約 1,229,567 件
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/220.html
2013年6月16日 姉妹ページ「南欧ミステリ邦訳一覧」も作成しました(2013年6月17日)。「ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧」も作成しました(2013年7月22日)。 2014年8月追記:「ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧」、「中南米ミステリ邦訳一覧」も作成しました。 Index スウェーデン(1)戦前の邦訳 (2)1950年代の邦訳 (3)マルティン・ベック・シリーズの邦訳(1971年~1979年) (4)マルティン・ベック以後、ヴァランダー警部以前 (5)ヴァランダー警部シリーズの邦訳開始(2001年) (6)ヴァランダー警部以後、《ミレニアム》以前 (7)《ミレニアム》の邦訳(2008年・2009年) (8)《ミレニアム》以後の邦訳 デンマーク ノルウェー アイスランド フィンランド 北欧の少年少女向けミステリ スウェーデン 日本での邦訳紹介の順に並べている。「ヴァランダー警部以後、《ミレニアム》以前」などの区分を便宜的に使ったが、これも日本での邦訳紹介の時期を基準にしたものであり、作品発表時期を基準にしたものではないことにご注意ください。 (1)戦前の邦訳 S・A・ドゥーゼ(Samuel A. Duse、1873-1933)書誌は省略。小酒井不木によって日本に紹介され、私立探偵レオ・カリング・シリーズの長編『スミルノ博士の日記』『生ける宝冠』『夜の冒険』『スペードのキング』『四枚のクラブ一』などが訳されている。『スミルノ博士の日記』は1963年に宇野利泰による新訳も出ている(東都書房《世界推理小説大系》第5巻)。 邦訳状況については小酒井不木研究サイト「奈落の井戸」内「S・A・ドゥーゼ研究所」およびミステリのデータベースサイト「Aga-Search」の「S・A・ドゥーゼ」のページが詳しい。 フランク・ヘラー(Frank Heller、1886-1947)「コリン探偵」(『新青年』1924年7月号[5巻8号]、pp.198-221、浅野玄府訳、著者名表記「フランク・ヘラー」) 「エムプレス・オブ・オセアニア号」(『新青年』1931年9月号[12巻12号]、pp.264-277、浅野玄府訳、著者名表記「フランク・ヘルラア」)怪盗紳士フィリップ・コリン・シリーズの短編が2編邦訳されている。フィリップ・コリンおよび作者のフランク・ヘラーについての詳細は当サイト内の「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編」。 (2)1950年代の邦訳 マリカ・スチールンステット(Marika Stiernstedt、1875-1954)『巴里の女テロリスト』(伊東鍈太郎訳、クラルテ社、1951年) 『占領軍将校殺人事件』(道本清一郎訳、『探偵倶楽部』1953年10月号[4巻10号]、pp.234-270、著者名表記「M・スチールンステット」) 『占領軍将校殺人事件』は表紙では「特異な探偵長篇」とされている。目次では「パリの悲劇!民衆の反抗!北欧女流作家の大力作一挙に発表!!」。本文最初のページでは以下のように紹介されている。 スカンジナビヤ半島の産んだ偉大な閨秀作家として、女史の名は、既に日本にも紹介されているが、作の翻訳されたのは、これが最初である。これは、探偵小説ではないかも知れない。しかし、探偵小説以上のスリルと昂奮に充ちている深みのある心理小説として、充分に、これは、本誌読者を満足させるだろう。 (3)マルティン・ベック・シリーズの邦訳(1971年~1979年) マイ・シューヴァル(Maj Sjöwall、1935- )&ペール・ヴァールー(Per Wahlöö、1926-1975) マルティン・ベック・シリーズ(発表1965年~1975年、全10作、邦訳はすべて高見浩訳) 01 『ロゼアンナ』 角川文庫、1975年 / 【新訳】『ロセアンナ』角川文庫、2014年9月(柳沢由実子訳) 02 『蒸発した男』 角川文庫、1977年 / 【新訳】『煙に消えた男』角川文庫、2016年3月(柳沢由実子訳) 03 『バルコニーの男』 角川文庫、1971年 04 『笑う警官』 角川文庫、1972年 / 【新訳】角川文庫、2013年9月(柳沢由実子訳) 05 『消えた消防車』 角川文庫、1973年 06 『サボイ・ホテルの殺人』 角川書店、1975年 / 角川文庫、1982年5月 07 『唾棄すべき男』 角川書店、1976年 / 角川文庫、1982年11月 08 『密室』 角川書店、1976年 / 角川文庫、1983年1月 09 『警官殺し』 角川書店、1978年 / 角川文庫、1983年3月 10 『テロリスト』 角川書店、1979年 / 角川文庫、1983年4月 ※『笑う警官』は1971年、アメリカ探偵作家クラブのエドガー賞最優秀長編賞受賞 その他 ペール・ヴァールー『爆破予告』(高見浩訳、角川文庫、1982年10月) マイ・シューヴァル&トーマス・ロス『グレタ・ガルボに似た女』(木村由利子訳、角川文庫、1993年11月)トーマス・ロス(Tomas Ross、1944- )はオランダの推理作家。オランダ推理作家協会(1986年~)の創設の主導者で、会長も務めた。本名はウィレム・ホーヘンドールン(Willem Hogendoorn)。1980年ごろから政治小説やサスペンス小説を発表し始め、オランダ推理作家協会賞を1987年、1996年、2003年の3度受賞。 『グレタ・ガルボに似た女』は1990年にスウェーデンの出版社から刊行された。この作品はそれぞれが一章ずつ書き、その原稿を粗訳とともに相手に送り、送られた方がそれに自分なりに手を加えてまた翻訳をつけて送り返すという方式で執筆されたもので、完成までに3年かかったという。マイ・シューヴァルは夫のペール・ヴァールーが1975年に死去して以来創作から遠ざかっており、『グレタ・ガルボに似た女』は15年ぶりの新作となった。 (4)マルティン・ベック以後、ヴァランダー警部以前 オッレ・ヘーグストランド(Olle Högstrand、1933-1994)『マスクのかげに』(高見浩訳、TBS出版会 《北欧ミステリ・シリーズ》、1977年9月) - 1971年シャーロック賞 K・アルネ・ブルム(カール・アルネ・ブルム)(K. Arne Blom、1946- )『真実の瞬間』(吉野美恵子訳、角川書店、1979年9月) - 1974年シャーロック賞 ヤーン・エクストレム(Jan Ekström、1923-2013)『誕生パーティの17人』(後藤安彦訳、創元推理文庫、1987年1月) - 「スウェーデンのカー」と呼ばれる作家の1975年の作品 K=O・ボーネマルク(シェル=ウーロフ・ボーネマルク)(Kjell-Olof Bornemark、1924-2006)『さらば、ストックホルム』(平賀悦子、柳沢重也訳、中公文庫、1987年7月) - 1982年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞、1982年シャーロック賞 ヤン・ギルー(Jan Guillou、1944- )『白夜の国から来たスパイ』(三木宮彦訳、ティビーエス・ブリタニカ、1995年12月) - 1986年発表開始の人気スパイ小説シリーズの第9作(1994年発表) シャスティン・エークマン(Kerstin Ekman、1933- )『白い沈黙』(澤村灌訳、講談社文庫、1998年8月) - 1993年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 シャーロック賞(Sherlock-priset)はスウェーデンの新聞『エクスプレッセン』が年間最優秀ミステリに授与していた賞。ちなみに『笑う警官』はこの賞の1968年の受賞作である。 K・アルネ・ブルムは国際推理作家協会の会長も務めた人物。2009年にスウェーデン推理作家アカデミーの巨匠賞を受賞している。ヤーン・エクストレムは1997年にスウェーデン推理作家アカデミーの巨匠賞を受賞している。 ヤン・ギルーの邦訳はほかに『エリックの青春』(柳沢由実子訳、扶桑社、2006年6月、著者名表記「ヤン・ギィユー」)があるが、これは自伝的青春小説。 (5)ヴァランダー警部シリーズの邦訳開始(2001年) ヘニング・マンケル(Henning Mankell、1948- ) ヴァランダー警部シリーズ(すべて創元推理文庫、柳沢由実子訳) 01 『殺人者の顔』 2001年1月 Mördare utan ansikte (1991) 1991年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、1992年ガラスの鍵賞 02 『リガの犬たち』 2003年4月 Hundarna i Riga (1992) 03 『白い雌ライオン』 2004年9月 Den vita lejoninnan (1993) 04 『笑う男』 2005年9月 Mannen som log (1994) 05 『目くらましの道』【上下巻】 2007年2月 Villospår (1995) 1995年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2001年英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞 06 『五番目の女』【上下巻】 2010年8月 Den femte kvinnan (1996) 07 『背後の足音』【上下巻】 2011年7月 Steget efter (1997) 08 『ファイアーウォール』【上下巻】 2012年9月 Brandvägg (1998) 09 『霜の降りる前に』【上下巻】 2016年1月 Innan frosten (2002) シリーズ外作品(ミステリ) 『タンゴステップ』【上下巻】(柳沢由実子訳、創元推理文庫、2008年5月) Danslärarens återkomst (2000) 『北京から来た男』【上下巻】(柳沢由実子訳、東京創元社、2014年7月 / 創元推理文庫、2016年8月) ヘニング・マンケルはほかに児童文学『少年のはるかな海』(菱木晃子訳、偕成社、1996年6月)、『炎の秘密』(オスターグレン晴子訳、講談社、2001年11月)(2002年、産経児童出版文化賞・大賞受賞)、『炎の謎』(オスターグレン晴子訳、講談社、2005年2月)の邦訳がある。 (6)ヴァランダー警部以後、《ミレニアム》以前 リサ・マークルンド(リザ・マークルンド)(Liza Marklund、1962- )『爆殺魔(ザ・ボンバー)』(柳沢由実子訳、講談社文庫、2002年7月、著者名表記「リサ・マークルンド」) - 1998年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞 『ノーベルの遺志』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2013年11月、著者名表記「リザ・マークルンド」) - 2013年第1回ペトローナ賞受賞(イギリスで英訳出版された北欧ミステリの年間最優秀作に与えられる賞) ホーカン・ネッセル(Håkan Nesser、1950- )『終止符(ピリオド)』(中村友子訳、講談社文庫、2003年5月) - 1994年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 カーリン・アルヴテーゲン(Karin Alvtegen、1965- )『喪失』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2005年1月) - 2001年ガラスの鍵賞 『罪』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2005年6月) ←これがデビュー作 『裏切り』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2006年9月) 『恥辱』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2007年11月) 『影』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2009年11月) 『満開の栗の木』(柳沢由実子訳、小学館文庫、2013年1月) 『バタフライ・エフェクト』(ヘレンハルメ美穂訳、小学館文庫、2015年5月) アンデシュ・ルースルンド(Anders Roslund、1961- )&ベリエ・ヘルストレム(Börge Hellström、1957- )『制裁』(ヘレンハルメ美穂訳、ランダムハウス講談社、2007年7月) - 2005年ガラスの鍵賞『制裁』(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ文庫 、2017年2月) ※「著者本人による改稿を反映した決定版」 『ボックス21』(ヘレンハルメ美穂訳、ランダムハウス講談社、2009年4月) 『死刑囚』(ヘレンハルメ美穂訳、武田ランダムハウスジャパン、2011年1月) 『三秒間の死角』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、角川文庫、2013年10月) - 2009年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2011年英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞 アンデシュ・ルースルンド(Anders Roslund、1961- )&ステファン・トゥンベリ『熊と踊れ』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂、羽根由訳、ハヤカワ・ミステリ文庫 、2016年9月) オーサ・ラーソン(Åsa Larsson、1966- )『オーロラの向こう側』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2008年8月) - 2003年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞 『赤い夏の日』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2008年10月) - 2004年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 『黒い氷』(松下祥子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2009年5月) (7)《ミレニアム》の邦訳(2008年・2009年) スティーグ・ラーソン(Stieg Larsson、1954-2004) 01 『ミレニアム 1 ドラゴン・タトゥーの女』【上下巻】 ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利訳 早川書房、2008年12月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年9月 2006年ガラスの鍵賞 02 『ミレニアム 2 火と戯れる女』【上下巻】 ヘレンハルメ美穂、山田美明訳 早川書房、2009年4月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年11月 2006年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 03 『ミレニアム 3 眠れる女と狂卓の騎士』【上下巻】 ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利訳 早川書房、2009年7月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年12月 2008年ガラスの鍵賞 (8)《ミレニアム》以後の邦訳 カミラ・レックバリ(Camilla Läckberg、1974- )『氷姫(こおりひめ) エリカ パトリック事件簿』(原邦史朗訳、集英社文庫、2009年8月) 『説教師 エリカ パトリック事件簿』(原邦史朗訳、集英社文庫、2010年7月) 『悪童 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2011年3月) 『死を哭(な)く鳥 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2012年4月) 『踊る骸(むくろ) エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2013年4月) 『人魚姫 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2014年1月) 『霊の棲む島 エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2014年10月) 『死神遊び エリカ パトリック事件簿』(富山クラーソン陽子訳、集英社文庫、2016年6月) ラーシュ・ケプレル(Lars Kepler 夫妻作家)(Alexander Ahndoril、1967 - / Alexandra Coelho Ahndoril、1966- )『催眠』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2010年7月) 『契約』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2011年7月) 『交霊』【上下巻】(岩澤雅利、羽根由訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年12月) ヨハン・テオリン(Johan Theorin、1963- )『黄昏に眠る秋』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年4月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年3月) - 2007年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀新人賞 『冬の灯台が語るとき』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年2月) - 2008年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2009年ガラスの鍵賞、2010年英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞 『赤く微笑む春』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ、2013年4月) 『夏に凍える舟』(三角和代訳、ハヤカワ・ミステリ1905、2016年3月) インゲル・フリマンソン(Inger Frimansson、1944- )『グッドナイト マイ・ダーリン 悪女ジュスティーヌ 1』(佐宗鈴夫訳、集英社文庫、2011年7月) - 1998年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 『シャドー・イン・ザ・ウォーター 悪女ジュスティーヌ 2』(佐宗鈴夫訳、集英社文庫、2011年8月) - 2005年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞 アルネ・ダール(Arne Dahl、本名Jan Arnald、1963- )『靄(もや)の旋律 国家刑事警察特別捜査班』(ヘレンハルメ美穂訳、集英社文庫、2012年9月) モンス・カッレントフト(Mons Kallentoft、1968- )『冬の生贄』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2013年3月) 『天使の死んだ夏』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2013年10月) 『秋の城に死す』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2015年12月) カーリン・イェルハルドセン(Carin Gerhardsen、1962- )『お菓子の家』(木村由利子訳、創元推理文庫、2013年6月) 『パパ、ママ、あたし』(木村由利子訳、創元推理文庫、2014年3月) 『子守唄』(木村由利子訳、創元推理文庫、2015年6月) ヴィヴェカ・ステン(Viveca Sten、1959- )『静かな水のなかで』(三谷武司訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年11月) 『夏の陽射しのなかで』(三谷武司訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年1月) 『煌めく氷のなかで』(三谷武司訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年3月) イェンス・ラピドゥス(Jens Lapidus、1974- )『イージーマネー』(土屋晃、小林さゆり訳、講談社文庫、2013年11月) アレクサンデル・セーデルベリ(Alexander Söderberg、1970- )『アンダルシアの友』(ヘレンハルメ美穂訳、ハヤカワ・ミステリ1879、2014年1月) M・ヨート(Michael Hjorth、1963- )&H・ローセンフェルト(Hans Rosenfeldt、1964- )『犯罪心理捜査官セバスチャン』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、創元推理文庫、2014年6月) 『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂訳、創元推理文庫、2015年1月) アンデシュ・デ・ラ・モッツ(Anders de la Motte、1971- )『監視ごっこ』(真崎義博訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年7月) 『炎上投稿』(真崎義博訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2015年6月) アンナ・ヤンソン『消えた少年』(久山葉子訳、創元推理文庫、2014年10月) 『死を歌う孤島』(久山葉子訳、創元推理文庫、2015年3月) ヨアキム・サンデル『スパイは泳ぎつづける』(ヘレンハルメ美穂、中村有以訳、ハヤカワ文庫NV、2014年12月) クリスティーナ・オルソン『シンデレラたちの罪』(ヘレンハルメ美穂訳、創元推理文庫、2015年8月) エメリー・シェップ『Ker(ケール) 死神の刻印』(ヘレンハルメ美穂訳、集英社文庫、2015年11月) ダヴィド・ラーゲルクランツ『ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女』【上下巻】(ヘレンハルメ美穂、羽根由訳、早川書房、2015年12月) カミラ・グレーベ&オーサ・トレフ『心理療法士ベリマンの孤独』(茅律子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2016年3月) カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ『犯罪は老人のたしなみ』(木村由利子訳、創元推理文庫、2016年9月) シッラ・ボリリンド&ロルフ・ボリリンド『満潮』【上下巻】(久山葉子訳、創元推理文庫、2016年10月) ステファン・アーンヘム『顔のない男 刑事ファビアン・リスク』(堤朝子訳、ハーパーコリンズ・ジャパン ハーパーBOOKS、2016年10月) ◆短編の邦訳 ※見落とし多数と思われる アンナ・ヤンソン(Anna Jansson、1958- )「あなたの肌を感じる」(久山葉子訳、『ミステリーズ!』vol.53、2012年6月) - Jag känner din hud アンナ・ヤンソンは2007年のガラスの鍵賞候補者。 ◆スウェーデン・ミステリの日本語訳がアメリカで自費オンデマンド出版されている? ヘレナ・ブリンク(Helena Brink ※ペンネーム)『ある日、死体が浮上した』(藤尾D千恵子訳、CreateSpace Independent Publishing Platform、2011年2月[amazon.co.jpのデータでは2010年]) 米国amazonの子会社「CreateSpace」の自費オンデマンド出版サービスを通じて販売されているようだ。米国amazonの商品ページで中身の一部が見られる。日本のamazonにも商品情報が登録されているが、購入不可。あらすじは読める(日本amazonの商品ページ)。 原典はスウェーデンで1998年に出版されたヘレナ・ブリンク『I Stilla Lantlig Frid』(1999年版の表紙)。2004年にはドイツでドイツ語訳『Der leiseste Verdacht』が出版されている(2004年版、2005年版)。 ヘレナ・ブリンクは2000年に第2作『Ur dunkla djup』を発表しており、こちらも『Die Ruhe vor dem Sturm』のタイトルでドイツ語訳されている。 ◆おまけ:スウェーデンのSF・ホラー小説 サム・J・ルンドヴァル(Sam J. Lundwall、1941- )『2018年 キング・コング・ブルース』(汀一弘訳、サンリオSF文庫、1981年8月) - 近未来SF P・C・ヤシルド(P.C. Jersild、1935- )『洪水のあと』(山下泰文訳、岩波書店、1986年8月) - 近未来SF 『生きている脳』(菅原邦城訳、人文書院、1991年10月) - 近未来SF ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(John Ajvide Lindqvist、1968- )『MORSE モールス』【上下巻】(富永和子訳、ハヤカワ文庫NV、2009年12月) - 「スウェーデンのスティーヴン・キング」と呼ばれる作家のヴァンパイア・ホラー デンマーク カルロ・アンダーセン(Carlo Andersen)『遺書の誓い』(遺書の誓ひ)(吉良運平[渡辺芳夫]訳、オリエント書房 現代欧米探偵小説傑作選集1、1947年1月) アーナス・ボーデルセン(Anders Bodelsen、1937- )『轢き逃げ人生』(岩本隼訳、TBS出版会 《北欧ミステリ・シリーズ》、1979年9月、著者名表記「アネルス・ボーデルセン」) 『罪人(つみびと)は眠れない』(隅田たけ子訳、角川文庫、1981年1月) 『殺人にいたる病』(村田靖子訳、角川文庫、1981年12月) 『蒼い迷宮』(村田靖子訳、角川文庫、1988年1月) ポウル・ウロム(Poul Ørum、1919-1997)『沈黙の証言』(岡崎晋訳、講談社文庫、1981年3月) イサク・ディネセン(Isak Dinesen、本名Karen Blixen[カレン・ブリクセン]、1885-1962)『復讐には天使の優しさを』(横山貞子訳、晶文社 ディネーセン・コレクション4、1981年12月、著者名表記「アイザック・ディネーセン」) ペーター・ホゥ(Peter Høeg、1957- )『スミラの雪の感覚』(染田屋茂訳、新潮社、1996年2月) - 1993年デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞(国内外最優秀長編賞)、1993年ガラスの鍵賞 『ボーダーライナーズ』(今井幹晴訳、求龍堂、2002年8月) ユッシ・エーズラ・オールスン(Jussi Adler-Olsen、1950- )《特捜部Q》シリーズ『特捜部Q 檻の中の女』(吉田奈保子訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年6月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年10月) 『特捜部Q キジ殺し』(吉田薫、福原美穂子訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年11月 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年4月) 『特捜部Q Pからのメッセージ』(吉田薫、福原美穂子訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年6月 / ハヤカワ・ミステリ文庫【上下巻】、2013年12月) - 2010年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)、2010年ガラスの鍵賞 『特捜部Q カルテ番号64』(吉田薫訳、ハヤカワ・ミステリ、2013年5月 / ハヤカワ・ミステリ文庫【上下巻】、2014年12月) 『特捜部Q 知りすぎたマルコ』(吉田薫訳、ハヤカワ・ミステリ、2014年7月 / ハヤカワ・ミステリ文庫【上下巻】、2016年6月) 『特捜部Q 吊された少女』(吉田奈保子訳、ハヤカワ・ミステリ1901、2015年11月) その他『アルファベット・ハウス』(鈴木恵訳、ハヤカワ・ミステリ1900、2015年10月) ロデ・ハマ(Lotte Hammer、1955- )&セーアン・ハマ(Søren Hammer、1952- )(兄妹作家)『死せる獣(けだもの) 殺人捜査課シモンスン』(松永りえ訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年5月) A・J・カジンスキー(A. J. Kazinski)(Anders Rønnow Klarlund 1971- & Jacob Weinreich 1972- )『ラスト・グッドマン』【上下巻】(岩澤雅利訳、ハヤカワ文庫NV、2012年6月) サラ・ブレーデル(Sara Blædel、1964- )『見えない傷痕』(高山真由美訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年8月) レナ・コバブール(Lene Kaaberbøl、1960- )&アニタ・フリース(Agnete Friis)『スーツケースの中の少年』(土屋京子訳、講談社文庫、2013年7月) - 2009年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞) クリスチャン・モルク(Christian Mørk、1966- )『狼の王子』(堀川志野舞訳、ハヤカワ・ミステリ1876、2013年10月) ※英語版とデンマーク語版の両方を本人が執筆している エーリク・ヴァレア(Erik Valeur、1955- )『7人目の子』【上下巻】(長谷川圭訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年10月) - 2012年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)、2012年ガラスの鍵賞 エルスベツ・イーホルム(Elsebeth Egholm、1960- )『赤ん坊は川を流れる』(木村由利子訳、創元推理文庫、2015年2月) 『過去を殺した女』(木村由利子訳、創元推理文庫、2016年6月) シュテフェン・ヤコブセン(Steffen Jacobsen、1956- )『氷雪のマンハント』(北野寿美枝訳、ハヤカワ文庫NV、2015年4月) トーマス・リュダール(Thomas Rydahl、1974- )『楽園の世捨て人』(木村由利子訳、ハヤカワ・ミステリ1915、2017年1月) - 2015年デンマーク推理作家アカデミー ハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)、2015年ガラスの鍵賞 ミケール・カッツ・クレフェルト(Michael Katz Krefeld、1966- )『凍てつく街角』(長谷川圭訳、ハヤカワ・ミステリ1916、2017年2月) 関連書籍(原語は英語)デイヴィッド・ヒューソン『キリング』全4巻(山本やよい訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年1月~4月)デンマークの大ヒットミステリドラマをイギリスの作家が小説化したもの。 アーナル・ボーデルセンは2003年にデンマーク推理作家アカデミーよりパレ・ローゼンクランツ名誉賞を贈られている。(現在までに、受賞者はアーナス・ボーデルセンのみ) アイザック・ディネーセンは近年は「イサク・ディネセン」とカタカナ表記されることが多い(アイザック・ディネーセンは英語読み)。『復讐には天使の優しさを』は1944年にデンマークで出版された作品。当時は、「フランス人のピエール・アンドレゼル(Pierre Andrézel)の作品をデンマーク語訳したもの」として刊行された。なおイサク・ディネセンはそれまでは英語で創作活動をしており、『復讐には天使の優しさを』は初めてデンマーク語で書き下ろした作品だった。邦訳書巻末解説によれば原書の裏表紙には、この物語の持つ芸術的・知的雰囲気はエドガー・アラン・ポーやロバート・ルイス・スティーヴンスン、ステイン・リヴァートンらを思わせる、との紹介文が書かれていたそうだ。当時の北欧でのステイン・リヴァートン(=スヴェン・エルヴェスタ)の知名度と評価の高さが伺える。 サラ・ブレーデルはデビュー長編(未訳)で2005年のデンマーク推理作家アカデミー最優秀新人賞を受賞。 短編のみ邦訳 パレ・ローゼンクランツ(Palle Rosenkrantz、1867-1941)短編「嫉妬」(『新青年』1932年新春増刊号[13巻3号]、pp.347-355、訳者名記載なし) - ノンシリーズ作品 短編「理にかなった行動」(『ハヤカワミステリマガジン』2010年11月号、pp.24-33、服部理佳訳) - アイジル・ホルスト警部補シリーズ ターゲ・ラ・コーア(Tage la Cour、1915-1993)短編「サンタ殺し」(『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』1959年12月号、pp.11-16、稲葉由紀訳、著者名表記「ターゲ・ラ・クール」) パレ・ローゼンクランツはデンマーク最初のミステリ作家とされる人物。20世紀初頭から、コペンハーゲン警察のアイジル・ホルスト警部補が活躍するシリーズを発表した。詳細は「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編」。 ターゲ・ラ・コーアは『ミステリマガジン』1972年11月号~1973年12月号にハラルド・モーゲンセン(Harald Mogensen、1912-2002、ミステリ編集者)との共著の『殺人読本 絵で見るミステリ史』が翻訳連載されている。訳者は隅田たけ子。おそらく、英訳版『The Murder Book An Illustrated History of the Detective Story』(1971年)を翻訳したものだろう。原著は1969年にデンマークで出版された『Mordbogen kriminal- og detektivhistorien i billeder og tekst』である。 パレ・ローゼンクランツとハラルド・モーゲンセンはのちにデンマーク推理作家アカデミーが主催する賞の名前にもなった。 未刊に終わったデンマーク・ミステリ 《現代欧米探偵小説傑作選集》はカルロ・アンダーセン『遺書の誓い』(遺書の誓ひ)の1冊しか出なかった。全30巻が予定されており、カルロ・アンダーセンの作品はほかに『三つのジョーカー』(De tre jokere)、『荘園の秘密』(Politiet beder os efterlyse)、『決定的な証拠』(Det afgørende bevis)の刊行が予告されていた。またほかにデンマークからは、ニールス・メイン(Niels Meyn、1891-1957)の『海浜ホテルの殺人』(Mysteriet i Sandkroen)、『失われた急行列車』(Toget der forsvandt)、オットー・シュライヒ(Otto Schrayh)の『死の放送』(Midnats-Samtalerne)が刊行される予定だった。(全30巻の予定ラインナップ) ミステリ以外の作品が邦訳されているミステリ作家 早川書房から児童向けファンタジー小説2冊(『秘密が見える目の少女』『ディナの秘密の首かざり』)が刊行されているリーネ・コーバベル(Lene Kaaberbøl、1960- )は、Agnete Friisとの共著のミステリー小説『Drengen i kufferten』で2009年にデンマーク推理作家アカデミーのハラルド・モーゲンセン賞(最優秀長編賞)を受賞。この作品をリーネ・コーバベル自身が英訳した『The Boy in the Suitcase』はバリー賞最優秀新人賞、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞の候補になった。 また、児童文学『マリアからの手紙』が訳されているグレーテリース・ホルム(Gretelise Holm、1946- )は2000年にデンマーク推理作家アカデミーの最優秀新人賞を受賞しており、その後ガラスの鍵賞(北欧最優秀ミステリ賞)にも2度ノミネートされている。 関連事項 ターゲ・ラ・コーア&ハラルド・モーゲンセン『殺人読本 絵で見るミステリ史』によると、1944年のノーベル文学賞受賞者であるヨハネス・ヴィルヘルム・イェンセンが1904年に発表した『Madame d Ora』(『マダム・ドラ』、未訳)はミステリ小説だそうだ。この作家は邦訳が何作かあるが、その中に『科学小説 世界の始め』(光成信男訳、聚芳閣、1924年)という本があって少々気になる(未見)。 ノルウェー スヴェン・エルヴェスタ(Sven Elvestad、筆名Stein Riverton[ステイン・リヴァートン]、1884-1934)短編「グランド・ホテル怪事件」(『新青年』1936年夏季増刊号[17巻10号]、p.446-467、雨石矢兵訳、著者名表記「スヴェン・エルヴェシュタット」) 『怪盗』(荒井詩夢訳、新東京社、1946年12月20日発行、197ページ、著者名表記「S・エルヴェスタード」)探偵アスビョルン・クラーグ・シリーズの長短編。あらすじなどは「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編」。 ベルンハルト・ボルゲ(Bernhard Borge、本名André Bjerke、1918-1985)『夜の人』(片岡啓治訳、ハヤカワ・ミステリ、1960年) - ポケミスの最初の北欧作品。2015年2月にヨルン・リーエル・ホルスト『猟犬』が出るまで、「ポケミス唯一のノルウェー作品」であった。 ユン・ミシェレット(Jon Michelet、1944- )『北海の狩人』(大森洋子訳、二見文庫、1991年6月) アンネ・ホルト(Anne Holt、1958- )『女神の沈黙』(柳沢由実子訳、集英社文庫、1997年7月) 『土曜日の殺人者』(柳沢由実子訳、集英社文庫、1997年11月) - 1994年リヴァートンクラブ(ノルウェー推理作家協会)ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)(最優秀ミステリ賞) 『悪魔の死』(柳沢由実子訳、集英社文庫、1999年1月) 『凍える街』(枇谷玲子訳、創元推理文庫、2014年12月) 『ホテル1222』(枇谷玲子訳、創元推理文庫、2015年9月) トム・エーゲラン(Tom Egeland、1959- )『狼の夜 TV局ハイジャック』【上下巻】(アンデルセン由美訳、扶桑社ミステリー、2008年2月) ジョー・ネスボ(Jo Nesbø、1960- )刑事ハリー・ホーレ・シリーズ『コマドリの賭け』【上下巻】(井野上悦子訳、ランダムハウス講談社、2009年2月) シリーズ第3作 『スノーマン』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2013年10月) シリーズ第7作 『ザ・バット 神話の殺人』(戸田裕之訳、集英社文庫、2014年8月) シリーズ第1作 - 1997年リヴァートンクラブ ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)、1998年ガラスの鍵賞 『ネメシス 復讐の女神』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2015年7月) シリーズ第4作 『悪魔の星』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2017年2月) シリーズ第5作 その他『ヘッドハンターズ』(北澤和彦訳、講談社文庫、2013年10月) 『ザ・サン 罪の息子』【上下巻】(戸田裕之訳、集英社文庫、2016年8月) 『その雪と血を』(鈴木恵訳、ハヤカワ・ミステリ1912、2016年10月) カーリン・フォッスム(Karin Fossum、1954- )『湖のほとりで』(成川裕子訳、PHP文芸文庫、2011年5月、著者名表記「カリン・フォッスム」) - 1996年リヴァートンクラブ ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)、1997年ガラスの鍵賞 『晴れた日の森に死す』(成川裕子訳、創元推理文庫、2016年9月) トマス・エンゲル(Thomas Enger、1973- )『瘢痕』(公手成幸訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年9月) ヨルン・リーエル・ホルスト(Jørn Lier Horst、1970- )『猟犬』(猪股和夫訳、ハヤカワ・ミステリ1892、2015年2月) - 2012年リヴァートンクラブ ゴールデンリボルバー賞(=リヴァートン賞)、2013年ガラスの鍵賞 サムエル・ビョルク(Samuel Bjørk、1969- )『オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン』(中谷友紀子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2016年12月) ノルウェーの推理作家協会の名称「リヴァートンクラブ」はスヴェン・エルヴェスタの筆名のステイン・リヴァートンに由来する。 ベルンハルト・ボルゲはリヴァートンクラブがミステリ界に貢献した作家らに不定期に授与するリヴァートンクラブ名誉賞の初回(1973年)の受賞者。森英俊編著『世界ミステリ作家事典 本格派篇』(国書刊行会編、1998年)でも扱われている。 関連書籍 ヨナス・リー(Jonas Lie、1833-1908)短編集『漁師とドラウグ』(中野善夫訳、国書刊行会、1996年8月)表題作は長野きよみの訳で『ミステリマガジン』1985年8月号にも掲載、その後アンソロジー『ロアルド・ダールの幽霊物語』(ハヤカワ・ミステリ文庫、1988年12月)に収録 ノルウェーの国民的作家による幻想・怪奇小説集。なお、カルロ・アンダーセンが『遺書の誓い』で1939年の北欧ミステリコンテストのデンマークの優勝者になった際、ノルウェーの優勝者はヨナス・リー(筆名 Max Mauser、1899-1945)だったが、生没年を見れば分かる通りこれは別人である。このときのスウェーデンの優勝者はWaldemar Hammenhög、フィンランドの優勝者はミカ・ワルタリ。 アイスランド イルサ・シグルザルドッティル(Yrsa Sigurðardóttir、1963- )『魔女遊戯』(戸田裕之訳、集英社文庫、2011年2月) アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indriðason、1961- )『湿地』(柳沢由実子訳、東京創元社、2012年6月 / 創元推理文庫、2015年5月) - 2002年ガラスの鍵賞 『緑衣の女』(柳沢由実子訳、東京創元社、2013年7月 / 創元推理文庫、2016年7月) - 2003年ガラスの鍵賞、2005年英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞 『声』(柳沢由実子訳、東京創元社、2015年7月) ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン(Viktor Arnar Ingólfsson、1955- )『フラテイの暗号』(北川和代訳、創元推理文庫、2013年11月) フィンランド マウリ・サリオラ(Mauri Sariola、1924-1985)『ヘルシンキ事件』(牧原宏郎訳、TBS出版会 《北欧ミステリ・シリーズ》、1979年7月) - 1969年フランス冒険小説大賞 ペンッティ・キルスティラ(Pentti Kirstilä、1948- )『過去よさらば』(篠原敏武訳、新樹社、2000年12月) レーナ・レヘトライネン(Leena Lehtolainen、1964- )『雪の女』(古市真由美訳、創元推理文庫、2013年1月) - 1997年フィンランド・ミステリ協会 推理の糸口賞(最優秀ミステリ賞) 『氷の娘』(古市真由美訳、創元推理文庫、2013年9月) 『要塞島の死』(古市真由美訳、創元推理文庫、2014年5月) マッティ・ロンカ(Matti Rönkä、1959- )『殺人者の顔をした男』(古市真由美訳、集英社文庫、2014年6月) サラ・シムッカ(Salla Simukka、1981- )『ルミッキ 1 血のように赤く』(古市真由美訳、西村書店、2015年7月) 『ルミッキ 2 雪のように白く』(古市真由美訳、西村書店、2015年10月) 『ルミッキ 3 黒檀のように黒く』(古市真由美訳、西村書店、2015年12月) ティモ・サンドベリ(Timo Sandberg、1946- )『処刑の丘』(古市真由美訳、東京創元社、2017年2月) - 2014年フィンランド・ミステリ協会 推理の糸口賞(最優秀ミステリ賞) 関連書籍(原語はフィンランド語)ソフィ・オクサネン『粛清』(上野元美訳、早川書房、2012年2月)「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の「書評七福神の二月度ベスト発表!」(2012年3月15日)で川出正樹氏が2月のベストに挙げている。 関連書籍(原語は英語)ハンヌ・ライアニエミ(Hannu Rajaniemi、1978- )『量子怪盗』(酒井昭伸訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ、2012年10月 / ハヤカワ文庫SF、2014年3月)フィンランド出身で、フィンランド語と英語でSF小説を発表している作家のSF長編。この長編ではフランス探偵小説の影響をとりいれたと作者が語っており(26to50 ワールドSF特集 アンケート ハンヌ・ライアニエミ)、青年探偵のイジドールというキャラクターが登場するなど、随所でモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパン・シリーズが意識されている(イジドールはルパン・シリーズの長編『奇巌城』に登場する探偵)。 『複製王子』(酒井昭伸訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ、2015年8月)『量子怪盗』の続編。 ジェイムズ・トンプソン(James Thompson、1964-2014)『極夜 カーモス』(高里ひろ訳、集英社文庫、2013年2月) 『凍氷』(高里ひろ訳、集英社文庫、2014年2月) 『白の迷路』(高里ひろ訳、集英社文庫、2014年12月) 『血の極点』(高里ひろ訳、集英社文庫、2016年1月)フィンランド在住のアメリカ人ミステリ作家がフィンランドを舞台にして英語で書いたミステリ・シリーズ。作者は1998年からフィンランドで暮らし、現地の女性と結婚し、フィンランド語を流暢に話すという。2014年、急逝。 未刊に終わったフィンランド・ミステリ フィンランド・ミステリの古典としては、ミカ・ワルタリ(Mika Waltari、1908-1979)のパルム警部シリーズがある(1939年、1940年、1962年発表の全3作)。1940年の作品『パルム警部の誤算』(Komisario Palmun erehdys)は、1947年に創刊された日本の翻訳ミステリ叢書《現代欧米探偵小説傑作選集》の第19巻で『死の戯れ』として刊行の予定だったが、前述の通りこの叢書は最初の1冊しか刊行されず、パルム警部シリーズはいまだに邦訳がない(全30巻の予定ラインナップ)。 なおミカ・ワルタリの作品の邦訳には、紀元前14世紀のエジプトを舞台にした歴史小説『ミイラ医師シヌヘ』(木原悦子訳、小学館、1994年7月、抄訳)がある。この作品は飯島淳秀の訳で『エジプト人』というタイトルでも訳されており、1950年に岡倉書房より上下巻で刊行、1958年に平凡社の世界名作全集第34巻に収録され、1960年には角川文庫より上中下巻で刊行されている。 フィンランドのスウェーデン語ミステリ フィンランドではフィンランド語とともにスウェーデン語も公用語になっている(スウェーデン語の使用者は人口の数%)。『ノキア 世界最大の携帯電話メーカー』(柳沢由実子訳、日経BP社、2001年10月)の著者の1人であるスウェーデン系フィンランド人ジャーナリストのスタファン・ブルーン(Staffan Bruun、1955- )はミステリ作家でもあり、スウェーデン語でミステリを発表している(邦訳なし)。 ムーミンの作者のトーベ・ヤンソン(Tove Jansson、1914-2001)もフィンランドのスウェーデン語作家。大人向け作品も書いており、『誠実な詐欺師』(冨原眞弓訳、筑摩書房、1995年12月 / ちくま文庫、2006年7月)は広義のミステリといえる作品だそうだ。 北欧の少年少女向けミステリ スウェーデン アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren、1907-2002)の《名探偵カッレくん》シリーズ(1946年~1953年、全3作、すべて邦訳あり ※最新の出版物のみ示す)新版『名探偵カッレくん』(尾崎義訳、岩波少年文庫、2005年2月) 新版『カッレくんの冒険』(尾崎義訳、岩波少年文庫、2007年2月) 新版『名探偵カッレとスパイ団』(尾崎義訳、岩波少年文庫、2007年5月) オーケ=ホルムベリイ(Åke Holmberg、1907-1991)の《私立探偵スベントン》シリーズ(1948年~1973年、全9作、うち邦訳5作)邦訳は5冊とも、眉村卓文、ビヤネール多美子訳、講談社、1973年私立探偵スベントン1 『ストックホルムのひまなし探偵』 - Ture Sventon, privatdetektivオーケ=ホルムベルイ『迷探偵スベントン登場』(眉村卓・ビヤネール多美子竹俣 共訳、講談社、1971年9月)と同一作品 私立探偵スベントン2 『北極怪盗とさばくの怪職人』 - Ture Sventon i öknen 私立探偵スベントン3 『ねことり怪人と地下室ギャング』 - Ture Sventon i London 私立探偵スベントン4 『デパート怪人はにおいなし』 - Ture Sventon i varuhuset 私立探偵スベントン5 『おばけ屋敷と四つの怪事件』 - Ture Sventon i spökhuset ※短編集 マッティン・ビードマルク(Martin Widmark、1961- )の《ラッセとマヤのたんていじむしょ》シリーズ(2002年~、25作以上、うち邦訳6作)ラッセとマヤのたんていじむしょ 『ダイヤモンドのなぞ』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年1月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『ミステリーホテルの怪』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年1月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『サーカスのどろぼう』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年3月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『カフェ強盗団』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年3月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『恐怖のミイラ』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年7月) ラッセとマヤのたんていじむしょ 『なぞの映画館』(枇谷玲子訳、主婦の友社、2009年7月) スウェーデン推理作家アカデミーでは1976年から1980年にかけて児童向けミステリーを対象とする賞を設けており、1977年にはアストリッド・リンドグレーンの《名探偵カッレくん》シリーズ、1980年にはオーケ=ホルムベリイの《私立探偵スベントン》シリーズが受賞している。ちなみに、アストリッド・リンドグレーンはカーリン・アルヴテーゲンの母方の大おば(母方の祖父の妹)に当たる。 邦訳書『迷探偵スベントン登場』は「共訳」となっているが、巻末コメントによれば、ビヤネール多美子がスウェーデン語から翻訳し、それを眉村卓が英訳本を参考にしつつ読みやすいものにしたもの。 マッティン・ビードマルクはスウェーデンで「子供たちのアガサ・クリスティー」と呼ばれる人気作家。 デンマーク イエンス・K・ホルム(Jens K. Holm、本名Bengt Janus、1921-1988)の《探偵キムと仲間たち》シリーズ(1957年~1973年、全25作、うち邦訳10作)ちょうど今月(2013年6月)、40年ぶりのシリーズ新作『Kim vender tilbage』(探偵キムの帰還)が別の作家により発表されたらしい(参照)。探偵キムシリーズ1 『探偵キムと仲間たち』(石渡利康訳、評論社、1975年 / 評論社てのり文庫、1988年12月) 探偵キムシリーズ2 『探偵キムと盗まれた宝』(石渡利康訳、評論社、1976年1月 / 評論社てのり文庫、1989年2月) 探偵キムシリーズ3 『探偵キムと消えた警官』(石渡利康訳、評論社、1976年4月 / 評論社てのり文庫、1989年4月) 探偵キムシリーズ4 『探偵キムと作られた幽霊』(石渡利康訳、評論社、1976年5月 / 評論社てのり文庫、1989年10月) 探偵キムシリーズ5 『探偵キムと崖屋敷の秘密』(石渡利康訳、評論社、1976年7月 / 評論社てのり文庫、1989年11月) 探偵キムシリーズ6 『探偵キムと海べの足跡』(石渡利康訳、評論社、1976年9月) 探偵キムシリーズ7 『探偵キムと青いオウム』(石渡利康訳、評論社、1976年10月) 探偵キムシリーズ8 『探偵キムと港祭り事件』(石渡利康訳、評論社、1977年3月) 探偵キムシリーズ9 『探偵キムと二人のスパイ』(石渡利康訳、評論社、1977年4月) 探偵キムシリーズ10 『探偵キムと宝石のありか』(石渡利康訳、評論社、1977年8月) ノルウェー レイフ・ハムレ(Leif Hamre、1914-2007)「青二号-とびだせ」(矢崎源九郎訳、『少年少女新世界文学全集』第27巻[北欧現代編]に収録、講談社、1964年) - Blå 2 – hopp ut! (1958) 『オッター32号機SOS』(山室静訳、あかね書房 国際児童文学賞全集第8巻、1965年) - Otter tre to kaller (1957) フィンランド シニッカ・ノポラ(Sinikka Nopola、1953- )、ティーナ・ノポラ(Tiina Nopola、1955- )(姉妹作家)の《ヘイナとトッスの物語》(1989年~、既刊12巻、うち4作邦訳)ヘイナとトッスの物語1 『麦わら帽子のヘイナとフェルト靴のトッス なぞのいたずら犯人』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2005年10月) ヘイナとトッスの物語2 『トルスティは名探偵』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2006年8月) ヘイナとトッスの物語3 『大きいエルサと大事件』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2007年11月) ヘイナとトッスの物語4 『ヒラメ釣り漂流記』(末延弘子訳、講談社青い鳥文庫、2008年7月) 更新履歴 2013年6月17日:スウェーデン、ヘレナ・ブリンク『ある日、死体が浮上した』追加。スウェーデンの児童向けミステリ、《ラッセとマヤのたんていじむしょ》シリーズ追加。 2013年6月20日:デンマーク、A・J・カジンスキー『ラスト・グッドマン』追加。 2013年7月28日:スウェーデン、マリカ・スチールンステットの『巴里の女テロリスト』と『占領軍将校殺人事件』追加。 2013年8月1日:ノルウェー、レイフ・ハムレの児童向け冒険小説を追加(Twitterを通じての新保博久先生のご教示による) 2013年9月19日:見落としていた《ヘイナとトッスの物語》の第4巻(邦訳2008年)を追加。 ※更新履歴は見落としていた作品を追加した場合にのみ記録しています。新刊は随時追加していますが、ここでは示しません。 関連ページ 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 北欧のミステリ賞 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳一覧 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスミステリベスト100 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 北欧シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(2) 北欧編 北欧・バルト三国で刊行された日本の推理小説/ミステリ 非英語圏ミステリ各種リスト
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/219.html
2013年5月16日 2013年6月14日:「フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号)」よりページ分割 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳の一覧。ただし一部の賞については、受賞作全体のリストも示しています。 各賞の受賞作はフランスで刊行されたミステリ事典『Dictionnaire des littératures policières』(初版2003年、通称メスプレード事典)の第2版(2007年)で確認し、邦訳状況は国会図書館の蔵書検索等で確認しました。 翻訳ミステリー大賞シンジケートに寄稿した「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第3回 フランス編」も合わせてお読みください。 Index フランス推理小説大賞 フランス推理小説大賞を実は受賞していない(!?)作品 ミステリ批評家賞 813協会賞 冒険小説大賞 パリ警視庁賞 コニャック・ミステリ大賞&ボーヌ・ミステリ新人賞 コニャック・ロマンノワール大賞&ボーヌ・ロマンノワール大賞 コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞 その他 2010年のフランス推理小説大賞翻訳作品部門・ノミネート作 フランス推理小説大賞・ミステリ批評家賞・813協会賞を受賞した非英語圏作品 カナダ・ケベック州のミステリ賞 他言語圏のミステリ賞を受賞したフランス語圏ミステリ フランス推理小説大賞 1956年 ミッシェル・ルブラン 『殺人四重奏』(鈴木豊訳、創元推理文庫、1961年) 1957年 フレデリック・ダール 『甦える旋律』(長島良三訳、文春文庫、1980年) 1958年 フレッド・カサック 『日曜日は埋葬しない』(中込純次訳、ハヤカワ・ミステリ、1961年) 1960年 ユベール・モンテイエ 『かまきり』(斎藤正直訳、ハヤカワ・ミステリ、1964年 / 『世界ミステリ全集』第15巻[早川書房、1973年]収録) 1963年 セバスチアン・ジャプリゾ 『シンデレラの罠』(望月芳郎訳、創元推理文庫、1964年)『シンデレラの罠』(平岡敦訳、創元推理文庫、2012年) 1965年 マルク・ドロリー 『スペインの城』(秘田余四郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1966年) 1966年 ローレンス・オリオール 『やとわれインターン』(荒川比呂志訳、ハヤカワ・ミステリ、1969年) 1968年 ドミニック・ファーブル 『美しい野獣』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、1970年) 1969年 フランシス・リック 『奇妙なピストル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年) 1970年 ポール・アンドレオータ 『ジグザグ』(牧原宏郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1972年) 1971年 ルネ・レウヴァン 『そそっかしい暗殺者』(日影丈吉訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年) 1972年 ジルベール・タニュジ 『赤い運河』(谷亀利一訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年) 1973年 ジャン=パトリック・マンシェット 『狼が来た、城へ逃げろ』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年)『愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える』(中条省平訳、光文社古典新訳文庫、2009年) 1974年 A・P・デュシャトー 『五時から七時までの死』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1975年) 1976年 ジャン=フランソワ・コアトムール 『真夜中の汽笛』(長島良三訳、角川文庫、1986年) 1977年 クリストフェール・ディアブル 『雨を逃げる女』(長島良三訳、角川文庫、1988年) 1980年 ドミニック・ルーレ 『寂しすぎるレディ』(長島良三訳、ハヤカワ・ミステリ、1983年) 1985年 ディディエ・デナンクス 『記憶のための殺人』(堀茂樹訳、草思社、1995年) 1987年 ジャック・サドゥール 『太陽の下、三死体』(長島良三訳、新潮文庫、1988年) 1994年 ジャン=ジャック・フィシュテル 『私家版』(榊原晃三訳、東京創元社、1995年 / 創元推理文庫、2000年) 1997年 ブリジット・オベール 『森の死神』(香川由利子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1997年) 2001年 ミシェル・クレスピ 『首切り』(山中芳美訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2002年) ベルギーの出版社が刊行したフランス語作品も授賞対象になる。A・P・デュシャトーはベルギーのフランス語作家で、『五時から七時までの死』はブリュッセルの出版社が刊行し、フランス推理小説大賞を受賞した。 その他の主な受賞者 レオ・マレ(1948年)、ピエール・シニアック(1981年)、ルネ・ベレット(1984年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)(1992年)、ジルベール・シヌエ(2004年)、ヴィルジニ・ブラック(2004年) +2004年ごろの受賞者をめぐる混乱 2004年ごろの受賞者をめぐる混乱 フランス語作品部門は秋に、翻訳作品部門は春に受賞作が決定していたが、それが2004年ごろから同時に発表されるようになったらしく、2004年前後には「受賞者」「受賞年」「受賞年度」などに混乱が見られる。ジルベール・シヌエとヴィルジニ・ブラックはネット上のリストでは2004年に「同時受賞」とされていることが多いが、ジルベール・シヌエは2003年10月に(2004年度受賞者として)同賞を受賞している(当時の報道記事1、当時の報道記事2)。そしてヴィルジニ・ブラックの受賞はその翌年の2004年10月だと思われる。メスプレード事典ではジルベール・シヌエが「2004」、ヴィルジニ・ブラックが「2005」。ジルベール・シヌエの受賞(2003年10月)までは「年度」表記であり、ヴィルジニ・ブラックの受賞(2004年10月?)からは受賞した「年」で表記されるようになった、ということだと思われる。 +デオン・マイヤーの受賞作をめぐる混乱 デオン・マイヤーの受賞作をめぐる混乱 デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)が2003年にどの作品でフランス推理小説大賞(翻訳作品部門)を受賞したかについては、情報に混乱がある。受賞作は作家自身のサイトでは『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』、アフリカーンス語原題『Feniks』)とされており、同様に記載しているミステリファンサイトもあるが、一方でメスプレード事典では受賞作を『Dead at Daybreak』(仏題『Les Soldats de l aube』、アフリカーンス語原題『Orion』)としており、同様に記述しているサイトも多い。 ただ、ネット上を検索してみたところ、デオン・マイヤーの『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』)のフランス推理小説大賞受賞を報じる当時のフランス語記事(2003年5月)が見つかったので、メスプレード事典のリストとは矛盾するが、この作品がフランス推理小説大賞を受賞していることは間違いないと思われる。2003年10月の報道でもやはり受賞作は『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』)である。 なお、デオン・マイヤーの上記2作品を出版しているフランスの出版社のサイトでも、やはり受賞作は『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』)となっている(リンク)。 フランス推理小説大賞を実は受賞していない(!?)作品 以下の作品は日本で翻訳出版された際に帯や裏表紙の作品紹介、訳者あとがきなどで「フランス推理小説大賞受賞作」とされていたものの、メスプレード事典のフランス推理小説大賞(Grand prix de littérature policière)受賞者・受賞作一覧に載っておらず、受賞が確認できないものである。 ユベール・モンテイエ『帰らざる肉体』(大久保和郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1963年5月)裏表紙に「フランス推理小説大賞に輝く最新傑作!」とあり、『ハヤカワ・ミステリ総解説目録』の解説文にも同じ文言がある。ただ、『帰らざる肉体』の巻末解説には受賞作は『かまきり』だと書いてある。これはこの巻末解説の方が正しく、モンテイエがフランス推理小説大賞を受賞したのは『帰らざる肉体』ではなく『かまきり』である。裏表紙の記述はちょっとしたミスだろう。 『かまきり』(大久保和郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1964年6月)の裏表紙には「フランス推理小説大賞に輝く傑作!」とある。これはもちろん正しい。 ルイ・C・トーマ『共犯の女』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、1968年2月)ポケミスで刊行された際に、1966年度のフランス推理小説大賞受賞作とされた。(巻末解説「一九六六年度のフランス推理小説大賞を受賞」[執筆者は「N」]、裏表紙「1966年度フランス推理小説大賞に輝く異色ミステリ!」) ルイ・C・トーマ『死のミストラル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年9月)帯の裏面に「本書は〈クライム・クラブ〉出身の有力作家ルイ・C・トーマの最新作で、1975年度フランス推理小説大賞に輝いた。1966年作『共犯の女』に続く二度目の受賞である」と書かれている。裏表紙には「1975年度フランス推理小説大賞受賞作」、訳者あとがきには「一九七五年、フランス推理小説大賞受賞の新作である」。 『死のミストラル』は1976年のフランス・ミステリ批評家賞受賞作ではある。 モニック・マディエ『バカンスは死の匂い』(長島良三訳、角川書店、1981年) - Monique Madier, "Vacances dans un caveau" (1975)帯前面に「フランス推理小説大賞受賞」、帯の背のところに「推理小説大賞受賞作」と書かれており、訳者あとがきでは「本書は一九七五年度の“推理小説大賞”を受賞している」と書かれている。この「推理小説大賞」が「Grand prix de littérature policière」を指すことはそのあとで示されている。 フランソワ・ジョリ『鮮血の音符』(長島良三訳、角川文庫、1996年) - François Joly, "Notes de sang" (1993)帯(amazonで確認できる)には「フランス推理小説大賞、ロカール賞受賞作品」とあり、訳者あとがきではこの3作目で「フランス推理小説大賞と、偉大な法医学者エドモン・ロカールを記念して創設されたロカール賞を同時に受賞している」とされている。ロカール賞(Prix Edmond Locard)の受賞については未確認。 セルジュ・ブリュソロ『真夜中の犬』(長島良三訳、角川文庫、1998年)訳者あとがきに、「『真夜中の犬』 Le chien de minuit で一九九四年度の冒険小説大賞と、フランス推理小説大賞とを同時に受賞している。つづいて次の年に、マスク叢書から出版した『コナン・ロード、ある怪盗の秘密手帖』 Conan Lord, carnets secrets d un cambrioleur で一九九五年度のフランス推理小説大賞に選ばれている。」とある。『真夜中の犬』は冒険小説大賞の受賞作ではある。セルジュ・ブリュソロは(メスプレード事典を見る限り)フランス推理小説大賞を受賞しておらず、従って『コナン・ロード、ある怪盗の秘密手帖』も受賞作ではない。 またほかに、(日本語の)ネット上でルネ・ベレット『わが体内の殺人者』(ハヤカワ文庫NV、1992年)がフランス推理小説大賞の受賞作だと書かれていることがあるが、ルネ・ベレットがこの賞を受賞したのは未訳の別の作品である。 +ポール・アンドレオータ『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)巻末の受賞作一覧の誤り ポール・アンドレオータ『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)巻末の受賞作一覧の誤り ポール・アンドレオータ(P・アンドレオータ)『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)の巻末にフランス推理小説大賞のフランス語作品部門の受賞作一覧が載っているが、『メスプレード事典』とは2点食い違いがある。『ジグザグ』巻末資料では、 1956年の受賞作がジョゼフ・エイ"Terreur dans la Maison"とされている 1967年の受賞作がルイ・C・トーマ『共犯の女』とされている 『Terreur dans la Maison』は確かに1956年の受賞作だが、フランス語作品部門ではなく翻訳作品部門の受賞作である。作者はアメリカの推理作家のジョゼフ・ヘイズ(またはジョセフ・ヘイズ、Joseph Hayes)。「ジョゼフ・エイ」は「Joseph Hayes」のフランス語読み。『Terreur dans la Maison』の原題は『The Desperate Hours』で、日本では『必死の逃亡者』として1955年に早川書房より刊行されている。 1956年のフランス語作品部門の受賞作は『メスプレード事典』によれば、ミッシェル・ルブラン『殺人四重奏』とGuy Venayreの『Les petites mains de la justice』である。 1967年のフランス語作品部門の受賞作は『メスプレード事典』によれば、ジャン=ピエール・アレムの『Le Crocodile dans l escalier』である。 (それから、『ジグザグ』巻末資料では1964年の受賞作がMichel Carnalの『La Joan Morte』とされているが、正しくは『La Jeune Morte』) ミステリ批評家賞 1973年 フレッド・カサック 『殺人交叉点』(岡田真吉訳、東京創元社 クライム・クラブ第22巻、1959年)『殺人交差点』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1979年)『殺人交叉点』(平岡敦訳、創元推理文庫、2000年) 1974年 アルセーヌ・ルパン *注 『ウネルヴィル城館の秘密』(榊原晃三訳、新潮文庫、1974年) 1976年 ルイ・C・トーマ 『死のミストラル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年 / ハヤカワ・ミステリ文庫、1982年) 1978年 ミシェル・グリゾリア 『海の警部』(篠原義近訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1982年) 1980年 ジャン・ヴォートラン 『鏡の中のブラッディ・マリー』(高野優訳、草思社、1995年) 1981年 ジャン=フランソワ・コアトムール 『引き裂かれた夜』(長島良三訳、角川文庫、1987年) 1982年 ブリス・ペルマン 『穢れなき殺人者』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1984年) 1988年 ダニエル・ペナック 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年) 1996年 フレッド・ヴァルガス 『死者を起こせ』(藤田真利子訳、創元推理文庫、2002年) 2000年 フレッド・ヴァルガス 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年) 注:ボアロー=ナルスジャック その他の主な受賞者 アルベール・シモナン(1972年)、A・D・G(1977年)、アラン・ドムーゾン(1979年、2001年)、ルネ・レウヴァン(1983年)、ピエール・マニャン(1985年)、ディディエ・デナンクス(1987年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)(1992年)、ティエリー・ジョンケ(1994年、1999年) ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「モーリス・ベルナール・アンドレーブ」の項目で、アンドレーブが1976年に『物事の最良と最悪の面』という作品でミステリ批評家賞を受賞したと書かれているが、メスプレード事典のミステリ批評家賞の項目によれば、アンドレーブはこの賞を受賞していない。 813協会賞 この賞(Trophée 813)は日本ではフランス語をそのまま使って「トロフェ813」と呼ばれたり、あるいは「トロフェ813賞」と呼ばれたり、「トロフェ」を訳して「813杯」とされたり、あるいは「813協会××賞」、「813賞」、「813ミステリ大賞」などとされたりと定訳がない。813協会が主催する賞なので、ここでは分かりやすく813協会賞と呼んでおく。 813協会(Association 813)は、ミッシェル・ルブランやアラン・ドムーゾンが中心になって1979年に設立したフランスの推理小説普及団体。もちろんその名はモーリス・ルブランのルパン物の長編小説『813』から来ている。 813協会とグルノーブル市の主催で1987年10月にグルノーブル・ミステリ祭が開催されている。松本清張はこれに招待されて参加。そのことについて書いた随筆で清張は813協会のことを「フランス推理作家協会」と書いている(松本清張「国際推理作家会議で考えたこと ネオ「本格派」小説を提唱する」『文藝春秋』1988年1月号)。 1984年 長編部門 ディディエ・デナンクス 『未完の巨人人形』(神山朋子訳、草思社、1995年) 1987年 長編部門 ダニエル・ペナック 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年) 1995年 フランス語長編部門 ジャン=クロード・イゾ 『失われた夜の夜』(高橋啓訳、創元推理文庫、2007年) 1999年 フランス語長編部門 フレッド・ヴァルガス 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年) 2004年 フランス語長編部門 フレッド・ヴァルガス 『汚れた手』(仮題、創元推理文庫、2014年◆予定) ※1994年より従来の「長編部門」が「フランス語長編部門」と「翻訳長編部門」の2つに分かれた。 +813協会賞 長編部門(1981~1993年)受賞作一覧 813協会賞 長編部門(1981~1993年)受賞作 1981年 マーク・ベイム(Marc Behm) Mortelle randonnée (The Eye of the Beholder, 1980) 『氷の接吻』 1982年 ピエール・マニャン(Pierre Magnan) Les Charbonniers de la mort 1983年 W・R・バーネット(William Riley Burnett) Dark hazard (Dark Hazard, 1933) 1984年 ディディエ・デナンクス(Didier Daeninckx) Le Géant inachevé 『未完の巨人人形』(神山朋子訳、草思社、1995年) 1985年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) La Bête et la Belle 1986年 デレク・レイモンド(Robin Cook *注) Comment vivent les morts (How the Dead Live, 1986) 1987年 ダニエル・ペナック(Daniel Pennac) La Fée carabine 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年) 1988年 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy) Le Dahlia noir (The Black Dahlia, 1987) 『ブラック・ダリア』 1989年 W・R・バーネット(William Riley Burnett) Iron Man (Iron Man, 1930) 1990年 トニーノ・ブナキスタ(Tonino Benacquista) Trois carrés rouges sur fond noir 1991年 トニーノ・ブナキスタ(Tonino Benacquista) La Commedia des ratés 1992年 ジャン・ベルナール・プイ(Jean-Bernard Pouy) La Belle de Fontenay 1993年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) Les Orpailleurs 注:フランスのミステリ関連文献で「Robin Cook」と書いてあったら、それは日本で「ロビン・クック」と呼ばれている人物ではなく、日本で「デレク・レイモンド」と呼ばれている人物を指しているとみて間違いない。 マーク・ベイムは当時パリ在住のアメリカ人作家。作品は英語で執筆。 +813協会賞 フランス語長編部門(1994年~)受賞作一覧 813協会賞 フランス語長編部門(1994年~)受賞作 1994年 モーリス・G・ダンテック(Maurice G. Dantec) La Sirène rouge 1995年 ジャン=クロード・イゾ(Jean-Claude Izzo) Total Khéops 『失われた夜の夜』(高橋啓訳、創元推理文庫、2007年) 1996年 Jean-Jacques Reboux Le Massacre des innocents 1997年 ヤスミナ・カドラ(Yasmina Khadra) Morituri 1998年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) Moloch 1999年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) L Homme à l envers 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年) 2000年 ジャン=ユーグ・オペル(Jean-Hugues Oppel) Cartago 2001年 ジョルジュ・J・アルノー(Georges-Jean Arnaud) L Étameur des morts 2002年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Pars vite et reviens tard 2003年 Pascal Dessaint Mourir n est peut-être pas la pire des choses 2004年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Sous les vents de Neptune 『汚れた手』(仮題、創元推理文庫、2013年予定) 2005年 Hervé Le Corre L’Homme aux lèvres de saphir 2006年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Dans les bois éternels 2007年 Dominique Manotti Lorraine connexion 2008年 Caryl Férey Zulu 2009年 Patrick Pécherot Tranchecaille 2010年 Dominique Manotti Bien connu des services de police 2011年 Marin Ledun Les Visages écrasés 2012年 Romain Slocombe Monsieur le Commandant 『Zulu』はフランス推理小説大賞、ミステリ批評家賞も受賞。 主な複数回受賞者:ティエリー・ジョンケは3回(1985年、1993年、1998年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)は2回(1990年、1991年)受賞。フレッド・ヴァルガスは4回受賞。 +813協会賞 翻訳長編部門(1994年~)受賞作一覧 813協会賞 翻訳長編部門(1994年~)受賞作 1994年 パコ・イグナシオ・タイボ二世(Paco Ignacio Taibo II) Cosa facil (Cosa fácil, 1977) 『三つの迷宮』 1995年 デレク・レイモンド(Robin Cook) Quand se lève le brouillard rouge (Not Till the Red Fog Rises, 1994) 1996年 パトリシア・コーンウェル(Patricia Cornwell) Une mort sans nom (From Potter’s Field, 1995) 『私刑』 1997年 グレゴリー・マクドナルド(Gregory Mcdonald) Rafael, derniers jours (The Brave,1991) 『ブレイブ』 1998年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) Le Brasier de l ange (Burning Angel, 1995) 『燃える天使』 1999年 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Westlake) Le Couperet (The Ax, 1997) 『斧』 2000年 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Westlake) Smoke (Smoke, 1995) 2001年 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy) American Death Trip (The Cold Six Thousand, 2001) 『アメリカン・デス・トリップ』 2002年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Mystic River (Mystic River, 2001) 『ミスティック・リバー』 2003年 ヘニング・マンケル(Henning Mankell) Les Chiens de Riga (Hundarna i Riga, 1992) 『リガの犬たち』 2004年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Shutter Island (Shutter Island, 2003) 『シャッター・アイランド』 2005年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) Purple Cane Road (Purple Cane Road, 2000) 2006年 Giancarlo De Cataldo Romanzo criminale 2007年 アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indridason) La Voix 2008年 Valerio Evangelisti Nous ne sommes rien soyons tout ! 2009年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Un pays à l aube 『運命の日』 2010年 Craig Johnson Le Camp des morts 2011年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) La Nuit la plus longue 2012年 スチュアート・ネヴィル(Stuart Neville) Les Fantômes de Belfast 『ベルファストの12人の亡霊』 Giancarlo De Cataldo、Valerio Evangelistiはイタリアの作家 冒険小説大賞 1930年 ピエール・ヴェリー 『絶版殺人事件』(上野三郎訳、『新青年』1937年11月増刊号に掲載) 1931年 スタニスラス=アンドレ・ステーマン 『六死人』(三輪秀彦訳、創元推理文庫、1984年) 1937年 ピエール・ノール 『抵抗の街』(山口年臣訳、ハヤカワ・ミステリ、1965年) 1938年 ピエール・ボアロー 『三つの消失』(松村喜雄訳、ナルスジャック『死者は旅行中』とともに『大密室 幻の探偵小説コレクション』[晶文社、1988年]として刊行) 1948年 トーマ・ナルスジャック 『死者は旅行中』(松村喜雄訳、ボアロー『三つの消失』とともに『大密室 幻の探偵小説コレクション』[晶文社、1988年]として刊行) 1951年 オリヴィエ・セシャンイゴール・B・マスロフスキー 『まだ殺されたことのない君たち』(木々高太郎・槙悠人共訳、東都書房、1962年) 1958年 シャルル・エクスブライヤ 『パコを憶えているか』(小島俊明訳、ハヤカワ・ミステリ、1967年) 1981年 カトリーヌ・アルレー 『理想的な容疑者』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1981年) 1988年 ポール・アルテ 『赤い霧』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2004年) 1994年 セルジュ・ブリュソロ 『真夜中の犬』(長島良三訳、角川文庫、1998年) 2008年 ジャック・ミリエズ 『人類博物館の死体』(香川由利子訳、ハヤカワ文庫NV、2009年) ピエール・ヴェリー『絶版殺人事件』の『新青年』1937年11月増刊号掲載時には、「仏蘭西探偵小説賞獲得!」というあおり文句が付されている。 ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「カトリーヌ・アルレー」の項目ではカトリーヌ・アルレーの『アラーム!』が1981年度の冒険小説大賞の受賞作だと書かれているが、メスプレード事典の冒険小説大賞の項目によれば、受賞作は『理想的な容疑者』。 パリ警視庁賞 公募新人賞 1949年 フランシス・ディドロ 『月あかりの殺人者』(井上勇訳、ハヤカワ・ミステリ、1961年) 1956年 ノエル・カレフ 『その子を殺すな』(宮崎嶺雄訳、東京創元社『現代推理小説全集』第12巻、1958年 / 創元推理文庫、1961年) 1977年 ジャクマール=セネカル 『グリュン家の犯罪』(飛鳥今日子訳、ハヤカワ・ミステリ、1980年) 1978年 ピエール・マニャン 『アトレイデスの血』(三輪秀彦訳、創元推理文庫、1981年) 1983年 モーリス・ペリッセ 『メリーゴーランドの誘惑』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1984年) 1984年 ジャン・ランボレル 『マムシを殺せ』(佐宗鈴夫訳、ハヤカワ・ミステリ、1984年) 1985年 ロジェ・ラブリュス 『罪深き村の犯罪』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1991年) 1988年 フランソワ・ラントラード 『バルザック刑事と女捜査官』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1989年) 2005年 ジュール・グラッセ 『悪魔のヴァイオリン』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2006年) 2006年 クリステル・モーラン 『ヴェルサイユの影』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2007年) 2007年 フレデリック・モレイ 『第七の女』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2008年) 2008年 P・J・ランベール 『カタコンベの復讐者』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2009年) その他の主な受賞者 ルイ・C・トーマ(1957年) パリ警視庁賞には「1973年」の受賞作は存在しない。これはメスプレード事典によれば、1973年の受賞作を印刷ミスで「1974年」の受賞作として売り出してしまったためだという。これ以来、パリ警視庁賞の受賞年は翌年表示になっている。2012年11月には「2013年」の受賞作が刊行された。(1988年に刊行が始まった『このミステリーがすごい!』に1990年版が存在しないのと同じことである) 注 フランシス・ディドロ『月あかりの殺人者』(ハヤカワ・ミステリ、1961年)のあとがき(編集部N)では「北警察賞」と訳されている。 コニャック・ミステリ大賞&ボーヌ・ミステリ新人賞 コニャック・ミステリ大賞 Prix du Roman Policier du Festival de Cognac (「コニャック推理小説大賞」、「コニャック・フェスティヴァル大賞」、「コニャック市ミステリ文学賞」などとも訳される) 公募新人賞 1987年 ポール・アルテ 『第四の扉』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2002年) 1996年 ジャン=フランソワ・ルメール 『恐怖病棟』(長島良三訳、読売新聞社、1997年) 1997年 ジャック・バルダン 『グリシーヌ病院の惨劇』(長島良三訳、読売新聞社、1998年) 1998年 ダニエル・ジュフュレ 『スイス銀行の陰謀』(長島良三訳、中公文庫、2001年) 2001年 ベルトラン・ピュアール 『夜の音楽』(東野純子訳、集英社文庫、2002年) その他の主な受賞者 フレッド・ヴァルガス(1986年)、アンドレア・H・ジャップ(1991年)、ピエール・ルメートル(2006年) 注 「コニャック・ミステリ大賞」(コニャック・ミステリー大賞)と書かれることが多い ベルトラン・ピュアール『夜の音楽』の解説(立川直樹)および著者紹介では「コニャック推理小説大賞」 アンドレア・H・ジャップ『殺人者の放物線』(藤田真利子訳、創元推理文庫、2006年)の訳者あとがきでは「コニャック・フェスティヴァル大賞」 ピエール・ルメートル『死のドレスを花婿に』(吉田恒雄訳、柏書房、2009年)の訳者あとがきおよび著者紹介では「コニャック市ミステリ文学賞」 ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「ミシェル・グリゾリア」の項目で、グリゾリアの『イギリス女性たちの散歩』(邦訳なし、原題『La Promenade des Anglaises』、1987年)が「コニャック・フェスティバル賞」の受賞作だと書かれているが、メスプレード事典のコニャック・ミステリ大賞の項目によればこの年の受賞作はポール・アルテの『第四の扉』である。『イギリス女性たちの散歩』は『第四の扉』と同時期にマスク叢書で刊行されているので、あるいは同賞の候補作だったりしたのだろうか。(なお、コニャック・ミステリ大賞は新人賞だが、ミシェル・グリゾリアはこれより10年ほど前にデビューしている) フレッド・ヴァルガスが2000年に『裏返しの男』で受賞したコニャック・ロマンノワール大賞は別の賞。こちらは既刊作品を対象とする賞。コニャック・ミステリ大賞と同じく、コニャック・ミステリ映画祭で授与された。 ボーヌ・ミステリ新人賞 公募新人賞。コニャック・ミステリ大賞(~2007年)の後継の賞。今のところ、受賞作の邦訳なし。 毎年4月に出版される。 +ボーヌ・ミステリ新人賞(2009年~)受賞作一覧 ボーヌ・ミステリ新人賞(2009年~)受賞作一覧 2009年 Costantini La Note noire 2010年 Sylvain Blanchot Et on dévora leur coeur 2011年 Do Raze La Mort des rêves 2012年 Olivier Gay Les talons hauts rapprochent les filles du ciel 2013年 Cyrille Legendre Quitte ou double コニャック・ロマンノワール大賞&ボーヌ・ロマンノワール大賞 コニャック・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門の受賞作のうち日本語で読めるのは、2000年の受賞作であるフレッド・ヴァルガス『裏返しの男』のみ。 ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門の受賞作の邦訳はいまのところない。 +ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門(2009年~)受賞作一覧 ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門(2009年~)受賞作 2009年 Caryl Ferey Zulu 2010年 Hervé Le Corre Les Coeurs déchiquetés 2011年 Joseph Incardona Lonely Betty 2012年 Marin Ledun Les Visages écrasés 2013年 Michaël Mention Sale temps pour le pays +ボーヌ・ロマンノワール大賞 翻訳作品部門(2009年~)受賞作一覧 ボーヌ・ロマンノワール大賞 翻訳作品部門(2009年~)受賞作 2009年 ジェイムズ・リー・バーク Dernier Tramway pour les Champs-Élysées 2010年 リチャード・プライス Souvenez-vous de moi 『黄金の街』 2011年 Peter Temple Un monde sous surveillance 2012年 スチュアート・ネヴィル Les Fantômes de Belfast 『ベルファストの12人の亡霊』 2013年 ジェイムズ・カルロス・ブレイク Red Grass River コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞 コニャック・ミステリ大賞やコニャック・ロマンノワール大賞とは別の賞。 Togetter「東野圭吾『むかし僕が死んだ家』がフランスでコニャック・ミステリ大賞国際部門を受賞! (2年4か月前[2010年10月]に)」で「もう一つのコニャック・ミステリ大賞」として紹介したもの。コニャック・ポラール・フェスティヴァルで授与される賞なので、ここでは仮に「コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞」としておく。(「ポラール」はミステリを意味するフランス語) その他 パトリシア・ハイスミス賞 - パスカル・バセ=シェルコ『ベイビー・ブルース』(長島良三訳、新潮文庫、1991年) - 1988年の第1回受賞作。公募新人賞か? (以上の賞のうち、パトリシア・ハイスミス賞と2009年開始のボーヌ・ミステリ新人賞、ボーヌ・ロマンノワール大賞はメスプレード事典に項目がない) 2010年のフランス推理小説大賞翻訳作品部門・ノミネート作 国 作者 仏題 原題 邦題 受賞 米国 William GAY La mort au crépuscule (Le Masque) Twilight 米国 Diana ABU-JABER Origine (Sonatine) Origin 米国 デイヴィッド・フルマー(David FULMER) Jass (Rivages/Thriller) Jass 米国 ジャック・オコネル(Jack O CONNELL) Dans les limbes (Rivages/Thriller) The Resurrectionist 米国 リチャード・プライス(Richard PRICE) Souvenez-vous de moi (Presses de la cité) Lush Life 黄金の街 米国 Craig JOHNSON Le camp des morts (Gallmeister-Noire) Death without Company 米国 Whitney TERRELL Le chasseur solitaire (Rivages/Thriller) The huntsman 英国 トム・ロブ・スミス(Tom Rob SMITH) Kolyma(Belfond noir) The Secret Speech グラーグ57 イタリア ジャンリーコ・カロフィーリオ(Gianrico CAROFIGLIO) Les raisons du doute (Seuil policiers) Ragionevoli dubbi ドイツ フォルカー・クッチャー(Volker KUTSCHER) Le poisson mouillé (Seuil policiers) Der nasse Fisch 濡れた魚 スウェーデン ヨハン・テオリン(Johan THEORIN) L Echo des morts (Albin Michel) Skumtimmen 黄昏に眠る秋 アイスランド Stefan MANI Noir océan (Gallimard-Série noire) Skipid 日本 島田荘司(Soji SHIMADA) Tokyo Zodiac Murders (Rivages/Thriller) 占星術殺人事件 フランス推理小説大賞・ミステリ批評家賞・813協会賞を受賞した非英語圏作品 フランス推理小説大賞 1968年 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ À tous les râteliers Traditori di tutti 裏切者 1970年 ギリシャ アンドニス・サマラキス La Faille Το λάθος きず 1971年 デンマーク アーナス・ボーデルセン Crime sans châtiment Hændeligt uheld 轢き逃げ人生 1979年 ポーランド スタニスワフ・レム Le Rhume Katar 枯草熱(こそうねつ) 1981年 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン Marquises, si vos rivages Los Mares del sur 楽園を求めた男 1993年 スペイン アルトゥーロ・ペレス=レベルテ Le Tableau du maître flamand La Tabla de Flandes フランドルの呪画(のろいえ) 2003年 南アフリカ共和国 デオン・マイヤー Jusqu au Dernier Feniks 2007年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Voix Röddin 2008年 スウェーデン カミラ・レックバリ La Princesse des glaces Isprinsessan 氷姫 2011年 イスラエル イシャイ・サリッド(Yishai Sarid) Le Poète de Gaza Limassol デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)はアフリカーンス語で執筆する作家 イシャイ・サリッドはヘブライ語で執筆する作家 ミステリ批評家賞 1988年 ドイツ ホルスト・ボゼツキー Robin des bois est mort Kein Reihenhaus für Robin Hood 1993年 スペイン フランシスコ・ゴンサレス=レデスマ La dame de Cachemire La dama de Cachemira 1999年 イタリア アンドレア・カミッレーリ La Forme de l eau La forma dell acqua 2000年 スウェーデン ヘニング・マンケル Le Guerrier Solitaire Villospår 目くらましの道 2002年 ロシア ボリス・アクーニン Azazel Азазель 堕ちた天使 アザゼル 2004年 南アフリカ共和国 デオン・マイヤー Les soldats de l aube Orion 2006年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Cité des jarres Mýrin 湿地 2007年 スペイン フランシスコ・ゴンサレス=レデスマ Cinq femmes et demie Cinco mujeres y media デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)はアフリカーンス語で執筆する作家 813協会賞 1994年 メキシコ パコ・イグナシオ・タイボ二世 Cosa facil Cosa fácil 三つの迷宮 2003年 スウェーデン ヘニング・マンケル Les Chiens de Riga Hundarna i Riga リガの犬たち 2006年 イタリア ジャンカルロ・デ・カタルド(Giancarlo De Cataldo) Romanzo criminale Romanzo criminale 2007年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Voix Röddin 2008年 イタリア ヴァレリオ・エヴァンジェリスティ(Valerio Evangelisti) Nous ne sommes rien, soyons tout! Noi saremo tutto カナダ・ケベック州のミステリ賞 カナダのケベック州はカナダのなかで唯一、フランス語のみを公用語とする州であり、カナダのほかの地域ともフランスとも違う独自の「フランス語ミステリ」の歴史があるようである。たとえば1940年代から60年代にかけては、「フランス系カナダ人のアルセーヌ・ルパン」こと怪盗紳士ギイ・ヴェルシェール(Guy Verchères)が活躍する小説シリーズが多数書かれていたそうだ。複数の作家が書き継ぐニック・カーターやセクストン・ブレイクの方式で書かれたもののようである。 そんなケベック州では2001年にサン・パコーム推理小説協会(Société du roman policier de Saint-Pacôme)が設立されており、同州でフランス語で出版されたミステリ小説の年間最優秀作に対してサン・パコーム賞(Prix Saint-Pacôme)を授与している。サン・パコーム(聖パコーム)は町の名前である。 この協会はほかに、短編ミステリ公募賞のリヴィエール=ウエル賞も主催している。リヴィエール=ウエルはサン・パコームを流れる川の名前である。 また、2001年創刊のケベック州のミステリ雑誌『アリバイ』(フランス語雑誌)は短編ミステリ公募賞のアリバイ賞(Prix Alibis)を主催している。 ほかに、カナダ推理作家協会賞(アーサー・エリス賞)にもフランス語作品部門がある。 他言語圏のミステリ賞を受賞したフランス語圏ミステリ イギリス 英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞受賞・候補歴受賞:1968年 - セバスチャン・ジャプリゾ『新車の中の女』(最優秀外国作品賞) 候補:2005年 - フレッド・ヴァルガス『裏返しの男』 英国推理作家協会(CWA)インターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴受賞:2006年 - フレッド・ヴァルガス『死者を起こせ』 候補:2006年 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Dead Horsemeat" 候補:2006年 - ヤスミナ・カドラ "Autumn of the Phantoms" 受賞:2007年 - フレッド・ヴァルガス "Wash This Blood Clean From My Hand" 候補:2007年 - ヤスミナ・カドラ『テロル』 受賞:2008年 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Lorraine Connection" 候補:2008年 - フレッド・ヴァルガス "This Night s Foul Work" 受賞:2009年 - フレッド・ヴァルガス『青チョークの男』 候補:2010年 - トニーノ・ベナキスタ "Badfellas" 候補:2011年 - ジャン=フランソワ・パロ "The Saint-Florentin Murders" 候補:2011年 - フレッド・ヴァルガス "An Uncertain Place" ※最優秀外国作品賞 - 1964年から1969年まで、イギリスの作品がゴールド・ダガー賞を受賞した際にはそれとは別に最優秀外国作品賞が、イギリス以外の作品が受賞した際には最優秀英国作品賞が選出されていた。 ドイツ ドイツ・ミステリ大賞2001年 1位 - ジャン=クロード・イゾ "Chourmo" 2002年 2位 - ヤスミナ・カドラ "L Automne des chimères" 2004年 1位 - フレッド・ヴァルガス "Pars vite et reviens tard" 2011年 3位 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Lorraine Connection" 北欧 スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀翻訳ミステリ賞1981年 - セバスチアン・ジャプリゾ『殺意の夏』 1983年 - ピエール・マニャン "Le commissaire dans la truffière" 2006年 - フィリップ・クローデル『灰色の魂』 デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞(最優秀翻訳ミステリ賞)2011年 - ジャン=クリストフ・グランジェ "Miserere" フィンランド・ミステリ協会 外国推理作家賞2008年 - フレッド・ヴァルガス 関連ページ フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) 非英語圏ミステリ各種リスト北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 非英語圏ミステリ2013年の邦訳出版一覧 『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況 ヨーロッパの推理小説 - ヨーロッパの推理小説に関する日本語文献の一覧 フランス語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ
https://w.atwiki.jp/mystery2ch/pages/18.html
2010年10月8日作成 最終更新:2010年10月16日 ミステリー板 概要 2ちゃんねるの「ミステリー@2ch掲示板」(通称:ミステリー板)は2000年2月8日に誕生した。開設から約7か月後の9月6日より、「名無しのオプ」という名無し表示が始まり、開設のちょうど1年後の2001年2月8日には、mail欄以外でのネタバレ書き込みの禁止という、ミステリー板ではおなじみのルールが策定・施行されている。 名無しのデフォルト表示名である「名無しのオプ」の「オプ」は探偵という意味で(op=operative)、つまり「名無しのオプ」とは「名無しの探偵」「名無し探偵」という意味である。この表示名は、「コンチネンタル・オプ」、「名無しの僕」、「名無しのオプ」という3案の中から決定された。 ミステリー板は、2000年1月から11月にかけて、当時の「文学、本雑誌板」が6分割される中で、そのうちの掲示板の1つとして生まれた。この時に「文学、本雑誌板」を祖として生まれたのは、順に「文学板」、「ライトノベル板」、「ミステリー板」、「雑誌板」、「SF・ファンタジー・ホラー板」、「一般書籍板」(すべて、現在使われている板名で表記)である。 2010年現在、このうち、文学板のみ「学問・文系」カテゴリーにおかれ、ミステリー板を含む5つの板は、その後新設された「絵本板」(2002年)、「児童書板」(2003年)、「電子書籍(仮)板」(2010年)や、「文芸・書籍サロン板」(2007年)、「文芸キャラ(仮)板」(2010年)などとともに、「漫画・小説等」カテゴリーの文芸書関連の一角を占めている。 ミステリー板は推理小説(ミステリー小説)のみを扱う板ではなく、ミステリー漫画やTVドラマ、映画などの話題も扱う。ただし、2ちゃんねるには作家志望者用のスレッドを集めた「文化」カテゴリーの「創作文芸板」があり、ミステリー作家志望者のスレッドはミステリー板ではなく創作文芸板に立てられる。 ミステリー板の祖となった「文学、本雑誌板」のさらに源流をたどると、2ちゃんねる開設(1999年5月30日)の約1か月後に立てられたと思われる「雑誌月刊誌板」に行きつく。この板は、1999年7月22日、ミステリなどの小説の話が出来るようにしてほしいとのユーザーの要望を受け、「文学、本雑誌板」へと名称が変更された。2ちゃんねるにおいて、ミステリーの話題が扱われるようになったのは、この頃からだと思われる。ただしこの頃のスレッドは、翌8月のサーバーダウンによりログが失われており、確認することができない。 現在、「文学、本雑誌板」のスレッドでログが読める最古のものは、1999年9月13日に立てられた「文学のお部屋復活~! 」(1999/09/13(月) 20 13)である。また、ミステリー板の最古のスレッドもログが残っており、読むことが出来る(「ミステリー板です。 」(2000/02/08(火) 12 39))。 名称 ミステリー@2ch掲示板(ミステリー板) 当初より変更なし 開設日 2000年2月8日 「ミステリー板」開設の経緯 名前欄 名無しのオプ 「名無しのオプ」決定の経緯 カテゴリー 漫画・小説等 当初より変更なし サーバー kamome サーバーの変遷 フォルダ mystery 当初より変更なし ID 表示 ID表示への経緯 ミステリー板 概要 ミステリー板 略年譜ミステリー板前史ログなし時代 〜「雑誌月刊誌」掲示板から「文学、本雑誌」掲示板へ ログあり時代 〜「文学、本雑誌板」の6分割 ミステリー板の歴史 ミステリー板 略年譜 ミステリー板前史 ログなし時代 〜「雑誌月刊誌」掲示板から「文学、本雑誌」掲示板へ (→詳細は「ミステリー板前史」) 1999年5月30日 2ちゃんねる設立。 1999年5月31日 「趣味」掲示板開設。 1999年6月末or7月初め 趣味カテゴリーの掲示板の1つとして「雑誌月刊誌」掲示板開設。同じ趣味カテゴリー内の関連する掲示板に、「漫画」(1999年6月23日開設、現存)、「詩、ポエム」(1999年6月27日開設、のちに「創作文芸詩」、再び改名して「創作文芸」板として現存)などがあった。 1999年7月22日 「雑誌月刊誌」掲示板が「文学、本雑誌」掲示板に改名。メイン掲示板のスレッド「掲示板増やしすぎ」での、掲示板利用者の意見を受けて改名。 1999年8月24日 「文学、本雑誌」掲示板を含む、aisnet上にあった掲示板が落ち、ログ全損(ただし、「創作文芸詩」掲示板など、いくつかの掲示板では10月中旬ごろにログが戻った模様)。 ログあり時代 〜「文学、本雑誌板」の6分割 (→詳細は「「ミステリー板」開設の経緯」) 1999年9月13日 「文学、本雑誌板」復活。ログが見られる最古スレッド:「文学のお部屋復活~! 」(1999/09/13(月) 20 13) 2000年1月24日 「文学、本雑誌板」を分割し、「文学板」と「ライトノベル・雑誌・エンターティメント板」に。「文学、本雑誌板」のアドレスは、「文学板」が継承。 「ライトノベル・雑誌・エンターティメント板」の初代スレッド:「ライトノベル・雑誌・エンターティメント板です。 」 ミステリーやSFがどちらで扱われるべきか不明確に。 2000年2月2日 批判要望板にミステリー板を要望するスレッド「ミステリ板つくってください 」が立つ(この時は、すぐ落ちてしまった様子)。 2000年2月6日 批判要望板に再び、ミステリー板を要望するスレッド「@ミステリー希望 」が立つ。 2000年2月8日 「ミステリー板」開設。 ミステリー板の歴史 2000年2月8日 「ミステリー板」開設。 →詳細は「「ミステリー板」開設の経緯」初代スレッド:「ミステリー板です。 」 2000年9月6日 名前欄のデフォルト表示が「名無しのオプ」になる。 →詳細は「「名無しのオプ」決定の経緯」批判要望板のスレッド「激裏名無しさん反対」で、「コンチネンタル・オプ」、「名無しの僕」、「名無しのオプ」の3案から決定。 2001年2月8日 ローカルルールとして、mail欄以外でのネタバレ書き込みの禁止が決定。 →詳細は「ミステリー板 ローカルルール策定の経緯」板での話し合い後、この日に批判要望板で依頼し、即日トップ画面に表示された。 2004年5月13日 ID表示開始。 →詳細は「ID表示への経緯」 2010年9月7日 サーバーダウンにより、ミステリー板の推定700前後の現役スレッドが板ごと消滅。 →詳細は「kamomeサーバーダウン」20世紀(=板開設の2000年)に立てられたスレッドが5つ、現役スレッドとして残っていたが、それも消えてしまった。 2010年9月9日 板のみ復帰。9月7日当時の現役スレッドは戻らず、スレッド0の状態から再開。復帰翌日に立てられたスレッド「復活??」である程度の状況が分かる。 運営関係者が、9月7日当時のスレッドを復旧させる作業をしているが、あまり進んでいないようである。 2010年10月6日 総スレッド数121。 ←(この日、「ミステリー板@wiki」ひっそりと開設)
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/20.html
韓国推理作家協会編・発行 2005年8月 ●綾辻行人「館シリーズ」(관 시리즈)解釈 「館シリーズ」の二重構造とメタテキスト的技法 - 장경헌(チャン・キョンホン) 綾辻行人と「新本格」初期の風景 - 권일영(クォン・イリョン) 連続殺人犯罪の心理学的過程 II - 염건령(ヨム・コンリョン) ミステリ漫画 포도주 한 병 / 보든 딜 지음, 각색.그림 김종섭 推理小説外の風景 - 윤영천(ユン・ヨンチョン) 短編ミステリ 「포말」 - 현정 「다크 템플러」 - 김상윤 「악어의 눈물」 - 황미영 「자매의 전설」 - 하유상 科学捜査研究所ダイアリー 老婆R殺害事件 - 최상규 仮想インタビュー 스티븐 킹, 말하다 - 한이 海外ミステリ 사라진 기억 The Blind Spot - 배리 퍼론 그녀들의 쇼핑 - 筒井康隆 レビュー 퍼트리샤 콘웰의 케이 스카페타 시리즈 - 노블하우스 편집부 교고쿠 나츠히코의 우부메의 여름 - 손안의책 편집부 대통령은 어떻게 추리소설을 구상했을까 - 정태원 칼의 노래 , 이순신 열품 유감 - 박형상 콘웰 울리치의 Phantom Lady - 오리온 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000158804
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/239.html
2014年8月19日 スペイン語・ポルトガル語のミステリについては「南欧ミステリ邦訳一覧」もご覧ください。 Index アルゼンチン ウルグアイ キューバ コロンビア チリ ニカラグア ペルー ボリビア メキシコ ブラジル 中南米ミステリについての日本語資料 国名50音順。ただし、中南米の国で唯一ポルトガル語を公用語とするブラジルは最後に回した。 アルゼンチン ホルヘ・ルイス・ボルヘス(Jorge Luis Borges, 1899-1986, Wikipedia)「八岐(やまた)の園」(1941) - 米国『EQMM』第3回短編ミステリ・コンテスト入選作 「死とコンパス」(1942)2作品ともボルヘスの短編集『伝奇集』(鼓直訳、岩波文庫、1993年11月)に収録 アドルフォ・ビオイ=カサーレス(Adolfo Bioy Casares, 1914-1999, Wikipedia)『パウリーナの思い出に』(高岡麻衣、野村竜仁訳、国書刊行会《短篇小説の快楽》、2013年5月)「墓穴掘り」、「雪の偽証」などミステリ的な作品を含む短編集。 法月綸太郎氏が『このミステリーがすごい! 2014年版』でこの短編集を海外ミステリの年間第1位に挙げている。 ボルヘス&ビオイ=カサーレス『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』(木村榮一訳、岩波書店、2000年9月) - 『2001本格ミステリ・ベスト10』海外部門 第1位「世界を支える十二宮」「ゴリアドキンの夜」「雄牛の王」「サンジャコモの計画」「タデオ・リマルドの犠牲」「タイ・アンの長期にわたる探索」の6編を収録 ボルヘスもビオイ=カサーレスも、邦訳作品中にミステリとして読めるものはほかにもあるようである。 2014年6月にTwitter上で実施された企画「短編ミステリ・オールタイムベストアンケート 海外編」(Togetter)ではボルヘスの「アベリーノ・アレドンド」(篠田一士訳、ホルヘ・ルイス・ボルヘス『砂の本』[改訂新版]、集英社文庫、2011年6月)が71位、「死とコンパス」が24位に入った。 フリオ・コルタサル(Julio Cortázar, 1914-1984, Wikipedia)「動機」(木村榮一訳、コルタサル『遊戯の終り』国書刊行会 ラテンアメリカ文学叢書5、1977年10月 / 『遊戯の終り』国書刊行会、1990年11月 / 『遊戯の終わり』岩波文庫、2012年6月) El móvil (1956) マヌエル・ペイロウ(Manuel Peyrou, 1902-1974, スペイン語版Wikipedia)「ジュリエットと奇術師」(柳瀬尚紀訳、オットー・ペンズラー編『魔術ミステリ傑作選』創元推理文庫、1979年8月、著者名表記「マニュエル・ペイロウ」) 「わが身にほんとうに起こったこと」(内田吉彦訳、『北村薫の本格ミステリ・ライブラリー』角川文庫、2001年8月 等) マヌエル・プイグ(Manuel Puig, 1932-1990, Wikipedia)『ブエノスアイレス事件』(鼓直訳、白水社、1982年3月 / 白水Uブックス、1984年8月) マルコ・デネービ(Marco Denevi, 1922-1998, スペイン語版Wikipedia)『秘密の儀式』(江上淳訳、西和書林、1985年7月) エンリケ・アンデルソン=インベル(Enrique Anderson Imbert, 1910-2000, Wikipedia)「将軍、見事な死体となる」(鼓直、西川喬訳、アンデルソン=インベル『魔法の書』国書刊行会、1994年11月) ミリアム・ローリーニ(Myriam Laurini [または Miriam Laurini ?], 1947- )「失われた夢」(興津真理子訳、サラ・パレツキー編『ウーマンズ・ケース』下巻、ハヤカワ・ミステリ文庫、1998年2月) ギジェルモ・マルティネス(Guillermo Martínez, 1962- , Wikipedia)『オックスフォード連続殺人』(和泉圭亮訳、扶桑社ミステリー、2006年1月) - 『2007本格ミステリ・ベスト10』海外部門 第4位 『ルシアナ・Bの緩慢なる死』(和泉圭亮訳、扶桑社ミステリー、2009年6月) - 2009年スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀翻訳ミステリ賞ノミネート パブロ・デ・サンティス(Pablo De Santis, 1963- , Wikipedia)『世界名探偵倶楽部』(宮崎真紀訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2009年10月) カルロス・バルマセーダ(Carlos Balmaceda, 1954-)『ブエノスアイレス食堂』(柳原孝敦訳、白水社 エクス・リブリス、2011年10月) 2004年にアメリカで刊行されたダレル・B・ロックハート編『ラテンアメリカ・ミステリ作家ガイド』(Darrell B. Lockhart編『Latin American Mystery Writers An A-to-Z Guide』、Greenwood Pub Group)では、エンリケ・アンデルソン=インベルの代表的な探偵小説として「将軍、見事な死体となる」(El general hace un lindo cadáver)が挙げられている。1961年の短編集『魔法の書』(El grimorio)収録の短編である。また、探偵小説に分類できるものとしてもう1編、「Al rompecabezas le falta una pieza」(パズルのピースが一枚足りない / 未邦訳)が挙げられている。こちらは1975年の短編集『La botella de Klein』(クラインの壺 / 未邦訳)に収録されている。 関連記事:『ラテンアメリカ・ミステリ作家ガイド』で扱われている54人の作家の一覧 ◆ミステリ以外の作品が邦訳されている作家 イタリアのクールマイユール・ミステリ祭で毎年授与されるレイモンド・チャンドラー賞を、1993年にアルゼンチンのオスバルド・ソリアーノ(Osvaldo Soriano, 1943-1997, スペイン語版Wikipedia)が受賞している。レイモンド・チャンドラー賞は国内外の優れたミステリ作家に対して贈られる賞。調べてみるとオスバルド・ソリアーノは、フィリップ・マーロウを登場させたパロディ作品『Triste, solitario y final』(1973)などを書いた作家のようだ。邦訳があるのは絵本『ぼくのミラクルねこネグロ』(宇野和美訳、アリス館、2003年7月)のみ。 2013年5月に『孤児』(寺尾隆吉訳、水声社 フィクションのエル・ドラード)が翻訳出版されたフアン・ホセ・サエール(Juan José Saer, 1937-2005, スペイン語版Wikipedia)はフランスのミステリ大事典『Dictionnaire des littératures policières』(初版2003年、通称メスプレード事典)に項目がある(2007年の第2版で確認)。1994年の長編『捜査』(La pesquisa / 未邦訳)がミステリ小説とされているようだ。 ウルグアイ イベア・コンテリース(Hiber Conteris, 1933- , スペイン語版Wikipedia)『マーロウ もう一つの事件』(小林祥子訳、角川文庫、1988年10月) ダニエル・チャヴァリア(Daniel Chavarría, 1933- , Wikipedia)『バイク・ガールと野郎ども』(真崎義博訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2002年11月) - 2002年エドガー賞最優秀ペーパーバック賞受賞ダニエル・チャヴァリアはウルグアイ出身で、キューバで作家活動を続けている キューバ ベゴーニャ・ロペス(Begoña López, 1923-1989, Wikipedia)『死がお待ちかね』(竹野泰文訳、文藝春秋、1989年7月) - 第7回サントリーミステリー大賞・大賞受賞作 ホセ・ラトゥール(José Latour, 1940- , Wikipedia)「ハバナイトメア」(酒井武志訳、『ミステリマガジン』1999年4月号) 『追放者』(酒井武志訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2001年2月) - 2000年エドガー賞最優秀ペーパーバック賞ノミネート、2003年ハメット賞(スペイン語圏最優秀ミステリ賞)受賞 「ゴラム」(横山啓明訳、『ミステリマガジン』2001年8月臨時増刊号『ノワールの時代』) 『ハバナ・ミッドナイト』(山本さやか訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2003年3月) アルナルド・コレア(Arnaldo Correa, 1935- )『キューバ・コネクション』(田口俊樹訳、文春文庫、2007年2月) レオナルド・パドゥーラ(Leonardo Padura, 1955- , Wikipedia)『アディオス、ヘミングウェイ』(宮崎真紀訳、ランダムハウス講談社[文庫]、2007年9月) - 2007年ドイツ・ミステリ大賞第3位 サントリーミステリー大賞は海外からの英語やスペイン語での応募も認めており、スペイン語で執筆された『死がお待ちかね』は第7回の大賞を受賞して日本で出版された。なお、著者は受賞を知る前に亡くなっている。 ホセ・ラトゥール『追放者』は、著者が初めて英語で書いた作品。ラトゥールは1982年にキューバで『Preludio a la Noche』(スペイン語作品)でミステリ作家デビューし、続けて何作かのミステリ小説を発表していた。しかし、キューバで実際に起こった汚職事件を題材にして1994年に書き上げた『The fool』は、出版社に原稿を送付したあと2年間待たされたのち、キューバ内務省により出版不許可の決定が下されてしまう。自分が本当に書きたい作品がキューバでは出版できないことを知ったラトゥールは、この後、英語でのミステリ小説執筆に着手する。そして書き上げたのが『Outcast』(邦題『追放者』)である。この作品は1999年にアメリカで出版され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞最優秀ペーパーバック賞にノミネートされた。続いてラトゥールは『The fool』を英訳する。これは日本(『ハバナ・ミッドナイト』)とイタリア(『Embargo』)で翻訳出版されたが、英語圏では出版の機会に恵まれなかった。『The fool』は2010年に電子書籍化され、ようやく英語圏の読者の目にも触れることとなった(著者公式サイト内の電子書籍『The fool』紹介ページ)。『Outcast』以降もラトゥールは英語で小説を発表し続けている。そのうちの1作『The Faraway War』(2009)はEnrique Clioというペンネームで発表された。(以上の情報はホセ・ラトゥールの公式サイトからまとめた) ラトゥールは1999年に発表した英語作品『Outcast』(追放者)を2002年にスペイン語でも発表している。このスペイン語版(『Mundos sucios』)は2003年のハメット賞(スペイン語圏最優秀ミステリ賞)を受賞した。 短編「ハバナイトメア」(Havanightmare)と「ゴラム」(Golam)は、主に国際推理作家協会所属の推理作家たちの短編を集めた2冊の英語アンソロジー『Death Cruise』(ローレンス・ブロック編、1999年)、『Death by Espionage』(マーティン・クルーズ・スミス編、1999年)にそれぞれ収録されている作品だが、元々何語で書かれた作品なのかは分からない。 アルナルド・コレア『キューバ・コネクション』(英題 Spy s Fate)が元々どの言語で書かれたものなのかは不明。著者が初めて英語で書いた作品ともいわれるが、英語版の出版社のサイトには「英語に翻訳された最初の作品」(リンク)との記述がある。英語版『Spy s Fate』には訳者名が明記されていないようなので、過去の作品を本人が英訳したものだろうか。同じ出版社から出ている英語版第2作『Cold Havana Ground』(未邦訳)は英訳者名が明記されており、これが元はスペイン語で書かれた作品だということが分かる。 レオナルド・パドゥーラは2009年にイタリアのミステリ賞、レイモンド・チャンドラー賞を受賞している。これはイタリアのクールマイユール・ミステリ祭で毎年授与されている賞。イタリア国内外の優れたミステリ作家に対して贈られる。レオナルド・パドゥーラの邦訳はほかに短編「狩猟者」(久野量一訳、『すばる』2004年11月号、pp.268-277)があるが、これは非ミステリ。同号にはレオナルド・パドゥーラへのインタビュー記事、「政治的レトリックを超えて」(聞き手・構成 野谷文昭、pp.284-289)も掲載されている。それによればキューバでは、1970年代に文学への締め付けが厳しくなり、活動ができなくなってしまった作家が大勢いた。そんなときに国産の推理小説が出始めたが、これがそれらの作家の穴埋めに使われ、1970年代から1980年代にかけて国産推理小説が盛んに出版されたのだという。またパドゥーラは自分の読書経験についても語っている。1920~40年代のミステリ小説を集めた「エル・ドラゴン叢書」というのがキューバで出版されていて、それでパドゥーラはアガサ・クリスティーやジョン・ディクスン・カー、エラリー・クイーンらの作品を読んだそうだ。その後はダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラー、ジェイムズ・M・ケインらに傾倒する。しかし1970年代になると、推理小説に限らず、外国の小説はほとんど翻訳出版されなくなってしまったという。 コロンビア ガブリエル・ガルシア=マルケス(Gabriel García Márquez, 1928-2014, Wikipedia)『予告された殺人の記録』(野谷文昭訳、新潮社、1983年4月 / 新潮文庫、1997年12月) ホルヘ・フランコ(Jorge Franco, 1962- , スペイン語版Wikipedia)の『ロサリオの鋏』(田村さと子訳、河出書房新社、2003年12月)は、スペイン語圏のミステリの年間最優秀作に授与されるハメット賞(Premio Hammett)の受賞作だが、ミステリとは言い難い(クライム・フィクションとも言い難い)。 チリ マリア・ルイサ・ボンバル(María Luisa Bombal, 1910-1980, スペイン語版Wikipedia)『霧の家』(清水光訳、新潮社、1956年、著者名表記「M・L・ボムバル」) La última niebla (1934) ルイス・セプルベダ(Luis Sepúlveda, 1949- , Wikipedia)『センチメンタルな殺し屋』(杉山晃訳、現代企画室、1999年7月) - 「センチメンタルな殺し屋」と「ヤカレー」の2中編を収録 ロベルト・アンプエロ(Roberto Ampuero, 1953- , スペイン語版Wikipedia)『ネルーダ事件』(宮崎真紀訳、ハヤカワ・ミステリ、2014年5月) ロベルト・ボラーニョの『La Pista de Hielo』(英題 The Skating Rink / 未邦訳)は英語圏では「魅力的で独特な探偵小説」(A spellbinding, sui generis detective fiction)という売り文句で出版されている。邦訳のある作品のうち、ミステリ要素のあるものとしては『野生の探偵たち』(柳原孝敦、松本健二訳、白水社 エクス・リブリス、2010年4月)、『2666』(野谷文昭、内田兆史、久野量一訳、白水社、2012年10月)、短編の「鼠警察」(久野量一訳、ロベルト・ボラーニョ『鼻持ちならないガウチョ』白水社、2014年4月)がある。 ニカラグア 2013年4月に『ただ影だけ』(寺尾隆吉訳、水声社 フィクションのエル・ドラード)が翻訳出版されたセルヒオ・ラミレス(Sergio Ramírez, 1942- , スペイン語版Wikipedia)は過去に『天罰』(Castigo divino / 未邦訳)でハメット賞(スペイン語圏最優秀ミステリ賞)を受賞している。 ペルー マリオ・バルガス=リョサ(Mario Vargas Llosa, 1936- , Wikipedia)『誰がパロミノ・モレーロを殺したか』(鼓直訳、現代企画室 ラテンアメリカ文学選集6、1992年8月)この作品に引き続き警官リトゥーマが登場する『アンデスのリトゥーマ』(木村榮一訳、岩波書店、2012年11月)も推理小説仕立ての作品だそうだ。リトゥーマはほかに『誰がパロミノ・モレーロを殺したか』以前の作品である『緑の家』、『フリアとシナリオライター』にも登場する。 ペルーでは、グスタボ・ファベロン・パトリアウ(Gustavo Faverón Patriau, 1966- , スペイン語版Wikipedia)の『古書収集家』(El anticuario / 未邦訳)が「迷宮的本格とも呼べるなかなか出色の作品」だそうで気になる(宮崎真紀「各国ミステリ事情 スペイン・中南米篇」『ハヤカワミステリマガジン』2013年12月号)。英訳は2014年6月に『The Antiquarian』というタイトルで刊行された。 ボリビア 2014年8月にテクノスリラー小説『チューリングの妄想』(服部綾乃、石川隆介訳、現代企画室)が翻訳出版されたエドゥムンド・パス・ソルダン(エドムンド・パス=ソルダン などとも表記)(Edmundo Paz Soldán, 1967- , スペイン語版Wikipedia)はハメット賞(スペイン語圏最優秀ミステリ賞)の2012年のノミネート者。邦訳にはほかに掌編「夕暮れの儀式」(『ユリイカ』2008年3月号、特集:新しい世界文学)がある。 ハメット賞にノミネートされたのは2011年の長編『Norte』(未邦訳)。また、『ボリビアを知るための73章【第2版】』(真鍋周三編著、明石書店、2013年2月)の「ペドロ・シモセとパス・ソルダン」(執筆:杉山晃)によれば、代表作の1つである長編『欲望の問題』(La materia del deseo / 未邦訳)はボリビア人青年が父親の暗殺事件の謎を解き明かしていくストーリーで、推理小説としての面白さも加味された作品だとのこと。 メキシコ パコ・イグナシオ・タイボ二世(Paco Ignacio Taibo II, 1949- , Wikipedia)「国境の南」(長野きよみ訳、バイロン・プライス編『フィリップ・マーロウの事件 1 1935-1948』ハヤカワ・ノヴェルズ、1990年2月 / 『フィリップ・マーロウの事件』ハヤカワ・ミステリ文庫、2007年3月) 『三つの迷宮』(佐藤耕士訳、ハヤカワ・ミステリ、1994年7月) - 1994年フランス・813協会賞(翻訳長編部門)受賞 『影のドミノ・ゲーム』(田中一江訳、創元推理文庫、1995年1月) 「伝説の作られ方」(佐藤耕士訳、ジェローム・チャーリン編『ニュー・ミステリ ジャンルを越えた世界の作家42人』早川書房、1995年10月) セルヒオ・ピトル(Sergio Pitol, 1933- , スペイン語版Wikipedia)『愛のパレード』(大西亮訳、現代企画室、2011年4月)「ナンセンスな不条理、知的な諧謔に満ちた多声的(ポリフォニック)な、瞠目すべき〈疑似〉推理小説」(現代企画室 書籍紹介ページ) メキシコの推理小説では、エラリー・クイーンが選出した世界の傑作ミステリ短編集125冊のリスト、いわゆる「クイーンの定員」にも選出されている「メキシコのアルセーヌ・ルパン」ことマキシモ・ロルダン(Máximo Roldán)のシリーズが気になるが、残念ながら邦訳はない。1920~40年代に中短編が7編ほど発表されているようである。作者はアントニオ・エル(Antonio Helú, 1900-1972)。ちなみに「クイーンの定員」には非英語圏からは8冊が選出されており、スペイン語圏から選ばれたのは『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』と、マキシモ・ロルダン・シリーズ短編集『La Obligación de Asesinar』の2冊である。 関連記事:シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(6) ラテンアメリカ編 (マキシモ・ロルダンについて) 2004年にアメリカで刊行されたダレル・B・ロックハート編『ラテンアメリカ・ミステリ作家ガイド』(Darrell B. Lockhart編『Latin American Mystery Writers An A-to-Z Guide』、Greenwood Pub Group)では、メキシコの作家ではパコ・イグナシオ・タイボ二世やアントニオ・エル以外に、カルロス・フエンテス(Carlos Fuentes, 1928-2012, Wikipedia)が立項されている。この作家ガイド自体は本文に目を通していないが、調べてみると1978年の作品『ヒドラの首』(La cabeza de la hidra / 未邦訳)が英語圏ではハードボイルド、スパイ・スリラーとして読まれているようである。柳原孝敦氏がブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿したエッセイ「黒、ただ一面の黒」の第4回(2013-04-22)によれば、カルロス・フエンテスは『ダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーを、「我々の行く先を示してくれた指針」のひとつに挙げていた』とのこと。 関連記事:『ラテンアメリカ・ミステリ作家ガイド』で扱われている54人の作家の一覧 ブラジル J・ソアレス(Jô Soares, 1938- , ポルトガル語版Wikipedia)『シャーロック・ホームズ リオ連続殺人事件』(武者圭子訳、講談社、1998年12月) ルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ(Luis Fernando Verissimo, 1936- , ポルトガル語版Wikipedia)『ボルヘスと不死のオランウータン』(栗原百代訳、扶桑社ミステリー、2008年6月) - 『IN☆POCKET』文庫翻訳ミステリー・ベスト10「翻訳家&評論家が選んだベスト10」第7位 あの伝説的なサッカー選手のペレが執筆した『ワールドカップ殺人事件』(安藤由紀子訳、創元推理文庫、1990年9月)というミステリ小説があるが、実際にはアメリカのミステリ作家のハーバート・レズニコウ(Herbert Resnicow)が書いたものとされる。(英語版の表紙では、著者名が「Pelé」と大きく書いてあり、その下に小さく「with Herbert Resnicow」と書いてある) 中南米ミステリについての日本語資料 中南米全般宮崎真紀「各国ミステリ事情 スペイン・中南米篇」(『ハヤカワミステリマガジン』2013年12月号、pp.52-53) ※目次では「スペイン・南米篇」 アルゼンチン野谷文昭「[国別・地域別/未訳ミステリ紹介]ラテンアメリカ 虚構の上に構築された知的ゲームを楽しむ」(『翻訳の世界』1991年7月号、p.55)当時未訳だった『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』の紹介 キューバ野谷文昭「新世代作家とその文学」(後藤政子、樋口聡編著『キューバを知るための52章』明石書店、2002年12月、pp.221-226)レオナルド・パドゥーラらに言及あり レオナルド・パドゥーラ インタビュー記事「政治的レトリックを超えて」(聞き手・構成 野谷文昭、『すばる』2004年11月号、pp.284-289) 野谷文昭「ミッシングリンクとしての七〇年代」(『すばる』2004年11月号、pp.253-256) チリ長谷部史親「マリア・ルイザ・ボンバルの『霧の家』」(長谷部史親『ミステリの辺境を歩く』アーツアンドクラフツ、2002年12月、pp.294-302) メキシコ佐藤勘治「メキシコ・ミステリ事情:タイボ二世成功の理由」(『ミステリマガジン』1999年3月号【特集:世界のミステリ】、pp.42-43) ブラジル国安真奈「懐疑主義の罠 R・フォンセーカのノワール」(『ユリイカ』2000年12月臨時増刊号、pp.166-167、[コラム 世界のノワール ブラジル])邦訳のないブラジルのミステリ作家、R・フォンセーカの紹介 スペイン語文学翻訳家の柳原孝敦氏のブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」への寄稿黒、ただ一面の黒 第1回 なんだかおかしな黒:エドゥアルド・メンドサ (2013-04-01) 黒、ただ一面の黒 第2回 アルゼンチン・ノワール? (2013-04-08) 黒、ただ一面の黒 第3回 存在自体が黒 (2013-04-15) 黒、ただ一面の黒 第4回 黒く塗れ (2013-04-22) G. J. Demko s Landscapes of Crime Mysteries in Foreign Landsこれは英文だが、アルゼンチン、キューバ、メキシコ、ブラジルのミステリおよび「スペイン語圏のミステリ」についての解説がある。 関連ページ スペイン語圏・ポルトガル語圏推理小説略史 シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(6) ラテンアメリカ編 『ラテンアメリカ・ミステリ作家ガイド』で扱われている54人の作家の一覧 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳一覧 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスミステリベスト100 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 非英語圏ミステリ各種リスト
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/14.html
韓国推理作家協会編・発行 2008年3月 インタビュー 최혁곤、김유철 特集1 韓国推理作家協会アンケート調査 - 編集部 犯罪オムニバス(The Omnibus of Crime) - ドロシー・L・セイヤーズ/정태원 訳 フランスミステリ小史 - 박광규 推理短編 「집행」 - 이승영(イ・スンヨン、李勝寧) 「미치광이지만 도리가 없군」 - 이대환 「어머니의 모든 것」 - 곽지연 「피해자들」 - 신재형 「창작기계2」 - 김호진 季刊ミステリ新人賞 「동성로」 - 김주동 受賞の言葉、選評 海外短編 標的の顔(The Face in the Target) - G.K.チェスタートン/박광규 訳 3월 14일에 생긴 일(The Ides of March)?? - E. W. Hornung/유경철 訳 特集2 切り裂きジャックの模倣者 - 황세연(ファン・セヨン、黄世鳶) マリー・ロジェの謎 研究 - 小酒井不木/김운성 訳 ミステリ短編漫画 「외로운 도시」 - 김종섭 連載長編 地球の南側で始まった好奇心(第4回) - 이상우(イ・サンウ、李祥雨) 더러운 도시(汚れた都市)(第4回) - 김성종(キム・ソンジョン、金聖鐘) 海外ミステリニュース 新刊案内 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000262487
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/15.html
韓国推理作家協会編・発行 2008年7月 特集 日本推理小説ミニガイド 日本の推理小説について知りたいいくつかのこと 現代日本の名探偵と作家たち 日本に紹介された韓国の推理小説 国内短編 「그리고 아무도 없었다」 - 설인효 (『ミステリマガジン』2009年1月号に邦訳 ソル・インヒョ「そして誰もいなくなった」) 「흙의 살인」 - 정명섭 (「土の殺人」ジョン・ミョンソプ) 季刊ミステリ新人賞 「제비둥지 성의 살인사건」 - 손선영 (「Swallow s Nest castle殺人事件」ソン・ソニョン) 海外短編 「イコールYの悲劇」 - 法月綸太郎 「ル・ジタン」 - 斎藤純(1994年日本推理作家協会賞短編部門受賞作) ミステリ短編漫画 「목격자」 - 김종섭 評論 「探偵小説の本格的興味」 - 井上良夫 ミステリガイド - James Sandoe 連載長編 「地球の南側で始まった好奇心(第5回)」 - 이상우(イ・サンウ、李祥雨) 「더러운 도시(汚れた都市)(第5回)」 - 김성종(キム・ソンジョン、金聖鐘) 海外ミステリニュース 新刊案内 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000282005
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/18.html
韓国推理作家協会編・発行 2009年3月 特集 世界のミステリ文学賞 世界のミステリ文学賞紹介 ミステリ文学賞こぼれ話 国内短編 「나는 행복하다」(わたしは幸せだ) - 김지아(キム・ジア) 「마지막 장난」 - 박하익(パク・ハイク) 「착한 사마리아 인의 법」 - 송시우(ソン・シウ) 「12시간-바위로 계란 치기」 - 손선영(ソン・ソニョン) インタビュー 新人女性作家 - キム・ジア、パク・ハイク、ソン・シウ 季刊ミステリ新人賞 「목 없는 인디언」(首のないインディアン) - 김재성(キム・ジェソン) 「무인년 천주교 사교 기록」 - 최지수(チェ・ジス) 海外短編 현관 앞의 검은 가방 - C.L.퍼키스 불독 앤드류 - 아서 트레인 コラム 반 다인의 빛과 그림자 - 한광현 登場人物の名前 - 夢野久作 連載長編 더러운 도시(汚れた都市) - 김성종(キム・ソンジョン、金聖鐘) 고양이 눈을 가진 여자 - 이수광(イ・スグァン、李秀光) 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000334539
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/16.html
韓国推理作家協会編・発行 2008年10月 特集 推理小説の黄金時代 推理小説黄金時代略史 シャーロック・ホームズのライバル人名録 本格推理小説耽読のための3分レシピ - 이대환 国内短編 「샤갈의 눈 내리는 밤」 - 강형원 「아내마저 사기 친 남자」 - 최종철(チェ・ジョンチョル、崔鐘澈) 「대리자」 - 김주동 「모사(謀士)」 - 김창규 季刊ミステリ新人賞 「여름휴가」 - 김지아 「화면 저편의 인간」 - 박하익 海外短編 殺人!(Murder!) - Arnold Bennett 멕시코의 천리안(メキシコの千里眼) - 그랜트 앨런(グラント・アーロン??) ミステリ短編漫画 아버지의 이름으로(父の名前で) - 김종섭 連載長編 地球の南側で始まった好奇心(最終回) - 이상우(イ・サンウ、李祥雨) 더러운 도시(汚れた都市)(第6回) - 김성종(キム・ソンジョン、金聖鐘) 海外ミステリニュース 新刊案内 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000293919
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/264.html
2023年11月30日(※作成中) ※未完成です 『ミステリマガジン』2021年9月号 特集:躍進する華文ミステリ 2021年9月号 猫の犠牲 柳荐棉(柳薦棉) 阿井幸作訳 猫的牺牲 第1回華斯比推理小説(賞) 受賞作2022年9月、著者初となる長編ミステリ『純白如雪』(原題)を刊行。未邦訳。阿井幸作さんによるレビュー→「雪に溶ける強烈な殺意『純白如雪』」(翻訳ミステリー大賞シンジケート、2022年10月20日) 2021年9月号 涙を載せた弾丸 鶏丁(孫沁文) 阿井幸作訳 载着眼泪的子弹 2023年9月、第一長編『厳冬之棺』(ハヤカワ・ミステリ文庫)が邦訳刊行された 華文ミステリ招待席 第1回 2021年11月号 紅楼夢曲――仙女の神隠し 張舟 稲村文吾訳 红楼梦曲之仙子神隐 第2回 2022年1月号 臨死体験をした女 時晨 阿井幸作訳 濒死的女人 「中国のエラリイ・クイーン」と呼ばれる。代表作に、数学者の陳爝(ちん しゃく)が探偵役を務めるシリーズ(刊行順に『黒曜館事件』、『鏡獄島事件』、『五行塔事件』(短編集)、『傀儡村事件』、『枉死城事件』)がある。 第3回 2022年3月号 騎士と過ごしたあの夜 呉非 阿井幸作訳 和骑士度过的那一夜 中国大陸作家初の米国EQMM掲載作 第4回 2022年5月号 あなたの人生のマジック 許言 阿井幸作訳 第5回 2022年7月号 倒錯したネメシス 猫特 阿井幸作訳 第6回 2022年9月号 みにくい白鳥の子 水天一色(すいてんいっしき) 阿井幸作訳 第7回 2022年11月号 観覧者と全力疾走男 里卡多 阿井幸作訳 第8回 2023年1月号 罪悪天使――死神殺し 午曄 阿井幸作訳 第9回 2023年3月号 山間の別荘 余索 阿井幸作訳 第10回 2023年5月号 完璧な復讐 暗布焼 阿井幸作訳 第11回 2023年7月号 白沙井 王星 山田俊訳 第12回 2023年9月号 ジュピターの遺言 宇文宙 阿井幸作訳 第13回 2023年11月号 スイカ狂想曲 冷水砼 阿井幸作訳 2024年1月号 掲載なし 2024年3月号 特集「繚乱たる華文ミステリ」(※2024年1月号巻末の次号予告より/2024年1月25日発売予定、2年半ぶりの華文ミステリ特集)