約 314,589 件
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/218.html
推理小説の本棚 有栖川有栖 (ありすがわ ありす) 1959年大阪市生まれ。同志社大学在学中より推理小説研究会に所属し、創作などで活躍。 綾辻行人に続きデビューし、新本格の旗手として認められる。また、エラリークイーンに傾倒し自らの作風も緻密な論理的構成に基づくものが多く、「平成のクイーン」とも呼ばれる。 その作品には二つのメインシリーズが存在する。ひとつは、英都大学推理小説研究会(EMC)部長の「江神二郎」と、ワトソン役として作者と同姓同名の後輩、「有栖川有栖」のコンビが活躍する「学生アリス」シリーズであり、もうひとつは英都大学社会学部助教授である「火村英生」とワトソン役であるこれまた作者と同姓同名の推理作家「有栖川有栖」のコンビが活躍する「作家アリス」シリーズである。ちなみに火村英生は実際の事件捜査にフィールドワークとして加わっていく研究スタイルから、パートナーである有栖川有栖によって、臨床犯罪学者と呼ばれている。 また、「作家アリスシリーズ」中には、エラリークイーンの国名シリーズのひそみに倣った「国名シリーズ」と呼ばれるシリーズも含まれる。 もちろんこの二大シリーズ以外の作品も多数発表している。 関連リンク 有栖川有栖データベース 有栖川探偵小説事務所 有栖川有栖先生の未収録作から新作情報、作品の書評記事に至るまで、あらゆる情報探索とその整理をされているサイトです。個人運営でされているようですが、ここを押さえておけば間違いないでしょう。 猫をもう一匹だけ りみさんとりょうさんが運営されている有栖川有栖先生のファンサイトです。愛を感じます。学生アリスシリーズをモチーフにしたFLASHや「アリスでクッキング♪」のコーナーなど、有栖川先生ファンなら頬がゆるむこと請け合いです。また、本の感想ページはWiki形式で独立していますが、TOPからたどることができます。 読んだ作品リスト 学生アリスシリーズ 月光ゲーム―Yの悲劇’88 孤島パズル 双頭の悪魔 女王国の城 作家アリスシリーズ 46番目の密室 ダリの繭 ロシア紅茶の謎 海のある奈良に死す スウェーデン館の謎 ブラジル蝶の謎 英国庭園の謎 朱色の研究 ペルシャ猫の謎 暗い宿 絶叫城殺人事件 乱鴉の島 その他 壁抜け男の謎?
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/211.html
推理小説の本棚 北村薫 (きたむら かおる) 北村薫. (2008, 9月 19). Wikipedia, . Retrieved 14 35, 9月 20, 2008 北村薫(きたむら かおる、1949年12月28日 - )は日本の小説家、推理作家。埼玉県生まれ。本名は宮本和男。早稲田大学第一文学部卒。 早稲田大学在学中はワセダミステリクラブに所属。卒業後、母校である埼玉県立春日部高等学校の国語教師をしながら(1980年〜1993年)、1989年覆面作家として『空飛ぶ馬』でデビュー。1991年に『夜の蝉』で第44回日本推理作家協会賞(連作短篇集賞)を、2006年に『ニッポン硬貨の謎』で第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)・2006年版バカミス大賞を受賞する。代表作『スキップ』等で、直木賞最終候補作に五度選ばれている。また、本格ミステリ作家クラブ設立時の発起人の一人であり、初代事務局長を務める。2005年、同クラブの会長に就任する。 推理小説の執筆だけではなく、推理小説に関する評論やエッセイも多い。また、鮎川哲也の短編集(『五つの時計』・『下り“はつかり” 』-ともに創元推理文庫、1999年)の編集を行なったり、自らアンソロジーを編んだりと、編集の分野でも活動している。 また、早稲田大学旧第一文学部文芸専修において創作指導もしていた。 覆面作家としてデビューし、当初はその正体が色々と推理された。デビュー作『空飛ぶ馬』から始まる一連の『円紫さん』シリーズの主人公である「私」(名前は明かされていない)が女子大生であり、文章や視点なども女子大生を髣髴とさせるものがあるという事で、作者もまた女子大生なのではないかという説が有力視されていたが、『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞した際に、自らの素性を明らかにした。 関連リンク 北村亭 やまとさんが運営する、北村薫先生のファンサイトです。最新情報やデータベースはもちろん、各種投票や「北村試験」なるコンテンツなど、ファンの方が楽しめるコンテンツもたくさんあります。 読んだ作品リスト 円紫さんシリーズ 空飛ぶ馬
https://w.atwiki.jp/akazunoma/pages/55.html
715 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/11/13(月) 21 41 09 ID G5K3spICO 俺の実家にもあかずの間があった 開かずの間って言うより 開かずの蔵だったんだが毎日の様に爺さんに 蔵は開けちゃならねぇと言われていた 開けちゃダメだと言われると余計に開けたくなるのが人情で 兄貴と協力してこじ開け様としたんだが かなり頑丈なカギで バールでこじ開け様が バットでブッ叩こうがびくともしなくて 子供の力じゃ無理だとその時は諦めた 俺が高校生の時、爺さんが亡くなり四十九日過ぎた頃に 遺産分与の件で例の蔵を開ける事になった 開けてみると・・・ ビックリ、出るわ出るわ拳銃やら手榴弾、日本刀にドス 婆ちゃんを問い詰めた所、爺さんは昔極道で 潰した組から戦利品として拳銃等を巻き上げて コレクションしていたそうだ 警察が来たりで大変だったよ 721 名前: 715 投稿日: 2006/11/14(火) 02 25 47 ID NzMmtoVH0 717 俺も拝借しようと思ったんだが 家宅捜索までされたよ結局、爺さんは銃刀法違反 被疑者死亡のまま書類送検だw 718 ドイツ製のやつとかコルトもあったな 詳しくはわからん 719 優しい爺さんだったんだけど 背中に虎の彫り物と刀傷があったり、左腕が無かった 当時は昔漁師やってて、事故にあった時の判別様の彫り物だと 聞いて信じていたが・・・左腕も日本刀相手に素手で喧嘩して 切り落とされたらしい・・・
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/149.html
夢野久作 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 夢野久作 発行元 : 角川書店 文庫版発行(上下巻) : 1976.10 * 初版刊行は1935年1月、松柏館書店より書き下ろし作品として。 小栗虫太郎「黒死館殺人事件」、中井英夫「虚無への供物」と並んで「日本探偵小説三大奇書」と称される作品。構想、執筆には実に10年以上の歳月がかけられており、夢野久作はこの作品を発表した翌年、1936年3月11日、脳溢血により急死している。 あらすじ 以下、文庫版裏表紙より引用 「ドグラ・マグラ」は、昭和10年1500枚の書き下ろし作品として出版され、読書界の大きな話題を呼んだが、常人の頭では考えられぬ、あまりに奇抜な内容のため、毀誉褒貶(きよほうへん)が相半ばし、今日に至るも変わらない。 〈これを書くために生きてきた〉と著者自ら語り、10余年の歳月をかけた推敲によって完成された内容は、著者の思想、知識を集大成する。 これを読むものは一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書。 引用終わり 精神病院の一室で目覚めた「私」には記憶がない。 その部屋を囲むコンクリート壁の向こうからは若い女の叫びが「私」に呼びかける。 「……お兄さま。お兄さま。お兄さま、お兄さま、お兄さま、お兄さま、お兄さま。……モウ一度……今のお声を……聞かしてエーッ……」 愕然とする「私」に更に語りかけるその声。 「……あたしはお兄様とご一緒になる前の晩に……結婚式を挙げる前の晩の真夜中に、お兄様のお手にかかって死んでしまったのです。……それがチャント生き返って……お墓の中から生き返ってここにいるのですよ」 その後病室に現れた、大学の医学部長、若林に導かれ、何が正常で何が狂っているのかわからないまま、自分の正体を追いかけ始める「私」 その「私」の前に、若い精神病患者である大学生が一気に書き上げたものだという「ドグラ・マグラ」なる大部の原稿が現れ、現在、そして過去の事件があらわになるにつれ、現在の事件の犯人「呉一郎」こそが「私」の正体であるような……でもやっぱりそうでないような……。 進めば進むほど迷宮の深部にはまり込むような錯覚。 なにが現実なのか、すべてが夢なのか、時の流れとは何なのか、「私」は誰なのか。 ……「私」など存在しているのだろうか? すべては「胎児の夢」……? 現実と夢 現実と虚構 現在と過去 すべてが渾然と語られる、奇書の名にふさわしい物語。 書評 胎児の夢 胎児よ 胎児よ 何故躍る 母親の心がわかって おそろしいのか この冒頭歌から始まるこの作品。 私にとって、小栗虫太郎先生の「黒死館殺人事件」に続く三大奇書への挑戦です。 お断りしておきますが、今回は書評の体裁にならないかもしれません。 なぜなら、とても初読でわかったようなことは書く気にならないからです。 と、こう書くと黒死館殺人事件を読んだ人、もしくはこのサイトの黒死館殺人事件の書評を読んでくださった方なら「これもまた、まったく訳のワカラン本なのか!?」と思われるかもしれませんが、それは間違いです。 「黒死館」は全編にわたるペダントリーによって、真剣に読んでもそもそも言葉の意味がわからないことだらけで、どうにも太刀打ちできない、といった意味のわからなさだったのですが、意外にもドグラ・マグラは一部を除いてそれほど難しい文言や文章ではありません。一部研究論文めいた部分がありますので、そのあたり最近の軽い文体の物語しか読まない人にとっては多少しんどいかもしれませんが、それでも少々読みにくいというレベルですので、くれぐれも「難しそうだからパス」という結論は出さないでいただきたいです。 一読者の私がそれほど押しつけがましい言い方をするほどに、この本には一読の価値があります。 ただし、なんと言っても「三大奇書」です。 普通の本格ミステリを読むつもりで読み進めてしまうと、あまりの怪奇的な展開にかえって「これはルール違反だ!」なんていって放り出してしまうような気もいたしますので、あくまでも「奇書」を読み解くのだ、という感じで読んでいただければよいのではないでしょうか? では、どの辺が奇書なのでしょうか? ストーリー? いえいえ、この物語の物語的な大枠は、記憶喪失の「私」が誰なのか、「私」は殺人犯だったのか、同じ精神病院に入れられている美しい女性は、本当に「私」の許嫁で……そして、「私」は彼女を「殺した」のか? といった感じで、ちょっとサイコホラー的な香りはするけれど、充分推理小説だと言える枠組みなのです。 じゃあ、オカルト的なの? いやぁ、これも私は違うと思います。決して、オカルトでもホラーでもありません。この大部の作品のかなりの部分を占めているのは「科学」なのです。それも昭和初期の一作家が書いたとは信じられないほどの克明さと、高い見識に依った精神医学、遺伝と進化、「夢」の構造、脳髄論なのです。〈現代科学に照らして「正確」という意味ではありませんが〉 結局、この本の「奇書」たるゆえんは、上のあらすじの最後に書いたことに重なると私は思います。 現実と夢、現実と虚構、現在と過去、そのすべてがいろんな色の絵の具を軽く混ぜた状態のように、不調和なまだらを描きながらも、その全体が明らかにひとつの模様として読者の観念を塗りつぶしてしまうのです。 この物語の前半には「ドグラ・マグラ」なる精神病患者の青年が書いた原稿が登場します。 そして、その作中作の「ドグラ・マグラ」の記述なのか、作中の現実として書かれているのか必ずしも判別できない状態で、大学の精神病科主任教授の正木先生の行動記録や論文、取材記事らしき文章が登場します。 「キチガイ地獄外道祭文」 「地球表面は狂人の一大解放治療場」 「絶対探偵小説 脳髄はものを考えるところに非ず」 「胎児の夢」 「空前絶後の遺言書」 これらのタイトルをみただけでも頭がクラクラしそうですが、問題は書かれていることが、非現実的なのに「とても科学的説得力がある」ことなのです。私の場合、途中で推理小説を読んでいるという感覚すら忘れて、その論文に読みふけっていました。 そして、その世界に深く足を踏み入れた結果、物語の一見支離滅裂な構成も、時間の観念を無視したような場面転換も自然な流れとして吸収され、そして後半で語られる楊貴妃の時代の殺人者「呉青秀」の事件と「腐敗美人図」と現在の殺人者「呉一郎」とその奇妙な犯行の心理遺伝的つながりなどという、一歩間違えれば荒唐無稽以外の何者でもないような展開さえ自然に受け入れてしまっていたのです。 さらに二転三転する物語を整理すればしようとするほど、自分がまさしく「胎児の夢」を見せられているような錯覚にさえ捕らわれます。 まるで、夢と現実を区別すること、現実と虚構を見分けること、時間の観念……そういったものすべてが無意味であると刷り込みをされているような感覚です。 ああ……。 書いていてわけがわからなくなってきました。 あらかじめ書評の体裁をなさないと断っておきましたので、この辺でご勘弁ください。 またいずれ再読します。 その時にはもっと書評らしく書けるかも。 ……といいつつ、もっと深い迷宮に捕らわれそうな予感も……。 奇書ですよ? 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/195.html
倉知淳 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 倉知淳 発行元 : 東京創元社 単行本発行 : 1996.6 文庫版発行 : 2000.7 ぐうたら占い師「辰寅叔父さん」と女子大生の「美衣子」のコンビが活躍する、安楽椅子探偵スタイルの連作短編集。 掲載作品 三度狐 水溶霊 写りたがりの幽霊 ゆきだるまロンド 占い師は外出中 壁抜け大入道 あらすじ 以下 文庫版裏表紙より引用 渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には、今日も怪現象に頭を悩ますお客さんがやって来る。そんな彼らの相談に応えて占い師が口にするのは、奇妙な霊や妖怪の名前ばかり。それらは全部インチキだが、しかし彼の「ご託宣」はいつも見事に怪異の裏に隠された真実を突く。始終寝ている占い師・辰寅叔父の、心優しき安楽椅子探偵連作集。 以上 引用終わり 書評 謎解きよりも、問題解決方法の妙を楽しみましょう 猫丸先輩シリーズで人気の倉知先生の連作短編集です。 どうしても猫丸先輩シリーズと比べてしまいますが……。 正直初めの方は、この本、別に猫丸先輩シリーズとして書かれてもいいんじゃないの? と感じていましたが……。 主人公で探偵役の「辰寅叔父」は、どことなく猫丸先輩を彷彿とさせます。まあ、本文中で辰寅叔父を形容して「年とった駄猫」との表現が多用されるからかもしれませんが、猫丸先輩が年の割に俊敏で、好奇心旺盛な猫っぽいイメージであるのと裏腹に、辰寅叔父はもはや老境を迎えてふてぶてしく寝続ける、まさに「駄猫」 そんな辰寅叔父を事件の前に引っ張り出すのが、上京してきた姪っ子の美衣子です。彼女は女子大生ながら、辰寅叔父の占い所にかなり入り浸っているようで、ついには辰寅叔父の代わりに怪しげな占いを披露するところまでいってしまいます。 将来が心配です。 さて、この本はそんな二人がいる占い所に、様々な怪奇現象に悩む人々が訪れ、辰寅叔父がその謎を解決する、というスタイルが基本となっています。 が、その謎解き自体は、まず結論が意外性には富んでいるものの「ちょっと、それはないのでは?」と思ってしまうものが多く、またその結論に至る推理の過程も、倉知先生らしい日常の些細な情景から手がかりを掴むところは素晴らしいものの、その論理展開は一足飛びで、とても唯一の正解にたどり着く道筋とは思えなかったりします。 ですから、それだけで終わっていれば、実に凡庸な作品と評価せざるを得なかったのですが、ひとつ非常に面白い点が。 普通の推理小説なら、謎解きそのものがクライマックスであるのが普通だと思うのですが、この作品の場合は謎解きの前に、お客さんに対して辰寅叔父が占い師として、その場しのぎの出任せとしか思えない「ご託宣」を下して、お客さんを追い返して(?)しまいます。 でも、そのご託宣こそ、事態を丸く収める重要なファクターになっているのです。読者は、謎解きそのものよりも「この謎があって、そういうご託宣を下したのか〜」という意味で納得させられてしまいます。この「事態を丸く収める」という点が、ありそうでなかなか無い探偵のスタイルだと言えるでしょう。 ここに、あえて猫丸先輩シリーズと別シリーズでこれらの謎を扱った意味と、この作品独特の魅力があると思います。 まあ、謎解き自体に過度の期待はしない方がよいと思いますが、軽い「日常の謎」系が好きな人には一読の価値はあると思います。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/202.html
同人系ゲーム タイトル #contentsx ゲーム情報 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 サークル : 発売日 : 2006/4/7 ジャンル : 説明 焼肉万歳 公式サイト 引籠世界の探偵事件簿シリーズをリリースされている同人サークルです。 STORY 以下焼肉万歳さまHPより引用 引用終わり 評価 グラフィック A 音楽 A システム B+ キャラ A+ ハマリ度 A- おすすめ度 A 備考 前作までのプレイはほぼ必須 レビュー #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 ↑捜査フェイズの画面 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 ↑推理フェイズの画面 {以下、ネタバレありです。未プレイの方はご注意を }; #attach
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/206.html
#freeze 西澤保彦 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 西澤保彦 発行元 : 講談社 単行本(ソフトカバー)発行 : 1996.11 文庫版発行 : 2000.6 匠千暁(タック)、辺見祐輔(ボアン先輩)、高瀬千帆(タカチ)、羽迫由起子(ウサコ)の四人組が活躍する「タック&タカチ」シリーズの一冊。 あらすじ 文庫本裏表紙より引用 ドライブの途中、4人が迷い込んだ山荘には、1台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベッドと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが……。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。 引用終わり 書評 この作品は、探偵が直接事件に関わらず、間接的に得た情報のみで事件の謎を推理する、いわゆる安楽椅子探偵小説(アームチェア ディテクティヴ)に属します。西澤先生ご自身があとがきでおっしゃるには「過去の物語ではなく現在進行形の事件を、長編の安楽椅子探偵小説で扱うのは技術的に無理だ」という都筑道夫先生の考えを目にして、かえってやってみたくなった、ということらしいのですが、よりによって安楽椅子探偵小説の形式としてかなり難しいものに挑戦されているな、と感じました。 というのは、安楽椅子探偵の形式を取っていても明確な事件が存在して、それに対する手がかりも関係者から詳細に得ることができる、という場合には、論理的な緻密姓を保たなければならない、推理の実証が困難であることなど難しい点はあるにせよ、比較的普通の推理小説的なスタイルで長編を書くこともプロの作家さんならできるのではないかと思うのです。 しかし、この「麦酒の家の冒険」はとにかく「山の中に家があって、そこにビートジョッキが満載の冷蔵庫が隠されていた」という事実のみがスタートとなっているスタイルをとっています。すなわち、いわゆる「事件」があるのかすらわからず、「誰」が関係者なのかもわからない状態なのですから、推理と言っても必然的にほとんど妄想と言ってもよいような仮説がどんどん飛び出してくるだけで、これで長編を維持するのは相当に難しいであろう、ということなのです。 たとえて言うなら「あなたの家の近所の空き地に、いつもはないブロックが丸く並べられていた」という状況で、あなたはその理由をどう推理しますか? いろいろ話しをふくらませることは可能かも知れませんが、それを妄想ではなく推理として、しかも長編として読者に提供できる自信がありますか? 「難しい」とわたしが思う理由をおわかりいただけたでしょうか? では、そのあたりをこの作品はどのようにしてクリアしているのでしょうか? まずはそのビールの謎。そしてそこにその家に置いてあったベッドの謎、さらにその家自体の謎……とどんどん推論の題材を広げてゆくことで飽きさせません。 この辺はさすがに巧妙です。 でも、さすがにそのままでは間が持たないのか、さらに今までの推論をひっくり返すような大きな謎を持ってきて、場面もボアン先輩の家に移してクライマックスへ……といった感じに、見事に長編としての流れを壊さずにまとめていらっしゃいます。もちろん読んでいて退屈させられないのは四人組の活き活きとしたやりとりと、社会人になったらなったでそれなりにやっていけそうだけど、そもそも社会人になれるかどうかが非常に疑わしいボアン先輩のちょっと壊れ気味な発言があるからこそではありますが。 実際のところはボアン先輩は見事に名門私立女子高の先生となるわけですが、なんだかそれが一番の謎のような気がしないでもありません。 と、ネタバレコーナーの前にキャラクターの話が出たのでそちらについてひと言。 わたしは現時点では「タック&タカチ」シリーズは3作しか読んでいませんので、それが原因かも知れませんが、女性キャラ――タカチとウサコ――についてどうしてもそんなに魅力を感じないのです。まあ、四人ひとまとめにするとそれなりに良い組み合わせだとは思うのですが……。タカチに関して言えば、いわゆるクールで美人なお姉様系キャラで、作中でもさんざん「普段のタカチはこんなにはしゃがない」「こんな笑顔は見せない」などの描写が出てくるのですが、その割にこの作品の中においては、なんだかやることなす事けっこう普通なんですね。設定が「いかにも」的な感じなのに、実際の言動がそこに追いついていない感じ。このシリーズは短編集として刊行されているものも多く、短編集であれば描写はこんなものかな、とも思いますし、シリーズものなのだから、この作品だけで判断するなとも言われそうですが……長編ですからね。 わたしは推理小説の登場人物、特にシリーズものについてはそういう「いかにも」的な設定は嫌いではありません。まあ、文学的に言えば人物が書けていない云々の批判は受けるところでしょうが、わたしは推理小説に「行間を読み込まないとわからない心理描写」などは求めていないので、わかりやすい描写で魅力を感じられればそれでOKなのです。が、そのわかりやすい、現実的にはちょっと極端かなというキャラの「設定」に頼ってしまうと、作中のキャラの言動に関する描写がいいかげんになってしまうと思います。 ネタバレ前に未読の方向けの総括を ちょっと辛口のことも書きましたが、全体的には一気に読めてしまうおもしろさがあります。ただ、「本格ミステリを読む!」という感じに気合いを入れて読むとちょっと肩すかしかもです。どちらかというと長編ながら、ちょっと息抜きに短編集を読みたいな、という気分のときに読むと良いと思います。 {以下、ネタバレありです。未読の方はご注意を }; というわけでネタバレですが。 長編安楽椅子探偵小説として、いろいろ工夫の跡は見られますし、面白い。 が。 ちょっとラストは納得できないなぁというのが正直なところです。 最初に張られていた伏線もちょっと分かり易すぎかな? いくらいろんな推論を繰り返した上に出した結論であるといっても、あああっさりと「それが正解でした。おわり」となってしまうと、余りに嘘くさいのです。論理の組み立て方があっているのはよいのですが、事件の具体的なところまで推論通りというのはちょっとなぁと思うのです。 いっそのこと、真相は出さないほうが良かったのではとすら思ってしまいます。(それはそれで納得しないかもしれませんが!) また、その「正解」の理論構成自体もちょっとおかしな気がします。 いくらターゲットが際限なく呑むタイプだっといっても、本人が呑むままに任せてつぶれたところを、気付かれないように別の家に運ぶっていう計画自体立てないだろ? しかもビールだけだし。寝てる間に引っ越しはしなくちゃいけないし。……それが無理かどうか以前に、こと殺人に関するトリックを計画するのにこんな無茶苦茶なトリックは考えないだろ? と、はてな尽くしなラストでした。 とはいっても、おそらくこの作品が短編か中編くらいにまとめられていれば、このラストでもそれほど違和感はなかったと思います。実際このシリーズの短編集を読んでみても、似たような構成(あくまでも目の前にある証拠だけからいろんな推論を膨らませる。証拠はあまりなく、納得できれば良い、と言う感じ)ですから、西澤先生はわざとこのようなスタイルに作られているのだと思うのです。しかし、それは短編ならではのスピード感があってこそ、読者も疑問を差し挟む間もなく強引に納得させられてしまう類のものではないでしょうか? 結局、ラストに関しては長編を締めくくるものとしてはちょっと浅すぎたということでしょうか? 難しい題材を退屈させずに長編としてしてみせてきただけに、最後の締めくくり方にもう一工夫ほしかった感じです。 というわけで、わたしもとってつけたような締めくくりを……。 「それでもけっこう楽しめましたよ?」 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/171.html
#freeze 有栖川有栖 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 有栖川有栖 発行元 : 東京創元社 単行本発行 : 1989.1 文庫版発行 : 1994.7 有栖川先生のデビュー作。また、いわゆる学生アリス(江神部長)シリーズの第一作でもある。 あらすじ 夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた、英都大学推理小説研究会の面々 ― 江神部長や有栖川有栖らの一行 ― を、予想だにしない事態が待ち構えていた。 矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく…。いったい犯人は誰なのか。そして、現場に遺されたyの意味するものは何。 書評 好きです。 よく言われることですが、もろに青春小説ですね。特に語り手のアリスはよくかけていると思います。好きな女性といるときに近づいてくる他の男はみんな敵だ、と言わんばかりの心情は……よくわかります。ただ、その反面「名探偵」である江神部長の印象づけが少々弱いのではないでしょうか? 丁寧に読み込めば、クールなだけではなく、人をそっと包み込むような優しさも併せ持つ、一般的に「理想的なお兄さん像」として描かれそうな、そんな人柄を読み取ることはできるのです。しかし、少なくとも私は初読時においては最後まで江神部長が映像として脳裏に浮かぶことはありませんでした。「作家アリスシリーズ」において火村先生が外見的な部分も含めてとても印象的に描かれているのとは対照的な気さえします。もちろん、初読時の印象が薄かっただけで、魅力的なキャラであることに違いはないのですが。 また、この物語には同じキャンプ場に集まったメンバーとして多くの大学生が登場しますが、こちらは物語の上で重要な位置を占めるキャラクターとEMCのメンバーを除いて、見分けがつきません。私は最後まで表紙裏の「登場人物表」を手放すことができませんでした。これはもちろんその当時の有栖川先生の技量(デビュー作ですから!)によるものと見ざるを得ないのですが、基本的に通常のクローズドサークル物に比べて人物の書き分けが困難な設定ではなかったかと思います。 その困難の原因とは 登場人物が皆歳の近い若者 みんな同じ職業(学生)であるために「上司と部下」「主人と執事」のような立場による書き分けができない キャンプ場ということで、日常行動として皆が同じよう行動をとるので、外面的な行動を通じての書き分けが困難 にも係わらず、ミステリという性質上探偵と記述者以外についてあまり細かな心理描写が描きにくい といったところでしょうか。青春群像はある意味創作の入り口としては、描きやすいシチュエーションではあります。みんなそれなりに経験ありますからね。 しかし、上述したとおり、みんなが同じ年齢層、同じ職業で、しかもキャンプということで同じような行動をしているところに、ミステリの特性上、個々の心理描写を直接的に表現しにくいわけですから、必然的に書き分けの難易度は高くなっているのではないかと思います。 もちろん現在の有栖川先生は、ミステリ界のキャラ萌えの頂点といっても差し支えのない存在です。今この作品を書かれたらどのようなものになるのか興味のあるところです。 キャラ萌え??? という人は、ヤフオクで「有栖川有栖」で検索してみてください。 山ほど同人誌が出てきますから。 トリックについては、未読の方のために後に回しまして、先に全体的ににまとめておきます。 上に書いたような問題点はありますが、本格ミステリとしての芯はしっかり通った良作であると思います。これは、一つの大トリックのアイデアだけで勝負するような薄っぺらさがない点に因るところが大きいです。 トリック至上主義の作品は、それはそれでトリックを見破る楽しさがあり、面白いのですが、逆に言うと「それだけ」になってしまいがちなのです。それをごまかすために無理矢理伏線を織り込んでいるような作品を実際よく見かけます。(物語の序盤で何気なく語られたひと言が実は伏線になっていた! など) 「これなら物語なしで、クイズ形式で出題してくれた方が早いのに」 本格ミステリ嫌いの人がこのような台詞を述べられる原因はその辺だろうな、と思います。 その点、本作は小さなトリックも存在します。しかしそのトリックだけではなく、犯人の残した何気ない行動の跡全てから取り出した、小さな論理のかけらを丁寧に積み上げていって大きな論理=推理を組み立てるというスタイルですので、読者が物語を丁寧に読み込み、登場人物の行動をトレースすることで、真っ向四つに組んで、物語の謎と対峙することができる、王道の推理小説に仕上がっているということができるでしょう。 そして、繰り返しになりますが、この作品は青春小説です。若者の危うさと、いつでもほんの少し切なさを感じているかのような情景、そのあたりの雰囲気が良く出ています。青春小説としてもミステリ部分で述べたのとある意味同じで、決して突飛な展開はありません。しかし、胸をちくりと刺すような、そんな、いつかどこかで自分自身が経験してきた感覚を思い出させてくれること請け合いです。そう考えると極上の本格ミステリと珠玉の青春小説が二つ楽しめる本作。必読です。 {以下、ネタバレありです。未読の方はご注意を }; で、肝心のトリックですが…… トリックなんてありましたっけ? イヤイヤ、誉めてるんですよ。 確かにサブタイトルにもある「Y」という、ミスリードを誘うダイイングメッセージはありました。しかしこれは二つめのきれいに書かれた「Y」が登場した段階で、明らかにおかしいとわかる程度の物で、正直なところ、クイーンに傾倒する有栖川先生が彼への畏敬の念を込めて使用したというレベルの物であるように感じます。実際、犯人を考えながら読んでいる人で、この「Y」によって誤った犯人に辿り着いた、という方は少ないのではないかと思います。そして、他の要素を見ても細かい隠蔽工作はあっても、いわゆるメイントリックと呼べる物はないでしょう。 しかし、ここが醍醐味です。 何がトリックで、何が偶然の産物かもわからないような細かい断片をつなぎ合わせて真相に辿り着く。しかも、天才型探偵が登場する物語にありがちな、常人離れした思考経路――すでに経路を辿っているとすら思えないような飛躍をすることもしばしばであるが――を辿ることもなく、まさに論理の積み重ねを見せてくれます。デビュー作ながら「平成のクイーン」と呼ばれるその片鱗はしっかり見ることができました。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/120.html
#freeze #nofollow #norelated Manual Manual/Plugin Manual/Plugin/A-D Manual/Plugin/E-G Manual/Plugin/H-K Manual/Plugin/L-N Manual/Plugin/O-R Manual/Plugin/S-U Manual/Plugin/V-Z
https://w.atwiki.jp/side_flip/pages/134.html
WikiEngines WikiEngines は、WikiWikiWeb? のようなものを実現するプログラムのことです。もともとは WikiWikiWeb のことを言いましたが、現在ではそのクローンが多く存在するためにそれらを WikiEngines と呼びます。