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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348842761/ 須賀京太郎高校1年生の夏休み初め頃 須賀父「実は俺はニュージーランド人と日本人のハーフなんだ。見た目には母の日本人の母の血が影響したがね」 京太郎「つまり……俺はクォーター!?世代超えて金髪になっちまったのか。今までの不良的な扱いはいったい……」 須賀父「そうだな。後、言ってなかったが俺には兄弟もいてな。今度兄貴の嫁と娘が遊びに来るから自室と客間を掃除しとけ」 京太郎「ええ!従姉妹までいたのかよ」 須賀父「あぁ、兄貴に似ず結構可愛かったな。向こうで暮らしてたからバリバリのニュージーランド人だ。ちなみに高3だ」 京太郎「従姉ってことか。緊張してきた」 須賀父「両親は日本語ある程度流暢に話せるが娘は勉強中だ。滞在してる間はお前が色々世話してやれよ」 京太郎「はいはい、分かりましたよ」 数日後 ピンポーン 京太郎「はーい!今出ます!」 ウィッシュアート父「こんにちは。君が京太郎君かな?須賀父の兄だよ。よろしく」 京太郎「父から話は聞いてます。中へどうぞ」 ウィッシュアート父「あいつに似ず礼儀正しい子に育ってよかったなHAHAHA!」 エイスリン「コンニチハ!!」 京太郎「貴女は……」 エイスリン「エイスリン・ウィッシュアート!ヨロシクネ!」 京太郎「須賀京太郎と言います。よろしくお願いします!」 ウィッシュアート父「エイスリン、日本に来たからと言って、はしゃぎすぎないようにな」英語 エイスリン「それぐらい分かってるよ!お姉さんだもん!」英語 京太郎「何言ってるのか全然分らねぇ…」 ウィッシュアート父「あぁ、すまんすまん。これからはなるべく日本語で話すようにするよ。あと、頼みがあるんだがいいか?」 京太郎「はい、何でしょうか?」 ウィッシュアート父「エイスリンに日本語教えてやってくれないか?適当に長野観光しながらゆっくりで良いから」 京太郎「俺に出来ますかね……英語全然分かりませんよ?」 ウィッシュアート父「大丈夫だ。エイスリンも簡単な会話は出来る。それに…」 エイスリン「ミテ!」凄く上手な周囲の景色の絵 ウィッシュアート父「この通り絵が上手いから意思の疎通はなんとかなる」 京太郎「凄いですねウィッシュアートさん!」 エイスリン「エイスリン!!」名前を強調した絵 京太郎「ええと、エイスリンさん?」 エイスリン「エイスリン!!」拙い字の「さん」にバツ印が付いた絵 京太郎「………エイスリン?」 エイスリン「ン!」笑顔の絵 京太郎「えっ……ええと///、それじゃあ早速行きましょう!」 京太郎(ただでさえ可愛いのに笑うと凄く可愛いくてヤバイ) エイスリン「ソウダネ!」ガシッ 京太郎「えっ!?ち、ちょっと待って下さいよー!手を引っ張らないでください!!」 京太郎「先ずは、昼食でも食べますか?」 エイスリン「ウン!タベタイ!」テンプラ、ソバ、スシ、フジサンの絵 京太郎「食べ物じゃないのが混ざってますよ…」 エイスリン「アハハ……エ!?」 京太郎「そんな気付かなかった!?みたいな顔しないでくださいよ!」 エイスリン「ウンウンワカッテルヨ」 京太郎「本当ですか?取り敢えず美味しい蕎麦屋が近くにあるんで行きましょうか!」 エイスリン「テンプラソバ!」 京太郎「勿論天ぷら蕎麦は美味しいですよ」 エイスリン「タノシミ!」 京太郎「じゃあ俺は大盛り蕎麦で。エイスリンは?」 エイスリン「テンプラ!」寿司が描かれた絵 京太郎「………それは寿司ですよ…本物はこれです」写真を見せる エイスリン「ソ、ソウダヨコレコレ。シッテタヨ」アセアセ 京太郎「いくらカタコト日本語だからって誤魔化せませんよ!」 エイスリン「アハハ……」 京太郎(可愛い!でも年上には見えないなぁ) 京太郎「すいません!注文いいですか!」 料理が運ばれて来た エイスリン「キョータロー!オイシイ!」 京太郎「喜んでもらえて何よりです」 エイスリン「………」ジー 京太郎「……そんなにこれが食べたいんですか?」ドでかい天ぷらを指差し エイスリン「///」コク 京太郎「あげますよ!!そんな目で見つめられたらあげるしかないじゃないですか!!」 エイスリン「アリガトネ。ウレシイ///」 京太郎「っ///どうぞ」エイスリンの皿に載せようとする エイスリン「ン!」パクッ 京太郎「え"!い、今のは……」 エイスリン「オイシイ!オカエシ!」京太郎へ天ぷらアーン 京太郎「ち、ちょっとこれは……」 京太郎(外人美少女にアーン……これはすば……) 京太郎「ムグッ!」海老を押し込まれ エイスリン「オイシイ?」ニコニコ 京太郎「オ、オイシイデス」 エイスリン「ヨカッタ!」 京太郎(こんな笑顔見せられたら文句言えない…) 京太郎「次はどこ行きましょうか?この辺は何もないですけどね。景色ぐらいしか良いところないですよ」 エイスリン「フウケイ、イッショニカコウ?」2人で絵を描いてる絵 京太郎「俺絵心ないですよ?下手ですよ?それでもいいなら、いい場所があります!」 エイスリン「ダイジョウブ!イコ!」手を取って駆け出す 京太郎「うわっ!そっちじゃないですよー!ていうか恥ずかしいですよ!!」 エイスリン「?」 京太郎「恥ずかしいって言葉だけ分からないふりしないでください!」 景色の良い展望台的なところ 京太郎「ここですよ。俺の住んでる町全体が見えます」 エイスリン「スゴクキレイ…キョータロー!ハヤクカコウヨ!」画材取り出し 京太郎「本当に下手ですよ?」 エイスリン「ダイジョウブダイジョウブ!」ニコ 京太郎「///……じゃあ頑張ってみます」 京太郎(断れねぇよ……) 京太郎「……」カキカキ エイスリン「……」カキカキカキカキカキカキ 京太郎「!?」 エイスリン「……」カキカキカキカキカキカキカキカキ エイスリン「デキタ!」凄く上手い風景と絵を描いてる京太郎の絵 京太郎「俺のことまで描いてくれるなんて……こうなったら俺も本気を出しますよ!」ガリガリガリガリガリガリ エイスリン「ヨロコンデクレテウレシイ!タノシミダナ!」 京太郎「できたっ!」ピカソ エイスリン「」 京太郎「エイスリン?どう……かな。同じ構図で描いたんだけど……」 エイスリン「oh……ハッ!ト、トッテモジョウズ…ダヨ?」 京太郎「そうだよな!上手いよな!」 エイスリン(片言の日本語しか喋れなくて良かった……) エイスリン「エットネ、キョータローモットジョウズニナルヨ!ダカラ……レンシュウシヨ?」 京太郎「絵の上手いエイスリンに褒めてもらえるなんて嬉しいなぁ!分かった!もっと俺に絵を教えてください!」 エイスリン「ウン!モチロン!」 京太郎「ほうほう、ここがこうなってアレがああなるのか」 エイスリン「ココロガタイセツナンダヨ。ヘタデモイインダヨ」 エイスリン(さすがにあの絵は……ね。もっと上手くなってほしいな) そして夕暮れ時まで指導は続き 京太郎「ハッ!もうこんな時間か。ずっと絵を描いてたから時間忘れちまった…エイスリン!……あれ、寝てる?」 エイスリン「……ムニャムニャ」 京太郎「エイスリン!エイスリン!起きないと暗くなるって!」 エイスリン「ん?もう終わったの?」 京太郎「!?」 エイスリン「オワッタノ?」アセアセ 京太郎(気のせいか?やけに滑舌が良かった気が……いやそんなはずないか) 京太郎「終わったよ。エイスリンのおかげで凄く上手くなったよ!」ニッコリ エイスリン「ヨカッタ!ワタシモウレシイ!」ニッコリ 京太郎「これを見てくれよ!」エイスリンの微笑みを描いた絵、写真レベル エイスリン「」唖然 エイスリン「エ?………………え?ウソダヨネ?」 京太郎(また一瞬滑らかにっ!) 京太郎「これもエイスリンのおかげだよ。ありがとな!」 エイスリン(凄く上手くなってる…何か複雑……でも) エイスリン「カ、カワイクカイテクレテウレシイナ///」 京太郎「そりゃあ、モデルが美術品なんだから可愛いくなるのは当たり前ですよ」 エイスリン「///ワタシソンナニカワイクナイヨ」 京太郎「そんなことないですよ!どこからどう見ても天使!いや!大天使!」 エイスリン「//////」カオマッカ 京太郎「それじゃ、そろそろ暗くなってきましたし、家に帰りましょうか」 エイスリン「ウン!ソウダネ」 帰り道にて 京太郎「エイスリンはどれくらい長野にいる?」 エイスリン「ウーン……ワカンナイ!」 京太郎「ガクッ……分からないんですかそうですか。なるべく長い方がいいなぁ」 エイスリン「ワタシモナガクイタイナ!」 京太郎「アハハ!俺と一緒ですね。せっかく始めて会えた従姉同士ずっと仲良くしたいですよね」 エイスリン「ハジメテジャナイヨ」 エイスリン「ずっと前から会いたかったんだから」ボソッ 京太郎「初対面じゃないんですか!?」 エイスリン「ウン!ズットマエニネアッテタンダヨ!」 京太郎「俺が小さい頃ですか……さすがに覚えてないですね…すいません」 エイスリン「キニシナイデ。イマヲタノシモウ!」ギュッムニッ 京太郎「わっ!腕組むのはマズイですって!」 京太郎(おもちっ……おもちがっ……誘惑……っ!) エイスリン「エヘヘ///オネエサンノコトエスコートシテ?」 京太郎「ハッ、ハイッ!」カチコチ エイスリン「ウンウン!レッツゴー!」 京太郎「あわわわわわ」 家に到着 京太郎「やっと着きましたね」ゼイゼイ 京太郎(精神力をフル動員して何とか誘惑に打ち勝ったッ!長野暗すぎるんだよ!街灯がないから襲いたくなっちまうだろッ!) エイスリン「ツカレテル?」ウフフ エイスリン(少しは意識してくれたかな?) 京太郎「誰のせいだと……すばらでしたがね!」 京太郎「ただいまー!」 エイスリン「タダイマ!」 母親ズ「ご飯できてるから手洗ってきなさい」 京太郎・エイスリン「ハーイ!」 京太郎の部屋 京太郎「今日一日濃い日だったなぁ…まさかあんなに可愛い従姉がいたなんて。咲に自慢するか?」 京太郎「いや、やめとこう。あいつ凹みそうだ。胸囲的に」 京太郎「さてと、寝るか!」 深夜・京太郎の部屋 エイスリン「……」コソコソ 京太郎「……もう食べられない」グー エイスリン「!」ビクッ エイスリン(驚かせないでよ、もう!) エイスリン「イレサセテネ?ダキマクラガナイトネムレナイカラ…」 京太郎「や、役満がー!」グー エイスリン(ちゃんと断ったからいいよね!)ゴソゴソ エイスリン(暖かい……抱き枕よりも癖になるかも)ギュッ 京太郎「……リンシャンお化け」グー エイスリン(ずっとこのままで……いた……い…な)ギュースヤスヤ 京太郎(……………………寝れねぇよ) 朝・京太郎の部屋にて エイスリン「ん………」スヤスヤ 京太郎「一応寝れたけど……足まで絡めてきてるし……どうすりゃ…」メガマッカ エイスリン「ふわぁ……オハヨ!キョータロー!!」 京太郎(普通に起きたっ!何のリアクションもなく起きやがった!外人のスキンシップやべぇ!) エイスリン「ダキマクラアリガトッ!」ギュー 京太郎「アバババ」アサダチ エイスリン「///////」 エイスリン「シ、シカタナイヨ!キガエテクルネ!」 京太郎(男を抱き枕にするのは良くて朝立ちは無理なのか) 京太郎「……………ふぅ」 朝ご飯にて 須賀父「おう、昨晩はお楽しみでしたね」 ウィッシュアート父「子供は野球ができるぐらいだな」 須賀母「こんな可愛い娘がいるなんて幸せもんね」 ウィッシュアート母「今日は赤飯ね」 京太郎「何でそうなるんだ!!!」 エイスリン「////」 京太郎「エイスリンも恥ずかしがってないで何か言ってくれよ!」 エイスリン「エ、エヘヘ///」 京太郎(なんか笑顔見たらどうでもよくなってきた) 朝食終わり 京太郎「今日はどこに行こうかな」 エイスリン「ウーン?」 京太郎「夏なんだしプールにでも行くか?」 エイスリン「プール?イク!………アッ……ミズギナイ」ショボーン 京太郎「そこは任せてください!俺が買ってあげますよ!絵を教えてくれたお礼です!」 エイスリン「イイノ?アリガトッ!ウレシイ!」ダキッギュー 京太郎「アバババ」 京太郎(昨日の小さい頃の話からスキンシップが増えた気がするなぁ。まぁ良いか!)ニヘラ エイスリン「ウンウン!」ニコニコ エイスリン(順調に意識してくれてるっ!京太郎はお姉ちゃんのモノなんだから) 京太郎「じゃあ、電車に乗ってデパートがある街にまで行きましょうか」 エイスリン「レッツゴー!」 街の大型デパートにて 京太郎「長野にだって都会はあるんですよ!」 エイスリン「スゴイネ!」 京太郎「早速水着選びましょうか。そこのお店に売ってるんで水着決まったら呼んでくださいね」 エイスリン「キョータローハ?コナイノ?」ギュッ 京太郎「え、えと……女の子の水着売り場に男が入るわけには……ねぇ?」 エイスリン「ワタシタチ、カップル!!ダイジョーブ!」ギュッ 京太郎「エイスリン!?引っ張らないでー!」ズリズリズリ 水着売り場にて エイスリン「ドウ?」 京太郎(すばらっ……すばらっ……神に感謝……圧倒的感謝っ……!) 京太郎「正直なところ全部似合いすぎて選べません」オオマジメ エイスリン「ムー」 京太郎「え、何かダメな事言いましたか!?」 エイスリン「ドレガイイ?コレ?ソレ?ドッチ!!!」 京太郎「うーん……あえて選ぶとしたら清楚な白のビキニですかね。綺麗な金髪と合わさってすばらです!」 エイスリン「ソウ?///ワタシモコレガホシカッタ!」 京太郎「決まりですね。お会計しましょう」 会計「現在カップル割引キャンペーンを行っております。カップルだと何と水着が半額です!」チラッ 会計「カップル割引適用でよろしいですね」 京太郎「え?……まだ付き合っムグッ!」 エイスリン「カップル!カップル!」 会計「は、はぁ。かしこまりました。お値段は……」 エイスリン「ムフフ」 京太郎「……いいんですか?俺とカップルって言われて」 エイスリン「ウン!」 京太郎「あ、あはは……」 京太郎(マジ?エイスリンって俺の事……いや、そんなはずないか) 京太郎(久しぶりに会った従弟だからテンション上がってるだけだよな……) エイスリン(ここまで言ったのに何で何も言ってくれないの……とっても頑張ったのに……京太郎の馬鹿っ) 京太郎(いやいや、ここでヘタれてどうする。今こそ男を見せる時ッ!) エイスリン(もういっそ既成事実を……キャッ)ボッ 京太郎「な、なぁ……」 エイスリン「ナニ?」 京太郎「す……す、すk」 「京ちゃーん!!!!!」 京太郎「きなんだ」 エイスリン「キコエナカッタヨ?」 咲「京ちゃん!!こんな所で名にしてるの?」 京太郎「咲!?お前こそこんな所で何してんだ?」 咲「質問に質問で返しちゃダメなんだよ京ちゃん!」 京太郎「いやいや、そんなこと言ってる場合じゃ……」 エイスリン「エ?エ?ナニ?ダレ?」オオアワテ 咲「…………………この人だれ?迷子でも拾ったの?」 京太郎「迷子じゃねえよ。この人はエイスリン・ウィッシュアート。俺の従姉だ」 京太郎「エイスリン、このちんちくりんは俺の幼馴染の宮永咲だ」 エイスリン「オサナナジミ?………ヨロシクネ、サキ!」 咲「従姉?…………よろしく!ええと……エイスリン?」 エイスリン「イエスイエス!」 京太郎「2人とも仲良くなー。どっちも友達少ないんだから」 咲「友達少ないは余計だよっ!和ちゃんとか優希ちゃんとかいるもん!」 エイスリン「ワタシダッテニュージーランドニイル!!」 京太郎「あはは、2人とも息ぴったりだな」 咲「もう、京ちゃんたら」 エイスリン「カラカウノダメ!」 京太郎「まぁそう言うなってアハハ。んで咲は何しに来たんだ?」 咲「わたし?わたしは新k……」エイスリンの水着の袋をチラリ 咲「新作の水着を見に来たんだよっ!」 咲(エイスリンさんは京ちゃんとプールに行くみたい……京ちゃんは渡さないんだからっ!) エイスリン(幼馴染って……私の方が小さい頃に会ってたのに!京太郎は渡さないんだからっ!) 京太郎「なんだ、咲も水着見に来たのか」 咲「う、うん。」 京太郎「じゃあついでだから、咲!」 咲「ひゃ、ひゃい!?」 京太郎「いつもレディースランチもらってる代わりと言っちゃなんだが水着代奢ってやるよ!」 咲「いいの?ありがとう京ちゃん!!」ダキッ エイスリン「ムー」ギュッ 京太郎(咲と比べるとエイスリンのおもちが更に強調されるっ!) 京太郎「は、早く選ぼうぜ」アセアセ 咲「そうだね!じゃあ……これなんてどうかな?」 京太郎(さっきエイスリンと悩んでたビキニその1……ムリダナ。どこがとは言わんが) エイスリン(勝った勝った勝った!) 咲(無理しすぎた……エイスリンさんのおもち大きすぎるよ) 京太郎「まぁ……なんだ、あれだよ。人には向き不向きってもんがな……」 咲「ん?京ちゃん何か言った?」 京太郎「イエナニモ」 結局咲はワンピースタイプの無難な水着になった 咲の乱入により水着を買うだけで一日を終えてしまった 帰宅、家の玄関にて 京太郎「あれ?鍵がしまってるな」 エイスリン「ハイレナイノ?」 京太郎「いや、大丈夫。植木鉢の下に合鍵が……………あった。」 エイスリン「スゴイ!」 食卓にメモがあった 京太郎、エイスリンへ 今晩から少しの間、大人同士で親戚に挨拶してくるから2人で過ごしてくれ。 今晩の夕食だけは作ってある。 ※ハメを外しすぎるのもほとほとにな 両親一同より 京太郎「…………」 エイスリン「…………///」ギュッ 京太郎「!?」 エイスリン「///」男女がベットに寝てる絵 京太郎「!?」 エイスリン「///」 京太郎「……取り敢えずご飯食べましょう」 エイスリン「ウン」 エイスリン(2人きり///) 夕食終わり 風呂へ 京太郎「エイスリン、お風呂先どうぞ。お客さんだから一番風呂を譲ってあげよう!」 エイスリン「?ワカラナイ!」風呂の絵にハテナマーク 京太郎「うーん困ったな使い方教えるから試しにやってみてくれる?」 エイスリン「コレハ?」水着を着て一緒に入ってる絵 京太郎「……マジですか?」 エイスリン「マジマジ!」 京太郎(水着なら大丈夫、水着なら大丈夫、水着なら大丈夫) 京太郎「分かりました。水着着て先に入っててください。後から俺も行きます」 エイスリン「ワカッタ!」 風呂場にて 白のビキニを着たエイスリンがそこにいた。白く美しい艶のある肌をしっとりと蒸気の雫が伝い落ちる。 美しい白は熱でほんのりと紅くそまり普段の清楚な姿からは想像もつかない程の艶めかしさを醸し出す。 つまり弾道が上がった エイスリン「///」 京太郎「不可抗力だ!すいません!すぐ出ます」 エイスリン「マッテ!」ギュッ 後ろから抱きつかれた。 程よく膨らんだ2つのおもちが背中にこれでもかとばかりに存在を首長する。 優希をおんぶした時とは全く違う感触に興奮を覚える。 つまり弾道が上がった。 京太郎「まずいですって……本当にっ」 エイスリン「これでいいのっ!」 京太郎「!?え?今、普通に……」 エイスリン「本当はちゃんと日本語喋れたんだよ。下手なふりしてただけ」 京太郎「そんな……何で…」 エイスリン「京太郎に近づくためだよ!久しぶりに会ったのに私のこと覚えてないからっ!」 エイスリン「本当はもっと早く会いたかったんだよ?でもね、お父さんの仕事の都合でね……」 エイスリン「会えないうちに幼馴染とか作ってるしっ!凄く仲良さそうだった!今捕まえないと京太郎が獲られちゃうのっ!!」 京太郎「エイスリン……俺…は……」 エイスリン「私は京太郎のことが大好き。ずっと前から好きだったの」 京太郎「俺は、覚えてないけどっ!お前のk……「チュ……プハッ」……え?」 エイスリン「ファーストキスだよ。返事なんて聞かない。京太郎は私のものなんだから!」 京太郎「ちょっと待っ……「チュッ……ジュル……チュ……んーー……プハッ!」俺の話を聞いてくれよ!」 エイスリン「聞かない!だってあれだけアプローチしても何も言わないんだもん!」 京太郎「俺はエイスリンが好きなんだよ!」 エイスリン「え?………」 京太郎「隣にいると安心するし性格も良いし、可愛いし、おもtゲフンゲフン……とにかく好きなんだよ!」 京太郎「こんな気持ちになる人はお前が初めてなんだ!」 エイスリン「え?じゃあ、今私がしたことって………//////」カオマッカ 京太郎「何今更赤くなってんだよ……俺は我慢できないぞ!」 エイスリン「え?ち、ちょっと待ってよ!こう言うのはムードが大事なんだよ!」 京太郎「ムード台無しにして襲おうとしたのはどこの誰ですかねぇ?」 エイスリン「そ、それは……」 京太郎「ま、いっか!取り敢えず風呂入ろうぜ。お湯が冷めないうちにな!」 エイスリン「なんか、中途半端」 京太郎「ムードが大事なんだろ?」 エイスリン「そうだけど……ムー」 風呂の浴槽に2人仲良く エイスリン「///お尻に当たってるんだけど……」 京太郎「不可抗力だ」 エイスリン「もう、さっさと上がって続きしよう?」 京太郎「は、はい!」 エイスリン「さっきは襲いかかろうとしたのに……なんで緊張してるの?」 京太郎「だっ、だってなぁ?初めてなんだぞ?」 エイスリン「そ、それ言ったらわたしも初めてよ///」 京太郎「……………取り敢えず上がろう。興奮して逆上せてきた」 部屋にて 京太郎「じゃあいいか?」 エイスリン「う、うん。優しくしてね?」 後日めでたく結ばれた京エイは咲ちゃんにぐぬぬって言われたとさ
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ ガラス製の丸テーブルの上にはアップルパイにチョコレートケーキ、エクルズケーキ、シュークリーム、マカロン、クッキー、 スコーンとその添え物の生クリームとストロベリージャムが所狭しと並び、それから人数分のミルクティーが置かれている。 咲「わぁすごいね」 京太郎「まぁな。ちょっといろいろ奮発してみた」 半分は買ってきたものだが、もう半分は俺の手作りだ。 京太郎「照さんも遠慮せずにたくさん食べてくださ、……」 照「……」サクサクサクサクサクサクサク 言う前から、すでにマカロンやクッキーを頬張っていた。はえぇよ。 ちょっと用意しすぎたかとも思ったが杞憂だったようだ。 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「あ、はは……まぁ咲も遠慮せずに食べてくれよ」 咲「えっと、京ちゃんが作ったのはどれかな?」 京太郎「ん~っと、アップルパイとシュークリームとクッキーかな。後そのイチゴジャムは俺の自作」 咲「じゃあシュークリームを」 そういって咲がシュークリームに手を伸ばそうとした瞬間、まるで小動物を強襲する猛禽類のような速度で照さんの手が翻る。 一瞬早く、照さんが菓子を掻っ攫っていく。 双眸には猛獣の眼光。 咲「……」 京太郎「てい」 指先で照さんの額を弾く。 照「あう」 京太郎「まったく。大人気ないことしおって」 京太郎「ほら、咲」 咲「あ、うん。ありがと京ちゃん」 照「京ちゃん。酷い……」サスサス 京太郎「あんたが悪い」 用意したお菓子の半分が照さんの手によって消費された頃、ようやく一息つく。 咲「美味しかったよありがと京ちゃん」 京太郎「どっちが?」 咲「どっちも、と言いたいところだけど、身内贔屓で京ちゃんかな」 京太郎「花を持たせてもらったって感じがするけどまぁ良いか。俺も久々に思いっきり料理が出来て楽しかった、ありがとな」 咲「うん」 照「……」サクサク 京太郎「照さんは……うん、まぁ作り甲斐があってよかったです。うん」 照「?」 照「ふぅ……」 ようやく照さんも一息。 咲「なんだか久し振りだね。この雰囲気」 京太郎「3人で集まったのはインハイの決勝の後だったっけ?」 咲「そうだけど、なんかそれよりももっと長く感じる」 京太郎「まぁ実際そうだしな」 照「……」ジー 京太郎「? どうかしました? 照さん」 こちらをジッと見ている照さんを疑問に思いつつミルクティーの注がれたカップに口をつける。 照「京ちゃんは、今好きな人っているの?」 京太郎「ぶふぅっ!?」 吹いた。盛大に。 咲「ちょ! おおおお、お姉ちゃん、いきなりなに聞いてるの!?」 京太郎「ゴホッ、ゴホッ!」 いかん、気管支に入った。苦しくて涙が滲む。 咲「京ちゃん、大丈夫?」サスサス 京太郎「ゴホッ、ああ、うん。すまん咲、ありがとう。ゴホッ」 咲に背中をなでてもらってなんとか持ち直す。 京太郎「あ、えー照さん?」 照「なに?」 京太郎「なんでいきなりそんな話に?」 照「京ちゃんは清澄の人たちはもちろん、うちや阿知賀のみんなと仲が良い。だからどうなのかなって」 もしかしてこの人この間ずっとそのこと考えてたのか? 京太郎「それ答えないとダメなの?」 照「ダメ」 京太郎「言い切ったな」 京太郎「大体なんでこんな話を、咲からもなんか言ってやってく、」 咲「……」モジモジ わーお。君もそっち側なの? 咲は俺と目を合わせないように、けどチラチラこちらを伺いながら早く話せと無言で続きを催促してくる。 京太郎「好きな人ねぇ。好きな人……いません」 照「京ちゃんは私たちのこと嫌いなんだって咲」メソメソ 咲「ええ!? そうなの京ちゃん!」 京太郎「なんでそうなった!? どんな飛躍だよ!」 照「じゃあ好き?」 咲「///」 京太郎「はぁ……究極の二択ですね。もちろん好きですよ」 照「だって、やったね咲」 咲「わ、私は別に……///」 京太郎「あの、ゆっときますけどそんな深刻な意味じゃないですよ?」 照「にやり」 京太郎「おい、その『してやったり』みたいな顔やめろ」 照「でも今好きって言った」 京太郎「いいよそういう言葉のマジック!」 照「京ちゃん、うちの淡や阿知賀の玄ちゃんとも仲いいよね」 咲「!」ピク 京太郎「あの、もうちょっと会話の前後の繋がり重視してもらっていいですか?」 京太郎「そりゃまぁいいですけど、別にそんな、そういうアレじゃないですよ」 照「付き合いたいとか、そういった考えはないの?」 京太郎「俺だって別にそういった願望がないわけじゃないですよ。たとえばその2人に限らずに」 京太郎「ただ、俺のポンコツ許容量は君ら2人で本体、予備、緊急用、来世の前借分までいっぱいなんでそういった隙がないだけです」 ポンコツの姉とポンコツの妹、両方面倒を見なくちゃいけないのが中間管理職の辛いところだ。 咲「ホッ」 照「よかった」 照「好きな人がいないなら、じゃあ好きなタイプとかは?」 京太郎「好きなタイプ~?」 照「たとえば年上と年下ならどっち?」 京太郎「俺、どっちかって言うと同い年か年下がいいんだけど」 咲「ホント!?」ガタッ 京太郎「お、おう?」タジ 照「ちなみにどうして?」 京太郎「俺が主導権を握りたいから……」 京太郎「っと最近まで思っていたんだけどどうも俺は年齢に関わらず女性に頭が上がらない気質らしく、正直これはどっちでも良くなった」 照「じゃあ次の質問」 京太郎「あ、これ続くのね」 照「家事は出来るほうがいい?」 京太郎「家事ねぇ、別にどっちでも。最初は出来なくてもやってくうちに上手くなるだろうし」 京太郎「最悪、俺が自分でやるし」 咲「京ちゃん……」ホロリ 照「では最後の質問です」 京太郎「へぇ」 照「胸は小さいほうがいいよね?」 京太郎「なにその質問」 京太郎「おも、胸は大きいほうが……いや待て今のは無しだ。なんで幼馴染の女の子2人に俺の性癖暴露せにゃならんのだ」 照「そもそも京ちゃんのその趣向はおかしい」ズビシ 京太郎「ほう、言ったな。一席打つか?」 照「たとえば人の価値観って育ってきた環境に影響さえたりするよね」 照「たとえば、お金持ちの人から見たら価値のないものでも、貧しい人から見たら価値があるとか」 京太郎「はぁ」 照「京ちゃんは、私たちの一緒に育ってきたんだから、私や咲みたいなポンコツで胸の無い娘を好きになるはず」 京太郎「いやむしろその環境にあったが故のというか。後、自分で言ってて悲しくありません?」 照「少し」 咲「私! 私はまだこれから大きくなるよね! 牛乳だって飲んでるし」 照「……」 京太郎「……」 咲「お姉ちゃん!? 京ちゃん!?」 京太郎「なぁ咲、遺伝学的に考えてこの先そんなことが起こりうると本気で思ってるのか?」 咲「それは……」チラッ 照「」テルーン 咲「ふえぇぇぇぇぇぇ、京ちゃぁぁぁぁん!」 こうまで科学的な証拠を提示されてはさしもの咲も納得せざるを得ない。 咲は止め処もなく、失意の涙を滂沱と流した。 照「2人とも失礼」ムゥー 咲「やっぱり京ちゃんは胸が大きいほうがいいんだ!」 咲「だから和ちゃんとか渋谷さんとか松実さんのお姉さんとかには対応が妙に優しいんだ!」 京太郎「ん? ん、まぁそうだけど」 けどそれ宗教上の理由であって、いやまあ可愛いと思うしぶっちゃけ結婚するならああいった人たちがいいけど。 京太郎「それがすべてじゃないから、な? なんで泣いてるかわかんないけど泣き止めよ。お前が泣いてると俺も悲しい」 照「咲を泣かせるなんてダメだぞ。京ちゃん。お姉ちゃんは憤慨します」 京太郎「あの、ちょっと黙っててもらっていいですか?」 照「胸なんて飾りです! 京ちゃんにはそれがわからんのです!」 咲「そうだ! そうだ! 胸はなくても人権はあるぞ!」 京太郎「ちょっと落ち着け! っていうかなんか会話の方向性おかしくない? 後、俺ばっか質問されてて釈然としない」 京太郎「逆に聞きたいんだけど、2人はどうなの? 好きな人とかいるの?」 照「黙秘権を行使します」 咲「お、同じく……」 京太郎「まぁ絶対そういうと思ってたけどね!」 この俺ルールっぷり。これについては我々はもう熟知してるのでね、最早なんの感慨もないですが。 京太郎「淡はいるかあああああああっ!!!」バーン! 白糸台の面々が泊まっている部屋の戸を盛大にブチ開ける。 何故俺がこんなに怒り心頭なのか。昼飯の後サロンのソファーで昼寝をしていた俺は、 目を覚ましてから洗面所で顔を洗おうとして鏡を覗き込んで驚愕した。 それはもうなんか、なんかすごいとんでもなく面白い顔になっていた。噴飯ものである。 根拠はないがこんなことをするのはきっと淡だ。俺の本能がそう言っている! 菫「!?」 部屋にいたのは弘世先輩だけ。突然の不躾な訪問に驚いているようだ。そういえばノックするのを忘れていた。 普段、礼節を重んじる俺だがそんな精神的余裕は存在しなかった。 菫「す、おま、……!?//////」 京太郎「?」 真っ赤になりながら口をパクパク開閉させる。弘世先輩。 よく見れば服の胸元が肌蹴ている。微かな違和感。 一瞬で状況把握。 はっはっはっ。な~んだ、今日は俺の命日だったのか。…………っておいぃぃ!? 京太郎「すんませんっした!? さーせんっした!!」 即座に土下座した。有史以来最も美しい形だったと自分でも思う。 菫「いいからさっさと出ていってくれ!」 曰く至言。 俺は速攻で回れ右をし、部屋を出て行こうとする。 パタパタパタ 響いたのは足音、しかも複数。おそらくこの部屋に向かってきているらしい。 京太郎「」 ちょっと待て、この状況はすごくまずいんじゃないか? 菫「くっ! 来い!」 弘世先輩に襟首を掴まれ、次の瞬間世界が回転。 暗闇の中に放り込まれる。背中には柔らかな感触を感じ、 次いで身体の前面にも背中に感じるものとは違う柔らかくまた仄かに温かななにか。 ガラッ 淡「あれー? スミレいないねー」 誠子「どこかに出かけたのかな」 尭深「別の場所も探してみよう?」 パタパタパタ 声と足音が遠ざかっていく。っていうかちょっと待て! そこにいるのは世界の根源悪である淡か! ちくしょう! そこを動くな! 菫「おい須賀! モゾモゾ動くな!」ボソボソ かなり近い位置から弘世先輩のこれが聞こえる。 まさかこのあったかくて柔らかいものは……。 京太郎「弘世、先輩……だと」モゾリ 菫「こらだから動くなと、あ、ん……」 なにか手のひらに一際やわっこいものが掠めた。 一瞬だが弘世先輩の声に色が混じった。 これはもしや……おもち!? 玄さん、俺やりましたよ。初めておもちに触れました。今晩は赤飯だな。 ようやく理解できた。 ここはどうやら備え付けの押入れの中で、布団やその他の雑多なものに紛れて俺と、 俺に抱えられるようにして弘世先輩が押し込まれているようだ。 菫「くっ、いいか須賀。とりあえずいったんここから出るぞ。貴様を尋問するのはその後だ」 そういって身を捩るが完全にはまり込んでしまっており俺達は抜け出せない。 菫「どういうことだ? 無理矢理とは言え入れたなら出れるはずだろう!?」 京太郎「……」 菫「そんな短時間で人間の体積が大きくなるわけ……」 暗闇に慣れてきた目に弘世先輩の顔が薄ぼんやりと映る。その顔には極大の嫌悪感。 菫「おい、この腰の辺りに当たる硬いものはなんだ?」 京太郎「えっと、その……リー棒とか、じゃないでしょうか?」 菫「こんな大きなリー棒があるか!?」 京太郎「いやいや、わかりませんよ? 大判トランプとかありますし、それにほら悪魔の証明ってあるでしょう?」 京太郎「まずは存在しないことを証明しないと」 京太郎「案外、大きなリー棒とかジョークで作られたりとかも痛たたたったたたっい!?」 弘世先輩が遮二無二にでも出ていこうとして俺の下半身に凄まじい荷重が加わる。 菫「うるさい! こんな不愉快な状況1秒たりとも我慢できるか」 京太郎「ちょっ! ホント、ホントに痛いんですって! 悪魔? 悪魔は実在したの!? 弘世先輩自身が悪魔なの!?」 俺は這い出そうとする弘世先輩の身体をガッチリ抱きしめる。 菫「あ、こら! なにを抱きついている! 離さないか!」 京太郎「いや、もうホント勘弁してください。ホント、マジで」 菫「じゃあこの状況をどうしてくれるんだ?」 京太郎「少しだけ時間をくれませんか? 時間が、そう優しい時の流れだけが僕らを癒してくれるんです」 菫「よし、わかった。君を気絶させよう。そうすればその超局部的体積膨張も解消され、ここから抜け出せる。そこから改めて君を処刑しようか」 京太郎「ひぃ!? なんでそんな実力行使なんですか!?」 菫「心配するな、これでも私は武道の心得があるし人体急所もきちんと把握している。顎を出せ、一瞬で昇天させてやろう」 京太郎「死にますよね!? それ死んでますよね!?」 菫「いいから早くしろ。私はあまり気が長いほうではない」 京太郎「あの、えっと……そうだ! そもそも弘世先まで一緒にここ入る必要なかったですよね!? 必死に捻り出した俺の疑問をぶつけると、押し入れ内に充満していた凄まじいまでの怒気が収まっていく。逸らせたか!? 菫「須賀。貴様、私の胸に触れたな。どう思った?」 京太郎「すみませんだした! お願い殺さないで! 俺まだ命が惜しい……」 菫「いいから答えろ」 京太郎「えっと、なんていうか。やんごとなき手触りで。いやすいません、正直思ってたより小さいというか」 菫「そうか……」 先輩の声には落胆。 京太郎「弘世先輩?」 菫「実は普段のあれはパットだ」 京太郎「」 最初に感じた違和感の正体はこれか。 ってかマジかよ。世界は嘘と欺瞞に満ちていた。もう、もう俺は誰も信じない。世界なんて信じない。 菫「……」 京太郎「あの……じゃあここに一緒に入ったのはそれを他に人にバレないようにってことですか?」 菫「……」コクン 京太郎「隠すくらいならなんでそんなこと……」 菫「元からこうだったわけではないんだ。ある日突然、朝目が覚めたら小さくなっていて……」 京太郎「」 どゆこったい。 アレか? 世界の修正力か? いや知らんけど。 玄さんがいっていたのはこれか。さすがおもちソムリエ、その審美眼に一点の曇りなし。 京太郎「だからってそんな隠さなくても」 菫「だって……」 京太郎「だって?」 菫「恥ずかしいじゃないか///」 京太郎「」キュン 可愛いなぁもう! 菫「だから須賀、できればこのことは他言無用で」 京太郎「わかりました。誰にも言いません」ナデナデ 菫「お、おい//////」 気付けば俺は弘世先輩の頭を撫でていた。 京太郎「は!? すみませんつい」 菫「いや、いい……ちょっとビックリしただけだ」 京太郎「そ、そうですか……」 菫「その、続けてもいぞ……?」 京太郎「え?」 菫「だから、頭、撫でてもいいぞ///」 京太郎「クスッ、はい」 なんだか腕の中に納まる弘世先輩の身体が一回りだけ小さく感じられた。 おおよそ四半刻が経ったころ。ようやく俺達は狭苦しい押入れから抜け出した。 菫「い、いいぞ」 背中越しに声。肌蹴ていたブラウスを正した弘世先輩に向き直る。 京太郎「あの、いろいろすみませんでした」 そしてありがとうございました。 菫「いや、いい。もう……///」 いつもハキハキとした弘世先輩にしては歯切れが悪い。 京太郎「そうですか? けどそれじゃあ俺の気が済みません。いずれこのお詫びは必ず」 菫「君の気が済むのなら、じゃあそれで」 京太郎「はい!」 菫「いいか、念を押しておくがこの件は絶対に他言無用だぞ」 京太郎「はい! 2人だけの秘密ですね」 菫「2人だけ、そうか2人だけの秘密か。ふふ」 京太郎「?」 なにやら嬉しそうだ。ぶっちゃけ玄さんにもバレてたし、案外知ってる人いそうだけども。 菫「頼むぞ京太郎」 京太郎「!? はい! 菫先輩」 いろいろあったが少しだけ弘世、いや菫先輩と仲良くなれた気がした。 ――――― ――― ― 淡「そういえばスミレって胸小さくなったよねー」アハハハ 照「知ってた」テルーン 菫「貴様らあああああああああ!!!」 それはそれは凄まじい折檻だったという。 京太郎「ってなんで俺まで!?」 菫「連帯責任だ!」 京太郎「理不尽だ!?」 みんな忘れてると思うけど、この合宿はインターハイ後の8月中旬から下旬にかけての期間に行われている。 8月といえば我々学生は夏休みの真っ最中なわけだが、っとくれば日本全国の学生諸君の大敵である、 そう夏休みの宿題も当然あるわけである。 優希「うあ~なんでこんな遠出してまで宿題なんてやらないといけないんだじぇ~」 京太郎「そら、お前がぜんぜんやってないからだろ」 優希「こちとらインハイ優勝チームなのに!」 和「たとえそうでも学生の本分は勉学ですよゆーき」 京太郎「事実そうなんだけど、ちょっとその意見には同意しかねる」 京太郎「そっちも悪いね。付き合わせちゃって」 玄「あはは、いいよ。ぜんぜん」 憧「まぁこっちも同じようなのがいるからね」 穏乃「あ~なんでこんなことしなきゃいけないの~」 どこも苦労するな。 そしてもう1人……。 淡「む~ん」 こいつ……。 京太郎「ペンくらい持てよ。やる気ゼロだな」 淡「だって~つーまんないー」アワーン 優希「大体京太郎! なんでお前はそんな呑気にしてるんだじぇ!」ガタッ 穏乃「そうだそうだ! 京太郎はどう考えてもこっち側の人間だ!」ガタタッ ぎゃーぎゃー騒ぎ出す。いいから口じゃなくて手を動かせ絶頂バカ2人! 京太郎「は? そりゃお前俺は時間だけはあったからな。コツコツやってたんだよ」 京太郎「まぁ大半テキトーに埋めただけだけど」 和「それもどうなんでしょうか」 優希「くっ、のどちゃんや咲ちゃんはともかく京太郎はこっち側だと思って高を括っていたのに」 穏乃「酷い裏切りだよ! こんなのってないよ!」 京太郎「ちょっとその俺も同じタイプ認定やめてくれる? お前らが仲良いのわかったからさぁ。俺そっちのグループ入りたくないんだけど」 優希「春は曙、曙って?」 京太郎「明け方ってことだ」 優希「やうやう白く、やうやうって?」 京太郎「徐々にとか、だんだんととかってことだ」 優希「なりゆく山際、山際って?」 京太郎「山と空の境界線の、っていうかあのさぁ」 優希「なんだじぇ?」 京太郎「一節ごとに聞いてくるのやめてくれない。なんかそういう規約でもあるの?」 優希「そんなのこの文章に言ってほしいじぇ! なんでこんな読みにくいんだ、そういいたいなら最初っからそう書けばいいのに!」 京太郎「いや、うん、まぁ、そうだけどさ、これ古典だし。言い回しってのも覚えると結構便利なんだぞ?」 優希「知らないんだじぇ! 私には関係ないんだじぇ!」 京太郎「だじぇだじぇ言いやがってこいっつぅ~」 穏乃「なんで英語なんて勉強しなくちゃいけないの~」ムーン 憧「なんでって」 穏乃「大体私達は日本人なんだから! 日本語だけで十分じゃん!」 京太郎「地球人だろ地球語勉強しろ」 京太郎「それに日本語の勉強って、それはそれでアレだぞ」 俺はうんうん唸っている優希の方を指差す。 優希「のどちゃ~ん、これ教えて~」 和「この『たなびきたる』の『たる』は、助動詞『たり』の連体形止めで、これは体言止めと同じ働きを」 穏乃「日本語って難しい……」 京太郎「英語といえばさ。俺、以前部長の指令で姫松に遠征に行った事があるんだけど」 憧「ふぅん、それで」 京太郎「そこの主将の洋榎先輩が英語の授業で『I can fly』のlがrになってたらしく」 憧「ぷふっ」 察した憧が小さく噴出す。 京太郎「これって直訳すると『私はからあげになるぞ!』って意味なんだよな」 京太郎「主将これは痛恨のミス! 末原先輩達にしばらくネタにされてたんだわな」 玄「それは、なかなかのなかなかだね……」アハハ 玄さんのリアクションに困ったかのようなぎこちない笑い。わかります。 京太郎「今どうしてんだろな、からあげ先輩」 ――――― ――― ― 洋榎「はっ! 今ガースーがうちのこと考えてるような気ィする」 絹恵「おねーちゃん頭大丈夫?」 恭子「あかんやろなぁ」 淡「クロー、これはー?」 玄「あ、えっとね。これは3ページ前の……これ。この公式に数字を当て嵌めて」 京太郎「あなたそれ20分くらい前にも聞いてなかった?」 淡「だって忘れちゃったんだもーん」 博士の愛した数式かよ……4分の1しか保ててないけど。 京太郎「淡って得意な科目とかあんの?」 淡「ありまへん」 京太郎「え、じゃあ苦手な科目は?」 淡「恋?」アワ? ぶ、ぶん殴ってしまいたい……。 優希「淡ちゃんがんばるんだじぇ! 私も痛みに耐えてがんばるから!」 淡「ユッキーがそこまで言うならがんばる!」ムン 和「痛みに耐えて?」 京太郎「なんか政治みたいな話になってきたな」 玄「け、けど。京太郎くんって意外と真面目なんでね」 間を取り持とうと話題を振ってくる玄さん。 京太郎「俺って基本どんな風に見られてんだろうな?」 憧「見た目通りでしょうよ」 京太郎「左様で」 和「そういえば咲さんが、須賀君は赤点の補習でインターハイ一緒に行けるか、なんて話を以前してましたよ」 優希「ほら見ろ! ほーら見ろ! やっぱり犬は所詮犬だじぇ!」 京太郎「うっせ! 俺だって真面目にやれば赤点なんて取らねぇんだよ!」 憧「じゃあ不真面目にやったらどうなるのよ」 京太郎「実は中2の一学期にな、クラスの奴と赤点チキンレースなるものをやってな」 憧「なにその聞くからに頭の悪そうなレース」 京太郎「まぁその名の通り、いかに赤点ギリギリを多くの科目で取れるかという過酷な競技でな」 和「あ、大体察しました」 京太郎「まぁ予想の通り盛大にオーバーランしたんだわ俺、その数なんと7つ。で、補習で夏休みの大半を消費しちまってな」 京太郎「咲と約束していたプールだとか夏祭りだとかをほとんどぶっちぎってしまい」 京太郎「これには普段温厚で通ってる咲さんもぶち切れてね」 京太郎「機嫌を直すまでしばらくかかってな、二学期になっても1週間くらい口利いてくれなった」 優希「アホだじぇ」 穏乃「アホだ」 憧「アホね」 和「アホですかあなたは」 淡「アーホー!」 ぼろくそ言うなこいつら。 玄「でもほら、今年は大丈夫だったみたいだし合宿もこうして一緒に参加出来てるから良かったよね!」アセアセ 京太郎「さすが玄さん! 俺のことをわかってくれる高徳の聖者はあなただけだ!」ニギ 俺は身を乗り出し、対面に座る玄さんの手を握る。 玄「はわわわわわ!?///」 急に顔を赤らめる玄さん。熱かったのだろうか。冷房の設定いくつだったっけ? 京太郎「玄さん……」ジッ 玄「京太郎くん……///」ポォ しばし見詰め合う俺達。 淡「むぅ~いつまで見詰め合ってんの!」ピシッピシッ! 小さく刻んだ消しゴムの欠片を指先で弾いて跳ばしてくる淡。 京太郎「くっ、地味な攻撃ながら心にズンとく来る!?」 玄「……」ニギニギ ガチャ 晴絵「ん……お! 雁首揃えて何してるかと思ったら」 扉が開き、そこから顔を覗かせたのは赤土先生。 晴絵「ほぉ、宿題とは関心関心」 憧「やだハルエ、そんな教師みたいなこと言って」アハハ 晴絵「教師ですが」 穏乃「センセー! なんで学校ってこんな勉強しなくちゃいけないんですか!?」 晴絵「なんでってそりゃ、将来のためとかいろいろあるでしょ」 穏乃「学校の勉強なんて将来役に立つわけないじゃないですか!」 晴絵「先生もそう思ってた時期があったんだけどね」 晴絵「社会に出てから、これが案外使うから困り物なのよ」 京太郎「先生も苦労してるんですね」 晴絵「ありがとよ」 心底嫌そうにお礼を言われた。 京太郎「どういたしまして」 憧「ハルエはこれから?」 晴絵「灼とちょっとドライブ」 和「そういえば、小学校の頃から気になっていたんですが憧は何故先生に対して呼び捨てなんですか?」 晴絵「私が許可してんの。気安いほうが私も楽だし、年功序列は年寄りに悪しき風習だからね」 穏乃「私は先生は先生って感じだな~」 晴絵「穏乃は良い子だね!」グリグリ 穏乃「あはは、やーめーてーよー!」 口では拒否しつつも決して振り解こうとはしない穏乃。師弟、微笑ましい光景である。 京太郎「ふむ……気安い感じか」 優希「どうしたんだじぇ?」 京太郎「よっしゃ、ハルエちょっと焼きそばパン買って来い!」ピッ! 晴絵「調子に乗るなよ青二才」 先生が去って再びここ。 京太郎「なぁ、俺、今どんな顔してる?」 穏乃「んとね、ストⅡの負けたキャラの顔グラみたいな顔」 京太郎「マジか。ちょっと写メ撮っとこうかな」パシャ 憧「はいはい。横槍入ったけどほら、宿題の続き」パンパン 手を叩いてその場を仕切り直す憧。 優希「ちぇ~このまま煙に巻けるかと思ったのに」 穏乃「憧は容赦ないな~」 憧「このまま見限ってもいいのよ?」 穏乃「やるよ! ゆーき!」 優希「合点だじぇ! しずちゃん!」 淡「スピー……」Zzzz 全員「え?」 玄「寝ちゃってるね」 憧「やけに静かだと思ったら」 京太郎「あの、もうホント俺こいつもう見放したいんだけど」 和「大星さんは寝てしまったようですし、どうしましょうか?」 京太郎「起こす? 起こす!? 鉄拳で!」 俺は右の拳を硬く握り締める。淡を叩き起こせと轟き叫ぶ。 玄「可哀想だよ~こんな気持ち良さそうに寝ちゃってるのに」ナデナデ 淡「ふにゃ……」Zzz 京太郎「じょうがねぇなぁ」ガタ 悪態をつきながら俺は席を立つ。 穏乃「どかしたの?」 京太郎「そのまま寝てて風邪でも引かれても寝覚めが悪いからな」 京太郎「なんかかけるもん取ってくる」 ガチャ、バタン 穏乃「なんだかんだいって優しいよね、京太郎って」 玄「だね~、気配り上手だよね」 和「そうですね。須賀君自身はなんでもないことのように振舞ってますけど」 優希「それがあいつの良いところだじぇ」フンス 和「特にゆーきは日頃からお世話になりっぱなしですよね」 和の声に僅かにからかいの要素が含有されていた。普段の彼女からは珍しい行為である。 優希「ちょ、違うじょ! 私は犬の飼い主として普段から躾を」 憧「とかなんとか言って~ホントは構ってもらいたいだけのくせに~」ニヤニヤ その空気に便乗し、ここぞとばかりに優希を弄りだす。 玄「あはは、仲良しさんだ~」ニコニコ 一緒になって笑う玄。この人に関しては本気でそう思っているんだろう。 ガチャ 穏乃「お、帰ってきた」 京太郎「ただい、……なにこの雰囲気?」 帰ってきてみると、女性陣はなんともいえない雰囲気に包まれていた。 和と玄さんは楽しそうにニコニコと微笑み、憧は訳知り顔で朗笑している。穏乃だけは平常運転。 優希だけがなにやら納得いかないといった顔で俺を睨んでくる。心なしか顔も赤い。何故だ? 京太郎「なに怒ってんのお前?」 優希「なんでもないじぇ!」 怒鳴られた。不合理だ。 憧「それよりかけるもの取ってきたんじゃないの?」 京太郎「おっとそうだった」 憧の指摘で本来の目的を思い出す。 京太郎「タオルケットみたいな手頃なものが無かったからダンボール持ってきた」 憧「何故そうなる」 俺は畳んであったダンボールを広げ、底辺だけをガムテープで止めると即席で箱を組み上げる。 京太郎「そうだ、名前も書いといてやろう大、星、淡っと」 油性マジックで側面に超前衛的な字で署名をしておいてやった。 京太郎「どうだこの特別仕様感。きっと喜ぶぞこの天然記念物バカは!」 ダンボールといえば咲のアイデンティティーだが今回は同い年のよしみで見逃してもらおう。 俺は机に突っ伏して寝ている淡の上にそっとダンボールを被せる。 うん、完璧。 和「あれは絶対根に持ってますね」 憧「淡が起きた後がさぞ見ものね」 不穏当な会話が聞こえるが華麗にスルー。 ___________ .... -‐'''¨´ .... -‐''''¨^| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | |__ | | 大星淡. | / <Zzz… | | .. ''´ |________|_.. -‐'''¨´ / / '――――――――' 京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」 和「なにを言ってるんでしょうか彼は」 憧「あたしに聞かないでよ」 穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」 京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」 玄「わかる?」 優希「さすがに無理だじぇ」 穏乃「understand、う、うんだー……?」 京太郎「アンダースタンドな」 穏乃「意味は?」 京太郎「理解する」 穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」 京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」 憧「ちょっと、京太郎ちょっと」 京太郎「なんじゃらほい」 憧「黙れ」 京太郎「はい」 穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」 憧「いやシズは宿題やりなさいよ」 優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」 京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」 厳然たる事実がそこには横たわってますよ? 京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」 穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」 優希「私も私も!」 京太郎「ホントか~」 自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。 穏乃「ホントだよ!」 京太郎「じゃあ得意な科目は?」 穏乃「ずがこーさく!」 『折り紙』とは、 正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。 古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。 もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。 いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。 紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。 形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。 憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」 京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」 完成した風船を机に置く。 京太郎「まぁいった本人はアレだが」 穏乃「うにゃ!? またズレた!」 和「…………」バババババババババ 玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」 和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。 京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」 和「ふぅ……」 一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。 京太郎「和はなんていうか、……すごいね」 俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。 和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」 やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。 和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」 なにそれ? 魔導書? 和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」 なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。 玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ」 玄「赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」 憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」 穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」 和「懐かしいですね」 言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。 玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」 憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」 穏乃「憧は最初、断ったくせに~」 憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」 玄「あははは」 幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。 京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」 優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」 優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。 眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。 京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」 優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」 そういって優希は同じ物を大量に作り出す。 なんだこの不毛な生産光景……。 京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」 それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。 穏乃「またどっか行ったね」 和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」 優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」 憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」 玄「て、手厳しいね……」アハハ トン 憧「あ、玄それ……バラ?」 玄「うん!」 穏乃「へぇーよく出来てますね」 憧「これ難しい? 簡単?」 玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」 玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」 穏乃「教えて教えてー!」 憧「玄先生教えてくださーい!」 和「この感じ……」 園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ 和「~~~///」ポワァー 玄「和ちゃん?」 憧「なんか咲いてる」 ガチャ 京太郎「待たせたな!」 穏乃「遅かった じゃないか」 俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。 京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」 俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。 穏乃「なにして来たの?」 京太郎「これよ!」 トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、 優希「タコスだじぇ!」 言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。 後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。 京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」 優希「ん、ん~?」 咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。 優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」 そういって紙切れをテーブルに叩きつける。 京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」 穏乃「これ私たちも貰っていいの?」 京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」 和「ありがとうございます♪」 玄「いただきます!」 憧「それにしても見事な手際ね」 京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」 憧「高1の男子が料理に慣れって……」 京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」 京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」 和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ 京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」 憧「あたしはそれなりには出来るわよ」 玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」 優希「タコスうまー!」バクバク 穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク こいつらはダメそうだ。 優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」 京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」 憧「前脚の使い方がお上手だものね」 そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。 京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」 憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク 京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」 悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。 この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。 玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ 京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」 憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」 京太郎「だって~」 玄「女の子だも~ん」 京玄「「ね~♪」」 そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。 憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」 穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」 放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。 マジで怖いんだけど。 京太郎「よっと、これで完成」 玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。 顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。 京太郎「ちょっとよれてるかな?」 玄「そんなことないと思うよ?」 和「須賀君は本当に器用ですね」 京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」 京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」 和「嫌な表現ですね」 京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」 穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」 俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、 その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。 なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。 淡「ふにゅ……」Zzz 俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。 それをソッと、穏乃の頭に載せる。 京太郎「結構似合うじゃん」 穏乃「任しといて」フフン 京太郎「うん?」 溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。 京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」 玄「ホントだね」 玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ」 玄「後、『神の祝福』とか」 玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」 和「なんだかロマンチックですね」 京太郎「玄さん詳しいですね」 玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」 あー、なんか納得。 憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」 穏乃「あ、それ私」 なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。 京太郎「え”」 憧「しししし、シズがバラを創造した!?」 和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」 京太郎「まさに奇跡!」 穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」 京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」 穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」 穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。 京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」 穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」 京太郎「……」チラッ 俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。 憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!! すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。 さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。 穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」 穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー 京太郎「猛獣かお前は」 和「花言葉って面白いですよね」 憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」 京太郎「タロットに通じる物があるな」 玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」 京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」 憧「友情、誠意がない……」 憧「京太郎は後者かしらね~」 したり顔でそんなことを言う憧。 京太郎「どーゆー意味かなそれ?」 憧「言葉通りの意味だけど」 京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」 憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」 京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」 憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ 京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ 憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」 穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」 和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン 机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。 京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ 憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ 和「本当ですか~?」ジトッ うろんげな表情でこちらを伺う和。 あ、これぜってー信じてねぇ。 京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」 憧「え~しょうがないな~」 まさに不承不承を絵に描いたような表情である。 憧「コホン」 _. .-. . . . ̄. .゙. . . 、 , '´ . . . . /. . . . . . . . . .ヽ / ;ィ´ / . . . .ヽ. .\ _,-─tァヽゝL _/_ ,' | . . .゙ . . ヽ ,〃,r‐'7ハ レ!__,'_ ;イ | /!! ヽ. l . . .、 / 〃 l ト、| .| ハ Tハ! | { || .| | ゙. .!_l |ミヽ、 ,' ./ ! | | LL_ヽ| ! || ! |'T ‐ -|、 | ト、 !| \ ヽ ,' / .| . | | ハチ≧ト、|ハ !土_ヽ | | ! .|. .ヽ!! ヾ.、 ,'/ λ .r=| |.{ ;; Cヾ ヽ|チ不≧!/! | !. ./,'| ヾ 、 |l ハ | (! !`ー'' { {゚ ;; C | | .! .|, './|j ヽl 好きよ、京太郎。 || | |ヽト、! .!xxx ' ` ー'' ,イハ| | /. l || | !. |N l .ミト、! .| 、 xxx /ノノ ! .| _;| | ! | l r、 .N .ト {ヽ !、 ー ,イf.l´. . | .j//ハ l .| i! | \\ | ゙、| | ヽ | 、_ .... -≦| . . .| ! . . .|,.'/ . ∧ .| .|. 从! l\\ | | l ! | |ヽ| ! . . .| | / ,イ| ゙、 ヘ ! .| ハ ト l Lf~ヽ `_ヽ_ !|ヽ ||、-、ヽ _L`_r"∠! ! ∧ | . ! ,' | !ミ、 | 、ゝ.|´ヽ ヽヽ ヽ-、 ,.r! >‐'{ | |ノ|ノ7 | . .ヘ. ,' . |! |,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`| \_ヽ_!__! .| /| .! . ∧ ./ . . !i! |i| ! | |\,ゝ | ヽ | /´ /` ̄ヽ | . .∧/ . . . ||i! 言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。 京太郎「本当かよ」 憧「いや、嘘だけど」 京太郎「嘘とか言うなよ」 憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」 京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」 憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」 京太郎「」 なんだこの一連のやり取り。 和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」 京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」 和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」 和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」 京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ 俺の将来の夢か。 やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。 それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ ガチャ 咲「こんにちわ~」 和「咲さん?」 優希「んぐ、いや~食べた食べた」 穏乃「まだ食べてたんだ……」 憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」 咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」 玄「おかえり、紅茶飲む?」 咲「あ、ありがとうございます」 玄「どういたしまして♪」 咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」 京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」 咲「なにしてるの!?」 京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」 京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』 京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」 京太郎「これは面白い! これは売れる!」 京太郎「皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」 和「誰に向かってしゃべってるんですか?」 憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」 京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」 咲「うん。そこだけは間違ってないね」 京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」 憧「残念これはライブ中継」 和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」 僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。 咲「なにこれ?」 咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。 京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」 京太郎「静かに、静かにこっちに来い」 咲「う、うん……」 頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。 ガタッ 咲「あ……」 咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。 京太郎「あ……」 淡「う、う~ん」 呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。 淡「あわ!? なにこれ暗い!?」 淡「なにこれ? なにこれ!?」 ガタガタと動くダンボールもとい、淡。 優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!? 動きがピタリと止まる。 ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、 張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。 淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」 地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、 これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。 麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。 京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」 穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」 京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」 和「わかりにくいネタ持ってこないでください」 淡「ふんだ!」バクバク 京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」 淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」 京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」 淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ 京太郎「え? なんだって?(難聴)」 淡「なんでもないもん!」 優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」 淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル 京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」 優希「うっさじょ犬」 淡「そーだそーだ犬~」 京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」 淡「犬~犬犬犬犬犬!」 京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」 淡「私のどこが猫なのよ!」 京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」 淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」 京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」 俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。 淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」 玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ 淡「なぁに? クロ」 玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ 淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。 淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。 視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。 よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。 京太郎「そういえば、一番代表的な赤いバラの花言葉ってなんなんですか?」 玄「え?」 俺の質問に、玄さんは一瞬虚をつかれたような顔になる。 玄「え、え~とそれは……///」 口ごもる玄さん。 え? そんな言いにくいことなん? 映画や小説でもよく贈り物とかになってるし良い意味なものだとばかり思ってたけど実は不吉な意味があるとか。 和「あ、それなら私も聞いたことありますよ。確か……」 ___ ,. ' ´ . . ` ヽ___ ,.-、r/ ; ; . . , . . .;. ヽ `〈 i | / / / / . /i i ! i ハ 、 . ゙、 ..、゙、 { } i . i . i. i| . | .! | . | .|_!_゙、、 . i| . |. .! |、 ,! | || || ;!-‐!ハ ! !ハ-!`|iヽ!| . i .|‐'ヾゝ ∠/ i. | |.! .|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ! ノノ!_,、_〉 ーァ|、!、!、! /!、 i` ト; ! 〉i;イノ | | .`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi | | . .| |ゝ、 '''''' __ ''"" / | ! ! 私を射止めてください! とか i / リ/i \_ ´ー ′ /| . | |. | r-、 // / .ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ | ./ .! ヽヽ.// / ./ァ' ̄/ r' |; \/ i| | .,)┴'ヽ/ ./' . . / ト、 __/ |. || | ;' 、ヽノ|./ . . / ト--へ/ | || ト、 |ヽJ┘ノ/ . . /\ | / |... || | | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| ,...-‐ ‐-.、 / `ヽ /. . . . . . . . . . . , . . . . . . . . . . . . . \ / . . . .. . i. . . i . . . | . . . . . . . . . . . .、 . . . ヽ / . . . . . .; . .| . . i| . . . | .i . ... | . i i ゙、 . . ゙、. / . . .i . i .| |_;. !.| . . . | .| .-‐ト-、|_ . .| . . i . . . .i / ||. . 、'´!、 |丶 . . i、!ヽ . !_\!.i` | . . . ! . .. . | i i .;ノ! .i . . .`、≠ヾ、\! '!_  ̄ヽイ . . / . . . . | レリ''"ト、!、 . .V.r' ! r' ;、 } '! . /ヘ . . .! | | . . . ヽi゙ 、;ン └-‐' レ'∫ } . /リ | .i、 . . .| " " ' " " _,..イ /. V \ .ト、 __ ,.ィ' .;. .ノレ′ ` ` 、_ ´ / И/ ` i' ´ !_,..、 / フi / \ ノ 〔 ′_/ ,,=≧ー-、 ,ィi" |_ / ;; '"/ `ヽ i i i、!i | / ;; " // ,; ===| |i !.\=、 ! /; = " / ./ / | |.i ヽ __ヽレ'― . ' " , .イ / ! |. |. V 「`T´ ̄ ̄ | / i | |. | /1'{ ======i、l!/ ヽ { /! i i . | . ゙、 、 、V `i / | i | . .! . . .゙、 \ / | ,........-――--....、 ,. ´ `ヽ、- 、 / , \ \ \ , ' , / / { ヽ ヽ、 ヽ 、 / / , // / / ∧ ヽ ', | | ヽ , ∧ . / / / // / / / マ |_ |__ | | l ∨ , | . | ' / //  ̄|`|' | ´} ∧ } , } | / } ', { { {l | {从_ {__{ }/イ__}/ イ/ / } / / . 从 八 {ム,イ _斧` イ _)斧ヽ} イ/_ / . \{从{ Vり Vzソ | / Y | | } ' | l 'ノ | |圦 _ , ,ィ| |イl | | / . イ_,/イ | | }' `__-r-=≦__」'/ } | | | _,/ 「 ̄ _/|__| | / / | `=={j====イ / `ヽ , ∧ \ l| イ ∧ / -r‐ /.. ../.. .. .. .. .. ./. .. .. .. .{.. .. .. .. 、.. ヽ.. .. .. ∀ニ=- 、 /... 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「ななっ!今度さ、みんなでプール行かねえか!」 「プールっすか?」 「お前らもどうだ?」 「麻雀の方がいい」 「だ、だよねー」 「そんなこと言って、どうせ泳げないんだろ?」 「そんなことはない」 「へー、じゃあ証明しろよ!今週末俺んちの前で集合な!」 「首を洗って待ってて」 「ははっ!よく言うぜ!」 「京太郎、どうだったよ」 「照姉ちゃんも行くってさ!」 「よしよし、楽しんでくるんだぞ」 「父ちゃんは車よろしくな!」 「おう、任せとけ」 【十日目 決勝戦】 京太郎「痛た……なんだ今の夢」 京太郎「照と、咲とモモ?」 京太郎「……いよいよ、今日なんだよな」 京太郎「もこ、っ、離れろ」 もこ「んむー」ギュゥウ 京太郎「絶対起きてるだろ!」 もこ「起きてないー」ギュゥゥウ 京太郎「起きてんじゃねえか……はぁ」 京太郎「もこー離れろー」 もこ「んーん」 京太郎(どうにかして起こさないとな……) 京太郎「もこーもこー」 京太郎「……そうか、まだ起きないんだな」 京太郎「あぁ、今わかったよ、それがお前なりの考えなんだよな」 京太郎「それじゃあ俺はもう行く」 京太郎「ラ・ヨダソウ・スティアーナ」 もこ「!」 もこ(ラ・ヨダソウ・スティアーナ……別れ) もこ「……」ガバッ 京太郎「お」 もこ「……嫌だ」 もこ「京太郎、まだ……」 京太郎「ん?」 もこ「まだ、共に、戦場へ」 京太郎「……ああ」 京太郎「いいぞ、行き掛けに朝飯食ってくか」 もこ「うん!」ニコッ 京太郎「荷物とかはもうまとめたか?」 もこ「準備万端、心配無用」 京太郎「よし、いざ出陣だ!」 京太郎「俺が一番乗り、か」 京太郎「この卓で、打つんだよな」 桃子「京太郎に先越されたっす……」 咲「もう、速すぎだよモモちゃん」 桃子「咲も体力つけないとダメっすよー!」 咲「そうは言っても、私運動音痴だし……」 京太郎「……なあ二人とも、話があるんだ」 咲「わかった」 咲「でもね、最後は京ちゃんが頑張らないとだよ」 桃子「照姉と約束をしたのは京太郎なんっすからね」 咲「そうだよ、ここまで来るのは私たちみんなの約束、でも勝つか負けるかは京ちゃん自身なんだから」 京太郎「……ああ、そうだな」 京太郎「絶対に勝つ」 京太郎「またみんなで打って、俺が勝つ」 照「…………」 京太郎「四人揃ったな、じゃあ――」 「――試合、開始だ」 東一局 親 咲 25000 桃子 25000 照 25000 京太郎 25000 全員ノーテンのため、流局 咲「ノーテン」 桃子「ノーテン」 照「ノーテン」 京太郎「ノーテン」 京太郎(……) 京太郎(幸先悪っ!) 京太郎(まあいい、これで……)ゴッ 照「…………」ゴッ 照の【照魔鏡】と京太郎の【照魔鏡】発動! 照「…………」 照(…………京) 東二局一本場 咲 25000 親 桃子 25000 照 25000 京太郎 25000 照「ツモ、600・1100」 照(……私の親番) 照(でも、京相手にどれだけ稼げるんだろう……) 京太郎(照の連続和了……今日なら、俺なら) 京太郎(まだ太刀打ちできる気がする!) 東三局 咲 24400 桃子 23900 親 照 27300 京太郎 24400 京太郎(いや、さっきのただの意気込みだから) 京太郎(少ししか自信が無かったから) 京太郎(なのになんで……) 京太郎「ロン、12000」 京太郎(マジで和了っちゃってんの俺!?) 照「…………」 京太郎(まあいい、これで親番は流した!) 京太郎「まだまだこれからだ!」 東四局 咲 24400 桃子 23900 点数移動:14300 照 15300 親 京太郎 36400 京太郎「照、それポン!」 京太郎(俺の親番……ここでもっかい行っとくか!) 京太郎(……咲、お前の十八番、借りるぜ!) 京太郎(いや、できないだろうけど……) 京太郎「カン!」 グラッ 京太郎「……っ」 京太郎「…………」 咲「京……ちゃん?」 桃子「ツモらないっすか?」 京太郎「っあ、ごめんごめん」スチャ 京太郎「……よし!」 京太郎「嶺上ツモ!4000オール!」 照「…………」 桃子(……まあ、このくらいっすかね) 桃子(こっから先は、ステルスモモの独壇場っすよ) 桃子が[ステルスモード]に移行しました 東四局一本場 咲 20400 桃子 19900 照 11300 親 京太郎 48400 京太郎(跳満に親満!ツイてる!ツイてるぜ俺ァ!) 咲「京ちゃん、それロン、16300」 京太郎「えっ」 京太郎「…………」 京太郎「えっ?」 咲「なんで聞きなおしたの」 南一局 親 咲 36700 桃子 19900 照 11300 京太郎 32100 照(流石に甘すぎたかな……) 照(ここからは、本気) 照(誰にも邪魔はさせない) 照「―――ロン、2000」 南二局 咲 34700 親 桃子 19900 照 13300 京太郎 32100 照「……ツモ、1000・2000」 照(ここは、もう攻める!)ゴッ 咲「!」ゾクッ 咲(この感じ……お姉ちゃん) 咲(大変なことになるかも……) 【鏡開き】発動! 南三局 咲 33700 桃子 17900 親 照 17300 京太郎 31100 照(最後の、親番) 手牌:一ニ112①⑧⑨南西北發中 ツモ:東 照(一索が頭、後は揃うのを待つだけ) 打:2 京太郎(ん?結構調子よくねえか?) 手牌:四四五133358③⑥⑥⑥ ツモ:5 京太郎(タンヤオ三暗刻、上手くいけば四暗刻まで行けるかも……) 京太郎(……あれ?) 打:③ 咲(二暗刻、多分これは、やっぱりお姉ちゃん) 手牌:三三三八222688④⑤⑦ ツモ:二 咲(でも、そっちがその気なら) 打:八 桃子(配牌四対子って……) 手牌:六七②②③④④④⑧東西西北 ツモ:東 桃子(まずは様子見っすね) 打:六 照(…………) 手牌:一ニ11①⑧⑨東南西北發中 ツモ:白 照(これで、一向聴) 打⑧ 京太郎(んーっと、これは……) 手牌:四四五1333558⑥⑥⑥ ツモ:四 京太郎(……狙ってみるか) 打:8 京太郎(でも、こんなこと前にもあったような……?) 咲「……ポン」 咲(お姉ちゃんのあの気配、昔と同じ……) 手牌:二三三三2226④⑤⑦ 【888】 咲(まずは……) 打:6 桃子(黒ばっかっすね) 手牌:七②②③④④④⑧東東西西北 ツモ:⑧ 桃子(混一色、一盃口か七対子あたりっすかね) 打:七 照(国士無双九萬単騎……) 手牌:一八11①⑨東南西北白發中 ツモ:9 照(これなら、勝てる) 打:八 京太郎(……そういや、よくあったっけ) 京太郎(みんな揃って役満手って) 京太郎(まあ俺は気づかなくて四暗刻崩しちゃったりしてたけど) 京太郎(今思うとクソもったいねえよな) 京太郎(……さて) 手牌:四四四五133355⑥⑥⑥ ツモ:5 京太郎(四暗刻単騎待ち……ってか三巡目でこれはおかしいだろ、どうなってんだ全自動卓) 京太郎(恐らくは照も役満……当たったら一溜りもねえ) 京太郎(でも、俺は……) 京太郎(直接対決だ、照) 咲(……んー) 咲(四槓子……和了れる、かな) 手牌:二三三三222④⑤⑦ 【888】 ツモ:8 咲「カン」 手牌:二三三三222④⑤⑦ 【8888】 ツモ:⑦ 咲(…………) 打:二 桃子(これで一向聴?っすかね) 手牌:②②③④④④⑧⑧東東西西北 ツモ:西 桃子(客風は来なくていいっすよ……) 打:北 桃子(もう集まっちゃったからしょうがないっすけど) 照(不要牌……?) 手牌:一119①⑨東南西北白發中 ツモ:⑦ 照(それだけじゃない、ヤオチュー牌がモモたちに流れてる) 照(こんなこと、今まで……) 照(……咲がずらした?) 照(いや、それなら既に手は止まってるはず) 照(…………) 照(違う、この感じ) 照(麻雀を始めたころに、段々引き戻されていくこの感覚……) 照(手が進まなくて、もどかしくて、けどわくわくして楽しい気持ち) 照(……懐かしい、気持ち) 打:⑦ 照(これは…………) 咲「ポン」 手牌:三三三222④⑤ 【⑦⑦⑦】 【8888】 咲(テンパイ……だね) 打:④ 桃子(……うわ) 手牌:②②③④④④⑧⑧東東西西西 ツモ:⑨ 桃子(一向聴のまんまっすか) 打:⑨ 照(……九筒) 照(モモのツモは本来、私のツモだったはず) 照(なら、私のツモは……) 照「…………っ」 手牌:一119①⑨東南西北白發中 ツモ:1 照(……一索) 照(もし、私の予感が当たってたら、これは多分京の和了り牌) 照(絶対的な確証はない、けどこの予感は本物) 照(オリることもできるけど、そうすれば勝ち目が無くなる) 照(…………) 照(……突っ張るか、逃げるか) 照(どうすれば……) ―――――――――――――――――――――― 京太郎「ポン!」 京太郎「チー!」 京太郎「それもポンだ!」 京太郎「さらにポォーン!」 咲「京ちゃんまた裸単騎?」 京太郎「男たるもの一個で十分だ!」 京太郎「それに今回はただの裸単騎じゃないんだぜ!」トン! 照「ロン、36000」 京太郎「そげぶっ」 桃子「致命傷っすね」 京太郎「……ちぇっ、前に一索捨ててたから和了れるって思ったのに」 京太郎「つーかその手だったら一索捨てない方が速かったじゃんか!」 照「安全だと思ったからね、考えなしの京とは違うんだよ」 京太郎「何だよそれー、危なくてもテンパイしろよー」 京太郎「高いのが恐くてやってられるかよ!」 咲「それ、完全に負ける人の台詞だよ」 京太郎「なあなあもう一局打とうぜ!」 桃子「そろそろ帰った方がいいっすよー」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「あ……」 照「終業だね」 桃子「今日はこれでお開きっすね」 咲「早く帰らないとまた先生に怒られるよ?」 京太郎「よし、早く帰ろう」キリッ 三人「切り替え早いな(っすね)」 京太郎「……あ、忘れてた!」 京太郎「ななっ!今度さ――――」 ―――――――――――――――――――――― 照(危なくてもテンパイ、か) 照(…………) 照(……私も) 照(前に、進もう) 照(たとえこれで当たっても、後悔はしない)スッ 照(これが、私の選択) 照(だから――) ――――トンッ 京太郎「――ぁ」 京太郎(……来た) 京太郎(これで……俺の勝ちだ)ギュッ 京太郎(後はただ、声を出すだけ!) 「ロ――――」グラッ (何だ、何だこれ……) (何かが、流れ込んでくる……) 「――――ンっ!?」 叫びと、目の前の人だかり 無意識の内に俺の足は走り出していて、誰の声も聞かずに飛び込む 柔い衝撃の後に少し温い水が体を包み、俺の前進を遮ろうとした 息つく間を与えずに手で水を掻いて押し出して、水が口を満たしても脚で水を蹴って押し退ける 掴みそうで掴めない感覚の先にあったのは、目指していた柔らかい肌だった 五つの感覚が、差し出した手を包む 抱えた女の子の顔は蒼白く生気を失っていて、その辛そうな表情に不安を覚える 咽る、気管に入り込んだ水に体が拒否反応を示したのだ 女の子を映す眼は光を失い、咽る内に呼吸もままならなくなり、脚からは力が抜けていく ――いなくなってほしくない ただ放すまいと腕に力を込める、絶対に救いたいと切に願う ――――だが、やがてはその願いも、込めた力も、意識が落ちると同時に果てた 京太郎「……はぁ、はぁ」 咲「京、ちゃん?」 桃子「大丈夫っすか?」 京太郎「ぁ、ああ、大丈夫だ――」 京太郎(深呼吸……深呼吸) 京太郎「すぅぅぅぅぅーー……」 京太郎「……はぁぁぁぁぁーー」 京太郎「……よし!」 ――――ロン!―――― ――――四暗刻単騎、32000!―――― 終局 京太郎 63100 咲 33700 桃子 17900 照 -14700 腹の底から声を出した、堂々と終わりの声を告げた、牌を倒した手は汗まみれで、なぜか体が熱かった それは、照を飛ばしたことの興奮からか、それとも―― 京太郎「俺の勝ちだ、照」 照「…………うん」 少しだけ下に向けた照の顔はどこか満足気で、今さっき脳裏に浮かんだ女の子の青褪めたそれが重なった ……じゃあ、俺が助けたのは…… でも、俺が照と水場に行くなんて、そんなこと、一回しか―― 『ななっ!』 ――何かが白くぼやけている ――何かが、思い出せない 京太郎「……なあ」 桃子「どうかしたっすか?」 咲「京ちゃん?」 京太郎「一つ、聞きたいんだけど」 京太郎「……俺、俺たちで海とか行かなかったか?」 照「…………」 咲「海?」 『今度さ、みんなで――』 京太郎「――――あ、いや」 京太郎「……プール」 そうだ 京太郎「プール」 膨れ上がった袋の結び目を解くように 京太郎「……三年前、みんなでプールに行ったよな?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 俺は表彰式を終え、取材とかその他諸々の用事を済ませた後に街の喫茶店で照と落ち合うことになった ちなみに、咲とモモは都合が合わないので来ないそうだ 俺よりも取材が多い照は少し遅れて店へ来た あらかじめ俺が頼んでおいたココアを一口啜って、照は口を開いた 照「熱い」 京太郎「そりゃそうだ」 照「水が欲しい」 京太郎「はいよ」 照「ありがとう」 透明なグラスに入った水を火傷した舌でチロチロと舐める照の姿は、何と言うか可愛らしかった 照の様子が落ち着いたのを見て、話しかける 京太郎「で、話してくれるんだよな」 京太郎「三年前、俺に何があったかを」 照「……うん」 照「私は、もう逃げない」 もう一口ココアを啜って、照は話し出した ―――――――――――――――――――― 俺と照が出会ったのは、俺がモモと知り合ってから三年後、小学二年生のある春の日だった いつもは休日も暇な俺とモモで遊ぶはずだったが、モモは家の用事で遠出をしていたため、俺は暇な休日を過ごしていた 新たな出会いを求めて近くの公園へ出かけたときに、俺は照を見つけた 京太郎「なーなー姉ちゃん」 照「……何?」 京太郎「せっかくこんなに天気良いんだからさ!ぱーっと遊ぼうぜ!」 照「私には本で十分」ペラッ 京太郎「はっはーん、お前ひょっとして友だちいねーんだろ」 照「」ピキッ 照「そんなことない、友だちの一人や二人……」 京太郎「じゃあ俺とでも遊べるだろ?」 照「しょうがないな、お姉さんが相手してやる」 京太郎「よっしゃあ!何する?何する?」 照「えーっと、かくれんぼ、かな?」 京太郎「そんじゃあお前鬼だからなー!」 照「えっ」 京太郎「今日は楽しかったぜ!ありがとな!」 照「こちらこそ」 京太郎「モモがいないからひまだーって思ってたんだけどお前がいてくれてよかったぜ!」 照「……照」 照「宮永照だから、照って言って」 京太郎「テル、か俺は京太郎だ!」 照「……長いから京でいいかな」 京太郎「おう、大かんげーだ!」 京太郎「んじゃまた会おうぜ!じゃな!」 そのうち、照とモモと三人で遊ぶようになって、咲も混じって来るようになった いつからか俺たちは麻雀で時間を過ごすようになった 照曰く、俺は照と互角に打てるほどだったらしい。「曰く」や「らしい」というのは俺が昔のことを覚えていないからだ それこそ飛ぶこともあったが、今日のように照たちを飛ばすこともあったそうだ ……そうして、六年前の夏に俺たちは約束を交わした 国民麻雀大会で四人で打つ、という無謀で実現可能だった約束を 俺たちが小五になると照だけは中学に上がり、必然的に俺たちが一緒に遊ぶ回数も減っていった 距離感を感じた俺から照への呼び名は照姉ちゃん、と少し疎遠なものへと変わっていた そんなこんなで三年前、俺たちは中学へ上がり、照と麻雀部を設立した 顧問の先生は厳しい人で、遅くまで残っていると怒られたりもした 四人で麻雀を打って、喋って、帰って、遊んでいた それでも、照との距離は縮まっていないように思えた 照は一人だけ俺たちと違う学年で、中三ともあって先生に呼ばれたりして部活に来れないこともしばしばだった そこで、俺は四人の距離をもっと縮めるために、夏休みの間にみんなを県内のプールに誘った 元は俺の疑問を聞いた父さんの提案で、当日も父さんに連れて行ってもらった 俺たちが行ったのは、25mプールとか流れるプールだとか、ウォータースライダー、波のプールとかがあったりするオーソドックスでそこそこ大規模なプールだった 照とモモは流れるプールで泳ぎ、俺は25mプールで咲の泳ぎの稽古をつけていた 例の件は、その昼時に起きた ――――ここから先は、照の話によるものだ 【side-照-】 照「モモがどっか行っちゃった……」 照「みんな迷子になりすぎだよ、やっぱり私がしっかりしないと」 照「もう一泳ぎして行こう」チャプチャプ 照「…………」 照「私も京に教われば良かったかな」 照「けど、そうすると馬鹿にされそうだし……」 照「はぁ……、ッ!」 照「痛っ!」 照(あ、脚が……!)ジャバジャバ 私が脚をつったのは、流れるプールの中でも幅が大きいところ このままだと溺れる、と恐怖して 誰かが助けてくれる、と希望したその矢先――― ピンポンパンポーン 『ただいまより、安全確認を行いますのでご遊泳中のお客様はプールからお上がりください』 ―――無機質な音と少し低めの声が館内に響いた 照(なっ、なんで……) 周りの人の注意は当然プールサイドへ向いて、私の方は見もしない 溺れまい、ともがけばもがくほど力は発散されていって、息は途切れ途切れになっていく 呼吸を整えようとしても口に入ってくるのは水ばかりで酸素の一欠けらもないように思える ようやくプールサイドに人が集まって、大声が聞こえた 「助けろ!」とか「危ない!」だとか 人だまりの端から、飛び込んでくる人影が見えた。金色の軌跡が目に入った ああ、やっと助けに来てくれた、と安堵して、身体から力が抜けていった 荒い吐息が肌にかかって少しくすぐったかった 意識が遠のく中で、触れた手を握り返した 温かくて、優しい手を 気が付いて体を起こすと、目の前では咲とモモが泣いていて、私の隣では京が寝ていた 二人の話によると、あのとき私を助けてくれたのは京で、その京自身も息ができなくなって溺れてしまったらしい 咲「えっと、じゃあ私京ちゃんのお父さん呼んでくるね」 桃子「あ、私も行くっす!」 照「行ってらっしゃい」 咲「はーい、まだ寝てていいからねー」 ガチャ バタム 照「…………」 照「……京?」 隣で寝ている幼馴染に声をかけてみても―― 京太郎「ぐぅ……ぅ……」 ――返ってくるのは寝息だけだった 照「……もう」 ベッドが近いのでほっぺを突っついてみる 私のと比べると少し硬いほっぺは私よりも多くの表情を作り出す 笑ったり、怒ったり、寂しがったり、悔しがったり、京も咲もモモも私には作りにくい表情を見せてくれる 休日は遊びに連れ出して、平日は麻雀で相手をしてくれる ここ二年はあまりそういうことはできなかったけど、一人の私に構ってくれる 初めて遊んだときだって…………あれは京が寂しかっただけか 京太郎「ぐごぉ…………」 隣の恩人に「ありがとう」と小さく呟いて、手を握った 今度は、寝ている京は、握り返さなかったけど ――――――――――――――――――――――――― 照「……しばらくして京も目が覚めて、おじさんも来た」 照「次の日の部活動でもみんなで打った……でも」 照「異変があった」 京太郎「異変?」 照「京が弱くなってた」 京太郎「弱い……か」 照「前は点数計算もできてたのに、その日からはリーチも鳴きも役満もわからなくなっていて」 照「まるっきりの初心者になっていた」 京太郎「……は?」 照「私もよくわからないけど、多分溺れて気絶したときに京の頭がおかしくなったんだと思う」 京太郎「いやどういうことだよ」 照「事故のショックで記憶を失うとか、そういうことらしい」 京太郎「さっぱりわかんねえんだけど」 照「話を戻す」 京太郎「おい」 照「……咲は京を楽しませようと京を勝たせるように細工をするようになった」 照「私が東京へ行く前には8局全部プラスマイナスゼロなんてことができるようになってた」 照「モモも京を気遣って消えることが少なくなった」 照「……あの日から、私たちは変わってしまった」 照「変えてしまったのは、私」 照「だから、私はまた、京たちの輪から遠のいていった」 照「遊ぶこともなくなったし、麻雀をすることもなくなった」 照「そんなときに、母さんの転勤話がでてきた」 照「ちょうど白糸台からも話が来てたし、このままでいいと思って私は東京へ行った」 照「京は、モモと咲と一緒にいた方が幸せだと思った」 照「私はもう必要ないんだ、って思った」 京太郎「…………」 京太郎「まあ、何となくわかったけど、じゃあどうしてお前は三箇牧に来たんだ?」 京太郎「おばさんのことも、白糸台のことも都合悪いじゃんか」 照「白糸台は……嫌だった」 京太郎「部員の人たちは結構慕ってるみたいだったけど?」 照「私が入ってから麻雀部に来た人たちはほとんどが私目当てだった」ドヤァ 京太郎「若干どや顔しながら言うなよ」 照「そのうちにみんなやる気を無くしていって、その人たちと打つことも少なくなった」 照「私はただの客寄せパンダなんだ、って」 照「東京の上野だけに、ね」ドヤァ 京太郎「あーはいはい」 照「それから、だんだん麻雀に嫌気が差していった」 照「けどみんなとの約束も破るわけにはいかないから、続けた」 照「……それで、母さんから京が三箇牧に受かったって聞いた」 照「咲たちは長野の公立、京だけは大阪の私立、一緒にいるはずだった咲たちと京が離れた」 照「……私は京に謝ろうと思った」 照「あれさえなければ、京は咲たちと仲良くなれたはず」 照「あの日のことを全て打ち明けようって思った」 照「だから、今日……」 京太郎「ちょいタンマ」 照「なに?」 京太郎「お前、何か勘違いしてないか?」 照「?」 京太郎「俺が三箇牧に来たのは麻雀と勉強を頑張るためなんだけど」 京太郎「麻雀部、確か六年前に優勝してたし、全国二位もいるって聞いたし」 京太郎(あの学校複雑だからゆっくり探そうと思ってたんだけど、案外早く見つけちゃったんだよな……) 京太郎「別に俺があの二人と仲が悪いとかそういうわけじゃないぞ?」 照「そうなの?」 京太郎「今日見ただけでわかるだろ」 照「…………」ウーン 照「……あっ」ピコーン 京太郎「ったく、今の今までお前は……」 照「…………」ズズッ 京太郎「……なあ」 照「何?」 京太郎「陽も落ちるし、そろそろ帰るか」 照「うん」 京太郎「ホテルまで送ってくか?」 照「菫と淡が迎えに来るから大丈夫」 京太郎「そっか、じゃあまたな」 照「うん……あっ」 京太郎「どした?」 照「優勝おめでとう」 京太郎「ああ、ありがと」 照「バイバイ」 京太郎「またメールするからー!」 国民麻雀大会で優勝した! 京太郎「さて、どっか行こうかな」 夕 京太郎「結局暇だなー」 京太郎「他の人もゆっくりしてるんだろうし遊びに誘ってみるか」 京太郎「団体戦の労いも兼ねて雅枝さんを誘うぞ!」 京太郎「……人妻と遊びに行くっていいのか?」 prrr prrr 雅枝『愛宕です』 京太郎「雅枝さん!遊びに行きましょう!」 雅枝『いきなり何言うとるんやお前』 京太郎「団体戦、疲れたでしょう?」 雅枝『確かに疲れたけど、それがどないした?』 京太郎「なら洋榎さんの相手なんかしてないで俺と遊びに行って疲れを取りましょう!」 雅枝『どっちにしても疲れる気がするんやけど』 京太郎「まあまあ、行きましょうよ」 雅枝『そもそも行くってどこ行くんや』 雅枝『それに、夜用事があるから長くは遊べへんで』 京太郎「じゃあ行ってくれるんですね!」 京太郎「行くのは 雅枝「ファミレスで何するつもりや」 京太郎「駄弁ったり、くつろいだり」 雅枝「ええ歳した大人がええんやろか……」 京太郎「まっ、もう来ちゃいましたからね」 雅枝「せやな」 京太郎「雅枝さんは何を食べますか?」 雅枝「軽いもんでええわ」 京太郎「すみませーん!ハンバーグプレート二つー!」 雅枝「ちょいちょい待て!今軽いもん言うたやろ!」 京太郎「え?200gって軽くないですか?」 雅枝「単純な重量ちゃうわ!」 京太郎「あはは、わかってますよ、関西人を試しただけですから」 雅枝「アンタなぁ……」 店員「それで、ご注文は?」 雅枝「抹茶ぜんざい」 京太郎「じゃあ俺は……」 店員「かしこまりましたー」 雅枝「結局食うんか」 京太郎「こう見えて早食いなんですよ、俺」 雅枝「ふーん」 京太郎「素っ気無いっすね」 雅枝「遅くなりそうやから戒能プロに連絡しとこ」 京太郎「良子さんがどうかしたんですか?」 雅枝「ああ、戒能プロと臨海んとこの監督と善野監督とで飲み会行くんや」 京太郎「それが夜の予定っすか」 雅枝「ほな電話するから静かにしとき」 京太郎「」ピッピッピッ 京太郎「あ、良子さんですか?飲み会、俺も行っていいですか?」 京太郎「はい、了解っす!」 ピッ 京太郎「俺も行くことになりました」 雅枝「行くことにさせたんやろが」 京太郎「そうとも言いますね」 店員「お待たせいたしましたー」 京太郎「おっ、来た来た」 京太郎「そんじゃあお先に頂きまーす」 雅枝「ほんま気ままやな」 京太郎「そういえば絹恵さんってまだ成長してるんですか?」 雅枝「何の話しとるんや、ええ加減にせんと怒るで」 京太郎「洋榎さんは着けなくていいですよね、あれなら」 雅枝「使い回しばっかやから助かるわ」 京太郎「まあそうでしょうね」 雅枝「…………」 雅枝「娘たちと同じくらいの男となんて話しとるんや私は……」 京太郎「同感です」 雅枝「男子高校生と居酒屋行くってアカンやろ」 良子「オーライですよ、プロバブリー」メソラシ 臨海「久しぶりだな、須賀」 京太郎「お久しぶりです、監督さん」 善野「優勝おめでとな、須賀くん」 京太郎「どうも、ありがとうございます」 良子「早速中に入りましょうか」 京太郎「飲み会って大体どんなことするんですか?」 雅枝「アンタがさっきしようとしとったことや」 京太郎「ただ酒飲んで話すだけですか」 善野「そういうことやな」 良子「それではもう頼んでしまいますねー」 京太郎(流れで来たはいいけど……) 京太郎(適当に誰かと話すか) 京太郎「それにしても、なんでこの面子で飲み会なんてしてるんですか?」 京太郎「良子さんと善野さんと雅枝さんと霞さんならわかるんですけど……」 臨海「むっ、私がいると不満なのか?」グビッグビッ 京太郎「そうじゃないですけど、気になるなーと」 雅枝「前の合宿で協力もしてもろうたしな、あと石戸はああ見えて未成年やし」 京太郎「なるほど」 臨海「ふぇぇ、カイノー!須賀が虐めるぅぅぅ!」ビエーン 京太郎「えぇぇっ!?」 雅枝「もう出来上がってもうたんか……」 良子「待ち合わせ前にワンカップをスリーカップくらい飲んでましたからね」 善野「ええなぁ、お酒」 京太郎「飲めないんですか?」 善野「お酒とか、色々と先生に禁止されとるからダメなんよ」 善野「居酒屋来てもおつまみくらいしか食べられへんのよね」 良子「あ、そうでした善野さん、今度の姫松とのゲームなのですが」 善野「あー、せや頼んどったね、どないしました?」 良子「それがですね――――」 京太郎「……」チュー 雅枝「……」ヒョイ パクッ 京太郎「……」パクッ 雅枝「……」ゴクッ 雅枝「……何か話そか」 京太郎「そうしましょう」 店員「お待たせいたしましたー」 店員「こちら、砂肝と若鶏のから揚げでございます」 京太郎「」ピクッ 雅枝「」ピクッ 京太郎「から揚げ……」 雅枝「ほなレモンかけるで」 京太郎「え、何言ってるんすか?レモンかけるとか正気ですか?」 雅枝「から揚げにはレモンって相場はきまっとるやろ」 京太郎「雅枝さん、それ一回内科に行った方がいいですよ」 雅枝「から揚げにレモン無しで食べられる方がどうかしとるわ」 京太郎「俺の方が主流だと思いますけどね」 雅枝「ほな他のにも聞いたろか?」 京太郎「いいですよ、どうせ……」 「レモン?から揚げにレモン?……ププッ」 京太郎「とかなるんですから」 雅枝「さあどうやろな、そっちこそ」 「どうして、から揚げに何もかけないで食べることができるだろうか?いいや、できまい」 雅枝「とか言われるに決まっとるわ」 京太郎「なんで反語?」 京太郎「……雅枝さんの家に電話して答えてもらうってのはどうですか?」 雅枝「ふん、ええわ、愛宕家に勝負を挑むとはええ度胸や」 京太郎「じゃあ俺からかけますね」 prrr prrr 洋榎『はいはーい、いつもニコニコ元気な愛宕やでー』 京太郎「あ、洋榎さんですか?」 雅枝「なんや洋榎か……」 洋榎『京太郎か、どないしたん?』 京太郎「洋榎さんってから揚げに何かけます?」 洋榎『ウチと絹は何もかけへんで』 雅枝「……は?」 京太郎「雅枝さんがかけたりするんじゃないんですか?」 洋榎『オカン帰り遅いからな、絹とウチだけで食べとるんや』 洋榎『あ、もちろん作るんは絹やで』 京太郎「知ってます」 洋榎『今日も飲み会やいうし、たまには一緒に食べたいわ』 京太郎「……俺からも言っておきますね」チラッ 雅枝「……」 絹恵『お姉ちゃーん、ご飯できたでー』 洋榎『はーい、ほなまたな』プツッ 雅枝「…………」 京太郎「…………」 京太郎「俺の勝ちですね!」ドヤァ 雅枝「この雰囲気で言う言葉!?」 京太郎「んー、でも家族と食べた方がいいですよ」 京太郎「なるべく早く切り上げるとか……はもうしてるんでしょうね」 雅枝「……そうなんやけどな」 京太郎「俺も一人暮らしなんで寂しいんですよ、だから洋榎さんたちも寂しいんじゃないかな、と」 雅枝「せやったら今度うちに来るか?四人で食べるのも悪ぅないやろ」 雅枝「なんなら京太郎のこと迎えに行くのもええし、あとは……この後とか?」 京太郎「……雅枝さんが俺を家に連れ込んだら、洋榎さんたちってどんなリアクションするんでしょうね」 雅枝「…………」 雅枝「!」 雅枝「べ、別に変な意味は無いんやからな!」 雅枝「こうすれば洋も絹も京太郎も寂しないやろ!」 京太郎「わかってますよ、機会があればお願いします」 雅枝「それでええわ、それで」 雅枝(ちょっと変なこと想像してもうたやないか、まったく) そして四時間後 良子「きょぉたろぉ……もう遊べないの?」 京太郎「松山と大阪じゃあ流石に無理でしょう」 良子「いやだいやだいやだぁー!」ギュッ 京太郎「あーもう面倒くせぇ……」 雅枝「京太郎?聞いとる?」 京太郎「はいはい、それで洋榎さんがどうしたんですか?」 雅枝「それでなーそこで洋がなー」 臨海「焼酎もう一杯……」Zzz 善野「……そろそろお開きにしよか」 京太郎「ですね」 臨海「新大阪どっちらっらへ?」 京太郎「何言ってるのかわかんないっすよ」 良子「きょぉたろぉ、送っていってぇー」 京太郎「よっかからないでくださいよもう、ほらしっかり立って」 雅枝「あ、洋と絹が見えるわぁ……」 京太郎「いないですよ!どこにもいないですから!何見えてるんですか!」 雅枝「あはははぁ……」 京太郎(大人ってめんどくせぇ……) 善野「ふふふっ、ほな帰ろか」 京太郎「ちっとも笑いごとじゃないですよ」 洋榎「ほな監督お疲れさんさんさんころり~」 絹恵「さよなら~」 雅枝「本物や、本物がおる~」ウツラウツラ 洋榎「とっとと帰るで」グイグイ 雅枝「うぇへぇはぇ~洋の腕やわらか~い」 洋榎「気持ち悪いわ!」 絹恵「せやったら私は左!」 雅枝「絹もやわらかいなぁ~」 善野「また学校でな」フリフリ 良子「あぁぁ……帰りたくないー」ギュッ 京太郎「帰ってください、タクシー来てますから」 臨海「カリフォルニアへレッツゴー!」 運転手「えっ」 京太郎「新大阪まででいいですから!」 良子「きょぉたろぉとどこまでも~」 京太郎「さっさと離れてくださいよっ」 ブロロロロ 京太郎「というわけで帰りましょうか」 善野「ええの?」 京太郎「善野さんみたいな人が一人で夜道を歩いてたら危ないですからね、行きましょうか」 善野「よろしく頼むで、王子様」 京太郎「かしこまりました、お姫様」 京太郎「段々寒くなってきましたね」 善野「風邪引きやすぅなるのは勘弁や……」 京太郎「風邪と言えば……末原先輩ってどうなんですか?」 善野「どういう繋ぎ方しとるんや」 善野「恭子ちゃんはええ子やで、いつも一生懸命やし、洋榎ちゃんよりも主将らしいし」 京太郎「俺が打ったときも強かったですよ、少し自信なさそうに見えましたけど」 善野「宮永咲ちゃんにやられたときからあんな調子やったんや、洋榎ちゃんたちとみんなで励ましたけどな」 善野「今度、須賀くんと打ってみたいわ」 京太郎「はい、俺もです」 善野「これからも同じ大阪やさかい、よろしうな」 京太郎「ははっ、三箇牧は負けませんからね」 善野「こっちやって負けてばっかりやないんやで」ニコッ 善野「あ、もうここまででええわ」 京太郎「そうです、か、じゃあまた!」 善野「はいはい、お疲れさん」 京太郎「善野さんも送って無事帰って来たことだし、何かするか」 夜 京太郎「少し寒いけど散歩して来よう」 京太郎「夜も遅いし、いつも通り人もいないなーっと、あ」 京太郎「あの人は……」 エイスリン「ア!キョウタロー!」 京太郎「すっごく久しぶりな感じがしますね」 エイスリン「!」 エイスリン「ン……」ゴソゴソ エイスリン「キョウタロー、コレ!」つ|京太郎が笑っている絵| 京太郎「これ、俺のために?」 エイスリン「」コクッ エイスリン「キョウタロー、オメデトウ!」 京太郎「うわぁ、ありがとうございます!」 エイスリン「ドーイタシマシテ!」 京太郎「で、何してたんですか?」 エイスリン「sketch!」 京太郎「夜道を描いてたんですね」 エイスリン「ゼンゼン、カイテナカッタカラ!」 京太郎「ずっとホテルでしたもんね、やっぱりこっちの方が楽ですよ」 エイスリン「ラクチン!」ニコニコ エイスリン「…………」カキカキ 京太郎「……」ジーッ エイスリン「キョウタロー?」 京太郎「何ですか?」 エイスリン「ツキ、キレイ?」 京太郎「確かに綺麗ですね、それが何か?」 エイスリン「"I like you"ハ『ツキガキレイ』!」 京太郎「そうなんですか?」 エイスリン「ナツメソウセキ!」 京太郎「へぇ、そんなことが」 エイスリン「キョウタロー、ツキガキレイ!」 京太郎「同感ですね」 エイスリン「エヘヘ……」 エイスリンの好感度が上がった! 【11月第1週 休日】終
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6 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[ ] 投稿日:2014/05/30(金) 00 46 12.20 ID 8xBA9BvJ0 [2/2] 京太郎「おはよう」 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.部活 2.サボる 3.自由安価 安価下5 13 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 00 58.06 ID gJPdrsQE0 麻雀部 京太郎「うーっす」ガララッ ネリー「……///」 京太郎「俺とネリーは恋人になりました! 」 ザワザワ ダヴァン「そうですカー」 ダヴァン「今回も譲ってやりますヨー」 ハオ「驚いた……」 明華「どこか悲しい気持ちになりました」 智葉「奇遇だな、私もだ」 ーーー 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 18 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 07 12.80 ID yssyt4Cv0 [1/6] 京太郎「LINEするか」 誰とLINEする? 自由安価 安価下3 22 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 18 31.66 ID YmABPqdB0 ネリー 京太郎のおかげで部活がとってもはずかしかったよ! 京太郎 ごめんごめん ネリー もう、責任とってよね 京太郎 まかせとけって ネリー ふんっだ 京太郎 またこんどな ネリー うん ーーー 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 28 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 36 56.90 ID yssyt4Cv0 [2/6] 京太郎「雀荘行くか」 ーーー 店員「いらっしゃい」 0~20.わっかんねーなんで前の週で私と結ばれなかったのかわっかんねー全てが分からねー 21~40.シャーマン 41~60.すばらなおもちが! 61~80.プンスコ! 81~99.アラサー ゾロ目 記憶を持った良子かアラサー 33 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 39 41.53 ID yssyt4Cv0 [3/6] 健夜「よろしく」 京太郎「よろしくっす」 ーーー 京太郎「……」 瞬殺かよ…… ーーー 京太郎「だぁぁ!かなわねぇ!」 健夜「そうだね、まだ難しいかな」 ーーー 健夜 好感度判定安価 ゾロ目±1は引き継ぎ 安価下 38 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 42 09.53 ID yssyt4Cv0 [4/6] 健夜 18 京太郎「ん、電話だ」 prrrr 誰? 前週キャラは無し 自由安価 安価下3 42 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 47 33.47 ID yssyt4Cv0 [5/6] 明華の好感度が10上がりました 明華80 京太郎「ネリーって何をあげたらよろこびますかね?」 明華「そうですね、彼女の場合は気持ちがこもっていたらなんでも喜びそうですが」 京太郎「マジですか?」 明華「マジです」 京太郎「天使や……」 明華「バカップルというやつですね」クスッ 43 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 48 04.85 ID yssyt4Cv0 [6/6] 一日が終わりました ハッピーエンドへーー 47 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 01 58 37.19 ID +mE3aDAc0 [1/7] 京太郎「よっ」 なんとなく好きになってました。 よくわからない国の留学生と恋に落ちるなんて思ってもいなかった。 向こうも俺とずっと一緒に居たいらしい。 当然俺もだ。 ネリー「おそーい」 广}___クーく.___{ ̄`ヽ .. / / ,..-‐r r―┬r r--、 }!V、_ /7'.. i |^!... i | | ヒjハi ヽ|! ヾヽ {ハ f' n i、 {"{ n ヾi . |! }!'^゙ |丶弋ツ `゙ 弋;ツ} .|! }! | | i| " '_ " .! .{! o|!、 |、 |ハ .,、 、ノ ,..ィ ノ リ;》=《i ゙、 /. ヽハ! r‐` T"´ !イ' " . . . . \i! r >、. . . . . .ト--、 ,..-/ . . , イス) _ 、 ζ√ーァ\ . . .ヽ / fィ_トrJ しイ., イ ∀ ! `Zf┬‐-≧ーイ . r'´ |_)i } / .,. 彡ミy' /_,.-< ̄`ヽ .. ! 、 i!  ̄ ノ''" ... ..... . ,.ィ i! | ,.へ / ........ . , _,.ノ | i | `>'" .. / \ | i | ∠.._________; .-'"´ __,.イ | i! / `ー┬‐;--------―irイヽ、| ! i | / 「 ̄ `ニY⌒r―''" ̄ ̄i .i! | i ヽ! / | | / L...イ . ./i T|`iー―--┘ i|| {/ ハ! / __/ . // | | . .i____ i! ゙、 } / / ̄_/ . . ./ i || . . i____i|ヽ、| / / / ̄. . . . . . ./ / || . . . . . . . . . . . . ..|!\_| ノ / . ., ィ―-イ L___| └―---r---|!、 . . .|'". <__ | | | | | \ | これからも沢山デートしよう。 カンッ 57 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 02 19 22.15 ID +mE3aDAc0 [7/7] 現在解放されているのが ゆみルート シロルート 照 淡 怜は封印中 (ピンチになったらハギヨシ登場を使う機会もない程に怜はコンマを全回避しました。次回怜ルートのピンチ時に使用できます) つぎいっくよー 記憶引き継ぎに関しては とある一定のコンマを引いたヤンデレのみ引き継ぎと考えています(高校が同じキャラの場合)ので、安心して前回選んだ高校も選んでください。 (永水を選ぶ時は一応確認をしますが復讐編かどうかを明記してくださ) 前回ヤンデレだったあの子も……ヒロインだったあの子も……! プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 前行った高校でもあり 前行った高校の場合は記憶引き継ぎ安価します 安価下13 109 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/30(金) 17 51 23.22 ID QEM7IfVU0 美穂子 35 星夏 276 末春93 純代 20 華菜5 貴子 83 じゃけん始めます 今回は大会を終えた頃の休息期間を描いた龍門渕のお話です(二回目) 夏休みです。 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当凄かったなぁ。特にキャプテン」 まぁ、俺も負けないように頑張りますよっと、雑用と一緒に。 京太郎「あ、あれは」 0~20 美穂子 21~40 星夏 41~60 末春 61~80 純代 81~99 華菜 118 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 02 49 06.55 ID 74NWIEDb0 未春「おはよう」 京太郎「おはようございます!」 未春「今日も元気だね」アハハ 京太郎「それだけが取り柄です!」 未春「そんな事ないよ、ほらっ部活行こ」 / / --──--- _ _ l l/ ───---_ / `  ̄- _ // ̄´ _ 、´ヽ、 ´/ 、 \`ヽ、\ / / \`ヽヽ ー、 ̄ / / 丿 l \ ヽ、 `ー、/ / 丿 丿 メ l ヽ \ \ // / / / .// /ヘ 、 ヽ ヽ ヽ-、_\、 / / .l / ./ / /ノ \\ ヽ ヽ ヘ、 .ヽ l/' l l _∠-' ゝ_ ヽ │ │ l .│ヽヽ / │ 、 .// - ─  ̄ ー ヽl、 │ l l ヽl / ./l /ヽl .ゝ─ヽ、 _ ー_ l/ヽ ├ヽ │、ヽ // │l、ヽヽl。ol l / ./´。ヽ\ │ //│ l│` \ ´ ̄ l.l ヽ.l .、_l ー、l lo .l l l / / ./│ `` \__ / ヽ ─ ´ l / / / l/ l ヽ ` ─── .´ /´、/│ \ _ / l / 〈. \ ` -` ヘlヽ、 > _ < 〉 ヽ. /l ∥ .ヘ / \ / l ∥ / 〉 / \ / l ∥ /ヽ _ / \ 京太郎「うっす!」 好感度上昇 判定あんか 0~30 小 31~60 中 61~99 大 122 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 03 04 24.14 ID bWHJzLTB0 未春の好感度が10上昇 未春 103 純代「……」 純代「ロン」 京太郎「ぎょぇぇー!」 京太郎「やられた~」 京太郎「くそ~」 純代「おしかったね……」 ,. - ‐──-- 、 / / .\ / / ;ィ /^', ト、 . ヽ / / / ! { リ ! ヽ .', ,' / / 彡` ソ ', } ! | r"、 __ ' ミ . | . ,' | /二ヽ `゙ヒ ソヾ ´__, | / ', {.' ` ⊂⊃ ヒ ソ`ー,゙ 〉ヽ_ , ⊂/ { 〉、゙ . 、_ _. ! r-‐| f゙ / \ ,.ノ | ヽ ヽ_ ` _. ,‐ ´ _,.>', \ }、_ /、< \二__. ! }\_ ヘ ` ー 、ィ`ヽ\ { \ ¨ }\`_'"} \ \ ` 、 `ー、 _ノ \\ | /7、 } `゙'ゝ、 ヽ }__.\}____ ノ /、 .', 純代 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 127 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 15 07 25.68 ID /GDSzcuj0 [1/2] 純代 50 星夏「さっ、打ちましょう」 京太郎「は、はい!」 ーーー 星夏「ここはこう……」 京太郎「なるほど」 星夏「ではもう一度打ちましょう」 ーーー 未春「星夏ちゃんって……近いよね、距離」 純代「……」コクッ 星夏 好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 小 31~60 中 61~99 大 130 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 15 15 43.64 ID /GDSzcuj0 [2/2] 星夏 296 華菜「京太郎、私と打つし」 京太郎「はい!」 ーーー 華菜「まだ弱いなー」 華菜「もっと打つべきだし」 華菜「頑張れよー」 京太郎「」 ーーー 華菜「やりすぎたかな?」 未春「まぁ多少は」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 132 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 15 21 59.27 ID UUWxwfft0 [2/2] 華菜 35 京太郎「うへぇ……」 美穂子「あら、大丈夫?」 京太郎「キャッ……キャプテン……」 美穂子「今日も頑張ったわね」 京太郎「全然駄目でした」 美穂子「ふふっ今度教えてあげるわね」 京太郎「それはかなり……すばらですね」キリッ 美穂子「……?」 美穂子「これからも頑張りましょう!」 / / | | i l | | | ハ. i l l | | | | | |. | |.ハ | .| | | | i| .| | | |i | | l | |.. | |. | | | .|i |i | _,,|,|.. |i | | |.. l | |i | | .| | | ,-|''"i|~ | | | | l| /. | ヽ、 li .‐''i"i~~l~゙゙゙`l l/ l/ !~' ̄ ~'| |/ l/| | | ヽ!\! -‐  ̄ _,;;itiil||l"ヽ | | . | | .| | '´iciiiii(´,)'` |i | . |. | .| | ゝ===="‐ ´ |;|..| . | | .| |i , |;l . | . | | .| |ヘ ノ!| | . | | | |゙'ヽ ,,...、 /;;;;| | . | | |i .|;;;;i;;ヽ 、 ´~.´ ,. ';;;i;;l;;;;| i | . | | |.| |;;;;l;;;;;i;;;;;l`' - __ イ .|ー‐,、i;;;| | | . i| | | .| |;;;l;;;;;l/i |/ ~`| |i リー-,,!| | | .| | 〆´ /| / |/'|/;;i!",,,`>、 リ .| .;ヽ;.|' / / / //''~ ヽ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 134 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 15 30 34.90 ID XKN4dKSb0 [1/4] 美穂子 55 貴子「よし、練習終わりだ」 貴子「福路は全国の個人戦が迫ってるからな、皆も負けないようにもっと練習する事だ」 ハイッ 京太郎「……」 キャプテンは凄いなぁ。 貴子「須賀、どうだ調子は?」 京太郎「絶好調です!」 貴子「まぁ個人戦の時みたいに腑抜けた打ち方をせずに死ぬ気でやれ」 京太郎「は、はい!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 137 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 15 39 01.97 ID XKN4dKSb0 [2/4] 93 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 142 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 15 52 50.94 ID XKN4dKSb0 [3/4] 京太郎「電話するか」 京太郎「誰に電話しようかな」 前週キャラあり 自由安価 安価下3 148 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 16 01 35.02 ID XKN4dKSb0 [4/4] 美穂子 65 京太郎「あ、もしもし」 美穂子「あら、京太郎君。どうしたの?」 京太郎「全国の個人戦、応援してます」 美穂子「本当?ありがとう」 美穂子「皆の分、頑張るけど。期待はしないでね」 京太郎「それでも、応援してます!」 美穂子「ふふっ、ありがとう」 ーーー 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下2 152 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 16 20 50.85 ID F8ittg5r0 京太郎「TwitterとFacebookを再開するか」 ん?こんな人達フォローしてたっけ? 京太郎「あ、メッセージが飛んできた」 誰だろう? 自由安価 安価下2 156 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 16 36 47.28 ID U0ZFMvQ+0 華菜 45 京太郎「池田先輩だ」 かなちゃん 京太郎登録してたんだな 京太郎 久しぶりに再開しました かなちゃん こういうので友達が登録してると暇を潰せそうだし 京太郎 なんですかそれは(笑) ーーー 京太郎「誰かに電話しよう」 前週キャラあり(危険) 自由安価 安価下3 160 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 16 44 14.48 ID xUxbQr3L0 未春113 未春「もしもしー?」 京太郎「あ、未春さん」 未春「元気?」 京太郎「は、はい」 未春「それなら良かった」プツッ ーーー 京太郎「?」 京太郎「誰に電話しよう」 自由安価 前週キャラ(危険)あり 安価下3 165 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 17 31 46.41 ID T7Bf7F2T0 [1/3] 美穂子65 美穂子「どうしたの?」 京太郎「あ、何度もごめんなさい」 美穂子「大丈夫だけど、珍しいわね」 京太郎「へへっ」 美穂子「?」 美穂子「変な京太郎君」 京太郎「いや、キャプテンとこんなに話すのも珍しいと思って」 美穂子「確かにそうね……これからもっと話せるといいわ」 プツッ 京太郎「うおおおお!」 ーーー 美穂子(私ったら、変な事言っちゃった///) ーーー 京太郎「誰に電話しよう」 自由安価 前週キャラ(危険)あり 安価下3 170 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 17 39 26.59 ID T7Bf7F2T0 [2/3] 深すぎる愛で壊れたステルスさんを忘れるな 美穂子75 美穂子「ひゃ、ひゃい!」 京太郎「え?」 美穂子「ど、どうしましたか!?」 京太郎「どうして敬語ですか?」 美穂子「あ、京太郎君!」 京太郎「おかしいですよ?キャプテン」 美穂子「美穂子って呼んで……」 プツッ 京太郎「……」 京太郎「ーー寝よう」 ※眠れません。 一日が終わりました。 171 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 17 39 57.93 ID T7Bf7F2T0 [3/3] 京太郎「おはよう」 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.部活 2.サボる 3.自由安価 安価下2 174 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/31(土) 17 43 06.37 ID y2uE0J4P0 [1/4] 京太郎「夏休みだしな、散歩するか」 京太郎「いってきまーす」 ーーー 京太郎「いい天気だなー」 京太郎「さて、何をしようか」 京太郎「うーん……することがない」 0~50 星夏 51~99 その他 206 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 00 20 07.19 ID F2i7ToyL0 [1/6] 京太郎「?」 小さな可愛らしい子供だ。 京太郎「お嬢さん、迷子かな?」 |./_イ>――‐- 、 ,. - 」k∠_ `ヽ. イ-‐¬''''¬‐ =ト、 \ / ´ \ \ / l | | ト、 \ \ \ \ / | ! | ∥ ! >,-‐+‐い \ \. / / ,' ! | _」ェt |\代≧、 ト、 .!l .\ \ f ,イ | ∨ |イ ト、|\! ヾゝケ弍廴 !l | \ ヽ______ |/ | | . .Vト、!弍'气 \ `l さ, !l ! ` ――――――― |' |仆. い从《 { さ 弋辷シ !l ヽ 从 ヾ|入 ミ, 弋ソ "¨ !l \ 入 \! ,,,, ´ "" /!l \ / ` / ヽ = ,イ || ト、 . / ! f > 、 __.. '´ | || ヽ ! \ | .|、 .! \ _,,!_, -‐" ̄」| \ ! .\ ヽ . . 辷」\ `zM<_ ,ィニニ‐ヽ \\ `''ニ二三三三 `" ¬';;;;;;;;;;;;;Y´;;;;;;;;;;;;;l彳´ ヾト、 \\ !;;;;;;;;;;;r‐!;;;;;;;;;;;;;;;;レ´ \\ \`―――――‐. /;;;;;;;;;ヽレ';;;;;;;;;;;;;,イ }  ̄`"¬ニ二二辷―― f;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l ! ! `ミニニ |;;;;;;;;;;人;;;;;;;;;;;;;;;;! | ト、 \ 7¨¨´|;/`'―‐く / { \ 、 . /;;;;;;;;;;l.|;;;;;;;;;;;;;;;;〈 | \ \ 廴;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;;;;;; \ ノ \ \ 衣「今、お嬢さんと呼んだが?」 京太郎「? まぁそうだけど」 衣「称賛に値するぞ。因みに迷子ではない、馬鹿にするな軟派」 京太郎「あ、ごめん。名前は?」 衣「天江衣。龍門渕高校の二年生だ」 京太郎「……え?」 衣 好感度判定あんか 210 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 00 27 29.50 ID dlR9QZOC0 [1/2] 衣 31 京太郎「……」 年上だったのかよ…… 衣「うむ、今回は許してやる」 衣「ところで軟派。貴様は今何をしている?」 京太郎「ん?散歩だけど?」 衣「そうか。散歩は良いな、この雄大な自然を愉しむのは良い事だ」 衣「衣も一緒に愉しんでやろう」 京太郎「いーよ、別に」 衣 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 212 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 00 32 16.68 ID JGmTHqO50 [1/4] 衣 51 衣「さぁ何処に行く?」 衣「さぁ!」ウキウキ 京太郎「……」 やけに楽しそうだな。 / / / / ヽ ヽ / / / / /,イ | ! l ヽ ! ./,イ / / // l | .ハ | | | /// i i / ,' | | |',| Ⅵ i!| | | .〃 i i! ||― A.」 | | | i! ,斗―- ,リ| | | || | | !| ||! | | |\ハ | レく | / /! / i! |! W.!l !|ヘ l N {!ヘ N | /ル' リ .,イ! i! | ヘ从 i!i! ヘ! \ ! !/' / //'! i! ∧ 从z≠气x `\,z≠ミx 厶イ | | / ヾ=トゝ `/ | | / { ' / ! ! / 人 ヽ ノ ,/ | | / / > . . イ/,/ | | / / ̄ ̄\/ |\> --‐<彡 {」 || ! .八/ / Y´ ̄} >v<´ | || 「 ̄\\ 京太郎「んーそうだな」 京太郎「ーー」 1.レストラン 2.定食屋 3.自然が豊かな所( 1は全く長野分からないので分かる人が居たら教えてね☆) 214 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 00 44 00.21 ID 8aY92XNK0 [1/6] 衣「ハミレスか!よかろう!」 京太郎「……?」 へんな呼び方だな。 ーーー 京太郎「なに食うの?」 衣「エビフライ!」 京太郎「はいよ」 京太郎「……」 衣「……」キラキラ 京太郎「押す?」ヨビダシボタン 衣「うん!」ポチッ ピンポーン ーーー 京太郎「うまかったな」 衣「うむ、タルタルソースも沢山付いてて最高だったぞ」 店員「……」アセアセ 衣 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 217 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 00 50 03.43 ID yRCJeZD00 [1/8] 衣 81 外 京太郎「さーて、どうすっかなー」 衣「そうだな」 京太郎「何処にするか……」 1.自然 2.ゲーセン 3.イオ○ 安価下2 220 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 00 04.11 ID yRCJeZD00 [2/8] 衣「ふむ、中々凄い所だ」 京太郎「すげーなー」 京太郎「地元なのにこういう所は避けてたよ」 衣「そうだな、衣も行った事が無い」 京太郎「ん?」 | | o マ`ー ' 7´ " . ⌒ヾト/ // | / / | | とつ_`ー― ' / ハ ヘYイ / / / | | 〃 `¨ {o{ 爿 || |,/ / / | | || ∨廴ノ(_).,リ / / / | | || ' \z_ノ /'|/ , イ ./ | | || `とつ./ ///! | | || /イ/イ | | | || , ― 、 / ! .! /! i! ii  ̄`’ / | |. / i! i! ii / i! !/ | ト、 ii .イ | i! ,! i | \!i . < i! .i! | /! | | じゝ. . < \i! | !. / i! | | > ,. _ . < \ | ! |/ | | | / \ ヽ ! | | 京太郎「……嫌なことでもあったのか?」 衣「そうではない」 衣「ただ……母を見ただけだ」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 224 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 04 25.73 ID O+LF+WLF0 [1/2] 衣 111 京太郎「結局まいごだったのかよ!」 衣「迷子ではない!」 衣「道が分からなかっただけだ!」 衣「ふんっ!」 京太郎「全く……」 京太郎「ほら、行くぞ衣も」 衣「あぁ、京太郎」 衣「頼りにしてるぞ」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 227 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 08 32.45 ID 4PFvp/O30 衣 131 衣「……」 ./ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \ \ / . ...../ .´ ̄ ̄ ̄ ̄ ` ヽ ヽ / / ... / | .. '; .. ', ', ! ......... / / /! l | l . l | / ; | / /! | l l l | | | | .l l |`l ヽ、' / / ....! l .| l | l .l l .l | | l ll |l / `>、 /_!; l_ L- |'´| | l l . l | | z==,==; / /_,,,,, ;! / l | ./ / . | l l ! l; !||r/ /;/ /lllr! 〉/ // /. / . l | | ゙‐'-' L!シ /; /|/// . | l l '' ''' 、 ,, ,, / l . l | |、J ,.. 、_ , ノ | |. ;; | l l > 、 ,. < |l l` ー‐ ' ´! .l | | ヽ、 `/ ' ´-r― - 、 | ヽ \>| l l- `'\,.. '- ―‐- ,\ l i .l ` .l | |' `!´ |´  ̄ ̄ | ヽ. | , | | | l l, へ|_./´ ヽ、 ./ | l 衣「なんだこの……」 ドクンドクンドクンドクン 胸の鼓動、焦燥感は…… 京太郎を視界に入れる度に顔が紅潮してしまう…… これは、恋、恋なのか!? 衣「……」チラッ 京太郎「ん?」 1.告白 2.告白しない 安価下10 多数決 238 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 16 58.55 ID jar5WJA80 [1/4] ころたんいぇーい 衣「京太郎」 衣「……」 京太郎「なんだ?」 衣「衣の伴侶になれ、永久に私の道を支えろ」 |./_イ>――‐- 、 ,. - 」k∠_ `ヽ. イ-‐¬''''¬‐ =ト、 \ / ´ \ \ / l | | ト、 \ \ \ \ / | ! | ∥ ! >,-‐+‐い \ \. / / ,' ! | _」ェt |\代≧、 ト、 .!l .\ \ f ,イ | ∨ |イ ト、|\! ヾゝケ弍廴 !l | \ ヽ______ |/ | | . .Vト、!弍'气 \ `l さ, !l ! ` ――――――― |' |仆. い从《 { さ 弋辷シ !l ヽ 从 ヾ|入 ミ, 弋ソ "¨ !l \ 入 \! ,,,, ´ "" /!l \ / ` / ヽ = ,イ || ト、 . / ! f > 、 __.. '´ | || ヽ ! \ | .|、 .! \ _,,!_, -‐" ̄」| \ ! .\ ヽ . . 辷」\ `zM<_ ,ィニニ‐ヽ \\ `''ニ二三三三 `" ¬';;;;;;;;;;;;;Y´;;;;;;;;;;;;;l彳´ ヾト、 \\ !;;;;;;;;;;;r‐!;;;;;;;;;;;;;;;;レ´ \\ \`―――――‐. /;;;;;;;;;ヽレ';;;;;;;;;;;;;,イ }  ̄`"¬ニ二二辷―― f;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l ! ! `ミニニ |;;;;;;;;;;人;;;;;;;;;;;;;;;;! | ト、 \ 7¨¨´|;/`'―‐く / { \ 、 . /;;;;;;;;;;l.|;;;;;;;;;;;;;;;;〈 | \ \ 廴;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;;;;;; \ ノ \ \ 京太郎「それ……本気か?」 衣「片腹大激痛。私は嘘を吐かない」 衣「……」 うー///失敗したらどうしよう……今更怖くなってきたぞ。 京太郎「……」スッ 京太郎「一生お供しますよ、お嬢さん」 衣「……!」パァァァ 239 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 20 47.80 ID F2i7ToyL0 [2/6] . '" ̄\ . .∨. . / ̄` 、. / _,. ‐====‐ 、 \ / ´ ヽ. / / / ' , \ ゙ , / / / ,' / , ' , ',. ' ,′ / ,゙i i ハ i } } l | | { _, 'T丁`{ jj ~丁T''ト、| リ l l | | { {´ i i 八ハ iい i iノV| / | l |八 { ',',\|_,」.ニ、 \l ,ニ.」_/|/ハノ| │. |\|\| =‐'" ゙̄` ~ ̄`'ヾ/ | │ | │ '. __ /l | │ j リ ハ´ 「 } ハ | ! / / ,' /ゝ、 { j 人| | ', / / / > .._、 ノ.. イ | | ' , / / / / _r}  ̄ {ュ { ヽ│ l 、 / / / / ̄ ̄~` ミーrz=彡'  ̄ ̄ヽ、 ヽ ' 、. / ,′ /⌒| Y^Y |ハ ', ' 、 / l ,′ │ フしヘ. | , ト、 \ \ / /| | { / ││ \ 亅│ | , \ \. / / 《 | | l个ー=イ_ _ _ ││ _ _ `ト--</ | | 》 丶 ヽ / / )| | }ノ 厶-─┘└- .」 { | |彳 ヽ } 衣「わーい!」 衣「ずっと一緒だ!ずっと一緒だぞ!旦那様!」 京太郎「はいはい、一緒だ一緒だ」 京太郎「これからもよろしくな!」 衣「うむ!」 ーーー 星夏「は……?」 241 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 23 19.80 ID F2i7ToyL0 [3/6] 白郎の悲劇を忘れるな 京太郎の部屋 京太郎「ん?」 京太郎「電話だ」 前週キャラ無し 自由安価 安価下2 245 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 28 21.79 ID q+hsfKTZ0 [1/6] 衣「なんだ?」 京太郎「本当に携帯を使えるのかきになって」 衣「衣を愚弄するのではない!」 衣「衣は普通に使えるぞ!」 京太郎「あはは、ごめんごめん冗談冗談」 京太郎「近い内にデートしようぜ」 衣「ふむ、良い発想だな」 衣「よかろう!一人付き人が遠くから見ているが気にするのでは無いぞ」 衣「奴とて、悪気は無いのだ」 京太郎「あぁ、そうだな。分かってる」 ーーー ハギヨシ「彼になら……任せても大丈夫か?」 ハギヨシ「龍門渕の闇……」 ハギヨシ「歪みを……」 一日が終わりました 248 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 31 58.57 ID ajoDPF9Q0 [1/2] 今回の逃亡はMAX依存度が居ないので、ある程度楽です。 朝 京太郎の部屋 ピンポーン 京太郎「……?」 ピンポーン 京太郎「おふくろー?」 そうだ、今日は出かけるとか言ってたな。 京太郎「よし、行くか」タッタッタ ーーー 京太郎「……」 玄関の様子を写すインターホンのカメラには星夏さんが写っていた…… 京太郎「!」 しかし……彼女は大きな大きな、包丁を持っていた。 かなりの刃渡りだった。 京太郎「!」ダッ 250 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 34 00.20 ID ajoDPF9Q0 [2/2] 星夏「裏口から逃げられた……」 星夏「追わないと!」 ダッ ーーー 京太郎「はぁ!はぁ!」 どうしてこんな! 星夏さんが! あんなことを! 京太郎「はぁ!はぁ!」 京太郎「ここまで来れば!」 ドサッ 0~70 誰も来ない 71~99 星夏 255 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 40 01.08 ID IR8h9sPY0 [1/2] コンマ次第ですね、全ては 星夏「くそっ!」 星夏「くそくそ!」 京太郎「星夏さん……」 星夏「京太郎……」 京太郎「もう、やめにしましょう」 星夏「貴方が好きです……!でも……」 京太郎「ごめんなさい……俺には最愛の人が」 星夏「そいつを[ピーーー]からお願い!」 京太郎「もう……やめましょう」 星夏「なら……貴方を殺して……標本に」 京太郎「あなたでは無理ですよ……狂い切ってない」 0~90 星夏逮捕 91~99 衣死亡 安価下10まで多数決 287 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 01 58 58.26 ID mauSjw+K0 [1/3] 警察「はい、お疲れ様」 ガチャッ 京太郎「星夏先輩……俺はあなたに改心して欲しいです」 星夏「……」 ーーー そして名門風越麻雀部は廃部の危機に瀕した。 唯一の男子部員を追っての、一つ間違えれば殺人事件になりかねない事件。 世論は厳しかった。 しかし、事態は簡単にいい方向へと収束した。 ーー俺の退部で。 ーーー 貴子「悪いな、須加」 京太郎「いえ……俺の責任のようなものですから」 美穂子「ごめんね……京太郎君……」 京太郎「大丈夫ですよ、キャプテン」 京太郎「顔をどれだけ出そうが、個人戦に出ようが、男子麻雀部を作ろうが、自由ですから」ニヤッ 貴子「……!」ニヤッ 美穂子「!」パァァァ 貴子「いい目、するようになったなァ」 291 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 02 13 49.28 ID OfrC6lxL0 286 つネリーと一 須賀でした ーーー 龍門渕家 書斎 「曽祖父様……」 「天江衣を外に連れ出す輩が居るとか」 「厄子を外に!?」 「誰も反対すらせず、むしろ恋路を後押しする者も」 「そうか……」 「あれは外に出してはならん」 「外に出した結果、恨まれたら堪らない」 「萩原を呼べ」 「はっ……」 296 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 02 24 03.69 ID JGmTHqO50 [2/4] ハギヨシ「その役目……」 ハギヨシ「申し訳ないですが……」 「この家を潰すつもりか!?」 ハギヨシ「いえ、しかし……」 「幻想だと申すのか?」 ハギヨシ「恐れ多いですが……」 「あの力、圧、そして厄子の両親の不慮の死」 「完璧にこの家にまつわる条件を満たしている」 「あれほど家から出したらもう……」 「始末する他無いだろう」 ハギヨシ(っっ……!過去のしきたりに未だに囚われて……!) ハギヨシ(こんな残酷な運命……京太郎君に話せる筈が無い……!) 「国広一……」 ハギヨシ「っつ!」 「調べた所によると、萩原の娘だとか」 「義父まで付けて、随分と訳ありのようだが……」 ハギヨシ(観測は出来る……京太郎君と幸せに生きた一も見た……) ハギヨシ(娘を見殺しに出来る父はどこにも居ない……!) ハギヨシ「……」 297 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 02 25 03.36 ID JGmTHqO50 [3/4] ハギヨシ「ーーその役目を受けましょう」 298 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 02 28 13.97 ID JGmTHqO50 [4/4] epilogueーー 300 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 02 48 41.27 ID 0mEJm6iD0 [1/6] あれから一週間後。 俺は何時も通り、家で夏休みを満喫していた。 麻雀部に顔を出したり、コーチにシゴかれたり、衣とデートしたり。 京太郎「明々後日は衣とデートか」 パリィンッ 京太郎「うわ、丸い皿。割っちまった」 特に衣のおかげで俺の毎日は希望に溢れていた。 ーーしかし。 一通の電話で事態は急変する。 京太郎「え……」 京太郎「衣が?」 京太郎「突然……?」 301 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 02 55 31.79 ID pRJhtJPF0 龍門渕家 処置室 京太郎「衣!」バンッ 透華「……」 一「……」 衣「おお……旦那様」ヨロッ 京太郎「っつ……!」 変わり果てて痩せこけた衣。 目にも生気は無かった。 京太郎「ど、どうして……」 ガクッ 衣「項垂れるではない……仕方のないことだ」 衣「本来衣はあの時に……死んでいた筈だ」 衣「栓無き事……衣は運命と合間見えよう」 京太郎「病院は!?」 透華「もう行きましたわ……」 一「処置の施しようがないって」 ハギヨシ「少なくとも明後日までの……!」 バンッ 透華「ハギヨシ……?」 一「珍しいね、あの人が取り乱すなんて……」 一「取り乱して当然か……」 京太郎「……ずっと一緒に居てやる」 衣「そうか、私が敷く道は茨に巻かれ、悪鬼無情が背を向けて逃げ出す道だぞ?」 京太郎「構わない、着いて行ってやる」 衣「ふふっ……ありがとう」 304 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 00 20.03 ID QxkpDQ1z0 [1/10] ハギヨシ 私室 ハギヨシ「私は執事失格ですね」 ハギヨシ「死すら生温い」 ハギヨシ「娘を選んでしまった」 ハギヨシ「ふふっ……ははっ」 涙が止まらない…… 頭が狂って行く。 ハギヨシ「ひひっ……」 思考が乱れる。 どうしようもない気持ちが溢れる。 言葉にならない思いが、胸を苦しめる。 ハギヨシ「ひゃっひゃっ!!!ぁぁぉぉ!!!!きゃっきゃっ!!!かぁぁぉぁぉぉ!!!」 出来るだけ声を抑えているが…… 萩原はーー 人として死んだ。 ハギヨシ「ふーふーふーふーふー!!!!」グググッ そして彼は最後の自尊心。 誇りをかけて、止まらない声を出す喉ごと首を掻っ切って死んだ。 305 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 05 57.01 ID O+LF+WLF0 [2/2] 翌日 京太郎「……」 衣「……」 衣「どうした?」 衣「こうやって共に居るのに不機嫌だな」 京太郎「いや、不機嫌じゃないよ」 衣「不機嫌だ」 京太郎「不機嫌じゃない」 衣「……」 京太郎「衣と居れるだけで嬉しいから」 衣「嬉しい事を言ってくれるな」チュッ / \ \ ヽ / / i ヽ ヽ ヘ ヽ ゙ , / / / / ,′ リ ! _」⊥..,,_ ', ゙ , ' , ,′ ,′ ,′ ,' i i ト、 i´ ii | ' `i | , ,. ′ ,′ '' i i i -‐ i i \i -i | ', i }│ , 、. { i ! | /i i _j八 、 \ ノ _」 ノノノ从 , 、. { i ! | iハ{\| \ ヽ .ィ==ミッ | l 、 i, i, ', ', 、 ト、ヽ _.. `''ー- '゙ | | 、 八 ヽ\\N ッ==ミ . . リ ' | 、. \ト、\`ー 〃 / ' | \ \ リハ . . ノ / / | \ \ / j ー--‐ ''" / / 人 \ \. / ノ八 //¨ ̄ ̄ ̄¨''く \ 丶 \ / / `i‐- ..__ / ̄ ̄ ー--- \ \ 丶 \ / ' / i │  ̄仄 ヽ \ \. / / , i | / \ ', \ \ / / ' _」 -‐''"⌒\ /\ \ | ヽ ヽ. / / ム -‐''( ∨ 〇 〉 ヽ | ヽ 306 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 09 37.99 ID 0mEJm6iD0 [2/6] 翌日 衣「今日衣が亡くなると思っているな」 京太郎「……」 衣「衣を愚弄するな、全てを取られようが衣の精魂は尽き果てぬ」 衣「衣は万全たる力で毒を制そう」 衣「たゆまぬ信頼を寄せてくれ、京太郎」 衣「ダメか?」 京太郎「お……おう!」 京太郎「当然だ!」 京太郎「俺だってずっと応援してやる!」 京太郎「負けるなー!衣ー!!!」 京太郎「絶対に明日デートするぞー!!!」 307 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 10 13.84 ID 0mEJm6iD0 [3/6] 衣「うつけめ」 衣「ふふっ……」 ./ / / \ ハ / / \ i | / / / _\ V ∠_ `! |./ / ./ //´-―`´―- ≧x ヽ ∨ |' / / / / / / / / } ! ヾ i ∨ | / / / / / / /,/ /.∧ ! i ', ヽ. | Ⅳ ! / i ハ i i .,' __イ_i!_|_ i | | ハ ! | i | | ∨ | / .|{ { | | i「 / {八{ ハ | `!ト! ,!_ ,! } ! | ∨ | / || ヘ ト. i!{,ィチ卞ミヘ |ヘ{ _}'_」/} /ト ,' l ! ヽ} {' ヘ{ヘ |《 ん リ \_{_ ん うミxi! / ハ | i ヘ{ヾ乂zン r' リ》/ ハ ! l /.八 xxx 、 ゞ= /'! | | | 〃 /\ ___ xxx / | | ', / /^\|_> . `ー ’ . イ! L⊥、 ∧ .// //〃 iー-― フ´ ヽi' | \ ∧ ./ く´ ̄ ̄ ̄\ヽ.r‐'´,ィ―‐‐| | ヽ∧ 308 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 12 26.97 ID 0mEJm6iD0 [4/6] 俺はずっと衣の手を握った。 片時も放さず。 いかなる時も手を握った。 そしてたわいもないことも話した。 咲との話も聞いた。 寝てる時も手を握った。 衣だけ目を覚まさなった時は心配だったけど。 衣は 衣はーー 309 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 12 57.60 ID 0mEJm6iD0 [5/6] ーー目を覚ました。 310 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 15 06.71 ID 0mEJm6iD0 [6/6] 衣「……」パチッ 衣「……京太郎」 衣「分かってるな?」 京太郎「ああ……」 衣「デートしよう!」 京太郎「おう!」 京太郎「肩車するから捕まってろよ!」 衣「笑止!!!」 タタタッ 衣「わーい!」 . '" ̄\ . .∨. . / ̄` 、. / _,. ‐====‐ 、 \ / ´ ヽ. / / / ' , \ ゙ , / / / ,' / , ' , ',. ' ,′ / ,゙i i ハ i } } l | | { _, 'T丁`{ jj ~丁T''ト、| リ l l | | { {´ i i 八ハ iい i iノV| / | l |八 { ',',\|_,」.ニ、 \l ,ニ.」_/|/ハノ| │. |\|\| =‐'" ゙̄` ~ ̄`'ヾ/ | │ | │ '. __ /l | │ j リ ハ´ 「 } ハ | ! / / ,' /ゝ、 { j 人| | ', / / / > .._、 ノ.. イ | | ' , / / / / _r}  ̄ {ュ { ヽ│ l 、 / / / / ̄ ̄~` ミーrz=彡'  ̄ ̄ヽ、 ヽ ' 、. / ,′ /⌒| Y^Y |ハ ', ' 、 / l ,′ │ フしヘ. | , ト、 \ \ / /| | { / ││ \ 亅│ | , \ \. / / 《 | | l个ー=イ_ _ _ ││ _ _ `ト--</ | | 》 丶 ヽ / / )| | }ノ 厶-─┘└- .」 { | |彳 ヽ } 311 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 17 45.36 ID yRCJeZD00 [3/8] 衣「外だ!」 京太郎「よし!ファミレスだ!」 ーーー 衣「殆ど京太郎が衣の料理を横取りしたな……」フフンッ 衣「年下らしく可愛いところもあるな」 京太郎「……」 京太郎「へっ……腹が減ってたんだよ!」 衣「まぁタルタルソースが味わえて良かったぞ」 京太郎「それなら良かった!」 衣「よし!」 京太郎「次はだな……」 安価下2 1.龍門渕高校 2.風越 315 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 23 41.90 ID yRCJeZD00 [4/8] 京太郎「ここが俺の通ってる高校だ!」 衣「風越か……池田とはもう一度遊びたいな……」 京太郎「……」 京太郎「よしっ!」 ーーー ゆみ「よく呼んだな……」 華菜「……衣」 咲「衣ちゃん……」 華菜「よし!遊ぶし!」 ゆみ「麻雀、少し打とう」 咲「そうだね!」 衣「皆……!」 京太郎「かましてやれ!衣!」 衣「全力を以って、屠ってやろう」ゴッ ,. '" ,,. -‐ ''___`‐- .,, ;ヽ;';,'' '';'';,, ,, ,, / /-‐''¨. . . . . . . ̄ ,, ;; ヽ .. . . . . . '' ''";'" ,.' . . .l ,;'' ;,;''. . . . ;, / . . / // ;, l ;'' .'' . . . . . ;' ,' . . ./ /!{ / | l ;' . . . . . . ;'' l ̄ 7 ̄/ ̄ ̄/l/! ll--{ ! l! j'',, . . . . . . ; !_ ../..-‐. 7 `''lッl/,,l_|ヽ l l ./ /;, ';.. . .' ;' ', l .l! ト、ヽ|,,===ミ、`、!.j///,' '';; .' .; ... ';, '、 ト、 l 、! .〉 {{ l () !l '丿.イ'';.. '' ' ;'. ``/ ‐ `ヘ ',.``ー‐'' '" / '',, ;' / ./ ゝ.、 ' __, / '';, . ;'. ,. ' ' . / ;>. ._. ` ̄-‐ ´.' ../; . ;'. / . / / /.>.--/ . . / ', ;;'. / . ./ ,; -‐_‐_ v_/〉 . / . , ' / '; ;'../ . ; ' /l¨¨'´ ̄ ...../ ._/. '' ; '' / ; ;'´ . ; ' / l ! .. ; ''" ;, '} } / ', ;''\. . ; ',/ 人,, ィ'.". , ''" ) l },ィ''"l '; ;'\ \ ;'/ // /\ . / /. -==/ |, ┴ ''' ;; '' \ \ \ 316 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 26 35.78 ID F2i7ToyL0 [4/6] 1.衣 2.咲 3.ゆみ 4.華菜 京太郎「凄かったな衣」 衣「最後にみんなと遊ぶ事が出来て良かったぞ」ニコニコ 衣「嬉しかった!」 京太郎「そりゃ何よりだ」 衣「さて、これからは何処に?」 京太郎「うーん……そうだな」 もう決まってるけどな。 京太郎「よしっ!」 京太郎「行くぞ!」 タタタッ 衣「わーい!」 ∨ | | / ∨ | | / ∨ | ! / ,.. ‐ ヘ 「! /_ ̄` 、 , ´ x≦―――≧x \ ./ ./ ,.イ ! | ヽ ヽ \ // / / / / | i! ト | ハ. ヽ ./イ / .' !,r―!i! ハ´ ̄「|`ヽi! i! ハ {' i! |! | i! |_{ハ | },衍示トv1 | | Ⅵ! i! |i衍卞ヾ\{_ う r} 》| | | 从 i从.う リ 乂z少 .! i! ! ヾ} ,! ゞ'´ ' ! ! ! .//.| マ ̄ ̄ } ! ! | // i\ \_ノ ,.r ´| | i! .// | > .._ _.. ´ | | | ハ // /| /' |,r「´ __⊥ヽ! ! i ∧ .// / .|' //Y^\ }! .| |/ ∧ 317 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 29 34.33 ID F2i7ToyL0 [5/6] ``` ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ... ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ... . ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; . ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;; ;;; __、 ,/゙` ``''-、 .. . ,i´ ゙l | .l゙ ;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; . `'----‐′ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; . ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ; .... . . . ... ,_,,,,、 、-'く`、i、、、 . ,_.、,、、 ,、./'"`` `ヽ‐-、...、 、、-‐´.、.,i、、、 `丶-、,、 . 、、、"゙"`; 、`、、 、` `ヽ`.、 ,.、` `、'∴ .、-、、``'l゙;、 ;、 ;. 、`、 _.._ ‐' `;;;;`丶;、 、…` .,ヽ‐`ヽ., , .ヽ"'''.…"`゙、` ゙丶 、 、、 、 `、ヽ.`ー-.、,._ 、、''゙"、`.`丶ヽ . `" 、`;、;;、;``ヽ、r,!" 、 ``ヽ`'``…`; ;`、.,、 ;;; 冫、、`` ;;..` ヽ、 `;`.、,.ヽ、‥ `` ;`;;;`;;``;丶`;丶`、;.,`,、゙、``;`;;;;;; . 、;;``; ,.'.`、丶. .゙ン```/ 、゙"-` 、,''、、. ..;;.、、、;. ‐ 、,;、. 、.丶 " `;;;'."、;;;;.‐..、、‐ .、;;;;;;;;;;;'゙ヽ ``';' `_,、`` "'!,ヘ `、 ;;;`'、`ヽ.`'、;``゙、, '/゙゙`;;```;`;';;、丶`ヽ`";`; `;;; ;; ;;;; ; ```、;.;``;'";;;;;;;;;;;'" 、 .'` ,、 ` `.'冫'`` `'.、/,!" " `、、、-、.`;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; ;; ;; ; 丶; ,;'ヽ丶 ;;;;丶.;'.、丶 ;;;;;;; ;;;;;;;;;;;`;;`;`;`;;;`;;;`;;;;`´```;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ``` 衣「ここは……あの時の」 京太郎「始めてのデートの時行ったろ?」 衣「素晴らしい自然だ」 衣「隣、座るぞ」 京太郎「おう」 318 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 31 35.34 ID F2i7ToyL0 [6/6] ;; ...........,,,,,,......................,,,,,............ , ... ,,ノ;;;;;;; ;;;;;;;;; ;;;;;; ;; ;;;;;; ;;;;;; ;; ;;;;Z";;;;;;;从;;;V;;;;;; ;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;; ;;;;; ;;; ;; ;;;ノ V;;;;;;V;;;;;; ;;;;V ;;;;; 从V ;;;V;;; ;;;; ; ;;; ;; ;; ;; ;; Z" _,,,... -‐‐=-..,,,_V从;;;V;;;;VV;;;;;V从;;;;;V从;;;VV;;;;V ;;; ;;;; ;; /"" ,r'" \,,.....,;;;;W;;;;;WW;;;;W;;;;;;; ;;;;;;;W;;;;;W;;;;;;;;;;从;;;;;;; ノ ,,r'" ... . ; .`' .、/W从;;;; ;;;;WW 从W ; ;;;;; WW;;;;;;; ;;;;;; V , r' . ; . `' .、从W从;;;;/W从W;;;;;W;;;;;;;从W;;;;W;;;;;;;; / ,r'" .. .. .. . .... ; . `' 、_,(("WIW从/W从W/W;;;;从W;;;; ;; Vノ"" ,r'" ... ... . ; _,,((" ; ;|;;l /;/ //wwwv从;;;;;;;;//;;;;ノノ""" ,r'"... .. ...... . _,,,(( ;; . ;,i' ル|l从WW;|//vw;W;;;;;wリリリノノ" ,r'" ,,,,,, ...... ... ._,,,"( (( ;;; r;; |l||W从W///W;;;;;wリリリノノ .('"")),r'" .... 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T ヽ. \ / / / ∧\ ./ / .L ___i! .| /. | ./,∧ i`ヽ } .! \ \./ / ∧、 \ / / | ! {' | .///∧ } / | |\ \./ ∧\ \. / / ! \\ |/////∧/ /_./! ! \ \ ∧ Y } 京太郎「衣……衣……?」ポロポロ 京太郎「うわぁぁぁぁ!!!!!」ポロポロ 320 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/01(日) 03 40 30.85 ID yRCJeZD00 [6/8] カンッ
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【インターハイ2日目】 竜華(眠れへん……) 京太郎(眠れねぇ……) 京太郎「ふぁぁあ」 咏「お、眠そうだねぃ」 京太郎「まあちょっとな」 京太郎「そうだ、咏、特訓しようぜ」 咏「いいけど、あんまり無理すんなよな」 京太郎「わかってるって」 京太郎「すぅ……」 咏「ロン、48000」 京太郎「はっ!」 京太郎「あれ、いつの間に飛ばされてたんだ?」 京太郎「昼飯、どうしよ」 京太郎「で、どこ行く?」 咏「うーん、そうだねぃ」 店員「ただいまスシロー全品100円セールを行っておりまーす」 咏「あれでいいんじゃね、知らんけど」 京太郎「寿司か……」 京太郎「金、持つかな……」 京太郎「咏って意外と食べるんだな」 咏「前も一緒に朝飯食ったろ」 京太郎「あのときは咏がへこんでたからあんまり食べてなかったような気が」 咏「そういえば裸見られたんだっけねぃ」 京太郎「あれは本当にすまなかった」 咏「いいよ、昔のことなんて」 咏「さ、食い終わったしどっか行こうぜ」 京太郎「おう!」 京太郎「三枚は少なかったかな?」 京太郎「午後はどうしようかな」 京太郎「一応宿舎に戻ってきたけど……」 京太郎「そうだ!遊びに行こう!」 京太郎「でも一人は寂しいから」 ――――――――――――――― 京太郎「竜華さん、怜さん遊びに行きましょう!」 怜「ええけど、遠出するのは嫌やな」 竜華「何する?」 京太郎「人生ゲームしましょう!」 怜「ボードは?」 京太郎「郁乃さんから借りてきました!」 竜華「3人だけでやるん?」 京太郎「もちろんじゃないですか!」 竜怜「「はぁ……」」 京太郎「あ、そうだ」 京太郎「1位の人が2位の人に1つ命令をして」 京太郎「1位の人と2位の人が1つずつ3位の人に命令するって言うのはどうですか?」 怜「ま、私の楽勝やな」 竜華「怜、あれ使ったらダメやから」 怜「えっ」 怜「私の勝ちやな」ドヤ 京太郎「まさかカジノで全勝するとは……」 竜華「ズルい!ズルいで怜!」 怜「勝った私が正義やもーん」 怜「ほな、命令タイムや」 怜「まずは京くんやな」 京太郎「な、何をすれば?」 怜「うーん……」 怜「膝枕」ボソッ 怜「膝枕よろしく」 京太郎「そんなのでいいんですか?」 怜「ええんや、よっと」 竜華「京くん……」ジトッ 京太郎「うっ、すみません」 竜華「何しとんの!膝枕いうたら頭なでなでもするんや!」 京太郎「そんなことだったんですか!?」 怜「京くん早く」グイグイ 京太郎「わかりましたよ」ナデナデ 怜「えへへ」 怜「少し硬いけど、アリやな」 竜華「で、ウチは?」 怜「そうやな……」 怜「私の耳を甘噛みしてもらおか」 怜「出来なかったら昨日のことバラすで」 京太郎「昨日のこと?」ナデナデ 怜「2人で仲良く混浴しとったこと」 竜華「なんで怜がそれを!?」 怜「そらわかるやろ、京くんの靴はあるのにどこにもいない」 怜「シャワー浴びとるとき、竜華はいつも鼻歌歌っとんのにやけに静か」 怜「今の反応からして私の推理は当たっとったみたいやな」 怜「さあ、どうする?」 竜華「ど、どうしよ」ボソボソ 京太郎「ヤっちゃえばいいんじゃないですか?」ボソボソ 竜華「でも、怜の耳なんて……///」ボソボソ 京太郎「あのことがみんなにバレたらどうなると思いますか?」ボソボソ 竜華「ぅぅ……」 竜華「わかった、やったる!」 竜華「いくで、怜」カプッ 竜華「ほ、ほうふぁ?」ハムハム 怜「く、くすぐったいからしゃべらんといて」 竜華(怜、いい匂いするなぁ……せや) 竜華(このくらい、ええやろ)ペロッ 怜「あっ、りゅ、竜華何を」 竜華(おいしいわぁ)レロレロ 怜「や、やめて……」 竜華(怜の首……) 竜華「……ぷはっ」 竜華「いただきまーす」 怜「んんっ!りゅ、りゅうかぁ……」 竜華(怜の首、白くて、やわらかくて、スベスベしとって)レロレロ 竜華(最高やぁ……)レロレロ 京太郎(静まってろ我が息子!いくら目の前でやられてるからといって焦っちゃいかん!) 怜「すぅ……」 京太郎「怜さん、寝てしまったみたいですね」 竜華「満足満足」 京太郎「それで、俺からの命令なんですけど」 竜華「わ、忘れとった……」 京太郎「腕枕させてください」 竜華「う、腕枕!?」 京太郎「はい、どうぞ」 竜華「う、うん……」 竜華(は、恥ずかしい!) 竜華(京くんと一緒に寝とるってだけでも恥ずかしいのに、腕枕て) 竜華(京くんも恥ずかしがってるんやろな)チラッ 京太郎「ぐぅ……」 竜華(寝とるんかい!) 竜華(全く、京くんは全く!) 怜「すぅ……」 京太郎「んぅ……」 竜華(ウチも寝よ) 京太郎「う、腕が動かねェ……」 京太郎「もう夜か」 京太郎「清澄……咲とモモのところは勝ったのかな」 京太郎「外食してくるか」 京太郎「昨日は宿舎ですませたんだよな」 竜華「……ん、京くんどこ行くん?」 京太郎「少し外へ」 竜華「そか、行ってらっしゃい」 京太郎「またまた来たぜ財布の味方サイゼリヤ!」 竜華「いっつも来とるん?」 京太郎「はい、いつもは相席なんですけど」 京太郎「今日は違うようです」 竜華「……あれ、ここ料理が残っとるけど」 桃子「きょ、京太郎!」 竜華「うわっ!」 京太郎「なんだ、モモか」 桃子「それはこっちの台詞っすよ」 桃子「その人は一体誰っすか?」 京太郎「この人は千里山の清水谷竜華さん」 桃子「ああ、個人戦の人っすか」 桃子「デートでもしてるんっすか?」 竜華「ち、ちゃいます!」 竜華「京くん、この子は?」 京太郎「俺の幼馴染の東横桃子っていうんですよ」 京太郎「清澄の部員です」 桃子「まさか京太郎が彼女を作ってたなんて意外だったっす」 桃子「あとで咲にも報告っすね」 京太郎「いや、恋人とかじゃないから」 メニュー 東北風グラタン 関東風ドリア 中部風カルボナーラ 関西風タコのカルパッチョ 九州風ハンバーグ 京太郎「それで、清澄はどうだったんだ?」 桃子「中堅戦で部長が飛ばして終わりっすね」 京太郎「モモたちがBブロックで俺たちはAブロック」 桃子「戦えるとしたら決勝で、っすね」 京太郎「おう、絶対負けんなよ」 桃子「そっちこそ」 竜華「2人とも仲ええなあ」 京太郎「怜さんと竜華さんみたいなものですよ」 桃子「そっちも十分仲良さそうっすけどね」 【2日目】終了 【インターハイ 3日目】 京太郎「明後日がとうとう初戦か」 京太郎「今日の試合で勝ったところと当たるんだよな」 京太郎「気にせず麻雀するか」 京太郎「ここが対局室か」 郁乃「お~京太郎くんええところに来たな~」 郁乃「ここで打たへん?」 京太郎「いいですけど、他の面子は?」 郁乃「咏ちゃんとエイちゃんと憩ちゃんやで~」 京太郎「郁乃さんは打たないんですか?」 郁乃「善野ちゃんと試合見に行くからな~」 郁乃「ほなよろしく~」 京太郎「勝手な人だな……さて」 京太郎「始めましょうか」 京太郎(北大阪地区予選、最高火力の咏) 京太郎(和了率全国一のエイスリンさん) 京太郎(そして昨年の個人戦2位の憩さん) 京太郎(相手にとって不足なし!) 京太郎(ってか凄すぎるだろこのチーム) 咏「うっし!」 エイスリン(テンパイ!) 京太郎(普通に負けそうな気がする) 憩(この2人は厄介やさかい) 憩(ちょっと様子見や) 咏「ロン!12000!」 東2局 京太郎 25000 親 エイスリン 13000 咏 37000 憩 25000 エイスリン「ウウッ……」 カキカキ 咏(ふっふーん、次は三倍満いっとくかねぃ)トン エイスリン「ロン、12000!」 エイスリン「フリダシ!」 東2局1本場 京太郎 25000 親 エイスリン 25000 咏 25000 憩 25000 憩(エイスリンさんはやっぱ凄いなぁ、でも)トン エイスリン「フフフ、ロン!」 憩(これで打ち止めや) 【白衣の護り】発動! 咏「お、それって」 エイスリン「24300!」 憩「……え!?」 東2局2本場 京太郎 25000 親 エイスリン 49300 咏 25000 憩 700 憩(聴牌……ここが使いどころやな) 憩(来て!) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「よっと」スチャ 憩(なるほど、今回はこれか) 憩(点数少ないんやけどなぁ) 憩「カンや!」 憩「嶺上ツモ、500・700」 東3局 京太郎 24500 エイスリン 48600 親 咏 24500 憩 2400 京太郎(あれ、か……) エイスリン(カケナイ) 咏(一向聴までは来てみたけど……) 憩「ツモ、1300・2600!」 憩(この3人、きっついわぁ) オーラス 京太郎 23200 エイスリン 47300 咏 21900 親 憩 7600 憩(2位浮上には最低でも跳満) 憩(一か八か)ピキーン 【孔穿つ閃光】発動! 憩(ダメや、次にかけよか) 憩(これで、最後……) 憩(今さらか……) 憩「海底ツモ、2000オール!」 オーラス1本場 京太郎 21200 エイスリン 45300 咏 19900 親 憩 13600 京太郎(ううむ、6400、点棒付けて6700) 京太郎(まくれないか……) 京太郎(でも咏や憩さんに和了られるよりはいいか) 京太郎「ロン!6700!」 終局 エイスリン 45300 京太郎 27900 咏 19900 憩 6900 京太郎「2位か、まああの面子相手によくやったよ」 京太郎「ん?天下一品?」 京太郎「確か大阪にもあったな、食べてみるか」 京太郎「そういえば昨日までは誰かと昼食べてたんだよな」 京太郎「久しぶりのぼっちか……」 京太郎「対策をしよう!」 京太郎「初戦の相手は……」 京太郎「埼玉代表の越谷高校、兵庫代表の剣谷高校、奈良代表の阿知賀女子」 京太郎「阿知賀は松実さんたちのいるところだっけな」 京太郎「対策は俺に任せろー」 京太郎「剣谷高校……何か感じるな、ここの対策をするか」 京太郎「持ってきてよかったパソコン、あってよかったネット環境」 京太郎「さてと、一応全部見てみるか」 ――――――――――――――――― 京太郎「目を見張るべきは副将戦の人、森垣さんか」 京太郎「このおもちはなかなかのなかなかだな」フム 京太郎「よし、対策開始!」 京太郎「森垣友香、剣谷高校一年生」 京太郎「帰国子女のおもちもち、っと」 京太郎「手の速さと高火力が目立つな」 京太郎「でも咏には劣るか?」 京太郎「捨て牌のくせ、組み方、よし」 京太郎「取りあえずレポート完成、憩さんにメールしておくか」 京太郎「対策は誰かと一緒に立てるのもありかもな」 京太郎「船久保さんとか霞さんとか、後は郁乃さんも良い対策を立ててくれそうだ」 夜 京太郎「霞さんにお願いしてみるか」 京太郎『対戦校の対策を立てたいのですが、手伝ってくれませんか?』 京太郎「こんな感じかな」ポチッ 竜華「京くん何しとるん?」 京太郎「ちょっとメールを」 竜華「じゃあ今風呂入らへんの?」 京太郎「はい、先いいですよ」 竜華「ほな入らせてもらうわー」 京太郎「竜華さんの入浴……」ゴクリ ヴーッヴーッ 京太郎「返ってきた」 霞『別にいいけど、いつやるの?』 京太郎「うわ、それを忘れてたか……どうしよ」 京太郎「今からは無理だし、明日の夜もな」 京太郎「午前だな、よし」 京太郎『明日の午前9時に対局室で会いましょう』 霞『了解よ、おやすみ』 霞『P.S.竜華ちゃんに手を出したらいくら京太郎くんでも』 霞『”容赦”しないから』 京太郎「なんでただのメールで」ガクガク 京太郎「こんなに怖いと感じるんだ」ガクガク 竜華「お風呂あがったで、京くんどうぞ」 京太郎「はい……」カタカタ 【3日目終了】 【インターハイ 4日目】 京太郎「ふぁぁ、今は……7時か」 竜華「ん……ときぃ……」ギュッ 京太郎「」 京太郎「竜華さんのおもちは離れがたかったけど、約束は守らないと」 京太郎「おはようございます!」 霞「あら、早いのね」 京太郎「時間ピッタリなんですが」 霞「京太郎くんのことだから1時間くらい遅れるかと」 京太郎「評価低すぎじゃないですか?」 霞「それで、誰の対策をするのかしら」 京太郎「松実宥さんにしようかと」 霞「ああ、宥ちゃんね。わかったわ」 霞「これが牌譜よ、あと一回戦の映像」 京太郎「誰でも郁乃さんなら大丈夫だと思いますが、一応」 霞「それで、どう思う?」 京太郎「混一色、清一色が多いですね」 霞「そうね、宥ちゃんはどうやら中や萬子が多く集まるようね」 京太郎「そんなことがあるんですか?」 霞「この牌譜と映像が証拠ね」 霞「それに、そんなオカルトはあり得るわ」 霞「私と対局するとき、急に一つの色の牌が来なくなるときとかなかった?」 京太郎「そんな、まさか……」 霞「このインターハイにはそんな子が何人もいるの」 霞「剣谷や越谷には少ないようだけれどね」 京太郎「オカルト、か」 京太郎「咲の嶺上も、モモのステルスも」 京太郎「麻雀とはなんなのか」 京太郎「そば屋に来てみたぞ」 京太郎「夏だからな、涼しいものを食べたい」 京太郎「ざるそばでいいよな」 京太郎「涼んだところで、午後はどうするかな」 京太郎「街に行こう」 京太郎「どこに行くかな」 京太郎「明治神宮に来てみたぞ」 京太郎「ん、あれは……」 哩「あの縄……縛られたかぁ」 姫子「鳥居に吊るされれば尚更よかとです」 哩「おお、流石は姫子」 京太郎「どんな話してるんですか」 哩「君は須賀君やなか!三倍満の!」 姫子「部長よく覚えとるとですね」 哩「あの三倍満は気持ち良かった」ゾクゾク 京太郎(この人たちがよくわからない) 京太郎「お2人は何をしにここへ?」 哩「神頼み」 姫子「インターハイ優勝できるようにってお願いしに来たとです」 京太郎「新道寺はAブロックでしたよね」 哩「須賀君のおる三箇牧もだろ?」 京太郎「なんで知ってるんですか?」 哩「あの後福岡に帰ってから調べたけん、北大阪の男子個人戦1位やって」 哩「須賀君、頼む!また私に打ちこんで!あの大きか直撃!」ドゲザ 姫子「私もお願いします!」ドゲザ 京太郎「ちょ、お2人とも立ってください!みんな見てますよ!」 哩「……」チラッ 姫子「……」チラッ 哩姫「「それもアリ!」」ドゲザー 京太郎「いやナシだよ!」 京太郎「あの2人は調子狂うな、ほんと」 京太郎「ただいまですー」 竜華「お帰りー」 怜「お帰りー」 京太郎「あれ、怜さん来たんですか」 竜華「今日は怜も一緒に寝るんやで」 京太郎「ああ、そうですか」 京太郎「じゃあお菓子でも食べましょうか……って」 京太郎「は!?」 京太郎「じゃあトッポでも食べますか」 竜華「支点、力点、作用点!やな」 京太郎「それはポッキーです」 竜華「うまいっ!」 怜「テーレッテレー」 京太郎「それもうチョコ菓子じゃありませんよ」 怜「いやーでも明日が三箇牧の初戦かー」 竜華「ウチらに勝ったんやから負けたら許さへんで」 京太郎「じゃあ俺はお2人にあんなことやこんなことをされるんですか」 怜「せやな、決めとかなあかんな」 竜華「あ、あんなことやこんなこと……///」 怜「京くんも頑張ってな、最後まで元気たっぷり、そう――――」 怜「このトッポのように!」ドヤァ 竜華「あんまし上手ないな」 京太郎「トッポはこんなに美味いのに」 怜「……」ジトッ 竜華「……」ジトッ 京太郎「すみませんでしたぁっ!」 【4日目】終了 【インターハイ 5日目】 京太郎「とうとう初戦か、気合入れないとな!」 京太郎「試合は10時からで、今は7時」 京太郎「なんかやるか」 京太郎「もう会場に行くか」 ――――――――――――― 京太郎「ここが三箇牧の控室だな」 京太郎「お菓子と、飲み物と」 京太郎「よし、これで準備万端だ!」 インターハイ女子団体戦Aブロック2回戦――――― 熱き戦いが今――――― 始まるッ! えり「さあ、インターハイもついに5日目、今日から二回戦が始まります」 えり「本日戦う8校のうち、準決勝進出を果たすのは4校」 えり「二回戦第二試合の各選手が対局室に向かいます」 えり「過去4回の出場は全て初戦敗退、今年ついに悲願の二回戦進出を果たしました埼玉県代表越谷女子、先鋒の新井ソフィア」 えり「全国屈指の激戦区兵庫県を勝ち抜き初戦では群馬と茨城を圧倒した劔谷高校からは、椿野美幸」 えり「そして奈良県代表、阿知賀女子学院、10年ぶり二度目の出場。先鋒は松実玄」 えり「前回出場時のエース選手赤土晴絵が監督を務めています。10年前はベスト8までいきました」 えり「そしてこの二回戦からついに登場するシード校は」 えり「過去34回出場、激戦区北大阪を連続で制していた千里山女子!!」 えり「―――を倒し、異例のシード権を獲得した、三箇牧高校!」 えり「先鋒を務めるのは、言わずと知れた昨年の女子個人戦チャンピオン」 えり「宮永照」 ―――――――――――――― 京太郎「ついに来ましたね!」 照「うん」 憩「ってまだ行ってなかったんかいな」 照「もう行くから、あと3分」 京太郎「それ絶対行かないパターンのやつでしょ」 照「…………」 玄(この人が、宮永照!) 美幸(せっかくここまで来れたのにこの人と当たるなんてやだよ、もー) ソフィア(どうやって勝てばいいんだ?) 照(他の人たちの目が怖い) 開局 親 宮永照 100000 ソフィア 100000 美幸 100000 玄 100000 ソフィア(チャンピオンは東1局で和了ることは少ない) ソフィア(今のうちに速攻でリードする!) ソフィア(って言ってもドラが無いから打点ひっくいな……) 玄(ドラはあるのに……)トン ソフィア(相手はチャンピオンなんだから、1000でも儲けもんだよな) ソフィア「ロン、1000」 照「………」 美幸「っ!」 玄「!?」 照(越谷は速攻型、劔谷はどちらかといえば防御) 照(阿知賀は……なんだこれ) 照(手強そうなのは阿知賀だな) 東2局 宮永照 99000 親 ソフィア 101000 美幸 100000 玄 100000 照(阿知賀はドラを捨てられない……) 照(試してみるか) えり「ここで宮永選手、三面張を取らず間張で聴牌」 玄(いきなり点取られちゃったよぉ……)トン 照「ロン、1000」 玄「はい……」 えり「今のはおかしな手順でしたね」 良子「宮永は待ちを悪い方にとってテンパイ、松実はドラを切らずに他の牌を切って振り込んだ、という手順のことですか?」 えり「はい、不思議というか、何というか」 良子「おそらく松実は何らかの縛りを受けている、今までの牌譜からはそのような傾向が見られる」 えり「縛り、ですか」 東3局 宮永照 101000 ソフィア 101000 親 美幸 100000 玄 98000 照(今日はエイスリンさんまで回るといいな……) 照(阿知賀の人、テンパイしてない) 照(よし) 照「ロン、2000」 玄(ま、またなのぉ……) 玄(でも、赤土先生に教えてもらった) 玄(宮永さんには、弱点があるって) 玄(まだまだ!) 東4局 宮永照 103000 ソフィア 101000 美幸 100000 親 玄 96000 京太郎「全然ドラが来ませんね」 憩「あの松実玄ちゃんに全部持っていかれとるみたいやな」 咏「あんなの相手にしたくないねぃ」 エイスリン「テル、ツライ?」 郁乃「せやな~ドラ無いと打点上げづらいからな~」 照「ロン、3900」 照(なんだっけ、この人の名前) 照(確か……新井ケフィアだっけ) ソフィア(いいえ、ソフィアです) 南1局 親 宮永照 106900 ソフィア 97100 美幸 100000 玄 96000 照(親、後ろにどんな人がいるか分からないし) 照(なるべく稼いどかないと) 照(平たくしたいけど……) 玄(うぅ……) 照(何でこの子がいつもアガリ牌持ってるんだろう) 照「ロン、7800」 南1局1本場 親 宮永照 114700 ソフィア 97100 美幸 100000 玄 88200 穏乃「玄さん大丈夫かな」 憧「こんなのもう制約とか関係無しに運が悪いとしか言えない」 宥「まだ、大丈夫だよ」 照「ロン、9900」 ソフィア「はい」 美幸(テンパイできてるのに、やだこれもー) 照(越谷の人、歌上手そうだな……) 南1局2本場 親 宮永照 124600 ソフィア 87200 美幸 100000 玄 88200 えり「流石はチャンピオン、今のところ5連続和了」 良子「阿知賀の松実に縛りがあるとすれば、宮永にも縛りはある」 えり「どういうことでしょうか?」 良子「彼女は和了る度に打点を上げている、例えばこの試合」 えり「ここまでの打点は1000-2000-3900-7800-9600ですね」 良子「次は少なくとも11600以上と予想できる、彼女はこれを毎試合行っているわけだ」 良子「わざわざ高目を見逃してロウな和了をしたり、これも一種の制約と考えられる」 良子「それがトゥルーならば、そろそろガタが出てくるはず」 えり「松実玄、ですか」 照「リーチ」 美幸(早すぎるよもー) ソフィア(安牌がさっぱりだ、クソッ)トン 照「ロン、12600」 南1局3本場 親 宮永照 137200 ソフィア 74600 美幸 100000 玄 88200 照(次は跳満、きついな) 照(阿知賀、おそらく次にまた戦うかも) 照(ドラを使わずにってすごい制限プレイ) 美幸(ずっと和了れないじゃんもー) ソフィア(抉られてんな……) 玄(全然テンパイできない……どうしよぉ、お姉ちゃん) 照「ロン」 玄「うっ」 照「18900」 ソフィア(そろそろ止めないと!) 美幸(でもどうやって……) 南1局4本場 親 宮永照 156100 ソフィア 78500 美幸 100000 玄 65400 同コンマのため、流局 南1局5本場 親 宮永照 157600 ソフィア 77000 美幸 98500 玄 66900 照(流れた……) 照(阿知賀がいい感じに止めてくれるかと思ったけど、まだ続けなくちゃなの) 照(はぁ……) 照「ロン、3000」 南1局6本場 親 宮永照 160600 ソフィア 77000 美幸 95500 玄 66900 えり「チャンピオン宮永止まらない!」 えり「流局してもなお攻め続けます!」 良子「流局で親が流れれば楽だったのだが、これではもうどうなるかわからないな」 照「ツモ、1600オール」 南1局7本場 親 宮永照 165400 ソフィア 75400 美幸 93900 玄 65300 照「ツモ、2000オール」 京太郎「これ、地区予選のときより酷くありません?」 郁乃「私に回ってくるかが不安やな~」 エイスリン「マタデバンナシ?」 憩「いやいや、流石に照ちゃんでもわかっとるやろ」 咏「そうだといいんだけどねぃ……」 南1局8本場 親 宮永照 171400 ソフィア 73400 美幸 91900 玄 63300 照「ロン、10200」 玄「はい……」 玄(まだ、みんなの点棒を守らなきゃ!) ソフィア(これがチャンピオン……敵うわけがないんだ) ソフィア(あははははははははははははは) 美幸(このまま友香ちゃんまで行くかな……) 照(いつまで続くんだこれ) 南1局9本場 親 宮永照 181600 ソフィア 73400 美幸 91900 玄 53100 照(次は9600辺り……阿知賀はカンドラとか裏も集めるのかな) 照「カン」 照「リーチ」 照(カンドラも河に無しって……) 照(じゃあ裏は……) 照「ロン、12300」 照(裏は、っと) 照(無いな……) 南1局10本場 親 宮永照 193900 ソフィア 61100 美幸 91900 玄 53100 照(10本場か、計算楽でいいな) 美幸(あと少しで届きそうなのにー!) ソフィア(次和了って20万点っておかしいだろ……) 照「ツモ、5000オール」 南1局11本場 親 宮永照 208900 ソフィア 56100 美幸 86900 玄 48100 美幸(チャンピオンを止める方法……!) 美幸「ポン!」 美幸「ポン!」 照(この人……) 美幸「まだまだあきらめないよーもー!」 美幸「ロン!1000の11本場、11!?」 美幸「11本場は4100!」 玄「はい……」 ワァァァァ えり「ついに宮永照の連荘が止まりました!」 えり「その長さ11本場!止めたのは劔谷高校椿野美幸です!」 郁乃「凄い歓声やな~」 京太郎「なんか悪役みたいですよね」 南2局 宮永照 208900 親 ソフィア 56100 美幸 91200 玄 43800 照(やっと終わったか……) 照「ロン、1000」 南3局 宮永照 209900 ソフィア 55100 親 美幸 91200 玄 43800 玄(劔谷の人が止めてくれた……この人は諦めてないんだ) 玄(私も、諦めない!もう振り込まないよ!) 照「ロン、2000」 ソフィア「はい……」 玄(よし!)フンス オーラス 宮永照 211900 ソフィア 53100 美幸 91200 親 玄 43800 ソフィア(後半ずっと私しか振り込んでないぞ……) ソフィア(あれ、後半長くね?どっから後半?) 照「ロン、3900」 えり「先鋒戦ついに決着ー!」 えり「三箇牧の先鋒宮永照の連続和了が他校を圧倒!2位とは12万点差をつけています!」 えり「劔谷高校は難を逃れ現在2位」 えり「越谷女子と阿知賀は拮抗状態となっています」 先鋒戦終了 三箇牧 215800 (+115800) 越谷女子 49200 (-50800) 劔谷 91200 (-8800) 阿知賀 43800 (-56200) 照「お疲れ様でした」 玄「ありがとうございましたぁ……」 美幸「おつかれっした、もー」 ソフィア「しんどいわー」 京太郎「ようやく、ですね」 郁乃「ほな行ってくるな~」 郁乃「なんとか飛ばさないように頑張るわ~」 咏「よろしく頼むねぃ」 京太郎「さて、俺も少し出るか」 京太郎「ふいー出た出た、照の試合長かったからなー」 良子「お、須賀くんじゃないか」 京太郎「あ、戒能さん」 京太郎「解説よかったですよ、わかりやすくて」 良子「そ、そうか、少し自信が無かったんだが……良かったか」 良子「センキュー、須賀くん」 良子「まだまだ頑張ってみるよ」 京太郎「早く終わっちゃいそうですけどね」 良子「そうだ!聞いてくれ!」 京太郎「な、なんですか」 良子「針生アナと連絡先を交換したぞ!」 京太郎「本当ですか!おめでとうございます!」 良子「リアリー感無量だ!」 ピンポーン 「間もなく次鋒戦が開始します」 「各選手は対局室にお集まりください」 ピンポンパンポーン 良子「おっと、もう行かなくてはいけないようだ」 良子「グッバイ」 京太郎「はい、頑張ってくださいね!」 良子「オフコースだ!」 ―――――――――――――― 宥(玄ちゃんの取られた点棒、お姉ちゃんが取り返すからね)ギュッ 郁乃「夏にマフラーか~変わっとるな~」 宥(この人が、赤阪さん……) えり「解説は引き続き戒能プロ、実況は私、針生が務めます」 えり「場決めも終わったところで、次鋒戦、開始です」 東1局 親 郁乃 215800 宥 43800 澄子 91200 花子 49200 花子(テンパイ来たか!) 花子「うっし、勝負!」 宥(テンパイできないよぉ……玄ちゃんもこんな感じだったのかな……) 郁乃(松実ちゃんはたしか白糸台行ったときにおったな~) 郁乃(まあ、あっちは一回も会っとらんから憶えとらんみたいやけどな~) 花子「ツモ、1600・3200!」 東2局 郁乃 212600 親 宥 42200 澄子 89600 花子 55600 花子「このまま!リーチだ!」 郁乃(越谷の子の次は阿知賀の子やな~) 郁乃(そういえば阿知賀っていうと……) 宥(テンパイできたぁ~) 宥(赤土先生のアドバイスを守って稼がないと) 澄子(なんだか調子悪いですね……) 澄子(先輩が守ってくれた点棒、私が増やしますよ)トン 花子「ロン、5200」 東3局 郁乃 212600 宥 42200 親 澄子 84400 花子 60800 宥(玄ちゃん……) 宥「リ、リーチ」 宥(私、頑張る) 郁乃(今度は松実ちゃんの番やで~) 郁乃(京太郎くんが言うには萬子と中が来やすい、やったっけ) 郁乃(姉妹揃っておもろいな~) 花子(三箇牧と劔谷はオリたか……) 花子(でもこの点差、まだまだ勝負!) 澄子(テンパイできない……もう嫌ですよぉ) 宥「ツ、ツモです!」 澄子(い、一発……親被り) 澄子(でも、役によっては!) 宥「8000・16000」 宥「九蓮宝燈…です」 澄子「」 東4局 郁乃 204600 宥 74200 澄子 68400 親 花子 52800 宥(玄ちゃん……できたよ)ギュッ 穏乃「宥さん凄い!」 憧「でも九蓮宝燈和了ったからテンパイできてないみたいだね」 灼「死なないといいけど」 玄「お姉ちゃあああん」ウワーン 晴絵(役満……流石は妹、と言ったところか) 晴絵(赤阪……) 澄子(役満親被りとか……ありえないでしょ) 澄子(私も頑張りますよ) 澄子「ツモ、1600・3200」 南1局 親 郁乃 203000 宥 72600 澄子 74800 花子 49600 えり「前々局、九蓮宝燈わ和了した松実宥またもやノーテン」 えり「そして三箇牧の赤阪郁代の単独テンパイです」 えり「彼女の過去の牌譜を見ると、役満を多く和了るようですね」 良子「それだけじゃない、彼女の入った卓では必ず役満を和了る者が出る」 良子「それが偶然なのか、彼女の特性なのかはわからない」 えり「そんな卓には入りたくないですよ……」 郁乃(一回も和了っとらんのは少しアレやから~) 郁乃「ツモ、3200オールやで~」 南1局1本場 親 郁乃 212600 宥 69400 澄子 71600 花子 46400 郁乃「ツモ、3300オール」 宥(また、頑張らないと……) 花子(三箇牧強すぎんだろ、どうなってんだよ) 澄子(こうしてどんどん地味になっていくんでしょうね) 南1局2本場 親 郁乃 222500 宥 66100 澄子 68300 花子 43100 郁乃(う~ん、ここまでやな~) 郁乃(ちょ~っとミスってもうたわ) 宥「リーチ」 えり「ここで松実、先制リーチをかけますっと……これは……」 良子「立直面清タンヤオ平和二盃口、三倍満」 良子「裏が乗れば、或いは――――」 宥「ツモ」 良子「一発ツモで、役満だ」 宥「8200・16200」 南2局 郁乃 206300 親 宥 98700 澄子 60100 花子 34900 穏乃「また役満!?」 憧「いやいや、有り得ないでしょ」 玄「お姉ちゃあああん!」ウワーン 灼「よしよし」 ――――――― 京太郎「役満2回目ですか……」 咏「前も2回だったねぃ」 憩「これ回ってくるんかな……」 宥「ツモ、4000オール」 南2局1本場 郁乃 202300 親 宥 110700 澄子 56100 花子 30900 郁乃(さ~てと) 郁乃「ここまでやで~」 花子(何言ってんだこいつ) 澄子(よほど配牌が良かったのでしょうか……配牌?) 郁乃「ツモ~」 郁乃「8100・16100やで~」 花子(えっなにこれは) 澄子(次元が違いますわ) 南3局 郁乃 234600 宥 94600 親 澄子 48000 花子 22800 郁乃(あ~やりすぎたな~) 郁乃(松実ちゃん張ってそうやから~)トン 宥「ロン、16000です」 郁乃「はいはい~」 澄子(さ、最後の親番が……) オーラス 郁乃 218600 宥 110600 澄子 48000 親 花子 22800 澄子(テンパイ…さっきまで粘りますよ!) 花子(劔谷折れねえな……こっちはテンパイできてねえってのに) 宥(玄ちゃん、点棒取り返したよ) 郁乃(あ~とは) 郁乃(無難に華麗に店じまいや~) 郁乃(店じまいの意味ちゃうけどな~) 澄子(これでオーラスに和了れば私も目立てるはずです!)トン 郁乃「ロン、6400」 郁乃「終わりやで~」 澄子「……え?」 えり「次鋒戦決着ー!」 終局 三箇牧 225000 (+9200) 阿知賀 110600 (+66800) 劔谷 41600 (-49600) 越谷 22800 (-26400) えり「阿知賀は最下位から一気に2位へ」 えり「和了りは役満、数え役満、倍満と圧倒的な火力」 えり「越谷、劔谷はともに順位を落としています」 えり「そして三箇牧はリードを保ちトップ、となりました」 えり「役満ツモが3回もありましたが、戒能プロはどう思いましたか?」 良子「どう考えたっておかしいだろこんなの」 えり「中堅戦は、休憩をはさんで開始です」 ―――――――――――― エイスリン「セイロン!」 照「正論」 憩「正論やな」 咏「このまんまだと飛んじまうけどいいんかい?」 エイスリン「ソレハダメ」 咏「んー、どうすりゃいいかわっかんねぇな」 咏「ま、てきとーにやってくるわ」 霞「行ってらっしゃーい」 照「そういえば、京は?」 憩「もう出て行ったで」 京太郎「俺も役満和了ってみたいなぁ……」 京太郎「と、菓子屋に到着だ」 京太郎「ん?あれは……」 郁乃「ほなまた後でな~」 ??「頑張ってな」 アリガトウゴザイマシター 郁乃「善野ちゃん元気そうでよかったわ~」 京太郎「ああ、今の人が善野さんですか」 郁乃「きょ、京太郎くん!?」 京太郎「郁乃さんが驚くなんて珍しいですね」 郁乃「な、なんでここに?」 京太郎「照に菓子買ってきてって言われたんで。あ、もちろん郁乃さんの分もありますよ」 京太郎「焼きプリンとかシュークリームとか」 郁乃「…………」 京太郎「郁乃さん?」 郁乃「そ、そっか~おおきにやで~」 郁乃「ほな私ちょっとお花摘み行ってくるわ~」 京太郎「い、郁乃さん?」 郁乃「ごめんな~」タッタッ 京太郎「何の話をしてたんだろう?」 郁乃(今の話、京太郎くんに聞かれたんかな……) ――――――――――― 咏「お、お前たしか浜名湖にいなかったかぃ?」トテトテ 憧「いたけど、それが?」テクテク 咏「ふ~ん、ま、今日はよろしくねぃ~」トテトテ 咏(やけに大人っぽいけど……) 憧(やたら小っちゃいけど……) 咏(こいつ、本当に高一かよ……) 憧(この子、本当に高一なの……?)
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1344119821/ 京太郎「俺は、強くなりたい」 京太郎「俺は県大会で皆の活躍を見ていたから」 京太郎「部長、染谷先輩、優希、和。そして…咲のように」 京太郎「皆と渡り合えるくらいに、混ざれるくらいに、強くなりたいんだ!」 京太郎「だから――」 ハギヨシ「……」 京太郎「――リーチ」 ハギヨシ(二半荘目は開局早々ダブリーですか…!) 京太郎「――一発ツモ。2000・3900」 ハギヨシ「!」 東2局 親 京太郎 京太郎(さっきのダブリーは偶然だ。あんなの、たまたま配牌で張っていただけに過ぎない) 京太郎(優希の打ち方にも憧れていたが、俺には不向きだな) 京太郎(だったら、これはどうだ…?) ハギヨシ(おや、聴牌が入りましたか。でしたら…) ハギヨシ「リーチ」 京太郎「ロン。7700」 ハギヨシ(23345mの形から5m切りで聴牌を取るこの打ち方は…!) 京太郎(確かにこれは部長の打ち筋だが、部長だったら鉄リーだ) 京太郎「ちょいと裏ドラを失礼……」 京太郎(同じ配牌、同じツモで部長が打ったら18000…ダブルスコアだ) 京太郎(皆と同じところまで、俺も……!) 東2局 一本場 親 京太郎 ハギヨシ(先に行った1回目の半荘の時よりも凄まじい闘気を感じる) ハギヨシ「あなたはもう…あの方々と同じ高みまでたどり着いたのではないですか?」 京太郎「…いや、まだだ」 京太郎「こんなもんじゃ皆には届かない」 京太郎「あの5人はすっげえ高いところで打ってる」 京太郎「幸運に恵まれただけの、今この瞬間だけバカヅいている俺なんかより、ずっと高いところで」 京太郎「今日のこの数半荘の内に同じところに立とうなんて、そんなこと思っちゃいませんよ」 京太郎「今の俺は…まだ高みの麓で、皆の真似事しか出来ないから――」 ガシャッ ハギヨシ「!」 京太郎「リーチ!」 ハギヨシ(このまま流れに乗せるとマズイですね) ハギヨシ「チー!」 京太郎(一発を消されたか……ん?) 京太郎「……ははっ」 ハギヨシ「もしや…ツモってしまいましたか?」 京太郎「いや、そうじゃないですが、まさか本当に真似事が成就するだなんて……今の俺は相当なバカヅキみたいです」 京太郎「カン!」 ハギヨシ「暗カン…!」 ハギヨシ(須賀様。あなたは先程今日中に同じ場所に立つことは不可能だと仰った) 京太郎「…カン!」 ハギヨシ(しかし、今日のあなたを見ていると…) 京太郎「もいっこ、カン!!」 ハギヨシ(それも可能ではないかと、思ってしまうのです) 京太郎「――ツモ!」 ハギヨシ(立直、ツモ、三暗刻、三槓子、嶺上開花、表のドラが3つ…) 京太郎「えっと、槓ドラをめくってくれますか?」 ハギヨシ「あっ、これは失礼しました…」 ハギヨシ「…!」 京太郎「咲の牌譜を見る限り、咲のカンは自分にドラが乗らないんです」 ハギヨシ(槓ドラが…) 京太郎「……この瞬間だけ咲を超えれたような気がします」ボッ ハギヨシ(……十二) 京太郎「今日はありがとうございました」 京太郎「俺、自分がなんで麻雀部にいるのか忘れていました」 京太郎「俺が麻雀部にい続ける理由、それは…」 京太郎「皆と並ぶこと、皆のように強くなることだったんだ」 ハギヨシ「…須賀様」 京太郎「はい?」 ハギヨシ「そんなに謙遜なさらないほうがいいと思いますよ」 京太郎「へ?」 ハギヨシ「あなたならきっと、並ぶことはおろか、超えることだって可能です」 京太郎「えっ…。でもあの嶺上開花はたまたま和了れたんであって、あの後は良いとこ無かったじゃないですか…」 ハギヨシ「…そんなことはありませんよ。須賀様ならいつかきっと――」 ハギヨシ「――宮永様を超えることが出来るはずです」 京太郎「え…宮永様って…!別に、咲ばっかじゃなくてっ…」 ハギヨシ「そうですか?あの数え役満以降、和了の八割が嶺上開花ではなかったですか」 京太郎「あっ、あれは、たまたまですって!」 ハギヨシ「嶺上開花はたまたま八割出現するものではありませんよ。意識していなければ成すことの出来ない和了です」 ハギヨシ「須賀様は宮永様を強く意識していらっしゃるようですね」 京太郎「意識って…だからそんなんじゃないですってば!」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343554133/ 京太郎「はあ、麻雀もの……でも俺麻雀打てないんですけどいいんですか?」 監督「大丈夫、君は初心者という設定だからね」 京太郎「ならいいんですけど……麻雀がテーマじゃあかわいい女の子は期待出来ないな~、な~んてハハハ!」 監督「ああ、それは大丈夫。この企画書を読んでみてくれ」 京太郎「どれどれ……む!?」 京太郎「こ、これ出てくるの女の子ばっかりじゃないですか!」 監督「少女たちが麻雀で闘う話なんだよ。それもかわいい子がいっぱいだ」 京太郎「しかも俺の役は、主人公の『宮永咲』が居る清澄高校麻雀部唯一の男!?」 京太郎「主人公とイチャイチャしながら他の女の子ともイチャイチャできる最高の役じゃないですか!!」 監督「あ、ああ……」 京太郎「主人公は最強で、俺は初心者という設定……これも後々何かありそうだ!」ワクワク 監督「う、うむ……」 京太郎「今まで、頑張って来て良かった……監督、俺頑張りますから!!ありがとうございます!それじゃ!」ガチャ 京太郎「やったーー!!」 プロデューサー「監督!やっぱりこの役は他の人に!彼が可哀想過ぎます!」 監督「俺だって……だが、あの嬉しそうな笑顔を見たらもう何も言えないじゃないか……」 プロ「あんな好青年に……こんな事って……!」 監督「須賀くん……すまない……!」 京太郎「こんにちは!須賀京太郎です!」 咲「あ、はじめまして!咲です!よろしくお願いします」 京太郎(か、可愛い!!この娘が主役の咲ちゃんか~、ドキドキ) 和「和です、よろしくお願いしますね!」 京太郎(こ、この娘も可愛い!む、胸が……oh) 優希「優希だじぇ!よろしくなー!」 京太郎(元気な娘だな、何かこっちまで元気になるぜ!) まこ「染谷まこじゃ、よろしくな」 京太郎(やっぱり眼鏡の子も居た!可愛いな~) 久「部長役の竹井久よ、よろしくね須賀くん」 京太郎(び、美人だ……!クールな雰囲気……!イイ!) 京太郎「これからよろしくお願いします!」 京太郎「ふぅ~……最初だから緊張したけど、上手く行って良かったぜ!!」 京太郎「俺が和を見て妄想するシーンで咲が嫉妬してたのがすっげー可愛かったな……」 京太郎「タコスの奴は何故かしらんけど俺に懐いたし、先輩方も優しい」 京太郎「こんないい役くれた監督にはいくらお礼を言っても足りない位だぜ!」 京太郎「これから出番も増えてくだろうし、俺も麻雀打てる様にならなきゃな!」 その頃 監督「素晴らしいスタートだった」 プロ「……はい」 監督「そろそろ次の打ち合わせ……行ってくる……」 プロ「くっ……」 監督「君は、これから開催される大会には出られない」 京太郎「えっ!?な、何故?」 監督「団体戦は男子が君しか居ないから……それに、個人戦は」 京太郎「あ~そうか、俺初心者ですもんね、個人戦で負けちゃうのは当たり前か」 監督「ああ……君には悪いが……」 京太郎「何で謝るんですか~!俺にはみんなの応援という仕事があるじゃないですか!」 監督「む……」 京太郎「出番が無い時は麻雀でもやってますよ!」 監督「あ、ああ」 京太郎(じゃあ俺はしばらくは完全に咲たちのサポート役ってわけか……俺が麻雀で活躍するのはまだ先になりそうだな) 予選終了 京太郎「しばらく大会が続いたな……俺の出番も買い出しばっかりやってた気がするぜ」 京太郎「咲たちが全国行けて本当に良かったな~、でも最近咲が麻雀頑張ってるからあんまり話せなかったのは残念、なんて」 京太郎「しかし全国の壁は高く厚い!メンタル的にも厳しくなるから、俺がみんなの助けになるぜ」 京太郎(それに!明日からは待ちに待った合宿!) 京太郎(しかも他校の女の子たちと一緒だぜ!こりゃ~ハプニング満載の予感……おっとイカンイカン) 監督「すまん、ちょっといいか……?」 京太郎「おっ!打ち合わせですね!」 京太郎「えっ……留守番……?」 監督「……そうだ」 京太郎「そんな……俺、もしかしてミスしましたか!?」 監督「そんな事は無い!君はよくやってくれているよ……これは決定事項なんだ」 京太郎「そ、そんな……そうだ、買い出し役は!?タコス買わないと面倒な事に」 監督「大丈夫、タコス買い出し班は既に設置してある」 京太郎「じゃ、じゃあ咲は!?こういうのには甘酸っぱいイベントの一つや二つ付き物でしょ!」 監督「それも……間に合っている」 京太郎「」 監督「君は留守番の間、龍門渕のハギヨシ君と麻雀でもやっていてくれ……」 京太郎「」 京太郎「そうだよな……全国前の大会といったら真面目な話だよな……エッチなハプニングなんて起こしてられないもんなあ……」 京太郎(甘酸っぱいイベントが間に合ってるって何だよ……恋のライバルが現れるのか?) 京太郎(別の男と咲を争うなら、それはそれで美味しいが……何か引っかかる) 京太郎(何か嫌な予感がする……もしかして俺、この作品についてとんでもない勘違いをしてるのか……?) その頃 監督「いいかい、君はこの合宿で咲ちゃんに一気に接近するんだ」 監督「名前で呼び合う約束をする、いいね?」 和「は、はい/////」 (ついに宮永さんと名前で呼び合うのですね……感激です/////) ハギヨシ「どうなさいました?須賀さん?」 京太郎「あの……『咲-saki』とはどういう作品なのか教えてくれませんか」 ハギヨシ「っ……何故です?」 京太郎「いえ、大した事じゃ……ただ、確認しておきたいんです、この作品が、一体どんな作品なのか」 ハギヨシ「……わかりました、これを見てください」ガチャ 京太郎「この映像は……?」 ハギヨシ「須賀くんが見ていなかった部分の咲!咲-sakiの全てです!」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「えっ何これは」 京太郎「俺がいない所で女の子たちがキャッキャウフフしてるんだけど……」 京太郎「しかも一部ただの友情というには厳しいシーンもあるんだけど」 京太郎(???) ハギヨシ「須賀くん……くそっ!こんな事って……!!」 京太郎「ゆ、百合……百合シーンがあるのは判るぜ」 京太郎「そういう需要はあるし、これだけ女の子が入れば尚更だ」 京太郎「和にそっちのケがあるのはまあいいだろう(良くないけど)、問題は……」 京太郎「俺全然出てなくね?」 ハギヨシ「須賀くん……もういい、もういいんだ!麻雀やろう!麻雀!」 プロ「知ってしまったね……」 京太郎「プロデューサーさん、これは……」 プロ「咲-sakiは、君と咲ちゃんとの甘酸っぱい恋愛とちょっとエッチなハプニングと、そして熱い麻雀の漫画」 プロ「そう思っていたんだよね?」 京太郎「……はい」 プロ「熱い麻雀は間違ってない」 京太郎「……」 プロ「咲ちゃんとの甘酸っぱいイベントも、あるにはある」 ハギヨシ「相手は須賀くんでは無いじゃないですか!」 プロ「……」 プロ「だが私たちは嘘は言っていない……そうだろ?」 ハギヨシ「じゃあ!須賀くんの企画書は何ですか!騙す気マンマンじゃないですか!!」 『麻雀初心者の須賀京太郎が何気なく部活に誘ったクラスメイト宮永咲は、天才麻雀少女だった!?』 『無名な清住高校麻雀部が全国を目指す青春ストーリー!』 プロ「何一つ嘘ではないだろう?主人公が須賀くんとは一言も書かれていない」 ハギヨシ「くっ……」 京太郎「ハギヨシさん……もういいですよ……」 プロ「わかったね?君はもはや居ても居なくても変わらない端役なんだ」 ハギヨシ「この野郎……!」 プロ「ハギヨシくん……君はちゃんとして貰わないと、龍門渕のみんなも困ってしまうぞ?」 ハギヨシ「う……」 プロ「じゃあ僕は打ち合わせがあるからこれで」ガチャ 京太郎「…ハギヨシさん、ありがとうございました」 ハギヨシ「すみません、大声をあげてしまいました……」 京太郎「いや、俺嬉しかったですよ!俺の勝手な勘違いなのに俺の為に怒ってくれて」 京太郎「今日は俺、帰りますね!お邪魔しました!」 ハギヨシ「須賀くん……」 プロ「……須賀くんに言ってやりましたよ」 監督「そうか……」 プロ「彼、辞めてくれるでしょうか」 監督「彼にこのまま出演してもらうのはあまりに偲びない……他の人に代わってもらおう……」 京太郎「辞めませんよ」 監督「!」 プロ「!」 プロ「な、何でここに」 京太郎「いや、プロデューサーさんがあんな冷たい事言うなんて何か裏があるんじゃないかーって、へへへ」 監督「いいかい、君はもはやこの作品に居る意味は無いんだ!ただの背景、空気なんだぞ!君にそんな所で終わって欲しく無い!」 プロ「そうだ!君の頑張りならみんな知ってるし、今なら他の作品でやり直す事だって……」 京太郎「確かに、分かった時はショックでした。でも、別に俺は目立つキャラでも、咲の恋人役で無くてもいいんですよ」 京太郎「そういうのに憧れてて、なれたと思った時は嬉しかったです」 京太郎「でも、清澄のみんなと一緒に部活して、買い出しに行って、応援して……楽しかった」 監督「予選ではそれでも良かったかもしれないが、しかし、全国ではそれすらほぼ映らなくなるんだぞ!」 京太郎「違うんですよ」 京太郎「俺が嬉しかったのは、咲たちが泣いたり笑ったりしてるのを、一緒に共有出来ることなんです」 京太郎「姿は出てこなくても、セリフは無くても、俺はそこに居て、みんなと同じ時間を過ごしてる。最高じゃないですか!」 監督「き、君は……」 京太郎「みんなは百合百合してるからそういう意味じゃ一人だけど、逆に言えばそれを間近見られる、これって役得ですよ!」 プロ「……」 京太郎「それに監督やプロデューサー、ハギヨシさんっていう友達も出来ましたしね」 京太郎「お二人が俺の事を心配してくれてたのがとても嬉しいです」 ガチャ 咲「ただ今戻りましたー!あ!京ちゃん!」 タコス「サボりとは感心しないじぇ~!」 京太郎「よう、お帰り咲いいててて!いきなり何だよタコス!」 咲「京ちゃん、みんな部室で待ってるよ!行こ?」ニコッ 京太郎「ん?おお、そうだな。じゃあ監督、プロデューサーさん、俺はここで」ガチャン 監督「……彼を選んで良かったなあ」 プロデューサー「……そうですね」 ついに清澄高校麻雀部は全国大会に出場した そこでは様々なドラマが生まれたという しかし京太郎の姿は一度も出てこなかった タコス「うう……決勝緊張するじぇ……」 久「大丈夫よ、深呼吸して」 まこ「いつも通りじゃ!」 和「優希、ファイトですよ!」 咲「優希ちゃん、頑張って!」 だが咲ファンはみな覚えていた 部を影で支え続けた、もう一人の主人公を 京太郎「負けんなよ!タコス!」 おわり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342270571/ 久「みんな、団体戦お疲れ様」 咲「はい、何とか優勝できてよかったです」 和「全国に向けて、さらに頑張りましょう」 まこ「その前に個人戦もあるがの」 優希「おー! この勢いで個人戦も代表取るじぇ!」 京太郎「……おう、頑張れよ!」 優希「京太郎、お前も一回くらいは勝ってみせるじぇ!」 京太郎「…………」 京太郎(はぁ……みんなは県大会優勝か……) 京太郎(きっと個人戦も、誰かは代表を取るだろう……それにひきかえ俺は……) 京太郎(自分なりに勉強はしてるつもりだし、時々みんな相手でも2位くらいなら取れることもある) 京太郎(だが……やっぱり咲みたいな力はない) 京太郎(これが才能なのか……? 俺はどんなに頑張っても、凡人の雑用係で終わるのか……?) 京太郎(みんなはあれほど活躍しているのに、俺は……) 京太郎(このまま……) 京太郎(このまま、終わりたくねぇ!) 優希「……一発ツモだじぇ!」 まこ「ふぅ、やはり東場は優希には勝てんのう」 優希「京太郎、タコスを買ってくるじぇ!」 京太郎(俺にも……) 咲「ツモ、嶺上開花です」 和「うぅ、またですか……」 久「絶好調ね、個人戦も期待できるわ」 京太郎(俺にも、あんな力があれば……!) ……… …… … ハギヨシ「失礼します、衣様」 衣「ハギヨシか、何用だ」 ハギヨシ「それが、衣様にぜひとも面会したいという客人が……」 衣「む……こんな夜にか。一体何者だ?」 ハギヨシ「それが、どうやら清澄麻雀部の方のようです。須賀京太郎と名乗っていました」 衣「清澄の……?」 ハギヨシ「いかがいたしましょうか?」 衣「……面白い、通せ」 京太郎「……そういうわけで天江さん、お願いします。その力の秘訣を教えてください」 衣「話はわかったが……なぜ、そこまでして強さを求める」 衣「お前は決して、清澄の麻雀部を退屈に感じていたわけではなかったのだろう?」 京太郎「……確かに、以前はそうでした。雑用は大変だったけど、嫌ではありませんでした」 京太郎「でも、気付いてしまったんです。自分が、みんなから取り残されているって」 京太郎「俺も……みんなに認めてもらいたい。一緒に戦いたい。そのために、勝ちたいんです」 衣「……そんなことをしなくとも、他の部員はおそらく今でもお前を認めて……」 京太郎「でも、それは麻雀の強さで……ではない」 衣「……呆れたものだ。結局のところ妬みや嫉みではないか」 衣「そのような感情で強くなったとしても、お前の幸福に結びつくとは思えぬ」 京太郎「それでも……お願いします、天江さん」 衣「…………」 衣「……長々と話してから申し訳ないが、衣の力は気付いたら身についていたもの」 衣「決定的なアドバイスを送ることはできない……せいぜい、もしかしたら程度だ」 京太郎「かまいません」 衣「京太郎と言ったな。お前は、麻雀を打つ時に何か覚悟はあるのか?」 京太郎「覚悟……ですか?」 衣「今までずっと負け続きなのだろう。だから『今度もどうせ負ける』『負けて当たり前』と思ってないか?」 京太郎「…………」 衣「勝つ気のない者に道は開けぬ。まず、勝つ気を持つことだ」 衣「たとえば……勝つための制約、目標、条件……など、様々なことを考えてみよ」 衣「思えば衣も……不自由と引き換えに、雀力を得たのかもしれぬな」 京太郎「……勝つための……」 京太郎(…………!) 衣「む、何か考え付いたようだな」 京太郎「……はい」 衣「ならば、もう衣の助言は必要なかろう……せっかく来たのだ、一局ほど打っていくか?」 京太郎「いいんですか?」 衣「問題ない、ちょっとした戯れだ。ではハギヨシ、卓へ案内せよ」 ハギヨシ「かしこまりました。皆様もお揃いです」 純「……弱い……」 智紀「……弱い……」 一「……弱いね……」 透華「……弱いですわ……」 京太郎「……これが今の俺の、全身全霊の力です。皆さんの足元にも及ばない、これが」 京太郎「でも……やってみせますよ。すぐに、強く……そう、天江さんよりも……」 衣「……ほう、ずいぶん大きく出たな」 京太郎「天江さん、皆さん。ありがとうございました」 京太郎(天江さんと話して、収穫はあった) 京太郎(強くなるための、覚悟……勝つための制約、目標、条件……俺にはそれが欠けていた) 京太郎(優希はタコスを食べることで、東場に圧倒的な力を発揮する) 京太郎(あれはもしかして『タコスを食べなければ力が出せない』という制約を無意識に作ってたのでは?) 京太郎(咲は『勝つことも負けることも許されない』という条件に縛られることで、プラマイゼロや嶺上の力を得たのでは?) 京太郎(なら俺も、何かを食べなければ力が……いや、俺の雀力じゃそれでは生ぬるい!) 京太郎(もっと、強い覚悟が必要……そう……) 京太郎(何かを、犠牲にするような) 京太郎「おはよう、咲に優希」 咲「おはよう、京ちゃん」 優希「あ、のどちゃんもあそこにいるじぇ!」 咲「おはよう、原村さん」 和「おはようございます。優希、宮永さん……須賀君もご一緒ですか?」 京太郎「……ああ。じゃあ教室行くから」スタスタ 和「あ……須賀君?」 優希「京太郎の奴、ずいぶんそっけないじぇ。咲ちゃん、何かあったのか?」 咲「さ、さぁ……」 久「それじゃ、今日も打つとしますか」 優希「おー! タコスも水も準備かんりょ……あっ、手が滑ったじぇ!」バシャッ 和「きゃあっ!」 優希「うわっ、のどちゃんのおっぱいがスケスケだじぇ!」 咲「きょ、京ちゃん、見ちゃダメぇーっ!」 京太郎「……始めましょうか。和は着替えてきな」 久「……へ?」 優希「ど、どうしたんだじぇ京太郎!? のどちゃんのおっぱいだじょ!?」 京太郎「個人戦も近いんだ。時間は無駄にできない、それだけのことだろ」 和「す、須賀君……?」 まこ「……な、何があったんじゃ……」 久「須賀君が、和に興味を示さないなんて……雪でも降るのかしら……」 久「ふぅ、そろそろ終わりにしましょうか」 まこ「京太郎やるのぅ。今日はわしらといい勝負だったぞ」 京太郎「いい勝負……ですか?」 優希「京太郎もたまには勝つ時もあるのか、なかなかやるじぇ」 京太郎「……いい勝負じゃ、駄目なんだよ……」 咲「え? 何か言った?」 京太郎「……お先に失礼します。では」 京太郎(……和……) 京太郎(俺は、お前が好きだった。でも今は……それ以上に、麻雀が強くなりたい) 京太郎(麻雀と比べれば、恋心などチンケなもんだ。俺はもう、お前に一切興味を示さない) 京太郎(でも……まだまだ足りない。男子のレベルは高いんだ) 京太郎(みんなといい勝負程度じゃ駄目だ……和だけじゃ足りない。まだまだ、何かを捨てないといけない) 京太郎(最後に一体、俺に何が残るのか……いや、今は考えるのはよそう) 京太郎(……さよなら、和……) 咲「……ねぇ京ちゃん、最近やっぱりおかしいよ」 京太郎「……そうか?」 咲「そうだよ。クラスの友達とも全然遊んでないじゃん」 咲「原村さんとも……優希ちゃんとも、染谷先輩とも、部長ともあまりお喋りしなくなったよね」 京太郎「気のせいだろ」 咲「嘘だよ……京ちゃん、何か隠してない?」 京太郎「…………」 京太郎「ツモ……4000オール……」 優希「ま、また京太郎の勝ち……?」 久「……凄いわね、下手したらもう咲や和よりも強いんじゃないの?」 まこ「京太郎、一体どんな特訓をしたんじゃ?」 京太郎「別に、大したことは……はぁっ……してません、よ……」 和「須賀君、大丈夫ですか……? 具合悪そうですが……」 久「でも、これなら個人戦でもかなりのところまで……」 京太郎「かなりのところ……? 俺は優勝以外、考えてない」 京太郎「そう、勝たなきゃ駄目なんだ……勝って、優勝しなきゃ……」 咲「きょ、京ちゃん……」 京太郎「そうだ部長……俺、少なくとも個人戦が終わるまでは……もう、部活には来ませんから」 久「えぇ!? な、何言ってるの!?」 京太郎「ご心配なく……雑用はメールででも連絡していただければ、ちゃんとやりますんで」 まこ「京太郎、やっぱりお前さん最近変じゃぞ!」 久「須賀君……どうして……」 京太郎「……麻雀部は、俺にとって大切なものなんです……」 久「だったら……」 京太郎「だからこそ、来ちゃ駄目なんです……それじゃ、また大会で……」 優希「京太郎……一体どうしたんだじぇ……」 咲「…………」 京太郎「ぐっ……はぁ、はぁ……」 京太郎「ここ最近、ずっと体が重い……息が苦しい……」 京太郎「やっぱり……急激な強化に、体がついてこれなかったか……」 京太郎「だが大会は、もう近い……何とか、もたせないと……」 京太郎「…………」 京太郎「……今夜は、満月か……」 京太郎「行って、みなければな。龍門渕に」 京太郎「……ロン、2000点」 衣「なっ……」 純「ば、馬鹿な……」 智代「満月の、衣に勝った……」 一「それも、つい最近まで初心者だったのに……」 京太郎「ぐぅっ!」 透華「ちょ、ちょっと大丈夫ですの!?」 京太郎「……いえ、問題ありません……」 衣「それほど急激に強くなり、それほど体を酷使し……」 衣「京太郎……お前は、一体どれほどのものを犠牲にしたのだ……」 京太郎「…………」 衣「そこまでして得る勝利に……一体、何の意味があるというのだ」 京太郎「……天江さんには、わかりませんよ。凡人の、苦悩は……」 京太郎「俺は、ただ……みんなと一緒に、戦いたいだけです」 衣「京太郎……」 京太郎「天江さん、皆さん。お世話になりました」 京太郎「絶対に……代表、取ってきますんで」 衣(…………) 衣(須賀京太郎……あの強さは本物だ) 衣(このまま頂点へ駆け上がるか、地獄の業火に焼かれるか……衣にも分からぬ) 衣(だが……お前は言っていた。みんなと一緒に、戦いたいだけだと) 衣(京太郎……気付いているのか?) 衣(どの道を歩むにせよ、そこには……お前の望む『みんな』はいないということに) 京太郎「個人戦まで、あと三日か……」 京太郎「はは……もう、学校からの帰り道すらもきついな……」 京太郎「だが、勝たなきゃ……勝って、みんなに……」 京太郎「…………」 京太郎「……よぉ、どうした?」 京太郎「この時間は……部活じゃ、ないのか?」 咲「……部活よりも、京ちゃんが心配だよ」 京太郎「俺のことは……心配ない。勝って、みせるさ……」 咲「どうしたの……学校でもずっと一人だし、顔色だって……」 京太郎「でもさ……俺、強くなっただろ。優勝、狙えるくらい……」 咲「……強くなんか、ならなくていいよ。私は、いつもの京ちゃんが戻ってきてくれれば」 京太郎「……駄目だ。俺は、勝たなきゃいけない」 咲「どうして、そこまでして勝ちたいの!」 京太郎「……咲には、わからないだろうな。力のある咲には……」 京太郎「みんなに、取り残された者の気持ちは……」 咲「……京ちゃん……」 個人戦当日 久「さて、集まったかしら」 優希「みんなで代表取るじぇー……って、あれは……」 まこ「……京太郎?」 京太郎「はぁ、はぁ……ひ、久しぶり……みんな」 和「須賀君……どうしたんですか? 真っ青ですよ……」 京太郎「だ、大丈夫さ……今日一日だけ、もたせてみせる」 京太郎「それより…部長、お願いがあります」 久「お願い?」 京太郎「もし女子の部が終わって、俺がまだ勝ち残っていたら……見てください」 京太郎「どうしようもなく弱くて、いつもみんなの遥か後ろを歩いていた……俺の、戦いを」 咲「……京ちゃん……」 久「……わかったわ。でも、無理しちゃ駄目よ」 京太郎「ありがとうございます……それじゃ、みんなも頑張れよ……」 優希「京太郎……なんなんだじぇ……」 久「今は……私たちも、目先の大会に集中するしかないみたいね」 まこ「……じゃのう」 和「あれ……宮永さんは?」 京太郎「…………」 咲「京ちゃん!」 京太郎「……何だ、咲。女子の会場は向こうだぜ」 咲「戻って、来るよね……」 京太郎「…………」 咲「いなくなったり……しないよね……」 京太郎「……ははっ、当たり前だろ。じゃないと誰が、お前の面倒見るってんだよ」 咲「……京ちゃん……」 京太郎「もう行くぜ。お前も……勝てよ、咲」 咲(京ちゃん……) 咲(京ちゃんは、ああ言ったけど……私はやっぱり、今の京ちゃんには勝ってほしくないよ) 咲(ただ、いつもみたいに……私の隣で、笑っていてくれれば) 優希「お昼だじぇー!」 和「部長、このご飯は……」 久「須賀君が買ってきてくれたのよ……頼んでないんだけどね」 まこ「……あんな状態でも、本来の仕事は欠かさないってことかの」 咲「あの……京ちゃんの、様子は……」 久「さっき男子の部を見てきたけど……一応、勝ち進んではいるわね」 和「一応……というのは?」 久「……フラフラだったわ。それこそ、今にも倒れそうなくらい」 優希「きょ、京太郎……やっぱり風邪なのか?」 久「……風邪なら、まだいいんだけど……それ以上の、何かのような気がしてならないのよ」 久「今は……何とも言えないけど」 咲「…………」 京太郎(麻雀部も、友人も……) 京太郎(この日のために、全てを犠牲にしてきた……) 京太郎(みんな、負けるんじゃないぜ……俺も必ず、そこへ……) 京太郎(たとえ……) 『それでは、男子個人戦の一回戦を始めます!』 京太郎(この体が、壊れようと!) 京太郎「げほっ、げほっ……」 京太郎「苦しい……あと、何回戦えば……」 京太郎「いや……何回だろうと、関係ねぇ」 京太郎「十回だろうと、二十回だろうと……」 京太郎「立ち塞がる奴は……全員、倒してやる!」 優希「咲ちゃん、のどちゃん。代表おめでとうだじぇ」 和「ありがとうございます、優希」 まこ「部長も惜しかったのう」 久「残念ながら、届かなかったわね。ところで……男子の方は?」 まこ「……最後の半荘のようじゃ。ここで勝てば……京太郎が、代表じゃ」 久「そう……あの、須賀君が……」 優希「あんなに弱かった京太郎が、あと一勝で代表……」 まこ「信じられんのう……」 和「……みなさん、男子の会場に行ってみましょう。スクリーンで様子も見られるでしょうし」 咲「……うん……」 京太郎(みんなは……勝ったのか? いや、勝ったに決まってるな) 京太郎(俺も、すぐそこだ。驚いたかみんな、あの弱っちい男が今や全国目前だぜ) 京太郎(絶対に勝って、みんなと全国に……) 京太郎(あと一半荘なら……きっと体の方は、何とかなる……いや、何とかしてみせる……) 京太郎(だが今回に限っては、別の問題があるようだ) 京太郎(それは……) 「狂気の沙汰ほど面白い……」 「傀……と、呼ばれています。よろしくお願いします」 「さて……打(ぶ)つか」 『さぁ、ついに男子の部も最後の半荘!』 『赤木選手、傀選手、阿佐田選手、須賀選手! 代表の切符を手にするのは誰だ!』 京太郎(相手が、今の俺でも……勝てるかどうかわからない、化け物揃いだってことだ) 京太郎(いいぜ……やってやるよ!) 傀「御無礼、ロンです」 哲也「これで南入だな」 京太郎「く……12000か。げほっ、げほっ……」 赤木「ククク……病院にでも行った方がいいんじゃねえのか?」 京太郎(さすがは決勝まで勝ち進んだ猛者……とても同じ、高校生とは思えない……) 京太郎(今の俺でも……敵いはしないのか?) 京太郎(ここまで、なのか……?) 優希「京太郎、押されてるじぇ……」 まこ「それより、今にも倒れそうじゃ……」 咲「京ちゃん……」 衣「……清澄よ。あの男の様子はどうだ」 和「あ、あなたは……」 久「天江さん……なぜ、ここに?」 衣「む……そうか、勝ち進んでおるのか……馬鹿者め、無茶をしおって……」 まこ「お前さん……何か、知っとるんか……?」 衣「……京太郎は以前、衣を訪ねてきたのだ」 和「……そんなことが」 まこ「何考えとるんじゃ、あいつは! そんなことをして手に入れた強さに、何の意味がある!」 咲「……それでも、京ちゃんは勝ちたかったんです。私たちの、ように」 久「咲?」 咲「京ちゃんは、ずっと苦しんでいました。自分だけ、麻雀が弱いということに」 咲「団体戦で、優勝した時も……自分ひとりだけ、輪の外にいるような気分だったんだと思います」 咲「私は……」 咲「私は、京ちゃんのことを忘れたことなんか……一瞬たりともなかったのに」 和「宮永さん……」 『ついにオーラス、最終盤だ! トップは傀選手、このまま決まってしまうのか!』 衣「いずれにせよ、このまま進めば京太郎の敗北は必至だ」 衣「あの三人……今の京太郎でも太刀打ちできぬほどの、魑魅魍魎の類」 衣「このまま、終わってくれればよいのだがな」 久「まだ、何かあると?」 優希「で、でも……この点差じゃ、もうどうしようもないじぇ」 衣「……それはわからぬ」 衣「まだ……京太郎に、捨てるものがあれば」 咲「!」 京太郎(逆転条件は役満ツモ……厳しいってもんじゃねぇな) 京太郎(くっ、牌が重い……目も霞んできやがった……) 京太郎(みんなと共に、全国へ……行きたかった) 京太郎(全てを捨てても……やっぱり、届かないのか?) 京太郎(……いや……まだ、手はあったな……) 京太郎(全てを捨てたつもりだった。でも、それは違う) 京太郎(まだ、残ってたじゃないか……一番、大切なものが) 京太郎(でも、それを捨ててまで……勝つ意味が、あるのか……?) 京太郎(…………) 京太郎(俺の、一番大切なもの……) 京太郎(それは……) 京太郎(全てを、捨てたつもりだった……) 京太郎(でも、お前だけは……ずっと、俺の心の中にいた。捨て切ることができなかった) 京太郎(こんなになった俺でも……いつも心配してくれて、話しかけてきてくれた……) 京太郎(誰よりも大切な、幼馴染……) 京太郎(…………) 京太郎(ごめんな、咲……) 京太郎「リーチ」 和「多面張を捨てて、単騎待ちリーチ……?」 優希「それ以前に……これではリーヅモタンヤオ、赤1。逆転には届かないじぇ」 まこ「京太郎……なんのつもりじゃ……まさか久の……?」 久「……違うわ。須賀君は、悪い待ちを選んだんじゃない」 まこ「何じゃと?」 久「彼は……」 京太郎「……カン」 久「カンできる待ちを、選んだのよ」 京太郎(あいつの……一番得意な役だったな) 京太郎(咲、見てるか?) 京太郎(今まで、ありがとな……) 京太郎(でも、これで……さよならだ) 咲「京……ちゃん?」 京太郎「ツモ。リーヅモタンヤオ赤1、嶺上開花」 京太郎「裏……8。逆転だ」 京太郎「はぁ……はぁ……」 京太郎「はは、勝ったぜ……見てたか、みんな……」 咲「……京、ちゃん……だよね?」 京太郎「……その声、咲か……」 咲「…………」 京太郎「咲……俺は、勝つためにお前を捨てた」 京太郎「もう、お前とは……会話することもないだろう」 咲「……なんでなの……」 咲「京ちゃん、こっち向いてよ……」 京太郎「…………」 咲「また、昔みたいにさ……頭なでたり、ほっぺたつついたりしてよ……」 咲「昔みたいに……笑ってよ……」 京太郎「……咲、今の俺とお前……どっちが強い?」 咲「……京ちゃんの方が、強いよ……ずっと」 京太郎「そうか……」 咲「私よりも、勝つことが大事なの……?」 京太郎「……あぁ」 京太郎「これで俺も、お前らと一緒に全国の舞台で戦える」 咲「全然、一緒なんかじゃないよ……本当はわかってるんでしょ、京ちゃん」 京太郎「咲、ありがとな……お前は、最後の最後まで俺を……」 京太郎「でも、これが俺の選んだ道なんだ……だから……」 京太郎「さよなら、咲」 咲「京ちゃん、待って!」 咲「うっ……うぅ……」 咲「京……ちゃん……」 -数年後- 同僚A「……じゃあ、かんぱーい!」 同僚B「かんぱーい! ふぅ、仕事あがりのビールはおいしーね!」 同僚C「これであとは彼氏でもいれば、言うことなしなんだけどね」 同僚A「こら、それは言っちゃだめ!」 咲「あははは……」 同僚B「あーあ、須賀プロみたいなイケメンの彼氏欲しいな~」 咲「……!」 同僚A「須賀プロかー、若いのにすっごい強いって評判だよね」 同僚C「あまりの強さに、地獄の皇帝(ヘルカイザー)とか呼ばれてるんだっけ」 同僚A「でも友人とか全然いないって話聞くけど本当なのかな?」 同僚B「一匹狼って感じでカッコイイじゃん」 咲「…………」 同僚B「咲なんかは、彼氏とか好きな男とかはいないの?」 咲「……好きな人なら、いたよ……」 咲「でも……私がいると、あの人の邪魔になっちゃうから……」 同僚A「へぇ、何か色々あったのね」 同僚B「須賀プロといえばさ、咲って麻雀めっちゃ強かったんでしょ」 同僚C「え、そうなの?」 同僚B「高校の頃、全国とか行ったって聞いたんだけど」 同僚C「マジ? そんな強いなら、プロになればよかったのに」 咲「……私はプロには、なれないよ」 咲(プロになったら……) 咲(きっと、また顔を合わせちゃうから) 咲「ふぅ、ただいま……と」 咲「何か面白い番組はないかな……」ピッピッ 咲「…………」 『須賀プロ、またもタイトル奪取!』 『まさに圧殺! 強い、圧倒的に強い! この強さは本物だぁーっ!』 『地獄の皇帝、ヘルカイザー京太郎!』 咲「京ちゃん……また勝ったんだ」 咲「本当に、強くなったね……」 咲(京ちゃん……) 咲(清澄のみんなで一緒に麻雀を打ってた日が、懐かしいよ) 咲(京ちゃんは……今の自分に、満足してるの?) 咲(いや、してるはずだよね……あんなに、強くなれたんだから) 咲(そう、京ちゃんが望んでいたように……) 咲(でも……) 咲「私は、寂しいよ……京ちゃん」 END 【分岐ルート①】 京太郎(……まだ、捨てられるものがあったじゃないか……) 京太郎(それは……俺の命) 京太郎(もう、みんなには二度と会えなくなってしまう……) 京太郎(それでも……俺はみんなと、ずっと共にある) 京太郎(あの世から……一緒に、戦おう。全国の舞台で!) 京太郎「……いくぜ」ゴォッ! アカギ「……へぇ」 傀「…………」 哲也「……こいつ……」 咲「京ちゃん!」 衣「まずい、あの馬鹿者……死ぬ気だ!」 和「ど、どういうことですか!?」 衣「京太郎の体から、溢れ出ている力……あれはまさに、京太郎の生命力そのもの」 衣「死と引き換えに……勝利を手にする気か……」 優希「そ、そんな!」 久「須賀君……なんで……」 優希「京太郎!」 京太郎(優希……もっとお前にタコス、作ってやりたかったぜ) まこ「京太郎!」 京太郎(染谷先輩……いつも俺を気にかけてくださって、ありがとうございました) 久「須賀君!」 京太郎(部長……散々迷惑かけて、申し訳ありませんでした) 和「須賀君!」 京太郎(和……知ってるか? 俺、お前に憧れてたんだぜ) 咲「京ちゃん!」 京太郎(咲……) 京太郎(今まで、色々なことがあったな……どれもこれも、懐かしい日々だ) 京太郎(もっと……) 京太郎(お前と、一緒にいたかった) 京太郎「ツモ……数え役満……」 京太郎「逆、転……だ……」 咲「京ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 和「もう一年ですか、早いものですね……」 優希「まったく、京太郎のせいで雑用が大変だったじぇ!」 まこ「……それじゃ、もう行くかの」 咲「……私、もう少しだけここにいます」 久「咲?」 和「……部長、ここは一人にさせてあげましょう」 久「……そうね。じゃあ、先に行ってるわ」 咲「京ちゃん、お墓の下でも聞こえてるかな……?」 咲「この一年、色々なことがあったよ」 咲「部長は卒業して、新入部員も入って……あ、私はお姉ちゃんとも会えたんだ」 咲「優希ちゃんはタコス係がいないっていつも不満たらたら。和ちゃんは相変わらずだけど、時々寂しそうだよ」 咲「……そうだ、あの決勝の牌譜……みんな、驚いてたよ」 咲「衣ちゃんも、見事だって褒めてた。えへへ、凄いね京ちゃん……」 咲「…………」 咲「……ねぇ、京ちゃん……」 咲「京ちゃんは……幸せだった?」 咲「命を落としてまで、麻雀を打って……勝って……」 咲「……ううん、きっと幸せだったよね。じゃないとあんな素敵な牌譜、残せないから……」 咲「……でもね、京ちゃん……」 咲「私は、あんまり……幸せじゃない、かな」 咲「…………」 咲「……ぐすっ……」 咲「忘れないよ……京ちゃん」 咲「清澄高校の麻雀部には……須賀京太郎っていう、ものすごく強い男の子がいたこと……」 咲「絶対に……うぅっ……忘れないから……!」 咲「京ちゃん……!」 END 【分岐ルート②】 京太郎(命も……咲も……どちらも捨てる) 京太郎(もう、何もいらない。勝利の二文字さえあれば、それでいい) 京太郎(この勝負に……何もかもを賭ける!) 京太郎(……さぁ、いくぜ……みんな、見ててくれ) 京太郎(俺の人生の……最終幕だ!)ゴォッ 衣「……ッ! 馬鹿者が!」 京太郎(さようなら、みんな……) 京太郎(俺なんかに付き合ってくれて、ありがとうな……) 京太郎(でも、これで……永遠に、お別れだ……) 京太郎(これが俺の……手向けだ!) 京太郎「リー……」 (京ちゃん……) 京太郎「……!」 哲也「ん? どうした?」 京太郎「……いえ……」 傀「……御無礼、ツモです」 『試合終了! 代表の切符を手にしたのは、傀選手だぁーっ!』 赤木「クク……ちょっと届かなかったか……」 傀「……対局、ありがとうございました」 哲也「おう、お前もお疲……ん?」 京太郎「…………」グラッ 哲也「お、おい!」 ドサァッ 京太郎(ん……ここは……) 京太郎(天国か? 俺、死んだのか……?) 京太郎(みんなには……最後まで、迷惑かけっぱなしだったな……) 京太郎(でも……天国って、案外狭……) 京太郎(いや、違う……ここは、病院?) 衣「気が付いたか、京太郎」 京太郎「天江、さん……」 衣「ここは龍門渕家所有の病院だ。あの後、倒れたお前を運んできた」 京太郎「そっか……俺、負けたんですね……」 衣「魔の領域から、人の世に舞い戻った感想はどうだ?」 京太郎「……不思議ですね。本当は、あの場で……燃え尽きるつもりだった」 京太郎「でも……その時、咲の声が聞こえた気がしたんです」 京太郎「そうしたら……最後の一歩を踏み出すことを、ためらってしまった」 衣「…………」 京太郎「俺は、勝利に飢えながら……やっぱり何も、捨て去ることができなかった……」 京太郎「結局、俺は……弱いままだったんですよ」 衣「……それは違うぞ。京太郎よ」 衣「お前の闘牌は……実に、素晴らしいものだった。衣も見たことのないほどの」 衣「衣だけじゃない。純も、智紀も、一も、透華も……清澄の面々も」 衣「誰もを魅了する……見事なものだった」 京太郎「…………」 衣「衣は忘れぬよ。この夜を、あの魔物ひしめく半荘を、あの数百打を」 衣「それを戦い抜いた……須賀京太郎という、誰よりも強き男のことを」 衣「あの試合を見ていた者は……あの時のお前の雄姿を、未来永劫忘れぬよ。きっと」 京太郎「天江さん……」 衣「さて、そろそろ衣は退散するとしよう」 京太郎「……帰るんですか?」 衣「ふ……馬に蹴られたくはないんでな。では、また何処かで会おうぞ」 タッタッタッタッ ガラッ! 咲「はぁ、はぁ……京、ちゃん……」 京太郎「咲……」 咲「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 京太郎「お、おい……」 咲「よ、よかった……京ちゃん……無事で、本当によかったよぉ!」 京太郎「咲……ごめんな」 咲「京ちゃん……! 京ちゃん……!」 京太郎「お前のおかげで……俺は、踏みとどまれた」 京太郎「もう、どこにも行かないよ……」 咲「京ちゃん……!」 久「じゃ、須賀君。買い出しよろしくね」 京太郎「へいへい、了解です……」 和「ごめんなさいね、須賀君」 優希「京太郎、タコスちゃんと買ってくるんだじぇ!」 まこ「いつもながら、迷惑かけるのう」 京太郎「ははは……みんなはこれから全国大会なんですから、お気になさらず」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん……咲、ついてきたのか?」 咲「えへへ……無理言って来ちゃった」 京太郎「やれやれ……じゃ、一緒に行くか」 咲「うんっ!」 咲「京ちゃん……正直、残念だった?」 京太郎「……あの個人戦のことなら、まぁ確かに惜しい気持ちはあるよ」 京太郎「でも……今になってわかった。俺は……やっぱりこれが、一番性に合ってるさ」 京太郎「もちろん、麻雀は強くなりたいけどな!」 咲「ふふ……一緒に頑張ろうね、京ちゃん」 京太郎「だけど、俺やっぱ馬鹿だから……また、馬鹿なことをするかもしれない」 京太郎「だからさ、咲……」 咲「……うん、いいよ」 咲「京ちゃんがまた無茶をしそうになったら、私が止める」 咲「だから……ずっと、そばにいてあげるよ。何か月でも、何年でも……」 京太郎「……ありがとな、咲。」 京太郎「全国大会……俺の分まで頑張れよ!」 咲「うんっ!」 咲「……ねぇ、京ちゃん」 京太郎「ん……何だ?」 咲「……大好きだよ、京ちゃん!」 END
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363548712/ 京太郎「いや、お前何を言ってんの?」 優希「照れるな照れるな! この美少女たる優希ちゃんに求婚されて本当は嬉しいくせに!」 京太郎「何この子すごいムカつく」 優希「それに片岡京太郎っていい名前だと思うだろ?」 京太郎「それが俺にさえ関係してなかったらな。 つーかマジで婿扱いなのか」 優希「結婚したら私がプロになって稼ぎまくるから、京太郎は家でタコスを作って待っていてくれ!」 京太郎「しかも俺が主夫かよ! あのな優希、俺は結婚するなら家庭的で胸の大きい女の子がいいんだ」 京太郎「悪いけどお前ではその条件にまるで当てはまらない」 優希「それでそれで、子供はだな……」 京太郎「おい、だから人を使って変な事考えるな、なんだそのにやけ面は!」 優希「のどちゃんで変な事考えてる京太郎っていつもこんな感じだじょ」 京太郎「……マジか」 【片岡優希はタコス娘】 京太郎「ほら、タコス買ってきたぞ」 優希「おお、ご苦労! タコスタコス~♪」 京太郎「……」 優希「タコスウマー♪」モグモグ 京太郎「お前って本当タコス好きだよな」 優希「好き? ふう、これだから素人は嫌になるじぇ」 京太郎「なんだよ、違うのか?」 優希「京太郎、お前は酸素が好きか?」 京太郎「は? いや、そんなの考えた事もねえよ」 優希「そういう事だじょ」 京太郎「意味がわからないんだが」 優希「察しが悪いな…タコスはな私にとっていわば酸素、好き嫌いを超えて私の血と肉とDNAを形成するなくてはならないものなのだ!」 京太郎「お前は何者なんだよ!?」 優希「タコス好きの呪われし血族って前に言わなかったか?」 京太郎「メキシコに謝れ! つーか好きって自分で言ってんじゃねぇか!」 【須賀京太郎はマネージャーじゃありません、部員なんです】 久「須賀君、買い出しお願いできるかしら」 京太郎「はい、わかりました!」 咲「えーっと、この前の牌譜どれだっけ……?」 京太郎「あー、それは確かこっちのファイルに……」 和「あ、あら? 卓の調子が……」 京太郎「どれどれ、ちょっと見せてみ……ああこれくらいなら俺でもなんとかなるかも。 工具、工具っと……」 まこ「おっ、京太郎が一番乗りか」 京太郎「おはようございます染谷先輩。 ちょっと待ってて下さい、もうすぐ掃除終わるんで」 京太郎「あっ、もうすぐお茶なくなるな……今の内に買ってくるか」 優希「京太郎」 京太郎「なんだ優希? ああ、タコスならそこの袋に入ってるから」 優希「いや、そうじゃなくて……京太郎は麻雀部のなんなんだじょ」 京太郎「なんだ今更、俺は麻雀部唯一の男子部員だろ。 悪い、これから買い出し行くから話の続きがあるなら後で聞く!」ガチャッ 優希「あ」 優希「……それなら牌磨き以外に牌触ってないのってどうなんだじょ」 【ステルス京の独壇場!】 京太郎「うーん」 優希「どうした京太郎、悩みがあるなら私が聞いてやってもいいじょ」 京太郎「いや、部長に言われて全国出場校の牌譜を集めてたんだけどよ」 優希「牌譜って各校の部室にあるんじゃないのか?」 京太郎「そうなんだよ、だから俺も素直にもらえるか半信半疑だったんだけど」 優希「女子校もあるのによく入れたもんだじぇ」 京太郎「校門に警備とかいたけど意外にすんなり通してくれたぜ?なぜか普通に扉開けて入った時中の人達にビックリされたけど」 優希「……ん?」 京太郎「誰も何にも言わないから問題ないのかって思いつつもある牌譜全部写してきたんだけどさ」 京太郎「挨拶もなかったのはちょっとショックだったな」 優希「……」 京太郎「あー、でも宮守と永水だけは入れなかったな」 京太郎「永水はお札貼られたし、宮守はなんかお婆さんにすっげえ見られて入りにくくてよ」 優希「京太郎……」 京太郎「ん?」 優希「今日は帰りに私がタコスおごってやるじょ」 京太郎「えっ、いいのか? それじゃありがたくいただくぜ」 優希「……私はちゃんと見てるからな」 京太郎「んん? なんかよくわからないけど、サンキューな」 【ごく自然に受け入れられた風潮被害】 優希「京太郎、タコスを買ってくるんだじょ!」 優希「京太郎、放課後タコス屋につきあえ!」 優希「京太郎、今度の休みにタコス巡りをするじぇ!」 優希「京太郎ー、タコスはまだかー!」 京太郎「ええい、今作ってるから少し落ち着け!」 咲「あれ?」 和「どうしました咲さん?」 咲「いや、ちょっと……優希ちゃん?」 優希「なんだじぇ、咲ちゃん?」 咲「最近京ちゃんの事、犬って言わないんだね?」 優希「えっ」 和「あっ、言われてみれば最近聞きませんね」 和「人を犬呼ばわりなんて注意しなきゃいけないとは思ってましたけど、ちゃんと直したんですねゆーき」 優希「いや、あの」 咲「どうしたの?」 優希「私、京太郎を犬扱いした事なんか一、二回くらいしかないじぇ……」 咲「あれ、そうだったっけ?」 和「おかしいですね、ゆーきは頻繁に須賀君を犬扱いしてた気がしたんですが」 優希「ひどい風潮被害だじぇ……」 【東風の神片岡優希】 優希『ここからは私の連荘で終わらせる。 この試合に東2局はこない!』キリッ 優希『ここに山を築く。 誰にも賽は振らせない……!!』キリッ 優希「」 京太郎「いやー、さすがに全国優勝校の先鋒は言う事が違うな」 優希「お、お前、なんで、これ!」 京太郎「姫松の監督代行って人から麻雀部宛てに送られてきたんだよ」 優希「あのデコのところか! えっ、麻雀部宛て……?」 京太郎「ああ、だからみんなももう聞いてるぞ」 京太郎「部長とか染谷先輩は『これも若さゆえのなんとやら』って言ってたし、咲は苦笑いくらいで何も言わなかったし……」 京太郎「だからまあ、そんなに悪くは思ってないだろ」 優希「な、な、な……」 京太郎「問題は和なんだよなあ。 あいつ『なんですかこのトラッシュトークは!』ってすっげえ怒ってたぞ」 優希「あ、あわわわ、麻雀関係で怒ったのどちゃんには会いたくないじぇ。 今すぐ逃げ」 ユーキ、ドコニイルンデスカユーキ!! 優希「ひぃっ!?」 京太郎「あー……ご愁傷様」ポンッ 優希「いやあああああ……!」 ちなみにこの世界での決勝はこんな感じになっております 優希(咲ちゃんのお姉さんでチャンピオン、相手にとって不足なしだじぇ!)ゴッ 照(準決勝は10万点で二位、だったらここで20万点奪い取る……)ギギギ 玄(もう準決勝みたいにはさせない。復活のドラゴンロード、松実玄に今度こそおまかせあれ!)ゴッ 漫(なにこの卓こわい) 番外『この世界での決勝大将戦』 咲(なにこれ、カンが出来ない……!?) 淡(またやられた……せっかくテルが稼いでみんなが繋いでくれたのに!) 穏乃(いける、今なら私達阿知賀が……!)タンッ 末原「ロン」 穏乃「えっ……」 末原「国士無双、48000。 Wありなら十三面待ちやったから阿知賀のトビ終了やったな……これで姫松がトップや」 穏乃「そんなっ……」 末原「さっきから黙って見てれば人をほったらかしにしてお互いの顔色を窺ってばかり」 末原「そりゃあんたらには色々見えて私には見えんかもしれんけど」 咲「す、末原さん……?」カタカタ 末原「だけどなあ、あんまり私ら凡人を舐めるなよ魔物共」 淡(なにこいつ、能力とかないはずなのに、怖い……!)ビクッ 末原「私は麻雀をしに来たんや、やれ支配だのやれ能力だのこれ以上――」 穏乃「っ……!」ゾクッ 末原「――お前らにつきあってられるか」 末原さん……というより姫松高校にはおそらく唯一残ってる無能力者のみの高校らしく麻雀をして戦っていただきたい所存 【のどっちからは逃げられない】 優希「どうしようどうしようどうしよう、このままじゃのどちゃんのスパルタ麻雀教室がああ……!」 京太郎「そんなに怯えるほど怖いのか?」 優希「……卓に座らされて配牌から和了るまで常に最善手を打たなきゃいけないんだじぇ」 京太郎「うわ、それはキツいな……でも1局分ならいつかはなんとかなるだろ」 優希「大会と同じ半荘二回分、上級者編は一回でも間違えたら東1局からやり直しでもか?」 京太郎「」 ユーキ、ココニイルンデスカ!? 優希「ひいっ、来たじぇー!」バッ 京太郎「お前何してんだ……」 優希「シー! 私はベッドの中に隠れてるからのどちゃんが来たらまだ私は来てないって言ってくれ!」 京太郎「はあ、わかったよ」 京太郎(ベッドが盛り上がって不自然なんだよなあ) 和「ゆーき!」 京太郎「よ、よぉ、和」 和「須賀君……ゆーきはどこですか?」 京太郎「いや、まだ来てないぞ?」 和「そうですか……」チラッ 京太郎(あっ、ベッド見た) 和「……」ジー 京太郎(すっげえ見てる……優希、俺は何も出来なかったよ) 和「……」カツカツ 和「何をしてるんですか、ゆーき?」バサッ 優希「あっ」 和「ゆーき……」 優希「の、のどちゃん……」カタカタ 和「今日は上級者編です」ニッコリ 優希「いやあああああ! 」ズルズル 京太郎「優希、すまん……へ?」ガシッ 和「須賀君もゆーきと共犯だったみたいですし、ちょうどいいですから一緒に勉強しましょう?」ニッコリ 京太郎「」 和「さあ、2人共行きましょうか」ズルズル 京太郎「う、うわあああああ!!」 優希「誰か助けてえええええ……!!」 バタンッ、ズルズル…… 【誰しも休息は必要です】 優希「一番乗りだじぇ! おっ?」 京太郎「むにゃむにゃ」 優希「京太郎、探してもいないと思ったらこんなところで寝てたのか」 京太郎「すー……」 優希「マヌケな寝顔だじょ。 これはイタズラをしなさいというタコスの神様の導きだな!」 優希「それじゃあまずこのペンで落書きするじぇ!」 優希「えーっとまずは額にっと。 うーん、インパクトが足りないじぇ。 なら頬に……あとはー……」カキカキ 京太郎「んっ……ふぁぁ、よく寝た」 優希「タコスタコスー」 京太郎「なんだ優希来てたのか?」 優希「お目覚めか京太郎! なら早速タコスを買ってくるのだ!」 京太郎「今まさに食おうと持ってんじゃねえか、まだ必要ないだろ……」 優希「ちいっ、失敗か」 京太郎「失敗?」 優希「あっ! な、なんでもないじょ!」 京太郎「怪しいな……」 咲「こんにちはー」 京太郎「よっ、咲」 咲「こんにちは、京ちゃ……」 京太郎「んっ、どうした?」 咲「え、えっとその顔」 京太郎「顔?」 咲「て、手鏡貸すから見てみればわかるよ……」 京太郎「どれどれ……」 『片岡優希専用』 『発情期なので近づかないでください』 『大きなおっぱいが大好きなので気をつけてください』 京太郎「」 咲「き、京ちゃん?」 京太郎「ゆ・う・き……」 咲「あっ、優希ちゃんなら今走って出て……」 京太郎「逃げやがったなあの野郎!」ダッ 咲「あっ、京ちゃん待って、落書き落とした方が……」 ユウキドコダー! ス、スガクンナンデスカソノカオハ! ゲッ、ノドカコレハ…… アラアラ、タノシソウナコトシテルジャナイスガクン? ブ、ブチョウ!?ヤメテ、シャメハヤメテクダサイ!イヤアアアアア…… 咲「き、京ちゃん……」 【京太郎の癒やし】 京太郎「買い出しは別にいいけどこんな頻繁にする必要ってあるのか……?」 優希「気にしたら負けだじぇ」 京太郎「つーかお前なんでついてきてんの?」 優希「食堂のタコスが売り切れてたからだじょ!」 京太郎「言っとくけど奢んねえぞ」 優希「えー」 京太郎「えー、じゃないからな……あっ」 優希「んっ?」 子猫「ニャー」 京太郎「子猫だ、よしよし」ヒョイ 子猫「ニャー」ペロペロ 京太郎「おいおい、くすぐったいって! はは、人懐っこいなあ」 優希「首輪ついてるから飼い猫じゃないか?」 京太郎「おっ、本当だ」 優希「京太郎って動物好きなのか?」 京太郎「好きというか動物と戯れてると癒されるというか……家のカピなんか手もかからないしなあ」 優希「まるで他に手のかかる動物を相手してるみたいな言い方だじょ」 京太郎「……」 咲『き、京ちゃん、迷っちゃった……なんかここ変な音してるし、助けてぇ……』 優希『さあさあさあ、早くタコスを渡すんだじぇ、タコスタコスタコスー!』 京太郎「ああ、すっげえ手のかかるのが2人いるわ」 優希「そうか、大変なんだな京太郎……」 京太郎「……」 【魔境清澄高校】 優希「うむむ」 京太郎「どうした?」タンッ 優希「この前咲ちゃん達と染谷先輩の雀荘に遊びに行ったら麻雀だけはするなと言われたんだじぇ」タンッ 咲「私はいいけど優希ちゃんと和ちゃんはダメなんだって」タンッ 和「はい……」タンッ 京太郎「雀荘で麻雀するなってのも変な話だな……」タンッ 優希「京太郎、それロンだじぇ!」 京太郎「うおっ、狙い打ちかよ! これでラス転落かあ」ジャラッ 和「須賀君はもう少し捨てる牌に気を使った方がいいですね」タンッ 京太郎「あはは、教えてもらってるのに面目ない」タンッ 優希「話を続けるじぇ。 それで理由を聞いたんだけど」タンッ 京太郎「聞いたんだけど?」タンッ 咲「知らない方がいいって教えてもらえなかったんだ。 私達何かしちゃったのかなあ」タンッ 和「見当もつきませんね……ツモ、4000オールで連荘です」 京太郎「ひええ、やっぱり強いなあお前ら」ジャラッ 優希「京太郎には負ける気はしないじぇ!」 京太郎「言ってくれたな!」 和「2人共落ち着いてください」タンッ 京太郎「ふっ、ダブルリーチだ!」タンッ 優希「なぬっ!?」タンッ 咲「うわあ、京ちゃんすごいすごい!」タンッ 和「まだ和了ったわけじゃないんですから……」タンッ 京太郎「へっへっへ、一位は俺がいただくぜ!」タンッ 咲「あっ……ごめん京ちゃん、カン」 京太郎「うげっ!?」 咲「も、もういっこカン、もういっこカン」 優希「うわあ……」 咲「もういっこカン……」 和「これは……」 咲「り、嶺上開花……責任払いで京ちゃんのトビ終了、だよ」 京太郎「オーマイガー……せっかくの役満が夢と消えたぜ……」ガクッ 久「まこ、店で優希と和の麻雀を禁止したんですって?」 まこ「あいつらと打ったらせっかくの客がトラウマ抱えて逃げてしまうんじゃ。 手加減が出来る咲ですらあんまり入れたくないわ」 久「でも須賀君はあれだけやられて普通よ?」 まこ「あれはあいつがおかしいんじゃよ」 【自販機の謎飲料】 京太郎「カフェオレカフェオレと……」ピッ 京太郎「あ、売り切れたな。 最後の一個買えてよかっ……ん?」 『新発売、濃厚タコスジュース!!』 京太郎「これはまたピンポイントで誰かを狙ってるというか何というか……」 優希「京太郎ー!」 京太郎「噂をすればだな」 優希「何の話だ?」 京太郎「いや、これお前が好きそうだなーって思ってさ」 優希「これ? うおおおっ!?」 京太郎「うわっ、すごい食いつきだな」 優希「タ、タコスジュース……まさかこんな夢のようなアイテムが実在していたとは」 京太郎「んな大げさな」 優希「何を言う、これさえあれば私の長年の夢『タコスを飲んでタコスを食べる』が実現するんだじょ!」 京太郎「なんだそのよくわからん夢は」 優希「早速買うじぇ! えっと二百円と……」 京太郎「自販機のものにしては高いな」 優希「こ、これがタコスジュース……すごい重量感だじぇ」ズシッ 京太郎(なになに、『具材80%』……まさかこれタコスがそのまま入ってんのか?) 優希「いただきまーす」ジュルジュル 京太郎「どうだ?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「うええ……」 京太郎「お、おい!」 優希「マズい、話にならないくらいマズいじょ……昔食べた京太郎のタコスミタコスよりマズいじぇ」 京太郎「マジか……いやな予感はしてたけど」 優希「京太郎にやるじょ」スッ 京太郎「タコスの名前があってもお前が拒否するような代物を飲めってか!?」 優希「いいから飲んでみろ!」 京太郎「むごっ!?」 優希「えいっ!」ギュッ 京太郎「むぐっ、むぐっ、むぐっ……」ゴクッ 優希「ふう、処分完了だじょ」 京太郎「……意外に美味いぞ、これ」 優希「えっ」 【結果オーライ?】 京太郎「さーて、今日の部活も終了っと」 優希「京太郎!」 京太郎「んー? なんだよ優希」 優希「これからタコスを買いに行くから付き合え!」 京太郎「おいおい、まさか俺に奢らせる気か?」 優希「ふふん、まだまだだな京太郎! 今日の私はいつもとは一味違うじぇ……」 優希「今日はこの優希ちゃんがお前にタコスを奢ってやろう!!」 京太郎「……よし、あるな」 優希「なんで急に鞄を見てるんだじょ?」 京太郎「いや、今日は夕立か嵐になりそうだから折り畳み傘を確認してたんだよ」 優希「……どういう意味だコラー!」 ――…… 優希「……」ズーン 京太郎「あー……優希?」 優希「こ、こんなのおかしいじぇ……なんで今日に限って売り切れとか臨時休業とか……」 京太郎「慣れないことはするなって事じゃね?」 優希「こんなはずじゃなかったのに……うー」 京太郎「……なあ」 優希「なんだじょ……私は今落ち込んでるんだじぇ」 京太郎「なんなら、家来るか?」 優希「……え?」 ――…… 京太郎「ただいまー……って靴ないからいないみたいだな」 優希「お、お邪魔します!」 京太郎「なにお前、緊張してんのか?」 優希「き、緊張なんかしてないじぇ!! 私がどうして緊張しなきゃ……ゴニョゴニョ」 京太郎「まっ、いいけどな。 飲み物持ってくるからリビングで待っててくれよ」 優希「お、おう!」 優希「……」 優希「まさか、京太郎の家に来れるなんて思わなかったじょ」 優希「な、なんか落ち着かない……」 京太郎「お待たせ、ってお前なんで正座してんの」 優希「そ、そういう気分なんだじぇ」 京太郎「ふーん。 じゃあ早速作るとしますか」 優希「本当にタコス作ってもらっていいのか?」 京太郎「よくなきゃ誘わねーよ。 やっぱりお前の感想聞きたいしな」 優希「そ、そうか」 京太郎「じゃあちょっと待ってろなー」スタスタ 優希「……放課後デートは出来なかったけど、結果オーライだじぇ」 優希「えへへ……」 【片岡優希の日記1】 ○月×日 今日は咲ちゃん、のどちゃん、京太郎と一緒にお昼を食べた。 京太郎がのどちゃんで不埒な妄想をしてたから、罰として肉まんを奪ったら勢いで押し倒された。 思わず今はダメって言っちゃった……後ならいいのかってつっこまれなくて本当に良かったじぇ。 だって、そう言われたら私は、京太郎を…… 優希「……ううう」 優希「あああ! もうこんなのこれ以上書けるわけないじぇ!」 優希「だいたい言われたらなんなんだ! べ、別に私は京太郎の事なんて……」 優希「……どう、思ってるんだ?」 優希「のどちゃんを見てデレデレしてるのは腹が立つけど、それ以外はいいやつだし……」 優希「私のわがままも口では色々言うけどちゃんと聞いてくれる」 優希「京太郎を見てると胸がキュンキュンしちゃうし……やっぱり、私は……」 優希「――京太郎が好きなのかな……」 【ごく自然に受け入れられた風潮被害・京太郎の場合】 教師「須賀! またお前はそんな金髪に染めてきたのか!」 京太郎「これは地毛ですよ!」 京太郎「あっ、ハンカチ落としましたよ?」 モブ女子「えっ、ありが……ひっ、き、金髪……もしかして不良?」 京太郎「あのー?」 モブ女子「あ、ありがとうございます!」タタッ 京太郎「えっ、ちょっと……なんで逃げるんだ」 京太郎「おっ、それ新巻か。 読み終わったら貸してくれよ」 モブ男子「ひいっ!」 京太郎「えっ」 モブ男子「べ、別に今貸してもいいよ! か、返すのはいつでもいいから!」タタッ 京太郎「お、おい! また逃げられた……」 京太郎「ええっとタコスタコスっと……」キョロキョロ 不良「おいこら、そこの金髪!」 京太郎「へっ?」 不良「お前今ガンつけたよな、ええ?」 京太郎「ご、誤解だ!」 不良「とぼけてんじゃねえ、その金髪見る限りどこかの所属なんだろ……ちょっとこっち来いや!」 京太郎「じ、冗談じゃねえー!」ダダダッ! 不良「あっ、待てやこらあ!」 京太郎「はあ、はあ……なんで俺がこんな目にあわなきゃいけないんだよ!」 優希「帰ってきたか京太郎! さあタコスを補給させるんだじぇ!」 京太郎「悪い、絡まれて逃げてきたからまだ買ってねえ……」 優希「なにぃ!?」 風潮『須賀京太郎の金髪だけなぜか不良扱いされる』 【ステルスは1人じゃない】 優希「今日も京太郎のタコス作りの技術を極めるためにタコス屋巡りをするじぇ!」 優希「京太郎には頑張ってタコス界の頂点にたってほしいからな!」 優希「えっ……そ、そうか?」 優希「わ、わかった、今度作ってきてやるじぇ」 優希「私のタコスを食べて自信をなくしても知らないからな!」 ゆみ「全く蒲原の奴にも困ったものだ……やっぱりモモもそう思うか?」 ゆみ「……確かになんだかんだ言ってもあいつには部長としての器はあるしそれを認めてないわけじゃない」 ゆみ「いや、私は未熟さ……なんだ、否定してくれないのか?」 ゆみ「待て、確かにあれは今振り返ればとんでもない事をしたと思う」 ゆみ「だがあれくらいしなきゃモモは麻雀部に入ってくれなかっただろう?」 ゆみ「な、何を言ってるんだ!」 優希「ん?」 ゆみ「おや?」 優希「誰かと思えば鶴賀の部長じゃないか!」 ゆみ「私は部長じゃないんだが……そういう君は清澄の先鋒か、合宿についての話を清澄でした時にもいたな」 優希「おお、覚えてたか! えっ、なんだ京太郎……うん、あの時はお菓子も食べられると思ってたからな!」 ゆみ「ん? いや違うんだモモ、その時は久や龍門渕、風越のキャプテンも一緒だったんだ、決して2人きりというわけじゃ……」 優希「……」 ゆみ「……」 優希「と、とりあえず私達はこれからタコス屋に行くんで失礼するじぇ! 次の全国大会でまた会おう! 行くぞ京太郎!」 ゆみ「私は卒業だし鶴賀は部員集めからしなければいけないがな……ああ、頼んだぞモモ」 京太郎「なあなあ、優希」 優希「なんだ?」 京太郎「さっきの鶴賀の人、時々何もない所見て話してなかったか?」 優希「言うな! きっとあの鶴賀の部長には見えてはいけないものが見えてるに違いないじぇ……!」 京太郎「マジかよ」 モモ「先輩」 ゆみ「どうしたモモ」 モモ「あのタコスさん、時々何もない所見て話してたっすけど……」 ゆみ「あの子はもしかしたら見えてはいけないものが見えるのかもしれないな……」 モモ「ひえっ、本当っすか」 京太郎「それは怖いな……」 モモ「それは怖い話っすね……」 【変わる顔】 京太郎「ふんふんふん」 優希「ジー」 京太郎「ん、なんだよ優希? 人の顔じっと見て」 優希「いや、京太郎の顔が変わったような気がしたんだじぇ」 京太郎「はあ? おいおい、俺は産まれてから今に至るまでこの顔だぞ」 優希「いや、それはわかってるんだけど」 京太郎「じゃあどういう意味だよ」 優希「初めて会った時は普通に男だったのに、今は女と言っても不思議じゃない気がするじょ」 京太郎「ええっ、俺そんな女顔じゃねえだろ?」 優希「昔はそうだったけど……」 優希「でも考えてみれば京太郎は咲ちゃんがいなきゃ女装して出場させられてたはずだし、今の女顔が正しい姿なのかもな」 優希「今の京太郎は下手したら龍門渕のノッポより女の子っぽいじょ」 京太郎「嬉しくないぞ、それ」 優希「まあ安心しろ、たとえ京太郎が女だったという衝撃の事実が発覚しても私は一緒にいてやるからな!」 京太郎「不吉な事を言うんじゃねえ!」 『変わる顔・優希の場合』 京太郎「だいたい人にはそんな事言うけどお前はどうなんだよ!」 優希「何の話だ? 私はずっと美少女のまんまだじょ」 京太郎「ふん、確かに黙ってれば可愛い部類だろうけどな。 だけどお前が変わってないとは言わせねえぞ!」 優希「えっ、かわ……」 京太郎「まあ、これを見てみろ」 優希『ここに山を築く。 誰にも賽は振らせない……!!』キリッ 優希「これはこの前私をのどちゃん地獄教室に引き込んだアレじゃないか」 京太郎「この時のお前は可愛いというよりかっこいい部類だ。 お前も人の事言えないくらいに変わってるってこった!」 優希「ふむ、つまり女顔になってる京太郎とかっこよくなってる私、バランスがよくなってるわけだ!」 京太郎「お前のそのポジティブさはどこからくるんだよ……あっ、そういえばお前咲が初めて来た時何を思ったか敬語使って……」 優希「それは言うな!」 京太郎「なんだよ、そんな怒るなよ」 久「やっほー、まだ2人しか来てないの?」 京太郎・優希「……」 久「な、なに? 2人してそんな見ないでよ、恥ずかしいじゃない」 京太郎「いや、俺達はなんて不毛な会話をしてたんだろうなって」 久「へっ?」 優希「変わったといえば一番変わった人を忘れてたじぇ……昔の部長はまるでムー……」 久「喧嘩なら買うわよ」 京太郎・優希「ごめんなさい」ドゲザー 【もしも優希が敬語キャラだったら】 優希「学食でタコス買ってきましたー」 優希「確実に勝つなんてありえません」 優希「天才なんですけどねっ! 集中力が持続しないんです」 優希「私の得意な東場が――またやってきました!!」 優希「よくやりました! あなたは使える犬です!」 優希「えっ、あなたもタコス好きの呪われた血族なんですか!?」 優希「なんだか、みんなを馬鹿にされたみたいです……」 優希「うちの県が弱いかどうか――今見せてあげます!」 優希「その程度で消える勢いなら――最初から願い下げです!」 優希「ここからは私の連荘で終わらせます。 この試合に東2局はきません!」 優希「ここに山を築きましょう。 誰にも賽は振らせません……!!」 優希「い、今はダメです……いやぁ」 優希「ほら、パンチラです」 京太郎「……」 優希「ど、どうだった?」 京太郎「若干和と被らんでもないな……というかいつものお前と過ごしてると誰だこれ感が否めない」 優希「そうか……」 京太郎「まっ、お前はいつも通りでいいんじゃね?」 優希「じょ?」 京太郎「正直こんなキャラだったら俺も調子狂うしなー。 今みたいに気安く話せる気がしないわ」 優希「そ、そうか……なら、よかったじぇ」 【須賀京太郎タコス布教作戦】 京太郎「新作ランチ、ウマー」モグモグ モブ男子「俺はそのために咲ちゃんや原村、片岡との飯の誘いを蹴ったお前が理解できない」 京太郎「だって今の内に食べとかないとなくなるかもしれないだろ? 三人との飯はまだ二年はできるんだし」ズズー モブ男子「はあ、こういうところが理解できないんだよ……普通気になる女子と飯が食えるならそっちを優先するだろうに」 京太郎「まあ、な」 京太郎(正直和はもう目がないのわかりきってて積極的にいく気になれないんだよなあ……) 京太郎(俺、もしかしたら逃げてるだけなのか?)ヴーヴー モブ男子「須賀、携帯鳴ってるぞ」 京太郎「ん、本当だ……優希か、もしもし?」 京太郎「は? タコスの危機? ああ、なるほどなるほど……そういう事か」 京太郎「ああいいぜ、わざわざコンビニまで行かされるのもめんどいしな」ピッ モブ男子「どうした?」 京太郎「優希の奴がこのままだとタコスがなくなるかもしれんから広めてほしいんだと」 京太郎「まああいつくらいしか食ってる奴いないしなあ」ガタッ モブ男子「広めるってどうやって?」 京太郎「そりゃまあ……実際に食ってもらうしかないだろ」スタスタ モブ男子「は?」 オバチャーン、タコスコレデカエルダケクレー ハイヨー、マタカノジョサンノタメカイ? アイツハソンナンジャネーッテ! 京太郎「ほら」ドサッ モブ男子「えっ」 京太郎「ここにいるお前の知り合いに配ってくれよ。 ついでにお前も食べて気に入ったなら今後も買ってくれると嬉しい」 モブ男子「それはいいけどお前……わざわざそのためにこんなに買ったのか?」 京太郎「コンビニで買わされるよりは安いから問題ないだろ。 じゃあ俺も行ってくるから頼むなー」 モブ男子「……」 ナアナア、チョットコレタベテクレヨ。オレノオゴリダカラサ……ウマイカ、ジャアコンゴモココノタコスヲゴヒイキニー モブ男子「やっぱりあいつは時々理解できない……」 【片岡優希の日記2】 ○月□日 今日は咲ちゃん、のどちゃんの三人で屋上でお昼ご飯 京太郎は私達を見捨てて学食の新作ランチを食べに行ったらしくていなかった 全く美少女三人とのご飯を蹴るなんてあいつはおかしい! でもちょうどいいから最近私以外買ってくれないと食堂のおばちゃんがぼやいていたタコスを広めるように言っておいた やってくれないのも覚悟はしてたけどどうやら本当に頑張ってくれたらしい、タコスは好評だったって言ってた! やっぱり京太郎はいいやつだな! 優希「おばちゃんも喜んでたし、タコスは続いていくしいい事尽くめだじぇ!」 優希「本当に京太郎はいいやつだじょ!」 優希「だから私は京太郎が……」 優希「な、なんか顔が熱いじぇ……早く寝よう、うん」 優希「今日は本当にありがとうな、京太郎……おやすみなさいだじぇ」 【京優捕物帖】※咲日和ネタ 京太郎「さてと今日は買い出しもないし少しは打てるかな……」 猫「ニャー」タタタッ 京太郎「猫? なんでこんなとこに」 優希「待てー!」 京太郎「優希、どうしたんだよ?」 優希「京太郎、こっちに猫が来なかったか!?」 京太郎「ああ、今通り過ぎてったぞ。 なんだ、あの猫お前が連れてきたのか?」 優希「そんな事はどうでもいいんだじょ! 早くあの猫を捕まえないと……麻雀が出来なくなってしまう!」 京太郎「はいぃ!?」 ――…… 京太郎「なるほど、つまり染谷先輩の雀荘を繁盛させるために猫雀荘をしようとしてお試しに猫を部室に連れてきたのか」 優希「そういう事だじぇ。 だけど思った以上に猫がやんちゃ揃いでな!」 京太郎「牌やら点棒やらくわえて逃げ出したと……つーかさ、一応麻雀部員なのに俺には何の話もなかったんだけど」 優希「来たら話す予定だったんだじょ。 昼は京太郎いなかったし」 京太郎「連絡してくれてもバチは当たらないと思うんだが……まあいい、とりあえず今は猫だ」 優希「中をくわえた奴さえ捕らえれば全ての牌は揃う! 協力を求む京太郎!」 京太郎「しかたねえな、いっちょ張り切っていきますか!」 ――…… 京太郎「おい優希、そっち行ったぞ!」 優希「任せろ! てりゃああ!」スカッ 京太郎「ダメじゃねえか!」 ――…… 優希「捕まえたー!」 京太郎「本当か!?」 優希「ほれ!」 池田「いったいなんなんだし!」 京太郎「すいませんすいません! 優希、猫違いだバカたれ!」 ――…… 優希「ふう、一休み一休み。 タコス補給っと」 京太郎「サボるなあ!!」ゴチンッ 優希「あいたあ!」 ――…… 京太郎「と、言うわけで……」 優希「見事捕まえて牌を取り返してきたじぇ! ミッションコンプリートだじょ!」 久「あ、ありがとうね、2人共」 京太郎「いてて、ひっかかれたせいで傷だらけだぜ」 優希「私もだじょ……玉のお肌がボロボロ、タコスを食べなきゃ治りそうにないじぇ」 京太郎「それで治るのか!?」 久(予備の牌があった事は言わない方がよさそうね……うん) 【タコの付くものパワー】 京太郎「たこ焼き、タコさんウインナー、タコライス……」カキカキ 咲「何してるの京ちゃん」 京太郎「いやほら、県予選決勝で優希がタコス食べられちまった時があっただろ?」 咲「うん、龍門渕の井上さんに食べられちゃって優希ちゃん泣いちゃったんだよね」 京太郎「あの時は風越の福路さんがお弁当のタコさんウインナーを分けてくれたから助かったけど」 京太郎「いつもそんな助けがくるとは限らないって部長が言ってな」 咲「確かに……」 京太郎「だから今の内にタコの付くもののレシピを覚えておいて、優希がタコス切れになった時に備えようって話になったわけなんだ」 咲「京ちゃん、料理できたの?」 京太郎「簡単なのならともかく凝ったのは出来ねえけど、でもこういう事で少しでも役に立てるなら俺も嬉しいし」 咲「京ちゃん……」 京太郎「それにちゃんと用意してやらないと優希の奴うるさいしなー。 まっ、頑張ってみるさ」 咲「そっか……じゃあもし私に手伝える事があったら言って。 家庭料理なら一応一通り出来るから」 京太郎「おっ、サンキュー。 じゃあさっそくで悪いんだけどタコのつく料理出来る限り教えてくれよ」 咲「うん、いいよ」 京太郎「いっそ自分でタコス作れるようになったら楽なんだけどな」 咲「あはは、それを言ったら元も子もないよ」 京太郎「違いない」 優希「……」ジー 優希「京太郎と咲ちゃん、何楽しそうに話してるんだ?」 優希「……なんか胸がモヤモヤするじぇ」モグモグ 【いつの間にか自然に受けいられた風潮・京太郎の場合その2】 京太郎「全国大会も終わって最近部の空気が緩くなってきたな」 京太郎「よし、ここは1つドッキリでも仕掛けて皆をシャキッとさせるか!」 京太郎「そうと決まれば早速ロッカーに隠れてっと……おっと携帯の電源は切っておかないとな」 京太郎「さあて最初は誰が来るかなー」 ――30分後―― 京太郎「遅いな……」 京太郎「部長は学生議会、染谷先輩は家の用事ってところか?」 京太郎「だけど咲達はもう来てもいいはずなんだけど……もう少し待ってみるか」 ――1時間後―― 京太郎「あれ、もしかして今日って休みだったか?」 京太郎「いや、でもそんなの聞いた覚えないし……」 京太郎「きっとなんか用事で遅れてるだけだろ……うん」 ――4時間後―― 京太郎「結局誰も来ず……何やってんだ俺、馬鹿みたいだな……」 京太郎「もう帰ろう……ああ、一応電源入れとかないと」ピッ ヴーヴー! 京太郎「あれ、メールと着信が……もしもし?」 優希『京太郎!!』 京太郎「うわっ!? な、なんだよ優希……」 優希『お前今どこにいるんだじぇ!』 京太郎「いや、部室だけど」 優希『はあああ!? 今日は染谷先輩の雀荘に集まって麻雀部員みんなで慰労会をやろうって話だっただろ!』 京太郎「そ、そんなの聞いてないぞ!?」 優希『いーや言った! この前京太郎がタコスを作ってる時にちゃんと私は伝えたじょ!』 京太郎「タコス作ってる時……あ」 ――…… 優希「京太郎、今度みんなで慰労会をやろうって話になったんだけど京太郎も来るよな?」 京太郎「んー」 優希「それは肯定なのか?」 京太郎「んー」 優希「わかったじぇ、じゃあ参加って事で○日の○時に染谷先輩の雀荘に集合だからな!」 京太郎「んー」 ――…… 京太郎「わ、悪い……」 優希『謝ってる暇があるならさっさと来い! みんな京太郎を待ってるんだからな! 』 優希『咲ちゃんなんか何かあったんじゃないかって、な、泣きそうに、なって……』 京太郎「本当にすまん! 今すぐ行くから!」 優希『早く来い、バカァ……』 風潮【須賀京太郎は清澄麻雀部で集まる時連絡すらされずハブられて気にもされない】 【ごく自然に受け入れられた風潮被害・優希の場合その2】 京太郎「優希、ちょっと話があるんだ」 優希「どうしたんだ? そんな真面目な顔、京太郎らしくないじぇ」 京太郎「実際真面目な話だからな……」 優希「そうなのかー。 で、話って?」 京太郎「ああ実はな、俺……」 優希「うんうん」 優希(あれ、待てよ……夕日の射し込む教室で向かい合って真面目な話……) 優希(これって咲ちゃんから借りた本にもあった告白のシチュエーションに似てるじょ) 優希(……告白!?) 京太郎「な、なんだか改めて言うとなると緊張するな……」 優希「ま、待つから落ち着くまで深呼吸でもすればいいんじゃないか?」 京太郎「そうだな……すう、はあ……」 優希(京太郎が私に告白……ゆ、夢みたいだじぇ! ど、どうしよう、答えは決まってるけどなんて返せば……) 京太郎「よし、もう大丈夫だ。 優希」 優希「は、はい!」 京太郎「俺な……」 京太郎「――咲と付き合う事になったんだ」 優希「――えっ」 京太郎「だからな、今までみたいに放課後つき合えないし、誘うのも自重してほしいんだ」 優希「うっ、えっ」 京太郎「言いたい事はそれだけだ……じゃあな」 優希「京太郎、ま、待って! 私、私は……!」 ガラガラッ、ピシャンッ 優希「あっ……」 優希「こ、こんなのってないじぇ……うっ、ううっ……うわああああん!!」 ――…… 優希「あ……ゆ、め?」 優希「よかった、じぇ……」 ――…… 京太郎「……」スタスタ 優希「……」トテトテ 京太郎「なあ、なんでさっきからついてきてんだ?」 優希「別になんでもないじょ」 京太郎「いや、なんでもないって事はないだろ」 優希「なんでもないんだ!」 京太郎「なんなんだよ……」スタスタ 優希「……」トテトテ 風潮【片岡優希は須賀京太郎との恋愛において高確率で噛ませ犬になる】 【キングエトペンの王冠と翼は誰が受け継ぐか?】※咲日和ネタ 優希「むう、何がいけなかったんだじょ」 京太郎「……お前、王冠と翼なんかつけて何してんだ」 優希「のどちゃんのエトペンを全国に備えてこれをつけたキングエトペンに強化したんだけど、なぜか返されてしまったんだじぇ」 京太郎「そりゃそうだろう……その王冠とかそれなりの大きさあるし刺さってもろ痛そうじゃないか」 優希「おお、そう言われればこの王冠ではのどちゃんのキングおっぱいには耐えられそうにないな!」 京太郎「キングおっぱい……なんだ、このアホなような響きなのになぜか心ときめく単語は……!」 ――奈良県―― 玄「むむっ、キングおっぱいよりおもちキングの方がロマンを追求してる気がするのです!」クワッ 宥「ひいっ! く、玄ちゃんが壊れちゃった……」 ――…… 京太郎「それにしてもお前がつけてると妙に似合うな、それ」 優希「そうか? まっ、この優希ちゃんの高貴なオーラにかかれば……」 京太郎「すっげえ子供っぽい」 優希「んなあっ!?」 京太郎「今のお前なら小学校の劇に混じってても違和感ないぞ……ぷふっ!」 優希「ええい、笑うな笑うな! そんな奴にはこうだじぇ!」 京太郎「うおっ!」 優希「キング京太郎だ! ぷっ、似合わないにも程があるじぇ!」パシャッ 京太郎「今写真撮りやがったか!?」 優希「同時にメールでみんなに一斉送信だじょ! よし、今度は翼をつけた姿も撮ってやろう!」 京太郎「やめい! お前、よくもやってくれたな!」 優希「あはは、悔しかったら私を捕まえてみろ!」トテテッ 京太郎「逃がすか! 王冠と翼つけたお前の写真撮って小学生ですって周りに送ってやる!」スタタッ 優希「きゃー!」 和「楽しそうですね2人共」 咲「本人たちは本気なのかもしれないけど、端から見たらじゃれあってるようにしか見えないよね」 【京太郎はお金持ち?】 優希「ううう……」 京太郎「どうした、財布見てうなり声なんかあげて」 優希「タコスを買う軍資金が底をついたんだじぇ……お小遣いまでまだ3日はあるのに」 京太郎「後先考えずに調子に乗って買いまくるからだろ」 優希「そんな事言ったってタコスを食べなきゃ私人の形を保てないし……」シュン 京太郎「……ったく、しょうがねえな」ゴソゴソ 優希「京太郎?」 京太郎「ほら、五千円貸してやるからこれで3日間なんとかしろ」 優希「うえっ!? さ、さすがにこんな大金受け取れないじょ!」 京太郎「別にいいんだよ、どうせ今小遣い余ってるし」 優希「……ちなみに、月いくらくらいもらってるんだ?」 京太郎「うーん、昼飯代合わせて月4万くらいか?」 ※ちなみに高校生のお小遣いの平均は5600円 優希「」 京太郎「俺ほとんど学食とか購買だし肉体労働が多いから、それなりにもらっとかないとやってけないんだよ」 優希(わ、私でさえタコス代込みで月2万円なのに……上には上がいたのか) 京太郎「今月は意外に使わなかったからちゃんと返してくれるなら貸すぞ?」 優希「……じゃあ、お言葉に甘えるじぇ」 京太郎「了解、返すのはいつでもいいからな」 優希「京太郎に貸しを作るのはアレだから早めに返すじょ」 京太郎「まっ、そこは好きにしてくれ」 優希(京太郎って意外にお金持ちなんだな……新しい発見だじぇ) 【優希は幼児体型?】 優希「タコスウマー♪」モグモグ 京太郎「毎日毎日そんなに食べてよく飽きないな……」 優希「ん、なんか言ったか京太郎?」 京太郎「なんでもない、強いて言うならよくもそんなに食べて太らないなって思っただけだ」 優希「むぐっ……」 京太郎「優希?」 優希「わ、私は太らない体質だからな……」 京太郎「……なんかすまん」 優希「な、何を謝ってるんだ? 意味がわからないじょ」 京太郎「いや、気にしてるなら謝るべきだろうなと」 優希「……ええい、もうこの話は終わりだ終わり!」 優希「だいたい女の子に向かって体重関係の話をするなんてデリカシーがなさすぎる!」 京太郎「だ、だから謝ってるだろ。 そんな怒るなよ……」 優希「ううー……」 優希(最近確かにおなか周りがプニプニしてきたけど、まだ取り返しがつかないわけじゃないじぇ……うん、大丈夫) 京太郎(こいつの体型ってモロに幼児のそれなんだよなあ……その手の人が見たら結構たまらないんじゃないか?) 優希「……」モグモグ ※ちなみにタコスのカロリーは164kcal 優希は普段タコスを3つは食べるため合計は492kcal、高1女子の1日に必要な平均カロリーは2250kcal 意外に普段の優希のタコス消費量には問題がないのかもしれません 【須賀京太郎の日記】 ○月△日 いよいよ全国大会本番 優希に必要なタコス屋を探して動いていたら長野で会った執事服の人にまた会って店を教えてもらった 店は会場から結構遠くてどうしたもんかと悩んでたら、 さっきの執事さんがタコスを自作できるらしくて明日から作り方を教えてもらえる事になった! これでわざわざ買いに行かなくてもよくなるかもしれない! 待ってろよ優希、お前が驚くくらい美味いタコスを作ってやるぜ! それにしてもあの執事さん、龍門渕の人だったんだな……だったら県予選の時は塩送られたって事か、なんか悔しい 京太郎「ふう」 京太郎「本当によかった……ついてきたはいいけど全く役に立たないなんてごめんだからな」 京太郎「これで、俺も少しはみんなの役に立てればいいんだけどな……」 京太郎「よし、明日から頑張って修行開始だ!」 【掃除も雑用の内】 久「今日はみんなで大掃除と荷物整理をしましょう」 まこ「ここは色々あるからのう……やるとしたら1日がかりになりそうじゃ」 和「そもそも関係ない物が多すぎる気がします……」 咲「そういえば最近ここの本読めてないなあ」 優希「よし、私は外のビーチチェアーが壊れてないか実際に寝てチェックを……」 京太郎「露骨にサボるフラグを立てるなよ!」 久「はいはい、それぞれ何をするかは任せるけど出来るだけサボらないようにね? じゃあ始めましょう!」 咲「あっ、この本、日に焼けちゃってる……背表紙も擦れてるし古い本なのかな」 咲「……ちょっと中身を確認するだけなら、いいよね?」 咲「……」ペラッ、ペラッ…… 京太郎「ええっとこの箱はこっちに……」 和「あら、ベッドの下に何か……これ、エトペンのキーホルダー……」 優希「おお、それ前に私が持ってきてなくしたやつだじぇ。 そんなところにあったのかー」 和「……」キラキラ 優希「のどちゃん、欲しいならあげるよ?」 和「えっ、いいんですか!?」 優希「のどちゃんなら大切に扱ってくれそうだしな! 私が持ってるよりはそいつも幸せだじぇ!」 和「あ、ありがとうございますゆーき!」 京太郎「窓ガラスもだいぶ汚れてんな……雑巾、雑巾っと」 まこ「おんや、これは……」 久「まこ?」 まこ「ああ、見てくれ部長。 随分と懐かしい写真が出てきたんじゃ」 久「それまこが入部してきた時に撮った……」 まこ「この頃はまさか全国出場どころか優勝するなんて思いもせんかったわ」 まこ「正直お前さんが築いたここを引き継ぐというのは相当なプレッシャーじゃが……」 久「まこならできるわよ、私が保証する。 私が卒業した後の麻雀部をお願いね?」 まこ「うむ、精々努力はさせてもらう」 京太郎「自動卓も汚れてんな、ほとんどタコスのソースのせいっぽいけど」 ――…… 京太郎「なんで俺しか分担終わってないんですか!?」 久「ご、ごめんなさい……つい思い出話に花が咲いちゃったわ」 まこ「すまん、やってしもうた……」 和「エトペンのキーホルダーに夢中になってしまいました……ごめんなさい」 優希「そ、掃除は何か見つけちゃうとはかどらないものなんだじぇ……」 咲「結局本一冊読みきっちゃった……ごめんね、京ちゃん」 京太郎「ダメだこりゃ……」ガクッ 【猫蛇セアミィの謎】 優希「るんたった、るんたった♪」 京太郎「随分とご機嫌なこって……そんなにタコス食えるのが嬉しいのか?」 優希「まーなー♪」 優希(休みに2人で出かけるなんてまさしくデートに違いない! これが楽しくないわけないじょ!) 京太郎「ふーん……そういえばさ」 優希「なんだー?」 京太郎「お前私服でもその猫?蛇?だかのアクセサリーつけてんのな」 優希「おお、これか。 これはのどちゃんが私のために選んでくれたお気に入りだからな! 出来る限りつけるようにしてるんだじぇ」 京太郎「へえ、確かにあのペンギンといい和の趣味っぽいな」 優希「ふふふ、美少女たるこの優希ちゃんにのどちゃんの見立てたこの猫蛇セアミィが加わればまさに最強! 」 優希「向かうところ敵なしだじぇー!」 京太郎「自信過剰な気もするが……まあ、確かに似合ってはいるんじゃね?」 優希「あはは、京太郎が素直に褒めるなんて珍しい事もあるな。 なんだか照れちゃうじょ」モジモジ 京太郎「何言ってんだか……ん?」 セアミィ「///」 京太郎「」 京太郎(えっ、なにあれ。 さっきまで普通のぬいぐるみだったセアミィ?」 京太郎(だったかなんだかが今見たら優希みたいに照れてるんだけど) 優希「京太郎?」 セアミィ「?」 京太郎(また優希に合わせたみたいに顔変えた!? なんなんだよ、まさかアレ生きてるのか!?) 優希「おーい、無視するんじゃない!」 セアミィ「」プンプン! 京太郎「あ、ああ悪い……」 京太郎(聞くべきか、いや、でもそんなバカな話があるわけ……) 優希「よろしい! じゃあ早くタコス屋に行くじぇ!」トテテッ 京太郎「あっ、待てよ!」タタタッ 京太郎(気のせい、だよな。 うん、そうに決まってる……和じゃないけどそんなオカルトありえないって) セアミィ「」ニコニコ 【本にあるからといってそれが正しいとは限らない】 優希「うぐぐ、京太郎め。 いつになったら私の魅力にメロメロになるのだ。 色々試してるのにな……」ペラッ ・男女に友情なし、ぐいぐい行けば必ず落とせる! 優希「京太郎!」 京太郎「どうした優希」 優希「新しいタコス屋が出来たらしいから明日の休み、私につきあえ!」 京太郎「なんで休みにまでつきあわされなきゃ……わかったわかった、行くからそんな目で俺を見るな」 優希「よし、約束だからな!」 優希(休日デート、これで京太郎も少しは私を意識するはず!) 京太郎(仲のいい妹とかいたらこんな感じなのかね……おごらされる未来しか見えないから財布に補充しとこ) ・意識させるような発言を繰り返してみよう! 京太郎「今日は俺達以外まだ誰も来てないのか」 優希「2人っきりだじぇ、あなた♪」 京太郎「はいはい、俺はネトマしてるからタコスでも食べておとなしくしてなさい」 優希「京太郎が食べさせてくれないのか?」 京太郎「お前なあ……」 優希(焦ってる焦ってる♪) 京太郎(まるで子供だな……なんで今の内に父親体験をしなきゃならんのだ) ・男は狼、セクシーに迫ればいける! 優希「き、京太郎……」 京太郎「どうした? おい、なんでお前スカートの裾なんか握って……」 優希「わ、私京太郎になら見せてもいいんだじょ……」チラッ 京太郎「は、はあ!? ちょっと待て、いくらなんでもそれは……」 優希「京太郎……」 京太郎(マズい、この前のメイド服と違って恥じらってるからなんかくるものが…いやいや、そんなわけない! 俺がこいつにそんな……) 和「こんにちは」ガチャッ 京太郎「」 優希「あ」 和「……」 スガクン、ユーキニナニヲヤラセテルンデスカ! ゴカイダ、キイテクレノドカ!コレハユウキノヤツガ、マッテケイサツハヤメテ! 優希(後少しだったのに……) 京太郎(なるほどね……優希の奴、和が来るのわかっててやりがったのか……) 京太郎(ちくしょう、気の迷いとはいえあの時ちょっとドキッとした俺がバカだった!) 優希「今日も失敗……なんでうまくいかないんだろ」 ・男の子を落としてアラサーにならない方法 著者 小鍛治健夜 健夜「えっ、なにこれ、書いた覚えないよ」 恒子「私がやりました、テヘペロ♪」 健夜「こーこちゃん!?」 【もし京太郎が京子だったら】 京子「やっほー、咲」 咲「あっ、京ちゃん」 京子「ねぇねぇ、食堂一緒に行かない?」 咲「えっ、私今本読んでるんだけど……」 京子「本は食堂でも読めますよー。 1人一個限定のデザートがどうしても食べたいの、お願い!」 咲「ええ、普通そのためだけに食堂に誘う?」 ――…… 咲「中学で同じクラスなだけですから! 嫁さん違います!」 京子「まっこう否定ですか」 咲「えっ」 ――…… 京子「和って家庭的だよねー」 咲「そうだね」 京子「……」 和『おかえりなさい、京子さん』 京子「ふふ、うふふ……」 咲「き、京ちゃん……」 ――…… 京子「メイド服着た和、見たかったなあ……」 優希「そう言うと思って着てきたじぇ!」 京子「……」 優希「ほれ、パンチラ」 京子「いらない」 ――…… 久「先鋒優希、次鋒まこ、中堅私、副将和、大将咲!」 京子「部長、私は!」 久「京子は応援、以上!」 京子「ですよねー」 ――…… 京太郎「」 優希「うわあ」 咲「京ちゃん、女の子だったら色々すごいね」 京太郎「なにこれ、ひどい」 優希「これはのどちゃん以上のわかりやすいガチガチのアレだじぇ」 和「あはは……ゆーき、後でお説教です」 優希「ひいっ」 咲「しかも京ちゃんったら私の嫁さん違いますって言葉にあんな事言ったくせに」 咲「麻雀部に入ったのが和ちゃん目当てだったり妄想したりって節操ないよね」 京太郎「なんということだ……なんということだ……」 結論【須賀京太郎が実は女の子な場合、当初の描写のガチレズ度が指なめをした和と同等かそれ以上になる】 『よく考えると京子ちゃんだった場合』 京子「私も麻雀部に入ります!」 久「やった、これで団体戦に出られる!」 京子「すいません、私初心者なんですけど……」 久「安心しなさい、私達でちゃんと教えてあげるから!」 京子「あっ、はい!」 ――咲ちゃん加入後…… 久「京子、あの……今度の団体戦のオーダーなんだけど」 京子「私はレギュラー落ち、ですよね」 久「ごめんなさい……入ってくれた時にはあれだけ持ち上げておいて」 京子「あはは、いいですよ……私みたいな初心者より咲が入った方がいいに決まってますから」 京子「私は、みんなの分も雑用とか頑張ります!」 久「本当にごめんなさい……」 こんな事が起きるわけですね まあレギュラー落ちはしても合同合宿には参加させてもらえるでしょうから…… 京子「はあ……合宿に参加させてもらえはしたけど周りのレベルが高すぎてついていけないよ」 京子「私なんかとやって他の人は何か得るものあるのかなあ……」 京子「ダメだ、変な事ばかり考えちゃう。 早く戻ろう……あれ?」 咲「……」 和「……」 京子「咲と和だ……なんでこんなところに」 咲「じゃあ戻ろっか和ちゃん」 和「そうですね、咲さん」 京子「――えっ」 京子「咲と和が下の名前で呼び合ってる……なんで」 京子「――私はまだ、【須賀さん】なのに」 京子「なんで私より後に会って関わった時間も短い咲が、なんで、なんでなんで!?」 京子「咲……私は弱い、咲より麻雀やってきた時間も短いからレギュラーは妥当だと思うしまだいいよ」 京子「でもあんたは、私が麻雀部に入る前から好きな人も、奪うっていうの……」 京子「そんなの、あんまりだよ」 優希「京子……」 結論【京太郎が女の子なだけで清澄1年組が大変な事になります】 「須賀京子の憂鬱」 清澄高校に入学後、同級生の原村和に一目惚れして麻雀部に入部した京子。 ちょうど京子が五番目の部員で団体戦に出場できるようになると部長の久に歓待された京子は、 自分の入部動機がまさか和への恋情であるとは言えず大して興味もなかった麻雀に従事する事に。 しかし全国大会への熱意から久を筆頭に麻雀部員達に熱心に教えてもらったり、対局を繰り返して 麻雀の楽しさを知っていった京子は皆のためにもインターハイで頑張ろうと心に決める。 そして入部してから数週間後、京子は中学からのクラスメート宮永咲が麻雀の経験者であると知る。 家族麻雀でお年玉を巻き上げられていたと語る咲に彼女が初心者だと思った京子。 周りがベテランだらけであり、初心者の自分への教育に時間をとられて練習も出来ない。 それだけ時間を使わせても大会で自分が足を引っ張るのが確実な状況なのも手伝って、 初心者仲間欲しさに咲を勧誘した京子は彼女を麻雀部の部室へと連れていく。 それが自分のレギュラー転落と失恋を呼び込む行動とも知らずに…… 安価なしでスレ立てするとしてあらすじはこんな感じですかね 京太郎が京子ちゃんになるだけで不憫、寝取られ、戦犯にもなれないレギュラー落ちなどの属性がつくという…… 【京太郎のたこ修行】 京太郎「ほっ、ほっ……」 優希「到着ー! 京太郎、何してるんだ?」 京太郎「見てわからないか、たこ焼き焼いてんだよ」クルックルッ 優希「たこ焼き! ほほう、私の好物だじぇ!」 和「部室でたこ焼きを焼く意味がわかりません」 京太郎「しょうがないだろ、たこ焼き器しか持ってこれなかったんだよ」 和「答えになってません!」 優希「ジー」 京太郎「あんま近いと跳ねて火傷するぞ?」 優希「なら早く食べさせるのだ!」 京太郎「もうちょっと待てって」 咲「うわ、どうしたのこれ?」 和「須賀君がなぜだかたこ焼きを焼いてるんです、部室で卓の上にたこ焼き器を乗せて……理解できません」 京太郎「ここ電源少ないんだよ……だからといってパソコンの方だとちょっと遠いし」クルックルッ 優希「早く早く! 今日はタコスが売り切れてたからタコのつくものを食べなくては私は人の形を保てない!」 京太郎「わーってるって! ほら、一丁あがりっと」 優希「ヒャッハー!! タコだ、タコのつく食べ物だじぇー!」 和「あっ、ゆーき! そんなに慌てて食べたら火傷しますよ!」 優希「おっと……ふう、危うく美味しく食べられなくなるところだったじぇ」 京太郎「逃げやしねーからゆっくり食べろよな。 あっ、咲と和もどうだ?」 咲「これ、タコスがなくなった時のために作ったんだよね?」 京太郎「おう、今日は昼の時点でタコスがなくなってたからな。 」 京太郎「まさに前に話したタコスがなくなるシチュだったから他の物を作る事にしたんだよ」 咲「じゃあもらおうかな……京ちゃんがちゃんと美味しく作れてるか確認しないと」 京太郎「そういう言い方するなら俺は優希に食べてもらうだけでいいんだぞー?」 咲「……美味しそうだから私も食べたいです」 京太郎「素直でよろしい」 和「……」ゴクリ 京太郎「和はどうする?」 和「……わ、私は」チラッ 優希「むぐむぐ……京太郎が作ったにしてはなかなか……」 咲「あっ、美味しい……」 和「……私にもください」 京太郎「了解」 優希「京太郎、おかわりだ!」 咲「京ちゃん私も私も!」 和「わ、私もお願いします……」 京太郎「あいよー!」 久「えっ、なにこれ」 まこ「ここはいつから料理部になったんじゃ……」 【優希も本くらい読むんです】 優希「暇だじぇー。 みんないつになったら来るんだー」モグモグ 優希「うーむ……ここは1つ本でも読んでみよう!」 優希「面白い本はあるかなーっと……これにするか。 タイトルは【隣の家の少女】?」 優希「きっと隣の家の女の子を好きになっちゃうみたいな話だな!」 優希「ふふふ、これで優希ちゃんも文学少女だじぇ。 もう子供っぽいとは誰にも言わせん!」 優希「……」ペラッ 優希「……」ペラッ 優希「……」 優希「うーん、字ばっかりで飽きたじょ……もっと面白いのはないのかー?」 優希「【狂鬼降臨】、【問題外科】、【暗い森の少女】、【骨餓身峠死人葛】……」 優希「なんだかタイトルだけで頭が痛くなりそうだじぇ。 最後のなんかタイトル読めないし……」 優希「おっ、漫画みっけ! これなら私も退屈せずに読めそうだじぇ! えーっとタイトルは【ミスミソウ】? 」 優希「タイトルはよくわからないけど漫画なら面白いのは確実だじょ!」 ――…… 京太郎「ちわーっす」 優希「……」 京太郎「おっ、まだ優希だけか?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「すいませんすいません、なんか生きててすいません」ガタガタ 京太郎「何があった!?」 【そういうところが好きなんです】 優希「うう、昼間は酷い目にあったじぇ……なんで部室にあんな本があるんだ。 まさか咲ちゃんの趣味じゃないだろうな……」 優希「今日は親も帰ってこないし、眠れなくなりそうだじょ……」 ガタッ! 優希「ひっ!?」 優希「か、風……?」 ガタガタッ! 優希「やあっ!?」 優希「やだやだ……誰かに電話して朝までつきあってもらいたいじょ……」 優希「でも、そんなののどちゃんには怒られるだろうし、咲ちゃんは途中で寝ちゃう気がするし……」 ガタガタガタンッ!! 優希「いやあっ!? ううう……京太郎ぉ……」 ピンポーン 優希「えっ……」 ピンポーン 優希「だ、誰だじょ……? まさか誰かが火をつけに来たとか……ひいっ」 京太郎「おい、優希ー?」 優希「――京太郎?」 京太郎「ふーむ、今日は様子が変だったから見にきたけどもう寝たのか……?」 ドタドタドタッ、ガチャッ! 優希「京太郎!」ガバッ! 京太郎「うおっ!?」 優希「京太郎京太郎……!」ブルブル 京太郎「ど、どうした? なんか怖い夢でも見たのか?」ナデナデ 優希「ううう……」 ――…… 京太郎「うん、うん……ああ、わかってるって。 じゃあ口裏合わせは頼むな」ピッ 優希「……」 京太郎「家には他のやつの家に泊まるって連絡して、そいつに口裏合わせも頼んどいた」 京太郎「で、部室でも変だったけど何かあったのか?」 優希「……部室で怖い本を読んだんだじょ。 夢にも出てきそうなくらい怖くて、今日は親もいないから……」 京太郎「心細かった、と……そういえば咲の奴がお前と全く同じ状態になった事があったわ」 京太郎「あそこヤバい本が色々あるらしくてさ、全部読んじゃったらしいあいつはもっと酷かった」 優希「そうなのか……」 京太郎「まっ、泊まるまでになったのはお前くらいだけどな」ナデナデ 優希「んっ……」 京太郎「今日は朝まで一緒にいてやるよ、お前が暗いと調子狂うしな」 優希「京太郎……」 京太郎「よし、今日は俺が夕飯作ってやるよ! ちょっとキッチン借りるな」 優希「京太郎は優しいじぇ……」 優希「――そういうところが私は好きなんだ……」 京太郎「なんか言ったか?」 優希「なんでもない!」 【それはとてもシンプルな理由】 京太郎「さて、そろそろ寝るか?」 優希「そうだな……京太郎のおかげで今日は眠れそうだじぇ」 京太郎「それは一安心だ。 じゃあ悪いけどソファー借りるな」 優希「えっ、なんで」 京太郎「なんでって……ソファーにも寝かせてくれないのかよ?」 優希「一緒に寝てくれないのか?」 京太郎「はあ?」 優希「朝まで一緒って言うからてっきり一緒のベッドで寝てくれると思ったのに……」 京太郎「……あのなあ優希。 お前自分がとんでもない事言ってる自覚あるか?」 優希「そう、か?」 京太郎「そうだよ。 いいか、もしそんな台詞を誰彼構わず言おうものなら間違いなくお前襲われるぞ? 」 京太郎「俺はそんな気にならないからまだいいけどな、世の中には色んな趣味のやつがいるんだから……」 優希「……京太郎以外に、こんな事言わないじぇ」ボソッ 京太郎「えっ? お前今なんて……」 優希「いいじゃないか。 京太郎は私を襲わないんだろ? それとも一緒にいてくれるって嘘だったの……?」 京太郎「うっ、そうきたか……はあ、わかったよ」 優希「やった!」 ――…… 京太郎「……」 優希「……」ドキドキ 優希(京太郎と一緒に寝るなんて夢みたいだじょ。 心臓の音、聞こえてないかな……) 京太郎「なあ、優希」 優希「な、なんだ!?」 京太郎「お前さ、どうして俺と一緒に寝ようなんて思ったんだ?」 優希「えっ……」 京太郎「自分で襲わないとか言いはしたけどさ……」 京太郎「普段の俺って和の事結構そういう目で見てたりするような奴だし、はっきり言ってそういう信用ある気がしないんだよ」 優希「……」 京太郎「お前が俺を信頼してくれてるなら嬉しいけど、どうしてそこまで俺を信用できるのか、ちょっと気になった」 優希「それは……」 京太郎「……悪い、なんか変な事聞いた。 もう寝ようぜ、明日は休みだけど早めに起きた方がいいしな」 優希「うん……」 ――…… 優希「京太郎、もう寝た?」 京太郎「zzz……」 優希「……さっきの質問の答えだけど、私は別に京太郎なら襲わないとか信頼してるわけじゃないんだじょ」 優希「いや、信用してないわけでもないけど」 優希「ただ、そうただ――」 優希「京太郎なら襲われてもいいって思ってるだけ」 優希「それだけだから……おやすみなさい」 京太郎「……ばかやろ」 【小さな変化、大きな前進】 優希「んっ、朝……?」 優希「あれ、京太郎……?」 京太郎「……」トントントン 優希「京太郎?」 京太郎「あっ……よ、よぉ、おはよう優希」 優希「おはようだじぇ」 京太郎「今朝飯作ってるから顔洗ってこいよ。 あっ、腹減ってると思ってまたキッチン借りたけどいいよな?」 優希「うん、お腹ペコペコだじょ……顔洗ってくる」 京太郎「おう」 京太郎「まっずいなあ……昨日のあいつの言葉聞いたせいか、まともに顔が見られないぞ」 京太郎「はあ、さすがにアレは反則だろ……」 優希「反則って何がだ?」 京太郎「なっ!? は、早いんだな?」 優希「えっ、さっきから数分は経ってるしそんなに早くないだろ?」 京太郎「あっ、そうなのか……そりゃ確かに早くないわ」 優希「京太郎、なんか挙動不審だじぇ」 京太郎「いや、そんな事はないぞ!?」 優希「そうかー?」 京太郎「そうなんだって! いいから向こう行って待ってろ、今朝飯持ってくから!」 優希「はーい」トテテ 京太郎「……くそっ、人の気も知らないで」 ――…… 京太郎「……ってな事があったわけなんだが、俺はどうしちまったんだと思うよ?」 咲『……』 京太郎「咲ー? 黙ってないでなんか言ってくれよー」 咲『京ちゃんってさ』 京太郎「おっ、なんかわかったのか?」 咲『バカでしょ』 京太郎「はああ!? お前言うに事欠いてそれはないだろ! おいこら待て、まだ話は終わってない、切るなって、おい咲!」 京太郎「切れた……なんなんだよ、もう」 【片岡優希の日記その3】 ○月◇、☆日 昨日は京太郎が泊まりに来たから書けなかった分も書く 昨日部室で怖い本を読んだ。 読み終わった後もすごく気分が暗くなってのどちゃん達にも心配をかけちゃった……当分火とボウガンは見たくない。 昨日は親が遠出してて帰ってこないから1人きりで留守番してたけど、すごく心細くて泣きそうになって。 だけど上に書いた通り、京太郎が心配して泊まりに来てくれた。 それからはドキドキしっぱなしで怖いとかほとんど関係なくなってた…… 渋られたけどなんとか押し通して一緒に寝られたしいい事づくめだった! だけど今日の朝、京太郎はちょっと様子が変だった……何かあったのかな? 優希「ふう……京太郎、どうしたんだろ? 心配だじぇ」 【端から見たらわかりやすい】 京太郎「はあ……」 咲「京ちゃん、ため息なんてついてたら幸せが逃げちゃうよ?」 京太郎「ああ……」 咲「聞いてないし」 京太郎「なあ咲……」 咲「どうしたの? この前の事( 214)でまだ悩んでるの?」 京太郎「最近優希の事が頭から離れない……俺はどうしちまったんだ……」 咲「まだこんな事言ってるよ……あのね京ちゃん、それは京ちゃんが優希ちゃんを好きって事……」 京太郎「それはない」 咲「そこ、はっきりと即答しちゃうんだ……根拠は?」 京太郎「だってあいつは俺の好みとはまるで正反対だし、和みたいに感じる事もないんだぞ?」 咲「うん」 京太郎「そりゃあ、優希だって女の子なんだなー」 京太郎「とは思うようにはなったけど、だからといってそれがイコール好きに繋がるかといったらそれは違うだろ」 咲「……」 京太郎「ああ、もう、なんかモヤモヤすんな……誰かこの気持ちをうまく説明してくれよ……」 咲(それ、和ちゃんへのは憧れで優希ちゃんへの気持ちが恋なんじゃないの?って言ったらすごい事になりそう……) 京太郎「ちくしょう、それもこれも優希があんな事言いやがったのが原因だ……どうしてくれようか、あのタコス娘……」 咲(端から見たら優希ちゃんに恋してるようにしか見えないんだけどなあ。 優希ちゃんは苦労しそうだね、今までもこれからも) 京太郎「はあ……」 咲(ため息つきたいのはこっちだよ、もう……) 【されど互いは気付かない】 優希「はあ……」 和「ゆーき? ため息なんてついて何か悩み事でもあるんですか?」 優希「のどちゃん……私、もうどうしたらいいかわからないじぇ」 和「ゆーきがそこまで言うなんてよっぽどの事があったみたいですね……よかったら聞かせてくれませんか?」 優希「実は……」 ――…… 和「須賀君に避けられてる、ですか」 優希「今までだって相手にされない事はあったけど避けられるのは初めてで……」 和「確かに、らしくはない気もしますね。 何か避けられる心当たりは?」 優希「うーん、様子が変になったのは京太郎が私の家に泊まった日からだったような……」 和「その時に何かありましたか?」 優希「一緒に寝た以外はいつも通りだったじょ」 和「一緒に寝た!? ゆーき、あなた須賀君とそんな事をしたんですか!?」 優希「えっ、ダメだったかな? 一緒の布団で眠っただけなんだけど……」 和「……それなら、いいんです」 優希「のどちゃん、何を想像したんだ?」 和「何でもありません! とにかく、須賀君がそこを分岐点に変わったとするなら一番可能性が高いのはゆーきを意識しているとか……」 優希「それはないじぇ」 和「根拠はあるんですか?」 優希「だって京太郎の好みと私は噛み合ってないし、それに……」 優希(京太郎が好きなのはのどちゃんだし……) 和「それに?」 優希「なんでもないじぇ……とにかく京太郎が私を意識してるって事はないと思う」 和「そうですか……」 優希「のどちゃん、私何かしちゃったのかな……ぐすっ」 和「そ、そんな事ありません! きっと何か行き違いがあるんだと思います。 だから泣かないでゆーき……」 優希「のどちゃあん……」 和(悔しいですがこれ以上は1人でどうにかできそうにありません……咲さんに相談してみましょう) 【ごく自然に受け入れられた風潮・京太郎の場合その3】 ハギヨシ「須賀君はなかなか筋がよろしいですね」 京太郎「そうですか?」 ハギヨシ「ええ、タコス作りを教えるようになってからまだ時間はたっていないのに随分成長しました」 京太郎「それはたぶん先生がいいからですよ」 ハギヨシ「ふふっ、そう言っていただけるとこちらとしてもお教えしたかいがありますね」 京太郎「これからもご指導よろしくお願いします」 ハギヨシ「もちろん」 京太郎「さて、時間も時間だし帰るとするか」 ハギヨシ「家までお送りしましょう。 車を出しますので少しお待ちください」 京太郎「あ、ありがとうございます! やっぱりハギヨシさんはいい人だなあ」 「あら、そこにいるのは……」 京太郎「あっ、あなたは確か和の対戦相手だった……」 透華「龍門渕透華ですわ」 京太郎「あっ、俺は……」 透華「清澄高校の須賀京太郎、でしょう? ハギヨシの交友関係くらい把握しておりますわ」 京太郎「あっ、そうなんですか……いつもハギヨシさんにはお世話になってます」 透華「別に構いませんわ、最近のハギヨシはいつにもまして楽しそうに過ごしていますもの」 京太郎「楽しそう? ハギヨシさんがですか?」 透華「ええ、正確に言えばあなたに色々指導するようになってから、ですわね」 透華「ここにいるのは女性ばかり、ハギヨシとしても同性の知り合いが出来た事が嬉しいんでしょう」 京太郎「いえ、そんな……」 透華「だからこそはっきりさせておきたい事があります」 京太郎「なんですか?」 透華「あなたはハギヨシと、懇ろな仲なんですの?」 京太郎「」ピシッ 透華「わ、私が気にしているわけではありませんわよ!? 」 透華「ただ屋敷のメイドが噂していましたから、衣の教育によろしくない関係か確かめる義務が私には……!」 京太郎「ないですないです! 俺はちゃんと女の子が好きです!」 透華「それならいいんですわ。 これからもハギヨシと仲良くしてやってくださいな」 京太郎「は、はい」 透華「それでは、ごきげんよう」 京太郎「……すごい事聞かれたぜ」 ハギヨシ「お待たせしました須賀君、行きましょう」 京太郎「あっ、はい」 京太郎(だけど、なんで俺は龍門渕さんの言葉を否定した時……) 『京太郎!』 京太郎(あいつの顔、浮かんだんだよ?) 風潮【須賀京太郎はホモである】 【傍観者達は何を思う】 和「……というわけ、なんですが須賀君はいったいどうしてしまったんでしょうか?」 咲「優希ちゃんはそんな事になってるんだ……そういう意味ではお似合いなのかな」 和「それはどういう……まさか」 咲「うん、間違いないよ。 京ちゃんと優希ちゃんは両思いなのに変なところですれ違ってるの」 和「須賀君は散々邪険にしてきた負い目から今さら自分の気持ちを認められず」 和「ゆーきは須賀君の好みとは違う自分が好かれている自信がない、といったところですか」 咲「たぶんね」 和「なんという……少し話せばあっさり解ける誤解なのに」 咲「それはしょうがないよ、京ちゃんはフレンドリーなのに肝心なところで臆病だから」 和「ゆーきも、これが須賀君でなければ当たって砕ける覚悟も出来るんでしょうね」 咲「苦労するね、お互いに」 和「全くです……ところで、いいんですか?」 咲「なにがかな?」 和「いえ、私の勝手な想像ですけれど、咲さんはそれなりに須賀君を好いていると思ってましたから」 咲「私が、京ちゃんを?」 和「気分を害されたのなら謝ります」 咲「いいよ、気にしないで……そもそもそんな事ありえないし」 和「そうですか?」 咲「うん。 確かに私にとって京ちゃんはお友達だし、一番仲のいい男の子だよ」 和「だけどそれがイコール好きに繋がるかと言ったらそうじゃないと思う」 和「……」 咲「まあ、京ちゃんは単純だし、エッチだし、馴れ馴れしいところもあるし」 咲「髪の毛のせいで軽く見られちゃうし、子供っぽいし、すぐに人をからかってくるし」 咲「わざわざレディースランチのためだけに人を連れ回すし、胸の大きな子にはデレデレしちゃうし」 咲「1つの事に集中しちゃうと周りが見えなくなるし、こういう時へたれちゃうような人だしね」 和「あの咲さん、さすがに言いすぎ……」 咲「――だけど」 咲「悪いところも確かにあるけどそんなの気にならないくらい、いい人でもあるんだよ」ニコッ 和「……!」 咲「だから早く付き合っちゃえばいいのにね、2人共」 和「そう、ですね」 和(あなたは、本当にそれでいいんですか咲さん……) 咲(……) 【まだ賽はふられてない】 優希「京太郎、今日の放課後……」 京太郎「き、今日は俺用事あるから!」 優希「あ……」 京太郎「くそっ、なんでこんな事になったんだ……」 「そうねぇ、天罰ってやつじゃないかしら?」 京太郎「それじゃあ俺が何かしたみたいじゃないですか」 「自覚ないの? 優希もかわいそうね」 京太郎「そんなの――」 京太郎(ん? ちょっと待て、俺さっきから誰と話して……)バッ 久「お疲れ様、須賀君。 なんか大変な事になってるみたいね」 京太郎「竹井先輩……別にそんな事は」 久「須賀君は嘘が下手ねぇ。 その顔見て何もないなんて信じられるわけないじゃない」 京太郎「……そんなに酷いですか?」 久「今にも死にそうね……ここは1つ元部長に相談してみない?」 京太郎「……実は」 久「へえ、優希がそんな事を言うなんてねえ」 京太郎「あんな事言われたらこれからどう接していいのか……」 久「あら、話を聞く限り簡単だと思うけど」 京太郎「えっ」 久「だって優希は須賀君が好きで、須賀君も優希が好きなんでしょう?」 京太郎「あの、俺の話聞いてました? あいつを好きとかそういうのじゃないって……」 久「須賀君、私にはあなたがそう言い聞かせるふりをして、優希と自分の気持ちを見ないようにしてるようにしか見えないわよ」 京太郎「なっ……」 久「和の時とは違う、だから自分は優希を好きじゃありませんって自分で言ってる事おかしいと思わない?」 京太郎「っ……」 久「好みが正反対なんてそれこそ根拠にもなってない愚論よ」 久「世の中の人が全員自分の好みと完璧に一致する人しか好きにならないなんて、和じゃないけどそんなオカルトありえません」 京太郎「う、ぐっ」 久「まあ須賀君は優希のアピール散々無下にしてきてるし、気まずいのかもしれないけど……」 久「いつまでも優希の好意に甘えるのはよしたら?」 京太郎「俺は!」 久「いいから黙って聞きなさい。 須賀君、ヒントをあげる……自分以外の誰かと優希が付き合ってるところ想像してみて」 京太郎「えっ」ズキッ 久「デートして、あの子が笑顔で好きって言って、言われて照れて、手を繋いで……」 京太郎「あ、つう……!」ズキッ、ズキッ 久「腕を組んで、キスして、最後にはその身体をあなた以外に襲われてもいいって……」 京太郎「やめてくださいっ!!」 【持つものにないもの、持たないものにあるもの】 優希「京太郎、今日の放課後……」 京太郎「き、今日は俺用事あるから!」 優希「あ……」 優希「どうしてこんな事になっちゃったんだじぇ……」 まこ「元気ないのう、優希」 優希「あっ、染谷先輩……」 まこ「何があったかはわからんが、いつも元気なお前さんがそこまで落ち込んどるいう事は今逃げていった奴が関係しとると見ていいか?」 優希「……」コク まこ「もしよければ悩みを詳しく聞かせてもらえんか?」 優希「……わかったじょ」 まこ「なるほどのう。 それは確かに不安にも感じるじゃろうな」 優希「私どうしたらいいかもうわからないじぇ……」 まこ「しかし優希、なぜ京太郎のやつがおんしを好きだという可能性を最初から否定するんじゃ?」 優希「だって京太郎はのどちゃんが……」 まこ「確かに京太郎が麻雀部に入った目的は和じゃし、そう思う気持ちはわからんでもないが……じゃが本当に可能性はないのかの?」 優希「えっ……」 まこ「わしはな優希、お前さんが次にツモれる聴牌をわざわざ崩しにいってるように見えるんじゃよ」 優希「聴牌をわざわざ……?」 まこ「そうじゃ。 色々な客を見てきた身から言わせてもらうなら京太郎はお前さんを好いとると思う」 優希「京太郎が、私を……」 まこ「優希、確かにお前さんになくて和が持っているものはたくさんあるじゃろう」 まこ「じゃがそれは逆もしかり、優希にあって和にないものだって同じくらいたくさんあるんじゃ」 優希「のどちゃんになくて、私にあるもの」 まこ「そうじゃ、優希はそれで勝負すればいい」 まこ「たとえどんなに削られても、心を支える点棒が尽きなければお前さんは戦えるはずなんじゃ」 優希「……」ギュッ まこ「優希、わしの言葉をどう捉えるかはお前さん次第じゃ。 それを踏まえた上でどうしたいか決めんしゃい」 優希「私、私は……京太郎と一緒にいたい。 今みたいなのは、もう嫌だ!」 まこ「ならどうすればいいか、わかっとるな?」 優希「……ありがとう、染谷先輩! 私、いってくるじょ!」タタタッ まこ「……頑張れよ、優希」 優希「はあ、はあ……」 優希「京太郎、私は決めたじぇ……私は、今日お前に告白す――」 咲「それは通らないよ、優希ちゃん」ゴッ 【もう自分に嘘はつかない】 久「やめてください、ねぇ……どうしてかしら?」 京太郎「それはっ……」 久「あなたは優希を好きじゃないんでしょう? だったらあの子が誰と付き合う事になろうと文句は言えないはずよ」 京太郎「それとも、何か心境に変化でもあったのかしら?」 京太郎「お、俺は……」 優希『私は片岡優希! よろしくな京太郎!』 優希『初心者が私に勝とうなんてまだまだ甘いじぇ!』 京太郎(あいつは、出会った時から偉そうで、その癖ちょっと気に入らない事があるとだだをこねて) 優希『京太郎! 私はタコスを所望する!』 優希『そこにいる全員にタコスを食べさせるのだ』 優希『よくやった! お前は使える犬だ!』 京太郎(人を使いっぱしりにして散々振り回す、まるで子供みたいなやつ) 優希『京太郎京太郎……!』 優希『……京太郎以外に、こんな事言わないじぇ』 優希『京太郎なら襲われてもいいって思ってるだけ』 京太郎(だけど間違いなく優希は女の子で、そんなあいつを俺は、俺は――) 京太郎「いや、です」 久「何が?」 京太郎「俺は、優希を誰にも渡したくないです。 あいつの笑顔も照れた顔も独占してしまいたい」 久「どうして?」 京太郎「俺は、優希が好きだから」 久「……手間がかかるんだから」 京太郎「すいません」 久「謝るくらいならさっさと告白でもしてきちゃいなさい! あなたのお姫様が待ってるわよ?」 京太郎「そうですね……俺、学校に戻ります!」 久「行ってらっしゃーい……本当に、ややこしいくらい素直になれないんだから、【3人共】」 京太郎「戻ったはいいけどあいつどこにいるんだ? しらみつぶしに捜すしか……」 和「何をしてるんです」 京太郎「和! ちょうど良かった、優希を見なかったか?」 和「……教えるのは構いませんがその前にいいですか?」 京太郎「お、おう」 和「――今度ゆーきをこんな形で傷つけたら私はどんな手を使ってでもあなたとゆーきの仲を引き裂きます」 京太郎「……!」ゾクッ 和「私が言いたいのはそれだけです……ゆーきは屋上に行きましたよ」 京太郎「和」 和「なんですか?」 京太郎「優希を大切に思ってくれてありがとうな。 お前のそういうところも好き【だった】よ!」タタタッ 和「……」 和「ゆーきを、お願いします須賀君」 【たとえ今は勝てなくても】 優希「咲、ちゃん」 咲「優希ちゃん……今のあなたを京ちゃんの所に行かせるつもりはないよ……」 優希「な、なんでそんな!」 咲「優希ちゃん、私ね京ちゃんの事をとっても大切な友達だと思ってるの」 優希「……」 咲「だからね、京ちゃんがもし不幸になるのなら私はそうさせる人を認めない」 優希「私がそうだって言いたいのか?」 咲「どうかな……優希ちゃん、あなたは京ちゃんをどれだけ知ってる、理解してる?」 優希「……」 咲「私は京ちゃんの悪いところを10はあげられる、だけどいいところならその倍以上あげられる自信があるよ」 咲「優希ちゃんはなんで京ちゃんが好きなのかな? 」 咲「もし京ちゃんがわがままを聞いてくれる便利な存在だから、なんて欠片でも思ってるのなら……」ゴッ 優希「っ!」 咲「――私は全力で優希ちゃんを排除するよ」 優希(咲ちゃん、もしかして……) 咲「それで? 優希ちゃんはどれだけ京ちゃんを理解してるかな?」 優希「……咲ちゃんには勝てないじょ」 優希「私は京太郎と出会ってまだ半年くらい、どうしても咲ちゃん以上に京太郎を理解なんて出来てない」 咲「そう……」 優希「だけど!」 京太郎『須賀京太郎、よろしくな優希』 京太郎『うおおっ、初心者相手に容赦ねえ!?』 優希(初めて出会った時からわかってた。 目の前の男子はのどちゃんがお気に入りなんだって) 京太郎『またかよ、お前タコスで身体が出来てんのか?』 京太郎『しょうがねえな……タコスを食わせればいいんだな?』 京太郎『犬って……』 優希(どうしようもなく鈍感でスケベで馴れ馴れしい奴) 京太郎『ど、どうした? なんか怖い夢でも見たのか?』 京太郎『今日は朝まで一緒にいてやるよ、お前が暗いと調子狂うしな』 京太郎『よ、よぉ、おはよう優希』 優希(それでも私は京太郎が好きなんだ) 優希「今は咲ちゃんに勝てなくてもいい、私はいつか必ず京太郎の理解者になる!」 咲「!」 優希「咲ちゃんが京太郎のいいところを20出すなら私は30あげられるようになってみせるじょ! だから咲ちゃん……私を行かせて!」 咲「――良かった」 優希「えっ?」 咲「優希ちゃんは本当に京ちゃんを想ってくれてるってわかったから。 行って、京ちゃんは屋上にいるはずだよ」 優希「咲ちゃん……ありがとう」タタタッ 【その嶺に花は咲かない】 咲「……あーあ、本当に世話の焼けるカップルだなあ」 咲「これは今度しっかりお礼してもらわないとね」 咲「……」 京太郎『えっと俺、須賀京太郎って言うんだ。 よろしく宮永さん』 京太郎『うーん、なんか友達にしてはよそよそしいよな俺達……』 京太郎『よし、これから宮永さんの事は咲って呼ぶからそっちも京太郎って呼んでくれよ!』 咲(……そう、これで良かった) 京太郎『まだ須賀呼びかよー……じゃあなんなら呼べるんだ?』 京太郎『き、京ちゃん? それはちょっとハードルが高いんじゃないかなー……ああ、わかったわかったから泣きそうな顔するなって!』 咲(じゃあなんで、私は今こんなに胸が痛いんだろ、泣きたいんだろ……) 京太郎『咲は高校どこにするんだ? 清澄か……じゃあ俺もそこにするわ』 京太郎『咲を1人で行かせたら大変な事になりそうだからな!』 京太郎『怒るなって、ジョークジョーク!』 咲(あ) 京太郎『咲、ノートありがとうな』 京太郎『咲、レディースランチを恵んでくれ!』 京太郎『咲、これからもよろしくな』 咲(そう、だったんだ) 和「咲さん、こんな所にいたんですか?」 咲「……」 和「咲、さん?」 咲「和ちゃん、私……」 咲「――京ちゃんの事、好きっ、だった……みたい」ポロポロ 和「咲さん……」 咲「あは、ははは……京ちゃんを散々鈍感とか言ってたくせに、私も気づいてなかったんだ、自分の気持ち……!」ポロポロ 和「……」 咲「よく考えてみたら私、京ちゃんと同じような言い訳してたよ……なに、やってるんだろうね?」ポロポロ 和「咲さん……」ギュッ 咲「今さらわかってもさあ! もう私はスタートラインにすら立てないんだよ! 」 咲「やましい心がないのかって優希ちゃんを邪魔したくせに、誰よりも私がやましい心を持っちゃってる!」ポロポロ 和「もういいです、もういいですから……!」 咲「なんで今頃わからせるの!? なんで何もかも手遅れになった後で、こんな気持ちに気付かせたの……」 和「咲さん、いいんです。 苦しまなくていいですから……思いっきり気持ちを吐き出してください」 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 咲「うわああああああんっ!!」 【花が散った日、風が吹いた日】 優希「はあはあ……あれ、京太郎いない……」 ガチャッ 京太郎「あっ」 優希「あっ」 京太郎「……よぉ」 優希「……なにしてたんだ、バカ」 京太郎「バカな自分に喝を入れてた。 悪かったな、待たせちまって」 優希「別に、待ってないじぇ」 京太郎「今って意味じゃなくて、もっと前からって意味だよ」 優希「……」 京太郎「俺さ、やっとわかったんだ……」 優希「なに、を」 京太郎「俺、お前に惚れてる」 優希「あ……」 京太郎「好きなんだよ優希、お前の事が」 優希「……」ポロ 京太郎「えっ」 優希「ふっ、ひっく、っ……」ポロポロ 京太郎「えっ、えっ!? な、なんで泣くんだよおい!」 優希「だって、京太郎は私の事、見てくれなかったし、何しても相手にしてくれないし……!」 京太郎「……ああ、そうだったな」 優希「みんなに言われても、私不安でっ、怖くてっ……」 京太郎「ごめんな、不安にさせて……」 優希「わ、私も京太郎が好き、好き、好きだじぇ……!」 京太郎「そうか……」 京太郎「だったら俺と――」 優希「だから私と――」 京太郎・優希「――付き合ってください」 久「あっ、まこ? これから空いてないかしら? うん、うん……ええ、私達でもう1人のお姫様を慰めてあげたいのよ」 まこ「了解じゃ、じゃあ迎えに行くか……わしらで頑張ったなって言ってやらんとな」 和「あっ、先輩方。 はい、ありがとうございます……ええ、泣き疲れて眠っちゃってますから移動はタクシーにしましょう」 咲「京、ちゃん……すう、すう……」 京太郎「……帰るか、行こうぜ優希」スッ 優希「うん!」ギュッ 京太郎「さて、これからどうするかね……」 優希「京太郎」 京太郎「なんだ?」 優希「だーい好きだじぇ!」ニコッ 【須賀京太郎と片岡優希の日記】 ○月◎日 今日は俺にとって色々激動の1日だった。 なんせ初めての彼女が出来た日だからな! 竹井先輩には感謝してもしきれないぜ……今度お礼しないと それにしても俺が優希と、か……今でも少し信じられない気もするけど夢じゃないんだよな…… 頑張ろう、あいつの彼氏だって恥じる事なく胸を張れるようにな 京太郎「今日は本当に色々あったなあ……」 京太郎「彼女、か……く、くくっ、やべえ、にやけが止まらねえ!」 京太郎「ふう……優希、何してんのかな」 ○月◎日 き、き~~~~(波線部分は文字が滲んでよく読めない) 今日京太郎と付き~~事になったた ま、まだま手を~~~らいだどいずれは~~~ 相談にのってくれたのどちゃん、背中を押してくれた染谷先輩、そして咲ちゃん、ありがとう 優希「うわああ、前半部分が酷い事になってるじぇー!」 優希「ううう……今でも心臓がドキドキ言ってるじょ」 優希「京太郎もドキドキしてくれてるのかな……」 番外【ごく自然に受け入れられた風潮被害・和の場合】 咲「――京ちゃんの事、好きっ、だった……みたい」ポロポロ 和「咲さん……」 和(ああああ!! 咲さん咲さん咲さん、泣き顔も素敵です、美しいです!) 咲「あは、ははは……京ちゃんを散々鈍感とか言ってたくせに、私も気づいてなかったんだ、自分の気持ち……!」ポロポロ 和「……」 和(だけど咲さんを泣かせた罪は許しませんよ、2人共……!) 咲「よく考えてみたら私、京ちゃんと同じような言い訳してたよ……なに、やってるんだろうね?」ポロポロ 和「咲さん……」ギュッ 和(よっしゃあああ!! 自然に咲さんに抱きつけたあああ! 咲さんの髪の匂いクンカクンカ! 涙もペロペロしたいですう!) 咲「今さらわかってもさあ! もう私はスタートラインにすら立てないんだよ! やましい心がないのかって優希ちゃんを邪魔したくせに、誰よりも私がやましい心を持っちゃってる!」ポロポロ 和「もういいです、もういいですから……!」 和(今はあんな男より私の感触を感じてくださいよ! ああ、忌々しい男、早くこの手で八つ裂きにしてやりたい!) 咲「なんで今頃わからせるの!? なんで何もかも手遅れになった後で、こんな気持ちに気付かせたの……」 和「咲さん、いいんです。 苦しまなくていいですから……思いっきり気持ちを吐き出してください」 和(一番吐き出してほしいのは私への愛なんですけどね!) 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 和(だけどこれで邪魔者は消えました、後は私がじっくり咲さんを……2人への天誅はその後にしましょう……) 咲「うわああああああんっ!!」 和(ふふふ!) ――…… 久「……なんて考えてたりしてね、あはは」 和「今すぐ卓に座りなさい部長! 麻雀で泣かせて差し上げます!!」 まこ「お、落ち着くんじゃ、和!」 和「私がそんな事を考えるわけがないでしょう! だいたい須賀君はゆーきの大切な……あ」 咲「……」 和「あ、あの咲さん、その……」 咲「大丈夫だよ、和ちゃん。 あの時泣かせてもらって少しスッキリしたから……」 和「咲さん……」 風潮【原村和は咲狂いで結ばれるためには平気で周りや親友の優希すらも踏みにじる】 番外【ごく自然に受け入れられた風潮被害・咲の場合】 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 咲「――あっ、そうだあ」 和「えっ」 咲「そうだよ……なんで気づかなかったんだろう……ふふふふふ」 和「さ、咲さん……?」 咲「京ちゃんと結ばれないなら優希ちゃんを排除すればよかったんだあ……」 和「さ、咲さん!? 何を……」 咲「カン」ドグシャア!! 和「あうっ!?」 咲「ごめんねぇ、和ちゃん……私これから京ちゃん、優希ちゃんと麻雀をしてこなきゃいけないから」 咲「待っててね京ちゃん……優希ちゃんを消したら、その心を壊して家で大事に大事に飼ってあげるからね!」 和「ゲホッ、ゲホッ、咲、さん……」ガクッ 咲「あっはははははははは!!」 ――…… 久「咲はこれくらいアグレッシブでも……」 咲「それもうアグレッシブじゃないですよ!」 和「ただの頭おかしい人じゃないですか!」 まこ「あんたは何がしたいんじゃ……?」 久「んー、さすがにやりすぎたか。 まあ、でもこれで少しは気が紛れたんじゃない?」 咲「えっ……」 久「すぐに吹っ切れなんて言わない、でも少しずつこの失恋を乗り越えていきましょう……」 久「咲は泣き顔もかわいいけど笑顔の方がもっとかわいいんだから」ナデナデ 咲「部長……」 久「ふふっ、私はもう部長じゃないわよ?」 まこ「ええじゃないか、わしを含めた麻雀部員達にとって部長はやっぱりあんたなんじゃよ」 久「しょうがないわねぇ……これじゃいつまでも卒業ができないじゃない」 咲「ごめんなさい……」 久「謝らなくていいわ。 じゃあ卒業までは頑張って先輩やらせてもらおうかしら?」 まこ「今だって入り浸ったとるじゃろうが……」 久「まあね!」 和「……いい話にしようとしてますが、私はさっきの妄想を許す気はありませんよ?」 久「あはは、別に打つのは構わないわよ? 泣かされるのは和かもだけどね」 和「言いましたね!」 久「まこと咲も入りなさい! 今日は徹夜で打ちまくるわよー!」 まこ「しょうがないのう、じゃあちょっくら揉んでやるか!」 咲「……」 咲(みんな、私を元気づけようとしてくれるのがわかる……嬉しいなあ) 和「咲さん?」 咲「あっ、今行くよ!」 風潮【宮永咲はヤンデレ魔王】 【新しい1日の始まり】 優希「……んふぁ……よく寝たじぇ」 優希「……」パカッ 『須賀京太郎 グループ……恋人』 優希「……夢じゃない」 優希「えへ……へへへへ///」コロン 優希「私、もう京太郎の彼女なんだ……」コロコロ 優希「にやけが止まらないじぇー!」コロコロコロコロ ドサッ! 優希「あいたっ!?」 優希「えっと……あっ、いた! 京太郎! お、おはよう!」 京太郎「ああ、おはよう優希」 優希「待っててくれたのか?」 京太郎「まあな。 一緒の登下校とかいかにも恋人っぽいだろ」 優希「こ……」 京太郎「な、なんだよ」 優希「は、恥ずかしい事言うな、バカ!」 京太郎「べ、別に恥ずかしくないだろ! 本当の事、なんだからよ」 優希「そういうのが恥ずかしいって言ってるんだじょ!」 京太郎「……んだよ、じゃあお前には俺達の関係は恥ずかしい事なのか?」 優希「えっ、そ、そんなんじゃ……」 京太郎「ふーん、いいよいいよ。 俺は恥ずかしいなんて別に思ってなかったんだけどお前がそう思うなら、俺達合わないのかも……」 優希「そ、そんな……ちょっと待って! 私はそんなつもりは……あれ?」 京太郎「くっ、くく……」 優希「……おい」 京太郎「お、お前がまさかそんな……ちくしょう、かわいいじゃねえか!」 優希「このやろ! よくも人を笑い物にしたなあ!」 京太郎「ははは! せっかくつき合えたのに俺が合わないのかもなんて考えるかよ!」 優希「むうう……!」 京太郎「ほら、さっさと行こうぜ。 学校遅刻しちまうからな」 優希「……おりゃ!」ギュッ 京太郎「のわっ! 優希、お前何を……」 優希「さっきのはどうしても許せん! 罰として私を背負って学校に行くのだ!」 京太郎「は、離れろよ!」 優希「いーやーだー! おやおや、京太郎……顔がなんだか赤い気がするじょ」 京太郎「なあっ!?」 優希「ふふん、私の魅力的なボディにメロメロになってきたんだな! よしよし、たっぷり堪能させてやろう!」ギュウッ 京太郎「うおおお、やめろぉ!」スタタッ! 優希「あはははは、早い早い! そらそら超特急で行くのだー!」 京太郎「ちくしょうううう!!」 【須賀京太郎の女子力】 優希「お昼だじぇ!」 京太郎「屋上は風が気持ちいいもんだなー……そういえば他に誰か誘ったか?」 優希「のどちゃんや咲ちゃんは部長達とどこか行ったらしいじょ」 京太郎「ふうん、じゃあ今日は2人きりってわけか」 優希「そういう事だな! さあ、存分にいちゃつこうじゃないか!」 京太郎「じゃあ食べさせあいでもするか?」 優希「」 京太郎「あれ? おーい優希?」 優希「……はっ!」 京太郎「おっ、戻ってきたか」 優希「ま、また変な事を……」 京太郎「いちゃつこうって言いだしたのはお前じゃん」 優希「そ、そうだけど……」 京太郎「まあ、それは後でにするとして弁当食うか」 優希「弁当? なんだ京太郎、お弁当を作れたのか?」 京太郎「お前のために料理勉強したんだからな……少し食うか?」 優希「もちろんいただくじぇ!」 京太郎「おう、食え食え」 優希「おっ、タコさんウインナー! タコめしにタコのやわらか煮、タコの和え物もあるじぇ!」 京太郎「須賀京太郎特製タコ尽くし弁当だ! とくとご賞味あれ!」 優希「いただきまーす! モグモグ……」 京太郎「どうだ?」 優希「うまい! よくやるじゃないか京太郎!」 京太郎「そうかそうか! まだまだあるからたくさん食べていいからな」 優希「言われずとも!」 京太郎「さて俺も食うか。 うん、我ながらよくできた!」 優希「タコスにタコ料理に幸せなご飯だじぇー♪」 京太郎「これはまだまだ改善出来るか……メモっとこ」 優希「……」 京太郎「ん、どうした?」 優希「なんでもないじぇ」 優希(なんだろう……美味しいんだけどなんか女子力的な意味で負けた気がするじぇ。 私も作れた方がいいのか……?) 京太郎「今度はタコライスでも作るかー」 優希(……でもとりあえずは今目の前にあるお弁当に集中するじぇ!) 優希「タコさんウインナーいただき!」 京太郎「おおい!? 人のまで取るなよ!」 優希「早い者勝ちだじょ! お弁当うまー!」 京太郎「ええい、やめんか! このタコ好き娘がー!」 【最後のわがまま】 京太郎「部活、行くかあ」 優希「相談したんだし、みんなに報告した方がいいのか?」 京太郎「どうだろうなあ……聞かれたら答えるって感じでいい気もするけど」 優希「じゃあ私はのどちゃんと染谷先輩には言っておくじょ」 京太郎「だったら俺は部長と咲に……」 優希「京太郎、その事なんだけど……」 ――…… 京太郎「ちーっす」 優希「来たじぇ!」 咲「あ」 優希「あ」 京太郎「なんだ、咲だけか?」 咲「う、うん……」 京太郎「そうか、じゃあ俺は出とくわ」 咲「えっ、京ちゃん?」 京太郎「優希、とりあえずみんな来たら止めとくから」 優希「……頼んだ」 京太郎「任された」ガチャッ、バタンッ 咲「あ、あの優希ちゃん?」 優希「咲ちゃん……私、京太郎と付き合う事になったじょ」 咲「あっ……そ、そうなんだ、よかったね!」 優希「……1つ聞きたいんだけど、もしかして咲ちゃんもだった?」 咲「えっ、あっ…………うん」 優希「やっぱり、そうだったんだ」 咲「気付いたのは……優希ちゃんを行かせた後、だったけどね」 優希「はは、まるで京太郎みたいだじぇ」 咲「自分でも、そう思うよ」 優希「咲ちゃん」 咲「なに、かな?」 優希「ごめんとは、言わないじょ。 京太郎が好きな気持ちに関しては咲ちゃんに負けてるつもりはないから」 咲「うん……私も謝ってほしくはないかな」 優希「だから、その、言いたいのは1つだけ……ありがとうだじぇ、咲ちゃん」 咲「うん……ねえ優希ちゃん、私友達としてだけど優希ちゃんが好き」 咲「だから甘い考えかもしれないけどこんな顔色窺うみたいにギクシャクしたくない」 優希「私も、咲ちゃんは大好きな友達だから……ギクシャクなんてイヤだじぇ」 咲「だから優希ちゃん、もしよかったら1つだけ私のわがまま、聞いてくれる?」 優希「わがまま?」 咲「――今度、京ちゃんの家に一緒に泊まってくれないかな?」 優希「えっ……えええええっ!?」 【須賀京太郎と片岡優希と???の日記】 ◆月○日 俺の知らない間に何が起こったか、優希と咲が今度泊まりに来る事になった。 しかもいつの間にか家にも許可を取ってたらしいし…… いったいどういうつもりなんだ、2人して? 京太郎「……なんなんだろうな、本当に」 京太郎「わからねー、女の子の考える事なんて全くもってわからねー」 京太郎「……寝よ」 ◆月○日 今日、咲ちゃんと話して1つの計画を立てた。 最初に一緒に京太郎の家に泊まろうと言われた時はビックリしたけど、咲ちゃんを見たら断るなんて選択肢にもなかった。 今度の休みは忙しくなりそう…… 後お昼に食べた京太郎のお弁当になんだか女の子として自信がなくなったのはここだけの秘密 優希「咲ちゃん……」 優希「……寝るじぇ」 ◆月○日 今日優希ちゃんに最後のわがままだってお願いをした。 それは優希ちゃんと一緒に京ちゃんの家にお泊まりする事……優希ちゃんは驚いてたけどすぐにいいって返事をくれた。 ありがとう優希ちゃん……私、頑張るからね。 咲「……これで、きっと私は吹っ切れるよ」 咲「京ちゃん……」
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【6月第4週 休日】 朝 京太郎「咏に料理を作りに行くか」 京太郎「入るぞー」ガチャ 京太郎「咏ー?」 咏「へ?」マッパ 京太郎「Oh...」 咏「……~~!」 咏「で、出てけー!」 京太郎「気取り直してさ!グラタン作ろうぜ、な?」 咏「……いいよ、別に」 京太郎「じゃあ俺野菜切るから、咏は鮭とか切っといてくれるか?」 咏「わかった…」 京太郎「…」トントン 咏「……」トントン 咏「…なあ」トントン 京太郎「どうした?」トントン 咏「あのさ……私の裸、どう思った?」 京太郎「ブッ!」サクッ 京太郎「いってー、指切っちまったよ…」 咏「ちょっと貸して」 京太郎「え?何を」 咏「いいから…はむっ」 京太郎「待て、なぜ咥える!?」 咏「こうしたら血が早く止まるんだよ、知らんけど」レロレロ 京太郎「そうなのか…なんかくすぐったいな」 京太郎「それで……お前の、裸だっけか」 京太郎「俺は、きれいだと思ったぜ」 咏「え?」 京太郎「きれいだった、色も白くてきれいだったし、身体のラインも幼げできれいっつうか可愛かったし」 京太郎「たしかにお前は身長も、胸もないかもしれねえけど、俺はいいと思うぜ」 京太郎「そのままのお前が、いいと思う」 京太郎「さっきは急に入ったりして悪かったな」 京太郎「それで……お前はいつまで俺の指をなめてるんだ?」 咏「ぷはぁ、ふぅ……」 咏「そっか、えへへ…」 咏「ありがとな、京太郎」 咏「でも、胸が小さいまでは余計だったんじゃねえのかな?」ゴッ 京太郎「ひっ!」 京太郎「しかし、咏のあれは……なんか興奮したな」 京太郎「さてと、今日は何をしよう」 朝 京太郎「二度寝するかー」 京太郎「すぴーすぴー」 京咏「「いただきまーす」」 京太郎「うん、おいしいな」 咏「ま、この咏ちゃんがいれば当然だねぃ」 京太郎「うん、その通りだな!」 京太郎「ところでさ、どうして咏はいつも着物なんだ?」 咏「これかぃ?うーん、趣味みたいなもんかねぃ」 咏「この着物はあんまり高くないし、日常生活で使っても何ら問題ないんだよねぃ」 京太郎「そういえば、着物を着るときは下着を着けないって聞いたことあるけど、お前も着けてないのか?」 咏「うっ……それは……」 京太郎「まあ、都市伝説らしいけどな」 咏「え!そうなのか!?」 京太郎「あれ?知らなかったの?」 咏「うっ……」 京太郎「じゃあ咏は今ノーパンノーブラなのか……」 咏「そ、それ以上言うと、さ、刺すぞ!」 京太郎「えーいいじゃん、どうなんだよー」 咏「うう、うるせー!」ダダダダ 京太郎「よっと」ヒラリ 咏「うわっ」ドシーン 咏「痛てて」 京太郎(し、下がめくれてる……だと?しかも咏の尻はこちらを向いているってことは……) 京太郎「よっしゃ!花園やんけ!」 咏「ほえっ?」 咏「なんか尻がスースーす……」 京太郎「」グッ 咏「ななな///」カァァ 咏「で、出てけー!」 京太郎「Zzz……」 ――――――――――――― 京太郎「岩手に来たぞ!」 京太郎「冬だからか地面が凍ってて滑りそうだな」 ??「うわわっ」コケッ 京太郎「あ、大丈夫ですか?」 ??「う、うん、大丈夫だよ、ありがとねー」 京太郎「よかったら、これどうぞ」つハンカチ ??「いやいや!そんなのいいよー!お気になさらず、ね?」 京太郎「はい」 ??「君、名前は?」 京太郎「俺ですか?俺は、須賀京太郎といいます」 京太郎「あなたは?」 ??「私はねー」 ―――――――――――― 急に、夢が変わった 京太郎「ここは……奈良か、まあ適当に歩いてみるか」 京太郎「桜がきれいだな、お、あんなところに学校がある」 京太郎「きれいな学校だな…でも誰もいないみたいだ」 京太郎「ん?麻雀部?」 ?「わ!ふ、不審者なのです!」バシッ 京太郎「痛っ!」 ?「か、観念するのです!えいっえいっ!」ベシッベシッ 京太郎「痛いですって!人の話を聞いてくださいよ!」 ?「は、はい!」 ?「なるほど、それで君はここに迷ってしまった…と」 京太郎「はい、さっぱりわけがわからないんですよ…」 ?「そういうことなら、私におまかせあれ!」 ?「えーっと、名前、何でしたっけ」 京太郎「須賀です、須賀京太郎」 ?「そうなのでした!それでは須賀君!阿知賀の観光案内はこの―――におまかせあれ!」 そして、夢は終わる ―――――――――――― 京太郎「……ん」 京太郎「なんだか色々な夢を見た気がするな……」 京太郎「ふぁぁ、よく寝たな」 京太郎「さて、昼は何をしよう」 京太郎「散歩でもするかー」 京太郎「こうして、公園に来たわけだけど」 京太郎「昨日雨が降ったばかりだからか、結構水たまりが残ってるな」 京太郎「気をつけないと」 ??「うわわっ」コケッ 京太郎「ぬおっ、大丈夫ですか?」 京太郎(なんだ…この感覚……) ??「う、うん、大丈夫だよ、ありがとねー」 京太郎「よかったら、これどうぞ」つハンカチ 京太郎(まるで、夢と同じじゃないか……) ??「いやいや!そんなのいいよー!お気になさらず、ね?」 京太郎「はい」 ??「君、名前は?」 京太郎「俺ですか?俺は、須賀京太郎といいます」 京太郎「あなたは?」 京太郎(夢はここで変わったが…) ??「私はねー姉帯豊音っていうんだー」 豊音「ありがとねー、須賀くん」 京太郎「いや、俺は何もしてませんし」 豊音「そういえば、須賀くん……んー」 京太郎「どうしたんですか?」 豊音「なんか…今朝見た夢に出てきた人と似てるなーって」 京太郎「え?」 豊音「あはは、ただの気のせいなので、気にしないでー」 京太郎「あの、実は俺も……」 ―――――――――――― 豊音「えっー須賀くんもなのー!?」 京太郎「凄い偶然ですよね」 豊音「凄い!凄いよ!」 豊音「あ、そーだ!はい、これ!」 豊音「これ、私の連絡先!偶然さん同士仲良くしようね!」 京太郎「あ、ありがとうございます」 豊音(やったー!初めて自分から渡せたよー!) 豊音(これと、シロと塞と胡桃、トシさんとあの子の連絡先を合わせて7件目入手だよー!) 豊音「それじゃあ私もう行くね!ばいばい!」 京太郎「姉帯さんか……」 京太郎「なんか俺と似た感じの人だったな」 京太郎「さて、次は何をしよう」 京太郎「買い出しに行くか」 京太郎「魚屋に来たぞ!」 京太郎「今日の晩飯はどうするかな」 商品リスト 鰆 300円 特大マグロ 1500円 煮干し 300円 シュールストレミング 500円 京太郎「少し季節外れだけど鰆にするか」 京太郎「すいませーん鰆くださーい」 オッチャン「あいよ、毎度あり」 京太郎「夜は何をしようかなー」 京太郎「そういえば、麻雀とか勉強以外の目的だとあまりパソコン使ってないよな」 京太郎「久しぶりにやるか」 京太郎「何をしよう」 京太郎「そういえばいつもやってるネト麻のサイトにチャットルームとやらがあったな」 京太郎「行ってみるか」 京太郎「京、でログインして」 京太郎「へー色んな部屋があるんだな」 京太郎「どこに行こう」 【おもち談義部屋】 ドラロー:おもちイズザベスト!みんなでおもちの良さを語り合いましょう! トキ:なあ、おもちじゃなくて太ももの話していいか? ドラロー:もちろん!太ももも、おしりも腋も元をたどればおもちに行き着きますから! トキ:……何言っとるかさっぱりわからん すばらめ:まさか、こんな部屋があったとは……実にすばらです!おもちとは何なのかはわかりませんが、一つのテーマについて皆さんで語り合うという心意気、実にすばらです! ドラロー:それでは第1回おもち談義を始めましょう!1回目のお題は、こちら! 『日本一のおもちは誰?』 ドラロー:要は皆さんの一番好きなおもちを持っている人を挙げていき、その中で1位を決める、というものです! ドラロー:もちろん参考画像もお願いします ドラロー:そして、私の一番は、去年のインターミドル2位の、原村和ちゃん! トキ:ウチはりゅ…千里山の清水谷竜華やな ドラロー:ほうほう、確かにこれは、なかなかのなかなか こーこ:プロの中では断然瑞原プロですよね! トシベェ:そうだねぇ、私の一押しは、宮守の小瀬川白望だね、あれはなかなかの逸材だと思うよ こまきん:私は、元千里山の石戸霞ちゃんですね! トキ:これ…は、いやいやこんなんあり得んやろ…… ドラロー:おもちに限界はありません! 京太郎「なんだか面白そうだな、参加してみるか」 京太郎「そういえば前清澄に行ったときに原村さんから近くの旅館で撮った、とかいう写真を借りてたんだ」 京太郎「あった、これだこれ」 京太郎「これの少し外側に写ってる人のおもちがすばらなんだよなぁ」モゾモゾ 息子「呼んだ?」 京太郎「まだ引っ込んでなさい」 京太郎「名前は確か……松実宥って言ってたっけな」 京太郎「高校は…阿知賀とかだったっけ?」 京太郎「よし」 京さんが入室しました 京:俺の一押しはこの子ですね、松実宥さんっていうらしいんですけど ドラロー:ど、どうしてその画像を!? すばらめ:なるほど、これは確かにすばらです!厚着に隠されたあのおもち、私にはわかります、実にすばらです トキ:まあウチの竜華が一番なんやけどな トシベェ:いやいやシロちゃんの方が こまきん:いいえ!霞ちゃんです! こーこ:瑞原プロです!そうにきまってます! トキ:よし、お前ら麻雀するで、表出ろや、飛ばしたる トシベェ:おやおや、そりゃあいいねぇ こまきん:全力以上で当たらせてもらいます! こーこ:上等です! トキさんが退室しました トシベェさんが退室しました こーこさんが退室しました こまきんさんが退室しました すばらめ:それでは、私も すばらめさんが退室しました ドラロー:ねえ、京さん、少しいいかな? 京:なんですか? ドラロー:ここじゃあれだから ドラロー:これにメールしてくれるかな? 京:わかりました ドラロー:それじゃあまた後で ドラローさんが退室しました 京太郎「退室するか」 京さんが退室しました 京太郎「このアドレスでいいんだよな」 京太郎『京です、どうしたんですか?』 ドラロー『京さん、教えてほしいことがあるのですけど』 ドラロー『どうしてあの写真を持っているのですか?』 ドラロー『あの写真は私たちの宝物なのですけど、どうしてあなたが持っているんですか?』 京太郎「さて、どうしたものか」 京太郎『これ、実は原村さん―真ん中にいる人から預かっているんですよ』 京太郎『なんでも、友達がタコスを落としちゃったらしくって、それで写真が汚れて困っていたんですが』 京太郎『俺、大阪に住んでましてね』 京太郎『原村さん曰く、大阪に写真修復の達人がいるらしくって、その人に修復してもらうために俺が預かってたんですよ』 京太郎『とまあこういうわけです、ところで、あなたは?』 ドラロー『ふぅ~むなるほどなるほどなるほど~』 ドラロー『いやーてっきり京さんが原村さんから強奪したんじゃないかって思っていたのですけど』 ドラロー『私の早とちりみたいでした、ごめんなさい』 ドラロー『私は松実玄っていいます、和ちゃんの右に写ってます』 京太郎『ああ、この原村さんのおもちを狙ってる人ですか』 京太郎『俺の名前は須賀京太郎っていいます、写真はいりますか?』 玄『いえ、いいのです』 玄『大阪に住んでるんですよね?よかったら今週の水曜日に会えませんか?』 玄『お詫びをしたいのですが…』 京太郎『わかりました、水曜日ですね』 京太郎『俺が奈良に行きましょうか?』 玄『いえいえ、私からそっちに向かわせてもらうのです!』 京太郎『いいんですか?』 玄『おまかせあれ!』 京太郎『それじゃあ水曜日の16時に○○駅前に来てくれますか?』 玄『かしこまり~!』 京太郎「次は……ぼっち部屋に行ってみるか」 【ぼっち部屋】 とよねー:ぼっちじゃないよー とよねー:ここは、みんなで1人ぼっちの寂しい思いを分かち合うところだよー とよねー:みんなであったまろうねー 漆黒の堕天使mk.2.13:先週カラーコンタクト失くした…… はるる:私は黒糖を全部親戚に食べられた…… 最強☆ちゃん:私は変態に水筒盗まれていたらしいです…… とよねー:私は今日ようやく連絡先が7件になったよー 最強☆ちゃん:私は12件ですよ! 漆黒の堕天使mk.2.13:私は2件だけ…… はるる:私も親戚で50件だけ… こけしネクタイ:って、おい キング・カズ:ふっ、麻雀に友達など必要ない…… キング・カズ:まあ私も7件揃ったけどな! かいのー:私は4件だけ、もう20歳なのに…… かいのー:ノーウェイ、こんなことは許されない! 京太郎「やっぱり仲間ってものはいるんだな」ジーン 京太郎「さて、どうしよう」 京太郎「よし、俺も参加しよう!」 京さんが入室しました 京:俺だって、誰かと一緒に学校行ったり、誰かと一緒に昼飯食べるなんて、週1であるかないかだぜ…… かいのー:あるある、私も学生時代は誰かいないかなーって思って、レアーな場所で食べたりとかしてたな… 最強☆ちゃん:最近はもっぱらトイレで食べてますけど、あまりいませんね 漆黒の堕天使mk2.13:私に食事など必要では…ない…… こけしネクタイ:クラスメイトで同じ部活の部員がいるのに、毎日どっか行っちゃうし… とよねー:私は屋上で食べてるなー 京:俺も屋上ですね キング・カズ:私は中庭だな、猫とか犬とかと一緒に食べたのがいい思い出だ かいのー:私だって若者にフェイマスな店で食べたりしてるのに誰もよってきてくれない…… はるる:私も屋上……風が気持ちいい みんなで慰めあった! 【6月第4週 平日】 京太郎「今日は松実さんとの約束の日だな」 京太郎「張り切っていこー!」 京太郎「今日は、そのまま制服でいいか」 郁乃「どうしたん~?なんか幸せそうやけど」 京太郎「いえ、なんでもないですよ」 郁乃「そういえば~京太郎くん、どうして部活来ないん~?」 郁乃「せっかく良子ちゃん呼んでるのに~」 京太郎「え!?本当に来てるんですか?」 郁乃「郁乃お姉ちゃんは嘘は吐かへんよ~」 郁乃「あと、良子ちゃん今度の遠征も来るらしいで~」 京太郎「それ、大丈夫なんですか?」 郁乃「うん~確か~」 良子「え、遠征ですか!是非行かせてください!」 郁乃「もちろんええで~」 良子「やった!これでフレンドがインクリーズする!」 郁乃「って、言ってたで~」 京太郎「それは、楽しみですね」 京太郎「そうだ、郁乃さん、大阪の名所とか知ってます?」 郁乃「名所?」 京太郎「はい、俺大阪に来て3か月も経つのにあんまり大阪のこと知らないなーって思いまして」 郁乃「せやな~私のオススメは、海遊館やな~」 京太郎「海遊館?」 郁乃「大きい水族館やで~」 京太郎「へ~、郁乃さんは何が好きなんですか?」 郁乃「ビーバーちゃんとか、カワウソちゃんとかやな~あ、でも一番はクラゲちゃんかな~」 京太郎「め、珍しいですね」 郁乃「そう~?けっこう可愛いと思うんやけどな~」 郁乃「せや!今度一緒に行かへん?」 郁乃「郁乃お姉ちゃんが京太郎くんに大阪を教えたるで~」 京太郎「お、いいですね、じゃあ行きましょうか」 郁乃「うんうん、いこいこ~」 京太郎「昼飯はどこで食べようかなー」 京太郎「今日も屋上に来たぞ!」 ヒュルル 京太郎「あー風が」 ??「きもちいー」 京太郎「え?」 ??「え?」 ??「うわわわ!ソ、ソーリーソーリー」 京太郎「いえいえこちらこそ!」 京太郎「って、あれ、あなたは……」 京太郎「戒能プロじゃないですか!」 京太郎「うわっ!俺、ファンなんですよ!」 良子「ウェイト!ちょっと待つんだ!」 良子「とりあえず、自己紹介からしようじゃないか、物事には順序というものがあるんだ」 京太郎「それもそうですね、俺は須賀京太郎、麻雀部に入っています!」 良子「わ、私は戒能良子、一応プロ雀士…となるのかな?」 京太郎「戒能プロに会えて光栄です!テレビで見るよりもずっとお綺麗なんですね!」 良子「き、綺麗だなんてそんな……」 良子「ところで君は、どうしてここに?」 京太郎「ああ、俺、あんまり人と一緒に食べることなんてないんですよ」 京太郎「だから、誰かいるかもしれないって奇を衒ってここに来てるんですよ」 良子「き、きみ、それはトゥルーなのか?」 京太郎「はい、お恥ずかしながら」アハハ 良子「わ、わ、うわぁ!」ダキッ 京太郎「へ!?」 良子「うわあああん、嬉しいよおおおおお!」ポロポロ 京太郎(なんだこの状況!?戒能プロが俺に抱き着きながら泣いてる!?) 京太郎(こんなところ誰かに見られたら……) 郁乃「良子ちゃんいる~?」ガチャ 良子「うわあああああん!」 郁乃「……」 郁乃「ごゆっくり~」 京太郎(見られたーーー!) 良子「ヒグ…ヒグ……」 京太郎「ハンカチ、要ります?」 良子「うん、センキュー」 京太郎「落ち着きました?」 良子「うん…」 京太郎「えと、いきなりどうしたんですか…?」 良子「実は……私も、その、ぼっちなんだ…」 良子「私…生まれたのは日本なんだけど、3歳から海外に住んでいたんだ」 良子「日本に戻ってきたのは今の君と同じくらいの頃だったかな」 良子「私はクール、というかなんだか素っ気ない態度を取ってるように見えるだろ?」 京太郎「確かに、大会のインタビューとかでもそんな感じでしたね」 良子「だからか、あまり誰も寄り付かなくてな……」 京太郎「それで、今までずっとぼっちだったということですか?」 良子「イエス、これが君の憧れの戒能プロなんだ、幻滅したか?」 京太郎(ふむ……つまり、俺と同類だったのか) 京太郎(何と言おう) 良子「従妹の春は姫様や他の分家の子たちと仲良くしてるのにな…」 京太郎(……うん、そうだよな) 京太郎(一人ぼっちは、寂しいもんな) 京太郎「よし!」 京太郎「それなら!俺が!」 京太郎「戒能プロの友達になります!」 京太郎「心のよ須賀となります!」 京太郎「だから、戒能プロはぼっちじゃないです!」 京太郎「泣かなくてよいのです!」 京太郎「戒能プロの友達は!この須賀京太郎におまかせあれ!」 良子「ポカーン」 京太郎「ど、どうですか?」 良子「ふ、ふふっ、ありがとね須賀くん」 良子「それにしても、ふふっよ須賀って、ふふっ」 京太郎「わ、忘れてください!」 良子「ノーウェイだねー!ふふっ」 京太郎「もう!絶交しますよ!」 良子「そ、それは……」シュン 京太郎「冗談ですよ、そんなことするわけないじゃないですか」 良子「リアリー?」 京太郎「リアリーです」 良子「よ、良かったぁ」グー 良子「あ///」 京太郎「一緒に食べます?弁当は?」 良子「実は、持ってきてないんだ…」 京太郎「じゃあ、はい」つウインナー 良子「いいのか?」 京太郎「友達ですしね」 良子「それじゃ、はむっ」 良子「うん……」ゴクッ 良子「ありがとな、須賀くん!」 郁乃(最近良子ちゃんが伸び悩んでるって松山の監督から相談されてたから) 郁乃(こうして良子ちゃんを昼飯で釣って同志の京太郎くんに会わせてみたけど~) 京太郎「おいしいですか?戒能プロ?」 良子「プロはニードノットだよ、須賀くん」 京太郎「わかりましたよ、戒能さん」 京太郎「じゃあ、連絡先交換しましょうか」 良子「その……どうやってやるのかがわからないんだが……」 京太郎「こうすれば…いいんですよ」ピローン 良子「わ!ありがとう!」 良子「これで5件目ゲットだ!」 郁乃(うん、計画通りみたいやな~) 京太郎「まさか戒能さんと本当に会えるとは思わなかったな」 京太郎「放課後は……」 京太郎「そうだ!松実さんと約束してたんだ!」 京太郎「急がなきゃ!」 京太郎「そうだな、戒能さんも誘ってみるか」 京太郎『戒能さん、俺と俺の友達と遊びに行きませんか?』 京太郎「これでよしっと」 京太郎「松実さんは…まだきてないみたいだな」 時計「まだ15時40分やでー」 ヴーッヴーッ 京太郎「お、戒能さんからだ、なになに」 良子「ま、待ったか?」ハァハァ 京太郎「いえ、大丈夫ですよ」 良子「そうか、良かった」 良子「それで、須賀くんの友達というのは?」 京太郎「もうすぐ来るはずなんですが…あ、来ましたね」 京太郎「おーい、松実さーん!」 玄「き、きみが、須賀くん?」 京太郎「はい、須賀京太郎です」 玄「あれ?なんか前にあったことがあるよーな…?」 玄「って、あ、あなたは!戒能プロ!」 良子「ひっ!」ビビクン 京太郎「どうして俺の後ろに隠れるんですか」 良子「初対面の人は怖いんだ!」 京太郎「そうですか……」 玄「す、須賀くん!その人をこっちに渡そうか!」ワキワキ 玄「プロの中でベストスリーには間違いなく入るおもち、逃がすわけにはいかないよ!」メラメラ 良子「ひぃぃぃ!」 京太郎「先が思いやられるな……」 ――――――――――――― 玄「それで、どこに行くつもりなの?」 京太郎「考えてなかったんですか!?」 玄「いやーそういうのは男の子が考えるものだからねー」 良子「ふっふっふ、お困りのようだな」 京太郎「何か案があるんですか?」 良子「甲子園に行こう!」 玄京「「え~~~!?」」 京太郎「よし!4-33で阪神勝ってる!」 良子「勝てー!タイガース!」 玄「応援はおまかせあれ!」 ポタッポタッ 京太郎「あれ?」 ザーザー 京太郎「雨降ってきましたけど、どうします!?」 良子「このゲームから目を離すなどありえない!」フレッフレッ ポヨンポヨン 玄「その通りなのです!」ジーッ ゲームセット! 玄良「「くちゅん!」」 玄「うぅー」ズズーッ 良子「へっくち」 京太郎「まったく、あんな雨の中で見続けるからですよ」 良子「だってしょうがないじゃないか」 玄「あんなに揺れるおもちが目の前にあったのだから!」 京太郎「はぁ……」 京太郎(松実さんも立派なものを持ってるんだけどなぁ……って!どっちも雨で透けてるじゃないか!) 京太郎(や、ヤバい……これはさすがに) 玄「そ、それじゃあ私は先に失礼するのです!」 京太郎「はい、今日はありがとうございました!」 京太郎「さて……この人、どうしよう」 良子「くちゅんっ!うう、寒い……」 京太郎「とりあえず俺の上着を着てください」 京太郎「戒能さんってどこに泊まってるんですか?」 良子「駅の近くのホテルだけど…くちゅん!」 京太郎「んー、少しおでこ失礼しますね」 良子「ん」 京太郎「熱は無いみたいですけど…」 良子「くちゅん!」 京太郎(心配だなぁ……) 京太郎(どうしよう……) 良子「くちゅん!」 良子「うぅ……なんだか寒い」 京太郎「大丈夫ですか?」 良子「も、もちろんだ!……へっくち!」 京太郎「とりあえず三箇牧に帰ってきましたけど……もう一回熱計ってみますね」 良子「ん……」 京太郎「なんか一気に熱が出てきた気がするんですけど……」 良子「大丈夫だと言ったろ……うっ」フラッ ガシッ 京太郎「もうフラフラじゃないですか」 良子「うぅぅ……須賀くんにこんなところ見せたくないのに……」ボソッ 京太郎「戒能さん、俺の部屋に行きましょう」 良子「ふぇっ!?」 良子「の、ノーウェイ、何を言ってるのか理解できないな」 京太郎「そのまんまです。戒能さん、心配なので俺の部屋に行きましょう」 京太郎「友達の戒能さんに風邪を引かれたら困るんですよ」 良子「友達、そうだよな、じゃあお言葉に甘えよう」 京太郎「そうですか、それじゃ……はい、背中」ポンポン 良子「ん?何をする気なんだ?」 京太郎「戒能さん今フラフラなんで、俺におぶさってください」 良子「む……わかった……」ガバッ 京太郎「よっし……じゃ、出発しんこー!」 良子「須賀くん」 京太郎「は、はい?」 京太郎(何この背中にある柔らかい感触……) 良子「ふふっ、呼んだだけだ」 京太郎「そうですか」 京太郎(見た目通りこれは…なかなかのなかなか) 良子「須賀くん」 京太郎「……」 良子「無視しないでくれよ……」 京太郎「じゃあどうしろと」 京太郎「それで、何ですか?」 良子「今日は、色々とありがとうな」 良子「友達になってくれて、一緒に昼を食べてくれて、遊びに連れて行ってくれて」 良子「本当にありがと……」 京太郎(ん?) 良子「すぅ……」 京太郎(言い切ってないのに寝た!?) 良子「すぅ……」 京太郎(寝息が首に当たって……こう、変な気分になるな) 京太郎「はい、着きましたよー」 良子「ん……ここ、が部屋?」 京太郎「はい、汚くてすみません」 良子「ノーウェイ、そんなことはないよ」 京太郎「そうだ、俺にできることって何かありますか?」 良子「そうだな……」 良子「いや、特に無いな」 京太郎「そうですか、じゃあこれ俺のですけど着替えてください」 京太郎「そんなに濡れたスーツじゃ、また冷えちゃうんで」 良子「わかった、脱衣所を借りるな」 京太郎「はい」 ガララ 京太郎「さーてと、布団敷いておくか」 二人は幸せな夜を過ごしました 【6月第4週平日】終 【6月第4週 遠征1日目】 チュンチュン 京太郎「朝だ!」 良子「……ん」 京太郎「もう2日間もここにいるよこの人……」 京太郎「集合時間は8時か、それで今は6時半……」 京太郎「よーし、みんなを起こしにいこー!」 京太郎「よし!憩さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part8】デデーン! 京太郎「今回は!我らが部長、荒川憩さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「ちなみに前回のターゲットも憩さんでしたね~」 憩「……あっ……そこ…」 京太郎「一体どんな夢を見ているのか、俺、気になります!」ヒソヒソ 京太郎「今回は憩さんの声を使って耳元で口説いてみようと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、憩さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「このレコーダーを使って……」 憩『ウチは、憩、の、み、そ、し、るを、毎日、飲みたい!』 憩『I、し、照』 憩「う……んっ…」 憩「あっ……いっ……」 京太郎「おーっと、まだ起きないようですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは次の作戦です」 京太郎「次は、憩さんのおもちをこねて、起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、失礼しまーす」ヒソヒソ 京太郎「えいっ」フニュッ 憩「あっ」 フニュフニュフニュフニュ 京太郎「おお、やわらかい……これがおもちというものなのか……」フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ 憩「あっ、あっ、んっ、あっ」 京太郎「もっと、もっとだ!」フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ 憩「あんっ、……」 京太郎「やめられない止まらない」フニュフニュフニュフニュ 憩「んっ……きょ、あっ、たろっ、くっん」 京太郎「あ~きもちいい~」フニュフニュフニュフニュ 憩「なに、あっ、して、んっ、るんっ?」 京太郎「え?」フニュフニュフニュフニュ 憩「あっ、はあっ、もうっ、だぁっ」 京太郎「ド、ドッキリ、大・成・功!」フニュッ 憩「めっ、あっ………」 憩「はぁっ……はぁっ…」 京太郎「……それじゃあ、撤退!」 京太郎「よし!咏を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part9】デデーン! 京太郎「今回は!我がロリっこ、三尋木咏ちゃんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 咏「……ん……すぅ…」 京太郎「小さいなー可愛いなー」ヒソヒソ 京太郎「今回は咏の髪をとかして、起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はこのくしを使いまーす……」 京太郎「そーっと」サッー 京太郎「頭撫でながらやるか」ナデナデ サッー 咏「えへへ……」 咏「……すぅ…」 京太郎「どうやらまだ起きないようですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは次に参りましょう」ヒソヒソ 京太郎「ここにあるのは、あの赤ちゃんが口に咥えるあれですね」ヒソヒソ 京太郎「咥えるって妙にエロいですよねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは、装着させまーす」 咏「……すぅ」 京太郎「何この生き物……かあいい」 京太郎「まだ起きませんねー」ヒソヒソ 京太郎「じゃあ次ー」 京太郎「それじゃあ耳をはむはむしまーす」ヒソヒソ 京太郎「はむっ」 京太郎(女の子のあのいい香りがする……) 京太郎(舌も入れてみるか) レロッ 咏「んっ……」 京太郎(この汗の混じった塩っぽい味、いいな) 京太郎(もうちょい……) 咏「あっ……」 京太郎「まだ起きないようでーす」ヒソヒソ 京太郎「次はどうしましょうかねー」 京太郎「ぷはっ、次は咏に自身の靴下の匂いをかがせようと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「まずは靴下の調達ですねー」ヒソヒソ 京太郎「ということで、洗濯物をあさりまーす」ゴソゴソ 京太郎「早速見つかりましたー、お」 京太郎「この……三角形の布は……」ゴクリ 京太郎「後で考えよう、うん」ポケットニシノッ 京太郎「それでは、咏に靴下の匂いをかがせたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「咏は靴下もいい匂いがするんだなー」 咏「……ん…う……」 咏「もう食べられないぜぃ……」 京太郎「まだ起きないのか……」 京太郎「まずはあれを戻しておこう」 京太郎「今度は油性マジックを用意しましたー」 京太郎「うわっ、手が滑ってしまった!」 京太郎「なんかグチャグチャになっちゃったけど……これ、雌奴隷って読めちゃうんじゃ……」 京太郎「まあ、いいか……(震え声)」 咏「……ん」パチッ 京太郎「あれ、とうとう起きちゃった?」 咏「起きた……けど、京太郎がなんでここにいるのかがさっぱりわっかんねーんだけど」 京太郎「あ、忘れてた、ドッキリ大成功!」 咏「ドッキリ……?前のあれか?それが……」 咏「私の靴下に、赤ちゃんのアレ?」 咏「おでこにもなんか……」 サッサッ 咏「さて、これはどういうことか説明してもらおうかぃ?」 京太郎「え、えーっと……撤退!」 咏「待てや!こらーーーー!」 京太郎「よし!エイスリンさんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part10】デデーン! 京太郎「今回は!我が天使、エイスリンさんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ エイスリン「……ウウン……ハァ…」 京太郎「咏に負けず劣らずの可愛い寝顔でーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はこのこんにゃくを使って、エイスリンさんを起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「よっと」ペタッ エイスリン「ンッ……」 エイスリン「cool……」 京太郎「まだ起きないようでーす」ヒソヒソ 京太郎「お次は、こちら!」 京太郎「さてと、お次はこのとげをちゃんと取ってある白薔薇でエイスリンさんの周りを埋め尽くしまーす」 京太郎「えいっ、えいっ」 京太郎「ふぅ……やっと終わった」 エイスリン「……ンン…」 エイスリン「ンン……アリエマ……センナ……」 京太郎「まだ起きないようでーす」ヒソヒソ 京太郎「それじゃあ次いってみよー」 京太郎「じゃあまたおもちをこねますか」 京太郎「えいっ」モニュッ エイスリン「ンッ……」 京太郎「お、おおおお」モニュモニュモニュ エイスリン「ンッ…アッ……」 京太郎「憩さんと同等、もしくはそれ以上の柔らかさだ……」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「ハアッ……ンッ…アッ……」 京太郎「手が、手が止まらないィ!」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「アッ、スガッ、クンッ?」 京太郎「あれ、起きちゃいました?」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「ナ、ナニッ、シテンッ、ルノッ」ハァハァ 京太郎「見てわかりませんか?ドッキリですよ」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「ドッ…キリッ?」ハァハァ 京太郎「もう終わりますからねー」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「アンッ、アッ、ンッ、アッアッアッアッ、ヒグッ」 京太郎「ていっ」モニュ エイスリン「アアァァ……」 京太郎「ドッキリ大・性・功!」 エイスリン「ハァ…ドッキリ…ハァ…」レイプメ エイスリン「ハァ……ハァ……」 京太郎「また寝ちゃったみたいだな」 京太郎「それじゃあアイマスクをつけよーっと」 エイスリン「ハァ……ンッ…ハァ…」メカクシ 京太郎「なんか……そそるな」ゴクリ エイスリン「ン……」 京太郎「起きました?」 エイスリン「ウン……」 京太郎「どうかしました?」 エイスリン「…」カキカキ バッ |京太郎がエイスリンを犯している絵| エイスリン「ユメニデテキタ…」 京太郎「そうですか、嫌な夢でしたか?」 エイスリン「ウン、It was sad.」 京太郎「安心してください、俺はそんなこと(もう)しませんから」 エイスリン「ウン!ソウダヨネ!」 京太郎「もちろんですよ」ニコッ 京太郎「よし!郁乃さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part11】デデーン! 京太郎「今回は!我が……新入部員、赤阪郁乃さんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 郁乃「……あ~…」 京太郎「良い寝顔なんですけど、何かが……」ヒソヒソ 京太郎「今回はこの前絹恵さんからもらった洋榎さんの目覚ましボイスを使って、郁乃さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「ポチッとな」 洋榎『おい!起きろ!はよ起きんかこのボケェ!』 洋榎『はよ起きんと、あんなことやこんなことするで!』 洋榎『え、なんやそれ?え、えーっと……チ、チュー…とか?』 郁乃「……」 郁乃(起きてへんで~) 京太郎(うん、起きてないみたいだな、ん?) 京太郎「何か今……ま、いっか」 京太郎「さて次次ー」 京太郎「次は真瀬さんからもらった、えーっと、すえ、はらさんの目覚ましボイスで起こしまーす」ヒソヒソ 郁乃「!」 京太郎「なんか、シリーズ化してるらしいな、今度絹恵さんと真瀬さんの分ももらってみるか」 京太郎「それじゃあポチッとな」 恭子『はぁ…はよ起きてくれませんか?起きないと、いろんなことしちゃいますよ?』 恭子『例えば、おでこに「恭子」って書いたり、そ、それと……』 恭子『そ、それでも起きないんやったら……お、おそ、襲っちゃいますよ///』 郁乃「!!!!」 京太郎「やっぱり起きないか……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎「な……」 郁乃「なあ京太郎くん~その音声私にもくれへん~?」 京太郎「は、はい!」 郁乃「おおきに~グヘヘ」 京太郎「よし、外に行こう」 京太郎「みんな集まってるだろうしな」 霞「あ、みんな揃ったみたいね」 郁乃「えへへへへへ~」オソッチャイマスヨ オソッチャイマスヨ オソッチャイマスヨ 京太郎「もう大丈夫ですか?」 良子「ああ、オーライだ」 エイスリン「ウタ、オデコドウシタノ?」 咏「少し熱っぽくってねぃ」ジトッ 憩(あの後3回くらいやってしもた……ウチは淫乱や……) 霞「それじゃあ東京にしゅっぱーつ!」 京太郎「あれ、照は来ないんですか?」 霞「うん、やっぱり古巣には行き辛いんじゃないのかしら」 京太郎「そうですか……」 ―――移動は省略―――