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・最近徒然あきこと法然ちゃんが可愛くてしょうがないです ・でも、私もなかなかの少女臭だと思うんですが・・・どうでしょう 『余計なお世話』 D.O 【ゆっくりについて真剣に考える!性的な意味含め】がスローガンの街、虹浦市。 この虹浦市の一角には、私の家もある、通称『ゆっくりタウン』なる地域がある。 別に、その地域中をゆっくりが埋め尽くしているとか言う意味ではない。 ただ、ゆっくりに対して、少なくとも積極的な悪意を持つも人は少ないこの市内にあって、 特にゆっくり愛護精神の強いセレブ市民が集中して住むのがこの地域なのだ。 適度に林や広場があり、道路も歩車分離がしっかりしている地域ということで、 ゆっくり愛護セレブ達が目を付けたのだろうが、 昔からここに住んでる私の家のような、古い木造2階建てのボロ家の周囲に、 小学校が入るかという規模の高級住宅が並んでいる様は、正直居心地悪い・・・。 そんなこともあり、私は今でもゆっくりが嫌いだ。 -------------------------------------------- 私の名前は法然、若くどころか幼く見られがちだが、一応女子大生だ。 遊ぶのは好きだし、遊ぶのは大好きだし、 勉強するのは嫌いな、ごく一般的な女子大生だと思う。 だが、大学というところは困ったことに勉強をしにいくところらしい。 そんなわけで今日は、自宅のちゃぶ台の上にパソコンと参考資料を広げ、 貯めに貯めたレポートを必死で処理中だったりする。 「う~む。ホント、間に合うかしら。・・・やばいかも。」 そして、いつまで経っても減らない課題の量にうんざりし、イライラしている私の隣には、 兄が私の反対を押し切って飼い始めた、飼いゆっくりのれいむがいた。 大人しくゆっくりしていればまだしも、過去類を見ないほどに大騒ぎしながら・・・・・・ 「おねーさん、すっごくゆっくりしてないよ、ゆっくりしてね!ゆっくりだよぉぉおお!!」 「うるさいわね。ここで死ぬか、どっか行って死んでよ。」 「どうじでそんなごどいうのぉぉおおお!?」 とにかくうるさい。 その動揺の仕方は、これまで我が家で育った数カ月でも、初めてというレベルである。 どうやら、れいむは私がゆっくりしていないのが見逃せないらしいのだ。 「ゆぁぁ、ゆっくりさせなきゃ、ゆっくりぃぃいい!!」 などと泣き叫びながら、もみあげをバタバタさせたり、ちゃぶ台の周りを跳ね回ったり、 ちゃぶ台の上に載って、私の顔を覗き込んだりしてくる。 「あんたがゆっくりしてよ。ホント、すごく邪魔なんだけど。」 「れいむがゆっくりしてないわけないでしょぉぉおお!?おねーさんこそ、ゆっくりしてよぉ!!」 「あんたが近くにいるだけでゆっくり出来なくなるのよ。」 「ゆぁぁああ!?やっぱりおねーさん、おかしいよぉぉ!! れいむをみてもゆっくりできないなんて、どうぢぢゃっだのぉぉおお!?」 はぁ。こう言う自己評価のやたら高いれいむのことを、世間ではでいぶと呼ぶのだろうか・・・ 「そうだよ!おねーさん、すーやすーやすれば、ゆっくりできるよ!」 ごろんっ、と横になるれいむ。 「れいむのおなかで、ゆっくりすーやすーやしてね!!」 「いつもはあんなに嫌がるくせに・・・うう、眠くなってきた。」 いつもれいむを枕にしているのが、こんな形で私を苦しめるとは・・・ ああ、柔らかそうなお腹に、頭をのせてあげたい・・・じゃない!! 「邪魔よ!とっとと出て行きなさい!」 「ゆ、ゆぁぁああ!!いっつもねてばっかりのおねーさんが、おねーさんがぁ!!」 「失礼な事言うな!!」 ますます落ち着きを無くして、オロオロと部屋中を跳ね回り始めてしまった。 失敗だ。 「ゆぅぅ、そうだよ!ちょっとまっててね、おねーさん!」 そう言うと、今度はれいむが私の部屋に作った『おうち』こと、 部屋の隅に横倒しにしたダンボールの中で、ごそごそと何かを探し始めた。 なんで私の部屋に作るんだろ・・・飼ってるのは兄のはずなんだけど。 ゴソゴソゴソ・・・ 「ゆっ!みつけたよ!!」 そして、ペンケースサイズのピンク色の小箱を取り出す。 「おねーさん!れいむのたからものをみせてあげるから、ゆっくりしてね!!」 そう言うと、れいむはその小箱を開け、中から宝石を散りばめたようにカラフルで、 ほのかに甘い香りのする消しゴムを取り出し、私に見せてくれた。 ・・・ていうかそれは、無くしたと思っていた私のペンケースだ。 「返せ。」 「ゆぴゃぁぁあああ!!どうぢでぇ!れいむのたからものなのにぃぃぃ!!」 「こっちも返してね。」 「ゆぴぃぃいいい!!れいむのたからばこさん、ゆっくりかえしてぇぇええ!!」 盗人猛々しい、と言うのとは違うか? まったく、ホントに迷惑な奴だ。 「おねえさんがつかってるとこなんて、みたことないのにぃぃ・・・。 れいむ、ずっとたいせつにぢでだのにぃぃぃ・・・。」 「いちいち失礼ね。私が普段勉強してないみたいじゃない。」 だが、これで諦めるれいむではなかった。 「ゆぅぅぅ、そうだよ!だーりん、だーりぃぃん!!」 ガラッ! れいむの呼びかけと同時に、部屋の扉が開く。 「どうした、マイハニー。」 「クソ兄貴!入ってくんじゃねぇ!殺すぞ!!」 兄の徒然のことは、そんなに悪い兄だとは思っていない。 優しく、顔もどちらかといえば端整で、兄の友人の話では、職場でも超がつくほど優秀らしい。 ただ、一つだけ問題があった。 れいむにベッタリ甘々なところが。 「だーりぃん。おねーさんが、ゆっくりしてないんだよぉ。」 「そうか、それは困った。ハニー、どうしようか。」 「きっとおねーさん、あまあまがたりないんだよ。だーりん、あまあまをもってきてぇ。」 「うん、ハニーの言うことなら間違いないな!よし、5秒で持ってくるよ!」 キッチリ5秒後、私の作業するちゃぶ台の上に、山盛りのケーキとシュークリームが置かれていた。 目の前で作業してたのに、いつの間に準備されたのかさっぱりわからなかった。 職場ではさぞ有能なんだろうな。 「おねーさん!」 「法然!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 ・・・・・・ちなみに、私は甘いものとゆっくりが大嫌いだったりする。 「二人とも出てけ。」 「「どうぢでぞんなごどいうのぉぉぉおお!?」」 --------------------------------------------------- 30分後。 ここは法然お姉さん家の庭。 ごく一般的な広さの庭は、数本の木が塀沿いに植えられ、 地面もキッチリと手入れがされた芝生で覆われている。 ここを手入れしているのは、もちろん徒然お兄さん。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりー!」 周囲のどの家でも、小学校の体育館が2~3個入りそうな広大な庭があるというのに、 隣近所の飼いゆっくり達は、いつも法然お姉さん宅の広くも無い庭をたまり場にしていたりする。 広すぎるとかえって落ち着かないらしいが、これは、野生の頃の習性か何かなのだろう。 「ゆっくりしていってね・・・」 「ゆゆっ?ゆっくりしてないよ?どうしたの、れいむ。」 「ゆぅ・・・じつはね・・・。」 そして今日もまた、れいむの友ゆっくり達は大勢集まり、井戸端会議を始めていた。 ちなみに普段の話題と言えば『ゆっくりしてる?』『ゆっくりしてるよー。』程度。 これで昼から日が暮れるまでずっとゆっくりしていられるそうなので、 飼いゆっくりという連中はよほど暇な様である。 「おねえさんが・・・ゴニョゴニョ・・・ゆっくりしてなくて・・・ゴニョ。」 「それはとかいはじゃないわね。れいむくらいゆっくりしてたおねーさんなのに・・・」 だが、今日の話題は法然お姉さんについての物になったようだ。 「おにーさんが、いちにちじゅうつくえにむかってると、げんじつでゆっくりできなくなるっていってたみょん。」 「いちにちじゅうむーしゃむーしゃして、すーやすーやして、ゆっくりしてたのに・・・わからないよー。」 「むきゅぅ、これはゆっくりしてないわね!ぱちぇもまどうしょで、げんいんをしらべてみるわね。」 「それじゃあ、さとりもおねーさんに、さぐりをいれてみますね。」 「じゃあふらんは、ドスにも知らせてくるね。」 「みんなェ・・・ゆっくりありがとうだよぉ。」 みんな、とても飼いゆっくりらしい、協力的なゆっくり達であった。 いつもみんなのリーダー的立場(問題行動の元凶とも言う)で元気一杯ゆっくりしているれいむが、 しょんぼりとしていたのだから、協力したいという気持ちもなおさらなのであろう。 そして、再びゆっくり達によるレポート作成妨害作戦が始まる・・・ -------------------------------------------- 「おねーさん、もうだいじょうぶだよ!ゆっくりできるよぉっ!!」 「今ちょうど、ゆっくり出来なくなったわ。」 れいむが普段良く遊んでいる、お隣のZさん家の飼いゆっくり4匹を連れて戻ってきた。 またうるさくなるなぁ。 「ゆっくりれっど!れいむ!」 「ゆっくりぶらっく!まりさ!」 「ゆっくりぶらっく!みょん!」 「ゆっくりぐりーん!ちぇん!」 「ゆっくりれっど!ありす!」 「「「「「みんなそろって、ゆっくりふぁいぶ!!」」」」」(キュピーン!) 「何で、レッドとブラックが2匹づついるのよ。」 Zさんはそっち系のマニアという噂を聞くので、この4匹も影響を受けたのだろう。 ファイブという単語は知っていても、恐らく意味はわかってないと思う。 「れいむはぶらっくにしてほしいわ。れっどは、とかいはなありすがやるのよ。」 「ゆっ?なにいってるの?ありすはいえろーさんでしょ?ゆっくりりかいしてね。」 「むほぉ!?ありすは、かれーらいすさんなんてたべられないのよ!れいむこそ、ゆっくりりかいしてほしいわ!」 私の迂闊な一言のせいで、さらにうるさくなってしまった。 「ぶらっくはまりさだよ!みょんはほわいとだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「みょーん。でも、ぶらっくはかっこいいみょん。」 「みょんはかっこよくなんてなくていいんだよ!だって、だって、みょんはとってもかわいいんだよ!!」 「み、みょーん!(ドキーン!)」 図らずも、カップルの誕生まで手を貸してしまったらしい。 と、ちぇんは一匹私の足元でゆっくりしている。 「あなたはあいつ等のお話に加わらないの?」 「ちぇんはぐりーんだからだいじょうぶだよー。かぶらないんだねー。」 「へぇ。(今度Zさんに、めーりんを勧めてみようかしら)」 ・・・・・・30分後。 「ゆっくりれっど!れいむ!」 「ゆっくりぶらっく!まりさ!」 「ゆっくりほわいと!みょん!」 「ゆっくりぐりーん!ちぇん!」 「ゆっくりごーるど!ありす!」 「「「「「みんなそろって、ゆっくりふぁいぶ!!」」」」」(キュピーン!) 「さっさと帰りなさい。」 みょんの頭上にはいつのまにか、まりさとの間にできた5匹の赤ゆっくりがぶら下がっているので、 ゆっくりファイブではなくゆっくりテンかもしれない。 ともあれようやく本題に入るらしく、 ブラック、もといまりさが、私に自信満々な顔で言い放った。 「ゆっくりふぁいぶがぜんりょくで、おねーさんをゆっくりさせるよ!」 「させるわ!」「わかるよー!」「みょーん!」 なんか、突っこむ気力もなくなってきた。 「・・・もう、どうでもいいから静かにしてね。」 むーしゃむーしゃ!むーしゃむーしゃ!! ゆっくりファイブがむさぼり食っているのは、 先ほど徒然兄が持ってきた、山盛りのケーキとシュークリーム。 見るだけで胸焼けがしていたケーキの山が、あっという間に無くなっていく。 ・・・なんか、あったらあったで気持ち悪かったけど、 ゆっくりに食われたと思うとすごく腹が立ってきた。 「「「「「ゆっくりごちそうさまでした!!」」」」」 などと考えている間に完食。 さて、これで私をどうゆっくりさせるつもりなのやら・・・ 「みんないくよ!!せーのっ!!」 「「「「「し、し、し、しあわせー!!!」」」」」 「・・・。で?」 「ゆっくりできたでしょ?ひっさつの、『しあわせーふらっしゅ』だよ!!」 「・・・・・・ん?」 説明しよう!『しあわせーふらっしゅ』とは、 ゆっくり達が普段行なう『むーしゃむーしゃ、しあわせー』の『しあわせー』を、 食事中ずっと我慢して完食し、5匹同時に『しあわせー』を行なうことで、 その蓄積されたゆっくり力を一気に放出、周囲の全ての生物を巻き込んで『しあわせー』にしてしまう必殺技なのだ!! 「そんなもん無ぇよ。」 どごっ!!×5 「ゆびゃんっ!?どうじでぇっ?」 「わからないよー。おねーさん、さっきよりごきげんななめだよー。」 「むほぉ。きっとおねえさんは、『ゆっくりのあんこくめん』にそまってしまったんだわ。」 「あ、『あんこくめん』だってー!?」×4 「そうよ、おねーさんはいま、どんなゆっく」 「出てけっ!!!」 「おそらっ!!!」×5 5匹はこの日、確かに空を飛んだ。 れいむはまっすぐゴミ箱へ、そしてみょん以外の3匹は窓から外の植木の茂みへと・・・ みょんは妊娠中なので一応配慮。 窓からポテンと軽く放り捨ててあげた。 「むっきゅ~ん。むっきゅりしらべおわったわ~。」 「ん、今度はお向かいのぱちゅりーね。何の用?」 円筒形のゴミ箱にすっぽり収まったれいむを、どうやって兄に気づかれないように処分するか考えていると、 向かいの凡さん家で飼われているけんじゃ(涙)のぱちゅりーがやってきた。 「む、むきゅ、れいむが、おねーさんをゆっくりさせてって・・・」 「出て行きなさい。それが、私をゆっくりさせる唯一の方法よ。」 「むきゅ~。そんなこといわないで! ぱちぇは、おねーさんをゆっくりさせるほうほうを、まどうしょからみつけてきたのよ!」 「・・・ふーん。一応言ってみなさいよ。」 「おねーさん!『かれし』と『でーと』すると、きぶんてんかんになるわ!」 「死ね!!」 ぱちゅりーはこの日、はじめて空を飛んだ。 道路を挟んだお向かいの玄関まで・・・ 「はぁ、本格的に邪魔しに来たようね。これは困った。」 などと思って玄関の扉を閉め、振り返ると 「さとりにはおねーさんのこころがまるみえなのです」 「うわぉっ!?驚いた。何!?さとり!?」 今度は私の真後ろにゆっくりさとり。 確かお隣の車田さんの飼い主だったはずだ。 ・・・ウチのれいむも、随分人気者ねぇ。 友達甲斐のある、いい友ゆっくりがいるわ。 私よりご近所づきあいいいんじゃない?迷惑だけど。 「うふふ・・・さとりに、かくしごとはできませんよ。 おねーさんがゆっくりできないりゆうを、すべてあばいてあげますね。」 言いたい事を言ってくるあたりも、これまでの連中とおんなじだ。 さすがれいむの友達。 「そんなのいいから、早く私を1人にしてよ・・・。」 「みえました。おねーさん・・・はやくひとりになりたい、とおもってますね。」 「帰れ。」 -------------------------------------------- はぁ、心配してくれるのは、正直悪い気もしないんだけど、状況が状況だけに、 素直に喜んであげるわけにもいかないし、困ったもんだ。 それにしても、勉強中の私って、そんなに違和感あるのかしら。 ちょっと反省した方がいいかもしれないなぁ。 でも、とにかく今日はレポートだ。 もう日も暮れて、追い込みに入らないとヤバ・・・ 「ゆっくりしていってね!!」 部屋に戻ると、ふらんをおさげにぶら下げた、私より図体のでかいドスがいた。 たしか2匹とも、我が家の裏手の豪邸に住むわん子さん17歳の飼いゆっくりだったか。 その体高4mを越える大柄なドスが、 部屋のど真ん中に・・・窓と天井を破壊して鎮座している。 破壊して・・・・・・ひでぇ。 「おねえさん、ドスがゆっくりさせてあげるよ!」 「ふらんもきたから、あんしんしてね!」 「ああ・・・うん・・・大丈夫・・・・・・・だいぶゆっくりしてきたから・・・」 ちなみに、ドスのあんよの下には、ぺしゃんこになった私のパソコン・・・ 外付けハードディスクも、フラッシュメモリも全部まとめて破片が見えている・・・ 壊れたかは知らないが、今日中にデータの復帰は無いだろう。 ・・・・・・終わった。 結論から言うと、私が抱えていた多数のレポートは、全て提出期限が延期されたので、 何の問題も無くなった。 ドスの件について飼い主のわん子さん17歳に話をした所、大変責任を感じたらしく、 学校に圧力をかけて期限を延期させてくれたらしい。 そうでなくても、パソコンの弁償と言って以前使ってたパソコンの50倍の値段の、 明らかにオーバースペックな代物をくれた上、 破壊されたハードディスクや他メディアからも、9割9分データを回収してくれたと言うのに。 やはり金持ちはやり方が違う。 -------------------------------------------- いやぁ、結果オーライとはよく言ったもので、 レポートも2度同じ課題を書くとなると、さすがにそれなりのクオリティのものができた。 課題の評価も上々、すっかり古くなっていたパソコンも新品になったし、 よかったよかった。 ゆっくり達には絶対感謝してやる気は無い。 ともあれ、そんなわけで現在は再び、れいむ達が慣れ親しんだ元の生活に戻っている。 れいむやその友達も、私がゆっくり並の怠惰な生活に戻ったのを見て安堵し、 最近は奇行に走ったりせず、今日も庭で井戸端会議をしているようだ。 全ての課題から解放された後に、無駄に時間を使うのってサイコー! では、今日は、落ちモノ系の対戦型パズルゲームで、れいむをコテンパンに叩きのめして溜飲を・・・ 「あれ?あ、ちょっ!?えぇぇ・・・4連敗・・・」 「げーむさんは、ゆっくりしてるね!」 「・・・オイ。あんた、私に何の恨みがあんのよ。」 そう、いつもそうなのだ。 このれいむは、いつも私の邪魔をする。 「ゆぅぅ!?どうしたの?ゆっくりしてないよ?」 「私に勝てって、いつ言ったのよぉぉおお!!」 「ゆぅぅぅぅううう!?」 私は、やっぱりゆっくりが大嫌いだ。 餡小話掲載作品 町れいむ一家の四季シリーズ→休止中につき、anko1374にてご確認あれ anko238.txt ぱちゅりおばさんの事件簿 anko394.txt ゆっくりちるのの生態 anko970.txt ごく普通のゆっくりショップ anko989.txt ゆっくり向けの節分 anko1042.txt みんな大好きゆレンタイン anko1052.txt 暇つぶし anko1061.txt 軽いイタズラ anko1136.txt お誕生日おめでとう! anko1149.txt ゆっくり工作セット anko1269.txt 愛でたいお姉さん anko1283.txt ありすの婚活 anko1363.txt 野良も色々 anko1367.txt 労働の意義 anko1374.txt anko1379.txt ドス対処法 anko1388.txt 赤い風船に乗せて anko1393.txt ゆっクリニックへようこそ anko1433.txt 良好な関係 本作品
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「あずにゃーん!ぺろぺろっ」 「やめてください、先輩!きもちわるい」 「ええ…」 「あ、いやそんな世界の終わりみたいな顔しなくても、すみませんでした、別にきもちわるくなんてないんです」 「……」 「ああもうすきですよ!ほんとにそう思ってたらもっと全力でいやがります!」 「え?ほんと!ありがとうあずにゃーん!これからもぺろぺろするねっ!」 唯「じゃあ~ほっぺから!ぺろぺろ~」 梓「んっ…うぅ…」 唯「あずにゃんのほっぺ、柔らかくてぷにぷに~♪次は~」 梓「ひゃうっ…ゆ、ゆいせんぱ…く、首は…だ、ダメぇっ…」 唯「あずにゃん、ここが弱いんだー…弱点発見!」 梓「うう…」 唯「次は…えへへー…」 梓「む、胸は…ダメです!」 唯「なんでー?」 梓「だって私の胸小さいし…」 唯「関係ないよー♪」 梓「え…あ、ああっ…はうっ…」 唯「あずにゃん、なんだかあまーい♪ぺろぺろ~」 梓「せっ…う…ひゃうぅ…」 唯「えへへ、かわいそうだしそろそろやめとこうか、ごめんねあずにゃ…」 梓「はぁ、はぁ…ま、まだです!今度は私の番です!」 唯「うえ!?きゃあ!」 梓「先輩…いいですよね?」 唯「え…あ、えっと…」 梓「いただきます!」 唯「あ、あずにゃん!?きゃ…あうっ…あっ…にゃう…」 梓「唯先輩…かわいい声出すんですね?」 唯「あ…あず…にゃ…」 梓「じゃあもっとかわいい声出してください!」 唯「ふ、ふわあぁっ…あ、あうぅ…やっ…あっ…」 梓「もっと!もっとです先輩!」 エロすぎる -- (jgft) 2012-01-18 14 26 34 Gutteisuto -- (あずにゃんラブ) 2013-01-21 21 47 45 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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ファイル→デュエルリプレイ→ロード No. 参加者名 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 01 てらわらじ terawaraji_1.log terawaraji_2.log terawaraji_3.log terawaraji_4.log(3位決定戦) 02 ぬこ 03 omantin 1_omantinVSぽかり.log × × × 04 壁 05 ひささびさ 06 切り干し大根 07 pikau 08 突撃ひとり 1_ひとりvs壁.log 2_ひとりvspikau.log × × 09 キタ 10 やるお 11 ぽかり 12 からなべ 13 くろす 14 saposhi 15 拡張VIP 16 kk 3回戦.log 3位決定戦.log 17 俺 俺vs拡張VIP.txt 俺vsくろす.txt × × 18 Rock 19 ななっしー
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あぼーん 作詞/1 作曲/876 895 入院したのは昨日の朝だった 退院したのはお墓の中だった \(^o^)/オワタ \(^o^)/オワタ 人生\(^o^)/オワタ ただのかるしうむー 音源 あぼーん876ver.mp3 あぼーん895ver Flash あぼーん(二代目)
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深い意味はなんにもない、某CMみてて思いついた小ネタ あねくろ名作劇場 ももたろう 「おじいさん、おばあさん! 育ててくれた恩返しに、鬼退治にいってくるよ!」 「おお……なんと立派な心がけだこと」 「がんばるんだぞー」 唐突に、何の脈絡もなく鬼退治に行くことになった桃太郎。 おじいさんとおばあさんは、その勇ましい背中を見送ります。 「それにして……いくら500年生きてるからって、おばあさんはないんじゃありません……?」 「まぁまぁ。私なんかおじいさんですよ? 性別すら違ってるんですから」 桃太郎が見えなくなってから、とほーんとため息をつくおばあさん。 そして苦笑まじりにそれを励ます、メガネの女おじいさんでした。 ……… …… … 「それにしても、やっぱり一人で鬼退治は無茶だよなぁ」 桃太郎は一人歩きながら、思案します。 「ボクが前衛を勤めるとして、理想は魔法使いの後衛と神官のサポートだよね」 やけに現実的な(ファンタジーだけど)ことをつぶやきながら歩いていると、前方から誰かが近づいてきました。 「桃太郎さん、桃太郎さん」 「おや? 君は……犬かな?」 やってきたのは犬さんでした。 「そうだワン。どっからどうみても犬だワン」 ものすげぇ説得力のない台詞、というか語尾です。 しかも、可愛くも無ければ頼りになりそうにも見えません。 「動物……。そっか、これは名作劇場なんだから話はあわせないとね」 桃太郎は実も蓋も無いことをつぶやき、犬さんに視線を合わせました。 「もしかして、お腰につけた黍団子をあげれば、鬼退治を手伝ってくれるの?」 桃太郎は先走り、腰につけたポーチから黍団子を取り出します。 「いえいえ、そのようなものはいりません」 「え、いらないの? じゃあ、タダで手伝って……」 「そんなのはボランティア集団にやらせてください。俺が欲しいのはですね」 次の瞬間、犬さんの目が怪しく輝きました。 「その、お胸にぶら下がったたわわな二つのふくらみなのです!」 「ひゃあああ!?」 一瞬のうちに狼に変貌した犬さんが、ルパン飛びで桃太郎に襲い掛かります。 「ふたつの胸のふくらみはなんでも出来る証拠だワン!」 思い出したかのようにウソくさい語尾を付けたし、桃太郎に抱きつく犬さん。 「こ、こんの……スケベ犬ーっ!!」 顔を怒りで真っ赤に染めた桃太郎の鉄拳が、犬さんの顔面にめり込みます。 クリティカルヒットです。 「みんみんみらくるっ!!」 犬さんはけったいな悲鳴を上げて吹っ飛びました。 「もう君なんか知らないっ! バーカバーカ!」 「ぶぎゅる!!」 桃太郎はぷんすかと怒りながら、犬さんを踏み砕いて先を急ぐのでした。 ……… …… … 「やれやれ、ひどい目にあったよ」 桃太郎はぼやきながら先を急ぎます。 「まぁ、あんなのどうでもいいよね。前にいても後ろにいても戦ってくれそうにないし」 実はああ見えて、魔法を無力化できるという力を持っていたのですが、神ならぬ桃太郎には知る由もありません。 「桃太郎さん、桃太郎さん」 と、そんなとき、またしても前方から声をかけてくるものがいました。 「おや……君は、お猿さん?」 それは黒髪のお猿さんでした。 「そうです、お猿さんです。う、うっきー」 お猿さんは恥を捨てきれない様子で、赤面しながら言いました。 (か、かわいい……♪) 思わずときめいてしまう桃太郎。 「えっと。もしかして、この黍団子をあげたら鬼退治手伝ってくれるのかな?」 桃太郎は期待をこめて、またしても先走ってたずねます。 今度のお猿さんは、さっきの犬さんよりもずっと頼りになりそうです。 鍛え上げられた拳と、首からさげた聖印がお猿さんの正体を物語っているからです。 「はぁ……鬼退治はやぶかさではないのですが……」 「で、ですが?」 「いかんせん、私の孤児院の子供たちを食べさせるのに、黍団子ひとつふたつでは到底足りないんですよ」 「………」 「せめて鬼退治の間、苦労せずに食べていけるだけの米俵などなら喜んで賛同したのですが……申し訳ありません」 お猿さんはそういうと、ぺこりと頭を下げて孤児院へ向かって帰っていきました。 「な、なんだよ! じゃあ最初から声かけてこないでよ!!」 桃太郎は理不尽な怒りを虚空に向かってぶつけるのでした。 ……… …… … 「まったくもう……期待したボクがバカだったよ」 桃太郎はいじいじしながらも先を急ぎます。 「そうだよ、ボクから話を振るのが間違いなんだ。歌でも向こうからお供にしてっていってくるんだし」 ようやく自分の間違いに気づいた桃太郎は、今度のお供候補こそ逃がすまいと、鋼鉄の自制心を養いながら道を歩きます。 「………」 そうしていると、前方にまたしても誰かが待ち構えていました。 「君は……雉さんかな?」 「……けーん」 鳴き声から察するに、雉さんに間違いないようでした。 「け、剣?」 しかしちょっとおつむの足りない桃太郎は、雉の鳴き声を知らないのでした。 「………」 桃太郎の疑問は、華麗にスルーされてしまいました。 「………えっと」 無言の重圧。 桃太郎ははっとなり、先走るなと自分に言い聞かせます。 「……」 「……」 「……」 重苦しい沈黙が続きます。 「あの、えっと」 「……ケーン」 「……うう」 「……ケーン」 そっけない雉さんの態度に、ついに桃太郎の心が折れてしまいました。 「な、なんでもないよ。ごめんね、時間とらせちゃって……」 桃太郎は結局、トボトボと肩を落としてその場を去っていきました。 「……ケーン」 ……… …… … 「あーあ。とうとう一人でここまで来ちゃったなぁ」 桃太郎は鬼が島へと向かう船着場で、ため息交じりにつぶやきます。 彼女の後ろに、付き従うお供は誰一人としていません。 「一人で行けるかなぁ……無理だろうなぁ」 こんな後ろ向きなヒーローも珍しいものです。 「うーんうーん」 このまま乗り込むべきか、どこぞの酒場ででもいいから仲間を募るべきか。 そんなとき、名案が思い浮かびました。 「そうだ!」 ……… …… … 「つのつの一本、赤鬼どんだお~( ^ω^)」 「つのつの二本、青鬼どんですよ( ゚∀゚)o彡゜」 その頃、鬼が島では鬼たちがどんちゃん騒ぎをしていました。 タンゴのリズムで踊り狂います。 「むしろ、しこしこ一分、早漏どんだな」 「ではわたしは、角が二本よりおっぱいふたつがいいですね」 「……わけがわからんぞ」 「ではおっぱいいっぱいでは?」 「……だまっとれ」 「それよりタイクツー。なんか面白いことないのー?」 「おお、頭領が暇をもてあましておられますお( ^ω^)」 「では私がひとつ、芸でも」 「おっと、ゲイなら俺に任せてもらおうか」 「そのゲイじゃないお!」 まるでバカの集まりとしかいいようのない空間です。 本当にこいつらが世間を恐怖に陥れている鬼たちなのでしょうか。 「たのもー!!」 「おっおっ、いいとこなのになんだお?」 桃太郎が乗り込んできたのは、そんなときでした。 「悪い悪い鬼たちめ。悪行の限りもここまでだぞ! おとなしく成敗されなさい!」 「なーにー? 殴りこみ? どこの組のもんよー」 「組じゃない! 桃太郎だ!」 「なに? ホモ太郎だって?」 「桃太郎!!」 「だから、俺の配下のホモタロスの紛いモンだろ?」 「そっちがまるっとパクリキャラじゃないかー!!」 このままではラチがあきません。 桃太郎は無理やりお話を先に進めました。 「とにかく成敗ったら成敗だい!」 「はん。鬼四天王と鬼の頭領のアタシ相手に、たった一人でやろうっての?」 「一人じゃないよ!」 挑発する頭領に、桃太郎は威勢よく言い返してやりました。 そして半歩身を横にずらすと、その後ろから二人の人物が現れます。 「ぷっ。ばーさんとじーさんだおwwwwwwwwww」 「これはこれは舐められたものですねぇ。ただ、その年寄りメイクがなければ、なかなかのおっぱいの持ち主ですが( ゚∀゚)o彡゜」 「男装した女を掘る趣味はないんでね。無論、掘られる趣味もだ」 「……あの二人、できる」 おちゃらけた三人とは違い、一人冷静な判断をする熊鬼どん。 果たして、その慧眼はどんぴしゃりだったのです。 「やっぱりバカにされてますね、おばあさん」 「まさかお供になってください、って桃太郎が戻ってきたことが異常ですからね、もっともでしょう」 そういって苦笑したおばあさんは、すっと手にした杖を鬼たちに向けました。 「むにゃむにゃむにゃ~~~~~(なんか凄い呪文)」 どかあああああああん!!!! 「だおー!?」 「おおおおお!?」 「アッー!!」 「むおっ!?」 なにか反則的な魔法の爆発に吹き飛ばされ、四天王たちは悲鳴を上げます。 「ちょ、ちょっと! なんなのよこの反則的なばーさんは!?」 「さっきからばーさんばーさん、さすがにカチンと来ますよ?」 どかあああああああん!!!!! 「うひゃあああ! ちょっとあんた! こんなところまで出張ってきて、国はどうするのよ!!」 「あら。だって今の私はしがないおばあさんですよ? おばあさんに守るべき国なんてありませんもの」 ずどおおおおおおん!!!! 「そ、そんな理屈、アリなわけ!?」 「アリです。アリアリアリーヴェデルチです。覚えておいてください、私に守るべき国さえなければ、魔王なんて……」 ずぎょおおおおおおん!!!! 「ひいいいいいい~~」 ……… …… … こうして鬼は退治され、世界に平和は戻りました。 ありがとう、おばあさん。さようなら、おばあさん! 「……あれれー。ボクの活躍がないよー?」 「私なんかもっと悲惨ですよ。お供として連れてこられたはずなのに、台詞たったひとつですから」 おわり キャスト 桃太郎…ルーシィ 犬さん…舞人 お猿さん…エフィー 雉さん…アリス 頭領…ミレイア 赤鬼どん…ブン 青鬼どん…ジョルジュ 熊鬼どん…ベア 阿部鬼どん…アーヴェ おじいさん…メイ 真のヒロインおばあさん…ルネ いじょ
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すみれ プロフィール(スリーサイズ、カップ情報) スミレ 生年月日:1990年07月15日(31歳) 身長:175 体重: B:85 W:63 H:90 カップ: 備考:父は俳優の石田純一、母は女優の松原千明。 Wikipedia: https //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%99%E3%81%BF%E3%82%8C_%28%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%29 関連URL: 所属アイドルグループ コンテスト 出演ドラマ 関連タグ:すみれ
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「ふーん」とか「へぇ」から派生した生返事の一種。 言われるとなぜだかちょっとだけイラッとする。 よく俊野と野中(両方07入部)が使っているようすが見られる。 語録/ナ行に戻る
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どーん! 非公式 里中千枝が使う追撃の愛称。 効果は「敵一体を回し蹴りで画面外に吹き飛ばし、即死させる」という恐ろしいもの。 愛称の由来は蹴り飛ばす瞬間に千枝が「どーん!」という掛声をあげるためである。 仲間達の追撃では唯一の即死効果を持ち、中ボスクラスのシャドウでも追撃が発生した場合、問答無用で即死させる。 闇・光系魔法とは違い、こちらは発動すれば100%成功する。 なお、内部的には物理攻撃のクリティカルで32767の固定ダメージを与える効果となっており、この与ダメージは符号付き16ビットのカンスト(16進数でFFFF)であり、数値で見れば15000のHPを持ち、妹や弟と同じ9999のメギドラオンを行う裏ボスも真っ青である(あちらのメギドラオンは全体だが)。 某動画サイトのチートを利用した動画では物理無効には効果が無く、物理吸収だと吸収され、物理反射だと反射されてしまうため、正確に「物理攻撃」であることが判明している。反射されると、仲間の場合はコミュランク9以上でなければ即死し、主人公の場合は「食いしばり」か「不屈の闘志」を持っていなければイゴることになる。 ちなみに、この追撃の仕様を判明させた動画では、千枝に限らず他の仲間達も「どーん!」している。 仲間の「どーん!」の動作は追撃するときの動作がそのまま適用されるが、主人公だけは追撃の動作が存在しないため、ペルソナチェンジの動作が使われる。 端から見ればビンタで「どーん!」しているようにしか見えない。更に物理攻撃のクリティカルであるため、システムの仕様上1MOREも発生している。 恐ろしいことに、ラスボスまでも「どーん!」で葬られる始末である。 「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」では仲間が控えにいる場合、追加要素である出張追撃が確率で発生するが、千枝の場合は原付で体当たりして「どーん!」する。効果は通常の追撃と同じで、シャドウを即死させる。 また、アークシステムワークスと共同開発した格闘ゲーム「ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ」においては、「霧雨昇天撃」→「どーん!」までがセットで千枝の一撃必殺技となっている。 技の名称は「霧雨昇天撃」であるが、実質は「どーん!」が技の主体である。ストーリーモードでは、彼方へ蹴り飛ばして星にしておきながら、戦闘後は普通に会話が始まるなど、かなりシュールな光景となっている。 関連項目 里中千枝
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憂「ほら、みてみてお月さま!」 唯「ほんとうだ、綺麗だねえ」 皆さんこんにちは、平沢憂です 今日はお姉ちゃんと一緒に宇宙にやってきました! まん丸な宇宙船の窓からは地球で見るよりも大きなお月さまの姿が見えます 憂「うん! とってもおっきいねえ!」 唯「ういーテンション上がりすぎだよー、あはは。 唯「でもねでもね、お月さまより憂の方がずっとずっと綺麗だからね」 憂「お、お姉ちゃん」 こんなこと言っちゃうなんて……どうやらお姉ちゃんの方が興奮してるみたいです でも、それも不思議はありません。 だってこれから二人で、あのお月さままで行けるのですから 憂「地球も見えるよ」 唯「さっきよりずっと小さいや。もうこんなに遠くに来ちゃったんだねえ」 憂「そうだね・・・」 まっくらな空間にひとつきりで浮かぶ青い地球の姿は、なんだかさびしく見えます 何十億年もの間、地球はずっと孤独だったのでしょう 唯「どうしたの?」 憂「ううん、どうもしないよ?」 唯「なんか悲しそうな顔してたよー」 そんな顔をしたつもりはないのですが…… お姉ちゃんはこういうときとっても鋭くて、いつも私をびっくりさせるのです 私はお姉ちゃんにさっき感じたことを話しました お姉ちゃんは話を聞き終えるとまじめな顔をして一回うなづくと、 それからにっこりと笑って私の手をつかみました 唯「大丈夫、一人じゃないよ」 憂「?」 唯「ほら、だって!」 お姉ちゃんは、私の手をつかんだまま窓の外を示しました 唯「地球はいつもお月さまと一緒なんだから」 憂「・・・うん! 一緒だね、お姉ちゃん!」 唯「それにね、毎日お日様も月と地球を照らしていてくれるし、 火星や水星や木星やテンモーセイも一緒なんだよ。」 唯「こんなに仲間がいっぱいいる地球は一人ぼっちじゃないからね」 憂「お姉ちゃん、テンモーセイじゃなくて天王星だよ」くす 唯「てへへ、そうでした」 たしかに地球はひとりではありません お姉ちゃんのぬくもりを手に感じながら眺める地球は 孤独な惑星なんかじゃなく、しあわせな宝石です。 憂(ずっと一緒・・・お月さまと地球って、私とお姉ちゃんみたいだな) 思わずそんな恥ずかしいことも考えてしまいます 唯「うーいー」 憂「ふえっ、なに!?」 また心の中を読まれてしまったのかと思って慌ててしまいます 唯「機械がピーピーなってるよ。これからどうするんだっけ」 憂「あ、そろそろ着陸が近付いてきたんだね」 唯「ボタンがいっぱいあって分からないよお」 憂「ちょっと待ってて、取扱説明書を読むから。えっと・・・」 唯「てきとーに押せば大丈夫かな?」 憂「うん、適当に・・・ってだめだよお姉ちゃん!」 唯「え・・・もう押しちゃった・・・」 憂「お姉ちゃんのばかあ!墜落しちゃうかもしれないのに!」 唯「どうしよう・・・」 お姉ちゃんがどんな操作をしたのかは分かりませんが、 コンピュータの表示や窓外の様子からして宇宙船はますます月に近づきつつあるようです 唯「うい・・・ひらさわ号墜落しちゃうの?」 憂「わかんない、・・・たぶん、大丈夫だと思うけど」 憂「念のため宇宙服を着て椅子に座ろう?」 唯「うん」 さっきまで静かだった船内はしだいに振動をましてきています 月の重力圏に捉えられた影響なのでしょうか 地球よりずっと弱く、人間の身体がふわふわと浮かびあがるような月の重力でも 金属製の宇宙船にははっきりと作用するのです。 私たちはコクピットに備えられた席につき、シートベルトを二重に巻いて着陸を待ちます がたがたとした震えが、船の振動なのか、自分の身体の振動なのかわかりません 私は墜落のこわさからぎゅっと目をつぶっていました ふと、右手に違和感を感じて目を開くと、お姉ちゃんの分厚い手袋越しの手が私に重ね合わさっていました 唯「ねえ、憂。お月さまで兎さんに会えるかなあ」 憂「月に兎さんはいないと思うよ」 唯「ええー、いるよお。学校で習わなかったの」 憂「うーん・・・」 唯「月には兎さんが暮らしていて、お餅をついてて」 唯「あっ、それから海もあってお魚さんが獲れるかも!」 唯「兎さんいっぱいいたら一匹くらい連れて帰っちゃだめかなあ」 憂「ふふふ」 お姉ちゃん、本当に兎さんを信じてるのかなあ あまり言ってお姉ちゃんの夢を壊したらいけません けれど、お姉ちゃんのおかげでさっきまでの怖さはなくなってしまいました 唯「着いたっ!」 船は無事に月面へと辿り着きました 憂「うん、よかったあ」 唯「扉あけるよお」 憂「うん!」 そして三重構造の隔壁を越えた外の景色は、一面の月世界! 憂「お姉ちゃん、月を歩くときはかるーくジャンプするんだよ? あわてちゃ駄目だからね?ヘルメットも取ったら危ないよ、それから」 唯「そんなに言わないでも平気。憂こそ転ばないでね」 言うがはやいかお姉ちゃんはぴょんぴょんと飛んで先に行ってしまいます 唯「ぴょーん、ぴょーん」 憂「わっ、待ってお姉ちゃん」 地球から遠く離れた大地を、ゆっくりと踏み締める 宇宙服ごしの脚に伝わる感触は、かたいようなやわらかいような不思議なものでした 唯「ふんす!」 憂「? お姉ちゃん、何やってるの?」 唯「この一歩は人類にとっては小さいが、平沢姉妹には大きな飛躍である!」 憂「それって逆なんじゃ」 唯「これでいいの。さあ、憂もどんどん一歩を踏み出そう」 私たちは二人並んで月面を進んでいきます 唯「ぴょーんぴょーん」 憂「ぴょーんぴょーん」 唯「ぴょーんぴょーん」 憂「ぴょーんぴょーんっ」 私たちの宇宙服は臍帯のようなビニール被覆の長いケーブルでつながれています あたりは静かで、ケーブルとスピーカが届けてくれるお姉ちゃんの息遣いと 自分の動作音しかしません。 小高い丘のてっぺんにさしかかったところで私たちは立ち止りました 唯「ぴょーんっ・・・と、ずいぶん進んだね。ひらさわ号があんなに小さく見えるや」 憂「お姉ちゃん、二人っきりだね」 なんだか急に照れくさくなります 唯「この景色ぜーんぶ憂のものだよ!」 憂「私そんなに欲張りじゃないよお。半分はお姉ちゃんにあげる」 唯「おお、こんなに広いとごろごろしきれませんな」 憂「えへへ・・・お掃除も大変そう」 唯「こんなに綺麗なのは兎さんがお掃除してるからかなあ」 憂「どうだろうねえ」 唯「どうなのかなあ」 唯「ちょっと汗かいちった」 憂「・・・あれ、なんだろう?」 ひらさわ号とちょうど反対側の斜面の向こうに何か人工物らしきものが見えます 唯「行ってみよう」 憂「お姉ちゃん待って」 通信ケーブルでつながった二人は一定以上離れられないのです 憂「もしかしてアポロの忘れものかも・・・」 唯「ごみを捨てていくなんてひどいよ!」 憂「これは、アポロではなさそう・・・」 人工物は何かの乗物から切り離された部品のようです しかし、それはどうみても数十年も昔のものには見えません ひらさわ号に搭載されているのと同系統のデザインでした 唯「あっ、向こうにも落ちてるよ!」 言われてみれば確かに、少し行った先にも、そのまた先にも人工物の影がありました 人工物は点々と曲線を描きながら遠くまでつながっています 唯「こんなお伽話ってあったよね。兄妹のお話」 ぴょーんぴょーん、と人工物の道筋を跳ねていきます お姉ちゃんから離れないように気を使っていると、自然にリズムは同じになって ぴょーん、ぴょーん 私たちは跳ねる二匹の兎さんみたいです ぴょーんぴょーん ぴょーんぴょーん この乗物の持ち主は一体どうしたんだろう? 月ではものが風化しないので経年劣化のようなものは見られませんが、 しかし機械のつくりからしても、これは絶対に最近の宇宙工業製品です ひょっとして、なにかのトラブルに巻き込まれてしまったのでしょうか…… 宇宙でのトラブルは命の危険をもたらしかねない恐ろしいものです だとしたら……この跡を辿ってその向こうに行こうとしてるのも、 危険な行動なのかもしれない 不安におそわれて「引き返そう」と提案しかけた、その時でした。 「うわーん!」 急に声が聴こえたのです 二人して顔を見合せます 唯「今の憂・・・じゃないよね」 憂「うん、今のって・・・」 空気のない月面では音も声も存在しません 今のはどこかの無線電波をキャッチしたスピーカからの音声です 「誰か助けてー!」 憂「お姉ちゃん・・・こわい」 唯「向こうに誰かいるんだ。助けに行かなくちゃ!」 私の手を引いてお姉ちゃんは駈け出しました 声は何度もとぎれとぎれに届きます 唯「ひょっとしてこの声・・・」 憂「?」 唯「なんだか聞き覚えのある声なんだけど・・・あっ、あれ!」 憂「えっ!?そんな!?」 あまりの光景に目を疑ってしまいます そこにいたのは身近な友人たちでした 唯「やっぱり、澪ちゃんだ!それにあずにゃんまで!」 憂「どうしてこんなところに・・・いや、そんなことより」 唯「おーい二人ともー」 お姉ちゃんは手を振りながら二人に駆け寄って行きます 目の前の出来ごとの異常さを気にしていないのかな 確かにあれは澪さんと梓ちゃん…… でもその二人は、たくさんの兎の群れに囲まれて立っていたのです! 2
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・期待を裏切られた的なコメがあったので、anko1456のおまけ ・エロ要素無し・パロディ要素あり。 元ネタを知らなくても楽しめるようにはなっております。 『続・奇跡の公園』 D.O ここは、田舎というほど田舎でもなく、ごくごく普通の町の公園。 樹林公園などと呼ばれていることからもわかるように、 まばらに木が植えられ、芝生の緑も心地よい、人工的な自然が作られた公園だ。 人間の町では常に死のふちへ立たされるゆっくり達も、 この公園の中でだけは、故郷の山の自然を感じながら暮らすことが出来る。 いわゆるゆっくりプレイス・・・。 いつからであろうか、この公園が『きせきのこうえん』と呼ばれるようになったのは。 公園のゆっくり達が病に苦しむ時期になると、フラリとやってくる一人のお兄さん。 彼は、ゆっくりの万病に効く薬によって、公園に住む全てのゆっくりを病から助けだしてくれた。 ゆっくり達は、今では信仰にも近い想いで、お兄さんに感謝するのだ。 おにいさん、ありがとう。 おにいさん、ゆっくりしていってね。 おにいさん。 おにいさん。 おにいさん・・・・・・。 ----------------------------------------------- 春も終わりの頃。 ここは【奇跡の公園】からすぐ近くにある、小ざっぱりとした空き地だ。 野良ゆっくりが土管の中やらプレハブの裏やらにちょこちょこと住み着いている。 ぽゆゆ~んっ!! 「ゆぴぇぇっ!?」 その空き地内にゆっくりの体当たりの音、そして悲鳴が響いた。 「な、なんなの?またありすなの!?」 ゆっくり達の視線が集中する先には、興奮しきった表情の、一匹のありすがいた。 「むほぉぉ、むほぉぉぉ、どうしたの、れいむ!かかってきなさい!!」 「ゆひぃ、いぢゃいぃ・・・。」 「どうせありすは、もうすぐしぬのよ!!すきかってにいきてやるわぁっ!!」 「ゆぅぅ、ごはんのよこどりは、ゆっくりしてないよぉ・・・。」 れいむのもみあげには、一匹のイモムシ。 どうやらこれを、ありすが力ずくで奪おうとしているらしい。 「「「ゆわぁぁあ!またありすがあばれてるよ!!にげてね!みんなにげてね!!」」」 空き地は大して広くもなければ、住み着くゆっくりも少数なので、争い事など滅多に起きない。 馴れない争いに周囲のゆっくり達もすっかり怯えて、あっという間に空き地は大騒ぎになってしまった。 そこに、ちょっとした異変が起こった。 公園内では見たことのない一匹の野良まりさが、 まるでそこで、何も起きていないかのように近づいて行ったのである。 「ゆゆっ!?あぶないよ!ゆっくりとまってね!」 皆止めに入るが、野良まりさはためらいもせずに、争うありすとれいむの間に入っていく。 そして・・・ 「むーしゃむーしゃ、しあわせー。」 「「・・・どうしてたべちゃうのぉぉおお!?」」 争いの元凶、イモムシさんを横取りして美味しく頂いてしまった。 「む、むきゅ~。いいどきょうしてるわ。」 「ゆふん。まりさはけんかなんて、こわくないのぜ!ゆっへん!」 いまだ呆然としているれいむとありすを尻目に、空き地長のぱちぇと野良まりさは、 和やかムードでお話を始める。 「それにしても、なにがあったのぜ?ちょっとありすもやりすぎなのぜ。」 「むきゅきゅ、しょうがないのよ。あのありす、【きせきのこうえん】の、いきのこりなんだもの。」 「ゆゆっ!?」 そこで、初めて野良まりさが驚きの表情を浮かべる。 それはそうだ。 野良まりさの目的地こそ、今やゆっくりの楽園と名高い【奇跡の公園】だったのだから。 と、その時、談笑しているぱちぇと野良まりさの間に、先ほどのありすが飛び出してきた。 「むほぉぉっ!!ありすのいもむ『どむっ!!』ゆびぇぇ!?」 「ゆっゆっゆ!せんてひっしょうなのぜ!!」 さすがに野良まりさも容赦ない。 ありすが話している間に、さっさと一撃体当たりを入れて、黙らせてしまった。 「いもむしさんなんて、どうでもいいのぜ!そんなことより、【きせきのこうえん】のことをきかせるのぜ!!」 「むほぉ・・・むほぉ・・・わ、わかったわ・・・」 ゆっくりと話をするときは、とりあえず一撃入れて力の差をわからせてからの方が良い。 人間でもよく使う手段によって、野良まりさは、ありすから話を引き出すことに成功したのであった。 「あ・・・あのこうえんは・・・」 ----------------------------------------------- あれは越冬よりも前、秋よりも、夏よりも前の、春だったわ・・・ あの公園は、たくさんのゆっくりが住んでいたんだけど、 おちびちゃん達はほとんど全員が、それに、ありすみたいなおとなのゆっくりもたくさん、病気になってしまっていたの。 そんな時に、あのお兄さんがやってきたのよ。 お兄さんは、白いお薬をたくさん持ってきてくれて、病気のおちびちゃん達に飲ませてくれたの。 ありすも、おちびちゃん達もみんな、みんな元気になったわ。 ・・・・・・。 でも!お兄さんは突然変わってしまったのよ!! あの、ゆっくりしたお兄さんは突然、虐待鬼意山になってしまったの! お兄さんはありす達を『かわいそうな野良』って呼んで、次から次へと酷い事をしたの! 公園は・・・公園は、ゆっくりプレイスじゃなくなったわ・・・・ 嘘?嘘じゃないわ! だって、ありすもお兄さんに体をいじられて、こう言われちゃったのよ! 『ありす、お前は、産まれて3回目の越冬を迎えることなく、死ぬ。』って・・・ ----------------------------------------------- 「た、たすけて・・・ありす、もう2かい、えっとうしちゃったのよ・・・」 「そ、そんなのうそなのぜ!?おにいさんが、かってなことをいってるだけなのぜ!」 「いや・・・いやぁ、ありす、まだしにたくないぃぃ・・・むほぉぉおお!!」 その時、ありすはついに恐怖に耐えられなくなり、 野良まりさを弾き飛ばすようにして走り去ってしまった。 そして、空き地から転げだすように道路に飛び出した瞬間、 ぐしゃんっ!!・・・・ブロロロロ・・・・ ありすは、道路を走り抜ける自動車に踏み潰され、その命を散らせたのであった。 お兄さんの予言どおり、3回目の越冬を迎えることなく・・・・・・ 「む、むきゅぅ・・・ほんとに、しんじゃったわ・・・」 「「「わからないよー。」」」 周囲にいたゆっくり達も、あまりの恐怖に表情が定まらず、プルプルと震えるばかり。 だが、百戦錬磨の野良まりさだけは、ありすの遺体から視線をそらさず、 そして、ぱちぇに話しかけた。 「ぱちぇ・・・おにいさんのおうち、どこだかしってるのぜ?」 「え、ええ、あのおにいさんなら、よくみかけるから、おうちならわかるわ・・・むきゅ!?」 野良まりさの表情は、決意を固めたゆっくりの表情そのものであった。 「まりさは・・・まりさは、おにいさんをたいじするのぜ!!」 ----------------------------------------------- ここは、先ほど話題になった鬼意山宅。 魔王の城のようなものではもちろんなく、 ごく普通の木造2階建て住宅である。 だが、その1階にある和室では、ゆっくり用の小さな手術台があり、 そこには恐らく公園の野良であろう、一匹のみょんが寝かせられていた。 みょんは逃げようと体を捻るが、ベッドに皮ベルトでくくりつけられているため、逃げられない。 「フ・・・心配するな。新しい治療法の究明だ。」 「な、なにするみょん?やめるみょん!ゆっくりできないみょーん!!」 みちっ!・・・みちみちみちっ!! 鬼意山の指が、みょんのお腹を突き破り、中の餡子をこねくり回している。 「み・・・みょっ!?ごぼぉっ!?ごぼごぼごぼ・・・」 そして、鬼意山が指を抜くと、不思議なことにその傷口はあっという間に塞がった。 だが、傷一つ無いにも関わらず、みょんの口からは大量の餡子が吹き出し続ける。 やがて吐餡は収まったものの、みょんは2割方小さくしぼみ、しゃべる事も出来ないほどに憔悴してしまった。 「ふむ・・・俺の求める治療法には程遠い。」 鬼意山は、不吉な笑みを浮かべる・・・。 ----------------------------------------------- ガシャーンッ!! その鬼意山宅に、窓ガラスの割れる音が響いた。 「フッフフ・・・玄関から来ればいいものを。窓から入るとは、ゆっくりは未だに成長していないらしいな。」 鬼意山が音のした和室へ向かうと、そこには一匹の精悍な野良まりさがいた。 無論、ぱちゅりーに案内された、あの野良まりさである。 「どうして・・・どうしてかわっちゃったのぜ、おにいさん。」 「ん~?なんのことかな?フフフ・・・」 野良まりさは、信じられなかった。 なぜなら、この野良まりさこそ、かつてお兄さんにお薬をもらい、 死の病から救われた赤ゆっくりの一匹だったのだから。 その後、同年代の多くの赤ゆっくり達は、事故や事故や事故などでこの世から去っていったが、 この野良まりさだけは幸運にも生き延び、立派なおとなのゆっくりとなって公園から旅立った。 そしてこのたび両親に、旅先で出来た自分の家族を紹介するため、この公園へと戻ってきたのである。 ちなみに、家族は旅の途中で全員事故死した。 「おにいさんにもらったおくすり・・・ずっとかんしゃしてたのぜ。なのに・・・」 その言葉を聴いた瞬間、先ほどまで不快な笑みを浮かべていたお兄さんが、 その表情に怒りをにじませる。 「薬・・・また薬か。所詮、お前らには言葉で言っても無駄だな。」 そして、両手にボクシンググローブを付け、 野良まりさに陰惨極まる笑みを向けると、野良まりさの挑戦を受けるように、大声で言い放ったのであった。 「フフフ・・・かかって来るがいい、まりさよ!この私の愛で魂、とくと味あわせてくれるわ!!」 ぽふっ!もにゅもにゅ・・・ぽむんっ! 「ゆぅぅ!おにいさんは、ゆっくりゆるさないよ!ゆぁああ!!」 「ウワハハハハ!どうだ、私が開発した最強の愛でアイテム『ぽふぽふさん』の威力はぁ!!」 「ゆぎぎぎ!ま、まりさのたいあたりがぜんぜんきかないよ!?どうしてぇぇぇええ!?」 鬼意山の両手にはめられたボクシンググローブこそ、16オンスグローブの外側を、 羽毛布団から取り出した大量の羽毛で包み込んだ特注品、商品名【ぽふぽふさん】であった。 鬼意山が、主として活発すぎる飼いまりさを、 かすり傷一つ付けずに遊ばせてあげるために考案した愛でアイテムである。 「ゆぅぅぅ・・・ぎ、ぎぼぢいいぃぃ・・・」 「フフフ。そうだ。私こそが真の愛でお兄さん。 お薬を与えるお兄さんの方がゆっくりできるなど、片腹痛いわ。」 ・・・・・・。 「ゆ?・・・お、おにいさんは、おくすりを・・・?」 それは、並みのゆっくりならば気づかない違和感だった。 だが、野良まりさはそこそこ賢い部類であり、だからこそ気づく。 お兄さんは、お薬をくれたお兄さんだったはず。 なのに、どうしてお薬をくれるお兄さんのことを悪く言うの? 「お、おにいさん・・・まさか・・・?」 「気づいたか。そうだ!俺はお前らにお薬をやったお兄さんなどではない!! 髪型をそっくりにしただけの、別人なんだよ!!フハハハハハ!! だが、気づいてももう遅い、まりさよ!お前は【ぽふぽふさん】によって、俺の愛に包み込まれたのだぁっ!!」 野良まりさは、鬼意山の【ぽふぽふさん】から繰り出される渾身の愛撫の前に、 わずかに残された意識で反論することしかできない。 「フフフ。さあ、もっとゆっくりするがいい。フハハハハハ!!」 「ゆ、こ、こんなの・・・ほんとうのゆっくりじゃ、ないよぉ・・・」 「ほ・・・ほざけぇええ!!誰も俺のことはわかっちゃいねぇんだ!!」 今なお反論する気力のある野良まりさに対して、鬼意山はさらにまくし立てる。 「俺は、どんなゆっくりでもゆっくりさせることが出来る天才だ!! だが、どのゆっくりも俺を認めようとせん!!公園のゆっくり達も、俺の天分を認めようとしなかった!!」 「そ、それで、こうえんのみんなを・・・えいえんにゆっくりさせたの・・・?」 「何のことだ!?もう一度言う!俺は天才だ!!」 もふっ! 鬼意山はすでに骨抜き状態の野良まりさを【ぽふぽふさん】で包み込み、さらにゆっくりさせ続ける。 「フハハ!俺が作った愛でアイテムの前には、威勢のいい野良まりさでもこのザマだ! 俺を認めなかったゆっくり共を、愛でて愛でて愛で尽してやるわ~!! そして可愛い可愛いゆっくり共が俺に媚びるのだ!!媚びろ~、媚びろ~!!」 「ゆ・・・ゆぁぁああああ!!!」 その時、野良まりさが【ぽふぽふさん】に包まれてから初めて、 力のこもった声を発した。 「ゆぎぎぎぎぎぎ・・・・!!ゆぁぁああぁっ!!」 「ば、バカな!!俺の愛から逃れるとは・・・こんな!?」 そして、しゅぽーん!と鬼意山の愛撫からすり抜けた野良まりさは、 鬼意山に対して言い放った。 「もし・・・もしこれが、ほんとうの『ゆっくり』だったら、まりさでもずっとゆっくりしてたにちがいないのぜ!!」 「うくくっ!?俺の愛が間違っているとでも言うのか!?俺が劣ると・・・そんなわけは無い!!」 鬼意山は【ぽふぽふさん】を手から外し、腰にぶら下げてあったヘアーブラシを握ると、 再び野良まりさに襲いかかった。 しゅっ!しゅっ!さらさらぁ~ん 「ゆゆっ!?まりさのかみのけが、さらさらになったのぜ!?」 「くらえっ!!ゆっくりの髪の毛を考える、至高のヘアーブラシ【さらさらへあーさん】の威力を!!」 「ゆふぅ~ん、ゆっく・・・こんなのには、まけないのぜぇ!!」 「バカなぁぁぁああ!?」 まりさはもはや、鬼意山のあらゆる愛で攻撃を跳ね返す。 自慢の愛でアイテムが空振りに終わった鬼意山に打つ手は無かった・・・。 野良まりさに完全敗北した鬼意山は、頭を抱えながら叫ぶ。 「なぜだぁっ!?なぜヤツを認めて、この俺を認めねえんだ!!」 「どうして、あのおにいさんになりすましたりしたのぜ?」 「ふぅっ・・・ナゼだと?や・・・ヤツは、ヤツはこの俺の、この俺様の顔を叩きやがったんだぁぁああ!!」 ----------------------------------------------- それは、昨年の春の事だった。 ヤツは・・・お薬お兄さんは、あの【奇跡の公園】で、救世主としてあがめられ、 ゆっくり達の尊敬と信頼を一身に集めていた。 「フッ・・・奇跡か。そのくらいの事、俺にもできる!!!」 俺は、ゆっくりを愛し、そしてゆっくりに愛されたいと思い、意気揚々と公園に乗り込んだのだ。 そして、一匹の息も絶え絶えなれいむを見つけ、さっそく自分で編み出した治療法を施すことにした。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ほぉ。腹の調子が悪いのか。どれ、俺が治してやろう。」 「ゆぅ・・・?やめてね。れいむには、おにいさんがおくすりを・・・」 「心配するな。俺は天才だ。俺に不可能は無い!!!」 みちっ!・・・みちみちみちっ!! そして俺は、指でれいむのお腹を突き破り、中の餡子をこねくり回した。 それは、ゆっくりの餡子を直接刺激して、悪くなった餡子を吐き出させ、 あとでオレンジジュースを飲ませて新鮮な餡子を補充すると言う、 多少の苦痛は伴っても、完全な健康を取り戻させることができる治療法だ。 「ゆぎぇっ・・・ぎびぇぇぇ・・・」 「ん?間違ったかな?」 ただし、たまに失敗するが。 「な・・・何を!?」 その時通りがかったのが、ゆっくり達にお薬だと言って単なる栄養剤をばら撒く、 あのお薬お兄さんだ! 「どけっ!!」 バシッ!! 「・・・・・・・!!・・・!!」 アイツは、アイツは・・・ 「ああ・・・俺の、俺の顔を、顔を・・・俺の天才の顔を!!」 俺の顔に平手打ちをかましやがったんだ!! そして、俺が治療中だったれいむの腹にオレンジジュースをぶっかけて、 「もう大丈夫だ。」 あんな事を言いやがった!! 大丈夫なわけねえ!!俺の見立てでは、あのれいむは餡子の劣化で、一月も生きられなかったんだ! だから、痛い思いさせてでも、古い餡子を取り除かなきゃならなかったんだあ!! 「き、きさまぁ!!俺を、この俺を誰だと思ってるんだぁぁああ!!」 2秒後、俺はお薬お兄さんに、計28発の拳を叩きこまれ、動向を見守るゆっくり達の中に崩れ落ちた。 お薬お兄さんは吐き捨てるように言った! 「天才だか何だか知らねえがな。人のエモノ・・・患者に手を出すな。」 それに合わせ、周囲で見守っていたゆっくり達も、口々に叫んだ! 「そうだよ!とっととでていってね!」 「わからないよー。ぎゃくたいおにいさんなんだねー。」 「むほぉ!?ゆっくりぷれいすに、はいってこないでね!」 「はやくうせるみょん!」 それは・・・それは、俺の望む姿ではなかった・・・ 「ぐっ!?ぐぐぐぐぐ・・・・・うぁぁああああ!!」 ----------------------------------------------- 「アイツは、アイツは間違いなく獲物と言いやがった!アイツは虐待鬼意山に違いねえんだ!! いや、虐待鬼意山は許せんが、ホントにそうかは確認できてねぇ。それはとりあえず、しょうがねえ! だが・・・だが、それ以上に、虐待鬼意山っぽいクセに、俺よりゆっくりに好かれてるのが、我慢ならねえんだ!!」 鬼意山はもはや涙目である。 つまり、お薬お兄さんみたいに慕って欲しかっただけらしい。 正直、さっきのお話を聞いていると、野良まりさの良心がシクシクと痛んできていた。 だが、たとえ追い打ちだとしても、野良まりさは、一言だけ、言わずにはいられなかった。 「おしつけのゆっくりは、ゆっくりできないのぜ。」 「・・・なぁぁぁああああああああああああ!?」 あれからどれほど時間が経っただろうか。 鬼意山は床にひれ伏し、涙で水たまりを作りながら、未だに動かない。 野良まりさはその間に、鬼意山のゆっくり治療室にある、病室(と言う名の檻)から、 鬼意山の治療を受けたゆっくり達を出してあげていた。 当然、鬼意山は悪人でないことも伝えてあげる。 「みょーん。そうだったみょん?どうりで、からだがかるいみょん!!」 ぽゆんっ!ぽゆんっ!と元気に跳ねるみょん。 このみょんは、先ほど鬼意山の治療を受けていたみょんだ。 悪い餡子を吐き出し終えたときは2割ほど体積が減っていたみょんも、 今ではジュースと輸餡のおかげで、すっかり元通りだった。 いや、健康な餡子だけになったことで、おそらく寿命も大幅に伸びたことだろう。 「でも、おにいさん。」 「・・・・・・何だ?・・・グスッ。」 「どうしてありすに、あんなゆっくりできないこと、いったのぜ?」 「?」 あの台詞、 『ありす、お前は、産まれて3回目の越冬を迎えることなく、死ぬ。』 という台詞の事だ。 それに対する鬼意山の答えは、あっさりしたものであった。 要するに、もう寿命ギリギリまでカスタードが悪くなっていたありすを治療して、 もうひと冬越えられるくらいまで回復させた時に、 『もう一回くらいは春を迎えられるよ。よかったね。』 というような内容を、鬼意山風にありすに伝えただけだったのであった。 重ね重ね、残念な鬼意山である。 そして、全てが解決した(完全な誤解だったのだが)。 十分に涙を流し、すっきりした表情の鬼意山は、 だがしかし、まだ自分の愛でテクニックを諦めきれていないらしく、 野良まりさに語りかける。 「お前の言葉に嘘が無いか、最後に一つだけ、最後の切り札を試させてくれ・・・。 俺の愛で方が、押し付けであるという証拠を、見せてほしい。そうすれば・・・俺も諦めがつく。」 「ゆっくりうけてたつよ!」 すると、鬼意山は突然、上半身裸になり、野良まりさに対して叫んだ。 その胸には・・・ 「見ろ!ゆっくりが女性の胸の感触に弱い事など研究し尽くしているんだぁ!! この豊胸手術によって作り上げた胸に飛び込んでくるがいい!!」 Hカップの見事な巨乳が・・・ 「・・・・・・きもちわるいのぜ。」 無論一蹴された。 「うわらばっ!?」 ----------------------------------------------- 長い・・・長い闘いであった。 いつの間にか外は夕暮れ、空は赤から紫へと色を変えながら、辺りを闇に包みこみ始めていた。 野良まりさは、やるべき事を終えたという表情で、鬼意山に別れを告げる。 「じゃあ、まりさはいくのぜ。おにいさんが、ゆっくりしたおにいさんだって、みんなにおしえてあげるのぜ。」 「・・・・・・頼む。」 「みょーん。みょんもそうするみょん。」 「・・・・・・ありがと。」 鬼意山は相変わらずゲッソリしているものの、まりさ達の優しい言葉によって、ほんの少し心の力を回復させたようだ。 「みょんは、もうすこしここにいるみょん。おにいさん、じつはけっこういいひとだみょん。」 「・・・ありがと・・・うぅ・・・。」 「ゆ!じゃあ、まりさは、こうえんのみんなにおにいさんのこと、おしえてあげられたら・・・またあそびにくるのぜ!」 「・・・じゃあ。ゆっくりヨロシク。」 野良まりさは、ぽよん、ぽよんと玄関を出て、また鬼意山の方を振り返り、一言だけ言った。 「おにいさん!ゆっく『ぐしゃっ!・・・ブロロロロ・・・』・・・・」 その時、野良まりさのいた場所を、一台のトラックが通過していった。 道路には、自動車のタイヤに潰された饅頭の、餡子の跡だけが広がっていった。 「な・・・なぜ仲良くなったゆっくりばかりがこんな目に・・・天才の、この俺の友達ばかりが、なぜだぁぁああ!?」 ちなみに翌日にはみょんも交通事故に遭い、永遠にゆっくりした。 鬼意山を理解してくれるゆっくりは、こうして再び、地上から消え失せたのである。 ----------------------------------------------- ちなみにその頃、お薬をゆっくり達に配っていたお兄さん、観察鬼意山はというと・・・ 「はあ・・・まったく、余計な事しやがって。勝手に事故死するから面白えんだろうが。ったく。」 こちらはこちらで迷惑していた。 まあ、まさしくプロゆっくり医師級の技術の持ち主から治療を受けられるというのに、 必死で逃げまどうゆっくり達の表情を見るのは、それはそれで愉快なモノではあったが・・・。 餡小話掲載作品 町れいむ一家の四季シリーズ→休止中につき、anko1374にてご確認あれ anko238.txt ぱちゅりおばさんの事件簿 anko394.txt ゆっくりちるのの生態 anko970.txt ごく普通のゆっくりショップ anko989.txt ゆっくり向けの節分 anko1042.txt みんな大好きゆレンタイン anko1052.txt 暇つぶし anko1061.txt 軽いイタズラ anko1136.txt お誕生日おめでとう! 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