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217 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 40 10 ID kVeCnTh+ 昼休みを告げるチャイムが鳴り、教室の空気は一気に弛緩した。 教卓に立っていた教師が去ると、クラスメイト達は弁当を片手にそれぞれのグループで集まり始める。それから、各々が楽しい昼食の時間を過ごす。いつも通りの昼の光景だった。 そんな中、弁当を持参していない私はひとり購買部へと赴く。 教室のドアを開けると、冷気を帯びた空気が室内へ流れ込んできた。一歩先は別世界のように冷え切っている。近くで弁当箱を広げていた女子が非難するように見てくるので、慌てて後ろ手でドアを閉めた。 廊下に出ると、教室の暖房に慣れていた身体が一瞬で粟立った。吐いた息も白い。 そこで私は今朝のニュース番組で、今日は今年一番の冷え込みになります、と女性アナウンサーが言っていたのを思い出した。 昔から、寒いのはあまり得意じゃない。私は両の手で身体を擦りながら、廊下の温度へ適応させるようにゆっくり歩いて行く。 私の横を男子生徒が二人駆けて行った。方向からして、同じ購買部を目指しているのだろう。 元気だなあ、と私は若い子を見て微笑む老人のような気持ちになった。 我が校の購買部は公立学校にしては珍しく数や種類もそれなりに豊富なので、今のようにゆったりと歩いていても、買いそびれるなんてことはまずなかった。 なので、三年生による売買ラッシュを嫌う私はゆっくりと歩いて行くのが常であった。 賑わっている別クラスの教室を横目で眺めながら、のんびりと購買部を目指して行く。 購買部に着いた。いつものように混み合っている部内に三年生の姿は既に無く、二年生と一年生がレジの前に、何重にも折り返した長い列を作っていた。 少し、ゆっくりし過ぎたみたいだ。私はうんざりする。 行き遅れすぎてしまうと、目の前のような、主に二年生による第二波がきてしまい、遊園地よろしく長蛇の列が出来る。混雑の原因としてはやはり、レジがひとつしかないからだろう。 その上、レジは入口付近に設けられているため、部内の商品を買うためには嫌でもこの人工運河を踏破しなくてはならない。 しかたがない、と私は面倒くさそうに息を吐くと、列に割り込んで行った。 218 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 41 12 ID kVeCnTh+ 右手で列を切り裂くようにして中を進んで行く。身体をぎゅうぎゅうと押され息苦しい、窒息しそうだ。 道程、男子生徒が迷惑そうに私を睨み舌打ちをしてきたので、すいませんと謝罪する。なんだか割り込みをしているみたいで、もの凄く申し訳ない気持ちになってくる。早くレジを増設して欲しいな、と私は人波に揉まれながら思った。 元々人込みが苦手な私は、人工運河を渡り切った時には、もうぐったりとしてしまった。一息ついてから、ふらふらとした足取りで菓子パンコーナーを目指す。 昼食にはいつも菓子パンかサンドイッチを購入していた。二つとも数だけは豊富なので売り切ることがないからだ。 今日もそのはずだった。 しかし道中、視界の隅に何かを捉え、思わず足が止まった。余分に進めていた右足を一歩下げる。 そこは、惣菜パンが売っているコーナーだった。惣菜パンコーナーは様々な商品が置いてある購買部でも最も人気がある場所だ。 先程、私は購買部では買いそびれることはないと言ったが、人気がある商品に関しては例外だった。 購買部は一階にある。校舎は四階建てで上から、一年、二年、三年と続くため、必然的に階下にいる三年生達に地の利があり、人気がある商品についてはさっさと買われていってしまう。 我が校は厳格な年功序列制度を採っているのである。 なので、私のような二年生はいつも中堅の商品しか買えない。一年生にしてはそれこそ余り物のような物しか買えないから悲惨だ。 だから、その惣菜パンコーナーにひとつだけ、学内で不動のナンバーワン人気を誇るカレーパンがひとつだけ残っているのは、随分と珍しいことだった。 いつもなら真っ先に無くなってしまうのに、どうしてか今日はひとつだけ残っている。 私は、ぽつんと誰かの手に取られるのを待っているそれをまじまじと眺める。 昔、一度だけ斎藤ヨシヱに頼んでこのカレーパンを購入して貰ったことがあった。その時は、人気のあるミュージシャンの新譜でも聞くような、そんな軽い気持ちで食べたのだが、正直あの時の衝撃は今でも忘れられない。 それから、何度かカレーパンを狙って三年生達と競ってみたりしたが、結局買えたことは一度もなかった。 219 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 42 27 ID kVeCnTh+ 次に食べられるのは進級してからだと思っていたけれど、意外とその時は早かったみたいだ。どちらにしろ、取らない訳にはいかない。 今日はついてるなあ、と私はカレーパンに手を伸ばした。 しかし、その伸ばした手は、突然現れた横合いの手に掴まれた。 私は驚いて、反射的に手を掴んだ人物へと視線を滑らせる。そして、さらに驚くことになった。 腕を掴んだのは、恐ろしい風体の女子生徒だった。軽く巻いた髪は金色に染め上げており、厳つい形をしたシルバーピアスが所狭しと耳を飾っている。 身長は女子にしてはかなり高く、平均的な男子生徒の私と大して変わらなかった。服の上からでもわかるプロポーションの良さが、やけに目につく。 私は突然の出来事に困惑してしまった。 彼女とは面識がない上に、その、私を見る、金色の髪とは対照的な真っ黒な瞳に、明らかに憤怒を感じるからだ。 その瞳は、そこらの野良犬ぐらいなら簡単に殺せそうなほど強いものだった。 自然と腰が引けてしまう。 彼女が怒っているのは一目でわかった。いつもの私なら何故怒っているのかが分からず、小一時間は悩んでしまうものだが、その日は運よく直ぐに彼女の怒りの原因を理解出来た。 私は柔和な笑顔で、彼女に言う。 「これ、食べたいのならどうぞ。私はそこのメロンパンでいいんで」 私のほうが早かったけれど、そんな目で見られては仕方ない。こういう時は女性に譲るのが紳士というものだろう。 空いた手でカレーパンを薦める。 しかし、金髪の彼女はそんなカレーパンには一瞥もくれずに、まだ私のことを睨んでいた。 カレーパンではないのだろうか。途端に不安になる。 その時だった。漸く、金髪の彼女が口を開いた。 「お前、鳥島タロウだな」 突然発したその声は、かすれたようなハスキーな声質だった。 私は軽く頷いて肯定する。 「ちょっと来い」 そう言って彼女はぐいぐいと私を引っ張ろうとした。 「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」 慌てて抵抗しようとするが、彼女の勢いはこれっぽっちも止まらない。女子とは思えない凄い力だった。彼女の中指についている指輪が手首に刺さって非常に痛い。 220 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 43 40 ID kVeCnTh+ 最初こそ踏ん張ったりして抵抗してみたりした私だが、それが無意味だとわかると、さっさと諦めて彼女のなすがままになった。無駄な抵抗こそが一番の無駄なのは知っている。私はずるずると引っ張られていく。 彼女に連れ去られる途中、少し驚くことが起きた。 レジ前に形成されていたあの人工運河が、金髪の彼女が通ろうとした途端に、蜘蛛の子を散らしたように真っ二つに割れたのだ。 みんな、私同様に彼女が恐いのだろう。 昔、“十戒”という映画で主人公のモーセが海を割り、信者を連れて進んで行くシーンを見たことがあったが、今がちょうどそんな感じだった。 私達は割れた海の中を進んで行く。 左右からひそひそ声がサラウンドのように聞こえてくる。金髪の彼女には恐怖を、私には憐憫の念を帯びた視線をそれぞれ送ってくる。 道中、先程私のことを睨んでいた男子生徒が目に入った。さっきの不快感丸だしの目とは打って変わって、気の毒そうな視線を私に送ってきた。 それを眺めながら、私は金髪の彼女に拉致されていった。 連れて来られたのは、体育館近くに設けられている自動販売機群の前だった。 夏ならともかく、冬場で此処を利用する生徒は少ない。校舎内にも自販機があるからだ。 そのためか、幸か不幸かはわからないが、この場には私と金髪の彼女しか居なかった。 誰も居ない場所で女子生徒とふたりっきり。 なんだろう。つい最近そんなシチュエーションがあった気がする。 そんなことを考えていると、突然私の腕が引っ張られた。そのまま身体ごと自販機のひとつに押し付けられる。背中を強打し、ぐえっと情けない呻き声が漏れた。 金髪の彼女は私のネクタイを掴んで、先程のように睨めつけると、短く言った。 「どうして、キリエをフッたんだ?」 「キリエ?」 と、問い返した私に金髪の彼女が激昂した。 「惚けんなっ!」 噛み付かんばかりの剣幕で叫び立てる。背後にある自販機のガラス板が震えたのを、背中で感じた。 「お前が昨日、キリエのことをフッたんだろうがっ」 「……ああ」 221 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 44 49 ID kVeCnTh+ そこでやっと思い出した。彼女が言うキリエとは、どうやら田中キリエのことらしい。昨日、という言葉で思い出した。 確かに私は昨日、田中キリエに放課後の教室で告白された。彼女の気弱そうな姿態が瞬時に脳内に再生される。あまり関心がなかったのですっかり忘れていた。 それはさておき。まさか金髪の彼女の口から田中キリエの名が出るとは思わなかった。口ぶりからして、おそらく彼女は田中キリエの友人かなにかなのだろうけど。それにしたって、性格も体格も随分と正反対なものだ。一体どういう経緯で友情関係を結んだのだろうか。 ネクタイを締める力が一段と強くなった。早く話せと言うことなのだろう。それにしても苦しい、呼吸するのが難しいくらいだ。これじゃあ話す云々以前の問題である。 私は懇願するように言った。 「わかりましたわかりました。話しますから、まずそのネクタイを締めるのを止めてもらえませんか?苦しくて仕方がないですよ」 「…………」 しかしこれを完全にスルー。 マズイ。早めに会話を切り上げなくては、自分はこのままでは生命の危機に直面することになってしまう。 私は彼女の瞳を見据えて話す体勢に整えると、切れ切れの声で言った。 「私が田中さんの告白を断ったのは、彼女があまりに私のことを知らないからですよ。私は本来、人と付き合えるような人間じゃあないんです。それを田中さんは知らない。彼女は上辺の私しか見ていない、だからです」 「それだけか?」 それだけ、というのは随分と引っ掛かる言い方だが、一刻も早く解放してもらいたい私はすぐに首肯した。 「……そうか」 ネクタイを締める力が一気に弱められた。瞬く間に身体に酸素が供給される。 やっと解放された、と思った時だった。 油断したのがいけなかったのだろう。 金髪の彼女が、空いたほうの手で私の無防備な腹を殴り上げるのに、私は反応出来なかった。 腹部に激痛が走り、数秒の間息が出来ない。口元を手で押さえて、胃から逆流してくるものを慌てて飲み込む。何も食べていなくてよかった。 222 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 46 13 ID kVeCnTh+ 体も崩れ落ちそうになったけれど、そんなことをしたら本当に脈が締まってしまうので、自販機に寄り掛かるようにしてなんとか体勢を保つ。 突然、何をやるんだこの人は。 私は金髪の彼女を見た。 「そんな理由で……キリエは」 そんな私のことには気にもかけず、金髪の彼女は独り言のようにごちていた。 そして、キッと視線を上げると言った。 「キリエはなあ、ずっとお前のことが好きだったんだよっ。それこそ高校に入る前からずっと、それをなんだ?そんなくだらない理由でキリエの気持ちを無下にしやがって何様だお前はっ」 彼女は私を責めるように言った。 しかし、怒る彼女をよそ目に、私は今の言葉に違和感を感じていた。 「……ずっと前?」 それはおかしい。 私が初めて田中キリエと出会ったのは二年で同じクラスになった時からである。それ以前は、少なくとも私は、彼女とは面識がないと思っていた。 田中キリエとは中学校、小学校共に違っていた。なので、一年からならまだしも、入学以前から好いているというのは絶対におかしいのだ。彼女が私のことを知っているはずがない。 「あの……」 と、金髪の彼女に質問してみようと思ったが、とてもそんな雰囲気ではないので諦める。触らぬ神になんとやらだ。 それから、長い沈黙が流れた。 私も彼女も何も言わない。 そして金髪の彼女が唐突に、今まで掴んでいたネクタイを離した。 突然のことで驚いたが、やっと訪れた自由に私は内心喜んだ。 金髪の彼女はスカートのポケットからタバコを取り出すと、慣れた動作で火を点け、紫煙をはきだす。 未成年の喫煙は法律で禁じられていることを伝える勇気は、勿論ない。 「キリエと付き合え」 彼女が口を開く。 「お前が人と付き合えるような奴じゃないって言うのには同意するよ。ひ弱だし、何考えてるかわかんないし、確かにどう見たってクズ野郎にしか見えない」 ひどい言われようだ。 223 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 49 23 ID kVeCnTh+ 「けど」 彼女は短くなったタバコを地面に落とし、踏みにじって火を消した。 「私はキリエに結果をあげたいんだ」 「結果?」 「そう、結果だ」 金髪の彼女は続ける。 「キリエはお前が思っているよりも、本当に長い間お前のことを想ってきたんだ。本当に、ひたすら一途に。それが、必死の思いで告白したのに、断られてハイ終わりじゃいくらなんでも悲しすぎる。私だって納得がいかない 「変な言い方になるが、正直私はお前がクズならクズで構わないんだ。それでキリエが、ああ私が好きになった人はクズだったんだなって分かれば、キリエだって納得するさ。それならそれで、さっさと別れちまえばいいんだからな。 「お前は、キリエが自分のことを知らないから断ったって言ってたけど、お互いのことを知らないなら付き合ってからお互いのことを知っていけばいいだけの話だろーが。それぐらい気づけ馬鹿。 「とにかく、私はこのままキリエの恋が終わるのは絶対に嫌だ。これは、アイツが初めてした恋だから」 金髪の彼女は悲痛な表情のまま、新しいタバコに火を点けた。どうやらもう話は終わりらしい。 私は彼女の言葉を頭の中で反芻し、吟味し始めた。 つまり、金髪の彼女が言いたいのは、田中キリエは長年私のことを想ってきたのにもかかわらず、私が自分勝手な理由で拒絶してしまったので、このままでは田中キリエも金髪の彼女も納得しない形で終わってしまう。 だから、とりあえず付き合って何らかの結果を出せ、ということなのだ。 確かに、その通りなのかもしれない。 現に私は昨日、田中キリエの告白を断った時、彼女の想いなど全く考慮に入れていなかった。自分は人と付き合える筈が無いと身勝手な結論を振りかざしていただけだ。 言うまでもなく、それは不誠実なのだろう。 お互いを知らないなら、付き合ってから知っていけばいい。 金髪の彼女はそう言った。その発想は私の中になかったが、確かにそれもひとつの恋愛の形なのかもしれない。 224 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 51 00 ID kVeCnTh+ 二本目のタバコも吸い終わった彼女は、イラついた目で私を見た。早く返事をしろと目で促している。 そんな彼女を見て、私は思う。 羨ましいなあ。 私は田中キリエに対して素直にそう思った。 目の前の彼女のように、これほどまでに友人のことで、熱心に悩んでくれる人間は、現代の日本にはそういない。皆、どこかで自分を優先してしまうからだ。しかし、彼女にそれがない。 私には親友と呼べるような存在がいない。なので、それがより一層羨ましいと思えた。 けれど、そこに妬みは無い。言うならば、希少な宝石でも見るような気持ちだった。 「わかりました、彼女に再度、交際を申し込みましょう」 私は幾分か愉快な気持ちになれたので、快く彼女の提案を受け入れることにした。 「今日の放課後にでも、田中さんに告白します」 「放課後?」 金髪の彼女は怪訝そうに聞いた。 「お前、キリエの家知ってるのか?アイツ今日学校休んでんだろ」 「そういえば、そうでしたね」 全く知らなかった。 「それじゃあ明日にします」 と私が言うと 「いや、今日行け」 金髪の彼女はきっぱりと言った。 「私はキリエの悲しんでいる顔を一秒でも長く見たくない」 彼女は本当に田中キリエのことが好きなんだな、と私は益々嬉しくなる。 「わかりました。それじゃあ田中さんの住所を教えてもらえますか?」 そう言うと、金髪の彼女は田中キリエの住所を述べた。口頭だったので大変だったが、なんとか覚えた。 「今日、絶対にキリエに告白しろよ。わかったな」 「ええ、わかりました」 金髪の彼女は最後にそう念を押すと、私に背を向けて歩き出した。これで本当におしまいらしい。 「あっ、そうだ」 しかし、そこで彼女は思い出しように呟くと、私の近くまで戻ってから言った。 「あと、これは個人的な感情」 そう言って彼女は、右足を軸にくるりと一回転した。回し蹴り、と頭が認知した時には、彼女の左足が私の右側頭部を貫いていた。 225 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 52 09 ID kVeCnTh+ 白い光が眼前にはじけ、世界は一回転する。 地面にたたき付けられた。口内で血の味が広がる、少し切ったようだ。 まだ回り続けている視界の中で、金髪の彼女は私の髪を引っ張り、無理矢理顔を上げさせた。 「色々と言ったが、はっきり言って、私はお前みたいな野郎がキリエと付き合うのは堪らなく嫌なんだよ。本当、腸が煮え繰り返そうだ」 真っ黒な瞳が、私を見る。 「いいか、覚えとけよ。もしこの先、お前がキリエを悲しませるようなことをしたなら、私はお前を――」 彼女は一拍置いて 「――殺す」 髪から手を離され、私の顔は再び地面に戻った。そして、憮然とした態度で去って行く金髪の彼女を見上げる。短いプリーツスカートから、下着が見えた気がした。 そして冬空の下、私だけが残った。 帰ろう。そう思って立ち上がろうとするが、膝ががくがくと震えて立ち上がれない。おそらく、脳震盪だろう。 仕方がないので、そのまま冷たい地面に横たわった。 脳震盪は安静により短時間で回復できることを、私は知っていた。短く逆立った雑草が、頬をちくちくと刺して不快だったが我慢する。 ――それにしても。 殺すと言った時の、金髪の彼女のあの真っ黒な瞳を思い出す。 心底、震えた。びっくりした。さっきのは脅しでも冗談でもない、間違いなく本気だった。 私は本気で殺すと言った人を見るのは始めてだった。遅れて、冷や汗がどっと吹き出す。 どうやら私はひとつ思い違いをしてたみたいだ。 金髪の彼女が田中キリエに対して抱いていたのは、友情ではなく、異常なまでの愛情だった。いや、依存心かもしれない。いずれにせよ、普通ではない。 ひとつ、確信する。もし、私が本当に田中キリエのことを悲しませるようなことをしたならば、彼女は間違いなく、私を殺すだろう。 「困ったな」 これから先、田中キリエと付き合っていくことを考えると、うんざりした。これからは死と隣り合わせである。 その時になって、漸く私は自分が面倒な事態に巻き込まれているのだと、自覚した。 「くわばらくわばら」 そんな独り言と共に、私はゆっくりと瞳を閉じる。 近くの体育館から、バスケットボールを楽しむ生徒の声と上履きの摩擦音が響いていた。 226 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 52 55 ID kVeCnTh+ 結局、教室に戻った頃には、もう昼休みも終盤を迎えていた。 私は制服についた汚れを落とし、水道水で口をゆすいでから教室へと向かった。 何だか、今日は散々な昼休みだった気がする。体中が痛むし、胃袋も先程から食物を切望して、悲しく鳴いていた。 まあこんな日もあるさ、と切り替える。 変わったことが起きた。 教室に着いて、ドアを開けるとクラス中の人間が一斉に私のことを見た。 視線の矢が何本も突き刺さり、思わずどぎまぎしてしまう。けど、人気者になったみたいでちょっと嬉しい。 比較的仲の良い男子生徒の何人かが、私のほうに寄ってきた。そうでないものも皆、私に注目している。 「おいタロウ、お前昼休みにマエダカンコに拉致されたって本当かよ」 取り巻きのひとりが口を開く。 「聞いたぜ、マエダに購買部で引っ張られてって、どっかに連れてかれたんだろ?ウチのクラスにも何人か見たって奴いるぞ」 マエダカンコというのが、あの金髪の彼女の名前だというのにはすぐに気付いた。 「はい、本当ですよ」 「マジかよっ」 クラスが一段とざわつく。 「お前、一体マエダに何されたんだっ」 「それはもう、ヒドイ目にあいましたよ」 ふて腐れるように言う。 本当にヒドイ目にあった、彼女のせいでカレーパンどころか昼食もとれなかったのだから。 私がマエダカンコに連れ去られたとわかった途端に次々と質問がとんできた。 「具体的には何されたんだよ」 「一体、マエダとはどういう関係なんだ?」 「なんでお前生きてるんだ?」 某太子と違って一度に多数の質問を聞けない私は、矢継ぎ早の質問に目を回してしまう。 そんな私に助け舟を出すように、予鈴のチャイムが鳴った。皆、まだ聞き足りないといった感じだったが、渋々席についていく。私もほっとして自分の席に戻っていった。 227 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 54 48 ID kVeCnTh+ 教師はまだ来ないようだった。次の授業を担当する数学教師は時間にルーズなことで有名であり、いつも遅れてやってくる。 暇を持て余した私は、せっかくなので隣の席の男子生徒にマエダカンコについて聞いてみることにした。 「マエダカンコ?タロウ、お前マエダも知らないのかよ。アイツほどの有名人、この学年じゃ知らない奴はいないと思うぞ」 「すいません、無知なもので」 私は苦笑する。そんなに有名人だったのかあの人。 「まあ仕方ないか、アイツが本格的に有名になりだしたのも、つい先月からだしな」 話す気が起きたのか、男子生徒は椅子を私の眼前にまで寄せた。それから、マエダカンコについての情報を耳打ちする。 「マエダカンコ、二年一組所属。素行はかなり悪い。学校では誰ともつるまずに一匹狼を貫いている。元々、アイツもあんなナリしてるから学内ではそこそこ有名だったんだ。平然と教室でタバコ吸い出したりするしな。 「まあ、それだけなら何処の学校にでも居る不良ちゃんで終わるんだが、先月にある事件が起きてから知名度が一気に撥ね上がった」 「ある事件、ですか?」 私は繰り返す。 「ああ。ほら、マエダって中身はともかく、顔とかスタイルとかはスゲエいいじゃん?だから、前々から三年生の先輩達、あっちなみにこれも中々のワルね、が結構ナンパまがいのことをしてたわけよ」 関係ないが、彼が話す度に耳元に生暖かい息が吹きかかって、なんともこそばゆい。背筋がぞくっとする。 「けど、マエダはそんな先輩達を全く相手にしなかったんだ。そりゃもうガン無視。で、先輩達も遂に怒りが天に達しちまって、ある日の放課後、マエダをどこかへと連れさったらしいんだ。それが、ちょうど先月のこと」 「それで、マエダさんはどうなったんですか?」 男子生徒は待ってましたと言わんばかりにニヤリと笑った。 「それで、マエダカンコがどうなったかというと――」 228 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 56 20 ID kVeCnTh+ 勿体振るように長い間を置いてから、芝居がかった口調で言った。 「――全治ニヶ月。それもマエダじゃなくて先輩達のほうがな。みんな病院送りだよ。まあ流石にやったのはマエダじゃなくて、アイツの知り合いかなんかだろうけど、それにしたってやり過ぎだ。 「だからそれ以来、マエダカンコはキレたら何するかわからない奴だって言われて、みんなびびっちまってるのさ」 これで終わりだと言うように、男子生徒はパンと手を叩いた。 ちょうどその時、黒板側のドアが開き、数学教師が入って来た。狙ったようなタイミングの良さだ。 「また後でな」 男子生徒はそそくさと自分の席へと戻っていく。私も机の中から教科書とノートを取り出した。 授業が始まり、黒板にチョークを走らせる音が室内に響く。授業に集中している者はノートをとり、そうでない者は腕を枕に眠っていた。 そんな中、私はマエダカンコのことを考えていた。 三年生の先輩方を病院送りにしたのは、間違いなくマエダカンコだろう。それはゆるぎのない確信だ。 あの回し蹴りが脳裏をかすめ、思わず身震いする。 男子生徒の話を聞いて、ますます私が殺される確率が上がった気がする。 嫌だなあ、と思いながらノートをとる。まあ悩んだって仕方はない。今は、田中キリエへの告白について考えよう。 そして、私は自身の初告白の言葉を思い浮かべていく。 この時、私はひとつ見落としていることがあるのに気づいていない。 私は、田中キリエがどんな人間なのかを全く理解していなかったったのだ。
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~神侍AYZチームルール~ メンバー満員時は援護数が50以下の方から人員整理させていただきます。 イベントは皆で協力して頑張るぞーo(^▽^)o 入団後はカルマ調整自由!
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入手場所 墜落したヘリコプター 入手度 極めてレア マガジンタイプ M107 , AS50 マガジンサイズ 5(AS50 mag)10(M107 mag) ダメージ(血液量) 37552(M107 mag)174205(AS50 mag) 体命中時の殺害弾数(ゾンビ) 1 射程距離 1600m ゼロイン 1600mまで ファイアレート 並 反動 強い 銃声 極めて大きい ファイアモード セミオート カウンターストライク等でお馴染みのAWP、所謂L96A1を50口径仕様に再設計した対物ライフル。 本来は単発のボルトアクションだがARMA2及びDayzではSEALs用に改修されたセミオートモデルとなっている。 ゲーム内銃器では最大の威力を持ちM107を上回る所か桁が一つ増え174205。 喰らったらまず死ぬ。 銃声は聞こえる分にはM107よりコンパクトだが実際はほぼ同等の模様。 若干だがサイズはM107より小さい。 仕様弾薬はM107と同様なのでAS50用マグとM107用マグが使用できる。 弾薬が同じなのに威力が違うのは謎。 ちなみにDayz内でこれの類似品の「AS50TWS」等を見かけた場合、間違いなくチート品なので触ってはいけない。 余談だがこれに限らず狙撃銃は装備しているだけで「対人狙いのPC」と認識されやすい。 これは狙撃銃が対ゾンビでは無く対PCへ性能が特化している為で、実際にゲーム内での動向もそうなる事が多い為。
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771 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 33 29 ID l.6o34l6 [1/11] ヘビセンと呼ばれるショッピングモールがある。 設立されたのは今から一年前と比較的新しい、大規模な商業施設だ。郊外にある広大な土地を使った複合型のモールで、その規模は非常に大きく、他県から訪れる人も少なくないと聞いている。 元は市主導で自然公園をつくるはずの土地だったらしいが、重役の献金問題等で話がこじれ、結局は頓挫してしまったという背景を持つ。 しかしながら、ここら周辺にも大きな自然公園はあるので、市民としては公園よりもショッピングモールができたほうがありがたかったのかもしれない。 モールの外観は近代ヨーロッパをモチーフにしており、レンガ敷きの遊歩道、ガス灯をイメージした街灯など、精巧な小道具で場を盛り上げている。 そのためか、買い物をせずともぶらぶらと歩いているだけでもそれなりに楽しめてしまうので、金銭の乏しい学生にも大変な人気があった。我が校の生徒も例外に漏れず、平日休日問わず多くの生徒がヘビセンを訪れていた。 ところで、ヘビセンというのはあくまで非公式の愛称であり、実際にはもっと長ったらしい正式名称が存在しているということにも触れておこう。なら、何故このモールはヘビセンなどと呼ばれ始めたのか。それは、モールの全体図を見れば一目瞭然である。 先端にある円形の映画館に、ぐにゃぐにゃとくねり曲がった遊歩道。その姿が、ちょうどヘビのように見えるからだ。ヘビのようなショッピングセンター。略してヘビセン。どうも、そういう由来らしい。私自身、人づてに聞いたことなので確証はないが。 それが製作者の意図してつくったものなのか、そうでないのかはわからないし知らない。とにかく、そういう風変わりな名前のショッピングモールがあるのだということを覚えて欲しい。 さて。前置きが長くなったが、私は今、そのヘビセンの中にある、とある喫茶店にいた。ヘビの姿になぞらえると、ちょうど尻尾の一番先の辺り。その客の足取りが最も悪いであろう場所に位置する喫茶店で、私はひとりコーヒーを啜っていた。 昨夜の前田かん子との通話時に、私は本日の会合場所を此処に指定した。この喫茶店が、自分にとって慣れ親しんだホームグラウンドであり、少ないとはいえ一応は人の目があることが、此処を選んだ理由だ。 いや、実をいうと、もっと大きな理由がある。自分の住む街からはそこそこ遠いヘビセンを、わざわざ選んだ理由が。 「…………」 ぼんやりと、窓に映る自分の冴えない顔を見つめた。 そういえば、結局、昨夜は彼女からはハッキリとした返事はもらえなかったな、と思い出す。 今日はちゃんと来てくれるかしら。ちょっと不安になってくる。予定の時間は刻一刻と迫ってきていた。といっても、どちらにせよ私には待つことしか出来ないのだが。 772 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 35 10 ID l.6o34l6 [2/11] 珍しく緊張していたのか、肩のこりがひどい。私は丹念にこりをほぐしながら、店内の様子を再度顧みた。 落ち着いた、と言えば響きはいいが、実際はただ寂れただけの喫茶店。店内にはモダン・ジャズが気にならない程度の音量で流れ、雰囲気を出す為か、照明はわざと薄暗くしていた。 来店している客は、私を含め五人。皆どこか気だるげな空気を醸していて、それが店の活気のなさに拍車をかけている。 日曜日だというのに、どうしてこうも客が少ないのだろうか。他人事ながら、私は少し心配になってきた。 この店も、端っことはいえヘビセン内に含まれているのだから、立地条件としては申しぶんないはずなのに。しかし、ヘビセンのフードコートには全国にチェーン展開しているコーヒー店もあるし、それも仕方ないかもしれないけど。 この喫茶店はサイドメニューの数が極端に少なく、しかも肝心のコーヒーが値段のわりに美味しくないときているので、そもそもフードコートの店とは勝負にすらなっていなかった。というか、店側に張り合う気力が見られない。 けど、私はそんなやる気のない店の態度を気に入っていた。それが、此処を贔屓に利用する要因なのかもしれない。客層は見ての通り、疲れた人々ばかりでとても静かだし、勉強や考え事をするのには最適といえよう。 店内を一通り見渡し終えると、私は窓の外を眺めた。現在、私は窓際の二人席を陣取っているので、外の様子はよく見て取れた。 今朝の天気予報でも言っていたのだが、どうやら本日は午後から雨が降るらしく、雲行きが怪しかった。曇天が広がる空には、こぼれる日差しが一筋もなく、昼間にも関わらず辺りは夕方のように薄暗い。そのせいか、街灯にはさっそく灯がともっていた。 いつもなら、行きかう人々で溢れている街道も、普段よりは淋しく感じた。通行人がぽつぽつとしか見受けられない。そして、その手には皆折りたたまれて細くなった傘を握られていて、今にも降り出しそうな雨に備えている。 「…………」 良くない流れだな、と思う。正直、私は焦りを感じていた。このままでは、計画に支障をきたすかもしれない。窓に映る自分の顔も、不安そうに複雑に歪んでいた。 「うまくいけばいいけど……」 ぽつりと、そんな弱音のような独り言を吐き出した時だった。突然、目の前の窓がカタカタと音を立てて震え始めたのは。 地震だろうか、そう思って瞬時に身構えたのだが、どうも地震とは勝手が違う気がした。ハッキリ言えば、もっと人工的な匂いがする。 その振動に気付いたのは、どうやら私だけではないらしく、店内に居座る客も何事かと顔を上げていた。気だるげな空気が幾分か引き締まり、ささいな緊張が発生する。 773 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 36 56 ID l.6o34l6 [3/11] 音だ。加えて音も聞こえ始めた。まるで牛の鳴き声のような。いや、牛といっても闘牛だ。闘争心を抱えた、低い唸り声。その音はどんどんと激しさを増していき、それに比例して窓の震えも大きくなっていた。 店内の視線は、全て窓の外に集中していた。何かが現れる。皆、そんな予感を感じていたからだろう。かくいう私も同じ気持ちだった。何かが来訪するのを、恐れと共に待っていた。 そして、振動と音が頂点に達した時、遂にそれは現れた。 轟音を轟かせながら、突如横合いから飛び出してきた真っ黒な物体。それは店の前で大きく旋回すると、摩擦による白い煙を巻き上げながら急停止した。どっどっどっ、と耳をつんざくような重低音が周囲に響き渡る。 それは、素人目から見ても明らかに違法改造だとわかる無骨な形をしたバイクだった。黒のメタリックボディが眩い光沢を放っている。跨るライダーもバイク同様に黒尽くめで、黒のフルフェイスヘルメットにライダースーツ。そしてブーツを履いていた。 ヘビセンは、自転車等での進入を禁じている。ましてや、目の前で唸っているような巨大なバイクなどはもってのほかだ。本来なら、きちんと所定の駐輪場で駐車しなければならない。 けれど目の前のライダーは、そんなルールは与り知らぬとばかりに、白昼堂々と違法行為をやってのけていた。そして、私はこんなことを平然としてみせる人物を一人知っていた。 エンジンが切られた。すると、先程までの騒音はなんだったのか、水を打ったような静けさが取り戻される。 騎乗するライダーが、バイクから降りた。続けて、装着するフルフェイスヘルメットに手をかける。 砂金の如き金髪が、中空を舞う。 ヘルメットの下から現れた端正な容姿をした女性は、私の予期していた通り、前田かん子その人ならなかった。 その映画のワンシーンみたいな光景に目を奪われたのは、私だけでなく、店内にいる人間全員も同じであっただろう。尤も、薔薇の茎にひそむ棘のように、感じ取ったのは美しさばかりではないと思うが。 彼女はそのまま店の前でバイクを停めると、大股で出入り口まで歩いていき、乱暴にドアを開けた。付属するベルが、ガチャガチャと汚い音を奏でる。 「い、いらっしゃいませ……」 店員さん(おそらく大学生のバイトだろう。温和そうな笑顔が特徴的だ)の震える笑顔を無視して、前田かん子はぎろりと視線を一周させた。 客達は、その視線上に入ることを恐れ、亀のごとく首を引っ込めていた。そして彼女は窓際に座る私を見つけ出すと、カツカツとブーツを鳴らして接近してきた。 私はいつもの柔和な笑みを浮かべて、片手を上げながら挨拶する。 「こんにちは前田さん。今日はわざわざ貴重な休日に・・」 バン、と前田かん子がテーブルを思い切り叩いた。机上のコーヒーカップが、怯えて一跳ねする。 「なぜ私を呼び出した」 今となっては聞き慣れてきたハスキーボイスで、短くそう告げる。 どうやら、機嫌は見ての通りあまりよろしくないらしい。といっても、私は機嫌のよい彼女なぞ見たことがないのだけど。 774 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 39 41 ID HRoXok2Y [4/11] 「わけは話しますよ。ですからまず、席に着いたらどうでしょうか?」 「私はお前とお喋りしに来たんじゃない」 提示した提案を、即座に突っぱねる。金剛像のような仁王立ちが、お前とは一秒でも顔を合わせていたくないと暗に告げていた。 やれやれ、とさしもの私も肩をすくめるしかない。まさか、ここまできっぱり拒絶されるとは。 さっきから気付いていることではあるが、店の雰囲気が剣呑なものに取り替わっていて、非常に居心地が悪くなっていた。普段とは大違いだ。店内にいる客も、そわそわと落ち着きなく身体を揺らしていた。 なんだか悪いことをしてしまったな。ひどく罪悪感を感じる。せっかくの日曜日なのに、これでは店にも客にも迷惑をかけてしまう。関係のない人を巻き込みたくはなかった。なんとかしなくてはならない。 それなら、と私は意気込む。空気が張り詰めているのなら、解きほぐしてやればいい。私は場の空気を和ませてやろうと、とっておきのジョークを口にした。 「いやはや、これは手厳しいですね。会っていきなりこれでは、まさに取り付く島も無いといったところですかね・・鳥島だけに」 そう言い終えると、したり顔で前田かん子を見た。けど、 「…………」 彼女には何の変化も見て取れなかった。相変わらず、刃物のような鋭い視線で私を見ているだけだ。それに店の空気も全然弛緩していなかった。むしろ嫌な感じが増しているような……。 「あの、今のわからなかったですかね? 取り付く島と、自分の名前の鳥島をかけたダジャレだったのですが、あの、面白かったですよね?」 「…………」 「あ、いや、やっぱりなんでもないです。なんか、すいませんでした」 私はゆるゆると頭を下げた。そして顔を上げようとしたのだが、ショックが大きすぎたのか、動きはかなり緩慢になった。 数少ない持ちネタが不発だったことにより、私は決して少なくないダメージを負っていた。というか、重傷だ。割と本気に傷ついている。深夜寝る前とかに必死で考えてニヤニヤしていたのに……死にたくなる。 切り替えよう。 ふぅ、と息を吐き、今の出来事なんて無かったとばかりに、私は冷静に続けた。 「非常に言い難いことなんですが、今日前田さんを呼び出したのは、そのお喋りをするためなんですよ」 何か突っ込まれないうちに、素早く言葉を継ぎ足す。 「といっても、なにも世間話をしようってわけじゃありません。私がしようとしているのは、もっと有意義な話です」 慎重に、本題へ切り出した。 「前田さんには、田中キリエに関する情報を話して欲しい」 775 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 41 22 ID HRoXok2Y [5/11] そこで初めて、前田かん子の態度に変化が現れた。仏頂面に少し、ヒビが入る。 「鳥島タロウ。私が初めてお前と会ったときに言った言葉を、もう忘れたのか?」 「忘れちゃいませんよ。お互いのことを知らないなら、付き合ってからお互いのことを知っていけばいい、でしたよね? 前田さんのその言葉には全面的に同意します。だけど、今回は状況が状況でして、どうしても前田さんの力が必要になるんですよ。どうか、協力していただけませんか?」 少しでも誠意を見せようと、深々と頭を垂れてみせる。 しかし、前田かん子は付き合ってられないとばかりに渇いた笑いを漏らした。 「くだらない。お前が何を言おうと、私は前言を撤回する気は無い。その程度の用で呼び出したというのなら、帰る」 そう言うやいなや、彼女は一度も席に着くことなく、くるりと踵を返して、宣言通り出入り口へと戻っていく。説得は失敗した。このままでは、彼女は本当に帰ってしまうだろう。 仕方がない、か。私は下唇を噛む。目的の為だ。やはり多少のリスクは負わざるを得ないだろう。 一歩、二歩、三歩と進んだところで、私は遠のいていく前田かん子の背中に、言葉をひとつ投げかけた。縫い針を指に指したように小さい、ちょっとした傷を負わせる程度の切れ味を備えて。 「あまり調子に乗るなよ、前田かん子」 ぴたり、とまるで影を楔で止めたかのように、前田かん子の足が止まった。そして、ゆっくりと首だけを動かし、横顔をこちらに見せる。 「おい、お前、いま、なんて言った?」 全身の肌が粟立った。明らかな殺意の宿る隻眼が、容赦なく私を射抜く。殺される、と思わされてしまうほどの凶暴性。片目でこれなのだ。もし両目で睨みつけられていたら、私は失禁していたかもしれない。 「無責任なんですよ」 しかし、こちらも怯まない。なるべく感情のない顔をつくって、悠然と言い返す。 「先程の台詞、そっくりそのまま返させていただきましょう。あなたこそ、自分が言ったことをお忘れになっているんじゃありませんか? もし田中キリエを悲しませたのなら、私を殺す。あの時、たしかに前田さんはそう言いましたよね?」 「ああ、言ったよ」 「それが無責任なんですよ。あなただって、もうとっくに気付いているのでしょう? 私が他人の心情を慮るのを非常に不得手にしているのは。いい機会ですからハッキリ言っておきますが、このままでは私は、百パーセント田中さんのことを悲しませますよ」 舌がカラカラに渇いているのに気付く。コーヒーで口内を湿らせようかと思ったが、カップの中は空っぽだった。しょうがないので、そのまま続ける。 776 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 43 36 ID HRoXok2Y [6/11] 「田中さんのことを知らないのなら、本人に訊けばいい。ええ、大いに結構ですよ。しかし私は、彼女の触れられて欲しくない領域にズケズケと踏み込んでいきますよ、間違いなく。 私には田中さんの心の機微を感じ取るなんて器用な真似はおそらく出来ないでしょう。平気な顔して、彼女の心を蹂躙してしまう。嫌な思いをさせてしまう。 そんな地雷原の中を全力疾走で進んでいくような行為を、あなたは望んでいるのですか? 少なくとも私は御免ですね。攻略本どころか、説明書も無しにワンコインクリアをするようなものですよ」 返事はない。もう少し畳み掛ける必要があるか。 「私が田中さんの告白を断ったのは、自分のそういう性分をよく理解していたからです。言うならば、彼女のことを想ってこその結果だった。だけれど、それを無理矢理つなぎ合わせたのは他ならぬあなたですよ、前田さん。 あなたには、私に情報を与える義務がある。田中さんのことを悲しませないために、わたしには彼女の基礎知識を教える必要がある。そしてその義務を放棄するということは、畢竟、前田さんが田中さんを傷つけるのと同義です」 「私がキリエを傷つけているって言うのか? お前は」 「はい。このままでは前田さんは間接的に田中さんを傷つけることになります。私、鳥島タロウが田中さんを傷つけることを十二分に知りつつも放置するのだから、当然でしょう? おかしなことは言っちゃいませんよ」 前田かん子は揺らいでいた。まさか自分が田中キリエの傷害に加担しているとは思ってもいなかったのだろう。ぶっちゃけた話、私はそうとうにズルイこじ付けを言っているのだが、前田かん子は気付かない。こと田中キリエのことになると、正常な考えが出来ないことは知っていた。 いけるな、とここで私は確信する。後はちょっと、ほんの少し背中を押すだけ。 「私は前田さんに殺されたくない。前田さんは田中さんを悲しませたくない。互いの利益は一致しています。なにも悩むことはないでしょう。ここで意固地になるのは、あまり得策とはいえませんよ。 さて。これで、私の言いたいことは全て終わりです。後は、前田さん次第ですよ」 私は一仕事を終えた後のように大きく息を吐き、腕を組んで、椅子にもたれかかった。コーヒーを飲みたかったが、中身が空なので我慢する。 前田かん子はしばらく私を見つめていた。ここまで説得されておきながら 、なお決めあぐねているらしい。 おそらく、私の提案にそのまま乗っかるのが気に喰わないのだろう。彼女はものすごく私のことを嫌っている。けど、結果はわかっていた。 777 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 45 43 ID HRoXok2Y [7/11] 「…………」 前田かん子は、帰りかけていた足を元に戻すと、無言のまま私の対面の席に腰掛けた。 「わかって貰えたようで嬉しいです」 とりあえず、これで第一関門は突破。今日こなさなくてはならなかった最低限のミッションは達成した。彼女が交渉のテーブルにつかずあのまま帰っていたら、一番困っていたのは私だっただろう。 前田かん子は、投げやりな口調で言う。 「御託はいい。さっさと訊きたいことを訊け」 「まあまあ、そう急かさずに。せっかく店に来たのですから、まずは注文しないと。私も、ちょうどコーヒーのおかわりを頼もうとしていたんです」 横に立て掛けられていたメニュー表を彼女に向かって差し出したが、前田かん子は受け取ろうともしなかった。仕方がないので、見えるようにしてテーブルに置いておく。 いやあ、嫌われてるなあ、とことん。まあ、わかってはいることだけどさ。 自分としては、出来ればもっと仲良くなりたいと思っているので、なんとか今日その糸口を掴めればなと密かに考えていた。 前田かん子はメニューに一応目を通しているらしく、眼球が上下左右に動いていた。そしてその動きが停止した頃を見計らって、私は未だびくびくと怯えている女性店員さんを呼んだ。オーダーを告げる。前田かん子は結局、私と同じコーヒーをたのんだ。 それからは互いに無言だった。なんとなく、注文の品が到着してから話そうという空気が出来あがっていた。なので、私も黙ってそれにならっていた。 そして私は、ここぞとばかりに、前田かん子のことを改めて観察した。考えてみれば、彼女のことを仔細に見るのは初めてかもしれない。私達が会うときは、大抵が穏やかでない。 まじまじと無遠慮に見つめる。彼女は、本当に綺麗な人だった。お人形さんみたいだな、とありふれた決まり文句しか頭に浮かばない。 長い睫毛に、日本人にしては高い鼻、そして決め細やかな白い肌。一番の特徴である軽く巻いた金髪は、オレンジ色の照明に照らされてきらきらと光っている。 一見すると、その髪は天然物のようにしか見えない。もしかしたら本物かもしれなかった。彼女には異国の血が混じっているのかしら。 そのまま視線はずるずると下がっていき、最終的には首の下、彼女の豊かな乳房の辺りにとまった。 思わず、感嘆の息を漏らしそうになる。 大きい。前田かん子の胸は、とにかく大きかった。こんなに大きな胸を、私は画像や動画等の媒体以外では一度だって見たことがなかった。 ピッタリとしたライダースーツを着ているせいか、形のよさがくっきりと表れていて、その存在を更に強調していた。張りも弾力も中々ありそうで、対の張り上がった球体は、みずみずしい西瓜を連想させた。 後はもう少し、首元まで上げたジッパーを、後もう少しだけ下げてくれたのなら……。 778 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 47 40 ID HRoXok2Y [8/11] 「なに見てんだよ」 突如、向かいから飛んできた声に、私はひどく混乱してしまった。あ、え、と訳のわからぬ言語を吐き出した後に、慌てて自己弁護をする。 「あ、ええとですね、思わず感心してしまって、大きいなあって」 「大きい? なにがだよ」 「おっぱいがです」 「…………」 「あっと、違うんです。今のは本当に違うんです。言葉のあやというか、なんというか、いや、でもおっぱいが大きいのは事実ですし……。 そ、そうですっ。私は褒めているんです。だって、滅多にいないじゃないですか、そこまで胸の大きい人って。いやあ、いいなあ。セックスアピールとしては申し分ないですし、得することも多いんでしょうねえ。ははは……」 「…………」 「ですから、別に決していやらしい意味で言ったんじゃ……」 「…………」 駄目だ。これまでの経験則から推測するに、私はまたやってしまったのだろう。いつもの空気の読めていない発言を。前田かん子の目は言葉を重ねるごとに険しくなっていくし、とんでもないヘマをやらかしてしまったのだ。 というわけで、大人しく口をつぐむことにした。これ以上、藪をつついてヘビを出すわけにはいかない。いま居るところが、ヘビセンだけにね。 二人の間に、再び沈黙が訪れる。今度は多大な気まずさを抱えて。 落ち着かなくって、視線を横に逸らす。そして、おや、と気付く。いつの間にか店内の空気が穏やかになっていた。 もともと、他人に無関心なへんてこな人間しか集まらない店なのだ。徐々に前田かん子への耐性がついてきたのだろう。全くをもって、たくましい人達である。もはや尊敬の念すら抱いてしまう。こっちは未だ、これっぽっちも慣れていないというのに。 「話に入る前に、ひとつだけ訊きたいことがある」 沈黙を打ち破ったのは、意外なことに前田かん子からだった。それに、何か訊きたいことがあるという。 まさか、彼女から何か質問してくるとは思わなかったので、一瞬、呆気にとられてしまった。が、この気まずい沈黙を打破したかった私は、渡りに船だとばかりに飛びついた。 「ぜひぜひ、ひとつと言わずに、どうぞ何度だって訊いてください。どうせ、後ほどは質問責めになるのでしょうし、情報は出し惜しみしませんよ」 私は笑顔で受け入れた。すると、 「そ、そうか……」 コホン、とわざとらしい空咳きして、前田かん子は頬を赤らめた。 779 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 49 12 ID HRoXok2Y [9/11] 頬を赤らめた? 私は疑問に思う。何故、彼女の頬は上気しているのだろうか。もしかして、店内の暖房がきついのかしら。それなら、自分が店側に言うのだけれど……。 コホン、と彼女は空咳きをもうひとつ挟み、 「えーと、だな……お前らは……実際のところ、どこまでいったんだ?」 ぼそぼそと小さな声で話すので、聞き取るのに苦労した。私は尋ね返す。 「どこまで、とはどういう意味でしょうか? すいません。そういうの察するの苦手なんで、もっとはっきり言ってもらえると助かります」 「だから、あれだよ。あるだろう、恋愛の、AとかBとかCとかさ。私が訊きたいのは、そういうことだよ」 「えっ」 いつもより半音高い、素っ頓狂な声をあげてしまう。今、前田かん子はなんて言ったのだ? 恋愛のABC? 「なんだよ。別におかしなことは訊いていないだろう」 「はい。まあ、おかしくはないですが……」 なんというかすごく意外だ。意外なのは質問の内容ではなくて、彼女の態度だった。どう見ても、恥ずかしがっているようにしか見えない。 うーん。頬が赤いのは暑いからではなく、単に恥ずかしかったからなのか。まさか恋愛関係の質問に躊躇してしまういじらしさを持つとは。普段のイメージと差がありすぎて。なんていうか、頬が自然と緩んでしまう。 前田かん子は一見すると、恋愛経験がとても豊富そうな外見をしている。けれど、もしや実際は違ったりするのかもしれない。意外と中身は乙女乙女しているのだろうか。 でも、もしそうだとしたら、あれだよね、外見とのギャップで、なんかこう、くるものがあるよね。すごくグッとくる。 頬と一緒に、きっと心まで緩んでしまったのだろう。抑えとけばいいのに、悪戯心がわいてしまった。私は正直には返答せず、冗談を言ってみることにする。尤も、その数秒後に、私はひどく後悔することになるのだが。 「どこまで進んだか、でしたよね」 私は一拍おき、 「田中さんにはもう受精させましたよ」 すぐだった。私がそう言った瞬間、否、言い終える前に、前田かん子が肉食獣のような俊敏さで飛び掛ってきた。 780 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 50 51 ID HRoXok2Y [10/11] 動物的な本能が警鐘を鳴らす。殺される。私はそう思って、ほぼ反射的に椅子を後ろに引いた。が、寸でのところで遅かったらしい。彼女の右手は私の後頭部をしっかりとホールドし、もう片方の手で右目に何かを突きつけた。 視界に見えるは、三つの黒い点。フォークだ、と気付いた。テーブルの横に備え付けられていたフォークを、私の右目のすぐそこに向けているのだ。 近い。眼球とフォークとの距離は、おそろしく近かった。緊張のせいか、鼻の頭にぽつぽつと汗の玉が浮かび始める。もし少しでも頭を動かしたら……。そんな想像をしてしまうと、怖くなって瞬きすら出来ない。 「確認する」 冷え切った声で、前田かん子は言った。 「いま言ったのは、事実か?」 「冗談です」 私は即答した。 「今のは、味気のない会話に彩りを与えようとした、ただのジョークですよ。実際には、まだ手すら繋いじゃいません。私は、プラトニック・ラブを信条としているので」 「…………」 「な、なんなら、田中さんに電話で訊いてみたらいかがですか? 彼女はそんなことはしていないと即座に否定するでしょう。断言できます」 「…………」 「ですから、いい加減に、手、放してもらえませんかね。フォーク。このままじゃ、眼球を傷つけてしまいますよ。そんなの、シャレになりません」 「…………」 「それに、店内の注目もすごい集めちゃってますし、ほら、せっかく店員さんが注文の品を持ってきてくれたのに、そこで盆を持ったまま怯えて固まっていますよ」 「…………」 「そもそも、今日はこんなことをするために来たのではないでしょう。私達は話し合いをするはずです。ですから、もっと、穏便にいきましょうよ、穏便に」 「…………」 「それに、私の身体に傷がついて悲しむのは、私だけでなく田中さんもですよ。あなたは彼女に、負わせる必要のない不要な心労を負わせるつもりなのですか?」 「……ちっ」 田中キリエの名を出し、彼女の暴走は漸く止まった。忌々しい舌打ちを返事代わりにして、私を解放してくれる。 私は即座に安全な距離をとった。高鳴っている鼓動をしずませる。けど、しずまらない。背中にかいている汗は、決して暖房のせいではないだろう。腋の下にも汗をかいていた。 781 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 52 29 ID HRoXok2Y [11/11] なんというやつだ。私は驚愕してしまう。 あれほどのささいなことで怒るのか、という点に関してはまだいい。そっちのほうは想定内だ。田中キリエ関連のこととなると前田かん子が杓子定規になるのは、自分だってよく知っていた。 私が驚いたのは、人体を破壊するときに生じる心理的抵抗が、彼女から全く感じられなかったことだった。 普通、人は激しい感情に身を任せてでもいない限り、他者を攻撃するのに大きな抵抗を感じる。だが、前田かん子はあくまで冷静に、些か冷静すぎるほどに私を破壊しようとした。これは驚くべき事実である。 今のだって、もし私が選択をとり間違えていたら、彼女は本当にフォークで眼球をえぐっていたかもしれない。いや、間違いなくえぐっていただろう。私は危うく、右目を失っていたのだ。 気をつけなくてはならない。己に言い聞かせる。脅しと本気との境界線が曖昧すぎて、そう自由には動けない。もっと、もっと慎重に進まなくては。 「ご、ご、ご注文の品を、お持ちしました……」 私達の傍らで事の成り行きを見届けていた店員さんが、恐怖に駆られながらも己の職務を全うしてくれた。 店員さんは私と前田かん子の前に恐る恐るコーヒーを置くと(ソーサーを持つ手が震えていたので、中身が少しこぼれていた)脱兎のごとくキッチンへと避難してしまった。 その姿を見て、私は苦笑してしまう。可能ならば、自分も彼女のように、さっさとこの場所から逃げ出してしまいたいものだ。 けど、そんなわけにもいかない。私にはやるべきことがあるのだ。筋書き通りに物事を進めるためには、少しでも前田かん子と長く居る必要がある。 果たして今日は、この会談を五体満足で終わらせることが出来るのだろうか。カビのようにしつこくこびりついた不安を胸に感じつつも、私は必死でポーカーフェイスを装い、ブラックのコーヒーをのんびりと啜ったのだった。
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【検索用 あいしてるってつたえたいけと 登録タグ 2009年 VOCALOID あ ラマーズP 曲 曲あ 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP 編曲:ラマーズP 唄:鏡音レン 曲紹介 曲名:『愛してるって伝えたいけど』(あいしてるってつたえたいけど) ラマーズPによる鏡音レン歌唱楽曲。 「Netぼかりすα版」を使って制作されている。 歌詞 愛してるって伝えたいけど ここにはもうキミは居ないから 「ありがとう」を言いそびれてる あふれる思い出を言った後に もしも僕がキミの手に触れたなら 弱かった ただ本当に行かなかった いつからここに居たんだろう? 何もできない悔しさが包み込む 辿り着いたのは冷めた昔の場所 それだけ でも終われない それじゃ終われない 今はもう君の瞳を想う 虚しくて そんな面影に ただ 前にただ見詰めてる 愛してるって伝えたいけど ここにはもうキミは居ないから 「ありがとう」を言いそびれてる あふれる思い出を言った後に コメント レンの歌い方が好きです。感情こもってる感じがする。これってわざとなのかな? -- みちる (2009-08-24 18 08 34) 投コメみようぜ。「Netぼかりすα版」ってやつを使ってるんだって -- 美春 (2010-05-10 15 02 13) いい歌だなー(;∀;) -- 名無しさん (2010-10-24 15 27 19) 名前 コメント
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【検索用 いきてるりゆうかわからない 登録タグ 2024年 Synthesizer V VOCALOID い 初音ミク 曲 曲あ 殿堂入り 神様うさぎ 重音テト】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:神様うさぎ 作曲:神様うさぎ 編曲:神様うさぎ イラスト:神様うさぎ 唄:初音ミク・重音テト 曲紹介 うわああああああんん!! 曲名:『生きてる理由がわからない』(いきてるりゆうがわからない) *この作品には多数のネットミームや他作品のパロディ・オマージュが含まれています。 歌詞 (動画より書き起こし) ないないないない 意味がない ぼくの人生そんなに意味がない ないないないない 意味がない 僕ら生きてる理由がわからない 学校の成績 気にして生きて ルールにしたがい まじめに生きて 先生に上司に こび売り生きて 無難な人生 大往生 何のために生きているの? 休みと金をもらうため 何のために生きているの? 幸せな老後を送るため ないないないない 意味がない ぼくの人生そんなに意味がない ないないないない 意味がない まじめなやつほどばかをみる あぁ 脳髄が高ぶる5G ここらで休憩にしませんか? あぁ 気まぐれで生きてても マイホームは買えるみたいです! 学歴 偏差値 弱肉 強食 年間 休日 平均 比較 税引 給料 時給 換算 昇給 降格 ランランルー 入学 進学 就職 結婚 出産 厄年 還暦 葬儀 色即 是空 生者 必滅 何のために生きているの? 早めに帰ってねるため 何のために生きているの? ふつうに生きて氏ぬため ないないないない 意味がない 特に夢とかないから意味がない ないないないない 意味がない みんな結局最後は墓の中 ないないないない 意味がない ぼくら生きてる意味がわからない ないないないない 意味がない ほらやさしい人ほどはやく氏ぬ あぁ 脳髄が高ぶる5G ここらで終焉にしませんか? あぁ 気まぐれで生きてても それなりになみだが出るみたい 学歴 偏差値 弱肉 強食 年間 休日 平均 比較 税引 給料 時給 換算 昇給 降格 弱肉 強食 コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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ごめん、良く解ってないけど取り敢えず更新履歴とリンクは作っときました。 あと試しにおえびとけいじばん作っときました。 よくわからんから誰か手伝ってくれたも~
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つたえたいけどあきたねる【登録タグ NexTone管理曲 VOCALOID つ ぽこたんP 亞北ネル 初音ミク 曲】 作詞:ぽこたんP 作曲:ぽこたんP 編曲:ぽこたんP 唄:亞北ネル(初音ミク) 代表的なPV紹介 曲紹介 伝えたいきもちの「亞北ネル」バージョン。 歌詞 ずっと人気者 私 憧れていた 自由にカキコする日々夢見てた 私は荒らす それが唯一できること ※飽きた 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた もう寝る 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた もう寝る 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた 飽きた もう寝てあげるから 飽きたもう寝る ずっと人気者 私 なれないのなら 夢から覚めて すぐパソコン起動 私は荒らす それが唯一できること ※Repeat×2 コメント ネル大好き!飽きた。寝る -- 名無しさん (2009-07-06 00 57 26) コメント少ない\(^0^)/ -- ラグネル (2009-07-10 15 08 10) “伝えたいきもち”より、この曲の方が感動する。秋田に行きたくなったwww -- やみ (2009-07-12 01 32 48) 秋葉に聞こえるwwww -- kouri (2009-07-31 15 00 49) この曲の中毒者です。着うたフルをダウンロードしちゃいました\(^o^)/ -- やみ (2009-10-27 20 44 30) いい曲なんだけどなぁ・・・ -- Rir (2010-06-07 15 12 35) この歌でネル好きになりました!いい曲ですね! -- 日奈 (2010-06-21 22 30 21) 亞北いいですよね -- ひろ (2011-02-07 13 18 04) 健気だなぁああ -- むあ (2011-08-21 21 55 56) 飽きた。寝る。 -- 名無しさん (2011-08-21 22 29 27) これはいい曲。だけど飽きた、寝る。 -- 名無しさん (2011-12-20 22 58 36) うんいいね ネル最高 -- VIP (2012-02-25 16 19 46) おい そこのネル おま..可愛すぎんだよw -- 名無しさん (2012-05-21 18 53 58) ツンデレが可愛過ぎて怖い、もう寝る -- 名無しさん (2012-06-02 14 45 54) 良い曲だけど、ラストの -- 名無しさん (2012-08-13 10 53 58) 名前 コメント
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960 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/04/23(土) 23 05 30.56 ID ??? フェルトは鈍感男ばかり好きになるんだな 961 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/04/23(土) 23 27 34.38 ID ??? 鈍感というかフェルトの場合自分から行動してない(好きだと言わない)からな。 人は言わないとわからない。ニュータイプではないのさ。 アムロ「……ン!」 シャア「ほれ。ミカンだ……ン?」 アムロ「リモコンくらい自分で取れ!……ほら。因みに6チャンはつまらんぞ」 マリナ(劇)「アムロさんとシャアさんはお互いにわかりあえているのですね」 ギュネイ「最初から最後まで争ってましたけどね」 ロラン「ニュータイプの無駄遣いな気がする……」 モニク「そして、いってもわからない男もいるがなぁ!」 エルヴィン「姉さん、落ち着いて」 962 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/04/23(土) 23 47 45.44 ID ??? コーラサワー「こういう時は、叫ぶんだ! カティ大佐ーーー!!」 シーブック「セシリーーー!!」 ガロード「ティファーー!!」 ドモン「レイーーン!!!」 シロー「アイナーー!!」 バナージ「オードリーーー!!」 ロラン「ディアナ様ーー!!」 ヒイロ「リリーナ…」 キラ「ラクス…」 シン「ステラーー!!マユーー!!」 刹那「ガンダァァムッ!」 アル「ザクーー!!」 シュウト「キャプテーン」 キャプテン「シュウトーー!!」 セレーネ「なんかあついね。」 マイ「数値的にも上がっているかちょっと検証を…」
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SHUFFLE DAYZ Pt.2 An unforgotten tremble creeps up my spine I've done this before but it feels like tha first time I send tha smurk into tha blackness Nothin' comes back from the echoes Laughless When all is said and done there's no turnnin' back That's that My shadow fades into tha dark as I... enter I feel tha shades Cheigh-cheigh Black cloud 相違 妙なgrade My sign engage Always 刺激 Wavy gain いやなに No need to hesitate Eighty percent is fake 死んだも同然のsnakes はぐらかす幻想に生きる偶像 On parade No rehearsal is my fate 鮮明に見える神を殺める手をかざす In tha half light Tha mind disintegrates Yea 周りのsecond-rates 過ぎるgive and take Go down tha drain Maybe your grave but now I gotta watch tha crowds 性に合わねぇぜ そんなテイも即行で切り捨てるまで You know I'm sayin? 後腐れ無ぇ お前を喜ばすためじゃねぇ 深い意味も無きゃ何の因縁も無ぇ 夢中になってくマヌケの三流 好きにしな No time to make sure of your game DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW 裏の裏 裏の裏 NO NO NO また裏 BEHAVIOR 暴いちまえば何てことない 見せかけのWILD STAR YOU DON'T STOP WHAT, WHAT THA FUCK この情が仇んなるようなWORLD DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW その裏 その裏 NO NO NO その裏をFIGURE ヤッちまえば完結さ ほら EVERYBODY IS IN THA DARK ABOUT WHAT? WHAT, WHAT YOU GOT? その情とやらわななくようなWORLD Your popper was copper それが何だってんだ I'm lookin' down tha bavel of my COUGAR チャラい脅し 何が言いてえんだ Baby Are you gonna be dead or alive? Say wa? I'm runner It's 勝者の証 Un 思うに既にYou just knew too much (Wa?) 変わんねーやり方に 1 shot My P-99 (Alright Un) 獲物を探し (Yeah) On tha corner of main street 真っ昼間の悪夢 Tha drop dead dream 今日中にtha loaded GUN is blazing No reason 理由なんてねぇ ただ単に 生かしちゃおけねぇ ペテン師 like you I can read your mind お前を喰らう 泣けよ 笑え 踊れよ Get a lil drink on Bless your soul... HA HA HA Do it! DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW 裏の裏 裏の裏 NO NO NO また裏 BEHAVIOR 暴いちまえば何てことない 見せかけのWILD STAR YOU DON'T STOP WHAT, WHAT THA FUCK この情が仇んなるようなWORLD DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW その裏 その裏 NO NO NO その裏をFIGURE ヤッちまえば完結さ ほら EVERYBODY IS IN THA DARK ABOUT WHAT? WHAT, WHAT YOU GOT? その情とやらわななくようなWORLD Walk through tha door I'll count 4 I'm ready to attack Hey! You better hang on Tha time will come and tha time will go 日没後start You know tha mind is cold Before you go You'll hear tha call You can take it back I let it know My doubts're gone inside of my flow This mode so hard Yo I'll let it go SHUFFLE SHUFFLE SHUFFLE DAYZ シャララ 忍びこんでPURPLE HAZE SOMETHIN' CHANGIN' EVERYDAY 少しずつ SOMETHIN' CHANGIN' EVERYDAY WAH?! 救世主なんて信じちゃいねぇ 束んなってねぇと何もできねぇ ヤツらにとっての幻想さ HEY! テメェに言い訳してんな ONE MO' TIME SHUFFLE SHUFFLE SHUFFLE DAYZ シャララ 忍びこんで PURPLE HAZE I KILL YOUR MEMORY ヤるヤられる SHOULDN'T BE FACE TO FACE WAH?! AWAY AWAY AWAY BUT THERE'S NO HIDEAWAY INCESSANT DREAMIN' DREAMIN' ALL THROUGH THA DAY 抜け目ないはず IN EVERYWAY HEY! DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW 裏の裏 裏の裏 NO NO NO また裏 BEHAVIOR 暴いちまえば何てことない 見せかけのWILD STAR YOU DON'T STOP WHAT, WHAT THA FUCK この情が仇んなるようなWORLD DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW その裏 その裏 NO NO NO その裏をFIGURE ヤッちまえば完結さ ほら EVERYBODY IS IN THA DARK ABOUT WHAT? WHAT, WHAT YOU GOT? その情とやらわななくようなWORLD DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW 裏の裏 裏の裏 NO NO NO また裏 BEHAVIOR 暴いちまえば何てことない 見せかけのWILD STAR YOU DON'T STOP WHAT, WHAT THA FUCK この情が仇んなるようなWORLD DO, DO IT, DO IT, DO IT SHARP DO, DO IT, DO IT, DO IT SMART DO, DO IT NOW その裏 その裏 NO NO NO その裏をFIGURE ヤッちまえば完結さ ほら EVERYBODY IS IN THA DARK ABOUT WHAT? WHAT, WHAT YOU GOT? その情とやらわななくようなWORLD