約 138,207 件
https://w.atwiki.jp/gtavvehicles/pages/43.html
セダン、コンパクトカー一覧 ワゴン、ミニバン一覧 クーペ、スポーツカー一覧 マッスルカー、クラッシック一覧 ローライダー一覧 SUV、ピックアップトラック一覧 バン、大型車一覧 政府車両一覧 バイク一覧 自転車一覧 その他車両一覧 船、ボート一覧 ヘリコプター一覧 飛行機一覧
https://w.atwiki.jp/souhei_world/pages/1309.html
飛行について [解説] 聖華世界においては、聖華暦830年現代においてごくごく一部の例外を除いては、航空機や飛行機械の類は存在していない。 一部例外があると言ったのは、飛行能力を持つ幻装兵などが現存しているためだ。 例えば『迅雷の幻装兵 アークイヴァス』は飛行能力を封印した状態ではあるものの、アルカディア帝国の手により損傷部位を修復され、現役で戦闘任務に就いているし、『将の幻装兵 バルドール』の飛行ユニット「ブレイザブリク」は、飛行時に用いられる機動制御プログラムこそメモリ内部から消失しているものの、各地で少数発掘されているのが確認されてもいる。 他の例としては現代の機装兵でも、飛行と言うには少々おこがましいが、機装兵『トゥルビネ』や機装兵『ソルダート・バンディエラ』は翼を広げての滑空を可能としている例や、カーライル王朝・聖王国の赤龍騎士団に所属する龍騎士たちの機兵に搭載された魔導龍翼と呼ばれる魔導スラスターを用いた単段式打ち上げロケットで高高度跳躍を実現した例も存在している。 まあもっとも、まともに「飛行」する能力を持った飛行機械は830年現在、この世界には存在していない。 だが、実のところこの世界の技術レベル……。 この世界では科学技術を排斥してはいるが、排斥対象から外れている魔導工学や低レベルの冶金術などであっても、軽飛行機の類であれば充分に制作し、飛ばせるだけのレベルに達している。 いや、軽飛行機でなくとも気球や飛行船の類であれば、もっと以前の段階で実用化されていてもおかしくは無い。 何故に飛行機械が開発されないのか? 結局のところ、その原因は飛竜種をはじめとする飛行型魔獣の存在にある。 一例を挙げれば、カーライル王朝・聖王国の南部に巣を持っている飛竜などだ。 この他にも規模は小さいのであろうが、おそらくはあちこちに飛行型魔獣の巣があるはずだ。 830年現在、地上においてはあまり被害は出ていない模様だが、だからと言って飛行型魔獣の領域である高空にまで飛行機械で飛翔すれば、その積極的攻撃対象になるであろう事は間違いない。 いや、830年現在の記録には残っていないが、おそらくは初期の軽飛行機類が飛行試験中に飛竜か何かの魔獣に撃墜された事が、過去にはあったのだろう。 ここで言いたいのは、初期の軽飛行機レベルでは、空の魔獣に対し対抗手段をなんら持つ事が叶わない、と言う事だ。 それ故に今現在の技師たちは、無理矢理にでも機装兵をかつての一部幻装兵のごとく飛翔させようとしたり、あるいはバーニアや魔導スラスターなどの力で高機動を行う飛行機械を、一足飛びに開発しようとしているのだろう。 だがそれは技術的な困難を伴う上に、パイロットたる操手では機動制御不能な代物が出来上がるだけであった。 聖華暦830年代近辺の魔導工学では、空の魔獣に対抗し得るだけの高機動性を制御し得る機動制御ソフトウェアの開発には、未だ至っていない。 いや、それを処理する魔導制御回路(スフィア)の性能も、到底追いついていないのだ。 そんな状態であるから、自機の位置関係を正確に把握するための航法関係のシステム全般も、当然ながら存在し得ない。 まあ地形を確認できる低空だけで飛ぶのなら、航法関係は必要ではあるが必須とまでは言わないのかも知れないが……。 もし空の魔獣の脅威が無ければ、軽飛行機レベルの機体を製作する事さえできていれば、機動制御ソフトに頼らずともある程度までなら自身の反射神経や知識、経験で飛行機動が行えるパイロットを育成できていたかも知れない。 そうすれば、機動制御プログラムが無くとも、ある程度であれば高機動型の機体をコントロールできる人材が生まれていたのかも知れない。 まあ、詮無い話である。 あるいは、別の方向性として陸上艦クラスのデカブツを空に飛ばすと言う発想もある。 そこまでの大物であれば防御力や火力の面からも、そう簡単には空の魔獣どもに屈しはしない。 しかし現状では、陸上艦は対地効果によるホバーで浮上するのが精一杯である。 こんな物を大空に浮かべる事を考えただけで、気が遠くなる様な話だ。 なお聖華世界において、新人類史上最初の飛空艇が完成するのは、聖華暦920年近辺である。 この頃には飛行魔法が再発見されており、その魔法的理論を応用した飛行機械が開発されるのだ。 そしてその飛行により得られたデータで、それまで造られていた様々な実験的飛行システムに組み込むための機動制御ソフトウェアが完成を見るのが、おおよそ聖華暦1,000年代である。 この時代に至って、ようやく新人類は再び空をその手に取り戻す事が叶うのだ。
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/247.html
鳥だ!飛行機だ!いや、ドラだ!◆YhwgnUsKHs 待合所を後にしたカルラとドラえもんは、遊園地の更に奥の方へと移動していた。 入り口付近はドラえもんの大声がそれはもう響き渡ってしまった為、そこに長居をするのは危険だとカルラは判断したのだが、狼狽しつつもドラえもんが『まだ遊 園地を探しきっていない』と言って出るのを拒んだ。 ドラえもんが言うには、彼が捜しているのび太という少年は動き回るよりはどこかに隠れている可能性の方が高いらしい。 遊園地には観覧車の他にもいくつも建物がある、とカルラはドラえもんから聞いた。だからそこを捜しつくすまではここを離れたくないとドラえもんは主張した。 入り口から奥に入れば袋小路になり、もしも入り口が危険人物に抑えられれば出られなくなってしまうのでは、とカルラが反論するも、待合所に置かれてあった地 図を既に読んでいたドラえもんが言うにはこの遊園地にはF-2エリアの西側入り口、G-4エリアの東側入り口、そしてG-2エリアの南側入り口の3つの入り口 があるらしく、一つを封じられても脱出は充分できるらしい。 どうしても、と言うドラえもんの懇願、そして話を聞いてカルラも、アルルゥやエルルゥなどは確かにどこかで隠れている可能性もあると判断したことから、自分 も付き合うことにした。 まずは北側の施設、メリーゴーランドやジェットコースター、サーカステントなどを見て回ったが、誰も見つからなかった。西から東へと進みながら捜していくう ちに、彼女たちは東の、湖に面した場所に辿り着いていた。 湖を眺められるロケーションに、備え付けられたベンチ。本来ならばここで客達が座り湖の絶景を眺めながら休日のひと時を過ごすのだろう。 だが、今やここは殺し合いの会場。とはいえ、ここに着いた2人は湖を見渡す場所で落ち着く程度の余裕はあった。 「うわー。大きいなあ」 「ええ……このような状況でなければ、あるじ達とのんびり眺められるのですが」 2人は身体を休める為、ベンチに座った。 正面には柵があり、その向こうには大きな湖が広がっている。 既に朝日が覗いて大分周りは明るい。光が湖を照らし、それが湖に反射して煌いていた。まさしく、本来ならば見ていて晴れやかな光景だった。 湖の向こう岸には森が多く広がっているのが見える。かなり遠くには、流れ込む河口がある。 森の更に向こうには地図で見れば病院などがあるはずだが、遠いことや木々が高いことからここからでは見ることはできなかった。 「…………?」 湖を眺めていたカルラは、その一点に目を止めた。 水しぶきが上がっている。激しく、何かが湖に落ちた時のような。 だが、それは一瞬で消えずずっと残っている。それも、なぜか遠くとはいえ、湖の真ん中あたりでだ。 しかも。 「ドラえもん」 「え?なあに?」 「あれは何ですの?」 「あれ?」 カルラが指差した方をドラえもんも見やる。 彼も同じ水しぶきを見て、そして同じ異常に気付いた。 「どんどん大きくなってる?」 「ええ。どういうことですの?」 「……もしかして……」 どんどん大きくなってきている水しぶき。 そしてだんだん聞こえてくる音。カルラには全く思い当たるものがない。 だが、ドラえもんには心当たりがある。それはテレビとかで見る、彼の世界にはありふれている物。 「モーターボート?」 ドラえもんがそれを確かめようとした時、終に2人の視界にそれが入ってきた。 水しぶきの大元。 それはドラえもんにはモーターボートではなく、バイクのように見えた。 小さなボートのような物体に着いたT字の棒。それがバイクのハンドルに見えた。棒にはライトもついていて、その後ろから水しぶきが上がっている。 そしてその棒に……誰かしがみついている。 「女性のようですわね……何をしているんでしょう?」 「運転……じゃあないみたい……カ、カルラさん?」 「なんですの?」 「あれ、こっちに突っ込んでくるみたい」 「ええ。だから水しぶきがどんどん大きくなっているように見えたみたいですわね」 「お、お、落ち着いてる場合じゃないよおおおおおおおお!!」 ***** 時間は少し遡る。 「そういえば、あのコロネの子の支給品見てへんかったなー」 病院を離れた春日歩こと、大阪(逆な気もするがまあ気にしない)は南のほうに進み、湖のほとりで休息を取っていた。 その途中、自分が殺した少年から奪った荷物をまだ確認していなかったことに気がついた。 もしかしたら石ころ帽子のように便利な道具、銃のように強力な武器があるかもしれない。 できれば、超人たちにも勝てるような物、超人たちから逃げ切れるような物を望む。 大阪は奪って自分のデイパックにそのまま放り込んであった少年のデイパックを取り出し、中をまさぐってみた。 細い筒……出してみた結果、自分も持っている懐中電灯。 紙……出してみた結果、自分も持っている地図。 ペットボトル……出してみた結果、自分も持っている水(以下略) 「ろくなのあらへん……どないしよ」 焦ってもいいはずなのに、どこか暢気な感じでなおも大阪はデイパックを漁る。 と、探る手が何かを掴んだ。手触りで判断すると……木、だろうか。自分のデイパックには木でできたものはなかった。 よっしゃ、とばかりに大阪はそれを両手で引っ張り出した。 「…………自転車?」 ハンドルとライトだけで判断しているが、それの付いているのは小さなボートのようなものであり、サドルもないので自転車とは言いがたい。 これはある世界で『ウェイバー』と呼ばれる乗り物である。 後部にあるという貝(ダイアル)から風を噴射し、その勢いで進む物である。 だが、当然大阪はこんなことを知る由もない。 「ん?」 ウェイバーをじろじろ見ていた大阪はハンドルの下にある物に気が着いた。 その形状は、車のアクセル、ブレーキのペダルに見えた。 「……」 大阪はウェイバーの上に乗り、ハンドルを握る。 そして、足がちょうど乗るそれを……踏み込んだ。 なぜか、と聞かれれば彼女はこう答えただろう。 『そこに踏むものがあったからやろかー』 普段から思考が緩かった彼女はろくに考えず、なんだか見るものに『踏んでくれ!』と訴えているようなペダルをとりあえず踏んでみてしまった。 こんな状況で、と思うかもしれないが……それはせめて、いつもの日常を少しでも感じていたい彼女の無意識な、それでいて純粋な求めだったのかもしれない。 「ふえ?」 その結果が、たとえ彼女にとって恐怖のそれだとしても。 ***** 「うひゃああああああああああああああああ」 現在大阪はハンドルにしがみつき、悲鳴をあげている。 そのハンドルがあるウェイバーと言えば、後部の貝から大量の風を噴射して爆進している。 どこを、と聞かれれば……それは湖の上だった。 ウェイバーは地上を走ることもできるが、水の上を走ることもできる。 勢いのある風がそれを可能にしていた。 ほとりで発進したウェイバーは、そのまま湖へ突入し、水しぶきをあげながら湖の上を突き進んでいた。本来ならば、 その船体の軽さゆえ小波でも舵を取られてしまうほど操縦が困難な代物であり、動転した大阪がハンドルにしがみつい てしまっていて操縦などされていないこの状況では既に転覆していてもおかしくないのだが、そこは大阪が無意識にハ ンドルを動かしている奇跡か、あるいは主催による余計な処置なのかはわからない。 いずれにしても、アクセルペダルを船体で伏せてしまっている大阪が押さえつけたままになっていて大阪がそれに気付 かずウェイバーが暴走してしまっていることだけは確かな事だった。 「ひゃああああああああああ」 大阪はもう突然の出来事にどうしたらいいかわからず、ハンドルにしがみついていた。 ただこんな場にさっきのような超人が殺意を持って現れない事だけは祈っていた。 そんな彼女の視界に何かが見えてきた。 今まで青い湖くらいしか入ってこなかった視界に、別の青が飛び込んできた。 (青ダルマ……?) そのシルエットにだんだんと近づいているのを感じた、瞬間。 (あ、れ?) 一瞬の衝撃。 視界が回る。 浮遊感が身体を包む。 そして、彼女は。 (地球が……上になってもーた) ***** カルラはその光景を呆然と見ていた。 自分たちに向かって突き進んでいた船のような何か。そしてそれにしがみついている少女。 こちらへの奇襲攻撃かとも思ったが、遠目に見える彼女の泣きそうな、慌てた顔を見るにそれは違うらしい。 「あれでもないこれでもないー!」と、見知らぬ少女を助けようとしているのはわかるが、デイパックの中身を投げ散 らかしているだけのドラえもんを無視し、カルラは船がこちらに来ればすぐに避けられるようその動きを見ていた。 だが、船が彼女たちに突っ込んでくる事はなかった。 「あ」 轟音と共に、船は湖岸の岩に衝突し、木製のそれは呆気無くバラバラになってしまった。木片や貝のようなものが空にパラパラと四散していった。 だが、カルラと、衝突音に気付いたドラえもんは船の成れの果てなどに意識をむけてはいなかった。 彼女らの意識の先は……空を舞う少女だった。 猛スピードで進んでいた船。それが衝突により破損し、スピードは停止した。 だが、少女自身のスピードは止まらず、結果、彼女は勢いよく空へと放り出されてしまった。 「っ!」 カルラが瞬時に、少女の行き着くであろう先を見やった。 そこに広がるのは、ごろごろと大き目の岩の転がる、硬い湖岸の地面。あのスピードでここに叩きつけられたなら、只 では済まないだろう。その上、少女は今頭が下の姿勢になってしまっている。当たり所が悪ければ……死ぬ。 「カ、カルラさん!あの子助けなきゃ!」 「……」 カルラはその求めに、容易に『ええ』とは頷けなかった。 相手は全く見知らぬ少女。主催者を知っているという意味で充分守る価値があるドラえもんとは違う。それに、彼女が この殺し合いに乗っているという可能性がないとは言えない。助けた後、主ハクオロを殺そうとする害悪になるかもわか らない。つまり、彼女がわざわざ助ける意味が薄いということだ。 「……」 「うううう! ぼ、ぼくは助けるぞお!」 ドラえもんは少女を助けようとして走ろうとしているが、今まで同行していて判断した彼の足では、彼女を助けるには間に合わない、とカルラは思った。 そして同時に……ドラえもんのその意志に、彼女の仲間たちを思い出した。 (……おそらく、皆様でも同じことをしたでしょうね……特に、あるじ様は) 彼女の主君ならば、懸命に命を助けようとするだろう。 たとえ見知らぬ者でも。 (ならば……主君の意志に家臣が背くわけには、行きませんわね) 彼女は決めた。少女を助けようと。 だが、少女が落ちるであろう先は遠い。カルラの脚でも間に合いそうに無い。 そもそも彼女の自慢は脚ではないのだから仕方ない。 ならば簡単だ。『自分の自慢』で少女を助ければ良い。 ***** 突然自分の腕をつかまれてドラえもんはカルラに反抗の念を抱いた。 自分が走ったって間に合いそうもないのはわかってる。でも、もしかしたら間に合うかもしれない。それも手を掴んで、しかも両手で止めるカルラに言い返してやろうと思った。 「カルラさ 「ドラえもん。急ぐので一言しか言いませんわ」 瞬間、ドラえもんの視界が……回った。 「絶対に受け止めてくださいませ」 カルラの言葉が耳に届いた瞬間、カルラの手は既に離されていた。 (え?え?え?) ドラえもんは訳が分からない。 なんだか、周りの景色が凄い勢いで通り過ぎていく。それからなんだか凄い風を感じる。 (ま、まさか……) ここでドラえもんはやっと気がついた。 自分が少女と同じように空を舞っているのだと。 カルラの両腕に腕を掴まれ、そのカルラが勢いよく身体を回転。砲丸投げのように、ただし回転は時間が無いので一周分。 遠心力のままにドラえもんを空へと投げ出した。以上がドラえもんが空を飛ぶことになった経緯だった。 簡単に言ったが、やるとなれば容易な事ではない。ドラえもんの体重は129.3kg。それを両腕とはいえ持ち、振り 回し、なおかつ少女まで届かせるとなるとかなりの力が必要になる。 だが、カルラの自慢はその驚異的な怪力。元の世界では大剣を軽々と振るい、敵を恐怖に陥れていたほどだ。ドラえもんをぶん投げることは充分できた。 (でもちょっと酷いよおおおおお!) 空を飛んでいきながらドラえもんは軽くカルラを恨んだ。 その視界に少女が見えてきた。だんだんと自分との距離が近づいてくるのがわかる。 (受け止めなきゃ……せっかくカルラさんがくれたチャンスなんだ!) ドラえもんは身構えた。丸っこい手では不安だが、全身で受け止めればいいはずだ。もちろんそこはカルラの投擲の腕 を信じるしかない。それでも、自分がちゃんと抱きとめられなければ少女は落下してしまう。 少女が終に目の前まで来た。 やらなければならない。少女のためにも、託してくれたカルラの為にも。 一介のお世話ロボットの自分が。本当ならばのび太を探さなければいけない自分が。 けれど、そんなことは関係ない。 (目の前で傷つきそうな人がいて、何で助けちゃいけないんだ!) 少女が勢いよくぶつかった。 恐ろしい勢いだった。腹に直撃した衝撃に、意識が一瞬飛びそうになる。 (駄目だ、だめだ! がんばれぼく! がんばれぼく!) その意識を懸命に引き戻す。腕でひっしと少女の身体を抱きとめる。 短い腕だが、少女を抱きとめるには充分だったらしく、少女が落ちるのはとめることが出来た。 (やった!) ドラえもんは少女を助ける事が出来た事が素直に嬉しかった。それはやはり彼の生来の優しさからか。 (…………あれ?) だが、ここでドラえもんは一つとんでもないことに気付いてしまった。 (ぼく、この後どこに飛んでいくの?) ドラえもんも当然かなりの勢いで飛んでいっている。さっきの少女と状況は同じだ。 つまり、このままでは……やはり落ちるのは硬い地面でしかない。 (カ、カ、カルラさぁぁぁぁぁん!!) 再びドラえもんのカルラを恨もうとする気持ちが復活しようかという瞬間、自分の進む方に目を向けたドラえもんにあるものが目に入ってきた。 (あ、あれって……さっきぼくたちが調べた……) ドラえもんが、その施設の名を思い出すと同時に。 ドラえもんとその少女は、その施設の屋根に衝突した。 ***** 「……なんとか、大丈夫のようですわね」 湖のほとりで息をつきながらカルラは呟いた。 その目線の先には……湖を望む形で存在する、サーカステントがあった。 大きな布が六角形の錘状になり、そびえるその上部に……ドラえもんと少女が倒れている。遠目に見れば、どうやらどちらも気絶しているらしい。 少し前まで2人が人を捜していたのがそのサーカステントだった。 中には円形になるように観客席があり、ドラえもんの話ではその中心の広場で芸人たちが芸を行い、人々を楽しませるらしい。 その時、そのテントを構成しているものが柔らかい布であることをカルラは知った。 そして、少女を助けようとした時、自分たちと少女が通る点の延長線上に幸運にもそのテントがあるのが見えた。 故に、少しの軌道変更も視野に入れ、テントの上を狙ってドラえもんを放り投げた。なんとかその策は上手くいったらしい。 2人は柔らかな布に衝突し、地面に落下することなくテントの上に留まっていた。 「こういうのはあまり得意分野ではないのですが」 カルラは二つ分のデイパック、それと放り出されていたおそらく少女のぶんであるデイパックを抱え、サーカステントへと向かった。二人を起こさねばならない。 再びサーカステントを見やる。 そこで、見上げた二人の様子に少し変化があった。 (あの子……こちらを見た?) ***** 柔らかい感触を自分の下に感じながら、大阪は微かに目を開けた。 その先にはこちらに歩いてくる女性の姿が見えた。 空を舞いながらも大阪は2人の様子を見ていた。そして、なんとなくだが自分が彼女らに助けられたのだろうと思った。 抱きとめた青ダルマからも必死な感じがした。本気で自分を助けてくれようとした。 (ええ人たちみたいやなぁ……よかったぁ……) 殺意を持っているような人たちではないだろう。そんな安堵感があった。 また意識が遠のいてきた。 今までの数時間で、気づかぬうちに疲労が溜まっていたのだろうか。 初めての殺人が、自分からいつの間にか疲れを生んでいたのかもしれない。 薄れ行く意識で大阪は思う。 (ほんまよかったなー……一緒に、おれたらええなぁ……) それは、いつかの日常におけるいたって普通の、けどどこか緩い少女の思考で―― (私の役に、たってくれたらええなー……私を、皆のところに帰してほしいなぁー……) けれど、『殺し合い』という毒は、そんな思考にすら侵食を始めていく。 かつての幸せな日常もかつての幸せな少女自身も、もう永遠に戻りはしないと言うかのように。 【F-4 南・遊園地湖岸のサーカステント/1日目 早朝】 【春日歩@あずまんが大王】 [状態]:健康、心神喪失状態、失神中 [装備]:グロック17@BLACK LAGOON(残弾15/17、予備弾薬51)、石ころ帽子@ドラえもん [道具]: [思考・状況] 1:助けてくれた2人を利用する。 2:生き残るために全員殺してギラーミンも殺し、現実に帰る。 3:あまりにも強そうな相手とは関わらない、あくまでも不意をつけば倒せそうな相手を狙う。 4:お人よしの集団に紛れるのもいいかもしれない 5:ラズロ(リヴィオ)、ヴァッシュを警戒。 【備考】 ※サカキを榊@あずまんが大王だと思っています。 ※『石ころ帽子について』 制限により、原作準拠の物から以下の弱体化を受けています。 大きな物音、叫び声などを立てると、装備者から半径30m以内にいる者はそれを認識する。 鍛えた軍人レベル以上の五感を持つ者に対しては、上記の制限(距離、"大きな物音、叫び声"の判定)がより強化される。 (具体的には、より遠い距離、微かな気配でも装備者の姿が認識されやすくなる) さらに、常人のそれを超えた五感を持つ者に対しては完全に無効。 【ドラえもん@ドラえもん】 [状態]:失神中 [装備]: [道具]: [思考・状況] 基本行動方針:ギラーミンを止める。 1:遊園地内の施設を探し回りたい。 2:ネズミ嫌い 【備考】 ※他の世界の参加者たちを異星人と考えています。 ※名簿などは未確認です。 ※周囲にドラえもんの叫び声がF-2周辺に響きました ※高い建物(ホテル)から“何か”が飛び出していったのに気づいていますが 何が飛び出したかはわかりませんでした。 【G-4 北・遊園地湖岸/1日目 早朝】 【カルラ@うたわれるもの】 [状態]:健康 [装備]:白銀の剣@ドラえもん(夢幻三銃士) [道具]:支給品一式、不明支給品1~3 、モンスターボール(ピカ)@ポケットモンスターSPECIAL、支給品一式<ドラえもん>、君島邦彦の拳銃@スクライド、 支給品一式×2<大阪、ジョルノ> 不明支給品(0~1)<大阪>、不明支給品(0~2)<ジョルノ> [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いには乗らない。ハクオロたちと共に脱出してトゥスクルへ帰る。 1:ドラえもんと少女と合流し、少女から事情を聞く。危険な相手だったときは……。 2:遊園地内の施設を探し回る。 3:ドラえもんをハクオロに会わせる。(ドラえもんへの不安もある) 4:ハクオロを探して守り抜く。 5:もし、あるじ様が死んでしまったら……。 6:ネズミ、ねぇ~ 【備考】 ※ドラえもんやギラーミン、他の世界の参加者たちを異星人と考えています。 ※カルラの支給品、名簿などは未確認です。 ※電気の究極技に興味を持ちました。 ※地図は確認していません。 ※ドラえもんのデイパックと投げた時に落とした拳銃、大阪のデイパックを持っています。ジョジョのデイパックは丸ごと大阪のデイパックに入れられていて気付かれていません。 ※G-4北、湖岸にバラバラになったウェイバー@ONE PIECEの欠片と、噴風貝(ジェットダイアル)@ONE PIECEが落ちています. ※遊園地は3つの出入り口があります。 F-2エリアの道路に面した『西側出入り口』。 G-4エリア、湖岸に垂直な塀にある『東側出入り口』。 G-2エリアの南にある『南側出入り口』。 そこ以外は高めの塀(一般人が容易に越えられない高さ。詳しい高さは不明)で囲まれています。 時系列順で読む Back 海賊ロロノア・ゾロvsアルター使い劉鳳 Next 目覚めた朝に 投下順で読む Back 海賊ロロノア・ゾロvsアルター使い劉鳳 Next 目覚めた朝に Back Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 春日歩 微笑みの行方(前編) ネズミの国 ドラえもん 微笑みの行方(前編) ネズミの国 カルラ 微笑みの行方(前編)
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/136.html
鳥だ!飛行機だ!いや、ドラだ!◆YhwgnUsKHs 待合所を後にしたカルラとドラえもんは、遊園地の更に奥の方へと移動していた。 入り口付近はドラえもんの大声がそれはもう響き渡ってしまった為、そこに長居をするのは危険だとカルラは判断したのだが、狼狽しつつもドラえもんが『まだ遊 園地を探しきっていない』と言って出るのを拒んだ。 ドラえもんが言うには、彼が捜しているのび太という少年は動き回るよりはどこかに隠れている可能性の方が高いらしい。 遊園地には観覧車の他にもいくつも建物がある、とカルラはドラえもんから聞いた。だからそこを捜しつくすまではここを離れたくないとドラえもんは主張した。 入り口から奥に入れば袋小路になり、もしも入り口が危険人物に抑えられれば出られなくなってしまうのでは、とカルラが反論するも、待合所に置かれてあった地 図を既に読んでいたドラえもんが言うにはこの遊園地にはF-2エリアの西側入り口、G-4エリアの東側入り口、そしてG-2エリアの南側入り口の3つの入り口 があるらしく、一つを封じられても脱出は充分できるらしい。 どうしても、と言うドラえもんの懇願、そして話を聞いてカルラも、アルルゥやエルルゥなどは確かにどこかで隠れている可能性もあると判断したことから、自分 も付き合うことにした。 まずは北側の施設、メリーゴーランドやジェットコースター、サーカステントなどを見て回ったが、誰も見つからなかった。西から東へと進みながら捜していくう ちに、彼女たちは東の、湖に面した場所に辿り着いていた。 湖を眺められるロケーションに、備え付けられたベンチ。本来ならばここで客達が座り湖の絶景を眺めながら休日のひと時を過ごすのだろう。 だが、今やここは殺し合いの会場。とはいえ、ここに着いた2人は湖を見渡す場所で落ち着く程度の余裕はあった。 「うわー。大きいなあ」 「ええ……このような状況でなければ、あるじ達とのんびり眺められるのですが」 2人は身体を休める為、ベンチに座った。 正面には柵があり、その向こうには大きな湖が広がっている。 既に朝日が覗いて大分周りは明るい。光が湖を照らし、それが湖に反射して煌いていた。まさしく、本来ならば見ていて晴れやかな光景だった。 湖の向こう岸には森が多く広がっているのが見える。かなり遠くには、流れ込む河口がある。 森の更に向こうには地図で見れば病院などがあるはずだが、遠いことや木々が高いことからここからでは見ることはできなかった。 「…………?」 湖を眺めていたカルラは、その一点に目を止めた。 水しぶきが上がっている。激しく、何かが湖に落ちた時のような。 だが、それは一瞬で消えずずっと残っている。それも、なぜか遠くとはいえ、湖の真ん中あたりでだ。 しかも。 「ドラえもん」 「え?なあに?」 「あれは何ですの?」 「あれ?」 カルラが指差した方をドラえもんも見やる。 彼も同じ水しぶきを見て、そして同じ異常に気付いた。 「どんどん大きくなってる?」 「ええ。どういうことですの?」 「……もしかして……」 どんどん大きくなってきている水しぶき。 そしてだんだん聞こえてくる音。カルラには全く思い当たるものがない。 だが、ドラえもんには心当たりがある。それはテレビとかで見る、彼の世界にはありふれている物。 「モーターボート?」 ドラえもんがそれを確かめようとした時、終に2人の視界にそれが入ってきた。 水しぶきの大元。 それはドラえもんにはモーターボートではなく、バイクのように見えた。 小さなボートのような物体に着いたT字の棒。それがバイクのハンドルに見えた。棒にはライトもついていて、その後ろから水しぶきが上がっている。 そしてその棒に……誰かしがみついている。 「女性のようですわね……何をしているんでしょう?」 「運転……じゃあないみたい……カ、カルラさん?」 「なんですの?」 「あれ、こっちに突っ込んでくるみたい」 「ええ。だから水しぶきがどんどん大きくなっているように見えたみたいですわね」 「お、お、落ち着いてる場合じゃないよおおおおおおおお!!」 ***** 時間は少し遡る。 「そういえば、あのコロネの子の支給品見てへんかったなー」 病院を離れた春日歩こと、大阪(逆な気もするがまあ気にしない)は南のほうに進み、湖のほとりで休息を取っていた。 その途中、自分が殺した少年から奪った荷物をまだ確認していなかったことに気がついた。 もしかしたら石ころ帽子のように便利な道具、銃のように強力な武器があるかもしれない。 できれば、超人たちにも勝てるような物、超人たちから逃げ切れるような物を望む。 大阪は奪って自分のデイパックにそのまま放り込んであった少年のデイパックを取り出し、中をまさぐってみた。 細い筒……出してみた結果、自分も持っている懐中電灯。 紙……出してみた結果、自分も持っている地図。 ペットボトル……出してみた結果、自分も持っている水(以下略) 「ろくなのあらへん……どないしよ」 焦ってもいいはずなのに、どこか暢気な感じでなおも大阪はデイパックを漁る。 と、探る手が何かを掴んだ。手触りで判断すると……木、だろうか。自分のデイパックには木でできたものはなかった。 よっしゃ、とばかりに大阪はそれを両手で引っ張り出した。 「…………自転車?」 ハンドルとライトだけで判断しているが、それの付いているのは小さなボートのようなものであり、サドルもないので自転車とは言いがたい。 これはある世界で『ウェイバー』と呼ばれる乗り物である。 後部にあるという貝(ダイアル)から風を噴射し、その勢いで進む物である。 だが、当然大阪はこんなことを知る由もない。 「ん?」 ウェイバーをじろじろ見ていた大阪はハンドルの下にある物に気が着いた。 その形状は、車のアクセル、ブレーキのペダルに見えた。 「……」 大阪はウェイバーの上に乗り、ハンドルを握る。 そして、足がちょうど乗るそれを……踏み込んだ。 なぜか、と聞かれれば彼女はこう答えただろう。 『そこに踏むものがあったからやろかー』 普段から思考が緩かった彼女はろくに考えず、なんだか見るものに『踏んでくれ!』と訴えているようなペダルをとりあえず踏んでみてしまった。 こんな状況で、と思うかもしれないが……それはせめて、いつもの日常を少しでも感じていたい彼女の無意識な、それでいて純粋な求めだったのかもしれない。 「ふえ?」 その結果が、たとえ彼女にとって恐怖のそれだとしても。 ***** 「うひゃああああああああああああああああ」 現在大阪はハンドルにしがみつき、悲鳴をあげている。 そのハンドルがあるウェイバーと言えば、後部の貝から大量の風を噴射して爆進している。 どこを、と聞かれれば……それは湖の上だった。 ウェイバーは地上を走ることもできるが、水の上を走ることもできる。 勢いのある風がそれを可能にしていた。 ほとりで発進したウェイバーは、そのまま湖へ突入し、水しぶきをあげながら湖の上を突き進んでいた。本来ならば、 その船体の軽さゆえ小波でも舵を取られてしまうほど操縦が困難な代物であり、動転した大阪がハンドルにしがみつい てしまっていて操縦などされていないこの状況では既に転覆していてもおかしくないのだが、そこは大阪が無意識にハ ンドルを動かしている奇跡か、あるいは主催による余計な処置なのかはわからない。 いずれにしても、アクセルペダルを船体で伏せてしまっている大阪が押さえつけたままになっていて大阪がそれに気付 かずウェイバーが暴走してしまっていることだけは確かな事だった。 「ひゃああああああああああ」 大阪はもう突然の出来事にどうしたらいいかわからず、ハンドルにしがみついていた。 ただこんな場にさっきのような超人が殺意を持って現れない事だけは祈っていた。 そんな彼女の視界に何かが見えてきた。 今まで青い湖くらいしか入ってこなかった視界に、別の青が飛び込んできた。 (青ダルマ……?) そのシルエットにだんだんと近づいているのを感じた、瞬間。 (あ、れ?) 一瞬の衝撃。 視界が回る。 浮遊感が身体を包む。 そして、彼女は。 (地球が……上になってもーた) ***** カルラはその光景を呆然と見ていた。 自分たちに向かって突き進んでいた船のような何か。そしてそれにしがみついている少女。 こちらへの奇襲攻撃かとも思ったが、遠目に見える彼女の泣きそうな、慌てた顔を見るにそれは違うらしい。 「あれでもないこれでもないー!」と、見知らぬ少女を助けようとしているのはわかるが、デイパックの中身を投げ散 らかしているだけのドラえもんを無視し、カルラは船がこちらに来ればすぐに避けられるようその動きを見ていた。 だが、船が彼女たちに突っ込んでくる事はなかった。 「あ」 轟音と共に、船は湖岸の岩に衝突し、木製のそれは呆気無くバラバラになってしまった。木片や貝のようなものが空にパラパラと四散していった。 だが、カルラと、衝突音に気付いたドラえもんは船の成れの果てなどに意識をむけてはいなかった。 彼女らの意識の先は……空を舞う少女だった。 猛スピードで進んでいた船。それが衝突により破損し、スピードは停止した。 だが、少女自身のスピードは止まらず、結果、彼女は勢いよく空へと放り出されてしまった。 「っ!」 カルラが瞬時に、少女の行き着くであろう先を見やった。 そこに広がるのは、ごろごろと大き目の岩の転がる、硬い湖岸の地面。あのスピードでここに叩きつけられたなら、只 では済まないだろう。その上、少女は今頭が下の姿勢になってしまっている。当たり所が悪ければ……死ぬ。 「カ、カルラさん!あの子助けなきゃ!」 「……」 カルラはその求めに、容易に『ええ』とは頷けなかった。 相手は全く見知らぬ少女。主催者を知っているという意味で充分守る価値があるドラえもんとは違う。それに、彼女が この殺し合いに乗っているという可能性がないとは言えない。助けた後、主ハクオロを殺そうとする害悪になるかもわか らない。つまり、彼女がわざわざ助ける意味が薄いということだ。 「……」 「うううう! ぼ、ぼくは助けるぞお!」 ドラえもんは少女を助けようとして走ろうとしているが、今まで同行していて判断した彼の足では、彼女を助けるには間に合わない、とカルラは思った。 そして同時に……ドラえもんのその意志に、彼女の仲間たちを思い出した。 (……おそらく、皆様でも同じことをしたでしょうね……特に、あるじ様は) 彼女の主君ならば、懸命に命を助けようとするだろう。 たとえ見知らぬ者でも。 (ならば……主君の意志に家臣が背くわけには、行きませんわね) 彼女は決めた。少女を助けようと。 だが、少女が落ちるであろう先は遠い。カルラの脚でも間に合いそうに無い。 そもそも彼女の自慢は脚ではないのだから仕方ない。 ならば簡単だ。『自分の自慢』で少女を助ければ良い。 ***** 突然自分の腕をつかまれてドラえもんはカルラに反抗の念を抱いた。 自分が走ったって間に合いそうもないのはわかってる。でも、もしかしたら間に合うかもしれない。それも手を掴んで、しかも両手で止めるカルラに言い返してやろうと思った。 「カルラさ 「ドラえもん。急ぐので一言しか言いませんわ」 瞬間、ドラえもんの視界が……回った。 「絶対に受け止めてくださいませ」 カルラの言葉が耳に届いた瞬間、カルラの手は既に離されていた。 (え?え?え?) ドラえもんは訳が分からない。 なんだか、周りの景色が凄い勢いで通り過ぎていく。それからなんだか凄い風を感じる。 (ま、まさか……) ここでドラえもんはやっと気がついた。 自分が少女と同じように空を舞っているのだと。 カルラの両腕に腕を掴まれ、そのカルラが勢いよく身体を回転。砲丸投げのように、ただし回転は時間が無いので一周分。 遠心力のままにドラえもんを空へと投げ出した。以上がドラえもんが空を飛ぶことになった経緯だった。 簡単に言ったが、やるとなれば容易な事ではない。ドラえもんの体重は129.3kg。それを両腕とはいえ持ち、振り 回し、なおかつ少女まで届かせるとなるとかなりの力が必要になる。 だが、カルラの自慢はその驚異的な怪力。元の世界では大剣を軽々と振るい、敵を恐怖に陥れていたほどだ。ドラえもんをぶん投げることは充分できた。 (でもちょっと酷いよおおおおお!) 空を飛んでいきながらドラえもんは軽くカルラを恨んだ。 その視界に少女が見えてきた。だんだんと自分との距離が近づいてくるのがわかる。 (受け止めなきゃ……せっかくカルラさんがくれたチャンスなんだ!) ドラえもんは身構えた。丸っこい手では不安だが、全身で受け止めればいいはずだ。もちろんそこはカルラの投擲の腕 を信じるしかない。それでも、自分がちゃんと抱きとめられなければ少女は落下してしまう。 少女が終に目の前まで来た。 やらなければならない。少女のためにも、託してくれたカルラの為にも。 一介のお世話ロボットの自分が。本当ならばのび太を探さなければいけない自分が。 けれど、そんなことは関係ない。 (目の前で傷つきそうな人がいて、何で助けちゃいけないんだ!) 少女が勢いよくぶつかった。 恐ろしい勢いだった。腹に直撃した衝撃に、意識が一瞬飛びそうになる。 (駄目だ、だめだ! がんばれぼく! がんばれぼく!) その意識を懸命に引き戻す。腕でひっしと少女の身体を抱きとめる。 短い腕だが、少女を抱きとめるには充分だったらしく、少女が落ちるのはとめることが出来た。 (やった!) ドラえもんは少女を助ける事が出来た事が素直に嬉しかった。それはやはり彼の生来の優しさからか。 (…………あれ?) だが、ここでドラえもんは一つとんでもないことに気付いてしまった。 (ぼく、この後どこに飛んでいくの?) ドラえもんも当然かなりの勢いで飛んでいっている。さっきの少女と状況は同じだ。 つまり、このままでは……やはり落ちるのは硬い地面でしかない。 (カ、カ、カルラさぁぁぁぁぁん!!) 再びドラえもんのカルラを恨もうとする気持ちが復活しようかという瞬間、自分の進む方に目を向けたドラえもんにあるものが目に入ってきた。 (あ、あれって……さっきぼくたちが調べた……) ドラえもんが、その施設の名を思い出すと同時に。 ドラえもんとその少女は、その施設の屋根に衝突した。 ***** 「……なんとか、大丈夫のようですわね」 湖のほとりで息をつきながらカルラは呟いた。 その目線の先には……湖を望む形で存在する、サーカステントがあった。 大きな布が六角形の錘状になり、そびえるその上部に……ドラえもんと少女が倒れている。遠目に見れば、どうやらどちらも気絶しているらしい。 少し前まで2人が人を捜していたのがそのサーカステントだった。 中には円形になるように観客席があり、ドラえもんの話ではその中心の広場で芸人たちが芸を行い、人々を楽しませるらしい。 その時、そのテントを構成しているものが柔らかい布であることをカルラは知った。 そして、少女を助けようとした時、自分たちと少女が通る点の延長線上に幸運にもそのテントがあるのが見えた。 故に、少しの軌道変更も視野に入れ、テントの上を狙ってドラえもんを放り投げた。なんとかその策は上手くいったらしい。 2人は柔らかな布に衝突し、地面に落下することなくテントの上に留まっていた。 「こういうのはあまり得意分野ではないのですが」 カルラは二つ分のデイパック、それと放り出されていたおそらく少女のぶんであるデイパックを抱え、サーカステントへと向かった。二人を起こさねばならない。 再びサーカステントを見やる。 そこで、見上げた二人の様子に少し変化があった。 (あの子……こちらを見た?) ***** 柔らかい感触を自分の下に感じながら、大阪は微かに目を開けた。 その先にはこちらに歩いてくる女性の姿が見えた。 空を舞いながらも大阪は2人の様子を見ていた。そして、なんとなくだが自分が彼女らに助けられたのだろうと思った。 抱きとめた青ダルマからも必死な感じがした。本気で自分を助けてくれようとした。 (ええ人たちみたいやなぁ……よかったぁ……) 殺意を持っているような人たちではないだろう。そんな安堵感があった。 また意識が遠のいてきた。 今までの数時間で、気づかぬうちに疲労が溜まっていたのだろうか。 初めての殺人が、自分からいつの間にか疲れを生んでいたのかもしれない。 薄れ行く意識で大阪は思う。 (ほんまよかったなー……一緒に、おれたらええなぁ……) それは、いつかの日常におけるいたって普通の、けどどこか緩い少女の思考で―― (私の役に、たってくれたらええなー……私を、皆のところに帰してほしいなぁー……) けれど、『殺し合い』という毒は、そんな思考にすら侵食を始めていく。 かつての幸せな日常もかつての幸せな少女自身も、もう永遠に戻りはしないと言うかのように。 【F-4 南・遊園地湖岸のサーカステント/1日目 早朝】 【春日歩@あずまんが大王】 [状態]:健康、心神喪失状態、失神中 [装備]:グロック17@BLACK LAGOON(残弾15/17、予備弾薬51)、石ころ帽子@ドラえもん [道具]: [思考・状況] 1:助けてくれた2人を利用する。 2:生き残るために全員殺してギラーミンも殺し、現実に帰る。 3:あまりにも強そうな相手とは関わらない、あくまでも不意をつけば倒せそうな相手を狙う。 4:お人よしの集団に紛れるのもいいかもしれない 5:ラズロ(リヴィオ)、ヴァッシュを警戒。 【備考】 ※サカキを榊@あずまんが大王だと思っています。 ※『石ころ帽子について』 制限により、原作準拠の物から以下の弱体化を受けています。 大きな物音、叫び声などを立てると、装備者から半径30m以内にいる者はそれを認識する。 鍛えた軍人レベル以上の五感を持つ者に対しては、上記の制限(距離、"大きな物音、叫び声"の判定)がより強化される。 (具体的には、より遠い距離、微かな気配でも装備者の姿が認識されやすくなる) さらに、常人のそれを超えた五感を持つ者に対しては完全に無効。 【ドラえもん@ドラえもん】 [状態]:失神中 [装備]: [道具]: [思考・状況] 基本行動方針:ギラーミンを止める。 1:遊園地内の施設を探し回りたい。 2:ネズミ嫌い 【備考】 ※他の世界の参加者たちを異星人と考えています。 ※名簿などは未確認です。 ※周囲にドラえもんの叫び声がF-2周辺に響きました ※高い建物(ホテル)から“何か”が飛び出していったのに気づいていますが 何が飛び出したかはわかりませんでした。 【G-4 北・遊園地湖岸/1日目 早朝】 【カルラ@うたわれるもの】 [状態]:健康 [装備]:白銀の剣@ドラえもん(夢幻三銃士) [道具]:支給品一式、不明支給品1~3 、モンスターボール(ピカ)@ポケットモンスターSPECIAL、支給品一式<ドラえもん>、君島邦彦の拳銃@スクライド、 支給品一式×2<大阪、ジョルノ> 不明支給品(0~1)<大阪>、不明支給品(0~2)<ジョルノ> [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いには乗らない。ハクオロたちと共に脱出してトゥスクルへ帰る。 1:ドラえもんと少女と合流し、少女から事情を聞く。危険な相手だったときは……。 2:遊園地内の施設を探し回る。 3:ドラえもんをハクオロに会わせる。(ドラえもんへの不安もある) 4:ハクオロを探して守り抜く。 5:もし、あるじ様が死んでしまったら……。 6:ネズミ、ねぇ~ 【備考】 ※ドラえもんやギラーミン、他の世界の参加者たちを異星人と考えています。 ※カルラの支給品、名簿などは未確認です。 ※電気の究極技に興味を持ちました。 ※地図は確認していません。 ※ドラえもんのデイパックと投げた時に落とした拳銃、大阪のデイパックを持っています。ジョジョのデイパックは丸ごと大阪のデイパックに入れられていて気付かれていません。 ※G-4北、湖岸にバラバラになったウェイバー@ONE PIECEの欠片と、噴風貝(ジェットダイアル)@ONE PIECEが落ちています. ※遊園地は3つの出入り口があります。 F-2エリアの道路に面した『西側出入り口』。 G-4エリア、湖岸に垂直な塀にある『東側出入り口』。 G-2エリアの南にある『南側出入り口』。 そこ以外は高めの塀(一般人が容易に越えられない高さ。詳しい高さは不明)で囲まれています。 時系列順で読む Back 海賊ロロノア・ゾロvsアルター使い劉鳳 Next 目覚めた朝に 投下順で読む Back 海賊ロロノア・ゾロvsアルター使い劉鳳 Next 目覚めた朝に Back Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 春日歩 微笑みの行方(前編) ネズミの国 ドラえもん 微笑みの行方(前編) ネズミの国 カルラ 微笑みの行方(前編)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/25457.html
登録日:2010/06/28(月) 19 04 30 更新日:2023/04/19 Wed 08 15 28 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 スカイガンナー ストライクウィッチーズ 兵器 戦闘機 機械 海 漢のロマン 空 紅の豚 軍事 飛行機 飛行艇 飛行艇とは胴体下部が船のようになっており、そこで水面に離着水出来る構造の飛行機のこと。 胴体とは別に離着水用の浮舟が付いたフロート水上機とは異なる。 航空機の技術がまだ発展していなかった時代に、穏やかな水面ならばどこでも滑走路代わりにできるという利点が注目され、海上の長距離移動に用いられた。 1930年代に最盛期を迎え、それ以後は航空機技術の進歩に伴い衰退傾向にあるが、現在でも飛行場が設けられない小島等への移動手段として重宝されている。 【主な飛行艇】 ベノイストXIV 世界初旅客飛行艇であり、世界初の定期旅客便。 ただし定員は1名のみで、運行距離も34.5kmと短い。 カーチスNC-4 19日間をかけて最初に大西洋横断飛行を成功させた飛行艇。 ロールバッハR1号飛行艇 当時としては先進的な全金属製の飛行艇。 サヴォイア・マルケッティS.55 全長:16.75m 最大速度:279 km/h 航続距離:3,500 km 乗員:6名 武装:7.7 mm機銃×4、魚雷×1、爆弾2,000kg アフリカ大陸から大西洋を横断してアメリカ大陸まで飛んだ飛行艇。 PBY(カタリナ) 全長:20m エンジン:P W R-1830レシプロエンジン2基 推力:1,200馬力 最大速度:時速280km 航続距離:3,790km 乗員:9名 武装:12.7mm機銃×2、7.7mm機銃×3、爆弾等最大1,800kg 第二次世界大戦で活躍した米軍の哨戒用飛行艇。 ちなみに、墜落した乗員の救助にも使われて、目撃した日本軍パイロットはカルチャーショックを受けたらしい。 BV238 全長:66.65 m ドイツ軍が開発した当時最大重量機。 サンダーランド 全長:26.00 m 最大速度:336 km/h 航続距離:4,640 km 乗員 13名 武装:7.7mm機銃×8、爆弾907kg 非常に頑丈なことから空飛ぶヤマアラシの異名を持つイギリス空軍の飛行艇。 1959年まで現役だった。 九七式飛行艇 全長:25.6 m エンジン:三菱金星五三型 1300馬力 4基 最高速度:385 km/時 航続距離:4,940 km 乗員:9 名 武装:20 mm旋回銃×1、7.7 mm旋回銃×4、航空魚雷×2本 大日本帝国海軍の初の純国産実用4発機。 第二次世界大戦初期に長距離偵察機として活躍した。 二式飛行艇 全長 28.13m 全幅 38.00m 全高 9.15m 発動機 三菱火星22型×4 最高速度 470km/h 航続距離 8223km 武装 20mm旋回機銃×5 7.7mm旋回機銃×4 爆装 爆弾2tまで もしくは航空魚雷×2 ※データは22型のもの 第二次世界大戦中に実用化した4発大型飛行艇。 通称二式大艇。また、その強力な武装と高い防弾性から空飛ぶ戦艦と称されていた。 レシプロエンジン装備の飛行艇としては驚異的な性能を誇り、今なおこれを超える機体は無いと言われる。 現存する1機は、昭和54年に日本が引き取り、船の科学館での展示を経て、平成16年から鹿屋航空基地資料館の敷地内に展示され、永久にその翼を休めている。 逮捕しちゃうぞOVA、ストライクウィッチーズ2第1話に登場した。 「この世で最も美しい飛行艇」 と称される程の超カッコヨスな飛行艇 現物見たら惚れるぞ? 鹿屋航空基地所属の飛行機のカテゴリな展示品唯一のアホの被害にあっていない機体 他の機体はパーツ強奪を喰らっているが H-4 ハーキュリーズ 全幅:97.54 m 全長:66.65 m 全高:24.18 m 胴体高:約 9.1 m プロペラ:ハミルトン・スタンダード製 4翅プロペラ(直径 5.23 m)×8 レシプロエンジン8機を備えた史上最大の航空機。 ハーキュリーズとはヘラクレスの英語読み。 A-40アリバトロース 全長:45.70 m 最高速度:800 km/h 最大航続距離:4000 km ジェットエンジンを搭載した水陸両用飛行艇。 Be-200 全長:32,05 m 最大速度:700km/h 航続距離:3850km 乗員:2名 乗客:エコノミー64名、ビジネス32名 1998年にロシアが開発した水陸両用飛行艇。 US-2 全長:33.25m 全幅:33.15m 全高:10.06m 最高速度:約580㎞/h 海上自衛隊が運用する救難飛行艇。上記の二式飛行艇の末裔ともいえる機体で、二式を現代的にリファインした…といった趣。ヨットごと遭難した有名人を回収するなどその性能は確かなもの…だが、お値段も相応に高い。 他国の飛行艇は、淡水面を滑走・給水することで消防任務にも投入される場合があるが、 日本においては給水できるほどの巨大な淡水面が少ないため消防機としての運用は考慮されていない。結果、外洋での救難に特化した設計になっている。その上海上での離着水を繰り返すので塩害も激しく寿命が短い。 日本政府は海外への売り込みを図っているようであるが、こうした問題から輸出はなさそうである… 追記,修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] エースコンバットに出てくるグレイプニルとアイガイオンも飛行艇だったな -- 名無しさん (2014-07-06 23 23 19) 日本には二式飛行艇の生まれ変わり、US-2がいるな。 -- 名無しさん (2015-02-03 11 30 25) ガンダムシリーズのガルダも飛行艇といっていいんかな?補給するとき着水することもあるし -- 名無しさん (2023-04-19 08 15 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gtasa-vehicles/pages/566.html
ボーンカウンティにある飛行場の廃墟。「飛行機の墓場」とも呼ばれる。 ストーリー中盤で不動産として買わされる。未舗装の滑走路と、大量の飛行機の残骸が放置されている。旧ソ連時代にスパイがエリア69を監視するために使ったんだとかなんとか。 小さい無線室はパイロットスクールとして機能し、成績に合わせてRustler、StuntPlane、Hunterが出現する。 ミッションを進めるとHydraかLeviathan、ジェットパックも出現する。 上記の飛行機に加えPCJ-600の固定出現、セーフハウス、車用ガレージ、飛行機用ガレージ、不動産収入、と嬉しい特典満載の楽しい廃墟。
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/1961.html
低空飛行 作詞/49スレ512 空を眺めた 流れて行く 二つの飛行機雲 手を伸ばしてた 掴めずにいる 俺が一人立ってた 渇いた大地 音が響く 白い鉄の低空飛行 悲しみを吹き飛ばしてくれよ 小さく呟いて また終わりかな 西を見る 茜色の太陽 終わった今日 ばいばい また会えたら いいね 明日へ行く 太陽と共に
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/1069.html
第158話 本土上空の飛行機雲 1484年(1944年)7月16日 午後1時 シホールアンル帝国ウィステイグ シホールアンル帝国南端にある領地、ウィステイグは、建国以来、辺境の町として繁栄と滅亡という経験を何度も味わった地方である。 過去に破壊と再生を繰り返したこの地方も、今では町の中心産業となっている軍需生産と繊維生産、それに魔法石生産で昔よりも 発展を遂げている。 特に軍需工場の規模は帝国の中でも有数であり、南部一帯の中ではダントツに大きい。 今、過剰生産が行なわれている魔導銃のうち、2割はこの軍需工場で生産されている。 工場は、町の中心にどかっと居座るように配置されており、朝方ともなれば、町の通りは工場に向かう多くの従業員でごった返している。 軍需工場から3ゼルド北には、ウイスクリド山脈が南東から北西に掛けて走っており、ここの山脈から西にさほど離れていない場所に、 これまた大きな魔法石精錬工場がある。 この工場は1年前に完成したばかりのまだ新しい建物で、多くの新技術がこの工場建設に注ぎ込まれている。 大きさは、ルベンゲーブの精錬工場より7割程度しかないが、的確に区切られた6つの区画には、1つの巨大な工場群として、 前線部隊は勿論、一般の生活に必要な魔法石を作り出すべく、日夜交代で可動を続けている。 このウィステイグ地方は、シホールアンル帝国にとって重要な拠点の1つであり、軍は工場の周辺には多数の対空火器、並びに 300騎以上のワイバーン・飛空挺を配備していた。 愛機であるケルフェラクは、ゆっくりとした飛行で滑走路に近付きつつあった。 (そのまま・・・・そのまま) ケルフェラクの操縦手であるレガルギ・ジャルビ少佐は、内心で呟きながら愛機を慎重に動かす。 滑走路となる緑の薄い部分を飛び抜けたとき、主翼についている脚が地面をこすり、その際の衝撃が機体を震わせる。 ついでに、機体後部の車輪も設置し、愛機はそのまま滑走路を進んでいく。 しばらくして、速度の落ちたケルフェラクは、ゆっくりと列線に入った。 愛機が列線で止まると、彼は発動機である魔法石の停止レバーを押した。 「隊長、お疲れ様です。」 下で待機していた整備兵が、敬礼を送りながらジャルビに言ってきた。 「おう、後は頼んだよ。」 ジャルビ少佐は答礼しながら、愛機から降りた。 彼の愛機の胴体には、29の白い星と、色別に分けられたワイバーンのシルエットが描かれている。 この29のマークは、彼の撃墜記録を表す物である。 ジャルビ少佐は、これまでにサンダーボルト4機、ウォーホーク2機、マスタング2機、ヘルキャット3機、 リベレーター7機、ミッチェル3機、フライングフォートレス3機、インベーダー2機、ワイバーン3騎を撃墜している。 彼は第1戦闘飛行隊の指揮官を1年前からずっと務めており、部隊は前年6月下旬のルベンゲーブ防空戦を始めとし、 南大陸や北ウェンステル領で戦って来た。 第1戦闘飛行隊は、今年5月に北ウェンステル領西岸でアメリカ機動部隊から発艦した艦載機と交戦した際に、 出撃数38機中13機被撃墜、使用不能機10機の大損害を受けて壊滅し、後方に下がって再編成を行なっていた。 ジャルビ少佐の部隊は、同じく再編成中であった第2戦闘飛行隊と合わせて再編され、戦力は72機に回復した。 ジャルビ少佐は、この再編成った第1戦闘飛行隊を猛訓練によって再度鍛え上げていた。 誘導路の近くにある休憩所に入ると、そこには4人の男が休憩を取っていた。 ジャルビ少佐はそのうちの1人と目が合った。 「よう、お疲れさん。」 ジャルビは、親しげな口調でその男に声をかけられた。 「フレウグド、こんな所で何やってるんだい?」 彼は、声を掛けた男・・・第2中隊長を務めるインスク・フレウグド少佐に聞き返した。 「ああ、ちょいとばかり本を読んでるのさ。 フレウグド少佐は、読んでいた本を掲げながらジャルビに答えた。 「まーた難しそうな本を読みやがって。自分は頭が良いぞ!と、自慢してるのかい?」 「いんや、ただの暇潰しさ。」 ジャルビの冷やかしに、フレウグドは苦笑しながら返した。 「ジャルビ、そっちの新米共はどうだ?」 「大分出来上がってきてるよ。呑み込みが早くて助かる。」 「俺のとこも似たような物だな。新戦法を取り入れた実戦訓練も上手くこなせるようになっている。」 「問題は・・・・実戦の場に出てからだな。」 ジャルビは、不安げな口ぶりで言った。 ここ最近の飛空挺部隊は、訓練を終えたばかりの新兵の割合が、開隊当初より居たメンバーと比べて 約4割と、以前よりも格段に増えてきている。 シホールアンル軍の飛空挺ケルフェラクは、戦闘性能は勿論だが、魔法合金によって得られた頑丈な 機体のお陰で、搭乗員の生存性も、ワイバーン隊と比べて高いことで知られている。 しかし、84年に入ってからは飛空挺搭乗員の損耗率が増え始め、ついには飛行隊が壊滅判定を受けるという事態になった。 シホールアンル側の飛空挺搭乗員育成は、思いのほか順調に進んでおり、前線にはいつでも替えの搭乗員を送る事が出来た。 だが、ジャルビはそれも長くは続かないであろうと見ている。 ケルフェラクは、実戦投入された昨年6月から今年の7月始めまでに、約280機以上が失われている。 83年中に、飛空挺乗りとして任官した搭乗員は700名。 このうち、失われた搭乗員は230名を超えており、ワイバーン隊よりは少ないとは言え、損耗率は決して低いとは言えない。 ジャルビとしては、飛空挺隊の状況はこれから厳しくなるだろうと思っている。 「新人の割合が増えて来るとなると、自然に損耗も増えるかも知れんなぁ。実戦を経験していない奴は、 頭に血が上ってとんでもない事をやらかすのが多い。それが、結果的に自らの死を招いてしまう。 3週間前のジャスオでのスーパーフォートレス迎撃でも、第3戦闘飛行隊に配備されたばかりの新人が 功に逸って敵編隊のど真ん中に突っ込み、弾幕射撃によって穴だらけにされたという話もある。他にも、 新人は色々な事をしでかすが、今後はそれが増えてくるだろう。」 「嫌だねぇ。ケツの青い連中が増えてくるのは。」 フレウグドはため息を吐きながら言った。 「そんな連中を一人前にするのが、俺達の仕事だ。あいつらに早く使えるようになって貰わんと、 俺達のみならず、他の奴にも迷惑が掛かる。」 「言えてるね。」 ジャルビの言葉に、フレウグドは同意しながら深く頷いた。 「そういえば、司令官の姿が昼飯前から見えないな。」 ジャルビは思い出したように言う。 ウィステイグには、第701防空旅団と第702防空旅団がおり、それに第63空中騎士隊と第74空中騎士隊、 第1戦闘飛行隊が加わる。 シホールアンル軍は現在、この2個防空旅団並びに1個空中騎士隊と1個戦闘飛行隊でもって、ウィステイグ防空軍団 を編成しており、軍団司令部は、第1戦闘飛行隊の航空基地に設けられていた。 ウィステイグ防空軍団の司令官は、戦前から飛空挺の実用性を認識していた数少ない将官の1人であり、戦闘飛行隊の 飛空挺が訓練のために出発する際は、屋上の見張り台に上がって飛空挺隊の出発を見送っていた。 暇があるときは、時折休憩室に足を運んでは自分も寛ぎつつ、将校は勿論の事、兵や下士官にも気軽に声を掛けて雑談を楽しんでいる。 人懐っこくて、人情味の厚い司令官は、基地全体のみならず、防空軍団の将兵に慕われていた。 その司令官が、昼食前からどこかへ姿を消してしまった。 「どこに行ったかわかるかい?」 ジャルビは聞いたが、フレウグドは首を横に振った。 「さぁ、俺は知らんよ。軍団司令官のみならず、参謀連中もどっかに行っちまったから、きっとどこかで 会議でもやってるんだろ。」 同時刻 ウィステイグ市街北部 ウィステイグ防空軍団司令官である、フレング・エッセルト中将は、基地から馬車で2時間ほど離れた北にある、 この地方の領主であるフリテグ・リヒンツム伯爵の館に来ていた。 「エッセルト閣下。それは、本気でおっしゃっておるのですか?」 リヒンツム伯爵は、痩せたひげ面に不快げな表情を浮かべる。 「ウィステイグ市の住民に、敵の空襲があるから避難せよ・・・・と?」 「はい。」 フレング・エッセルト中将は即答した。 彼の体格はかなりがっしりとしており、顔つきは端正で、赤毛の髪は角状に刈り上げられている。 今年で46になるエッセルトは、このウィステイグで生を受け、軍の士官学校に入るまではここで過ごした。 士官学校卒業後は魔導士養成学校に入校して魔導士となり、竜騎士に任官した。 その後は各地の戦線を渡り歩きながら順調に出世し、今年の1月末に、病気で倒れた前任者に代わって、 生まれ故郷であるウィステイグの防空軍団司令官に任ぜられた。 ウィステイグ防空軍団の司令官に任命されてから、彼は早くも、敵国アメリカが投入した最新鋭の大型飛空挺、 B-29スーパーフォートレスを重大な脅威とみなしていた。 5000グレル、調子の良いときは6000グレルという一昔前までは天界の領域であったと言われる高みを悠々と 飛んでくるスーパーフォートレスは、あのケルフェラクの迎撃ですら蹴散らしつつ、目標を攻撃する事が出来る。 スーパーフォートレスは、この半年間で北ウェンステルやジャスオ、デイレアにあった魔法石精錬工場や魔法石鉱山、 武器製造工場、港湾施設、交通拠点といった戦略上の要衝を片っ端から爆撃し、その大半を破壊している。 このスーパーフォートレスの群れが、市街地の真ん中に広大な工場を抱えるウィステイグ市にやって来るのは、ほぼ確実と言える。 そうなると、敵機の投じた外れ弾が市街地に落ちてくる可能性は極めて高い。 エッセルトは、敵の爆撃機がこのウィステイグを爆撃すればどれほど危険であるか話した上で、住民の避難、もしくは 防空壕設営などの空襲の対策を行なって欲しいと、リヒンツム伯爵に要望したのである。 「敵国であるアメリカは、降伏せぬ敵に対しては容赦がありません。北ウェンステル領の大半が連合軍の手に落ちた今、 アメリカ軍は本土の要衝であるウィステイグを攻撃するかもしれません。その時に、あの天空の怪物達がやってくるのは 火を見るよりも明らかです。あの怪物達が搭載する爆弾が、市街地に落ちない、という保証は全くありません。現に、 友邦マオンドが1週間前に仕掛けられた、B-29による首都クリンジェ近郊の魔法石工場に対する空襲では、 流れ弾多数が市街地に落下し、700名以上の死傷者が出ています。」 エッセルトは前のめりになる格好になりながら、尚も続ける。 「ここでも、同様な事が起こるかもしれません。ここは、民を避難させるしか、被害の拡大を防ぐ方法はありません。」 「・・・・・エッセルト閣下のおっしゃる事は、よく分かりました。」 リヒンツム伯爵は頷いた。しかし、彼の目付きには、どこか見下すような色が混じっていた。 「ですが、50万の市民を避難させるには時間が必要です。それ以前に、対策を立てようにも、資金と手間も掛かります。」 「そこをなんとか、お願いできないでしょうか?」 エッセルトは縋るように言った。 「・・・・正直申しまして、現時点では、50万の市民を避難させるのは不可能、としか言わざるを得ません。 それよりも・・・・・」 リヒンツム伯爵の目が光る。 「軍は敵に対して、何ら対応を行なわぬのですか?」 「いえ。我々は勿論応戦いたします。しかし、敵が大挙襲来してきた場合、我々だけでは抑えきれないかもしれません。 敵が迎撃を突破すれば、その後がどうなるかは目に見えています。」 「閣下。あなたは、この神聖な帝国本土に住む誇りある民達に、ここから尻尾を巻いて逃げろと仰せられるのですか?」 リヒンツム伯爵が厳しい口調で言い返してきた。 「いえ、そうは言っておりません。」 「同じです!」 リヒンツムが急に怒鳴り声を上げた。 「あなたは遠回しに、民達をここから逃がせと言っておられます!栄光あるシホールアンル帝国の民達にそのような事をさせるのですか!?」 「殿下は、民がどうなってもよいのですか?敵が投弾コースを外せば、市街地に爆弾の雨が降るのですよ?」 エッセルトはリヒンツムの怒声に怯むことなく、尚も食い下がった。 しかし、相手も強かであった。 「そうなる前に、落とせば良いではありませんか。あなた達が我々に見せた新戦法とやらでね。」 「・・・・ぐ!」 エッセルトは一瞬、頭に血が上ったが、激発しそうになった思いを寸での所で抑えた。 「いずれにしろ、ウィンステイグ市民の避難は現時点ではできぬ話です。もし、この事で混乱が起き、犠牲が出た場合は どうするお積もりです?そして、敵の爆撃機が来なかった場合はどうされるのです?」 エッセルトはすぐに答えようと、口を開けた。 その時、後ろに控えていた魔導士が彼の肩を叩いた。 「閣下、基地の魔導士から緊急の魔法通信です。」 「緊急の?」 エッセルトは首を傾げた。 「スーパーフォートレスと思しき敵機が単機で、このウィステイグ上空に侵入しているとのことです。」 「な・・・・本当か!?」 思いがけぬ報告に、エッセルトは驚きの余り、目を見開いた。 「本当です。外を見れば分かるかと。」 エッセルトは魔導士が言い終わるが早いか、慌てて窓辺に駆け寄った。 目当ての物はすぐに見つかった。 「あれか・・・・・」 彼はそれを見るなり、急にため息を吐きたくなった。 雲間の間に青空が見えている。その間に、真っ白な筋が伸びつつある。その先端に、小さいながらも飛空挺と思しき機影が見える。 その機影が太陽の光に反射したのか、一瞬だけキラリと光った。 「閣下、あの白い筋が、例のスーパーフォートレスとやらですか?」 いつの間にか、リヒンツムも彼の傍に歩み寄って来ている。 「そうです。恐らく、6000グレル以上の高度を飛行しているのでしょう。」 「6000グレル・・・・・」 リヒンツム伯爵は黙り込み、それっきり伸びる白い飛行機雲に見入ってしまった。 エッセルトは、リヒンツムの表情を見るなり、彼が心中で何を思っているのかを考えた。 今まで、安全とされていた帝国の本土に侵入した米軍機を忌々しげに思っているのか・・・・ または、初めて見るスーパーフォートレスに、不謹慎にも惚れ込んでしまったのか・・・・ だが、リヒンツムが何を思っているのかは、エッセルトには理解出来なかった。 「閣下、ちょっとよろしいでしょうか?」 魔導士がエッセルトを手招きする。エッセルトは窓辺から離れ、魔導士の傍らに歩み寄った。 「基地司令が、B-29の迎撃にケルフェラクを出撃させてくれと言っとりますが。」 「迎撃か・・・・・」 エッセルトはしばし考え込んだ。 1分ほど黙考したあと、彼は魔導士を通じて、基地司令に命令を発した。 7月18日 午後7時50分 北ウェンステル領リスド・ヴァルク リスド・ヴァルクの航空基地にある搭乗員待機室では、第145爆撃航空師団所属する第69航空団の指揮下にある航空群司令、 飛行隊指揮官、そしてB-29の機長と副操縦士、それに第201戦闘航空群の指揮官全員が集められていた。 あまり広いとは言えぬ搭乗員待機室に大勢が集まったため、室内にはむわっとした空気が充満していた。 「くそ、なんて暑さだ。」 第533飛行隊の指揮官兼機長を務めるダン・ブロンクス少佐は、室内のこもった空気に不満を漏らしながら、 持っていた紙をうちわ代わりに扇いでいた。 「こんな手狭な部屋に大人数を押し込むとは、うちの司令は部下の扱いに対して、なかなかに冷たいお方ですな。」 副操縦士であるジョイ・ブライアン中尉が持っていたボール紙を片手に持って、ブロンクスと同じように自分に向けて扇いでいる。 この2人と同じ事をしているのは他にもおり、部屋にいる大多数の参加者がなにかしらの紙や下敷きのような物を持って うちわ代わりにしている。 その光景は、傍目から見たらやや滑稽であり、どこか笑いを誘いそうな雰囲気がある。 本人達は涼しくなりたい一心で自分に風を送っているのだが、元々部屋の温度があまり低くないことと、無駄な運動がたたって より一層温度が上がり、扇いでも扇いでも生温い風しか来ないという悪循環に陥っている。 「早く司令殿は来ないもんかね。」 ブロンクスはだらけた口調で呟いたとき、その願いは早くも叶った。 部屋の正面にある地図等が掲げられた壁に、1人の小太りの男が入ってきた。 「テーン・ハッ!」 その掛け声と共に、集まっていた参加者達は一斉に立ち上がった。 「座っていいぞ。」 コーンパイプに口にくわえた航空団司令、カーティス・ルメイ准将は、冷たい口調で皆に言った。 体格はやや小太りであるが、肩幅は広く、意外とがっしりとしている。 ルメイ准将は、開戦当初は大尉であったが、南大陸に進出してからはB-17一個飛行隊を指揮し続け、激戦地を転戦した。 1943年3月には中佐に昇進したが、3月末にシホールアンル軍のワイバーンによってカレアント領のチェルネントの 森付近で撃墜された。 ルメイはこの時、腹部に重傷を負ったが、気が付いた時には手当が施された状態で草原地帯に放置されており、 駆け付けた救助隊によって生き残りと一緒に救助された。 回復後は本土でB-29部隊の訓練を行ない、43年12月には大佐に昇進。 44年6月には准将に昇進して、第69航空団の司令に任命された。 「諸君が待ちかねていた出撃の時が、ついにやって来た。」 ルメイは、張りのある声音で、参加者達に言い放った。 「明日、我が航空団は、シホールアンル帝国本土南部のウィステイグに向けて出撃する。」 「帝国本土・・・・シホットの内庭にか?」 ルメイが明言した後に、参加者達が一様にどよめきを発する。 「静かにしろ。まだ話は終わっていない。」 ルメイはそう言って、どよめきを沈めた。 「2日前、我が航空団所属のF-13(B-29を偵察機に改造したものである)が、ウィステイグの強行偵察を行なった。 その時の写真がこれだ。」 ルメイは後ろに振り返ると、傍に控えていた数人の兵に目配せした。頷いた兵が、壁に航空写真を張り付ける。 「これが明日、我々が爆撃する事になる攻撃目標だ。写真に写っているのは敵の工場だ。情報では、このウィステイグに は広大な軍需工場があると言われている。この写真はその軍需工場を写した物であり、工場の周りには市街地が並んでいる。 工場の規模は、分析からして全長9キロ、幅6キロにも及ぶと言われている。シホールアンル帝国は、武器生産の何割かを、 この軍需工場で賄っていると思われる。諸君達の任務は、この軍需工場を爆撃し、敵の武器生産能力を減殺することだ。」 ルメイは淡々とした口調で説明した。 彼は他にも、魔法石精錬工場や魔法石鉱山、繊維工場の写真も見せながら一通り説明を続ける。 「このように、ウィステイグはシホールアンルにとって重要な拠点であるという事は、諸君らも理解出来ただろう。 この一連の工場群を潰せば、シホールアンルは少なからぬ打撃を受けることになり、ひいては戦争遂行にも影響を 及ぼすことになるだろう。出撃は明日の午前6時。参加兵力は、戦闘機隊が2個群に、航空団にある3個航空群全てだ。 私もB-29に乗る予定だ。」 第69爆撃航空団は、第693、694、695の3個爆撃航空群で編成されている。 各航空群は48機のB-29を装備しており、全力出撃ともなれば、計144機のB-29が敵本土に向かう事になる。 (最初から全力投球で行く訳か。) ブロンクスは納得した。しかし、その後に別の考えが頭に浮かんだ。 「なお、搭載爆弾は、威力の高い1000ポンド爆弾とし、投下高度は10000メートルとする。今回は、敵地上空の 天候の推移も考慮に入れて、6月から導入したレーダー搭載機を先導機とする。途中、敵機の迎撃もあり得るだろうが、 これまで通りやれば問題はない。私からは以上だが、何か質問は?」 「司令、ひとつ聞きたいことがあるのですが、F-13は敵機に追撃されなかったのでありますか?」 ある将校がルメイに質問した。 「その時は、敵機の迎撃は受けなかったようだ。F-13はそのまま、高度12000を飛んだまま撮影を終えている。 敵がなぜ、F-13を迎撃しなかったかは少し疑問だが、恐らくF-13の侵入を探知出来なかった可能性が高い。 敵はこれを教訓として、今度こそはとばかりに待ち構えているだろう。明日は必ず、敵の迎撃があると思った方がいい。 諸君、明日は決して、気を緩めるんじゃないぞ。」 ルメイは、皆の頭に刻み込むような口ぶりでそう言った。 「他に質問は?」 ブロンクスが真っ先に手を上げた。 「司令、自分からも質問があります。」 「何だ?」 「敵の軍需工場は確かに広大ではありますが、あの工場は町の中心部に居座るようにして作られています。今回は140機以上 のB-29が、この工場を破壊するために出撃するのですが、落とす爆弾が多ければ多いほど、誤爆の可能性が高まると思います。 司令は、今回の爆撃に関しては、市街地に対する配慮は考えておられるのでしょうか?」 「市街地の誤爆を防ぐのは、私としても難しいとは思う。」 ルメイはきっぱりと言い放った。 「爆弾の投弾間隔を短くするなどして、市街地への誤爆はある程度防げるとは思うが、全て防げるとまではいかんだろうな。 それ以前に、私はF-13の派遣という“メッセージ”を目標に送ったばかりだ。相手側がこのメッセージを受け取り、 敵の攻撃近しと見て住民の避難を行なっている、としか考える他はない。」 「では・・・・・住民が避難しておらず、市街地の誤爆で死傷者が生じた場合は?」 「我々に責任はない。責任は、民を守るという義務を怠った、シホールアンル側にある。誤爆で民間人に犠牲が出るか どうかまでは、我々が考えなくても良い。」 ルメイはあっさりと言い放った。 「そもそも、シホールアンル帝国は北大陸でやりたい放題やっている。北大陸侵攻の第一歩となったレスタン侵攻では 数百万の住民を虐殺し、その他の国でも似たような事をしでかしている。先の南大陸戦でも、イチョンツ収容所での事件など、 様々な蛮行を行なっている。噂では、属国の年端もいかぬ子供を大量に誘拐して、無理矢理人体実験を行なったり、高度な 軍事訓練を課して多くを死なせるといった、馬鹿げた事もやっていると聞く。そんな国に、同情など必要かと思うかね?」 ルメイの問いに、誰もが押し黙った。 「まっ、大統領閣下が示した方針に、私は従う他は無いが、それでもこの作戦で民間人に犠牲が出るかでないかで議論を するのはお門違いだ。既に、我々は敵にメッセージを送っている。我々の爆撃で民間人に死傷者が出た。それを好機とばかりに シホールアンル側は我々を「罪もない住民を虐殺した」等と言って批判するだろう。だが、それは間違いだ。先も言ったが、 我々には責任はない。責任は、メッセージを無視し、民を守るという義務を怠ったシホールアンル帝国にある。だから、 明日の作戦では気兼ねなく、目標を爆撃して貰いたい。」 ルメイはそう言い終えた後、ポケットから葉巻を取り出し、それを口にくわえた。 ジッポライターで火を付けた後、参加者達にもう1度問うた。 「他に質問は?」 その後、5分ほどで作戦内容の説明は終わった。 第69爆撃航空団は、明日の出撃に取りかかるために、大急ぎで準備を始めた。
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1538.html
カイジとベルナドットはニューヨーク上空でヘリコプターを操縦していた。 「そろそろここらへんで着陸するか。」 「ああ・・・そうだな・・・」 すると操縦席にいきなり猫耳の人間が姿を現した。 「な・・・なんだお前?」 「お前ミレニアムの・・・操縦席から降りやがれ!!」 「や~だよ。僕だってヘリの操縦したいもん。」 そしてシュレディンガーは操縦しているベルナドットをどかせて操縦を開始する その運転がもうめちゃくちゃ。カイジとベルナドットは操縦席で目を回していた。 そしてヘリコプターはニューヨーク貿易センターに激突した 「ちっあのヴェルヴォルフの奴・・・おいカイジ大丈夫か?」 「あぁ・・・何とかな・・・あの猫は・・・?」 シュレディンガーは瓦礫に頭を潰されて死んでいた。 「んなもん放っとけ。まずはアメリカ中を探してみようぜ。」 「ああ・・・そうだな。」 カイジとベルナドットは走り出す。だが彼らは知らない。直後シュレディンガーの死体がなくなっていることを。 【一日目・午前12時12分 アメリカ ニューヨーク貿易センター】 【伊藤開司@賭博堕天録カイジ】 【状態】健康 【装備】アサルトライフル、千年杖@遊戯王 【道具】支給品一式 【思考】基本:ゲーム転覆 1:主催者のアカギを殺す 2:主催本拠地を探す 3:カオスロワのシステムを裏をつく 【ベルナドット@ヘルシング】 【状態】健康 【装備】サブマシンガン 【道具】あらゆるトラップ、首輪×3 【思考】基本:生き残る 1:カイジと組んでゲームから脱出する。 2:首輪を解析して何とか外したい 【シュレディンガー @ヘルシング 死亡確認】 「さて、次はどこでどんないたずらをしてやろうかな~。」 死んだはずのシュレディンガー准尉は次はどんないたずらをしようか考えていた 【一日目 同時刻/???】 【シュレディンガー@ヘルシング】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 不明 [思考]基本 殺すのはつまんないので、いろんな人に悪戯してまわる。
https://w.atwiki.jp/izu6105/pages/384.html
飛行機のデザインコンテストで 選ばれた飛行船のような飛行機、 飛行船のきれいなデザインが 印象的です。 こんな飛行機があったらいいですね。 ヤフーニュース 飛行船 関連商品はこちら 飛行船