約 872,696 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3373.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1371129227/ はやり「たっだいまー!!」 京太郎「義姉さんおかえ、って酒臭っっ!!」 はやり「女の子に臭いなんて言っちゃ駄目だぞ♪」 京太郎「ハイハイ」 はやり「う゛っ……吐きそう……」ガシッ 京太郎「え、いや、ちょっと、なんで俺にしがみつく!?」 はやり「あ、無理……。もう無理……」 京太郎「……ひどい目に遭った」 はやり「許してニャン♪」 京太郎「流石に(28)でそれはない」 はやり「ひっど~い!!お義姉ちゃんにそんなこと言うなんて京太郎君もとうとう反抗期かな?」 京太郎「(この義姉キツい)」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 怜「なぁ、きょーたろー。冷蔵庫のジュース取ってきてくれへんか?」 京太郎「姉ちゃん、それくらい自分で取ってこいよ」 怜「せやかて私病弱やからな、動くのしんどいねん」 京太郎「またそんなこと言って、病弱はアピールやめろって竜華姉さんに怒られるぞ」 怜「あーあ、きょーたろーはお姉ちゃんの言うことは聞かへんのに竜華の言うことは聞くんやなー、やっぱりおもちが大きいからなー」 京太郎「べ、別にそんなんじゃねえよ!?」 怜「弟分のきょーたろーが自分のことそんな目ぇで見とるって知ったら竜華もショックやろうなー、かわいそうになー」 京太郎「いやいやいや、何言ってるんだよ姉ちゃん!」 怜「はぁ、喉乾いたなぁ。冷たいジュースでも飲んだらこの事は私の胸の内に閉まっておくんやけどなぁ」 京太郎「ぐっ・・・、何なりとお申し付けください。お姉さま」 怜「ふふっ、きょーたろーのそういうとこ可愛くて私は好きやで」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 福路美穂子の場合 京太郎「ねえさん、洗濯は終わらせたよ」 美穂子「ありがとう京太郎くん、こっちもお掃除が終わりますよ」 京太郎「まったく、そんなこと俺がやっとくのに」 美穂子「ふふっ、ありがとう、でも、お掃除は好きだから、それよりも京太郎くん、こっちに来てくれる?」 京太郎「なんだよねえさん」 美穂子「ふふっ、お手伝いしてくれてありがとう」ナデナデ 京太郎「なっ!やめてくれよねえさん!」 美穂子「もう……照れることないのに……」 京太郎「そ、それじゃ夕飯の買い物行ってくるから!」 美穂子「おねがいします、気をつけていってらっしゃい」 京太郎「おうねえさん!行ってくる!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 天江衣の場合 衣「きょーたろーきょーたろー遊ぶぞー」 京太郎「ん?なんだ?衣お姉ちゃん」 衣「……!今なんと言った……!」 京太郎「へ?衣お姉ちゃんって……」 衣「……もう一回」 京太郎「へ?」 衣「もう一回だ!」 京太郎「こ、衣お姉ちゃん!」 衣「もう一回!」 京太郎「衣お姉ちゃん!」 衣「ふ、ふふふ、そうだ!衣はお姉ちゃんだからな!特別にっ!特別に京太郎のワガママを聞いてあげよう!何かあるか?」 京太郎「いや、特にないけど……」 衣「………………ふんだ」 京太郎(めんどくせぇ) 衣「キョータロー!!」 京太郎「なんすか」 衣「また衣に確認せずに朝食を用意してー!」 京太郎「あれ? 姉ちゃんって朝はご飯派じゃ無かったっけ」 衣「とっても美味だったぞ!」 京太郎「そりゃどうも」 衣「……って、そうじゃなくて!」 衣「衣はお前の姉なのだから、家事のことは衣に任せなさい!」 衣「姉の尊厳を見せられないではないか!」 京太郎「はぁ」 衣「それと、キョータロー!」 京太郎「なんすか」 衣「朝の抱っこ!」スッ 京太郎「姉の尊厳何処まるでないっすよ、姉ちゃん」ギュッ 衣「うるさい!」ギュー ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 朝 京太郎「姉さん早く起きて!今日は大事な試合があるんだろ!」 健夜「んー、京くんおはよー・・・ってもうこんな時間!? 何でもっと早く起こしてくれなかったの!?」 京太郎「何回も起こしたけど姉さんが起きなかったんだろ!」 昼 健夜「うー疲れたー、対局は全然気にならないけどスーツで人前に出るって疲れるよー」 京太郎「ちょっ、姉さん着替えたらスーツは掛けておいてくれよ。シワになっちゃうだろ」 健夜「京くん掛けといてー」 京太郎「家に帰ってきたらすぐにジャージに着替えてゴロゴロし始めるなんて我が姉ながら…」 夜 健夜「京くん晩御飯まだ?」 京太郎「今作ってるからちょっとまっててー」 健夜「私、京くんのお嫁さんになる。京くんがいないと生きていけない」 恒子「!?」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 照「京ちゃんが姉が欲しいと聞いて」 菫「確かにお前は姉キャラだが……」 京太郎「おもちをお持ちの姉が欲しいなぁっていう話なんですけどね」 照「!?」 京太郎「弘世先輩みたいなお姉さんなら大歓迎ですよ」 照・菫「「!?」」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「姉さん早く起きないと遅刻すっぞー」 布団「…………」 京太郎「また頭から毛布被って……おい姉さん!」 バサッ 布団(丸めた毛布) 京太郎「いない!?」 戒能「フリーズ、京太郎」ムギュ 京太郎「……姉さん、当たってます」 戒能「お馴染みのアレは言いませんよ。言うまでもなくわざとですし」 京太郎「スキンシップも良いけど、早く準備しないと時間が……」 戒能「ドントスピーク、ドントムーヴ」 京太郎「……」 戒能「この程度のトラップに引っ掛かるとはまだまだですね。ここが戦場なら三回は死んでますよ」 京太郎(なにいってだこの姉) 戒能「む……にしても、また背中が広くなりましたね。それに以前より筋肉質になった気もするし汗の匂いも」スーハー 京太郎「嗅ぐな擦るな頭でグリグリすんな!毎朝やってんだから昨日今日でそんなに変わる訳ないだろ!」 戒能「あ」 京太郎「え?」 戒能「喋りましたね?」 京太郎「いや、そんな理不尽な」 戒能「喋りましたね?」 京太郎「……はい」 戒能「ペナルティ、ですね」ニッコリ 数十分後、やたら紅潮した顔の二人の男女が駅まで走っていったとさ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 淡「さぁキョータロー!お姉ちゃんって呼んで!」 京太郎「いや、お前はどう考えても妹だろ」 淡「えー、呼ぶくらいいいじゃん、お姉ちゃんって呼んでよー」 京太郎「はいはい、淡お姉ちゃん」 淡「ムフー、お姉ちゃん…お姉ちゃん…いい響きだなぁ~ よしキョータロージュース買ってこい!お姉ちゃんの命令は絶対フクジュー!」 京太郎「弟はパシリじゃねえよ!?」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「……」 豊音「……」 京太郎「……」 豊音「……」ウズウズ 京太郎「……と」 豊音「!」 京太郎「とよ……」 豊音「……」ワクワク 京太郎「……」 京太郎「トヨ姉……」ボソッ 豊音「!!!」 ギュゥゥゥゥゥ 豊音「かーわーいーいーよー!!」 京太郎「めっちゃ恥ずい……」カァァ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「………」ボーッ 布団「………」モゾモゾ 京太郎「あの、宥姉だよな?」 布団「………」モゾモゾ 京太郎「いや黙ってないで答えてくれよ」 布団「ち、違うよー」アセアセ 京太郎「じゃあ布団引っぺがすから」 布団「だだだ駄目ぇぇっ!」ギューッ 京太郎「ええいやかましい!毎朝の微睡みタイムを妨害されてこっちはご立腹なんだ。手加減してられっか!」バサッ 宥「……ぁぁうぅぃ」カタカタカタ 京太郎「あのさ宥姉。わざわざ俺の部屋に来なくてもすぐ隣に玄姉の部屋があるだろ?」 宥「でも玄ちゃんは寝ボケて色々まさぐってくるんだもん」ショボン 京太郎「あー。なんか想像つくわ」 宥「でも京太くんは寝相が良いから安心あったかなんだよ♪」 京太郎「ったく、人を羽毛布団みたいに扱ってこの長姉は…」 宥「それに知ってる?」 宥「体の熱は筋肉から生まれてくるんだよ」 京太郎「つまりどういうこと?」 宥「だから………えいっ」ダキッ 京太郎「何してんのかな宥姉さんや」 宥「筋肉の多い京太くんは玄ちゃんよりもあったかーいってことなんだよ」スリスリ 京太郎「……はぁ」ヤレヤレ 宥「ため息つくと幸福が逃げてあったかくなくなるよ」 京太郎「じゃあ俺はつめたーくなって宥姉が弟離れ出来るように協力するわ」 宥「それは絶対に駄目っ!」 京太郎「えぇ~」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 洋榎「おーとーうーとー!」ダダダダ 京太郎「うるせぇぞ姉ちゃん!黙ってろって」 洋榎「んなぁ!折角の姉弟のスキンシップをやろかって時に空気読まれん奴やで」 京太郎「今油使ってんだから変に煽る方が悪いに決まってんだろ…」 洋榎「麗しのお姉様に向かってなんちゅう口聞いとるんやこの阿呆は…」オヨヨ 京太郎「阿呆はどっちだっつーの。この前末原先輩に半泣きで勉強教えて貰ってたこと母さんにバラすぞ?」 洋榎「はあっ!?なんで京太郎がんなこと知っとるんよ!」 京太郎「へっ。姉ちゃん達の情報は良い意味でも悪い意味でもすぐに広まるんだよ」 京太郎「たまには何の非もないのに笑われる俺の身になってみやがれ!」 洋榎「京太郎、あんた………」 洋榎「めっちゃおいしいやんそのキャラ!」b グッ 京太郎「いい加減張り倒すぞ」 洋榎「アレやで?自分分かってんの?」 洋榎「身体張らずに笑いとれるとか最高過ぎるやん」 京太郎「……その芸人体質が一番俺を困らせてんだよ」 洋榎「なら京太郎もこっち側来るか?」 京太郎「断固拒否する!洋榎姉ちゃんの側って事故ってるとこしか見たことねぇよ」 洋榎「まあまあ。人間誰しも失敗はするやろ?」 京太郎「姉ちゃんの場合は失敗し過ぎてるけどな」 洋榎「その失敗を笑いに変える!そしたら失敗が無かったことになるんやで?最高やんか!」 京太郎「姉ちゃんの中限定でな」 洋榎「ちょっ…合間合間にツッコミ入れるとか欲しがりやな京太郎は」ニヤニヤ 京太郎「供給過多なんだよ!ちょっとくらい需要に合わせてくれ!」 洋榎「嫌や。他人にボケのペース握られるとかしょーもないやん」 京太郎「絹恵姉ちゃん早く帰って来てくれー!!」 洋榎「そんでさ、さっきから気になっとってんけどさ」 京太郎「んぁ?何?」 洋榎「うわっ、あからさま…。ってそうやなくて」 洋榎「なんか焦げ臭ない?」 京太郎「…………そう言われてみれば」クンクン 京太郎「あ、から揚げ火にかけっぱだった!」 洋榎「なんやてぇ!!すぐ作りなおせはよぉ!!!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 淡「ひーまー」ゴロゴロ 京太郎「麻雀やろうぜ! 麻雀!」 衣「ふむ、いいだろう。」 DIEジェスト 衣「ロン、海底役役混一で18000。」 淡「ローン! ダブル立直表表裏裏の12000!」 衣「ロン、門断平ドラドラ、8000。」 京太郎「かーてーなーいー!」 衣「愚弟は弱いな。」 淡「うん、ぐてーは弱い!」 京太郎「強くなりたいです、御姉様方……」 淡「……! キョータローいい方法があるよ!」 京太郎「なに何!?」 淡「まず淡ちゃんがキョータローの上に座ります。」ドスン 京太郎「うぇ?」 淡「次におねえちゃんを私の上に座らせます。」 衣「ふむ。」ストン 淡「これで最強の組み合わせだよ!」 京太郎「どうやって打つの?」 淡「私が自摸ってー。」 衣「衣が切ればいいのだろう?」 京太郎「俺何もしてないじゃん!」 淡「細かいこと気にしたらハゲるよー。」 京太郎「あとさ、気になったんだけど……」 衣「何だ?」 京太郎「俺達誰と打つの?」 衣・淡「「あ」」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 健夜「京太郎く~んお酒切れた~♪」プラプラ 咏「きょーたろー、おつまみなくなったんじゃねぇの? 知らんけどー。」フリフリ 良子「きょうたろう、こっちもビールプリーズ。」カンカン 京太郎「あ~! もう! 少しは自分で動け! このぐうたら姉ども!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 成香「…………ひぅ!」ビクッ 京太郎「……あのー……姉さん?」 成香「な、何ですか?」 京太郎「……なんでホラー映画なんて見てんの?前からそういうの苦手だったよね?」 成香「麻雀部のお友達から『絶対に面白いから見た方が良いよ!』と言われて貸してもらったので……」 京太郎「なにも苦手な物を無理して見なくても……」 成香「京くん……相手の子も好意から貸してくれたんですから」 京太郎(涙目の姉さんが見たいだけだと思う) 成香「それに……こんなの作り物なんですよ?いつまでも子供みたいに怖がらなくとも……」 テレビ<モルスァ! 成香「ひぃ!」ビビクン 京太郎「……」ナデナデ 成香「ふわぁ……!ちょっと京くん!姉の頭を子供にするみたいに撫でるなんて」 テレビ<ブルスコファ! 成香「あぅ!」 京太郎(……見終わるまで一緒にいてあげよう) ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「小蒔姉さんちゃんと布団で寝なきゃ風邪ひくぞ」 小蒔「ムニャムニャ・・・京君はやさしいです・・・・」 京太郎「巴姉さん掃除手伝います。」 巴「いつも助かります。初っちゃんにも見習ってほしいですね」 京太郎「春姉ぇあんまり食ってると太るぞ」 春「いくら食べても太らない・・・・。それが自慢・・・」ニコッ 京太郎「初っちゃん、もう子供じゃねーんだから服ぐらいちゃんと着ろよ。」 初美「なんで私だけ姉さんって呼んでくれないんですかー!」 京太郎「霞母さ・・・・姉さん!」 霞「あらあら・・・・」ニコニコ(神を降ろしながら) 京太郎「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 村吉「あ、須賀君」 京太郎「どうも、村吉さん。毎度御迷惑かけて申し訳ないです」 村吉「いえいえ……こちらこそ未成年をこんな時間に呼びつけてるからお互い様ね」 京太郎「……あはは。それで、姉は……?」 村吉「ええ……いつもと同じよ」 野依「遅い!」=З=З=З 京太郎「遅いじゃないよもう……どんだけ飲んだんだ?」 野依「ちゃんぽん!」=З=З=З 京太郎「数を聞いてるんだよ……ほら、帰るぞ」 野依「まだ飲み足りない!」=З=З=З 京太郎「二日酔いで地獄見るのは自分なんだからな」 野依「大丈夫!」ムフー 京太郎「あー、もう……」 グイ 野依「!?」 京太郎「帰ろうよ、姉さん」(そっと耳うち) 野依「…………ん」 京太郎「ほれ、おぶさって。んじゃ、連れて帰りますんで……御迷惑おかけしました」 野依「ました!」=З=З=З 京太郎「あんたが言うな」 村吉「末恐ろしいわね……」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ コンコン 京太郎「シロ姉ー、朝だぞー」 京太郎「今日は日直なんだろ?」 京太郎「もうメシ出来てるから、早く降りてきなよ」 シロ「ん……」 ダルー シロ「……」 シロ「……ぐぅ」 京太郎「二度寝するな!」 バターン シロ「おはよ……京太郎……」 京太郎「ん、おはよ、シロ姉」 シロ「着替えさせて……」 京太郎「羞恥心とか無いの!?」 シロ「……」 ジー 京太郎「……し、下までは運ぶからさ」 シロ(甘いなぁ……) シロ「いただきます……」 京太郎「はい、いただきます」 シロ「……うん」 シロ「今日も美味しい……」 京太郎「お、ホントに?サンキュー、シロ姉」 京太郎「でも、俺なんてまだまだだって」 京太郎「この間食べさせてもらった塞さんのお弁当、美味しかったなぁ……」 シロ「……」 京太郎「どうやったらあの煮物の味が――」 シロ「京太郎」 シロ「私には、京太郎の作るご飯が一番だから……」 京太郎「……そっか」 シロ「ん……」 京太郎「忘れ物ない?」 シロ「……うん」 京太郎「んじゃ行きますかー」 シロ「おんぶ……」 京太郎「はいはい、途中までだからなー」 ヨイショ シロ「……」 シロ「京太郎」 京太郎「んー?」 シロ「ずっとこうしてられたらいいね……」 京太郎「ははっ、そうだなー」 京太郎「まぁ、そんなこと言っても途中で下ろすのは変わりないんだけど」 シロ「……だる」 京太郎「まったく、お見通しだっての」 ハハ シロ(別に、嘘じゃないけどね……) ギュ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「あのさ、俺の学ラン着るのもう止めてくれない?」 セーラ「なんで?これごっつい着心地ええねんで」 京太郎「いやいや。でも実弟が着てたのを着るのは抵抗あるだろ普通」 セーラ「全っ然!これっぽっちも無いわ」キッパリ 京太郎「なんでそこまで断言出来るかな……」 セーラ「ええやん別に。てかそんなん一々気にしとったら禿げるで?」 京太郎「姉ちゃんが気にしなさ過ぎなんだってば」 セーラ「気にするゆーても千里山は女子高やん。バレへんバレへん」 京太郎「俺にだって女子の友達くらい居るんだけど。で、千里山に進学した奴も居るんだぜ?」 セーラ「そうなん?」 京太郎「だからさ、わかるよな?」 セーラ「ごめん分からんわ」シレッ 京太郎「姉ちゃぁぁんんん??!!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 和「ところで京太郎、最近咲さんとはどうなんですか?」 京太郎「……なんのことだよ」 和「ですから、『咲さんと愚弟を結婚させて咲さんにお義姉ちゃんと呼んでもらう計画』の進捗具合を聞いているんです」 京太郎「その計画名キてるから変えたほうがいいぞ、姉貴」 京太郎「どうって言われてもなぁ、普通だよ、普通」 和「……まったく、相変わらず見た目はチャラいのに奥手ですね、京太郎は」 ハァ 京太郎「気にしてるんだからやめろよ!地毛だよ!知ってるだろ!」 和「……仕方ありません、明日、女の子のエスコートの仕方を教えてあげます」 京太郎「は?」 和「駅前に……そうですね、10時に待ち合わせしましょう」 京太郎「え、ちょ……一緒に出れば良いじゃん……」 和「遅れたら来月のお小遣いは無しですからね」 京太郎「誠心誠意エスコートさせていただきます!」 和「はい、よろしい」 ニッコリ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ……て…………きて 塞「早く起きる!」ゴスン 京太郎「……うっ!」 塞「シロじゃないんだから、休日だからって昼まで寝てないの」 京太郎「ひどい……あんまりだぁ……」 塞「はいはい、うだうだ言ってないで、さっさと顔洗ってくる」 京太郎「へーい……」 塞「顔洗ってきた?よし、それじゃ」 「「いただきます」」 京太郎「あ、この煮物うまい。柔軟剤使った?」 塞「それは洗濯物だよ!でも、わかった?お母さんに教えてもらったんだ」 京太郎「ほー」 塞「ほーって……あんた見た目といい反応といい、本当にシロに似てきてない?」 京太郎「姉ちゃん、言って良い事と悪い事があると思うんだ」 塞「……うん、なんかごめん」 京太郎「ははは……食い終わったら掃除でもしようか」 塞「うん、休日なんだから隅々までやろうか」 塞「……よし、掃除終わりっ」 京太郎「姉ちゃーん、こっちも風呂掃除終わった」 塞「ありがと。じゃあ、お茶でも淹れよっか」 京太郎「午前中で家事もほとんど終わったし、午後はどうする?」 塞「んー……ちょうどセールがあるんだよねぇ……」 京太郎「うげ……荷物持ちですか……」 塞「そう言わないの、あんたの服も選んであげるから。――っと、その前に」 ポフン 塞「充電♪充電♪」 京太郎「最近よくやるよな、胡桃先輩のそれ」 塞「やってみると意外と良いのよこれ。胡桃がハマるのも納得だわ」 京太郎「俺は吸いとられてるんですけどねー……ところで、姉ちゃん」 塞「んー?何?」 京太郎「姉ちゃんの尻柔らかいけど、柔軟剤使った?」 塞「使ってないよ!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「咏義姉さん、おかえりんこ」 咏「ただいまん……あ///」 咏「ま、まったく///お義姉ちゃんに何を言わせる気なんだか///」 京太郎「ゴメンゴメン」 ガチャ えり「二人とも玄関で何をしているのですか?」 京太郎「あ、えり義姉さん。おかえりんこ」 えり「はいはい。ただいまんこただいまんこ」 京太郎「お、おう」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 一「じゃあ、行ってくるねー京くん」 ヒラヒラ 京太郎「待て」 ガシッ 一「うわっ!なに今から外に行くんだけど。あっもしかして京くん、ボクに甘えたい?」 京太郎「違うわ!姉ちゃん外に出るなら服を着ろ服を!」 一「服?それならちゃんと着てるじゃないか」 京太郎「着てるけど、全然着てないからね。見え見えだから」 一「そうかなーボクにはこれが普通なんだけど」 京太郎「よく痴女扱いされないな姉ちゃん。もう隣に歩けねーよ」 一(……うん?それじゃちゃんとした物を着れば京くんが隣に歩いてくれるのか) 一「よし」 ガシャ 京太郎「うわっ!姉ちゃんなんで俺に手錠をかけるんだよ」 一「そこまでいうなら、京くんはボクの服を選ぶことお姉ちゃん命令だからネ!」 京太郎「ヤバいから俺の社会的地位がヤバいから」 一「ほら行くよ!京くん」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 玄「第一○六回松実家おもちドラフトを開始いたします」 京太郎「ではまず俺から」 ──京太郎第一指名『岩戸霞』── 玄「やはりそう来ましたか……」 京太郎「……それで義姉さんの第一指名は?」 ──玄第一指名『岩戸霞』── 京太郎「確実に取りに来たか」 玄「当然です。岩戸さんの長打力は無視できないのです」 宥「(……何が楽しいんだろう)」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 咲「京ちゃん、一緒に服買いに行こー」 京太郎「……なあ姉さん、たまには他の誰かと服買いに行ったらどうだ?」 咲「えっ?もしかして、私と買い物行くの嫌になっちゃったの……」 京太郎「いや、俺と姉さんが服買いに行くと、姉さんの服まで男物っぽくなるから……」 咲「そんなの、私と京ちゃんで着回しすること考えると当たり前じゃない?」 京太郎「今じゃ背丈違うからあんまり着回ししてないだろ」 京太郎「やっぱり女の子がパーカーやジーンズばっかり着てるのはどうかと思う訳よ。身内としては」 咲「えー、動きやすいし、あったかいし、私は気にしてないよ?」 京太郎「少しは気にしろよ!それに和達と一緒の方がもっとおしゃれなの買えるんじゃないか?」 咲「うーん前に一回、3人で服買いに行ったんだけどね……」 咲「原村さんは高そうなフリフリのモコモコ、優希ちゃんは変わった柄のプリントTシャツ買ってて……」 京太郎(うわー……) 咲「なんか私には遠い世界のことだなーって感じだったの」 京太郎「で、でもやっぱり男と一緒じゃ買いにくいものあるだろっ?水着とかほら…下…着…とかさ」 咲「(…下着?)水着なら去年も一緒に買いに行ったじゃない。それに一番最初に姉の水着姿見られるんだから役得でしょ?」 京太郎「で、でも……」 咲「それに私一人で行ったら迷子になるし、荷物持ちも欲しいし、あと京ちゃんの服選びも楽しいし!」 京太郎「……」 咲「ねっ、だから一緒に買い物行こっ!」 京太郎「……んだよ」 咲「えっ?何?」 京太郎「姉さんと一緒だと俺がパンツ買いにくいんだよ!!!」 咲「!!?」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 怜「竜華ー。膝枕してーな」 京太郎「姉さん。ちょっといい?」 竜華「ん、なんや京太郎。ごめんな、怜。膝枕はまた後でな」 怜「……これで何度目や、後回しにされるの」 怜「京太郎。竜華の膝枕をかけて勝負や」 京太郎「なんですか。いきなり」 怜「京太郎が入部してから、竜華が膝枕してくれる回数が減ったんや」 怜「私が勝ったら、回数を元に戻す。京太郎が勝ったら、竜華の膝枕を1回させてやるわ。」 京太郎「俺にそんな権限ないですし、それにもし勝てても、家でやってくれるんで…」 怜「ほう、それは聞き捨てならんな。詳しく聞かせてもらわんと」 京太郎「す、すいません。用事思い出したんでもう帰ります。お先に失礼します」 怜「ちょっと、お姉さんとお話しようか。なに、お話だけやで」ガシッ 京太郎「え、何この力。誰かー、助けてー」ズルズル 竜華「京太郎と怜は仲ええなー。」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「ただいまー」 智美「おかえりー。きょーたろー」 京太郎「ただいま、姉ちゃん。あれ、何それ?」 智美「これか? 免許取ろうと思ってな。パンフレットもらってきたんだ」 京太郎「へぇー。頑張ってね」 智美「おう。免許取ったら一番に乗せてやるからな。楽しみにしとけよー。」 京太郎「ああ、楽しみにしてるよ。その時は佳織姉さんも誘おうか。」 智美「残念だけど、佳織はその次かな」 京太郎「え、なんで? 乗れないわけじゃないし、多い方が楽しいと思うけど」 智美「やっぱり幼なじみとはいえ、初めての運転で他人を乗せるわけにいかないだろー」 京太郎「姉ちゃんなら、そんなこと気にせず誘うと思ったけど」 智美「失礼な。私だって、それくらいの気は使うぞ」ワハハー 智美(…本当は、京太郎と二人きりがいいからだけどな) ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ある日突然、あなたに12人もの姉ができたらどうしますか? それも……とびっきりかわいくて とびっきり素直で、とびっきり愛らしくて、とびっきりの淋しがりや。 しかも、そのうえ……彼女達はみんなみんな、とびっきり! 弟のコトが大好きなんです…… 洋榎「京太郎、起きろやー!!」ドムッッ 小蒔「zzz・・・京太郎くん・・・」 美穂子「京太郎くん、朝ご飯できてるから、しっかり食べてね」 京太郎「アネキ・・・鳩尾、鳩尾はやめて・・・」 京太郎「ねーや・・・また俺の布団に入ってきて・・・」 京太郎「お姉様、いつも美味しいご飯ありがとう」 でも、残念なことに弟と姉は現在離れ離れに暮らしていて…… 実際に会うことができるのは、 2ヵ月に1回と決められた“弟の日”だけ。 大好きな弟と自由に会えない姉は…… さみしくて、いつも弟のことばかり想ってしまいます。 「神様……どうか、早く弟に会えますように私の大事な大事な弟……」 「会えないでいると……淋しい気持ちでいっぱいになっちゃうよ……」 衣「京太郎は衣に逢えなくてさみしかったろう? 存分に甘えるがいいぞ、衣はお姉ちゃんだからな!」 豊音「京太郎、ちょー逢いたかったよー」 宥「京ちゃんだぁ、背中おっきくってあったかーい」 京太郎「おねえたまは、さみしかったんですね、いっぱい甘えてくださいね」 京太郎「姉ちゃま、ちょっ、近すぎるって!!」 京太郎「ねえさままで・・・、でも二人ともポカポカしてあったかいよ」 だから、ようやく2ヵ月に1度の「弟の日」がめぐってきて…… 2人が会えたときには、 姉は世界中の幸せを独り占めしたみたいに、 とってもとっても……幸せ もちろん姉弟なんだけど、気分はまるで楽しいデート! セーラ「バスガデルデー」 ワハハ「京太郎でかけるぞー」 すばら「今日は、なんてすばらな一日でしょう!」 京太郎「姐さん、今行くよー」 京太郎「お姉ちゃん、安全運転で頼んます」 京太郎「おねぇ、よかったね」 そして姉は、弟のそばにぴったりくっついて…… 心配そうに弟の顔をのぞき込み、 こう……言うのです。 「弟は……私のコト、好き?」 姉達はちっちゃい頃からずっとずっと ただ純粋に弟のコトが大好きでした。 やさしくってステキで世界にただ1人、 自分だけの大切な弟……。 照「・・・京太郎」ゴゴゴゴ 智葉「・・・・京太郎」ゴゴゴゴ やえ「・・・お見せし(ry」ゴゴゴゴ 京太郎「・・・姉君さま、姉上さま、姉チャマ、プレッシャーで胃に穴が開きそうです」 だから、いつもいつも弟と一緒にいたくて、 いつもいつも弟にかまってほしくて……。 ここに登場するのはそんな素直な女の子達……。 外見も性格もちがう12人の姉達ですが、 想いだけはみんな同じ……そう 「……京太郎、大好き!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ エイス「キョウタロ!キョウタロー!」 京太郎「んあ、どうした姉ちゃん」 エイス「………」カキカキ ポン! 【お菓子を作っている京太郎の絵】 京太郎「お?おぅ……」 エイス「………」カキカキ ポン! 【お菓子を食べているエイスリンの絵】 エイス「………」キラキラ 京太郎「えぇと………」 京太郎「作れって…ことだよな?」 エイス「!!」コクコク 京太郎「しょうがないなぁ、何作ればいいんだ?」 エイス「ク…クッキー?」 京太郎「なんで疑問系なんだよ…まぁ作るけどさ」 ..................1時間後 京太郎「姉ちゃーん、できたぞー?」 エイス「………」モグモグ 京太郎「ってもう食ってるし…腹減ってたのか?」 エイス「………」コクコク エイス「キョウタロ」パンパン 京太郎「ん?座れって?はいはい」ストッ エイス「えへへー」ナデナデ 京太郎「なんだよ、急に頭なんか撫でて」 エイス「アリガト……ね?」ナデナデ 京太郎「………ん」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「……はぁ」 ゆみ「どうした、京太郎」 京太郎「どうしたもこうしたもないよ、また同学年の女子からラブレター渡されたんだぜ?」 ゆみ「それの何が問題だというんだ?」 京太郎「『ゆみ先輩に渡してください』って来るんだよ」 ゆみ「なんだ、それは……」 京太郎「こっちのセリフだよ全く。なんだって女の子のラブレターを女の子に渡さなきゃなんないのさ」 ゆみ「……女の子?」 ピクッ 京太郎「ん?あ、ごめんごめん。姉さんは女の子って柄じゃないか」 ゆみ「いや……まあ、そうだが」 京太郎「そこで納得するのも姉さんらしいけど。俺だってまっとうにモテてみたいよ」 ゆみ「……まるで私がまっとうにモテてるみたいな言い草じゃないかそれでは」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 智紀「…………」カタカタカタカタ 京太郎「ね…姉ちゃーん?入るぞー」ガチャ 智紀「…………」カタカタカタカタ 京太郎「姉ちゃん、飯持ってきたんだけど…」 智紀「…………」カタカタカタカタ...ッターン!! 京太郎「!?」ビクッ 智紀「そこ……置いといて………」 京太郎「う…うん。あ、あと風呂沸いてるから」 智紀「…………」カタカタカタカタ 京太郎(もうゲームに戻ってらっしゃる…) ----10分後・リビング 京太郎(姉ちゃん最近また引きこもってるけど大丈夫なのか?) 京太郎(龍門渕で仲良く麻雀してると思ってたんだけどな…) 智紀「大丈夫、問題はない」 京太郎「うわッ!!?姉ちゃん!いきなり背後から思考を読むな!!」 智紀「透華からちょっとだけお休みを貰ってただけだから。あとね…」 智紀「ご飯、おいしかったよ?」チュッ 京太郎「ねっ姉ちゃん…」カァァ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 「じゃあね。」 京太郎「おう、また明日な。」 桃子「……お兄ちゃん、今の誰っすか……?」 京太郎「うお!? いきなり現れんなよ!?」 桃子「私を見れるのはお兄ちゃんだけ……だからお兄ちゃんはは私のことだけ見ていればいいっす……」 京太郎「はぁ~」 桃子「どうしたっすか?お兄ちゃん」 京太郎「桃子か。いや、何か最近女子に避けられてるみたいでさ」 京太郎「何か噂では、俺と仲良くなると不幸が起こるらしいんだが…」 桃子「噂は噂っすよ。現に私は何にも起きてないっす。」 桃子「それに麻雀部の先輩たちだって、何も起きてないじゃないっすか」 京太郎「そうなんだけどな~。委員長も俺を避け始めてるみたいでな」 桃子「あ~、あの女っすか。あいつはなかなか諦めなかったっすね」ボソッ 京太郎「ん、何か言ったか?桃子」 桃子「なんでもないっすよ。そんなことよりどこか遊びに行こうっす。」 京太郎「…そうだな。いつまでも暗い気分でいてもしょうがないしパーッと遊ぶか」 桃子(麻雀部の人たちは学年も違うし、部活だけだから監視もしやすいっすけど) 桃子(ほかの人は、ずっとは監視できないし、向こうから離れてもらうのが一番っすね) 京太郎「ほら、桃子遊びに行くんだろ。早く行こうぜ」 桃子「はいっす。お兄ちゃん」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 恭子「……ただいま」 京太郎「姉ちゃんお帰り。なんか随分疲れてるみたいだな……」 恭子「まあね。漫ちゃんの特訓に付き合ってたら主将と代行が乱入してきてその相手もしとったんよ」 京太郎「お、おおぅ。そりゃ疲れるわ」 恭子「それで悪いんやけど、鞄部屋に置いといてくれん?」 京太郎「はいよ。それくらいなら任せてくれよ」 恭子「おおきに。じゃあお風呂で汗流してくるわ」 京太郎「へーい。ごゆっくりどーぞ」 恭子「あと相談なんやけどな。いつもの『アレ』も頼まれてくれる?」 京太郎「『アレ』って『アレ』のこと?」 恭子「そーそー。楽しみにしとくから念入りにお願いな」 …。 ……。 …………。 ……………………。 恭子「くぅぅぅ~~っっ!そこそこっ!もうちょい強めで」 京太郎「へいへい。―ふっ、ふっ」グッグッ 恭子「効くぅ~♪相変わらずマッサージ上手いな」ホッコリ 京太郎「そりゃねぇ。伊達にやらされてないさ」 恭子「そういや私が高校入ってからはほぼ毎日頼んでるんやっけ」 恭子「時間が過ぎるんて早いなぁ……」シミジミ 京太郎「なに、年寄り、臭いこっ、言って、んの!」グッグッグッグッグッ 恭子「まあ実際京太郎よりも年食ってるけどな」 京太郎「たかだか二年だろ……」 恭子「それでも年上なんは事実やろ?」 京太郎「花の女子高生が何言ってんだか」 恭子「口動かすよりも手ぇ動かして。あ、もうちょい下ね」 京太郎「はいよ。こんなもんですかお客さん?」 恭子「あっ♪それ最高やん」 京太郎「そりゃ良かった。でさ姉ちゃん。話変えるけど髪退けてくんないかな?」 京太郎「さっきから巻き込みそうで怖いんだよ」 恭子「そうなん?じゃあショートにした方がええのんかな……」 京太郎「いやいや。結ぶだけで良いから。ポニテとかサイドとかさ」 恭子「……京太郎。いくら私がお姉ちゃんでもいきなり性癖暴露されたら困るんやで」 京太郎「ばっ!物の例えだよ!!」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「買い出しから戻りました~」ドサドサ 誠子「うわ、凄い量だな。これ全部一人で買ってきたのか」 照「京ちゃんご苦労様」 菫「ご苦労。ついでに買ってきたなまものは全部冷蔵庫に入れておいてくれ」 京太郎「菫ねぇは俺をこき使いすぎ!部員俺だけだけど一応俺は男子麻雀部の部長なんだぞ」 菫「そう言うな。ほら、ご褒美だ」ナデナデ 京太郎「あのさ菫ねぇ。俺も15歳なんだから頭撫でられるのははずいんだけど」 菫「なら止めるか?」ナデナデ 京太郎「……このままでいい」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「ただいまー......ん?」ガチャッ 奥の部屋 姫子「...んあぁ!ぶちょーダメです...京太郎が...ん、もうすぐ...帰ってき...ひうっ!」ビクビク 哩「そうか、弟さんもこげんだらしなくよがっとる姉の姿見せられよったら、どげん反応しよるんやろな?」クチュクチュ 姫子「やめっ......んっ、やめて.....!」ビクビク 哩「口ではそう言いよってもココは症状たい!」 京太郎「......」 京太郎「なんもかんも政治が悪い」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 佳織「京くん、京くん」 京太郎「はいはい姉ちゃん」 佳織「今日は…何の日かわかるかなぁ?」 京太郎(今日は…姉ちゃんの誕生日だ。もちろん覚えてる) 京太郎(でもここはちょっと…) 京太郎「ん~?なにかあったっけ?特に予定はないはずだけど」 佳織「!!」アワアワ 佳織「京くん…ほんとに覚えてないの…?」ウルウル 京太郎「なんだよ姉ちゃん、なんか約束してたっけ?」 佳織「~~ッ!!」ションボリ 京太郎(ションボリしてる姉ちゃん可愛い) 京太郎(小刻みに震えてるところがなんとも…) 佳織「京くん……」ウルウル 京太郎(あーっもう!上目遣いは反則だって!) 京太郎「………嘘だよ、嘘。姉ちゃん今日誕生日だろ?」 佳織「!!」パァァァ 佳織「でも京くん……お姉ちゃんに嘘ついたんだね」 京太郎「ご…ごめん。つい可愛いくてさ」 佳織「お姉ちゃんをからかうんじゃありません!」ポカポカ 京太郎「いたた…ごめんって。はいこれプレゼント」 佳織「もう!京くんの意地悪!」 佳織「でも…ありがとう、京くん。大好きだよ」ナデナデ 京太郎「…………ん」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 透華「あ、京太r――」 京太郎「ハギヨシさん、ここのレシピってどうやるんですか?」 ハギヨシ「ああ、ここはですね。少しスパイスを強めにして――」 透華「……」 透華「あ、京t」 京太郎「ハギヨシさん組手の稽古お願いできますか!」 ハギヨシ「かしこまりました。それでは武道場でお待ちしております」 京太郎「はい!」 透華「…………」 透華「なんなんですのあれは!ハギヨシとばかりべったりして!」 イライラ 衣(素直に寂しいと謂えばよかろうに……) ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 貴子「ただいま。」 京太郎「おかえり、姉さん。ご飯出来てるよ」 貴子「いつも、悪いな。お前だって疲れてるだろうに」 京太郎「姉さんの方が大変じゃないか。これくらいは当然だよ」 貴子「…本当に池田はなんであんな状況でチーピンを…」 京太郎「ははは、姉さんは本当に池田さんのこと大切にしてるんだね」 貴子「べ、別に今の3年が引退したらあいつが中心になるからな。それだけだ」 京太郎「まぁ、そういうことにしておくよ」 貴子「そんなことよりお前はどうなんだ。彼女とかできたのか」 京太郎「姉さんの方が大切だし、姉さんと比べると皆同じように見えるんだよ」 京太郎「姉さんみたいな人が彼女ならいいんだけど」 貴子「な…」カァァ/// 京太郎「そうしたの、姉さん? 顔赤いけど」 貴子「な、なんでもない。ほらさっさと食べるぞ」 貴子「池田ァァッ! てめェ何度言ったらわかるんだ」 華菜「ごめんなさいだしコーチ。」 未春「華菜ちゃん大丈夫かな」 美穂子「大丈夫よ、華菜は強い子だし。」 美穂子「それより、コーチ何かいいことでもあったのかしら?随分嬉しそうだけど」 未春「そうですか?いつもと変わらないように見えますけど」 美穂子(ふふ、多分京太郎くん関連ね。あれは) ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 胡桃「んーっ!んーっ!」ピョンピョン 京太郎「この段ボールか?」ヒョイ 胡桃「もうっ。なんで取るかなぁ?!」 京太郎「え?駄目だった?」 胡桃「あと“ちょっと”で取れたのに台なしだよまったく……」 京太郎「姉さんの“ちょっと”は俺の知ってる“ちょっと”とズレてるのは分かった」 京太郎「つーか感謝こそされても、なんで怒られてんだよ!」 胡桃「それは……はぁ。仕方ない。“姉の”私が折れてあげるよ」 京太郎「仕方なくねぇよ。自然の成り行きで常識だって」 胡桃「んーっ。んーっっ!!」ピョンピョン 京太郎「なにしてんの……?」 胡桃「空気読んでしゃがむっ!」ピシッ 京太郎「あ、はい」 胡桃「ふっふっふっ。優しいお姉さんからのご褒美だよ」ナデナデ 京太郎「…わざわざしゃがませてしなくても……」ボソッ 胡桃「何か言った?」ギロッ 京太郎「イエ、何モ言ッテマセンヨオ姉サマ」 胡桃「ならよろしい」ムッフー 京太郎(そもそも姉弟で身長差が顕著に表れ過ぎだろ母さん……) 京太郎(これじゃ、ませてる妹って言われても仕方n――) 胡桃「―フンッ!!」ゲシッ 京太郎「いてぇ!!?なんで踏むんだよ姉さん!」 胡桃「京が失礼なこと考えたからでしょ?」シレッ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「ただいま」 巴「お帰りなさい~」ヌギヌギ 京太郎「って義姉さん!!何で服脱いでんだよ!」 巴「さっき霞さんのお祓いをして汗をかいたので拭いてるんですよ」 京太郎「だ、だからって自分の部屋とか風呂場でしろよ!!居間ですんな!!」 巴「あら?もしかして京くんお義姉ちゃんの裸見て照れてるの?」 京太郎「な///べ、別にそうじゃなくてだな……その……つつしみとかそういうのだよ///」 巴「はいはい。そういうことにしておいてあげます」クスクス ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 女子「いきなり呼び出したりしてごめんなさい」 京太郎「それで用事って?」 女子「あ、あのこれ!」サッ 京太郎「これって……もしかしてラブレター?」 女子「はい!」 女子「お姉さんに渡してください!」 京太郎「(うん。分かってたよ。こんなオチだって)」 京太郎「純ねぇ。またラブレター預かってきた」 純「お、サンキュー。もてる女はツラいねぇ~」 京太郎「はぁ……毎回毎回純ねぇの代わりに呼び出される俺の身にもなってくれよ」 純「お、なんだ?大好きなお姉ちゃんが取られちゃうか心配なのかな?」ダキッ 京太郎「ちょっ!抱き付くなよ暑苦しい!」 京太郎「(ささやかながらも柔らかいおもちが当たってる……!!)」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 玄「あれは鹿児島の神代さん!こっちは千里山の清水谷さん!去年テレビで目をつけてた極上おもちが、今!私の目の前に!」 京太郎「クロ姉落ち着いて、声でかいから、めちゃ白い目で見られてるから」 玄「しかも岩手代表の小瀬川さんとか、姫松の愛宕さんの妹さんとか」 玄「初出場の人のなかにも特Aレベルのおもちさんがいっぱいいるし!凄いよ京くん、全国大会はまさにおもちの宝庫だよ!」 京太郎「わかった、わかったからちょっとこっち来て!」グイグイ 玄「ま、まって京くん!せめて写真だけでも!」 京太郎「まったくクロ姉は…。いつも言ってるだろ、素晴らしいおもちを見て感動する気持ちはわかる、それこそ俺は誰よりもわかる」 京太郎「でもだからってその感動を表に出しちゃだめなんだよ、俺達の趣味は秘してこそ」 京太郎「人目があるとこで全開おもちトークとかしたら変態さん扱いは免れんのです」 玄「申し訳のうござる、興奮を抑えきれずつい…」 京太郎「確実に顔覚えられただろうな、クロ姉みたいな美人さんがいきなりおっぱいおっぱい騒ぎ出すなんてインパクトありすぎるし」 玄「うう、あれだけのおもちさん達と仲良くなれるせっかくのチャンスなのに、次あった時警戒されちゃうかなぁ」 京太郎「まあそこは俺が一緒にいる時ならフォローするよ。その時はクロ姉もちゃんと自重するように」 京太郎「言っとくけど初対面の人に挨拶からワンツーのテンポで品質調査(乳揉み)!」 京太郎「とかやられたら今度はさすがにフォローしきれないからな」 玄「その節は大変ご迷惑を…」 京太郎「大体我慢が足りないんだよクロ姉は。俺なんかいつもめちゃ我慢してるってのに」 京太郎「男の俺と違って女の子のクロ姉は多少のことなら許されるんだからほどほどで満足しなきゃ」 京太郎「さっきのだってクロ姉がするぶんにはなにあの変人て思われるだけですむけど俺がやったら普通に通報されてるだろうし」 玄「失礼な話だよね、私達のおもちに対する気持ちにいやらしいものなんか全然ない」 玄「いわば芸術を見る気持ちでおもちに向き合ってるっていうのに」 玄「おもち丸出しのミロのヴィーナスの造形について品評するのは芸術鑑賞」 玄「なら私達のしてることも同じ扱いになっていいはずなのです!」フンス 京太郎「クロ姉は知らないかもしれないけど世の中には常識ってもんがあってだな…」 京太郎「あと内緒だけど俺の場合仮にも男なんでいやらしい気持ちが全くないとは言いづらいっす」 玄「でも京くんは女の子の嫌がることはしない紳士さんだし大丈夫大丈夫へーきへーき。それになんたって京くんは私一筋だもんね!」 京太郎「うっ…」 玄「おもちはおもちで別腹、京くんが女の子で一番好きなのは私だっておねーちゃんちゃんとわかってるから!」フフン 京太郎「べ、別にいつまでもそうとは限らないんだからな!」 京太郎「俺だってもう高一だし、そろそろクロ姉以外の好きな人ができてもおかしくない、はず」 玄「そんな無理して他の女の子好きになろうとしないでいいよー」 玄「私は今までもこれからもずーっと京くん一筋だし、ほーらくっついちゃうぞー!」 京太郎「ば、ばか、人に見られたらどうすんだって」 玄「とか言いつつ振り払おうとはしない京くんなのでしたー」 ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 衣「♪」テクテク 衣「?」 京太郎「Zzz……」 衣「……!」タタタッ 衣「!」タタッ 衣「♪」バサァ 京太郎「Zzz……」 衣「♪」トントン 衣(まったく仕方ない弟だな、衣がタオルケットを掛けなかったら風邪を引いてしまうぞ。) 衣「……Zzz。」 衣「Zzz……」 透華(あら……姉弟で仲良くお昼寝ですわね。) 透華(なんとも微笑ましい限りですわ。) ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「姉さ~ん、飯できたぜ」 霞「あっ…あら京君」 京太郎「またネット掲示板やってるのかよ……」 霞「もうっなによ……いいじゃないちょっとくらい」 京太郎「別に普通にするのは構わないけど、俺と姉さんのSSを書くのは止めろって言っただろ」 霞「そうは言ってもね?これが好評なんだからしょうがないじゃない?私も書いてて楽しいもの」 京太郎「俺のどこがいいんだかねぇ……」 霞「ふんふむ……ちょっと来なさい京君」 京太郎「なんだよ?一体」 霞「京君は私の知ってる中の男性で一番魅力的なんだからね」 ギュッ 京太郎「ありがと、姉さん」 ボソッ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 京太郎「姉さん、羊羹出来たけど食べる?」 尭深「うん。それじゃあ私お茶入れてくるね」 京太郎「ありがと。じゃあ用意して待ってるよ」 尭深「…おいしい。」 京太郎「良かった。作った甲斐があったぜ」 尭深「…でも、京君はいつもお菓子作ってくれるのに私は お茶入れるだけで申し訳ない。」 京太郎「何言ってんだよ、姉さん。俺は姉さんが入れてくれる お茶が好きだし、姉さんの喜ぶ顔が見たいからこうやって作ってるんだぜ」 尭深「ありがとう。私も京君が作ってくれるお菓子好き。」 京太郎「好きなのは、俺のお菓子だけ?」 尭深「そんなわけない。京君のことは全部好き」 京太郎「俺も姉さんのこと全部好きだよ」 尭深「……うん。ありがと京君」カァァ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 久「京太郎~?いないの~?」ガチャ 久「愛しのお姉様よ~?」ポフン 久「お茶くらい出しなさいよ~」ペラペラ 京太郎「…………おいヒサ姉」 久「あ、そこにいたの?全然気付かなかったわ」ポリポリ 京太郎「いきなり人の部屋に入っといてその態度は何だよ」 久「いやぁよく言うじゃない。『弟のものは姉のもの』って♪」 京太郎「そうだなよく聞くな」 久「でしょ?」 京太郎「―ヒサ姉の口から」 久「うそやだー。どこ情報?どこ情報よそれー」ペラペラ 京太郎「しまいにゃ放り出すぞ」 久「なになに?DV?」 京太郎「姉弟でDVもあるかって。喧嘩にしか見られねーよ」 久「それもそうよねー。あ、この前の巻ってどこ?」 京太郎「それなら確か……っとあった。ほらよ」 久「ありがと。立ったついでにジュース取ってきて」 京太郎「どこがついでだっつーの」 久「いいじゃない別にぃ。減るもんでもなし」 京太郎「減らなきゃいいって話じゃねぇよ!むしろ手間が増えてんの!」 久「大丈夫よ。私は増減してないもの!」キリッ 京太郎「………」 久「な、なによ……」 京太郎「べっつにぃ~?」 京太郎「昨日のリビングでダイエット特集に集中してたのは誰だったのかと思い出してただけですしぃ~?」 久「ダイエットは女子にとっちゃ話のネタになるんだから知識だけでも仕入れないとねぇ」 京太郎「へぇ……ふぅ~ん」 久「あ、全っ然信じてないでしょ!?」 京太郎「だってなぁ。ヒサ姉だしなぁ」 久「減らず口を叩くのはこの口?ならこうしてやるっ!」 京太郎「ばっ!やめろよ!ポテチ摘んだ手を近付けるな!」 久「大丈夫。漫画読む時に手は拭いてるから」 京太郎「そう言う問題じゃねぇ!良いから手洗ってこい!」 久「気が向いたら善処する方向に検討するわ」 京太郎「明らかに拒否ってるじゃん!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2245.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363548712/ 京太郎「いや、お前何を言ってんの?」 優希「照れるな照れるな! この美少女たる優希ちゃんに求婚されて本当は嬉しいくせに!」 京太郎「何この子すごいムカつく」 優希「それに片岡京太郎っていい名前だと思うだろ?」 京太郎「それが俺にさえ関係してなかったらな。 つーかマジで婿扱いなのか」 優希「結婚したら私がプロになって稼ぎまくるから、京太郎は家でタコスを作って待っていてくれ!」 京太郎「しかも俺が主夫かよ! あのな優希、俺は結婚するなら家庭的で胸の大きい女の子がいいんだ」 京太郎「悪いけどお前ではその条件にまるで当てはまらない」 優希「それでそれで、子供はだな……」 京太郎「おい、だから人を使って変な事考えるな、なんだそのにやけ面は!」 優希「のどちゃんで変な事考えてる京太郎っていつもこんな感じだじょ」 京太郎「……マジか」 【片岡優希はタコス娘】 京太郎「ほら、タコス買ってきたぞ」 優希「おお、ご苦労! タコスタコス~♪」 京太郎「……」 優希「タコスウマー♪」モグモグ 京太郎「お前って本当タコス好きだよな」 優希「好き? ふう、これだから素人は嫌になるじぇ」 京太郎「なんだよ、違うのか?」 優希「京太郎、お前は酸素が好きか?」 京太郎「は? いや、そんなの考えた事もねえよ」 優希「そういう事だじょ」 京太郎「意味がわからないんだが」 優希「察しが悪いな…タコスはな私にとっていわば酸素、好き嫌いを超えて私の血と肉とDNAを形成するなくてはならないものなのだ!」 京太郎「お前は何者なんだよ!?」 優希「タコス好きの呪われし血族って前に言わなかったか?」 京太郎「メキシコに謝れ! つーか好きって自分で言ってんじゃねぇか!」 【須賀京太郎はマネージャーじゃありません、部員なんです】 久「須賀君、買い出しお願いできるかしら」 京太郎「はい、わかりました!」 咲「えーっと、この前の牌譜どれだっけ……?」 京太郎「あー、それは確かこっちのファイルに……」 和「あ、あら? 卓の調子が……」 京太郎「どれどれ、ちょっと見せてみ……ああこれくらいなら俺でもなんとかなるかも。 工具、工具っと……」 まこ「おっ、京太郎が一番乗りか」 京太郎「おはようございます染谷先輩。 ちょっと待ってて下さい、もうすぐ掃除終わるんで」 京太郎「あっ、もうすぐお茶なくなるな……今の内に買ってくるか」 優希「京太郎」 京太郎「なんだ優希? ああ、タコスならそこの袋に入ってるから」 優希「いや、そうじゃなくて……京太郎は麻雀部のなんなんだじょ」 京太郎「なんだ今更、俺は麻雀部唯一の男子部員だろ。 悪い、これから買い出し行くから話の続きがあるなら後で聞く!」ガチャッ 優希「あ」 優希「……それなら牌磨き以外に牌触ってないのってどうなんだじょ」 【ステルス京の独壇場!】 京太郎「うーん」 優希「どうした京太郎、悩みがあるなら私が聞いてやってもいいじょ」 京太郎「いや、部長に言われて全国出場校の牌譜を集めてたんだけどよ」 優希「牌譜って各校の部室にあるんじゃないのか?」 京太郎「そうなんだよ、だから俺も素直にもらえるか半信半疑だったんだけど」 優希「女子校もあるのによく入れたもんだじぇ」 京太郎「校門に警備とかいたけど意外にすんなり通してくれたぜ?なぜか普通に扉開けて入った時中の人達にビックリされたけど」 優希「……ん?」 京太郎「誰も何にも言わないから問題ないのかって思いつつもある牌譜全部写してきたんだけどさ」 京太郎「挨拶もなかったのはちょっとショックだったな」 優希「……」 京太郎「あー、でも宮守と永水だけは入れなかったな」 京太郎「永水はお札貼られたし、宮守はなんかお婆さんにすっげえ見られて入りにくくてよ」 優希「京太郎……」 京太郎「ん?」 優希「今日は帰りに私がタコスおごってやるじょ」 京太郎「えっ、いいのか? それじゃありがたくいただくぜ」 優希「……私はちゃんと見てるからな」 京太郎「んん? なんかよくわからないけど、サンキューな」 【ごく自然に受け入れられた風潮被害】 優希「京太郎、タコスを買ってくるんだじょ!」 優希「京太郎、放課後タコス屋につきあえ!」 優希「京太郎、今度の休みにタコス巡りをするじぇ!」 優希「京太郎ー、タコスはまだかー!」 京太郎「ええい、今作ってるから少し落ち着け!」 咲「あれ?」 和「どうしました咲さん?」 咲「いや、ちょっと……優希ちゃん?」 優希「なんだじぇ、咲ちゃん?」 咲「最近京ちゃんの事、犬って言わないんだね?」 優希「えっ」 和「あっ、言われてみれば最近聞きませんね」 和「人を犬呼ばわりなんて注意しなきゃいけないとは思ってましたけど、ちゃんと直したんですねゆーき」 優希「いや、あの」 咲「どうしたの?」 優希「私、京太郎を犬扱いした事なんか一、二回くらいしかないじぇ……」 咲「あれ、そうだったっけ?」 和「おかしいですね、ゆーきは頻繁に須賀君を犬扱いしてた気がしたんですが」 優希「ひどい風潮被害だじぇ……」 【東風の神片岡優希】 優希『ここからは私の連荘で終わらせる。 この試合に東2局はこない!』キリッ 優希『ここに山を築く。 誰にも賽は振らせない……!!』キリッ 優希「」 京太郎「いやー、さすがに全国優勝校の先鋒は言う事が違うな」 優希「お、お前、なんで、これ!」 京太郎「姫松の監督代行って人から麻雀部宛てに送られてきたんだよ」 優希「あのデコのところか! えっ、麻雀部宛て……?」 京太郎「ああ、だからみんなももう聞いてるぞ」 京太郎「部長とか染谷先輩は『これも若さゆえのなんとやら』って言ってたし、咲は苦笑いくらいで何も言わなかったし……」 京太郎「だからまあ、そんなに悪くは思ってないだろ」 優希「な、な、な……」 京太郎「問題は和なんだよなあ。 あいつ『なんですかこのトラッシュトークは!』ってすっげえ怒ってたぞ」 優希「あ、あわわわ、麻雀関係で怒ったのどちゃんには会いたくないじぇ。 今すぐ逃げ」 ユーキ、ドコニイルンデスカユーキ!! 優希「ひぃっ!?」 京太郎「あー……ご愁傷様」ポンッ 優希「いやあああああ……!」 ちなみにこの世界での決勝はこんな感じになっております 優希(咲ちゃんのお姉さんでチャンピオン、相手にとって不足なしだじぇ!)ゴッ 照(準決勝は10万点で二位、だったらここで20万点奪い取る……)ギギギ 玄(もう準決勝みたいにはさせない。復活のドラゴンロード、松実玄に今度こそおまかせあれ!)ゴッ 漫(なにこの卓こわい) 番外『この世界での決勝大将戦』 咲(なにこれ、カンが出来ない……!?) 淡(またやられた……せっかくテルが稼いでみんなが繋いでくれたのに!) 穏乃(いける、今なら私達阿知賀が……!)タンッ 末原「ロン」 穏乃「えっ……」 末原「国士無双、48000。 Wありなら十三面待ちやったから阿知賀のトビ終了やったな……これで姫松がトップや」 穏乃「そんなっ……」 末原「さっきから黙って見てれば人をほったらかしにしてお互いの顔色を窺ってばかり」 末原「そりゃあんたらには色々見えて私には見えんかもしれんけど」 咲「す、末原さん……?」カタカタ 末原「だけどなあ、あんまり私ら凡人を舐めるなよ魔物共」 淡(なにこいつ、能力とかないはずなのに、怖い……!)ビクッ 末原「私は麻雀をしに来たんや、やれ支配だのやれ能力だのこれ以上――」 穏乃「っ……!」ゾクッ 末原「――お前らにつきあってられるか」 末原さん……というより姫松高校にはおそらく唯一残ってる無能力者のみの高校らしく麻雀をして戦っていただきたい所存 【のどっちからは逃げられない】 優希「どうしようどうしようどうしよう、このままじゃのどちゃんのスパルタ麻雀教室がああ……!」 京太郎「そんなに怯えるほど怖いのか?」 優希「……卓に座らされて配牌から和了るまで常に最善手を打たなきゃいけないんだじぇ」 京太郎「うわ、それはキツいな……でも1局分ならいつかはなんとかなるだろ」 優希「大会と同じ半荘二回分、上級者編は一回でも間違えたら東1局からやり直しでもか?」 京太郎「」 ユーキ、ココニイルンデスカ!? 優希「ひいっ、来たじぇー!」バッ 京太郎「お前何してんだ……」 優希「シー! 私はベッドの中に隠れてるからのどちゃんが来たらまだ私は来てないって言ってくれ!」 京太郎「はあ、わかったよ」 京太郎(ベッドが盛り上がって不自然なんだよなあ) 和「ゆーき!」 京太郎「よ、よぉ、和」 和「須賀君……ゆーきはどこですか?」 京太郎「いや、まだ来てないぞ?」 和「そうですか……」チラッ 京太郎(あっ、ベッド見た) 和「……」ジー 京太郎(すっげえ見てる……優希、俺は何も出来なかったよ) 和「……」カツカツ 和「何をしてるんですか、ゆーき?」バサッ 優希「あっ」 和「ゆーき……」 優希「の、のどちゃん……」カタカタ 和「今日は上級者編です」ニッコリ 優希「いやあああああ! 」ズルズル 京太郎「優希、すまん……へ?」ガシッ 和「須賀君もゆーきと共犯だったみたいですし、ちょうどいいですから一緒に勉強しましょう?」ニッコリ 京太郎「」 和「さあ、2人共行きましょうか」ズルズル 京太郎「う、うわあああああ!!」 優希「誰か助けてえええええ……!!」 バタンッ、ズルズル…… 【誰しも休息は必要です】 優希「一番乗りだじぇ! おっ?」 京太郎「むにゃむにゃ」 優希「京太郎、探してもいないと思ったらこんなところで寝てたのか」 京太郎「すー……」 優希「マヌケな寝顔だじょ。 これはイタズラをしなさいというタコスの神様の導きだな!」 優希「それじゃあまずこのペンで落書きするじぇ!」 優希「えーっとまずは額にっと。 うーん、インパクトが足りないじぇ。 なら頬に……あとはー……」カキカキ 京太郎「んっ……ふぁぁ、よく寝た」 優希「タコスタコスー」 京太郎「なんだ優希来てたのか?」 優希「お目覚めか京太郎! なら早速タコスを買ってくるのだ!」 京太郎「今まさに食おうと持ってんじゃねえか、まだ必要ないだろ……」 優希「ちいっ、失敗か」 京太郎「失敗?」 優希「あっ! な、なんでもないじょ!」 京太郎「怪しいな……」 咲「こんにちはー」 京太郎「よっ、咲」 咲「こんにちは、京ちゃ……」 京太郎「んっ、どうした?」 咲「え、えっとその顔」 京太郎「顔?」 咲「て、手鏡貸すから見てみればわかるよ……」 京太郎「どれどれ……」 『片岡優希専用』 『発情期なので近づかないでください』 『大きなおっぱいが大好きなので気をつけてください』 京太郎「」 咲「き、京ちゃん?」 京太郎「ゆ・う・き……」 咲「あっ、優希ちゃんなら今走って出て……」 京太郎「逃げやがったなあの野郎!」ダッ 咲「あっ、京ちゃん待って、落書き落とした方が……」 ユウキドコダー! ス、スガクンナンデスカソノカオハ! ゲッ、ノドカコレハ…… アラアラ、タノシソウナコトシテルジャナイスガクン? ブ、ブチョウ!?ヤメテ、シャメハヤメテクダサイ!イヤアアアアア…… 咲「き、京ちゃん……」 【京太郎の癒やし】 京太郎「買い出しは別にいいけどこんな頻繁にする必要ってあるのか……?」 優希「気にしたら負けだじぇ」 京太郎「つーかお前なんでついてきてんの?」 優希「食堂のタコスが売り切れてたからだじょ!」 京太郎「言っとくけど奢んねえぞ」 優希「えー」 京太郎「えー、じゃないからな……あっ」 優希「んっ?」 子猫「ニャー」 京太郎「子猫だ、よしよし」ヒョイ 子猫「ニャー」ペロペロ 京太郎「おいおい、くすぐったいって! はは、人懐っこいなあ」 優希「首輪ついてるから飼い猫じゃないか?」 京太郎「おっ、本当だ」 優希「京太郎って動物好きなのか?」 京太郎「好きというか動物と戯れてると癒されるというか……家のカピなんか手もかからないしなあ」 優希「まるで他に手のかかる動物を相手してるみたいな言い方だじょ」 京太郎「……」 咲『き、京ちゃん、迷っちゃった……なんかここ変な音してるし、助けてぇ……』 優希『さあさあさあ、早くタコスを渡すんだじぇ、タコスタコスタコスー!』 京太郎「ああ、すっげえ手のかかるのが2人いるわ」 優希「そうか、大変なんだな京太郎……」 京太郎「……」 【魔境清澄高校】 優希「うむむ」 京太郎「どうした?」タンッ 優希「この前咲ちゃん達と染谷先輩の雀荘に遊びに行ったら麻雀だけはするなと言われたんだじぇ」タンッ 咲「私はいいけど優希ちゃんと和ちゃんはダメなんだって」タンッ 和「はい……」タンッ 京太郎「雀荘で麻雀するなってのも変な話だな……」タンッ 優希「京太郎、それロンだじぇ!」 京太郎「うおっ、狙い打ちかよ! これでラス転落かあ」ジャラッ 和「須賀君はもう少し捨てる牌に気を使った方がいいですね」タンッ 京太郎「あはは、教えてもらってるのに面目ない」タンッ 優希「話を続けるじぇ。 それで理由を聞いたんだけど」タンッ 京太郎「聞いたんだけど?」タンッ 咲「知らない方がいいって教えてもらえなかったんだ。 私達何かしちゃったのかなあ」タンッ 和「見当もつきませんね……ツモ、4000オールで連荘です」 京太郎「ひええ、やっぱり強いなあお前ら」ジャラッ 優希「京太郎には負ける気はしないじぇ!」 京太郎「言ってくれたな!」 和「2人共落ち着いてください」タンッ 京太郎「ふっ、ダブルリーチだ!」タンッ 優希「なぬっ!?」タンッ 咲「うわあ、京ちゃんすごいすごい!」タンッ 和「まだ和了ったわけじゃないんですから……」タンッ 京太郎「へっへっへ、一位は俺がいただくぜ!」タンッ 咲「あっ……ごめん京ちゃん、カン」 京太郎「うげっ!?」 咲「も、もういっこカン、もういっこカン」 優希「うわあ……」 咲「もういっこカン……」 和「これは……」 咲「り、嶺上開花……責任払いで京ちゃんのトビ終了、だよ」 京太郎「オーマイガー……せっかくの役満が夢と消えたぜ……」ガクッ 久「まこ、店で優希と和の麻雀を禁止したんですって?」 まこ「あいつらと打ったらせっかくの客がトラウマ抱えて逃げてしまうんじゃ。 手加減が出来る咲ですらあんまり入れたくないわ」 久「でも須賀君はあれだけやられて普通よ?」 まこ「あれはあいつがおかしいんじゃよ」 【自販機の謎飲料】 京太郎「カフェオレカフェオレと……」ピッ 京太郎「あ、売り切れたな。 最後の一個買えてよかっ……ん?」 『新発売、濃厚タコスジュース!!』 京太郎「これはまたピンポイントで誰かを狙ってるというか何というか……」 優希「京太郎ー!」 京太郎「噂をすればだな」 優希「何の話だ?」 京太郎「いや、これお前が好きそうだなーって思ってさ」 優希「これ? うおおおっ!?」 京太郎「うわっ、すごい食いつきだな」 優希「タ、タコスジュース……まさかこんな夢のようなアイテムが実在していたとは」 京太郎「んな大げさな」 優希「何を言う、これさえあれば私の長年の夢『タコスを飲んでタコスを食べる』が実現するんだじょ!」 京太郎「なんだそのよくわからん夢は」 優希「早速買うじぇ! えっと二百円と……」 京太郎「自販機のものにしては高いな」 優希「こ、これがタコスジュース……すごい重量感だじぇ」ズシッ 京太郎(なになに、『具材80%』……まさかこれタコスがそのまま入ってんのか?) 優希「いただきまーす」ジュルジュル 京太郎「どうだ?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「うええ……」 京太郎「お、おい!」 優希「マズい、話にならないくらいマズいじょ……昔食べた京太郎のタコスミタコスよりマズいじぇ」 京太郎「マジか……いやな予感はしてたけど」 優希「京太郎にやるじょ」スッ 京太郎「タコスの名前があってもお前が拒否するような代物を飲めってか!?」 優希「いいから飲んでみろ!」 京太郎「むごっ!?」 優希「えいっ!」ギュッ 京太郎「むぐっ、むぐっ、むぐっ……」ゴクッ 優希「ふう、処分完了だじょ」 京太郎「……意外に美味いぞ、これ」 優希「えっ」 【結果オーライ?】 京太郎「さーて、今日の部活も終了っと」 優希「京太郎!」 京太郎「んー? なんだよ優希」 優希「これからタコスを買いに行くから付き合え!」 京太郎「おいおい、まさか俺に奢らせる気か?」 優希「ふふん、まだまだだな京太郎! 今日の私はいつもとは一味違うじぇ……」 優希「今日はこの優希ちゃんがお前にタコスを奢ってやろう!!」 京太郎「……よし、あるな」 優希「なんで急に鞄を見てるんだじょ?」 京太郎「いや、今日は夕立か嵐になりそうだから折り畳み傘を確認してたんだよ」 優希「……どういう意味だコラー!」 ――…… 優希「……」ズーン 京太郎「あー……優希?」 優希「こ、こんなのおかしいじぇ……なんで今日に限って売り切れとか臨時休業とか……」 京太郎「慣れないことはするなって事じゃね?」 優希「こんなはずじゃなかったのに……うー」 京太郎「……なあ」 優希「なんだじょ……私は今落ち込んでるんだじぇ」 京太郎「なんなら、家来るか?」 優希「……え?」 ――…… 京太郎「ただいまー……って靴ないからいないみたいだな」 優希「お、お邪魔します!」 京太郎「なにお前、緊張してんのか?」 優希「き、緊張なんかしてないじぇ!! 私がどうして緊張しなきゃ……ゴニョゴニョ」 京太郎「まっ、いいけどな。 飲み物持ってくるからリビングで待っててくれよ」 優希「お、おう!」 優希「……」 優希「まさか、京太郎の家に来れるなんて思わなかったじょ」 優希「な、なんか落ち着かない……」 京太郎「お待たせ、ってお前なんで正座してんの」 優希「そ、そういう気分なんだじぇ」 京太郎「ふーん。 じゃあ早速作るとしますか」 優希「本当にタコス作ってもらっていいのか?」 京太郎「よくなきゃ誘わねーよ。 やっぱりお前の感想聞きたいしな」 優希「そ、そうか」 京太郎「じゃあちょっと待ってろなー」スタスタ 優希「……放課後デートは出来なかったけど、結果オーライだじぇ」 優希「えへへ……」 【片岡優希の日記1】 ○月×日 今日は咲ちゃん、のどちゃん、京太郎と一緒にお昼を食べた。 京太郎がのどちゃんで不埒な妄想をしてたから、罰として肉まんを奪ったら勢いで押し倒された。 思わず今はダメって言っちゃった……後ならいいのかってつっこまれなくて本当に良かったじぇ。 だって、そう言われたら私は、京太郎を…… 優希「……ううう」 優希「あああ! もうこんなのこれ以上書けるわけないじぇ!」 優希「だいたい言われたらなんなんだ! べ、別に私は京太郎の事なんて……」 優希「……どう、思ってるんだ?」 優希「のどちゃんを見てデレデレしてるのは腹が立つけど、それ以外はいいやつだし……」 優希「私のわがままも口では色々言うけどちゃんと聞いてくれる」 優希「京太郎を見てると胸がキュンキュンしちゃうし……やっぱり、私は……」 優希「――京太郎が好きなのかな……」 【ごく自然に受け入れられた風潮被害・京太郎の場合】 教師「須賀! またお前はそんな金髪に染めてきたのか!」 京太郎「これは地毛ですよ!」 京太郎「あっ、ハンカチ落としましたよ?」 モブ女子「えっ、ありが……ひっ、き、金髪……もしかして不良?」 京太郎「あのー?」 モブ女子「あ、ありがとうございます!」タタッ 京太郎「えっ、ちょっと……なんで逃げるんだ」 京太郎「おっ、それ新巻か。 読み終わったら貸してくれよ」 モブ男子「ひいっ!」 京太郎「えっ」 モブ男子「べ、別に今貸してもいいよ! か、返すのはいつでもいいから!」タタッ 京太郎「お、おい! また逃げられた……」 京太郎「ええっとタコスタコスっと……」キョロキョロ 不良「おいこら、そこの金髪!」 京太郎「へっ?」 不良「お前今ガンつけたよな、ええ?」 京太郎「ご、誤解だ!」 不良「とぼけてんじゃねえ、その金髪見る限りどこかの所属なんだろ……ちょっとこっち来いや!」 京太郎「じ、冗談じゃねえー!」ダダダッ! 不良「あっ、待てやこらあ!」 京太郎「はあ、はあ……なんで俺がこんな目にあわなきゃいけないんだよ!」 優希「帰ってきたか京太郎! さあタコスを補給させるんだじぇ!」 京太郎「悪い、絡まれて逃げてきたからまだ買ってねえ……」 優希「なにぃ!?」 風潮『須賀京太郎の金髪だけなぜか不良扱いされる』 【ステルスは1人じゃない】 優希「今日も京太郎のタコス作りの技術を極めるためにタコス屋巡りをするじぇ!」 優希「京太郎には頑張ってタコス界の頂点にたってほしいからな!」 優希「えっ……そ、そうか?」 優希「わ、わかった、今度作ってきてやるじぇ」 優希「私のタコスを食べて自信をなくしても知らないからな!」 ゆみ「全く蒲原の奴にも困ったものだ……やっぱりモモもそう思うか?」 ゆみ「……確かになんだかんだ言ってもあいつには部長としての器はあるしそれを認めてないわけじゃない」 ゆみ「いや、私は未熟さ……なんだ、否定してくれないのか?」 ゆみ「待て、確かにあれは今振り返ればとんでもない事をしたと思う」 ゆみ「だがあれくらいしなきゃモモは麻雀部に入ってくれなかっただろう?」 ゆみ「な、何を言ってるんだ!」 優希「ん?」 ゆみ「おや?」 優希「誰かと思えば鶴賀の部長じゃないか!」 ゆみ「私は部長じゃないんだが……そういう君は清澄の先鋒か、合宿についての話を清澄でした時にもいたな」 優希「おお、覚えてたか! えっ、なんだ京太郎……うん、あの時はお菓子も食べられると思ってたからな!」 ゆみ「ん? いや違うんだモモ、その時は久や龍門渕、風越のキャプテンも一緒だったんだ、決して2人きりというわけじゃ……」 優希「……」 ゆみ「……」 優希「と、とりあえず私達はこれからタコス屋に行くんで失礼するじぇ! 次の全国大会でまた会おう! 行くぞ京太郎!」 ゆみ「私は卒業だし鶴賀は部員集めからしなければいけないがな……ああ、頼んだぞモモ」 京太郎「なあなあ、優希」 優希「なんだ?」 京太郎「さっきの鶴賀の人、時々何もない所見て話してなかったか?」 優希「言うな! きっとあの鶴賀の部長には見えてはいけないものが見えてるに違いないじぇ……!」 京太郎「マジかよ」 モモ「先輩」 ゆみ「どうしたモモ」 モモ「あのタコスさん、時々何もない所見て話してたっすけど……」 ゆみ「あの子はもしかしたら見えてはいけないものが見えるのかもしれないな……」 モモ「ひえっ、本当っすか」 京太郎「それは怖いな……」 モモ「それは怖い話っすね……」 【変わる顔】 京太郎「ふんふんふん」 優希「ジー」 京太郎「ん、なんだよ優希? 人の顔じっと見て」 優希「いや、京太郎の顔が変わったような気がしたんだじぇ」 京太郎「はあ? おいおい、俺は産まれてから今に至るまでこの顔だぞ」 優希「いや、それはわかってるんだけど」 京太郎「じゃあどういう意味だよ」 優希「初めて会った時は普通に男だったのに、今は女と言っても不思議じゃない気がするじょ」 京太郎「ええっ、俺そんな女顔じゃねえだろ?」 優希「昔はそうだったけど……」 優希「でも考えてみれば京太郎は咲ちゃんがいなきゃ女装して出場させられてたはずだし、今の女顔が正しい姿なのかもな」 優希「今の京太郎は下手したら龍門渕のノッポより女の子っぽいじょ」 京太郎「嬉しくないぞ、それ」 優希「まあ安心しろ、たとえ京太郎が女だったという衝撃の事実が発覚しても私は一緒にいてやるからな!」 京太郎「不吉な事を言うんじゃねえ!」 『変わる顔・優希の場合』 京太郎「だいたい人にはそんな事言うけどお前はどうなんだよ!」 優希「何の話だ? 私はずっと美少女のまんまだじょ」 京太郎「ふん、確かに黙ってれば可愛い部類だろうけどな。 だけどお前が変わってないとは言わせねえぞ!」 優希「えっ、かわ……」 京太郎「まあ、これを見てみろ」 優希『ここに山を築く。 誰にも賽は振らせない……!!』キリッ 優希「これはこの前私をのどちゃん地獄教室に引き込んだアレじゃないか」 京太郎「この時のお前は可愛いというよりかっこいい部類だ。 お前も人の事言えないくらいに変わってるってこった!」 優希「ふむ、つまり女顔になってる京太郎とかっこよくなってる私、バランスがよくなってるわけだ!」 京太郎「お前のそのポジティブさはどこからくるんだよ……あっ、そういえばお前咲が初めて来た時何を思ったか敬語使って……」 優希「それは言うな!」 京太郎「なんだよ、そんな怒るなよ」 久「やっほー、まだ2人しか来てないの?」 京太郎・優希「……」 久「な、なに? 2人してそんな見ないでよ、恥ずかしいじゃない」 京太郎「いや、俺達はなんて不毛な会話をしてたんだろうなって」 久「へっ?」 優希「変わったといえば一番変わった人を忘れてたじぇ……昔の部長はまるでムー……」 久「喧嘩なら買うわよ」 京太郎・優希「ごめんなさい」ドゲザー 【もしも優希が敬語キャラだったら】 優希「学食でタコス買ってきましたー」 優希「確実に勝つなんてありえません」 優希「天才なんですけどねっ! 集中力が持続しないんです」 優希「私の得意な東場が――またやってきました!!」 優希「よくやりました! あなたは使える犬です!」 優希「えっ、あなたもタコス好きの呪われた血族なんですか!?」 優希「なんだか、みんなを馬鹿にされたみたいです……」 優希「うちの県が弱いかどうか――今見せてあげます!」 優希「その程度で消える勢いなら――最初から願い下げです!」 優希「ここからは私の連荘で終わらせます。 この試合に東2局はきません!」 優希「ここに山を築きましょう。 誰にも賽は振らせません……!!」 優希「い、今はダメです……いやぁ」 優希「ほら、パンチラです」 京太郎「……」 優希「ど、どうだった?」 京太郎「若干和と被らんでもないな……というかいつものお前と過ごしてると誰だこれ感が否めない」 優希「そうか……」 京太郎「まっ、お前はいつも通りでいいんじゃね?」 優希「じょ?」 京太郎「正直こんなキャラだったら俺も調子狂うしなー。 今みたいに気安く話せる気がしないわ」 優希「そ、そうか……なら、よかったじぇ」 【須賀京太郎タコス布教作戦】 京太郎「新作ランチ、ウマー」モグモグ モブ男子「俺はそのために咲ちゃんや原村、片岡との飯の誘いを蹴ったお前が理解できない」 京太郎「だって今の内に食べとかないとなくなるかもしれないだろ? 三人との飯はまだ二年はできるんだし」ズズー モブ男子「はあ、こういうところが理解できないんだよ……普通気になる女子と飯が食えるならそっちを優先するだろうに」 京太郎「まあ、な」 京太郎(正直和はもう目がないのわかりきってて積極的にいく気になれないんだよなあ……) 京太郎(俺、もしかしたら逃げてるだけなのか?)ヴーヴー モブ男子「須賀、携帯鳴ってるぞ」 京太郎「ん、本当だ……優希か、もしもし?」 京太郎「は? タコスの危機? ああ、なるほどなるほど……そういう事か」 京太郎「ああいいぜ、わざわざコンビニまで行かされるのもめんどいしな」ピッ モブ男子「どうした?」 京太郎「優希の奴がこのままだとタコスがなくなるかもしれんから広めてほしいんだと」 京太郎「まああいつくらいしか食ってる奴いないしなあ」ガタッ モブ男子「広めるってどうやって?」 京太郎「そりゃまあ……実際に食ってもらうしかないだろ」スタスタ モブ男子「は?」 オバチャーン、タコスコレデカエルダケクレー ハイヨー、マタカノジョサンノタメカイ? アイツハソンナンジャネーッテ! 京太郎「ほら」ドサッ モブ男子「えっ」 京太郎「ここにいるお前の知り合いに配ってくれよ。 ついでにお前も食べて気に入ったなら今後も買ってくれると嬉しい」 モブ男子「それはいいけどお前……わざわざそのためにこんなに買ったのか?」 京太郎「コンビニで買わされるよりは安いから問題ないだろ。 じゃあ俺も行ってくるから頼むなー」 モブ男子「……」 ナアナア、チョットコレタベテクレヨ。オレノオゴリダカラサ……ウマイカ、ジャアコンゴモココノタコスヲゴヒイキニー モブ男子「やっぱりあいつは時々理解できない……」 【片岡優希の日記2】 ○月□日 今日は咲ちゃん、のどちゃんの三人で屋上でお昼ご飯 京太郎は私達を見捨てて学食の新作ランチを食べに行ったらしくていなかった 全く美少女三人とのご飯を蹴るなんてあいつはおかしい! でもちょうどいいから最近私以外買ってくれないと食堂のおばちゃんがぼやいていたタコスを広めるように言っておいた やってくれないのも覚悟はしてたけどどうやら本当に頑張ってくれたらしい、タコスは好評だったって言ってた! やっぱり京太郎はいいやつだな! 優希「おばちゃんも喜んでたし、タコスは続いていくしいい事尽くめだじぇ!」 優希「本当に京太郎はいいやつだじょ!」 優希「だから私は京太郎が……」 優希「な、なんか顔が熱いじぇ……早く寝よう、うん」 優希「今日は本当にありがとうな、京太郎……おやすみなさいだじぇ」 【京優捕物帖】※咲日和ネタ 京太郎「さてと今日は買い出しもないし少しは打てるかな……」 猫「ニャー」タタタッ 京太郎「猫? なんでこんなとこに」 優希「待てー!」 京太郎「優希、どうしたんだよ?」 優希「京太郎、こっちに猫が来なかったか!?」 京太郎「ああ、今通り過ぎてったぞ。 なんだ、あの猫お前が連れてきたのか?」 優希「そんな事はどうでもいいんだじょ! 早くあの猫を捕まえないと……麻雀が出来なくなってしまう!」 京太郎「はいぃ!?」 ――…… 京太郎「なるほど、つまり染谷先輩の雀荘を繁盛させるために猫雀荘をしようとしてお試しに猫を部室に連れてきたのか」 優希「そういう事だじぇ。 だけど思った以上に猫がやんちゃ揃いでな!」 京太郎「牌やら点棒やらくわえて逃げ出したと……つーかさ、一応麻雀部員なのに俺には何の話もなかったんだけど」 優希「来たら話す予定だったんだじょ。 昼は京太郎いなかったし」 京太郎「連絡してくれてもバチは当たらないと思うんだが……まあいい、とりあえず今は猫だ」 優希「中をくわえた奴さえ捕らえれば全ての牌は揃う! 協力を求む京太郎!」 京太郎「しかたねえな、いっちょ張り切っていきますか!」 ――…… 京太郎「おい優希、そっち行ったぞ!」 優希「任せろ! てりゃああ!」スカッ 京太郎「ダメじゃねえか!」 ――…… 優希「捕まえたー!」 京太郎「本当か!?」 優希「ほれ!」 池田「いったいなんなんだし!」 京太郎「すいませんすいません! 優希、猫違いだバカたれ!」 ――…… 優希「ふう、一休み一休み。 タコス補給っと」 京太郎「サボるなあ!!」ゴチンッ 優希「あいたあ!」 ――…… 京太郎「と、言うわけで……」 優希「見事捕まえて牌を取り返してきたじぇ! ミッションコンプリートだじょ!」 久「あ、ありがとうね、2人共」 京太郎「いてて、ひっかかれたせいで傷だらけだぜ」 優希「私もだじょ……玉のお肌がボロボロ、タコスを食べなきゃ治りそうにないじぇ」 京太郎「それで治るのか!?」 久(予備の牌があった事は言わない方がよさそうね……うん) 【タコの付くものパワー】 京太郎「たこ焼き、タコさんウインナー、タコライス……」カキカキ 咲「何してるの京ちゃん」 京太郎「いやほら、県予選決勝で優希がタコス食べられちまった時があっただろ?」 咲「うん、龍門渕の井上さんに食べられちゃって優希ちゃん泣いちゃったんだよね」 京太郎「あの時は風越の福路さんがお弁当のタコさんウインナーを分けてくれたから助かったけど」 京太郎「いつもそんな助けがくるとは限らないって部長が言ってな」 咲「確かに……」 京太郎「だから今の内にタコの付くもののレシピを覚えておいて、優希がタコス切れになった時に備えようって話になったわけなんだ」 咲「京ちゃん、料理できたの?」 京太郎「簡単なのならともかく凝ったのは出来ねえけど、でもこういう事で少しでも役に立てるなら俺も嬉しいし」 咲「京ちゃん……」 京太郎「それにちゃんと用意してやらないと優希の奴うるさいしなー。 まっ、頑張ってみるさ」 咲「そっか……じゃあもし私に手伝える事があったら言って。 家庭料理なら一応一通り出来るから」 京太郎「おっ、サンキュー。 じゃあさっそくで悪いんだけどタコのつく料理出来る限り教えてくれよ」 咲「うん、いいよ」 京太郎「いっそ自分でタコス作れるようになったら楽なんだけどな」 咲「あはは、それを言ったら元も子もないよ」 京太郎「違いない」 優希「……」ジー 優希「京太郎と咲ちゃん、何楽しそうに話してるんだ?」 優希「……なんか胸がモヤモヤするじぇ」モグモグ 【いつの間にか自然に受けいられた風潮・京太郎の場合その2】 京太郎「全国大会も終わって最近部の空気が緩くなってきたな」 京太郎「よし、ここは1つドッキリでも仕掛けて皆をシャキッとさせるか!」 京太郎「そうと決まれば早速ロッカーに隠れてっと……おっと携帯の電源は切っておかないとな」 京太郎「さあて最初は誰が来るかなー」 ――30分後―― 京太郎「遅いな……」 京太郎「部長は学生議会、染谷先輩は家の用事ってところか?」 京太郎「だけど咲達はもう来てもいいはずなんだけど……もう少し待ってみるか」 ――1時間後―― 京太郎「あれ、もしかして今日って休みだったか?」 京太郎「いや、でもそんなの聞いた覚えないし……」 京太郎「きっとなんか用事で遅れてるだけだろ……うん」 ――4時間後―― 京太郎「結局誰も来ず……何やってんだ俺、馬鹿みたいだな……」 京太郎「もう帰ろう……ああ、一応電源入れとかないと」ピッ ヴーヴー! 京太郎「あれ、メールと着信が……もしもし?」 優希『京太郎!!』 京太郎「うわっ!? な、なんだよ優希……」 優希『お前今どこにいるんだじぇ!』 京太郎「いや、部室だけど」 優希『はあああ!? 今日は染谷先輩の雀荘に集まって麻雀部員みんなで慰労会をやろうって話だっただろ!』 京太郎「そ、そんなの聞いてないぞ!?」 優希『いーや言った! この前京太郎がタコスを作ってる時にちゃんと私は伝えたじょ!』 京太郎「タコス作ってる時……あ」 ――…… 優希「京太郎、今度みんなで慰労会をやろうって話になったんだけど京太郎も来るよな?」 京太郎「んー」 優希「それは肯定なのか?」 京太郎「んー」 優希「わかったじぇ、じゃあ参加って事で○日の○時に染谷先輩の雀荘に集合だからな!」 京太郎「んー」 ――…… 京太郎「わ、悪い……」 優希『謝ってる暇があるならさっさと来い! みんな京太郎を待ってるんだからな! 』 優希『咲ちゃんなんか何かあったんじゃないかって、な、泣きそうに、なって……』 京太郎「本当にすまん! 今すぐ行くから!」 優希『早く来い、バカァ……』 風潮【須賀京太郎は清澄麻雀部で集まる時連絡すらされずハブられて気にもされない】 【ごく自然に受け入れられた風潮被害・優希の場合その2】 京太郎「優希、ちょっと話があるんだ」 優希「どうしたんだ? そんな真面目な顔、京太郎らしくないじぇ」 京太郎「実際真面目な話だからな……」 優希「そうなのかー。 で、話って?」 京太郎「ああ実はな、俺……」 優希「うんうん」 優希(あれ、待てよ……夕日の射し込む教室で向かい合って真面目な話……) 優希(これって咲ちゃんから借りた本にもあった告白のシチュエーションに似てるじょ) 優希(……告白!?) 京太郎「な、なんだか改めて言うとなると緊張するな……」 優希「ま、待つから落ち着くまで深呼吸でもすればいいんじゃないか?」 京太郎「そうだな……すう、はあ……」 優希(京太郎が私に告白……ゆ、夢みたいだじぇ! ど、どうしよう、答えは決まってるけどなんて返せば……) 京太郎「よし、もう大丈夫だ。 優希」 優希「は、はい!」 京太郎「俺な……」 京太郎「――咲と付き合う事になったんだ」 優希「――えっ」 京太郎「だからな、今までみたいに放課後つき合えないし、誘うのも自重してほしいんだ」 優希「うっ、えっ」 京太郎「言いたい事はそれだけだ……じゃあな」 優希「京太郎、ま、待って! 私、私は……!」 ガラガラッ、ピシャンッ 優希「あっ……」 優希「こ、こんなのってないじぇ……うっ、ううっ……うわああああん!!」 ――…… 優希「あ……ゆ、め?」 優希「よかった、じぇ……」 ――…… 京太郎「……」スタスタ 優希「……」トテトテ 京太郎「なあ、なんでさっきからついてきてんだ?」 優希「別になんでもないじょ」 京太郎「いや、なんでもないって事はないだろ」 優希「なんでもないんだ!」 京太郎「なんなんだよ……」スタスタ 優希「……」トテトテ 風潮【片岡優希は須賀京太郎との恋愛において高確率で噛ませ犬になる】 【キングエトペンの王冠と翼は誰が受け継ぐか?】※咲日和ネタ 優希「むう、何がいけなかったんだじょ」 京太郎「……お前、王冠と翼なんかつけて何してんだ」 優希「のどちゃんのエトペンを全国に備えてこれをつけたキングエトペンに強化したんだけど、なぜか返されてしまったんだじぇ」 京太郎「そりゃそうだろう……その王冠とかそれなりの大きさあるし刺さってもろ痛そうじゃないか」 優希「おお、そう言われればこの王冠ではのどちゃんのキングおっぱいには耐えられそうにないな!」 京太郎「キングおっぱい……なんだ、このアホなような響きなのになぜか心ときめく単語は……!」 ――奈良県―― 玄「むむっ、キングおっぱいよりおもちキングの方がロマンを追求してる気がするのです!」クワッ 宥「ひいっ! く、玄ちゃんが壊れちゃった……」 ――…… 京太郎「それにしてもお前がつけてると妙に似合うな、それ」 優希「そうか? まっ、この優希ちゃんの高貴なオーラにかかれば……」 京太郎「すっげえ子供っぽい」 優希「んなあっ!?」 京太郎「今のお前なら小学校の劇に混じってても違和感ないぞ……ぷふっ!」 優希「ええい、笑うな笑うな! そんな奴にはこうだじぇ!」 京太郎「うおっ!」 優希「キング京太郎だ! ぷっ、似合わないにも程があるじぇ!」パシャッ 京太郎「今写真撮りやがったか!?」 優希「同時にメールでみんなに一斉送信だじょ! よし、今度は翼をつけた姿も撮ってやろう!」 京太郎「やめい! お前、よくもやってくれたな!」 優希「あはは、悔しかったら私を捕まえてみろ!」トテテッ 京太郎「逃がすか! 王冠と翼つけたお前の写真撮って小学生ですって周りに送ってやる!」スタタッ 優希「きゃー!」 和「楽しそうですね2人共」 咲「本人たちは本気なのかもしれないけど、端から見たらじゃれあってるようにしか見えないよね」 【京太郎はお金持ち?】 優希「ううう……」 京太郎「どうした、財布見てうなり声なんかあげて」 優希「タコスを買う軍資金が底をついたんだじぇ……お小遣いまでまだ3日はあるのに」 京太郎「後先考えずに調子に乗って買いまくるからだろ」 優希「そんな事言ったってタコスを食べなきゃ私人の形を保てないし……」シュン 京太郎「……ったく、しょうがねえな」ゴソゴソ 優希「京太郎?」 京太郎「ほら、五千円貸してやるからこれで3日間なんとかしろ」 優希「うえっ!? さ、さすがにこんな大金受け取れないじょ!」 京太郎「別にいいんだよ、どうせ今小遣い余ってるし」 優希「……ちなみに、月いくらくらいもらってるんだ?」 京太郎「うーん、昼飯代合わせて月4万くらいか?」 ※ちなみに高校生のお小遣いの平均は5600円 優希「」 京太郎「俺ほとんど学食とか購買だし肉体労働が多いから、それなりにもらっとかないとやってけないんだよ」 優希(わ、私でさえタコス代込みで月2万円なのに……上には上がいたのか) 京太郎「今月は意外に使わなかったからちゃんと返してくれるなら貸すぞ?」 優希「……じゃあ、お言葉に甘えるじぇ」 京太郎「了解、返すのはいつでもいいからな」 優希「京太郎に貸しを作るのはアレだから早めに返すじょ」 京太郎「まっ、そこは好きにしてくれ」 優希(京太郎って意外にお金持ちなんだな……新しい発見だじぇ) 【優希は幼児体型?】 優希「タコスウマー♪」モグモグ 京太郎「毎日毎日そんなに食べてよく飽きないな……」 優希「ん、なんか言ったか京太郎?」 京太郎「なんでもない、強いて言うならよくもそんなに食べて太らないなって思っただけだ」 優希「むぐっ……」 京太郎「優希?」 優希「わ、私は太らない体質だからな……」 京太郎「……なんかすまん」 優希「な、何を謝ってるんだ? 意味がわからないじょ」 京太郎「いや、気にしてるなら謝るべきだろうなと」 優希「……ええい、もうこの話は終わりだ終わり!」 優希「だいたい女の子に向かって体重関係の話をするなんてデリカシーがなさすぎる!」 京太郎「だ、だから謝ってるだろ。 そんな怒るなよ……」 優希「ううー……」 優希(最近確かにおなか周りがプニプニしてきたけど、まだ取り返しがつかないわけじゃないじぇ……うん、大丈夫) 京太郎(こいつの体型ってモロに幼児のそれなんだよなあ……その手の人が見たら結構たまらないんじゃないか?) 優希「……」モグモグ ※ちなみにタコスのカロリーは164kcal 優希は普段タコスを3つは食べるため合計は492kcal、高1女子の1日に必要な平均カロリーは2250kcal 意外に普段の優希のタコス消費量には問題がないのかもしれません 【須賀京太郎の日記】 ○月△日 いよいよ全国大会本番 優希に必要なタコス屋を探して動いていたら長野で会った執事服の人にまた会って店を教えてもらった 店は会場から結構遠くてどうしたもんかと悩んでたら、 さっきの執事さんがタコスを自作できるらしくて明日から作り方を教えてもらえる事になった! これでわざわざ買いに行かなくてもよくなるかもしれない! 待ってろよ優希、お前が驚くくらい美味いタコスを作ってやるぜ! それにしてもあの執事さん、龍門渕の人だったんだな……だったら県予選の時は塩送られたって事か、なんか悔しい 京太郎「ふう」 京太郎「本当によかった……ついてきたはいいけど全く役に立たないなんてごめんだからな」 京太郎「これで、俺も少しはみんなの役に立てればいいんだけどな……」 京太郎「よし、明日から頑張って修行開始だ!」 【掃除も雑用の内】 久「今日はみんなで大掃除と荷物整理をしましょう」 まこ「ここは色々あるからのう……やるとしたら1日がかりになりそうじゃ」 和「そもそも関係ない物が多すぎる気がします……」 咲「そういえば最近ここの本読めてないなあ」 優希「よし、私は外のビーチチェアーが壊れてないか実際に寝てチェックを……」 京太郎「露骨にサボるフラグを立てるなよ!」 久「はいはい、それぞれ何をするかは任せるけど出来るだけサボらないようにね? じゃあ始めましょう!」 咲「あっ、この本、日に焼けちゃってる……背表紙も擦れてるし古い本なのかな」 咲「……ちょっと中身を確認するだけなら、いいよね?」 咲「……」ペラッ、ペラッ…… 京太郎「ええっとこの箱はこっちに……」 和「あら、ベッドの下に何か……これ、エトペンのキーホルダー……」 優希「おお、それ前に私が持ってきてなくしたやつだじぇ。 そんなところにあったのかー」 和「……」キラキラ 優希「のどちゃん、欲しいならあげるよ?」 和「えっ、いいんですか!?」 優希「のどちゃんなら大切に扱ってくれそうだしな! 私が持ってるよりはそいつも幸せだじぇ!」 和「あ、ありがとうございますゆーき!」 京太郎「窓ガラスもだいぶ汚れてんな……雑巾、雑巾っと」 まこ「おんや、これは……」 久「まこ?」 まこ「ああ、見てくれ部長。 随分と懐かしい写真が出てきたんじゃ」 久「それまこが入部してきた時に撮った……」 まこ「この頃はまさか全国出場どころか優勝するなんて思いもせんかったわ」 まこ「正直お前さんが築いたここを引き継ぐというのは相当なプレッシャーじゃが……」 久「まこならできるわよ、私が保証する。 私が卒業した後の麻雀部をお願いね?」 まこ「うむ、精々努力はさせてもらう」 京太郎「自動卓も汚れてんな、ほとんどタコスのソースのせいっぽいけど」 ――…… 京太郎「なんで俺しか分担終わってないんですか!?」 久「ご、ごめんなさい……つい思い出話に花が咲いちゃったわ」 まこ「すまん、やってしもうた……」 和「エトペンのキーホルダーに夢中になってしまいました……ごめんなさい」 優希「そ、掃除は何か見つけちゃうとはかどらないものなんだじぇ……」 咲「結局本一冊読みきっちゃった……ごめんね、京ちゃん」 京太郎「ダメだこりゃ……」ガクッ 【猫蛇セアミィの謎】 優希「るんたった、るんたった♪」 京太郎「随分とご機嫌なこって……そんなにタコス食えるのが嬉しいのか?」 優希「まーなー♪」 優希(休みに2人で出かけるなんてまさしくデートに違いない! これが楽しくないわけないじょ!) 京太郎「ふーん……そういえばさ」 優希「なんだー?」 京太郎「お前私服でもその猫?蛇?だかのアクセサリーつけてんのな」 優希「おお、これか。 これはのどちゃんが私のために選んでくれたお気に入りだからな! 出来る限りつけるようにしてるんだじぇ」 京太郎「へえ、確かにあのペンギンといい和の趣味っぽいな」 優希「ふふふ、美少女たるこの優希ちゃんにのどちゃんの見立てたこの猫蛇セアミィが加わればまさに最強! 」 優希「向かうところ敵なしだじぇー!」 京太郎「自信過剰な気もするが……まあ、確かに似合ってはいるんじゃね?」 優希「あはは、京太郎が素直に褒めるなんて珍しい事もあるな。 なんだか照れちゃうじょ」モジモジ 京太郎「何言ってんだか……ん?」 セアミィ「///」 京太郎「」 京太郎(えっ、なにあれ。 さっきまで普通のぬいぐるみだったセアミィ?」 京太郎(だったかなんだかが今見たら優希みたいに照れてるんだけど) 優希「京太郎?」 セアミィ「?」 京太郎(また優希に合わせたみたいに顔変えた!? なんなんだよ、まさかアレ生きてるのか!?) 優希「おーい、無視するんじゃない!」 セアミィ「」プンプン! 京太郎「あ、ああ悪い……」 京太郎(聞くべきか、いや、でもそんなバカな話があるわけ……) 優希「よろしい! じゃあ早くタコス屋に行くじぇ!」トテテッ 京太郎「あっ、待てよ!」タタタッ 京太郎(気のせい、だよな。 うん、そうに決まってる……和じゃないけどそんなオカルトありえないって) セアミィ「」ニコニコ 【本にあるからといってそれが正しいとは限らない】 優希「うぐぐ、京太郎め。 いつになったら私の魅力にメロメロになるのだ。 色々試してるのにな……」ペラッ ・男女に友情なし、ぐいぐい行けば必ず落とせる! 優希「京太郎!」 京太郎「どうした優希」 優希「新しいタコス屋が出来たらしいから明日の休み、私につきあえ!」 京太郎「なんで休みにまでつきあわされなきゃ……わかったわかった、行くからそんな目で俺を見るな」 優希「よし、約束だからな!」 優希(休日デート、これで京太郎も少しは私を意識するはず!) 京太郎(仲のいい妹とかいたらこんな感じなのかね……おごらされる未来しか見えないから財布に補充しとこ) ・意識させるような発言を繰り返してみよう! 京太郎「今日は俺達以外まだ誰も来てないのか」 優希「2人っきりだじぇ、あなた♪」 京太郎「はいはい、俺はネトマしてるからタコスでも食べておとなしくしてなさい」 優希「京太郎が食べさせてくれないのか?」 京太郎「お前なあ……」 優希(焦ってる焦ってる♪) 京太郎(まるで子供だな……なんで今の内に父親体験をしなきゃならんのだ) ・男は狼、セクシーに迫ればいける! 優希「き、京太郎……」 京太郎「どうした? おい、なんでお前スカートの裾なんか握って……」 優希「わ、私京太郎になら見せてもいいんだじょ……」チラッ 京太郎「は、はあ!? ちょっと待て、いくらなんでもそれは……」 優希「京太郎……」 京太郎(マズい、この前のメイド服と違って恥じらってるからなんかくるものが…いやいや、そんなわけない! 俺がこいつにそんな……) 和「こんにちは」ガチャッ 京太郎「」 優希「あ」 和「……」 スガクン、ユーキニナニヲヤラセテルンデスカ! ゴカイダ、キイテクレノドカ!コレハユウキノヤツガ、マッテケイサツハヤメテ! 優希(後少しだったのに……) 京太郎(なるほどね……優希の奴、和が来るのわかっててやりがったのか……) 京太郎(ちくしょう、気の迷いとはいえあの時ちょっとドキッとした俺がバカだった!) 優希「今日も失敗……なんでうまくいかないんだろ」 ・男の子を落としてアラサーにならない方法 著者 小鍛治健夜 健夜「えっ、なにこれ、書いた覚えないよ」 恒子「私がやりました、テヘペロ♪」 健夜「こーこちゃん!?」 【もし京太郎が京子だったら】 京子「やっほー、咲」 咲「あっ、京ちゃん」 京子「ねぇねぇ、食堂一緒に行かない?」 咲「えっ、私今本読んでるんだけど……」 京子「本は食堂でも読めますよー。 1人一個限定のデザートがどうしても食べたいの、お願い!」 咲「ええ、普通そのためだけに食堂に誘う?」 ――…… 咲「中学で同じクラスなだけですから! 嫁さん違います!」 京子「まっこう否定ですか」 咲「えっ」 ――…… 京子「和って家庭的だよねー」 咲「そうだね」 京子「……」 和『おかえりなさい、京子さん』 京子「ふふ、うふふ……」 咲「き、京ちゃん……」 ――…… 京子「メイド服着た和、見たかったなあ……」 優希「そう言うと思って着てきたじぇ!」 京子「……」 優希「ほれ、パンチラ」 京子「いらない」 ――…… 久「先鋒優希、次鋒まこ、中堅私、副将和、大将咲!」 京子「部長、私は!」 久「京子は応援、以上!」 京子「ですよねー」 ――…… 京太郎「」 優希「うわあ」 咲「京ちゃん、女の子だったら色々すごいね」 京太郎「なにこれ、ひどい」 優希「これはのどちゃん以上のわかりやすいガチガチのアレだじぇ」 和「あはは……ゆーき、後でお説教です」 優希「ひいっ」 咲「しかも京ちゃんったら私の嫁さん違いますって言葉にあんな事言ったくせに」 咲「麻雀部に入ったのが和ちゃん目当てだったり妄想したりって節操ないよね」 京太郎「なんということだ……なんということだ……」 結論【須賀京太郎が実は女の子な場合、当初の描写のガチレズ度が指なめをした和と同等かそれ以上になる】 『よく考えると京子ちゃんだった場合』 京子「私も麻雀部に入ります!」 久「やった、これで団体戦に出られる!」 京子「すいません、私初心者なんですけど……」 久「安心しなさい、私達でちゃんと教えてあげるから!」 京子「あっ、はい!」 ――咲ちゃん加入後…… 久「京子、あの……今度の団体戦のオーダーなんだけど」 京子「私はレギュラー落ち、ですよね」 久「ごめんなさい……入ってくれた時にはあれだけ持ち上げておいて」 京子「あはは、いいですよ……私みたいな初心者より咲が入った方がいいに決まってますから」 京子「私は、みんなの分も雑用とか頑張ります!」 久「本当にごめんなさい……」 こんな事が起きるわけですね まあレギュラー落ちはしても合同合宿には参加させてもらえるでしょうから…… 京子「はあ……合宿に参加させてもらえはしたけど周りのレベルが高すぎてついていけないよ」 京子「私なんかとやって他の人は何か得るものあるのかなあ……」 京子「ダメだ、変な事ばかり考えちゃう。 早く戻ろう……あれ?」 咲「……」 和「……」 京子「咲と和だ……なんでこんなところに」 咲「じゃあ戻ろっか和ちゃん」 和「そうですね、咲さん」 京子「――えっ」 京子「咲と和が下の名前で呼び合ってる……なんで」 京子「――私はまだ、【須賀さん】なのに」 京子「なんで私より後に会って関わった時間も短い咲が、なんで、なんでなんで!?」 京子「咲……私は弱い、咲より麻雀やってきた時間も短いからレギュラーは妥当だと思うしまだいいよ」 京子「でもあんたは、私が麻雀部に入る前から好きな人も、奪うっていうの……」 京子「そんなの、あんまりだよ」 優希「京子……」 結論【京太郎が女の子なだけで清澄1年組が大変な事になります】 「須賀京子の憂鬱」 清澄高校に入学後、同級生の原村和に一目惚れして麻雀部に入部した京子。 ちょうど京子が五番目の部員で団体戦に出場できるようになると部長の久に歓待された京子は、 自分の入部動機がまさか和への恋情であるとは言えず大して興味もなかった麻雀に従事する事に。 しかし全国大会への熱意から久を筆頭に麻雀部員達に熱心に教えてもらったり、対局を繰り返して 麻雀の楽しさを知っていった京子は皆のためにもインターハイで頑張ろうと心に決める。 そして入部してから数週間後、京子は中学からのクラスメート宮永咲が麻雀の経験者であると知る。 家族麻雀でお年玉を巻き上げられていたと語る咲に彼女が初心者だと思った京子。 周りがベテランだらけであり、初心者の自分への教育に時間をとられて練習も出来ない。 それだけ時間を使わせても大会で自分が足を引っ張るのが確実な状況なのも手伝って、 初心者仲間欲しさに咲を勧誘した京子は彼女を麻雀部の部室へと連れていく。 それが自分のレギュラー転落と失恋を呼び込む行動とも知らずに…… 安価なしでスレ立てするとしてあらすじはこんな感じですかね 京太郎が京子ちゃんになるだけで不憫、寝取られ、戦犯にもなれないレギュラー落ちなどの属性がつくという…… 【京太郎のたこ修行】 京太郎「ほっ、ほっ……」 優希「到着ー! 京太郎、何してるんだ?」 京太郎「見てわからないか、たこ焼き焼いてんだよ」クルックルッ 優希「たこ焼き! ほほう、私の好物だじぇ!」 和「部室でたこ焼きを焼く意味がわかりません」 京太郎「しょうがないだろ、たこ焼き器しか持ってこれなかったんだよ」 和「答えになってません!」 優希「ジー」 京太郎「あんま近いと跳ねて火傷するぞ?」 優希「なら早く食べさせるのだ!」 京太郎「もうちょっと待てって」 咲「うわ、どうしたのこれ?」 和「須賀君がなぜだかたこ焼きを焼いてるんです、部室で卓の上にたこ焼き器を乗せて……理解できません」 京太郎「ここ電源少ないんだよ……だからといってパソコンの方だとちょっと遠いし」クルックルッ 優希「早く早く! 今日はタコスが売り切れてたからタコのつくものを食べなくては私は人の形を保てない!」 京太郎「わーってるって! ほら、一丁あがりっと」 優希「ヒャッハー!! タコだ、タコのつく食べ物だじぇー!」 和「あっ、ゆーき! そんなに慌てて食べたら火傷しますよ!」 優希「おっと……ふう、危うく美味しく食べられなくなるところだったじぇ」 京太郎「逃げやしねーからゆっくり食べろよな。 あっ、咲と和もどうだ?」 咲「これ、タコスがなくなった時のために作ったんだよね?」 京太郎「おう、今日は昼の時点でタコスがなくなってたからな。 」 京太郎「まさに前に話したタコスがなくなるシチュだったから他の物を作る事にしたんだよ」 咲「じゃあもらおうかな……京ちゃんがちゃんと美味しく作れてるか確認しないと」 京太郎「そういう言い方するなら俺は優希に食べてもらうだけでいいんだぞー?」 咲「……美味しそうだから私も食べたいです」 京太郎「素直でよろしい」 和「……」ゴクリ 京太郎「和はどうする?」 和「……わ、私は」チラッ 優希「むぐむぐ……京太郎が作ったにしてはなかなか……」 咲「あっ、美味しい……」 和「……私にもください」 京太郎「了解」 優希「京太郎、おかわりだ!」 咲「京ちゃん私も私も!」 和「わ、私もお願いします……」 京太郎「あいよー!」 久「えっ、なにこれ」 まこ「ここはいつから料理部になったんじゃ……」 【優希も本くらい読むんです】 優希「暇だじぇー。 みんないつになったら来るんだー」モグモグ 優希「うーむ……ここは1つ本でも読んでみよう!」 優希「面白い本はあるかなーっと……これにするか。 タイトルは【隣の家の少女】?」 優希「きっと隣の家の女の子を好きになっちゃうみたいな話だな!」 優希「ふふふ、これで優希ちゃんも文学少女だじぇ。 もう子供っぽいとは誰にも言わせん!」 優希「……」ペラッ 優希「……」ペラッ 優希「……」 優希「うーん、字ばっかりで飽きたじょ……もっと面白いのはないのかー?」 優希「【狂鬼降臨】、【問題外科】、【暗い森の少女】、【骨餓身峠死人葛】……」 優希「なんだかタイトルだけで頭が痛くなりそうだじぇ。 最後のなんかタイトル読めないし……」 優希「おっ、漫画みっけ! これなら私も退屈せずに読めそうだじぇ! えーっとタイトルは【ミスミソウ】? 」 優希「タイトルはよくわからないけど漫画なら面白いのは確実だじょ!」 ――…… 京太郎「ちわーっす」 優希「……」 京太郎「おっ、まだ優希だけか?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「すいませんすいません、なんか生きててすいません」ガタガタ 京太郎「何があった!?」 【そういうところが好きなんです】 優希「うう、昼間は酷い目にあったじぇ……なんで部室にあんな本があるんだ。 まさか咲ちゃんの趣味じゃないだろうな……」 優希「今日は親も帰ってこないし、眠れなくなりそうだじょ……」 ガタッ! 優希「ひっ!?」 優希「か、風……?」 ガタガタッ! 優希「やあっ!?」 優希「やだやだ……誰かに電話して朝までつきあってもらいたいじょ……」 優希「でも、そんなののどちゃんには怒られるだろうし、咲ちゃんは途中で寝ちゃう気がするし……」 ガタガタガタンッ!! 優希「いやあっ!? ううう……京太郎ぉ……」 ピンポーン 優希「えっ……」 ピンポーン 優希「だ、誰だじょ……? まさか誰かが火をつけに来たとか……ひいっ」 京太郎「おい、優希ー?」 優希「――京太郎?」 京太郎「ふーむ、今日は様子が変だったから見にきたけどもう寝たのか……?」 ドタドタドタッ、ガチャッ! 優希「京太郎!」ガバッ! 京太郎「うおっ!?」 優希「京太郎京太郎……!」ブルブル 京太郎「ど、どうした? なんか怖い夢でも見たのか?」ナデナデ 優希「ううう……」 ――…… 京太郎「うん、うん……ああ、わかってるって。 じゃあ口裏合わせは頼むな」ピッ 優希「……」 京太郎「家には他のやつの家に泊まるって連絡して、そいつに口裏合わせも頼んどいた」 京太郎「で、部室でも変だったけど何かあったのか?」 優希「……部室で怖い本を読んだんだじょ。 夢にも出てきそうなくらい怖くて、今日は親もいないから……」 京太郎「心細かった、と……そういえば咲の奴がお前と全く同じ状態になった事があったわ」 京太郎「あそこヤバい本が色々あるらしくてさ、全部読んじゃったらしいあいつはもっと酷かった」 優希「そうなのか……」 京太郎「まっ、泊まるまでになったのはお前くらいだけどな」ナデナデ 優希「んっ……」 京太郎「今日は朝まで一緒にいてやるよ、お前が暗いと調子狂うしな」 優希「京太郎……」 京太郎「よし、今日は俺が夕飯作ってやるよ! ちょっとキッチン借りるな」 優希「京太郎は優しいじぇ……」 優希「――そういうところが私は好きなんだ……」 京太郎「なんか言ったか?」 優希「なんでもない!」 【それはとてもシンプルな理由】 京太郎「さて、そろそろ寝るか?」 優希「そうだな……京太郎のおかげで今日は眠れそうだじぇ」 京太郎「それは一安心だ。 じゃあ悪いけどソファー借りるな」 優希「えっ、なんで」 京太郎「なんでって……ソファーにも寝かせてくれないのかよ?」 優希「一緒に寝てくれないのか?」 京太郎「はあ?」 優希「朝まで一緒って言うからてっきり一緒のベッドで寝てくれると思ったのに……」 京太郎「……あのなあ優希。 お前自分がとんでもない事言ってる自覚あるか?」 優希「そう、か?」 京太郎「そうだよ。 いいか、もしそんな台詞を誰彼構わず言おうものなら間違いなくお前襲われるぞ? 」 京太郎「俺はそんな気にならないからまだいいけどな、世の中には色んな趣味のやつがいるんだから……」 優希「……京太郎以外に、こんな事言わないじぇ」ボソッ 京太郎「えっ? お前今なんて……」 優希「いいじゃないか。 京太郎は私を襲わないんだろ? それとも一緒にいてくれるって嘘だったの……?」 京太郎「うっ、そうきたか……はあ、わかったよ」 優希「やった!」 ――…… 京太郎「……」 優希「……」ドキドキ 優希(京太郎と一緒に寝るなんて夢みたいだじょ。 心臓の音、聞こえてないかな……) 京太郎「なあ、優希」 優希「な、なんだ!?」 京太郎「お前さ、どうして俺と一緒に寝ようなんて思ったんだ?」 優希「えっ……」 京太郎「自分で襲わないとか言いはしたけどさ……」 京太郎「普段の俺って和の事結構そういう目で見てたりするような奴だし、はっきり言ってそういう信用ある気がしないんだよ」 優希「……」 京太郎「お前が俺を信頼してくれてるなら嬉しいけど、どうしてそこまで俺を信用できるのか、ちょっと気になった」 優希「それは……」 京太郎「……悪い、なんか変な事聞いた。 もう寝ようぜ、明日は休みだけど早めに起きた方がいいしな」 優希「うん……」 ――…… 優希「京太郎、もう寝た?」 京太郎「zzz……」 優希「……さっきの質問の答えだけど、私は別に京太郎なら襲わないとか信頼してるわけじゃないんだじょ」 優希「いや、信用してないわけでもないけど」 優希「ただ、そうただ――」 優希「京太郎なら襲われてもいいって思ってるだけ」 優希「それだけだから……おやすみなさい」 京太郎「……ばかやろ」 【小さな変化、大きな前進】 優希「んっ、朝……?」 優希「あれ、京太郎……?」 京太郎「……」トントントン 優希「京太郎?」 京太郎「あっ……よ、よぉ、おはよう優希」 優希「おはようだじぇ」 京太郎「今朝飯作ってるから顔洗ってこいよ。 あっ、腹減ってると思ってまたキッチン借りたけどいいよな?」 優希「うん、お腹ペコペコだじょ……顔洗ってくる」 京太郎「おう」 京太郎「まっずいなあ……昨日のあいつの言葉聞いたせいか、まともに顔が見られないぞ」 京太郎「はあ、さすがにアレは反則だろ……」 優希「反則って何がだ?」 京太郎「なっ!? は、早いんだな?」 優希「えっ、さっきから数分は経ってるしそんなに早くないだろ?」 京太郎「あっ、そうなのか……そりゃ確かに早くないわ」 優希「京太郎、なんか挙動不審だじぇ」 京太郎「いや、そんな事はないぞ!?」 優希「そうかー?」 京太郎「そうなんだって! いいから向こう行って待ってろ、今朝飯持ってくから!」 優希「はーい」トテテ 京太郎「……くそっ、人の気も知らないで」 ――…… 京太郎「……ってな事があったわけなんだが、俺はどうしちまったんだと思うよ?」 咲『……』 京太郎「咲ー? 黙ってないでなんか言ってくれよー」 咲『京ちゃんってさ』 京太郎「おっ、なんかわかったのか?」 咲『バカでしょ』 京太郎「はああ!? お前言うに事欠いてそれはないだろ! おいこら待て、まだ話は終わってない、切るなって、おい咲!」 京太郎「切れた……なんなんだよ、もう」 【片岡優希の日記その3】 ○月◇、☆日 昨日は京太郎が泊まりに来たから書けなかった分も書く 昨日部室で怖い本を読んだ。 読み終わった後もすごく気分が暗くなってのどちゃん達にも心配をかけちゃった……当分火とボウガンは見たくない。 昨日は親が遠出してて帰ってこないから1人きりで留守番してたけど、すごく心細くて泣きそうになって。 だけど上に書いた通り、京太郎が心配して泊まりに来てくれた。 それからはドキドキしっぱなしで怖いとかほとんど関係なくなってた…… 渋られたけどなんとか押し通して一緒に寝られたしいい事づくめだった! だけど今日の朝、京太郎はちょっと様子が変だった……何かあったのかな? 優希「ふう……京太郎、どうしたんだろ? 心配だじぇ」 【端から見たらわかりやすい】 京太郎「はあ……」 咲「京ちゃん、ため息なんてついてたら幸せが逃げちゃうよ?」 京太郎「ああ……」 咲「聞いてないし」 京太郎「なあ咲……」 咲「どうしたの? この前の事( 214)でまだ悩んでるの?」 京太郎「最近優希の事が頭から離れない……俺はどうしちまったんだ……」 咲「まだこんな事言ってるよ……あのね京ちゃん、それは京ちゃんが優希ちゃんを好きって事……」 京太郎「それはない」 咲「そこ、はっきりと即答しちゃうんだ……根拠は?」 京太郎「だってあいつは俺の好みとはまるで正反対だし、和みたいに感じる事もないんだぞ?」 咲「うん」 京太郎「そりゃあ、優希だって女の子なんだなー」 京太郎「とは思うようにはなったけど、だからといってそれがイコール好きに繋がるかといったらそれは違うだろ」 咲「……」 京太郎「ああ、もう、なんかモヤモヤすんな……誰かこの気持ちをうまく説明してくれよ……」 咲(それ、和ちゃんへのは憧れで優希ちゃんへの気持ちが恋なんじゃないの?って言ったらすごい事になりそう……) 京太郎「ちくしょう、それもこれも優希があんな事言いやがったのが原因だ……どうしてくれようか、あのタコス娘……」 咲(端から見たら優希ちゃんに恋してるようにしか見えないんだけどなあ。 優希ちゃんは苦労しそうだね、今までもこれからも) 京太郎「はあ……」 咲(ため息つきたいのはこっちだよ、もう……) 【されど互いは気付かない】 優希「はあ……」 和「ゆーき? ため息なんてついて何か悩み事でもあるんですか?」 優希「のどちゃん……私、もうどうしたらいいかわからないじぇ」 和「ゆーきがそこまで言うなんてよっぽどの事があったみたいですね……よかったら聞かせてくれませんか?」 優希「実は……」 ――…… 和「須賀君に避けられてる、ですか」 優希「今までだって相手にされない事はあったけど避けられるのは初めてで……」 和「確かに、らしくはない気もしますね。 何か避けられる心当たりは?」 優希「うーん、様子が変になったのは京太郎が私の家に泊まった日からだったような……」 和「その時に何かありましたか?」 優希「一緒に寝た以外はいつも通りだったじょ」 和「一緒に寝た!? ゆーき、あなた須賀君とそんな事をしたんですか!?」 優希「えっ、ダメだったかな? 一緒の布団で眠っただけなんだけど……」 和「……それなら、いいんです」 優希「のどちゃん、何を想像したんだ?」 和「何でもありません! とにかく、須賀君がそこを分岐点に変わったとするなら一番可能性が高いのはゆーきを意識しているとか……」 優希「それはないじぇ」 和「根拠はあるんですか?」 優希「だって京太郎の好みと私は噛み合ってないし、それに……」 優希(京太郎が好きなのはのどちゃんだし……) 和「それに?」 優希「なんでもないじぇ……とにかく京太郎が私を意識してるって事はないと思う」 和「そうですか……」 優希「のどちゃん、私何かしちゃったのかな……ぐすっ」 和「そ、そんな事ありません! きっと何か行き違いがあるんだと思います。 だから泣かないでゆーき……」 優希「のどちゃあん……」 和(悔しいですがこれ以上は1人でどうにかできそうにありません……咲さんに相談してみましょう) 【ごく自然に受け入れられた風潮・京太郎の場合その3】 ハギヨシ「須賀君はなかなか筋がよろしいですね」 京太郎「そうですか?」 ハギヨシ「ええ、タコス作りを教えるようになってからまだ時間はたっていないのに随分成長しました」 京太郎「それはたぶん先生がいいからですよ」 ハギヨシ「ふふっ、そう言っていただけるとこちらとしてもお教えしたかいがありますね」 京太郎「これからもご指導よろしくお願いします」 ハギヨシ「もちろん」 京太郎「さて、時間も時間だし帰るとするか」 ハギヨシ「家までお送りしましょう。 車を出しますので少しお待ちください」 京太郎「あ、ありがとうございます! やっぱりハギヨシさんはいい人だなあ」 「あら、そこにいるのは……」 京太郎「あっ、あなたは確か和の対戦相手だった……」 透華「龍門渕透華ですわ」 京太郎「あっ、俺は……」 透華「清澄高校の須賀京太郎、でしょう? ハギヨシの交友関係くらい把握しておりますわ」 京太郎「あっ、そうなんですか……いつもハギヨシさんにはお世話になってます」 透華「別に構いませんわ、最近のハギヨシはいつにもまして楽しそうに過ごしていますもの」 京太郎「楽しそう? ハギヨシさんがですか?」 透華「ええ、正確に言えばあなたに色々指導するようになってから、ですわね」 透華「ここにいるのは女性ばかり、ハギヨシとしても同性の知り合いが出来た事が嬉しいんでしょう」 京太郎「いえ、そんな……」 透華「だからこそはっきりさせておきたい事があります」 京太郎「なんですか?」 透華「あなたはハギヨシと、懇ろな仲なんですの?」 京太郎「」ピシッ 透華「わ、私が気にしているわけではありませんわよ!? 」 透華「ただ屋敷のメイドが噂していましたから、衣の教育によろしくない関係か確かめる義務が私には……!」 京太郎「ないですないです! 俺はちゃんと女の子が好きです!」 透華「それならいいんですわ。 これからもハギヨシと仲良くしてやってくださいな」 京太郎「は、はい」 透華「それでは、ごきげんよう」 京太郎「……すごい事聞かれたぜ」 ハギヨシ「お待たせしました須賀君、行きましょう」 京太郎「あっ、はい」 京太郎(だけど、なんで俺は龍門渕さんの言葉を否定した時……) 『京太郎!』 京太郎(あいつの顔、浮かんだんだよ?) 風潮【須賀京太郎はホモである】 【傍観者達は何を思う】 和「……というわけ、なんですが須賀君はいったいどうしてしまったんでしょうか?」 咲「優希ちゃんはそんな事になってるんだ……そういう意味ではお似合いなのかな」 和「それはどういう……まさか」 咲「うん、間違いないよ。 京ちゃんと優希ちゃんは両思いなのに変なところですれ違ってるの」 和「須賀君は散々邪険にしてきた負い目から今さら自分の気持ちを認められず」 和「ゆーきは須賀君の好みとは違う自分が好かれている自信がない、といったところですか」 咲「たぶんね」 和「なんという……少し話せばあっさり解ける誤解なのに」 咲「それはしょうがないよ、京ちゃんはフレンドリーなのに肝心なところで臆病だから」 和「ゆーきも、これが須賀君でなければ当たって砕ける覚悟も出来るんでしょうね」 咲「苦労するね、お互いに」 和「全くです……ところで、いいんですか?」 咲「なにがかな?」 和「いえ、私の勝手な想像ですけれど、咲さんはそれなりに須賀君を好いていると思ってましたから」 咲「私が、京ちゃんを?」 和「気分を害されたのなら謝ります」 咲「いいよ、気にしないで……そもそもそんな事ありえないし」 和「そうですか?」 咲「うん。 確かに私にとって京ちゃんはお友達だし、一番仲のいい男の子だよ」 和「だけどそれがイコール好きに繋がるかと言ったらそうじゃないと思う」 和「……」 咲「まあ、京ちゃんは単純だし、エッチだし、馴れ馴れしいところもあるし」 咲「髪の毛のせいで軽く見られちゃうし、子供っぽいし、すぐに人をからかってくるし」 咲「わざわざレディースランチのためだけに人を連れ回すし、胸の大きな子にはデレデレしちゃうし」 咲「1つの事に集中しちゃうと周りが見えなくなるし、こういう時へたれちゃうような人だしね」 和「あの咲さん、さすがに言いすぎ……」 咲「――だけど」 咲「悪いところも確かにあるけどそんなの気にならないくらい、いい人でもあるんだよ」ニコッ 和「……!」 咲「だから早く付き合っちゃえばいいのにね、2人共」 和「そう、ですね」 和(あなたは、本当にそれでいいんですか咲さん……) 咲(……) 【まだ賽はふられてない】 優希「京太郎、今日の放課後……」 京太郎「き、今日は俺用事あるから!」 優希「あ……」 京太郎「くそっ、なんでこんな事になったんだ……」 「そうねぇ、天罰ってやつじゃないかしら?」 京太郎「それじゃあ俺が何かしたみたいじゃないですか」 「自覚ないの? 優希もかわいそうね」 京太郎「そんなの――」 京太郎(ん? ちょっと待て、俺さっきから誰と話して……)バッ 久「お疲れ様、須賀君。 なんか大変な事になってるみたいね」 京太郎「竹井先輩……別にそんな事は」 久「須賀君は嘘が下手ねぇ。 その顔見て何もないなんて信じられるわけないじゃない」 京太郎「……そんなに酷いですか?」 久「今にも死にそうね……ここは1つ元部長に相談してみない?」 京太郎「……実は」 久「へえ、優希がそんな事を言うなんてねえ」 京太郎「あんな事言われたらこれからどう接していいのか……」 久「あら、話を聞く限り簡単だと思うけど」 京太郎「えっ」 久「だって優希は須賀君が好きで、須賀君も優希が好きなんでしょう?」 京太郎「あの、俺の話聞いてました? あいつを好きとかそういうのじゃないって……」 久「須賀君、私にはあなたがそう言い聞かせるふりをして、優希と自分の気持ちを見ないようにしてるようにしか見えないわよ」 京太郎「なっ……」 久「和の時とは違う、だから自分は優希を好きじゃありませんって自分で言ってる事おかしいと思わない?」 京太郎「っ……」 久「好みが正反対なんてそれこそ根拠にもなってない愚論よ」 久「世の中の人が全員自分の好みと完璧に一致する人しか好きにならないなんて、和じゃないけどそんなオカルトありえません」 京太郎「う、ぐっ」 久「まあ須賀君は優希のアピール散々無下にしてきてるし、気まずいのかもしれないけど……」 久「いつまでも優希の好意に甘えるのはよしたら?」 京太郎「俺は!」 久「いいから黙って聞きなさい。 須賀君、ヒントをあげる……自分以外の誰かと優希が付き合ってるところ想像してみて」 京太郎「えっ」ズキッ 久「デートして、あの子が笑顔で好きって言って、言われて照れて、手を繋いで……」 京太郎「あ、つう……!」ズキッ、ズキッ 久「腕を組んで、キスして、最後にはその身体をあなた以外に襲われてもいいって……」 京太郎「やめてくださいっ!!」 【持つものにないもの、持たないものにあるもの】 優希「京太郎、今日の放課後……」 京太郎「き、今日は俺用事あるから!」 優希「あ……」 優希「どうしてこんな事になっちゃったんだじぇ……」 まこ「元気ないのう、優希」 優希「あっ、染谷先輩……」 まこ「何があったかはわからんが、いつも元気なお前さんがそこまで落ち込んどるいう事は今逃げていった奴が関係しとると見ていいか?」 優希「……」コク まこ「もしよければ悩みを詳しく聞かせてもらえんか?」 優希「……わかったじょ」 まこ「なるほどのう。 それは確かに不安にも感じるじゃろうな」 優希「私どうしたらいいかもうわからないじぇ……」 まこ「しかし優希、なぜ京太郎のやつがおんしを好きだという可能性を最初から否定するんじゃ?」 優希「だって京太郎はのどちゃんが……」 まこ「確かに京太郎が麻雀部に入った目的は和じゃし、そう思う気持ちはわからんでもないが……じゃが本当に可能性はないのかの?」 優希「えっ……」 まこ「わしはな優希、お前さんが次にツモれる聴牌をわざわざ崩しにいってるように見えるんじゃよ」 優希「聴牌をわざわざ……?」 まこ「そうじゃ。 色々な客を見てきた身から言わせてもらうなら京太郎はお前さんを好いとると思う」 優希「京太郎が、私を……」 まこ「優希、確かにお前さんになくて和が持っているものはたくさんあるじゃろう」 まこ「じゃがそれは逆もしかり、優希にあって和にないものだって同じくらいたくさんあるんじゃ」 優希「のどちゃんになくて、私にあるもの」 まこ「そうじゃ、優希はそれで勝負すればいい」 まこ「たとえどんなに削られても、心を支える点棒が尽きなければお前さんは戦えるはずなんじゃ」 優希「……」ギュッ まこ「優希、わしの言葉をどう捉えるかはお前さん次第じゃ。 それを踏まえた上でどうしたいか決めんしゃい」 優希「私、私は……京太郎と一緒にいたい。 今みたいなのは、もう嫌だ!」 まこ「ならどうすればいいか、わかっとるな?」 優希「……ありがとう、染谷先輩! 私、いってくるじょ!」タタタッ まこ「……頑張れよ、優希」 優希「はあ、はあ……」 優希「京太郎、私は決めたじぇ……私は、今日お前に告白す――」 咲「それは通らないよ、優希ちゃん」ゴッ 【もう自分に嘘はつかない】 久「やめてください、ねぇ……どうしてかしら?」 京太郎「それはっ……」 久「あなたは優希を好きじゃないんでしょう? だったらあの子が誰と付き合う事になろうと文句は言えないはずよ」 京太郎「それとも、何か心境に変化でもあったのかしら?」 京太郎「お、俺は……」 優希『私は片岡優希! よろしくな京太郎!』 優希『初心者が私に勝とうなんてまだまだ甘いじぇ!』 京太郎(あいつは、出会った時から偉そうで、その癖ちょっと気に入らない事があるとだだをこねて) 優希『京太郎! 私はタコスを所望する!』 優希『そこにいる全員にタコスを食べさせるのだ』 優希『よくやった! お前は使える犬だ!』 京太郎(人を使いっぱしりにして散々振り回す、まるで子供みたいなやつ) 優希『京太郎京太郎……!』 優希『……京太郎以外に、こんな事言わないじぇ』 優希『京太郎なら襲われてもいいって思ってるだけ』 京太郎(だけど間違いなく優希は女の子で、そんなあいつを俺は、俺は――) 京太郎「いや、です」 久「何が?」 京太郎「俺は、優希を誰にも渡したくないです。 あいつの笑顔も照れた顔も独占してしまいたい」 久「どうして?」 京太郎「俺は、優希が好きだから」 久「……手間がかかるんだから」 京太郎「すいません」 久「謝るくらいならさっさと告白でもしてきちゃいなさい! あなたのお姫様が待ってるわよ?」 京太郎「そうですね……俺、学校に戻ります!」 久「行ってらっしゃーい……本当に、ややこしいくらい素直になれないんだから、【3人共】」 京太郎「戻ったはいいけどあいつどこにいるんだ? しらみつぶしに捜すしか……」 和「何をしてるんです」 京太郎「和! ちょうど良かった、優希を見なかったか?」 和「……教えるのは構いませんがその前にいいですか?」 京太郎「お、おう」 和「――今度ゆーきをこんな形で傷つけたら私はどんな手を使ってでもあなたとゆーきの仲を引き裂きます」 京太郎「……!」ゾクッ 和「私が言いたいのはそれだけです……ゆーきは屋上に行きましたよ」 京太郎「和」 和「なんですか?」 京太郎「優希を大切に思ってくれてありがとうな。 お前のそういうところも好き【だった】よ!」タタタッ 和「……」 和「ゆーきを、お願いします須賀君」 【たとえ今は勝てなくても】 優希「咲、ちゃん」 咲「優希ちゃん……今のあなたを京ちゃんの所に行かせるつもりはないよ……」 優希「な、なんでそんな!」 咲「優希ちゃん、私ね京ちゃんの事をとっても大切な友達だと思ってるの」 優希「……」 咲「だからね、京ちゃんがもし不幸になるのなら私はそうさせる人を認めない」 優希「私がそうだって言いたいのか?」 咲「どうかな……優希ちゃん、あなたは京ちゃんをどれだけ知ってる、理解してる?」 優希「……」 咲「私は京ちゃんの悪いところを10はあげられる、だけどいいところならその倍以上あげられる自信があるよ」 咲「優希ちゃんはなんで京ちゃんが好きなのかな? 」 咲「もし京ちゃんがわがままを聞いてくれる便利な存在だから、なんて欠片でも思ってるのなら……」ゴッ 優希「っ!」 咲「――私は全力で優希ちゃんを排除するよ」 優希(咲ちゃん、もしかして……) 咲「それで? 優希ちゃんはどれだけ京ちゃんを理解してるかな?」 優希「……咲ちゃんには勝てないじょ」 優希「私は京太郎と出会ってまだ半年くらい、どうしても咲ちゃん以上に京太郎を理解なんて出来てない」 咲「そう……」 優希「だけど!」 京太郎『須賀京太郎、よろしくな優希』 京太郎『うおおっ、初心者相手に容赦ねえ!?』 優希(初めて出会った時からわかってた。 目の前の男子はのどちゃんがお気に入りなんだって) 京太郎『またかよ、お前タコスで身体が出来てんのか?』 京太郎『しょうがねえな……タコスを食わせればいいんだな?』 京太郎『犬って……』 優希(どうしようもなく鈍感でスケベで馴れ馴れしい奴) 京太郎『ど、どうした? なんか怖い夢でも見たのか?』 京太郎『今日は朝まで一緒にいてやるよ、お前が暗いと調子狂うしな』 京太郎『よ、よぉ、おはよう優希』 優希(それでも私は京太郎が好きなんだ) 優希「今は咲ちゃんに勝てなくてもいい、私はいつか必ず京太郎の理解者になる!」 咲「!」 優希「咲ちゃんが京太郎のいいところを20出すなら私は30あげられるようになってみせるじょ! だから咲ちゃん……私を行かせて!」 咲「――良かった」 優希「えっ?」 咲「優希ちゃんは本当に京ちゃんを想ってくれてるってわかったから。 行って、京ちゃんは屋上にいるはずだよ」 優希「咲ちゃん……ありがとう」タタタッ 【その嶺に花は咲かない】 咲「……あーあ、本当に世話の焼けるカップルだなあ」 咲「これは今度しっかりお礼してもらわないとね」 咲「……」 京太郎『えっと俺、須賀京太郎って言うんだ。 よろしく宮永さん』 京太郎『うーん、なんか友達にしてはよそよそしいよな俺達……』 京太郎『よし、これから宮永さんの事は咲って呼ぶからそっちも京太郎って呼んでくれよ!』 咲(……そう、これで良かった) 京太郎『まだ須賀呼びかよー……じゃあなんなら呼べるんだ?』 京太郎『き、京ちゃん? それはちょっとハードルが高いんじゃないかなー……ああ、わかったわかったから泣きそうな顔するなって!』 咲(じゃあなんで、私は今こんなに胸が痛いんだろ、泣きたいんだろ……) 京太郎『咲は高校どこにするんだ? 清澄か……じゃあ俺もそこにするわ』 京太郎『咲を1人で行かせたら大変な事になりそうだからな!』 京太郎『怒るなって、ジョークジョーク!』 咲(あ) 京太郎『咲、ノートありがとうな』 京太郎『咲、レディースランチを恵んでくれ!』 京太郎『咲、これからもよろしくな』 咲(そう、だったんだ) 和「咲さん、こんな所にいたんですか?」 咲「……」 和「咲、さん?」 咲「和ちゃん、私……」 咲「――京ちゃんの事、好きっ、だった……みたい」ポロポロ 和「咲さん……」 咲「あは、ははは……京ちゃんを散々鈍感とか言ってたくせに、私も気づいてなかったんだ、自分の気持ち……!」ポロポロ 和「……」 咲「よく考えてみたら私、京ちゃんと同じような言い訳してたよ……なに、やってるんだろうね?」ポロポロ 和「咲さん……」ギュッ 咲「今さらわかってもさあ! もう私はスタートラインにすら立てないんだよ! 」 咲「やましい心がないのかって優希ちゃんを邪魔したくせに、誰よりも私がやましい心を持っちゃってる!」ポロポロ 和「もういいです、もういいですから……!」 咲「なんで今頃わからせるの!? なんで何もかも手遅れになった後で、こんな気持ちに気付かせたの……」 和「咲さん、いいんです。 苦しまなくていいですから……思いっきり気持ちを吐き出してください」 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 咲「うわああああああんっ!!」 【花が散った日、風が吹いた日】 優希「はあはあ……あれ、京太郎いない……」 ガチャッ 京太郎「あっ」 優希「あっ」 京太郎「……よぉ」 優希「……なにしてたんだ、バカ」 京太郎「バカな自分に喝を入れてた。 悪かったな、待たせちまって」 優希「別に、待ってないじぇ」 京太郎「今って意味じゃなくて、もっと前からって意味だよ」 優希「……」 京太郎「俺さ、やっとわかったんだ……」 優希「なに、を」 京太郎「俺、お前に惚れてる」 優希「あ……」 京太郎「好きなんだよ優希、お前の事が」 優希「……」ポロ 京太郎「えっ」 優希「ふっ、ひっく、っ……」ポロポロ 京太郎「えっ、えっ!? な、なんで泣くんだよおい!」 優希「だって、京太郎は私の事、見てくれなかったし、何しても相手にしてくれないし……!」 京太郎「……ああ、そうだったな」 優希「みんなに言われても、私不安でっ、怖くてっ……」 京太郎「ごめんな、不安にさせて……」 優希「わ、私も京太郎が好き、好き、好きだじぇ……!」 京太郎「そうか……」 京太郎「だったら俺と――」 優希「だから私と――」 京太郎・優希「――付き合ってください」 久「あっ、まこ? これから空いてないかしら? うん、うん……ええ、私達でもう1人のお姫様を慰めてあげたいのよ」 まこ「了解じゃ、じゃあ迎えに行くか……わしらで頑張ったなって言ってやらんとな」 和「あっ、先輩方。 はい、ありがとうございます……ええ、泣き疲れて眠っちゃってますから移動はタクシーにしましょう」 咲「京、ちゃん……すう、すう……」 京太郎「……帰るか、行こうぜ優希」スッ 優希「うん!」ギュッ 京太郎「さて、これからどうするかね……」 優希「京太郎」 京太郎「なんだ?」 優希「だーい好きだじぇ!」ニコッ 【須賀京太郎と片岡優希の日記】 ○月◎日 今日は俺にとって色々激動の1日だった。 なんせ初めての彼女が出来た日だからな! 竹井先輩には感謝してもしきれないぜ……今度お礼しないと それにしても俺が優希と、か……今でも少し信じられない気もするけど夢じゃないんだよな…… 頑張ろう、あいつの彼氏だって恥じる事なく胸を張れるようにな 京太郎「今日は本当に色々あったなあ……」 京太郎「彼女、か……く、くくっ、やべえ、にやけが止まらねえ!」 京太郎「ふう……優希、何してんのかな」 ○月◎日 き、き~~~~(波線部分は文字が滲んでよく読めない) 今日京太郎と付き~~事になったた ま、まだま手を~~~らいだどいずれは~~~ 相談にのってくれたのどちゃん、背中を押してくれた染谷先輩、そして咲ちゃん、ありがとう 優希「うわああ、前半部分が酷い事になってるじぇー!」 優希「ううう……今でも心臓がドキドキ言ってるじょ」 優希「京太郎もドキドキしてくれてるのかな……」 番外【ごく自然に受け入れられた風潮被害・和の場合】 咲「――京ちゃんの事、好きっ、だった……みたい」ポロポロ 和「咲さん……」 和(ああああ!! 咲さん咲さん咲さん、泣き顔も素敵です、美しいです!) 咲「あは、ははは……京ちゃんを散々鈍感とか言ってたくせに、私も気づいてなかったんだ、自分の気持ち……!」ポロポロ 和「……」 和(だけど咲さんを泣かせた罪は許しませんよ、2人共……!) 咲「よく考えてみたら私、京ちゃんと同じような言い訳してたよ……なに、やってるんだろうね?」ポロポロ 和「咲さん……」ギュッ 和(よっしゃあああ!! 自然に咲さんに抱きつけたあああ! 咲さんの髪の匂いクンカクンカ! 涙もペロペロしたいですう!) 咲「今さらわかってもさあ! もう私はスタートラインにすら立てないんだよ! やましい心がないのかって優希ちゃんを邪魔したくせに、誰よりも私がやましい心を持っちゃってる!」ポロポロ 和「もういいです、もういいですから……!」 和(今はあんな男より私の感触を感じてくださいよ! ああ、忌々しい男、早くこの手で八つ裂きにしてやりたい!) 咲「なんで今頃わからせるの!? なんで何もかも手遅れになった後で、こんな気持ちに気付かせたの……」 和「咲さん、いいんです。 苦しまなくていいですから……思いっきり気持ちを吐き出してください」 和(一番吐き出してほしいのは私への愛なんですけどね!) 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 和(だけどこれで邪魔者は消えました、後は私がじっくり咲さんを……2人への天誅はその後にしましょう……) 咲「うわああああああんっ!!」 和(ふふふ!) ――…… 久「……なんて考えてたりしてね、あはは」 和「今すぐ卓に座りなさい部長! 麻雀で泣かせて差し上げます!!」 まこ「お、落ち着くんじゃ、和!」 和「私がそんな事を考えるわけがないでしょう! だいたい須賀君はゆーきの大切な……あ」 咲「……」 和「あ、あの咲さん、その……」 咲「大丈夫だよ、和ちゃん。 あの時泣かせてもらって少しスッキリしたから……」 和「咲さん……」 風潮【原村和は咲狂いで結ばれるためには平気で周りや親友の優希すらも踏みにじる】 番外【ごく自然に受け入れられた風潮被害・咲の場合】 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 咲「――あっ、そうだあ」 和「えっ」 咲「そうだよ……なんで気づかなかったんだろう……ふふふふふ」 和「さ、咲さん……?」 咲「京ちゃんと結ばれないなら優希ちゃんを排除すればよかったんだあ……」 和「さ、咲さん!? 何を……」 咲「カン」ドグシャア!! 和「あうっ!?」 咲「ごめんねぇ、和ちゃん……私これから京ちゃん、優希ちゃんと麻雀をしてこなきゃいけないから」 咲「待っててね京ちゃん……優希ちゃんを消したら、その心を壊して家で大事に大事に飼ってあげるからね!」 和「ゲホッ、ゲホッ、咲、さん……」ガクッ 咲「あっはははははははは!!」 ――…… 久「咲はこれくらいアグレッシブでも……」 咲「それもうアグレッシブじゃないですよ!」 和「ただの頭おかしい人じゃないですか!」 まこ「あんたは何がしたいんじゃ……?」 久「んー、さすがにやりすぎたか。 まあ、でもこれで少しは気が紛れたんじゃない?」 咲「えっ……」 久「すぐに吹っ切れなんて言わない、でも少しずつこの失恋を乗り越えていきましょう……」 久「咲は泣き顔もかわいいけど笑顔の方がもっとかわいいんだから」ナデナデ 咲「部長……」 久「ふふっ、私はもう部長じゃないわよ?」 まこ「ええじゃないか、わしを含めた麻雀部員達にとって部長はやっぱりあんたなんじゃよ」 久「しょうがないわねぇ……これじゃいつまでも卒業ができないじゃない」 咲「ごめんなさい……」 久「謝らなくていいわ。 じゃあ卒業までは頑張って先輩やらせてもらおうかしら?」 まこ「今だって入り浸ったとるじゃろうが……」 久「まあね!」 和「……いい話にしようとしてますが、私はさっきの妄想を許す気はありませんよ?」 久「あはは、別に打つのは構わないわよ? 泣かされるのは和かもだけどね」 和「言いましたね!」 久「まこと咲も入りなさい! 今日は徹夜で打ちまくるわよー!」 まこ「しょうがないのう、じゃあちょっくら揉んでやるか!」 咲「……」 咲(みんな、私を元気づけようとしてくれるのがわかる……嬉しいなあ) 和「咲さん?」 咲「あっ、今行くよ!」 風潮【宮永咲はヤンデレ魔王】 【新しい1日の始まり】 優希「……んふぁ……よく寝たじぇ」 優希「……」パカッ 『須賀京太郎 グループ……恋人』 優希「……夢じゃない」 優希「えへ……へへへへ///」コロン 優希「私、もう京太郎の彼女なんだ……」コロコロ 優希「にやけが止まらないじぇー!」コロコロコロコロ ドサッ! 優希「あいたっ!?」 優希「えっと……あっ、いた! 京太郎! お、おはよう!」 京太郎「ああ、おはよう優希」 優希「待っててくれたのか?」 京太郎「まあな。 一緒の登下校とかいかにも恋人っぽいだろ」 優希「こ……」 京太郎「な、なんだよ」 優希「は、恥ずかしい事言うな、バカ!」 京太郎「べ、別に恥ずかしくないだろ! 本当の事、なんだからよ」 優希「そういうのが恥ずかしいって言ってるんだじょ!」 京太郎「……んだよ、じゃあお前には俺達の関係は恥ずかしい事なのか?」 優希「えっ、そ、そんなんじゃ……」 京太郎「ふーん、いいよいいよ。 俺は恥ずかしいなんて別に思ってなかったんだけどお前がそう思うなら、俺達合わないのかも……」 優希「そ、そんな……ちょっと待って! 私はそんなつもりは……あれ?」 京太郎「くっ、くく……」 優希「……おい」 京太郎「お、お前がまさかそんな……ちくしょう、かわいいじゃねえか!」 優希「このやろ! よくも人を笑い物にしたなあ!」 京太郎「ははは! せっかくつき合えたのに俺が合わないのかもなんて考えるかよ!」 優希「むうう……!」 京太郎「ほら、さっさと行こうぜ。 学校遅刻しちまうからな」 優希「……おりゃ!」ギュッ 京太郎「のわっ! 優希、お前何を……」 優希「さっきのはどうしても許せん! 罰として私を背負って学校に行くのだ!」 京太郎「は、離れろよ!」 優希「いーやーだー! おやおや、京太郎……顔がなんだか赤い気がするじょ」 京太郎「なあっ!?」 優希「ふふん、私の魅力的なボディにメロメロになってきたんだな! よしよし、たっぷり堪能させてやろう!」ギュウッ 京太郎「うおおお、やめろぉ!」スタタッ! 優希「あはははは、早い早い! そらそら超特急で行くのだー!」 京太郎「ちくしょうううう!!」 【須賀京太郎の女子力】 優希「お昼だじぇ!」 京太郎「屋上は風が気持ちいいもんだなー……そういえば他に誰か誘ったか?」 優希「のどちゃんや咲ちゃんは部長達とどこか行ったらしいじょ」 京太郎「ふうん、じゃあ今日は2人きりってわけか」 優希「そういう事だな! さあ、存分にいちゃつこうじゃないか!」 京太郎「じゃあ食べさせあいでもするか?」 優希「」 京太郎「あれ? おーい優希?」 優希「……はっ!」 京太郎「おっ、戻ってきたか」 優希「ま、また変な事を……」 京太郎「いちゃつこうって言いだしたのはお前じゃん」 優希「そ、そうだけど……」 京太郎「まあ、それは後でにするとして弁当食うか」 優希「弁当? なんだ京太郎、お弁当を作れたのか?」 京太郎「お前のために料理勉強したんだからな……少し食うか?」 優希「もちろんいただくじぇ!」 京太郎「おう、食え食え」 優希「おっ、タコさんウインナー! タコめしにタコのやわらか煮、タコの和え物もあるじぇ!」 京太郎「須賀京太郎特製タコ尽くし弁当だ! とくとご賞味あれ!」 優希「いただきまーす! モグモグ……」 京太郎「どうだ?」 優希「うまい! よくやるじゃないか京太郎!」 京太郎「そうかそうか! まだまだあるからたくさん食べていいからな」 優希「言われずとも!」 京太郎「さて俺も食うか。 うん、我ながらよくできた!」 優希「タコスにタコ料理に幸せなご飯だじぇー♪」 京太郎「これはまだまだ改善出来るか……メモっとこ」 優希「……」 京太郎「ん、どうした?」 優希「なんでもないじぇ」 優希(なんだろう……美味しいんだけどなんか女子力的な意味で負けた気がするじぇ。 私も作れた方がいいのか……?) 京太郎「今度はタコライスでも作るかー」 優希(……でもとりあえずは今目の前にあるお弁当に集中するじぇ!) 優希「タコさんウインナーいただき!」 京太郎「おおい!? 人のまで取るなよ!」 優希「早い者勝ちだじょ! お弁当うまー!」 京太郎「ええい、やめんか! このタコ好き娘がー!」 【最後のわがまま】 京太郎「部活、行くかあ」 優希「相談したんだし、みんなに報告した方がいいのか?」 京太郎「どうだろうなあ……聞かれたら答えるって感じでいい気もするけど」 優希「じゃあ私はのどちゃんと染谷先輩には言っておくじょ」 京太郎「だったら俺は部長と咲に……」 優希「京太郎、その事なんだけど……」 ――…… 京太郎「ちーっす」 優希「来たじぇ!」 咲「あ」 優希「あ」 京太郎「なんだ、咲だけか?」 咲「う、うん……」 京太郎「そうか、じゃあ俺は出とくわ」 咲「えっ、京ちゃん?」 京太郎「優希、とりあえずみんな来たら止めとくから」 優希「……頼んだ」 京太郎「任された」ガチャッ、バタンッ 咲「あ、あの優希ちゃん?」 優希「咲ちゃん……私、京太郎と付き合う事になったじょ」 咲「あっ……そ、そうなんだ、よかったね!」 優希「……1つ聞きたいんだけど、もしかして咲ちゃんもだった?」 咲「えっ、あっ…………うん」 優希「やっぱり、そうだったんだ」 咲「気付いたのは……優希ちゃんを行かせた後、だったけどね」 優希「はは、まるで京太郎みたいだじぇ」 咲「自分でも、そう思うよ」 優希「咲ちゃん」 咲「なに、かな?」 優希「ごめんとは、言わないじょ。 京太郎が好きな気持ちに関しては咲ちゃんに負けてるつもりはないから」 咲「うん……私も謝ってほしくはないかな」 優希「だから、その、言いたいのは1つだけ……ありがとうだじぇ、咲ちゃん」 咲「うん……ねえ優希ちゃん、私友達としてだけど優希ちゃんが好き」 咲「だから甘い考えかもしれないけどこんな顔色窺うみたいにギクシャクしたくない」 優希「私も、咲ちゃんは大好きな友達だから……ギクシャクなんてイヤだじぇ」 咲「だから優希ちゃん、もしよかったら1つだけ私のわがまま、聞いてくれる?」 優希「わがまま?」 咲「――今度、京ちゃんの家に一緒に泊まってくれないかな?」 優希「えっ……えええええっ!?」 【須賀京太郎と片岡優希と???の日記】 ◆月○日 俺の知らない間に何が起こったか、優希と咲が今度泊まりに来る事になった。 しかもいつの間にか家にも許可を取ってたらしいし…… いったいどういうつもりなんだ、2人して? 京太郎「……なんなんだろうな、本当に」 京太郎「わからねー、女の子の考える事なんて全くもってわからねー」 京太郎「……寝よ」 ◆月○日 今日、咲ちゃんと話して1つの計画を立てた。 最初に一緒に京太郎の家に泊まろうと言われた時はビックリしたけど、咲ちゃんを見たら断るなんて選択肢にもなかった。 今度の休みは忙しくなりそう…… 後お昼に食べた京太郎のお弁当になんだか女の子として自信がなくなったのはここだけの秘密 優希「咲ちゃん……」 優希「……寝るじぇ」 ◆月○日 今日優希ちゃんに最後のわがままだってお願いをした。 それは優希ちゃんと一緒に京ちゃんの家にお泊まりする事……優希ちゃんは驚いてたけどすぐにいいって返事をくれた。 ありがとう優希ちゃん……私、頑張るからね。 咲「……これで、きっと私は吹っ切れるよ」 咲「京ちゃん……」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6430.html
【冬休み五日目】(合宿三日目) 京太郎(はうっ……!) 京太郎(体が重い……!けれど俺の眼は開いている!) 京太郎(これが世に聞く金縛りと言うやつなのか……!) 京太郎(……でも本当に重いな、何なんだろ) 京太郎(何だこの柔らかい感触)プニプニ 京太郎(弾力があって、スベスベで……)プニプニ 京太郎(こんな抱き枕あったっけ?)プニプニ 京太郎「……」バサッ 穏乃「…………ん~」ギュゥ 京太郎「なんだ高鴨か……」プニプニ 京太郎「……高鴨!?」 京太郎(何これなんだよこれ!なんで俺裸なの?ってかなんで高鴨まで裸なの!?) 穏乃「京太郎……寒い……」ギュゥ 京太郎「ちょっ、そんな寄せられるとまずっ―――!」 穏乃「んっ…………」モゾモゾ 京太郎(こっ、これは世に聞く素股……!?) 京太郎(回復技「あさのひざし」で覚醒したマイサンが高鴨の太ももに包み込まれているだとォ!) 京太郎(まずい、この状況は非常にまずい!) 京太郎(第一この状況を咲に見られでもしたらまず冥土直行便!) 京太郎(高鴨を起こせば事情は聞ける、だがこの快感は得られなくなってしまう……!) 京太郎(どうする!どうする俺!) 京太郎(昨日何があったかは知らないが……) 京太郎(こんなところにいられるか!俺は布団に戻る!) 京太郎(さーて寝巻寝巻ー) 京太郎「なんで高鴨の布団にあるんだよ……へくしょん!」 京太郎「さむっ、早く着替えないと」 京太郎(高鴨が俺の布団で寝てるから、俺は高鴨の布団で寝ないとか) 京太郎(夜話してたとき、あいつずっと枕抱きしめてたよな……) 京太郎「」クンクン 京太郎(何これ、高鴨みたいなのでもこんな匂いするのか) 京太郎(すげえ、クセになりそう) 京太郎(つーか、そもそもなんであいつが俺の布団にいたんだ?) 京太郎(……まあ、起きた後で聞けばいいか……) 京太郎(…………) 京太郎(なんとか起床時間前に起きて高鴨を移動させておいた……) 京太郎(なんでああなったんだ……?) 朝 京太郎「はい、それでは練習を始めまーす」 咲「いつもより元気なくない?大丈夫?」 京太郎「ああ、大丈夫、無問題だ」 京太郎(昨日は何があったんだ……気になってしょうがないぞ) 咲「?」 穏乃「京太郎、おはよっ!」 京太郎「よっす」 穏乃「なんか元気無いね、どうしたの?」 京太郎「ん……なんでもない」 穏乃「そっかー」 京太郎(高鴨のせいだなんて言えないよな、俺の夢だったという可能性も否めないわけだし) 京太郎(って、今俺高鴨と二人っきりじゃん、話聞けるじゃん) 京太郎(どうしよ、聞いてみようかな……) 京太郎「高鴨、ちょっと聞いてもいいか?」 穏乃「え?なになに?」 京太郎「今日夢見た?」 穏乃「へ?」 京太郎「いやー、今朝俺と高鴨が裸で抱き合ってる夢見てさ」 京太郎「やっぱりそんなんありえないよなー」 穏乃「…………」 京太郎(静かになった?考えてるのか?) 穏乃「う、うん!そうだよ、私と京太郎がそんなことするなんて、そんなの絶対おかしいよ」アセアセ 京太郎「……お前って俺のこと京太郎って呼んでたっけ?」 穏乃「えっ、ほ、ほら、大星さんとか三尋木さんとか京太郎って呼んでたから私も呼ぼーって」 京太郎「そうなのか?」 穏乃「そ、そーだよ!あ!あっちの対局終わったみたいだから私行ってくるね!」 京太郎「高鴨?」 ―――時をさかのぼること、深夜 穏乃「ん……」モゾモゾ 穏乃(ダメだ、目が覚めて寝れないや) 穏乃(どうやったら寝れるかな……) 京太郎「ん~……」Zzz 穏乃(須賀……かぁ) 穏乃(男の子の身体ってどんなんなんだろ) モゾモゾ 穏乃(浴衣だから脱がしやすいなぁ)モゾモゾ 穏乃(うわ、これが男の子の身体か)サワサワ 穏乃(これ全部筋肉なのかな、あ、乳首とかもあるんだ) 穏乃(……なんか暑くなってきたな……)モゾモゾ 穏乃(誰も見てないし、脱いじゃえ!) 京太郎「んぅ……」ギュゥ 穏乃「へっ!?」 穏乃(私、抱きしめられてる?) ギュゥゥゥ 穏乃(少し苦しいけど……でも、安心する……) 穏乃(私も……)ギュゥ 穏乃(ちょっと息荒くなってきた……なんでだろ) 穏乃(眠くなってきたし……このまま……)ギュゥ 穏乃(京太郎…………京太郎、かぁ……) 穏乃(そんなことがあったなんて言えない!絶対に!)ブンブン 京太郎(結局あれは夢だったのか、一夜の過ちとかじゃなくてよかった、うん) 淡「きょうたろー、何の話してたのー?」 京太郎「ん?高鴨とか?」 淡「なーんか変な話をしてた気がするんだよねー」 京太郎「いやまさか、高鴨はそういうのに縁なんて無い方だろ」 淡「んー、だよねー」 京太郎「それで、次はお前が抜けてきたのか」 淡「そーそー、でもさ、練習ばっかだと疲れるから喋って時間つぶさない?」 京太郎「まあいいけど」 淡「じゃあ何話そっかー?」 京太郎「俺としてちょっと気になることがあんだけどさ」 淡「何?」 京太郎「なんで男女が同じ部屋に寝てるのにエロエロなイベントがほとんどないんだろうな」 淡「えっ、いくらきょうたろーでもそれは引くよ?」 京太郎「お前相手だったらこっちから願い下げだよ」 淡「いくらきょうたろーでもそれは怒るよ?」 京太郎「いやだってお前……」チラッ 淡「?」ペターン 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑った!今鼻で笑ったよね!」 京太郎「高鴨みたいな太もものエロさもなく、滝見さんほどの胸もない淡……ふっ」 淡「可愛いじゃん!私、可愛い!ほらほら!」 京太郎「はいはい可愛い可愛い」 淡「ばーかーにするなー!」ポイッポイッ 京太郎「痛っ!痛い!牌投げるなって!痛っ!」 昼 京太郎「午後は自由時間にするから、どっか遊びに行っていいぞー」 穏乃「やった!ラーメン!ラーメン!」 淡「サキサキー、どこ行こっかー」 咲「私は……行きたいところとかはあんまりないかな、咏ちゃんは?」 咏「んー私もよくわかんねーし、大星に任せるよ」 淡「任されたよ!じゃあれっつらごー!」 ワイワイガヤガヤ 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんはどこか行ったりしないのか?」 春「」コクッ 京太郎「そっか、外寒いもんなー」 春「……そっちは?」 京太郎「あいつらの輪に入るのはなんか悪い気がしてな、邪魔しちゃいそうだし」 春「…………」ポリポリ ゴソゴソ 京太郎「何してるんだ?」 春「笑う犬」 京太郎「DVDなんてあるのか、知らなかった」 春「」コクッ 京太郎(……暇だ) 京太郎(部屋の中には俺と滝見さんだけ) 京太郎(何かすること……)チラッ 春「……」ポリポリ ポヨン 京太郎(胸……おっぱい……乳……おもち……) 京太郎(滝見さんの豊かな胸を観察し、研究する……天才なのか俺は!) 京太郎(……だが、どういう場面を研究すればいいんだ?) 京太郎(ここは滝見さんに揉ませてもらって、実際の揉み心地を研究しよう!) 京太郎(頼み込むなら土下座というのが古からの習わし!) 京太郎(本当にすまないという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎(肉焦がし……骨焼く……鉄板の上でもっ……!) 京太郎「滝見さん!」 春「……何」 ブス… ∫ ;′ ∫ ,;′ ブス…',. -――-゙、 ;' ジジジ… ; / へ ` 、'; ∫ 京太郎「俺に!胸を揉ませてください!」 _;'___{. , -/、/=;´イヽ;'_ /三三j='rー、\_ 、)_℡, ;;〉三'`、ジジ… /三三└'゙ー ;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、 囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮 囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮 ◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎ 春「…………」 春「…………」ポリポリ ヤッタ!ヤッタ!ヤッタ! 春「……ふふっ」ポリポリ 京太郎「見なかったことにしないで!せめて反応して!寂しいから!」 春「…………許可すると思う?」 京太郎「いいえ全く」 京太郎「だが!しかし!それでも!ここで退くわけにはいかないんだ!男として!健全な青少年として!」 春「……無駄な情熱」 京太郎(本当に揉みたいという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎「頼む!この通りだ!」 春「……どうして?」 京太郎「俺はただ、滝見さんの胸が揉みたい!触りたい!あわよくばしゃぶりつきたい!だって欲求不満だから!」 京太郎「滝見さんなら、俺の願望を満たしてくれると思ってる!俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!」 京太郎「一目見たときから思ってた!頼む!俺に揉ませてくれ!」 春「…………」 春「……病院に行くべき」ジトッ 春「頭の」 京太郎「冷たい!視線も言葉も冷たい!だが、俺は――――ッ!」 春「…………」ジトッ 京太郎「…………」 京太郎「ごめんなさいでした……」 春「…………」ポリポリ 京太郎(……俺は、何をしていたんだろう) 春「…………」ポリポリ 京太郎『俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!』 春「…………」ポリ... 夜 京太郎「練習再開だ、準備しろー」 淡「えー!今晩も休ませてよ!」 京太郎「終わったら散々くつろいでるだろうが」 淡「むぅ……」 京太郎「結局お前が来るのか……」 淡「だって遊びたいんだもん!」 京太郎「お前なぁ……」 淡「ほらほら、ちゃっちゃとやっちゃお?」 京太郎「……はぁ」 淡「ねーねーきょうたろー」 京太郎「何だよ」 淡「私のこと好きー?」 京太郎「はぁ!?何言ってんだよ」 淡「どーなの?」ズイッ 京太郎「……まあ、好きか嫌いで言えば……嫌いではないけど」 淡「じゃあ好きなんだ!」 京太郎「そういうわけでもないんだが……それが何だよ」 淡「じゃあさ!じゃあさ!」 淡「私が頑張ったらさ、いっぱい甘えていい?」 京太郎「甘える?」 淡「撫でてもらったり、お菓子食べさせてもらったり?」 京太郎「ん……いいぞ、それでお前が頑張れるなら」 淡「よしっ!たくさん頑張っちゃうよ!……っとその前に」ポスン 京太郎「おい」 淡「これ知ってる?充電っていうんだよ?」 京太郎「いや知らないけど」 淡「こうすると淡ちゃんパワーがどんどん溜まっていくんだ!こう、ドバァーっと!」 京太郎「さいですか」 淡「よーし、頑張ろー!」 咏「よっす」 京太郎「よっ」 咏「あんさぁ、京太郎ってもうオーダーとか決めた?」 京太郎「いや、まだ全然だけど、そろそろ決めた方がいいか?」 咏「そうなんじゃね」 京太郎「一つ大会のことで気になってたんだけどさ、一戦目と二戦目でオーダー変更とかできんの?」 咏「ああ、できるはずだったと思うぜぃ、知らんけど」 京太郎「そっか……ちゃんと考えなきゃな」 京太郎「ほい、それロン」 咏「うげっ、また和了られた……」 京太郎「もうちょい守備堅くした方がいいぞ、大きいの和了る前に和了られてたら意味ないしな」 咏「それもそうなんだけど……京太郎が強いんだよ」 京太郎「やるからには本気でやらないとダメだろ」 咏「確かにそうなんだけどさ……」 京太郎「ま、こっからも一緒に頑張っていこうぜ」 咏「……おう」 咏(……ってか、京太郎なら多分……) 咏(……違う、今はそんなこと考えてる時間じゃねえ) 【風呂】 カポーン 京太郎「ふぅ~」 京太郎「明日で合宿最後か、今まで誰かが入ってきて落ち着けなかったけど」 京太郎「今日だけでもゆっくり休めてよかった……」 ザバッ 京太郎「うっし、明日も頑張ろう!」 京太郎(臨海の監督さんたちもここに泊まってるんだよな……) 京太郎(まだ、俺がこいつらを引っ張れてるのか不安だし、行ってみよう) 淡「ねえーきょうたろー聞いてる?」 京太郎「ん、おお聞いてる聞いてる」 淡「ホントにー?」 京太郎「ホントホント」 淡「んーとね、それで――――」 ―――一時間後 京太郎「」キョロキョロ 京太郎「作戦、開始だ」 コンコン 京太郎「失礼しまーす」 京太郎「監督さんの部屋がここだって聞いて来たんですけど……」 霞「あら、京太郎くんじゃない」 晴絵「おっす、須賀くん」 善野「何しに来たん?」 京太郎「皆さん同じ部屋で寝てるんですか……?」 トシ「そういう仕様らしいから仕方ないんだよ」 臨海「キョウタロウ?」 霞「それで、何の用なの?」 京太郎「はい、実は――――」 雅枝「なるほどな、つまりはアドバイスが欲しい、いうことやな」 晴絵「シズとかは直線的で扱いやすいと思うけどなぁ」 京太郎「あいつ以外が問題なんですよね」 臨海「それなら、私たちでレッスンしてあげるのがよいでしょうか」 霞「そうですね、少し夜が遅いですけど」 善野「須賀くん、時間大丈夫?」 京太郎「はい!頑張ります!」 トシ「それじゃあ始めようかね」 臨海「―――――と、ざっとこんなものかな」 晴絵「どうだ?勉強になった?」 京太郎「なるほど、ばっちりです!」 トシ「彼女たちと同い年の須賀くんなら、親身にもなってあげられるし、発破だってかけやすいはずさね」 雅枝「あのチームをまとめるのに適してるっちゅうわけやな」 京太郎「そうだったんですか?」 善野「せやから、須賀くんも自信持って頑張ってな」 霞「敵同士だけど、頑張ってね」 京太郎「はい!本当にありがとうございました!」 臨海「ここまでで、いいかな」 京太郎「同じホテルなのにわざわざ見送りなんていいですよ」 臨海「これでも私たちは教育者だからな、心配なものは心配なんだ」 京太郎「そうっすか、ありがとうございます」 臨海「いや、礼なんていらないよ」 京太郎「でもこんな時間に俺の相談に乗ってくれて申し訳ないというか」 臨海「……そういえば、君はどうして私を訪ねてきたんだ?石戸先生の方が相談もしやすかっただろうに」 京太郎「んー……監督さんが頼りになりそうだったから、ですかね」 京太郎「霞さんたちが頼りないってわけじゃないんですけど、一昨日とか俺のこと看ていてくれたじゃないですか」 京太郎「だから監督さんのところに行こうとしたんだと思います」 臨海「……そう、か……そう言われて悪い気はしないな」 京太郎「というわけで、ありがとうございました」 臨海「うん、頑張ってくれ」 京太郎「へへっ、負けませんからね」 臨海「こちらもそう老いぼれちゃあいないよ、じゃあな」スタスタ 京太郎「おやすみなさーい」 【冬休み5日目】(合宿三日目)終 【冬休み6日目】(合宿四日目) 京太郎(清々しい朝!冬の日差しにその寒さ!) 京太郎(けどさぁ……) 京太郎「…………」サワッ 咲「んっ」ビクッ 京太郎(なんで咲の胸を触ってるんだ俺……)サワサワサワサワ 京太郎(ってかなんでこんな後ろから抱き着いてるような体勢になってんだよ……)サワサワサワサワ 京太郎(今までないものだと思ってたけど、服越しでも案外あるもんなんだな)サワサワサワサワ 京太郎(そもそも昨日何があったんだ?)サワッ 咲「あっ、んっ……」ビクビクッ 京太郎(急に震えだしたけど、寒いのか?) 京太郎(布団もっとかけてやらないと……) バサッ スタスタ... 咲(なんか変な感じがしたから起きちゃったけど)モジモジ 咲(何なんだろうこの感じ……体がすごく熱くて……) 咲(ちょっと気持ちいい、かも……) 咲(京ちゃん、私の胸が好きなのかな) 咲(……触ってくれたってことはそういうことだよね) 咲(なんだか、嬉しいな) 朝 京太郎(……はっ!) 京太郎(朝、か?) 京太郎(でもなんか暑いような……) 咏「ぅ…………」モゾモゾ 京太郎(なんでまた俺の布団で寝てるんだよ……) 京太郎(小さいからはみ出なくっていいけどさ) 京太郎「えいえい」ツンツン 咏「にゅ……ぅ……」プニプニ 京太郎(一昨日は滝見さん、昨日は高鴨、そんで今日は咏か) 京太郎(何なの俺、何か憑いてるんじゃねえの?) 咏「んぅ…………きょぅたろぉ……」 咏「……すきぃ…………」 京太郎「!」ビクッ 京太郎(びびったぁ……寝言か、そりゃそうだよな) 京太郎(第一好かれるようなことあんました覚えないし、うん) 京太郎(けど、もし俺が咏と付き合ったら……) 京太郎(…………) 京太郎(通報されるな) 淡「今日はみんなで人生ゲームをしよー!」 京太郎「……はぁ」 咲「いいの?京ちゃん」 京太郎「ときには息抜きも必要だろうからな」 淡「私黄色使うねー!」 春「……青」 穏乃「じゃあ私は赤!」 咏「んーと……じゃあ私は緑にするかねぃ」 淡「あ、そーだ!一番金持ちの人は誰かに命令できるってことにしよ!ってかそうするから!」 京太郎(うわぁ、めんどくせぇ……) 淡「今めんどくせえって思ったでしょ!」 京太郎「なっ、どうしてそのことが!」 淡「私ときょうたろーは以心伝心だからね!愛し合ってるっていうのー?」 咲「」ムッ 咏「」ムッ 淡「んー、私が勝ったら何しよっかなー」 春「勝たないから心配しないでいい」ポリポリ 淡「へータキミン言うねー」 京太郎「とっとと始めるぞー」 一位 京太郎 二位 春 三位 穏乃 四位 淡 五位 咲 六位 咏 淡「うわ、びみょー」 咲「また家が燃えちゃったよぉ……」 咏「竜巻で飛ばされるよりまだマシだろ……」 穏乃「やった!ブラックバス釣れた!」 京太郎「何とか一位だったけど、滝見さんすげーな」 春「……ギャンブルは得意」ポリポリ 京太郎「俺が一位だから何か命令していいんだよな?」 淡「……チッ」 京太郎「あくどい顔で舌打ちするなよ!なんか恐いから!」 京太郎「じゃあ咏が俺にマッサージ、咲は滝見さんにマッサージな」 咲「え?」 咏「ふぇ?」 穏乃「そんなのでいいの?」 京太郎「ああ、気持ちよけりゃいいだけだから」 淡「なにそれつまんないー!」 春「……なんで私まで」 京太郎「細かいことは言わずに、な?」 春「…………」ポリポリ 咏「でもよぉ、マッサージってどうすりゃいいん?」 京太郎「肩揉んだりでいいぜ、そこまで本格的にやる必要はないからな」 咏「へいへい、んじゃ始めるよ」 咏「京太郎って結構肩凝ってるのな」 京太郎「んーまあな」 咏「ん……しょ」 京太郎「こういうのもいいな、なんかリラックスできるわ」 咏「それは私の腕がいいからなんじゃねーの?知らんけど」 京太郎「そうかもな、毎日やってもらいたいくらいだぜ」 咏「ま、毎日って……」 京太郎「ん?どうした?」 咏「どうもしてねえよ!」グキッ 京太郎「痛っ!?」 咲「滝見さんのうなじ、綺麗だね」 春「…………」コクッ 咲(滝見さんの胸大きいな……) 咲(私も黒糖食べれば大きくなるのかな) 咲(もし大きくなったら京ちゃんも……ってなんで京ちゃんのこと考えてるの!) 咲(京ちゃん大きいの好きだもんね……羨ましいなぁ) 咲(って、あーもう!) 春「?」 淡「つまんなかったからもう一回!」 京太郎「せめて種目変えようぜ……」 一位 京太郎 二位 穏乃 三位 淡 四位 咏 五位 咲 六位 春 京太郎「また俺の勝ちだな!」 淡「つまんないつまんないつまんないー!」 穏乃「うーん、いい線行ってたと思ったんだけどなぁ……」 咏「まあ、いっか」 咲「順位下がっちゃったよぉ……」 春「……命令は?」ポリポリ 京太郎「お、そうだったな、んじゃ、命令は――――」 京太郎「全国で充電ってのが流行ってるらしい」 咲「充電?」 京太郎「一人がもう一人の膝の上に乗ってエネルギーを蓄えるとかなんとか」 穏乃「へー、今度憧にやってもらおうかな!」 京太郎「つーわけで、俺が滝見さんに充電をする」 咏「は?」 淡「え?」 春「…………」ポリポリ 京太郎「ほら、俺今二連勝だから最下位の滝見さんに運気を注入するっていうか」 咲「それって滝見さんが京ちゃんの上に座るってことだよね?」 京太郎「ん、それがどうかしたか?」 咲「どうかしたか、って……」 京太郎「よし、んじゃ滝見さん乗ってくれ」 春「…………」ポスン 淡「……それだけ?」 京太郎「これだけ」 淡「なにそれ!またつまんないよ!」 春「……黒糖食べさせて」 京太郎「おう、いいぞ」ヒョイ 春「…………」ポリポリ 咏「なんでこんなん見てないといけないんだよ……」 穏乃「滝見さん、充電されてる感じとかするの?」 淡「まっさかーそんなことあるわけ……」 春「……須賀くんが伝わってくる」 淡「何その効果!?」 淡「もう一回!もう一回!」 咲「もう昼だからそろそろやめない?」 淡「諦めちゃだめだよサキサキ!」 咲「諦めるも何もないと思うけど……どうする?京ちゃん」 京太郎「俺も黒糖食べていいか?」 春「……食べさせてあげる」 咲(なんで向かい合ってるの!?) 京太郎「じゃあ俺も」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」ポリポリ 咲(なんだか兄妹みたいで微笑ましい光景だけど、どうしよう咏ちゃん!)チラッ 京太郎「服に黒糖こぼれてるぞ」ヒョイ パクッ 春「あ……」 咏「」イラッ 咲(こっち見てないや……こうなったら高鴨さん)チラッ 穏乃「滝見さん私も黒糖食べたい!」 春「……どうぞ」 穏乃「ありがと!」ボリボリ 咲(あ、これダメなパターンだ) 咲(でも私がしっかり聞かないと!) 咲「京ちゃん、お昼ご飯食べに行く?」 京太郎「……」ナデナデ 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんの髪、綺麗だな」 春「……春でいい」 春「…………」 春「……なんでもない」 京太郎「春の髪、綺麗だな」 春「…………」カァァ 咲「」イラッ 昼 京太郎「今日の午後は自由時間だぞー」 淡「よーやくきょうたろーもわかってきたみたいだね」ウンウン 穏乃「三尋木さん!ラーメン食べに行かない?」 咏「おーいいぜぃ、どっちが食べられるか勝負な」 穏乃「よしっ!燃えてきたぞぉぉぉぉおおおお!」 淡「じゃあタキミン遊びに行こー!昨日行けなかったからね!」 春「……」コクッ 京太郎「……んじゃ、俺たちも遊びに行くか」 咲「えっ、私と?」 京太郎「咲以外に誰がいるんだよ、ほら行くぞ」 咲「あっ、ちょっと待ってよ京ちゃん!」 咲「わぁ、本がいっぱいだよ、京ちゃん!」ピョンピョン 京太郎「確かに大きいけど、はしゃぎすぎだろ」 咲「長野じゃこんなに大きいところあんまり無かったもん!ああ……いいなぁお姉ちゃん」 京太郎「咲、ホントに本のこと好きなの……」 ポツーン 京太郎「……な」 京太郎「あんにゃろうどこ行きやがった……」 京太郎(目を離したらいつもこうだ、まあ本屋なら大体……) 咲「京ちゃんどこぉ……」 咲(お手洗いにも行きたいのにぃ……) 京太郎「ったく、何やってんだよ」ギュッ 咲「ぁ……」 京太郎「トイレに行きたかったら俺に言え、連れて行ってやるから」 咲「そんなこと、言えるわけないじゃん……」 京太郎「お前がいなくなったら困るんだよ、だから、さ」 京太郎「俺がいるときは、俺に頼れ」ニコッ 咲「…………あぅ」カァァ 京太郎「スッキリしたか?」 咲「お、女の子に何言ってるの!京ちゃんのバカ!」ポカポカ 京太郎「相変わらず咲はちんまいなー」 咲「もー!」 咲「…………」ジーッ 京太郎(こうして咲と本屋に来たわけだけど……) 咲「…………」ペラッ 京太郎(……なんかつまんねえ) 京太郎(何かいたずらしてやるか) 京太郎(にしても何読んでんだ?)チラッ 咲(京ちゃんの顔が……うぅ)カァァ 京太郎(恋愛小説か?咲もそういうの読むんだな)チラッ 咲「///」ポシュー 京太郎(咲の耳……か) 京太郎(……よし) 咲(京ちゃんの顔が近いから集中できないよぉ……)カァァ 咲(でも京ちゃんに怪しく思われちゃうからちゃんと読まないと……)ジーッ 京太郎「ふーっ」 咲「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「あっはっは!なんつー声出してんだよ」 咲「も、もうっ!京ちゃんのバカ!」 咲「あっち行っててよ!」 京太郎「はいはい、十分経ったらまたここに来るから絶対に動くなよ」 咲「言われなくてもわかってるもん!べーっ!」 京太郎(―――とは言われたけど、時間が来るまで何しよ) お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王! 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.恋愛小説…600円 10.野依理沙の感情コントロール法…1000円 11.一日を活用する本…1500円 12.咲が読んでたのと同じ恋愛小説…700円 京太郎(咲も読んでたし、俺も似たようなの読んでみるか) 京太郎(……思春期の恋愛模様を描いた作品、か面白そうだ) 京太郎(咲の読んでたやつはどんな話だったんだろ) 京太郎(まあいいや、買いに行こ) 「ありゃぁたっしたー」 京太郎(後は咲を探しに行くだけだな) 京太郎(この辺のコーナーだったよな……あ、いた) 咲(京ちゃんまだかな……)モジモジ 京太郎(何だあいつ?足踏みしたり脚寄せ合ったり……) 咲(なんでまたお手洗いに行きたくなっちゃうんだろう……)モジモジ 京太郎(?) 京太郎(こっちに気づいてないのか?じゃあ……) 京太郎「おい、咲」 咲「へっ……あ、京ちゃん」 京太郎「早く行くぞ」グイッ 咲「えっ、なに、どこ行くの?」 京太郎「トイレ、行きたくなったんだろ」 咲「どうしてわかったの?」 京太郎「お前のことだからな、ほら着いたぞ」 咲「あ、ありがと……」モジモジ 咲(どうして京ちゃん、私がお手洗いに行きたいってわかったんだろ) 咲(なんで私を引っ張って行ってくれるんだろ) 咲(…………) 咲(帰るときは、私から京ちゃんの手繋ごうかな) 咲(手をつないで買い物に行くって、デートみたいだよね) 咲(……こんな風に、また遊びに行けたらいいな) 咲「お待たせ、京ちゃん」 京太郎「ん、そんなに待ってねえよ」 咲「えへへ、それじゃあ帰ろっか」ギュッ 京太郎「あ……ああ、そうだな」 咲(恋人繋ぎって、ちょっと大胆だったかな) 京太郎「って咲、本買わなくていいのか?」 咲「あっ、忘れてた!ちょっと待ってて!」トテトテ 京太郎「だから走るなっての!」 夜 京太郎「いよいよこの合宿も終わりっつーわけで、練習するぞー!」 穏乃「おー!」 淡「元気150%の淡ちゃんなら負けないよ!」 咲「私も負けないもん!」 春「…………」ポリポリ 咏「うぅ……胃もたれきつぃ……」 淡「そい!リーチ!」 咲「じゃあ私も、リーチ」 咏「そんじゃ、リーチ」 穏乃「リーチ!」 「「「「……」」」」 京太郎「何やってんだあいつら……」 春「……きょうたろう、始めて」 京太郎「ん……ああ」 京太郎(春が集中できるからって充電しながらやってるけど……) 春「…………」ウツラウツラ 京太郎(人の膝の上で寝るなよなー) 春「ん……」モゾモゾ 京太郎(やばっ、動かれると流石にまずいっ) 京太郎(これは起こすしかない……よな) 京太郎「おーい、春ー」 春「…………」 京太郎「後ろからじゃ起きてんのかどうかわかんねえよ……」 京太郎「…………」 春「…………」 京太郎「……俺も寝るか」 京太郎「最後の相手は高鴨か」 穏乃「んそっ、よろしくね!」 京太郎「おう、頑張るぞ!」 穏乃「うぉぉぉぉおおおお頑張るぞぉおぉおおお!」 京太郎(なんだろう、このやり取り終わらない気がするぞ?) 穏乃「いやぁー、今日で合宿も終わりなんだねー」 京太郎「手、動かせよ」 穏乃「須賀は楽しかった?私は楽しかったよ」 京太郎「いや、だからさ」 穏乃「東京のラーメンおいしかったし、麻雀も楽しかったし!」 京太郎「集中しようぜ、集中」 穏乃「大星さんや宮永さんともまた打てたから良かった!」 穏乃「須賀はどう思う?」 京太郎「麻雀しようぜ」 穏乃「うん、やっぱり楽しかったよね!」 京太郎「どこをどう捉えればそうなる!?」 京太郎「これで合宿は終わりだ!」 京太郎「そしてぇえぇえええええーーーー!」 淡「打っち上っげだーーーー!」ドンドンパフパフ 咲「わ、わー!」 咏「いえーい!」 穏乃「ラーメン!ラーメン!」 春「…………」ポリポリ 淡「でもどこに行くのー?」 京太郎「う……んー、どうしよ」 京太郎「じゃあカラオケでいっか」 咲「えぇ……私歌とか上手くないよ?」 京太郎「楽しけりゃいいんだよ、みんなもいいだろ?」 穏乃「憧によく連れていかれたからね、オッケーだよ!」 淡「私もいいよ!」 咏「ま、いんじゃね」 春「…………」ポリポリ 京太郎「誰から歌うんだ?」 淡「その前にルール決めようよ!」 咏「ルール?」 淡「六人の内負けた人が言うこと聞くとか!」 咲「わざわざそんなことしないでもいいんじゃ……」 淡「じゃあ一番の人がきょうたろーに充電してもらうとかは?」 咲「」ピクッ 咏「」ピクッ 京太郎「おい待てそのルール、俺が一位じゃ意味ないじゃねえか」 淡「え~、どうせきょうたろーは勝てないよー」 京太郎「何だと?」 穏乃「まーまー二人とも落ち着いて」 淡「タキミンはどう思う?」 春「……いいと思う」 京太郎「くっ……」 淡「嫌だったら代替案を提案してねー」 京太郎「折衷案ってことで俺が一位になったら他の人に命令」 京太郎「他の人が一位になったら俺が充電、でどうだ?」 咲「どうだ、っていうか……」 咏「京太郎が得しすぎだろ……」 淡「うん、それでいいや!」 穏乃「じゃあ一番は私行くよ!」 春「…………」ポリポリ 穏乃「青空が眩しいー、君がいる風景はー」←16点 淡「重さじゃー測れない、こんな想いー」←52点 咲「こわいもののない世界ならー」←58点 淡「何なのこの機械!おっかしいんじゃないの!」 淡「私が52点なんてあり得ないでしょ!」 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑うな!」 春「雲の形、突き抜けるー」←96点 咏「毎日ナニがあって、頭抱えてもー」←92点 京太郎「たましいゴーンと、チャイムを打たれたならー、打たれちゃったら!」←61点 淡「なんできょうたろーの歌より私の方が下なの……」ガックシ 咲「それは同感かも……」ガックシ 穏乃「うん……」ガックシ 京太郎「なぜそこまで落ち込む!?」 春「きょうたろう、充電」 京太郎「お、おお、いいぞ」 春「」ポスン 春「……頭撫でて」 京太郎「ああ、よしよし」ナデナデ 淡「ちょっ、そんなオプション――――!」 淡(待てよ、ここで頭なでなでを禁止したら私が勝ってもあまり得はない!) 淡(それにこう考えている間にもタキミンのきょうたろーポイントがどんどんたまっていく!) 淡(まさかこれが――――) 春「……ふっ」 淡(先手必勝のジャスティス!勝てば魏呉蜀!) 咲(勝てば官軍だと思うけど……) 淡(ここは黙るしかない!) 京太郎「淡、どうかしたか?」 淡「ううん、なんでもないよー」 淡(タキミン……恐ろしい子……!) 春「……きょうたろう」 京太郎「どうした?」 春「何かして」 京太郎「何か、って何だよ」 春「……抱きしめたり、とか」 京太郎「なら今頭撫でてるじゃん」 春「そうじゃなく……」 京太郎「んー……じゃあ……」 京太郎(咲とかがいるからあんまり大胆なことはできないとして……) 京太郎(そうだ!) 京太郎「……春」ボソッ 春「」ビクッ 京太郎「どきどきしてるんだ、俺の胸……春を充電したい、十年も、二十年も」ボソボソ 京太郎「っ……お前のそばに居続けたい」ボソボソ 京太郎「きっと、お前のことが好きなんだ……いや、春が好きだ、断言できる」ボソッ 京太郎「りゆうはわからない、色々ありすぎて、お前の好きなところが多すぎて」ボソボソ 京太郎「……なあ、春」 春「……///」カァァァァァ 京太郎「好きだぞ」ボソッ 春「///」ボシュー 咲「あの二人何してるのかな?」 淡「さあー?じゃあ次の曲入れちゃおー!」 穏乃「信じる、それだけで越えられないものーはない」←97点 淡「ほどかれてくの、どこまでもー」←70点 咲「がんばっちゃったがんばった我々東南西北わーいわーい!」←83点 淡「だからなんで私がこうなんのよ!」 穏乃「点数上がったんだからいいじゃん」 淡「アンタが一番おかしいでしょ!」 春「君の知らない、私だけの秘密」 京太郎「春は歌上手いなー」 春「……」カァァ←31点 咏「冒険でっしょ、でっしょ!」←76点 京太郎「ハートのエッジに挑もう、思うたけ見つめてー」←92点 穏乃「今度は私だよ!」 京太郎「ぐぬぬ、あとちょっとだったのに……」 穏乃「ねぇー私にも何かしてー」 京太郎「だから何かって言われてもな……」 京太郎「んじゃ、遠慮なく」サワッ 穏乃「ふぇっ」 京太郎「高鴨の太ももって結構筋肉ついてんだな」サワサワ 穏乃「ちょっ、何触ってんのさ!」 京太郎「こんな恰好で寒くないのか?」サワサワ 穏乃「はしってるから……大丈夫、だけど……」 京太郎「でも、ちゃんと肌スベスベしてるし、女の子って感じするぜ」サワサワ 穏乃「それ、褒めてくれてるのかわかんないんだけど」 穏乃(さっきから何かが当たってる気がするし……須賀に触られてると……何だろう) 穏乃(ちょっと変な……)モゾモゾ 春「…………」ボリ!ボリ!ボリ! 咲「京ちゃん何やってんだろ……」 咏「あいつ……」 淡「タキミンまであらぶってる……」 淡「次は絶対に勝ってやるんだから!」 穏乃「私はもういいや……」 咲「私も頑張る」グッ 春「…………」ポリポリ 咏「今度こそ勝つぜぃ~」 穏乃「みみーもとで囁き呼ぶ声に振り向けば、気づかぬうち開かれていたトビラー」←66点 淡「ガッティーノ、ガッティーナ、私だけの傍にいてねー」←15点 咲「わーたっしーとしようよ、ココロが晴天ドキツモ昇天」←75点 淡「」チーン 京太郎「ぶははははは!どんだけ機械に嫌われてんだよ!」 咲「京ちゃん、淡ちゃん可哀想だよ」 京太郎「でもよぉ、あっはははは!」 淡「うっさいうっさいうっさーい!どうせきょうたろーだってこんな点になるもん!」 京太郎「ならねーよ、ま、見てればわかるけどな」フフン 春「アザレアを咲かせて、暖かい庭までー」←5点 咏「おおきな夢、夢、スキでしょ?」←83点 京太郎「本気の恋ー、それは突然花が咲くー」←90点 淡「みんなしてずっこいずっこい!」 京太郎「結局実力ってことだな」 淡「むぅ……」 咏「んで、命令何すんの?」 京太郎「おっ、そういえばそうだったな」 咲「エッチな命令とかは……ダメだよ?」ニコッ 京太郎「わ、わかってらぁ、そんぐらい」アセアセ 春「…………」ポリポリ 京太郎「んー、と、じゃあ……淡?」 淡「なによぉ……」グスッ 京太郎「いや、負けたからって泣くなよ」 淡「だって、きょうたろー程度に負けるとかありえないし……」グスッ 京太郎「ナチュラルに失礼だな、おい」 春「……命令」ポリポリ 京太郎「ああ、ちょっと考え中な」 京太郎(全員に猫のごとく甘えてもらう、とか言おうと思ってたけど俺もそこまで空気が読めない男じゃあない) 京太郎(淡が泣いたままだと嫌な気がするし……淡の脇をくすぐって励ますとかいいんじゃないか?) 京太郎(あわよくば淡の胸に触れる、って違うわ!どんだけ変態なんだ俺!) 京太郎(それにあんな胸触ったってなぁ……)ハァ 京太郎「淡」 淡「なに?」 京太郎「ほい」ガシッ ヒョイッ 淡「はぁっ!?」 咲咏穏「ええっ!!」 春「…………」ポリポリ 淡「なっ、何してんの!」 京太郎「ほーれ高い高ーい」 淡「子どもじゃないんだから降ろしてよー!」ジタバタ 京太郎「はっはっは、じたばたはHPが少なくないと威力弱いんだぜー」 淡「っていうかスカート見えるから!」ゲシッ 京太郎「ぐへぁっ」グラッ 咲「あっ!」 咏「京太郎のバランスが!」 穏乃「大星さん危ない!」 淡「きゃぁっ!」 京太郎「淡っ!」 京太郎(これだと淡が頭から落ちる、最悪病院行きだ!) 京太郎(それだけはさせない!) ドッシーン! 咲「きょ、京ちゃん!」 京太郎「いつつ……腰打ったっぽい」 咏「ったく、気ぃ付けろよなー」 京太郎「わりぃわりぃ」 淡「もー!きょうたろーのせいで危なかったじゃん!」 京太郎「人が身を挺して守ったっつうのに一言目がそれかよ……」 淡「ぁ……それはありがとう、だけど……」モジモジ 淡「って!そもそもきょうたろーが高い高いなんてしなきゃよかったんじゃん!」ウガー 京太郎(一瞬でもしおらしくてかわいいと思った俺がバカだった) 淡「こうなったらやり返してやる!えいっ」ガシッ 京太郎「うおっ!」 淡「んぐぐ……」 淡「持ち上がれぇ……!」 京太郎「淡、あんまり無理しない方がいいんじゃないか?」 淡「うっさい!やり返すったらやり返すんだから!」 ――十分後 淡「なんで持ち上がんないのさー!」 京太郎「体格差があるからしゃあないだろ」 淡「きょうたろーの筋肉硬かったし、抱きしめてるみたいで気持ち良かったよー!」 京太郎「なんでこの状況で褒められてんだろ俺」 京太郎「次で最後にするか」 咲「そうだね、もう結構遅いし」 咏「じゃさ、じゃさ、最後は全員で同じ歌歌ってその得点を競うってのはどうなん?」 淡「あ、いいねーそれ!」 穏乃「じゃあ何歌うの?」 春「……だんご三兄弟」 咲「中々古いね!?」 京太郎「そりゃみんな知ってるだろうけどさ……」 淡「じゃあセーラームーンとかは?」 咏「そっちのがおぼろげなんだよねぃ……」 穏乃「タ○リ倶楽部のオープニングは?」 京太郎「あれカラオケに入ってんのか?つーかどんなチョイスだよ」 淡「タ○リ……なにそれ?」 咲「私も土曜日は夜遅くまで本読んでるから知らないな」 京太郎「それ、見てるって言ってるようなもんだぞ」 咲「空耳しか見てないもん!」 淡「だから何それ?」 京太郎「結局、おいでよ亀有を歌うことになったぞ!」 咲「どうしてこうなっちゃうの……」 穏乃:96点 春:90点 淡:66点 咲:27点 京太郎:21点 咏:1点 咏「1点……1点……」チーン 淡「また勝てなかった……」ガクッ 咲「私だって4位だったんだから、元気出そ!」 春「…………黒糖、いる?」ポリポリ 淡「いるいるっ!ちょーだい!」 咲「ゲンキンだなぁ……」 穏乃「また私が一番かぁ……よっ!」ポスッ 京太郎「俺の膝に慣れるの早くね」 穏乃「まあ、嫌いじゃないからねー」 京太郎「新子だったら「こんなこと死んでもやらないわよっ!」とか言いそうだよな」 穏乃「あはは……有り得るね」 京太郎「今回も何かするか?」 穏乃「うんっ、おまかせで!」 京太郎「んじゃ、まずは」サラッ 穏乃「ん……」 京太郎「高鴨の髪の毛さらっさらだな」ススッ 穏乃「えーそうかな?」 京太郎「綺麗だし、いい匂いもするぞ」ソソッ 穏乃「なんかむずむずする……」 京太郎「やっぱり女の子の髪って気持ちいいな」 咲「……やっぱり?」ゴッ 京太郎「ヒッ」 咲「京ちゃん、他の女の子の髪触ったことあるの?私にはないのに?」 京太郎「そ、それは言葉の綾というやつで、触ったっつうか撫でたときとか……ほら!小さいときにお前のことも撫でてたろ!」 咲「……そういうことならいっか」 咲「ほら、続けなよ」 京太郎「は、はい……」 京太郎(なんか重い雰囲気になってんですけど!?) 京太郎(やべーよ殺されるよ、何だよあの殺気、このまま抱きしめようかと思ったけど絶対無理だよ) 穏乃「もう終わり?」 京太郎「う……ああ……うー……」 京太郎(けどまだこうしていたい自分もいるわけで……) 京太郎「いや、まだだ!」ギュッ 穏乃「わっ!」 京太郎(あっれー?どうして俺は高鴨を抱きしめてんの?おっかしいなー) 淡「髪いじって抱きしめるって……」 咏「あんさぁ、京太郎?流石に限度ってものがあると思うぜぃ」 京太郎「ちっ違うわ!これは俺が無意識下に行った行動であって俺自身の行動じゃないんだ!」 京太郎「そうっ!いわばそれは反射!思考とは真逆!目の前いる高鴨を抱きしめるのは俺の性なんだ!」 淡「なお悪いわっ!」ゲシッ 京太郎「脛はやめろって痛いから……」 京太郎(なおさら酷い雰囲気になった気がする……) 咲「」ニコニコ 淡「」ジトッ 咏「」ジーッ 穏乃「~♪」 春「」ポリポリ 京太郎「なあ、高鴨?」 穏乃「穏乃でいいよ、私も京太郎って呼ぶから!」 京太郎(この状況で何言いだしちゃってんのお前!?) 京太郎「何言っちゃってんの、おい」 穏乃「今さ、京太郎に抱きしめられてるとなんか安心するんだ」 穏乃「ウチ女子高だから、久しぶりに男子と話したのに楽しくて」 穏乃「だから京太郎とはもっといい友だちになりたいな、って」 京太郎「今言うことなのかよ……」 京太郎(しかもこの惨状で) 穏乃「なんか言うタイミング逃しちゃいそうだったからね」 京太郎「そ、そうか」 京太郎(何これ、何が言いたいのこいつ) 京太郎(言われて滅茶苦茶嬉しいけど……) 咲「ジュゴゴゴ」ニコニコ 淡「ジュゴゴゴ」ジトーッ 咏「ジュゴゴゴ」ジーッ 春「……」ポリポリ 京太郎(ストロー悲鳴あげてるから!こっち向かないで怖いから!) 穏乃「京太郎ー」 京太郎「なっ、なんでございますでしょうか」 穏乃「呼んでみただけだよ、えへへ」 京太郎(そういうことされると……もう……)カプッ 穏乃「ひゃぁっ?」 京太郎「んっ……」ハムハム 穏乃「京太郎ぉ、くすぐったいよぉ」 京太郎「ははほはっへはいへぇ」 穏乃「耳元で喋らないでよ、ふふっ」 京太郎(なんで俺、穏乃の耳咬んでんだろ……) 京太郎(あとは耳に息を吹いて終わらせよう) 咲淡咏「」ゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎(あいつらに殺される気しかしない!) 京太郎「……ん」 京太郎(俺の唾液ですごくエロく見える……) 京太郎「ふーっ」 穏乃「んんっ!」ビクッ 京太郎「こ、これで終わりだ!」 京太郎(何やってんだろ俺……) 京太郎「かーっ!歌った歌ったー!」 淡「きょうたろーの変態」 京太郎「まだ言うか」 咲「8時くらいだけど、新幹線間に合うかな?」 咏「大丈夫なんじゃね、知らんけど」 穏乃「んー、でも確かに危ないかもね」 京太郎「じゃあここで解散っつうことでいいか?」 淡「うん!」 穏乃「だねー」 京太郎「そっか、じゃあ行くぞ」 咲「ま、待ってよ京ちゃん」 春「……お疲れ」 穏乃「またね」 淡「また来週だよー!」 咏「じゃあなー」フリフリ 京太郎「おう!頑張ろうなー!」 咲「そっか、私以外みんな博多行きなんだ」 京太郎「春は今から帰って家に着くのか?」 春「ホテルは取ってある」 穏乃「どうせだし京太郎の部屋に泊まればいいんじゃないかな」 春「……いいの?」 京太郎「いやダメだろ、年頃の男女が同じ部屋で寝泊まりなんて」 咲「つい昨日までやってたんだけどね……」 咲「あ、私こっちだから」 京太郎「そっち東北新幹線だぞ」 咲「えっ!?わわっ、危なかったよ!」 京太郎「お前、よく東京まで来れたな」 咲「バ、バカにしないでよ!」 京太郎「はいはい、バカにしませんよー」 咲「バカにする気満々でしょ!」 京太郎「長野新幹線あっちだぞー」 咲「わ、わかってたから!わかってたからね!」 京太郎「はいはい、じゃあな」ナデナデ 咲「だからバカにしないでよ!」 穏乃「京太郎って宮永さんと仲良いんだねー」 京太郎「ま、幼馴染だからな」 穏乃「いつごろから知り合ったの?」 京太郎「咲とは小学生くらいかな、なんでだ?」 穏乃「んー、ちょっと気になったから?」 春「……二人とも、はい」 京太郎「黒糖一袋!いいのか?」 穏乃「うおっ!おおおっ!」 春「お疲れ様のプレゼント」 京太郎「そっか、あんがとな」 穏乃「んー!おいしー!」ボリボリ 春「……」ニコッ 【冬休み6日目】終
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/60.html
. 京太郎「はぁ……」トボトボ 京太郎「夏休みも明けて1か月になるけど……」 京太郎「相変わらずのぼっちかぁ」ポツーン 泉(はぁ……) 泉(どうしていつも同じクラスの人とか、麻雀部員とかこっちにいないんやろか) 泉(相変わらずのぼっちやなぁ……) 京泉「「……寂しいな」」 その望み、叶えてやるだわさ! 行けっ!遠隔操作型イレカワール! 京泉「「……今、なんか聞こえたような?」」 ビビビビビッ! 京太郎(泉)「気のせいやな」トボトボ 泉(京太郎)「気のせいか」トボトボ 京太郎「……あれ、道変わってへん?それに心なしか視点も高いような……」 泉「いつの間にこんなところに来たんだ?それになんだか体中すーすーするような……まあいっか」 【side-泉】 京太郎「急に風が無くなったな……ん?」ペタッ 京太郎「ん?ん?ん?」ペタッペタッペタッ 京太郎「私の体ってこないにゴツかったやろか……そもそも服が……?」コカンチラッ チョッピリモッコリ 京太郎「……は?」 【side-京太郎-】 泉「すっげーすーすーしてんのに全然寒くないな、俺の体おかしくなってんのか?」テヲミル 泉「手が小さく見えるな……っておい!」ペタッペタッペタッ 泉「袖がねえって思ったら、体が小さくなってる?」コカンチラッ ヒラヒラー 泉「…………」モイチドチラッ ヒラヒラー 泉「…………」サワサワ フニッ 泉「あんっ」 泉「どんな声出してんだよ!……って」 泉「何じゃこりゃああああああ!」 prrr prrr prrr 泉「えーっと、携帯さんどこですかー」 泉「あったあった……【須賀京太郎】?どーなってんだ」ピッ 泉「もしもし、どなたで『京太郎くんですか!?』」キィーーン 泉「そうだけど、あんたは?」 泉(この声聞き覚えがあるような……) 京太郎『二条泉です!』 京太郎『今スカート穿いてますよね!?』 泉「ん……どうしてかわかんねえけど」 泉「ちょっと待て、その声俺の声と似てないか?」 京太郎『はい、えっとですね』 京太郎『どうやら、入れ替わってしまったみたいです』 泉「入れ替わった?何が」 京太郎『私たちの身体が、ですよ』 泉「は!?」 【side-泉-at教室】 ワイワイガヤガヤ 京太郎(どうして京太郎くんと入れ替わりなんて……) 咏「京太郎ー」 京太郎(これじゃあお手洗にも行けひんやないか……) 咏「京太郎ー」フリフリ 京太郎(それにあのことまで……!) 咏「おーい」フリフリ 京太郎(それはダメや!)ガタッ 咏「京太郎って呼んでんだろ!」 京太郎「へ?」 咏「呼ばれたらすぐ返事しろってんだよなー」フンス 京太郎(せやった、私は今は須賀京太郎なんや) 京太郎(京太郎くんに迷惑はかけられへん)グッ 咏「おーい、聞いてんのかー?」 京太郎(確か京太郎くんはいつも……) 京太郎「ごめんごめん、咏に見蕩れてたんだ」 咏「はっ?」カァァ 京太郎「咏はいつも通り可愛いな」ナデナデアンドイケメンスマイル 咏「う、うぅ……か、からかうんじゃねー!///」プシュー 京太郎(そうそうこんな感じやったな) 【side-京太郎-at教室】 泉(これが女子の身体か……)ゴクリ 泉(ここを触って……)サワッ 泉(トイレが楽しみだなー) 泉「おっと、ここが泉の教室か」 ガララ ワイワイガヤガヤ 泉(泉は挨拶をちゃんとしてるから……) 泉「みんな、おはよー!」 シーン 泉「あ、あれ?」 ……ワイワイ……ガヤガヤ 泉(どうなっているんだ……?) 生徒A「二条ーお前先週のゴミ捨て忘れとったやろ、今から行ってこい」 泉「今から、ですか?」 泉(始業まであと5分しかねえじゃねえか) 生徒A「はよせんと先生に殴られるでー」 生徒B「せやせや」ケラケラ 泉(まあ泉はちゃんとしてるように見えて意外なところでおっちょこちょいだからな) 泉(ぱぱっとやるか) 泉「わかりました、行ってきます」 泉「えーっと、この辺りだっけなー」 生徒C「あーそこ危ないでー」 泉「へっ?」 ガタッ ドサドサ 泉「いつつ……まさかゴミが上から降ってくるなんてなー」 泉「まあいっか、ほいほいっと」 泉「あと2分なら間に合うな」タッタッ 【side-泉-at授業】 京太郎(京太郎くん、大丈夫やろか) 京太郎(大丈夫やろな、きっと) 「須賀ァ!てめえが答えるんだよ!」 京太郎「ひっ!」 クスクス 京太郎「すみません……」シュン 【side-京太郎-at授業】 「ほな二条、お前この問題解いてみろや、式は黒板に書いてええで」 泉「チョークはええです、それはx=2,-3ですがx 0よりx=-3は不適、したがってx=2となります」 「おお、上出来や、座ってええで」 泉「はい」ドヤッ シーン 「次は……生徒D!」 生徒D「これはx=10,5ですが、x 6よりx=5は不適、x=10となります」 「あーそれはどっかで符号間違えたな、x 6によりx=10は不適、x=5が答えや」 生徒D「えぇ……」 ドッ ワハハハ ドンマーイ キニセントイテー 泉(あれ、あれ……あれ?) 【side-泉-at昼休み】 咏「京太郎ー、屋上行こうぜー」 京太郎「ああ、ちょっと待ってな……」 京太郎(なんでお弁当が二つもあるんやろ……?) 京太郎「咏ー弁当持ってるよなー?」 咏「もちろんだけど、どうしたんだ?」 京太郎「いや、何でもねえ、待たせて悪かったな、お詫びだ」ニギッ 咏「おわっおもおお、おまっ!なに手ぇ握ってんだよ!」カァァ 京太郎「あー、悪かったな」サワヤカスマイル 咏「う……別にいいよ……ったく」 咏「来たぞー」 京太郎「どうもー」 霞「二人とも遅かったわね」 咏「京太郎がゆっくりしてたからなー」ジトッ 照「何してたの……」 憩「ゆっくり……シてた……!」ビビクン! 郁乃「遅れてごめんな~」 良子「ソーリーです」 エイスリン「イクノ!ヨシコ!オソイ!」 京太郎(な、なんで戒能プロがおるんや!?) 京太郎(それに郁乃って、赤阪さんは郁代やなかったっけ?) 郁乃「ん~どうしたんや京太郎くん?」 京太郎「いやっ、なんでも?」 霞「どうして疑問符?」 京太郎(えっと、宮永さん、荒川さん、エイスリンさん、赤阪さんと石戸先生も弁当持ちやんな) 京太郎(そうすると……) 京太郎「あ、戒能プロ、これどうぞ」 良子「……センキュー」シュン 京太郎(なんか落ち込んどる!?) 京太郎(何や、何が悪かったんや!?) 京太郎(……そっか、京太郎くんのことや) 京太郎「落ち込んでると、その可愛い顔が台無しだぞ、良子」サワヤカスマイル 良子「よ……し……こ?ワッツ?ヨシコ?ヨッシィコォ?」 京太郎「どうしたんですか!?」 良子「ああいや、なんでもない、ノープロブレム、ノーウェイノーウェイ」 良子「京太郎が私のことを良子なんて呼ぶわけ」 京太郎「良子?」 良子「はうっ」プシュー 【side-京太郎-at昼食】 泉「お、これは泉のお母さんが作った弁当かな」 泉「いただきまーす「に・じょ・う・さーん」」 泉「はい?」 生徒B「先生がさっき呼んでたで、用事があるとか」 泉「わかりました、おおきに」 生徒C「ええってええって、ほら早く」 泉「はい、では」 泉(今の声……ゴミ捨て場で聞こえた声とそっくりだったな) 生徒ABCD「「「「……くすっ」」」」 「用事?そんなん無いけどー、どうしたんや?」 泉「え?」 「ま、ええわ、二条最近大丈夫か?」 泉「何がですか?」 「最近お前クラスでハブられとるように見えるんやけど」 泉「見えますか?」 「この前は泣いとるみたいやったけど、「なんでもない」言うとったやん?」 「ほんまに大丈夫なんか?」 泉「…………」 『二条ーお前先週のゴミ捨て忘れとったやろ、今から行ってこい』 『あーそこ危ないでー』 『シーン』 『先生がさっき呼んでたで、用事があるとか』 泉「…………あー」 泉「大丈夫です」 「そうか?まあキツイ思ったらいつでも相談してくれでええからな」 泉「はい、失礼しました……あ、そうだ」 泉「先生、みんなでパーティーの準備をしてるんでお昼ご飯食べ終わったら来てください」 「ん、了解や、楽しみやなー」 ガララ 泉「……大丈夫だ」 泉(もう、解決するから) ガララ 生徒B「あ、二条さんお帰りー」ニコニコ 泉「どうもです」チラッ 他の生徒「」ビクッ! ザザッ 泉(やっぱりかぁ) 泉(机) 机「」ビチャア 泉(教科書) 教科書「」グチャビチャア 泉(……弁当) 弁当「」グチャァ 泉「…………っ」グッ 泉「えーっと、生徒Aさん、だったっけ?」 生徒A「何ー?どうかした?」ケラケラ 泉「ちょーっとばかし面貸してくんねえか、そこの三人もな」ニッコリ 生徒B「へぇ、二条ちゃんも偉うなったもんやなー」 生徒C「前まではただ泣いとるだけやったのに」 生徒D「ほんま……生意気やわ」 泉「お前らさぁ、こんなことして何が楽しいんだ?」 泉「やってて空しくならねえの?」 泉「人をよってたかっていじめて、どうやらお前ら四人が主導だったみたいだけど」 泉「見てて気持ち悪かった」 泉「お前ら、この教科書を誰の金で買ったのかわかってんの?この弁当誰が作ったかわかってんの?」 泉「この机が何年間使われて、どんな人に使われてきたかわかってんの?」 泉「物ってのには思いが込められてるんだよ、教科書だって「学校で頑張ってほしいな」とか、弁当だって「この具、あの子食べてくれるかな、あの具を入れたらあの子喜ぶかな」とか」 泉「お前らそんなこと考えたことあんの?」 生徒D「なんやさっきから長ったらしく、うるっさいわ」 生徒B「遊び道具が反抗するなや」 泉「悲しくならねえのかって聞いてんだよ!」バンッ! 泉「その程度のこともわかんねえようなやつが粋がってんじゃねえぞ」 生徒A「ウチらが粋がっとる?ずいぶんおかしなことを言うなぁ」 生徒C「あー腹立ってきたわ、もう蹴ってええ?」 生徒B「ええでーやったれやったれー」 「はい、そこまでや」 「現場はしっかり押さえてもろうたで、他の先生にも来てもろうとる」 「四人とも、生徒指導室に連行や」 夜、俺は泉と話した クラス内でのいじめは夏休み明けから始まったらしく、泉も相当疲れていたようだ クラスメイトの人たちの証言から、あの四人は校則違反のみならず、万引きなどの犯罪行為も行っていたらしく、処分が決定するまで停学だそうだ 先生曰く良くて停学、悪くて退学だとか 今日の出来事を全て話し終えると、泉は泣いて、何度も何度も、ありがとう、と言っていた 電話越しに自分の泣き声を聞くってどんな拷問なんだろうか そして、泉との電話を終えて、風呂に入ろうと思ったその瞬間 ビビビビビビッ! 元に、戻った えええっ!?神様都合よくない!?やっとこの目、泉の目で泉の……むふふを視れると思ったのに どうやら入れ替わっていた時間はちょうど12時間だったようだ ……ほんと、タイミング悪いよな 泉とは日曜日に一緒に遊びに行く約束をした、少しでも俺が癒してあげられたらなー、なんて と、まあそんなこんなで俺と泉の波乱な一日が終わった そして翌日 照「京、おはようのハグ」 憩「京太郎くん……昨日の……真に受けてええんやな?」カァァ 郁乃「きょ、京太郎くんのアホ!///」プイッ 咏「きょ~たろ~なでなで~」 エイスリン「ネコミミ、ツケテミタ///」 良子「どうして呼び捨てにしてくれないんだ……せっかくカラーまで付けてきたのに……そうか、それが新手のプレイなのか!」ハッハッ 京太郎「……は?」 何しやがった泉……後で覚えておけよ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2271.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1359722728/ 20xx年2月1日 ―清澄高校― 麻雀部部室 京太郎 「失礼しまーす」 久「あら、須賀くんお久しぶりね」 京太郎「久先輩お久しぶりです、今日はどうして部室に?」 久「須賀くんから部長って呼ばれないのも新鮮ねぇ」 久「今日は現部長まこのお願いでみっちり須賀くんを鍛えるわよ!!」 京太郎「だからまこ先輩居ないんですね……ところで他の3人は?」 久「他の3人も今日は来ないわよ」 京太郎「じゃあ俺一人で先輩の相手をするんですか……」 久「不満そうねぇ?」 京太郎「まさか、今日の指導よろしくお願いします」 久「うんうん、いい心構えね」 久「さぁ、ビシバシ行くから覚悟しなさい!」 久(それにしてもどのくらい時間稼げばいいのかしら?聞いとけばよかったわね) ―清澄高校の帰り道にある商店街― 優希「いくじぇいくじぇいくじぇ~」ドタドタ 和「ゆーき!!そんなに走ったらコケますよ」 まこ「相変わらず元気じゃのう」 咲「み、みんな待ってよー」 咲「今日は皆で京ちゃんの誕生日プレゼントを買いに来たんだから」 優希「ごめんだじぇ咲ちゃん」 和「それにしても明日が須賀君の誕生日だったとは、初耳です」 咲「あはは……京ちゃんあんまり自分の誕生日覚えてないから」 優希「しっかし犬も幸せものだじぇ、部活の皆からプレゼントが貰えるんだから」 和「まぁせっかくの誕生日ですから」 咲「みんなはもう誕生日プレゼントは決めた?」 優希「バッチリだじぇ」 和「同い年の男性に贈り物をするのは初めてですけど一応の目処はつけて来ました」 まこ「よし、じゃあ店を回ろうかの」 -タコス屋- 和「な、なんでタコス屋なんですか……」 タコスのおじちゃん(56)「おう!優希ちゃん待ってたぜ!」ビシッ 優希「私は今日この日のためにおじちゃんにあるお願いをしてたんだじぇ」 咲「お願い?」 おじちゃん「ふふふ、嬢ちゃんそれはな………これだよ!」ピラッ 優希「タコス無料券10枚綴り!!」 優希「私がもらって嬉しいプレゼント、第1位だじぇ!!」 おじちゃん「この店だけでしか使えない特別仕様よ!優希ちゃんにだけの限定サービスだぜ」 優希「これを受け取ったらあの犬も涙を流して喜ぶはずだじぇ」 咲「あはは……優希ちゃんらしいというかなんというか」 咲「でもとってもいい誕生日プレゼントだと思うよ!」 優希「ここのタコスは私の中でも1、2を争う名店だじぇ」 おじちゃん「優希ちゃん、なんて嬉しいこと言ってくれるんだ!おじちゃん涙が出てくるよ」 優希「へへ///おじちゃんにはお世話になってるから…」 和「それでは次のお店に向かいますか?」 優希「そうするじぇ、おじちゃ~んありがとー」フリフリ おじちゃん「おーう優希ちゃんこれからもご贔屓にな~」フリフリ まこ「さて、じゃあ次はどこに向かうかのぅ」 和「たしか雑貨屋さんがこの近くにあったと思います」 咲「なら次は雑貨屋さんだね」 -雑貨屋- 咲「和ちゃんは誕生日プレゼントはどんなものにしたの?」 和「私は須賀君の趣味はよくわからないので実用的なものにしようと思ってます」 和「とりあえずフォトフレームかボールペンでしょうか」 まこ「ふむ、ボールペンならこのエトペンがモデルになったやつなんかどうじゃ」 和「あっ、それ自分用に欲しいですね」 咲「和ちゃんなんのために雑貨屋にきたの…」 優希「んっ……あれは………」トトト 咲「京ちゃんにはこのパーカーのボールペンなんかどうかな?」 和「そうですね……値段もそれなりですしこれにしましょうか」 優希「咲ちゃん咲ちゃん」ポンポン 咲「どうしたの優希ちゃ………」 優希「ドヤァ……………」ハナメガネ 咲「プッ………ってあわわわ」グラグラ まこ「おっと、こんなところでコケんでくれよ」ガシッ 咲「あわわ、染谷先輩ありがとうございます……」 和「ゆーき!!」 優希「咲ちゃんごめーんだじぇ」 咲「あはは………優希ちゃん今日は勘弁しないよ!」ゴッ 優希「ダッシュでにげるじぇ~」 まこ「まったく、何やっとるんじゃあの二人は」 和「丁度いいですし、このボールペンの精算してきますね」 まこ「おう、行ってこい………ってそのエトペンボールペンも買うんじゃな」 和「………///」 -本屋- まこ「次は本屋か……ここで買うのは?」 咲「はい!私です」 和「本……ですか?須賀君はあまり読書家には見えませんけど」 優希「犬はバカだからなぁ」 咲「読書用の本じゃなくて、麻雀教本を買ってあげようと思って」 咲「最近京ちゃんも頑張って練習してるし」 和「麻雀教本だと……………このコーナーですか」 『振り込まない麻雀の鉄則:著 大沼秋一郎』 『都内のカツ丼名店集vol1:著 藤田靖子』 『牌のお姉さんが教える-ここから覚える麻雀!-:著 瑞原はやり』 『中級者必携 手配の育て方全集:著 三尋木咏』 『年下の男の子を落とす100の方法:著 小鍛治健夜』 和「なんというか……ここに置いていてはいけないものがいくつかあるような……」 まこ「藤田プロのこれはグルメ雑誌かなにかかのぅ」 和「それにものすごく役に立ちそうにない雑誌が………どれとは言いませんけど」 優希「それで咲ちゃん、この中のどれにするんだじぇ?」 和「初心者向けは瑞原プロですが、最近の須賀君向けとなると……」 まこ「京太郎は振り込んでのトビが多いからのう、大沼プロの本がオススメじゃな」 優希「手配の育て方も興味があるな、日本の打点王だじょ」 咲「いえ、実はどの本を買うかはもう決まってるんです」 まこ「ほう、それはそれは」 咲「京ちゃんに麻雀の本を買うならこれしかないと思うんです!」 『ア◯ギ ~闇に降り立った天才~』 まこ「え…」 和「え…」 優希「え…」 咲「これにします!」 優希「と、とにかくこれで後は染谷先輩だけだじぇ」 まこ「あー、実はのぅ」 まこ「わしはもう用意してあるんじゃ、店の馴染みの客がいい商品を持ち込んでくれてのぅ」 和「そうなんですか?」 まこ「たしか京太郎は麻雀牌を持っておらんかったろう」 咲「家で一緒に打つ人が居ないからですね」 まこ「麻雀部員だったら自前の麻雀牌くらい持っておいたほうがいいじゃろう?」 まこ「もう2ヶ月で一年生も先輩になって新入部員が入ってくるしのぅ」 和「なるほど、確かに後輩の男子部員などに教えるときに麻雀牌を持ってると便利ですよね」 優希「机さえあればどこでも出来るじぇ」 まこ「うむ、じゃからあとは今時間稼ぎをしてくれとる先輩にメールを送らんと」 まこ「よし、送信」ピピッ 和「この後はどうするんですか?」 まこ「明日の準備はもうだいたい済んどるしここで解散じゃのう」 優希「よーし、明日は犬をびっくりさせてやるじぇ」 和「それではゆーき、染谷先輩、咲さんまた明日」フリフリ 優希「咲ちゃーんまた明日だじぇ~」フリフリ まこ「寄り道せずにかえりんさい」フリフリ 咲「はい!お疲れ様でした」 咲「………………」 咲「みんな帰ったよね?……アレ取りに行こうっと」 ―清澄高校― 麻雀部部室 PC「ツモ リーチ風牌混一色ドラ1 跳満です」ネトマッ 久「ちょっと見ない間に随分成長したわねー」 京太郎「そりゃまぁ、そろそろ麻雀を始めてから1年になりますしね」 京太郎「それに、IH終わってから部活の皆にこれでもかと鍛えられましたから」 京太郎「今年の春から入ってくる新入生にも教えないといけませんし」 久「点数計算も出来なかった須賀くんが………時間は過ぎるのはほんと早いわね」 京太郎「先輩そんなこと言ってるとふけて」 久「」グリグリ 京太郎「ちょ、先輩痛いです!頭グリグリするのヤメテ!」 ピピッ 久「っと、私の携帯だわ」チラッ 京太郎「あー、もういい時間ですし切り上げますか?」 久「そうね…ん。そうしましょうか、私の用事も終わったし」 京太郎「誰か待っていたんですか?」 久「そういうわけじゃないんだけどね…。じゃ、須賀くん今日はお疲れ様」 京太郎「いえ、久先輩こそご指導ありがとうございました」ペコリ 久「部屋の鍵は私が返しておくから」 京太郎「はい、お疲れ様です」 久「須賀くん、ちょっと待って」 京太郎「………どうしたんですか?」 久「…………ううん。なんでもないわ」 久「頑張ってね」 京太郎「…?はい、お先に失礼します」ガチャ 久「みんな青春してるわねぇ…」 久「今日は美穂子のところにでも転がり込もうかしら?」 ―清澄高校の帰り道にある商店街― 咲(お店に受け取りに行ったし、もう明日の準備は万端かな……) 咲(京ちゃん喜んでくれるといいなぁ) 咲(去年はあんまりプレゼントを渡せるような関係じゃなかったし…) 咲(もしかしたらプレゼント渡した後あんなことやこんなことも……) 咲(京太郎「咲、誕生日プレゼントありがとうな。俺からの返事はこれだ!」ゼンラッ とか) 咲「……………えへへ///」フラフラ 京太郎「………あの道の真ん中でフラフラ歩いてんの咲だよな…」 京太郎「……………」 京太郎「いや、スルーは無いな。声かけとくか」 咲(もしかしたら明日でいくとこまでいっちゃうかも!) 咲(あ……結婚式とかどうすればよかったんだっけ?) 咲(こないだ読んだゼ◯シィに書いてあったような……) 京太郎「おい!大丈夫かお姫様?」 咲「ひょわぁ!!」 京太郎「おわっ、咲暴れるなって。俺だ、俺!」 咲「きょ…京ちゃん!どどどどうしてここに?」 京太郎「いや、俺としてはお前がここにいることのほうが…」 咲「わ、私はみんなと本屋に行って、それで……」 京太郎「……ああ、新しい本を買ってたのか」 咲「は、はわっ。そ、そうだよ!新しい文庫が出てたから…」 京太郎「はは、相変わらず咲は文学少女だなぁ」ナデナデ 咲「ちょ、京ちゃん///道の真ん中だと恥ずかしいよ………」 京太郎「悪い悪い、ちょうどいい位置に頭があったもんだからさ」 京太郎「もうあたりも暗いし家まで送ってくよ」 咲「あ、ありがとう。京ちゃん///」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「どした?」 咲「明日、部活あるの覚えてる?」 京太郎「お前は俺をなんだと思ってるんだよ…土曜で学校は休みだけど午後から部活だろ」 咲「うん、午後3時からだからね!時間を守ってね!」 京太郎「にしても随分中途半端な時間だな…昼からじゃダメなのか?」 咲「う、うん。みんなが揃うのが午後3時らしいから。それに合わせて来て」 京太郎「よし、分かった……話してたら、もう咲の家か」 咲「京ちゃん送ってくれてありがとう、また明日学校でね」フリフリ 京太郎「おう!また明日な!」 ガチャ 京太郎「…………」 京太郎「さて、帰りますかね……」 ―須賀家― 京太郎「母さん、明日部活で学校行くから昼過ぎたくらいに家出るからよろしく」 京太郎母「あら?そうなの。…あ、明日は夕飯までには帰って来なさい。それまでは好きにしていいから」 京太郎「…?ああ、そのつもりだけど」 京太郎母「ちゃんと分かってるのかしら……」 京太郎「分かってるって、夕飯には間に合うようにするから」 京太郎母「それなら良し!」 京太郎「ったく、じゃあ俺もう寝るから」 京太郎母「はーい、おやすみ~」 カピー「キュー」 京太郎「カピーもおやすみ、また明日な」 カピー「キュー」スリスリ ―翌日の午後3時前―清澄高校麻雀部部室前― 京太郎「さて、時間は……約束通りちょうど3時前だな」 京太郎「しっかし、旧校舎にも通い慣れたなぁ」 京太郎「相変わらず『麻雀部』の札はそのまんまだし」 京太郎「なんだかんだ1年間近く頑張ってきたんだ……」 京太郎「俺も少しはあいつらに近づけたかな」 京太郎「…………」 京太郎「よしっ、今日も気合入れて行くか!」 京太郎「おはようございまーす」ガチャ 咲「京ちゃん!!!!」 京太郎「!?」 咲染優和「誕生日おめでとう!!」 京太郎「え…………あっ!」 優希「きょうたろーう!!」ダキッ 京太郎「うわっ、おい優希!急に飛びついてくるなって。倒れる倒れる!」 優希「私からの誕生日プレゼントを受けとれーい!」 京太郎「これは…おっちゃんの店のタコス無料券!あの店こんなことしてたのか!?」 優希「おじちゃんが作ってくれたんだじぇ、特別仕様だじょ」 京太郎「あそこのタコスはウマイからな、ありがとう優希」 京太郎「でも流石に退いてくれ、そろそろ重い……」 優希「おもっ……!このバカ犬!」バシバシ 京太郎「いてぇ、いや本気で痛いから止せ!」 和「それでは次は私から、どうぞ須賀君」スッ 京太郎「これは、今開けてもいいか?」 和「ええ、むしろここで開けてもらわないと困ります…ふふっ」 ガサガサッ 京太郎「これは、ボールペンか!高そうだな…」 和「ごめんなさい、須賀君の好みがよくわからなかったので実用的なものを、と」 京太郎「いや、嬉しいよ。大切に使う」 まこ「わしからはこれじゃ」 京太郎「これは麻雀牌と、マットですね…牌が黒い!かっこいいですねこれ!」 まこ「そうじゃろう、そうじゃろう。そう喜ばれると買うてきた甲斐があったわ」 京太郎「なんというか厨二心をくすぐられます、ありがとうございます染谷先輩」 まこ「これを使って来年度からの新入生の指導も頑張ってくれるかの」 京太郎「男なら黒!ってことですか?頑張ります!」 咲「京ちゃん!私からはこの本だよ!」 『ア◯ギ ~闇に降り立った天才~』 京太郎「ア◯ギさんの本じゃねーか!あの人本も出してたんだな」 咲「この前の秋の大会で京ちゃんあの人とすごく仲良くなってたから」 京太郎「さすが幼馴染、よく見てるな」 京太郎「ありがとう咲、うれしいよ」ナデナデ 咲「えへへ……///」 優希「むー………」 まこ「はいはい、全員プレゼントも渡し終わったしケーキを切り分けるかのぅ」 京太郎「ケーキもあるんですか!?なんというか申し訳ないです」 和「このケーキは元部長からのプレゼントだそうですよ」 京太郎「久先輩が俺に…あとでありがとうって連絡しとこう」 優希「ケーキ食べたら麻雀を打つじぇ!今日の総合最下位は部室に残って片づけな!」 京太郎「おう!乗ってやるよ。今日の俺はひと味違うぜ!!」 優希「ツモ!!おやっぱね!」 京太郎「ぐわぁぁぁぁぁ!」 和「須賀君、その牌です!平和タンヤオドラ1は5200」 京太郎「ぬわぁああ」 咲「カン!カン!カン!……ツモ!嶺上開花三槓子、親だから4000オール!」 京太郎「ファ!?」 咲「一本場だよ、京ちゃん」ニッコリ 咲「カン!カン!……ツモ!嶺上開花対々和タンヤオ、6000オールから6100!」ゴッ 京太郎「」マッシロ 咲「麻雀って楽しいよね!京ちゃん!」 京太郎「」ポロッ 和「ロンです、タンヤオドラ1は2600の3200」 優希「ゴミ手和了ったじぇ、1000、500」 京太郎「」 … ……… …………… 和「それで結局最下位ですか……」 まこ「飛ばなくなっただけでも成長かのぅ…」 京太郎「」プスプス 咲「京ちゃん大丈夫?」 京太郎「」ムクリ 京太郎「くっそー、今日は負けたけど今度は負けねぇ」 京太郎「週明けの部活は覚悟しとけよ!タコス娘!!」 優希「また返り討ちにしてやるじぇ!じゃあまた今度な~バカ犬!」バタン 和「ゆーき待ちなさい!須賀君今日は片付けおねがいしますね」ペコリ 京太郎「おう、負けは負けだしな。そんじゃまた週明けに」 まこ「まったく慌ただしいのう、京太郎あとは頼んだ」 京太郎「おまかせあれ!!」 ガチャ 咲「京ちゃんほんとに一人で大丈夫?」 京太郎「大丈夫だって、去年の雑用生活で体力とかは十分にあるしな」 京太郎「だから先に帰ってくれても大丈夫だぞ?」 咲「………ううん、ここで待ってる」 京太郎「そっか、分かった」サッサッ 咲「ねぇ京ちゃん」 咲「掃除が終わったら大切な話、いい?」 京太郎「それで…話ってなんなんだ?」 咲「その前に私からもう一つの誕生日プレゼントをあげるね」 京太郎「これは…箱か?」 咲「うん、開けてみて」パカッ 京太郎「何が入ってるんだ?……指輪?」 咲「京ちゃんの誕生石のアメジストの指輪、どうかな?」 京太郎「そりゃ嬉しいけど、これは……」 咲「私がさ、京ちゃんに誘われて麻雀部に来てからもうすぐ1年」 咲「辛いことや大変なこともあったけど、和ちゃんとか部活の友達も出来たし。全国の決勝でもお姉ちゃんと話せて」 咲「私、本当に嬉しかったんだ」 咲「京ちゃんがずっと支えてくれたおかげだよ」 京太郎「俺は大したことはしてないって」 京太郎「咲がそこまで頑張れたのは、咲の努力と麻雀の神様が咲を見守ってたからだ」 咲「ううん、それだけじゃないよ」 咲「私の中で家族に並んで大切なものがあったから、ずっと心のなかで一緒だった人がいたから」 咲「だから、私は京ちゃんが………」 京太郎「待った!」 咲「す……ふぇ!?」 京太郎「そっから先を言う前に俺も伝えたいことがあるんだ」 京太郎「…………いいか?」 咲「…………うん」 京太郎「最初お前を誘ったときは俺はただのカモだと思って部室まで連れてきたんだ」 京太郎「その時の俺は咲の家族の問題とか、麻雀に対する思いなんて何も考えちゃいなかった」 京太郎「俺はおもちが好きだったからさ、和に近づくために咲を利用したと言っても過言じゃないと思う」 咲「うん、知ってるよ。だって京ちゃん分かりやすかったから…」 京太郎「でもさ、地区大会で優勝して。全国大会でも強豪校と鎬を削りながら戦ってる咲の姿を見て」 京太郎「あらためて思ったんだ」 京太郎「咲、俺は麻雀部に入る前の教室で小説を読んでた文学少女な咲が好きだ」 京太郎「俺が強引にレディースランチに誘った時のムッとした顔の咲も好きだ」 京太郎「そしてなにより、楽しそうに麻雀を打ってる咲が大好きだ!」 京太郎「だから俺と付き合ってくれ、咲!」 咲「はい………よろこんで!」 京太郎「そうだ、この指輪は咲がつけてくれないか」 咲「えっ!でもこの指輪は京ちゃんにあげたものだよ」 京太郎「俺のものなんだから好きにしてもいいだろ。ほら左手出して」 咲「この指輪は私が京ちゃんに着けてあげたかったのに」ボソッ 京太郎「それではお姫様、お手を拝借」 咲「わっ、強引だよ!京ちゃん」 京太郎「薬指は未来のために取っておくとして、中指かな?」 咲「でも、この指輪京ちゃん用につくったものだからブカブカだよ」 京太郎「いいんだよ、明日一緒にお店に行って咲用に打ち直してもらうから」 咲「もう、京ちゃんはほんとに強引なんだから」 京太郎「そういうとこも含めて好きなってくれたんだろ… 目を閉じてくれるか?」 咲「ん………///」 京太郎「ふっ……ん…」 咲「ぷはっ、……京ちゃん///」 京太郎「はは、顔真っ赤だな咲。そうだ今日は俺の家に飯食いに来てくれよ」 京太郎「母さんや父さんに報告させてくれ、自慢の嫁さんをやっと連れてきたよって」 咲「嫁さん///……まだ嫁さん違います!」 咲「恋人です!!」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3397.html
京太郎「誰かを抱きしめたい」 京太郎「抱きしめられるのもいいけど抱きしめたい」 京太郎「むしろこの際抱きしめられてもいいや」 京太郎「憧ー!」 憧「いやぁぁぁぁぁぁあああ!」ゲシッ 京太郎「ぐほぁっ」 京太郎「いきなり腹蹴るなよ~」 憧「そっちがいきなり抱き着いて来るからでしょこのヘンタイ!」 京太郎「俺が変態……だと……?」 憧「そーよ!いっつも宥姉とクロの胸ばっか見て!ヘンタイ!スケベ!バカ!」 京太郎「いや、待ってくれよ憧」 憧「ヘンタイ!スケベ!バカ京太郎!」 京太郎「二回も言わなくてもよくねえか!?」 京太郎「ああそうだよ、確かに宥さんのおもちも玄さんのおもちもグレートさ」 玄「灼ちゃん、二人とも喧嘩してるよ」ヒソヒソ 穏乃「赤土先生がいないから灼さんが止めないと」ヒソヒソ 灼「わかった、善処する」ヒソヒソ 灼「憧、京太郎……」 京太郎「それでも俺は憧が好きだ!大好きだ!」 憧「な、な……」 京太郎「でも酷いじゃねえか!付き合ってから半年経つって言うのにキスすらしてくれないなんて」 灼「え」 憧「それは……恥ずかしいから……」 京太郎「だから今日は抱き着いて俺が恋人であることを認識させようと思ったんだよ!」 京太郎「なのに何だよ……昼飯のカレーうどん吐きそうだよ……」 憧「ウソ……私……」 灼(……そっか、京太郎とキスはまだしてないんだ) 灼(そっか……) 憧「面と向かってじゃ恥ずかしくて、この間京太郎が寝てるときにしちゃった……」 灼「」 京太郎「えぇぇ……」 灼「」 優希「さっさと私を抱きかかえるんだじぇ」 京太郎「でもよ……」 和「」ジトッ 京太郎「なあ和?俺は優希を持ち上げてロッカーの上を掃除させないといけないんだ」 京太郎「だから一回くらい見逃してくれてもいいだろ?なっ?」 和「嫌です」 和「たとえゆーきでも京太郎君に抱きしめられるのは私だけです!」クワッ 京太郎(付き合ってわかったけど……) 京太郎(まさか和がこんなに独占欲が強いとは思わなかったんだぜ!) 須賀「優希」 片岡「ん?」 須賀「はい」スッ 片岡「やんわりと両腕をひろげて……ハッ! さては貴様、とうとう私の愛を受け止める気になったな!?」 須賀「来いッ!!」 片岡「うぉー!」ドーン! 須賀「くぅ……そいっ!」ギュウゥ! 片岡「ふぁっ…!?」 片岡「なっ、なに本当に抱きついてるんだお前!」 片岡「ここは私の体当たりに蒸せて、私が『私の愛を受け止めるには修行が足りなかったようだな』って笑うところだじぇ!」 須賀「はあぁ~……優希のにおいがする」スンスン 片岡「ギャ──!! 京太郎が壊れたじぇ! ついに京太郎が変態にぃ──!!」 須賀「はあぁ…優希って小さいけどあったかくて気持ちいいんだな……このまま抱き枕にしてぇ…」 片岡「ちょっ、ちょっと京太郎…はなせ、いい加減はなせぇ…!!」 須賀「だれがはなすかっ! こんなかわいい生き物!!」 片岡「ふぇっ」 須賀「───」 片岡「…きょ、京たろ、待って、待つんだじぇ。そっちは…そっちはベッドがあるだけ……きゃわっ!」 須賀「決めた。もうこのまま寝る」 片岡「ふえぇぇ…!?」 京太郎「おーい、マホ。ちょっとこっちこい」 マホ「なんですか、京太郎先輩」タタタ ギュー マホ「わわわ//なんで抱きしめるんですか京太郎先輩」 京太郎「マホはあったかいなー」 ナデナデ マホ「うぅ~恥ずかしいですよ」 京太郎「やっぱりマホは最高だぜ!」 咲「いたた……もう京ちゃん抱きとめるならしっかり抱きとめてよ」 京太郎「いきなり階段から落っこちてきたくせに何言ってやがんだ」 京太郎「本読みながら歩くのは危ないからやめろって言っただろ?」 咲「でもこの本面白くて……」 京太郎「お前の本好きも大概だもんな、次からは注意しろよ」 咲「うん!」 ウワー ダイタンー ウワァ コーホー 京太郎「なんか周りから見られてるような……」 咲「京ちゃん……そろそろ離れてくれない……かな」 京太郎(こっ、これは俺が咲を下から抱きしめている状態!) 京太郎(こんなのを麻雀部の誰かに見られたら……!) 久まこ和優希「」ジーッ 京太郎(もう見られてたぁぁぁぁ!) 久「あっ、あの人って龍門淵の……」 京太郎「龍門淵?」 まこ「ああ、執事さんじゃの」 京太郎「えっ、ハギヨシさん!? ホントだ、おーいハギヨシさーん!」ダッ まこ「ちょ、京太郎!?」 ハギヨシ「おや、京太郎君?」 久「まあついでだし、挨拶して……」 京太郎「ハギヨシさん!」ギュッ ハギヨシ「えっ」 久「ちょっ!?」 まこ「何やっとるんじゃあいつは!」 咲「きゅふっ!?」 京太郎「久しぶりですね、ハギヨシさん!」 ハギヨシ「あ、あの、京太郎君……」タジッ 久「……子犬みたいね」 まこ「……おい、どうすればいいんじゃ」 咲「本人同士が良ければ、いいんじゃないでしょうか」カン 京太郎「いや、俺も手伝……」 玄「ほらほら、お姉ちゃんとおこたで待ってて」 京太郎「むう」 宥「えらいね、京太郎君」 京太郎「追い出されちゃいましたけどね」 宥「それでも凄いよ、私なんてこたつから出る気皆無だもん」 京太郎「言い切りますか」 宥「うん」 京太郎「……さいですか」 宥「……ねえ京太郎君」 京太郎「ん、どうしました?」 宥「背中、寒いな~、なんて……」エヘヘ 京太郎「……今行きますよ」 宥「ありがと、京太郎君」ニコ 京太郎(この笑顔に逆らえる訳がない……!) 京太郎「じゃあ、後ろ座りますよ」スッ 宥「うん」 京太郎「どうですか、温かいですか?」 宥「う~ん、もう少しくっついてみて?」 京太郎「もう少しって、言ってもですね……今もう限界でして」 宥「ぎゅってしてくれなきゃ、あったかくない……」 京太郎「ぎゅ、ぎゅっと、ですか?」 宥「うん。ぎゅうっと」 京太郎「では……失礼して」ギュッ 宥「んっ」 京太郎「ぎゅって、しましたよ、宥さん」ギューッ 宥「うん、あったかいよ、京太郎くん」 京太郎「あ、温かいですね」 宥「うん、あったか~い」 京太郎「それと、やわら……」 宥「柔?」 京太郎「いえ、何でもない、何でもないです!」 京太郎(落ち着け、落ち着け須賀京太郎……これしき、苦難ではない……松実家でのあれやこれやのToLoveるに比べれば!!) 宥「ん……ちょっと座り直すね」スリスリ 京太郎「ふおぉっ!?」 宥「あっ、ごめんなさい京太郎くん。どこか踏んじゃったかな?」 京太郎「イエイエ……ナンノモンダイデスカ?」 宥「ごめんね、私お尻大きくて」 京太郎「大きくないですよ! 大きくなってなんかないですってば!!」 宥「あ、ありがとね。京太郎くん」 京太郎(うう……やべえよやべえよ。これ絶対アウトだよ……) 宥(あったかい……あったかいけど、何だろう) 宥(京太郎くんとこうしてると、あったかいというより、むしろ熱く……) 京太郎「宥さん」 宥「きゅ!?」ビクッ 京太郎「だ、大丈夫ですか?」 宥「う、うん。ええと、それで何かな?」 京太郎「リモコンどこにあるか知らないかな、と。ほら、ニュース番組になったので」 京太郎(何とかして気を紛らわさねば……!) 宥「えと、どこかな……あれ、こたつの中?」ゴソゴソ 京太郎(ちょ、また刺激が……!)ビビクン 玄「あーっ! 二人ともー!」 京宥「!?」ビクッ 玄「なんか楽しそう! ズルいのです!」グツグツ 京太郎「よし、落ち着くんだ玄さん。まず落ち着いてその鍋を鍋敷きの上に置くんだ」 宥「楽しいかは分からないけど、あったかいよ」 京太郎「とりあえず食器の支度に移りましょうか」スクッ 宥「あっ……あったかくない」シュン 京太郎「宥さん……あ、後でまたしますから」 玄「ふ~む」 京太郎「玄さん、支度済みましたよ。……玄さん?」 玄「ねえ京太郎くん。そう座ってると……背中、寒くない?」 京太郎「あの、玄さん?」 玄「後ろから、抱きしめてあげよっか?」 京太郎「あの…照さん動けないです…」 照「んー?」ギュー 京太郎「いやだかr」 バーン(ドアを開ける音 淡「あー!!キョータローがテルーに抱きついてるー!!」 京太郎「淡!!いやこれは、照さんがいきなり…」 淡「ずるい!!」 京太郎「」 淡「私もキョータローに抱かれたい!!」 京太郎「待て!!その発言は、誤解を招く!!」 淡「ねぇ、テルーそこどいてよー」 京太郎(スルーかよ…) 照「だめ、京ちゃんは私のもの」 淡「むーじゃあ、私の全部は」 淡「キョータローの物だよ!!」 京太郎「」 カンッ 京太郎「ふふふ、俺も遂に会得しましたよ。“ステルス探知レーダー”を!」 智美「ワハハ、単に匂い嗅いでるだけだけどな」 京太郎「感じる……感じるぞモモ! 確かにお前の存在を感じる!」 モモ「……」 智美「ワハハ(まあ間違ってはないけどなー)」 京太郎「むう……こっちか? それともこっち……?」 モモ「……」スス... 智美(ん? モモの方から……) 京太郎「そこだ!!」ムギュウッ モモ「んんっ!」ビビクン 京太郎「って、モモ!? こんな近くに!!」ギューッ モモ「何するっすか京太郎? 最低っすよ」ジーッ 京太郎「ご、ごめん、まさかこんなに近くにいるとは……」ギュー 智美(どっちか離れるか突き放すかしないのか……) モモ「本当変態っすね、京太郎。これは責任取ってもらうしかないっすよ」 京太郎「取る! 取るから!」ギューッ モモ「本当っすか? 京太郎のことだから怪しいっすね」プイッ 京太郎「モモ! 俺はお前をっ! 愛してるんだ!」ギュムーッ モモ「京太郎……」ジュンッ 智美「勝手にしろよ(ワハハ)」 カン 仁美「……」チュー 京太郎「……」ソワソワ 仁美「京太郎、どげんしたと?」 京太郎「えっ、いや、何でもないでげす!」 仁美「何その語尾」 京太郎「いえいえ、お気になさらず」 仁美「んむ?」 仁美「……」チュー 京太郎「……」ジーッ 仁美「……京太郎、はっきりせんね!」 京太郎「ひっ!?」ビクッ 仁美「男らしくなかとよ」 京太郎「いえ……あの……お願いしたいことがありまして」 仁美「何ね?」 京太郎「ひつ……仁美先輩、もふもふさせて下さい! オナシャス!」 仁美「……よかよ」 京太郎「ですよね、すみませ……って、よかですか?」 仁美「よかよか。よく言われるばってん、触らせろて」メェー 京太郎「なるほど。それでは失礼して……」ギュッ 仁美「ちょっ、なして抱きつくと!?」ビクッ 京太郎「そりゃもふもふする為ですよ!」ギュムギュム 仁美「あ、頭だけでよかとやろ!?」 京太郎「仁美先輩! もふもふ、もふもふ!」カリカリモフモフ 仁美「ふわぁああああ!?」ビビクン ……… 哩「あれはまさか……」 姫子「あの二人もオカルトに!?」 美子「いや、そんな訳……」 煌「仲良きことはすばらですね」ウンウン 京太郎「おい淡」 淡「ん?どうしたのキョータロー」 京太郎「どうしたもこうしたも無い」 京太郎「何で俺の膝の上でお菓子食ってんだ!!」 京太郎「食べカスが落ちてるだろ!!これ掃除すんの俺なんだぞ」 淡「えーだってキョータローずっと本とにらめっこしてるだもん」 京太郎「にらめっこじゃなくて麻雀の勉強だよ」 淡「あーキョータロー麻雀弱いもんねー」 京太郎「うっせ、ほっとけ」 淡「でもキョータロー」 京太郎「ん?」 淡「キョータローは幾ら努力しても幾ら勉強しても幾ら打っても私たちに届かないよ?」 淡「それは、理解してるよね。キョータローは麻雀以外完璧なのに何でそんなに頑張るの?」 京太郎「ああ…それは嫌ってほど理解もしてるし納得もしてる」 淡「じゃあ何で…」 京太郎「それが諦める理由なんかにならないからだ。俺はずっと人の後ろを見てたからさ」ギュ 京太郎「こんな風に追いつきたいんだ」 淡「…るい…」 京太郎「え?」 淡「ずるい…」 淡「そんなこと言われたらもっと好きになっちゃうじゃん…」 京太郎「女の子を抱きしめたいな」 咲「京ちゃんいきなりどうしたの? 頭、大丈夫?」 京太郎「俺はいたって正気だよ」 京太郎「むしろ。怜悧な頭脳の理性と理論がなければこんなことは言えない」 咲「へぇ~」 咲「けど京ちゃん。抱きしめたいって言っても女の子は京ちゃんが思ってるよりとっても華奢で繊細なんだよ?」 咲「京ちゃんはお馬鹿さんだから知らないだろうけど」 咲「京ちゃんみたいな同年代でも比較的恵まれた体格のジャイアントバーバリアンみたいなのに力一杯抱きしめられたら」 咲「女の子は壊れちゃうよ? その匙加減は大丈夫なの?」 京太郎「なるほど」 京太郎「じゃあ俺はどうすればいいんだ?」 咲「そこで私に提案があります」 京太郎「ほう、その心は?」 咲「本番に備えて私で練習してみるっていうのはどうかな?」 京太郎「バカ野郎!」 咲「!?」ビクッ 京太郎「咲を練習台だなんて、そんなこと出来るわけないだろ!」 京太郎「咲は、俺にとって特別な……」 咲「良いんだよ?」 京太郎「ふぇ?」 咲「京ちゃんの為なら、私、良いんだよ? むしろ私にとっては本番といっても過言じゃないよ」 京太郎「なんて、なんて良い子なんだ……」ブワァ 京太郎「今時こんなええ子おるんかい!?」 京太郎「わかった。じゃあ俺は咲を抱きしめよう。それこそ限りなく本番に近い気持ちで」 咲「さっ、京ちゃん。抱きしめて」 京太郎「え? 今ここで?」 咲「思い立ったが吉日だよ」 京太郎「なるほど」 京太郎「では」 咲「改めて」 京太郎「うおおおおお咲いいいいいい!!」ギューッ 咲「京ちゃあああああああああああん!!」ギューッ カン シロ(ぐでーん) 京太郎「・・・シロさん、掃除の邪魔なんでどいて欲しいんですけど」 シロ「ダルいから嫌」グデーン 京太郎「・・・・・・」 シロ「どうしてもどいて欲しければ」グデーン シロ「実力で排除してみたまえ」グデーン 京太郎「・・・・・・じゃあ、遠慮なく」ヒョイッ シロ「まさかのお姫様抱っこ」ウデノナカデグデーン シロ「これはダルくない」ギュッ 京太郎「気はすみましたか?」 シロ「済んでない」 シロ「だから今日は一日このままで」ギューッ カン 京太郎「おーい、起きろー」 シロ「ん……」 京太郎「朝だぞー、諦めて布団を置いて投降、もとい登校しなさーい」 シロ「ダル……寒……あと五時間」 京太郎「確かに日が高く登って、少しは暖かくなるかもしれないけど……」 シロ「あと五ヶ月……」モゾッ 京太郎「確かに暖かくなるけども! シロ姉、いい加減諦めろ!」 シロ「ん……京太郎、ちょっとこっち来て」 京太郎「はいはい、何?」 シロ「隙ありっ」ガバッ 京太郎「へっ? ちょっ、シロ姉、いきなり何を!?」 シロ「……ん、抱きつけば暖がとれるかな、と」ギュッ 京太郎「何でこういう時だけ俊敏なんだよ! 」 シロ「んー……」スリスリ 京太郎「ちょっ、シロ姉……いい加減に」 シロ「……京太郎、反応しないの?」 京太郎「へっ?」 シロ「当ててるのに」 京太郎「故意だったのかよ!」 シロ「うん、まあ恋かな」 京太郎「……いいから、離れて下さい。学校行きますよ」 シロ「違う。学校行くためにくっついた」 京太郎「?」 シロ「動かない布団にくっついてたら学校行けないけど、京太郎にくっついてたら大丈夫」 京太郎「……それが、布団の中で長考して出した結論?」 シロ「うん」 京太郎「……よし、シロ姉。後悔しても知らないからなぁっ!!」ダッコー シロ「温かくて……フットーしそう」 カン 京太郎「シロさん、こたつで寝てると風邪引きますよ」 京太郎「そろそろ塞さんたちも来るんで雀卓座りましょ」 白望「暖かくないからイヤだ、あとだるい」 京太郎「暖房つけて二十分経ってるから暖かいですよ」 白望「じゃあ京太郎が運んで」 京太郎「自分で立ってくださいよ」 白望「だるい、背中から抱きしめて運んでくれた方がだるくない」 京太郎「俺の方がだるいんですが……」 白望「京、みかん食べさせて」ダルーン 京太郎(冬休みの間宮守で麻雀修行をしてこいと部長に追い出されてきたけどもううんざりだ) 京太郎(豊音さんは身長が近くて嬉しいのか、シロさんと胡桃さんの真似して俺で充電しようとしてくるし!) 京太郎(エイスリンさんは俺の全身描こうと服脱がせてくるし!) 京太郎(胡桃さんは……まあ置いておいて) 京太郎(塞さんは何もかもがエロい!)」 京太郎「(椅子に座る動作も、落ちた牌を取ろうとしゃがむ動作も、窓の外を雪を眺めようとするときでさえ抜群にエロい!) 京太郎(腰・尻にまつわるすべての動作がエロい!)」 京太郎「(あとこたつに入ったときにみかんの筋までしっかり剥いて俺に食べさせようとする)」 京太郎「(その途中でハッと顔を赤くして中断するのも可愛くてなんか惹かれるし!) 京太郎(そして最後はこの人だよ……) 白望「…………」 京太郎(まずは、鶴賀の東横さんに少し劣るくらいのおっぱい!)」 京太郎「(前におんぶしたときにめっちゃ柔らかかったから捨てたもんじゃあない!) 京太郎(次にシロさんの省エネ主義が生み出したわがままな太もも!)」 京太郎「(宮守と永水の人たちの海水浴の写真を見たときは水着姿と相まってじつにすばらしいものだった!) 京太郎(なんだろうなぁここまでエロい身体してるのに本人がこれだから全然色気が無いんだよなぁ) 京太郎(……ともかく!今日こそはもう我慢ならん!) 京太郎(俺が男だということを女子高という花園で育ったゆとりの女王様に教えてくれよう!) 京太郎(最初は抱きしめながら胸をわしづかみにしてやる!)フニッ 京太郎(おぅふ、なんだこの柔らかさ……しかもブラジャーしてないだろこれ)フニフニ 京太郎(これなら流石のシロさんも動じるは……) 白望「……早く動かして」 京太郎(ずだったのにぃぃぃ!)フニフニ 京太郎(動じない!?おっぱいシャツ越しにわしづかみにされてるのに!?)フニフニ 白望「京、痛いからはやく運んで」 京太郎「うっす」フニフニ 京太郎(どうすれば……どうすればシロさんを……)フニフニ バタム 塞「おっはよー!」 塞「よーっす京太郎くん、調子はど……う……」 京太郎「」フニフニ 白望「」ダルーン 塞「」ピッピッピッ 塞「あ、すみません目の前に変態がいるんです……はい、はい……宮守女子高校麻雀部です、お願いしまーす」ピッ 塞「……あと十分くらいかかるらしいから、それまで堪能するといいよ」 京太郎「ごめんなさい許してください我慢できなかったんですなんでもするんでホンットお願いします」 塞「まあ冗談なんだけどね」テヘペロ 一瞬、塞さんが天使に見えた よくよく考えれば事の発端が塞さんたちであったのを思い出し、その幻想を振り払い 俺は狂気のあまり塞さんに襲いかかった 抱きしめて塞さんの匂いを嗅いで押し倒そうとしたそのとき、背後にいたシロさんに当身を喰らわされた 俺の目の前は真っ暗になった 涙目の塞さんが天使に見えた 白望「京、みかん」 京太郎「なんだ夢か」 カン 京太郎「誰かを抱きしめたい」 京太郎「抱きしめられるのもいいけど抱きしめたい」 京太郎「むしろこの際抱きしめられてもいいや」 京太郎「…いや、でもやっぱり抱きしめたい」 京太郎「ということで抱きしめてもよろしいでしょうか?」 和「喧嘩売ってるんですか?」 京太郎「…だめ?」 和「駄目に決まっているでしょう。むしろどうしていけると思ったんですか?常識的に考えてください」 京太郎「あー…駄目かー…今年最後の希望だったのになー」ゴロゴロ 和「今年最後…ですか?」 京太郎「んー。実は咲とかタコスにも言ってみたんだよ。そしたら…」 ~~~~ 咲「抱きしめっ…!?そういうのは将来を誓い合った恋人同士がすることでしょ!?」 咲「そりゃ私達は幼なじみだからそれぐらいの距離ではあるかもしれないけど恋人同士じゃないんだからね!」 京太郎「そっかぁ…変なこといってごめんな咲…咲?」 咲「…でもそうなるのはやぶさかではないというか京ちゃんがどうしてもって言うなら別に…」ボソボソ 京太郎「咲ー。おーい咲ー。聞いてないのかー?」 ~~~~ 京太郎「ってなった」 和「それもうゴール目の前だったんじゃ」 京太郎「え?なんだって?」 和「調子に乗るとぶっ飛ばしますよ」 京太郎「ごめんなさいでした」ペッコリン 和「まったく…それでゆーきの方はどうだったんですか?」 京太郎「あー…あいつは…」 ~~~~ 京太郎「なぁタコスー。抱きしめても良いかー?」 優希「じぇっ!?」 京太郎「もしくはお前が俺に抱きつくのも可だ」 優希「ふむ…つまりお前は私のこのないすばでーにメロメロになってしまったということだな!」 京太郎「いやそのりくつはおかしい」 優希「そうかそうか…それは素晴らしいことだ!よし!記念にタコスを十人前買ってこい!」 京太郎「何の関係があるんだ…?」 優希「いーからとっとと買ってこんかーい!」ウガー 京太郎「たくっ…しゃーねーなー」タッタッタ 優希「…」 シーン 優希「京太郎が…私に…メロメロ…」 優希「…」 優希「夢…じゃないよな…」ツネー 優希「痛いじぇ…つまりこれは現、実…」 優希「…」 優希「じぇ~…」ヘナヘナ ペタン ~~~~ 京太郎「買って戻ったら気絶してたから保健室に運んでそのままうやむやになってた」 和「…ちょっと頭痛がしてきました」 京太郎「…抱きつくか?」 和「何でそうなるんです…」 京太郎「噂では半分でも優しさがあればどんな痛みも和らぐらしいからな」 和「この頭痛は比喩ですしそもそも効くのはもう半分の構成成分ですから。優しさが痛みに効くなんてそんなオカルトあり得ませんから」 京太郎「ちぇっ、つれないやつめ」 和「これが私ですから」 和「コホン…それで、染谷先輩や部長には聞いてみたんですか?」 京太郎「染谷先輩には聞いてはみたんだけどな…笑顔で肩をポンと叩いてきて『…今日は早く帰って温かくして寝んさい』って言われた」 和「染谷先輩は優しいですね」 京太郎「ああ、聖人君子だよな」 和「…それで?」 京太郎「それでって…」 和「部長にも聞いたんでしょう?どうだったんですか?」 京太郎「…お前それ聞いちゃう?」 和「まあ…ここまで聞きましたし」 京太郎「お前…部長だぞ?俺にいっさいの連絡なく合宿に向かった部長だぞ?」 京太郎「そんなこと聞いたら間違いなくぎりぎり出来るか出来ないかの条件をふっかけてきたり延々とパシらされたりした挙句」 京太郎「いざその時になったら『あ、ごめんね~?考えるとは言ったけどするとは言ってないのよね~☆』」 京太郎「とかさらっと言ってくるぞ多分いや絶対」 和(…ないとは言えません) 京太郎「ていうか聞いただけでなんか脅迫されそうだし聞くに聞けな」ピリリリリ 和「?」 京太郎「あ、すまん。俺の携た」ピタッ 和「どうしました?」 京太郎「…部長からだ」 和「」 京太郎「…すまんちょっと外で電話してくる」ガラララ 京太郎『あ、もしもし須賀です。どうも部長……え?年明けで買ってきてほしいものって……』 京太郎『その日休みですよね?その時しかないからってそれ部活には関係しな……』 京太郎『待ってそれなんで知って……やめて!わかりましたから!買いに行きますからそれだけは!』 ガラララ 京太郎「…」ルールー 和「…ご愁傷様です」 京太郎「あ、うん…」 和「はぁ…わかりました」 京太郎「え?」 和「須賀君の年始早々不幸せなようですし…せめて年末は幸せになれるように、その…抱きしめてさしあげようかと…思いまして」 京太郎「…マジ?リアリ?ドッキリじゃないよね?そこからカメラ出てきたりとか訴えられたりとかしないよね俺?」 和「…イヤならしませ」 京太郎「いやいやいやいやイヤじゃないですどうかお願いします!」 和「なら最初から素直にそう言ってください」 京太郎「あー、うん…お願い…します…」 和「じゃあいきますよ?」 京太郎「ど、どんとこい!」ドキドキ 和「えい」ギュッ 京太郎「!?」ビクッ 和「ひゃっ!?…どうかしましたか?」 京太郎「あ、いや、ごめん…ちょっと、いきなりだったから…びっくりして…」 和「そうですか…あまり動かないでくださいね?こういうことをするのは初めてなのでよくわからなくて…」 京太郎「そ、そうか…すまん…」 和「いえ…」 ……… 京太郎(だんだん慣れてきたのか少しずつ落ち着いてきた…) 京太郎(座ってる後ろから抱きついてきてるから…なんて言うか母さんの腕の中みたいに温かいんだよな…) 和「須賀君、これぐらいでいいんでしょうか?」 京太郎「…」 和「…須賀君?」 京太郎「…あ、ああ、すまん…ちょっと心地よくてぼーっとしてた…」 和「そうですか…もうそろそろいいですか?」 京太郎「あぁ…すまん、やっぱりもう少しだけ頼む…」 和「わかりました、少しだけですよ」ギュッ… 京太郎「さんきゅーな…」 ……… 京太郎「…っ…っ」ウツラウツラ 和(須賀君…さっきから寝そうになってますけど…もしかして寝不足なんでしょうか?) 京太郎「…すぅ」 和「あ…」 和(寝てしまった…みたいですね…) 京太郎「すぅ…すぅ…」 和(…須賀君の髪の毛って普段は堅そうなのに…あらためて見ると柔らかそう…) 和「…少しくらいなら…大丈夫ですよね…」サワッ 京太郎「んっ…」モゾッ 和「!」ピタッ 京太郎「ん…んん…すぅ…」 和「ほっ…」 和「…」サワ…サワサワ 和(やっぱり柔らかい…それにすごくサラサラしてて…)ナデナデ 和「 男のくせに羨ましいぐらいの髪質ですね…このっ」ツネッ 京太郎「ん…」 和「ふふっ…えいえい」 京太郎「んー…」ブンブン 和「あ…やりすぎてしまいました…ごめんなさいね」ナデナデ 京太郎「…ん」モゾモゾ 和「~♪」 ……… 和「…はっ!?」 和(そういえばすぐに止めるはずだったのに結構な時間が…) 和「須賀君、起きてください」ユサユサ 京太郎「ん…あれ…?和…?」 和「ええ、そろそろ起きてください」 京太郎「…あぁ…寝ちゃってたんだな俺…せっかく俺のわがまま聞いてくれたのにごめんな…」 和「いえ…それに私も楽しんでましたし…」ボソッ 京太郎「え?」 和「いえ、何でもありません」 京太郎「そっか。わがまま聞いてくれたお礼に今度なんか美味いもん作ってやるよ。何かリクエストはあるか?」 和「え?うーん…急に言われても…特に何かあるわけでもないですし…」 京太郎「そうか?じゃあ別に食いもんじゃなくてもして欲しいこととかあったら言ってくれな。出来る範囲でなら何でもするよ」 和「…それなら、今度は須賀君から抱きしめてもらっても良いですか?」 京太郎「えっ?…それぐらいならおやすいご用って言うかむしろ本望ですらあるんだが…それで良いのか?」 和「ええ。抱きしめられるのがどんなものなのか少し気になりますし…それに」 京太郎「?」 和「いえ…何でもありません」 京太郎「それならいいんだが…」 和(須賀君のことが少し気になっているということはまだ言わないでおきましょうか) 和「ふふっ」 カンッ 戒能「きょーおーたーろー!」アスナロダキッ 京「ぎゃあ!?」 戒能「その反応はあんまりです」メソメソ 京「戒能プロ、嘘泣きですよね」 戒能「イエス」スッキリ 戒能「ところで京太郎」アスナロダキ 京「はい?」 戒能「戒能ではなく良子って呼んでって言いましたよね」 京「う」 戒能「ぷりーずこーるみー」ニコニコ 京「…良子、さん」 戒能「京太郎」ニコニコ 京「はい」 戒能「もっと愛をこめて」 京「もうやだこのプロ」 カン 照「京ちゃん、おもち」 京太郎「はいはい、今焼けますから待ってください」 淡「きょーたろー、みかん切れたー」 京太郎「はいはい、今持ってくから」 キョータロー ハイー バタバタバタバタ 菫「……」 菫「須賀!」 京太郎「は、はい!何でしょうか」 菫「ここに座れ」 京太郎「え?いや、あの…」 菫「早くしろ」 京太郎「は、はい…」 京太郎「な、何でしょうか…」 菫「……」ポスッ 京太郎「ちょ、す、菫さん!?」 京太郎「他の部屋にみんないるんですからバレちゃうんじゃ…」 菫「うるさい、お前は私のモノなんだから私の所にいればいいんだ」 京太郎「…知りませんからね?」ギュウ 淡「もうとっくにバレてるよねー」ニヤニヤ 誠子「あんなニヤけた先輩滅多に見れませんね」 尭深「弘瀬先輩の意外な一面」 照「菫はあれで案外独占欲が強いから」 ワイワイガヤガヤ 京太郎(やっぱこうなるよなー…気付いてないのかなー…気付いてんだろうなー) 菫「///」プルプル 京太郎(これはこれで可愛いからいいか) カン 京太郎「つまみ出来ましたよ」 えり「ああ、ありがと」 良子「サンキュー、少年」ジャラジャラ 京太郎「はは、また麻雀ですか。やっぱ皆さん好きなんですね」 はやり「うーん、今回は賭けが賭けだからね☆」ジャラジャラ 京太郎「へ? 賭けってそれまずいんじゃ……」 健夜「大丈夫だよ、お金じゃないから」ジャラジャラ 京太郎「何賭けたんです? みかんとか?」 咏「君だよ、君」ジャラジャラ 京太郎「……へ?」 良子「ソーリー、しかし私も負ける訳には……」 えり「ごめんなさい、京太郎。私にはこの猛獣達を止めることは……」 京太郎「……へ?」 良子「グッド、グッド……!!」 京太郎「おお、戒能さんが勝った……」 良子「……まあ当然ではありますが」 恒子「うあー、すこやんごめんー」 えり「私に代打ち任せるのが悪いですね」 みさき「うーん、上手くいきませんね」 京太郎「野依さん、三人は大丈夫ですか?」 理沙「死亡確認!」プンスコ 京太郎「あっ、そうですか」 良子「ということで、では京太郎君……」 京太郎「ちょっ、ちょっと待って下さいって! 俺は……」 良子「……京太郎君、ギブアップしましょう。そして全てを委ねましょう」 えり「ちょっと待って下さい、賭けたのは“ハグ権”でしたよね?」 良子「……」 京太郎「えっ、そうなんですか?」ホッ 良子「まあイナザーワーズではそうとも言えますね」 えり(この人常識人かと思ってたのに……) みさき(勝手にこんな設定されても怒らないなんて……いい) 良子「それでは、ハグを」 京太郎「あっ、はい(ハグって……そう言えば戒能さんって結構)」 恒子「ムチムチでスタイル良いよね~」ボソッ 京太郎「!? 福与さん!」ビクッ 恒子「あのわがままボディに抱きついて、しこたま揉んでみたい……みたくない?」ボソボソ 京太郎「そ、そんなこと……」 良子(ウィスパーがだだ漏れなんですが……ムチムチとか、わがままボディとか) えり(このアナは……)ピキッ 京太郎「俺は……俺は……」 良子「ソー、ハグ……しますね」ギュッ 京太郎「うはあっ!?」ビクンッ 京太郎(福与さんにあんなこと言われたから、戒能さんの身体が、肉が、俺の本能を刺激してぇ!!) 良子(すごいリアクション……何だかリトル、楽しくなってきちゃいますね) 良子「ねえ、どうですか? 私のボディは」ギュッギュッ 京太郎「ど、どうと言われてもですね……(太ももが、吐息が、おもちがぁ!!)」ピクピク 良子(ボディ、結構たくましいですね……なかなかの高身長ですし、このまま身を委ねても……) 良子「ねえ、京太郎君」 京太郎「は、はい?」ビクンビクン 良子「このまま私と一緒に最後まで……」 えり「ストップ!! ストーップ!! 戒能プロ、ハグまでですから!」 良子「ダミッ!」 京太郎「た、助かっ……うっ」ササッ 恒子「ん? どうしてしゃがんだのかな?」 京太郎「何でもない、何でもないです!」 良子「京太郎君、コンティニューがしたいならいつでも……」 京太郎「あ、あはは……こ、今度は他のゲームしましょうよ、ね? あっ、野依さん、どうしました?」 理沙「邪神降臨!」プンスコ 健夜「次は、初夜権だったかな?」ゴゴゴゴ はやり「身請け権だよ☆」ハヤッ 咏「気分も晴れたし、景気良くいこうかねぃ」ゴゴゴゴ 京太郎「えっ」 カンッ 照「京ちゃん」カモン 京太郎「えーっと、なんすかその広げられた両手は」 照「お姉ちゃんが抱きしめてあげる」 京太郎「そうですか」 照「そうです」 京太郎「ノーサンキューです」 照「……何故?」 京太郎「何故って聞かれても、そもそも抱きしめてもらう理由が無いとしか」 照「京ちゃん。弟にはお姉ちゃんに抱きしめてもらう権利がある」 京太郎「そもそも弟でも無いんだけど」 照「それに、私の胸部は無駄な障害物が無く抱擁に適している」 京太郎「自分からそれを認めるのか……」 照「さあ」 京太郎「謹んで遠慮させていただきます」 以下ループ 京太郎「誰か抱きしめたいな……」 優希「呼んだか?」 京太郎「さて帰るか、お疲れー」 優希「待てい!」 京太郎「なんだよ」 優希「今優希ちゃんを抱きしめたいなって言っていただろう!」 京太郎「言ってねえ!誰か抱きしめたいなとは確かに言ったけどな!」 優希「誰かなら私でいいだろ!」 京太郎「お前抱きしめたって何も得るものないだろ……」 優希「むかっ……じゃあ試してみるか?」 京太郎「タコス買わされそうだから断る」 優希「……」 京太郎「というわけでじゃあな」 優希「……てりゃあ!」ギュウッ 京太郎「ぐえっ!?ば、ばか、首に抱きつくな!」 優希「当ててるんだじぇ!」 京太郎「何をだ」 優希「……」 京太郎「……」 優希「……」ギュウウウッ 京太郎「ぐええっ!?」 優希「もう許さん、抱きしめないならこのまま落としてやるじぇ……!」 京太郎「わ、わかった、抱きしめる!是非抱きしめさせてください!」 優希「わかればよろしい!さあかかってこい、京太郎!」 京太郎「ったく……じゃあいくぞー」 優希「おう!」 京太郎「ほれ」ギュッ 優希「ぁ……」 京太郎「おっ、意外にいい感じ」 優希「……むぎゅ」 京太郎「それにしてもお前暖かいんだな。冬は寒いからこれはなかなか……」サワサワ 優希「ひうっ!」 優希(きょ、京太郎の手が背中這ってるじぇ……くすぐったいけどまだもうちょっと……) 京太郎「あー、確かにこれはいいかも……甘く見てたな俺」サワサワ 優希「んきゅ……!」ビクッ! 優希(ちょっ、京太郎、そこ、ダメだじぇ!そこは弱……!) 京太郎「おっ、また暖かくなった。やべえ、離れがたくなってきた」サワサワサワサワ 優希「っ、ふっ、きょうた……!」ビクッ、ビクッ! 優希(な、なんで京太郎、こんな的確に私の弱いとこぉ……あっ、ダメ、私もう……!) 京太郎「ふうっ、なかなかいい抱き心地だったぜ優希」パッ 優希「……あ」 京太郎「いやあ、悪かったなバカにしちまって。お詫びに今度タコスでも奢って……」 優希「……」プルプル 京太郎「優希?」 優希「京太郎の、バカ……!」 京太郎「えっ、えっ?」 優希「うわああああんっ!!」 京太郎「……」 京太郎「あー……やっぱりやりすぎたか」 京太郎「明日は最低でもタコス作ってやんないとダメっぽいな……はあ」 カン! まこ「~♪」 京太郎「……」ギュッ まこ「……わりゃ、何しとるんじゃ?」 京太郎「先輩……その雑誌、今週のですか?」 まこ「そうじゃけど」 京太郎「俺まだ読んでないんですよ」 まこ「そんなら貸そうか?」 京太郎「いえ、このままで大丈夫です」ギュー まこ(……大丈夫って言われてものう) まこ「もうめくろうか?」 京太郎「先輩のペースでいいですよ」 まこ「ほうかの」ペラッ 京太郎「~♪」 まこ(……まあ、ええか) カンッ 健夜「国内無敗舐めんま!! グランドマスターにひれ伏せい!!」ロォオオォン 良子「配牌……トゥーバッド……」 はやり「捨てる牌捨てる牌……全てツモり返ってくる……」 咏「視覚が……封じられた……」 京太郎「うわあ」 恒子「あちゃー」 えり「麻雀ってこんなでしたっけ」 理沙「地獄絵図!」プンスコ 健夜「勝った、私勝ったよ! 見てたよね、こーこちゃん、京太郎君!」 京太郎「あっはい」 恒子「すこやん……ちょっとやりすぎ」 健夜「勝てばよかろうなのだァアアッ! さあ京太郎君、ご褒美を!」 みさき「この人こんなキャラでしたっけ」 理沙「本性!」プンスコ 京太郎「じゃあ、(俺がした訳じゃないけど)約束は約束なので」 健夜「うん……えっ?」 京太郎「? どうしました?」 健夜「いや……京太郎君って、結構背高いよね」 京太郎「まあ平均よりは。182ですから」 健夜「結構、体つきも……ガッシリしてるよね。何かスポーツとかやってるの?」 京太郎「特にはやってないですけど、雑用で肉体労働とかは」 健夜「へ、へえ~」 恒子「あっ、畜生麻雀モンスターから独身アラフォーに戻った」 えり「打って変わって、ドキマギした様子ですね」 理沙「彼氏いない歴=年齢!」プンスコ みさき「自己紹介ですか?」 理沙「!?」ガビーン 京太郎「それじゃ、ハグしますね……」スッ 健夜「ちょっ、ちょっと待った!」 京太郎「は、はい」 健夜「こ、心の準備があるから」スーハー 京太郎「そ、そうですよね。いきなりはマズいですよね」 健夜「…………よし!」 京太郎「では」スッ 健夜「やっぱちょっと待ってえ!!」 京太郎「また!?」 恒子「すこやん……」 えり「これもう無理ですかね」 みさき「何だこのおばさん」 理沙「……」 健夜「……あの、ちょっと思ったんだけど」 京太郎「は、はい。何でしょうか」 健夜「私と京太郎君って何なの?」 京太郎「何、と聞かれても……」 健夜「だって……ぎゅっとするってことはさ、もう普通の知り合い超えてるんじゃないかな」 京太郎「はい?」 恒子「あのー、これゲーム。すこやーん、これ単なるゲームの景品ですよー」 えり「聞こえてませんね」 健夜「だから、ね? 京太郎君、もし私のことぎゅっとするんなら、責任、取ってもらわないと……」 京太郎「せ、責任?」 理沙「重!」 みさき「深夜の豚骨ラーメン並に重いですね」 健夜「ね、ねえ、京太郎君は……」 京太郎「小鍛治さん」ギュッ 健夜「きょ、京太郎君!?」 恒子えり理沙みさき「!!??」ガタッ 京太郎「ハグって、こんな感じでいいですか?」 健夜「ふ、ふわぁ……(男の人に、抱き締められてる……。ぎゅっとされてる……)」キュンッ 京太郎「小鍛治さん、そんな心配しなくても大丈夫ですよ」ボソッ 健夜「あふぅうう……(耳元で、囁かれてるぅ……)」ジュンッ 京太郎「俺と小鍛治さんは、単なる知り合いじゃなくて、友人ですから!」 健夜「らめぇえええ……いっちゃうのぉ……」ビクンビクン 恒子えり理沙みさき「えっ」 京太郎「だから、遊び相手が福与さん以外いないなんて言わないで、俺とも遊んだりしましょう、ね?」 健夜「……」ビクッビクッ 恒子「……まあ、高校生だし」 えり「……当然、ではありますね」 理沙「無慈悲!」プンスコ みさき「この年で墓場に入れという方が酷ですしね」 京太郎「友人でもハグは照れますけどね、気安い昔馴染みやちびっ子ならともかく……って、小鍛治さん?」 健夜「……京太郎、君」ガシッ ズッキュゥウウウン 恒子「!? やっ、やった!?」 京太郎「ちょっ、ちょっと、こか、小鍛治さん!? いきなり何を……!」 健夜「いいよね? いっちゃってもいいよね、最後まで? いこうよ、いこうよねえ、京太郎くうん!!」ハァーッハァーッ 京太郎「イヤーッ!!」 えり「……守れなかった」 カンッ 京太郎「晴絵さん」ギュ 晴絵「きょ、京太郎いきなり何してんの!?」アタフタ 京太郎「なにって、一緒に炬燵でごろごろしていた晴絵さんを後ろから抱きしめてるんですけど」 晴絵「いや、見ればわかるけどなんでいきなり」 京太郎「えっと………正面に座りながら晴絵さん顔を見てたらなんだかムラムラしちゃって」 晴絵「ちょ!?直球すぎ!?まだお昼だし早いって!で、でも…その吝かでは」 京太郎「まあ冗談なんですけどね」 晴絵「えー…」 京太郎「ただ普段から奈良と長野だから滅多に会えないのもあって、つい抱きしめたくなっちゃったんです」 晴絵「京太郎………ちょっと離して」 京太郎「あ…ご、ごめんなさい!生意気でし『ギュッ』…晴絵さん?」 晴絵「後ろからもいいけどやっぱり正面からの方が嬉しいな」 京太郎「晴絵さん…」 晴絵「もう、こんな時ぐらい普通に呼び捨てにしてよ」 京太郎「うん…ゴメンな晴絵」ギュッ 晴絵「京太郎…暖かいね…」ギュッ カン 憧「ねぇ、次はいつ会える?」 京太郎「今月は無理だから、来月の連休だな」 京太郎「ま、こないだ会ったばっかりだしさ、ちょっと我慢ってことで」 憧「うん・・・」 京太郎「高校生にとってはお金もバカにならないわけで」 憧「・・・・はぁ」 京太郎「憧?」 憧「なんか・・・寂しいのあたしだけみたい」 京太郎「はぁ?」 憧「京太郎はわ、私に会えなくっても平気なのかなって・・・」 京太郎「あのなぁ・・・」 京太郎「俺だって寂しいに決まってるだろ、会いたいに決まってるだろ」 京太郎「直接顔も見たいし、触りたいし・・・」 京太郎「だ、抱きしめたいって思ってるよ」 憧「きょうたろ・・・」 京太郎「だからそんな悲しいこと言うなよ」 憧「うん、ごめん・・・」 京太郎「わかればよろしい」 憧「本当にごめんね、変なコト言っちゃって」 憧「うぅ・・・わたしこんなめんどくさい女じゃないと思ってたんだけどなぁ・・・」 京太郎「そういうところも全部愛してるぜ」 憧「ば、ばか何言ってんのよっ!」 京太郎「照れてる憧もちょーかわいい」 憧「あーもう、うるさいうるさい!!」 京太郎「はは、元気でたみたいだな」 憧「もう・・・・・・ねぇ」 京太郎「ん?」 憧「あの・・・あのね!」 京太郎「おぉ?」 憧「今度会えたときに、その・・・」 京太郎「うん」 憧「さっき言ってたのの続き、していいよ」 京太郎「さっきの続き?」 憧「だからその・・・だ、抱きしめたいの続きッ!」 京太郎「へ?」 憧「あたしも、その、京太郎としたいって思ってる、から・・・」 京太郎「・・・いいのか?」 憧「お、女がいいって言ってるんだから、いいのよ!」 京太郎「・・・わかった」 憧「約束だよ?」 京太郎「あぁ、約束だ」 憧「うん!えへへ・・・」 京太郎「覚悟しとけよ!」 憧「覚悟してるから言ったんですーふふ」 京太郎(ゴム買っとかなきゃ) 憧(京太郎とキスキスきす鱚・・・・ふきゅぅ) カン やえ「抱きしめ、たい……?」 京太郎「はい」 やえ「私を?」 京太郎「はい」 やえ「……一昨日出直してきなさんな」 京太郎「やえさん、俺はマジですよ」キリッ やえ「何でこういう時だけ真面目な顔するのかな」ハァ 京太郎「そりゃもう、大切だからに決まってるじゃないですか」 やえ「私を抱きしめることが?」 京太郎「やえさんのことが、ですよ」 やえ「……こんな状況じゃなけりゃ格好いいんだがね。ともかく、相手をしている暇は無いから、早く勉強に取りかかりなさい」 京太郎「仕方ない……」フゥ やえ「ほら、勉強せんと試験が……」 京太郎「実力行使しか無いようだ」 やえ「は? 須賀君、何を……」 京太郎「うおおーっ! やえさぁーん!!」ガバァッ やえ「きゃあああ!?」 京太郎「やえさん、やえさんスリスリ!!」 やえ「ちょっ、やめ、止めなさいってば!」バシンバシン 京太郎「やえさんのドリル、やえさんのもち肌、やえさんの―――ぶべらっ!」ズバァッシュ やえ「あ、あんたねえ! いきなり何てことすんのよ!!」ガーッ 京太郎「ふみまへん」プシュー やえ「そういうことをするにはねえ、色々手順を踏まないと……」クドクド 京太郎「つまり手順を踏めば、あれやこれやをしていいと……ひいっ、ごめんなさ」 やえ「……ちゃんと、しなさいよね。バカ」 京太郎「へっ?」 カンッ 京太郎「…」ギュ 春「離して、黒糖食べれない」 京太郎「じゃあ、後ろから」ギュ 春「うん、よし」ポリポリ 京太郎「あ、これだと俺が食べれない」 春「じゃあ…」チュッ 初「口移しだ…と…?!」 霞「チェストー!チェストー!!」 巴「ああ、霞さんの立木打ちが一段と激しく…」 小蒔「あの、そろそろ目を開けてもいいでしょうか?」 初巴「まだ駄目です」 カン えり「はぁー……」 京太郎「年末だってのにどうしたんだよ姉さん」 えり「今年も結局恋人ができなかったなぁ……と」 えり「クリスマスは仕事三昧、休む暇もないし、あればこうして弟のいる長野に来てしまう」 えり「出会いも何もないですよぅ……」ウジウジ 京太郎「そんなに俺のこと心配しなくてもいいんだぜ?」 えり「たった一人の弟の世話も焼けなくて何が姉ですか!」クワッ えり「料理を作って来るので京太郎はそこに座っていてください」 京太郎「え……でも」 えり「手伝わなくていいですからね」 京太郎「もうビーフシチュー作っちゃったんだけど……」 えり「一体なんなんですか!洗濯物はしっかりたたみ終わってる!」 えり「お風呂も沸かしてある!料理も作ってる!大掃除する余地もない家の清潔さ!カピの世話もしっかり焼いてる!」 えり「私の存在理由って何なんですか……」 京太郎「そこまで思い詰めることなの!?」 えり「私は出会いすらないというのに、完全に先越されるじゃないですか……」 京太郎「……はぁ、そんなことないよ」アスナロダキッ 京太郎「昔の約束覚えてる?姉さんをもらう人がいなかったら――」 えり「俺が貰ってあげる、ですか?」クスッ 京太郎「そうそうそれそれ」 京太郎「だからさ、こう言うべきなのかどうかはわからないんだけど……焦らなくても、いいんだぜ」 えり「姉弟での結婚はできませんよ?」 京太郎「わ、わかってるよ!」 京太郎「そもそも、姉さんが売れ残れるなんてあり得ないだろ」 えり「……そうですかね」 えり「京太郎に抱きしめられるのはいつぶりでしたっけ、なんだか安心します」 京太郎「俺もだよ」 京太郎「もう少し、こうしててもいいかな」 えり「はい、是非」 カン
https://w.atwiki.jp/kyo3nen/pages/36.html
京太郎「正直、予想以上だ」 久「なにがよ」 京太郎「建物も何もかも、立派だなって」 久「それはそうだけど……なんか空気が違ってるっていうかね」 京太郎「たしかに雰囲気は十二分に出てるけど」 久「なーんか別世界って感じ」 小蒔「外とは結界で切り離されてますからね」 京太郎「おい、なんかさらっとすごいことを言われたような気がするぞ」 久「いわゆるオカルトってやつ?」 京太郎「オカルトって言ったら、久ちゃんの上がり方も十分オカルトだけどな」 久「そんなこと言われてもね……上がっちゃうんだから仕方ないじゃない」 小蒔「さあ、着きましたよ」 霞「それじゃあ、私はおもてなしの準備をしてくるわ」 小蒔「私はお客様をご案内しますね!」 霞「……初美ちゃん、呼んでこようかしら?」 小蒔「どう言う意味ですか!?」 霞「ふふ、冗談よ」 小蒔「もう!」 京太郎(今まで気にしなかったけど……) 小蒔「霞ちゃんったら!」タプン 霞「じゃあ、お客様をお願いしますね」ドタプン 京太郎(二人共、胸でかい) 京太郎(……俺はもしかしたら、とんでもないところに来てしまったのかもしれない) 久「なんか頷いてるところ悪いけど、考えてること見え見えよ」 京太郎「……なんのことやら」 久「大きいわよね、あれ」 京太郎「マジでバレてるっ」 久「はぁ……やっぱり」 京太郎「ちょっ、カマ掛けかよ」 小蒔「お二人共、こっちですよ」 京太郎「はいはーい、今行きまーす」デレッ 久「この件は保留ね」 京太郎「……へい」 「あの、姫様? この方たちは……」 小蒔「あ、巴ちゃん。いいところに」 「私になにか?」 小蒔「お客様です!」 京太郎「ども、須賀京太郎です」 久「竹井久、お邪魔してます」 「狩宿巴です。よろしくお願いします」 小蒔「じゃあ、私にはお客様を案内するお役目があるので」 巴「そういえば、霞さんは一緒ではないんですか?」 小蒔「霞ちゃんはおもてなしの準備中ですよ?」 巴「わかりました」 巴(霞さんが通したなら大丈夫かな?) 巴「須賀様、竹井様、どうぞゆっくりしていってくださいね」 京太郎「もちろん!」 久「あんたはちょっと遠慮を覚えてもいいんじゃない?」 小蒔「さ、客間はこっちですよ」 京太郎「通されたはいいけど、なんか落ち着かないな」 久「ずいぶん早いじゃない。もう遠慮って言葉を覚えたわけ?」 京太郎「あのな、俺だって気後れすることぐらいあるからな」 久「あんなに元気よく返事してたのに?」 京太郎「だって巫女さんなんだぞ!?」 久「うるさい黙れ」 京太郎「ひどっ、さっきから風当たり強くね?」 久「どっかのだれかのニヤケ顔のせいじゃない?」 「あれー? 知らない人がいるですよー」 京太郎「なんだ、小学生――」 久「ていっ」 京太郎「ぎゃあああ! 目がっ、目が!」 「なにやら騒がしい人たちですねー」 久「ちょっと、服はちゃんと着る!」 「わ、わっ……なにをするですか!」 久「いいから!」 小蒔「初美ちゃん? どうしたんですか、その格好」 「姫様ー、この人たち酷いのですよー」 小蒔「あ、紹介が遅れました。お客様の須賀様と竹井様です」 「お客様? 珍しいですねー」 「薄墨初美です。よろしくですよー」 初美「お客様なら多少の粗相にも目をつぶりますよー」 久「さっきのあなたの格好以上の粗相は中々ないんじゃない?」 初美「と、ともかく、歓迎するのですよ」ピクピク 京太郎「そういや、こんな小さな子もその……六女仙ってやつなのか?」 初美「私はもう高一なのですよー!」 京太郎「ウソだろ、同い年かよ! てっきり小学生かと……」 久「……私はわかってたけどね」 京太郎「嘘つけっ」 小蒔「もうすっかり仲良しですね!」 巴「それで、私たちが集められた理由って……」 初美「麻雀なのですか?」 霞「ええ、そうよ」 巴「でも、麻雀を打つためだけにここまで来るなんて……なんと言いますか」 初美「バカなのですか?」 巴「初美ちゃん、それは言いすぎ」 霞「ともかく、すごい行動力ね」 初美「でも、私たちの力見たさに来るなんて、少し心配なのですよ」 霞「大丈夫よ。だって小蒔ちゃんが通そうって言い出したんだから」 巴「姫さまが、ですか」 霞「ふふ、きっとなにか不思議な縁でも感じたのね」 初美「でも私を小学生呼ばわりしたことは許せないのですよ!」 巴「それは……まあ」 初美「どういう意味ですか!?」 霞「なんにせよ、私たちも身内以外と麻雀するの久しぶりじゃない?」 初美「ですねー。はるるたちがいないのはちょっと残念なのですよ」 巴「そういえば姫様はどうするんですか?」 霞「そうね、今回は不参加ってことでいいんじゃないかしら。あの人手強そうだし」 京太郎「そして例によって暇人なう」 京太郎「しかし、龍門渕の屋敷もそうだったけど……ここ広すぎだな」 京太郎「しかも、油断したら迷いそうだ」 京太郎「俺ってこんな方向音痴だったっけ?」 小蒔「それ、多分結界のせいですよ」 京太郎「うおっ、いたのか」 小蒔「あなたも散歩ですか?」 京太郎「あ、ああ……」 小蒔「私もです。たまには下界の空気も悪くありませんね」 京太郎(神代さん、だよな?) 京太郎(雰囲気がなんか違う気がする) 京太郎(それに、この感覚……似てる) 京太郎(この子も照ちゃんや衣の同類だってのか?) 小蒔「……」フラッ 京太郎「おっと、またこのパターンか」 小蒔「あれ……私、今までなにを……?」 京太郎「さっきまで普通に話してたけど」 小蒔「そうですか、私また……」 京太郎「また?」 小蒔「あの、立ってもいいですか?」 京太郎「ああ、悪い」 小蒔「よいしょ……んー、いい天気ですね!」 京太郎「神代さんはみんなと麻雀やらないのか?」 小蒔「霞ちゃんったら酷いんですよ! 私だけ仲間はずれにして!」 京太郎「あ、俺もそんな感じ。弱いからって」 小蒔「本当ですか? 私もあんまり強くはないんですけど」 京太郎「じゃあ似た者同士だな、俺ら」 小蒔「ふふ、そうですね!」 京太郎「ところでさ、ここの人たちってオカルト的な力を持ってるって聞いたんだけど、どんな感じなんだ?」 小蒔「うーん、こーんな感じ、です」ノビー 京太郎「いや、ジェスチャーじゃよくわからないんだけど」 小蒔「じゃあ、こんなっ、感じっ、ですっ」ピョンピョン 京太郎「だからジェスチャーじゃ……」 京太郎(いや、待て) 京太郎(ここでそう言ってやめさせるのは軽率ってやつじゃないのか?) 京太郎(この弾み方……まさかノーブラなのか!?) 京太郎「も、もうちょっと!」 小蒔「は、はい」 京太郎「もうちょっとその動きを続けてくれれば――いでっ」 小蒔「大丈夫ですか?」 京太郎「なんか上から降ってきた……ってなんだこりゃ?」 小蒔「わ、タライですね。風に飛ばされてきたんでしょうか」 京太郎「そんな馬鹿な……あの木にくくりつけてあったんじゃないか?」 小蒔「桜の木にですか? そんなイタズラするのは……初美ちゃんかな?」 京太郎「あのチビッ子か……てか、あの木って桜だったのか」 小蒔「もうすっかり葉桜ですけど……あっ、こんなの知ってます?」 京太郎「木の下に死体が埋まっているとか?」 小蒔「違います! 桜の葉って食べられるってことです!」 京太郎「え、マジ?」 小蒔「マジです」フンス 京太郎「あれがねぇ……本当かな?」 小蒔「じゃあいま取ってきますから、ちょっと待っててくださいねっ」 京太郎「あ、ちょっと――」 小蒔「んしょ、よいしょ……登れました!」 京太郎「あーもう、気ぃつけろよー」 小蒔「心配しなくても――きゃっ」 京太郎「言ったそばから!?」 久「オカルトか……想像以上に不可解だったわね」 霞「あら、途中からきっちり対応してたじゃない」 初美「そのせいで私の必殺技もほとんど不発ですよー……」 巴「はっちゃん、元気だそ?」 霞「でもあなたのあれだって十分オカルトだと思うわ」 久「私のが? そんな自覚ないんだけどね」 霞「大半の人はそうでしょうね」 久「さすがは専門家」 巴「だいぶ日が傾いてきましたね」 初美「もうお腹ペッコペコなのですよ」 巴「日帰りって聞きましたけど、まだ時間は大丈夫ですか?」 久「別に電車の時間が決まってるわけじゃないから」 霞「なら、夕食一緒にどうかしら?」 久「そうね……せっかくだしそうしようかな」 霞「じゃあ小蒔ちゃんと須賀様も呼んでこないとね」 初美「あ、早速発見です。二人一緒みたいですねー」 京太郎「――っと、ギリセーフ……大丈夫か? お転婆姫さんよ」 小蒔「え、あ……これってまさか……」カアァ 京太郎「顔赤いけど……まぁ、木から落ちたぐらいで恥ずかしがるなよ」 小蒔「ま、まだ心の準備が……!」ダッ 京太郎「おーい……って行っちゃったか」 霞「……あれはなにかしら?」 久「……私が聞きたいわ」 霞「いくら小蒔ちゃんが男性慣れしてないからって……」 初美「それ、私たちの誰一人として人のこと言えないのですよ」 巴「でも、あんな少女漫画みたいな展開で……姫様は読んだこともないはずだし」 初美「……あ」 霞「……初美ちゃん、何か知ってるの?」 初美「さ、さあ」ダラダラ 霞「なにか、知っているの?」 初美「……実は姫様と一緒に漫画を読んでました。あんな展開があったようななかったような……」 霞「そう……その件は後でゆっくり話を聞かせてもらおうかしら」 巴「でも、どうしよう……姫様、影響されやすいのに」 久「はぁ……うちの連れが迷惑をかけてるみたいね」 霞「いえ、須賀様はなにも悪くない……ただ、少し協力してもらうことになるわ」 京太郎「んぐんぐ……芝居?」 霞「はい……お力を貸していただければと」 京太郎「つまり、神代さんにキスするふりをして嫌われろと」 霞「嫌われる、とまではいかずとも、小蒔ちゃんが男の人に警戒心を持ってくれれば……」 京太郎「なるほどなぁ……たしかに無防備だ」 霞「こんなことは筋違いだと理解はしています……ですが、お願いします」 京太郎(会ったばかりの男からキスをされそうになる……たしかに警戒せざるをえないよな) 京太郎(んでもって、それってやっぱり確実に嫌われるよな……) 京太郎(でもな……) 霞「……」 京太郎(あんな風に頭下げられたらな……) 京太郎(よっぽど大事なんだな) 京太郎(姫様ってくらいだし、色々あるのか) 京太郎「……よし、やってみようか」 霞「ありがとう、ございます」 京太郎「俺も変な男には引っかかってほしくないしな」 霞「じゃあ早速……!」グイッ 京太郎「ちょっ、せめて饅頭食い終わってからに――」 小蒔「そんなの嘘です!」 初美「男は獣なのですよ。例えば寝てる女性がいたら襲いかかるなんて日常茶飯事ですよ」 小蒔「京太郎様はそんな人じゃありません!」 久「なんというか、神代さんって……」 巴「はい、少し思い込みが激しいところもあって……」 久「ちょっとってレベルに見えないんだけど。いつの間に名前で呼ぶようになったのよ」 小蒔「じゃあ私が確かめます!」 初美「その言葉を待っていたのですよ。じゃあ、姫様はここで横になってください」 小蒔「え?」 初美「今、霞ちゃんが彼を連れてきます。だから寝たふりで待機ですよー」 巴「……大丈夫かな」 久「少なくとも、変なことになりそうだったら私が全力で止めるから」 京太郎「神代さーん」 小蒔「……」 京太郎「あれ、寝てるのか」 京太郎(おっかしいな……寝てるとは聞いてないぞ) 京太郎(……寝てる間にキスしようとしても意味ないじゃん) 京太郎(眠り姫にキスってのは定番だけどさ) 京太郎「さて、どうすっかな……」 小蒔「……」ドキドキ 京太郎「……あ、そうだ」 京太郎「よし、これで……出来上がりっ」 京太郎「ま、寝てるならこんなもんだろ」 霞「あら、なにもしないで行っちゃったわ」 久「唇になにか挟めていったみたいだけど」 巴「あれ、なんですかね?」 初美「お饅頭……食べかけみたいですねー」 巴「それって……」 霞「つまり……」 久「間接キス……?」 小蒔「……間接キス、ですよね」 小蒔「京太郎様……」 京太郎「ま、いくらなんでもあんな悪戯されたら良くは思わないだろ」 京太郎「でも、なんか忘れてるような気もするんだよな」 京太郎「……まあいいか」 京太郎「覚えてないってことは重要じゃないんだろ、うん」 京太郎「それじゃあ、ごちそうさまでした」 霞「道中、気をつけてくださいね」 巴「このお饅頭、家で食べてください」 久「ありがたくもらってくわ」 初美「いつかリベンジするのですよー!」 久「お好きにどうぞ。できるならね」 京太郎「……やっぱり来ないよな」 京太郎(あれからあんまり目を合わせてもらえなかったし、そういうことなんだろ) 京太郎(女の子に嫌われるのは堪えるけど、仕方ないか) 小蒔「京太郎様!」 霞「小蒔ちゃん!?」 巴「抱きついた!?」 初美「大胆過ぎるのですよ!」 久「……」ギリッ 小蒔「今はまだこれが精一杯ですけど……いつかきっと」 京太郎「……あれー?」 久「さっさと行くわよ!」グイッ 小蒔「また……是非遊びに来てくださいね!」 京太郎「あ、ああ……わかったよ」 小蒔「待ってます……ずっと、待ってますから」 小蒔「……」 霞「小蒔ちゃん、大丈夫?」 小蒔「来年のインターハイ、私、出てみます。そうしたらきっと会える……そんな気がするんです」 巴「姫様が言うなら、そうなのかもしれないですね」 霞「そうね……なら、私たちも全力でサポートしないとね」 初美「あのことはもういいのですか?」 霞「変な男の人に引っかかるよりはよっぽどマシじゃない?」 初美「それもそうですねー」 「ただいま」 初美「あ、はるる! おかえりなさいなのですよ」 霞「ちょうどお客様と入れ違いね」 「なにかあった?」 巴「ちょっと色々ね……」 小蒔「聞いてください……私、運命の人に出会っちゃったんです!」 京太郎「いやー、いいとこだったな」 久「それはそうでしょうね!」 京太郎「……なんか機嫌悪い?」 久「あんた、ちょっとだらしない顔しすぎじゃない?」 京太郎「うっ……それはちょっと否定できない、かも」 久「別にいいけどさ……」 京太郎「そっか……」 久「……」 京太郎「……ところでさ、明日どこ行くんだ?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6419.html
【合宿二日目】 京太郎「眠い……限界まで出し切ったんだからしょうがないよな……」 京太郎「朝だしなんかするかな」 京太郎「まだ時間あるし寝よ」 京太郎「……押し入れって狭いな」 良子「京太郎、好きだ!」 憩「いえ、ウチの方が好きですーぅ!」 良子「いや!私の方が好きだ!ラブだ!」 憩「京太郎くん!」 良子「京太郎!」 憩良「「どっちを選ぶ!」」※二人とも裸です 京太郎「うわああああああ!」 真佑子「あっ、須賀さん、おはようございます」 京太郎「おはようございます!」キリッ 京太郎(何だ今の夢……) 京太郎(いい夢だったな……)ポーッ 朝 京太郎「あ、良子さーん!」 良子「きょ、京太郎?」 良子(よくよく考えたら何やってたんだ私!) 良子(京太郎と混浴なんて……) 京太郎「どうしたんですか?」 良子「どうもしてないどうもしてないノープロブレムだよ、今日も特訓?」 京太郎「はい!よろしくお願いします!」 良子「ここは……こう……」 京太郎「……なるほど、でこう、と」 良子「そうそう、そんな感じだ」 良子(京太郎、いつも真面目だな……) 良子(今日の夢にも……///) 京太郎「次はどうするんですか?」 良子「」ドキッ 良子(真剣で、色々と私のことを考えてくれていて……) 京太郎「良子さん?顔真っ赤ですよ?」 良子「そ、そうか?すまなかった」 良子(……理屈じゃないのかもな) 良子「次は――――」 京太郎「ふぅ~むなるほどなるほどなるほど~」 京太郎(夢のことを考えたら全然わからないんだぜ!) 昼 照「ロン、48900」ギィン 照「……ふぅ」 京太郎「よっ、対局終わったのか?」 照「うん」 京太郎「じゃあ暇つぶしに何かしゃべるか」 照「いいの?」 京太郎「いいって何がだ?」 照「京、戒能さんとばっかり話してるから」 京太郎「ああ……特訓してるだけだよ、うん」 照「そうなんだ、よかったぁ」ホッ 京太郎「?何がいいんだ?」 照「ううん、なんでもない」 京太郎「次、俺と打たないか?」 照「えっ?」 京太郎「この前言っただろ?私に勝てたらって」 照「あ……うん」 京太郎「じゃあ勝ってやるよ、今この場所で」 京太郎「五か月前みたいに!」ゴッ 照「…………」 照「わかった、受けて立つよ」 照「全力で捻る、前とは違う」 開局 憩「よろしくお願いしますーぅ!」 菫「よろしく」 京太郎「よろしくお願いします」 照「……よろしく」 照(憩と菫……か) 京太郎(良子さんから教わったコピー術……) 京太郎(他人の打ち筋を真似するものだけど、良子さんは「降ろす」とか言ってたんだよな) 京太郎(よくわかんねえけど、今回は……怜さんを意識してみよう) 同コンマのため、流局 京太郎(照相手には東一局が鍵、まずは温存しつつ和了りにいく!) 菫(……よくわからないが、個人戦上位者と戦えるんだ、存分に射抜く!)ギィン 京太郎「ノーテン」 憩「ノーテン」 菫「テンパイだ」 照「ノーテン」 京菫(全然ダメだった……) 照「…………」ゴッ 【照魔鏡】発動! 照(菫……憩も変わらない) 照(……京) 照(また見えなくなってきてる……?) 東二局 京太郎 24000 親 憩 24000 菫 28000 照 24000 同コンマのため、流局 照「…………」 京太郎(……!)スチャ 京太郎(なんだ、この感じ……照に和了られる?) 京太郎(これは出さないでおくか……)トン 憩「ノーテン」 菫「テンパイ」 照「テンパイ」 京太郎「ノーテン」 京太郎(二連続流局って幸先悪くねえか?) 東三局流れ二本場 京太郎 22500 憩 22500 親 菫 29500 照 25500 照(憩が使うのは極端な支配) 照(その後の自分の流れを悪くする代わりにその局に和了りにいく) 照(そしてその流れを徐々に回復する) 照(それともう一つ、厄介なのがある……) 照「ロン、1900」 照(和了した人の流れを悪くする) 憩「…………」 照(でも、もう何回と視てきた) 照(その支配も菫の射抜きも、私には通じない) 東四局 京太郎 22500 憩 20600 菫 29500 親 照 27400 憩(照ちゃんに和了られてもうたか……) 憩(そういえば、照ちゃんと京太郎くんと打つのっていつぶりやったっけ……) 憩(……まあええ) 憩(今は京太郎くんの手伝いや!) 憩「リーッチ!」ピキィィィン! 照「っ……」 菫「……」 京太郎(やばい、何もできてねえ……) 憩「ツモ、リーチ一発三暗刻」 憩「裏2で3000・6000や!」 南一局 親 京太郎 19500 憩 32600 菫 26500 照 21400 京太郎(……!)ビクッ 京太郎(憩さんが……振り込む?) 憩「……」トン 照「ロン、1000」 憩「はいはーい」 京太郎(何だったんだ……今の) 京太郎(ってかそんなことより……) 京太郎(テンパイできてるのに……どうして和了れないんだ……) 南二局 京太郎 19500 親 憩 31600 菫 26500 照 22400 同コンマのため、流局 憩「テンパイ」 菫「テンパイ」 照「テンパイ」 京太郎「……ノーテン」 南二局一本場 京太郎 16500 親 憩 32600 菫 27500 照 23400 照「ツモ、400・600」 京太郎(照……連続で和了れてないな) 京太郎(ってことはアレも出しにくいはず……) 京太郎(……あれ?アレって何だっけ?) 京太郎(何かが……引っかかってる……?) 南三局 京太郎 16100 憩 32000 親 菫 27100 照 24800 照「カン」 照「カン」スチャ 照「……」トン 菫(暗槓二つ……少なくとも70符か) 菫(……ここか?) 照「ロン、2600」 菫「……はぁ」 オーラス 京太郎 16100 憩 32000 菫 24500 親 照 27400 憩(オーラス……) 憩(ここで和了れば、ウチは勝てる) 憩(照ちゃんに……京太郎くんにも!) 憩(……絶対に和了る!) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「……カン!」 憩「リーチ!」 京太郎(…………) 京太郎(オーラス、それももう終盤なのに、なんでテンパイできないんだ……) 京太郎(体にまとわりついてた変な感じもなくなったし) 京太郎(このまんまで照に勝てるのかな……) 照(憩がリーチしたときは注意が必要) 照(それも特に役無しテンパイ) 照(だから多分今回も……) 照「…………」スチャ… 照(……今回は私の負け、か) 照「……」トン 憩「ロン」 憩「リーチ一発河底、裏6」 憩「16000や!」 結果 憩 46500 菫 24000 京太郎 18600 照 10900 京太郎「」チーン 照「」チーン 菫「」チーン 菫(焼き鳥二位、っておかしくないか) 菫(男女のチャンピオンに勝ったとは言えど……) 京太郎(焼き鳥でこの順位で照に勝ったって……) 京太郎(ちっとも嬉しくねえ……) 京太郎「照!」 照「何?」 京太郎「次だ!次こそお前に勝ってやる!」 照「……わかった」 京太郎「首を洗って待ってろよな!」 京太郎「何もしてないのに疲れた……」 京太郎「昼飯食いに行くか」 京太郎「……勝ちたいなぁ」 京太郎「遊んでるだけじゃダメなのかな……」 良子「京太郎、どうかした?」 京太郎「あ、お疲れ様です」 良子「そっちこそ。さっきの対局見てたよ」 京太郎「そうなんすか……恥ずかしいです」 良子「……ドントマインド」 良子「私だって高校生に負けることはあるし、それこそ小鍛治プロ以外のプロは誰だってそう」 京太郎「小鍛治プロって何なんですか一体……」 良子「誰だって負けるし焼き鳥にだってなる、それで落ち込んだら――――」 良子「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!」 良子「こうやって食べたり、笑い飛ばしたりすればいいんだよ」ニコッ 京太郎「……そうっすね、ありがとうございます」 良子「ふふっ、どうってことないよ」 恒子「あ!須賀くんこんなとこにいた!」 恒子「さーさー!お姉さんたちのところに来ようか!」ズルズル 京太郎「えっ、ちょっ、何なんですかもう!」ズルズル ガララ ピシャッ 良子「…………」 良子「……今日も一人か、ふふっ」 昼 京太郎「まさか……」 恒子『量が多すぎて食べられないから代わりに食べて!』 京太郎「なんて用事だったとは……」 京太郎「あー腹いっぱい、この後どうしよ」 臨海監督(以後臨)「また暇なのか?」 京太郎「お察しの通りですよー」 臨「ふむ、じゃあ私が稽古をつけよう」 臨「須賀も勝ちたいだろ?」 臨「まずはこの手牌……何を切る?」 京太郎「そうですね……これでしょうか」 臨「む……正解だ」 臨「ではこれは?」 京太郎「これですね」 臨「これは?」 京太郎「これです」 臨「……これは?」 京太郎「これですね、考えるまでもありませんよ」 臨「……正解だ……」ズーン 京太郎(あれ?監督さんがなぜか落ち込んじゃったぞ?) 臨(せっかく集めてきた問題なのに……)シクシク 夕 臨「リベンジだ!」 京太郎「何ですかいきなり」 臨「このまま負けるわけにはいかない!さあ特訓だ!」 京太郎「えぇ……休ませてくださいよ」 臨「No fight, no life!」 臨「休む暇など与えないぞ!」 京太郎「嫌だー!」 臨「一問目!」デデン! 京太郎「はい」トン 臨「さて点数は!」 テテッ テレテレッ テレレレッ! 京太郎「おおっ!高得点!」 ヒューゥン… 京太郎「ダメだった……」 京太郎「ってなんで仮装大賞風なんですか!」 臨「余計なオプションを付けることで気を逸らす!」 京太郎「気を逸らさせたら特訓の意味ないですよ!」 臨「うぐっ……た、確かに」 京太郎「それじゃあ二問目お願いします」デデン 臨「……はい」 臨(なんか立場逆転してる……) 京太郎「ただいま帰りましたー」 郁乃「お帰り~」 真佑子「お帰りなさい」 京太郎「二人とももう帰ってきてたんですね、何してたんっすか?」 郁乃「ん~京太郎くんの呼び方についてな~」 京太郎「呼び方?」 真佑子「ゴミ虫とかフンコロガシがお似合いですねって話してたんですよ」ニコッ 京太郎(さらっとなんつーこと言ってんのこの人) 夜 郁乃「まあ今のは冗談やから~」 京太郎「冗談なんですか……」 真佑子「まさかそんな(冗談な)わけないじゃないですか」 京太郎「ですよね、そう(冗談)ですよね!」 真佑子「はい、勿論です」 真佑子「あ、私お風呂行ってきますね」 郁乃「行ってらっしゃ~い」 京太郎「行ってらっしゃーい」 ガチャ バタム 京太郎「さて、二人になったわけなので何かしましょうか」 郁乃「ええな~何しよか?」 郁乃「京太郎くん、イメチェンとかせえへん?」 京太郎「イメチェン……ですか」 郁乃「せやで~」 京太郎「……」ハッ! 京太郎「女装はしませんからね!」 郁乃「女装か~それもええけど~」 , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ i。i | \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ } 郁乃「だいじっこ!」..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 京太郎(片目がやたらキラキラしてる!?) 郁乃「ふふっ、驚いたやろ~」 京太郎「これを俺にしろ……と」 郁乃「せやで~」 郁乃「あ、その前に……今のどうやった?」 京太郎「今の……ですか」 京太郎「好きです」 郁乃「せやろ~」 郁乃「……」 郁乃「へっ?」カァァ 郁乃「す、好き……?」 京太郎「なーんてね、ウソですよー」 郁乃「京太郎くんが私のことを好き……いやでも私はこんな体やし、それに照ちゃんや憩ちゃんやって……」ブツブツ 京太郎「聞いてないや」 京太郎「でもイメチェンか……やってみよっかな」 京太郎「目をキラキラさせて……」 真佑子「ただいま帰りましたー」 京太郎「試してみよう!」 ,.. / ヽ ´⌒> 、 / \ / | }! \⌒. / / ! | | ヽ \ /ィ | \∧ | /| |! トー― | _|VT示r ∨j/示rx/ V( 京太郎「だいじっこ!」 レ1( 弋,り 弋り {ソ V __ |/V{ ___ 从|>ー―――r―――/ / ___/ 、 V / イ7 / /――-、 \ ___/ | | ー 77 / / / ー― ノ ( | | / / / / / \| | | / / /´ ̄ ̄ ̄ / ! ∨∨ / /( _/\ /|/ ∨ / / / ⌒ヽ ー / \ / 人 〈 / / | し′  ̄ , >==≠ | /⌒ ト{_ | | |/ |/| | }! | \| {___/ /| | / 真佑子「……」 京太郎「だいじっこ!」 真佑子「……」 真佑子「部屋間違えましたー」 京太郎「ちょっと待ってー!」 京太郎「時間になったし風呂に行くか」 京太郎「昨日みたいなことは……ないだろうな」 カポーン 京太郎「ふぅ……」 京太郎「いいお湯だなー」 京太郎「月も綺麗だし、さいっこーだなー」 京太郎「……はぁ」 京太郎「誰か来ないかな……」 ガララ 京太郎「!」ビクッ えり「はぁ……」 えり「福与アナは全くいつもいつも……」イライラ えり「お風呂に入ってリラックスしましょう」 えり「というかなんでお風呂リポートまでしなくちゃいけないんですか、翌朝……」 ガララ えり「あぁ……月がきれ……い……」 京太郎「……えっ」 えり「」 京太郎「」 恒子『そーそー、23時以降は須賀君がいるから入っちゃダメらしいよー』 えり「……」 えり「はわわわわ!」 京太郎「見てません!何も見てませんから!」フリッ えり「し、失礼しました!」ダダッ 京太郎「あ、足元!石鹸!」 えり「えっ?」ツルッ 京太郎(やばい!風呂場で転んで頭打ったらシャレにならない!) 京太郎「間に合え!」 京太郎「ッ!」ダキッ ドンガラガッシャーン えり「……ん……ぅ」 京太郎「大丈夫ですか?」 えり「は……い」 京太郎「ふぅー良かった良かった、頭打って仕事ができなくなったりしたら大変ですからね」 えり「すみません……」 京太郎「いいっすよ、立てますか?」 えり「あ……」 京太郎「あのー?」←えりの下敷きになっている えり「あっ!すみません!」ガバッ 京太郎「だから大丈夫っすよ、いつつ……」 えり「あ、足が……」 京太郎「壁にぶつけちゃっただけなんで大丈夫ですよ」 京太郎「それじゃあ俺上がるんで、針生アナはゆっくりしていてください」ニコッ ガララ ピシャ えり「………… 」 えり「須賀くんはケガをしてまで私を……」 えり「…………」 えり「ありがとう、って言ってませんでしたね……」 えり「今度お礼をしないと……でもどうすれば?」 えり「男の人はどんなものがいいのでしょうか……」 えり「…………」ウーン えり「…………」コクッ えり「…………ふぁ」 えり「寝てはいけません!しっかり考えないと……」コクッ えり「…………」コクッ えり「何も思いつかないです……」 【二日目】終 【合宿三日目】開始 京太郎「んーまだちょっと痛いな……」 京太郎「天気もいいし、朝もまだ早いし、何しようかな」 真佑子「むにゅ……」 京太郎「多治比さん……幸せそうに寝てるな……」 京太郎「親睦を深めるために、久しぶりにやるか!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part12】デデーン! 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はですね、この、多治比真佑子さんにですね」 京太郎「寝起きドッキリをしかけたいと思いまーす」 京太郎「まずは多治比さんのですね、ほっぺたをつまんでみたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「失礼しますねー」ムニッ 真佑子「うみゅ……すぅ……」 京太郎「まだ起きないみたいなのでもうちょっと強めに……」クニクニ 真佑子「むにゃ~~~~」 京太郎(あ、なんか可愛い) 真佑子「……」ガシッ 京太郎「あっ」 真佑子「……須賀……さん?」 真佑子「えっと……何を?」 真佑子「私の上に馬乗りになって、顔をのぞきこんで……///」カァァ 京太郎「あ……」 真佑子「…………」 真佑子「女性の寝込みを襲おうとするとか、さいってーですね」ジトッ 京太郎「す、すみませんっしたー!」 真佑子「とりあえず黙ってくださいこのカス虫外道が」 京太郎「はい……」 真佑子「なるほど、寝起きドッキリですか」 京太郎「……すみません」 真佑子「いえ、私も勘違いして汚い言葉を言ってしまったので……おあいこ、ということで」ニコッ 京太郎「あ、ありがとうございます!」 真佑子「だからうっせーつってんだろ」 真佑子(頭を上げてください) 京太郎「えっ……」 雅枝「合宿最終日は何をしてもええ」 雅枝「部屋で休むのもええし、誰かと打つのもええ」 雅枝「ゆっくりと羽を伸ばすことやな」 雅枝「ほな今日も頑張っていこか」 「「はい!」」 京太郎「何でもしていいって言われてもな……」 京太郎「何しよう……」 照「京、また暇なの?」 京太郎「またって何だよまたって」 照「じゃあ……何か話さない?」 京太郎「話?そうだな、するか」 京太郎「じゃあ、今回の合宿、どうだった?」 照「……楽しかったよ」 京太郎「ってかよく考えたら照だけ一回合宿行ってないんだよな」 照「白糸台合宿のこと?」 京太郎「うん、またみんなで合宿とか旅行とかしたいよなー」 照「……そう」 照「…………」 照「京は、この合宿どうだった?」 京太郎「俺か?楽しかったぞ」 京太郎「まあまだ終わってねえけど、特訓したり喋ったりそれに風呂だって……」 照「お風呂?」 京太郎「いや!何でもないぞ!」 照「?」 照「私も……楽しい」 京太郎「この合宿が?ってさっきも言ってたじゃん」 照「……ううん」 照「私も、京と喋ったりするのが楽しい」ニコッ 京太郎「!……そ、そうか俺もだぞ」 照「ふふっ、良かった」 京太郎(照が笑ったとこなんて最近見てなかったよな……) 京太郎(なんで照なんかにときめいてんだ俺……) 昼1 京太郎「適当に卓を回ってみるかな……」 淡「ふっふー容赦しないよー」 咏「へへっ、お前は私にゃ勝てねえよ!」 泉「私を嘗めてもろたら困りますね」 恭子(何やこの卓……) 京太郎(面白そうだな、見てみるか) 【東一局】 咏「ロン!32000!」 恭子「メゲるわ……」 咏「私の勝ちだねぃ~」 淡「ぶー!開幕数えなんてずっこいずっこい!」 咏「実力なんだからしょうがねえだろー」 恭子「うっ」グサッ 淡「次面子変えてやろー」 恭子「あうっ」グサグサッ 泉「末原先輩……」 恭子「ええんや……私は所詮凡人……ふふ、あはは……」トボトボ 京太郎「末原さん、どっか行っちゃったな」 京太郎「追いかけてみよう!」 恭子「……はぁ」 京太郎「末原さん、暇ですか?」 恭子「えーっと、須賀くんやったっけ……」 京太郎「はい、俺今暇なんで何か話しませんか?」 恭子「……うん、ええよ」 京太郎「とりあえずお茶でも」 恭子「ミルクティーか、嫌いやないで」 京太郎「それならよかったです」 恭子「それで、何話そか」 京太郎「そうですね……「魔物」について、とか」 恭子「魔物……宮永姉妹とかみたいな人種か」 京太郎(やっぱりあの二人は相当なんだな……) 京太郎「全然勝てないですよね、あいつら」 恭子「……そっか、須賀くんはあの二人と幼馴染やったっけ」 京太郎「ええ、一応」 恭子「せやったら須賀くんも相当の打ち手なんやろ?男子個人戦チャンピオンやし」 京太郎「いや全然ですよ、照と咲に勝てたのなんて両手で数えられるくらいですし」 恭子「……須賀くんは、どう思うんや?」 恭子「宮永姉妹に荒川憩、神代小蒔に天江衣、大星淡とか三尋木咏、高鴨穏乃……あの次元を」 京太郎「んー……凄いとは思いますけど、勝てない相手ではないですよ」 京太郎「大体、勝てないって最初から思ってたら何もできませんよ」 恭子「……やっぱり、せやな」 京太郎「だから諦めないでもう一回挑戦すればいいんですよ!」 恭子「……うん」 恭子「よし、もう一回やったるわ!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 照「ロン、1000」 照「ロン、2900」 照「ロン、6100」 照「ロン、8400」 照「ロン、12900」 照「トビですね」 恭子「メゲるわ……」 恭子の好感度がぐぐぐーんと上がった! 京太郎「末原さん頑張ってるといいな」←京太郎は上の結果を知りません 京太郎「よっと、食堂到着」 京太郎「今日は何食べよっかな」 淡「あ!京太郎だ!」 京太郎「ん?ラーメンが宙に浮いてるぞ?」 淡「もーなにそれー!」 京太郎「ラーメンが喋った!?」 淡「いい加減にしないと怒るよ」ゴゴゴゴ 京太郎「あいよ、お前も今から飯か?」 淡「そだよー」 京太郎「淡は何食べるんだ?」 淡「んー今日はちょっと暑いからそばにしようかなー」 淡「京太郎は?」 京太郎「俺はカツカレーだな」 淡「へー」 淡「おいしー!」ズルズル 京太郎「食べながら喋るんじゃありません」 淡「京太郎はつまんないなー」 京太郎「ちゃんとしないお前が悪い、そんなんじゃ誰も嫁にもらってくれないぞ」 淡「いいもん!私がお婿さんになるから!」ズルズル 京太郎「何言ってんだこいつ」 淡「それにどうせ京太郎が貰ってくれるし……」チラチラ 京太郎「はぁ……」 京太郎(なんか期待した目で見てるけど、なんて返せばいいんだ?) 京太郎「そういえばiPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」 淡「へっ?」 京太郎「淡が嫁にもらうんだったら渋谷さんとか大人しい人の方がいいんじゃねえの?」 淡「……京太郎のバカ」 淡「ごちそうさまでした!」 京太郎「えっおい淡!」 ガララ ピシャッ 京太郎「……どうしたんだあいつ?」 京太郎「飯を食べ終わったら眠くなってきたぞ……」 臨「須賀!須賀!手伝ってくれ!」 京太郎「なんですか?」 臨「ちょっと昼飯を作ろうと思っていたんだ、その缶詰を開けてくれるか?」つ缶切り 京太郎「別にいいですけど」 臨「じゃあ頑張ってくれ」ササッ 京太郎「なんで屋外?なんでそんなに離れるんだ?とりあえず開けてみるか」カチッ 缶詰「どもーシュールストレミングでーす」モワッ 京太郎「くさっ!なんだこれ!」 臨「よくやったぞ須賀!」 京太郎「滅茶苦茶くせえ……」 臨「まあまあ、これあげるから」 京太郎「サルミアッキ?」 臨「なかなかいい味だよ」 京太郎「それじゃあ……」パクッ 京太郎「まずっ!なにこれ!おえっ!」 臨「そうか?おいしいんだけどな」モグモグ 京太郎(味覚と嗅覚大丈夫なのかこの人!?) 臨「昼飯も食べ終わったことだし、特訓しようか」 京太郎「この状態でですか……」 臨「準備はいいな?」 京太郎「はい……」プーン 臨「今回の課題は私から和了ること!一度でも振り込んだらその時点で失格だ!」 京太郎「めんどくさそーですね……」 臨「それでは始めよう」 京太郎「ロン」 京太郎「ツモ」 京太郎「ロン」 京太郎「ロン」 京太郎「ロン」 臨「」チーン 京太郎「課題クリアですね!」 臨「……ああ、そうだな」ガクーン 京太郎「もう夕方か……あとは都会に戻って打ち上げして終わりだな」 京太郎「最後、何をしよう」 咏「遠き山に~♪」 京太郎「おっ、何やってんだ?」 咏「ちょっとネト麻をねぃ、やってみる?」 京太郎「まだ途中じゃねえの?」 咏「いや……」 『ロン、16000』 咏「これで終わり」 京太郎「こえーよお前……」 咏「んじゃ、やってみそ」 京太郎「よっと」ポチッ 咏「はぁ?何切ってんの?」 京太郎「こっちの方がはやく和了れね?」 咏「いや今のはそっち切るべきだろ、ほらさっきの有効牌」 京太郎「げっ、マジだ……ツモ切りっと」 咏「あっバカ!」 京太郎「えっ?」 『ロン、24000』 京太郎「と、とんだ……」 咏「言わんこっちゃない、次私の番な」 京太郎「おう……」ショボーン 【叙○苑】 京太郎「ただの合宿の打ち上げになんつーとこ来てんすか……」 良子「費用は府と都が持ってくれるからね、それにガールばっかりだし」 京太郎「だからってこれはもう……おかしすぎるでしょう」 照「京」 京太郎「んっ、照か」 照「とりあえずこっち来て」グイッ 淡「サンチュだけ食べまくる!」 菫「ちゃんと冷麺とかも食え」 照「カルビ頂戴」 京太郎「はいよ、ピートロは?」 照「……いい」 菫「照もクッパとかしっかり食べろ」 照「焼肉は楽しまねば焼肉に非ず、カルビはやく」 菫「もう肉は頼まないぞ」 照「あうっ」 淡「京太郎!ハラミ頼んで!」 京太郎「はいはい」 菫「須賀……お前からも言ってやってくれないか」 京太郎「えー……だって肉を焼かないと意味ないじゃないですかー」 菫「……むぅ」 淡「スミレは太るのが怖いんだよ」ヒソヒソ 京太郎「そういう淡はどうなんだ?」ヒソヒソ 淡「私は食べても太らないタイプだからね!」ババーン 照「同じく」 菫「くっ……須賀ァ!ただちに供給を停止させろォ!」 京太郎「えぇ……」 京太郎「とりあえずこれでも食べててください」<ピートロ 菫「むぐっ」 淡「京太郎ってば大胆!」 京太郎「何がだ」 照「でも菫はピートロが一番好きだったはず」 菫「…………」 菫「須賀!どんどん焼くんだ!」 淡「あ!ハラミとカルビとピートロくださーい!」 照「満足満足」ホッコリ 「お待たせしましたー」 京太郎「よーしじゃんじゃん焼くぞ!」 京太郎「まずはナスからだ!」ジュージュー 照「えっ」 淡「え」 菫「は?」 京太郎「な、ナスくらいいいじゃないか……」 照「……まあいっか」 淡「だね!」 菫「言いだしっぺは私だしな」 京太郎「よし焼けたな、みんな取ってけー」 照「……おいしい」モグモグ 淡「この火加減、京太郎はわかってるなー」モグモグ 菫「うむ、おいしいな」モキュモキュ 淡「やっぱり京太郎は私のお嫁さんになるべきだね」 照菫京「「「ぶふぉっ!」」」 京太郎「何て事言い出すんだよいきなり!」 菫「けほっ、二人はそういう関係なのか?」 照「あり得ない……うん」 淡「なにそれ酷いよ!」 京太郎「とりあえず黙って食べなさい」ペシッ 淡「いったーいぃ……」 京太郎「ようやく解放された……」トボトボ えり「あ……」 京太郎「は、針生アナ!?」 えり「こん、ばんは……」 京太郎「その、昨日はほんとにすみませんでした!」 えり「そんなことはないです、須賀くんに助けられたんですから」 京太郎「でも……ちらっと見てしまいましたし……」 えり「見……///」カァァ えり「忘れてください!///」 京太郎「すみません!」 えり「……とりあえずあっちの部屋に行きましょう」 京太郎「……はい」 えり「顔を上げてください、ね?」 京太郎「……」 えり「須賀くん、悪いのは私の方だったんですから」 えり「お詫びと言ってはなんですが……その……」 えり「一つだけ、なんでも言うことを聞きます」 京太郎「……えぇぇぇぇ」 京太郎(どうしよう……針生アナに命令ができるって結構夢みたいだけど……うむむ……) えり「……挿れますね」 京太郎「お願いします……んっ」 えり「ここが膜……でしょうか」コツン 京太郎「はい、おそらくは……いたっ!」 えり「ごめんなさい!……初めて、ですから」 えり「もう……動いていいですよね」 えり「いっぱい……出ましたね」 京太郎「なんかすみません……針生アナ気持ち良すぎですよ」 えり「ありがとうございます、あとお互い初めてなんですからいいですよ」 京太郎「そろそろ動きますね」ゴロッ えり「あー……こっちもたくさん溜まってますね」 えり「頑張って出しましょうね」 京太郎「……お願いします」 恒子(いやー針生アナと須賀くんがここにいるっていうから来てみたけど……) 恒子(ナニしてるんだあの二人!) 京太郎「あーすっきりしたー」 京太郎「針生アナの膝枕も堪能できたし実に満足だ!」 臨「須賀じゃないか」 京太郎「つかぬ事をお伺いしますけど……トイレで一体何を?」 臨「日課のレーションとプロテインをな」 京太郎「マナーだけはしっかり守るんですね」 臨「そろそろ戻るか、須賀も来ないか?」 京太郎「はい、よろこんで!」 京太郎「一人だったんですね」 臨「サトハたちが他の場所に行ってしまったみたいでな……はぁ」 京太郎「俺で良ければお付き合いしますよ」 臨「センキュー、でもあらかた食べたからそろそろデザートにしようかな……」 京太郎「じゃあ何か持ってきますよ」 臨「よろしく頼むよ」 京太郎「うーん……今並んでるのがないな……」 「お客様、アイスでしたら個室までお運びいたしますが?」 京太郎「そんなサービスが!」 「はい、ご利用なさいますか?」 京太郎「ぜひお願いします!」 臨「それで来たのがこれ……と」 京太郎「迂闊でした……」 臨「スプーン1本か……まあいい」 臨「須賀、食べさせてくれ」 京太郎「食べさせてくれって……はぁ」 京太郎「はい、あーん」 臨「あ、あーん」カァァ 臨「っ」モグッ 京太郎「おいしいですか?」 臨「うむ、なかなかだな」 臨「次はお前の番だ、あーん」 京太郎「い、いや!俺はいいっすよ!」 臨「私だって恥ずかしかったんだ!お前も同じ目に遭うべきだ!」 京太郎「でもこれじゃあ間接キスになっちゃいますよ!」 臨「あ……ぅ……///」 臨「うるさい!とにかく食べろ!」 京太郎「ちょっ」モグッ 京太郎「あ、おいしい」 臨「よし、次は私の番だな」 京太郎「……はぁ」 京太郎「あれ?そもそもスプーンもう一本頼めばよかったんじゃ……」 臨「あっ……」 雅枝「これで近畿・関東合同合宿は終わりや」 雅枝「次会うときは国麻の卓や、それまでに各々精進するように」 雅枝「それでは……解散!」 「「お疲れ様でしたー」」 臨「須賀」 京太郎「何すか?」 臨「これが私のメールアドレス、大阪に戻ったら連絡してくれ」 京太郎「はい、お疲れ様でした」 臨「うむ、お疲れ」 真佑子「あ、須賀さん」 真佑子「これ、私の連絡先です。よければメールくださいね」ニコッ 京太郎「それはどうも」 真佑子「それではまた!」 京太郎「さようならー」 【清々荘】 京太郎「部屋に帰って来たぞ」 京太郎「寝る前に何かするかな」 京太郎「監督さんにメールしてみよっかな」 京太郎「あんまり当たり障りのない感じで……」 京太郎『こんばんは』 京太郎『早速メールしてみました』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『おお!学校関係とか仕事関係以外で初めてメールを出した!』 臨『ありがとう須賀!』 京太郎「なんだろうすっごい既視感」 京太郎「つまりプライベートではメールしたことがない……」 京太郎「恋人とかもいなかったのか?」 京太郎『突然ですが、以前に恋人がいたことはあるんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『……まさか』 臨『恥ずかしながら、彼氏いない歴=年齢の生き遅れだよ』 臨『自分で言ってて傷つくな……』 京太郎「やり手のキャリアウーマンって感じなのに意外だな」 京太郎『きっといい人が見つかりますよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『そうだな』 臨『須賀とも出会えたことだし』 臨『そのときはよろしく』 京太郎「えっ、よろしくって何!?」 京太郎「まあ確かに監督さんスッゲー綺麗だけど……」 京太郎「……こんな会話淡としなかったか?」 京太郎「時間もあるし他の人にもメールしてみるか」 京太郎「そうだな……」 京太郎「針生アナに送ってみようかな」 京太郎「そういえば耳掃除と膝枕……よかったなぁ」ホッコリ 京太郎「さて何て送ろう」 京太郎『こんばんは』 京太郎『初めてのメールですね』 京太郎『針生アナは国麻にも来るんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ えり『こんばんは』 えり『一応最終戦の実況を任されているのですが、私にできるのかどうか不安で』 ヴーッ ヴーッ えり『すみません、こんな情けないメール送ってしまって』 京太郎『そんなことないですよ』 京太郎『針生アナなら大丈夫です』 京太郎『頑張ってくださいね』ピッ ヴーッ ヴーッ えり『ありがとうございます』 えり『私も須賀君のこと応援していますから』 えり『そちらこそ頑張ってくださいね\(^o^)/』 京太郎「何故か俺が終わってる……」 京太郎「顔文字とか使い慣れてないのかな?」 京太郎「そう思うとなんか既視感が……まあいっか」 京太郎『それではまた今週末、ですね』 京太郎『おやすみなさい』ピッ 京太郎「さて寝るかー」 【10月第3週 休日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6428.html
【12月第1週 休日】 京太郎「勉強しなきゃなぁ……でも麻雀も打ちたいな……」 京太郎「今日はどうしよ」 京太郎「朝だし勉強しよ」 京太郎「図書館で勉強するのもアリだろうけど……」 京太郎「大人しく誰か誘うか?」 京太郎「図書館開いてなかった……」 京太郎「しょうがない、一人で頑張ろう」 京太郎「何を重点的にしようかな」 京太郎「数学と社会が前と比べてだいぶ落ちたから先にやっとこう」 京太郎「数学は……三角比からか」 京太郎「sinとcosがこんがらがるんだよな……」 京太郎「星間距離を求めるとか楽しいんだけど面倒くさいのがな」 京太郎「頑張ろ……」 0 θ 180のとき、2sin^2θ-9cosθ+3=0を解け 京太郎「えっとこれは……」 2sin^2θ-9cosθ+3=0 2-2cos^2θ-9cosθ+3=0 2cos^2θ+9cosθ-5=0 (2cosθ-1)(cosθ+5)=0 cosθ=1/2,-5 0 θ 180より 1 cosθ 1 したがってcosθ=1/2 θ=60 京太郎「答えもあってるし上出来だな!」 京太郎「もう何問かやったら社会にしよう」 昼 京太郎「勉強って一回スイッチが入るとずっと続けたくなるんだよな」 京太郎「今度はどうしよう」 ガララ 京太郎「霞さーん、いますかー?」 霞「はーい、何かしら」 京太郎「なるほど今日は上下ジャージですか……」 霞「悪かったわね、女っ気が無くて」 京太郎「全くもってそんなことはないですよ、そういうのもいいと思います」 京太郎(ジャージの下からでもわかるほどの爆乳が見えるからなぁ……) 京太郎「いつもの霞さんとは違うような感じがしてそこもいいと思いますし!」 霞「そ、そうかしら?」 京太郎「そうですとも!」 霞「ところで、今日は何の用なの?」 京太郎「ああ、勉強を教えてもらおうと思いまして、いいですか?」 霞「うん、いいわよ」 京太郎「文型ってわかりにくくて、紛らわしいですよね」 霞「SVOとSVCの見分け方はS=Oとかよく言われるけどそれ以前にどっちがOなのかCなのか分からなくなるわよね」 霞「……じゃあ文法は置いておいて教科書からやりましょうか」 京太郎「霞さんって英語できるんですか?」 霞「失礼ね、これでも去年まではピッチピチの女子高生だったのよ?」 京太郎「ピッチピチって……」 霞「なら……ナウでヤング?」 京太郎「もっと古くなってる気が……」 霞「ほんっと、京太郎くんは年齢ネタ好きよね」 京太郎「霞さんが3歳上だとは思えないのが原因なんですよ、良子さんですら年下に見えるほどですもの」 霞「戒能プロだってまだ20歳じゃない」 京太郎「それにしても、霞さんは大人っぽくって素敵ですよ」 霞「京太郎くんは、どうしてそう褒める方向に持っていくのかしら」 京太郎「考えるよりも感じてるんですよ」 霞「ごめんなさい、何言ってるのかさっぱりわからないわ」 夕 京太郎「図書館で集中して勉強する!」 京太郎「でもこっから歩いていくのか……寒いなぁ」 京太郎「今度自転車でも買おうかな……」 京太郎(科学……一年生は化学で二年生から地学とかなんだよな) 京太郎(えっとこれが電池式か……結構種類多いな) 京太郎(鉛蓄電池にボルタ電池に、ダニエル電池、乾電池っと) 京太郎(あとはイオン化傾向とかもあるのか……) 京太郎(とにかく集中集中!) 京太郎(Pb + SO42- → PbSO4 + 2e-に4H+ + 2e- + PbO2 + SO42- → PbSO4 + 2H2Oっと) 京太郎(おお!なんかやりきった感じがする!) 京太郎(この調子で英語も片付けるぞ!) 夜 京太郎「今日ずっと勉強しかしてない気がする……」 京太郎「いやいや、これで補習から逃れられるんだ、頑張るぞ!」 京太郎「こんばんはー、勉強教えてくーださい!」 霞「また来たの?」 京太郎「朝からずっと俺の勉強に対する熱がたぎってるんですよ!」 霞「はいはい、じゃあお茶でも入れてくるから中で待っててちょうだい」 京太郎「お邪魔しまーす」 京太郎「くぅ~疲れました!」 霞「よく集中してたわね、お茶いる?」 京太郎「いただきます!」ゴクッ 京太郎「……そういえば、郁乃さんまだ帰って来てないんですか?」 霞「郁乃ちゃん……最近帰って来てないのよ」 京太郎「帰って来てない?学校には来てるのに?」 霞「彼女なりの事情があるんじゃないかしら、一応中身は私よりも大人なわけだし」 京太郎「けど前見たときはどこか辛そうだったような……?」 霞「……ふんふむ、今度会ったら何があったのか聞いた方がいいわね」 京太郎「ですよね……」 夜2 京太郎「夜も遅いし、もう誰かと勉強はできないよなぁ」 京太郎「一人で頑張ろう」 京太郎「眠いけど国語にするか」 京太郎「範囲は……六の宮の姫君、か」 京太郎「なんか悲しい話なんだよな」 京太郎「結局主人公死んじゃうし、みんなバラバラになっちゃうし」 京太郎「面白いといえば面白いんだけどな……」 京太郎「眠い……もう寝るか」 京太郎「ちょっとしか進められなかったな」 【12月第1週 休日】終 【12月第2週 平日】 京太郎「郁乃さんに憩さん、咏がもうここにはいないのか」 京太郎「郁乃さんは何があったんだろう……」 朝 京太郎「よっ、照!」 照「おはよう」 京太郎「紺のカーディガンか、似合ってるぜ」 照「制服が制服だからカーディガンかセーターしか着れない……」 京太郎「照はニーソとか似合わないもんな」 照「マフラー欲しい」 京太郎「長野よりはマシに思えるけど」 照「最近はどこも寒い」 京太郎「ホントだよ、どうにかならねえもんかなー」 ヒュルルル 京照「「へっくし!」」 京照「「うぅ……」」ブルブル 京太郎「12月の中旬でこんなに寒いとは」 照「もう嫌、帰る」 京太郎「待て待て待てぃ!」ガシッ 照「寒い……」 京太郎「じゃあほら、俺の上着貸してやるから帰るなって」スッ 照「わかった」 京太郎「あーそうだ、クリスマスのプレゼント何が欲しい?」 照「え?」 京太郎「なんでそんな驚いてんだよ」 照「だって、京からクリスマスプレゼントなんて言葉初めて聞いたから」 京太郎「確かに俺貰ってばっかだったけど、一応俺にだってプレゼント精神はあるんだぜ?」 照「じゃあ…………」 照「…………」ウーン 照「どうしよう……」 京太郎「マフラーとかでもいいんだけど」 照「それもそうだけど、せっかく京がくれるんだからもっと良いものが欲しい……」 京太郎「なんじゃそりゃ」 照「わからない」 京太郎「もっといいものかー」 照「うん」 京太郎「まあいいや、また今度聞くから。照はあっちだろ?」 照「うん、じゃあね」 京太郎(「俺は照のちゃんとした笑顔がまた見たい」とか言ったら引かれるよな……) 京太郎「おう、部活でな」 昼 京太郎(昼休みくらいは牌に触っていたい) 京太郎(そう思って来ちゃったわけだが) ガチャ 京太郎「ちはーっす」 京太郎(ま、誰もいるわけ……) 憩「京太郎くん?」 京太郎「あ、いた」 憩「京太郎くんもお昼なん?」 京太郎「ええ、憩さんもですか?」 憩「せやでー、ほな一緒に食べよか」 京太郎「憩さんと昼飯なんて一か月ぶりくらいですかね」 憩「最近教室で食べてたからなぁ、京太郎くんと話すのも久しぶりな気がするし」 京太郎「じゃあ今日は腹を割って話し合いましょうよ!」 憩「その使い方はなんか違う気がするけどなー」 京太郎「そういや、あまり憩さんがお菓子食べるところとか見たことないんすけど、好きなお菓子とかあるんですか?」 憩「お菓子かぁ、好きは好きなんやけど、にきびとかできたら困るし……」 京太郎「照のやつは年がら年中菓子食べてるのににきびもできないし太りもしないんですよね」 憩「太らない……羨ましいなぁ」 京太郎「憩さんはまだ太るとか気にしないでいいと思いますよ?」 憩「けど、この頃おなかプニプニするようにのうてきたし……」ズーン 京太郎「そうですか?脚とか十分綺麗ですけど」 憩「京太郎くんがそういうんなら……まあ」 京太郎「結局何が好きなんですか?」 憩「ウチはリッツとかハーベストとか、食べやすいビスケットみたいなんが好きやな」 京太郎「それだったら、マリーとかムーンライトも食べやすくておいしいですよね!」 憩「最近は食べっこどうぶつにもハマっとるんやけど、京太郎くんとしてはどうなんや?」 京太郎「俺もあれは好きですね、一気に頬張るのも良しですし」 憩「うんうん、流石京太郎くんは話がわかるなー」 京太郎「勉強しながら食べてるとついつい食べ過ぎちゃうのが少し問題ですよね」 憩「うん……せやな……」ズーン 京太郎「……そんなに太るのが気になるなら今度どっか運動しに行きますか?」 憩「あ……そうしたいのもやまやまなんやけど……」 京太郎「門限とかあるんですか?」 憩「門限というか……まあそんなもんなんやけど」 京太郎「じゃあ暇な日があったら一緒に行きましょうか」 憩「うん、ありがとな」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「もう予鈴!?次移動教室だったじゃんか!」ガタッ 京太郎「俺先に失礼します!」 ガチャ タッタッ… 憩「一緒に運動かぁ……」 憩「許してもらえるやろか……」 京太郎「憩さんの家、やっぱり厳しいんだろうな」 京太郎「この前まで娘に一人暮らしをさせていたとは思えないくらいだ」 放課後 京太郎(試験前だけど、誰かしらいるだろ) 京太郎(部室に行ってみるか) 霞「あら、京太郎くんも来たの」 エイスリン「ヨクゾキタ!」 京太郎「霞さんとエイスリンさんだけっすか」 霞「何だかんだでみんな忙しいみたいね、二人は余裕があるみたいだけど?」 京太郎「あ……いや……それほどでも」 エイスリン「……」シュン 霞「それじゃあ今日は二人でお勉強会ね、私は職員会議があるから行かなきゃだし」 京太郎「了解です!」ビシッ エイスリン「リョウカイデス!」ビシッ 霞「あらあら、兄妹みたいね」 霞「それじゃ」ガチャ バタム エイスリン「ベンキョウ、ドウスル?」 京太郎「お互いにわからないところを教え合いましょうか」 エイスリン「ワカッタ!」 エイスリン「――――――――――」ペラペラ エイスリン「――――ワカッタ?」 京太郎「ばっちりですよ!発音が綺麗でそれでいてゆっくり話してくれて楽です!」 京太郎「さすがはネイティブですね」 エイスリン「エッヘン!」 京太郎「次は俺がエイスリンさんに教える番ですね、漢字でしたっけ?」 エイスリン「オネガイ!」 京太郎「えっと、断る、平和、国士、無双、赤、海底、河底、開花、一色、一気……って!」 京太郎「麻雀の役ばっかじゃないですか!どんだけ麻雀好きなんですか!」 エイスリン「オボエヤスカッタカラ……」 京太郎「そうやって勉強するのもいいですけど、幅が限定されるんですよ」 エイスリン「ム……アタラシイノオボエル!」 京太郎「新しいの……例えばこれを書きたい!とかありますか?」 エイスリン「ウーン……」 エイスリン「キョウタロー!」 京太郎「俺ですか?」 エイスリン「スガキョウタロー、カキタイ!」 京太郎「じゃあ須賀は難しいんでまずは京太郎から書きましょうか」 エイスリン「ヨロシク!」 夕 京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京大郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京犬郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太朗京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎 エイスリン「カンペキ!」 京太郎「やだなにこのノートこわい」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「ん、もう下校時刻か、エイスリンさんも帰りますか?」 エイスリン「キョウタロートカエル!」 京太郎「じゃあエイスリンさんは戸締りお願いします、俺は掃除するんで」 エイスリン「リョウカイデス!」ビシッ 京太郎「気に入ったんですねそれ」 エイスリン「ウン!」ニコッ 京太郎(今日も癒されるなぁ) エイスリン「~♪」 京太郎「寒いのに元気ですねぇ……」 エイスリン「キョウタロー、オソイヨ」ニコッ 京太郎「はいは……」 エイスリン『マージャンヤメル』 京太郎「…………」ピトッ エイスリン「キョウタロー?」 京太郎「エイスリンさん、本当に、麻雀をやめるんですか?」 エイスリン「…………」 京太郎「マイナーとはいえ、ニュージーランドに帰ったって続けられるじゃないですか」 京太郎「エイスリンさんが麻雀やめるなんて、もったいないですよ」 エイスリン「…………」 エイスリン「ツヨクナイ、ズットマケテル」 エイスリン「アシデマトイ、ダカラ」 京太郎「足手まといなんかじゃないですよ!エイスリンさんは強いじゃないですか!」 京太郎「エイスリンさんは……エイスリンさんは自分の限界を決めつけてるだけですよ!そんなのおかしいです!」 エイスリン「…………」ウツムキ エイスリン「……ワカラナイ」 エイスリン「……ゴメンナサイ」 京太郎「……今度、俺と打ってください」 京太郎「エイスリンさんはまだ強い、それを証明します」 京太郎「つまるところ、エイスリンさんの意思次第ですけど」 エイスリン「…………」 京太郎「俺は、エイスリンさんも照も郁乃さんもみんな笑って麻雀部から引退してほしいんです」 京太郎「……俺、先に帰ってますね」 エイスリン「…………」 京太郎「つい熱くなっちまった……」 京太郎「強く言い過ぎたかもな」 京太郎「ちゃんと謝らないと」 京太郎「面と向かって話さないと、だよな」 京太郎『部屋に……来てくれますか?』ピッ ヴーッ ヴーッ エイスリン『すこしまって』 京太郎「……そこまで嫌われたわけじゃないのか?」 コンコン 京太郎「はーい」ガチャ エイスリン「ドウシタノ?」 京太郎「すみませんでしたぁっ!」 エイスリン「!?」ビクッ 京太郎「俺、なんか自分勝手にいろいろ言っちゃって、言いすぎちゃって」 京太郎「俺はそんな偉いこと言えるような立場じゃないのに、また照や咏みたいにいなくなっちゃうんじゃないかって思って」 京太郎「ほんと……すみませんでした」 エイスリン「…………」 エイスリン「ダイジョウブ、キョウタロー」 エイスリン「…………オヤスミ」 トタトタ ガチャ バタム 京太郎「許してもらえたのか……?」 京太郎「はぁ……今日は一層疲れた気がする」 【12月第2週 平日】終 テストの結果 国語 100 数学 100 化学 87 社会 77 英語 72 平均 87.2 【12月第2週 平日2】 京太郎「試験も好調だったし、今週は調子がいい気がするぞ!」 京太郎「それに今日で学校も終わりだしなー」 朝 キィィ バタム 照「おはよう、京」 京太郎「ん、おはよ」 照「京は試験、どうだった?」 京太郎「ああ、ばっちりだったぜ、照はどうなんだ?」 照「私もばっちり」 京太郎「そりゃ良かった、んじゃ行こうぜ」 照「うん」 京太郎「もう冬休みかー、夏休みからあっという間だったな」 照「京は何するの?」 京太郎「冬休みか?俺は……あっそうだ」 照「?」 京太郎「俺、来週から合宿行くからいないんだ」 照「そう」 京太郎「そういや照も選ばれてるんだよな?合宿とかもあるんだろ?」 照「私も来週くらいからだったと思う」 京太郎「へぇー、誰と一緒なんだ?」 照「…………!」 照「その手には乗らない、情報を聞き出したいならお菓子を譲渡するべき」 京太郎「お菓子さえあればいいのかお前は……」 京太郎「って違うわ!俺そこまでせこくないからな!」 照「……そう、そうなると京は私を拷問しようと……」 京太郎「いや、ないから」 照「両手と両脚を縛って、鞭打ったり、蝋燭で炙ったり」 京太郎「ないから」 照「そうしていくうちに京は私を憐れんで恋に落ちる」 京太郎「ないから」 照「…………」 京太郎「…………」 照「…………」シュン 京太郎「あーいや、ないこともないこともないこともないかなー、と」 照「…………!」パァァ 京太郎(表情読みにくいけどこういうのはわかりやすいのな) 京太郎「照の話で気づいたけど、他のチームを探るのも戦略としてはありなのか……」 京太郎「今日は弁当作んなかったから購買だな」 京太郎「しかし、いっつも人いるな……あ」 エイスリン「」キョロキョロ 京太郎「エイスリンさんか、声かけてみよ、おー」 「あ、エイスリンさんこっちこっちー!」 エイスリン「!」トタトタ 京太郎「ぉ……ぃ……」 京太郎「…………」 京太郎「買ったら教室で食べよ」 キーンコーンカーンコーン 「あ!原村さん一緒に帰ろー!」 和「はい、少しお待ちください」 「俺らも一緒にいいかな?」 「いいよね、原村さん?」 和「構いませんよ」 京太郎「……」 京太郎(原村さん、人気だな……) 京太郎(俺だって成績優秀麻雀日本一なんだからそれなりに人気もあっていいはずだし、それこそ最近だって周りの奴らとは喋ってるし男子のほとんどとも喋った) 京太郎(でも、一緒に帰る人とかあんまりいないんだよなー) 京太郎(まぁいいや、帰ろ) 【清々荘】 霞「あら京太郎くん、遅かったわね」 京太郎「そういう霞さんは早すぎませんか?結構早く出てきたはずなんですけど」 霞「今日は授業がなかったのよ、だからまあ、ね」 京太郎「それで何なんですか?」 霞「そうそう、今日は鍋パーティーをしようと思うの」 京太郎「鍋?」 霞「冬になって寒くなって来たし、学期も終わったからちょうどいいと思ってね」 京太郎「あー、なるほど」 霞「それでこれから準備をするのだけど、手伝ってちょうだい」 京太郎「手伝うって、何をですか?」 霞「買・い・出・し」ニコッ 京太郎「鍋の買い出し……って相当な量じゃないですか!」 霞「まあまあそう言わずに、おつりはあげるから」 京太郎「小学生のおつかいじゃないですか!どうせ樋口先生一人で行かせる気なんでしょう!可哀想じゃないですか!」 霞「はい、一万円」 京太郎「行ってきます!」 京太郎「つーわけで行こうぜ!」 照「どういうわけ……寒いから嫌だ」 京太郎「まあまあ、お菓子買ってやるから」 照「行く」 京太郎(ゲンキンなやつだな……) 霞(京太郎くんが同じこと言えるのかしら……) 京太郎(買うものは野菜と肉だから商店街に行けば時間はかかるけど安く済む) 京太郎(スーパーにいけばすぐに済むけど値段は少し高くなりそうだ) 京太郎(そういえば霞さんが来客もあるから余分に買っとけって言ってたな) 京太郎「まずは肉買いに行くか」 照「お菓子……」 京太郎「全部終わったら買ってやるから」ナデナデ 照「うん……」 照「早く欲しいから二人で別行動しよう」 京太郎「ダメだ、絶対にダメだ」 照「咲とは違って迷わない」 京太郎「それ以前にお菓子に金使って破産するだろお前」 照「そんなことはない」 京太郎「じゃあ今月お菓子に何円使った?」 照「……一、十、百、千……」 照「…………」ガクガク 照「お、覚えてない」メソラシ 京太郎「おい」 京太郎「んで、鍋に使うなら何がいいと思う?」 照「牛か豚」 京太郎「そのどっちにするか聞いてんだけどな」 京太郎「牛肉にしたけど、良かったか?」 照「私はなんでもいい、他の人はわからないけど」 京太郎「う……まあ牛肉嫌いな奴はいないだろ、うん」 照「次はどこにいくの?」 京太郎「じゃあスーパーに行くか」 照「お菓子!」パァァ 京太郎「いや、野菜買いに行くだけだから」 照「お菓子……」ガシッ 京太郎「いやだから野菜を」 照「お菓子、お菓子」ウルウル 京太郎(あれ、なんか可愛い) 照「お菓子!お菓子!」グラグラ 京太郎「お菓子以外の言葉を使えよ!」 京太郎「ソフトサラダ、たけのこの里、トッポ、ポッキー、牛乳プリンなどなど」 京太郎「こんぐらいで十分だろ」 照「ありがとう、流石は京」ホクホク 京太郎「皆の分も買ったし、次は……」 照「あとは野菜だね」 京太郎「野菜忘れてた……」 京太郎「また商店街に戻って来るとは……」 照「京が抜けてるから」 京太郎「お前が洗脳してきたせいだろうが」 照「京がお菓子を買わないから」 京太郎「照なんて連れてくるんじゃなかった……」 「おおきにーまた来てなー」 京太郎「よっし、帰るぞ」 照「京、持てるの?両手塞がってるし」 京太郎「まあ男だしな、それに照だってお菓子持ってくれてるだろ」 照「手、冷たそう」 京太郎「大丈夫だ」 照「…………」 照「京、一つちょうだい」 京太郎「ん、何を?」 照「いいから」グイッ 京太郎「うぉっ、何だよいきなり……」 照「お菓子食べ終わったから、京の持つ」ヨロヨロ 京太郎「食べ終わるの早い!?」 京太郎「でもいいよ、俺の仕事だし」 照「京のためなら、大丈夫」 京太郎「そっか、ありがとな、照」 照「……うん」 京太郎「ただいま帰りましたー」 照「ただいま」 霞「お帰りなさい、照ちゃんも行ってくれたのね」 京太郎「これが肉で、こっちが野菜です」 霞「はい、ありがとね」 京太郎「余分に買って来て、って俺たちの他にも誰か来るんですか?」 霞「そうよ、千里山の子たちとあとは……」 霞「阿知賀の子たちよ」 照「阿知賀……?」 霞「インターハイの監督会議のときに赤土さんと連絡先を交換して仲良くしてたのよ」 霞「決勝まで一緒に勝ち進んだ子たちだし、せっかくだからって誘ってみたわけ」 京太郎「ああ、そういうことですか」 霞「みんなもう集まってるから、上がってちょうだい」 京太郎「はーい」 照「お邪魔します」 グツグツ 晴絵「準備は良いかお前らーっ!」 宥「あったか~い」ホカホカ 竜華「ときー、ときー、何食べる?」 怜「玄ちゃーん、膝枕してぇな」 玄「えっ、あっ、はい!どうぞ!」 竜華「怜……」シュン セーラ「新子……やったけ?お前も入れー!」グイッ 憧「ちょっ、触ってこないでよ!」 セーラ「そんなこと言わんでもええやんかー」 穏乃「きのことか山菜とか猪とか採って来たんですけど!」 浩子「最後のやつはおかしいやろ」 灼「ちょっとみんなうるさ……」 泉「もうそろそろ入れた方がええんちゃいます?」 華菜「カナちゃんが野菜を運んできてやったんだ!感謝しろよ、お前ら!」 エイスリン「ダレダヨ」 晴絵「え……あのー」 ワイワイガヤガヤ 晴絵「…………」チーン 雅枝「ほな鍋パーティー始めるでー」 ワイワイガヤガヤ 京太郎「肉運んできましたよー」 京太郎(って始まってんのか、俺は空いてるところに……あそこだな) 京太郎「照、ここいいか?」 照「うん」 華菜「京太郎は鈍間だからしょうがないなぁ、カナちゃんの隣をくれてやろう!」 華菜「この野菜は私が切ったんだぞ、どうだ?おいしそうだろ?」 京太郎「照は肉も取ったのか?」 照「やっぱり牛肉はおいしい」モキュモキュ 京太郎「そうか、じゃあ俺も……」 憧「……」カチン 京太郎「新子……さん?」 憧「な、何よ」 京太郎「いや、おたま握られたまんまだと俺が取れないんだけど」 憧「……そ、そうよね、はい」つ 京太郎「おう、あんがと」スッ ピタッ 京太郎「あ、ごめ……」 憧「~~~~!!」カァァ 京太郎(ああ、人の顔ってこうやって赤くなるのか) 華菜「おお?これはアレか?新子の身体に電流が走ったってやつか?初々しいなー」 華菜「そんなことより早くカナちゃんが切った野菜を食べるんだな!」 照(騒がしい……) 華菜「やっぱりカナちゃんが切った野菜はおいしいなー」 華菜「ゆで具合もちょうどいいし、最高だな!」 京太郎「新子さん、肉うまいか?」 憧「それがどうだって言うのよ」 京太郎「俺が選んできた肉だから、どうかなって」 京太郎「新子さんにもおいしいって言われたら嬉しいしさ」 憧「ぅ……」パクッ 憧「……ま、まあおいしいんじゃないの?」 京太郎「そっか、なら良かった」 京太郎「そういや、来年の阿知賀ってどうなるんだ?」 憧「え?」 京太郎「赤土さんはプロ行くんだろ?そんで宥さんも卒業しちゃうし」 憧「……ああ、ハルエはいなくても他の先生が顧問を引き継いでくれるし、来年になれば新入生もいるから」 京太郎「じゃあまた、インターハイには出るつもりなんだな」 憧「当然でしょ、アンタたちに負けたまんまじゃ終われないんだから!」 京太郎「そりゃ楽しみだな」 照「来年はまだ憩も京もいるから負けない」 憧「あれ?ちょっと待って……宮永さんと赤阪さんとウィッシュアートさんがいないってことは……」 憧「来年の心配しないといけないのそっちの方じゃないの!?」 京太郎「あー……だな」 憧「だな、ってもっと深刻そうにしなさいよ」 京太郎「そう言われても、わかんねえとしか言いようがねえし」 憧「まあ、そうでしょうね」 京太郎「そゆこと、ところでさ」 憧「?」 京太郎「なんでこっち向いて話してくれないんだ?」 憧「しょ、しょうがないでしょ!男子の顔なんて見たくないしっ!」 京太郎「その言い方酷くない!?」 霞「はいみんな注目!」 霞「これからちょっとしたゲームをしたいと思います」 セーラ「ゲーム?」 霞「王様ゲームをやるわよ」 京太郎「またですか……」 霞「今回は従来のルールとは違って、まず罰ゲームを書いてこの箱の中に入れる」 霞「そうして王様くじ二本を引いた人が罰ゲームを実行するの」 霞「罰ゲームはペアのもの専用AがBに~するっていう形でお願いね」 照「そういうのは郁乃の十八番なんじゃ……」 怜「ま、面白そうやからええやん」 霞「それじゃあ第一ゲーム目、始めるわよ」 「王様だーれだ?」 京太郎「俺がAで……」 照「私がB」 エイスリン「バツゲーム!」 京太郎「なんで選ばれた方が罰ゲームしなきゃいけないんですか……っと」 |AがBをどう思ってるかB以外に告白| 京太郎「…………」 華菜「何を引いたんだー?」 浩子「おお、なかなかやな」 霞「はいはい、それじゃあ照ちゃんはこっちの部屋に行きましょうね」 照「何を引いたの?」 怜「ええからええから」グイグイ ガララ ピシャ 竜華「どう思ってる、言うてもただの幼馴染とかやないの?」 玄「足りない、とか?」 京太郎(どう思ってるって言われてもなぁ……) 京太郎(考えてみると……あいつは……) 京太郎「うーん……いざという時頼れる姉さん、ですかね」 泉「どっちかというと京太郎くんの方が頼られてる方だと思いますけど」 京太郎「確かにいつもはお菓子好きでぼんやりしてて、頼りにはならないんですけど」 京太郎「麻雀は強いし、勉強だってできる、今日だって買い出しの荷物持ってくれたし」 京太郎「何だかんだで頼りになるんですよ、あいつは」 怜「ほー」 エイスリン「フウフ?」 穏乃「なんかそれ、お互いのことがちゃんとわかってるっていうか!付き合ってるみたいだね!」 京太郎「付き合う?俺と照が?」 京太郎(照と付き合う、かぁ) 京太郎「……ないない」 京太郎(って、あれ?) 竜華「お似合いっぽいけどなー」 京太郎「あいつと一緒にいたらストレスで死にますよ」 京太郎(どうして、俺は満更じゃない、なんて……) 京太郎「また俺ですか……」 照「さっき、何したの?」 竜華「あ……ウチや」 照「ねえ」 京太郎「じゃあ引きますねー」 |BがAに膝枕| 怜「あーそれ私のやつや」 竜華「と、怜!?何入れとるんや、もう」 怜「これが当たっても損は無いなーって」 泉「さっきから京太郎くんにしか得が無いようなのしかないような……」 セーラ「まだ二ゲームやし偶然やろ、はよしてやー」 竜華(こんな大人数の前で膝枕て……アカン!恥ずかしすぎるわ!)ブンブン 京太郎(俺としては役得だけど……) 京太郎「ここじゃなくて、縁側でしてもらってきていいですか?」 京太郎「必ずやりますんで」 霞「まあいいけど、寒いわよ」 京太郎「はい、それでは行きましょう」グイッ 竜華「えっ、あっ」 京太郎「これで恥ずかしくないですよね?」 竜華「……そっか、わかってたんか」 京太郎「俺も同感でしたからね」 竜華「京くんは、ええ子やなぁ」ナデナデ 京太郎「あのままだと進行も止まっちゃいそうだったんで、それより寒くないですか?」 竜華「京くんの頭があるからあったかいわ」 京太郎「そうっすか……っと、そろそろ戻りましょうか」 竜華「せやな、もう十分やろ……」 怜「」ジーッ 照「」ジーッ 晴絵「」ジーッ エイスリン「」ジーッ 華菜「」ジーッ 竜華「……///」カァァ 京太郎「ちょっ、何見てんですかアンタら!」 華菜「うわっ、見つかったし!」 晴絵「撤収ー!」 京太郎「待てこらー!」 華菜「ふんご!ふごごごごごふおふごふご!」(なんでカナちゃんだけ縛るんだし!) 霞「はーい、じゃあ三ゲーム目行くわよー」 京太郎「あ、今度はBだ」 照「私がA」 灼「確率おかしいでしょ」 浩子「2/16×1/15の二乗やからそう簡単には出えへんはずやな」 照「ゲームは……」 |AがBとの出会いからこれまでの思い出を語る| 京太郎「……絶対に誰か狙ってやっただろ」 照「話していいの?」 晴絵(穏乃たちにこうして話して仲良くさせようと思ったんだけど、まあこれでもいいや) 照「あれは9年くらい前……」 照「この前、海で溺れたときも京が助けてくれた」 照「それと、京は『いなくならないでほしい』って言ってくれた」 照「だから嬉しかった、京には感謝している」 京太郎「て、照?もうそのくらいでいいんじゃないか?」 照「まだ京と私の思い出はたくさんある」 京太郎「もう充分だろ?」 照「恥ずかしがらなくていい」 京太郎「恥ずかしいから!嫌なんだよ!」 京太郎「そもそもなんでそんなに覚えてんだよ!」 照「…………」 照「京との思い出なんて、忘れられるわけがない」 京太郎「それやめて、最ッ高に恥ずかしい!」 京太郎「」チーン 霞「まあまあ、京太郎くんが小さいころからいい子だったのはわかったからいいじゃない」 京太郎「そんな認識はいいですよ……」 霞「あら、今度は私ね」 穏乃「私もです!」 霞「じゃあ穏乃ちゃんが引いてくれるかしら」 穏乃「了解しました!」 |BがAにダチョウ倶楽部のおでん芸をやる| 穏乃「……えぇぇ」 霞「まさか自分で書いたのが当たるとはね……」 穏乃「あのー、ほんとにやっちゃっていいんですか?」 霞「油揚げに大根、お肉だってあるわよ」 玄「私が押さえておきます!」 霞「そう、よろしくね」 穏乃「え……じゃあ始めますよ」 穏乃「このお鍋の中身はグツグツのアツアツだ!これを食わせてやる!」 霞「やめろ!来るな!やめろ!ウォオオオオオー!」 玄「おもちおもちおもちおもち」 穏乃「まずはこの大根、汁が染みてて熱いですよぉ?」 霞「やめろぉ、やめてぇやめなさいぃ!」 穏乃「え、えいっ!」 霞「ああぁああぁあががぁあああ熱いあぁぁいぃぃ!熱いぃぃぃぃぃぃいああぃああいああ!」 玄「まさかこれほどまでに大きなおもちが揺れる様を見れるとは思ってもみなかったのです」 穏乃「次は肉だ!えいっ」 霞「うぎゃゃぁあぁぁああゃぁ!熱いあづいいぃぃあいいいあ!」 憧「ねえ、あれって演技なの?」ヒソヒソ 宥「あったかそう……」 灼「私に聞かないでほしい」ヒソヒソ 京太郎(なんだこのカオス) 怜「お、私がBや」 憧「なんだ、良かったぁ。私がAよ」 怜「ほなら、私が引いてもええか?」 憧「はい、どうぞ」 |アツアツの白滝踊り食い| 憧「白滝は踊り食いできないでしょ、生きてないんだから」 泉「えっ」 怜「これの趣向はようわからんわ」 泉「ええっ」 憧「とにかく食べればいいんでしょ?」 怜「せやな」 憧「えいっ」パクッ 怜「んっ」チュルッ 憧怜「「…………!」」 怜「こっ、これは……!」 憧「熱いッ!とてつもなく熱いわッ!」 怜「鍋の汁が纏わりついて美味いんやけど……ぁふ」 憧「はぁ、はぁ……んくっ」 怜「熱いなぁ……っ」 憧「はい、終わり!」 怜「何がしたかったんやろ……」 京太郎(二人とも……唇についてる汁がテロテロしててなんかエロいなぁ)ニヘラ 晴絵「憧ー、汁ついてるわよ」 憧「あ、ありがと」 京太郎「チッ」 霞「さて、一通りゲームもし終わったことだし、そろそろお開きにしましょうか」 晴絵「あっ、そうだ石戸先生、ちょっと相談なんだけど……」 雅枝「せや、こっちも……」 京太郎「あの三人、何話してるんだろ」 京太郎「まずは片付けしないとだよな、誰か手の空いてる人に手伝ってもらうか」 京太郎「エイスリンさん、こっち手伝ってくれませんか?」 エイスリン「ワカッタ!」 京太郎「俺がこっちの皿とか片すんで、エイスリンさんは小皿とかコップの方をお願いします」 エイスリン「マカセテ!」 京太郎「ほいほいほい、と」 京太郎「エイスリンさんは鍋パーティー楽しかったですか?」 エイスリン「トッテモタノシカッタ!」ニコッ エイスリン「オイシイシ、アソンダシ!」 京太郎「そうっすか」 エイスリン「キョウタローハ?」 京太郎「俺もみんなでこんな時間を過ごせて楽しいですよ」 エイスリン「ヨカッタ!」ニコッ 京太郎「はい、良かったです」 京太郎「ところで、エイスリンさん日本語上手になりましたよね」 エイスリン「ソウ?」 京太郎「今となってはホワイトボードとか使ってないじゃないですか」 エイスリン「タシカニ!」 京太郎「まだ片言っぽいのは抜ききれてないですけどね」 エイスリン「ガンバル!」 京太郎「頑張ってくださいね」ナデナデ エイスリン「エヘヘ……」ホニャァ カチャン 京太郎「って!エイスリンさん左手!」 エイスリン「ア……」 バシャァッ! 京太郎「エイスリンさん!」 エイスリン「ギュウニュウ……」ビチョ 京太郎「ああ、せっかくの服が台無しだ。とりあえずこれで拭いてください」 エイスリン「…………」 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「キョウタロー、フイテ!」 京太郎「ええっ!?」 エイスリン「キョウタローガフイテクレナイト、カゼヒク」 京太郎「いや、そうは言われても……」 京太郎(Tシャツの主に胸部にかかっているわけでして……) エイスリン「ヘクチッ」 京太郎(でもこのままだと臭いも付いちゃうし……) エイスリン「キョウタロー……オネガイ」 京太郎(煩悩退散煩悩退散!) 京太郎「わかりました、やりますよ」 京太郎(なるべく触らないように、意識しないように!)スッ エイスリン「キョウタロー……ヤサシクシテ」 京太郎(だから何でそんなこと言うんだよぉお!) 京太郎「わかってますよ」フキフキ エイスリン「ン…………」モゾモゾ 京太郎「じっとしていてください」 エイスリン「…………」 京太郎「今度はもう少し周りのこと見て動きましょうね」フキフキ エイスリン「ハイ……」 京太郎(濡れちゃってるんだから……中まで拭かないと、だよな) 京太郎(これは仕方のないこと、たとえ下着の色が見えたって少しくらい触っちゃったって嗅いじゃっても仕方のないことなんだ!) 霞「―――というわけで、今日はみんなここに泊まることになりました」 京太郎「どうしてそんな話に!?」 照「千里山も阿知賀も時間が遅いから帰れないんだって」 京太郎「ああ、そっか」 京太郎「けど、ここで泊まるには狭すぎるんじゃないですか?」 霞「皆の部屋にも一人ずつ止まらせてあげるのよ、そうすれば数もちょうどいいでしょ」 京太郎「でも結局俺は一人、と」 霞「あら、それはどうかしらね」 京太郎「どう、とは?」 霞「京太郎くんは確かにお盛んな年頃だけど、悪い子ではないのはわかっているから一人任せようと思うのよ」 京太郎「本気ですか!?」 霞「そのかわり、何かあったら即刻ここから出て行ってもらいますからね」 京太郎「はい!男京太郎張り切って女の子を泊まらせます!」 霞「その発言が信用できない原因なのよね……」 京太郎(部屋の片づけは終わった!あとは誰かが来るのを待つだけ!) コンコン 京太郎(来た!) 京太郎「はーい、今行きます」ガチャ キィィ 憧「」 京太郎「よっ!」 憧「」 憧「」 憧「チェーーーーーーーンジ!!!!」 京太郎「それは男の方の台詞だ!」 憧「嫌!なんで須賀と一緒に寝なきゃいけないのよ!」 京太郎「そこまで言わなくてもいいじゃねえか!せっかく国麻で仲良くなれたと思ったのに!」 憧「あんなの私の方がどうかしてたのよ!」 京太郎「ええええっ!?」 憧「と・に・か・く、ハルエに抗議してくるから!」 京太郎「ちょっと待ってくれよ!」ガシッ 憧「きゃっ!何すんのよ!」 京太郎「新子、お前このまんまでいいのか?」 憧「何よ、いきなり……」 京太郎「このまま男が苦手のまま過ごして、男と関わらずに生きていくつもりなのかよ」 京太郎「可愛い新子にそんな人生はもったいない!」 憧「そ、そうかもしれないし……私だってこのままじゃダメだってわかってる」 京太郎「じゃあさ、俺で治そうぜ、男嫌い!」 憧「へ、へぇ、ここが男子の部屋……ね」 京太郎「おう、くつろいでくれ」 京太郎(ちょろいなぁ、ちょろすぎて心配になって来るぜ) 京太郎「それか風呂入ってくれてもいいぞ」 憧「……じゃあ風呂、借りるわよ」 京太郎「どーぞーどーぞ」 ガララ ピシャ 京太郎(こうして新子さんが風呂に入ってるわけだけど……何をしようか) 京太郎「布団敷いとくか、でもどう敷こう……」 京太郎「新子さんが嫌がるから離した方がいいよな……」 京太郎「…………!」キュピーン 憧「上がったわよ」 京太郎「んじゃ、俺入って来るな。先寝ててもいいぞ」 憧「寝る……って!」 憧「なんで布団が隣り合わせなのよ!」ゲシッ 京太郎「違う!これにはわけがあるんだ!」 憧「バカ!アホ!変態!マジ有り得ない!」ゲシッゲシッゲシッゲシッ 京太郎「とりあえず聞いてくれ!」 憧「ふんっ、蹴りながら聞いてあげる」ゲシッゲシッ 京太郎(風呂上りのパジャマ姿の女の子に蹴られるって何てご褒美……) 京太郎「俺思ったんだ!新子さんが俺のすぐ隣で一夜を過ごせるようになれば男嫌いもすぐ治るんじゃないかって!」 憧「言い方がいやらしいのよバカ!」ゲシゲシゲシッ 京太郎「ぐへぇ……」 憧「ほら、早く風呂入ってきなさい」 京太郎「はい、行ってきます……」 チャポン 京太郎(今日も疲れたな……) 京太郎(あれ?パンツこっちに置いてたっけ?) 京太郎(忘れてた気がするけど……いっか) 京太郎(もうちょっとしたら上がろ) 京太郎「……およ?」 京太郎「なんで俺のパンツが置いてあるんだ?」 ガタガタ! 京太郎「ん?部屋の方か?」 京太郎「新子さん、上がったぞ」 憧「あーもう!なんで仕舞えないのよ!もう!」ガタガタ 京太郎「新子さん?俺の箪笥の前で何を?」 憧「ふぇっ?」 憧「……あっ、あっあーーーー!」カァァ 憧「こっこれは違うのよ!違うから!須賀一人暮らしだから下着風呂場に持っていかなくて、こっちに来られても嫌だって思っただけなんだから!別に須賀が困ってるだろうな、って思ったわけじゃないんだから!」アセアセ 京太郎「はいはい、あんがとさん」 憧「違うんだからね!」 憧「もう電気消していい?」 京太郎「いいぞー」 カチッ モゾモゾ 京太郎「なあ、新子さん」 憧「何?」 京太郎「新子さんってさ、いいお嫁さんになるよな」 憧「……はぁ?」 京太郎「ほら、俺のことを考えてパンツ持ってきてくれたし」 憧「だから違うって!」 京太郎「鍋のときだってみんなの分取ったりしてただろ、自分の分あんまり取ってないみたいだったし」 憧「あ、あれは……」 京太郎「周りのことをちゃんと気遣えてるってことだ」 京太郎「可愛いし、玄関見る限りじゃきっちりしてて掃除とかも好きな方だろ?」 京太郎「エプロンだって似合いそうだし、新子さんと結婚したら幸せだろうな」 憧「何よもう……好き勝手言ってくれちゃって」 京太郎「んー、本心なんだけどな」 憧「そう…………なの…………」 憧「…………」 京太郎「新子さん?」 憧「……すぅ…………」 京太郎「……寝ちゃったか」 京太郎「さてと、俺は……」 京太郎「……俺も寝よ」 夢の中の俺は山道を歩いていた そんな俺の隣にいたのは、新子さんだった 憧「なんで本当に来んのよ……」 京太郎「そっちが来いって言ったんだろ」 憧「まあ……そうだけど、さ」 京太郎「で、何の用なんだ?」 憧「別に……寂しかった、から?」 そう言った新子さんの頬は少し赤くなっていて 夢の中の俺は新子さんと親しそうに話していた 京太郎「ほぉ~ん、へぇ~」ニヤニヤ 憧「な、何ニヤついてんのよバカ!」 京太郎「憧もだいぶ素直になったなーってさ」 憧「……」カァァ 京太郎「んで、今日は何する?」 憧「どうしよっかー」 京太郎「お前の姉ちゃんに『若者は外で遊んできなさい!』とか言われて追い出されてきたんだよなー」 憧「『お前』って言うのやめてって言ってるでしょ」 京太郎「ん?ああ、ごめんな、憧」 憧「それでよし、じゃあ買い物行こっか」 京太郎「それが無難だな」 憧「え、っと、じゃあ、さ……」モジモジ 指をスカートの前で交差させて、俯いたその顔はまた赤くなっていた 明らかに現実とは違う俺たちの関係は、見ていて和やかな気分にさせてくれた 京太郎「どうした?トイレか?」 憧「んなわけないでしょ!バカ!」 京太郎「なら何なんだよ」 憧「その……はい」 新子さんはその小さな手を差し出した 京太郎「新手のおまじないか?」 憧「違うわよ!」 憧「……もう、手をつなぐくらいならできる、から」 憧「今日はこのままで……」 ぼそっと呟いた新子さんの言葉は俺に届き、夢の俺は何かを言いながら新子さんの手を握った 新子さんの手は、柔らかくて、ぷにぷしていて、少し膨らんでいて…… 憧「どこ触ってんのよバカァーー!起きなさいよこのこのぉー!」ドガッ 京太郎「ごへぇあ」 違う、新子さんの尻だった
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6425.html
【11月第2週 平日】 京太郎「そういや、こっから先ってあんまし目標とかないんだよな」 京太郎「久々にダラダラしてこー」 京太郎「はぁー……」ダラダラ 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「眠いなぁ、学校終わったら寝よ」 霞「もうそんなこと考えてるのね……呆れた」 京太郎「授業中に寝ようと考えないあたり素晴らしい学生だと思いますけどね!」 霞「素晴らしくは無いでしょう……」 京太郎「そうですかね?」 霞「当たり前よ、もう」 京太郎「そうだ、どうせですし一緒に行きませんか?」 霞「別にいいわよ、行きましょうか」 京太郎「そういえば霞さんの服って……」 霞「何かしら?」 京太郎「なんかおば「それ以上言ったら……」」 霞「ね?」ニッコリ 京太郎「」ゾクッ 京太郎「でも、18の女性がそんな服だったら……毛糸のシャツに微妙な丈のスカートって……」 霞「……しょうがないじゃない」 霞「スーツだってパッツンパッツンになっちゃうし、緩い服じゃないと……」 京太郎「まあそりゃあその胸ですしね……」 霞「そうなのよね……」 京太郎「……あ!」 霞「何か思いついたの?」 京太郎「これから冬なんで縦セーターとかどうっすかね!」 霞「縦セーター?」 京太郎「俺としては袖が少し余ってるくらいが好みなんですけど授業とかもありますしそこはいいとして!なるべく色は白とかがいいと思います!」 霞「そうね、たまに着ている子いるものね、セーター……久しぶりに手作りしてみようかしら」 京太郎(よし、いい調子だ!) 京太郎(巨乳がはっきり出てくる服ランキングでは間違いなく上位に食い込むレベルの縦セーター!これを霞さんが着れば……) キーンコーンカーンコーン 霞「あっ、相談ありがとうね、それじゃあ部活で」フリフリ 京太郎「え?アッハイ」 京太郎(夏には夏なりの良さもあるが冬にも冬の良さがあるんだ……) 咏(朝から何考えてんだろあいつ……) 和(何か良からぬことを考えてるみたいですね……) 京太郎「今日は購買まで出向くか……」 京太郎「そういえば購買には伝説のメロンパンがあるんだっけ?」 京太郎「あんま人いねえし買えるかな?」 おばちゃん「お、お兄ちゃん一番乗りだね、買ってくかい?」 京太郎「本当にあったよ……じゃあ一個だけ」 おばちゃん「はいよ」 京太郎「早速食べてみるか」パクッ 京太郎「ん……これは……」モグモグ 京太郎「おいしい!」テーレッテレー! 京太郎「すげえ美味いな、外はサックリ中はふんわり、なぜか普通のより甘いし……」 京太郎「一人だけど、なんかやる気出たな!」 京太郎「文化祭の敗北命令『千里山に貸し出し』されること」 京太郎「まさか男子一人で女子高に侵入できるとはな……ぐふふ」 京太郎「とりあえず泉にでも迎えに来てもらお」ピッピッ 雅枝「というわけで今月から偶に須賀京太郎がこっちにも来るようになった、みんな仲良くするようにな」 京太郎「三箇牧高校一年の須賀です!今日はよろしくお願いします!」 「あれが全国一の人かー」 「テレビで見たけど、実物もええなー」 「ウチ教えてもらお!」 「あー!ずるいずるいウチもー!」 ワイワイ ザワ…ザワ… ガヤガヤ キャーキャー 京太郎(ああ、これがチャンピオンの優越感かぁ……可愛い人たちばっかりだし、ずっとここにいようかなぁ) 「須賀くんこっち来てー」 京太郎「はい!ただいま!」 怜「ストーップ、タンマやで京くん」 竜華「今日はウチらとおらへん?」 京太郎「は、はぁ、大丈夫ですけど……どうして?」 怜「せっかく大会も終わったんやから、あんまり打つのもあれやしな」 竜華「せやからこっちこっちー」 京太郎「でも部活しないでいいんですか?」 怜「もうすぐウチらも引退やからなー、竜華ー膝枕ー」 竜華「怜は甘えんぼさんやなぁ、はい」ポンポン 怜「おおきにー」スリスリ 竜華「気持ちええ?」ナデナデ 怜「竜華の太もも最高やぁ」 竜華「ふふっ、良かった」ナデナデ 京太郎「……あのー」 竜華「あ!ごめん京くん、忘れとった!」 京太郎「まあ、いいんですけどね……」 京太郎(目の保養にもなるし……それにしても) 京太郎「竜華さんの膝枕かぁ……」 怜「羨ましいやろ?」 京太郎「正直とっても!」 竜華「怜!それに京くんも!」 京太郎「竜華さんがそんな太ももだからいけないんですよ!」 竜華「どんな言いがかり!?それに京くんも前したやろ?」 怜「……いや、私がしてもろただけやな」 京太郎「そうですよ!怜さんはしてもらってるのに俺がしてもらってないのは不公平ですよ!」 竜華「せやからどんな言いがかりなんやそれ!」 怜「まあまあ竜華、京くんもしてもらいたがっとるやん」スクッ 竜華「……もう、わかったわ」ポンポン 京太郎(まさか本当にやってもらえるとはな……) 京太郎「それじゃあ失礼して……」トン 竜華「……どうや?」ナデナデ 京太郎「えーっと……すごく、いいです」 竜華「そ、そっか、それは良かったわ」ナデナデ 竜華(人前やないけど、なんか恥ずかしいわこれ)カァァ 京太郎(いいなぁ、これぇ……)ホッコリ 怜「…………」 怜(京くんが竜華に甘えとるのも、竜華が京くんに甘いのも……) 怜(ちょっぴり不満やな)プクー 雅枝「ほな今日はここまでや、暗くなるのも早ぅなってきとるから寄り道はせんようになー」 「お疲れ様でしたー!」 京太郎「充実した部活だったなー!」 京太郎「まあ、充実してても、どうせこっちの方に帰る人もいないだろうからな……はぁ」 京太郎「三箇牧だったら誰かと帰れるんだけど」 京太郎「ダメ元で誰か誘ってみるか」 京太郎「怜さーん、帰りませんか?」 怜「ん?ああ、ちょっと待っとってな」フキフキ 京太郎「何してるんですか?」 怜「習慣なんやけどな、昔の」 怜「まだ一巡先が見えるようになる前の頃、こうやって部活の後掃除しとったから」 京太郎「へー、そんなことが……ん?」 京太郎「怜さん、今何て?」 怜「一巡先が見えるようにな「……は!?」」 京太郎「一巡先が見える!?」 怜「?話しとらんかったっけ?」 京太郎「知らないですよ、何ですかそのトンデモパワー」 怜「……せやったっけ?」 怜「ほな帰りながら話すわ」 怜「――そんなわけで、去年倒れて生死の境をさまよってから見れるようになったんや、一巡先が」 京太郎「へ、へぇー」 京太郎(なんか一気にシリアスになったな……) 怜「……どう思う?」 京太郎「思うって、その力についてですか?」 怜「……」コクッ 京太郎「そうですね……」 京太郎「上手く使えばかなり良いと思いますけど、無茶はダメですよ?」 京太郎「初めて俺が打ったときに倒れたのも、無茶をしすぎたからなんでしょう?」 怜「あの日は体調も悪いのもあったけどなぁ」 怜「……でも、信じてくれるん?」 京太郎「何局もプラマイゼロにするやつとか、連続で打点が上がっていくやつとか、影が薄すぎて卓から消えるやつらと打ってきましたからね」 怜「あー、そら納得や」 京太郎「でしょう?」 京太郎「まあ何にせよ麻雀打って倒れてポックリとかシャレにならないですし、無理とかはしないでくださいね」 怜「あ、それもかっこええな」 京太郎「かっこいいって……何よりこっちが悲しいですし、心配なんですよ」 怜「……そっか」 怜「やっぱりみんな、心配してくれるんやな。竜華もセーラも船Qも、泉も」 怜「それに、京くんも…………」ポロッ 怜「ぁ…………ぅ」ポロポロ 京太郎「怜さん?どうかしたんですか?」 怜「ごめん、ちょっと嬉し泣きや」 怜「…………」 怜「京くん?」 京太郎「何ですか?」 怜「おおきに」ニコッ 京太郎「え……はい」 怜「それと、ちょーっと拭かせてな」フキフキ 京太郎「ちょっ!なんで俺の制服で拭くんですか!」 怜「感謝料やで!」グッ 京太郎「要りませんよそんなもの!」 京太郎「怜さんのせいでグショグショだよもー」 京太郎「鼻かんでたからネバ付いてるし……」 京太郎「とりあえず洗うか」 ガコンガコン 京太郎「風呂入って飯食って、後は洗濯終わるの待つだけか」 京太郎「暇だな……メールでもするか」 京太郎「今はシーズンオフだろうから良子さんにしてみようかな」 京太郎「でも何て送ろう……」 テレビ『ビッグマミィ、次回も――』 京太郎「家族か……」 京太郎『良子さんの理想の家族ってどんな感じですか?』 京太郎「いきなりだけど、まあいいだろ」ピッ ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、来た来た」 良子『ななにをいきなり!家族、ファミリーは麻雀ができるくらいがいいな!』 京太郎「なるほど、家族で麻雀か……」 京太郎『四人家族で麻雀ですか、楽しそうですね』ピッ ヴーッ ヴーッ 良子『だろう!それでみんなで休みの日はドライブに行ったり、遊びに行きたいな』 良子『京太郎が働いて、私とチルドレンで迎えるんだ』 良子『良いだろう?』 京太郎「…………」 京太郎「なんで俺とあの人の理想がごっちゃになってるんだ?」 京太郎『あえて子ども四人の麻雀を隣で眺めるっていうのも良さそうですね』ピッ ピーッ ピーッ 京太郎「お、終わったか」 京太郎「さてアイロンアイロン、っとまだ来てないのか?」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「そう言ってたら来た」 良子『頑張る』 京太郎「…………」ゴクリ 京太郎「頑張る、というのはあっちの方面で頑張るってことだよな」 京太郎「それっていうのはつまり……」 京太郎「いや、良子さんの好きな人と頑張るんだから俺は関係ないか」 京太郎「んーっと、じゃあ」 京太郎『頑張ってください、そろそろ寝ますね』 京太郎「送信っと」ピッ 良子「…………」ジーッ 携帯「…………」 良子「…………」ジーッ 携帯「」ヴヴーッ 良子「」パァァ 良子「…………」カァァ 【11月第2週 平日1】終 【11月第2週 平日2】 チュンチュン 京太郎「うぉー眠いー」 京太郎「夜遅くまで起きすぎたぁ……」 京太郎「今日も張り切っていくか……」 …ササッ 京太郎「?今なんか聞こえたような……?」 ガチャ バタム 京太郎「さてと、トボトボ行くか」 ガチャ エイスリン「♪」 京太郎「あ、エイスリンさんおはようございます」 エイスリン「キョウタロー!オハヨ!」 京太郎「そうだ、一緒に学校行きませんか?」 エイスリン「ウン、イク!」 エイスリン「~♪」 京太郎「前も話したかもしれないですけど、ニュージーランドってどんなところなんですか?」 エイスリン「ウーン……シゼンガイッパイ!」 京太郎「山とかの写真もよく見ますよね」 エイスリン「ムシサン、タクサン!」 京太郎「虫ですか……」 エイスリン「ムシ、キライ?」 京太郎「苦手なのはいますね、虫。そういえばペンギンとかもいるんでしたっけ?」 エイスリン「ウン!カワイイヨ!」ニコッ 京太郎(そう言うエイスリンさんも可愛い……)ホッコリ エイスリン「キョウタロー?」 京太郎「いえ、いつか行きたいなーと」 エイスリン「ヤクソク、シタ!」 京太郎「約束……?」 京太郎(そういえばそんな約束したような……) 京太郎「ああ、でしたね」 エイスリン「キョウタロー、オボエテタ?」ジトッ 京太郎「な、何ですかその眼は、疑ってるんですか?」メソラシ エイスリン「…………」ジトッ 京太郎「…………はい、覚えてませんでした」 エイスリン「ワスレチャダメ!」 京太郎「ごめんなさい」 エイスリン「ハイ!」スッ 京太郎「えっと、手がどうかしたんですか?」 エイスリン「オワビ」 京太郎「……ああ、はい」ニギッ エイスリン「ヨロシイ!……エヘヘ」ニコッ 京太郎(手を握るだけで許されるのか……) 京太郎(エイスリンさんの手柔らかかったなぁー) 京太郎(とか考えてるうちにもう昼か、今日の昼は……) 昼 京太郎「公欠である程度休んでたからここに来るのも久しぶりだな、屋上」 京太郎「今日も誰かいるかな?」 郁乃「京太郎く~ん!」フリフリ 京太郎「郁乃さん……まあいっか、はぁ」 郁乃「出会い頭に嫌な息出さんでくれるか~?」 京太郎「郁乃さんが嫌だなんてそんな、ちょっと苦手なだけですよ」 郁乃「それほとんど同じ意味やからな!」 京太郎「郁乃さんってたまに柄に合わないこと言いますよね」 郁乃「せ、せやろか~?」 京太郎「今のだってなんか最近の女の子って感じでしたし」 京太郎「まあだからどうだって話なんですけどね」 郁乃「せや、せっかくやし一緒にお昼どうや?」 京太郎「オカズ取らないでくださいよ、今日のはから揚げなんですから」 郁乃「取るな言われると取りたくなるんやな~これが、それにから揚げ大好物やし」 京太郎「あげませんよ!」 郁乃「も~京太郎くんのけちんぼさん~」 京太郎「むぅ…… 73」 京太郎「むぅ……じゃあ、郁乃さん(のおかず)食べさせてくれたらいいですよ」 郁乃「ほぇ?」 京太郎「だ・か・ら!郁乃さん(のおかず)も食べさせてくれたらいいですよ!」 郁乃「わ、わた、私も……///」 京太郎「で、どうするんですか?」 郁乃(私も食べるって、つまり、つまりそういうことやろ?) 郁乃(どないすればええんや……) 郁乃「あぅぅ…………」プシュー 京太郎「郁乃さん?郁乃さーん?」 郁乃「も、もう、教室帰るわ!」カァァ 郁乃「ほ、ほなまた~!」タッタッ 京太郎「えっ、ちょっ!」 郁乃「あれっ」コケッ ドテーン 郁乃「……うぅ」サスサス チラッ 京太郎「大丈夫ですか?」 郁乃「……」カァァ 郁乃「う、うわぁ~~!」タッタッ 京太郎「……どうしたんだ?いきなり」 【清々荘】 京太郎「今日も平凡な一日だったなー」 京太郎「……平凡な方がいいけどな」 京太郎「風呂入って寝よっと」 「キャー!」 京太郎「!今の声……何があったんだ?」 京太郎「確か声は咏の方から聞こえたよな……」 【咏の部屋】 京太郎「咏っ!どうした!」 咏「京太郎!あれ!あれ!ってうわぁー!こっち来んな!」ゼンラ ササッ 京太郎「あれは……G?」 咏「も、もうこの際何でもいいから!早く!」 京太郎「はいはい」 |偶数週イベント―Gの駆逐| 京太郎(にしてもGか……どう対処すればいいんだ?) 京太郎「咏、新聞あるか?」 咏「あ、あるよ」 京太郎「ん、ありがと」 咏「こっち見んなっての!」ウガー 京太郎「よし、仕留めてやるぜ!」 G「カカッテキヤガレ!」ササッ 京太郎「うおおおおおお!」 京太郎「えいっ!」スカッ 京太郎「えいっ!」スカッ 咏「さっさとしろよなー」 京太郎「うっせ!ゴキブリホイホイでも置いとけよ!」 G「オソイ!オソイワ!」ササササッ 京太郎「な、飛んだ……だと!?」 咏「うわ、うわぁ……」ガクガク 京太郎「くぅ、どうすりゃいいんだ……」 京太郎「こうなったらもう一回だ!」 咏「京太郎ー頑張れー!」フレーフレー←トイレのドアから 京太郎「なんで一人だけそんなとこに逃げてんだよ!」 京太郎(可愛いからいいけどさぁ……) G「ナンドヤロウトモカワランワ!」ササッ 京太郎「一撃必殺だ、仕留めてやる!」 京太郎「一匹残らず、駆逐してやる!」 G「ソゲブッ」 京太郎「よっしゃ、一発!」 咏「その調子だ京太郎ー!」 京太郎「あと一発くらいかな?」 京太郎「次で潰してやる!」 G「マケハセン!マケハセンゾ!」 京太郎「さーてと、止めと行くか!」 「キャー!」 京太郎「また悲鳴!?」 咏「は、はやくそいつ倒して行こうぜ!」 京太郎「ああ、わかってる!」 G「オレノウゴキニツイテコレルカ?」 京太郎「……そこだ!」 京太郎「終わりだ!」 G「グヘッ」 グシャッ 京太郎「……ふぅ、長い闘いだったぜ」 咏「ありがとな!京太郎!」ギュッ 京太郎「うへっ」 咏「いやー風呂上がったらよく知らんけどGがいてさー」 咏「助かったわー京太郎が居てくれてよかった!」 京太郎「どうってことねえよ、あのさ、それより……」チラッ 京太郎「当たってんだけど」 咏「へ……?」 咏「バ!バカ!さっさと出てけ!」カァァ 京太郎「んだよもー」 咏「あ……でも、その……」モジモジ 京太郎「何だよ」 咏「あ、ありがとな!知らんけど!」 ドタドタ バタム! 京太郎「荒々しいなーったく」 京太郎「……そういやほかの部屋からも聞こえたような?」 京太郎「あれは確か……」 京太郎「エイスリンさんの部屋だったような……?」 ドタドタ ガタガタ 京太郎「……行ってみるか」 【エイスリンの部屋】 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「キョ、キョウタロー!」 京太郎「どうしたんですか?」 エイスリン「アッチ!」 京太郎(またGか……?) 蛾「クックックックック」 京太郎(なんだG違いか……でも蛾もめんどくさいんだよな……) エイスリン「キョウタロー!」 京太郎「はいはい」 京太郎(蜂の方が慣れてるし楽なんだよなぁ) 京太郎(オーソドックスなやり方があるけど……夜だから通用するかどうかわかんないんだよな) 京太郎(まあやってみるか) 京太郎「エイスリンさん!電気を消してください!」 エイスリン「ワカッタ!」 京太郎「よーし……」 エイスリン「ハイ!」プチッ 京太郎「今だ!」 蛾「ソンナテニヒッカカルカヨ!」 エイスリン「イ、イヤ……」 京太郎(蛾は無害なんだけど……やっぱり嫌だよな) 京太郎(いざとなったら手で捕まえるか) 京太郎「エイスリンさん!」タタッ コケッ 京太郎「あ」 エイスリン「ア」 ドタッドタドタッ! 京太郎「あ、あー……え、えっと……」 エイスリン「ンッ……」 京太郎「あ、あれー?」←押し倒してる エイスリン「……キョウタロー?」←押し倒されてる 咏「京太郎ー?終わった……か…………」 京太郎「う、咏!違うこれは違うんだ!」 咏「うっせーこの痴漢魔!」 バタム! 咏「助けてくれてかっけーなーとか思ってたのに、なんであんなことしてんだよ」 咏「……ばか」 京太郎「……終わった、絶対終わったよこれ……」 エイスリン「キョウタロー、アレ」ユビサシ 京太郎「?」 蛾「」チーン 京太郎「都合よくドアに挟まれてるな……」 エイスリン「キョウタロー、アリガトウ!」ニコッ 京太郎「ハイ、ソウデスネー」 京太郎(なんか罪悪感があるなー……) 京太郎「あ、あの、じゃあ、退きますね」 エイスリン「ウ、ウン……」カァァ 【11月第2週 平日2】終 【咏の部屋】 ヴーッ ヴーッ 咏「何だよこんな夜にー……っ」 咏「はい、もしもし」 咏「…………」 咏「……わかってるよ」 咏「ああ……うん」 咏「はぁ!?来週から!?」 咏「…………」 咏「……わかった」 咏「…………」ピッ 咏「…………はぁ」 【11月第2週 休日】 京太郎「うぅ、昨日やりすぎたせいか眠い……」 京太郎「今日は何しよ」 京太郎「休日の朝から出かけるのもな……」 京太郎「部屋の中で今週の復習するか」 京太郎「誰か部屋に呼んでみよ」 コンコン 京太郎「咏ー、一緒に勉強しよーぜー」 京太郎「…………」 ゴンゴン 京太郎「咏ー、一緒に勉強しよーぜー」 京太郎「…………」 ドンドン 京太郎「咏ー、一緒に勉強しよーぜー」 京太郎「…………」 ガンガン!ガンガン! 咏「うっせーよ聞こえてんだよ!」 京太郎「よっ!」 咏「なんでそんな朝からテンションたけえんだよ……わっかんねー」 京太郎「さあな、どうする?来るか?」 咏「勉強つったっけ?今行くから待ってろ」 京太郎「おう、ありがとな!」 咏「だからこのときのこいつの心情は――――」 京太郎「ふんふんなるほどなるほど」 京太郎「違うって!ここの文法は――――!」 咏「うあー、わっかんねー」 京太郎「そろそろお開きだな」 咏「ん……10時か、そうだねぃ」 京太郎「飯だったら簡単なの作るけど、どうする?」 咏「あー……よろしく頼むわ」 京太郎「頼まれました!っと、目玉焼きと卵焼き、どっちがいい?」 咏「目玉焼き、半熟なー」 京太郎「ん、りょーかい。ちょっと待っててな」 咏「…………」 咏(京太郎の部屋……京太郎の臭い) 咏(そんで京太郎は私に朝飯を作ってる……か) 咏(こんなことしてると……なんか……) 咏「……一緒に住んでるみたいだな」ボソッ 咏「……」カァァ 咏(な、何言ってんだよ私!わっかんねー!) 京太郎「咏ーできたぞー……咏?」 咏「わっかんねー……わっかんねー……///」ポヘー 京太郎「?」 京太郎「いただきます」 咏「いただきます」 咏「ん……」モグモグ 京太郎「どうだ?美味いか?」 咏「あー、卵が美味いからじゃねえの?知らんけど」 京太郎「……さいですか」モグモグ 咏「…………」モグモグ 咏「……まあ、いい焼き加減なんじゃね?知らんけど」 京太郎「……」パァァ 京太郎「ああもう!最初っからそういえばいいのに!咏は素直じゃねーなー!」ナデナデ 咏「め、飯食ってるときに撫でんなよな!」カァァ 京太郎「はいはい」ナデナデ 咏「……はぁ」 咏「…………」モグモグ 京太郎「…………」モグモグ 『次の月曜からこっちの学校で生活なさい』 『もう我儘はいいだろう?』 咏「…………」 京太郎「……咏?」 『麻雀なんてこっちでもできるんだからさ』 咏「…………」 京太郎「咏ー、おーい」ブンブン 咏「……んなっ!なんだよ!」 京太郎「どうかしたのか?」 咏「あ……いや、なんでもねえよ」 京太郎「ん、そっか」 咏「…………」モグモグ 京太郎「…………」モグモグ 咏「……京太郎は、さ」 京太郎「え?」 咏「京太郎は、もし、もし私がいなくなったらどうする?」 京太郎「いなくなる?」 咏「遠くに行っちゃうってことだよ!」 京太郎「ん?よくわかんねえけど……」 京太郎「それは……寂しいな」 咏「……っ」 京太郎「照が東京に行って、憩さんは実家に戻って」 京太郎「照だけでも寂しくて、憩さんがいなくなったらさらに寂しくなった」 京太郎「それなのに、お前までいなくなったら……すげー寂しいと思うし、俺は嫌だ」 咏「…………」 京太郎「……って、もしもの話になに熱くなってんだろうな」 京太郎「ほら、早く食わねえと冷めるぞ?」 咏「お、おう」モグモグ 咏(京太郎は、そう思うのか) 咏「……ありがと」ボソッ 京太郎「…………」モグモグ 咏(――それと) 咏(……ごめん) 京太郎「確か次の試験は12月の中旬くらいだったっけか?」 京太郎「対策は用心しておかないとな」 昼 京太郎「…………」 京太郎「くそぅ、咏があんな話するから照のことを思い出しちゃったじゃないか」 京太郎「学割使えば楽に行ける……よな?」 東京へ行きました! 京太郎「さて、ここまで来てしまったわけなのだが……どうしよう」 京太郎「日帰りだとして……何しよ」 京太郎「そういや前、麻雀教室なんかバイトでやったっけ?あれ大阪のローカル局だったらしいけど」 京太郎「テレビか……せっかく都心に来たんだし自分を売り込むのもいいな」ウンウン 京太郎「物は試しだ!挑戦あるのみ!」 京太郎「でも売り込みってどうすればいいんだ……?」 京太郎「ん?この広告は……」 【プロ雀士に挑戦してみませんか!】 【この広告をご覧の貴方!プロ雀士に挑戦して、豪華賞金を手に入れませんか?】 【挑戦者は―――まで!】 京太郎「……へぇ」 京太郎「賞金までもらえて自分を売り込める、なんという一石二鳥!」 京太郎「早速この場所に行ってみるか」 良子「ドキッ!プロ雀士だらけの大勝負大会ー!」 大沼「」ドンドンパフパフ はやり「わー!わー!」 健夜「ゎ、ゎぁー……」 理沙「頑張る!」 靖子「私の番はまだですか?」 良子「というわけで始まりました、プロ雀士だらけの勝負大会」 良子「司会は私、戒能良子でお送りいたします」 良子「このプログラムでは、私たちプロ雀士が一般の方々とさまざまなバトルを行います」 良子「一般の方が私たちに勝利した場合、金一封が贈られます」 良子「それでは一番!トライアスロン対決から参りましょう」 良子「VTR、どうぞ」 -- ―- ,, ,, ''" "' 、 ´ ヽ / ヽ , ヽ ハ ', / / / ! ', , ハ / / ./ / /| |! ', ' ! l' /{ ,' ,イ/__!__ !__ | | | { .! !./ ̄ !| j ヾ ̄ | | | 、 /ヾ {___|/ lヽ /!/__ __| | |、 \ ' /\ _二ニ x,,\ _/ z ニ二__ | ,' \ ヽ .// |\\! {////} {////イ ! |/ \ヽ 〃 | l ヽヘソ ヽヘソ ! ! ヽヽ / ! |', ' | | ヽ} | 八 _ /! / | / . !_ヽ イ| / | |レ / ,> ィ'"|_ `.!// |/ ./-''" / | ¨ |ハ !\\ , イ ヽl_ _,,/ ヽ ` ゙ イ ,ハ_ヘ }< > '" { /////〉 l ゙ < > ''" l / {//// \ j ゙ < プロ雀士代表 戒能良子(20) 良子「トライアスロン……ですか」 良子「体力には自信があるので、誰が来ても大丈夫だと思います」 そして対するは――――! 京太郎「麻雀では敵わない、でも体力に自信はある」 京太郎「じゃあいつやるか?」 _,...---、_,.、 / / / ヽー-、 /. , ! iハ!/メ、.i | \ イ { ヽN 'i !/!人iヽi _1 i( _ 丶 \ / `Yリヽ '、_)'´!`ー` 「今でしょ!」 / .. | ,. _/. /. 、 ト、ィ' / | !;-! / | ! ヽ、 , -‐クヽ / ! .. ⊥__!_ / .. ノ) / | ..  ̄`''''''' ′.. ノ. / | ..... .............. _, -‐'′ / `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__./__ /! i / iu-゙、/----、\ / | ⊥ __,...-‐'.i... ヒノ ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ | . _,.-‐'" 国民麻雀大会優勝者 須賀京太郎(16) ――――今、戦いの火ぶたが切って落とされた……! 良子「まさか相手が京太郎だったとはね」 京太郎「俺もまさか良子さんとトライアスロン対決ができるだなんて思っても見ませんでしたよ」 良子「いい勝負にしよう」スッ 京太郎「もちろんです!」ギュッ 二人は熱い握手を交わし、スタート地点へ! 京太郎(競技は水泳→自転車→マラソンの順番) 京太郎(そして良子さんは競泳水着着用……!) 京太郎(永久保存版だな!)グッ 良子「?」ポヨン 「よーい!」 「スタート!」 京太郎(水泳……とりあえず俺に分があるみたいだ) 京太郎(良子さんまで溺れないでほしいけど……?) 京太郎(あの光ってるのは何だ?) チクッ 京太郎「い゙っ゙!」 京太郎(何だこれ……釣り針?) 誠子「お、大物の予感!」 誠子「釣りあげてやる!」ギュルギュル 京太郎(痛い痛い痛い痛い痛い!) 京太郎(針を抜かなきゃ……!) 誠子「……手ごたえが無くなった?」 誠子「逃げられたか」チッ 京太郎「どっかの釣り馬鹿のせいで随分遅れちゃったな……」 京太郎「この自転車で取り返すしかない!」 京太郎「くっ、はぁ、はぁ!」 京太郎(追いつけ、追いつけ!) プシュ 京太郎「……は?」 プシュー… 京太郎「パンクした……だと……」 京太郎「運営に連絡しないとな……」 京太郎にAPが10加算された! 京太郎「良子さんの姿が何とか見えるくらい……か」 京太郎「運悪いな俺……」 良子「はぁ、はぁっ」 良子(さっきからベリーサースティーで……) 良子(目の前が、何だか)グラッ 良子(あ、あ、れ?) 良子(め、がまわって……) ドタッ 京太郎(……?) 京太郎(良子さんのペースが落ちてきたような……) 京太郎(よし、今が勝負どころだ!)タッタッ 京太郎(…………あれ?) 京太郎(良子さんが、倒れた……!) 京太郎(確かに、これはチャンスかもしれない) 京太郎(けど……こんなこと、見過ごせない) 京太郎(助けを呼んで俺はゴールへ行けばいいかもしれない) 京太郎(……やっぱり、そんなのダメだ!) 京太郎「しっかり掴まっててくださいよ」 京太郎「……聞こえてない、よな」 京太郎(ここまで来たんだ、二人でゴールする!) 京太郎「前進あるのみ……っ!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 良子「ん……ここは?」 京太郎「気付きました!?」 良子「京太郎……私は、一体?」 京太郎「良子さん、走ってる最中に倒れたんですよ!脱水症状で!」 良子「脱水症状……」 良子「……じゃあ、レースは京太郎が勝ったんだね」 京太郎「いや、同着です」 良子「同着?」 京太郎「えっと……あ、もうこんな時間か、俺帰りますから、お大事に!」 良子「えっ、京太郎?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 『勝負はなんと引き分け!』 『名勝負を繰り広げた二人に拍手を!』 ワァーッ! ワァーッ! 良子「…………」 良子(京太郎は、あのとき私を助けて、一緒にゴールした) 良子(そういうこと、だったのか) 「戒能さん!感想!」ヒソヒソ 良子「彼のおかげで、助かりました」ウルッ 良子「ありがとう、ござい、ました……っ」ポロッ 良子「……それでは次の勝負です」 『次の勝負は!小鍛治プロと、若作り対決だー!』 良子(今度、もっとちゃんとお礼を言わないと) 良子(目の前で、ありがとうって) 京太郎「結局、感謝料で金一封貰っちゃったな……」 京太郎「次、何しよ」 京太郎「金も入ったし照のために菓子を買てってやるか」 京太郎「美味そうなのを片っ端から選んで行こう」 京太郎「ビアード・○パから各地のアンテナショップまで行ってきた結果……」 京太郎「なんつー無駄遣い……」 京太郎「今度から金は大事に使おう」 京太郎「そろそろ時間も限界だし、照に会いに行こう」 京太郎「直接白糸台まで来てみたぞ」 京太郎「ここで照を待ち伏せすれば……っと」 京太郎「あ、あの人は……」 京太郎「弘世さん……かな?」 菫「」ササッ キョロキョロ 京太郎「何してるんだ?」 菫(パ○の実いちご味、ようやく手に入れた!) 菫(後はこれを淡や照たちにばれないように……) 京太郎「ひーろせさん」ボソッ 菫「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「何やってるんですか?こんなとこで」 菫「す、須賀……って!貴様こそここで何をしている!?」 京太郎「照に話をしに来たんですけど、知りませんか?」 菫「うっ、あいつか……」 京太郎「いないんですか?」 菫「いや、そういうことでは……」ポロッ 菫「あっ」 京太郎「……パ○の実いちご味、ですか」 菫「わ、悪いかっ!」 京太郎「前もきのこたけのこ戦争に巻き込まれましたし、今は驚きませんよ」 菫「そういえばそんなこともあったな……」 京太郎「要するに照と淡にこれを食べているところを見られたくなくてここでコソコソしていた、と」 菫「そう言うと私が悪いことをしているみたいじゃないか……」 京太郎「で、結局照はどこにいるんですか?」 菫「ああ、照ならまだ部室にいるはずだ」 京太郎「わかりました、じゃあまた!」タッタッ 菫「おい!このことは秘密だぞ!」 京太郎「わかってますよー!」 京太郎「確か部室はこっちの方だったはず……」 照「……京?」 京太郎「照!」 照「何しに来たの?」 京太郎「おう!お前を誘いに来たんだ!」 照「誘い?」 京太郎「……うーん、廊下で話すのもアレだし場所を変えよう」 【教室】 照「それで、誘いって?」 京太郎「うん、あのさ」 京太郎「また、三箇牧に戻ってこないか?」 照「……え?」 照「……っ」 京太郎「中核が、もう一人必要なんだ」 京太郎「もうすぐ照も郁乃さんもエイスリンさんも引退だけど、やっぱりみんなで笑って引退してほしいしさ」 照「でも、私なんかがいたって……」 京太郎「三箇牧のみんなのため、俺のためお前の存在はものすごく大きいんだ」 京太郎「照が嫌なら戻ってこなくていい」 京太郎「けど俺は、お前がいないと1日1日がなんかつまんねぇし」 京太郎「お前がいなくなってから胸にポッカリ穴が空いた感じがして……なんつうか、寂しいんだ」 照「…………」ウツムキ 京太郎「ゆっくり考えてくれよ、俺は待つから」 照「……うん」 照「…………」 照(京は、私に戻ってきてほしい) 照(前話した時も、言ってた) 照(私は……私は……) 京太郎「…………」 京太郎「……なあ、照」 京太郎「また俺と一緒に、麻雀打とうぜ」 照「……~っ!」ポロッ 京太郎「えっ、てっ、照!?」 照「うぇっ、ぐすっ」ポロポロ 京太郎「な、何泣いてんだよ」アセアセ 照「京、っ、ごめ、ん」ポロポロ 照「あっ、ありっ、ありがと、う!」ポロポロ 京太郎「っ、ああ、どういたしまして」 照「いつも、ずっと、今まで!」ポロポロ 京太郎「……俺も、照がいてくれて幸せなんだ」ギュッ 照「ぁ……」 京太郎「ありがとう」 照「……うん……うん!」ポロポロ 帰り道、京はよれよれの服を着て、私はぐしゃぐしゃな顔で喋っていた ただ他愛もないこと、三箇牧のこと、白糸台のこと、今日のこと 言いたかったこと、さっきも言ったけど、また言いたい 「京」 「ん、どうした?」 少しだけ京の前に出て、振り向いて 私に声をかけてくれて 私と遊んでくれて 私と麻雀をしてくれて 私を助けてくれて / \ / . .. . .. ... ヽ. / / . . . . . i / /;. ;ィi i i i .| | . .. |. / i | . ハ!_|.|. | i | . | / ..|. | ! '|´|_И ! i | | |./ . /! { ハ i f"| ヽ| i |-、 | .|i/ | };ハ{. Lン| ;ル'^ } | | | ノ "" j/ / | | | .、 '^リ ! | | 照「ありがとう」 | ハ` ! / i i |ノ |/ ヽ.__,.. 、 / / / / /! / V | / ノi! /! ノソ }ノ ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\ ,...-‐'" `ー- 、 r=、´ `ir、 /\ヽ、 ||.ト、 ハ | | | ||.| |. i ゙、 | | | ||.|/!| ゙、 !.i i ||.|| 照「多分、あっちに行くのは来週になると思う」 京太郎「ああ、待ってる」 照母「あら?照?それにそこの男の子は……」 京太郎「御無沙汰してます」 照母「久しぶりね、京太郎くん」 照母「それで、二人はひょっとしてあれかしら?遠距離恋愛?」 照「違う!」 照母「あらそうなの?じゃあどうしてここにいるの?」 京太郎「照を三箇牧に誘いに来たんです」 照母「へぇー、それで照は行くのね?」 照「なんでわかるの?」 照母「何となくよ、何となく」 京太郎「は、はぁ……」 照母「そうだ!明日から大阪まで行くから一緒に行かない?」 照母「そっちの方がお財布も楽でしょうし」 京太郎「あー、そうですね、それではよろしくお願いします」 照母「決まりね!今日は家に泊まって……あ、照と一緒に寝るのはダメよ?」 京太郎「しませんから!」 【11月第2週 休日】終