約 4,254,623 件
https://w.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/283.html
翠星石「今日も暇ですぅ…蒼星石、何とかしてくださいですぅ!」 蒼星石「アリスゲームやってなきゃ基本僕らニートだからね。」 翠星石「悲しいこと言わないで欲しいですぅ…何か面白いことはないですか?」 蒼星石「うーん…じゃあお医者さんごっこでもするかい?」 翠星石「ぅ…ぇ?」カーッ/// 蒼星石「(ちょっ…本気にしてる…かわいい///)」 翠星石「そ、蒼星石?どうしたです?」 蒼星石「翠星石が悪いんだからね…そんなリアクションするから…」がばふ 翠星石「え…きゃ!?」 蒼星石「前から翠星石の服を僕の鋏で切り刻んでやりたかったんだ…」 翠星石「えっ!蒼星石、それちょっとヤバイ人ですぅ」 蒼星石「問答無用!」 翠星石「き、きゃあああ!!」 その時廊下を駆ける足音と共に勢いよく部屋の扉が開かれた! ズバァン! 真紅「ちょっと待つのだわ!蒼星石!」 蒼星石「なっ!どうして君がここに…」 真紅「話は全て聞かせてもらったのだわ!蒼星石、あなた全然なってないのだわ!」 蒼星石「ど、どういうこと!?」 真紅「せっかくのふりふりドレスなのに全部切り刻むのなんてもっての他なのだわ! 玄人は生地を残しつつ幼女を嗜むものよ!」 蒼星石「うるさい!余計な口出しをするな! (でもこの妙な説得力に心惹かれるのも事実…)」 真紅「ふふふ、あなたの動揺が見て取れるようなのだわ、蒼星石!」 蒼星石「く、くそぅ…」 翠星石「もう私おいてけぼりですぅ…」 その時風を切る音と共に勢いよく窓が割れる音が! バリィン! 蒼星石「何もn…」 真紅「何者なのだわ!?」 蒼星石「ちょ、それ僕のせりf・・・」 水銀燈「ほほほほほ!出歯亀するしか能のない哀れな真紅を笑いにきたのよぉ!」 蒼星石「僕を仲間はずれにするなー!」 真紅「いいわ、水銀燈、ここで決着をつけるのだわ!」 蒼星石「っ…」ぷるぷる 翠星石「あ…蒼星石の顔が真っ赤ですぅ。蒼い子なのに。」 真紅 水銀燈「ギャーギャーワーワードタドタくんくんビシッバシッバタバタ」 蒼星石「…」 翠星石「あっ!蒼星石が無表情ですぅ!石みたいですぅ! これは正に蒼星石石ですぅ!」 蒼星石「もういいや。続けようか?翠星石。」ニコッ 翠星石「ひゃっ、ひゃい!(こ…怖いですぅ…)」 そして濡れ場へw 蒼星石は翠星石に笑いかけると、一気に舌を口に押し入れた。 翠星石はなす術もなく身を任せている。目の端にはうっすらと涙が浮かんでいる。 蒼星石「ん、んぅ…ぷはっ!翠星石、かわいいよ」 翠星石「そ、そんな…恥ずかしいですぅ…」 蒼星石「うふふ、恥ずかしいの?」 蒼星石は翠星石の頬に軽くキスをする。 そのまま首筋へと舌を這わせ、鎖骨をピチャピチャと音を立てて愛撫してく。 そして胸をはだけさせると、意外と大きい膨らみを弄っていく。 蒼星石「意外と着やせするんだね…」 翠星石「そんな…///二人もいるのに…」 蒼星石「大丈夫だよ。あの二人なら――」 真紅「これは意外と…もしかするかもしれないのだわ」チラチラ 水銀燈「な、なぁによぉ!あたしは負けないわよぅ!」 真紅「やれやれ…怪しいものなのだわ」 水銀燈「んなっ!ほんとにほんとよぅ!」 真紅「ならば確かめさせてもらうだけなのだわ」ふにふに 水銀燈「えっ…ちょっとそんな…んっ!いきなりすぎるわよぅ///」 真紅「ほらほらそのだらしない胸を晒すがいいのだわ」 水銀燈「ふぁっ…そんな、そんな…だめよぅ///」 真紅「そんなこと言っても体は正直なのだわ。下までこんなにはしたなく濡らして… お二人に見てもらうがいいのだわ。」 水銀燈「だっだめぇ!こんなのはずかしすぎるわぁ…///」 真紅「そんなこと言ってほんとは感じているんでしょう。 まったくはしたない雌豚なのだわ!この変態!変態!変態!」 水銀燈「ご、ごめんなさい!わたしははしたない雌豚ですぅ! こんな姿を晒して、もうお父様に顔向けできませんっうっ! あっ、もうだめぇ、いっちゃう、いっちゃううぅぅぅ!」 水銀燈が盛大に吹き出した潮が蒼星石と翠星石に降りかかる。 蒼星石「なんだこれ…」 翠星石「何だか粘っこいですぅ…それに…すごい臭い…ですぅ」 蒼星石「なんか…身体が熱い…」 翠星石「私も…って蒼星石!?それ…」 雛苺「おちんちんなのー!」 蒼星石「えっ…うえええぇぇぇぇ!?」 翠星石「す、すごいですぅ…すごく熱くて…大きい…もう…もう、辛抱たまらんですぅぅぅ!!!」がばふ! 蒼星石「ふぇっ、す、翠星石?」 翠星石がそのふっくらとした唇で蒼星石のペニスに口づけをする。 尿道口から段々と根元に向かって、何度も何度も。 蒼星石「翠星石っ、や、やめてよ!汚いよ!」 翠星石「うふふ、そんなことないですぅ。 それに蒼星石はいつもいじめる側なんですから、たまにはいじめられる側の気持ちも味わうべきですぅ!」 そして今度は舌を出すと、チロチロと、時にはねぶるようにして、先端に向かって攻め立てていく。 蒼星石はもう諦めたのか、頬を紅潮させ、荒い息づかいで翠星石の舌の動きに見入っている。 翠星石はそれを見て勝ち誇ったように笑むと、一気に根元までをくわえ込んだ。 口の中ではまるで血が煮えたぎっているように海綿体がうごめく。 翠星石は今まで味わったことの無い快感に脳を溶かされながら一心不乱に首をうごかした。 しばらくすると蒼星石のそれは引き付けを起こしたかのように痙攣し始めた。 蒼星石「そんな、もうだめ、で、出ちゃううっ」 翠星石「むっ、そうはさせないですぅ!」 翠星石は口から蒼星石のものを引き抜くと、根元を両手できつく締め付けた。 尿道を狭められ、蒼星石のペニスはただビクビクと震えるしかできない。 蒼星石の目には大粒の涙が溜められていた。 蒼星石「もうやめてよぉ、頭おかしくなりそうだよぉ…」 翠星石「ふふふ、こっちも満足させてもらわないと、ですぅ。」 そう言うと翠星石は長いスカートをたくし上げ、下着を下ろすと、濡れそぼった秘部を露わにした。 翠星石が蒼星石の胸に片手を付き、ゆっくりと腰を下ろしていく。 そしてもの同士が触れ合ったとき、二人に衝撃が走った。 お互い初めての感覚を味わいながら、ゆっくりと蒼星石のものが翠星石に飲み込まれていく。 蒼星石「んっ…すごい…あったかくて絡み付いてくる…全部吸い出されてしまいそうだ…」 翠星石「あっ、はぁっ…蒼星石に貫かれてるですぅ…内側から全部支配されてくみたい、ですぅ…」 翠星石が体勢を維持できなくなり、蒼星石に倒れこむ。 蒼星石の耳元に向かって囁かれるように吹きかけられた吐息が、熱とある種の震えを伴って脊髄を下っていく。 蒼星石「すっ、翠星石、翠星石いい!」 翠星石「ふっ、ひゃっ!?」 翠星石は突然激しくなった蒼星石の腰の動きに順応できず、あっという間に主導権を握られる。 自分が蒼星石に覆いかぶさる形でいたため、リードし続けられるはずだと驕る心理も影響していたのかもしれない。 蒼星石「翠星石っ!翠星石っ!好きだよ、大好きだよっ!」 翠星石「わ、私もですぅ!蒼星石が大好きですぅ!幸せですぅ!」 二人の動きはさらに激しさを増し、そして今頂点を迎えようとしていた。 蒼星石「も、もう射精るっ!」 翠星石「わ、私もイクですぅっ!」 蒼星石から放たれた白濁液が勢いよく翠星石へと流れ込んで行く。 その衝撃は蒼成績の思考回路を焼ききるのに十分な破壊力を持っていた。 翠星石は流し込まれた精と共に下腹部に広がる熱と快感で意識を朦朧とさせ、 焦点の定まらない視線を彷徨わせている。 最早自分の状況すら認識できていないようだった。 一方、蒼星石にはそんな状態の翠星石を気にかけるだけの余裕が無かった。 自分が生み出されて以来、初めて味わう衝撃によって、ある一つの思考以外は完全に停止していた。 蒼星石「すごい…こんな快楽がこの世に存在したなんて…もっと…出したい…」 翠星石の膣内に埋もれたままの肉棒を、一心不乱に動かす。 蒼星石「はぁっ、はぁっ、…翠星石、これじゃ駄目だよ。 もっと締めてくれないと…射精せないじゃないか…翠星石?」 翠星石の耳にはその声は届いていない。 相変わらず虚空を見つめたままの翠星石の全身は弛緩しており、 口の端から流れ出た唾液が煌いていた。 蒼星石「駄目だなぁ翠星石は。これなら自分でした方が早いよ。」 不機嫌そうな声を漏らした蒼星石はいまだ熱くたぎるそれを翠星石から荒々しく引き抜くと、 自らの手で扱き始めた。 蒼星石「んっ、あっ、はぁっ…!全くこんなに気持ちいいことを知らないなんて… 人類の半分は相当損してるな…ふぅっ、いいよっ!」 腰から背骨を通って走る軽い電撃によって体を仰け反らせると、 そこには興味深々といったふうな様子できらきらと瞳を輝かせた雛苺がいた。 雛苺「蒼星石、何してるなのー?」 蒼星石「……………雛苺、ちょっとおいで」 何も知らない雛苺。かわいそうな雛苺。でもいいよね?だってきっと… とっても気持ちいいに違いないもの。 蒼星石「……………雛苺、ちょっとおいで」 雛苺「はいなのー!」 雛苺がにこにこしながらてってって、と蒼星石に駆け寄ってくる。 雛苺「さっきからおちんちんで何してるなの?」 蒼星石「そんな言葉を知ってるのかい?雛苺。」 雛苺「当たり前なの!ヒナは物知りなの!」 蒼星石「そう…悪い子だね、雛苺は。」 蒼星石は微笑むと、雛苺を優しく撫でる。 雛苺「…?えへへー」 蒼星石は軽く頷いて見せると、雛苺を抱き寄せた。 雛苺「…蒼星石?」 蒼星石「大丈夫だよ……多分。」 発せられた言葉を雛苺が解する前に、既に蒼星石は雛苺の下着を下ろしていた。 雛苺は怯えるというよりは驚いた表情を見せていた。 雛苺「蒼星石?何してるなの?」 蒼星石「大丈夫だよ。うん、大丈夫。」 ほんとにちっちゃいな、翠星石のとも全然違う、ほんとに大丈夫かな、 うん大丈夫、さっきの翠星石の愛液と僕の精液と、うん、さっき自分でしたから先走りも出てる、 だから濡らさなくて大丈夫、ほんとに大丈夫かな、うんいいんだよ、気持ちいいからいいんだよ 普段の蒼星石ならば雛苺の顔が段々と恐怖に歪んでいく様を楽しむ程度の余裕はあったかもしれないが、 (日頃蒼星石がそのような性癖を持っているかどうかは別にして、だが) 今の蒼星石は射精することだけが思考の全てを占めていて、 全ての脳細胞が雛苺のそれを犯せと要求しているのであった。 結局、雛苺が全てを理解したのは己の体を貫かれてからであった。 いや、雛苺がその行為自体の意味を解していたとは考え難いという点では、 やはり雛苺は最後まで何も知らなかったのだと言うべきかも知れない。 雛苺「っ!?ひっ!?っっっあっ!?」 蒼星石「ふぅっ、ふぅっ、すごいよ…やっぱり思った通りだ。素晴らしい穴を持っているね、雛苺。」 雛苺「っくっうっ!?っふっっんぅっ!?」 雛苺の瞳から光が消え、顔色が青ざめていく。 対照的にきつく噛み締められた唇には赤く血が滲んでいた。 蒼星石はそんなことはお構いなしといった風で、 まるで道具を扱うかのように一心不乱に雛苺に腰を打ち付けていた。 また雛苺も自分の身に起こっていることを理解することができずパニック状態に陥り、 蒼星石のされるがままになっていた。 そのような光景が何分か続いた。 しばらくして蒼星石の全身が強張ると同時に、雛苺の中に蒼星石の欲望が注ぎ込まれた。 蒼星石「っくぅっ…はぁっ!はぁっはぁっ…良かったよ…雛苺。」 そう言って蒼星石は雛苺の頭を撫でたが、雛苺は先ほどのように笑いかけてはくれなかった。 目は蒼星石のほうを向いていたが、それはどこか空ろであった。 性の知識に乏しい雛苺は、蒼星石の事を単純に暴力を加えてくる、 畏怖すべき対象として見たのかもしれない。 どちらにせよその光の灯らない瞳の奥底に恐怖という感情が広がっているのは間違いなかった。 蒼星石はその雛苺の無機質な表情を見て満足したのか、 先程とは異なる、知性を秘めた、ある意味邪悪な笑みを見せた。 自分の行為による結果が目に分かりやすく見える形で出てきたため、 蒼星石には既に自分の中でそれを吟味、反芻できるだけの余裕、思考力が回復してきていた。 真紅「随分とひどい事をするのだわ。蒼星石。」 椅子に腰掛けた真紅が蒼星石に語りかける。 蒼星石「ずっと見ていたのかい?真紅。 でもそれは彼女達を見殺しにしていた君が言えたことなのかな?」 真紅「彼女たちは愛すべき姉妹であると同時に忌むべき敵でもあるのだわ。」 蒼星石「…そしてそれは君と僕についても同じことだ。 こんなお喋りに興じていていいのかな?」 真紅「それでも私たちは姉妹なのだわ。 せっかのく姉妹がただ壊れ行くのを見守るのも味気ないもの… そう、蒼星石、あなたは壊れてしまっているのだわ。 でもね、そこらのジャンクよりよっぽどタチが悪い。 私が正しい方向に壊してさしあげるのだわ。水銀燈のように。」 真紅が椅子から降りると同時に、蒼星石が真紅を組み伏せた。 しかし真紅に動揺の色は無い。 真紅「やはり低脳は一度色気付くとセックスすることしか考えられないのね… 呆れを通り越して同情するのだわ。」 蒼星石「そんな風に偉そうにべらべらとさぁ… 今から君は僕に犯されるんだよ!」 蒼星石は真紅のドレスを荒々しく切り裂くと、未だ膨らんでもいないその胸を貪った。 鎖骨に軽くキスをすると、段々と胸の頂に向かって舌を滑らせていく。 そのまま乳輪の周りを攻めて焦らし、そして唐突に乳首に吸い付く。 そのまま口の中で小さな突起を転がす。 しかし真紅は落ち着いた表情のままである。 真紅「下手糞。どうせ子種を撒き散らすことしか考えられないのなら もっと上手くやってみせるがいいのだわ。」 蒼星石「言われなくたって! 泣いて許しを請うまで虐め抜いてやるよ!」 蒼星石は荒々しく真紅の下着に手を差し込むと、入り口周辺を執拗に嬲った。 一方で真紅の耳を舌で嬲り、甘噛みをしてその感触を楽しむ。 真紅は耳に侵入してくる熱い吐息を感じると、 高揚かあるいは嫌悪感か、表情を若干歪ませた。 蒼星石はそれを見て満足すると、陰核を攻めていく。 真紅は途端に表情を強張らせると、足をきつく閉じようとする。 蒼星石「どうしたんだい?さっきまでの威勢は。 ここが気持ちいいの?」 真紅「そんなっ!違うのだわ!ただ慣れてな…から…」 蒼星石には意味がよく分からなかったが、 先程効果があったと見られる部分とあわせて攻めていくことにした。 そして両者ともに大分息が上がってきた頃には、 真紅が蒼星石を受け入れる準備はすっかり整っていた。 蒼星石「もういいみたいだね?真紅。」 真紅「仕方が無いのだわ。本番で発情犬との違いを見せ付けてやるのだわ。」 蒼星石「…こんな状態でも口は減らないね。じゃあ、行くよ。」 真紅「…」 真紅の中に蒼星石が飲み込まれていく…その途中で何かにつかえた。 蒼星石「…え?」 真紅は処女だった。その事に蒼星石は驚きを隠せなかった。 勿論処女を奪うことに抵抗があるわけではない。 翠星石も雛苺も、処女だったからだ。 蒼星石「あれだけのことを言っておいて…処女だったの?」 真紅「性感については、水銀燈の痴態を通じて知識を得ているのだわ。 つべこべ言わずにさっさと始めなさい。」 蒼星石は言うとおりにするしかなかった。 というより、元よりそのつもりだったのだから今更どうという訳でもない。 蒼星石「手加減はしないからね…」 一気に奥まで押し込んだ。いくら下準備をしていたとはいえ、真紅の全身を激痛が駆け巡る。 真紅「っっっっくっ!」 蒼星石はこれで真紅が壊れてしまったのではないか、それだと詰まらないなぁなどと考えていたが、 真紅の瞳には未だ強い意志の光が満ちているのだった。 それを見た蒼星石はそれでなくちゃ、とつぶやくと、一気に腰を動かし始めた。 蒼星石は考えていた。 真紅をどのように堕とせばいいのか。 真紅は必死に苦痛に耐えているようである。 蒼星石にそうした弱みを見せまいと努めてはいるようだが、目が若干潤んでいた。 翠星石はこうした苦痛を感じることなく蒼星石を受け入れることができたようだし、 雛苺に関しては射精への衝動のみで体が動いていて、相手の体を慮る余裕など皆無だった。 勿論苦痛によって真紅を壊してしまうこともできるのだが、何だか気が進まないのであった。 それは真紅の言葉に対して完膚無きまでに勝利してやりたいという欲求のせいかもしれないし、 あるいは気丈な真紅の態度に多少なり傷つけられたプライドのせいかもしれなかった。 しかしそれらを認めることすら蒼星石にはなんだか癪で、 「どうやら骨が折れそうだ」という一言でごまかそうとしていた。 何にしても。 とりあえずは真紅に合わせていくしかないようである。 このような逡巡を真紅には悟られたくない。 蒼星石は口元に軽く笑みを浮かべたまま、わざと勢いよく一息ついた。 真紅は荒い息を吐きながら、身体を走る痛みに耐えていた。 とはいっても先程から蒼星石がピストンしながらも真紅の弱点を的確に突いてくるので、 意識的には痛みの割合は大分軽減されていた。 蒼星石「そろそろ良くなってきたんじゃない?あんまり痛くないでしょ。」 真紅「そんなのどうでもいいのだわ。犬は犬らしく射精することだけ考えていればいいのだわ。」 前戯をあそこまで長引かせてしまったのは失敗だったかも知れない。 蒼星石は明らかに真紅のツボを的確に押さえて刺激してくるのだった。 でも…悪い兆候じゃない。 こちらに気を配るようになったということはそれだけ心に付け入る隙を作るということ。 蒼星石「強がっちゃって。膣内も大分ヒクヒクしてきたよ?」 真紅「そう思うのならばもっとよくしてみるがいいのだわ。私の理性が飛ぶぐらいに。」 蒼星石「望むところだよ。真紅。」 真紅の反応を見つつ、蒼星石は更に少しずつ腰の動きを早めていった。 蒼星石「どう?真紅。気持ちいい?」 真紅「聞く前に腰を動かしなさい。犬が頭を使う必要はないのだわ。」 しかし実際、真紅は段々と快楽と蒼星石の体に身を預けていた。 もちろんここで飲み込まれては元も子もない。しかし同調しなければ、蒼星石の心に近づくこともできない。 真紅はゆっくりと手を伸ばし蒼星石の頬に触れると、そのまま首に腕を回して抱きしめた。 蒼星石は驚き、頬を赤く染めたが、何も言わなかった。 二人の息はどんどん荒くなり、絶頂へと近づいていくことを示していた。 二人がほとんど最高点に達しかけていたとき、真紅が不意に蒼星石に話しかけた。 真紅「ねぇ蒼星石、もう気付いているのでしょう?」 蒼星石「…何がだい?」 真紅「今更虚勢を張る必要は無いのだわ。あなたの私に対する行為が全てを物語っているもの。」 蒼星石「だからなんだって…」 真紅「あなたと翠星石との絆はその程度の物だったの?」 蒼星石「!!」 真紅「あなたにだって『愛』はあるのでしょう…?」 蒼星石がひるんで硬直するのと、真紅が優しく口付けしたのは同時だった。 そしてそのまま二人は果てた。 真紅は寝ている。肉体的にも精神的にも限界に達していたようだ。 蒼星石は苛立っていた。 それは自分の心を見透かしていた真紅に対してか、或いは… ふと部屋の隅に目をやると、水銀燈がいた。 様子が変である。 水銀燈「真紅っ!真紅ぅ!んふぅっ、ふっ、はぁっ!」 水銀燈の右手が股間に伸びていた。 蒼星石はどうにも押さえられない負の感情の遣り場を見つけた。 蒼星石「水銀燈?そこで何をしてるの?」 水銀燈「ふぁっ!?なっ…何でもないわよぅ!」 蒼星石「嘘吐き。オナニーしてたんだろう?真紅が僕に犯されるのを見て。」 水銀燈「なっ…そんなっ、そんなっ!」 蒼星石「ご主人様の危機を目の当たりにして自慰に耽る犬、ねぇ。 そんなんじゃ使い物にならないよな。僕が調教しなおしてあげるよ。」 蒼星石が部屋に詰まれた荷物を漁る。 蒼星石「あ。あった。」 水銀燈「なっ…何よぅ…」 蒼星石「縄。」 蒼星石は見つけ出した縄を使って水銀燈を縛り上げていく。 勿論水銀灯も抵抗はしたのだが、自慰に耽っていて足腰が立たなかったことと、 若干の蒼星石の仕置きに対する期待のせいで大した効力を発揮せず、 蒼星石はあまり苦労すること無く水銀燈を緊縛することに成功した。 それは締め付けて苦痛を与えるというよりは、体の動きを完全に封鎖して自由を奪うための縛り方であった。 水銀燈「い、今から私に何するのよぅ!」 期待が水銀燈の頬を若干紅潮させていく。 蒼星石「何もしない。」 水銀燈「えっ…?」 蒼星石「何もしない、と言ったんだ。 君にはもう指一本触れない。触れてあげない。」 水銀燈「えっ?…えっ?」 水銀燈は期待を裏切られ、呆然としている。 蒼星石「さーて、じゃあオナニーでもしようかな!」 そう言うと蒼星石はおもむろにペニスをさらけ出し、ゆっくりと扱き始めた。 水銀燈は先程までの自慰の余韻も手伝って、それに過剰なまでに反応する。 水銀燈「そっそれっ!それちょうだい!さっきまだ途中だったのよぅ!」 蒼星石「駄目。絶対に触らせない。」 水銀燈「そっそんな…ずっとそんなの見せられてたら頭おかしくなっちゃうじゃないのよぅ…」 蒼星石「いいんじゃない?なっちゃえば。」 水銀燈「おっお願いっ!何でもしますぅ!それが欲しいのぅ!堪らないのぅ!」 蒼星石は涙を流して懇願する水銀燈を見て大分機嫌を直したようである。 蒼星石「じゃあ僕がイクまでに水銀燈がイッたら許してあげるよ。」 水銀燈「…えっ?そんな…手も足も…羽だって使えないのに…」 蒼星石「じゃあ駄目だ。」 水銀燈「そ、そんな!頑張りますぅ!頑張りますからぁ!」 蒼星石「そう?じゃあ頑張って。」 そう言うと蒼星石は自身を再度扱き始めた。 蒼星石がいやらしく水銀燈の鼻先にペニスを突きつける。 すると水銀燈は必死になってそれを舐めようと舌を突き出す。 でもそれは届かない。鼻腔に届くツーンとするような匂いが余計に水銀燈の脳を麻痺させていく。 水銀燈「らめぇ…届かない…届かないのよぅ…」 蒼星石「匂いから想像してごらんよ。温度、硬さ、味、精液の量… 君ぐらいのどうしようもない変態ならそれぐらいお安い御用だろ?」 水銀燈「でも…でもぉ…」 蒼星石「まあ君ができなければずっとこのままだよ。ただそれだけのことさ。僕には関係無い。」 水銀燈「やっ!やりますぅっ!頑張りますぅ!」 水銀燈は涙で赤くなった目を見開いて言った。 しばらくそんなやりとりが続き、蒼星石の絶頂が近づいてきた。 蒼星石「あっ…水銀燈っ…僕イクよっ…もうイッちゃうよ!」 水銀燈「ふぇっ…あっ!そんなっ…すごいわぁ…あんなに大きく膨らんで…はちきれそう…」 蒼星石「射精すよっ!水銀燈の顔とだらしない胸に全部かけるよっ!」 水銀燈「はぁっ…そっ…そんなことしたらもうあたし…」 水銀燈の言葉は途中で遮られた。 ものすごい量の精液が水銀燈を襲ったからだ。 水銀燈はできる限り舌を前に突き出し、精液を舐め取ろうとしている。 胸にかかった白濁も谷間の間を伝って流れ落ちていった。 蒼星石は全てを出し終えると、大きく息をついた。 蒼星石「ふぅ…さて…おや?」 水銀燈の股関節あたりがぐっしょり濡れている。失禁していた。 水銀燈はそのまま仰向けに倒れこみ、微かに痙攣している。 蒼星石「…流石にこれは驚いたね…おめでとう、雌豚。」 蒼星石は水銀燈を蹴り飛ばしてうつ伏せにさせると、拘束していた縄を解いた。 といってもまだ水銀燈は動ける状態ではない。 蒼星石は大きなため息を一つつくと、「ばかみたい」と呟いた。 翠星石はゆっくりと目を覚ました。目の前には、見知った顔があった。 蒼星石「おはよう、翠星石。」 翠星石「おはようですぅ、蒼星石。」 どうやら蒼星石に膝枕されていたようだ。慌てて飛び起きる。 蒼星石「うわっ、翠星石?どうしたのさ?」 翠星石「だ、だって、恥ずかしいですぅ…それに真紅達に見つかったら何て言われるか…ですぅ。」 蒼星石は微笑むと、翠星石の肩を抱き寄せた。 蒼星石「いいじゃないか。そんなの気にしなくたって。僕らは僕らだよ。」 翠星石「そりゃーまぁそうですけどー…そういや蒼星石、ちんこはどうしたですか!?」 蒼星石「ち、ちんこって…なんか無くなっちゃった。出すもの出したからかな? それとも、付いてない僕は嫌い?」 少し憂いを秘めた表情の蒼星石に向かって翠星石は満面の笑みを浮かべる。 翠星石「あんなキノコあったって無くたって蒼星石は蒼星石ですぅ!」 蒼星石「そう…良かった。…愛してるよ。翠星石。」 翠星石はそれには答えず、ただ蒼星石にキスをした。 蒼星石「…っ!///」 翠星石「ほら!たまに見せるそんな顔もかわいー!ですぅ!」 蒼星石「全くもう翠星石は…適わないな。」 そして二人は笑いあうのだった。 翠星石「で、それより、ですぅ。」 蒼星石「な、なんだい?翠星石?」 翠星石「この粘っこい部屋はどうするつもりですぅ?」 蒼星石「それはその…えと…ほんとに、ごめんなさい。」 部屋中が粘着質な匂いと液体に覆われているのだった。 まああれだけのことをしでかせば当然である。 翠星石「大体これなんですぅ?まさか蒼星石…」 蒼星石「ちっ!違うよっ!こ、これはね…あの…その…そう!JUMがやったんだよ!また通販で!」 翠星石「あの変態糞ニート!ついに真紅達にも手出しやがったですか!その上雛苺まで! 首を洗って待っていやがれですぅ!」ダダダダダ 翠星石が走り去っていく。そしてしばらくしてこの世のものとは思えない悲鳴が… ごめんね、JUM。 (了)
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7860.html
ハードメーカー非公認ソフト一覧 本記事はハードメーカー非公認ソフトの紹介をする。 ハードメーカー非公認ソフトとは特定のゲームハードで動く、ハードメーカー未認可で出されたソフトのことである。 当Wikiの趣旨に沿って、ゲーム要素があるものだけを紹介してください。 『ドラちゃん』『Puckman Pockimon』のような「版権元非公認のアーケードゲーム」については本記事で取り扱いません。 文章量について なるべく簡単な概要の紹介をするように心がけてください。 文章量も多くなり過ぎないように、一作品につき見出し6つ以内を目安に解説してください。 発売日順、同日の場合は五十音順に記載してください。 ファミリーコンピュータ スーパーファミコン プレイステーション メガドライブ PCエンジン ドリームキャスト ネオジオ ゲームボーイ ゲームボーイカラー ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS ファミリーコンピュータ スーパーマルオ/SUPER MARUO(昭和通商)1986年発売 18歳未満禁止ソフト相応 昭和通商という大阪の企業が発売したアダルトゲーム。 タイトルは明らかに『スーパーマリオ』のもじりである。 マルオを操作して犬を回避しながら女性の服を脱がしていき、色々とエッチなことをしていくという内容である。 非公認ファミコンソフトの中でも屈指のプレミアソフトである。 エミちゃんの燃えろ野球拳!(ハッカーインターナショナル) 1987年発売 18歳未満禁止ソフト相応 ファミコンの非公認ソフトを代表するメーカー「ハッカー」の記念すべきファミコン参入第1弾。 内容はスロットでジャンケンをしてエミちゃんを脱がしていくタイトル通りの野球拳。最初は目押しでも勝てるのだが後半はほとんど運ゲー。 ゲーム中では野球拳なのだがパッケージでは野球挙と誤植されている。 リップスティックシリーズ(ハッカーインターナショナル) 1987年に「JUST」から独立し、現在まで続くエロゲメーカー「F C」の元となる会社「フェアリーテール」がPC向けに販売していたCG集の移植。オリジナルはゲーム要素がなかったが移植にあたって絵合わせパズルになった。 『ロリータ編』『女子学生編』『OL編』『看護師編』『スチュワーデス編』の五作品が発売。 オリジナル版はその後、シナリオを読ませるゲームというジャンルを生み出し業界に大きな影響を与えたエルフ創業者の蛭田昌人のデビュー作『LIPSTICK. ADV』に繋がることになる。 Little Red Hood(Sachen)1989年発売 グリム童話である赤ずきんちゃんを元にしたアクションゲームだが…、原作となにも掠りすらしない理不尽な内容となっている。 ランダムに現れるフルーツを既定分集めると、鍵が出てくることがある地下マップに進める階段がランダムに現れる。 この仕様のせいでノーヒントでの突破はまず不可能であり、仕様を理解していたとしてもランダム要素のせいでクリアは困難。 終盤のステージではさらに顕著になり、道具屋で特殊な条件を踏まないと鍵が出てこないようになっている。 そもそもフルーツを集める要素自体が赤ずきんちゃんである必要はなく、原作無視と言っても良い程の出来となっている。 天使達の放課後(ハッカーインターナショナル) 1989年発売 18歳未満禁止ソフト相応 「フェアリーテール」の処女作『ふぇありぃてぃる』を、ディスクシステムに移植した作品。ディスク2枚組の容量でオリジナルに忠実な移植を実現している。 タイトルはJUSTの代表作でADV型エロゲの祖の『天使たちの午後』から。 プレイヤーであるロリコンのおじさんがゆみこちゃん(12歳)に様々なイタズラを仕掛けるスラップスティックなADV。 フルーツ・麻雀シリーズ(ハッカーインターナショナル) 1989年発売 18歳未満禁止ソフト相応 ディスクシステムで発売されたドンジャラのようなルールの脱衣麻雀。vol.4までの4作品が発売された。 各巻ディスク2枚組の大容量で女の子達のCGはなかなか凝っている。 牌の絵が桃太郎や浦島太郎など昔話をモチーフにしたものになっていて姫と亀で「快楽的行為」、姫と爺と猿で「禁断の行為」といった独自の変な役が出来上がるのがユニーク。 vol.2以降に収録されているのは対戦相手の女の子のデータのみで、起動にはvol.1のディスク1が必要という他のディスクシステムソフトにはない仕様が存在。その為、実機はもちろんエミュレータの起動も複雑で現在ではかなりプレイヤー泣かせのソフトになっている。 美少女エイリアンバトル(ハッカーインターナショナル)1989年3月6日 18歳未満禁止ソフト相応 映画『エイリアン』のようなおどろおどろしいOPだがゲームはただのポーカー。一定の点を稼ぐ毎に少女の脱衣CGが表示される。 パッケージに描けれている少女がどう見ても昭和の伝説のアダルトアニメ『くりいむレモンシリーズ』の『いけないマコちゃん』のキャラである。 パピヨンギャルズ(ハッカーインターナショナル) 1989年10月発売 18歳未満禁止ソフト相応 縦スクロールのパワーアップシューティングゲームでロムカセットでの発売。パッケージにはピンクのビキニアーマーを着て(*1)剣を持った少女が描かれているが、ゲーム本編では彼女の姿を見る機会は全くない。海外では「PAPILLON」というタイトルで発売され、タイトル画面はそれに合わせて「PAPILLON」のみの表記となっている。 宇宙を支配する巫女ゾーラによって魔窟に幽閉された双子の美少女イヴを助け出しに戦闘蟲「パピヨン」に乗って行くというストーリーで「パピヨン」の名の通り自機は最初は蝶の形をしているが一発被弾すると蜂になり、その状態でまた一発被弾すると蠅になり、蠅状態で被弾するとミスとなる。蝶の状態では機体が大きく被弾しやすい。パワーアップアイテムや『R-TYPE』でいうフォースのようなものもある。 ゲーム本編は非常にシンプルな構成でBGMはFCにしてもチープながら敵の攻撃がかなり激しい上に動き方まで狡猾で難易度は非常に高い。6ステージ構成でステージ3以降はクリアで上記の美少女イヴ姉妹の裸の一枚絵が見られるという言うなれば「脱衣シューティング」。とはいえ18禁ながら、その要素を持っているのはこの一枚絵のみ。 非公認ゲームであるにもかかわらず『ファミリーコンピュータMagazine』1990年1号(1989年12月29日・1990年1月12日合併号)本誌で、2/3頁ほどの大きさで広告が掲載された。 コミック作家シリーズ 闘魔戦記(ハッカーインターナショナル) 1990年発売 18歳未満禁止ソフト相応 全五作品からなる当時人気のエロ漫画家がキャラデザを担当したモンスター娘を脱がせるシリーズ。 参加した漫画家はvol.1からそれぞれ「飛竜乱」「森沢としお」「わたなべよしまさ」「こいおみなと」「猫島礼」。ちなみに、こいおみなとは『スターオーシャン セカンドストーリー』のキャラデザを手掛けた人物である。 vol.1~3は背景と敵のデザインが違うだけの全5ステージのSTGなのだが敵の動きが不規則でかなり難易度高め。vol.4と5は突然ブラックジャックとポーカーになる。 各作品をクリアするとコマンドが表示され全て繋げることでCGモードを開くことが出来た。 ボディコンクエスト1 暴かれし娘たち(ハッカーインターナショナル)1990年発売 18歳未満禁止ソフト相応 『ドラゴンクエスト』のパロディ満載のファミコン唯一のエロRPG。 2010年代同人エロRPGブームの火付け役となった『パロゴンクエスト』を20年先取りしていた…と言えなくもない。 内容はドラクエのようなターン式RPGではなく『ハイドライド』タイプのアクションRPG。 色物なタイトルに反して中身は結構作り込まれていて、ディスク2枚組の大容量で女の子の脱衣CGの出来も良く、ハッカーのファミコンソフトの中ではかなり完成度が高い。後にPCEで下記の続編が発売された。 Chiller (Exidy) 1990年発売 1986年に稼働された同名のアーケードゲームのNES移植版。光線銃対応。 アーケード版からして現代でも考えられないほど過度なゴア表現があり、 捕らえられている生身の人間を撃って肉を剥き出しにしたり、拷問器具を作動させて殺すといった悪趣味なゴア表現が このゲーム最大の特徴。 ゲーム自体はガンシューティングゲームだが、通常のガンシューと違って特定の物を撃って「モンスターメーター」を0にしながら、「タリスマン」と呼ばれるステージ内に散らばった物を撃つという特異な仕様。 アーケード版と比較するとボーナススロットは削除された代わりにボーナスステージの追加、ステージの順番が変更されているが、売りであるゴア表現はアーケード版ほぼそのままであり、再現度はなかなか。しかしゲームとしてはただ既定の場所を撃つ暗記ゲームであることからゲーム自体の評価は高くない。 意外にも任天堂とはライセンスを打診していたようだが、ライセンス料の関係で非ライセンス品として販売した模様。 Action 52(Active Enterprises)1991年発売 タイトル通り52個のゲームが収録されたミニゲーム集。 大半が出来の悪い横スクロールアクションかシューティングで、見た目以外のバリエーションに乏しい。 52個のゲームが収録されているとはいえ値段が199ドル、1991年当時のレート換算で約26,000円とかなりのぼったくり価格となっている。 動画サイトで有名になった『Cheetahmen II』の元となった『Cheetahmen』が収録されているのが本作。BGMだけは良いとの評判。 『Cheetahmen』以外にも『Ooze』『DAM BUSTERS』等、一部のBGMは評価されている。 ミスピーチワールド(ハッカーインターナショナル)1991年発売 パッケージイラストが『スーパーマリオブラザーズ3』のパロディであり、マリオシリーズのヒロイン・ピーチ姫(の様な人)が両手を広げて空を飛び、地面の上を複数の敵キャラ達がウロついているというデザインになっている。 ソフトそのものは、米国のColorDreams社が出した非公認ファミコンソフト『Menace Beach』のグラフィックを差し替えたものだが、実際は開発途中の『Mr.Assy』を流用したもの。 なお、同ゲームはメーカー名が聖書関連のゲームを発売するWisdom Tree社に変更した頃、本作も日曜学校へ通うという設定の『Sunday Funday The Ride』として再販されている。 パッケージやタイトルだけ見るとピーチ姫のパロゲーなのだが、ゲーム中の主人公のグラフィックはピーチ姫には全く似ていない。 その希少性と珍妙なゲーム内容によってか相当なプレミアが付いており、オークションでは万単位の金額で取引されている。 Kart Fighter(Hummer Team) 1993年発売 タイトル画面からして『スーパーマリオカート』のパチモノ…と見せかけて何故かマリオキャラが生身でしばきあう『ストII』の劣化海賊版。 確かにプレイアブルキャラは初代『マリオカート』の8人であるが…カートに乗れ。 SOMARI(Hummer Team) 1994年発売 パチモノ界隈で有名なソフト。タイトル通り 主人公がマリオになった『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』 。 FCのスペックの都合で色やサウンドがおかしく本家よりゲームスピードが若干遅めだが、パチモノ系にしてはわりとまともな出来で最後まで遊べる。 本作を改変した主人公がちゃんとソニックになっているバージョンもある他、『FAMILY KID』のタイトルでオリジナルキャラへ差し替えたバージョンも存在する(どちらも内容は同じ)。 ソニックバージョンには2016年に挙動やスピード感を改善しより遊びやすくした改良版パッチが公開され、2023年にはそれをベースにグラフィックやサウンドをオリジナルに寄せるだけにとどまらずスーパーソニックや『ソニック3』のスペシャルステージなどを追加した更なる改良版パッチまで公開された。 現在はあまりにも有名になりすぎたために入手困難になっている。 Magic Dragon(Magicseries Corp) 1994年発売 『R-TYPE』のパチモノ。全4ステージで終わる事からPCE版をベースにしていると思われる。 グラフィックに関しては本作独自のものに差し替えられており、オリジナルの面影は殆どない。 BGMの再現性は劣悪そのもので、特にボス戦の曲は耳を覆いたくなるレベルで酷い。 有志によってグラフィックが『R-TYPE』のものに書き換えられたハックロムも存在する。 Q-Boy(Sachen) 1994年発売 ファミコン非公認ソフトの中では珍しく、オリジナルキャラを使った横スクロールアクションゲーム。 一頭身グラフィックの主人公や空中ジャンプといった仕様から、『星のカービィ』シリーズに近い仕様となっている。 非公認ゲーム特有の操作性のシビアさはあるが、意外と完成度は高い。 なお、隠しコマンドを入れると主人公が『スーパーマリオ』の偽物に変更できる裏技が存在する。 ROCMANX(Sachen) 1995年発売 『ロックマン』のパチモノアクションゲーム。 …と思いきや、タイトル画面が似ているだけで内容は全く別物と言ってもよい。 オリジナルと異なり武器はブーメラン。またプレイヤーはマントを羽織っており垂直或いは水平に空中ダッシュが可能。 コンティニューは無制限なものの、残機がなくライフが尽きた時点でゲームオーバーになる、プレイヤーの動きが妙にふわふわしており操作に癖がある、敵の攻撃や配置が嫌らしくガチガチの覚えゲーである事等、難易度は非常に高い。 後にゲームボーイカラーで本作のグラフィックが流用された『Thunder Blast Man』も発売された。 Super Mario World(Hummer Team)1995年発売 SFCの「スーパーマリオワールド」を勝手移植したもの。ステージ構成はSFC版準拠だが、ジャンプの挙動がSOMARIベースになっている。 Tekken 2(Hummer Team)1996年発売 タイトルは鉄拳2だが内容は鉄拳1の2D版。 登場キャラは一八、ポール、ロウ、キング、ニーナ、ミシェール、ワン、平八の8名。 ステージ背景は鉄拳1準拠だが、BGMは中華風のオリジナルになっている。 パターン書き換えながら鉄拳1の一八のアドバタイズデモを再現させている。 Cheetahmen II(Active Enterprises)1997年発売 上記『Action 52』に収録されていたアクションゲーム『Cheetahmen』の続編。 1992年にActive Enterprises社にて開発されるも発売前に倒産、お蔵入りとなったが、1997年に同社の倉庫跡から発見されたカートリッジ1,500本が非公式に発売された。当時1,500本という希少価値からか1本70ドルという高値がついた。 アクションゲームとしてはイマイチな上にバグのせいでまともに最後まで遊べないが、前作同様スタイリッシュなBGMは好評。 ニコニコ動画にプレイ動画が投稿されたことにより一躍有名となった。 Final Fight 3(Hummer Team)1998年発売 SFCの「ファイナルファイト タフ」を勝手移植したもの。 キャラクターはちゃんと4人から選択でき、2人同時プレイどころかAUTO 2Pモードも使用可能。 キャラクター表示数が多いので常時スプライトがちらつく難があり、スコアの1000点以上の状態でアイテムを拾うと何故か得点を減るバグがある。 BGMとSEが『マイティファイナルファイト』から流用されている。 Titenic(Hummer Team)1998年発売 映画『タイタニック』を題材とした横スクロールアクション。 ジャックもしくはローズを操作してパンチやキックを駆使して戦う。加えて不気味なBGMも特徴。 in1系のソフトに収録されてることが多く単品は滅多にお目にかかれない。 のちに本作を人気小説『ハリー・ポッター』に差し替えたバージョンも存在、ゲーム内容はほぼ同一である。 最終幻想VII(南晶科技)2005年頃発売 あのPS1の超大作RPG『ファイナルファンタジーVII』をパチモノソフト界の雄、南晶科技がファミコンに無理矢理移植。 ほとんど『FF3』のハックロムのような内容ではあるが、マテリアや初の3人パーティなど代表的なシステムはちゃんと存在し、何よりFF7のシナリオをファミコンで最後まで忠実に再現していてパチモノマニア界隈では評価が高い。 海外ではこの作品を元に更に完成度の高いファミコン版FF7を開発する『Final Fantasy VII NES Project』が2009年に発足。2013年に完全版がリリースされた。 国内でも似たような作品を制作する動きはあったものの残念ながら未完成となっている。 ミスター・スプラッシュ(プロジェクトF) 2007年発売 MONDO21で放映されていた「TVゲームジェネレーション~8bitの魂~」の中で制作された物。 プールに浮いているボールの隣に岩を落とす事で動かし、相手のゴールにシュートするというスポーツ物。シンプルなルールだが駆け引きがキモ。 同番組を収めたDVDBOXにROMイメージとエミュレーターが付属しているが、限定50本で実機用のROMと基板が販売された。 Battle Kid Fortress of Peril(Sivak Games)2010年2月22日発売 大人気を博した高難度二次元アクションフリーゲーム『I WANNA BE THE GUY』(以下アイワナ)にインスパイアされて登場した同系統のアクションゲーム。 『アイワナ』の影響を受けて作られたゲームだが、『アイワナ』のようなパクリネタ、オマージュ要素は薄くオリジナルの一作になっている。 Battle Kid 2 Mountain of Torment(Sivak Games)2012年12月15日発売 上記『Battle Kid Fortress of Peril』の続編。 前作から2年越しにリリースされた。ストーリーは前作のトゥルーエンドを踏まえたものとなっている。 エンディングでは続編を思わせる内容であるが、未だ3作目は話題にすら挙がらない。 キラキラスターナイトDX(コロンバスサークル RIKI) 2016年10月6日発売 2017年に発売されたファミコンソフト。 2018年にはマイナーチェンジ版の『キラキラスターナイト ふるさと納税 ふじみ野版』がふるさと納税返礼品として配布された。 2021年にはキャラクター選択を追加したアーケード版『キラキラスターナイトexa』が稼働開始した。 「キララちゃんを操作して星を集める」という、比較的シンプルな内容のゲーム性になっている。 音楽面は古代祐三・松前真奈美などゲームサウンドの重鎮が多く参加している。 NEO平安京エイリアン(コロンバスサークル) 2017年9月7日発売 『平安京エイリアン』のファミコン移植版で、PC版も同時収録されている。 「レジェンド達によるリメイク」を売りにしており、キャラグラフィックに「ドット絵の神様」こと小野“Mr.ドットマン”浩を始め、元ナムコの開発者を起用。 またBGMにも、川田宏行、TECHNOuchi、増子津可燦(*2)、細江慎治、塩田信之、BUN、東海林弘憲、ヨナオケイシといった錚々たるメンツをそろえている。 8ビットコレクション ジャレコ Vol.1、8ビットコレクション カルチャーブレーン Vol.1(JNNEX) 2017年9月30日発売 数本のソフトを1本のカートリッジにまとめたNin1ソフト。 またSFCソフトをメーカー毎に数本ずつまとめた「16ビットコレクション」シリーズも2017年9月30日発売された。 その後、「8ビットコレクション ジャレコ Vol.2」「8ビットコレクション データイースト Vol.1」なども発売されている。 ハードメーカーである任天堂の認可は受けていないが、ソフト側のライセンスはちゃんと取得している。 なお発売元は「レトロデュオ」(FC&SFC互換ハード)用のソフトとしておりFC用やSFC用とは名乗っていないため、理屈上は非正規のFC用ソフトではなく正規のレトロデュオ用ソフトである。 バトルキッド 危険な罠(コロンバスサークル、Sivak Games bit-games)2018年10月18日発売 上記『Battle Kid Fortress of Peril』の日本語対応版。 難易度は原作と違い6段階から選べるようになった。 キャラクターデザインは『ガンスターヒーローズ』のはんを起用。 ぽるんちゃんのおにぎり大好き(MOOK-TV)2019年2月9日発売 漫画家のむっくが手掛けたファミコンソフト。 主人公・ぽるんちゃんを操作しながら画面の上から落ちてくるおにぎりをキャッチしていくアクションゲームとなっている。 8ビットリズムランド(コロンバスサークル)2019年2月21日発売 2019年発売の音楽ゲーム。 収録曲は小沢純子、中潟憲雄、増子津可燦などの豪華メンバーが参加。約20曲が収録されている。 HARADIUS ZERO(IMPACT SOFT)2019年11月29日発売 横スクロールシューティングゲーム。 2018年にβ版が発売された後、完成版となるファイナル版が発売された。 アストロ忍者マン(RIKI)2020年5月9日発売 本作はRIKIが自ら制作・発売したファミコンソフト。 ほぼ常にスプライトを最大表示限界で動作させたり、1曲にPCMを8KB使用するなど、まさにファミコンの性能の限界に挑戦した作品と言える。 縦STGであるものの移動は左右キーのみで行えるのも特徴的。 楽曲には並木学や塩田信之などが参加している。 上記の3種は中国生産だったが、本作では国内生産となった。 クイズ☆正解は一年後 presents あつしの名探偵(Phoenixx?)2023年発売 TBS『クイズ☆正解は一年後』の「ファミリーコンピュータで動作するオリジナルゲームのROMカセットを中古ショップに密かに流通させて、クリアを報告する人(*3)が何人いるか予想する」という企画によって10本のROMが制作され、2023年の夏ごろ中古ゲームショップに流通した。 しかし意図的な不親切仕様はもちろん過去回を視聴していることや現地での「ひみつのことば」の確認を前提とする極悪難易度から最終的なクリア者は現れずじまいであった。 その後2023年末にSwitch版が発売。詳しくは当該項目を参照。 スーパーファミコン SM調教師瞳 Vol.1(西武企画)1994年9月26日発売 18歳未満禁止ソフト相応 非公認ゲームの代表的な存在としてその界隈では高い知名度を持つ瞳シリーズ第1作。 内容は借金のカタに売られた主人公「憂本 瞳」がソープやストリップなど様々な風俗業を渡り歩き、自分のSMクラブを経営するようになるまでを描いた物語。一部分岐があるものの、ほぼ一本道のデジタルノベル作品。 ゲームラボなど雑誌の広告や秋葉原のアングラ系ゲームショップ、パチンコの景品など独自のルートで流通していた。 ネット上では「ジーコサッカー」または「ジーコ」というあだ名で呼ばれることが多い。これは本作が当時クソゲー過ぎて在庫が溢れていた『ジーコ サッカー』のカセットROMを書き換えて作成されたため。 中古品、またはワゴンの新古品を利用したと思われがちだが、実際は発売当初から小売りが買ってくれず、問屋が抱えていた新品未開封品からまとまった数を発売日前に仕入れていることがゲームラボのインタビューで語られている。 何故、既存のROMのデータを書き換えて販売することになったのかについては、西武企画代表の高藤恭胤によると規格外の車を売るのは違法だが規格内の車を購入して改造を施して中古で売るのは合法なので訴えられない、という理屈に基づいてらしい。 ちなみに、正規流通品(?)はベースになったソフトの上にラベルが貼られていて、ベースのソフトそのままの状態で売られていることは稀である。ラベルがあれば本物という訳では無いが、巷に溢れる何も細工をしていない裸ROMの瞳はほぼ確実にコピーROMの偽物なので注意。正規もクソもないかもしれないが…。 余談だが92年にデビューした憂木瞳というAV女優が存在し、タイトルはここから由来している可能性が高い。 SM調教師瞳 Vol.2(西武企画) 18歳未満禁止ソフト相応 ノベルゲームだった前作と異なり、30日の期限の中で調教を行い奴隷を仕上げるパラメータ式のシミュレーションゲームになった。非常に大雑把な仕様だがパスワードセーブに対応。 キャラクターデザインはえろばげろみ。J・WINGのGBC作品のBGMなどに携わっていた人物である。 タイトルだけ見ると「瞳」が調教する内容と思うだろうが、実際は調教されるのは瞳の方。タイトル詐欺である。 眼球を抉りその穴に挿入、陰核を切り取らせ赤貝と称して食べるなどPCのアダルトゲームでもなかなか見ないような、 SMとは程遠い単なる虐待・猟奇的行為があり語り草になっている。広告によると『1』が初級編で『2』はマニア編ということらしい…。 ただし、良いエンディングを目指すには無節操に虐待を繰り返すのではなく、まずはハードなプレイに耐えられるよう体づくりから始め、ソフトなプレイで瞳からの愛情を高めていき、そこから徐々にハードなプレイに慣らすといった手順が必要で意外とちゃんとSMシミュレーションになっている。 この作品以降、シリーズ共通でセレクトボタンを押すと十字キーが反時計回りに1つずれてコントローラーを横に持つことで左手だけで操作が出来る、右手を自由に使えるモードが搭載されている。 シリーズの中でも最も人気の高い作品でグラフィックを強化した『2Remix』と後日談と前日談である番外編が2本製作された。 SM調教師瞳 Vol.3(西武企画) 18歳未満禁止ソフト相応 当時の流行りであった『ときめきメモリアル』の影響なのか、今回は瞳ではなく調教師であるプレイヤー自身のパラメータを育成する。月始めに送られてくる奴隷を調教し出荷していくのがゲームの目的。 奴隷になる女性キャラは顔、髪色、体型、プロフィールが毎回ランダムに生成されるのでたまに10歳など倫理的に非常にヤバいキャラクターが送られてきたりする。 3作目にして初めてバッテリーバックアップに対応した。その為、ジーコではなく『スーパーメトロイド』など別なROMが使われている。 キャラクターデザインはアブノーマルな作風でカルト的人気を誇る成人漫画家・町野変丸で、パッケージ付きの完品は氏のコレクターアイテムとしても人気が高い。 なお、瞳は脇役として少し出てくるのみでほとんど関わらない。やっぱりタイトル詐欺。 SM調教師瞳 番外編(西武企画) 18歳未満禁止ソフト相応 瞳に彼氏を取られたと思い込み嫉妬に燃える瞳のクラスメイト「まき」が弁当に下剤を仕込んだり不良をけしかけたり様々な嫌がらせを行うADV。 瞳の机に細工を仕掛けに行く度にクラスメイト(のような何か)に目撃されてしまい、口封じの為『瞳2』が題材の恐ろしくニッチな内容の脱衣クイズで対決する。 このクイズによると番外編発売の時点で『2』は3000本売れたそうです。 本編の他に瞳に誕生日占いをしてもらえるおまけモードがある。 パッケージの裏には前作のパスワードを入力することで『2』の瞳と本作の瞳を対決させたり攻略情報を見ることが出来る連動要素があると記されているのだが、実際はメモリの都合で実現せずタイトル画面でお詫びのメッセージが表示される。パッケージ詐欺。 SM調教師瞳 番外編 まきのラブラブパニック 1997年6月頃?(JAP!) 18歳未満禁止ソフト相応 『3』から2年近く間を置いて発売された『瞳』シリーズ最終作。案の定、高藤の理屈は通じず西武企画に色々あったらしくJAP!からの販売。 番外編『1』でも十分ヤバかったまきが、実はさらにヤバい人だったことが明らかになるADV。瞳はエンディングで少しだけ登場。 同じくJAP!が開発した下記の『りばーす☆きっず』から「みりか」が登場する内輪向け過ぎるファンサービスがある。BGMも一部流用されている。 猟奇描写が『2』以上にパワーアップ。 冒頭からいきなり人が死ぬ上、ゲストキャラのみりかも四肢切断、眼球をくり抜かれ、内臓を露出させるシーンがCGでしっかり描かれ食われる。 『りばーす☆きっず』は平和な脱衣オセロだったのに…。 97年とSFC末期の発売だったこともあり流通数が極めて少なく正規品の入手は困難。ジーコでお馴染みの瞳だが本作は、意匠権を回避するため「SEM(*4)」と呼ばれる独自開発された特殊なカートリッジを使用しており、通常ROMで売られているものはまず偽物なので注意されたし。 本作の開発スタッフたちはこの1年後、Milky Feamが発売した伝説のクソゲー『夏色デスティニー』の作り直しにマスター1ヶ月前に招集されることになる(参照)。 一方、西武企画の代表だった高藤恭胤は発明家として 主に疑似科学方面で 有名な人物になっている。人生色々である。 Super 3D Noah s Ark(Wisdom Tree) 1994年12月31日発売 米国任天堂(ニンテンドー・オブ・アメリカ)無認可のSNES用ソフト。任天堂無認可カートリッジを使用しているが形状が(いわゆる別のカートリッジを上に挿せる)ゲタ状となっているため、起動には正規のSNESソフトが必要。 内容は有名FPSシリーズの一作『Wolfenstein 3D』のゲームエンジンを利用し、グラフィック等を差し替えたいわゆる「MOD」である。 中身はほぼ同じまま、テーマの部分だけを「ノアの箱舟」に変更。ノアを操作し、襲い来る動物達をパチンコなどで退けたりフルーツを集めたりしながら箱舟を探索するゲームとなっている。 のんびりとしたBGMと牧歌的(?)な見た目、そして物騒で暴力的なゲーム内容の織り成すギャップは凄まじい。 SNES版発売の翌年にはMS-DOS版が出ている。こちらはステージ内で紙を拾うと聖書に関するクイズが出題されるという要素が追加されている(正解すると体力や弾が増える)。 その後、2014年には「20th Aniversally」の名目でPiko InteractiveからMS-DOS版と『Wolfenstein 3D』を現代パソコンで動作できるようにするソースポート『ECWolf』をベースにしたWin/Mac/Linuxへの復刻移植版が2014年にitch.ioで、2015年にSteamでDL配信が開始されている。 SNES版『Wolfesntein 3D』がNintendo of Americaに暴力表現・ナチ表現を規制したことに同作の開発元id Softwareが報復としてソースコードをWisodm Treeに提供したことがきっかけ。...と思われていたがそんな事実はなく普通にソースコードを買って制作していたことが公式から明かされている。 ただしこれに懲りたのか、次回のSNES版『DOOM』は無修正での販売となった。出典はこちら。 香港97(吉喜軟体公司/Happy Software(*5))1995年発売 他の商業流通した非公認ゲームのように中古カセットを改造したものではなく、SFCソフトの複製データでゲームを動作させる機械(いわゆるマジコン)のフロッピーディスクドライブ使用を前提としたソフト。 ゲーム自体はごく普通の固定画面縦シューティングだが、マジコンを使って遊ぶという手段が軽く思えてしまう程のドス黒い世界観により、日本は元より世界でも悪名を轟かせる事となった。 まずストーリーが「香港の中国返還を迎えた1997年に、香港政府が香港に大挙してくる中国人をブルース・リーの親戚である"陳"に一人残さず抹殺させる」というメチャクチャなもの。 主人公の陳は薬物中毒者という設定で、注射器を取ると一定時間無敵になる。更にスコアが抹殺した人民の数、敵を撃破したりゲームオーバーになったりすると本物の死体画像が表示される、巨大兵器に改造された鄧小平がボスとして襲ってくる等々…不謹慎にもほどがあるヤバい内容となっている。 弾丸は上方向にしか発射できず(一方で敵は四方から現れる)、敵に触れると即ゲームオーバーと、ゲーム自体の難易度は高い。なおエンディングは存在せず(*6)、ゲームオーバーになるとスタッフロールが流れる。 ちなみに、Steamで本作のパロディーである『USA 2020』なるゲームが2018年より配信されている。そちらは敵が中国人からレプティリアンに変更され原爆と死体画像はカット、巨大兵器に改造されるのは鄧小平ではなくドナルド・トランプになっている等、本作の不謹慎な部分が悉く当たり障りのないものに差し替えられている。 りばーす☆きっず(JAP!)1997年1月12日発売 18歳未満禁止ソフト相応 コミックマーケットで頒布されていた任天堂非公認ソフト。 JAP!が販売した『瞳 番外編2』と同様、形状がいわゆる(洋ゲーを動かすための)ゲタのような形の開発用カセットで、動作させるにはゲタの上に正規(公認品)のカートリッジを挿さなければならない(*7)。 脱衣オセロゲームであり、対戦相手は「みりか」というキャラで、対局時に大学生と幼稚園児の2つの姿から選ぶ。 パッケージやメニュー画面には中学生のみりかもいるのだが残念ながら対局出来ない。脱衣シーンのアニメ枚数に無駄に拘りすぎて容量が足りなくなってしまったらしい。 1998年にオークラ出版より発売された「裏ゲーム読本」というムックの付録CDに本作のROMイメージとソースコードや開発ツールが開発者公認で収録されていた。ちなみに、『香港97』と『SM調教師瞳2』のMSX版のROMイメージも収録。 N-Warp Daisakusen (Gra) 2008年配布開始 最大8人で同時プレーできる対戦アクションゲーム。 SFCとは思えないほど随所でしゃべるのが特徴。 ゲームとしての出来はいいが、対CPU戦に対応していないのが残念なところ。 Skipp and Friends - Unexpected Journey (mod shrine) 2009年配布開始 XMSNESやSNESMODの作者であるeKid(Mukunda Johnson)の主導で作られた脱出系アクションゲーム。 BGM再生にはeKidの制作したドライバが使用されており、高品質なサウンドをバックに遊ぶことができる。 全9ステージ。最終ステージではボスが待ち受ける。 MazezaM Challenge (Alekmaul) 2012年頃配布開始 脱出系パズルゲーム「MazezaM」の移植。 移植自体は割とベタだがKung Fu Furbyによる美麗なオリジナルサウンドが印象的。 Jet Pilot Rising 2013年配布開始 Dieter Von Laserによって制作された横スクロールのフライトアクションゲーム。 フィルム映画のような映像フィルタや、モダンなデザインのオブジェクトが特徴。 主人公のパイロットが人間ではなく、猫であるところが非常にユニーク。 ナイトメア・バスターズ(Super Fighter Team) 2014年1月発売 2014年に発売されたアクションゲーム。元々は90年代にフランスで開発されていたが、パブリッシャーがプレイステーション発売直前のソニーだったためにお蔵入り。日本ではニチブツから発売する予定であったが、こちらも同様にお蔵入りとなった。 2004年に海外の携帯電話向けゲーム「Flynn s Adventure」として登場しており、更に2010年代に入り、アメリカの「Super Fighter Team」がSNES当時の開発データを探し出しSFC/SNES両対応カセットのゲームとして復活させた。 カプコンのアーケードゲーム「ワンダー3」に収録されている3つのゲームの内の一つであるアクションゲーム「ルースターズ」にゲーム性が似ており、ドット絵の絵柄もどことなく当時のカプコン製ゲームを彷彿とさせる。 それどころか「ナイトメア・バスターズ」のキャラのアクションも被ダメージ時のボイスも「ルースターズ」のものにかなり近く、参考にしているのはほぼ間違いないと思われる。なお「ルースターズ」は被弾すると服が脱げてもう一度被弾するとワンミスだが、こちらは2回被弾でミスになるのは共通だが服は脱げない。 難易度が高いわけではないが、基本的には敵や地形の登場パターン・行動パターンの死に覚えゲーの側面が強くゴリ押しは難しい。これらも「ルースターズ」と同様。差別化点としては「ルースターズ」はオプションが援護射撃していたのに対し、こちらはメガクラッシュと無敵ダッシュ攻撃が回数制限付きではあるが任意のタイミングで使用可能。 ナイトメア・バスターズの原版(コピーライトがニチブツ表記)と「Super Fighter Team」版を比較すると、主人公の種族がホビットからレプラコーンになっている、エンディングの女の子の顔のグラフィックが異なるなど、内容が微妙に変更されている。 Creepy Bird (PIKO Interactive) 2014年3月17日発売 Flappy Birdのクローン。 何も操作しないとタイトルがフェードアウト完了したと同時に地面に激突してゲームオーバーになる。 ザ・ダークネス・ハンター -アンホーリー・ナイト- 魔界狩人(BLAZEPRO) 2017年4月8日発売 2017年に発売されたスーパーファミコンソフト。 実は2011年8月にガラケーアプリとして配信されていたタイトルの移植作。 人間を害する魔物「ダークネス」と、それを狩る「ハンター」の戦いをテーマとした2D格闘ゲーム。 元がガラケーアプリだということを差し引いても登場キャラがプレイアブルキャラであるダークネス3名とハンター3名、ラスボスが1名の合計7名しか居ない。更に永久コンボや即死コンボがあるなど、バランスも悪い。 プレイステーション 腐色の瞳(サークルRGB)1999年 18歳未満禁止ソフト相応 日本神話の世界観をベースにした伝奇ノベルでWindowsの同人ソフトの移植版。 Refrain ~あの雪の向こう側~(電波の缶詰)2000年12月 18歳未満禁止ソフト相応 クリスマスの時期に開催される冬コミに合わせて作られた甘ったるい恋愛ノベルゲーム。 女教師 レイプ願望 女子高生 凌辱学園 人形OL 縛られて DG(FSA) 18歳未満禁止ソフト相応 いずれもFSAというメーカーが出していたアダルトゲーム。『DG』以外はどれも実写作品である。 実機でプレイするにはFSアダプターという特殊な機器をPS本体に取り付ける必要があった。 ギャルゲッチュ! 美少女拉致大作戦 発売中止 プレステオリジナルのエロゲーということで期待されていたのだが名前のせいか突然の発売中止に。 時期や内容的にFANCYのWin向けアダルトゲーム『ぎゃるゲッチュウ!!』と関連性が指摘されているが、イラスト1枚しか情報がない為なんとも言えないところ。 メガドライブ Action 52(Active Enterprises)1993年発売 NES(海外版FC)で販売された同タイトルのGENESIS(海外版MD)版。 収録ゲームの変更もされており、シューティングが多かったNES版と比べてパズルゲームが追加されるなどジャンルが増えている。 ちなみに『Cheetahmen』は16ビット機になったにもかかわらず何故か劣化している。唯一の評価点とも言えたBGMも何故かポップ調の変な曲に差し替わってしまった。 CRAZYBUS(TOM SCRIPTS LTDA.)2004年発売 まずバスを1台選んだら、方向キーでそのバスを左右に動かし、Aボタンでクラクションを鳴らす。それだけ。 実在のベネズエラのバスの写真を取り込んだ一枚絵以外のグラフィックはMDとは思えないほどチープで、BGMに至ってはランダムで1音ずつ自動生成されておりもはや曲とは言えない不協和音。 という明らかに商品失格な出来であるが、実はこいつオープンソースとして公開されていた有志のテスト用プログラム。しかしその後どこかの業者がそのROMデータをカセットに焼き、パッケージを作ってその上にセガのライセンスロゴを(もちろん無許可で)貼り販売してしまった。これが悲劇となり、そのカセットはコピーにコピーを繰り返され瞬く間に拡散。さらにライセンスロゴが貼られてあったため正規品だと勘違いされ、「メガドライブ史上最悪の正規品ゲーム」や「正規品未満」などと言われるようになってしまった。 もっと言えば本wikiでもしばらく正規のゲーム欄で評価されていた。ちゃんと調べろ。 タイトル画面の前に一瞬だけ表示される文章に「(セガや各バス会社などの)許可は得ていない」という注意書きがあるが、画面全体を埋め尽くす文章量の割に消えるのが早すぎて読むことは困難。 画面を撮影・録画して英語圏以外の人間でも翻訳すれば非公認だとわかるのも事実 Felix the Cat(ВМВ)2010年代初め?発売 海外で人気のキャラクターで日本でも10円ガムでおなじみの『フィリックス・ザ・キャット』のアクションゲーム。 公式に同名のゲームがハドソンから海外版ファミコンNESで発売されているが内容は別物。日本でも発売予定があったが中止となった。 コンティニュー画面でHET(ロシア語でNO)を選択すると、非常にグロテスクな姿になったフィリックスが表示される。動画サイトにプレイ動画がアップロードされているものの、フィリックスのファンや心臓が弱い人は閲覧を控えるべきレベルの代物である(*8)。 Super Donkey Kong 99 (GAMTEC) 1999年発売 『スーパードンキーコング』をベースに『2』と『3』の要素も入った集大成のようなゲーム。プレイヤーはドンキーのみ。 全5ワールドで2つのステージに分かれており、2ステージ目の最後にボスが登場する。ステージはこれといったギミックはなくとても単調な内容だが、操作性の悪さやバグによって難易度が上がっている。極めつけはエンディング中に必ずフリーズし正常に動作しない。ちなみにようやくここでディディーコングが登場する。 BGMはもちろんスーパードンキーコングシリーズのものだが、『スーパーマリオコレクション』版『スーパーマリオブラザーズ』からも使用されている。 後にタイトルを『Super King Kong 99』に変更したものを発売、こちらではバグがいくつか修正されているようだ。 Super Mario World 64 (GAMTEC?) 1997年発売 タイトルからして『スーパーマリオワールド』のパチモノだが、タイトル画面はスーパーマリオコレクション、タイトルには64、おまけにハードはメガドライブと何処の矛盾塊かって位ごちゃまぜな作品となっている。 BGMは『TaleSpin』『Super Battletank War in the Gulf』『Ariel the Little Mermaid』『Jeopardy!』からの盗用。 歩行とダッシュのスピード差が大きくジャンプすると減速する上、マップも原作から変に穴や敵を増やしたりと、爽快感はまるで無い。 ちなみにラスボスは巨大な鉄球のような謎のキャラクターしかも動きは単調で弱い。 The Lord of the Rings 3 Return of the King (Glorysun) 対戦格闘ゲーム『天地を喰らうIII 三国外伝 (吞食天地III 三国外传) CHINESE FIGHTER』(メガドライブ ※非公認ゲーム)のキャラを、さらに別の会社が指輪物語のキャラに置き換えて発売したもの。 タイトル画面やパッケージなどには映画三部作の画像を無断使用。 Pocket Monster 2(Chuanpu Technology / X Boy) 2001年頃?発売 当初「ポケットモンスター 赤・緑」の続編のタイトルとして予定されていたタイトルを冠した、RPGではなくアクションゲーム。 本作で武器扱いのモンスターボールを使用するとフリーズする、ある筈の移動式足場が消える、4面でダメージを受けると激しい処理落ちの末ハングアップする、仕舞いにはこれらを抜きにしてプレイ数分でフリーズするなど、動作自体不安定な代物。 BGMは『めざせポケモンマスター』や『ひゃくごじゅういち』といったアニメ版の主題歌のアレンジが使われておりこちらの出来は評価が高い。 ラスボスはドガース。動きは単調だが48回も踏まないと倒せないと、ここでもバランスというものはどこかへ置き忘れてしまっている。 ダライアス EXTRA VERSION(タイトー/M2/コロンバスサークル) 2021年2月発売 メガドライブミニに入っていたダライアスを更に調整し、MD用実ROMとして販売したもの。 メーカー表記にツッコむ人が多数だと思われるが、MDの販売元であるセガは非公認なので一応ここに記載。セガ側も存在は当然知っているものの、MD本体の保守を打ち切っている関係で正式な商品としては扱えないので黙認している。 一応『ダライアス コズミックリベレーション』のアマゾンプライムデー限定版に付属していたダウンロード版は、実機と関係ないためにMDロゴも入っている正式商品という扱いになっている。 2023年10月5日にこのアマプラ限定のDL版がPS4/Switch向けに一般販売された。 ディヴァインシーリング(スタジオファジー)1992年 18歳未満禁止ソフト相応 脱衣要素を加えた縦スクロールシューティング。ステージクリアすると女性の服がだんだん脱がされていく。 ゲーム自体はボムはなし、当たり判定が怪しい、一部のザコが妙に固い、1万点ごとにパワーアップと1UPが起こるなど、非常に大味。 吞食天地III (台湾厂商) 『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』の無許可の続編。RPG。 『ファイナルファンタジーIV』のBGM「バトル2」をボス戦BGMとして無断使用している。 天地を喰らうIII 三国外伝 (吞食天地III 三国外传) CHINESE FIGHTER (台湾三协资讯股份有限公司) 『天地を喰らうII 赤壁の戦い』の無許可の続編。対戦格闘ゲーム。 Mega Man The Sequel Wars(Woodfrog) 未完成 『ロックマン4』『ロックマン5』『ロックマン6』の3作が『ロックマンメガワールド』風に作られたゲーム。 現在は『4』のみが完成済みで、実際にメガドライブでプレイ可能となっている。 またオプションではBGMのアレンジスタイルを変更可能、『5』と『6』の特殊武器を『4』で使用する事が可能となっている等追加要素もかなり多い。 PCエンジン ボディコンクエストII ~救性主~(GAMES EXPRESS/ハッカーインターナショナル)1993年発売 18歳未満禁止ソフト相応 媒体はカードROM。FCディスクシステムで発売された「ボディコンクエストI 暴かれし娘たち」の続編的ソフト。 タイトルから察せられる通りドラゴンクエストのパロディ。前作ではハイドライド的な敵に体当たりする戦闘方式だったが、今作ではより元ネタに近いコマンドRPGになった。 CD麻雀 美少女中心派(GAMES EXPRESS/ハッカーインターナショナル)1993年7月30日発売 18歳未満禁止ソフト相応 『ハッカーインターナショナル』がブランド名を新たに『GAMES EXPRESS』として活動の場をPCエンジンに移し、その同社が最初にCD-ROMで出したソフトである。 タイトルは『ぎゅわんぶらあ自己中心派』が元ネタと思われる。 PCエンジンDUOシリーズ専用ソフト。専用システムカードも独自で開発し、ソフト1本ごとに同梱されていた。 ゲーム内容はイカサマありの二人打ちの脱衣麻雀。アニメーションの出来は既存のPCE作品の中でもトップクラスどころか、当時のアーケードの脱衣麻雀にも匹敵するレベルである。 反面声優の演技はかなりひどい。ボイスを聞いた人からは「学芸会レベル」とまで評された。 ディレクター及びキャラクターデザインは後に『トゥルー・ラブストーリー』でキャラクターデザインを務めた松田浩二。本作には「まつだ ひろし」名義で参加している。 本作の方が『TLS』より3年も前に発売されたが、知名度の差で有名な方に引っ張られる逆転現象が起こり、本作は一部のゲーマーから『トゥルー・ラブ麻雀』と呼ばれたりもした。 ちなみに彼はかつて『スーパーダライアス』でプロデューサーを務め、マイコンBASICマガジンに掲載していたNECアベニューの広報ページ「AVENUE TIME」の漫画も担当していた、そんなメーカー寄りの人間がアングラソフトの制作に参画していいのかと言われると微妙である。 しあわせうさぎ 濡れた美少女―初めてなのに…(オフィス アジア研究会)1993年10月14日発売 18歳未満禁止ソフト相応 PCEでのオリジナルアダルトゲーム。 その後『2』や『真説』シリーズなど同系統のソフトが数本登場している。媒体はいずれもCD-R。 ハードメーカー非公認ゲームなので一般の店では取り扱いが無く、主に秋葉原や大阪日本橋など一部のゲームショップおよびショップ通販で購入出来た。 既にハッカーインターナショナルがPCEで非公認ソフトを発売していたが、「菊と桜には逆らわない(つまり性行為や性器露出などの表現はしない)」ことをモットーにしていたハッカーとは異なり、より過激なパソコンのアダルトゲームに準じた内容になっている。 ADVだがコマンド総当たりでクリア出来る、ゲームとしてはお粗末な内容。 ストリップ・ファイターII(GAMES EXPRESS/ハッカーインターナショナル)1994年3月26日発売 18歳未満禁止ソフト相応 媒体はカードROM。対戦格闘+脱衣ゲーム。プレイヤーキャラは女性6人で、勝つと倒した相手とは似ても似つかぬ女性キャラが脱いでいく。 なお、前作にあたる初代『ストリップ・ファイター』はPC(DOS/V)用ソフトだった。 タイトルこそあの『ストリートファイターII』を連想させるものの、前作・今作ともに格闘ゲームとしての出来はお世辞にも良いとは言えない。 余談だがその後、別の同人アダルトゲーム制作サークルのStudioSによって本シリーズのリスペクト/パロディとして本作のキャラクターも登場させた『ストリップファイターIV』『5』『3』『Z-ERO』『6』等の派生同人作品が多数作られているが、ハッカーインターナショナル製の本家原作初代 『II』とはスタッフ上の繋がりはない。 ハイレグファンタジー(GAMES EXPRESS/ハッカーインターナショナル)1994年9月15日発売 18歳未満禁止ソフト相応 DUOシリーズの本体専用。媒体は専用システムカード CD-ROM。外見や仕様的には『ファイナルファンタジー』(SFC版の『IV』か『V』)のパクリだが、内容は似ても似つかぬ程お下品。エロゲーユーザー向けに全振りしている。 セーブデータのメモリ領域をすべて使う仕様で、他のゲームのセーブデータがあっても確認もせず上書きしてしまう罠があるので、消したく無い場合は事前にセーブデータ保存ユニット『天の声』に移しておくなどの必要があるので要注意。 ドリームキャスト ブレイカーズ(JoshProd/ビスコ)2017年5月発売 ビスコ公式ライセンスの下、海外で発売(*9)。ネオジオCD版ベースの移植となっている。 ただしセガのライセンスは受けていないインディーズソフト扱いになっており、GD-ROMを使用していないため、起動は初期のMIL-CD対応機に限られる。 ネオジオ KRAUT BUSTER(NG DEV.TEAM)2019年頃発売? ドイツのゲーム制作会社が作ったメタルスラッグシリーズリスペクトなアクションシューティングゲーム。 ゲームボーイ スーパーマリオ4(gamtec?)発売時期不明(1996?) 『クレヨンしんちゃん4 オラのいたずら大変身』のキャラ替え作品(*10)。日本語版あり。 タイトル画面や外箱は『スーパーマリオ64』からの盗用で、中身のグラフィックも大半が『スーパーマリオランド2 6つの金貨』からとられている。 マップが著しく長いうえにダッシュができず、絶対に通れない場所にアイテムがあったり、当たり判定もガバガバなためマリオのゲームとしては著しく完成度が低い。その上、第2ステージにはとんだ初見殺しが存在している。 原作で「ムササビしんちゃん」という滑空出来る能力のグラフィックがはねマリオに入れ替わっているなど、マリオらしさを微妙に感じることは出来る。一方で「ゴキブリしんちゃん」に当たる変身が削除されている(一応データ上には存在している)。 元の作品にはあった他のキャラとのやり取りのシーン、ミニゲームやストーリー性は一切無く、エンディングもラスボスを倒した後は「THE END」の文字が出てあっさりと終わる為非常にボリューム不足。 タイトル画面のはねマリオのアニメーションは非常に気持ち悪く(*11)、『Hotel MARIO』といい勝負をしている。 GBで発見!綾波っち(神楽坂酔っ払い研究所)1998年? サークル神楽坂酔っ払い研究所が頒布したGBのエミュレータ上で動かせる同人CDROMソフト。このままではただのPCソフトだが、GB向けの自作ソフトを動かす為のフラッシュROM(本来の用途でのマジコン)に書き込むことでGB実機でプレイ出来るようになる。 エヴァンゲリオンの綾波レイを育成するたまごっちのパロディゲーム。タイトルだけで内容はあまりたまごっちとは関係ない。 この作品を切っ掛けに、90年代末期から2000年代初頭にかけコミケではGB向けの同人ソフトがにわかに盛り上がることとなった。 余談だが2020年に『汎用卵型決戦兵器 エヴァっち』という本家エヴァンゲリオンとたまごっちのコラボ商品が販売されている。 Tiny ONE(みさきみっくす)1999年頃 サークルみさきみっくすが頒布したGBのエミュレータ上で動かせる同人CDROMソフト。こちらもマジコンによりGB実機で起動させることが出来る。 当時の同人界隈で高い人気を誇っていた『ONE ~輝く季節へ~』のキャラ達が同じく人気だった『To Heart』のシナリオのパロディを繰り広げるADV。 素子の剣(パラ男無法地帯)1999年12月 ラブひなの青山素子が全3ステージを駆け回るアクションゲーム。 Tobu Tobu Girl(Tangram Games)2017年12月3日発売 デンマークのゲーム会社Tangram Gamesによって作られたアクションゲーム。 内容は主人公の女の子を操作してステージ上に配置されている敵キャラクターを踏みつけながら、ステージを上に登っていくというもの。 Dragonborne(SPACEBOT INTERACTIVE)2021年2月12日発売 内容は『Sa・Gaシリーズ』と『ポケットモンスター』をかけ合わせたような感じのRPGとなっている。 Where is my body?(私の体はどこへ)(Green Boy Games)2020年10月頃発売 バルセロナのゲームスタジオがクラウドファンディング「Kickstarter」で資金を募り制作したアドベンチャーゲーム。 主人公は切断された人の右手が意思を持ったもので、本体となる人物を探して様々な場所を巡るという内容。 日本語版となる『私の~』のカートリッジも少数販売されていた(完売)。 プレイ動画を見るに、翻訳の精度は非常に高いものの、大きい「つ」と小さい「っ」が全く同じなど文字フォントそのものがちょっと読みにくいのが難点か。 ゲームボーイカラー 路克英雄Z(廣譽科技有限公司)1998年発売? 『ロックマンX』のパチモノ。改造人間という設定(?)のヒーロロツワ(ヒーローロックの誤りと思われる)が主人公。 OPデモでは日本語が使用されているが誤字が物凄く「せんソょうし(善良市民?)」「りフぼう(絶望?)」「いのらがあふない(命があぶない)」等の奇天烈な言葉が並ぶ。 その為本作のファンからは「ヒーロロツワ」の愛称で親しまれている。 ゲーム自体はプレイヤーの動きが重かったり、妙にスプライトのちらつきが多かったりお世辞にも出来が良いとは言えない。 AIR Pocket(インテル帽子屋)2000年12月 名作美少女ゲーム『AIR』をまさかのGBCに移植。正確にはPC版AIRをGBCにコンバータするツールでこのCD-ROM自体はゲームではないのだが、生成したファイルをフラッシュROMに書き込むことでGBC実機で起動可能になる。 GBCながらシナリオ、CG、音楽が忠実に再現されていて完成度は非常に高い。 無印版はDREAM編とSUMMER編のみの収録で、AIR編をプレイするにはのちに頒布された『AIR Pocket plus DISC』が必要となる。 Tobu Tobu Girl Deluxe(First Press Games)2019年発売 前述のTobu Tobu Girlのカラー版で、ドイツのゲームメーカーFirst Press Gamesによる「DOT MATRIX SERIES」の第1弾。 2021年2月には日本ローカライズ版「とぶとぶがーるでらっくす 日本式」が発売された。 ポワッ!(First Press Games)2020年11月発売 スペインのゲーム開発者であるAiguanacheinによって作られた2Dアクションゲーム。 超級機器人大戦F完結編(SKOB)発売時期不明 『スーパーロボット大戦F完結編』のパチモノ。 基本的に展開はオリジナル準拠であり、オリジナルのシナリオ「動乱、ヨハネスバーグ」をクリアした時点で終了となる。そのため総シナリオ数は15話程度と非常に短い。 ラスボスはシロッコとハマーン。またドクーガ3幹部はシロッコの部下になっている。 パイロットは乗り換え不可だが、ヤザンがハンブラビではなくバーザムに乗っていたりガンダムやエルガイムのパイロットがオーラバトラーに乗っている等おかしな点も多い。 戦闘アニメはチープの一言で武器演出の使い回しが多く、回避モーションがカクカクだったりと見るに堪えない。 余談だが、GBC非対応のハードで動作させると泣き顔の初代GB本体のグラフィックが見られる。 Dragonborne DX(SPACEBOT INTERACTIVE)2022年発売予定 前述のDragonborneのカラー版。 燃えろ!!プロ野球 ホームラン競争GB(ハビットソフト)2022年8月13日発売 アーケードゲームとしてリリースされた『燃えろ!!プロ野球 ホームラン競争』がもしも当時GBCに移植されていたら…をコンセプトに制作されたリメイク。 ゲームボーイアドバンス Pocket NES(Loopy FluBBa)2001年5月 Loopy氏によって初期版が開発され、FluBBa氏により改良が重ねられたGBA初のファミコンエミュレータ。GBAでファミコンというと任天堂の『ファミコンミニ』シリーズが有名だが、限られたソフトしか発売されなかったあちらと異なり好きなソフトを起動出来るので好事家の間でGBAマジコンの普及に一役買ったという。 再現性の高さは折り紙付きで『じゃじゃ丸Jr.伝承記』(ジャレコ)、『くにおくん 熱血コレクション』(アトラス)、『ハドソンベストコレクション』(ハドソン)などメーカー製のファミコンオムニバスソフトでもこのエミュレータの無断使用が発覚し話題となった。 りぜるのまいんしーかー(帽子屋インサイド)2002年8月11日 2002年放送の杉崎ゆきる原作のアニメ「りぜるまいん」が(非公認にして)初のゲーム化。プレイ中はOPの「はじめて♡しましょ!」のGBAアレンジが延々流れる。 『マインスイーパ』とグレフの『どきどきアイドルスターシーカー』を組み合わせたようなパズルゲーム。クリアするとご褒美CGとパスワードが表示され、これをCD-ROMのソフトに入力すると高解像度のCGを見ることが出来た。 AIR Pocket advance(帽子屋インサイド) 2004年12月21日 上記の『AIR Pocket』のGBA版。ハード性能の向上でBGMの音質やCGの解像度が上がった他、OPの完全再現や日付の表示など更に完成度が高まった。 「MINAGI for advance」という独自開発されたモバイルノベルエンジンを使用しており、バックログや既読スキップなど基本的な機能はもちろん、屋外でのプレイを考慮してスリープに不意の電源オフの為のレジューム、ワンボタンでのCGの非表示など携帯機で遊ぶノベルゲームとしてのユーザビリティも非常に優秀。 原作をそのままGBAに変換するという特性上、著作権に配慮してROMイメージを生成すると作成者のPCのIPアドレスやパソコン名など個人情報が記録され、起動には変換ツールの側で表示されるパスワードを入力する必要があるなど2次配布がされづらいよう工夫がされている。 インテル帽子屋の公式サイトでは、GBAエミュレータやGBA本体で動作する本作のサウンドトラックが配布されていた。サイトは現在消滅しているが23年時点でリンクは生きており、インターネットアーカイブで検索すると今でもダウンロード出来る。 このサークルは他にも『水月』、『月姫』、『君が望む永遠』、『水夏』、『はじめてのおるすばん』など様々な美少女ゲームをGBAに移植している。 余談だがこのサークルの製品のジャケットやソフトの起動時に表示される1枚絵を「夢のクレヨン王国」などで知られる漫画家の片岡みちるが手掛けていた。 りんね天翔 アドバンス(亀有電脳倶楽部)2004年12月29日発売 コミックマーケット67で頒布された2003年発売の同人PCゲーム『りんね天翔』のGBA版。 STGがほとんど発売されなかったGBAに於いて一際希少な弾幕シューティングゲーム。ボムが存在せず、弾幕は全てパターンを覚えて回避しなければならないストイックなシステムになっている。 PC版では調整が雑だった箇所に手が加えられ、更に高難易度の裏モードが追加されるなど単なる移植に終わらない作品となっている。 開発経緯はサークルの公式サイトにある座談会に詳しい。(参考) ちなみにキャラクターは2002年から2003年にかけて雑誌「小学一年生」に連載されていた、いわおかめめの『くるくるりんね』(単行本未発売)という漫画が元ネタ。 あゆあゆぱにっく アドバンス(ちんちらソフトハウス)2005年頃? 同サークルが2000年にPC向けに頒布したソフトをGBAに移植。例のごとくGBA実機で起動するにはマジコンが必要。 サークルのHPで配布されておりインターネットアーカイブで検索すると現在でもダウンロード可能。尚、18禁のPC版はdlsiteで購入出来る。 『Kanon』のメインヒロイン「月宮あゆ」がたい焼きを集めるパズルアクション。前身のサークル「sprite」がX68000に出していた『シルクロード』というゲームのリメイクとの事。 クリアすると18禁なご褒美グラフィックが見られるのだが、GBA版ではパスワードを入力しないと見られないようになっている。残念なことにこのパスワードは恐らく公開されていない。情報求ム。 Anguna Warriors of Virtue(Piko Interactive)2015年11月06日発売 海外で開発された、『ゼルダの伝説』シリーズのようなアクションアドベンチャーゲーム。パッケージ版は海外限定販売だが、ROMデータ自体はフリーゲームとして無料配布されているため、プレイは容易。 また、DS版も存在する。こちらはROMデータの無料配布のみで、パッケージ版は存在しない。 巫女ぱら(CUBIC STYLE)2017年8月 2003年から開発が進められ2005年に最初のデモ版が頒布されたものの諸事情で開発が凍結されていたソフトが復活。 同じ玉を5つ並べて消す巫女さんパズル。キャラデザは漫画家の都桜和。 CD-ROMでの配布が主だった国内の同人GBAソフトでは珍しくROMカートリッジのパッケージ版が販売されている。 Goodboy Galaxy(First Press Games)発売時期未定 GBA発売20周年を記念して製作されたアドベンチャーアクションゲーム。Win/Switchでの発売も予定されている。 ニンテンドーDS 星之梦DS(不明)2008年9月7日 当時中国では正式に販売されていなかった『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』を中国のKeyファンクラブ(非公式)の有志がDSに移植。DSも中国では小規模の販売だった為、比較的流通数の多かったPSPのDSエミュレータで遊ぶ人が多かったらしい。 ボイスを含めPC版から忠実に移植され、更にテキストが中国語に翻訳されている。 正式に『planetarian』が中国で販売されて翻訳されたのはそれから9年後の2017年のことだった。 ハーフエルフ陵辱触手DS(TeamDSX)発売中止 DS初の本物のエロゲーとして一部界隈で話題となった作品。コミックマーケット74での販売に向けて秋葉原でメイドにチラシ配りをさせるなど、精力的に宣伝活動が行われていた。 しかし、起動にはマジコンが必要という代物でマジコンと同梱販売することを発表(*12)、さらにTeamDSXの住所がマジコンの販売業者と同一であることが発覚し、規約違反となる企業の一般参加と看做されこの2点の問題により出店取り消しとなりお蔵入りとなった。
https://w.atwiki.jp/19990402/pages/10.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/stairs-okai/pages/467.html
クレープにホットドッグ、綿菓子に焼きそば。 ダイエット中の身にはなかなか厳しい出店たちが、私を誘惑している。 「はー、どうしよっかな・・・」 午前8時半。 クラスの店番の確認が終わってから、私は給水塔によじ登って、桜色のパンフレットをパラパラと眺めた。 学園祭の間中、千聖を独占しようかと思ってたんだけど、さっきあっすーと約束しているのを見たばっかりだから、今日は引き下がっておくことにしましょう。 「でもなぁ・・・舞別にやることないしなぁ」 クラスの出し物といっても、ジューススタンドの会計を1時間程度やるだけだし、他の時間はどうしよう。 寮のみんなはクラスだけじゃなく生徒会や委員会、部活の関係で忙しいだろうし、何かちょっと誘い辛いな・・・。 「あー、何かめんどくさっ」 私は軽く舌打ちして、ゴロンと寝返りを打った。 以前の私だったら、適当に食べ物を調達して、ここで一日ダラダラ過ごすという選択をしていただろう。あるいは、寮に戻っちゃうとか。 でも、私はもう、大好きな人達と過ごすかけがえのない時間を知ってしまった。 友達なんかいらない。一人でも大丈夫だったはずの私は、こんなささいなことに戸惑って、寂しさを憶えるようになってしまった。 「・・・情けないなぁ」 まったく、天才少女の名が泣きますよ。進化したんだか退化したんだか、よくわからない。 88 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/31(月) 22 52 30.19 0 手持ち無沙汰になって、ケータイから適当にメルアドをチョイス。 “あ”行の先頭にあったその名前に、“ばーかばーか”ってメールを送信してみる。・・・いいんだもーん、どうせ舞はガキですよっ! そのままダラダラしていると、女の子特有のキャッキャとはしゃぐ声や、吹奏楽部の奏でる音楽が耳に入ってきた。・・・そろそろ、学園祭の開始時間なのかもしれない。 最初ぐらいは教室にいたほうが良かったかな・・・と思ったけど、今更戻るのも何か照れくさい。 クラスの子たちも私のサボり癖はよく知っているだろうから、わざわざ探しに来たりはしないだろう。こういうの、何ていうんだっけ。自業自得、じゃなくて因果応報、じゃなくて・・・。 「もしもし、そこの可愛いお嬢さん」 「うおっ」 いきなり、背中を指でチョンチョンとつつかれた。しかもブラ線を的確に・・・こういうことする℃変態といえば、もう一人しか該当者はいない。 「・・・なんだよっエロ魔人」 「あーあー、そういう言い方はひどいかんな!ていうかさっきのメールなんだよー!いきなりバーカとか言ってさ、ヒドイじゃーん!」 私の体をよっこいしょと転がして、ちゃっかり自分のスペースを作っちゃったのは、言わずもがな。日夜千聖をめぐり、血みどろの戦いを繰り広げている好敵手・栞菜だった。 「舞は縄張りでリラックスしてただけだし。ここ千聖と舞以外立ち入り禁止なんですけどぉ」 ――ええ、言われなくてもよーくわかってます。自分が嬉しそうな顔しちゃってるのは。 「またまたー、私と遊びたかったんでしょ?全力でイこうぜ!女の子は素直が一番だかんな、ジュルリ」 「うっさいな、どこ触ってんだよっこの℃変態め!」 「か・ん・ちゃ・ん!」 金網デスマッチより危険な給水塔キャットファイトに興じる私たちの背後から、いつものキャンキャン声が響いた。 89 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/31(月) 22 54 21.51 0 「んもー、一人でいいなんて言うから任せたのに、遊んでる場合じゃないでしょうが!」 わしわしと梯子を上ってきたのは、今日も今日とて風紀委員の腕章がまぶしいなっちゃんだった。 「ちょっとー、舞のテリトリーなのに、みんな勝手に」 「テリトリーって舞ちゃんあのね、ここは学校の設備であって・・・まぁ、とりあえず今はいいケロ。それより、時間がないから簡潔に言うね」 なっちゃんは私たちの腕を引っ張って立たせ、自分も正座になって向き合う。 つられて背筋を伸ばすと、なっちゃんはぷっくりした唇をゆっくり開いた。 「本日より、萩原舞さんを、生徒会補助役員に任命いたします!!」 「・・・は?」 優等生モードで微笑む2人は、「おめでとーう!」とかいって拍手を送ってくる。 「ちょ、ちょっと待ってよ。勝手に決めないでよね。舞毎日結構忙しいんだけど」 慌てて言い返すも、2人は年上っぽく、余裕綽々って感じに笑いかけてくる。 「だって舞ちゃん、委員会も部活も特に何にもしてないでしょ?時間いっぱいあるでしょ?何が忙しいの?」 「・・・べ、勉強?とか」 「いや、してないでしょ」 「えーと・・・読書とか」 「舞ちゃんなら大抵のものは5分あれば読み終わるでしょう」 「・・・だって、そんな急にさぁ」 私ちょっと眉をしかめた。 おっしゃるとおり、別にこれといって多忙なわけではない。むしろ暇人な方だと思う。 でも、私は協調性がないし、束縛されたくないし、自分の行動をきっちり決められるのも苦手だった。そんな私が学園の、しかも最重要機関の生徒会の仕事に携わるなんて、思ってもみないことだった。 90 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/31(月) 22 55 25.27 0 「キュフフ、あのね、舞ちゃん。私たちには、舞ちゃんの力が必要なの」 「もうすぐ、舞美ちゃんもえりかちゃんも、佐紀先輩も卒業しちゃうでしょ?3人が安心して巣立っていけるように、いきなり役員とか幹部じゃなくていいから、まずは補佐として手伝いをしてほしいんだ。お願い。」 ――卒業。 心臓がズキンと鳴った。・・・そっか、いなくなっちゃうんだ。お姉ちゃんもえりかちゃんも。 わかっていたつもりだったけど、どこか遠い話のように考えていた。 だけど、生徒会のお仕事を一緒にやっている栞菜やなっちゃんたちにとっては、私よりもずっと身近で深刻な話なのかもしれない。 とりわけ、責任感の強いなっちゃんのことだ。こうして私に頭を下げに来るまでにも、いろんな思いが錯綜していたことだろうと推察できる。 「・・・どうかな?私、舞ちゃんが生徒会に来てくれたら心強いんだけどな」 「ダメ?お願い、舞ちゃん」 2人がかりの説得で、私の心はかなり揺れていた。というか、実際もうほとんど、引き受ける方向に傾いている。 それなのに、素直にウンとうなずけない理由。それは・・・ 「何かさ・・・、栞菜となっちゃんに説得されて就任ってなると、ちょっとカッコ悪くない?あの子何様?とか思われないかな」 口を尖らせてそう言うと、二人はキョトンとした顔をした後、ちょっとイヤーな感じの含み笑いを浮かべた。 「キュフフ、舞ちゃんそういうとこ可愛いよねぇ」 「からかうなよぅ」 「だったらさ、舞ちゃんが立候補したってことにすればいいじゃん?みんな喜ぶよ」 「でも、舞そういうキャラじゃないし」 ――うわ、めんどくせえ・・・。 我ながら困ったちゃんなゴネかただとは思うけど、どうも信頼している&年上という条件が揃っていると、甘えん坊が発動してしまう。 「もー、ま・い・ちゃ・ん!!」 とうとう、焦れた栞菜がガシッと肩を掴んできた。 91 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/31(月) 22 56 17.45 0 「あのね、認めたくないけどね、舞ちゃんが生徒会入ったらお嬢様も絶対喜ぶから!」 「いや、それとこれとは話g」 「舞ちゃんはお嬢様の喜ぶ顔を見たくないの?」 「だ、だからぁ」 「見たいか見たくないのかどっち!二択!」 「み、見たい、です」 「なら、生徒会のお手伝いしてくれるよね?ね?はい決定!」 憎たらしいほど満足げな栞菜。 でも、まあ悪い気はしなかった。こんなに全力で、仲間に入れてくれようとするなんて。 「・・・℃変態の癖に、交渉は上手いんだから」 「本当、℃変態でさえなければね・・・。それより、いいの?強引に決めちゃったけど」 さすがに、なっちゃんは投げっぱなしにしないでくれるみたいだ。 「うん、いいよ。さっきは素直になれなかっただけ。でも、あくまでお手伝いなんだからねっ」 「はいはい。とりあえず、みんなのとこ行こう。学園祭開始の合図は、生徒会全員で放送でするの。 もう舞ちゃんは、生徒会の一員だから、居てもらわなきゃ困るんだからね」 さらさらロングの髪をたなびかせながら、なっちゃんは私の少し前をスキップ交じりに歩いていく。 「ん?」 ふと、手が温かい感触に包まれた。 背丈に比べて小さめな、栞菜の手が私と繋がっていた。 「舞ちゃんさ」 いつものふざけた調子じゃないと、ちょっと戸惑う。 栞菜は静かに、私の目を見つめていた。 92 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/31(月) 22 57 35.95 0 「な・・・に」 「寮と同じだから。属してる、なんて思わなくていいからね。いつも舞ちゃんが、好きなときに帰れる居場所だって考えてくれれば」 私より身長も低いくせに、お姉ちゃんぽく頭をポンポンなでてくれる。・・こういう時の栞菜って、憎たらしいほど鋭い。心臓がキュッと掴まれるような感覚をごまかして、「・・・栞菜のくせに、心の中覗くのやめてくれる」って毒づいてみせる。 「猫、大好きだからね。舞ちゃんみたいな猫科の生態はよくわかるんだよん」 「何それ。じゃ、犬科のちしゃとのことは諦めてよね」 「それはそれ、これはこれ。お嬢様は奥が深いから一概に犬科とは・・・まあ、それはまた後日。ほら、なっきぃ待たせてるし、行こ」 「はいはい。・・・仕切んなよぅ」 何か、強引に事を進められてしまったけど、心は不思議と軽やかだった。 栞菜に手を引かれていく先には、ほぼいつもどおりの・・・でもちょっとだけ形の違う、新しい私の場所が待っている。 ただそれだけのことに、溢れてしまう笑顔を必死に噛み殺しながら、私は屋上を後にした。 TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/stairs-okai/pages/197.html
「舞さん。」 いきなり名前を呼ばれて振り返ると、数メートル先に大人びた表情で微笑むお嬢様の千聖がいた。 「なあに?」 近づいてしばらく無言で見つめ合う。すると、千聖はいきなりなっきぃにもらったワンピース(通称ちょうちょのワンピ)をガバッと脱いだ。 「はぁ!?」 続いて、薄いピンクの下着にも手をかけて、一糸纏わぬ姿になってしまった。 「な、何やってんの・・・」 目の前には見事なたゆんたゆん・・じゃなくて。そんなことはどうでもよくて。 「舞さん、お誕生日おめでとう」 「えっ。うん・・いや、今それ言うタイミング?」 「うふふ。私、舞さんの一番欲しいものをあげるわ」 千聖はとろんとした目つきになって、裸のまま私に抱きついてきた。 「欲しいんでしょう?」 胸にぷにゅっと柔らかい感触が押し当てられた。 囁く甘い声と、妙に生暖かい息が耳をくすぐる。頭がカァッと熱くなった。 「ちっ・・・ちしゃとおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおっイデッ!」 後頭部に衝撃を感じて、目が覚めた。 身体を反転させると、頭上に栞菜の足が投げ出されている。 「夢・・・」 「んが」 ええい、邪魔だ!まとわりついてくる足をどかしながら、徐々に意識が戻ってきた私は毛布にくるまって悶絶した。 ありえない。ありえない。ありえない。ありえない。何てバカな夢を見てしまったんだろう。思春期の男子か私は。まだちょっと身体が火照っている。 今私は、舞美ちゃんのお誕生日のお祝いに、キュートのみんなと一泊旅行へ来ている。私のバースデーパーティーも一緒でいいよと言ったのに、「それはまた別にやるから。」とみんなに押し切られてしまった。 今日は観光地を巡って、温泉に浸かって、ゲームして、すごく楽しい時間を過ごしたというのに。旅行の締めがこんな夢だなんて、どうかしている。 まだ日は昇っていない。私以外、みんなすやすや安らかな寝息を立てている。 いっぱいのプレゼントに囲まれて、夢の中でも幸せそうな舞美ちゃん。どういう寝相なのか、私を蹴りながらえりかちゃんにチョップをくらわせて寝ている栞菜。 ウーウーとうなされながらも深い眠りについているえりかちゃん。そのえりかちゃんに場所をとられて壁際に追い詰められ、半分顔を枕に埋めながら、スピースピー寝息を立てるなっきぃ。 「千聖・・?」 ふと姿の見えない中2コンビを探してみると、我関せずと言った感じで、ドア側の端っこで眠り込んでいた。布団はひとつ、枕はふたつ。喋ってるうちに眠ってしまったのか、向かい合った2人は顔がくっついちゃいそうだった。 何だよー、千聖はえりかちゃんLOVEじゃなかったの?いつぞや仕事で行ったコテージで、やらしーことしてたのに。・・・私があんな夢をみたのは、多分あれのせいなのに。 いやいや、よく考えたら千聖は愛理とも何かあったんだっけ(栞菜談)。ということは、愛理かえりかちゃんか決めかねてるってこと? …何か面白くない。多分、千聖のこと一番好きって思ってるのは私なのに。 私だって、千聖と2人で逃避行したり、ちゅーまではしてるっていうのに、何だろうこの敗北感。 ランデブー+キス<<<<<超えられない壁<<<トイレで触りっこ<<<<<<コテージでセッk 「うおぁ!」 いけないいけない、何を考えかけた、私。奇声を上げて頭を振ると、えりかちゃんが寝言で「フヒヒwww」と笑った。 くそー、えりかちゃんめ。誰が元祖千聖の相方だと思ってるんだ! 「千聖、千聖。」 「んぅ・・・」 愛理を起こさないよう注意しながら、千聖の肩を掴んで強めに揺する。しばらくすると、長いまつげの下からきらきらの黒目が現われた。 「あ・・・舞さん?おはよごじゃましゅ」 千聖は寝起きが悪い。ろれつの回らない口で私に挨拶すると、もう一度布団に顔を埋めようとする。 「ちょっと!起きてよ。」 「んー・・・まだ皆さんも寝てらっしゃりゅわ・・・」 「いいから。一緒に来て。」 両脇を持って引っ張り上げると、観念した千聖はやっと起き上がってくれた。 「静かにね。」 廊下に出ると、千聖の手を引っ張って、エレベーターまで連れて行く。 「舞さん・・・?どちらへ行くんれすか」 相変わらず眠そうな千聖。仕方ないなあ。私は自販機でりんごジュースを一つ買うと、千聖の口に押し付けた。 「あら、舞さんがごちそうしてくださるの?珍しいのね。」 「うっさいな。舞も飲むんだから、早くして」 「ん・・」 千聖の顎を押さえて、赤ちゃんにあげるみたいにペットボトルを傾けていく。 ジュースを飲むたびに、皮膚の薄そうな喉がこくこく音を立てて動いた。 悩ましくひそめられた眉。飲みきれなくて口の端からこぼれる液体。 ――あ、ヤバイ。さっきの夢でのことが頭をよぎる。 「はい!はい!もう終わり!後は舞の!」 私は何かをごまかすように、ペットボトルを思いっきり千聖の口から離した。 「もう・・・今日の舞さんは乱暴なのね。」 「ふんっ」 困った。千聖の顔をまともに見ることができない。今からあんなところに行くっていうのに、大丈夫か、私。 「・・・着いた。降りて。」 「あら、ここは?」 カードキーを差し込んで、千聖の背中を押して中に入ってもらう。 「お風呂・・・」 ホテルの最上階。ドアの向こうには、共同浴場とは違う、ちょっと高級感のある脱衣所が備わっていた。 「そ、温泉。夜さ、みんなで共同の入ったでしょ。本当は、この貸切のお風呂を使う予定だったんだけど、7人じゃ狭かったからね。でも使わないのもったいないし、ここで朝風呂しようよ」 「ふふ、いいわね・・・楽しそう。」 お嬢様になっても好奇心旺盛なところは変わらない。千聖はパジャマ変わりのジャージのまま、脱衣所を抜けてすりガラスの向こうへ行こうとした。 「千聖、着替えなきゃだめでしょ」 「きゃんっ」 首根っこを掴んで引き戻すと、千聖は照れくさそうに目を半月にして笑った。・・まったく、しっかりしてるんだか天然なんだかわからない。 千聖はよっぽどお風呂が気になるのか、テキパキと服を脱いでいく。へー、本日の下着は薄いピンクか。って 「うおおい!」 それ、夢と一緒じゃん! 「ひえっ!ま、舞さん?」 「・・ごめん、本当すいません。気にしないで。」 別に、千聖の下着姿なんて見慣れてる。コンサートでもレッスンでも、着替えなんて日常茶飯事だから。 お嬢様化した当初はコソコソ着替えていた千聖も、一度舞美ちゃんにガーッと剥かれてからはもうどうでもよくなったらしい。 そういうアバウトなところは前の千聖っぽいなぁ。 とはいえ、さすがに真っ裸には抵抗があるらしく、ブラを取ると同時にすばやくタオルを巻きつけてしまった。すごい、何も見えなかった。 「もう、そんなに見ないで。恥ずかしいわ。お先に行ってるわね。」 愛理みたいに身体をクネクネさせながら、千聖は私の視線を逃れるようにお風呂場へ入ってしまった。 TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/stairs-okai/pages/276.html
その悲壮な声に驚いて、私は早貴さんの隣の席まで移動した。 「・・・こんなに、話が大きくなるとは思ってなかったの。」 搾り出すような声でそう言うと、早貴さんは目元をおしぼりでぬぐった。 「千聖、ユニット組みたいってずっと言ってたでしょ?ほら、コンサートのバックステージで、ももちゃんと二人で、組んでくれる人探したり。」 「ええ。」 半ば恒例となっている、桃子さんと私のユニットメンバー探し。特典映像としても人気があるらしく、私も毎回楽しく皆さんと交流を図っていた。 「なかさきちゃん、なんで言っちゃうの?まだ千聖なんにも答えてないのに」 友理奈さんが唇を尖らせる。 「ごめん。ちょっともう、無理。話させて。 ――千聖は今、キュート以外のユニットには参加していないでしょ。だから、単発でもいいから、千聖が誰かとユニット組んだり、どこかのユニットに参加することは出来ないかなって。 それを誕生日プレゼントの一つにできたらいいなって考えて、キュートのみんなに相談したの。」 少ししゃくりあげながらも、早貴さんはしっかり私を見ながら話を続けてくれた。 「もちろんみんな、賛成してくれたよ。それで、スタッフさんにもいっぱい頼み込んで、夏コンの時に一曲・・・ それが無理なら、MCの時の1コーナーとして、あるいはDVDになった時の特典として、千聖をどこかでフィーチャーしてもらえるかもってところまで取り付けたの。」 「そんな・・・私のために、そこまで・・」 「でもね、私、だんだん怖くなってきちゃったの。ほんのお遊び企画のつもりだったのに、人によっては・・・たとえば新垣さんたちはかなり本気になっちゃってね、岡井ちゃんにはキュートから娘。に移籍してもらおうかなー、なんて真顔で言われて。 あっすーとかスマイレージのみんなも、私が考えてたよりずっと真剣に考えてたっぽいし。 ももちゃんも、にこにこしてるけど、本当は結構本気なの、なっきぃわかってるんだから。」 「えー?うふふ」 桃子さんは何も言わなかったけれど、無言の微笑が答えになっているような気がした。 「・・・お願い、どこにも行かないで。千聖は、モーニング娘。さんも、ベリーズも大好きでしょ?でも、私は千聖がいなくなったら嫌だよ。お嬢様の千聖ってふわふわしてて、すぐにどっか飛んで行っちゃいそうで怖いの。 企画者なのに、こんな勝手なこと言ってごめん。でも、もう我慢できない。」 しきりに目の下をぬぐっていた早貴さんは溢れ出てくる涙が抑えられなくなってしまったようで、ついには顔を覆ったまま、黙り込んでしまった。 「千聖ぉ・・・」 重い沈黙が流れて、皆さんの視線が私に集まっていた。 伝えたいことはたくさんあるけれど、何から言ったらいいのかわからない。それでも、私のために心を痛めている早貴さんをこのままにしてはおけなくて、私は意を決して口を開いた。 「早貴さん、千聖のお話を聞いてもらえますか。」 「うん・・・」 「ありがとうございます。・・・えと、まず、早貴さん、そして皆さん。この度は私のために、いろいろとお気をまわしていただき、ありがとうございました。 私がどのユニットに所属するのか、あるいは何方とユニットを組むのかという予想、楽しく拝見いたしました。 先ほど、早貴さんは私の導き出した答えを聞きたくないとおっしゃっていましたが、こうしてたくさんの方々にお関わりいただいた以上、このまま結論を申し上げずに、終わらせてしまいたくありません。」 私はそこで一息ついた。 心臓が痛いぐらいに高鳴っている。それは簡単な言葉に変えればただ一言ですむことだけれど、そうはしたくなかった。 前の千聖に比べて、大人しくなった。遠慮がちになった。私はよくそんな風に言われるけれど、伝えるべき言葉は、精一杯の誠意を持って伝えたい。その気持ちだけは、今も昔も変わっていないつもりだった。 隣で舞さんが、私にだけ聞こえるぐらいの声で「ちーさーまい、ちーさーまい、」とテンポよくコールしている。思わずこぼれた笑いを噛み殺して、私はまた話を続けた。 「最初にモーニング娘。の皆さんからお話を伺ったときから、私の答えはもう決まっていました。 私は、どのユニットにも入りません。今は、℃-uteの岡井千聖で。それだけで、いいです。」 私の言葉を受けて、一呼吸おいてから、「えーっ!!」と声が上がった。 「千聖ぉ、なんでー・・・?ベリーズは嫌?」 「私が、余計なこと言ったから・・・?」 次々に質問が飛んでくる質問をよく噛み砕いて、答えを頭の中でまとめる。 「いいえ、早貴さんのお話を聞くずっと前から、出していた結論です。 私は、ベリーズの皆さんも、娘。の皆さんも、もちろん舞さんのことも、今回お声をかけてくださった皆さんのこと、本当に大好きです。 その上で、今の私が仲間に入れていただけるユニットは、ないのではないかと思います。 愛理や舞さんはご存知かと思いますけれど、私は歌うことがとても好きです。もっともっと歌を勉強したいし、いろいろな人に聞いていただきたい。 どこかに所属させてもらえれば、それは叶うことかもしれません。 だけど、今の私ではどう考えても未熟すぎて、仲間に入れていただくことなんて、恐れ多くて考えられません。 まずはもっとしっかりして、自分自身に自信を持つことが出来るまで、私は今のままで・・・いえ、今のままがいいです。それが、私の答えです。 せっかく企画していただいたのに、申し訳ありません。」 そこまで一気に話すと、私は勢いよく頭を下げた。 こんなに心の深い部分を、人に話したことはなかった。それでも、ここにいる皆さんになら、打ち明けてもいい。そう思えたから、私は迷うことなく自分の思いをぶつけた。 「ケッケッケ、そんな難しく考えなくていいのに。」 「・・・ええ、そうよね。自分でも、固い頭だと思うわ。でも、大好きな皆さんの考えてくださったことですから、私も一番素直な気持ちで答えたかったの。」 重い空気になってしまうかもしれない。そう思ったけれど、私を見る皆さんの顔には笑顔が浮かんでいた。まだ早貴さんだけは、少し辛そうな顔をしていたけれど。 「千聖ぉ・・・、ごめんね、私が勝手なことばっかしたから」 小さくてひんやりした早貴さんの手が、私の手の中で震えていた。 「そんな風におっしゃらないで。私、嬉しかったのよ。私のために、こんなに力を注いでくださって。早貴さんの優しさがいっぱい伝わってきました。 ほら、伝わりすぎて、涙が出てきてしまいました。本当にありがとうございます。私、こんなに幸せでいいのかしら」 語尾は震えて言葉にならず、私は早貴さんと抱き合ってしばらく泣いた。 一体何の涙なのか、自分でもよくわからなかった。 いつも私をお姉さんのようにかわいがってくれて、悩んだり辛くなったりしながら計画を進めてくれた早貴さんの涙が悲しくて。 私のために、こんな素敵な企画を立ててくれたキュートの皆さんの気持ちが伝わってきて。 お忙しいだろうに、時間を作ってくださった桃子さん、梨沙子さん、友理奈さんへの感謝の思いがあふれて。 こんなにたくさんの人たちに必要としてもらえたことが嬉しくて。――それでいて、どこか切なくて。 「泣かないでよ、千聖ぉ。なかさきちゃんもー。うちも泣きたくなっちゃうじゃん」 「そ、そうだよー、りぃこういうの弱いんだから、ほんとやめてよー」 見守る皆さんの声も少し濡れていて、私の感傷をまずまず煽る。 「もう、泣き虫コンビ!こんなことで泣くなよー。・・・舞の愛だって、ちゃんと感じてくれたの?」 「もちろん、いっぱい感じたわ。」 「そう?・・・えへへ。」 少し強めの力で私の目元を擦っていた舞さんは、ふっと表情を緩めて、いつもの私の大好きな、可愛らしい笑顔をのぞかせてくれた。その顔を見て、私もようやく落ち着きを取り戻してきた。 「・・・ま、千聖がそういうなら仕方ないかぁ。でもいつかは中3トリオでユニット組みたいよね!」 「ええ。ありがとう、梨沙子さん。」 「じゃあ、うちはタンポポ井に期待するかぁ。」 「あら、それは私も楽しみです。」 「ウフフ。まあ、桃姉はなんとなくこうなるんじゃないかって思ってたよ。千聖は案外ガンコ者だからねー」 そう言って再度目の前に出された予想表(?)をよく見ると、一番下に「千聖は誰も選ばないし、どこにも属さないと思いまーす♪ 匿名希望」なんて書いてあった。 「もぉは千聖のことは何だってお見通しなのさ。でもね、もし気が変わったらいつでも言ってよね。もぉ、ちさももユニット探しのときは毎回本気なんだから。」 ちょっと、ちさまいが先だもん!と叫ぶ舞さんと桃子さんが、仲のいい言い争いを始めた。それを笑いながら見ていたら、愛理につんつんと背中を突かれた。 「あのね、ここまでバラしちゃったから言っちゃうけどー、もうすぐえりかちゃんと舞美ちゃんがここにくるの。 それから、今まで千聖に声をかけた人たちも、少し遅れて登場してくれるはず。ベリーズは全員出席じゃないかな?」 「まあ・・・」 「でね、本当は、そこで正式に“千聖はどのユニットを選ぶの?”って聞くつもりだったんだ。 それで、選ばれたユニットの人たちを中心に、引き続きちょっと早めの千聖の誕生日パーティーって流れになるはずだったーのにー!そういうドッキリだったーのにー!まさかの該当者ゼロ!ケッケッケ」 「キュフフ、これじゃあ逆ドッキリだね。きっとえりかちゃんやみぃたんなんて、テンパッちゃうんじゃない?」 赤い目をした早貴さんが笑う。少し申し訳ないけれど、確かに「えっ!そんな!どっか入りたいユニットあるでしょ?」と慌てるお二人を想像すると、自然と笑いがこみ上げてきてしまう。 「こうなったら、どういう風にびっくりさせようか考えようよ。」 「いいねー!」 ノリのいい皆さんと輪になって、新たな会合が始まる。 「舞さん。」 「ん?」 少し盛り上がってきたところで、舞さんに声をかけて、二人で後ろを向く。まだ、大切なことを伝えていなかった。 「もう少しだけ、待っていてね。」 「ん?」 「私も、ちさまいユニットを目指して頑張りますから。そのときは、よろしくお願いします。 さっきはどこにも属さないと言ったけれど、私がこの先、自分に自信が持てたときに組ませていただきたいのは・・・」 「―待って、千聖。それ以上言わなくていいよ。」 舞さんの手が、私の腕を強く掴んだ。慌てたときのいつもの癖。じんわり痛くて、とっても暖かい。 「・・・ありがとう。」 「ウフフ。」 顔を真っ赤にした舞さんと視線がぶつかって、2人で微笑みあった。 「ちょっとー、聞いてるの千聖も舞ちゃんも!2人で後ろなんか向いちゃってぇ」 「あら、ごめんなさい。」 再びテーブルに向き直ると、私たちはテーブルの下で手をつないで、話し合いに耳を傾けた。 「ヤバッ。あれ舞美たちじゃない?もう来た!」 「早っ!でもいいか、じゃ、作戦通りで!」 綺麗な黒髪をなびかせながら、笑顔の舞美さんが駐車場を横切っていく。 後ろに続くのは、大きな紙袋を持ったえりかさん。少し胸がドキドキしてきた。 「店んなか入ってきたよ。千聖、準備OK?」 「はい。」 今まで、キュートの皆さんの誕生日には、いろいろなサプライズでおもてなしをさせてもらった。それが、自分の誕生日にまで、“逆”ドッキリをしかけることになるなんて・・・ 「千聖。」 「ええ。」 つないだ手に無意識に力が篭もる。 大きく深呼吸した後、私は満面の笑みで振り返り、お2人へ第一声を投げかけるべく、唇を開いた。 前へ TOP コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/answerplease/pages/37.html
≪ゲーム概要≫ あの大ヒットメッセージアプリ風恋愛ゲームが思わぬ方向に・・・!? 歴史上の偉人達とちょっとだけ会話が楽しめちゃう! 信頼される事が出来れば、本当の偉人達が垣間見えるかも・・・。 誰でも安全にモテモテ体験できるメッセージアプリ風恋愛ゲーム(笑)「返信ください」が、遂に恋愛から手を引いた! あの時代にもしもスマホがあったら、もしもあの人とメッセージが出来たら・・・。 そんな願望を見事に叶える事が出来るぞ! 自分の名前と性別を選ぶだけ。 現実では会話できない様な偉人達から、いろんなメッセージが届くよ! メッセージに返信しながら、うまいこと相手と仲良くなって信頼関係を築こう。 要は相手を手玉にとればとるほどいいってこと。言葉のキャッチボール上手を目指そう! ただ、相手の期待に応えられない返事をすると印象ダウンしちゃうので、返すメッセージは慎重に選ぼう。 それでは、偉人達との会話をお楽しみください。。。 ※実際の歴史上の人物とは関係ありません。広い心で遊んでください。
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/16057.html
IDOLDEATHGAME TV チーム・ハッピー チーム・スマイル チーム・パッション チーム・ライジング その他 コメント ウィッチクラフトが開発し、ディースリー・パブリッシャーより2016年10月20日に発売されたPlayStation Vita用ゲームソフト。公式サイトではアイデスTVの呼称も用いられている。 チーム・ハッピー エムリットorハピナス:茅ヶ崎千春 ドリパクから付けられた際のキャッチコピーは「偽りだらけの幸福」から アグノム:蒲田真理子 デスライブではプレゼントの箱に閉じ込めれその後に爆発するのでだいばくはつを覚えさせたい ユクシーorトゲキッスorキテルグマ:筑波しらせ トゲキッスはキャッチコピーは「祝福の女神」、キテルグマはデスライブでは熊の着ぐるみから チーム・スマイル ゴルーグ:天王寺彩夏 デスライブでは夢合体☆ドリームロボから ドンカラス:烏丸理都 名前から チーム・パッション ウインディ:諫早れん デスライブでの警察官から チーム・ライジング シャワーズorアシレーヌ:旭川姫 デスライブではどりむ童話☆から その他 ムンナ:ドリパク 「ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮」での位置が似ているので コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/workpage2/pages/37.html
≪ゲーム概要≫ あの大ヒットメッセージアプリ風恋愛ゲームが思わぬ方向に・・・!? 歴史上の偉人達とちょっとだけ会話が楽しめちゃう! 信頼される事が出来れば、本当の偉人達が垣間見えるかも・・・。 誰でも安全にモテモテ体験できるメッセージアプリ風恋愛ゲーム(笑)「返信ください」が、遂に恋愛から手を引いた! あの時代にもしもスマホがあったら、もしもあの人とメッセージが出来たら・・・。 そんな願望を見事に叶える事が出来るぞ! 自分の名前と性別を選ぶだけ。 現実では会話できない様な偉人達から、いろんなメッセージが届くよ! メッセージに返信しながら、うまいこと相手と仲良くなって信頼関係を築こう。 要は相手を手玉にとればとるほどいいってこと。言葉のキャッチボール上手を目指そう! ただ、相手の期待に応えられない返事をすると印象ダウンしちゃうので、返すメッセージは慎重に選ぼう。 それでは、偉人達との会話をお楽しみください。。。 ※実際の歴史上の人物とは関係ありません。広い心で遊んでください。
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/425.html
前へ その夜。 「え・・・お嬢様、いないの?」 「うん。何かね、千聖のパパとかママ達が、仕事の都合で微妙に近くまで来てるから、今日は一緒に滞在先の別荘に泊まるんだってさ。学校はそっから直行するみたい。もちろんあっすーもね」 「んー、そっか」 寮のロビーにいた舞ちゃんとなっきぃからもらった情報は、ほんのり私を落胆させた。・・・佐紀に頭を整理してもらって、今が一番上手く話せそうだったんだけどな。 「・・・舞ちゃん。明日菜お嬢様にそんな呼び方・・・ケホケホ」 注意しかかって、なっきぃは軽く咳き込んだ。 「大丈夫?」 「ん、ごめんごめん。それより、夕食どうしようか?お嬢様が留守にしていらっしゃるのに、お屋敷で食べるのはちょっと・・・」 最近は寮生皆、夕食はお屋敷で食べさせてもらっているけれど・・・もともとは、みんなで寮のシステムキッチンを使って、交代で作ったりしていた。 あんまり使われなくなってしまった高級システムキッチン、密かにもったいないなあと思っていたところだから、これは腕を振るうにはいい機会だ。 「ウチ、なんか作るよ」 「本当?舞、チャーハン食べたいな。キムチと納豆のやつ」 「オッケー。ちょっと荷物置いてくるから待ってて」 お屋敷から食材をもらってこなきゃな・・・と思いながら、私は一先ず部屋に戻ろうと大階段に足をかけた。 ――ズルズル、ドサッ 「ん?」 あまり聞き覚えのない音。 振り返ると、なっきぃがソファのすぐ下の床に手をついていた。 「なっきぃ?」 「なっちゃん!?どうしたの」 向かいのソファを立って、舞ちゃんも駆け寄ってくる。 「ご、ごめん。何か、クラクラして・・・」 苦笑いで立ち上がろうとするも、なっきぃは細い腕で力なく手すりを掴んだだけで、また顔をしかめてへたり込んでしまった。 「ど、ど、どうしよう。救急車?それともお嬢様の主治医さんに・・・で、でも連絡先がわかんないし」 私はパニックになって、無意味にバッグの中をかき回したり、ケータイを触って取り落としたりとおかしな行動を取ってしまった。 今まで、寮に居てこういう事態に見舞われたことがなかったから、対処方法が思いつかない。涙目で舞ちゃんの方を見ると、私とは対照的に、いつもの冷静な顔のまま、大きな瞳でなっきぃを見つめていた。 「落ち着いて、えりかちゃん。・・・たぶん疲労と風邪の引き始めなんじゃないかな。まだ熱出てないけど、呼吸荒いし、唇の色悪くなってる。部屋に戻ったほうがいいよ」 「舞ちゃん、大丈夫だから。そんな大事にしないで」 「何言ってんの。今、胃も痛いんでしょ?いろいろ弱ってる時は安静にしてなきゃダメだから。 えりかちゃん、なっきぃを部屋に運んでくれる?舞、お屋敷の医務室にある薬の箱持ってくるから。っていうか、忙しくなさそうだったら、執事さんかメイドさん連れてくる」 舞ちゃんは一気にそう言うと、早足で中庭の方へ駆けて行ってしまった。・・・情けない。私の方が年上なのに、判断も行動もモタモタしている自分に自己嫌悪を覚えた。 そりゃあ、舞ちゃんは普通よりずっと優秀な子だし、よく周りが見えているから、機転が利くっていうのもわかってるんだけど・・・。 せっかく佐紀に相談に乗ってもらったのに、お嬢様のことは何も進展せず、それどころかまた別の問題を誰かに頼ってしまったっていう現実は、確実に私を打ちのめした。 「・・・なっきぃ、とりあえず二階行こう」 せめて、肩を貸すぐらいのことはしなければ。 萎えそうになる気持ちをどうにか奮い立たせながら、私はなっきぃの腕を取って、再び階段を上がり始めた。 ***** 「じゃあウチお茶入れるから、コンロ借りるね。その間に着替えておいて」 「うん・・・」 ベッドまでなっきぃを誘導してから、私は逃げるように備え付けのキッチンへ向かった。 オレンジ色のやかんにお湯をたっぷり注いで、ボーッとしてたらまた泣きそうになってしまった。 嫌だな。寮長の癖に、私はどうしてこうなんだろう。泣き虫で頼りなくて、誰にでもいい顔したがり。 新聞部事件の時だってそうだった。私がもっと要領よく動いていれば、きっともっと早く、お嬢様も舞ちゃんもあんなに傷つくことなく解決していたはず。 「えりこちゃん・・・」 背後から力ない声で名前を呼ばれて、振り向くとなっきぃが立っていた。 「あ、な、なっきぃ。だめだよ、寝てないと。ね?」 ぎこちなく笑いかけると、なっきぃは無言でギュッと抱きついてきた。 「なっきぃ?」 「・・・違うの、えりこちゃん」 「ん・・・何?」 なっきぃは小さく震えて、違うの、と細い声で繰り返す。 触れた体はとても熱くなっていて、舞ちゃんの言うとおり、風邪の引きはじめだったみたいだ。 「なっきぃ、大丈夫だから。ベッドに戻ろう」 そう言って少し体を離そうとしても、首を横に振って、しがみついたまま動いてくれない。 「・・・私、違うの。私は、お嬢様の邪魔をしたいんじゃなくて・・・そうじゃないの」 「うん、うん。わかってるよ。みんなも、お嬢様もわかってるから」 いつも強気で、寮生にだってめったに泣き言をいわないなっきぃが、苦しい胸のうちをポツポツと吐き出している。 その痛々しい姿に胸が痛む。きっと、どんな言葉を並べても、今のなっきぃには響かない。そんな気がした。 「あ・・」 いつのまにか、舞ちゃんが廊下の真ん中ぐらいにポツンと立っていた。大きな薬の箱を持って、まっすぐに私となっきぃを見ている。声をかけるべきか、考えているんだろう。目が合うと、少しだけ首を傾げる仕草をしてきた。 だから、私は無言で、首を横に振った。 (ごめん、舞ちゃん・・・) きっと、なっきぃは年下の子にこういう姿を見られたくないはず。舞ちゃんも察してくれたみたいで、一度大きくうなずくと、薬箱を置いて静かに玄関の方に消えていった。 「えりこちゃん・・・?」 「ん?大丈夫だよ、なっきぃ。ちょっと、そこ座って待っててくれる?ウチ、ちゃんとそばにいるからね」 「ん・・・」 少し落ち着いたのか、なっきぃは小さなテーブルセットの椅子に座ってくれた。 コンロの前に立っていると、背中越し、なっきぃが私をじっと見つめているのを感じた。 「私ね」 しばらくすると、今度は少し落ち着いた声で喋りだす。 「いっつもお嬢様のやることに文句つけてばっか・・・何で私ってこうなんだろう。嗣永さんにも“頭固い”って言われちゃったし。 でもね、じゃあ私がお嬢様と一緒にギャルメイクを楽しめばいいのかっていったら、それは違うと思うの。お嬢様の行動を否定してるわけじゃないけど、何かいろいろ考えてたらわけわかんなくなっちゃって。」 「・・・何か、わかるなそういうの」 さっきより饒舌な様子のなっきぃ。もう落ち着いて話せるかなって思って、私は2人分のスープボウルを持ってなっきぃの隣に座った。 「いい匂い・・・」 「コンソメと生姜溶かしただけだけど、胃に優しいから飲んで。ぽかぽかするよ」 なっきぃは一口口に含むと、「おいしい」とつぶやいてやっと笑ってくれた。 「・・・さっきの、なっきぃの話だけどね。実は最近、ウチも・・・」 私は佐紀に相談したそのままの内容を、今度はなっきぃにも話してみた。 さすが生徒会副会長と言うべきか、なっきぃはさっきまでの動揺をスッと引っ込めて、真剣な顔で私の話に耳を傾けてくれた。 「・・・そっか、えりこちゃんもいろいろ悩んでたんだ」 「なんかね、ウチはずるい人間なんじゃないかって・・・」 「ううん、それ絶対違うから」 ピシャッと遮られて、私は思わず姿勢を正した。 「えりこちゃんはずるい人なんかじゃない。絶対。えりこちゃんがいなかったら、寮生会議とか成り立たないから。みんな自分勝手にいろんなこと言って、収拾つかないでグダグダになって終わっちゃう。 えりこちゃんみたいに、全体の事見て、みんながちゃんと納得できることを考えてくれる人がいるから、私たちは平和な寮生活を送れるの。」 「いやいや、ウチみたいなどっちつかずなことばっか言ってたら、いつまでたっても何にも進展しないだけだし!なっきぃみたいにビシビシ意見くれる人ってすごく尊敬するし、うらやましいとも思うよ」 「えりこちゃん・・・」 「なっきぃ・・・」 私たちは無言でガシッと抱き合って、泣き虫コンビの名に恥じないぐらいオイオイと泣き出した。 「・・・もう、心配してもっかい来てみれば・・・なにやってんの」 苦笑する舞ちゃんが、愛理と舞美ちゃん、栞菜を連れて戻ってくるまでに、私たちはティッシュボックスを空っぽにしてしまった。 ***** それから1時間後。 感情を昂ぶらせたせいか、本格的に熱が出てきてしまったなっきぃを寝かせてからロビーに集まっていると、すぐ近くで、車が急停車する音が響いた。 「千聖・・・」 舞ちゃんがつぶやいて立ち上がると同時に、入り口の大扉がバーンと音を立てて開かれた。 血相を変えたお嬢様が、小さな体から正体不明のオーラを出しながらこっちに向かって歩いてくる。 「え・・・お、お嬢様?どうして?」 「舞からメールをもらって帰ってきたの。・・・なっきぃは!?体調を崩したのでしょう?」 それ以上話すのも面倒と言った様子で、お嬢様は階段を睨みつけて大またで上がろうとする。 「いけません、お嬢様!」 やっと追いついてきた執事さんとメイドさんが、2人がかりで止めにはいった。 「離して!お見舞いに伺うだけよ!」 「お嬢様、寮に足を運ばれるのはもちろん構いません。ですが、中島さんは体調を崩されているのでしょう?」 「そんなことっ・・・」 言いかけて、お嬢様は唇を噛んだ。 お嬢様はちゃんと理解している。 執事さんやメイドさんが、意地悪で自分をなっきぃを会わせてくれないんじゃないことも、もし自分に風邪が移れば、いろんな人に迷惑や心配をかけてしまうということも。 それでも大好きななっきぃに会わせてもらえないことは、あまりに悔しくて、とても納得しきれるものではないみたいだった。 「・・・わかったわ。千聖は具合の悪いお友だちに会うことも許されないのね。もういいわ」 普段のふわふわした雰囲気からは考えられないぐらい、お嬢様は刺々しい口調でそう言い捨てると、執事さんたちを押しのけるようにして寮から出て行こうとした。 「あ・・・!」 とっさに、私はお嬢様の手首を掴んだ。バシッと派手な音がして、みんなの視線が集中する。 「・・・えりかさん?」 「あ・・・えーと・・・」 また自分の悪い癖で、この期に及んでゴチャゴチャ考え出しそうになるのをどうにかこらえる。 「あ、あの!なっきぃの部屋はダメでも、ウチの部屋ならいいですよね!ね?」 「ええ・・それは、もちろん」 「じゃあ、お嬢様お借りしますんで!行きましょう!」 「いってらー」 寮の皆は手を振りながら、快く送り出してくれた。 「え・・あの、えりかさん?あら?あの・・・・」 いきなりの展開に、目を白黒させてるお嬢様を連れて、私は自室へと戻った。 次へ TOP