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※まえがき 今日はこれから、先に投下しました「ミッドナイト・エスケープ」の前日譚である短編を投下したいと思います。 以下注意書き↓ 「ミッドナイト・エスケープ」の前日譚ですが梓は出てきません。 ほぼ憂の一人語りで話が進行します。 バッドエンドではありませんが、決してハッピーエンドではありません。 以上を踏まえて、よろしければ、ご覧ください。 タイトルは「それから」です。 「それから」 私は、お姉ちゃんを愛していました。 かけがえの無い家族として、たった一人の姉として−−そして、一人の女性として。 この気持ちに気付いたのは私が中学2年の時、同じクラスの男の子に告白されたのがきっかけでした。 周りの女の子も、恋をして、初めての彼氏ができて、 自分もそうなっていくのかな−−そう思っていた頃の事です。 私に「付き合ってほしい」と告白した男の子がいました。 それは爽やかで顔もかっこいい、サッカー部の男の子でした。 私はその言葉を受けた時−−驚きました。 何とも思わなかったのです。 告白されるってことは、もう少しときめいたり、やだなと 思ったり、何かしら心が動くものだと−−そう思っていたのに。 私の心はぴくりとも動きはしませんでした。 それどころか夕暮れの教室でひとり、「早く家に帰りたいなぁ」とだけ、思っていたのです。 もちろん、そんな想いを口にしたら悪戯に傷つけてしまうだけなので、 その場で丁寧に「ごめんなさい」と断って−−私は家へと急いで帰りました。 恋を知らない私だから、なんとも思わなかったのかな……? 誰かを好きになったことがないから、なんとも思わなかったのかな……? そんなことを考えながら、私は家路を急ぎました。 一刻も早く忘れてしまいたいとか、そんな気持ちも、あったのかもしれません。 だけど何故でしょうか−−そんな事より何より、お姉ちゃんに逢いたくて、仕方がなかったのです。 家に帰った私を、お姉ちゃんはいつも通り出迎えてくれました。 「ういー、おかえり。今日は遅かったね、なんかあったの?」 「ううん、なんでもないよ」と、その言葉を口に出そうとお姉ちゃんの方へ顔を上げた、その時です−− 私の前にいる、いつも通りの柔らかい笑顔で私を見るお姉ちゃんに、突然どくん、と胸が跳ねたのは。 少し癖のある、栗色の髪。丸くて大きな瞳に柔らかく弾むようなその唇。 砂糖菓子みたいな甘い声と、小さくて頼りないけれど、温かい手のひら。 そこに居るのは私によく似ているのに、私とは全く違う−−。 たった一人の、私の“お姉ちゃん”。 私は、その瞬間。 その人に−−平沢唯に。 ずっと恋をしていたのだと、気付いてしまったのです。 それからの日々は、痛みと共にありました。 同じ“女”で、血の繋がった“姉”。絶対に赦されない−−そんな事はすぐに解りました。 来る日も来る日も、私は姉の何気ない仕草や表情に ときめく気持ちを必死に堪えて、隠して過ごしました。 そうして、いつからか家中が寝静まった夜、お姉ちゃんを想ってこっそり自分を 慰めるようになりました−−そしてその後は決まって夜が明けるまで泣き明かしました。 姉を想ってする事への罪悪感と、今まで感じたことのないとてつもない快楽と、虚しさと。 こんな事してはいけないのに、止められない私の弱さと、膨れ上がる姉への想いが、 ひとり絶頂へ達した後、いつもいつも押し寄せるのです。 一度だけ、そんな私の泣き声を聞いてしまったお姉ちゃんが、夜中に部屋へやってきた事がありました。 どうしたの? と訊くお姉ちゃんを必死に誤魔化して、私は無理に笑顔を作りましたが、 その優しさに胸が熱くなって、余計に涙が溢れます。 私の髪を撫でるその手も、私を抱きしめるその身体も、 私が心から欲しているとお姉ちゃんが知ってしまったら……。 そう思うと申し訳なくて、苦しくて、だけど、どうしようもなく温かくて−− 朝まで涙が止まらなかったのを、よく憶えています。 お姉ちゃんは、何の力にもなれなかったことを悔いてでしょうか、 「ごめんね……ごめんね……」といつからか一緒になって泣きながら抱きしめてくれていました。 それからです。 私が声を殺して泣くようになったのは。 そのくらいに、絶対に気付かれてはいけないくらいに、想いは膨れ上がってしまっていたから。 私はお姉ちゃんにだけは気付かれないよう、迷惑をかけないよう、声を殺して泣くようになりました。 そして時間が少し経ち−−お姉ちゃんが桜が丘に合格して軽音部に入る頃には、 私は自分の気持ちとうまく付き合うことを考えるようになっていました。 姉を女として愛してしまった自分が赦せない分、 家族としては精一杯まっすぐ愛していこうと、そう決めたのです。 お姉ちゃんも楽器を始めて、友達ができて−−私の知らないところで世界がどんどん広がっていくのは 少し寂しかったけれど。それ以上に変わっていくお姉ちゃんが かっこよくて、来る日も来る日もこっそりときめいていました。 そしてそんな中でも、変わらず私を頼り続けてくれること、甘えてくれること。 そして何よりも近い“家族”でいてくれることがとても嬉しかったのです。 しかし、いつも嘘をついているような罪悪感と、妹として私を愛してくれているお姉ちゃんを、 どうしようもなく裏切っているような、その気持ちを消し去ることは出来ませんでした。 それでも、私が、姉を追って桜が丘に入学する頃には、 その痛みを隠して生きていく覚悟さえ、出来ていたのです。 梓ちゃんと出会ったのは、そんな春の日のことでした。 お姉ちゃんがいる軽音部が、新入生歓迎ライブで講堂のステージに 立っている時−−私の隣で、背伸びをして必死にステージを見ていた可愛い女の子。 それが彼女−−中野梓ちゃんとの出会いでした。 それから私たちはクラスが同じだったこともあってか、すぐに仲良くなりました。 同じ中学だった純ちゃんも合わせて3人で、いつも一緒に過ごすように なるまでそれほど時間はかからなかったと思います。 梓ちゃんはいろんなことを話してくれました。 入った軽音部のこと、私の知らないお姉ちゃんのこと、“あずにゃん”というあだ名のこと。 澪さんや律さん、紬さんのこと、さわ子先生のこと。それから梓ちゃん自身のこと。 梓ちゃんはいろんなことを訊いてくれました。 家にいる時の私のこと、梓ちゃんの知らないお姉ちゃんのこと、 好きな漫画や音楽のこと、家族のこと。そして私から見た梓ちゃんのこと。 時々私がひとり泣き明かした次の日は、理由もきかず髪を撫でてくれたり、 私の髪を綺麗だと言ってくれたり、作ったご飯を美味しいと言ってくれたり……。 そうしたなんでもない事で、梓ちゃんはゆっくり、ゆっくりと 頑なになりかけていた私の心を、解きほぐしていってくれたのです。 そして、心が解きほぐされた時、私は初めて−−お姉ちゃん以外の人に 心を揺り動かされ始めていたことに気付いたのです。 季節はゆっくりと、確実に流れました。 お姉ちゃんは高校3年生の文化祭の後、他の軽音部の皆さんと 同じ大学を受験し、家を出ることを決めました。 それからのお姉ちゃんは、私も驚くくらい勉強に励んでいたのを憶えています。 私には少し、その姿が家を早く出たがってるように見えて寂しくなりましたが、 変わっていくお姉ちゃんが今までよりもっと輝いて見えて、言葉を飲み込みました。 そして努力の末、お姉ちゃんは軽音部の皆さんと同じ第一志望の大学に合格しました。 だけど合格発表の後に私が「おめでとう! やったねお姉ちゃん」と伝えると、 ほんの少しだけ、寂しそうに笑ったのが、不思議でした。 卒業式の後、久しぶりに揃った家族でお祝いをしている時も、お姉ちゃんはどこか悲しそうにしていました。 私は結局お姉ちゃんの本心がつかめないまま、残り少ない日々が過ごしていったのです。 そしてお姉ちゃんがこの家を出て大学の寮へ出発する前の日の夜。 お姉ちゃんは私の部屋へ「一緒に寝てもいい?」とやってきました。 私はどくん、と跳ねた心と最後の夜だという寂しさを抑えて、 「いいよ、入って?」というので精一杯でした。 迎え入れた一つのベッドの中で、私たちはいろんな話をしました。 小さい頃のこと、小学校の時のこと、中学校の時のこと、そして、桜高でのこの3年間のこと。 軽音部の皆さんのこと、梓ちゃんのこと。ギー太のこと、音楽のこと、それから、私のこと。 たくさんたくさん、ありがとうを言ってくれました。 「憂が妹でよかった、憂と一緒にいられてよかった」と、 最近よく見せる寂しそうで、それでいてどこか悲しそうな笑顔で何度も言ってくれました。 それからもいつもは早寝のお姉ちゃんが、まだ寝たくないと、 駄々をこねるようにたくさんたくさん、話してくれていました。 私はもう、その気持ちや言葉に嬉しいような、寂しいような気持ちになってしまって、 そしてそれと同じくらい、お姉ちゃんに恋をしてしまったことが申し訳なくて……涙ぐんでいました。 そんな様子を気付かれないよう、欠伸をかみ殺すふりをしてみたり、鼻をかんでみたり。 ちゃんと誤魔化せているかな、とお姉ちゃんの様子を見ると−− なんとお姉ちゃんも同じように、涙ぐんでいるのを必死に誤魔化しています。 その後言葉は途切れて、涙を堪えるような声だけが、静かな部屋の中を支配していました。 そうして、しばらくした後−−。 「似た者姉妹だね……私たち……っ」 そう、涙声のお姉ちゃんは同じような私と目が合うと、鼻をすすりながら言いました。 そして涙が溢れるのを、顔を歪ませながら堪えて、続けます。 「なんで……っ! わたしたち……姉妹で生まれちゃったのかなぁ……っ!」 「お、ねえちゃん……!」 そうか……お姉ちゃんも、“同じ”だったんだ。 私が一人で声を殺して泣いている時も、想いをひた隠しにしている時も。 お姉ちゃんだって、妹の私に赦されない想いを抱いて。 同じように、隠して、声を殺して、傷ついていたんだ……。 そして、私の想いにも、とっくに気付いていたんだ。 お姉ちゃんは知っていながら隠して、私は知られないよう隠した。 私が“お姉ちゃんにだけは気付かれないよう”想っていたのと同じように、 お姉ちゃんは“私にだけは悟られないよう”想ってくれていたんだ。 なんて、優しくて愛おしいんだろう……。 そんな事を思っていると、目の前のお姉ちゃんはもう誤魔化しきれないくらいに、涙を流し始めました。 私とよく似た泣き顔をして、同じような、素振りをして。 私たちは、この何年かを、きっとほとんど同じ気持ちで過ごしていたのです。 そしてそんな日々をお姉ちゃんは軽音部の皆さんに救われ、私は梓ちゃんと純ちゃんに救われた。 「似た者姉妹」 その言葉が、たぶん、私たちのすべてだったのです。 そんなお姉ちゃんを抱きしめていると、私も涙でぐしゃぐしゃになっていました。 「ほんとだね……似た者姉妹っ……だね」 それだけをやっとの思いで言うと、二人で顔を見合わせて、笑いました。 泣きながら、たくさん笑いました。 そうしていると、やがて解り始めたのです。 今、この瞬間が。この夜が。 私たち姉妹の−−卒業式なんだということに。 しばらくして流した涙が赤い痕になって残り始めた頃−− 私の胸に抱きしめられていたお姉ちゃんは、もう涙声を隠さないで意を決したように、言いました。 「ねぇ、憂……キスしたことある?」 私は一瞬、戸惑いましたが−−「ううん、ないよ。お姉ちゃんは?」 とだけ返しました。真意はすぐに、わかりました。 お姉ちゃんは、それから、いつもの柔らかい声ではない、強い意志を持った声で話し始めました。 「私もしたことないよ。だからね、憂に、私の初めてを……あげたいの。 私たち……姉妹だから、ここから先には、もう行けないけど……だけど! 私の初めては……初めてだけは、もらってほしい……」 その言葉で、途切れていた涙がまた溢れ出しました。 聴いていた私も、話したお姉ちゃんも−−とめどなく溢れて、 思わず抱きしめていた両手に、ぎゅっと強く力がこもりました。 「うん……いいよ……っ、お姉ちゃん。私もっ…… 私の初めても……っ。お姉ちゃんに、もらってほしい……!」 その言葉をきっかけに、私の胸元にいたお姉ちゃんは私の眼前にやって来て、 涙でぐしゃぐしゃになりながらにっこり、笑います。 つられて私も、涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、にっこり、笑いました。 「同じ顔で……へんなの……っ!」 そう言って、お姉ちゃんは両手で私の頬を挟み込みます。 その手は震えて、今にも崩れ落ちそうでした。 それじゃ、いくよ−−そう言って、私たちは最初で最後のキスをしました。 そのひと時に、私たちの想いは駆け巡ります。ふたりが恋し合った一瞬を、 これから訪れる姉妹としての永遠に託すかのように。 溢れる涙でしょっぱい、哀しくて、優しい−−それが私たちのファーストキスでした。 窓の外には、もう朝が、待っていました。 それからしばらくして、私が浅い眠りから目覚めると、そこにお姉ちゃんはいませんでした。 なんとなく、そんな気がしていたのは、やっぱり私たちが どうしようもなく「似た者姉妹」だからなのでしょうか。 ベッドから起き上がって、立ち上がると、姿見に自分の顔が映ります。 一晩中泣き腫らして、酷い顔−−きっとお姉ちゃんも、 おんなじような顔で、ふたりで暮らしたこの家を出て行ったのでしょう。 私とお姉ちゃんは、最後の夜になってようやく、お互いの隠していた顔を見せ合ったのです。 酷くて、醜くて、赦されない想いを。 部屋を出ようとした時です。 ふと見ると、私の机の上に走り書きのようなメモがあるのに気づきました。 【行ってきます。唯】とだけ書かれた、涙で滲んで震えた文字。 きっと、眠ってる私を起こさないように、声を殺して泣きながら書いたのでしょう。 やっぱりお姉ちゃんは−−いつも、いつまでも、私のお姉ちゃんなのです。 そしてそれが、私たちの、昨日までの私たちからの卒業証書で−−私がそれを見つけたたった今、 私たちの卒業式は終わったのだという事に、気づきました。 「行ってらっしゃい……お姉ちゃん」 メモに滲んだ涙の跡に−−溢れた涙が、重なりました。 あとがき 以上でございます。 平沢姉妹は、互いを想い合う優しい姉妹だからこそ、愛に走れなかった、 そんな過去があるのかもしれないと思い、この話を書きました。 如何だったでしょうか。 次回は「ういあず、夏のリゾート編!」を予定しております。 ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。 戻る
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雹@神聖 の発言 こんばんわー 雹@神聖 の発言 ゲームに参りました よろしくお願いいたします 芝村 の発言 記事どうぞ 雹@神聖 の発言 記事はこちらです http //cwtg.jp/ogasawara/wforum.cgi?no=2495 reno=2438 oya=2438 mode=msgview 【予約者の名前】36-00690-01:雹:神聖巫連盟 【実施予定日時】7/15/23 00~24 00 【ゲームの種別】生活ゲーム 【ゲーム時間:消費マイル】 ・1時間:20マイル×1時間 【予約の有無】予約 有り(10マイル) 【召喚ACE】 ・ヴァンシスカ:藩国滞在:0 【参加プレイヤーの食糧消費】3マイル×1人 【合計消費マイル】計33マイル 【参加者:負担するマイル】 ・36-00690-01:雹:神聖巫連盟:入学済:33マイル 芝村 の発言 イベントは? 雹@神聖 の発言 神聖巫連盟の様子を二人で見て回りたいと思います 芝村 の発言 OK. 芝村 の発言 2分待ってね 雹@神聖 の発言 今日は動きやすい格好で来てー と伝えることはできますか? 芝村 の発言 ええ。もちろん 雹@神聖 の発言 では お願いします 芝村 の発言 あと1分 雹@神聖 の発言 はい /*/ 芝村 の発言 ここは神聖巫連盟だよ。 芝村 の発言 偉く騒がしくなってる 雹@神聖 の発言 まずは新聞かなにかで情報集めます 雹@神聖 の発言 r:付け忘れてました すいません 芝村 の発言 新聞では、特に何もないねえ。アウトウェイの移民くらいかな 雹@神聖 の発言 ですか 雹@神聖 の発言 r:あたりを見回します 雹 「ん~ ヴァンシスカはどこだろ・・」 芝村 の発言 ああ。赤い髪の人が多い。 芝村 の発言 皆、疲れ切ってるようだ。 芝村 の発言 ヴァンシスカの姿をみつけた。いつもと同じだねえ 雹 「はーい こんにちわー」 ヴァンシスカ:「ご機嫌いかがかしら」 芝村 の発言 ヴァンシスカは少し微笑んだ。 雹 「今日遊びに来ること意識してたから、もう昨日からわくわくですよー」 ヴァンシスカ:「バカンスには早そうですけど」 雹 「ええ、今日は国の様子を見て回りたいと思って」 雹 「本当は遊びまわりたかったんだけど、国のこと 心配で・・・」 ヴァンシスカ:「なるほど。確かに、必要ですね…」 雹 「色気がなくてごめん」 芝村 の発言 ヴァンシスカは日傘をさしている。 ヴァンシスカ:「?」 雹 「ふふーん」 雹@神聖 の発言 Q:移動用に馬を手に入れたいのですが可能ですか? 芝村 の発言 A:ええ。借りられます 雹 「馬には乗れますか?」 雹@神聖 の発言 #乗れるだろーなー と思いつつ一応お伺いを・・・ ヴァンシスカ:「ええ。少しなら」 雹@神聖 の発言 では 雹@神聖 の発言 r:馬を2頭借ります 芝村 の発言 借りました。 雹 「では馬を借りたので一緒に国を見て回りましょう」 雹@神聖 の発言 r:まずは入国管理所へ行って、最近の人口の増加具合のデータもらいます 芝村 の発言 ヴァンシスカは横乗りで馬を歩かせている。ぽかぽかと、まあ、平和なものだ。 雹@神聖 の発言 (´▽`) 雹@神聖 の発言 #ほんわか ヴァンシスカ:「すごいですね…」 雹 「ヴァンシスカがこの国にきてから結構時間たったけど、この国はどうですか?」 芝村 の発言 人口は二倍だよ 雹@神聖 の発言 #おー にばーい ヴァンシスカ:「急に、騒がしくなりましたね」 雹@神聖 の発言 Q:前回ゲームの時に読み書き教えるよ という話をしましたが、現状どうなっているんでしょうか? 芝村 の発言 A:そこそこかけるよ 雹 「身の回りで、困ったこととか ありますか?」 雹@神聖 の発言 r:話しつつ交番へ移動して 最近の治安の様子を聞きたいと思います 雹 「ある程度読み書きができるようになって、情報収集とかでは困らなくなったかと思うんですが・・・」 ヴァンシスカ:「困ったことは、あまり、治安は悪くなっていますけど」 芝村 の発言 A:治安はかなり悪化した。 雹 「治安ですか・・気をつけてくださいね」 雹@神聖 の発言 と心配顔 雹@神聖 の発言 r:市場へ移動して、生活用品の物価の変動を見ます。 芝村 の発言 物価は極度にあがってる 雹@神聖 の発言 Q:衣食住関係なくという感じですか? 芝村 の発言 A:ええ。人口が増えた分、ね 雹@神聖 の発言 Q:天領物価と比べると どんなもんでしょう? 雹 「Σはっ! 物価が上がって生活が苦しくなったりとかは!!」 芝村 の発言 A:二倍くらいかな ヴァンシスカ:「私は、まだ大丈夫です」 芝村 の発言 ヴァンシスカはそういって微笑んだ。 雹 「というか、普段どういう生活をしているか知らなかったことに、今気づきましたよ」 雹 「お聞きしてもよいですか?」 雹@神聖 の発言 r:政庁へ移動して、国内政策としての職業支援の様子を聞きます ヴァンシスカ:「ええ。普通に起きて、日々の雑務をやって、午後、少しのテニス、読書、そして夕食、睡眠です」 雹 「ふむふむ」 芝村 の発言 職業支援はおいついてないねえ。でもまあ、男爵格上げでお金が出るそうで、結構明るい雰囲気だ 雹@神聖 の発言 #ふぅ やっとほっとできる話題が 雹 「おしゃべりしたりするような仲のいい人とかはできた?」 ヴァンシスカ:「少し」 雹@神聖 の発言 移動中に町並みが見えたと思うんですが 雹@神聖 の発言 Q:町の構造はどんな感じでしょうか? 雹@神聖 の発言 密集しすぎ とか 雹@神聖 の発言 急造の家が多い とか 芝村 の発言 A:バラックが急増していやなにおいが鼻についた。おそらく下水処理の限界をこえているんだ。 雹@神聖 の発言 r:川沿いに移動します 芝村 の発言 はい 雹 「なんだか心配してばっかりですね」 雹@神聖 の発言 Q:町の水循環の関係で川が汚れているとかはありますか? 芝村 の発言 A:汚れてるね。死体はさすがに浮いてないが 雹@神聖 の発言 #上水とか、どっから引いているんだろう・・・ ヴァンシスカ:「真面目にみて回っているんですね」 雹@神聖 の発言 r:橋まで移動して、橋のまわりの広場の様子を見ます ヴァンシスカ:「感心感心」 雹 「心配事は先に解消しないと!」 芝村 の発言 ヴァンシスカはふふっと笑った。 雹@神聖 の発言 r:微笑み返します 芝村 の発言 広場はなくなってるね 雹@神聖 の発言 臨時の宅地に とかでしょうか? 芝村 の発言 ええ。 雹@神聖 の発言 ふむー 雹@神聖 の発言 このままでは 花火とか夏のイベントが! 雹@神聖 の発言 Q:見て回った感じで、貧富の差の具合などは見て取れますか? 芝村 の発言 A:一様にまずしいね 雹 「よーし これで大体調査はおわりー」 雹@神聖 の発言 #ですか・・・(´・д・`) ヴァンシスカ:「お疲れ様でした」 芝村 の発言 綺麗なこの国の言葉だった 雹 「わー」 雹 「なんと流暢な」 雹@神聖 の発言 学習能力に驚きの色を隠しきれない! 芝村 の発言 ヴァンシスカは笑っている。 雹 「さて、ここからは気分を変えて デートしましょう!」 ヴァンシスカ:「はい」 雹 「馬も借りたことですし、もうどこへでも」 雹 「どこか 行きたいところは?」 ヴァンシスカ:「そうですね・・・」 雹@神聖 の発言 Q:道にごみが落ちてたりとかはしますか? 芝村 の発言 A:ええ ヴァンシスカ:「カフェでも?」 雹 「ではそのように」 雹@神聖 の発言 Q:今からsilver vineへ移動することは可能ですか? 芝村 の発言 A:ええできますよ 雹@神聖 の発言 ではsilver vineへ行ってお茶したいと思います 芝村 の発言 移動しました /*/ ヴァンシスカ:「綺麗ですね」 雹 「ですねー」 雹 「なににしますか?」 雹@神聖 の発言 #お財布みつつドキドキ ヴァンシスカ:「クッキーと紅茶を」 雹@神聖 の発言 Q:この支払いって、藩国マイルからできましたっけ(汗 芝村 の発言 A:ええ 雹@神聖 の発言 ふー 雹@神聖 の発言 r:紅茶×2とクッキーとホットケーキを注文します 芝村 の発言 はい。 芝村 の発言 すぐ出てきたよ。 雹@神聖 の発言 では 芝村 の発言 ヴァンシスカは微笑んでいる。というか、うれしそう。 雹 「いただきまーす」 雹@神聖 の発言 r:ホットケーキもぐもぐ 雹 「?」 ヴァンシスカ:「甘いもの、好きなんです」 雹 「おいしいですー」 雹 「ホットケーキちょっと食べますか?」 芝村 の発言 ヴァンシスカは首を振った。そういう文化はないらしい 雹 「そうですか」 雹 「ふー 今日はいろいろ見て回って疲れました」 ヴァンシスカ:「ゆっくりくつろげるといいですね」 芝村 の発言 ヴァンシスカはそういって笑った。 /*/ 雹@神聖 の発言 「お仕事っぽいことばっかりで、つまらなかった とか・・?」 芝村 の発言 はい。お疲れ様でした。 雹@神聖 の発言 ありがとうございました 雹@神聖 の発言 馬は返却したということでよろしいですか? 芝村 の発言 ええ。 芝村 の発言 秘宝館には1,1で 雹@神聖 の発言 はい 芝村 の発言 評価は+1+1でした。 雹@神聖 の発言 んむー 次はきっちりデートしたいと思います! 芝村 の発言 ははは。そうだね。 雹@神聖 の発言 (今日はなんかもうばりばり調査員してましたorz 芝村 の発言 では解散しましょう。お疲れ様でした。 雹@神聖 の発言 すいません 最後にひとつ質問が 芝村 の発言 ええ 雹@神聖 の発言 お茶代を藩国マイルから出したいのですが 雹@神聖 の発言 silver vineでそう書けばOKでしょうか 雹@神聖 の発言 生活ゲーム中の支出がよくわからないので。。。 すみません 芝村 の発言 ええ。そう書けばOKですよ 雹@神聖 の発言 はい わかりました 雹@神聖 の発言 では、改めてありがとうございました 雹@神聖 の発言 失礼いたします 以上です。
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メモリーズオフ ~それから~ キッド 2004.6.24 PS2.PSP.PC 恋愛ADVメモリーズオフシリーズの4作目 又、廉価版はSuperLite 2000 恋愛アドベンチャー Memories off ~それから~ PS2 恋愛ゲームセレクション メモリーズオフ それから PS2.PCと言う名前で発売された 収録 メモリーズオフ History 2800セレクション メモリーズオフコンプリートBOX メモリーズオフ ~それから again~ 2006年3月23日 PS2.PSP(UMD.DL).PC 「メモリーズオフ ~それから~」の3人のヒロインの後日譚を描いたファンディスク ジャンルは恋愛ADV 恋愛ゲームセレクション メモリーズオフ ~それから again~ PCの廉価版はこの名前 収録 メモリーズオフ History 2800セレクション メモリーズオフコンプリートBOX memories off ~それから~ thanks disc さ行 ま行 ら行 パソコン プレイステーションポータプル な行~ プレイステーション2 メモリーズオフ History メモリーズオフシリーズ
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照明が暗くて店内が良く見えないが、こういう店は大体こういうもんなんだろう。 「多分」 ぼくは未成年だし、アルコールも嗜まないので、BARみたいなお店はほとんど来たことがなく、何だか随分と落ち着かないけれど、 こういう人と来るのなら、呑みはしないがたまには悪くない。 一里塚木の実。 知り合ってから長いわけではなく、だから勿論彼女が、ぼくに見せてない部分は、まだまだそれはいくらでもあるだろう。 しかしそれにしてもこれは、また随分とイメージが違っていた。 “カランッ” 静かに置かれたショットグラスから、丸くカットされてる氷が、小気味良く鳴るのが耳に心地よい。 この感想は失礼かもしれないが、意外性も手伝ってか、その立ち振る舞いは堪らなく格好良く、滅茶苦茶ばっちり決まっている。 大人の女性なんだと、改めて思い知らされた。 例えキャラがかぶってはいても、ぼくと彼女とでは、深みのようなものがまるで違う。 「本当を言うとわたくし、詩集とかあまり好きじゃないんです」 「おい」 爆弾発言だった。 まぁ薄々は感じていたけど。コクトーとかはいくらなんでも、ちょっと嵌りすぎなくらい嵌りすぎだったし。 でもこの人やっぱり、その辺はしっかりと、そしてちゃっかりと、キャラを作ってたんだなぁ。 「十三階段がもうああして解散、……いえ、解体したからには、司書のキャラクターを、これ以上演じる意味もないでしょ?」 「……そりゃそうかもしれませんけど」 確かにあの変わり者集団の中にいるからこそ、求められたからこその、おそらく彼女なりに考え抜いたキャラクターだったんだろう。 「何となく始めたんですけど、狐さんが絶賛するものですから、わたくし引っ込みがつかなくなってしまって」 「……おい」 さっきからわざとじゃねぇだろうな。 「その喜んでくれた人から、必要とはされなくなったのですから、続けるのはちょっとだけ悲しいです」 他の階段はともかく、二段目と七段目は、フラれたようなものだ。 張本人である狐さんには、その自覚は微塵もないのだろうが、尽くしてきた彼女達からすれば、結果としてそういうことなのだろう。 「そう言えば《いーちゃん》さん、何でも澪標姉妹に惚れられたとか。若い娘の切り替えの早さは、こういうときは羨ましいですね」 「…………」 「可愛い双子の姉妹に惚れられるなんて、ひゅーひゅー《いーちゃん》さん、やーらしーい」 「…………」 あれれ? 何だろうな? 全然嬉しくない。どころか猛烈に鳥肌が立ってきた。店内は暖かいはずなのに、酷く身体がぞくぞくする。 「気持ち悪くて見るに堪えなかった絵も、あなたという人物を、少しとはいえ知ったいまなら……案外と悪くない」 「…………」 口調からすると木の実さんは、ぼくを褒めて、というより認めてくれてるんだろうが、全然これっぽっちも嬉しくはなかった。 その絵の本質は同情の余地がまるでなく変わらないから。 「木の実さんだって、まだまだ十二分に若いじゃないですか。これからいくらだって良い出会いがありますよ」 他人事だと思って無責任なことを言ってみる。 昔の安っぽいドラマや啓蒙セミナー、はたまたもっとストレートに、出会い系サイトの誘い文句みたいな、我ながら軽いセリフだった。 第一からしてぼくは、人に慰めにも似た言葉を、偉そうに、わかったように、掛けられる立場なんかじゃない。 ここにキテも心の奥底に沈殿する、青色に対する女々しい未練は、まったく消えてなどいなかった。否、大きくなるばかりである。 「ふふっ。《いーちゃん》さん、あなたにもきっと、良い出会いがありますよ」 「…………」 やれやれだ。 慰める? 慰めるだって? 誰が? 誰を? 口元には自然と笑みが浮かびそうになる。変わらない自分の道化ぶりが、堪らなく可笑しかった。もちろん……笑えやしなかったけど。 「でも良い出会いって言っても、どうしたらいいんでしょうね?」 「……さあ」 人間関係の構築について、ぼくに意見を求められても困る。そんなものを欲したことは、この十九年間一度もないのだから。 「木の実さんはいままで、そういった出会いはなかったんですか」 眉根をちょっと寄せながら、うぅ~~んと、頬に手を当てて、子供みたいに小首を傾げる木の実さん。 「ないですね」 そのわりには答えはあっさり目だった。 「そちら側はともかくとして、こちら側の世界の場合、出会ったらまず、好きか嫌いかより、敵か味方かが優先されますから」 「はぁ……。なるほど」 そして味方になった者も、いつ手のひらを返すかわからない。そりゃあまともな出会いなどないはずだ。 「《いーちゃん》さんはどうですか? 普通の大学に通ってますし、女の子と合同コンパというのは、したことあったりします?」 「ないですね」 即答。 ぼくに甲斐性がないのもあるが、よく知りもしないどころか、会ったばかりの人としゃべったり、まして騒いだりは好きじゃない。 しかしどうだろう? いくら似たキャラ同士とはいっても、こんなところまで似なくてもいいと思う。お互い答えに迷いがまったくなかった。 まぁ、木の実さんとぼくとでは、根っ子の理由が大分違うのだけれど。 「そもそもわたくし、お恥ずかしいですが、この歳になっても男の人と付き合った経験ないんですよね。片想いが長かったものですから」 「はぁ……。なるほど」 それも一緒だ。 互いをわかっているようで、本当にはわかろうとしなかった停滞の六年。隣りに居て手を繋いでいても、それはやはり片想いだろう。 「だからまるでわからないんですよ。微妙な距離感というか、雰囲気というか、間というか」 「はぁ……」 「だからいきなりで……申し訳ありません」 “チャリンッ” 耳朶を打つ音に思わずそちらを見る。これは文明社会に毒された人間の、言ってみれば本能のようなものだ。逆らうことはできない。 “チュッ” 「!?」 床には十円玉がころころと転がっていた。 「…………」 だが、そんなものは、どうでもいい。十円だろうが十万円だろうが、そんな些細なことは知ったことじゃない。 「…………」 目を床から木の実さんに移す。目に木の実さんを映す。 冷たいメガネのフレームが、ちょんと、軽くだが目尻の辺りに触れてた。唇にも……すごく柔らかいものが触れてた。 「この際だから言ってしまいますが、わたくし、狐さんにフラレて自棄を起こしてます。でも、あなたに興味があるのもご了承ください」 木の実さんは唇をそっと離すと、甘い息を吹きかけるように囁く。 その声には何だか、小さな子供に言い聞かせるみたいな、とても親しみやすく優しい響きがあった。 彼女は屈託なく、ぼくへと微笑んでる。 「……事情は痛いほど、本当によくわかりますが。だからって、いきなり人に唇を重ねるのは、ぼくも一応男ですから問題では?」 「ご迷惑でした?」 「…………」 そうだというにはあまりにも、木の実さんの柔らかな唇を見つめるぼくの視線は、あまりにも熱っぽすぎた。 「……いや、別に」 これが精一杯。そして意味などない悪足掻きだ。 「もう一度、してもいいですか?」 木の実さんの伸ばされた綺麗な指先が、すぅ~~と滑って、その形と柔らかさを確かめるかのように、ぼくの唇をゆっくりと撫でる。 それだけなのに、背中が、ぞくぞくとした。 「すいません。人前でそういうことするの、好きじゃないんですよ」 往生際が悪いとは思う。 いつもは簡単に状況に流されるのに、何故こんなときだけ、こんなにも意固地になってるのか、ぼくは自分で自分がわからなくなる。 もっともそれも、いつものことだけれど。 「なら、人前でなければ、構いませんよね?」 「えっ!?」 彼女のセリフに辺りを見回す。どういう意味かはわかってはいたが、それでもぐるりと、首を回さずにはいられない。 店内には、ぼくら以外、誰も居なくなっていた。 「わたくしはそう呼ばれるの、好きではないんですけど。お忘れですか? わたくしの肩書き?」 知っている。 しかし、知ってはいても、驚かずにはいられない。 彼女はこれを誰にでもできる技術だと言っていたが、仕掛けがわかっていても、出夢くんが異能だと評したそっちの方が余程頷ける。 「これで問題ありませんよね」 微笑む彼女に心臓が、ドキリと、大きく大きく高鳴った。 と。 木の実さんは手相でも見るように、ぼくの右手を両手で取って、自分の胸元にぐいっと押しつける。足は――踏まれてない。 “ぐにゅ……” けれど例え踏まれていたとしても、ぼくは気づきはしなかったろう。 シックな色合いの地味な服を内側から持ち上げてる、全然地味じゃないふくらみが、脆くあっけなく、そしていとも簡単につぶれた。 ぼくの掌の下で。 「……こ、木の実さんっ!?」 「さて、どんな感じですか?」 木の実さんは何事もなかったかのように、愉しげな口調で感想を聞いてくる。 「あっと、柔らかいですけど、その、思ってたよりは、固いというか、ああ、ま、あ~~、えっと、反発というか弾力というか……」 と言うかぼくは、一体何を口走ってるんだ。 木の実さんはそんな、軽く大いにパニッくってる《戯言遣い》に、浮かべていた笑顔をさらにさらに深くすると、 「ありがとうございます」 妙に艶かしく聴こえる掠れた声で、丁寧に礼を言いながら、すすっとぼくに顔を、ぽってりとした唇を、静かに静かに寄せてくる。 眼鏡の奥の瞳が、いまにも泣きそうに、涙が零れ落ちそうに、うるうると潤んでいた。 いつの時代も女性の上目遣いはいい。いいものは決してなくならない。 そしてこれは、個人的な見解だが、年上の女性ほど、これは武器になる気がする。――オトコを陥落させる危険因子。 「…………」 勿論戯言だけどね。 只の単なるぼくの趣味だ。 「…………」 だがしかしそれだけに、抗うのはとても難しい。 「好きにしても…………よろしいんですよ?」 そのうえこんなことをさらりと、眼を覗き込んで言われてしまっては、魅了され魅惑され魅入ってしまうしか、もうないではないか。 「んッ」 木の実さんは肩をすくめて、少女のように可愛い声を上げる。 逃げたりすることは決してない。 それはわかってはいたが、ぼくはほっそりとした肩に腕を廻すと、少しだけだが強引に引き寄せた。 「あ……」 柔らかな身体がふらりと倒れ込んでくる。 これも演技なんだろうか? それは……わからない。 覗き込んだ瞳。 そこにはさっきまでなかったはずの、あきらかな怯えの色が浮かんでいた。 「好きにしても…………いいんですよね?」 「ええ……、《いーちゃん》さんが望むままに」 柔らかい肉に指先がめり込ませる。 「…………」 「…………」 どうしても顔は幾分か顰められてしまうが、力いっぱい握っても、木の実さんは文句の一つどころか、わずかな声をすらも発しない。 じっとぼくを見つめている。 表情は変わらないけれど、ほっぺたや耳たぶが、指先が蠢くそのたびに、じわりじわりと赤くなるのが面白かった。 「…………」 「…………」 じっとぼくも見つめ返しながら、木の実さんの服のボタンを、一つ一つ慎重に外していく。 これ以上はないと思っていた顔が、どんどんと赤くなっていくのが、ぞくぞくとぞくぞくと、鳥肌が立つほどに堪らなく面白い。 マゾとかサドってやつは紙一重って言うけれど。 いまのぼくは完全に属性が逆転してしまったみたいだ。 これは恥ずかしかな? 自然と考えてる自分に気づきびっくりしたりして、それがまた吐きそうなほど気持ち悪くて面白い。 出来もしないのに笑いそうになると、おなかの辺りまでボタンを外した服を、醜い感情をそのまま表すみたいに乱暴に肌けさせた。 絡めていた視線を下に降ろす。 下着の色もやはり控えめな、空みたいに薄い青色だった。 「…………」 まったく。 こんなことですら思い出してしまう自分に、あいつを思い出してしまう自分に、愉しすぎてくるくると気が狂いそうになる。 八つ当たりと呼ばれる行為。 手を掛け引き千切るのに、躊躇いはまるでなかった。 ブラジャーの支援がなくても、張りのある乳房はきれいな半球形を保ち、垂れる気配などは微塵もない。 白くて大きなふくらみには、唇の色と同じピンクの乳首が、ちょこんっと、生々しくも可愛らしく可憐に美しく鎮座している。 それを頂くふくらみが大きいので、いやに小さくて愛らしく見えた。 「…………」 だからこそ、だからこそ、苛めたいという欲求を、否、滅茶苦茶にしたいという欲求を、否否、牡としての本能を抑えられない。 視線を浴びているそれだけで、はしたないくらいしこり起立している乳首。 「んン……くぅん………うう…………」 弄うように円を描きながら指先でなぞる。 下唇を噛んで必死に堪えようと努力はしているが、洩れてしまう声を木の実さんは、どうにもできないみたいだった。 眉間に皺を寄せているのが妙に色っぽい。 「…………」 はたしてどこまで我慢できるのかと、意地の悪いことも考えたりはするが、そこまでいくといい加減に性悪も大概過ぎるだろう。 そこまで鬼じゃない。 “きゅッ” だから乳首を不意打ちできつく捻った。 「ひんッ」 無意識に俯かせていた顔を跳ね上げ洩らす甲高い声。 可愛い。 「すいません。痛かったですか」 しかし女性の身体は野郎なんかと違って、とてつもなくデリケートにできている。 興味本位でやたら、くりくりと、していいもんじゃない。 「ンッ、ンッ……ふぅッ……はぁ……んぁッ……ぅああッ……………ん………んぅッ!!」 唇をそっと耳朶に寄せながら、ぼくが謝罪の言葉を囁くと、木の実さんはくすぐったそうに首を傾げる。 小ぶりの乳首がふるふると頼りなげに、そして誘うかのように、健気でありながら、それでいて淫らにいやらしく震えていた。 戻る
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カルクさんが入室しました カルク (お昼時の喫茶EM とっても快晴良い天気 フィウミさんが入室しました フィウミ (快晴の中、室内で相変わらず読書している大学生女子 カルク (今日も日々の雑務をこなす店員マン フィウミ (目の下にひどいクマができている。なぜだろう。 カルク …。(ランチタイムの盛況も落ち着いた所。 カルク お冷のお代わりはよろしいですか?(お冷のピッチャー持ってフィウミの所に フィウミ ……ふわあ。うん、ありがと。 フィウミ (なんか最近眠いなぁ…。あとなんだか記憶も。 フィウミ (お母さんからメール来てたと思ったけど…、気のせいだったのかな。 フィウミ (夢にしてははっきりしてたような…… カルク (グラスにお冷を注ぎ、テーブルに再び置いて)…お疲れのようですね。 フィウミ うん、そうなのかな…。ずっと家に帰ってないから…ひょっとしたら疲れてるのかも…。 フィウミ なんか眠気が取れなくって…。カルクくんは元気? カルク それは確かに。睡眠環境は重要ですからね。(…最近、周囲に似た状態の人間が多い気がする。テストシーズンでも無いのに… カルク はい、僕は…特に変わりなく。 フィウミ ………そ、……よかった。 フィウミ ……。 フィウミ (なんだかんだでカルクにちゃんと会うのはフィッチャー戦ぶりだ。 カルク ……。 カルク …委員長はどうですか。元気にされてますか。 その、睡眠面以外では。 フィウミ …そうだね。うん。(素っ気のない返事 フィウミ (…カルクくんが生きててよかった、と言いそうな気持ちもあるにはあるのだが、口に出さない。 フィウミ ……。(そのため沈黙になる。 カルク …そうですか。いつも通りなら、何よりです。 フィウミ …… フィウミ ……そっちこそ、ね。 カルク …、。 はい。 カルク (――…彼女に会うのは時計台のあの件以来だ。これで最後になるかもと本気で思って、思えば随分気恥ずかしい事を… カルク … 無事ですよ。お陰様で。 フィウミ ……(ぼすっ、とカルクのお腹を叩く フィウミ ……いなくならないで、(聞こえないくらいの声で カルク 、 ?(ぼすっっ カルク ………、、(予想外の一撃、予想外の言葉。 フィウミ ……。さて、なんか眠たいしお昼寝でもしてこよっかな〜。(いつものトーンで フィウミ ……じゃあね〜。(代金を払って休憩室へすたすたと。 フィウミ ………、 カルク …、(フィウミの調子が変わり、反応を返しそびれ…)… フィウミ (なんであんなこと言っちゃったんだろ。やだな。 フィウミ (……でも聞こえてないみたいだし、いっか。 フィウミ (休憩室に消えていく フィウミさんが退室しました カルク …… ご利用ありがとうございました。(随分遅れた反応だったな。察しのいい店員にしては。 モブ店員Aさんが入室しました モブ店員A 〜♪(それ見てた同僚。口笛で茶化す カルク ……。 カルク (モブAに目線を遣り)お疲れ様です。もう交代の時間ですか。 モブ店員A ちょっと早く来ちゃってね。(グラスを拭きつつ モブ店員A それより良かったのかい。 カルク 何がでしょう。 モブ店員A (フッと吹きかけ、きらめくグラスにドヤ顔 モブ店員A 追いかけなくて? カルク 休憩室に踏み入れと。(目を閉じ モブ店員A あるいは。(ありかもよ?とか茶化しちゃう カルク (軽くスルー。 店奥に歩き、エプロンを外しつつ)…揃って襲撃に巻き込まれまして。心配を掛けていたんだと思います。 モブ店員A ああ。以前の(噂はかねがね、と次のグラスを取る モブ店員A ……心配してたのはおあいこなんでしょ?(ふふん、と親しみの微笑みで カルク いえ。 全然おあいこではないですね。 カルク 僕はずっと心配してますから。(エプロン畳んで カルク それじゃ、お疲れ様です。後はよろしくお願いします。(ペコリと頭下げて モブ店員A 〜♪(口笛で返事 カルク (厨房奥へと姿が消える カルクさんが退室しました モブ店員A 開けるまで解らないのが、女心って事なのかな? モブ店員A 僕にはまだ早いなぁ(けらけらと笑って最後のグラスを置き モブ店員A (カウンターにもたれ、指先でガラス細工をクルクルと回す モブ店員A さて。 モブ店員A (パシッと止めると。それはガラス細工のドミノマスク。 モブ店員A 僕も、もう一仕事だな? モブ店員Aさんが退室しました
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◆それから枯れ落ちた木の葉は◆ ◆ダウンロード(Vector)
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作詞:すけP 作曲:すけP 編曲:すけP 歌:VY1 翻譯:yanao 請取用翻譯者不要冒著被我發現然後詛咒一輩子的危險改動我的翻譯謝謝合作 逃入繪本之中,在那之後 蒼白朦朧的 晨光下森林 開始直射而入的第二道光 時間逐漸將一切改變 無論我們 或我們纏繞的圖樣 但無論如何 無論如何 都不想忘記的 烙上的 那份思念 逃入繪本之中 在那之後 我們應會 成為永遠吧 願無論經過幾載年月 誰也 不會消失 交錯相逢的 歡笑聲 仍在這身中 發響著 被迷惑著 被迷惑著 希望能停下 這不停的枯衰 逃入繪本之中 在那之後 我們應會 成為永遠吧 願無論經過幾載年月 誰也 不會消失 在無論至何處都無法面對的末路 強拉著我的一部分同時 請在變得冰冷之前 讓我刻下深信的心情 交織不斷的 感情 就在 這印記之中是否進入夢鄉了 這樣的話每個人 都會哭吧
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しかし、何でオデロ君がここに居るの? それにセシリーさんも一緒に居るのはなんでだろう? 「あっあ~~っ!!手。手ぇ~~握ってるよぉ!!」 オデロ君が大声で叫ぶもんだから、私とシーブック君は急いで手を離した。 「こ、これは…その…ホラ、あの棚の上からファイルが落ちてきて…」 「そうそう、それで私と、シーブック君が…床に…転んじゃって…」 「それで、今、俺が手を貸してたんだ」 「そうなの。私、シーブック君に起して貰ってたとこなの」 何故かは知らないけど私とシーブック君は、お互いがお互いを弁解するような口調で 庇い会いながら、その場に居たセシリーさんとオデロ君に言い訳をしていた。 「ふ~ん…そうなの」 セシリーさんは鋭い眼つきで私とシーブック君のことを睨んでいたけど 床に散らばったファイルや資料の山を見たら、納得してくれたようだ。 結局、私とシーブック君とセシリーさんとオデロ君の4人で、部屋の片付けしたあとに 「シーブック!演劇部の部室に行くわよ!!」 「ああ…」 「エリシャさんは園芸部の仕事、あるんだろう!!」 「ええ…」 と、シーブック君はセシリーさんに。私はオデロ君に。 それぞれ、引っ張られるような形で工科準備室を後にした。 それから…… オデロ君は園芸部の当番票をウッソ君に作り直すように言ってくれた。 当然、女子と男子が公平に休みの日を分担するローテーションのモノを、だ。 セシリーさんとは挨拶を交す度、なんだか少し怖いモノを感じている。 私の気のせいかもしれないけど。セシリーさんって顔は笑っているんだけど、目が笑っていないみたいで…。 そしてシーブック君とは… 今度の日曜日、彼が出場する予定のアマチュアグライダー大会を見に行く約束をしている。 天気予報によるとその日は快晴らしい。 私は…新しいセーターを着て出掛けるつもり。日曜日が待ち遠しい。 (終わり) link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ エリシャと エリシャ・クランスキー オデロ・ヘンリーク シリーズ シーブック・アノー セシリー・フェアチャイルド 学校 長編
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1945年8月中旬 ヴェネツィア上空のネウロイが完全消滅してから1ヶ月半経過後 ノイエ・カールスラント 技術省所属研究所 第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』が解散してから約半月、俺はノイエ・カールスラントから帰国命令が下り 元の所属していたカールスラント技術省にウルスラと共に戻っていた 俺「うー…ウーシュ様…そろそろお恵みを…」 ウルスラ「駄目です、次はこの問題を…」 俺はトゥルーデと本当の結婚をしてから半月 その間に俺にはカールスラントのお偉いさんから様々な命令を受けた 俺「そろそろシャバの空気を吸いたいです先生…」 ウルスラ「そういえば今日で拘束は終わりでしたっけか」 俺「そのはず…」 まずその一つが、先の単独での極秘裏な扶桑艦大和の護衛の件 守秘義務があったのにも関わらずロマーニャの新聞にデカデカと俺の姿が 取り上げられておりその守秘義務が守られなかった為に刑罰としてノイエ・カールスラントに帰国後 すぐさま研究所に軟禁状態にするという命令が下っていた ウルスラ「私はこのままでも良いのですが」 俺「やめて!ここ(研究所)は葉巻が吸えないから結構きついノ…」 ウルスラ「やめないんですか?」 俺「ん~…本数は減らしたんだけどねぇ、やっぱりたまに吸いたくなるんだ」 ウルスラ「そう聞くと何か贅沢な食べ物に聞こえますね」 俺「実際は苦いんだけどな~、苦いけど旨い」 ウルスラ「非合理的ですね…あ、そこ間違ってますよ?」 俺「あ…またかよ…この問題難しくないか…」 ウルスラ「仕官試験なんてそういう物ですよ、全て終わらないと帰れませんよ?」 ノイエ・カールスラントに帰国しての二つ目の命令は『士官試験』を受けよとの事だった 俺「あ゛~…なんでこんな事しなくちゃならないんだよ~…」 ウルスラ「不貞腐れないでください、俺『大尉』?」 俺「俺はまだ中尉だ…はぁ~…軍のメンツがあるのは分かるけど勝手に大尉昇進を押し付ける代わりに試験を受けろってのもなぁ」 ウルスラ「試験を受けていないのに中尉なのが異例なんですよ」 俺の階級は中尉だが仕官試験や教育は全く受けていなかった だが『パ・ド・カレー撤退戦』の時に戦時中行方不明扱いで軍曹から准尉へ特進、しかも俺が生きてることが発覚した為 しばらくノイエ・カールスラントに身を隠してもらう代わりに特務少尉に昇進 その後はガリアへの臨時航空部隊への応援に行って再び撃墜…そこで中尉になっており、俺の昇進は全て『特進』だった そしてこの間の『ダイナモ作戦』のおり、守秘義務どころか新聞に取り上げられロマーニャでは英雄扱い ばれてしまっては仕方が無いとばかりに俺に仕官試験を受けよとの辞令とカールスラントのお偉いさんの推薦状が届いたのだ 仕官試験合格後は即大尉に昇進するって命令に近い内容と一緒に…流石にこれ以上の異例の特進は無しみたいだ ウルスラ「この問題が終わったら今日は終わりにしましょう、バルクホルンさんが待ってますよ?」 俺「ん?トゥルーデはたしかカールスラントの前線に居るんじゃ…」 ウルスラ「休暇を取ってこちらに来ているみたいです、一昨日お会いしました 今日も俺さんの借家に居るみたいですよ」 俺「ナンダッテ…そう言われちゃ早く帰らないと、カールスラントの規律の問題をクリアしなければ…!」 ◆ ノイエ・カールスラント領内 技術省所属開発室付近 俺の家 俺「ただいまー」 バルクホルン「おかえり、遅かったな俺」 俺の家は開発室付近に隣接しており、501のように基地内にあるのではなく基地外の本当の借家で家というよりは アパートに近い物であり部屋の数も少ない 開発室にも寝泊りをする場所はあるが俺はウィッチという事で扱いに今まで困っていたが既婚者になったことで 基地外の借家に住む許可が出ている 俺「悪い悪い、士官試験の問題が結構難しくてな…」 バルクホルン「全く、そこまで難しい問題があったか?カールスラント軍人として過ごしていれば当たり前な…」 俺「ま、まぁトゥルーデやミーナ中佐の偉大さが今になって身に沁みてるよ」 ウルスラ「私も士官試験はクリアしてるんですよ? あ、お邪魔します」 バルクホルン「来たかウルスラ、上がってくれ」 ウルスラ「はい、それとバルクホルンさんこれを…」 俺と共にこの家に来たウルスラは茶色い紙袋のような物をトゥルーデに手渡す その中身を確認するため紙袋に手を入れて本を2冊取り出しトゥルーデは少しだけ笑顔を見せる バルクホルン「ありがとう、助かるよ しかし二つも…ん?」 ウルスラ「バルクホルンさんの頼みですから、それともう一つは…」 目的の本の他に重なっていたもう一つの本の表紙を確認したトゥルーデは顔を赤くして手を横に振る バルクホルン「い!?い、言わんで良い! しかしこれは…いや…有難く頂こう」 それだけ言ってトゥルーデは部屋の奥へと向かっていく 俺「何を渡したんだ?」 ウルスラ「『カールスラント式! 手料理百貨』ですよ?」 俺「もう一つもか?」 ウルスラ「それは秘密です」 俺「ぇー…」 ウルスラ(『カールスラント式! 子育て百貨』もずいぶん前に頼まれてましたが言わないほうが良いですよね) ◆ 家というより部屋といって良いほどの部屋の中に入ると良い臭いが俺の鼻をくすぐられ 誘われるようにキッチンへ足を向ける 俺「おお~、なんか美味しそうな臭いがするぞ?」 シャーリー「お帰り~、もうちょっとで完成みたいだからちょっと待ってろよ~」 俺「シャーリー!?どうしてここへ…確かリベリオンに戻ったんじゃ」 シャーリー「ああ、戻ったよ。そこでバルクホルンから俺が昇進したって手紙を貰ってな 休暇も貰ったし祝いに来たんだよ 本当は501の皆にも来て欲しかったけど私以外皆遠いからなー」 俺「ここ(ノイエ・カールスラント)はサウスリベリオンだからな~仕方ないって…それとシャーリー、俺まだ中尉なんだけど…」 シャーリー「細かい事言うなって! 仕官試験って言っても推薦状があるから形式的なもんなんだろ?」 俺「流石に酷い状態だったら推薦状あっても落とされると思うが…」 シャーリー「なーに、ウルスラと一緒に勉強してれば大丈夫だって ほら、リビングで待ってなって」 俺「りょーかい、ワインでも準備して待ってるよ」 俺はシャーリーにキッチンから追い出され、キッチンの隣の部屋であるリビングで料理にも使う為に取っていたワインを取り出して 四角いテーブルに準備して、先に座っていたウルスラの右隣の椅子に座る ウルスラ「バルクホルンさんもイエーガー大尉も俺さんが今日軟禁が解かれると聞いてやってきたみたいですね」 俺「ありがたい事だけど、大丈夫なのかねぇ…どっちもエースなんだから軍を放って置いて」 ウルスラ「そこは大丈夫だと思いますよ?」 俺「どうしてだ?」 ウルスラ「俺さんが軟禁されている間にカールスラント奪還に向けて大規模な作戦が現在準備されていますので前線問わずウィッチの 皆さんは交代で休暇を与えられているらしいです」 俺「…ついにカールスラント奪還か」 ウルスラ「そうですね、カールスラントの西のガリア、南のヴェネツィアを開放しましたからね 攻め入る準備が整ってきたと言えます」 俺(それでも北にある故郷、カイザーベルクは…遠いな) ウルスラ「…カールスラントを奪還すればカイザーベルクも開放されますから大丈夫ですよ?」 俺「うぉ!?心が読まれた…」 行き成り心を見透かされたような台詞に俺は驚いたがウルスラはくすくすと笑いながら続ける ウルスラ「そんな暗い顔をしていたら誰でも解ります、今日は俺さんの昇進祝いなんですし笑っていたほうが良いですよ」 俺「笑うって言ってもなぁ…」 バルクホルン「今日位なら腑抜けた笑顔でも構わんぞ俺?」 俺「ぬぉお…複雑な気分になる台詞だなトゥルーデ」 シャーリー「あっはっはっは、難しい事を考えないで笑えって事なんだよ なあバルクホルン?」 バルクホルン「そ、そうとも言うな」 リベリオンの赤い軍服を着たシャーリーと緑の服を着て、首にはチェーンに通された螺旋模様の入ったシルバーリングと薬指に結婚指輪をつけたトゥルーデが 大量のフライドポテトと豚肉を長時間香辛料と共に煮込んだアイスバインを持ってキッチンから出てきて料理をテーブルに並べていく 俺「おお~、旨そうだな…アイスバインなんて久し振りに食べるかも」 バルクホルン「そうなのか?」 俺「普段は軍から支給される豆とか米だったし、501では扶桑料理とかが主だったからなぁ」 シャーリー「これ作ってるところみたけど結構時間かかるみたいだしな~」 ウルスラ「アイスバインはカールスラントでの家庭料理ですが下準備に時間がかかりますからね」 俺「そうなのか…旨い物ほど手が掛かる物なんだなぁ トゥルーデの愛情を感じるよ」 俺の言葉にトゥルーデは少しだけ頬を赤らめて取り皿を配り始める バルクホルン「そういう事は食べてから言うんだな、勿論愛情も…」/// シャーリー「おいおい、惚気るなら二人だけの時にしてくれよ~ こっちまで恥ずかしくなるぜ」 俺「あ、ああ…悪い悪い、それじゃあワインを空けてっと…」 バルクホルン「あ、おい俺、私達は未成年だz」 シャーリー「硬い事言うなって、今日は特別なんだから無礼講と行こうぜ~」 ウルスラ「私もその意見に賛成ですね」 バルクホルン「う、ウルスラまでそう言うのなら仕方ないな…今日だけだからな!」 シャーリー「はいよ、それじゃあかんぱ~い!」 ◆ 俺の昇進祝いの乾杯から数時間後 シャーリー「…む~ん」zzz バルクホルン「シャーリー…床で寝るな服が汚れるぞ?」 シャーリー「や~ら~…」 ワインを3本も空けた席の中でシャーリーはすっかり出来上がっており、床に寝転がって今にも寝そうな状態だった バルクホルンとウルスラも酒が入ってる為か顔は赤いが量は少なかった為か一応自我を保っている 俺「昨日もこんな調子だったのか?」 バルクホルン「いや、酒が入ったからだろう 昨日はまともだったのに…」 シャーリー「ん~ん…」zzz 甘ったるい声を上げながらシャーリーはすっかり眠ってしまった 俺「今日はこんな所で良いだろ?寝かせよう」 バルクホルン「しょうがない奴だな…」 ウルスラ「それでは私はこれで失礼しますね」 バルクホルン「泊まっていかないのか?」 ウルスラ「これ以上人が増えると俺さんの寝る所が無くなっちゃいそうですし」 バルクホルン「しかしだな…もう遅いから泊まっていっても」 ウルスラ「大丈夫ですよ、開発省はすぐ近くですから それでは…」 俺「送っていこうか?」 ウルスラ「え…でも…」 バルクホルン「そうしてもらえ、いくらウィッチと言えど夜道は危険だ」 ウルスラ「…わかりました、俺さんお願いします」 俺「了解だ、まかせとけ~」 ◆ ノイエカールスラント 夜 俺とウルスラは並んで電灯が並んでいる開発省までの夜道を歩いていた ウルスラ「俺さんは幸せですね」 俺「ん?何がだ?」 ウルスラ「昇進をあんなに祝ってくれる人が居て…」 俺「確かに幸せだな、でもウーシュにも居るだろ?両親とかエーリカとか…」 ウルスラ「俺さんも喜びますか?」 俺「勿論だ、ずっと一緒に…数年も一緒に過ごした仲間の昇進を喜べないはずがないだろ?」 ウルスラ「そうですか…」 ウルスラはそう答えて少しだけ二人は沈黙する 俺「ありがとうな、ウーシュ」 ウルスラ「何がですか?」 俺「仕官試験の勉強見てもらったり、撃墜された時に世話してもらったり…その、今まで色々と」 ウルスラ「その時私に出来る事をしたまでですよ」 俺「それでも助かったし、今の俺があるのはウーシュのお陰だ」 ウルスラ「その言葉、私にとっても言えるんですよ? 今こうやって話したり過ごしているのも俺さんのお陰なんですよ」 俺「そ、そうなのか…?」 ウルスラ「ええ、昔からは考えられない位の成長ですよ、褒めてくれますか?」 俺「お、おおう…偉いぞウーシュ」スッ… 俺の顔を眼鏡越しに真っ直ぐ見つめるウルスラの瞳に催促されるように俺の右手が癖のようにウルスラの頭に伸びそうになる だが俺は彼女の頭を今まで通り撫でて良いのか迷い、右手が少しだけ上がった所でピクッっと体を震わせて止まる ウルスラ「…」 俺の右手が止まった事を確認したのかウルスラは寂しそうな目になり俺と視線を外す その表情を見て、止まっていた手を再び上げて彼女の頭に手を載せて優しく撫でる ウルスラ「あ…」 俺「…悪い、ちょっと迷っちまった」ナデナデ ウルスラ「撫でなくても、良いんですよ…?」 俺「俺がそうしたいからしたんだ」 ポンポンと優しく彼女の頭に手のひらを乗せて『終わり』の合図を送り、手を離すと ウルスラの瞳は寂しそうなものからとても嬉しそうな瞳に変わり 彼女は初めて俺に涙を見せた時のようにはにかんだ笑顔を見せた ウルスラ「俺さん?」 俺「なんだ?おかわり要求なら高くつく…」 ウルスラ「婚約者は一人ですけど愛人なら大丈夫らしいですよ」 俺「ぶっ!?あ、愛人!?そんな言葉どこから…」 ウルスラ「はい、この『カールスラント式!愛人百貨』に載って…」 軍服のポケットから取り出した、今までの『カールスラント式!』より小さく軍服のポケットに収まるほどの大きさの 本を取り出して俺に見せる 俺はその表紙を見ながらため息をつく 俺「なぁ…前々から思ってたけどそのカールスラント式ってやっぱ怪し…ん?」 『カールスラント式!愛人百貨』の表紙には著者の名前が書かれているがその横に見知った名前がある 著者:ユウメイ・ジーン 編集:ウルスラ・ハルトマン 俺「…これウーシュが編集したの?」 ウルスラ「はい、最近になって本を書く側にもなったので息抜きの過程で編集させて頂きました とても勉強になりますね」 俺「そ、そうか…そうか…」 ウルスラ「子供もまだのようですし、私で良ければ…」 俺「ストップ、ストップーーー!話が飛躍してますウルスラ先生!確かに子供はまだだけど…」 結婚という最大の幸せを手にした俺は幸運のストックを全て使ってしまったのかトゥルーデの間には未だ子供は授からなかった 結ばれてから一ヶ月とあればまだまだなのだろうが、最初に彼女の月ものが来た時は真剣に打ち明けられたっけ… 子作りをしたのに子供を授かれなかったと本気で落ち込んでた、いつも厳格なトゥルーデとは違ってなお愛おしいかったけど 流石に意地悪するのは気が引けた為、人間は元々妊娠しにくい体質なんだという事、子作りは定期的にしないといけない事を教えると 彼女はすぐに元気になったが、これは神様が与えてくれたチャンスなんだといって結局それ以降トゥルーデが20歳になるまで 彼女を求めるのは禁止になってしまった ウルスラ「私では不満ですか?」 俺「う…不満という事じゃなくてだな…」 下から顔を覗かせるのは反則だ… ウルスラ「私ならいつでも…いざとなれば寝ている間に全て終わりますよ?」 そう言われ、俺は瞬間的に頭にお腹をぽっこり膨らませてほっこりと笑いながらそのお腹を撫でているウルスラのイメージを思い浮かべ その父親は…と考え始めた辺りから首を左右に振って考えを強制中断させる 俺「怖い事言わないでくれ…はぁ…」 俺はトゥルーデとの間に子供が出来る頃には一悶着あるかもしれないと 今までの経験で予感しながらため息を付いた ウルスラ「ふふふ…半分冗談ですよ、でも」 俺「半分って…」 ウルスラは少しだけ俺の前に出て俺へ振り向く ウルスラ「私はまだ俺さんの事、好きですよ?これから5年、10年先も」 俺「ん…むぅ…面と向かって言われると何も言い返せないな…」 ウルスラ「こう言って拒絶しない俺さんも好きなんだと思います、いつか聞かせてください」 俺「何をだ?」 ウルスラ「誰かを好きだったからではなくて、純粋に私を俺さんがどう思ってるのか…私がお墓に入る前までにで良いですので」 俺「気の長い話だな」 ウルスラ「それまで、今まで通りに接してくださいね? この辺で良いですので 見送りありがとうござました」 俺が慌てふためいている間に気がついたら開発省の門のすぐ近く、衛兵が見えるところまで来ていた 俺「ああ、了解だ 気をつけて帰るんだぞ?」 その言葉にウルスラは肯定して俺に背中を向けて歩いていく もし何かが違っていれば俺はウルスラとどうなっていただろう 俺は彼女の願いに対して少しだけそう考えて、小さくなってゆく軍服の上から白衣を着た女神様の背中を見つめる 俺「嫌いな訳ないだろ…ウーシュ、ごめんな、そしてありがとう」 何年もの間一緒に居た相棒の背中に聞こえないほど小さな声で俺は感謝し、開発省を後にして自宅へ向かった ◆ 俺の自宅 夜 俺「ただいまーっと」 バルクホルン「おかえり、俺」 俺「待ってたのか…もう遅いから寝ても良かったのに」 バルクホルン「家族を待つのは当然だろう?」 俺「家族…か」 6年以上前に突然この世界に飛ばされ、突然として失った家族 元の世界に帰る方法も無く、飛ばされたどり着いた場所は既にネウロイの勢力圏内 生まれ育った故郷にも帰れなくなった俺に、家族と呼びかけてくれるトゥルーデに 心を温められすぎて少しにやけそうになる頬を頑張って引き締め、リビングに入って備え付けの椅子に座る 俺「家族といえば、クリスはどうだった?」 バルクホルン「クリスか?ここに来る前に面会してきたよ、入院しているというのに俺の事ばかり 聞いてくるくらい元気だったよ」 俺「ノイエ・カールスラントの病院に移っても元気にしてそうで何よりだ」 バルクホルン「そろそろ退院出来るかもしれないな」 俺「その時までにカールスラントを奪還出来ると良いんだけどな」 バルクホルン「するさ、今だってカールスラント奪還の為に各国のウィッチが集まってきている その準備も今進んでいるんだからな」 俺「大規模奪還作戦か…無理はするなよトゥルーデ?」 バルクホルン「それは私の台詞だな、俺は一人で無茶をするから困る」 俺「おいおい…あの時の約束忘れたのか?」 バルクホルン「あの時?」 俺「ヴェネツィア上空でさ、もう無理はしないって言っただろ? それに俺は大尉に昇進したら ロータリーストライカーの研究が待ってるんだ」 バルクホルン「『MRE-A01』か…」 俺「あれ、知ってたんだ ロータリーストライカーの名称」 バルクホルン「ウルスラから聞いたんだ、正式名称が決まったってな」 俺がウーシュの助けを借りつつ作り上げてしまったロータリーストライカー 最初こそジェットが作れるんだからロータリーエンジンも作れるんじゃねって簡単な発想から始めたあのストライカーも にわかの俺にはハードルが高かったが、俺を飛ばせるように…出力が高い事の優位性やエンジンの簡易性による小型化によって 余剰スペースに魔法力蓄積炉の搭載を可能にした事、その魔法力蓄積炉のお陰でストライカーオペレーションシステムが出力を減少 させずに動作させる事に成功した事… 色んな偶然が重なって出来上がったあのストライカーもヴェネツィア上空でその使命を全うし、回収された後で 正式名称『MRE-A01』という名前が付けられた 研究所に扶桑海軍から強い要望で実験機を試験飛行したいとの申し出があったから俺も大尉昇進後は ウルスラと同じく研究所に後継機を開発する為に引きこもる事になりそうだ… 俺「壊れてから名称を決められてもなぁ…」 バルクホルン「す、すまん…私が撃墜されたばっかりに」 俺「いや、良いんだよ トゥルーデを助けてくれたのもあのストライカーだしさ」 バルクホルン「そうか、ありがとう」 俺「どういたしまして…ってそれを俺が言えるのかはわからないけどw」 バルクホルン「お前の作ったストライカーだ、誇って良いぞ さて、私もそろそろ寝よう」 俺「一緒に寝るか?」 バルクホルン「だめだ、俺と一緒に寝ると何をされるかわからん」 俺「夫婦なのに警戒されてる…俺は悲しいぜ…」 机にうな垂れるようにしてへこんだというアピールをする俺にトゥルーデは慌てて手を横に振る バルクホルン「い、一緒に寝たくないという意味ではない!シャーリーも居る…だが」 俺「ん?」 バルクホルン「子を授かるのに抵抗があるわけでは無いんだ、ただ待ってほしい」 俺「分かってるよ、カールスラント奪還が目の前なんだ」 バルクホルン「ああ、我がままを言ってすまない…もしカイザーベルクに戻ったら 父上と母上に報告しよう 結婚した事、クリスの事、そして出来れば新しい家族の事を 報告できるように」 トゥルーデの言葉とその真剣な顔に俺は顔から火が吹き出そうなほど赤面する 恥ずかしい訳じゃなく嬉しすぎて… それを言葉で表しきれなくて椅子から立ち上がり座っていたトゥルーデの背後に回って 優しく彼女を両腕に包み込む 俺「そうだな、それまで無茶しないでやっていこう…トゥルーデ?」 バルクホルン「なんだ?」 俺「愛してるぞ」 バルクホルン「…私も愛してるぞ、俺 んっ…」 6年前にこの世界に前触れなく飛ばされ、家族も友人もそして故郷も何もかも失った人生で最大の不幸 けどそれは、こうしてトゥルーデが、少し恥ずかしそう振り向く最愛の嫁が出来た幸福の始まりだったのかも知れない 俺は多分これからも元の世界に帰る事は出来ないだろう、これだけ長い間この世界に居れば踏ん切りがつく… それにこの世界に俺の家族が出来た だから…いや、とっくに決まっていたのかもしれない これから何が起きようとこの笑顔を守る為に、 家族を守る為にこの世界で生き抜こうと改めて心に誓い、トゥルーデと優しく口付けを交わした fin
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直純がコーヒーに入れる砂糖はひとつ。ドーナツを三つも食べて、コーヒーも甘くして。高校生の頃は、どちらかといえば辛いものが好きだった気がするのに。 いつから、変わったんだっけ? 「メール王子は元気?」 砂糖を混ぜていたスプーンを置いて、直純は私に聞いた。誰を指しているのかわからなかったので、誰のこと、と聞き返す。 「妃奈子の彼氏。いつもメールくれるって言ってたから」 「大事なことに限ってメールでしか連絡しない人、って言ったつもりだったんだけど。物は言いようだね」 「まぁいいじゃん。うまくいってる?」 私は、直純の質問に奇妙な違和感を感じた。私たちの中ではさっき、終わったことなのに。直純の中で、私たちはまだ続いているのだ。あのほわりとした幸せな日々が。 「うまくいってないよ。王子でもないし、彼氏でもなくなった」 「え、いつ別れたの」 「さっき。メールで」 あのたった一行で、今までの関係が消えてなくなったなんて不思議だ。白い画面に浮かぶ黒い文字に、何の返事していないし文句も言っていないけど。 「ふうん、そう」 「そんなことまでメール?ひどい男だな」