約 1,228,785 件
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4075.html
唯「えっ?」 紬「さぁ、みんな召し上がれ♪」カパッ そう言ってムギちゃんは大きな覆いを捲り上げる。中から出て来たのは紛れもなく私の妹だった。 全身をクリームや苺で淫靡にデコレートされ、やはり恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。しかし、どことなく笑みを浮かべているようでもある。 唯「ムギちゃん!!これは…一体どういう事!?」 語気を強めてムギちゃんに詰め寄る。 私の妹がこんな事をするはずがない。ムギちゃんに脅迫されてるとか何かを人質に取られてるとか、何か理由があるはずだ。 紬「どうもこうも、こういう事だけど!?」チュッ 憂「あっ・・・ん・・・紬さんっ・・・ちゅ・・・・ん・・・ぐ・・・」 紬「ん・・・や・・・憂ちゃん・・・いつもみたいに・・呼んで・・・♪」 憂「ムギちゃん・・・ん・・・駄目・・だよぅ・・・お姉ちゃ・・・んが・・・・見て・・・・」 紬「見せつけよう・・・って言ったのは・・・憂ちゃんじゃない・・・」 憂「でもぉ・・・」チュッチュッ 紬「・・・ふぅ。」 憂「あっ、ムギちゃん、手にクリームついてるよ」レロッ 憂がムギちゃんの指についたクリームを丹念に舐めとっていく。 憂「はい、綺麗になったよ♪」 紬「ありがと♪」チュッ そう言って2人はまたキスをし出す。暫くしてキスを終えたムギちゃんが勝ち誇った様に言い放つ。 紬「これで分かった?」 唯「…」 唯「なんで、なんでなの?ムギちゃん!!私の大切な人取らないでよ!!」 紬「…。」 唯「裏切り者!!泥棒猫!!売女!!」 パシンッ!! 激昂したところを平手でぶたれる。憂だ。 今まで一度も私に手を上げた事なんて無かったのに…。 憂「…ムギちゃんはお姉ちゃんの大切な人なんて取ってないよ。お姉ちゃんの大切な人って私じゃなくて梓ちゃんでしょ!!」 唯「そんな事っ…!!」 憂「あるじゃない!!家でも学校でもあずにゃんあずにゃん!!別にそんなのだったらいいよ。共通の友達なんだから。 あと、何度か梓ちゃんと急に夕飯食べに行ったりもしてたよね。私、直前までお姉ちゃんの分のご飯用意してたのに…。それぐらいだったらたまにある事だし、私気にしなかった。 でも、8月のあの日…お姉ちゃんと私の記念日だったのに…お姉ちゃんは…。」 唯「それは…その…。」 憂「それにこの前…私見たんだ。お姉ちゃんが梓ちゃんに抱き着いてる時に『憂なんかよりあずにゃんだよ♪』って言ってるの。」 唯「…。」 憂「お姉ちゃんの裏切り者!!」 募り募ったものを吐き出した憂はその場で泣き崩れムギちゃんに介抱されていた。 私は…何もできず立ち尽くすばかりだった。 紬「憂ちゃんの介抱もあるし、クリームとか落としたり色々しないといけないから連れて帰るわね。今日はうちに泊めると思う。 片付けは後でするからそのままにしておいて。それじゃ。」 要点を簡潔に述べたムギちゃんが憂をお姫様抱っこで抱きかかえて部室から出て行く。 さっき憂が羽織っていたシーツを上手く纏めて憂の身体が人の目に触れない様にしている。 憂はシーツで隠れてよく見えないがムギちゃんにすっかり身体を預けているようだ。 2人が出て行ってしばらくして呑気な猫の様な後輩がやってくる。 梓「お疲れ様でーす。って甘っ!!一体どうしたんですか?ここは。」 唯「…。」 梓「さては唯先輩ムギ先輩のお菓子をつまみ食いしたんですね!?駄目ですよつまみ食いしちゃ。つまみ食いしていいのは私だけにして下さい♪」 唯「…。」 梓「唯先輩?」 唯「…。」 梓「どうしたんですか?」 唯「ごめん、私帰るね。」 鞄だけ持って部室を後にする。後輩が何か言っているが知ったこっちゃない。 負け犬という言葉が相応しいぐらい惨めに私は帰宅した。 家に帰っても誰もいない。ガランとした家の中はとても寂しい。急いで階段を上り、部屋に荷物を置いて妹のベッドで私は泣いた。 その日は泣き腫らして、一睡も出来ず、次の日学校に行く気もおきず学校をサボった。 りっちゃんや澪ちゃん和ちゃんからメールが着たが読む気にもならずそのまま削除した。 見舞に来たのかドアのチャイムが幾度か鳴ったが私にはどうでもよかった。 鍵を開けて帰って来る妹を待ち、あの日の事が夢である事を祈り、妹が帰ってくるのを待った。 そして、妹の足音と玄関の鍵が開く音にで一縷の希望を抱いて妹を迎えに行く。 無言で迎えた妹を見て私は失ったものの大きさを再確認するのだった。 BAD END ~~~~ 唯「…というシナリオで和ちゃんにドッキリを仕掛けようと思うんだけどどうかな?」 憂「良いかも。」 紬「でも、これで和ちゃんが騙されたらどうなるの?」 唯「おそらく…良くてあずにゃんが殺されて、悪くてあずにゃんが殺されてから犯されると思う。」 梓「嫌ですよ!!どうやっても私が死ぬじゃないですか!!」 おしまい まさかのNTR唯憂だよ!! 戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1446.html
和「良い音出すのね。ドラムにいいんじゃないかしら?」パパパンッ!パッ!パンッ! 律「いっ、痛っ! ふざけんなよっ! ぐっ…」 和「もうすぐ他の部員が来そうね。みんなこの光景を見たらどう思うかしら」 律「…や、やめろ。なんでもする! なんでもするからやめてよ…」 和「そうねぇ。あ、これはドラムを叩くスティック?」 律「そ、そうだよ」 和「じゃあ入れてみましょ」ズチュァ 律「っぁ!!? …んっく、あぅ……動かさないで」 和「へー…中々。どれ、ダメ押しにもう一本」ズチュリ 律「あああ!? いやっ、やだぁ…あ、…っ」 和「叩く以外にも使い道はあるのね。あは、律…かわいい」 律「あ、あんっ! ……はぁ…はぁ…ひどいよぉ…」 和「いいわぁ。もっと元気に喘いでよ…」パンッ 律「っく…ぜっ、ぜったい! いやだぁっ」 和「あら、そう? じゃあ…」グリグリ… 律「ひっ、く、ぁぁ……も、もうやだぁ…いやぁ―――――」 和「最っ高」パンッ!パンッ!パパンッ!! …… 律「……」 梓「律先輩、何があったんです?」 紬「りっちゃん…目が死んでるわ」 唯「おーっす」 紬「唯ちゃん!」 澪「ちょっと遅れたな」 梓「澪先輩も! お二人とももう大丈夫なんですか!?」 澪「まぁ、な。唯?」 唯「…うん。だね」 梓・紬「??」 かえりみち 紬「それじゃあ私こっちだから」 唯「ムギちゃんばいば~い」 澪「私たちも。ほら、律行くぞ?」 律「……」 梓「大丈夫ですか?」 澪「まぁ、何とかなるよ。それじゃあな」 唯「ばいば~い。んじゃ行こっかあずにゃん」 梓「はい」 梓「律先輩大丈夫ですかね」 唯「ん、心配?」 梓「まぁ…一応」 唯「あはは、あずにゃん素直じゃなーい!」ギュ 梓「わわ! ちょっと、こんな人通りで抱きつかないで下さいよっ」 唯「え~いいじゃん……あ! 和ちゃんだ」 梓「和さん?」 和「…ん? あら、唯。それに梓も」 唯「奇遇だねぇ」 和「朝も会ったじゃない」 唯「それとこれとは別~」 梓「ふふ」 唯「? あずにゃんどったの?」 梓「いえ、親子みたいだなぁって…」 和「…それって私が母親役?」 梓「あはは」 唯「和ちゃんがお母さんっていいねぇ」 和(老けて見えるのかしら…?) 唯「あ、そーだ! 二人ともウチでご飯食べてかない?」 梓「え、大丈夫なんですか」 和「今から行ったら憂ちゃんが大変じゃない」 唯「大丈夫だよ。憂だし」 梓「その自信はどこから!?」 和「…頼る事に関してはホントにエキスパートよね。唯は」 唯「えへへー」 …… 唯「憂~ただいま!」 憂「あ、お姉ちゃんお帰りなさ……あれ? 和さんに梓ちゃん?」 梓・和「どうも…」 唯「ご飯食べていってもらおうかと思いまして!」 梓「ご、ごめんね憂」 和「突然で迷惑だったわよね」 憂「あ、そんなことありませんよー。丁度、今日はお鍋にするつもりだったし」 唯「おー! 鍋だよあずにゃん!」 梓「は、はい…本当にいいの?憂」 憂「うん。OK、OK~」 和「…よくできた妹」 唯「今何か言った~和ちゃん?」 和「唯は幸せ者だって言ったの」 唯「いえいえ」 憂「さぁ、どうぞ上がって」 唯「ふぃ~食った、食った」 和「ごちそうさま。とっても美味しかったわ」 憂「お粗末さまでした」 梓「憂はいい奥さんになれそうだね」 憂「え、えー…。そんなことないよぉ…」 和(……唯とはまた違う魅力を秘めているわね、憂ちゃんは) 唯「…ふぇー……ぎーたぁ…」zzz… 梓「先輩お腹一杯になったら寝ちゃった…」 和「牛になれそうね」 憂「もー、お姉ちゃんたら…でもかわいいなぁ」 和「部屋に寝かせた方がいいんじゃないかしら」 憂「そうですね」 憂「ベットに寝かせてきました」 梓「まるでお母さん…」 和「あら、唯には沢山母親がいるのね」 憂「?」 梓「ですかね。…あ、私そろそろ帰らないと」 憂「ごめんね、お姉ちゃんのわがままに付き合わせちゃって」 梓「ううん。ご飯も食べれたし、気にしないで? それじゃあ和さん、憂」 憂「気をつけて帰ってねー」 憂「さてと、おかたづけしなきゃ…」 和「私も手伝うわ」 憂「え、悪いですよ」 和「そんなことないわよ。いいから手伝わせて?」 憂「…すみません。それじゃあお言葉に甘えて」 … 憂「……」 和「……」 憂「……あの」 和「ん?」 憂「何だか今日のお姉ちゃん。とても疲れてたみたいなんです」 和「…そお。だから食べてすぐに寝ちゃったのかしらね」 憂「……」 憂「……」カチャ 憂「…お姉ちゃんに何したんですか」 和「……ダメよ、包丁をそんな風に扱っては。怪我しちゃ――」 憂「言え、何をした」カチャリ… 和(流石憂ちゃん。唯のちょっとした変化にも気づくだなんて) 和「聞きたいの?」 憂「…随分余裕ですね。自分が置かれている状況、理解してます?」 和「ええ、ぞくぞくしてる」 憂「貴様―――――!」 和「少し頭に血が昇りすぎじゃないのかしら? 自分の置かれている状況も理解できていないだなんて」カチャ 憂「…いつのまに背後に」 和「さて、あなたも私が弄んであげようかしら。ねぇ?」 憂「っ! お姉ちゃんを汚したな!?」 和「あら、失礼なこと言うのね。女にしてあげただけよ…唯を」 憂「ああああぁっ!!」ビュンッ 和「!? 怒りで力が増したのね…それに……速いわ」 和(次期桜高最強の肩書きはお飾りじゃないということかしらね…ちょっとばかり骨が折れそうだわ) 憂「…よくも、よくもお姉ちゃんをぉぉぉ!!!」ブンッ!ブンッ! 和「ふふ、力が上がったのはいいけど…肝心の的が怒りで見えていない。避けるのもたやすいわ。そして―――」 憂「っ!?―――」 和「足元がお留守」 憂「っのぉ! これしきぃっ!!」グッ…ダンッ! 和「少しは頭が冷えたかしら? さぁ、いらっしゃい憂ちゃん(秘孔をついて体の自由を奪うまでよ)」 憂「…殺す!」ドンッ 憂「これでどうだっ!」シュッ!シュッ! 和「だから包丁はそんな扱いをするなって言っているでしょうに」バッ 憂「…かかったな」 和「え? あっ―――(いつのまに私の頭上に鍋を…)」 憂「おらぁぁっ!!」ズゴン 和「あぅ!?」 和「…やるじゃない」ジュルリ… 憂「手加減無し。全力で仕留めさせてもらいます」 和「ふふ、良い目になってきたわね。…早くあなたを抱きたいわぁ」ハァハァ 憂「歪んでる!」ヒュ 和「あはは、あなたに言われたくはなかったわねぇ!?」キンッ、ズバッ! 憂「いっ、痛……舐めるなぁっ!」 梓「…………え」 和・憂「…………え?」 梓「あ、いや……え…えっと…」 憂「……」 和「……」 梓「わ、忘れ物しちゃって。…ちょ、チョットマッテクダサイネ」ガクガク 梓「あ、あった…それじゃあ失礼しま―――」 和「待ちなさいよ」ドス! 梓「あ…」 憂「梓ちゃん!」 和「秘孔を突かせてもらったわ。これで今見たものは綺麗さっぱり記憶から消し去った」 憂「梓ちゃんは関係ないでしょ!?」 和「見られてしまったんですもの。しょうがないじゃない」 和「それに…前からこの子を滅茶苦茶にしたくて堪らなかったのよ」 憂「最低…待ってて梓ちゃん。すぐに助け…」 和「動いたら! ……分かるでしょうね?」 憂「…っ」 和「ふふ、良い子ね」モミ 憂「! 何をっ」 和「あら、中々良い形をしてるのね。おまけに揉み応えがあるわ」モミモミ… 憂「っあ…ぐ……」 和「ねぇ、憂ちゃん。今どんな気持ちなのかしら?」モミモミ… 憂「………っあ…」 憂「あ、あぅ……」 和「我慢しちゃって。…そそるじゃない!」ビリッ! 憂「!? や、やぁっ!」 和「…綺麗な肌。やっぱり生で弄るのが一番かしら」チュパ…ヂュゥ 憂「…やめて……おね…が…」 和「あれだけ手間かけさせてくれたんだもの…ちょっとやそっとで終わることはないと思いなさい?」ヴィィィン 憂「な、なにそれ…」 和「ん? 何だと思う? ふふ」ヴィィン 憂「…ふ、ふざけないでっ!」ブンッ! 和「まだ暴れる元気があるのね。でも、そろそろ大人しく遊ばれていなさい」 憂「はあああっ――――…っれ!?」ペタン 和「ふふ」 憂「た、たすけて…たすけてお姉ちゃ―――」 憂「あぁ! だめぇ!! …こ、これ以上奥に……やらないで…」ビクン 和「そんなこと言っておきながら自分で腰が動いてるわよ?憂ちゃん」 憂「む、昔の和さんは…んく……あっ…こんなじゃ…なかったのに」 和「そうね、突然なのよ。突然自分の欲が抑えられなくなったの…」 和「自分の力が大きくなっていくと同時に内側の黒い部分が丸出しになっていったのね。おそらくは」クチュ 憂「そ、そんな…あんっ、い…いやぁ…だめぇ…」 和「だからこれは仕方がないの。ごめんなさいね?」 憂「和さ――――――…ぁ」 和「最っ高」 すうじかんご! 憂「すー…すー…」 和「疲れて眠っちゃったのね。かわいい」ナデナデ 和「さて、梓は後でじっくり遊ぶとして…」 和「そろそろ出てきたらどうかしら?」 3
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/6229.html
星セットお姉ちゃん│新手(氷厘亭氷泉)│天部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi3/maki-6102.htm 発狂倶楽部くんロボ
https://w.atwiki.jp/83452/pages/109.html
トイレ個室 梓「はぁ……はぁ……」 紬「ど、どうしたの梓ちゃん」ヒリヒリ 梓「そ、そうでした!実は……」かくかくしかじか 紬「そ、そんなことが……(憂×梓……王道ね!) 紬「それで知りたがってたのね」 梓「はい!はやく教えてください!」 紬「ちょ、ちょっと待って、順を追って話すわ……」 カツ・・・・・・カツ…… 梓「ひ!?」ビクッ 紬「どうしtウブ」 梓(この足音・・・・・・憂です!掃除終わっちゃんだ……!)ボソボソ 紬(タイムアップね・・・・・・)ボソボソ 梓(ここで話せばバレません!早く教えてください!)ボソボソ 「あずさちゃーん?」 梓(き、きた!どうしてトイレにいるって……) 紬(わからないけど……とにかくやりすごしましょう) 憂「ん~?いないなぁ……あずさちゃーん!」 梓「……」ガクガクブルブル 数分後 梓「い、行ったかな……?」 紬「そうみたいね……ふぅ……」 梓「それよりチャンスです!教えてください!」 ガチャ 憂「いた♪」 梓「ひぃい!?」 憂「梓ちゃん大丈夫?顔色悪いよ?……っていうかなんで紬さんとトイレに?」 梓「あ、あはは、ちょっと気持ち悪くなって、ムギ先輩に介抱してもらってて……」 紬「そ、そうなのよ!」 憂「ふーん?まぁいいや、具合悪いなら一緒に保険室行こう?」 梓「も、もう大丈夫!元気いっぱい!」 憂「そう?じゃ、部室行こ!」 梓「う、うん(終わった……本当に……) 紬(ごめんね梓ちゃん……私の口から教えるわけにいかないの♪) … 梓「ただいまです……」 律「おかえり~、ってなんか顔色悪いぞ?」 唯「ホント真っ青!」 梓「だ、大丈夫です……(もうだめだ……憂に笑われちゃう……) 唯「あ、憂~、どしたの?」 憂「えへへ、今日は見学に来たんだよ」 澪「唯、恥ずかしいところみせるなよ?」 唯「まかせて!」 律「よーし、いくぞー!」カッカッカッカッ ジャーン! 澪「唯……ボロボロじゃないか」 唯「えへへ……面目ない」 律「それよりも……」 澪「あぁ……」 澪「どうしたんだ梓、信じられないくらい弾けてなかったぞ」 梓「ご、ごめんなさい……」 律「やっぱり具合悪いんじゃないのか?」 唯「そうだよーあずにゃんらしくないよー」 澪「調子悪いなら今日は早めにあがっていいぞ?」 憂「そうですね、私送ってきます!」 梓「だ、大丈夫です!もうミスしませんから!ここにいさせてください!」 澪「そ、そうか……」 憂「……」 唯「よーし、私も負けないぞー」 律「じゃあもう一回頭からいくぞ~」 澪「今度は信じられないくらい完璧だったな」 律「流石梓だな!」 唯「私もうまくいったよー!」 紬「唯ちゃんは68ヶ所間違えてたわ」 澪「よし、上手く行ったところで解散にするか」 律唯「おー!」 梓「あ、私は少し残ります……ムギ先輩と」チラッ 紬「え?」 梓(ムギ先輩!合わせてください!)チラッチラッ 紬「……?私は用事あるから帰るわよ?」 梓(だ、だめだこの人……!)ガビーン 憂「梓ちゃん?」 梓「ひぃ!(嘘がばれちゃった……!) 憂「紬さん用事できちゃったみたいだね、帰ろっか?」 梓「あ、う、うん……」 梓(ば、ばれてない……?っていうか、勘違いしてくれたみたい……) 梓(いやでもなんの解決にもなんてない……あーもうくぱぁってなんなの!) 憂「お姉ちゃん、今日梓ちゃんが泊まりにくるから」 唯「そうなの?やったー!」 梓「へ?泊まり……?」 憂「いいでしょ?」 唯「全然おっけーだよー!」 梓「あの、私の意見は……」 憂「梓ちゃんも、明日は休みだしいいよね?」 梓「え、うん……まぁ……」 澪「それじゃあみんな、また来週なー」 唯「うん!じゃあねー!」 梓(どうしよう……もう正直に言うしかないじゃない……) 憂「お姉ちゃん、梓ちゃん、いこ?」 唯「おー!」 唯「~♪」 憂「お姉ちゃん機嫌いいね」 梓「そ、そう?いつもあんな感じだと……」 憂「きっと、梓ちゃんが来るからだね」 梓「はは、まさか……」 憂「……」 唯「ただいまー!」 … 憂「お姉ちゃん、誰もいないよ」 梓「お、お邪魔しまーす」 唯「ういー、ごはーん」 憂「あぁそっか、私いるから出前の必要ないもんね、まってて!」 梓「て、手伝う?」 憂「いいよ~、お客さんだし悪いよ」 梓「手伝わせて!ちゃんとできるから!」 憂「う、うん……」 梓(よし……何気なく聞き出そう!) 憂「~♪」 梓(うわぁ、憂手際いいなぁ……って見とれてないで聞きださなきゃ!) 梓「あの、憂?」 憂「ん、なに?」 梓「あのさ……その……」 憂「どうしたの?」 梓「その、なんていうのか……」 梓「その……くぱぁって 唯「あー!あずにゃんエプロンしてるー!」ダキッ 梓「わ、あぶっ!きゃあ!」 梓「あいた!」ドピュ 憂「わ!手切っちゃったの!もう、お姉ちゃん!」 唯「ご、ごめんね……あんまり可愛くて……」 憂「とにかく、絆創膏もってきて!」 唯「さ、さーいえっさー!」 梓「うぅ……」ドクドク 憂「あぁ……ごめんね、結構深くいっちゃったね……」 梓「だ、大丈夫だよ、唯先輩も悪気があったわけじゃ……」 憂「……はむっ」指をくわえる 梓「わ、わわ!憂!汚いよ!」 憂「んむ……でも血止めなきゃ……」 梓「こ、こうやって押えとけば大丈夫だよ!」 憂「だめだよ、それにくわえた方が早いよ」 梓「で、でも……」 憂「いいから、大人しくしてて?」 憂「チューチュー」 梓(憂の口の中・・・・・・すごいあったかい……) 梓(傷口が熱くて、鼓動と一緒にズキズキする……) 梓(どうしよう、ドキドキしてすっごく痛い……) 梓(あぁ、傷口からドキドキが伝わっちゃうかも……) 梓「ってまさかね……」 憂「?」チュッチュッ 梓(う、上目使いなんて卑怯だよ……) 梓(跪いて指くわえる憂……なんかすごい征服感かも・・・・・・)ゾクゾク 唯「ばんそーこーあったよー!」 憂「ありがとお姉ちゃん……よし、これで大丈夫」 唯「ごめんねあずにゃん……」 梓「いえ、大丈夫です……(もうちょっと続けたかったかも……なんて) 憂「私作るから、梓ちゃんは休んでて?」 梓「あ、うん、ありがとう……(って、あ……聞くタイミング逃してしまった) 3
https://w.atwiki.jp/yuimio/pages/450.html
唯「澪ちゃんそろそろお願い///」 唯「澪ちゃんそろそろお願い///」 澪「わかった」スクッ 唯「はぁ…はぁ///」 澪「相変わらず濡れてるな」サワッ 唯「言わないで///」 澪「ごめんごめん。でもパパッと楽にするからさ」ツー 唯「んっ///」ブルル ガチャ 律「うぃーす」 澪「バカ律!入ってくるな!」 唯「みなぃでぇ///」カァァ 律「悪かったよ」 バタン 紬「あらりっちゃん。また唯ちゃんと澪ちゃん?」 律「ああ。でも仕方無いよな」 紬「でも、珍しいわよね」 律「本当に魔術なのか? 紬「さあ?」 梓「ちわ~」 律「梓入んなよ」 梓「澪先輩と唯先輩ですか」 律「そうそう」 紬「それにしても羨ましいわよね」 律「どっちの方が?」 梓「ぶっちゃけ2人ともじゃないですか?」 律「そう?」 梓「唯先輩イケメンってご存知ですか?」 律「よっ」バサッ 紬「まぁ///」 律「へへ」 梓「あーそうそう。そんな感じらしいです」 紬「へー」 ガチャ 澪「終わったけど換気がまだなんだ」 律「気にしない」スタスタ 唯「あっあんっ///」ピクピク 澪「とりあえず、3回イカしとけば大丈夫かと思って3回イカした」 律「毎回それ言ってると仕方無くヤったみたいでスゲームカつく」 澪「仕方無いだろ。唯の奴どんどんガバ○ンになってる感じがするからイカせるの大変なんだぞ」 律「なんで3回なんだよ!?」 澪「連続でヤっちゃうんだ」 紬「指姦のプロね」 澪「唯のな。でも可愛い唯だから仕方がないんだ」 律「えっ?もしかして唯LOVE?」 澪「バカ照れるだろ///」 紬「唯ちゃんそうなの?」 唯「……うん///」 梓「よくあるヤり婚みたいですね」 唯「だって憂は下手って訳ではないけど澪ちゃんが一番好きだし……その~澪ちゃんって可愛いから///」モジモジ 澪「二ヶ月前、私で家で勢いでヤってしまった。後悔はしてない」 唯「澪///」ギュッ 澪「帰ったら続きヤろうな」 唯「ぅん///」 律「そもそも唯って何の病気なの?」 唯「好きな同性に毎日イカして貰わないと死ぬ」 澪「毎日お盛んでさ」 唯「澪言っちゃだめ///」 紬「式は私が手配すれば良いのかしら?」 澪「ありがとう。頼むよ」 梓「澪先輩、唯先輩イケメンってご存知ですか?」 澪「かっこ唯か。あれ見ちゃうと唯に主導権握られてもう……///」 律「どんなん?」 澪「唯、見せてあげて」 唯「いくよ」ピッ バサッ かっこ唯「……どうかな?」 紬「///」 律「くっ!」スッ バサッ イケメン律「どうだ」 梓「///」 澪「律はカチューシャより」チョキン 律「あー!」 梓「ぶっwww」 澪「カチューシャなしのデコりっちゃん」 律「ざけんな!」 かっこ唯「りっちゃん、澪ちゃんに暴力は……」 律「///」 かっこ唯「澪ちゃんダメだよ。今日はお仕置きだね」 澪「唯は律の味方なのか?」 かっこ唯「私は澪一筋だよ」チュッ 澪「///」 律「かっこ唯だな///」 澪「ふにゃ~///」ダキッ かっこ唯「ごめん。ちょっと澪ちゃんの番だから…」 澪「ゆぃ~///」 かっこ唯「ふふふ。澪も随分溜まってたのかな?」ツツツ 澪「うう…早く……焦らさないで///」ウルウル かっこ唯「はいはい。澪ちゃんだから意地悪したくなっちゃうんだ」 澪「バカ///大好き///」 かっこ唯「私も大好きだよ」 END 二本目 唯にゃん 律「…………」 紬「………」 梓「…………」 唯にゃん「にゃ~ん♪」 澪「はぅ~可愛い~///」ダキッ 唯にゃん「にゃあん」ゴロゴロ 澪「ほらほら」ナデナデ 唯にゃん「にゃ~」スリスリ 澪「可愛い~♪」スリスリ 律「澪」 澪「ほ~らほら~」ヒョイヒョイ 唯にゃん「にゃー!」 律「おい」 澪「ったく…唯、おいで」 唯にゃん「にゃお~ん♪」スリスリ 澪「よしよし」ナデナデ 律「そいつ何?」 澪「えっ?」ナデナデ 律「今澪が抱いてる奴?」 澪「唯にゃんだ」フニフニ 唯にゃん「~♪」ゴロゴロ 律「は?」 澪「だから唯にゃんだ」サワサワ 唯にゃん「」ペロペロ 紬「……唯ちゃんじゃなくて?」 澪「ああ」サスリサスリ 唯にゃん「~♪」スリスリ 澪「おーよしよし」ナデナデ 梓「じゃあ唯先輩は?」 澪「居るじゃないか」フニフニ 梓「まさか」 澪「そう。唯だ」 唯にゃん「~♪」フリフリ←しっぽを振ってる 律「ちょっと待ってくれ。いきなり追い付けなくなった」 澪「柔らかいなぁ~」フニフニ 唯にゃん「ZZZ」ゴロッ 紬「唯ちゃんに何が起こったの?」 澪「ほら喉の下」サスサス 唯にゃん「~♪」ピコピコ 澪「まあ、早い話唯が猫になったんだ」ナデナデ 唯にゃん「にゃ~ん♪」 澪「ほいほい」ナデナデ 律「…………で、どうするんだ?」 澪「え?何が?」フニフニ 梓「唯先輩ですよ!まさかこのままにしとくんじゃないですよね?」 澪「良いじゃん」サワサワ 唯にゃん「~♪」ゴロンゴロン 紬「良いって……」 澪「だって可愛いと思わないか!?」ヨイショ 唯にゃん「にゃお~ん♪」 律「まあ可愛いけど……」 紬「唯ちゃんが猫耳+しっぽを付けてにゃーって言ってるようにしか……」 梓「憂が黙ってませんよ!」 澪「なら、憂ちゃん呼んで来て」 梓「はい」カチカチ 5秒後 憂「お姉ちゃん!」ガチャ 唯にゃん「ZZZ」フリフリ 澪「はぁぁぁぁあああああ~♪」ナデナデ 憂「……お姉ちゃん?」 澪「あっ!憂ちゃんいらっしゃい」ナデナデ 憂「どうも」 澪「唯かわあぃいいよ~♪」スリスリ 憂「……………」 唯にゃん「ZZZ」ゴロン 律「憂ちゃんどうした?」 憂「………本当にあれがお姉ちゃん?」 紬「ええ」 梓「最強のシスコンが何処までいけるのか?」 憂「………………イイ」グッ 澪「~♪」ナデナデ 唯にゃん「ZZZ」フリフリ 梓「良いって……」 憂「だってお姉ちゃんが猫耳+しっぽだよ!完璧じゃん!!澪さん。私も触りたいです!」 唯にゃん「!」ピコッ 澪「ん?良いよ。(頭だけ)モフモフして気持ち良いよ」ピタッ 憂「わ~♪お姉ちゃん♪お姉ちゃん♪」ソー 唯にゃん「にゃっ!」バシッ 憂「…………」 唯にゃん「ヴー」グルル 澪「こら」ヒョイ 唯にゃん「にゃい~ん」ジタバタ 澪「にゃい~んじゃないの」ナデナデ 唯にゃん「にゃ~ん♪」スリスリ 律「………」 紬「……………」 梓「……」 唯にゃん「ZZZ」ゴロッ 憂「」 澪「ほら喉の下ぐるぐる」サスサス 唯にゃん「にゃあん♪」グルグル 憂「」 梓「……どっどんまい」 憂「」ポロポロ 律「………」 澪「にゃんにゃん♪」スリスリ 唯にゃん「~♪」ペロペロ 憂「おっお姉ちゃんのばかー!」ダッ 紬「…………」 澪「う~ん」スリスリ 唯にゃん「~♪」グルグル 澪「あれ?憂ちゃんは?」 梓「今泣きながら乙女走りで出ていきました」 唯にゃん「ZZZ」フリフリ 澪「どうしたんだろうな?」フニフニ 律「てか、どうするんだよ?」 澪「何が?」サワサワ 紬「唯ちゃんよ」 澪「今日は私と寝るんだよ」 唯にゃん「ZZZ」ゴロン 梓「ああ…憂がほったらかしに」 澪「とりあえず。私は帰る唯、帰るよ」ヨイショ 律「抱っこですか」 澪「だって何時でも唯の顔見れるだろ」 紬「結局、唯にゃんなのか唯ちゃんなのかわからないわ」 澪「唯にゃんのあだ名が唯だから唯って呼んでる。お疲れ」スリスリ 唯にゃん「~♪」グルグル 3人「…………」 梓「……あずにゃん2号より可愛い」 律「言うのおそ」 紬「終わりだけど自分のペットにあずにゃんって……」 梓「きっ気にしちゃダメですよ!」 律「あずにゃんはオワkぐわああ」 紬「ストレス発散してきたら?」 梓「そうしますお先に失礼します」 紬「お疲れ様」 梓「終わり」ムカッ 律「怒るなよ」 律「え?憂ちゃんが可愛いそうだって?しょうがないから憂ちゃんにも救いの手をさしたよ」 ぼっちの公園 憂「お姉ちゃんのばか」グスリ ガサガサ 憂「ん?」メソメソ ガサガサ 憂「なっ何?」 ガサガサガサッ 憂「………」 ?「…………」 憂「……可愛い///」キュン ?「……」トコトコスリスリ 憂「うわ~可愛い~♪」ナデナデ ?「………」ヤッテヤルデス! 憂「お持ち帰り良い?良いの?きゃ~ありがとー♪」ダキッ ?「~♪」ヤッテヤルデス! 梓(首下)「あれ?憂さ晴らしに出掛けた頭が帰って来ない」 END 初出:3- 656 最後何のホラーだ怖いわっ。 -- (名無しさん) 2011-03-19 15 38 41 な、生首・・・ -- (名無しさん) 2011-07-12 00 26 13 なんというオチw -- (名無しさん) 2011-07-15 00 22 28 最後なにかとおもたwww -- (名無しさん) 2011-08-04 18 33 48 ちょwww最後で全部もってかれたww -- (名無しさん) 2011-10-11 01 19 56 これはひどい -- (名無しさん) 2012-01-27 01 11 21 最後はえーっと、つまり~・・・ゆっくりあずさ? -- (KYな俺) 2012-03-22 20 33 53 ゆっくりしていってね☆ 出来るかッ!wwww -- (名無しさん) 2012-08-30 17 25 48 最後ェ -- (名無しさん) 2013-02-04 19 31 45 最後オイ -- (名無しさん) 2014-08-30 10 14 32 名前 コメント すべてのコメントを見る 戻る TOP
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/1404.html
憂「私にももっと構ってほしいのに・・・ううっ・・・んっ・・ハァハッ・・・」 ※ ガラッ! 純「お嬢さん、お悩みですね!?」 憂「ひゃあっ!?じゅ、純ちゃん!?」 純「私は純ではない!謎のお助けヒロイン、キューティー・純だッ!!」 憂「…やっぱり純ちゃんじゃない」 純「細かいことを気にするお嬢さんだね…助けてあげないよ?」 憂「へっ!?あ、あの…ごめんね?」 純「いいよ。で、何の悩み?」 憂「えーと…お姉ちゃんがね…」 純「なるほど!全て丸ごと完璧に理解したよ!」 憂「まだ全然説明できてないんだけど…」 純「つまりお嬢さん、君はお姉さんからの愛が足りない、そう感じているのでしょう?」 憂「な…何でわかったの!?説明し終わってないのに…」 純「金色のお助けヒロイン、キューティー・純は地獄耳なのだッ!」 憂「……盗み聞きしてたんだね…」 純「私に不可能はそんなにないのだッ!」 憂「あの、もう遅いからあんまり大きな声…」 純「お嬢さん、私にすべてお任せなさい!カモン、アズネコ!」 ガラガラ 梓「おじゃましまーす…」 憂「梓ちゃん!?」 純「これなるは我が忠実なるパートナー、魔法キャットのアズネコだよッ!」 梓「にゃーん」 憂「なんて覇気のない目…」 純「アズネコ、あれを出してッ!」 梓「しょうがないなあ純ちゃんは…ちゃちゃちゃちゃーん、おやつー」 純「さあお嬢さん、このおやつをお姉さんに食べさせてごらんなさい。たちどころにメロメロだよッ!」 憂「えっと…これ普通のシュークリームだよね…?ローソンの…」 梓「私が食べようと思って買ったんだけどね…」 純「ミッションコンプリート!長居は無用だ、行くよアズネコ!」 梓「にゃーん」 憂「ま、待って!純ちゃん!梓ちゃん!」 純「私は純ではない!無敵のヒロイン、キューティー・純だッ!さらば、お嬢さん!」 バサッ! 梓「……じゃ、また明日ね…バイバイ」 ガラガラ 憂「一体何だったんだろう…?」 憂「まあいいや…これをお姉ちゃんに食べさせればいいんだよね?」 憂「お姉ちゃーん?入るよー?」 唯「ん?どしたのういー?」 ボロロン 憂「シュークリーム食べない?」 唯「わーい!たべるたべるー!ありがとーういー!」 ジャララーン 憂「ふふっ。はい、どーぞ」 唯「もぐもぐ。はぁー、ちょっとぬるいけど美味しいねえ~!うい、ありがとー」 ジャララ~ン 憂「どういたしまして~♪じゃあね。ギターの練習頑張ってね!」 唯「うん!」 ボロロ~ン ガチャッ 憂「………これでいいのかな?」 2時間後 唯「うい~?」 憂「なっ、何!?おおおお姉ちゃん!?」 唯「おやすみ~。また明日ね~」 憂「えっ!?あ…う、うん…おやすみなさい、お姉ちゃん」 バタン 憂「………あれ?」 ガラッ 純「お嬢さん、お悩みですね!?」 憂「わあっ!?純ちゃん!また来たの!?」 純「私は純ではない!仮面を被ったお助けヒロイン、キューティー・純だッ!!」 憂「仮面?素顔だよ?」 純「相変わらず細かいことを気にするお嬢さんだね…眉毛を抜くよ?」 憂「ご、ごめんなさい…」 純「いいよ。で、何か悩み事?」 憂「あの…梓ちゃんにもらったおやつをあげたんだけど、何も変わらないよ?」 純「ふむ…カモン!アズネコ!」 ガラガラ 梓「にゃーん」 純「お嬢さん、おやつをあげた時お姉さんは笑った?美味しい美味しいとおやつを食べた?」 憂「う、うん…」 純「ならばよし!お姉さんは君の事を前より好きになっているはずだよ!大丈夫!さあ、帰るよアズネコ!」 梓「え?…何で呼んだの?」 憂「ちょ、ちょっと純ちゃん!?」 純「私は純ではない!サイボーグお助けヒロイン、キューティー・純だッ!お風邪など召されませぬよう!」 バサッ! 梓「…ごめんね」 ガラガラ 憂「あの程度じゃ焼け石に水なんだけどなぁ…」 翌朝 トントントントントントントントン… コトコトコトコトコトコトコトコト… 憂「はぁ…何だったんだろう、昨日の純ちゃん…梓ちゃんも」 ジャカジャ~ン! 憂「あ、お姉ちゃん起きた…起きていきなり練習?」 憂「お姉ちゃん、やっぱりまずはギー太なんだね…。顔を洗うよりも朝ご飯を食べるよりも、私におはようするよりも…」 ガラッ! 純「おはようお嬢さん、お悩みですね!?」 憂「……こんな時間にも来るんだね、純ちゃん…」 純「私は純ではない!目覚ましお助けヒロイン、キューティー・純だッ!!コーヒーを淹れてくれないかい、お嬢さん?」 憂「純ちゃん目ヤニついてるよ」 純「はあ…深い味わいだね…ブルマンかな?」 憂「リプトンの紅茶だよ。コーヒー切らしてるから」 純「…で、何の悩み?」 憂「…あの、お姉ちゃんがね、私におはようを」 純「オーケー!アズネコ!カモン!」 憂「…わかっていたとしても最後まで喋らせるのが人情だと思うよ?」 ガラガラ 梓「おはようにゃん」 憂「違う!グッドモーニャングだッ!」 梓「…グッドモーニャング」 憂「何でそんなに従順なの?」 純「アズネコ、あれを出してッ!」 梓「しょうがないなあ純ちゃんは…ちゃちゃちゃちゃーん、すきやきふりかけー」 純「さあお嬢さん、このふりかけを食卓に並べてごらんなさい。お姉さんはたちどころにメロメロだよッ!」 憂「残り半分くらいしかないね…」 梓「うちで使ってるやつだからね」 純「ミッションコンプリート!長居は無用だ、行くよアズネコ!そこのシャケを失敬しておきなさい!」 梓「にゃーん」ぱくっ 憂「あっ!ネ、ネコだから!?ネコだからなの!?純ちゃん!?梓ちゃん!?」 純「私は純ではない!荒くれお助けヒロイン、キューティー・純だッ!素敵な朝食を、お嬢さん!」 バサッ! 梓「…しょっぱいなあこのシャケ」 ガラガラ 憂「……おかずが…」 唯「ういー、おはよー」 憂「あ…お姉ちゃん、おはよう」 唯「どしたの?なんか元気ないよ?」 憂「う、ううん!何でもないよ!さあ、朝ごはんだよ!準備しておくから、顔を洗ってきてね!」 唯「うん!」 バシャバシャ 唯「お~、今日はシャケの塩焼きだね~、私これ大好きなんだぁ~!」 憂「ふふっ!さあ、座って座って?」 唯「はいは~い!」 唯「いただきま~…あれ?ねえうい、ういのシャケは?」 憂「あ、あのね、間違えて下に落っことしちゃって、だから今日はいいの」 唯「だっ、駄目だようい!ちゃんと食べないと丈夫な体になれないよ!?」 憂「大げさだよお姉ちゃん、一食ぐらい平気だよ」 唯「駄目っ!ちょっと待ってね!んしょ…はい、私のシャケ半分あげる!」 憂「え!?い、いいよ、そんな…お姉ちゃんの好物なのに…」 唯「いいからいいから、遠慮しちゃ駄目だよ?お姉ちゃんからのプレゼントなんだから、ね?」 憂「お姉ちゃん…うん!ありがとう!」 唯「えへへ~、じゃあさめないうちに食べよう!」 憂「うん!」 唯憂「いただきます!」 通学路 憂「そういえばふりかけ出すの忘れちゃったけど…まあ結果オーライ、かなあ?」 憂「はぁ…でもやっぱりお姉ちゃん、自主練したいから、って先に一人で行っちゃったし…」 憂「それに、純ちゃんと梓ちゃんと…どんな顔して会ったらいいんだろう…」 憂「はぁ…何で朝からこんなに憂鬱なんだろう…?」 憂「……学校、着いちゃった…」 梓「憂、おはよ」 憂「あ、梓ちゃん!?お、おはよう!!」 梓「どうしたの?びっくりした顔して…」 憂「だ、だって、その…」 梓「…みんなの前で余計な事言わないでよね」ボソッ 憂「わ…わかったよ、梓ちゃん…」 純「おっはよー、梓!憂!」 憂「お、おはよう、純ちゃん」 梓「おはよう純、朝からテンション高いね…」 純「そんなことないよ。むしろそっちが低すぎるの!特に憂!」 憂「えっ!?そ、そう!?」 純「んー?どうかしたの?顔色、あんまよくないよ?」 憂「ううん!何でもないの!何でもないよ!」 純「そう?ならいいけどね~」 梓「………」 憂「(いつもの純ちゃんだ…一体どういうことなんだろう?)」 授業終了 純「じゃね、憂!梓!ばっはは~い」 梓「お疲れー」 憂「ま、また明日ね、純ちゃん!」 憂「(今日一日…純ちゃんは今までと全然変わらない純ちゃんだった…)」 憂「(まさか…あの純ちゃんは私が見た夢?それとも妄想?)」 憂「(ううん…そんなことないよ…だって、梓ちゃんの態度は明らかに変わってるもん…)」 梓「…憂」 憂「ふえっ!?な、何?梓ちゃん」 梓「ちょっとだけ…時間、いい?」 憂「う…うん…」 梓「あの…さ…ごめんね、昨日と今朝のこと。びっくりしたでしょ?」 憂「うん…で、でもちょっとだけだよ?」 梓「本当に?」 憂「…ごめんね、本当はすごくびっくりした」 梓「だよね…まさか純がお助けヒロインだったなんてさ…」 憂「えっ!?」 梓「クラスメイト、しかも親友がお助けヒロインだなんて…嬉しいやら驚くやらだよね」 梓「あ、でもね、私は違うんだよ?普通の人間。魔法キャットじゃないよ」 憂「あ、梓ちゃん!?」 梓「純にね、協力して欲しいって頼まれたの。自分一人じゃ手が足りないから、って」 梓「…やっぱ、あんまりちゃんと出来てなかったよね?緊張しちゃってさ、どんなテンションでいればいいか迷っちゃったんだ」 梓「でも私、頑張ろうと思うの。だって、お助けヒロインのパートナーに選ばれたんだもん…!」 憂「(どうしよう…梓ちゃんが壊れちゃったよぅ…)」 憂「あのね梓ちゃん、お、落ち着いて話を聞いて欲しいんだけど…」 梓「だから、憂にお願いがあるんだ。純と私のことは、秘密にしておいて欲しいの」 憂「ひ、秘密って…?」 梓「お助けヒロインにとって、その正体を見破られることはすごく危険なことなの」 梓「だから、私達の正体を、みんなにバラさないでほしいんだよ」 憂「で、でも…あんな格好じゃすぐバレちゃうよ?というか、バレるとか以前にお助け」 梓「それは、憂が私と純の親友だから、あの変装をあっさり見破れたんだと思う。普通の人にはまず見破れないはずだもん」 憂「変…装…?あれ、変装してたの!?」 梓「憂…二つだけ…質問してもいいかな?」 憂「質問はともかく私の話をちゃんと聞い」 梓「まず一つ目…」 憂「話を聞いてよぅ!」 梓「憂…純や私のこと…怖い?気持ち悪いと思う?」 憂「へっ!?」 梓「純の正体がお助けヒロインだってこと。それに、私がパートナーの魔法キャットになったこと…」 梓「私たちはもう…普通の、平凡な女子高生じゃないから…。やっぱり怖いよね?気持ち悪いよね?」 憂「そ、そんなことないよ!怖くなんかないよ!気持ち悪くもない!純ちゃんも梓ちゃんも、何も変わらないもん!」 梓「憂…じゃあ、もう一つの質問。……これからも、私たちの友達でいてくれる?」 憂「あ、当たり前だよ!!いつまでも私たちは友達だよぅ!!」 梓「憂…ありがとう…本当に…ありがとう…!」 憂「梓ちゃん…」 憂「(お姉ちゃ~ん…なんだか変な展開になっちゃったよぉ~…)」 梓「ごめんね、憂。私はただ、憂の気持ちが聞きたかっただけだから」 憂「梓ちゃん…あ、あのね?私も聞きたいことがいろいろ…」 梓「あ、もうこんな時間!?部活行かないと!」 憂「へっ!?ま、待って!その前に私の話を…」 梓「ごめん!また明日!私たちのこと、くれぐれも頼むからね!」 タッタッタッタッ… 憂「梓ちゃん!?……あぁ…行っちゃった…」 憂「………この先…嫌な予感しかしないよぉ~」 憂「梓ちゃん…あんなこと本気で言ってるかな…?」 憂「お助けヒロインって…何なんだろう…?」 憂「純ちゃんも梓ちゃんも…おかしくなっちゃったのかなあ?そんなの嫌だよぉ…」 憂「…そうだ!純ちゃんにも話を聞いてみよう!」 憂「それにもしかすると、実は純ちゃんは梓ちゃんの妄想に付き合ってあげてるだけなのかも!」 憂「だとしたらおかしいのは梓ちゃんだけってことだから…」 憂「……どっちにしても梓ちゃんがおかしいことに変わりはないのかぁ…」 憂「ううん!とにかく今は純ちゃんだよね!まだジャズ研にいるはずだから…呼び出してみよう」 純「憂、今さっき梓がメールをくれたよ。ありがとう…憂のおかげで、私はこれからもお助けヒロインを続けられるよ…!」 憂「(やっぱり純ちゃんもおかしかったよぉ…)」 純「私はまだ…お助けヒロインを続けなくちゃならないんだ!それが、世界の願いだから…!」 憂「ずいぶん壮大な話になってきたね…」 純「ごめん憂、ここでは盗聴されるおそれがあるから…あまり長く話すのはまずいんだよ」 憂「はあ…」 純「今夜、何か予定はあるの?」 憂「予定?ううん、特にないけど」 純「よかった。じゃあ今夜、梓と一緒にお邪魔させてもらってもいい?」 憂「ふえっ!?う…うん、いいけど…」 純「ありがと。じゃあ今夜9時に行くね!よろしく!そいじゃ!」 タッタッタッタッ… 憂「はあ…まあとにかく、今夜色々お話を聞かないと。今の状況じゃ判断材料が少なすぎるもんね…」 憂「…帰りにケーキ買っていこっと」 平沢家、夜9時数分前 憂「えっと…お茶とお菓子の準備もできたし…あとは二人を待つだけか…」 憂「心配だなあ…冷静にちゃんとお話ができるかなあ…?」 憂「心細いな…味方が欲しいなあ」 憂「あっ!軽音部の皆さんを助っ人に…って、もう間に合わないよね…」 憂「お姉ちゃんは……駄目だよ、巻き込むわけにはいかないよぉ」 憂「…ううん、駄目だよね、弱気になっちゃ…!大切な親友のためだもん!」 憂「あ、もう9時になるよ、お出迎えに行かないと…」 ガラッ! 純「その必要はありませんよ!お嬢さん!」 憂「じゅ、純ちゃん!また窓から…」 純「私は純ではない!蘇ったお助けヒロイン、キューティー・純だッ!!」 梓「にゃーん」 憂「…とりあえず入ってね」 未完 戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1149.html
─平沢家 唯「皆酷いよ!」プンプン 憂「あれ?何書いてるの?」 唯「サンタさんに手紙だよ」カキカキ… 憂「え?もうクリスマス終わったよ?」 唯「うん…でも……」 憂「?」 唯「澪ちゃんのところにサンタさん来てないんだって…」 憂「え………」 憂(そりゃそうだろうけど…) 唯「うちは毎年来るでしょ?」 憂「う、うん……」 唯「でも澪ちゃんのとこは何故かサンタさん来ないの」 憂「そ、そうなんだ…」 憂(お姉ちゃんはともかくあの澪さんが……) 唯「皆に相談したらいるわけないって馬鹿にされちゃった」プンスコ 唯「あずにゃんなんて憂がサンタさんなんじゃないかって言うんだよ~、そんなわけないのにね!」プンプン 憂「あ、あはは…」 唯「今年貰った大きなぬいぐるみ、澪ちゃんにもあげたいな~」 憂「あれ可愛いよね~」 唯「うん!澪ちゃん可愛い物が大好きなんだよ~」 憂「へぇ~」 唯「だからもう一個あれと同じ物をお願いしようと思って!」 憂「え゛」 唯「どうしたの?」 憂「な、なんでもないよ!」アセアセ 唯「日にちがずれちゃったけど大丈夫かなぁ」 憂(お、お姉ちゃん…) 憂「そ、その手紙玄関のポストに入れとくとサンタ協会の人が回収していくんだって!」 ─その夜 コッチコッチ… 憂「いくらなんでも高校生であれは酷いよね…」 憂「教育方針変えたほうが良いのかな…」 憂「………………」 憂「でもサンタさんを信じるお姉ちゃんも可愛い~////」 憂「……………」 憂「………あ、もう3時……」 憂「うう…あれ作るの2週間かかったんだよ…」 憂「………………」 憂「………終わらないよぅ…」 憂「…………」 ぼーんぼーんぼーん…… ─数時間後 憂「………………」 憂「…………眠い」 憂「………………」ウトウト… 憂「………………」チクッ 憂「あいた!」 憂「……………うう」 憂「…………」 憂「できたぁ……おわったよぅ……」グス 憂「あとは…」 憂「唯ちゃんへ、このぬいぐるみを澪ちゃんに届けてあげてください…」カキカキ 憂「澪ちゃんのところに行けなくてごめんなさい…っと…」カキカキ… 憂「この手紙を添えてお姉ちゃんの枕元に置いとけば……」 ─カチャ… 憂「そ~っと…」 唯「すぅ………すぅ……」 憂(可愛いなぁ…////) 唯「ん…すぅ……」 憂(これだけで何でも許せちゃうよ、ずるい!) 憂(じゃああとは頑張ってね…) 唯「ムギちゃんたくあんおかわり~…zzz」 憂「……………」 …… 憂「ふう…」 憂「憂が一晩でやってくれました」 憂「おやすみなさい…」 憂「zzz…」 …… 唯「────うい、うーいー」 憂「んへ…?」 唯「こたつで寝てたら風邪引いちゃうよ」 憂「あ…そだね…」 憂「……あれ?どうしたのそのぬいぐるみ!」 唯「あ、そうだ!これすごいでしょ!」 唯「サンタさんからプレゼント!!この手紙も!!枕元においてあったんだよ!!」キラキラ 憂「わ、わあ!すごい!」 唯「お願い聞いてもらえたんだ!」 憂「良かったねお姉ちゃん!」 唯「綺麗にラッピングして澪ちゃんに持ってくよ!」 憂「頑張ってね!」 唯「うん!」 唯「夜が楽しみだな~」 憂(よかったねお姉ちゃん!) …… 唯「────と、言うわけで…」 唯「やってきました澪ちゃんち」 唯「煙突……ないなぁ」 唯「夜中に窓から……ってそれは通報されちゃうよ…」 唯「う~ん…」 澪「あれ?唯?」 唯「うわ!澪ちゃん!」 澪「こんな時間に何やってるの?何か用事?」 唯「えっと、そんなところかな?!」アワアワ 唯(ああ、サプライズが!) …… 澪「何の用?変な袋もって…」 唯「違うの!たまたま通りかかっただけ!」 澪「どっちだよ…」 唯「!!」 唯(そうだ!) 唯「あ、あのね、澪ちゃんに合わせたい人がいるの!」 唯「だからちょっと中で待たせてもらって良い!?」アタフタ 澪「え…?誰?知ってる人?」 唯「まだ秘密!」 澪「??」 澪「────適当にくつろいでて」 唯「あ、ありがと…」 澪「ねぇ、私に合わせたい人って…」 唯「あ!すぐ呼んでくるよ!」 澪「え?でも唯しかいなかったけど…」 唯「大丈夫大丈夫!」 澪「……この近くに来てるの?」 唯「そそ!えっと、その前にちょっとおトイレ借りて良い?」 澪「あ、う、うん」 澪「階段の角のとこだよ」 唯「ありがと!」 そそくさ… 澪「変な奴…」 …… 唯「────そうそう、始めからこうすればよかったんだよ」 唯「中に入れてもらってから着替えればよかったんだ!」 唯「我ながら良いアイデア!」 唯「じゃーん!おまたせ澪ちゃん!」 ,. .-――- . .. __ ,. イ . . . . . . `ヽ. ,xーく r‐’ . . . . . . . \ / /´ ̄` ̄`⌒^ヽ; . . . .、 { ノ `ーく . . . .\ Y′ ⌒ヽ . i .. i 〉 7r=ぐ 77^下、__ V . {/ . { ,./ . | /` く/\_{ i |>z、 \ | .| // . |′ /z=ミ.从 | r≦ミト、 `ヽ { `ー ´ .′/ハ 〃i てi {\{ ん ぅi}} ヽ. } . | | / !. トト{ ` ヒツ 辷 ツノ|} トi、 入 } }′. |. .(i /// ' /// 从/ }ノ ヽ.イ./´ソ`ヽ | . .∧ ヽハ ー ' / / | .Y { } V 仏\ 込. ..イ /. リ . } ヽ. ソ 「ヽ ,..∠ ` く` <≧i ___ イ/ .| / . / .イ 人  ̄ ヽ. \ ,.x=≦ .. . . . ヽ ` x `「Y_ /廴 rくィ// j/ \ `く `ヽ . . . } . `i{. .トミ rー ヘ、ヽ ̄`>‐、_ r 、 丶≧ミ ∨ . . . | / {_「ヽ `ヽ--x.___}ノ^^´ ヽ____ }' { , `ヽ V . / . \ }」 }廴___ ..__ ノ r=チ´ __, } '. . }′ ,__,__,_ ..--‐宀"  ̄` ´>.、 }| ヽ_>ァ´ 人 | . ′ /⌒ヽ . . { / . . . . \ {ヽ. __ ノ〉 厂 .} { i . . . { } . | ′ ... -=  ̄ ヽ Y `ー‐弋. ´ . . ノ { | . . . . . ` ー '. V´ . . =- `ヽ. ヽ. ..... V. . . .{ i../| . . . . . . . . . ト- .__彡.´. . 〉 'i .......ヽ. . j {' l . .. . . . . x一く . . . i / . . -一 . ノ ヽ ...... `..} l′∨ .. . . . . . { } . . . | ,.斗. ´ . . . } ヽ ...... ノ / 〉 . .. . . . . . . ` ー '. . . j/ . . . ′ \`¨´ / /. . . . . . . . . . . . ハ`ヽ . . . . / `ー-- ' ,.'. . . . . . . . / ∧ \ . . . . / 澪「唯……なにやってるの?」 唯「あれー!?さっそくバレ…………」 唯「じゃなくて私はサンタですよ!」 澪「いや…その衣装…」 唯「これはさわちゃ……じゃなくて本場アラスカのサンタ衣装だよ!」 澪「えーっと……」 唯「今日は唯ちゃんに頼まれて澪ちゃんに会いに来たんだ!」 澪「ゆ…唯……」 唯「クリスマスに来れなくてごめんね、ちょっと回る家が多くって…」 澪(ううう…ゆいぃ…)ぽろぽろ 唯「澪ちゃん!どこか痛いの!?」 澪「違う…うれしいの……ぐす」 唯「澪ちゃん…」 澪「ありがとう、サンタさん!」 唯「澪ちゃん!」ぱぁぁ 唯「じゃあ良い子にしてた澪ちゃんにプレゼントをあげよう!」 澪「え………ええー!?」 唯「ジャー…ん……ってあら?」 澪「…?」 唯「ごそごそ…」 唯「あうー……プレゼント忘れた…」 澪「…ふ……」 澪「ふふふ……あははは!」 唯「うう…」 澪「唯らしいよ…あはは!」 唯「みおぢゃん…ぐす……」 澪「ごめんごめん!」 唯「せっかくサンタさんに貰ったのに忘れちゃうなんて…」 澪「いいよ、気にしないで!」 唯「でもでも…」 澪「ありがとね」 唯「そうだ!明日持ってくるよ!」 澪「あはは、もう正体隠す気はないんだな」 唯「!!」 唯「うぉっほん!私は唯ちゃんサンタさんです!」 澪「なんだよそれは」 唯「ううー」 唯「でも本当にサンタさんに貰ったんだよ!」 澪「そうなんだ?」 唯「うん!澪ちゃんにもプレゼントあげて下さいってお願いしたの!」 澪「唯…」ジーン 唯「こ~んな大きなくまちゃんのぬいぐるみ!私とおそろいだよ!」 澪(唯とおそろい……いいな…) 唯「それにね、この手紙!」 澪「これって……じゃあやっぱりサンタは…!」 唯「いるよ!絶対!」 澪「そっかぁ……そうだよね…!」ぱぁぁ 唯「うん!」 唯「………でも残念だなぁ、今日あげたかったのに…」ショボン 澪「気にしないでいいのに」 唯「そうだ!今日は私がぬいぐるみの代わりになる!」 澪「え?」 唯「澪ちゃ~ん」だきっ 澪「ゆ、ゆい?!////」 唯「えへへ、なんちゃって////」 澪「まったく…////」 澪唯3
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/2033.html
律「というわけで、だ!」 みんながお菓子を食べていると、りっちゃんがホワイトボードを引きずってきました。 律「これからライブのための練習をはじめるぞ!」 梓「ライブ、ですか?」 りっちゃんの張り切りぶりとは裏腹に、みんなは首を傾げてしまいます。 澪「でも学園祭は終わっちゃったし、新歓は来年だし、演奏できる機会なんてもうないと思うんだけど」 律「ないなら作ればいいじゃない!」 機会を作る。それはきっと大学生とかならできるんだろうけど、私たちは高校生です。高校の軽音部は行事以外ではほとんど他人に聞かせる演奏ができません。やろうと思えばできるのだろうけど、二週間という短い時間でそれを成し遂げるのは難しいんじゃ……。 さ「あながち不可能でもないわね」 ところがさわ子先生が何気ない口調でそう返したので、みんなの目に光が宿りました。 さ「この前のあなたたちの演奏が、先生方にも結構な評判でね。ぜひまたライブをやってくれってせがんでくる先生もいるくらいなの」 澪「本当ですか?」 さ「ええ。そこでちょっと考えてみたんだけど」 さわ子先生の提案は、まるでこのときのために用意されていたんじゃないかと思えるくらい素晴らしいもので、私たちは手を取って喜び合いました。それでいこう! というりっちゃんの声にみんなも賛同します。 先生の提案はこんな内容でした。 さ「平日開催は、みんな活動している部活があることだし、客足は望めないと思うの。だから狙い目は休日しかないわ。いいみんな、思い出してみて。来週の日曜日に何があるのかを」 唯「にちようび……?」 梓「あ……オープンキャンパス!」 そうそれ、とさわ子先生。私立桜が丘高校はこの時期になると定期的にオープンキャンパスを行います。私たち生徒にはあまり関係ないので忘れていましたが。 律「もしかして、そこで演奏できたりとか!?」 さ「先生方と話し合わなきゃいけないけど、うまくいけば、あるいはね。さっきも言った通り、あなたたちの演奏のファンになった先生がもう何人もいるの。決して一蹴されることはないと思うわ」 唯「うわあー! ムギちゃん、やったね!」 唯ちゃんの言葉にも、私はまだ事態を飲み込めていなくて、曖昧に笑うことしかできなくて。でももう一度この仲間たちと演奏ができるのだと思うと、途端に幸せな気持ちが芽生えてきました。よかった、と胸の中で呟きます。 澪「まだ私たち、終わってないんだね」 律「むしろこれからって感じ?」 唯「じゃあ早速練習しようよ! えーと、今日が金曜日だから、来週の日曜日まで……ん? えっと」 梓「今日を入れてあと十日です、唯先輩」 唯「十日! もう十日しかないの!? 新曲作るにしてもぎりぎりだよ!」 紬「え?」 律「新」 澪「曲?」 場の空気が凍りつきます。 律「なあ唯。まさか十日で新曲作るだなんて言わないよな?」 唯「え、しないの?」 紬「いくらなんでも十日じゃちょっと……」 澪「他の曲だってある程度練習したいし」 尻込みする私たちに唯ちゃんが必死に説得を試みます。 唯「で、でもっ、ほら、ムギちゃんいなくなっちゃうんだし、最後に一曲くらい作ってもいいと思う!」 澪「とは言ったって……」 梓「あ、あの、わたしも賛成です」 梓ちゃんもおそるおそる手を挙げました。澪ちゃんがびっくりした目で梓ちゃんのほうを向きます。 梓「わたしも、何か思い出に残るようなことをしたほうがいいと思うんです。大変だろうけど、みんなで乗り越えていけばきっと……」 律「――よく言った!」 澪「ちょっと、律」 律「澪、この前言ってたよね? 歌詞のストックができてきたーって」 澪「い、言ったけど。完成にはまだほど遠いよ」 律「ムギは? 転校のことで色々忙しいだろうけど、作曲に費やせる時間はある? ううん、そうじゃない。私たちのために一曲仕上げるだけの気持ちは、ある?」 紬「!」 それは、りっちゃんの真剣な問いかけでした。時間や労力は気分次第でどうにでもなります。必要なのは、ほかでもない熱意そのもの。ライブをよりよきものにしたいという気持ちが大切なんです。 私は力強く頷きました。 紬「あります」 律「澪は? 私たちのために歌詞、書いてくれる?」 澪「……。もー、わかったわよ。その代わり、ちゃんと手伝ってよね」 唯ちゃんがほっとした顔になるのが見えました。梓ちゃんに抱きついて頬をすりすりしています。 ああ、女の子同士って……やっぱり素敵だわ! そういうわけで新曲の方向性を簡単に話し合い、そのあとは残った時間を全てバンド練習につぎ込んで、澪ちゃんは歌詞を、私は曲の構想をそれぞれ宿題として持ち帰りました。転校すると告げて二日、まだ二日なのに、多くのことが変わっていっているのがわかります。 後日、さわ子先生のガッツポーズに音楽室が改めて沸きました。 さ「午後一時から二十分、講堂の使用許可もばっちり取れたわ!」 律「さすがさわちゃん、グッジョブ!」 さ「ええ、私グッジョブ!」 りっちゃんと先生が抱き合う光景をしっかり堪能していると、澪ちゃんが私に紙を差し出してきました。 澪「歌詞、書けたよ」 澪ちゃんの目には薄くクマができていました。きっと寝不足になるまで頑張って歌詞を書いてくれたんだと思います。ありがとう、と告げると澪ちゃんは赤くなってあさっての方角を向いてしまいました。 さあ、次は私の番。みんなと最高のライブをするために、澪ちゃんの歌詞を、みんなの思いを、余すことなくメロディラインに乗せてみせるわ。 ここ最近のお姉ちゃんは、家に帰ってきてからもずっとギターの練習をしています。 憂「お姉ちゃん、ご飯だよ」 唯「うん」 いつもならすぐ飛びついてくるのに、こんな調子。このところは寝る時間も遅いみたいで心配です。思わず私はお姉ちゃんの背中に問いかけていました。 憂「どうしてそんなに練習してるの?」 唯「ん? えっとね、これ」 お姉ちゃんが楽譜を見せてくれます。学園祭のときにギターを触ったので譜面はある程度読めました。でもこれははじめて目にする楽譜でした。 唯「ムギちゃんがいなくなる前に、オープンキャンパスでライブさせてもらえることになったんだ。これはそのときに演奏する新曲なの」 憂「そうだったんだ……」 だからお姉ちゃん、真剣に練習してたんだね。えへへと笑うお姉ちゃんの横顔が、私にはとても勇ましく見えました。 軽音部に入る前のお姉ちゃんも好きだったけど、何かのために、誰かのために一生懸命努力している今のお姉ちゃんも私は大好きです。だから心配ではあるけれど、お姉ちゃんの頑張りを止めたりはしません。 憂「頑張ってね、お姉ちゃん」 唯「もっちろん! ギー太と一緒に一生忘れられないライブにするよー!」 憂「でもご飯はちゃんと食べようね」 唯「え? もうご飯できてるの?」 聞いてなかったんだ……。私は無意識に苦笑いをしてしまいました。お姉ちゃんはやっぱり、どんなときでもお姉ちゃんみたいです。 そして日曜日。 過密スケジュールの中で練習を続け、ついに本番のときがやって来ました。 澪ちゃんは相変わらず震えていて、それをりっちゃんがからかうといういつもの風景。二人はこうやって緊張をほぐしているんだと最近わかってきました。唯ちゃんと梓ちゃんと私は、自分たちの楽器に触れて感触を確かめています。 二年近く一緒にバンドを組んできたのに、まだ知らなかったことが山ほどあって、それに気づくたびに心が温かくなります。時間を積み重ねることで得られる信頼を全身で感じることができます。 でも、今日でそれもおしまい。このライブが終わったら、私はこのバンドから消えることになります。ティーセットからはカップが一つだけ失われ、音楽室からはキーボードの音色がしなくなって……。 唯「ムギちゃん……だいじょうぶ?」 紬「え?」 唯ちゃんが心配げな顔で覗き込んできました。他のみんなも喋るのをやめてこちらを見やっています。 紬「い、いやね。大丈夫よ。気にしないで」 唯「だって、辛そうな顔してたから……」 紬「そんなこと言ったら澪ちゃんだって」 澪「わ、私!?」 律「澪はいっつもこうだから気にするな」 次は軽音楽部によるバンド演奏です―― アナウンスの声がして、私たちは態度を改めました。幕が開き、暗がりの中から観客の視線が集まってきます。 ついに、はじまったのね……。 私は鍵盤の上に指を置きながら、りっちゃんのほうを振り返りました。二十分なので実質演奏できる曲は三曲だけです。最初に演奏する曲は、唯ちゃんの発案と、私たち一人一人の努力で生み出された新曲。 律「ワン、ツー、スリー、フォー」 演奏が、開始されました。 澪ちゃんの歌詞にはいつもどこか可愛らしいところがあって、 それが唯ちゃんの歌声に乗るともっと可愛くなって、 走り気味だけど力のあるりっちゃんのドラムに、 地に足のついた梓ちゃんのギター。 そんな色々な「私たち」が組み合わさってできたこのメロディに、私が参加できているというのがどれだけ幸せなことか、今までは考えたこともありませんでした。 あの日合唱部に入っていたら間違いなく体験できなかった、輝かしき日常の数々。みんなで合宿に行って、クリスマス会をして、たまに喧嘩もしたりして、でも決して途切れることなく続いていく私たちのティータイム。 紬(それが、もう……味わえない) このライブが終わったら……もう。 私たちのティータイムは……。 唯(あれ……っ?) 唄いながら、私は不自然に思いました。何かが聞こえない。未熟な私たちの演奏を優しく包み込んでくれる、お母さんみたいなあの音色が……。 唯(ムギちゃんの手が止まってる!) 横目でムギちゃんのほうを見て愕然としました。ムギちゃんは顔を伏せて、泣いていました。 肩が小刻みに震えていて、時折雫がぽたりと落ちているのが見えます。あずにゃんも澪ちゃんも異変に気づいたのか、強張った顔になっています。心なしかりっちゃんのドラムも乱れ気味になってきています。 私は心の底から神さまに祈りを捧げました。 お願いムギちゃん、頑張って――! 律(ムギ!) 梓(ムギ先輩!) 澪(頑張れ、ムギ!) みんなの演奏が乱れてる……でも、そうとわかっていても指が動かせない。 だってこのライブを終わらせたくない! 私はまだまだみんなと軽音部を続けていきたいの! 苦悩する私の頭に、数日前のみんなの台詞が蘇ってきました。 キーボードの代わりなんていらないよね―― 私たちにはムギちゃんしかいないんだもん―― ムギ先輩のキーボードが好きです―― これからも放課後ティータイムのキーボードは、ムギの専用スペースだ。誰にも渡すつもりなんてない―― 紬(ああっ……みんな、みんな!) 私は今一度指に力を込めました。みんな、私のキーボードを信頼してくれている。ここで演奏を駄目にしてはいけない。放課後ティータイムのキーボードは……76個の鍵盤が生み出すメロディは、私、琴吹紬だけのものなんだから! 指が再び動き出します。もう迷ったりはしないと決意しました。 ごめんなさいみんな。でももう平気。この指が今日という日を最高の日とするために、二度と止まったりはしないと、最高のメロディを紡ぎ出すと誓ったのだから! 私のキーボードが再開されるとみんなの乱れも次第に解消されていきました。隣のりっちゃんがウィンクをしてきたので、私も涙目のまま、同じくウィンクで返しました。 私のせいでアクシデントがあったけど、なんとか無事に新曲をやり終えることができました。 みんなに向かって手を合わせ、ごめんねと謝ります。 続く二曲目は『私の恋はホッチキス』。梓ちゃんはこの曲を聴いて私たちの演奏に興味を持ってくれたんだっけ。新歓の頃が今はもう懐かしく思えます。 指のほうはもう心配する必要もなくなりました。そこには純粋に演奏を楽しんでいる私がいました。 二曲目が終わったところで、MCを務める唯ちゃんが朗らかな声で話しはじめます。 唯「えっと、次が最後の曲になります。今から歌うのは、私たちがバンドを組んで最初に演奏した曲です」 今さらながら私は、今回の曲構成の意図を知りました。 新曲を最初に披露して、梓ちゃんが軽音部に入るきっかけとなった『私の恋はホッチキス』を二曲目に持ってきて。 そして私たちにとっては馴染み深い、一年の学園祭ではじめて演奏したあの曲を最後に持ってくる。 現在から過去へ、それはまるで走馬燈のように私たちの思い出を回想していくみたいに。 たった三曲の中にも確かに時間の流れは存在していて、それを感じながら演奏するというのは、幸せ以外の何物でもありませんでした。 唯ちゃんが大きく息を吸い込み、曲の名前を口にします。 唯「皆さん、ぜひとも楽しんで聴いてください。――それじゃあみんな、行くよ。『ふわふわ時間』」 二本のギターが別れのときを告げるBGMとなって、それぞれの旋律を辿っていきます。 やがてその旋律は他のパートと混ざり合って、講堂に興奮を巻き起こします。 ありがとう。そんな気持ちで、私は一心不乱にキーボードを弾き続けました。曲が終わる、その瞬間まで。 エピローグ えーと、唯です。そのあとのことをちょっとだけお話したいと思います。 オープンキャンパスでのライブは大成功を収めました。はじめはぎこちなかった観客の人たちも、最後は手拍子をくれたりしました。 あとで耳にした話では、妹の憂もこっそり見に来ていたらしいです。 新曲の評判もおおむねいい感じで、急いで作ったわりには素敵だとさわちゃん先生が褒めてくれました。その言葉に一番救われたのはたぶん澪ちゃんだったと思います。 ムギちゃんはライブが終わった数日後に、無事海外へと飛び立っていきました。愛用のキーボードと使い慣れたティーセットを置いて。 お茶を入れるのはあずにゃんの役目になって、先生がいるときなんかはもっぱらメイド服を着せられて給仕しています。 りっちゃんや澪ちゃんは、パソコンでムギちゃんと連絡を取り合っているみたい。私もパソコン欲しいなーって言ったら「じゃあ私アルバイトはじめるよ!」と憂が意気込んでいました。それをあずにゃんに話すと「過労死させる気ですか!」と怒られました。ごめんなさい……。 それから放課後ティータイムがどうなったかは皆さんの想像にお任せします。ただ言えるのは、私たちが卒業した今も桜が丘軽音部は残っているということ。そして私の家には、今も奇麗にメンテナンスされたギー太が立てかけられているということです。 おしまい。 戻る
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/148.html
320 名前:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/06/26(火) 10 30 23 ID A2MNZGBu その日の放課後の屋上───待っていたのは長い黒髪を後ろに縛った、俺と 同じくらいの身長の目付きの少しきつい隣のクラスの───男だった。あれ? 「こんにちは。青野虎之助君。」 奴は男にしては高い声で俺のほうを向いた。まてまてっ!なんで俺の名前をっ!! 俺は榛原さんに手紙を渡したはずじゃっ!!!下手すればこのままアッーーな関係に? 俺様一生の不覚。 「君のことはよく知ってるよ。昨日榛原さんに相談されたからね。」 彼の表情は読めない……。何考えてるんだ。てかなんで榛原さんと仲いいんだ? やつは、男の俺に呼ばれたことがわかっていてもそれほど不機嫌なふうもなく淡々としている。 確か剣とかいったか…。こいつの名前。美形で女に人気のあるやつだ。 馬鹿姉め。どうせなら今日乱入しろよっ!! 「まさか、話してもいないのに一目で僕のことを見抜くなんて…。」 はっ?何いってんだこいつ。 「僕が女だって……どうしてわかったんだ?」 えーっと。ちょっとまて。整理しよう。俺は朝、榛原さんに渡すつもりで下駄箱に 手紙を入れた。だけど、間違えた場所に入れてしまった。そいつは男のはずだったが 偶然にも男装した女だった………なってこった。何か言わないと!!! 「わかるに決まってるだろ。どこからどう見ても可愛い女の子にしかみえん。」 俺はニヒルに笑って……あれ、これまずくないか? なんか剣さん赤くなってますよ? 「嬉しいことを言ってくれるな。親の都合で男として暮らしていたから…そんなこと 言ってもらえる日が来るなんて思っても見なかった。」 嬉しそうに笑う剣さん。だけど…俺は…。 321 名前:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/06/26(火) 10 31 14 ID A2MNZGBu 「剣さん…ごめんな。その手紙、榛原さんに宛てたものなんだ。昨日、姉と一緒にいて 告白されたのに誤解されてしまって。君のことわかってたのは本当だけど、下駄箱を 間違えてしまったみたいだ。可愛いっていったのは嘘じゃない。ほら、俺、女見る目は 厳しいんだ。姉があんなのだから。」 大嘘をつく俺。完璧だまされてました。はい。だけど嘘ってときには必要だよね? 「気にするな。なんとなくそうだろうとは思っていた。だが、僕も君に惚れたようだ。 これからは榛原もライバルだな。彼女には悪いが…。手紙は僕から彼女に渡しておこう。」 ちょ、おまおま…何がどうなってんだっ! どうやら、俺の学園生活には暗雲が立ち込めているようだ。そして、いつの間にやら 姉が屋上に来ていた。俺と剣さんは突然現れた美女のほうを向いた。 「あれ…あのお手紙、男の子に渡したの~?」 なんでこんなとこに駄目姉が…手紙? 「おい、亜紀姉。ちょっとまて…なんで手紙のこと知ってるんだ。」 「それはね~。虎ちゃん寝てるときに読んじゃった。おねーちゃんにもあんな熱い 手紙書いて欲しいなあ。そしたらすぐにOKだしちゃうのに。」 こいつにはプライバシーという言葉が存在しないのかっ! 「だって、虎ちゃん心配だもん。あーんな、格好いいお手紙を男の子に渡すなんて… やっぱり、正しい道をお姉ちゃんが教えてあげないとね。そんな、男同士の禁断の 関係なんて………どっちが攻め?どっちが受け?きゃーきゃーきゃー♪」 「いや、亜紀姉…その道も絶対間違ってるから…。てか、俺はホモじゃねえ!」 完全放置状態の剣さんはそんな俺たちの様子を見ながらくすくすと笑っていた。 322 名前:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/06/26(火) 10 32 08 ID A2MNZGBu 「いや、失礼。私は剣薫です…青野亜紀さんですね。お噂どおり美しい。これから、 私は正式に虎之助君とお付き合いさせていただこうと思っています。よろしくお願いします。」 丁寧に姉に礼をする剣さん…って…俺の意思は!? 「あらあら、虎ちゃんの姉の亜紀です。だけど、だめよー?虎ちゃんは私のお婿さんの 道しか決まってないんだからねー。」 「んなわけあるかあぁぁぁぁ!」 こんな駄目姉の婿なんかになった日には二十代で禿げるわ。俺を放置して見詰め合う 姉と剣さん。おおバックにオーラが見える…。 剣さんの後ろには竜。亜紀姉の後ろには太ったぶち猫… 「あうぅぅぅぅ…」 「…………」 あ、喰われた。 「いやああああ~この人怖いよぉ………虎ちゃん~~~~!!!」 そして泣きながら正面から抱きつく姉。理性を溶かすフェロモンを全快にした女の感触と匂いが 俺を侵食する。全身全霊を使ってなんとか俺は引き離した。 「やりますね…。だけど僕は負けません。今日のところはさよならです。マイラバー虎之助君。」 男装少女、剣薫は大げさな身振りを入れて去っていった。どうして俺の周りには変な奴 ばっかり集まるんだろうか。春は遠い。 323 名前:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/06/26(火) 10 33 07 ID A2MNZGBu その夜、一日の疲れを癒すべく俺は風呂に入っていた。この時間は家事と勉強と姉の世話に 追われる俺にとって数少ない安らぎの時間だ。俺は湯船につかりながらささやかな幸せに 浸っていた。 「ふぃ~~~今日も大変だったなぁ。」 「だよね~~~びっくりだよね。」 「まさか、あんなことになるなんてなあ……っておい!」 風呂の入り口にはバスタオル一枚で身体を隠した駄目姉がいた。 「今は入浴中だっ!帰れ!!」 「だめよ~。ちゃんと虎ちゃんに正しい道に戻ってもらわないといけないんだから。」 「はあ?」 「いくら恋人が出来ないからって男の子に告白しなくてもいいじゃない。」 俺の制止も聞かず、狭い風呂に強引に入ってくる。柔らかいからだがいっぱいあたって …ちょ、まずいことに… 俺は大事な部分が過敏にならないうちに脱出しようとしたが姉に腕を掴まれた。 う、動けない…なんて強さだ。 「それでなんで亜紀姉は俺の風呂に乱入することになるんだ。」 「正しい道に戻すには弟とは一緒にお風呂はいるべきなんだよ?お姉ちゃん天才っ!?」 「わけわからん……。」 俺は何もかも諦めて脱力し、メリハリの利いた姉の肢体をみないようにしながら 身体を洗ってとっとと風呂を上がろうと心に決めた。が、 「あ、お姉ちゃんが虎ちゃんのお背中流してあげるね。嬉しいな~こんなの子供の頃以来だね。」 と、姉は追いかけてきた。もう抵抗しても無駄なのはいつものことなので悟りを 開こうとしていたのだが…背中に当たるむにゅんという犯罪的に柔らかい感触が 俺を悟りの極みから呼び戻した。 324 名前:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/06/26(火) 10 34 24 ID A2MNZGBu 「ちょ!亜紀姉!!なにしてだあああ!」 「えっとぉ。正しいお背中の流し方…………なんだって。えへへ。恥ずかしいね。」 鏡を見ると……バスタオルもつけていない裸の姉が身体に泡をぬりつけて、俺の 身体に擦り付けていた……思わず噛んじまった。姉は幸せな顔で俺に身体をすりすりしている。 「俺が恥ずかしいわっ!亜紀姉、やめろ~っこれはだめNG!」 「えええ。折角お姉ちゃん頑張ってるのに~~気持ちよくないの?」 ええ、そりゃスタイル抜群で絶世の美人な姉にこんなことされるのは気持ちいい…だが! 人の道は確実に踏み外しているはずだ。 「ほら、お、俺達は姉弟だろうが。こういうのはだめだ!」 「姉弟とか関係ないよ虎ちゃん。男の子好きの虎ちゃんを女の子好きに戻すほうが大事なんだから。 あれ………虎ちゃんのおちんちん………子供の頃と随分違うね。上向いてるよ?」 ま、まずい……駄目だ駄目だと思っていたが、意味不明なくらい駄目だ。逃げよう、 何が何でも逃げようっ。これ以上の羞恥プレイはたえられん。 「えいっ!うわ、硬い~~それに熱くてどくどくいってるよ~。」 逃げる前に、姉のしなやかで細い指先は、俺の息子を完全に拘束していた。背中から 両手を回しているために胸は完全に押し付けられ、逃れられない反則的な快感を俺に与える。 蒸気に曇った欲室内は徐々にピンク色に空気が篭っていっている錯覚に陥らせた。 「亜紀姉………俺、本当に怒るぞ?」 「うう、虎ちゃん怖い……ねー。酷いよねー。」 泣きそうな声で俺の息子に語りかける馬鹿姉…って!!上下に動かすなっ! 「あれ?なんか出てきた…。お湯じゃないよね。もっともっとしてみよ…」 「うわああぁ馬鹿姉!!亜紀姉っ!!やめやめっ!!!」 片手で俺を抱きしめ、あいた手で姉は俺のあそこを可愛がり始めた。柔らかい感触 だけでなく、姉の熱い吐息が無意識なのか俺の敏感な首元にかかった。 「うああぁぁ…やばい、やばいって亜紀姉…だめだ…くううう!!」 「うわあ、白いのがすっごいいっぱい……ああっこれがもしかして…。へえ~こんな風に なってるんだね。虎ちゃん…。気持ちよかった?ねえ気持ちよかった?」 「…………」 俺は遊び半分で強制的にいかされたショックと、それを姉にされたことの二重のショックで 打ちひしがれた。姉は…それを舐めたり匂いを嗅いだりして好奇心を満たしていた。 325 名前:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/06/26(火) 10 35 33 ID A2MNZGBu 「うう~~ごめんなさいいい、ね、虎ちゃん、怒らないで~」 風呂から上がった俺は自分の部屋で駄目姉を正座させていた。見た目だけは美しい姉は 俺を涙目で上目遣いしている。 「あんなことはしちゃだめだ。第一男女七歳にしてといってだな。一緒に寝るのも駄目なのに 裸であんなことしたら駄目なんだ。」 「でもでも~男の子好きになるくらいならお姉ちゃんがって思ったんだもん。虎ちゃんの ためなんだよ~?」 この姉は本気だろう…だから、いつもあんまり強くはいえないのだが…。 「俺はちゃんと女の子が好きなの。それに剣は女らしいから大丈夫だ!」 「そうなんだ…ああ、でも愛する虎ちゃんが剣さんと仲良くなっちゃうのも困るなあ。」 「いい加減俺も彼女いない暦=年齢を卒業させてくれ。亜紀姉。」 俺はため息をついた。そんな俺に姉は名案とばかりに手を叩いた。 「じゃ、お姉ちゃんが恋人になってあげる!!そしたら、卒業だよ。ないすあいであー!!」 「アホか。」 あほなことをいう姉を一旦放置し、飲み物を用意するために部屋を出た。姉の宿題を 見てやんないとだめだしな。そして暫くして戻ると… 「虎ちゃん虎ちゃん虎ちゃん~~~~っ!」 姉が俺のベッドの上で虎のぬいぐるみを抱きかかえ、転げまわっていた。俺は問答無用で 布団から引き剥がしてベッドから亜紀姉を叩き落し、軽く蹴りを入れた。 「いやん、虎ちゃん大胆…ああああ、嘘嘘。将軍様助けてー暴力反対よ~」 そして、黙ってお茶菓子を出して自分の宿題を片付けさせた。 ちなみにこの日は……すっきりしたせいかよく眠れた。畜生。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17693.html
律「というわけで、だ!」 みんながお菓子を食べていると、りっちゃんがホワイトボードを引きずってきました。 律「これからライブのための練習をはじめるぞ!」 梓「ライブ、ですか?」 りっちゃんの張り切りぶりとは裏腹に、みんなは首を傾げてしまいます。 澪「でも学園祭は終わっちゃったし、新歓は来年だし、演奏できる機会なんてもうないと思うんだけど」 律「ないなら作ればいいじゃない!」 機会を作る。それはきっと大学生とかならできるんだろうけど、私たちは高校生です。高校の軽音部は行事以外ではほとんど他人に聞かせる演奏ができません。やろうと思えばできるのだろうけど、二週間という短い時間でそれを成し遂げるのは難しいんじゃ……。 さ「あながち不可能でもないわね」 ところがさわ子先生が何気ない口調でそう返したので、みんなの目に光が宿りました。 さ「この前のあなたたちの演奏が、先生方にも結構な評判でね。ぜひまたライブをやってくれってせがんでくる先生もいるくらいなの」 澪「本当ですか?」 さ「ええ。そこでちょっと考えてみたんだけど」 さわ子先生の提案は、まるでこのときのために用意されていたんじゃないかと思えるくらい素晴らしいもので、私たちは手を取って喜び合いました。それでいこう! というりっちゃんの声にみんなも賛同します。 先生の提案はこんな内容でした。 さ「平日開催は、みんな活動している部活があることだし、客足は望めないと思うの。だから狙い目は休日しかないわ。いいみんな、思い出してみて。来週の日曜日に何があるのかを」 唯「にちようび……?」 梓「あ……オープンキャンパス!」 そうそれ、とさわ子先生。私立桜が丘高校はこの時期になると定期的にオープンキャンパスを行います。私たち生徒にはあまり関係ないので忘れていましたが。 律「もしかして、そこで演奏できたりとか!?」 さ「先生方と話し合わなきゃいけないけど、うまくいけば、あるいはね。さっきも言った通り、あなたたちの演奏のファンになった先生がもう何人もいるの。決して一蹴されることはないと思うわ」 唯「うわあー! ムギちゃん、やったね!」 唯ちゃんの言葉にも、私はまだ事態を飲み込めていなくて、曖昧に笑うことしかできなくて。でももう一度この仲間たちと演奏ができるのだと思うと、途端に幸せな気持ちが芽生えてきました。よかった、と胸の中で呟きます。 澪「まだ私たち、終わってないんだね」 律「むしろこれからって感じ?」 唯「じゃあ早速練習しようよ! えーと、今日が金曜日だから、来週の日曜日まで……ん? えっと」 梓「今日を入れてあと十日です、唯先輩」 唯「十日! もう十日しかないの!? 新曲作るにしてもぎりぎりだよ!」 紬「え?」 律「新」 澪「曲?」 場の空気が凍りつきます。 律「なあ唯。まさか十日で新曲作るだなんて言わないよな?」 唯「え、しないの?」 紬「いくらなんでも十日じゃちょっと……」 澪「他の曲だってある程度練習したいし」 尻込みする私たちに唯ちゃんが必死に説得を試みます。 唯「で、でもっ、ほら、ムギちゃんいなくなっちゃうんだし、最後に一曲くらい作ってもいいと思う!」 澪「とは言ったって……」 梓「あ、あの、わたしも賛成です」 梓ちゃんもおそるおそる手を挙げました。澪ちゃんがびっくりした目で梓ちゃんのほうを向きます。 梓「わたしも、何か思い出に残るようなことをしたほうがいいと思うんです。大変だろうけど、みんなで乗り越えていけばきっと……」 律「――よく言った!」 澪「ちょっと、律」 律「澪、この前言ってたよね? 歌詞のストックができてきたーって」 澪「い、言ったけど。完成にはまだほど遠いよ」 律「ムギは? 転校のことで色々忙しいだろうけど、作曲に費やせる時間はある? ううん、そうじゃない。私たちのために一曲仕上げるだけの気持ちは、ある?」 紬「!」 それは、りっちゃんの真剣な問いかけでした。時間や労力は気分次第でどうにでもなります。必要なのは、ほかでもない熱意そのもの。ライブをよりよきものにしたいという気持ちが大切なんです。 私は力強く頷きました。 紬「あります」 律「澪は? 私たちのために歌詞、書いてくれる?」 澪「……。もー、わかったわよ。その代わり、ちゃんと手伝ってよね」 唯ちゃんがほっとした顔になるのが見えました。梓ちゃんに抱きついて頬をすりすりしています。 ああ、女の子同士って……やっぱり素敵だわ! そういうわけで新曲の方向性を簡単に話し合い、そのあとは残った時間を全てバンド練習につぎ込んで、澪ちゃんは歌詞を、私は曲の構想をそれぞれ宿題として持ち帰りました。転校すると告げて二日、まだ二日なのに、多くのことが変わっていっているのがわかります。 後日、さわ子先生のガッツポーズに音楽室が改めて沸きました。 さ「午後一時から二十分、講堂の使用許可もばっちり取れたわ!」 律「さすがさわちゃん、グッジョブ!」 さ「ええ、私グッジョブ!」 りっちゃんと先生が抱き合う光景をしっかり堪能していると、澪ちゃんが私に紙を差し出してきました。 澪「歌詞、書けたよ」 澪ちゃんの目には薄くクマができていました。きっと寝不足になるまで頑張って歌詞を書いてくれたんだと思います。ありがとう、と告げると澪ちゃんは赤くなってあさっての方角を向いてしまいました。 さあ、次は私の番。みんなと最高のライブをするために、澪ちゃんの歌詞を、みんなの思いを、余すことなくメロディラインに乗せてみせるわ。 ここ最近のお姉ちゃんは、家に帰ってきてからもずっとギターの練習をしています。 憂「お姉ちゃん、ご飯だよ」 唯「うん」 いつもならすぐ飛びついてくるのに、こんな調子。このところは寝る時間も遅いみたいで心配です。思わず私はお姉ちゃんの背中に問いかけていました。 憂「どうしてそんなに練習してるの?」 唯「ん? えっとね、これ」 お姉ちゃんが楽譜を見せてくれます。学園祭のときにギターを触ったので譜面はある程度読めました。でもこれははじめて目にする楽譜でした。 唯「ムギちゃんがいなくなる前に、オープンキャンパスでライブさせてもらえることになったんだ。これはそのときに演奏する新曲なの」 憂「そうだったんだ……」 だからお姉ちゃん、真剣に練習してたんだね。えへへと笑うお姉ちゃんの横顔が、私にはとても勇ましく見えました。 軽音部に入る前のお姉ちゃんも好きだったけど、何かのために、誰かのために一生懸命努力している今のお姉ちゃんも私は大好きです。だから心配ではあるけれど、お姉ちゃんの頑張りを止めたりはしません。 憂「頑張ってね、お姉ちゃん」 唯「もっちろん! ギー太と一緒に一生忘れられないライブにするよー!」 憂「でもご飯はちゃんと食べようね」 唯「え? もうご飯できてるの?」 聞いてなかったんだ……。私は無意識に苦笑いをしてしまいました。お姉ちゃんはやっぱり、どんなときでもお姉ちゃんみたいです。 そして日曜日。 過密スケジュールの中で練習を続け、ついに本番のときがやって来ました。 澪ちゃんは相変わらず震えていて、それをりっちゃんがからかうといういつもの風景。二人はこうやって緊張をほぐしているんだと最近わかってきました。唯ちゃんと梓ちゃんと私は、自分たちの楽器に触れて感触を確かめています。 二年近く一緒にバンドを組んできたのに、まだ知らなかったことが山ほどあって、それに気づくたびに心が温かくなります。時間を積み重ねることで得られる信頼を全身で感じることができます。 でも、今日でそれもおしまい。このライブが終わったら、私はこのバンドから消えることになります。ティーセットからはカップが一つだけ失われ、音楽室からはキーボードの音色がしなくなって……。 唯「ムギちゃん……だいじょうぶ?」 紬「え?」 唯ちゃんが心配げな顔で覗き込んできました。他のみんなも喋るのをやめてこちらを見やっています。 紬「い、いやね。大丈夫よ。気にしないで」 唯「だって、辛そうな顔してたから……」 紬「そんなこと言ったら澪ちゃんだって」 澪「わ、私!?」 律「澪はいっつもこうだから気にするな」 次は軽音楽部によるバンド演奏です―― アナウンスの声がして、私たちは態度を改めました。幕が開き、暗がりの中から観客の視線が集まってきます。 ついに、はじまったのね……。 私は鍵盤の上に指を置きながら、りっちゃんのほうを振り返りました。二十分なので実質演奏できる曲は三曲だけです。最初に演奏する曲は、唯ちゃんの発案と、私たち一人一人の努力で生み出された新曲。 律「ワン、ツー、スリー、フォー」 演奏が、開始されました。 澪ちゃんの歌詞にはいつもどこか可愛らしいところがあって、 それが唯ちゃんの歌声に乗るともっと可愛くなって、 走り気味だけど力のあるりっちゃんのドラムに、 地に足のついた梓ちゃんのギター。 そんな色々な「私たち」が組み合わさってできたこのメロディに、私が参加できているというのがどれだけ幸せなことか、今までは考えたこともありませんでした。 あの日合唱部に入っていたら間違いなく体験できなかった、輝かしき日常の数々。みんなで合宿に行って、クリスマス会をして、たまに喧嘩もしたりして、でも決して途切れることなく続いていく私たちのティータイム。 紬(それが、もう……味わえない) このライブが終わったら……もう。 私たちのティータイムは……。 唯(あれ……っ?) 唄いながら、私は不自然に思いました。何かが聞こえない。未熟な私たちの演奏を優しく包み込んでくれる、お母さんみたいなあの音色が……。 唯(ムギちゃんの手が止まってる!) 横目でムギちゃんのほうを見て愕然としました。ムギちゃんは顔を伏せて、泣いていました。 肩が小刻みに震えていて、時折雫がぽたりと落ちているのが見えます。あずにゃんも澪ちゃんも異変に気づいたのか、強張った顔になっています。心なしかりっちゃんのドラムも乱れ気味になってきています。 私は心の底から神さまに祈りを捧げました。 お願いムギちゃん、頑張って――! 律(ムギ!) 梓(ムギ先輩!) 澪(頑張れ、ムギ!) みんなの演奏が乱れてる……でも、そうとわかっていても指が動かせない。 だってこのライブを終わらせたくない! 私はまだまだみんなと軽音部を続けていきたいの! 苦悩する私の頭に、数日前のみんなの台詞が蘇ってきました。 キーボードの代わりなんていらないよね―― 私たちにはムギちゃんしかいないんだもん―― ムギ先輩のキーボードが好きです―― これからも放課後ティータイムのキーボードは、ムギの専用スペースだ。誰にも渡すつもりなんてない―― 紬(ああっ……みんな、みんな!) 私は今一度指に力を込めました。みんな、私のキーボードを信頼してくれている。ここで演奏を駄目にしてはいけない。放課後ティータイムのキーボードは……76個の鍵盤が生み出すメロディは、私、琴吹紬だけのものなんだから! 指が再び動き出します。もう迷ったりはしないと決意しました。 ごめんなさいみんな。でももう平気。この指が今日という日を最高の日とするために、二度と止まったりはしないと、最高のメロディを紡ぎ出すと誓ったのだから! 私のキーボードが再開されるとみんなの乱れも次第に解消されていきました。隣のりっちゃんがウィンクをしてきたので、私も涙目のまま、同じくウィンクで返しました。 私のせいでアクシデントがあったけど、なんとか無事に新曲をやり終えることができました。 みんなに向かって手を合わせ、ごめんねと謝ります。 続く二曲目は『私の恋はホッチキス』。梓ちゃんはこの曲を聴いて私たちの演奏に興味を持ってくれたんだっけ。新歓の頃が今はもう懐かしく思えます。 指のほうはもう心配する必要もなくなりました。そこには純粋に演奏を楽しんでいる私がいました。 二曲目が終わったところで、MCを務める唯ちゃんが朗らかな声で話しはじめます。 唯「えっと、次が最後の曲になります。今から歌うのは、私たちがバンドを組んで最初に演奏した曲です」 今さらながら私は、今回の曲構成の意図を知りました。 新曲を最初に披露して、梓ちゃんが軽音部に入るきっかけとなった『私の恋はホッチキス』を二曲目に持ってきて。 そして私たちにとっては馴染み深い、一年の学園祭ではじめて演奏したあの曲を最後に持ってくる。 現在から過去へ、それはまるで走馬燈のように私たちの思い出を回想していくみたいに。 たった三曲の中にも確かに時間の流れは存在していて、それを感じながら演奏するというのは、幸せ以外の何物でもありませんでした。 唯ちゃんが大きく息を吸い込み、曲の名前を口にします。 唯「皆さん、ぜひとも楽しんで聴いてください。――それじゃあみんな、行くよ。『ふわふわ時間』」 二本のギターが別れのときを告げるBGMとなって、それぞれの旋律を辿っていきます。 やがてその旋律は他のパートと混ざり合って、講堂に興奮を巻き起こします。 ありがとう。そんな気持ちで、私は一心不乱にキーボードを弾き続けました。曲が終わる、その瞬間まで。 エピローグ えーと、唯です。そのあとのことをちょっとだけお話したいと思います。 オープンキャンパスでのライブは大成功を収めました。はじめはぎこちなかった観客の人たちも、最後は手拍子をくれたりしました。 あとで耳にした話では、妹の憂もこっそり見に来ていたらしいです。 新曲の評判もおおむねいい感じで、急いで作ったわりには素敵だとさわちゃん先生が褒めてくれました。その言葉に一番救われたのはたぶん澪ちゃんだったと思います。 ムギちゃんはライブが終わった数日後に、無事海外へと飛び立っていきました。愛用のキーボードと使い慣れたティーセットを置いて。 お茶を入れるのはあずにゃんの役目になって、先生がいるときなんかはもっぱらメイド服を着せられて給仕しています。 りっちゃんや澪ちゃんは、パソコンでムギちゃんと連絡を取り合っているみたい。私もパソコン欲しいなーって言ったら「じゃあ私アルバイトはじめるよ!」と憂が意気込んでいました。それをあずにゃんに話すと「過労死させる気ですか!」と怒られました。ごめんなさい……。 それから放課後ティータイムがどうなったかは皆さんの想像にお任せします。ただ言えるのは、私たちが卒業した今も桜が丘軽音部は残っているということ。そして私の家には、今も奇麗にメンテナンスされたギー太が立てかけられているということです。 おしまい。 戻る