約 1,444,911 件
https://w.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/356.html
これが僕なりの戦い方――泉光子郎の場合 ◆o.lVkW7N.A 「そういうわけで、僕達は特に誰とも会っていないんです」 洗面所の流水で髪に付いた血を洗い流し、濡れ髪のイヴが戻って来ると、4人はまず情報の交換を始めることにした。 工場の床へ直にぺたんと膝を折り、車座になって座ると、まず光子郎が先陣を切って話し始める。 とはいえ、開始直後にフェイトと出会ってからは、ほぼずっとこの工場内を調査していた彼に、さほど話せる内容は無い。 すぐに大方の説明をし終えてしまい、仕方なく自分の右隣に腰を下ろしていたフェイトへと話を振った。 だが、光子郎に話せることが少ないのなら、彼と常に一緒にいたフェイトにだってそれは同様に決まっている。 結局フェイトも、光子郎の話した事柄に二、三の点を付け加えただけで終わった。 「それで……、イヴさん達の話ももう一度詳しく聞かせてもらえませんか」 「光子郎さん!」 先ほど二人は半興奮状態にあったため、廃病院での事件について系統立った話を聞くことは出来なかった。 精々聞き取れたことと言えば、ピンクの髪の女の子に襲われたことと、その子を返り討ちにして殺してしまったことの二つくらいだ。 だが、それが全て事実だとは限らない。彼女達の言葉が、嘘やハッタリ、誇張で塗り固められている可能性は大いに在る。 そのため光子郎は、より踏み込んだ詳細を聞きたがった。 病院での一件に付いての全容を彼女らに語ってもらうことで、そこに何らかの矛盾が無いか見極めようと考えたのだ。 訊きにくい質問にも躊躇せず、ズバリと切り込んだ光子郎に、しかし隣のフェイトは批判の声を上げる。 少々非難交じりの目つきを光子郎へと向けると、自身の首を横へ振りながら彼女は告げた。 「やめませんか? ……イヴさんもブルーちゃんも、あんまり思い出したくないでしょうし」 フェイトさんは優しい人だな、と光子郎は思う。彼女が二人を全く疑っていないのは見て分かるとおりで、それが、光子郎には少し羨ましかった。 自分はきっと、彼女のようにはなれないだろう。彼女や、或いはこの場にいる自分の親友達――太一さんや丈さん、ミミさんのようには。 光子郎は、自分が他の小学四年生と比べれば異常なまでに慎重で用心深い、まったくもって可愛げの無い子供であることを理解している。 それが悪いことだとは思っていない。それも含めて自分という人間の個性なのだと、今ではそう割り切って考えられる。 けれどやっぱり、眩しいのだ。彼女達のように、無条件で人を信じることの出来る相手が。 ろくに知らない自分をサッカー部へ引きずり込んだ太一や、出会ったばかりの少女達を全面的に信頼しているフェイトのような人が、眩しくて仕方ない。 彼らの持つ光は、恐らく自分には生涯かかっても獲得することが不可能なのだろう。――それが分かっているから、本当はちょっと恨めしい。 とはいえ光子郎は、そのことについて悲観したりなんてしない。彼は自分の限界を知り、そしてだからこそ思うのだ。 自分がどう足掻いても持てないものなら、僕はせめて『それ』の持ち主を守ってみせよう、と。 「辛い記憶を話せと言っているのは、分かっています。ですが――」 「いいわ。二人にも、ちゃんと聞いておいてもらいたいもの」 光子郎の頼みを予想以上にすんなりと聞き入れ、ブルーは自身の身に起こったことをもう一度話し出した。 学校で、一休と言う坊主に『痛くてひどいこと』をされ、恐怖から必死で逃げ出したこと。 右も左も分からずに森の中をさ迷い歩き、偶然発見した病院らしき建物に縋るような思いで駆け込んだこと。 そこでイヴとビュティに出会い優しくされ、漸く安心できたと思ったこと。 そして、――それなのに何の前触れも無しに、突然悲劇が訪れてしまったこと。 「ビュティさんはきっと、本当は悪い人だったのよ」 「それなんですが……、何かきっかけに繋がるような出来事はなかったのですか?」 「分からないの。でも、私達ちょっと口喧嘩みたいになって、そうしたら急にビュティさんが……」 その光景を思い出し、再び恐怖に襲われたのか、ブルーはひっくひっくと喉をしゃくり上げ始める。 目尻にぷっくりと涙が溜まっていくのを目にし、流石の光子郎も「もう、それ以上はいいですよ」と優しく告げた。 彼は相当に冷静な現実主義者でこそあったが、決して冷徹な人非人というわけではない。 泣きかけている少女にこれ以上辛い記憶を思い返させることなど、到底出来なかった。 ――結局のところ、光子郎にだって十分に、彼が言うところの『光』は存在するのだ。 単純に、彼が認識していないだけで。 * * * 今にも泣き喚きそうだったブルーを、何とか宥め落ち着かせると、四人は情報交換を再開し始めた。 特に誰が提案したと言うわけでもなかったが、話の流れは自然、それぞれの持つ支給品についてとなる。 仮にこのまま協力関係を続けるのならば、互いの所持品が何であるかを、皆が知っておかねばならない。 誰が何を持っているのか、それがどんな役割を果たすものなのか。 そういった共通認識がしっかりしていなければ、共闘する上で、まともな連携が取れないからだ。 しかし光子郎は、まだ眼前の二人に対し、百パーセントの信頼を抱いているわけではなかった。 そのため彼は、自分の支給品について、完全にその機能を紹介しようとはしなかった。 「僕の支給品は、このマフラーと人形だけです」 光子郎は首に巻いた『風の剣』に片手を添え、もう一方の手でジャスタウェイを軽く掲げた。 その手の中にある二品を見たブルーが、半信半疑と言った感じで唇を尖らせ、光子郎にずいと詰め寄る。 さっきまで半泣きだったのが嘘のように、活き活きとした表情だ。 「本当にそれだけ? だって、それじゃ光子郎、誰かに襲われても戦えないじゃない」 「ははっ、そうですね。どうやら僕は大外れを引いたみたいです」 おどけるような笑顔を作り、些か強引に話を打ち切ると、光子郎は首を真横に捻ってフェイトへ視線をやった。 支給品の正体を知っているフェイトは、光子郎に対して呆れるような表情を浮かべていたが、深くは気にかけないでおく。 光子郎は話題の焦点を無理やり彼女へと移すかのように、少々唐突に、フェイトへと話を振った。 「でもそれを言うなら、フェイトさんだってそう変わりませんよね?」 「そんな……! それは、確かに、変なものも入ってましたけど……」 顔を赤くして光子郎に食って掛かるフェイトに、ブルーが興味深げに顔を寄せた。 少女の瞳は好奇心旺盛にくるくるとよく動き、眼前の光景を何一つ見逃さないぞとでも言いたげだ。 立ち上がり、ぴょんぴょんと兎のようにその場を跳び上がって、フェイトのランドセルを覗こうとする。 「変なものって何? フェイトのランドセルには何が入ってたの?」 「私の支給品は、このツルハシと、魔力が回復するらしい蝶の入った籠、それから……」 「それから?」 催促するブルーの言葉に、フェイトの色白の頬がますます朱に染まる。 別に彼女が恥ずかしがる必要は無いと思うのだが、それでもやっぱり、笑われることを恐れているのだろうか。 「……これ、です」 「…………さとうきび?」 「はい……、さとうきび、です」 気まずい沈黙が、波のようにその場へ押し寄せる。何せ、モノはさとうきびだ。誰だって反応に困る。 勢い込んでいたブルーですら、フェイトの握ったさとうきびに目をやりながら、くしゃみでも我慢しているような表情をしている。 あまりに珍妙な支給品に吹き出しそうになるのを耐えているのか、口元を掌で覆いながら笑声交じりに尋ねる。 「これ、何に使うの?」 「さあ……おやつ、とか」 「おっ、おやつってフェイトさん……まさか、それを齧る気ですか」 フェイトのぼけた返答に、思わず光子郎も堪えていた笑い声を盛大に上げてしまう。 からかうようなその言葉に羞恥心を煽られ再び眦を赤くすると、もう自分の番は終わったとばかりにフェイトはぷいと横を向いた。 右隣のブルーと丁度目が合ったのをこれ幸いと、少し上擦り気味の高い声で話しかける。 「ブルーちゃんの支給品は、このカードとお面?」 少女の手に握られていた二品を見てそう尋ねたフェイトに、しかしブルーは左右に首を振って否定の意を示した。 「ううん、これはイヴさんとビュティさんに交換で貰ったの」 「支給品を交換したの?」 「ええ。最初に二人に会ったとき、イヴさんがスタンガンとカードを交換しないかって聞いてきたの。 私がやだって言ったら、ビュティさんのお面もくれるから、それならどうって」 その答えにフェイトが納得して相槌を打つのにやや遅れ、光子郎も気になっていた点を質問する。 「他にも色々あるようですが、こっちの品々は一体?」 彼の目に留まったのは、ブルーのランドセルから覗いている大小様々な物品の数々だった。 ごちゃごちゃと雑多に収納されたそれらを、ブルーは宝物のように恭しく取り出してみせる。 チョークが山ほど詰め込まれた薬箱、少女が着るにはかなり大きすぎるサイズのナース服。 中でも一段目を引いたのは、赤と青に彩色されたカラフルな薬剤入りのガラス瓶だった。 大粒のそれは、見ていると吸い込まれそうな半透明をしていて、一見飴玉のようにも思える。 「これは、学校にあったの。それからこっちは、全部病院で見つけて、役に立つかと思って持って来たのよ」 「この瓶に入っているのは、何の薬ですか?」 「分からない。……だって、キャンディみたいで綺麗だったから」 そう返され、光子郎は小さく吐息する。手にとってよくよく見ても、瓶にはラベルなどが貼られておらず薬効は記されていない。 これでは、万が一誰かが怪我や病気に見舞われたとしても、安易な投与は出来ない。何せ、最悪、毒薬の可能性すらあるのだから。 光子郎は正体不明の薬瓶を二、三度上下に振ってみたものの、乾いた音がカチカチ静寂の中で鳴り響いただけだった。 両腕を伸ばして返却を迫るブルーにガラス瓶を手渡すと、光子郎はここまで殆ど会話に加わらなかったイヴへと瞳を向けた。 にっこりと笑みを作って視線を合わせると、異様に存在感の希薄な彼女へ言葉をかける。 「イヴさんは、何を支給されたんですか?」 あれだけ無口ならばすぐには応えてくれないかもしれないとも思ったのだが、その予測は徒労だった。 イヴは依然光の失われた双眸でこそあったものの、光子郎の問いに対して即座に口を開いた。 だがその言葉尻は、やはり重苦しくゆっくりゆっくりとして、さながら亡者が墓場で紡いでいるかのようだった。 「……私の元の支給品は、サングラスとこのカードでした。 でも、サングラスはすぐにビュティさんの持っていたアタッシュケースと取り替えてしまって」 「それが、今持っているそのケースですか?」 「………はい」 「その傘は? それも支給品のアイテムだと思っていたのですが」 鬱々とした声音で返答するイヴにかなり辟易としながら、光子郎は質問を続けた。 開けたランドセルの隙間から長い傘の柄が一部分飛び出ているのを、彼は目敏く見つけていた。 「これは……ビュティさんに支給されたものです。置いて、いけなかったので……。 本当は、交換したサングラスも一緒に持ってきたつもりだったんもですが、どこかに落としてしまったようで」 「なるほど、分かりました」 その言葉を取り敢えずの合図として、所持品についての情報交換の場は一旦終了を遂げた。 だが、当の光子郎は思考停止を良しとせず、ブルーとイヴの話を頭の中で噛み砕いていた。 時系列を中心として、冷静に事実を考察してみる。 開始直後、ビュティに出会ったイヴは、彼女と協力体制をとることを決め、アタッシュケースとサングラスを取り替え合った。 その後、彼女らの元にブルーが姿を見せたことで二度目の物品交換が行われ、結果、ブルーは二枚のカードとお面を、イヴはスタンガンを手に入れた。 彼女達が行ったこの一連の行動の中で、光子郎が引っ掛かりを憶えたのは、ビュティとイヴが最初の支給品交換を行った理由であった。 道端に落ちている何の変哲も無い石ころを、わざわざ他人と交換する阿呆はいない。 まあ、よほどの幼い子供ならばありえるかもしれないが、それだって当人にとっては、可愛い形や綺麗な色といった価値が存在している筈だ。 交換される品には何らかの価値がなければならない。無価値なもの、不必要なものは、交換の俎上には絶対に上がることがないのだ。 これを前提として一歩推論を推し進めると、高確率で確信できる事実が幾つか浮かび上がる。 まず初めに、アタッシュケースとサングラスには何らかの付加価値が確実に存在している。 何の用途も無いただのアタッシュケースとサングラスなど、誰もすすんで交換を交わしはしない。 自分に支給されたマフラーそっくりの剣のように、何か特殊な能力を持った道具だと考えるべきだろう。 そして、そうだとすればイヴがビュティを殺害した凶器に関しても、一応だが推測が出来る。 彼女がビュティを殺したときの所持品のうちで凶器になりそうなものは、一見スタンガンだけのように思える。 だが、おかしなことに先ほどイヴは血塗れであった。スタンガンでは、どうやっても頭から血を被るような殺し方は出来ない。 それを考慮すれば恐らく、真の凶器は彼女が大事そうに抱え込んでいるあのアタッシュケースの中だ。 多分ではあるが、ケースの中には何か鋭利な刃物が仕舞い込まれているのだろう。 『付加価値がある』のが確定的なサングラスも、見当たらないと言うのは嘘で、その中に隠匿されているのかもしれない。 光子郎はアタッシュケースの中に入っている武器の存在を九割方確信した。 ちょっとした思い付きでも告げるかのように軽い調子で、左横のイヴへと頼んでみる。 「イヴさん、そのアタッシュケース、調べさせてもらえませんか」 鎌をかけるつもりもあった。自分の推論が完全に正しいとまでは、彼も思っていなかったから。 だがその発案に対するイヴの反応は予想以上であり、言葉は無くとも『何かある』ことを如実に表していた。 「い、嫌です……。触らせたくありません」 さて、光子郎には当然知りえないが、イヴが彼の申し出に反対するのはある意味で当たり前のことだった。 彼女は先刻この扱い辛い道具により、自分の意思に反してビュティを傷付けてしまったのだ。 いつもスヴェンの側でウェポン・ケースの使用法を見ていた筈の自分ですら、何処にどの武器が収納されているか明確には把握できていない。 全く知識の無い素人が考え無しに触れれば、それこそ一瞬で命を奪われてしまう。 イヴは、これ以上誰かを犠牲になどしたくは無かった。 自分を『許し』てくれたブルーは勿論のこと、血塗れの己を受け入れてくれた光子郎とフェイトも例外ではない。 彼ら三人をむざむざ危険な目に合わせる可能性のある選択など、出来ようはずも無かった。 だから彼女は、自分勝手と言えるほど意固地になって、光子郎の提案に反抗する。 彼女は己の腕の中にあるアタッシュケースをきつく抱き留めると、首を激しく左右に振って声を荒げた。 焦りから汗が首筋を線になって流れ落ち、ぽたりぽたりと衣服の襟に薄い染みを作る。 「……これは私の物ですから。あなた達には渡しません!」 「どうしてですか? 何か、僕達に見せられない理由があるんですか」 イヴへ詰め寄った光子郎が不審そうに眉根を顰め、重ねてそう問い掛ける。 だがイヴに、その理由を正直に答えられはしなかった。 アタッシュケースを渡せない理由は簡単だ。それが危険だから。容易に人間の命を刈取れるだけの道具が山と詰まっているから。 だが、そのことを説明するには、恐らくビュティとの一件を話す必要がある。 よく知っている筈の自分でさえ、『間違えた』のだと。だから、他者に触れさせるのは薄氷を踏ませるようなものなのだと。 アタッシュケースがどれほどの力を秘めているのか、その威力を教示するのに、そのエピソードは申し分ない。 それを告げれば、きっと光子郎も納得して、欲求の矛先を収めてくれるだろう。 けれどイヴにとってそれは地獄への分厚い扉であり、簡単に俎上へ載せられるものではない。 暗く重い闇の中のような記憶は思い出すのすら苦痛で、まともに言葉にすることなど到底不可能だった。 そのためイヴは、光子郎の追求にも口を濁すしかなく、しどろもどろになりながら困り顔で答えた。 「そんなものは、ありません。ですが……」 「だったら、なぜ嫌がるんです」 「それ、は……」 その煮え切らない態度に僅かな苛立ちを感じた光子郎が、彼らしくなく声を荒げる。 一方のイヴは迷いから唇を噛み締めたまま、目を伏せてタイル張りの床をじっと見つめている。 真実を言いたい。言わなきゃ。……けれどやっぱり、どうしても言えない。 相反する二つの想いがイヴの全身をチクチクと苛み、心までも真二つに引き裂かんとする。 血と同色をした涙を流してじくじくと痛む胸中が、純粋なイヴの精神に不可視の傷痕を付けていく。 鋭い痛みはイヴから思考を、理性を強引に奪い、同時に幾つもの言葉を盗み取った。 今のイヴに正常な判断力は存在せず、まっとうな弁解も可能な状態ではない。 おろおろとするばかりの彼女を救ったのは、隣に座っていた少女の一声だった。 「――――イヴさんをいじめないで!!」 「ブルーさん……」 唐突に割り入ってきたブルーの甲高い懇願に、イヴは吃驚した表情で面を上げた。 ブルーは湯気でも立ちそうな勢いで顔を赤くすると、怒り心頭といった面持ちで光子郎に突っかかる。 立ち上がり、小さな身体をいっぱいに背伸びさせて、彼女は涙混じりに叫んだ。 「イヴさん、悪い人じゃないよ。どうして光子郎はイヴさんをいじめるの!?」 泣き顔の幼子に敵う人間はいない。光子郎もその例に漏れず、突然のブルーの責めに思わず追及の手を止めた。 いささか渋々とではあるものの、イヴに対する言葉を一旦収めると、未だ半泣きのブルーに向き直る。 「いじめているわけではないんですよ。ただ、気になることがあっただけで」 「でも光子郎は、おっきな声を出して怒ってたよ? イヴさん、怖がってたもの」 「ですから、それは……」 「光子郎さん。……もう、それくらいにしておきませんか?」 ブルーの言葉に反論しようとした光子郎を嗜めたのは、少し躊躇いがちなフェイトの一言だった。 もうこれ以上諍い合う三人を見たくないと言いた気な表情で、彼女は縋るように続ける。 その顔には精神的な疲弊が色濃く見られ、彼女がこの状況に消耗していることがありありと分かった。 「ブルーさんの言うとおりですよ。さっきの光子郎さんは、その……ちょっと怖かったです」 「フェイトさん、それは……」 フェイトが口にしたその台詞に少なくはない衝撃を憶えながら、光子郎は瞬間的に反駁しかける。 自分が、決して何の根拠も無しにイヴを問い質したわけではないと、少なくともフェイトには理解して貰いたかった。 光子郎は彼女に向けて口を開きかけ、――しかし後一歩のところまで出し掛けた声を、喉の奥で無理やり飲み込んだ。 視線の先にあった、驚くほど青褪め疲れ切った彼女の表情が、対した光子郎からそれ以上の議論の意志を奪う。 「……そう、ですね。すみません、僕が言い過ぎました」 光子郎が仕方なく諦念してフェイトにそう告げると、彼女は安心したように顔を綻ばせて微笑した。 その笑みは未だどこか痛々しかったが、争いの芽を摘むことが出来た自身への微かな誇りのようなものが感じられる。 「そうですよ。光子郎さんは、ちょっと考えすぎなところがあります」 「ははっ、かもしれませんね」 光子郎は、フェイトの笑顔を横目にそう冗談めかして告げると、イヴとブルーへ順に頭を下げた。 「お二人とも、気を悪くさせてしまって失礼しました。責めるつもりは無かったのですが、少し感情的になってしまって」 「光子郎、もうイヴさんに怒らない?」 ブルーが、まだ少し先ほどの怯えを引きずった様子で、心配そうにおずおずと尋ねてくる。 光子郎は精一杯の笑顔を作ってみせると、彼女の顔を覗き込んで返答した。 「ええ、勿論。イヴさんにもブルーさんにも、もう怒りませんよ」 「だったら良かったわ。イヴさんも、これでもう仲直りでいいよね?」 「……はい」 細い声でそう答えるイヴに駆け寄ると、ブルーは心底嬉しそうに「よかった!」と叫んで彼女へ抱き付いた。 唐突なその行為に少々躊躇いながらも、イヴはブルーを両腕でそっと抱きかかえる。 その姿を横目で眺めながら、光子郎はこの場の誰にも気取られぬよう、極めて静かに息を吐いた。 ――――真実を突き止めなければ。 光子郎にとって、今なお彼女達二人は疑惑に満ちた存在だった。フェイトの手前一旦は引いたものの、この程度で諦めるつもりなど毛頭無い。 二人に対しての疑念は、先刻よりも増大しており、脳裏を過ぎる違和感はどうあろうとも拭い切れなかった。 中でもイヴは、引っ掛かる点が多すぎる。今の口論も、彼女が頑なにアタッシュケースを渡そうとしなかったのが最大の原因だ。 あのアタッシュケースに何かが仕込まれているのは最早自明の理だが、その正体が判明しないうちは迂闊に手を出しにくい。 或いはさっきの対応がそれを狙ってのブラフであり、あの中には本当に何も入っていないと言う可能性も考えられるが――。 光子郎は脳裏に掛かる霞を追い払うように頭を左右へ振って吐息し、天を仰いだ。 青空でも見えればもう少し気が晴れたのかもしれない。だが彼の頭上にあるのは、無骨な骨組みを露にした工場の天井だけだった。 * * * 先ほどの衝突から、約半時間が経過していた。 淡々と流れる時間は全く楽しいものではなく、彼らの間には隠し切れない陰鬱さが滲み出ていた。 会話が全く無いわけではない。特にフェイトは、必死に四人の中を取り持とうと、色々な話題をひっきりなしに提供している。 彼女の親友、高町なのはの人となりや、経験してきたいくつもの事件の顛末など、その内容は様々でどれも面白おかしい。 だが残念なことに、彼女の話に乗ってくれる相手は一人しかいなかった。 光子郎はまたもや何か思うところがあるのか上の空だし、イヴも精々が相槌を打つ程度で自分から喋ろうとはしない。 そのためフェイトの話に興味を抱いてくれたのは、ブルーだけだった。 彼女は好奇心満々と言った顔でフェイトにあれこれ尋ね、特に彼女らの使用する魔法に関しての詳細に目を輝かせていた。 「すごいわ、フェイトさんは魔法使いなのね」 「うん、一応ね。でも、今は殆ど使えないから、普通の人とあまり変わらないんだけれど」 少し不安そうに答えるフェイトに「そんなことないわ」と返して、ブルーはにこにこと笑う。 その笑顔と「もっと、もっと」と先を促す言葉につれられて、フェイトは更に多くの事柄をブルーへ話して聞かせた。 その話題も流石につきかけるころ、自分の世界に閉じ篭っていた光子郎が、ふいにイヴへと話しかけた。 「イヴさん。その服、随分汚れてしまっていますし、着替えたほうがいいんじゃないでしょうか」 「ですが、ここには着替えられる服が……」 「ブルーさんの荷物の中に、病院から持ってきたナース服があったでしょう。あれを借りたらどうですか」 光子郎の提案に対し、イヴはしばし逡巡の色を見せた。ナース服を着ることへの気恥ずかしさがあったのかもしれない。 しかし、これ以上血だらけの服を着ているのも不快だと判断したのか、彼女は了承したようにこっくりと頷いた。 ブルーの許可を貰いナース服を手にしたイヴが、着替えのために洗面所へと立ち、その姿が長い廊下の向こうへと消える。 彼女が十分に離れたのを確認すると、光子郎はそれまでになく真剣な面持ちをブルーへ向けた。 「ブルーさん、病院であったことをもう一度教えてもらえますか」 「……どうして? 光子郎は、私のこと疑ってるの?」 イヴの姿が見えなくなったことで、孤独を感じて不安になっているのだろうか。 俯いた瞳に明らかな怯えを覗かせてそう尋ね返すブルーに、光子郎は頭を横へ振る。 膝を折って目線の高さを合わせ、彼女の小さな双肩を両腕で優しく包み込んだ。 「いえ、そうではありません。ただ、少し気になることがあるんです」 ブルーへ向けてそう告げた光子郎の双眸には、彼の持つ人並みはずれた知識欲が激しく揺らめいていた。 真実を知りたい。その欲求が、自身でも止められぬ衝動となって光子郎を突き動かす。 情報を集め、統合し、解析し、分析することで、そこから導き出される真実への鍵を手に入れる。 光子郎にとって、それら一連の作業は非常に心躍る行為であると同時に、この殺し合いの中で自分に許された数少ない戦い方でもあった。 自分には身を守れるだけの腕力が無い。フェイトのように人知を超えた特殊な能力も無い。 あるのはこの頭だけで、出来るのは考えることだけだ。 情報の集積と取捨選択。一見関わり無いように見える事柄同士を結び付けることで、秘められた解答を見出す推理力。 この殺戮の舞台を生き残るうえで彼が縋れる力は、それ以外に存在しなかった。 「光子郎さん、もうその話はやめませんか?」 「すみません、フェイトさん。……でも、僕はやっぱり気になるんです。……ブルーさん、教えていただけませんか?」 また先ほどのような争いが起こるのを懸念したフェイトが、制止の声を挟む。 だが光子郎は、今度こそ引く気は微塵も無かった。ブルーを刺激しすぎないよう温和な態度を意識して、彼女に頼み込む。 その姿に、怒られる心配はなさそうだと思ったからか、ブルーはこくんと頷いて光子郎の頼みを了承した。 廃病院の中で起こった出来事を細大漏らさずに、彼女はもう一度頭から説明し直す。 光子郎は、それを一言たりとも聞き落とさぬよう注意して、彼女の話に頭を集中させた。 「……それで、私が階段を下りて追い付いたときには、もうビュティさんは倒れていて、その側にイヴさんが――」 「ちょっと待ってください」 少女の話は、幼児とは思えないほど整理されており、聞き手の二人がわざわざ色々と尋ねる必要は無かった。 そのため光子郎は、殆ど口を挟むこと無しに彼女の語る内容を静聴していたのだが、これには思わず声が飛出た。 「つまりあなたは、二人の間にどんな諍いが起こったかは見ていないんですね」 「うん……。いけなかったのかな」 「いや、そんなことはありませんよ。……それでその後は?」 恐々と光子郎を見上げるブルーに対し笑顔で首を横に振って、彼は続きを促した。 早く先が聞きたかった。知りたかった。分かりたかった。 ピースが足りない。真実という名のパズルを組み立てるためのピースが、まだ不足している。 どくんどくんと光子郎の心臓が音を成し、鼓動を打つスピードを早めていく。 答えに近づいている、という確信があった。後もう少しだ。もう少しで、伸ばした指先が真実へ届く。 「えっと、近くで誰かの声が聞こえた気がして、それで、慌てて逃げようっていうことになったのよ」 「そのとき、イヴさんはどうしていました?」 「……ビュティさんの荷物と傘を拾って、すぐに自分のランドセルに入れたわ。それから私を抱えて、走って病院から出たの」 ブルーの話は、それで終わりだった。 語り終えた彼女は、喋り疲れた、とでも言うようにペットボトルに手を伸ばし、ぐびと水を飲んでいる。 一方の光子郎は、ブルーが今しがた口にした内容が妙に気になり、眉間に皺を寄せて頭を捻らせていた。 ブルーの言葉を信じるなら、イヴはビュティの死後、人の気配を感じるや否やすぐさま退散したと言う。 だが、仮にも最前まで『仲間』であったはずの相手を殺めておいて、人間、何の手向けも無しに逃亡するだろうか? 何せ、彼らの話を全て本当だと認めるなら、それは決して憎しみ合っての殺戮ではなかった筈なのだ。 一旦は信頼しパートナーとなった相手と不運にも仲違いし、勢い余って殺してしまった。――二人はそう証言した。 だというのに、その亡骸に手を合わせることすらせず、逃げるようにその場を離れたというのか。 無残にも奪ってしまった命に対し墓を作ってやることも、祈ることもせずに、ただ荷物だけを奪って? ――尤も、理性的な思考で見れば彼女の行動そのものに間違いは無いだろう。 いくら正当防衛だったとしても、人一人を殺した現場を他者に見られれば、どう足掻こうとも殺人者のレッテルを貼られてしまう。 誤解を避けたければ、すぐにもその場から去るのが一番の対処法だ。理屈は分かる。 しかしそれは、あまりにも人としての感情から離れた選択だと言わざるを得ない。 少女を殺害してしまったことでパニックに陥り、突然の声に驚いて即座に逃げ出したと言う可能性はある。 だがそれならば、忘れずにビュティの荷物を持って行けるほど冷静沈着な心理ではないであろうし……。 ブルーの話を聞いているうちに再び浮かびあがった不審点を、光子郎は脳内で分析する。 何かが、頭の隅にこびり付いて離れない。それを思い出すため、何度も何度も彼女の言葉をリフレインさせた。 イヴの行動に対して抱く蟠りの正体を探るため、彼は己の推論を推し進め――――。 ――――気付いた。自分が引っ掛かってていたものが何であったか。その台詞に。 『最初に二人に会ったとき、イヴさんがスタンガンとカードを交換しないかって聞いてきたの。 私がやだって言ったら、ビュティさんのお面もくれるから、それならどうって』 ――――何だこれは。この行為は明らかにおかしくないか? スタンガンを手に入れたイヴと、カードを手に入れたブルー。この二人だけならば、分かる。 彼女達は互いの所持品を交換しただけであり、程度の差こそあれ損失と呼べるほどのマイナスは無い。 だが、ビュティという少女はどうだ。彼女は単に自身の品を提供しただけで、何一つ見返りを得ていないではないか。 確かにあのお面は単なる気味の悪い装飾品の域を出ていない。所有しているからといって、これといった利点は無いだろう。 しかし、胸元に入れておけば防弾の役目くらいは果たすだろうし、いざとなったら鈍器として振り下ろすこともできる。 少なくとも普通の人間なら、何の換わりも無しに手放すなどという無意味な行為は、まずしようとしないだろう。 それなのに何故、ビュティはこんな行動をとったのだろう? いや、もしかして『とらされた』? 先ほどから感じていた幾つかの不審点が、光子郎の脳内でカチリカチリと歯車を噛み合わせ、ある仮説を組み立てていく。 それは恐ろしい仮説ではあったものの、全く信じられないという類のものでもなかった。 むしろ、高確率で真実を射抜いている可能性のある考えだ。 彼女――イヴは、周囲の人間を騙して利用し、無価値になったところで殺害している。 そう考えると、思考の中で生まれた蟠りが消え、それぞれにつじつまが合う。 恐らくイヴは元々、ビュティを仲間だなどとは微塵も思っていなかったのだろう。 イヴが一時的とはいえビュティと組んでいたのは、思うに彼女の持つアタッシュケースを所望したからだ。 ビュティに支給されたアタッシュケースには、何らかの特殊な能力が付与されていると考えて間違いは無い。 うまく相手を言いくるめてアタッシュケースを手にし、その後は虎視眈々と用済みの彼女を始末する機会を狙う。 予期しなかったブルーの出現により、殺害のチャンスは一旦遠のき、僅かに予定は遅れる。 しかし幼女の間隙を窺うなど容易く、一人になった瞬間を狙って、イヴは悠々とビュティを亡き者にした。 後は、自分を信じきっているブルーに『向こうが先に襲ってきた。正当防衛だ』と尤もらしいことを吹き込めば完璧だ。 言葉どおり、命を掛けて自分を庇護してくれたイヴにブルーは心酔し、最早一時たりとも離れられなくなる。 イヴがビュティを軽視していた証拠は、よくよく思い返せば、話の至る所に散見できる。 ブルーとイヴ、ビュティの三人が互いの支給品を交換しあった際など、特に大きくそれが表れているではないか。 ブルーの言葉に間違いが無いのなら、ビュティという少女は自身に何の利益も無いのを分かっていながら交換に応じたらしい。 勿論、彼女が底なしにお人よしであるとか、そういった考え方も出来なくは無いだろう。 しかし、そもそもこの交換において、ビュティの意思が端から無視されていたと推測してみると、どうだろう? 反論するビュティを無理やり押し切って彼女のお面を差し出させ、その結果、イヴがスタンガンを手に入れたとしたら? ブルーくらいの幼い子供は、単純な質よりも量と見た目で物の価値を決めたがる性質がある。 千円札一枚よりも、キラキラした100円玉が5枚あるほうが嬉しい、というあれだ。 いかにも玩具然としたカードとお面を目の前に提示されれば、無粋な鉄の塊と交換したくなっても無理は無い。 そう。恐らくすべては計算の上なのだ。 自分が必要なものを手に入れるため、己以外の何もかもを掌の上に乗せて、彼女はそれらを利用している。 彼女がブルーを側に置いているのも、根本的には同じ理由からなのだろう。 幼い少女は、容易に周囲の庇護欲を誘うことができる。 デジタルワールドでの冒険でも、ヒカリやタケルは常に皆から気に掛けられていた。 小さな子供を目の前にすれば、大概の人間は自分が守ってあげなければという想いを切実に憶える。 同時に、純真な子供に慕われているのを見せることで、イヴ自身にも善良な人間であるイメージを抱く。 ブルーの存在は、非情な殺人者の素顔を秘匿するための、実に有用な目くらましとなるのだ。 彼女さえ連れていれば、他の集団に潜り込むことも、そこで誰か強い他者に守ってもらうことも簡単だろう。 実際自分達も、ブルーの怯えた泣声を耳にしたために、二人が工場内へ侵入するのを許したではないか。 先刻もしイヴが一人であったならば、きっと光子郎も彼女を招き入れるのを良しとしなかっただろうに。 「……フェイトさん、ちょっといいですか」 恐怖と興奮が混在し跳ね上る心音を必死に抑制し、普段どおりの冷静さを保とうと努力する。 真綿でゆるゆると頸部を絞められているような圧迫感を全身に感じ、気道が苦しさを訴えた。 光子郎は、押し殺した小声でフェイトの耳元へと囁きかけ、彼女を呼び寄せようとした。 こちらへ振り向いたフェイトを、大きな決意を宿した真剣な眼差しで射抜くと、彼はごくんと空気の塊を飲み込んだ。 緊張でからからに乾燥している喉を振り絞り、己の仮説を彼女へと話して聞かせようとする。 だが、光子郎の決意は僅かに遅く――――。 「何ですか、光子郎さん?」 そう尋ねるフェイトの声に重なるようにして、金属の擦れる不快な音が響き渡った。 それが洗面所へと続く鉄扉を開閉する音であると判断する間もない内に、赤紫の瞳をした少女が、視線の奥に姿を現す。 光子郎は知らず歯軋りをし顔を苦々しく歪めたが、その表情に気付いた者は、誰一人としていなかった。 * * * 彼らの目標となる旗に、未だ辿り着いた者はいない。 特化した『知略』は考えすぎるゆえの誤解を作り出し、特化した『想い』は優しさから油断を招いた。 『仲間』と『道具』で挑むもう一人は、果たして何を生み出すのだろう。 ――――臨む旗への道程は、依然険しく、遥か遠い。 【A-3/工場(ファクトリアルタウン)内/1日目/真昼】 【泉光子郎@デジモンアドベンチャー】 [状態] 健康、イブを疑っている [装備] 風の剣@魔法陣グルグル [道具] 支給品一式(食料少し減)、ジャスタウェイ@銀魂 [思考・状況] 思考:どうにかしてフェイトさんにこのことを伝えないと……! 第一行動方針:イヴへの疑心をフェイトに伝える。 第二行動方針:フェイトとブルーをイヴから守る。いざとなったら三人で逃げる 第三行動方針:とりあえず今後の動向について考える 第四行動方針:友人との合流 [備考]:光子郎は工場について以下の仮定を立てました。 1:この工場はなんらかのエネルギーが作動してるかどうかを確認している。 2:そのなんらかのエネルギーはここじゃない場所にある 3:そこは普通にしてたらわからないが、決して見つからないような場所ではない 尚1~3は誰にも話しておりません 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】 [状態] 健康、やや不安、なのは達を心配 [装備] バトルピック@テイルズオブシンフォニア [道具] 支給品一式、マジックバタフライ@MOTHER2、さとうきびセイバー@ボボボーボ・ボーボボ [思考・状況] 思考:光子郎さん、どうしたんだろう? 第一行動方針:光子郎の呼びかけが気になる 第二行動方針:光子郎とブルー達を仲良くさせる 第三行動方針:皆と同行 第四行動方針:友人の捜索及び合流 【ブルー@ポケットモンスターSPECIAL】 [状態]:健康、落ち着き、4歳モード、光子郎を要注意人物だと判断 [服装]:白衣 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(食料少し減)、チョークぎっしりの薬箱、年齢詐称薬(赤×4、青×3)、G・Iカード2枚(『聖水』、『同行』)@H×H、Lのお面@DEATH NOTE [思考]:どうしてさっきから私の話ばかり聞きたがるのかしら? 第一行動方針:光子郎の思考を探る。そのうえで、自分の不利益になるようならば殺害も考える 第二行動方針:生き残るためには手段を選ばない。自分の手も要所要所で汚す覚悟 第三行動方針:4歳児の外見を生かし、イヴを利用する。自分の身を守ってもらう。 なお、使える戦闘要員なら増やしてもいいが、足手まといが増えるのは困る。 第四行動方針:イヴには、自分の正体がバレないようにする(=年齢詐称薬の秘匿、説明書の効果時間に基づいた12時間ごとの薬の摂取) 第五行動方針:レッドやグリーン、イエローのことが(第二行動方針に矛盾しない程度に)心配 基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出、元の世界への帰還(手段は問わない) [備考]:ブルーは、ビュティが持っている傘に銃が仕込まれていることを知りました。また、イヴが持っているアタッシュケースが仕込み武器である可能性を強く疑っています。ブルーは、双葉を始末したであろうと思っています。 フェイトの知人(なのは達)と、リリカルなのは世界の魔法についての知識を得ました。 【イヴ@BLACK CAT】 [状態]:左腹部に銃創(応急処置済み)、全身に中程度の打撲、落ち着き、精神中消費、疲労感中、自分を許してくれたブルーに恩義以上のものを感じている。 [服装]:ナース服 [装備]:スタンガン@ひぐらしのなく頃に [道具]:基本支給品一式(食料少し減)、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT、G・Iカード1枚(『左遷』)@H×H、ビュティの基本支給品一式、神楽の傘(弾切れ)@銀魂、コンマ@ボボボーボ・ボーボボ、血塗れの服 [思考]:ちょっと恥ずかしいけど、着替えてよかった…… 第一行動方針:ブルーに服従し、命がけで守る 第二行動方針:危険回避のため、他人にはアタッシュケースを触らせないようにする 第二行動方針:一休を見つけたら、懲らしめる 基本行動方針:この殺し合いを止め、脱出する [備考]:アタッシュ・ウェポン・ケースの『捕獲用ネット』を使おうとして、間違えて『マシンガン』の引き金を引きました。今後、『マシンガン』のスイッチを間違えることはまず無いと思われます。 イヴとビュティ、二つランドセルを持っています。コンマは、ビュティのランドセル内の無限の空間?のどこかにまだ隠れているのですが、イヴはそれを知らず、どこかに落としたと思っています。。 コンマはランドセルを逆さまにすれば放り出せるはずですが、現時点ではイヴはその方法に気付いてません。 ≪118 迷走 時系列順に読む 121 オイシイとこだけツマミ食い≫ ≪119 混沌の学び舎にて(5) 投下順に読む 121 オイシイとこだけツマミ食い≫ ≪116 誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程 泉光子郎の登場SSを読む 130 世界は皮肉に満ちていた(前編)≫ ≪116 誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程 フェイトの登場SSを読む 130 世界は皮肉に満ちていた(前編)≫ ≪116 誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程 ブルーの登場SSを読む 130 世界は皮肉に満ちていた(前編)≫ ≪116 誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程 イヴの登場SSを読む 130 世界は皮肉に満ちていた(前編)≫
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9510.html
ちびまる子ちゃん4 これが日本だよ!王子さま 【ちびまるこちゃんふぉー これがにほんだよおうじさま】 ジャンル バラエティーゲーム(RPG(*1)) 対応機種 ゲームボーイ 発売元 タカラ 開発元 KID 発売日 1992年8月7日 定価 3,800円(税別) 書換 ニンテンドウパワー2000年11月1日/1000円(税別) F×1・B×0 プレイ人数 1人 判定 なし ポイント マルチエンディングありミニゲームのバリエーションが豊富ゲームに慣れない初心者への救済措置あり ちびまる子ちゃんシリーズ 概要 あらすじ 特徴 評価点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 まる子が町内を駆け巡って、花輪くんの家に来日する王子様に渡すプレゼントをかき集めるゲーム。 パッケージ記載のジャンルは「バラエティーゲーム」だが実際にはRPGであり、クラスメートや家族からの頼み(ミニゲーム、お使い)を引き受けてこなすことでプレゼントが揃っていく。 ストーリーは基本的に一本道だが、途中に挟まれるミニゲームの結果によって結末が変わるマルチエンディングを採用した作品。 あらすじ ある日の放課後、先生に呼び出されたたまちゃんを教室で待っていたまる子は、花輪くんから日本を訪れている王子様へのプレゼントを集めてきてほしいと頼まれる。 花輪くんいわく、自分は「日本らしい物」を持っておらず、王子様を招待する準備で忙しいので日没までに代わりに「日本らしい物」を集めてきてほしいとのこと。 早速学校を飛び出すまる子であったが、たまちゃんは誰もいない教室の中でまる子に忘れ去られたことに落ち込むのであった。 特徴 ストーリーはほぼ一本道で、基本的にその時点で何かイベントがある家・場所にのみクラスメートやまる子の家族が登場する。 それ以外の場合は、クラスメートの家などを訪ねても何も起こらなかったり、自宅の場合はお母さんに宿題をやるよう注意されて「今はそれどころじゃない」とまる子が言い訳するだけで全体マップに戻る。 + 家・施設等の一覧 花輪くんの家以外は学校を北として時計回りの順に位置している。 学校 学校の先生から「あんごう」を教えてもらえる。「あんごう」をメインメニュー画面から入力することで続きから再開できる。 パスワードコンティニューのためのいわゆるセーブポイントであり、シナリオ中にここを訪れる必要のあるイベントはない。 公園 お姉ちゃんや丸尾くんがいることが多い場所。 お姉ちゃんはまる子がミニゲーム「みずきりあそび」をしたいと勝手に解釈することが多い(そして遊ばされる)。 丸尾くんの素顔が見られる場所でもあるが、メガネをなくした理由はとある伏線になっていたりする。 丸尾くんの家 イベントがあるときは丸尾くんが出てきて、手がかりを教えてもらったりミニゲーム「なんびきとおったでしょう?」に付き合わされることもある。 ブー太郎の家 「竹馬」などのアイテムをくれることが多いが、そのたびに竹馬の出来具合の確認としてミニゲーム「たけうまきょうそう」をするよう誘ってくる。 はまじの家 ここでのはまじとのイベントはエンディングへのちょっとした伏線となっている。 ミニゲーム「かきくりとり」のクリア報酬で「まごの手」をもらえるぐらいしかいいことはないが、シナリオ終盤で本人ではないものの重大な役目を担ってくれる。ただし、そのイベントは「この家では」起こらない。 みつや 「くじけん」を持っているときにくじ引きで遊ぶことができる。 シナリオ終盤でとあるハプニングが起きてしまい、集めたプレゼント全てをなくしてしまう強制イベントが起こる場所でもある。 みぎわさんの家 みぎわさんが出てくるたびに何故かミニゲーム「にもつはこび」を頼まれる場所。 しかも「くじけん」を持っているので、くじ引きでハズレを引き続けると嫌でも荷物運びを手伝わざるを得なくなる。 ただし、くじ引きで当たりを引いた後は「くじけん」をくれなくなり、次の強制イベントまで荷物運びを手伝わされなくなる。 神社 誰もいないことが多いが、友蔵にミニゲーム「おどりのけいこ」をつけてもらう場所でもある。 さすがに孫にタダ働きさせるのはまずいと思われたのか、ミニゲームをクリアすると何かしらご褒美がもらえる。 まる子の家 まる子の自宅で、あまり日が暮れていないにもかかわらずお父さんが帰ってきている。 まる子が自分に心当たりがあると思ったときはここで何かイベントがあることがほとんど。意外にも友蔵はここでは登場しない。 たまちゃんの家 ここでの最初のイベントではたまちゃんが自分を置いてけぼりにしたことに対し文句を言ってくる。 それ以外のイベントでは何故か笛(リコーダー)の練習として、ミニゲーム「きょくあてクイズ」に付き合わされる。 花輪くんの家 町のど真ん中にある大きな家で、本作のゴール地点。 プレゼントを集めきるまでは門が閉まっており入れず、プレゼントを集めきってようやく入れるようになる。 色々とツッコミ所があるシナリオ 最初に遊ぶミニゲームは「カードあてゲーム」で、下校の時間に花輪くんが本作の目的の切り出しも兼ねて誘ってくるという展開なので失敗しても話は進むのだが、ツッコミ所が1つある。 花輪くんいわく「イタリア製のカード」なのだが、ミニゲーム一覧の記載通り絵柄はまる子と丸尾くんである。しかも、仕様上明らかに丸尾くんのカードの枚数が多い。……丸尾くんの選挙活動はイタリアにも広まっているのだろうか? もっとも、ミニゲームの使いまわしだからと言ってしまえばそれまでなのだが… また、シナリオ中に王子様を迎える準備で忙しいはずの花輪くんが登場するシーンがいくつかある。もちろん協力なんてしてくれない。何をしに来たのだ、花輪くんよ。 他にもミニゲームをクリアしたのに何も情報や報酬が得られない展開もある。なんという骨折り損。 マルチエンディング シナリオの途中でプレイしたミニゲームでクリアに失敗した回数によって、エンディングが分岐する。 同じミニゲームを連続でクリア失敗しても1カウントとみなされ、くじ引きでハズレを引いたときはノーカウントとなる。 + エンディング内容。ネタバレ注意! ミニゲームのクリア失敗回数4回以下…王子様からのプレゼントが南の島特製フルーツの盛り合わせ+プサディー(*2)からの手紙になる。 エンディングとしてはこれがベストエンドとなる。プサディーが登場するのもこのエンディングのみ。また、シナリオ序盤ではまじが見せたとある特技の伏線も回収している。 ミニゲームのクリア失敗回数5~7回…王子様からのプレゼントがゲテモノ料理(*3)になり、それを食べたまる子たちは翌日学校を休む。 バッドエンドの1つ。王子様の容姿は美男子だが、料理のチョイスとそれを食べたまる子たちのことを考えると… また、王子様の容姿の関係上ベストエンドと漬物石エンドで回収されるはまじの特技の伏線が回収されないまま終わってしまう。 ミニゲームのクリア失敗回数8~10回…王子様からのプレゼントが漬物石(自称。ナレーションいわく本当は高価な宝石)になる。 バッドエンドの1つ。まる子がプレゼントを渡すまでの流れがベストエンドと同じなだけに、タチが悪い。漬物石という名の宝石を誰が受け取ったかは不明。 エンディングのランクとしてはこちらが下なのだが、内容とオチ、伏線回収等を考えるとゲテモノ料理エンドの方がよりバッドと言えなくもない。 ここまではまだ感動的・ギャグ的なエンディングで済むが、あまりにもミニゲームでミスしてしまうと…? ミニゲームのクリア失敗回数11回到達…全体マップに戻った時点でまる子がすっかり夜になっていることに気づき、王子様とも会えないままスタッフロールへ… ゲームオーバーであり、最悪のバッドエンド。花輪くんとの約束を破ってしまい、王子様へのプレゼントを渡せなかったことを考えると、花輪くんに合わせる顔がないことは明白だろう。まる子にとっても苦労が水の泡である。 評価点 豊富なミニゲーム 8つのミニゲームに「やさしい」「むずかしい」と2種類の難易度があり、加えてシナリオ中のみ遊べるくじ引きが用意されている。 くじ引き以外のミニゲームはメインメニュー画面から入れるフリーゲームの項目で練習できる。 + ミニゲーム一覧 順番はくじ引き以外、フリーゲーム欄でのもの。 たけうまきょうそう 竹馬に乗ってブー太郎とゴールまで競争するゲーム。 AボタンとBボタンを交互に押すことで進み、同じボタンを連続で押してしまうとバランスを崩して倒れてしまい、タイムロスとなる。 ブー太郎がゴールするタイムは完全に固定されており、「やさしい」で21カウント(秒)、「むずかしい」で10カウントとなっている。 おどりのけいこ 友蔵の踊りのお手本を覚えて、お手本と一致するアイコンをお手本通りの順番に選ぶ暗記ゲーム。 成功するごとにアイコンを選ぶ個数が1つずつ増え、間違えた場合はお手本をもう一度繰り返し見せられる。 5回目の踊りまでに間違えた回数が2回以下ならクリア、3回間違えた時点で即座にクリア失敗となる。 なお、クリアの成否は間違えた回数のみ関わっているため、無理に5回連続での成功を狙う必要はない。 なんびきとおったでしょう? 左右の壁の間を通る動物の数を数えるゲーム。出題者は丸尾くん。 やさしい・むずかしいともに7問中4問以上正解すればクリア。4問間違えた時点で即座にクリア失敗となる。 クリアの成否が間違えた回数のみを見ているのは「おどりのけいこ」と同じだが、間違えても答えは教えてくれない。 難易度の違いは動物が通る速さのみで、選択肢は5匹から13匹までの9択。 余談だが、普通は6「ぴき」13「びき」と読む選択肢も「ひき」で統一されている。また、何故か数える単位が「匹」ではなく「羽」のニワトリも混ざっている。それでいいのか、学級委員。 にもつはこび 画面左側に置いてある荷物を画面右側の倉庫に運ぶゲーム。依頼人はみぎわさん。お前も手伝えと言うのは禁句である 荷物をA・Bボタン連打で持ち上げ、十字キーで左右に移動して右の倉庫に運ぶのを繰り返すゲーム。 難易度によって制限時間が変わり、「やさしい」は99カウント、「むずかしい」は80カウント以内に10個以上運べていればクリア。 みずきりあそび 石を画面両側にある旗より遠くに投げるゲーム。石は10個あり、投げ終えた時点で5個以上遠くに投げられていればクリア。 十字キーで左右に移動して、Aボタンで石を投げる。画面右側のバーが基準線より上にある時でないと届かないが、左から流れてくる流木に当たってもミス。 「むずかしい」になると流木の数が増え、流れる速さも上がる。 石が沈んでから次に石を投げられるようになるまでのタイムラグはほぼないため、上手くタイミングが合えばボタン連打で数を稼ぐことも可能。ただし、バーの動きは周期性があるとはいえ流木を回避できるタイミングと合うとは限らないため、過信は禁物。 きょくあてクイズ たまちゃんが笛で吹く曲を覚えて何番目の曲と同じ曲を吹いたか当てるゲーム。 5問目が終わった時点で間違いが2回以内ならクリア。3回間違えた時点で即座にクリア失敗となる。 覚えるのが曲のフレーズであること以外は「なんびきとおったでしょう?」とほぼ同じ。 曲は最大で6曲吹く。曲名ではなくあくまで「何番目の」曲と同じかを当てるゲームである。とはいえ、曲名で暗記するのも作戦の一つでもある。 なお、何曲吹いたとしても選択肢は必ず1~6番目の6択で、仮に2曲しか吹いてないのに3~6番目と答えた場合は当然間違いとなる。 かきくりとり はまじが落とす柿と栗をそれぞれ黒いカゴ、白いカゴで受け止めるゲーム。柿と栗と2つのカゴの色はそれぞれ一致しているため、同じ色のカゴで受け止めると考えればいい。 十字キーで左右に移動、カゴはAボタンまたはBボタンで入れ替えられる。 地面に落としてしまうか、間違ったカゴで受けてしまうとミス。3回ミスした時点で合計20個以上受けられていたらクリア。 はまじは一定個数柿と栗を落とすと一気にスピードアップするため、初めのうちにミスが重なるとクリアが厳しくなる。 カードあてゲーム 8枚のカードのうち最初にめくられた当たり(まる子)のカードを覚え、シャッフルされた後に当たりのカードがどの位置に移動したかを当てるゲーム。 当たりのカードは「やさしい」で1枚、「むずかしい」で2枚あり、「むずかしい」の場合は2枚とも当てて正解となる。 間違ったカードを選んでしまうとお手付きとなり、当たりのカードの位置を教えられる。 覚えるのが当たりのカードの位置であること以外は「おどりのけいこ」とほぼ同じで、3回お手付きで即座にクリア失敗となる。 カードのシャッフルの速度は正解するごとに上がっていくが、一度に動くカードは2枚で固定。「やさしい」なら指で追うのも手だが、「むずかしい」だとその作戦では厳しくなる。 余談だが、ハズレのカードの絵柄は丸尾くん。『おこづかい大作戦!』の時といい、ズバリ、この扱いは理不尽でしょう くじ引き シナリオ中に「くじけん」をもらって町の南側にある「みつや」に行くと遊べるゲーム。 みつやのおばさんいわく、「当たりは3つある」とのことだが、実は裏がある。詳細は問題点にて。 フリーゲームの項目でミニゲームを練習してもスコアなどは記録されないが、ミニゲームのクリア失敗回数がエンディングに関わってくるため練習する意義がないとは言えない。 会話シーンの演出について 主要キャラクターは基本的にバストアップのグラフィックが用意されているほか、表情のパターンもそれなりに豊富。 特にみぎわさんは専用のBGMが、花輪くんには専用のフレーズが用意されているという優遇っぷり。BGMのイメージもそれぞれのキャラクターとマッチしていて飽きさせない。 ちなみにナレーションは当然セリフのみではあるが、ツッコむ所はBGMを止めてまでしっかりツッコむので存在感は失われていない。 丸尾くんや友蔵がショックを受けた際に背景にでかでかと「ガーン」の文字が降ってくる演出もインパクト大。 この演出は『まる子デラックス劇場』にもしっかり受け継がれている。 ミニゲームの救済措置 フリーゲームの項目から遊べる「むずかしい」に該当するミニゲームは、一度失敗すると「やさしい」に難易度を下げてくれる。 さすがに「やさしい」より簡単にはならないが、リトライはすぐにかつ、いくらでもできる。ただし、ミニゲームクリアに失敗すると見えないペナルティが加算されていく。 問題点 セリフの早送りの操作が不便 セリフの早送りはBボタン押しっぱなしでできるのだが、次のセリフに進むボタンはAボタンでしかできず、逆に早送りはAボタンではできない。そのせいでセリフ送りの操作で指を動かすひと手間が挟まってしまい、テンポがやや悪くなっている。 せめてオプション機能を用意してセリフ送りの速さを調節できればよかったのだが。後述の問題点を考慮しても、再開するたびに設定しなおせるだけでも違ったであろうに。 ただし、一度終わったイベントの会話は後で読み返せないので、読み飛ばしの抑制という意味では親切設計とも言える。とはいえ、情報の再確認ができないのはRPGとして問題があるが… 「くじ引き」の仕様について 「当たり」は3つあると毎回言われるが、実は当たりの数は必ずしも3つあるとは限らない。 + 検証により確認できたくじ引きの割り当て。ネタバレ注意 「いちご大福」のくじ…当たり5つ、ハズレ1つ、もう1回2つ 「甘納豆」のくじ…当たり4つ、ハズレ2つ、もう1回2つ 「だるま」のくじ(1回目)…8つ全部ハズレ 「だるま」のくじ(2回目)…当たり3つ、ハズレ3つ、もう1回1つ シナリオ上最後に引くくじになってようやく言ったことが本当になるのだが、「いちご大福」のくじが接待しているのかと思うほどの当たりの数だったり、8つ全部ハズレにしておきながら当たりの数は3つだと言い張ったりと、このおばちゃん、侮れない。 また、どれが当たりかは実際に引くまでわからないほか、1回でも当たりを引いた時点で残りのくじの割り当てはうやむやにされるため、「嘘」をついているという証拠は残らない。なかなか狡猾な手口である。 なお、くじ引きに必要な「くじけん」はミニゲームをもう一度クリアすることでまたもらえるので、くじが引けなくなることはない。 また、一度引いたハズレ・もう1回のくじは除外されるほか、景品を先に取られて詰むこともない。 手がかりが途絶える場面がある RPGとしてはかなり痛い問題点。少なくとも途絶えた場所はもちろん、「学校」「花輪くんの家」「みつや」は特定の状況でないと用がないので除外されるが、それ以外は基本的に総当たりするしかない。 特に「だるま」探しまで進めるとクラスメートから「知らない」「持ってない」とばかり言われて余計な手間と時間がかかる。 そうでなくともセリフを読み飛ばしてしまう、「あんごう」で久しぶりにプレイを再開するなどして意図せず手がかりが途絶えてしまう場合もある。 一応立ち寄れる場所がそこまで多くないのが救いか。 メインメニュー画面のカーソルの操作方法が何故かSELECTボタン ある意味中古対策、コピープロテクト……になっているかは不明だが、恐らくメインメニュー画面に情報を詰め過ぎたのが原因だろう。 発売から8年以上経ってニンテンドウパワーで取り扱うようになったため、十字キーでカーソルを動かそうとして戸惑ったプレイヤーもいたと思われる。 ちなみに「あんごう」は十字キーの左右で文字入力カーソルの移動、上下で文字の切り替え、Aボタンで確定する方式。そう考えるとメインカーソルの移動の役割としてはSELECTボタンが適任ではある。 セーブ機能がパスワードコンティニュー形式 本作は「あんごう」という形で学校の先生から8文字の文字列をメモして再開時にそれをメインメニュー画面で入力する、というパスワードコンティニュー形式となっている。 そもそも発売当時ですらRPGでのセーブ機能はバッテリーバックアップが主流となってきているのにパスワードコンティニュー形式を採用するというのが大きな問題点であるが、マルチエンディングを採用していることを考えると「簡単にセーブ&ロードを繰り返されるとベストエンドに辿り着いた達成感が損なわれる」というスタッフの意図もあるのかもしれない。 幸いにも「あんごう」の長さは8文字で固定、文字も「あ」~「み」の32文字しか使わない、と比較的良心的ではあるが、それでもRPGで電池切れの恐怖におびえなければならないのはなかなか厄介。 この「あんごう」は『まる子デラックス劇場』にも「パスワード」という形で受け継がれたが、あちらは意味のある文字列となっており、少し覚えやすくなっている。 フォローするなら、バッテリーバックアップを採用していないということはセーブ機能が劣化しないというメリットがあるのだが、テンポよく進めれば1~2時間もあればクリアできるので… 総評 ミニゲームをこなしてクリアを目指すRPGというコンセプトは『おこづかい大作戦!』と大差ないものの、ミニゲームの数は前作よりも多く、運要素がほとんど無く初心者への救済措置もあったりと、ゲーム内容に関しては大きく改善された。 一方で、RPGとしては次のイベントへの手掛かりが途絶える場面がある、意図的に無駄足を踏まされる、などあまり質は高くない。 ミニゲーム集としては良好だが、RPGとしては今一歩上手く落とし込めなかった作品と言える。 その後の展開 テレビアニメが1992年9月をもって一旦終了となり、『ちびまる子ちゃん』のゲーム作品のリリースも本作で一旦打ち止めとなった。 その後の同放送枠は1994年までの『ツヨシしっかりしなさい』を挟んで1995年1月から『ちびまる子ちゃん』を再開し現在に至っている。 次のゲーム作品は、アニメ再開後となる1995年5月26日に『ちびまる子ちゃん まる子デラックス劇場』が同じくタカラからゲームボーイソフトとして発売されるのを待つことになる。 余談 無事に花輪くんの家まで辿り着けると王子様からお返しとしてプレゼントがもらえるのだが、その中にはよくよく考えると入国時に検疫を受けたのかどうか怪しいモノがある。(*4) + エンディング内容に関わるためネタバレ注意 ベストエンドのフルーツ盛り合わせは何のフルーツを使っているのかぼかされているものの、はまじが知らないフルーツを使っていることははっきりしているため、解釈次第では結構グレーな表現だったりする。 ゲテモノ料理のバッドエンドに至っては、まる子たちは料理を食べた翌日にお腹を壊して学校を休んでいるため、集団食中毒を起こした可能性がある。 一応ゲテモノ料理のラインナップはどれも実在してかつ加熱調理する料理ではあるが、王子様側が用意した「大トカゲの丸焼き」は本当にただ焼いただけのような見た目(雑に刺したナイフとフォーク付き)である。 仮にも入国先へのプレゼントであるため、描写しきれてないだけで骨や内臓の処理ぐらいはしてあると思いたいが、他の料理も似たような調理方法だと考えると、こんなモノを食べたまる子たちがお腹を壊すのも無理はないだろう。 ちびまる子ちゃんの舞台の1974年やこのゲームの発売年の1992年は検疫が厳格化した2019年以降とはまた検疫の厳しさや事情が異なるのだが、まる子たちが立場上ゲテモノ料理を食べざるを得なくなった結果お腹を壊したことを考えると、最悪国際問題に発展しかねない事案である。 ミニゲーム「なんびきとおったでしょう?」はシナリオ中では「やさしい」しかプレイする機会がない。スタッフの見落としだろうか? ファミ通クロスレビューでの点数は40点満点中20点。『おこづかい大作戦!』から2年弱経っても点数が伸びない辺り、スタートダッシュでこけた影響は大きかったようだ。 次回作である『まる子デラックス劇場』はミニゲームの数が減ったものの、本作の反省も兼ねてかゲームジャンルをRPGからアドベンチャーに切り替えている。 スタッフロールはまる子が読み上げるのだが、その中に「けっこん おめでとう」という内輪ネタがあったりする。
https://w.atwiki.jp/saigonotubasa/pages/195.html
Job 最強スナイパー(TPG) 称号:おっぱい→ホモ→ハゲ ロリコン ベースは別に弾けないらしくて僕は非常に残念な気持ちになりました by maturi maturiそれにしぞのみおちゃう!あきやまみおや!!by現行犯 新しく入ったスナの人! ARあがりらしく、戦況に応じてライフルもできそう! おっぱいマウスパッドをこよなく愛してる。 AVA熱高め 負けるとキーボードクラッシャーに変貌する 立場的に一番下なことが最近判明したため slv様にパンを買いに行かされる役目を背負った 最近のslv様のオススメパン ホモじゃないよ!男の娘がすきなんだよ! 太陽の子になったらしい←New! 参考画像 スカイフィッシュが名前を変更した時にノリで変えてしまった。 審判の日ってなんじゃはげ。 ついったーでラピスとイチャつく実践的ハードゲイ 違う違うと言いはるが何かとゲイっぽい言動が多い AVACTLのために名前を変えました! D←これは顔文字ですね!
https://w.atwiki.jp/saigonotubasa/pages/178.html
日付 対戦したクラン MAP 結果 備考 09/10/31 KHDxEsprIt DS 6-7負け 09/10/31 てらバリオス DS 7-2勝ち 09/10/27 UnbekaNt DS 6-7負け 09/10/26 KSU DS 7-0勝ち 09/10/26 NST DS 7-3勝ち 09/10/26 Subtly DS 4-7負け 09/10/25 IDiot DS 2-7負け 09/10/25 東京ゴリラ倶楽部 DS 7-1勝ち 09/10/25 JiN DS 5-7負け 09/10/24 NewCentury DS 7-0勝ち 09/10/24 Glitter Sc 勝ち 09/10/23 超速ギガMAX Sc 負け 09/10/21 Falcon Sc 勝ち 7対7 09/10/21 AVA陸援隊 Sc 勝ち 4対4 09/10/20 UnbekaNt DS 6-7負け 09/10/20 comet DS 3-7負け 09/10/19 trial DS 7-3勝ち 09/10/19 CAKE DS 7-1勝ち 4対4 09/10/18 グフカス傭兵団 DS 7-3勝ち 09/10/18 IDiot DS 3-7負け 09/10/18 trial DS 2-7負け 09/10/15 UnbekaNt DS 7-4勝ち 09/10/15 trial DS 4-7負け 09/10/15 Gotwo三途 DS 7-2勝ち 09/10/13 LEVEL7 DS 7-4勝ち 09/10/12 不落城 DS 1-7負け 09/10/10 PeCa DS 7-2勝ち 09/10/10 これはぽにいている DS 5-7負け 09/10/09 Restart DS 5-7負け 09/10/09 Infallible DS 7-4勝ち 09/10/08 comet DS 4-7負け 09/10/08 UnbekaNt DS 6-7負け 09/10/07 PeCa DS 5-7負け 09/10/07 不落城 DS 5-7負け 09/10/06 PeCa DS 7-6勝ち 09/10/06 PeCa DS 2-7負け 09/10/06 TeamhawK DS 3-7負け 09/10/06 超速ギガMAX DS 3-7負け 09/10/06 TerroRist DS 7-1勝ち 09/10/05 GIAVA DS 7-1勝ち 09/10/05 GIAVA HB 7-1勝ち 09/10/05 GIAVA SD 7-1勝ち 09/10/05 GIAVA FOX 7-0勝ち 09/10/04 不落城 DS 2-7負け 09/10/04 Azoth DS 1-7負け 09/10/01 PeCa DS 5-7負け 09/10/01 ShakaBraNd DS 1-7負け
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/1660.html
これが定番!世代別ベストソンク ミュージックジェネレーション (レギュラー期)(2024.04.??(予定)~)
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/11251.html
624 名前:ゲーム好き名無しさん (ガラプー KK8e-HGZj)[sage] 投稿日:2016/05/11(水) 09 36 04.13 ID 0OM9z0EwK その時代に居た困の事を報告しても良いのだよ 627 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW b98b-10y/)[sage] 投稿日:2016/05/11(水) 10 09 28.52 ID Z5sccqhL0 624 その時代の困筆頭は水野良だろJK。 でそれで思い出した。先日一度やってみようということでグランクレストやったら、うちのベテランGM(普段は上手い)が、強NPC様無双のシナリオ出してきた。PCは横で見てるだけ。 で、普段は上手いGMだけに俺ら戸惑ってどうしてそういうことをしたのか聞いたら「水野良が関わるゲームだからこれが正しい」との答え。 結果我々の間ではグランクレストは封印されました。 変なアンチが絡む状況はよくないね。 632 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 9c2b-DR9V)[sage] 投稿日:2016/05/11(水) 13 05 25.25 ID gQNP3Vm70 [2/2] 627 どんな闇を抱えてるんだw 卓囲んだ627達には悪いが笑ったw 633 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 9c7b-mhju)[sage] 投稿日:2016/05/11(水) 13 05 36.80 ID gpufU5Hn0 [1/2] 627 そういう渾身のネタだったのかガチのアンチなのかで判断が分かれるとこだと思うけど 「封印が決まった」ということはアフターで台詞言ったときのGMおめめグルグルだったのかな 634 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ fa5b-7Olf)[sage] 投稿日:2016/05/11(水) 13 26 36.57 ID 1woH8ibf0 受けると思ってやったらドン引きされた、って話だと思うなぁw 悪いけど他人事としては笑わせてもらったわ 封印された、ってのもファーストインプレッションが悪くて以後やんなかった、を面白く言い換えただけかと 637 名前:ゲーム好き名無しさん (スプー Sdc8-j46Q)[sage] 投稿日:2016/05/11(水) 14 51 52.78 ID g0sHZSgPd [2/2] 水野良世界観しか関わってないのにその理論はおかしくないかw スレ436
https://w.atwiki.jp/yamadakun/pages/91.html
#blognavi 10日ぶりに更新。 ダメだなぁ。 ダメといえばA代表。 3年前に逆戻りだA代表。 あまりのショックに今日はずっとブルー。 なるほど。これがサムライブルーの真の意味か…… 次2-0。その次1-1でなんとかいかんかなぁ。 カテゴリ [日記] - trackback- 2006年06月13日 21 34 10 #blognavi
https://w.atwiki.jp/saigonotubasa/pages/104.html
2009/3/29 未練と焦燥 1920*1080のモニタを購入。 凄く大きいんですが元々酔いやすい自分はこの画面でAVAすると1時間で酔ってしまいました。 大は小をかねるといいますがもうちょっと自分にあった買い物をすべきだなと思い知らされました。 それはともかく皆さん大会がんばってくださいね。 1回戦が終わった後名言集がどんな風に更新されているか今から楽しみでしょうがないです。 2009/3/29 スカイフィッシュ 今日の夜7時ぐらいからの予選一回戦一応うちのクランも 出るらしいですけどみんな頑張って勝ちましょうね|*'ヮ') 今日の大会が終わればHBからはおさらばできるぞっ! 2009/3/19 slv AK74拾って使ってみたけど守り強すぎWAROTA 47と74とG36を守りに使って攻めはM4か16が安定じゃねーのって言う僕の中でのライフルマン武器総評 最近攻めでAK47には不満ばっかり出てくるようになったでござる。武器買いたいでござる。 2009/3/14 スカイフィッシュ 今日vsゲスト部屋に入ったらかーのふぁーじのAcE11さんとAkhさんなどの豪華な人たちがゲスト側にいたので勝ち馬に乗りたく一緒にやらせていただきました。 さすがかーのふぁーじということもあって、守りでのシフトの早さが半端なかったです。 DS防衛側のときに、私が2中で敵と交戦状態に入ってピンチのときにすぐこちらにシフトしてきてくれたAcE11さんには惚れてしまいそうでした|*'ヮ') ゲスト側で一緒にやらせて頂いた人たちはみんな上手いので、参考になる点が多いのでゴースト視点になっても退屈はしませんでした。 VCなどを使わずともお互いのやりたいことが通じ合うものを感じて凄く楽しかったです。 2009/3/11 はどうほう はじめてFさまとそうぐうしました。 Fさまにふらぐとっぷとられました。 でも「うぜー」がきけたのでよかったです。 2009/3/10 maturi とりあえずこいつを見てくれ2→Plus2 まーた護衛で新品の耐久ユーロプラス使ってみたの図なんですが、 これと前回の結果を平均してみると100%使いきりで11375ユーロの予定 次があったら初戦は爆破でやってみようそうしよう あとのまねさんをTKする作業はこれからも積極的に狙っていきます 2009/3/8 スカイフィッシュ 今日TKありのクラン戦をしていたらmaturiって人に「俺の獲物とんな!!しねやあ!!!」って叫びながら殺されました。 maturiさんはうちのチームの頼れる赤階級なんですが、時々このようにはっちゃけてしまうことがあります。 のまねさんも殺されかけてましたが、さすがに爆弾解除中ということもあり殺しはしませんでした。 うちのクランは怖い人(maturi、slv様、現行犯など)がいっぱいで毎日がガクブルです。 2009/3/6 maturi とりあえずこいつを見てくれ→Plus 護衛でチョイっと新品の耐久ユーロプラスを使ってみた結果なんですが、 1戦で2.2%耐久値が減り249ユーロ支給。→1%で大体113ユーロ。 「使い切った時点で貰えるユーロの合計額が決まっている」って前提で行くと (誤差とか希望込みで)12000ユーロ前後貰えるんじゃねえの!!!! 500円でそれだと他(覆面wWw)と比べてお得じゃないですか? というお話だったのさ… 2009/3/4 maturi 東方クランのナントカ魔理沙さんに「私東方同人作家だけど、その名前超キモイ」 的な事言ったら「嘘つくなこのカス野郎」的な事を言われたわけですが ところがどっこい嘘じゃねえから!!!!今年の例大祭には出ないけど… あとついでにカン高い声のB0B様…じゃなくてスカ?さん?晒しときますね→SKY 2009/3/4 slv せっかく芋ろうと思ったのにメンテじゃねえか! 2009/3/3 http //www.albinoblacksheep.com/flash/shoot お遊び感覚で毎日やってればAIMが良くなるかも! 2009/3/1 のまね 日記でも適当に書いてみましょうな企画 何も考えてない。更新は他人任せなんでよろしく。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1554.html
無機質な、白いホールが広がっていた ホールの中央には、イギリス清教の最大主教、ローラと池袋の黒い情報屋、折原臨也の二人が立っている。 「あ~、テステス。おお、繋がったようなのよ、折原!」 「それじゃあ、始めようか」 「突然で悪いのだが、貴様たちにはこれから殺し合いをしてもらいけるのよ」 ローラは、笑顔のままそう宣言した。 続いて、 「目的もないのにー、とか言われそうだから言っとこう。目的は暇つぶし。以上。」 あっけらかんとした理由に、ローラは苦笑しつつも、殺し合いの説明を始める。 ”最後の一人になるまで殺しあう” ”脱出は不可能、すると首輪が爆発する” ”武器が支給される、持ち物は一部を除き没収” ”能力にはある程度の制限がされている” ”三時間おきに放送が行われ、禁止エリアが発表される。” 一通りの説明を終えると、ローラの前に突如、一人の少女が現れる。 「おや」 「ジャッジメントですの!神妙に、お縄についてもらいますわよ」 風紀委員(ジャッジメント)、白井黒子。 しかしローラは眉ひとつ動かさずに、 「消去」 とつぶやいた、すると、黒子の肉体がその場で”弾けとんだ”。 「これが首輪の効力なのよ」 そして、唐突に映像は途切れ、絶望は、始まった。 【白井黒子@とある魔術の禁書目録】死亡確認
https://w.atwiki.jp/83452/pages/14584.html
子供の頃のことでした。 私は和ちゃんと憂と、すこし遠くの丘にピクニックに来ました。 てっぺんに立派な木が立っている丘です。 お弁当と水筒を持って、3人だけでやってきて、 私たちは少し息を切らしながらてっぺんまで到着しました。 唯「これが純ちゃんのなる木なんだね」 私はすべすべした幹を撫でて、木に寄り添いました。 ひんやりした表面の向こうにぬくもりのある木は、ざわざわと葉を風に揺らしました。 憂「そうだね、スズキノキだって」 和「枝折ったりしちゃだめよ」 唯「わかってるよ。それよりお腹ぺこぺこ!」 憂が作ってくれたサンドイッチの箱を開いて、木陰の下でみんなで食べます。 水筒の中身は飲みほしてしまったから、お茶は和ちゃんに分けてもらいながら。 ひとしきり食事をして、私は空を覆う純ちゃんの木の枝を見上げます。 唯「純ちゃん、なってないね」 和「純がなるのは6月ごろだからね。今みたいな春の時期は、まだ固いつぼみの時期だと思うわ」 唯「つぼみかぁ。それ摘んで持って帰ったら、純ちゃん育てられるかな?」 和「せいぜい花が咲くだけよ。それだけでいいなら摘んでもいいと思うけど」 唯「純ちゃんの花!」 和ちゃんがいいと言ってくれたので、私は幹につかまると、 しっかり靴底で挟んで純ちゃんのなる木を登り始めました。 憂「おねえちゃん、気をつけて!」 和「唯、木のぼり上手ねぇ……」 憂の心配をよそに難なく幹の分かれるところまで登ると、 私は枝の先のほうに向かって渡り、純ちゃんの花のつぼみを探します。 四つん這いでそーっと進んでいくと、不意にほっぺたに、 ぺたりと何か冷たいものがぶつかりました。 唯「ん?」 なんだろうと思って見ると、そこには人間の足のようなものがぶら下がっていて、 さらに見上げると葉っぱの陰で白い脚が伸びていました。 もしやと思って立ち上がると、やっぱりです。 遠くに見える甘栗色のダブルポンポン。 今いる枝よりいくらか上の方に、純ちゃんの実がなっていたのでした。 唯「わあ!」 私はすっかり興奮してしまって、 純ちゃんのなっている枝のところまでぴょんぴょん枝を跳んでいきました。 憂「お姉ちゃん、どうしたの?」 憂の声がします。 私は葉っぱの間から顔を出して、大きな声で言いました。 唯「純ちゃんがなってるの! えへへっ、あわてんぼさんの純ちゃん!」 憂「ほんとにー!」 憂も嬉しそうにぴょんぴょん跳びました。 和「早生りの純なんて珍しいわね。雨が降らないと純はうまく実をつけないのに」 和ちゃんは不思議そうな顔です。 これは後で教わった話ですが、 純ちゃんとは雨季の水分をたっぷり使ってみずみずしい実をつけるため、 日本では梅雨のある地域でしか育たないんだそうです。 だから梅雨の前に純ちゃんがなるなんてことはすごく珍しいことらしいです。 唯「すごくおっきいよ! 私たちぐらい大きい!」 私は純ちゃんの頭を枝からちぎりとり、大きな純ちゃんの実を抱きかかえました。 同時、純ちゃんがぱちっと目を開いて私を見つめました。 和「……ちょっと唯、まさか純をもいじゃったりしてないわよね?」 唯「へ? 今ちょうど採ったところだよ!」 和「ちょっ……あらら」 和ちゃんは頭を抱えます。どうしたのでしょう。 私は純ちゃんを背中につかまらせ、慎重に木を降りていきます。 季節外れの純ちゃんだけどちゃんと元気で、私につかまる腕はしっかり力をこめていました。 かろやかに地上に降り立ち、いったん純ちゃんを地面に置きました。 唯「和ちゃん、純ちゃん採っちゃだめだったの?」 和「だめってわけじゃないんだけど……」 和ちゃんが言葉をちょっと濁し、純ちゃんのほうをちらりと見ました。 つられて私も見おろしてみると、純ちゃんは地面にぺたりと座ったまま、私をじっと見上げています。 憂「純ちゃん、お姉ちゃんになついちゃったんだね」 唯「そうみたいだね。ふふぅ、かわいかわい……」 頭とあごを撫でてあげると、純ちゃんは嬉しそうに口元をゆるませました。 そして、私のズボンを掴んだかと思うと、脚に抱き着いて頬ずりをするのです。 和「……かわいいかわいいはいいけど、唯、ちゃんと純を育てられるの?」 唯「そりゃあ……まかせてよ。こんなにかわいいものを私は見捨てません!」 もしかして和ちゃんが気にしていたのはそんなことだったのでしょうか。 だったらそのくらい、ぜんぜん問題じゃありません。 和「そう? ……とにかく、純ってもぎとった人に懐く性質があって、完全にその人に依存するから」 和「ぜったい、いい、絶対よ。絶対お世話をサボったりしちゃだめだからね」 唯「う、うん」 和ちゃんは迫力たっぷりに言いました。 純ちゃんもちょっと怯えて、震えています。 純「……くしっ」 唯「あれ?」 なんて思っていると、純ちゃんがくしゃみをして、私のズボンに鼻をこすりました。 憂「お姉ちゃん、純ちゃん裸だから寒いんだよ」 唯「そっかそっか……よし」 私は上着を脱いで、純ちゃんの肩にかけてあげます。 純ちゃんはきょとんとした顔で着せられた服を眺めます。 私はもっと子供のころ憂にしてあげたように、純ちゃんの前のボタンをとめてあげて、 頭をぽんぽんと撫でました。 純ちゃんはまた鼻水をすすり、ちょっと照れ臭そうに笑いました。 私たちは純ちゃんを加えた4人でもとのように木陰に座りこんで、 帰る時間になるまで純ちゃんをみんなで観察することにしました。 あぐらをかいたところに純ちゃんはお尻をおさめて、私に寄りかかります。 ちょっと重いですが、下ろそうとするとむぅむぅと鳴いて怒ります。 しかたないので、そのままにしました。 唯「お腹は減ってる?」 純ちゃんの頭を撫でながら尋ねます。 純「……?」 憂「さすがに言葉はわからないんじゃないかな?」 憂がもっともなことを言います。 純ちゃんは私たちと同じくらい大きいけれど、いわば生まれて間もない赤ちゃんです。 言葉がわからなくても仕方ありません。 和「けど、純ってすごく賢い植物のはずよ。言葉くらい、毎日話してたらそのうち覚えちゃいそう」 今度は和ちゃんが言います。 純ちゃんと言葉で通じ合えたら楽しそうです。 唯「そうかな? 純ちゃん、お腹減った? おーなーか」 私は純ちゃんのお腹をさすりながら、もう一度きいてみました。 純「おーあーか?」 憂「しゃべった」 憂がみょうに小声で喜びます。 私も無言で頷きます。 唯「ちがうよ、お・な・か」 純「お、おなか……?」 唯「そう、おなか! 純ちゃんはおなか減ってる?」 ナチュラルに植物と会話している私たちは 傍から見たらちょっとおかしかったかもしれませんが、私たちは真剣でした。 純「へ、へ?」 和「唯、たぶんそれは難易度高いわよ……」 和ちゃんがつっこんだとき、ぐーっと音がして、私の手に振動が伝わりました。 憂「今の、純ちゃんのお腹の音?」 唯「うん、純ちゃん、お腹減ってるんだね!」 純「むぅ……」 純ちゃんはへそをまげながらも頷きました。 唯「憂、さっきのサンドイッチまだあったよね?」 憂「うん。純ちゃんに食べてもらおう!」 バスケットを再び開いて、小さなサンドイッチを手に取りました。 唯「はい純ちゃん、あーん。あー」 純「あー」 大きく口を開いてみせると純ちゃんも真似をします。 そっと三角サンドイッチを口に近づけ、舌に乗せさせてから口を閉じました。 唯「あむっ」 純「あむ……」 純ちゃんが口を閉じたのを確認してからサンドイッチを引っ張ると、 ほとんど元のままの三角形の角がするっと出てきました。 唯「あれ? 純ちゃん、歯を使うんだよ、歯。いーって」 純「いー」 今度は歯を見せながら口を開けて、同じように。 純ちゃんが歯でサンドイッチを噛みきるところがちゃんと見えて、安心しました。 すかさず、よしよしと頭を撫でてあげます。 純「む?」 純ちゃんはしばらく不思議そうな顔をしていましたが、 やがて口をもごもごと動かし始め、サンドイッチを自分で噛みつぶしていきました。 和「自分で気付いたわね……」 憂「純ちゃんすごい!」 唯「純ちゃん、ごっくんてして。ごくんっ」 私が喉を鳴らして見せると、純ちゃんもサンドイッチを飲みこんで、 ちょっとびっくりしたような顔をしました。 けれどそれから純ちゃんはもう要領を得たのか、私がサンドイッチを差し出すと口を開けて、 サンドイッチを口に入れてあげると自分で噛んで、飲みこんでいきました。 結局、残っていたサンドイッチを全部食べきって、純ちゃんは満足げな顔をしました。 唯「純ちゃん、おいしかった?」 純「うんっ」 意味はわかってないでしょうが、純ちゃんは素直に頷きます。 よしよしと言って頭を撫でてあげます。 純「んむぅ……」 と、純ちゃんがとつぜん不満そうに鳴いて、私のほうに振り返ります。 唯「あれ、どうしたの?」 純ちゃんは私にもたれかかるように抱きつくと、そのまま黙ってしまいました。 そのうち、すぅすぅと規則正しい寝息が聞こえ始めます。 唯「……寝ちゃった」 私は和ちゃんと憂を見ましたが、二人ともそうだねと頷いただけでした。 やがて日も落ちかけてきたので、私たちは帰ることにしました。 純ちゃんを抱っこしたまま下る丘はとても足が疲れましたが、 丘を降りてからは純ちゃんも目を覚まして、手を繋いで歩いてくれたので助かりました。 お家でも純ちゃんを飼うに際して特にお小言を言われることもなく、 純ちゃんは晴れて平沢家の一員となったのでした。 ―――― 純「……んが」 唯「んぐぅ……」 憂「お姉ちゃん! 純ちゃん! 朝だってば!」 唯「……はっ!」 純「……ん?」 夢を見ていたようでした。 憂の大きな声で目を覚まして、体を起こします。 唯「じゅーんちゃん。朝だよ」 横で寝ている純ちゃんをゆさぶり、ほっぺたをつねって起こします。 純「あうぁ……ひょ、ゆいひぇんぱい」 純ちゃんがうらみがましい目で私を見ます。 そんな目で見られても、朝が来たものはしょうがないのです。 唯「ほら、純ちゃん? 朝ご飯にするよ?」 純「……あ、はい。……あの、ちょっとその前にトイレ」 憂「純ちゃん、お下品だよ」 純「じゃあどう言ったらいいのさ! ……と、とにかく唯先輩たちは先に下おりててください」 唯「? うん、じゃあ行こっか憂」 憂「うん。純ちゃんも早くしてね」 純ちゃんとの暮らしも早いもので、もう7年になります。 たまに純ちゃんと出会った日のことを夢に見るから、 純ちゃんが被子植物だということは忘れていません。 制服を着て、高校に通って、ベースをひいたりする 普段の純ちゃんの姿を見ていると時々意識しなくなってしまいますが。 唯「……ねぇ、憂」 だけど、今日は純ちゃんが木の実であるということが気になったのです。 私は純ちゃんが来る前に、憂にちょっと声をひそめて言いました。 唯「最近、純ちゃんなんだか変じゃないかな?」 憂「……お姉ちゃんも思ってた?」 やっぱり憂も気付いていたみたいです。 最近の純ちゃんは、明らかにどこかおかしいです。 唯「昨日も寝付き悪かったし、子供のときの甘えんぼに戻ったみたいに私に抱き着いて寝たり、」 唯「なんか不自然にトイレに行くし、……それにね。今、憂って生理じゃないよね」 憂「へ? う、うん」 唯「ナプキンが減ってるの。純ちゃんに生理はないはずなのに」 憂「……生理が来たのかな?」 唯「それが、もうナプキン使って2週間も経ってるの」 憂も息をのみます。 憂「……どういうことなんだろう?」 唯「わかんないよ。純ちゃんに聞くしかない」 憂「それじゃあ……」 お姉ちゃんが、と言いかけたところで憂は口をつぐみました。 純「ふー。すみませんでした、先輩。憂もごめんね」 純ちゃんが部屋へ降りてきました。 憂「ううん、いいよ。謝ることじゃないし」 純「そ、そうだよね。そじゃ、いただきまーす」 憂「純ちゃん、手洗ったの?」 純「洗ったよ! 失礼な!」 そんなやりとりを聞きながら、私は思いました。 純ちゃんはなにか、人に謝らなければならないようなことをしているのでしょうか。 どちらにしろ、その詮索はあとにしておきます。 今日は軽音部がちょうど休みです。 私は学校へ行く道すがら、純ちゃんに部活を休んで帰るよう言いつけました。 むちゃくちゃな物言いでしたが、 純ちゃんは意外と素直に私の言いつけをのんで、そして実際に部活を休んで帰ってきました。 2