約 5,739,725 件
https://w.atwiki.jp/utauuuta/pages/3292.html
【登録タグ CD CDT CinemaCD DACCHICD chunterCD daniwellCD inaphonCD keiseiCD mia子CD polylineCD tamaGOCD ある調味料CD いきなりPCD やしCD ゆうしゃざこCD りこるPCD ナカノは4番CD ナノリータPCD ムジナCD 不燃物CD 五右衛門CD 市蔵CD 舞姫立夏CD 薄塩指数CD 藤本萌々子CD 風原CD】 前作 本作 次作 - Tricolored - 企画 ゆうしゃざこ ジャケットイラスト エナメル 由杞 デザイン ベビタス rivata サウンドコーディネーター みやびし マスタリング 市蔵 DISC 1 Music Lyrics inaphon やし tamaGO nakano4 不燃物 黒音カツキ polyline 市蔵 keisei 舞姫立夏 DACCHI daniwellP Illustration ののまろ りつう maco ろっし naruko 水咲ひかり polyline Haru.jpg きづち よっしいまあく daniwellP DISC 2 Music Lyrics 薄塩指数 ナノリータP Cinema ある調味料 ムジナ 市蔵 藤本萌々子 五右衛門 chunter BlueGate(りこるP) 風原 mia子 ゆうしゃざこ Illustration セリ わたべななみ sanada ドいも(ドジっ子妹P) 633B+ ベビタス 通行人A 毛玉black(フランスパンP) なおとえぬ yerumiodi ほぼ直角 イベント頒布価格 同人通販 発売 2015年03月08日 2015年04月08日 価格 ¥2,000 ¥2000 サークル Project Tricolored 販売サイト CD紹介 UTAU三人娘(デフォ子・重音テト・桃音モモ)をフィーチャーした初のコンピレーションCD。 CD2枚組、各曲をイメージした別冊イラスト集が付属。 2015年春のボーパラで初頒布 曲目 Disc 1 モノカルメトロにさようなら / inaphon 深海姫/ やし 魔女とマシーン / tamaGO アメダマ / nakano4 ナイフと少年 / 不燃物 全テ、壊セ / 黒音カツキ SOUNDHIKE TRICOLORED REMIX / polyline(原曲) 市蔵(remix) CROSSWING / keisei My First Love / 舞姫立夏 ありがとう、またね。piano ver / DACCHI あいまいなまいにち / daniwellP Disc 2 Stars / 薄塩指数 薄明光線のメロディー / ナノリータP ノノグラム / Cinema(作曲) ある調味料(作詞) 偽りの花束 / ムジナ CALLING / 市蔵(作曲) 藤本萌々子(作詞) μ型カプセル / 五右衛門 距離の夢 / chunter 音彩ストリート / BlueGate(りこるP) うたをしったひ / 風原 again / mia子 Next Step ~ Let's start with DTM / ゆうしゃざこ リンク 「Tricolored」企画ページ twitter コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sh904i/pages/17.html
価格.com - microSD 512MB / 1GB / 2GB 動作確認済みmicroSD一覧表 メーカー 512M 1GB 2GB A-DATA アドテック Always ATP バッファロー CFD EVERGREEN ELECOM Greenhouse HAGIWARA ○ I/O DATA KINGMAX Kingston 松下(パナソニック) パワーグローバルインデックス phast pqi SanDisk Silicon power TECIC 東芝 Transcend TwinMOS UMAX ◎→公式ページにて動作確認 ○→動作確認報告あり ×動作しない報告あり 空欄→未確認or未発売 アルファベット順 動作報告用BBS 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/cyclo-cross/pages/20.html
FUJI モデル名 CROSS COMP 【メーカーHP】 定価 ¥152,250 重量 10.3kg フレーム Main frame:Fuji Altair 2 lite custom butted aluminum Rear triangle:Fuji custom butted and tapered 6000 series aluminum フォーク FC-990 Fuji Bonded Carbon Cross w/ 1 1/8 Cro-MoSteerer ヘッドセット Tange IS-24 1 1/8 Integrated Road ハンドルバー Fuji Pro Ultralite Alloy Road, 31.8mm ステム Fuji Pro Ultalite Forged Alloy +/- 6 degree F.メカ MicroShift Compact, 31.8mm R.メカ Shimano 105 シフター Shimano 105 shifter/brake, 20-speed Flight Deck compatible ブレーキレバー Shimano 105 shifter/brake, 20-speed Flight Deck compatible 補助ブレーキレバー ? ブレーキ Tektro Oryx canti. チェーン KMC DX10 チェーンホイール FSA Gossamer Cross MegaExo w/ Integrated Spindle,38/48T B.Bセット ? サドル Fuji UltraLite Racing シートポスト Fuji Ultralite Alloy, 250mm F.ハブ Formula Sealed Road, 32H R.ハブ Formula Sealed Road, 32H スポーク 14G Stainless Steel リム Alex DC-19, 32H Double Walled w/CNC Sidewalls フリーホイール Shimano 105, 12-25T 10-speed タイヤ Kenda Kwick Cross, 700 x 32c ペダル × F.ダボ穴 ○ R.ダボ穴 ○ ボトル取付場所 2 カラー Silver/Black サイズ 49cm, 52cm, 54cm
https://w.atwiki.jp/memopadhd7/pages/29.html
MicroSDの場所 microSDXC64GBを使えるようにする手順 まとめテストした環境 手順1 手順2 手順3 MicroSDの場所 MeMO Pad HD7のMicroSDのパスは、 /Removable/MicroSD/ あるいは /mnt/sdcard2/ となる。保存場所を直接指定できるアプリの場合、上記を指定すれば外部microSDカードにデータを保存することが可能。 なお、 /sdcard/ ではないので注意。こちらは内部ストレージになる。これはAndroidの仕様。 microSDXC64GBを使えるようにする手順 まとめ ※注 ビルド4.2.4.83485_20130926から、SDXCの読み込みに対応したため以下の手順は必要なくなりました。以下は旧ビルドバージョンの端末向けの情報となります。 64GB以上のmicroSDXCのフォーマットはexFATであり、これはAndroidでは非対応。そこでSDHCのFAT32でフォーマットして使ってしまおうという発想です。 ここでは2ちゃん本スレの先人たちの書き込みをもとに、実際に試してその手順をまとめました。 当然規格外ですから何か問題が起きても責任は持てません。自己責任でお願いします。 テストした環境 Windows8 microSDXCカード 64GB SanDisk モバイルウルトラ 64GB UHS-I対応 microSDXCに対応したカードリーダ USB2.0特にSDXC対応カードリーダは大事。SDXCに非対応なものでフォーマットしようとすると不具合が出る可能性があります。 手順1 まずは普通にフォーマット。 カードをPCに接続し認識されるとWindowsから「フォーマットされていません。フォーマットしますか?」と問われる場合がありますが、ここでフォーマットをしてはいけません。キャンセルを選択。 SDアソシエーションより、SDFormatter 4.0をダウンロードしインストール SDFormatterを使ってexFATにてフォーマットします。 正しく終わればこれで一応64GBのカードとしては普通に使えるようになります。 容量などをチェックしてください。 手順2 次はFAT32化。 BUFFALOのDisk Formatter Ver.2.08をダウンロードし、インストールした後に実行します。 これは簡単にいうとFAT12・16・32でフォーマットを行う専用のツールです。 ドライブを選択し、FAT32でフォーマット。無事FAT32でフォーマットできたら完了です。 ※ここでフォーマットできないとエラーが出てしまう場合は、PCから一度NTFSなどでフォーマットしてから再度チャレンジしてみてください。 ※ライトプロテクトエラーでdiskが認識されない場合は、この記事を参考に、領域を開放させる必要があるかもしれません。 手順3 必要なファイルをPCからカードへコピー。コピーが完了したら、MeMO Pad HD7本体にカードを差し込めば認識されるはずです。
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/4074.html
Fling Posse -F.P.S.M- Fling Posse -F.P.S.M- アーティスト Fling Posse 発売日 2017年12月27日 レーベル キングレコード CDデイリー最高順位 6位(2018年7月26日) 週間最高順位 29位(2018年7月24日) 月間最高順位 45位(2018年7月) 年間最高順位 83位(2018年) 初動総合売上 4496 累計総合売上 52123 ハイパーロングセラー 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 drops ヒプノシスマイク キャラソン 2 シナリオライアー 3 3$EVEN CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 13 6/12 15 965 10780 965 10780 14 6/19 11 953 11733 953 11733 15 6/26 18 882 12615 882 12615 16 7/3 17 1208 13823 1208 13823 2018年6月 19 4008 13823 50 4008 13823 17 7/10 11 975 14798 975 14798 18 7/17 13 1244 16042 1244 16042 19 7/24 13 2061 18103 29 2061 18103 20 7/31 1492 19595 1492 19595 2018年7月 24 5772 19595 45 5772 19595 21 8/7 1149 20744 1149 20744 22 8/14 948 21692 948 21692 23 8/21 20 1154 22846 25 1154 22846 24 8/28 985 23831 985 23831 25 9/4 1017 24848 1017 24848 2018年8月 34 5253 24848 76 5253 24848 26 9/11 8 844 25692 18 844 25692 27 9/18 10 829 26521 16 829 26521 28 9/25 12 804 27325 804 27325 29 10/2 647 27972 647 27972 2018年9月 18 3124 27972 35 3124 27972 30 10/9 18 579 28551 579 28551 31 10/16 553 29104 553 29104 32 10/23 19 603 29707 603 29707 33 10/30 818 30525 818 30525 34 11/6 586 31111 30 586 31111 2018年10月 34 3139 31111 70 3139 31111 35 11/13 358 31469 358 31469 36 11/20 15 1532 33001 19 1532 33001 37 11/27 1073 34074 1073 34074 38 12/4 903 34977 25 903 34977 2018年11月 32 3866 34977 52 3866 34977 39 12/11 761 35738 761 35738 40 12/18 850 36588 25 1378 37116 41 12/25 885 37473 21 1346 38462 42 19/1/1 930 38403 27 930 38931 2018年12月 30 3426 38403 36 3954 38931 43 1/8 7 978 39381 18 1380 40772 44 1/15 10 607 39988 16 607 40516 45 1/22 14 533 40521 533 41049 46 1/29 377 40898 377 41426 47 2/5 349 41247 349 42236 2019年1月 31 2844 41247 47 2844 42236 48 2/12 327 41574 327 42563 49 2/19 331 41905 331 42894 50 2/26 272 42177 272 43568 51 3/5 466 42643 466 44034 2019年2月 1396 42643 1396 44034 52 3/12 291 42934 291 44325 53 3/19 261 43195 261 44586 54 3/26 261 43456 261 44847 55 4/2 277 43733 277 45124 2019年3月 1090 43733 68 1090 45124 56 4/9 252 43985 252 45376 57 4/16 169 44154 169 45545 58 4/23 182 44336 182 45727 59 4/30 523 44859 33 523 46250 2019年4月 42 1126 44859 59 1126 46250 60 5/7 18 404 45263 404 46654 61 5/14 271 45534 271 46925 62 5/21 197 45731 197 47122 63 5/28 226 45957 226 47348 64 6/4 184 46141 184 47532 2019年5月 1282 46141 64 1282 47532 65 6/11 186 46327 186 47718 66 9/17 219 46546 219 47937 67 9/24 168 46714 168 48105 69 10/8 157 47052 157 48443 70 10/22 130 47193 130 48584 71 11/5 199 47392 199 48783 72 11/19 132 47524 132 48915 73 12/3 172 47696 172 49087 74 12/10 165 47861 165 49252 75 12/24 149 47878 149 49269 76 12/31 193 48071 193 49462 77 20/1/7 191 48262 34 191 49653 78 1/14 159 48421 159 49812 79 3/3 184 48605 184 49996 80 3/17 103 48708 103 50099 81 3/24 122 48830 122 50221 82 3/31 122 48952 122 50343 83 4/7 146 49098 146 50489 84 4/14 83 49181 83 50572 85 4/21 76 49257 76 50648 86 4/28 74 49331 74 50722 87 5/5 91 49422 91 50813 88 5/12 87 49509 87 50900 89 5/19 64 49573 64 50964 90 7/21 78 49651 78 51042 91 7/28 84 49824 84 51215 92 12/22 114 49938 114 51329 93 12/29 259 50197 259 51588 94 21/1/5 181 50378 33 181 51769 95 1/12 160 50538 160 51929 96 1/19 115 50653 115 52044 97 1/26 79 50732 79 52123 関連CD Division Battle Anthem Division Rap Battle Buster Bros!!! Generation BAYSIDE M.T.C 麻天狼-音韻臨床- Fling Posse VS 麻天狼
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2341.html
CROSS CHANNEL 暗き空、白き月、張り詰めた気配、漂う死の匂い……その中に、彼らはいた。 【Channel 1st】 月を眺める男。オールバックの黒髪、妖しく輝く青眼。 既に亡き男。人格のコピー。作り物の体。 その名を、アンジール・ヒューレーと云った。 「ここは……?」 自分は確か、セフィロスを引きつけていた筈。それが何時の間にこんな場所に? 答えは、恐らく「プレシア」と呼ばれた女に攫われたから、だろう。 そして、その場景を思い出し、アンジールは歯噛みする。 少女を一人、爆殺した。 今はスカエリッティという犯罪者と行動を共にしている。『夢』や『剣』と共に託してきたつもりだが、アンジールには未だ『誇り』はある。 あのような行為を赦しておけるわけがなかった。 「プレシア……ッ」 不快感を露わにした声。 いきなり殺し合いをしろ、その為に人を集めた……そんな心境は、全く以て理解不能だ。 しかしとて、備えは必要。そばに置いてあったデイパックを拾い上げ、中身を取り出す。 そして名簿を広げ、アンジールは声を上げた。 「クアットロ、チンク、ディエチ……!?」 驚愕――無理もない。 ここにあったのは、アンジールが守ると誓った「妹達」の名なのだ。 「ク……」 それなのに、むざむざとこんな場所まで連れて来させてしまった。こんな殺し合いの場に。 彼女達は強い。ただの人間や、管理局の魔導師に遅れをとるとは思えない。 しかし、それだけでは拙いのだ。この場には、より凄まじい存在がいる。そう、 「セフィロス……」 かつての良き友人、クラス1stのソルジャー、そして、ディエチの腕を切った男。 そんなセフィロスと、彼女達が出会ったらどうなるかは想像に難くない。 そしてプレシアは、「デス・ゲーム」と言った。そんなゲームはワンサイド・ゲームではならない。 あくまでも、均衡足らずとも、最低限、同等の戦力は用意するべき。 ならば、自分やセフィロスに並ぶ人間がいるのも必然。 そんな人間と、「妹達」が出会ったなら、ほぼ確実に殺されるだろう。 そうさせてはならない。 この手にかかるは命。ならば、 「俺が……守り抜く」 それが、アンジール・ヒューレーの、この場での目標。 決意を胸に、デイパックから刀を引き抜くアンジール。 その耳に、聞き覚えのある声が届いた。 【Channel No.4】 月を見上げる少女。茶髪、眼鏡、メガネ姉――メガ姉こと、クアットロ。 やがて視線は手元の紙――名簿へ。 「ゼロファースト、ゼロセカンド、ルーお嬢様に、陛下。チンクちゃんにディエチちゃん……ふぅん」 月明かりは眼鏡に反射され、瞳は伺えない。しかし、口は確かに『笑み』を形成している。 開始のセレモニー。勝手に呼び出され、拘束されたのは遺憾だったが、無力な命を蹂躙したそれは、堪らなく愉快だった。 プレシア・テスタロッサ――中々な催しごとだ。ただし、こんな時でなければ。 「お祭りにお祭りは重ねちゃいけないのにねぇ~~~」 特殊部隊襲撃、「聖王の器の確保」、地上本部の制圧――大事な祭りごとの直前なのだ。こんな余分は困る。 それに、聖王の器までこの場に集められてしまっている。何事かあってはそれこそ一大事だ。 ただし、逆に言えば、この場で確保出来る可能性がある。自分達は三人。そこまで広くはないこのフィールド。手分けをすれば……。 「と、あーらら……通信はできないのぉ」 内蔵された通信機による通信は不可能。まあ、考えれば当然か。 参加者同士で連絡を取り合われては困るというものだ。 『参加者』。 「ふふふふっ」 自然と笑みが浮かぶ。 この場での弱者は何人いるだろう? デバイスを奪われた魔導師は? 魔法も知らないただの人間は? 対する自分達は戦闘機人だ。固有武装を奪われようと、その身に宿るISは健在だ。 そんな状況で、遅れを取るだろうか? とは言っても、実際何が起こるか分からないので、慎重を期すべきだ。そう、特に戦わすして勝つ為に。 この場に管理局員のような人間は何人いるだろうか。即ち、弱者の保護に出る人間は。 この場に弱き人間は何人いるだろうか。即ち、徒党を組む人間は。 そんな人間の中に入り、内から崩壊させることは、どれだけ愉快なことだろうか。 それに、そんな人間と組んだ方が、「聖王の器」と巡り会う可能性は高いだろう。 これで、行動の方針は決定した。後は誰かにコンタクトを取るだけ。 例えそれが「ゲーム」に乗った存在だろうと、問題はない。それならそれで、襲われたことにして、更なる庇護を求めれば良いだけなのだ。 そうして、クアットロは接触を開始した。 【Channel 13th】 月をねめつける男。月光を反射し、闇に浮かび上がる丸眼鏡。左手が顔を押さえており、表情は分からない。 神父、アレクサンド・アンデルセン。 「…………」 無言だが、それは何よりも有言だった。 即ち――怒り。 呼びつけて、殺し合いをしろと言われた。 よりにもよって、教皇庁に、第十三課に、この自分に。 「巫山戯るなよ……薄汚い売女(ベイベロン)。法皇の命令のつもりか? 売女(きさま)が、魔導師(きさま)が、異教徒(きさま)のようなものが?」 そんな舐めくさった真似をされて、ハイそうですか、なんて具合に殺し合いをするほど、アンデルセンは信心の薄い人間ではなかった。 やるとしては自分達十三課、引いては法皇の為。それは変わりない。 その為ならば、異教徒共に手を貸す命令も致し方ないことだと考えている。 この場での自分の役目は、一刻も早くここを抜け出し、法皇の下へ帰ること。 必要とあらば、異教徒共と手を組むことも辞さない。 ……もっとも、相対して殺意を押さえていられるかは別問題だが。 そんな風に、とりあえずの行動の方針は決定した。 ならば一先ずの装備の確認。 あんな売女から配られたものを使うのは屈辱的なことだが、利用出来るものは、全て利用しなくてはならない。 この場から脱出するために。 「グラーフアイゼンか」 アンデルセンの支給品の一つ目は鉄の伯爵・グラーフアイゼン。 使用者は闇の書の守護騎士ヴィータ。アンデルセンの元・同僚、とでも言うべきか。 デバイスを取り上げられたヴィータはどうしているか、とも思うがまあいい。アンデルセンはグラーフアイゼンに力――法術用――を通わせ、起動させる。 攻撃には向かないが、起動程度になら流用は出来た。 「これは……弾薬」 2つ目では、デバイスのカートリッジ、9mmルガー弾など各種弾薬が30発程詰め合わせになっている。 その中からカートリッジを抜き出し、アイゼンへと装填した。 他に、支給品は確認出来ない。どうやらこの2つだけのようだ。 武器の確認が住んだアンデルセンは、次に地図、そして名簿を広げた。 しかし、突然の来訪者により、それは中断する。 ■ 月光の下、二人の非人間が出会う。 一人目――戦闘機人、クアットロから声をかけた。 言いだしは極めて一般的なものだった。殺し合いに乗っているかどうかとか、真っ当な人間が口にすること。 別に目の前の男に危険を感じなかったし、騙すなら武装がないほうが良い――そんな理由で、クアットロは武器を持たなかった。 ISだってある、たかが人間ごときに遅れを取るようなことはない――自身への自信、それ故の慢心。 しかし、そんなクアットロの問いかけに答えず、男は月を見るばかり。 流石に不審に思ったクアットロが行動に移るより先に、男は言った。「今夜は月が綺麗だな」、と。 そして男はデバイスを構えた。月明かりに十字の影を作るそれは、見覚えがあるものだ。 それから男は、「我々の神を侮辱した貴様らに容赦はせんよ」、と口にする。 初対面の筈だが――と言う言葉が浮かぶより早く、クアットロの体が宙を浮いていた。 落下、それから衝撃。そこで漸く認識する。自分は、目の前の男に殴り飛ばされたのだ、と。 倒れ伏すクアットロに、ゆっくりと男が近づく。その過程で男は話す。 何故、クアットロの事を知っているのかを。 曰わく、貴様らに付いての報告は電話で受けた。曰わく、マクスウェルから容姿の説明を聞いた……etcetc。 どれも全くクアットロの身に覚えのない話だが、男に嘘をついている様子はない。 そうしてクアットロの元に辿り着いた男は、四文字の言葉を口にしながらデバイスを振り下ろし――銀色の大きな魚に受け止められた。 この場に乱入したもう一人の男。こちらも声をかけてきた。どうやらこの男もクアットロのことを知っているようだ。 正直わけが分からないが、この男から害意は感じられない。話を合わせておいた方が良さそうだ。 急に襲いかかられただの、知らない相手だのと説明――殆ど事実――その間も切り結ぶ二人。 どちらも戦闘機人に勝るとも劣らない――勝っているのでは、とさえ感じる動き。 しかし、二人とも顔が苦い。まるで本調子では――本調子を発揮できないとでも言うような。 そうして幾たびの応酬ののち、大魚使いはクアットロに襲い掛かった男を跳ね飛ばし、何やら呪文を唱えて、襲い掛かった男を凍結。 それから男は手を取り、クアットロを抱えるとお姫様抱っこでその場から離脱した。 「クアットロ……すまない。遅くなって」 そう告げるアンジールに知る由はない。 目の前クアットロは、自分の知る存在でないと言うことを。 【一日目 深夜】 【現在地 F-5】 【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】健康、消耗中 【装備】レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER 【道具】支給品一式、ランダム支給品(確認済み:0~2品) 【思考】 基本:妹達(クアットロ、チンク、ディエチ)を守る 1.チンクとディエチを保護する 2.セフィロス…… 【備考】 ※第七話終了~第八話、からの参戦です ※クアットロが自らの知る者でないと気付いていません ※制限に気が付きました 【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】左腕に大ダメージ 【装備】なし 【道具】支給品一式、ランダム支給品(確認済:1~3品) 【思考】 基本:この場から脱出する 1.目の前の人間に話を合わせる 2.他のナンバーズともコンタクトをとる 3.聖王の器の確保 【備考】 ※地上本局襲撃以前からの参戦です 「次は殺す、必ず殺す」 凍結から脱出したアンデルセン。 憎々しげに、月夜にひとりごちた。 【一日目 深夜】 【現在地 F-5】 【アレクサンド・アンデルセン@NANOSING】 【状態】健康、消耗中、ダメージ中(回復中) 【装備】グラーフアイゼン(3/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、各種弾薬(各30発)、カートリッジ(27/30) 【思考】 基本:この場から脱出する。売女(プレシア)の言うとおりにするつもりはない 1.最後の大隊は鏖 2.異教徒共と化け物共については一先ず保留。ただし殺意を抑えられるか……? 3.脱出に必要な情報を集める 【備考】 ※第九話以降の参戦です ※制限に気が付きました ※クアットロが魔法少女リリカルなのはStrikerSからの参戦とは気付いていません ※グラーフアイゼンはアンデルセンを警戒しています 少女、その想い 本編時間順 狂奔する正義 少女、その想い 本編投下順 狂奔する正義 GAME START! クアットロ - GAME START! アレクサンド・アンデルセン - GAME START! アンジール・ヒューレー -
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/2047.html
crosswise -white side- / ACT3 『Glossy MMM』(1) ◆ANI3oprwOY /追憶 目を閉じれば思い浮かぶ、それは過去の情景だった。 かつて、世界は灰色に見えていた。 人も、町も、空も、自分の外側に位置する全てに色彩が無い。 モノトーンで統一された風景。 東横桃子という少女にとって、かつて世界とは、そんな形をしていた。 桃子は生まれつき、極端なまでに存在感の希薄な少女だった。 他人の視野にいてもまず気づかれない。 伸ばす手、投げかける声は他人へ届かない。 過剰に、派手に動いたときようやく周囲は桃子を見るが、 けれどそれも一時のこと、すぐ後には忘れ去られた。 例外は無い。 クラスメイト、担任の先生、両親さえも。 全てが等しく桃子を見落とし、そして何かの拍子に気づいたとき、声をそろえて言うのである。 『影の薄い子だ』、と。 そう評価したことさえ、きっと彼ら彼女らは既に憶えていないに違いないと桃子は思う。 桃子は当たり前のように忘れられて、至極自然な成り行きで他者の視野にいなかった。 人と出会うその度に、桃子は心の中で『天秤(はかり)』を思い描く。 台座から伸ばされた二つの皿。乗せる錘は他者の価値と、自分という存在の価値。 人と人が関る意味の重さを量る、それは一つの指標である。 結果、かたんと音をたてて振り切れる他者。 浮き上がる、桃子の軽さ。 つり合わない。 それはいつもいつも同じ結果で、 だからやがて量り続けることにも飽いた時、桃子はふと天秤の上から自分をどけた。 量るのをやめることに、コミュニケーションを止める事に、特に未練はなかった。 事実、辛いと思ったことなど一度もない。 色あせた景色への思いは酷く冷めていた。 触れても届かず、呼んでも響かない。 繋がれない、結べない。己の痕跡は一つも残らない。 そんな世界は俯瞰風景でしかない。 だから桃子にとって、世界は灰色に見えていた。 人も、町も、空も、等しくモノトーンの色調で統一されている。 辛いも何も無い。 他者にとって桃子が軽いように、桃子にとって他者は軽く。 関ることに意味を見出せない。 世界にたった一人きりのような、 それは生まれてからずっと続いていた日常であり、桃子にとっては常識の光景だった。 けれどそんな生活にも慣れきって、飽き始めたとき、ふと思うことがあった。 『東横桃子とは、はたして本当に存在しているのだろうか?』、と。 空虚な景色。モノトーンの人々。 だけどそれは、本当はどちらの側なのだろうかと。 桃子が眺める人々は、皆他人と関っていた。 当然のように絆を結んで、そして笑顔を浮かべていた。 楽しそうに、嬉しそうに笑っている。 他人と関る。見てもらえることに、意義を感じること。 それが絶対多数の、世界の常識なのだという。 ならば、それが出来ない者は、果たして存在していると言えるのか。 東横桃子は、ここにいないのではないか。 世界に存在しないのではないか。 本当に灰色なのは、モノトーンの色調なのは、自分の側ではないのか。 ――私は存在しない。 ここにいて、何処にもいない影法師。 己は存在しない存在だから、誰とも関る事はない。 だとしてもやはり哀しいとは思えなくて、だから切なさに似た、諦観を抱く。 ――私はどこにもいない。 気づけば口癖となっていたその言葉。 呟くほどに真実味を帯びていて。 だからあの日も、桃子は確信して言ったのだ。 ――あなた達には、私を見つけられない。 手が触れる事は無い、声が響くことも無い。 絆を結ぶことなどありえない。 いま桃子に興味を持ったらしいこの人も、いずれ忘れるんだろう。 日常はこれまでどおりに回り続ける。 世界は変わらず、 持ち上がった天秤の上、そこで私はいつまでも、留まり続ける。 そう、信じていた。 『私は――』 だからこそ忘れない、景色がある。 あれは変わらず灰色の教室で留まっていた桃子の信仰を、 常識(はかり)を粉々に打ち砕いた彼女の、力強い声だった。 『私は君が欲しい――』 今も、胸に響いている。 思えば桃子自身にとっても、他人の声が胸に響いたのは初めてのことだった。 他の誰でもない己を求める誰かに、初めて心を動かされた。 あの時、気づけば足が動いて、手を伸ばしていた。 それは抗えない衝動だった。 生まれて始めて感じる想い。 これが何なのかはわからない、感じたことのない気持ちだから。 知れたことが嬉しいのかも、知らなかったことが悲しいのかも、主観では分らない。 それでも桃子は、何となく理解してしまった。 もう戻れない、と。 知ってしまえばこれなしでは生きていけない。 それくらい膨大な、当たり前すぎる感情の奔流。 つながりたい。 求められて嬉しくて、だから求めてしまう。 触れたくなる。声をかけたくなる。 とっくに擦り切れていたはずの、感情が止まらない。 ――おもしろい人っすね。 今まで誰一人選ぶ事の無かった桃子の価値を、唯一拾い上げてくれた人。 初めて自分を見てくれた人。 東横桃子を選ぶと、言ってくれた人がいた。 嬉しいと、そう、思った。 ――こんな、私でよければ……。 桃子の手が、彼女の手に、触れる。 あの瞬間に世界が一変したのだと、桃子は今でも信じている。 もしかすると、あの瞬間にこそ己は世界に生まれたのかもしれないと、そんな風に思うほどに。 手と手が繋がった瞬間に、色が弾けたような気がしたのだ。 寂しいモノトーンの色調に明るい彩りが与えられ、淡く輝き始める。 世界が色で満たされて、きらきらと輝く、宝石のように感じられた。 その色彩の全てはただ一人、彼女がくれたものだ。 世界の何処にも存在しなかった東横桃子に、世界を、繋がりを、絆をくれた人。 彼女がいない世界はきっとまた白んでしまう。 灰色の空虚な、そんな場所にもう、戻りたくなどない。 だからこの身は、貴女のために。 彼女がくれた世界を守るために。 そして、取り戻すために、東横桃子は戦おうと決めたのだ。 「先輩、見ててください」 過ぎる回想を終え、 目を開けば広がっている、それは過酷な現実に他ならない。 戦場は苛烈を極め、正に地獄の鉄火場だ。 敵の強大さも、己の脆弱さも重々承知している。 だが、それでも往くことに迷いはない、恐れもない。 「ここから先は――」 さあ今こそ、在りし日の言葉を現実にしよう。 「ステルスモモの独壇場っすよ」 この世界から消えてしまった彼女へと。 今度は桃子が、生を返す番だから。 □ ■ ■ ■ ■ crosswise -white side- / ACT3 『Glossy MMM』 □ □ □ □ ■ /Glossy MMM(1) 殺戮の轟風が吹き荒れる。 立体駐車場内部への進入を成し遂げた一方通行の存在とは即ち、 拠点深くへと打ち込まれたミサイル弾頭に等しい。 後はその役通りに炸裂し、内部の者を残らず粉砕せしめれば彼の勝利となるだろう。 「大量ォ大量ォ!!」 真紅の目が喜色に染まり、口元が笑みに釣り上がる。 うざったいデカブツには無視できない損傷を与えてやった。 最早味方を庇うに足る装甲は持ち得ない。 役割は砕いた。勝負アリだ。 能力殺しの女も、武器を砕いて突き落とした。 おそらく死んだろう。 生きていたとしても、今視界に映る雑魚を皆殺した後にデカブツ諸共纏めて殺せばいいだけだ。 機能を失った盾、刃を失った矛。 もはや脅威に値しない。 いま視界にあるだけで敵は三つ、当然の如く瞬殺する。 瞬殺、そう瞬殺だ。 目前にある敵に、先ほどまで相手取っていたようなチカラは無い。 触れれば砕ける脆い凡俗。 二秒も掛からず皆殺してやれるだろう。 破壊の魔手が伸びる。 第一に選ばれた標的は暦とインデックスの二名。 床に転がる天江衣の死体を前に呆とするインデックスと、彼女を庇おうとする暦の背中。 この上ない無防備と脆弱。 かける情けなど、今更持ち合わせていよう筈も無い。 故に、それを阻むものがあるとすれば一つのみ。 伸びる魔手へと振るわれる拳。 暦とインデックスを背後から飛び越えたスザクが撃ち放つ、迎撃の一撃だった。 この世の全てのベクトルを狂わし壊す一方通行の腕が、同じく一本の腕によって弾かれる。 可能とする要素とは魔術でも能力でもなく、技だ。 驚異的身体能力が可能とする、先の戦闘で反射の壁を突破せしめた絶技である。 それも一撃で終わりはしない。 一方通行の攻撃を弾く腕の一撃から間断無く、二撃目の健脚が撃ち上がる。 「邪魔だ」 スザクの冷え切った声が追従する。 切り裂くように繰り出された回し蹴りによって、一方通行の細身が大きく後方へ吹き飛んだ。 更にそれを追う視線。 一方通行の赤き眼を見返す、紅き眼。 焔の如き眼光が倒すべき敵を見据えている。 「そいつァ、こっちのセリフだろォがスゥザクくゥン」 それにレベル5は臆する事無く異常を発動させていく。 吹き飛ぶ一方通行の勢いは圧巻だが、それ自体は特段不可思議なことはない。 助走と踏み込みを最大に乗せたスザクの蹴撃。 細身の体重であれば、数メートルは中空を飛ぶであろう衝撃である。 であれば、異常とは体の吹き飛ぶ方向(ベクトル)にあった。 本来、跳ね上がる一方通行の体は立体駐車場の柵を越え、落下を免れなかった。 スザクの狙いも、勿論それだ。 突き落とすことで殺すことは出来ずとも、時間を稼げると踏んだのだ。 しかし正面へ蹴り飛ばした筈の一方通行は何故か斜め上方向へと弾かれている。 異常の原因を探る前にスザクの五体は動いていた。 疾走は、蹴りを放った直後に開始している。 上昇する一方通行の手が立体駐車場の天井に触れ、コンクリートがピシりと音をたて罅割れた。 受けた蹴撃の力のベクトルを転換し、伝えた結果である。 次いで床に降りてくる彼が同じ現象を床に使えばどうなるか。 一方通行は直接スザク達を害せずとも、地盤そのものを崩せば致命打を与えることが出来る。 即ち、立体駐車場そのものの崩壊。 この『場』に、触れさせるわけにはいかぬ、と。 スザクは一方通行の落下する軌道にスライディングで滑り込み、アッパー気味の拳打を打ち上げる。 結果、狙い違わず命中。しかし異常はまたも現れた。 真正面へ吹き飛ばす勢いで放った一撃が入ったにも拘らず。 一方通行はスザクの思慮外の、背後へ弾かれ飛ぶ。 (残り、どれくらいだ……) 振り向きつつスザクは己の勝機を、攻防に加速する脳回路で計算する。 一方通行の制限時間、正確なリミットを知らないスザクであったが、 ここまで常にグラハムと式を相手取っていた敵の猶予は、そう長くないであろうと当たりをつけていた。 一旦この場から離れ、高層ビルの投擲を行おうとしないのが証拠である。 しかし持ちこたえるにも限度があり、スザクの押えきれる期間で勝機にたどり着ける目算はない。 故に撤退こそが最良の選択であると。 「――三分だ」 叫ぶ言葉、向ける人物は背後にいる一人の少年。 撤退までの時間稼ぎ。『持ちこたえる限界。義理を果たす時間』。 これが最後の干渉だと彼は決めていた。 少しばかり、負い目はある。 視界の端にチラリと映った、赤色流れ出す少女の死。 だからせめて、そのくらいはやらなければ、此処を離れる事を己自身が許せない。 「それまでに君が、動かせ」 けれど、これが最後になるだろう。 三分。生きるため、区切りをつけるため。 手を貸してやれるのはこれが最後であり、限界。 だからそれまでに己自身で活路を見出せと、枢木スザクは告げていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ /Glossy MMM(2)/あるいは阿良々木暦の俯瞰風景『残骸』 どういうことだ? どうなっている? どうすればいい? 疑問が回る。 グルグル逆巻いて混乱して、僕の脳は疑問符だけで満たされ合わさりグチャグチャに溶けている。 動いてしまった戦況で僕は何かをしなければならない筈で、でも何も思い浮かばなくて、だから考えなくてはならない筈であり、だけど、できない。 何も考えられない。 思考が前に向かない。 足は動かず。 心は固定され。 視線はソレに釘付けになっている。 何が起こったのかを理解できず。 でも結果は、変えられない結末が目の前にある。 たった数秒を遡れば、笑っているあの子がそこには居た。 なのに目の前を見れば死んでいる。 死んでいる。 天江衣は死んでいた。 死んでいる。 死んでいるようにしか見えない。 生きている希望なんてない。 だって死んでいるから。 立体駐車場の、薄汚れた床の上に倒れて血を零している。 彼女の胸には穴がある。 細い、僅かな、だけどこれ以上無く惨たらしい。 焼き切れたような小さな穴、ただの孔だ。 けれどそれは少女にとってあまりに致命な、十分すぎる傷だった。 分っている。死んでいる。 どう見ても、どんな風に見る角度を変えても、触っても、揺すっても、声をかけても、彼女は二度と動かない。 僕は失敗した。 また失敗した。 また死なせた。 あの一瞬、いったい何をすれば救えたのか。 そんな後悔と、取り返しのつかない追想は紛れもない時間の無駄。 耳には破壊の音と、今も戦い続ける枢木の声が聞こえている。 僕にはやらなきゃいけない事があって、でも、だから何だって言うんだ、とか。 そんな風にしか思えない。 だから僕が――この時、動くことが出来たのは間違いなく、 「ぁぁ……ぁあああああああああッ!!」 隣に違う誰かがいたから、だろう。 「――?」 偶然隣にいたその誰か、インデックスの声無き疑問が聞こえる。 彼女は自分の修道服に光の刃が突き刺さっていることに気づいておらず。 だから僕によって唐突に片腕を掴まれ、勢いよく引っ張られ少しだけ表情を変えた。 一瞬遅れて駆け上がってくる閃光の刃が、インデックスの鼻先数センチを薙いでいく。 じゅぅ、という焦げる音と共に、彼女の前髪が数本溶かされ宙に舞った。 コンクリートの床に銀髪が落ちるよりも早く、僕とインデックスは折り重なるように倒れこむ。 かたや引っ張った勢いそのままに、かたや引っ張られた勢いそのままに。 衝撃と、硬い床の感触を味わった。 先に倒れた僕がクッションになり、インデックスが床に叩きつけられる事は無かったみたいだけど。 「へぇ、この武器なら貫ける、と思ったんすけど」 床に倒れた僕の上、インデックスの、さらに上から声は聞こえた。 聞き覚えのある声だった。 「やっぱり顔面とか狙わないと効かないみたいっすね」 もう一つの現実がいた。 天江衣が死んだ。 死んだということは当然、殺した奴がいる。 そう、ここには、いま僕の目の前には、 「東横、桃子……」 天江衣を殺した、東横桃子がいた。 背後、落下防止の柵の向こうで燃えるビル街を背景に、 前に見た姿と同じ、だけど変わっている姿でそこにいた。 相変わらずの、ゆらゆらと形を留めない歪んだ輪郭。 肩辺りまで伸びた黒髪。 前髪の中でも特に長い二本が目にかかっている。 その向こうから僕とインデックスを見下ろす瞳は、酷く玲瓏だ。 うっすら見えるその姿はどこかの高校の制服を身にまとい。 けれどそれは彼女自身の血で滲んでいた。 右の袖は破れ、左の肩口は切り裂かれ、スカートもボロボロに擦り切れている。 前に見たときと違う、傷だらけの体。 それでも、彼女はこのスタイルを崩す気はないようだった。 「はい。久しぶりっすね、阿良々木さん」 明るく、けれど冷たく話す彼女の手には、一本の鎌が握られている。 銀の柄と、実体のない矛先。 天江衣を殺した、死神の鎌。 そしてついさっきも、インデックスを狙っていた光の刃だ。 あと一瞬手を引くのが遅れたら、彼女の顔面は凶刃に抉られていたのだろう。 「にしてもその服、いったいどうなってんすかね。ルルさんが使ってたやつ以上っすよ多分」 接近に、気づけたわけじゃない。 今この時まで東横の姿は見えなかったし、鎌が振り下ろされた事すら察知出来なかった。 何故気づけなかったのかという疑問は尽きいけれど、気づけた理由は明らかだ。 天江の体を呆気なく貫いた刃はどうしてか、インデックスの修道服を切り裂くことが出来なかったらしい。 僅かな猶予があった。 インデックスの胸部で止められた閃光の刃、それが頭部へと駆け上がる前に隣にいた僕は動くことが出来た。 「ぐッ……」 肉の焦げる臭いと鋭い痛み。僕の腕から発せられている。 インデックスに攻撃を加えられた際、焼き切られた僕の二の腕、 おかげで気づけたけれど、もう片腕しか使えない。 「お前、なん、で?」 不可思議な隠匿。 ついさっきもこんな事があった。 天江が殺されたとき、いやもっと前、設置されたガレスの存在に気づけなかったときから。 いや違う、思えば彼女と出会った瞬間からだ。 気づく。 こいつはずっと、存在していたのだ。 誰の目にも映らずに、あの鎌を携えて、ずっと僕らの目の前で。 向かいのビルに潜んでいるという、僕らの予測を嘲笑うように。 「変なこと聞くっすね。 私が優勝狙いってこと、前に言った筈っすけど」 機を窺っていた。 なぜ気づけなかったのか、もう疑問すらない。 見つからないこと、それが彼女の力。 それはそういうものだと。 東横が天江と同じ世界の出身だと知った今なら、理解できる。 「なぜ私がここに居るのか、ってことなら、 『ここに居たから』としか言いようがないっすね。 ええ、むこうのビルに居るっていう、あなた達の予想は大ハズレっす。 あそこに在るのはロボットだけっすよ」 東横は答え合わせするように、左手に持つ物を僕にむける。 黒いトリガー。銃じゃない、コントローラーのように見える。 おそらく枢木が持っていたものと同じだ。 「こんなふうに、ね」 同時、東横の背後で動きがあった。 柵の向こうに見える対面のビルの、屋上にあった東横のナイトメアフレーム。 枢木がガレスと呼んでいた機体が僕らのいる立体駐車場へと向き直る。 「それとも、なぜ天江衣を最初に狙ったのか、ってことっすか? 単純に、彼女は邪魔になるってだけっすけど。 生かせば不利に、殺せば有利になる存在。 ま、要約すればそれだけのことっすよ」 現にそうなってるでしょ、と。 東横は僕の背後を指差す。 確かに、してやられた。 完敗。 これはそういうことなんだろう。 エピオンは落ちた。 式の刀は砕かれた。 希望に見えた天江の力は死をもって終わりを告げた。 そして、極めつけがこの状況、一方通行の接近。 たった一人で不落の大敵を相手取る、枢木の戦場。 最後の抵抗が、ここに残る全て。 ――三分だ。 風に紛れ、枢木の声が聞こえていた。 三分。たった三分が限界の戦場。 それだけが僕らに残された時間だ。 ――それまでに。 ああ確かに、枢木に出来ることはコレが限度なのだろう。 三分もたせることが限度だと、 命をかけるその期間が最後の義理立てだと言っていた。 薄情だなんて思わない。枢木には枢木の事情がある。 ここまで力を貸してくれただけでも、あいつは良いやつなんだろうと、そう思う。 だけど、僕に何が出来るというのだろう。 「で、どうするつもりっすか?」 死神の鎌と機兵の手綱を構えて、東横は僕に聞いてくる。 お前に、何が出来るのか。 何も出来ない。 天江衣の死で、僕の意思は挫かれた。 為そうとした悪あがきは終わってしまった。 ここに居るのは負け犬。無様で惨めで、どうしようもない敗者。 潔く座りこみ、三分以内に枢木を殺すだろう一方通行の手に掛かるのが分相応な運命かもしれない。 手早く東横に首を差し出すのも悪くない。 なんて言えてしまえる。 ここにいるのが、僕一人だけならば。 「下がってろ」 僕は、僕の意思に反するように動いていた。 立ち上がり、動く片腕で持っていた銃を東横に突きつける。 傍らのインデックスを動かない方の肩で後ろに押し下げ、庇う。 まだ続ける、抵抗。 インデックスの表情は、やはり変わらない。 血涙を流しながら、天江の死体を見つめ続けている。 そんな彼女を僕は守ろうとしていた。 天江が死んで、泣く間も無く、絶望する間も無くとった動き。 「んー、理解できないっすね」 どうやら東横をして、これはそういう評価らしい。 「知ってますよ、それ」 鎌の先をインデックスに向けて、彼女は笑う。 「主催者の一人っすよね。なんでこんな所に居るのかは知らないっすけど」 目に怒りも悲しみも浮かべてはいない。 しかし不快であることは間違いないようだった。 「それが存在しなければ、こうはならなかったかもしれない」 言う意味は理解できた。 僕も考えたことが無かったわけじゃない。 主催という存在。僕らをここへ呼び込み、殺し合いを強制した者。 インデックスの事情はどうあれ、その一人であることは変えられない事実。 可能性としてある。 彼女が存在しなければ、誰も死ななかった可能性。 僕が、彼女を、皆を、失わなかった可能性。 可能性上の悲劇の発端、何も知らない僕達にとって彼女は悪の象徴だ。 「なのにあなたは、そんな人すら庇うつもりっすか? 何の対価もなしに」 東横の笑みが、歪んで止まる。 「天江さんを守ろうとしてた時も、そう。 今も、そう。 阿良々木さん、あなたはきっと誰にだって、そうする人っすね。 あなたが助けるのは、傷ついた人がそこにいるからで、ただそれだけ」 その目はどこまでも冷たい。 いつか、幾人かの人たちに言われた言葉を思い出す。 ――阿良々木くんが私を助けたのは―― 愛無き、献身。 「ああ……そうみたい……だな」 「理解できないっすね、私には多分、永久に」 お前とは違う、と。 断絶を示すように、東横の言葉は嘲りに近い宣告だった。 相容れない、受け入れない、故に話し合う余地は無い。 宣戦布告。僕は応じるしかない。 ここでインデックスを見殺しに出来ない以上。 そしてその為に、生きる事を止められない以上は。 「理解なんていらない……いいからこいよ。相手になってやる」 ――そんな、あなただから―― でも、そんな僕を、どうしようもない僕を、あいつは好きになってくれたんだって、信じてる。 だから僕は未だに動きを止める事ができないんだ。 その点でどこまでも、たぶん僕はどうしようもない奴だから。 戦うしか、ないんだ。 彼女達を裏切らないためにも。 彼女が好きと言ってくれた僕を、裏切らない為にも。 一度や二度、絶望したくらいじゃ、自分なんて止められない。 ◇ ◇ ◇ ◇ /Glossy MMM(3) 多少、時系列は前後する。 一人の少年と一人の少女が対峙したその時分においても、 変わらず騎士と怪物の死闘は繰り広げられていた。 「つァらッ!!」 暴虐の限りを尽くすレベル5。 「―――ォッ!!」 駆け抜ける白の騎士。 「オマエも諦めのわりィこったなァ」 中空にて白貌が哂い、蹴り砕いた柱の瓦礫で形成した散弾を乱射する。 対し、猛進する騎士は嘲笑の声など気にも留めない。 目前にて滞空する敵を追う脚は未だ止まらず、 床を蹴り壁を跳ね、変幻自在の軌道で疾駆する。 地盤を砕かんと落下する一方通行、させじと迎撃するスザクの腕。 破壊の手が床に触れる直前に打ち込まれる拳。 過不足の無い、本気の一撃だ。 通常、反射の壁に守られた一方通行を全力で殴りぬけばどうなるか。 数倍の威力を跳ね返され、拳および手首の骨を粉砕されることは自明である。 更に悪ければ触れる腕部をそのまま捉えられ血液逆流内臓破裂、致命の反撃を受けてしまうことだろう。 しかしスザクが例外であることは、これまでに示されている。 絶妙な精度で磨き上げられた体躯。 天より与えられた武闘の才覚。 そして本人の弛まぬ努力。 以上三つが、なんら異能を持たぬスザクを天災級の超能力と相対させるまでに押し上げた。 『攻撃の引き』で反射を抜ける。体得した技術はこの空間において遺憾なく発揮されている。 異常を殺す、異常の体技。 ならば真の異常は、それこそ通じていないという異常である。 そも、スザクの拳をまともに受けているならば、一方通行が未だに立てている道理は無い。 不可解。 道理の通りに当たる攻撃に対し、道理の通りに動かない事象。 あまりにも足りない、手ごたえ。 唸る拳が都合三度目の直撃を為した頃には、スザクにも事の次第が推測できていた。 「ンだァオマエ……反射を抜けりゃそれで俺を潰せるとでも?」 宙を舞う、悪魔が哂う。 「ボケが、『攻撃が効かない』程度の能力(レベル)なンざ、ザラに転がってンだよ」 あの都市ならば、己を守る防壁を備えた手合いなど別段珍しく無い。 レベル5の頂点たる力を、単純に鎧を剥いだ程度で破ったと、 そんなものは思い上がりもいいところだ。 「ちィとばかし『設定』を変えりゃいいだけだ、それだけで……」 スザクの四撃目、正拳突きから繋げて放つ上段回し蹴りが、一方通行の脇腹に喰らいつく。 その命中の瞬間にスザクは見た。 一方通行自身に反射されるはずの力が、僅かにズレる光景を。 「――ッ」 直感。迸る予感に任せ腕を曲げ、足を捻る。 訪れた結末は先ほどと同じ現象。 不可解な方向に一方通行の体が弾かれ、スザクの手足にも多大な負荷が科せられる。 反射は起こらないがダメージも通っていない。 今この時、死線を潜ったのだと、背筋を走る悪寒が告げていた。 電流のように流れる思考が現象を分析する。 六感で働かせる思考によって齎された答えはつまり、 これは反射ではなく――屈折。 力を分散させて弾く、『対反射』に抗する防御の形。 一歩間違えれば反撃を許していた。 逆に、もしもスザクが一方通行の屈折の方向性を予測できるのであれば、攻撃は通ったはずだ。 例えば一方通行の能力を開発した科学者のように。 敵の思考パターンを網羅していれば、スザクの優位は揺るがなかったかもしれない。 設定の変更に合わせて攻撃のパターンを変えればいいだけなのだから。 だがスザクは科学者ではない、騎士なのだ。 能力を使うか使わないか、砕いて言えば攻めるか否かを見極める嗅覚ならば持ちえよう。 しかし攻撃をいなす際の癖や、無意識下の思考の傾向を即断して動くような『一方通行のエキスパート』ではない。 となればこの時、スザクの拳は本来の威力を奪われた砲も同然である。 「きはッ、うぜェ」 しかし一方通行もまた、一歩先んじているとはいえ、スザクを捨て置くという判断は不可能。 存在するだけで『反射は無効』という制約がついて回り、向ってくる以上は相手にする必要に迫られる。 つまりスザクの行動は、一方通行の妨害という役目を確実に果たしていた。 本来、接近を許した時点で確約されていた全員の死、リミットを引き伸ばし続けている。 感情を殺すように無情の貌で、地を蹴り続けるスザク。 感情を塗り潰すように激情の態で、宙を舞い続ける一方通行。 戦闘開始から数分と経過してはいないにも拘らず、二人の死闘の密度は一刻の時を超過して余りある域だ。 弾丸の如き速度で宙を飛ぶ一方通行は無双の異能を発現する。 反射破りの弱点を半ば克服し、未だ健在の能力を振るう彼は最強の称号を揺るがせない。 追いすがるスザクの地力もまた驚嘆の域。 『生きろ』というギアスの効果が及ぼす絶対回避の体技と心技が、今をもっても異の理を砕こうと疾走を止めない。 一方通行の死とは、即ち異能の限界がいつに迫るかということだ。 スザクの死とは、即ち人体の限界がいつに迫るかということだ。 誰よりも異能を極めた一方通行と、誰よりも人間を極めたスザクの、これは鬩ぎあいに他ならない。 「そォらそら止まってンじゃねェ!! 死ンじまうぞォ!!」 挑発と共にチカラによって弾け飛ぶ瓦礫の礫。 舞い上がる大量の土砂が、怪物の手に触れると同時に撃ち出され戦場を包む。 安全地帯、無傷の空間は存在しない。 何処に逃げようが少しでも留まった瞬間に撃ち抜かれて潰される。 「――っ」 だがここに、歩みを止めぬ人間は己の死を許さない。 襲い来る弾丸を避け、踏み出したその場所が潰されるより尚早く次の場所へと。 愚直に愚直に、譬え一瞬だろうと止まらぬ、前進し続ける。 それは枢木スザクがこれまでずっと繰り返してきたこと。 足を止めるなど彼にとっては論外も甚だしい。 故に挑発には答えず、視界を埋め尽くす攻撃を踏み越え、肉薄。 「一つ、質問する」 柱を蹴って跳躍し、一方通行のその青白い頬へと拳を撃ち込む。 激突音と炸裂音が木霊する鉄火場で、声は消される事なく当人の間に繋がった。 「今更なンだよ?」 殴りつけられ、吹き飛ばされ、しかしダメージは皆無。 斜め後ろ方向にきりもみ回転しつつ、一方通行は続く言葉を待ち受けた。 「上条当麻を殺したのは、君か?」 「…………」 その問いに何の意味があったのか。 やはり当人の間にしか分らない。 しかし変化は、あった。 「そンな、ことかよ」 瓦礫と土石の弾幕を張り巡らせる一方通行の口端。 僅か、常と違う形に変化する。 「――くっだらねェー!!」 持続する暴虐によって一瞬だけ、スザクの攻めが遅延した瞬間。 一方通行の手が僅か、コンクリートの床に掠る。 ただそれだけで、及ぼされた効果は絶大だった。 地盤がめくり上がり衝撃が伝い、 攻撃はスザクだけでなくこの『場』そのものの耐久力を著しく減衰させる。 「何を聞くかと思えば――はァ、真剣にくだらねェなァ。ハハはハハはハハっ!!」 「答える気は無しか」 「――あ? がっ!!!」 優勢が決まるかと思われたのも束の間。 一体如何なる間隙を見切ったのか、 瞬時に接近していたスザクの蹴り上げが、一方通行の下顎を跳ね上げていた。 攻守、優勢、共に逆転。 「が……あ……な――」 対応の遅れた五体は天井に叩きつけられ、血の飛沫が散る。 「ンてな」 ぺろり、と。 舌がその血を舐めとっていく。 天井で張り付くように静止した一方通行。 真下の床にて、構えを崩さないスザクは総身を襲う脅威を察知する。 浅かった。 まだ、殺り切れていない、と。 「じゃあ、逆に聞くがよォ」 発せられた呪詛のような言葉と同時、現象が発生した。 「オマエ、アイツが殺されると思うのか?」 一方通行の受けた力、増幅する。 スザクが追撃を加えるまでに許される、力の及ぶ範囲数メートル。 触れていた天井が、円形に消し飛んだ。 「アイツが、」 無論比喩である。 在ったモノを無くす力は一方通行の領分ではない。 「俺以外の、」 実態は、天井を形成していたコンクリートが、違うものへと形を変えた。 「一体誰に、どうやって、殺されるってンだあァ――言ってみろよォォォォ!!」 形成するは槍の刺突。 一方通行の背後に、五つ。 砕けたコンクリートを固め織り成した、細く鋭利な串刺しの矛先。 「そうか、やはり君が」 スザクの五体を刺しぬかんと、降り注ぐどれ一つヒトの力では止められない。 回避しようにも今度こそ難関を極めた。 故にスザクはその力を利用する。 一方通行自身が生み出したベクトルを、己に利するように活用せんと跳躍し―― 「――ッぐッ!!」 地鳴りと土煙。 呻きと再度、迸る血飛沫。 今度はスザクのものだった。 ぽたり、ぽたり、と赤が床に零れ落ちていく。 「あァ? ひゃははははっ、オマエ、頭おかしいンじゃねェか?」 土煙の流れた瞬間。 狂笑が称えるように送られる。 瞬時に五メートルもの距離を移動し、串刺しの槍を回避した存在へと 赤き裂傷が脇腹に刻まれているが、致命傷を逃れた騎士へと。 立ち上がる枢木スザクへと、向けられたものだ。 いかに人体の限界を超えようと、人の身には不可能な回避。 それをスザクは自ら降り注ぐ槍へ跳躍し、打ち上げた蹴り足を攻撃に当てることで為した。 躱しきれぬならば敵の攻撃に接触してでも、己の座標を変えればいい。 一方通行の攻撃の余波、膨大な威力を逆手に取る半ば破綻した戦術。 「上条当麻を殺したのは君だった。だからこそ分からない事がある」 なのに、ここまでやっても完全回避とはいかなかった。 脇腹は掠った槍が大きな切込みを入れ、槍の側面を蹴った右足は痺れて感覚を失いかけている。 折れているならば最悪。ヒビならば今後もう無理は利かない。 それ以下ならば、僥倖と考えている。 「活きがいィねェ。まだやれンのかよ」 損傷の具合は戦いながら知るだろうと。 立ち上がり、回避から攻めに切り替え、間を置かずスザクは駆けていた。 焼け付くような脇腹の痛みは黙殺。敵は一秒すら待ってくれない。 「彼の強固に触れて尚も、君はその、ふざけきった道を行くのか」 駆け続ける足はまだ保てる。 しかし現在進行形でスザク自身が紛れも無い死線を潜り続けていた。 やはり反射破りが対策されていた現状、勝ちは拾えない。 機能する時間はたった数分、動き続けるスザクが自壊する限界まで。 もう、長くはないだろう。 「ああ、とォぜンだ」 そしてダメ押しの一手がここにある。 戦いが続く限り、一方通行が砕き続ける柱や天井とは紛れもなくこの立体駐車上の支柱だ。 タイムリミットにはタイムリミットの重ね掛け、二つの時限爆弾が同時並行で作動している。 「変えやしねェさ。オマエだってそォだろ」 地盤そのものの崩落が近づいている。 おそらくあと数撃、先のような衝撃が加えられればこのフィールドは崩れ始める。 地が砕け、ヒトが立つ足場が消える。 そうなっては生き延びられるものは一方通行以外に誰もいない。 唯一の逃げ筋は立体駐車場から直に繋がる避難口。 ショッピングセンター本館への退避なのだが、簡単に許す一方通行ではなく。 「ああ、だけど――」 ならばスザクが押えている間に、どうにか他の者らに逃げてもらう算段だった。 しかし何故か背後の阿良々木暦とインデックスに動きが無い。 まだ天江衣の死に囚われているのか、他の事情があるのか。 どちらにせよスザクの持たせられる限界まで、もう残り数秒に迫っている。 「君は一度、変えたんだろう。この場所で――」 次々と、支柱が砕け散っていく。 限界はもうすぐ傍に。 「どォだかな」 砕けた瓦礫の全てが散弾となりスザクに迫りくる。 視界を埋め尽くす圧殺の大瀑布。 場に障害物の増えるほどに一方通行の武器は増加し、崩れが進行するほど彼の火力は強化されていく。 今や周囲は破片と破砕に塗れており、巨大な網がスザクの道を塞ぎ前進を許さない。 同時に、 「つかそンなによォ、ゆっくりしてていィのかねェ?」 一方通行はこの空間へと、遂に完全なる着地を成し遂げた。 スザクの執拗な追走を振り切り、空間全体に直接干渉できる位置に立っている。 進めば凶弾に身を砕かれ、退けば場が崩れるのを阻めない。 つまり進退は窮まった。 散弾殺到と同時、破壊の手が地盤へゆっくりと伸ばされて。 「何のために戦っている?」 そのとき、簡素な銃声。 放たれたものは一筋の燐光。 煙る土埃の渦中から響く。 「あァ?」 閃光が意志を叩きつける様に一方通行の手の甲を弾き、一瞬の猶予を作り出す。 反射されない飛び道具。 スザクの拳と両儀式の眼を除いて、考えられる物は一つ。 「人を――ユフィを殺してでも叶えたい――」 声を発せられる者も、やはり一人しかありえない。 ここまで秘していた手段。 「君の願いは何処にある?」 質量の雨を抜け、真紅の双眸が肉薄する。 手には一丁の銃。 『GN拳銃』という、スザク唯一の武装。 簡素で単純な、しかし今確かに活路をもたらす要因だった。 両手両足で砕けない攻撃も、一瞬だけ手数を増やすことが出来れば突破可能。 「君は、何だ!?」 結局、聞きたいことはソレだけだった。 スザク自身、問いに込められた思いをどう形容していいか分らない。 けれど問わずにはいられなかった。 目前にある敵の意味。 理不尽な存在、そして僅かだが共闘関係として接した時、垣間見た彼の感情。 どれが本物か。何が真意か。曲がりなりにも、スザクの大切なものを奪った彼はいったい如何なる存在なのか。 打ち倒すべき敵の形を、答えを求む。 「はっ」 繰り出される蹴撃。 積もる感情、様々な念を込めたその問いに、一方通行は応じた。 もう、時間はあるまい。 だから最後の質問にのみ答えよう。 おそらくそれで、言葉は十分であろうから。 「クソッタレの悪党だ」 それ以上でも以下でもない。 今も昔も、この事実だけは変わらない。 だから己は、人を傷つけ殺すのだ、と。 「――ッ」 直撃する足刀。 しかし、スザクは通しきれない。 一方通行も、いなし切れない。 双方、互角。かに見えて、勝負は決する。 跳ね飛ばされるレベル5は構わず、己が自ら床に這い蹲るようにして、最後のカウントに指で触れた。 「タイム、アウトってなァ」 ステージが、崩壊する―― 「――なッ?」 「――はァ?」 瞬間、双方、巻き起こる事態に声を上げざるを得なかった。 「な……?」 一方通行が触れようとした地盤がその直前。 ずん、と。 極大の衝撃が、この空間全体を揺るがせていた。 「ちっ、誰だがしらねェが舐めた真似を――!」 怒りを顕に周囲を見回す一方通行。 虚を突いてスザクが動くことは出来ない。 彼もまた、その異常に巻き込まれているのだから。 ぐらぐら、がらがら、と重く揺らいだ音が鳴る。 それは速すぎる、“一瞬だけ早過ぎる”音だった。 予定調和の筈の誤算。 スザクの、そして一方通行が予期していたよりも更に速い、立体駐車場の崩落。 それはこの場に居た全ての者に齎された、外部からの衝撃という形で顕現する。 床が罅割れる。 天井が落ちてくる。 目前にカウントがあったからこそ防げなかった。 歪んだものは事態でなく、表示されていた数字だった。 予測可能であったが故に一方通行も、見過ごしてしまったその異常。 多少、時系列は前後する。 一人の超能力者と一人の騎士が対峙していたその時分においても。 そこで、変わらず少年と少女の会話は繰り広げられていた。 時系列順で読む Back junction <異理(コトワリ)の問答(ハナシ)> Next crosswise -white side- / ACT3 『Glossy MMM』(2) 投下順で読む Back junction <異理(コトワリ)の問答(ハナシ)> Next crosswise -white side- / ACT3 『Glossy MMM』(2)
https://w.atwiki.jp/simai/pages/277.html
第2回 (2014.07.18~2014.07.22) Southern Cross / 403 曲名 Southern Cross アーティスト名 403 / team-7 BPM 85.5 - 171 出典 NIGHTMARE CITY / Clairvoyance 参加クレジット数 6 たくさんのご参加ありがとうございました! mx-chx さん はるかぜ さん 舞茶 さん madao さん あすこ さん ぐるん さん Celeca (制作者) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/5938.html
crossbeats REV. 【くろすびーつ れう゛】 ジャンル 音楽シミュレーション 対応機種 アーケード 販売・開発元 カプコン 稼動開始日 2015年7月23日 判定 賛否両論 スルメゲー ポイント タッチパネル系AC音ゲーのデファクトスタンダード元BEMANI古参メンバー&本場J-POPアーティストによる豪華楽曲群敷居は低いがゲームの雰囲気やiOS版の風評等で敬遠されがち重めの解禁を含めあらゆる意味で「やり込み」が前提となるゲームデザイン選曲画面のUIは好評価 crossbeats REV.crossbeats REV. / crossbeats REV. SUNRISE 概要 ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 元コナミ所属の作曲家NAOKIをプロデューサーに迎えて作られた、カプコン初のアーケード音楽ゲーム。 iOSアプリ『CROSS×BEATS』のAC版ということにもなっており、共通収録曲もいくつかある。 略称は一般的に「クロビ」「ビーツ」だが、iOS版との区別等も兼ねて「REV」「夜明け前(主にSUNRiSE以降と区別して)」等と呼ばれている。 ゲームシステム 基本的には1プレイ3曲遊べる。ゲームモードは1人用「MUSIC PLAY」と、店内マッチング対戦を行う「LOCAL BATTLE」モード、そして後述のRANK POINT100以上で解禁され、SURVIVAL MODEゲージで規定4曲の完走を目指す「CHALLENGE」モードがある。 ノーマルノート ガイドラインに沿って2つの矢印が飛来し、それがぶつかるタイミングでタッチポイントとなるガイドラインの角をタップする。 他のノートも含め、同時のタイミングにあるものはタッチポイントを囲むマーカーが追加される。 フリックノート 2つの矢印がぶつかるタイミングで、タッチポイントをそのアイコンの方向へとフリックする。ガイドライン自体の向きは特に関係ないが、ラインも色分けによって他ノートと区別されている。 指をタップするタイミングは特に影響せず、指がタッチポイントを通過するタイミングのみで判定される。 そのためこれが集中する配置は直前の他ノートからそのまま引っ張らせたり、疑似的に長い軌道を滑らせるパターンになっていることも多い。 ホールドノート 4つの長い矢印が集まるタイミングで、ガイドライン交差点を矢印の終端が収束するまで押さえ続ける(離さなくてもOK)。 REVに限り、一瞬だけ離しても入力判定が途切れないようになっているため、別の指に置き換えても判定を継続しやすい。 タイミング精度の評価に応じてライフゲージが増減し、曲終了時にライフゲージが僅かでも残っていればステージクリア。 ただし通常設定では曲中にライフが底をついてもそのままゲージを回復し直すことが可能(*1)。 後述するRANK POINTで解禁される要素の「SURVIVAL MODE」や「ULTIMATE MODE」を使用した場合、ゲージが100%からスタートするがすべて失った時点で即FAILEDになる。 この2つは全体的にゲージ変動量がマイナス方向に寄って回復しにくくなるばかりか、Cool判定でも小ダメージを受けるため、クリアにはある程度の精度も求められる。 ULTIMATEではFlawlessでもごく僅かにしか回復しないが、SuperはFAILEDにこそならないもののゲージが微減・ULTゲージが一定量以下ではダメージ半減という仕様となる。 ちなみに、通常設定でCoolを出すとゲージは増加も減少もしない。またSURVとULTはコンボミス時のダメージ自体は同一。 曲終了後の評価は、大まかなタップ率によるGRADE・コンボも絡んだCLEAR RATE・そしてクリア可否に関係しない完全精度制のスコア(*2)。3つの基準は様々なので、段階に応じて各々の高みを目指そう。 なお、攻略スタイルとしては『IIDX』など大半の『BEMANI』シリーズに代表されるような「とにかく地力を上げる」ことよりは、「1曲の曲そのものや譜面等を覚え、研究する」ことが効果的といわれている。 この傾向はNAOKI氏が手掛けていた頃の『DDR』シリーズ、現行機種では『jubeat』『GROOVE COASTER』に似通ったスタイルといえる。 現行バージョンでは難易度数値による選曲制限がかかっているが、「難易度高め」と表示された譜面をクリアするだけで10Lvずつ開放されていく。 MASTER/UNLIMITEDでは同時押しのみならず、最近の音ゲーでは珍しい軸押しや混合フレーズ(*3)が非常に多い傾向にある。 独特なノーツの形状や、高難易度譜面特有の複合パターンに慣れるまでの壁は決して薄いものではないため、これは初心者があまりにも難しい譜面を選ばないようにする配慮ととれる。 他の音ゲーに慣れたプレイヤーが高難易度曲に挑んで何も出来ずにFailedして文句を言うという事があったのも事実。 評価点 最初期こそ視覚性に難があったが、大型アップデートにより飛躍的に視覚性が良くなり純粋に音ゲーとしての完成度は高くなった。 一見癖の強い本シリーズの譜面だが、ノーツから伸びる線のおかげで「ノーツが手に完全に隠れてしまう」という事態が起こらなくなっている。これまでの視認性の問題に苦心していたタッチ式音ゲーの中で傑出した点といえる。 タッチ式音ゲーとしては見た目上のタッチポイントがやや小さいが、実際のタッチの当たり判定は見た目よりも大きく、タッチ判定に違和感を抱かせない配慮がなされている。他、ハイスピードや譜面反転のFLIPといった譜面変化のオプションも使用できる。 それ以外にも背景ムービーの明暗度以外・ガイドラインの透明度・矢印の移動スピード形態・プレイフィールドの大きさといった視覚性のカスタマイズオプションはかなり充実している。 一応ノーツスキンもあり、「慣れない新スキンが見づらい」プレイヤー向けの初期仕様スキンへと戻すことも可能。 NAOKI氏が「ゲーム性を極力シンプルにし、その分楽曲や音響関連のクオリティを重視した」と語るように、収録楽曲のクオリティーに関しては非常に好評。他のどの音ゲーにもない選曲が抜群のオリジナリティを放つ。 初期アップデート後のデモ画面で常駐収録曲を自由に試聴する機能が搭載されるなど、プレイの引き込みからも音楽を重視している姿勢が見られる。 オリジナル楽曲は総じてEDMやトランス、ドラムンベース等といった正統クラブミュージック系が多いが、オリジナル・版権共にいわゆるポップス・ロック系からバラード、隠し曲も含めると俗に言う音ゲーコア(*4)まで幅広く備えてある。 主な参加アーティストはNAOKIとjun(辛島純子)・及びそのユニット「TЁЯRA」はもちろん、Tatsh、Shoichiro Hirata、SIMON、SLAKE(SPARKER)、PINK PONG、小野秀幸、SADA、RAM、桜井零二、Nhatoといった全盛期のBEMANIを味わったプレイヤーにはたまらないメンツが揃い踏み。近年ではゲーム音楽への楽曲提供が見られなかったアーティストも多く、分かるプレイヤーには涙もの。 同人・BMS出身のアーティストの何人かも書き下ろしを引っさげて登場。新規参戦のsakuzyo(削除)やJunk、アプリ版の他『SOUND VOLTEX』などでもおなじみとなったvoid(Mournfinale)/Personativeおよびyamajet、遅れてcrankyも参戦。 歌い手や同人PCゲーム方面出身の歌手ではゆいこんぬ、AZURE FACTORY(真崎エリカ)らがオリジナルのボーカル曲で参戦。この2名の楽曲は後述のオリジナルアニメムービーもあり、人気を博している。またD.C. ~ダ・カーポ~シリーズで有名なyozuca*とCooRie、同じくPCゲームで馴染み深い霜月はるか氏、民安★Rockもアプリから続投。 版権枠においては有名アーティストの公式参戦を重視しており、カバーに頼るなどということは一切していない。メジャーアーティストではGLAY、MY FIRST STORY、ANOTHER STORY、VAMPS、BABYMETAL、米津玄師といった生演奏・バンド系のミュージシャンが多く参加している。 アニメソングは最初期ではAKINOwithBLESS4や分島花音氏が参戦。追加後はKOTOKOやBREAKERZ等メジャーなアーティストや喜多村英梨氏、上坂すみれ氏ら声優の曲も。 基本的に最新~比較的新しいアニメが出典となる硬派・シリアス系の楽曲・アーティスト・MVが多く、他機種の穴をつく絶妙なチョイス。 「メジャーオープン」と称した初期アップデートでは独自のクラシックアレンジ曲および過去のカプコンゲームアレンジ曲、ANIMAX MUSIX提携のアニメソングが追加。結果、アニソンについては幾つかBEMANIシリーズと収録被りができた(*5) ゲームミュージックにおいては『ワイリーステージ』『リュウのテーマ』『英雄の証』『追求』のそれぞれの最新盤アレンジなど、ゲームファンなら一度は耳に通したことがあるであろうカプコン代表作の名曲達が手堅く揃っている。 また『バイオハザード』シリーズからは当時未発売の最新タイトル『バイオハザード アンブレラコア』の楽曲が先行配信、また新作『モンハンクロス』『ストリートファイターV』は楽曲配信を兼ねたコラボイベントも開催され、新作ゲームのプロモーションに気合が入っていた。 オリジナル曲だけ見るとマニアックに見えるラインナップだが、アーティストや版権アーティストの傾向を俯瞰すれば「そこまで特異性が強すぎる」というわけでもない。 とはいえ敢えて他の音ゲーとは一線を画するラインナップであることは事実であり、現在のAC音ゲーではすっかり主流になった「既存Vocaloid楽曲」が『ドーナツホール』1曲のみ(*6)、『東方Projectアレンジ』は皆無(*7)である。初見の楽曲を選びにくいと言われる若年音ゲーマー層にとってこの差異点は大きな壁となるだろう。 イメージキャラクター「暁月」も高評価。 メインビジュアルやナビゲーターを担当する美少女キャラ、いわゆる看板娘。世界観と同様に紫主体の落ち着いたカラーリングで、REVのクールなイメージと非常にマッチしている。 紺紫主体のカラー イベントで公開されていくシリアスなストーリーから一見クールな印象に見えるが、セリフや告知などゲーム上で見せる表情は「ごく普通の女の子」である。 ミニキャラでの表情が豊富だったり、告知のイラストでは何かをおいしそうに食べているシーンが目立ち、可愛いと評判。 ファンからは専ら腹ペコキャラ扱いされていた…が、後に追加されたキャラクター紹介には「おいしいものに目が無い」という設定がつき公式に組み込まれた模様。 バックストーリーでは「次世代型アンドロイド」「電脳空間で戦い続ける攻撃プログラム」というサイバーな設定。さながら『ロックマンX』と『ロックマン エグゼ』を混ぜたようなノリ。 アップデートにより暁月に声優が付き、リザルト画面等でしゃべってくれるようにもなった。担当は春日萌衣氏。 『SUNRiSE』以降衣装が何度関わったこともあり、初代の衣装をパートナーとして実装して欲しいという需要は多い。 版権曲やカプコンゲーム曲は大画面を活用したPV・ムービーも見所のひとつ。残念ながらゲーム性と競合することもあってか、オリジナル曲の大多数は汎用ムービー(*8)。 有名アーティスト版権曲・アニメソングはアーティストのPVが流れる。基本はライブ映像かPVで、媚び要素は皆無。 オリジナル曲の一部にも、固有ムービーがついている楽曲がある。かなり稀だが、「ユメミル船」のようにアップデートでムービーが後付けされることもある。 イベントで解禁されるオリジナル楽曲のMVはナビゲートキャラクター「暁月」たち(*9)のバックボーンを物語るストーリー。楽曲面では先述の『TЁЯRA』復活や、Tatsh feat.AKINO with BLESS4といった、特殊なユニットの新曲が売りとなっている。 ゲームそのものの雰囲気は硬派だが、マスコットキャラクター「暁月」やオリジナル楽曲のジャケット・ムービーに登場する女性キャラは可愛らしいキャラクターが多い。暁月だけでなく、「月鳴-moonlit urge-」「星達のメロディ」など、固有ムービーに登場するキャラの人気も高い。 ムービーの無い曲のジャケットだけを見ても「EMERALD♡KISS」「Summer End Anthem」など、美少女推しのジャケットが皆無なわけではない。これらのジャケットは、頑張れば後述のカスタマイズ要素でアイコンとして使用することも出来る。 カプコンゲーム曲ではリュウや春麗、ブルース(*10)といった自社キャラもあり、キャラクター無しでもシンプルなものからスタイリッシュなデザインまで豊富に揃えることは不可能ではない。 楽曲選択画面の作りはシンプルながら機能性に優れており、お目当ての楽曲はそれなりに探しやすい。 1画面に6~8曲ほどの楽曲が表示され、それぞれの曲名・アーティスト・ジャケット・BPM・レベルが一目で分かる作り。スライド操作の際に処理落ちも無く、直感的な操作で楽曲を探せる。 もちろん楽曲プレビューも完備しているが、フェードカットされないループが用意されているという凝り様。 レベル順、曲名順、アーティスト順はもちろん、達成率順や獲得RP順までワンタッチで並び替え可能。ジャンル別の絞込みボタンやレベルの頭にジャンプするボタンもついており非常に親切。それぞれの選択時間も基本99秒まで長くとられている。 イベント開催中はバナーをタッチするだけで該当課題曲の絞り込みができる。 楽曲選択後にレベルやオプションも設定可能。スコア確認はここでしか出来ないが、間違った曲を選んでも右上の×ボタンで戻れる。 近年の音ゲーを見ると「多すぎる曲数に対して選曲時間や検索に乏しく楽曲が見つけられなかった」という意見が出るゲーム、選曲画面に大なり小なりの欠陥を抱える音ゲーも多い。その点では間違いなく本作の選曲画面は高評価に入るべき部類である。 「音楽にこだわった」だけあり、筐体の音響関連もそれに負けない程度にパワフル。 コンパクトな筐体ながら、スピーカー関連は『beatmania IIDX』に匹敵する性能。ゲームセンターの音量調整にもよるが、大音量時のウーファーの迫力はかなりのもの。 イヤホンジャックも完備。音量調整は大き目のツマミで行える。 高い競技性 アプリ版から搭載されているギタドラのスキルポイントのようなシステム「Rank Point」に加え、SURVIVAL MODEを使用したIIDXの段位認定のような「CHALLENGE MODE」「CLASS」が導入されており、スコア面にのみ大きく影響する細かい精度判定も相まって競技性は高い。 クリアゲージは通常設定だと少し慣れる程度でクリアにこぎつけられるが、先述したSURVIVALやULTIMATEには「Rank Pointを上げやすくなる」という効果(SURVIVALで1.1倍、ULTIMATEは1.2倍)がある。 ほとんどの場合で最終目標となる「お気に入り曲のUNLIMITED譜面をULTIMATEゲージでフルコンボ」したときは、RPだけでなく達成感や喜びも非常に大きいものとなるだろう。 無印VerではプレイヤーRPの計算対象に漏れた場合に限るが、UNLIMITED譜面のRPはすべて1%分上乗せされるため、ギタドラ上級者に多かった「低難度曲はスキルが上がらないからやるだけ無駄」という事態をある程度防いでおり、RPランカーを目指すのであればUNLIMITED譜面の収集もこなしていくことになる。 ただ上限が高いだけでなく、クリアこそ余裕だが完璧にはこなせないような譜面ではSURVIVALゲージが適度な緊張感をもたらしてくれる。 また、SCORE CLEAR RATE GRADE COMBOというように、考慮される判定の下限がそれぞれ異なっているため、やりごたえのバランスは比較的良い。コンボが2割も関わるCLEAR RATEの影響度が高いきらいはあるが。 RPとは関係なく、スコアランキングも曲別に記録されている。努力が結果として残り易いのは嬉しいところ。選曲画面ではTOP100/50/10以内に入っている曲に勲章が表示される・全ての譜面をフルコンすると該当曲の欄が光り輝くという特典も。 曲別の特典は称号ではなく、後述のジャケットアイコンがその役目を担うことになる。 カスタマイズ要素としてアイコンと称号がある。勿論イベントで得られるアイテムは個性的な物が多いが、他もなかなか絶妙なラインナップ。 称号はデフォルトでは「イノベイター(ゲームプレイ回数でレベルアップ)」「~~階層の住人(最大クリアレベルに応じてレベルアップ)」「ULTIMATE使い(ULTIMATEゲージクリア数でレベルアップ)」などのレベル別。 この他、連動サイトで変更することでカードネームにカナ・漢字まで使えるというある意味最強のカスタマイズ要素がある。 名前を残せるイベントが比較的多く開催されているため、上級者ほどカードネームを既存キャラ名にするなどの遊びに組み込んでいる者が多い。 アイコンは暁月が可愛いと評判な通常の自己アピールや、行脚要素の県別アイコンなど。他に特筆すべき点として楽曲ごとに固有の隠し条件をクリアすると、その曲のジャケットがアイコンとして購入可能になる。 どれも一筋縄ではいかない条件ばかり(特にオリジナル曲)だが、なんと全曲に対応。その曲にちなんだものが条件に設定されていることもある(達成できるかはともかくとして)。 例を上げれば「Ultra Street Fighter IV」は4譜面をUltimate MODEでクリアすれば、ウル4のジャケットアイコンが購入可能に。 また「海色」はEASY譜面以外ならどれでもいいのでSURVIVAL MODEをつけて好成績を取れば、艦これキャラ達の集合ジャケットをそのままアイコンとして購入できるようになる。 その他有名アーティストの実写ジャケットも例外なくゲットするための条件が設けられている。 似た要素としてReflec beatも曲のジャケットがアイコンとして使えるが、条件はすべて一定回数プレイで一律な上、版権曲のジャケットだけは使うことはできなかった。ここからも版権曲にも等しく注力するREVのスタンスが垣間見える。 もちろん期間限定イベントを加えると、称号もアイコンももう少しだけ増える。 連動サイト自体も完全無料・事前登録なしで使用可能(*11)。機能は名前変更・後述するMEの交換以外はスコアの観覧・RP対象曲の確認程度で小規模なものの、取り回しは悪くない。 1か月に1回無料プレイが可能 Aimeを使用してプレイすると、その月の始めのプレイに無料チケットが貰える。それ故に、ゲームをやったことのないプレイヤーを誘いやすくなった。 プレイ後はミュージックエナジーと呼ばれるものを入手できる(*12)。iOS版のIDを本作と紐づけて連動することにより、本作2プレイ分のミュージックエナジーでiOS版のチケット5枚(1曲プレイ分に相当)と交換できる。 すべてのモードを3~4曲100円でプレイできる音ゲーとしてはやや良心的な方。 賛否両論点 Flawless判定が厳しい このため曲と譜面のタイミングが合っていない「音ズレ」の問題が他の音ゲー以上に槍玉に挙げられやすい土壌を抱えている。 だが、幸いなことにその点で問題視されているケースは後述するように皆無ではないがかなり少ない。オプションでタイミングの調整はできるのでユーザーレベルで多少の対処は可能。 またこの観念そのものが理論値という概念に縛られにくいゲーム設計を可能にしているため、一概に問題点と言い切ることは出来ない(*13)。 判定自体に癖があり、ノーツ矢印が重なるより「気持ち早め」に押すとFlawlessが出易いとされる。強いて言えば、タッチポイントに大きなフリックアイコンがかぶさる関係上、連続フリックの判定が非常に掴みづらいことか。 通常のゲームモードを選べばクリアの基準は非常に緩く、また3曲完走保証もある。単に楽曲を遊ぶだけならどうとでもなることが非常に多い。 コンボ接続の基準も少し緩め。Fast/Slow(青表示・ミス扱い)までなら繋がってくれる。 難易度詐欺・逆詐欺が多め。 顕著な例がLv80の「DAZZLING♡SEASON」Master。曲が速いこと・4分軸の取り方に慣れを要する事以外はリズムが非常に取り易く素直な配置で、同レベル帯でも安定して高得点/ULTIMATEクリアが容易。中~上級者から絶好の稼ぎ楽曲とされトッププレイヤーにはボス召喚曲、つまり100%狙いと目されることも。 逆に「I Believe someday」Masterは表記はLv78だがリズム・配置・物量共にクセと難易度が強く、先の曲はおろか他80Lv代の楽曲と比較しても圧倒的な難しさを発揮している。 死ぬ気でフルコンした末に出現するUNLIMITED譜面も十分に難しいが、こちらはLv82(当然これより簡単な80台の譜面もある)なので、解禁によるRPの見返りは理論上たったの約4.8しか見込めないと考えて良いし、それもULMで相当な高レートを取れない限りRPにも寄与しない。 尚、最初期は全体的に低いレベルをつけられており、中難度の詐欺曲が非常に多かった(*14)。 例を挙げると「killy killy JOKER」は「Hard 27→42」「Master 48→63」「Unlimited 67→76」と3譜面ともレベル表記が大きく引き上げられていた。この曲のUNLIMITEDはまだまだ詐称という意見もあるが… 「CHALLENGE MODE」「CLASS」について IIDXの段位認定やSDVXのスキルアナライザーのようなモードだが、現状5コースのみとバリエーションの少なさは否めない。告知にあった「イベント用のチャレンジコース」も開設例は一度もない。 現在最上位であるCLASS Vはコース難易度70止まりで、UNLIMITED譜面を使用するコースも一切ない。但し本作のこのコースは他の下位コースと違い全体的にリズム難等の変則/応用的な譜面を要点に構成されているため、決して簡単ではない。 CLASSコースそのものの成績もRankPointに関わってくるため、やはり上級者を目指すならこれらの攻略も欠かせない。 硬派な筐体デザインと寒色系のイメージカラーが敷居の高さを感じさせる 紫を基調としシックな黒を織り交ぜた筐体デザインは非常に秀逸。重厚かつ高級感が溢れるデザインで、この点からもコアプレイヤー向けのコンセプト感じさせる。 NAOKI氏が手掛けるテーマ曲「DEEP PURPLE」やストーリーイベント「RISING PURPLE」など、シリーズのテーマカラーとして紫色を強く押し出しており、サイバーでクールな世界観・グラフィックイメージと非常にまとまっている。 だが紫と黒という非常に暗い組み合わせであったため、ライトプレイヤーには敷居の高さ以上に地味さを感じさせるデザインとなった。 版権ラインナップが豊富かつ幅広く、しかも版権楽曲すべてPV付きという豪華仕様であるのに、それを活かせていない事は非常に惜しい。 筐体のデザインといい充実の版権ラインナップといい、初代『REFLEC BEAT』などが置かれた状況と本作を取り巻く現状は非常に酷似している。リサーチ不足であったと言えよう。 最初期から美少女キャラをイメージキャラとして起用したこともさほど効果的ではなかった。一概にデザインだけの問題とは言い切れないが…。 もっとも本作が抱えている「敷居の高さ」という問題はデザインのほかに、「RP制を導入しているのに救済処置が全くといっていいほど導入されない期間限定要素の多さ」や「ユーザーを無視した楽屋落ちのイベント強要」など別のところにあるのかもしれない。 問題点 稼動初期の視覚性の悪さ 最初期Verではノーツスキンが実装されておらずCLASSICスキン固定だったが、これが「初期設定だとガイドラインが明るすぎる」「タッチポイントが小さく、順番もややわかりづらいため多数のノーツが現れた時に混乱しやすい」など、視認性は残念ながら良い物だったとは言えない。 初期アップデートにより追加された新スキンのDEFAULTは、「ガイドラインを黒地にしてタッチポイントを大きく表示し、ラインに隠れないように」「タイミングが近づくとノーツが明るく光る」「ホールドだけでなくフリックノートのガイドラインも色分けされる(*15)」というもの。慣れを含めた個人差はあるが、多くのプレイヤーが遊びやすいスキンへと仕上がっている。 ただしCLASSICスキンが低評価一辺倒というわけではなく、タッチポイントの小ささが配置密度の高い譜面を見切りやすくする作用が見込める場合もある。アプリ版や初期Verに慣れた古参プレイヤーにはCLASSICスキンを常用する者も少なくない。 一部楽曲の譜面の問題点 初期からの収録曲には同一のガイドラインからの縦連打という初見殺しの顕著な譜面配置(「雨の音が虹を呼ぶ」、「ホコロビシロガールズ」などが該当)が登場する傾向にあり、これに関しては稼働からあまり改善されていなかった。 このパターンへの対処法は「ノーツ透過度を設定する」という程度で少し見分けやすくなる程度。 REV初出やアップデート追加された新曲・変更譜面や多くのUNLIMITED譜面等は、同一場所の縦連打でもガイドラインの角度をずらしたり、同じパターンでも少しだけ間を空いた速い繰り返しの場合は位置をずらす等の工夫が見られる。 「TABLETサイズだと詰まった同時押しで無反応が起こりやすい」という報告が多かった。 「EMERALD♡KISS」(MAS)や「DYNAMITE SENSEATION REV.」(MAS)などの高難易度の譜面に特に多く、上級者からは改善して欲しい声も多数。 現在は無反応の報告が減っており、アプデで改善されたという説もある。ただし公式には明言されてないし、「光年(konen)」(ULM)の最序盤のホールドなど、無反応が起きやすい譜面もまだまだ残っている。 『モンスターハンター』のテーマソングでお馴染みの「英雄の証」の判定が大変なことになっている。 全譜面ともレベル自体は高くなく配置・物量も各譜面レベル相応であるが、「オーケストラの生演奏」特有のゆらぎなどが主な原因として判定ズレがほぼ常時変動するという、クロスビーツらしからぬ異常事態が発生している。 通常ゲージならFlawlessが出せなくてもCoolやSuperが多ければ問題ないシステムであるとはいえ、SURVIVALはともかくCoolのダメージを回復しづらいULTIMATEだとそうはいかない。 攻略Wikiの詐称難易度格付けでは全難易度共通で1曲だけ隔離枠が提唱される始末で、この判定のせいで「誰でも知っているほどの有名曲なのに初心者にオススメできない」という痛い事態に。 楽曲解禁が重い部類 1プレイ200+α程度しかREVCHIPは手に入らないにもかかわらずREV.SHOPで購入できる曲は平均で3500~5000RC、高価格帯だと6500~10000RCを要求される。1曲解禁に対する費用は大きい部類と言わざるを得ない。 1店舗ごとに2台以上併設され、同じ頻度・時間帯でやりこめるプレイヤーがいるのであれば、それぞれ違う楽曲から解禁を進めてLOCAL BATTLEでシェアしあうという方法もある。マッチングプレイで貰えるRCも増えて一石二鳥。 上記のカスタムアイコンの正式な解禁にもRCが必要となるので、そういったおまけ要素を楽しむのにも多少の場数を要する。 大型アップデート以降はイベントを中心にRCボーナスが増設されたが、プレイリザルトに応じた追加報酬がほぼ無くなり、収入源がミッションやスタンプなどの期間/回数限定に依存するようになった。 現在ではやりこみ派のプレイヤーから「RCで解禁できる楽曲や要素が少ない」という声も挙がっているが、これはこの形態を基本にしている以上避けられぬ問題といえる。実質的には曲と共にアイコンも増えるという状況になっているため、条件を達せられるほどのやりこみであればそれなりにRCを消費できる。 過去ハイスコアイベントでは版権対象曲のもう片方がREV.SHOP入りとなっていた。 前述の「TЁЯRA」復活イベント「STORY Phase 01」からREVCHIPとは別のスタンプシートイベントが初めて行われた。 新曲ゲットまで105個もの数が必要にもかかわらず、課題曲プレイで2個ずつ以外にスタンプが手に入らず、対応課題曲もデフォルトの3曲+解禁対象の隠し曲1つのみ。おまけに当時はテンポの悪さも槍玉に挙げられた。 このゲームにおいては少ない数の曲を集中してやり込むことに結構強い意義があるのだが、それに気づける程度にやりこんでいるプレイヤーでなければモチベーションを保てるものとはいえない。結果TЁЯRAの新曲を求めたライトプレイヤーのモチベをそぎ落とす様なイベント内容は大きく批判された。 流石に反省したのか、「米津玄師」の楽曲追加イベントでは「無条件で2曲追加、氏の楽曲を8回プレイで『ドーナツホール』解禁」と言う形になり、「ANIMAX MUSIX特集第二弾」のスタンプとして「1プレイ無条件で3個(*16)/課題曲を選ぶ毎にさらに+2個・楽曲解禁までシート1~3枚」を経て、「Phase2 REBEL YELL」以降は「1曲1個+課題曲ボーナス+1個(イベントごとの初回プレイでさらに+1個)、楽曲解禁がシート4枚」と言う形に落ち着いた。 2つのスタンプシートイベントが重複して開催されたこともあるが、それらは同時に進められない。この関係上、複数イベントをまたいで対象曲を初プレイすると、それによるスタンプの一部が獲得できずに消失してしまう。 終了した過去イベントの隠し曲はほとんどが長期間・ないし半永久的に入手不可になってしまう。これだけは『BEMANI』シリーズやiOS版からの改善を強く望まれていた。封印対象となるイベント曲がどれもこれも中難易度ながら魅力的な楽曲(さらに全て専用ムービー付き)ばかりなので尚更。 流石にまずいと思ったのか、バージョン稼働後期からはイベント初出のLICENSE新曲・ゲームタイトル曲が緩和及び無条件開放されていった。 イベントにおける称号・アイコンの救済は流石にないが、オリジナル曲イベント「STORY Phase 01」「STORY Phase 02」に関しては、終端に新規のアイコン・称号を追加しスタンプ獲得量を「ANIMAX第二弾」などに準拠させた上で一斉に再開催という手段が取られたことで間接的に行われている。 …が、スタンプ配置自体は据え置きな上に期間が短くなっているため、不満点を払拭するには至らなかったが。 極端なケースも数少ないながらあり、まさかの伝導リレーとなった「Blue Destiny Blue ETERNAL (BDBE)」はともかく、ロケテストなどでのシリアルコード配布限定で現在も未だに正式配信に至っていない「Reseed (Another Edit)」の正式な解禁を求める声は多い。 地方プレイヤーやホームに複数台が置いてない(=伝導が不可能な店舗の)プレイヤーなど眼中にないような伝導方式は、前例がありかつ本作よりも設置台数が安定している『BEMANI』ですら良くは思われてはいなかったのだが…。 なお、この伝導リレーだけはイベント開始から2年近くも経た現在でも実施中である。2017年8月以降は「Blue Destiny Blue」を50回プレーすることで解禁する一応の救済処置がとられているが、別の伝道リレー対象曲を増やすという斜め上の方針に唖然とした人も多い。 UNLIMITED譜面の解放条件 MASTER譜面で特定条件を達成する必要がある。アップデート後の版権曲の条件である「Sランク」「S+ランク」はまだしも、UNLIMITED譜面のLv値が高い楽曲、及びオリジナル曲のほぼ全曲では「フルコンボ」が条件だった。いずれにせよMASTER譜面自体の難易度が一切考慮されていないという点が問題。 当初は「条件付高難易度譜面」というやりこみ要素として捉えるプレイヤーもいるにはいたが、やはり一度もミスが許されないというものは極僅かながら挽回の効くULTIMATEゲージよりも(精神的にも)キツイものがある。そしてそれは元のMASTER譜面が高難易度であるほど顕著。 MASTER譜面でのRPが上位に入っていない限り、UNLIMITED譜面はプレイしただけでプレイヤーRPを極僅かに微増させることができる。このため入手その物を腕前の指標にしている可能性は十二分に考えられるだろう。 しかしCLEAR RATE=RPはコンボが2割を占め、MASTERとUNLIMITEDが両方共フルコンしづらいわりに難易度差も小さい楽曲となるとこれを看過するのは難しく、初代VerではそれだけMASTERのRPが高い壁となるUNLIMITEDでのRPが無意味になりやすい仕様だった(*17)。 UNLIMITED-MASTER間の難易度差が大きい時に限りフルコンボ要求であれば、RPの観点として難を示されることは少なくなっていたかも知れない。 名前以外の設定は全てサイト上では変更不可。特にログイン時に入力せねばならない4桁の暗証番号を忘れてしまった場合に、この問題点は致命的となる。 MJ Arcadeのような連動サイトから変更する項目(*18)がないし、『初音ミク Project DIVA Arcade』のように筐体から暗証番号の変更や初期化(*19)をする項目も存在しない。 総評 当初から「コアプレイヤー向け」と言うコンセプトを掲げていたとはいえ、そのある種シビアなゲーム性はやはりというべきか手放しに好評を得られることはなかった。 ただし、そのラインナップはどの観点から見ても豪華。現状においては、本作単体で見れば問題視される部分こそあれど、酷評までされる点は殆どないだろう。 忘れてはならないのが「ゲームプレイ自体はシンプル」ということである。 今作は余計な要素をゲーム部分に食い込ませない作りにしており、解禁周りや尖った難易度に無視できない問題点はあれど「音楽・リズムゲームを楽しむ」という点に専念できる作りになっている。 最近の音ゲーには珍しくややシビアな判定と覚え要素が強いストイックなゲーム性も「初期の音ゲーやかつてのカプコンACTを髣髴とさせる(死に)覚え・パターン構築ゲー」「シンプルだからこそ中毒性が強い」として魅力を覚えるプレイヤーも少なくなく、ゲーム性そのものはスルメゲー寄りといったところである。 結局のところはiOS版並びに稼動最初期の視覚性の悪さが尾を引いた、まだまだベストを尽くしてもらわなあかん状況が足を引っ張っているだけとも言えるのが何よりも惜しい。 この記事を見ている未プレイで風評だけで敬遠している音ゲーマーの方は、食わず嫌いを起こさずに試聴機能で曲を探してみたり、1回無料チケットを使ってプレイしてみていただきたい。 楽曲の方向性は非常に多彩なので「該当曲なし」なんてことは少ないはずである。 幸いにして1曲でもお気に入りの楽曲が見つかったら、それを上手くこなせるように連奏してみるのもよい。 リズムをモノにしていく快感をつかめれば、本作を楽しむ道も開かれていることだろう。君やったらわかってくれると思う。 NAOKI MAEDAがこだわりに拘りぬいた確実にゴッ! っとくる新しいデファクトスタンダードの音ゲー……あるよな? 余談 2016年4月28日に『crossbeats REV. SUNRISE』への大型アップデートが配信。 奇しくもアミューズメント施設の書き入れ時で大型連休直前でNAOKI氏の誕生日に重ねた新バージョン稼働であった。 iOS版からの風評被害 ある意味、本作がプレイヤーをうまく取り込めきれない一番の障害となっているのがiOS版の存在であるといっても過言ではないだろう。 iOS版の説明に関してはWiki執筆方針もあるため詳細な説明はできないが、トライ&エラーが前提のゲーム性を著しく阻害する従量課金形態(*20)、そして絶望的なほどの楽曲入手方法の乏しさ(*21)、それらのためもある。 自分の実力だけでは全くどうにもならない各種イベントなど、基本無料という点を打ち消してなお余りあるほどの遊びにくさを主因とする悪評が、本作の先入観にとって著しい向かい風になっていたことに否定の余地はない。 ちなみに共通収録曲もいくつかあるが、そのほぼ全てはREV側が常駐または入手が確実かつ非常に容易。すなわちそれだけアプリ版の仕様がクロスビーツの魅力を殺していたことは言うまでもない。 そのような逆境に加えて稼動初期での視覚性の悪さ、そして超強力なライバル機種『CHUNITHM』の登場も大いに響いたため、スタートダッシュは完全に失敗だったと言わざるを得ないものとなった。 iOSアプリ側で良くも悪くも特徴的な要素はAC版には搭載されないことが公言されている(*22)他、楽曲ラインナップもオリジナル主体である中で基本的には大きく違いをもたせているため、先入観を捨てて挑戦できる地盤は整っている。 ノーマルゲージのルールと、大型アップデート後の月ごとの無料プレイサービスを考慮すれば、単独のAC音ゲーとしてはハードルはかなり低い方である。 稼働初期はスタッフたちによるビデオメッセージが配信されていたが、NAOKI氏の「音楽ゲームの専門店を目指す」発言や、yamajet氏の「20000回遊ぼう!」発言などのいささか極端なコメントやジョークが物議を醸していた。このビデオは再配信されていない。 近年の音ゲーでは疎かにされるようになってきだした数少ない硬派楽曲の圧倒的な比率や、地力より譜面研究が重要視されているゲーム性を考えると、両者ともに的を射たコメントとも言えなくもない。本人達がそこまで意図していたかは別として。 本作はテレビ番組『musicるTV』と、楽曲公募を兼ねたコラボレーション企画を開催したことがある。 しかしコラボ企画でのNAOKI氏、Tatsh氏は一次審査にて応募楽曲について共に辛口なコメントを残しており、特に後者の「ナメてんじゃねえよ!」発言は悪い意味で音ゲーマーの印象に残ってしまった(*23)。 その後、一次審査通過者はNAOKI氏が一対一の面談を行い、曲の評価やリテイクのアドバイス、激励の言葉を贈った。現在は番組中でも二次審査が終了し、その後採用曲は期間限定扱いで公開。インスト・ボーカル部門別でそれぞれ選曲回数が多かったほうが正式実装されることになった。 この「より多く選曲された方が正式収録される」というルールは大きな賛否両論を招いた。 「曲に対して明確に優劣をユーザーから突きつける行為は必要なのか」「わざわざテレビのスタジオまで参加者を呼び出して晒しものにしているのにあんまり」「音楽の質にこだわっているのだからこのぐらいシビアであるべきだ」などの意見が上がっていた。 譜面内容によって選曲が左右されることを危惧する声もあった。一応部門ごとの2曲はそれぞれの難易度のレベル、ノート数が同じになるように調節されており、配慮は見られる。 「選ばれなかったけれど好きな曲だから遊ばせてほしい」との声もあるが選ばれなかった方の曲の去就に関しては現在も明確なアナウンスが無い。公募企画では(選ばれなかった方が)「削除される」という表現が一切されなかったため、今後収録される可能性は0とは言えない。 なお、ボーカル部門のボーカルは男女混声と女性のみのもので、女性は同一人物である。現在もこのゲームセンターに赴き設置店でcrossbeats REVを宣伝しているけなげな様子が窺える。当人にもどうなるのか知らされていないのであろうか? 続編稼働中の現時点で塩漬けになっている多くの楽曲と同じく、SDXVの海外コンペでも見られたような版権だけ握られたままの飼い殺しか、痺れを切らしての版権取り下げや時限削除待ちという見方が有力だろう。本来は客寄せの公募イベントなのに誰も得をしていないのは説明するまでもない。 通常モードは基本的に3曲固定であるが、ある条件を満たすことで、4曲目(EXTRAステージ)としてULT.MODE限定で大ボス曲に挑戦できる。 今Verでは特定のレベル以上の楽曲をULTIMATE MODE使用、かつCLEAR RATE100%で1回以上クリアすると「MEGALOMAN[i]A」が出現。 コアなプレイヤーに好評だったのか、続編では3曲連続である条件を満たすと新たなボス曲が姿を見せるようにもなっている。 不定期的にこの進出条件が一時的に緩和され、その期間中にストーリー進行とその後の出現条件緩和を賭けてその曲の指定譜面のクリア人数を競うイベントが開催されることもあった。 このイベント中にボス曲をクリアしたプレイヤーは公式アカウントにてカードネームごとクリアを報告してもらえるというおまけがある。上記の通り上位陣ほど名前で遊んでいるプレイヤーが多く、各アニメのアイドルなんかがボス曲をこぞって攻略というカオスな光景をリアルタイムで楽しめることだろう。 余談だが「MEGALOMAN[i]A」専用のアーティスト名義は「TITANZ」で、iOS版の氏の最難関レア曲「A×E×U×G -act 1-」の他、REV新曲の「Blue Destiny Blue」「SOMEDAY -00.prologue-」など、『ガンダム』シリーズのネタが妙に多かったりする。(*24) 音ゲーとしては珍しく、完全期間限定となっているシーズン配信の楽曲も比較的多め(*25)。 クリスマスシーズンには『ジングルベル(NM remix)』が、バレンタインシーズンには『いつか王子様が(remix ver.)(*26)』が一時配信されている。 スコアランキングやRP計算の対象外だが、これらの楽曲をプレイすると、筐体LEDがコンボ数に応じてそれぞれ専用のカラーで光り輝くという何気に手の込んだものになっていた。 また『いつか王子様が』はUNLIMITED譜面にてフリックでハートを描く譜面など、シーズンを意識したネタが盛り込まれている。 客寄せにもなるディズニーアレンジの版権曲を短期間にする理由は恐らく大人の事情不明。結局クリスマスソングと違って、この1回しかプレーできなかった。 上記『musicるTV』コラボ公募曲も期間限定曲として扱われていたが、インスト部門・ボーカル部門での最優秀楽曲は3/1に常駐曲として、ジャケットとUNLIMITED譜面を追加して正式配信された。 また、このゲームの製作陣は良くも悪くも印象に強く残る名言を発していることでプレイヤーたちからは知られる。
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/4365.html
弩弓の矢よりも速く飛べるドレイクはいない。 ――ヴェクの格言 There is no drake that flies faster than a crossbow bolt. ――Vec saying ストロングホールド 【M TG Wiki】 名前