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おれはいつもと違う場所で朝を迎えた。 いつもはルイズの部屋のベッドで寝てるのだが何故かシルフィードの寝床で寝ていた。 何でこんな所で寝ていたのかを考える。 だが考えているうちに朝飯を食べたくなってきたので考えるのをやめた。 そのうちわかるだろ、多分。 朝飯を食べ、ルイズと合流するためいつもの場所で待つ。 そしていつもよりちょっと遅れて 「キュルケ~大好き~」 変なの来た。すごく変なの来た。 イメージとしては『キュルケに抱きついているルイズ』が近い。 でもそんなのありえない。 だからおれはそれをスルーした。 だってあんなの知らない。 キュルケに抱きついているルイズに似た何かだ。 ルイズはまだかな、早くしないと遅刻するのに。 いつもより遅い主人を文句一つ言わずに待とう。 本物が来るまで待とう。 結局ルイズが来ないまま授業が始まる時間になってしまったので仕方なくルイズの部屋に戻る。 多分体調を崩したんだ。 きっとそうだ。 そうに違いない。 そうであってください、お願いします。 ルイズの部屋には誰もいなかった。 この時間にルイズが部屋いないって事はルイズは教室で授業を受けてるはずだ。 でもそれならいつもの合流地点でおれが見つけないとおかしい。 おれは考えた。 考えた末に部屋を出た後、体の調子がおかしい事に気づいて医務室に行ったのだと考えた。 なら医務室にお見舞いに行かなきゃな。 「ミス・ヴァリエールですか?いいえ、来ていませんよ。」 医務室にはやっぱりいなかった。 あれ?『やっぱり』? やっぱりなんて使うって事はおれはどこか心当たりがあるのか? えーと……うん、無いな。 無いんだし次はどこを探そうかな。 その瞬間爆発が起きた。普段ならルイズがいる教室で、だ。 「あ、やっぱり教室にいるみたいですね」 これは行かなきゃ不自然だよな。 仕方ない、覚悟を決めて戦うか、現実と。 おれは教室に向かって歩き出した。 数分後。 「あれれ~。ここどこだろ」 道に迷ったのなら行けなくても別に不自然じゃないよな。 おれは道に迷い続けた。そりゃもう時間なんて分からなくなるほどに。 自分の力で主人の下に行きたい。そんな思いから人に会っても道を聞く事はしなかった。 だが運命はおれに味方しなかった。 時間を忘れるほどに歩き回った結果。偶然、『アレ』に遭遇してしまった。 しかも今度は他の生徒もいやがった。そしてギーシュのヤツが目ざとくおれを見つけ話しかけてきた。 「ルイズは一体どうしたんだい?」 「ルイズ?ルイズがどこにいるんだ?」 周囲を見回してもルイズはいない。一体ギーシュは何のことを言ってるんだ? 「そこでキュルケに抱きついてるじゃないか」 言われてしまった。 ついに言われてしまった。 おれが認めたくなかった事を。それも一発で。 こうなっては仕方ない。 おれもキュルケに抱きついてるルイズみたいなモノがキュルケに抱きついてるルイズだと認めるしかない。 「で?アレは何なんだ?」 「それを聞いてるのは僕の方だよ。一体なんであんな事になってるのか知らないのかい?」 「知らねーよ、あんなのが生まれた理由なんてどーでもいい。お前もそうだろ?関らないようにしようぜ」 「それが賢明だね」 意見が一致したのでお互いアレにはもう触れない事にする。 一件落着。今日も学院は平和です。 「ちょっと、コレ何とかしなさいよ!」 聞こえない聞こえない、な~んにも聞こえない。 「無視する気?」 そのつもりです。 「そう……なら燃やすわよ?貴方達を」 「一体どうしてそんな事になったんだろうな!」 「不思議だよね。昨日は何も無かったのに!」 別に怖かった訳じゃ無いぞ。ただあまりにもキュルケが可哀想だなーって思っただけで。 あ、でもギーシュは怖かったからだな。絶対そうだ。 そしてキュルケによる尋問が始まった。 「で?心当たりは無いわけ?」 「「無いです」」 「なんで追いかけられてたの?」 「昨日の脱出の事で怒られたから」 「そう…逃げてるときに何か変わった事は?」 「モンモランシーの部屋で僕がモンモランシーに541回目の愛の詩を…」 「要約すると?」 「イギーがモンモランシーの部屋に逃げ込んできました!」 「呼び捨てにすんな」 「そこで変わった事は?」 「「特には」」 「その後は?」 「部屋から逃げ出してその後キュルケに会って、後は知っての通り」 尋問終了。後はキュルケの判断に任せるしかない。 「モンモランシーに話を聞きに行くわよ」 「真実を述べなさい。さもなくば燃やすわよ」 尋問から拷問へと変わりつつあるこの状況にモンモランシーは簡単に屈した。 「惚れ薬を飲ませました」 「なんでそんなものをルイズに?」 「ギーシュに飲ませようとしてあの子が…」 隣でギーシュが驚きのあまり絶句している。 まあ黙ってもらった方がサクサク進むので丁度良いし放置しとこう。 ちなみにルイズはモンモランシーの部屋に来る前に 「モンモランシーのところに行くの?モンモランシーが好きなの?」 と言ったのがきっかけでついにキュルケがプッツンし、 「私は食べるのは好きだけど食べられるのは嫌いなの!」 と言ってしまい、それを聞いたルイズはどこかに行ってしまった。 この言葉で昨晩の勝者が分かってしまうのだがそこには触れないでおく。 惚れ薬を飲んだって事は最初に見たものに惚れるって事だ。 「じゃあ一歩間違ってたらおれがああなってたって事か?」 「それは無いわ。惚れ薬は人間以外に効果は無いもの、 ルイズが飲んだ時に最初に見たのはアンタが隠れてたベッドのはずだけど普通はベッドに惚れたりしないでしょ?」 ちょっと想像してみる。 壁に愛を囁くギーシュ。 机に抱きつくマリコルヌ。 便器を舐めるように綺麗にするポルナレフ。 あれ?問題ないんじゃあないか? 「で、元に戻るのはいつ?」 「詳しくは分からないわ、個人差があるけど大体一ヶ月から一年くらいで…」 その言葉を聞いてキュルケが杖を構えた。 「解除薬!解除薬を作ればすぐに戻るわ!」 「作りなさい」 「それが……ちょっと問題があるのよ。私も失敗した時の為に作っておこうと思ったんだけど一つだけ材料が売り切れで…」 「その材料って?」 「水の精霊の涙なんだけど…最近その水の精霊と連絡が取れなくなっちゃったらしいの」 「場所は?」 「ガリアとの国境にあるラグドリアン湖よ」 「今から行くわよ。30分後にここに集合ね。タバサのシルフィードなら一日で大丈夫よ」 そう言ってキュルケは支度をしに歩き出した。おれも後についていく。 そして部屋に行く途中ででタバサを見つけ、事情を説明し協力してもらえる事になった。 キュルケは自分の支度のために部屋に戻る。 おれもルイズの様子を見ておこうと思ったので部屋に戻る。 部屋が隣同士のため必然的に一緒に行く事になる。 だがそこで事件が起きた。 キュルケの部屋のカギが壊されていたのだ。 キュルケは用心の為杖を取り出し、慎重にドアを開けた。 そして――― 「私を 食・べ・て♥」 ケーキのデコレーションとかに使うクリームを体中に塗りたくったルイズがいた。 なるほど、キュルケは食べられるのが嫌いだから食べてもらおう。という事か。 このToLOVEるのせいでルイズの様子を見る必要はなくなった。 ちょっと早いけど集合場所に行くか。 To Be Continued…… 16< 戻る
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伊東 葉子 【いとう ようこ】 J.C.STAFF出身。菊池勝也氏曰く「JCのホープ」。 同社の生え抜きのアニメーターであり、動画からステップを積み重ね ついにはキャラクターデザイン・総作画監督を務めるまでに至った。 同社の大ヒット作『とらドラ』で見せた個性全開の版権が一部で話題になった。 代表作は『LOVESTAGE!!』『あまんちゅ!シリーズ』。 2023年現在はフリーランスとして活動中。 ■ぽてまよ(2007) 動画検査 1話 ■スカイガールズ(2007) 第二原画 3話 4話 動画検査 4話 5話 6話 7話 8話 9話 ■灼眼のシャナⅡ(2007) 第二原画 3話 9話 19話 動画検査 1話 2話 3話 5話 8話 9話 12話 13話 16話 20話 23話 24話 ■隠の王(2008) 原画 OP 第二原画 3話 5話 6話 9話 11話 12話 14話 15話 17話 26話 動画検査 1話 2話 3話 5話 8話 9話 11話 12話 14話 15話 17話 18話 20話 21話 23話 24話 25話 26話 ■ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~(2008) 第二原画 2話 動画検査 2話 4話 6話 8話 11話 ■とらドラ!(2008) 原画 OP2 9話 15話 19話 25話 第二原画 1話 4話 5話 7話 13話 22話 23話 24話 動画検査 1話 2話 4話 5話 7話 8話 9話 10話 12話 13話 15話 ■スレイヤーズREVOLUTION(2008) 第二原画 1話 7話 10話 動画検査 1話 2話 ■スレイヤーズEVOLUTION-R(2009) 原画 OP 第二原画 2話 動画検査 1話 2話 4話 8話 9話 13話 ■灼眼のシャナS(OVA) 第二原画 2話 動画検査 1話 ■大正野球娘。(2009) 原画 OP 3話 ■青い花(2009) 原画 4話 8話 10話 11話 第二原画 1話 2話 3話 5話 6話 7話 9話 ■とある科学の超電磁砲(2009) 作画監督補佐 3話(共同) 原画 OP1 5話 7話 9話 11話 12話 16話 17話 21話 23話 第二原画 2話 4話 6話 13話 19話 ■裏切りは僕の名前を知っている(2010) 第二原画 12話 ■オオカミさんと七人の仲間たち(2010) 第二原画 2話 12話 ■会長はメイド様!(2010) 原画 OP 1話 4話 5話 ■おとめ妖怪 ざくろ(2010) 第二原画 1話 ■とある魔術の禁書目録Ⅱ(2010) 第二原画 17話 ■快盗天使ツインエンジェル〜キュンキュン☆ときめきパラダイス!!〜(2011) 第二原画 1話 6話 ■夢喰いメリー(2011) 第二原画 6話 12話 13話 ■君と僕。(2011) 原画 1話 3話 第二原画 5話 ■緋弾のアリア(2011) 原画 10話 12話 第二原画 3話 5話 6話 ■灼眼のシャナⅢ-FINAL-(2011) 第二原画 16話 24話 ■神様のメモ帳(2011) 原画 9話 第二原画 4話 ■黒子のバスケ(2012) 原画 23話 ■あの夏で待ってる(2012) 原画 1話 第二原画 7話 9話 ■じょしらく(2012) 原画 4話 第二原画 5話 ■リトルバスターズ!(2012) 第二原画 6話 26話 ■とある科学の超電磁砲S(2013) 第二原画 17話 18話 ■変態王子と笑わない猫(2013) 作画監督 12話(共同) 原画 ED 12話 ED 冒頭2cut ■ゴールデンタイム(2013) 総作画監督 3話(共同) 作画監督 6話(共同) 作画監督補佐 ED 原画 OP 6話 第二原画 2話 8話 ■LOVESTAGE!!(2014) キャラクターデザイン 総作画監督 1話 3話 4話 6話 7話 9話 10話 OVA 作画監督 OP ED 1話 原画 ED 1話 3話 OVA ■まじもじるるも(2014) 作画監督補佐 11話 ■selector spread WIXOSS(2014) 第二原画 4話 8話 ■食戟のソーマ(TV/2015) 総作画監督 2話 5話 料理作画監督 1話(共同) 2話(共同) 3話(共同) 4話(共同) 5話(共同) 6話(共同) 原画 1話 2話 ■下ネタという概念が存在しない退屈な世界(TV/2015) 原画 1話 第二原画 2話 ■大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-(ゲーム/2015) 第二原画 ■劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ ~逆襲のミルキィホームズ~(劇場/2016) 第二原画 ■ヘヴィーオブジェクト(TV/2016) 原画 14話 アイキャッチ 2話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話 13話 14話 15話 17話 18話 19話 20話 21話 22話 23話 24話 ■食戟のソーマ 弐ノ皿(TV/2016) 料理設定 1話 2話 3話 4話 5話 6話 第二原画 13話 ■あまんちゅ!(TV/2016) キャラクターデザイン 総作画監督 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 10話 12話 13話(OVA) 作画監督 OP ED 1話 原画 OP 1話 2話 ■LOSTORAGE INCITED WIXOSS(TV/2016) 原画 8話 ■MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang(TV/2017) キャラクターデザイン 総作画監督 1話 2話 4話 5話 6話(共同) 7話 8話 9話 10話 11話(共同) 12話(共同) 作画監督 主題歌スタッフ ED2(#3)(共同) 1話(共同) 11話(共同) 原画 12話 第二原画 5話 ■アリスと蔵六(TV/2017) 作画監督補佐 2話(共同) 第二原画 2話 ■あまんちゅ!~あどばんす~(TV/2018) キャラクターデザイン 総作画監督 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話 12話 作画監督 OP ED 1話(共同) ■ラストピリオド ―終わりなき螺旋の物語―(TV/2018) 総作画監督 10話(共同) 11話 作画監督 4話(共同) 6話(共同) 8話(共同) 10話(共同) 12話(共同) 原画 3話 4話 8話 ■プラネット・ウィズ(TV/2018) 作画監督 2話(共同) 4話(共同) 6話(共同) 9話(共同) 12話(共同) 原画 9話 12話 第二原画 4話 ■殺戮の天使(TV/2018) 作画監督 16話(共同) ■とある魔術の禁書目録Ⅲ(TV/2018) 作画監督 ED2 1話(共同) 5話(共同) 6話(共同) 8話(共同) 9話(共同) 20話(共同) 21話(共同) 原画 OP ED2 ■ワンパンマン(第2期)(TV/2019) 作画監督 20話(共同) ■まちカドまぞく(TV/2019) 作画監督 2話(共同) 12話(共同) 原画 OP ■映画 この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説(劇場/2019) 原画 ■スケートリーディング☆スターズ(TV/2021) キャラクターデザイン 総作画監督 1話 3話 5話 8話 12話 作画監督 OP ED 1話(共同) ■2.43 清陰高校男子バレー部(TV/2021) 第二原画 1話 ■ARIA The CREPUSCOLO(劇場/2021) キャラクターデザイン プロップデザイン 総作画監督 ■アイの歌声を聴かせて(劇場/2021) プロップデザイン(共同) 原画 ■ARIA The BENEDIZIONE(劇場/2021) キャラクターデザイン プロップデザイン 総作画監督 作画監督(共同) 原画 ■あんさんぶるスターズ!! -Road to Show!!-(劇場/2022) 作画監督(共同) ■UnitUp!(TV/2023) エンドカード 3話
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佐藤 清光(さとう きよみつ) オフィス蒼出身。 ★参考リンク-アニメ@wiki - 佐藤清光 2013年4月6日、本ページ作成時にリンク先より全文引用。 フィルモグラフィー サイレントメビウス(1998) 制作進行 火魅子伝(1999) 制作進行 魔術師オーフェン Revenge(1999-2000) 原画 6話 HAND MAID メイ(2000) 動画 2話 7話 10話 無敵王トライゼノン(2000-2001) 原画 3話 ドッとKONIちゃん(2000-2001) 動画検査 5話(椎谷太志、福井明博と共同) はじめの一歩(2000-2002) 原画 47話 67話 七人のナナ(2002) 原画 4話 10話 13話 15話 20話 22話 動画検査 24話 天使な小生意気(2002-2003) 原画 14話 19話 WOLF'S LAIN(2003) 原画 13話 .hack//黄昏の腕輪伝説(2003) 原画 8話 人間交差点(2003) 原画 4話 HAPPY☆LESSON ADVANCE(2003) 原画 1話 10話 13話 AVENGER(2003) 原画 4話 10話 高橋留美子劇場 人魚の森(2003) 原画 3話 BURN-UP SCRAMBLE(2004) 原画 3話 7話 MADLAX(2004) 原画 OP 2話 14話 26話 SAMURAI7(2004) 原画 21話 下級生2~瞳の中の少女たち~(2004) 原画 OP ED 創聖のアクエリオン(2005) 原画 2話 プレイボール(2005) 演出 1話 はっぴぃセブン~ざ・テレビまんが~(2005) 絵コンテ・演出・原画 2話 11話 LEMON ANGEL PROJECT(2006) 演出・作画監督補佐 9話(渡邊由香里と共同) 演出 4話 ツバサ・クロニクル 第2シリーズ(2006) 演出 3話 9話 15話 21話 マージナルプリンス~月桂樹の王子達~(2006) 作画監督 11話(水谷麻美子、山沢実と共同) 原画 5話 鋼鉄三国志(2007) 絵コンテ・演出・原画 23話 絵コンテ・演出 2話 7話 絵コンテ 19話 原画 OP 18話 神曲奏界ポリフォニカ(2007) 原画 3話 まめうしくん(2007-2008) 絵コンテ・演出 11話 12話 23話 24話 35話 36話 47話 48話 スケッチブック ~full color's~(2007) 演出・原画 10話 H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-(2008) 原画 11話 亡念のザムド(WEB/2008-2009) 作画監督補佐 10話(金栄範、千葉茂、小田武士と共同) 仮面のメイドガイ(2008) 原画 ED 我が家のお稲荷さま。(2008) 原画 12話 ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~(2008) 作画監督 7話(飯飼一幸と共同) 原画 3話 ネオアンジェリーク Abyss -Second Age-(2008) 原画 12話 薬師寺涼子の怪奇事件簿(2008) 作画監督 8話(隼鷹榛名、小野和寛、後藤孝宏と共同) 伯爵と妖精(2008) 原画 4話 ライブオン!カードライバー翔(2008-2009) 原画 7話 WHITE ALBUM(前半)(2009) 作画監督・原画 3話 鋼殻のレギオス(2009) 原画 4話 15話 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009-2010) 絵コンテ・演出・原画 31話 演出 4話 11話 21話 42話 51話 58話 アスラクライン(2009) 作画監督 4話(進藤有人と共同) 原画 9話 ジュエルペット(2009-2010) 演出 40話 47話 とある科学の超電磁砲(2009-2010) 作画監督補佐 3話(しまだひであき、永野孝明、松川哲也、沼田広、宮嶋仁志、橋本かおり、伊東葉子、小林絵実子と共同) 戦う司書 The Book of Bantorra(2009-2010) 原画 9話 11eyes(2009) 原画 12話 メタルファイトベイブレード爆(2010-2011) 演出 68話 74話 80話 86話 92話 98話 咎犬の血(2010) 原画 1話 カードファイト!! ヴァンガード(2011-2012) 絵コンテ・演出 3話 9話 演出 15話 21話 27話 33話 39話 45話 52話 59話 NO.6(2011) 演出 4話 俺たちに翼はない(2011) 演出 8話 マケン姫っ!(2011) 演出 4話 11話 カードファイト!! ヴァンガード アジアサーキット編(2012-2013) 演出 66話 73話 BRAVE10(2012) 演出 2話 ストライクウィッチーズ 劇場版(劇場/2012) 作画監督協力(桑原良介、小暮昌広、今泉賢一、輿石暁、小谷杏子、鈴木勇、永野孝明、牧野竜一、村上真紀、山田裕子と共同) 原画 君と僕。2(2012) 演出 8話 百花繚乱 サムライブライド(2013) 副監督 絵コンテ・演出・原画 5話 絵コンテ・演出 1話 演出 12話 ガイストクラッシャー(2013-2014) 絵コンテ・演出 25話 37話 45話 絵コンテ 51話(高本宣弘と共同) 演出 5話 12話 19話 51話 東京レイヴンズ(2013-2014) 演出 15話 マギ The kingdom of magic(2013-2014) 原画 5話 ノラガミ(2014) 原画 4話 結城友奈は勇者である(2014) 演出 3話 トリニティセブン(2014) 演出 10話 カードファイト!! ヴァンガードG(2014-2015) 絵コンテ・演出・原画 ED3 作画監督 ED3(服部憲知と共同) 原画 OP1 3話 32話 新妹魔王の契約者(2015) 演出 2話 レーカン!(2015) 原画 12話 アクエリオンロゴス(2015) 絵コンテ・演出・原画 20話 絵コンテ 8話 演出 2話 24話 カードファイト!! ヴァンガードG ギアースクライシス編(2015-2016) 絵コンテ・演出・原画 ED 新妹魔王の契約者 BURST(2015) 絵コンテ・演出 6話 逆転裁判~その「真実」、異議あり!~(2016) 演出 6話 ハイスクール・フリート(2016) 絵コンテ 6話(藤森カズマと共同) 演出 6話 カードファイト!! ヴァンガードG ストライドゲート編(2016) 演出 39話 パズドラクロス(2016-2018) 演出・原画 8話 演出 19話 原画 61話 不機嫌なモノノケ庵(2016) 原画 12話 Vivid Strike!(2016) 絵コンテ・演出 12話 Re CREATORS(2017) 絵コンテ・演出 16話 Code Realize ~創世の姫君~(2017) 演出 2話 結城友奈は勇者である -勇者の章-(2017) 絵コンテ・演出・原画 5話 演出 1話 パズドラ(2018-) 演出 5話(栗山美秀と共同) 15話(栗山美秀と共同) 24話 33話 42話 50話 60話 69話 77話 234話 235話 キングダム(2020-2021) 絵コンテ 7話 演出 2話 8話 17話 26話 キングダム(2022) 演出 6話 7話 13話 15話 19話 22話 25話 キングダム(2024) 演出 3話 9話
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1位 227票 真城りま@しゅごキャラ! シリーズ 2位 176票 塚本八雲@スクールランブル 三学期 3位 170票 糸色倫@【獄・】さよなら絶望先生 4位 163票 津山睦月@咲 -Saki- 5位 157票 恋ヶ窪ゆり@とらドラ! 6位 153票 山吹祈里(キュアパイン)@フレッシュプリキュア! 7位 152票 夏目@ひだまりスケッチ×365 8位 147票 乱崎凶華@狂乱家族日記 9位 143票 平川ナツミ@今日の5の2 10位 140票 佐々木まき絵@魔法先生ネギま! ~白き翼 ALA ALBA~ 10位 140票 祇堂静珠@まりあ†ほりっく 12位 139票 野上葵@絶対可憐チルドレン 12位 139票 仁科りえ@CLANNAD ~AFTER STORY~ 14位 138票 両儀式@劇場版 空の境界 the Garden of sinners 15位 137票 クロ@黒神 The Animation 15位 137票 咲畑梨深@カオス;ヘッド -CHAOS;HEAD- 17位 134票 獅子堂桜@宇宙をかける少女 18位 133票 ニア・テッペリン@劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇/螺巌篇 19位 130票 井上純@咲 -Saki- 19位 130票 星乃結美@キミキス pure rouge 19位 130票 伊藤伸恵@苺ましまろ encore 22位 129票 藤吉晴美@【獄・】さよなら絶望先生 23位 128票 周防美琴@スクールランブル 三学期 24位 126票 カーヤ@ドルアーガの塔 ~the Sword of URUK~ 〓〓〓〓〓ここまで本戦進出〓〓〓〓〓 25位 122票 エーネウス@まかでみWAっしょい! 26位 121票 篠崎咲世子@コードギアス 反逆のルルーシュR2 27位 109票 藤田靖子@咲 -Saki- 28位 103票 霞愛歌@ハヤテのごとく!! アツがナツいぜ 水着編! 29位 94票 ユギリ・プリネシカ@神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 30位 92票 ミレイ・アッシュフォード@コードギアス 反逆のルルーシュR2 31位 90票 財布を落とした少女@ハヤテのごとく!! 32位 82票 夏目レイコ@夏目友人帳 シリーズ 33位 78票 五月七日小羽@xxxHOLiC 春夢記 34位 75票 長瀬楓@魔法先生ネギま! ~白き翼 ALA ALBA~ 35位 73票 吉田歩美@名探偵コナン 35位 73票 リリア(リリアーヌ・アイカシア・コラソン・ウィッティングトン・シュルツ)@アリソンとリリア 37位 72票 モルガン@ティアーズ・トゥ・ティアラ 37位 72票 澤倉美咲@WHITE ALBUM 39位 71票 タナロット@まかでみWAっしょい! 40位 70票 孫尚香(小蓮)@恋姫†無双 41位 69票 ラスティ@ティアーズ・トゥ・ティアラ 41位 69票 住之江りこ@Kiss×sis 41位 69票 日高メグミ@今日の5の2 44位 66票 那波千鶴@魔法先生ネギま! ~白き翼 ALA ALBA~ 44位 66票 スメラギ・李・ノリエガ@機動戦士ガンダム00 44位 66票 蒼井ミナモ@RD 潜脳調査室 47位 65票 久保貴子@咲 -Saki- 48位 63票 佐野茜@黒神 The Animation 49位 62票 アリエッタ@テイルズ オブ ジ アビス 49位 62票 佐藤聖@マリア様がみてる 4thシーズン 49位 62票 セシル・クルーミー@コードギアス 反逆のルルーシュR2 52位 61票 Juiz(ジュイス)@東のエデン 53位 60票 美墨なぎさ(キュアブラック)@映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合! 54位 57票 ポニョ@崖の上のポニョ 54位 57票 リディア@伯爵と妖精 54位 57票 華園光@S・A ~スペシャル・エー~ 54位 57票 日向ヒナタ@NARUTO -ナルト- 疾風伝 54位 57票 速瀬水月@君が望む永遠 ~Next Season~ 59位 55票 中杉小夜香@鉄腕バーディー DECODE シリーズ 60位 52票 風花@セキレイ 61位 50票 ムジャッキー=サーペント@狂乱家族日記 61位 50票 アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン@ゼロの使い魔 ~三美姫の輪舞~ 63位 47票 リーリン・マーフェス@鋼殻のレギオス 64位 46票 武嶋蔦子@マリア様がみてる 4thシーズン 64位 46票 柊@夏目友人帳 シリーズ 66位 45票 スージー・エヴァンス@戦場のヴァルキュリア 66位 45票 荀彧(桂花)@恋姫†無双 68位 44票 南極さくら@ペンギン娘はぁと 69位 38票 みさと先輩@ひだまりスケッチ×365 70位 37票 柏木優麻@ぱにぽにだっしゅ! 特別話 71位 36票 夏木りん(キュアルージュ)@Yes! プリキュア5GoGo! 72位 33票 エリザベス@黒執事 73位 29票 パティ・トンプソン@ソウルイーター
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第九十一話「GO!! 地底の決死圏」 集結怪獣ガミバ 登場 「ふぁぁ~……んが!?」 ……朝、目を覚ました才人は、ふと横に目をやってあんぐり口を開いた。 「くー……すー……」 自分の隣に、見慣れない小さな女の子が眠っているのだ。 (な、何で俺の隣に幼女が!?) どうしてこんなところに、もしかして犯罪にならないだろうかと顔色を白黒させていると、 デルフリンガーが呼びかけてきた。 「相棒、なに百面相してんだ」 「ででで、デルフ! この子何!?」 才人が問い返すと、デルフリンガーは若干呆れた声を出した。 「何って、そのちっこいのは夕べ、相棒と娘っ子が連れてきたんじゃねーか」 「……あ。そうだった……」 指摘されて思い出す才人。昨日、舞踏会に使えそうな道具を探そうと地下室に潜った際に、 箱の中に眠っていたこの少女、リシュを発見したのだった。 リシュはまだ目を覚ましていないが、寝言でこう発する。 「むにゃ……サイト……おに……ちゃん……」 「お、俺のこと?」 「じゃねーの? 懐かれてんねぇ」 冷やかすデルフリンガー。 「ま、まぁな! 俺ってお兄ちゃんキャラだったんだな!」 苦笑を浮かべた才人は、改めて寝ているリシュを観察する。 (こうしてると、ほんとかわいいなぁ。同じ小さいもの同士でも、ルイズとは違った魅力が……) リシュの幼い愛らしさに軽く惹き込まれ、知らず知らずの内に顔を近づける。すると、 「……サイト、何をやってるのかしら!?」 「ひぃッ!?」 背後から怒声を浴びせられて、咄嗟に振り返る。見ると、ルイズもシエスタも目を覚ましていた。 「ル、ルイズ、シエスタ……おはよう!」 才人はごまかすようにあえて元気よく挨拶したが、そんなものが通用するはずがなかった。 「おはようじゃないわッ! リシュの顔を覗き込んで、何をしてるのかって聞いてるのよ! ま、まさか、キ、キス……」 「サイトさん? 寝てるリシュちゃんにいかがわしいことをしようなんて、いくら貴族に なったからといえども許されませんよ? 官憲さんを呼びましょうか?」 ルイズは勝手に誤解して真っ赤になり、シエスタは笑いながら冷え切った言葉をぶつけてきた。 必死で否定する才人。 「違います! 違いますったら違いますぅ!」 「問答無用! そこに座りなさい、犬!」 「えええええ!?」 だが聞いてもらえず、ルイズによって床の上に正座させられた。 彼らが騒がしくしたからか、リシュもまた起床した。 「……むにゃ? もう朝ぁ?」 才人たち全員が忙しそうなので、デルフリンガーがリシュに朝の挨拶をする。 「おー、おはよ、ちっこいの。悪いけどよ、ちょっとばかし待っててくれ。いつものが始まっちまった」 「いつもの?」 リシュが才人たちの方を振り向くと、 「ほら、わんでしょ! 犬はわんでしょ!」 「わん! きゃわわんッ!」 嫉妬心を爆発させたルイズが、才人を折檻していた。 「……あれ、何?」 「ちっこいのは知らなくていい世界さ」 「……」 デルフリンガーはそう言ったが、リシュは妙に静かになって才人たちのやり取りを見つめていた。 「どーした? びっくりしちまったか?」 「ううん、何でもなーい」 聞き直したデルフリンガーに首を振るリシュだった。 「……もうッ! 油断も隙もありゃしないんだから! 一刻も早くオールド・オスマンに相談して、 リシュの身柄を預かってもらうのが一番ね!」 いつまで説教してもルイズはぷりぷりと怒りが冷めやらない様子だが、その時にゼロが そっと囁きかけた。 『おい、その肝心のリシュだが、目を離してていいのか? どっか行こうとしてるぜ』 「えッ?」 告げられてルイズたちが振り返ると、リシュはこっそりと扉から部屋の外へ脱け出そうと しているところだった。 「リ、リシュ! 駄目じゃないか!」 「あッ……!」 慌てて立ち上がった才人がリシュを引き止める。 「一人で出ていっちゃ駄目だぞ。お前が学院の中をうろついてたら、みんながびっくりするじゃないか」 「だ、だって……ルイルイのお話し、長いんだもん……」 「だからって、勝手なことはしないでよ。ああ、驚いた。二度とこんなことはしないでちょうだい」 「まぁまぁ、ミス・ヴァリエール。相手は小さい子供なんですから、ある程度は仕方ないですよ。 大目に見てあげましょう」 大きくため息を吐くルイズをシエスタがなだめた。 「デルフも、どうして止めようとしてくれなかったのよ」 「無茶言うなよ。俺は自力で動けないんだぜ?」 「全く……。まぁいいわ。リシュも起きたのなら、授業までにオールド・オスマンのところへ 行きましょう」 場を取りまとめるルイズ。皆がそのための支度をする中で……リシュは不安そうな、その一方で何かを 思案しているような、そんな表情を浮かべた。 さて、ルイズたちはリシュの件をオスマンに報告しに行ったのだが、何と意外にも、オスマンでさえ リシュのことを何一つ知らなかった。地下室に棺のような箱があり、その中に少女が眠っていたことなど、 完全に初耳だというのだ。 何故リシュが箱の中に閉じ込められていたのか、どうしてその場所が学院の地下なのか、 誰がそれをしたのか……最近の怪獣頻出の謎と合わせて、現状では分からないことが多すぎる。 そのため、リシュの件は当分極秘事項ということになった。また、学院側でリシュを預かるのは 目立ってしまうということで、もうしばらくはルイズたちの元に置いておくこととなった。 それにはルイズは少々残念そうであったが、リシュは反面嬉しそうであった。 そしてリシュの件を調査するに当たって、初めにリシュが眠っていた箱を調べることとなった。 リシュ自身が入れられていた箱が、一番の手掛かりであろうと。 そういうことで、箱を発見したルイズと才人がオスマンをその場所へと案内することになった。 地下室に下りると、オスマンはふうと大きく息を切らしながら腰を叩いた。 「やれやれ、この老齢にもなると、勝手知ったる学院の中でさえも移動するだけでひと苦労じゃわい」 「大丈夫でしょうか、オールド・オスマン」 オスマンの身体を気遣うルイズ。 「ああ、構わんよ、ミス・ヴァリエール。はぁ、こんな時にミスタ・コルベールがおったら よかったんじゃが」 コルベールの名前を聞き、才人は一瞬表情に影を落とす。 「あッ……今のは失言じゃったな。気にせんでくれ。それより、例のミス・リシュが入れられていた という箱はどこかな?」 「確か、あちらの方だったかと」 地下室の一画を指差すルイズ。地下室は昨日あんなことがあったばかりなので、手つかずのまま 荒れ放題になっている。モゲドンが開けた大穴もそのままだ。 「ひどい具合じゃな。後で片づけの計画を立てんと。穴をふさぐには、土系統のメイジが何人も 必要になりそうじゃ。それも見繕わねばならんのぉ。全く、仕事ばかりが増えるわい。いい加減 新しい秘書を探そうかのう」 ため息だらけのオスマンを一瞥して、校長先生って大変なんだな、と才人は感じた。 しかし落ち着いていられるのはそこまでだった。突然、彼らを大きな揺れが襲ったのだ! 「うわッ!?」 「あいたッ! 尻を打ってしまったわい……!」 「お、オールド・オスマン! 立てますか?」 揺れによってしりもちを突いてしまったオスマンを、ルイズが助け起こす。 「今の揺れ……まさか、昨日の今日なのに、また!?」 ルイズが顔を青ざめていると、彼らの耳にガリガリと何かがかじられるような音が聞こえた。 「な、何よ、この音……?」 「あッ! あそこだ! あそこに変な生き物がたくさん!」 才人が指した先には、暗い緑色の軟体生物が大量に湧いていた! モゲドンの開けた穴から 地下室に侵入してきたのか。 「あのくねくねしたナメクジみたいのが、箱をかじってる!」 その軟体生物たちは、例の箱の周りに発生していて、箱や家具等をガジガジかじっているのだった! 「あぁーッ! リシュの手掛かりを、何てことするのよッ!」 「二人とも、下がっていなさい! ここは先生のわしがあれらを退治してみせよう!」 オスマンがその魔法の実力を以てして軟体生物たちを退けようと杖を握り直した。 が、その時に彼の腰から、グギッ、と嫌な音が響いた。 「はがッ! こ、腰が……」 ぎっくり腰であった。さっきのしりもちで痛めてしまったようだ。 才人はついがっくりと肩を落としたが、気を取り直してデルフリンガーを抜いた。 「ルイズは校長先生を連れてここから退避してくれ! 俺が追っ払ってくる!」 「頼んだわ、サイト!」 「すまんのう、サイト君。あいたたた……」 オスマンに肩を貸したルイズが地上への階段まで下がっていくと、才人はデルフリンガーを 構えて一気呵成に軟体生物の群れに斬りかかっていった。 「はああぁぁぁッ!」 ひと纏まりになっている軟体生物たちを袈裟に切り払う才人。すると生物たちは才人を 敵と見なして、一斉に飛びかかってきた! 「うわッ! このぉッ!」 しかしその程度にはひるまない才人は、ガンダールヴの力を発揮して片っ端から軟体生物を 斬り捨てていく。 だがひと際大きな生物を斬ったかと思うと、その生物の三つに分かれた破片はそれぞれが 小さな生物に変化した! 「な、何ッ!?」 しかも三体の生物は寄り集まって、再び元の大きさの生物に合体した。よく見れば、他の生物も それぞれで集まって大きな生物へと合体をしていっている。 「こいつら、一匹一匹が合体して大きくなるのか! それとも一個の生物が分裂してるのか……!?」 驚く才人をデルフリンガーが叱咤した。 「相棒、惑わされるな! 分かれる大きさには限界があるみたいだ。小さい奴から斬っていきゃあ、 いつかは確実に倒し切れる! お前さんの根性を見せてみな!」 「分かった! 根性なら負けないぜ! おおおおおッ!」 鬨の声を上げた才人は助言通りに、小さい生物から着々と撃破していく。その甲斐あって、 軟体生物は少しずつでも数を減らしていく。 しかし軟体生物の方も学習するようだった。バラバラに戦っていては敵わないと見たか、 全個体が一斉に一箇所へと集合していくのだ。 「これは……やばいッ!」 以前としておびただしい量がいる。それらが全て合体するとしたら……すぐに想像がつく。 「ギュイイイイイイイイン!」 果たして全部が合体した軟体生物は、鋭い角と牙、たくましい両腕と大きく開いた口を備えた、 最早ナメクジのような容貌を超えた怪物へと姿を変えた。 これこそが複数の個体が合体し合って一個の巨大生物の姿を形作る、集結怪獣ガミバの真の姿である! 「ギュイイイイイイイイン!」 ガミバは太い腕を猛スピードで才人へ振り下ろす! 「うわあああぁぁぁぁぁぁぁッ!?」 才人は受け止めることはもちろん逃げることも出来ず、呆気なくガミバの手の平の下敷きに なってしまった……。 かと思われたが、ガミバの手が徐々に押し上げられていく。 「ギュイイイイイイイイン!?」 「セェェェアッ!」 手の平を押し返して下から現れたのは、ウルトラマンゼロだ! 才人は押し潰されそうに なったその時に、危ないところでゼロアイの装着をしていたのだ。 『でりゃああああッ!』 ゼロは等身大の状態でウルトラゼロキックを決めた! 飛び蹴りはガミバの喉元に突き刺さり、 派手に転倒させる。 「ギュイイイイイイイイン!」 今の攻撃で驚いたらしいガミバは、その場に穴を穿ってより深い地底へと逃走していく。 だがガミバは地形に影響が出るほどの途方もない量の岩石を食らい、大地震や大地の陥没を 引き起こしてしまう危険な怪獣だ。放っておけば、大惨事が起こりかねない。 「ジュワッ!」 そこでゼロはハルケギニアの安全を守るために、ガミバの後を追いかけて穴に飛び込んでいった。 ゼロは飛びながら徐々に巨大化していき、マグマの川が流れる地底の大空洞に出た時には いつものサイズとなっていた。ガミバの方も、広い空間に出たことで更に巨大化しており、 ゼロを待ち構えていた。 今この地底空間において、ゼロとガミバの決闘が始まる! 『でぇりゃぁッ!』 まずはゼロの先制攻撃だ。瞬時に間合いを詰め、脳天にチョップを叩き込む。 「ギュイイイイイイイイン!」 咆哮を上げるガミバだが、元々軟体生物故か、さほど効いているように見えない。打撃は効果が薄そうだ。 「ギュイイイイイイイイン!」 ガミバからの反撃が来る。開かれた口から黄色い液体がゼロ目掛け吐き出される! 『おっと!』 さっとかわすゼロ。液体は背後の岩壁に掛かると、壁は煙を上げてドロドロに溶けていく。 強力な溶解液、それがガミバの武器だ。 『こいつは食らう訳にはいかねぇな。せぇりゃッ!』 ゼロは溶解液を警戒しながらも、怒濤のラッシュをガミバに叩き込む。その勢いに押され、 ガミバの動きが大きく鈍る。 『これでフィニッシュだぜ!』 そこにゼロはワイドゼロショットを放つ。打撃が効果なくとも、光線で細胞の一片まで 焼き払ってしまえばいいだけのことだ。 だが、ワイドゼロショットが着弾する寸前に、ガミバの身体が無数に分裂して光線をかわした! 『何ッ!?』 分裂したガミバは素早く飛んでゼロの背後に回り込み、そこで再集結して巨大怪獣に戻る。 群体がひと纏まりに合体した怪獣だからこそ出来る荒業だ。 「ギュイイイイイイイイン!」 『うおぉッ!』 振り返ったゼロに、ガミバは口を、ゼロを丸呑みに出来るほどに拡大して食らいついてきた。 ガミバの肉体は本当に自由自在に変化するのであった。 咄嗟に両手と足でガミバの口を抑え、呑まれるのを阻止したゼロだが、マグマの川の方へ 押しやられて、淵に立たされた。このままではマグマの中に突き落とされてしまう! 『くっそ……!』 一転して防戦一方のゼロ。カラータイマーも点滅し始めた。そろそろタイムリミットも近い! 『何のこれしきぃッ! せぇぇぇいッ!』 しかし才人がそうしたように、ゼロも根性を見せた。抑え込まれた状態でエメリウムスラッシュを 発射。ガミバの口の中に! 「ギュイイイイイイイイン!!」 体内に光線を撃たれたガミバは、身体の内側から燃焼を起こす。バタバタもがき苦しみ、 その隙にゼロは脱出した。 炎上していくガミバは悶えながら、自分がマグマの川に転落した。巨体が完全に没し、 二度と上がってこなかった。高熱のマグマの中で燃え尽きたのだろう。 「デュワッ!」 一発逆転、ガミバを倒したゼロは通ってきた穴をそのまま引き返し、元の地下室へと舞い戻っていった。 「ルイズ、校長先生! もう大丈夫ですよ」 ガミバを退治してから、才人は避難させた二人を呼び戻した。オスマンはまだ腰を痛めていたが、 先に箱の方を見てもらった。 と言っても、箱はガミバによって既に跡形もなくバラバラにされてしまっていた。 「あちゃ~……木片しか残ってないよ」 「うぅむ……これではどんなことが記されてあったのかも分からんの」 箱はほとんどが食われてしまってもいるようで、最早修復不可能。リシュの貴重な手掛かりは 完全に潰えてしまったのだった。 「こんなことになるんだったら、リシュを見つけた時によく調べておくんだったわね。もう、 タイミングが悪いわ……」 落胆したルイズがため息を吐く。 『……』 一方で、ゼロが意味ありげに沈黙しているので、才人がそっと尋ねかけた。 「どうした、ゼロ? 何か気になることでも?」 『ああ、いや……』 ゼロは、ルイズの言う通りにガミバ出現がいやにタイミングが悪かったことに気をかけていた。 それは裏を返せば、箱を処分してリシュのことを隠したい者にとってはタイミングがよかったと いうことになる。 しかし仮にそうだったとしたら、その者は自分たちの動向をどうやって把握したのだろうか。 監視されているような気配は微塵も感じなかったが。 『……まさかな』 ゼロはふとリシュの顔を思い返したが、それまでずっと眠っていて、起きてからもずっと 自分たちといたリシュが地底のガミバを動かせるとも考えにくいので、その考えを振り払ったのだった。 「はぁぁ~……。今日は、リシュの方もクリスの方も、何も進展しなかったなぁ……」 夜。ルイズの部屋で、才人が大きなため息を吐いた。 リシュの件は、唯一の明確な手掛かりである箱が破壊されてしまい、他のところを調べても 何もリシュにつながりそうなものは出てこなかった。そしてクリスの方の舞踏会の件は、やはり 生徒たちからの反発が強いのだ。根強く説得すれば理解してもらえるかもしれないが、クリスは いつまでこの学院にいるか分からない身。そうそう時間は掛けられない。 二つも問題を抱えてしまい、しかもどちらも解決の目途が立ちそうにない現状。才人が気苦労を 背負ってしまうのも当然であろう。 「すー……すー……」 その一方で、リシュはもうおねむのようで、ベッドの上に横になってかわいい寝息を立てている。 それを呆れたようにながめるルイズ。 「いいご身分よね。自分のことでわたしたちがどれだけ苦労してるか、分かってるのかしら?」 「小さい子供は遅くまで起きられないのですから、仕方ありませんよ。子供はたくさん寝て 早く大きくなるのが仕事とも言いますし」 肩をすくめたルイズをシエスタがなだめた。 それから悩むのを打ち切った才人が言う。 「俺たちもそろそろ寝るか。うだうだしててもいい考えは思い浮かびそうにもないし、続きは明日、 また日が昇ってからにしよう」 「ええ、そうしましょうか」 「お休みなさいませ、サイトさん、ミス・ヴァリエール」 結局本日は何も解決しなかったが、また明日からがある。翌日に向けて気持ちを一新しようと 才人たちは、この日はおしまいにすることにした……。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第十七話「タルブ村の宝物」 黄金怪獣ゴルドン 登場 アルビオンからの帰還後、ルイズと才人はキュルケに誘われて、宝探しの旅につき合うことになった。 しかしどれだけ危険を冒そうと、見つかるのはガラクタばかり。嫌気が差してきたところで、 キュルケは次を最後にするという。その対象はタルブ村の『竜の羽衣』というお宝。それは、何の巡り合わせか、 シエスタの祖父がタルブ村にもたらしたものなのだという。 だが一行が訪問した時には、タルブ村は壊滅状態に陥っていた。近くの山に怪獣ゴルドンが棲みつき、 餌の黄金を探しに行く際の通り道にされたことで、村が蹂躙されてしまったのだった。 こうなっては『竜の羽衣』どころではない。キュルケはタルブ村を救うために、 自分たちでゴルドンを誘き出すことを提案した。そしてルイズたちは、彼女に押し切られる形で、 ゴルドンの巣穴を探しにシルフィードに跨って飛び立った……。 「見て、あそこ。あんなに大きな穴が開いてる。あそこが巣穴に違いないわよ」 タルブ村から飛び立ち、ゴルドンが棲みついているという山まで飛んできた一行は、 案外あっさりとゴルドンの巣穴らしき穴を発見した。何せ山のふもとに、大空洞といっても 差しつかえないほどの大きな穴が開いているのだ。あまりに目立つので、見逃すのが難しいほどだった。 「あれだけの大きさなら、シルフィードに乗ったまま中に入れるわね」 「むしろ、降りて入らなくちゃいけないんだったら、僕は帰るところだったよ。自分の足で 怪獣から逃げるような危険な真似は、絶対したくない」 キュルケのひと言で、ギーシュが情けないため息を吐いた。 穴は翼を広げたシルフィードが五匹横並びになっても、まだ十分な余裕があるほど広かった。 まぁ、40メイル級の巨大怪獣が掘ったのだから、それで当たり前なのかもしれないが。 「ねぇ、入るといっても、どっちの穴に入るの?」 ここでルイズがそんな質問をする。何故なら、彼らの見下ろす先にある穴は、二箇所あるからだ。 「ていうか、何で二つもあるのよ」 「別に巣の入り口が一つだけって決まってる訳じゃないでしょ。どっちに入っても、同じ場所に 通じてるんじゃない? だからどっちでも同じよ、きっと」 ルイズの疑問に、キュルケは適当に答えた。 「そんないい加減な……これから危険を冒すんだから、もっとよく考えた方が……」 「考えたって何も変わらないわよ。さッ、タバサ、シルフィードに穴に潜るよう指示して」 ルイズの意見を無視して、キュルケが頼む。それを受けたタバサの命令で、シルフィードが 斜め下に降下して穴の中に突入した。 「大丈夫かしら……?」 ルイズの懸念を置いて、シルフィードが進む。キュルケ、タバサ、ギーシュの三人掛かりの『ライト』で、 広大な穴の中が照らされて、巣穴のどこかにいるはずの怪獣ゴルドンの姿を探す。 しばらくは、誰もが緊張した面持ちで黙ったままでいる時間が続いた。しかしその内に、 彼らの目に土肌ではない、魔法の光を反射して煌びやかに輝く何かが映った。 「止まって!」 すぐにタバサはシルフィードを急停止させる。そして視界に映ったものの全貌が、一行の前に露わになった。 「間違いない。こいつがゴルドンだ……!」 才人が言い放つ。彼らの前に横たわっているのは、黄金色の肌を持つ、才人が写真で見たものと 寸分も違わぬ巨大怪獣、ゴルドンだった。 しかし今は熟睡して、いびきを立てている。一行がやってきたのにも気づいてない様子だ。 巨大生物のいびきなので音量もそれに見合うほどのものがあり、キュルケやルイズは思わず耳をふさいだ。 「こいつがタルブ村を滅茶苦茶にした奴なのね……。こんな呑気に眠り込んでるなんて、 腹立たしいわ……!」 ルイズがいら立ちまぎれにつぶやいた。ゴルドンは野生の怪獣なので、タルブ村を踏みにじったことに 罪悪感すら覚えていないのだろう。しかしタルブ村の住人の絶望した表情を思い返すと、 のんびり眠りこけている姿に怒りが湧いてくる。 「でも寝てるんじゃ、誘き出すことなんて出来ないわ。叩き起こしましょう」 「し、慎重にやってくれたまえよ!」 杖を向けるキュルケに、血相を抱えたギーシュが懇願した。 「分かってるって。『ファイアー・ボール』!」 本当に分かっているのか、キュルケは本気の火球を撃ち込んだ。だが体表で火球が炸裂しても、 ゴルドンは目を開ける気配すら見せなかった。寝転がったまま、先がハサミのように二又に分かれた 長い尻尾を鬱陶しそうに振ってきたので、シルフィードは慌てて後退した。丸で羽虫を追い払うかのような素振りだ。 「あ、あいつ……! たかが野獣のくせに、わたしたちをハエ扱い!? あったま来た!」 この所作に、貴族らしくプライドが高いルイズが激昂した。杖を抜くと、先端を寝そべったまま 動こうとしないゴルドンに向けて呪文を唱える。 「『ファイアー・ボール』!」 キュルケと同じ呪文だが、火球は飛び出ず、爆発がゴルドンの側面に発生する。その威力は、 火球の炸裂の何倍もあった。 「キョーキョキョキョキョ!」 今度ばかりはたまらず、ゴルドンは飛び起きた。そしてギロリとルイズたちをにらみつけると、 身体の向きを変えてシルフィードに向かってきた! 「! シルフィード!」 「きゅい! きゅいー!」 タバサが急いで指示を出すと、シルフィードはクルリと反転し、元来た道を引き返し出した。 ゴルドンは逃げるシルフィードを追いかけてくる。 「キョーキョキョキョキョ!」 「うわあぁぁ! 何てことをしてくれたんだねルイズ! 怒らせてしまったじゃないか!」 「け、結果オーライって奴よ! 元々こうやって地上に誘き出す予定だったじゃない!」 パニックになったギーシュが非難すると、ルイズは開き直った。 しかし実際、事態はさほど悪くはなかった。ゴルドンは鉱物の金を食べているからかどうかは定かではないが、 移動速度は大して速くはなかった。シルフィードが追いつかれるようなスピードは出せないようだ。 しかも怒りで我を忘れているようなので、地上に誘導されていることにも気づいてない様子だった。 「いい調子だわ。地上に出たら、みんなで精一杯声を張り上げてウルトラマンゼロを呼びましょう」 キュルケは己の立てた計画が順調に進んでいることに気を良くした。だが巣穴の途中で、 ゴルドンの動きに変化が起こった。 「キョーキョキョキョキョ!」 急に追いかけるのをやめて、首を振ってけたたましく鳴き声を出し続けたのだ。 「ちょっと、止まっちゃったわよ! ちゃんと追ってきてくれなきゃ困るじゃない! ルイズ、 もう一発ぶちかましてやりなさいよ」 ゴルドンに合わせてシルフィードも停止すると、キュルケがルイズをけしかけようとした。 その一方で、タバサはゴルドンの行動の変化に、悪寒を覚える。 「まさか……」 そして彼女の感じた悪い予感は、直後に的中したことが明らかになった。 「キョーキョキョキョキョキョ!」 シルフィードの背後、つまり地上側の地面がいきなり下から爆発したかのように弾け、 ゴルドンが這い出てきたのだ! 「えっ!!? 嘘!?」 これに目を見張る一同。何故なら、ゴルドンは既に、彼らの前方にいるからである。 ここで、ルイズたちが一つ勘違いをしていたことを説明せねばなるまい。彼らは「怪獣」という生物について、 一度に「複数の種」を目にすることはあったが、一度に「同一の種を複数」確認したことは今までに一度もなかったので、 「怪獣が一種につき一体きり」と、そんな誤解を心の奥底で覚えてしまっていた。才人もまた、 実際に同じ種の怪獣が複数いるところを目撃したことがなかったので、その可能性をすっかり失念していた。 だからこそ、はっきりと明記する。ゴルドンは二体いた! ルイズたちは挟み撃ちにされてしまったのだ! 「じ、冗談でしょう!? 二匹いるなんて反則よ!」 認めがたい現実を前にして、キュルケが思わずわめいた。だがそんなもので、二体のゴルドンが消えるはずがない。 「まずい……!」 才人や普段は冷静沈着なタバサも、この状況には顔を青ざめた。二体目のゴルドンの巨体により、 逃げ道が塞がれてしまったのだ。一行は怪獣の巣穴でにっちもさっちも行かなくなった。 「キョーキョキョキョキョ!」 「キョーキョキョキョキョキョ!」 二体のゴルドンは、前進も後退も出来ず狼狽しているシルフィードにじりじりと近寄っていく。 「き、きゃああああああッ! やめて! こっち来ないでよ!」 「ひぃぃぃぃぃぃ! ぼ、僕たちが悪かった! だから許しておくれぇ!」 プレッシャーに耐え切れずにルイズやギーシュが悲鳴を上げるが、怪獣に言葉が通じる訳もない。 ゴルドンたちが尻尾を振ってシルフィードを叩き落とそうとするのを、シルフィードは必死にかいくぐってかわす。 だがいつまでもよけ続けることは出来なかった。尻尾のひと振りが翼をかすめ、その際の衝撃で シルフィードは地面へ叩き落とされる。 「きゅーい!」 「わああああああああああッ!」 「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 当然騎乗しているルイズたちも転落し、地面に落下したことでほとんどが意識を失ってしまった。 そこに、怒りの収まらないゴルドンたちが容赦なく接近してくる。確実にペシャンコに押し潰すつもりだ。 「くそッ……! そうはさせるかぁッ!」 だがこの場面で立ち上がる者がいた。才人だ。かろうじて意識を繋いだ彼は、仲間たちを守るため、 延いてはタルブ村をこれ以上蹂躙させないために、ウルトラゼロアイを取り出す。 「デュワッ!」 ゼロアイを顔に装着し、たちまちウルトラマンゼロに変身して二体のゴルドンの前に立ちはだかった! 「キョーキョキョキョキョ!?」 突然40メイルの巨人が立ちはだかったことでひるんだゴルドンたちだが、そこは闘争心の塊の怪獣。 すぐに尻尾や長い首を棍棒のように振るって攻撃を仕掛ける。 「ハッ!」 ゼロは二体の打撃を、腕を盾にすることで弾き返す。ゴルドンは光線や火炎など、特別な攻撃方法を持たない。 重い巨体を活かした直接攻撃しか武器を持ち合わせていないのだ。だが単純な打撃は、ウルトラマンレオに 徹底的にしごかれて強靭な肉体を築き上げたゼロには通用しない。 『くッ……だがこいつは厄介な状況だぜ……』 しかしゼロの方も、無闇に反撃に転ずることが出来ないでいた。何故なら、彼のすぐ後ろには 気を失ったルイズたちが横たわっているからだ。下手に立ち位置を変えたら、彼らがゴルドンに 踏み潰されてしまうかもしれない。光線技や大技も、巻き込む恐れがある。しかも現在の場所は、 ゼロの巨体には狭すぎる怪獣の巣穴。よってゴルドンたちを別の場所へ引き寄せることも出来ないのだ。 と言っても、いつまでもこのままでいる訳にもいかない。ゼロのエネルギーはハルケギニアでは 三分しか持たないのだ。三分を越えれば、才人の姿に戻ってしまう。そうなったら結局は全滅だろう。 『こんな狭い場所じゃミラーナイトも呼べねぇし、どうすりゃいいんだ……!』 圧倒的不利の状況に悩みながらも、ゴルドン二体の攻撃をさばくゼロ。だが打撃をはね返した直後の わずかな隙を突かれて、一体目の尻尾が首に巻きついてしまった。 「キョーキョキョキョキョ!」 『ぐッ!? しまった!』 更に二体目の尻尾も首に巻きつけられる。二体に首を絞められて、さしものゼロもたまらずに悶絶した。 「キョーキョキョキョキョキョ!」 『ぐおおおお……! く、苦しい……!』 怪獣の怪力が首に掛かり、ゼロはその場で膝を突いた。それに気を良くしたのか、ゴルドンたちがもっと力を強める。 『くッ……そぉッ! あんまり調子づくんじゃねぇよ!』 その時、ゼロが遂に怒りを解放した。ウルティメイトブレスレットを叩くと全身が赤く染まり、 力ずくで尻尾の拘束を振りほどく。超パワーの戦士、ストロングコロナゼロに変身したのだ! 「キョーキョキョキョキョ!」 尻尾を解かれたゴルドンたちは、代わりのように頭突きを繰り出すが、 『せいッ!』 その脳天にゼロの鉄拳が炸裂した。頭部に激突した拳の衝撃はゴルドンたちの頭蓋骨を通り抜けて 脳まで伝わり、軽い脳震盪を起こさせる。 「キョーキョキョキョキョキョ……!」 『ふんッ!』 グロッキー状態になった二体の首根っこを、ゼロがむんずと掴む。そして、 『どぉぉぉりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』 ストロングコロナの怪力の本領を発揮して、二体の巨体を地上へ向けて投げ飛ばした! ゴルドンたちはまっすぐ吹っ飛んでいき、巣穴を飛び出して大地に転がった。 『はッ!』 ゴルドンたちを一旦排除したゼロは、ストロングコロナからルナミラクルゼロに変身し直す。 そして両手で気絶中のルイズたち全員をすくい上げると、精神を集中して、ルナミラクルの得意とする 超能力を発動してテレポートした。 移動先は、巣穴の外。ゴルドンたちが這いつくばっているのを尻目に、ゼロは山林の中にルイズたちを降ろした。 『よぉし、これで目いっぱい戦えるぜ! ゴルドンども、年貢の納め時だ!』 窮地を見事切り抜けたゼロは、ルナミラクルから通常の状態に戻った。と同時に、持ち直した ゴルドンたちがゼロに押し寄せてくる。 「キョーキョキョキョキョ!」 『ふんッ! はッ!』 相変わらず尻尾や首を振り回して攻撃してくる二体のゴルドンに、ゼロは防御しつつカウンターで 首筋にチョップを見舞う。 「キョーキョキョキョキョキョ!」 攻撃を繰り出しているゴルドンたちの方が、一方的に痛めつけられる結果となった。 開放されている太陽の下では、ゴルドン側に勝ち目がある訳がないのだ。 「キョーキョキョキョキョ!」 それでも怪獣の意地なのか、背中は見せない。一体目が先ほどのように尻尾をゼロの首目掛け伸ばし、 二体目は突進して頭部の角を突き刺そうとする。 『同じ攻撃を二度も食らうかよ!』 しかし尻尾はゼロに易々とキャッチされ、それだけでなく、瞬時に二体目の首に巻きつけられた。 「キョーキョキョキョキョキョ!」 まさかの事態に目を白黒させた二体目も尻尾をゼロに伸ばすがそれも掴まれて、同じように 一体目の首に巻きつけられた。二体のゴルドンは互いの首を絞め合う形になる。 「キョーキョキョキョキョ!」 「キョーキョキョキョキョキョ!」 二体ともほどこうともがくが、互いに勝手に暴れ回ることで余計に絡み、もつれ合う。 激しくのたうち回った末にようやく尻尾がほどけると、両者ともひどく体力を消耗してしまった。 「シャッ!」 この瞬間に、ゼロがゼロスラッガーを投擲した。スラッガーは二体目の首と尻尾の付け根を切断する。 二体目は綺麗に三分割され、たちまち絶命して大地に転がった。胴体の切断面からは、 砂金が零れ落ちる。 「キョーキョキョキョキョ!」 これに激怒した一体目は、仲間の仇を取ろうとしているのか、猛然とゼロに突進していく。 「シェアッ!」 「キョーキョキョキョキョ!!」 しかしその首元にエメリウムスラッシュが撃ち込まれると、爆発とともにゴルドンの命の灯火が消え、 その場に倒れ伏した。タルブ村を踏みにじり、トリステインから黄金を奪っていたゴルドンは二体とも ゼロによって倒されたのだ。 戦いに勝利すると、ゼロは森の中に降ろしたルイズたちに視線をやる。 『やれやれ……何とかなったからよかったが、一時はどうなるもんかと思ったぜ。もう下手に 危険に手を出すような真似は控えてもらいたいな』 主にキュルケに向けて、肩をすくめながら独白すると、空に飛び上がってタルブ村から去っていった。 後日のことだが、黄金怪獣ゴルドンの死体からは、150tの純金が採れた。その黄金は、 タルブ村とトリスタニア、そしてトリステイン軍の復興資金に充てられた。これにより 復興の目途が全く立たずに途方に暮れていたトリステイン軍は、瞬く間に以前の規模を 軽々と超越するほどまでに復活し、トリスタニアとタルブ村も常識外のスピードで復興が成された。 このことにより、タルブ村は怪獣に蹂躙された悲劇の村から一転、トリステインに救いをもたらした 「奇跡の村」と呼ばれるようになった。 「あ~……ホント、ひどい目に遭ったわ……」 そうなることは露知らず、ゼロに救出された後のキュルケは、げっそりとした表情でそうつぶやいた。 無理に虎穴に手を突っ込むような真似をして、危うくゴルドンに殺されかけたことが相当応えたようだ。 「もうあんな、怪獣を甘く見た行動は取らないでよね。次もまた助かるなんて保証はないんだから」 「分かったわ……。あたしだって死ぬのはごめんよ。やっぱり、怪獣は近寄るもんじゃないわね……」 ルイズが注意すると、キュルケは珍しく素直に聞き入れた。それほど骨身に染みたということだろう。 ルイズと才人は何だかおかしくなって、クスッと笑い合った。 それはともかく、これでタルブ村は救われたということで、一行は早速シエスタに本来の目的である 『竜の羽衣』の下へ案内してもらうことになった。怪獣が倒されたと聞いたシエスタは感激のあまり、 何故か才人に抱きついて、ルイズの癇癪を招いたのだが、それはまぁいいだろう。 一行が案内された場所は、タルブ村の近くに建てられた寺院である。この場所は村はずれということもあって ゴルドンの被害を受けておらず、家を踏み潰された人々が身を寄せていたのだが、もう大丈夫だと知ると 皆村の修復のために大喜びで帰っていった。 そしてその寺院なのだが、造りをひと目見た才人は驚きを見せた。丸木が組み合わされた門の形。 石の代わりに、板と漆喰で作られた壁。木の柱……。白い紙と、縄で作られた紐飾り……。 それはどう見ても、ハルケギニアの文化には似つかわしくない建築物で、地球の日本特有の祭殿 『神社』だったのだ。 それだけではない。その神社に祭られている『竜の羽衣』を目にすると、言葉をなくした。 深い緑色の胴体の左右に、鉄板の翼が取りつけられ、前にはプロペラという、ハルケギニア社会では お目に掛かったことのないものが存在する。シエスタが「壊れている」と言った通り、 一度バラバラになったのを形だけでも元の通り繋ぎ合わせただけでもう飛ぶことは出来ないだろうが、 これが本当に空を飛べたことを、才人は理解していた。 「サイト、どうしたの? さっきから固まってるけど……」 ルイズが様子のおかしい才人に向けて尋ねかけるが、才人は何も答えず、代わりにシエスタに向き合って 肩をつかんだ。ルイズはムッと顔をしかめるが、気づきもせずに才人が質問する。 「シエスタ、お前のひいおじいちゃんが遺したものは、ほかにないのか?」 シエスタは頬を染めて、才人の目を見つめ返した。 「えっと……、あとはたいしたものは……、お墓と、遺品が少しですけど」 「それを見せてくれ」 シエスタは才人の頼みで、村の共同墓地へ連れていった。ルイズも主に二人を監視する目的でついてきた。 シエスタの曽祖父のお墓は、共同墓地の一画にあった。白い石でできた、幅広の墓石の中、 一個だけ違うかたちのお墓があった。黒い石で作られたその墓石は、他の墓石と趣を異にしている。 墓石には、墓碑銘が刻まれていた。 「ひいおじいちゃんが、死ぬ前に自分で作った墓石だそうです。異国の文字で書いてあるので、 誰も銘が読めなくって」 シエスタが呟いた。才人はその字を読み上げた。 「海軍少尉佐々木武雄、異界ニ眠ル」 才人がスラスラ読み上げたことで、シエスタもルイズも目を丸くした。 「サイト……それが読めるってことは、シエスタのひいおじいさんは……」 ルイズがシエスタの曽祖父の正体に勘付いた。その一方で、シエスタは驚きのあまり口を両手で覆っている。 「サイトさん……それを読んだということは、サイトさんがもう一つの『竜の羽衣』を 目にすることの出来る人だったんですね……」 「え……?」 妙なことを口走ったシエスタに、ルイズが振り返る。 「ちょっと、今のどういうこと? 『竜の羽衣』って、もう一つあったの?」 「はい」 ルイズの問い返しに、シエスタがコクリとうなずく。 「ただ、もう一つの方は、みだりに村の外の人に話すなと口止めされてたので教えませんでした。 けれど、今は別です。ひいおじいちゃんの遺言に、この銘が読める人にその存在を教えて、 それがある場所へ案内すべしとありますから」 才人は、先に見せられた『竜の羽衣』の正体を知っていた。それは、20世紀の太平洋戦争時に 日本が製造した戦闘機、ゼロ戦だ。それをタルブ村にもたらしたシエスタの曽祖父は、その時代の 日本人ということになる。 しかし、『もう一つの竜の羽衣』というものは、全く見当がつかなかった。そう何機も戦闘機を こちらの世界に持ち込むことは出来ないはずだ。一体何なのだろうか? 「もう一つの方は、寺院の裏の山に隠されてあります。ご案内しますね」 シエスタは、遺言に従って才人をその場所へと案内し出した。 「この洞窟の中です」 シエスタに連れてこられたところは、神社の背後にある山の、切り立った崖。その一箇所に、 やたらと大きく開いた入り口がある。だが山の陰になる場所にあるので、土地勘のない者は 簡単には見つけられないだろう。 ルイズも当然の如くついてきていた。シエスタは、ルイズが読んだ訳ではないと同行を反対したが、 「使い魔の権利は主人のわたしの権利でもあるわ!」と強硬に主張し、結局押し通したのだった。 「こっちの『竜の羽衣』の方は、もっととんでもない話なんです。空を飛んだというのはもちろん、 巨人に変身したとか。当然信じてる人はいませんが、『固定化』を掛けてないのに何十年も老朽化せず そのままの状態を保ってることから、想像がつかないほどすごいものであることには違いないということで、 みんなひいおじいちゃんの言いつけ通り、これを隠して今日まで守ってきました」 入り口の前で、シエスタが事前説明をする。それを聞いたゼロが、ひと言ボソッとつぶやく。 『巨人に変身……まさか……』 「とても大きくて、さっきのよりおかしな形をしてるので、見ても驚かないで下さいね。 それじゃあ、中に入ります」 松明に火を灯して、シエスタが先導する。それに続いた才人とルイズの目に、炎の明かりに照らされた 巨大な人工物が映った。 『もう一つの竜の羽衣』は、あまりに大きくて視界に収まり切らないのではっきりとは分からないが、 全体的に渡り鳥に似た形状をしているようだった。白い下地を、赤い縁取りで彩っている。 ゼロ戦はすぐに分かった才人も、これが何なのかは心当たりがなかった。 代わりに、ゼロが叫ぶ。 『こいつは!? な、何でこんなところにいるんだよ!』 「きゃっ!? ちょっと、急に大声出さないでよ。ビックリするじゃない」 ルイズが、ゼロの声はシエスタには聞こえてないことも忘れて抗議した。急に口を開いたルイズに、 シエスタが怪訝な目を向けているのが、構わずにルイズが囁く。 「それで、あなたはこれが何なのか分かったの?」 ゼロはすぐに答えた。 『ああ……。こいつはスターコルベット・ジャンバード。俺の仲間……つまり、ウルティメイトフォースゼロの ジャンボットのもう一つの姿だ!』 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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2008年12月17日から18日にかけての深夜、ヲタスレにて唐突に2008年度新嫁選択会議が行われた。 1巡目ではインデックス(とある魔術の禁書目録)、櫛枝実乃梨(とらドラ!)で競合が発生。結果は以下のとおり。 3巡目からはウェーバー方式が採用された。それゆえの悲劇も多々あったという。 深夜もいい時間になってくると素直に「真に嫁にほしい人」を選ぶか「他人が嫁にしたがっている人」を奪い取るかという 究極の選択に各チームのフロントは大いに頭を抱え、そして他チームの選択に一喜一憂した。 なお、指名された各嫁は全員入籍契約を行ったとのこと。 第一回選択希望嫁 pop インデックス とある魔術の禁書目録 くろにーそ シルファ ToHeart2 AnotherDays 沼者 射命丸 文 東方シリーズ らぐ ナギ かんなぎ ソラと有希 長瀬 湊 あかね色に染まる坂 お断りします 七海 アオ 夜桜四重奏 みなみは俺の嫁 諸葛亮 孔明(朱里) 恋姫無双 眞飛鳥 500系W編成 JR西日本 馬場崎 因幡 てゐ 東方シリーズ ぴか 櫛枝 実乃梨 とらドラ! スペランカー ホロ 狼と香辛料 ちんくぱ 伊吹 萃香 東方シリーズ 現役総理大臣麻生 四条 貴音 THE IDOLM@STERシリーズ かながわ (指名権無し) Ichiba (指名権無し) 第二回選択希望嫁 pop ランカ・リー(キラッ☆) マクロスF くろにーそ 大地 メロン アキカン! 沼者 古明地 さとり 東方シリーズ らぐ 川嶋 亜美 とらドラ! ソラと有希 千葉 紀梨乃 バンブーブレード お断りします 川添 珠姫 バンブーブレード みなみは俺の嫁 片桐 優姫 あかね色に染まる坂 眞飛鳥 アリス・キャロル ARIA The ORIGINATION 馬場崎 九鳳院 紫 紅 ぴか 槍桜 ヒメ 夜桜四重奏 スペランカー 日奈森 亜夢 しゅごキャラ! ちんくぱ シャナ 灼眼のシャナ 現役総理大臣麻生 星井 美希 THE IDOLM@STERシリーズ かながわ シェリル・ノーム マクロスF Ichiba (指名権無し) 第三回選択希望嫁 馬場崎 エムエム ケメコデラックス 眞飛鳥 神裂 火織 とある魔術の禁書目録 スペランカー 春原 芽衣 CLANNAD かながわ 瀬戸 燦 瀬戸の花嫁 らぐ ルッキーニ ストライクウィッチーズ ソラと有希 一ノ瀬 ことみ CLANNAD お断りします 天海 春香 THE IDOLM@STERシリーズ 現役総理大臣麻生 古河 渚 CLANNAD ちんくぱ (選択終了) みなみは俺の嫁 宮藤 芳佳 ストライクウィッチーズ pop (選択終了) くろにーそ 菊池 真 THE IDOLM@STERシリーズ ぴか 坂本 美緒 ストライクウィッチーズ 沼者 藤原 妹紅 東方シリーズ Ichiba 浅間 美哉 セキレイ 第四回選択希望嫁 Ichiba 桂 言葉 School Days 沼者 逢坂 大河 とらドラ! ぴか 晃・E・フェラーリ ARIA くろにーそ 如月 千早 THE IDOLM@STERシリーズ みなみは俺の嫁 萩原 雪歩 THE IDOLM@STERシリーズ 現役総理大臣麻生 (検閲により削除) CLANNAD お断りします 宮沢 有紀寧 CLANNAD ソラと有希 相楽 美佐枝 CLANNAD らぐ 水瀬 伊織 THE IDOLM@STERシリーズ かながわ 南 夏奈 みなみけ スペランカー 三塚井 ドクロ 撲殺天使ドクロちゃん 眞飛鳥 乃木坂 春香 乃木坂春香の秘密 馬場崎 秋月 律子 THE IDOLM@STERシリーズ 第五回選択希望嫁 馬場崎 乱崎 凶華 狂乱家族日記 眞飛鳥 C.C. コードギアス 反逆のルルーシュ R2 スペランカー ざんげちゃん かんなぎ かながわ 両儀 式 空の境界 らぐ 古河 早苗 CLANNAD ソラと有希 高槻 やよい THE IDOLM@STERシリーズ お断りします 涼宮 茜 君が望む永遠~Next Season~ 現役総理大臣麻生 音無 小鳥 THE IDOLM@STER みなみは俺の嫁 南 千秋 みなみけ くろにーそ 加藤 乙女 School Days ぴか 南 冬馬 みなみけ 沼者 南 春香 みなみけ Ichiba 高良 みゆき らき☆すた 第六回選択希望嫁 Ichiba 古手川 唯 To LOVEる 沼者 フランドール・スカーレット 東方シリーズ ぴか 蒼崎 橙子 空の境界 くろにーそ 紅 美鈴 東方シリーズ みなみは俺の嫁 岩崎 みなみ らき☆すた 現役総理大臣麻生 西連寺 春菜 To Loveる お断りします 藤堂 志摩子 マリア様がみてる OVA ソラと有希 西行寺 幽々子 東方シリーズ らぐ ティファニア・ウエストウッド ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~ かながわ 小牧 愛佳 OVA ToHeart2 スペランカー 結木 美柑 To Loveる 眞飛鳥 田村 ひより らき☆すた 馬場崎 泉 こなた らき☆すた 第七回選択希望嫁 ぴか 五十音 ことは 夜桜四重奏 お断りします 小牧 郁乃 ToHeart2 沼者 小早川 ゆたか らき☆すた くろにーそ 向坂 環 ToHeart2 かながわ 久寿川 ささら ToHeart2 みなみは俺の嫁 桂 ヒナギク ハヤテのごとく! すま ヘカテー 灼眼のシャナ 眞飛鳥 十波 由真 ToHeart2 ソラと有希 十六夜 咲夜 東方シリーズ 現役総理大臣麻生 さくら ツバサ スペランカー 坂上 智代 CLANNAD らぐ 柊 かがみ らき☆すた 馬場崎 ルイズ(ry ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~ Ichiba (選択終了) 第八回選択希望嫁 馬場崎 チルノ 東方シリーズ らぐ 柊 みき らき☆すた スペランカー 沢近 愛理 スクールランブル 現役総理大臣麻生 (選択終了) ソラと有希 レミリア・スカーレット 東方シリーズ 眞飛鳥 フェイト・T・ハラオウン 魔法少女リリカルなのはStrikers すま 清水 薫 MAJOR みなみは俺の嫁 小泉 チカ 今日の5の2 かながわ 嘉村 令裡 怪物王女 くろにーそ 金色の闇 ToLOVEる 沼者 水橋 パルスィ 東方シリーズ お断りします 笹森 花梨 ToHeart2 ぴか 雨宮 優子 ef - a tale of memories 第九回選択希望嫁 ぴか 百枝 まりあ おおきく振りかぶって お断りします 稗田 阿求 東方シリーズ 沼者 八雲 紫 東方シリーズ くろにーそ 猫宮 のの よつのは かながわ 南斗星 きみある みなみは俺の嫁 モルテ・アーシェラ World Destruction すま 笠原 郁 図書館戦争 眞飛鳥 朝倉 音姫 D.C.Ⅱ ソラと有希 (選択終了) スペランカー 古手 梨花 ひぐらしのなく頃に解 らぐ 高町 なのは 魔法少女リリカルなのはStrikerS 馬場崎 ゆの ひだまりスケッチ×365 指名嫁一覧 pop くろにーそ 沼者 らぐ ソラ お断り みなみ 眞飛鳥 馬場崎 ぴか スペ ちんくぱ 麻生 かながわ Ichiba すま 1 インデックス シルファ 射命丸 ナギ 長瀬湊 七海アオ 朱里 500系W てゐ 櫛枝実乃梨 ホロ 萃香 四条貴音 2 ランカ・リー 大地メロン 古明池さとり 川嶋亜美 千葉紀梨乃 川添珠姫 片桐優姫 アリス・キャロル 九鳳院紫 槍桜ヒメ 日奈森亜夢 シャナ 星井美希 シェリル・ノーム 3 (選択終了) 菊池真 藤原妹紅 ルッキーニ 一ノ瀬ことみ 天海春香 宮藤芳佳 神裂火織 エムエム 坂本美緒 春原芽衣 (選択終了) 古河渚 瀬戸燦 浅間美哉 4 如月千早 逢坂大河 水瀬伊織 相良美佐枝 宮沢有紀寧 萩原雪歩 乃木坂春香 秋月律子 晃・E・フェラーリ 三塚井ドクロ 藤林杏 南夏奈 桂言葉 5 加藤乙女 南春香 古河早苗 高槻やよい 涼宮茜 南千秋 C.C. 乱崎凶華 南冬馬 ざんげちゃん 音無小鳥 両儀式 高良みゆき 6 紅美鈴 フランドール ティファニア 幽々子 藤堂志摩子 岩崎みなみ 田村ひより 泉こなた 蒼崎橙子 結木美柑 西連寺春菜 小牧愛佳 古手川唯 7 向坂環 小早川ゆたか 柊かがみ 十六夜咲夜 小牧郁乃 桂ヒナギク 十波由真 ルイズ 五十音ことは 坂上智代 さくら 久寿川ささら ヘカテー 8 金色の闇 水橋パルスィ 柊みき レミリア 笹森花梨 小泉チカ フェイト チルノ 雨宮優子 沢近愛理 (選択終了) 嘉村令裡 清水薫 9 猫宮のの 八雲紫 高町なのは (選択終了) 稗田阿求 モルテ 朝倉音姫 ゆの 百枝まりあ 古手梨花 南斗星 笠原郁 関係者のコメント 1巡目を終えて 787 :らぐ :08/12/18 01 55 22 ID d+vbPI15 あー…なんで中古を一位指名したんだろ 4巡目選択中 14 :沼者@札幌 ◆zMTNOKkv0I :08/12/18 03 20 44 ID 3ynhYUmr ここまでは理想通りに事が運んでいる、来期への構想が膨らむ 4巡目みなみは俺の嫁氏の萩原雪歩指名に関して 17 :西行寺 :08/12/18 03 21 01 ID FomoxO9b (ちくしょーの巨大AAry 18 :現役総理大臣麻生 :08/12/18 03 21 05 ID ZQdpFAPC あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ なんでみなみにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい 正直予想GUYです 19 :馬場崎@スペと婚約しました ◆KwCfu1mH8k :08/12/18 03 21 50 ID 2Exz+Ytx ボビーマジックならぬみなみマジック炸裂!! 20 :西行寺 :08/12/18 03 21 54 ID FomoxO9b みなみ考え直せな? __,冖__ ,、 __冖__ / // `,-. -、 ヽ └ァ -- 、 〔/ / ヽ_ _ノ)_ノ `r=_ノ / __,冖__ ,、 ,へ `,-. -、 ヽ く ´ 7_//  ̄ ̄ ̄ \ ヽ_ _ノ)_ノ \ / / \ \ n 「 | ● ●\ ll || .,ヘ / ` (__人__) | . n. n. n ヽ二ノ__ { |r┬-/ | |! |! |! _| ゙っ  ̄フ ` ⌒´ / o o o (,・_,゙ /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ 28 :お断りします@千葉:08/12/18 03 23 09 ID 8lJxdegK うそだといってよバーニィwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ありえねぇwwwwwwwwwwwwwwwww みなみてめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 本気でこの展開かよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 24 :みなみは俺の嫁 :08/12/18 03 22 40 ID gv8Rd8KY イヤッホオォォォゥ!!1! サプライズ指名成功 51 :お断りします@千葉:08/12/18 03 29 25 ID 8lJxdegK 悔しくて本気で涙でてきたwwwwwwwwww 5巡目眞飛鳥のC.C.指名に関して 129 :スペ:08/12/18 03 44 56 ID cOCqyhMV うわあああああああああああああああああああああ 133 :西行寺 :08/12/18 03 45 35 ID FomoxO9b また候補が減ったぞ (ちくしょーのAAry 135 :お断りします@千葉:08/12/18 03 45 47 ID 8lJxdegK m9m9m9m9m9m9m9m9m9( ^Д^ )9m9m9m9m9m9m9m9m9m9m 136 :馬場崎@スペと婚約しました ◆KwCfu1mH8k :08/12/18 03 45 55 ID 2Exz+Ytx CC人気やなwww 137 :眞飛鳥 ◆500W9NKPwM :08/12/18 03 45 59 ID hCwa3lmi え?俺? まあ何はともあれざまあwwwwwwwwwwwwwww 138 :現役総理大臣麻生 :08/12/18 03 46 17 ID ZQdpFAPC パンヤでCCセット買ってる人ざまぁwwwwww 144 :スペ:08/12/18 03 47 24 ID cOCqyhMV やっべほんと涙出てきたwwwww断くんの気持ちがよくわかった やっぱ取りたいものから取らなきゃダメだ 152 :スペ:08/12/18 03 49 56 ID cOCqyhMV くやしい。本気で悔しい。世の中にこんなに悔しい事があるなんて思いもしなかった 指名予定嫁を取れなかったことに関して 203 :スペ:08/12/18 04 02 31 ID cOCqyhMV 俺たち悪くないよね? 何でこんなに辛いんだろうね? 何で涙が止まらないんだろうね? 210 :お断りします@千葉:08/12/18 04 04 34 ID 8lJxdegK 俺さ 実際次に取られたらAAでウソダドンドコドーンだのやろうと思ってたんだけどさ 頭ん中真っ白になってそんな余裕保てなかったわ 218 :スペ:08/12/18 04 06 36 ID cOCqyhMV だよね… 俺もさ あまりのショックにくわえタバコおとして布団焦がしちゃった 5巡目終了時点 269 :馬場崎@スペと婚約しました ◆KwCfu1mH8k :08/12/18 04 25 04 ID 2Exz+Ytx 今ここの段階で予定通りのドラフトできてる人ってどれくらい? 272 :福原忍(Ichiba)@元箕面市民 ◆MINOH/gqGU :08/12/18 04 25 41 ID WN8Gy2Qc いきあたりばったりですが何か? 273 :現役総理大臣麻生 :08/12/18 04 25 53 ID ZQdpFAPC 雪歩取り逃した以外はほぼ完璧 274 :眞飛鳥 ◆500W9NKPwM :08/12/18 04 25 59 ID hCwa3lmi ノシ 279 :かな :08/12/18 04 27 21 ID GaLEZEDy 気づいたらヒロイン狙い撃ち 280 :お断りします@千葉:08/12/18 04 27 29 ID 8lJxdegK みなみが雪歩に動かなければダメージは少なかった それ以外の皆様のコメント お断りのうそだいってよは雪歩+杏のダメージだよねw -- 麻生 (2008-12-18 04 42 13) かながわの奇襲にはガチ冷や死するかと思ったwwww -- ぴか (2008-12-18 04 44 47) 黒ニーソからの指名は意外でした -- そら (2008-12-18 04 47 07) 順当にいけば麻生はアイマスに流れるから杏は貰ったと思ってた -- お断りします@千葉 (2008-12-18 04 49 06) 散々煽って春香に差し向けたんですよww -- 麻生 (2008-12-18 05 01 38) ソラとスペが不憫すぎる・・・w -- 馬場崎 (2008-12-18 06 04 46) みなみ乙 -- らぐ (2008-12-18 06 33 00) こうみるとその人の趣味嗜好が一目瞭然だなw -- みなみ (2008-12-18 06 36 31) ほんまやなw -- 馬場崎 (2008-12-18 06 46 31) おぉ…こんなことがあったとはww まぁ俺の嫁は指名されてなくてよかた(^ω^) -- うたげ (2008-12-18 08 52 32) 眞飛鳥の一位指名見てワロタw -- ふるき (2008-12-18 13 35 27) 俺が参加してたら完璧に希望通り指名できたな -- 5うんこ (2008-12-18 14 24 47) ここまで独神なし -- あb (2008-12-18 14 31 04) 一位指名は -- 眞飛鳥 (2008-12-18 14 33 27) うはwwwミスったwww 古木 正直一位指名はこいつしかいないと始まった時から思ってたwww -- 眞飛鳥 (2008-12-18 14 34 34) 完璧でした、氷以外は -- num (2008-12-18 16 36 24) お断りします。に意義あり! -- あかや (2008-12-19 00 22 38) もう完璧すぎるやろ俺www最高やwww -- bbsk (2008-12-19 00 33 18) 名前 コメント
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―真っ暗だった (ここは一体、あたしは…) エルメェス・コステロは暗闇の中にいた。 記憶がはっきりしない。 確か自分は徐倫たちといっしょに神父と戦っていて、 時が加速して、 エンポリオの幽霊の弾丸を利用して海へと逃げて、 アナスイの作戦を聞いて、 ニュー神父が来て、 それから… そうだった。 自分は神父の新しいスタンドの攻撃(といっても打撃だが)を喰らい、そのまま海で息絶えたのだ。 (…じゃあここが、死後の世界ってやつ?) 死後の世界、キリスト教でいう天国。 確か死んだ人間がたどり着く楽園とか言ってたっけ。 しかしここは幼いころに親から聞いていたそれとはまったく違っていた。 何もない。 罰則や規律に守られた刑務所も、温かみあふれる家庭も、ともに笑いあった仲間も、光さえも存在しない完璧な暗闇。その中で自分は横になっている。 (そうだ、あいつらは?) 周りから聞こえてくるのは雑音だけで仲間の声はしない。死んだのは自分ひとりなのだろう。 (情けねぇなあ、あたし…) いつか自分が倒した男の口癖をつぶやく。 結局自分は助けられているだけで、助けることはできなかった。徐倫と出会い、そして文字通り死ぬまで。 (そういえばいろいろあったな) 今考えてみるとこの数ヶ月は本当におかしな出来事にあふれていた。 空条徐倫との出会い、不思議なペンダント、スタンドの発現、マックイィーンとの対決、農地の捜索、F・Fと仲良くなり、キャッチボール、スポーツマックスへの報復。 『……我が名…イズ・フラン……ヴァ…ール…』 …なんだ今の?いや気のせいだろう。なぜなら周りを見回しても暗闇の中にはあたししかいないのだから。 報復をした後、エンポリオと三人で脱獄して、徐倫の元カレに合い、まぶたストーン、神父を見つけ、墜落した飛行機の記憶、虹、カタツムリ、ウェザーの過去、新月のとき。 『…力を司るペン…ン。この者に祝福を…』 何なんだ、ブツブツブツブツと。自然界にこんな音あったか? そうだ、祝福。アナスイのやつ何もあんなときに結婚の申し込みなんてしなくても… 『我の使い魔と…』って、 「さっきからうっせェーんだよ!!」 結論から言うと、あたしのいた場所は暗闇なんかじゃなかった。どうやら気を失っていただけのようだ。 使い魔の兄貴(姉貴)!! 最悪だった。 何が最悪って今日という日のすべてが最悪だった。 朝起きて、最初に会ったのがキュルケ。多少いやみを言われたが気にしていなかった、なぜならもっと大切なことがあったから。 次に廊下で風邪っぴきにあった。汗臭いデブもブーブー何か言っていたみたいだが気にしない。なぜならもっと大切なことがあったから。 そう、使い魔召喚の儀。 なんとしても失敗できないと気合を入れて臨み、それでも何回も失敗した。 周りの人たちは「何度やっても無駄」というような冷たい目で見ている。 それでも彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはあきらめようとしなかった。 失敗とともに起こる爆発によってだんだんと大きくなっていく穴に向けて、何度も何度も杖を振り下ろす。 何度も何度も何度も何度も振り下ろす。 そして爆発回数が百回を越えるころ、ようやく彼女は召喚に成功した。 ひときわ大きな爆発が起こり、爆風によって飛んでいくデブ。やはりこういう役まわりなのだろう。 爆発によって立ち上っていた砂煙がはれる。ルイズがおそるおそる爆発のくぼみを覗き込んでみると、そこにいたのは人間だった。 ドラゴンでも蛙でもトカゲでもなく、空気を操る猫みたいな草でも曲乗りとかいろいろできちゃうしゃべる恐竜でもなく、人間。 周りのざわめきが次第に大きくなり、そして彼女への嘲笑へと変わる。 「ギャァーーーハハハハハハハ!」 「呼び出されたのは…平民だったァーーー!!」 「さすが『ゼロ』だ。こんなことほかの奴らは考えもしなかっただろうよォ~」 「いや、完璧にまいったスよーッ」 「は、腹イテェーよォ~~~~~」 「こ、コルベール先生!しょ、召喚の、召喚のやり直しをさせてください!こんな、こんな、へへへ平民を使い魔にはできません!」 彼女は教師に召喚のやり直しを求めた、が現実はそれを許すほど甘くはなかった。 「いいえ、その人を使い魔とするのです。ミス・ヴァリエール」 「でも!でも!!」 「いいですか、ミス・ヴァリエール。二年生に進級するには使い魔の召喚が絶対。 しかしこの儀式であなたは今までに失敗した回数を数えていましたか? 私が数えるのをやめるほどの回数、あなたは失敗しました。そして今やっと召喚に成功したのです。 もうこれ以上時間をかける余裕はありません。ここであなたが選べる道は二つ。 1.あきらめてあの人を使い魔にする 2.一年生をもう一年繰り返す さて、どちらが良いですか?」 コルベールはあくまで笑顔でそう告げた。 ルイズは思わず息を呑む。1を選べば現在更新中の伝説をまたひとつ築くことになるのだろう。 2を選べばゼロの伝説は修復不可能な完璧な伝説として後世まで語り継がれるのだろう。 道は二つあるらしいが本質的には道はひとつだ(無論ゼロ的な意味で)。 ならば考えるまでもなく答えは決まっている。 「契約……してきます…」 「よろしい、ならば早くお願いします」 がっくりと肩を落としたままルイズは爆発跡地の中心にいる人物へと近づいていく。 やはり平民のようだ。貴族やメイジならもっとマシな服を着ているだろうし、先住民(エルフといったか、授業で習った覚えがある)ならばもっと身体的特徴があってもいいはずだ。 脇のあたりでそでが止まっている服、頭についている怪しい石、顔の奇妙な化粧、十中八九旅芸人だろう。 ルイズは深くため息をつき、穴の中の人物との契約に取り掛かる。 「……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 目の前の平民が動いたような気がする。当たり前だ。生きていなければ召喚できるはずがない。死体なんかを召喚した日には二つ名は間違いなくマイナス反転するだろう。 「五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え…」 今度は動いた。はっきりとわかる。ブツブツと何かつぶやいている。 目が完全に覚めてしまうと厄介だ、さっさと済ませてしまおうと思い多少早口になりながらも彼女が呪文を言い終わり、契約のキスを交わそうとしたときに事件は起こった。 「さっきからうっせェーんだよ!!」 そう、いきなり倒れていた人物が目を覚まし飛び起きたのだ。 ここで重なってしまった不幸は三つ、 ひとつはルイズが驚いてしまい身動きひとつ取れなかったこと ひとつはエルメェスが意味もなく飛び起きたこと そして最後のひとつはエルメェスが起きたのがキスの直前。つまり二人の距離はほぼゼロ距離だったということ。 ゴチイィィンという鈍い音が響いた。 やはり今日は最悪だったと朦朧とした意識の中でルイズはそんなことを考え、そのまま意識を手放した。 TO BE CONTINUED・・・
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百二十三話「夜があけたら」 蘇生怪人シャドウマン 精神寄生獣ビゾーム 登場 『……サイト、起きろッ!』 深夜、寝ついている才人たち三人はジャンボットの鋭い呼び声によって起こされた。 「う、うぅん……どうしたんだ……?」 目をこすってベッドから身を起こす三人。シエスタが枕元のテーブルからブレスレットを 手に取ると、ジャンボットが続けて告げた。 『異常事態発生だ! 私のセンサーが礼拝堂で侵入者の集団をキャッチした! いや、既に 侵入していたと言うべきか!』 「何だって!?」 その言葉で才人たちは一気に目が覚め、ベッドから飛び降りた。才人とルイズはマントを 羽織り、それぞれの得物を身につける。 ルイズがジャンボットに問う。 「やっぱり、あの死体が敵の刺客だったってこと?」 『いや、遺体自体は今も礼拝堂に残されている。恐らくあれらに宿されていたものが、学院を 徘徊しているようだ。今一つ正体が掴めない……気をつけろ、手強い相手になりそうだぞ』 「分かった、ありがとう」 うなずいた才人はルイズとシエスタに振り返った。 「ルイズたちはテファの無事を確認してくれ。俺はタバサの方を見てくる!」 「分かったわ!」 「サイトさん、ご武運を!」 二人に言い残して、才人は素早く部屋の扉から飛び出していった。 才人がタバサの部屋に到着する前に、タバサの方も不気味な気配を鋭敏な感覚で感じ取り、 覚醒して杖を手にしていた。 更に感覚を研ぎ澄まして、敵の数や位置を探ろうとした。が、どうにも気配ははっきりとせず、 どの程度近づいてきているのかも不明瞭であった。タバサの生存本能が、危険の信号を鳴らす。 「パムー……」 ハネジローも危険を感じ取ったか、小刻みに震えて怖がっていた。タバサはそんなハネジローを 籠ごとベッドの下に隠した。 「ここにいて」 そして下手に動かずに杖を構えて待ち伏せしていると……部屋の扉がいきなり軋んだ音を 立てて開かれた。しかし、廊下には誰もいない。風か何かが扉を押したのだろうか? タバサはそうではないことを優れた観察眼で見て取った。何もない場所を、人の影が這っているのだ! 直ちに影に杖の先端を向けるタバサ。すると影が立ち上り、怪しい霧とともに三人の男たちの 霊体……シャドウマンの正体を見せた。 「ッ!」 目の前にはっきりと現れた幽霊という、常人なら腰を抜かしてしまいそうな事態だが、 闇の世界をくぐり抜けてきたタバサは動じなかった。素早く呪文を唱え、氷の矢を飛ばして 攻撃する。 が、氷の矢はシャドウマンをすり抜けて壁に刺さるだけであった。実体を持たない幽霊には、 魔法の力も通用しないようだ。 タバサは分が悪いと見て窓からの脱出を図るが、それより早くシャドウマンは霧を噴出して タバサに浴びせかけてきた。 「うッ……!」 一瞬視界をふさがれるタバサ。そして霧が晴れると……自分の身体が豆粒のように小さく なっていることに気がついた! 「!?」 幽霊の奇怪な妖術か。さすがに動揺するタバサ。 シャドウマンは棚から透明のグラスを取り出すと、逆さまにして小さくなったタバサに 覆い被せた。完全に無力化されたタバサは、ただのグラスの中に閉じ込められてしまう。 「……!」 シャドウマンがグラス越しに、縮小したタバサをじっと見下ろす。そのおぞましい光景に、 タバサも恐怖を覚えて震え上がった。 タバサの部屋を目指して全速力で向かおうとしていた才人だが、途中の廊下で足止めを 食らっていた。残りのシャドウマンが行く手に現れ、道をさえぎっているのだ。 「この幽霊が侵入者の正体か……! うおおおッ!」 才人は問答無用でシャドウマンに斬りかかっていくが、デルフリンガーの刃はシャドウマンを すり抜けてしまった。 「相棒! さすがの俺でも、幽霊は斬れねえみてえだ! 面目ねえ!」 「駄目か……! それじゃあどうすれば……!」 才人はシャドウマンの放ってきた霧を後ろに跳びすさることでかわした。しかしシャドウマンを 越えないことには、タバサの部屋までたどり着くことは出来ない。 「こうなったらゼロに変身するか……!」 ゼロアイを出そうとした才人だったが、そこに後ろから聞き慣れた声がした。 「サイト、伏せてッ!」 ルイズだった。ルイズは掲げた杖を、才人がしゃがむと同時に振り下ろした。 小規模な爆発が廊下の中央で起こり、シャドウマンは爆発の光にかき消されて霧散していった。 「やった!」 「すっげ……! ルイズの爆発は霊体にも有効なのか……!」 “虚無”の魔法の威力を改めて知り、感心する才人。 だが今の爆発の音で、寮塔のあちこちの部屋から動く気配が発生した。生徒たちが目を 覚ましてしまったみたいだ。 ルイズは手短に才人に告げる。 「サイト、ティファニアは無事だったわ。後はタバサだけよ。ここはわたしが収めておくから、 早く行って確かめてきて!」 「よし分かった! ありがとな!」 ルイズに感謝の言葉を返し、才人は駆け足でタバサの部屋の前までたどり着いた。壁に氷の 矢が刺さっているので、思わず息を呑む。 「タバサッ!」 慌てて部屋の中に駆け込むと――タバサの姿はなくなっていた。空のグラスが床に転がっており、 窓は開け放たれて風がカーテンをバサバサ揺らしていた。 「しまった! 遅かったか……!」 窓に飛びついて外を見回したが、見える範囲にもタバサらしき影はなかった。既に連れ去られた 後だろうか。 「すぐ追いかけないと……! でも敵はどこへ逃げたんだ……」 才人がつぶやいていると、窓の外からバッサバッサと翼を羽ばたかせて、シルフィードが 彼の眼前に舞い降りてきた。カーテンを揺らす風は、シルフィードの羽ばたきだったのだ。 「パムー!」 シルフィードの頭の上にはハネジローが乗っかっていた。シルフィードはハネジローが 呼び寄せたようだ。 「ハネジロー、お前はタバサがどっちへ連れ去られていったか知ってるのか?」 「パム!」 コクリとうなずくハネジロー。 「でかした! すぐ案内してくれ! シルフィードも頼んだぞ!」 「きゅいー!」 才人は迷いなく窓から飛び降りてシルフィードの背中に乗り移り、シルフィードはハネジローの 誘導の下に夜の森へ向けて飛び立っていった。 その頃、シャドウマンに捕まり、学院外へ連れさらわれたタバサは、森の中の開けた場所に 投げ出されて解放された。大きさも元に戻される。 「ここは……?」 辺りを見回して訝しむタバサ。現在地は学院からそう離れた場所ではなく、当然トリステインの 領地。そんな場所にどうしてわざわざ自分を解き放ったのか。それも大きさを元に戻して。何か裏が あるに違いない。 そのタバサの読み通りに、夜の闇の中からシャドウマンとは違う、怪しい人影がぬっと出現した。 「わたしの主人の元まで連れていく前に、あなたの心を闇で染め上げておこうと思ってね」 「!」 振り返ったタバサが杖を向けるが、現れた者の姿を目の当たりにして驚愕で固まった。 「その姿……わたし……!」 目の前にいるのは、黒衣を纏った自分自身。そうとしか言い表せなかった。 一瞬だけ唖然としていたものの、タバサはすぐに自分そっくりの相手に杖を向け直した。 「撹乱のつもり?」 短く告げると、黒タバサは酷薄な笑みを浮かべた。 「そう言うと思った。分かってたわ。何故なら、わたしはあなた自身なんだから。わたしは あなたの心の闇よ、シャルロット」 「……ふざけないで」 「ふざけてなんかいないわ。アーハンブラ城で怪獣に呑まれたことがあったでしょう? 実はあの時、わたしがあなたの精神に寄生してた。そして今日、活動を始めたのよ」 黒タバサの言をにわかには信じられないタバサだったが、自分の敵は常識外の怪物を 次々送り込んできている。精神に寄生する怪物がいてもおかしくはない。 それにそんなことは問題ではない。やるべきことは、今面前にいる敵を倒すことだ。 そんなタバサの思考を見通したか、黒タバサが嗤いながら言葉を発する。 「ふふッ、早速わたしに攻撃しようというのね。実にあなたらしい……。親から与えられた 名を捨て、冷徹な人形になったつもりで、人間らしい感情を捨て切れない半端なあなたらしい、 自分が傷つきまいとするばかりにひたすらに牙を剥く、みじめな子犬のような行動」 長々と挑発めいたことを述べる黒タバサに、タバサは眉間に皺を刻んだ。そして呪文を完成させ、 ウィンド・ブレイクで吹っ飛ばそうとする。 だが同時に黒タバサが、全く同じ魔法を放ってきた。しかも相手のウィンド・ブレイクは 自分の風をあっさりと押し返し、タバサの方が吹き飛ばされてしまった。 「うッ……!?」 地面にしたたかに打ちつけられるタバサ。倒れた彼女を見下ろす黒タバサが告げる。 「あえて同じ魔法で打ち破ってみせたわ。どうしてわたしの魔法の方が上回ったか分かる? ……わたしはあなたの心の闇。あなたの綺麗な部分より、汚く暗い部分の方がずっと大きいと いうことよ」 「!?」 心にグサリと来るものを感じ、反射的に黒タバサの顔を見上げるタバサ。 「だってそうでしょう? 自分の目的のために、親の仇にへりくだることを是として、様々な 非合法な行いに手を染めてきたのだから。今までに何人殺して、己の目的の犠牲にしてきたか 覚えてる? 挙句の果てには友達も殺そうとして……その相手を勇者なんて、厚かましいにも 程があるんじゃなくて?」 「……やめてッ……」 思わず耳をふさぐタバサ。これまであらゆる人間から罵声を浴びて、耐えてきたタバサで あったが、才人に向ける想いを傷つけられることは耐え難かった。 しかし耳をふさいでも、黒タバサの声は脳に直接響いてくるかのように聞こえてくる。 「勇者に仕える騎士? 真っ黒に汚れ切ったその身で、よくそんな美辞麗句が唱えられるものね。 このこと、本当は自分がよく分かってるでしょう? 何せわたしはあなたの闇……わたしの言葉は あなた自身の言葉なのだから」 違う。そんなことはない。……だが否定し切れない。タバサはお化けを怖がる幼児のように、 うずくまり目を固くつむってブルブル震える。 お化けなんて怖かったのはずっと昔のことだ。怪物への恐怖も、ファンガスの森で断髪と ともに振り切った。 しかし、自分が抱えたほんのりと温かい感情。それを否定されることは、とてつもなく恐ろしかった。 「――そこまでだッ!」 その時、闇を切り裂くように、あの男の子の声が空から届いた。 目を開けて見上げると――勇者が、シルフィードの背から黒タバサの面前、自分の盾と なるように着地した。 「タバサ、無事だったか? 安心しろ、俺とゼロが来たからにはもう大丈夫だ」 振り返って、力強い微笑みを見せる才人。呆然と彼の背中を見つめるタバサに、シルフィードと ハネジローが覆い被さった。 「お姉さま、こんなに震えてかわいそう。あいつにいじめられてたのね」 「パムー」 肌から伝わる二匹の体温が、タバサの身体も心も温めた。 才人にデルフリンガーの切っ先を向けられた黒タバサは、それでも動じず不敵な笑みを返す。 「勇者さまのご到着という訳ね。けれど……」 黒タバサの見た目が、一瞬にして才人のものに変わった。才人は姿を変えた相手をきつく にらみつける。 「やっぱり、倒してはいなかったのか……!」 「そうさ! 言っただろう。俺はお前の心の怪物だと。自分自身の心を倒すことなど出来やしない。 ――そして俺は、そのタバサの闇でもある」 黒才人に指を差され、タバサはビクリと身を震わせた。 「見ろ、今の哀れな姿を。あいつは心の闇に呑まれる寸前だったのだ。そんな弱い女を守る 必要がどこにある? そいつの弱さは、そいつの闇は! いずれお前の足を引っ張り、お前を 破滅させるッ!」 黒才人の言葉がタバサの心をえぐり、タバサは縮こまる。シルフィードはタバサを苦しめる 黒才人をキッとにらんだ。 「俺には見える! その女は厄災を呼び込むだけだ! お前はそのせいで、故郷に帰ることも 出来ずに闇に呑まれ、その女を、この世界を呪いながら死んでいく! そんな結末をたどりたいのか!?」 黒才人の突きつける暗黒の未来。それに対して、才人は、 「勝手なことばっか抜かすんじゃねぇッ!」 思い切り突き返した。 「……!」 タバサはハッと顔を上げて、才人の背中を見つめる。 「タバサは弱くなんかねぇ! 俺は何度も、こいつに助けてもらった! タバサは勇敢なんだ! それを俺はよく知ってるし、タバサの心に強い光があるって分かるんだッ!」 才人の、タバサを認める言葉が、タバサの弱り切った心を温めていく。 「それに、心の闇くらい誰にでもあるもんだろうが! 俺自身、とても綺麗な人間なんて 言えねぇしな。けど、闇があるから心は光を放つ! 人は闇を抱えて、乗り越えることが 出来る! 俺は信じてるッ!」 才人の熱い言葉の数々をぶつけられた黒才人だが、冷笑を浮かべたままだった。 「やっぱり、言ったところで分からないか。だったらその身に直接教えてやろうッ!」 突然、黒才人の周囲にシャドウマンの霊体がいくつも現れ、漂った。 「!!」 「おおおおぉぉぉぉぉッ!」 それら霊体全てが黒才人に吸い込まれていき――身体がみるみる内に膨れ上がって変貌を 起こしていった。 「グフォフォフォフォフォ!」 そしてサタンビゾーをより人型にしたような巨大怪人への変身を遂げた。 才人とタバサの心の闇を写し取って暗躍していた精神寄生獣、ビゾームが真の姿を現したのだ。 『早くお前の光を開放しろ。人間の光など、大いなる闇の力、はるかなる星の叡智には敵う ものではない!』 ビゾームは才人を挑発し、変身を促す。あえて真正面から戦うことで、才人の心を折ろうと いう目論見か。 才人はその挑戦を真っ向から受けるつもりだ。 「やってやろうじゃねぇか! 後で今のなしって言っても聞かねぇから覚悟しやがれッ!」 力を込めて、ゼロアイを装着! 「デュワッ!」 才人が光に包まれ、ウルトラマンゼロがビゾームの正面に立つ。 『テメェみてぇな輩のこすいやり口は許せねぇ! ばっちり引導を渡してやらぁッ!』 ゼロとビゾームが互いに走り寄り、格闘戦を開始。 「シェアァッ!」 「フォッフォッフォッ!」 ゼロの拳を差し込まれたビゾームの腕が止め、ビゾームの膝蹴りをゼロが蹴りを当てて止める。 両者一歩も退かない互角の戦いを演じる。ビゾームの戦闘能力はサタンビゾーを超えるものであった。 しかしゼロは相手の一瞬の隙を突いて、腕を捕らえて高く投げ飛ばした。 『でりゃあぁぁッ!』 「フォフォフォッ!」 しかしビゾームはクルクル回転しながら綺麗に着地。振り返りざまに右腕から光剣を生やした。 『次は剣の勝負ってとこか……!』 対するゼロもデルフリンガーを召喚して柄を握り締める。 『行くぜデルフッ!』 『おうよ! あんなナマクラ、へし折ってやんなッ!』 デルフリンガーとビゾームの光剣が激突し、激しく火花を散らす! ビゾームは風を切る剣さばきで、すさまじい斬撃のラッシュを叩き込んでゼロを攻め立てる。 しかしゼロの剣戟も全く劣っておらず、ビゾームの斬撃を全て弾き返した。 「セァッ!」 「グフォフォフォ……!」 息を吐かせぬ剣戟の後、ゼロとビゾームは鍔迫り合いに持ち込む。 が、ゼロの腕に一層の力が込められると、デルフリンガーの刃が光剣を粉砕した! 「グフォオッ!」 『今だッ! せぇいッ!』 ビゾームが押されてのけ反ったところに、その身体をZ字に切り裂いた。 「デァッ!」 更に後ろに跳びながらゼロスラッガーを飛ばし、ビゾームを縦に両断。ビゾームは八つに 分かれてバラバラになった。 『どんなもんだ!』 デルフリンガーを下げて見得を切るゼロ。普通ならこれで戦いが終わることだろう……。 しかしバラバラになったビゾームの破片は、一つ一つが変形して小型のビゾームになって復活した! 『何ッ!?』 「グフォフォフォフォフォフォフォ!」 八体になったビゾームは一斉に顔面の発光部から怪光線を発射。 『うおあああぁぁッ!』 集中攻撃にさしものゼロも吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。 「あぁッ! ゼロが危ないのね!」 「パムー!」 戦いを見守っているシルフィードたちが思わず発した。すると、タバサがゼロに向けて叫ぶ。 「立って! 負けないで!」 「お姉さま……!?」 「あなたは勇者なの! この世界を救う……わたしを助けてくれた! 絶対に、闇に負けて しまっては駄目ッ!」 タバサの応援の言葉に、ゼロの中から才人が応じた。 『ああ、もちろんだ……!』 「……!」 才人の声に反応するかのように、ゼロが身を起こす。 『俺は、俺たちは! 闇を照らしてみせるぜッ!』 ゼロは左腕をまっすぐ横に伸ばし、腕を組んでワイドゼロショットを発射した! 「セェェェェェアッ!」 光線を薙ぐことで、ビゾームを一気に八体纏めて爆破させる。 「グフォォ――――――ッ!」 粉々に吹っ飛んだかに見えたビゾームだが、抜け出た魂が一箇所に集い、元の一体の姿に 合体して復活した。 『無駄だ! 闇は途絶えることがない。お前たちは闇に抗おうとする限り、永劫の戦いの 運命に陥るのだ!』 不死身の肉体を見せつけて、脅しを掛けるビゾーム。 それでも、ゼロたちは決して屈しなかった。 『上等だぜぇ! 何度立ちはだかって襲いかかってこようとも、その都度ぶっ飛ばしてやるだけだぁッ!』 拳を握り締め、再度ビゾームに拳を打ち込んでいくゼロ。相手の反撃を払いのけ、ひたすら 打撃を見舞っていく。 そんな中で才人は叫んだ。 『お前らがどんな手段を用いようとも! 何度襲い来ようとも! タバサは絶対に渡さねぇぜッ!』 彼の言葉は、タバサ本人に届いていた。 『タバサは俺の大事な仲間なんだ! どこにも行かせねぇぜ! 絶対に守り抜くッ!』 才人の語ることに……タバサは頭に血が昇りそうな気持ちがした。 ああ、彼はどうしてわざわざあんなことを言ってしまうのだろうか。自分は騎士になると 誓ったのに……分不相応な想いを抱いてはならないのに……。 あんなことを聞いてしまっては、この胸の鼓動がどんどん高鳴ってしまうではないか。 『光が高まってきたぜ! この光で、フィニッシュを決めてやるッ!』 ゼロは右手を固く握り締めると、その拳に強い輝きが宿った。戦う度に昂っていく才人と ゼロの心の光が、その手に発現しているのだ。 『おおおぉぉぉぉッ!』 光の拳を振り被って、ゼロはビゾーム目掛け駆けていく。 「グフォッフォッフォッフォッ!」 ビゾームの方も右手に闇の力を纏わせて、ゼロの仕掛ける勝負を正面から受けて立つ。 ゼロとビゾームがどんどんと距離を詰めていく。 『だぁぁぁぁぁッ!!』 そして互いの拳が、互いの頬を打った! 「……!」 激闘の音が一気に静まり、場は一時的に静まり返る。そして……。 ビゾームの全身が一気に爆散! 光に照らされて霊体も粉々になっていき、霧散して消滅していった。 「やったぁぁぁぁぁ―――――! やったのねッ!」 シルフィードはハネジローと手を取り合って喜びを分かち合う。タバサは口元をほころばせて、 ゼロとその中の才人を、慕情を乗せた目で見上げた。 変身を解除した才人はタバサの元まで近づいていくと、口を開いて呼びかけた。 「タバサ、俺たち勝ったぜ。さぁ、学院に帰ろう」 「……うん」 タバサは熱を込めた目つきのまま、才人にコクリとうなずいた。 その時、彼らの視界に森の向こうから昇ってきた太陽の日差しが入り込んだ。 「ん、もう朝か」 才人はまぶしそうに朝日を見やると、タバサに振り返って告げた。 「心の闇が消えることはない……。それは本当のことだろうさ。でも、どんな夜にも朝が来るんだ。 俺たちも、何があってもあきらめることなく朝が来ることを信じて、光り輝いて闇を照らしていこうぜ」 タバサは無言でうなずき、日差しに照らされた才人の顔をじっと見つめた。 その眼差しには、ずっとほんのりとした熱がこもっていた。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第八十五話「泣くな失恋怪獣」 硫酸怪獣ホー 登場 ……ウチのクラスにルイズが転校してきてから、一日が経った。第一印象が最悪だったんで、 一時はどうなることかと思ったが……ルイズはきついところはあるけれど、意外と気さくで 人当たりのいいところがあって、案外すぐ打ち解けられた。いやぁよかった。どうしてかそれと 前後してシエスタが妙に不機嫌になっているが……。 何はともあれ今日も登校すると……校舎の玄関口で、そのルイズが一人の男子といるところを 目撃した。あいつは、確か……同じクラスの、中野真一って奴だったっけな? ルイズは中野に対して、バッと頭を下げた。 「ごめんなさい!」 何故か謝られた中野は、思いっきりショックを受けているようだった。 「そ、そんな!? ルイズさん、せめてもう少し考えてくれても……!」 「えーと、何て言うか……わたし、あなたをそういう風には見られないんです! だから…… ほんと、ごめんなさい!」 もう一度謝ったルイズが校舎の中へ逃げるように駆け込んでいく。何だ何だ? 「そんなぁ……ルイズさ~ん……」 置いていかれる形になった中野は、ガックシと肩を落としうなだれた。 呆気にとられる俺とシエスタ。これってまさか……。 「朝から賑やかなことだな」 と言いながら俺たちの元に現れたのはクリスだ。 ……あれ? クリスって……この学校にいたっけ? 昨日はいなかったような……。 まぁいいや。俺はクリスに何事だったのかを尋ねる。 「クリス」 「ああサイト、おはよう」 「おはよう。クリス、今さっきルイズと中野が何やってたのか知ってるか?」 「ああ。あの男子が、ルイズに自分とつき合ってほしいと告白をしたんだ」 告白! 俺とシエスタは目を丸くして驚いた。 「しかし、あの様子ではきっぱりと断られたみたいだな。かわいそうに」 「ナカノさん、ルイズさんは転校してきてまだ一日なのに、大胆ですねぇ……」 シエスタが呆けながらつぶやいた。確かに、大胆というか急ぎすぎって感じはするな。 「彼の気持ちがそれだけ真剣だったのだろう。真剣な気持ちに時間は関係がないということ、 師匠も言っていた」 クリスはそう語った。弓道部主将にして剣の達人でもある、女侍といってもいいクリスの師匠…… どんな人なんだろう。 ん? つい最近教えてもらったんじゃなかったっけ? でも、記憶には全然ない。また何か 変な思い違いをしてるのかな、俺……。 俺たちが話している一方で、中野は依然として肩を落としながらトボトボと校舎の中に入っていった。 その背中からは哀愁が漂っている……。確かにかわいそうだが、俺たちに出来ることなんてないよな。 せめて、早く失恋から立ち直ってくれることを祈ろう。 おっと、授業が始まる時間が近づいてきた。俺たちも教室に行こう。 教室に入り、授業が開始される寸前に、ルイズが俺に呼びかけた。 「ちょっと……」 「ん? ああ、また教科書持ってきてないのか?」 俺はまだルイズが教科書をそろえてないのかと思ったが、そうではなかった。 「違う! ……これッ!」 と言ってルイズが俺に突き出したのは、布にくるまれた箱型のものだった。 「何だこれ?」 「これは……その……あの……!」 「あの?」 「お、お、お、お弁当よ!」 弁当? どうしてそんなものを、こんな時間に出すのか。 「そうか、弁当か。随分でかいな。こんなに食ったら太るぞ」 「わ、わたしのじゃないもん!」 「じゃ、誰の?」 「あ、あ、ああああんたに決まってるでしょ!」 ……え? 「俺の? 弁当? お前が?」 「か、勘違いしないでよね! た、ただ、昨日、道でぶつかって謝りもしないままだったから……。 ほ、ほんのちょっぴりだけ悪かったなって! だから、お詫びの気持ちよ、お詫びの! ほ、ほんとに そ、それだけなんだからね!」 弁当……。女の子が俺に弁当を……。 俺は思わず教室の窓を開け放ち、青空に向かって叫んだ。 「神様ー! 生きててくれてありがとおおおおおお!! 僕は幸せで――――――す!」 「えぇッ!?」 驚くルイズ。周りの奴らもこっちに振り向いていた。 「ど、どうしたの? 平賀くん、何をやってるんですか?」 「ああ、またサイトが変なことしてるだけ。気にしたら負けよ」 目を丸くしている春奈に、モンモランシーがそう答えていた。変なことで悪かったな! この感動を表現するには、これくらいのことはしないと駄目だったんだよ! 「ちょっと! 恥ずかしいじゃない! どうして空に向かって雄叫び上げるのよ! みんな見てるわ!」 慌てふためくルイズに、俺は熱弁する。 「だって、弁当だよ? 手作り弁当だよ!?」 「そ、そうだけど! は、恥ずかしいからやめてよ!」 「お、俺、女の子に弁当もらうのなんて……。う、う、生まれて初めてで……。うっうっうっ……」 感動のあまり、俺は嗚咽を上げて泣きじゃくってしまった。 「ち、ちょっと泣かないでよ。こんなことくらいで……」 「いやいや、男子高校生三種の神器には、一生縁がないと思ってたから……」 「三種の神器?」 「女の子の手作り弁当、バレンタインデーの本命チョコ、誕生日プレゼントの手編みセーター! この三つを称して、三種の神器と呼ぶのですッ!」 誰が呼んでいるのかは俺も知らんが、ともかく俺の中ではそうなっている! 「ああッ、今日は最高の日です。お父さん、お母さん。俺を生んでくれてありがとう!」 「ふ、ふーん。よく分からないけど、そんなに喜んでもらえるならよかったわ」 俺の感動ぶりに、ルイズは満更でもなさそうに言った。 「はッ!? そ、そうか、そうだったのか!?」 「え?」 「ちょっとこっちに来てくれ、ルイズ」 「こっちにって……! もうすぐ授業始まっちゃうってば! サイト!?」 教室じゃ何なので、俺はルイズを屋上まで連れていった。 「ごめんよ、ルイズ。君の気持ちに気づかないままで……」 「さ、サイト? な、な、何真面目な顔して……」 戸惑い気味のルイズに、俺は尋ねかけた。 「お前、俺のこと好きなんだろ?」 「なッ!?」 「だから今朝、中野からの告白を断った。そうだろ?」 そうか、そういうことだったんだな……。俺のことが好きだったから、中野の気持ちには 応えられなかったんだな。 「ち、違うもんッ! あれは……!」 「そんな言い訳いらないさ。さあ、ルイズ……!」 「サイト……」 腕を広げた俺の顔を、ルイズはじっと見つめて……。 ドゴォッ! 「バカッ!」 「ぐがッ!」 お、俺の股間に膝蹴りが決まった……。 「ぐおおおおお……! お、俺の股間の夢工場が……!」 「だ、誰があんたをす、す、好きなのよ!? 全く笑えない冗談だわ!」 苦悶にあえぐ俺に、ルイズは真っ赤になりながら怒鳴りつけてきた。 「一つ教えてあげる! 冗談も過ぎると命取りになるの! 分かった!?」 「……勉強になりました……」 「全く! 馬鹿なこと言ってないで、教室に戻るわよ!」 「ふぁい……」 すっかり怒ってしまったルイズは、早足で屋上から中へ戻っていった。く、くそう…… 少し焦りすぎたか……。もっと落ち着いてから質問すればよかった……。ああ、すっげぇ 痛い思いをしてしまった……。 反省しながら俺も教室に戻ろうとした時……扉の陰に春奈とシエスタがいることに気がついた。 あんなところで、授業が始まる前に二人は何をやっているんだ? 「……見ましたか、ハルナさん?」 「ええ、しっかりと。これは……由々しき問題ですね。何とかしなければ」 ……な、何をやってたんだ? まさか……さっきの俺とルイズのやり取りをこっそり見ていたんじゃ……。 異様な威圧感のあるシエスタたちに対して、俺は知らず知らずの内に怖気づいていた。 教室に戻ると……中野がとんでもなくショックを受けたような顔をしていて、次いで俺に 一瞬恨めしい視線を向けた。 げッ……そ、そういえばルイズに振られた張本人がいるんだった……。さっきの、俺が手作り弁当を もらうところを目撃したに決まっているよな……。き、気まずい……。 俺は針のむしろにいるような気分になりながらも、その日の授業を受けたのであった。 そして夜遅くに、自室にいたところにゼロに呼びかけられた。 『才人! 外で何か異常が起きてる!』 「えッ、何だって!? 本当か!?」 『外を見てみろ!』 促されて、窓を開け放つと、俺の住む街に怪しい霧が掛かっていることに気がついた。 「霧……? 今日は晴れだぜ……?」 『ただの霧じゃないぜ。マイナスエネルギーの異様な高まりを感じる……。こいつはマイナス エネルギーの実体化だ!』 マイナスエネルギー……! 俺も話には聞いたことがある。人間の怒りとか嫉妬とか、 負の感情から生じる良くないエネルギーだとか。あのヤプールのエネルギー源でもある。 このマイナスエネルギーが高まると、怪獣が出現しやすくもなるらしい。 ということは……。俺の嫌な予感は的中してしまった。 街に漂う霧に投影されるように青い怪光が瞬くと、一体の巨大怪獣の姿が不気味に浮き上がったのだ! 「ウオオオオ……!」 「あいつは……!」 まっすぐ直立した体型にピンと立った大きな耳、手の甲は葉っぱのような形状で、腹には幾何学的な 模様が描かれている。生物というよりは、何かの彫像みたいだ。そして二つの目から、何故か涙をこぼしている。 データには、硫酸怪獣ホーとある! 「またまた怪獣か……! 行こうぜ、ゼロ!」 俺は怪獣と戦うために変身しようとしたが、それをゼロ当人に止められた。 『待て、才人! あの怪獣、まだ実体って訳じゃないようだぜ!』 「えッ? どういうことだ?」 『奴はマイナスエネルギーの結晶体の怪獣みたいだが、肉体が完全に固形化してないんだよ。 いわば中間の状態だな』 と言われても、俺にはよく分からないが……。 と、その時、怪獣ホーの姿が一瞬揺らぎ、あの中野の姿が見えたような気がした。 「今のは中野……!?」 『俺にも見えたぜ。気のせいとか幻とかなんかじゃねぇ。あの怪獣はどうやら、中野真一の 負の感情が中核になってるみたいだ!』 な、何だって!? 中野の感情は、怪獣になるまで大きかったのか……! というかそうなると、 ホーの出現の原因の半分は俺ってことになるのか!? 俺があいつを尻目に、ルイズから弁当を 受け取ったりしたから……。 さすがに中野の感情の化身を闇雲に倒すのは目覚めが悪い。ホーの核があいつっていうのなら、 中野を説得して怪獣を消し去ろう! 「中野に、怪獣を消すように説得をしなくちゃ!」 『ああ!』 俺は遮二無二部屋を飛び出し、中野の家の方へと大急ぎで走っていった。ホーにまだ暴れる 様子はないが、いつまで続くかは分からない! しかし中野の家にたどり着く前に、夜の街の中で肝心の中野を発見した。何故か、矢的先生と一緒にいる。 「真一、聞こえるか? あの怪獣の鳴き声は、お前の声だ! 夢の中でお前が作ってしまった怪獣だ! 憎しみや悲しみ、マイナスの感情を吸収して、あそこで泣いてるんだ!」 先生は中野に向けてそう告げた。先生もホーの正体を見抜き、俺よりひと足先に中野を説得して、 怪獣から解放しようとしているのか? 民間人のはずの先生が、そんなことまでするなんて……。 そんなにも生徒のことを考えているのだろうか。 話がややこしくならないように、俺は物陰にこっそりと隠れながら話の行方を見守る。 そして矢的先生は、中野に対して語り出した。 「愛しているから、愛されたい。愛されなければ腹が立つ。でも、本当の愛ってそんなちっぽけな ものなのか? 人のお返しを期待する愛なんて、偽物じゃないかな」 ……矢的先生……。 「想う人には想われず! よくあることだぞ。先生だってそんなことあったよ」 「先生も?」 「うん。……故郷にいた頃、本当に好きな女の子がいてなぁ、その子のためなら、何でもしようと思った。 その子、楽器欲しがってたんだ。先生どうしても買ってあげたくてさ、必死になってバイトした! だけどな…… 二ヶ月目にやっと手に入れた時には、遅かったよ。その子には、新しい恋人が出来てたんだ。悲しかった……。 悔しかった。憎かったよ! だけどな、先生そのままプレゼントしたよ! その楽器が、先生の本当の心を、 鳴らしてくれると思ってな。それで終わりだよ……! 今はもう懐かしい思い出だ」 先生に、そんな苦い思い出があったんだな……。 『……何だ? どこかで聞いた話のような……』 何故かゼロが首をひねっていた。 自分の過去を話した先生は、改めて中野に呼びかける。 「真一、あの怪獣を作った醜い心が、お前の本当の気持ちなんて先生思わないぞ。今にきっと お前にも分かる!」 しかし、中野は、 「分からないよ! 俺、憎いんだ! 悔しいんだよぉーッ!!」 その絶叫に呼応するように、とうとうホーが完全に実体化して暴れ始めた! 「ウアアアアアアアア!」 地団駄を踏むように行進して、近くの建物を薙ぎ倒す! 「くそッ、結局こうなっちまうのか……!」 『仕方ねぇ! 才人、怪獣を止めるぜ!』 「ああ! デュワッ!」 俺は街を守るためにゼロアイを装着して、ウルトラマンゼロに変身した! 『やめろ、ホー!』 巨大化したゼロはすぐさまホーに飛びかかっていって、押さえつけて街の破壊を食い止めようとした。 「ウアアアアアアアア!」 けれどホーは暴れる勢いを止めようとしない。その両眼から涙がボロボロと飛び散り、 一滴がゼロの手に落ちる。 途端に、ゼロの手がジュウッと焼け焦げた! 『うおあぁッ!? あぢッ、あぢちちちッ!』 反射的にゼロは手を放してしまう。 『ゼロ、ホーの涙は硫酸なんだ!』 『くそッ、何て迷惑な奴なんだ……!』 「ウアアアアアアアア!」 ホーはわんわん泣きわめき、辺り一面に硫酸の涙をまき散らす! 何て危険な! 『や、やめろ! くそぉッ!』 阻止しようにも、涙の勢いは雨あられで、ゼロも容易に近づくことが出来ない! そして涙の一滴が、ホーを生み出した中野にまで飛んでいく! 『あッ……!』 「危ない真一ッ!」 それを助けたのは矢的先生だった。けど中野の身代わりに、先生が肩に硫酸を浴びて火傷を負ってしまう。 「先生……俺のために……!」 「そんなことより……怪獣を見ろ……! 奴は、ルイズの家の方に向かってる……!」 何だって!? 確かに、ホーはどこかに移動しようとしているように見える。まさか、 ルイズを殺そうってのか!? くそッ、それだけは絶対にさせるものか……! 「お前の潜在意識が、怪獣をルイズのところに行かせるんだ! お前は本当にルイズが憎いのか!? いいのかそれで!」 先生は大怪我を負ってもなお、中野を説得しようとしていた。矢的先生……! 「本当にそれでいいのか!? 真一ッ!」 先生の呼びかけに……中野も遂に応えた。 「消えろー! お前なんか俺の心じゃない! 消えろーッ!!」 中野は自分の憎しみを捨てた! 「ウアアアアアアアア!」 ……けど、ホーは消えない! それどころか、ますます凶暴になって暴れ狂う! 『ど、どうしてなんだ!?』 『ホーはもう、あいつの心から離れて独立した存在になっちまった! こうなったからには、 倒す以外にないぜ!』 くっそぉ……! だったら、とことんまでやってやるぜ! 俺たちは気持ちを重ねて、 ホーに立ち向かう! 『おおおおおッ!』 「ウアアアアアアアア!」 今度は硫酸にもひるまず、正面から間合いを詰めて打撃を連続で入れていく! が、ホーは ゼロの身体を掴んで軽々と投げ飛ばした! 『うッ!』 「ウアアアアアアアア!」 地面に打ち据えられたゼロに馬乗りになったホーは、両手の平で激しくゼロを叩く。 『ぐッ……! 調子に乗るなッ!』 自分の上からホーを振り払ったゼロだが、起き上がった瞬間にホーの口から放たれた火炎状の 光線をまともに食らってしまった! 『ぐああぁッ!』 痛恨のダメージを受けるゼロ! カラータイマーもピンチを知らせる! 『今の光線の威力……何てパワーだ!』 『人の心から生じたマイナスエネルギーを直接吸収して、力と憎しみが膨れ上がってるってところか……!』 マジか……! 人間の憎しみは、それだけのパワーになるってことなのか……! 同じ人間として、 恐ろしい気分になる……。 『だからこそ、負ける訳にはいかねぇぜ! とぉあッ!』 勇んで地を蹴ったゼロは、そのままウルトラゼロキックをホーにぶち込んだ! この必殺キックは さすがに効いたようで、ホーに大きな隙が出来る。 「シェエアッ!」 そこにワイドゼロショットが発射される! 直撃だ! 「ウアアアアアアアア……!」 しかし、ホーはワイドゼロショットを食らっても倒れなかった! ほ、本当にとんでもない奴だ……! 『だが、こいつで今度こそフィニッシュだぁッ!』 ゼロはひるまず、ゼロツインシュートを豪快に放った! 「ウアアアアアアアア!」 それが遂に決まり手となった。ホーの全身が赤い炎のように変わり果て、身体の内側から 輪郭の順に飛び散って完全に消え失せた。 やった……! ゼロの勝ちだ。ゼロは恐ろしい、人間の憎しみの心にも勝ったんだ……! ……今日もまた、才人は覚醒して身体を起こした。 「……本当の、愛……」 またしても夢のことはほとんどを忘れ去ってしまった才人だが……誰かが熱く語った 「本当の愛」についての内容だけは、記憶に残っていた。 そして日中、 「こらぁーサイトッ! あんたまた、わたしの見てないところでメイドとイチャイチャしてたそうね! しかも今度はクリスともだそうじゃない! この節操なしの犬! 一辺教育し直してあげようかしら!?」 ルイズはまた何か変な誤解をしたようで、怒り狂って才人に詰め寄ってきた。いつもの才人なら、 彼女の怒りから逃れようと必死に言い訳を並べていることだろう。 だが、今の才人は違った。 「なぁ、ルイズ」 「な、何よ? 今日はいやに落ち着き払って……どうしたっていうのよ? 何か変よ」 「愛しているから、愛されたい。愛されなければ腹が立つ……。本当の愛って、そんなちっぽけな もんじゃないだろう?」 困惑したルイズに、才人は夢で覚えた言葉を、すました態度で告げた。 「人のお返しを期待する愛なんて、偽物。お前もそう思わないか?」 ふッ、決まった……と言わんばかりに、格好つけた様子でルイズと目を合わせる才人。 果たして、ルイズの反応は、 「……知った風な口を利くんじゃないわよぉッ!」 余計に怒らせて、ドカーンッ! と爆発をお見舞いされた。 「ぎゃ―――――――――ッ!!」 「ふんッ! どこでそんな言葉覚えてきたんだか……!」 ツカツカとその場を離れていくルイズ。後には、黒焦げになった才人がバッタリと倒れ込んだ 姿だけが残された。 「ど……どうしてこうなるんだ……」 ピクピク痙攣した才人は、そうとだけ言い残して力尽きた。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔