約 957,467 件
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1189.html
144 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 22 54 17 ID 4/uKqcvU 「うわッ!」 奇妙な夢に悩まされていた俺――乃木涼介は、軽い悲鳴と共にベットから跳ね起きた。 「はぁはぁ……はぁ……、夢か……」 部屋は真っ暗。まだ深夜だろう。パジャマの中はしっとりと汗で濡れていて少し気持ち 悪かった。 「そうだよな……そんな馬鹿なことあるわけないよな……」 本当におかしな夢だった。 こともあろうに、実の妹と主従関係を結んでしまうというトンデモナイ夢を見てしまっ たのだ。俺がご主人様で妹の真帆奈が奴隷。もうなんと言っていいのやら。いくらなんで もアホすぎるわな。ハハハ……。いやいや、兄としてこんな夢を見てしまって本当に情け ないよ。でも、もの凄くリアリティーのある夢だったような気がするんだけどな……。 「う~……。どうしたの、お兄ちゃん……?」 「あっ、ごめんな。起こしちゃったか? いやー、なんか変な夢見ちゃってさ」 「怖い夢だったの……?」 「うーん、怖いと言えばある意味一番怖い夢だったのかもしれないな」 「だいじょーぶだよ。お兄ちゃんのそばには、ずーっと真帆奈がついててあげるからね。 来て、お兄ちゃん。真帆奈がぎゅーってしてあげる」 「そっか、ありがとな。でも大丈夫だよ。たんなる夢の話だからな」 「だめだよー。怖い思いをしたお兄ちゃんを慰めるのは妹の努めなんだから、ちゃんとぎ ゅーってしないとだめなの」 「つーか、本当はお前が単に甘えたいだけなんじゃないのか?」 「エヘヘ……ばれたか。でもでもお兄ちゃんを慰めてあげたいのはほんとだよ。それでお 兄ちゃんも真帆奈も幸せになれるんだから一石二鳥だよ。だからぎゅーってしないとだめ なの」 「まったく、しょうがない奴だな。ちょっとだけだぞ」 「やったー。だからお兄ちゃん好き~」 真帆奈は俺の首に両腕を回し、ぎゅーっと身体を密着させてきた。 「こらっ、そんなにくっついたら寝られないよ」 「このくらいでは真帆奈のお兄ちゃんへの愛情はまったく表せないのだ。うにゃ~、お兄 ちゃ~ん……お兄ちゃ~ん……だい好きだよ~……」 「いつまで経ってもお前は甘えん坊だな。さぁ明日は学校だしもう寝よう。起こして悪か ったな」 「そんなことはどうでもいいんだよ。お兄ちゃんだったら真帆奈はなにされても許しちゃ うんだからね」 「大げさな奴だな」 「大げさじゃないよ。真帆奈は本気なんだよ。だからお兄ちゃんも真帆奈に遠慮なんかし たらだめなんだからね」 「はいはい、わかったわかった。じゃぁおやすみ」 「うん。…………ねー、お兄ちゃ~ん」 「んー?」 「おやすみなさいのキスは?」 「馬鹿なこと言ってないでさっさと寝なさい」 「うー、いつもはブチューってしてくれるのに……」 「そんなことした覚えないよ。全部お前の妄想だから。つーか、もうホントに寝ようよ。 明日起きられないぞ」 「うー、わかった……。おやすみなさい、お兄ちゃん。だい好きだよ」 「はいはい、おやすみ……」 明日というか今日は、早く起きて弁当を作らないといけないからな。さっさと寝ること にしよう……。 「――って、おいッ!!」 145 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 22 55 47 ID 4/uKqcvU 俺は勢いよく布団から跳ね起き電気を付けた。 「なんでお前が俺のベットで寝てるんだよ!?」 「くー……」 「こらっ、寝るな! 起きろッ!」 隣でもう熟睡状態に入ろうとしている妹を起こす。 「な、なんなのお兄ちゃん? 寝ろとか寝るなとか、真帆奈はいったいどうすればいいの かわかんないよ?」 「なんでお前がここで寝てるのかって聞いてるんだよ!」 寝ぼけていたせいで、無駄に長いノリツッコミをしてしまったじゃないか。 「なんでって……? お兄ちゃんはもう真帆奈のご主人様になったんだから、一緒に寝る のなんて当たり前じゃない」 俺の実の妹――乃木真帆奈は、こんなの初歩の初歩だよ、と呟きながら再び船を漕ぎ始 めている。 つーか、あの夢は現実だったのか。どおりで生々しい夢だって思ったよ。 実はここだけの話だが、俺は妹との真帆奈と主従関係を結んでいる。 いや、正確には結ばされたと言った方が正しいだろう。 内容も分からない書類に軽々しくサインをしてしまい、それが奴隷契約書なるものだっ たのだからさぁ大変。ダルマ蔵相で有名な高橋是清も若い頃に騙されて奴隷契約書にサイ ンをしてしまい、誰も知る人がいない海外で相当な苦労をしたらしいのだが、俺の場合は 少し違う。 騙されてサインをした俺の方がご主人様で、騙した真帆奈が奴隷というなんとも奇妙な 契約だったのだ。 世にも不思議な話があったもんだろ。 「兄と妹が一緒に寝るのは当たり前のことじゃないの。わかったらさっさと自分の部屋に 戻りなさい」 「えー、なんでなんでー? 妹だからだめだって、そんなの人種差別なんだよ。だいたい 真帆奈はお兄ちゃんの妹である前に忠実な下僕なんだから、いつなんどきでもお兄ちゃん の近くにいなくちゃいけないのだ」 かなり眠いらしく、真帆奈は目をゴシゴシさせながら持論を力説する。 その姿をよく見たら、お腹のあたりがスケスケになったらフリフリのキャミソールにタ ップパンツという、ちょっとというかかなりエッチないでたちだった。 「ちょっ、なんなのそのパジャマは!」 「お兄ちゃんのために通販で買ったんだよ。可愛いでしょう。エヘヘ…‥」 どうだー、とばかりにベットの上で自分の姿を兄に見せつけてくる真帆奈さん。 確かに、まぁなんというか……その、よく似合ってはいた。 新雪のような白い柔肌、愛らしく整った眉目、小柄で華奢な体格、そして、シーツの上 に扇のように拡がった黒絹のような長い髪。 実の兄である俺が言うのもなんなのだが、こいつは相当な美少女なのだ。 「今なら出血大サービスで、先着一名様にもれなく真帆奈を独り占めだよ、お兄ちゃん」 早く早く、と両手を広げて兄を誘惑する真帆奈。 ヒョイッ、ポイッ、バタン。 「うにゃー!」 真夜中にこれ以上無為な時間を費やさないためにも、とっとと実力行使に出た。 「うー! なんでこんな酷いことするの! たとえお兄ちゃんでも、こんな人道に反する 行為は許されないんだよ!」 扉の向こうで真帆奈が騒ぐ。 去れ! 「はっ!! わ、わかったよ、お兄ちゃん! これは放置プレイなんだね? 放置プレイ の一環なんだね!?」 「真夜中にわけのわからないことを叫ぶと近所迷惑ですから! もういいからさっさと自 分の部屋に戻って寝る!」 146 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 22 56 51 ID 4/uKqcvU 「こんなのないよー! 詐欺だよー! インチキだよー!」 暫くの間、真帆奈はギャーギャーと喚きながらドアノブをガチャガチャやっていたが、 すぐに俺の断固たる意志を悟ったらしく、 「うー! お兄ちゃんのバカーッ!」 と、捨て台詞を残して自分の巣に逃げ帰った。 真夜中に余計な体力を使ったせいですっかり目が冴えてしまった。 時間を確認してみると深夜二時過ぎ。 俺はしみじみと嘆息してから、自分のベットに潜り込んだ。ベットの中には、まだ真帆 奈の甘い体臭の香りが残っていた。 『俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない2』 欠伸を噛み殺しながら駅のホームで電車を待っていた。 周囲を見渡すと、経済新聞を読んでいるサラリーマンや、携帯電話を見ながら忙しなく 指を動かしている女子高生などがまばらにいた。この時間帯は、ちょうど人が少ない穴場 時間なのだ。次の電車あたりから一気に人が増え始める。だから俺は早めに家を出るよう にしているのだ。少し早起きしてでも快適な通学ライフを送りたいからな。しかし、そん な小市民のささやかな計画の邪魔をしようとする人物が我が家に約一名存在する。もちろ ん妹の真帆奈のことだ。昨晩に引き続いてまた早朝からごねやがった。 真帆奈曰く、 「お兄ちゃんは、ご主人様としての自覚をもっと持たなくっちゃだめだよ!」 だそうだ。 朝起こしに行くと夜中に部屋から追い出された鬱憤が溜まっていたらしく、真帆奈はか なりご機嫌ななめだった。その他にも、「一人で寝るのは寂しかった……」とか「これな ら下僕としての責務が果たせないよ……」などとグチグチ言っていたが、真面目に相手を するほど暇を持て余しているわけではないので、「まだ話は終わってないんだよーっ!」 と憤る真帆奈を振り切って家を出てきた。 で、俺の哀れな携帯電話に先程から執拗に愚痴メールが入ってくるというわけだ。 噂をすれば再び携帯電話がブルルと振動した。 メールを確認する。 『今日学校に穿いていくパンツのことなんだけど、お兄ちゃんは青と白の縞々とピンクの ハート柄のどっちがいいと思う?』 『どっちでもいいよ! そんなことでいちいちメールしてこないでよ!』 と、すぐさま返信した。 『お兄ちゃんが真帆奈のお話をちゃんと聞かないで学校へ行っちゃうのが悪いんだよ。ど っちがいいのか早く決めて』 兄はそこまで妹の面倒を見ないといけないものなのだろうか? つーか、家で洗濯して いるのは俺なわけで、真帆奈がどのパンツのことを言っているのかある程度わかってしま うのがなんだかもの凄く嫌だった。 「まもなく二番線に電車が参ります。危険ですからホームの内側までお下がりください。 二番線に電車が――」 ホームに独特の口調のアナウンスが聞こえてくる。 『縞々にでもしときなさい』 と、メールを送信してから携帯電話の電源を切った。 電車に乗る時はいつもそうするようにしている。こういうことは、一人一人のマナーが 大切なのだ。 スピードを落としてホームへと侵入してきた電車がゆっくりと停車し、俺の目の前でド アが開いた。 147 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 22 58 27 ID 4/uKqcvU べつに深い意味はないのだが、俺はいつも先頭車両に乗ることにしている。それで電車 に揺られながら本を読むのがちょっとしたマイブーム。車内に入りいつもの指定席に座ろ うと歩を進めると、そこで意外な人物に遭遇した。 緩やかにエアウェーブした長い黒髪、造形美の頂点を極めた秀麗な顔立ち、スーパーモ デルのような抜群のプロポーション。そして、眼鏡属性。 高千穂学園が誇る不動のナンバー1アイドル、東郷綾香その人だった。 頭脳明晰、運動神経抜群という文武両道の才女で、これでオマケに俺のようなクラスの モブキャラにでも優しく接してくれるマザーテレサのような博愛精神の持ち主なのだから 始末に負えない。人間なにか一つくらいは欠点があるものだが、彼女からそれを見つける ことは不可能であった。 さて、俺はどうするべきだろうか。どうやら東郷さんは本を読むのに熱中していて、こ ちらにはまったく気付いてないようだ。やはりクラスメイトとしては、挨拶くらいはして おかないといけないよな。……やばい、緊張してきた。ちょっと落ち着けって俺。なんで こんなにドキドキする必要があるのだ。ちょこっと行ってちょこっと挨拶するだけじゃな いか。よ、よしっ……まずは深呼吸をしてから、自然にさりげなく行こうじゃないか。 「と、東郷さん、おおお、おはよう!」 うわっ! 完璧に声が裏返った。最悪だ……。 「……乃木くん?」 不審者から声を掛けられたのかと思ったのか、東郷さんは一瞬だけ怪訝な表情をして目 をパチクリとさせていたが、すぐに俺だと気付きニッコリと微笑んで、 「おはよう、乃木くん」 と、挨拶を返してくれた。 それだけで俺の体温は、二、三度ほど急上昇してしまう。 「え、えっと、奇遇だね。東郷さんもこの電車だったんだ?」 「いつもはもっと遅い電車なんだけどね。私、今日は日直だから早く家を出てきたのよ」 なるほど。どおりで今まで一度も会わなかったわけだ。日直グッジョブ。 「乃木くんは、いつもこんなに早いの?」 「うん。電車混むのいやだからね。やっぱり朝は座って学校に行きたいし」 「そうなのよね。この時間って本当に人が少ないのよね。吃驚しちゃった。これならいつ も早起きすればいいんだけど、私は朝が苦手で……」 どうやら東郷さんにも意外な弱点があったようだ。 身近に似たような人がいるから一気に親近感が湧いてくるな。 「うちの妹と同じだね」 「乃木くんの妹さん?」 「そっ。うちの妹も朝が苦手でね、俺が起こさないと絶対に自分では起きないんだから。 休みの日なんかは、お腹が空くまでずっと寝っぱなしだよ。ホント、冬眠中のクマみたい な奴なんだから」 「ふふっ、そんなこと言ったら妹さんが可哀想よ」 東郷さんは、クスクスと楽しそうに笑っている。 「ところで乃木くん」 「なに?」 「席も空いてるんだし座ったらどうかしら」 「えっと……横に座っていいの?」 「どうぞ」 ニッコリ。 朝からそんな笑顔を見せられたら惚れてまうやろーっっ!! 「じゃぁ、お言葉に甘えて失礼します……」 俺は失礼がないように、一人分ほどの空間を開けて東郷さんの隣の席に座った。 同時に静かに電車が発車する。 148 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 22 59 38 ID 4/uKqcvU 車両の窓から長閑な田園風景が走馬灯のように流れていくのが見えた。電車は並走する 乗用車を追い越しながら徐々に加速していき、一路都心へと向かうのだ。 「乃木くんの妹さんって、きっと可愛いいんでしょうね」 「可愛い? そ、そんなことないよ。普通だよ普通」 「でも、乃木くんに似てるんでしょう」 俺にはあんまりというか、全然似てないような気がするな。あいつは完全に母親似で、 俺はどちらかというと父親似だからな。つーか、俺に似てたら可愛いのか? 「まぁ、あいつは外見よりも中身の方に問題があるからね。最近なにを考えてるのかよく わかんないし……」 鬼畜系エロゲーの趣味があったりとか、奴隷契約書にサインをさせられたりとか、夜中 にベットに忍び込んできたりとか、ここ最近は兄の理解の範疇を軽く突破している。 「妹さんはお幾つなの?」 「十三歳だよ。来月で十四歳になるね」 「その年頃の女の子って、凄く多感で繊細な時期なのよ。私がその時の頃を思い出すわ。 乃木くんも色々戸惑うことがあるかもしれないけど、できるだけ優しく接してあげて欲し いな」 あれでも繊細というものなのだろうか? かなり図太いようにも思えるのだが。まぁ、 うちの妹は特質系の能力者だから、一般論はまったく当て嵌らないような気がする。まし てや東郷さんと比べるなんて恐れ多すぎるっつーか。 「色々気は使ってるよ。なんせ今は俺しか保護者がいないからね」 「ご両親はいないの?」 「うん。親父が転勤になったから母親も一緒について行ったんだよ」 「そうなんだ」 東郷さんは、得心いったように静かに頷いた。 「それだとなにかと大変ね。ご飯とかは妹さんが作ってるのかしら?」 「いや、俺が作ってるよ」 「乃木くん、料理できるんだ」 「まぁ人並みにはできるよ。その他の掃除や洗濯も全部俺がやってる。真帆奈はなーんも できないからね」 「そっか、偉いんだね」 東郷さんに褒められた。 なんだか背中のあたりが無性にムズムズしてくるな。 「べ、べつに偉いとかじゃなくて、俺しかやる人間がいないから仕方なくやってるだけだ よ。真帆奈も少しは料理くらいできるようになってくれればいいんだけどね。あいつの将 来が心配だよ」 「ふふっ。乃木くんって、妹さんのことが本当に好きなのね」 やや揶揄する口調で東郷さんが言った。 「えっ!? そんな……や、藪から棒になに言ってるのさ。こっちは毎日、苦労させられ てるんだから」 「だって妹さんの話しをしている時の乃木くんって、凄く嬉しそうな顔をしてるんですも の」 マジデ!? 俺はそんな恥ずかしい顔をして、真帆奈のことをペラペラと話してたのか。 「変なこと言わないでよ、東郷さん。そ、そんなこと全然ないんだからね!」 「ふふっ、ごめんなさいね」 東郷さん、クスクスと楽しそうに笑っている。 やべ、マジで可愛いな。クソッ。 「でも、嬉しそうな顔をしてるのは本当のことよ。乃木くんの妹さんが羨ましわ。私は一 人っ子だから兄弟とかに憧れちゃうな」 149 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 23 00 47 ID 4/uKqcvU まったく。誰でもかれでも俺のことをシスコン扱いするんだから。俺はシスコンじゃな いっつーの。とにかくこの話題はちょっとマズイな。早急に会話を逸らさなければならな いぞ。 「と、東郷さんは兄弟いないんだ」 「そうよ。だから乃木くんみたいな優しいお兄さんが欲しかったわ」 あうっ、強烈なカウンターが入った。 「もうっ、あんまりからかうのはやめてよ」 「からかっているつもりは全然ないわよ。全部本当のことですもの。ふふっ」 つーか、たった今気付いたんだけど、俺と東郷さんって結構雰囲気よくね。周りから見 たら絶対にいいよね。もしかするとフラグ立ってるんじゃないかな。 さっきから対面の男子高校生らしき人物が、しきりにこちらをチラチラと見ている。き っと内心では、そんな美人と朝からイチャイチャしやがって、と歯ぎしりの一つでもして いることだろうよ。もしも立場が逆だったら、俺だってそう思うはずだから間違いない。 なんだか軽い優越感が湧いてくるな。 とはいえ、これ以上真帆奈の話をするのはよろしくない。なにかいい話題はないものだ ろうか。……あっ、そうだ。 「そういえば東郷さん、さっき小説読んでたけどなに読んでたの?」 「えっ、さっきの小説……えっと……」 妙な反応だな。 もしかして聞いたらまずかったのかな。 「いや、べつに言いたくないんだったら無理して言わなくてもいいんだけど」 「そんなことないのよ。実はこれなんだけど……」 東郷さんは、鞄の中にしまっていた先程の小説を渡してくれた。 小説にはカバーがしてあったので、中を開いて確認してみるとあら吃驚。 なんとライトノベルだった。 『烙印の紋章』 中世ヨーロッパ風のファンタジーで、主人公の若い奴隷剣闘士が魔法によってその国の 王子と瓜二つに整形され、クーデターを企む貴族達に利用される。が、主人公は頭が切れ、 オマケに戦争の天賦の才まで持っていたため、逆に貴族たちを利用し本物の王子として成 り上がっていくというお話だ。 俺もゴゾゴゾと自分の鞄をあさり、一冊の本を取り出して東郷さんに見せた。 「ジャーン!」 「あっ!」 まったく同じ本――『烙印の紋章』の新刊なのだ。 俺と東郷さんは、奇しくも同じ本を読んでいたわけだ。 そして俺達は、顔を見合わせて一緒に吹き出してしまった。 「東郷さんがこういう本を読んでるなんて意外だね」 巷ではあまり話題になってないかもしれないが、かなり面白い作品なのだ。ただ東郷さ んなら、てっきりお固い純文学なんかを読んでいるのかと思ってたよ。 「乃木くんも読んでたんだね。よかった。子供っぽいって笑われちゃうかもしれないと思 ったから――あっ、べ、べつに乃木くんが子供っぽいってことじゃないのよ」 失礼なことを言ってしまったと思ったらしく、東郷さんは慌てて訂正する。 「わかってるから大丈夫だよ。だいたい俺は読んでなかったとしても人の趣味を笑ったり はしないよ。小説なんて面白ければなに読んだっていいんだから」 「……そうよね。ありがとう、乃木くん」 「い、いいんだよべつに」 メガネの奥の彼女の瞳は優しく澄み切っており、見詰められてしまうとかなり恥ずかし かった。 「東郷さんは、他にどんな本を読むの?」 150 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 23 01 57 ID 4/uKqcvU 「私、本が好きだから、あまりジャンルにこだわらないで読むのよ。最近読んだのは、ジ ェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』とか、塩野七生の『わが友マキアヴェ ッリ』とか、『ラブクラフト全集』とか、『ゼロの使い魔』とかかしら」 本当にこだわりがないようだ。 本人にそのつもりはないのだろうが、みごとに最後でオチている。 一度、東郷さんの家の本棚を見てみたいな。もの凄く混沌のような気がする。 「俺も『ゼロの使い魔』だけは読んでるよ。あれ面白いよね」 デルフも生き返ったしな。 つーか、最初の本は聞いたことすらないよ。 「でもそんなに色々読んでるのって凄いね。もしかして自分でも小説とか書いたりする人 だったりして」 「えええっ!!」 吃驚した。 なにげなく聞いただけなのに、東郷さんの驚き方はハンパなかった。車内の人達も不審 な目でこちらを見ている。まるで俺がおかしなことでもしたかのように……。 「あっ、ごめんなさい……」 「えっと……なにかあったの?」 「な、なんでもないのよ。気にしないで。急に大きな声を出してごめんなさいね」 東郷さんがなぜあんなに驚いたのか少し気になったが、そんなことよりも恥ずかしそう に頬を染めている彼女が可愛すぎてもうそれどころではなかった。 「い、いや、なにも気にしてないから。ハハハ……」 そういえば、東郷さんとこんなに会話をするのなんてあの日以来だな。それ以降は、ほ とんど挨拶くらいしかしたことなかったからな。このまま電車が環状線になって永遠に回 り続けてくれればいいのに、と思わずにはいられない。 が、もちろんそんなことが起こるはずもなく、無常にも電車は数分の遅れもなく目的の 駅へと到着するのだった。 『今日のお弁当も美味しいよー。お兄ちゃんの愛情がいっぱいだよー』 昼休みになると早速、真帆奈からメールが来た。 添付されていたファイルを開けると、麗ちゃんと一緒に弁当を食べている画像だった。 とうとう恐れていた真帆奈のメール病が再発してしまった。 このメールで本日もう二十通目だ。 以前にあんまりしつこくメールをしてくると着信拒否にするぞ、と忠告してから少しは 減っていたのだが、先日の一件でどうやら箍が外れてしまったらしい。緊急時に備えて本 当に着信拒否にするわけにもいかず、また無視して返信しなければもの凄い勢いで拗ねる ので後々めんどくさいのだ。 「なんだ。また愛しの真帆奈ちゃんからラブメールか?」 サンドイッチを齧りながら悪友の黒木貴史が言った。 まるでメールの内容を知っているかのような口振りだった。 「アホか。そんなんじゃねーよ」 「じゃぁ誰からのメールなんだよ?」 「……」 「ほら見ろ。やっぱり真帆奈ちゃんからじゃねーか」 「だ、だから、ラブメールとかそういうんじゃないって言ってるんだよ」 「だったらメールを見せろよ」 「それは断固として断る!」 とても人に読ませることができる内容ではないので、俺は激しく拒否した。 「お前は我々の聖天使、真帆奈ちゃんを独り占めする気か! なんと罪深い男だ! お前 なんかメギドの雷に撃たれてショック死してしまえ!」 我々ってどこのどいつらのことだよ。もしかして真帆奈関係でおかしな団体でも作りや がったのか。この男も色々と正体不明なところがあるからな。 151 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 23 03 49 ID 4/uKqcvU 実は先日、こいつと一緒に聖地巡礼に行った時にこんなことがあった。 「やぁ藤井くん。しばらく」 「これはこれは黒木閣下ではございませんか! いらっしゃるのならば一言ご連絡下され れば、こちらからお迎えに参上つかまつりましたのに!」 「いやいや、気にしないでいいから」 「すぐにVIPルームをご用意いたしますので、暫くお待ちいただけますでしょうか」 「いや、今日はちょっと友人と買い物に来ただけだから、楽にしいて構わないよ」 「そうでございましたか。どうぞごゆっくりお楽しみ下さいませ。それで、こちらの方は 同志の一員でございますでしょうか……?」 「ああ、彼は将来の幹部候補だ」 「そうでございましたか! 乃木様でいらっしゃいますか。わたくしコミックと○のあな 秋葉原店の店長をやっております藤井と申します。マイスターには日頃からそれはもう大 変お世話になっております。むさ苦しいところではございますが、どうかごゆるりとお寛 ぎ下さいませ。もしなにかございましたら、この不肖藤井めに遠慮なくお申し付け下さい。 ラトゥ、プライ、ヴェルヘル……」 と、だいたいこんな感じだった。 普段あんまり聞かない単語やあやしげな呪文まで飛び出す始末で、「いいかげんにし ろ!」と喉仏辺りまでツッコミが出かかっていたのだが、あえて我慢した。ろくでもない 人間を。つーか、勝手に俺を同志とやらの一員にするのだけは金輪際やめてもらいたい。 で、またメールが来た。 ややうんざりしながら確認すると、当然ながら真帆奈からだった。 『学校だとお兄ちゃんに会えなくて寂しいよー。早くお兄ちゃんに会いたいよー。学校が 終わったら寄り道しないで、一刻も早く真帆奈とお兄ちゃんの愛の巣に帰ってきてね』 そんないかがわしい巣を作った覚えは一切ない。 黒木の冷たい視線が身体に染みる。 「と、ところで黒木よ。お前はゴールデンウィークの予定は決まっているのか?」 「ああ、旅行に行くことになっている」 「へー、どこに行くんだよ」 「熱海だ」 なるほど。 彼女と仲良く熱海旅行イベントというわけだ。 「なんだったらお前も一緒に来るか? ダブルデートということでもべつに構わんぞ。も ちろん泊まる部屋は別々になるがな」 「いや、遠慮しとくよ。邪魔しちゃ悪いからな。二人っきりで仲良く行ってくれ」 ぐっと涙を堪えながら俺は言った。 「そうか、気を使わせて悪いな」 「いや、いいんだよ。俺もその時は旅行に行くかもしれんからな」 そろそろ五月会の行き先をちゃんと決めないといけないよな。週末に色々あったからす っかり忘れてたよ。ちなみに五月会の説明を簡単にしておくと、うちの近所の五月生まれ のみんなで一緒に遊びに行く会のことだ。今年は暫定的に温泉に行くと決定している。果 たして今からでも宿は取れるのだろうか? で、またまたメールだ。 『言い忘れてたけど、今日はお兄ちゃんのだい好きな縞々にしたからね♡』 添付ファイルを開けるとさぁ大変。 たくし上げたスカートから丸見えになった、真帆奈の縞々パンティー画像だった。 「ブーーッ」 お茶吹いた。 「お前はなにをやってるんだ?」 「ゴホッ、ゴホッ、す、すまん……」 152 : 俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2 2010/09/21(火) 23 05 31 ID 4/uKqcvU 女の子がこんないやらしいメールを送ってきて! もうっ、ダメなんだからね! 家に 帰ったら絶対に説教してやるんだから! と思ってたら、今度は麗ちゃんからメールだった。 『おにーさんは縞々が好きだったんですね。それならそうともっと早く言ってくれればよ かったのに。私も幾つか持ってますから、今度、ドッキリ縞々画像を送っちゃいます ね』 麗ちゃん、頼むから真帆奈が馬鹿なことしてたらすぐに止めてよ! 「お前はいいご身分だな」 「だ、だから、そんなんじゃねーってばよ!」 俺の悲痛な叫び声が教室に木霊した。
https://w.atwiki.jp/ercr/pages/1986.html
発売日 2010年2月26日 ブランド ZERO タグ 2010年2月ゲーム 2010年ゲーム ZERO キャスト mahilo(森平万尋,東原天音),南菜実(森平日南美),奥川久美子(桐原巴,円佳),あさり☆(戸上怜,越戸橋柚子) スタッフ 原画:FCT,睦茸,毒桃,山いもほいほい(サブキャラ),つちのと(デフォルメCG) CG彩色:馬敗,あまさひかえ,桐生真澄 原画・彩色補助:東原天音 背景美術:はし 脚本:蔵前橋Johny,幽霊坂Johny 効果音:壱柳 BGM:羽鳥風画 スペシャルサンクス:サブロッソ下谷,RSK 監修:壱柳 企画・開発:ZERO 販売:ビジュアルアーツ 主題歌 「絶対主従主義」 作詞:片霧烈火 作曲:羽鳥風画 編曲:羽鳥風画 歌:片霧烈火
https://w.atwiki.jp/tv-drama/pages/39.html
ちいさなボタンの掛け違い。事件はそこから始まります。 誰の身にも起こりうる、ほんの小さな運命のいたずら…… しかしそれはやがて、周囲のあらゆる人々の運命をも、思いがけない方向へ押し流してゆくのですが──。 この物語は、兄妹のストーリーを縦軸に、父と娘、富める者と貧しい者、若者と高齢者など、バラエティーに富んだバックボーンをもつキャラクターが登場し、彼らが複雑に絡み合いっていく様を切り取っていきます。 しかし、そこで浮かび上がるのは、温かくてとても人間的なメッセージ。 罪の深さも過ちも、すべては愛すべき人間らしさ。 そんな視点でドラマの脚本を描くのは、人間の温かさやヒューマニズムについて、当代随一の書き手である池端俊策氏。 彼が今回、満を持して描く愛は「究極の兄妹愛」です。 超エリートの外科医で、生真面目で理想家肌だが、思い通りにならない現実の狭間でゆれるナイーブな兄役をTBS連続ドラマ初登場のオダギリジョーが、また、超リアリストでちゃっかりものだが、宿命的な"だめんず"好きの妹役を長澤まさみが演じます。W主演の二人は、リクエストが多かったにもかかわらず今まで実現しなかった初顔合わせということで、期待が高まります。 会えば必ず大ゲンカという、正反対の二人が織りなす"リアルな兄妹ゲンカ"は、なぜか微笑ましく、現代に忘れられかけた"懐かしく"、"温かい"家族がそこに存在しているのを、ぜひ目の当たりにしてください。 ストーリー 天才外科医というエリートでありながら、どこか抜けている兄。 勉強は×だが要領の良さは天下一品、しぶとい生活力を持つ妹。 まったく正反対な二人が、時にはいがみ合いながらも、絆の大切さを確かめ合っていくヒューマンドラマ。 妹が失踪…そう連絡を受けた兄は、必死に彼女の行方を追う。 ようやく妹を探し当てた兄だったが、なんと妹の不倫が発覚!! 次々に起こる嵐のような展開に、ヒートアップしていく兄と妹。 そしてついに、お互いの価値観をむき出しにして激しくぶつかりあう! でもそれは、お互いを思いあう強い心のつながりがあるからこそ。 実は、両親を早くに亡くした彼らにとって、お互いが唯一の“家族”だった。 時には涙しながらも、支えあい、深くてあたたかい絆を育んできた、かけがえのない兄妹なのだ。 しかしその時……二人の絆を脅かす、予想もしなかった大事件が起こる! 関連ブログ #blogsearch #blogsearch2 口コミ一覧 #bf
https://w.atwiki.jp/tokimeki_dictionary/pages/760.html
駄菓子屋のおばあちゃん【だがしやのおばあちゃん】 『3』の登場人物の一人で、もえぎの高校(の前身となる高等女学校?)の卒業生。 牧原優紀子のストーリーイベントに深く関わる。 主人公が事前に散策で駄菓子屋を見つけても見つけていなくても、彼女に誘われて行く事になるがエスパーの如く主人公の心の感想を見抜いて、どっちの選択肢を選んでも辛く当たってくる。 当初は主人公に対してつんけんしているが、それでも牧原と一緒に通い続けるうちに態度が軟化してくる。 女学生の頃に好きだった人が出征する事になり、その人を伝説の坂に呼び出すものの告白する事が出来ず、その好きだった人はその後戦死してしまう。 そのこともあってか、牧原の事を常に応援している。 なお、声を演じている声優は不明(エキストラ4人のうちの誰かか?) 関連項目 ときめきメモリアル3 「牧原 優紀子」の攻略 ストーリーイベント
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/232.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286349444/177-181 口淫の上、お互いに夜這いウェルカムと受け取れる発言をしてしまって以来、 当然のことながら高坂兄妹の関係はふたたびギクシャクしはじめた。 以前の不仲と異なるのは、他に人間がいる状況ではともすれば今まで以上に親密なのに、 二人っきりになると、途端に相手の出方をうかがいあってバトル漫画の対面状態になってしまうことだ。 冷戦状態というよりは開戦前夜といった方が近い。 そして、開戦すれば破滅を避けられないことは、火を見るより明らかなのであった。 それでも、きたる日に備えずにいられないのが人の悲しいさが。 兄から見て桐乃の入浴時間ははっきりと伸びていた。 そんなことを気にしてしまう京介の入浴時間もまた、統計学的に有意な増加を示していることを 妹に秒単位で把握されていた。 二人の風呂がそろって長引いたものだから――家でゆっくりできる数少ない場所という理由もある―― 高坂母などは「あんたたち二人で入れば?」などと冗談めかして言ったものだ。 これに過剰反応した京介は「それ、絶対桐乃に言うなよ!!」と赤くなって叫んでしまった。 「言わないわよ~」と手を振る何も知らない母がうらめしい。 ちょっといいかもと思ってしまった自分はもっとうらめしい……。 また、ふとしたきっかけで妹にムラムラしてしまわないように、京介は性欲処理をマメにするようになった。 問題はどんなオカズを使っていても、最終的には桐乃の顔を思い出し、フィニッシュしてしまうことだ。 妹への欲情を避けるための行為が、妹への劣情を高めていく。 絶望的なループに囚われた兄は、おもむろに雑誌を手に取り―― わずか数日で、ファッション誌にボールペンで眼鏡を描き込む技術に習熟し、 世界選手権があろうものなら出場資格を有する域に達した! 今日も親父の秘蔵コレクションを持ちだし、保存用と観賞用と眼鏡描き込み用とラミネート加工用の4枚を 写真画質でカラーコピーしたいわくつきのヘビーローテーション品を厳重にしまい込み、呟く。 「アハッ☆……死ねよ、俺」 射精後の無気力と罪悪感がからみ合い、酷く憂鬱な気分だった。 (俺がテクノブレイクで死んだら、即部屋が全焼するピタゴラスイッチを作っておきてぇ……!) ちなみに夜神月がデスノートを隠した仕掛けは既に試作済みである。 奇遇なことに新世界の神も、父親が警察官なのであった。 こうして長い夜が来る。 あの時、桐乃は部屋の鍵をかけないと兄を夜這いに誘うようなことを言った。 京介は京介で不用意にも、自分の部屋に鍵はないと、意味深に受け取れる発言をしてしまった。 おかげで親が寝静まる時間になると、今にも禁断の扉が開かれるのではないかと気が気ではない。 結果は深刻な睡眠不足。これは桐乃も同じで、最近は学校で寝ているらしい。 あやせから掛かってきた相談の電話には、新しいゲームにハマっていると答えておいたが…… そろそろ気力が限界だった。 気力が尽きれば理性も飛んで、とんでもないところで妹に襲いかかってしまう可能性さえある。 そうなる前にいっそ――そんなことしていいわけがない――だが…… 京介の意識は堂々巡りする。この壁の向こうで妹も同じように悩んでいるのだろうか? 妹をふるという最も賢明で議論の必要すらないはずの選択肢をなぜか選べない苦しみを抱えたまま、 なんとかしてやりたいと切実に思った。 やがて京介は疲労困憊した頭で、ひとつの解決策をひねり出した、つもりになった (いける。これなら確実にいけるぞ!) 目が血走っている。 思いついたままの勢いで、ろくに検討もせず実行に移してしまうのが、寝不足テンションの怖いところ。 枕を持つと、自分の部屋を出る。 人が1階に水を飲みに行く音がやたら大きく響くようになった廊下を桐乃の部屋へ向かった。 ノックをしてドアノブを回すと…… ガチャリ 鍵は本当に掛かっていなかった!もうずいぶんと遅い時間なのに光が廊下にさっと走る。 「桐乃、起きてるか?」 目をすがめながら入室する。寝不足に痛めた目にピンクがきつい。 妹は何をするでもなくぼんやりとベッドに腰掛けていた。弱々しく身構える。 「なに……?」 京介は後ろ手にドアを閉め、鍵を掛けた。その音に桐乃の肩がびくんと震え、瞳が揺れる。 少し前までこれは趣味の話をするために必要なごく普通の手続きだったというのに……。 皆の前では太陽のごとく生気を周囲に発散している妹がみせる儚げなパジャマ姿。 当初の目的を忘れそうになるのを必死でこらえながら兄は切り出した。小脇に抱えた枕を持ちなおす。 「頼みがあるんだが……この部屋で寝かせてくれないか?」 「?」 微妙なニュアンスを感じとって、桐乃は髪を揺らした。透き通った目で先をうながす。 何を求められても受け容れる覚悟ができていることを、その目は物語っていた。 動揺を押し殺し「俺ってシスコンだからさ」と極力軽めに前置きして京介は述べた。 「アレ以来、お前の動きが気になって眠れなくてしかたねえんだ。 だからいっそ、この部屋でお前の動きを見守りながら寝た方が休めるかと思って……」 自分で口にしているうちに、無茶苦茶な構想だったことに気付く。 思いついたときは我ながら名案だと感じていたのは一体なんだったのか。 もはや、憧れの子を前にしてしどろもどろになっている中学生の気分だった。 だが、ここで口をつぐむわけにもいかない。 「手足を縛って転がしてくれてもいいからさ――」 「なにそれ?キモ!どんだけドMなの?」 いきなり投げかけられたいつもの調子に、だんだん下がりめになっていた京介の目線が跳ね上がる。 言葉の刺々しさとは裏腹に桐乃の顔は笑っていた。 しょうがないわね、とアメリカ帰りのオーバーアクションで肩をすくめる。 「いいわよ、あたしの部屋で寝てっても……」 「電気消すぞ」 「うん……」 「………………」 「キモ」 「心を読むな!」 本当は心を読んだのではなく、まったく同じことを考えてしまったのであった。 彼女の辛辣な言葉は、兄に対して妖しい感情を抱く、自分にも向けられていた。 そうとは知らず京介は床に枕を放る。敷物のおかげで、そこそこ寝やすそうだった。 さあ寝転がろうかとしゃがみかけた彼に、少女は意を決して声を掛ける。 「ねぇ、兄貴」 「うん?」 「お、おやすみのキスをして……」 妹は消え入りそうな声でねだった。 ベッドに誘われるかと身構えた京介は、なーんだキスかアメリカ帰りめ、と拍子抜けしたあとに衝撃を受ける。 今そんなことをしたら確実にそのまま押し倒してしまう! というか、自分の言葉に恥じらう声を聞いただけで、抱きしめたい衝動を抑えるのに必死だった。 しかし、勇気を出した女の子に恥をかかせるわけにはいかない。 「わかった……」 顔をこわばらせながら京介はベッドのシルエットに歩み寄ると、そっと手を取った。 うやうやしく甲に唇をおしあてる。細かく震える手はとてもなめらかで、しっとりしていた。 頬にほしかったのか、唇にほしかったのか、手へのキスが期待に沿うものでなかったのは間違いないが、 桐乃は不満を訴えず、ただキスされた甲を自分の口元にそっと寄せた。 その仕草に京介の血液が逆流する。 「お、おやすみっ」 あわてて首を巡らせ、床に身を投げ出す。 頭の中では、眠れぬ幼児が羊を数えるように、魔法の言葉を唱えていた。 (俺の妹がこんなに可愛いわけがない) (俺の妹がこんなに可愛いわけがない) チュンチュン…… まるでドラマ。窓の外、鳥の鳴き声がして、目が覚める。 時計の針が奏でる音だけが倍々ゲームで大きくなっていく部屋で、 まんじりともできない夜を過ごしていたはずなのに、いつのまにか眠りに落ちていた。 妹の動きが分かる方が休めるという自己暗示に成功したのかもしれない。 京介の身体には知らないうちに毛布が掛けられていた。 妹のものかと思い、すんすんと嗅いでみたりする。 「朝っぱらから何やってんの。キモ」 辛辣なお言葉が上から降ってきた。言い訳を考えながら、そちらに目を向けた兄は息を呑む。 軽く開いたカーテンの隙間から射し込む光を背景に、妹が上半身を起こして佇んでいた。 茶髪が朝日に透き通り、白磁の肌がきらめく。その顔に微笑みが浮かんだ。 「おはよ」 ――もう認めるしかない。 高坂京介は妹に恋をしている。
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/2417.html
激闘ビックリ大家族!! 爆笑!感動!大波乱!? うちのパパはおネエ系(2008.04.05) A枠0'30″…glico(江崎グリコ)、ドギーマン(ドギーマンハヤシ)、★SAPPORO(サッポロビール) B枠1'00″…P G※注1 0'30″…dyson、Otsuka(大塚製薬) C枠1'00″…LION※注1 0'30″…Calbee(カルビー)、KDDI、FUJIFILM、キユーピー、UHA味覚糖、SUBARU、DHC ※注1 カラー表記
https://w.atwiki.jp/pppnari/pages/44.html
33.ケフィン・ファン・デル・メール 1682村・1855村・1948村 可愛いとか言ってんじゃねーぞコラ!!! #設定 名前:ケフィン・ファン・デル・メール(Kevin van der Meer) 年齢:22歳 身長:170cm 出身:オランダ 職業:学生 チッ…メンドクセーな。別に話すコトなんか何もねーよ。 …オランダの高校通ってる。は?何で大学じゃねーかって…それがテメーに関係あんのか?あ? 得意なモンとかねーし、部活にも入ってねーよ悪いか。 …終わりだよ!いつまでもジロジロ見てんじゃねーよ!!! 本名ケフィン・ファン・ハールレム(Kevin van Haarlem)。 エルの双子の兄。生まれつき病弱で心臓の病を患っており、それを面倒がられた実の両親にエルより先に捨てられ、湖の畔にいたところを拾われ孤児院に入った。(ケフィンというのは実際はその後に付けられた名前) 孤児院にといっても病気のこともありほとんど病院暮らしで、学校も休学を繰り返し、今でも高校(に相当する学校)に通っている。 今は日常生活を送れるほどにはなったがあまり体が丈夫でないことに変わりはなく、時折発作が出るため、ヤクと称した発作止めの薬を普段は持ち歩いている。体型はだいぶ痩せ型で体力もない。 孤児院を出て退院もした後は一人暮らしをしているため料理は下手ではないが、育った環境が環境だったので味付けはかなり薄味。 性格は、口は悪いが根は親切で、何やかんやと言いつつ困っている人は放っておけないタイプ。(そして人助けした後は体力のなさゆえ大抵バテる) 髪を伸ばしているのはファッションではなく病気で髪が抜けてしまう子のためにかつらを作ってあげるため。 捨て子だったり人と違って病気がちということもあり、自尊心は見た目以上に低い。自尊心というか自己犠牲精神が強い?自分より人のことを優先させたがる。自分なんかいつ死ぬかもわかんねーしどうなってもいいみたいな。でも死にたがりではない(?) スキンシップは嫌がる素振りを見せるが独りだったことが多く不慣れでどうしていいか分からないだけで、犬のしっぽ的なものがあったらめちゃくちゃ振ってる。 死は(自分も含めて)身近にあったため、人が死んだり血を見たりということには比較的慣れている。 * 12年前に病室のテレビで、国際的な水泳大会に出始めた棗雄河選手を見かけて以来、ずっと彼のファン。 病気の苦しい症状や辛い手術がある度、彼の泳ぎに励まされていた。 * 名前について。 ケフィン→意味としては"kind, gentle, handsome"+"birth"…まぁハンサムかはしらんけど()とりあえず「親切」 ファン・デル・メール→「湖から来た」。湖畔に捨てられてたことから孤児院の人がつけた名字、かもしくは孤児院自体が湖畔近くにあってそこの子は全員同じ名字とか…(?) ファン・ハールレム→「ハールレム出身の」 ケフィンが(雄河くんのこともあり)水と関わりが深くて、エルくんが大学の音楽科に通ってるって情報を事前に入手してたので、そのふたつから人魚を連想し。オランダの人魚伝説ではハールレムの人魚っていうのが有名らしいのでそっからの由来。 * 一人称は「オレ」 他者の呼び方は名前呼び捨て、特別な相手やその人と関わりのある人に対しては名前+さん。 名前:ケフィン・ファン・デル・メール(Kevin van der Meer) 年齢:22歳 性別:男 身長:170cm 出身:オランダ 職業:学生 チッ、クリスマスだか何だか知らねーけど浮かれやがって…ちゃんと足元気ィ付けて歩けや!!転んだら危ねーだろーが!!! …あ?ンだよ、今さら話すコトなんざ何もねーーよ!!! * 雄河くんに憧れている、心臓病を患った捨て子の青年。(簡潔) 自分は捨てられた存在、選ばれなかった存在という意識が根強く、自己肯定心は低低の低。 双子の弟がいて、彼が自分より恵まれた生活を送っていたらしいということを知ってからはそれはより顕著になった。 自分なんかはどうなったっていい、自分が何かをしてもらうのは申し訳ない、自分に愛される資格はないと常々思っている。遠慮のかたまり(方言ではない)(?) 「オレなんか」って言葉をよく使う。 孤児院の先生も看護師も優しかったけれど仕事ゆえの愛情だったと思っており、損得利害のない無償の愛というものに飢えている。淋しがり。 しかしいざ愛されるとどうすればいいのか分からず秒でキャパを超えてテンパるし拒絶する。雄河くんなんかだと触られただけでテンパる(?) 人を突っぱねるようなガラの悪い態度が多いのは、あえて反抗的な態度を取って自分に近付けさせず、他の子達に看護師達とのふれあいやお世話の時間をあげようとしていた入院時代の癖。 というのと、自分に親しい者ができた時もし自分が死んでしまったら悲しむかもしれないという思いから、人を寄せ付けないようにするためっていうのも多分ある。 そのため人を突き放す、人から嫌われるのは得意だし慣れているが、人に好かれるための行為は不得手で、(困っている人への親切は好かれるためと思ってやってない)どうすればよいか分からず何時間でも悩んだりする。たとえば雄河くんへのメールとか。 たとえばっていうか雄河くん以外に好かれよう(嫌われないよう)とする行為はとってないけど。(雄河くんに迷惑がかからないようにってその関係者に気を遣うことはあるかもしれない) 雄河くんに対しては元々憧れの気持ちが強かったが、前回の事件があって以降連絡を取り合ったり直接会ったりするようになり、近くで接する機会が増えるうちに恋愛感情へと変化していった。 本人にその自覚はあるが、雄河くんを手の届かない天上人 どころか命を救ってくれた神様くらいに思っている(クソ重感情)というのと前述の自己肯定心低低なのが合わさって、好きになってもらわなくていいむしろ好きになってほしくない自分にそんな資格はない、と考えている。 考えているものの、嫌われるのはもっと嫌だとも思っている。 たぶんずっと周囲から嫌われるよう振る舞ってきた奴が初めて嫌われたくないと思った相手で、そういう意味ではだいぶエゴが入ってるし、よくも悪くもだいぶ特別。 そんな彼に恋愛感情がバレて拒絶されることを一番恐れていたため、頭の中では離れた方がいいと理解しつつ心は彼を求めてしまい、その狭間で葛藤していた。 …いやホントはもっとぎこちなく距離をとる描写もしたかったんだよ~~オオ~ンでも私のイチャつきたい欲が勝ってしまった…。すまんな。 名前:ケフィン・ファン・デル・メール(Kevin van der Meer) 性別:男 身長:170cm 出身/在住:オランダ あ゛ぁ?何でまたって…うるせー!!知らねー!!! オレも特に言うことねーよ。外にもロクに出れねーし…家にいる間は語学の勉強してる。英語とかニホン語とか…ユーガさんの言葉、もっと分かるようになりたいからな… ……ユーガさんとは…最近会えてねーけど……べっ別に寂しいとか思ってねーーよ!!クソッ!! 日本訳だと「まもなくかなたの」って曲。聖歌。葬儀の場で歌われることもあるらしい。 ついでに今時点の設定というか心情というか解釈(前村ログまともに読み返せてないから矛盾あったらゴメンピョ(。╹ω╹。 )) ゆーがくんのことはいつまでも見ていたいし出来ることならずっと視界におさめていたい。推しの部屋の壁になりたいタイプのオタク。けど自分が見られるのは物凄く照れる。 本人が見ていない、あるいは意識が朦朧としていて自分の自制心がきかない時はベタベタに甘える(たぶん本性はこっち)。けどそれに反応を返されたら物凄くry 恋人になれたからには好意はわりと出してる(当社比)。全て出すととんでもないことになるので(本音効果参照)あれで結構抑えてる。そんでもって出したら出したで自分も恥ずかしいのでダメージを食らう 諸刃の剣(?) どんな些細なことでもユーガさんのメーワクになったり負担になるようなことをするのは万死!と思っている。けど、付き合いを経て多少はワガママというか自分のして欲しいことも言えるようになった。 ゆーがくんに自分のことをもっと好きになってもらいたい、と結構努力している。でなければいつ興味を持たれなくなってもおかしくないと思っているし、嫌われ捨てられるのが何より一番怖い。好きだと言われるたびに自分はまだ見捨てられてないと安心している(めっちゃ照れるけど) 薬物(媚薬含む)の耐性が弱く、効き目が強く表れる体質。ついでに言えば酒にも弱い(酔ったら気持ち悪くなるタイプ)(それを乗り越えたらたぶん甘えたになるタイプ)。 イったあとのぼんやりタイムが長い(?) 食は相変わらず細いし薄味が好き。作る料理も薄味になりがち。好物はゆーがくんが作った塩ラーメン←New!
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/17698.html
きみのなかのぼく-とあるだんしだいがくせいのばあい【登録タグ き とある厨二の大学生 初音ミク 曲】 作詞:とある厨二の大学生 作曲:とある厨二の大学生 編曲:とある厨二の大学生 唄:初音ミク 曲紹介 とある厨二の大学生氏 の7作目。 ミクさんにこんな気持ちの悪い歌詞を歌わせてしまって、本当に申し訳ないと思っています。(作者コメ転載) 歌詞 君の中の僕は笑っているかい? 君の中の僕は息をしてるかい? 君の中の僕は怒ってはいないかい? 君の中の僕は君に見られているかい? 君の中に僕は種を落とすかい? 君の中に僕は育っているかい? 君の中に僕は偏在してるかい? 君の中に僕は… 君の中の僕は君を汚しているかい? 分かるわきゃない口を聞いたことすらないんだ 満たされぬ感情に虚勢を張り 素知らぬ顔で歩く昼下がり 君の中の僕は偽物なのかい? じゃあ誰の中の僕が本物なんだい? 僕の中の僕か?君の中の僕か? あなたの中の僕か? 君の中の僕は君を汚しているかい? 君の中の僕は君を汚しているかい? 君の中の僕は君を汚しているかい? 僕の中の君はもう… 満たされぬ感情に虚勢を張り 素知らぬ顔で歩く昼下がり コメント この曲好きだ!何もかもかっこよくて飽きない。 -- ぽん (2011-09-03 18 40 12) かっこよす。 -- れむたん (2012-01-16 15 25 42) 地味に中毒www -- 名無しさん (2012-10-19 20 22 30) 単調に聞こえる部分もあるけど、独特の力強さがあり、聴いていて飽きない。 -- 竜奇 (2012-10-19 20 48 30) 久しぶりに聞いたけどやっぱりいいな。 -- 名無しさん (2020-07-27 01 32 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/araigumaai/pages/20.html
毎月刊行されていたあい仲間たちの漫画雑誌。新聞のリサイクルと一緒に捨てられそうになっていた紙を使用。(大量にあった) プレゼントページや広告、目次までついていた。 元ネタはコロコロコミック 生存しているのは2~7月分。長いときは100ページにまで及ぶ。(右開き?になったのは6月から)
https://w.atwiki.jp/pppnari/pages/74.html
62.シレーヌ 1866村 出身:オランダ 年齢:41 身長:170cm 性別:女 「嗚呼 迷い込む 狂った宴」 「嗚於 ひれ伏せ 女王の威光の前に」… 訪れたるは4年と3月前 夢見た女は蝶には成れず 躍る舞台に華を添える… 歓喜の歌声 悲嘆の吟声 ある時は成り代わり ある時は共に奏でる 何者でもあり 何者でもない それが"私" 歌声 シレーヌ… La…la… シレーヌ(Sirène) 本名エレ・ファン・オーステルゼー(Elle van Oosterzee)。胸はA。 オランダの資産家の裕福な家庭に生まれる。婿に入った父親もフランスの高貴な家の出だった。 その父親から厳しい躾と称した虐待を受けて育った。父親の、家での肩身の狭さと実家の跡を継げなかったストレス等から来る八つ当たりだった。母親もそれを黙認していた。 その後経済不況をもろに食らい家が傾き始めるとそれはエスカレートしていき、母親からも手を上げられるようになり、耐えられなくなったエレは家を飛び出す。 しかし行く宛てなどなく、水商売で生計を立てるうちに客の男との子を身籠った。男は子の存在を知るなり連絡が取れなくなり、無事に産むことはできたが生まれたのは双子で、誰からの援助も受けられない状態で双子などとても育てられないと片方をオランダの孤児院の前に捨てた。 新しい土地で、せめてこの子だけでも育てようとフランスに渡りはしたものの、正常な愛を受け育てられなかった自分が果たしてちゃんと子を育てることができるかと思い悩んでいた最中、とある男性と出会い惹かれて恋仲になったが、コブ付きは嫌だと眉を顰められ残った子供もフランスの孤児院に捨てた。 そして愛する男性と結ばれることが叶ったが、年を経るうち互いの愛も冷めていき、そしてある日彼も事故で死んだ。 どうしようもない娘で、どうしようもない母で、どうしようもない妻だった。 どうしようもない人生だったから、自分でない他人の人生を生きてみたいと願った。 だからこの劇団に入った。 しかし教養として歌や踊りや演劇を幼少に学んだことはあったものの著名な劇団に入れるだけの演技の才はなく、唯一歌の才能だけは認められ、役者の代わりに―あるいはその裏で共唱する「歌声 シレーヌ」として劇団に入ることを許された。 役者の代わり、あるいは役者と共に歌うために特定の役は持たず、ゆえに劇団員達と共同生活を送る際には話す相手と同調して相手の口調性格に合わせて言葉を発する。ないし、歌うように喋る。 生活が落ち着いて暫くして、捨てた子供達に会えるなら会おうと二つの施設を訪れたことがある。 しかしオランダに行った際には、そこで出会った孤児らしきアルビノの少女に「彼はもういない、どこにいるかも自分は分からない」と言われ、フランスに行った際には裕福な家庭に引き取られて幸せに過ごしているはずだと告げられて無理に会うのを止めた。 旧姓はファン・ハールレム。 * 名前のはなし。 エレ→力ある、強い、卓越した神とかって意味…かな?仏語だとエルは「彼女(she)」って意味。仏人に一般的な名前だからたぶんお父さんにつけられたけど、蘭で暮らしてたから蘭語での読み「エレ」になった。 もっとメタな話をするとエルくんに合わせた。エルくんを施設に入れたとき職員の人に名前を聞かれて名乗ったら子供の名前と勘違いされたって裏話。逆転してるのはつっこまないでほしい() ファン・オーステルゼー→「湖の東(の土地)出身の」。ファンデルメールも似たような意味だからそんなかんじ。ちなみにこれを蘭語翻訳するとバルト海って出るからためしてみて!!!! * 本来の一人称は「私」 他者の呼び方は「名前呼び捨て」