約 438,110 件
https://w.atwiki.jp/atohone/pages/42.html
黄金の髪飾り L:黄金の髪飾り = { t:名称 = 黄金の髪飾り(アイテム) t:要点 = かわいい,金色,派手すぎない t:周辺環境 = 首 t:特殊 = { *黄金の髪飾りのアイテムカテゴリ = ,,着用型アイテム。 *黄金の髪飾りの着用箇所 = ,,頭に着用するもの。 *黄金の髪飾りの形状 = ,,髪飾り。 *黄金の髪飾りの特殊能力 = ,,外見+1 *黄金の髪飾りの特殊能力2 = ,,これを作るのに関わった国は宝飾業が+10%栄える。 } t:→次のアイドレス = 綺麗なマニュキュア(アイテム),ティアラ(アイテム) } 掌に収まる大きさの髪飾りに、多くの人の想いが込められている。 何しろ髪飾り一つのために星鋼京、詩歌藩国、後ほねっこ男爵領の三ヶ国が協力したのだから。 その髪飾りは、ポチ皇帝への献上品として製作された。 全体のデザインは詩歌藩国、宝石のカットは星鋼京、製作を後ほねっこ男爵領がそれぞれ担当し、 文字通り三国の宝飾産業界が総力を結集したものに出来上がっている。 そもそもの事の発端は、産業育成の機運がNW全体で高まる中、後ほねっこ男爵領が宝飾産業の振興を思い立ったことにある。 かつて後ほねっこ男爵領は、宝飾産業分野において帝國に冠たる……というほどではないものの、それなりに名の 知られたブランドであった。 だが、長い時間の中で、貧乏藩国・地味藩国という評価が定着するとともに、そういったブランドも廃れ、或いは忘れ去られていった。 ゆえに、今回の産業振興は、後ほねっこ男爵領にとっては再興、再発見という面が強い。 ゼロからの出発より、例え一度は忘れかけた物であっても、土台が存在するものの方が発展はさせ易かろうという理屈である。 ついでに言えば、後ほねっこ男爵領は意外にも豊富に宝石を産出するため、原材料費を抑えられるという目算もあった。 だがしかし、そうそう思い通りに事が進まないのが世の常というものである。 高級宝飾産業には、すでに先行する強力な競争相手が存在したのだ――それも二ヶ国も。 一つには帝國にその名を轟かせる芸術の都詩歌藩国。 もう一つは超絶のカッティング技術で詩歌藩国のデザインに拮抗する星鋼京である。 この事に気付いた後ほねっこ男爵領首脳陣は頭を抱えた。 産業振興に関して、すでに多方面で走り出してしまっている。 今更方向転換もブレーキをかける事も出来ない。 しかし、競争相手はあまりにも強力すぎた――ライバルと呼ぶのも憚られるほどに。 もちろん、後ほねっこ男爵領にも意地はある。 技術でおさおさ劣るものではないという自信もある。 だが、長年にわたって浸透した貧乏藩国という認識は、後発のブランドが背負うには、あまりにも重すぎた。 さて、ここで浮上したのが、産業振興にあわせた献上品の製作である。 つまり、後ほねっこ男爵領が総力を結集して作り上げた逸品を、帝國で最も影響ある人物――つまりぽち皇帝――に献上し、 あわよくば身に着けてもらう事で、新興ブランドとして一気に知名度を上げようという目論見である。 これは中々の妙手であるように思われた。 詩歌藩国、星鋼京との真正面からの衝突を避けつつ、後発という不利を新興というインパクトへと転換する事で、 もしやすると、後ほねっこ男爵領製ジュエリーの一大ブームへの布石を打つ事も可能ではないか、と。 なるほど、確かに一石二鳥、ブームを起こせるなら一石三鳥である。 ほかに良い方策がなかったこともあって、とりあえずその方向に決まり、 献上品はポチ皇帝の豪奢なブロンドを飾る髪飾りがよろしかろうという事で話がまとまったところで、思わぬ横やりが入った。 藩王火足水極の鶴の一声である。 さて、ここで本末が転倒する。 本来、黄金の髪飾りの製作は、詩歌藩国と星鋼京につけられたリードを埋め、あわよくば逆転しようという試みである。 だが、ここに来て藩王火足水極は、他ならぬ詩歌藩国と星鋼京に協力を求めようと言いだしたのである。 みな、唖然となったのは想像に難くない。 当たり前の話である。 どこにわざわざ競争相手が有利になるように手を貸してくれるお人よしがいるというのだ…… いや、探せば結構NWにはいそうであるが、ことはビジネスである。 相手の温情に期待して計算する愚を犯してはならない。 こういった当然の反論がなされたが、藩王の決断は覆らなかった。 臣下の反論に対する藩王の答えはただ一つである。 陛下への献上品とは、つまり、最高の品でなければならない。 ここに言う最高の品とは、すなわちNWで最高の品であることを意味する。 なるほどそれならば、後ほねっこ男爵領の力だけでは足りない。 それどころか、詩歌藩国、星鋼京の力を集めても、まだ不足である可能性さえある。 三国の総力を結集する必要があるのは、当然の結論であると言えよう。 最高の品だからこそ献上するのだ、自国の利益のために利用するなど以ての外。 それはヒロイックではない。 そして、ヒロイックではないものが、帝國貴族の末席を汚していい理由など何一つないのだ。 後ほねっこ男爵領藩王火足水極。 彼もまた、骨の髄まで帝國貴族なのであった。 かくして後ほねっこ男爵領の産業振興戦略は初手から頓挫した。 そして、高級宝飾を諦め、若年層に狙いを絞った低価格帯市場へとターゲットを変更するのだが、それはまた別の話になる。 こうして作り上げられた黄金の髪飾りを初めて目にした者は、しかし、程度の差こそあれ、おおむね落胆するという。 それはそうだろう。 何しろ三国が協力して作り上げた献上品なのだから、数え切れぬほどの宝石を散りばめた、豪華絢爛たるものを想像するのが当然である。 だが、実際には中央の見事なカットの大粒のサファイアが目を引くとはいえ、後はダイヤがあしらってある程度。 派手すぎない、華美にすぎない、可愛いと言えば聞こえがいいが、地味である。 だが、それは一面の評価にすぎない。 この髪飾りは、見る者を圧倒するために造られた、権威と財力の象徴ではない。 この髪飾りは、NWでただ一人、ポチ皇帝が身につける事を前提にデザインされた、 徹底的にポチ皇帝を美しく装うために製作されたアクセサリーなのである。 髪飾りだけみて、地味に感じるのは当然だと言える。 その真価は、ポチ皇帝の豪奢に波打つ金色の髪を飾った時にこそ発揮されるのだ。 グラニエーションをはじめとする高度な技法がさり気なく用いられたその髪飾りは、 緩やかに波打ちながら広がるポチ皇帝のブロンドを纏めるアクセントとして、その美しさを十分に引き立てるだろう。 表面に施された微細な細工の質感が、髪飾りが同じ黄金色の豊かな髪の中に埋没してしまう事を防いでいる。 ダイヤモンドの輝きは、中央のサファイアを照らし、まるでサファイア自体が光を発しているように輝く。 その輝きは、星の光のごとく、凛として立つポチ皇帝の後姿に視線を集めるだろう。 そして、まとめられた髪の間から覗く白い首筋が描く優美な曲線が、ポチ皇帝の美しさを見る者に印象付ける。 必要にして最低限しか宝石を用いていないのは、ポチ皇帝よりもアクセサリーに注目が集まる事を避けるため。 控え目なサイズは、大きくなりすぎて髪を纏めるという用を為さなくなる事を防ぐため。 シンプルなデザインは、ポチ皇帝の美しさを引き立てる目的以外の装飾を排しているため。 徹頭徹尾、その髪飾りはポチ皇帝を美しく装うために造りあげられている。 それはアクセサリーの精髄とさえ言えるだろう。 何故ならば、アクセサリーとは、身に着けた者を美しく装う事にこそ、その存在理由があるのだから。 まさしく[[火足水極]]が望んだとおりの、最高の品と言えるだろう。 星鋼京の宝石カッティング技術(星鋼京さまより寄稿) ――宝飾用宝石の真価は、カッティングにある。 宝飾業界では一般的に語られる理論であり、石の大きさよりもそのカッティングの美しさによって、宝石の価値が決定するとされる。 何故なら、どの面から見ても宝石が美しく光を反射し、或いは屈折させ、その美しさを際立たせるには、 緻密かつ複雑にして、正確なカッティング技術と気の遠くなるような工数が要求されるのである。 その究極へと至る挑戦が、星鋼京の職人達の間で行われようとしていた――。 /*/ その切っ掛けとは、後ほねっこ男爵領より打診された、金の髪飾りの制作についてであった。 後ほねっこ男爵領、星鋼京、詩歌藩国という、宝飾と美術にまつわる3カ国での共同制作を提案する程のもの… 皇帝陛下への献上品であった。 だからこそ、末永く帝國の宝重とされるような、最高の物となるようにという熱き思いからの要請であった。 “帝國の、陛下の御為とあらば、協力を惜しまず” 多くの帝國貴族がそうであるように、彼らもまたその思いに応えた。 更に言うなれば、この後ほねっこ男爵領が行った決断。 それは自国のみが栄誉に浴する事が出来る所を、最善とするために両国に助力を請い、名誉を分かち合うというものであった。 一つのヒロイックである。 それは、帝國貴族が命を賭して守らんとする矜持であった。 かくして、星鋼京は宝石加工に関する技術供与を行う事となったのである。 /*/ ――無論、これだけが全てでは無いのが複雑な所だが、そこはそれ。 この場においてはは語るに及ばない部分である――。 /*/ そして、星鋼京に依頼されたのが、わんわん帝國皇帝を象徴する青玉=サファイアのカッティングであった。 サファイアは、鋼玉と呼ばれる鉱石に分類され、その名が示す通り極めて硬い鉱石である。 その硬さは、天然鉱石ではダイアモンドに次ぐ硬さを示す。 その為、加工が難しいとされる事が、高い宝石加工技術を持つ星鋼京に技術供与が依頼された一因であった。 この依頼を星鋼京政府より受けた宝飾職人達は、色めきたった。 皇帝陛下への献上品、その一事だけでも、彼らの職人魂に火をつけるには十分だったのである。 ここに、陛下への献上品として相応しく、末永く帝室の宝重となるようなカッティングの模索が行われたのである。 ――作業は、彼らの熱気とは裏腹に粛々と進められた。 その過程で様々な試行錯誤が合ったことは想像に難くないが、彼らは過程を多くは語らず、ただ期日通りに完成品を静かに提出するにとどめた。 それは、彼らがこの仕事に込められた意味を真に理解し、個人の仕事を誇るのではなく、 “星鋼京の技術”として応える事をよしとした結果であった。 職人達がインペリアル・カットと称したそのカッティングは、その巨大なサファイアを華美に過ぎず、しかし典雅さと気品を湛え、 自然から生み出された輝きをどの面から見ても美しく描き出す構造となっていた。 その輝きは、正に星の如く。 “星鋼京の技術”として、恥ずべき所の無い輝きであった。 (作成:吾妻 勲@星鋼京さん、セタ・ロスティフンケ・フシミ@星鋼京さん) 詩歌藩国声明(詩歌藩国様より寄稿) 星鋼京、後ほねっこ男爵領、詩歌藩国。 宝飾業の盛んな三国ですが、それぞれ国による個性、方向性があります。 互いの領域を食い合うことがあるかもしれません。 しかし、互いを刺激し合い、高め合う関係として上手くやっていくこともできるでしょう。 そして三国の技術を合わせて創られたこの髪飾りが皇帝の御許にある限り、我々は忘れないでしょう。 我々は協力し合え、素晴らしいものを創れるということを。 竜宮・司・ヒメリアス・ドラグゥーン 詩歌藩国摂政 (作成:竜宮・司・ヒメリアス・ドラグゥーン@詩歌藩国さん) 後ほねっこ男爵領作成 文章:深夜 イラスト:瑛の南天 3カ国共同でのページ作成の許可参照URL⇒ マイル出資根拠参照URL⇒
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2024.html
その香りは誰がための その日、インデックスとスーパーへ買出しに出かけた上条当麻は、買い物かごに、見たことのない、 されど見慣れたデザインのプラスチックボトルが入れられているのに気がついた。「インデックス。これ、お前が入れたのか?」「そうだよ、とうま。シャンプーが切れちゃったんだけど、カナミンのが売り切れだったから、カエルので我慢するんだよ」 その緑色のボトルは、いつも見慣れたカエルのデザイン。彼の持つ携帯ストラップからぶら下がるマスコットと同じもの。 表には『ゲコ太シャンプー・低刺激なのでお子様にも大丈夫! フローラルの香り』というラベルが付いていた。「ゲコ太シャンプー、ね」 値段はインデックス愛用の「カナミンシャンプー」よりわずかに安かった。 ま、安いからいいか、と特に何も考えずにいた上条だが、ふとあることを思い出す。(ゲコ太といったら、御坂の好きなキャラクター、だったよな? もしかしてアイツ、これ使ってんじゃねえだろうな?) ふと浮かんできたのは、上条が最近、ちょっと気になりだした女の子の姿。 いつもなにかと付きまとってきては、いろいろと世話を焼きたがるお節介な女の子。 以前は道端でばったり会うだけで電撃を放たれていたが、いつの頃からかそれもなくなり、気がつけば自分の隣で笑顔を見せるようになっていた女の子。 ロシアから戻った夜に、自分の手をとって――ひとりじゃないと言ってくれた、御坂美琴のことだった。 一緒に行ったハワイでの『グレムリン』との戦いでは、苦戦を余儀なくされた自分を掩護してくれたおかげで、なんとか勝つことも出来たっけ、 と記憶を手繰っている上条の脳裏には、いつしか彼女の笑顔が浮かんでいた。(御坂なら、間違いなく使ってそうだな。でもアイツの髪、なんだかいい香りがするんだよな。こんな安物シャンプーの香りじゃ無さそうな感じだし……) 何度か嗅いだことのある美琴の髪から漂う香りが脳裏に甦っただけで、上条はなぜだか心臓がきゅっとする感覚を覚えていた。 彼女の顔を思い出すだけで、顔もわずかに火照って、胸が高鳴る感じだってしているのだ。(あれ? なんで俺はこんな事でドキドキしてんだろ?) スーパーの売場でゲコ太シャンプーを片手に、ぼうっと物思いにふけたまま突っ立っている男子高校生の姿が、店内に妙な違和感を漂わせている。 そんな上条を見ていたインデックスが、「とうま? なんで顔を赤くしてぼうっとしてるの? なに? また誰か他の女のことでも考えてたりするのかな?」「イ、インデックスさん? そ、それは誤解ですよって。上条さんは別に御坂のことなんて考えて……」 そのとたん、インデックスのこめかみに、なにやらピキリと浮き出たものが。 あのときは、自分のことだからと彼女のことをステイルに頼んで、学園都市に留守番をさせてしまってから、美琴の話にはやたらと攻撃的になった。「とうま! 短髪がどうかしたってぇ?」「ひぃっ!? インデックス、ちょっ、こ、ここでそれはマズイって!? いやいやいや、俺は何も思ってませんのことよーー!!」 上条の目には、じりじりと近寄ってくるインデックスの背中に、なにやら黒いオーラが見えている。 それがなぜだか彼には、地獄の使者の姿にも似ているように思えた。「やっぱり、とうまはとうまだったんだねっ!!」 そう言うなり彼女の歯がぎらりと輝いたかと思うと、ガブリ、と上条の後頭部に突き刺さる。 直後、彼の放った絶叫が、大きく流れているBGMを圧倒するように店内に響き渡っていったのだった。「不幸だーーーーーーっ!!」 「とうま、お風呂、お先にあがったんだよ」 その夜、パジャマに着替えたお風呂上りのインデックスが、濡れた髪をバスタオルで拭きつつ上条の前へとやってきた。 彼女の透きとおるような長い銀色の髪は、いつ見てもきらきらと輝いて、誰もがつい見惚れてしまうような美しさだ。 特に風呂上りの湿り気を帯びた彼女の銀髪はしっとりとして、鈍感な上条をしても、きれいだと思わせるほどの魅力を持っていたが。「おう。じゃインデックス、バスタオルをかしてくれ」 上条はそう言って、いつものようにインデックスの頭を拭いてやっていく。 腰まで伸びた彼女の髪は、きちんと乾かしてやらないと、翌朝彼女が目覚めたときに寝癖や枝毛でひどいことになり、 それを直す彼女の機嫌もひどいことになることを、彼は知っていたから。 じっと座って髪を乾かしてもらっているインデックスと、その世話を焼いている上条の姿を見れば、まるで妹の世話を焼く兄か、 娘の世話をする父親のようにも見えるだろう。 だが今日は、いつもと何かが違っていた。(あれ、これって……) ふわんと上条の鼻腔をくすぐる香りが、彼の記憶を呼び覚ます。 インデックスの髪から漂うフローラルな香り。それは新しく買ったシャンプーの香りだった。 その正体に気づいた上条の脳裏に浮かんだのは、(――御坂の匂い、だよな……) インデックスの髪を拭くタオルの動きが、だんだんとゆっくりになって。 同時に上条の脳裏を占めるものが、どんどんと大きくなって。 つい――すうううぅぅぅっと、鼻から大きく息を吸い込んだ彼に気づいたインデックス。「――とうま?」 はっとした上条が気がついたときには、向こうを向いて座っている彼女から、なにやら不穏な気配が伝わってくる。「いや、あの、インデックスさん? これはえっと、その……あはははは。シャンプーが変わるだけでなんかいつもと違う香りだなーってつい……」 慌てて誤魔化そうとするも、誤魔化しきれないのが上条の上条たる所以。 これはまた噛み付きか、と一瞬覚悟した彼であったが、次の瞬間、冷水を浴びせられたような心地を味わうこととなる。「――とうま……」 どことなく寂しそうなインデックスの声だった。 「インデックス……どうしたんだ?」 彼女の変化に何か深刻そうな気配を感じた彼は、躊躇うことなくインデックスへと意識を向ける。 向こうを向いているので、表情は見えないが、なんとなく肩に力が入っているようにも見え、膝においている手は、 きゅっと拳が握られて、わずかに震えているようにも感じられた。「とうまもそろそろ、ちゃんと自分の気持ちに向き合ったほうが良いのかも……」「――いきなり、なんなんだよ?」「ここ最近のとうま、なんか変なんだよ。ぼうっと考えごとしてたり、ちょっと顔を赤らめてたり、ときどきため息なんてついてたりするんだよ……」「え? いや、そんなことないぞ? 大体なんで俺がそんな恋する乙女みたいな……」 そう言いかけて上条は、自分の言葉に戸惑いを隠せなくなってしまっていた。(恋する乙女だと? なんで? 俺が? いやいやありえねえって……相手は中学生だぞ)(ちょっと待てって、俺。大体なんで俺が御坂に恋しなくちゃいけないんだ? そりゃ確かにあいつはちょっとビリビリしてるけど……美人だし可愛いしな)(いやそもそもなんで御坂が出て来るんだ? 第一、俺はあいつといつ知り合ったかさえわからねえくらいなんだぞ? 確かに俺の記憶喪失を知ってるけどさ。 だからって本人に聞くわけにもいかねえだろうし)(あの香り嗅ぐだけで、隣にあいつがいるみたいでなんだかドキドキしちまうし……ってなんで俺は御坂のことばっかり考えてるんだ?)「あーーもうわかんねえよっ! ったく……」「どうかしたの、とうま?」「――あ、あ!? いや、なんでもねえよ。なんか心配してくれるみたいなのはありがたいけど、俺なら大丈夫だからな? インデックス」「――やっぱり変なんだよ、とうま。この私の完全記憶能力には……」「いや変じゃないよないですないんですからの三段活用? じゃ、じゃあ俺も風呂行ってくっからっ!」 彼女の言葉をそう遮ると、着替えをつかんで脱衣所に飛び込むように駆けていった上条。 インデックスは彼の後ろ姿を見送ったあと、ぽつりと小さく呟いた。「――インデックスは、とうまが幸せになるのなら、喜んで応援したいんだよ。でも……ごめんね、とうま。 この気持ちに整理がつくまででいいから、もう少しだけ、私に付き合って欲しいんだよ」 そうしてぽたりと一粒だけ、滴が落ちた。小さく握られた白磁のような彼女の手の甲に。 いつもの寝床、浴槽の中で、上条はゲコ太シャンプーのボトルを握ったまま、物思いに耽る。 シャンプーから放たれる、甘く新鮮で爽やかな香りに包まれて、ドキドキと高鳴る心臓の鼓動と、ぐっと締め付けられるような胸の苦しさを覚えていたのだった。「――御坂美琴、か……」 そっと名前を呟いてみた。 それだけでふわりと浮き上がるような高揚感と、かあっと顔が火照るような熱っぽさが感じられて。 すでに冬の最中となって、底冷えのするこの浴室で眠るには辛い季節だというのに、熱くなった身体にはちょうど良かった。 生まれてはじめて味わうこんな気持ちは、いったい何なのか、なぜなのか、自分でもさっぱりわからない。 もしかすると記憶を失う前の自分なら知っていたかもしれない。が、それも今となっては詮無いことだと思い直し、 これ以上考えるのはやめようと上条は大きく息を吐く。「明日になれば、この香りにも慣れちまうだろうし、こんなもやもやした変な気持ちだって、忘れちまうに決まってるさ」 そう独りごちてシャンプーのボトルを棚に置くと、頭から毛布と布団を引っかぶり、身体を丸くするようにして眠りに付く。 いつもの大きな枕を抱きしめるようにしているだけで、気持ちが落ち着いていくような気がするのだが、 今日ばかりは目を瞑っている間も、なぜだか美琴の笑顔は脳裏から離れてくれなかった。 それでもやがて上条の意識は、深遠の淵へと静かに沈んでいった。 もう明け方なのか、ふっと意識が戻りかけたとき、上条の腕の中に何かが感じられていた。 それは熱くもなく冷たくもない、自分と同じ温かさを持ったもの。 まるで女の子を抱きしめているような感覚と、あたりに漂ういつもと違う良い香り。 上条には何の疑いもなく、それは御坂美琴なんだと思えていた。(――ああ、御坂か?)『――お願いだから美琴って呼んで欲しい』(みこ、と)『当麻』(ああ、美琴……)『なあに? 当麻』(美琴はいい匂いだな)『ありがと、当麻』(――お前の匂い、もっと嗅いでいたいな)『当麻だったら、いいよ』(そうか、だったら……ここと、ここと、ここも)『――いやん、当麻のエッチぃ……』(み、美琴ぉ……えっ!? あれっ? えええーーーっ!) ガバッと飛び起きた上条が目にしたのは、見慣れた浴室の風景と自分が抱きしめている大きな枕。「ええっーーー!?」 悲鳴のような叫びを上げかけたところで、慌てて口を押さえる。 夢だとわかってほっとする一方で、上条はなぜだかものすごく残念な気持ちになっている自分に気がついた。 (お、俺が、アイツの匂いをもっと嗅いでいたいだとおおぉぉ?) はぁはぁと肩で息をするも、彼は心臓の高鳴りが押さえられなくなってしまっていた。 上条の胸はきゅっと切ない苦しみを訴えるだけでなく、顔までもが熱く火照っている。「い、いつから上条さんは、匂いフェチの『くんか条さん』になってしまったんでせう?」(――くそっ! こんな夢見ちまったらアイツの顔なんて、今日一日まともに見れるわけねーよ! ふ、不幸だ……) なぜそれを不幸だと思ったか考える間も無く、すぐに起床時間がやってきた。 もちろん気持ちを入れ替えるための二度寝など許されるはずもなく、そのまま登校時間を迎えることとなる。 放課後の帰り道、いつものように美琴と遭遇した上条は、もちろんまともに彼女の顔なぞ見られるはずもなく、顔を真っ赤にさせて逃げ出すように走り去っていく。 後に残された美琴が、いつもと違う上条の様子に訳もわからず、ただぽかんと彼の後姿を見つめるだけだったのは言うまでもない。 ~~ THE END ~~
https://w.atwiki.jp/wiki-0505/
芸能人のような髪型になりたくて最近美容院に行きました。 ヘアカタログを読み漁ってみたものの、自分に似合う髪型がよくわかりません。 美容師さんと相談して流行の髪型はショートボブなど短めということなので ヘアカラーとデジタルパーマで平山あやをめざしてみました。 a href="http //starpurikura.livedoor.biz/" 芸能人の髪型 流行の髪型 /a
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/44438.html
くろーでぃあ【登録タグ VOCALOID く ギャスパ 初音ミク 曲】 作詞:ギャスパ 作曲:ギャスパ 編曲:ギャスパ 唄:初音ミク 曲紹介 ギャスパ氏の処女作。 illustration / マルナ 歌詞 (piaproより転載) か細い腕で母の骸を抱き締め 消えかけの燈火を揺らし泣いてる 愛とサウタージの下に君の輝きは刈り取られた 人としての最後を その目は美しく夜を映した 渇きに小夜時雨の瞳は目覚めた 我侭に身勝手にただ命を貪る姿はきっと 闇に堕ちる始まり 君を遮るものは何もない 当たり前に訪れる落日のその日すら クローディア 君は赤に濡れて クローディア 夜の闇に咲いた HELLO HELLO クローディア 君は赤に濡れて クローディア 狂う月を浴びた HELLO HELLO HELLO その身は朽ちることなく幼子のままで 心だけがセピアに枯れていく 憧憬は妄執となり復讐の火は銀色のナイフに 愛は執着に…… 交わした愛で互いを刺し合い それでもきっと 真実だったから 君を受け入れるものは何もない 当たり前の日々 夢に描く安らかな理想すら クローディア 太陽に焼かれて クローディア 君は黒を纏う GOODNIGHT GOODNIGHT クローディア 母の影に抱かれ クローディア 君は永劫に灰と眠る 「貴方が必死に抱き締めていたものは……」 「私の金色の髪と共に……」 「朝陽の熱に消え失せてしまったんだね……」 「愛した記憶ですら滲ませて……」 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/newrowa/pages/23.html
モンスターズ・オペレーション ──このバトルロワイアルは、夢を壊す帝王ビッグ・バンの提供でお送りします── 昔、ある町に小さな玩具売りをする青年がいた。 彼の発案した玩具は好評を得て、やがて「発明家」としても名を残すことになる。 言うならば、この物語は彼の作った玩具。 その結果が悲劇であれ、喜劇であれ、玩具は楽しむものである。 彼はその過程を楽しんでもいたし、時に不満足そうに見ているときもあった。 玩具は必ずしも動かしたいようには動かない。 その可動範囲に限りがあるとおり、性能に限界がある。 また、ガチャポンからカードがランダムに排出されるように、運にも関わりがある。 必ずしも使い手の動かしたいようには動かない。 彼は「人間」という玩具の「自分の動きたいように動く」という性質をたいへん厄介に思っていた。 玩具の持つ不確定性は、時に売り手に利益も与えるし、不利益も与える。 彼は基本的に、売り手であった彼はその不利益に憤り、必要以上に利益を求めようとする性格であった。 批判を受けるような商法を利益を得続けた。 そして、ある日、とんでもない玩具を作り出した────。 ★ ★ ★ ★ ★ 「朝なのダ! 起きるのダ! ジリリリリリリリリリリ……」 ハ●太郎の目覚まし時計が鳴る音がした。 昔、俺──藤宮炎──が持っていたやつだ。朝7時にセットしたのに夜7時に鳴ってブン投げた記憶がある。録音機能もついてた。 身体を覆う掛け布団の感覚も、身体を押す敷布団の感覚もない。体育の時間に学校の体育館に寝転がったときのような感覚だった。 辺りを見回すと、自分と同じように人々がけだるそうに身体を起こし始めていた。あれだけ大きな音で目覚まし時計が鳴ったのだから厭そうに起きるのも仕方がない。 それにしても、ここにいるのは────知らない人たちだ。見たことのない人たちだ。 ここも見たことのない場所だし、見れば、鎧(?)を被った人間もいるし、仮面を被った人間もいる。 異様な雰囲気を感じるに、寝起きといえど時間はかからなかった。 「さて、我が 《 ビッグ・バン 》 の実験に選抜された100人のラッキーマンの皆さん。よく眠れましたか?」 体育館というからには、俺達がいるここが床で、目の前にはステージがあった。 その声は、そのステージから聞こえるものだった。 ★ ★ ★ ★ ★ 「さて、諸君には色々聞きたいこともあると思うが、まずは私の説明を聞いていただこう」 ビッグバンはステージから見下ろせる人間──その数100人を前に、これから何をしようというのか、その野望の説明を開始する。 豪奢な椅子にもたれながら彼らを見下ろしていると、正真正銘────彼らは、玩具なんだと思わせる。 このビッグバンを前に、おそらくは文句を言いたげなやつが過半数はいる。こちらを睨んでいる人間は、訝しげな視線も含めるなら見事全員である。 それでも、ビッグバンの立つステージには、見えない壁があるということを彼らは知らないだろう。 「まずは簡潔に本題を話そう。私の名はビッグバン。諸君らには、私の玩具となって、最後の一人になるまで《殺し合い》をしてもらう!」 直球。あまりにも直球に。 ビッグバンは、ざわつく人々を前に、何の躊躇もなくストレートに目的を話した。 あらゆる人物の口から批判が起こるが、皮肉にもその批判が、他の批判と交じって耳に入らないのが愉快であった。 前方にいた、扇要という男はステージに乗り出そうとしたが、その身体が特殊な電磁波によって弾かれ、宙に浮いた。彼の知り合いと思しき女性が近寄って心配すると、彼はすぐに頭を抑えて立ち上がる。 もはや、彼に闘争心はなかった。 そこにいる誰もが、その電磁波は簡単には打ち破れないものだと悟る。 その時、一人の男が周囲を気押しながら前にしゃしゃり出てきた。 金髪、ヘビ柄ジャケット、そして────どこか楽しそうな笑み。 参加者の誰かが、彼を「浅倉!」と呼んだ。 「何か用かね? 浅倉威クン」 「いや、簡単なことを聞きたい。……その殺し合いは、いつ始まるんだよ?」 誰もが先延ばしにしたいと思っているその出来事について、早く始まれと期待せんばかりの笑みで言った浅倉に、体育館はざわついた。 「まあ、待ってくれ。ほんの数分待ってもらえばいい。まずは《武器》の説明、《禁止エリア》の説明、《首輪》の説明がいる」 「なんだ? それは……」 その時、浅倉もはっとした。あまりに軽量で、ネックレスはおろか、肩に羽毛が乗ったような感覚だったが、首に何かがある。 ……首輪、とはこれのことか。誰もが気付いた。 「まあ、彼のように殺し合いをしたくてたまらない人間もいる。だが、言ったとおり説明を聞かなければ死ぬ確率が高まるだけだ。居眠りするほどの長話ではない。まあ、聞かずに死ぬのも自由だが……」 それから、静寂の時間とともに改めてビッグバンは口を開いた。 「殺し合いのルール。これは単純だ。これから転送される場所で、参加者を見つけ次第殺害してもらえればいい。 三日分の食料ほか、サバイバル用品はこちらで全員に支給する。これは全員共通だ。しかし、武器が同じでは面白味がない。そこで、武器はそれぞれ違うものを支給することにした。 弱い武器、強い武器、医療用品、防具、あるいは二つ揃って初めて意味を成すものもある──そこは運に身を任せていただこう」 「禁止エリアについては────まあ、その名のとおり入ってはいけないエリアだ。 入ったが最後、無残にもその命を散らす羽目になる。最初は禁止エリアはないが、時間が経つにつれこちらが伝える。 その手段は、転送先に点在しているスピーカーからの6時間おきの放送だ。それまでに出た死者の数や諸連絡はこの放送によって伝える」 「そして、残った首輪の話だが────」 ここで、ビッグバンは妙な間をおいた。 そして、ニヤリと笑った。 「これは先ほど、真っ先に私に逆らった愚か者を例にして教えてやろう……扇要っ!!」 名指しされた扇は固唾を呑み、険しい表情で前に出てきた。 いやな予感はしているが、こういう場合、強気に出る必要もある。場合によっては、関係ない人が傷つく場合があるだろう。 「俺に用か……ビッグバン」 「簡単なことだ。その首輪は爆弾になっている」 「……やっぱりか」 「外そうとしても爆発する。先ほど言った禁止エリアに入ってもだ。対ショック性で、たとえ人外のものであれ、この殺し合いの覇者とならん限りは絶対に外れることはない」 「クソッ!」 「だが、そんなことを言われても実感が沸かないだろう。羽のように軽いからな。だから、それを証明しようというのだ、お前の身体で!!」 ビッグバンが手元にあった何かの装置のボタンを押した。 そのテレビやエアコンのリモコンのような装置だろう。明らかにそれは参加者側に向けられていた。 (南無三……っ!) バァンッッッッ!!! 羽毛のような軽さとは裏腹に、発された音は鼓膜に今だに余韻を残させていた。 血が体育館の床を、赤く染めた。汚れた、というより……ビッグバンにはその血の海が綺麗な情景に見えただろう。 死を覚悟し、呆然としていた扇の前に赤い髪の少女が駆け寄った。 「扇さんっ!」 「嘘、……お、俺、生きてるぞ!?」 その体育館で起きた一つの死は扇のものではなかった。 ──いや、ある意味では扇の半身は引き裂かれたようなものだ。 綺麗な銀色の髪が舞っている。 扇が顔を上げたとき、目の前に転がっていた首は、扇のよく知る褐色の美女のものだった。 このとき、扇の中で何かがプツン、と切れた。 自分の周りに99人もの人間が見つめ、その中にはまだ年端もいかない女の子もいるというのに、一人の男が心の底から絶叫し、泣いた。 そんな扇の赤い顔とは真逆に、その顔を笑みでゆがめながら、ビッグバンが語りかける。 「扇、キミにチャンスをやろう。これはここにいる誰にとっても朗報だ。今から言うことを、よく聞け」 「この殺し合いの覇者には、私の生涯をかけて作り上げた最強最大の玩具を受け渡そう。 クックックッ……いや、これだけでは納得してはもらえないか。しっかり話しておこう。 その玩具は、殺し合い覇者の《 限 定 品 》だ。それに相応するだけの力を持つ────そう、言うなら、全ての望みを叶える玩具!! 諸君らはその玩具に導かれてここに来たのだ!!」 一部の参加者は、既に自分たちが特殊な力でここにやって来たことを察していた。 自分が簡単に意識を失い、こんなところに監禁されるということも信じていないからだ。 それだけの自信を持つ参加者もいる──無論、首輪がある以上、彼の前では玩具なのだが。 「叶える願いは自由! 死者の蘇生、不老不死、帝王の権利、億万長者! 今失った、ヴィレッタという女──いや、君は千草と呼んでいたな。彼女の命も例外ではない。 或いは、日本。君が日本を取り戻すために戦った話を私はよく聞いている。日本を手に入れることも難ではない」 「さて、もう必要な説明は全て終えた。喜べ、浅倉。──────遂に、開幕だ」 浅倉の笑みとともに、体育館から全ての参加者がいなくなった。 【ヴィレッタ・ヌゥ@コードギアス 反逆のルルーシュ 死亡】 【BATTLE ROYALE START】 投下順 001 。笑 時系列順 001 。笑 初登場 ビッグバン 初登場 藤宮炎 010 罪と罰 初登場 浅倉威 010 罪と罰 初登場 扇要 005 No work, no pay.(働かざるもの食うべからず) 初登場 紅月カレン
https://w.atwiki.jp/dqff1st/pages/820.html
サマンサは戦列に加わったパパスに呪文の力をあたえようとしていた。 「もういい、サマンサ」 背後から声がかかった。 サマンサはぞくりと背中に走るものを感じた。動悸がして息が苦しくなる。こんな経験は初めてだった。 肩をひどく冷たい手につかまれる、真夏の暑さのなかに居たのに突然極点に放りだされたような感覚。 ふるえながら顔を横にむける。デッシュが両膝を床におとして焦点を失った目をしている。 まるで魂を抜かれて人形になってしまっている。 「ピサロ卿、何を、なさるのです……」 サマンサは額に流れる汗を感じながらあえいだ。背中がわを見るなんてとてもできない。不安と恐れで 目が狂いそうだった。 ピサロは横をむいたままのサマンサの目前を通りすぎた。銀髪は普段と同じく、鋭くこまやかに流れていた。 サマンサもデッシュと同じだった。膝から崩れ落ちて茫然と景色を見つめるだけの存在になってしまった。 「……あ……っ」 それ以上声が出ない。 エーコとアニーがサマンサたちのもとへ駆けよる。尋常ではない二人の様子を見てとって 「どういうこと。あの人普通じゃないわよ。あれじゃまるで魔王かなにかじゃないの!」 エーコは信じられないといったふうにわめいた。 「わたし、あれと似た力を前に感じたことがある」 アニーは屈みこんでデッシュに癒しの呪文をかける。 「魔界、あそこで、感じたことがあるの。……あの人、魔族なのよ、たぶん」 毛の生えぎわに汗をうかべて途切れそうな息をしていた。 「しょうこりもない人間ども! わざわざ死ににくる能無し! それほどとどめを刺してもらいたいか!」 アイラを追って一度さがったとんぬらが、パパスの繰りだす剣戟の合間を縫って真空呪文をとばし、バラモス ブロスの衣装を切り裂いた。間髪入れずにクーパーが敵の足に刺さったままの珊瑚の剣に雷を落とす。 ブロスがそれに堪えた様子はない、いきり立って口元からもれる炎熱を周囲に漂わせはじめた。 「ライデインじゃダメだ、ギガデインじゃないと! おじいちゃんはなれて!」 パパスは魔王のかぎつめをかわしながら、アイスブランドを叩き込む機会をうかがっていた。 「なんとギガデインとは、本当に勇者なのだな」 一瞬の隙をついて降りそそぐ三本の凶器、紫の鋭い爪はパパスの頭をとらえた。 「死ね」 パパスは咄嗟に身体を右に振った。 「ぐっ」 人間の腕より太い爪がパパスの左肩を引き裂く。とんぬらの叫び声とともに血しぶきが舞う。 叩きおろされた削岩機のような大腕が勢いあまって床を砕く。粉々になって炸裂する岩盤。 目くらましがかかった。 噴き上がるマグマさながらに飛びちる床の破片の只中で、パパスは全精神を集中させた。 孫の力も見たかったが、今ここで消耗させてはいけない。勇者の力は最後の決戦のために温存しなければ ばならない。大魔王はこの程度の敵ではないはずだ。 耳が、何も聞こえない。 千切れかけた左腕が痛む。右腕だけでよい。一撃の刃を魔王の身体に叩きこむ。 歯ぎしりの音だけが体じゅうを駆けめぐった。 下半身に力が入った。体当たりに必要な踏み込む力を! パパスは咆哮をあげて突撃した。 巨大な影はパパスをとらえて放してはいなかった。 魔王の双眸が、いま輝いて、飛びかかったパパスを正面に据えた。 がばりと開いた口から灼熱を吐きだして、戦士を氷の剣ごと炎のなかに呑みこんだ。 熱い、光が散じていくつもの星になる光景が見える、パパスは心中で息子の名前を叫んだ。 黒い旋風が大廊下をつき抜ける。風は炎をかき消し、死の香りを運んで魔王すらを戦慄させた。 孤を描きながら死神の鎌が空を切って、ピサロの手元にもどってくる。 鎌の柄をがっしりと握り、冷ややかな視線をバラモスブロスとパパスに送った。 「なんだ……今、なにをしたのだ」 圧倒的な熱量を誇る炎がすっかり姿を消していた。バラモスブロスは驚愕してピサロを見つめる。 目線を落とせばすぐ眼の前にパパスがいるのに、うわごとをつぶやいて動こうとしない。 尻もちをついているパパスは、空恐ろしい魔王の相貌を見上げた。 その魔王の顔が一瞬で文字どおり氷ついた。 「ぐおおあっ」 バラモスブロスの巨体にみるみる氷雪がこびりつく。さらに追いうちをかけて氷の散弾が魔王の体躯に 穴を穿つ。たまらず引きずられるように後方に追い詰められていく。 「これは、マヒャ、ドかぁっ」 バラモスブロスは再び仰向けに倒れた。 「いったい……」「部屋に戻っていろ、私一人でやる」 ピサロは自分の言葉をパパスの言葉に覆いかぶせた。 パパスはそれでもう何もいえなくなった。心ここにあらずといった感じで、肩の痛みも忘れて じりじりと後ろにさがっていった。 部屋にはピサロを除く全員が集まっていた。とんぬらも、クーパーも、同じように追い払われて。 動くことのできなかったアイラもピサロが送り届けたのだ。 バラモスブロスを遠目に短く息を吸い、床と並行に構えた死神の鎌に今一度力をあたえた。 「いいか、一瞬で終わらせろ」 ピサロはステップを踏んだ。右手に握られた死神の鎌がそれに合わせて上下に揺れる。 風にのって両腕を拡げ、銀色の髪をたなびかせてピサロは踊った。 殺伐とした舞台でひとり優雅な舞を披露してくれる踊り子になって、それは破滅をさそう死の踊りになって、 氷結したバラモスブロスの目を見張らせた。 ピサロの両腕は見境なく斬り乱れる細身の剣より狂的に暴れ回った。 バラモスブロスは無理やり首を折り曲げ、怒りそのものである激しい炎を自らの体にあびせかけた。 氷が溶けていき、衣装は燃えさかって毒々しい色の肉体に高熱が帯びていく。 魔王は拳を床に叩きつけ立ち上がった。怒りに全身がふるえていた。 「があぁぁぁあああ」 魔王は穴だらけの体躯から緑の霧をあふれ出させた。 妖気に満ちた霧の勢いは、周囲の空気を生物が呼吸できないものに変えていく。 「人間どもはこれで終わりだ!」 デスピサロはうっすらと微笑んだ。全身に禍々しいオーラが湧き上がった。 死神の鎌が巨大な竜の顎のように肥大して周囲の景色を暗黒に変えた。 デッシュが茫然と立ち尽くしているのを横目で確かに見たパパスは、自身も言葉を失って唖然としていること にあらためて気づく。 リディアが怯えて小さく固まっているのは、「敵の魔王」以上の恐怖が現れたからだ。 「……!」 バラモスブロスは大口をひらいて悶絶している。魔王の体は縛られて言うことをきかない。 デスピサロはバックステップして巨大な鎌を大きく横になぎ払った。 どす黒い閃光が魔王を両断した。 血は見えない。暗黒でしか生きられないものの体に流れているのは、ねじれ歪んだ邪念しかないのである。 魔王の体から噴きでてきたのは、デスピサロが生み出した漆黒の大鎌に勝るとも劣らない暗黒に満ちた邪念、 怨念、救いようのない罪人が己の罪を悔まずに憎悪だけを募らせているような姿。 真っ二つになったバラモスブロスは、この瞬間も、己が人間ごときに敗れるはずがないと、 恨みがましい悪罵の限りをデスピサロにぶつけていた。 デスピサロはバラモスブロスに背を向ける。 一回、地鳴りがした。 もう一回、魔王の下半身が前のめりに倒れて、地響きが起こった。 死神は血が吸えなかったことに腹を立てた。行き場を失った欲求は持ち主に襲いかかった。 ならばお前の血をもっとよこせと白い手をのばしてデスピサロの首筋を掴まえようとした。 デスピサロはその手を軽く払いのけ鎌の刃をつかむ。気合をこもった声が辺りに響きわたった。 「消えろ」 ピサロは言いざまに何かを放り投げた。 大鎌は姿を消し、ピサロはいつものピサロに戻った。 ふと闇は薄らいでいく。 自失ぎみのサマンサの足元にぽつんと降ってきたのは、刃を失った鎌の柄だった。 「あ、あ、あの……」 言葉を取り戻したサマンサたち、歩いてくるピサロに恐る恐る伺いをたてた。 ピサロは不思議そうにサマンサを見つめる。 「なんだ、どうした」 彼女の足元に落ちている鎌の柄を、もうこれは役に立たない、と踏みつぶした。 サマンサは目を伏せる。そこへデッシュが身を乗り出してきた。 「おい、おいったら、そんなに強いんなら、そのままゾーマも倒してくれよ」 ピサロはどこまでも冷ややかだった。デッシュの視線をはずして口を開く。 「……できればな」 【デスピサロ 所持品:『光の玉』について書かれた本】 【デッシュ 所持品:アサシンダガー 加速装置 裁きの杖 首輪×5】 【サマンサ 所持品:勲章 星降る腕輪 手榴弾×1】 【パパス 所持品:アイスブランド イオの書 バスターソード 妖剣かまいたち ドラゴンテイル 食料多】 【とんぬら 所持品:さざなみの剣】 【アニー 所持品:マインゴーシュ】 【エーコ&モーグリ 所持品:なし】 【リディア(魔法使用不可) 所持品:なし】 【クーパー 所持品:珊瑚の剣 天空の盾 天空の兜】 【アイラ(ゾンビ・左腕欠損、処置済み) 所持品:チェス板、駒 死者の指輪 ダイヤソード】 以上 【第一行動方針:アルスたちと合流? 最終行動方針:ゾーマ打倒】 【現在位置:ゾーマの城】 【ゼニス 所持品:アンブレラ 羽帽子? 行動方針:最後まで物見遊山?】 【現在位置:ゾーマの城】 【バラモスブロス 死亡】 ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV デッシュ NEXT→ ←PREV リディア NEXT→ ←PREV エーコ NEXT→ ←PREV サマンサ NEXT→ ←PREV ゼニス NEXT→ ←PREV デスピサロ NEXT→ ←PREV とんぬら NEXT→ ←PREV クーパー NEXT→ ←PREV アニー NEXT→ ←PREV パパス NEXT→ ←PREV アイラ NEXT→ ←PREV バラモスブロス NEXT→死亡
https://w.atwiki.jp/tousounokeitou/pages/210.html
『絆は種族を超えて…』エピローグ 作者・ユガミ博士 499-27 六本木*** 悪魔将軍を封印し、目的を達成した一同。魔界の住人であるデミトリや モリガン、飛影は、そのまま魔界に残り、十二使徒の数名はファウスト博士や 見えない学校の元へと戻った。 裏嶋「彼女は気を失っているだけで外傷とかは無いわ。もう少ししたら、 目を覚ます筈よ」 明「そうか、よかった。アンタらには世話になっちまったな」 デビルマンは不動明の姿に戻り、裏嶋から美樹の容態を聞いて、明は 安堵する。そして治療した裏嶋達に礼を述べた。 真吾「よかったですね。ええと...」 明「不動明だ。この姿の時はな...じゃ、美樹も無事みたいだし、 連れて帰らせてもらうぜ」 零児「待ってくれ。サタンの化身は倒したが、おそらくぬらりひょんと デーモン族の繋がりは消えていないと思われる。デーモン族について 詳しく聞かせてくれないか」 美樹を連れて帰ろうとする明に、零児はデーモン族の情報を聞こうと 引き留める。魔界から六本木まで移動する間、明から自身の事や デーモン族についてある程度聞かされたが、これからの戦いの為にも より詳細な情報が必要だった。 明「...俺は別に世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ。俺は只、美樹が 悲しむ姿を見たくないだけだ。今回だって、美樹が攫われたから、美樹を 取り戻す為、動いただけだからな。デーモン族についてなら、兜甲児や ゲッターチームの3人に聞いてみな。アイツラもデーモンと戦った事があるからよ」 零児「...そうか、了解した。無理強いはしない。だが、もしまた何かあれば 協力してほしい」 明「...あばよ」 美樹を守る事が一番の理由である明は、零児の要請を断り、美樹を 起こさない様に気を遣いながら、静かにデビルマンに変身し、彼女を 連れて飛び去っていた。 小牟「人間の女性を愛して、同族の悪魔を裏切るとか、まるでダンテじゃのう」 零児「...そうだな」 ザ・ニンジャ「...では、拙者も上司への報告の為、これで失礼する」 零児「協力、感謝する」 小牟「わしらにも忍者の知り合いがたくさんいるが、そやつらと会わせて みたかったのう」 ザ・ニンジャ「いずれ、拙者以外の正義超人がお主達と共に戦う事になるで ござろう。その時は、彼等を頼む。では、御免!」 飛び去っていくデビルマンを見ながら、零児と小牟は仲間の悪魔を裏切り、 人間に味方した悪魔の英雄を父に持つデビルハンター、ダンテを思い出す。 そしてザ・ニンジャも上司であるキン肉アタルに事件の報告をしようと、 その場から去った。 幽助「じゃ、俺達も帰らせてもらうぜ」 一護「また、何かあったらよろしく頼みます」 ルキア「うむ。私も事件の報告をせねば」 井上「ありがとうございました」 チャド「...失礼します」 小牟「帰りは気をつけるのじゃぞ」 明やザ・ニンジャが去ったので、幽助や一護達もそれぞれの場所へ 帰る。 目玉おやじ「それにしても、大変な事態になったものじゃったのう」 ヨナルデ「でも、お互い無事で何よりなのであーる」 ねずみ男「(さっきから気になっていたけど、こいつら声が似ているなあ)」 真吾「助けてくださり、ありがとうございました。鬼太郎さん」 鬼太郎「お礼なんていいって。それに君と十二使徒の絆を見れてよかったよ」 真吾「鬼太郎さんは、人間と妖怪が仲良く暮らせる世の中を目指しているって 皆から聞きました。僕も人と悪魔が仲良く暮らせる世界を目指しています。 お互い、頑張りましょう!」 真吾少年は鬼太郎に感謝の言葉を伝える。そしてお互い人間と妖怪や悪魔が 共に暮らせる世界を目指しているので、目指す世界の為、手を握り交わす。 目玉おやじ「世間じゃ、公民権法案という粋な法案が出たが、これで人間も 他の種族が手を取り合っていけるといいんじゃがのう」 零児「...正直な所、まだまだ手を取り合うには時間がかかるだろう。 それにぬらりひょんの言っていた妖怪帝国という存在が気になる。 奴らが、どの様な事を仕掛けてくるか分からないが、その時は君達の 力を貸してほしい」 真吾「勿論です」 鬼太郎「閻魔大王様は、僕達にこういった事件を調べさせようとしていました。 此方こそ、是非協力させてください」 零児「...そいつは重畳」 こうして鬼太郎、真吾少年はぬらりひょんの言う、妖怪帝国を調べるべく 森羅に協力するのであった。 499-28 ????*** そこは何処かの城の様な場所。その大広間に当たる部屋に、 旧日本軍の様な軍服を着た人物が玉座の様な椅子に座っていた。 それに対峙するのは、鬼太郎達を相手に戦っていたぬらりひょんだった。 ????「...悪魔将軍―恐怖の将が敗れたか」 ぬらりひょん「うむ。悪魔くんを取り込み、絶大なパワーを手に入れて 復活するつもりじゃったが、鬼太郎をはじめ厄介な連中が来てしまって 残念じゃが失敗してしまった」 ????「...流石のサタンの化身も鬼太郎やデーモン族の勇者、 デビルマン達には敵わなかったとみえる」 ぬらりひょんは玉座に座る人物に悪魔将軍が真吾少年や鬼太郎達に 敗れた事を報せる。そして玉座に座る人物とぬらりひょんに声を掛けたのは、 空に浮かぶ巨大な目、西洋妖怪の親玉であるバックベアードだった。 バックベアードは妖怪帝国のアメリカ、ヨーロッパの支部長をしている。 ????「ふふっ...流石は坊や達ね」 バックベアード「おや?ミス・沙夜。君も来たのかね」 沙夜「ええ、バックベアード様。ゆらぎとは違う、時空クレバスの解析と 制御も順調に進んでいますわ」 現れたのは銀色の髪と尻尾を持つ妖艶な女性―森羅の宿敵である組織 【逢魔】のエージェントである妖狐、沙夜だった。妖怪帝国の傘下となった 逢魔では黄泉還り現象と同時期に起き始めた時空クレバスの研究が行われ、 徐々に制御されつつあった。 左京「...時空クレバスの制御が可能になれば、私の目的も容易に叶うという訳だ」 バックベアード「ミスター左京。ロソンコンツェルンの会食は終わったのかね?」 左京「ええ。先程、会食を済ませて此方に伺わせていただきましたよ」 沙夜に続いて現れたのは、左京だった。ロソンコンツェルンの会食に 招待された彼は、会食を済ませて、この場に参上した。 ????「鬼太郎...悪魔くん...デビルマン...そして、今回の件に 関わった多くの者達...彼らは、いずれ大いなる戦士達と共に再び集う 事になるだろう。大いなる戦いの渦に巻き込まれて...だが、全てを 征するのは我らが妖怪帝国だ。フフフフ...フハハハハ」 玉座に座る人物―かつて帝都・東京の滅亡を画策し、大正時代において 関東大震災を引き起こした元・帝国陸軍の魔人である妖怪帝国の総統、 加藤保憲は、これからの戦いの予感を感じながら、高らかに笑うのであった。 バックベアード「フフフ...では、ミスター加藤。我ら妖怪帝国の存在を 人間達に知らしめる為、次は我々、西洋妖怪が動こう」 ぬらりひょん「どうするつもりだ?」 バックベアード「フフフ...まぁ、見ていてくれたまえ」 バックベアードの狙いは果たして如何なる物か...。 種族を超えた絆の物語は、まずはこれにて一旦の幕を閉じるのであった。 499-29 ◯デビルマン/不動明→牧村美樹を連れて家に戻る。 ◯ザ・ニンジャ→任務の報告をする為、帰還する。 ◯浦飯幽助→家に帰る。 ●左京→ロソンコンツェルンでの会食を終わらせ、顔を見せる。 ◯黒崎一護→家に帰る。 ◯朽木ルキア→任務の報告をする為、尸魂界に帰還する。 ◯井上織姫→家に帰る。 ◯茶渡泰虎→家に帰る。 ◯有栖零児→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。 ◯小牟→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。 ●沙夜→時空クレバスの研究経過を報告する。 ◯鬼太郎→零児の要請を受ける。 ●ぬらりひょん→悪魔将軍が敗れた事を加藤保憲に報告する。 ●バックベアード→加藤保憲とぬらりひょんに声を掛ける。 ◯埋もれ木真吾→零児の要請を受ける。 ●加藤保憲→ぬらりひょんから悪魔将軍が敗北した事を知らされ、 これからの戦いの予感を感じ取る。 【今回の新登場】 ●加藤保憲(帝都物語/帝都大戦/妖怪大戦争) 元帝国陸軍の将校で、帝都・東京の滅亡を幾度も画策しており、 大正時代には関東大震災を引き起こしたとされる。極めて強力な 霊力を有しており、あらゆる魔術に精通している。 ●バックベアード(ゲゲゲの鬼太郎) 黒い太陽の体に巨大な一つ目を持つ西洋妖怪の親玉。 アメリカ合衆国妖怪大統領なる肩書きを持つ。 ●沙夜(NAMCO×CAPCOM) 逢魔の極東本部所属の幹部級エージェントである妖狐。成熟した 女性の外見をしており、常に人を食ったような言動で話す。零児の 父親を殺害し、零児の頭部に傷を負わせた零児の宿敵。
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/4433.html
ここを編集 ■爆裂天使 ビジュアルワークス ■戦闘妖精雪風 ビジュアルコーディネイター補(5話) ■劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 特殊効果(海老川兼武、井家信、星美弥子、垣田由紀子と共同) ■銀色の髪のアギト BGスキャン・補正(益子典子、川井政明と共同) ■RED GARDEN 色彩設計 ■桜蘭高校ホスト部 特殊効果 ■ブレイブ ストーリー 2Dデザインワークス(南條楊輔と共同) ■ドラゴノーツ ザ・レゾナンス 色彩設計 ■紅 kure-nai 色彩設計 ■夜桜四重奏 ~ヨザクラカルテット~ 特殊効果 ■電波的な彼女 特殊効果 ■けんぷファー 特殊効果 ■黒執事Ⅱ 色彩設定 特殊効果 ■魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 特効(福田直征と共同) ■けんぷファー für die Liebe 特殊効果 ■劇場版 魔法先生ネギま! ANIME FINAL 特殊効果(日比野仁と共同) ■松本零士 オズマ モニターワーク ■好きっていいなよ。 特殊効果 ■ガールズ&パンツァー デジタルワークス ■カガクなヤツら 特殊効果 ■銀河機攻隊 マジェスティックプリンス 特殊効果 ■れすきゅーME! 特殊効果 ■アークIX 特殊効果 ■ファンタジスタドール 特殊効果 ■ハイスクールD×D NEW 特殊効果 ■劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞 特殊効果(斉藤丈史と共同) ■BLAZBLUE ALTER MEMORY 特殊効果 ■劇場版 HUNTER×HUNTER The LAST MISSION 色彩設計 ■みツわの 特殊効果 ■棺姫のチャイカ 特殊効果 ■ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です! デジタルワークス 特殊効果 ■デート・ア・ライブII 特殊効果 ■そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠 エターナルマイマスター 特殊効果 ■新劇場版 頭文字D Legend1 -覚醒- 特殊効果 ■TERRAFORMARS 特殊効果 ■棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 特殊効果 ■ME!ME!ME! 色彩設計・色指定検査 特殊効果 ■SHOW BY ROCK!! 特殊効果 ■新劇場版 頭文字D Legend2 -闘走- 特殊効果 ■ハイスクールD×D BorN 色彩設計 特殊効果 ■緋弾のアリアAA 特殊効果 ■サイボーグ009VSデビルマン 特殊効果 ■ガールズ&パンツァー 劇場版 特殊効果(井家信、山根裕二朗と共同) ■シュヴァルツェスマーケン 特効 ■新劇場版 頭文字D Legend3 -夢現- 特殊効果 ■文豪ストレイドッグス 特殊効果(~12話) ■SHOW BY ROCK!! しょ~と!! 特殊効果 ■レガリア The Three Sacred Stars 特殊効果 ■モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ 特殊効果 ■アイドルメモリーズ 特殊効果 ■SHOW BY ROCK!!# 特殊効果 ■ろんぐらいだぁす! 色彩設計(原田幸子と共同) 特殊効果 ■劇場版 銀河機攻隊 マジェスティックプリンス -覚醒の遺伝子- 特殊効果 ■ロクでなし魔術講師と禁忌教典 特殊効果 ■FRAME ARMS GIRL 特殊効果 ■ゲーマーズ! 色彩設計 特殊効果 ■ガールズ&パンツァー 最終章 特殊効果 ■続 刀剣乱舞 花丸 特殊効果 ■文豪ストレイドッグス DEAD APPLE 特殊効果(イノイエシン、龍角里美と共同) ■LOST SONG 特殊効果 ■魔法少女 俺 特殊効果・2Dワークス ■されど罪人は竜と踊る 特殊効果 ■閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇- 特殊効果 ■魔法少女特殊戦あすか 特殊効果 ■コードギアス 復活のルルーシュ CG特殊効果協力(長谷川敏生と共同) ■フレームアームズ・ガール きゃっきゃうふふなワンダーランド 特殊効果 ■スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH 特殊効果 ■無限の住人 IMMORTAL 特殊効果 ■織田シナモン信長 特殊効果 ■啄木鳥探偵處 特殊効果 ■Lapis Re LiGHTs ラピスリライツ 色彩設計 特殊効果(木村実乃理と共同) ■ジョゼと虎と魚たち 特殊効果(入佐芽詠美、野村由美と共同) ■回復術士のやり直し 特殊効果 アシスタントプロデューサー ■東京リベンジャーズ 特殊効果 ■映画大好きポンポさん 特効(三宅寛治と共同) ■月が導く異世界道中 特殊効果 ■月曜日のたわわ2 色彩設計 特殊効果 ■BUILD DIVIDE -#000000-(CODE BLACK) 特効 ■BUILD DIVIDE -#FFFFFF-(CODE WHITE) 特効 ■Eve MV「暴徒」 Special Effect ■夏へのトンネル、さよならの出口 特効 ■東京リベンジャーズ (聖夜決戦編) 特殊効果 ■英雄王、武を極めるため転生す そして、世界最強の見習い騎士♀ 特殊効果 ■らくだい魔女 フウカと闇の魔女 色指定・色検査(大塚眞純、岡田礼と共同) ■アークナイツ「夕景に影ありて」アニメPV 特殊効果 ■るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 特殊効果 ■東京リベンジャーズ (天竺編) 特殊効果 ■となりの妖怪さん 特殊効果 ■ささやくように恋を唄う 色彩設計 特効 ■THE NEW GATE 色彩設計 ■僕のヒーローアカデミア (7th season) 特殊効果 ■ばいばい、アース 特殊効果 ■関連タイトル 黒執事 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/489.html
異世界のウィッチ2・その7 ――――――3日後 次に俺が目を覚ましたのは医務室のベッドの上だった。 ・・・なんで医務室?何があったんだっけ? 腹に何か締め付けられるような感覚がある。服をめくってみると、包帯が巻いてあった。 それと、左耳が妙に温かい。触ってみたら、 俺「・・・痛っ!?」 軽くだが痛みが走った。 その痛みで、段々記憶が戻ってきた。 確かネウロイとの戦いで・・・そうだ、耳は銃弾で、腹は不意のビームでやられたんだったな。 俺「・・・クソッ!」ドスッ 倒せると確信したのに、 ・・・彼女の能力と「危機」の時まで計算していたネウロイの技術に上を行かれたのだ。 悔しさがこみ上げてきて、俺はベッドを殴った。 「・・・ん・・・」 その衝撃に反応したかのように、横から声がした。 誰かいたのか? ・・・誰だ? そう思って視線を向けると、 「・・・俺・・・さん・・・?」 白い肌に銀色の髪。まさに「雪」を体現したような儚げな少女が、 細く綺麗な声で俺の名前を呼んだ。 俺「サーニャ?」 サーニャ「・・・っ!」ギュッ 俺の呼びかけには答えずに、サーニャは俺の右手を握ってきた。 俺「・・・」 俺は黙ったまま手を握り返す。 サーニャ「・・・良かった・・・」 サーニャが呟く。 俺「・・・」 サーニャ「・・・このまま目を覚まさなかったら・・・どうしようって・・・」 うっすらと目に涙を浮かべている。 ・・・心配させてしまったみたいだな。 サーニャの頭を撫でようと右手を動かそうとしたら、 サーニャは、握った俺の右手を自分の左胸に持っていった。 俺「・・・?」 ドクン・・・ドクン・・・ 右手の柔らかい感触の奥に、サーニャの心臓の鼓動が伝わってくる。 サーニャ「俺さん・・・私は、生きています・・・俺さんは?」 すぐに言葉の意味を理解できた俺は、空いている左手でサーニャの片手を掴み、 俺自身の左胸に、・・・心臓の位置に持っていった。 俺「生きてるよ」 その言葉に、サーニャは、涙を伝わせて俺の目を見た。 サーニャ「・・・はい・・・」 俺「・・・」 そのまま俺たちは、何も喋らずに見つめ合っていた。 「あーーーーっ!!」 俺・サーニャ「「!」」 不意に響いた声に、咄嗟に俺たちはお互いの胸から手を離した。だが、 「どうしたんだルッキーニ!」 ルッキ「シャーリー!俺がサーニャのおっぱい触ってたー!!」 俺・サーニャ「「・・・」」 手遅れだった。 ・・・あのクソガキ・・・ぶん殴ってやりたくなった。 ――――――――― ミーナ「あらあら」ニコニコ シャーリー「二日寝て起きたと思ったら早速それかぁ~?」ニヤニヤ 俺「ち、違う!そうじゃなくて・・・」 ゲルト「言い訳するのか?見苦しいぞ、俺」 ペリーヌ「そうですわ!過程はどうあれ触ったのは事実でしょうに!」 宮藤「全く、俺さん何考えてるんですか!」 リーネ「芳佳ちゃん・・・」 宮藤「え?」 リーネ「・・・ううん、なんでもない」 エイラ「オイ俺・・・この二日間・・・サーニャがどれだけお前のこと心配してたと思ってんダヨ! ずっと傍につきっきりだったんダゾ!なのにお前は・・・」 俺「・・・そうだったのか?」 サーニャ「・・・はい」 俺「・・・ありがとう、サーニャ」 サーニャ「いえ・・・///」 エイラ「ムゥ・・・」 坂本「俺よ、宮藤にも感謝しておけ。懸命に治療してくれたのだからな」 俺「そうか・・・宮藤も、ありがとうな」 宮藤「えへへ・・・できることをしただけですよ」 シャーリー「しかし、バルクホルンに続いて、俺まであのネウロイに撃墜されちまうとはなぁ・・・」 ゲルト「・・・」 ミーナ「そのネウロイについてですが、この二日間でわかったことがあったので、 次の出撃の時のために例のネウロイへの作戦を立てたのだけれど・・・ 俺さん、寝起きで悪いけれど、今ここで話してもいいかしら?」 俺「俺はどこだろうと構わないが・・・みんなは?」 エーリカ「私達はもうミーナから聞かされたからね。あとは俺だけなんだ」 ゲルト「そして、この作戦において不可欠なのは、俺、お前の存在なんだ」 俺「・・・そうか」 ミーナ「・・・前回、あのネウロイを撃破するために背後から攻撃しシールドを解除させて無防備状態を作らせるという作戦を行いましたが、 失敗に終わりました。理由は、背後にまわったシャーリーさんの銃撃が、返ってきた弾丸に阻止させられたからです」 俺「!」 あのネウロイ、そんなことまで・・・ ミーナ「シャーリーさんの報告によれば『近づくたびに弾のスピードと精密さが増していく気がした』とのことですが・・・ 俺さんにも尋ねておきます。シャーリーさんの言うとおりでしたか?」 俺「・・・シャーリーも気付いてたか」 シャーリー「そりゃ気付くさ。近づくにつれてヒヤッとする場面が多くなってたしな」 坂本「ふむ・・・しかし、精密さがあるとはいえ銃弾と銃弾をかち合わせるなんて離れ技をしてのけるとはな・・・」 ミーナ「前回と同じ作戦はもう使えません・・・ですが、あの戦闘が全くの無駄だったわけではありません。 俺さん。あなたの攻撃がそれを証明してくれました」 ・・・なんのことかは分かっている。 俺「俺の攻撃でシールドが解除されたことだな?」 ミーナ「そのとおりです。・・・次の出撃時にあのネウロイと遭遇した場合、 あなたに・・・正確にはあなたとエイラさんに、再び同じ役目をしていただきます」 俺「・・・」 ミーナ「ですが、今度は『確実に破壊するため』ではなく、あくまで『シールドを破るため』の役割です」 俺「じゃあ、肝心の攻撃は誰がやるんだ?」 坂本「サーニャだ。お前はシールドを解除させたら、脚部の攻撃を即回避し、 それからサーニャがフリーガーハマーでネウロイを撃破する。リーネでも良かったのだが、コアが小さい上に攻撃が激しいからな。 その点、フリーガーハマーなら炸裂するからな。 火力と確実性を考慮してサーニャに任せることになった。・・・以上がこの作戦の内容だ」 俺「・・・了解」 ミーナ「・・・ごめんなさいね、俺さん。あなたが眠っている間に、また辛い役目を任せることを勝手に決めてしまって・・・」 俺「いや、気にしてない」 坂本「・・・何だと?」 俺の言葉に、みんな意外そうな顔をする。非難されるとでも思っていたのだろうか? シャーリー「・・・平気なのか?返ってくる弾丸は全部お前が引き受けることになるんだぞ?」 俺「シールドを破る役目は俺にしかできないことだろ?」 坂本「・・・その通りだが、しかし・・・」 俺「俺がそれをやることで道が開けるんなら、希望が見えるなら、喜んでやってやるさ」 坂本「・・・怖くはないのか?」 俺「俺が何もしないで、その結果ネウロイに好き放題させるほうが怖い」 サーニャ「俺さん・・・」 ミーナ「・・・引き受けていただけますか?」 俺「勿論」 即答だった。 そんな俺を見てバルクホルンは呟いた。 ゲルト「・・・やられたばかりだというのに、何故そんなにお前は余裕なんだ・・・」 ・・・ 俺「それに関しては、なんていうか・・・やられたからこそ余裕ができてきたんだ」 ゲルト「何?」 この世界に来てから、俺は命だけは『ツイてる』みたいだからな。 俺「いつ死んでもおかしくないはずの世界にいるのに、俺は今こうやって生きてる。死なずに済んでる。 今回だって、ネウロイに撃墜されはしたけど、それでも俺はまだ生きてる。・・・だから、これからも、きっと大丈夫だと思うんだ」 ゲルト「・・・」 俺「それにさ、死ぬことを想定して戦っちゃ意味無いだろ?俺たちは、生きていくために戦ってるんだから」 ゲルト「・・・フッ。確かにな」 俺の言葉に、バルクホルンは笑った。 ハルトマンが微笑みながら口を開く。 エーリカ「・・・俺。前に比べたら、随分と前向きになったね」 ・・・それはハルトマンのおかげだ。 俺「そうなるように仕向けた張本人が言う台詞か?」 エーリカ「・・・ホント、変わったね。良い方向に」 ゲルト「うむ」 バルクホルンは嬉しそうに頷いた。 それから、数秒間の静寂があった。・・・伝えるべきことは全部伝えられたのだろうか? ミーナに尋ねる。 俺「・・・話は終わりか?」 ミーナ「ええ」 俺「そうか・・・」 俺は窓の外の空を見上げた。 ・・・『生きるために戦っている』。自分で言った言葉に、ふと思った。 俺は・・・戦いが終わったら、どうなるんだろう・・・。 サーニャ「・・・?」 異世界のウィッチ2・その9
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2585.html
<キーンコーン!カーンコーン! ボルゾイ「鐘の音・・・?」 ボルゾイは一人ホットドックをひたすら平らげていた 正午の時間までまだ時間があるはず なんで今鐘の音が・・・? ボルゾイ「行ってみる」スッ パン屋のオジサン「ちょ!お譲ちゃん!お勘定は!?お譲ちゃん!?」 ボルゾイ「つけといて」 パン屋のオジサン「つけといてって・・・いつかえすんだい!?」 パン屋のオジサン「・・・・・・っていっちゃったよ・・・」 ボルゾイ「」クンクン ボルゾイ「この匂い・・・更正・・・?」 ボルゾイ「でも、他にもいる・・・これはさっきすれ違った人の匂い」 ボルゾイ「――――っ!血の匂い!?」 まずい・・・早く急がなくちゃ・・・ ボルゾイ「手遅れになる・・・!」 ボルゾイはペースを上げ、教会の下へ急ぐ ボルゾイ「はぁ・・・はぁ・・・間に合った・・・」 教会の壁の陰から状況を覗く 声までは聞こえないが二人が血まみれになって話しているのが解かる ボルゾイ(もう少し様子を見よう) 更正「おら、立てよ。第二ラウンドだぜ?」 不良「言ってくれんじゃねぇか・・・」 不良「二度とたてないようにしてやるぜ!」 ボルゾイ「・・・」 ―――フワッ ボルゾイ「・・・―――っ!違う人の匂い・・・!?何か来る・・・!」 ボルゾイ「更正逃げて!」 更正「へ?」 王子「切り裂け・・・烈風斬!!!」 トゥーハンドソードから放たれる光が更正を飲み込み・・・炸裂した ズガアアアアアアアアアアアアアアアン! 王子「・・・」 不良「王子てめぇ!!!」ガシッ 不良「よくも人の獲物を横取りしてくれたな!しかも木端微塵にしやがって・・・!」 王子「お、落ち着いてください!不良さん!あの人は死んでませんよ!」 不良「あぁ!?」 王子「烈風斬は人の欠片を微塵も残さないでに粉々になんてできませんから・・・」 王子「それにストライカーの魔力補助もないんですよ?」 不良「じゃあなんで・・・」 王子「恐らく瞬時に反応して逃げたんだと思います」 不良「ならアイツはどこに・・・?」 王子「・・・っ!不良さん危ない!」 不良「!?」 ドォン! 王子が不良を引っ張ると同時に光の剣を作り出し、銃弾を弾く 王子「誰だ!」 建物の影から銀色の髪をした少女が現れる 俯いていて表情は見えないが銃を持つ手が震えている ボルゾイ「・・・よくも大切な仲間を・・・」 不良「チッ・・・新手か!」 王子「不良さんはそこで待っていてください!俺が仕留めます!」 不良「あ!おい待て!」 ズキン! 不良「ぐぁっ!」 右手に激痛が走り、歩を止める 不良「任せたぞ・・・・王子・・・」 更正「うぎょわああああああああああああああああああ!!!」 更正は今、下水道への道へ落下していた ガンッ! 更正「あうっ!」 王子から攻撃が入る瞬間、足元のマンホールに素早く潜り込んだのだ 更正「いつつ・・・!だー!もうなんなんだよ!」 更正「いきなりガラの悪い奴に絡まれるわ!後ろからいきなり襲われるわで!もう散々だよ!」 どれだけ愚痴を言っても下水道に虚しく響くだけだ 更正「はぁ・・・もういいや・・・出口でも探そう・・・」 更正はゆっくりと下水道の奥に進む 暗い場所を探検するということに心を躍らせながら 地下に更正が逃げ込んでいるとも知らず、二人は交戦を始めていた 王子は二本の魔法剣で間合いを詰め、近接攻撃で少女を攻め立てる 左手の短い脇差で翻弄し、右手の長い本差で隙をつくという戦法をとっている それに対し、ボルゾイは間合いをとりつつ拳銃で王子を狙うしかなかった 王子が有利の戦いだが、少年の剣は鈍りを帯びていた 王子「はぁ・・・はぁ・・・どうして当たらないんだ・・・」 ボルゾイ「・・・」 王子「くそっ!」 少年は二つの剣をあわせ、長剣を作り出す 王子「はぁっ!」 両手で柄を持ち、斬りかかるが・・・ ガシッ! 王子「!?」 ボルゾイ「・・・」 女は相手の手首を掴みそれを止める 手首を捻り、引き寄せると同時に力を込めた裏拳がみぞに入る ボルゾイ「これは大切な仲間の痛み」 王子「げほっ!げほっ!」 ボルゾイ「あなたみたいな子がどうしてこの戦いに参加しているのか解からない・・・」 王子「それはどういう意味だ・・・」 王子「俺には力が無いって言いたいのか!」 ボルゾイ「違う」 王子「じゃあ何が・・・」 ボルゾイ「女一人傷つけるのに戸惑ってるようじゃこの先、生きてくことなんてできない」 王子「くっ・・・」 ボルゾイ「死にたくないなら去れ」 王子「俺はあなたの仲間を消し飛ばした・・・見逃してもいいのか?」 ボルゾイ「もしあなたが殺したというなら、私相手に剣が鈍るはずがない・・・」 王子「・・・」ギリッ ボルゾイ(優しい子は嫌いじゃない・・・けど、この子は甘すぎる・・・) 王子「・・・確かに・・・俺はあなたを傷つけることはできない・・・」 ボルゾイ「・・・」 王子「だったら・・・!」 両手をあわせショートソードをつくりだす 王子「少しでも時間を稼いでこの戦争を優位に進めることぐらいならできるはず!」チャキ 切っ先を少女に向け、構えをとる ボルゾイ(ケガしてる更正を少しでも弱らせると・・・) 少し顔に微笑が浮かぶ ボルゾイ「はぁ・・・どうなっても知らない」 王子「それが俺の道なら受け止めます」 不良「くそっ!出ろよ・・・!」 ザザッ―――ザッ――――― 衝撃波『あーはいはい。何の用だ?』 不良「王子と敵の変な女が戦っている!今すぐ助けに行け!」 衝撃波『は・・・はぁ?』 不良「説明してる暇はねぇ!いいから行け!」 衝撃波『落ち着け落ち着け。お前は今どこで何をしているんだ?』 不良「教会の近くだ!戦闘で負傷して今は動けない・・・王子は近くに居る!」 衝撃波『わかった。すぐ行く』 不良「頼んだぞ・・・」 ブツッ―――― 衝撃波「ふぅ・・・」ピッ 衝撃波「すまない、急用が入った。その話はまた今度してもいいかな?」 リーネ「」コクリ 衝撃波「悪いね」 衝撃波「でも、君の言うことが本当ならこの世界は・・・」 リーネ「・・・」 衝撃波「いや、なんでもないよ」 リーネ「待ってます・・・」スッ 衝撃波「はぁ・・・信じていいものか、悪いものなのか・・・なんだかなぁ・・・」 王子「烈風斬!!!」 白い光がショートソードを巻き込んだかと思うと それは大きな斬撃となり少女へと向かう ボルゾイ「わっ!」 ズガアアアアアアアアアアアアン!!! ボルゾイ「どこが時間稼ぎなのか・・・小1時間問いただしたい・・・」 頭を押さえながら一人愚痴るボルゾイ 王子「そういえば名乗ってませんでしたね」 王子「俺の名前は王子です」 ボルゾイ「少し前と違って名乗るほど余裕が出来たの?」 王子「あなたのお陰ですね」 ボルゾイ「嬉しくない・・・」 ボルゾイ「私はボルゾイ。正直、さっきの今であなたのこと嫌いになった・・・」 王子「えぇ!?」 ボルゾイ「冗談」 王子「ははは・・・・・・お上手ですね!」 新たにショートソードをつくりだし、少女に斬りかかる ボルゾイ「剣速がさっきよりはやい・・・!」 振られる刃が服を掠める ボルゾイ「くっ!」 上段から振り下ろされた刃を拳銃で防ぐ ボルゾイ(これじゃあ反撃に移れない・・・!) 王子(一気に押し切らないと・・・) 少年は刃滑らせるように銃に這わせ 下に潜り込んだ瞬間に薙ぎ払う キィンッッ! ボルゾイ「っ!」 拳銃はボルゾイの手から離れ、地面を滑る 王子(決まった・・・!) 王子「覚悟!」 王子がもう一度斬りかかろうとした時 瞬時に次の動作を察知したボルゾイが剣を握っている手を蹴り飛ばす 王子「あっ!」 油断していた王子は剣を弾かれる 剣は拳銃と同じ場所に転がる 二人はお互いの武器をとりに走り出す 先に武器を構えたのは・・・ ボルゾイだった ボルゾイ「私の勝ち・・・」 王子「・・・」 ボルゾイ「・・・ごめん」 銃を額に当て、引き金を引き絞った時・・・ 突然銃身が二つに割れた ボルゾイ「っ!」 王子「・・・っと」 見ると剣を首につきつけられている自分がいた ボルゾイ「あの時に斬られてたんだ・・・」 王子「俺の勝ちです」 ボルゾイ「・・・ふふっ・・・」 王子「?」 ボルゾイ「さっきより良い顔をするようになった」 王子「な、何を・・・!」 ボルゾイ「冗談」 王子「・・・っ!・・・はぁ・・・」 ボルゾイ「・・・まぁでもマシにはなったかな?」 王子「え?」 ビシッ! 王子「つっ!」 王子「あ・・・あれ?」 ボルゾイ「次は空で倍返しにする」 王子「え・・・えーっと・・・お手柔らかに・・・ははは・・・」 ボルゾイ「・・・」タッタッタ 王子「逃がしちゃったけど・・・十分だよな・・・」 <おーい! 王子「衝撃波さん?」 衝撃波「大丈夫か!?」 王子「あはは・・・なんとか無事です・・・」 衝撃波「そうか・・・よかった・・・」 衝撃波「・・・王子?」 王子「・・・zzz」 衝撃波「そんなに疲れてたのか・・・」 衝撃波「それにしても・・・」 衝撃波「やっぱりあの子の言ってたことは本当みたいだな」