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名前:絶望コアラ 通称:絶望コアラ よく使われるタグ:なんだこれ、おれらのうた 声の特徴:普通の声 作品の特徴・傾向 実際に体験した出来事や自身の事、家族の事を替え歌にして紹介している。 しかし決して歌が上手い訳ではなく、動画中に出てくる本人が書いた絵も酷い仕上がり。 現在は"ぜあらる。"という名前に改名。そして、大根の扶養者となった。 人物・その他の特徴 動画自体にそこまでの魅力は無いが、替え歌のセンスに関してはそこそこ定評がある。 ごく稀に「もっと評価されるべき」タグが付けられている時がある。 が、すぐ消される。 現在は"ぜあらる。"という名前に改名し、踊り手である大根の撮影、編集、振り付け指導等を担当しているという設定。たまに自身も踊ってみたに参加している。実際は大根の中の人として踊っているので踊り手をメインにしていると言っても過言ではない。 動画 公開マイリスト いきものがかり「SAKURA」の替え歌 「ANEKI」 坂本真綾「トライアングラー」の替え歌 「ソウジシナクチャー」 関連動画(合わせてみた等) 編集業務連絡 大根の扶養者になった旨、現在は踊ってみたメインとなった旨、 名前もぜあらる。へと解明した旨を記載しました。 -- 名無しさん (2011-07-31 11 04 41) 名前 コメント
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絶望の城砦(ぜつぼうのじょうさい) 絶望の城砦 ベース 使用コスト:黒3無2 タイミング ノーマル このカードと同じラインのスクエアにあるすべてのあなたのユニットに以下の能力を与える。 『このカードは前方のバトルスペースのスクエアにしか移動できない。』 このカードがスクエア以外からスクエアに置かれた時、このカードがスクエアにあるならば、 あなたは自分の墓地にある対象のユニットを1枚選び、このカードと同じラインのユニットのない自軍エリアの対象のスクエアにフリーズ状態で置く。 このカードがスクエアを離れた時、あなたはこのカードの効果でスクエアに置かれたすべてのカードをゲームから取り除く。 史上屈指の文章量を誇るベース。 内容をまとめると この列では前にしか移動できません。 これを置けた場合は墓地のユニットが1枚オマケで配置できます。 もしもベース割りを喰らったら、オマケのユニットはリムーブゾーン送りになります。 といった具合になる。 ユニットがおまけで付く点以外はデメリットなので、間違っても真ん中に置かないようにしよう。 奇襲性を求めるならば、高コストでリリースギミックのある「悪魔竜サルガタナス」等が適任。 収録セット サード・センチュリー エキスパンション 敵陣を貫く疾風(026/100 レア) イラストレーター 米川 東? 関連リンク 参考外部リンク
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重力は、毎秒9.8メートルの勢いで地上全てのものに働く。 それはすなわち、最初に落とす位置が高ければ高いほどに、その勢いと速度を増していくという事。 これは、人間の幸福にも当てはまることである。 受けた幸福の度合いが高ければ高いほど、そこから突き落とされた時の恐怖や絶望といった負の感情は計り知れなくなるほど大きくなるものである。 では、その人間の幸福とは一体どのようなものであろうか? それは百人人間がいれば百通りの例があげられる。 美味なるものを腹一杯食べることと答えるものもいるだろう。 自らが満足するだけの作品を作り上げることと答えるものもいるだろう。 かねてより収集しているものを集められることと答えるものもいるだろう。 幸福とは、具体的な形を持たないものだ。 そして、今ここに一人の女性がいる。 彼女は、それまでの人生でも最上級の幸福の真っ只中にいた。 ――そう、『いた』。 彼女の名は、エリナ・ジョースター。 旧姓をペンドルトンという。 彼女には、心の底から愛し、また同等かそれ以上の愛を与えてくれる一人の男性がいる。 たとえどのような苦境に陥っても、決して絶望することはなく、常人離れした勇気と熱く誇り高き精神を持って困難を打ち破る事の出来る男だった。 その男の名は、ジョナサン・ジョースター。 エリナとジョナサンは互いに深く愛し合い、そして先日ついに結婚した。 数多くの友に祝福され、幸福に包まれながら新婚旅行へ向かう船へと乗り込んだ。 これから先に待つ、希望と幸福に満ち溢れた人生への船出になる、見た目には小さくも彼女にとっては大きな一歩であった。 しかし、その一歩は幸福への道を踏むことはなかった。 一瞬のブラックアウトの後に目の前に広がったその風景は――絶望だった。 どこなのかもよく分からない空間の中で、メガネをかけた小柄な老人が自分たちに呼びかけた。 「今、この場を持って『バトル・ロワイアル』の開催を宣言する」と。 バトル・ロワイアル。 殺し合い。 エリナには、最初その言葉の意味が分からないでいた。 今まで幸福の真っ只中にいた彼女には無理のない話だった。 だが、その直後に老人の横に一つの人影が現れた。 その者が何者であるのか理解したその瞬間、エリナはひどく狼狽しそうになった。 エリナは知っている、あの逞しい体躯を。 エリナは知っている、あの誇り高き精悍な顔を。 エリナは知っている、目の前にいるあの男の名は―― ジョナサン・ジョースター。 自分が愛し、また自分を愛してくれたあの人が今、こうして捕らえられている。 それなのに今、エリナにはどうすることもできなかった。 やがて同じように拘束されている二人の男が現れたが、エリナの目にはジョナサンしか見えていなかった。 何故、ジョナサンがあそこにいるのか。 あの老人は一体誰なのか。 そもそもいま自分がいるここは一体どこなのか。 何もかもが、エリナには分からなかった。 だが何も分からないエリナにも、ジョナサンの首に何かが巻かれているのが見えた。 はっきりと見えたわけではなかったが、チョーカーやネックレスといった装飾品ではなかった。 まるで、家畜やペットにつけるような首輪。 よく見ると、その首輪は横の二人の男にも巻かれていた。 一体何の首輪なのだろうか? そうエリナが考えを巡らせようとした次の瞬間、信じられない、信じたくない光景が広がった。 大きな音と共に、首輪が爆発した。 あまりにも短い、時間でいえば一秒にすら届かない瞬間の出来事だった。 首を失った体躯はだらりと力を失い、行き場を失った血液はその首からたらたらと溢れだす。 一瞬にして、周囲が怒号と悲鳴に溢れていった。 だが、エリナの耳には何も入らない。 エリナの視界が一瞬で霞んでいく。 喉の奥が一瞬で乾き、声すらも上がらない。 ぐらり、と自分の脚の力が失われるのを覚えたが、その先に待っていたのは二度目のブラックアウトだった。 (一体なんだったんだあれは…?) ジョセフ・ジョースターは今までに体験した事のない不思議な現象に頭を痛めていた。 気分が悪い。 今までそんなに長い年月を生きていたわけではないが、このような感情は初めてだった。 今まで、本当に数多くの経験をしてきた。 おばあちゃんに叱られた事は両の指じゃ足らないくらいだし、警察のお世話になったこともたびたびあった。 乗っている飛行機が墜落した事もあったし、街中で機関銃をぶっ放したこともあった。 ナチスの将兵と仲良くなったこともあったし、親友を喪ったこともあった。 人間をはるかに超えた力を持つ誇り高き精神を持った戦士と文字通りの死闘も繰り広げたし、究極生命体を地球から吹き飛ばしたこともあった。 そんなジョセフにも、つい先程経験した事は今までにないことだった。 ――自分自身が死ぬ瞬間を、自分自身のその目で見る。 どの世界にそんな経験をしたものがいるであろうか。 だが確かにあの時首輪を爆破されて死んだのは自分自身に他ならなかったし、ここにいる自分は他でもないジョセフ・ジョースターだ。 一体これはどういうことなのか? 考えても考えても、さっぱり分からない。 そもそも自分は柱の男達との死闘の全てに決着をつけ、みんなにスージーQとの結婚を報告しに行こうとしていたのに、何がどうして見たこともない場所で殺しあえと言われないといけないのだろうか。 何もかもが、さっぱり分からない。 分からないのは過程だけではなかった。 今ジョセフが立っているこの場は、実に奇妙な場所であった。 ギンギンの色彩で彫刻された不思議な動物達が立ち並ぶその場は、異様な雰囲気を醸し出していた。 (ここは……そう言えばおばあちゃんが教えてくれたっけな……なんとかっていう中国人だったかがこんなへんちくりんな庭園を建てたって……名前は…そうそう、タイガーバームガーデンだ。) 祖母から聞かされていた教えがこんなところで役に立つとは、とジョセフは小さくため息をついた。 しかしこのタイガーバームガーデン、どうにも居心地がいいとは言い難い。 ギンギンの色彩で彩られた彫像はこちらをじっと見つめてきているようで、どうにも落ち着かない。 それに今のこの場は殺し合いの場なのだ。 隠れる所が多いこの庭園では、どのような奴が潜んでいるのかも分からない。 ジョセフはデイパックを担いで一刻も早くこの場を離れようとした。 しかし、そのジョセフの耳に奇妙な音が飛び込んできた。 飛び込んできた、というよりはまるで囁いてきたかのような小さなか細い音だった。 若い女性であろうか、すすり泣く声だった。 (…オバケとかじゃねーだろうな?) ジョセフがそう思ってしまうのも無理はない。 ジョセフが今立っているその場は先ほども言ったようにタイガーバームガーデン。 奇妙な彫像が所狭しと立ち並ぶその場で若い女性のすすり泣きの声が聞こえてくると言うのは、実に不気味である。 一瞬、その不気味さにジョセフはこの場から立ち去ろうかとも考えたが今のこの場は殺し合いの場なのだ。 殺し合いという恐ろしい場で一人泣いている女の子を放って自分は逃げるなんてことは、ジョセフにはできない。 ジョセフは意を決して、奇妙な彫像の庭園を進んでいった。 あふれ出る涙を、止めることができない。 脚には力が入らずに、地面に投げ出される。 この上もない深い絶望と悲しみを、エリナは全身から感じていた。 ジョナサンが、死んだ。 首輪を爆破されて、呆気なく死んだ。 自分が愛し、また自分を愛してくれたジョナサンは、自分に最後に何を言っただろうか? それすらも思い出せない。 エリナは、無力だった。 この殺し合いという危険な場において、何もできないでいる。 それがどれほど危険なことなのか、頭では分かっていてもそれ以上にエリナの頭の中にあるのは最愛の人、ジョナサンが死んだという悲しみと絶望だけだった。 何かが後ろに来たような、そんな気配を感じた。 だが、その気配すら今の彼女には届かない。 生物を動かすものは何だろうか? それは一口で言ってしまえば本能である。 快適な温度の場所を求め移動する、それも本能。 外敵のいなさそうな場所を求め移動する、それもまた本能。 そして、食べ物のありそうな場所を求め移動する、それもまた本能である。 今彼の目の前には、それは美味しそうな見た目麗しい女がたった一人で座っていた。 じゅるり、と舌が動く。 溢れ出そうになる涎を無理やり飲み込むと、彼はそっと彼女に近づいた。 かなぐり捨てたい理性をかき集めて、泣いている彼女に後ろからそっと近づく。 この位置ならば、いつでも喉笛に食い付けるのに、それを敢えてしない。 ぞくぞくするようなギリギリな状況を、彼――アダムスは感じていた。 (お…女だ!若い女の血はフワフワして美味いんだぜぇーっ!!) ああ、すぐにでもその傷一つない肌に牙を突き刺したい。 その骨という骨を自慢の長い舌で舐り回したい。 だがその欲望を無理やり涎と共に飲み込むことで、味わうその女性の味はより一層絶品なものとなる。 そしてついに、自分の射程範囲内に彼女を捕らえた。 彼女はまだこちらに気づいていない。 しゃがみ込んでさめざめとただ泣くだけの彼女を前にして、アダムスはその歪んだ口元から舌を――人間のそれにしてはやたら長い舌を出した。 彼女を――人間を、捕食する。 それが屍生人。 バリバリと、人間の皮が破れその舌から醜悪な屍生人の顔が露わになる。 その屍生人の本能のままに、アダムスは女に飛びかかろうとした。 だが、飛ぼうとした体勢そのままに、アダムスの顔面は石の床に叩きつけられた。 そしてそのまま、全身に炎が注入されたような奇妙な熱さを感じていった。 それが、最期だった。 エリナにしてみたら、何が何だか分からないとしか言いようのない事態だった。 何か凶悪な殺気を一瞬感じたと思ったら、目の前には全身がぐつぐつに煮えてしまったような無残な死体と男の人であろうか、大きな両足が見えるだけだった。 腐肉のような醜悪な匂いがエリナの鼻を蹂躙する。 胃の中が撹拌されるような吐き気を覚えながら、ゆっくりと視点を上へと向けていく。 「やれやれ、まさか屍生人がいるとは思わなかったなあ……大丈夫かい?カワイ子ちゃん。」 ノリは軽いが、優しそうな声が耳に届いたがそれを言ったその顔はエリナには信じがたい顔であった。 その太い眉。 その強い意志を秘めた眼差し。 その精悍な顔立ち。 彼は――いや、そんなはずはない。 だが、今目の前に起きているのは紛れもない現実。 エリナの頭が、目の前の死体のようにぐちゃぐちゃに混乱していく。 そして目の前の男の腕にまだへばりついていた死肉を見たその瞬間―― 「い、嫌あああああああああ!!」 エリナは、逃げ出した。 あまりにも多くの衝撃的な事が、おきすぎていた。 あまりにも多くの悲劇的な事が、おきすぎていた。 そしてエリナは、悲しいぐらいに無力だった。 その無力さは、エリナ自身を暴走させてしまう。 どこにどうつながっているのか分からない漆黒の道へと転げ落ちるように、重力が加速させるかのようにただただ暴走してしまう。 その力のままに、エリナはただただこの場から離れようと走り去ってしまった。 そしてそこには、ジョセフ・ジョースターだけが残されたのであった。 【アダムス 死亡】 【残り 143人】 【地下E-5 タイガーバームガーデン/1日目 深夜】 【ジョセフ・ジョースター】 [スタンド] なし [時間軸]:第二部終盤、ニューヨークでスージーQとの結婚を報告しようとした直前。 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品×2、不明支給品1~2(未確認)、アダムスさんの不明支給品1~2(未確認) [思考・状況]基本行動方針:ゲームから脱出する。 1.とりあえず、あのカワイ子ちゃん(エリナ)を追いかける。 2.いったいこりゃどういうことだ? 3.殺し合いに乗る気はサラサラない。 【エリナ・ジョースター】 [時間軸]:ジョナサンとの新婚旅行の船に乗った瞬間 [状態]:精神錯乱(中度)、疲労(小) [装備]:なし [道具]:基本支給品、不明支給品1~2(未確認) [思考・状況] 1.何もかもが分からない。 ジョセフ・ジョースターの事をジョナサン・ジョースターだと勘違いしています。 東西南北どちらに走ったかは不明です。 【備考】 アダムスさんの参戦時期は屍生人となった後、ジョナサン達と遭遇する前でした。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 GAME START エリナ・ジョースター 065 嘘つきジョセフと壊れたエリナ GAME START アダムス GAME OVER GAME START ジョセフ・ジョースター 065 嘘つきジョセフと壊れたエリナ
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平穏な日常から隔離された、一切の妥協すら許されない戦場。 頬を流れ伝い喉元に垂れる数滴分の汗が、重力に倣って焦げた地面へ落ちる音。 一人ひとりの極度の緊張が窺える、喘ぐような呼吸音。 眼前には数十はおろうかという私たちの命を奪わんとする敵、敵、敵。 ―――ふざけるな、たったの5人でどうにかなるものか。 そう、私は思った。直感的だが、それは決定的。 恐らく散開している4人の仲間たちも同じ事を考えているに違いない。 汗で滑りそうになる拳銃をきつく握り直す。最後の希望を手放してしまわないように、きつくきつく。 コンクリートの柱に身を潜めていると、30歩は離れている仲間の一人が閃光手榴弾を宙へ抛った。 空を躍る石ころ大の塊が、その体を地面に打ち付けるとバンッと乾いた破裂音と共に光源となり、一瞬の眩い光が敵の目を焼く。 ―――手を汚す準備はできた? その身を罪の炎に焦がす準備はできた? ならば蹴散らせ、ならば望めよ。 「ゴー!!」 遠くから合図が聞こえた。 私は駈ける。我先にと、針の穴ほどのか細い蜘蛛の糸を捜して、我武者羅に。 絶望の帳は、まだ上がらない。 一週間前。レリアは食べていた。 大盛りラーメンに大盛り麻婆豆腐に、大盛りシチューに大盛りムニエル、山盛りサラダに大盛りスープ。 そして極めつけに、特盛りのご飯。 「ん~……幸せー」 「よしよーし、じゃんじゃん食べていいからね」 黄ノ国に建てられたイルミナティ本部、会議室と銘打たれているはずの部屋は、もはや食堂と化していた。 20分以内に完食できれば三万円くらいは貰えるのではなかろうか。 だがそれもレリアにとっては容易い事であり、側でにこにこと眺めていたアクセリナは更に料理を追加しようと席を立つ。 「こら…いい加減にしろ、依頼だぞ」 「わっ、ご、ごめんなさい」 と、席を立ったアクセリナの肩を掴んで座らせるフリアン。 フリアンはそのまま円卓の椅子に座り、隣を歩く見慣れない人物を椅子に座るよう促した。 「どうも初めまして……名倉です」 黒いコートを揺らして椅子に座り、名倉と名乗る眉目秀麗という言葉を具現化したような痩身の美青年はにこりと笑ってみせた。 警戒や悪意を全く感じさせない完璧な笑顔で、だ。 「私がここへ依頼しにきたのは他でもない。何やら、友人がですね、不審なバッグを提げた複数の男たちが○○区のマンホールを出入りしているのを目撃したらしいのです。それがまた近所で、警察などを呼んで騒ぎを大きくしたくないんですけど……どうにかなりますか?」 「マンホール、下水道か…○○区の下水調査は月に一度だったな。……わかりました。我々の部隊を調査に向かわせますよ。組織犯罪の臭いがする」 少しだけ彼の笑顔が気になったが、それ以外は特に引っ掛かるような事もなく順調に話が進んで行った。…このムニエルちょっと味が濃い。 それから数日に亘り、青年は私たちと混じって綿密な話し合い――作戦会議を続けていった。 下水道の詳細な地図を広げて、今回の任務に抜擢されたエージェントと名倉があれこれと意見、提案をしていく。 この青年が実に聡明で、特に進んで具体的で有効そうな作戦を提案する。決定された事を理解するだけで精一杯な私とは大違いだ。 作戦決行前夜、現地へ出発する前。 「遂に、ですね。何もなければ良いのですが」 明るく装飾された、閑散としたエントランスで神妙な面持ちに名倉が誰ともなくつぶやいた。 「ハッハッハ、心配いりません。我々はプロ……ではありませんが、並の警察以上には訓練を受けてますから」 エージェントの一人が微笑しながら返し、ちからこぶを作って見せる。 そんなやりとりに私は興味を示さず、車内で食べる予定だったアクセリナ特製のサンドイッチを頬張る。 「それでも心配です、特に君。レリアちゃんだったかな。まだ年端もいかない子供だろうに……怖くはないかい?」 「ん、んっ…!? あ、んー……まぁ、お仕事だし……」 急に名前を呼ばれて喉にパンが詰まりそうになるのを堪え、私は聞き飽きた問いに言い飽きた答えを返す。 「へぇ、そう……気をつけてね」 と、青年は興味深そうに私の身を案ずる言葉を投げ掛け、 「よし、お前たち!車両に乗り込め!出発だ!」 リアセュリティのポジションを与えられているエージェントの合図で、名倉との会話を終わらせた。 車両の中、私の脳内を嫌な予感がぐるぐると駆け巡っていた。 優しく私の身を案ずる言葉を吐いたその顔が、歪曲した笑顔に満ちていたのだ。 ―――もしかすると。本当にもしかすると、このお仕事が、最後になるかもしれない。 作戦開始から、ゆうに3時間は経とうとしていた。 静寂に包まれた下水道――爆発で瓦礫となったコンクリートの岩に、背中を預けてずり落ちるように座る。 噎せ返るような血の臭いが鼻をつく。 幾度となく鼓膜を叩き、つんざくような破裂音がまだ耳の奥で木霊しているような気がする。 銃弾を受けた肩と脚が、熱された金属棒を押し当てられているかのように痛む。 だけど、3時間ぶりの安堵の中ではそんな痛みも些細なものに思えた。 ―――今回の作戦で、たぶん3人死んだ。1人は気を失ってる…部隊壊滅だ……本部に回収を要請しないと。 耳にかけているイヤーフック型の無線に手を添え、本部へ連絡を取ろうとした時、 ひとりの男が岩の裏から現れ、素早く私の無線を取り上げてしまった。 「やぁレリアちゃん。ご苦労様、よく生きてたね」 ―――名倉だ。やはりこの男が裏で手を引いていた。私たちは嵌められたんだ。 「うわ、うっわー。そんな怖い顔しないでよ。似合わないぜ?」 言うが早いか、私は脇のホスルターに収納してある拳銃を引き抜いていた。 しかしそれは名倉も予測していたようで、私が拳銃を引き抜いて照準を合わせる動作の途中で蹴りが飛び込んできて、強い衝撃を受け拳銃が遠くへ滑っていった。 「子供がそんな危ない物持っちゃダメだって、玩具じゃないんだよ?それ」 「どうして……こんなことッ……!」 なんとか声を絞り出す。悔しさと苛立ちで唇を強く噛み、口の中に鉄くさい血の味が広がっていく。 薄ら笑いを貼り付けて剥がさない名倉は、まるで青空が明るく話しかけてくるような透き通った声で言った。 「君が弱った姿を、写真に撮りたかっただけだよ!」 ―――この、外道……ッ。 「ほらほら、いいから写真撮ろうよ!写真!ピースだよ、いいね?」 にこにこと楽しそうにスマートフォンを取り出し、凭れて座る私の横に身をかがめ、カメラのレンズをこちらに翳した。 当然私はピースをする気など毛頭なく、目を伏せて項垂れていた。黒幕が隣に居るのに何もできないのが悔しくてたまらない。 「つれないねぇ、ピースしてくれないんだ。いいよ、俺だけでもピースするから……いくよー?ハイ、チーズ」 名倉は満面の笑顔でシャッターボタンを押す。スマートフォンがカシャリと無機質な音を立てた後、名倉は腰を上げて続けて言葉を発そうと口を開く。 そしてその言葉は突然で、私が予想だにしないものだった。 「ねぇ、この血まみれな君の写真さあ……槭くんに見せたら、どんな顔すると思う?」 「――――えっ?」 絶望の帳は、まだ上がらない。
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【検索用 せいようしょうしょかしこうほう 登録タグ VOCALOID せ オッカ 一斗まる 初音ミク 時風聖夜(時の宿) 曲 曲せ 葉月ゆら】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:葉月ゆら 作曲:オッカ 編曲:オッカ イラスト:一斗まる 動画:時風聖夜(時の宿) 唄:初音ミク 曲紹介 魔女ミクさんからバレンタインチョコとお菓子が届きました。 お好きなのをどぞ(o゚ω゚o)つ[メイコレート][ルカロン][プリン] 曲名:『西洋少女菓子工房』(せいようしょうじょかしこうぼう) 歌詞 (Fried Worldより転載) さぁさぁ おいで夢の奥へと 招く闇 囁きは甘く 虚ろな少女 お好みでしょう この子は如何? お味見してみては 白い肌に赤いチェリーの唇 触れた場所から蜜が零れだす 「トケアイタイナ ハヤク」 恐れよりも欲望が勝るなら真実 錆色スウイティ・マカロン 束ねた欲望のキャンディ 枯れ堕ちて逝くは執事の群れ 能動的なルネサンス 悪夢の果てで一つ食むよ ベリーを添えて 狡猾なショコラティエ 嗚呼… 褪めない夢を求めてるのかしら? 瞳を閉じて 3つ数えたら 望みは全て叶う たとえそれが絶望を孕んでも いいよね? 蒼い月ぐるぐる 純潔メルヘン病 踊り踊るのは執事の群れ 奏でようマエストロ 世界の果てで一つ鳴くよ 錆色スウイティ・マカロン 束ねた欲望のキャンディ 枯れ堕ちて逝くは執事の群れ 乱れた魔を貪り 悪夢の果てで一つ鳴くよ コメント なかったので作成しました。 -- クレア (2016-03-02 16 45 15) 不備があれば、編集お願いします。 -- クレア (2016-03-02 16 45 35) 頭文字のタグが間違っていたので直しました -- 名無しさん (2016-03-03 00 44 18) 絵可愛くて、不思議な世界観でいい歌ですね!! うぽつです。 -- スカイブルー (2016-03-03 20 48 04) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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登録日:2011/05/06(金) 22 36 25 更新日:2024/06/03 Mon 09 43 59NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 2007年 4年間ありがとう SZBH さのすけ さよなら絶望先生 さよなら絶望放送 ずっと未完成な項目 はっぴぃ_なんちゃら モラルの欠片もない番組 リスナーは3人 久米田康治 佐藤 同人ラジオ 康斉丁 新谷良子 武 武力介入 水島大宙F 田原 神谷浩史 誰も得をしない番組 高橋 更新まだー。 更新まだー。 更新まだー。 更新来たー。 さよなら絶望放送とは、 アニメイトTVで配信していた同人ラジオ番組である。全203回。 同人ラジオとなった経緯は、さよなら絶望先生のアニメ第一期放送時に公式サイトからリンクが貼られていなかったため公式扱いではないとパーソナリティが言い出したためである。 また、アニメ第二期、俗・さよなら絶望先生の放送時に公式サイトからリンクが貼られたため、公式扱いとなるも、 第三期である懺・さよなら絶望先生の公式サイトからは再びリンクがなくなり、同人に戻る。 そのため、同人ラジオと称し、「リスナーは3人程度」、「1人減ったので2人」、「少ないリスナーが頑張ってる」などと発言しているが、 複数回にわたる公開録音の異様なまでの応募数やSZBHキャンペーンの際の限定版の表紙を切り抜くというファンにはハードルの高い行為にも関わらずかなりの応募総数になるなど、 リスナー数はかなり多く、その中には漫画家、音響監督、副監督、声優、ボクサー、自衛官、引きこもり、風俗嬢、学生など非常に幅が広い。 【パーソナリティ】 神谷浩史 さよなら絶望先生の主人公、糸色望役の声優。 初回からことあるごとに「藍ちゃん(風浦可符香(P.N.)役)と麻里奈(木津千里役)がやるべきなのでは?」と発言していた。 また、「ここで話した内容は、ここを出たら忘れる」という発言の通り、幾度か同じ話題を出すこともあり、 同パーソナリティ新谷も忘れているため、まるで初めて聞いたような体で同じ話をすることがある。 「噛み谷浩史」のあだ名があるように、このラジオでも幾度となく噛んでおり、読み直すことが多い。 また、堀江由衣、谷井あすか、根谷美智子、小林ゆう、平野綾など、多くの女性声優に対して「好き」と発言しており、 ラジオ内でそのことに対してツッコまれることもあったが、堀江由衣と小林ゆうは少し離れたところから行動を見ていたい、 谷井あすかは「金八先生のゲームで声を聴いて、その声が好き」、根谷美智子は顔が好み、平野綾は可愛い、と説明していた。 すべてのおっぱいを愛でることを誓った、日本おっぱい党の党首。 おっぱい関連の発言に関しては、「夜道で怖いときなどに心の中で『おっぱい おっぱい おっぱい』と唱えたら怖くなくなる」、 「カップは分かりにくいからレベルという表現を使えばいい」などの発言から、 いつの間にかリスナーの間で「おっぱい=神谷」の図式が生まれ「神谷さんの真似をしておっぱいについて~」という趣旨のメールが届くようになり、 サインを書きながらの、ながら作業の回で出馬すればいいのではというメールがあり、適当に受け流したが、 その後、公開録音「後悔録音イベント【座・さよなら絶望放送】」などを含めネタにしている。 新谷良子 さよなら絶望先生のヒロイン(?)日塔奈美役の声優。舞浜声優。アポロ新谷やブラホック新谷などのあだ名がある。 ことあるごとに金沢ネタでいじられる。キュウリの味噌汁はあまりにも有名。 初期とキャラが変わった、と後期にリスナーから言われることもある。 原作で奈美が言ったのが最初とはいえ、「モロチン」というセリフをラジオで読まされたり、 「絶望葬会in野音」にて録音された「モロチン」を神谷により何度も再生されるなど、汚れ役が目立つ。 ただ、熱心なファンもリスナーとしており「のーとぱしょこん」他、新谷の新曲や新アルバム発売に合わせ、宣伝用のメールを送るリスナーもいる。 また、後述の「○○の××が大好きなの」のコーナーの後期にて、真田アサミに「チョロい」と言われ、 「ズルい神谷とチョロい新谷」という新しいワードができるなど、「チョロい」ことには定評がある。 さのすけ 詳しくは別項目で。 新谷良子の誕生日に番組でプレゼントされた抱き枕であり、新谷がるろうに剣心の左之助の抱き枕が欲しいといったことに端を発する。 構成Tの妻によりつくられたものであり、MOGUピープルにペンで装飾を施したもの。 妹のさのすこ、他さのすらいむなど派生キャラがいるが、それらに関しても別項目参照。 ぴろし17歳 詳しくは別項目で。 神谷浩史がオタクの少年を演じるもので、「自分も罵ってください」などの一部コーナーで登場する。 アレ 説明出来ないが舞浜声優に関係が深い。 「やぁ僕だよ、アハ!」 作成は構成Tの妻によるもので、「絶対に映せない」、「ひどい」などとパーソナリティに言われている。 構成T/康斉亭/マーガリン田原 この番組の構成を務め、基本的にブース内でしゃべることはなく、音声も動物の声で消されるが、 一度もしゃべったことがないわけではなく、また、絶望放送の主題歌の作詞やマーガリン田原としてギャグを行うなど多芸。 生え際に関する話題も多く、一度メールが来てからは、オープニング等でネタにするなど、身を削っている。 動物の音声は「馬」。 ディレクター佐藤/マヨネーズ佐藤 この番組のディレクターを務め、編集や加工などを担当している。 ラジオでしゃべった回数は構成Tよりも少ないが、それでも幾度かブース内でしゃべったことがある。 ぐわんばのコーナーを始め、この番組では編集や加工がかなり難しく、また、派手に加工をつけたり、音声を切り取り繰り返すなどの編集もあるため、色々な試みをしている。 動物の音声は「ヤギ」。 タケさん この番組の携帯版におけるプロデューサーを務め、写真の掲載などを担当しているが、そのミスも多く、謝罪弁明のためにブース内でしゃべることが多々あった。 また、神谷の「目を瞑って正直に手を上げなさい」→「そうか、誰にも言わないから」→「……タケよ」という流れでよく名前が挙がり、 スクール水着地の抱き枕の話題など下ネタ的話題にて名前が出ることが多い。 動物の音声は「犬」。 高橋P/プロデューサー高橋 この番組の本編でのプロデューサーを務め、基本的に話題に参加することがない。 そのためか、ぼんやりしていることも多く、当人の話題でも聞いていないことが多い。 タケさんのやらかしが有名で、あまり話題にはならないが、3000人の客が入る会場でパンフレット1000冊しか刷っていない事件や応募者全員プレゼントの表記で苦情が来た事件など、 タケさんの写真の掲載時刻ミスなどよりも大きなミスをすることが多い。 動物の音声は「猫」。 マネージャー後藤 神谷のマネージャーの後藤槙人氏のことだと思われる。神谷は「弊社マネージャー後藤」という形で紹介をする。 また、「公開録音イベント~惨開~」では「後藤違い」として顔出しをしている。 フロンティアワークスの営業O氏の発言や動物の音声が「象」であることなどが原因で、少々リスナーたちからは、昼間からああいう店に出入りする人間のような誤解を受けていた。 動物の音声は「象」。 きばっち 体調不良で休んだ新谷の「怪奇祝い」として贈られた構成Tの妻が買ってきたブタの牙が使われた魔よけの人形。新谷から「本当に怖い」といわれる。 名前の候補として「ぶたのきばお」、「きばっち」、「きばっと」があり、最終的に「きばっち」に落ち着いた。 なお、「ぶたのきばお」はブタの牙が使われていることから名づけられたひねりのない名前、「きばっち」はハワイに降り立った舞浜関連の宇宙人になぞらえてつけられた。 そのため、舞浜好きの新谷は、最初「きばっと」を推していたが、いつの間にか「きばっち」に固定となっていた。 【構成】 この番組はミニ番組のみで構成されるラジオである。 基本的にはオープニングドラマ→フリートーク→ミニ番組→エンディング→ミニ番組と言う流れで放送される。 ふつおた(名称不確定) リスナーから番組名を募り、大体奇数回に新番組として名前を変える。 大抵は他の声優の番組のパロディ。 そこ番組名のほうが面白いとか言うな! ポジティブですよね〜(風浦可符香P.N) リスナーが嫌な目にあった時の状況をポジティブに解釈する。 「~なのですが、どうしたらポジティブになれますか?」という文面で来ることが多い。 神谷と新谷は苦手。基本的にパーソナリティが苦手と公言しているだけに、 ゲストが来た際は、「苦手番組なんですけども、今日は○○(ゲスト)さんがいるので大丈夫です」とゲスト任せになることが多い。 パーソナリティが苦手とするため、うやむやになって終わるパターンが非常に多いが、稀に、きちんと回答を導くことができる。 ポジティブですね〜(風浦可符香P.N) 上述の派生番組。 自己完結ポジティブさんのメールを紹介する。 もともとは、「ポジティブですよね~」という趣旨で、どうしたらポジティブになれるのかを募集していた上記の番組だが、 自身でポジティブになった体験を送ってくるメールが多くなったため、番組名の一部を変更し、放送したもの。 紹介するだけなので、基本的に、それに対して長いコメントをすることはない。 一矢、報いてやりましたよ(糸色景) 上述2つの派生。「~してやりましたよ!」という文面で来ることが多い。 高度な自己完結ポジティブさんのメールを紹介する。 基本的に、本来の形としては「手洗い場で、足を洗ってやりましたよ!」のような一矢報いた体験を募集していたが、 途中から、本当に一矢報いているのかが微妙なメールが多くなり、パーソナリティが困惑する場面も多かった。 ○○の××が大好きなの(小節あびる) マニアックな趣味を公開する。「~が大好きです」という文面で来ることが多い。 小節あびるが動物のしっぽが大好きなように、という前置き通りに、一風変わった趣味を募集していたが、 途中で、こういうシーンが好きであるというシチュエーションの流れなど、趣味というよりもフェチを紹介するものが多くなった。 後期になり、「○○だったら、死にます」などの萌え死にする類のメールが流行し、通常、数回に一回ペースの番組が、複数回連続で放送された。 自分がマイノリティだと気づいた 今(藤吉晴美) 上述の派生。「~だよね、……自分がマイノリティだと気づいた 今」という文面で来ることが多い。 さらにマニアックな趣味を公開。 なお、前置きとして藤吉晴美ちゃんのカップリングや石川県のきゅうりの味噌汁など、とあり、新谷地方とされる表現はここに分類されるらしい。 絶望した○○に絶望した(糸色望) 絶望的なメールを紹介する。 身内ネタ(久米田プロ、シャフト、キングレコード、フロンティアワークスなど)はここかふつおたで扱う。 きっちりしなさい!(木津千里) きっちりして欲しいことを紹介する。「~となっています。きっちりしてください」などの文面で来ることが多い。 基本的に紹介するだけなので、流すことも多いが、「絶望した」同様に身内へのメールが来ることがあり、 シャフトのスタッフロールに新谷の名前がない、新谷のホームページが更新されない、 などの出演者スタッフへの「きっちりしなさい」要望に関しては、謝罪なども含め「きっちり」するケースが多い。 こもり上手と呼ばないで(小森霧) 引き籠もりのメールを日記風に紹介する。 このコーナーには常連が多く、「隅っこアロマテラピー」、「小森霧蔵」、「ふとんがすべて」などをはじめとする多くの無職、引きこもりのリスナーがおり、人気番組であった。 ただし引きこもりのため、公録などに来るリスナーがいない。 愛が重い(常月まとい) リスナーのちょっと重い愛を紹介。「ちょっと、ですよ」とパーソナリティが念を押すほどに重い愛のメールが横行したが、人気番組であった。 「太陽は僕の敵」などの常連リスナーがいる番組であり、その愛の重さゆえに、パーソナリティが読むのをためらうこともあった。 また、愛が重いだけではなくホラー系の話に発展することもある。 派生として、趣旨が微妙に違う「愛が重い?」、内容が同性愛の「愛がホモい」、単なるノロケの「愛が軽い」がある。 藤吉晴美の憂鬱(藤吉晴美) オタクで幸せなこと、失敗したことを紹介する。 コミケの特集もこのコーナーで取り扱う。失敗したエピソードが多いが、中には幸せだったことに関するメールが来ることもある。 がっかり観光しにるるぶ(糸色望) 絶望的な名所を紹介する。あくまで、宣伝番組である、と主張している。 例えば札幌の時計塔とか。その場にいるスタッフとパーソナリティ、ゲストの投票で認定するか否かを決める。 自分も罵ってください!(新井智恵) 罵られたい台詞を募集、神谷と新谷が罵ってあげる。「~な僕(わたし)を、○○さん、素敵に罵ってください」という文面で来ることが多い。 あくまでリクエストであることを忘れてはいけない。 一応、誰に罵ってもらうかのリクエストは可能だが、稀に守られずに読まれることもある。 大草麻菜実、17歳です。オイオイ!(大草麻菜実) 素敵な奥様やマダムについて紹介する。リスナーの母親、あるいは、祖母のエピソードが中心となる。 また、神谷が「オイオイ」と入れ忘れることも多いため、タイトルコールで若干、妙な真ができやすい番組でもある。 存在感が臼井君(臼井影郎) 存在感が薄いこと、無視された思い出などを紹介する。 「メゾン日暮里」、「人間立体交差点」などが常連リスナーであり、告知やエンディングを終えた後に、小さな音声で流れ、最後の方には徐々に消える。 久藤君のちょっと良い話(久藤准) リスナーから寄せられた心温まるメールや物語を紹介する。 AVのヤギ対ロシア女がいい話に生まれ変わった。 ぐわんば 無駄なネタを無駄に大袈裟に読み上げ、無駄にエフェクトをかける無駄番組。 割と人気。 一旧さ〜ん(一旧) 旧道楽を紹介する。 ほぼゲームネタしか採用されない。「紋別港で二ポポ人形を入手on88」が常連リスナー。 すみません! 私のような者が番組を持ってすみません!(加賀愛) リスナーが謝罪したい事柄をパーソナリティーが代わりに謝ってあげる。 普通って言うなあ!(日塔奈美) 寄せられたメールに新谷が背筋も凍るような普通さで「普通って言うなあ!」と叫んでくれる。 訴えるよ!(木村カエレ) リスナーが訴えたいことを神谷と新谷が代わりに訴え、有罪か無罪かを決める、と最初のころは言っていたが、いつしか有罪か無罪かを決めることがなくなり、その文面が消えた。 また、このコーナーの常連として、投稿数最多だが採用数は低い「いいがかり姉さん」がいる。 イイ国ジャナイカ、コノ国ハ(関内・マリア・太郎) この国に生まれて良かったと感じた出来事を紹介する。 良子 不良子 普通の子 ある出来事に対して、良い良子、悪い良子、普通の良子の3パターンのリアクションを募集、紹介する。 不良子がツンデレで萌える。 ミニミニ番組さのすけを探せ! あらゆるメディアに出没するさのすけを探し出す番組。 もげー! ○○もげー!(ぴろし17歳) 詳しくはぴろし17歳の項目で。 【携帯版】 声優アニメイト+hm3にて配信中の有料放送。 ゲストは消える。 通常放送じゃ流せないようなネタをやったりピー音をけしたりする。 また携帯版だけのコーナーもいくつか存在する。 【逸話】 さよなら絶望先生音響監督の亀山俊樹に「チャック亀山」と命名。 水島大宙が某ラジオの最終回で全裸になったので「服を着ていないタイプの声優」と呼び、Fをつける。 新谷の誕生日プレゼントにさのすけが贈られる。 あろうことかそのさのすけがあらゆるメディアにゲスト出演する。 ニコニコ動画上で無声で動画がアップされ、それにコメントするszbh方式が生み出される。 神谷と杉田智和が丸々二回ゲームの話題しかしない。 井上喜久子がさのすけに引く。 後藤邑子がさのすけに引く。 真田アサミがさのすけに引く。 後藤沙緒里がさのすけを可愛がる。 野中藍がさのすけに引く。 井上麻里奈がさのすけに引く。 松来未祐がさのすけのサンタ服を脱がす。 200回以上やったが沢城みゆきがゲストにこない。 井上喜久子の17歳と10000日記念放送を敢行。 リスナーがF5キーを連打してサーバーを幾度となく落としたため、火曜更新から水曜更新へと追い出された。 放送初期の頃はアニメ公式サイトからリンクされておらず、神谷と新谷は同人ラジオと自称していた。 リスナーの幅が自衛官、官僚、医者、経済評論家、大学教授、ソープ嬢、ニート、キモヲタ、ガチホモ、ストーカーなど多岐にわたるため、神谷がおっぱい党を立ち上げて立候補したなら当選確実なのではと密かに噂されている。 【印象的なリスナー】 伊藤ケンタウロス 女性。伝説のAV『ヤギ対ロシア女』を発見した人。 しばらくメールが来ずマクロスのラジオに武力介入していた。 小森霧蔵 男性。一人っ子。こもり上手と呼ばないでの常連。 リストラされてからのニート生活を赤裸々に語る。 毛根死滅丸 神谷が名前を言いたいだけ。 無駄にカッコイイ。 それロン 女性。 名前が絶望的。 魔術師手術中 新谷の敵。 休日に治癒術を行うことも。 隅っこアロマテラピー 女性。 『こもりうた(引きこもりをテーマとした短歌・狂歌)』の才能から、この番組のアイドルとなっている。 知覚過敏♂♀ 男性。リアルバイ。柔道部。 声優MAEDAX Gのパンツプレゼントコーナーに応募してきた。 その執念と熱意から、満場一致でパンツが贈られた。 緑日 主にオープニングドラマの台本を手掛ける。 はんつけ 愛が少しだけ重い女性。 怖いから内容は詳しく書けません……。 言いがかり姉さん 男性。尋常じゃないほどメールを送るわりに、採用されない。 紋別港でニポポ人形を入手on88 ゲームネタしか送らない。 杉田が来た回は彼のメールのみだった。 軍手のイボ ゴリラネタにかけては右に出るものがいない。 また、「マーガリン田原とマヨネーズ佐藤のショートショートコント」の生みの親であるが、携帯版を聞いていないのでは、という話があり、それが採用された事実をいつ知ったのかは不明。 俺の人生お馬でアウト 競馬に全てをかける男性。 今までの負け分で一戸建てが買えるらしい。 ヲタボクサー ヲタクのボクサー。 漫画の必殺技を試合で使おうとするも大体負ける。バツイチ子持ち。 絶望探偵ラビリンス ショタ属性。 幼稚園のお遊戯会で子どもたちにコスプレさせるべく、日々勉学に励んでいる。 ハーレムニート もし、部屋からでて、好きな人ができて、結婚できて、自分に子供ができたら 話したいことは山ほどあるが、1番伝えたいことは 「ラジオが僕にとって生きがいだったってこと」 現在糸色望のオールナイトニッポンRのDJCDが好評発売中です。 神谷 追記・修正しなくてもいいよね? 新谷 ダメです! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ↑のリスナーたちって実在するんだろうか? -- 名無しさん (2014-07-31 20 19 00) 一部他のラジオに同じ名前で投稿してたし、ブログやTwitterでも見かけたことがある。 -- 名無しさん (2015-04-07 02 06 28) 公開録音に参加した人は多分実在 -- 名無しさん (2016-10-26 15 45 36) その後、伊藤ケンタウロス女史は、彼氏とどうなったのだろうか……? -- 名無しさん (2017-12-22 15 53 57) 今だったらLGBT団体から袋叩きに遭うようなレベルでホモとかネタにしてたな~。あの時代は寛大だった。 -- 名無しさん (2019-03-05 00 03 17) 2024に復活とは凄いな -- 名無しさん (2024-01-07 02 53 16) さよなら絶望先生音響監督の亀山俊樹に「チャック亀山」と命名。←だからリスナーが勝手に言い始めたんであって、番組側ましてやリスナー二人が名付けたんじゃないってw -- 名無しさん (2024-02-25 23 55 07) 名前 コメント
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……すまない。俺は、君達に嘘をついた。 俺はもう、君達の元へ戻るつもりはない。 君達のプロデューサーは死んだものと思ってくれて構わない。 俺は『彼等』と共に全ての役割を遂げて、全ての結末を見届ける。そう決めた。 何を言っても言い訳にしかならないし、許してくれとは言わない。 だがこの道しか、俺は今まで自分が犯した間違いと折り合いがつけられない。 だから、この選択に後悔も諦めもない。 短い間だったが、君達の元で働けて幸いだった。 そして―――これでお別れだ。 ………………… ………… …… ―――時は、暫し遡る。 ▼ ▼ ▼ 「黄金時代ちゃんのサーヴァント、まだかな……」 品川区、プロデューサー宅付近の路地にて。 割れた子供達の構成員、竜宮レナは同盟相手のサーヴァントを待っていた。 時刻は19時前。夏のしぶとい太陽もいよいよ洛陽の時を迎えていた。 だが先程起きた地震の影響か、待ち人は未だに姿を現さない。 「焦っちゃダメ。向こうにはサーヴァントがいるんだもん。 私一人が突っ込んだってどうにもならない」 虎の子の地獄の回数券は渡されているが、相手は忍者を超える正真正銘の怪物だ。 挑み、帰ってこなかったものは両手の指では足りない。 その事実が、逸りそうになるレナの心にブレーキをかけていた。 だが、数分前に入ったガムテの通信では標的は出かける準備をしていると言う。 食事などならいいが、明らかに誰かに会うための準備との事だった。 急がなければ、好機を逃してしまうかもしれない。 まだか。まだか。腕に嵌めた時計に視線を映した、その時だった。 どろりと、己の直ぐ近くで泥がはじける様な音が響いたのは。 そして、世界から音が消えた。 「ンンンン、失敬。遅くなりましたな。羽虫が一匹様子を伺っていたものですので… 拙僧はアルターエゴ、どうぞリンボとお呼びください」 ―――来た、間違いない。 弾けた黒い泥の先に現れた、白い肌の偉丈夫。 ねばつく泥の様な存在感。この男こそ、黄金時代のサーヴァント。 その足元には、極道と思わしき狒狒面の男が目を見開いて事切れていた。 リンボと名乗った男が柏手を一つ討つと同時に男の亡骸が泥に包まれ消え失せる。 その尋常ならざる光景に思わず気おされそうになるが、心を落ち着かせてレナは尋ねた。 「……いいえ、構いません。黄金時代ちゃんから話は聞いてますか?」 「ええ、仔細という訳にはいきませぬが――拙僧の役目などは」 「そう、ですか。なら直ぐに―――」 「何、急いては事を仕損じましょう。一先ず、仔細を教えて頂けます哉?」 「……?今はそれよりも―――」 悠長なリンボの言葉に、レナは訝し気な声を上げた。 確かに自分は任務遂行のために、ガムテや解放者から犯罪卿や283に纏わる情報を渡されている。 だが、それを説明している時間はない。 第一、おいそれと教えられる事でもないのだ。 ただでさえ、今割れた子供達は情報漏洩に過敏になっているのだから。 しかしリンボはニヤニヤと拒否の言葉にも笑みを深めるばかり。 悪意の坩堝の様なその顔を見て、本能的な危機感からポケットのヤクに手が伸びる。 だが、所詮はNPC。できたことはそこまでだった。 既にそこは邪悪なる陰陽師の間合いだったのだから。 視界が歪み、意識が朦朧とし、何も考えられなくなる。 木偶になった少女を眺めながら、リンボは満足げに語り掛けた。 「何、心配せずとも話を伺うのみに御座いますれば 仔細を承知している方が拙僧としても御役目を果たす士気が上がるという物」 彼は、何処までも面白い事があればその中心に立ちたがる手合いであった。 ▼ ▼ ▼ 七草にちかと約束した時間は20時。 確実に陽が墜ち、ランサーが行動可能になる時間帯だった。 無論の事だが、現時点で彼女と事を構えるつもりは毛頭ない。 例え彼女が、俺の知っている彼女ではなかったとしてもだ。 だが、相手のサーヴァントはどうなのか分からない。警戒するに越したことはない。 「……そろそろ、準備しないとな」 待ち合わせの時間まであと一時間余り。 外を見れば少し前に起きた地震の影響か。 自衛隊や消防救急の車両がせわしなく動き回っていた。 陽の堕ちた夜空も、普段の様子は明らかに違っていた。 今までずっとにちかの無事を確認するのに必死になっていたが、後で何があったか確認しておかなければならない。 ……本当は、サーヴァント間の衝突によって先程の地震が起きた可能性が脳裏を過ったが、直ぐに考えるのを辞めた。 幾ら何でも、そこまででたらめな怪物が競争相手にいるとは考えたくなかったからだ。 思考を切り替え、時間には十分間に合うが手早く準備に取り掛かる。 髪を軽く整髪剤で整え、顔を洗い、髭を剃り、半袖のワイシャツにてきぱきとアイロンをかける。 ―――うーわ…プロデューサーさん、人に会うときは身だしなみくらいしっかりしてくださいよ… だらしない格好で会えば、こういわれても仕方ないだろうな。 脳裏に浮かんできた彼女の声に苦笑し、靴を簡単に磨きながら思案を巡らせる。 ……きっと、これで身の振り方がはっきりする。良くも悪くも、だ。 七草にちか。 俺の、罪の証。 これから出会う彼女は、あの日、俺の前から姿を消してしまった彼女なのか。 そうであって欲しいという気持ちと、こんな場所にいてほしくない気持ちが両方あった。 けれどそれよりも一番心の中を占めていたのは、彼女に会いたいと言う気持ちだった。 ただ会って、言葉を交わしたかった。 そうすれば、あの日からの決して消えない後悔が少しだけ報われるような気がしたから。 「よし、と……」 アイロンをかけたワイシャツに袖を通し、身だしなみを今一度確認する。 疲れ切った顔はそのままだったが、朝よりは遥かに見れる風体になったと言えるだろう。 そして、そんな時だった。 俺のサーヴァントであるランサーが、再び目の前に姿を現したのは。 ―――破壊殺、羅針。 現れたランサーはその身体を、冷酷な殺意で満たしていた。 一瞬また何か彼の癇に障ることをしてしまったかと思ったが、その殺意が俺に対して向けられていないことは直ぐに分かった。 何故なら、彼は俺に一瞥も向けようとはしなかったからだ。 その上能力を解放しながら現れるなど、どう考えてもただ事ではない。 どうしたのかと尋ねるより先に、ランサーは口火を切った。 『マスター、敵だ。明らかに此方を狙っている』 「……確かなのか?」 「間違いない。日没前から此方に向けられた闘気は感知していた。 そしてこの闘気は敵サーヴァントでも、マスターでもない。贋作のものだ」 『マスターでもないって…誰かがNPCをけしかけてきてるって事か…?』 背筋に冷たいものが流れる。 予選で自分たちが経験してきた戦いはどれも偶発的な遭遇戦だった。 けれど、今回は明らかに毛色が異なる。 NPCを差し向けて此方を狙わせる、人を動かせる主従。 脳裏に過ったのはもう一人のにちか達が抱えるサーヴァントだが…… 『ランサー、そのNPCがどんな相手か分かるか。 逃げるにしても、追い払うにしても、相手の姿は知っておきたい』 こうなると日没直後に数分だけでもランサーを索敵に回しておいて良かったと心の底から思う。 ランサーは直接の戦いだけでなく、優れた探知能力を持っているからだ。 彼の探知能力には予選の段階でも何度も助けられた。 今回も、俺の引いたサーヴァントが彼でなければ突然襲われていてもおかしくはなかった。 だが、それが良い事ばかりを齎すとは限らない。 それをランサーの口から俺は知る事となった。 『に、にちかだって……!?』 背筋に冷たいものが奔る。 ランサーの口から聞かされた襲撃者の風貌は、俺の知る七草にちかそのものだったからだ。 だが、七草にちか本人ではないことは闘気を見たランサーの言から調べがついている。 二人のにちかをマスターとして招いておいて、三人目のにちかをマスターではなくNPCとして配置する可能性は、俺の目から見ても低く思えた。 一瞬NPCとしてこの場所に居たにちかが、誰かに操られてけしかけられた可能性も危惧した。 ランサーが明らかに市井の者の闘気ではないと否定したことでその仮説も棄却されたが。 だが、現状重要なのはそこではない。 重要なのは、襲撃者が俺たちを相当調べ上げている可能性が非常に高いという事だった。 最早偶然の遭遇戦ではない事は明白。でなければにちかに化けてやって来たりなどしないだろう。 此方の顔や人となりも割れている可能性が高いとなれば、逃げ切ったとしても問題の解決にはならない。 待ち受けているのは拠点を喪い街中で知り合いの顔をした敵に怯え続ける未来だからだ。 どうするべきか。 考えを巡らせるが、状況は俺を待ってはくれなかった。 『―――!サーヴァントが到着した様だな。 ……こいつは今までの相手とは次元が違うぞ』 その言葉に、嫌でも緊張が走る。 できるだけ消耗を避けたいと思っていた矢先にこれだ。 全く持って、自分の運の無さを呪いたくなる。 『君よりも…か?』 『あぁ、闘気の量だけなら俺を凌ぐ。まだ仕掛けてくる様子はないが―― 逃げを討つなら今しかない』 その言葉に、頭を殴られた様な衝撃が奔る。 ランサーよりも、彼よりも強いサーヴァント。 できる事なら居てほしくはなかったが、最悪の仮定はえてして当たるものらしい。 そしてランサーの言葉通り、逃げられる可能性は今しかないだろう。 だが…俺は数秒の逡巡の後、首を横に振った。 逃げても問題は解決しない。現状よりも悪化するのが目に見えている。 となれば、今は腹を括って勝負に出るしかない。 俺は深く息を吐いてから、ランサーに命じた。 『ランサー、打って出よう』 分かっている。この場ではどう考えても逃げを打つのが最もリスクの低い選択だ。 だが同時に攻める事ができるのも今しかない。 すぐさま攻めてこない辺り、相手がまだ此方が気づいていないと思っているであろう今しか。 逃げるだけでは喪い続けるしかない。 にちかが事務所を去ったあの日から、嫌でもそれは理解させられたつもりだ。 『俺たちとは喧嘩するより仲良くした方が得だって、相手に分かって貰おう。 必要なら令呪も使う。先に向けての投資だと思うさ』 反発が来ると思ったが、ランサーの対応は穏やかだった。 ただ一度「よく考えての決断なんだな」と尋ね、俺が頷くともう何も言わなかった。 俺をじっと見つめた後、くるりと身を翻して彼は言った。 「……今まで蓄えた魔力を全て使う。それで五分だ」 ランサーのその言葉に、俺は無言で頷いた。 蓄えた魔力。それは予選でランサーが倒し喰らったマスターやサーヴァントから得た魔力。 その全てをここで使い切る。それほどまでの相手だと、彼の背中は語っていた。 ハッキリ言って、危険な賭けだ。ここまでしても勝てるかどうかは分からない。 …それでも自分たちより強いかもしれない相手と組むならこうするしかない。 勝てるかもしれないが、戦えば深手を負うと思わせられれば、対等に近い立場で交渉できる。 そして強い相手ならそれだけ味方につけたリターンも大きい。 だから、これから死地へと向かう彼に、俺は強く声を掛けた。 「―――あぁ、ランサー、正念場だ。一緒に乗り切ろう」 その言葉を最後に、颯のように戦場へと向かう無言の背中を見送る。 そして、思うのだ。 …何故、最後の戦いに臨もうとしていたにちかにもこうやって言葉を掛けてやれなかったのか、と。 分かっている、そんな言葉を掛けた所で、俺はステージの上には上がってやれない。 彼女と一緒戦ってやることはできない以上、気休めにもならなかっただろう。 だけど…今は違う。 俺にも、ランサーのためにできる事が一つだけある。 手早く財布とスマートフォンだけを握りしめ、俺は扉を空けた。 ▼ ▼ ▼ 「ンンンンンン!素晴らしい。いやはや拙僧のあずかり知らぬ所でそのような座興があったとは」 逢魔が時を迎えた路地裏で悪辣非道たる陰陽師の快哉が響く。 目の前には虚ろな瞳を浮かべた若草色の髪の少女が一人。 彼女の、礼奈(レナ)の忠誠心もリンボの呪術を前にしては無力に等しい。 あまり手を加えては己のマスターの同盟者の怒りを買う恐れがあったため暗示程度に納めたが、それでも効果は絶大だ。 非常に興味深い話を幾つも聞かせてくれた。 竜宮礼奈を始めとする、マスターの同盟者である怨嗟と憎悪に満ちた割れた子供達。 彼らの王が従える怪物が如きライダー。 そして、そんな主従に真っ向から喧嘩を売ったらしい”犯罪卿”とそのマスターと思しき偶像達。 そんな偶像たちを絶望に沈めるための第一の矢として自分が選ばれたのだ。 「えぇ、えぇ。であれば拙僧ほどの適任はおりますまい」 リンボの関心を何より惹きつけたのは犯罪卿の存在だ。 話に聞くだけでも、圧倒的窮地にありながら全てお見通しだと言わんばかりのその態度。 それはリンボにとって世界で唯一の仇敵を想起させるに十分なものだった。 そんな犯罪卿が我が眼の光を喪い、絶望の大海に沈む姿を想像するだけで胸がすくような思いだ。 できる事なら、これから襲う男のサーヴァントではなく偶像たちのサーヴァントであればいい。 そして、これから襲う男が偶像たちと深い関係で会ってくれればなおよい。 其方の方が収穫できる悲痛と絶望も、より甘美なものとなるだろう。 「ンンン!やはり仕事の背景を知った方が士気も上がるというもの―――」 ではいざ、哀れな子羊を狩りにいくと参りろうか。 余り趣味に傾倒しているとマスターからお叱りを受けかねない。 愉悦に唯浸るだけでなく、仕事も完遂するのが一流のサーヴァントだ。 「―――ッ!?あ、あれ……礼奈(レナ)…どうしたのかな?かな?」 ぱしんと柏手を打つと同時に、少女に掛けられていた暗示を解く。 別に此方としては掛けたままでも構わないが、真っ向から同盟者の反感を買うような真似はマスターにも不信感を与えてしまう。 また呪いをかけようと思えばすぐにかけられるため、一旦解いておくこととした。 呆けた様子で上背のある自分を見上げてくる少女に笑みを向けて。 「では、参りましょうか」 そう告げた、その刹那の事だった。 ―――――破壊殺・終式 狩られるはずだった羊が、狼に化けたのは。 ▼ ▼ ▼ ――――破壊殺・終式 上弦の参足る猗窩座が取った方法は、実に単純なものだった。 破壊殺・羅針によりレーダーの如くリンボの存在を感知し。 羅針の座標めがけて鬼種の魔に複合された魔力放出を使用、捕食行動で蓄えていた魔力を全て放ち、ロケットブースターの如く肉薄する。 その速度は音の壁を突破し、300はあった距離を瞬きよりなお短い時間で零にした。 リンボの誤算は猗窩座の索敵能力が想像以上だったことだ。 もし他の上弦であれば間違いなく最初から最後まで”狩る”側だったのはリンボだっただろう。 加えて、もう一つ。 今の猗窩座は――― ―――――青銀乱残光 鬼舞辻無惨の走狗だったころとは違う、正に滅私の戦鬼であった。 その戦闘に一切の無駄は介在しない。 遊びもなく、強者を鬼に堕さんとする勧誘もなく、ただ機械のように。 愚かで滑稽でつまらない男のために、ただ勝利を捧げようとする機構。暴力装置。 故に既に格上だと察しているリンボに振るう拳も小手調べの一撃ではなく。 放つは彼が放つことのできる最高峰の一手。 ただ敵を撃滅せんとする、最高速度から振るわれる闘気を纏った拳の暴風雨。 「フハハハッ!!」 猗窩座の強襲は間違いなく、奇襲としては最高に値する技であった。 しかし―――それで悪辣非道の陰陽師足るアルターエゴ・リンボが狩られる側に回る事はない。 事実、絶死の拳を前に、リンボは笑みすら浮かべ。 残像が残る速度で懐の式神を顕現させると、即席の盾とする。 コンマ数秒で到達するはずだった拳に間に合わせるその反応速度。 特に式神の顕現速度は陰陽師として十二分に神業と言って良いものだった。 直撃するはずだった拳はこれで直撃にはなり得ない。だが――― 「なん…とっ―――!」 逆に言えば、彼が撃てた防御策はそれだけだった。 一撃ならば十分に防御できたはずの式神に、怒涛の連打が襲い抱る。 轟!!と。 接触の瞬間まるで爆発でも起きた様な轟音が、否、それは最早正真正銘の爆発であった。 リンボの後方に控えていた竜宮レナの身体が衝撃で吹き飛ばされ、宙を舞ったのだから。 そのまま路地の傍らに設置されていたガードレールに体を打ち付け、沈黙する。 結果的に、リンボの暗示でヤクをキメる事ができなかったのが災いした。 だが、当然現状の彼にその事を構っている暇はない。 「ンンンンン―――!!!」 時間にして刹那。 爆発めいた拳を撃ち据える音が極めて同じタイミングで響くこと、二十四。 そこで式神は限界を迎え、遂に打ち破られる。 だがそれでも拳撃は止まることはない。 破壊殺・終式・青銀乱残光はほぼ同時に、百発の乱れ撃ちを繰り出す技。 この技は生前、鬼舞辻無惨にすら通じた水柱の防御すら真っ向から打ち破った。 無駄撃ちしたとは言えたかだか24、まだ数十発の残弾を残している。 ここで有効打を与えられなければ、首を取られるのはこちらだ。 予選で蓄えた全ての魔力を、この技に賭ける。 「―――フ」 対するリンボは―――それでも尚、笑みを崩さない。 余裕がある、という訳ではない。 今猗窩座の放っている技は、さしもの彼でも直撃を受ければ致命打は決して免れない。 それでも彼は狂気の笑みを浮かべて、その巨躯を迫りくる死へと前進させる。 刀剣の様な爪を煌めかせ、稲妻の様な呪力を纏い。 「フフフフフッ!!ハハハハハハハ!!!!」 心底楽しいと言わんばかりに。 まるで子供の様な笑い声を上げて。 彼が選んだのは、陰陽師という存在からは逸脱した迎撃方―――突き(ラッシュ)であった。 そして、衝突。 先程まで響いていた音が爆発だったならば、今度は遠雷であった。 それも、当然ながら一度では終わらない。 衝突。衝突。衝突―――!突き(ラッシュ)の速さ比べ。 軍配が上がるのは、当然の如く猗窩座の方だ。 一撃衝突するごとにリンボの爪は砕け、手は裂け、骨さえ露になっていく。 「ハハハハハハハハハハ――――!!!」 放たれた拳が八十を数えた時、均衡は破られる。 金槌で叩いた砂糖細工より哀れな様相を呈したリンボの拳と両腕が、猗窩座の下段からの拳によってカチあげられる。 そして―――残りの闘気の暴風が、リンボに殺到した。 「オ――――オォオオオオオオオオオァッッッ!!!!!」 猗窩座の咆哮が轟き――― 連打。連打!連打!!!! 敵を絶する拳が、リンボの全身を粉砕していく。 鬼狩りなら一度受けただけで胴が泣き別れになる一撃を二十以上受けて、リンボの二メートル近い巨躯が砲弾のように吹き飛ぶ。 (――――浅い!!!) 見事競り勝った猗窩座だったが、笑みを浮かべる事は無かった。 自分の闘気と拳を受けてなお、相手の闘気は陰りを見せては居ないのだから。 事実彼の放った技は有効打ではあった。だが、致命打には届かない。 その証拠に。 「ンン。いやはや、中々の拳でしたなァ。だが哀しきかな、拙僧の首を獲るには不足。 何、安心なされよ。我が五芒星であれば御身を更なる境地に立たせるのも可能なれば」 リンボは大健在であった。 無論、無傷ではない。 砕けたはずの両手は既に癒えていたが、口の端からは鮮血を垂らしている。 しかし―――それだけだ。 暗黒の太陽と悪の神を取り込んだハイ・サーヴァントを倒すには、猗窩座入魂の一撃を以てして不足。 それを誇示する様に、リンボは嗤う。そして、思案を巡らせる。 先のセイレムの巫女と比べれば見劣りするが、この鬼のサーヴァントも傀儡としてなら一級品だ。 呪ってやろう。堕としてやろう。犯してやろう。かつての英霊剣豪のように。 今度はこちらの番だと言わんばかりにゆらりと、蛇の様に手を翳し唱える。 「急―如律令」 「……ッ!」 立ち上がる業火を、しかしてセイレムの巫女とは違い墜ちた戦鬼は交わしてのける。 当然、その隙をリンボが見逃すはずもない。 先程撃ち負けた獣の吶喊が、今度は猗窩座の身を裂く刃となる。 肉が引き裂かれ、骨を晒す。人の英霊ならば既に致命傷の傷である それでも猗窩座は人ではない。心臓を貫かれ、頭部を破壊されても駆動が可能な超常の鬼だ。 すぐさま傷は癒える。が、リンボの攻勢は止まらない。 再び宙に式神が舞い、それを起点としてドス黒い呪毒の奔流が迸った。 ―――破壊殺・鬼芯八重芯 ドス黒い呪毒の洪水を、蒼光の闘気にて強引に切り拓き離脱する。 上手い。リンボは心中で称賛の声を漏らした。 ここで回避を選択していれば、呪毒の奔流は周囲を押し包み、罠として仕掛けていた五芒星が起動する手筈だったのだ。 しかし相対する鬼が放った技は、呪毒に隠された罠の呪符を正確に破壊し、致死の空間をこじ開けて見せた。 卓越した勘と戦闘経験だけではない。何か此方の動きを探知、予知する能力を目の前のサーヴァントは備えているのだろう。 今もそうだ。 先程の奇襲以降、槍兵とアルターエゴの戦いは槍兵の防戦一方の様相を呈している。 だがその実槍兵の受けている傷はどれも有効打にすらなり得ないものばかり、致命的な呪いが籠められた攻撃は悉く回避・迎撃せしめている。 簡単には破壊されぬよう別行動させている式神に力の三割程を籠めたのもある。 最初の奇襲のダメージは決して小さくはない。 だがしかし、それでも尚自分の攻勢を凌いでいる目の前のサーヴァントの奮戦はリンボをして称賛に値するものだった。 キィン、と。 そうしている間にも拳と爪が激突し鋼の旋律を響かせながら三十六度目の交錯が終端を迎える。 傷を負っているのはやはり猗窩座だった。 しかし、その戦意は衰えてはいない。 「お見事、お見事。実に素晴らしい。その身に拙僧の宿業を授ければ良き英霊剣豪になり得るでしょう」 「ほざけ、俺は貴様の顔を見ているだけで不快な顔を思い出して虫唾が奔る。 生理的に受け付けない。今ここで殺す」 「ンン。つれなき物ですなァ―――だがそれは決して叶わない。 貴殿の在り方では、黒き太陽を喰らった拙僧を超える事は決してない―――」 嘲笑と共に、リンボは猗窩座のある一点を指さす。 そこは傷としては僅かな物だった。小さな小さな火傷傷。戦いには何の支障もない。 だが、傷が残っている。それ即ち鬼の最たる強みである不死性が機能していない事を意味する。 そう、その傷を付けた攻撃は、リンボが喰らった黒き太陽の力が籠められていたのだ。 導き出される答えは一つ。目の前の鬼は―――太陽/天の高みは決して越えられない。 それさえ分かってしまえば最早彼の槍兵は敵ではない。 何故なら、悪逆の陰陽師たるアルターエゴの宝具は正に。 鬼の身を灼く暗黒太陽に他ならないのだから。 小賢しい探知能力も周囲一帯を包み照らす暗黒太陽を前にしては何の意味もない。 「ではこの座興の結末も見えました。適当に炙って―――我が傀儡に作り変えて差し上げましょう」 言葉と共に、リンボの周囲に漂うコールタールの様な粘性かつ黒色の魔力が肥大していく。 彼の宝具である狂瀾怒濤・悪霊左府の限定展開。 通常の三騎士ならば滅ぼすに不足であろうが、目の前の鬼ならば別だ。 限定展開でも十分に戦闘不能まで追いやることができるだろう。 猗窩座が発動を阻止せんと迫ってくるが、四股を踏み、呼び出した適当な式神を使い捨ての尖兵とすれば発動まで十二分に時間は確保できる。 発動まで後二秒、これにて詰みである。 ――――リンボさん。お待ちなさいな。 その時の事だった。 今まで静観していた己のマスターから静止の念話が入り、魔力の供給が強制的にカットされたのは。 当然宝具の発動もストップし、槍兵の命を刈り取る筈だった致死の太陽は日の目を見ることはなくなった。 『如何いたしましたかな、マスター。今暫しお待ちくだされば―――』 ―――いいえ、時間切れですわ。貴方が趣味に興じる時間は。聞こえてくるでしょう? 『……?』 主からの伝令を受け、意識を耳に集中させると遠くの方からサイレンの音が聞こえてきた。 聖杯から与えられた知識から推察するに、この都の検非違使(警察)か。 この戦いを見た市井の民の通報を受けやってきたかと思ったが、それにして来るのが早すぎる。 そもそも、この周囲には人払いの呪いを掛けており、異変が伝わることなどあり得ない筈だった。 「……俺が呼んだんだ。君と、話がしたくてね」 リンボの脳裏に浮かんだ疑問に応える様に。 ランサーのものではない、新たな声が路地に広がる。 現れたのは、夏用のスーツに身を包んだ青年だった。 右手に刻まれた三画の令呪は紛れもなく彼がマスターであることを示していた。 「もし君たちが聖杯を目指しているなら…俺は君と手を結びたいと考えている。 態々俺の事を調べてきたんだろう?何か俺に用があるんじゃないか。 でも、もし君が振り上げた手を下ろせないなら…こっちも覚悟は決めないといけない」 男の言葉を受けて、さてどうするべきかとリンボはその悪意の詰まった頭脳を働かせる。 今宝具を発動させればランサーを倒すことは容易い。 だが、男の闖入によってほんの僅かにだがリスクが生まれた。 即ち、令呪の行使と言うリスクが。 念話による命令をキャッチしほんの一瞬意識を傾けた隙に、ランサーは式神を全てなぎ倒し、男の直ぐとなりに控えている。 令呪による命令そのものを妨害するのは難しいだろう。 三画の絶対命令権によって命じられるのが攻撃ならばまだいいが、瞬間移動による離脱を選ばれればその時点でこの拿捕作戦は失敗に終わる。 ―――リンボさん、ガムテさんからの伝言です。目立つような真似は辞めろ。との事ですわ。 向こうの方から来てくれる様子ですし、私の今後のためにも貴方の趣味は別の相手にして下さいな。 プロデューサーにとっての幸運は二つ。 一つは、新宿の一件により出動していた警察車両が偶然直ぐ近い位置に巡回していた事だ。 そうでなければ通報から五分以内に警察が付近まで来るなどあり得なかっただろう。 もう一つはこの拿捕作戦を決行したガムテが情報の拡散に若干神経質になっていた事。 宝具まで使用されては余計な注目を集めかねない上に、流れ弾で人質にするプロデューサーが死亡しかねないからだ。 となれば、静止するのは自明の理であった。 対するリンボにとっては、お愉しみに水を刺された形となる。 しかし、暫しの間じっとランサーのマスターを見つめ。 「ンンン!いやいや、拙僧は元より貴殿のお迎えに上がった使いの者。 貴殿が自らの足で来てくださるというなら、矛を交える必要などありませぬとも」 意外にもあっさりと、邪悪の権化足るアルターエゴは、矛を納めた。 そのまま恭しく礼をして、友好の意を示す。 「使いの者?」 「えぇ、実は我が主の同盟者であるさる御方が貴殿の協力を求めている次第に御座いますれば。 そこで拙僧がお迎えに上がった、という訳です。 先ずはそこで気をやっている少女が起きるまで情報交換と言うのは如何でありましょうや―――」 ▼ ▼ ▼ 「ンン。さて、あの御仁の天運は如何ほどか」 一仕事を終えて、満足げにリンボは独り言ちた。 ランサーとの戦闘に水を差されると言う幕切れに放ったが、全く不満などはない。 むしろ、実に鑑賞/干渉に値する見世物の可能性を狭めなかった主に感謝の念すら抱いていた。 実にナイスタイミング。 「できる事なら、生き延びて欲しいモノですなァ…地を這うように。 其方の方が、拙僧の愉悦を満たす至極愉快な座興(プロデュース)となりましょう」 あの男を見た時、電流が流れる様な感覚が奔った。 あの男の瞳と魂は、かつて自分を破った人類最後のマスターとよく似ていた。 中立にして善。普遍的な魂の形。 けれど全く同じではない。 むしろ似ていながら、その実どうしようもなく遠くなってしまったものだ。 消せない罪を課されて、拭えない汚れを背負って。 本質的には同じでありながら、どうしようもなく遠くなってしまったもの。 そんなものが、そこにあった。 あの男がもっと深い深淵まで堕ちていくところが見たい。 窮極の地獄界曼荼羅の計画とは別の所で、リンボはそう思っていた。 尾の男が絶望し、堕落し、一点の曇りなき闇に染まる瞬間を最前列で鑑賞したい。 田中一が甘き蜜ならば、此方は極上の美酒だ。 此処で途絶えるのは余りにも惜しい。 故に、自分が割れた子供より奪った情報はすべて伝えた。 無論、宝石たちの窮状もだ。 それを知ればあの男は後には退かないだろう。そう確信していた。 それに加えて、彼を守る陽光に嫌われた鬼が昼も活動できる様に護符も贈った。 ―――屍山血河の死合舞台とまではいかずとも、一刻程度であれば陽光を遮り紅き月を呼び出す力は零落した霊基にも健在であった。 陽光を遮る他は精々実家の様な安心感を抱く程度の力しかないが。 敵に塩を送る所ではない。余りにも自己の欲求優先の非合理な選択。 だが、この快楽と悦楽の求道者。悪辣なる陰陽師は迷いなくそれを選ぶ。 彼は彼にとって実に正しく存在している。 そして、これだけお膳立てをしても彼の男が生き残れるかは分からない。 あの男が向かった場所は正しく死地なのだから。 だからこそ生き残ってほしいと願う。 もし生き残る事ができたなら、彼の中の穢れはさらなる萌芽を迎えるはずだ。 願わくば、そうなった彼と是非また会いたいものである。 「いやはやこの界聖杯は全く喜劇と地獄に満ちている。成らぬと分かっていても目移りを禁じ得ませぬなァ…」 一刻程前に起きた、新宿周辺の莫大な魔力衝突の気配。そしてあの異常な空。 方角的にも間違いなく、あのライダーが引き起こしたものだろう。 それによって一体どれ程の地獄が生まれたか。想像するだけで頬が緩んでしまう。 突然自分とのリンクが絶たれた式神もそうだ。 本体に情報を送る暇もなく倒されたらしい式神。下手人は一体何者か。 気になる事は山ほどある。休んではいられない。 邪悪なる陰陽師はただ、静かに。次なる悦楽を求めて。 ゆっくりと、降りた帳の中へと溶け込むようにその姿を消した。 【品川区・プロデューサー宅付近の路上/一日目・夜】 【アルタ―エゴ・リンボ(蘆屋道満/本体)@Fate/Grand Order】 [状態]:全身にダメージ(中) [装備]:なし [道具]:??? [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:この東京に新たな地獄を具現させる。 0:地獄界曼荼羅の完成に向けて準備を進める。 1:マスタ―には当分従いましょう。今の拙僧はあの幼子の走狗なれば。 2:新宿区の地獄を眺めに行くか、リンクの切れた式神の調査を行うか… 3:式神は引き続き計画のために行動する。田中一へ再接触し連合に誘導するのも視野 4:それはそうと新たな協力者(割れた子供達)の気質も把握しておきたい 5:まさに怪物。――佳きかな、佳きかな。 6:“敵連合”は静観。あの蜘蛛に邪魔されるのは少々厄介。 7:機会があればまたプロデューサーに会いたい。 [備考] ※式神を造ることは可能ですが、異星の神に仕えていた頃とは異なり消耗が大きくなっています。 ※フォ―リナ―(アビゲイル・ウィリアムズ)の真名を看破しました。 ※地獄界曼荼羅の第一の核としてフォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)を見初めました。 彼女の再臨を進ませ、外なる神の巫女として覚醒させることを狙っています。 ※式神の操縦は一度に一体が限度です。本体と並行して動かす場合は魔力の消費が更に増えます。 ▼ ▼ ▼ ネクタイを、今一度結びなおす。 時節を考えれば真夏の盛り、クールビズが囁かれて久しい昨今だが、プロデューサーがそれを外す気配は決してなかった。 しっかりと、丁寧にアイロンをかけた夏用のスーツに袖を通す。 これこそ自分の戦闘服だと己を鼓舞するように。 そしてきっと、死に装束ともなるだろう。 そんな思考を頭の隅に追いやり、怪しきアルターエゴから伝えられた情報を必死に咀嚼していた。 曰く、自分に変わりこの東京における283プロダクションを運営していた犯罪卿の存在。 曰く、その犯罪卿がこれから出会う少年たちと敵対しているらしいこと。 曰く、少年たちは優れた統率力と殺人経験を持つ殺し屋であること。 曰く、そんな彼らに、自分が見つけてきたアイドル達が狙われている事。 話を統合すれば、こんな所だった。 どこまで真実かは分からない。 何しろ、あのリンボと言う男は胡散臭さと生理的な嫌悪感に満ちていた。 でも、嘘は言っている様子は不思議となかった。 無論、手放しで鵜呑みにすることはないが。 それでも、これから向かう場所は間違いなく死地となる。 となれば、今自分が持っている情報が生命線になるかもしれないのだ。 「……彼に、感謝しないとな」 ぽつりと呟きながら、手の中の護符を握りしめる。 かのアルターエゴからのもう一つの餞別。 陽の光を嫌うランサーのために用意してくれたらしい護符。 何でも、日中でも陽の光を遮断し、紅い血染めの月が呼び出せるらしい。 零落した身ではその他に特別な効果はなく、貴殿にとっても安心な代物である。 それが彼の言だった。 安易にその言葉を信じたりはしないが、一度ランサーを呼び出す前に使って見るのも視野に入れて、スーツのポケットにしまい込む。 これで、準備は万端。 「行こうか、ランサー」 「………」 「そんな顔をしなくても大丈夫だよ…俺を、信じてくれ」 今から死地へと赴く男とは思えないほど穏やかに。 プロデューサーは傍らに立つランサーにそう命じて。 部屋を出ると、窓ガラスの前に立つ少女の眼前に静かに相対する。 「準備、できましたか?」 「あぁ、迎えに来てくれてありがとう」 「……別に、感謝されるようなことはしていません」 感謝の言葉を告げられるのは予想外だったのか。 今はもう、七草にちかの姿から元の外見に戻った茶髪の少女がバツの悪そうに顔を背ける。 そして、その後はプロデューサーに対して無言のままに。 光を放つ窓ガラスの向こうを指さした。 「……ガムテ君、プロデューサーさん、準備できたみたいだよ」 「オッケ~~!!御苦労(オツカレ)礼奈(レナ)~撤収して良いぜ~」 「うん、ごめんね、役に立てなくて」 「Pたんちゃんと来てくれるなら問題無~し!!気を付けて帰ってこいよな~」 主と思わしき少年の言葉にこくりと頷いて。 礼奈は、鏡の前へと進むように促した。 その案内にプロデューサーは無言で歩を進める事によって応える。 生き残るための布石は打ったとはいえ不安はある。迷いはある。 だが、立ち止まる事も。後ろを振り返る事も彼はしなかった。 この界聖杯が作った世界は残酷だが正しい。 何も選ばずリスクを放棄するだけでは、喪い続けるしかないのだ。 だから、喪って後悔を重ねる前に。 後悔する前に、自分で選択する事を、彼は選んだ。 だから、鏡が放つ輝きの向こう側へと、死地へと顔色一つ変えずに進んでいった。 ▼ ▼ ▼ →
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#blognavi 最近、一般人にもかなり名前が知られてきましたねぇ。 新聞で見るあのカタカナ表記がどーしても慣れないんですが。 某国政府の人が「使用はやめよう」とかなんとかおっしゃってましたけどね。アホな話でしょ? 問題の本質を考えないこういう発言はどうかと。 でも実際、感染してることにも気付かんような人間は手を出すべきじゃないと思うんだけど。 例えるなら車の免許持ってない人が狭い路地裏を100km/hで暴走してるようなモンですかね。 そりゃ当然いつかやっちゃう罠。 小学校で「安全なインターネット(とパソコン)の使い方」みたいな授業も必要なんでないですか? 英語教えるよりよっぽど重要だと思いますよ? カテゴリ [日記] - trackback- 2006年03月18日 20 33 49 #blognavi
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CHA/W40-T09 カード名:絶望の旋律 カテゴリ:クライマックス 色:黄 トリガー:1・風 【永】あなたのキャラすべてに、パワーを+1000し、ソウルを+1。 (風:このカードがトリガーした時、あなたは相手のキャラを1枚選び、手札に戻してよい) これで兄はギターを弾いているつもりなんです。 唸って聞こえるのは、メロディ、主旋律なんです レアリティ TD 15/09/07 今日のカード。 ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 “青春の行方”友利 奈緒 3/2 10000/2/1 黄