約 2,556,469 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36044.html
登録日: 2017/01/21 Sat 23 29 43 更新日:2024/03/17 Sun 11 37 44 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 Acyde Fondation SCP Branche Francophone. SCP Foundation SCP-210-FR SCP-FR いいえ、それはウサギです。 うさぎ ウサギ フランス支部 兎 認識災害 いいえ、それはウサギです。 SCP-210-FRは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するウサギである。 概要 ウサギである。 …うん、ごめん、何言ってるかわからないよね。 SCP-210-FRはSCP Foundationフランス支部に登場するウサギである。 ウサギといってもわざわざナンバーが付いていることからわかるとおり、オブジェクト (SCiP) として研究されている。 オブジェクトクラスはウサギ。 フランス支部にはオブジェクトクラス(収容難度)と別に7段階の「脅威レベル(危険度)」を定めているが、こちらもウサギである。 項目名も『Un Lapin(ウサギ)』と徹底している。 そしてある年の「12月7日」に撮影された写真がついている。 このままじゃ何なのか多分わからないまま終わるので、旧説明を見てみよう。 といっても旧説明である。現在は改訂されて「いいえ、それはウサギです。」でしめられている。 だが旧説明も報告書内で普通に折りたたまれて閲覧可能なので読んでいく。 旧説明 旧説明によれば、SCP-210-FRはウサギである。 …うん、もう一回繰り返すね。でもまだ続きがあるのよ。 上の写真の撮影年と同じ年の「1月21日」に撮影された写真がついている。 SCP-210-FRは体長38cm、体重2.1kgのウォーレンという名の黒ウサギで、 毛皮は12mmの厚さであり、毎日平均350gのハーブや様々な野菜を消費する。 …まあよくあるウサギである。体長にも体重にも異常はないし、食ってる飯の量もウサギである。 SCP-210-FRは体長14.9インチ、体重4.6ポンドの消炭色のアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)で、 視野は240°(頭の回転を含めると360°)に広がっており、最高速度40km/hで、耳の大きさは7cmである。 アナウサギで耳の大きさは7cmならまあ中くらいの部類である。つまり普通。 消炭色というのはまあ黒ってことであるし。体長にも体重にも不自然な点はない。 …ちなみに財団では原則SI単位系以外の単位表記を禁止しており、なおかつSI単位系に直すと上と同じ値をとる。なんで繰り返してるんだろう? SCP-210-FRは質量と体重を持ち、#000000の毛色をした毛皮を持つウサギの雌である。 #000000はつまり真っ黒。嗅粘膜は8億個の受容体から構成され、触毛は平均82mm、鼓動は毎分180回。 まあウサギである。…あのー、まだオブジェクトの異常性の説明はいらないんですかね…? SCP-210-FRは、筋肉、脂肪、骨、神経や血液から成る生物であり、神経終末と毛を含んだ有機組織に… って当たり前だろ!ウサギなんだから。この生物は120℃以上の温度に耐えることができないらしい。 …本文の横に仕込み中のSCP-210-FRの画像が写っているのは見なかったことにしよう。 SCP-210-FRは愛情がこもった特製シチューであるという。ウサギさんがシチューにされてる…。 心拍数は0bpmとのこと。そら死んでますし…。というかオブジェクトをなに料理にしてんだよ。 これには、ネギ属(Allium)に属する3つの異なる球根植物のスライスが添えられており、肉はシャラント産のブランデーとヨーロッパブドウのジュースで漬けてあります。これは、4人の胃を満腹にする力を持っています。それはおいしいです。 なぜか報告書にシチューの材料を、やはり詳述しており、しかも主観的な味の感想までついてる。 あとシチューの画像も。 SCP-210-FRは幸せであるという。いや死んでるけど? ここから報告書とは思えない詩的な文章のデパートである。 なんでも、SCP-210-FRは慈悲深く利他的であり、彼女の力は計り知れないのだという。 彼女は私であり、彼女は他人で、彼女は何者でもなく、故に彼女はすべてであるという。 ウサギが犠牲になることで、人は味のない人生から救われるという。 そして、別の人が必要とするとき、また再び地に還るという。 ウサギはいない。 ウサギはいる。 旧説明は、新任研究員に、「前任研究員が不幸にも心臓発作で死に、後任の君はこれを最初から書き直す義務があり、 ウサギは小屋から出ていないがテーブルの上にいて、脱走することはなかったがもうこういうことはないだろう」という ガレット監視員のメッセージで締めくくられる。 結局これはなんなの? ウサギである。 …ただし、より詳しく言うならば、 「見た人に信仰心を湧き起こさせ、その深淵に近づきたいと詳しく調べさせ、やがてウサギを取り込むことで天の国に近づこうとする」という 強烈な認識災害特性を有するウサギである。 だから報告書の大半は、「ウサギであれば当たり前のこと」をつらつらと書いていたのであり、 後半は詩的な文章で埋められていたのである。 SCP-210-FRのシチューを食った研究者は、その後「天の国に行った(=つまり死んだ)」。 そしてウサギはそこに再出現し、それを次の研究者は写真を撮り、調べている。 というわけでちょいと横道に逸れ、財団テンプレートでこのウサギについて真面目に記してみよう。 アイテム番号:SCP-210-FR オブジェクトクラス:Euclid 特別収容プロトコル:SCP-210-FRは常時監視下に起き、研究担当者の接触を妨害してください。研究担当者はSCP-210-FRの直接の研究を行うことは認められません。当報告書を書き直す必要が出た場合、それまでに書かれた旧版の報告書を参考に新たな報告書を作成してください。 説明:SCP-210-FRは体長38cm、体重2.1kgの消炭色のアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)です。生物学的に非異常性のアナウサギとの差異は存在しません。 SCP-210-FRは自己再生能力を有する認識災害ベクターです。SCP-210-FRは自身の直接の研究を行う人間に対して、3つのフェーズに分類される精神影響をもたらします。 フェーズ1 SCP-210-FRの研究を行う人物は、SCP-210-FRに対して異常なまでの魅力を感じ始めます。その結果、SCP-210-FRについて執拗に調査し、報告書に記載します。しかし、曝露した対象はこの現象を異常であると捉えることができず、結果として報告書に記載される文章は、あらゆる角度からSCP-210-FRがウサギであることを示す内容となります。 フェーズ2 対象はSCP-210-FRの存在に神性を見出します。さらにその神性を自らに取り込むことを強く望むようになり、結果としてこれはSCP-210-FRの摂食、およびフェーズ3への移行に至ります。 フェーズ3 SCP-210-FRを摂食した対象はこのフェーズへ移行します。対象の記す文章はSCP-210-FRに関する、根拠を欠いたより詩的な文面へと変化し、いかにSCP-210-FRが神聖で尊い存在であるかを連ねるものとなります。最終的に対象はエクスタシーを伴う心臓発作により死亡し、SCP-210-FRは対象の近辺で再構成されます。 補遺:SCP-210-FRの研究担当者であったS███████博士は█/██/██、オブジェクトの異常性に曝露したことによる心臓発作により死亡しました。このオブジェクトの研究はP█████-████████博士に再割り当てされました。SCP-210-FRはS███████博士の自宅の庭で発見されています。 …さて、旧説明でも「SCP-210-FRはウサギである」という一文からスタートしていた。 次の研究者も「SCP-210-FRはウサギである」という一文を書いている。 無限ループって怖くね? 追記・修正はウサギです。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-210-FR - Un Lapin by Acyde http //fondationscp.wikidot.com/scp-210-fr http //ja.scp-wiki.net/scp-210-fr この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] うさぎですよろしくおねがいします -- 名無しさん (2017-01-21 23 36 06) ↑もっとヤバいミーム汚染はやめろぉ! -- 名無しさん (2017-01-22 00 01 28) ぴょんぴょんぴょん ぴょんぴょんぴょん ぴょんぴょんぴょぴょぴょん ぴょんぴょんぴょん -- 名無しさん (2017-01-22 00 06 10) この記事最高にウサギ -- 名無しさん (2017-01-22 00 08 27) ぼくらはねこでうさぎで図書館でついでに私はトースターですよろしくおねがいします -- 名無しさん (2017-01-22 00 51 48) そういうSCPだったのか、読んだとき全然理解できなかったぜ -- 名無しさん (2017-01-22 01 24 04) ね、、、こ、、、じゃねーやうさぎです -- 名無しさん (2017-01-22 01 32 45) あかしけ やなげ 緋色のウサギ -- 名無しさん (2017-01-22 02 12 30) アリソン・エッカートVSねこVSウサギ -- 名無しさん (2017-01-22 03 04 13) シチューにされましたがウサギはまだ0匹います -- 名無しさん (2017-01-22 05 53 17) ねこの亜種か、よろしくおねがいします -- メモ (2017-01-22 06 30 24) またたくさんクロステストされてる・・・いいぞもっとやれ! -- 名無しさん (2017-01-22 10 46 58) イナゴ的なSCPかと思ったら「絶対自分を食わせて昇天させるバニー(復活能力付)」だった。自己犠牲兎ってインド系の神話だったと思うが、フランスの民話に取り込まれてるのか、ただ単に食材なのか…。 -- 名無しさん (2017-01-23 01 59 50) 「空腹のブッダの前にウサギが現れ、セプクしてブッダに食われた。ナンデ?」「ウサギは強烈な認識災害特性と自己再生能力を持つSCPだったから」 -- 名無しさん (2017-01-23 10 38 16) かつて図書館だった0匹のイナゴにうさぎはいます、ネコは0匹です、よろしくおねがいします。 -- 名無しさん (2017-01-23 11 07 03) あかしけ やなげ うさぎのねこですよろしくおねがいします -- 名無しさん (2017-01-25 17 58 45) () -- 名無しさん (2017-01-25 18 01 20) 複数の重度な災害により上書きされつつある、緋色の鳥の明日はどっちだ -- 名無しさん (2017-01-26 07 29 59) ウォルターとつがいにさせよう -- 名無しさん (2017-03-14 12 15 47) ↑それはナイスなうさぎだ! -- 名無しさん (2017-03-14 12 28 17) 混乱した概念に共振パンチ! -- 名無しさん (2017-04-07 15 46 39) ↑共振ウサギ!!共振ウサギ!!ききょょううししんんううささぎぎ -- 名無しさん (2017-04-07 17 03 44) SCP-040-JP等の収容違反を確認。Fクラス記憶処理を許可する。 -- O5-笳シ? (2017-04-07 17 15 55) うさぎですよろしくおねがいします -- 名無しさん (2017-07-18 16 48 50) おれはパセリ… -- 名無しさん (2017-07-18 17 04 45) これ、自分を食べさせることで相手を殺害する有毒生物って考えたら普通に凶悪なんじゃね? -- 名無しさん (2017-07-18 19 56 14) >ウサギさんがシチューにされてる…。 ←ここで絶対吹き出してしまう -- 名無しさん (2017-07-24 10 30 30) ↑3 かわいくない -- 名無しさん (2018-02-05 12 14 24) うさぎはいます -- 名無しさん (2018-03-20 12 48 52) マジかよ、ウサギ最高だな。 -- 名無しさん (2018-03-20 12 54 42) ウォーレン…男の名前なのに、なんだ女か -- 名無しさん (2018-04-13 00 02 21) こわいなぁ 思わず伊っちゃったよ -- 名無しさん (2018-09-27 05 40 10) 元の報告書に食肉にされる前のウサギの画像があってちょっとびっくりした・・・ 苦手な人は注意かも -- 名無しさん (2018-09-27 06 04 36) うなぎですよろしくおねがいします -- 名無しさん (2018-09-27 08 10 15) いや、ワシだろ -- 名無しさん (2018-09-27 11 50 59) ↑いやいやウサギだろ? -- 名無しさん (2019-09-05 21 26 14) ↑4その下のウサギシチュー美味しそうでダブルの意味で閲覧注意な画像が2つあるSCP記事だな ・・・ウサギってどんな味するのか本当に気になってきた -- 名無しさん (2019-09-05 22 01 54) こいつまさかSCP-1728-JP-EXの…… -- 名無しさん (2019-09-05 22 23 17) アメリカの小説でフランス語習う場面で何回かウサギを使っていたのを見たから、あっちでこれはウサギですって言うのは、日本で言うディスイズアペンなのでは -- 名無しさん (2020-01-06 11 15 32) 身長はナオキです -- 名無しさん (2020-12-22 18 16 33) うさぎ、美味しい -- 名無しさん (2021-04-18 20 18 55) 水中のトースターに見覚えのない0匹の緋色のうさぎです。よろしくおナナホシます。 -- かき氷 (2021-08-27 22 14 44) あぁ^~心が(天国まで)ぴょんぴょんするんじゃぁ^~(昇天) -- 名無しさん (2022-01-08 16 20 55) 本部のイカ!日本のねこ!そしてフランスのウサギ!我ら認識災害動物トリオ!!! -- 名無しさん (2023-03-09 12 04 45) コメント欄に深刻な収容違反が起こっています。直ちに財団職員は対処してください。 -- 繧「繝翫え繝ウ繧ケ (2023-06-06 17 50 50) 田中ウ■ギです。よろしく。 -- SCP-2021-JP (2023-07-25 18 43 21) ンボボボ…うさぎかえして -- 名無しさん (2024-03-17 11 37 44) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/472.html
150.地図 例えば、 少しでも禁止区域に入れば即死に至るこの島において、 「ちょっとぉ……本当にこっちで合ってるんでしょうねぇ?」 その禁止区域を教えてくれる地図を持たずに歩き回る馬鹿が居るだろうか? ヨタヨタと傷ついた身体を引きずりながら、前を行く子犬に♀アコは問い掛けたが、子犬はあどけない顔で振り返って頭の上に『?』を浮かべただけだった。 「うぐっ……期待なんかしてないわよ……」 がっくりとうなだれながら♀アコは呟いた。 「まぁ……あたしの方向感覚に比べるとマシ……なのよね?」 自分の方向感覚の無さにはほとほと呆れる。それ故に自分よりマシな方向感覚を持つであろう子犬に先導させて歩いていた。 荷物を残してきた崖の上を目指して何時間歩いたのだろうか。 あたりは砂浜から密林めいた景色へと変わっていた。 「ねぇ…あたし、こんなにも泳いだっけ?」 ビクッ!! と痙攣するかのように子犬の動きが止まった。続いて♀アコも動きを止める。 数秒の間。 子犬は何事も無かったかのように再び歩き出した。どうやら♀アコの言葉を完全に理解できるようである。 「………。」 主人が主人であればペットもペット。♀アコが方向音痴であるのと同じように、子犬もあまり方向感覚がいいわけではなかった。 「…ま、なるようになるって事ね」 ♀アコが子犬の頭を撫で、ひょいと抱き上げる。 「さすがにあんたも歩き疲れたでしょ?だいぶ歩いたからね」 放送からかなりの時間がたった。砂浜にいた時はあの崖がもし禁止区域になっていたのなら残された時間は30分しか無いと思い、焦っていたが今となってはその30分を裕に過ぎているのである。今更急いだとしても仕方が無い。 もちろん、すべての荷物を♂クルセイダーに持っていかれているのではないかという心配も無いことは無いが。 それよりも体力の方が心配であった。ずっと歩き続けているのである。今、もしこの状態で襲撃されたとしても本気の半分も実力を出せないだろう。 (少しくらい休んだって構わないわよね) 「休憩!」 ♀アコは近くにあった大木の根元へ座り込んだ。それでも耳だけは周りの音に集中させて。 子犬も同様に警戒しながら♀アコの腕の中にいた。 「しばらくしたらまた歩くわよ」 一人と一匹は周りの様子に警戒しながら休息を取る。 それが何の意味にもならないと知らずに。 例えば、一人と一匹以外、この区域には誰も居ないとしても 例えば、このゲームにおいて、地図を持たずに歩き回る馬鹿が居ると予想していなかったGM側も 例えば、一人と一匹が居る場所が、すでに禁止区域であったとしても “禁止区域を表す地図を持っていない”♀アコライトは何も知らないのである。 <♀アコライト> 現在位置:D-7(本人はわかっていない) 容姿:らぐ何コードcsf 4j0n8042 所持品:荷物袋・地図等含めすべて崖の上(D-8) スキル:ヒール・速度増加 備考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 状態:体力回復中 戻る 目次 進む
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35449.html
登録日:2016/11/06 Sun 16 24 15 更新日:2024/01/31 Wed 15 08 49 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 SCP SCP Foundation SCP-993 SCPオブジェクト SCP財団 SCiP Safe Tanhony ピエロ ピエロのボブル ピエロ姿の異常者 子供向け番組 教育的…じゃねぇよ 道化 都市伝説 やあ、みんな、ハロー。おっと、起き上がらないで! でも、その銃は下ろしてね、そんなもの無意味だからさ。ボクは実在してないんだよ、どうやって撃ち殺すつもりなのさ?さあ。わかるかい、そんなことをするよりよっぽどいいだろう?テレビの前のお友達にあいさつするんだ。そう……笑顔でね。はい、よく出来ました。 SCP-993はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト (SCiP) である。 項目名は『Bobble the Clown』で日本語訳は『ピエロのボブル』。 オブジェクトクラスはSafe。 概要 放映エピソード Tale ボブルの舞台裏 余談 概要 驚いているようだね、博士。きみはボクの大騒ぎにいただろう?きみのやり方は好きだったんだ。きみは倒れて、いま起きたところだ!でも、本当に恥ずかしいのは、ボクを入れてしまったことだよ。いいカウチだね。起きちゃダメだよ。ボクは家にいるみたいにくつろぐからさ。どんなお話しをしようか、博士?ああ、いや、ボクは別に復讐に燃えて仕返しに来たってわけじゃないんだ。ボクは怒ってるわけじゃないんだけど……テレビの前のみんなもそうだといいね。だって、きみはすっごく身勝手で、ボクを子どもたちの前から連れ去ってしまったんだから。 SCP-993は『Bobble the Clown(ピエロのボブル)』という名前で19██年の██月██日(*1)に放映がはじまった子供向け番組である。 どう子供向けなのかというと、「10歳未満の子供は見られるが、10歳以上になると頭痛がして気絶する」という意味で。 そのためマジで子供しか見れない。大きなお友達のことは全く考慮されていませんあしからず。 …だがその内容を子供たちにインタビューすると、しばしば吐き気がするような内容であることがわかる。 というのも、このピエロのボブルが子供たちに教えてくれるのは挨拶とかマナーとか新しい歌とか、そういうのではない。 彼が教えてくれるのは「人喰い」「殺人」「拷問」、そして…もうひとつ報告書に書いてあるのだが削除されている。 前3つよりも恐ろしい何かだったんだろうか。すでに前3つの時点でマジキチなのだが。 当然こんなもの見て子供が平静でいられるわけもなく、子供たちは精神病や統合失調症を患ってしまう。 そのため財団は『プロトコル・ユプシロン・ベータ3』というもので全ての放送を傍受し、 キチピエロのボブルさんが子供たちのお友達にならないように放送を妨害している。 この妨害に成功していることから、オブジェクトクラス自体はSafe。 エピソードを確認する際はどうしても子供を使わなければならないが、その場合でも内容を教えてもらった後は ちゃんとしっかり記憶処理を受ける。Dクラスならともかく無垢な少年少女の成長に悪影響がでては困るし当たり前である。 しかし収容できているとはいえ、実は全く被害が出ていないわけではない。 その被害にあう対象がコントロールできているだけ…だったりする。 放映エピソード あのころ、ちょっと怒りんぼになっちゃったことは、ボクも認めざるを得ないかな。ご心配なく、新しい視聴者と一緒に戻ってきたからね。きみはボクを何度も子どもたちの前に連れて行ったよね。きみを化け物と呼ぶ人もいる! ボクじゃないよ。ボクは裁かない。ボクはフェアだ。 'ボブルのキッチンサプライズ' 内容:場所はステレオタイプなアメリカの小さな町です。ボブルは町の市民を誘拐し、彼の自宅へと連れて行きます。ボブルはそこで一度人肉調理方法を見せたのち、市民の皮を剥いで調理を始めます。 のっけから子供が泣くような内容である。というか大人でも泣くぞこんなもん。 '都会でボブル' 内容:場所はアメリカの大都会、おそらくニューヨークです。ボブルは蚊取り線香のような物を使って発見されない放火の方法を教えてくれます。番組の最後は、ボブルが大きな建物に火を放って立ち去ります。番組が終わる3分間燃えている建物が映されています。この間悲鳴が聞こえてきます。 悲鳴が聞こえる:つまり普通に燃やしている。 ただし財団が「おそらく」と書いているということはボブルの出現した位置を正確に特定できていないことを示しているようだ。 'ボブルの卑劣土曜日' 内容:場所はロンドン、ビッグベンが見える場所です。番組の大部分でボブルは静かに女性に忍び寄ります。彼女が家に着くと、ボブルは大きな肉切り包丁で彼女を殺害します。番組の最後は、ボブルが群集に紛れ見つからないようにする方法を教えてくれます。 道理で見つからないわけである。しかしエピソードタイトルからして不穏でしかないのはなんなんだ。 'ボブルの真相解明' 内容:場所は捕虜収容所。このエピソードではボブルは、捕虜に無意味な質問を繰り返し拷問します。兵士は最終的に拷問による負傷で死んだように見えます。ボブルは視聴者へ致命傷にはならない痛めつけ方を教えてくれます。 お 前 が 実 践 し て か ら 言 え 'ボブルはあなたが嫌い' 内容:場所は何も無い部屋。30分間、ボブルは椅子に座りながら怒って視聴者を睨みつけています。 おそらくプロトコル実行後の番組ではないだろうかと推察される。 どうやら財団の存在を感知した様子。 '[罵倒] 野郎 [罵倒] 野郎 [罵倒] 野郎' 内容:場所はSCP-993の記録が保存されている██の記録室のように見えます。このエピソードでは、ボブルはいくつかのSCPの解放の方法を怒りながら説明します。それからボブルは封じ込めた研究者の殺害方法と、日課や習慣についても教えてくれます。エピソードの最中に、アニメ化された████博士がボブルの後を横切る点は特筆に値します。壁の時計は、午後██ ██を示しています。そのとき、████博士はSCP-993の記録室を歩いていたことを確認しています。 …ん? Tale ボブルの舞台裏 20██年██月██日時点で、SCP-993は放送をやめたものと見られる。20██年██月██日時点で、SCP-993は通常の放送を再開した。Euclidへの指定変更が検討されている。 ハハ、何を書いてるんだい? 悪いけどこれはインタビュー番組じゃないんだよ博士。そんなものはゴミ箱にポイだ。そう、結局、すべてはゴミ箱行きなのさ。きみの貴重なインタビューも、子供たちの小さな心も。ボクのトリックさえもいくつかポイしなけりゃならなかった。うん、そう。ぼくはここしばらくひどいことをしてなかったよね。銃を下ろしなって。 小さなことから始めようと思ったんだ。おバカな原始人がまず火の使い方から覚えたようにね。あのころから子どもたちには時間がなかったから、ボクのほうが進んだ。スキンウォーカーの十八番だけど、いいアイディアだった。子どもたちは夜になるとボクの噂話をして、大人たちだってボクについて話したんだ。ボクはなにもしなくてよかったんだよ! でも、きみはもっと賢くやらなくちゃならなかった。そうだろう?突然、色んな迷信が広まり始めて、ボクには助ける子どもたちがいなかったし、両親も……うん、きみはすぐに見つけちゃうだろう。でも、ボクが残した小さいなにかがある。子どもたちの頭の中に入って、ゆがませちゃう人気のキャラクター。ボクがいってるのは、もちろん、ピエロのボブルのこと。ああ、そんな不機嫌にならないで。 笑って、笑って。きみはテレビに出てるんだからさ! 冒頭からここまでの赤文字は、SCP-993と同じ作者によって書かれたTale(簡単に言えばSCPに関するSS)である。 このTaleにて追加されたボブルのエピソードがこちら。 'おかえりボブル!' 内容:舞台は█████博士のオフィスのように見えます。ボブルが部屋に現れると、█████博士は驚いた表情を見せ、それから視聴者に向かって笑いかけます。それからボブルと█████博士は15分程度会話しているように見えますが、内容は聞き取れません。15分後、█████博士は拳銃をボブルに向けて、発砲したが何の効果もありませんでした。それからボブルは、大きな肉切り包丁で█████博士の手足を順番に切り刻み、鼻や耳をそぎ落としました。█████博士は三分間に渡ってうごめいていたのですが、その後、スタッフロールが始まりました。遺憾ながら、█████博士はこのエピソードが放送される前日に消息を絶っています。 余談 ボブルの元ネタは『道化恐怖症/コルロフォビア』であると思われる。 メーキャップしたピエロを見ると恐怖を覚えるという恐怖症の一種で、日本では馴染みが薄いが、 海外ではあのジョニー・デップもこの道化恐怖症らしい。(*2) どうも海の向こうではピエロというのは恐怖の対象として普通に市民権を得ているようで、 それゆえに若者がピエロの格好をして子供たちを怖がらせるという悪質なイタズラが敢行されたり、 バットマンの敵役のジョーカーがピエロのメーキャップをしているのも「道化は恐怖の対象」だからということのようだ。 日本でも分かりやすいコルロフォビアの典型例としては、アメリカ本国で大量のコルロフォビアを誘発させ、ピエロの同業者組合からマジのクレームが寄せられた『IT』のペニーワイズ辺りも有名だろうか。 また、そのペニーワイズの元ネタの一つであるジョン・ゲイシーという連続殺人犯も、しばしばピエロの姿に扮することがあったという。(*3) ちなみに現在はEN、JP共に権利の関係で画像が差し替えられており、元のイラストをデフォルメし包丁を持たせたオリジナルのイラストが使用されている。 追記・修正はピエロがお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-993 - Bobble the Clown by Tanhony http //www.scp-wiki.net/scp-993 http //ja.scp-wiki.net/scp-993 Behind the Scenes by Tanhony http //www.scp-wiki.net/behind-the-scenes http //ja.scp-wiki.net/behind-the-scenes この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 結局博士やられたのか… -- 名無しさん (2016-11-06 16 33 25) 鳥と同じような恐怖心による進化の気配を感じる… -- 名無しさん (2016-11-06 17 38 12) バットマン「やっぱりピエロは放っておけんな」グリーンランタン「せやせや」 -- 名無しさん (2016-11-06 19 09 57) そういえば現実でも、殺人ピエロというムービーが流行してたな。……まさか!?Σ -- 名無しさん (2016-11-06 19 19 34) これは収容できているといっていいんだろうか -- 名無しさん (2016-11-06 19 33 37) ちなみに最後のおかえりボブルは記事本体じゃ無くてあくまで「tale」なんで -- 名無しさん (2016-11-06 20 22 44) 最後っていうか赤字と打消線部分は全部Tale『ボブルの舞台裏』 同じ作者のTaleだけどSCP項目と同じ作者がやはりTaleも書いてるどこぞのチートパルサーくん同様に「正解」ではない ただボブルの報告書のラスト考えるとこのTaleと似たようなことは結局起きそうだなあって思う -- 初版投稿者 (2016-11-06 20 37 29) スティーブン・○ング「もうピエロにビビるのやめようぜ!あいつら笑かすための存在やぞ!HAHAHA!」 -- 名無しさん (2016-11-06 21 37 57) テイルの内容を前に出し過ぎじゃないか?SCPを良く知らないwiki籠もりを勘違いさせるぞ -- 名無しさん (2016-11-07 01 18 31) 日本支部の某オブジェクトにもしれっと映りこんでた(?)ボブル氏 -- 名無しさん (2016-11-07 01 38 49) 収容されてからはひたすら財団へのささやかな抵抗を続けようとする小物感が好き -- 名無しさん (2016-11-07 02 28 36) すっかり2chやニコ動ではみんなのおもちゃと化したボブル・・・ところで、ボブルと2170「ピエロ・ワクチン」って関連あるの? -- 名無しさん (2016-11-07 02 36 24) Taleは二次創作だってこと知らないのかな -- 名無しさん (2016-11-07 05 20 35) このTaleはSCPに慣れてると色々おかしい所があってボブルの妄想じゃねぇか?って読者が疑うまでが落ちなのに -- 名無しさん (2016-11-07 13 35 41) 他のtaleだと博士「」 -- 名無しさん (2016-11-07 19 09 23) ↑ミス 他のtaleだと「博士」と組んで日本進出して「楽しもうね!」言ってた -- 名無しさん (2016-11-07 19 14 59) 日本のピエロはいい子だったんやなって… -- 名無しさん (2016-11-30 17 38 00) ボブルの卑劣様土曜日 -- 名無しさん (2017-01-20 12 24 28) ↑二代目火影の卑劣なミーム汚染だ…… -- 名無しさん (2017-01-20 18 31 17) ボブルの卑劣二次創作 -- 名無しさん (2017-02-26 02 48 10) 本家だと↑7普通にボブルこえーって反応らしいしそんなオチはない -- 名無しさん (2017-02-26 04 51 31) 結局のとこ完膚なきまでに封殺されたのち[罵倒]しかできなかった奴がなぜかTaleで無双しているときてそしてこの特性 残念だが当然の扱いといえる -- 名無しさん (2017-06-26 01 23 39) こいつのこと財団にコテンパンにされたkszkピエロ扱いする人多いけどコイツほど潜在的ヤバさを抱えてるSCPもなかなかないんじゃないか?もし現在の封じ込めの抜け道を見つけられたら「財団に明確な敵意を持つ上に保管SCPとその解放方法を把握してる奴」が各地に財団の情報をばら撒く可能性があるんだぞ? -- 名無しさん (2017-08-28 14 30 57) ↑そんなときは、この大日如来の像を見て心を落ち着かせるのだ。 -- 名無しさん (2017-08-28 15 21 21) ↑なるほど!これで問題は解決!安心ですね! -- 名無しさん (2017-08-28 15 29 03) えーと要するに「余談」より上の部分で本来の記事は終わってて。下の部分はこういう続きがあったかもねって二次創作って事? -- 名無しさん (2017-09-29 08 42 57) 「ボブルは蚊取り線香のような物を使って」←アメリカのピエロが日本の蚊取り線香ナンデ!?と思ったら、原文でも「mosquito coil」(蚊取り線香の英語名)だった。長時間もつし、携帯用ケースも市販されてるしで、考えてみれば火種としてはかなり優秀だな蚊取り線香。 -- 名無しさん (2017-10-27 15 00 14) ふと思ったんだけど、「10歳未満の子供は見られるが、10歳以上になると頭痛がして気絶する」って別のアノマリーの異常性とかで子供になったり転生した記憶ありの子供って見れるのかな -- 名無しさん (2017-12-31 16 54 07) ↑そう言えばブライト博士って子供の体に入れたかな。 -- 名無しさん (2018-01-11 14 44 55) 別世界のボブルは他のSCPの収容を手伝ってくれてる -- 名無しさん (2018-01-19 15 23 37) ↑2 「やってはいけないことリスト」を見ると「魔法少女、或いはそのパートナーを名乗って良からぬことをしようとした」形跡が…… -- 名無しさん (2018-03-09 06 52 08) この番組を、遠隔操作でビデオ撮影し、その映像データを見た場合は気絶しないのだろうか? -- 名無しさん (2020-03-23 12 21 58) 4505で吊られた王と緋色の王の同期(もとい宮廷道化師)という設定が追加された模様。金魚のフンすぎて草 -- 名無しさん (2020-06-20 19 11 42) 久しぶりに本家記事を除いたらボブルの写真がよりアニメチックなものに差し替えられてた。 -- 名無しさん (2020-09-05 03 13 18) これでsafeなんかい -- 名無しさん (2020-10-31 20 38 58) サイト-13にいたがむしろ協力してきたぞ…一体何があったのだ -- 名無しさん (2021-02-14 00 09 23) ↑2 一般人への被害を抑制出来てるのであればそれはSafe -- 名無しさん (2021-02-14 01 03 06) 一つ目の注釈は必要ないかな?SCPオブジェクト記事ならだいたいあるもんだし。あってもいいけど -- 名無しさん (2021-02-14 06 13 19) 日本支部で最初に翻訳されたSCPは173でも001提言でもなくどうやらコレっぽいな -- 名無しさん (2021-04-03 04 01 40) ジョン・ゲイシーは男児ばかり狙う猟奇殺人鬼だったから、子供向け()ってのもそれを意識してるかも… -- 名無しさん (2024-01-31 15 08 49) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/37063.html
登録日:2017/06/14 (水曜日) 22 46 21 更新日:2023/11/02 Thu 14 55 54NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 Cubic72 Euclid SCP Foundation SCP-074-KO SCP-KO ドッペルゲンガー 自分を財団職員だと思い込んでいるSCP このオブジェクト解説は、ログインユーザーでないと一部表現が伝えることが難しい項目があります。 中盤部分はアカウントを持っている方のみしか正しく表示されていませんので、非ログインの方は下方の「非ログインの方向け解説」をご覧ください。 本家記事の再現に伴い、このような形を取らせていただきました。申し訳ありません。 財団記録情報管理局による通達 このSCiPの詳細な事項は、Level3以上のセキュリティクリアランスレベルを持つ職員のみ参照できます。 貴方がLevel2以下のクリアランスしか持たない場合、非常に多い数の編集を受けた形式の記事でしか閲覧できない事を念頭に置いてください。 再確認のため、ご自身のログインIDを入力してください。 ログイン ご自身のパスコードを入力してください。 - ユーザー確認中……… ログインに成功しました。 SCP-074-KOの解説を閲覧する △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- どうして人間になることが出来ないと言えようか! SCP-074-KOは、共同創作サイト「SCP Foundation」で生み出されたオブジェクト。 オブジェクトクラスはEuclid。 概要 SCP-074-KOは20代前半のような外見を持つ、アジア系の男性である。身長1.8m、体重約80kgで、黒髪に茶色の目と、割と細かい身体データもある。 074-KOは現在、人型実体用の隔離室に収容されており、ベッド一つ、机一つの簡素な部屋で、一日三食食事を支給され生きている。 そして気になるのがここから。 ログイン "決して会ってはならない"とされている。というより、接触、研究、面談のあらゆる行為が禁止されているのである。 ログイン 074-KOの方にAクラス記憶処理がされることとなっている。 この決して会ってはならないというプロトコルは、後述するコイツの異常性にも関係してくる。 異常性 コイツの異常性は主に3つある。 一つは、年を取らない事。 財団が調査した所、074-KOは収容前も、そして収容以後5年間に渡り、全く老化の兆候が無かった。 財団に収容されたきっかけもどうやらコレのようであった。 もう一つは、074-KOが自分をある人物と思い込んでいること。 ログイン ログイン それでも074-KOは主張し続け、 回答者: SCP-074-KO 質問者: ███博士 前書: SCP-074-KO隔離直後、一回目の面談。 ███博士: さて、SCP-074-KO。今君がどこにいるか分かるか? SCP-074-KO: 分からない方が変でしょう、███博士?ここは財団ではないでしょうか、私の職場の! ログイン ログイン ログイン SCP-074-KO:話にならないですね、博士。 ███博士: 面談はここで中止する。少し考えを整理しなさい。 [███博士がドアを開け、部屋を出る] SCP-074-KO: ███博士!███博士! 後書: 面談以後, SCP-074-KOは 30分間面談室で声を荒げ続け、対象は面談室内部に撒布された沈静ガスによって気を失った。 ログイン ログイン 最後の一つは、財団に入る前の"彼"と、074-KOの記憶が全く同じであったこと。 ログイン 完全一致していたのだ。この事は074-KO本人も「自分なんだから当たり前だろー!」と(恐らく)言っているため、 未だに理由が判明していない。 財団韓国支部は、以上の観点からこのオブジェクトをSCP認定。一旦は収容したのだが――― 本人との対面 財団は収容した直後、何回かの面接を行っていた。 ログイン 回答者: SCP-074-KO ログイン 前書: SCP-074-KOが隔離されてから 5番目の面談。 今度は対象が主張する当事者と面談をさせた。 それぞれ、お互いの詳細について知らせない状態で面談は実行された。 ログイン SCP-074-KO: …… ログイン SCP-074-KO: …… ログイン SCP-074-KO: …… ログイン ログイン ログイン ログイン SCP-074-KO: (荒々しく立ち上がって)お前は違う!私だ! 記録終了 ログイン という有様であった。 この後財団はプロトコルに「074-KOとその"対象"を出会わせてはいけない」というルールを追加し、もし出会った場合、074-KOにはAクラス記憶処理がされることとした。 ログイン △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 誰かを模倣したいなら、三つのものを真似ればいい。 一個目は行動、二個目は姿。なら、 三個目はその本質、だな。 驚かせてしまったならすまない。 君が自分のユーザー名が解説になっていることに驚いたのか、はたまたログイン勧誘まみれの解説になっていることに驚いたのかは分からないがな。 別に悪意のあることはしていないので安心してほしい。 報告書のギミック SCP-074-KOは、確かに「身長・体重が平均的で、自分のことを財団職員と思い込んでいるSCiP」でしか無いのだが、 その部分を説明する報告書自体に大きなギミックが仕掛けられている。 それは、自分の名前(ユーザー名)が報告書に反映される=自分のドッペルゲンガーがSCPとなって出現するということなのである。 つまり、見る人が見て、初めて完成するオブジェクトなのである。 そこ、上の説明を見返して「自分は財団職員でも無ければ博士号も無い」とか言わない。 + 非ログインの方向けの解説。名前は便宜上「*」としている。 SCP-074-KOは、共同創作サイト「SCP Foundation」で生み出されたオブジェクト。 オブジェクトクラスはEuclid。 概要 SCP-074-KOは20代前半のような外見を持つ、アジア系の男性である。身長1.8m、体重約80kgで、黒髪に茶色の目と、割と細かい身体データもある。 074-KOは現在、人型実体用の隔離室に収容されており、ベッド一つ、机一つの簡素な部屋で、一日三食食事を支給され生きている。 そして気になるのがここから。 SCP-074-KOと「*」という財団職員は、"決して会ってはならない"とされている。 もし「*」と074-KOが会ってしまった場合、両者を即時に切り離し、{074-KOの方にAクラス記憶処理がされることとなっている。 この決して会ってはならないというプロトコルは、後述するコイツの異常性にも関係してくる。 異常性 コイツの異常性は主に3つある。 一つは、年を取らない事。 財団が調査した所、074-KOは収容前も、そして収容以後5年間に渡り、全く老化の兆候が無かった。 財団に収容されたきっかけもどうやらコレのようであった。 もう一つは、074-KOが自分をある人物と思い込んでいること。 その人物こそ、先程話題に上がった「*」である。SCP-074-KOは、自らを「*」である、と思い込み、それを財団側に主張し続けているが、 実際に財団がDNA鑑定をしても、「*」とは全く異なる体であったようだった。 それでも074-KOは主張し続け、 回答者: SCP-074-KO 質問者: ███博士 前書: SCP-074-KO隔離直後、一回目の面談。 ███博士: さて、SCP-074-KO。今君がどこにいるか分かるか? SCP-074-KO: 分からない方が変でしょう、███博士?ここは財団ではないでしょうか、私の職場の! ███博士: 何回も言うが、お前は「*」職員ではないだろう。 SCP-074-KO: なんてことを言うのですか、博士!私は「*」です!この前、実験にも参加したでしょう! ███博士: やめろ。怒っても君が「*」職員でないということに変わりはないんだ。 SCP-074-KO:話にならないですね、博士。 ███博士: 面談はここで中止する。少し考えを整理しなさい。 [███博士がドアを開け、部屋を出る] SCP-074-KO: ███博士!███博士! 後書: 面談以後, SCP-074-KOは 30分間面談室で声を荒げ続け、対象は面談室内部に撒布された沈静ガスによって気を失った。 この面談を通じて, 対象は自分が「*」職員であると強く信じているということが確認された。 という風に、自らを「*」と固く信じて疑わなかった。 最後の一つは、財団に入る前の「*」と、074-KOの記憶が全く同じであったこと。 つまり、「*」本人が財団に入る前の記憶と、074-KOの収容以前の記憶が完全一致していたのだ。 この事は074-KO本人も「自分なんだから当たり前だろー!」と(恐らく)言っているため、 未だに理由が判明していない。 財団韓国支部は、以上の観点からこのオブジェクトをSCP認定。一旦は収容したのだが――― 本人との対面 財団は収容した直後、何回かの面接を行っていた。 その中では、074-KOと「*」のご対面という面談もあったのだ。 回答者: SCP-074-KO 質問者: 「*」職員 前書: SCP-074-KOが隔離されてから 5番目の面談。 今度は対象が主張する当事者と面談をさせた。 それぞれ、お互いの詳細について知らせない状態で面談は実行された。 「*」職員: えー、えーっと・・・SCP-074-KO、だよな? SCP-074-KO: …… 「*」職員: 収容される前の事は、覚えてるか? SCP-074-KO: …… 「*」職員: 本名は? SCP-074-KO: …… [「*」職員が約10分間、質問用紙に書かれた質問をしたが, 対象は 10分始終何も言わず, 職員の顔を見続けていた] 「*」職員: (ガラス窓の向こうにいる███博士に顔を向けて)何も言わないですよ。もうこのまま面談を終わ… SCP-074-KO: 「*」…「*」… 「*」職員: (マイクを対象に近づけて)何?もう一度言ってくれるか。 SCP-074-KO: (荒々しく立ち上がって)お前は違う!私だ! 記録終了 後書: SCP-074-KOは「*」職員へ突然に飛び掛かり、激しい取っ組み合いが起こった。███博士は迅速に他の職員を進入させ、両者を隔離。対象にはAクラス記憶処理が施された。何故SCP-077-KOが「*」職員を知り得たのかについては目下調査中である。) という有様であった。 この後財団はプロトコルに「074-KOと「*」を出会わせてはいけない」というルールを追加し、もし出会った場合、074-KOにはAクラス記憶処理がされることとした。 ここからは軽い余談だが、「報告書」を見るためには上記の通りワンステップ踏んで見る必要がある。これは「セキュリティクリアランスレベルが2以下は検閲しまくるよ!」という意味らしいが、 ここで1つ引っかかるのが、074-KOに対する「本物」が報告書を閲覧しようとしている点だ。 わざわざ自分がボコされてる実験記録なんか見たくもないだろうし、そもそも見たところで自分は一切接触ができないのだ。 さらに言えば、074-KOは本物と接触した時点で記憶処理される=本人と出会った記憶がなく、何らかの形で参照する他知るすべは無い。 という事は、あくまでも一説に過ぎないが、 SCP-074-KOの報告書を閲覧した「貴方」こそ、 SCP-074-KO - 너는 내가 아니야(お前は私じゃない) SCP-074-KOなのかもしれない。 追記・修正は、自らのSCP-074-KOと出会ってからお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 보안 인가 재확인 by Cubic72 http //ko.scp-wiki.net/security-clearance-recheck http //ja.scp-wiki.net/security-clearance-recheck SCP-074-KO - 너는 내가 아니야 by Cubic72 http //ko.scp-wiki.net/scp-074-ko http //ja.scp-wiki.net/scp-074-ko この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 現在進行形の収容違反……ということか? -- 名無しさん (2017-06-15 08 56 00) 俺は財団職員だ 誰が何を言おうと財団職員なんだ -- 名無しさん (2017-06-15 09 33 52) 入れ替わってるのか? -- 名無しさん (2017-06-15 21 13 44) いい記事だけどバグがある。このページでログイン出来ない。俺だけかもしんないし、仕様かもしんない -- 名無しさん (2017-06-16 12 04 40) ↑一旦他のページでログインしてから来るといいのかもしれません -- 名無しさん (2017-06-18 10 52 14) 本家職員の"Communism Will Win"氏が見たら【SCP-074-KO: 「*」…「*」…】の部分が完全に目つきのヤバイ共産主義者と化すのかと思って笑ってしまった -- 名無しさん (2017-07-13 17 06 43) 1か所074であるべきが077になっているようです。 -- 名無しさん (2021-03-30 15 32 48) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35879.html
登録日:2016/12/30 Fri 02 11 06 更新日:2024/03/27 Wed 09 01 06 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 SCP Foundation SCP-JP SCP財団 soilence コロポックル 伝承 小人 情報 情報災害 蒐集院 SCP-579-JPはシェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(SCiP)のひとつである。 オブジェクトクラスはEuclid。 項目名は「コロポックル」。 コロポックルとは何じゃらホイ 項目名であるコロポックルとは、アイヌの伝承に登場する小人のことである。 姿を見せることを嫌う代わりアイヌの人々に好意的だったが、ある時無理やり姿を見られたことに怒り、一族郎党全て海の向こうに去ってしまったという。 概要 初めに言っておくが、このオブジェクトは間違いなく、全てのオブジェクトの中でもトップクラスにわけのわからん代物である。どれくらいわからんかというと、SCP-2165くらいわからん。 なぜかというと、実はコイツの元記事、驚いたことに概要が存在しない。 つまり、SCP-579-JPとは何ぞや? と聞かれても答えられないのである。いや、項目名の時点で見当はついているだろうが、コロポックルである。 しかし、財団世界におけるこれはどういうものか、という質問には誰も答えられない。SCP-001ですら、真偽が入り混じっているとはいえ概要とプロトコルが存在しているが、コイツにはプロトコルしか存在しない。 というわけで、ここからはそのプロトコルについて説明する。 特別収容プロトコル 前提として述べておくが、報告書が記された時点でSCP-579-JPは絶滅・消滅しており存在していない。 これに伴い関連する記録や情報も全て破壊されている。 その上で、財団の全職員は、上記の事実を認識・記憶しておかなければならず、かつ混乱を避けるため、SCP-579-JPに関する情報の口外や記録等はいかなる内容であれ、例えそれが無根拠な推測、噂であろうとも絶対禁止とされている。 許可なく情報の所持、そして流布を行った者は、追跡、特定、拘留され、レベル4/579-JPの情報漏えい罰則を処される、という念の入れようである。 さらに、後述する虚偽の説明を流布し、職員らはそれをよく読んで理解し、記憶した上で、それが全部、虚偽の情報であることを念頭に置いておかなければならない。 これらの処置は永続されねばならず、この関係からオブジェクトそのものが既に存在しないにもかかわらず、Neutralizedクラスへの分類は絶対に行われないことになっている。 では、その虚偽の説明とは何か? それについて述べて行こう。 虚偽の説明 SCP-579-JPは、人型の生命体である。 人間の8分の1ほどしかない大きさだが、にもかかわらず彼らは器用に手足を動かし、立って歩き、言葉を話し、文明を築いた。 正しい知識を持たない人間が見ても、戯画化された、物言わぬ不動の人形にしか見えない。そしてそういう人間は、持ち上げたSCP-579-JPが脱出しても「人形」はそこにあると思い込み、やがてそれをどこかに置いて忘れ去るか、「無くした」と判断することになるのだ。 彼らの姿や振る舞いは人間と同じに見えるものの、その本当の意味を理解することは人間の価値観では不可能である。ただし、人間との交流能力を犠牲にする事でSCP-579-JPとの深い交流が可能になる。 それにより、これまでに、以下のような影響が人間にもたらされることが確認されている。 SCP-579-JP-甲 SCP-579-JPの「人形」でない顔を見た人間は、人間に対する相貌失認、つまり顔を認識できない症状を発症する。 例えその正確な性質を知らなくとも、正確な絵や写真を見れば同じ結果になる。 SCP-579-JP-乙 SCP-579-JPの言語で会話が可能になった人間は、人間に対する言語障害に陥り、あらゆる人間の言語の再教育が不可能になる。実質的に人間との会話ができなくなるのだ。 また、SCP-579-JPを正しく知覚できるか否かにかかわらず、その文字を読んだ人間は、人間の文字に対する文字認識能力を失う。文字を読むことも出来なくなってしまうのである。 SCP-579-JP-丙 SCP-579-JPは現在の人類が一般的に用いる数字に、未知の数字を1つ加えて計算を行う。 要するに人間にとっての2進法はSCP-579-JPにとっての3進法、人間にとっての10進法はSCP-579-JPにとっての11進法になる、という表現が恐らくいちばん近い。 彼らの計算法を理解した人間は、人間の数学を使用できなくなる。 人間の数学に基づいた金銭の勘定、時間の計測等を行うと、必ず計算間違いをするようになる。そして身の回りの計算をSCP-579-JPの方法で行うようになるのである。 普通の人間はその計算の「結果」については整合性のあるものとして認識できるが、途中の式は理解できない。更に、その計算に使われた紙や筆記具などの道具は、人間の計算に用いる事ができなくなり、コロポックルの計算式専用になってしまうのだ。 これは精密機械も例外ではない。 かつて日本人は、特定の人間を口語のみか筆談のみでSCP-579-JPと交流させる事で、常に人間の先を行く文明を持っていた彼らの技術や知恵を手に入れていた。 言い換えれば、彼らの知恵やその恩恵は、現行人類の文化や常識を上書きする、現実改変型の認識災害でもあるのだ。そのトリガーは、「コロポックルの知識や記録の結果をある程度の規模の人間が事実として認識する」ことである。 しかし、この日本人と彼らとの関係は、次の事象をきっかけに終わることになった。 SCP-579-JP-丁 SCP-579-JPは、我々人類が発見して「原子」と名づけたものが、どの種類においても、SCP-579-JPが知る原子に対して、大きさ、そして質量がそれぞれ約8倍となっている事を知った。 SCP-579-JPの炭素原子が人類にとっての炭素原子と同じ大きさになるにはおよそ8の3乗(8個分の縦×横×奥行き)、要するに512個分の数量が必要になる。ならば、その時の質量は8分の1の512倍、我々の炭素原子の約64倍の質量になってしまう。 己の計算が正しければ、我々人類の身体は自重によって崩壊する事を、SCP-579-JPは知ったのだ。人類の計算式ではなく、未知の数字を加えたコロポックルの計算式では、そうなるのだ。そして、この計算結果が、コロポックルの知識が大多数の人類に広まれば、この結果が上書きされ、事実として適用される。 過去の事例から、この可能性を危惧した彼らは、この事実を知らない別の個体を通して日本人へ以下の内容を打診し、それは受諾され、実行に移されることになった。 日本中に、次のような誤情報が流布されたのだ。 一般の人間には、SCP-579-JPは架空の存在であると強く信じさせる通念が与えられた。 SCP-579-JPを学術的に追求しようとする者達には、彼らが同じ人間の少数民族だったとする学説が、現代科学では見抜けない偽装を施した証拠品とともに提示された。 SCP-579-JPと交流していた人々や、財団のように異常な存在を取り扱う組織や人物には、彼らが人間に滅ぼされ、絶滅したというカバーストーリーが可能な限り伝えられた。 情報の流布は成功した。 彼らを正しく知覚してその影響を受けてしまう人間は、殆どもしくは全く見られなくなった。 「正しい知識」が無ければ彼らを正しく知覚できないという状況は、その知識が無い場合だけでなく、「正しい知識」が誤情報を追記・上書きされ、歪められた場合でも成立する。 コロポックルに関する正しい情報の中に嘘が紛れ込み、どこまでがホントウでどこまでがウソか、それが判断できなくなれば、コロポックルとその情報を正しく知覚することは出来ないのだ。 彼らは記憶の消去よりも確実かつ強固に彼らの知覚を防ぐ手段として、この情報の流布を考案し、それは期待通りの効果をもたらすことになった。 この試みは、財団が日本での活動を開始する以前に行われたものである。そして当時、情報の流布は蒐集院が行っていた。財団が蒐集院を吸収合併した際、SCP-579-JPの取り扱いもまた、財団へと引き継がれることになったのである。 とまあこういうわけで、彼ら「コロポックル」は森の奥深くや土の中等の人目のつかないところへ潜むようになった。 しかし、今も我々人類が認識しないだけで、すぐそばにいるのかもしれない。 彼らはその特性上、人間の言葉で著したSCP-579-JP-丁の理論を流布することでごく簡単に人類の数を減らして住処を広げる事ができる。が、現在のところそれは実行されておらず、理由は不明。 かつて彼らは、人類を巨大な神として崇拝していたのか、それとも常識を超えた珍獣として評価していたのか? それは、全ての情報が収容された今は不明である。 いずれにせよ、日本人、ひいては人類は、今もSCP-579-JPに保護されているのである。 補遺 以上は全て偽りの説明であり、ここまでが一連の特別収容プロトコルである。 財団がここまでして隠蔽するSCP-579-JPとは何なのか? その真の内容は公開されないことになっている。 なぜ、概要が明かされない? なぜ、記録が見られない? なぜ、彼らの情報を知ることが出来ない? 答えは一つ。 その必要がないからである。 財団の使命は確保、収容、保護。 この報告書には、SCP-579-JPが何であるかは書かれていない。彼らが既にいないということと、現状何をするべきかについてのみ記されている。 それだけでいいのだ。 オブジェクトの存在がわかり、特別収容プロトコルも確立されている。 ならば、オブジェクトの概要や性質は、極端な話わからなくとも関係ない。 SCP-444-JPを思い出してもらえればいい。 アレは知ること自体が害となる典型である。SCP-579-JPも同じである。違うのは、存在を知ること自体は問題ないこと。 同じなのは、真の情報を知ってはならない、誰も知らねば丸く収まる、ということである。 そういう意味では、欺瞞情報とプロトコルで埋め尽くし、概要をまるっと秘匿したこの報告書はなかなか上手い作りだと言えるだろう。 しかしそれでも、どうしても本当のことが知りたいというのであれば、ヒントを。 「虚偽の説明」に、[編集済][削除済][データ抹消][データ削除]、そして黒塗りの類が一切存在しないのは、なぜか? 収容すべきオブジェクトそのものがもうないのに、なぜ特別収容プロトコルを適用し続けるのか? 嘘八百の説明だと念を押しているのに、なぜそれを覚えておくよう徹底されているのか? なぜ、オブジェクトクラスは変更されないのか? そして、上述の「虚偽の説明」も、「実は全て本当のことだったんだよ!」というわけではない。 説明の中には、「財団に対してもコロポックルに対するカバーストーリーが適用された」とある。 だが、コロポックル達はSCP-579-JPのアイテムナンバーを与えられ、財団日本支部の収容下にある。 つまりこの時点で、何が本当で何が虚偽なのか、まったく判断が出来ないのである。 そもそもの前提条件となる「かつてコロポックルが存在した」という事実でさえ、もしかしたら本当のSCP-579-JPを覆い隠すカバーストーリーなのかもしれない。 何が真実か? 何が虚偽か? SCP-579-JPとは、何なのか? 明確に一つに決まらない答えの代わりに、一つだけ覚えておこう。 SCP-579-JPは、存在しない。 この世のどこにも、影も形も、痕跡すら残っていない。 彼らは、もういない。 しかし、Euclidのオブジェクトクラスが割り当てられている、というのは動かしようのない真実。 そこを踏まえてみた場合、コロポックルについてはわからずとも、SCP-579-JPというオブジェクトに対する財団のスタンスはわかる。 特別収容プロトコルを適用して収容を継続しており、かつ「予断を許さない」Euclidクラス認定。 この事実を裏返すと、SCP-579-JPが収容違反する可能性が健在であるという別の事実が見える。 もしもその時が来たら、財団はどうするのだろうか? 同類たち 欺瞞情報やカバーストーリーを用いるのは、もはや支部を問わず財団のお家芸だが、コロポックルと似たような「認識を利用した収容措置」が取られている、あるいは説明セクションが閉じられているオブジェクトはいくつかある。 SCP-2615「信じるなら」 日本がコロポックルならこちらはエルフ。 認識によって勢力が広がるため、同じナンバーのジョークオブジェクトを隠れ蓑として公開している。 SCP-835-JP「ゼノフォビア」 財団職員を片っ端から暗殺する謎の影。 認識によって存在が変化するという特性を逆手に取り、ミーマチックエフェクトを拡散して共通認識を変更することで完封に成功。 SCP-001「機密解除待ち[アクセス禁止]」 SCP財団の最高機密。閲覧権限を持っている職員であっても真相がわからないよう、それらしい欺瞞情報ファイルが、ご丁寧に各国支部ごとに分けてずらりと存在。コロポックルと異なり、そもそも真相なんてものが存在するのか自体不明。 SCP-705-KO「収容だけは絶対に行うこと」 異様に厳重なプロトコルが敷かれたKeter実体。収容違反すると地球が滅びる。 壊れた神の教会関連と思われるが、O5により全情報がブロックされており詳細不明。 追記・修正は行われません。←この情報は虚偽です。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-579-JP - コロポックル by soilence http //ja.scp-wiki.net/scp-579-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 元記事にいくつも挿入されている「ただの人形の写真」が本当に不気味 -- 名無しさん (2016-12-30 09 04 21) なんども「これはただの人形です。」だもんねえ -- 名無しさん (2016-12-30 10 31 13) 人類を守るために身を隠してくれてると思うとほっこりする -- 名無しさん (2016-12-31 01 43 55) あなたはこの人形の姿に見覚えがありません -- 名無しさん (2017-01-09 14 18 58) 見える、見えるぞ!なんだあのこびグチャア -- 名無しさん (2017-01-09 14 27 50) ↑2素粒子に戻るんだ -- 名無しさん (2017-01-09 14 43 53) これってある意味、本部の同じ番号たるSCP-579([データ削除済])のオマージュとかリスペクトだったりするのかしら。SCP-173-JPやSCP-682-JPみたいに。 -- 名無しさん (2017-01-11 19 06 01) アニオタこの項目、編集前の方が好きだな。虚偽として書かれているものが真実なんだって断言しないほうがいいんじゃないかな -- 名無しさん (2017-01-15 19 01 36) これはただのにんぎょうです。よろしくおねがいします。 -- 名無しさん (2017-02-06 17 03 52) お互いの為に不干渉で居るってことか… -- 名無しさん (2017-04-18 13 17 41) SCP-579-JPの尺度では人類が存在不可能、逆もまた然り・・・ってことか? -- 名無しさん (2017-04-24 09 07 06) SCP-579-JPが「人間の先を行く文明」なら、SCP-579-JPの存在だけじゃなくて、本当の原子も隠すべきじゃ…人類の文明がそのまま進んで、炭素原子の本当の質量に辿り着く可能性とその対策が書かれてないのは…まあ虚偽の説明だから大丈夫か、うん、大丈夫… -- 名無しさん (2017-07-24 00 47 00) リアルにも、コロボックルは伝承にだけ残った、アイヌに駆逐された民族・日本人の本当の起源って説があったりするな。一切証拠がないので主流にはなってないが -- 名無しさん (2017-10-25 05 54 20) これ「コロポックル」とされているものが現生人類なんだと思ってた。つまり、コロポックルは「人類」を滅ぼしていて、「彼ら」はもういないのかと。 -- 名無しさん (2017-12-12 15 30 21) これってコロポックルがいるって思わせるミームの可能性も -- 名無しさん (2018-02-17 18 34 35) もしかしたらコロポックルだけでは無く兎に角大勢の人々が同じ幻想を抱いた時それが現実改変によって本当になってしまうってのが本質で今回はそれがコロポックルだったって事なのでは? -- 名無しさん (2018-04-10 11 09 50) コロボックルは"もう"いない -- 名無しさん (2018-04-26 08 52 08) つまり…居るのか居たのかどうなんだってばよ。もったいぶってヒント書いといて投げっぱなしって -- 名無しさん (2019-03-29 23 04 34) SCPナンバーとEuclidだけは事実で、この虚弱の報告書の内容が嘘であり、もう存在していないということ(認識)を維持しなければかなりまずいことが起きしてしまうSCiPってことかなぁ? -- 名無しさん (2019-05-06 03 42 48) こいつの正体自体は人間に認識不可能な(項目名的に妖精っぽい)存在なのかね?この嘘で存在しない虚偽の内容を維持したり流布したりしないと活性化して暴れ回るのかな?Euclid的に -- 名無しさん (2019-05-06 03 46 34) できれば元記事を先に読んでほしい項目だな。「ただの人形」の画像もそうだし、最後に書いてあるたった一文のインパクトも好き。 -- 名無しさん (2019-06-06 19 33 34) コロポックル達は本当に居て、昔は人間達と交流して知恵を授けていた。 -- 名無しさん (2019-10-01 00 43 18) しかしあるときコロポックル式で計算すると原子の新たな事実が発覚。人間はコロポックルと交流すると文化や科学の法則がコロポックルのものに上書きされて改変されてしまい人間の体が崩壊してしまう。そこdr人間達にコロポックルとの交流を終わらすべく今までの存在や交流は嘘だったという情報を真実と混ぜて流布させ人間達に定着させた。そして人間文明は守られたが、代わりに人間は二度とコロポックルを正しい情報で認識することができなくなってしまった。そして現在も真実と虚偽の内容が入り混じった情報でコロポックルと人間は交流できないようになっている。 -- 名無しさん (2019-10-01 01 00 13) 逆に人類がコロポックルを知覚することによる認識災害なんじゃないのかな。人類との交流によってコロポックルのほうの認識が侵される。甲乙丙丁は実は被験者とオブジェクトが逆。 -- 名無しさん (2020-02-13 16 33 48) この項目のコメント欄は丸ごと特別収容プロトコル違反で罰則コースですね・・・ -- 名無しさん (2020-03-03 16 43 25) 「虚偽の説明」が真実だとしても話は通るし、もっと裏の、別の存在に対するカバーストーリーかもしれない(文字通り虚偽の説明)。ディスカッションでも語られていたとおり特別収容プロトコルさえあるのなら職務に支障はないのだ。……それはそれとして「作者は何も考えてないんじゃない?」って思われないようにこうして筋の通る虚偽の説明を置いておく、みたいな -- 名無しさん (2020-03-05 21 18 56) 虚偽の内容だと信じ続けなければ実現してしまうとか、実はコロポックル的な何かではなく別のものを隠そうとしているとか、色々解釈や考察はいくらでもしていいけど、財団世界はあくまで「ベッドカノン」しか無い。別に「これだ!」って言うものを一つに決めたとしてもそれが正解とは言えないしそれ以外を認めないと言うのは大間違い。自由な意見を認めるべき。 -- 名無しさん (2020-12-01 10 46 51) 嘘をうまく利用してるから考察できて面白いね〜。実はコロボックルの方が巨人かつヒューム値が低くて、彼らを科学から守るために交流を断ったとか。 -- 名無しさん (2021-06-25 23 51 47) TDN人形? -- 名無しさん (2021-06-25 23 56 21) 単に認識したら正しいことを伝えられなくなる生物で、「これは虚偽です」の一言だけでその影響を突破してる可能性も… -- 名無しさん (2021-10-27 00 22 39) うまく説明できないけど、なんかSCP-705-KOはジャンルが違う気がする。正体についての詳細が伏せられてはいるけど、虚偽情報を提示しているわけではないし… -- 名無しさん (2022-01-07 01 24 01) こいつがコロボックルかどうかも本当かどうか分からないんじゃ…?便宜上コロボックルと呼ぶしかないけど -- 名無しさん (2023-02-06 04 28 13) 情報災害って点について全く触れてないのが気になる... -- 名無しさん (2023-02-08 17 06 19) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/37564/pages/518.html
【作品名】SCP Foundation 【ジャンル】シェアワールド創作作品群 【名前】SCP-058 【属性】Keter級オブジェクト「闇の心臓」 【殺人数】3683人 【長所】ハートが強い 【短所】物理的な意味で 【備考】SCP-058の報告書より部分的に引用開始 現在まで、SCP-058により、今保管されているサイト内で149人のDクラスと、14人のエージェントが殺されています。 初めはサイト-██を攻撃し、その結果██人の教授と██人のエージェントが死亡しました。SCP-058は近くの███████████という町まで進み、その結果[編集済]人の住民が死亡し、周囲の70%の建物が破壊されました。 引用終わり 町の最低人口は日本の場合各都道府県に一任されているが、多くの条例では5000人以上と指定されているため、ここでは5000人とする。 町の70%の建造物を破壊したので、7割の人間が死亡したとすると3500人。 財団の人間も加算して3683人。 vol.1
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/53080.html
登録日:2023/01/18 (水曜日) 00 35 00 更新日:2024/06/08 Sat 00 03 16 所要時間:約 14 分で読めます ▽タグ一覧 CadaverCommander Keter SCP SCP Foundation SCP-4233 SCP財団 ドレッドノート 潜水 潜水士 んんーん。今日の風には新たな友か。受信できてるとも、ミス・ヒル、あんたの上官たちの声と同じように聞こえてくる。なかなか泳ぐのに適した日だと思うね。 SCP-4233は海外のシェアワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。 項目名は「The Dreadnought (ドレッドノート)」 オブジェクトクラスは最も収容難易度の高い「Keter」に分類されている。 説明 こいつが何かというと、19世紀後半の潜水服(*1)を着た水陸両生の人型実体である。つまりパッと見ものすごく古めかしい格好の潜水士。 とはいえ完全に人型かというとそうでもなく、背が2.5mとかなり大柄な上に腕と胴体が下半身とは不釣り合いに発達しており、要は若干ゴリラっぽい体格をしている。 本家記事には画像があるので一目でわかるが、この時代の潜水服は実にスチームパンク的な雰囲気が漂う独特のデザインをしているので、当然こいつも相応に奇抜な見た目となっている。(*2) SCP-4233は普段は地上に存在せず、不定期に海中から出現しては同じようなパターンの行動をとり、また海へ戻るというサイクルを繰り返している。 このサイクルごとの間隔は観測されている限りでは最短で1ヶ月半、最長では7年以上であり、後述する行動内容の詳細によっては数ヶ月にわたって継続することもある。 まずこいつが地球上のランダムな地点から上陸してくる。 上陸可能な地点に制限はないらしく、海岸線でさえあればどんな地形だろうと関係ない。(*3) 上陸した後のこいつは反対側の海岸線に辿り着くまで ひたすら徒歩で真っ直ぐに前進 し続ける。 時速5km程度という実に平凡なウォーキングだが、こいつの歩行スピードは地上に滞在している間は全く変動せず、途中で歩調が乱れたり立ち止まったりすることも決してない。 こちらからのコミュニケーションにも一切応じることはなく、進路上にある壁などの障害物もまるっきり無視して歩き続けるだけである。 ただし負傷した民間人や動物、あるいは木などの大型植物といった、要は自分で移動することができない生物が進路上にいる場合、こいつはそれらを避けるときのみ進路を変更する。 なお、こいつは全ての出現時において巨大かつ古びた錨(長さ約1.8m、推定重量550kgの無銲錨(*4))を持ち歩いており、歩くときは右肩に担いでいる。 しかしこれを何かしらの目的で使う姿は一切確認されていない。 そんな感じで歩き続け、時には大陸を丸ごと横断するほどの距離を移動した末に海岸に辿り着くと、こいつは一度だけ立ち止まって担いでいた錨を地面に下ろし、両手で一拍する。 そして錨を担ぎ直した後はそのまま徒歩で海へと潜っていき、次の出現サイクルまで姿を消すのである。 とまあ、ざっくり言うとSCP-4233はたまに海から現れてはウォーキングして帰っていくだけの実体である。 確かに間違いなく異常ではあるものの、目立つ格好をしている割にはどっかの椅子やら未確認飛行物体やらを思わせる平和っぷりである。 おまけにそれらが持っている瞬間移動やミーム汚染といった厄介な特性もこいつにはなく、本当に見たまんまの物理的な影響しか与えてこない。 つまり、こちらからいたずらに干渉したりしない限り人間が直接的に害を被ることのないオブジェクトなのである。 Keterの中でも相当穏やかなタイプの1つと言えよう。 というかここまでの情報だけだと「こいつ普通に収容できんじゃね?」と思う人も出てくるかもしれない。 しかしまあ、そこは財団から直々に「収容が極めて困難あるいは不可能」とお墨付きを得ているKeterクラス。 上記の説明に嘘はないが、こいつにもそう判断されるだけの異常性が備わっているということである。 端的に言えば、こいつの厄介さはその凄まじいまでのフィジカルにある。 「恐れ知らず(Dreadnought)」の底力 さっきの説明で「進路上の障害物を無視して歩き続ける」と言ったが、これが意味することは皆さんお察しの通り。 こいつは最初の上陸時点で定めた進路を変えることは絶対になく、結果としてその直線進路上に位置しているあらゆる障害物を文字通りぶち抜いて破壊しながら移動する。 そして歩行速度が全く変わらないことからもわかるように、この過程でどれほど頑丈で分厚い物体があったとしても歩みに支障をきたすことは一切ない。 つまりこいつが歩き出した瞬間、その移動直線上に存在する地面を除いたあらゆる移動不可能な物体はこいつに破壊されることが確定するのである。(*5) 一応「移動能力のない生物を避けるときだけは進路を変更する」とも説明したが、これはあくまでもその生物がいる地点だけを迂回するように進路を曲げるというだけであり、 全体としての移動ルートや最終到達地点が変わるわけではない。 よってこの性質を利用して上記の破壊を回避するのは非常に難しい、というかほぼ不可能だろう。 加えてここまでの特性を見れば何となく予想がつくだろうが、こいつにはSCP恒例の超耐久も備わっている。 しかしそのレベルが尋常ではなく、戦車砲や地対地ミサイルを難なく受け止め、挙げ句の果てにはアイオワ級戦艦(*6)の一斉片舷艦砲射撃が直撃したにも関わらず無傷どころか怯みもしなかった。 つまり破壊や撃退はおろか、攻撃によって進路を変更させたり誘導したりといった試みすら全く通用しない。 あえてゲーム的な表現をするなら「常時完全無敵+スーパーアーマー」といったところか。 人型で物理的実体があり、移動方法が徒歩であることから勘違いしそうになるが、事実上こいつは相互作用という概念から半ば隔絶された「動く当たり判定」のような存在と言っていい。 当然コミュニケーションにも一切応じないため説得や警告も無意味である。 これらの異常性のため、財団はこいつの収容どころか移動を妨害することすら現在まで全く成功していない。 特別収容プロトコルでも「SCP-4233の異常な物理的特性は一次収容の可能性をほぼ完全に阻んでいる」とまで言われている。 ただし「Keterの中でも穏やかな部類」と最初に説明した通り、幸いなことにこいつが人口密集地などを横切るような進路をとったことは今まで一度もない。 3回ほど人口1500人以下の地域の5km圏内を通過したことがある(*7)ものの、そのときも町の境界線には入らず、接触してきた民間人に危害を加えることもなかった。 異常性が異常性なので近づくのには危険が伴うが、こちらが下手な真似をしない限り人間や動物などに被害が及ばないことは事実なのである。 そんなわけで、財団はこいつの目撃情報や破壊された建造物(*8)などに対して適宜カバーストーリーを適用し、直接の目撃者には記憶処理を施すという標準的な隠蔽措置をとっている。 今後の出現でこいつがとる進路によっては問題が生じる可能性もあるため安心はできないが、今のところはKeterの中でも比較的対処が楽なオブジェクトと言えるだろう。 兄をたずねて三千里 異常性はさておき、こいつが不定期に地上を訪れてはウォーキングして帰るだけの行動を繰り返しているのは事実である。 なんでそんなことをしているのかを調べようにも、こちらからのコミュニケーションに答えてくれない以上は聞きようもない。 というかそもそも知性があるのかどうかすら定かではなかった。 ところが最初の発見から60年以上が経った2017年の出現において、海岸線に近づくSCP-4233を追跡していた機動部隊が謎の無線信号を受信した。 調査の結果、発信源はこいつであり、低音質の無線伝送で舟唄(*9)を歌っていることが判明。 部隊はすぐにこの伝送周波数を隔離し、隊員のケンドラ・ヒル軍曹が通信による意思疎通を試みた。 結果としては通信に成功。 ヒル軍曹の呼びかけに対し、SCP-4233はしばしの沈黙の後に応え、項目冒頭の言葉で軍曹に返答した。 以下はその後に行われたインタビューの抜粋である。 ヒル軍曹 あなたは誰ですか? SCP-4233 (笑い声) 詮索好きじゃないか。だがその答えは長くなるし、あんたには俺を捕まえておける時間が殆ど無い。言葉と箱はあんたたちの大いなる愛であり、あらゆる愛は尊重されるべきだろう。しかし言葉は俺から洗い流され、俺は俺自身の箱だ。時と潮の流れの中では、大した物でもないがね。 ヒル軍曹 あなたは何なのですか? SCP-4233 平和と重荷、肝心要の存在さ。俺は水と鉄の中で自らの緩やかな歩みを行く者。俺は砕け散る波。深みの凪であり、邪悪の骨にかけられる凄まじい圧力だ。そちらに危害は加えない。あんたがあんた自身の摂理を脅かそうとしない限りはな、ハハ。 この時点でわかるのは、SCP-4233が明らかに高い知性を持っており、意図的に人口密集地などを避けて歩いていたということである。 なお、これ以降のヒル軍曹の問いかけは本来の規定を逸脱するものだったが、注意を受けながらも同じような趣旨の質問を続けることが許可されていた。 ヒル軍曹 何処へ行くのですか? SCP-4233 海底に沿って歩き、波を通して見上げる。俺は塩まみれの世界でもこの目が最高に利くことを知っている。だが風と草にはそれ特有の魅力がある。人生の大半が暗闇と泥である者にとっては、一輪の花でも純粋な宝だ。深淵には美を愛でる目が無い。昆布は見かけほど面白くないぞ。 ヒル軍曹 何かを探しているのですか? SCP-4233 その通り。俺の兄貴だ。あいつの信号は見つけ難いから、俺の声が届くように、良い場所を探して彷徨わなきゃならない。 ウォーキングというのはあながち間違いでもなかったらしい。 それはともかく、彼が地上を訪れる主な理由は人探し、それも兄貴を探しているんだそうな。 こんな凄まじい能力を持っているような奴の兄とくれば、ほぼ間違いなくそいつも異常存在だろう。 いやはやどんな御仁なのやら…。 ヒル軍曹 あなたのお兄さんとは何者ですか? SCP-4233 あんたたちはもう雷の本に兄貴のことを書いてるぜ。俺に似たスーツを着てるが、色は白で、水でなく虚空に耐える作りになってる。我が兄、月の闘士。とても素早く空を駆け、とても強く、度々とても阿呆な真似をする。近頃はいよいよ阿呆に磨きがかかってきた。あいつと話したいんだ。俺が呼びかけてるのを知らないんだと思う。兄貴は何かに注意を払うのが苦手な性分だから。 ヒル軍曹 何故そんなにお兄さんと言葉を交わすのが重要なのですか? SCP-4233 あいつの話が真実なのか、それともまた何か適当な事をやってるのか確かめたい。真実なら、助けになりたい。そうでないなら、逆に助けになってくれないかと頼むつもりでいる。 彼曰く、財団は既に「兄」をSCPオブジェクトとして発見しているらしい。 彼が水に耐える構造の潜水服を身につけているように、兄は虚空に耐えるような設計の白いスーツを着ているという。 そしてあれだけのパワフルさを誇る彼をして「強い」と言わしめるほどの力を持ち、身内である彼から見ても相当に素っ頓狂な性格をしているんだとか。 だがそれは一旦置いといて、ここで気になるのは彼が「雷の本」…つまり財団のデータベースに関する知識についてさらっと言及していることである。 そもそも冒頭の会話からして、彼はヒル軍曹が財団の人間であることや、財団という組織のスタンスについて既に知っているかのような発言をしていた。 ぶっちゃけ財団の内部事情がなぜか把握されているということ自体は主に要注意団体絡みでよくあるが、この部分が後々重要になってくる。 ヒル軍曹 あなたは何の助けを必要としているのですか? SCP-4233 生きとし生けるものは全て海から来た、ヒルさん、 別な奴らもそこからやって来る、そして俺はそいつらを遠ざけておかなきゃならん。奴らが上陸したら酷い惨事が起こるだろう。俺は深海じゃ割と良い戦いっぷりだ。俺の鋼鉄はあの怪物どもに重く死の歌を唄う。だが時代は変わる。奴らはとても早く変化する、そして俺は強い反面、遅いんだ。兄貴は雷電の速さで動き、心から愛している正義と同じように打つ。きっと大いに助けになるだろう。それに時々あいつの冗談は面白い。少なくとも俺のよりは笑える。 彼は自身が「奴ら」と呼ぶ、海の深淵から現れる怪物たちを陸から遠ざけるために戦っているらしい。 兄を探しているのもそれが理由であり、要はその戦いで押されつつあるから手助けを頼みたいのだそうだ。 彼の言うことは確かに一理ある。 海を起源とする異常存在は枚挙に暇がないし、その中で特に凶悪なものだけを挙げてもあれやこれやそれなどがすぐに思いつくほどである。 海は生命の始まりの場所であると同時に、人類の存続を脅かすような異形共が無数に蔓延るフロンティアでもあるわけだ。 ヒル軍曹 何か我々が支援できることはありますか? これを全てあなた一人きりで行う必要はないはずです。その、我々にも我々なりの強みがあります。 だがしかし、仮に彼の言うことが事実だとしても、そのような脅威に対処しているのは財団も同じである。 ならば彼に協力し、手助けをするのは「兄」だけでなく財団にも務まるはずだ、とヒル軍曹は主張した。 財団としても対話によって彼の行動を制御できるなら収容が幾分か楽になるし、もし彼の主張が本当ならその「奴ら」とやらの脅威にも備えられるかもしれない。 双方に利益がある提案である。 SCP-4233 あんたの気迫はあんたの偉大なご先祖様たちと同じく逞しい。しかしな、そちらが俺を止めたくても、これが俺の宿命の流れ方だ。俺は戦い、深淵での戦に勝つ。俺の大いなる重みが敵を押し潰す。やがて水は平静を取り戻し、上に住む全ての人々が楽に呼吸できるようになるだろう。俺にはできないがね。今のところ、俺は一人で降りてゆく。 ところが彼は財団の目論みを見抜いていたからか、それとも自分なりの矜持があったからかはわからないが、この提案を拒絶した。 ヒル軍曹 私には分かりません。孤独であることは本当に必要ですか? そうしなければならないのですか? ただ情報を明かしてくれるだけでもいいのです。 SCP-4233 俺たちは皆自分の道を流れ、自分だけの重荷を負わなきゃならない。あんたにはあんた流の、俺には俺流のやり方がある。その高貴な銃を置いて休ませ、戦の歌を止めろ。浜辺に背を向けて、偉大な太陽の暖かさの中に立つがいい。あんたたちは安全だ。 ここまで抜粋した上で改めて補足しておくが、SCP-4233の話した内容には根拠や確証が一切ない。 確かに財団世界における海のあり方とは矛盾していないが、彼が主張通りに深海で戦いを繰り広げている様子が実際に観測されたことはないし、 彼の言う「奴ら」とやらに相当する実体もまだ発見されていない。 意思疎通が成功した今になっても、彼がウォーキング目当てで陸に上がってくるだけの傍迷惑な誇大妄想狂である可能性が否定されたわけではないのである。 だが、もしも彼の言葉が本当であるなら。 陸に生きる者達が太陽の光を浴びて生きる間、深海の暗闇の中に一人立ち、そこから現れる「何か」と戦い、海の上の正常な世界から遠ざけているのだとしたら。 SCP-4233 奴らは群れ成して蠢いているが、どれほど悪辣な大海魔も、俺の強大な錨の重みの下で息を継ぐことはできやしない。何せ俺は… (SCP-4233は手を打ち合わせ、122デシベルの金属的な音が響き渡る。海水の巨大な波によって、SCP-4233から5km以内の海面が約1.2m上昇する。この波の起源点は不明である。) SCP-4233 …シー・チャンピオンだからな。 彼は財団と同じ使命を掲げる者であり、そして遙か昔から戦い続けてきた先駆者でもあるのかもしれない。 余談 単体としてのSCP-4233の内容は以上になるが、報告書内で何度か言及されていた「兄」について、読んでいる途中でピンと来た人もいるだろう。 というか該当するSCPを読んだことがあるならば確実に、人によっては番号と画像を見た瞬間にわかったはずである。 何せ特別収容プロトコルや説明においても文章構成が意図的に似せられているのだから。 そう、宇宙正義の擁護者にして邪悪の破壊者たる月の闘士(ムーン・チャンピオン)こと、SCP-1233「ルナティック」である。 彼はあの破天荒かつガチで迷惑極まりない宇宙飛行士の弟なのだ。 全身を覆うタイプの装備を身につけた人型実体 普段は観測できないがたまに地上にやってくる 無茶苦茶な身体能力と破壊耐性を持つため収容できない 「○○・チャンピオン」という名前を自称する といった感じで共通点が多いため、知っていればすぐに察せられるようになっている。 というかそもそも作者が同じCadaverCommander氏であり、本人から「兄弟です」と明言されている。 「兄が月で弟が海って釣り合ってるの?」と思った人もいるかもしれないが、実は深海は「もう一つの宇宙」とも呼ばれるほどの謎に満ちた領域であり、 時には月よりも到達が難しいと表現されることもある地球最後のフロンティアである。 実際、月面着陸に成功した回数と水深10km以下の超深海帯に人間が辿り着いた回数では、後者の方がはるかに少ないとされている。 なお、本家記事のディスカッションでは「このまま色々な種類のスーツを着た『○○・チャンピオン』のSCPがシリーズ化するのもいいんじゃないか?」という感想も挙がっている。 項目が作成された2023年1月の時点でこの2つ以外の「○○・チャンピオン」のSCPは存在していないが、両記事の作者であるCadaverCommander氏はこの感想に好意的であり、 また1233、4233共に本家ENでの評価が400を越える人気作であるため、シリーズ化の可能性もなくはないのかもしれない。 追記、修正は徒歩で大陸を横断してからお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-4233 - The Dreadnought by CadaverCommander http //www.scpwiki.com/scp-4233 http //scp-jp.wikidot.com/scp-4233 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 項目立て乙です。シー・チャンピオンかっけぇ… -- 名無しさん (2023-01-18 00 58 49) 弟は人に危害加えないよう移動するのに兄貴と来たら… -- 名無しさん (2023-01-18 01 19 27) むしろさっさと兄貴を連れていってくれ -- 名無しさん (2023-01-18 02 02 34) チャンピオンシリーズ化…月と海が来たら次は地底とかか? -- 名無しさん (2023-01-18 06 15 57) 一般的な男塾生だな -- 名無しさん (2023-01-18 12 21 03) 兄と比べると積極的に一般人を巻き込まないしめっちゃ冷静で知的だな… -- 名無しさん (2023-01-18 17 10 32) 男塾名物「直進行軍」を地球規模で続けている真の日本男児 -- 名無しさん (2023-01-18 18 32 26) まさか月のやべーやつに兄弟がいたなんてなあ…2人兄弟なんだろか ん…?親は誰になるんだこれ? -- 名無しさん (2023-01-19 00 53 04) じゃあ兄の方も宇宙からの敵を防いでるとか? -- 名無しさん (2023-01-20 14 57 21) 兄貴って月の戦争だかなんだかを助けてくれる奴を探してるんじゃなかったっけ? -- 名無しさん (2023-01-21 01 41 05) 呼びかけに答えない&探してる様子がない辺り、ムーン・チャンピオンの方は弟であるシー・チャンピオンを戦力だと考えてないのかな。そう考えると、月を襲ってる何者かがいるとしたら、スピード型の敵対的SCiPとかなんだろうか -- 名無しさん (2023-01-21 16 17 41) ↑もしくは海にやべーやつがいる事を知っていて、「自分は月守るから代わりに海守って」って頼んでるのかも -- 名無しさん (2023-01-29 21 12 10) もしかするとコイツ、「孤独であるほど力が増す」みたいな特性を持ってるんじゃないか?_ -- 名無しさん (2023-08-28 16 24 55) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35786.html
登録日:2016/12/18 Sun 15 35 59 更新日:2024/07/24 Wed 19 53 40 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 Explained SCP Foundation SCP-014-JP-EX SCP-EX SCP-JP hannyahara エージェント・雛倉 コメント欄ログ化項目 トゥルーマン・ショー ドン・キホーテ 下衆 君のその顔が見たくて 笑えないアイスヴァインちゃん 胸糞 胸糞注意 裸の王様 警視庁公安部特事課 最初にSCP-014-JP-EXの実施を教唆した人物(SCP-014-JP-EX-α)については、日本において年間100件程度発生しているP-D/U-漂流イベントの存在を把握していた可能性が否定できないことから、財団でも公安部特事課の捜査情報についてその蓄積と整理を実施しています。 SCP-014-JP-EXはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)。 オブジェクトクラスはExplained。 項目名は「君のその顔が見たくて」。 Explained SCPということで、普通のSCP記事とは少々毛色が異なる記事となっている。 概要 SCP-014-JP-EXは当初、日本国内で発生している『P-D/U-漂着イベント(Para-Dimension/Universe,異次元/異世界漂着イベント)』における「漂着者」、 つまり異世界からこの世界に流れ着いた人物だと思われていた(*1)。 発端は、10代と見られるコーカソイド系の女児が「身元不明のコスプレイヤー」として発見されたことである。 彼女の話す言葉が意味不明なので当初は統合失調症などの精神疾患を疑われたが、着用していた『全体に金刺繍が施された近世ロココ調のドレス、及び銀製の儀杖』の造りが非常に精巧であったことから、財団は漂着者の可能性があると判断した。 彼女はエスペラント語の文法をベースとした十数の言語を組み合わせた言語を話しており、 意思疎通は非常に困難であった(本来の言語における意味と全く違う意味を持つ言葉も存在したため)。 だが日がな異常存在と格闘する財団にとって、困難とは言え不可能ではなく、解析して言語を自動翻訳する機械を開発しているに至る。 そして、彼女の話す言葉には虚言の兆候はなく「彼女自身はそれを事実として話している」ことが判明した。 その内容は大体が、「自分はどこかの王国の王女で魔法が使える」というもの。その王国は広いと家臣に教えられてきたようだが、 「明らかにこの世界のほうが広い」ことに衝撃を受けて狼狽していることを示した。 財団はこの女児を含め似たような事例がないか、警視庁公安部特事課(*2)と共同で捜査をしていた。 …さて。 ここまでなら異次元から来た王女様でもいいのだが、Explainedに分類されたということはつまり「異常性を前提とせずとも彼女の状態を説明できた」ということである。 実は彼女の言語や衣服は異常ではあったものの、財団が追い求める傾向の異常性は全く無い。 魔法を実際に試させても使えなかったし、そもそも火をおこす呪文が「Mein Leben war sinnlos」であった。 ドイツ語で「私の人生は無意味だった」という意味だが、彼女はあくまで火をおこす呪文として認識しており(*3)、 ドイツ語でそういう意味を持っていることなんて知らなかった。そして上手く行っていないことに本人が一番動揺していた。 その後動揺していた彼女に改めてインタビューをすると、彼女は自分が見た『夢』とやらについて話しだした。 14歳の誕生日、両親と家臣たちは誕生日を祝い、そして「王国をあげて今日のためにサプライズを用意した」と言う。 彼女が意気揚々と外に出た瞬間、城はハリボテのセットの如くパタンと倒れ、誰かが「ドッキリ大成功」というプラカードを掲げて出てくる。 そして、その場にいた自分以外の全員が、下らない悪戯にかかった馬鹿を見るような目で自分を指さしてゲラゲラと笑い出だしたのだと。 …本当に夢なのかな?本人が夢だと信じたいんじゃないのか、と財団は考え、そこで彼女が住んでいた『王国』の特徴を聞き出した。 ―――尚、この時のインタビューでは彼女のそれまでの強気で王族らしい威厳に満ちた口調は、 明らかに弱弱しく、不安げに怯える小さな女の子の言葉となっており、最後には泣き出してしまった。 そして調査の結果、その特徴に当てはまる廃遊園が日本国内に存在していた。 真実 読者は『トゥルーマン・ショー』という映画をご存知だろうか。 今となってはもはや有名になりすぎてネタバレを気にする必要が薄いほど偉大な名フィルムであるが 「自分の生きている世界が『セット』であることに気がついてそこから脱出しようとする主人公」という話である。 簡単に言うなら、彼女も「トゥルーマン」だったのだ。 自分の境遇を理解するにはまだあまりにも若すぎただけで。 しかも外の世界にいても、不思議な言語でしか喋ったことがない。本人にとってはその言葉しか知らないせいで、意思疎通すらできない。 警察が保護して財団に引き渡されたことは彼女にとってある意味幸運だったのだろう。 さて、廃遊園の話をしよう。そこには確かに、城のセットがあった。 そして確認した限り、特撮番組で使用するような火を吹く装置などがあった。 彼女はトゥルーマン同様、やはり虚構のセットの中で暮らしていたわけである。 そのセットには一切の異常性もへったくれもなかった。 その廃遊園の元の持ち主を特定した財団は、その持ち主を拘束し、彼に話を聞くことにした。 SCP-014-JP-EX-A: 一体何の権限があって私をこんなところに閉じ込めているんだね。君たちは警察か?なら早く弁護士を呼んでくれ。 ██尋問官: (SCP-014-JP-EX-1の写真を見せる)この子のことを知っていますね。 SCP-014-JP-EX-A: ふん、いや全く知らないね、何だこの子は、馬鹿なんじゃないかこんな格好して。 ██尋問官: (SCP-014-JP-EX-Aに[編集済]しながら)この子のことを知っていますね。 SCP-014-JP-EX-A: おい!お前何やってんだ!痛い!止めろ!法廷で告発するぞ!私には政府とのパイプも ██尋問官: (SCP-014-JP-EX-Aの[編集済]を[編集済]した)もう一度だけ聞きます、この子のことを知っていますね。 SCP-014-JP-EX-A: ひぃ!話す、話すから止めてくれ!知ってる、知ってるよ!私が育てたんだ! ██尋問官: どうしてあんなことをしたんですか。答えて下さい、答えないとどうなるかお分かりですね。 …財団に政府とのパイプとかちらつかせたところでしょうがないのだがまあ財団は秘密組織だし知らなくても仕方ない。 そして例によって[編集済]については深く考えてはいけない。普通にしゃべってるので「首を絞めた挙句、骨をへし折った」ではないだろうが… この男はどうやら資産家だったらしく、彼がセットを用意して、仲間内とある遊びに興じていたのだ。 それが身元不明の子供達をどこからか調達してきて彼らに日本語ではない言語を身につけさせ、 彼らを王子様お姫様として育てる。そしてそれが普通だと思っていた彼らに、ある日唐突に現実を教えて絶望させる。 その「純粋な子供の絶望する顔」が何よりも面白かったとのことである。 …とゲスいこと極まりないがこのインタビューで「他にもやってる奴がいる」ことがわかる。 この男が彼女を「解放」…もとい「放流」したのも、でたらめな言葉で意思疎通を測れない彼女が 町中で「魔法」を使う姿を想像するだけで面白そうだったから、とのこと。 しかも悪びれもせず、「どうせ児童虐待にしかならないだろう、さっさと警察に引き渡せ」と宣う。 なんだこの男。 …さて財団も警察もこの男と事件を立件するか処分するかを考えたが、『当該事象を公にした場合、P-D/U-漂着イベントへの対処に支障が生じる』 つまり「こういう事例があると世間が知ってしまうと、本当に異世界からの漂着者が来た場合に対処しづらくなる」という理由、 さらに「これテレビで流したら関係者が子供を殺して証拠隠滅を図る可能性あるよね?」という 効率面でも倫理面でも非常に面倒になる理由から秘密裏に処分することが決まった。 その後も警察を通して子供達を保護し養育者を確保しているが、保護した子供たちには「現実復帰プロトコル」というプロトコルに基づいて 社会復帰ができるように促している。最初の子供は財団にフィールドエージェントとして雇用され、 二人は里親に引き取られ、残る一人は警察病院で療養している。 また、前述のSCP-014-JP-EX-Aは「本当に異世界からの漂着者が存在する」という事実は知らなかったのだが、 本記事冒頭に書かれている通り、この悪趣味な「遊び」を最初に考案しSCP-014-JP-EX-Aを初めとした多くの養育者たちに 実行を薦めた人物が存在しているのだが、この人物は異世界の漂着者の事実を知っていた可能性があるとして財団は調査を継続している。 つまり、一見ただの下種な金持ちの非道徳な娯楽でしかないこの事件は、上述の「P-D/U-漂着イベントが発生した際の調査に支障が出る」のをわざと狙い、 本物の異世界漂着者の捜査をかく乱させる目的で資産家達を利用した誰かが居たのでないか、という可能性があるのである。 無論現時点では確証もなく推論の域を出ないが、推論でも可能性がゼロと言い切れない限りは財団としても調べないわけにはいかないのだろう。 というか、むしろこういった異常性に関わる“わかりやすい黒幕”がいてくれたほうが、 最初から最後まで何の異常もない人間の悪意だけで構成された事件とされるよりまだマシと思えるのは気のせいだろうか…? 余談 番号はSCP-014-JP-Jと一致するが、これは執筆者いわく「意図的に合わせたもの」とのこと。 実際「ドイツ語」「14歳の少女」とかもアイスヴァインちゃんに似ているし、 「私は異世界の魔法を使える王女様だ」とインタビューしている時点だけ見れば彼女と同じくある意味微笑ましくも見えるかもしれない。 だがアイスヴァインちゃんと決定的に違うのが、これが本人の厨二病によって自分で楽しく考えた設定などではなく、 本人にとっては周囲のあまりに身勝手な大人から本来あるべき未来を奪われたうえで与えられた「真実」であり、 「虚構」であるとは微塵も思っていなかった、思う事すら許されなかったことに尽きる。 間違ってもアイスヴァインちゃんと同じように掘り返してイジるようなことはあってはならない。まあ向こうも掘り返していいもんではないが ただ、一度はその「虚構」を知ってしまい絶望していた彼女が、『財団』という、常時死と隣り合わせな環境ではあるものの、 その虚構と知った「幻想」や「神秘」、「人知を超えた力」が現実にある「真実」であることを再度知り、その中で生きていけるようになったのは、 ある意味では救いだったのかもしれない。 SCP-014-JP-EX-1はTaleで時々登場するが、その際に「雛倉」という姓が付くことが多い(報告書内では言及されないTaleオリジナル設定)。 一部Taleではエージェント・立花(やはりTaleオリジナルのアイスヴァインちゃんの苗字)の部下であったりする。 互いに相手について何を思うのだろうか…? SCP-014-JP-EX 君のその顔が見たくて 追記(Scribe)、修正(Correct)、お願いします(Please)。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-014-JP-EX - 君のその顔が見たくて by hannyahara ja.scp-wiki.net/scp-014-jp-ex この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ コメントログ1 SCP-014-JP-EX 異論がなかったのでログのリネームを実行しました。 -- (名無しさん) 2020-03-04 15 24 19 む? -- (名無しさん) 2020-03-11 14 09 05 「記憶処理すればいい」という意見もあるが、まともな言語が使えない問題は記憶処理では解決できないのでは? -- (名無しさん) 2020-03-11 14 44 01 SCPアンソロでアイスヴァインをすっ飛ばしてこれを収録したカドカワには尋問官と同じくらいの義憤が湧く -- (名無しさん) 2020-04-10 01 06 58 全文読み終わって「うわぁ…」な気分でページの一番上に戻ってタイトル名見てSAN値見事幻滅 -- (名無しさん) 2020-05-04 04 07 07 ↑2ジョークってアンソロになることあるの? -- (名無しさん) 2020-05-14 20 40 51 ↑アンソロに載せるも載せないも描く側の取捨選択の自由だろう -- (名無しさん) 2020-05-15 04 45 30 ↑2一応014-JP-EXが収録されてるアンソロには1004-KO-Jが収録されてますね、ちなみに文章だけではありますがサメ殴りセンターの簡易的な概要も収録されています -- (名無しさん) 2020-06-13 21 04 23 最近はカオスインサージェンシーに潜入失敗して殺されかけたりサンソンSCPに乗っ取られて各国首相暗殺ツアー敢行したりとハードな日々を送ってる模様 -- (名無しさん) 2020-06-17 22 38 49 具体的にどう「処分」したかは明記されてないけど、妥当なところとしてはDクラス行きかな?喜べ、本物の魔法や怪物と触れ合えるぞ -- (名無しさん) 2020-06-27 18 08 28 記憶処理で済ませないのは珍しいなと思ったけど、記憶処理はあくまで「異常事態に遭遇した記憶を上書きする」だけだから胸糞悪い教育を消し去って社会に順応させるには特別なプログラムが必要なのか -- (名無しさん) 2020-06-28 00 55 09 この子の場合、記憶処理をしたら何も無くなっちゃうからなあ…… -- (名無しさん) 2020-07-17 11 06 29 「単なるクズのお遊びで異常現象でも何でもない」で片付けず、「異世界人の存在を知ってる奴が我々をおちょくってるのだとしたらどうする?」と最悪のケースを想定するのが財団らしいというか -- (名無しさん) 2020-08-13 20 35 00 うーんこれは正に無垢なる者を自分の利益だけのために利用する吐き気を催す邪悪そのもの。SCPにも殺意満々悪意マシマシなやつはゴロゴロいるが人間の悪意だって負けてない。 -- (名無しさん) 2020-12-08 02 48 15 今度はガチのアノマリーになっちゃったお姫様 -- (名無しさん) 2021-01-13 23 53 01 項目名ゲッス・・・ -- (名無しさん) 2021-01-20 18 01 33 わんわんらんどみたいなことになる可能性もあったんだよなあ。まあなったらなった資産家ざまあだが。 -- (名無しさん) 2021-08-13 19 03 45 そもそもこんなしょぼいことに記憶処理を使うのか? -- (名無しさん) 2022-12-15 00 23 22 項目名見たときの「うわぁお前やりやがったな!」感はハンパない。 -- (名無しさん) 2022-12-15 08 29 08 突っ込むのは野暮だが20数名の人員が全員オリジナル言語を支障ないレベルでマスターしたうえ、幼少期から育てた彼女にまともな愛情を抱かず全員悪趣味なネタバラシで嗤ったっていうのはリアリティがないというか、手間暇かけられたおぞましい悪意というか・・・ -- (名無しさん) 2023-06-18 19 00 12 ↑だからこそそこも含めて財団が黒幕探ししてるんじゃなかろうか。何らかのアノマリーを使えば解決する疑問点だし -- (名無しさん) 2023-12-31 10 17 04 ここには書かれてないけど三人目が本当にきつい。女の子の顔も含めて全身に刺青とか。財団だから完璧に除去できるだろうけど実際の刺青除去は歪にもなりやすいし感染症も引き起こすってのに -- (名無しさん) 2023-12-31 10 18 59 ↑3手間暇かけられたおぞましい悪意ってのがポイントだと思うけど -- (名無しさん) 2023-12-31 10 21 04 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/madosayawiki/pages/281.html
150 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/22(月) 22 07 36.30 ID OZL0PAPLO [7/8] あぁ、また御神託が… 流れを読まずにSS投下します! 「私って、さやかちゃんと、釣り合ってるのかな…」 「唐突に何を言い出すかと思えば…どういう意味よそれ」 「だって…さやかちゃんはかっこいいし、いつも私を守ってくれるし、でも私よりも女の子って感じだし、スタイルもいいし、性格も明るいし…さやかちゃんを大好きな気持ちは誰にも負けないつもりだけど、何かすごすぎて私なんかが付き合ってていいのかなって…」 「…………」 「…さやかちゃん?」 「あっ、えっと…ちょっと褒めすぎなんじゃないかなー…って思うんだけど」 「そんなことないよ!これじゃさやかちゃんの魅力の十分…ううん、百分の一も伝えられてないもん!」 「あ、あたしはそんなにすごくないってば。それを言うならあたしこそまどかと釣り合ってるのか不安だよ」 「ふぇ?」 「だって、まどかは可愛いし、守りたくなるし、でも芯は結構強いし、ちっこいから小動物的な可愛いさが半端ないし、性格もいいし…正直付き合うようになってからはどんどん好きなとこが増えて困っちゃってるんだよ?」 「あうっ…さやかちゃんこそ褒めすぎだよ…でも…えへへ」 「な、何よ、急にニヤニヤしちゃって」 「さやかちゃんが私をそこまで想ってくれてるんだなぁって思うと、それはとっても嬉しいなって顔がにやけちゃうのでした」 「っ…ば、馬鹿…そんなの当たり前じゃん。あたしは、あんたが好きなんだからさ」 「えへへ…」 「あー、もう笑うなー!」 「ウェヒヒ、ごめんね、はしゃいじゃって!」 「相変わらず仲いいわね…倦怠期とかないのかしら」 「ったく、周りも見ないでベタベタしやがって」 「まどかの笑顔、はにかんだ顔…だけどそれは美樹さやかにしか向けられない…………ふふ、ふふふふふふ…」 「あらあら、あれではコーヒーはブラックでしか飲めませんわね」 『…はっ!?』 「みなさん、ごきげんよう。私もここから参加させていただきますわ」 「いやいや、あんたはあっちにいろよっ!?」 「佐倉さんは私に砂糖を吐いて死ねと?」 「……なんか、悪かった」 「はい、さやかちゃん、あーん」 「あーん…」 「なんてね♪えいっ」 「あっ、ちょっと!フェイントなんてずるいぞー!」 「ウェヒヒ、いつものお返しだよー!」 「にゃにおー!だったらその食べてるやつよこせー!」 「へっ?それもしか…んっ」 見滝原は今日も平和です…
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/50354.html
登録日:2022/01/30 Sun 12 39 28 更新日:2024/09/19 Thu 00 35 24NEW! 所要時間:約 38 分で読めます ▽タグ一覧 SCP Foundation SCP-2000-JPコンテスト SCP-JP SCP財団 Safe Thaumiel Thaumiel←ではない stengan774 お前達のSCPって…醜くないか? アノマリー分類システム クォーツァー クロステスト ミーム汚染 仮面ライダージオウ 元最強のSCP 変遷 怪奇部門 懐古思想 日本支部 現実改変 瞬瞬必生 管理者 財団内部部門 以下の資料は歴史的資料としてのみの掲載です。 監督評議会による指令 以下のファイルはレベル4機密対象です ==要LEVEL4クリアランス== ……と思いきや、現在は機密指定が 解除されているようだ。詳細は下部を参照、とのこと。 現在は、財団職員であればだれでも報告書を見ることができる。 SCP-2020-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 項目名はまだ伏せておく。また、JPのコードが示す通り日本支部の管轄にある。 オブジェクトクラスは「Safe/Keter」。どうも、SCP-2020-JP自体はSafeだが、その危険度はKeterらしい。 詳しい方なら「えっ」と思っただろうが、すこし我慢していただきたい。 特別収容プロトコル まず、SCP-2020-JPは移動できないらしく、その位置情報は一般から完全に秘匿される。で、SCP-2020-JPがある部屋のドアは完全に閉鎖され、[データ削除済]。 担当研究員とLevel5職員はアクセスコードを利用できるらしく、SCP-2020-JPについての調査はO5の承認が無いとできないらしい。(危険度)Keterらしい、厳重な特別収容プロトコルである。 次、SCP-2020-JPは精神影響性があるらしく、収容室の内部に入る場合はテレキル合金製のスーツを着用しなければならず、さらに1ヶ月以内に精神検査を受けなければならない。 また、SCP-2020-JPへのエネルギー供給はO5指令によって無期限に継続される。 …テレキル合金って何?と思った方もいるだろうが、これはSCP-148のこと。この合金はなんと周囲にある精神影響効果を軽減してくれる。 ただその代わり、SCP-148の周囲に長くいればいるほど精神が汚染されていき、最終的には廃人のようになってしまうらしい。 あれ?SCP同士のクロステストって…これもしばらく我慢していただきたい。 概要 SCP-2020-JPは人の背丈ほどに見える機械で、重さは█████████.███ポンドだ。また、[データ削除済]を含む多数の金属で構成されているらしい。 で、SCP-2020-JPのメインの異常性は周囲の人間に対して異常ミームをまき散らすことにある。周囲の人間、といってもその範囲はなんと北半球のほぼすべて。しかも効果は人口密集地に集中しているというから、その効果の広さは言うまでも無いだろう。これは危険性Keterも納得である。 で、そのミームに曝露した人物は西暦2000年以前への懐古主義を抱く。この効果は個人差があり、SCP-2020-JPに近づくほど影響が大きくなっていくという。 ギアース博士によると、具体的には曝露者は「現在の自分の生活が色あせて見える」「1999年は大昔に感じるが、2000年は最近に思える」などの感情を抱くらしい。 研究者たちは、このミームが健全な人類の発展に影響を及ぼすのではないかと危惧している。 そもそも、世界のかなりの割合の人間が異常ミームに曝露してしまっている時点で、財団的にはかなりヤバい状況だと思うのだが…報告書ではノータッチである。 補遺 報告書には補遺が2つ添付されている。それぞれ見ていこう。 一つ目の補遺は、SCP-2020-JP担当博士で、SCP-2020-JPのそばに長時間いた博士(名前は伏せられている)へのインタビューとなっている。 全てを書くと長いので、箇条書きにしてまとめることにする。 SCP-2020-JPに曝露していると気づいたのは、家でミッション インポッシブル2のビデオを見ていた時で、そのとき、何とも言えない虚無感に襲われたよ。 映画におかしなところは無かったのに、不思議だと思って見てみたら、M I-2が2000年の映画だってことに気が付いたよ。 今は2003年。M I-2が3年前の映画だなんて信じられないし、つい最近までシネマでやってたような気がするよ。 「全てが遠く過ぎ去っていくようで。自分だけが変われずに取り残されているような」感じがして、財団に通報したよ。 以上。ちなみにその博士には記憶処理(amnesia)を施してみたものの症状は改善しなかったとか。 ふたつ目の補遺は、SCP-2020-JPの回収経緯について。 SCP-2020-JPは、2002年にとある場所で休暇中の財団エージェントにより回収された。具体的な緯度・経度については伏せられているが、おおよそ長野県南西部周辺らしい。 で、回収当時のSCP-2020-JP周囲には、SCP-2020-JPにエネルギーを供給するための巨大なエネルギープラントがあり、SCP-2020-JPにエネルギーを送るため、その場所で収容されている。 また、そのエネルギープラント内からは「SCP財団 怪奇部門」と書かれたプレートが多数発見されているらしい。 怪奇部門についてはSCP-4182の項目ですこし触れられているが、「怪奇部門」とは財団が過去に所有したことのない内部部門。このプレートが掛かっている場所には、財団が過去に見たたことのない異常存在が収容されている場合が多い。が、よく見ると我々が良く知るSCPと共通部分を持ったものが一定数ある。 SCPの起源とは何なのか?「怪奇部門」とはいったい何なのか。過去に何をしたのか。なぜ財団の記録に一切残っていないのか、、などを考察する記事となっている …といってもこのSCP-2020-JPに異常存在が収容されているわけでは無い。ここで重要なのは「財団の怪奇部門が過去に何かを目的としてSCP-2020-JPを作った」 ということだけ。といっても現在の財団にとっては危険度Keterの超お荷物となっているのだが… そして、その怪奇部門に関連して、このエネルギープラント内から「管理者」のものと思われる手記が発見された。 「管理者」とは、まさしく正体不明である財団の重要人物で、あの有名な「管理者の言葉(*1)」を残した人物でもある。この管理者、どうも1996年以来失踪しているらしく、そのあとに残された手記と思われる。 歴史が流れ続ける大河であるとするならば、我々一人一人の人生は水のひとしずくであろうか。それとも水面にたゆたう泡であろうか。どちらにせよ、大いなる変遷の中で「個」を保つことは、かように難しい。 我々は人類が恐怖するものと最前線で戦い、科学の粋を尽くして災厄を封じ込め、伝説の怪物を伝説のまま遠ざけてきた。そして今、我々はどこへ向かっているのだろうか。何に成ろうとしているのだろうか。 我々の数は多くに増えたが、不可解なるものもそれに応じて力を増している。人類が、そして財団が、私の力を必要とせず立ち上がらなければならない。この施設は、私から人類への最後の希望だ。 新たなる世紀が、条理の灯に満ちたものであることを願って。 確保、収容、保護。 ちょっと言っている意味が良く分からないが、とりあえずSCP-2020-JPは「管理者」から財団へのプレゼントらしく、「21世紀になったから、世界平和の記念としてあげるね!」ということらしい。 いやいや、SCP-2020-JPがまき散らしてるのは世界平和どころか、人類の発展を妨げるような厄介ミームなんですが……なんとまあお気楽だったことだ。 余談 さて、これを読んだ人の中には、報告書の書き方にいろいろ疑問を持った人もいるのではないだろうか。 まず、オブジェクトクラスの複数使用。そもそもオブジェクトクラスというのは収容難易度を示すものであって、「危険度はKeter」なんて概念は存在しない。 次に、特別収容プロトコルでの検閲の使用。特別収容プロトコルは、そのSCiPを封じ込めるための、財団にとって一番重要な場所である。よって検閲してはいけない。 さらに、特別収容プロトコルにほかのSCiPを使っている。SCiPとSCiPのクロステストは基本的に禁じられている。しかも、ミーム系のSCiPにSCP-148なんてご法度みたいなものだ。 その他にも、説明で用いられている重量単位がポンドであったり、まだまだ問題点は多い。なぜこんな報告書が正式なデータベースに保存されているのか。 それは、この報告書が2003年という、昔に書かれた報告書だからだ。どうも、このころは財団も不安定な組織で、こういうダメダメな報告書が量産されてしまっていたらしい。 追記・修正はSCP-2020-JPに曝露してからお願いします ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-2020-JP by stengan774 http //www.scp-jp.wikidot.com/scp-2020-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 注記 以上のファイルは歴史的資料としてのみの掲載です。 当ファイルは現行文書の過去のバージョンです。内部に含まれる情報は不正確であるか、最近の利用可能なデータを反映していない可能性があります。 あなたは現在、この文書の初版(2003/02/14)を閲覧しています。この文書の最新版を閲覧する際はセキュリティクリアランス適合確認をクリアした上で最新版のファイルにアクセスしてください。 — 記録・情報保安管理局(RAISA)管理官、マリア・ジョーンズ 一般通告2020-JP-アルファ SCP-2020-JP文書情報取得にはHMCLおよびO5による許可が必要です。 閲覧端末のIDと以下の認証コードを照会しますか? RAISA認証コード-ぬばたまの黝き月か吼ゆると いいえ 端末記録とID情報は削除されます。 はい RAISA承認メッセージ-陽は陰り万象の久しくとどまること無し 閲覧可能ファイル SCP-2020-JP(most-recently-edited-ver.) 警告 貴方には一時的に4/2020-JPクリアランスが付与されます。対抗ミーム接種の際、心身に異常が認められた場合は直ちに通信を切断しRAISAの指示に従ってください。 待機してください。 BY ORDER OF THE OVERSEER COUNCIL 貴方がアクセスを試みているファイルはレベル4/2020-JPクリアランスを持つ職員にのみアクセスが許可されています。 必要なクリアランス無しにこれ以上のアクセスを試みることは財団による雇用の終了、全ての教育上、医療上、退職後、あるいは死亡時の福利厚生を取り消す根拠となります。 資格認証のため、貴方はこれをもって既知の認識災害画像に暴露される事に同意することとなり、貴方が画像に対する予防措置を受けていることを確認します。 要するに、SCP-001と同様に、今から見たら死ぬ画像を張り付けるから、ちゃんと対策してないと死ぬよ、ということ。これを読んでいる諸君らは直前に4/2020-JPクリアランスを付与されて、対抗ミームを摂取してあるから大丈夫だろう。 Item# SCP-2020-JP CONNECTION START COUTION ACCESS AUTHORISED ID ERROR/guest(SCL-2) ACCESS 監督評議会命令 下記のファイルはレベル4/2020-JPの機密事項に指定されています。不正なアクセスは禁じられています。 2020-JP ログイン資格を提示せよ 要4/2020-JPクリアランス 保安用認識災害起動 神経活動スキャン中 生命反応検出。 ミーム接種を確認。 ようこそ、担当職員様。 前置きが長くなってしまったが、ここからが本番となる。 どうも、先ほどまで見ていたものは報告書の旧版で、2003年に書かれたものらしい。ずいぶん昔のデータだったから機密指定も外れていたのだ。 そして、これから見ていただく報告書は2020年に書かれた報告書となっている。 こちらはしっかりと機密指定がなされており、アクセスには4/2020-JPクリアランスが必要だ。しかも、不正アクセスをした場合には最悪殺されてしまうという厳重さ。一体、この先には何が待ち受けているのだろうか。 さて改めて。 SCP-2020-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 項目名は「祝福、新たなる時代へ」。また、JPのコードが示す通り日本支部の管轄にある。 SCP-2020-JPはACSによる分類がされている。 収容クラスはEsoteric。代わりに付与される副次クラスはThaumiel。しかし取り消し線が付いている。 攪乱クラスは5/Amida リスククラスは2/Cautionである。 また、理由は後述するがACSの下にはフランス支部発の脅威レベルが付与されており、こちらは黒。 要するに、「影響力はメチャクソ強いが危険度は低く、昔は財団が利用していたが今はそうじゃなくて、もし利用したら世界滅亡レベルの大惨事になる。」 ということだ。OK? 概要 特別収容プロトコルの先に概要から説明していく。 SCP-2020-JPとは、SCP-2020-JP-A、-B、-Cの3つの異常存在の総称で、2000年~2002年の間に「管理者」によって作られたSCPオブジェクトだ。 前述の通り「管理者」は1996年に失踪しており、その足取りを財団が知ることは無かったためにSCP-2020-JPがどのような意図で作られたものかは不明だが、現在は財団によって維持され、利用されている。 ここからは、SCP-2020-JP-Aから-Cまでの詳細を説明していこう。 まず一つ目、SCP-2020-JP-Aとは、SCP-2020-JPの制御装置であり、2003年の報告書で「SCP-2020-JP」とされていた物品そのものである。 よって主な説明は旧報告書にお任せするが、ここで新情報がある。なんとSCP-2020-JP-Aの前面にはディスプレイがあり、常に文字が表示されているのだという。 現在 2000/1/15 ーーーーーー Welcome,User ーーーーーー 世界は滞りなく停滞中です 2つ目、SCP-2020-JP-Bとは、旧報告書における「エネルギープラント」のこと。巨大な工場のような見た目をしている。 SCP-2020-JP-B全体を維持するために必要なもので、なんと地上75mから地下100mまで広がっている。 中身は「レベル2、1、0」と「サブレベル1、2、3」の合計6層構造。それぞれに役割が持たされている。 以下に、その役割の詳細が書かれた文書「文書2020-JP-SS-EX」の概要を掲載する。ちなみに、説明の中にはちらほらSCP-2020-JP-Cが出てくるため、先にあちらの説明を読んでからこれを読んでもいいだろう。 文書2020-JP-SS-EX 長くなるので折り畳み レベル2 効果拡張施設 後述するSCP-2020-JP-Cの効果を拡張するための施設。いろいろな超常技術が使われており、だいたいSCP-4004に類似したもの(*2)らしい。 また、SCP-4004と違ってSCP-052-JPやSCP-1408が用いられていたり、「モルフェウス型夢界侵犯誘導技術」という最新技術が利用されていたりもするらしい。 レベル1 第一エネルギープラント レベル2へ送るエネルギーを生産する場所。レベル2の性質のためか、こちらもいろいろな超常技術が使われている。 具体的には、「テスラ-アンボロー・エントロピー反応炉(SCP-2400)」や「ソリダリティ溶解ナトリウム熱交換システム(SCP-2117)」など。 レベル0 エントランス レベル1と吹き抜けになっていて、だいたいレベル1と同じことをしている。 ただ、奥の方には書斎や作業室があり、残された手記からこれは「管理者」によって使われていたと考えられている。 サブレベル1 第二エネルギープラント サブレベル2、サブレベル3にエネルギーを送るエネルギープラント。サブレベル2、3の性質の関係で、すべて非異常の技術でエネルギーを作っている。 具体的には、液体フッ化トリウム反応炉や地熱発電など。 ちなみに、サブレベル1、2、3はSCP-2020-JP-Aを維持するための施設となっているのだが、その構造はレベル0、1、2と独立している。 これは、SCP-2020-JP-Aを維持するための施設を地下に集中させることで施設の安全性を上げる、フェイルセーフだとされている。 サブレベル2 ライブラリ 後述のSCP-2020-JP-Cを発生させる”前”…すなわち西暦2000年における人類の記録がある。具体的には、社会状況や気候環境、各種文化活動、政治法律、社会活動などなど。 とにかく、2000年における人類の考え・文化が記録されていることが分かればよい。 これは、いつでもサブレベル3にあるSCP-2020-JP-Aが参照できるようになっている。 サブレベル3 SCP-2020-JP-A収容室階 SCP-2020-JP-Aが収容されている場所。いろいろなパイプが繋がっており、出入り口はドアが1つだけ。 で、そのドアには看板がしてあり、次のことが書いてある。 CAUTION THIS MACHINE HAS NO BRAIN USE YOUR OWN 和訳をすると、「警告 この機械は思考する頭脳を持たないので自分の脳でお考え下さい」という意味らしい。 3つ目、SCP-2020-JP-Cとは、SCP-2020-JP-A、-Bから発せられるミーム的異常/ミームベクトル操作である。(*3)ぶっちゃけ、-Aと-Bはそんな重要ではない。これが本命といえる。 で、SCP-2020-JP-Cの内容は2003年の時点では懐古主義への回帰というものだとされていたが、最近の研究により新たな異常性が判明した。これがとても重要である。 まず、SCP-2020-JP-Cに曝露すると、懐古主義の思想を抱くことになる。で、SCP-2020-JPの効果範囲は北半球、、ではなく全世界の人口密集地に集中している。よって現在はヒト型オブジェクト含む全世界の人間の7割強がSCP-2020-JP-Cに影響されているという。 具体的な位置はこちら。光っている場所ほど、SCP-2020-JP-Cの影響を強く受けている。 このように、世界各国にSCP-2020-JP-Cの影響が広がってしまっているため、日本支部だけでなく、世界各国の財団支部にて研究が進められている。 よって、この報告書にはいろいろな支部のフォーマットがごちゃごちゃになっている場合がある。最新版報告書の冒頭、ACSでの分類と共に、フランス支部の脅威レベルが付与されていたのも、この理由による。 それで、これは「みんなが考える『正常』(SCP-4200)」に影響を及ぼしているらしい。その境界線は、共有する個人の表層によってヒューム的に安定したものだという。 そして、みんながSCP-2020-JP-Cに曝露して「2000年代ってよかったな~」とか思うと、そこで表層意識群の統合(SCP-540-JP)が発生する。詳細はSCP-540-JPを見ていただきたいが、要するにみんなが同じことを思うと現実改変力が上がるというものだ。(*4) SCP-540-JPが学校の人々が同じことを思ったことで発生した現実改変なら、SCP-2020-JPに関しては全世界の人間が思っている。数百人と数億人の差である。こうなると世界規模の現実改変が発生することになる。すなわち、現実改変によって世界が2000年付近の社会情勢を繰り返されるようになる。 え?全くどういうことか分からない?報告書にはいくつか現実改変の例が載っている。以下にまとめた。 2000年付近に発生した出来事 2019年に発生した出来事 2000年問題による不具合が心配されるも、思ったより影響は出なかった。 UTC4月6日23時59分41秒にGPSの内部時計がオーバーフローして0に戻ったため、一部の航空機の運航に遅延・欠航が生じた。 1994年夏からのアメリカ株式市場の高騰が、S P500指数で1530.09の大天井をつけ、以後は減速する。 同様の経済停滞が継続中 1990年代のダイオキシン問題のクローズアップ・京都議定書の提出により環境問題への関心が高まる カリフォルニアでプラスチックストロー制限法案が成立したことにより環境問題への関心が高まる 2000年付近に起きたことが、2019年にも起きていることがおわかりだろうか。これも全てSCP-2020-JPの現実改変効果なのだ。 ではなぜ、財団はこんなに大規模な現実改変が発生しているのにもかかわらず、SCP-2020-JPを止めないどころかThaumiel認定までしていたのだろうか。報告書にはもう一つ、例が載っている。 2000年付近に発生した出来事 2019年に発生した出来事 一般社会に露見する異常現象が発生せず、ヴェールは保護されていた 予想されたK-クラスシナリオは発生せず、ヴェールは保護されている。 そう、この世界には、世界を滅ぼしうるSCPオブジェクトが超多数ある。それらから世界を守っていたのは他でもないSCP-2020-JPだったのだ。ちなみに、報告書では、ここにSCP-1363-JPのリンクが貼ってある。 さて、ここでもSCP-2020-JPが施した現実改変…すなわちSCP-2020-JPによって世界が救われた記録が載っている。ここでは、それを抜粋して紹介する。 日付 予想された出来事 実際の出来事 2019/01/11 上空にSCP-370Yが突如出現し、AK-クラス”狂気”シナリオ/SK-クラス支配シフトシナリオが発生する。 示唆される存在は財団内部でしか確認されなかった。財団はSCP-370Yの攻略法を見つけ出し、収容した。 2019/02/02 複数の要注意団体がSCP-3396の所有・曝露を争った結果、世界人口の2.5%がSCP-3731に変換。これによってTPK-クラス奇蹟論的増殖シナリオが発生。ついでにLv-ZeroKクラス”捲られたヴェール”シナリオも発生。 SCP-3396は考古学的調査の際に偶然発見され、財団への通報も早めに行われたおかげで一般社会には露見しなかった。 2019/03/05 SCP-3519と呼ばれる自殺ミームが全世界に拡散し、限定的な核戦争もあってXK-クラス世界終焉シナリオが発生した SCP-3519は発見されなかった。 2019/05/01 SCP-1111-JPにおける”継承イベント”の際に、SCP-1111-JP-A-125と-126の間のヒューム値の差が原因で、日本全体に現実性の揺らぎが生じる。それが原因で財団日本支部全体に内乱が生じる 現実の揺らぎは最小限に抑えられた 2019/08/13 SCP-2003の確定事象XWにおいて、強化されたSCP-███が人口の多い中心地に現れ、人間に受け入れられる。そのあとSK-クラス支配シフトシナリオが発生して2024年内に人間が社会的に抹殺される。 確定事象はXNが選択され、XWは回避された。 2019/12/10 SCP-CN-1199が氾濫し、それを見た人々でもっと増水していく。すべての回避手段は水没し、我々は渡河する 財団は川辺に浮かぶ死体の顔に関する記録を持ちません。 ちょっと最後が不穏だったが、上にあげたもの、全てSCP-2020-JPの効果である。もはやこの世界、SCP-2020-JP無しでは成り立たないのではないか。 先ほどSCP-1363-JPの話が出てきたが、報告書中では不明となっていたこいつの正体も、こう見るとSCP-2020-JP-Cの効果だった可能性が高い。 いや、そもそもK-クラスシナリオ起きすぎだ。上にあげたのでも抜粋だから、実際に起こったものはもっとある。そんなのが毎年本当に発生していたら、一体どれだけのK-クラスシナリオが発生していたのだろうか。 また、2015年にはSCP-2003確定事象XRも回避していたらしい。XRとは、SCP-655にて発生した「Homo ignotus」が100万体にまで増加、人類との激しい紛争の結果人類が滅亡する…というもの。報告書には、市街地のすぐそばまでHomo ignotusが来ている状況での、機動部隊の会話記録が載っている。 ちょっと長いので全ての引用はしないが、Homo ignotusの数がどんどん増えていき、応援も間に合いそうにない。隊長であるアルファは「最後まで最善を尽くそう」と励ますも、K-クラスシナリオはほぼ確実…という状況になっている。ちなみに、機動部隊3人のうち隊長のアルファだけがSCP-2020-JPのことを知っている。 アルファ くそっ……撤退だ! チャーリー ですがこのままでは! アルファ いや、我々は最善を尽くした。だからきっとアレが応えてくれる。 ブラボー アレとは……? ああっ! (複数の叫び声) デルタ なんだありゃあ……。 チャーリー 外に出たignotusが……かき消えていく? (複数の叫び声) アルファ 今だ!彼らを逃すな! エコー りょ、了解! チャーリー 終わりましたね……。一体何だったんです?アレは。 デルタ まったく財団は神様でも雇い始めたんで? アルファ ああ、強いて言うなら……。 機械仕掛けの神(Deus Ex Machina)か。 …この時点でピンときた方も多いだろうが、当オブジェクトは(間接的に)SCP-2000と大きな関わりを持つものだ。 もし、まだSCP-2000を知らない方は、先にSCP-2000の項目を読んでおくのをお勧めする。 話が反れてしまったが、ここでSCP-2020-JPについての補足。 現在、SCP-2020-JP-Cによるヴェール維持の現実改変は、財団におけるヴェール崩壊の危機に多く働くことが分かっている。 これは逆説的に、SCP-2020-JP-Cがある限り、ヴェールが崩壊することはないということと同じになる。ある意味最強のSCPといっても過言ではないだろう。 また、SCP-2020-JP-Cを止めたければ、SCP-2020-JP-AとSCP-2020-JP-Bの接続を分断することで容易に止められることがわかっている。 長い!3行でまとめろ! 世界中の人間をミーム汚染!! ミーム汚染パワーで現実改変!! 現実改変パワーで世界平和!!!! というワケ。 特別収容プロトコル 以上を踏まえたうえで特別収容プロトコルを見ていこう。 SCP-2020-JPの正確な情報は4/2020-JPクリアランス未満の職員から徹底的に隠ぺいされるよ SCP-2020-JP-Bのサブレベル3 SCP-2020-JP-A収容室階に入れるのは5/2020-JPクリアランス以上の職員か、O5理事会の許可を得た職員だけだよ。 5/2020-JPクリアランス以上の職員か、HMCL監督官の裁量で、人手不足の時は臨時で4/2020-JPクリアランスを発行できるよ。 監督者指令により、無期限にSCP-2020-JP-AとSCP-2020-JP-Bは接続されるよ。SCP-2020-JP-A収容室に入っていいのは検査の時だけだよ。 SCP-2020-JP-Bは非異常の工業施設に隠ぺいされるよ。また、C/KAAシステム(*5)によってあらゆる脅威から最大限の保護がされるよ。 SCP-2020-JP-Cの一般社会への影響は、なるべく軽減される必要があるけれど、優先順位的にはSCP-2020-JP-A,-Bの維持が優先だよ。 とりあえず、財団がいかにSCP-2020-JPを大事にしているか、というのが分かれば良いだろう。 補遺2020-JP.1 収容アセスメント01 さて、上で「世界の平和はSCP-2020-JPによって守られているようなもの」と書いたが、一応SCP-2020-JPも万能ではない。 なにより、「全人類の7割強が異常ミームに曝されてしまう」のだ。それに現実改変と来た。何が起こるか全く分からないではないか。 このようなデメリットの存在を考え、財団はSCP-2020-JP-Cの利用を続けるかどうかの協議が四半期ごとに行われるようになっている。 記念すべき1回目のこの協議は、O5-12の監督のもとに、ムース管理官を分析責任者として行われた。 このときに挙げられたデメリットは2つ。この時点でのSCP-2020-JP-Cの危険度判定は「中程度脅威」となっている。 多数の一般人へのミーム的異常への曝露 ブランズウィック・グリンコ博士(*6)の報告。 いまは特に何も起こっていないが、このまま一般人が異常ミームに曝されてしまうと、思ってもみないような悪影響が起こってしまうことが考えられる。 特に心配されているのが懐古主義の扇動による内向的な人格の形成であり、若年層のコミュニケーション能力の減少が予想される。 この傾向は、一般社会の経済トレンド・環境要因・社会情勢の変化に影響を与えてしまう可能性がある。これは困った。 懐古主義の隆盛による文明発展への影響 ヨハネス・ソーツ博士(ACSを考案した、分類委員会の博士)の報告。 数学的分析によると、ここ最近の文明成長率は予想されていた成長率を23%下回っている。 これは文化の発展にも影響を及ぼしており、将来的に人類全体の創造的感性及び熱意の醸成に著しい影響をもたらす「MK-クラス “熱意消失”シナリオ」を引き起こしてしまうという。 これを踏まえ、SCP-2020-JP-Cの利用を続けるかどうかの投票がO5理事会で行われた。 結果は賛成7人 反対5人 棄権1人となり、SCP-2020-JP-Cの利用は継続されることになった。 まあ、どのデメリットも世界が滅ぶよりかはマシだよね、という話だ。 補遺2020-JP.2 運用アセスメント73 ここで2019年に行われた、記念すべき73回目の協議を見ていこう。この協議で、賛成多数だったSCP-2020-JP-Cの運用に変化が生じることになる。 今回の協議は、O5-02を監督官のもとに、アクタス管理官を分析責任者として行われた。 今回挙げられたデメリットは4つ。この時点でのSCP-2020-JP-Cの脅威度は「極強脅威」となっている。 異常気象の発生と経済的損失 天文/天気予報部門の報告。 西暦2000年付近では、世界各地での大気の乱れが顕著になってきていた。 で、SCP-2020-JP-Cの現実改変影響により、この異常気象も繰り返されているとみられている。 報告書内では、中国の「台風9号」アメリカのハリケーン「ドリアン」日本の「台風19号」が挙げられている。 何が言いたいかというと、この異常現象による経済的損失…たとえば一般人への被害、SCiPの収容違反鎮静などに掛かった10000000000ドルもの費用全てをSCP-2020-JPの運用コストと捉えることができてしまう。 平和はお金で買えないとはいえ、10000000000ドルといえば、日本円でおおよそ1兆円となる。決して安いわけではないが……? ナショナリズムの潮流 ウスマン・アズマガン博士の報告。 21世紀に入ってからというもの、世界ではナショナリズムの高揚が顕在化している。 報告によると、これは財団の「理想的融和モデル」をはるかに逸脱するものだという。すなわち、グローバルリズムに対する懐古主義的な反発が異常に強くなっているのだ。 報告書には、「クリミア併合」や「南沙諸島の埋め立て活動」といった、人口比でSCP-2020-JP-Cの影響が大きいロシア・中国の行動が載っている。 また、超常社会でもこの風潮は高まっており、国家主義的な要注意団体が再興している傾向にあるという。 例えば、第二次世界大戦時に影響を強めていた「大日本帝国異常事例調査局」の残党、「オブスクラ軍団」「第四帝国」「オカルトファシスト/暗黒結束評議会」などの要注意団体が再興しており、財団の障害となる可能性がとても高いとされている。 要注意団体の発展 アンドリュー・ウェイストーン・オフラスティ博士(*7)の報告。 これまで、ほとんど全ての要注意団体の間では、「正常性への紳士協定」という暗黙の了解のようなものがあった。これは、それぞれの活動において「異常なものが表社会に出ないようにする」みたいなヴェール保護プロトコルである。 ただ、SCP-2020-JP-Cによってヴェールが”可視化”されたことによって、「ちょっとくらいミスっても世界滅ぼんだろ!」「こんな暗黙の了解守らなくてもSCP-2020-JP-Cがヴェール守ってくれんだろ!」という危険な考えが要注意団体の中で広がっているという。 21世紀に入ってからというもの、新たに設立された要注意団体の数は20世紀の100年間と比べても7倍となっており、「大胆な」要注意団体の発展に繋がってしまっている。 異常思想の流行 ジャスティン・エバーウッド博士の報告。 上記と関連して、超常社会の中でいろいろな異常思想が流行っている。 報告書で言及されているのは10個。分かりやすいものを抜粋すると「第五教会の復権」「鮫科に対する異常な執着」「ショパニスト」などが挙げられている。 SCP-2020-JP-Cの懐古主義的な思想によって、未来に対する否定的思想が異常思想への傾倒を加速させている、ということらしい。 以上を加味して、こんなリスクを冒してでもSCP-2020-JP-Cを維持する必要があるのか、という投票が行われた。 結果は賛成4人 反対8人 棄権1人となり、SCP-2020-JP-Cの利用は停止されることになった。 オブジェクトクラス・収容プロトコルは改正され、SCP-2020-JP-A、-Bは即時に分断(=SCP-2020-JP-C放出停止)され、SCP-2020-JP-B自体も2020/02/15までに完全停止されることになった。 しかし… グランドクロス・プロジェクトによってこの決定は現在再検討されています。詳細は補遺2020-JP.4を参照して下さい。 なんだか不穏な一文が出てきた。とりあえず、これは補遺2020-JP.4になるまで置いておこう。 補遺2020-JP.3 O5声明 さて、いままで世界をずっと守っていたSCP-2020-JP-Cを停止した件について、O5-8、O5-2、O5-1がメッセージを発表した。 全て引用すると超長いので、適度に要約&引用して箇条書きにする。 + O5-8 SCP-2020-JPの初版報告書は見てくれたと思う。でも、いろいろ呆れかえったり、嫌悪感を覚えたりしたと思う。 不適切な重量単位、オブジェクトクラスを2つ使う、検閲された収容プロトコル…挙げればキリがない。 これは、執筆当時の、財団の黎明期には誰も気にしなかったりしたものだ。このころは、トップのO5ですら安定していなかった組織であり、財団自体も単なる研究者の集まりみたいな感じだった。報告書には「オブジェクトが何をできるか」だけ書いておけば良かった。 やがて、研究者は、SCPオブジェクトを閉じ込めておくだけじゃなくて、研究するようになった。SCPを説明するだけではなく、きちんと理論づけするようになった。こういう経緯があり、現実改変だとかの理論が確立されて、現在の財団に至る。 SCP-2020-JPが発見された時期は、そうした一種のターニングポイントに当たる。 ここからは引用する。 SCP-2020-JPの運用プロジェクトが停止されるにあたって、私が述べたいのは、これまでの君たちの努力が否定されることは決して無いということだ。 過去の意思を偽りで覆い隠すことはできない。 この世界はただ偶然に存続してきたわけではない。すべての報告書は、試行錯誤を重ねた収容プロトコルと科学のために殉じた人々の歴史を持つ、当時の人々が瞬間瞬間を必死に駆け抜けてきたその記録なのだ。その過去があって、我々は巨人の肩に立っていた。そして今、我々自身が巨人の一部となり、新たな礎になろうとしている。 財団は記録し続ける。君たちの戦いを忘れることはない。 + O5-2 「転石苔を生じず」ということわざがあるけれども、これは本来は「やり方を変えてばかりだと成長しない」という意味だったのが現在は「活発に活動している者は時代に取り残されない」という意味でも使われる。変化に関することわざの、それ自体の意味が変化しているのは皮肉かもしれない。 このことわざは、昔から一字一句変わっていない。ただ、受け取り手の環境が変わっただけだ。 同じことが古代ローマでも言える。かつては栄えたローマも、結局は増えすぎた領土を管理しきれなくなってしまって帝政へと移り変わることになった。 「ローマの政治システムが最初から欠陥だった」という事実を言いたいのではない。 おそらく、ローマも最初は上手く行っていたのだと思う。しかし、ローマの周りを取り囲む状況が変化したことで、ローマの古い政治が破綻していってしまったのだと思う。 SCP-2020-JPは、財団が長い間使い続けたオブジェクトだったけれども、ついに財団は、(ローマのように破綻しないように、)SCP-2020-JPの運用をアップデートする時期が来てしまった。 以下は引用する。 大勢の人間をミームで汚染し続けて、いまさら何をという人も多いかもしません。いつでも止めることができたものを、それが有用であるからという理由で放置し続けたために、現在の世界が混乱に陥ったことを考えれば、その責任はすべて私たち評議会にあります。 だからこそ、私たちは過ちを認め前に進みます。時計の針は前にのみ進み、新たな世界に適応できなければ財団は滅びていくだけでしょう。どうか、私たちの後を継ぐ人々はこの言葉を忘れないでください。 我々は、変わることを恐れない。 常に変化を続ける。それだけが私たちの進む方法なのですから。 + O5-1 ここに限っては、雰囲気の保持やわかりやすさ、文の短さを考慮して全文引用する。決して面倒くさかったわけでは 端的に言おう。我々は20年間ずっと保護されていた。 21世紀が始まってからの20年というもの、我々は何をしてきたのか? そのほとんどをSCP-2020-JP-Cというヴェールの内において過ごしていたのだ。正常な世界を守っていたのは財団ではなくSCP-2020-JPであり、我々はその庇護下において世界を維持しているつもりの道化を演じていたに過ぎない。 管理者の言う「希望」とは、私は人類への挑戦状と理解した。 SCP-2020-JPは完全無欠の神ではなくもはや制御不能の脅威だ。今こそ剣を持ち、我々の神を殺せ。人類は自分たち自身のため立ち上がり、自らの力のみによって異常を封じ込めなければならない。 「伝統とは火を守ることであり、灰を崇拝することではない。」とはグスタフ・マーラーの言である。 我々の火とは異常な存在を解き明かし、不条理の闇に条理の灯を導くことだ。 常に財団はその理念に従い、これからも変わることなく世界中の一般市民が異常に対する恐怖や疑念を抱くことなく日常を生きることができるよう、超常的存在が及ぼす影響からの人類の独立を維持する。 恐怖から逃げ隠れていた1つの時代が終わり、ここからすべてが始まる。偽りの歴史が完全に崩壊したとき、新たな世界の夜明けへと我々は歩き出すだろう。 確保、収容、保護。(Secure, Contain, Protect.) この使命は我々によって為され、我々のみが成すべきものだ。 長い!三行で(ry 世界中の人をミーム汚染させるの良くない! 金かかる!! SCP-2020-JPやーめた!!責任はO5が取るから安心して!!! だったのだが… 補遺2020-JP.4 疑惑 SCP-2020-JPにおいて大切な年であった2000年からちょうど20年経った2020年のお正月、ついにSCP-2020-JP-Aと-Bの接続が分断された。これはすなわちSCP-2020-JP-Cの利用停止を意味する。 ただ、同日にとあるインシデントが発生した。なんと、先ほどのO5声明でも出てきたO5-8が、SCP-2020-JPの報告書を無断編集したのだ。 具体的には、この2020年版の報告書のページトップに旧版のSCP-2020-JP報告書が表示されるように編集されてしまった。諸君らに最初に見てもらった報告書はそれである。 旧版といっても、ほんとうの旧版報告書に比べて、表現が”稚拙”で、”クリティカルトーンに欠ける”ものに改変されているという。 財団全体の報告書・機密情報を管理するRAISA(財団記録・情報保安管理局)がこれに気付き、報告書の削除を行おうとしたが謎パワーで失敗。なんらかの異常現象が発生していると予測した。 そこでRAISAが調査を行ったところ、O5-8を含む評議会員8名が重度のSCP-2020-JP-C汚染を受けていることが判明。 無論、O5はあらゆる異常存在への関与を禁止されている。SCP-2020-JP-Cとて例外ではなく、できるだけ効果の薄い場所にいたと推測できる。 しかし、今回の調査でO5達から検出されたSCP-2020-JP-C汚染度は、薄いどころかSCP-2020-JP-B担当職員と同レベルという異常に高い数値。 なぜ、O5達がこのような影響を受けてしまったのかは、2020/01/15現在、不明である。(*8) また、補遺2020-JP.2で行われた、O5達のSCP-2020-JP-C停止決定も信用できないとして、財団内でいろいろな人物を混ぜて結成された第三者機関が設立された。 この機関の名を「グランドクロス」といい、SCP-2020-JP報告書の調査やSCP-2020-JP-B立ち入り調査などを行ってSCP-2020-JPへの再評価を行う。 結果、次のようなことが判明した。 収容アセスメント関係者(SCP-2020-JP-C利用を続けるかどうか意見する人)のなかにも重度のSCP-2020-JP-C曝露者がいた しかし、収容アセスメントに関してはちゃんと根拠に基づいた議論をしているので信頼できる。 上の方にでてきた、SCP-2003とSCP-655関連の機動部隊の音声記録について、出てきた機動部隊は関与を否定している。 SCP-2020-JP-Bについて、なにか重要な情報が削除された可能性がある。 SCP-2020-JP-Bを立ち入り検査したところ、レベル0 エントランスの最深部からヒトの死骸が発見された。死後6年は経っているというのに、いままで誰も気が付かなかった。また、直接的な死因は頭部に打ち込まれた弾丸だが、死後に複数の凶器によって傷付けられている。 また、以下の文章が死骸の周囲から見つかった。 それは存在しない。頭の内に存在する。凋落→ 現実性(Reality)の低下を? それは保護されるべき押しつけるなであり、すでに多く破壊された。分断するのは隣り合うため。切り離せ。 切り離すな。 いつから我々は怪物になった? be in the veil 解説 さて、ここでようやく記事の内容は終わりとなっている。ここからは解説を述べていこうと思う。 まず、このSCP-2020-JPという作品、日本支部で行われたSCP-2000-JPコンテスト参加作品である。アニヲタwikiのお友達だとワンコや異常雇用 、中学校が挙げられる。 コンテストのテーマは「変遷」。このSCP-2020-JPも、そんな変遷を数多く描いている。 また、これを読んでいる人の中で「シリーズって何?」という方は、まずはこちらの項目を軽く読んでから戻ってきていただきたい。 SCP-2000-JPコンテストの簡単な説明 SCP財団のナンバーは、1000番ごとに開放されていくような仕組みになっている。 その際、SCP-3000、SCP-1000-JPなどのキリ番が生まれるわけだが、そのキリ番はコンテストで決められる。 日本支部で、2000番台が解放されたときに開催されたのが、SCP-2000-JPコンテストである。すなわち、このコンテストは2000番台の始まりといえる。 2つの「機械仕掛けの神」 SCP-2000-JPコンテスト、となれば誰しもが1度は思い浮かべるであろうSCP-2000「機械仕掛けの神」の存在。 そういえば、このSCP-2020-JPも、SCP-2020-JP-Aと-Bで成る、世界を守る「機械仕掛けの神」である。 ここで連想されるのが、SCP-2000の「変遷」である。 どういうことかって、SCP-2000というものは、サイトに投稿された際は「最強な財団の切り札」という扱いだった。現在故障中など、すこしばかりの欠点はあれど、これが財団にとっての最後の希望だとされてきた。 しかし、時が経つにつれてそれは薄れていった。SCP-3480といった設定・強さがインフレしたSCiPの増加によって、我々は「あれ、SCP-2000ってそこまで強くないんじゃね??」と思うようになった。 もちろん、SCP-2000報告書自体は今も昔も何も変わっていない。周りの人々が変わったのだ。まるで古代ローマのように。 これはSCP-2020-JPも同じだ。 SCP-2020-JPが運用され始めた最初の頃は、SCP-2020-JP-Cが、我々の世界を守ってくれる最強のSCiPだと考えられていた。 しかし、年月が経つにつれてそれはだんだんと薄れていった。SCP-2020-JPの副作用は日に日に深刻になっていき、ついには財団に停止させられることになってしまった。 こちらも、SCP-2020-JP自体は何も変わっていない。それを取り巻く社会が変遷したのだ。 ちなみに、作者はSCP-2020-JPを「私なりのSCP-2000リメイク版」と語っている。 SCP財団の「カノン」 本格的な考察をする前に、メタ的な話として、創作サイト「SCP財団」の変遷について語ろうと思う。 SCPのそもそもの始まりは、2007年にアメリカの掲示板に「SCP-173」という題名の作品が投稿されたことから始まる、というのは有名な話だろう。 SCP-2000-JPコンテストが開催された2020年においては、もうその年から13年が経っており、その間に「SCP」は大きく変化した。 一般に「三桁台」「シリーズI」と呼ばれる、番号の小さいSCiPと、最近のシリーズⅥやシリーズⅦでは作風、、記事が伝えるミームに大きな違いがあることは言うまでも無い。 さて、なぜSCP財団がこんなにも変遷を遂げたかについて、作者さんは「ヘッドカノンという名のミームが変遷を遂げたから」としている。 もちろん、SCP財団にカノンは存在しない。というか、それこそSCP財団の特徴ともいえる。 しかし、現在こそ財団にカノンは存在しないが、財団が始まってすぐの頃には、多くの人が支持していた「カノン」があった。 その答えは、作中では明言されていないものの、考察が可能だ。 すなわち、その「カノン」とは... 全てのSCPオブジェクトが同じ世界にある。 というもの。これを読んでいる諸君も、SCPを知った時には「このSCPはみんな同じ世界にあって、番号は収容された順番なのだ」と考えたことは無いだろうか。 しかし、そのカノンは薄れていった。時が経つにつれてSCPの数はどんどん増えていき、1つ1つの危険度もインフレしていく。 だから、現在は「SCP報告書は全部パラレルワールド」という、現在の形が主流になったのだ。 SCP-2020-JPの変遷 ここで、SCP-2020-JP報告書に話を戻す。 おそらく、SCP-2020-JPが存在した世界は、上記の「全てのSCiPが同じ世界にある」世界だと考えられる。なんてったって、2019年だけで見てもSCP-2003もSCP-3519もSCP-370YもSCP-001-JP/hannyaharaの提言もあるのだから。 この記事を読んでいて違和感を感じた方もいると思う。「やたらいろんなSCP出てきてね?」と。 アニヲタwikiで全て再現すると諄くなってしまうため当項目では半分以上省略したが、本家ページには本部支部問わず、非常に沢山の他作品へのリンクが貼ってある。(クロスリンク) これは、「全てのSCiPがこの世界にある」ことを暗示しているのだと考えられる。 しかし、そうなってくると問題が生じる。各SCP間での設定の矛盾が出てくるのだ。例を挙げるなら、財団世界を滅ぼす/滅ぼしたようなSCiPが何百個もあったりだ。 SCP-2020-JPというのは、その設定の矛盾に対応するための機械だと考えられる。 まず、SCP創作者がSCP報告書やTaleを書いたりすると、SCP-2020-JP世界に対応したSCPや出来事が追加される。ただ、そのままだとSCP同士で設定の矛盾が生じる。 それを防ぐためにあるのがSCP-2020-JP-Cの現実改変効果だ。 どういうことかというと、もしSCP創作者がSCP-370YのようなヤバいSCPを投稿したとする。それを感知したSCP-2020-JPは、世界を西暦2000年の時点に近づけるために、その物語を都合よく解釈するのだ。SCP-370Yなら「財団外では見つからなかった。」SCP-3519なら「そもそも確認されなかった。」 こうして、財団が対処できたことにすることで、SCPの設定の矛盾を無くしているのだ。 この方法の何が良いかというと、創作者がどれだけSCP世界をいじめても、SCP-2020-JPによって跳ね除けられる点だ。そのくせ、 有益な技術 は跳ね除けない。同じテイストのThaumielとしてはSCP-CN-1109というものもあるが、こちらはそれを上回るほど強力なものだと言えるだろう。 しかし、SCP-2020-JPが持つ副作用は、時が経つにつれて肥大化してきた。 これは、「現代社会」と「2000年前後の社会」の差が大きくなったことに原因がある。だからこそ、懐古思想が大きくなっていき、重大な問題にまで発展してしまったのだから。 では、なぜこの差は大きくなってしまったのか。答えは簡単だ。すなわち社会が変遷したからである。O5-2からも「古代ローマ」の話があったが、これと同じようなことが起きていたのだろう。 もしも、SCP財団が完全にすべてが架空の、例えば神話の世界だとかの物語だったら、このようなことは起きなかったのかもしれない。 しかし、SCP財団の主なテーマは「日常の裏に潜む異常」だ。すなわち現代社会をテーマとしているのだ。そうなってくると、現実社会が変遷すると物語の中の社会も変遷することが起きる。 こうして、SCP-2020-JPは時代に「取り残されて」しまったのだ。 さて、SCP-2020-JPによってもたらされる問題はどんどん数を増していき、財団はSCP-2020-JPを止めなくてはならなくなったが、SCP-2020-JPを止めるということは財団世界を守っていたフィルターを捨てるということを意味する。それによってもたらされるリスクは…語るまでも無いだろう。だからこそ、O5達はあのようなメッセージを公開したのだ。 新たなる時代へ ここからは、SCP-2020-JP-Cを止めた後の世界を考えてみよう。 まずは補遺2020-JP.4について。これは作者によると「SCP-2020-JPを止めたことによって現れた世界の矛盾」とのこと。 いままでSCP-2020-JPが抑えていた世界の矛盾が、これを止めたことによってあらわになってきたのだ。 また、世界そのものについて。 上記の「矛盾」について、作者はこうも表現している。 「全てのSCiPは同じ世界にある」(*9)という概念の死によってもたらされた世界の新たな可能性 繰り返しになるが、SCP-2020-JPを止めるということは相当なリスクのある行為である。下手したら、止めた数時間後には世界が滅んでいるかもしれない。 しかし、作者はこれを「新たな可能性」と述べた。これはどういうことか。 思うに、「全てのSCiPが同じ世界にある世界」から、SCP-2020-JPを止めたことによって「SCiP同士はパラレルワールド」な世界に変遷したのではないだろうか。 言い換えれば、「SCP」というコンテンツが始まってからの、古い設定は終わりを告げ、現代の設定が始まった。といえる。 これぞ、「世界の新たな可能性」だ。 さて、作者氏は当wikiのとあるページから、ディスカッション欄にて文章を引用した。以下に記載しておこう。 生まれてから産廃と叩かれ続けたものや、時代の流れに置いていかれ過去の栄光となったものも思わぬ逆転劇を繰り広げ産廃から人権クラスまで成り上がる事があるため、カスレアを引いてもまだ希望を持てる部分は大きい。 ー元カスレア(ソーシャルゲーム) 産廃が人権クラスになることがあれば、人権クラスが時代の変遷に置いて行かれてしまうことだってある。しかし、それらを含めた全てこそ、時代の変遷なのだ。 最後に。「新たなる時代」と聞いてもう一つ、思い当たるものは無いだろうか。 そう、JPシリーズⅢだ。そもそもこの作品はSCP-2000-JPコンテスト参加作であった。 SCP財団としての原点。全てのSCiPが同じ世界にあった時代、表現も”稚拙”で、”クリティカルトーンに欠ける”時代。 そんな時代から、SCP-2020-JPという「切っ掛け」を媒介として、SCP財団は新たなる時代(JP シリーズⅢ)へと続いていく。 おそらく、これからも。ずっと、ずっと。 だから、我々は、この「SCP財団」を最後まで見守っていなくてはならないのだ。きっと、SCP財団はこれからも「変遷」していくから。 SCP-2020-JP - 祝福・新たなる時代へ そして、世に不思議な出来事は尽きないというのがこの語り部の謙虚な意見である。 そして今も、そして今も。 そして、書物は語る「我々が過去を捨て去ろうとも、過去は我々を追ってくる。 その過去がどれだけ凸凹で醜いものであろうとも、全てが現在に至るまでの変遷である。 それを否定し都合の良いように作り替えようとした管理者気取りの魔王は、畏れを勇気に変えた人間たちに討ち滅ぼされ、本来バラバラの世界は再び分かたれたのでした。 これが我々の歴史を記した、最後の1ページです。めでたしめでたし。 閲覧終了後、貴方の臨時4/2020-JPクリアランスは失効します。 認識ニュートラル化ミームを待機して下さい。 お疲れ様でした。 πάντα χωρεῖ καὶ οὐδὲν μένει.(あらゆるものは去り、何物も留まらない。) - Πλάτων(プラトーン) 『Κρατύλος』 余談 当作品は、SCP-2000-JPコンテスト出場作であり、そのコンテストのテーマは変遷であった。ちなみに、結果は6位。作者談だが、コンテスト終了してしばらくは、1位のSCP-2000-JPを連想させる「犬」と、5位のSCP-2001-JPを連想させる「Safe」という単語を聞くだけで体がクソァ!ってなった(*10)らしい。 ちなみに、当記事には画像が4つ張り付けられている。順に 4/2020-JPクリアランス付与 4/2020-JP持ってない人を殺す保安用認識災害 SCP-2020-JP-C影響範囲の世界地図 認識ニュートラル化ミーム の4つであるが、これは実は 「昼間→夕方→夜→朝」という時刻の変遷を表している。 また、これと同時に「雨→川→海→雲」という水の変遷も表しているという。 どこまでも「変遷」にこだわった、SCP-2000-JPコンテストとしてふさわしい記事だった、といえるだろう。 ちなみに、先ほどSCP-2020-JPはSCP-2000のアレンジだと述べたが、2つ目の画像はSCP-2000のミーム殺害エージェントに似た画像を使っているのだとか。 またメタタイトル祝福や資料に散りばめられてる 「時計の針は前にしか進まない」「過去の意思を偽りで覆い隠すことはできない。」「瞬間瞬間を必死に駆け抜けてきた」1つの世界に全てSCPが集まったことでの設定の矛盾 そして最終的には世界が再分割するところを考える限り元ネタは仮面ライダージオウだと思われる。 祝福・新たなる追記・修正へ ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-2020-JP - 祝福・新たなる時代へ by stengan774 http //scp-jp.wikidot.com/scp-2020-jp 2020年公開 stengan774のなんかアレ by stengan774 http //scp-jp.wikidot.com/author stengan774 タイトル不明 by kazumikkusu(@kazumikkusu1) https //twitter.com/kazumikkusu1/status/1239828900395417600 2020年公開 画像は全てCC0ライセンスです。 画像1 Rain Puddle Water by MichaelGaida https //pixabay.com/photo-2538429/ 2017年公開 画像2 nature sunset river dusk by Pexels/Skitterphoto https //www.pexels.com/photo/nature-sunset-river-dusk-9329/ 2015年公開 画像3 view of earth map by unknown https //web.archive.org/web/20200415132922/https //visualhunt.com/photo2/14619/view-of-earth-map/ 公開年不明 画像4 8DMuvdp-vso by Nick Scheerbart https //unsplash.com/photos/8DMuvdp-vso 2015年公開 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] メタタイトルとか設定を見た感じ、元ネタは仮面ライダージオウかな -- 名無しさん (2022-01-30 13 08 22) ↑ちょくちょく瞬瞬必生とか時計の針は前にしか進まないとか出てるもんね -- 名無しさん (2022-01-30 13 56 24) バラバラだった世界を再分割ってオチも確かにジオウっぽいな。 -- 名無しさん (2022-01-30 17 42 44) ついにこの項目も出来たか… -- 名無しさん (2022-01-30 17 59 26) 変わることをもう恐れない。過去の意思は嘘では欺けない。 -- 名無しさん (2022-01-30 22 23 07) 管理者がやろうとしたことは、どちらかというと白ウォズに近い -- 名無しさん (2022-01-31 00 45 46) JPの2000番台もかなり埋まってきたし、3000のコンテストも今年中にやるかもな -- 名無しさん (2022-01-31 03 18 26) ↑お題なんだろう -- 名無しさん (2022-01-31 06 58 11) ↑「未来」とか? -- 名無しさん (2022-01-31 09 12 58) ↑「未来」は4000JPコンテストで見てみたさがある(財団4K的な意味で) -- 名無しさん (2022-01-31 20 23 48) 超ド直球に「記憶」とか?ちなみに、財団の公式新聞の編集者さんは2023年年明けに開催されると踏んでるのだそう -- 名無しさん (2022-01-31 20 27 38) 途中まではコロナ禍のことかな…と思いつつ読んでたけどO5-8の声明を見た瞬間元ネタを理解できた -- 名無しさん (2022-01-31 22 52 06) つまり(エキサーイエキサーイ三行訳は~) 1.SCP-2000という最強の称号を勝ち取った日本最強のSCP 2.また財団の明日が無くなってる案件もなんだかんだ解決してたけど、さすがにこのままじゃ良くないよな 3.祝え!仮面ライダージオウがもたらした瞬瞬必生ミーム、それが財団世界を新たなる時代に導く瞬間である! -- 名無しさん (2022-02-01 22 38 02) 「なんか夢の中で非常に巨大な無ってフレーズ出てきたからオブジェクトにした」 「ロールプレイ禁止の場で財団接触者を本気のように演じるメンバーが語りまくってきた」 「コンテスト後暫くはより上位の作品思い出す度に体がクソァ!ってなってた」 -- 名無しさん (2022-02-14 20 36 24) メタ的な視点がありつつも、考え抜かれた複雑な構造を持つSCPだなあ。SCPの記事を読んでると「こんだけ人類滅亡クラスのKeterがあるの無理ゲー過ぎね?」という疑問に対する解答と、それだけでは終わらせない一ひねり二ひねり。 -- 名無しさん (2022-03-02 01 45 24) 仮面ライダージオウが元ネタって言われると確かに納得はするな。歴代ライダーが一所にいる世界とか明らかに矛盾するのに作品内では都合良く解釈されて共存してるし。(此れはジオウに限らず集合作品なら何れでもそうだけど) -- 名無しさん (2022-03-17 14 11 16) SCP2020JP「お前達の平成って醜くないか?まるで凸凹だらけの石ころだらけの道だ、俺が綺麗に舗装し直してやるよ」SCP財団「凸凹の道で何が悪い!勝手に纏めるなよ!俺達は瞬間瞬間を必死で生きてるんだ!皆バラバラで当たり前だ!それをめちゃくちゃとか言うな!」 -- 名無しさん (2022-03-17 14 16 04) いつの間にか記事になってた。このSCP本家だと長い上に過剰なほど凝った道具立てにしてるから、読んだ後の感想が「そうだったのか」ではなく「疲れた」だったんよね -- 名無しさん (2022-05-07 15 58 07) 常に変化を続ける。それだけが私たちの進む方法なのですから。 ここ赤の女王仮説 -- 名無しさん (2022-05-31 02 07 43) ああなるほど瞬瞬必生・・・ -- 名無しさん (2022-08-07 05 40 54) 過去の意思を~のくだりで全てを理解した 主題歌まんまだ -- 名無しさん (2022-10-20 14 03 30) テーマをこれでもかと表現しつつも校長や学者のスピーチのような美しいくらい綺麗に筋道が通った流れに感動した -- 名無しさん (2022-11-18 21 50 58) 確かに仮面ライダーって諸にSCP案件だけどそのままじゃ駄目だから飽くまでモチーフとしてジオウを持ってきたんだろうな。2020年はコロナもそうだけどゼロワンへの酷評とかもあって平成を懐かしんだり、平成の方が良かったって声が沢山あった。けれどそれは自分達の意思と力で平成という一つの時代に幕を下ろしてこれからの時代を後輩と共に凸凹の道を歩いて生きていくと決めた平成ライダー達の思いを無駄にする事だからな。 -- 名無しさん (2023-06-27 22 26 23) 名前 コメント