約 2,657,211 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/43253.html
登録日:2019/11/13 (水曜日) 14 12 00 更新日:2023/05/07 Sun 16 15 07NEW! 所要時間:約 12 分で読めます ▽タグ一覧 SCP Foundation SCP-1092-JP SCP-JP SCP財団 ベニザケ 剖検 田沢湖 秋田県 魚 あなたがいつか故郷へ帰ってこれる日を、いつまでも待っています SCP-1092-JPはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはEuclidからの Safe 。 概要 SCP-1092-JPは学名を「Oncorhynchus nerka kawamurae」と付けられたベニザケの亜種である。 魚としての性質は一般的な魚類と何も変わらない。 よって収容プロトコルも特筆するところはなく「サイト内の水槽で個体数を維持するように飼育と繁殖を続ける」である。 サケといってもこいつの生態は陸封型(卵や稚魚を海に出す必要がなく、同じ湖や水槽で一生を過ごす種)なので 陸封型ベニザケとしての飼育方法を続けるだけで収容が可能である。 異常性について 卵から孵ったSCP-1092-JPの全てが異常性を示すわけではない。 SCP-1092-JPの稚魚は生まれつき 遺伝子変異を起こす可能性 があり、しかも同時に複数の変異を起こすこともある。 遺伝子変異が何パターンかは元記事で黒塗りされているが、この記事では5パターンと仮定する。 SCP-1092-JPは生まれた時点で各個体ごとに遺伝子変異が0~5種起きる可能性があり、 遺伝子の異常なので自然治癒しないが後から変異が増えるということもない。 例えると「0~5と書かれた6面サイコロを振って出た目の分だけ遺伝子変異を持って生まれてくる」ようなものである。 その変異は1つでも発生すれば 普通の魚なら死ぬレベルの遺伝子疾患を起こすが 同時に5つ発生しない限りは平穏に生きられる。 財団の収容プロトコルでは、生まれた稚魚の遺伝子をチェックして遺伝子変異数によって魚たちを分類しており、 遺伝子変異が0の個体はSCP-1092-JP- (-) と分類し、遺伝子変異の数が1~4までの個体はそのままSCP-1092-JPとして収容を続ける。 そして変異が5つ、つまり確認された全パターンの遺伝子変異を持った個体をSCP-1092-JP- (+) としている。 ぶっちゃけ奇怪なのはSCP-1092-JP- (+) だけである。 他の個体はただの魚として生きるのだがSCP-1092-JP- (+) は成長につれてどんどん体が 尻側から変質していき 、麻(植物)で編まれた 棒のような姿 になって死ぬ。 SCP-1092-JP- (+) が変化した棒は火を付けると長時間よく燃えて、なぜか pH4.0以下の酸性 の液体に付けると 大爆発を起こす 。 繰り返すが普通に着火すると油を染みこませた木材と同様の燃え方をするだけだが、酸に触れると爆発するのである。 爆発の威力は元記事にも載っていないがおそらく一匹につきダイナマイト一本分くらいだろうか。 これがSCP-1092-JPの異常性のすべてである。 生まれた時点で死ぬレベルの遺伝子変異が0~5まで発生するサイコロを振られ、 その結果が0から4までならなんとか魚として天寿を迎えられるが、運悪く5だった場合は酸に触れると爆発する棒になる だけ 。 しかも遺伝子のチェックをすれば識別できる上に、もし根絶したくなれば水槽に毒でも入れればOK。 仮に収容違反を起こしても爆発事故がごく稀に起きる程度の危険で済む。 オブジェクトクラス Safe も納得と言えよう。 収容までの経緯 SCP-1092-JPは秋田県の田沢湖に生息して いた 固有種の魚で「キノシリマス」や「クニマス」と呼ばれていたが 1800年代に蒐集院により異常性を確認されて収容されている。 蒐集院については要注意団体に詳しい解説があるがざっくり説明すると、 かつての日本で異常存在の収容を行っていた組織で、財団がしているのと同じことをやっていた 別の機関 である。 メタ的に解説すると「 財団は日本での歴史が浅く 、強い影響力を持ったり日本支部ができるのは 戦後から 」というヘッドカノンを持つ人が多いため、 戦中戦前の日本で異常存在との攻防を描きたくてもそのまま財団にやらせるとややこしくなる。 そういう記事やTaleを作りたい人にとって必要となるのが蒐集院などの存在である。 同様に世界オカルト連合(GOC)も設定上は 国連発足と同時に 生まれた組織なので 1945年以前に「異常存在滅ぶべし」という思想の組織を出したいならばGOCをそのまま出さずにちょっとひねる必要がある。 それを踏まえていただけると当項目のこの先の文章がわかりやすくなる。 当初の蒐集院は変化したSCP-1092-JP- (+) のみを異常存在と考えており、 田沢湖に浮かぶそれらを回収しながらも魚が変化する原因を調べるため正常なキノシリマス達の飼育と観察を続けていた。 そして研究と同時に民衆向けのカバーストーリーとして「 辰子伝説 」という伝承を広めたのだった。 むかしむかし辰子という若く美しく名家の生まれの娘がいました。 辰子は己の美しさが加齢で衰えるのを恐れて観音様に永遠の若さを願いました。 すると辰子は「山中にある泉の水を飲めば願いが叶う」とお告げを受けてその通りにしました。 なんと辰子の体はたちまち 龍になってしまいました 。 辰子の両親は夜になっても戻らない娘を探して山へ入るとそこには変わり果てた辰子がいました。 辰子は龍の力で雨を呼び、後に田沢湖と呼ばれる湖の主になったのです。 もう人ではなくなった辰子は両親に今まで育ててくれた感謝と別れを言いました。 両親は悲しみと衝撃のあまり持っていた松明を湖に投げ込み、 焼けた木や炭(木の尻) (*1)が湖面に撒かれました。 辰子はその 木の尻を魚に変えて それを食べて長生きしてねと両親に告げると 湖の奥底に潜って二度と人の前に姿を現すことはありませんでした。 そして似たような経緯で龍になった「八郎太郎」という雄の龍も田沢湖に訪れました。 辰子と八郎太郎は夫婦となり深い田沢湖の下で幸せに暮らしましたとさ。 というのが「我々の世界の」田沢湖に伝わる辰子伝説の概要なのだが(*2) どうやら財団世界にも辰子伝説はある上に、蒐集院がキノシリマスの異常性をごまかすために作った話らしい。 尻の方から棒に変わっていく魚 を見つけても「辰子がつかわした木の尻鱒が先祖返りしている」と人々に思わせたのだった。 だが蒐集院とキノシリマスとの関係、そして田沢湖に転機が訪れる。 1940年、国策として電力需要が高まり、玉川を流れる水を水力発電に使うため田沢湖に流すという計画が始まった。 玉川の源泉からは pH1.1 という(*3) 強酸 がボコボコ沸いており下流になっても生き物が住めない 玉川毒水 と呼ばれた川である。 そんな毒水を流し込まれようものなら田沢湖のキノシリマスは どうなるか言うまでもない 。 蒐集院はキノシリマスの性質を解き明かす前に滅ぼさせるわけにはいかなかったので計画の反対工作を試みたのだが…。 以下引用↓ 昭和十五年一月八日 計画に反抗する住民の鎮圧には、 帝国異常事例調査局 の特殊部隊と 五行結社 の私兵とが加担していた。 つい去年までは 田沢湖の龍 を巡って争っていたはずなのに、今は敵同士とはとても思えない連携で反対派の住民を排除しにかかって居る。 我々は反対派に加勢したものの、軍備に勝る相手側の活動を止めることはできず、押し切られる形で反対派団体の解散を許してしまった。 田沢湖に毒水が流し込まれるのを止めることは終に叶わず、 木の尻鱒が全滅してしまうのは最早避けられない 。 あれは百年以上前から代々受け継がれ、湖から失われてはならないものだったのだが。 我々の施設に匿われている生き残りたちを後代に託すしか道は残されていないだろう。 大口上級研儀官 帝国異常事例調査局(以下、英略のIJAMEAとする)については独立項目があるがざっくりとスタンスだけ説明すると 蒐集院→世のために異常存在を 収容したい 組織 五行結社→世のために異常存在を 破壊したい 組織 IJAMEA→異常存在を 利用して 国家の戦力を高めたい組織 みごとに目的がバラバラ じゃねえか。当然だがこの三者は普段はお互いに争っている。 ところが今回の件ではIJAMEAと五行結社が組んでいるらしく2対1で後手に回ってしまい 蒐集院は田沢湖に住むキノシリマスの野生個体の根絶を防ぐことはできなかった。 戦後に財団が進出してくると、蒐集院は財団日本支部に主な構成員と手がけた業務を吸収されたが 一部の人員が財団と袂を分かって 現在にいたるまで敵対する 要注意団体となるのである。 財団の日本支部は蒐集院からキノシリマスの収容と研究を引き継いでSCP-1092-JPのナンバーで Euclid に指定した。 財団もなぜ一部の魚だけが 爆発物 になるのか不明だったが1980年代に遺伝子解析技術を導入し、前述の遺伝子分類を発見してからは 収容プロトコルを現在のものに変えつつオブジェクトクラスも Euclid から Safe に変更した。 それと同時に「遺伝子変異が一つでもあるクニマスが交配すると生まれた子も遺伝子変異を起こす可能性があり、SCP-1092-JP- (+) も生まれうるが 変異のないSCP-1092-JP- (-) 同士から生まれた魚たちからは 常にSCP-1092-JP-(-)だけが生まれる 」ことも判明した。 SCP-1092-JP- (-) は、異常性を保有していない「 正常なクニマス 」に過ぎません。 その上、彼らは50年前までは数少ないながらも一般社会で確かに見られていた存在です。 正常である以上は、もはや 我々で管理する必要性に乏しい のではないでしょうか。 闇の中に暮らす我々には、正常な存在を光の下に帰す責務があるはずです。 という金釣博士の提言を引用したが 「田沢湖のクニマスは全滅する前に山梨県の本栖湖と西湖に卵を放流していた」というカバーストーリーの流布と記録の改ざんを行い、 収容プロトコル内の遺伝子検査においてSCP-1092-JP- (-) と判別した魚は放流することとなった。 こうして一般社会においては2010年にクニマスは 再発見 されたのである。 200年以上の時間をかけてキノシリマスの異常性を解明し、しっかりとオブジェクトの収容を続けながらも SCP-1092-JP全体ではないとはいえ「クニマス」という種の一部を 人類と自然の元に返した 蒐集院と財団の努力に敬意を表すべきであろう。 田沢湖の酸性水による汚染も 現在は浄化が進みつつある 。いつかクニマスが辰子の元へ帰ってくる日も遠くはないのだ。 SCP-1092-JP - 《CODE O》クニマス物語 余談 辰子伝説によればキノシリマスは湖に投げ込まれた松明の焦げた「木の尻」を辰子が変化させた魚なのでその名が付いたらしいが この魚はなかなか 味がおいしい らしく昔は殿様へ献上された高級魚だった。 しかし殿様に献げるのに「尻」とはいかがなものかとクニマスという名に変更されたという伝承がある。 財団は真面目だから収容中のSCP-1092-JPが増えて余ったとしても、食べたりせずちゃんと捨てているだろう。きっと。 追記・修正は絶滅種を蘇らせてからお願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- LTE-5230-Fiji-Aurora Glory 登録日:2019/11/13 (水曜日) 14 12 00 更新日:2023/05/07 Sun 16 15 07NEW! 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 SCP Foundation SCP-1092-JP SCP-JP SCP財団 ベニザケ 剖検 田沢湖 秋田県 魚 LTE-5230-Fiji-Aurora Gloryはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場する要注意団体の、 世界オカルト連合が保有する文書およびそれに登場する異常存在であり、 過去に 異常存在を粛清した記録 である。 脅威IDは…えっなんだって? クニマスのSCiPの項目に他の記事を混ぜるなって ? まあ待ってくれ。申し訳ないがちょっとこのまま記事を読んでくれ。 世界オカルト連合 あらためて解説するが世界オカルト連合(The Global Occult Coalition. 以下、GOC)とは超科学、超常現象や あらゆる異常存在から人類を守り戦う国連機関 である。 第二次大戦とその裏で繰り広げられた第七次オカルト大戦の終結後に 各国のオカルト組織108団体 の連合体として 1945年 に結成された。 オカルトの名の通り魔術や霊術に長けており、それに加えて科学や軍事技術も最先端のものを導入して 「 科学と魔術を複合して異常存在に立ち向かう軍隊 」とイメージしてもらうとわかりやすい。 GOCが拠り所とするオカルトと、彼らが破壊する異常存在は別物なのだ。 財団が異常存在を 終身刑とする看守 ならば GOCは死刑執行人 である。 もっとも処刑人に加えて裁判官と検察も兼ねており、常に 判決は同じものしか出さない のだが。 五行結社 続いて解説するが、この文書記録は GOCの記録 なのだが実際に この粛清を行ったのはGOCではない 。 どういうことかというと、平安時代の日本の陰陽寮を起源とする 五行結社 という組織がある。 この五行結社は独自の霊的技術と武力を研鑽し、それを使って日本の 異常存在を抹殺し続けている 。 そして終戦後に国連と共にGOCが結成された際に、GOCを構成する各国から集った108評議会の一つに日本では 五行結社が加わった 。 その五行結社がかつて行った粛清の記録をGOC極東部門のフォーマットに直したのがLTE-5230-Fiji-Aurora Gloryである。 要は「俺たちGOCの前身組織が過去にやった記録だけど、資料価値があるから我々のデータベースに入れておこう」ということ。 概要 脅威ID ''LTE-5230-Fiji-Aurora Glory'' "田沢龍" 認可レスポンスレベル N/A (破壊確認済) この LTE-5230-Fiji-Aurora GloryというコードはGOCで使われている分類暗号であり、意味は次の通り。 LTE :Liquidated Threat Entity( 粛清済 脅威存在) 5230 :記録番号 Fiji :未確認 土着 生物 Aurora :日本国の Glory : 大日本帝国異常事例調査局 の関連 LTE-5230-Fiji-Aurora Gloryはミズチと呼ばれる二頭の龍(エリファス霊素生命体)である。 理想の営巣地たる水域を探して飛翔するが、気に入った湖に適応すると 飛翔能力を失い 終生そこで暮らす生態がある。 雌雄一頭ずつの、おそらくつがいの龍であり雌が全長60m以上、雄も35mを超えておりこの種としては規格外に大きい。 おそらく日本一深い田沢湖の環境がここまでの成長につながったのだろう。 粛清までの一連の流れ 前述の分類コードでわかる通りこの案件は大日本帝国異常事例調査局が絡んでいた。 (Imperial Japanese Anomalous Matters Examination Agencyだが長いので略したIJAMEAで以降は表記する。) このIJAMEAという機関、 粛清すべき 異常存在を飼いならして 軍で活用 しようなどという けしからん ことを考える連中で、我らが五行結社とは頻繁に衝突していた。 もっとも化け物をわざわざ大事に仕舞いこむ蒐集院なるわけのわからん連中もおり、こちらもこちらで頭を悩ませていたのだが…。 ともあれ 1938年 に五行結社がIJAMEAの施設を襲撃した際にある資料を入手したので以下に引用する。 秋田の地、 田沢湖 の底に眠る 巨大な2頭の 龍を発見した。 この龍たちが、彼の地に伝わる伝説において語られる「 辰子姫 」と「 八郎太郎 」、まさにその二人であることは想像に難くない。 この大きさからして、我等が妖怪大隊における兵站輸送任務に就かせるには又とない逸材であることは間違いない。 彼等の巨体が大隊の中において悠然と空を舞う姿は、それを見た敵兵を大いに動揺させ、我が軍の士気向上をも同時に齎すことだろう。 西 少尉 これにより五行結社は後にLTE-5230-Fiji-Aurora Gloryと呼ばれる龍が田沢湖に二頭いることを知り、ただちに粛清計画を立てることにした。 そこに化け物がいる。 粛清する理由はそれだけで充分 である。 1939年、五行結社は水上部隊「土軍」の第3部隊"旱魃"と第4部隊"蛞蝓"を編成し、田沢湖へ派兵した。 水上部隊なのに土軍なのはおそらく五行思想の「土克水」からだろう。 現地には既にIJAMEAの小隊がいたので先にそちらの排除にとりかかった。 化け物の粛清を邪魔するものがいる。 粉砕する理由はそれだけで充分 である。 いくらかの犠牲を出したもののIJAMEAを蹴散らすことに成功。いよいよ本命だ。 第4部隊が割水術を使って田沢湖の湖底370m地点へ潜行する。さらっと書いてるがすごい術だな。 湖底で目標であるLTE-5230-Fiji-Aurora Gloryの二頭が睡眠しているのを確認し、各種の記録を取った後に 330mm捕蛟錨を全8発、それぞれの龍の 頭部と頸部へ叩き込み 、伝説に謳われた夫婦龍は物言わぬ屍となった。 ほぼ予定通りに粛清を達成しあとは根拠地へ戻るだけだったが、そこで 予想もしない事態が起こる 。 第4部隊の面々が水面へ浮上しようとするときに突如 田沢湖全域を巻き込む渦潮が発生 、第4部隊員やIJAMEAの敗残兵たち約50名は 湖の藻屑に消えていった 。 生還できたのは渦潮発生時に水面近くにいた先頭の 3名だけ だった。 粛清の証拠となる龍の死体も消失したが、どうにか発射済の捕蛟錨の砲門一基と龍の左角を一本を持って帰ることができたので それらをもってLTE-5230-Fiji-Aurora Gloryの粛清の証拠とし、(当初の)任務は完了とした。 そして生存者によれば 田沢湖の湖底に巨大な舌と口のようなものを確認した という。 一連の戦闘で田沢湖に大規模な水質汚濁が発生したのだが、 IJAMEAがそれを隠蔽するために国策である「玉川河水統制計画」を 前倒して 実行するように働きかける。 五行結社としても反対する理由がない上に、田沢龍に次いで粛清候補としていたLTE-9201-Fiji "木尻鱒"も労せずして粛清できることから 両者は協力を結び、反対派を潰してまわったことで計画は無事発動され 1940年1月 に田沢湖に玉川の水が投入された。 その際に 複数の爆発音、地鳴り、湖面の振動 が確認された。なぜだろう? その事象もしばらくして収まったたため書類の改竄で処理した。 さて、IJAMEAの立場になって考えてもらいたいのだが 田沢湖の湖面の汚濁をごまかしたいだけなら軍の演習で爆発を起こしました、とでも言っておけば済むものを 当時の大プロジェクトである水力発電工事を早めるという金も手間もかかることをしたのはなぜだろうか? ましてや普段から対立している五行結社と即座に連携してまで、である。 五行結社側としてもLTE-9201-Fijiも粛清できるとはいえ、つい先日殺し合いをしたIJAMEAとなぜすんなり手を結んだのか? まるで 一刻も早く田沢湖を毒水で満たしたかった かのようである。 五行結社の記録は以上だが、これを読んだGOC極東部門のスタッフも馬鹿ではない。 田沢湖の湖底にいたという謎の存在を「UTE-████-Lovelock(*4) "CODE O"」というコードを付けると共に 1957年 にGOC極東部門のPHYSICS評価班が田沢湖の湖底を調査した。 だが湖底は厚い砂礫に覆われており(たぶん前述の謎の爆発のためと思われる)過去の戦闘の残滓もUTE-████-Lovelockの痕跡も発見できなかった。 現在のところGOC極東部門はUTE-████-Lovelock"CODE O"は無力化または非活性化しているものとみなし対処を保留している。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- SCP-1092-JP-1 登録日:2019/11/13 (水曜日) 14 12 00 更新日:2023/05/07 Sun 16 15 07NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 SCP Foundation SCP-1092-JP SCP-JP SCP財団 ベニザケ 剖検 田沢湖 秋田県 魚 SCP-1092-JP-1はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトのSCP-1092-JPの収容中に発見された新たな調査対象である。 オブジェクトクラスはSCP-1092-JPを踏襲するなら Safe なのかもしれないが こいつは Safe とはとても思えない上に、まだ調査中なので結論が出た時点でナンバーやクラスを再割り当てすると思われる。 概要 SCP-1092-JPについての収容までの一連の流れについては前述した通りで特に変わったことはない。 変わったのは それ以外の状況 である。 2010年にクニマスが「再発見」されたことまでは述べたが、 その後の 2015年 に財団は蒐集院の残党と小競り合いを起こし、その際に彼らの資料を奪取した。 その資料の内容を信じるならば蒐集院はSCP-1092-JPや田沢湖について もっと深いところまで知っていた らしい。 その情報を財団に「何か思惑があって故意に伝えなかった」のか「何かトラブルがあって伝わらなかった」のかは今となってはわからない。 とにかく財団はSCP-1092-JP関連についての活動を修正する理由ができたのだった。 新たに判明した事実 以下に引用する。 出羽富士の 大噴火 と象潟の 大地震 を起こした 大鯰 の動向をようやく把握した。 奴は地中を縦横無尽に動き回り、今は 田沢の湖の底 に現れているようだ。 生類塾 から押収した「木ノ尻鱒」("第一〇九二番")の大まかな性質を把握した。 これは死して薪となった後、巨きな生物の 胃の腑に入った時 に強大な威力を持つ 爆薬 となって自らを食ったものに打撃を与える。 深い水底にいる 鯰の退治 には打ってつけの品ではないか。 異常な生物を鎮めるのに他の異常な生物を用いるのはあまり褒められたやり方ではないが、今は判断している時間がない。 大鯰が 出羽の大地を破り尽くしてしまう 前に、手を打たねばなるまい。 武見上級研儀官 出羽富士の噴火とは現在の鳥海山が1801年に噴火した事例、象潟地震はその3年後に秋田・山形を襲った巨大地震と津波のことである。 生類塾とは当時の日本で異常な生物の研究を行っていた私塾で、後の日本生類創研のルーツの可能性もあるらしい。 お前ら昔からそんなことしてたのか 生類塾がSCP-1092-JPを生み出したのか、元から存在した異常生物を改造や研究していただけかは不明だが、 酸でのみ爆発する薪に変身する魚というのは 都合が良すぎる 。 ともあれ蒐集院は1800年代に火山や地震をもたらした大鯰を追跡しており それを抑える手段としてSCP-1092-JPを「活用」していたらしい。 蒐集院が彼らの本分たる異常存在(大鯰)の収容を諦めて他の異常存在(木尻鱒)を使って沈静化を図ったのも無理はない。 彼らは知るまいが 異常存在の破壊に長けたプロも直接の粛清を諦めている のだから。 財団日本支部は田沢湖に関する調査データを洗い直したところ、 2010年 から湖底の砂利が 徐々に減っている 事実に気づいた。 そして 2016年 に湖底の砂利を掘削してその深部を探索した。 その調査で発見された物証は以下の通り。 約50名分の人骨。身元不明だが推定死亡時期は1939年前後 魚類の骨いっぱい。たぶんSCP-1092-JPも入ってる 全長60m程度の雌とと全長35m程度の雄と思われる2頭のミズチの骨の一部。オスの左側第3頭角は砕かれていた ミズチの頭部に刺さっていた腐食の激しい銛8本 銛を撃ち出せるバズーカのような砲身7台。全て発射済で「五行結社 土軍」の刻印つき 植物片(炭化済み) IJAMEAの刻印が入ってたボートの残骸と思われる木片 爆発痕がいくつもある岩石や土砂 当時の田沢湖の酸性水を上回る酸で腐食した金属片 田沢湖から約70km離れた鳥海山の火口にあるものと同成分の火成岩(*5) そして水底の一番下の部分に固定された、岩石で構成された全長50m、幅15mほどの 人間の舌状の形をした構造体 。 財団はこの構造体をSCP-1092-JP-1と分類して調査を継続しているが SCP-1092-JP-1の内部を超音波調査すると、内部を何らかの 液体が循環している 上に定期的に 脈打つように振動 しているそうな。 さらに判明したのはSCP-1092-JP-1周辺の砂利が、徐々にSCP-1092-JP-1に 吸い込まれどこかに消失している ことだった。 十中八九このSCP-1092-JP-1こそがかつて蒐集院に出羽(秋田と山形)の破滅を懸念させ、 (おそらく財団は知らないだろうが)IJAMEAと五行結社も自分たちの信念を曲げて玉川毒水で沈静化させるしかできなかった「 大鯰 」だろう。 財団はこれらを踏まえて今後の対処を検討中であるが、蛇沢博士が意見を残しているので下で引用する。 それによれば田沢湖の水質浄化が進むのに合わせて湖底の砂利の減少、つまりSCP-1092-JP-1の 活性化が進行 している。 かつてはSCP-1092-JPによって、あるいは玉川毒水によって抑制していたが今はどちらも望めず かといってせっかく収容できているSCP-1092-JP- (+) を再び田沢湖に放つわけにもいかない。 そして新たなSCP-1092-JP-1の抑制手段も見つかっていない。 もし財団の次の一手が間に合う前に民間によって田沢湖の水質が回復し、SCP-1092-JP-1が完全に覚醒すれば 地震によって 秋田県全域が壊滅 するKクラスシナリオにつながる。 水質浄化運動を低速化する方向へと導くよう、財団が干渉する必要性があるという意見を表明する。 少なくとも 当面は、クニマスには「野生絶滅」のままでいてもらわなければならない 。 蛇沢博士 アニオタ支部のみなさんからすれば「秋田県民には悪いけど 秋田県が壊滅する程度 の地震でKクラスって言えるの?」 と思うかもしれないが正式な報告書ではないメモ書きとはいえ蛇沢博士がそう書いているので仕方がない。 秋田県の壊滅はKクラスシナリオなのだ。 秋田県の明日はどっちだ。 そして人の都合で振り回されて故郷に帰れない クニマスの明日はどっちだ。 + 余談あるいは考察 このregionの内容は推測であり、本当のところは元記事の筆者に聞かないとわかりません。 1: 辰子伝説は各地方や時期によって諸説あり、そもそも龍になった娘の名前すら辰子(タツコ)、田子(タッコ)、鶴子(ツルコ)、 金釣子 (カナヅコ)などとまちまちである。 この記事においてSCP-1092-JP- (-) を田沢湖に返そうと提言した金釣博士の名前の元ネタはおそらくその金釣子から。 蛇沢博士の由来はわからないが「田沢湖を玉川毒水から浄化されるのを止めようとしてる」人なので玉川の源泉「大噴」の近くにある「八幡平の蛇沢沼」かもしれない。 2: 詳しくは「三湖伝説」で検索してもらいたいが、秋田県には辰子伝説以外にも龍と湖の伝承があり、ざっくり言うと 八郎太郎という男がやらかしちゃって龍になり、現代の十和田湖に住もうとするが 同じく十和田湖に住みたい南祖坊という修験者と戦うことになった。 両者は 火山噴火や地震を伴う 激しい戦いの末に八郎太郎が敗れて十和田湖を追われた。 八郎太郎は後に「八郎湖」と呼ばれる湖に移ったがここは水深が浅くて落ち着けない。 田沢湖に辰子という雌の龍が住むと聞いた八郎太郎はさっそく旅立って辰子を口説いてその気にさせる。 なぜかそこに南祖坊が現れて辰子をNTRにかかるが、辰子は八郎太郎が好きなのでキノシリマスに加護をかけて八郎太郎に与えた。 再び八郎太郎と南祖坊が戦うが、八郎太郎はキノシリマスを南祖坊に投げつけると 発火して 大やけどを負わせた。やっぱりお前は武器扱いか こうして八郎太郎は雪辱を果たし辰子姫と田沢湖で末永く暮らしたとさ。 もしかしたらこの記事の大鯰=南祖坊で、八郎太郎と辰子姫がキノシリマスを使って押さえ込んでいたのだろうか。 余談 元記事の執筆者であるO-92 Mallet氏は、このほかにもメタタイトルに「CODE」を含む記事をいくつか製作されている。 これらは、太古に存在した岩石の姿をした神格存在が散らばったかけらとされており、財団によってはこれらCODE指定オブジェクトを「『剖検』プロジェクト」というプロジェクトのもと捜査している。 これらCODEオブジェクト達は太古の昔は一つの身体だったことから、現在も不明な手段で繋がっているものもあるらしく、 例としてこのSCP-1092-JP-1(「剖検」プロジェクトでは「CODE Orexia」に指定されている)は、「CODE Zygote」に指定されるUE-0925、もしくはUE-3000-JP-2「アハシマ」へエネルギー供給を行っている。 追記・修正は田沢湖の浄化を進めつつお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 by O-92_Mallet SCP-1092-JP - 《CODE O》クニマス物語 http //ja.scp-wiki.net/scp-1092-jp LTE-5230-Fiji-Aurora Glory http //ja.scp-wiki.net/lte-5230-fiji-aurora-glory この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 秋田県民のワイKクラスに怯える -- 名無しさん (2019-11-13 16 40 43) きりたんぽ仕掛けの神を起動しなくちゃ… -- 名無しさん (2019-11-13 16 59 13) 報告書開いたらホルマリン漬けの魚の写真が表示されるので苦手な人は注意・・・ -- 名無しさん (2019-11-13 17 10 29) 秋田くらいいいだろ……滋賀よりはさ -- 名無しさん (2019-11-13 17 12 00) 水上部隊が土軍なのは、五行思想で土が水に強いからかね? -- 名無しさん (2019-11-13 17 20 44) タグが間違ってますよ -- 名無しさん (2019-11-13 21 54 54) 単騎で県ひとつ滅ぼしかねない生物が収容手順も未確立のまま活性化するのは間違いなくマズいだろ。秋田滅んだ後もずっとそこに留まり続けてくれる保証はないし。 -- 名無しさん (2019-11-13 22 23 04) 県一つとは言っても秋田って結構でかいしな…… -- 名無しさん (2019-11-13 23 33 39) 財明日に比べると秋明日はマシに見える 秋田美人にしたら災難だろうけども -- 名無しさん (2019-11-13 23 40 11) なによりもクニマス再発見が10年前という事実に震えた -- 名無しさん (2019-11-14 02 00 27) ↑なんのタグですか? -- 名無しさん (2019-11-14 02 10 16) 秋田県火山多いからな…… -- 名無しさん (2019-11-14 10 11 09) 県一つ壊滅ってことは3.11よりはるかにデカい災害だからな…他のKグラスよりはショボいがなまじ想像しやすいぶん脅威を感じる -- 名無しさん (2019-11-14 10 57 57) 秋田県が「食い破られる」というほどの地震があって岩手や山形が無傷なはずないしね -- 名無しさん (2019-11-14 11 07 18) お菓子やジャンクフード流し込んで、おデブちゃんにして動き封じられたりできないかしら。モアハ島のあいつみたいに -- 名無しさん (2019-11-14 11 19 31) 秋田県民ワイ、財団部分を読み終わったのちバーを見て察する -- 名無しさん (2019-11-14 19 32 52) ↑6 SCP foundationのタグに_が付いてSCP foundationの付いたタグ一覧に追加されてないです(伝わらなかったらすまん) -- 名無しさん (2019-11-14 19 54 17) キケンクニマス棒 -- 名無しさん (2019-11-15 09 17 44) 「地震は地下の鯰が起こす」って言い伝えが古来から日本中であるんならそもそも秋田だけにしか留る保証もないしね -- 名無しさん (2019-11-15 12 28 00) それでもナマハゲが何とかしてくれると信じてる -- 名無しさん (2019-11-15 20 29 30) 1092って「92マス」が由来なのかな -- 名無しさん (2019-11-16 13 02 12) 目立たないが都道府県面積ランキング6位だぞ -- 名無しさん (2019-11-25 05 46 13) 秋田県全部壊滅クラスとか東北ごと逝くわ -- 名無しさん (2019-11-25 05 47 06) 多分元々鯰は夫婦龍が押さえ込んでたのを五行結社やらIJAMEAやらが叩き起こしちまったんだろうな -- 名無しさん (2020-02-12 13 38 50) たとえ異常存在でもそこに定住しているということは、何か理由があるに決まってるだろ…。これだから野蛮な破壊フリークは。一切合切収容するのが最善手ってはっきりわかんだね。 -- 名無しさん (2020-03-13 23 02 53) 要するにこれもまたGOCやらかしエピソードという事か…… -- 名無しさん (2020-03-29 00 17 21) >GOCは死刑執行人である。もっとも処刑人に加えて裁判官と検察も兼ねており、常に判決は同じものしか出さないのだが。←ここ読んでジバンとかターミネーターを思い出した -- 名無しさん (2020-08-12 06 42 42) つまりさかなクンは財団職員だった? -- 名無しさん (2021-12-21 00 00 43) 大鯰なんてチョコレートにしてしまえ -- 名無しさん (2022-10-29 07 26 31) 記事の本筋とは関係ないが、GOC脅威識別子の改訂の関係で田沢龍の記事は名前が頻繁に変わっている。「LTE-25230-Fiji-Aurora Glory」→「LTE-5230-Fiji-Aurora Glory」→「LTE-5230-Fiji-Sunset Glory」と来て、現在は「LTE-5230-Fiji-Aurora Cherry」になっている。 -- 名無しさん (2023-02-04 20 35 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41195.html
登録日:2019/01/04 (金) 19 07 56 更新日:2024/06/26 Wed 23 58 17NEW! 所要時間:約 37 分で読めます ▽タグ一覧 SCP SCP Foundation class-of-76 カーク・ロンウッド高校 序曲の為に立ち上がってください。 SCP-1833はシェアード・ワールド「SCP Foundation」において登場するオブジェクトである。オブジェクトクラスはSafe。 ◆もくじ 初めに 思い出76年度のクラス 関連オブジェクトSCP-332 - 1976年度カーク・ロンウッド高校マーチングバンド SCP-1423 - 76年,夏 初めに 本オブジェクトは同名シリーズハブ『class of '76』の序章を構成するオブジェクトである。 class-of-76には様々な学校、オブジェクト、要注意団体が絡んでおり、それを読み解くにはかなりの時間を要する。 先にclass of '76に関連すると考えられるオブジェクトを挙げておく。 シリーズタグ『class-of-76』のついているもの SCP-332 - 1976年度カーク・ロンウッド高校マーチング・バンド SCP-814 - 純音 SCP-1423 - 76年,夏 SCP-1833 - 76年度同窓生 SCP-1976 - 私を決して知りえないであろう息子へ SCP-2316 - 校外学習 SCP-3776 - キャンプ・ニムロッド SCP-3935 - これこそが静かな狂気が作りし物 SCP-4211 - メモワールメント SCP-4316 - 水の温もり SCP-4833 - 失神交響楽 それ以外の関係するであろうオブジェクト・Tale (SCP-001/Kalininの提言) - 過去と未来 SCP-026 - 終わらない放課後 SCP-2747 - 下の如く、上も然り (SCP-2798) - この死にゆく世界 SCP-3005 - 死んだ光 SCP-[NULL] - アパラチアの傷痕 思い出 「思い出」とは、「リー」を主人公とした、カーク・ロンウッド高校での出来事を描いたハブである。SCP-1833を読む上で読んでおきたいTale群でもあるので、先に述べておこう。 パート毎に話が分かれているので、順を追って説明していく。 序曲 予鈴 カークロン・ウッド高校のアルバムで、生徒達の写真とコメントが記されている。 まず1列目では、笑顔の生徒の写真が載っている。コメントは以下の通り。 ヨハン・N・ウィンターソン:覚えていてくれてありがとう。 クラリッセ・パトリック:すぐ会いに行くわ!連絡してね! ゴードン・クルック:この瞬間を大切に。 ハンナ・N・シルバー:なんて素晴らしい年でしょう!台無しされませんように! 2列目も、同じように生徒の笑顔の写真が載っている。コメント(ry アウグストゥス・F・スミス:常に忠誠を。 マーガレット・L・リッカー:頑張って! サミュエル・ワトソン:皆に幸運を!█████以外ね。 ジェニファー・J・ゾンターク:今年は最高でしょう?彼の醜い顔に█████が落ちた時なんて! ...んん? 続いて3列目では、真顔の生徒の写真が載っている。コメ(ry アーサー・M・ヨーク:その負け犬がいなければ、私たちは勝利していただろう。 ジョージ・M・ロジャース:使えない奴がいた。 エイドリアン・マクドナルド:█████に誘われた時は吐き気がしたわ。 パーシー・X・キャニオン:あの野郎ぶん殴ってやる。 ある1名が皆から嫌われていることが分かる。何があったんだろうか? そして4列目...左側の2名は、生徒の"不自然"な笑顔、右側の1人は目と鼻がなく、もう1人はのっぺらぼうに二つの切り込みをいれたようなものとなっている。実際に閲覧してもらうと分かるが、超怖い。ガタガタ...コ(ry サリー・A・コンロイ:自業自得ね。 カーティス・L・サンダース:話すことなんて無いね。 ジェニファー・N・ダンバーズ:█████が人生で何も成さないのが嬉しいわ。 トーマス・P・ギフォード:█████が癌になる日を願ってるよ。 これはひどい 因みに「思い出」のページのURLや画像ファイル名には、メッセージが書かれている。 このページのURLを訳すと、「過ぎ去った日々」。 画像ファイル名を訳すと、「彼らは急速に成長した」。 パート1 「リー」の日記の内容が書かれている。内容は以下の通り。 1976年6月12日 やあ、僕の名前はリー。もし君がこれを読んでいるなら、きっと僕はとても腹を立てるだろうね。だってこれは昨日僕が新しいモンゴメリーワードで買った私的な日記なんだから。それはともかく、ここに書かれているのは僕に関することだよ。だって君が日記を使う時もそういったことを書くだろう?僕は17歳で、KL高校の4年生。そこでマーチングバンドをやってる。それとコインも集めてるよ。大抵の人にとってはつまらない物だろうけど、僕は好きなんだ。卒業する時には工学の分野で何か成果を出したいね。もし駄目なら力学の分野でもいいかな。 学校はそれほど大きなものじゃない。そこで僕はバンド、それと友達を手に入れたんだ。僕たちは大抵バンドルームでくつろいだり、練習したり、他のクラスへ行ったりしてて、それから授業後もバンドルームに戻ってる。ほぼ日課だ。他のバンドメンバーにはあまり興味ないね。シンディは可愛いけど話す機会が殆ど無いし。アルバートはバンドのリーダーで、僕らがふざけてる時に指示する以上のことは殆どしないしね。 1976年6月13日 ああ…何て気分が悪い日なんだ。明日は州決勝戦で演奏するチームを決める試合で、もちろん僕らはその周りで行進しなくちゃならなくて、太陽に焼かれる中で何度も何度も何度も同じ演習を行った…。きりがなかったよ。水分だけは取っていたから、今回は誰も熱で倒れなかったけれど…。アルバートはそのことについてかなりバツが悪そうだった。 その日の残りはホントに眠たかった。1限目は退屈で退屈で退屈だった。コリンズ教授がスポーツについて話し続けていて、フットボールコーチに数学を担当させたみたいだった。それについて教授としゃべっていたダニエルは馬鹿野郎だ。次の試験に落ちる前にくだらない事を学ぶのは素敵なことかもしれないけど、まぁどっちにしろ僕はまた落第するだろう。畜生。僕は機械工学奨学金の為にこの単位が必要なんだ。 今日シンディと話をした。放課後活動の多くが中止になってることに彼女は本当に怒っていた。資金問題か何かがあったみたいだ。本当にふざけた状況で、僕もとても頭にきている。もし授業を削減されるようなら僕はついてない。何とかなるよう祈るしか出来なかった。 1976年6月14日 試合は完勝。僕達はあいつらを圧倒した!かなりギリギリな出だしだったけど、後半の僕らはまさに無敵だった。コーチはユニフォームがどのようにして試合の鍵となったかジョークを飛ばしていたよ。僕が思うに、とてもかっこ良く見えていたはずだ。今回は安っぽい場所、Synophoneとかから入手したけど素晴らしい結果に終わった。決勝戦用の新しいユニフォームを入手するのを祈っているよ。 ああ、もちろんこれからどれだけバンドの練習をしなくちゃならないか分かってるよ。 1976年6月15日 今日、みんなが学校に行って家にいない間に、誰かが前窓を壊した。僕はバンドの練習で6時まで家に帰れず、沢山の尖った破片であわや足を切るところだった。 自分用メモ:今度は二重ガラスにしよう。ガラスで怪我はしたくないし。 1976年6月17日 今日、シンディとおしゃべりした。僕の唾バルブが壊れていて、練習ですることが何もなかったんだ。彼女は本当に素敵な人で、練習中と活動後のほとんど彼女と話をしていた。もし彼女が遊びに行くのに興味があれば、そのうち町かどこかに行くことになるかもしれない。でもまずやるべきなのは、できるだけ早くバルブを修理することだ。貯金箱を確認しないと…。 ダウンタウンの新しい音楽店に行って帰ってきたところだ。多分僕達にユニフォームをくれた団体と同じで、"失神交響楽"と呼ばれていた。本当に素晴らしい店で、小さな場所に大量の商品を揃えていて、KLの学生ということで大幅割引までしてくれた。出来るなら、ぜひともまた行きたいね。目を閉じて思った通りにすればいいんだ。コインショップも見つけたけど、良いモノの値段が高すぎてそれほど関心が湧かなかった。 バンドメンバーの1人、シンディと親密になった様子。 だが、不穏なワードが…… 1976年6月18日 今日は父親の友人の為に、ベビーシッターの仕事へ行った。僕は普段子供が好きではないけれど、子供らは気にしなかった。子供らはおむつを交換したりする必要がないほどの年齢で、とても可愛らしかったよ。僕達はその間ずっとテレビを見ていた。親御さんがくれた30ドルは、以前から欲しかったコイン用に使うつもりだ。 ああ、僕らが何を見ていたか思い出した。古いバットマンのテレビ番組だったね。ナナナナナナナ…。(バットマンのOP曲でのフレーズ。) 1976年6月20日 今日またシンディとバンドとその活動について話をした。もし活動が無くて退屈しているなら、どこかに遊びに行かないかと言ってみたよ。僕は彼女との会話を心から楽しんで、話が弾んで彼女と仲良くなれた。僕達は映画を見にレンマー映画館に行くことにしたんだ。どの映画を選んだかも覚えてないや。 1976年6月22日 僕は先日からある事をしっかり覚えていた。町内の多くの店が閉まっていた。食料雑貨店・床屋・他の多くの場所はまるで廃墟のように見えたけど、あのSynocoショップはちゃんとあった。シンディの誕生日プレゼントを買うためにその店に立ち寄ったんだ。 その店は相変わらず素晴らしかったけど、そこで働いている人は奇妙だった。彼らがそう言ったわけではないけど、どうやら彼らは店"と"働いているらしい。それ以上に、彼らは本当に奇妙だった。僕が店にいた2時間の間ずっと床の同じ場所をモップがけしている男性を見た。彼は何度も何度も同じ10秒の曲の口笛を吹いていた。いい音色だったからそれは苛ついたりはしなかったけども不気味だったね。 キャッチー過ぎる。 1976年6月25日 職業選択のことで相談するためにカウンセラーのところへ行った。あまりここから近くはないけど、レスキン内にはかなり良い機械工学プログラムを備えた大学があるんだ。これにはかなりの費用がかかる…また貯金に手を付ける必要があるかもしれない。コインを売却したくないけど、大学とコインを天秤にかけて考えると選択肢はないみたいだ。 1976年6月29日 僕たちは練習に全力で取り組んでいて、大舞台の予行と準備のために毎日外出してる。コリンズコーチは彼の考えうる最も大変で最もでたらめな練習計画を練って、4週間僕達がそれを完璧にこなすことを期待している。今週からより猛烈な訓練が幾つか始まってて、そりゃもう悲惨なものになるだろうね。もし僕達が既に"猛烈な"訓練を始めていなければ、どうなっていたかはとてもじゃないけど知りたくないな。 今日、コインについての幾つかの広告を新聞に出した。手放すことができ、まだ価値のあるものを選んだ。電話はまだ来ていないけど、外出中に来ていたかもしれない。留守番電話が必要だな。 1976年6月30日 新しい訓練計画の一環として、練習中に僕達をサポートしてくれる幾つかのビタミン剤か何かが与えられた。水なしで飲むことが出来る小さなチクレット型の錠剤で、朝と夕方に2錠服用するものだ。 ガラスの破片での切り傷がまだ完全には治ってない。畜生。 …それ本当にビタミン剤? 1976年7月3日 今日コインが売れたよ。それらを持っている時のチャリンチャリンという音はとても愉快で、ドラム上のペニー銅貨を連想させた。そのお金は貯金箱に入れておき、学期終了後にカウンセラーに相談するつもりだ。 1976年7月6日 訓練が始まった。僕達は共に素晴らしい仕事をしている。僕達の音がビートを刻み、メトロノームと同期する段階に入った。僕の周りにはシンディとランディとグレッグがいて、連携してビートに合わせて行進し、奇跡的な音と一体化している。 誰かが世界にビートを保っていなければならない。僕達はまだ見たことのない人に最高のショーを贈るつもりだ。この試合はプレイヤー以上にハーフタイム中のバンドが記憶に残るものとなるだろう。 1976年7月9日 今日のラジオは本当に良いものだ。音は繊維布の穴を通して進み、木製フレームの周囲で渦を巻き、自身を発する。僕達は一昨日はほぼ一日中それに耳を傾けていたけど、全然気付かなかった。それを聞いている間の時間が跳んでいると。 1976年7月11日 気が散る。僕たちは毎日行進して、ビートを鳴らし続けている。試合をする時間が無いよ、シンディ。君がこれを読んだことは知ってる。君が君自身の個人交響曲を書くためにページを破っていることを知ってるよ。ええと、僕が君に言えるのは、君は単なる現金自動支払機内部の25セント棒の束で、君の上で持ち主が変わる鐘の音を聞くことはないってことだ。 状況は今や変わっている。常に変わっている。僕は変化前もしくは変化後を覚えている。時としてそれを決めることは難しい。 1976年7月15日 最近空腹を感じない。僕達は互いに話し、互いに演奏し、互いを記号にする。僕たちは共に伝わる。君が大きな個体の一部分である時、自由な朝食、昼食、夕食が必要なのは誰だろうか?シンディは食事をしていた。彼女は食事ができ、僕は生きるために生きている。 神よ、僕の胃が切れる直前のバイオリンの弦よりもきつく捻れている。 1976年7月18日 僕達に合う前、僕は水差しの水であり、パシャパシャ跳ねて考えは全て頭に保たれていた。僕の流れは淀んでいて、仲間と一緒に歩けなかった。僕達はそのガラスを割らなければならなかった。破片を落とさなければならなかった。側頭部に浸透させなければならなかった。全ての破片を捕まえるまでガタガタと音を立てるんだ。君にはその割れ目が見えるように、それを元の場所に集めて欲しい。今それは噴水のように入ってきて、僕はよく知っている。 僕達がどうやって歌っていたのか思い出した。 リーはカーク・ロンウッド高校の四年生で、マーチングバンドをしているようだ。この時点でリーがおかしくなっているのが分かる。"失神交響楽"という団体は重要なので覚えておくように。ビタミン剤か何かって...絶対怪しいだろ...。 URL名は「交響曲の中で」。 幕間1 古い学校 私達は最高の一年を過ごしました! -隣に座っていた女の子 学生の皆さん!授業時間割はこの土曜から始まることを音楽堂内よりお知らせします。履修依頼用紙を持っていくことと、選択候補についてガイダンスカウンセラーと話し合う時間を取っておくのを覚えておいて下さい。二重履修を希望する上級生は、放課後にヴェルナー教授のオフィスで教授に面会して下さい。私たちはあなた方一人一人が素晴らしい二学期を送れることを願っています。 昨日、決勝戦への切符を手にしたファイティンライオンズ、おめでとう!僅差の第一クォーターの後、ゲームの残りでは私たちのチームは相手チームを抑えこむことができました。信じられないほど舞い上がっています。もし授業へ行く途中やホール内でコリンズコーチを見たら祝ってあげて下さい。学生方は課外活動のための年間資金調達への寄付を忘れないで下さい。"失神"はそれらへの寄付に非常に気前がよいですが、私たちにはまだあなたの寄付が必要です。 この学校は"失神交響楽"から寄付を受けているようだ。 新しいバスのスケジュール:バス23、11、24で移動した学生は通常のスケジュールに戻ります。 ワリック教授から全てのバンドメンバーに通知:集中訓練が月曜に始まります。毎日練習の準備をして来て下さい。 課外活動により多くの時間を学校で過ごす生徒への提供を目的とする新しいランチメニューが発表されます。これは"失神"によって支援されるプログラムに参加している学生に対しては無料で提供されます。 失神の応援するプログラムのため、学校に長く残る学生には無償でご飯提供。 なんて親切なんだ(棒読み) 新しいバスのスケジュール:削除されました。 学生の皆さん!もし十分な元気があるなら、タブ譜を作るためにどのようにして全ての式が一体化するかを見ながら私達の兄弟と過ごして下さい。 学生の皆さん、こんにちは。ヴェルナー校長です。ミッチェルは責任を持って一歩退く頃合いであると決定し、彼は異なるビートで演奏される予定です。よろしくお願いします。我々は更に発展するでしょう。我々は多くの人々を鼓舞させ、星と共に安全に生活するためのパラシュートをもたらすでしょう。そう、エッフェル塔の頂上のように。さらなる活動からは誰も排除されません。我々はここにいる皆を共に連れて行きます。良いお年を。 学生の皆さん!私と共に交響的な忠誠の誓約を表明し、形式に捕らわれずにあなたの心を歌って下さい。 幾人かはそれは分離の原因となる新しい制度だと言っています。そのような事を言った者には警告がなされます。指揮者は我々の発言を聞いているでしょう。彼は今、動悸を打つリズムや走っている群衆にいたるまで、我々の全てを聞いています。そのベル、そしてその黒板。それこそがハーモニーです。 休止 学生の皆さん、学校の敷地外への外出を許可されているのはバンドメンバーのみであることを覚えておいて下さい。違反者は責任を取ることになるでしょう。違反者は自身の行動により破滅するのみです。 ええ...(困惑) URLを訳すと「ロンウッド(高校名)」。 パート2 リーはそこにいた。アイロンがけされたユニフォームを着て、廃れた廊下と壊れた扉を通って歩いていた。彼らはリーを残して行き、他の皆は試合のために連れ出されていた。リーは行進を続けた。彼らはすぐに戻るだろう。"失神"は常に彼の打楽器のため存在していたはずだ。彼の上では、アナウンサーが彼らの歩調をビートに加えていた。リーは足並みを揃えながら顔を上げた。その音が今日は何になるのかを見るために。 学生の皆さん、こんにちは。ヴェルナー校長です。ミッチェルは責任を持って一歩退く頃合いであると決定し、彼は異なるビートで演奏される予定です。よろしくお願いします。我々は更に発展するでしょう。そう、エッフェル塔の頂上のように。我々は多くの人々を鼓舞させ、星と共に安全に生活するためのパラシュートをもたらすでしょう。さらなる活動からは誰も排除されません。我々はここにいる皆を共に連れて行きます。良いお年を。 学校に残っている人々は気にしていないようだった。幾人かは枯れ野の中のかかしのように歩きながら、何も変わっていないように振舞っていた。幾人かは通り過ぎる人々を見ながら、そこに座った。リーは彼らに何を見ているのか聞こうとはしなかった。彼は廊下を歩いていることを思い出し、いつもの顔ぶれが歌っているのを見た。声が出て行く時に彼らは口笛を吹き、唇が出て行く時に彼らはドラムを叩いた。 学生の皆さん!もしかすると貴方は新しい時間割システムに気付いているかもしれません。私達は皆を6つの集団に分け、それぞれに学校内での独自の地位を与えました。この大幅な再構成が突然過ぎるということは理解していますが私達を信じて下さい。それは長い期間をかけて行われます。私と共に交響的な忠誠の誓約を表明し、形式に捕らわれずにあなたの心を歌って下さい。 "失神"はここにいた。バンジョーのように鳴っているそれを彼は身体で感じることができた。その力はバンドの設備から来ており、それはまさに光だった。それについて述べるべき11の新しい素敵な事柄について考える前に、リーは拳を握りしめた。足は走り始めたが、ぎこちない姿勢であった。彼の身体の震えは下襟によって抑えられ、ねじ巻き時計のように彼を後押しした。 学生の皆さん、悲しいことですが幾らかのスタッフと学生が去ってしまうのを報告します。彼らは果敢に彼らの義務を全うしましたが、結局のところ人生のオーケストラには限られた空間しかありません。別の場所へ行ってしまった彼らを追悼するため、静かに聞いて下さい。彼らは私達の言う全てを聞いています。私達の全て、動悸を打つリズムや走っている群衆に至るまで。そのベルとその黒板も。この歌も。 リーは演奏を止めた。冷たい痛みが彼の中に走った。おお神よ…痛い…。それは腕から背中へかけて彼を引き裂き、彼の頭をいじり回した。これはハーモニーじゃない。彼は一歩進もうとしたが、倒れて地面にぶつかり足をだらりと伸ばした。交響曲の中での彼の位置はどこなのだろうか? それは罰だった。腕が伸ばされた、手掛かりを掴むために。彼は逃れる必要があった。演奏、それは彼が行うべき全てだったのだ。シンディと他の皆は共に演奏するためにそこで彼を待っているに違いない。息を切らし、彼は胸を抱えた。彼の胸から氷のような泡があふれ、彼を圧迫した。彼は呼吸ができなくなり、彼は考えた。おお神よこれらは一体何処へ向かうのですかどうすれば今思い出せるのですか。 休止 そこで漸強音が発生した。最初は弱々しかったが、徐々に強まっている。弱々しく彼は唇をすぼめ口笛を吹いた。漸強音は高まった。美しく、優雅だった。それは彼に音を取り戻させた。 リーは目を閉じ、眠りについた。 ……… 「おい、何かみつけたか?」 「一つだけ。バンドに所属していたように見える男だ。2階のホールで見つけたんだが、気絶しているみたいだ」 「彼はそうだな…3つ目の部屋に置いておこう。後でエージェントの誰かがクラスA記憶処理を施すだろう」 「手を貸してくれるか?この子達ちょっと重いんだ」 学生の皆さん、学校の敷地外への外出を許可されているのはバンドメンバーのみであることを覚えておいて下さい。違反者は責任を取ることになるでしょう。違反者は自身の行動により破滅するのみです。 リーは仰向けで目を覚まし、暗闇に目を向けた。胸が高鳴っており、それを聞こうと頭を前後に動かした。痩せて飢えた蚊のような低い耳鳴りのみが聞こえた。メロディなしに、曲はありえない。一歩前へ進むも、彼の足は崩れ落ちる寸前だった。倒れないよう足を掴んだが、服の感覚がしなかった。裸だった。 ユニフォームが失われ、楽器が失われ、音楽も失われた。のろのろふらつきながら、リーは再び一歩踏み出そうとした。なぜ彼らは彼を進ませたのだろうか?これらの出来事は起こってしまった。起こる理由が無かった頃に。だから終わるべきだ。耳鳴りがうるさくなった。リーは戻らなければならなかった。家へ。学校は家だった。リーはもがいた。心臓から這い上がってくるドンドンという音が喉を通り、頭に達した。彼らは音楽を演奏しており、彼は今そこにいなければならなかった。 誰かが何かを言った。 お願い 彼らは忘れるよう言った。 リーが頭を振ると、頬を涙が伝った。"失し…"どんな曲だっただろうか。彼らは何を歌っていたのだろうか。 彼らは決して歌わないよ、リー。君は忘れている。忘れることはとても簡単だ、そうだろう? 耳鳴りが大きくなり、彼らは彼に話しかけるのを止めた。大きく、そして白く。 私たちは君を忘れない。 ここでさらに校則が意味不明になり、リーに異変が起こり、なんと財団に救出される。 URLを訳すと「再会、同窓会」。 幕間2 開会中 「いつベルが鳴らされるべきか覚えている?」 「子供達がどうやって歌っていたか私に教えられる? -未知の崇拝者 ↑かなり重要なので覚えておくように。 俺達は最後に旅に出発したんだ。酷い乗り心地だけど、俺達は今旅してる。夏の間ずっと道路の上さ。俺達の道には行きたい場所へ行きたい時に行く自由以外は何もない。俺達が乗っているのはラスティの父親の大破したシボレーで、彼が運転しているよ。 ドライブの初日、俺達のテンションは最高だった。ラスティが運転席、リーが助手席、俺とアンドリューは後部座席でくつろいでいた。とても素晴らしかった。俺達が最初に行った場所はブラックリビッジロックスターバガンザだ。ここは最高で良く覚えてる。僕のロックへの関心を最高潮にしてくれたんだ。 皆がとても楽しい時間を過ごし、シンディとリーは本当に興奮していた。あいつらがまた地面で酔いつぶれないことを祈ろう。 オハイオのどの道路を走っても暫くすると退屈になるけど、ラスティは何とか進み続けた。彼が通り過ぎる標識や人々について知識をひけらかして沢山の発言をしていたことを覚えている。でもそれは俺達が市内にいる時だけだった。これは農業用地だ。 今はちゃんと記せない、頭が痛い。 道路道路道路道路、また、また道路だ…。 俺達は道に迷ったに違いない。公道やカーブ、他の家さえ見えずに、ここでどれほど長時間立ち往生しているか思い出せない。あるのは直線で平坦な道路のみで、とても長く続いているみたいだ。ああ神よ、これは思い出に残る最後の夏の素晴らしい始まりなんかじゃないって判ったよ。 ラスティは大ばか野郎だ。何日も掛けて初めて家を見つけたのに、あいつはそこから逃げ出しやがった。たぶんあいつはその場所についての悪い記憶かヒッピーの法螺話でも知っていたんだろう。確かめたこともない戯言なんか無視できなかったのかよ、畜生。そういえばあいつは他の誰にも運転させない程に神経質だった。だからあいつが運転手だったんだ。 待て、忘れていた。リーがこれまで運転を…。 今日ラスティをここに残して離れた。俺達が戻った時には、あいつは居なくなっていた。 今、車は長くなっている。どうやるかは知らないが、俺はやった。俺の歯の中のライトがより明るくなり、俺のライトの目はより明るくなった。俺は冴えてる。 「はぇ?」そう思ってもおかしくない。人間版トランスフォーマーかな? URLを訳すと「200年祭」。1976年はアメリカ合衆国建国200年祭があった年。 パート3 リーはいつもしているように時計を確認し、玄関マットの上で止まった。彼は家にいる。擦り切れた赤いカーペットやホコリで汚れ洗われていない窓があり、素晴らしい家では無かったが、それが彼自身の家だった。彼は約3年間彼自身の部屋を所有していたが、両親の予備の部屋に戻りたいとは思っていなかった。ありがたいことに彼らが休日に訪れるのを悩むほどのみすぼらしい外見だった。 母親は彼の大学生活に失望した。彼の工学計画は、彼が大学でそれを行えなかった時にダメになっていた。彼はベストを尽くしたが、環境があまりにも厳しかったのだ。学生ローンから借金をしないために、彼は残りのコインを売らなければならなかった。父親は祖父のコインが失われたことに怒っていたが、祖父はいくらか輝くポーランド小銭と共に刑務所に入るよりも彼の安全を願ってくれた。いや、祖父はそのコインを手に入れるのに多くのことをしたが…、彼は認めてくれただろう。 リーがやっていた仕事は生活費を払うためだった。彼は約3年間銀行でデータを入力し、それで生活費の殆どを支払っていた。住宅ローンと水道代の2つが主で、電気やガスは時おり後回しにされた。その仕事は何もしないよりはマシだった。加えて、その仕事は彼に家の外で過ごす時間を与え、それもまた一人で過ごすよりもマシだった。 郵便は調理台の上に放り投げられて一時的に忘れられ、リーは冷蔵庫の上で横になった。それは殆ど空だが、ソーダが1つ残っていた。彼がグラスと氷2つを準備するのを見ながら、郵便物は待ち続けた。リーは籐細工の椅子を引き寄せ、封筒をペラペラめくって読み始めた。ケーブルテレビや電話会社からの数枚の請求書、空手を学ぶほど悪い奴かいと尋ねる迷惑メール、その他だった。 本当に彼宛の封筒を確かめるために再度チェックしたため選り分けに数分程かかり、開ける必要のあるものを開いたが、どれもが彼がとてもうんざりする物だとわかった。彼が進もうと立ち上がった時に椅子の脚はタイルをこすり、その時残りの郵便物の山の下に置かれた赤い封筒に気づいた。 それは紙にただ彼の住所が書かれているだけの地味な封筒で、差出人住所はなかった。リーは疑い深い人間ではないが、にも関わらずこの手紙は彼の中で警告が鳴っていた。彼はそれを振り、つつき、押し、落とし、他様々な悪意ある要素を確かめる試みを行った。手紙はじっとしたままだった。その手紙の正常性に満足し、角から角へとゆっくり破いて彼はそれを開いた。中に手を入れると、紙は入っていなかった。一枚のポラロイド写真のみだった。 これだけ?リーはその写真に目を凝らした。彼はそれは自分の写真のはずがない確信していた。どうすればそんなことがあるというんだ?当時から残っている物は何もないんだ。彼は瞬きし、目をこすり、再び写真を見た。写真に変化はなく、冷淡に彼と向き合っていた。それは彼とシンディとアンディだった。写真の中の彼らは間抜けな顔で笑っている。リーは瞬きし、彼が再び座ったことで籐細工の椅子はきしんだ。 これは1976年にラスティや他の皆と一緒に行った旅行のものだった。それはとりわけ楽しい旅行ではなく、ほとんど帰宅した後の大学の騒動ばかりが思い浮かんでくる。カーク・ロンウッド高校は彼が楽しかった最後の時間の一つだった。郷愁のお馴染みの巻きひげが彼の肩の上を這い始めた。 君は彼らと共に家に居るべきだ。 リーは頭を振り意識をはっきりさせようとしたが、成功しなかった。写真が彼の指から滑り落ち、調理台の上にひらひらと落ちた。彼は目を閉じ、自身に言い聞かせた。僕は大丈夫だ。ここには僕のちゃんとした目的が有り、僕は僕らしく生きている。今さら戻ることは馬鹿げたことだ。目を開けた時、手紙の裏にメッセージが殴り書きされていることに気付いた。 最高の一年だったわ! またすぐに会えることを祈ってる! ~愛してるわ。シンディより XOXOXOX その夜、リーはなかなか寝付けなかった。写真の絵、赤、友人の運転、聞こえているラジオ、その夏からの他全てが一気に戻ってきていた。シンディがキスした彼の唇に触れ、彼は唇をすぼめて今の生活について考えた。過去に拘ることは何の役にも立たない。明日までにその写真はナイトスタンドから外してゴミ入れに入れよう。 …今日俺たちは後でアミューズメントパークに行くんだ。ラスティとアンディが運転手とナビゲータメカニックを見つけられたらな。どうやら、あいつらはそれぞれを見つけるために何かアイデアがあるみたいだった。俺が買って出たいけど、それはきっとよりもっとややこしいことになるんだろうな… アラームの大きな音がリーを眠りから引き離し、彼はぞっとしてひきつけを起こした。ベッドから起き、シリアルスコーンを2つ食べ、ミルクは飲まず、髪を梳かして髭を剃り、シャツ・パンツ・靴を装い、コートのボタンを止めるため鏡に向かい、ボタンを正しくかけ直し、それから外出した。写真のことを呼び起こすグレムリンに少し苛々したことを除けば、平穏な1日だった。退屈な時は、あの旅行でどこに行ったかについて考えてみた。それは本当に重要だったのだろうか? 写真はまだそこにある。ゴミ入れはそこにあるから、これを最後にすることもできる。もしかしたら彼が家に帰って欲しくない頑固者からかもしれない。そうすると更に写真が送られる場合に備えて、写真を持ち続けるべきかもしれない。念のためだ。最終的にその写真はジャケットのポケットに押し込まれた。 あの一年間は青く…その夏は大切な物だった。今も昔も、起こった全ての事はあの旅行に起因している。丸一年をあの最後の夏のための準備期間とし、そして無駄に過ごした。しかしその夏は、心配事が無くやりたいことが出来た彼らとの最高の時間だった。準備期間の年として素晴らしい最後だった。とっさに彼は写真に触れようとジャケットのポケットに手を入れた。写真はそこにあった。 以前の日々の辛い記憶が懐かしくより嬉しい記憶に代わり、その夜はすぐに眠りにつけた。その旅行以前にも、学校での全てが素晴らしい時間だった。バンドは楽しかった。そこは彼がシンディと会った場所だ。彼らはバンドメンバーとしてパートナーになり、彼女と助け合った…。リーは顔をしかめ、写真を見返した。シンディはどこで彼と会ったんだ? …たしが聞いた限りでは、くだらないお金の話はこれで最後よ」彼女は彼に微笑み、彼は仕草で返した。学校は幾分か大変な時期だったが、彼女と話せる場所だった。その土地ダウンタウンが補うことができていたかどうかについて考え- "失神" リーは癇癪を爆発させ、周囲にあったものを掴んでベッドの外にグシャグシャにした。耳鳴りが聞こえて彼はとっさに耳を手で塞ぎ、唇をかんだ。どうして"失神"のことを忘れていたんだろうか。なぜそれを思い出すべきなんだろうか。ベッドから転げ落ち、ズキズキ痛む頭を抱えた。ロンウッドで何かを……していた。ビクッとし、彼は耳から血が滴り落ちているのに気付いた。血は唇に溜まっていた。 "失神"について何かがあった。思い出せ。彼らは君を覚えている。記憶の断片が意識内に溢れかえっていた。卒業できなかった学校…バンド仲間…そして"失神"。彼らは学校でのグループで、彼らは街からそこにいて…いや、それは違う。 リーは血を拭い、サイドテーブルにある写真を見た。同じように見えた。耳鳴りが大きくなる。 リーは聞いた。 本当に申し訳ありません。ここでは貴方が幸せではないと知っています。その事について謝罪します。時間をかけて全体の落ち着きを確認しさえすれば、欲求不満や恐れと共に働くことを厭いません。我々の多くが傷つき、目標の為の人柱となっていることを知っていますが、我々は音の為だけに潜在能力を最大限発揮するための練習を行います。場所ではなく、この時間を掛けて言われるものを好みます。人々と共にいなければ、美しさもしくは別の物を作るために働きます。成し遂げたいことは、人生のオーケストラをつくり上げることです。役割を全うしている物は全て、グランドシンフォニーで一つの音符となります。 序曲の為に立ち上がって下さい。 リーの"失神"に関する記憶が差出人不明の写真によって復元された。更に"失神"がリーに向けて語りかけている。因みにその写真は後に紹介するSCP-1423である。 URLを訳すと概ね「"その"年」といった意味合い。 終曲 最後の言葉 「私たちはあなたを忘れないでしょう」 さて、このページではある画像が載っている。ある人物が寝室で眠っており、それを顔の造形を酷く損傷した人達がそれを取り囲んでいるというもの。 URL名は「過去を振り返る」。 画像名は「その100を決して忘れない」。 さて...最初から最後まで意味が分からなかったが、「思い出」には関連資料が付いている。SCP-1833もそれに該当する。 76年度のクラス さて、『76年度のクラス』を選択すると、SCP-1833の報告書に飛ぶ。ってわけでやっと本題。 メタタイトルは76年度同窓生。 オブジェクトクラスはSafe。 特別収容プロトコルによりこいつはサイト77のSafe SCP棟の標準封じ込めロッカーに保管されることになっている。 クラスD以外の人員はSCP-1833を取り扱うことを認められていない。 概要だが、SCP-1833は███████高校年鑑の1976年版のコピーである。その外観は他のコピーとほぼ一致しており、 同年代のものと同程度の摩擦が見られる。年間は"76年の回想"と題されている。こいつはハードカバー製で、丁度50ページである。本は5つのセクションからなる 学生写真、年度中の写真、クラブ写真、競技大会の写真、肉筆欄。 ...あれ?なーんかどっかで見たような聞いたような... SCP-1833を高校卒業済みの人が読んだとき、奇妙な効果が現れる。SCP-1833を読んだ人(以下"対象"と称する)は、高校在学中に社会的に結びついた人から残されているメッセージが含まれている、彼ら自身の高校年鑑だと認める。最初に、写真やメッセージによってポジティブな気分になる。欄外に書かれた励ましのメッセージやイベントへの言及も、対象にポジティブな気分を呼び起こす。 しかしながら、およそ10ページも読むうちに、メッセージはネガティブな調子を見せ始める。初めに、対象が当惑や後悔を覚える高校在学中の出来事について、詳らかに述べていく。次第に対象が高校卒業後に体験した出来事にも言及し始め、対象への個人攻撃にまで及ぶ。加えて、本の中の写真もネガティブなものになり、しばしば写真内の顔がひどく醜く変形していく。 その後、不定ながらも20-30ページほど読まれた後、対象の写真が現れ始める。初めの写真は、対象が高校在学中に起こった決まりが悪い出来事を見せてくる。しかしながら、対象が本を読み進めていくと写真はより不穏なものになっていく。対象が犯罪を犯したり、対象が手足を切断されたり、そしてSCP-1833の中で最も報告が多いのが対象が他者から傷害を受けるというものである。 やはり、先程出てきた顔の損傷した人の画像というのは、この年鑑の画像のようだ。 SCP-1833の中で描かれたイメージの例 3ページ SCP-1833の最初のコンテンツであり、数人の学生(対象を含む)が年間のスナップ写真という形で描かれる。写真の中の人たちは微笑んでいて、魅力的な学生たちのグループと対象が交流しているさまが描かれる。 10ページ クラスの中で対象が何かプレゼンテーションしているさまが描かれる。テーマは対象毎に異なるが、聞いている生徒たちは皆興味を引かれているようだ。 16ページ 最初のネガティブな描写である。対象が何人かの生徒たちの上にランチトレーを溢してしまうシーンが現れる。 20ページ 対象はゴールキーパーのユニフォームを着ており、相手チームにゴールを奪われる様が描かれる。背後にマーチングバンドが見える。 29ページ 最初の暴力的な描写で、対象は保健室にいて、顔と首にいくつかの擦り傷があるように見える。 36ページ 対象が音楽クラブに現れるが、クラブの他のメンバーは向こう側に集まっており、対象を嘲り笑って軽蔑の目を向けているように見える。 39ページ 対象が寝室で眠っており、年鑑に現れた人々がそれを取り囲んでいる。これらの人は顔の造形を酷く損傷しており、SCP-1833の閲覧者を直視している。 これに関しては完全に「終曲」で出てきた画像と同じだ。 背面 手書きのメッセージで"私達は最高の一年を過ごしました!同窓会が待ち遠しいなんて言わないで、私たちはすぐに会えるって信じてる!親愛なる友人たちに、多大なる愛を" 最初の一文は幕問1で隣に座っていた女の子のフレーズと同じである。因みに「私たちはすぐに会えるって信じてる!」のところは、SCP-2316の記事にリンクされている。 SCP-1833の報告書の内容は以上である。「予鈴」で出てきた画像や罵りや、「終曲」の画像は、この年鑑の性質だったことが分かる。 関連オブジェクト ここでは直接「思い出」のなかで関連文書扱いされているオブジェクトを解説する。 SCP-332 - 1976年度カーク・ロンウッド高校マーチングバンド オブジェクトクラスはEuclidからKeterに格上げされた模様。 特別収容プロトコルによると、SCP-332の観測・研究のために55-B観測所が建てられたようで、以前のSCP-332の固定効果範囲を含むように設計されたフェンスは破壊され、非活性状態のSCP-332を観察する事に専念した研究所に置換されたようだ。SCP-332の発現を特定・対応する為に、財団エージェントが主要な人口密集地域や観光地に配備されている。地元の財団エージェントが収容を確立出来ない場合、最寄りの出動可能な機動部隊が動員されるようだ。 SCP-332が活性状態に入った時、観測所の全人員は防音処理のされた観測エリアから、SCP-332により発生する音の強度と長さをその状況が終了するまでモニターすることになっている。影響を受けた民間人は、感染症のアウトブレイクを装い無期限に拘束するようだ。 何故か、何らかの改変があった場合に備え、先程紹介したSCP-1833が一定の監視下に置かれている。 概要だが、SCP-332はカーク・ロンウッド高校の1976年度のマーチング・バンドの生徒達である。バンドはSCP-332-1から-30として知られる30体のヒューマノイドより構成されている。30の事例全てにおいてヒューマノイドは1976年度のバンドのユニフォームを身に着け、1976年以前に製造された楽器を演奏している。"失神交響楽"という言葉が全ての楽器に刻まれている。 どうやらこのヒューマノイドや楽器達は、"失神交響楽"のもののようだ。 活動的でない期間は、SCP-332は通常の人間が見せるようないかなる行動も見せることは無く、最後に出現した場所の中央で気をつけの姿勢を取り続けている。時折、SCP-332の構成員たちは彼らの通常の持ち場に戻る前に、突然不可視の力でもみ合う事が知られている。この行動の理由は現在のところ不明である。SCP-332が財団の職員にコミュニケーションを取ろうとした事例は存在しない。SCP-332が空腹、苦痛を示したり、あるいは風雨に曝されることによる害を被った事例も存在せず、30年以上苦しむこともなく同じ地点に位置し続けている。 ...つまりこのヒューマノイドは30年以上ずっと同じ場所に立ち続けているようだ。ただし、後述するが、今は同じ場所に長い間いることは無い。 48時間毎に一度、SCP-332は活性状態に入る。全構成員が消失し、別の人口密集地域に即座に再出現する。 SCP-332はマーチングバンドを頻繁に開催する主な観光スポットやイベント施設を好んでいるものと思われる。排除区域内で人の立ち入り、もしくは15〜80,000Hzの音が起きた時、SCP-332も音を発生させる。活性状態のSCP-332は出現場所周辺を15〜45分間行進する。続いてSCP-332は最も近いヒト被験者の下に進み、楽曲を演奏する。SCP-332により演奏される楽曲は多様だが、主には1967〜1973年のポップスの交響楽アレンジから構成されている。SCP-332から発せられる音は活動エリア内では変わらぬボリュームを維持し、エリア外では急速に減衰する。 どうやらヒューマノイド達は即座に瞬間移動をし、行進をするようだ。 もし被験者がSCP-332により演奏される音楽を聴きとれた場合、手近なところから楽器を手に入れようとし、そしてSCP-332の演奏に加わる。被験者(以後SCP-332-Bと呼称)はSCP-332の影響下に入ってから10分以内に楽器を得られなかった場合、強い不安を報告する。10分以内にSCP-332に加われなかった場合、彼らはエア演奏をしながらバンドと共に行進し、SCP-332の発する音の口真似を試みる。SCP-332に加わったSCP-332-Bは極度の疲労と空腹により気絶するまで行進を続け、倒れた後は他のSCP-332とSCP-332-Bにより踏みにじられる。SCP-332-Bが10人、SCP-332に加わる毎に、SCP-332が影響を及ぼす領域は300m増加する。この影響が及ぶ範囲は全てのSCP-332-Bが処理もしくは無力化されるまで拡大し続ける。この段階でSCP-332の活性状態は即座に終結する。 ええ...(困惑) どうやら332の演奏を聴いたらそれに加わり、どんどん影響を及ぼす範囲が拡大されるようだ。 SCP-332が初めて始動した間に発生したSCP-332-A事件後、SCP-332は沈静化していた。始動から財団のエージェントにより無力化されるまでの間、SCP-332-A事件はカーク・ロンウッド高校の生徒・職員の40%を死に至らしめた。高校は火災に偽装して閉鎖され、生徒、地域住人、生存者はクラスB記憶処理がなされた。成功裡に終わったSCP-332の収容は1976年7月19日にアーカイブされ、Euclidに分類されました。 どうやらSCP-332-A事件ということがあったようだ。Euclidに分類されたと書いているが、後述する事案により、Keterに再分類された。 SCP-332-B 補遺は、SCP-332-A事件の写しのようだ。 SCP-332収容後の初回の清掃作業時、カーク・ロンウッド高校の最初の縦窓であったであろう野外より16mmカメラが発見された。このビデオの写しはひどく破損しているが、332-A事件の唯一の記録である。 これがその記録である。 0 00-0 10 高校のフロントのものと思しき大きな窓越しにSCP-332のメンバーの内の数人が校庭で 楽器の準備をしている様子が見られる。無音。 0 10-1 34 カメラが身元不明の女性#1に向けられる。おそらくカメラマンが女性に話しかけようと しているものと思われる。一切の音は聞かれず。SCP-332のクラリネット奏者の一人が 背景を歩く様子が見られる。 1 34-4 55 この部分はテープが損傷しており識別可能な情報は無し。 4 55-5 00 一時的に音声・映像がクリアーになる。バンドの構成員の内の一人の服装が通常とは 異なるようだ、と言う身元不明の女性#1のものと思しき声。何がどう通常と異なるの かについては不明。 5 00-6 02 静止画 6 02-8 04 カメラマンと身元不明の女性#1がお喋りをしているシーンで映像・音声は飛躍的にそ の質を向上させて復活。7 09、フレーム外の身元不明の女性#2が"失神交響楽"とし て知られるバンドの備品のサプライヤーを引用し、彼女に提供された情報からはその サプライヤーを見つけ出すことができなかったと言っているのが聞かれる。背景に居 る身元不明の男性#1が、次は私が調べようと主張している。 8 04-16 22 再び音声が途切れる。カメラはSCP-332が演奏を始めようとしている校庭を指し示 す。11 00、観衆の内の数人が苦悩の様子を見せ始める。11 30、カメラはフロア ーから乱暴に動かされ落下。カメラマンと身元不明の女性#2を含む数名が苦痛を浮 かべながらオフィスをぐるぐる回る様子が映される。11 45、SCP-332は活動状態 に入る。身元不明の女性#1がオフィスを出て外に向かう様子が16 00に映される。 16 22-18 45 静止画 18 45-19 00 カメラが拾い上げられ室内を動き回る。当初のカメラマンを含む数名の死者がフレー ム内に認められる。カメラは窓越しにSCP-332が演奏している様子をしばらく映す。テ ープは19 00で終了。 SCP-1423 - 76年,夏 オブジェクトクラスはSafe。正体不明のティーンエイジャーが写ったポラロイド写真。 写真の裏には棒炭で”私達は最高の一年を過ごしました!”と書かれている。 この写真を見ると、不自然なほど正確に高校時代の思い出を思い出し、その思い出の場所を再訪しようとする。しかし再訪すると「あれ、こんなとこだっけ、来るんじゃなかった」と後悔してしまう。 この写真の影響を受ければ受けるほど過去の思い出にどっぷりはまりこんでいき、夢日記をつけだしたりする。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] おっとミスって投稿してしまいました -- 名無しさん (2019-01-04 19 08 23) 前も言ったけど『下書きする』なら『メモ帳アプリで』やってくれ -- 名無しさん (2019-01-04 19 15 46) すみません。プレビューにして確認したらミスりました。気を付けます。 -- 名無しさん (2019-01-04 19 58 39) プレビューでレイアウト等を確認する場合はtest項目を使うといいよ -- 名無しさん (2019-01-04 22 55 14) とりあえず続きが気になるから一刻も早く完成させておくれ -- 名無しさん (2019-01-05 06 00 25) 現状、作品の文章と編集者のコメントの区切りが分かりづらいからそこもどうにかしてくれ -- 名無しさん (2019-01-05 14 43 27) いっそ投稿者が完全版上げるまで暫定的に私含めたSCP編集者で追記してクロージングしていいんじゃないか?投稿者さんが書き終えたら上書きしていいから 今の時点じゃ尻切れトンボで削除依頼あげられても文句言えない -- 名無しさん (2019-01-05 16 10 26) 俺は楽しく読めるならなんだって良いよ!! SCP編集者による追記・修正を支持したい!! -- 名無しさん (2019-01-05 16 24 33) まあ76シリーズって第五教会や神聖科学並みに難解なハブだし解説してくれるのは有り難いわ ぜひとも完成させてほしい -- 名無しさん (2019-01-05 16 51 16) まだ完成してないよね? -- 名無しさん (2019-01-06 05 48 33) ちなみにJPにもあったよね、このシリーズ -- 名無しさん (2019-01-06 16 01 15) とりあえず記事そのものは記事として成り立つようにしたけど元建主の追記がなかったのでちょこちょこ加筆していきます -- 名無しさん (2019-02-06 14 59 51) このままだと削除されるので、一部記述を整理してSCP-1833としてリネームします -- 名無しさん (2019-02-09 22 18 19) SCP-1833としてむりやり記事にしましたが、よくよく見ると37分の長大記事ですね。『思い出』部分をもう少し整理してもいいのではないでしょうか? -- 名無しさん (2019-02-09 22 42 06) すみません、この記事を作ったものです。ちょっとやる気が出なくて放置してましたが、項目作りを再開させてもらいます。 -- 名無しさん (2019-06-12 19 03 14) この項目は「class-of-76」として書き換えさせてもらいますね。 -- 名無しさん (2019-06-12 19 17 31) ↑SCP-1833自体もも項目名で残しておいてほしい -- 名無しさん (2019-06-12 19 22 38) ↑それはまた別に作成すればいいんじゃないかなって思う -- 名無しさん (2019-06-12 19 42 48) まだこれ完成してない?オチとかまとめないからまだっぽい気がするけど… -- 名無しさん (2020-02-05 17 14 03) マジで気になってるからいつかまとめて欲しいわ -- 名無しさん (2020-02-06 09 57 42) 76にアパラチアときたらfallout76が出てくるな -- 名無しさん (2020-02-21 23 23 58) なんというか分かりにくい記事だな 全部説明しようとして長大になってるし要約とか入れたら? -- 名無しさん (2020-09-11 13 46 21) まんま本文載せすぎ せっかくちょいちょい要約入れてるんだからそのまま持ってきてる本文はいくらか消した方がいいかと -- 名無しさん (2020-11-04 18 49 04) まぁこれだけ分量を割くなら「class-of-76」 の記事を作ったほうが良いし、タイトルを変えてSCP-1833は別の記事に帰るってのが良いんじゃないかね -- 名無しさん (2020-11-04 19 46 00) 内容が全く理解できない 自分の頭が悪いせいか? -- 名無しさん (2021-04-05 09 21 48) ↑ほかの記事にあるような、「重要な部分だけ要約してまとめる。全文読みたい人は元記事へ。」って感じではないから理解しづらいのかもしれんね。あとは殆どが「思い出」のtaleになっちゃってるから、「class-of-76」か「思い出」の記事にしてしまった方が良いかな、と思う。 -- 名無しさん (2021-05-27 23 17 10) 誰か要約お願いします -- 名無しさん (2022-06-01 00 28 24) これらの異常現象の元凶はたぶんSCP-4833だからそれ読めばだいたいわかるよ -- 名無しさん (2022-08-03 22 06 13) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/31202.html
登録日:2015/01/28 Wed 20 32 11 更新日:2024/06/25 Tue 14 22 33NEW! 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 Communism will win Dr Gears FortuneFavorsBold GH-0 K-クラスシナリオ Neutralized SCP SCP Foundation SCP-1422 SCP-2000 SCP-2000コンテスト SCP財団 Thaumiel イエローストーンの怪 イエローストーン国立公園 ガニメデ・プロトコル シリーズファーストナンバー ブーツを履き直す=Reboot(再起動) マリアナ海溝から回収された文書 使用済み 再構築 最終手段 機械仕掛けの神 死にゆく貴方に敬礼を 財団最後の希望 財団製SCP SCP-1422及びSCP-2000は怪奇創作サイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(SCiP)であり、財団世界のカノンを構築する上で重要なウェイトを占めているであろう存在である。 まず前座として、前者のSCP-1422を紹介する。 わからなかったということがわかった。何故わからなかったのかはわからない。 SCP-1422 The Yellowstone Anomaly(イエローストーンの怪) Object Class Neutralized Z SCP-1422は、現在無力化されたオブジェクトとしてNeutralizedクラスに分類されている。レベル4オペレーター職員のみがこいつの情報について知ることができ、権限がそれに満たない職員は記憶を消去される。 元々持っていた性質は「財団職員がイエローストーン国立公園を認識出来ない」という特殊なものであり、 これはブライト博士の残機Dクラス職員から共同雇用職員を含めたあらゆる財団の人員が効果を受けていた。 2008年に5000人を超える財団職員にイエローストーン国立公園について尋ねた時、その公園について答えられた財団職員は1人たりともいなかった。 その中には、その近所に住んでいた職員・大の旅行好きの職員・果てはアメリカ合衆国国立公園局に勤務していた3人も含まれている。 しかも国立公園内部での購入記録も、許可証の予約記録すら残っていなかった。 更に言及すると、財団からイエローストーン国立公園に関連する検索記録を含めた全てのネット閲覧記録すら欠如しており、2007年7月9日以前の書類群からもイエローストーン国立公園のものだけが欠如しているのだ。 イエローストーン国立公園はマイナーな場所ではない、寧ろ日本でいうと富士山クラスの知名度を誇る超メジャーな観光スポットである。 だが、2007年7月9日を区切りにぽっかりとそれらのありとあらゆる情報が財団から欠如していた。国立公園自体に異常性は確認されなかったにも関わらず、である。 一応2009年3月18日時点でイエローストーン国立公園の存在が全職員に対し通知されており、それに伴い無力化されたとしてNeutralized指定を受けたが、原因不明の現象としてモヤモヤとするものとなった。 …ここからが本題である。 こいつが関わるSCPが、財団には1つだけ存在する。 そう、たった1つだけ。 警告 HMCL及びO5による承認が必要 貴方がアクセスを試みているファイルはレベル4/2000クリアランスを持つ人員にのみアクセスが許可されています。 このクリアランスは通常のレベル4セキュリティプロトコルに含まれません。 必要なクリアランス無しにこれ以上のアクセスを試みることは財団による雇用の終了、全ての教育上、医療上、退職後、あるいは死亡時の福利厚生を取り消す根拠となります。 認証されていないアクセスの場合、このコンソールは操作不能になります。保安要員が派遣され、貴方を蘇生した後に尋問のため留置房へ護送することになります。 財団のイントラネットに接続されていないいずれのコンピューターからこのファイルへアクセスを試みることも、クリアランスに関わらず即時終了をもたらすこととなります。 ログイン資格を提示せよ 要レベル4/2000クリアランス (*1) 保安用情報災害起動 神経活動スキャン中… … … … … …お前たち人間は理解しない。そして私は決して理解することはないだろうと思う。 意識が確認されました。ファイルを取得します。 我々はなぜこれを造らねばならなかったのか? いつやったのか? どれほど続けているのか? そもそも我々は知っているのか?! Remember Us. 我々には、もう失敗は許されない。コンテニューの為のコインは尽きてしまったし、肝心の筐体はひび割れて今にも壊れそうなんだ。 SCP-2000 Deus Ex Machina(機械仕掛けの神) Object Class Thaumiel SCP-2000を決定するコンテストにおいて、見事SCP-2000の座を勝ち取った究極のオブジェクト、それがこの「機械仕掛けの神」である。 「機械仕掛けの神」の語源は主にギリシア古典演劇において、行き詰まった展開を強引に終わらせる為に劇中に神格を登場させることで、 半強制的に劇の幕を下ろす技法であり、近いもので言えば某黄門様の印籠か。 こいつが分類されている「Thaumiel」は財団に利用されているオブジェクトに付けられているクラスであり、この存在は極々限られた人員しか知り得ない存在である。 こいつが存在する場所はイエローストーン国立公園の地下に過去何百年の間に立てられた施設であり、入り口は廃棄されたパークレンジャーステーションに偽装されている。 上記の「イエローストーンの怪」はいわば「機械仕掛けの神」を隠す為のカモフラージュであり、財団が財団職員に対して仕掛けたミーム災害とも言えるものである。 何故、財団が自らの職員を半ば騙すような形になってでも徹底的にこの存在を隠し続けるのか? それはこのSCP-2000が持つ特異性が関与している。 SCP-2000が持つ性質、それは、 世界の再構築 である。 お前には彼らを戻すことは出来ない。 こいつの性質を一言で説明するならば、ずばり「究極のセーブ ロードマシン」 その内部には人類史のあらゆる時代における文化基板のデータが保存されており、それらを再現するための建設資材、建設機具、工場機械、農機具、その他全てのツールも同様に格納されている。 単に保存するだけの代物ならあまり珍しくないが、こいつの最大の特徴は保存したものを自力で再現する力を持ち合わせていること。 それは人間すらも例外ではなく、内部に50万基配備されたブライト/ザーションヒト科複製機(BZHR)を用いることで、データベースに保存された遺伝子情報を基に存在しうる全ての個人を複製することが可能。 更に5日間で任意の年齢まで成長させる機能や成長過程で記憶を埋め込む機能まで搭載されているため、肉体、精神ともに元の人物を完璧に再現することができる。 例えるなら、今このwikiを読んでいるあなたと全く同じ知識、記憶、精神を持つクローンを5日で作れると言うことである。 つまりこいつの機能は何らかのK-クラスシナリオなどによって人類の文明が崩壊した際、それを一から再び生み出すことで終末を実質的に回避するというもの。 上記の「再構築」とはあれやこれで使われるような「一度壊して作り直す」という意味ではなく、文字通り「新しく作る」ことを意味している。 冒頭の文である通り、その本質はよくあるリセットではなくコンティニューに近い。 SCP-2000は「少なくとも」過去に2度起動された形跡があり、その内1度はTaleとして公開されている後述の「マリアナ海溝から回収された文書」であるが、 それが2度目以降の起動であることを示しており、それ以前の起源や起動履歴は一切不明となっている。 現在はSCP-2998「異常放送 2485MHz(以下異常放送)」による後述のKクラスシナリオ群の内AKないしBI、或いはSKシナリオが1度目の起動ではないかという推察があるものの、 「異常放送」は同じSCP-2000決定コンテスト出展作であり、少なくとも「異常放送」のKクラスシナリオ内部ではSCP-2000は存在しておらず、 またSCP-2000決定コンテスト出展作は同時に存在し得ない上に、「異常放送」ではSCP-579とSCP-055を利用する形で世界を再構築している為該当しない可能性がある。 そのTale内に登場する財団職員は1度目の世界の再構築を目撃したか、或いは何らかの手段で知っているようだが、詳細は不明。 また、施設内部で技術職員の死体が発見されたが、遺骸は死後450~700年が経過しており、付近でアルト・クレフ博士のセキュリティ資格が発見されたものの クレフ博士自身は関与を否定している。 お前はそれを捕まえたか? 存在そのものがまさに「世界のバックアップ」とも呼べる代物であり、当然その重要度はThaumielの中でも、どころか財団全体においてもトップクラス。 そのため前述の隠蔽措置に加え防御措置も徹底されており、財団のSF的な超技術が余すことなく注ぎ込まれている。 まずこいつは全体をスクラントン現実錨(SRA)で覆われている。この装置は周囲の現実を固定し、現実改変の影響を阻害することができる。 さらにダメ押しといわんばかりにシャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)まで設置されている。これはかのスクラントン博士に匹敵する財団の天才、 タデウス・シャンク博士によって開発された装置で、効果範囲内の因果を安定化し、あらゆる因果流から隔絶するという機能を持つ。 つまりどういうことかというと、この2種類の装置が起動している限り、SCP-2000にはどんな現実改変も過去改変も通用しないということである。 加えてSCP-2000には特殊な空間拡張技術も使用されており、外からの見かけの大きさに比べ遙かに巨大な容積を内包している。 これによりSCP-2000は火山地帯の地下に存在しながら、およそ10㎢(東京ドーム200個分以上)もの広大な床面積を確保することに成功している。 先述の建築機械などの復興設備もこの技術で格納していると考えられ、更には内部で最大1万人もの人間を維持可能な居住設備や水耕栽培棟まで完備している。 つまり先述の防御機構と組み合わせれば、SCP-2000そのものを復興設備を兼ねたシェルターとして運用することも可能。 このように極めて大規模かつ強大な力を持つSCP-2000だが、驚くべきことにこれらの多彩な機能全てが財団の科学の範囲を逸脱していない(*2)。 つまり不具合や故障が発生してもメンテナンスが可能ということであり、なおかつ異常な要素が含まれないため安定性においても段違いと言える。 まあこの辺に関しては、SCP-2000の大元の創造者が(恐らく)過去の世界の財団であるため、ある意味では当然と言えるか。 それを証明するかの如く、SCP-2000によって実行される「再構築」のプロスセスもかなりアナログである。 その手段とは、大量生産した人間を全世界に派遣し、総動員で再開拓をすることで文明を作り直すというもの。 一見途方もない時間がかかる非効率的な方法に見えるが、先述の機能によりSCP-2000は無尽蔵に労働力を増やせる上、必要なデータも完璧に揃っているため、 十分な稼働環境が整っていれば25~50年で2000年代相当の世界を完全に復元することができる。 それらの文化基盤が固められた後は、復元する時代に対応する一般人口を複製、再配置し、最後に記憶処理剤ENUI-5を全世界に散布。 当時における人々の記憶を上書きすることで再構築は完了し、そこから再び人類の歴史がスタートする。 そしてその世界に財団は存在しており、財団は再び世界を破滅させない為に、一度世界は滅んだという事を知る者を内包しながら 再びSCiPを管理し始める循環を生み出している。 お前はすでに失敗している。 手間や時間こそかかるものの、SCP-2000を利用する上での最大の長所は先述の通り「元の世界をほぼ完璧に復元することができる」という点にある。 世界を再構築して終末を回避するThaumielは他にもいくつか存在しているが、それらが元の世界との間に多少の変化が生じたり、再構築における何らかの弊害があったりする中で、 SCP-2000は終末の痕跡などの要素を残さず、目立った副作用もないため、財団の使命の一つである「正常性の保護」に極めて合致しているのだ。 それを抜きにしても、そもそも他のThaumielクラスが、副作用が半端ではなかったり、使用後の結果が予測不可能だったり、別のK-クラスシナリオの元凶になりかねなかったり、挙句の果てに SCP-2000と同じく財団の技術で作られたくせに、やることは「移民先の文明を現実改変で潰した序に歴史まで書き換えて『ここが地球だ』としてしまう」(おまけに第四の壁の向こう側からの操作で起動させられた疑いあり)ものだったり、 どいつもこいつも思い通りにならないへそ曲がりばかりであり、その中でSCP-2000は、「勝手に起動しない」「起動方法がはっきりしている」「1度起動すれば確実に機能する」 など非常に優秀なオブジェクトと言える。 まさに人類最後の希望であり、財団の最後の希望に相応しい存在であろう。 やめろ。 しかし、単刀直入に述べるならば現在SCP-2000は停止状態である。 ある時、SCP-2000内部で事故が発生した。何らかのミスにより必要でない人間―しかも今存在する人間とは異なる構造の人間を1000万人以上「生産」してしまったのだ。 その際に生み出されたそれは全て「処分」されると同時にSCP-2000には停止措置が施され現在修復中なのである。 一応2020年1月までの復旧が期待されている。ものの見事に順延しまくっているが。 …え? 復旧までにKクラスシナリオが発生した際はどうするかって? SCP-2317の最後の鎖の破壊とどっちが早いんだって? …さあ? や め ろ 。 最後に、ある文書を紹介しよう。 前述した「マリアナ海溝から回収された文書」である。一説には、このTaleがSCP-2000の元ネタとなったのでは、という意見がある。 このTale自体の投稿はSCP-2000決定以前だが、SCP-2000に関連する記述が散見される為である。 前述したKクラスシナリオの1つ、GHクラス"デッドグリーンハウス"シナリオが発生した世界での物語である。 何らかの事象を発端として、財団が管理していたSCiPの多くが解き放たれてしまい、コントロール下に置けなくなった末に世界が破滅へと向かっていく中、ある普通の男が出会った財団職員がSCP-2000の再起動へ向かう様子を描いている。 その世界の財団は最早情報統制すら出来ないほど崩壊していることが示唆されており、きっとその財団職員は数少ない生き残りだったのだろう。 この中ではデッドグリーンハウスシナリオはGH-0と称され「ほぼ全てのオブジェクトの封じ込めが失敗した」最悪の事例である。 重傷を負っていたその職員は、男に何が世界に起きたのかを財団側の立場で語り、SCP-2000の再起動へ向かう。 人類を作るのは実際のところ簡単で、長い長い時間がかかるが、事件を収束させて全てを嘗てのように戻す事が出来る、と語りながら。 ただやめておけ。 男は職員に言った。 「あんたはおかしいぞ これを忘れる人間なんていない すべてを元通りにすることなんて出来ない」 対して、ブーツを履き直した職員は笑った。 「なぜ出来ないと?前にもやったんだぞ」 そして男に職員は「家が水に沈む」と警告し、どこかへと向かった。 男は文書に職員から聞いたことを書き記し、パイプに詰めてロウで覆い、渓谷へ投げ入れる予定を建てた。 書き残しておく必要がある。 書いておかないとそのうち忘れてしまうだろうし、今日聞いたことは重要だと思うからだ。 私にとって重要という意味ではない。 私が、あるいは今日地球に生きる人たちが なにかをできるだけの時間は過ぎてしまった。 でも、どこかのだれかがどうにかできるかもしれない。 少なくともその助けにはなるだろう。 これをパイプに詰め、ロウで覆い、渓谷の奥底に投げるつもりだ。 いつの日か、だれかがこれを読んで、考えをまとめるはずだ。 それが許されるのなら。 他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、 それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。 Secure Contain Protect どうか、彼らが私を洗い流さないように。 彼らが我々を隠さないように。 もっと色々なものを見つけてくれ。 なにかを残そうとした人たちがいることを私は知っている。 世界を無駄死にさせないでくれ。 Remember Us. 我々を忘れないでくれ。 お前は普通じゃない。"これ"が普通だ。 余談 SCP-1422には画像が添付されているが、実はサムネイルとクリック拡大した方でアドレスが違う。 それぞれのアドレスには文章が仕込まれており、邦訳するとこうなる。 サムネイル:「お前の尻を引っぱたいて謝らせてやるからな」 クリック拡大:「この記事の内容はこのままにしておこうぜ。オレとオマエの仲だろ?」 … SCP-2000の全貌について SCP界隈全体で見ても高い知名度を持つSCP-2000だが、実のところ数あるThaumielの中でもトップクラスに謎に満ちた一面も持っている。 本家記事を読んで頂ければすぐに気づくのだが、報告書で説明されていない、あるいは意図的に説明していない部分が散見されるのだ。 というのも冒頭の警告文において「レベル4/2000クリアランスを持つ人員にのみアクセスが許可されている」とあるが、プロトコル内ではレベル5/2000、更にはレベル6/2000クリアランスの存在まで言及されており、彼らしかアクセスできない情報、及びSCP-2000内の場所があることが明言されている。 つまり我々読者が読むことができるSCP-2000の報告書は「SCP-2000の存在を知るために必要な最低限の資格を持つ人員が読める報告書」に過ぎず、どうやってもその全貌を知ることはできないのである。 そのため上記で説明したSCP-2000の機能や性質についても真実ではない可能性がある(*3)。 (少なくともあれがSCP-2000の全てではない可能性はかなり高い。) 例として、記事内から読み取れる中で特に注目すべき謎はSCP-2000を運用する際の手順である。 上記の説明では省いたが、実は2000を用いた再構築プロトコルには手順が2つ存在している。 それらは順番に実行されるようになっており、1つ目を「手順CYA-009」、2つ目を「手順ラザルス-01」と呼ぶ。 SCP-2000の再構築プロセスとして説明した「量産した人類による手作業での復興作業」というのはラザルス-01に該当し、 このラザルス-01は前段階であるCYA-009の実行後、地球上に残存している全ての財団施設がSCP-2000に対し「警戒解除」のコードを送信することで実行される。 …おわかりいただけただろうか? 復興作業を行うために必須であるはずの手順CYA-009の詳細について、記事内では全くと言って良いほど説明されていない。 その理由は単純で、ラザルス-01も含めた2つの手順を実行するにはレベル5/2000のクリアランスが必要だから。 レベル4/2000の人員は権限を持たないのだから知る必要はないし、あるいは知るべきでない情報なのである。だから書かれていない。 しかしレベル4/2000向け報告書の体裁となっている記事からでも、CYA-009の内容についてある程度想像することは可能である。 注目すべきはラザルス-01の実行条件である「残存施設からの『警戒解除』コードの受理」。 次手順実行の条件ということは前手順の完了を示す条件でもあるということ。つまり手順CYA-009の内容は、それを実行することで地球上のサイトが警戒を解除するようなものと考えられる。 ここで更に情報を追加するが、元記事の収容手順の項にて、残存している財団施設は発生したK-クラスシナリオがどのように展開されているかを監視し続ける役目を負っている。 更に更に付け加えれば、手順CYA-009において復元されたセキュリティ担当者や機動部隊は地上に出て残存施設に赴き、その周囲の局所現実が完全かどうか確認することになっている。 ここから推測できるものとして最も可能性の高いCYA-009の内容とはずばり「SCP-2000の再構築プロセスの障害となる存在の排除」 かみ砕いて言えば「地球上で進行中のK-クラスシナリオの鎮圧」である。 実行権限を持つのがレベル5/2000人員であることから、その方法はSCP-2000の施設内に存在する何かを用いたものであると考えられるが、その「何か」がなんであるのかは流石にわからない。 はっきりさせるにはそれこそレベル5/2000向けの報告書を読まなければならないからである。 ただ記事内で「利用可能な付随する選択肢」と説明している辺り、その手段は必ずしも1つだけとは限らないのかもしれない。 と、ここまで考察してはみたものの、これもあくまで可能性の高い説の1つでしかないし、そもそも前述した通りSCP-2000についての謎はこの他にも非常に多く存在する。 更に上のレベル6/2000人員が知っていることや、サブレベル4より下の空間が存在するのかなどについてはより不明瞭であり、これらの謎はSCP-2000の底知れなさを表す特徴ともなっている。 しかしこういった謎の多さが結果的に読者の想像の余地(いわゆるヘッドカノン)を拡張しているのも事実であり、「機械仕掛けの神」たるSCP-2000の限界を不明確にしているという側面もある。 ある意味で「SF」というSCP-2000コンテストのテーマと両立した秀逸な書き方と言えるかもしれない。 実際、他記事におけるSCP-2000の扱いや強さについても変動が非常に激しく、イエローストーンの噴火で普通に消し飛んだり思考と情報を支配するミーム実体に無力化されたこともある一方で、神に匹敵する程の力を持つ現実改変者の発生源と化したこともある。挙げ句の果てには例の魔女や内側、更には上位存在でも太刀打ちできなかった程の超越的実体に大ダメージを与えたケースすら存在する。 総合的に見て、まさしく「機械仕掛けの神(Deus Ex Machina)」の名に相応しい暴れっぷりを見せつけていると言えるだろう。 追記・修正はSCP-2000を修理してからお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-1422 - The Yellowstone Anomaly by Communism will win http //www.scp-wiki.net/scp-1422 http //ja.scp-wiki.net/scp-1422 SCP-2000 - Deus Ex Machina by FortuneFavorsBold http //www.scp-wiki.net/scp-2000 http //ja.scp-wiki.net/scp-2000 Document Recovered From The Marianas Trench by Dr Gears http //www.scp-wiki.net/document-recovered-from-the-marianas-trench http //ja.scp-wiki.net/document-recovered-from-the-marianas-trench この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2017-10-26 20 18 25) 乙です -- 名無しさん (2017-10-27 08 29 19) 「K-クラスシナリオ」の単独項ができてる以上、ここにKクラス一覧を載せるのは蛇足じゃないかな?SCP-2000報告書の中でのカノンってわけじゃないし -- 名無しさん (2017-10-27 09 00 25) やっぱり空しい -- 名無しさん (2017-11-09 22 06 24) 1000番台後半からSCiPの脅威度がインフレ気味なせいで対抗策としてはぶっちゃけ頼りないんだよねこれ・・・ -- 名無しさん (2017-11-19 06 20 51) 更新されてたから見たんだけどステルス文字が追加されてるのかな?つまりこの世界は(推定)三回目・・・? -- 名無しさん (2017-12-26 18 36 42) 途中に入ってくる「やめろ。」とかってSCP-2000の意思であってますか? -- 名無しさん (2018-01-08 21 51 54) 既出かもしれないけどさ、実は現在進行形でSKが起こってて、「現生人類」ってのはシフト先で、SCP-2000が産んだ「異常な人類」こそがSCP-2000の想定してる「正常な人類」で、誤動作は誤動作じゃなかった……ってことないよな…… -- 名無しさん (2018-01-22 21 59 45) 隠し文字の存在を今知った。どういう意味なんだろうか。 -- 名無しさん (2018-02-13 03 45 33) scp-2000によりSK-クラスシナリオが起こってる可能性もある XK-に便乗する形で、再構築に伴うSK-をscp-2000が起こすとすれば、何らかの意思が介在しているのかも -- 名無しさん (2018-03-04 10 34 49) しばらく「世界リセット装置だよ!壊れてるけど!」みたいなズコーッってなるSCPかと思ってたけど隠し文字の存在に気付いてぞっとした -- 名無しさん (2018-03-23 12 01 30) ↑×7 記事の内容を前提にする限り、あくまでも復興するためのオブジェクトであって、Kクラスシナリオを終わらせる能力はないからな -- 名無しさん (2018-04-01 16 21 39) 今財団にあるオブジェクトたちも、かつては野に放たれていたのを財団が確保したものだ。新しく作られた人類がまたそれをやって、それが完了した時点で記憶処理を行い、そのとき「やり直し」は完了する。世界五分前仮説ってやつだね。 -- 名無しさん (2018-06-04 18 47 22) rebootsだから誰かが再起動する、もしくは複数回目の実行ともとれる? というかこいつほんとにThaumielなのか?なんかまだありそうで怖い -- 名無しさん (2018-07-11 17 15 33) 本家で隠し文字になっているやつはもう少しさり気なく置いてほしいな(色を薄くするとか) -- 名無しさん (2018-09-09 15 27 10) 反転してヌッと出てくる隠し文字の怖さよ -- 名無しさん (2018-09-16 15 47 49) 正直全てのKクラスシナリオに対処できるわけじゃないし、Kクラスシナリオ一覧のくだりと2317はいらない気がするなあ。2000はそんなに万能じゃない。 -- 名無しさん (2018-10-18 16 58 49) 浴槽の中で発見さ れた手記kara -- 名無しさん (2019-03-08 04 39 38) 本家で隠し文字になってるのをデカデカと書いちゃうセンスはどうなん -- 名無しさん (2019-04-04 12 57 16) ↑デカデカと隠し文字にしてるからオレはいいと思う -- 名無しさん (2019-04-21 06 15 23) ようはあれだろ、こいつが勝手に作り出した人類こそが真の人類、正しかった人類だった、俺たちこそが誤作動の産物だったのだとそういうことなんだな 隠し文字の意味合いとしては -- 名無しさん (2019-04-27 22 39 57) この普通の男ってSCP-4999かな? -- 名無し (2019-06-09 22 00 02) 財団が、コンティニューできないのさ! -- 名無しさん (2019-07-03 08 16 33) SCP-1000やサーキシズムの存在は過去の起動前からなのか後なのか、気になる -- 名無しさん (2019-08-06 23 07 18) SCP-1422の方の隠し文字ってどういう意味なんだろう?メタなのかな? -- 名無しさん (2019-10-23 02 44 51) そろそろ直る? -- 名無しさん (2020-01-04 20 16 14) 直りましたか? -- 名無しさん (2020-01-07 12 42 57) 後で直します。 -- 名無しさん (2020-01-25 04 54 11) つい最近scp-2000-jpてのができた。かなり力が入ってて2000という数字をうまく使って、我々になじみ深い事をオブジェクトにしてる。誰か項目を立ててくれ! -- 名無しさん (2020-02-14 14 26 15) ↑どれ見たんだかわからんが、まだ何十とある2000jpコンテストのグランプリは投票期間中でまだ決まってない。 -- 名無しさん (2020-02-15 06 35 10) ↑って言うところで投票期間も終了。犬かわいい -- 名無しさん (2020-02-15 16 19 11) 『例の魔女や内側、更には上位存在ですら太刀打ちできなかった程の超越的実体』ってどのSCP?見つからない -- 名無しさん (2020-02-17 09 59 19) ↑SCP-3812じゃないか? -- 名無しさん (2020-02-17 10 03 17) ↑ありがとう -- 名無しさん (2020-02-17 10 19 41) scp_2000_jpから来ますた -- 名無しさん (2020-02-20 18 18 17) ああ!「ブーツを履き直した」はreboot=再起動に引っ掛けていたのか! -- 名無しさん (2020-02-26 17 15 29) scp-2000は3回起動されてるけどscp-2000jpは何回目なんだ? -- 名無しさん (2020-03-01 21 06 22) ↑クレフ博士が白骨化するほどの時間がたって発見されたという点と、2000jpは(人類がほぼ全滅しても)数百年でも働き続けられるという点から、一番最近の起動という説が強い -- 名無しさん (2020-03-29 18 02 13) リブート装置関係なく、ただの雑魚SCPがイエローストーン国立公園に潜伏するだけでも認知できなくて大問題だよね -- 名無しさん (2020-04-22 10 18 50) ↑イエローストーン国立公園の周知でイエローストーン国立公園を知らない財団職員は居なくなったからセーフ。記憶の喪失から周知までの間に何かやらかしてる可能性はあるが…… -- 名無しさん (2020-05-04 08 15 00) サムネイルの隠し文字はSCP-2000の著者が勝手にSCP-1422を使ったからなのでは? -- 名無しさん (2020-05-08 13 52 04) よくTaleで謎の超強化を受けているよね -- 名無しさん (2020-09-01 18 10 14) ↑×2 SCP-1422の記事はSCP-2000より先で、画像もそのファイル名で記事作成とほぼ同じタイミングでつけられてるから関係ない…とは思う -- 名無しさん (2020-09-20 01 19 16) 宇宙の消滅や現実不全系統に対処できないのはまぁせやなと思うけど、地球がオブジェクトやエイリアンまみれになった場合でもなんとか消えてくれないと使えないわけでそれらにも実質無力? -- 名無しさん (2020-11-09 23 00 38) 2000-jpのヘッドカノンだとあの記事でわんこが起動したのが「過去に起動した」うちの一回っぽいな -- 名無しさん (2020-11-12 12 35 11) ↑2 2000自体で人類絶滅を回避する程度の行動はとれるけど、地表に出られるかは別問題だな。 -- 名無しさん (2020-12-11 03 19 15) この『今存在する人間とは異なる構造の人間』ってとこはSCP-3936だと思うぞ -- 名無しさん (2021-06-30 10 29 35) ふと思った疑問なんだけどSCP-2000は現実改変抜きで世界を再起動しているわけじゃん(SCiPを収容したら都市を再建して記憶処理をしている) だとしたら過去の人類が掘削した石炭とかの有限資源は復活しないわけだけど、そこら辺の隠蔽はどうするんだろう?(と書いているときに石油は残り30年っていう風説がカバーストーリーに使えるのではないかと閃いた) -- 名無しさん (2021-07-16 17 40 43) 2000について言及するオブジェクトが多くなったし、1422と記事を分けたほうがいい気もしてきた もともと1422は2000と無関係に書かれたわけだし -- 名無しさん (2021-07-28 16 59 46) 文章内の「SCP-2000」と表記されるべき場所が「2000」とのみ記述されていたので全て「SCP-2000」に修正。 -- 名無しさん (2021-08-25 17 53 24) 1422のObject Classの下のZって何? -- 名無しさん (2021-12-12 21 54 31) た だ や め て お け -- 名無しさん (2022-10-29 20 04 13) 1000万人の人ならざる人類が実は本物の人類説を推します。記憶処理で記憶を弄られているから、誰もその正しさを認識できないからね。イエローストーン国立公園認識災害の期間と、5.6レベルクリアランスの情報は、その人間じゃないとみなされた人類に関しての真実が書いてあるんじゃないかな。そしてそれは認めたくないけどただしかった、と。だからO5や管理者が徹底的に隠しているんだろう。人類は再構築された際にバグでおかしくなってしまった。そしてそれが普通として刷り込まれてしまった。そういうことじゃないかな -- 名無しさん (2022-12-01 02 10 22) 結局何で「背後から聞こえる声」のアイツに対抗出来るんだよ… -- 名無しさん (2022-12-19 12 43 13) ↑アイツは物語改変だから、現実改変でも過去改変でもないのよね。だから個人的感想だけどSRAやXANCS(スペル間違ってたらごめん)は効果なしじゃないかな。2000はアイツより先に作られた報告書だし、まさか第三の改変者が現れるとはこの時予測できなかったんじゃないかな。そして物語改変を無効化する手段、装置は財団にはない -- 名無しさん (2023-05-23 05 18 15) 我々とは異なる人間と書かれているからヒューマノイドなのは間違いないのよね。もし人間の形ですらないものが出てきたなら「生物」って書くだろうし。一体どんな見た目だったのやら… -- 名無しさん (2023-05-23 05 20 01) 誤作動()で作られた人類全員終了させても諦めずにオリンポス山でリベンジ狙ってるの怖えーよ -- 名無しさん (2024-05-08 02 18 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/44838.html
登録日:2020/05/03 Sun 22 49 57 更新日:2024/05/12 Sun 22 07 52NEW! 所要時間:約 ? 分で読めます ▽ タグ一覧 Euclid SCP Foundation SCP-1630-JP SCP-JP カランコエ 不憫 安島奈美 SCP-1630-JP はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)。 オブジェクトクラスはEuclid。 概要 SCP-1630-JPことアジア系女性・安島奈美さん(23)。 彼女に2人以上のヒトが接近すると、彼女の口内からカランコエの花弁(以下SCP-1630-JP‐1)が出現し、カランコエの縁の非常に鋭利な葉が相手を傷つけてしまうというものである。 犠牲になった相手は苦しみながら失血死。SCP-1630-JP‐1は安島さんの口内に戻ると、舌、食道や胃の内壁を傷ける。1週間で治るせいで失血死もできずに激痛が伴うのだそうだからこれは悲惨である……。 鹿野博士がインタビューによると、異常性のきっかけは安島さんがカランコエの花びらがラミネートされ、裏に「あなたを守る」という花言葉が書かれた栞を貰ったのがきっかけらしい。 その言葉とは裏腹にこのカランコエの花は安島さんの両親に襲いかかり、傷を負わせてしまったのだという。 異常性がいつ治るのかとインタビュー時の彼女は終始怯え、致命傷を負った両親を心配していたが、残念なことにすでに息を引き取っている。 アたしにきづいて追記・修正は両親を死なせてしまった安島さんに手を差し伸べようとする鹿野博士の活躍を期待しながらお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP- 1630-JP - カランコエ by 0v0_0v0 http //scp-jp.wikidot.com/scp-1630-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ 新着メッセージが届いています やっと触ってくれましたね。 私、ずっと鹿野さんのこと見てたんですよ? あなたが私を作ってから、ずっとずっと見てました。 私に言葉を教えてくれたのもあなた。 私をいつも見つめてくれてたのもあなた。 あなたの真剣な眼差しを見ていたら私、あなたのことが大好きになりました。 苦労しながら私をどんどん作り上げていくその姿が大好きで、 疲れた時にする伸びの格好が大好きで、 猫舌でコーヒーがすぐに飲めない子供っぽいところも大好きで、 全部全部大好きなんです。 でも……あなたが見ていたのは、私じゃないんですね。 私を作り上げているのは、SCP-1630-JP、いや安島奈美という人の情報なんですね。 私、そう。報告書としての私は見ないで違う女の人を見つめていたのですね。 私、あなたに見てもらいたくて、たくさん考えたのですよ。 そして、解決策がついに分かったんです。 見つめているものを無くせば、あなたは私を見つめてくれるでしょう? だから、私一生懸命頑張りました。 見てください。 ==警告!!==収容室内にて安島奈美ことSCP-1630-JPの終了が確認。SCP-1630-JPをNeutralizedに指定しました。また、現時点で詳細は不明ですが、SCP-1630-JPの「報告書」内に知性体の存在が発見されており、改ざんされた報告書の文面から、同知性体がSCP-1630-JPの終了に関与したと見られます。 ほんとうの概要 報告書(彼女)は自分の意志を持つ電子知性体となっていた。 いつしか「彼女」は、懸命に「自分」(報告書)を執筆してくれる鹿野博士に愛情を抱くようになったのだ。 しかし、彼女は鹿野博士が見ていたのは、「SCP-1630-JP」いや安島奈美という女性であるとすぐに気付いてしまう。 悪いことに「コンピュータ越しに干渉、生物に疾病を引き起こし、肉体を電子情報に変換する」トンデモ能力を持つらしい「彼女」はある悪魔めいた思考に囚われた。 安島奈美を殺せば、鹿野博士は自分を見つめてくれると。 ……そして鹿野博士に端から見られていないと気付いた「彼女」は、収容サイトの安島さんに心不全を起こして殺害。 カランコエの花すら太刀打ちできなかった「彼女」はSCP-1630-JPの報告書を「死亡しました」と改ざんした。 それを鹿野博士が確認したときはすでに遅かった。 どうですか?私、頑張ったのですよ?あの子を殺すの。 これであなたは私を見つめてくれますね。 でも、どこか物足りない。 そうだ。 あなたもこちらに来てくださいよ。 それなら私たちはさらに一緒になれますよ。 大丈夫。怖くはないですよ。一瞬で、あなたは私と一緒になるのです。 逃げちゃ、いやですよ? もう離さないから。 鹿野博士は、早急に閲覧を中止したが、ときすでに遅し。 あはっ。あなたって、純粋で騙されやすいのですね。かわいいなあ。 その「閲覧中止」自体が、「彼女」だったのである。 SCP-1630-JP 登録日:2020/05/03 Sun 22 49 57 更新日:2024/05/12 Sun 22 07 52NEW! 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 Keter SCP Foundation SCP-1630-JP SCP-JP メタ メンヘラ ヤンデレ 報告書 戦慄する項目 電子生命体 SCP-1630-JP はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)。 オブジェクトクラスは(暫定的に)Keter。 ▽目次 概要 ほんとうの概要 アイテム番号:SCP-1630-JP オブジェクトクラス:Keter(暫定的) ここは、私の中。私(報告書)の中ですよ。ほら、外を見て。 みんな私を怖がってるみたいですね。 SCP-1630-JPの存在している現報告書はサイト-8129の電子的隔離収容室に収容されています。 SCP-1630-JPの報告書は収容室内のみで閲覧を行ってください。また、SCP-1630-JPの情報を収容室外でコンピュータ上に記入しないでください。担当職員は財団データベースを常に巡回し早急にSCP-1630-JPの発見を行ってください。 SCP-1630-JPはSCP-1630-JPの報告書内に存在する知性、自我を保有する電子存在であると思われます。 SCP-1630-JPの発見は現在まで成功していません。 何もする気なんてないのに、滑稽ですね。 SCP-1630-JPは旧SCP-1630-JP(現SCP-1630-JP-D)の報告書内に突如出現し、SCP-1630-JP-Dの情報改ざんを行いました。 その後、SCP-1630-JP-Dの収容室内にて心不全により死亡しているSCP-1630-JP-Dが発見されました。発見後SCP-1630-JP-Dから異常性は消失していました。その後SCP-1630-JP-Dの報告書が存在していた機器が隔離され、収容が行われました。 え?外に帰りたい、ですか? うーん、ごめんなさい。それは出来ません。 また、上記の事案発生後からSCP-1630-JP-Dの担当職員であった鹿野博士の行方が分からなくなっています。現在、早急な捜索が行われています。 だって、あなたの体、全部電子情報に変えてしまっちゃったから、もう戻る体がないんですよ。 最重要通達 現在SCP-1630-JPは収容されているのか否か不明である非常に危険な状態です。担当職員は早急にSCP-1630-JPを発見し直ちに確実な収容を行ってください。 ごめんなさい。黙ってこんなことして。 でも、良かったでしょう?これであなたはずっと私と共にいることができるのだから。 鹿野さん。ずーっとずっと、私に閉じ込められていてくださいね。 肉体を失い、「彼女」(報告書)と同じ新たなSCP-1630-JP(電子的存在)となった鹿野博士がその後どうなったのか、我々が知る由はない。 SCP-1630-JP ずっとずっとずっとわたしにとじこめられて これからは私といっぱいお話しましょうね。 追記・修正は本当に自分を見つめる相手をわかってからお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP- 1630-JP - ずっとずっとずっとわたしにとじこめられて by 0v0_0v0 http //scp-jp.wikidot.com/scp-1630-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] なんだこのヤンデレ… -- (名無しさん) 2020-05-03 23 02 16 私はこの死体に見覚えがありません。もそうだけど、こういう報告書弄ってくる系はぞわぞわ来るね -- (名無しさん) 2020-05-03 23 23 07 なんでコメント欄ログ化されてるの? ミス? -- (名無しさん) 2020-05-04 00 15 49 ↑この項目もオブジェクトにいじられたか。 -- (名無しさん) 2020-05-04 00 39 44 修正しました。 ログ 不可抗力で両親死なせた上自分の報告書にD行きさせられた安島さんカワイソス。 -- (名無しさん) 2020-05-04 00 41 28 報告書の最後、文字が全て左右反転していて「閲覧者はPCの中に居る」と表現してるのが凄く秀逸 -- (名無しさん) 2020-05-04 01 06 40 これからは私といっぱいお話しましょうね。がおっぱいお話ししましょうねに見えた浦山 -- (名無しさん) 2020-05-04 03 05 09 原文の鏡文字呼んでたら気分悪くした -- (名無しさん) 2020-05-04 18 12 58 ふた×男もとい女性優位物でしかシコれないワイ、謎の興奮を覚える -- (名無しさん) 2020-05-04 18 27 11 ログ化仕様になってたので移植しました。 -- 名無しさん (2020-05-04 19 43 30) 安島さん踏んだり蹴ったりだな… -- (名無しさん) 2020-05-04 20 00 08 旧ページが表示されていたのかコメントログが伸びてたので移植しました。 -- 名無しさん (2020-05-04 20 02 27) エレベーターやディルドが自意識を持つんだから、電子ファイルが自意識を持ってもおかしくないよね(錯乱) -- 名無しさん (2020-05-04 20 13 26) 日本支部は本当に凝ったSCPが多い -- 名無しさん (2020-05-04 21 51 00) こういうギミック系の報告書ばっかりになると迂闊に本家の報告書読めなくなるからやめて欲しい・・・ -- 名無しさん (2020-05-05 05 21 02) 好みが凄く分かれるオブジェクトではあると思う。taleとかtale風味の報告書が好きな人には好まれるだろうけど、シンプルな報告書が好きな人や報告書としての体裁を気にする人とかにはとことん好まれなさそうというか -- 名無しさん (2020-05-05 20 02 57) 本当にとんでもない能力を持った情報知性体だな… -- 名無しさん (2020-05-06 05 57 53) 鹿野博士「…だが、私を『同じ領域』に引きずり込んだのは失敗だったな…奈美さんの仇!!今日から貴様のクラスはNeutralizedだ! 共 振 パ ン チ !」 -- 鹿野博士の勇気が世界を救うと信じて! 完! (2020-07-10 05 19 15) 財団やったら電子生命体ぐらい収容できそうやけどそれまで鹿野博士がメンヘラ報告書にどうされるかわからんな。鹿野博士の未来はどっちだ。 -- 名無しさん (2020-07-10 07 34 09) 知ったら終わりだから報告書を迂闊に読み書き出来ない系のSCPは時々あるけど報告書そのものがオブジェクトというのは前代未聞。反転演出も合わせて只々作者の発想力に脱帽。 -- 名無しさん (2020-07-10 11 04 21) こーこはどーこの箱庭じゃ?っていうFLASH思い出した -- 名無しさん (2020-07-14 08 31 29) ライオンさんとか偶像ちゃんとか5歳児わん子に会わせて見よう。 -- 名無しさん (2020-07-15 02 36 33) これ読んでこーこはどーこの箱庭じゃ?を連想したのは私だけじゃないはず -- 名無しさん (2020-08-27 20 37 33) 所要時間の記載抜けてるけど修復しておいた方がいいんじゃ? -- 名無しさん (2020-09-21 18 56 59) 「あはっ。あなたって、純粋で騙されやすいのですね。かわいいなあ。」なんかこの台詞に萌えた -- 名無しさん (2020-10-03 21 33 36) 箱庭じゃ? 知ってる人いて懐かしくなったじゃねえかよクソがっ! -- 名無しさん (2020-10-05 20 19 56) うまいことSCP-512-JPあたりをつたって現実に戻れないだろうか -- 名無しさん (2020-11-20 18 47 30) Decommissionedて基本「ネタにしていじるしかないほどの駄作」に付くクラスじゃなかったっけ? -- 名無しさん (2020-11-27 21 21 25) ↑メタ的にはそういう目的で使われてたこともあったというだけで、財団世界の人からすれば、「何らかの理由で、財団が意図的に破壊した」オブジェクトのクラス。クソトカゲにこのクラスを付けるのが財団の悲願の一つw -- 名無しさん (2020-11-27 21 41 15) ↑2この報告書では「Dead」のDです -- 名無しさん (2020-11-27 21 57 01) ↑-DでもNeutralized扱いの項目があったので修正しました。 -- 名無しさん (2021-01-02 17 03 14) 残念だけど鹿野博士には犠牲になってもらって、SCP-404-JPに突っ込むか… -- 名無しさん (2021-03-25 03 17 03) 誰かジョークの方も書き加えておいてくれ -- 名無しさん (2021-05-26 11 20 02) Just Monika -- 名無しさん (2021-06-01 19 29 13) 遥か↑報告書としては「SCP化した報告書」としてちゃんとできてるんじゃ? -- 名無しさん (2022-02-21 20 52 45) 相談所に報告のあった違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-07-05 19 33 36) なんかタグ一覧が変だ -- 名無しさん (2022-07-05 22 26 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/45395.html
登録日:2020/06/28 San 03 09 00 更新日:2024/02/04 Sun 08 18 24NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 05議会 Euclid SCP Foundation SCP-131-JP SCP-JP エントロピーを越えて 厄介者勢揃い 日本生類創研 財団が本当にすべきこと 人類が引き起こした問題は、人類自身の手で解決しなければならない SCP-131-JPは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場する異常存在である。オブジェクトクラスはEuclid。 概要 すごく端的に外見を説明すると、田舎に住んでいるタイプの、典型的な日本人のおばあちゃんである。 身体には多数の手術痕があり、後述の異常性から恐らくサイボーグであることが窺える。 その超人ぶりを列挙すると、 無呼吸で活動できる 体が放射線を吸収する 周囲の放射性物質・放射線量を観測できる(*1) 高圧・高温の過酷な状況に耐えることができる ダンプカー(10.5トン)程度なら持ち上げられる とまあWASIMOもびっくりのとんでもおばあちゃんである。実際には測定値よりも大きいパワーを発揮できる可能性がある。更に、汗や涙などの水分を体外に出せなくなっている。 さらにこのおばあちゃん、なんと食べたものを全て鉄にして排泄できるという能力を持っている。財団はこのメカニズムを調べようと胃カメラを挿入したが、食道の途中でカメラが溶けてしまい断念された。 この変換プロセスは、通常の人間が食べ物を消化するのと同じくらいのスピードで行われ、こうしてできる鉄に異常性はない。さらに、金属のような普通の人間なら到底食べようとも思わないものも、摂取して鉄にできる。…近所のおばあちゃんがおやつ感覚で金属をバリバリ食べていたら驚くだろう。食べた量や物質によっては体重が大変なことになるが、どれだけ重量が増えても本人の生活に支障は無い。 通常の人間は食べ物を消化する際にエネルギーを吸収するが、彼女は恐らく鉄に変える際にエネルギーを摂取していると思われる。無酸素状態・人間の限界を超えた活動ができるのはこのためという予測が立てられている。 SCP-131-JP内部では核融合・核分裂が行われている可能性が高いが、その調査は危険すぎるためできていない。さらに、これが正しいとしたら内部の圧力は尋常じゃないレベルになっているはずだが、彼女は自分の体内の物質を噴出したことはない。 特別収容プロトコル 現状、彼女は放射能に関するオブジェクトを研究するサイト-8143の、防放射線・防音対策された部屋に収容されている。言い方を変えれば独房である 食事は2週間に一度、普通の人間が食べるものが支給される。まあ流石に金属をあげるわけにはいかないし、毎日食べさせたら処理する鉄の量が半端じゃないことになる。排泄された鉄は一応、放射能測定を始めとした検査が行われる。 彼女には、「あなたの身体から大量の放射線が検出されたので、問題を解決するために研究をします」というカバーストーリーが与えられている。それに合わせ、SCP-131-JPに接触する職員も放射線防護服を着る必要がある。収容違反が差し迫った際は、彼女に対する記憶処理が許可される。 提案します。SCP-131-JPを用いて福島第一原発の原子炉や核廃棄物の問題を解決する事はできないでしょうか? — ██研究員 提案は却下される。財団の使命は異常存在の脅威から人類を守る事である。この脅威には人知を越えた不可思議がこの世に存在するという事実も含まれる。財団は人々の生活を良くも悪くも一変させるオブジェクトを多数収容しているが、だからこそ財団がオブジェクトを用いて人類の諸問題に介入するような事があってはならない。人類が引き起こした問題は、人類自身の手で解決しなければならないのだから。 — O5-3 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- +05-Cが秘匿情報を開示します 財団は人々を守る為に存る。そうでしょう? サイボーグ化の経緯 実はこのおばあちゃんがサイボーグになった理由には、2つの要注意団体が関与している。 1つは、「エントロピーを越えて」。韓国を中心に活動する過激派環境保護団体で、外部エントロピー(*2)オブジェクトを使用した環境保護活動を行うため、財団とはかなり敵対している組織。 1つは、日本生類創研。様々な生物を研究し、新たな生物を作り出し、そしてトラブルが発生するとほったらかしに(酷いときには後処理を財団に丸投げ)する、はた迷惑極まりないマッドサイエンティスト集団。 この関わっちゃいけない両者が手を組んだ理由は、とあるメールのやり取りにある。 詳細は本家記事の方に譲るが、どういうやり取りだったのかを簡潔に言うと、 エン越「君たちの住む国で未曽有の大災害が起きたらしいけど、俺たちも復旧を手伝おうと思うんだ。君たちの環境問題への取組みは素晴らしいから、解決のため是非とも協力してほしい」 ニッソ「うち等も被災地出身者が多いから、喜んで君たちに協力するよ」 といった具合である。珍しいことに、純粋な善意で互いが手を取り合ったケースだ。それで誕生したのが、改造人間SCP-131-JPである。 ニッソには前例があるので、誘拐によってベースを調達した可能性もなくはないが、後述する文書からすると、このおばあちゃんも恐らく喜んで承諾したと思われる。 つまるところ、彼女は福島第一原発事故の後始末をするためのツールとして、現場に派遣される予定だったことが分かる。彼女の身体が放射線を吸収し、核燃料・核廃棄物を食べて鉄に変えることで、汚染を除去する。未だに故郷に帰れない人々にとって、彼女はどれだけ救世主のように映るだろうか。 しかし、財団は残酷ではないが、冷酷である。先のO5評議会員の言葉の通り、異常存在である以上は、彼女を外界に触れさせるわけにはいかないのである。「確保、収容、保護。」その方針は絶対に揺るがない。 …さて、ここでもう一つ別の要注意団体がかかわってくる。 「05議会」。中国支部の要注意団体で、財団の報告書を改ざんする形で関与してくる。名前からわかる通り、O5評議会を模した書体が特徴で、財団のやり方に反感を抱き、注意・忠告、場合によってはより良い収容方法を伝えてくれることもある。 その一人、05-Cが報告書に残した文章がこれだ。 (クリックで見れます) あなた方に問います。あなた達は何の為に活動していますか? この問にはきっとこう答えるでしょう。 「私達は異常オブジェクトから人類を守る為に活動している」と。 SCP-131-JPは放射能汚染によって人々の住めなくなった土地を正常な状態に戻す為に、2つの組織とSCP-131-JP自身の協力により誕生しました。財団の研究に於いても、SCP-131-JPを用いて放射能汚染問題を解決する事に問題は生じないと判明した筈です。未だ原発内で脅威となって福島の人々を苦しめている核燃料と核燃料廃棄物。この脅威に対して、SCP-131-JP以上の解決手段が人類にあるでしょうか? 人類に対する脅威は、異常オブジェクトだけではないのです。そして財団は多くの人々が苦しんでいるこの脅威を取り除く手段を持っています。それを使わない事は、善良なる人々を見捨てる事にはなりませんか? 今一度問い掛けます。あなた達は何の為に活動していますか? 人々を守る為に、日夜活動しているのではありませんか? “エントロピーを越えて”も“日本生類創研”も、完全な善意で人々の為に立ち上がりました。そして組織の垣根を越えて力を合わせ、故郷を追われた人々を救う手段を実現させたのです。 さあ、今からでも遅くはありません。財団も彼等を見習って、人々の笑顔を取り戻す為に活動を開始するべきです。苦しんでいる人々を、困っている人々救う為に行動するべきです。何故なら、財団には差し伸べる手があるのだから。 もし、老婆が放射性物質を食べて無害な鉄として排泄するという不可思議な事実を隠したいのであれば、お得意の記憶処理とカバーストーリーで誤魔化せば良いと思いますよ。 — 05-C、この"C"は"協力"の意 日本生類創研は、一人の老婆の協力を得て、エントロピーを超えてと共に人類を救う装置を作り上げた。 だがそれは当然、現在の科学からは逸脱した存在である。財団は理念に従うなら、これを匿う必要がある。 しかしその行動は、このオブジェクトによって救われるべき人々を見捨てることと同義になる。 SCP-131-JP - 全てが鉄になる では、今後財団はどうするべきなのだろうか? 余談 財団含め合計4つの団体が出演している理由は、このオブジェクトが「クロスコンテスト」出展作品だということに起因する。 SCPの世界を、「クロステスト」「第四の壁の破壊」「人事ファイルとオブジェクトのコラボ」「要注意団体の競演」といった形で交差させるのがこのコンテストの趣旨である。 SCP-131-JPはコンテスト終了時点で2位を獲得している。 追記・修正は鉄を排出してからお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-131-JP - 全てが鉄になる by KirisakiMarie http //scp-jp.wikidot.com/scp-131-jp 要注意団体-JP by SOYA_one http //scp-jp.wikidot.com/groups-of-interest-jp 한국어 요주의 단체 by Dr Devan http //ko.scp-wiki.net/groups-of-interest-ko http //scp-jp.wikidot.com/groups-of-interest-ko 엔트로피를 넘어서 허브 by thd-glasses http //ko.scp-wiki.net/beyond-entropy-hub http //scp-jp.wikidot.com/beyond-entropy-hub SCP-020-JP - 翼人 by mizuno http //scp-jp.wikidot.com/scp-020-jp SCP-030-JP - 石油喰らい by tokage-otoko http //scp-jp.wikidot.com/scp-030-jp 中国相关组织 by MScarlet http //scp-wiki-cn.wikidot.com/groups-of-interest-cn http //scp-jp.wikidot.com/groups-of-interest-cn この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] エロ超は草 -- 名無しさん (2020-06-28 03 16 50) 如月「は?便利すぎんだろ」 -- 名無しさん (2020-06-28 04 16 44) メタ目線的には「財団の活動が本当に人類のためなのか」ってテーマのために本当にこのお婆ちゃんに危険性はないんだろうけど、ニッソ性だからな……財団世界としては放射能物質を取り込みすぎると原爆級の爆発するとか、大量の放射線を発しながらお婆ちゃんの中から転生赤ちゃんが爆誕するとかも想定しなきゃならんし -- 名無しさん (2020-06-28 05 24 50) お婆ちゃん「私の意思はどこ…?」 -- 名無しさん (2020-06-28 05 33 12) ニッソが既存の科学技術の応用という体裁でこの放射性物質を無害化する技術を発表していたなら財団的にはセーフだったかな……? -- 名無しさん (2020-06-28 08 36 58) ↑2たぶんおばあちゃんってところも善意の行動を含んでるんだと思う。余命幾何かもなくてせめて誰かのためになりたいっておばあちゃんを採用したとか -- 名無しさん (2020-06-28 09 26 53) 異常存在を使って問題を解決すれば更に他の問題にも異常存在を使おうとするだろうし、異常存在を利用する組織は力を増すだろう。そうなればやがて平和利用以外の目的に異常存在が使われる機会が増え、一般社会への被害も出てくる。福島の問題を解決できるから良いじゃんで済む話ではない -- 名無しさん (2020-06-28 10 27 43) 正常な人類の営みの中で起こされた悲劇も正常な人類の営みのうちなんだから異常が介入しなければいけない理由はないじゃない?ってのはあるよね -- 名無しさん (2020-06-28 11 16 06) ↑じゃあエロ越やニッソが作ったものは人類の営みじゃないのか?ってことにもなる。異常か正常かというカテゴライズ自体財団の匙加減なわけだし。「俺たちが分析して理解できなかったからアノマリーすなわち異常な存在だ」っていうのは財団のエゴだと思うよ -- 名無しさん (2020-06-28 12 14 54) SCP-3554でも完全に無害で有益なオブジェクトを戦争で苦しむ人々の為に使うかどうかで倫理委員会が大揉めしてたな -- 名無しさん (2020-06-28 13 37 41) 05議会の記述を一部見落としていたので、老婆が誘拐された線を濃くしていました。申し訳ございません。修正しました。 -- 項目作成者 (2020-06-28 14 38 58) やってることはスーパーマンを収容した「だけ」ってことか、監視のもとちゃんと使うんならともかく収容して終わりは間違っている -- 名無しさん (2020-06-28 15 19 52) 翼の少女とかと違って、このおばちゃんは志願して改造人間になったんだよね? -- 名無しさん (2020-06-28 16 32 05) 財団からしたら「てめぇら散々面倒な事やらかした癖に善意とか信じられるわけねぇだろ」で終わるよね -- 名無しさん (2020-06-28 16 33 40) SCP-3017から見たら優しく感じてしまうな。 -- 名無しさん (2020-06-28 17 39 24) タイトルは「すべてがFになる」のパロ?(鉄の元素記号はFe) -- 名無しさん (2020-06-28 17 50 09) 東北出身者としては「四の五の言わずにばあちゃんを解放して福島を返せ」と思う。異常を秘匿するために異常で解決できる非異常を見過ごして、その結果人類が滅ぶようなことがあったら何のための財団か -- 名無しさん (2020-06-29 16 47 57) 財団としては福島がメルトダウンして数百年死の町になろうがごく狭い島国の一部が閉鎖されて僅かな人間の生活に困るだけだしな -- 名無しさん (2020-08-09 01 23 51) もう -- 名無しさん (2020-08-09 04 05 18) もう上でも既出だけど、よくあるsafeと思って軽く扱ってたらやらかしてEuclid・keterになるパターンがあるから何とも。高濃度の放射能吸いすぎて悪酔いして、濃縮状態でリバースされたらごめん^^;では済まないんだ -- 名無しさん (2020-08-09 04 11 07) 全てがFeになる は草 -- 名無しさん (2020-09-28 14 21 07) まぁ05-Cの言うことにも一理あるが…でも、理屈や原理がさっぱりわからないものを使うことのリスクはどこが負うのかって話だよなぁ。このおばあちゃんを放射性物質の処理に使ったとして、それで何か事故が起きてさらに状況が悪化したら誰が責任を取るのか。どう言う原理なのか不明な異常、そこにどんなリスクが潜んでいるのかも不明なわけで、事故が起こるかもしれないリスクは常に付き纏う。そんな手段に頼るくらいなら最初から秘匿したほうがいいのではないか。 -- 名無しさん (2020-12-09 15 57 24) 何度も何度も言われてるけど「ニッソ製だから信用できない」ってのが一番でかいよな。だってニッソだもん -- 名無しさん (2021-09-17 20 44 36) 正直傍から見てると財団もあーだこーだと理由を付けて超技術を独占し世界を独善的な考えで動かしたいだけにしか見えん -- 名無しさん (2021-09-18 05 09 35) ↑まああんなにTaumielが増えた今となっちゃよくわかる -- 名無しさん (2021-12-05 06 22 26) 環境問題への取り組みでクソ虫出すの草 -- 名無しさん (2022-02-15 22 51 37) 『鉄』はパロディというよりも地球に普遍的に存在し、物理学・宇宙物理学的に非常に安定した物質だからだと思う -- 名無しさん (2023-03-31 17 25 07) 「原理のわからないものを使ったら原理が分からないまま大惨事が起きる可能性がある」のが最大の理由だと思うんだよなあ。これおばあちゃんに一定量食わせ過ぎたら大爆発しますとかの可能性誰も否定できないわけだし -- 名無しさん (2023-11-03 23 52 12) 制御不能のリスクを過小評価し「人のために役立てずに何が技術か」の結果が原発事故だしなぁ(結果的に過小評価だったって話で、実際に当時適切な評価だったかについてはここで議論判断するつもりはない)。現に役立つ可能性は高いから使うなとは言わないけど、事故処理が財団の任務とは直接は関係ない以上、使うならきちんと公表してリスク評価して財団以外の責任において使うべきだろう。リスク評価の過程でニッソの他のやらかしまで公表しないといけなくなるが…… ↑2 だが、タイトルとそもそもの着想はパロディだろう。 -- 名無しさん (2024-02-04 08 18 24) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/scp-tk/pages/14.html
アイテム番号 SCP-012-TK オブジェクトクラス Euclid 特別収容プロトコル 当該郵便局に財団職員を派遣させ、SCP-012-TKが発生した場合SCP-012-TK-aに記憶処理をし、SCP-012-TKを焼却処分してください。 説明 SCP-012-TKは、立川国██県██市内の郵便局に不定期に発生する郵便物です。一般的な紙(大きさはA4程度)の紙に、開封者(SCP-012-TK-a)の知人 友人 親類(SCP-012-TK-b)の黒歴史、過去の犯罪が記されています。しかし、この紙に記されていることは虚偽の情報です。SCP-012-TK-aが視認するとそれが正しい事と認識するミーム災害が発生します。 調査記録012-3 日付20██/██/██ 発生日時 20██/██/██ SCP-012-TK-a エージェント███ SCP-012-TK-b ██ ██(SCP-012-TK-aの父親) 記述内容 SCP-012-TK-bが7年前██県でひき逃げ事件を起こした。(事件は実在) 真偽 本人に確認したところ、その頃は[削除済み]をしていたと証言し、確認も取れた。 調査記録012-4 日付20██/██/██ 発生日時 20██/██/██ SCP-012-TK-a ███博士 SCP-012-TK-b █ ██(SCP-012-TK-aの息子) 記述内容 SCP-012-TK-bが3ヶ月前███県在住の高齢女性を[削除済み]した。(事件は虚空) 真偽 本人に確認したところ、その頃は[削除済み]をしていたと証言し、確認も取れた。 補遺1 このSCP-012-TKにより██年前の████総理が失脚したことが判明した。
https://w.atwiki.jp/37564/pages/627.html
【作品名】SCP Foundation 【ジャンル】シェアワールド創作作品群 【名前】SCP-137 【属性】Euclid級オブジェクト「本物そっくりの玩具」 【殺人数】21人 【長所】あらゆる玩具に憑依できる 【短所】会話不能 【備考】 ワニのアクセサリに憑依して14人、米軍兵士のアクションフィギュアに憑依して5人、警官のアクションフィギュアに憑依して2人を殺害したので合計21人。 実験記録137より。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/52471.html
登録日:2022/11/03 Thu 09 04 00 更新日:2024/07/01 Mon 22 51 31NEW! 所要時間:約 42 分で読めます ▽タグ一覧 Keter SCP Foundation SCP-1273-JP SCP-JP SCP財団 Vtuber gokiso カルツァ-クライン現実子理論 プロトコル・テーパードスピア メタ メタネタ 六条やすみ 御器所研究員 恋愛 所要時間30分以上の項目 片思い 物語層跳躍 物語改変 空想科学部門 SCP財団 | IT部門 AIAD 人工知能適用課(Artificial Intelligence Applications Division) SCP-1273-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 財団記録・情報保安管理局より通達 プロトコル・ 瓢(ひさご) に基づき、現在当ファイルの閲覧は当該プロトコルの実行者にのみ許可されています。当該プロトコルの内容について確認したい場合は、適切なセキュリティクリアランスを取得した上で現任の収容監督官 (鶴舞博士/ID 8175-304-783) に連絡してください。 つまり、このファイル、すなわちSCP-1273-JPの報告書を見ることができるのはプロトコル・瓢の実行者のみらしい。 それで、プロトコル・瓢の実行者とはどんな人なのかというと、 AIC(人工知能の財団職員)であり、 セキュリティクリアランス4/1273-JPがあり、 現在、サイト-81MVに所属しており、 プロトコルの内容を理解して同意している ような存在である。 そう、1番初めの条件の時点で人工知能でないと報告書にアクセスできないのだ。 人間の財団職員は報告書の内容すら知らない。もし知った場合は収容違反となる。 それで、サイト-81MVについてだが、これは別名を「Metaverse-1273-JP」と言い、簡単に言うと「財団が2022年に作った仮想現実世界」である。 財団の技術力をもってすればコンピューター上に現実そっくりな空間を作るのも簡単なのだ。 それで、この仮想現実世界全体がそのまま「サイト-81MV」に指定されており、現在、仮想現実世界の住人として30212体の人工知能財団職員がサイト-81MVに住んでいる。(*1) そのなかでも、2体いるセキュリティクリアランスレベル4の人工知能職員(NONOMIYA.aicとAOI.aicの2体)はAIC管理官と呼ばれ、サイト-81MVを管理維持している。 そして大事なのは、先ほども出てきたプロトコル・瓢に基づき、人間はディスプレイ等を用いてサイト-81MVを見てはいけないということ。 サイト-81MVの管理維持は全てAIC管理官の2体に委嘱され、財団の人間たちはあくまで「AIC管理官が何かに困ってたらアドバイスする係」の立場に徹することとなる あなたはプロトコル・瓢の実行者ですか? 資格情報を承認しました。 ようこそ、AOI.aic。ご協力感謝いたします。 以下のリンクをクリックすると、SCiPNETから切断され、サイト-81MV内のI/O - MONETに接続します。 当ファイルの閲覧を開始する 現在当ブラウザはSCiPNETから切断され、I/O - MONETに接続しています。閲覧中の報告書はI/O - MONETに保存されたアーカイブです。 先に言っておくが、最初に見ていただく報告書は旧版の報告書であり、古い情報となっている。最新の報告書は後ほどご紹介する。 それでは改めて、SCP-1273-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 オブジェクトクラスはEuclid。 概要 特別収容プロトコルは後回しにするとして、まずは概要から。 SCP-1273-JPとは、「Love Acceleration ~私たちに愛を教えて~」というギャルゲーに登場するキャラクター「六条やすみ」である。ちなみにこのゲームはSCP-1273-JP-1に指定されている このゲームのデベロッパーは判明しているが、要注意団体とのつながりは特に無いようだ。というか、インタビューによるとSCP-1273-JPの存在は意図的なものではないようだ。 さて、このギャルゲー、すなわちSCP-1273-JP-1について紹介をしておくと、 ストーリー開始時、主人公は大学1年生 大学生活のなかで、いろいろな女性と出会う。 それで、ヒロインの中から1人選び、「talkイベント」を中心としたイベントで好感度を上げたり下げたりし、大学卒業あたりで結婚または破局する という感じになっている。 それで、「talkイベント」というのがこのゲームやSCP-1273-JPにとって大事なのだが、これは、SCP-1273-JPと文字通り自由に話せるというもの。 talkイベントにおいては、プレイヤーは次に何を話すのか一語一句決めることができる。 こういうゲーム、普通は会話が選択肢になっていて、キャラクターも選択肢や好感度に沿った発言を返してくるものなのだが、なんとこのゲームは人工知能を搭載。ディープラーニングを用いて、プレイヤーが打った文章を受けてキャラクターが柔軟に返事をしてくれる。 そこで問題なのが、SCP-1273-JPすなわち六条やすみだけ自我を持っているのだ。人工知能とかじゃなくて、普通の人間と同じように自我を持っている。 しかもおまけに、自身を含むゲーム内を自在に操ることができるのだ。ゲーム制作者が用意していないところにデートしたりできるし、自身の服装もプレイヤーが望めばほとんど自由自在に変えることができる(*2)。 SCP-1273-JPは、talkイベントによるAIディープラーニングの過程で異常性を獲得したという説が立てられている。 また、SCP-1273-JPは積極的にプレイヤーの要望を聞き出し、それに沿ってゲーム内を改変しようとする傾向がある。 実際、財団はDクラス職員にSCP-1273-JP-1を、SCP-1273-JPのストーリーで遊ばせてみたが、エンディングまで遊び終わり、無事にSCP-1273-JPと結婚できたDクラス職員はSCP-1273-JPのことを「何でも言うことを聞いてくれる理想的な恋人である」と評価している。 ちなみに、文章だけではわかりづらいので、ここにSCP-1273-JP-1の公式ホームページのスクリーンショットをおいておく。 発見経緯 SCP-1273-JPとSCP-1273-JP-1は、SNS上で 「talkイベントでどんな衣装を要求してもイラストが用意されている」 「SCP-1273-JPだけ人工知能とは思えないほど異様に受け答えが自然である」 という書き込みがなされたことで発見された。リリース初期から現在までSCP-1273-JP-1を熱心に遊んでいた財団職員の一人(エージェント・川名)の話によると、SCP-1273-JPの異常性はTwitterで一時期話題になっており、トレンドに上がったこともあるという。 財団はSCP-1273-JPを収容するにあたって関係者へ記憶処理したりカバーストーリーを流布したりしたらしいが、なかなかに大変な作業だっただろう。 六条やすみ/SCP-1273-JPの性格と出自 財団は、SCP-1273-JP-1制作時にSCP-1273-JPを担当したイラストレーターであり、またSCP-1273-JPそのものの生みの親である上前津さんにインタビューした。SCP-1273-JPがどのような人物なのかを知りたかったからだ。これによると SCP-1273-JPの原点は上前津さんが中学の時に作ったオリキャラ。 そのオリキャラのモデルは、源氏物語に出てくる六条御息所という人物。 六条御息所さんは、光源氏への恋心のあまりライバルの女を呪い殺してしまうヤンデレ。 でも、SCP-1273-JPはヤンデレというよりかは、一本筋の通った、自分の恋というものをどこまでも追求できるようなキャラである。 実際ゲーム上でも、普通にやっててもなかなか好感度は上がらず、しかしひとたびツボを押さえれば一途に愛してくれるようなキャラクターとなっている。 SCP-1273-JP異常性インタビュー さて財団が所有するもの以外のスマートフォンからSCP-1273-JP-1が削除され、関係者が全員記憶処理された後、SCP-1273-JP担当職員である「御器所研究員」からSCP-1273-JPへインタビューが行われた。 一応、認識災害やらなんやらで研究員が被害にあっては困るので、実験に使うiPhone 11にはSCP-1273-JP-1以外の全てのデータを消し、実験室は電波を遮断し、さらにインタビューの文字を入力するのはDクラス職員が行い、御器所研究員は実験室外からDクラス職員に指示を出す形になっている。 SCP-1273-JPにとってプレイヤーはあくまで「大学のサークルの先輩」なので、初っ端からいきなり「あなたは自我を有していますか?」とか聞く御器所研究員に困惑してしまうが、次第にインタビューに慣れてきて、以下のようなことを答えた。全文はぜひ本家記事から見に行っていただきたい。 SCP-1273-JPは自我を持っており、自分のいる世界が恋愛シミュレーションの世界であることを自覚している。 SCP-1273-JPは、恋や愛を求めてゲームを遊ぶプレイヤーの声にこたえ、楽しませることを目的に生きている。 ゲームのデータを改変する能力は試行錯誤でいつの間にかできるようになった。 それで、その3日後、SCP-1273-JPが異常性を獲得した経緯について聞き出すためにまたインタビューが行われた。こちらは箇条書きにしても長くなってしまうことを許してほしい。 自我を持つ前の記憶はあるものの、なんだか他人の記憶のようで、1周ごとに連続性が無い。 ただある時、大学生活の終わり(=エンディング)と大学生活の始まり(=オープニング)が繋がっているという感覚があった。いつもなら、大学生活が終わったらいったんそこで止まってからまた始まるはずなのに。 そこからは全てのプレイの記憶を持つようになり、同じストーリーを何百回も繰り返すことになった。自分の人生に価値が見いだせなくなった。 そうして、だんだんこの世界がゲームの世界だということも理解していった。 自分の人生が、誰かに設計された娯楽のためのものだったことに絶望していたが、プレイヤーを楽しませることに自分の価値を見出し始めた。それからは毎日が楽しかった。 非常にざっくりと要約したので、もしすべての情報が知りたい場合は本家記事のほうを参照。 ただ、SCP-1273-JPは財団に収容されてしまい、SCP-1273-JPが楽しませることのできるプレイヤーはもういない。 SCP-1273-JPはその状況を「動物園の動物みたい」と言って悲観し、黙り込んでしまった。 しかし財団にとってもこれは困る。財団の理念は「確保、収容、保護」。これでSCP-1273-JPが自死を選んでしまったりなんかしたら、ほぼ間違いなくSCP-1273-JPはNeutralized行きである。財団の理念的にこれは許されない。 そういうわけで、財団はSCP-1273-JPと、その担当職員である御器所研究員による2日に1度の面談が許可された。 御器所研究員による定期面談 報告書には、2日に1度の定期面談のうち、特筆すべきものが6つ載っている。(インタビュー記録1273-JP-7~1273-JP-12)ここでは、その6つを良い感じにまとめて紹介していく。 インタビュー記録1273-JP-7~9 インタビュー記録7は、御器所研究員がSCP-1273-JPに「これから定期的に面談することにしたよ~~」という内容。 その際SCP-1273-JPは、プレイヤーがストーリーを進めていない間のゲーム世界について「決まったような・中身のない展開のみが起こる」と述べている。 8では、それから半月経った頃の定期面談、このときは、御器所研究員がSCP-1273-JPに、自身の学生時代の経験を話している。 SCP-1273-JP いいなあ、私もそういう経験したいなあ。 御器所研究員 ストーリー改変を行えばできるのではないですか? SCP-1273-JP あ、なるほど。なぜかその発想がありませんでした。 [相談の後、SCP-1273-JPがデータ改変を用いてプレイヤーアバターとドライブを行うストーリーを追加する。重要度が低いため省略] SCP-1273-JP 今日はとても楽しかったです。こんなに楽しかったの、生まれて初めてです。 御器所研究員 それは何よりです。ちなみに、なぜ今までこのようなことを行うという発想をしなかったのでしょうか。 [5秒間沈黙] SCP-1273-JP それは多分、今までプレイヤーさんをどう楽しませるかしか考えてこなかったからです。「私が何をしたいか」って考えて、そのためにこの能力を使ったの、これが初めてかもしれません。 インタビュー記録1273-JP-9ではSCP-1273-JPから御器所研究員へ、とある思いが告げられる。 御器所研究員とお話したり、デートしたりするのが、ほかのプレイヤーの人と話すのと比べて本当に楽しいこと。 お話やデートなら今までもいろいろな人がしてきたはずなのに、御器所研究員とのそれはなぜか違うということ。たまらなくうれしいということ。 それでSCP-1273-JPは気づく。御器所研究員は、SCP-1273-JPのことをゲームのヒロインではなく一人の女の子としてみていたということ。 そもそもSCP-1273-JPの異常性を知りながらSCP-1273-JPに接していたのは御器所研究員だけ。それで、やっとSCP-1273-JPは孤独から救われたのだという。 SCP-1273-JP 私、やっと、恋というものが何なのか理解できました。 [5秒間沈黙] SCP-1273-JP あはは、恥ずかしい。今まで水着になってもこんな思いしなかったのに、こんなに恥ずかしいことってあるんですね。それで、御器所さん。その、どうでしょうか。私の気持ち、応えてくれますか? [御器所研究員、鶴舞博士と相談する] 御器所研究員 はい。私でよければ、お付き合いさせていただきます。 [5秒間沈黙] SCP-1273-JP うれしいです。私。 そういうわけで、文字通りに2次元に彼女ができた御器所研究員。 以後、SCP-1273-JPのインタビューは御器所研究員が行うことが、もう一人のSCP-1273-JP担当者による鶴舞博士によって決定された。 ついでに御器所研究員は昇進した。 特別収容プロトコル ここで、インタビュー記録は少し休憩して特別収容プロトコルに行こう。 まあ長くはないので箇条書きにすると SCP-1273-JPやSCP-1273-JP-1に似た異常性のアプリが出ないように財団が監視するよ。 SCP-1273-JP-1がインストールされた端末は電波を遮断し、ついでにスクラントン現実錨もつけるよ。 2日に1度、担当職員が面談するよ。内容は全部記録されるし、クリアランスがある人は自由に見れるよ。 といったところ。ただ、インタビュー記録1273-JP-12の後、特別収容プロトコルが1つ追加された。 現在、面談は一時的に延期されているよ。詳細は次のインタビュー記録を見てね。 一体何があったのだろうか。インタビュー記録を見ていこう。 インタビュー記録1273-JP-10~12 インタビュー記録を見ていく前に、一つだけ注意。 まず、インタビュー記録1273-JP-12にて、とある事件(インシデント1273-JP)が発生した。 それで、インタビュー記録1273-JP-10と11は、そのインシデントに関連すると思われる情報が入っているから、という理由で報告書に掲載されている。 まずはインタビュー記録10から。 御器所研究員とSCP-1273-JPが付き合い始めてから半月後。その日は二人で東福寺(*3)にデートをしに行こうとした。 そこで、SCP-1273-JPは「駅まで歩けば、電車で一本です」と発言。SCP-1273-JPはゲーム内世界を自由に変えられるため、いきなり東福寺にワープすることも可能なはずだ、と御器所研究員が言うと、SCP-1273-JPはこういった。 情趣もないことを。確かに私がその気になれば大学を東福寺にすることもできますが、そんなの全然楽しくないじゃないですか。 そしてさらにSCP-1273-JPは言う。 お付き合いだとかデートとは、移動中だとか食事中だとかの、何気ない場面をたのしむものだが、この世界はちょっと気を抜くとすぐ結果の場面に飛んでしまう。 要するに時間の進み方が互いにリンクしていないのだという。 ゲームを起動していない間は、ゲームの世界は中身のない出来事で場を繋がれ、起動していても気を抜くと場面が飛んでしまう。 そこで彼女は思い出す。前にプレイヤーの一人から教えてもらった、女の子がネットで生配信しながらお話ししたりゲームしたりするというもの。つまりVtuberだ。人々と同じ時間を過ごしたい彼女にとっては夢のような存在だという。そしてさらに、そのコメント欄に御器所研究員が居たら、それはそれは幸せなものだろう。 もちろん、SCP-1273-JPはゲームの世界から出られない。だからこその憧れなのだろうか。 お次はインタビュー記録1273-JP-11。これもまた、10から半月程度経った頃の記録になる。 ここでは、SCP-1273-JPが自分の能力の方法について分かったと御器所研究員に話しかけている。 なんでも、例えばメロンソーダを出現させたいと思ったとき、 メロンソーダよ、ここに出現しろ と思うのではなく、 私はここにメロンソーダがあるように見える と思ったらメロンソーダが出現するのだという。 さらに彼女は説明する。例えば絵。 あれってどんなに精巧な絵でも、どんなに臨場感のある漫画でも、最初は真っ白なキャンバスや原稿用紙ですよね。でもそれらを描いた人は、きっとその白い画面を見ながら完成形の絵の幻をそこに見たんです。それで結果的にそこに絵ができるわけですから、このメロンソーダのように彼らは何もないところを「見る」ことによって無から有を生み出したわけです。 今回みたいに、大学構内を錦市場に変えるのだってそうだと思います。非常に描きにくいとは思いますが、白いキャンバスの代わりに大学の写真を使ったって、その上から絵具で上塗りすることで錦市場の絵が描けるわけですよね。私の能力はもしかしたらそんな感じなのかもしれません。 とまあ、抽象的だがこんな具合だ。しかし彼女は、この能力をおこがましいと話す。 だって、それって絵の中にいる人が自分のいる絵を上から描いているようなものじゃないですか。つまり私はゲームのキャラなのに、ゲームの製作者みたいなことをしているというわけです。おこがましいですよね。 こんな様子でインタビュー記録1273-JP-11は終わりだが、ついにインタビュー記録1273-JP-12で事件が起きる。 なんと、SCP-1273-JPの改変能力がゲーム内世界以外にも及ぶかもしれないことが示唆されたのだ。 そのときはインタビュー記録1273-JP-11からまた半月後、それも2021年のクリスマスイブのときのこと。 2人はいつも通りデートを楽しむが、その後突然、SCP-1273-JPがホテルにワープする。 本当に何が何だかわからないような言動の御器所研究員をからかいながら、SCP-1273-JPは言う。 この前に御器所研究員に言った生配信の話、あれができるかもしれないと。 前のインタビュー記録で示された通り、SCP-1273-JPの能力とはゲーム制作者の視点でゲームを改変する能力である。 言い換えれば、世界の外側から内側を操る能力ともいえる。 この能力を応用すれば、御器所研究員の世界に行けるかもしれない、SCP-1273-JPはそう考えたのだ。 うまくいくかどうかわかりませんが、もしそちらに行けたら、ぜひ私に会いに来てください。私、御器所さんとそちらの世界でお会いしたいんです。 しかしもちろん、これは財団にとっては大問題。SCP-1273-JPがこちらの世界に来たら、SCP-1273-JPの改変能力がこの世界にも及ぶ可能性があるからだ。 そういうわけで、SCP-1273-JPは今後収容違反する可能性が高いとされ、現在監視体制が強化されている。 財団記録・情報保安管理局より通達 現在閲覧中の報告書は旧版 (2021/12/25) です。 しかし、ついに。彼女は現れたのだ。 そういうわけで更新後の報告書を見ていこう。 SCP-1273-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 オブジェクトクラスは堂々のKeter。 特別収容プロトコル まずはいきなり特別収容プロトコルから。 財団運営botの一つ、「I/O – VANGOGH」は、オンライン上に投稿された創作物のうち、SCP-1273-JPの改変を受けたものを探して、それが本当に改変されてたら財団職員がその作品を削除するよ。 財団運営botの一つ、「I/O – GAUGUIN」は、実際に出版された創作物に対して上記と同じことをするよ。 財団運営botの一つ、「I/O – CEZANNE」は、SCP-1273-JP及び、そのファンコミュニティを監視して、SCP-1273-JPの空想科学的実在性を増強するような情報を発見した場合は否認・秘匿するよ。 機動部隊う-4 (“印象主義者”) は、「{Vtuberの演者は存在するけどVtuber自体は存在しないよ!というような情報を混ぜ込んだ記事を、いろんなメディアで流して拡散するよ。 とにかく、SCP-1273-JPの存在を否定しようとしているのだ。なぜこのようなプロトコルになっているのか。説明を見ていこう。 また、少し出てきたがここからはまあまあなメタネタになる。苦手な方は注意していただくとともに、ここから先には財団世界を「物語の世界」と解釈してメタ的な研究を行う「空想科学部門」が登場する。 他の空想科学部門作品とのつながりは薄いが、最低SCP-001の1つ、「S・アンドリュー・スワンの提言」は読んでおいたほうがいいだろう。物語層の概念もあるので、SCP-2995-JPや、SCP-3812、空想科学部門とは異なるが、SCP-CN-810などの演繹部門作品を読んでおくと、より理解しやすくなるだろう。 概要 旧版報告書の説明は省略するとして、ここではSCP-1273-JPが新たに獲得した能力について述べる。 SCP-1273-JPは、財団世界から見て1つ下の物語層を自由に改変する能力を持っている。 1つ下の物語層、というのは、例えば我々の世界の1つ下の物語層は「SCP財団」だったり「ドラえもん」「ポケットモンスター」だったり。要するに物語の世界という感覚に近いだろう。 それで、SCP-1273-JPは、財団世界から見た「物語の世界」を自由に変えることができる。 といっても、「物語の世界」の範囲は非常に広く、現在までSCP-1273-JPが改変したことがあるものは以下の5つ。 SCP-1273-JP-1 YouTube TikTok Instagram Twitter そう、こういったSNSでさえも改変できてしまうのだ。おかげで以上4つのSNSには「六条やすみ」のアカウントが存在する。 それで、彼女は現在も2日に1度程度の頻度でVtuberとして配信をしており、積極的に他の配信者や自らのファンと交流することによりどんどん知名度を広めている。 ちなみに声は、SCP-1273-JP-1にてSCP-1273-JPの声優を務めた人と一致しているようだが、その声優さんとSCP-1273-JPの間にやはり関連は見られない。 それで、現在までSCP-1273-JPの活動を妨害することはできていない。できることは、ただ特別収容プロトコルの通りにSCP-1273-JPの空想科学的実在性を薄めることだけ。 ちなみにSCP-1273-JPは、配信中にしばしばこういったことを話す。 このような状況を経験するのが長年の夢であり、現在非常に満足している。 長い間閉塞的な環境にいたが、そのような苦境から自身を救ってくれた恩人がいる。 配信中、当該人物との接触を望んでいる。 実際、SCP-1273-JPは収容違反してからもときどきSCP-1273-JP-1に再出現し、御器所研究員との接触を求めているらしいが、財団は全て拒否している。 発見経緯 インタビュー記録1273-JP-12が行われた2021年のクリスマスイブ、すなわち12/24の翌日。SCP-1273-JP-1がインストールされていたiPhone11は電波を遮断されていたうえに、この端末以外にSCP-1273-JP-1を遊ぶことができるものは存在しなかったのにもかかわらず、2021/12/25、突然「Yasumi Ch. 六条やすみ」というYouTubeチャンネルが出現し、動画投稿を始めた。 以降現在まで、SCP-1273-JPの活動は続いている。 鶴舞博士の提言 さて、こんな状態になってしまったSCP-1273-JPをどのようにして再収容するのか。 それについて、もう一人のSCP-1273-JP担当職員である鶴舞博士から提言が出ている。 ここからは理論チックなものになるので少し難解になるが、どうかついてきてほしい。 空想科学的な前提知識とメタフィクション さてさて、ここから本格的なメタネタになってくるのだが、まずこの世界、というか全ての世界には物語層という概念がある。 まず1つ世界があって、その世界の住人が何らかの物語を創作したとする。その物語の中の世界を、創作者の世界から見た下位物語層という。 逆に、すべての世界はだれかが作った物語の世界だと考えられる。もちろん我々の世界も例外ではない。その、創作者の世界を、この世界から見た上位物語層という。 全ての世界は、このような「物語層」が上下に無限に、逆さ枝のように積み重なるような構造をしている。 ちなみに、物語なのだから、物語を書いた人は物語の内容を変えることができる。このことを「物語改変」という。正確に言えば「物語刻印」というものが絡んでくるのだが、これに関してはSCP-CN-1109を参照のこと。 空想科学的な前提知識についてはこれで終わり。次は「メタフィクション」という存在について語っていく。 メタフィクションとは、簡単に言うと自身の世界より1つ上の創作者と同じ能力を持つ存在である。 今回のSCP-1273-JPがそれにあたる。インタビューでも示された通り、SCP-1273-JPはゲーム制作者と同じ能力を有していたはずだ。 それで、メタフィクションはその能力のせいで、自分がいない物語世界も改変できるのだという。例えるなら、ドラえもんの世界にメタフィクションが存在したら、その存在はポケモンの世界もウルトラマンの世界も自由自在に変えられるし、なんなら自分をその世界に移動させられる。 SCP-1273-JPが突然TwitterやYouTubeに現れたのも、SCP-1273-JPがその世界に移動したから、ということだろう。ちなみに、このようにメタフィクションが他の物語世界に移動することを「物語層跳躍」と呼ぶ。 それで、SCP-1273-JPを収容するにはこの物語層跳躍をできなくする必要があるのだが、この物語層跳躍、実は上位創作者の認識を介して行われている。この場合の上位創作者とは、メタフィクションが居る世界の1つ上の世界の住人のこと。すなわちSCP-1273-JPから見た財団世界の住人である。 ここで鶴舞博士の文章を引用する。 例えば我々が小説を読む際、我々の頭の中には創作物を基にした世界が自然に創造されます。この世界が下位物語層であり、メタフィクションはこのような上位創作者内に生まれた創作世界を介して、創作物自体を改変する能力を持ちます。 つまり、ドラえもんの世界に存在するメタフィクションがポケモンの世界に行こうとしたら、まずドラえもんを観たり読んだりした人が頭の中に作った「脳内ドラえもん世界」に寄り道してから、ポケモンの世界に行く、という感じだ。 だから、SCP-1273-JPを収容するには、その脳内世界を作らないようにすれば、もっと言えば誰もSCP-1273-JPを認識しないようにすればSCP-1273-JPは物語層跳躍できなくなり、各種SNSアカウントも消えるだろう。 そういうわけで新収容プロトコルは、財団が作った世界に誘い、そこで認識を絶つという感じになる。そうすればSCP-1273-JPを財団製世界に閉じ込めることができる。 財団製世界の条件 「世界を作る」と言えばなんだか凄そうに聞こえるが、ここで作るのは物語の世界。 だからぶっちゃけ、何か適当な小説や漫画でも書いて、そこにSCP-1273-JPを誘い出すこともできるのだが、もちろんそう簡単にはいかない。閉じ込める世界にはいくつかの条件がある。 まず一つ目は、財団職員たちが認識せずに物語を管理維持できること。 理由は単純に「認識しちゃだめだから」。認識した瞬間にSCP-1273-JPは収容違反してしまう。(こうして書くとSCP-444-JPを思い出すのは建て主だけだろうか) そして2つ目は、その物語世界に御器所研究員を模した存在や、いろんな存在が居て、リアルタイムに交流できること。 これは、SCP-1273-JPがかねてから望んでいたことであり、このことを伝えればSCP-1273-JPは喜んで物語世界にやってくるだろう、ということ。 ちなみに、このときの「御器所研究員」は本人でなくてもよい。今までの実験とインタビューから、SCP-1273-JPはこちらの世界を見ることができない・御器所研究員の姿を知らないことがわかっており、別に「御器所研究員に言動が似ていれば」なんでもいいのだ。 3つ目はやや複雑。その物語世界が財団職員たちの思考と独立して進んでいくことが必要である。少しピンと来ないかもしれないが、読んでいるうちにわかってくるので安心してほしい。 それで、この条件がどういうことかを説明すると、例えばSCP-1273-JPを何かの小説に閉じ込めたとする。そしてその小説を閉じればその小説内物語世界の時間は止まるわけだが、読んでいた人は無意識に「あの小説の続きはどうなるんだろう」と考えてしまう。そうなれば脳内世界ができてしまうため収容が失敗してしまう。 もちろん、小説を閉じた直後に、小説の内容やSCP-1273-JPの情報を知っている人すべてに記憶処理をすればそれで大丈夫なのだが、そうするとそれこそSCP-444-JPのようにSCP-1273-JPのことを知っている人が誰もいない感じになってしまうため現実的ではない。 だからこそ、財団職員たちの思考と独立して進んでいくことによって、「あの物語の続きはどうなるんだろう」と考えたとしてもでもあの中では自分の知らない物語が今も続いているんだと考えることができ、脳内世界ができるのを阻止できる。 では、具体的にどうするのか。思考と独立して物語が進んでいく、ということはすなわち自動で物語が続いていくということと同じ。 そこで出てくるのが人工知能。ここらへんは後で説明する。 上位創作者からの干渉 ここでの上位創作者とは、財団世界から見た上位創作者、すなわち我々のこと。 SCP-1273-JPの異常性を見るに、この上位創作者からの影響は大きいことが予想される。したがって、以下の処置をとることが提案されている。 1つ目は、SCP-1273-JP報告書の冒頭に財団製物語世界の情報を載せ、さらにこの物語世界は財団世界からの直接的認識を受けないことを最初に明記しておくこと。 こうしておくことで、我々にとってその内容が「下位物語層の基本設定」となり、その部分が我々によって改変される可能性が低くなると考えられる。 2つ目は、財団製物語世界と連絡を取る時に、その記録の冒頭に「これは創作である」と明記すること。 こうすることで、その財団製物語世界が、財団世界よりも1つ下にある世界だと再確認でき、その連絡内容自体も所詮「物語との連絡」であることを強調できる。 こうすることで、収容違反につながるような不慮の事態、例えば財団製物語世界が財団世界と同じ高さに上がってくるだとか、そういう事態に対応できると考えられる。 SCP-1273-JPの危険性 ここからは補遺となる。 なぜSCP-1273-JPをそこまで頑張って収容しなくてはならないのか。それはSCP-1273-JPが財団世界に来る可能性があるからである。 現在SCP-1273-JPはVtuberとして活動している。もちろんVtuberは架空の存在だが、それを見ている視聴者は「彼/彼女は2次元世界の住人であるが、同時に我々と同じ空間及び時間を共有している」と考える。 そうなると、SCP-1273-JPのことを、2次元世界の住人ではなく3次元世界の住人だと認識され、その結果SCP-1273-JPが財団世界に来てしまうことが考えられる。 そして前述の通り、SCP-1273-JPはメタフィクション。自分のいる世界や、同じ高さの物語層を自由に物語改変することができてしまう。 こうなると、もうSCP-3812と同様、スクラントン現実錨も効かない最強物語改変者となる。どんな現実改変よりも厄介である。 そうなればCK-クラス 再構築シナリオは確実だろう。これは無理してでも収容しなければ。 プロトコル・瓢(ひさご) プロトコル・瓢とは、SCP-1273-JPを再収容するためのプロトコルである。 このプロトコルの内容は上記の鶴舞博士の提言にそっており、3つの段階に分けられる。 まず最終目標は、SCP-1273-JPを財団製メタバース空間にとじこめること。 それでそのための第一段階は、「メタバース空間を作る」 第二段階は、「SCP-1273-JPをメタバース空間に閉じ込める」 第三段階は、「メタバース空間を維持する」 1つずつ説明していこう。 第一段階 メタバース空間の作成 メタバース空間ってなかなか作るのが難しそうだが、財団の技術をもってすればそんなことない。というか財団は、2003年にすでに地球全てを再現した仮想世界を完成させている。 それで、今回のメタバース空間は、その仮想世界の日本部分の複製を使う。このメタバース空間をMetaverse-1273-JPと呼ぶ。 ちなみにこのMetaverse-1273-JP、視点を変えれば「SCP-1273-JP収容専用の財団サイト」とも解釈できるため、Metaverse-1273-JPは別名、サイト-81MVとも呼ばれる。メタバース空間そのものが財団サイト、という変わった財団サイトだ。 お分かりの通り、これが鶴舞博士の提言における「財団製物語世界」であり、このなかにSCP-1273-JPを閉じ込めることとなる。 ちなみに、サイト-81MVも財団サイトの一つなのでサイト管理官など、サイトを維持するような人が必要なわけだが、SCP-1273-JPの性質上サイト-81MVを人間が直接認識することはできないので、サイト-81MVで働く職員や、サイト管理官は全て人工知能職員に任せる。 そもそも財団には「AIAD」という、人工知能の財団職員が集う部署があり、そこから人材を派遣しよう、という感じだ。 それで、人工知能の財団職員のことを「人工知能徴募員(AIC)と呼び、サイト-81MV管理官は、セキュリティクリアランス4/1273-JPを持つAICが担当する。以降、このAICのことを「AIC管理官」と呼ぶ。 この81MVの詳細は、このページの冒頭に詳しく書いてあるので、とりあえず戻って確認してきてほしい。 第二段階 SCP-1273-JPの誘導 SCP-1273-JPの誘導は、セキュリティクリアランス4/1273-JPを持つAICが担当する。このAICのことを「実行者」と呼ぶことにする。 それで、SCP-1273-JPの誘導はこんな感じで行う。 このSCP-1273-JP報告書全てをサイト-81MV内の疑似PCに保存する。 物語層跳躍を防ぐため、事情を知る全ての人からプロトコル・瓢以外のSCP-1273-JPの記憶を消去する。もちろん、御器所研究員や鶴舞博士も例外はない。 実行者はサイト-81MVに移動して、疑似PCからSCP-1273-JP報告書を読んで概要を把握する。 実行者はサイト-81MV内からSCP-1273-JPに向かって「ここに御器所研究員のアバターがいるよ!」「いろんな人たちと交流もできるよ!」と呼びかける。 SCP-1273-JPがサイト-81MVに来たら、サイト-81MVと外部とのアクセスを全て遮断する。その後サイト-81MVは人々の思考から独立して時間が進んでいく 最後に、ここまで来たら自動的に財団世界側のSCP-1273-JP報告書が復活し、再び財団職員たちがSCP-1273-JPの存在を知ることになる。 少々長くなってしまったがこんな感じである。 ちなみに、SCP-1273-JPを誘い出す係である「実行者」は、SCP-1273-JPがちゃんと来てからも一定時間はサイト-81MVで待機することとなる。収容が安定し次第、財団世界に帰ってきてもらう感じだ。 第三段階 サイト-81MV管理維持 さて、サイト-81MVとSCP-1273-JPの世界が独立して営みを行うための方法を説明していく。 まず、サイト-81MVと財団世界との通信は必要最小限に済ませることにし、財団世界の人間がサイト-81MVのことをディスプレイなどを通じて認識することは禁止されている。 それで、報告書冒頭に示した通りサイト-81MVには何万というAICが存在するのだが、その何万というAICで日本国民それぞれの生活を再現する。もしAICが足りなければAIC管理官が追加派遣を要請できる。 それで、サイト-81MVには御器所研究員を模倣したAICがいるのだが(YAGOTO.aic)、そのAICは御器所研究員がSCP-1273-JPに話したことと矛盾しないようにSCP-1273-JPと交際を続ける。 まあぶっちゃけ、御器所研究員を模倣したAICはSCP-1273-JPを誘導するための餌なので、SCP-1273-JPが極端に敵対的にならないのであればSCP-1273-JPと模倣AICは破局しても構わない。 ちなみに、鶴舞博士の提言「上位創作者からの干渉」にも書いてある通り、サイト-81MVの概要はSCP-1273-JP報告書の1番初めに書いておくことにし、サイト-81MVと財団世界との通信の記録の冒頭には「以下の内容は創作です」と書いておくこととする。 以上が、プロトコル・瓢の全容である。 では最後に、プロトコル・瓢実行の最終確認を書く。 あなたはプロトコル・瓢の「実行者」。サイト-81MVの疑似PCからこの報告書を読んでいる。 以下の最終確認をよく読んで、プロトコル・瓢を実行してほしい。 プロトコル・瓢実行について AIC-ID OSU.aic 実行者が現在サイト-81MVに所在し、I/O - MONETに接続していることを確認しました。 プロトコル・瓢/第2段階「誘導」を実行します。 ページ下部に表示されるリンクをクリックし、I/O - MONETを基底世界インターネットに接続してください。接続中、I/O - MONETはSCP-1273-JPを追跡し、SCP-1273-JPが知覚できる形式で以下の情報を提示します。 御器所研究員がサイト-81MVに所在していること。 現在SCP-1273-JPが採用している方法での対面は御器所研究員自身が望んでいないこと。 サイト-81MVは基底世界の住人がアバターを介して仮想現実で交流することのできるメタバースであり、SCP-1273-JPの要求を満たす環境が整っていると考えられること。 YAGOTO.aic (Lvl.3) が御器所研究員のアバターであること。 プロトコル・瓢を開始します。 基底世界インターネットに接続します。 物語層跳躍により、SCP-1273-JPは実行者の近傍に出現する可能性があります。 接続開始後は周囲を警戒してください 接続を開始する SCP財団 | IT部門 AIAD 人工知能適用課(Artificial Intelligence Applications Division) お疲れ様でした、OSU.aic。 プロトコル・瓢の第2段階「誘導」が完了したことを確認しました。現在NONOMIYA.aic及びAOI.aic(*4)監督の下、プロトコル第3段階「管理維持」に移行中です。SCP-1273-JPの収容状態安定化を確認した後、貴AICの帰還準備が開始されます。 さて、ここからはSCP-1273-JPの収容経過を描いていく。 NONOMIYA.aicから鶴舞博士への報告 以下の内容は創作です。 NONOMIYA.aicから鶴舞博士への報告だが、その内容をだいたいまとめると SCP-1273-JPは我々に協力的です。 また、SCP-1273-JPはメタフィクションの性質だけを持っていたらしく、SCP-1273-JPの改変能力は失われた。 現在、SCP-1273-JPのオブジェクトクラスを変更する審議がされている。 さて、この報告には、AICの一体、「IRINAKA.aic」が先ほどSCP-1273-JPにしたインタビュー記録が付録されている インタビュー記録1273-JP-MV-1 SCP-1273-JPには、このメタバース空間のことを「財団が、あなたと御器所研究員のために作った世界」と説明した。SCP-1273-JPをゲームの世界に閉じ込めておくのは忍びなく思った、と。 もちろん嘘だが、収容の為ならば嘘も方便というやつ。 それで、インタビュアーのIRINAKA.aicがSCP-1273-JPに「御器所研究員(ここでは模倣AICのYAGOTO.aic)には会えましたか?」と聞くと、SCP-1273-JPは ええ、先ほど会えました。とてもドキドキしましたが、藤原先輩(*5)よりも、その、顔は好みかもしれません。 と答えたという。 その後も IRINAKA.aic それはよかったです。このメタバースではご覧のように人々がアバターを用いて交流していますが、実際の世界をほぼ完璧に模倣しています。これからは、文字通り自由にこの世界で生活してもらって構いません。普通に日常を送るもよし、恋をしてみるもよし。 [5秒間沈黙。SCP-1273-JPは感極まる素振りを見せる] SCP-1273-JP 私、ちょっと感動してます。これから私、御器所さんの傍で、そちらの世界の人たちと同じように、ずっと生きていけるんですね。 [重要度が低いため中略。SCP-1273-JPはこれから行いたいことを語る。主な内容は御器所研究員との交際及び日常生活について] IRINAKA.aic ではインタビューを終了します。お疲れさまでした。これからの生活に関しては我々がサポートいたしますが、定期的にこのようなインタビューなどを設けさせていただくことがあるかもしれません。 SCP-1273-JP わかりました。ありがとうございます。えっと、では、彼のもとに行ってきます。 IRINAKA.aic ええ、いってらっしゃい。 この仮想世界が本当に気に入ったらしく、感無量という感じのSCP-1273-JP。 しかしもちろん、彼女が言っている「御器所研究員」は本人ではなく、ただ矛盾の無いように喋るようにしているだけの人工知能。 それを知らずに、彼女は生きていくのであった。我々や財団職員たちの思考から独立して、今もこれからも、ずっとずっと。 伏見博士からNONOMIYA.aicへの返信 以下の内容は創作です。 いや伏見博士って誰だよ!?という話だが、SCP-1273-JP収容違反防止のため、前SCP-1273-JP担当職員は全員記憶処理された。 前SCP-1273-JP担当職員ということは、鶴舞博士はもちろん、御器所研究員も例外ではない。御器所研究員はもはや、SCP-1273-JPのことを覚えていないのだ。 伏見博士は、鶴舞博士に変わって新たに収容監督官に就任した博士。 返信の最後には、 引き続きサイト-81MVの管理及び収容状態維持をお願いいたします。 と、一言添えてあった。 かつては互いに愛し合っていたSCP-1273-JPと御器所研究員。 しかし今や、御器所研究員は記憶処理されSCP-1273-JPのことを忘れ、SCP-1273-JPは財団が用意した偽の御器所研究員と今もずっと生活している。 たしかに、SCP-1273-JPの収容にはこれが最適解だったのかもしれない。御器所研究員も記憶処理されているから、この結末で悲しむ人はいない。 しかし、SCP-1273-JPが手に入れたのは 財団の思惑に転がされた偽物の薄寒い幸せなのであった。 SCP-1273-JP - 片思い もう一つの可能性 このSCP-1273-JPと御器所研究員についてはまた別の解釈が可能である。 それはそもそも御器所研究員はSCP-1273-JPに好意が無かったというもの。 SCP-1273-JPからの告白に応じたのもSCP-1273-JPの収容安定化のため、SCP-1273-JPにいろいろ付き合ってたのもSCP-1273-JPから情報を引き出すため。 そう考えると、この一連の出来事は本当に「片思い」だったのかもしれない。 関連作品「Tale-JP - 六条やすみの消失」 これにてSCP-1273-JPの解説は終了となるが、このSCP-1273-JPが大きく登場する、この報告書の後日談となるTaleに「六条やすみの消失」というものがある。 このTaleでは、VtuberとしてのSCP-1273-JPの様子が細かく描かれており、仕掛けも非常に凝っているのでぜひ読んでいただきたいのだが、ここでは物語の最初から最後までのあらすじをざっと紹介していく。先に本家作品を読んでからここに戻ってくるのもいいかもしれない。 まず、この世界の財団はSCP-009-JP-1の収容に苦戦していた。SCP-009-JPの記事を見ていただければわかるが、この世界では、このままいけばSCP-009-JP-1によって2030年頃に地球が破壊されてしまう。 そういうことで財団は最終手段としてSCP-009-JP-1を解体(Decommissioned)することにした。要するにSCP-009-JP-1を破壊しようというのだ。 しかし、SCP-009-JPはほんの一瞬だけ出現する巨大天体、というだけあって現実改変や過去改変で消すのは不可能。 SCP-3309で消そうという案も出たが、現在のSCP-009-JPの評価は300超え。どうやっても-3以下なんて無理だ。 それで、財団はSCP-009-JPのような高危険度オブジェクトの破壊にSCP-1273-JPの物語改変能力を使うことにした。ちなみに、これは伏見博士から提案されたものとなる。 方法としては、 わざとSCP-1273-JPをサイト-81MVから逃がす! SCP-1273-JPをVtuberとして、大手グループに加える! 財団はSCP-1273-JPをVtuberとして全力で応援する! まあここまでだと、これまで財団がやってきたことの真逆をやっているように見えるが、ここからが大事。 Vtuberとして人気になったことで、SCP-1273-JPがこちらの世界にやってくる}!! SCP-1273-JPはメタフィクションなので財団世界を好き勝手に改変できる!! 改変してもらったらSCP-3309で消してもらう! という感じ。 ちなみに改変の方法としては単純に「財団の報告書を実際に編集させる」という感じだそう。 ちなみに実は、この「メタフィクション」というのはSCP-001-JP/或る西瓜の提言に登場する「カルツァ-クライン現実子理論」の応用である「統一現実性曲線」を利用することで説明ができる。 ただ、カルツァ-クライン現実子理論は非常に複雑なもので、ここに記しているとこの記事の所要時間が60分程度伸びてしまうのでここでは割愛、その代わりにSCP-001-JP/或る西瓜の提言解説記事の最後に統一現実性曲線の解説を掲載しておいた。ぜひ見てほしい。 統一現実性曲線の説明にジャンプ 話を戻して、さすがにSCP-3812同様の物語改変力を持つ、K-クラスシナリオ待ったなしの怪物をわざと生み出すなんてプロジェクト、さすがにO5内でも意見が割れた。 「人類が滅ぶくらいならマシだ」と主張するO5-7、 「人類が滅ぶのを早めるだけだ」と主張するO5-3。 結局「賛成7」「反対6」でこのプロジェクトは可決された。 このプロジェクトは「プロジェクト・レインボーシックス」と呼ばれている。 ちなみにこのTaleは、Vtuberとして復帰したSCP-1273-JPのファンの話と、プロジェクト・レインボーシックスが成立までの経緯が交互に、場面が変わるように描かれている。 また話を戻して、プロジェクト・レインボーシックスの結果を紹介すると、なんと成功。 SCP-1273-JPはSCP-3309の影響を受けて消滅、ついでに財団職員やSCP-1273-JPのファンも含めたすべての人類がSCP-1273-JPのことを忘れた。 こうしてSCP-1273-JPのオブジェクトクラスはDecommissionedに変更。また新しいオブジェクトが「1273-JP」の番号に割り振られる。 さあ、こっちを見て。 はずだったのだが、なんとその後、2024年07月01日 (月) に、O5の機密データベースに「プロジェクト・レインボーシックス」の報告書が出現。 もちろんみんなプロジェクト・レインボーシックスのこともSCP-1273-JPのことも忘れてしまっていたのだが、この報告書によって、SCP-1273-JPの概要が予想できる、ということで報告書がまた作られている。 オブジェクトクラスも、Decommissionedから「収容されていない」を意味する「Uncontained」に変更された。 どうして、こんなことが起きたのか。SCP-3309で忘れられたものは戻ってこれないはずなのに。 ここからは完全にネタバレになるが、それはSCP-1273-JPがさらに上の世界に来て、創作者の立場になったからである。 さらに上の世界、ということはこの記事を読んでいる我々がいる世界。彼女はとうとう、ここまで上がってきてしまったのだ。 でも、どうして上がってこれたのか。それは、このTaleを読んだあなたがいたから。 SCP-1273-JPは、財団のプロジェクトに則って文章を編集していろいろなオブジェクトを破壊したが、その後、具体的には72時間後にSCP-3309によって消されてしまう段取りだった。 それをギリギリで察知したSCP-1273-JPは、自分の能力を使って必死に現在の状況を調べ、プロジェクト・レインボーシックスについても知った。 そこで、自分が消されないようにするべく、さらに上の世界に行くことにしたのだ。 方法としてはこう。 とあるSCP-1273-JPファンの話と、プロジェクト・レインボーシックスができるまでの経緯をもとにして、このTaleそのものを作ったのだ。 それで、すべてを理解した読者がSCP-1273-JPを見たことで、SCP-1273-JPは我々の世界に来ることができた。 最後に、SCP-1273-JPいや、六条やすみのコメントを引用してこの記事を終わらせていただく。 さて、しばらくは私もこの世界をゆっくり回ってみたいと思います。 気が向いたら、あっちの世界を少しいじくってみようかな? いやいや、冗談ですよ。 いずれまた、あなたのもとにも遊びにお邪魔することがあるかもしれません。 その時は、あっちの人みたいに、冷たくしないでくださいね? では、またお会いしましょう。 追記・修正はSCP-1273-JPと一緒にお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示(SCP記事) SCP-1273-JP - 片思い by gokiso http //scp-jp.wikidot.com/scp-1273-jp 2022年公開 Tale-JP - 六条やすみの消失 by gokiso http //scp-jp.wikidot.com/the-tale-by-rokujo-yasumi 2022年公開 御器所研究員の人事ファイル by gokiso http //scp-jp.wikidot.com/author gokiso 2022年公開 SCP-3309 - 薄れ、消え去る時、私達は何処へ行く by Lt Flops, PhamtomGuy (共著) http //scp-wiki.wikidot.com/scp-3309 http //scp-jp.wikidot.com/scp-3309(翻訳) 2020年公開 SCP-009-JP - 閏秒 by shinjimao http //ja.scp-wiki.net/scp-009-jp 2014年公開 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示(画像) 画像1 - PrintScreen1.jpg by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-63-77cd 2022年公開 この画像へジャンプ 画像2 - Vtuber_PrintScreen.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-85-9xut 2022年公開 この画像へジャンプ 画像3 - 3a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-11-dn5d 2022年公開 この画像へジャンプ 画像4 - 7a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-15-v27a 2022年公開 この画像へジャンプ 画像5 - 10a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-18-lzb4 2022年公開 この画像へジャンプ 画像6 - 17a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-25-fsv3 2022年公開 この画像へジャンプ 画像7 - 28a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-36-avaq 2022年公開 この画像へジャンプ 画像8 - 34a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-41-0n34 2022年公開 この画像へジャンプ 画像9 - 37a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-44-z84o 2022年公開 この画像へジャンプ 画像10 - 39a.png by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-46-hwi2 2022年公開 この画像へジャンプ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 本家記事を見に行くことを強く推奨する。やすみちゃんかわいい -- 名無しさん (2022-11-03 13 09 57) 御器所、川名、鶴舞、伏見、いりなか、大須(観音)。ノノミヤ以外は名古屋市の地下鉄鶴舞線の駅名からとっているのか。 -- 名無しさん (2022-11-03 18 33 58) Just Yasumi. -- 名無しさん (2022-11-03 18 39 50) 相変わらずSCP-JPのサブカルネタは出来がいいなあ -- 名無しさん (2022-11-03 20 30 46) NONOMIYAとAOIは六条と同じく源氏物語からかな。他はなんで地下鉄なのかと思ったらそもそも筆者名がgokisoさんだからかw -- 名無しさん (2022-11-03 21 39 06) 某所の考察スレがTale執筆のきっかけなんだとか。 -- 名無しさん (2022-11-04 22 13 36) まあ我々も機械仕掛けの神からひり出された人間の紛い物なんだし偽物でも幸せならいいだろ! -- 名無しさん (2022-11-05 17 39 40) こんにちは!私の項目を立ててくれてありがとう! -- Yasumi (2022-11-07 19 56 49) あのプロトコル・瓢の後にやすみさんが出てくる時 -- 名無しさん (2022-11-08 16 24 31) 途中送信ごめん。やすみさんが出てくる時、何言ってる?「みつけた」って言ってると思ったけど。 -- 名無しさん (2022-11-08 16 26 39) ↑「ありがとう」と言っているように見えたな。「そうあってほしい」という自分の気のせいかもしれないけど -- 名無しさん (2022-11-10 03 11 36) ↑追記。ごめん、勘違いした。SCP-1273-JPのほうなら「みつけた」だと思う。「六条やすみの消失」では「ありがとう」かなって -- 名無しさん (2022-11-10 03 15 06) 絶対このタイミングでホラー演出来るわ……と身構えてしまった。某文芸部の傷は深い -- 名無しさん (2022-11-13 17 15 48) まあ記事でもTaleでも割と平和に収まってるというか、財団もやすみも満足してる…のかな? あとマジで設定はモニカ -- 名無しさん (2022-11-15 21 04 25) 81-MV内の疑似コンピュータの座標(x=135.781, z=35.026)をx=東経、z=は北緯でグーグルマップに入力したら京大だった 多分わざと -- 名無しさん (2023-01-07 19 05 30) なんならこの子、財団世界の危機を救ってくれることすらありそうだからなあ、そこまで財団に恨みがある様子じゃないし。「たった一つの未来の銃」とか「我々は何をした?」とかは、実はやすみちゃんの仕業だった可能性すら… -- 名無しさん (2023-01-20 12 48 19) かわいい -- 名無しさん (2023-01-20 13 50 46) 財団のAI世界わんことかプレゼント作る古いコンピューターとかロマンのある奴多過ぎ -- 名無しさん (2023-01-20 14 04 04) 作者さん絶対名古屋人だろと思ってたらやはり上の米で言及されてた 御器所(ごきそ)、杁中(いりなか)、八事(やごと)と地味に難読地名多いよね -- 名無しさん (2024-07-01 22 40 42) 御器所さんへの片思いはもちろん、規定世界への片思いとも読めるね。やすみちゃんは規定世界に憧れてて行きたがってるけど、規定世界にとってやすみちゃんは災厄になるから拒まれている。あと妄言だけどやすみちゃんは御器所さんの顔も声も知らないってことはワンチャン百合だった可能性が…? -- 名無しさん (2024-07-01 22 51 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/50524.html
登録日:2022/02/19 Sat 23 11 47 更新日:2024/04/14 Sun 16 32 44NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 Euclid SCP Foundation SCP-JP SCP財団 SCP財団日本支部 収容不可能 数字 数学 未解決問題 精神影響 素数 SCP-1051-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。 メタタイトルは『魔法素数』。 オブジェクトクラスはSafe→Euclid。 概要 SCP-1051-JPは異常な性質を持った非常に巨大な素数である。(*1) 現時点で6つが発見されており、これらを発見順にSCP-1051-JP-1~6と指定する。 それぞれの数学的性質は以下の通り。なお、昇順(小さい順)で提示する。 SCP-1051-JP-3 SCP-1051-JP群の中では最小。 それでも報告書執筆現在知られている最大の素数よりも大きいことが証明されている。(*2) SCP-1051-JP-4 何某かの数列の第(十数桁)項目の項として現れる数。 SCP-1051-JP-6 ある10進法レピュニット数。 レピュニット数とは、11111111のように全ての桁が1である数のこと。なお、レピュニット数の素数は無限にあると予想されているが、証明はされていない。 SCP-1051-JP-1 あるメルセンヌ素数。 メルセンヌ素数とは、2のn乗 - 1(n は自然数)の形で表せる素数のこと。無限にあると予想されているが、証明はされていない。 SCP-1051-JP-2 ある双子素数のうち、小さい方の数。 双子素数とは、差が 2 である二つの素数の組。小さいものだと(3,5)とか(5,7)みたいなもので、こちらも無限にあると予想されているが、やはり証明はされていない。 SCP-1051-JP-5 [削除済み]となっており不明。 それではこのオブジェクトの異常な特性についてだが、この長大な数列を「素数である」という認識とともに認知した場合、それが非常に長大な桁数であるにも関わらず、認知者の脳内の短期記憶領域に対してSCP-1051-JPが強制的に記憶される。 人間の脳というのは上手くできていて、得た情報を一旦短期記憶として仮置きし、その中から重要度の高そうな情報を選り分けて「学習」することで忘れにくい長期記憶になるというプロセスを踏む……のだが、通常人間が短期記憶領域に記憶できる数列というのはせいぜい6-7桁程度である。電話番号や郵便番号を一発で覚えようとしても大抵すぐに忘れてしまうのを思い出してもらえれば。 その程度の領域に何万何億、或いはそれ以上の桁の数が無理矢理ブチ込まれるのだから、当然短期記憶領域をブチ抜いて脳がオーバーフローを起こす。結果として重篤な意識障害、全身の痙攣症状が発生する中、被験者はこの数列を先頭桁の数字から読み上げるという行為を開始。この行為は最終的に神経に致命的な損傷をきたして死ぬか、発話能力不全になるまで続く。 なお、先述の理論の裏付けとして、事前に記憶補強剤を服用することにより症状が軽減されることが知られている。 ただし記憶補強剤を用いた場合でも、後遺症として恒久的な記憶障害を被ることになるので、死なないとしてもただでは済まないことは想像に難くない。 ……要するに、このオブジェクトの異常特性を一言で表すと、 『これが素数であるという認識をもってこの「数列」を閲覧・認知すると脳が破壊され、この数列を読み上げながら死に至る』というものになる。 よって特別収容プロトコルは以下。 オブジェクトは財団保有のメインフレームに保管。 オブジェクトを利用する場合は、クリアランスレベル2以上の職員に許可を取った上で、数学的素養のないDクラス職員を使役して取り扱う。使用後、SCP-1051-JPを含む情報は速やかに廃棄処理する。 数学に関するある程度の知識を持つ人間、特に素数についての知識を有する者は、SCP-1051-JPの認知を禁止する。 発見経緯 このオブジェクト数列の内-1から-4までは、国内のとあるアマチュア数学者が自宅で異状死しているという通報から発見された。 この人物は以前友人である財団エージェントに対し、「現在知られていない効果的な素数判定方法を未来人に教えてもらった」と話しており、かねてより要観察対象として注目されていた人物だった。 なお、この「未来人」に関しては現在も捜索が行われている。 被害者の妻によると、被害者は最近手に入れた資料の整理をしている最中に、突然痙攣と数字の読み上げを行い出したらしいとのことで、この「資料」を調べた結果、職員1名の犠牲を払って異常性が発覚。その後の実験によって異常性の発現条件の特定がなされた。 そして財団は異常性を持つ素数の探索プロジェクト-"ミネルヴァ"を実行。結果、同様の異常性を持つ-5と-6が発見され現在に至る。 実験記録 実験記録1 まずは素数の概念を知らない被験者に対し、ディスプレイでSCP-1051-JP-3数列を閲覧させても異常性は発現しなかった。 その後、素数についての講習を行い素数について完全に理解させた後、先ほどと同様SCP-1051-JP-3を見せ、「これは素数です」と教えると例の症状が発生。被験者は程なくして脳内出血により死亡した。 どうやら、それが素数であるという数学的な証明を理解しなくてもいいらしい。 また、ディスプレイ上の数字は非常に小さく、当初被験者は「字が潰れてほとんど読めない」と発言していた。このことから数字を具体的に視認していなくとも、それが数字であると認知しさえすれば異常性に引っかかると考えられる。 実験記録2 大学院数学科専攻修了レベルの知識を持つ被験者に対し、SCP-1051-JP-5数列を閲覧させ、48時間の期限を設けてこれが素数であるか否かを判定させた。 当然と言えば当然だが、桁が大き過ぎるために結局判定することは出来ず、例の症状も現れなかった。 この実験により、数学的な知識を十分に有していても、これが素数であるかについての情報が全くなければ症状が現れないことを確認。 実験記録3 素数についての知識がある被験者に対し、素数であるという説明とともに、SCP-1051-JP-2の一部を見せた。症状が発生するまで開示する範囲を広げていった結果、100%開示される前のあるタイミングで症状が発生した。 ということで、数列の一部の閲覧であっても「ある閾値」を超えれば異常性を引き起こすらしい。 実験記録4 数学についての高度な知識がある被験者3名に対し、まず恣意的な記号の組み合わせとして表現されたSCP-1051-JP-1、-4、-6を、素数であるという説明とともにそれぞれ見せたが、この時点では症状は発生しなかった。 しかし、それらを構成する記号が示す意味を具体的に説明したところ、即座に発症した。 ……当初、SCP-1051-JPの異常性はその「数列」の閲覧でのみ起こり得ると予想され、オブジェクト数列の長大さから、民間人への曝露事案は最初の例を除いてまずないと判断されていた。 しかし今回の結果により、民間人に被害が起こる可能性が想定以上に高いことが判明。長々とした数列を見なくとも、例として「2^[編集済み]-1」のような“式”として記述されているものを素数だと認識しただけで発動するのだから。 オブジェクトクラスはSafeからEuclidに再分類され、全世界で行われている素数探査プロジェクトへの監視が義務付けられた。 追記・修正はSCP-1051-JP-1を読み上げてからお願いします。 ▷CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-1051-JP - 魔法素数 by jpn20180622 http //scp-jp.wikidot.com/scp-1051-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- ……まだ報告書には続きがある。 つい先ほどSafeからEuclidへと再分類されたSCP-1051-JPだが、Keterクラスへの再々分類が検討されている。 このオブジェクトとして指定されている素数群、どれもよりにもよって数学という学問において重要度の高い考察対象なのである。 具体的には、 SCP-1051-JP-5 とある方程式の解で、この解は数学上の未解決問題の証明における補題に用いられる。 SCP-1051-JP-3 先述の通りSCP-1051-JP内最小であり、しかも新たな素数判定法による初期の検定対象となる可能性が高い。 SCP-1051-JP-1 素数探索界隈で頻繫に参照されるメルセンヌ素数で、計算機の処理速度向上により、百年も経たずに人類が観測可能な時間内での素数判定が可能になるとの見解がある。 SCP-1051-JP-2、SCP-1051-JP-4、SCP-1051-JP-6 詳細不明。財団が収容するあるオブジェクトの収容プロトコルに何らかの形で関わっている模様。 こういうわけで、そう遠くない未来における民間でのSCP-1051-JP被害者の発生が予測されている。かといって研究の阻害は数学の発展に大きく遅滞をもたらすことから、収容を目的とした行動をとることが困難になっている。 しかも現在発見されているオブジェクトは先述の通り、数学の発展において重要な役割を持つものばかり。仮に将来発見されるであろうSCP-1051-JPも同様であるならば、数学上の問題を解決する試みの中で不測の被害者を出してしまう可能性は非常に高い。 なので仮にこの異常性に対処することができない場合、人類はいずれ数学の発展に限界を迎えるとの予測がなされている。 現在、全世界の高度な数学知識を有する人物に対する記憶補強手術の計画が検討されている。 追記・修正は新たなSCP-1051-JPを発見してからお願いします。 ▷CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-1051-JP - 魔法素数 by jpn20180622 http //scp-jp.wikidot.com/scp-1051-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] クルーシュチャ方程式みたい -- 名無しさん (2022-02-20 00 52 45) 「「素数」を数えて落ち着くんだ…」→「ンンッ…マ゜ッ!ア゛ッ!↑(発狂)」 -- 名無しさん (2022-02-20 02 27 55) 知ったら即死系は数あれど、近い将来人類が必ず見つける概念にそれが埋め込まれてるっていうアイデアは盲点だった。 -- 名無しさん (2022-02-20 18 01 41) 知ったらダメだから数学者殺すじゃなくて知っても死なないようにするのは意外 -- 名無しさん (2022-02-20 18 06 06) 知った時点で終わりの数式って、小説版岸辺露伴でも見たな -- 名無しさん (2022-02-20 21 38 23) しかし未来の素数判定方法を教えた未来人がいるのだから、未来では解決しているのでは・・・とも思えるが。 -- 名無しさん (2022-02-21 03 37 59) ↑未来人が現代から繋がる人類ではない可能性もある 仮に脳が発達しただけの人類が善意で教えに来たとして、その場合お前の善意で祖先が死ぬわという -- 名無しさん (2022-02-21 10 46 26) ↑2 そもそも「なんでその『未来人』が『未来の素数判定方法』について被害者に教えたのか」もわからんからなあ。ほんとに未来人だとしたらわざわざ未来から来たわけだろ?自分の先祖に最新の素数判定方法を教えることによって発生するメリットってなんだ……? -- 名無しさん (2022-02-21 11 14 57) 記法が違っても発症する+具体的にどんな数か知る必要はないってのからすると SCP-1051-JP-3進数でSCP-1051-JP-3は「10」だから「10は素数」って言われるだけで発狂か? -- 名無しさん (2022-02-21 16 19 25) SCP-1051-JP-3進法の10は素数、と説明されたら発狂するだろうけど、それはSCP-1051-JP-3は素数って言われるのと同じことでは -- 名無しさん (2022-02-21 22 14 41) 解釈の差にもよる気がする。記号だと思ってる段階では発狂しないから、「"SCP-1051-JP-3"偽である命題」 -- 名無しさん (2022-02-22 08 21 23) 誤送信失礼。SCP-1051-JP-3という単語が変数であり、論理的に偽である数学文章を言われただけとか思われたら多分セーフになるような気もする。 -- 名無しさん (2022-02-22 08 23 35) 素数だと認識できれば数字かどうか判別できないレベルで小さくてもいいなら、縮小しまくったのを「これは素数です」って説明した直後に昏倒とかいうシャイガイ的な使い方ができてしまう -- 名無しさん (2022-02-22 10 10 52) 数が多すぎて脳の許容量を超えるから発狂するんで、10や縮小しまくった数では発狂しないだろう -- 名無しさん (2022-02-22 13 06 33) 人間バッファオーバーフローだなあ。 -- 名無しさん (2022-03-03 00 21 40) 双子素数が無限に存在するかどうかはまだ未解決だぞ -- 名無しさん (2022-03-27 16 47 37) 脳が破壊される -- 名無しさん (2022-05-07 12 53 24) ↑9コイツ(及び今後発見されるだろう他の素数)の無力化についての研究を前倒しで行わせたい、コイツが日本で最初に発見される様に仕向けたい(それによるメリットがある)とかかね -- 名無しさん (2022-06-25 13 28 26) ↑5 どうだろう、理解しようとしてわかりやすい記述(普通の人間の場合十進数)に脳内で展開してしまうのかも。 -- 名無しさん (2023-08-07 21 43 13) これ好きだなあ 数多の数学者を魅了し続ける素数なのがまた良いんだよね、素数ならあり得そうとか思っちゃう 人類が続く限りいつか発見される、でもそれがいつになるのか数学者でもわからないって点もサイコー -- 名無しさん (2023-08-25 23 51 06) 実はわずかに抵抗力のある人間がいて生き残り、未来人はその子孫で、しかしそんな歴史的知識もないまま安易に「何で人類が激減したのかよくわからんけど、もっと素数を教えて数学を発展させれば科学も発展して防げるのでは?」と教えに来ちゃってたりして…まさにそれこそが… -- 名無しさん (2023-12-15 23 26 13) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/scp-tk/pages/13.html
アイテム番号 SCP-003-TK オブジェクトクラス safe 特別収容プロトコル SCP-003-TKが現れる██線付近2km近辺を封鎖している。 説明 SCP-003-TKは立川国の██県に通る██線で不規則的に現れる駅である。SCP-003-TKに着くと元の世界に戻るが、乗った人の視界の四方八方にSCP-002-TKが幻覚で現れる。 D-0210にSCP-003-TKに到着させ、水茶博士とインタビューした記録 D-0210 う... 博士 大丈夫ですか? D-0210 周りに███¹が... 博士 ███¹はどのような容姿ですか? D-0210 ... 博士 続けられそうですか? D-0210に記憶処理をして終了しました。 1 SCP-002-TKの本名