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あるP プロデュースアイドル あきら 明歌 獲得称号 <新人プロデューサー> <カリスマアイドル> <トップダンサー> DLC購入履歴 (あるP:ある) 2010-04-16 07 06 56 E-2:しつこいファンレター:2マイル 所持アイテム カクテルドレス つけまつげ しつこいファンレター(使用済み)
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ライアーチームの管理人であり、ゲームのディーラーである。ゲームのなかではちょいちょいミスをし、プレイヤーに大変迷惑をかけている。本人は「人間だから仕方が無い」などとあるある言い訳でごまかしている。ゲームは全て詩人が作っているが、クオリティが低いので、時に批判を受けている。でも楽しんでもらえるのを第一に動いている。ゲームのネタが無くなってきているのは仕様である。本人は「ゲームのネタがなくなったら交流専用のチームにする」とほざいている。
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もうノリで・・社長ゾーラ。オチは勿論燃料切れ。 -- カレー。 (2008-06-02 01 46 19) あるあるwww -- 名無しさん (2008-06-02 04 09 03) 確かに社長だとすぐ切れそうだwww これって鬼神どうなるのか気になってしましましたwww -- 乏しい人 (2008-06-02 10 05 02) 社長はギタリストなのかww -- 名無しさん (2008-06-02 20 33 18) のーんってwwwなんか可愛いwwwww -- 名無しさん (2012-08-05 02 00 54) 名前 コメント
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「バクバク!!!!!」 「仮屋。もう少し落ち着いて食べれないのか?何時も言っていることだが」 「バクベリガブボリ(だって、おいしいんだも~ん)」 「・・・済まないな」 「フッ、別にいいさ。それだけおいしそうに食されれば、料理人側は作った甲斐があるんじゃないか?」 「そうですね。私が作り手なら、仮屋さんのように食べて貰ったらすごく嬉しいと思います」 「へぇ、リンリンって料理は得意なのか?」 「・・・余り」 「だったら、練習しないとな。・・・な?」 「ッッ!!・・・はい」 「そうだ。記立はすごく料理を作るのがうまいぞ?今度教えて貰ったらどうだ?」 「い、いいんですか!?わ、わかりました!!今度、厳原先輩にお願いしてみます!!」 このテーブルに座っているのは、仮屋・不動・破輩・一厘の4名。テーブルには、『恵みの大地』・『百来軒』・『根焼』の料理が所狭しと並んでいる。 これ等の殆どを頼んだのは、もちろん仮屋である。 「お待たせしました!大地さんお手製の特性メロンパンですよぉ!!それと、オレンジジュースを頼まれた方はどなたでしょうか!?」 「はい・・・私です」 「あっ、こちらの方・・・・・・(ギロッ!!)」 「ビクッ!!ど、どうされたんですか?」 「そ、そのデカパイ・・・。制服越しでも大きいと思っていたけど・・・これ程なんて・・・!!」 「あっ!///」 「・・・オレンジジュースです。・・・(チラッ)・・・ふぅ」 「・・・どうして、あなた様は私の胸を見て顔を綻ばせておられるのですか?」 「いや・・・。特に他意はありませんことよ。ホホホ。はい、これはサービスの飴玉です。どうぞ」 「遠藤さん。このメロンパン、すっごくおいしいですね。私、『恵みの大地』に行ったことが無かったんですけど・・・これならお店の方にも今度寄ってみようかな?」 「でしたら、遠藤が案内します!!きっと、春咲様が舌鼓を打つようなおいしい物が一杯ありますよ!!」 このテーブルに居るのは、鬼ヶ原・真珠院・春咲・遠藤の4名。 そこに注文の品を運んできた『恵みの大地』のアルバイター石墨が、鬼ヶ原の胸を見て凹み、真珠院の胸を見て立ち直る。 彼女は、自分より年下の胸の大きさに敏感なのである。 「やっぱり、『百来軒』のラーメンはうまいでやんすね!!」 「そうだね。というか、前に食ったのより更においしくなってる気がするな。ゆかりちゃんは、どう思う?」 「そうですね。ちょっと味を濃くしたのかな?私としては、こっちの方がいいかも。こういう暑い日に食べるには丁度いいわ」 「うむ!!確かに、十二人委員会が1人の葉原嬢が言うことは一味違うな!!この美味なラーメンのように!!」 「さすがは、師匠!!言葉の掛け方も見事でござるな!!」 「俺にはよくわかんないけど、確かにこのラーメンはうめぇ。『百来軒』か・・・。今度からマークしておこうかな?」 「・・・誰がそんなわけのわからないグループに入ったなんて言ったのかしら?あん?もういっぺん言ってみろ・・・!?」 「「(ゆかりちゃんが怒ってる(でやんす)!!)」」 「葉原嬢の心の声が、俺の心に訴え掛けて来たのだ!!ハーハッハッハ!!!」 「「(こっちもこっちで張り合ってる(でやんす)!!?)」」 この賑やかなテーブルで食事を取っているのは、梯・武佐・葉原に何故か居る啄・仲場・ゲコ太の6名。 十二人委員会に勝手に入れられている葉原が、何時もの敬語口調を取っ払って本気で怒りつつあるのを全く無視して啄が煽りまくるので、梯と武佐はハラハラしている。 「プハッ!はぁ、やっぱりおいしいな。ここのラーメンは。何だか、力が湧いてくるって感じかな?」 「おぅ、その意気だ。何時までもヘナってんじゃ無ぇよ!!」 「荒我に言われなくてもわかってますーだ!!」 「ハン、それがさっきまでグッタリしていた奴が吐く台詞かよ?」 「何よぉ~」 「緋花と荒我・・・か。本当に相性抜群だな、こいつ等」 「姉であるしゅかんにとっては、少し寂しくもある?妹に頼れる人ができたんだし」 「・・・ふん。少しは楽ができるって思っただけよ」 「フフッ。素直じゃないね、しゅかんは」 ここにはテーブルは無く、椅子だけが並べられている。その代わり、影の中にスッポリ納まるので暑さは大分マシである。 焔火・荒我・朱花・加賀美の4名は手に椀を持ち、汗をかきながら『百来軒』のラーメンを食べている。どうやら、焔火も復調したようだ。 「・・・はい」 「・・・何なの、これ?全部コゲてるんだけど?」 「バカなサニーのために、じっくり焼いてあげただけだよ。わたしってやさしー」 「ムキー!!!ムキー!!!」 「・・・(ピリッ!!)」 「苧環・・・。イタズラに本気で怒っちゃ駄目だよ。苧環自身が言ってたじゃない。『成長するチャンス』だって」 「わ、わかってるわよ!にしても・・・またどっかに行っちゃったわね、界刺さん」 「バカ界刺は、神出鬼没だからね。何時消えて、何時現れるかわからないんだよな。こっちにしたら、堪ったもんじゃ無いよ」 「流麗の言う通りね。界刺さんにも困ったものだわ。私が『シンボル』に入りたての頃、界刺さんが冗談半分で自分が殺されたことにした挙句に雲隠れしたことがあって、 殺した相手を見つけ出した上でこの手で殺そうと血眼になっている私と、それを止めようとした不動先輩と仮屋先輩との間で殺し合いにまで発展したこともあるし」 「(重い・・・重いよ、水楯さん)」 「(・・・涙簾さんを怒らせないようにしよう、うん)」 “シワジ~ワ”の前にあるテーブルに居るのは、月ノ宮・形製・苧環・水楯の4名。抵部の嫌がらせに怒り心頭の月ノ宮に釣られて機嫌が悪くなる苧環。 そんな彼女を形製が宥め、水楯が場の雰囲気を凍えさせる。そして・・・それは、何の前触れも無く現れた。 ゾクッ!!!!! それは、“王者”。頂点に君臨する絶対的強者。誰もが見ているだけしかできない、暴君が如き存在。 その存在から発せられる気配に、この場に居る全ての者が戦慄する。 「・・・『恵みの大地』。・・・『百来軒』。・・・『根焼』。・・・美味しそう」 その者は、少女。幼児体型で、水着を着ているにも関わらず女性的な色気が全く感じられない。その代わりに感じるのは・・・凄まじい威圧感。 「あ、あいつは・・・!!!」 不動だけが彼女に対して何とか声を振り絞ることができた。そう、彼女は以前『根焼』にて見掛けた人間。 “ステーキ3キロ10分以内に完食したらボーナスGET!!大会”にて、あの仮屋より早く完食した恐るべきフードファイター。 「・・・久し振り」 少女―“闘食の王者(キングフーディスト)” 羽千刃最乃―が仮屋の前に立つ。その瞳には、好敵手を見付けた喜色がありありと浮かんでいた。 「全~く、忙し~い時に何の用で~すか、カイ~ジ?」 ここは、『マリンウォール』のある一角。人目や監視カメラから逃れた極小のスペースに居るのは、“変人”界刺得世と“変人店長” 奇矯杏喜。 「・・・ここは、監視カメラとかからも死角になっている。『光学装飾』で偽装や監視もしているし。だから・・・大丈夫だよ、清廉止水?」 清廉止水。その名前で呼ばれた奇矯は笑みを浮かべ、装着しているサングラスを外す。今まで隠されていた瞳が露になる。清廉そのものの瞳が。 「・・・やれやれ。君も人使いが荒いね。折角の稼ぎ時に・・・何の用だい?昨日君から依頼された盗聴器や小型カメラのデータは、ちゃんと複製して保存してあるけど?」 口調が変わる。雰囲気が一変する。そう、彼の名は清廉止水。奇矯杏喜という名は、所謂偽名である。何故彼が偽名を用いているかについては、今は語らないでおこう。 「その件じゃ無いよ。そういや、あれから成瀬台(ウチ)の先輩が慌てて俺の部屋に来たぜ?俺が清廉さんの所から帰って30分後くらいかな?タイミングはギリギリだったね」 「君もあくどいことをする。もう、データは抽出済みの機材を素知らぬ顔をして返したんだろ?」 「まぁね。どうせ、すぐにデータがあるかどうかを調べただろうけど。んふっ。でも、あれからこっちには何のリアクションも無い。 もう諦めたのか、それとも『光学装飾』のサーチ能力を警戒して動けないのか・・・。まぁ、何でもいいや。尻尾を出すような馬鹿な真似を俺はしねぇ」 昨日仕掛けられた盗聴器と小型カメラを、界刺はすぐさま『根焼』の店長である清廉に持ち込んだ。 清廉は、学園都市において最高レベルの“元”科学者であり、彼の技術なら機材の中にあるデータの抽出等造作も無いことであった。 界刺の依頼を受けて仕事を抜け出し、短時間の間にデータ抽出を終えた清廉に礼を言い、界刺は急いで寮に戻った。 約30分後、成瀬台支部のリーダーである椎倉が焦りに焦った表情で界刺宅を訪れた。 肝心要の盗聴器と小型カメラの存在を失念していたことに、花盛学園の屋上で固地に指摘されるまで気付かなかったからである。 界刺は、素知らぬ顔で椎倉に盗聴器等を渡した。そのアッサリ加減に、椎倉は顔を蒼白にさせていた。失念そのものが、界刺による仕掛けだったことに気付いたのだろう。 この時点で、『光学装飾』によって近くに固地と閨秀の姿を確認していた界刺は心中でガッツポーズしていた。そして、椎倉は何も言わずに部屋を去って行ったのだった。 「それじゃあ、何の用かな?」 「実は・・・この小型アンテナについてのことなんだけど」 そう言って界刺が清廉に見せたのは、複数の小型アンテナ。 「これは?」 「薬物中毒にした人間の頭に刺した後に、特殊な電波を受信するアンテナだ。これで、送信側の思い通りに人間を操ることができるって寸法だよ」 「・・・へぇ。そんな『必要の無い犠牲』を生み出すような馬鹿な真似をしている人間が居るのか・・・」 清廉の声色が微かに変わる。含まれる色は・・・怒り。自身が愛する科学の結晶に、そんな下らない真似をさせている者達に対する確かな怒り。 「この受信機であるアンテナから受信する電波に関するデータを抽出・分析して、ジャミング用の電波波長の範囲を割り出して欲しいんだ」 「・・・操作用の電波が1種類とは限らないよ?こういう場合は、アンテナごとに複数の波長を用意している可能性が高い。できる技術があればの話だけど」 「だから、こうやって数十個ものアンテナを持って来たんだよ。アンテナごとに受信する電波が違っても、人間を操作する以上波長や振幅の範囲は自ずと限られて来る。 だったら、分析するためのサンプル数を増やせばいい。そして、分析する中でおおよその範囲を割り出し、 この ダークナイト にジャミング用の電波を予め実装して欲しいんだ。こんなことができるのは、アンタしかいない」 「・・・・・・」 界刺が持っている小型アンテナ―“手駒達”を操作する小型アンテナ―は、かつて自身が単独で『ブラックウィザード』の“手駒達”と偶発的な戦闘になった際に、 念のために奪い、保管していたもの。電波によって小型アンテナの居場所が割り出されないように、アンテナ部分は破壊してある。だが、データ部分は傷付けていない。 これは、界刺だけの物では無い。“手駒達”との戦闘経験がある不動と仮屋に、予め界刺が依頼していた物。 『もし、“手駒達”と戦闘になった時はアンテナを奪って俺にくれ。但し、受信部分は破壊した上で』 そう言って、彼等から譲り受けた物。何時か使える日が来るかもしれない。そう考えて。 「最近の物は殆ど無ぇけど、波長とかはそんなに変化していない筈だ。きっと、こいつ等からある程度の範囲は割り出せると思う」 「・・・今の『送受棒』の機能じゃ不満なのかい?」 「いや、そうじゃない。一々傍受してからジャミングしてると、それが命のやり取りをしている場面だと、文字通りの命取りになる可能性がある。 事前に対策可能ならやっておく。それだけの話さ」 「ふむ・・・。一理あるね。君のそういう考え方というか用心深さは、僕も気に入っている。それでいて、突拍子も無いことも思い付くんだから恐れ入る」 「その言葉、そっくりそのままお返しするぜ?アンタだって、似たようなモンだろ?詳しくは知らねぇし、今ン所は知るつもりも無いけど」 「それが、賢明だ。ところで・・・その数少ない『最近の物』はどうやって手に入れたんだい?」 「・・・・・・」 清廉の瞳が界刺を映す。汚れの無い清廉そのものの瞳が、汚れ(かいじ)の存在を押し潰すように圧を強める。 「もし、その『最近の物』が昨日僕の所へ来る前に手に入っていれば、君なら盗聴器とかと一緒に持って来ただろう?なのに、今この時に僕へ渡そうとする。 ということは、それを手に入れたのは昨日『根焼』から出て行った後・・・違うかい?君のことだ。狙って手に入れた物なんだろう。さぁ、詳しく聞かせて貰おうか?」 「・・・全く、耳聡いねぇ。害は無いですよー的な雰囲気を醸し出してる癖に、聞く所はちゃんと聞いているし。アンタも相当なタマだ」 「褒め言葉として受け取っておこう。さて、聞こうか?」 「え~と・・・」 清廉が指摘した『最近の物』。それは、今日手に入れた物である。それは、焔火達を遠くから監視していた“手駒達”から奪い取った物である。 昨日、武佐の口から遊びに行く場所として『マリンウォール』の名前が出た瞬間から、界刺は考え続けていた。『ブラックウィザード』に出方について。 「もし、俺が『ブラックウィザード』の立場なら、休暇中の風紀委員や警備員の動きとかも気にするね。何せ、休暇明けからは単独行動が始まるから。 休暇中に、支部員が何人か集まって単独行動の方針とかを決めるかもしれない。だったら、休暇中に誰と誰とが接触していたくらいは最低限把握したいモンさ。 そして、監視任務に最適な操り人形が居る。薬とかで記憶や人格をぶっ壊した上に、捕まったとしても痛手にはならない“手駒達”(にんぎょう)がな」 椎倉に今日の休暇を進言した時から、可能性の1つとして思い浮かんでいたこと。 それは、『休暇中に、風紀委員や警備員の動きを「ブラックウィザード」が監視するかもしれない』ということ。 何時もの厳戒態勢では無い、休暇という気が緩む状況下なら監視の目を向けて来る可能性はある。そう睨んだ界刺は、わざと荒我達を焚き付けた。 別に、荒我と焔火の仲を応援するためでは無い。自分の目的に利用できると踏んだから、そうしたまで。 『マリンウォール』に赴いたのは、自分に告白してくれた少女達のため。その“一面”は確かにある。だが、それだけでは無い“一面”もある。 ちなみに、今日ここに『根焼』の出張店を出すと昨日の時点で清廉から耳にした時点で、更なる“一面”も付け加えられている。 「『マリンウォール』に来るってことがわかっていれば、後は『光学装飾』と『送受棒』を展開して待ち構えているだけでいい。 警備員とかが使用している衛星監視網だって、光学監視を『光学装飾』で、レーダー監視を『送受棒』でノイズレベルの上昇に導けば俺の姿は映らない。 つっても、日中は光学監視が主だろうけど。レーダー監視は、光学監視に比べればどうしても解像度が落ちるし。今日みたいな快晴の時は、尚更光学監視を展開してるだろうさ」 「君の『光学装飾』は大したものだね。君なら、『ひこぼしⅡ号』に積まれている“白色光波”を用いた大型レーザーさえ防いでしまえるのかもしれないね。 もしかしたら、そっくりそのまま反射してお返しすることもできたりして・・・」 「無茶言うなよ。幾ら俺の『光学装飾』が“白色光波”を操作できるっつっても、あの衛星に積まれてる光学爆撃兵器を防ぎ切れるとは思えねぇ。 俺の中じゃあ、“白色光波”を操るのが一番面倒だし。まぁ、ここ2ヶ月は“白色光波”の訓練を重要項目としてたけど。 制御範囲とかの拡大・移動には“白色光波”の鍛錬が欠かせねぇし。今の実力なら、もし防げたとしても少しだけ逸らすので精一杯だね。 そんでもって、発生した衝撃波の余波で吹っ飛ばされるのがオチさ。・・・いずれは、“白色光波”も完全統御して“真の切り札”にしてみせるけど(ボソッ)」 「へぇ・・・防げる可能性はあるんだね。・・・『樹脂爪』を使えば何とかなるかもしれないよ?フフッ」 「・・・俺を実験体にでもしたいのか?」 「『必要な犠牲』なら喜んで」 「・・・まぁ、いいや。警戒している風紀委員も居るだろうから、リスクを負って連中が監視に来る可能性はそんなに高く無かったし、外れても別にいいやとは思っていたけど。 それに、荒我達が朝から来るって保証は無かったし。まぁ、その場合は『マリンウォール』から怪しい奴がいないか確認するつもりだったけどね。 でも、やっぱり連中にとっては気になるモンしい。こりゃ、他の風紀委員や警備員にも張り付いているかもね。んふっ!」 だから、早朝から自身を不可視状態+『送受棒』展開状態にして『マリンウォール』周辺に張り付いた(『送受棒』展開は保険である)。 この辺りの地理を観測し、自分ならどの位置から監視するとか色々考えながら待ち構えた。そして、午前9時半前に焔火達女性陣の姿を捉えたのだ。 「・・・どうやって、その操り人形達を倒したんだい?」 「『閃熱銃』で脚を焼き貫いた。監視するために人目の付かない所に居た所を狙ったし、“手駒達”は薬で痛覚を麻痺させられているからね。 大声を出すこと無く、その場にぶっ倒れたよ。他にも、目潰しのために可視光線をちょちょいと。 そいつ等の能力がわからない以上、動きを封じるのとこちらの挙動を察知されないのを両立させるには、遠距離からの狙撃が一番だよ」 「・・・どうやら乱暴に扱っているようだね。 ダークナイト (かのじょ)は気品溢れる娘なんだから、もう少し労わってあげた方がいいよ?」 その数分後に“手駒達”を捉えた。『光学装飾』によって離れた位置からも小型アンテナの所在を認識できる界刺は、すぐさま行動を開始した。行動とは、即ち『閃熱銃』の使用である。 すぐに最適な照射ポイントに移動し、“手駒達”が人気の少ない道(工事現場の傍であったことから、道の上空はビニールで覆われていた)を歩いている瞬間に『閃熱銃』を解き放った。 監視していた“手駒達”は3人。ジャミング中だったので、 ダークナイト は連結状態にあった。なので、1人ずつ『閃熱銃』を見舞った。 最初に『閃熱銃』を行使した者以外の“手駒達”には、可視光線による目潰しを喰らわした。もちろん、すぐ後に『閃熱銃』を見舞ったが。 脚を貫かれた“手駒達”は、その場で動けなくなった。如何に痛覚が無かろうと、脚の骨を『閃熱銃』で焼き貫かれたのである。 念のため“手駒達”の周囲を不可視状態にし、近付きながら『送受棒』によりジャミングを行い、“手駒達”及び 無線通信を行っている小型カメラ等を完全無力化した。 この中に透視系や念話系が居たとしても、電波による操作が無ければ唯の薬物中毒者である。 まともに能力を発動できるわけも無いし、そもそも小型アンテナを無力化させられた時点で“手駒達”は気絶するのである。 その後、“手駒達”の頭に刺さっている小型アンテナを奪い取った。小型カメラ等も、『閃光剣』によって全て潰した。 どうせ、カメラ等を調べても『ブラックウィザード』の手掛かりになるようなものは無い。そんな愚行を連中が犯すわけが無い。 『送受棒』により逆算した発信源は1km程離れており、しかも急速に離れていった。おそらく、車等に装置を積んでいるのだろう。 『送受棒』の探知範囲にも限界がある。故に、今回は追跡を諦めた・・・というか最初からするつもりは無かった。『ブラックウィザード』の追跡は、自分の仕事では無い。 一方、一厘や急遽参加することになった159支部リーダーの破輩についても同様のサーチを掛けたが、幸か不幸か彼女達の周囲には“手駒達”は居なかった。 その分時間をロスしたので、界刺は最後に顔を出す羽目になったのだ。 「その“手駒達”はどうしたんだい?」 「そんなもん、放っておいたさ。あんな連中がどうなろうが知ったこっちゃ無い。まぁ、警備員の手によってどっかの病院にでも送られたみたいだけど。 幾ら人目に付かないからって、誰も通らないってわけじゃ無いし。俺が『マリンウォール』に入った時点で路地裏の不可視状態は解いたしね。 これで、少なくとも今日は『マリンウォール』周辺に『ブラックウィザード』の連中は近付けない。警備員がウロついているし。俺も、安心して涼めるってモンだよ。 もし、風紀委員や警備員に疑われてもシラを切れるし。そのための取引だし。いや~、事前準備ってのは大事だね~」 「・・・君は、間違っても“ヒーロー”と呼ばれる人間じゃ無いねぇ・・・」 「別にそれでいいさ。なるつもりも無いし。俺は俺だし。リンリンが言う所の『界刺さん』だし。んふっ」 清廉の問いに平然と答える界刺。界刺にしろ清廉にしろ、何処か一般人の感覚とはかけ離れた人種であることには違いない。 「君は、風紀委員や警備員に協力して、その『ブラックウィザード』を倒すつもりなのかい?」 清廉は、最後の問いを発する。わかり切っている返事をそれでも待つのは、もう一度この碧髪の男の在り方を見定めるためか。 そして、碧髪の男は寸毫の躊躇も無く答える。わかり切っている答えを。 「んふっ。何で俺がそんなことをしなきゃなんないの?あんなモン、風紀委員や警備員の仕事さ。俺がやることじゃ無い。 俺は、あくまで“私闘”の邪魔になる可能性がある“手駒達”を潰せる手段を確保しているだけだ。これは、あくまで“私闘”における事前準備の一環でしか無い。 だから、風紀委員を利用した。利用できる不良共を焚き付けた。取引もした。全ては俺のため、全ては俺の自業自得。・・・単純だろ? まぁ、今後も俺の目的次第で連中を助けることも敵に回すこともあるだろうけど」 「・・・あぁ。単純明快だ。だが、その裏は実に複雑怪奇。心意を表に出すことはまず無いし。 君の言ってることが嘘か真か、それすらも容易に量らせない。全く、君は本当に興味深い人間だよ・・・界刺得世君」 そう言って、清廉は界刺の手に乗っていた小型アンテナを掴み取る。そして、外していたサングラスを顔に持って行く。 「いいだろう。そんな君の依頼に応えよう。君が、僕の産み出した ダークナイト (かのじょ)と共に、この科学の世界で一体何を見せてくれるのか・・・楽しみにしているよ?」 「・・・ありがとう、清廉止水」 「・・・そ~れでは、さっさと“ジワジ~ワ”に戻~りましょう!!我がベス~トフレンド・・・カイ~ジ!!」 「あぁ!!」 サングラスを掛け、清廉止水は“変人店長” 奇矯杏喜となる。そして、2人の“変人”は足早に駆けて行った。 continue…?
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「鷲尾須美は勇者である」登場キャラクターについて考察するページ。 鷲尾須美 乃木園子 三ノ輪銀 バーテックス 三ノ輪銀の弟 先生 須美の両親 園子の両親 岡本さん 松井さん 増渕くん、野島くん、椿さん 神社の猫 鷲尾須美 Vita版及び特典PCゲームでのCVは三森すずこ。 東郷美森と同一人物。東郷姓での考察は結城友奈は勇者であるを参照。 武器は弓。遠距離タイプ。 モチーフの花は菊。花言葉は「ろうたけたる思い」→結城友奈は勇者である 第二話 ろうたけたる思い 虫が苦手。(G・第三話/蝉・第六話) 銀が言うには胸はクラスで一番大きい。(第三話) 将来の夢(職につくとしたら何がいいか)は古代史の学者。(第五話) 乃木園子 武器は槍。中距離タイプ。 モチーフの花は(青い)バラ。花言葉は「神の祝福」→結城友奈は勇者である 第八話 神の祝福 Vita版、結城友奈は勇者である、特典PCゲームでのCVは花澤香菜。 乃木家は鷲尾家、三ノ輪家より格が高い。(第三話) 格の高さもありあまり友達がいなかった。 将来の夢(職につくとしたら何がいいか)は小説家。(第五話) 三ノ輪銀 武器は斧。近距離タイプ。 モチーフの花は牡丹。花言葉は「風格ある振る舞い」→結城友奈は勇者である 第三話 風格ある振る舞い Vita版でのCVは花守ゆみり。 接近戦仕様だけあって、勇者としての防御力が二人より高い。(第四話) 将来の夢(職につくとしたら何がいいか)は家庭を持つ、お嫁さん。(第五話) 男子の中には、快活な彼女に想いを寄せていた者もいたようだ。(第五話) バーテックス バーテックスの行動様式(第一話) 人を襲う 人以外は襲わない 通常の兵器は、ほぼ効果なし 神の力を宿す勇者なら対抗できる 敵の目標は神樹。破壊を狙っている。 バーテックスは単体行動が基本と聞いていた。(第四話) 三ノ輪銀の弟 産まれたばかり。(第二話) 三ノ輪家には使用人がいないため銀が面倒を見ていた(第二話)が、勇者としてのお役目が始まってからは家にお手伝いさんがいっぱい来て弟の世話を任せられるようになった。(第三話) 先生 二十代半ばの凜とした女性(第一話) 先生としてだけでなく勇者としてのサポートも行っていることから大赦の人間と思われる。 須美の見た神託を解釈している。(第七話) 須美の両親 洋食派だったが、須美の朝食作りにより和食派へなりつつある。(第一話) 須美が預けた金魚の世話をしたり、須美の他人行儀を気にしていたりする。(第六話) 人身御供を知って涙を流す。(第六話) 母は朝からガツガツ行きたい派。フランクな態度で接してくれる母と厳格な父の組み合わせ(第七話) 園子の両親 ぼーっとしている園子が心配で、ある日いたずらでわざと幼い娘の前で苦しんで倒れて見せた。 そのときの園子の対応を見てからは何も言わなくなった。(第一話) 祖父もおり、園子に光るものがあると評している。(第一話) 人身御供を知って涙を流す。(第六話/勇者御記) 岡本さん クラスメイト。履いてる靴とか持ってる小物とか可愛くてオサレ。(第三話) 松井さん 銀の友達。休み時間に時々サッカーなどをして遊んでいる女の子。銀からの愛称は「まっつん」(第四話) 増渕くん、野島くん、椿さん 級友。須美たちが夏祭りで見かけている。(第六話) 神社の猫 毎朝のお参りしている神社に住んでいる猫。(第一話/第六話) 須美は勝手に「次郎丸」「三郎丸」と名づけている。(第六話)
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「おっ。見えて来た、見えて来た」 夜の街を歩く界刺。『学舎の園』を後にした彼は、事前に連絡したある少女に会うために蒸し暑さが覆う夜の世界を1人歩いていた。 「やっぱ、暑いな。しかも、蒸し暑い。今夜も熱帯夜かなぁ。成瀬台(ウチ)の寮って、エアコンが無いんだよなぁ。本当に学園都市にある学生寮かよって言いたくなるぜ」 カッターシャツの第1ボタンを外し、襟をパタパタさせる。 ロングコートを左脇に挟み、左手には成瀬台の制服が入っているビニール袋を持ち、歩を進める界刺。 目当ての花盛寮は、もうすぐ・・・ ドン!! 「お待たせしました、界刺さん」 「・・・・・・早いね、涙簾ちゃん」 花盛の制服を着た碧髪の少女、『シンボル』が一員である水楯涙簾がキャリーバッグを片手に現れた。 「界刺さんからの連絡を受けて、すぐに数日間に渡る外出許可を得ましたので。界刺さんの部屋に泊まる準備は、既に完了しています」 「それって、全然答えになってないよね?普通お泊まりってのは、結構な準備が要るし。 というか、俺の寮に泊まるってのはあくまで検討してくれないかって話なんだけど?」 「こういうこともあるかもしれないと思っていましたから、準備は万全でした」 「何それ!?」 ツッコミ所満載の水楯の行動に、唖然するしかない界刺。 「さぁ、早く行きましょう。・・・界刺さんの部屋に泊まるのも久し振りですね」 「・・・そうだね。そんじゃ、行こっか」 「はい」 それ以上のツッコミは許さないとばかりに界刺を促す水楯。それに根負けし、界刺は水楯と共に夜の道を歩き始めた。 「流麗が・・・。クスッ、ようやくあの娘も勇気を出したんですね」 「気付いていたの?」 「はい。というか、界刺さんが鈍過ぎですよ。・・・しかし、一度に5人から告白されるなんて・・・。その上、キスも・・・さすがですね」 「・・・気が重いけどな。これから、あいつ等が何を仕掛けて来る気かって戦々恐々状態だし」 「モテる男の宿命・・・ですね」 「・・・ハァ」 共に夜の街を歩く2人。その片割れである界刺は、同じ片割れである水楯に今日1日の出来事を全て打ち明けていた。 「次は、春咲さんですかね?」 「かもな。桜は、最近俺に容赦しなくなって来てるからな。こっちも戦々恐々だね」 「少し、苛め過ぎたんじゃないですか?」 「その反動ってヤツ?あぁ、嫌だ嫌だ」 界刺は、春咲の顔を思い浮かべる。今日のことを春咲が知れば、絶対に彼女も動く。そう思えてならない。 「・・・昨日の件ですけど」 「・・・あぁ」 水楯の声が低くなる。それを予期していた界刺も、平然と応える。 「界刺さんの分析も含めて考えると、その殺人鬼はかなり強いようですね」 「かなりって言うか、滅茶苦茶強いって感じかな?」 「・・・余り無茶しないで下さいね。いざという時は、私も参戦しますから」 「・・・俺的には、それが嫌なんだけど。『本気』を出している場面に、顔見知りが居たらやりにくくてしょうがねぇ」 「・・・それは、無理ですね。あなたを傷付ける人間は、この私が潰しますから」 水楯の声が更に低くなる。 「全く・・・。不動先輩や仮屋先輩は、何を考えているのかな・・・!?幾ら界刺さんの指示だからって、そんな危険な奴を界刺さん1人に任せるなんて・・・!!」 「真刺や仮屋様を責めないでやってくれよ?俺が無理矢理頼んだんだから」 「・・・わかっています。界刺さんは、現に無事ですし。そこまで言うつもりはありません。唯・・・」 「・・・涙簾ちゃん。“毎度”の質問だ。行くよ?」 「・・・」 「もし、俺が誰かに殺されたら?」 界刺が、水楯に問い掛ける。それは、“毎度”の質問、否、“毎度”になってしまった質問。だから、水楯も“毎度”の返答を行う。 「その誰かを殺して、私も死にます」 「その誰かは、俺が知っている奴だ。その場合は?」 「それでも殺します」 「そいつは、俺の仲間だった。さて、君はどうする?」 「関係ありません。仲間であっても殺します」 「その仲間は、涙簾ちゃんとも親しい人間だ。それでも?」 「はい。何故、界刺さんを殺した人間を生かさなければならないんですか?」 「具体的に聞くよ?真刺、仮屋様、バカ形製、サニー、桜であっても?」 「必ず息の根を止めます。邪魔する者も全て。そして、私も死にます」 蒸し暑い夜の空間を切り裂くように、冷たい風が吹き抜ける。 「・・・これで18回目かな?」 「はい」 何時しか、2人は立ち止まっていた。 「んふふっ・・・。君は変わらないねぇ。あの時からずっと。ここまで手強い女性は、後にも先にも君だけかもしれない。俺にとって、君は本当に“特別”な女性だよ」 「光栄ですね」 「別に褒めてなんかいないんだけどねぇ・・・。まぁ、以前に比べたらそのストーカー的思考も大分マシにはなって来たかな?」 「そうですね。界刺さんと共に過ごすようになってから、色んなものを見るようになりました。 流麗やサニーという後輩や、春咲さんという先輩を仲間として持つことができるようになったのは、すごく嬉しいですね」 「やっぱり、まだ完全には治っていないんだね?君の男性恐怖症は?」 「・・・はい」 水楯が患うソレ―男性恐怖症―は、彼女の過去に原因がある。彼女は、かつてスキルアウトに属する幾人もの男達に凶器で脅され、乱暴されかけた。 「んでもって、自分を含む生物の命ってヤツへの頓着も薄いままか・・・。スキルアウトに対する憎悪も変わらず・・・かい?」 「はい」 「その代わり、俺への執着が凄まじいものになった。君を助けた俺に対する・・・ね」 「・・・これでも、以前に比べれば大分マシですよ?」 「だね。あの頃は、そりゃあ凄まじかった。何せ、四六時中俺に纏わり付いて来たからな・・・君は。学校や寮にまで押し掛けて」 去年の夏休みのある日、かつて自分を乱暴しようとしたスキルアウト達を殺した―そして、正当防衛として処理された―水楯に、そのスキルアウトの仲間が強襲した。 自身男性恐怖症を患い、それにずっと苛まれて来た水楯はまたもや幾人もの男性に襲われた。 最初は、男に対する恐怖で碌に身動きも取れなかった。相手は、そんなことはおかまい無しに水楯に対して暴力を振るった。 彼女が抵抗できないことを見て取ると、男達は性的な欲求を刺激され水楯の服を破り捨てていった。 『や、やめて・・・!!やめて下さい・・・!!!』 『うるせぇ!!黙ってろ!!』 『ガハッ!!』 上半身を裸にされ、スカートも剥ぎ取られた。男達の手が、舌が水楯の体を侵略していった。 『嫌・・・嫌あああぁぁ!!!』 『へへっ!お前に殺された仲間の分だ!!しっかり、俺達を楽しませろよ!!おい!!』 『わかってる!!ほらっ!!』 『な、何っ!?・・・あ、ああああああぁぁぁ!!!』 媚薬で無理矢理性的感覚を刺激され、ローションが体に塗りたくられる。その間にも、男達の手は緩まない。 男達に体中を舐められ、触られ、握られ、噛まれ、弄ばれ。薬等も手伝って、まともな思考能力が失われつつある中、水楯の心に宿ったのは・・・憎悪。 男性恐怖症に端を発する、それは尖り過ぎた刃。当時はレベル3であった水楯の『粘水操作』。 それに必要なのは水分。自分に触れている水分。そして、今男達の手によって自分の体には水分が塗りたくられている。 『(殺す・・・!殺す・・・!!殺す!!!)』 水楯の瞳に、殺意が灯る。それに気付かない男達は、いよいよ水楯に残っている最後の下着を剥ぎ取ろうとしていた。 殺意と憎悪が混ざり合った水楯の『粘水操作』がローションを支配下に置き、水楯自身の汗や男達の唾液を含めた必殺の刃が暴漢達へ向けて繰り出され・・・ ピカアー!!!!! ることは無かった。突如として出現した閃光。それを放つ光球が、水楯の演算を中断させた。 同時に一時的な失明状態に陥り、周囲の状況が全く掴めなくなる。唯一わかったのは、自分の体を触っていた男達の手が離れたことだけ。そして・・・ 『腹が痛い。腹が痛い。もう、その辺の草むらとかで出そうかな?で、でもそんな所を誰かに見られたら・・・。 折角気に入った服が見付かったってのに。・・・グウッ!!』 水楯の視界が回復した時に立っていたのは、無駄にキラキラした碧髪の男。見れば、自分を襲った男達は全員気絶していた。 バサッ!! 『!!』 碧髪の男から、パンダとリスが凶暴化したような絵柄がプリントされたジャージ一式を放り投げられた。 ファッションに疎い水楯から見ても、絶対に着たくない部類であったそれを放り投げた碧髪の男は・・・ 『も、もう駄目・・・!!も、漏れる!!!』 『あっ・・・!!』 腹を下しているためか、猛スピードで走り去って行った。それを、水楯は呆然と見送るしか無かった。 「そういえば、あの時ってどうしてお腹を痛めていたんですか?」 「アイスの食い過ぎ。暑かったモンだから、調子に乗って食べ過ぎた」 再び歩き出した界刺と水楯は、あの日のことを思い出していた。2人が最初に出会ったあの瞬間を。 「そういや、あの時あげたジャージはどうしてるの?」 「・・・大事に閉まってあります」 「着たのはあの時1回だけ?俺がすっごく気に入ったヤツだったんだけど」 「・・・あなたのファッションセンスは、私でも理解し難いです。今あなたが着ているスーツを見た時は、『遂に、界刺さんの気が狂った』と、とても心配になりました。 あなたが正常なら、そんな一般人から見て格好いいと思われる服を身に付けるわけがありませんから」 「・・・やっぱ、君ってドSだね」 去年の夏休みにひょんなことから水楯を助ける形になった界刺は、これまた去年の夏休みの終わり頃に水楯と再会した。 自分を助けてくれた男―界刺―を、水楯が夏休み中ずっと探し続けていたのだ。自分を襲ったスキルアウトは警備員に捕まったものの、男性恐怖症は更に酷くなった。 本来ならば、男も居る外に出ようとはとてもじゃ無いが思わない。だが、水楯は恐怖を懸命に抑えながら、ずっと界刺を探し続けた。 そして、夏休みの終わり頃にようやく界刺を見付けた。彼女は、お礼も兼ねて界刺を喫茶店へと誘った。 『・・・あの時は、本当にありがとうございました』 『俺は、偶々通り掛っただけだよ。腹痛で。んふっ!』 飄々とした態度に胡散臭い笑み。水楯の第一印象は、『何を考えているかよくわからない人』というものだった。 『君も災難だったね。体の方は、もう大丈夫なのかい?』 『・・・も、もしよろしければ・・・。わ、私の話を聞いて頂けませんか?』 『ん?何?』 水楯は、意を決して界刺へ打ち明ける。自分のことを。自分が患う男性への恐怖を。何故あの時の自分が界刺へ打ち明ける決断を下したのかは、今でもよくわからない。 心の何処かで、自分のことを誰かに知って欲しいという欲求があったのかもしれない。 過去の行い―正当防衛―により学園には友達がいない水楯は、自分が抱える思いを打ち明けられる人間が居なかった。唯の1人も居なかった。 『へ~、色々大変だったんだねえ。んふっ。ところでさ、俺の服装どう思う?俺ってさ、ファッションには少しうるさくてさ~』 『・・・へっ?』 絞れるだけ振り絞った勇気でもって打ち明けた自分の思い。なのに、それを打ち明けられた側の界刺は一言だけ感想を言った後に、自分の服装について質問して来たのだ。 『ありゃ、聞いてなかったの?俺の服装はどうかなって聞いたんだけど。まぁ、いいか。 そんなことよりさ、実はこれから古着店を巡るつもりなんだ。丁度いい。偶には女性の視点を参考にしたいし、君も付き合いなよ。んふっ!』 『えっ・・・。で、でも、私はそういう流行関係には疎いっていうか・・・』 『だったら、尚更付き合いなよ。この俺が、君にファッションというものの何たるかを教えてあげるよ。あぁ、楽しみだなぁ~。んふふっ』 『(・・・な、何なの、この人。わ、私が精一杯の勇気を出して打ち明けたことを、「大変だったんだねぇ」の一言で済ませちゃった。・・・軽過ぎない?)』 拍子抜け。それ以外の感想が出て来ない。目の前の男は、今や妄想の世界へ飛んでいた。 彼にとっては、自分の過去より、これから見付ける衣服の方が重要なのだ。そして、それに自分も付き合えと言っているのだ。 『んふふ~♪んふふ~♪』 『(・・・フフッ、変な人。でも、考えてみればあんな光景を目にした人間がこうやって被害者と話しているのに、 その被害者に対して遠慮も気遣いも何一つしないというのからして、この人はおかし過ぎる。 しかも、あんな目に合った私を蔑む気も哀れむ気も一切無い。所謂、自然体で私と接しているんだわ。・・・ある意味、すごい精神力だわ)』 このやり取りの後に、水楯は界刺の古着店巡りに付き合った。界刺が語るファッションについては、何一つ同調することは無かったが。 「相変わらず、成瀬台の寮は質素ですね」 「ボロっちいとも言えるね。学園都市にある寮とは思えない貧乏さだよ」 成瀬台の学生寮に着いた界刺と水楯は、足早に歩を進める。程なくして、界刺が住む部屋の前へ到着した。 「お邪魔します」 「どうぞ」 界刺が扉を開け、水楯を中へ誘う。 「・・・また模様替えしたんですか?」 「うん。日光とかを遮るためにね。一々『光学装飾』を使ったりするのは面倒だし」 「・・・相変わらずのセンスですね。何ですか、このプードルを邪悪に染めたようなプリントは?」 「それが、いいんじゃないか。可愛いだろ?」 「ハァ・・・」 ファッション関係にうるさいせいか、界刺の部屋は割りと整理整頓されている。いるのだが、日光を遮るためのカーテンが如何ともし難い程部屋に似合っていない。 目に映る光景に呆然としている水楯を余所に、界刺は真珠院から借りたロングコートやスーツをハンガーへと掛ける。傷や埃が付かないように、服専用のカバーを被せる。 「涙簾ちゃんも手洗いとうがいをしなよ。こういうのは、日頃からこまめにやっとかないと余計な病気になっちゃうしね。最近は特に暑いから、体力も消耗しやすいし」 「わかりました」 一足先に手洗いとうがいを終えた界刺は、冷蔵庫から清涼飲料水が入ったペットボトルを2本取り出す。もちろん、自分と水楯の分だ。 ベッドに腰掛け、先に飲料水を喉へ流し込む界刺。そんな彼の耳に、ある音が聞こえる。 シュルシュル 「・・・ハァ」 界刺は、思わず溜息を吐く。手洗い等を終えた水楯が何をしているかを理解したがために。 「・・・その癖、まだ健在なのかい?」 「中学時代から、ずっとこうしてますし。この方が、体がスッキリするので」 界刺の隣に座った水楯は・・・下着しか身に付けていなかった。先程まで着ていた花盛の制服は、キャリーバッグの上に脱ぎ捨てられていた。 「花盛寮は、基本的に1人に1つ部屋が宛がわれるんだっけ?」 「そうです。なので、この『自室では下着姿で過ごす』という私の癖を知っているのは界刺さんだけです。 部屋に誰か来た時は、すぐに服を身に付けられるように何時も準備万端にしています」 水楯の癖―界刺から言えば悪癖―である『自室では下着姿で過ごす』は、例外的に界刺の部屋にも適用される。 水楯は、界刺から飲料水を貰い喉が欲する水分を流し込んでいく。 「んで、俺の部屋で寝る時は君も一緒に布団へ入り込む・・・だっけ?」 「はい。もちろんです」 「でも、今は夏だし。それに、エアコン無いから布団なんか蹴っ飛ばしてるけどな」 「大丈夫です。暑さは、私が持つ『粘水操作』で何とかします」 「・・・強情だわ、君」 そう言って、界刺はベッドへとその身を倒す。それに釣られるように、水楯もベッドに身を委ねる。 「君程強情な女性は見たこと無いよ。心底そう思う。俺の言うことにはまず従うのに、その中に自分の思いを無理矢理捻じ込んで来る」 「それは、私が『シンボル』へ加入することを許した時からわかっていたことじゃないですか」 界刺が顔を横へ向けると、そこには水楯の顔があった。水楯もこちらへ顔を向けている。 「あの時も、本当に大変だったなぁ。まさか、真刺と本気で殺し合いを行うなんて」 界刺は、水楯が『シンボル』へ加入する時のことを思い出す。 界刺に対して異常な執着を見せる水楯を危険視し、不動が水楯の『シンボル』への加入を拒否しようとした所、水楯が激怒したのだ。 そして、水楯が不動へ『粘水操作』による攻撃を仕掛けた。対する不動も『拳闘空力』で持って応戦、殺し合いにまで発展した。 最終的には界刺と仮屋が間に入ることで何とか仲裁し、界刺の薦めもあって水楯の『シンボル』入りが叶ったが、この経験から不動は水楯を完全には信用しなくなっていた。 (最近は、水楯の変化もあってようやく信用するようになった) 「『シンボル』への加入順は俺・真刺・仮屋様が最初、その後に涙簾ちゃん、バカ形製、サニー、桜の順かな。 最初は男だけだったのに、今では女性陣の割合の方が大きくなったな。まぁ、君にとっては良い環境になったとも言えるのかな?」 「クスッ、そうですね。私も流麗が加入してくれたおかげで、随分心が穏やかになりました。今じゃあ、サニーや春咲さんもいますし」 「『シンボル』へ入る前・・・真刺と殺り合った頃より遥かに酷い状態の時に、よく成瀬台に入り込んで来れたモンだと今でも思うよ。 君の行動に気が付いた俺が、仕方無く『光学装飾』でフォローしてたけど。・・・恐くは無かったのかい?」 「・・・恐かったですよ。男性しかいない学校ですし。しかも、あの頃は男性に限らず誰も信じることができなくなっていましたし。 でも・・・それでもあの時の私は界刺さんの傍に居たかった。何を差し置いても。それが、最優先でした」 夏休みも終わり、成瀬台でも2学期が始まった頃から水楯は界刺へ纏わり付くようになった。所謂、ストーカーである。 水楯自身、男性恐怖症を患ってから不登校気味だったこともあり、学園側も全く与り知らぬことであった。 夏休みの終わりに再会した界刺に、水楯は興味を持った。否、それは興味を遥かに超えた執着。自分が抱く思いを打ち明けた初めての人間に対する、それは異常な行動。 2度に渡る強姦未遂により、男性恐怖症以上の対人恐怖症に症状が悪化していた彼女の、唯一の―そして勝手に決めた―拠り所。それが、界刺得世という存在であった。 古着店巡りの際に界刺が通う高校を聞き出した水楯は、授業中にも関わらず界刺の近くに存在した。具体的には、教室に備え付けられている窓から覗くのだ。 高校1年だった界刺が所属するクラスの教室は1階にあり、しかも2学期に入ってすぐにあった席替えで窓側・一番後ろの席になった界刺が、 彼女―自分にストーカー行為を働く水楯涙簾―の存在に気付くのに時間は掛からなかった。 界刺は、ストーカー行為を止めるように何度も水楯に説得を試みたのだが、水楯は頑として聞き入れない。 逆に、水楯のストーカー行為はエスカレートし、時には寮にある自分の部屋にまで忍び込んで来たのだ。 もちろん、その時はあの界刺でも気味悪がって水楯を叩き出したが。 それ以降も、平日・休日関係無しに1日中界刺に纏わり付く水楯。この期間、彼女は花盛寮へ殆ど帰っていなかった。ずっと、野宿状態であったと言ってもいい。 ホテル等に泊まる金はあるのに、それを一切使わない。おかげでずっと風呂にも入らず、碌に食事も取らず、睡眠も取らずで、結果として次第に水楯は衰弱して行った。 それを見るに見かねて、界刺は自分の部屋に水楯を迎え入れた。これ以上は、水楯の体が持たないと判断したために。 「あの時は、君の体を俺が洗ってやったね。俺が部屋へ迎え入れた途端に、糸が切れた人形みたいにへたり込んだ君には、自分で自分の体を洗う力さえ残っていなかった。 確か、1ヶ月以上風呂に入って無かったんだっけ?女性の全裸を見たのは、あの時が初めてだったよ」 「・・・あの時は、私自身意識が朦朧としていました。肉体的にも精神的にも限界を超えていた・・・まるで夢の中を泳いでいるようなフワフワした感覚でした」 自分の部屋に入った途端にへたり込んだ少女を、界刺は仕方無く介抱した。 体も洗ってあげた。学校を休んで、不慣れな食事も作って食べさせた。1人で寝るのが恐いと言うので、一緒に寝てやった。 我儘ばかり言って来る水楯を、界刺は文句を言いながらも見捨てなかった。彼女を助けたのは自分。 偶然とは言え、自分が関わったことに対する“責任”を取る意味もあった。 寮に住む他の男にバレないように細心の注意を払いながら、できるだけ水楯と一緒に居てあげた。少女のか細い手をずっと握ってあげた。 そんな生活が3週間程過ぎた当たりから、水楯に変化が見られるようになった。 具体的には、朝起きてみると朝食が構えられていたり、『粘水操作』を用いた洗濯をするようになった。 『あ、あなたに迷惑を掛けてしまった、せめてものお詫びです』 何故そんなことをするのかと聞く度に、そうやって返答する。少しは立ち直って来たのかと、界刺は軽く考えていた。 だが、違った。それは、お詫びでしか無かった。自分の行いの異常さを自覚した少女が行う、それは“責任”を取る前段階でしか無かった。 「あの時の君は、俺が嫌うことばっかりしたね。まさか、自殺するつもりだったとは・・・夢にも思わなかったよ」 「・・・界刺さんに途轍も無い迷惑を掛けてしまった。それを自覚した私は・・・それでも界刺さんと離れるという選択肢が無かった。 でも、それだと更に迷惑を掛けてしまう。だから、自殺しようと思いました。 あなたに謝罪しながら・・・この手で自らの汚れた人生に終止符を打つつもりでした」 ある日の深夜、界刺は水楯に起こされた。彼女の手には・・・包丁が握られていた。 『ごめんなさい。本当にごめんなさい。だから・・・さようなら』 涙を流しながら自分の手首を切ろうとした水楯を、界刺が咄嗟に発生させた閃光でもって怯ませ、その隙に持っていた包丁を吹き飛ばした。 水楯が包丁を取りに行こうとするのを馬乗りになって押さえ込み、彼女の頬を引っ叩いた。 『私は・・・私にはあなたが必要なの。あなたが居ないと、私は駄目なの。私の世界は・・・あなたに染められたの』 水楯は、ひたすら泣きじゃくった。涙も鼻水も涎も何もかも垂らしながら嗚咽を漏らした。 『でも、それだとあなたに迷惑が掛かる。あなたに嫌われてしまう。そんな・・・そんなことに私は耐えられない。あなたに見捨てられたら、私は生きる意味が無い。 だったら、死んだ方がマシ。あなたに嫌われて見捨てられるくらいなら・・・私は死を選ぶ。じゃないと・・・私を私が抑えられなくなる!! あなたに執着する余りに、そしてあなたと親しい人に嫉妬する余りに、何時か私はあなたの大事な人を傷付けてしまう!! 本当は、わかっているんです。私は、あなたと付き合えるような清らかな女じゃ無いってことは。惨めで薄汚れた・・・執着に狂う救いようが無い女だってことは』 水楯と界刺の視線が交錯する。 『私は、あなたにふさわしくない汚れた女。でも、あなたが居ないと私は私でいられなくなる。殺すなら今の内ですよ、界刺さん?あなたに殺されるのなら、私は本望です』 「あの瞬間に、界刺さんが放った言葉を私は一生忘れることは無いでしょう。それ程までに、あの言葉は私の心深くまで届く閃光のような一閃でした」 『君の考えはよ~くわかった。だったら・・・君の世界をこの界刺得世が思いっ切り広げてやる!!俺の命に懸けて、君の世界を色とりどりに飾り付けてやるよ!! 言っとくが、俺の仲間は君に傷付けられる程ひ弱じゃ無ぇぞ!!だから、君の思う通りにこの世界を生きてみろ!!俺が居てやる!!俺が、君を見捨てないで居てやる!! 君の心は俺色なんだろ!?だったら、俺の言う通りにしろ!!俺に従え!!俺が、君を一人前の綺麗な女性に仕立て上げてやるよ!! このファッションデザイナーである界刺得世を舐めんなよ?君も見ただろ!?俺の偉大なファッションセンスの数々を!!大丈夫だ!!全て俺に任せろ!!!』 「・・・!!!」 一気に捲くし立てた熱い思いが篭った界刺の言葉を、己が心にまで響かせた水楯は一言・・・ 『・・・・・・嫌です』 拒否の言の葉を発する。 『えっ』 『・・・それだけは嫌です。あなたのファッションセンスに私の心が彩られるなんて、考えただけでも背筋が悪い意味でゾクゾクします。絶対に嫌です。お断りします』 『・・・君ぃ。おりゃ!!』 『ッッ!!い、痛い・・・!!』 ムカっと来た界刺は、水楯の両頬を思いっ切り抓る。 『さっきまで言ってたことと全然違うじゃねぇか、あぁん?君の心が俺という存在に染められたのに、何で受容した側の君が拒否ってんの?』 『痛たた!!だ、だってあなたのファッションセンスって、酷いを通り越して滑稽という・・・』 『おりゃあ!!』 『痛たたたたたたた!!!』 尚も水楯が口答えするので、抓る指へ更に力を込める界刺。 『んふふ~♪んふふ~♪』 『だ、だから・・・あなたに染められたけど、あなたのファッションセンスに染められたわけじゃあ・・・痛い痛い!!』 『アハハ。アハハ。んふふ。んふふ。グヘヘ。グヘヘ』 『も、もう!!止めて下さ・・・ッッ!!!』 それは、一瞬のことだった。界刺が、水楯の顔を自分の胸へ抱く。 『・・・君は強情だね。自分のことばっかり俺に押し付けて。少しは、俺のことも考えてよ。俺は・・・今の君を嫌っていないんだからさ』 『!!!』 『そりゃあ、自殺を試みるまでの君は嫌いだったけどさ。今は何でかそこまで嫌いじゃない。きっと、君の本音みたいなのがようやく見えたからかな』 『界刺・・・さん・・・』 『言ったろ?俺が、君の世界を飾り付けてやるって。なら、君も努力しなきゃいけない。誰のためでも無い、自分のために。 前もって言っとくけど、俺に全て押し付けちゃ駄目だよ。あくまで、君の心だ。君の世界だ。だから・・・死ぬなんて言うなよ。 折角俺が慣れない家事仕事をしてまで頑張った苦労が、全部水の泡になっちゃうじゃないか。 それこそ、俺に対する裏切りだよ?君は、俺を裏切るの?君は、俺が嫌いなの?』 『う、裏切りたく・・・無い!!嫌いなんかじゃ・・・無い!!あ、あな、あなたを・・・あなたが・・・狂おしい程までに愛おしい!!!』 『だったら、生きてくれよ。俺が悲しくなっちゃうじゃないか。偶然でも君を助けた俺の過去を・・・お願いだから否定してくれるなよ、涙簾ちゃん?』 『!!!』 『涙簾ちゃん』。初めて自分の名前を呼んでくれた。その言葉が・・・何よりも嬉しかった。自分が抱く嫉妬も憎悪も執着も悲しみも・・・何もかも超越した言葉。 『ううぅ!!うううううぅぅぅ!!!!ううううううううううぅぅぅぅ!!!!!』 『よしよし。偶には、思いっ切り泣きゃあいい。その感じだと、誰にもそうやって弱音を吐き出したことも無かったんだろ? 俺の胸くらいなら、何時でも貸してやるよ?だから・・・心に溜め込んだモン全て吐き出しちまえ!!』 『うううううううぅぅぅ!!!!ううううううううううぅぅぅぅ!!!!!』 この出来事の後に、水楯は界刺に対するストーカー行為を止めた。界刺が『シンボル』への加入を薦めたからである。 不動と殺し合いを行うという予想外な事態を経て、水楯は『シンボル』の一員として界刺と共に過ごすようになった。 『シンボル』の一員として過ごして行く中で、少しずつ変わっていければいい。そう界刺は思い、また水楯も少しずつではあるが良い方向へ変わって行った。 新たな仲間も増え、『シンボル』として様々な活動を行い、結果今に至るのである。 「・・・やっぱりそれで寝るの?」 「はい。界刺さんには、もう私の体は全て見られていますから。今更恥ずかしくも無いです」 もう夜も遅く、界刺自身も疲労が溜まっていることもあって早々に寝ることにしたのだが、 「『寝る時は素っ裸』・・・ね。裸で寝るのって気持ちいいのか?俺にはわかんない感覚だわ」 ベッドの上に座る水楯を見ると、どうしても及び腰になってしまうのだ。何故なら、今の彼女は下着すら身に付けていないのだから。 ストーカー時代以降、何度も目にするようになった癖。だが、久し振りということもあってか界刺もほんの少しだけ意識してしまう。 「今の界刺さんは、女性に発情されないんですよね?だったら、何の問題も無いですよ。さぁ」 「おっ!?」 全裸の水楯に手を引かれ、彼女の隣に尻餅を付いてしまう界刺。 「・・・!!」 窓から入る月明かりに照らされた水楯の裸身は、妖艶とでも言うべき雰囲気を放っていた。 「・・・胸。相変わらず小さいね」 「・・・はい。流麗にも負けていますからね。というか、『シンボル』の中で胸が大きいのって流麗だけですね」 「そういや、そうだな。胸の大きさ順で言えば、バカ形製→涙簾ちゃん=桜→サニーって具合だろうね」 「春咲さんと同じくらいなんですか?へぇ・・・。あの時は、『光学装飾』で私達からは界刺さんと春咲さんの姿は見えなかったですから、 私自身確認はできていないんですけど」 「・・・やっぱ同じくらいだな。ちょい失礼」 「あっ。うんっ・・・!!ハァ・・・!!」 「うん。触り心地も似たようなモンだな」 「界刺さん・・・。触るんでしたら、もう少し早く言って下さいよ。私にだって、心の準備というものが・・・」 「何言ってんの。介抱してあげた頃の君は、嫌がる俺の言うことガン無視で自分の体を押し付けて来たじゃないか。 もう、君の体を見るのも触るのも慣れ切っちゃったよ。さっきは久し振りだったから、ほんのちょっと意識したけど。 しかも、『薄汚れた私の体をあなたの手で・・・』なんてどっかの漫画の台詞みたいなのを、恥ずかしげも無く囁いて来るし。それっ!」 「ッ!!ハァ・・・!!ングッ・・・!!そ、それは、私が愛読している少女コミックにあった台詞ですね。 背徳感溢れる言葉だったので、私の中にも印象深く残っていたんだと思います。ハァ・・・!!ハァ・・・!!も、もう・・・いいです・・・!!」 「ふぅ・・・。今時の少女コミックって、一体どんなモノが描かれてるんだ?・・・もしかしたら、女性の裸を見てあんまり動じなくなったのも、君の影響かも。 だから、あの発情した雌2匹による“女”地獄にも耐え切れたのか?・・・あんまり嬉しく無い影響だな」 「よかったじゃないですか。プレイボーイの必須項目ですよ?ちなみに、そのコミックは今でも愛読しています。 私も、色々と興味が出てきたので。背徳・・・淫猥・・・退廃・・・いいですよね。もちろん、妄想の中だけですけど」 「・・・ハァ。やっぱ、普段物静かなタイプは過激なのかねぇ。一々指摘すんのも疲れるよ。ハァ・・・」 界刺は、水楯への指摘を中断する。どうせ、今の水楯には何を言っても碌に聞かないことはわかっている。普段とは、まるで態度や雰囲気が違う碧髪の少女。 ちなみに、先程の“行為”は水楯の男性恐怖症を和らげて行くために、界刺と水楯が合意の下で行っているものである。 水楯が界刺の部屋に泊まりに来る理由の1つでもあるこの“行為”は、彼女自身が男性へ発情しなくなったわけでは無いことから、 水楯の方から界刺へ提案して来たことである。 「・・・嫉妬とかしないの?俺が何人もの女性に告白されて、キスまでされたんだよ?」 界刺は、試しに聞いてみる。答えが判り切っている問いを、敢えて。 「・・・不思議なくらい、そういう感情が湧かないんです。以前の私なら、そういう感情が幾らでも湧いたんでしょうけど。 きっと、あなたが私の心に居るからだと思います。私の心を飾り付けてくれるあなたが、“ここ”に居るのがわかっているから・・・私は揺るがないんだと思います。 だから・・・“ここ”に居るあなたを脅かすもの全てを、私は排除します。私の命に懸けて」 予想通りの回答。判り切っていたが、改めて聞くとやはりと思ってしまう。この水楯涙簾という少女が、途轍も無い頑固者だということが。 「ハァ・・・。こりゃあ、ますます死ぬわけには行かなくなったぜ。何せ、俺が死んだらもれなく1人追加って流れだからな。下手したら、1人じゃ利かなくなる」 「頑張って下さい」 「気軽に言ってくれるぜ、全く」 「大丈夫です。死ぬ時は一緒ですから」 「強情な女め。えいっ!」 「痛っ・・・!デコピン・・・!」 「・・・・・・寝よっか?」 「・・・はい。じゃあ、胸をお借りしますよ?」 「・・・暑くなんない?」 「『粘水操作』で、この部屋の温度は下げていますから大丈夫です。・・・久し振りだなぁ・・・界刺さんの胸で寝るのは」 界刺はシャツ1枚の半ズボン、水楯は一糸纏わぬ姿で布団の中へ入り込む。まるで、恋人同士がこれから性行為をするかのような姿。 しかし、2人に限ってはそうはならない。片や女性不信真っ最中の身、片や男性恐怖症が完治していない身。だが、それでも肌を重ね、温もりを感じることはできる。 「・・・明日の朝食は何がいいですか?」 「そうだね・・・。冷蔵庫の中身を考えると、スクランブルエッグと焼き立ての食パンがいいかな?あぁ、ゆっくりでいいよ?俺も、ぐっすり眠りたいし」 「わかりました。そういえば、朝練の方は?」 「とりあえず、少し休むつもり。ちょっと集中したいからね」 「そうですか・・・。(ハグッ)」 「・・・密着し過ぎじゃない?胸が押し付けられてるんだけど?シャツの上からでも、先端にある“モノ”を感触として感じちゃうんだけど? というか、俺の脚を君の股で挟んで来るな。・・・本当に男性恐怖症かよ?俺みたいに、異性を異性として見なくなったわけじゃ無いよね?」 「・・・久し振りに界刺さんと一緒に寝るんですし、いいじゃないですか。しかも、さっきは散々私の体を弄んだんですし。 これも“行為”の一環です。別に、優しくしてくれても罰は当たりませんよ?」 「それ、全然理由になってないよね?それに、散々って言う程俺は君を弄んだつもりは無いんだけど。 君から提案して来た“行為”の通りに、何回か胸に触れて揉んだだけじゃないか。何で、俺に罰が当たる当たらないの話になってんの? 今なんて、君の方から俺に無理矢理押し付けて来てんじゃねぇか。俺以上の“行為”を、君がしてどうすんの?・・・何か、今日はやけに迫って来るね。どしたの?」 「・・・・・・」 水楯の“行為”に、界刺が訝しむ。対する水楯は、黙ったまま界刺の胸に顔を埋めている。 「君・・・。もしかして、もう男性恐怖症が治ってるんじゃあ・・・。それに託けて、俺に甘えて来ているんじゃあ・・・」 「・・・・・・」 「・・・俺が何人もの女性に告白されて、キスまでされたことを気にしているんじゃあ・・・。嫉妬はしなくても、内心では悔しくて悔しくて堪らないんじゃあ・・・」 「・・・・・・(ガリッ!)」 「痛っ!!お、俺の肩を噛むんじゃ無ぇ!!」 「・・・・・・(ペロッ)」 「ビクッ!!な、舐めるのも禁止!!」 「・・・・・・(プク~)」 「膨れっ面しても、駄目なものは駄目。そもそも、俺って昔から君を恋愛対象として見ていなかったし。君の場合は、裸を見た所で発情もクソも無いし」 「・・・・・・(シュン)」 「・・・まぁ、最近はそうでも無かったんだけどな。女性不信状態になる前の、ほんの一時だけだったけど。 女性にモテたいと思って動いて、結果筋肉ダルマに追っ掛けられる羽目になったけどね。 あれは、君のストーカー時代を思い出させるかのようだったよ、うん。終業式があった日には、サニーにも似たようなことをされたし」 「(パアァー!!)」 「ハァ・・・。で、結局はダンマリなのね。本当に、強情で我儘な娘だこと。 『シンボル』に入って来る女性は、全員頑固者なのか?・・・俺が狼になってもいいのかい、涙簾ちゃん?」 「大丈夫です。界刺さんって、その手に関しては割と奥手ですから。一歩引いてしまうタイプですから。 特に、今の界刺さんは5人もの女性から告白されている身ですから、迂闊なことはできないでしょう?だから、私は安心してこの体をあなたに委ねることができます」 「・・・・・・それって、男としてどうなんだろ?ハァ・・・」 「界刺さん。腕枕して下さい。この体勢のままで」 「・・・世話の掛かる“女王”様だ」 「“激涙の女王”。クスッ、カッコイイ渾名ですよね。私の名前の一部から取って名付けてくれたんですよね。界刺さんのセンスも、全てが駄目じゃ無いんですよね。 私、すごく気に入っていますよ。さ、早くして下さい。“女王”の命令は絶対ですよ、界刺さん?」 「(・・・気紛れ・思い付き・デタラメの3拍子で名付けたなんて、こりゃあ絶対に言えないな。 それと、“これ”はバカ形製達には口が裂けても言えねぇな。じゃないと、あいつ等まで迫って来そうだ。ハァ・・・)」 この後もブツクサ言い合いながら、しかし2人は次第に睡魔の毒に冒される。こうして、ようやく界刺が駆け抜けた激動の1日が幕を閉じたのである。 continue…?
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歴代受賞記録一覧(順不同) 最終更新:2011年09月10日(土)08 03 07 2回総合優勝 6666AAP 3杯総合優勝 夢の中へ 【MonaMonaDance】 5杯総合優勝 Bad AApple!! 2回総合賞 batakiP 2杯準優勝 「舞闘楽土カオスろいど」OP 3杯敢闘賞 Dial Connected 月時計~ルナ・ダイアル【東方PV】 3回部門優秀賞 ズコーさん 1杯「夏」 初音さん的日常 2杯テーマ3「あるある」 初音さん的お花摘み風景【WC王座決定戦出遅れ組】 3杯テーマ2「未来」 高いところから降りられないハクねえ 2回部門優秀賞 danchoP 2杯テーマ2「プロモーション」 TOXIC PV feat. Haku Yowane 4杯テーマ3「M」 東方でマイケル~Smooth Criminal~ 2冠(4名) 逆輸入P 6杯準優勝 MMDモデルで影絵Bad Apple!!を逆輸入 6杯テーマ1優秀賞 インテルのCMが凄すぎる件を逆輸入 針金P 5杯「祭」優秀賞 MMD応援団 5杯のすふぇらとぅ賞 inaphon 4杯セバスチャン賞 UTAU事件簿-All Starts are the M - 4杯ノヤマコト賞: ズコーさん 2杯「あるある」優秀賞 初音さん的お花摘み風景【WC王座決定戦出遅れ組】 2杯乱数賞 6回受賞 ポンポコP 1杯アクセサリ匠賞 なつのか 2杯総合優勝 ゲキド・オブ・ハツネ 3杯「楽」優秀賞 忙しい人のための仮面ライダーV3 4杯準優勝 ニコニコ天国と地獄 5杯「想」破壊神話賞 なつのか2010 7杯「真」New Legend賞 Twilight【トワイライト】 3回受賞(8名) ズコーさん 1杯「夏」最優秀賞 初音さん的日常 2杯「あるある」優秀賞 初音さん的お花摘み風景【WC王座決定戦出遅れ組】 3杯「未来」優秀賞 高いところから降りられないハクねえ batakiP 1杯MMD-PR賞 キーボードミクラッシャーMMD編 2杯準優勝 「舞闘楽土カオスろいど」OP 3杯敢闘賞 Dial Connected 月時計~ルナ・ダイアル【東方PV】 くつしたP 1杯可憐賞 みくみく菌におかされてみた 2杯「季節」優秀賞 雪ちよちよでミク達に踊らせてみた 3杯will+賞 みなぎる人のいる風景 danchoP 2杯「プロモーション」優秀賞 TOXIC PV feat. Haku Yowane 4杯「M」優秀賞 東方でマイケル~Smooth Criminal~ 5杯「想」素敵PV賞 GUMIで「君の知らない物語」【PV】 極北P 2杯ツール賞 PMDEditor 4杯無限連鎖賞 ドミノ 6杯リンはアホの子賞 結成!ボカロ部!!【はじまりの物語】 ドロヌマP 3杯テーマ3konozama賞 ジャンピングシューズを買ったよ! 4杯「M」ミニドラマ賞 休日のネルさん ホワイトロリータ賞 今日のおやつ Gたま(ネコ系)P 4杯超効果賞 とある偶像の天海春香-HARUKA- 【デビュー2周年記念】 6杯テーマ2片思い賞 初音ミクPV『ハートブレイカー』 7杯31でもいいで賞 BadApple!! feat.Miku&Teto ネギ焼きP 2杯選考基準がどうでもよくなった超展開賞 by キオ 回転寿司 4杯「記念日」優秀賞 卓球 7杯敢闘賞 スーパータイムセール 2回受賞(14名) 6666AAP 3杯総合優勝 夢の中へ 【MonaMonaDance】 5杯総合優勝 Bad AApple!! ボードP 1杯敢闘賞 夏物語~気がつけばニコニコ~ 2杯「プロモーション」:燗冬賞 冬物語~気がつけばポカポカ~ ミスるあP 1杯「CM」最優秀賞 夏影-AIRness- 2杯「メッセージ」感動賞 伝えたい、ひとこと ヅラ高いP 1杯「CM」特別賞「TV-CM」 ファンタCM 2杯「メッセージ」優秀賞 ミクからのメッセージ そまり♪ 2杯ゴールデン・ハスカップ賞by 斜め上 ROUND7【はじめの一歩】 3杯Tripshots賞 AI-GAN-DOU-BUTU 針金P 4杯「記念日」満員御礼賞 自作モデルで1万人ライブ 5杯「祭」優秀賞 MMD応援団 ツブラヤP 4杯敢闘賞 ミクトラ 5杯「変」MMD特撮賞 テトトラマンタロウ ネコ耳P 4杯Yumiko賞 ボーカロイドM-1ぐらんぷり ミクandハク 5杯放送事故賞 初音ミクのやっつけCooking「アジの塩焼き」 Black Knight 5杯「変」俺の持ってるゲームと違う賞 クレイジーミクライマー 6杯机器猫賞 アイスミクライマーちび あんなことしてしまったP 5杯ようこそ、MMDの世界へ賞 僕はロボット【ダンスPVっぽいもの】 6杯「感」オールスター賞 ボカロに「モザイクロール」を踊らせてみた ストリークP 2杯敢闘賞 オリジナル曲「Let s Dance Now !」【初音ミク】 6杯三重の人賞 #51 ぽっかぽかP 6杯「感」ぽっかぽか賞 HotSquare【MMDドラマ】 7杯「魔」威力抜群賞 JAMMER【MMDドラマ】 みかん箱P 5杯「想」期待の新人賞 -CALM PASSION- 7杯「M」涙腺崩壊賞 夢の続き【MMD-PVモドキ】
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暇だから女友達にイタメール その1065 816 :サントス:2006/02/18(土) 19 49 47.55 ID RNWHf3Gb0 ・性別:[男] ・年齢:[25] ・特徴:[180cm75kg至って普通のリーマン ] ・性交渉経験:[あるある] ・相手との関係:[メルトモ?] ・相手に送るメールの方向性など:[苺も魔王も電波も放置される危険性あり] 『相手の特徴』 ・ニックネーム:[なる] ・性別:[女] ・年齢:[22] ・特徴:[バカっぽい馬鹿] ・性交渉経験:[あるある] 『その他』 ・タゲに対する自分の思い:突き合いたい ・勇者との仲の良さ :メール交換、たまに茶飲む程度 タゲの詳細 :変な奴だとは思う 『NGライン』 特になし 受信:ちょーだらしない男と別れてもいいですか? 送信:別れちゃえば? 受信:まじむかつくよ、でも私のこと大好きなんだよなあ・・・ 受信:鍵もって出ちゃって、私の家なのに・・・入れなくてサイゼリアで何で一人でビールとピザよ私!帰ればおでんあるのに(涙) なんだこれw 825 825 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 19 53 37.55 ID Wb1mekU70 ・・・別れて俺の彼女になっちゃえよ いい機会かもれないから言うけど、ずっと好きだった 弱ってるところ狙うのって卑怯かな? 833 :サントス:2006/02/18(土) 19 55 47.06 ID RNWHf3Gb0 825 送信 836 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 19 59 33.69 ID RNWHf3Gb0 受信:彼女どうしたの?彼氏はイタリアいった・・・ ちょwwwwイタリアまで鍵もってったのかよwwwwww ちなみ彼女は先日別れた 844 837 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 20 02 05.78 ID Evwcuue70 836 不倫フラグ? ksk↓ 842 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 03 28.96 ID RNWHf3Gb0 837 彼氏はみたことない 844 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 20 04 17.85 ID O/4QklwA0 きみとセックスするためにわかれた 849 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 04 42.90 ID RNWHf3Gb0 844送信 859 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 07 13.25 ID RNWHf3Gb0 受信:サイテーだな・・・ 今日は冗談が通じないらしい 遠いけど 910 910 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 20 21 31.18 ID V8a/dfJ70 愛だの、戦争だの、平和だの、 テロだのよぉ、誰も俺らの青春はァ 殺せやア、しねぇんだよおぉ 912 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 24 22.99 ID RNWHf3Gb0 910送信 電波と魔王しかいないのかよwwww 913 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 25 53.66 ID RNWHf3Gb0 はええ、もうキタ 受信:そんなツマラナイギャグじゃ許しません サイゼリアってなんでこんなに安くておいしいの・・・・涙が出てきた 920 920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 20 29 12.41 ID V8a/dfJ70 「やればできる」なんて嘘っぱちだぁ。 そうじゃねぇだろぉ!? 「やってみなきゃわかんね」。 そうだろぉ!? 922 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 32 14.67 ID RNWHf3Gb0 920送信 さすがに意味ワカラナスwww 返信がなくなる悪寒www 926 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 43 53.40 ID RNWHf3Gb0 返信来ないな 追撃 932 932 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 20 46 32.80 ID EC2LPU5T0 笑え笑わないと芸の修行に出るぞ 938 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 48 37.05 ID RNWHf3Gb0 932送信 一応フォローにはなるのか 949 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 20 57 30.28 ID RNWHf3Gb0 受信:おまえの話はつまらない 電池一本なんでもうメールしてくんな! 終了です(´・ω・`)クオリティ低くてすまん 957 :サントス ◆HQrLOwPbgA :2006/02/18(土) 21 06 50.13 ID RNWHf3Gb0 んじゃラス 1000 1000 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/18(土) 21 45 13.52 ID MKE4/wGU0 加速しないスナイパーはただの豚だ(´・ω・`) 暇だから女友達にイタメール その1066 21 名前: サントス ◆HQrLOwPbgA 2006/02/18(土) 21 53 17.19 ID RNWHf3Gb0 すまんこ、回線がいかれてる・・・ 前スレ 1000 送信ってもうこれは無理だろう 23 名前: サントス ◇HQrLOwPbgAのスペック 2006/02/18(土) 21 55 43.51 ID OlKibvpt0 サントス ◆HQrLOwPbgA ・性別:[男] ・年齢:[25] ・特徴:[180cm75kg至って普通のリーマン ] ・性交渉経験:[あるある] ・相手との関係:[メルトモ?] ・相手に送るメールの方向性など:[苺も魔王も電波も放置される危険性あり] 『相手の特徴』 ・ニックネーム:[なる] ・性別:[女] ・年齢:[22] ・特徴:[バカっぽい馬鹿] ・性交渉経験:[あるある] 『その他』 ・タゲに対する自分の思い:突き合いたい ・勇者との仲の良さ :メール交換、たまに茶飲む程度 タゲの詳細 :変な奴だとは思う 『NGライン』 特になし 受信:ちょーだらしない男と別れてもいいですか? 送信:別れちゃえば? 受信:まじむかつくよ、でも私のこと大好きなんだよなあ・・・ 受信:鍵もって出ちゃって、私の家なのに・・・入れなくて サイゼリアで何で一人でビールとピザよ私!帰ればおでんあるのに(涙) (前スレ最終受信) 受信:おまえの話はつまらない 電池一本なんでもうメールしてくんな! (前スレ1000)加速しないスナイパーはただの豚だ(´・ω・`) サントス2?
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「お前等にはまだ早えええええぇぇぇっっ!!!!!」 「グホッ!!?」 「お、お姉ちゃん!!?」 只事では無い雰囲気(姉視点)の荒我と焔火に、朱花が突っ込んで来る。その跳び蹴りが、荒我の頬に突き刺さる。 「あちゃあ・・・しゅかんの奴、結局我慢し切れなかったか」 「も、もう少しの所で・・・やんす」 「やっぱり、どんな妹でも姉にしたら可愛いんだろうね」 遠くから眺める、否、眺めていた加賀美・梯・武佐の3人は口惜しそうに言葉を漏らす。 「痛っ・・・。一体何なんだ・・・」 「荒我拳よ!!ホムラっちを傍に置くと言うのなら、彼女が所属する十二人委員会のリーダーであるこの啄鴉を通して貰おうか!!」 「うおっ!?」 「師匠の言う通りござる!!ヒバンナの将来が懸かった重要極まること!!慎重には慎重を重ねるべきでござろう!!」 「俺は、余り他人の色恋沙汰には首を突っ込みたく無いけどな」 そこに、啄・ゲコ太・仲場までもが乱入する。実は、啄先導の下あっちこっちのプールを跨いでいる際に、荒我と焔火の姿を見付けたのだ。 最初は、加賀美の言葉もあって朱花も大人しく見守っていたのだが、何やら(朱花にとって)マズイ雰囲気になった2人を見て、我慢できずに突っ込んだという流れである。 「色恋沙汰・・・!?ッッ!!!」 「ッッ!!!と、というか、何時の間に私が十二人委員会に入ったことになってるの!?」 「ハーハッハッハ!!!ちゃんと、お前の姉である朱花嬢からも許可は得たぞ!!」 「えええぇぇっ!!?ど、どいうことよ、お姉ちゃん!!?」 「な、何て言うか・・・この啄さんなら緋花を任せてもいいかなって・・・」 「お、お姉ちゃん!?ど、どうしたの!?顔が赤いよ!?」 何故か、顔を朱に染めている朱花。こんな姉の姿を一度も見たことが無かった焔火は、驚愕の上にも驚愕する。 「ハーハッハッハ!!!ホムラっちよ!!これ程麗しい女性を姉に持てたことを誇りに思うがいい!! 気立ても良く、家事も得意。うむ、これ程素晴らしい女性だったとは!!ハーハッハッハ!!!」 「も、もぅ!煽てても何も出ませんよ、啄さん?」 「何を言う?俺は当然のことを言ったまでよ!!」 「・・・あ、ありがとうございます」 「・・・・・・」 焔火は、開いた口が塞がらない。これは、どうみても・・・己の姉があの“成瀬台の変人”に勝るとも劣らない“変人”に淡い想いを抱いてしまったとしか思えない。 「・・・さっきから、あの啄って男の子がずっとしゅかんのことを褒めちぎってるんだ」 「リーダー・・・。それで、お姉ちゃんが?」 「・・・普段は、緋花の妹ってよく間違われるしゅかんにとっては、一発で自分が緋花の姉だと見抜いたあの男に何か感じるものがあったかも。 それに、誰だって褒められるのは嬉しいことだし。特に、普段から余り男の子と関わらないしゅかんにとっては、彼の言動は衝撃的だったのかもしれないよね」 「・・・で、でも・・・!!その相手が、何であの“変人”なんですか・・・!!?」 焔火朱花という少女は、奔放な妹がいるせいか面倒見がよく世話焼きな性格で、その性格からクラスの副委員長に指名された程である。 家事等にも長け、たまに家事をするときに付けているエプロンを外し忘れて登校することも併せて、“オカン”or“しゅかん”という渾名もある。 そんな彼女にとって、男性との付き合い等殆ど無い。妹の面倒を見るので忙しいらしく、自由時間があってもそれ等を妹のために使うことが多い。 故に、男性に対する免疫が余り無く、こうして啄が放つ数々の褒め言葉に完全に参ってしまったのである。 また、啄自身もどちらかと言えばイケメンの部類に入る顔付きであった。『これで性格さえまともだったら・・・』と、同じ救済委員である花多狩がよく漏らす程である。 「・・・これも運命、うん!」 「そんな一言レベルで済ませないで下さいよ!!私の大事なお姉ちゃんの相手になるかもしれない人が、よりにもよってあの・・・!?誰か夢だと言って・・・ガクッ」 「お、おい!?大丈夫か、緋花!?」 己が愛する姉の将来図を不覚にも想像してしまった焔火は倒れ込み、荒我が慌てて支える。 如何に焔火が他人の長所を認めるタチとは言っても、今日会ったばかり+その長所がサッパリわからない+自分の邪魔ばかりして来た+妄想癖の激しい“変人”では彼女でも無理筋であった。 現実とは非情なものである。 時は過ぎ、夕焼け空に上空が染まる頃合いであった。ここ『マリンウォール』の玄関前には、界刺達や荒我達の姿があった。 「そんじゃま、これでお別れってことで。また、機会があったら遊びに来よーぜ」 「それでは・・・得世様、これにて」 「界刺様!今日は、本当にありがとうございました」 「遠藤達は、界刺様のおかげで思いっ切り楽しむことができました!!」 「サーヤの奴・・・。今に覚えてらっしゃい・・・!!」 「月ノ宮・・・。この敗戦を糧に、大きく羽ばたきなさい・・・!!」 「だから、何でシリアスに?」 「バカ界刺にしては、中々にセンスが良かったんじゃ無い?」 「さて。今日は『シンボル』の活動は無しとする。偶には、連続して休むというのもいいだろう」 「・・・今日からは寮か・・・。残念・・・・・・・・・まてよ」 「な、何だか不動に指圧された部分が痛いな・・・。帰ったら、さっさと寝ることにしよう」 「ん~?何かな、仲場クン?」 「ちょっと、グルメスポットの件で話が・・・」 「むむむ?何でござるか?拙者も参加するでござる」 「朱花嬢よ!!これにて失礼する!!お前達との一時、すごく楽しかったぞ!!」 「そ、そう?・・・だったら、よかった・・・です」 「しゅかん・・・」 「お姉ちゃん・・・。私は、絶対に認めないからね!!」 「荒我君!!惜しかったでやんすね!!」 「荒我兄貴!!今回は、もう一息の所で横槍が入りましたけど、次は行ける所まで行っちゃってもいいですよ!!」 「なっ!!?お、お前等には関係無ぇよ!!」 「(・・・うまく、あの人と合流しないと)」 千差万別の思いを各自は抱き、それぞれの途に着く。夏休みの醍醐味であるプール。その機会を思う存分に楽しんだ面々の胸には、充実感が漂っていた。 「・・・で、何でこの人達も居るんですか?」 「そんなことは言わずもがなよ!!俺達が十二人委員会に所属しているという事実が、全てを物語っているぞ、ハバラッチ!!」 「ガクッ!!も、もうその渾名が広まって・・・」 夜の学園都市の路地裏を歩く集団が1つ。その集団の顔触れは以下の6名。 「実は、界刺殿に折り入ってご相談があってな・・・」と呟くのはゲコ太マスク。 「ん?何かな?」と呟くのは界刺得世。 「少し力を貸して欲しいんだよ。人手が欲しくてさ」と呟くのは仲場志道。 「仲場クンって、ボクでも知らない“通”なお店を知ってるなぁ」と呟くのは仮屋冥滋。 「ところで、ハバラッチよ!!そのCDは、何と言う名前の曲なのだ!?」と呟くのは啄鴉。 「こ、これですか?曲名は『Love song’s loads』ですけど・・・」と呟くのは葉原ゆかり。 「(こ、これじゃあ緋花ちゃん達の誘いを断ってコソコソしたのが無意味になっちゃう!!な、何とか界刺先輩と2人きりになるチャンスを見付けないと!!)」 予想外な事態に、葉原は焦りの色を濃くする。界刺からの連絡を受けて、いざ待ち合わせ場所へ向かってみると、そこには啄・ゲコ太・仲場・仮屋の姿があった。 『別に、俺1人が付き合うって言ってないよね』 「(く、くそぅ!!・・・これは、私の狙いがバレてると見ていいかもしれない・・・。でも、諦めて堪るモンか!!)」 「・・・ふむ。・・・いいよ。前に皆には世話になったからね」 葉原が決意を新たにしている間に、界刺はゲコ太の頼みを承諾した。 「恩に着る!!これで、あの子達に面と向かって会いに行ける!!あぁ、そうだ。 催し物というか、あの子達に喜んで貰える衣装も揃えているでござる!!故に、明日以降は界刺殿にもその衣装を着用して貰うでござるよ!?」 「衣装・・・?さっきの説明には無かったような・・・?」 「ボクも手伝うよ、ゲコ太クン。仲場クンに色んなグルメスポットを教えて貰ったし」 「ほ、本当でござるか!?かたじけない!!実は、仲場の後輩も応援に駆け付けてくれることになっているでござる!!」 「そうなの、仲場クン?」 「そもそも、ゲコ太と俺の後輩が企画者だからな。明日紹介するぜ!!それと・・・ありがとう、仮屋様!!俺も、仮屋様オススメの店へ今度行ってみるぜ!!」 「(えっ?えっ?『明日以降』って何!?し、しまった!!全然聞いて無かった。マ、マズイ!!)」 葉原の焦りは、頂点に達した。どうやら、界刺は明日からこの“変人集団”と一緒に何処かへ行くようだ。 それでは、駄目だ。界刺にしか頼れないことがあるのに。だから、少女は意を決して碧髪の男に言葉を放つ。 「界刺先輩!!あ、あの・・・」 「界刺得世!!!」 「「「「「「!!!??」」」」」」 「~~~♪~~~~~~♪」 「お姉ちゃん・・・何だかノリノリだね」 ここは、第15学区にあるカラオケ店『ジャッカル』。このカラオケ店の系列は学園都市中に点在しており、利用料金の安さ等から学生達には結構人気があった。 そこに、焔火・朱花・加賀美の3名は居た。ここは、朱花が何回か通っているカラオケ店だった。他の系列よりも安いというのが朱花のお気に入りポイント。 常日頃から家事の現場に居る朱花にとって、安さというのは最重要要素であった。しかも、改装前セールということで今は更に安くなっているのだ。 「きっと、火照った体を冷ましているんじゃない?」 「だ、誰が火照ってるって!!?」 「しゅかんって、結構わかりやすい性格しているからねぇ。緋花もそういう所があるし、さすがは姉妹って言った所かな?」 「うぅ・・・」 「私を愚妹と一緒にすんじゃ無ぇー!!」 そのカラオケ店で、先程から1人マスクを独占している朱花。どうやら、啄の褒め殺し攻撃で火照りに火照った体を冷まそうとしているようだ。 そんだけ歌っていたら、余計に体が熱くなるんじゃ・・・等と言う文句は言ってはいけない。彼女自身、どうやって冷めるのかがわからない状態なのだ。 そこに、飲み物の注文を承りに来た店員がドアをノックする。焔火は、空いたグラス等を店員へ戻すために席を立つ。 「失礼します。ご注文を承りに来ま・・・!!!」 「ありがとうございます!!え~と、サイダー2つにオレンジ1つ追加で。後、空いたグラスも持って行って下さい」 「・・・は、はい!!サイダー2つにオレンジ1つですね。確かに承りました!少々お待ち下さい!」 その時の焔火は、メニュー一覧に目を通していたがために、店員が自分達の顔を確認して驚きの表情を僅かに形作ったことに気が付かなかった。 店員はすぐに気を取り直し、部屋を後にする。向かうはカウンターの奥。そこにある電話に専用の番号を入力し、ある人物に連絡を入れる。 「蜘蛛井さんですか?片鞠です」 「どうしたの、片鞠?さっき言ってた薬の補充になら風間を向かわせたよ?」 「それとは別件っす。実は、今この店に176支部の風紀委員が2人居るんですよ」 「へぇ・・・。今朝のミスで、網枷のバカにグチグチ言われると思ってた所に・・・ツイてるな(ボソッ)」 「えっ?何か言いましたか?」 「いや・・・。ちょっと待ってね・・・ボクもすぐに確認するよ」 店員―を装った片鞠榴―の情報に、『ジャッカル』全店の情報網を管理する蜘蛛井糸寂が興味深げな声を零す。 「・・・本当だね。網枷のバカが参加してる風紀委員会の名簿一覧に居る2人だね・・・。え~と、176支部の加賀美雅に焔火緋花・・・。あのバカの所か。 それと・・・もう1人は・・・焔火朱花。焔火緋花の姉か。・・・この娘が姉?ぷっ、普通は逆だよね、片鞠?」 「そ、そうですね・・・」 風紀委員会に潜入している網枷からのリークで、風紀委員会に参加している各支部の風紀委員のデータ(能力や家族関係等)を知り尽くしている蜘蛛井は、 どう見ても焔火が姉で朱花が妹にしか見えない姉妹を嘲笑っていた。この男は、一言で言えばガキである。もっと言えば、残虐がお好みの狂ったガキである。 だが、これでも『ブラックウィザード』の主戦力である“手駒達”を取り仕切る幹部であり、同時に情報管理を一手に背負う優秀なハッカーでもある。 「確か、今日は風紀委員会って休みでしたよね?」 「そうだね。これは・・・気晴らしだろうね。ボク達の存在に気付いて来たんじゃ無いと見て、間違い無いだろうね」 「よ、よかったっす・・・」 「アハハ。片鞠はビビリだなぁ~」 部下である片鞠のビビリように蜘蛛井は、つい笑ってしまう。そして、今後の対策を考える。 「ここで、あの風紀委員達に薬を仕込んでもいいのかもしれないけど・・・“決行前”だからなぁ。“決行後”なら、遠慮無く仕込むんだけど。 それに・・・生憎品切れなんだよね?片鞠が今居る店ってさ?」 「はい。・・・すみません」 「片鞠のせいじゃ無いよ。品切れを報告しなかった店員が悪い。ソイツの名前・・・後で教えてね。中毒者(オモチャ)にするから」 「・・・・・・はい」 中毒者(オモチャ)。蜘蛛井が言うそれは、“手駒達”の材料を意味する。 「風間に持って行かせたのも、被暗示性が強い何時もの薬だけだからねぇ。しかも、緊急だったから数自体が少量だし。 そもそも、風紀委員達が店を出る前に風間がそっちに着く保証も無いし。タイミングが悪いよねぇ・・・。あの殺人鬼(クソッタレ)さえ居なければ・・・!!!」 「!!と、とりあえず、どうしましょうか?」 蜘蛛井の口調の変化に、片鞠はすかさず質問を重ねる。今の彼は、すこぶる機嫌が悪い。 何故なら、彼が取り仕切る“手駒達”が、あるスキルアウトに雇われた傭兵の手によって次々に壊滅させられているからだ。 その傭兵対策の一環として、ある作戦が“仕方無く”進められている。そして、蜘蛛井はこの作戦における統括者の1人である。 「・・・風紀委員に、今気取られるわけには行かないからね。今の状態なら・・・放置が一番得策かな?状況を見て、ボクが判断するよ。 とりあえずは、風間待ちだね。彼がそっちに着いたら、また連絡を取ろう」 「わかりました。とりあえず、グラスに付着してある唾液は保存して置きますね」 「それがいいね。『書庫』だけじゃあ詳しくはわからない情報も、風間の『個人解明』なら結構な所までは判明するし」 「それじゃ」 「うん」 そう言って、片鞠は受話器を置く。今は、薬を運んで来る仲間待ち。その僅かな平穏を、片鞠は身を委ねた。 その後薬を持つ仲間が到着した頃には、風紀委員である加賀美と焔火は店を後にしていた。明日の風紀委員会に備えてである。 唯一残っているのは・・・『もう少しで体の火照りが取れそう』ということで、最後の熱唱に突入している焔火朱花。そして・・・ 「界刺得世・・・だな?」 「そうだけど・・・。そちらさんは?」 界刺達の前に現れたのは、ツンツン頭を手入れせずにボサボサにした感じの髪型の男。 その男の顔には疲労が色濃く反映されており、目は血走り、息も絶え絶えな状態であった。だが、その男は己の状態に無関心であった。それよりも!! ザッ!!! 「なっ!?」 ゲコ太が、思わず呻き声を放つ。それも致し方無いこと。何故なら、その男が界刺に対して急に土下座を敢行したからである。 「俺の名前は・・・風路形慈。アンタのことは、ある人間から聞いた。学園都市の人間を守る活動を行っている『シンボル』のリーダーだって」 土下座をする男―風路形慈―は、己が妹を助けてくれるかもしれない存在に頭を下げる。希う。懇願する。 「頼む!!アンタの力を俺に貸してくれ!!!俺の・・・俺の妹、風路鏡子を『ブラックウィザード』から助け出して欲しいんだ!!!!!」 旧い時代(エピソード)が幕を閉じ、あるいは過去からの使者となることで、新たな時代(ゲートウェイ)がその幕を開いた。 誰も彼もが予測できない、そんな騒がしいにも程がある未来を、何時如何なる時も世界は厳しくも温かく見守っている。 さぁ、世界に生きる少年少女達よ!!己が信念を世界に示してみせよ!!さすれば、世界はきっと応えるだろう!! “希望”と“絶望”。『光』と『闇』。果たして、世界はどのような応えを示すのか!?刮目して待て!!! Welcome to the new gateway!!!