約 106,094 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5065.html
前ページ次ページPersona 0 ペルソナ0 第十一話 何もかも白く染まる霧の中でサイトは蹲っている。 まるで子供のように泣きながら、慟哭を地面に吸わせている。 知られてしまった、何もかも知られてしまった。 醜く変わった本当の己の姿を、一番知られたくない相手に知られてしまった。 これが罰なのか、俺の犯した罪に対する罰なのか? 嘆くサイトの前に声を投げかける者があった。 「ああそうさ、あれだけのことをしたお前にはこんな最低な罰がふさわしい」 顔をあげると霧の向こう側に誰かがいる。 「まさか……」 それが聞きなれた自分の声なのだと気づいたのは、しばらく時間が経ってからだった。 「もう一人の俺……」 シャドウのなかで蹲っていた自分とは違う、自分の弱い心が生んだ自分の影。それがよりにもよってこんな時に…… サイトは歯を噛みしめると、霧の向こうから自分のことをあざ笑う己自身を睨む。 「そうさ!俺はお前だ、見たくないと眼をそむけているお前の影さ」 そうして影は語りだした。 「やめろ!」 ガルムがその肩口に食らいつき牙を突き立てる、影の顔が痛みに歪むが同時に影は笑みを深めた。 「がぁぁぁぁああ!?」 「おいおい、ひでぇことするじゃねぇか」 猛烈な痛みにのけぞるサイトの姿を見ながら、影は笑う。 「俺もお前もその犬も、お前の一部には違いねぇってわかってんだろ? だったら自分で自分を傷つければどうなるかくらいわからねぇ?」 そしてサイトは腕を広げる、けらけらと嘲笑うその姿はあの日見たあの影を思い出させる。 「ま、所詮与えられた“ペルソナ”じゃ自分自身の影は消せないわな」 にやにやした笑い、何もかもを見下すような笑い声、はっとサイトは気づく。 「まさか……おい、出て来い、ニャルラトホテプ!」 サイトが叫ぶと、霧の向こうから声が返ってきた。 「なんだね、サイトくん。これでも私は忙しいのだが」 それは何もかもを嘲笑う存在、人の心の海の中心で運命を嘲笑する白痴の塊。 這い寄る混沌ニャルラトホテプだった。 「てめぇ、何しやがった!」 深いため息の音、サイトはぎりりと歯を食いしばる。 「心外だな、今回私は君の願いを叶えた以外は何もしてはいないよ」 「嘘つけ!」 「嘘などではない、そもそも嘆かわしいことに私の力は日に日に衰えていっている、全く嫌な時代になったものだ。 人の心に空いた虚無と言う名の穴が光も闇も諸共に飲み込んでいく――加えてシャドウだ、心の闇はいくつも砕片に分割され無意識の狭間をただようになった」 ニャルラトホテプの口上が響く、その口ぶりはまるで己自身をあざ笑うかのようだった。 「そもそも我が化身たる“ニャルラトホテプ”の姿は二〇世紀のある作家によって生み出せしもの、ならばより底深き業を湛えた人の“闇”を象徴する存在が現れたなら、その姿を変えるが道理だろう? つまり我等は消えつつある、人の心に“フィレモン”と“ニャルラトホテプ”は不要だと他ならぬ人の心が我らを排斥しつつあるのだ」 それならそれで仕方がない、とニャルラトホテプは腹を抱え、高々と笑い声をあげる。 「まぁ変わりつつある人の心の海の底から這い上ってくるのはいかなる醜悪な存在か? それを見届けられないのは残念だがね」 くく、と笑ってニャルラトホテプは言った。 「まぁそんなことは関係がない。重要なのはお前が私を楽しませてくれるかどうかと言うことだ」 そしてニャルラトホテプはもう一人のサイトを指さした。 「喜べ、そこに居るのはヒラガサイト、お前自身に他ならない。私によって汚染された醜い自分と言う幻想が生み出した、呪わしきお前自身の心の一部にすぎないのさ!」 押し黙ったサイトを見ながらニャルラトホテプは笑う。 それにつられるようにもう一人のサイトも哄笑をあげた。 「そうさ、第一ハルケギニアを血の海にしたのはお前じゃないか」 もう一人のサイトは己の胸を指さすと、そのままけらけらと笑う。 「再契約の時にデルフに説明して貰ったろ? 記すことすら憚られるほどの使い魔のルーンはちょっとしたことで暴走しちまうんだって、なのにルイズを助けようと一人で突っ走って、あげくルーンを暴走させた」 その言葉をニャルラトホテプが引き継ぐ。 「そして挙句の果てが皆殺しだ、お前の主人が使い魔のルーンを消すために身を投げてくれなければ、今頃お前はハルケギニアどころか故郷まで破壊し尽くしていただろうな、面白い面白い、実に面白い」 「黙れ!」 「おお怖い怖い、せっかく願いを叶えてやったのになんと言う言い草だ。会えただろ? 愛しのご主人様に」 「だからって、こんな形の再会を望んだ訳じゃない!」 俯くサイトに向かって言葉を放ったのはもう一人のサイト。 「嘘だな、その証拠におまえは喜んでいる」 「――違う!」 「もう一度世界をぶっ壊しちまうかもしれないのに、またルイズを死なせるかもしれないのに、ルイズに会えたことを犬みてぇに嬉しがってる」 「違う!!」 「第一あれはルーンのせいだろう? 悪いのは作ったブリミルと、それを刻んだルイズのせいじゃ……」 その言葉に激昂し、サイトは霧の向こうへと向かって剣を振り抜いた。 「黙れ、お前なんて……」 言ってからしまった、と思うがもう遅い。 「ふはははは、いいぞ、いいぞ力が溢れる。闇が満ちて来る、これで俺は……」 やめろ……と呟きながらサイトの意識が闇へと落ちる。 その刹那、己の心の裡から響く悲しそうな犬の遠吠えを確かにサイトは耳にした。 ガリア王都リュティス。 無能王治下のこの都市に一つの噂が流れていた。 曰く 「無能王は人がお変わりになられた」 人形遊びを止め、突然人が変わったかのように政治の表舞台へと立ち現れ、綺羅星の如く多くの大事業を成功させ。 しかも臣下への心遣いを忘れず、信賞必罰を徹底する。 まさに魔法が使えないことだけが唯一の欠点とでも言うべき完璧な王として君臨し始めたジョゼフの姿に周囲の者たちは頭を捻ったが、しかし生活がよくなることについては文句などあろうはずがない。 だからあくまでその話は噂のレヴェルを出ない程度に収まっていた。 だがイザベラは、ジョゼフの娘だけは知っている。 本当に自分の父が別人に変わってしまっているのだと。 ベットの中で震えながらイザベラは思い返す。 あの日、偶然父の部屋を訪れた時。 胸を剣で貫かれながら父は高く高く笑っていた。 ――ふはははは、まさかこの俺が俺によって殺されるとはな。 その胸を貫いているのは、身につけた服を乾いた血で染めたもう一人の――ジョゼフの父の姿。 ――まったく無能王には相応しい末路だ、くそったれな始祖様もなかなか皮肉な結末を俺に用意しておいたと見える! もう一人のジョゼフは自分を殺していると言うのになんの感動すら見せず、ただ死んで行く己の姿を無表情に見ているだけだった。 そのことが譬えようもなくイザベラには恐ろしかった。 ――今行くぞシャルル、もっともこの俺が行くのは奈落の底だ。死んでまでお前には会えんだろうがな…… 僅かに寂しそうにジョゼフはそう言うと、どうとその場に崩れ落ちた。 流れ出る血が、絨毯を赤く染めていく。 もう一人のジョゼフはその姿をしばらく見ていたがくだらなさそうに吐き捨てた。 「やはりな、自分を殺しても俺の心は震えはしないか」 そのままもう一人のジョゼフは殺した自分の死体を抱えあげると何事か呪文を唱えて杖を一振りする。 ジョゼフの目の前に現れた光る鏡、そこに死体を放り込むと一仕事終えたとばかりにパンパンと手を叩く。 「さて、イザベラそんなところで立っているのもなんだろう、一緒に茶でもどうだ?」 扉の影から見ていたイザベラはびくりとその体を震わせる。 「あ、貴方は……」 普段の勝ち気さからは想像もつかない、おそるおそると言った様子の問いかけに、ジョゼフは笑って答えた。 「どうした娘よ? 父の顔を見忘れた訳でもあるまいに」 そうして大笑すると、ジョゼフは天を仰いだ。 「まぁいい、さてこれから忙しくなるぞ」 一体何を、と問いかけるにイザベラに向かってジョゼフは言った。 「なぁイザベラ、久しぶりにシャルルの叔父上に会いたくないか?」 脳裏に胸にルーンを浮かべた少年を思い返しながら、ジョゼフは笑った。 「う……」 「タバサ!」 友人の腕のなかでタバサは目を覚ました。 体中に張り付いた倦怠感とまるで悪い夢でも見た後のような不快な喉の渇き。 見渡せばそこは全て乳白色の霧のなか、親友の顔さえ見えない本当の胡乱な時間。 タバサは現れたもう一人の自分のことを考えていた。 思い返してみればあの自分の言葉に、頷けてしまう部分がタバサにはあった。 血塗れの自分、愛されない自分。 それでも母を助けられるなら愛されなくとも構わないと思ってやってきた、だが…… 「逃げてる、のかもしれない」 思えば手がかりになりそうなものは片っぱしから手を出してきたが、しかしそれが僅かなりとも母を癒すきっかけとなったのか? いやならなかった、もし本当に母を癒すつもりならなんらかの力を手に入れてエルフと交渉する以外にない。 だと言うのに自分は何をしてきたか? 「タバサ?」 優しい友人たちに甘え、今は雌伏の時とただ与えられた任務をこなしていただけではなかったか? そんなやり方ではけっして事態を打開できはしないと思っても、それに甘んじた。 それは“諦め”ではなかったか? 「貴女は……何?」 「わたしはシャルロット、もう一人のあなた」 霧の向こうから声が返ってきた。 「いつか戻りたいと願う、けれど戻れないと諦めた、あなたの姿」 その言葉が心にツキリと突き刺さる。 そうだ、あの頃の自分には――何も知らずただ笑っていられた子供の頃には戻れない。 父と叔父との間の因縁も、従姉が自分に対して抱いていた執着も、何も知らず王宮を駆け回っていた子供には――もどれない。 「もどれないから、私は“タバサ”になった」 いつか帰りたい己自身、“シャルロット”を母の手の中の人形に託して。 何もかもを捨てて、ただ目的を果たすための人形に“なった”と思っていた。 けれど実際は違う、だって私はこんなに弱いのだから。 「私は弱い、それを認めるのが怖かった」 霧の奥で頷く気配。 「必ず助けると誓った思いが、自分の弱さのせいで折れてしまうことが怖かった」 帰って来た返答にタバサは頷く。 「あなたは私、ずっと“雪風”で凍えさせてきた、私の中のもう一人の私」 >自分自身を受け入れる強い心が、“力”へと変わる… >タバサはもう一人の自分。 >困難に立ち向かうための人格の鎧、ペルソナ“イーヴァルディ”を手に入れた。 霧のなかにあってなお一層怜悧にその存在を浮かび上がらせるもう一人の自分の姿。 氷のドレスとも鎧とも着かない服を身に纏った少女のシルエットに微笑みを浮かべ、タバサは今にも眠ってしまいそうな身体を友人に任せた。 なぜか、今だけはキュルケの胸の中で現と夢の狭間のまどろみに浸っていたかった。 夢の中で、もう一人の自分が笑っていた。 ――私は優しき勇者の戦列に名を連ねし者イーヴァルディ、私が打ち破る悪竜はあなたの心に巣くった弱さならば……我が半身よあなたの道行の先駆けとなりましょう。 前ページ次ページPersona 0
https://w.atwiki.jp/monookichrome/pages/95.html
ダブルクロス The 3rd Edithion PL名:上谷汐 「好きにすればいいよ。僕には関係のないことだ。けれど――君は逃がさない」 ――存在しない少女、ハイディ 【基本情報】 名前:峰凪ハイディ コードネーム:"アンシーン・カーテンコール" 年齢:12歳 性別:女 星座:天秤 身長:150cm 体重:42kg 血液型:O ワークス:暗殺者 カヴァー:UGNイリーガル ブリード:クロスブリード シンドローム:オルクス/バロール 【能力値】 肉体:1 白兵1Lv 運転:二輪2Lv 感覚:3 射撃1Lv 精神:3 知識:レネゲイド2Lv 社会:3 調達1Lv 情報:UGN3Lv 情報:裏社会3Lv 情報:クロドヴァ1Lv 【ライフパス】 出自:結社の一員 経験:危険な日々 邂逅:借り 覚醒:犠牲(侵蝕値:16) 衝動:吸血(侵蝕値:17) 基本侵蝕値:33 HP:25 行動値:9 戦闘移動:14 全力移動:28 常備化ポイント:8 財産ポイント:0 【ロイス】 Dロイス「守護者」 P:信頼 ○N:嫌悪 攻撃の対象を自分一人に変更。侵食率1d10上昇。シナリオ1回 顧客「」 ○P:有為 N:厭気 借り「霧谷雄吾」 P:信頼 ○N:食傷 【エフェクト】 No : 名称 : Lv : タイミング : 技能 : 難易度 : 対象 : 射程 : 侵蝕 : 制限 : 効果 — : リザレクト : 1 : オート : - : - : 自身 : 至近 : 効果 : - : (LV)D点HP回復、侵蝕値上昇 — : ワーディング : 1 : オート : - : 自動 : シーン : 視界 : なし : - : 非オーヴァードをエキストラ化 01 : 要の陣形 : 2 : メジャー : シンドローム : - : 3 : - : 3 : - : 対象を3体に変更。シナリオLv回 02 : 導きの華 : 4 : メジャー : 交渉/RC : 自動成功 : 単体 : 視界 : 2 : - : 対象の次のメジャーアクションの判定を、達成値+Lv*2 03 : 妖精の手 : 2 : オート : - : 自動成功 : 単体 : 視界 : 4 : - : 対象のダイスひとつを10にする。1判定に1回まで。シナリオLv回 04 : 時の棺 : 1 : オート : - : 自動成功 : 単体 : 視界 : 10 : 100% : 判定を失敗させる。シナリオ1回 05 : 灰色の庭 : 3 : - : - : 自動成功 : 単体 : 視界 : 2 : - : 対象の行動値-Lv*3 06 : 拡散する世界 : 1 : オート : - : 自動成功 : 単体 : 視界 : 10 : 100% : 対象のメジャーアクションの対象をシーン(選)に、射程を視界に変更。シナリオ1回。その後、自分はHP20点を失う 07 : : : : : : : : : : EZ : 不可視の領域 : 1 : メジャー : - : 自動成功 : 効果参照 : 至近 : - : - : Lv*1000平方メートル内を隠蔽する EZ : ディメンジョンゲート : 1 : メジャー : - : 自動成功 : 効果参照 : 至近 : 3 : - : 知っている場所へのゲートを開く 【武器】 名称 : 種別 : 技能 : 命中 : 攻撃力 : ガード値 : 射程 : 常備化 : 解説 拳銃 : 射撃 : 射撃 : -1 : 3 : - : 20m : 6 : モーゼルC96 : : : : : : : : : : : : : : : : 【防具】 名称 : 種別 : ドッジ : 行動 : 装甲値 : 常備化 : 解説 : 防具 : : : : : : : : : : : 【一般アイテム】 名称 : 種別 : 技能 : 常備化 : 解説 情報収集チーム : : : : 情報収集の達成値+2。シナリオ3回 携帯電話 : : : : カジュアル : : : : シーカー : エンブレム/その他 : - : - : GMに質問出来る。シナリオ1回。EXP15 【コンボ】 【設定等】 堂々と踏み入って、何の警戒もなく廊下を進んで、真正面に立っても何一つ反応しない男の額に銃を向けて、 一発、二発、三発。 さぁ帰ろう。 どうせ誰も気づかない。黒服達は大慌てで僕の隣を駆け抜けていった。 彼の"ラストダンス"は終わった。僕の"カーテンコール"もおしまい。残る"グランドフィナーレ"は、僕の仕事じゃない。 そうだ、パスタが食べたいな。 <不可視の領域>の暴走によって、誰からも認識されなくなった少女。 クロドヴァにて両親と暮らしていたが、カインの血脈に所属していた両親をUGN黒海支部が殺害。 その事件がきっかけで覚醒し、同時に誰からも認識されない体になってしまった。 彼女を日本へ連れ帰ったのは黒海支部を視察に訪れていた霧谷雄吾だった。 何かと世話を焼いてくる日本支部長を、それでも無下に出来ないのは借りがあるからか、今はなき家族の面影を重ねているからか。 彼女自身は特に他人と関わろうともしないし、自分の体質を悔やんでいるような様子も見せない。 けれども人並みの生活を送る者、特に学生に対しては隠し切れないトゲが見える。 自覚はないながらも、誰かに自分を見て欲しいと、普通の生活をしたいと望んでいるのだろう。 【容姿】 緩く癖のついた、肩口までの黒髪。つり気味の二重まぶた。青銀色の瞳。 皮肉めいた、どこかあざ笑うような笑みを口元に。 プロテクターのついたボディスーツを着込んでいる。
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/89.html
ネギにとってみれば、そんなに難しい事ではない。しかし… ー本当に信用していいのだろうか… さっきの奴隷人形が頭から離れないネギは、このまま死ぬまでこの男の奴隷として働く事になるのではないかと心配で仕方がなかった。 「失礼しました。早速始めましょうか。」 ネウロは部屋に入るなり、軽く手を叩きながら部屋の中心まで歩いていく。 そしてそのあとを追うようにネギも部屋に入ってゆく。 「あの…、これからなにが…。」 「そ、そうよ!なにするつもりなのよ!」 刹那らしくない弱々しい声…ネギは聞いているだけで痛々しい気持ちになっていく。 「あれ、ご存じありませんでしたか?」 「「?」」 ネウロのわざとらしい笑顔に、二人はまだネウロが何を言っているのか理解出来ていないようだ。 「つまり簡単に言うと、近衛このかさんは何者かによって殺されました。」 「「え?」」 一瞬、場の空気が凍り付いた。 目の前の怪物は少女たちに笑いながら爆弾を落としていったのだ。 しばらく沈黙が続く。当たり前だ。 死んだと思っていた人は実は殺されていました。などと言われたら誰でも言葉を失う。 「ネギ先生っ!!」 刹那の声には明らかに怒りが籠っていた。 自分の大切な人を奪った犯人への怒り。 また、それを知っていてあえて黙っていた恩人への怒り。 強く、そして堅く握られている刹那の拳がそれを物語っている。 「まぁまぁ、犯人への怒りは判りますが、ここは抑えて…」 「うるさいっ!!」 差し出されたネウロの手を思いっきり払いのけ、ものすごい眼力でネウロを睨み付ける刹那。 「だいたいお前は何様だ!まるで人の死をあざ笑う様な事をしてっ!!」 刹那が放った言葉が、ネギの心にズシリと刺さる。 刹那はネウロだけではなく、ネギに向けて間接的に言っている様な気がしてならなかったからだ。 しかし、怒鳴られたネウロはたいして反省のいろもなく、ただにこにこと愛想笑いを浮かべている。 「私が何様か?ふふ…あなたと同じですよ。」 3人の顔が一斉に凍り付く。 ネウロは先ほど『人目を忍ぶ身』と言っていた。 にもかかわらず、何故自分の正体がバレる様な事を… ネギには全く理解出来なかった。 「さぁ、無駄話はそろそろいいでしょう。」 ネウロの声でこの部屋の全員がふと我に帰った。 ネウロはネギに近付き 「犯人をその指で指すのです。」 と、ネギの耳元で囁いた。 すると、ネギの手は意思に反して勝手に動きだし、人差し指を突き立て、上に掲げた。 「(言え!『犯人はおまえだ!』だ!)」 ネウロの声がネギの頭のなかに響き渡る。 「(え?でもここには明日菜さんと刹那さんしか…)」 「(いいから言え!!)」 ネギは急に言うことが怖くなった。 恐らく指の先の人が犯人。つまり犯人は明日菜か刹那… ネギの手が振り落とされ、少女の前で指がきれいに止まった。 「犯人は…あなたです。…明日…菜さん。」 ネギの声は蚊が鳴くほど、小さい声であった。 「え?」 刹那の表情が凍り付く。 教師が教え子に殺人鬼はお前だ。と言ったのだ。 驚かない奴はいない。 「え?ちょっと待ってよ!なんで私が…」 「先生曰く…」 ネウロは明日菜の言葉をかなり強引に断ち切った。 恐らく、ネウロ自信も段々面倒臭くなったのだろう。 「皆さんこれを見て欲しいとの事です。」 ネウロはポケットから半円状のプラスチックパイプを取り出し、皆に見せびらかす。 「実はこの筒、この部屋にもあるんですけど、どこにあるか判りますか?刹那さん。」 「い、いえ…、分かりません。」 「そうですか、実はこれ、電化製品の色々なコードを一つにまとめるために設置された筒なんですよ。」 事実、部屋のコンセントの横には、ネウロが持っている筒と同じようなものが至る所に張り付けられ、 電化製品のコードが筒のなかに詰められている。 「実はこの筒に一か所だけ、罠を仕掛けるにはちょうどいい穴が空いているんですよ。」 ネウロは断りもなしに勝手にネギの部屋に登ると、筒に指を指し、ここに穴が空いている事を3人にわかりやすく示した。 「例えば、ピアノ線を荷物にくくり付けて、その穴から糸を透せば、離れていても荷物を落とす事は出来ます。 ほらっ、その証拠にこの穴と筒の端にあからさまな傷が出来ています。」 筒の端には、何かによって削られた後がくっきりと残っていた。 「し、しかしたしか荷物の重さはたしか20kgもないくらいですよ?それぐらいじゃ気絶くらいしか…」 「いえ、それは簡単です。糸を引き、このかさんを殺した後に凶器の荷物の中から重い物質を取り去ればなんとかなります。 例えば…ダンベルや、満杯にはいったペットボトルとか。まぁどちらにしろ、このかさんの死を見届けた人ではないと出来ない事です。」 罪【はんにん】
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1554.html
714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 00 43 20 ID ??? けだるい日曜の昼下がり、俺はこの間中古で買ったCDを引っ張り出して聞いていた。 曲は八十年代のベスト版。別に時代を懐かしむ訳ではないのだが、なんとなく、この頃の曲は心を落ち着かせてくれる。 図書館で借りた積み本などを読んでいると、不意に、玄関をノックも無しに開く音がした。 予想通りというか、顔を覗かせたのは俺の幼馴染、椎水かなみだった。 「やほ。むさくるしい所だけど、上がるわよ」 「お前に言われる筋合いはない。色々と」 かなみは俺の落ち着いた午後のひと時にずかずかと上がり込むと、買いたてほやほやのスーパーの袋をテーブルに乗せた。 「…おや、今日も昼飯作ってくれるのか?ラッキーだな」 「なんであんたなんかに作ってやらなくちゃならないのよ。 大学から私の家まで遠いからあんたの家の台所借りて、ついでに借りている一応の礼儀として作ってやってるだけなんだからね」 「礼儀…ねえ。そんなモン、チュパカブラの存在の方がまだ信じられるけどな」 「…っ、誰に何言われようと、私に他意はないの。そしてあんたは万有引力と同じくらいそれを信じてればいいの。オーケー?」 「オーケーオーケー。いいからとっとと飯作ってくれ」 そう言って俺は部屋の隅に畳まれたエプロンをかなみに投げてよこす。 ちなみにこのエプロンは俺からかなみに着けてくれとお願いしたものである。 最初は嫌がっていたが、いつのまにか着けてくれるようになった。慣れだ。 冷蔵庫の中を調べているうちに、かなみは部屋に流れるBGMの存在に気付いた。 「…音楽かけてるなんて珍しいわね?」 「中古屋で衝動買い。歌ってる奴の名も知らんが、悪くない曲だろう」 「まあね。似合わないけど」 心外な事を言う。確かに俺は教養に縁のないごく一般的な大学生だが、音楽を聴いて「似合わない」と言われるほど非文明的ではない筈だ。 「…そういう意味で言ってんじゃないの。ほら、歌詞をよく聞いてみなさいよ」 言われて、流れる歌詞に耳を傾ける。 しばらくしてその詞が、なるほど、確かに俺にはあまり共感できない事を並べているのが分かった。 これは、 715 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 00 45 05 ID ??? 「…ラブソング、だな」 「冴えない男筆頭のあんたが休日に本を片手にラブソングって…ぷっ、あはははは!駄目、改めて考えたらなんか笑えてきちゃった!」 お腹を抱えてここぞとばかりに爆笑するかなみ。冷静に考えれば、ひどい女だ。 「…あのなあ。別に俺が何を聞こうと関係ないだろう」 「ふふふ…ま、まあ、そうなんだけどさ。あんまり似合わな過ぎるから」 「俺だっていずれはどこかの麗しき黒髪の乙女と恋に落ちるかもしれない訳だし」 「…無いわね」 「そんな時ばかりハッキリ言うな」 ふふん、と得意げな顔で、かなみは再び台所に立つ。 野菜をとんとんとんと切りながら、こちらを見ずに言い始めた。 「…大体、今のあんたじゃ彼女なんて無理よ。アピールがゼロに近いもの」 「アピールか。確かに異性を積極的に誘うような事は少なかったが…」 「例えば…あんたの好きな映画が駅前の映画館で上映されてました。はい、どうする?」 「初日の朝一に見に行きます、かなみ教授」 「それが駄目なんだってば。そういう時は誰か友達なり、女の子なり誘って行くのが普通でしょ?一人で映画見る人なんて今時少ないわよ」 ふむ、と俺は妙に納得する。確かに、俺にも女性との縁は少なからずあったかもしれない。 なのに今だに親しい彼女が目の前のこいつしかいないのは、ひとえに俺のアピール力不足か。 「なるほど…ねえ。以前からお前の映画鑑賞に付き合わされるなあと思ってはいたが…そうか、アレはお前のアピールだったと言う事か」 「なっ…!?」 言っておくが、かなみをからかったつもりは毛頭ない。断片的な情報が組み合わさり、推論を導き出しただけだ。 しかし彼女はそうは捉えなかったようで──その言葉の最終的な帰結を感じ取ったかなみは感情の赴くままに激情をぶつけた。 端的に言えば、俺の鼻っ柱に大根が飛んできたのだ。 「グッ!?」 「何言ってるのよ馬鹿っ、自惚れるのも大概にしときなさいっ!」 俺はあまり出した事のない声を上げ、鼻を押さえてうずくまる。 どうにも綺麗すぎるラブソングの歌詞は、どたばたとした俺の日常をあざ笑うように、頭の中で飛びまわっていた。
https://w.atwiki.jp/srkjmiroor/pages/1688.html
「ふざけるな!永遠の闇の中に封じ込めようというのか!?幻獣の長であるこの私を!」 【名前】 ロン 【読み方】 ろん 【声/俳優】 川野直輝(ゲキレンジャー)勇吹輝(スーパーヒーロー大戦) 【登場作品】 獣拳戦隊ゲキレンジャー など 【所属】 幻獣拳 【分類】 幻獣拳闘士/四幻将 【獣拳】 幻獣ドラゴン拳 【得意ゲンギ】 呪煙吐(じゅえんど)幻開放(げんかいほう)転臨幻納(てんりんげんのう)全魂集結(ぜんこんしゅうけつ) 【モチーフ】 ドラゴン(設定上ではドラゴンという存在自身) 【十二支モチーフ】 辰 【四神モチーフ】 青龍 【詳細】 幻獣ドラゴン拳の使い手を自称する金髪の男性。 幻気で作り出した弓矢を用いる他、強烈な雷を発生させたり膨大な幻気ぶつけるなど高い戦闘力がある。 正体は「無間龍」と呼ばれる存在で、『ゲキレンジャー』更にという作品における黒幕的なキャラクター。 隠しモチーフは十二支の「辰」と中国に伝わる四神の「青龍」、「ロン」自体が龍そのものなので、青龍=ロンと言える。 【獣拳戦隊ゲキレンジャー】 「幻獣拳」が登場する以前から謎の男として現れる。 中盤において「大地の拳魔 マク」がゲキレンジャーに敗れるのを見た後、「海の拳魔 ラゲク」を始末、理央(黒獅子リオ)、メレに幻獣拳に鞍替えするよう促した。 本来は真の幻獣と呼ぶべき「無間龍」と呼ばれる存在。 永遠の命を有し、極めて長い時間を生きてきたので日常に退屈、気まぐれに世界を滅ぼしてみようと思い立つ。 かつて「大地の拳魔 マク」を破壊神候補として選び、「マスター・シャーフー」への怒りを煽って対立させるがマクは思惑通りに動かず、自身も倒そうとしてきたので断念。 その後、新しい破壊神候補の理央の家族を殺害し、心に憎しみを植えつけ、更に理央が自らの勝てない相手として強く執着していたジャンの父親・ダンに闇討ちで重傷を負わせ、理央に始末させる(理央は知らなかった)とダンに繋がるものを全て消すのにジャンの住んでいた村も洪水を起こし滅ぼす。 自身の行いで苦しむ人間達の反応を「いいリアクション」と評しあざ笑うなど、遊び半分で命や人間関係を弄んだり、ある意味非常に子供じみた自己中心的な性格。 終盤で本性を現し、人間としての未練を捨てた事で破壊神に成りかけた理央を見て歓喜の表情を見せるも、人間としての心を棄てきれなかった理央は元の大きさに戻ってしまい、思惑の外れたロンは自身の目論見を暴露。 メレを誘拐する事で再び理央を破壊神にしようとするが、ゲキレンジャーの妨害で更に理央が幻気を捨ててしまい計画変更を余儀なくされる。 理央とスーパーゲキレッドを葬るべく戦い追い詰めるが、2人の反撃で怯み、スーパー激激砲、剛勇吼波により巨大化、サイダイゲキリントージャの「砕大激臨斬」を受け倒される。 甦った「サンヨ」の力で復活、サンヨを取り込んで本来の状態「無間龍」となる。 理央の大魁砲で「ロン」の姿に戻されたが、自らを滅ぼす事はできないと嘲笑。 本格的に世界を滅ぼすべく破壊活動を行い、バイオレットやゲキチョッパーを苦しめ、更に駆け付けた七拳聖も一蹴。 だが、理央から全ての臨技を受け継いだゲキレンジャー3人には手も足も出ずに追い込まれ、ゲキレンジャーが「三拳魔」から学び獣拳奥義へと昇華した慟哭丸によって封印され、永遠の時を動けぬままに過ごすことになった(慟哭丸は本来、対象を岩と化して命を搾り取るものだが、ロンは永遠の命があり無限の苦しみを味わう事になった。)。 【炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー】 慟哭丸から復活、「ヌンチャクバンキ」の肉体を乗っ取り、「ロンバンキ」となって2大戦隊と激闘を繰り広げたが敗れ、再び慟哭丸の姿に戻っている。 その際、自らを封印したゲキレンジャーに対しいつもの余裕をかなぐり捨てて激しい憎しみを向け、慟哭丸となっていた間はよほど苦痛であったらしい。 「獣人メカ」の暗躍で復活するも不完全な状態での復活、封印したゲキレンジャーを倒し復活を目論んでいた。 【海賊戦隊ゴーカイジャー】 慟哭丸として漢堂ジャンが首からぶら下げた状態で登場。 特に触れられていないが、おそらく現在も封印中だと思われる。 【スーパーヒーロー大戦】 大ザンギャックの大幹部として登場。 本来の個体は封印中と思われるので、上記の作品に登場する個体とは別物と思われる。 【余談】 『忍者戦隊カクレンジャー』の「妖怪大魔王」以来の「倒せないラスボス」。 OPではレギュラーキャラ同様のクレジットがなされている。
https://w.atwiki.jp/sentai-kaijin/pages/5215.html
「ハッハッハ愚かなやつだ。だがこれはいい…!」 【名前】 ハリガネ邪面 【読み方】 はりがねじゃめん 【声優】 大谷秀一郎 【登場作品】 魔進戦隊キラメイジャー 【登場話】 エピソード40「痛む人」 【所属】 ヨドンヘイム/ヨドン軍 【分類】 邪面師 【素体スーツの色】 黒 【手袋/マント/ブーツの色】 黒/黒(裏地は赤)/黒 【邪面】 針金→線状に細長く伸ばされた地球の金属 【担当邪面獣】 邪面獣ジイシキシェルガ 【作戦名】 純粋な地球人の心につけいる作戦(仮) 【一口メモ】 八太の面影を持つジイシキシェルガには攻撃できまい 【モチーフ】 ハリガネ、ピエロ? 【詳細】 ベチャットが地球の金属「ハリガネ」を模した邪面をかぶって昇格した邪面師。 長い長いハリガネをピエロの頭のような形に形成したような邪面を被り、自分自身に針金を巻きつけることで自由自在に変装する能力を持つ。 男性体だが、ヨドンナのような女性にも難なく変装することが可能で、性別まで偽る優れた擬態能力、演技能力を持つ。 邪面以外の素体は黒ベースだが、邪面もまた針金の隙間から真っ黒な芯?が見えるため全体的に暗く不気味な姿をしている。 後述する作戦を考えてみると、いびつなハートマークにハリガネを巻きつけて顔にしているように見えなくもない。 「カロリー君」という子供に化けて漫画家志望の八太三郎という男性に接触し、彼を利用して邪面獣を作り出そうと目論む。 エピソード38でヨドンナが持ち帰ったカナエマストーン・イリュージョア。 魔性を司るその石に興味津々のクランチュラは、その特性を利用した作戦を思いつき、それを担当させる邪面師としてハリガネ邪面を用意した。 人間が抱える闇エナジーを利用し、イリュージョアの力を注ぎこむことで人間を邪面獣へと変える。 それがうまく行けば邪面師に闇エナジーを集めさせる必要もなく、地球にいる人間を利用して邪面獣を次々に生み出し征服も容易い。 そういったクランチュラの考えを実行するにふさわしい邪面師としてヨドンナらの前に現れ、彼女に化けてみせる。 変装の仕組み上、体のどこかに針金の先端がはみ出してしまうという欠点もあるが、絆創膏で隠れるレベルなのでその擬態を見破るのは難しい。 擬態中は声までも変わってしまうため、何も知らなければ目の前の人間が邪面師と見抜くのも不可能だろう。 「カロリー君」という名前でイラストをアップするサイトに登録し、その絵の美麗さに感動した充瑠と接触を持とうとする一方、ベチャット達に人間達を集めさせて品定めをしていた。 しかし満足の行く対象が見つからず、当初の作戦に従事しようと立ち去ろうとしたところを駆けつけたキラメイジャー達と交戦する。 ベチャット達に対処させ、そのスキにキラメイブルーに化けると同士討ちを誘発させ、自分自身は隠れてその様子をあざ笑い、充瑠との待ち合わせへと向かった。 そしてカロリー君として充瑠を八太三郎という男性と合わせ、彼が描く作品を充瑠と共に褒めちぎって希望を持たせていき、そして彼の描いた作品を新人漫画家を対象とした賞へと応募させる。 すっかり友達としての信頼を勝ち得ていたハリガネ邪面は、もし賞を取ったのならこれからも友達でいてくれるかという三郎の問に快く応じていたのだが、 彼の作品が落選した上、絵について酷評され激しく傷ついた彼の前に現れると、増大した闇エナジーとイリュージョアの力を組み合わせることで邪面獣ジイシキシェルガを作り出すことに成功。 邪面獣の頭に乗って破壊活動を行う様子を笑っていたが、そこへキラメイジンとギガントドリラーが駆けつける。 今までとは違う異様な姿の邪面獣に面食らうキラメイジャーだったが、邪面に組み込まれた物体から邪面獣が三郎と関わりがあることを見抜いた充瑠は魔進ザビューンを呼び出してロレンチーニサーチを依頼。 それによって邪面獣の中心部に三郎が取り込まれていることがわかり、攻撃できなくなる充瑠達だったが、友達として側にいた記憶を守りたいがために邪面師とわかっても自分を守ろうとする三郎を上述のセリフであざ笑う。 しかしギガントドリラーのドリルで開けた穴からキラメイジンダストンのダストンキューイングで三郎を奪還され邪面獣が撃破されると共倒れを避けるため、自分だけ近くのビルの屋上へと飛び退る。 三郎を利用していたハリガネ邪面に怒り心頭の充瑠は即座にハリガネ邪面を追いかけ自ら屋上へと移動。 カロリー君として接していた情を利用しようとして、その声色を使って充瑠を懐柔しようと試みるも、その行為は火に油を注ぐだけであり、ゴーキラメイレッドへとパワーアップした充瑠にキラフルゴーアローを突きつけられる。 逃げ場のない状態に慌てふためいていたがそこへヨドンナが現れたことで、自分を助けてくれるのではと淡い期待を抱くも、彼女はイリュージョアを回収しようしただけであり、 石を回収したヨドンナから「やくたたずに要は無い」と見捨てられることとなり、希望が潰えた瞬間充瑠が放ったスパークリングフェニックスに貫かれ爆散した。 偽りの希望を見せ人の心を弄んだ邪面師の最後は、あるはずのない勝手な希望を抱くもそれはただの幻でそのまま絶望を抱え逝く、という因果応報なものとなったのだ。 【余談】 黒ベースの素体はゴルフ邪面からの引き継ぎ。 ラグビー邪面→フリーザー邪面→リセットボタン邪面→スミカエ邪面→キンコ邪面→キョウリョクセッチャクザイ邪面→ゴルフ邪面と推移している。 そのうち幹部に粛清された邪面師が2体いるのが何とも… 針金モチーフの怪人はあまり例がなく、百獣戦隊ガオレンジャーに登場したハリガネオルグ以来となる。実に20年ぶり。 さらに秘密戦隊ゴレンジャーの仮面怪人にも「針金仮面」という怪人が存在するが、SL邪面などと同様にそのオマージュと思われる。 コレまでの邪面師と異なり、作戦の都合上ではあるがたった一人に目をつけ作戦を遂行していた邪面師。 エピソード40序盤で5人ほど人間を捉えていたが、それ以前からカロリー君を名乗って八太三郎の友達として信頼を勝ち得ていたことを考えるとやや矛盾が生じる。 もしかしたら三郎以外にイリュージョアを使えそうな人間を予備として確保しようとしていたのかもしれない。 なお同話の終盤で現れたヨドンナを助けに来たのではと勝手に希望をいだいていたが、これまでのヨドンヘイムのブラックっぷりを思い出すと、 よくそんな希望的観測が出来たものである。 その分、自分自身の行いがブーメランとして刺さる最期になったわけであるが。
https://w.atwiki.jp/kakiterowa4/pages/124.html
少年は――――傷ついていた。 全身には所々生々しい傷が付いており、そのどれもが赤く濁っている。 息は荒く、視界は霞み、立っているのがやっとという状況。 それでも、少年は前に進む。 ズタボロの体をギクシャクと動かしながら、前に進む。 「うがっ」 邪気のような何か、黒くて禍々しいものが体をつきあげる。 ふわり、と浮遊感を覚えた後、胃液を吐き出す。 そして重力に導かれるように、地面へと落ちていく。 やっとの思いで立ち上がったというのに、少年はまた地面に伏してしまう。 それでも、前に進むことをやめない。 地に伏しても、血を吐いても、骨が軋んでも。 立ち上がり、前へ進む。 そんな彼をあざ笑うかのように、力は飛んでくる。 「おう゛ぇ」 ほぼ無抵抗のまま、少年は後ろに吹き飛ぶ。 それでも、少年は進むことをやめない。 ふわりとした金髪、銅の鎧と羽を持つ男。 それが、少年の向かう先。 彼を今もなお傷つけ続けている男。 そこが、目的地。 少年の姿を見ても、男は攻撃の手を緩めない。 目はすっかり冷めきっていて、頬は笑いの一つも浮かべる様子はない。 ただ、そこにあるのは憎悪。混じり気のない負の感情。 男は――――誰よりも彼を書くのが上手かった。 バトルロワイアルパロディの始まり、オープニング。 その作品において、圧倒的な迫力を生み出し、本編が始まってなおも彼の魅力を引き出していく。 だからだろうか、彼の気持ちが分かりすぎると行っても良いほど、男は彼だったから。 その憎悪まで、その身に受けようとしているのか。 分からない、が、男は今その憎悪を体に宿している。 憎い、全てが憎い。 だから、全てを壊す。 そんな男に、少年はただただ立ち向かう。 力を振るうわけでもない、声を上げるわけでもない。 ただ、前へ進んでいく。 どれだけ苦痛が襲い掛かり、体がボロボロになり、後ろへ跳ね除けられようとも。 一ミリでも良い、前へ前へ進んでいくだけ。 前へ進む、後ろに吹き飛ばされる。 前へ進む、後ろに吹き飛ばされる。 前へ進む、後ろに吹き飛ばされる。 何度となく繰返される攻撃に、身体はボロ雑巾以下に成り果てていた。 それでも、少年は辿り着いた。 「やっ……とだ」 醒めた表情で自分に攻撃を加え続けていた男の目の前に。 一ミリでも前に、繰り返し繰り返し進み続けて。 ようやく辿り着いた。 男は、冷めた表情を崩さない。 目の前に立っている少年に対し、とどめの一撃を打ち込もうと力を溜める。 「これ……で……」 ぎゅっ 「だきし、めら、れる」 腹部の辺りに、やわらかい何かが当たってくる。 視線を下に向けると、少年が自分の腹部に抱きついていた。 ◆w3jhWtfiTIこと反旗編「野望」は、恐れていた。 ここは殺し合いの場、誰も彼もが人を殺してしまう可能性がある。 そして、それを恐れていた。 自分が殺されること――――ではなく。 誰かが、誰かを殺してしまうことを。 人が冷たくなるのを、誰かが知ってしまうことを。 「野望」は知っている、人の持つあたたかさを。 だから、そのあたたかさを忘れてしまいそうな人を。 抱きしめてあげようと、思っていた。 そんな矢先に、男――――リクス・エレニアックに出会った。 躊躇いもなく襲ってきたリクスに、「野望」は確信した。 彼は、知らないと。 この身体なら、生き残れるかどうかは怪しい。 ならば、成し遂げよう。 ひとのあたたかさを、つたえるということを。 そして、少年は。 あたたかさを抱いたまま、男の前で眠るように息を引き取っていった。 溜めていた力を戻す。 少年が息を引き取ったのを感じ取ったからだ。 すぐさま、次なる場所へと向かおうとする。 その時、顔から何か液体が零れているのに気づく。 グローブに包まれた手で、それを拭っていく。 無色、透き通った液体を目にし。 「……つまらん」 男は、少年を振り払って前へ進んだ。 ――――願わくば、男の心に一片のあたたかさが宿りますように。 【反旗編「野望」(◆w3jhWtfiTI)@俺ODIOロワ 死亡】 【一日目・黎明/G-7/巨大方位磁針の真ん中くらい】 【リクス・エレニアック(◆6XQgLQ9rNg)@RPGロワ】 【状態】憎悪 【外見】オルステッド@LIVE A LIVE 【装備】不明 【持物】基本支給品、不明支給品(1~6) 【思考】 基本:憎む 068 それでも、台車は走り続ける ◆時系列順に読む 073 運命を分ける意思 069 贖罪の代理人――生まれ変わった侍 ◆投下順に読む 071 夢追いの男 リクス・エレニアック 085 RPGロワ、『君を』待ち続ける 反旗編「野望」 死亡
https://w.atwiki.jp/higashino_eden/pages/28.html
5スレ目の827氏に感謝! 827 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 04 43 11 ID nzmeER7U OPの文章って既出? 一応解読してみたのけど 明らかに読める所とか重複してるのは省略 東のエデン 5日目 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239473530/ (※画像はクリックすると拡大表示されます) I saw you in Heaven and heard of your glory You saved our world from the fallen angels I saw Messiah standing Standing before me with no words Nothing but "Hope" When we lost dread, a Demon was laughing But now you are showing us wonder Giving your love With awe, down on my knees again I ve got to know you re the one The only one reveals the world 適当訳 私は天であなたに会い、あなたの栄光を聞きいた あなたは堕天使達から世界を救ってくれた 私はそこに救世主の降臨を見た 言葉もなく私の前に立つその姿を(あなたは私の前に立ち言った) あったのは希望だけ(ただひとこと“希望”と) 恐怖すら亡くした時 悪魔があざ笑う けど今あなたが奇跡を見せてくれている 私に愛をくれる 畏怖と共に、もう一度ひざまずく 私は理解する、あなたが唯一無二の存在なのだと この世界を確かにする、唯一無二の存在なのだと The King has come! To lighten up our feet The king has come! With justice till the end The King has come! To save us from the dark Who could ever doubt? We have faith 王は来たれり! 私たちの歩みを軽くする為に 王は来たれり! 終わりの時まで正義と共に 王は来たれり! 私たちを暗闇から救い出す為に 誰が疑えるだろうか? 私たちには確信がある Let me walk with you when I m lost in the wild I know you always lead me to another Eden Let me bless your name, O Lord, O Lord Your words will never fade away Since we believe you re the light on earth Reveals the world 荒野で迷子になったとき、どうかあなたと一緒に歩ませてください あなたが他のエデンへ導いてくれる事を知っています さあ、あなたの名前を祝福させて、ああ、主よ、ああ、主よ あなたの言葉は決して消え去らない 地球上の光と思っているから 世界を明らかにして 10スレ126氏版の訳(+149レスでの修正) 天国で君と出会って 君のすばらしさを知ったよ 君は堕天使たちから私たちの世界を救ってくれた 私は立ち上がる救世主に出会ったの (救世主は)”きぼう”という 言葉だけを抱いて 私の前に立っていた 私たちが、おそれることを止めたときは、悪魔がわらっていた だけど、今、君は私たちに不思議を示してくれた 君の愛をささげることで おそれを抱いて、私は再びひざまずく 私は君が、かけがえのないない人だってことが分かったの たった一人の世界(の秘密)をあばく人だと 王は来たれり!足元を照らしに 王は来たれり!この世の終わりまで続く正義を持って 王は来たれり!暗黒から私たちを救いに 疑いようがないことでしょう?私たちは本当のことを知っている 私が荒野で道に迷った時は、君といっしょに歩かせて 私は君がいつでも、もうひとつのエデンに 導いてくれることを知っている 君の名前を祝福させて、おお主よ、おお主よ 君の言葉が消え去ることはないでしょう 私たちは、君が世界(の秘密)をあばく地上の光だと 信じているのだから OPの文字は本編で流れる挿入歌の歌詞だった 今のところ1話のタクシーのなかでサビの部分 6話のショッピングモール終盤で全曲が聞ける 最終回で出てきたクレジットによると 挿入歌「Reveal the World」作詞 円谷一美 作曲 川井憲次 だそうです タクシーで流れてる曲、なんだろう ■番外編:オープニング映像に隠されたもの(神山監督による解説 東のエデン特集ページより) Q オープニング映像に英語の文字が現れますが、いったい何と書かれているのでしょう? A オープニング映像には本編でも使用している楽曲の歌詞が出てきます。 第1話で咲がホワイトハウスへ向かうタクシーの中や第6話の花火のシーンでも流れるゴスペルの曲で、 歌詞の内容は、滝沢のことや、この物語全体に流れるテーマを表しています。 Amazon.co.jp「東のエデン」特集ページ
https://w.atwiki.jp/bjkurobutasaba/pages/476.html
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/03(日) 22 31 09.87 ID MxVwPJs9O その傍らで、変態による一方的な虐殺を見ている者達がいた。 そう、ルルイエの偵察員カエルと敗北したシベリアから来たまさよである。 時に一兵士となり、時に農夫となり彼らは常に戦争を見ていた。 特にカエルは戦争の前兆の詳細すら把握し、余すことなくルルイエに伝えていたのだ。 だが、ルルイエは動かなかった。 戦争が不得手なのではない。 むしろ内政さえ行えば力押しでさえ脅威になる。 しかし、彼らはこの変態と世界の争いを遊戯としか見てなかったのだ。 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/03(日) 22 47 28.14 ID MxVwPJs9O 最初は五条と変態の争いから世界の危機を感じ取ったカレーからネイティオ神が来た。 「このままでは世界のパワーバランスが崩れてしまいます……。少しでも力を貸してください……」 その願いは見る者の涙を誘うものだった。 そして、ルルイエはその話を聞くや否や意見は1つに纏まった。 「五条の邪魔をしよう」 ネイティオ神にはその意見は理解しがたいものであり、呆然としたままカレーへと帰った。 故に五条は敗北し、ぽぬは敗れた 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/03(日) 23 03 26.07 ID MxVwPJs9O カエルはそれを択一ルルイエに報告していた そう、油断したネイティオ神を追ってカレーへと潜入していたのだ そして、カエルの報告はルルイエの話題の中心になっていた 当然、その中で賭事も横行した 変態が世界を征服するか、それともどこかの国が討ち滅ぼすのか 無論、前者の方が多く、後者にルルイエの名はない その世情を聞いたルルイエの上層部は会議を始める 誰がどこにかけるのかは勿論、どこが盛り上がったか、どこをより面白おかしく使えるのかと言った世界の危機をあざ笑うものや どの国を支援し、同盟を組むように進め、亡国の民を救済し、各国の兵士をまとめ上げる手段等の極めて現実的なものまで それらは会議としての体をなさない様々な知恵や知識、主義、思想の坩堝でしかなかった だが、誰もそれを気にすることはなく、ただ1人がどのように決断することにのみ関心を向けていた そう、ナナコだ 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/03(日) 23 24 05.19 ID MxVwPJs9O ナナコはその会議を見ながら、聞きながら、突然、手に持った賽子を投げ出した それも力一杯投げたため、広い会議室の中程まで飛んだ 「数字は何が出やがりましたか」 既に静まり返った会議室でわくわくさんが走る音が響く 「・・・2です」 ナナコは右から2番目の人物――黒豚を見て 「これからネトゲをするので後は任せましたあ」 と言うと、手元にあった漫画を置いて帰っていった 黒豚は漫画を手に取ると今までがそうであったかのように口を開く 「次はシベリアが狙われるだろうし・・・五条とカレーの人たち呼ぼうかー」 そして、なんやかんやで世界は救われた 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/04(月) 00 21 59.47 ID /hvsObzs0 ルルイエの部分だけ補間 あと一つ何か一つ決定的に足りなかった 深海に沈む国ルルイエを浮上させるのに重要な何かが 平時それでもルルイエを活気づかせるものが二つ…いや、三つだけあった 「とりあえず五条」と「略奪」そして「祭り」だ 「五条以外の国妨害したって糞ほどにも面白くねーです」 ナナコは去り際そう言った 「ランキングが面白いわけでもないしな」 黒豚が賛同しいそいそとラグビーの試合に備え体を鍛えようと去る 別に変態が統一しようがしまいがどっちだっていいのだ その時誰かがポツリと漏らした 「そろそろ100年じゃね?」 ルルイエ民に衝撃が走った----100年、そう祭りの時期だ 「100年に一度目覚める国」と呼ばれ幾年、節目節目で覚醒しては各国の資源を奪い尽くし イナゴの群れのように統一をかっさ らってはまた眠りにつく。 その年がやってきたのだ。 「やりますか」誰ともなく言うとわくわくさんは嬉々としてナナコ総帥や黒豚といった面々を起こしに行く 「同盟は?」「総帥の投げたサイコロ2だった。緑でいい」「それがいい」 徐々に…着実に…確実に活気を取り戻すルルイエ ナナコを始め古き者どもも戻ってくる 「行きますよおめーら、久しぶりの祭り。せいぜいぱっと散りやがれです」 変態の統一大きな壁としてルルイエが 立ちあがった瞬間だった
https://w.atwiki.jp/erayasai/pages/97.html
キャラ:妹紅 ベッドで座っていると、妹紅が横に腰をかけてきた 用があるのかと、顔を向けるがそっぽを向いて黙っていた 妹紅と同じ方向を向いていると、妹紅が隣に擦り寄ってきた 「あー・・・・・・」 何かと思って顔を見ると、妹紅はそう言って赤い顔を逸らした 目を逸らすと妹紅は腕に抱きつくように擦り寄ってくる 体を捻って、妹紅を抱き寄せることにした・・・・・・ -- (中の人(空っぽ)) 2009-07-09 01 17 27 キャラ ヤマメ %CALLNAME MASTER%が部屋に戻ると、ベッドにヤマメが腰掛けていた。 ぽんぽんと自分の横を叩くヤマメの隣に座り、何を話すでもなく、壁や天井を見つめる。 ふと、手に柔らかく暖かいものが乗った。 見るとヤマメが手を重ね、微笑を浮かべて%CALLNAME MASTER%を見つめている… %CALLNAME MASTER%はヤマメの手を取り、すっと身体を引き寄せた。 包み込むように抱き、目を見つめる。 どちらともなく目を閉じ、互いの距離がなくなった… 唇をついばみ、なぞるように舌を動かし、挿し入れ絡めあう。 ぴちゃぴちゃと音がするたび、吐息が漏れ舌の動きが激しくなる。 息を荒げ顔を離すと、互いの唇には一本の糸がかかっていた。 ヤマメの微笑は先ほどよりも一層、喜びと興奮が増しているようだった… ふ、と微笑み、肩を抱いていた手を放すと、そのままヤマメはベッドに倒れこんだ。 ぽすっと軽い音がし、ヤマメは手を上に投げ出した体勢になる。 %CALLNAME MASTER%はヤマメの頬に手を沿え、再び口づけた… 唇を離すと、濡れた瞳が%CALLNAME MASTER%を捕らえる。 「%CALLNAME MASTER%」 ヤマメの手が%CALLNAME MASTER%の背に回される。 『「好きだよ」』 重なる声に笑みを浮かべ、%CALLNAME MASTER%はヤマメの服に手を掛けた… -- (nnsm) 2009-07-09 02 01 03 キャラ:紫 夏の熱気が残る夕暮れ。 涼を求めて縁側に出た私を気休め程度の風鈴が出迎える。 「ふぅ……」 吹き込む風が体を撫で、熱気を拭い去っていく。 後ろに手を付き、目を閉じて風を受けていると、不意に風が凪ぐ。 どうやら誰かさんがちょっかいを書けに来たらしい。 足音や気配は消しているようだけど、物理的な存在は誤魔化せない。 「ゆかり……」 私が声を掛けるのと同時に、背中からふわりとその人の体温が包まれる。 時と場合によっては安心できるこの温度も、今は暑苦しいだけ。 「……何よ」 「暇なのよねぇ」 そう言って、私の後ろに取り憑いた妖怪は更に体を押しつける。 暑苦しさは更に増し、イヤミのような塊が背中に当たる。 「ちょ、ちょっと、近いわよ」 「良いじゃない。私と貴方の仲でしょ?」 肩にあご乗せた彼女が、質の悪い笑みを浮かべる。 耳元に掛かるこそばゆい吐息から逃れようと顔を背けるが、反対側に回された彼女の腕がそれを許さない。 仕方なしに彼女の方へ顔を向けると、視界の端に彼女の端正な顔が映る。 あまり人のことは言えないが、黙ってさえいれば美人だ。 「そういう気分じゃないの」 「あら、残念」 口でそう言って手を出すのが彼女。さあ、今日はどこからかしら。 ……と、身構えたのだが、一向に彼女は動かない。ただ、後ろから寄り添うだけ。 襲われるものとしか考えていなかった私は、どうして良いか分からず固まることとなり、彼女も動かない。 「……っ」 「……♪」 ぴったり引っ付いてじっとしていれば体温が上がるのは道理だが、それにしても体が熱くなりすぎている。 チラリと彼女の顔を覗けば、涼しげな瞳と目が合い、慌てて元に向き直る。 また一段と体温が上がったような気がする。耳の奥で鳴り響く心音も徐々にテンポを増していく。 「ゆ、ゆかりっ」 「なぁに?」 耐えきれず口を開けば、飛び出るのは熱を帯びた上ずった声。 「し、したいんじゃ……ない、の……?」 「ええ、したいわ」 「ひぁっ――」 ストレートな言葉と同時に、彼女の吐息が耳に吹きかけられる。 背筋を這い上がる悪寒に身を震わせている間に、体の向きを反転させられ、彼女を向き合う格好になる。 「でも、貴方はそんな気分じゃないんでしょう……? ふふっ」 彼女の表情を真っ正面から臨んでようやく理解した。 焦らされ、遊ばれたのだと。 「……気分が変わったわ」 「やん♪」 苦し紛れに彼女を押し倒す。 彼女に良いように動かされているのが癪だが、こうでもしないと収まりが付かない。 そして、楽しげに釣られた私をあざ笑う不届きな唇を、同じ唇で塞いだ…… -- (yukaten) 2009-07-09 02 45 50