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前へ 「・・・・ごめん。」 私よりも先に冷静になった愛理が、難しい顔のまま謝ってきた。 息が荒くなって、手が震えている。愛理らしくもない。こんな風に他人と思いっきりぶつかることなんてほとんどないんだろう。私を見つめる丸い目に、まだ興奮の色が残っている。 「あ・・・ほ、ほら、舞ちゃんも謝ったほうがいいんじゃないの?何かよくわかんないけど。ね、だよね、舞美?もーやだなあ、怒ってたのは私なのにさ。アハハ・・・」 「は、はは。そうだね。舞、愛理と仲直りしよう。」 すっかり私たちに圧倒されて落ち着きを取り戻したちぃが、慌てて私を宥めにかかった。 聞き分けのいい愛理は、すなおに仲直りの握手をしようと手を差し伸べてくる。 でも私は、その手を握ることができなかった。 ここで愛理に謝るのは、千聖のことをみんなに話していいと了承することと同じだ。それだけはできない。 「舞ちゃん、私も言いすぎた。仲直りしようよ。」 「舞ちゃん。」 「ほら、舞ちゃん意地はってないで。」 ・・・・・ああ、まただ。 また私が悪者になっちゃうのか。 そんなに、前の千聖に会いたいと望むことはいけないことなの? 「舞。」 私は無言で、舞美ちゃんの手を払いのける。 自分が正しいという自信があるのなら、たとえ味方がいなくても戦える。 でも今は、足元が揺らいで心もとない。 みんなも私と同じように、千聖のことを思っているというのがわかっているからだ。 前にもこんなことがあったな。 千聖があの千聖になっちゃうずっと前、多分まだ2人とも小学生のときだった。 私はちょっとした誤解でマネージャーからこっぴどく叱られたことがあった。 でも私は、自分は間違っていないと頑として謝らなかった。 みんなは私に謝れと言う。 私は自分の潔白を証明する言葉がわからなかったから、拳を握り締めて大人を睨み付けることしかできなかった。 その時、千聖だけは私をかばってくれた。 事情なんて知らないくせに、私を守るように前に立って、鼻水たらして大泣きしながら反論してくれたのだった。 舞ちゃんはそんなことする子じゃない、舞ちゃんは悪くない。 そんな風に泣きわめいて、全面的に私を信じてくれた。 結局それがきっかけになって私の無実は認められ、千聖は泣いてぶっさいくになった顔で照れくさそうに笑っていた。 そう、いつも千聖は私のことを一番に信じて、わかってくれるんだ。 きっと今、ここに前の千聖がいたら、あの時と同じように私を守ってくれるだろう。 私にとって、千聖は大きな支えであり、理解者でもある。その支柱がなくなったら、私はただの自分勝手なワガママ人間になってしまう。 私にはやっぱり、どうしても千聖が必要なんだ。元気で、明るくて、私を勇気付けてくれる、前の千聖が。どうしてもこれだけは譲れない。 「・・・・えっ、何これ。どうしたの?」 突然私の耳に、久しく聞いていない独特の甘い声が届いた。 「えっ、な、なんかあったの?梨沙子大丈夫?」 「もも~・・・どうしよう、みんなに千聖のことが」 梨沙子が泣きながら駆け寄っていく先には、ももちゃんと ・・・・・千聖。 軽く目を見開いた千聖が、戸惑った表情で部屋を見回していた。 「ちっさー、お帰り。」 「ええ・・・あの」 「待って!」 舞美ちゃんと千聖が話を始める前に、私はみんなを押しのけて、両手で千聖の腕をきつく掴んだ。 「きゃっ」 「舞!?」 次へ TOP
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皆、うさちゃんのマークがいいって言ってるよ~。仕方ないからうさちゃんでどうですあk(*´ェ`*) -- らんらん (2008-05-14 22 58 25) ねこでもいいですあg(*´ェ`*) -- らんらん (2008-05-15 00 44 56) 僕のマークにしてほしい(≡゚∀゚≡)ニャン -- (ФωФ)ニャー (2008-05-15 01 37 39) 僕も負けないッ -- (・⌒⊆) ウサギ (2008-05-15 01 39 32) 猫(ジジ)でもいいのですが、ウサギは100%なしでお願いします。うさぎは寂しいと死んじゃうから・・・弱そう -- Rui.Costa (2008-05-15 02 59 53) なら、ハートでもいいです(●σ´Д`)σЧO☆ -- んー (2008-05-15 03 15 47) 名前 コメント
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武ちゃんは、弓道部メンツの一人である。日本の黒幕。 語録 武ちゃんは、部活および学校生活においてもさまざまな名言を残している。 『増田くん、何がおかしいのかね』 『はぁ?意味がわからん』 『これからはインド人が君たちの上司になるかも知れんな』 『ジャパニーズアーチェリーに右も左もねぇんだよ!』 『原田くんが部長になるなら、私は顧問を辞めて転勤願を書く』 『俺の○○○は5本の矢』 『ウチの学校は教師も生徒も終わってる』 関連項目 柏セントラルハイスクールジャパニーズアーチェリー同好会の主要メンバーの一覧
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【キャラクター】 属性:火属性 レアリティ:☆☆☆☆☆(悶絶レア) 入手手段:18年1月に開催の期間限定ガチャ「ロボットガールズZコラボガチャ」にて確率で排出 【ガチャ寸劇】 種族:ロボットガールズ CV:本多 真梨子 公式モン娘紹介: 「光子力研究所」のキャンペーンガールの一人で、ロボットガールズチームZのリーダー的存在。 パイルダー型の変身アイテムで戦闘モードに変身する。 関連イベント: 「ロボットガールズZコラボ!」…ある物を巡ってラビリエと戦闘になっていたが、大魔王一行により事なきを得た。 【スキル】 ☆5 スロット スキル名 スキル効果と最短リキャスト L 正義のフルボッコ! 火属性モン娘のHPと攻撃力が増加(大)、速度が増加(中) -- S1 光子力ビーム 敵全体に火属性/物理攻撃(大+)を与え、強烈な猛毒を与える 6 S2 光子力バリアー しばらくの間、土・風属性ダメージを減少(大)させる 8 S3 ロケットパンチ 敵単体に火属性/物理攻撃(特大+)を与え、わずかな間、スタンさせる 8 ☆6 スロット スキル名 スキル効果と最短リキャスト L 正義のフルボッコ! 火属性モン娘のHPと攻撃力が増加(大)、速度が増加(中) -- S1 ブレストファイヤー 敵全体に火属性/物理攻撃(特大)を与え、強烈な猛毒を与える 6 S2 光子力バリアー しばらくの間、土・風属性ダメージを減少(大)させる 8 S3 ロケットパンチ 敵単体に火属性/物理攻撃(特大+)を与え、わずかな間、スタンさせる 8 立ち絵: ※水着立ち絵は公式の「Zちゃん」紹介を参照のこと 関連: ロボットガールズZコラボ トリプルガイちゃん(コラボガチャ) グレンダさん(ポイントイベント報酬) グレちゃん(ログイン報酬) コメントフォーム 名前 コメント
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私の魔法の言葉の効果は、早速次の日からはっきりと現われた。 「おはよう、栞菜。」 「あ、お、はよう。」 レッスンスタジオまでの道を歩いていると、日傘をさしたちっさーが後ろから声をかけてきた。 いつもどおり、ごく自然に振舞うちっさー。胸が高鳴る。 「もう夏も終わりなのに、暑いわね。」 そんなことを言いながら、入る?とばかりに日傘を傾けてきた。 「ありがとう。」 こんな可愛い心遣いをしてくれる子に、私は何てひどいことをしようとしているんだろう。 良心がチクリと痛む。 今日のちっさーは、後ろに大きなリボンのついたシンプルなライトイエローのワンピースを着ていた。歩くたびにふわふわ揺れて、とても可愛らしいと思った。 「ちっさー、チョウチョみたいだね。可愛い。」 「あら、ありがとう。明日菜にも言われたわ。こういう色の蝶、本当にいるんですってね。」 ちょっと照れくさそうに笑うちっさーは、昨日のことなんて何も気にしてなかったかのようにも見えた。 「ちっさー、おしゃれになったよね。よく似合ってる、それ。」 「嬉しいわ。これはね、早貴さんがくれたの。あんまり着ないからって。」 「へえ・・・」 またじわじわと、心臓の鼓動が大きくなってくる。そんな交流があるなんて、私は知らなかった。 「ねえ、ちっさー。今度うちに遊びにこない?栞菜が着なくなった服とかあげるよ。」 「まあ・・・でも、何だか申し訳ないわ。お気持ちだけで嬉しいから、そんなに気を使わないで。」 何で。 私じゃ、嫌なの? 私だって、ちっさーのお姉ちゃんみたくなりたいのに。 「・・・私が、キッズじゃなくてエッグだから?」 気がついたらまた、あの一言を口走っていた。 ちっさーに魔法がかかる。 私に微笑みかけていた表情が一気に強張って、ゆっくり歩いていた足がピタッと止まった。 「栞菜、どうして・・・・?私、そんな風には」 私は無言でちっさーと押しのけて、早足で先に歩いていった。 ちっさーは追いかけてはこない。 やがて私の後ろで力ない足音が聞こえてきたら、なぜだか少し心が落ち着いた。 結局ちっさーは、集合時間直前までロッカーに来なかった。 「あれ、ちっさー珍しいね!今日ギリギリじゃん!」 舞美ちゃんの声に振り向くと、少し慌てた声でごめんなさいと言いながらちっさーが入ってきた。 さっき私に見せていたあの悲愴な顔じゃなくて、いつものおっとりお嬢様の表情に戻っていた。 「おはよう、ちっさー。」 さっきまで一緒だったくせに、とぼけて挨拶をしてみる。 「あ・・・おはよう愛理、栞菜。」 なんだ、特に引きずってはいないんだ。 ほっとすると同時に、なぜかそれを残念にも思っている自分がいた。 「千聖、今日一緒に柔軟やろう。着替え手伝うから急いで!」 舞ちゃんがちっさーの手を強く引っ張っていく。 舞ちゃんはいいな。私みたいな汚い手を使わなくても、ああやってちょっと強引でも正々堂々とちっさーを独占できるんだ。 それに比べて、私のやってることって・・・・ 「栞菜?・・・なんか怖い顔してる。大丈夫?」 「うん。なんでもないよ。それよりさ・・・」 話題を逸らす。 心から心配してくれる愛理に胸が痛んだ。 ごめんね、愛理。 そんな葛藤はあったものの、禁断の魔法の味を知ってしまった私は、どんどんあの言葉を簡単に使うようになっていった。 例えば、何かおそろいの物を持ちたいと思った時。 一緒にコンビニに行って、何か買ってあげたいと思った時。 そして、ちっさーの好きそうな服をあげる時。 主に私がちっさーに何かしてあげたい時には、効果がてきめんのようだった。 慎み深いちっさーは必ず遠慮するけれど、私があの一言を言えば従ってくれた。 悲しい顔をさせることに、罪悪感はあった。 それでもこれは単なる私の親切の押し売りであって、ちっさーを傷つけるのが目的ではないという理由付けができたから、私は自分の矛盾した気持ちから目を逸らし続けることができた。 ちっさーも、私があの言葉を口にしないかぎりはごく普通の態度でいてくれた。 異常な結びつきになってしまったけれど、私たちはいつでも一緒にいるわけではないし、私もみんなの前では魔法を使わなかったから、誰も2人のおかしな状態に気づいてなかった。 そのことが私を増長させたのかもしれない。 私はわかっていなかった。 何でも言うことを聞いてくれる素直な妹ができたとばかり思っていたけれど、お嬢様のちっさーの中には、前の千聖の気の強さもしっかり残っていたということに。 終わりの始まりは意外に早く、そして突然やってきた。 いつもどおり本当につまらないことで切り札を使おうと思った。 ちっさーが私のヘアピンを可愛いと言ってくれたから、すぐに髪からはずして、ちっさーの手に握らせた。 いつもどおり遠慮するちっさーに、また私は「私が・・・」といいかけた。 「・・・そうね。栞菜が、エッグだからかもしれないわね。」 最後まで言い終わる前に、ちっさーは私の言葉を遮った。 唇をギュッと噛んで、強い目で私を睨みつけている。 ――嘘。 だって、ちっさー。 私はただ、私だけのちっさーが 何を言われたか、とっさにわからなかった。 頭が真っ白になる。 「ちっさー・・・」 呆然としたまま名前を呼ぶと、みるみるうちに硬く強張っていたちっさーの表情が青ざめていく。 「あ・・・・私、私何てこと・・・・・」 涙で霞んだ私の眼の向こう側で、ちっさーが力なく床に崩れ落ちた。 同時に、私にも立っていられない程の強い衝撃がゆっくりと襲ってきた。 ちっさーと同じような体勢でへたり込む。 「え・・・ちょっと、どうしたの!?千聖?栞菜?」 なっきぃの声が遠いところから聞こえたような気がした。 涙が止まらない。 ちっさーを怒らせたことがショックなのか、 自分の行いがあまりにも馬鹿すぎたことがショックなのかわからない。 こんなことになって、初めて気づいた。 私は自分の気持ちばかり考えていて、ちっさーがいったいどんな気持ちで私の言葉を受け止めていたのか考えていなかった。 こんなに無神経なのに、何が「ちっさーは私の妹」だ。 本当に最低だ、私。 今すぐちっさーに謝らなければいけないのに、嗚咽で声が出ない。 「栞菜、落ち着いて。大丈夫だよ、息吸って、吐いて・・・・」 舞美ちゃんの大きな手が優しく背中を叩く。えりかちゃんが頭を撫でてくれる。 私はただ、私もこういうお姉ちゃんになってあげたかっただけなのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。 こうして私のかけた魔法は、あまりにももろく、簡単に消え去ってしまった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/119.html
前へ 改札をくぐると、運よく急行電車が入ってきたところだった。 ギリギリ乗り込むことができたから、どうやらそれほど遅刻しないで済みそうだった。 一応皆にお詫びのメールを打っておこう。 定型文を少しいじって送信したら、すぐに返事が来た。 “わかりました 気にしないで 私はもうつきました まだ誰も来てない 待ってます 目立つ格好してます 舞” ・・・・・・句読点がない。敬語。改行改行改行。怖すぎる。 舞ちゃんは基本大人びた子だけれど、どうも千聖が絡むと見境がなくなってしまう。 栞菜と千聖の事件を引きずりまくっているのはこの機嫌の悪い文章からも明らかだ。 思えば昨日の帰りも相当ひどかった。 みぃたんに先に帰るよう指示されたときは仁王像のような顔になり、私と愛理の不自然に明るいおしゃべりを聞いてる時の瞳の凍った笑顔は、一部のファンの人に殺戮ピエロと称されるあの表情そのものだった。 今日の話し合いの流れ次第では、舞ちゃんの感情が爆発してしまう可能性もある。 栞菜と舞ちゃんも仲のいい2人ではあるけれど、お嬢様の千聖をあんな状態に追いやってしまった相手のことを、冷静な目で見られるかはちょっと微妙なところだ。 舞ちゃんは決して冷めている子じゃない。 むしろマグマのように煮えたぎる思いをたくさん胸に秘めていて、いきなりそれをドカンと噴火させてしまうような恐ろしさがあった。 今日の私の役割は、お姉さんたちからの話(作戦?)をしっかり聞いて、舞ちゃんを宥めながら場の空気を良くしていくことなんだろうな。 私は私のできること・やるべきことで、グループの問題根絶を目指していこう。 「よしっ」 電車が目的の駅に着いた。気合を入れなおして、私は電車を降りた。 改札を目指して歩いていると、いきなり後ろから肩を叩かれた。 「なっきぃ、おはよ。」 「あれっ愛理も遅刻なの?珍しい~」 「何か眠れなくって、ぐずぐずしてた。」 深めにかぶった帽子をちょこっと上げて、愛理は困ったような顔で少し笑った。 「みんなもう着いてるかな?急ごっか。・・・なっきぃ、今日服の感じ違うね。」 「そ、そう?まあまあ気にしないで!」 本当に大慌てで家を飛び出してきたから、私は今日自分がどんな格好なのかよく確認していなかったんだけれど。 変な色落ちのジーパン(姉私物)に変な緑色のしましまTシャツ。しかもキモイみかんのキャラつき(妹私物)。変な色のクロックス。すっぴん。ダサダサ! きちんとコーディネートしてる愛理と比べて、なんていうか、私アイドルとしてどうなんだろう・・・ みぃたんが見たら、きっと自分のモサ服を棚に上げて大笑いするだろうな。 若干胃が痛くなってきたけれど、いつまでもボサッとしていられない。 愛理と2人、駅のまん前にあるファミレスに連れ立って入っていった。 「どこだろう・・・」 時間が時間だけにお客さんはあんまりいないけれど、入り組んだ造りになっているから座席の様子が見えづらい。 「なっきぃ、なっきぃ。ちょっとあそこ。」 きょろきょろしていたら、愛理が急に声をひそめてそでを引っ張ってきた。 視線を辿ると、奥の方にえりかちゃんとみぃたんの姿が見えた。なぜか深くうつむいている。 そしてその向かいには 「・・・何、あれ?」 遊園地とかによくいるような、でっかいうさぎの後頭部がのぞいていた。 店員さんも、うさぎの方をちらちら見ながら困惑した顔をしている。 「行っていいんだよ、ね?」 「ちょっと待って、愛理。」 私の頭には、小さい頃にデパートかなんかであのうさぎに追いかけられた恐ろしい記憶がよみがえっていた。 何年か前に読んだ本で、あの着ぐるみを着た変質者が女子高生をターゲットに連続猟奇的殺人を起こすというのもあった。 うつむいて動かない、みぃたんとえりかちゃん。心なしか震えているようにも見える。 ・・・・もしや何かの犯罪に巻き込まれてる? テーブルの下で、ナイフか何かで脅かされてるのかもしれない。 「愛理、静かにね。」 何で舞ちゃんがいないの、とか 何で店員さんは通報しないの、とか そんな疑問をすっ飛ばして、私は思い込みの迷路の中に迷い込んでしまった。 「みぃたんたちを助けよう。」 「ええっ?なっきぃ?」 次へ TOP
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前へ 「いくら熊井ちゃんと茉麻ちゃんでも、千聖をいじめたら絶対許さないから!」 鼻息荒く、なっきぃが私たちのところまで歩いてきた。 「ちょっと待ってよ。イジメなんてしてない。」 カチンときて、思わず千聖のいる個室の前に熊井ちゃんと一緒に立ちはだかってしまった。 「なっ・・・!それなら千聖に会わせてよ!そ、そんな大きい二人で立ちはだからないでよぅ。」 少ししり込みしながらも、なっきぃは怯まずに私たちを上目で睨んできた。 「聞いて、なっきぃ。千聖さっきまで私たちと普通に話してたのに、急に言葉遣いが変わって、ここに逃げちゃったの。 だから私たち追いかけてきたんだよ。何か誤解させちゃったみたいだけど、いじめてないよ。」 とにかく、落ち着いて説得しないと。 なっきぃは完全に頭に血が上ってしまっているから、ちゃんと目を見て、ゆっくりと喋りかけた。 「・・・・そうだったの。ごめん、なっきぃの勘違いだね。そっか、千聖変な言葉づかいしてたんだ。3分ルールだもんね。」 3分?何のことだろう。 なっきぃはとりあえず納得してくれたみたいだけれど、今度はなぜかしょんぼりした顔になってしまった。 「あの、なっきぃ。そんな顔しないで?それより、千聖はなんであんな」 「ちょっとなかさきちゃん!私は千聖のこといじめてないよ!イジメとか大ッ嫌いだもん!あと大きい2人って言わないでよ!」 「もうっそれはわかったってば!でも、大きいのは現実でしょ!」 ・・・熊井ちゃん、もうその話は終わったよ。 何とか励まそうとしていたら、ひどいタイミングで熊井ちゃんがなっきぃに反論し出した。 そのおかげでなっきぃはまた元気を取り戻して、熊井ちゃんとおかしな言い争いを始めた。 どうしたもんかと視線をトイレの個室に戻すと、ほんの少しだけドアが開いて、千聖がこっちを伺っていた。 「千聖!!」 私の声に驚いて、千聖がドアを閉じようとする。 駄目! 私は悪徳セールスマンのように、足をねじ入れて無理矢理中に押し入った。 千聖はポカンと口を開けて、私の顔を凝視している。 「あ・・・」 「ごめんね、ちゃんと顔見たかったの。」 こんな狭くて暗い場所で、ずっと泣いていたのかもしれない。 目じりが赤く腫れて、下まつげが心なしか湿っているような気がした。 「ちょっと!茉麻ちゃん何やってんの!開けてよ!」 「何で茉麻も入るの?外で話せばいいじゃんー」 外の2人はいきなり徒党を組んで、思いっきりドアを叩いてきた。 狭い個室だから、予想以上にグワングワンと音が反響する。 ・・・・こんなことやられて、怖かったよね。ごめん、千聖。 「茉麻さん・・・」 喉から搾り出すような声で、千聖が私を呼んだ。 その表情があまりにもいじらしくて、私は思わず千聖を抱き寄せた。 「千聖、まぁはいつも千聖の味方だから。もう何にも言わなくていいから、それだけは覚えておいて。」 「っ・・・・」 わずかに首を縦に振ったあと、千聖の体が小刻みに震えた。 「ごめんなさい・・・」 今は、腕の中で泣きじゃくる千聖を抱きとめてあげることしかできない。 それでもいい。 どんな千聖でも、私がいつでも両腕で受け止めてあげたい。 その気持ちが千聖に少しでも伝わるように、抱きしめる腕に力を入れた。 「・・・・茉麻さん、ありがとうございます。もう大丈夫です。」 しばらくすると、千聖が顔を上げて笑いかけてきた。 「うん、よかった。・・・あ、千聖。今更なんだけど、もものことどうする?ちょっと時間経っちゃったね。」 「あの、できたら、私一人で桃子さんのところに行きたいんです。・・・本当は、茉麻さんにお話しなければいけないことがたくさんあるのですが、今は先に桃子さんのところに行かないと」 「わかった。」 もう外の2人はドアを叩くのをやめて、またなにやら2人で論争を繰り広げている。 千聖の肩を抱いて外に出ると、一斉に私たちに視線が向けられた。 「千聖!大丈夫?さ、早く戻ろう?」 「早貴さん・・・来てくださってありがとう。でも私、ちょっと行かなければならないところがあるんです。」 千聖はやんわりと拒否するけれど、心配性ななっきぃはなかなか引き下がらない。 「じゃあ、なっきぃも一緒に行く。」 「待って、千聖は一人で行きたいんだってさ。」 私がなっきぃを引き止めている間に、千聖は一礼して廊下を駆けていった。 「千聖ぉ・・・」 次へ TOP
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741 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01 16 49 ID ??? カオスフレアスレに出没する獣の奏者にやたら拘る奴は、 うちのサークルのちょっと困ったお嬢さんなんじゃないかと思えてきた。と書いたら俺が特定されるだろうか。 ロール回しもGMとしても気立ても申し分ないけれど、 児童文学ネタや任天堂ネタに拘りすぎるきらいがある 742 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01 25 05 ID ??? 741 kswk 743 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01 26 40 ID ??? 報告を頼む フェイクを忘れるな 744 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01 35 27 ID ??? 御坂さんVSピカチュウについてサークルで討論した時には涙目になりながら ピカチュウは可愛いから御坂さんは攻撃できなくて引き分けなの!消し炭とか黒焦げとか言わないで!って反論してた。 獣の奏者についてはあんまり拘るんで、頭にきたサークル員の一人が 「キムチ臭い名前のキャラばっかだからCFセッションでネタにするな、カラオケでOP歌うな」的なキツいことを言えば 意固地になってGMを任された次のセッションは児童文学ネタや昔懐かしいコロコロネタで固める。 ちゃんとGM回せるし、川上稔や嶽本野ばら以外のラノベをもっと読むようになれば誰も文句は言わないのに。 ※注:獣の奏者のモチーフはモンゴル~中東の北のほうでFAらしい 745 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01 46 58 ID ??? ラノベをあまり読まないというか、親御さんの持っている星界や皇国の守護者とかが好きで、 最近のラノベは好きじゃないとか川上や沖方以外つまんないとか何とか。その割に日野理恵信者。 うっかり地雷を踏んでしまわなければちゃんと正確にGMしてくれるし、PLとしても周りに気を遣ってくれる。 趣味に拘りすぎて摩擦が多すぎる困ってとこかね。 ……うちのサークルはそれ以上にこのスレのMKPになった人がいるんで相対的に霞んでしまうが。 746 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01 47 23 ID ??? その討論どうでもよくないかw サンダースとピカチュウどっちが強いか議論するならわかるがw 748 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02 40 59 ID ??? 744 そんな討論してる時点で同類が集まってるようにしか見えない GMできるだけいいじゃないか リランかわいいよリラン 749 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02 52 11 ID ??? つかなんで御坂さんVSピカチュウなんて変な討論が始まったんだよw わざわざ触らなければそれでいいんじゃないのか?と思ってしまうんだが……まぁどこらへんを拘ってるのかわかんないからなー (そもそも獣の奏者読んだこと無いし、上稔や嶽本野ばらとやらの作品は知らん) ぶっちゃけある程度まともなシナリオでちゃんとしたマスタリングしてくれるならそれだけで十分じゃないかと思ってしまう俺がいる 751 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 06 18 06 ID ??? その彼女がここを見ていたら“沖方”と書いてある時点で討論が発生するわw 人間誰しも熱くなるポイントはあるから 御坂VSピカチュウとかで討論ふっかけて相手を刺激する方が困ったちゃんだと思うが 752 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 06 22 13 ID ??? 男女にかぎらず他人にとってはどうでもいい話に異常にこだわるやつはいるな 753 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 06 26 14 ID ??? 誰にとっても重要な話、なんてものは存在しない 754 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 06 36 56 ID ??? 753 いやこの場合、他人にとっても重要だと勘違いして話してることが痛いわけで わかってくださいよ 759 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 07 06 48 ID ??? 過剰に拘るのも困ると思うが、それに対する返しも小学生レベルだな サークル自体が香ばしい 760 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 07 21 03 ID ??? うちのサークルにはMKPになった人がいるとかどこか誇らしげな様子だしな サークル全体が困ったちゃんの巣窟って事でいいだろう 765 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 11 13 33 ID ??? この報告者、詳しく話せば自分でMKP狙えるんじゃないか もうちょっと詳しく話してみるんだw ・人の嫌がる話題を率先して行う ・人の好きな作品についてレッテル貼りをするのを容認 ・カラオケで歌いたい曲を歌わせないなど集団でイジメに近い行動 ・GMのシナリオネタに文句をつける ・相手の趣味を理解しようとはしないが、ラノベが理解されないと嘆く 満貫くらいはいってる気がする 766 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 11 20 13 ID ??? 765 「昔このスレでMKPになった人」が報告者じゃない、なんて誰も言ってないぜ 767 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 12 38 06 ID ??? ポケモンや児童文学をディスりながら 超電磁砲のOPを歌う報告者の姿を幻視した いてぇ… 768 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 17 36 40 ID ??? 児童文学ネタや昔懐かしいコロコロネタで固めてしっかりGMやれるなんて うちに欲しい人材なんだが。 外部参加者がいるからアニソンは様子を見てから、ならわかるが カラオケ行って雫すら歌わせてもらえないサークルってコワイ。 769 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 18 21 35 ID ??? 個人を報告したつもりで異常なサークルの実態が垣間見えるのも定番 770 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 21 17 59 ID ??? 川上稔や嶽本野ばら以外のラノベをもっと読むようになれば誰も文句は言わないのに 人の趣味にけちをつけた挙句、もっとラノベ読めといわれるとかテンプレすぎるw やたらエロゲ勧めるMKPがいた気がするが、そこのサークルか? 771 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 11 12 40 ID ??? 読者がどう思おうが勝手だが、嶽本野ばら本人は自分がラノベを書いてるとは思ってないと思うがw 772 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 11 39 34 ID ??? そこらへんは報告者の見識がおかしいだけじゃないか 児童文学なんかやめてもっとラノベを読めとか言ってる時点でお察し 773 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 11 48 05 ID ??? TRPGって何読んでもシナリオ作りの足しになるから、読まなくていいものなんてないよな 774 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 12 02 30 ID ??? 逆に、何を読んでなくても きちんとGMしてる限りはシナリオにけちつけられる筋合いはないな 775 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 12 23 17 ID ??? 773 逆に読まなきゃいかんものも少ないけどな。 ルールブックとサプリとエラッタとPLの表情と空気と時間配分とPLの行動と…… 776 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 12 41 06 ID ??? 775 ルールブック=それ俺だし サプリ=使いません、あと持ってくるな エラッタ=知らないものは適用しません、あと持って来るな PLの表情=顔なんて見ません 空気=俺が空気を作ってるんだよ 時間配分=終わるまで付き合え PLの行動=シナリオに沿って動けよ? 777 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 13 37 36 ID ??? ジャイアンリサイタルですね。分かります。 778 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 14 15 58 ID ??? 俺の丹誠こめたお料理(=シナリオ)でおもてなしすんぜ もあるからジャイアンディナーショーだな 779 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 15 26 28 ID ??? 775 原作物は原作読んでないとキツいぞ 784 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 23 32 26 ID ??? げ、何で俺が悪者扱いなの? 俺はMKPになるようなことはせずに普通に遊んでGMしてるだけだよ。 浜崎あゆみはKOTOKOのパクりとか(時期考えろ)志方あきこは葉加瀬太郎と組んで紅白に出るべきだとか 素で言っちゃうような子だし、例の女の子はどう考えたって困だろ。 MTメインのCFセッション中、卓にアイマス至上主義者がいるにも関わらず ゼノグラは早くスパロボ参戦すべきとかしれっと言っちゃうんだぞ? ちなみに彼女はエロゲはやっているようだが、クロイズの話をするときに 目を輝かせるのはやめていただきたいとサークルの野郎衆全員が思っている。 (誠氏ねの中の人の大ファンらしい) 785 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 23 34 43 ID ??? つまり、お前の普通が困なんだよ多分。 この悪者め。 786 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 23 48 36 ID ??? 軽度の困がいがみ合いながらも程ほどに仲良くやってる平和な光景って感じ お外には出てくんな 787 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 00 40 18 ID ??? >クロイズの話のときに目を輝かせる どうみても腐っています本当にありがとうございましたってかうちによこせ 788 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 02 19 56 ID ??? 784 なりすましじゃないなら、お前は本当に困の素質十分だな 789 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 03 32 51 ID ??? 784 アイマス至上主義者にゼノグラの話をするのはNGで 獣の奏者ファンをキムチ臭いと罵るのはOKなのか、変わったサークルだなw どう好意的に解釈しても同族嫌悪がいいところだ 彼女はともかくお前はまちがいなく困ったちゃんだから外には出てくるなよ 790 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 03 51 35 ID ??? TRPGやってる女には大抵ろくなのはいないが 784は確実にそれ以下の困だな 791 名前:NPCさん[] 投稿日:2010/08/01(日) 04 31 04 ID MQcWfhbY 男女双方、同程度に困の場合、過失割合は野郎の方が高いんですね。わかりません!>< 792 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 05 07 28 ID ??? 同程度ではない、明らかに男の方が困 女の方は腹いせに2chに晒したりはしてないからなw 793 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 06 35 08 ID ??? 791 同程度の場合、得意げに晒してるほうが叩かれるに決まってるだろjk 女のほうも困ぎみなのはもちろんわかるが カラオケ歌わせない・キムチ臭いなどいじめの分罪が重くなってる 794 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 08 58 46 ID ??? ラノベをあまり読まないというか、親御さんの持っている星界や皇国の守護者とかが好きで、 うちにくれ。 795 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2010/08/01(日) 09 36 15 ID ??? 793 報告者側にも困要素があるのに、一方的に報告するのって ここではめっちゃ叩かれるパターンだからなー スレ257
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【愛理さん舞美さん】岡井ちゃんが遠くに行ってしまった件(ソースあり)【ごきげんようってなんだよ】(329) ちっさーのキャラ替えを断固阻止したい人の数→(773) 「ああぁ~・・・」 パソコンの前で、私は頭を抱えた。これはおそらく昨日のキューティーパーティーのことだろう。(とは言っても何が書いてあるのか怖いので、私はいつもマイミスライムしか見てない) 冒頭でいきなり「ごきげんよう」をかまされた時は本当にあせった。 愛理が即「はい、千聖お嬢様。」と返したから、その場は何とか切り抜けることができた。 千聖も空気を読んで、お嬢様語を封じて明るい雰囲気を出してくれたのだが、いつも聞いてくれるファンの人達にはやっぱり違和感を覚えさせてしまったみたいだ。 「もー本当・・・私のせいだ。ダメだ。本当私最悪だ。」 あの時、私が千聖にちょっかいを出さなければ。体勢を崩した千聖を支えてあげていれば。こんな事態にはならなかったはずだ。 私もえりと同じで、最初は千聖の悪ふざけを疑った。 服装まで変えて、ウケるねーなんてのんびり話していたけれど、千聖はいつまでたっても元の千聖に戻らなかった。 可愛らしいスカートを履く。食事のときにレースのハンカチを膝に敷く。 そんなことが積もり積もって、私はようやくこれはあの時の後遺症なんだと気づいた。 それに、千聖はお調子者でいたずらっ子だけれど、みんなを困らせてまでそれを続けるような子じゃない。 動揺するみんなを見て泣きそうな顔をする千聖を見ていたら、間違いないと確信できた。 同時に、千聖から取り返しの付かない何かを奪ってしまったという絶望感と罪悪感で胸が押しつぶされそうになってしまった。 千聖の顔を見ると、涙が出そうになる。そして目をそらす。千聖が悲しそうに私を見つめる。そんな悪循環がずっと続いた。 みんなが徐々に新しい千聖を受け入れるようになっても、私はほとんど会話をすることができなかった。 リーダーなのに、こんなんじゃ駄目だと思ってはみても、じゃあどうしたらいいのかがわからない。 えりは千聖のキャラがつぼにハマって盛大にふいた後、「あれは演技じゃないからもう私は認める」と言い、徐々に順応してきているみたいだ。 でも私は自分に責任がある以上、そんなに簡単に新しい千聖を受け入れるわけにはいかないのだった。 「おはよーございまーす・・・」 今日も又、イマイチ元気が出ないままレッスンスタジオに向かう。 「舞美ちゃん、大丈夫?ずーっと元気ないね。飴でも舐める?」 「ん、大丈夫。体調でも悪いのかな?あはは・・・」 学校帰りなのだろう、まだ制服を着たままの早貴が気を使って話しかけてくれた。 私は何をやってるんだろう。リーダーなのにみんなを心配させて、リーダーなのに困っているメンバーを助けてあげることもできない。 あ、ヤバイ。ちょっと泣きそう。最近は柄にもなく感傷的になりがちだ。 「ごめん、早貴ちゃん。ちょっと私・・・」 「うん?」 「私・・・」 「・・・うん・・・」 「走ってくる!」 「ええ!?ちょっと!」 「みんなによろしく!」 そう言い残して、私は屋外のちょっとしたグラウンドみたいな場所に向かった。 クサクサしてるときは、やっぱり体を動かすのが一番だ。隅のほうでストレッチをしていると 「舞美さん。」 いきなり後ろから声をかけられた。 「あ!千聖!!おはよー!!!今日まだ会ってなかったね!!!ところで何してるの!?」 うわあ我ながらひどい空元気。千聖も目をパチクリさせている。 「ええ、ごきげんよう。少し早く着いてしまったものですから、体を動かそうと思って。」 千聖は濃い目のピンク地に小さな黄色いドットが入った可愛らしいジャージを着ていた。 こういうレッスン着ひとつにも変化を感じられて、また少し気持ちが重くなってしまった。 「もし嫌でなければ、一緒に何かしませんか?」 「え?あ、うん」 「じゃあ、ひとまず一周走りましょうか。よーい、ドン!」 いきなり掛け声をかけて、千聖が走り出した。 「ちょっとちょっと!千聖!」 慌てて追いかけるけれど、千聖はさすがにお嬢様になっても足が速い。なかなか距離が縮まらず、私の闘争本能に火がついた。 「あは、あははははははは」 笑いながら加速する私に少し驚きながらも、千聖はいたずらっ子のようにニヤッとしてさらにスピードを上げた。 戻らない私たちを心配したのか、いつのまにかみんなが集まってきていた。 楽しげな私たちをあっけに取られたように見ている。 やっぱりこの子は千聖でいいんだ、と私は思った。 こんな風に無心で走ることの楽しさを共有できるのは、千聖しかいない。 キュートのリーダーとしてはまだ、これからどうしていけばいいのかはわからないけど、 私は今の千聖の中に元の千聖を見つけられることができて、少し心が軽くなった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ 「どうしたの。もう帰ったのかと思ってたよ。」 「私も自主練習をしようと思って。早貴さんがいらっしゃるまで、ロッカー室を使わせていただいてたの。」 お邪魔だったかしら?と言われたので、首を横に振る。 「ちょっと休憩しようと思って来ただけだから。千聖こそ、私のことは気にしないで歌続けてて。」 結局考え事に耽っていた私は、別に休憩を取るほど疲れてなんてなかったのだけれど。千聖に気を使わせたくなくてとりあえずそんなことを言ってみた。 手持ち無沙汰なので、ロッカーを開けてケータイを取り出す。 メールが着ているみたいで、ピンクのランプが点滅している。 「・・・栞菜だ」 急いで作った文章なのか、今日はふざけすぎてごめんねとか、なっきーが悪いみたいな言い方して私が子供だったとか、私への謝罪がところどころ二重の内容になりながらびっしりと書かれている。 だから私も、“なっきーも言い過ぎてごめんね。”とだけ返した。 完全解決とまではいかないけれど、とりあえず今日の分の仲直りはできそうだ。 少し気が楽になったので、端っこで歌を練習する千聖の方に意識を向けてみた。 今は都会っ子純情を歌っているみたいだ。可愛い声だな、と思った。 えりかちゃんいわく、お嬢様化が始まった当初の僕らの輝きは本当にひどかったらしい(いまだにその話を振るとえりかちゃんは死にそうになる)。 千聖特有の子供っぽい柔らかい声から、元気をポーンと抜いたような感じだったそうだ。・・・それはちょっと聞いてみたかった。 今歌っている声も、確かに以前に比べたら声量が落ちているようにも聞こえる。でもやけに甘く可憐な味があって、これはこれで結構いいんじゃないかなと思った。 しばらく目を閉じて聞いていると、何か違和感を覚えた。 「千聖さ、何基準で歌ってるの?千聖のパートだけ練習してるんじゃないよね。他の人の・・・」 私はそこまで言って、はっと気づいた。 千聖が練習しているのは、自分のパートと愛理のパートだった。 「・・・千聖。」 何て言ったらいいんだろう。私は結構人の地雷を踏みやすいから、余計なことを口走りそうで怖かった。 少しの間沈黙が訪れる。 「早貴さんには以前お話ししたことかもしれませんが」 やがて千聖が口を開いた。 「愛理は私の目標・・・・いえ、私のライバルなのです。」 そう言い切る千聖の瞳はあまりにもまっすぐで、私は思わず息を飲んだ。 舞美ちゃんと2人、キュートの楽曲のメインパートをまかされているセンターの愛理。 ソロパート自体ないことも珍しくない、後列組の千聖。 身の丈に合わない目標だと一笑したり、あるいは簡単に頑張ってなんて言えない真剣さがそこにあった。 「うん、覚えてるよ。千聖前にも私に話してくれたもんね。 愛理がライバルだって。でも、ほら、あのことがあってから、千聖はいきなり愛理と仲良くなったじゃない。だからもう、ライバルとかじゃなくなったのかと思ってた。 なっきーに言ってくれた気持ちはしぼんじゃったのかと思ったよ。」 嫌な言い方かもしれない。でも、私に思いをぶつけてくれた千聖には、自分の気持ちを自分の言葉で伝えたかった。 「ええ。私は確かに、愛理ととても親しくなりました。」 千聖は怯むことなく、少し考えてからまた言葉をつないだ。 「変わってしまった私を一番最初に受け止めてくれて、孤立しないように側にいてくれたのは愛理ですから。私は愛理の優しさにいつも救われています。 だからこそ、大好きな愛理に負けたくないのです。」 「うん。」 私は千聖の手を握った。 「よかった、千聖の気持ちを教えてくれてありがとうね。やっぱり千聖は変わってな・・・」 その時、ものすごい音を立ててロッカールームのドアが開かれた。 「舞さん。」 「舞ちゃん。」 目を吊り上げた舞ちゃんが立っていた。 「なっきーの嘘つき。元の千聖に戻って欲しいって言ってたじゃん。嘘つき!」 大きな目から涙が零れ落ちていた。 「なっきーは舞の気持ちわかってくれてるって信じてたのに。」 「舞ちゃん、待って」 すごい力で私の手を振り切って、舞ちゃんは一直線に千聖に向かって行く。その勢いのまま、千聖を壁際まで追い詰めた。 「もう嫌だ。全部あんたのせいだよ。千聖を返して。私からキュートのみんなを取り上げないでよ!!」 私は呆然と、胸倉を掴まれてガンガンとロッカーに押し付けられる千聖を見つめた。 どうしよう。 どうしたらいいの。 舞美ちゃん、えりかちゃん。 言うことだけは一丁前で、こんなときにどうすることもできない自分が悔しかった。 「お願いだから元に戻ってよ千聖ぉ・・・」 舞ちゃんが千聖の胸に崩れ落ちる。 舞ちゃんに泣いてるのを悟られないように、千聖が口を押さえて嗚咽をこらえている。 もう私にはどうすることもできない。 にぎりしめたままの携帯を開いて、震える指で履歴をたどる。 【もしもし?】 「・・・っ・・ちゃ・・・・」 電話口に聞こえた声に返事をしようとしたけれど、嗚咽でまともに喋ることができない。 【なっきー?何、なんかあったの?】 舞ちゃんの泣き声が耳に響く。あんなに強気な子を、私のせいで追い詰めてしまった。 「助けて・・・舞美ちゃ・・・みーたん、助けて・・・・」 次へ TOP