約 14,452 件
https://w.atwiki.jp/ateamnews-td/pages/256.html
【エーライツ事務所】永井理子(りこぴん)が衝撃のゾンビ姿に “日本一かわいい女子高生”の面影なし! 日本一かわいい女子高生 の面影なし! りこぴん(エーライツ所属) が衝撃のゾンビ姿に ゾンビ姿のりこぴん 愛知県安城市のPR動画に出演 昨年3月に開催された「女子高生ミスコン2015‐2016」でグランプリに輝き、初代“日本一かわいい女子高生”の称号を手にした“りこぴん”こと永井理子(※現在通信制高校の4年生)が、愛知県安城市のPR動画に出演。同作に主演したりこぴんは、面影なしの衝撃のゾンビに扮した。 りこぴん(エーライツ所属) 同作は、りこぴんを含むゾンビ集団が、安城市に突如現れるところから物語がスタート。同市が掲げる「健幸(ケンサチ)」というコンセプトをもとに、“ゾンビでさえも健康で幸せになれるまち”を「歌」「ダンス」「物語」を通して表現している。特に安城七夕まつりでの市民1000人参加のダンスシーンは圧巻だ。 永井理子(りこぴん) ◆豪華クリエイターが結集 また、豪華クリエイター陣が集結しており、ダンスの振付に関しては、きゃりーぱみゅぱみゅの「PON PON PON」やグリコ「ポッキー」CMなどで大きな話題を呼んだ振付稼業air:man(ふりつけかぎょうエアーマン)が担当。 全編を彩るポップな楽曲は、今回の動画のために書き下ろされたもので、作曲は、AKB48「イチニノサン」、NMB48「おNEWの上履き」などを作曲した村井大氏。作詞は、大原櫻子「Realize」などを手がけ、父親が安城市の高校出身で市への造詣も深い作詞家の坂井竜二氏が担当した。 さらにシンガーは、フジテレビ「ハモネプ2015」で優勝した経歴を持つ地元シンガー、伊藤ゆりを起用。ほか、テロップデザインを地元安城市出身でアニメ「けものフレンズ」のタイトルロゴ等を生み出した米田龍平氏。 そして、映像監督を務めたのは渋江修平氏。小学生あるあるを描いた「KIRINプラズマ乳酸菌WEBムービー」や、モーニング娘。’15「青春小僧が泣いている」MVなどを手がけた経歴を持つ。 【安城市PR動画】 JANG DA-RA RING(じゃんだらりん) ⇒“日本一かわいい女子高生”の面影なし!りこぴんが衝撃のゾンビ姿に - モデルプレス ⇒【芸能事務所エーライツ所属タレント評判】りこぴん・初代“日本一かわいい女子高生”、ぺたんこお腹×美くびれくっきり!ビキニで完璧ボディあらわに | エーチームグループ情報 ⇒【芸能事務所エーライツ所属タレント】りこぴん・初代“日本一かわいい女子高生”が、福士蒼汰主演ドラマ『愛してたって、秘密はある。』出演|エーチームオーディションに関するあれこれ ⇒【芸能事務所エーライツ新人評判】りこぴん・初代“日本一かわいい女子高生”、母親との2ショット公開 | エーチームグループ情報 ⇒【エーライツ新人噂】永井理子(りこぴん)がヒップ強調の水着ショットで魅了 - エーチームグループNews ⇒エーチーム|エーライツ 【エーライツ噂】永井理子(りこぴん)、スクール水着を披露 卒業記念にセーラー服も ⇒【エーライツ噂】永井理子(りこぴん)が衝撃のゾンビ姿に “日本一かわいい女子高生”の面影なし! エーチーム|エーライツの情報サイト ⇒【エーライツ新人】永井理子(りこぴん)が衝撃のゾンビ姿に “日本一かわいい女子高生”の面影なし!|エーチームオーディションに関するあれこれ ⇒【エーライツ評判】永井理子(りこぴん)が衝撃のゾンビ姿に “日本一かわいい女子高生”の面影なし! | エーチーム/エーライツの評判・噂・2ちゃんねる - 楽天ブログ ⇒りこぴん(永井理子) | Twitter ⇒りこぴん(永井理子) | INSTAGRAM ⇒永井理子プロフィール|エーチームグループ エーライツ りこぴん(エーライツ所属) りこぴん エーライツ エーライツ モデル エーライツ 事務所 エーライツ 仕事 エーライツ 新人 エーライツ 評判 エーライツ噂 日本一かわいい女子高生 永井理子
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2399.html
前回までのあらすじ! 資料室を整理中に見つかった一冊のノート。それは私の"お母さん"、エレン・チューリング女史の書き残したものだった。 ノートの暗号を解くのに必死になる私を心配したシャーリーは、私の気分をリフレッシュさせようと遊びに誘うが……。 シャーリー「……もしかして、その格好で行くのか?」 私「だって、これしか持ってないし」 ――道路―― ブロロロロ… シャーリー「……やっぱ原付か。スピードが出ないな」 私「丁度いいんじゃない? あんたのスピード狂に付きあってると感覚器官が壊れそうだしね」 シャーリー「……ま、2人も乗ってるしなぁ」 私「……なんだって前に居るのがアンタなのかしらね」 シャーリー「なんだよ、お前バイク運転できるのか?」 私「やり方さえ覚えれば、ね」 シャーリー「ああ、一回見たら忘れないんだっけ」 私「……ええ。絶対に、ね」 ファサァァッ…… 『……赤毛じゃなくって、金髪が良かったな……そうしたら、お揃いだったのにね』 私「…………ねぇ」 シャーリー「ん?」 私「……髪、長いのね」 シャーリー「? なんだ、今更……」 私「……いや、別に」 ブロロロロ… ――ローマ市内―― ブロロロロ…キキッ! シャーリー「さて……まずはここだ」 私「服屋? 服なんて頼まれてたっけ?」 シャーリー「いや、分からない」 私「……じゃあ何で」 シャーリー「お前の服を買うためだよ」 私「わ、私の?」 シャーリー「考えてみたら、私っていっつもそのセーターに白衣でさ。他の服着てるの、見たことないし……で、聞いてみたら」 私「一着も他のは持ってないって話だから、買ってあげようって?」 シャーリー「そうそう。さ、そうと決まれば、レッツゴー」 私「……いいわよ、別に。大体、替えなら何着かきちんとあるし……」 シャーリー「でも、全部そのセーターとズボンなんだろ?」 私「……ま、そりゃそうだけど」 シャーリー「だろ? お前だって一応は女なんだからさ、色々お洒落とかした方が絶対楽しいって! せっかく顔もスタイルもいいんだし、身長だって高いんだから」 私「でもねぇ……まるで必要性を感じないし」 シャーリー「……お洒落だと、モテるぞ?」 私「……誰に?」 シャーリー「男と――あ、女にも」 私「……女の子だけでいいわ」 シャーリー「どっちにしろ必要さ。それにホラ、いつもとは違うカッコすると、こう……パーッとスッキリするぞ?」 私「んなこと言われても……大体、中佐から頼まれた買い物だってまだ終わってないんだし。ほら、この封筒にだって―― ――え?」 <買ってくる物:シャーリーさんと私教授の欲しい物。――ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ> 私「…………」ポカン シャーリー「……ふふん。ほら、中佐だってこう言ってるぞ?」ニヤニヤ 私(あんにゃろう……一杯食わされたわ……) シャーリー「さ! そうと決まればまずは服! ほら、行くぞ!」グイッ 私「ちょ、ちょっとちょっと! 私、服なんて分かんないわよ!?」 シャーリー「大丈夫大丈夫。あたしが選んでやるからさ」 私「えー……大丈夫なの? アンタのセンスで」 シャーリー「怒らせて止めさせようったって、そうは行かないぞー? 今日は機嫌がいいんだ」ニコニコ 私「……ハァ」(……しょうがない、適当に付き合ってやるか) ――服屋の中―― シャーリー「私! どうだ、このスカート!」 私「は、花柄ァ!? しかも紫って……」 シャーリー「ほら、セール中で安いし。これにしないか? 似合うと思うぞ?」 私「勘弁してよ……苦手なのよ」 シャーリー「花柄が?」 私「いや、違う」 シャーリー「ああ、色か? でもなぁ、安いのこれしか……」 私「そうじゃなくって! スカートがよ!」 シャーリー「えぇ……? 何でだよ?」 私「――ッ! そ、それは……その、できればあんまり……素肌は……。 と、とにかく! スカートじゃなかったら何でもいいわよ! 長ズボンとか……」 シャーリー「長ズボン? えーっと……あ、じゃああそこのヘビ柄のとかどうだ? なんか鎖とかいっぱい付いてカッコ良さそうだぞ」 私「……やっぱセンス無いわね、アンタ」 シャーリー「あ、私。半袖も持っといた方がいいんじゃないか? ほら、コレとか」 私「……いいわよ。別に暑くないし」 シャーリー「夏だってのにずっとタートルネックのセーターってのは、さすがに健康に悪いんじゃないか? これなんてほら、首元がこんなに開いて涼しそうだぞ?」 私「……それが嫌なのよ」 シャーリー「……?」 ――数十分後―― シャーリー「……無いな、なかなか。長袖も長ズボンも、今の季節は入荷してないし……」 私「ね、だからいいって、別に。私はこの格好で十分……」 シャーリー「……あ、上着とかどうだ? 上着だったら薄い長袖のが何着かあるし。あ、ほら、コレとかさ」 私「……何これ、ヤシの木?」 シャーリー「ハワイが発祥の柄だってさ。ほら、まずは着てみろって」スッ 私「あ、ちょっと! 私の白衣……ったく」 シャーリー「……うーん、まぁ……合わない事も無い、かな」 私「どう考えても合わないわよ、このセーターにこの柄は……」 シャーリー「そうか……それにしてもさ、この白衣……」 私「え?」 シャーリー「けっこう古いよな。どれくらい前から使ってるんだ?」ゴソゴソ 私「そうね、もう10――って、ちょっと! なに勝手に着てるのよ!?」 シャーリー「いや、どんな感じかなーって。……よし。どうだ? インテリっぽく見えるかな?」キリッ 私「――!!」 『どう、私? おニューよ、この白衣! もちろん、私の分もちゃーんと……』 私「…………」 シャーリー「……? 私?」 私「――! あ、ええ……あ、そう……ね。あ、ほら、早く返してよ」 シャーリー「? ああ……はい」スッ 私「……ったく……いらないわよ、上着も。結局、この格好が一番落ち着くわ」 シャーリー「……そっか」シュン 私「……ほら、もう用は済んだでしょ。じゃ、さっさと……」 シャーリー「あ、ちょっと待っててくれよ。あたしも見たいのがあるんだ」 私「……いいけど、私に似合うかどうか聞かれても分かんないわよ?」 シャーリー「いや、すぐに終わるよ。何だったら、表で待っててくれてもいい」 私「……そう。じゃ、そうさせてもらうわね。それじゃ」スタスタ ガチャッ アリガトーゴザイマシター シャーリー「…………」 ――私は足早に服屋を出て行った。まるで、この場にいるのがいたたまれないように。なんだか、言葉も妙にそっけなかった。 ……どうしよう。せっかく中佐の力添えで一緒に外出して、私の気晴らしをしてやれると思ったのに。 知らないうちに、機嫌を損ねてしまったのだろうか……。 シャーリー「……これで、機嫌直してくれるといいんだけど」 ――おそらく無理だろうなとは思いつつ、一縷の望みを掛けずにはいられない。 スカートも半袖も嫌だ。辛うじて着れる長袖や長ズボンは無い。 ……なら、これだ。そう思いつつ、目の前にある"それ"を見つめる。 シャーリー「あ、すいません。これっていくらで――」 ――店の外―― 私「…………」 『お洒落? あはは、できるならしたいけどね……でも、この格好が一番似合うと思わない?』 私(……なんだって) 私(……顔を見る度に、ちらつくのかしらね) 私(……お母さん) ~~♪ ~~♪ 私「……? あれ……?」 ガチャッ アリガトーゴザイマシター シャーリー「ふー……」 ――買いたい物は、意外にも安かった。ま、こういうのは値段じゃない、気持ちだよ気持ち。 さて、次はどうしようか。昼飯は基地で食ってきたし……。 あ、そうだ。確か近くに映画館があったから、そこに行ってみよう。私の奴、映画好きらしいし。 しかし、買い物ときて、次は映画館か。これじゃあ、まるで本物の……。 シャーリー「……デート、ねぇ……」 ――もう少しロマンチックなイベントがありさえすれば、そう思いかけて赤面する所なんだけど。 いや、決してそういうイベントを欲しているわけじゃないぞ。 ……でも、考えてみれば不思議だ。基地で整備兵に『まるでデートだ』とからかわれた時は、あんなに狼狽したのに。 シャーリー「…………」 ――いざ実際に出かけてみれば……私という人間は、あまりにも儚く、そして寂しげに見えた。 普段からは想像も出来ない、哀しげな影がちらついていた。 そしてその影は、どういうわけか……あいつがあたしの顔を見る度に、現れているらしかった。 ――心の中に、切ないような、愛しいような……。そんな不思議な気持ちが現れては消え、そしてまた少し顔を覗かせる。 ――これが、恋という奴だろうか。……似たようなものかもしれないし、まったく違うものかもしれない。 シャーリー「……あ、そうだ。私の奴……あれ? いない……」 ――あの白衣が店の入り口近くにいないのに気が付いて、慌てて辺りを見回してみる。 ……ったく、店の外で待ってろ、って言ったのに。 シャーリー「! あ、いたいた。よかっ――?」 ~~♪ ~~♪ 私「…………」 ――小さな雑貨屋に置かれた、古びた蓄音機。その前で、私は立ち尽くしていた。 あの時資料室で見せた、ここではない、どこか遠くを見つめているような、虚ろな目で……。 シャーリー「……私。おい、私!」 私「!! あ、しゃ、シャーリー……」 シャーリー「どうしたんだよ、こんな所で……」 私「……いや、ちょっとね」 BGM: 『There is a flower within my heart~♪ Daisy~, Daisy~♪』 ――蓄音機から、男性の軽やかな歌声が聞こえてくる。 この曲なら、あたしも知ってる。20年くらい前にヒットしたポピュラーソングだ。 確か、曲名は……。 シャーリー「『デイジー・ベル?』」 私「え? 知ってるの?」 シャーリー「え? あ、ああ。そりゃ、有名だし。でも、この曲がどうかしたのか?」 私「……ええ。私も知ってたから、この曲」 シャーリー「へぇ……お前も音楽とか聞くんだな。てっきり、研究とペロペロ以外に趣味なんてないと思ってたけど」 私「そんな、趣味ってほどじゃないわよ。……ただ、昔この歌を教わっただけ」 シャーリー「ふぅん……誰に?」 私「……お母さん」 ――しばらくの、沈黙。道行く人たちの足音が、時々聞こえる車のクラクションが、どんどんフェードアウトしていくように感じられた。 それなのに、蓄音機から流れ出るこの陽気な歌は、あたしの耳から次々に体の中へ入り、何度も何度も反響する。 『Daisy~, Daisy~♪ Give me your answer, do~♪』 シャーリー「……映画」 ようやく絞り出せたのは、この一言だけだった。 私「え?」 シャーリー「……見に行かないか、よかったら。近くに、けっこう新しい映画館があるんだ」 『I m half crazy~♪ All for the love of you~♪』 私「……そうね。いいんじゃない?」 シャーリー「……行こう。こっちだ」 デイジー・ベルを背中で受けながら、2人で横に並び、映画館へと歩いていく。 私「……"狂いそうなほど君が好き"か」 シャーリー「え?」 私「……なんでもないわ」 ――映画館・売店―― シャーリー「ジュースは何にする?」 私「いや、いいわ。喉乾いてないし」 シャーリー「いいのか? ポップコーンとかも?」 私「……ったく、映画ってのはもっと敬虔な気分で見るもんじゃない? 何かをしながら映画を見るようじゃ、まだまだよ」 シャーリー「はいはい。……じゃ、あたしだけ買っとくよ。えーっと、コーラと……」 私「…………」スッ コロコロ… シャーリー「……あ、またその黒い飴食ってんのか」 私「ま、正確には飴じゃないんだけどね」 シャーリー「薬、だったっけ? ……でも、よく食えるよなあ、そんな不味いの……エイラのサルミアッキがマシに思えるよ」 私「……こっちだって、舐めたくて舐めてるわけじゃないわ」 シャーリー「……そう、か……」 私「……あ、ほら。買うんじゃないの? コーラとポップコーン」 シャーリー「っとと、そうだった……あ、すいません、ポップコーンと……」 ――シアター内―― シャーリー「よっこらせ、っと……」ドサッ 私「まぁまぁの席ね。近すぎず、遠すぎず」 シャーリー「昔の映画のリバイバル上映だからな。見る人はそこまで多くないみたいだし、いい席がとれてよかったよ」 私「……そう言えば、何見るんだっけ?」 シャーリー「『ピノキオ』」 私「……なんでアニメーション?」 シャーリー「いいじゃないか、お前の部屋で絵本見て、この映画のこと思い出したんだよ。 ……あ、もしかして嫌だったか……?」 私「いや、別に……ま、いいけど」 ジリリリリリリリ… シャーリー「お、始まるぞ……」 私「…………」 ≪予告編!!≫ ≪「スオムスぅ? なんでわたしがスオムスなのよ!」≫ ≪世界中を虜にした『扶桑会の閃光』から8年……巴御前は帰ってきた!≫ ≪第507統合戦闘航空団の全面協力により、穴拭智子少尉のもう一つの戦い、奇跡の映画化!≫ ≪「やったぁ! これでスオムスも安泰だわ!」≫ ≪1939年…氷河と樹氷の国・スオムスで幕を開けた、美しき魔女達の、烈しき戦い!≫ ≪「氷と湖! わぁ! 綺麗ですね~!」≫ ≪「習ってない」≫ ≪「……私は、このスオムスに死にに来たんだ」≫ ≪女達の思いを巻きこみ、運命はどこへと向かうのか――≫ ≪「すきなんですッ! わたし、智子少尉が好きなんです!」≫ ≪世界映画会の鬼才、ノーボル・ヤマグッチ監督の送る、 バトル、タクティクス、そしてロマンス! すべての詰まった、血沸き肉踊るウィッチ・ドラマの決定版!≫ ≪「飛べるんじゃないの。……飛ぶのよ」≫ ≪『扶桑海の閃光2 ~スオムスいらん子中隊がんばる~』 来春公開!≫ ≪前売り券を買うと、もれなくいらん子中隊ミニ扶桑人形(全6種・限定版)がついてくるぞ!≫ シャーリー「……なんだこれ?」 私「……前売り券商法……いい商売ね」 ――予告が終わると、いよいよ本命の映画が始まった。 シャーリー「…………」モグモグ 私「…………」 ――映画の内容は……正直、あまり覚えていない。 いや、つまらなかったわけじゃない。映画の内容よりも、もっと気になる事があったからだ。 シャーリー「…………」 ――ポップコーンをコーラで流し込みつつ、ときどき隣に座った私の顔を見る。 私の眼は、スクリーンをただじっと見続けていた。 主人公がどんな哀しい目に遭っても、表情一つ変えず、ただ静かに。 スクリーンから反射した光は、まるでビー玉のように澄んだ私の眼の中へと入って、儚げな輝きを放っていた。 シャーリー「……ふーっ……」 ――邪魔にならない程度に溜息をつき、あたしも正面へと向き直る。 ぼーっとスクリーンを眺めている内に、今日一日、そしてここ数日のことがゆっくりと思いだされた。 ――ノートを見つけた私が、血相を変えて部屋に閉じこもったこと。 4日も姿を見せない私を外出に誘おうとして、口げんかになったこと。 中佐の協力で、一緒に外出できたこと。 私が、服屋で頑として半袖やスカートを身につけようとしなかったこと。 ――そうだ、どうして私は、あんなに素肌を晒すのを嫌がるんだろう。 手だって、いつも手袋で覆っているし……それに、私が風呂に入っている所なんて、一度も見たことが無い。 ……何か、見せたくない何かが……? 『AIのプログラミングに不備があって、それが原因になって起こった事故だ』 『……そして、あの事故で、私も……』 『正確にはアメじゃないわ。…薬よ。痛み止めの』 『……こっちだって、舐めたくて舐めてるわけじゃないわ』 シャーリー「……!!!」 ――そうだ。 そうだ……もしかしたら。お母さんが亡くなったっていう、その事故で……。 ――私も、とてつもない外傷を負ったのかもしれない。 ――薬を今でも採り続けなければならないほど、深い傷を。 素肌を絶対に晒せないほど、全身に、ひどい傷を。 シャーリー「…………」 ――震えが分からないようにゆっくりと、隣に座っている私の方を向く。 私「…………」 ――私は、相変わらず無表情のまま、物憂げな眼差しでスクリーンを見つめていた。 微動だにしない。まるで……魂を映画に吸い取られてしまったみたいに。 ――もう、映画の内容なんて頭に入ってこなかった。 そして、気が付けば……映画は終わっていた。 ――映画館の外―― 私「…………」 シャーリー「…………」 ――映画が終わってから、あたし達は映画館を出た。 「行こう」という言葉と「ええ」という返答、それ以外は何も発さずに。 シャーリー「……あ、あの……その」 私「……?」 シャーリー「お、面白かったか? 映画」 ――無言のままでは間が持たないから、とりあえず感想を聞いてみることにした。 私「……ええ。面白かった」 シャーリー「……そっか、よかった」 ――よかった。とりあえず、楽しんではくれたみたいだ。 「つまらなかった」なんて言われたらどうしようと気が気じゃなかったが、この一言でずいぶん安心できた。 私「…………」 シャーリー「…………」 ――そして再び沈黙。……駄目だ、会話が広がらない。どうしよう……。 シャーリー「……あー、えーと……」 ――赤みを帯びてきた空を眺めながら、次の話題を必死に考える。 私「……? まだ何かあるの?」 シャーリー「あーっと……あ、も、もう日が傾いてきたな」 私「? あ、ああ……そうね」 ――ああ違う……だから何だって言うんだよ……。こんなんじゃなくって……ほら、もっと……。 ……あ、そうだ、さっき服屋で買った“アレ”……アレも渡さなきゃ……でも、どこで……? 私「……あら?」 シャーリー「ん?」 私「いや、ほら、あの大聖堂」 ――そう言われて、私の指差す方向にある荘厳な建物を見る。 ――あの大聖堂なら覚えがある。たしか1ヶ月ぐらい前、買い出しに行ったときにネウロイが襲って来て……。 シャーリー「ああ、そうそう。ルッキーニがあそこから飛び降りて来たんだよなぁ」 私「へぇ、そうなの? 無茶するわねー、よく怪我しなかったわよ……」 ――怪我、か。 シャーリー「…………」 私「……? どしたの、そんなに見て」 シャーリー「あ、いや……あ、そう言えばさ、あの時お前、アイス売ってたっけ。とんでもない値段設定でさ」 私「へぇ、覚えてたの?」 シャーリー「そりゃそうだよ。……そう言えば、お前も一緒に出かけたの、あれが最初だったよな」 私「……大変だったわね、あの日は。あの大聖堂のテラスにも行ったっけ……」 テラス――あ。そうだ! シャーリー「なぁ私、最後にあの大聖堂行ってみないか?」 私「え?」 シャーリー「ほら、もうそろそろ夕暮れだし、あのテラスから夕陽見たら絶対綺麗だって!」 ――それで、夕陽見ながらなんとなくいい雰囲気になったところで、あのプレゼントを……。 ――まぁ、別にいい雰囲気にしないと渡せないってわけでもないけど。 私「夕陽ぃ? そんなの基地でも見られるじゃない、一年中、いくらでも……」 シャーリー「……あたしはな、今日の夕陽を、あの大聖堂で、お前と一緒に見たいんだよ」 私「……えっ?」 ――我ながら、クサすぎる台詞だと思った。そして、妙に意味深な言葉でもあると。 シャーリー「……あっ! い、いやその、そういう意味じゃ……そ、その……なんだ……つまり……」アタフタ 私「…………フフッ」 シャーリー「……え?」 私「あーっはっはっはっはっは!!! ちょっと……真顔で言わないでよ……んなこっ恥ずかしいセリフ……! っくくく……!」ゲラゲラ シャーリー「……」カァァァッ ――顔が見る見るうちに火照っていくのが、自分でも分かる。 ――なんだこれ……今すぐ顔を覆って泣きたい。 私「っくっくっく……っははは……!」ゲラゲラ シャーリー「わ、笑い過ぎだっ!」 私「ご、ごめ……でも……っははは……!」 シャーリー「ったく……」 私「あー落ち着いてきた……でもさ、相変わらずクッサい台詞が得意ねー、アンタは」 シャーリー「う、うるさいっ!」 ――結局、いつものように冗談で済まされてしまうのか。……あーあ。 私「……いいわよ」 ――え? シャーリー「え?」 私「わがままに付き合ってあげるのも優しさだしね。……それに下手に断って中佐に泣きつかれちゃ堪んないし」 シャーリー「そ、それじゃ……」 私「……ほら、夕陽見るんでしょ? 日が暮れちゃうわよ」 ――どこか恥ずかしそうに笑いながら、私が言う。 空の赤さはだんだんと増してきた。さっきまで薄いオレンジだったのに、今は鮮やかなサーモンピンクへと変わっている。 ――ああ、そうだった。 こいつは……私は、こういう奴だったんだ。 シャーリー「……ああ、よーし、行くぞ私!」 私「はいはい、っと」 ――気持ち早足で、2人で大聖堂に向かって歩いていく。 大聖堂は夕陽を受けて、じんわりとぼやけた光を放っていた。 私(……あんな真っ直ぐな目見て……断れるわけないじゃない) 私(あんなに……青くて、優しくて……懐かしい……) 後編に続く!
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2458.html
前回までのあらすじ! シャーリーとお出かけする事になった私。買い物をしたり映画を見たりとなんだか普通のデートみたいなイベントをこなしていくが、私はどこかつまらなそう。 そんな折、シャーリーは私に、駄目元で大聖堂で一緒に夕陽を見ようと誘うが……返事はまさかのOKだった! シャーリー「……ああ、よーし、行くぞ私!」 私「はいはい、っと」 ――バシリカ・ウルピア、聖堂内部―― シャーリー「へぇ……結構広いんだな」 私「そりゃ、大聖堂だしね」 シャーリー「ま、それもそうか……えーっと、バルコニーへは……」 私「……?」 シャーリー「お、あそこから上に行けるな。おい、私……ん?」 私「…………」 シャーリー「……どうした? 何見てるんだ?」 私「え……あ、ほら、あの像」 ――私の指差した先には、女性が物憂げな顔で男性を抱きかかえている、大理石の彫刻があった。 有名な彫刻だ。確か400年ぐらい前に、ロマーニャ人の芸術家が作ったんだったか。 シャーリー「ああ、あの像か」 私「どういう彫刻なのかしらね、あれ」 シャーリー「あーっと……あたしもあんまり覚えてないんだけど、あの女の人、男の人のお母さんなんだってさ」 私「……お母さん?」 シャーリー「……ああ。あの男の人は神様の子供でさ。みんなの幸せのためにいろいろ頑張って、最期は世界中の人の罪を背負って死んだんだって。 あの女の人は、それを天国から迎えに来たんだってさ」 私「天国? それじゃ、あの女の人も神様か何かなの?」 シャーリー「いや、最初はただの人間だったらしいんだけど……。 その、何だ、なんにもしてないのにあの男の人を産んだ後、神様みたいなものになったらしい」 私「ああ、処女懐胎ってやつ?」 あ、そうか。そう言えば良かった。 シャーリー「あ、ああ。うん、そういうことさ」 私「……ホントにできるのかしらね、そんな事」 シャーリー「そりゃ、無理だろ。あれは神話の話だし」 私「……そう、よね」 シャーリー「……?」 ――大聖堂の天井から差しこむ朱色の光が、聖母と聖人の像を静かに照らしている。 どうも、こういう場所は人の心を敬虔にさせるらしい。見るもの全てが荘厳に思えてくる。 私「……ねぇ、シャーリー」 シャーリー「ん?」 私「……子供って、欲しいと思ったことある?」 ――は!? シャーリー「!? お、おい、いきなり何言い出すんだよ?」 私「いや……ちょっとね、聞いてみただけ」 シャーリー「こ、子供……か。そりゃ……まぁ、いたら楽しそうだなー、とは思うけどさ」 私「……つくってみたい?」 ――は、はぁぁ!!? シャーリー「ちょっ……ま、待て! いちおう教会だぞ!? だいたい、女同士じゃ無理――」 私「!? な、なんで私とするのが前提になってんのよ!?」 シャーリー「あっ! い、いやその、そういう意味じゃ……」 私「……アンタ、私をそーいう対象でねぇ……へーえ……」 シャーリー「のわぁぁーっ! 違う! 違うからな! そ、そうだ! お前は! お前はどうなんだよ!?」 私「へ?」 シャーリー「子供だよ。お前も欲しいのか?」 ――私は、しばらく黙って、像を見つめた後……こう答えた。 私「…………そうね。きっと、素敵でしょうね。自分の血を受け継いだ子供を、手塩にかけて育てていくって。 喜びも、悲しみも、幸せも……ぜんぶ分かち合って」 シャーリー「……?」 私「……欲しかったわよ。できるなら、ね」 シャーリー「え……?」 私「子供……か。 ……できないのよ、私」 ――え……? シャーリー「こ、子供ができないって……」 私「文字通りよ。ま、いろいろあってね……。私は一生、母親にはなれないわけ」 シャーリー「……あ、あっ……」 ――猛烈な自己嫌悪が襲ってくる。 ――なんで、あんなことを訊いてしまったんだろう。他に訊ける事は、たくさんあったはずなのに。 人の心に、土足で踏み込むようなことを訊いて……そして、とてつもない地雷を踏んでしまった。 おそらくは、例の事故だ。あのときの後遺症か何かで……私は……。 シャーリー「……ごっ、ごめん……!」 私「……? なんでアンタが謝るのよ?」 シャーリー「あたし……知らなくって……ごめん、本当に……!」 私「い、いいわよ別に……隠してたって、しょうがないしね……」 シャーリー「…………」 ――涙がこぼれそうになる。やっぱり…あたしは、何も分かってなかった。 今まで何ヶ月か付き合ってきただけで……今日、ちょっと一緒に出かけただけで……私の事を分かった気になっていた。 でも……。 私「……ねぇ、シャーリー」 シャーリー「えっ……?」 私「私はね、子供を作りたいの」 シャーリー「……? でっ、でも……」 私「……そう。私は子供を産むことはできない。……でも、作る事はできる」 シャーリー「つ、作るって…… ! ま、まさか……」 私「人間と同じように笑えて、人間と同じように泣けて……そして、人間と同じように誰かを愛せる。 そんな……"機械"がいたとしたら……それはもう、人間と変わらないわ。そうでしょう?」 シャーリー「そ、それじゃ……」 私「……これは、私の夢なのよ。いつか、人間と変わらないAIを作り上げる……かつて、お母さんが成し遂げたように。 あのノートはね、お母さんが自分の研究成果を記したものなの。あのノートを全て解き明かした時……私はお母さんと同じ場所に立てる。 そして……いつか……」 シャーリー「…………」 日がだんだんと暮れてきた。聖母像に薄暗い影がかかり、その表情はますます憂いに満ちていく。 私「……ま、こんな話しててもしょうがないわね……そろそろ行きましょうか、バルコニー」 シャーリー「えっ? あ、ああ……」 ――バシリカ・ウルピア、バルコニー―― カツッ、カツッ… 私「……ん、間に合ったみたいね」 シャーリー「ああ……」 バルコニーに出たあたし達を、半分沈んだ太陽が出迎える。よかった。日没までには間に合ったみたいだ。 シャーリー「…………」 私「…………」 シャーリー「……なぁ、私」 私「え?」 シャーリー「……あたしはな、お前の過去に何があって……今、何を抱えているのかは分からない。 教えてくれたとしても、受け止めきれるかは……正直、自信が無いよ」 私「…………」 シャーリー「……でも、受け止めたいんだ。お前の困り顔を見ずに済むんなら……いくらでも。 あたしは、お前と一緒にいるのが楽しい。金にがめつくって、変態で、いっつも騒動を持ってくるけど……。 でも。そんなお前と一緒に過ごすのが……すっごく楽しいんだ」 私「……シャーリー」 シャーリー「だから、その……要は、心配なんだよ」 ――心配。そう、心配。あたしが私に対して……常に感じていたのはそれだった。 ――あの目に見えた寂しそうな光。どこか遠くを見ているような視線。 強がっているようで、内側はまるで陶器のように脆そうなあいつ。 放っておけない。力になりたい。受け止めてやりたい。 ――そんな、愛とも友情ともつかない心配。いや、どっちでもあるのかもしれない。 いずれにせよ、あたしは、私という女に……いつの間にか、そんな特別な想いを抱いていたんだ。 シャーリー「服屋でも、映画館でも、この大聖堂でも……なんだかすごく……苦しそうだった。 寂しさとか苦しさを、自分の内に深く深く押しこめて……今にも壊れそうな、そんな顔だったよ」 私「…………そう?」 シャーリー「……ああ」 私「……そっか」 シャーリー「……うん」 私「…………」 ――夕陽から風が吹いてくる。風は家々の間を吹き抜け、どこか物哀しい音を立てていた。 シャーリー「……お節介なのは分かってる。でも、言っていいか?」 私「……ええ」 シャーリー「……あたしは、力になりたい。お前がいろいろ抱え込んで、苦しそうな顔してるの……もう見たくないんだ。 お前には……笑っててほしいんだよ」 私「…………」 シャーリー「なんだっていい。あたしにできる事なら、なんだってする。 ……だから、お願いだ。みんなに……元気な顔を見せてやってくれよ」 私「…………」 私「……私からも、いい?」 シャーリー「……ああ」 私「……昔、ある女性には子供がいた。血は繋がっていなかったけれど……2人は互いを、本当の家族のように扱って過ごしていた」 シャーリー「…………」 私「……ところがある日突然、女性は子供を残して死んでしまった。子供は、味わったことの無い悲しみに襲われた。 女性は子供にとって、自分の存在意義そのものだったから」 シャーリー「…………」 私「そうして子供は、女性――母の修めた学問を研究し始めた。母の通った道を辿ることが、母に近づく唯一の方法だと思ったのよ。 ……そして、研究を進めれば進めるほど、自分の中にある母との記憶も、さらに重くのしかかってくるようになった」 シャーリー「…………」 私「ま、そんなこんなで、子供は大学を出て、軍でバイトして……それで、このロマーニャに飛ばされてきた。 ――そして、驚いた。そりゃそうよ、そこで会ったウィッチの1人が……信じられないくらい、母親にそっくりだったんから」 シャーリー「……!!」 私「……顔や声も似てたけど、なにより瓜二つだったのは……雰囲気だった。 優しく包み込んでくれるような……何があっても、笑って受け止めてくれるような……まるで、大空みたいな雰囲気」 シャーリー「そ、それじゃ……」 私「――笑われるのを覚悟で言うけどね。アンタに優しくされる度に、こちとら、気が気じゃなかったのよ。 だって……だって、何から何までそっくりなんだもの! 言葉も、仕草も! 本当にお母さんみたいだった! もう、いないのに! もう会えないのに! 笑ってくれていいのよ。こんな――」 シャーリー「――っ」 ギュッ… 私「――!?」 シャーリー「……笑わないよ。笑うもんか」 ――白衣に包まれた体は、どことなく冷たい。 気付いたら……あたしは、私を抱き締めていた。 私「……どしたのよ、急に」 シャーリー「……ごめんなぁ。分かってやれなくて……お前のこと……全然知らなかった……。 ごめんよ……ごめん……」グスッ ――頬から、一筋の涙が零れてくるのが分かる。 私「……いいのよ、別に。私が勝手に思った事だし」 シャーリー「……ごめん……これからは、私が……ずっと……」 私「……? なにそれ、コクってんの?」 シャーリー「え? いや、多分……違う、かな」 私「それじゃ、何?」 シャーリー「えーっと……何だろ? 何だと思う?」 私「え? そーね、多分……いや、私に訊かないでよ」 シャーリー「…………」 私「…………」 シャーリー「……くくっ」 私「……フフッ」 シャーリー「…っだーっはっはっはっはははっ!!」ゲラゲラ 私「あーっはっはっはっはっはは!!」ゲラゲラ ――抱きあいながら回転し、2人で大声で笑いあう。 傍から見れば、奇妙な光景だっただろう。だが当事者は、これ以上ないくらいに満足していたのだ。 少なくとも、あたしはね。 シャーリー「……あ、そうだ」 私「ん?」 シャーリー「渡したい物があるんだよ」 ――回転をストップし、抱擁をほどいて向き直る。 私「……私に?」 シャーリー「ああ。さっきの服屋で買っておいたんだ。似合うかな、って思ってさ」 私「ふぅん……いい? 開けても」 シャーリー「もちろん」 私「それじゃ……」ガサゴソ シャーリー「…………」 私「……? これは……スカーフ?」 ――淡い緑色のスカーフ。店員さんに訊いてみたら、これを薦められた。 どうも、今の流行りの色らしい。 シャーリー「これだったら、首に巻くだけでいいだろ?」 私「……わざわざ、買ってくれてたの?」 シャーリー「これくらいのお洒落なら、したってバチは当たらないさ。付けてみてくれよ」 私「……うん」 ――ぎこちない手つきで、スカーフを首に巻き始める私。 慣れてないんだろう、ヘンな方向に曲がっちゃってる。 私「……っとと、難しいわね、コレ」 シャーリー「……どれ、貸してみろ」 私「……自分でできるわよ」 シャーリー「できてないじゃん」 私「そ、そりゃ……そうだけど」 シャーリー「いーんだよ。こういう時は、素直に頼って。 それに、あたしは一応……お前の助手なんだからさ……」 私「…………」 シャーリー「……ダメか?」 私「……ああもう! 分かったわよ、分かったから、そんな目で見ないでってば! ……じゃ、お願いしとく」 シャーリー「よーし、任せとけって。……えーっと、これが…こうなってて……」ゴソゴソ 私「……好きなの?」 シャーリー「え?」 私「こういう風に、世話焼くの」 シャーリー「え、ああ……まぁ、けっこう好きかもな」 私「……面倒だとか、思ったりしないの?」 シャーリー「? なんでそう思わなきゃいけないんだ? 自分がやりたいからやってるだけさ。――お前と同じだよ」 私「……そう……」 『……どうして、めいわくだったの? ピノキオが、にんぎょうだったから?』 『迷惑なんかじゃなかったはずよ。おじいさんは、ピノキオのことが大好きだった。この子のためなら、何でもしてあげられると思ってた。 ちっとも、迷惑だなんて思ってなかったわ。……きっとね』 『じゃあ、ピノキオは……どうしてでていっちゃったの?』 『……たぶん、気付けなかったから。おじいさんが、いつも自分の事を気にかけていることに……気付けなかったのよ。 そうして、自分はいらないんだと勘違いして……逃げちゃったのね』 『……きづけたら、よかったのに』 『……本当にね。きっと、優しさって……気付いてあげることなのよ。人のことも、自分のことも……』 私「……ごめん」 シャーリー「え?」 私「あ、い、いや……なんでもない。……あ、もう……沈んじゃうわね」 シャーリー「……ああ」 私「…………」 ――街の向こうに沈んでいく夕陽は、まるで朱色のダイヤモンドのようだった。 一日が終わろうとしている。昨日でもなく、明日でもない……今日という一日が。 シャーリー「……綺麗だな」 私「アンタが言うなら、そうなんでしょうね。きっと」 シャーリー「……なぁ」 私「……ん?」 シャーリー「…あたしな、今日……すごく楽しかった」 私「……ええ」 私「……私も」 ――よかった。 シャーリー「――! そうか……そうか!」 ――“楽しかった”。 この一言。あたしが聞きたかったのは……このたった一言だったんだ。 ――よかった。本当に……よかった。 私「……もう、帰らなきゃね。トイレ掃除があるし。……あーあ。それにどうせしばらくタダ働きでしょ? ……やってらんないわ、全く……」 シャーリー「手伝うよ」 私「え?」 シャーリー「……そのための助手だろ、“教授”?」 私「……フフッ、そうね。……そうだったわ」 シャーリー「……よーし! 基地までマッハで飛ばすぜー!」 私「もう、カミナリ族も大概に……あ」 シャーリー「……ん?」 私「……悪いけど、ちょっと寄ってほしい所があるのよ」 シャーリー「え? ああ、そりゃいいけど……どうしたんだ、急に?」 私「……買いたい物ができたのよ」 シャーリー「……?」 ――3日後、501基地、ハンガー―― 整備兵1「……で、それからどうなったんですか?」カチャカチャ 私「どう、って言われても……このスカーフ貰って、アレ買ってきて……そのまま帰ってきたのよ」ガチャゴソ 整備兵2「ああ、アレですか?」 蓄音機『Daisy~ Daisy~♪ Give me your answer, do~!』 私「……なんか、欲しくなっちゃってね。あ、お父さん、レンチ」 父「はいよ。……しっかし……」 私「何よ?」 父「あの蓄音機とレコードは分かるにしても……まさか、お前があんな花まで買うとはな」 ミーナ「花? 花って…あそこの花瓶の?」 私「あ、中佐。どうも」 ミーナ「こんにちは、私教授。助かったわ。また私教授が働いてくれるようになって。 シャーリーさんに感謝しなきゃね? トイレ掃除、私教授の代わりに引き受けてくれたんですって?」 私「……ええ」 ミーナ「……ふふっ、いい助手をお持ちですね、“教授”? ……まぁ、お仕事の方はきちんとやってもらうわよ? 2週間の無料奉仕」 私「……に、2週間……」ズーン ミーナ「あら? 2ヶ月の方がよかったかしら? ……それで、花って?」 私「……雑貨屋の隣に、花屋がありましてね。シャーリーが『部屋に植物があるとリラックスできるぞ』っていうから」 ミーナ「へぇ……それで、この花を?」 私「ええ、私、花とかはよく分からないから、適当に選んだんですけれど……」 ミーナ「あら、そうなの? てっきり、私教授の趣味かと思ったけど」 私「? どうしてです?」 ミーナ「だって、この花、ヒナギクでしょう?」 私「? そうなんですか? でも、それが……?」 ミーナ「ほら、ヒナギクの別名。確か……」 カツッ、カツッ、カツッ… シャーリー「中佐ー。トイレ掃除、終わったぞー」 ミーナ「あら、シャーリーさん。はーい、ありがとうー!」 シャーリー「今日で3日……これで終わりだよな?」 ミーナ「ええ、お疲れ様」 シャーリー「ふぅ……おっ」 私「…………」 シャーリー「……よぅ」 私「……どーも」 ――あの日から、あたしたち2人の関係は……何か、変わったのだろうか? 私はあいかわらず愚痴を零しながら仕事して、あたしはそれを手伝ってる。 すっかり元通りになった気もするし、前とは何かが違う気もする。 ……でも。 シャーリー「……スカーフ」 私「ん?」 シャーリー「……似合ってるぞ」 私「……ありがとう」 ――とりあえずは、幸せだ。 第9話、おわり つづく!
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2396.html
前回までのあらすじ! ペロペロ大好き変態教授・私の、501でのマーベラスな日々は続いていく……。 私との接し方、そして自分の存在について悩むお父さんだったが、アレッシアさんの言葉になんとなく救われたようだ。 私「……おかえり。……楽しかった?」 父「……ああ。すごくな」 『……こうして、ピノキオはおじいさんの元を離れ、ひとり、旅に出たのです……』 『ねぇ、おかあさん』 『どうしたの、私?』 『どうして、ピノキオはたびにでたの?』 『おじいさんに迷惑を掛けちゃった、そう思ったからよ、きっと』 『……どうして、めいわくだったの? ピノキオが、にんぎょうだったから?』 『…………』 『ねぇ、おかあさん……どうして?』 ――どうして――? ――、たし……私! 私「――!」 ――501基地、私自室・資料室―― シャーリー「どうしたんだよ? ぼーっと突っ立って……」 私「ああ……いや、何でもないわ」 ――5回目の呼びかけで、ようやく私の奴はこちらに気が付いたらしい。 正直言って、本当に驚いた。書類の場所を聞こうと思ったら、虚ろな瞳で茫然と立ちすくんでいたんだから。 シャーリー「……? まったく、しっかりしてくれよー。資料室の整理の手伝い、頼んできたのそっちじゃないか」 私「ええ……ごめん」 ――いつになくしおらしい声で、私が答える。 ……どうしたんだろう。どうもここ最近、様子がおかしい気がする。 さっきみたいにぼーっとしてることだって何度もあった。食事の時にも顔を見せないし…… いや、それはいつものことか。 シャーリー「まぁ、いいや。あ、そうそう。この書類、どっちに収めるんだ?」 私「ああ、それはそっちの棚に」 シャーリー「オッケー」 ――古い封筒にぎっちりと詰められた書類を、指示された棚へと収める。 同じ棚に入っているのは、どれもこれも、薄く黄ばんだ、古めかしい封筒や書類の束ばかりだ。 シャーリー「……ん?」 ――そんな中にあったからか、その本の背表紙は、妙に目立って見えた。 濃い緑色の背表紙の、大判の本。大きさの割に、その厚さは薄い。 シャーリー(……絵本、かな?) ――なんだか無性に気になったので、その本を棚から引っ張り出す。 長い間書類にギチギチに挟まれていたからだろう、抜くのには非常に骨が折れた。 シャーリー(よっ……と) ――やっとの思いで、その本を棚から抜き出し、表紙を見る。 『ピノキオ』……有名な童話だ。職人に作られた子供の人形が、大冒険を経て人間になる話。 確か、何年か前に映画にもなったはずだ。 私「ねぇシャーリー、そっち終わったら……ん?」 シャーリー「あ、私。この絵本――」 私「! それ――!」 ――絵本を見るなり、私は持っていた書類の束を投げ出し、あたしから絵本を奪い取った。 シャーリー「! お、おいおい……」 私「……こんな所に、あったんだ……」 シャーリー「え?」 ――あたしの声などまるで届いていないといった様子で、私は愛おしそうに、古びた絵本の表紙を指で撫でる。 その表情は、懐かしさと寂しさと、そして少しの哀しさを孕んだ……今まで、あたしが一回も見たことの無いものだった。 シャーリー「……それ、お前のなのか?」 私「……昔ね。お母さんがよく読んでくれたの。夜……一日の終わりに」 心なしか、私の声はいつもより随分子供っぽく聞こえた。 シャーリー「……そう、か」 ――私のお母さんの話は、どうも苦手だ。 私の助手になって、もう結構な月日が過ぎた。 だが、考えてみれば……あたしは、私のことをほとんど知らない。 ――"お母さん"、その言葉が話に出るたびに、私は一瞬だけ、いつもと違う顔を覗かせる。 そしてあたしは…その顔を見るたびに、私のことをちっとも理解できていない……そのことを思い知らされ、無性にもどかしくなってしまう。 バサッ! シャーリー「!?」 私「……? あれ、このノート……」 ――1冊の黄ばんだノートが、ピノキオの絵本からこぼれ落ちた。 どうやら、絵本の中に挟まっていたらしい。 シャーリー「なんだろ、何か表紙に書いてあるな……えーと、R、e……」 ――『Research of ……』その後は文字が掠れて読めない。何かの研究を記したノートらしいけど……。 また、タイトルの下には署名らしき物もあった。端麗な筆記体で描かれた、その名前は。 シャーリー「Elen…M……Turing……エレン・M・チューリング……?」 ――エレン。その名前が、何度も頭の中で木霊する。 どこかで、どこかで聞いたはずなんだ……この名前。 私「…………! ……!」パラッ、パラッ ――ふと見ると、私は一心不乱にそのノートをめくっていた。ページをめくるたびに、その顔に驚きが浮かんでいく。 あたしも私の背後に回って、ノートの中身を見てみる事にした。だが……。 シャーリー「……なんだ、これ? 見たことない文字だ……この絵は辛うじて、人だって分かるけど……」 私「……暗号よ。間違いない……文字は全部で26種類。アルファベットを置き換えたんだわ。さらに倒置、暗喩……内容にまで暗号!」 シャーリー「ど、どうした? 私?」 私「間違いない……間違いないわ。これは、これは……!」 ――そう言うや否や、私は資料室の机へと駆け出し、鬼気迫る様子で何かを書き出し始めた。 いや、何かを計算していたのかもしれないし、何かを模写していたのかもしれない。 ……どっちにしろ、あたしには何をやっているかさっぱりだった。 私「前頭前野……エーテルニューロン系……そうか……そうか! これで、これでやっと……!」 シャーリー「お、おい私……」 私「……シャーリー。悪いけど、しばらく私はここに籠るわ。食事もいらない。仕事もしばらく休ませてもらうから」 シャーリー「え……え?」 ――突然のことに、つい間抜けな声が出る。……なんなんだよ。いきなり。訳が分からない……。 私「みんなにもそう伝えといて。心配する事は無いって」 シャーリー「そ、そんな……そんなの急に言われたって……! だいたい、そのノートが何だって言うんだよ!?」 私「……このノートには、私が今まで知りたくてしょうがなかったことが、全部書いてある。……とてつもなく複雑な暗号でね。 この暗号はね、私にしか解けない……いや、私が解かなければならない物なのよ」 シャーリー「……? ど、どういうことなんだ……? そんな事、何で……」 私「何で分かるのかって? ……分かるのよ。なぜなら、この暗号を作った人を、私は知っているから」 シャーリー「え……?」 一体、誰が? 頭の中に浮かんだその疑問を察知したのか、あたしが聞く前に、私はこう答えた。 私「……このノートを書いた人。エレン・チューリング。そう…… ……私の、お母さん」 ――え……? ――数時間後、食堂―― ミーナ「……私教授、まだ部屋から出てこないの?」 シャーリー「ああ……何回かノックしたけど、『心配はいらない』の一点張りで……」 ゲルト「それほどまでに、そのノートは重要な物なんだろうな」 父「……ノート?」 シャーリー「あ、お父さん。聞いてくれよ、私の奴が――」 父「ノート、と言ったな? もしかすると……こう、古くて黄ばんだ、何が書いてあるかさっぱり分からないノートじゃあないか……?」 シャーリー「え? あ、うん。私の奴は、暗号だーって言ってたけど」 父「……そうか。見つけたんだな、ついに」 シャーリー「……? どういうことだよ?」 父「ああ、あのノートは……いや、やはり……これは俺から話すべきじゃない。今はまだ……」 シャーリー「……?」 ミーナ「お父さん、なんとか私さんを説得してあげることはできませんか?」 父「……あいつは頑固ですからね。誰かに言われたぐらいじゃ、そうそう自分の行動を止めませんよ、きっと」 ミーナ「……そう、ですか。……はぁ、どうしたものかしら……」ハァ 宮藤「私さん、なんだかんだ言ってお仕事はすごく頑張ってたよね」 リーネ「うん……考えてみたら、ストライカーの整備とか銃の調整とか、ほとんど私さんだけでやってたよ」 ミーナ「ええ……今までがそうだったから、すっかり私教授の仕事量を基本にしてシフト表作っちゃって……やっぱり、ちょっとこき使いすぎたかしら?」 エーリカ(何かにつけて『今月の給与査定が楽しみですね』って脅してたしなぁ……ミーナ) シャーリー「……なぁ、お父さん」 父「ん?」 シャーリー「その、どんな人だったんだ? 私のお母さんって……エレン、えっと……」 父「エレン・チューリング。……優しい奴だった。ちょっと、変わったところもあったがな……」 ミーナ「! ちょ、ちょっと……お父さん!? い、今、何て……?」 父「え? ええと、ちょっと変わったところがあったと……」 ミーナ「違うわ、その前よ! 私教授のお母様の名前……!」 父「? チューリング。エレン・チューリングだが……それが?」 ミーナ「ま、まさか……あのチューリング博士!?」 シャーリー「? 知ってるのか、中佐?」 ミーナ「知ってるも何も……魔導工学の権威の名前じゃない! 30年代の初頭にかけて、現代の魔導工学の基礎となる理論を次々と確立した……」 リーネ「あ! そう言えば……!」 宮藤「え? リーネちゃんも知ってるの?」 リーネ「うん、ブリタニアの学校で使ってた教科書にも載ってたよ! "現代魔導工学の母"って……!」 ゲルト「そう言えば……そんな名前を新聞で見かけた気もするな。小さかったから、あまり覚えていないが……」 ミーナ「博士の提唱したエーテル式計算機理論だって、今じゃ航空管制システムの基礎になっているわ……私教授のお母様が、あのチューリング博士だなんて……」 エーリカ「す、すごい人だったんだね……私のお母さんって」 シャーリー「あ、ああ……」 ――全然、知らなかった。私のお母さんが、世界的に有名な工学博士だったなんて……。 もし、あたしが毎月科学雑誌を隅から隅まで読むような人間だったら、もっと早く気が付いていたのかもしれないが。 生憎、あたしが今までに読んだ書物らしき書物なんて、バイクのマニュアルと、P-51Dのマニュアルぐらいのものだ。 シャーリー「……あ、でも……お父さん。その……私のお母さん――チューリング博士って、確か……」 父「……ああ。もう……5年は前になる。実験中の事故でな」 シャーリー「事故?」 父「ああ。AIのプログラミングに不備があって、それが原因になって起こった事故だ。……あの事故で、エレンは満身創痍になり、このときの怪我が元で……」 お父さんはそこで言葉を切った。その後に続くであろう言葉は、誰にだって分かる。 シャーリー「……そう、か……」 父「……そして、あの事故で、私も……」 シャーリー「え?」 ――私? その事故が起こった時、私もその場にいたのだろうか? 父「……! あ、いや……何でもないんだ」 ――あたしの怪訝そうな顔を見たからか、お父さんはこう言葉を濁した。 ……どうしたんだろう。もしかすると、知られると不味いことでもあるのだろうか。 だが、追及はしなかった。……いや、できなかった。そんな無神経なことをしていい話題じゃない。 ただでさえ、人の死に関係する話なんだから。 ミーナ「……とりあえず、現時点では様子を見るしかないわ。私さんにとって、非常に重要な一件であるのかもしれないし」 ゲルト「だが……健康に支障をきたすようでは困るぞ。食事もいらないと言っているそうじゃないか」 父「……まあ、その辺については私の奴も考えているだろう。あの資料室、たしか食糧庫もあった気がするし」 シャーリー「食糧庫?」 ――言われてみて、資料室の中の様子を思い返してみる。 ……だが、何度思い出しても、食糧庫があそこにあったなんて覚えは無い。 いつの間に設置したんだろう? エーリカ「まぁ、私のことだし……大丈夫じゃない? どうせ何日かしたらケロッとして出てきて『ペロペロさせてー』なんて飛びかかってくるよ」 宮藤「だと、いいんですけれど……」 シャーリー「……うん」 ――やはり、隊長の言う通り、今は様子を見るしかない。私には、私の目的があるんだろう。 ここ最近、いつも何かに迷ったり、悩んだりしているようだったけど……今回の事で、それが解決するんだったら、それは一番いい事だ。 ……でも。 シャーリー「……心配するな、って言われてもなぁ……」 ――『心配するな』。古来から、そう言われた奴が心配しなかった試しは無い。 わざわざ言ってくるからこそ、余計に心配なんだ。 ――4日後、501基地、ハンガー―― シャーリー「…………」 ――手持ち無沙汰な時には、ストライカーの改造に限る。 レンチとドライバーを握り、ネジや魔導線をマーリンエンジンの上で踊らせているだけで、大抵の心配事は自然に無くなっていく。 だけど、私が今抱えている心配は、ドライバーを回す度、無くなるどころかますます膨れ上がっていくように感じられた。 ルッキーニ「? シャーリー、どしたの? そんなにむすーっとして……」 シャーリー「あ、ルッキーニ……いや、なんでもないんだ」 ルッキーニ「……私のこと?」 シャーリー「…………」 ――ルッキーニの素朴な一言が、きゅっと胸を貫いたような気がした。 あれから、4日。私の奴は、いまだに部屋から出てこない。 整備兵1「どうしたのかなァ、ホント……また何か新しい発明ですかね?」 整備兵2「いや、なんかノートがどうとか聞いたぜ」 整備兵3「でもすっげえなぁ、4日もあの狭い部屋に缶詰なんてよ……俺じゃ絶対真似できねっスよ」 ルッキーニ「あたしもー。ずーっと狭いとこでじっとしてるなんて、息詰まって死んじゃうよ!」 シャーリー「……そう、だよなぁ……」 ――あの埃っぽく、薄暗い資料室に閉じこもりっきり。そんなことが、健康にいいとは到底思えない。 少しでもいいから外の風に当たって、リフレッシュした方が……とは思うが、そんなことを言ったって聞き入れるような奴じゃないか。 シャーリー「……あーあ、どうしたもんかなぁ……」 ルッキーニ「? なにが?」 シャーリー「いや……ルッキーニの言う通り、あのまま閉じこもってたら健康に悪いしさ。ちょっとでも外に連れ出してやりたいな、って。 でもなぁ……普通に行ったって、出るわけがないし……」 整備兵2「……あ、そうだ。大尉が誘ったらいいんじゃありません?」 ――MG42の整備に当たっていた整備兵が、ふと思いついたように呟いた。 ――え? な、何……? シャーリー「……ごめん。何だって?」 整備兵2「いえ、だから……大尉が私教授を誘ったらいいんですよ。『遊びに行きたい! 一緒に行こう!』って。 教授、なんだかんだ言って女の子なら誰でもいいみたいな人ですし……大尉みたいな女性が誘ってくれたら、ほんとノリノリで食い付きますって!」 ――目から鱗、とはこういう事か。まったく、何で今まで思いつかなかったんだろう。 そうだ、無理に私だけを外に出そうとしなくても……そもそもあたしが誘えば良かったんだ! シャーリー「そ、そうか……そうか!」 整備兵2「そうですよ! あの人、機械と女の子しか頭にないし!」 シャーリー「……でも、乗ってくれるかな?」 整備兵2「大丈夫ですって! 自信持って下さい! 俺が教授だったら絶対に乗りますよ、ホントもうノリノリで!」 整備兵1「あ、俺も俺も」 整備兵3「そりゃー大尉みたいな美人のお誘いとあっちゃーねぇ、断れるワケがねーっスよ」 シャーリー「よ、よーし……なんかやれそうな気がしてきたぞ!」 整備兵2「そうそう、その意気ですよ! デートの誘いに大事なのは、それ!」 シャーリー「!?? でっ、ででででで、デートぉ!?」 整備兵1「え? 違うの?」 シャーリー「なっ、な、何言ってるんだよ! デートなんかじゃなくって、これは……その……」 ――デート。逢引き。好き合う2人が出かける事……いや、いやいやいや! あたしはノーマル! まだそっちの世界には行っていない! これは……そう! 友達同士でのお出かけ! そういう事にしておこう! 友達! あたしとあいつは……。 ルッキーニ「あ、シャーリー顔赤いよ。どしたの?」 シャーリー「うぇっ!!??」 ――慌てて頬に手を当ててみる。……言われてみれば、なんだか火照っているような……。 い、いや! 違う! そんなアレじゃない! これはホラ、『赤くなってる』って言われると赤くなっちゃうあの現象だ! よく子供のからかいの手口で出てくる、アレ! シャーリー「~~~ッ! い、行ってくる!!」ダッ! ――返答に窮した末、結局あたしはその場を走り去るしかなかった。 ……そんな、あたしがあいつを……? いや、でも決して嫌いじゃないし…… いやでも、好きって言ってもいろいろ種類が……いや、でも……ああ……。 整備兵2「ありゃりゃ、行っちゃったよ……」 整備兵1「からかいすぎだぜ、ったく……」 整備兵3「でもまー、これで教授も……あ、そう言えば先輩」 整備兵1「ん?」 整備兵3「先輩……今まで、教授がシャーリーさんをペロペロしてるの、見たことあります?」 整備兵1「大尉を? ……あ、そう言えば……無いな。他のウィッチ達でなら、よく見るんだけど」 整備兵2「最早風物詩になってんのが恐ろしいやら、冥福やら……でもまあ、言われてみれば見たことないわ。シャーリー大尉がペロペロされてんの。 他の人たちはほとんど見たのにな」 整備兵3「……やっぱ、好みとかあるんスかね。教授にも」 整備兵1「まぁ、そりゃぁ……あ」 整備兵3「…やっぱり、そう思うっスよね?」 整備兵2「……散々煽っといてアレだけど……もしかして」 整備兵1「ああ」 整備兵3「もしかしなくても……」 整備兵1,2,3「……脈、無し?」 ――廊下・資料室前―― シャーリー「…………」ウロウロ ――人間、やろうとは思っているものの、いざとなると踏ん切りがつかないってことがよくある。今なんて、まさにそれだ。 しかも、迷っている理由が皆目見当がつかないなんてのは、さらに始末が悪い。 逡巡する必要なんて無いはずなのに、ついこうやって意味も無く廊下を往復してしまったりする……何度も何度も。 シャーリー「……よし! そろそろ……いや、うーん……」ウロウロ ――もう何度、この廊下を折り返したことだろう。まるで競歩選手になったような気分だ。 だが、競歩選手の場合はゴールがある分、まだいい。 あたしが今抜け出せなくなっているこのコースは、終わりがまるで見えなかった。 シャーリー「……なんて言おうかな、『遊びに行くぞ!』……いや、これじゃちょっと強引すぎるか」ウロウロ ――ぶつくさと呟きながら歩くうちに、自分が随分騒がしく音を立てて歩を進めていることに気付く。 ――もしかしたら、あたしは無意識のうちに願っていたのかもしれない。 うるささに耐えかねて、私の奴が部屋の外に出てきてくれることを。 『なによもう、うっさいわねー』なんて言いながら……。 シャーリー「…………」ピタッ ――ふと足を止め、資料室の扉に耳を当て、中の物音を聴いてみる。 ――相変わらず、何かを書きつける音と、紙をめくるような音だけしか聞こえない。 どうやら、私の無意識の試みは、何の効果も示していないようだった。 シャーリー「……ああ、もう」 ――結局、普通にノックをして呼ぶしかない。――ようやく踏ん切りがついた。 何の事は無い。普通に1人の友人として接すればいいんだ。そう、軽ーくね。 シャーリー「おーい、私ー? いるんだろー?」コン、コン 私「……食事は間に合ってるって言ったでしょ?」 ――扉の内から、いつもの気だるそうな声が聞こえてくる。 ――よかった。声だけ聞く限りじゃ元気みたいだ。 シャーリー「いや、その事じゃないんだ」 私「……じゃ、何よ? 私、今忙しいんだけど」 シャーリー「あたしな、今日は非番なんだ」 私「ふぅん」 ――まるで興味の無さそうな声。 シャーリー「……あ、えーっと……それでさ。その、もうそろそろ4日になるぞ? たまには外に出てリフレッシュした方が……」 私「いいわよ、別に。私疲れないし」 シャーリー「え、いや、だけど……」 私「……心配するな、って言わなかったっけ? 大丈夫よ、こう見えてもタフだから」 ――何だろう、心の奥底に降り積もっていたものが、ゆっくりと上昇していくような気がする。 シャーリー「……で、でも! そんな事言われたって……!」 私「……ったく……私のことはいい、って言ってんのよ。何だってそんなに、世話焼きたがるのかしらね……」 シャーリー「…………何でだよ」 ――溜まりに溜まっていた物が、口をついてゆっくりと外に出ていく。 シャーリー「……何でだよ! こっちはこんなに心配してるんだぞ! それなのに……!」 私「……じゃあ言うけどね、誰が心配してくれなんて言ったの? ドアに貼り紙でもしてあった? 『協調性の無い自分勝手な奴です、どうぞ心配してやって下さい』なんて。いいえ、全部そっちが勝手にやった事じゃない! あんたが心配してるのは私じゃない、不安になってる自分なのよ! あんたは自分を安心させたいだけ!」 シャーリー「……ッ! こ、この分からず屋!!」 私「じゃあそっちは私の事を全部分かってるっての!? 何一つ知らないくせに……なんでそんなに世話を焼きたがるのよ!? あんたにそうやって優しくされるとね、こっちは……!」 パチンッ!! シャーリー「――!?」 私「……?」 ミーナ「……はいはい、喧嘩はそこまで。ね?」 いつの間にか来ていた中佐の一喝で、部屋の中と廊下がいっぺんに鎮まった。 シャーリー「ち、中佐……」 ミーナ「……まったく、普通に外出に誘えばいいだけなのに……なんで喧嘩になっちゃうのかしら」 私「……へ? 外出?」 シャーリー「! ち、中佐! それは……」 ミーナ「……私教授? シャーリーさんね、教授がずっと部屋に籠ってるから、もし病気にでもなったらどうしようって、すごく心配してたのよ? それに、ここに籠る前も、なんだか元気が無かったみたいだし……。 だから、せめて一緒に外へ遊びに行って、私教授を元気づけてあげられたら、って……」 シャーリー「ちょ! ちょっとちょっと! 中佐ぁ!?」 ――自分が思っている事を他人に代弁される事ほど、恥ずかしい事はこの世に無い。 ――そりゃ、確かに言い出しにくかったけど……。 私「…………」 ミーナ「……それに、心配してるのはシャーリーさんだけじゃないしね」 私「……心配しないでくれ、って言ったじゃ……」 ミーナ「何のことかしら? 私が心配なのはこの基地の事だけよ?」 私「……え?」 シャーリー「……へ?」 ――何を言い出すんだ? 中佐の奴。 ミーナ「……私教授、困るのよねぇ、4日間も仕事をサボられちゃ……もうシフトがガタガタよ? 他の整備兵さんに、眠らなくても疲れないお薬を打って頑張ってもらってはいるけれど……」 シャーリー「……?」 ――おかしいな、あたしの記憶じゃ、整備兵達は別段ジャンキーにはなっていなかったような気がする。 ミーナ「……正直、これかなりの問題行動よ? そもそも、最初の契約内容と違うし。もう減俸だなんてレベルじゃないわ」 私「……それじゃあ、どうなるって言うんです?」 心なしか、私の声が震えている気がする。 ミーナ「……そうね、今月から給与査定が無くなっちゃう、とか?」 私「…………」ガタガタガタガタ 資料室の扉が小刻みに震え始めた。 私「……よ、要求は……?」 ミーナ「今から私が出す命令を、忠実に実行してくれる事。これで、今回の件は3日間のトイレ掃除で不問にしてあげるわ」 ――それ不問になってないんじゃないか、と疑問が湧いたが、哀しい事に、私の奴は心臓の隅から隅まで中佐に握られているらしい。 私「サー! イエッサー! いかなる命令も見敵必殺の覚悟で実行いたします、マイマスター!」 それでいいのか。 ミーナ「……それでは、第501統合戦闘航空団隊長として命令します。私教授!」 私「はっ!」 ミーナ「……外に出て、シャーリーさんと一緒に買い出しに行ってきなさい」 シャーリー「――!!」 驚いて、中佐の方を見る。中佐は振り向き、まるで公爵のように優雅なウィンクをこちらによこした。 私「…………」 ミーナ「……私教授? 返事は?」 シャーリー「…………」 ――やがて、ゆっくりと資料室の扉が開いた。 私「……ったく、中佐の命令じゃしょうがないわね……ホント、しょうがないけど……」 ――4日ぶりに見る白衣は、心なしか皴が増えていた。だが、それ以外にまるで変化は無い。 白めの肌も、やれやれといった感じの顔も、軽くウェーブの掛った金髪も。驚くほど、変わっていなかった。 ミーナ「……はい、この封筒の中にリストが入っているわ。ローマに着いたら開けてくださいね」 私「はーい……」 シャーリー「…………」 ――封筒を受け取って、私は何も言わずに、あたしと目を合わせた。 その瞳はまるでガラス玉のようで、か細く、そしてどこか寂しそうな光を放っていた。 私「…………何してんの、行くわよ」 シャーリー「! あ、ああ……」 ――ったく、相変わらず、調子のいい奴だ。さっきの口喧嘩のことなんて、きっともう忘れているんだろう。 ――飄々とした仕草で、白衣のポケットから黒い飴を取り出し、コロコロと舐めたりなんてしてる。 ……その様子が、なんだか無性に可笑しくて……思わず、笑いがこみ上げた。 私「……? どしたの?」 シャーリー「あ、いや……別に。何でも無いんだ」 私「あ、そう。……そう言えば、ローマまでどうやって行くの? ……もしかして、またあんたのトラック?」 シャーリー「ああ、いや……今回は2人だけだし、基地のスクーターを使うつもりだけど。……でもなぁ、アレあんまりスピード出ないんだよなぁ……」 私「あー、よかった」 シャーリー「……どーいう意味だよ?」 私「そーいう意味よ」 ――まるで意味の無い掛け合い。今まで何十回と繰り広げてきたはずなのに、なぜだがとても安心した。 ――そうだ、頼まれた買い物が終わったら、私に服でも買ってやろうか。今まであいつがお洒落らしいお洒落をしてるのなんて、見たことが……。 ……ん? シャーリー「……なぁ、ところでさ」 私「?」 シャーリー「……もしかして、その格好で行くのか?」 ――ヨレヨレの白衣。首まで隠したタートルネックのセーター。男性用スーツの長ズボンにベルト。 工夫の無い革靴に、所々汚れのついた手袋。――とても、20代の女性の格好だとは思えない。 私「ええ。そのつもりだけど」 シャーリー「い、いや……その、もっとこう……よそ行きっぽい奴とかさ……」 私「だって、これしか持ってないし」 シャーリー「…………」 ――訂正しよう。何よりもまずは、服を買いに行かなければ。 中編に続く!
https://w.atwiki.jp/magichappy/pages/1153.html
▼● Such Sweet Sorrow 依頼者: ダブフー(Dabhuh) / アルザビ辺民街区・剣闘士横丁 依頼内容: 僕の求める「メローの鱗」を 持ってきてほしい。 アトルガン白門 / 剣闘士横丁 Dabhuh ……君は 「メロー」を知っているかい? Dabhuh 僕は彼女に出会ったんだよ。 Dabhuh あの日……。 身包み全部はがされちゃってさ…… まいったのなんのって……フフ……。 Dabhuh ……ああ見えて けっこう力があるんだよな……。 そこがまたいいわけだけど……ね……。 ………………………………………………………………………………………… Dabhuh もちろん、 僕は必死で逃げたさ……。 彼女もまた必死で僕を追いかけてきたよ……。 スリル満点だったね……フフフ……。 Dabhuh ……なんとか逃げ切って ふと僕の腕を見てみたら、 美しい彼女の鱗がべったりついていたよ……。 Dabhuh 惜しくも 僕を逃してしまった、彼女の痕跡……。 ……たまらないね。 Dabhuh だがっ……!! そんな時に、急に雨が降り出したんだ!! Dabhuh 彼女の鱗は僕の腕から流れ落ち、 あっという間にどこかへ……!! Dabhuh ああ、なんてことだ!! Dabhuh なんて…… ………………………………………………………………………………………… Dabhuh フフ……。 Dabhuh ……まぁ、いいさ。 彼女は、あの雨を喜んだに違いないからね。 彼女は、水には目がなくてね……。 Dabhuh ……もし、君が彼女の 「鱗」を手に入れるようなことがあったら、 僕に譲ってくれ……。 Dabhuh ……僕は「メロー」にメロメロさ……。 ……フフ……。 (Dabhuhにメローの鱗をトレード) メローの鱗 柔軟で美しいメローのウロコ。 Dabhuh こっ、これは…… 彼女の……、彼女の「鱗」じゃないか……!? Dabhuh …………だが、 あの時の鱗ほど美しくないな……。 時間が経ちすぎて、少し干からびている……。 Dabhuh いや、いいんだ。 彼女の一部が僕の手にあるだけで……フフ……。 さあ、お礼を受け取ってくれ……。 メロー17号ロケットを手にいれた! メロー17号ロケット Rare Ex 防2 MP+10 耐水+30 レジストチャーム効果アップ Lv65~ All Jobs Dabhuh ……ところで 君もひょっとして、 彼女に身包みはがされたのかい……? 選択肢:身包みはがされましたか? はい Dabhuh ……うっ、嘘だ……。 彼女が、僕以外の奴にそんなこと……。 Dabhuh …………。 Dabhuh ……まぁ、いいさ。 僕がなかなか現れないんで、 きっと退屈していたんだろう……。 Dabhuh ……ああ見えて けっこうせっかちなんだよな……。 そこがまた、かわいいんだけど……ね……。 いいえ Dabhuh ……そうか……。 彼女は気に入った奴にしか、 そんなことしないからね。 Dabhuh だが、落ち込むことはないさ。 きっとまた、いくらでもチャンスはある。 Dabhuh ……やっぱり、 彼女は僕じゃなきゃだめみたいだな。 ……フフ……。 ▲ ■関連項目 アトルガン白門 Copyright (C) 2002-2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/vip_sw/pages/91.html
Wikiのようにこうすりゃいいんだろ?
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1482.html
https://w.atwiki.jp/vip_sw/pages/92.html
Wikiのようにこうすりゃいいんだろ?
https://w.atwiki.jp/vip_sw/pages/90.html
Wikiのようにこうすりゃいいんだろ?
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/911.html
ブランド アパタイト ジャンル ADV 原画 桜 ロマ子 シナリオ 岡下 誠 発売日 ダウンロード版:2024/4/12パッケージ版:2024/4/26 価格 ダウンロード版:1,400円(税別)パッケージ版:2,000円(税別) 選評 【2024】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 1本目 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1706623893/ 530:名無しさん:2024/08/15(木) 17 02 35 ID /cyjWsvU タイトル:妻の面影残る娘に、疼く欲情 ~俺のモノで教えてやる!~ ブランド:アパタイト 定価:2,200円(税込) 発売日:2024/04/26 原画:桜ロマ子 シナリオ:岡下誠 ◎あらすじ 妻が蒸発し、娘の“真理子”と2人暮らしをしている“健吾”。 妻に似てきた娘を見るたびに妻のことを思い出す日々だった。 ある夜、二十二時を過ぎても真理子が帰ってこない。 嫌な胸騒ぎがした健吾は真理子を探しに家を出た。 そして公園で彼女を見つける――。 気を失い、衣服は乱れ、乳房と秘所があらわになった姿で。 秘所からは……赤いものが混じった白く濁った液体が流れ出ていた。 (どうして……こんなことに……許せない……) 強○した者への怒りがこみ上げてくると同時に――股間のものはいきり立っていた。 理性ではわかっている。 おのれがしようとしていることが、卑しく許されないことだと。 だが、健吾は彼女の身体へ覆い被さり……。 ◎問題点 開幕娘がレイプされた後の光景に興奮して娘への調教が始まる今作。 シナリオ通り主人公の娘への調教性癖が目覚めていく様を見てこれこそロープラ抜きゲの醍醐味と感動していた。 ……最後を見るまでは。 + ... 問題なのは『公園へ連れていく』という選択肢で突然主人公が縛られていつもと雰囲気が違う娘に困惑する。 + ... そして、〇ひゅん事案勃発である。 + ... よりによって、最後にわかりずらい2択のノーヒントでこれを躱すのはいくら何でも無理であろう。 まず玉ひゅん事案は事件性のあるシナリオ重視で明確なバットエンドと分かるようにすることで、大抵のエロゲはバットエンドが苦手なユーザーが回避出来るようにメーカーの配慮があるものである。 これに至ってはもはやテロである。 しかも最後の選択肢、物語の全ての最後にこれを選んでしまってはもうプレイ自体に後悔しか残らない。 ロープラ抜きゲにおいてこれはあまりにも悪意があり過ぎる。 ◎まとめ 一番最後に全てを台無しにするシナリオを持ってくるのは良いが、それは少なくともユーザーが察することが出来ることが条件である。 私の趣味嗜好が入っていることもあるかもしれないが、気軽にプレイするには作品に悪意があるように感じてしまった。 なお、問題の選択肢(これで回避は無理) + ... 補足 537:名無しさん:2024/08/15(木) 21 31 20 ID PAPd7J8M これ、なんでタマヒュンされるん? 538:名無しさん:2024/08/15(木) 21 56 03 ID /cyjWsvU 537 理由は一切不明で突然狂って棒カットです 541:名無しさん:2024/08/16(金) 17 20 43 ID v58gj3y. 選評乙 538 えぇ…