約 1,925,661 件
https://w.atwiki.jp/renju/pages/56.html
嵐月からなる、白四手目の強防のひとつ。
https://w.atwiki.jp/hrlm/pages/193.html
20170725 暑い日が続きますね このページを編集
https://w.atwiki.jp/agricola_kuigo/pages/45.html
高級娼婦 番号 FR072 種類 職業1+ 前提 - コスト - 点数 - ボーナス - 効果 「日雇い労働者」のアクションのたびに、小さい進歩 または 食料1を払って大きい進歩ができる。 (コストは通常通り支払う) 裁定
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/4262.html
《環 凛子(072)》 キャラクターカード 使用コスト3/発生コスト1/緑/AP20/DP40 【制服】 自分の場に同じ名称のキャラがいない、手札にある『夏色キセキ』のキャラは、使用コスト-1を得る。 (離れ離れになっても、友達は終わらないよ。) 夏色キセキで登場した緑色・【制服】を持つ環 凛子。 自分の手札にある自分の場に同名カードが存在しない『夏色キセキ』のキャラ全ての使用コストを1減らす効果を持つ。 場に同名カードがなければ使用コストを減らせる。 軽減値は低めだが、コスト3のキャラを1度だけ出しやすくなるのは便利。 カードイラストは描き下ろし。フレーバーは第9話「旅のソラのさきのさき」での凜子のセリフ。 関連項目 『夏色キセキ』 収録 夏色キセキ 01-072 パラレル 編集
https://w.atwiki.jp/toyotsu-country/pages/94.html
周辺 地図 解説 周辺 000 000 000 000 072神本群島 073 090 091 092 地図 (地図はサイズが大きいため、別ウィンドウで開きます) ver.01 簡易地勢図 ver.02 町村制施行時 解説 掲載している地図は架空のものであり、実際の土地の地図ではありません。ご了承ください。
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/8516.html
《加藤 恵(072)》 キャラクターカード 使用コスト0/発生コスト2/緑/AP10/DP10 【制服】 このカードが登場した場合、次の相手のターン、相手は、キャラを3枚までしかアプローチに参加させることができない。 (どうしろと言われても……。) 冴えない彼女の育てかたで登場した緑色・【制服】を持つ加藤 恵。 登場した時に次のターン相手のアプローチできるキャラを3枚に制限する効果、自分キャラ1枚を活動状態に戻す使用型テキスト効果を持つ。 2つ目の効果はアプローチ制限。 アプローチ回数を3回に制限できる。 ただし封印ではないので、こちらが3回妨害できる必要がある。 関連項目 《加藤 恵(058)》 収録 冴えない彼女の育てかた 01-072 編集
https://w.atwiki.jp/dinametamo/pages/2429.html
おとめのおかいものばっぐ(しろ) 入手法/作り方 小さいかご+水色の大きなリボン、熱する、かなり ロング手袋(水色)、わける、1日 作成アイテム 上トレイ 下トレイ 方法 時間 SUCCESS FAIL GREAT 猶予 乙女のおかいものバッグ(白) 下トレイ わける 1日 巾着(牡丹) 腐った乙女のおかいものバッグ(白) GREAT 腐り復活 上トレイ 下トレイ 方法 時間 SUCCESS FAIL GREAT 猶予 腐った乙女のおかいものバッグ(白) - わける ちょっと ニースの樹皮 × GREAT 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/purememowikiwiki/pages/793.html
《千石 撫子(072)》 キャラクターカード 使用コスト2/発生コスト2/赤/AP20/DP20 【制服】 (暦お兄ちゃん……相変わらず面白い。) 化物語で登場した赤色・【制服】を持つ千石 撫子。 効果を持たない普通のバニラカード。 カードイラストは第11話「つばさキャット 其ノ壹」のワンシーン。フレーバーはその時の撫子のセリフ。 収録 化物語 01-072 化物語スターターデッキ 01-072
https://w.atwiki.jp/eizoulist/pages/662.html
+2005年放送 みなさんのおかげでした20050929 +2006年放送 みなさんのおかげでした20060928 +2007年放送 みなさんのおかげでした20070927 +2009年放送 みなさんのおかげでした20090326 +2010年放送 みなさんのおかげでした20100923 みなさんのおかげでした20101223 +2011年放送 みなさんのおかげでした20111006 みなさんのおかげでした20111229 +2012年放送 みなさんのおかげでした20121206 みなさんのおかげでした20121227 +2014年放送 みなさんのおかげでした20140327
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/806.html
547 あまいあまいあねのおかし (1/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 22 58 07 ID f60/dATK 「せっか~いで~いち~ばんっお~ね~え~さ~まっ♪」 鼻歌を歌いながら、わたしはお皿にレタスを盛り付ける。 朝食の準備は完璧。今日はお弁当の要らない日なので、朝の準備はこれでおしまい。 「……さあて、そろそろ寝ぼすけな静二くんを起こさなくちゃ♪」 まだぐっすり眠っている静二くんの部屋に、こっそり侵入する。 「……静二くぅん、もう起きてる――わけないよね?」(こそこそ) 静二くんは朝が弱い。目覚ましじゃ全然起きられない。 まあだからこそ、朝はずっとわたしのターンなんだけど。 「……今なら抱きついても、あまり抵抗されないかな?」 ああでも、こないだの放課後、ついやり過ぎて気絶させちゃったしなぁ。 最近は抱きつくのも、ある程度自重してたんだけどなぁ……。 ううん、自重してるから今は我慢できないのかも。 「……うう、なんだかウズウズしてきたぁ?」 とりあえず衝動を抑えながら、わたしは静二くんの寝顔を眺める。 わたしの愛しい弟、静二くん。わたしの大切な弟、静二くん。 わたしに優しくしてくれる静二くん。わたしを救い出してくれた静二くん。 「……うん。やっぱり、ガマンデキナイ――」 自分でどんな言葉を呟いたかもわからないけれど。 わたしは考えることを放棄して、眠っている静二くんに抱きつき―― 自分の唇を、眠っている静二くんの、柔らかそうな唇に近付けて―― 「……んん、うぅ……ん!?」 「……あ、起きた。おはよう静二くん♪」(ぎゅ~~) 残念、静二くんが起きちゃったみたい。キス計画大失敗。 「……何やってんだよ姉さん?」 「……何って、抱きつこうとしてたの」(ぎゅ~~) 「……ん~っと、『嘘だっ!?』と言えばいいの?」 「……なんで、そう思うのかな? かな?」(ぎゅ~~) そんな会話を交わしながらも、わたしは静二くんから離れない。 静二くんは身を捩って、わたしを剥がそうとしているんだけど。 静二くんから離れるだなんて、とんでもない! というかもったいない。 「……姉さん、いまボクの寝込みを襲って、キスしようとしてたでしょ?」 「……別に、抱きつきたかっただけだよ? どこにそんな証拠があるの?」 「……これだけ顔を近づけておいて、キスじゃないって、誰が信じるの?」 「……うん、ばれたらしょうがないよね? じゃあ静二くん、キスを……」 「や・め・ん・かああああああああぁぁぁ!?」 「きゃん!?」 強引にキスをしようとしたところで、全力で静二くんに引っぺがされた。 そしてそのまま、静二くんのベットの横――床に落とされる。 「いった~い……。なにするのよ静二くぅん……」 「それはこっちの科白だあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 ――朝から元気な静二くんの絶叫は、今日も町内に響き渡った。 548 あまいあまいあねのおかし (2/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 23 00 42 ID f60/dATK その日は1学期最後の終業式の日だったので、午後には帰宅できた。 「……ま、待ってよ静二くぅん……。無視しないでよぅ……」(ぷるぷる) 「……はいはい、もう怒るのも飽きたから、一緒に帰ろう?」 そう言って、わたしに向かって片手を差し出してくる静二くん。 もちろんわたしは、その手の平に自分の手を絡めて、隣に並ぶ。 やっぱり静二くんは、世界で一番優しくて素敵な男の子だ。 「まったくもう、何を考えてるんだよ姉さんは。 あのままボクが起きなかったら、冗談抜きで危なかったよ……」 「? 危なかったって、何が? ねえ、何が危険だったの? 別に静二くんとの――実の弟とのキスって、危なくないよね?」 わたしがそういうと、静二くんは急に全身を硬直させた。 歩いている途中に止まられると、わたしも転んじゃうよ、静二くん? 「……あのさ姉さん、いまナチュラルに、ボクとのキスを話題に出したよね? まさかとは思うけど、姉さん今まで寝ているボクに、勝手にキスとかした?」 なぜか震えている静二くんから、そんな質問が飛び出してきた。 なんだか黙っていたほうがよさそうだけど、質問には答えないといけないよね? そんなことを思いながら、わたしは一番の笑顔を心がけながら、答えてあげた。 「……うん、もちろん何度もしたことあるよ? だって寝ている静二くんは抵抗しないし、寝顔が可愛いんだもん♪ わたしじゃなくったって、ついついキスとかしたくなっちゃうもの♪」 他の女の子のキスなんて、わたしが絶対に阻止するけどね。 「……………………うあああぁぁぁ」(へなへな~) わたしが話している最中に、突然唸り声をあげながらその場にへたり込む静二くん。 ちょっとその態度は失礼じゃないかなあ、と思うけど、なんか可愛いから許す。 「……もう、そんなに落ち込まなくてもいいじゃない?」 「あのさぁ――いや、もう何も言わないでおくよ」 なんでなのかわからないけれど、呆れ果てた声を上げる静二くん。 本当に、静二くんは見ていて飽きないなぁ。 「まったく、姉さんもいい加減、ボクに甘えるのを止めようよ。 姉さんは可愛いんだから、ふつうに彼氏とかつくればいいじゃないか? そりゃあボクも寂しくはなるけど――ボクたちは姉弟なんだからさ?」 「ふつうに……? 彼氏……?」 静二くんの何気ない言葉に、今度はわたしが歩みを止める。 ほんの少しつんのめりながら、静二くんもわたしのほうを振り向く。 「……別に、わたしは『ふつう』なんかじゃないから」 「ね、姉さん……?」 「……わたしの身体のこと、静二くんは全部知ってるでしょ? 忘れてない? 『アレ』って、便利なだけじゃないんだよ?」 だからこそ、ありのままを受け入れてくれた静二くんに、わたしは甘えている。 もうあの頃ほど辛くはないけれど、あの時助けてくれた静二くんは、本物だったから。 「……あ、姉さんあれ見て。クレープ屋さんが来てるよ?」 不意に静二くんの言葉で、わたしは思考の檻から抜け出した。 どうも、わたしが落ち込んでいると思った静二くんが、気を引いてくれたらしい。 こういうところで優しさをみせてくれるから、わたしは静二くんが大好きなんだ。 「あのクレープ屋さんの巡回車、久しぶりに見たなあ……。 姉さん、あそこで苺とかのクレープでも買っていかない?」 ちょっと楽しそうに言う静二くん。そういや静二くん、甘いものに目が無いんだ。 でもなんだか、美味しくてもお店のものにばかり気を惹かれるのは――悔しいな。 「……待ちなさい静二くん。今買わなくても、わたしが明日の休みに作ってあげる。 だから今日はあれを買わずに、早くおうちに帰りましょう?」 「えっ? でも姉さん、クレープの作りかたとか――」 「いいからいいから、姉さんを信用しなさいっ♪」(ぎゅっ) まだ何か言いたそうな静二くんの手を握り締め、わたしたちはその場を離れた。 549 あまいあまいあねのおかし (3/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 23 02 20 ID f60/dATK ――以上、過去回想おしまい。 長い前振りだったけど、そんな理由で、いまわたしは買い物からの帰りだ。 買ったのはもちろんクレープの材料。卵に小麦粉に生クリーム他いろいろ。 レシピなんかは、普通にインターネットで検索したので、特に問題はない。 それにしても両腕が重い。いつもなら静二くんが、半分持ってくれるのに。 本当は静二くんも一緒に誘いたかったんだけど、なにか用事があるみたい。 まあたぶんまた、わたしたちのクラスの担任に呼ばれてるんだろうと思う。 「……わたしと静二くんのデートを邪魔するだなんて、許せないなぁ……」 思わず物騒なことを呟いてしまったけれど、本当に何かするわけじゃない。 実際のところ、あの先生にはいろいろとお世話になっているし、感謝もしている。 わたしが静二くんと一緒に居られるのも、半分はあの先生が動いてくれるおかげだ。 じゃないと、わたしたちは早々に、あの親類どもに引き離されているはずだから。 わたしたちと仲良くしてくれる浮雲くんや硝子ちゃんと同じで、嫌う理由はない。 まあそこまでわかってても、やっぱり静二くんからは離れたくないんだよね。 だからいつもつい先生を睨んじゃって、また静二くんに怒られちゃうんだ。 ああでもでも、わたしを睨んでお説教する静二くんって、とっても…… (長いので中略) でも時々静二くんから撫でてくれる時は、すごく蕩けそうな笑顔にな…… (また長いので中略) だから静二くんはまだ、わたしから離れて欲しくなくて…… 「……てっ、くだ……いっ!?」 「うるせ……、……ない……オイ?」 静二くんのおかげで、わたしは今のわたしでいられる…… 「やめてください!? 私はいやだって……」 「あ~ガタガタ言ってねぇで、俺達と遊ぼうぜぇ~?」 「……うるっさいなあ、せっかく静二くんのことを考えてたのに」 うっかり、ものすごく低い声で、どす黒い呪詛を呟いてしまった。 そして間の悪いことに、その呟きが聞こえてしまったらしい。 なにやらうるさかった公園前の男女らに、気づかれてしまった。 「お~お~、ここにもカワイコちゃんがいるじゃねえかよ~」 「おいねーちゃん、オメーもこの女と一緒に、遊ばねえか?」 そう言いながら、少し離れた位置にいるわたしの所へ、寄ってくる男連中。 元の場所では、キモイ顔をした男が1人、女の子が逃げないように捕まえている。 どうやら、男数人で女の子を無理やり、この公園に連れ込もうとしていたらしい。 確かこの公園は人気がないから――ああ、たぶんそういう意味なんだろうな。 「おいおい、聞いてんのかいねーちゃん? 俺らと遊ぼうぜ?」 「あれ? コイツは確か、ウチの学校の『砂糖菓子(シュガーシス)』じゃね?」 「砂糖菓子? なんだそりゃ?」 「聞いたことあるな。確かいつも弟にべったりくっついてるブラコン姉だとか」 「ああ、あのいけすかない1年坊――雨音静二とかいうやつの姉か!」 「雨音静二って、あのわけわからん人気者のクソガキじゃねえか! むかつくからソイツ、そろそろシメてやろうと思ってたんだよ俺」 「ひゃはは、そりゃあちょうどいいや。この女も拉致ろうや。 今からそのガキを呼んで、目の前でこの女で遊んでやろうぜ? その後はそいつをボコって遊んで、金を毟り取ってやろうや?」 ――ぶちぃっ!! わたしの中で、確かに何かがブチ切れた音がした。 550 あまいあまいあねのおかし (4/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 23 04 40 ID f60/dATK 「んあ、なんだ今の音?」 「へ? 俺は何も聞こえなかったぞ?」 なんだか目の前で、雑魚みたいな男の声がするけど、どうでもいい。 とりあえず「逃げて」とか叫んでくる女の子の声も、どうでもいい。 「……静二くんを傷つける? ふざけるなこの馬鹿連中。 静二くんはおまえら風情が、傷つけていい人なんかじゃない」 そう言いながら、わたしは今の状況を分析する。 距離は――うん、大丈夫。わたしの間合いで、得意な位置だ。 アレは――うん、ちゃんとわたしの懐にある。充電も完璧だ。 手元は――うん、荷物は邪魔だから、とりあえず置いとこう。 「ああ? 何言ってんのオマエ? 狂ったの? これから俺たちに可愛がられるのに興奮したの?」 「それとも、逃げられるとでも思っているのか? 無理無理。オレらの足は速いから、そんなこと――」 なんだか真面目に聞くのも馬鹿らしくなって、聴覚から意識を外す。 これだけでだいぶ濁声が聞こえなくなって、心が落ち着いてすっきりする。 やっぱりわたしの耳に一番心地よいのは、静二くんのやさしい声だ。 静二くんの存在が、わたしの人生を潤してくれる。だから―― 「静二くんを傷つけるなんて言った人たちは、みんな苦しめばいい。 静二くんはわたしが守る。静二くんはわたしのものだもの……!」 その言葉を最後に、わたしは目の前の『生肉の的』に向かって駆け出した。 突然だけど、ここでちょっとした問題。 あらゆる武術を習得した、いわゆる近接戦闘の『達人』について。 そんな存在を正面から1対1で倒すには、一体どのような戦法を用いればいいか。 不意打ちや寝込みを襲う――のはアウト。そんな都合よく隙はないし。 心理戦や精神攻撃――は効果が出るまでに相手に攻撃されたら終わり。 毒薬や病の類――は扱いが危険で、相手と同時に自身も害しかねない。 刀剣や銃器の類――も、飛び道具は軌道が読まれ、近接武器は返り討ち。 相手を圧倒する質量の攻撃――は、人間である以上、扱える限界がある。 だったら、正面から堂々と、刃物も毒も持たない非力な少女はどう戦うか。 ちょっと考えたら子供にだってわかる、単純明快なその戦法は―― ――っぱあああぁぁぁぁん!! 「…………………がはっ!」 不可視にして不可避の――速攻だけ。 551 あまいあまいあねのおかし (5/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 23 06 39 ID f60/dATK 行動から結果まで、時間は1秒もかからない。 ――どがしゃあああああん!! 向こうの塀のゴミ捨て場に、無様に突っ込む不良A。 完全に気絶していて、起き上がることはなさそうだ。 というか、起き上がれるわけがない。 わたしの――軽いとはいえ――全体重をかけた突進による刺突。 そして刺突に使うのは、わたし愛用の特別製スタンガンなのだ。 これを無防備な急所に食らって、耐えられる人間はまずいない。 「!? な、おい大丈夫か!?」 「な、なんなんだこの女っ!?」 「い、今の動き、マジで見えねえっ!?」 わたしは昔から、特に鍛えてもないのに脚力がすごかった。 1歩目から最高速に達して、ずっとその速さを維持することができる。 本気を出せば静二くんから、12時間くらいは逃げ続けられる。 もっとも、静二くんから離れるのは楽しくないから、普段はそんなことはしないけど。 そして、その自慢の脚力に加えての、わたしが独自で編み出した直線突進の足運び。 昔何かの書籍でみた、超加速の足技『爆縮地』と、古代の拳闘術奥義『三歩必殺』。 この2つを空想して混ぜた、わたしの重量と速度をそのまま威力に変換する加速技―― 1歩目で、静止から最高速まで到達して、相手の視覚から瞬間的に消える。 2歩目で、体勢を捻り攻撃態勢をとりつつ、重心を傾けてさらに加速する。 3歩目で、到達と同時に踏み込みを入れて、相手に必殺の一撃を叩きこむ。 総じて3歩で、相手の懐まで飛び込んで、最大の一撃をお見舞いする我流のステップ。 名前は特につけていない。わたしにはネーミングセンスがないから、名前はつけない。 前に近所の野良猫に名前をつけようとして、静二くんに苦笑された悲しい過去がある。 だから、『砂糖菓子(シュガーシス)』とかいった通り名は、とても大事にしている。 そのことを静二くんに話したら、『いや、砂糖菓子はないだろ……』と嘆かれたけど。 ――たっ、たっ、っぱあああぁぁぁぁん!! 「………………ぎゃぼっ!?」 ――どぼしゃあっ!! 混乱しているうちに、不良Bも同様に弾き飛ばす。 公園脇の溝(掃除されてないドブ)に落ちたけど、まあいいか。 そして加速の末の一撃に用いるのは、対象に押し当てて放電する特別製スタンガン。 昔母さんに護身用にスタンガンを買ってもらった時に、奮発してもらった高級品だ。 どれだけ勢いよく中ててもなかなか壊れず、しかも出力がかなり高くて強力な1品。 最大電圧だけでも強力なのに、勢いを乗せて中てるから、みんな弾き飛んでいく。 わたしにとって最高で、唯一の護身手段がこの一連の動作全て。 とてもじゃないけど、こんなの静二くんに見せたりはできない。 静二くんに見られたりしたら、絶対どん引きされちゃうもの。 ――たっ、たっ、っぱあああぁぁぁぁん!! 「………………ぐはぁっ!」 ――ずざざざざざ……っ!! ちょうどいい位置に居た不良Cを弾き飛ばす。 何にもぶつからなかったけど、無様に地面を転がって停止した。 起き上がるどころか、意識を手放しているみたいなので、放っておく。 結局は、ただ真っ直ぐ突っ込んで、スタンガンを中てるだけ。 そしてそのスピードが、誰にも追いつけないくらい速いだけ。 単純明快かつただの力押し。けれどわたしはそれで構わない。 最低3メートルの距離があれば、わたしは誰にも捕まらない。 半径10メートルの距離が、わたしの間合いにして『結界』。 今から突撃しますので、とっとと気絶してください、っと! 552 あまいあまいあねのおかし (6/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 23 09 59 ID f60/dATK 「ま、まさかコイツ、噂の『線光花火(スパークライン)』なんじゃ……」 なんだかうるさい不良Dのもとへ、駆け出して―― ――たっ、たっ、っぱあああぁぁぁぁん!! 「…………………ぎぃっ!」 ――みしいいぃぃぃっ!! 他の連中同様に、弾き飛ばして公園内の植林の幹に叩きつける。 どうでもいいけど、『スパークライン』って名前、なんか格好いい気がする。 そんなことを考えつつ、わたしは最後の1人に向き合った。 「ひぃぃぃぃっ……!? く、来るな来るなぁっ!? こ、こっちには人質がいるんだ、近寄ったら――」 「きゃあああ!?」 うるさいなあ。面倒だけどついでだし、あの子も助けてあげよう。 ――たっ、たっ、っぱあああぁぁぁぁん!! 「…………………ごぉっ!」 ――どごぉっ!! 公園のトイレの石壁に叩きつけられる不良E。すごく痛そう。 もちろん、捕まっていた女の子は巻き込んでいない。 スタンガンを中てて弾き飛ばしたのは、不良の男だけだ。 「……ふぅ、確かこれで全部だったと思うんだけど……」 とりあえず周囲を見渡しても、あの5人以外に敵意を持った不良共はいない。 今ここに残っているのは、わたしと、なんか襲われかけていた女の子だけだ。 「……はぁ~っ、とりあえずこれで、全滅したのかな?」 1人ぼやきながら、さっきまで使っていたスタンガンを懐にしまう。 口先だけのチャラい連中だったし、本当に時間と体力の無駄だった。 けど、わたしの静二くんを闇討ちするだなんて、許せるわけがない。 「……んっ、と。脚はまあ……ちょっと痛いけど、すぐ治るかな?」 忌々しいけど『アレ』のおかげで、わたしはあんな無茶ができる。 普通ならさっきのスピードで動いたら、両手足のどれかがおかしくなるのに。 そう考えると複雑かも。なんか虚しくなってきた気がする。 よし、じゃあ早くウチに帰って、また静二くんに甘えて―― 「あ、あの……、ありがとうございました雨音さんっ」 「……うん? 別にあなたのためにやったワケじゃあ――ってあなたは」 「あの、はい私です――氷雨です。お久しぶりです――静香さん……」 どうやら助けたのは、こないだ静二くんにちょっかい出してた女だったらしい。 偶然というかなんというか――別に不良と一緒に吹っ飛ばしてもよかったかな。 まあ、もう助けちゃったし、別にどうでもいっか。 「……静二くんは怪我してないわよ。それだけは教えておいてあげる」 「あ、それはよかったです……。それじゃあ静二くんに言伝を――」 「……それじゃあ、もう2度と静二くんにちょっかい出さないでね? 今度やったら、こいつらか――間違えて吹き飛ばしちゃった静二くんみたいにするからね?」 そう、こないだはさっきのダッシュで、目の前のこの女を素手で突き飛ばすつもりだった。 けれど目測を誤って、急停止して――発生した衝撃波に、静二くんを巻き込んでしまった。 幸い、静二くんの怪我は軽い脳震盪だけで済んだから、まだ良かったんだけど……。 「うぐぅ……、わかりました、静香さん……」 氷雨とかいう一応先輩(本当は同い年)が黙ったのを見て、わたしは踵を返す。 「……ちょっと牽制にしては甘かったような気もするかなぁ? ……まあ、充分脅しにはなってたみたいだし、別にいっか♪」 そんなことよりも、早くおウチで静二くんのために、クレープを焼いてあげよう。 そう思って、わたしは若干駆け足気味に、ウチに向かって歩き出した。 553 あまいあまいあねのおかし (7/7) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/07/19(日) 23 12 49 ID f60/dATK 「ただいま姉さん――ってどうしたの? そんな浮かない顔をして?」 「……あ、静二くんおかえりなさい……」 落ち込んだ顔をしていたら、ちょっと遅く帰ってきた静二くんが、わたしに気遣ってくれた。 嬉しかったので、いま落ち込んでいた理由を全部、隠さずに話してあげた。 「……あのね、今日は静二くんのために、クレープを作ってあげるって約束してたでしょ? それで準備も材料もばっちり計画して揃えて、頑張って作る――つもりだったんだけど……。 途中で転んだせいか、買って帰った卵とかが、ほとんど潰れちゃってたの。 なんとか無事なものだけ集めて材料にしたら、美味しくなさそうなのができちゃったの……」 心配してくれた静二くんの前に、一応そのクレープを出してあげた。 たぶん昼間、あの不良共やちょっかい女に関わった時に、袋を地面に置いたせいだ。 でも、理由なんて別にどうでもいい。結局は完成させられなかったんだから。 せっかく静二くんと(半ば無理やりだけど)約束して、作ったのに……。 静二くんに「美味しい」って、言って欲しかったのに……! 「まったくもう……、しょうがないなあ姉さんは」 そう言いながら、静二くんはわたしの作った(失敗作っぽい)クレープに手を伸ばした。 そしてわたしが止めるよりも早く、それを自分の口に運んで――頬張った。 「……あっ、だめだよ静二くんっ? それ美味しい自信が――」 けれど静二くんは笑顔のままで、わたしの頭を撫でながら言ってくれた。 「そうだね、確かにだいぶ味が薄いし、甘さも水分も足りない気がするよ。 でもさ、姉さんが頑張って作ってくれたんだもの。残す気はないよ?」 さっきまで落ち込んでいたのもあったけど、そんな言葉をくれた静二くんが眩しくて―― 「……あ、ありがとっ! やっぱり静二くん大好きっ♪」(ぎゅ~~) 「って、わわ、わ、姉さんちょっと待――うわぁっ!?」 「――きゃんっ!?」 つい勢いで抱きついた――と思ったら、勢いつけすぎて、一緒に転んでしまい―― 「……あ、えっと…………?」 「……ん、えへへ…………♪」 そしてついうっかり――事故だったけど――キス、しちゃったみたい♪ 「あのさ、ボクにそんな他意はなくて、ただ姉さんが怪我しないように抱きしめて――」 必死で言い訳をする静二くん。なんだかその姿が可愛くて、私は悪戯を思いつく。 「……えへへ、なんて言うかさ――美味しかったよ?」 「ちょっ!? その、もう、そりゃあボクだって――」 ああもうどうしよう、しどろもどろな静二くんが、すごくかわいい!? 「……もう、何をそんなに動揺してるの? わたしたちは姉弟、なんでしょう? わたしが言ってるのは、静二くんの唇についてたクレープの欠片のことだよ?」 あ、みるみる静二くんの顔が、赤くなっていくのがわかる。 本当に今日は、静二くんのいろんな表情が見れて楽しい。 「っ!? もう今日は我慢できない!? 姉さんっそこに正座しなさいっ!?」(べりっ) 「きゃああっ!? いやだ~そんなのっ、わたしは悪いことしてないもん!?」(だっ) とりあえず本気で引っぺがされたので、静二くんから全力で逃げ出すわたし。 ちょっとからかいすぎちゃったのか、本気で許してくれなさそうな静二くん。 捕まるのが怖いので、今回は本気の全力で、家の中を追いかけっこに使わせてもらおう。 「待て~っ、姉さ~ん!? 今日こそはオシオキしてやる~!!」 「や~だよ~っ! つかまえてごらんなさい、静二くぅ~ん♪」 ――いろいろあるだろうけど、わたしはいま静二くんに甘えられるこの日々を、全力で享受しよう。 ― "The cake" END & Next time "The proof" ―