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glas は現代ならば 「弔鐘」 の意味しかないが、当時は 「(弔鐘に限らず) 鐘などの音」、「喧騒」(tumulte, vacarme)、「金切り声」(glapissement)、「鳥のさえずり声」(ramage)(*1)、「よく響く騒音」(bruit retentissant)(*2)などの意味があった。 DFE でも 「騒音、叫び、遠吠え」(Noise, crying, howling)、「氷」(yce)、「弔鐘」(a knell for the dead) の3つの意味が挙げられている。 登場箇所 詩百篇第3巻40番 予兆詩第38番(旧34番) 予兆詩第50番(旧46番) 予兆詩第72番 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
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【We are Sun Glasses!】 【We are Sun Glasses!】 制作コメント キャラクター 関連リンク オレたちサングラシーズ! めったに見られないこのメンバーでのセッション、 本日限りのライブに招待されたキミたちはシアワセ者! まぶしい太陽のもとスペシャルな音楽をご堪能ください☆ (※照り返し予防にサングラス着用でご参加ください) ポップンミュージック19のポップンミュージックカード第3弾に登場したレアカード。 サングラスを付けたキャラクターが大集合。 指揮がエドワード。MCトメがノリノリ気味でニッキーを巻き込んでいる。 また、MZDがひょっこりと顔を出している。 サングラスを付けたキャラクターでは、次作のポップン20でバウンティが新たに登場した。 +... 制作コメント 共通点のあるキャラを集めようと思って真っ先にサングラスが浮かんだのですが、ポップンにサングラスキャラってすごく多かったので(笑)サングラス+音楽やってますキャラに絞ってこうなりました。これもけっこう詰めすぎましたね。小さくてもストーリーがある構図なんかないかなーと、おじさんのノリに圧倒されるニッキーとかも描いてみました。エドワードのポーズもお気に入りです☆eimy キャラクター ショルキー エドワード ホット・D#? フォクシー ジェフ MCトメ ニッキー ジャスティス★ サラ&ブレッド MZD 関連リンク eimy#? レアカード ポップンミュージックカード/ポップン19/Vol.3 カードリスト(ポップンミュージックカード)
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対訳 オルフェの著作権保護期間は継続しています。対訳テンプレートは掲載することができません。 オルフェとは オルフェの67%は鉄の意志で出来ています。オルフェの16%は毒電波で出来ています。オルフェの11%はかわいさで出来ています。オルフェの4%は着色料で出来ています。オルフェの2%は言葉で出来ています。
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現在開講中のClassは次のとおりです。 @小さいお子様、下のお子様の保育もあります Group Vocal Class グループボーカルクラス〜大人対象(ママ向け)はこちらへ 親子リトミック〜1歳-未就園児対象 はこちらへ トップページ プラグイン メニュー メニュー2 @ウィキ ガイド @wiki 便利ツール @wiki 更新履歴 取得中です。
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Our Hourglass テト譜 1巡目最少パターン(反転なし) 1巡目最少パターン(反転あり) このテンプレのポイント 土台 片側セットアップ率と2巡目セットアップ率99.72% 左右反転込みセットアップ率100.00% 1巡目の鏡映しで2巡目を構築し、左右対称な地形からパフェを狙う このテンプレの弱み 1,2巡目が難しい 2巡目が確定していない パフェ率が高くはない 派生一覧 テンプレ概要 類似関係 外部サイト その他
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◆ 結果から言おう。エシディシは苦戦していた。 「パープル・ヘイズッ!」 「くッ……! ぬぅん!」 何よりも手数が違う。エシディシがいかに素早かろうと、ギャングたちは4人いる。 一人に狙いを定め、拳を振り上げようとも、その隙に三人ものスタンド使いが自由に動けてしまう。 どれだけ強い力を持っていようが、どれだけ素早く動けたとしても。 数の暴力は圧倒的。しかもそれが歴戦のギャングたちとなれば、尚更だ。 フーゴが戦いに加わり、十数分。戦況は傾き、人間たち有利。 前に出るのは主にブチャラティとフーゴ。ジョルノとリゾットは補助と回復に回り、そしてエシディシが気を抜いた瞬間、鋭い一撃を放つ。 波状攻撃のように、次から次へと、攻撃を途切らせることなく、人間は襲いかかる。 その様は百獣の王、ライオンを追いつめるハイエナの群れのよう。 四面楚歌。まさにその言葉がぴったりであった。 スティッキィ・フィンガーズの拳に触れてはならない。ジッパーは例え黄色のスライムの上からだろうと、致命的な一撃になる可能性があるのだから。 パープル・ヘイズの能力は厄介だ。黄色のスライムをすぐに切りはなさねければならない。地面に巻かれたカプセルにも注意を向ける必要がある。 ジョルノ・ジョバァ―ナは多人数戦における要を担っていた。傷をつけても、回復される。近づこうにも、地から湧き出る植物の根が邪魔をする。 リゾット・ネエロは決して近づかない。自分の射程距離を完全に把握している彼は、闇夜に紛れ、銃を放ち、釘を生成。近距離型の二名をフォローする。 隙を見つけてもそれを必ず誰かが補うように動く。 隙を見せれば畳みかけるように、四人でそこを突く。 押せば引き、引けば押される。流動的なシステムに、一糸乱れぬ連係プレー。 エシディシは改めて実感する。波紋戦士のような肉体相手の戦いではなく、これは彼が最初に言った通りだ。 心が折れてしまわぬか。集中力が途切れてしまわないか。 我慢の戦い、自分との戦い。焦り、諦めを先に見せるのは、どっちだ―――? 「くそォオ!」 「ジョルノッ!」 「了解ッ!」 ただ拳を振りまわしただけの攻撃。容易くかわせる一撃を前にブチャラティはカウンターを狙う。 合図されたジョルノは地を叩く。地面から湧き出た植物がエシディシの足をがんじがらめにせんと伸びていく。 苛立ちを隠さず、エシディシはその場から跳躍。 木を一度クッション代わりに上空から、ブチャラティへと狙いをつけようとする。 「状況を打開しようとする時、角度を変えて攻勢に出るのがお前の癖だ……」 「ぐッ……!」 息を突く間もなく、リゾットの銃弾が放たれた。 銃弾は彼を貫かんと放たれたのではない。飛び移った木の枝を的確に打ち抜いていく。 怪物の負荷に細身の枝はたまらず折れる。根元ではパンナコッタ・フーゴがスタンドを構え、落ちてくるのを待つ。 動きを止めてはならない。一方的に追いまわされ、休む暇もなく。 エシディシは確かに疲れていた。逃げ回るしか他ない今の状態に。打開しようにもどうにもできず、逃げ回るのが最善策だということに。 足場を次々変え飛び移るたびに、弾丸がそれを追ってくる。 まるで猿のようだ―――内心毒づく。天に立つべき自分がまるで下等生物である。屈辱だ、恥だ、侮辱された気分だ。 ブチャラティの投げた太い枝についたジッパー。真っ二つにされるわけにはいかない。 叩き落とすと、木から飛び降りる。足元に注意、カプセルがないのを確認し、ジョルノへ向かって駆けていく。 リゾットのスタンドでは、ダメージを与えることはできても、自分を止めることはできない。 フーゴは少し遠く放たれた位置、ブチャラティがカバーに走ってくる。 間に合わない、そう判断したのかジョルノは自分自身でスタンドを呼び出しエシディシに対して構える。 一人、たった一人でいい。 回復役、補助役、近距離型の戦闘員。誰か一人でも落とすことができれば戦況は五分と五分に戻る。 そして、その誰かの死は人間たちの心に恐怖を植えつける。 エシディシは駆ける。地を飛ぶように、空を駆けぬけるように。 久しぶりのチャンス、見逃すわけにはいかない! ここで一人、確実に、殺る! 20メートルが、10メートル。ブチャラティもフーゴも必死に走る。 だがスプリント勝負ならば、柱の男が人間に負けるわけがない。いや、負けてならない。 柱の男の身体能力があって、ようやくなんとか勝負を成り立たせてるのだから。 構えた腕の筋肉が収縮、爆発的な加速の兆候。ジョルノ目掛けて一目散、溜めを使った右ストレート。 8メートル、5メートル……3メートル。ジョルノが動いた。迎え撃つ気か……上等だ。 伸ばしきった腕、ジョルノは一発目を難なくさばく。しかしそこから体を反転、横方向からの蹴りに少年は顔をゆがませる。 苦悶の表情が浮かび、声にならない叫び。胴体をへし折ろうとした振るわれた足、しゃがみ込んだ頭上を通っていく。 やはり一対一では、圧倒的不利。 拳の弾幕も、怪物は慣れた手つきで見きってくる。反対に放たれたカウンター、ガードの上からねじこまれた一撃はジョルノの肋骨を揺らす。 痛みに足が止まると、その隙を見逃さない。一気に畳みかけてくる! 確実に一人葬り去る、その気迫はまさに鬼! 「とどめだ!」 遂に膝をついた人間に、怪物は最後の一発を放つ。 均衡を破らんと放たれた一撃は狙い通りジョルノの胸に吸いこれるように放たれ―――スローモーションのような世界でエシディシは見た。 少年の目がらんらんと輝くのを。 巨体が宙を舞った。二度目……彼がこの手に引っ掛かってしまったのは実に二回目だ。 わざと隙を作り、誘いこまれる。安易な罠にはまってしまったのはそれだけ怪物に余裕がないことを表している。 胸に張り付く一匹の蛙……攻撃の反射。ジョルノは何事もないように立ち上がり、倒れ伏したエシディシを見下ろす。 フーゴが、ブチャラティが追いついた。三人並んだ近距離パワー型のスタンド使い。 「ウバシャアアアアアア―――ッ!」 空ぶった拳の先から飛んできた三つのカプセル。体を転がし、やり過ごす。 圧倒的不利……! 圧倒的危機……! 圧倒的絶望……! しかし、心を折ってはなるものか。諦めてなるものか。 人間から学んだ、絶望の中で足掻く諦めの悪さ。エシディシはすぐさま立ち上がる。 逃げたっていい……、醜くたっていい……、這いつくばったっていい! 一心不乱、逃げる、逃げる、逃げる。 三人のスタンド使いの嵐のような攻撃をかわし、避け、潜り抜ける。 左の二の腕から血が噴き出した。拳をもろに食らった腹が痛む。ローキックで体制が崩され、追撃に放たれたウィルスカプセルをなんとかスライムでやり過ごす。 惨めだ、恥だ……この柱の男が! 見るがいい、このざまだ! その中でも決して諦めやしない。それが人間に対する敬意! 感情に任せ喚き散らすようなまねは最大限の失礼! しかし――― 「油断したな……」 またしても、この男。黒の衣装は死をもたらす死神のようで。 大きく跳躍し、ほっと息を放つその瞬間! 見計らったように背中越しに声をかけられる。 振り向きざまの裏拳は空を切った。彼は決して近づかない。自分の非力さをわかった上で、尤も有効な手を打ってくる。 隙を見せた時、ほっと一息ついた時、一気に畳みかけたい時。 闇夜に紛れた彼は的確に攻撃の芽を潰し、劣勢を更なる酷な状況に悪化させる。 後ろを振り向いたエシディシが見たものは、迷彩を解きたたずむ暗殺者。そして―――! 「紫外線照射装置、発動」 「WONUUUUUUUUUUUUUUU!」 ここ一番! これ以上ない隙をエシディシが見せた! 彼らが尤も嫌悪する太陽光! たとえそれが偽物であろうと不意をつかれたこの一撃に、たまらずエシディシは唸り声をあげ、顔を覆った。 一点! そして一瞬! 人間たちは見逃さない! 怪物を始末するための最大のチャンス! 「ゴールド・エクスペリエンス!」 「スティッキィ・フィンガーズ!」 「パープル・ヘイズ!」 「メタリカ!」 ―――二度目……宙を舞う巨体。 大きな放物線を描き、何の抵抗も見せず、怪物は地面にたたきつけられ、そしてピクリとも動かなくなった。 人間たちが奪った初めてのダウン。そして、地に叩きつけられた衝撃で、彼の頭から飛び出るDISC。 円盤はコロコロ転がっていくと、不意に現れた靴にぶつかりコロンと倒れた。屈んで拾い上げるの一人の男。 もはや勝負は決した。怪物は数の暴力の前に屈するしかない。団結力と並はずれた精神力をもつ人間の前にエシディシは惨めにも破れ去る。 五人目の来訪者、ホルマジオはDISCをポケットにしまいこむと、ギャングたちに声をかけた。 「おいおいおい、これもしかして俺いらない感じか~~~? あんだけ張り切って研究所を走り回って、任務成功! さて助太刀だ! って思ってきたのによォ~~~」 「油断するな、ホルマジオ。仕事は最後まで、きっちり終わらせてからだ」 一体どうしろというのだろうか。エシディシの心は完全に折れかけていた。 激昂とした感情が彼の中でふつふつとわき上がる。トチ狂ってしまいそうな感情の高ぶり。 泣けというのか……泣けばいいのか……? 泣きたいのは、俺のほうだ。 身体を起こして自分の状態をチェックする。 右腕、リゾットとフーゴの攻撃で突き破られ、煙をあげ使用不可能。ウィルスの感染もあり、切り捨てる。 左腕、手の半分がジッパーで吹き飛ばされている。拳も握ることもできない。 左足、ジョルノ・ジョバーナの攻撃でマヒあり。動きづらいことこの上ない。 腹部、ダメージは少ないが、何発か直撃を喰らった。この上ない、恥……この俺が、人間に……。 そして精神力……俺の心はボロボロだ。 「念には念を入れてだ……いくぞ!」 リゾットの掛け声を筆頭に、五人が動き出した。 エシディシは立ち上がり、構えを取るも、何をすればいいのかわからなかった。 自分は負けるのか……結局、この一族は、何も残せないまま、滅び去ってしまうのか? (…………くそったれ) それだけは、絶対に嫌だった。 体中が傷だらけだったのが逆に利用する。エシディシは周りを包囲せんとする人間どもの中心に自ら飛び込んだ。 全ての傷口から血管を、外へ。 高温に熱せられた血液を五人へとまき散らす! 「怪焔王大車獄の流方!」 足掻けるだけ、足掻いてみよう。 その時エシディシの脳裏をよぎったのは諦めだったのかもしれない。 トチ狂って最後に花を咲かそう、一瞬はそう思った。 だが、できなかった。仲間のことを思い出し、カーズが、ワムウが、一族が……そう考えると不思議と心が落ち着いた。 泣き叫ぶ暇なんてない。こうなってしまった以上、俺は俺ができる最大限の抵抗をしてやろう。 その先で彼が辿り着いた結論は――― 一人でも多く、人間を……、一つでも多く、絶望を……。 彼を支配し始めたのは気高い魂ではなかった。 託された遺産を未来へ残すため、そんな気持ちを彼は最後で放棄してしまった。 だがそれを誰が責めれるというのだろうか? やけくそになってしまった彼が悪いと誰が言えようか? 言えるとしたらそれはたった一人の男。彼に意志を託した髭面のガンマン。 しかしその意志すら彼は捨ててしまった。最後に彼が思ったのは一族であり、彼を支配したのは憎しみだった。 (俺は……負けるのか……人間どもに…………偉大なる生き物であるはずの、この俺が……) そして、憎しみに支配された彼は『たまたま』可能性を持っていた。 人間たちに死を、そう望んだ彼が引き寄せたミラクル。 「あぶねえッ!」 飛び散った血液が一直線にフーゴに向かっていく。 ホルマジオが横から彼を突き飛ばすと、開いたデイバッグから何かが飛びだし……エシディシの足元へと転がっていった。 柱の男が作り出しもの、石仮面。 柱の一族が長らく待ち望んだもの、エイジャの赤石。 彼は躊躇わなかった。一度に起きた奇跡を彼はこう捕えた。 ―――そうか、これがお前たちの望みか。 一体彼はどこで間違ったというのか。 このゲームに参加してしまった時? 人間の好意を踏みにじり、更なる進化を求めた時? 化け物を切り捨て、人間に執着した時? 人間を理解し、人間を超えようとしながらその存在を認めれなかった時? 認めた、と言いつつ、どこか自分が特別な存在と思った時? 結局最後に選んだ自分が歩きたいと思った道が間違っていたのだろうか? いや、そもそも……彼は何か間違いを犯しているのだろうか? 誰にもわからない。いや、今後わかる存在は出てこないだろう。 なぜなら彼は柱の『男』。彼は人間ではない存在でありながら、『男』になった存在。 そして今、彼は『男』であることすらやめようとしている。 そんな彼を理解できる存在など、後にも先にも誰一人いないのだから。 ―――ならば叶えよう、人間たちに絶望を……! ブチャラティが飛びかかる。 ジョルノが拳を振り上げる。 フーゴが遅れながらも襲いかかった。 ホルマジオは走り、刀を煌めかせる。 そしてリゾットは真正面から――― 「紫外線照射装置、発動」 照らし出された光はエシディシに向かっていく。その光は吸い込まれるように赤石へと向かい――― まるで生きてるかのように、仮面から生えた針が食い込んだ。 洪水のような生命力の輝きをエシディシが放つ。 燃え盛る研究所よりも、空に輝く月よりも、強烈で眩い光が辺りを包む。 ギャングたちは反射的に眼を覆う。それすら突き抜ける目も眩むような輝き――― 「俺は ■■■■■■ をやめるぞ、リンゴォ…………!」 そして、何もかもが光にのまれた。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ
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いつの日か逃げ去ってしまいたい 暗く深い夜の世界へと 暗闇が世界を満たし 凍てつくような寒い世界へと 名前を持つ者は誰もいない 生きることはお遊びではない そこでならば 私のこの壊れきった心も隠しきれるだろう 私は 生きたい そこでなら私は笑っていられる 魂の孤独も きっと満たされて行く 私はきっと見つけられるだろう 優しい安らぎを 暗く 凍てつくような 世界が 真夜中を迎えるころには ◆ 窓から射しこんだ月光が舞台を輝かせる。 部屋の床を照らすススポットライトは何処か幻想的で、儚く妖しい。 四人のギャングたちは固唾をのんで二人の『男』が動き出すのを待っていた。 震えは手を伝わり、輝くナイフの切っ先を揺らす。リンゴォの荒い呼吸が部屋に響いた。 対峙するエシディシは構えを取り、身を沈める。怪物の足の裏でジャリ、と力を込める音が鳴った。 ジリジリと肌を焦がすような緊張感。やがて時間の感覚が狂いだす。 何秒経った……いや、何分……何時間だ? 二人の男はそれでも動かない。 リンゴォのナイフがキラリと光を反射する。エシディシの腕輪がじゃらりと音をたてる。 怪物と達人。勝負は長くは続かない―――決まるならば、一瞬だ。 汗が伝う。 リンゴォの額から滲み出た大粒の雫。 額から頬へ、頬から顎へ。 流れ落ちていく水滴は重力に従い下へ、下へ。 顎の先で水滴は大きく、大きく。 大粒の真珠ほどに膨らんだ蕾は重さに耐えきれなくなり―――ぽちゃりと音をたて、落ちた。 風が動いた。 先に動いたのはリンゴォ、先に拳を振り上げたのはエシディシ。 リンゴォの体が大地を蹴り上げた。 直立していた身体はゆらりと陽炎のように消え、地を這うような低さから一瞬で駆けあがる。 疾風のような動きで低い体勢から一気に駆け上り、右手を一閃。 煌めくナイフが狙うは首。 フェンシングのような美しさ、しかしナイフを握った右手には確かな殺意が込められていた。 僅かながらもリンゴォに後れをとった肉体は怪物の名に恥じない超スピード。 達人級のリンゴォの動きを超越し、エシディシは既に拳を振り上げ終えていた。 必要なのは力だ。必要ならば暴力だ。 柱の男、怪物、モンスター。人間とは違う力を証明するために彼は拳を振るった。 「くッ」 怪物と人間の体格差が仇となる。命を刈り取らんと振るわれた腕は空を切る。 沈んだリンゴォはまだ浮かび上がっていなかった。 ガラ空きの胴体、密着した距離、懐に飛び込む男。ここまで深く、どこまでも近く。 エシディシの顔が驚愕に染まる。ゼロ距離―――エシディシの顔めがけ、リンゴォのナイフが天を突く。 「ッ!」 今度はリンゴォが驚く番であった。変幻自在の肉体を持つことは既に知っていた。 しかし、驚くべきはその速度(スピード)と柔軟性。 首を狙った一撃は皮一枚で逸れる。首を直角と言っていい角度に捻じ曲げたエシディシ。 笑顔を浮かべた怪物は一言。 「残念だったなァ」 唇を釣り上げ、ニヤリと笑う。 空振りに終わった一撃が、今度は外れることなく、リンゴォに叩きつけられた。 男の体は宙を舞い、部屋を横切り、あっという間に、壁に身を沈める。 怪物はふむ、と漏らし自らの拳を見つめた。 直前にリンゴォがガードをとった事、首の関節を外していたため本調子ではなかった事、視線がぶれたことで会心の一撃にならなかった事。 だがそれでもこの一撃だ。それでもこの腕力、迫力、破壊力。 大の男を軽々と、熟練の達人の一撃を避け傷一つ負わず、易々と。 怪物は本物の怪物であった。 リンゴォは身をもって知った。体の震えが警告にも近いものを発している。 コイツは、紛れもない天才だ。 怪物とは何も肉体のことを言ってるのでない。 リンゴォが試練としていくつも潜り抜けてきた殺し合い。それをエシディシは、お遊戯のように何度もこなしてきた。 それこそ、数え切れぬほど、膨大な数を―――。 「むッ」 エシディシは吹き飛ばした男を見、何かに気付き思わずうなった。そして、また笑う。 嘲りでなく、感心したのだ。 リンゴォは確かに一撃でエシディシを仕留める気でいた。しかし、ただやみくもに、何も考えずに突っ込んできたわけではない。 壁に手を突き、リンゴォは立ち上がる。左手にはナイフ、右手には銃を持って。 エシディシに吹き飛ばされることはある意味計算内。 リンゴォは見ていたのだ。床に放り捨てられた銃がキラリと輝いたのを。 ズキリと痛む胸に手をやると、リンゴォは顔をしかめる。 転んでもただでは立ち上がらないのが人間と言うモノ。銃を失ったガンマンはついに獲物を手に入れた。 殺意に染まったナイフと黒光りする銃、その二つをぶら下げるリンゴォの目には―――漆黒の殺意。 二人の戦いはまるでワルツのようだった。 銃を手にしたガンマンにエシディシは迂闊に近づけない。狙いは首元、そうわかっているから銃から目を切ることができない。 流石の怪物も部屋内という狭い空間では、発射されてから弾丸を避けることは難しい。 徐々に、だが確実に生傷がエシディシの体に増え始める。 銃を牽制に、ナイフで切りかかる。 リンゴォは粘り強く待った。戦闘の天才が格下の相手に焦れ、一気に攻め込んでくるところを。 糸を広げた蜘蛛が、蝶を待つようにリンゴォは待った―――! 「ふぅむ、気に入らんなァ……気に入らんぞ、リンゴォ」 怪物が呟く。向けられた銃口の延長線上から身をかわし、エシディシはダンスのように体を動かす。 「変わったと言ったな、俺のことを……。だが俺には、お前も変わったように思えるぞ」 エシディシの首元を狙ったナイフは空を切る。背を大きく後ろに反らしかわした怪物は、そのままバク転、その場を離れる。 向けられた銃口から逃れるように、また動き出す。 放たれた銃弾はいまだゼロ。しかし効果的だ。それでもエシディシは動きを止めるわけにはいかないのだから。 「対等な決闘の先にある『男の世界』、漆黒の意志を持った者による神聖なる儀式。試練は自分をさらなる高みに押し上げる」 「…………」 「そう言ったな、リンゴォ……。お前にとって闘いとはそういうモノだと確かに言ったな?」 リンゴォはエシディシを無視した。実際、言葉を返す余裕もなかった。 喋っている時でも怪物には一部の隙もない。それどころかリンゴォの不用意な一撃に、強烈なカウンターをかましてきた。 幸運なことに、男はこれを紙一重で避ける。 通り過ぎた蹴りは、掠めた髭を焦がすような鋭さ。リンゴォはナイフを振り、相手を牽制、一度大きく距離を取り、間を落ち着けた。 氷水をかけられたように全身に鳥肌が立つ。サウナからたった今出てきたかのように、滝のような汗が噴き出た。 「だが今のお前には違う輝きが見える。漆黒の殺意でない、何かがな……。 何があった、リンゴォ・ロードアゲイン? 何がお前を駆り立てる?」 「…………おしゃべりな奴だ」 互いに向き合ったままジリジリと二人は円を描くように動く。 リンゴォの手がサッと動き銃口が狙いを定める。エシディシは転がるように身をかわし、襲いかかってくるナイフもさける。 縦に振るわれた銀閃を避け、飛び跳ねるとさらに距離を取る。追ってくるリンゴォに向け壊れかけの机を放り投げた。 男は怯まない。逆に加速する! 体を沈め、下を潜り抜け、一直線に怪物の元へ! エシディシは見た。リンゴォの瞳に宿る炎は色を変え、燃え盛っていた。 全てを塗りつぶすような黒、自らを焼き尽くす漆黒の炎。その色に混じり、滲み出たのは青い炎。 灼熱より高温で、凍りつくような鋭さを持つ秘めたる殺意。 尖らせたその切っ先は仇を前に、さらなる鋭さを得る―――そして、相手の喉元に食らいつく! 『復讐者』の目―――リンゴォの新たな世界をエシディシは見た。 「MOOOOOOOOOOO!」 怪物が捕えられた。 超スピードの戦いの中でエシディシは選択を迫られていた。この体を守るに使用すべきはどちらか? 即ち、柱の男の妙技、関節外しで敵の攻撃をいなすか? 全てを飲み込む強欲な節制、イエローテンパランスで迎え撃つか? 彼は一族のプライドを取った。それに彼は激しい攻防の中で、いまだ完全にはスタンドを使いこなせてなかった。 故にリンゴォの一撃は直にエシディシを捕え、彼の皮膚を引き裂いた。 振り切ったナイフは右頬を切り裂き、部屋の壁に赤い斑点が飛んだ。 「ぐぅおおおお!」 「―――ッ!」 やみくもに振り回された拳をすり抜け、リンゴォはまた距離を取る。 ナイフでも、怪物を殺すことはできる―――確信は力となり、手段となる。 殺意に身を委ねることはしない。男はもう一度罠を張る。怪物がその手の中に飛び込んでくることを! 怪物が頬を撫でた。べっとりと付いた自らの血、真っ赤に染まった掌を見て彼は呟く。 「復讐か……? お前を駆り立てるのは、新たな道なのか……?」 「道を逸れた訳ではない。俺にはこの遠回りが一番の近道だと思える。 この遠回り、復讐者の世界にも『男の世界』はある。 この道を突き進んだ先に『男の世界』、そしてその先の輝ける道があると信じている」 男の返答に怪物は黙りこむ。熱を持った傷跡、そして痛み。人間に傷をつけられたことが新鮮に思えた。 そして彼は笑った。唇をひねりあげ、目には怪しい輝きが灯っていた。 構えるリンゴォに向かい突っ込み、怪物は吠えた。 「SHYAAAAHAAAA!」 笑う、エシディシは笑う。狂気、感情の高ぶり。 リンゴォの返答を聞き、彼の中で何かが変わった。 荒々しい動きにリンゴォは後手に回る。猛攻を押しのける力は、彼にはない。 純粋な身体能力の差が、暴力として形になっていた。 「そうか、リンゴォ! 貴様にとって復讐は男の道かッ!」 手刀が心臓を抉りださんと放たれた。リンゴォは体を横に傾け、最小限のギリギリの動き。 襲いかかってきた追撃はしゃがみ込み、避ける。 それでも怪物は止めない。ガンマンの苦悩を知ってか知らずか、嵐のような猛攻の勢いは途切れない。 一度でも間違えれば死、一瞬でも気を抜けばお終い。 (……手数が違いすぎるッ!) ワルツは終わり、激しいタンゴに曲目は変わる。 リンゴォは唇を噛みしめる。振るったナイフも恐れずに怪物は拳を、蹴りを、手刀を。 汗が飛び、血が舞い、皮膚が切られる。 それでも致命的な一撃は受けない。だが相手に致命傷を与えることも、叶わない。 「神聖なる果たし合い、そこには復讐者の輝きもある! 怒りと憎しみ、感情込めた闘いは仇を前にさらなる高みへ自分を押し上げるッ! そういうことなのか、リンゴォ!」 肉を切らせて骨を断つ―――多少の傷を覚悟のエシディシの攻勢。 圧倒的身体能力と超回復機能、並はずれな一撃では肌も突き破れぬ強固な肉体、豹をも超える超スピード。 だがリンゴォはそれでも前を向く。ふとすれば折れかねない心が燃え盛る。 微かな勝機……蜘蛛の糸ほどか細いかもしれない。だが、それは確かにある。 潜り抜けてきた試練、自分を高めた果たし合い。 光り輝く男の世界。眩い光を目指し、ずっと歩いてきたこの道。 ならばリンゴォは信じるのみ―――自分の世界を……『男の世界』を! ―――世界が止まったように思えた。 極限の中で研ぎ澄まされた集中力か? 滾る感情は時を破り、男を新たな世界へと押し上げたのか? リンゴォにはわからなかった。どちらでも、何でもいいことのように思えた。 ただ全てがゆっくりに、スローモーションのような世界で彼は道を見た。 勝利の先に光り輝く世界を。エシディシが見せた最初にして、最大の隙を! ゆっくりと右腕をあげた。闇よりも深く、暗い世界が銃口の先から顔を覗かせる。 もう手は震えていない。向けられた先はエシディシの首元。 怪物の左腕が矢を放つ弓のようにしなる。恐怖は湧いてこなかった。ガンマンの中で冷静な声が囁く。 ―――貫け、奴よりも早く。 引き金に力が込められる。全てが静止したような世界。音は無く、彼の指先一つで全てがお終い。 リンゴォは躊躇しない。自分の世界を信じ、目指す先があるならば迷うことはない。人差し指に力が込められた。 銃弾は放たれ、エシディシの首輪を打ち砕く! ―――そのはずだった。そうなるはずだった。 世界が色を取り戻しエシディシの言葉がドリルのように、男の耳元からねじこまれるまでは。 「お前が言う『男の世界』とはその程度だったのか、リンゴォ!」 (乗り越えなくてはならないもの……それは相手か、俺自身か?) 「貴様には失望したぞ……決定的な矛盾をはらんだ貴様ではその世界にいられないッ!」 (『復讐者』の世界……そこには更なる輝きがある。『男の世界』に続く輝きが……) 「男の世界とは神聖なる果たし合い! 漆黒の殺意が行きつく先は相手を飲み込むか、自ら飲まれるかだけだッ!」 (卑劣さのない公正なる戦い。俺はまだ歩ける……この光輝く道を!) 「ならばッ! 一度でも相手を逃し! 自ら死に遅れた『復讐者』にッ!」 (感謝するぞ、エシディシ……対応者でない怪物よ) 「『男の世界』を歩んでいる貴様がッ! なれるわけなかろうがッ!」 ガンマンの手が、震えた。色に染まった瞳が見開かれた。 そして弾丸は、怪物の言葉に反応したのか、ほんの僅かに銃口がずれ、放たれた。 ゼロコンマ一秒、リンゴォの反応が遅れた。 引かれた引き金、放たれた銃弾。 首輪を直撃するはずだった道は横にずれていた。 しかし、それでも首輪は爆破するだろう。中心に当たらずとも、至近距離からの一発は必ずや怪物の頭を吹き飛ばす。 そう思っていた。そうなるはずだった。 怪物が操る黄色のスライムが、首輪を覆っていなければ。 音が返ってきた。時も動きだす。モノクロの世界は色を取り戻した。 そしてリンゴォの世界が急速に動き出す。 弾丸は首輪を爆破することはできなかった。それを確認すると同時に、エシディシの拳が彼を貫いた。 ◆ 静かだった。音が死んだのではないかと疑うほど、部屋は静まりかえっていた。 四人のギャングたちの先に二人はいる。 男は床に倒れ、その体には巨大な穴が開いていた。 どんな治療も間に合わない。致命傷だった。 怪物は何も言わなかった。倒れ伏した男の隣に立ち、ただ黙って彼を見つめていた。 「一体……どこで間違えた?」 リンゴォは苦しそうにそう呟いた。言葉の途中で激しくせき込み、口元を真っ赤に染めながら、それでも言い切った。 エシディシは黙って首を振る。リンゴォは話を続けた。 「首輪だけ……スタンドでガードしていたのか?」 「お前が首輪を狙っていたのは明らかだったからな。だがこの戦いまで、俺はスタンドをうまくコントロールできなかった。 本来持つ肉体を存分に使うか、少しだけ抑えスタンドを併用するか。そのどちらしかできなかった」 「……そう、だったのか」 「お前の言う『男の世界』は確かに俺を更なる高みに押し上げたぞ、リンゴォ。俺は一段、また高みへと近づいた」 「そう、か……俺は、俺の世界を、信じ切れなかったのか……?」 口から血をまきちらし、内臓をぶら下げ、それでもリンゴォは生きていた。倒れた体を起こそうと自らに鞭を振るう。 震えた手で上半身を起こし、膝をたてる。 誰も何も言わなかった。リンゴォが立ち上がるのを皆が待っていた。 「……お前は何も間違ってなんぞいない。復讐者にも『男の世界』を歩むことはできる。 いや、復讐者こそが『男の世界』を歩まねばならないのかもしれない」 「…………」 「お前はただ誰よりも気高くあり続けようとしたのだ。 理不尽さ、効率、結果。それらをすべて超越した世界でお前は『男』であり続けようとした。 そしてそうしようとたのはほかでもない、お前自身だ。 例え灰になろうとも、その体が燃え尽きる最後の一瞬まで、誇り高く。漆黒の殺意に燃やしつくされようとも、自分自身を貫く」 「…………」 「お前は少し急ぎすぎただけ、ただそれだけだ、リンゴォ。 『男の世界』、そこから遠回りして違う道へと向かう必要はなかった。 ここは誰でもない、お前自身が望み選んだ世界だったのだから」 「…………そう、か」 震える脚はまるで生まれたての動物のように弱弱しい。 だが倒れない。倒れてなるものか。 崩れ落ちそうになる体を気力で支え、リンゴォは前を向いた。 怪物はもう笑っていなかった。 しかし、静かな優しさを込めた頬笑みを浮かべていた。 「ならば……エシディシよ……お前が歩いて見せろ。 一族を滅ぼした我々人間の『復讐者』として……そして更なる高みを目指す『男』として」 エシディシは静かに首を振る。 「俺には俺の歩むべき世界がある。仲間の『夢』と一族の『誇り』……俺は俺の信じる道を歩きたい」 「そうか……」 リンゴォ・ロードアゲインは最後までガンマンであり続けようとした。 手にしたナイフを失っても、彼が銃を離すことはなかった。 ゆっくりと、鉛のように重い銃を持ち上げた。 エシディシは体を沈める。いつでも相手を殺しにかかれる、本気の構え。 「ならば……その道……必ず歩き続けろ」 「当然だ」 受け継がれるのは『男の世界』―――人間から、人間ではないものへ。 弾丸は今度は逸れなかった。胸のど真ん中を打ち抜かれても、エシディシは怯むことなくリンゴォに向かっていく。 右腕を力強く振りかぶる。うねりをあげた握り拳を、思いきり、振りぬいた。 「さらばだ……『男の世界』よ……」 リンゴォ・ロードアゲイン―――それは誰よりも誇り高く『男』であり続けた男の名。 【リンゴォ・ロードアゲイン 死亡】 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ
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