振ると、袖口からコロンッと牌が二つ転がり出た。イカサマだ。 「は、離せっこのっ、あ、いててっ」 「ま、不発だったみたいだけどな」 投げ捨てるように、そいつを残りの二人の方へ押しやる。 「わかってたんだろ? 指摘しろよ」 席に腰掛けたままの照に、菫が訊いた。 「……無駄だと言ったさ」 無表情のまま俯いて、照が答えた。 少し悲しそうに見えるのは、気のせいだろうか。 「て、てめえらこの! な、なめやがってぇーーっ!」 怒りに真っ赤になりながら、大柄な2軍部員が椅子を持ち上げ、二人の方に突進して来た。 ズドンッ 「ぐぅえっ」 「うわっ」 「きゃあっ」 ガシャガシャンッ 菫のすらりとした長い右足が、まっすぐ正面に伸びていた。 持ち上げた椅子越しに、菫の前蹴りをまともに食らった2軍部員が残りの二人のところに吹っ飛 び、三人まとめてもんどりうって倒れた。 すぃっと右足を戻し、ぱしっとスカートの裾を払って、ずいっと一歩、菫が前に出た。 「立て」 手のひらを上に、クイッと手招く。 「ああそうそう、こわ~い先輩たちとやらも連れてこい。まとめて畳んでやる」 軽く顎を上げて、三人を見下ろす。長身の菫が仁王立ちで、ひときわ大きく見えた。菫も怒って いるのだ。その迫力に気圧されて、2軍の三人が縮こまる。 「そこまで」 唐突に、凛とした声がその場に響いた。周囲の3軍生たちの一角が開いて、五人 の上級生が前に出てきた。1軍のお出ましだ。 「……」 菫が軽く身構える。 「ふふ、そう警戒するな。こわ~い先輩ではないよ」 菫の方へ手をかざし、1軍筆頭でもある部長が笑いかけた。 「なかなかの見物だったが……、そこの三人」 床にヘたり込む2軍生が、びくっと反応する。 「お前たちには色々と訊きたいことがある。……連れて行け」 数名の上級生が、うなだれる三人を立たせて、まとめて部屋から退出していった。 「さて、宮永と弘世、だったな……ん?」 「あ、おい、宮永」 照が席を立ち、1軍には目もくれずに、初めに対局していた3軍の先輩の前に立った。 「み、宮永さん……」 戸惑う先輩に、静かに照が訊いた。 「ここは、そういうところ?」 「? え……?」 「バレなければ、イカサマでも何でも、アリなところなの?」 「!、ち、違うっ! 違うわ!! ここは、私たちが目指すものは、そんな……っ」 軽く頷いてから、照が続けて訊いた。「……麻雀、好き?」 「え、……す、好きよ、大好き。弱いけど、へたっぴだけど、私は麻雀が好きっ」 「充分だ」 「? あ、あの」 「あるじゃないか。資格」 静かな部室内に、照の透き通った声が染み渡る。 「あ、……っ」 先輩の瞳から、一筋の涙が伝い落ちた。 「つまらない麻雀を打って、気分が悪い。先輩、半荘つきあっていただけますか?」 ほんのかすかに、照が微笑む。 「……はい、よろこんで」 涙を指先で拭い、先輩がふんわりと笑った。 「ぜひとも私も混ぜて欲しいね」 菫が二人に声をかける。 「……」 照が口を開きかけて、少し戸惑うような様子を見せた。 「ふん、どうせ覚えてないんだろ? 弘世だ。ひろせすみれ。すみれって呼んでくれ。 私も照と呼ばせてもらう」 「……好きにしろ」 「私も打たせてもらうぞ」 放っておかれたことを怒るでもなく、部長が進み出て、 「さあ、お前たちもぼーっとしてないで、練習を始めろ」 周囲の3軍生に声をかけた。 はっと3軍生たちが顔を見合わせ、わらわらと周りの卓へ散っていった。 「さて、はじめようか。正々堂々、半荘勝負!」 * 放課後の校庭を斜光が照らし、運動部員の長い影が伸びている。吹奏楽部の奏でる音色が、 夕暮れの空に吸い込まれていく。部活終了後の軽いざわめきを背に、部室棟の出入り口で、 照と菫、そして部長が佇んでいた。 「良い対局だった。二人とも、噂に違わぬといった感じだな」 部長が満足そうに頷いた。 「ありがとうございます。……ほら、照、なんか言えよ」 「……」 「ふふ、かまわんよ。しかし……猿山のサル、か。さしずめ私はボスザルってところか」 「いや、あれはその、言葉の綾っていうか、なぁ照」 「……」 (なんか言えよ、もう) 「あはは、いいんだ、弘世。実際、名門校の1軍筆頭と粋がったところで意味もない。 昨年はついに全国出場を逃してしまったしな、立つ瀬ないよ」 「失礼します」 ふらりと照が歩き出す。「お、おい、照」 菫が一歩踏み出す。 立ち去ろうとする照の背中に向かって、部長が問いかけた。 「宮永、君はどう思う? 我々はこれから、どうあるべきなのだろう」 「……猿山の、サルではダメ」 足を止めた照が、ぽつりと呟いた。 「ふむ。では、何ならいいんだ?」 半身で振り向き、照が答えた。「虎だ。……虎にナルンダ」 逆光で影になり、表情は読めない。だがその両の瞳は、ぎらりと強い光を放っていた。 「ふむ。虎、か」 顎に手を添えて、如何にも面白い、といった感じで部長がニヤリと笑った。 (はー、なんか格好いいなー、こいつ) 妙に感心しつつ、菫は照を見つめていた。 (でも一歩間違えれば、かなり痛い子だよなー……って、あ、あれ? あぶ) 「……失礼しまっ……!」 ずりっ、ぺちょ。 「て、照!」 「宮永! どうした」 照が転んだ。特に足を取られるような障害物など何もないのに。菫が慌てて駆け寄った。 「おい、大丈夫か?」 「へ、平気だ。なんともない」 無表情だが、耳が赤い。あとちょっと涙目。「い、痛くない」 痛かったらしい。 「足! 血、出てるじゃないか!」 「だから平気…って、ぅわっちょ」 がばっと菫が照を抱き上げた。お姫様抱っこだ! 「こ、こら! ばかっお、おろせ菫!」 照が手足をバタつかせる。 「おとなしくしろ! 保健室まで運ぶ。では部長、失礼します!」 照を抱っこしたまま、菫が駆けだした。 ぽかんと二人を見送る部長。「……ふ、ふふっ、あはははははっ」 「なんです? んな馬鹿笑いして」 1軍の一人が近づいてきた。副部長である。 「あはは、1年に虎のお姫様がいた! これから面白くなるぞっ! 私ら皆、虎になるんだ!」 「? はぁ」 だいじょぶか? この人……。副部長が怪訝な顔をして、ため息をついた。 広義では、白糸台麻雀部員の代名詞ともなる呼称、”虎姫”――、その誕生の瞬間であった。 「痛くない、ホントだぞっ!」 「わかったわかった、照は偉いな、わかったから暴れんな!」 * * * * 「『……無駄だと言ったさ』 ……うきゃーもぉーかっこいィー!」 「う゛にゃにゃにゃっ」 淡がカテリーナをむぎゅっと抱きしめて、ソファーの上でゴロゴロ転がった。「んに゛ょあー」 「はー、照先輩、最初っから鬼強だったんだー」 半ばあきれたかのように、誠子が呟く。 「そんなことが……サマって……その人たちは?」 ほんの少し眉根を寄せて、尭深が訊いた。 「さすがに退学なんてことにはならなかったが、部にはいられなくなった。卒業前に3軍の先輩 の処へ謝りに来たそうだ」 沢山話してのどが渇いたのか、菫がお茶を一口飲んでから続けた。 「何度か校内で見かけたがな、憑き物が落ちたみたいに、すっきりした顔で笑ってた。ここは厳 しいトコだしな……連中も色々あったんだろうよ」 菫は部員のメンタルケアにさりげなく重点 を置いている。そういった体験が、そうするきっかけとなったのかもしれない。 「『お前はもう、トンでいる……』、くぅ~、今度言ってみよーっと」 淡は能天気である。 「……公式戦でそれやったら、ほっぺつねるから。おもいっきり」 尭深がさらりと呟いた。 「じゃあ、私はデコピン3連発だ」 「こめかみグリグリがいいっすよ」 「ええー、ひどいー! 体罰はんた~いっ!!」 ほっぺたぷくー。 「ははは……あ、そだ、前から訊きたかったんすけど、てる係ってなんでできたんですか?」 「ん? ああ、あれはなぁ……」 誠子の問いに、ちょっと言いにくそうにして菫が答える。 「……調理実習室の天井、焦げてるトコあるだろ? あれな、照だ」 「え! そうなんだ!」 「初代校長の胸像、前に首がもげたことあるんだが……」 修繕の跡が首に一筋ついており、少 し小首を傾げた様になっている。見ようによっては、ちょっとお茶目な感じと言えなくもない。 「ま、まさかそれも」 「……照だ」 深いため息をつく菫。 「いや、わざとじゃないんだ。照は悪くないんだ、うん。ただちょっと、不幸な偶然というか、 ドジッ娘というか、危なっかしいっていうか、放っとけないっていうか……うう、察してくれ」 両手で顔を覆って、呻くように菫が言った。一体何があったというのか。 「あー…、なるほど」 「……お疲れさまです。ホントに」 「いいか、これはトップシークレットだ」 真剣な表情で、菫が言い聞かせる。 「えー、照先輩は、ちょっとドジっ娘なとこがカワイイのにー」 淡はちょっと不満そうだ。校内では、割と有名なことなのだ。まあ隠しようもないし。 「ダメだ。もしマスコミに知れてみろ、1万人の頂点が1万人の笑点になりかねん」 「ぶー、もっと人気出ると思うのに~」 ぷくぅー、とほっぺが膨らむ。 「ダ・メ・だ。照に憧れて入ってくるヤツだって多いんだぞ」 「あ、私、麻雀Todayの写真見てファンになりましたー。ピースしてるやつー!」 「……それ、照に言うなよ。あのときは、大変だったんだ」 「え~? なんでですかー?」 「あれ、照は嫌がったんだよ。それを部長が『新入部員獲得のためだ、愛想良く!』 とか何 とか、なだめすかして言いくるめてな。……そのあと一週間、そこの隅っこに涙目で体育座り して、私以外の誰とも口を利こうとしなかった。照のマスコミ嫌いの発端だな」 「(め、めんどくさっ)そりゃ必要っすね。てる係……」 「……だろ?」 「……でも、係、嫌になったりしないんですか?」 「ん? 何で?」 菫が小首を傾げる。 「ふふ、尭深、愚問だよ、それ」 「……みたいね」 「? なんだよ?」 キョトン。「何でもないっすよ。ごちそうさまですw」 ニヤニヤ。 「あ、もうこんな時間。へへー、照先輩、今頃京都にいたりしてー」 淡が笑いながら言った。 「……ありうる。洒落にならない」 不安そうに尭深が菫の方を見る。 「いや、心配ない。今朝ちゃんと駅で見送った」 「お疲れ様でした。さすがてる係っすね」 くすくす。誠子は楽しそうだ。 「……でも、京都はないにしても……」 やっぱり心配そうな尭深。やさしいのだ。 「手は打った。清澄の竹井に連絡しておいた。フォローしてくれってな」 「妹じゃなくて?」 「あー…、咲はなぁ……、なんというか、照の妹なんだそうだ」 「へ? 当たり前でしょ?」 「いやそうじゃなくてな、なんというか、方向感覚的にそれはもう姉妹だなあって感じらしい」 「あー…、なるほど」 「へー、咲ちゃんそうなんだー」 「……姉妹そろって……(萌え)」 「でも、大丈夫かなぁ。竹井って、確か清澄の部長っすよね」 「そうだが? 何だ、何か気になることでもあるのか?」 「いや、全国大会のとき会場で、長野から観戦に来たって子と、ちょっと話したんすけどね」 「ん? なんでまた?」 「ロビーの柱の影で、長野の応援団の連中と一緒にいる清澄の方を見ながら、何かブツブツ言 ってたんで、ちょっと気になって声かけたんすよ。そしたら『私が見えるんすか!?』 なん て言って、変わった子だったなぁ」 「何だそれ……で、その子がどうかしたのか?」 「いや、その子が言うにはですね、竹井って地元じゃ有名な女ったらしなんだそうで」 「な……何?」 「へー」 「……やはり」 尭深は何かを感づいていたらしい。 「一言会話したが最後、確実にフラグが立つとか何とか、訳の分からないこと言ってたっけ」 「……」 「ま、気にしすぎかな。照先輩には関係ないっすよねー……って菫先輩?」 やにわに菫が席を立った。ツカツカとドアへと向かう。「菫先輩、どこ行くんすか?」 「……ちょっと長野に行ってくる」 「はぁ、行ってら……って、えええっ!?」 誠子が慌てて菫の腕を取り、引き止めた。「ちょっ、待った待った、先輩ってば!」 「離せ、誠子! 行くったら行くんだ! 照は私が守る!!」 「あー、いいないいなー、私もお供しま~す! 咲ちゃんにも会いたいしー」 「こらっ、淡! ああもう、大丈夫っすよホラ、照先輩、妹一筋じゃないですか」 「……それも気に食わん。この際、私の照だということをはっきり証明してくれる!」 「あーもう何言ってんですかもうっ! ほら尭深、あんたも止めてよ!」 「……今から向かえば、夜には着けますね。宿の手配をしないと……」 おもむろに携帯を 取り出し、操作し始めた。「ああああんたまでっ!?」 途端に部室が騒がしくなった。「……うにょわ~」 出窓にひょいっと飛び乗って、やれやれ とでも言いたげに、くぁあっとあくびをするカテリーナなのだった。 一方その頃、某県某所の、とある喫茶店――、 「ふぇっ、くしゅっ」 「なんじゃ、風邪か?」 「あ゛ー、違うと思うけど。誰か噂でもしてるのかしらねー、美少女は辛いわー」 「いってんさい。……お、そろそろ電車が来る時間じゃね」 もうすぐ 嵐がやって来る。 *********************** 以上 読了感謝 ですわっ 421 ぴかぴかてるてる蛇足 2011/05/01(日) 22 20 08.65 ID NBGZ469A はい、お疲れさまでした ありがとうございました やー、なんとかなった ひやひやしました 菫さんはきっと、乙女ちっくで漢前 だといいな いや、照お姉ちゃんと菫さんが大好きなんですよホントですよ つまり、あほの子なのは愛情表現なのです あほのこやいといとし あほの子など認めぬっ! そんなときには、ひらりとスルー さあトレアドール、身構えろ アニメでは強そうで怖そうな虎姫隊だけど、実は仲良しだといいなーという妄想が止まりまへん もっと原作で見たいですねー ちらっとでも出ないかな ではまた
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