約 2,210,996 件
https://w.atwiki.jp/brutalanimal/pages/108.html
だが男はそれに気付いていながらなおも動かない。焦らすように腰をのろのろと動かした。もっと強い刺激を欲して少女はもじもじと身体を震わせ、その膣から愛液がだらだらと垂れる。 「もぅ……だめらぁ……ちんぽほしいのぉっ! ……おまえのゆびでぇ、けつあなかきまわされたいのぉ……ひぐっ、すんっ……そんくらい分かればかぁ……」 見得も忘れてえぐえぐと泣き出してしまった少女に、男はこの上も無い快感を覚えた。雁首で少女の子宮をずんと突き上げ、指で少女の腸の掻き回す。 「ふぅぅーっ! これぇっ! こうしてほしかっらのぉ! ちんぽきもちいっ、もっとぉ、おまんこぉついてぇっ」 鼻息を荒くしながら幼い少女が自分の膣と菊門をむちゃくちゃにされて満面の笑みを浮かべている。それどころか「もっともっと」と更にねだっている。 そんな異様な光景に男は興奮して更に抽送を激しくする。少女の身体は大きく上下しその卑猥な胸が形を変えながら揺れ動く。 「はぁーっ、ふっふぅーっ、んあっ、らめ、おまんこずぼずぼされて、……ろうにか、なりそおだっ、あっ、あっ」 少女は悶え、ぶんぶんと頭を振った。金色の髪がきらきらと反射して乱れた。 「んんっ、あひぃっ、んあっ、くふっ」 もう憎まれ口も叩けなくなり喘ぎ声しか出せなくなった少女は一心不乱に腰を振る。その腰付きはまさに狩猟動物で、快楽という獲物を貪り続けている。 少女の膣は自分の為に作られたのではないかと錯覚してしまうほど男の肉棒にぴったりと密着する。 次第に突き上げは激しくなり、ぱんぱんと肉と肉がぶつかり合う音や、ねちゃねちゃと粘膜を互いに擦り合う音も大きくなる。 「ふぁっ、だめ、くるぅっ、おまんこいっちゃうのぉーっ!」 男も限界が来て、少女の中に熱い欲望の塊が注がれた。 少女は男の胸にしな垂れかかると、二、三度、弓なりにのけぞる。 肢体は死体のように生気を失い弛緩していたが、媚肉は電流が通っているかのように不規則にひくついて男の肉棒から残らず精液を搾りとった。 うっとりとした様子で繋がった部分から垂れるその液体を見つめていた。 ようやく我に帰り、男が本題に戻そうと口を開くと、今まで恍惚としていた少女はどこへやら、男をきっと睨みつけた。 「お前は、本当に分からず屋だな。……まぁいい。わたしは優しいからな。馬鹿なお前が理解するまで、たっぷりその身におしえてやろう」 短時間に二度射精した男の肉棒は、先程までの勢いを失っていた。萎えて縮んだそれが少女の陰部からぼたぼたと垂れる白い液体と共に抜け落ちる。 久しぶりに外の寒空の下に晒されたそれに少女は膝をぐりぐりと押し当てた。 「目の前にぜっせいの美女がいるというのに、たった二発だしただけで、こんなちいさくなるなんて。……このへたれちんぽ」 ねちねちねちねちと、夫の浮気を責め立てる妻のように、しつこく男のみすぼらしい肉棒を膝でつつく。 「聞こえてるか? いや聞け」 男の耳に少女は口を近づけた。生温かい吐息が耳をくすぐる。かぷりとその耳朶を噛み、耳の穴へと舌を挿し込む。 両方の足の裏と指を使って男根を扱き、大きくて柔らかい生乳を男に押し付け男の触覚を刺激していく。 「こんだけされてぼっきしないなんて、幼女だいすきな変態としてはずかしくないのか?」 いやいや色々とおかしいですよと男が抗議するも耳を食べる勢いで強く噛まれた。血が流れる感覚が伝わる。 しかし少女の舌が全て舐め取っている。ぺろぺろとミルクをすするように少女は懸命に舌を動かした。 その綺麗な朱色の舌を今度は耳の穴にねじ込む。じゅぼと大きな音が聞こえる。外耳道の壁を温かい粘膜が擦っていく。 耳の穴へ卑猥に抽送を繰り返すその舌はまるで膣に出し入れされる男性器を模しているかのようだ。 「んっ、このみにくいちんぽを、んっ、わたしのおまんこにケモノのように、んっ、つっこみたいんだろ、あむっ」 はぁはぁと盛りの付いた少女の息遣いが耳の裏に当たる。奥へ奥へと舌は侵入していくが、肉棒への刺激も忘れず少女は細い足の指で指圧する。 華麗に旋律を弾くピアニストのような繊細な指遣いに、荒々しく耳の穴を侵す舌に男は良いように弄ばれた。 次第に雁首は上を向いていき、やがて少女の足の中で大きくなった。 「ふふ、やっぱり、そうなんじゃないか。お前のおちんぽは正直でいいな」 足の指で肉棒を一度弾くと、ぴんと直ぐに起き上がった。 少女はこんもりと盛り上がった無毛の丘にその膨れ上がった肉棒をあてがうと、男に意地悪く笑みを向けた。 「お前のちんぽ、わたしのまんこに入れたいって、びくびくしてるぞ。ほんとにがまんが足りないだめちんぽだ」 本来ならば固く閉じられているであろうそこは、少女らしい外見にあるまじき毎夜毎夜繰り返される淫欲まみれた交合によって肉襞がはみ出で、綺麗な桃色であるはずの茶味がかった陰唇は、男の屹立した雁首を誘うように蠢いている。 「けどいれてやらない」 が、そのまま滑って恥丘の上に逸れた。少女のすべすべとした肉感の良い太股に挟まれてそのまま肉棒がその顔を腿に隠れたり現れたりするようになった。 濡れそぼった入り口を亀頭が擦り付けられるが、少女は先程のお返しとばかりになかなか入れようとしない。 「どうした目が血走ってるぞ。ちんぽだけでなくて持ち主じしんも節操なしだ」 男とは対極的に、雁首に陰核を突付かせて少女はこれだけでも結構な快感を得ているようだ。 「わたしは、えらいから、こんじょうなしの、おまえをきたえてやる。ばかには、しつけがひつよーだからな」 ふふんと少女は男を見下して、股を恥ずかしげも無く擦り付ける。いつのまにか包皮が剥かれて淫核が大きく勃起していた。 「ふん……うんっ……ん……」 くぐもった声を上げて気持ち良さそうにしている少女を尻目に、男は物足りない快感に身を焦がす。 「いれさせてほしいか?」 こくんと男が頷くと少女はびくんびくんと身体を震わせた。軽く達してしまったらしい。 「発情期の犬みたいにだらしなく腰を振って、まんこにびゅくびゅく射精したいのか?」 焦燥感は羞恥に勝る。男は骨髄反射でこくんこくんと頷いた。 「さっきはお前はわたしが泣くまで言うこときかなかったからなー」 どうしよっかなーと少女は滑らかな内腿で肉棒を刺激し続ける。太股は、雁首から先走る透明の液体と少女の膣から溢れ出る愛液でおもらしをしたみたいになっている。 はっと口を大きく開け、先程までの余裕を無くして言い繕った。 「いまのは、なしっ! いや、ちがう、わたしが泣くわけないだろ! ぜんぶ演技っ、わたしのたぐいまれなる演技力のなせるわざだからな!」 はい分かってますだから早くと急かす様にぶんぶんと頭を縦に振る男に、少女は「のうたりんのお前もようやくわかってきたか」とうんうん頷いた。 「よし、じゃあ、ほんのちびっとかしこくなったお前にほうびをやる」 仰向けに倒れる男に抱きつくように覆い被さっていた少女が一旦立ち上がる。 行為の前の意気込みはどこに行ったのやら、ようやく膣に入れられるのかと男の呼吸が早くなった。 「お前のだいすきな足だぞ、ほら」 男の期待はものの見事に打ち砕かれた。この少女が素直になにかをしてくれる筈が無いのだ。 猛る男根を少女は少し前と同じようにその染み一つ無い綺麗な足で踏みつける。それはそれで気持ちいいが、なんだろうこのわびしさは。 「おまんこにちんぽ入れたくてがまんできないって、なさけない顔してるぞ。ほんときもちわるい」 貴族が物乞いに向けるような見下した目でそういった後、ふわりと少女は天使のように微笑んだ。 「うそだ。ちょっとしたおちゃめだ。ちゃんとごほーびをやろう」 細いが適度に肉の付いた美術彫刻の女神のような足が離れると、沈み込んでいた肉棒が褒美を前に姿勢を正したみたいにぴんと反り返って屹立する。 「右と左、どっちの足がいいかえらんでいいぞ」 はあぁぁ~……。 溜め息が出た。魂が抜き出たとはこういうことだろうか。本当に大きな溜め息が出た。 せっかくだから、俺はこの左の足を選ぶぜ! などと無理やり気分を持ち直す。 男の雁首に左の足が重なった。 「お前のきたならしくてみすぼらしいちんぽをこのわたしのおまんこに入れようだなんて、なんておこがましいやつなんだ」 指を使って男の亀頭を器用に引っ張る。加減されているが、少女は男を罵って興奮しているのでたまにきりきりと痛みが走る。 「足をつかわせてやってるだけでも、ありがたいと思え。この愚民」 さわさわとくすぐるように撫でたかと思うと、嬲るように肉棒を責め立てる。時に艶かしく、時に初々しく。この多彩な快楽の波がたった五本の指で起こされているとは到底思えない。 「それなのにお前は、ちんぽをしゃぶらせたり、おっぱいにはさませたり、子宮をつくくらいはげしくおまんこにぶっさしたり」 亀頭の中心、その割れ目を中指が沿っていく。そして指の腹が尿道口に入り込む。全身に電撃が走る。その刺激のあまりの強さに身体が浮き上がった。 「お前は年がら年中発情期なんじゃないか? このへんたい」 ぐりぐりと中指が動き、快感とも痛みとも取れる強烈な感覚に男は言葉も出ない。 「くやしかったらそのばかづらをどうにかしてみろ、ほら、この、この」 リズムよく指を押し入れ続ける。本当に僅かにしか入っていないのにこの快感。頭がどうにかなりそうだった。 「でるのか? 指入れられてしゃせいしちゃうのか?」 射精を促すように足の裏でくいくいと肉棒全体を揺らされ男は達した。 黄ばんだ白い粘液が足の裏に吐き出され、男を絶頂に導いた愉悦に少女の膣がきゅうきゅうと蠕動した。 「なんどかいでも、慣れないな。くさい。くさすぎる。この世のものとは思えない」 そう言う割には鼻をひくつかせて、くんくんと自発的にその臭いを吸い込んでいる少女は男に跨って膝を付いた。 「こんなくさいものにはふたをしてしまうのが、いちばんだ」 もう随分と長い間ご無沙汰だった気がしてしまうほど、待ちわびていた少女の中。 肉棒をぎちぎち締め付ける肉襞は、男の進入を心から喜んで抱擁しているかのようだ。 「こんなのの何がきもちいんだか。へんたいのお前の気が知れない」 口ではなんと言われようと少女が自分を受け入れているという確かな実感。尿道口を責められるのとは次元が違った。 「ふぁっ!?」 どくどくと根元から精液が這い上がってくる。男は一往復もせずに射精した。 「みこすりはんどころか、入れただけだぞ……そんなにおまんこがうれしいのか。この早漏ちんぽ」 防波堤が決壊したかのように止まらぬ射精に少女は満面の笑みを浮かべて男を貶す。 ゆっくりと腰が動き、愛液と精液の混ざり合ったものを潤滑油にしてじゅぽじゅぽと卑猥な音を奏でる。 「よだれが、ふっ、たれてるぞっ、んっ、はっ、はっ、そんなにうれひいか?」 顎まで流れた唾液を舐めとり、少女は男と舌を絡ませ合う。べちゃべちゃと顔に唾液が付いても構わず激しく絡ませ、既に上も下もべちゃべちゃだった。 「足でいじられて二回も出して、んんっ! 自分よりも小さな娘のまんこに精液出したいと無様にねだったあげく、はっ、んあっ、入れただけで射精して」 男の手がふっくらと柔らかい巨大な胸へと伸びていき、パン生地をこね回すように弄ぶ。 「おっぱい好きの幼女趣味の上に、色情魔で、んんぅっ! ひっ、んっ、そーろぉおっでっ、のーなしでっっ」 ぷにょぷにょと軟度の高い透き通るような白い肌の感触を手の平で味わい、硬くしこった乳首をミルクを絞り出すように指で扱く。 「んっ、あっ、いっ、そんな変態をっ、あいへしてくれるようなぁ、んっ、ふぅーっ! 寛大なこころの持ち主は、わたしくらいな、もんなんだからなっ」 激しく奥を突き上げていた腰の速度を落とし、緩やかな抽送を繰り返す。 「そこらへんっ……をぉっ、ぜんぜん……んあっ、あう……わかっれないんらぁっ、おまぁはっ、あっ、ふっ、いっ」 かと思えばまた激しく揺さぶる。緩急をつけた動作に幼い少女の膣は男を褒めるようにうねうねとうごめいた。 「ふっ、ほはっ、ふっ、ほっ、はっ」 少女が減らず口を叩かなくなり呼吸をするのが精一杯という具合になったかと思うと、肉棒をきゅうぅぅっと締め付ける感覚が。 「んんうぅぅぅっ!」 弓なりに仰け反り、膣が痙攣する。少女が絶頂に達したのだ。ぽーっと頬が紅く色づき虚ろな目でどこかを見つめる少女の膣を構わず突き上げる。 「ひぐっ、あっ、こら、やめ、んっ、んっ、はぁっ」 飛んでいた意識が戻り男を制止させようと声を出そうとするが、自らの喘ぎ声に邪魔されてしまう。 「い゛っれるのに、んんっ、あっ、まんこ、またっ、」 小刻みに痙攣し続ける肉襞の心地よさを感じながら、少女のくびれた腰に手を添えて荒々しく子宮を突き上げる。 そしてしばらくして男は少女の子宮に白濁を注ぎ込んだ。もう何度も出したというのに、その濃さも量も変わらない。 「ふああぁぁっ!!」 子宮は既に精液で満たされていて、どんどん外へ溢れ出る。男と同時に果てた少女は男にその全体重を預け、その余韻を味わった。 「こんなにいっぱい精子だされたら、お前の子供をぜったい孕んでいるぞ……」 上体を起こすとこぽりと水っぽい音が鳴った。少女はぽっこりと膨らんだ下腹部を嬉しそうに見つめている。 出産どころか初潮も訪れてなさそうな幼い少女の容姿だというのに、その表情はどこまでも大人びて目に映った。 「小さな娘にこれだけ子種を注ぎ込んで妊娠させようとするなんて、鬼畜いがいのなにものでもないな」 えへへと可愛く笑いながら言われても。 「さっき言ったことをぜんぜん分かってないなお前は」 腰をくねくねと淫靡にまた動かし始めた少女。射精して気だるさの残る男の肉棒を刺激していく。 「きだいの馬鹿だ。これはこのわたしが何度も何度もしつけなければならないようだ」 え、まだやるんすか? いかにも不安といった目を男は少女に向けた。 「きまってるだろ」 なにを当たり前のことを聞いてるんだお前は。そんな顔をして少女はたゆんたゆんと胸を弾ませる。 動く度に精液が零れ落ちてベちゃべちゃと音を立てる。少女は眉を下げ残念そうにそれを見つめた。 「あ、おまえのこだねがぜんぶ落ちちゃう……」 今にも泣き出しそうな少女の髪を撫でると「なでんな」と言いつつも少女は嬉しそうに大きく頷いて、「そうかそうか」と一人納得。 「もう一度わたしの子宮に精液を出すから安心しろと。そーいうことか」 ええぇぇぇぇ。開いた口が塞がらないとはこういう事か。少女の思考回路と、まだやるのかという心的疲労で男は呆然とした。 縦に横に尻を揺らし、時計回りや反時計回りに円を描くようにうねうねと。妖艶な腰使いに男の射精感は強まっていく。 びゅるっ! と精子が飛び出るがさすがに勢いが弱まっている。 「……早漏。こんなもんじゃ落ちたぶんの方がおおいぞ。出し惜しみするな貧乏性」 となぜかいらいらした様子でまた腰を振るが、ぬぽっと陰茎が抜け落ちる。 「もうっ! 世話のやけるっ!」少女は身体を前後に反転。しなびた雁首を咥えるとずぽずぽとしごき始める。 男の視界には少女の形の良い尻と精子でべとついた秘部とひくついた菊門がでかでかと占拠し、口淫をする少女の動きにあわせてゆらゆらと揺れている。 「このわたしにくっさい精子まみれのちんぽをくわえさせるなんて、とんでもないやつめ……これはおしおきだからなっ」 ちゅうぅぅと吸い付き尿道口から残った精液が吸い取られる。少女がちゃくちゃと濃厚な白濁を味わっている内に肉棒がむくむくと起き上がった。 「なんだ、いやだいやだと言いながら、おちんぽぼっきさせて……このみえっぱりやさんめ」 ……。 少女がまた膣に挿入する。気持ちいい反面、男はどんどんと疲弊して衰弱していった。対して少女に疲れは見えない。 ぶるんぶるんと、まるで触ってくれと言わんばかりに淫らに揺れる胸を見ても腕が動かない。揉みたい。揉みしだきたい。 「ああんっ、はぁっ、ふぅっ、んんっ」 男の欲求は強くなっていくが思うようにいかない身体に思考回路がおかしくなっていく。 ぬちゅぬちゅと抽送は繰り返され、快感は十分なのに何故か身悶えするような鬱憤が溜まっていく。解消する術は無い。 その内また精液が吐き出され。その度に萎えた肉棒を少女がまた勃たせて。その繰り返し。 いくら精液と愛液でだらだらの膣内といえど、次第に男の陰茎は擦れてひりひりと痛み出した。 「も……やめて、くださ……」 指一本すら自分で動かせないほど身も心も枯れた男がどうにか出すことの出来たその懇願は、木々の擦れ合う音よりもかすかであった。 「……」 放蕩とした顔を一変、不満である事がありありと分かる表情を作って少女はこれ見よがしに腰を上下させた。 意識的にやっているのか、それとも無意識なのか、少女のその容姿に似合わぬ成熟した肉襞は男根の根元から雁首、亀頭、尿道口と締め付ける箇所を移していき、巧みに射精を促した。 精巣から作られたばかりの精液が精管を通る。疲弊した肉繊維を白濁により広がった精管がさらに苛めて尿道口へと上るにつれて鋭い痛みが男を襲う。 しかし実際のところ、男の胸中にあったのは苦痛だけではなかった。それすらも男は快感を覚えていた。 やがて今宵何十度目かの射精が始まり、少女の少女らしからぬ熟れた肉壷はそれを全て受け止め、子宮を膨らませるほど満杯に溜まっていた白濁液がその独特の臭いを撒き散らしながら外へ吐き出される。 黄ばみがかった白い不透明の粘液は、何百、何千と男の肉棒を貪っていやらしくその色を淀ませた、茶味がかった薄桃色の膣を通り、呼吸をしているかの如くその口を開閉する菊門から男の大腿へと流れ雑草の茂る地面へと垂れた。 男の股下、ぼたぼたと泡を立てている精液は白く濁った水溜りとなっている。 きゅぽんと音を立て、男の肉棒が抜けた。今夜だけで何百往復と膣口を突き立てたそれは、摩擦で赤黒く色を変え、腫れ上がり元よりも一回りも二回りも大きさを増している。 血流が分かるほどに血管の浮き出た男根を眺めて少女は満ち足りた顔を浮かべた。 ようやく終わりかと男が安堵した。 「あと何回わたしのおまんこに攻め入れば気が済むんだ? 愚鈍なお前は数なんて覚えてないだろうから明晰なわたしが言ってやるけど、もう今夜だけで何百回もわたしのおまんこはお前のちんぽにずぼずぼされているんだぞ? 万年発情期の人間の中でもお前の性欲はとびぬけているんじゃないのか。このしきじょうまめ。 ほら分かるか、お前のちんぽがなんべんもなんべんも深く強く私のおまんこを出入りするから、綺麗に閉じていたはずのおまんこにお前のちんぽの型がくっきりついてしまって半開きになってしまったんだぞ。 お前のちんぽは見るも無残に腫れて痛々しいかぎりだ。 それなのにその醜い肉の塊が萎えることを知らないせいで、私のおまんこのなかは火傷してしまうかと思うほど熱を帯びているんだぞ?」 少女は後ずさり前屈みになり、男根のすぐ前に自分の顔をもって来た。そして亀頭へふぅっと息を吹きかける。 火照った肉棒が涼やかな甘い風に冷やされて気持ちいい。 「こんなに傷つき疲れきったちんぽなのに、わたしのおまんこに入るとかならずその欲まみれのくっさい精液を吐き出して」 男の股下で蹲る自分を上体を少し起こして見つめる男を罵るが、位置関係から上目遣いになってしまいどこか媚びた印象を抱かせる。 「私の中の、隅までもう入り込む隙間が無いほどどろどろの愚民子種で満たされているというのに、物の一つ覚えのように注ぎ込むことしか知らないから、まんこから溢れ出て垂れてしまっているじゃないか。 お前は地面でも孕ませるつもりなのか?」 すると少女は一晩の内に出来た白濁色の小さな泉に舌を這わし始めた。ミルクを舌を伸ばして飲む子犬のようである。 「ほら、こうやって喉の渇きをいやせるくらい、たくさんの精液が、役割を果たせずに無駄遣いされている。こんな考え無しだからいつまでも貧乏なんだぞ」 貪るように地面の上の粘液を飲み干し、少女は鼻の下に白いひげをたくわえた。黄ばみがかった白色のそれを少女の桃色の舌が艶かしい弧を描きながら舐め取った。 「ねとねとと粘っこい精液をなんべんもなんべんも擦り込まされて、きっと何年、何十年たとうともお前のくっさい精子の臭いがこびりついているに違いないぞ。 街を歩いても、山を歩いても、森の中でも、どこにいたって、わたしはお前の牡の臭いをぷんぷんさせなきゃいけないんだ。 このべっとりと纏わり付く、くっさい臭いのせいで周りにいるどんなものにもわたしがお前のものだなんて勘違いをされて一生を終えなきゃならない。 全く、本当に、ほんとうにほんとうにほんとうに! 気がめいってしょうがない。 この落とし前、どうしてくれるんだ?」 完全な言いがかりである。 少女は金色の髪を揺り動かしながら前へ進み、また男の身体にまたがり、閉じられた。跨る為に足を大きく動かした時、たわわに実った双房が愉しそうに跳ね上がる。 「千年に一人いるかどうかの変態だからな、そうだったら嬉しいんだろ?」 そしてその水鞠のように弾む乳房を「触っていいぞ」と許可ではなく命令を男に下し、男は脱力した腕に力を込めて大きな胸へ運んだ。 「どうせ、この胸が不遜にも自分のものにできるなんて妄想をいだいてるんだろ? お前のちんぽがまた大きくなったぞ」 男の肉棒は血管が破裂するかと思われるほどに滾る血が集まり、死んだような全身とは裏腹にそこだけ生気溢れる興奮に満ちていた。 「このおまんこだってな、お前のちんぽの太さだって、固さだって、少し左に曲がって反っている形だって、火みたいな熱さだって、雁首の張り具合だって、なにもかも覚えこまされてしまっているけど、だからって、なにもお前だからこんなに締めつけ、からみつく訳じゃないんらぞ。お前とまぐわっても、わたひは、ふぅ、本当にぜんぜん、うれしく、ないんだからな」 本当に嬉しくないと、もう一度少女は念を押して、男の肉棒を味わうように深く強く抽迭を繰り返す。 「脳味噌のなかにはいやらしい欲望しか詰まってないんだな。心配するな。この私が、完全に全部出させてやるからな」 「んんっ、ひぃっ、ふぃっ、あんっ」 いたいのに、もう出せないのに、気持ちいい。 男はすでにうめく事すら億劫になっていた。 じゅぼじゅぼと水気のある音と喘ぎ声が月の出る夜の空に響きわたっていた。 びくんびくんっ。射精をした時のような快感があるが、何もでない。ついに、やっと空っぽになった。 これで終わりだ……。 男がとてつもない開放感を味わう。すごいうれしい。自由だ。少し息苦しいが。自由の味は甘いんだな……。 ……あれ? 気付けば口には桃色の乳首が咥えられていて、鼻の穴の片方が存在感たっぷりのたぷたぷとした乳房で塞がっていた。 もう出ませんよ? 「しつれいな。わたしはかしこいからな。しってるぞ。あらしのまえのしずけさというやつだろ?」 男は死を覚悟した。 そして死にたいと思っても死ねないので、そのうち男は考えるのをやめた。 ◇◇◇ 「いままでとかわらない毎日。なぁ、それで十分じゃないか? これ以上、なにがほしいんだ?」 少女の口から漏れたその言葉は、もう何も出ないほどに搾り取られて疲れ果てた男の耳を右から左へ通り抜け、辺りの静けさに吸い込まれていった。 事後の気だるさが抜けず、間抜けた顔で草の上に転がる男とは反対に、少女はばっと立ち上がり辺りを見回している。 その顔は険しく、男は一度もそんな表情をした少女を見た事が無かった。獲物を狩る狼のような鋭い眼光に、どこか既視感を覚えるもののどこで見たのか思いだせない。 ようやく異様さに気付いて、疲れ果てた上半身を起こすと、その目をこちらに向け、そしてその両手に備えた鋏をこちらに振りかざした。 鋏を開かずに節で叩かれたので切創はなかったが、喉に直撃したため呼吸が出来ない。身体三つ分後方に飛ばされた。息を吸うのも吐くのも激痛が走る。 暗闇のなか目を凝らすと、自分が寝転がっていた位置に黒い『何か』がいるのが見えた。全身を毛で覆われていて、それが魔物である事に程無く気付く。 もしそこにそのまま自分が居たら――。想像した男の背筋からどっと嫌な汗が噴き出した。 その汗は一瞬の内に引いた。十を軽く越す夥しい数の魔物の群れが、少女の周りを囲んでいた。 目の前で血が飛び散り、頭蓋を砕く鈍い音が響き、腸を引きずり出されて苦痛に喘ぎ、糞尿を漏らした死骸が転がった。 脳味噌が頭からはみ出している。辺りはこんなに暗いのに、そこで何が行われているのかは明らかだった。 頬にぴとりと何かが付いた。 地面に落ちてころころと転がった丸いモノ。眼球。黒目がこちらに向いていた。 吐き気がした。吐瀉物が食道を這い上がり、口はおろか鼻の穴まで一杯になった。吐き出す物が無くなっても胃液が何度も口から吐き出された。 あまりの不快感に涙が勝手に流れ出た。胃液の酸っぱい臭いも朝食べたチーズトーストの臭いも分からない程の悪臭だった。 それは虐殺と呼ぶにふさわしい光景だった。 男は血塗れの少女を見つめた。数刻前まではその服が水色のワンピースだったのだと言っても誰も信じないほどにムラ無く赤一色に染まり上がっていた。 彼女は襲い掛かってくる人間より二周りも大きな魔物を、容易く対処していった。つまらない単純作業のように。虫食い穴の開いた葉をちぎるように、容易に。 少女は血塗れだった。 しかしそれは全部返り血で、彼女から出た血は一滴も無い。その腕の鋏は、茹でた蟹のように真っ赤だ。 骨の割れる音も、絶叫も、何も聞こえなくなった。動いているモノは見えなくなった。 辺りはとても静かだった。まるで何事も無かったのようにしんとしていた。 けれど、そこには何十もの肉片が転がっていて、今まで生きてきた中で一度も嗅いだ事の無い異様な臭いに満たされていた。 積み上がった骸の上で少女はぼうっと自分の腕を眺め、そして男に視線をよこした。 「わたしのことが知りたいと。考えてることを話せと。そう言っていたな」 表情をなくした彼女は本当に作り物めいた人形に見えた。ただ口が動くだけのその顔からは何の感情も読み取る事が出来ない。 「なんでわたしが昨日の晩、街の人間をにらみつけたか。お前にはえいえんに分からないよ。 お前をたよった所で何も変わらない。わたしはね、お前がだいっきらいなんだ。お前たち人間がきらいで、とくにお前がだいっきらいだ。」 少女の瞳は今まで見たこと無い位に冷たかった。その様子に男は目を見開く。 「お前に服をきがえさせられて、床やテーブルに落ちた食べかすをお前に掃除させて、満月の夜にお前を組みしいて。なれない敬語で話しかけられて。 お前と関わったすべてが苦痛でしょうがなかった」 辛い言葉を投げかけているのは彼女自身なのに、その本人が一番辛い顔をしていた。 「わたしがお前を奴隷のように扱う? そんな態度でもしてなきゃ逃げられないじゃないか。 ひとりじゃ服も着れないことから。だされた料理をナイフやフォークを持つ事ができなくて、犬のようにみっともなく食べる事しかできない事から。 ほうきも持てないから部屋を掃除する事もできない。頭をなでられる事はできても、なでる事はできない。恋人のように仲むつまじく指をからませあう事もできない。 あれもできないこれもできない。できないできないできないできない……」 子供が癇癪を起こしたように首を激しく振りながら連呼する。やがてそれも落ち着いた。 「けどお前はなんだって出来る。わたしがお前にやらせる事で、『できない』んじゃなくて『しない』だけだと思い込んで必死に逃げてる事を。いとも簡単に。 お前にできて、わたしにできない事。お前とわたしのちがい。それが見つかる度にわたしとお前は違うケモノだとおもい知らされる」 男は声を出そうとした。だが、出てくる声は濁音と吃音だけで、ちゃんとした意味を持った言葉として彼女の耳には届かない。 「たしかに、わたしとお前はヤドカリとイソギンチャクではない。ことばも通じる。けど、同じケモノでもない」 目の前にいるのは誰だ? 彼女によく似た紛いものに見えてくる。こんな彼女を、自分は知らない。 「しょうじきな、それでもいいかと、思ったこともあったんだ」 ふっと弱々しく優しい笑みを浮かべる少女は確かに血の気が通った同じ生き物に見えた。だがその表情は直ぐに変わってしまう。 「けど今日わかった。やっぱりだめだ。ぜんぜんだめだ。わたしがよくても、お前がよくない。なによりな、そんなお前を見なくちゃならないわたしがよくない」 「わたしは『食べる』ケモノで、お前は『食べられる』ケモノだ」 立ち上がって彼女の元に行こうとしたが思うように足が動かず、そのまま前のめりに倒れてしまう。 なんで、こんなに遠くに感じるんだ? たった数歩足を踏み出せば届く距離にいるのに。 倒れた男を見て少女は笑った。狂ったように笑った。それはどう見ても空元気で、熱にうなされて寝込んだいつかの彼女よりも断然痛々しく見えた。 「ほら、現にお前はわたしに怯えていて、立ち上がることすらできないじゃないか。 わたしにできて、お前にできない事なんて、この死骸の中をまんぞくに歩けるかどうかくらいしかないんだ。 ……思ってることを口にしたら、わたしはお前への悪口で、お前はわたしに命乞いするだけで一生が終わってしまうぞ? そんなのはごめんだから、わたしは、お前のとこから出てくことにする。」 背を向けて少女は歩き出した。違うんだと叫ぼうにも、どうしてもそれは出来なかった。 「安心しろ。山にはもうお前ら人間を襲うようなケモノはいない。たとえ新しい群れがここへ越してきたところで、染み付いたわたしのにおいは当分消えない。 お前が生きている間くらいは、夜をおびえる事もない平和な日々がおくれるだろうさ」 少女が遠ざかっていく。男はただ黙って見つめた。 「べつにお前が気にやむ事はないからな。お前のせいじゃない。ぜんぶ、どうしようもないことだったんだ」 「……わたしの『て』は、お前のとはちがうんだから」 彼女の呟きは本当に小さなものだったが、男の頭の中で何度もこだました。何度も、何度も。 ◇◇◇ 物心ついた時には山でケモノを狩って暮らしていて、そこになんの疑問もいだかなかった。 わたしの姿を見つけると飛んでいく小さなケモノや、うなり声をあげるケモノ、わたしを食べようとおそいかかって来るケモノ。山には色々なケモノがいた。 川に映し出されたわたしの姿は、その色々なケモノのはどれとも全く違う姿をしていて、なんでこんなに違うのだろうといつもふしぎに思っていた。 他のケモノは同じような姿のケモノと群れをなして暮らしているのに、なんで自分はひとりなのだろうといつもふしぎに思っていた。 冬の夜、群れで固まり丸まってよりそいながら眠るケモノたちの横で、わたしはひとり寒さにふるえた。 ある日、わたしと同じような形のケモノの群れがやってきた。その群れは見たことのない、へんてこな毛をまとっていたが、わたしは気にせずによろこんだ。 わたしもようやく群れを作れると思って近づくと、そのケモノは顔を下に傾けて、わたしには分からない鳴き声をあげた。 その鳴き声の意味は分からなかったが、その目はわたしを食べようとするケモノと同じ目をしていたので、わたしはこのケモノとは群れにはなれないことを理解した。 動かなくなったケモノを前にして、ようやくケモノが何を見ていたのか察しがついた。わたしは彼らのような手を持っていなかったのだ。 毛だと思っていたそれは簡単にはがす事ができて、その持ち主のように身につけることは出来なかったが、とても暖かかった。 その年の冬の夜、わたしは変わらずひとりだったが、それをかぶる事で寒さをしのいだ。 春になってわたしは自分の仲間をさがす事にした。おなじような形のケモノがいるのだからきっとわたしとまったく同じ形のケモノもいるはずだ。 山を抜けた先に、私とよく似たケモノの群れを見つけた。山で見たどんなケモノよりも数が多くて、みんなへんてこな毛みたいなものを身につけていた。 その群れは、見たことの無い真四角の岩を積み上げて山を作っていて、それがどんな意味があるのだろうと不思議に思う。 ここにはわたしひとりじゃ相手にできないほど沢山のケモノがいたので、へんてこな毛みたいなので身体を包んだ。 夜が来て、寝床をどこにしようか探していると、ひょろりと高いケモノにぶつかった。 「ああごめん。大丈夫かい?」 疲れていたわたしはその場にしりもちつくと、ケモノがよく分からない鳴き声で私にその手を向けてきた。わたしにはよく分からない行動だったので無視する。 そのケモノの目は今まで向けられてきたどんな目とも違うような気がしたので、興味がわいた私はうなり声も上げずにそのケモノをじっと見つめた。 「うーん、知恵遅れか? 格好からして貧民層の子かな。 しっかし、壁があるとはいえこんな夜中にいたら危ないな……」 なにやらぶつぶつと小さな声で呟くそのケモノが何を考えているかはさっぱり分からない。 わたしの好奇心は飽きずにそのケモノに向かっていた。しばらくして、ぐぅと腹がなった。山から出てきて何も口にしてない事をわたしは思いだした。 「ああ、腹が減ってるのか」 腹の音を聞いた男は何かまたつぶやいたが、わたしには全くわからない。けれど、その目には覚えがある。 山で見た、大きなケモノが小さいケモノに乳を飲ませている時の瞳にそっくりだった。 「今年も不作で、俺も金なんて無いんだけど仕方が無い。家で採れた芋を上げようじゃないか。ここらじゃ絶対に見られない小ささだろ? 芽は出てないからまだ大丈夫なはずだ」 男は丸い石のような形をした物を取り出してわたしの前に差し出した。わたしはためらう事なくそれにかぶりついた。 「おま、そのまま食うなよっ。はは、つーか手を使え手を」 目を細めて何か声を掛けるケモノの言う事は全く分からなかったけど、悪い気はしなかったのでそのままにしておいた。 石のようなものは歯応えがあって、空腹だった事もあってなかなかうまかった。 「おいしそうに食うなお前は。今度はもっと味わって食えよ。じゃあな」 私とは違う形をした手で頭をがしがしとされたが、これもまた悪い気はしなかったのでそのままにしておいた。 するとそのケモノはどこかに去っていき、わたしもこの群れから出ていった。 わたしによく似たケモノは、よく似ているだけでさっぱり訳が分からなかったが、あのひょろ長いケモノが何を言っていたのかを知りたくはなった。 しばらく色々なところを歩いたが、わたしと全く同じ形をしたケモノは見つからなかった。 わたしによく似たケモノはどこにでもいっぱいいたが、あのひょろ長いケモノ以外はなんだかあまり近づきたい気分にはならなくて、その群れから隠れるように遠ざかった。 歩いている内にだんだんとそのケモノの言っている事も分かるようになって、そのケモノは自分たちの事を人間と言っている事も理解した。 ようやく寒い夜から身を守ってくれた人間が身に着けていたそれの本来の使い方も分かるようになった。やっぱりわたしにはきれなかったけど。 そしてわたしは、あのひょろ長い人間が住んでいる街に辿り着いて、その人間の家に住むようになった。 わたしは自分が「やどかり様」と人間に呼ばれているケモノであることを知って、自分の他にも仲間がいる事を知った。 けれどわたしは仲間を探そうとは思わなかった。このひょろ長い人間の寝床はとても温かくて外を歩き回る気にはなれなかったのだ。 ……結局わたしはその人間の元を離れてしまったが。 あの人間との生活はとても温かくて、心地よいものだったけれど、結局の所、わたしは人間ではないのだ。 どれだけ人間の言葉を覚えても、どれだけ人間のふりをしようとも、わたしが仲間になれない証としてこの両腕のはさみがいつまでもくっ付いてくる。 人間の群れに、人間じゃないわたしが混じることなんてやっぱり初めからむりな話だった。 その事実を思い知るたびに胸が痛くなって、苦しくなって、耐えられなくなった。 わたしはあの男のもとから離れて、またひとりになった。 最後に見た男は、わたしを目の前にして、動く事も喋る事も出来なくなっていた。 わたしは男と目を合わせず、その場を立ち去った。男の目を見ることは出来なかった。 その姿は、山に住んでいた頃によく見かけた、わたしに食べられる直前の、恐怖で何もできなくなった姿によく似ていたから。 彼の目は、きっとわたしを「自分を食べるケモノ」として見ていただろうから。 見なくても分かるものを見る必要はないのだ。……つよがってはいない。ほんとに。 知らなければこんな事にはならなかっただろうに。『むちはしふく』というやつだ。 小さいわたしがもっと小さかった頃、あの人間とぶつかって倒れたわたしに、彼が何をしたかったのか今ならわかる。 彼は手を差し伸べて、わたしを起こそうとしてくれたわけだ。 それを分かっていたって、わたしがその手を取れるはずなかった。 わたしの手は人間のうでなんて簡単に砕き割く事のできるはさみなのだから。 そんなこと、しらなくてよかった。分からないままの方がよかった。けど、どうにもならない。どうしようもない。 夜が明けて、朝日がのぼってきた。なのになんだろうこのさむさは。こんなにさむい日は初めてだ。 さむい。さむい。 こんな薄い服しか着てないからだ。歯ががたがたふるえて止まらない。 足の靴も、この服も、血の臭いしかしない。人間の匂いなんてどこにも残ってない。 さむい。さむい。ほんとうにさむい。なんてさむさなんだ。さむすぎて涙がでてきた。 ◇◇◇ ようやく思う通りに足を動かせるようになった頃には、紺色の空の東の地平近くは違う色が付き始めていて、生まれてから二十数年ずっと住み続けた小さな街に帰った。 街までそこまで遠くはないのだが、とても長く感じられた。 あの地獄のような光景も悪臭も、全て記憶の中で霞んでいき、たちの悪い夢のように思えてきた。 もしかしたら長い間、ずっと夢を見ていたのかもしれない。とてもぶっきらぼうで、だけどそれ以上にいとおしい少女と過ごした夢のような日々を。 そんな風にも思えてきた。 改築を一度もしていない我が家は、築ウン十年の古臭い外観で分かるようにどこもかしこも傷んでいるが、扉だけは新築のように真新しい。 中に入り、部屋を歩くとかちゃかちゃと割れた皿の破片が音を立てた。昨日の朝は大きな破片だけ拾って残りは後でやれば良いと大雑把にしか掃除しなかったからだ。 何年も前に亡くなった両親の部屋にはベッドの上も下も布団の山が出来ていた。その周りには、独力で着ようとして失敗したのだろう、やぶけた服が何枚も散らかっている。 天井には、割れた硝子細工の笠が覆い被さったランプがぶら下げられている。壁にも床にも、どうやって出来たのか他人には分からないきずが沢山あった。 堪らなくなって自分の部屋に戻る。机の上には中途半端な長さの靴下があった。さむがりな彼女のための、作りかけの贈り物。 街の人に編み方を教えてもらって彼女がいない時にこそこそと編んでいた。 あんまり夜遅くまでやるものだから朝起きるのも遅くなって、昨日の朝も彼女の機嫌を損ねたっけ。 なんとか形にしようと手を進めていた。それだけしか頭に無かったから編み目もばらばらで、もうほつれてる。 先の事ばかり考えていて、それに気付きもしなかったし、見ようともしなかった。 彼女のために、なんて思いながら結局なにも考えちゃいなかった。彼女への供え物の中には靴下だってあったのに、何故それを穿かないか考えた事は一度もなかった。 分かろうとするそぶりすらしなかったくせに、「あなたの事を知りたい」だって? 「もっと自分を頼れ」だって? 彼女に何度も言われた通り、救いようの無い馬鹿だ。ほんと、どうしようもない。 どこを見渡しても彼女がここにいた証が確かに残っていて、逃げるように目を閉じた。 床に染み込んだ牛乳の臭いが鼻をつんと刺激して、いつまでもまとわりついていた。 (crying over spilt milk/了) it is no use crying over spilt milkへ
https://w.atwiki.jp/fate_overheaven/pages/245.html
気が遠くなるような漆黒だった。 一寸の光は愚か、自分自身がどこにいるかも実感できず、平衡感覚が狂いそうになる。 静寂に満たされた闇に取り残されれば、強靭な精神を持ち合わせる者であれ、正気に居続けられるか怪しい。 されど――不可思議だが、意識を取り戻した少年・アイルは酷く落ち着いており。 加えて闇以外の気配を察知していた。 所謂、聖杯戦争上における魔力感知じゃあない。本能的な直感でもない。視覚が利いた訳でも。例えようが見つからない。 ただそれでも、アイルには誰かの存在が分かる。 少年はため息をついた。厭きれと嫌悪と苦労が滲み出るものを。 漸くか。 ようやっと、或いは渋々か。 でも、遂に彼の望んだことが叶ったに近い。 「やっと出てきたな……俺の前に。表の奴の隠れ続けたくせに、どういう魂胆だよ」 「―――」 返事はない。完全な姿も現さないまま、沈黙を保ち続ける彼の真意はアイルにも理解不能。 悪魔めいた不気味さを醸すが、アイルはどうだって良かった。 どうせ、今後接触するかも分からない相手だ。 向こうも基本的には表立たない慎重さを抱え続ける性分だろう。 たった一つ………話を聞ければいい。聖杯への願いや方針なんて基本の話題じゃあない。 「俺がアンタに聞きたいのは一つだけだ。……アンタにとって表の奴はなんだ」 質問に答えるかは無効次第。むしろ返答せずに沈黙を貫いたって良い。 くだらないが、令呪を使っても別に構わないか。とアイルも脳裏に浮かべる。 彼は聖杯を求めていない故に、サーヴァントに対しても無為に感情を向けるつもりはない。 最も、先ほどの質問をした時点で意識していない主張は無理があるが…… 結局だんまりか。アイルも期待は僅かだった為、格段ショックを受けない。 ……が。深淵よりドッピオとは異なる男性の声が響く。 「私にとって………ドッピオは『光』だ。私が再び帝王の座へ至るには、ドッピオが必要なのだ」 「!」 帝王? 生前の『あちら側』の地位か。ドッピオの方は『ボス』と呼んでいたが。 アイルに検討はつかない。だがアイルの問いかけに奴は、真のアサシンは答えたのである。 初めて聞いたが、言葉に関しては『真実』を語っている風にアイルは思う。 実際、表側の人格に行動を任せている事実も含め、彼らには確かな信頼が存在した。 アイルとは違って…… 言葉を切り出した行為が、水道の蛇口を捻った動作に匹敵するよう真アサシンが立て続けに話す。 「良く聞け。お前に助言をしてやる。まず、お前は他の主従に運ばれている最中だが 敵に補足されている。だが――目立つ行動はするな。私が始末する」 「……は?」 唐突な説明に困惑するアイルだが、そもそも自分の状況を思い出せずにいた。 彼の記憶上、かろうじて街を徘徊している最中。敵サーヴァント思しきナイフ少女に攻撃されたのが新しい。 薄々アイルも予感を覚える。 多分、あそこで一度ボーマンと人格が入れ替わった筈だ。 「目を覚ましたなら、そいつらと敵対はするな。奴らはアヤ・エイジアと関係があり、接触するのに利用できる」 「アヤ・エイジア――」 ぼんやりとだが、街中でも『赤い箱のウワサ』を冠するものに犯行予告が出されたと耳にした。 ただ、アイルは『利用』という言葉に違和感を感じる。 一体どう利用しろと? 何を根拠にそいつらとアヤ・エイジアを利用できる? 肝心な事だが、彼らを利用すれば何の利益が得られるのだろうか。 アイルにそれらを問いただす余裕なく、意識は覚醒してしまった。 ☆ 弥子と魔理沙が見滝原中学に到着した頃。地帯周辺では火災やマンションでの乱闘、 教会へ急行する近隣交番からやって来たパトカー……という具合の騒ぎが広まっている。 状況が状況なものの、弥子は近くのコンビニで食料を大量に購入し。 当初の目的通り、見滝原中学へ狙いを定めた。 警備員や部活動で登校する生徒が現れる時刻。 早速、菓子パンを口に頬張りつつ弥子が周囲を観察していた。 当然だが毎度お馴染みの傍若無人の魔人は同行していない以上、無謀な侵入は試みない。 弥子は見滝原中学周辺にある高層建築の屋上より様子を伺う方針を取った。 屋上の侵入に関しては、魔理沙が箒でひとっ飛びすれば簡単である。 目覚めないアイルを傍らに高所の風にあたりつつ、そこからでもマンションの状況は弥子も読み取れた。 魔理沙の方は至って冷静に呟く。 「学校には誰もいない。少し意外だな」 「うん……でもアーチャー、サーヴァントなら罠を仕掛けたりできるよね」 「可能性はあるけど、私が全部見抜けるかは保証できないぜ。念の為、軽く調べてみるか?」 提案に対し、弥子も快くお願いを求めようとした時。 突如、アイルが覚醒し上半身を起こしたのに、彼女らは言葉失って驚く。 いきなりだったから反応に遅れた理由も含まれるものの、アイルは軽く周囲と弥子たちを見るなり。 何の意外性を表情に現さなかった。 まるで最初から状況を把握している冷静さを持っている。 「あいつ……」 アイルは改めてアサシン――ドッピオの姿もないのを確認してから、沈黙を保つ。 恐らく、アサシンの判断は至極正しい。 弥子たちが敵意ない者達であれば、それを利用し、聖杯戦争を優位に立ち回れる手段を取れる。 未知の能力・宝具を備えるサーヴァントの相手こそ、自らのサーヴァントに任せて。 マスターは安全な場所へ避難するべきだ。 「俺が『はい、わかりました』って従うと思ってるのか」 不満と苛立ちが混ざった声色のアイルに対し、おどおど弥子が声をかける。 「あ、あの……大丈夫? お腹すいてるならコレ……」 一人で全部食い切れるのかと突っ込まれたいような、無数にある大量のパンが詰め込まれた袋の一つから 弥子が呑気に焼きそばパンを選んで、差し出したのにアイルは妙な脱力感を味わう。 似たような感覚。アイルを『船』に乗せている団長を相手する雰囲気だ。 別に感覚だけで信用する訳じゃあないが、一刻も争うのだ。躊躇っている暇すら惜しい。 アイルが問う。 「なぁ、アンタら。戦えるか」 いやいやまさか!と弥子は『NO』の合図を首振って示す。 魔理沙は顔しかめて「戦ってやらんでもない」と答えるだけ答えた。 だが、切り出し方といい、直ぐに行動へ移すには動機が不十分過ぎるだろう。 アイルも承知の上だ。だからこそ、彼はアサシンの命令だろうが、指示にも従うつもりは毛頭無い。 故に――彼女らへ教える。 「俺のアサシンが伝えて来た。俺たちは今、敵に捕捉されているらしい。このままだと攻撃されるかもな」 「あ? なんだって」 益々、魔理沙の顔が険しくなるが。 思わず弥子も周囲の状況を確認する。けれども、ここは屋上だ。 ビルの空調の室外ユニット、貯水タンク等が設置されているが敵が隠れ潜んでいる?のか。 第一に、アイルのサーヴァントは一切の姿を現さないが、どうやら周辺にいるのは明白だった。 彼女らの意見はとやかく、アイルは立ち上がる。 「呑気に安全でいるより俺は敵を倒す。アンタたちは好きにやってな」 「ちょ、ちょっと待って!」 慌てて呼びかける弥子。 勝手にそそくさと歩幅を早めるアイルを追って、空調ユニットなどで入り組んだ場所をかいくぐる。 だが、先行していたアイルは何故か停止していた。 屋上への出入り口付近で見知らぬ女性が、血にまみれ倒れ伏していたからだ。 そう…… 映画やイラストで見たような保安官の恰好をした女性が、 何者かに、弥子たちに気づかれず、音もなく攻撃されていた事実に衝撃が走った。 ★ 見滝原の裏世界。 ナーサリーライムの固有結界にある情報屋の家にて、少女・スノーホワイトの身に異常が表れていた。 誰かに攻撃されているのではない。精神的な問題だった。 最も、彼女の精神は一種の洗脳に侵されており、攻撃あるいは呪いを受けているとも解釈できる。 今、彼女は不安定だった。 崇拝しえる魔法少女――プク・プック。彼女と離れ、見知らぬ土地へ放り込まれて何日経過したことか。 永遠に続くことを願うプク・プックとの幸せな時間を奪われたのだ。 彼女の顔も 声も 匂いも 姿も どれだけスノーホワイトが彼女への崇拝心が忠実だろうと、プク・プックが見滝原に実在しない事実は覆らない、 如何にプク・プックの洗脳が完璧であっても、疲労や気力は個人に左右されるのだ。 現に、スノーホワイトはプク・プックが不在であり、精神的不安定を催していた。 兆候がなかったワケじゃあない。それでもスノーホワイトは前進する魔法少女。だけど限界もある。 (プク様……) 一刻も早くプク様に会いたい! 彼女の願いは、意識は段々と傾き始めるだろう。スノーホワイト自身も自覚する。 ひょっとすれば聖杯を手にするよりも先に、彼女の精神は押し潰され、終わりを迎えるだろう。 なら―― セイヴァーの討伐を優先させなければならない。 討伐報酬にある聖杯戦争からの離脱。プク・プックのもとへ帰還する手段。 それを手に入れなければならない!一刻の猶予も許されないだろう。 緊迫するスノーホワイトとは裏腹に、含みある口調で固有結界の主・ナーサリーライムが言う。 「ああ……現れたよ。聖杯戦争の主従が二組。サーヴァントは一騎しか確認できない、霊体化しているみたいだ」 虚空に出現させたビジョンに映し出される二人の少女と一人の少年。 つまるところ、弥子たちとアイル。彼らが見滝原中学周辺に点在するビルの屋上にいるのを捕捉できた。 彼らは、スノーホワイトたちと同じく見滝原中学に集うであろう主従を狙っているらしい。 行動からセイヴァーに接触してないと考えられる。 呼吸を整え、冷静を装いスノーホワイトがナーサリーライムに尋ねた。 「彼らを固有結界へ導く手段はありますか。私もある程度の立ち回りは可能です」 「そうだね。彼らは聖杯を求めていない方針の可能性が高い。だけどそれは、彼女たちの場合だ。 彼女たちは寝ている彼に攻撃しない。聖杯を狙うなら絶好のチャンスだからね」 「……少年の彼は違うかもしれない、とお考えでしょうか。流石にそこまで考慮せずとも、固有結界へ引き込めば」 「いいや? 問題は彼のサーヴァントの方さ」 サーヴァント。 マスターとサーヴァントの方針が食い違うのは、スノーホワイト自身が味わっている。 ありえなくない話だが、少年のサーヴァントも同じなのだろうか? ナーサリーライムは他にも無数のビジョンを出現させるが、無表情ながら不満を浮かべた顔をした。 「マスターを放置状態におくのは非常に危険だと思わないかな? あの魔法使いみたいなサーヴァントが信頼できるとしても、いつ他のサーヴァントが攻撃をしかけてもおかしくないのに」 「彼のサーヴァントもアサシンさんと同じクラスであれば」 「気配遮断……だろうね。こちら側から炙り出すしかないみたいだ」 確かにその通りなのだがスノーホワイトは率直に尋ねる。 「固有結界の外ですが問題は?」 「結界内で生み出した使い魔を送り出すことくらいは可能さ。多少、補正はつかなくなるけど心配する必要はないよ」 悠長なナーサリーライム。そんなところで情報屋の家の戸を叩く者がいた。 反射的にスノーホワイトが視線を注ぐ方向にある扉は、ノックをした後にナーサリーライムの返事も待たず。 短く「邪魔するよ」と女性の声と共に開かれた。 入ってきたのは保安官の恰好をした女性。疑似サーヴァントまでは行かないが、使い魔にしては出来のよい存在である。 女性保安官がスノーホワイトに気づいて軽く会釈した。 「アンタが新入りかい? アタシはユーミさ。この町のお巡りさんみたいなモンかな。よろしく」 「は、はい。よろしくお願いします……」 恐らく主たるナーサリーライムが使い魔に情報をインプットしたのだろう、とスノーホワイトは解釈する。 ユーミと名乗った男勝りな女性は、改めてナーサリーライムに言う。 「アタシに要件ってのはなんだ。バケモノ退治かい」 「ちょっと違うかな。危険な敵が町に近づこうとしている……それを防ぐ為に敵を捕捉したいんだ」 「……炙り出しね。いっその事、やっつけちまった方がマシだと思うよ」 「出来れば僕もそうしたい。だが相手は危険だ。不味いと感じたなら、即座に撤退することを勧めるよ」 「うん、わかった」 彼女は何ら疑念すら抱かずに銃弾の装填を確認しつつ、情報屋を後にするのだった。 少々困惑気味に、スノーホワイトは問いかける。 「彼女は?」 「マスターの記憶を頼りに作り出した使い魔……形としてはNPCに近いのかな? そんなものさ。 基本的に君の邪魔をしたり、余計な行動を取らないよう制限はしてある」 記憶。 他にもマスターのラッセルと瓜二つな姿である事や。 大規模な固有結界を考えるに、少しずつだが眼前のサーヴァントを理解してくるスノーホワイト。 真名に到達出来ずとも、性質だけは把握可能だ。 刹那。 不敵な笑みを浮かべていたナーサリーライムに明白な異変が発生した。 攻撃を受けたかのような衝撃を受けた風な様子。肉体に変化はないものの、固有結界に歪みを感じられる。 スノーホワイトが何事かと無意味に周囲を警戒すると、ナーサリーライムが言葉を漏らす。 「い、今、攻撃された……どうなっているんだ………ぼくが『直接』攻撃、された……」 「アサシンさん!?」 なにか分からないが不味いとスノーホワイトは判断する。 彼女は懐からアイテム『四次元袋』を取りだし、提案を持ち掛けた。 「私に考えがあります。ユーミという彼女が失敗した場合を考え、コレで彼のサーヴァントを引きずり出しませんか」 ★ (なんなんだ? どうなっているんだ) ユーミは困惑していた。 町の周囲を見回り出した矢先、見慣れない景色が広がっており、これが情報屋(ナーサリーライム)が警戒する 予兆めいた現象なのだろうか? 怪しく不穏なものに立場上無視しておけない。 銃を構え『境界』へ足を踏み入れるユーミ。 彼女が出た場所は――屋上。 どこかの高層ビルの屋上だと誰もわかる光景だった。 美しい朝焼けと特有の強風が吹きつける場所に、彼女は困惑しつつも発砲可能な構えを取る。 ハッキリ聞き取れにくいが、誰かの声がユーミの耳に届く。 相手は何者か。それを彼女が確認するのは叶わない話だった。 彼女に鈍い衝撃は愚か痛みすらも感じず、全ての過程が『盗まれ』肺を貫通する紅の腕だけが視界に映っただけ。 悲鳴も、声すら出せずにユーミは倒れる。 傍らに立つ『帝王』は彼女のことなど見向きもせずに、うっすら開かれた扉の隙間に注目する。 ユーミを葬った深紅の像が強靭の腕を隙間に差し込む! 「キング・クリムゾン!」 どういう訳が手応えを感じた。 徐々に開かれる扉の向こうにはありきたりな高層ビルの階段風景が見えるだけ。 事実は、敵の存在が明白で、使い魔に銃火器を所有させている以上、敵意も十二分に持つ。 「気配がまるで無い……アサシンか」 相手がこれで諦めるワケではないのだ。こちらから敵を捕捉し、叩かなくては対処のしようが無い。 そして、『帝王』にも策がある。 彼が静かに立ち去った後、少し時が経過した後でアイルたちが現場に到着したのである ☆ ところ変わって、見滝原中学から離れ、市街地より最も遠い位置に佇む教会ではちょっとした事件が起きていた。 小火騒ぎや人々が意識を取り戻した時に、全く覚えのない場所に移動させられていた。 後者は、マンションで発生している集団事件と酷似している。 僅かな情報網で警察関係者たちは関連を捉えだした……それとは違う事件。 混乱の最中、対応に追われていた教会に住む一家の長女が行方不明になったものだ。 厳密には二人。 最近まで教会に滞在していたシスターも行方をくらませたのだが、彼女の場合。長女を捜しに飛び出したらしい。 何も、こんな時間である。 一人の少女が深夜の町に向かう理由なんてない。 更なる事態に現場が混沌へ落とし込まれる一方。現場の様子を伺っていた二騎のサーヴァントがいた。 その片方・バーサーカーの徳川家康が言う。 「ワシの話は参考になっただろうか。ダ・ヴィンチ殿」 芯のある声だが不安の色も隠せない問いに、モナ・リザの顔をした英霊が穏やかに笑う。 「もちろん。分かりやすくなって来たところさ」 彼らは一種の情報交換をした。 所謂、己の世界観について。彼らの把握している限りの歴史の在り方について。 そして――悪の救世主についても。 結論から両者共々全く異なる世界観であり、悪の救世主に関する情報も得られなかった。 ダ・ヴィンチは一先ず、家康に対し提案する。 「巴マミ……一旦彼女のマンションに立ち寄るのなら私も同行して構わないかな?」 「ああ、杏子に関しての知らせを伝えれば、彼女の不安は増すと思う。 ダ・ヴィンチ殿たちが味方になってくれると分かれば、彼女は杏子の捜索に前向きになれるだろう」 巴マミ。 家康に佐倉杏子の安否確認を求めた少女だ。 彼が戦に通ずる英霊だからこそ、マミの精神には気にかけている。人並み以上の戦闘力を持ち合わせても、根本は一人の少女。 相方のランサーが身動き不可の重体。他サーヴァントへの襲撃に対応できない状態である。 移動を開始する彼らは地図上でいう、教会から最も近く、市街地から離れた位置の橋を通過し。 繁華街を避け、一目につかぬよう市街地を急いで通過。 正面よりではない、裏側からマンションへ向かうルートを辿っている。 奇抜デザインのバステニャン号に騎乗するダ・ヴィンチは、何故か共に乗らず、平行して付いてくる家康に尋ねた。 「すまない、徳川家康。同盟に関して幾つか確認したいことがある」 「どうした?」 「まず君もセイヴァーを危険視し、討伐するべきと考えている?」 「……ふむ。そうだな。ワシも物事全てを軽率に判断するべきではないと思う。 ダ・ヴィンチ殿動揺に討伐令の原因を探らなければ、首謀者の思う壺なのだろう。だが」 己の拳を握り、確信を持って家康は告げた。 「あの者は危険だ。冷酷非道の側面を持つ武将を、ワシは幾人も見てきたが……それとは比較にならん。 誰にも信念があり、民を思い、国を思い戦うのだ。……己が為に戦う者も。 しかし、ワシは奴がそのどれでもないとすら感じ取れる。やはり放っておく訳にはいかない」 「危険性が為、ね。むしろ自然な動機に違いないよ。ならもう一つ。 これが私個人としては重要の一つに含まれるんだが――討伐令の報酬はどうするんだい?」 主催者たちは討伐令の報酬内容を掲示していた。 家康も、ダ・ヴィンチのマスターが聖杯戦争からの離脱を求めていたのを思い出す。 それ以外にも、物資などを提供してくれると明言されていた。 臆病な少女・たまを。あるいは、巴マミを生還させる手段の一つ。家康は即答できない。 ふと、ダ・ヴィンチが顔を上げた。 視線を辿った方角には、見滝原中学付近に点在する高層ビルの幾つか。 「光のような……距離があるせいで魔力は感知できなかったが、サーヴァントの攻撃のようだ」 彼女は我に返った。むしろ、慌てて家康に呼びかけたのである。 「なんてことだ! 周りをよく見てくれたまえ!!」 「ダ・ヴィンチ殿!? 一体――」 家康が途中で言葉を遮ったのは、周囲の様子……風景を眺めて理解したからだ。 見滝原中学と高層ビル。これらはマンションの向こう側に点在しており、最初に目撃するべきは巴マミのいるマンション。 マンションよりも、サーヴァントの攻撃に意識を奪われたからではない。 「我々は『とっくにマンションを通り過ぎている』じゃないか!!」 「こ、これは……!」 ダ・ヴィンチはバステニャン号を停車させ、家康も急停止した。 いつの間にか。二人が会話を繰り広げていたから、などは原因に含まれないだろう。 マンションと現在、ダ・ヴィンチは達の位置は相当離れている。 しかし、これはダ・ヴィンチも『ウワサ』に聞いた事のある現象。 犯人は紛れもなくその『ウワサ』を冠するサーヴァント! 「時間泥棒だな。ここまでのものとは………肝を冷やされる」 ダ・ヴィンチが呟くのも仕方ない。 彼らは本当に気づけなかった。魔力感知は愚か、現象にすら気づくのに時間を必要とした。 如何なる戦争でも一瞬のスキが命取りである。聖杯戦争も例外じゃあない。 時間泥棒の襲撃が本当にあったとしたら、彼らはタダ事では済まない。既に脱落すらありうる。 家康がファイティングポーズで戦闘態勢を整えているが、警戒も虚しく襲撃は来ない。 「ダ・ヴィンチ殿。周囲にサーヴァントの気配を感じられるか」 「いいや。私も残念ながら感知に優れてはいない方さ。 様子を見る限り、どうやら時間泥棒の射程距離内に我々が巻き込まれただけのようだ」 「成程。ならば、敵はあの建造物の方だ」 再び高層ビルで発光を確認できたと同時に、破壊音が響き渡り、砂煙がそこから立ち上った。 ☆ ビル屋上。 現実ながら非日常である女性の無残な死体に、弥子は一般人にしては落ち着いていた。 普通は悲鳴の一つや二つ叫ぶ。 目を見開いて、驚愕の表情を浮かべているが『探偵』の生業を演じただけあり、行動する気力は保っている。 サーヴァントの魔理沙も、状況に驚きを浮かべているが、冷静だ。アイルも、同じく。 だが、状況はいづれも不明確だ。 呆然とする彼等の前で、女性の死体が粒子状と化し大気で分散されていく現象に、弥子が声を漏らす。 「消えていく……」 魔理沙が落ち着いた口調で、普通に答えた。 「疑似サーヴァントの一種だ。召喚したサーヴァントが周囲にいるとは限らねぇが…… 今の、お前のサーヴァントが召喚した奴なのか?」 尋ねられたアイルは、しばし考え込んでから「違う」と返事する。 実際、彼の宝具や能力の詳細を詳しくは知らず。二重人格の性質と性格だけを知っているだけ。 返事に対し、魔理沙は腑に落ちない態度を隠せなかった。 躊躇なく半開きされた扉へ手をかけるアイルを、弥子が咄嗟に呼びかける。 「て、敵はまだ近くにいる筈だよ! 中に入るのは危険だと思う――」 「二度も同じ事を言わせるな。俺は敵を倒しに向かう。敵が待ち伏せてる方が倒しがいもある」 弥子は純粋にアイルの身を案じている。 彼女の善意くらい、アイルも分かった上で拒絶していた。 やれやれな様子で魔理沙が、もう一声かけてやる。 「あいにく私達は聖杯戦争に乗り気じゃない立場だ。積極的に戦うなら止めない訳にも行かない」 「俺の邪魔をする気かよ」 敵意隠せない雰囲気に、何故こうなったと弥子も困惑してしまう。 しかし、アイル自身の容態を考慮すれば、いくらサーヴァントと渡り合えても無謀だ。 弥子も彼を無理に戦わせたくはない。 (あ、アーチャー? その人と戦うのはダメだから) と、弥子が念話で伝えた内容に、魔理沙は溜息をついた。 「えーと……ほら。さっきの奴を倒したのは、お前のサーヴァントじゃないのか?」 「だろうな」 「だったら、別にお前が戦う必要ない。ていうか、そろそろ突っ込んでいいか? 何でお前のサーヴァントは私たちの前に現れないんだ? 話を聞く限り、ついて来てたみたいじゃねぇか」 「………相当のビビリ。それか人見知りだ」 そんなのアリ!? 弥子は内心で重い困惑をついて、謎の冷や汗を流す始末。 サーヴァントだから凄まじい存在。怪盗Xやアヤ・エイジアに匹敵するような。 もしくは偉人、英雄、悪役に属する反英雄が座に登録される筈。だが。 精神は別問題なのだろうか? 中にはアイルのアサシン同じく変わったサーヴァントもいる? 疑問が尽きない弥子を傍らに、魔理沙は何故か納得している。 「差し詰め、お前に対しても姿を現さない奴か。だったら仕方ないな」 「は…? 仕方ないでいいのかよ」 流石のアイルも聞き返すが「仕方ないだろ」と再びナイーブな物言いで魔理沙が言う。 「ただ、この場合。攻撃を仕掛けてきたのは敵の方ってことだ。向こうは私たちを倒すつもりだろうぜ」 「なら倒しに向かった方がいい」 「バカ言うなよ。アサシンクラスの仕業なのは明らかだ。マスターのお前が一番相手にしちゃ不味い奴なんだよ」 魔理沙は、魔力で構成された星型の弾幕を展開させる。 敵がアサシンで、気配遮断で位置が掴めず。尚且つ、捕捉しなければならない場合。 一体どうすればいいか? 結果が出せるかはともかく、様々手段はあるだろう。そして、少なくとも魔理沙が出した回答は『これ』だった。 「お前のサーヴァントに逃げるよう伝えておけ」 ☆ 幻想郷にある『弾幕ごっこ』あるいは『スペルカードルール』にも幾つかの取り決めがあり。 その一つに 「弾幕には美しさが必要であり、相手を攻撃するよりも魅せる事が重要」 ……があり、実力ではなく『美しさ』に重点が置かれており、精神的な勝負の面が大きい。 スペルカードを見れば、相手の人となりが分かるように個性も表現される。 精神の勝負。 スタンドも一個人の精神を体現しているだけ、ある意味では精神的な勝負が含まれるのではないだろうか…… ☆ 急展開された弾幕は、七色に煌めく銀河の海を彷彿させる美しさを魅せる。 ビルの周辺を取り囲んで星々が、巡り回り始め。 隙間が狭い、すり抜けるにも繊細な動作を必要とするだろう密度と化していた。 配列を保ったまま弾幕は徐々にビルの各階にある窓ガラスを破壊していき、内部へ攻撃を始めた。 弥子は目を見開いて、屋上の淵から下をのぞき込むが、弾幕のほとんどはビル内部に突入している。 流石に、弥子も魔理沙に言う。 「これじゃ避けられないよ!」 「いいや、避けられるさ。卑怯に作っちゃいないってのが『こっち』のルールだからな」 魔理沙の態度は、酷く落ち着いていた。 弾幕程度、英霊なら容易く避けられる筈だと確信を抱いているらしい。 何もいきなり。突然で無常過ぎると思うかもしれないが、魔理沙にはもう一つ引っ掛かりがあり。 その瞬間。彼女の疑念は解消されたのだった。 「あ、やっぱり。時間が盗まれた」 「時間……泥棒?」 弥子がウワサに聞く一つを口にした魔理沙に振り替えるが、視線を戻せば濃密な弾幕は薄っすらになっている。 弾幕攻撃が終わった。 否、魔理沙の言い分が正しければ『時間を盗まれた』ことで弾幕が終わってしまった『結果』だけ残されたのだ。 頭をかき、魔理沙は一息つく 「私も『今』思い出したんだが、やっぱりお前のサーヴァントは『時間泥棒』だよな? あの時、時間が盗まれたから私の弾幕が終わって、時止める胡散臭い奴も警戒して逃げて行った」 重要な情報をうっかり忘れていたはずがない。魔理沙も不思議な様子だった。 情報を、存在を忘却させてしまう能力? 途方もない話に弥子が、表情にせずとも恐怖する。 今回は『彼』が味方側であるから良いのだ。 これが敵だったら……弥子はふと我に返って、アイルの姿が消えたのに気づく。 僅かに開かれていた扉が閉まっているのに、弥子が慌てて魔理沙に呼び掛けたのだ。 「アーチャー! あの人、中に入っちゃったみたい!!」 「んな!? バカかよ、アイツ!」 仕方なく魔理沙も、弥子も、自然とビルの中へ入るべく扉を開けるのが当然の事だった。 しかし、広がっていたのはビル内部にある階段の光景とは別。 荒れ放題の一軒家の内装であった。所謂、固有結界の一種。振り返れば、戻り道すら消えている。 「これは何……?」 「疑似サーヴァントは引っ掛けだったか。マスター、私から離れるなよ」 これが罠だと弥子は理解する。 彼女らは薄暗い廊下に転移させられており、奥の方から生々しい声が響き渡っていた。 正直、耳にもしたくない……女性の喘ぎ声である。 「悪趣味だ」とうんざりした態度で魔理沙が呟く一方、これが英霊の産み出した情景なのかと弥子は言葉を失う。 仰向け状態で這うように移動する、モザイクに侵されているような人型が、闇の奥から現れた。 ★ スノーホワイトが編み出した策。『四次元袋』にナーサリーライムの使い魔を投入し、的確に敵に攻撃をしかけるもの。 『四次元袋』からの攻撃ならばナーサリーライムの性質に基づく必要ない。 好きな場所で襲撃可能だ。 問題は、いかに潜んでいる少年のサーヴァントをおびき寄せるか。 しかしここで魔理沙の広範囲による弾幕で、ビル上層階の窓ガラスは破壊されてしまった。 けど、まだナーサリーライムが能力を行使するには申し分ない『境界』が存在している。 逆に少年のサーヴァントを捕捉しやすい。 ソレがビル内部に潜んでいれば、宝具や魔力の発動でスノーホワイトも感知可能だろうと分かる。 対魔力のないアサシンなら、スノーホワイトの魔法を行使可能だ。 情報屋の扉をビル内部に通じさせ、ある部屋の扉をスノーホワイトが開く。 弾幕により多少傷つき、破損している様子と。廊下に窓ガラスの破片が一面に散らばっている光景。 歩けば、サーヴァントであれ音が響かせるだろう。 使い魔を入れた『四次元袋』を手に、隙間から耳を澄ますスノーホワイト。 彼女に対し、ナーサリーライムは静かに答えた。 「屋上の二人は無事に確保したよ。多少の時間稼ぎをしているから、早く残りも捉えないとね」 「……わかりました。ですが」 魔力感知は愚か。薄気味悪いほどの静寂。 アサシンの気配遮断が完全に働くと、やはりスノーホワイトの魔法でも捉えられないのだろうか。 極限まで意識を集中させれば、遠くより足音が、ガラスの破片を踏みにじむ音が聞こえる。 視線を向け、扉を更に狭め気づかれぬよう警戒していると。 現れたのは――アイル。 彼は屋上の二人を完全に無視して、独り善がりに敵を倒そうと現れたのだ。 魔理沙の攻撃の惨状を目撃し、厭きれたように溜息つく。 「アイツは無事なんだろうな……チッ、どうでもいい。俺には関係ない」 随分と投げやりな態度を見せる彼に、スノーホワイトが『四次元袋』を投擲しようと構える瞬間。 アイルの姿が、消えた。 注目してた以上、スノーホワイトが見逃す隙は無い。ほぼ眼前。アイルが彼女に気づいていないだけで、攻撃させる寸前。 窓ガラスの破片が散らばる廊下を、音もたてずに通過した訳ではあるまいし。 心の声を探ると『敵はどこにいる?』というアイルの声が下から聞こえた。 下? そうなのだ。アイルは下の階層に移動している。 瞬間移動にしても不自然な挙動。流石のスノーホワイトも違和感を覚えた。 恐らく、アイルはスノーホワイトやナーサリーライムの宝具を把握してはいない。 にも関わらず、瞬間移動を発動させた…? 違う、これはサーヴァントの宝具。アイルのサーヴァントが発動させたのだ。 スノーホワイトの考え通り、アイルの方も状況に気づき、疑念を抱く心の声が響いた。 『下の階に移動させられた!? クソ、敵の罠に嵌められた!』 『でも……いつの間に? 俺は普通に移動していただけだぞ……しかも何故、俺を攻撃しない』 アイルの疑念に、スノーホワイトは扉を閉めてからナーサリーライムへ伝えた。 「アサシンさん。敵サーヴァントのマスターが下の階層へ移動しました。 恐らく、敵サーヴァントは我々を捕捉している可能性が高いです」 アイルを移動させたのに理由があるとすれば、原因はそこにある。 サーヴァントの捕捉能力の高さ。奇襲を予測した動きをしているのではないか。 スノーホワイトと同じ心を読む力に似た、あるいは上位互換の予知能力も普通に考えうる。 なら『四次元袋』による奇襲も…… そこまで至った時、スノーホワイトは違和感の正体を掴んだ。 『四次元袋』である。彼女の手元にあった筈の『四次元袋』が――消えていた。 他に異常が無いのを確かめ、スノーホワイトは背にドッと汗が噴き出るのを感じる。 本当に何が起きているのかが理解できない。 『四次元袋』は奪われてしまったのだろうか? いつから手元になかったのか、スノーホワイトの記憶にない。 アイルへ投げつけようと構えたのは覚えているのだ。 スノーホワイトからの報告に、思案したナーサリーライムは再びアイルの存在する階層へ通じる境界を発生。 破壊されていても、窓ガラスの境界は活きている。扉との境界も同じく。 再び特攻する訳じゃあない。ナーサリーライムも何者かに『攻撃された』感覚を警戒している。 「攻撃する必要はないよ。エレベーターと非常階段に通じる扉を固有結界に通じる境界にした。 確実にマスターだけを引きずり込めば御の字だけど。敵の能力を見抜けるきっかけになる」 「……!」 ナーサリーライムが虚空にビジョンを出現させ、アイルの動向を監視する。 十中八九、サーヴァントの宝具による現象ならば、まずは能力を探るべきなのだ。 至極当然の対策をスノーホワイトも真剣に観察し続けた。 アイルはエレベーターを使用しなかった。 入念にその階層に敵がいるか探る方が優先なのだろう。 実際、誰も何もない。様子を見ればサーヴァントの姿も確認できない。一体どこにアイルのサーヴァントがいるのか? アイルが最後の一室――ビル内にある企業の部屋へ侵入を試みたが。 現代技術によるカードキーの施錠で叶わず、舌打ちして踵を返したところでふと足を止める。 「アイツら、何もして来ないな。敵が屋上に移動した……にしても、静か過ぎる」 アイルが言う者達は、屋上にいる筈の弥子と魔理沙を示している。 未知の異常は立て続けに発生しているが、不安を煽る如く、アイルの耳に騒音が聞こえた。 外からだ。 原型もない窓ガラスだった箇所からアイルが下方向へ視線を落とせば。 奇怪な造形のモンスターたち相手に、他サーヴァントが交戦をしている光景。 ビジョンで監視していたスノーホワイトとナーサリーライムも目を見開く。 それは、ナーサリーライムの結界で発生したモンスターたち。 故に、彼らは恐らく……スノーホワイトの『四次元袋』に入れられたものだと推測できた。 杖に付属された星をかたどった水晶から放出されるレーザーを行使する、モナ・リザのキャスターと。 光をまとった拳でモンスターを打ちのめすバーサーカーの青年。 新たな二騎のサーヴァントが新たに出現した。アイルのサーヴァントも不明のまま…… アイルは、敵が外にいる二騎を優先に攻撃していると判断し、非常階段に通じる扉に手をかけた。 スノーホワイトが注目する情報屋の扉も、連動し開かれていく。 一歩踏み出せば、アイルはナーサリーライムの支配下に置かれるも同然。 彼が引き込まないように、サーヴァントもアクションを起こさざる負えない。 「え?」 素っ頓狂な声を漏らしたのは、ナーサリーライムだった。 彼の視線にあるビジョンでは――アイルの姿はなく。アイルはすでに屋上へ到達し、弥子と魔理沙の姿がないのを把握。 何故、アイルが屋上に向かったのか。 彼自身は凶暴な衝動を抱えている自負をしつつ、根は善良なのだ。 つまるところ、弥子と魔理沙を心配で足を運んだが、指摘されれば本人は明らか様な狼狽と全否定をかますだろう。 だが、重要なのは既にアイルは階段の扉を通過したという事実である。 ゆっくりと開かれていく扉は、一体誰がノブを回したのか? スノーホワイトが息を飲む。 紅の悪魔がこちらを覗き込んでいた。 ――――『深紅の帝王の宮殿(キング・クリムゾン)』―――― ★ 「サーヴァントと生前では能力の使い勝手が異なる……お前たちには理解できないだろうが、少なくとも私の場合はそうだ」 崩落する時空間に留まれるのは、能力もとい宝具の解放者たるアサシン。 ディアボロだけが有した帝王たる特権である。 ここを認知するのも、君臨するのも、唯一彼だけが赦されている。 容疑者と警察関係者を集め、推理を披露する名探偵を気取って悠々自適に語れるのも。 上位世界の絶対者たる彼だけが為せる遊戯なのだ。 「生前の私に『気配遮断』はない。このようなスキルがあれば、私の絶頂は限りなく保証されていただろう。 『情報抹消』も同じくだ。件のジョバァーナの一族が戦線より離脱した『原因』はこれだ」 「奴は私の能力を把握し、一度離脱したが『情報抹消』で私の存在を忘却し、完全に離脱したのだ。 場合によっては、探りを入れるべく再度戦線に戻る可能性があっただろうが…… 付近に奴のマスターが居たと想定すれば、行動に矛盾はない。不用意に深入りすれば危うい……」 「そして、小娘が私の存在を忘却したと確信したのは『袋』を回収した際だ」 スノーホワイトは『四次元袋』をアイルへ投擲していたのだ。 だが、盗まれた。 袋を投げた過程は吹き飛ばされ、同じくアイルが階層を巡回した過程も吹き飛ばされ、 アイルが下の階層へ移動した『結果』だけが残る。 先ほどの現象も同じだ。 屋上に到達した『結果』だけが残された。 『四次元袋』は堂々とディアボロは回収した、したがスノーホワイトは『情報抹消』で記憶を失った。 彼を逆に、目撃してしまったから。 アイルがいなくなり、袋もなくなったと誤解してしまう。 全ての相性が良すぎる。 ただでさえ凶悪な悪魔のスタンドが、スキルを噛み合わさる事で厄災に並ぶ残虐性に変貌した。 サーヴァントで逸話が昇華された『結果』。 途方もない。ある種、不完全が完成された領域に到達する! 最後の難関は……ナーサリーライムの固有結界攻略。 命題は既に『正』が為されていた。表現を変えれば『Yes』。固有結界は突破可能。 推理小説と同じ。犯人はこの中にいて、ヒントもあり、事件を解決する探偵も登場している。 だが、これは『過程』の証明である。 「どうすれば突破できる?」じゃあなく「どうして突破できる?」の証明だ。 「『時間』だ! 我が『深紅の帝王の宮殿(キング・クリムゾン)』の能力は時を吹き飛ばし、結果を残す! 故に、時を認知できる! 静止した時を認知し、入門する!! 『時間』と『空間』は表裏一体の切り離せない概念なのだ!」 時間が吹き飛ぶ。つまり『空間』も吹き飛ぶ。 キング・クリムゾンが捉えたのは固有結界そのもの。時に干渉するスタンドだからこそ、結界に傷もつけられる。 固有結界『そのもの』がサーヴァントとなったナーサリーライムには天敵なのだ! そして……! 「扉越しに我がキング・クリムゾンが捉えたのは――貴様という空間だ! 勝ったッ!! 残骸すらも粒子と化し消失しろッ!! 固有結界『そのもの』である己を呪うがいいッ!!」 有象無象が消し飛んだ。 不気味な森も、夜だけしかない町も、マタタビに溺れる猫たちも、優しい街も、海や、山も、 普通に毎日同じ事を繰り返すだけの存在は消失する。 残るのは、スノーホワイトとマスターであるラッセルと………… ☆ 固有結界に通じていた屋上の扉が激しく開かれたのに、アイルが反射的に距離を取れば 乱雑に少年少女が吐き出されたのだった。 固有結界に巻き込まれた魔理沙と弥子、それからスノーホワイトとラッセル。 元の現実世界にあったラッセルの学生服と鞄も同じように投げ出され、鞄の中身から教科書やら筆記用具が散らばる。 突然の異常に、アイルもだが。 醜悪なモンスターと戦闘を繰り広げていた魔理沙も、全てを把握できずにいるラッセルも。 前触れない現実世界に混乱する最中、派手な髪色のディアボロが顔を歪め、扉より姿を現す。 弥子は息を飲んだ。 ディアボロを目にした記憶はあったのに、彼女はすっかり忘れていたのだ! バーサーカーの玉藻と交戦していたアイル(ボーマン)を静止しに現れたのも、彼だった。 最初から居た事実を忘れていた……! 「どういうことだ……! 何故、死んでいない!! 固有結界(ヤツ)を吹き飛ばした筈だ!!」 ディアボロは手元にある透明のソウルジェムを睨んだ。 サーヴァントを倒せば、ソウルジェムは色を灯すにも関わらず、この状況。 まさか、スノーホワイトか弥子のソウルジェムに移ったのか? 二人の少女に殺意を向けたディアボロに、違和感が生じた。 ナーサリーライムと瓜二つの姿をしているマスターは意識がなく、倒れたままである。 それに凄まじい違和感を覚えた。 あの英霊はマスターと似た姿をわざわざ取っていた? 「…………ヤツは固有結界がサーヴァントと変化した………例外……だが……」 前提として――キング・クリムゾンの能力に『攻撃性』はないのである ディアボロが到達した結論通り、キング・クリムゾンは時空間を吹き飛ばす固有結界殺しの性質を サーヴァントの宝具に昇華した事で会得したのだろう。 しかし、本来の性質には忠実だ。 ディアボロは吹き飛ばす時空間を自在に身動きできるだけで、完全なる支配は不可能に過ぎない。 物に触れる事も、殺す事も出来ない。これは変わらない。単純に過程を抹消するだけだ。 あくまで 吹き飛ばすのは 時空間 だけ 「『霊核』だ! 吹き飛んだのはヤツの表面に着込んだ肉と骨組みに過ぎん!! 心臓は鼓動を打ち続けている!!!」 ディアボロの叫びに、誰も理解が追い付いていない。 スノーホワイトも全てを把握しきっていない。ただ恐らくまだナーサリーライムは死んでないという事。 武器のルーラを構えたスノーホワイトは、まずは戦闘に期待できないラッセルを守るべく踏み込む。 魔理沙は、状況を理解するよりも先に弾幕を展開させた。 ビル全体を襲撃と同じ彼らのいる周囲だけに広げ、スノーホワイトを逃がさないようにしたのだ。 スノーホワイトはラッセルの元へ駆けつける。 残された逃走ルートは一つ。 彼女は、最初から屋上より飛び渡って逃走する魂胆ではない。足場の破壊。それにより下へ逃走する。 だが、ディアボロのキング・クリムゾンが拳を振り上げたのを目にした。 ルーラを盾に防御する姿勢のスノーホワイトの動作は、迅速である。 ナーサリーライムが死亡していないのならば、マスターのラッセルを狙う。 ここまで現実時間ではおよそ三秒。サーヴァントと魔法少女の読み合いが交錯する。 ただ一人。 完全な蚊帳の外にいた弥子だけは奇妙に冷静だった。 ライオンの背に乗った鼠、まさに漁夫の利を連想する安全地帯にいる彼女だけが気づく。 この状況を打破する手段はこれしかない。 「待って! その子のサーヴァントは、ここにいます!!」 弥子の大声により、一瞬の静寂が広まる。 まさか、と挙動できずに留まっていたアイルが弥子の掲げた『もの』に目を見開き、息を漏らしていた。 気づけずにいたのは仕方ない事だ。 本。 散らかった教科書に紛れ込んでいた一冊の本。 タイトルに『END ROLL』と刻まれ一人の少年の描かれた表紙の絵本。 マスターが見れば、ステータスが浮かび上がる。紛れもない、本がサーヴァント。 ディアボロの言う『霊核』に属する本体だ。無防備に弥子が持ち上げられるのを察するに、意識がないのだろう。 一時、動作を止めたディアボロだったが、何も構う必要はない。 攻撃続行はする! 「攻撃するんじゃねぇ!」 唐突なアイルの一声はマスターの命令よりも、令呪を使用した制止だった。 それを真っ先に理解できたのは、身動きを封じられたディアボロ当人。 (バカか……! 令呪を使うだと!? 聖杯を手にするつもりはあるのかッ!!) 念話で怒声をあげるディアボロに対し、アイルは舌打ちを返した。 「聖杯なんか欲しくねぇ。俺はセイヴァーを倒して元の世界に戻れればそれでいい」 「な……にを言っている……貴様………」 身動きを取れていないと察した魔理沙は便乗し、魔力放出でスピードをつけた簡易弾幕を手元に出現させる。 このまま、ディアボロに弾幕をぶち込んでやろうと身構えたが。 次に口を開いた彼の言葉で――止めた。 「聖杯で貴様の中にいるクソカスをかき消せばいいだろうがッ!! 何故、貴様がクズ如きを庇っている!? あんなものを生かして何になる!!」 「か……庇って、なんか無い……アンタには……わからない」 「即刻令呪を取り消せ! セイヴァーを始末するなら尚更聖杯を狙え!!」 ☆ 庇ってなどはいない。 だのに。ディアボロから「庇っている」と指摘されて、無償に動揺するアイル自身がいる。 最早、何の意味も無い。彼の言う通り、消さなくてはならない。 けれども、聖杯の力を頼るのは納得できなく。独り善がりの意地を張っているだけで。 消えてしまえばいいのだ。 あんなものを残しても、生かしても。 元に戻らないのに。 昔のように成れないのに。 「アンタに、何が……何が分かるんだよ! 俺が持ってないもの持ってる癖して!! 何が分かるんだよ!!!」 ☆ 「さて、何から話したところか」 モナ・リザのキャスター、レオナルド・ダ・ヴィンチが穏やかな表情ながらも。 使い魔が湧き出ていた『四次元袋』を手に、屋上にいた少年少女たちの様子を伺っている。 改めて事の顛末を説明すると。 ダ・ヴィンチとバーサーカーの青年・徳川家康は、魔理沙の弾幕を目撃し、ビルへ向かえば 玄関前の広間に使い魔……ナーサリーライムの使い魔たちと遭遇し それらを片付け、ダ・ヴィンチが『四次元袋』を回収し、屋上に到着した時には一応全てが終息を迎えていた。 当然、彼らから事情と簡易的な情報交換を交わした。 まずはスノーホワイトと呼ばれた魔法少女が説明した。 彼女は元より、ナーサリーライムの固有結界に捕まっており、身動き取れず、ナーサリーライムに従わざる負えなく。 『四次元袋』を貸したのも、それが理由だと言う。 彼女のサーヴァントは暴走しており、彼のセイヴァーの部下だという。 肝心のナーサリーライムのマスター、ラッセルは眠りについたままだ。 これほど騒がしくとも眠りつく精神には不穏なものを感じるほどに。 そして、弥子とアーチャー・魔理沙。 アイルの三人は共に行動してナーサリーライムの襲撃に巻き込まれた。 元よりここへ来た弥子の目的は、見滝原中学の監視をする為だったらしい。 彼女たちは途中、主催者側の存在とされる『キュゥべえ』なる生物と接触した。 全ての事情を把握し、ダ・ヴィンチと家康の情報も伝えたところで。 家康は、興味深く弥子の持つ絵本のサーヴァントを見る。 「英霊にも様々いると知識にはあるが、まさか本とは驚いたな……」 「あ、あの。コレ……私が持ち続けるのも、駄目とは思うんですけど……」 困惑気味の弥子の指摘には納得できるが、確立された対応策は皆無である。 しかし、他マスターが所有し続けるワケにもいかないので、ダ・ヴィンチが「私が預かろうか」と名乗り上げた。 初対面に近い相手もといサーヴァントに渡す形だが、弥子は彼女が敵意のないと感じ取り。 「お願いします」と頭下げて、大人しく差し出した。 だが、アイルが眉間にしわ寄せて止める。 「見た目が変わってねぇか、それ」 急に指摘されたのに、弥子は絵本の表紙を観察するが金髪の少年が描かれているのに変化はないと思う。 だけど、あの時………記憶が色々と曖昧なのだ。 弥子は申し訳なさそうに答える。 「ごめん。私は表紙の事、よく覚えてないし。どうやって固有結界?っていうのを抜け出せたのかも覚えてないんだ」 確かにな、と魔理沙も釈然としない表情で話に加わる。 「あそこで敵と戦ってただけで、私たちが特別何かしたって訳じゃないんだよ。 本当にお前は何もしてないのかよ? 実はサーヴァントを潜ませてるんじゃないのか?」 魔理沙が睨む相手はスノーホワイト。 彼女は冷静な表情を微動だにせず、淡々と否定した。 「私は何もしていません。先ほど話しました通り、私のサーヴァントはコントロールできずに仲間割れしました」 「セイヴァーの仲間だからってなら、令呪で強制させればいいだけだろ。何で使わないんだ」 弥子が「アーチャー、それは」と制した。 いきなりサーヴァントを失う手段を取るのは、聖杯戦争においてデメリットでしかない。 第一、可能性を残る以上。スノーホワイトも聖杯を手にしたい想いがあるのでは。 そう思えたからだ。 魔理沙も薄々気づいているようだが、もどかしい衝動があるのだろう。弥子に宥められ「分かった」と追及は止める。 空気を読んで、家康も話を引き戻した。 「つまり、書物の英霊を無力化したのは皆の力ではない第三者の仕業か。教えてくれてありがとう」 「…………」 事の真相を知っているのは――アイルだけだと、彼自身が理解する。 自身の召喚した二重人格の英霊・ディアボロには他者の記憶から、情報を抹消する能力がある。 アイルが感情のまま叫んだ言葉を聞いて。 ディアボロは、無言で消え去った。その後に家康とダ・ヴィンチが現れたのを考慮すれば。 彼らも敵に回したくない戦線離脱のようなものだろう。 改めてダ・ヴィンチが弥子より引き取った絵本の表紙には『Phantom Blood』というタイトルが刻まれていた。 今、ナーサリーライムは無力化されているが脅威は去っていない。 厄介な固有結界を持つサーヴァントのアサシンを、無為に生かす方が問題ではあるが…… スノーホワイトがフォローするよう、ダ・ヴィンチに言う。 「彼もまたセイヴァーを脅威であると理解しています。 セイヴァーの討伐を重視するのであれば、協力してくれるはです」 「ああ、セイヴァーの討伐ね。私は現状を見るに半々の立場だ。そこのバーサーカーも同意見さ」 半々? 曖昧な表現に眉をひそめた弥子。バーサーカー・徳川家康は頷く。 「スノーホワイト。お前の危惧はワシも分かる。だが、この戦争を起こした者達の誘導に従うつもりもない…… まずはセイヴァーの捕捉をしたい。奴との接触を優先するということだ」 「接触こそ危険だと私は思います」 セイヴァーが有しているだろう洗脳能力。 狂化を持つバーサーカーは問題ないかもしれないが、他は……スノーホワイトは報酬の帰還権も含め 迅速にセイヴァーを倒さなければならない姿勢を崩したくはなかった。 話を一通り聞いて、アイルが聞こえるように溜息ついた。 「だったら……俺がアンタらと一緒にいる理由はないってことだ」 「おい、お前」 いい加減にしろよ、とアイルの反抗的な態度に魔理沙が突っ込もうとしたが。 彼は面倒くさそうに説明を続けた。 「俺はとにかくセイヴァーを倒す。主催者の目論見なんてのは、どうだっていい。 アンタらは違う。セイヴァーを危険視してるが、すぐ倒さねぇ方針だ」 「でも」と弥子はどうにかアイルを足止めしようとした。 「セイヴァーを探すだけなら、私達と行動した方がきっと……」 「だから目的が違うって何度も言わせるな。俺はセイヴァーを倒す。それとも……俺を殺してでも止めるか?」 誰もが沈黙する。 自棄になってアイルが反抗しているのではないと、皆が理解したからだろう。 だが、彼らは決してアイルが提案した通り、暴力で抑止を率先する姿勢もなかった。 魔理沙などは、出来なくもないが。だからと言って、アイルに戦いを挑む意思がない。 それを確認し、舌打ちと共にアイルは今度こそビル屋上の扉に手をかけて降りて行った。 ★ また孤独、結局は孤独だ。アイルの場合は暴走するかも分からないボーマンのことがある。 むしろ、他人を巻き込まないで、勝手にやるのが安全なのだろう。 とは言え。態度が相まって、彼らから離れられたのは行幸である。 巡り巡って単独行動の方が都合がいいのだ。 忌々しい高層ビルは、時間帯も相まって出入り口自動ドアが動かず、 器物損壊なんて構わずアイルは拳で破壊してしまった。 漸く脱出を果たしたところで、アイルは再び溜息をつく。 セイヴァーを捜索しようにも見滝原中学ぐらいしかアテはない。だが……果たして、セイヴァーは現れるのか? それに、見滝原中学へ向かえば再び弥子たちと出くわすハメになりかねない。 「……適当に探せば見つかるか」 どうせ見滝原という舞台上に居続けることに変わりはない。 逃げられはしないのだ。 だから、どうとでもなる筈だ。投げなりに結論するアイルに対し、誰も言葉をかける事はない。 「よ……よかった! まだいる!!」 だったのに。 アイルも目を丸くさせて、振り返った先に弥子と嫌々しい表情の魔理沙の姿があるのを発見した。 あれだけ突き放したのにバカの一つ覚えのように、弥子は付いて来ている。 意味が分からない。アイルも驚きを含みつつ、改めて言い放つ。 「俺はセイヴァーを倒すって言っただろ……!」 「わ、わかってる。でも、やっぱり放っておけないし……そ、それにセイヴァーの事はバーサーカーさんと キャスターの……ダ・ヴィンチさんに頼んだから……大丈夫ってワケじゃないけどっ……」 「………!?」 全力疾走してきた為、弥子の言葉が途切れ途切れだったが。 どうやら、ただアイルの安否を心配が故に、屋上の彼らと別れてきたという。 方針が食い違う相手を追いかけても『無駄』なのに、彼女は顧みなかったのだ。 全く以て理解がし難い。アイルの動向を監視していたディアボロにこそ、理解の範囲の世界である。 生前にあった。 娘・トリッシュの為に裏切りを図ったブローノ・ブチャラティの心理と同じ。 ブチャラティが、もし利益に目が眩んだとすれば、ディアボロにも動機が分からなくもない。 しかし、己の絶頂を絶対とするディアボロに。 正義や愛情が為に自己犠牲を行う人間など理解することは叶わなかった。 (あ……あの小娘……! 戻って来ただとッ……心配だから? ふざけるな!) どうせ奴も、心のどこかで聖杯に目が眩んでいるに違いない。 ディアボロは疑念を積み重ねているが、アイルの方はそうじゃあなかった。 お人よしが過ぎる相手は、かつて空の世界でも出会った『団長』と似ている。 弥子も同じ部類なんだろうと、またもや舌打ちする。アイルの態度に、やれやれな反応をする魔理沙。 「あの二人も、他のマスターのところに向かいたいらしくてな。 逆に、中学校の監視を頼まれたのさ。どうせお前も、あそこに向かうんだし、文句言うなよ」 「……もういい。勝手にしろ。ただし俺の邪魔はするんじゃねぇ」 そして、なんだかんだ誰か来る。 アイルは家族を捨てて、闘争の世界へ向かったというのに。 姉がアイルを探しに旅をし続けていて、姉と共に現れた『団長』達だって同じだ。 まるで石の下から這い出てくるミミズのようだ。 過去だ。 どれだけバラバラにしてやっても、過去の因縁が付きまとう。 真実を知らなければ、アイルもまた『永遠の絶頂』にあり続けられた筈だった…… だが、そうはならなかったのだ。 皮肉にも、彼が召喚した悪魔と同じ運命なのである。 ☆ 正直な話、感情論で物事を納得させるのは現実には難しいどころではなく。 ハッキリ断言できる上、確実に無理難題な手段である。 特に聖杯戦争という普通の人間で太刀打ちできないサーヴァントと呼ばれる兵器に、マスターは成す術ない。 サーヴァントの方が誰よりも分かっているだろう。 それでも徳川家康は言う。 「大丈夫だ。彼女には人の心を理解する力がある……自覚はしていないのだろうが、きっとそれが力になるだろう」 家康の人を見る力が、それを理解しているのだろう。 例え事実であれ、スノーホワイトは無謀だと期待を抱いてはいなかった。 幼い少女が夢描く魔法少女の理想像めいた、現実に打ちのめされる淡い幻想。 家康が語っているのはソレである。生死を交わす聖杯戦争で、桂木弥子の秘めた力こそ『無駄』なのだ。 不思議にも、ダ・ヴィンチも否定はしなかった。 むしろ、絵本のナーサリーライムや眠りつくラッセルを除き、否定していたのはスノーホワイトだけ。 真に孤独だったのは、魔法少女一人。 桂木弥子は真っ直ぐに伝えた。 ナーサリーライムの襲撃を受けてもなお、己を見失う事はしなかった。 ―――わたし、あの人を追いかけます。やっぱり一人にさせられないし…… スノーホワイトさんが教えてくれた通りなら、私達を心配して屋上に戻ってきてくれた。 多分、根は良い人だと思う。あの人の過去に何があったのかは、わからないけど――― 弥子も普通とは違う体験をしているから、この状況でも肝が据わっているのだろう。 とは言え、弥子の行動も、家康の真意もスノーホワイトには…… 最早、弥子たちを考慮するのは控えるべきだと、魔法少女が判断する。 気持ちを切り替えて、スノーホワイトがダ・ヴィンチに尋ねた。 「私も……同行して構わないでしょうか」 「勿論。マンションにいる巴マミと会って……事情を把握した彼女次第かな。 私としては念話でマスターに事情を説明すればいいし、流れで桂木弥子たちと合流すればいいと考えている」 実に楽観的だ。 ダ・ヴィンチも家康も、善意を信じる者だからこそ弥子への期待。 そして、巴マミやスノーホワイトと協力し、聖杯戦争に抗おうとしているのだろう。 だが、スノーホワイトが最も理解しているのだ。 こんな状況に、希望を抱いても儚く散ると。 ★ ところで。 話の流れがぐだぐだとしかねない為、割愛させて貰った部分が存在する。 それはダ・ヴィンチたちの情報交換についてだ。 弥子と魔理沙から、主催者の存在に仕える『キュゥべえ』。 彼女たちが出くわしたらしいセイヴァーとよく似たサーヴァント。 ダ・ヴィンチが得た――レイチェル・ガードナーの証言、アヤ・エイジアのサーヴァントがセイヴァーと似ている情報。 それと合致するのだった。情報元は不明確であったが、真実なのは確からしい。 襲撃してきたのがアヤのサーヴァントかもしれない。 これには弥子も驚きの色はあったものの、彼女自身は不思議と落ち着いており。 むしろ。 ――なんとなく……分かる気がする。 そう答えていた。 ダ・ヴィンチとしては彼女の話を掘り下げたくあったが、如何せん他に語らなければならない事が多く。 アイルを追って、弥子も慌てて飛び出すハメになり、叶わなかった。 ――情報は大分集まった。 平行世界、もとい外宇宙と呼べるレベルでの世界観の変化。 徳川家康の歴史や、魔理沙が住む幻想郷、そしてセイヴァーの存在。やはりどれもが世界が異なると捉えた方がいい。 異なる世界の英霊が、見滝原の地で交差し合う聖杯戦争が起きている…… ならばこそ、聖杯戦争の主催者も宇宙規模の観測と移動が可能な上位存在と考えるべきだ。 『キュゥべえ』と呼ばれる生命体。 マスコットっぽい愛嬌から想像のつかない力を有しているのだろう。 中々に侮れない。ダ・ヴィンチが考察する通りであれば、参加者の帰還も難しい話になると想像つく。 本来、マスターたちが居た世界もとい宇宙と見滝原の地がつながっているなら良いが。 普通に考え、完全な繋がりは継続すらされてないだろう。 主催者が提案した通り、セイヴァーの討伐令による報酬か聖杯で願わなければ、帰還の保証は皆無である。 そして……そんな上位存在が聖杯戦争を発足する理由とは何か? 恐らく『時間』が関与しているとダ・ヴィンチは思う。 『時間』に精通するサーヴァントが多いらしい。 件のセイヴァーと似た英霊も、時を止める宝具を使用していたと魔理沙は断言していた。 もしかすれば『キュゥべえ』達は『時間』に関する何かを得るために、所縁あるサーヴァントの召喚をしたのかも? 残念ながら、確証は掴めない。 (となれば。逆に『キュゥべえ』含めた主催者に対抗する手段も『時間』……ではないだろうか?) その点はダ・ヴィンチの推測に過ぎないが、重要なのは主催者の守備範囲。 マスターとして招集された弥子たちを無事に帰還させる手段。 少なくとも、一筋縄ではいかないと誰もが理解できた。 【D-5/月曜日 早朝】 【ラッセル・シーガー@END ROLL】 [状態]魔力消費(小)『漆黒の頂きに君臨する王』の侵食(小)就寝 [令呪]残り3画 [ソウルジェム]無 [装備] [道具]日記帳 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:みんなと普通にくらす 0.元に戻った? まだ分からない…… 1.学校に行ってみる 2.セイヴァー(DIO)に思うところがあるが…… [備考] ※聖杯戦争の情報や討伐令のことも把握していますが、気にせず固有結界で生活を送るつもりです。 ※セイヴァー(DIO)のスキルの影響で、彼に対する関心を多少抱いています。 ※『漆黒の頂きに君臨する王』の侵食により罪悪感が一時的に消失しています。 ラッセル自身はまだ自覚しておりません。 【アサシン(ナーサリー・ライム)@Fate/Grand Order】 [状態]気絶状態、固有結界消失、魔力消費(中)『漆黒の頂きに君臨する王』の侵食(中) [ソウルジェム]有 [装備] [道具] [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:固有結界を維持しつつ、聖杯作成を行う 0.??? 1.ラッセルを学校に行かせてみる。 2.セイヴァー(DIO)を侵入させないようにするが……倒すのは…… 3.見滝原中学に関してはまだ様子見。 4.スノーホワイトに関しては、半信半疑。 [備考] ※セイヴァー(DIO)の真名および『漆黒の頂きに君臨する王』を把握しました。 ※『漆黒の頂きに君臨する王』によって固有結界が支配されると理解しました。 ※『漆黒の頂きに君臨する王』の侵食が進行しつつあり、固有結界内部や能力に影響がありますが。 現時点でナーサリー・ライム自身に自覚症状はありません。 ※固有結界が消失しており絵本状態(FGOのナーサリーライムのような)になっています。 現在の表紙タイトルは『Phantom Blood』です。 ※再び固有結界を発動させるには、意識を取り戻したうえで相応の魔力を必要とします。 ※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は完全に忘却してます。 【スノーホワイト(姫河小雪)@魔法少女育成計画】 [状態]魔力消費(小)、魔法少女に変身中、プク・プックの洗脳(効力低下中) [令呪]残り3画 [ソウルジェム]有 [装備]『ルーラ』 [道具] [所持金]一人くらし出来る程度 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯獲得。全てはプク様の為に 0.巴マミと合流する。 1.再契約するサーヴァントを見極める。 2.セイヴァーとの契約は最悪の場合のみにしておく。 3.見滝原中学で発生するだろうセイヴァー包囲網を利用する。 4.プク様に会いたい…… [備考] ※プク・プックの洗脳が弱まりつつあります。 ※バーサーカー(ヴァニラ・アイス)への魔力供給を最低限抑えています。 ※ブチャラティ組、マシュ組の動向を把握しました。 ※セイヴァー(DIO)が吸血鬼であることを知っています。 ※セイヴァー狙いで見滝原中学に向かうつもりはありません。 ※対魔力のランク次第で彼女の『魔法』が通用しにくいサーヴァントがいます。 ※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は完全に忘却してます。 ※弥子とダ・ヴィンチらと情報交換しました。 【バーサーカー(徳川家康)@戦国BASARA3】 [状態]健康 [ソウルジェム]無 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:マスターの意志を尊重する 0.桂木弥子……彼女は大丈夫だろう 1.巴マミと合流する。 2.可能な限りマスターの命を守りたい [備考] ※ライダー(ディエゴ)、ライダー(プッチ)の存在を把握しました。 ※マミ&ランサー(什造)の主従を把握しました。 ※教会にいる杏子がマスターである可能性を知りました。→現在彼女が行方不明であると把握しました。 ※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は完全に忘却してます。 ※弥子とスノーホワイトらと情報交換しました。 【キャスター(レオナルド・ダ・ヴィンチ)@Fate/Grand Order】 [状態]魔力消費(小) [ソウルジェム]無 [道具]バステニャン号、『四次元袋』 [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争の調査 0.巴マミと合流する。 1.討伐令に対する疑念。セイヴァーとの接触をしたい。 2.セイヴァーと似ているサーヴァントねぇ…… 3.マスターたちを普通に帰すのは難しそうだな [備考] ※吉良に対し、どことなく疑念を抱いております。 ※自身の知識と情報を駆使しても、セイヴァーの真名に至れなかったのを疑問視しています。 ※レイチェルと彼女のサーヴァントがライダーであることを把握しました。 ※アヤ・エイジアのサーヴァントが、セイヴァーと酷似している情報を入手しましたが懐疑的です。 →弥子の情報から、事実であると把握しました。 ※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は完全に忘却してます。 ※弥子とスノーホワイトらと情報交換しました。 ※主催者側の存在、キュゥべえを知りました。彼等の力を大凡推測しています。 【D-5/月曜日 早朝】 【桂木弥子@魔人探偵脳噛ネウロ】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り3画 [ソウルジェム]有 [装備] [道具]携帯端末 [所持金]数十万 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争の『謎』を解く 0.見滝原中学へ移動する 1.セイヴァー、あるいは暁美ほむらとの接触 2.アイルとは話をしたい 3.キュゥべえについては…… 4.時間が近づけば、アヤの救出に向かいたい [備考] ※バーサーカー(玉藻)を確認しました。 ※セイヴァーに酷似したサーヴァントが時間停止能力を保持していると把握しました。 →ダ・ヴィンチの情報から、彼がアヤのサーヴァントである可能性を知りました。 ※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は完全に忘却してます。 ※主催者側の存在、キュゥべえを知りました。 ※セイヴァーに酷似した存在達に何らかの謎があると考えています。 ※ダ・ヴィンチとスノーホワイトらと情報交換しました。 【アーチャー(霧雨魔理沙)@東方project】 [状態]魔力消費(小) [ソウルジェム]無 [装備]魔法の箒 [道具] [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:弥子の指示に従う 1.見滝原中学へ移動する 2.時を止める奴は信用しない。 3.キュゥべえも胡散臭いな…… [備考] ※アヴェンジャー(ディエゴ)を確認しました。時間停止能力を保持していると判断してます。 →ダ・ヴィンチの情報から、彼がアヤのサーヴァントである可能性を知りました。 ※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は完全に忘却してます。 ※アイルのサーヴァントがアサシンではないかと推測してます。 ※主催者側の存在、キュゥべえを知りました。 ※ダ・ヴィンチとスノーホワイトらと情報交換しました。 【アイル@グランブルーファンタジー】 [状態]魔力消費(小)精神疲労(大) [令呪]残り2画 [ソウルジェム]無 [装備] [道具] [所持金]親(ロールの設定)からの仕送り分 [思考・状況] 基本行動方針:元の世界に戻る 0.見滝原中学へ移動する 1.セイヴァーの討伐報酬を狙う [備考] ※アサシン(ディアボロ)のマスターである為、『情報抹消』の影響は受けないようです。 ※ボーマンに乗っ取られている間の記憶はありません。 ※ダ・ヴィンチらの行動方針を把握しましたが、その上で関わりを避けるつもりです。 【アサシン(ディアボロ)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]魔力消費(中)、ボーマンに対する苛立ち、現在の人格はディアボロ [ソウルジェム]有 [装備] [道具] [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:聖杯の獲得 1.見滝原中学へ向かう 2.ボーマンの件もあり、現時点ではアイルの周囲に留まっておく 3.セイヴァー(DIO)の討伐を優先にする 4.時間能力を持つサーヴァントは始末する [備考] ※アヴェンジャー(ディエゴ)の時間停止スタンドを把握しました。 ※セイヴァー(DIO)はジョルノと『親子』の関係であると理解しています。 ※アヴェンジャー(ディエゴ)はセイヴァーと魂の関係があると感じました。 ※『長時間の時間停止』を行うサーヴァント(杳馬)の宝具を認知し、警戒しています。 ※ナーサリーライムの性質を理解しました。
https://w.atwiki.jp/endlesswiki/pages/96.html
AND ENDLESS 第4回公演 MOVE Reign over the whole land 1997.5.22-25 萬スタジオ 【キャスト】 織田信長:西田大輔 男 :加藤靖久 明智光秀:大森裕子 蜂須賀小六:柿木健応 豊臣秀吉:濱田純司 竹中半兵衛:村田雅和 徳川家康:磯谷綾子 寧 々:兼森理恵 お 濃:鈴木志穂 森蘭丸:田中良子 【あらすじ】
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/153.html
《Over the Rainbow》Bifrost ◆zzpohGTsas 1: 青い匂いが今にも漂ってきそうな柔らかな芝草の上で、赤い野球帽に青と黄色のボーダーシャツの少年が仰向けになって眠っていた。 少年特有のあどけない寝顔。それはまるで、今この場に燦々と降り注ぐ太陽の光と、春の暖かな陽気に眠気を引き起こされ、眠りこけてしまったかのようにも思える。 赤い野球帽の少年を、幾人もの人々が取り囲んでいた。 大人もいる、子供もいる。不思議な事に、鼠もいるし、大きな鼻が特徴的な肌色のふしぎな生き物もいた。 皆、悲しそうな顔をしていた。 赤色のリボンがトレードマークのブロンド髪の少女は、顔を抑えて泣きじゃくっている。 丸眼鏡をかけた金髪の少年と、今時珍しい辮髪の少年は、男の子だからか涙は堪えているが、今にも感情が決壊しそうだった。かなり無理をしているのが表情から解る。 白衣を身に付けた髪の薄い老人と、その隣にいる小太りで赤髪の男性、作業着を着た灰色の髪の中年も、ひどく悲しみと後悔とが入り混じった顔で、眠っている少年の顔を覗き込んでいる。 赤い野球帽の少年は、かれこれ30分は息をしていなかった 2: スーパーマリオのテレビゲームを一通り遊び終えたぼくは、ゲーム機の電源を切ってから、リビングからキッチンへと向かった。 時計の針は昼の12時を指している。昼のご飯の時間だった。と言っても、大したものはない。 食材自体はあるんだけれど、ぼくはあまり料理が得意じゃないから、昼のご飯は大体グラノーラシリアルと、バタートーストで間に合わせる事にしてる。 お皿にグラノーラを入れて、冷蔵庫から取り出したミルクを注いでから、トースターにパンを2枚入れ、リビングへと戻った。焼けるまでは、グラノーラを食べている。 リビングに戻った後で、ぼくは、何か目ぼしい番組がやっていないかと、テレビの電源をつけて、チャンネルを取り敢えず適当に変えてみた。 チャンネルを切り替えるボタンを押す指を、ぼくは止めてしまう。今時珍しい、モノクロの映像が流れていたからだ。 オズの魔法使い、と言う映画らしい。相当古い映画である事が解る。モノクロの映像だと言う事もそうだが、フィルム自体からも、隠し切れないが香って来るようだ。 目ぼしい番組も特になかったから、僕はこの番組を見る事にした。 最初のクレジットタイトルが終わり、映画本編がスタートする。 見た事もない綺麗な女優が、ぼくの生まれ故郷よりもまた更に田舎の街で、ドタバタ騒いでいた。 本当に、昔の作品なんだなぁとぼくは思った。舞台設定や時代背景が、今よりも50年くらい昔なんじゃないだろうか。 ぼくが映画に集中していると、液晶テレビが映している映像とは別に、世界の方が、ぼくにサプライズを用意して来た。 シリアルを口に運んでいるぼくと、オズの魔法使いを映しているテレビの境の空間に、ぼくがまばたきするよりも速く、男の人が立ってたんだ。 思わずシリアルを運ぶ手を止める。ぼくはその人をまじまじと見つめた。 白い野球帽に、やはり白い野球ユニフォームを着用した、ぼくより背の大きい大人の人だった。 大きな野球大会で活躍するスター選手のような風格すらあったけど、ぼくはすぐに違うと解った。と言うよりぼくは、目の前に現れたこの人の事を知っている。 だから、驚いたのはこの人が現れた最初の一瞬だけで、それ以降は全く驚かずに、あるがままに彼を受け入れられていたんだ。 「身体の内に、白く燃え上がる無垢で聖なる魂を持つ者よ。問おう。お前が俺のマスターか」 男の人は、聖書の中に出てくる人達みたいな、古めかしく威圧的な言葉でぼくに語りかけて来た。ぼくは、首を縦に振った。 「この聖杯戦争と言う汚れた舞台において、セイヴァーのクラスにて見参した。今よりお前の剣となり盾になろう」 何の淀みもなく、セイヴァーは威圧的な言葉を続けて行く。服装と言葉が合ってないような気がするが、何でだろう。 普通の人だったらセイヴァーの服装でそんな事言っても空回りするだけなのに、彼の場合は、それがとてもかっこよくキマっていた。 やっぱりこの人は、ぼくのサーヴァントであったらしい。実を言うと、そろそろ来るのではないかと言う気がしていたんだ。 ぼくは、聖杯戦争の参加者だ。当然、聖杯戦争がどう言ったものなのか、ある程度は理解している。と言うより、刻み込まれていたから強制的に理解させられた。 だから、サーヴァントが現れても、それ程驚きはなかった。ある程度身構える事が出来る事だったから。 だけど、セイヴァーと言うクラスについては初耳だった。聖杯戦争は、7つのクラスで行うって頭の中には記されている。 それに、セイヴァーって名前にも、疑問を覚えた。ぼくは、聞いてみた。セイヴァーは、英雄(ヒーロー)なの? って。 「違う」 すぐに彼は返事をしてくれた。じゃあ、救世主なの? 「違う」 じゃあセイヴァーって、何? 「俺は浄化者だ」 浄化者。 「俺は果たさなければならない神聖な任務を負っている。俺は、この世界を浄化しなければならない」 どう言う事をするの? 「この世界に蔓延り、やがて跳梁するであろう、堕落した悪魔の子らと、その裏に隠れ潜んでいるであろう、聖杯戦争を仕組んだ者に裁きを与えるのだ」 その悪魔って、サーヴァントの事? 「その通り。この聖杯戦争に呼び出された悪魔の子、或いは、痛ましき霊を滅ぼす許しの代弁者、それが俺だ」 チンッ、と言う小気味の良い音がキッチンの方から響いて来た。 トースターがパンを焼き終わった音。キッチンに行ってパンにバターを塗る事すら忘れて、ぼくはセイヴァーに質問を続けた。 聖杯戦争の裏にいる人って、誰? 「わからない。だが、これだけ大掛かりな事が、自然現象的に起こる筈がない。誰かが意図的に起こしたとみるのが普通だろう」 確かに、そんな気がして来た。一体誰が、聖杯戦争を始めているんだろう。 少しだけ疑問に思った後で、ぼくは、一番聞きたかった事をセイヴァーに訊ねた。ぼくは――人を殺さなくちゃ駄目なのかな、って。 「俺が滅ぼすのは、俺達に危害を加えようとする霊だけだ。お前が望みならば、マスターを殺さず、サーヴァントだけを滅ぼす事も視野に入れよう」 ぼくにとっては、嬉しい配慮だった。人は、殺したくないから。 でも、場合によっては、サーヴァントだけじゃなくて、人間も殺さなくちゃいけないんだよね? 「俺に未来を予見する力はない。もしかしたら、俺も人を殺す事がありうるし、お前もそれに加担する可能性だって、0じゃない」 少しだけ黙りこくってから、ぼくは、わかった、って言った。 本当はいやだったけど、仕方のない覚悟だった。セイヴァーが、大義そうに、首を縦に振る。ぼくの返事が、満足だったらしい。 「マスター、俺の方からお前に聞きたいが、聖杯に叶える願いはあるのか?」 ある、と、ぼくは答えた。セイヴァーがそう訊ねてから、1秒も経過していなかったように思える。 「何だ、それは」 元の世界に、帰りたい。ぼくは、迷わずそう答えた。 瞳のちょっとした動きだけで、セイヴァーはぼくに、続きを話すように促した。ぼくは、説明を行う。 ぼくの長い旅は、意地悪で、わがままで、いつも寂しそうにしていた、ぼくの隣人の荒々しいノックから始まった。 今でもぼくは、何で自分が選ばれたのか、わかってない。だけどぼくの奇妙な冒険は、裏山に落ちて来た隕石を、隣人と一緒に見に行った所から幕を開けた事は確かだ。 旅の途中で、色々な生き物や人が、僕の旅を邪魔しに来た。おじさんやおばさん、警察の人に、街の悪い不良達。 犬や蛇、カラスにワニに恐竜何かとも戦った。かと思えばゾンビやお化けとかの恐いものや、ぼくの言葉じゃ表現しきれないもの、果ては宇宙人とも戦った。 旅をした場所も、色々だった。洞窟の中、お墓にその地下、砂漠、雪の降りしきる北国、寒さとは無縁そうな南の島、砂漠、海の上、雲の上の神秘の国、 ジャングル、宇宙人の秘密基地、地下に広がる巨大な世界、火山の中、ぼくの心の中、そして――遥か過去の最低国。 傷つき、倒れそうになった事なんて、数えられない。家に帰って、ママに甘えていたいと思った事なんて、もっと多かっただろう。 だけど、ぼくは決して1人じゃなかった。かわいくてしっかり者のポーラと、少し臆病だけど頭の良いジェフ、そして勇気があって男らしいプーの3人の、かけがえのない友達。 ぼくは彼らといっしょに旅をしていなければ、旅を何処かで諦めて放り出し、他の誰かが問題を解決してくれると、逃げだしていただろう。 彼らと旅をするうちに、気付いたらぼくは、自分の境遇と運命を、呪う事がなくなっていた。 3人と旅をしている時でも、辛いと思う事もあったが、この度のおかげで僕は、3人の最高の友達と巡り合えたのだから、それでもいいかと考えるようになった。 旅の終わり、ぼくらは、敵のボスであるギーグがいる過去へと向かう為に、自分自身の頭脳をロボットに移植する必要があった。 此処まで来た僕らは迷いなく、その方法を受け入れて、過去へ飛び……そして、ギーグと、最悪の隣人・ポーキーの野望を打ち砕いた。 実感が湧かないけど、ぼくは、世界を救ったんだと思う。わからないけど、これでよかったんだと思う。 アンドーナッツ博士が最初に言っていた通りだった。 頭脳をロボットに移植して過去へ移動すると、魂がロボットの方に行ってしまい、永遠に現代に戻れなくなる可能性が高いと言う。 その通りの事が、ぼくに起った。ぼくの魂は、サターンバレーに眠っているであろうぼくの身体に、戻る事は出来なかった。 それを分かっててやったんだから悔いはない筈だけど、それでもやっぱり、寂しかった。3人の友達と会えない事もそうだけど、ママとパパに会えないのも、きつい。 ぼくはずっと、時空の闇の海の中を漂っていた。浮き上がっているのか沈んでいるのか、左に動いているのか右に動いているのかも解らない、ただただ、 水の中に潜っているような浮遊感だけがある、一条の光すらも届かない暗闇の中で、僕はずっとふわふわしていた。 ぼく以外のもの何て一切存在しない空間を、ふわふわしていた時間は、どれぐらいだっただろうか。ある時、僕の頭上に、銀色の光の点が光ったんだ。 ぼくはそれが無性に気になって、それに手を伸ばし、手に取った。それが、『地球』を模した銀色の鍵だとわかった瞬間、僕はこの街にいた。 アメリカにあると言う地方都市、アーカムのダウンタウンに住む長男の一人っ子。それが、ぼくである。 パパとママはダウンタウンで公務員として働いている、共働きだ。家族関係は良好で、順風満帆な生活を満喫している。それが、このアーカムでぼくが送るべき生活。 だけど、本当は違う。ぼくはアメリカなんて国は知らないし、ぼくが生まれた国はアメリカではなくイーグルランドのオネットだ。 それにぼくのパパは仕事で世界中を飛び回っている忙しい人で、ママはいつも家で家事をしており、帰ってきたら優しくぼくを迎えてくれる。 この家には妹のトレーシーも大きなムク犬のチビも見当たらない。そして、あの最悪の一家、ミンチ家がぼくのご近所さんじゃない。 何から何まで、ぼくが知っている世界じゃなかった。ぼくのズボンのポケットにしまわれているあの銀の鍵は、殺し合いをさせる為にぼくの前に姿を現した、 悪魔の鍵だったんだ。 ぼくがあの鍵を手にした事が、良かったのか間違っていたのか、ぼくにはわからない。 2つ確かな事があるとすれば、ぼくは、人は殺したくないと言う事。そして、なんとしてでも元の世界に帰って、ママの作るハンバーグを食べたいと言う事だった。 「人は殺したくない。だが、聖杯か、それに匹敵する奇跡を以て、元の世界に帰りたい、か」 ちょっと、ムシが良すぎるかな? 「俺にもわからない。だが、お前の願いには従う。悪意ある霊どもを消して行けば、何れお前の理想は叶うだろう」 どちらにしても、戦わなければいけないらしい。ぼくは、コクン、と頷いてセイヴァーの瞳をジッと見つめた。 心臓を冷たい手で握られるような、冷たい目。自分の事を浄化者だと言っていたが、その言葉に嘘偽りのない、感情のない瞳だった。 「以前、俺が世界を1つの世界を浄化した時、俺を導いてくれた者には名前があった。マスター、俺はお前の名前が知りたい」 そう言えばぼくはセイヴァーに名前を教えていなかった。だがセイヴァーも、本名――聖杯戦争が言うところの真名を教えていない。 だけどぼくは、自分の名前から先に教えた方が良いかなと思って、まずはぼくの方から自己紹介をする事にした。 「ぼくは『ネス』だ」 無言で、ぼくはセイヴァーの真名を待った。すぐにセイヴァーは、答えてくれた。 「俺は『バッター』。堕落した魂どもに聖なる怒りを喰らわせる者」 3: バッターが自己紹介をしたと同時に、液晶テレビの中で、オズの魔法使の主役であるドロシーを演じる女優、ジュディ・ガーランドが、 その類稀なる透明な美声で、歌を歌い始めた。カンサスの田舎娘に住むドロシーが、悩み事も心配事もない理想郷を夢想するシーンで、彼女はその曲を歌う。 曲題を、Over The Rainbow。『虹の彼方に』と訳される、名曲中の名曲。世界的に著名な劇中歌であり、幾人もの名だたるアーティストがこの曲をカバーして来た。 その曲は語る。『虹の彼方のどこか空高くに、子守唄の中で語られる国があり、その青い空の中にある国で信じた夢は、全て現実のものになる』、と。 奇しくもネスとバッター達が招かれた世界は、その劇中歌と関連性を見出す事が出来た。 其処は、『外道の知識を記した書物の中に語られる、冒涜的な玉虫色の球体』が仕立て上げた世界であり、その世界には、 『数多の血と死と贄を捧げた末に、全ての夢を現実とする聖杯』が手に入れられる場所であると言う事が。 ――世界を救った少年は聖杯に向けて、世界を滅ぼした浄化者は邪神に向けて、そのビフレストを今上り始めた。 【クラス】 セイヴァー 【真名】 バッター@OFF 【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具EX 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 浄化者:EX 世界を浄化する、と言う神聖な使命を負っている者。 セイヴァーは例えその浄化行動の先に如何なる結末が待ち受けていようが、迷う事無くその使命を果たそうと行動する。精神干渉を無効化する。 【保有スキル】 対霊・概念:EX 霊的な存在、または魔的、概念的な存在に対する攻撃の適性及び、それらの存在を感じ取る知覚能力。 セイヴァーはこれらそのもの、あるいはその因子を持った相手と敵対した場合、全てのステータスがツーランクアップする。 霊的な存在である事は確かだが、実体化したサーヴァントにはステータスアップの恩恵は発動しない。 但し、サーヴァントが霊体化した場合、または、実体化してもそのサーヴァント自体が霊的・魔的・概念的な因子を有しているのならば、 ステータスアップは発動する。 記号使役:A 使い魔使役の延長線上にあるスキル。セイヴァーは『アドオン球体』と呼ばれる、三位一体を成すリング状の記号生命体を3体行使する事が出来る。 真名看破:D セイヴァー自身が使う事が出来る技、ワイド・アングルと呼ばれる技術によるアナライズ能力。 同ランクの秘匿スキルを持たないサーヴァントであれば、真名を看破する事が出来る。 【宝具】 『Spherical Add-Ons(アドオン球体)』 ランク:A+ 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~20 セイヴァーが使役する3体の記号生命体、通称アドオン球体と呼ばれる存在が宝具となったもの。 白色のリングとも言うべき姿をした彼らが何者なのかは解っておらず、使役するセイヴァー自身も、彼らが何処から来て何の為にいるのか理解していない。 解っている事は、3体にはそれぞれアルファ、オメガ、エプシロンと言う名前がある事。彼らは三位一体を表している事。 そしてそれぞれ、アルファが父なる者、オメガが子なる者、エプシロンが聖霊なる者を表している、と言う事だけであり、それ以上の事は詳細不明。 彼らは意思を持っているのか、そもそも生命体なのかすらも疑わしい存在だが、独自の行動原理を持っている事は確かであり、 セイヴァーが敵と認識した存在に対して、セイヴァーと共に戦闘を行う事が可能。 アルファは高い威力の攻撃と状態異常の付着攻撃を、オメガは種々様々な状態異常の回復と敵のステータスを一時的に下げる攻撃を、 エプシロンは範囲攻撃とセイヴァー及び他のアドオン達のステータスアップを、それぞれ担当している。 3体がそれぞれ豊富な魔力を持っている為に、宝具を発動、維持させたとしてもセイヴァーやマスターに掛かる魔力消費は少なくて済むが、 長時間動かし続ける、或いはそれぞれのアドオン達が保有している魔力が底を尽きた場合には、セイヴァーあるいはマスターから魔力を徴収する。 『Purifier(The Batter)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:自身 最大補足:自身 何者かによって世界の浄化を任命され、其処に蔓延る悪性存在を粛正する為に生まれたセイヴァーそのもの。つまりこの宝具はセイヴァー自身を指す。 セイヴァーの攻撃には本来備わっている物理的な干渉力とは別に、強い浄化の属性が宿っており、吸血鬼や食屍鬼、悪魔の属性を持つ者や、 霊的・概念的な存在に対して、絶大なダメージを与える事が可能。いわば行動の1つ1つが、高ランクの洗礼詠唱のようなもの。 セイヴァーはまた、既存の魔術や奇跡ともアプローチの違う、『保守』と呼ばれる回復手段を持ち、癒しの技術にも造詣が深い。 霊的・概念的・魔的な存在が統治する領域や世界の統治者をセイヴァーが倒した場合、その世界から肉体を持つ全存在は消滅。 霊魂だけが浮遊する、一面真っ白の浄化された世界だけが広がるようになる。セイヴァーの究極の理想は、アーカム全土をその境地にする事である。 バーサーカー、エクストラクラス・デストロイヤーとしての適性も持ち、その場合上記の宝具は、 『Demented Purificatory Incarnation(狂える浄化の具現)』、と言う物に変更される。 【weapon】 カツヒロのバット: 野球選手が振るう金属バット。セイヴァーはこれを振るい、殴打に用いる事で、相手を浄化する。宝具ではないが、頑丈さは、宝具と打ち合う事も可能な程。 【人物背景】 この男の根幹を成しているであろう諸々の要素を語るに相応しい者は、この私の他には存在しないようだ。親愛なる君達の為に一肌脱ぐ事としよう。 私の猫のまなこから見た、このバッターと言う男は途方もない愚か者だ。盲目的な確信と確固とした期待、そして誠実極る信頼を裏切ったペテン師だ。 世界を浄化する、と言う人類の歴史の中で大体1千万の人間は抱いたであろう陳腐な大義名分の下に、聖母の如き女性と無抵抗の子供を殴り殺した狂人だ。 彼は世界を浄化などしなかった。彼は世界を破壊し、一切の生命を根絶やしにし、1つの世界を無の水底へ沈めてしまった罪人だ。 そんな彼がセイヴァーの名を預かるとは、彼をこの世界に呼び寄せた邪神とやらは見る目がない、いやそもそも、その眼窩には目が嵌ってないのだろうな。 さて、私はこの【人物背景】と言う小狭なパラグラフの冒頭で、バッターと言う男を語るに相応しいと比類ない自信を以て口にした。 事実私は、この男が我々の世界に現われてから世界を滅ぼした軌跡を目の当たりにして来た証人だからね。それを雄弁に語れる資格がある。 そんな私でも、バッターについて解らない事柄が多い。いや、訂正するべきか、我々はバッターの殆ど全てを理解していない。 我々はバッターと言う狂人が、我々の世界で何を成したかと言う事柄には君達の先を行く知識を持っているが、バッターが何者で、何処から来て、 そもそも誰から世界の浄化を任命されたのか、これらの事柄について我々は甚だ無知であると言わざるを得ないだろう。 確かなのは、バッターは女性と子供を撲殺し、許し難い彼の蛮行を止めようと現れた、誰もが愛してやまない無垢な猫であるこの私をも撲殺し、 1つの世界をOFFにするレバーを倒したと言う事だけだ。 恐らく、君達の知的器官、つまり、そのだらしない頭蓋の中でたゆたっているプティングよりも柔らかい物体で考えたとしても、 私がこの【人物背景】と言うパラグラフで、何処ぞの誰より説明せよと言われ、言われるがまま語った事柄について、全く理解を示せていないだろうに思える。 無理もない。我々の辿った道程は非常に多角的な解釈が可能であり、1つの枠に当てはめた説明は、かえって危険だろうと考えたのだ。 故に、私が語れるバッターの軌跡は此処までとし、彼に対する解釈も此処で撃ちきるとしよう。 しかしそれではあまりにも不親切であり、この【人物背景】と言うパラグラフを此処まで読んでくれた君達に対して猫の糞を砂ごと飛ばすが如くに失礼だ。 そこで、私の方から提案がある。良いかね、私の予想が正しければ、君達は電気と幾許かの回路で動いている箱、つまりPCと言う物を持っている筈だ。 そのPCを起動させ、インターネットと言う、歴史上悪魔よりも多くの人間を堕落させてきたシステムを開き、 検索エンジンに『"OFF" JAPANESE TRANSLATION』と入力、検索し、検索結果の一番上で燦然と輝くページをクリック、そのページで、 バッターと我々の軌跡を記したゲームである所の、OFFをダウンロードするのだ。 そうする事で君達は満足の行く数時間と、我々の物語を自由に解釈できる時間を幾らでも楽しめる事だろう。 元々は君達のいる世界でフランスと呼ばれるゾーンの言語で作られたゲームだったので、日本と言うゾーンに住む君達には馴染みが薄かったのだが、 君達の時間間隔で2011年と言う時期に英語と言う言葉に翻訳され、3年後の2014年8月に、見事君達の言語で翻訳され、今に至っている。 まだまだ君達の国では年の若いゲームではあるが、是非ともプレイし、バッターの狂人ぶりと、この私ジャッジの愛くるしさを堪能して貰いたい。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯戦争の汚れた舞台を、聖杯ごと浄化する 【方針】 ネスに聖杯を、聖杯戦争の首謀者に死を 【マスター】 ネス@MOTHER2 【マスターとしての願い】 元の世界に戻る 【weapon】 マジカントバット: ネスの精神世界であるマジカントで入手したものにもかかわらず、現実世界へと実体を持って持って来れたもの。 宝具とは言い難いが、サーヴァントを殴れる程度の神秘は有している。 【能力・技能】 生まれついて高いPSIの素養を持っており、各種PSIを高いレベルで扱う事が出来る。 状態異常の発生や回復、肉体的な損傷の回復、強力な念動力による衝撃発生、テレポート等々、使い方は多岐にわたる。 ギーグを倒した以上、事実上ネスのPSIは元いた世界でも最強クラスのもの、と断言しても良いだろう。 【人物背景】 世界を救う運命を背負って生まれた少年。 幾度も傷付き倒れそうになり、幾度も旅を止めようかとも諦めかけた少年であったが、世界を救うと言う志を共にした3人の友達と、 旅の最中に出会った色々な大人達との出会いによって、逞しく成長。見事、悪の宇宙人である侵略者ギーグを打ち倒す。 ――しかし、物語は常にハッピーエンドで終わるとは限らない。 ギーグを倒す為に頭脳をロボットに移植、タイムトンネルを通って過去に飛んだネスは、ギーグの野望を挫く事と引き換えに、 元の世界への帰還のチャンスを永久に失ってしまった。 【方針】 バッターに付き添う
https://w.atwiki.jp/dub0/pages/150.html
#blognavi http //blog.livedoor.jp/insighter/archives/50716080.html http //oops-music.com/info/view_news.html?nid=25286 「マリンガールズ・ミーツ・スレイヤー」ねえ。 素性を知る前に聞いた第一印象は「オーバープロデュース気味の シャグス」といった感じ。 俺もフラゴー・ミーツ・スレイヤー見たいになりたい。 カテゴリ [music] - trackback- 2006年08月02日 14 48 54 #blognavi
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/318.html
《GAME OVER(ゲーム オーバー)編(へん)/GAME OVER》 この日、ついに混沌の女神が動き出した。 女神の目的はカオス界を滅ぼし、全く新しい世界を造りだすことだった。 その理由は、今のカオス界は戦争が多く、争いが絶えないからだ。それだけじゃない、殺し屋たちや闇の者たちといった愚かな奴等を抹殺する為でもあった。 が、その野望に反対する人たちがいた。そう、それこそカオス界の住人たちだ。 たとえ争いが多くても、この世界を愛する人たちがたくさんいたのだ。 だが女神は納得いかず、信じない者だけを排除すると断言した。 混沌の女神が平和な世界を造ることには賛成だったが、カオス界を滅ぼすことだけは、誰もが反対だった。 そして今、混沌の女神と反乱者による壮絶な戦いが始まろうとしていた。 ついに明かされる女神の正体、そしてその過去・・・・・。カオス界誕生の秘密が今、明らかになる! そして6月27日 アオとマリオたちがついに女神の本拠地、天空のクッパ城へ突入した。 城の奥に待ち構えていたのは女神ではなく、タイローンクッパ(ダークソウル)だった。 王座に座っているタイローンクッパに即座に攻撃を仕掛けるバルザ。しかしすぐに返り討ちを喰らってしまう。 タイローンクッパの戦闘力はクッパ以上だ。そんな奴に勝てるのか・・・? だがマリオとバルザのコンビネーション技により、タイローンクッパを倒すことができたのだ。 しかしタイローンクッパは真の力を隠していた。 それはあの凶暴のイレギュラー、ギガクッパを遥かに超える存在、『邪神テラクッパ』だ。 テラクッパ「これぞギガクッパに余が上乗せさせた、テラクッパと呼ぶべき姿。この溢れる力にかかる事こそ・・・・余からの褒美だ。」 奴は邪悪の力で史上最悪の悪魔と化し、アオたちに遅いかかった。 テラクッパは手を天に掲げ、雷は集めだした。やがてそれは、巨大な雷の球体となった。 テラクッパ「この雷撃球を贈呈しよう・・・・!」 その瞬間、一体何が起こったのか、その場にいた者たちは全員倒れていた。 皆、いつの間にかあの雷の弾に直撃していたのだ。 初っ端から大ダメージを喰らったアオたちは逃げようとするが、奴に行く手を阻まれる。 逃げ道はなく、下に行けば海、上にいれば奴の餌食となってしまう。 覚悟を決めたのかアオたちは逃げるのを諦め、奴に立ち向かった。 テラクッパとの戦いは長く3時間程度続いた。そしてみごとテラクッパを倒し、一安心した勇者たち。 だがそこに、いるはずのない者が現れた。ナナ・カイルン、数多くの敵を倒してきたアオの強力なサポーターだ。 なぜナナがここに?アオは不思議そうに思っていた。だがその時、七神衆による奇襲によりアオたちはピンチに陥る。 そして七神衆が囲んでいた者は・・・・あのナナだった。誰もが絶句した。まさか仲間が・・・信じていた仲間が敵の親玉だったなんて想像もしなかっただろう。 そう、混沌の女神の正体はナナだということが分かった。アオにとって、この上ない絶望感であった。 ナナ(女神)と七神衆にやられた皆は、城ごと海の底へと落ちていった。 物語は、バッドエンドで終わってしまった・・・。 主な登場人物 -混沌世界- アオ 今までカオス界の危機を救ってきた若き英雄。 今回は関係なさそうだが運命という名の波に飲み込まれ、今回も面倒事に巻き込まれる。 天空のクッパ城でテラクッパと戦い、スーパーアオになって止めを刺した。 だが、突然現れたナナと七神衆に襲われる。 最後はナナに心臓を刺され、城ごと海の底へと落ちていった。 カオスマスター 本名、ヴィナミス・ティルク・カオス。自称「混沌の神」。 混沌の女神と2人でカオス界を造りあげた。 カオス界滅亡の危機を感じ、そして悲しみに満ちた混沌の女神を救うために、女神の野望を阻止しようとする。 DMトゥーン カオス界の危機の為に混沌の女神に立ち向かう英雄の一人。 数々の強敵を倒していき、大きな活躍を見せている。 キルビス ミシェル 混沌の女神によって体内に悪の種を植え付けられ姿「デスミシェル」として登場。 外見は差ほど変わらないが、目が赤く変色していて両腕に赤い謎の紋章が刻まれている。 口調も荒れていて(エイズほどではない)、容赦なく住人に刀を向けて襲う。一人称は「俺」で二人称は「貴様」。 女神の抵抗勢力の一人であるキルビスに襲いかかるが、微かに意識が残っていたミシェルに動きを封じられ、最期はキルビスによってとどめを刺される。 その後種は消滅し、元のミシェルの姿にへと戻った。 モララー 混沌の女神に立ち向かうAA。 自分たちが愛しているカオス界を守るため、女神の野望を食い止めようとする。 円卓の騎士「ランスロット」としての姿で登場することもある。 マリオ アオたちと共に混沌の女神に立ち向かう英雄の一人。 マスターハンドを操っていたダークソウルの野望も食い止めようとしている。 七神衆のデュララにやられ、海の底へと落ちていった。 メタナイト 謎の剣士。混沌の女神の野望を阻止しようとする者の一人。 女神の秘密を少し知っているらしい。女神の正体、そしてその過去を知るべく、情報収集などをしている。 マリオと同じくデュララにやられ、城ごと落ちていった。 ロイゼ カオス界にいる若い大工。 最初は混沌の女神の事などどうでもいいと思っていたが、女神の本当の目的を知った途端にその目的を阻止すると決心した。 バズリックスとの初の戦いで敗北したが、まだ諦めてはいなかった。 そしてバズリックスとの二度目の再開をし、見事倒すことができた。 林檎姫 混沌の女神に立ち向かう者の一人。 本人いわく、政宗と二人で一つの最強だとか。 伊達政宗 混沌の女神に立ち向かう者の一人。 数多くの部下たちを倒していき、大いなる活躍を見せている模様。 フランドール・スカーレット 桃虹桜と虹赤丸の母親。 今回は関係なさそうだが、面倒なことに巻き込まれることになる。 桃虹桜 フランの娘で平和主義者。 タイローンクッパから命を狙われていた。 テラクッパとの戦いでは、かなり活躍していた。 道真 女神の作りだす新世界を見たいと思っている。 シン CV:佐々木望 混沌の女神に立ち向かう英雄の一人であり、 他の英雄でもある幼馴染のレイナや親戚のリョウと一緒に、 戦い、シン、レイナ、リョウの場面もみせてくれるだろう。 レイナ CV:伊藤静 シンやリョウと一緒に立ち向かう英雄であり、 ナイスバディなレイナながらも、 スピードを期待通りにいかしてくれるだろう。 リョウ CV:草尾毅 混沌の女神に立ち向かう英雄の一人で、シンと星奈とゼブリスの親戚。 本名は朝岸 遼。外見はシンの髪や服をダークレッドにしたような感じに似ている。 身長はシンとほぼ同じで169cmで61kg。 シンとは違った熱血な性格で、どんな活躍をみせてくれるか たのもしいところだろう。 アカギ皇帝 CV 若本規夫 神聖ギンガ帝国の皇帝で、ASたちと共に女神の野望を阻止しようとしている。 その神聖ギンガ帝国はギンガ団を滅茶苦茶大幅にパワーアップしたもので、 神聖ギンガ帝国は元ギンガ団などという色々な経歴は強大なパワーにより、 ナナ、エクロシアどころか誰も読み取ることができない。CVはアニメ版ポケモンと違う。 キルビス 今まで混沌の女神の部下になっていたが、女神の本当の目的を知り反発を覚え、妹のアキラと共に女神の部下を脱退した。 キルゴアや女神の部下から狙われながらも、持ち前のしぶとさで切り抜けている。 シング 「闇の再来編」にて、ダークマスターを崇めていた狂信集団の教祖をしていた闇族の少年(というか少女)。 自分より先に世界を動かそうとする女神が気に食わず、さりげなく邪魔をしていた。 だが、女神の部下のエンペラーと、もう1人の刺客に襲われ、闇の魔術や銃撃で対抗したものの敗れ、エンペラーの毒竜に食われ2度目の最期を迎えてしまった。 メルビウス 突如シンたちの目の前に現れた謎の少年。 ダークブルーのショートヘアーで灰色のローブを着ている。目の色は赤い。 混沌の女神の部下ではないが、女神を信頼している者の一人らしい。 人間が嫌い。 ストラトス CV 緑川光 神聖ギンガ帝国とかを対立し、女神を信頼してる暗黒ギンガ帝国の一人である。 キルゴアが新世界の人間を造りだしてるときに突然シン、メタビィ、キルビスに抱き着いてきたオカマであり、 シンたちの味方になってキルゴアに物を投げつける行為などをしてたが、それは単なる芝居にすぎなかった。 ストラトスが暗黒ギンガ帝国で造られたそのひとつのクローンのオリジナルを殺害したところを シンとキルビスにみられたところ、芝居を終わらせシンたちに襲撃をした。 ストラトスの種族はエンジェルで、武器はチェーンソーと剣の二刀流である。 マスターハンド イメージ世界の創造神。 スマブラの世界ではマリオたちスマッシュブラザースの見方だった。 が、カオス界に存在する悪の魂(ダークソウル)に体を奪われ、操られてしまった。 アオたちの住むカオス界を自分の体と融合し、新たな世界を造ろうとしていた。だがこれは、ダークソウルに操られていたからだ。 アオたちに倒された後、元の姿へと戻り正気を取り戻した。 モク一味 サルスケ CV:浪川大輔 サブネームは「自然王者のサルスケ」 混沌の女神の部下で、160㎝、60㎏前後と小柄で猿みたいな人間。 声がルカリオに似ている。いつも野生のように不潔で髪型はボサボサで、立っている茶髪だ。 カオスフォレスト&カオスジャングルに住んでいる。 運動神経も視力も野生の動物並み。サルスケは森の神様を目指している。 住んでいる森やジャングルの動物達からボス的存在として尊敬されている。 魔力はちゃんとあり、属性は炎のようだ。 一人称は「おれっち」で、語尾に「ウキキ」や「ヒュン」などいろいろあって本物の猿みたいと言われる。 メルビウスが現れたとき、サルスケはスキッドたちが島にサーキットを作っていたことが許せず、 パンチを食らわしふっ飛ばしたので、サルスケはとっても自然が大好き。 だが、一番よく慕うのは女神よかモクのようだが・・・まだ不明な点はある。 ランティスを死ぬ直前まで追い詰めたが、メタナイトやランティスの攻撃で倒された。 しかしリリエルと同じく、サルスケもまた新しい人生を過ごしている。 ヴューバル モクの部下で「人形使いのヴューバル」の異名を持つ。 青い球体(体)に赤目、その球体から4本手が生えている。その姿はまさしく化け物。 黒い爪から放たれる黒針はあらゆる生物を洗脳することができ、その針を撃ち込まれた人物は一瞬にしてヴューバルの駒となる。洗脳は約2秒で完了。 一人称は「俺っち」。 他力本願がモットーであり、戦闘においても洗脳した人物を盾に戦わせるのが基本となっている。 闇の世界の住人だが混沌の女神を尊敬していたらしく、自ら仲間に入ることに。 だがその敬う気持ちもいつかは次第に薄れ、やがて彼女の命令を無視するようになる。それ以来は単独行動をとり、人々を操って町々を破壊し尽くす。 ただ破壊だけを好み、人々を人形のように扱う。 実は世界征服が夢。 だがその野望を阻止しようとするDMトゥーンに腹が立ち、洗脳した人物に戦わせたが全員敗北。 思ってもみなかった出来事に呆気取られるも、自らDMトゥーンに挑んだが敗北。 その後裏切り者を排除しに来たエンペラーから毒を浴びせられ、完全に消滅した。 リリエル サブネームは「木枯らしのリリエル」。 混沌の女神のことを知り、彼女の部下として入った新入り。 彼女のことを尊敬し、貰った命も女神の為ならば捧げられるほど。 外見は白いローブ、黄緑の長髪で白いブーツを履いている。 草属性系の技を得意とし、反乱者のランティスを苦しめる。 しかし乱入してきたメタナイトの切り札を受け、死亡。 リヴァイアス(ソル) 混沌の女神の配下であるモクの部下。「排除人のリヴァイアス」の異名を持つ。 元殺し屋で過去に多くの人々を虐殺。その為逮捕され、長い間刑務所に葬られる。 だが混沌の女神によって釈放され、彼女の下で働くことに。 外見はキンブリーに似ていて、白いスーツとコート、帽子を愛用する総髪・吊り目の男。 紳士然として慇懃無礼にも似た言動の人物だが、殺人に美意識を見出す重度のサイコキラー。 しかし単なる快楽殺人鬼とは異なり、その本質は「自らの意志に基づいて美しく生きる」事であり、殺人もその独自の理念の一部であるという。 また異端であるが故に、感情論に左右されない、合理的な考えを示すこともある。 超能力を操ることができ、ありとあらゆる物を動かすことができる。 女神の命令で殺し屋の神の軍団に潜入し、排除する仕事を命じられていたが、突如現れたDMトゥーンに阻止される。 その後、仕返しにDMトゥーンを抹殺しようと試みるが失敗し、死亡。 彼の死後、キルゴアがリヴァイアスに似せて造ったコピーロボット『ソル』が登場。 外見、中身もオリジナルと変わらないが、力や思考回路はオリジナルを超越すると言われている。 DMトゥーンの抹殺を目論むも、オリジナル同様返り討ちにされ、破壊された。 ジャビス キルゴアがシンに似せて造ったコピーロボット。 外見や声もシンに似ており、口調も似ている。 戦闘力はオリジナルを遥かに超え、オリジナルと同じくビームソードを使った技を得意とする。 その他、背中から無数の刃を出したり、ウイングユニットという装備で飛行も可。 オリジナルであるシンのことが気に入らない。 最後は伊達政宗とマリオに倒され、消滅。 ジャンゴ キルゴアの助手であり、彼と共に常に研究をしている男。 白い衣服を身に纏い、右手は機械化している。黒の短髪で目の色は青。 排除分子である反乱者や計画の邪魔ものなどを相殺する仕事も務めている。手持ちポケモンは改造を施した強力なリザードン。 「不死身のジャンゴ」の異名持ち、その名の通り、どんな攻撃を受けようとも死ぬことがない不死身の体を持つ。 これは、キルゴアが不死の住人を造る際に使用していた不老不死の薬を彼から与えられ、それを体内に吸収したことで得た異質な能力。 不死身である故攻撃されても朽ちる事はないが、不老不死の薬を右目から入れていた為か、右目のみにダメージ判定があるのが唯一の弱点。 女神の計画が大詰めとなった頃、反乱分子の一つである伊達政宗に急襲し、圧倒するが、弱点を見抜いた政宗によりとどめを刺され、死亡。 ドトゥール キルゴアが造った戦闘型ロボット。「変身のドトゥール」と呼ばれている。 その名の通り、さまざまな生物に変身することができる。 外見は黒いショートヘアーで、黒い服、青いジーンズを着ている。目の色は赤い。 マリオやガノンドロフ、さらにはあのディアルガにまで変身することができる。 最期はキルビスに真っ二つにされ、大爆発を起こして消滅した。 デスキノピオ もともとはキノコタウンの住人の一人であるキノピオだったが、ヴューバルに襲われて洗脳されてしまう。 体から闇の気を放ち、眼の色が赤く染まっている。体の白い部分が黒く染まっている。 DMトゥーンと戦う時にピンチに追われたため、主であるヴューバルに闇の力を与えてくれという要求をした為、このような姿になってしまった。 闇の力を使い過ぎたせいか、やがて体が巨大化していき、DMトゥーンを苦戦させた。 突然現れたナナにより、足が弱点ということが判明され、DMトゥーンに倒された。 その後、元の姿であるキノピオに戻った。 パープ モクの部下。「情報収集のパープ」と呼ばれ、またの名を「触手使いのパープ」と呼ぶ。 その名の通り触手を操り戦うことができる。 新入りの担当なので、ジーンやリリエル、キルビス達に女神の偉大さを説いていた。 更に情報収集が得意なので、いろんな事を知っている。相手のデータや殺し屋のこと、更には混沌の女神のことまで知っている。 誰よりも女神を祟め、女神の為に忠誠を尽くしている。 黒いシャツに紫のジャケット、青いジーパンを着ている。 女神の部下を辞めようとしていたキルビスに辞めないように説得したが、そこに現れたゼブリスによってその説得は水の泡となる。 そしてついにキレてしまい、女神を信じない者や裏切り者を抹殺しようと襲い掛かる。 だがそこに現れたDMトゥーンとシンやリョウを含め、4人によって倒され死亡。 最後まで女神を信じ、死ぬ直前になってまで女神のことを呟いていた。 モク 女神の部下。「雪獅子のモク」と呼ばれ、人々に恐れられている。混沌の女神の部下たち(七神衆は除く)のリーダー的存在。 外見は金の長髪で、金色の袴を着ている。一人称は「俺」で年齢は80歳と老人。部下たちからは「親分」と呼ばれている。 「強者はこの世の支配者」の理論の下、邪魔者には容赦しない冷酷かつ残虐な男。 それでも誰よりも動物を愛し、誰よりも自然の素晴らしさを知っている。同じことを考えている桃虹桜を気に入っている。 雪を自由自在に操ることができ、たった一粒の雪で巨大な獅子を創り出すことができる。パープ曰く、その戦闘能力は七神衆並み。 部下を倒したシンたちに怒りを覚え、自ら姿を現して戦いを挑む。 最期は政宗とシンに止めを刺され、氷山へ落ちた。その後雪崩に飲み込まれたまま行方不明となってしまう。 飲み込まれる寸前に部下を辞退することを宣言しながらその姿を眩ませた。 -真・クッパ軍団- カメプロート タイローンクッパの幹部の一人。元はただのカメック。 外見はカメックの青い部分が黒く、目の色は赤くなっている。 普通のカメックより戦闘力は高く、上級魔法を使いこなす。 口調はカメックと変わらず優しい方だが、嫌いな物が視界に入ると口が荒々しくなる。 桃虹桜の排除命令を受けていたが、突如現れたリリー・ホワイトによって倒され、正気を取り戻した。 ダイブロス タイローンクッパの幹部の一人。元はただのハンマーブロス。 外見はヘルメットと甲羅の色が黒く、目の色は赤い。また、通常のブロスよりも一回り体格が大きい。 普通のハンマーブロスとは違い、全てのブロス系の奴等(ファイアー、アイス、ヒマン、メガ、ブーメランブロス+α)の武器を使う。 他の仲間と同じくタイローンクッパによる桃虹桜の排除命令で彼女の抹殺を試みるが、突如現れたロイゼによって倒され、正気を取り戻した。 グラドジュゲム タイローンクッパの幹部の一人。元はただのジュゲム。 外見はジュゲムの体の色が黒くなったようなもので、甲羅の色は青い。そして目の色は赤い。 普通のジュゲムより戦闘力は高く、雨雲に乗って戦う。雷による攻撃を得意とする。弱点は乗っている雨雲。雨雲が消えれば、力が失ってしまう。 桃虹桜除命令を受けていたが弱点を知られてしまい、あっけなくやられた。その後、正気を取り戻してクッパのところにへと戻った。 バズリックス 真・クッパ軍団の隊長。元はただのトゲノコエース。 本名は「バジリスク」(Basilisx)だが、部下からよく名前を間違えられ、呆れて仕方がないのでそのままにした。 真っ黒な鎧、鋭い鉤爪を装備している。目の色は赤い。 さしすせそ(ざじずぜぞ)行が語尾にくると繰り返し言う癖がある。 目を合わせると相手を石化状態にしてしまう恐ろしい能力を持つ。 力は真・クッパ軍団内でトップクラス。数多くのトゲノコ軍団を率いている。 身体能力はかなり高く、とても並みのトゲノコとは思えないほどのもので、早さも異常である。 鉤爪を使った華麗な技で敵を圧倒する。 一度は対決に挑んできたロイゼを敗北へ追い込むも、リベンジにやってきた彼に倒され、正気を取り戻した。 + 技一覧 石化 目を合わせた相手を石に変えてしまう恐ろしい能力。 石化時は仮死状態となる。 メル 瞬発的に加速し、消えたように移動する技。 クロスレイジ 鋭い爪で相手を×状に斬り裂く。 シュビビンアタック・ネオ 甲羅に入って相手に高速体当たりを繰り出す。 トゲキャノン 甲羅の棘を相手に飛ばす。 棘には毒が仕込まれている。 ガトリング・ラッシュ 腕が何本も見えるほどの速さで相手に素早く突き攻撃を繰り出す。 白波乱勝(しらはらんしょう) 凄まじい衝撃波を放つ。 ガードはほぼ不可能である。 天馬乱勝(てんまらんしょう) 必殺技。 相手を上空へ蹴り飛ばし、上へと吹っ飛んだ相手をジグザグ状に切り裂く技。 タイローンクッパ 『対決!タイローンクッパ』で登場したクッパと瓜二つの身体を持つ存在。 その正体は、クッパの影を吸収し新たな身体を得たダークソウル。 単身で天空のクッパ城を襲撃し、城内のクッパの部下たちを次々と洗脳することで「真・クッパ軍団」を築き上げる。 一人称はダークソウルの時と同様に「余」である。 カオス界を滅ぼし、新たな世界の創造を目的としている。混沌の女神と手を組み、共に野望を達成させようと目論む。 外見はクッパと同じ体格だが、甲羅のトゲの数が20本以上あり、目の色は真っ赤で爪は黒く鋭い。手や腹などに謎の赤い紋章が刻まれている。 その巨体に似合わぬ速度で敵を翻弄し、一切の術を与えることなく無慈悲にも一撃で沈めるほどの強力な戦闘能力を持つ。 アオ一行が天空のクッパ城へ訪れる前に現れた武器軍団のブーマーに勝負を挑まれるが、持ち前の能力で触れることなく抹殺した。 『GAME OVER編』における決戦でアオやバルザたちと戦う。 序盤は優位に立つがやがて圧倒され、遂に真の力『テラクッパ』を解放する。 テラクッパ タイローンクッパが真の力を解放したことで顕現された究極にして最強の形態。本編のラスボス。 ギガクッパ以上の巨体を誇り、容姿単なる部分変化などでなく、 棘腕輪や首輪などの装飾品のスパイクがかなり細長く鋭利になって増加し、 甲羅の甲板は無数の刃物のように変化し逆立ち紫となっている。 体色が全体的に暗緑に変色し、顔が非常に獰猛になる、 手足や尻尾が伸張されてかつ筋骨隆々しくなり体格が骨格レベルで変化しているなど、 姿や形相がギガクッパと比べ物にならないほどの迫力になっている。 その姿は怪物や猛獣とでも表現するものであり、その容貌はまさに『魔獣』。 パワーや重量など、全ステータスがギガクッパに比べて非常に高く、驚異的な戦闘能力を誇る。 マリオの切り札やフラン(桃虹桜)の怪力でもびくともしない頑丈な身体、 かのソラリスを封印したバルザの壺でも封印できない程の重量と意思、 長時間の戦闘でも疲弊しない驚異の生命力、タイローンクッパ時よりも破壊力と殺傷力に秀でた攻撃力などを持ち、 まさに史上最強最悪の化け物と呼ぶに相応しい実力を見せつけた。 また圧倒的な力のみならず、凶暴な風貌と違いすべてを見透かす様な知的な発言によって戦士たちを更に戦慄させた。 アオ、バルザ、桃虹桜、モララー(ランスロット)、マリオ、メタナイト、咲夜の7人を相手に終始圧倒した。 長時間に及ぶ大激闘の末、突如一同のもとに届いた天の声によって弱点が腹部であることを告げられ、 腹部に集中攻撃を受けて怯み、最後はカオスエメラルドの力を得たスーパーアオによって止めを刺される。 だが本来の姿であるダークソウルだけが生き残り、 その場から逃げようとしたがマリオの切り札とスーパーアオの光弾を受け、消滅した。 + 技一覧 巨大電撃球 巨大であるにもかかわらず神速の速さで放つ為、回避は絶対不可能。 また着弾すると周囲に電撃波を放つ第二波を発動する為、更なる追い打ちで敵を圧倒する。 戦闘開始と同時に放たれ、全員が直撃し感電した。 テラクッパキャノン 甲羅の棘を飛ばして攻撃するが発射速度が速い。 甲羅防御 甲羅に潜り防御する。 マリオやメタナイトの切り札さえも防ぐ程の鉄壁を誇る。 テラブルヘッド 顔面で相手に強力な打撃を炸裂させるが、直撃と同時に爆撃も見舞うため、直撃すれば一溜まりもない。 踏みつけ攻撃 巨体で踏み潰す。 あのフラン(桃虹桜がメタモルで変身していた)の力でも抑えることができないほどの重量を誇る。 テラクッパブレス 太陽の表面温度(約6000℃)以上にも及ぶ超高熱の灼熱の息吹。 無論餌食となればどんな者でも瞬く間に溶け散るが、唯一モララーはこの技を受け奇跡的に助かる(本人曰く、気合で押しのけた)。 テラクッパスラッシュ 鋭く尖った爪で対象を切り裂く。 一振りすればあらゆるものが瞬時に切り裂かれる。 ダークネスボム 黒い球体に4つの紫の球が付いた禍々しい爆弾(スマブラでクレイジーハンドが使用していた爆弾)。 被弾した個所に大爆発を見舞うが、被弾すると爆弾の中に込められた闇の力が被害者の身体を蝕み、更なる苦痛を与える。 ダークネスパレード 周囲に無数の“ダークネスボム”が出現し一斉に放つ。 回避の可能性は極めて低く、爆撃の嵐が無慈悲にも続く。 グラヴィティウェイブ 手中に生み出した重力の塊を前方に解き放ち、凝縮された重力を爆発させて目前にあるものを瞬く間に圧砕する大技。 爆発の衝撃で生じる重力波で、逃れた相手を吹き飛ばし追撃する。 ダークソウル カオス界の住人たちの悪の心、負のイメージ(怒りや悲しみ等)から生まれた悪の結晶体。通称、『この世の悪を統べる存在』。 その正体はカオス界が誕生したおよそ1000年前に存在していたある国の王様の霊魂。 王の名は不明だが、底知れない欲望に溺れた王であったため、誰からも讃えられず孤独死する。 しかし完全に成仏できず、皆を自分と同じ目に遭わせようと考え、住人たちを呪い殺す。 人を殺せば殺すほど力が蓄えられ、やがて人の影を奪う能力を手にする。 住人たちの影に乗り移り、再びこの世で生活を始める。だが肉体が滅ぶとまた別の者の体に乗り移り、その繰り返しにより寿命を延ばしてきた。 その事に気付いたマスターハンドにより封印されるが、既にナナの心の中を闇で支配していた為、彼女の手により解放される。 目覚めた後はマスターハンドをも操り、自らの影武者として利用していた。 後にクッパの影を吸収しタイローンクッパとして新たな体を手にした。 切り札の形態とも呼べるテラクッパが倒され、本性を現して逃走図るもスーパーアオとマリオによって倒され消滅した。 『蘇る絶望編』でも再度蘇るが、詳細は該当ドラマを参照。 -混沌の女神- ゼブリス 本名は夜岸海堂(やぎし かいどう)。「ゼブリス」とい名は混沌の女神から与えらた名前である。 混沌の女神最強配下『混沌神下七神衆』の一人で「最強のゼブリス」の異名を持つ。 新世界でも名の通った『世界最強の大剣豪』であり、世界最強に相応しい最上大業物の黒刀「月」(ルナ)を所有する。 巨大な岩山や建物、遥か遠くの氷結した大津波をも両断し、切っ先で銃弾を受け流すなど剛柔共に桁外れの力をもつ。 その正体はシンと星奈の実の兄。シンとの決着を終えた後、家族の過去にまつわる真実を告げる。 過去に両親が行方不明になった為、一人でその行方を探しに家を出たが、母は事故死、父は何者かに斬殺された事実を知る。 その後は父を殺害した犯人の行方を追っていた。 混沌の女神の真の目的を知った直後、自ら女神の部下を辞退。 そして父を殺害した犯人がエクロシアであることが判明し、襲われそうになったシンを庇い自ら彼に代わって死ぬ結末となる。 黒刀「月」と星奈をシンに託し、息を絶った。 ザロク 混沌の女神最強配下『混沌神下七神衆』の一人。「砂漠のザロク」の異名を持つ。 黄土色の古みを帯びたローブを覆い、素顔を見せないようにしている。両手には包帯を巻いている。 一人称は「ワシ」。元はただの商売人で、新世界の砂漠に住んでいた。 砂漠地帯を好み、砂漠が好きだというチルノフを大そう気に入っている。 手に触れた物の水分を吸い取り、砂に変える能力を持っている。その為、戦闘時以外は包帯を巻いている。 砂漠世界の拡大という願いを女神に叶えてもらう為、彼女のために任務に全うする。 だが配下に下った後、暴走する女神に対し次第に信頼しきれなくなり、辞退することに躊躇いを示していたが、 それはDMトゥーンとの対決の結果次第で決めると決意。 そして彼との戦いに敗北し、女神の配下を辞退することを完全に決意し、願望もまた断念した。 その後は新しい人生を歩むために新世界の砂漠へと帰った。 キルゴア 詳細はキャラページを参照。 エクロシア 詳細はキャラページを参照。 エンペラー 詳細はキャラページを参照。 ナクトス ザロクの後継者として新たに『混沌神下七神衆』に加盟した男。サブネームは「獄炎のナクトス」。 一人称は「ワイ」。関西弁が少し混じったような口調。 暑苦しくてうるさい、やんちゃな性格。外見は赤髪で、朱色の帽子を被っている。上半身は裸。 「獄」という炎の槍を所持している。 女神の創ろうとする幻想郷には興味を抱くことは全くなく、ただ強者との戦いだけを求め配下に下った。 心の底から戦いを楽しんでいる熱血男。 炎を操り、周辺のありとあるゆるものを焼き尽くす能力を持っている。 政宗と激戦を繰り広げ、最後の最後まで底力を出し切ってまで戦った。 あまりにも自我をコントロールしきれなかったせいか、政宗との相打ちで壁に激突した際、体が砂になり始めた。 その後政宗に「最高に楽しかったぜ」と言い残し、消滅。 天国に行った後でも誰かと戦闘をしているらしい。 パルシエル ゼブリスの後継者として新たに『混沌神下七神衆』に加盟した男。サブネームは「雷電のパルシエル」。 一人称は「我」で「ムハハハハ」と甲高い声で笑う。金髪。 雷を操り、『コルグ』という銀色の棒を使った武術を得意とする。 更に相手の行動を先読みできる能力「メルシア」を持っている。この能力により多くの戦士を苦しめた。 天空のクッパ城にてアオたちがテラクッパを打破した直後女神とその他の七神衆たちと共に現れ、奇襲を仕掛ける。 地上へ帰還後、挑んできた伊達政宗を圧倒し返り討ちにするも突如加勢に現れた林檎姫に水を掛けさせられ、政宗に凍らされた。 更に突然現れたマリオによって止めを刺され死亡した。 バンプ 元『混沌神下七神衆』の一人だった男。サブネームは「全能のバンプ」。 混沌の女神(ナナ)に好意を寄せていたが、周りにいる七神衆が男ばかりだったという理由で七神衆を辞退。 しかしこの言動からかなり前から七神衆を務めていた事が分かり、実力もまたかなり高い。 組織を脱退したにも拘らず密かに女神の理想郷計画に協力。 “全能”の名を持つだけあって洗脳、超能力、鋼鉄化、針による攻撃など様々な戦法を持つ。 更には巨大なキメラになって戦うことも。この姿になると、火炎放射を吐いて攻撃することができる。 政宗を混沌側に連れて行こうとし、政宗を洗脳した。 最期はランスロット・モララーに止めを刺され、「ありがとう…」と言い残し、砂となって消滅。 心から戦いを好んでいたらしく、強者を探していた様子。 名前の由来は「BUMP OF CHICKEN」。本人はそれをかなり気にしている。 ナナ(X) この世界を造った神の一人。自称「混沌の女神」。 荒れ狂った今のカオス界を滅ぼし、新たな平和な世界を造ろうとしている。 正体はまだ不明。底知れぬ力を持っている。 白い仮面を付けていて、黒いローブを着ている。 また、多数の部下を引き連れている。女神の部下については「女神の部下」を参照。 だがその部下よりも更に強い部下も従えている。その部下たちは混沌神下七神衆と呼ばれている。 過去に日記を付けていたようだが、それは寄宿舎の何処かへ隠したようだ。だがその日記を見つけてしまったパープが桃虹桜やメタナイトに その日記を読んでしまった。(女神の日記を参照) 過去に悲しい出来事があったようだがそれはまだ分かっていない。 6月27日に女神の正体がナナだとわかり、アオたちを倒した。 アオにとってはナナが女神だったということは、かなり絶望していたようだ。 アオの心臓を刺した後、別れを告げて七神衆と共に何処かへ去っていった。 BGCOLOR(silver) 関連ページ 闇の再来編 対決!タイローンクッパ 真・ロケッ団時代 殺し屋の神の大戦争 CONTINUE編 RESET編 関連画像 歴史へ戻る コメント バッドエンド系っていいよね! -- (チックタッタクン) 2010-10-10 21 47 48 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/hgamesong/pages/119.html
片霧烈火 闘神都市ⅢOP アリスソフト
https://w.atwiki.jp/mankake/pages/719.html
imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 作者:Homeworkphobia 作品概要 後でここに記載 ジャンル 作品を読む
https://w.atwiki.jp/nestory/pages/31.html
戦闘するとOverDriveポイントを1ずつ獲得できます。 また、ダメージを受けるとそのダメージの1/100がポイントとして加算されます。 1000に達すると、次回1回の戦闘のみ、攻撃力・命中力が3倍になります。 戦闘を行うと自動で消費され、戦闘後は0に戻ります。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/10648.html
登録日:2011/07/10 Sun 15 02 55 更新日:2024/08/17 Sat 19 59 33 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 AVGN BigRigs YOU'RE WINNER!! ×レースゲーム ○カーゲーム アクティビジョン クソゲー ゲーム ゲームのような何か トラック 安かろう悪かろう 採点放棄 無敵 超光速ワープ逆回転タイヤ 量子位相分子機構搭載エンジン BigRigs Over the Road Racing(通称はBigRigs)は2003年に販売されたPC向けカーゲーム。断じてレースゲームではない。 販売元はCall of Dutyなどの名作を世に送り出したアクティビジョン。 日本では発売されていない。 概要 トラックを操作して、ライバルのトラックや追ってくるパトカーを振り切って目的地まで荷物を運ぶのが目的。 …と、これだけ聞けばやや変則的な普通のレースゲームだが、実はこのゲームは海外では伝説のクソゲーとして名を馳せている。 以下に理由を述べていく。 設定の破綻 ゲームの目的は概要の通り、チェイスをしながらの荷物運搬なのだが、まずライバルのトラックが一切動かない。いつまでたってもスタート地点で静かに佇んでいるだけである。 更にはパトカーが出てこない。というかそもそも、選んだトラックによってはトラックヘッドのみで走り、運ぶべき荷物が存在しない。 つまりやれることは動かないライバルを尻目にプレイヤーが一人でコースを走るだけ。 操作性が悪い Windows向けのゲームだが、コントローラーなどの外部入力機器が一切使えない。 つまり操作はキーボードのみ。しかもキーコンフィグもできない。 明らかなプログラムミス タイトルロゴが左が上がって右が下がっている形で傾いている。 重力や摩擦がおかしく、 どんな急坂でも垂直な崖でも地形に沿って平然と突っ走る 。そのため、マップ端の崖を乗り越えてマップ外の何もない空間を突っ走ることもできる。 コース内には建物などのオブジェクトが存在するが、その全てに当たり判定がない。建物はすり抜け、橋からも落ちる。でも何故か墜落したヘリにはちょっとだけ引っかかる。 ライバルトラックにも判定がない。なのでその気になればライバルトラックに完全に重なることも可能。 オブジェクトの縮尺もおかしい。民家のドアの幅が大型トラックの幅と同じくらいある。 橋の支柱が地面から浮いている。 バックに速度制限がないらしく、バックし続けるとあっという間に音速も突破する。しまいには光速すらも平然と突破。(*1)ただしブレーキを押した瞬間にピタッと止まる。プログラマーは慣性の法則を知らなかったのか? フリー対戦モードでステージを選ぶ際にステージの画像が表示されないことがある。果ては選んだステージと違うステージになってることがある。 特定のステージを選ぶとゲームがクラッシュ。 フリーズも頻発する。 ハイスコアの項目があるが、スコアが記録されないので全く意味がない。 荷物を運ぶことが目的なのに周回(スタート地点とゴール地点が同じ)のコースがある。 これが原因でスタートした瞬間ゴールする。 音が鳴らない BGMはおろかSEもない。無音の中をひたすら走る。 初歩的な文法ミス 英語では車(car)の中にトラックは含まれないのに車両選択画面で「SELECT CAR」と出てくる 勝った時の表記が「YOU'RE WINNER!」。英語に慣れていないとつい見過ごしがちだが、正しくは「YOU'RE THE WINNER!」。日本語でこのニュアンスを表現するなら、「あんた勝者!」のような「明らかに何か抜けてる」感じになる、と例えればわかりやすいか。本国では本作を象徴する迷言としてひたすらネタにされている。 …などなど、挙げればキリがないほどに問題点が多い。 こんな出来なのにロードは長く、メモリもやたら食う。しかもゲームを止めてもしばらく止まらない。 ゲーム終了後に、なんか挙動がおかしいと思ったら裏でメモリとCPUを食っていたなんてこともザラ。 このような出来のため様々なレビューサイトで余裕の最低点を叩き出し、あるサイトではレビュアーが呆れのあまりプレイ後建物の外に出て地面に大の字になって寝転がり、あるサイトでは「0点を付けるのも嫌だ」として採点を放棄する事態に。 余談 後にパッチが配布されたが、その内容が BGMが鳴るようになる。 SEが鳴るようになる。 スコアが記録されるようになる。 ライバルトラックが動くようになる。 「YOU`RE WINNER!」が「YOU WIN!」になる というほぼ無意味な内容。 ライバルが動くのでレースにはなったが、相手がゴール直前で動かなくなるなど意味不明な状況が頻発して結局意味なし。 パトカーに至ってはまだ出てこない。しかも有志がソフトを解析したところ、没になったと思われるスポーツカーのデータはあるのにパトカーはデータすらないことまで判明した。 ここまで来ると、開発途中のプログラムが何かの間違いで市場に出てしまったと言われた方が納得できる。 当然会社にはクレームが殺到、返金騒動にまで発展したそうな。 とはいえ最初から10~20ドル前後の低価格帯シリーズ作品の1つとして発売しているので、金銭的なダメージはそこまで重くはない(あくまで出た当時の話だが)。 だが、低価格なら苦情も少ないだろうという魂胆のもとに最初から騙す気満々で販売していると邪推した説もある。それが本当なら立派な詐欺罪であるが、真偽は不明。 ちなみに、販売はアクティビジョンだが、開発元は「Stellar Stone」という会社である。 この会社、共同オーナーであり本ゲームのプロデューサーであるセルゲイ・ティトフ共々問題ありの会社で、2006年に解散している。 日本未発売だが、動画サイトには実況プレイ動画が存在する。 日本語での実況もあるので気になった方は見てみるのもいいだろう。 また、あのAVGNでも紹介されたことがある。 基本ゲーム機のレトロゲームを紹介することの多いAVGNで2003年発売の、しかもPCのこのゲームが紹介されることは異例である。どうやら多くのリクエストが届いていた模様。 品質管理の存在する21世紀のゲームということで甘く見ていたようだが、プレイするやあまりのひどさに怒りを通り越し呆れ果て、終始苦笑いでプレイ。 総括は「『ジーキル博士の逢魔ヶ刻(AVGNが嫌いだと公言して憚らないゲーム)』ほどのイライラ感は無いが、ゲームとして成立しているかという点でこれに劣るゲームは無い」。 更に、「このゲームをTVCMで宣伝するとしたらこういう風になる」を表現した自主製作のCMまでも制作した。 追記・修正はこのゲームを楽しめた方にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ゲームとして成り立ってないからクソゲーにもなれないただのクソ -- 名無しさん (2013-10-07 23 29 35) 名無しさん同感(笑) -- アルテック (2014-01-05 08 56 52) 見るだけなら笑えるが、実際にプレイすると苦痛になるのは予想がついた。 -- 名無しさん (2014-04-21 23 38 10) 商品未満だな -- 名無しさん (2014-07-13 02 10 43) レースゲームなのにレースじゃないとはいった…うごごごご… -- 名無しさん (2014-10-28 22 02 10) クソゲーじゃねぇ。だってゲームでないもん。つーかこれ商品なの?やらせたいことはわかるがなんでやれないの? -- 名無しさん (2015-04-03 19 20 38) もう何度も何度も惨劇を体験しているはずなのにこんな魔物が出て来ちゃうってとこがゲーム業界の不思議な所。 -- 名無しさん (2015-04-03 19 31 37) レースゲームと銘打ってるのにレースでもゲームでもないと -- 名無しさん (2016-01-27 21 11 24) 物理法則無視して軽快に山を登るトラックの図は見てるだけなら面白い -- 名無しさん (2016-09-17 00 50 06) どうあがいても、クソ -- 名無しさん (2018-03-16 20 18 34) バックで速度が累積され異常に上がる…ケツワープかよw -- 名無しさん (2018-03-16 23 53 16) もはや素人が作った無料同人レースゲームのほうがおもしろいという事実 -- 名無しさん (2018-09-01 17 14 25) 金取るの?これ。 -- 名無しさん (2018-09-05 21 43 01) 「ゲーム終了後に、なんか挙動がおかしいと思ったら裏でメモリとCPUを食っていたなんてこともザラ」 ←これ、そんじょそこらのウィルス並にタチ悪いじゃないか(呆)。 -- 名無しさん (2019-02-10 15 05 14) ビィィィィィッグマザファッキンリィィィィィッグス! -- 名無しさん (2019-03-03 20 55 01) RTAが競技として成立してるあたり、辛うじてゲームとして救済されたと言えるのだろう……か?CRAZYBUSはRTAもスコアアタックもチャリティイベントも行われる気配がないし -- 名無しさん (2019-03-03 22 14 47) 制作中のプログラムが何かの間違いで流通しちゃったんじゃないのこれ -- 名無しさん (2021-05-23 23 03 25) 名前 コメント