約 344,716 件
https://w.atwiki.jp/giurasu/pages/638.html
公式ページ 超低確率で出現していた、通称「赤ラー」と戦えるクエスト。 クリアしても公式に名前が載るだけで、特に報酬はない。 クエスト 受注条件・HRまたはSRが999であること ラージャン変種の討伐 ラスタ・レジェンドラスタ同行不可
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/75.html
「大江戸愛物語」(初日その1) PM8時、昼間の勤めが平日よりもチョットだけ高濃度だったためか全身を倦怠感が支配している。 あと1時間弱で出発の時刻を迎える。 2ヶ月も前から計画しいよいよという当日に受けた仕打ちに最後の準備を整える手が重く感じられる。 机に放り出しているタバコを手に取り一服。 いきなりに降り出した雨が屋根を叩いている。 迫りくる時間を贅沢に使うように1本吸い終えるとバッグの中身を確かめる。 各種予約のメモ、大阪の路線図、常飲薬、どれも抜かりなく詰められている。 これからの移動距離を考えた服装で整え、家族の運転する車へと向かう。 ぽつりぽつりと先刻からの名残がフロントガラスに幾何学模様を映す、ただ台風級の暴風雨になればフェリーの運休も考えられるが、この程度なら何の問題なく出航する。 港へ向かうシャトルバスの待ち時間は約20分、空模様を気にしながら時間が過ぎるのを待つ。同行するルカと共にこれから待つ夢時間に向けての予定をアレコレと確認する。 この時はまだ待ち受ける現実を知らない故の夢物語を口にするだけだった。 最初の難関はすぐにやってきた、旧国道を大きく照らし出しながらバスがやってきた。 しかし外から窺うに窓際にはずらりと人影が並ぶ。 それに怯む隙はなく意を決し車内へと進む。 世の中、嫌な予感ほど当たりやすいものはない、目に飛び込んできたのは空席が片手ほどという現実だった。 なんとか空いている席に腰を下ろす、港までの道中に下車する人も居るかもと淡い期待を抱いたが、よくよく考えると公共交通機関の発達していないこの田舎では自家用車移動が主な移動手段、路線バスの存続が危ういという話は近年珍しいことではない町で満席に近い状況は恐らく皆の目的地は同じだろうという結論に達するに容易だった。 停留所を1つ2つと越えて行く、車内の数は減るどころか増えていく。 いよいよ補助席まで座る人まで出てきた、正しく満員御礼…。 バスはそんな窮屈な状況を知らぬかのように悠然と目的地へ向けて定刻通りに進んでいく。 PM9時56分 港へ到着。 乗船手続きをする発券場へ入ると、券を求める人の列が幾筋にも並んでいる。 幸い事前予約をしていた為、乗れない不安はなかったが端っから人ごみの洗礼に辟易しつつ行列の一員として順番を待つ。 待ち時間15分、手続き1分という仕打ちを受ける、しかし乗船時間まではまだ余裕があったため、船中を寛いで過ごす為に何か売店で購入しようと思い、足を向けるも期待以上の店の狭さに断念し待合室へと移動する。 2Fにある待合室はすでに埋め尽くされている。 こんなに人気があったのかとフェリーを選んだ事を後悔しながら人だかりに立ち尽くしていると後ろの方でどこかのサラリーマンが携帯電話で話している。 「こりゃヒドいわ!今までこんなの見たことないわ…。」 恐らく普段からこの移動手段を使っている人らしき台詞、つまり今日が異常なほどの人なのだと理解するに十分な一言だった。 PM10時15分 ようやく乗船開始となった。 目の前には長蛇の列が伸びている。 急がずとも乗船できるはずなのに、何を急ぐ事があるのか…(==; ずるずるとゆっくり前進する列、途切れるのを待っているものの段々と飽きてきた。 運良く見送りに来てた一行が造ってくれた隙間にするりと入り込むと、牛歩戦術を思わせるスピードに再びガックリしながら一歩一歩進んで行く。 これまで余計な体力を浪費しているだけに再び心労溜まるこの作業が心に響く、それからして船中に乗り込む事ができたのは10分後だった。 予約していたのは4人部屋、相部屋になる可能性がありますと事前に知らされていたが受付時に「相部屋になります、ご一緒される方が来られるまで鍵は閉めないでください」と聞かされる。 まぁ、この混みようでは相部屋も仕方ないかと部屋へ入って荷を降ろしじっと相方を待つ。 しかし現れない、痺れを切らし何かあれば放送があるだろうと缶チューハイと肴を求めて売店へ向かう。そして期待通りにここでも客が列を成している…。 某社の缶チューハイ(×2)+肴(イカ)+お茶を購入しついでにゲームコーナーを覗く。 するとそこには鬼○者、ヨ○ムネ、ゼニ○タ、バン○ョー…かつて4号機の名機達がずらり! ウマソ…( ̄¬ ̄ これはコレで後々のお楽しみにさせてもらおう♪ 意気揚々と部屋へ戻るものの、相部屋の人はまだ現れない。 とりあえずはTVでも見ようかと罪のないオリンピック関連番組を画面に映す。 いずれ現れるであろう人を待ちつつ、購入して冷え冷えのチューハイを開ける。 ルカと共に労いの言葉を掛けつつ一口二口…美味い! 久々のアルコールが喉に心地よい。 いわば密室に近い環境でイカを開封するのも都合が悪いかと自重しつつヤキハギをアテにチューハイはスゴイ勢いで消えていく。 気付けばいつの間にか離岸していて不定期に襲ってくるゆったりとした揺れがいよいよ旅の始まりを告げている。 オリンピックの話題からサッカーや地話題などで時間を潰しつつも、いっこうに現れない相部屋の人…。 酒と肴が揃っているにも関わらず全室禁煙という縛りと待ち人来ずのイライラが更に煙を欲するようになる。 受付っぽい所へ出向き部屋を出る際には鍵を預ければ良いというので心置きなく2人して喫煙ルームへ出発w ここでもTVはオリンピック関連番組が絶賛放送中でリレーで銅メダルを取ったという事を大きく放送している。 それを横目でちょっと流し見したところで、ゆっくりと煙草を咥える。 …美味い!( ̄□ ̄ ) やはり酒、肴、煙の3点セットは格別の味がする。 ンヶ月ぶりのコンボにいつもは寡黙なウチも思わず饒舌になっている。 もっとも久しぶりの船旅という点においても精神的高揚は何割か上乗せされていたのも一つの原因でもあったと思う。 待てど暮らせど相手は来ない。 出航して1時間、さすがにもう来ないだろうとお待ちかねのイカを開封。 ちょうどその頃に2本買っていたチューハイが底をつきおまけの1本を購入しに売店へ…真の目的は名機達だったり…。 勢い良く3本目を購入した足で名機達がどうなっているか視察。 …満席かよ!Σ( ̄□ ̄; さすが一世を風靡した人気機種達ww しかーし!大阪南港まで時間はたっぷりある、また後々…。 部屋へ戻りもう現れないと確信を得て一層進む酒、TVはつけっぱなしだが今は見る事無く音だけが流れている。 くだらなく内容の希薄な会話を続けながら新しい肴を得て飲み続ける。 そんな時、船内アナウンスが流れる。 「あと10分で船内売店の営業を終了します、御用の方は…」 なにー! まだ宵の口というのに手持ち無沙汰なのは許されざる事態! と、言うわけでいそいそと売店へ向かいトドメの1本を購入。 今日のような特別な日は下戸なウチでも飲めるものだと関心しつつ、部屋に戻るなり最後の1本に手をつける。 時刻は0時を過ぎた頃、何の拍子にか学校についての話になった。 結局の所、痛い思いをして身についた事ってのは忘れられないって事に落ち着いた。 日付が変わり名残惜しみつつも都合4本目が空になった所で各自風呂へ向かう事に。 いつの間にかロビーの人影は学生と思しき一組がトランプゲームに興じているだけとなっていた。ただ、その一行のグダグダ感は目的を失って尚、トランプに興じるしかないという惰性に憑かれているだけのようにも見えた。 酒で火照っているにも関わらず風呂はいつになく熱く感じる。 一体何度に設定してるのやら(==; 気分一新した所で… パラダイスへ直行♪ 居並ぶ4号機、カウンター無しでも全く問題なし! ALL設定1でも問題なし! そこにある限り、座らなければならない! かつて酸いも甘いも教えてくれたお礼参りだっ! っと言うわけで、勘と閃きだけで名機「押怒!○長」へ座る。 100円を投入し、いざ勝負! …酔いでリールが見えん!Σ( ̄□ ̄; 思いもしなかった逆襲に目が回る(@△@; しかしウチとルカにはこんな時の為に某パチスロ雑誌から学んだとっておきの技がある…。 パキスタン打法! 情熱と内なるエナジーと溢れるイマジネーションを駆使した大技。 まぁ、平たく言うと勢いだけの目押しだったりw ともかく台の感触は最悪に悪いwww それでも3台渡り歩いて、ようやくRBをゲットwww いぁはや満足♪ 欲を言えばBBをと思ったが貴重な体験だった♪ 一方ルカと言えば「鬼○者」でBB×2という上々の成果ww ま、これも旅の思い出という事でw 部屋へ戻ると驚愕の現実を突きつけられる。 名機達との戯れに思わぬ時間を食っていたようで、時刻は2時過ぎ…Σ( ̄□ ̄;)ヤバッ 実質の睡眠時間が3時間を切っているw 急いで寝台へ転がり込み、目を閉じると5分もせずに夢の世界へ旅立っていた。 寝たのか寝かされたのか、ただ酔いつぶれて意識を失っていただけなのか、ルカの声に重い瞼を開ける。 頭の中に鉛でも入っているんじゃないかと思うほどの最悪の目覚め。 しかし、いつまでも布団の中でぐずれるほど時間に余裕はなく、気合いを入れるような掛け声と共に起床する。 すでにルカは朝風呂を済ませた後で、入れ替わるように風呂へと向かう。 寝ぼけ眼と動かない体を引きずって浴場へ向かい、熱々の湯船に浸かる。 分解しきれていないアルコール成分が体中を駆け巡る、無意味に全身の血管が脈打っている。ただ、熱い湯が妙に心地よい…。 窓からみえる景色は薄墨色の海が広がっている、考えると瀬戸内海も広いもんだw 無理矢理でもシャキッとさせ、行きとは違って確かな足取りで部屋へと戻る。 動きやすさをモットーに選んだ服に身を包み上陸準備完了、結局相部屋の人はどうしたんだろう…キャンセルだったのかな…。 船内アナウンスが流れる、間もなく大阪南港に到着するらしい。 これからは未知の世界、過去6回の大阪OFFすべて新幹線移動かつ慣れた場所しか移動しない為、無事に新大阪駅までたどり着けるだろうか…。 フェリーターミナルからコスモスクウェアへ向かって 地下鉄に乗り換えて本町でもっかい乗り換えたら新大阪や。 事前に閣下から教わった呪文をぶつぶつと繰り返しつつ下船する。 生憎の曇天模様、どうやらこの雲と共に東へ向かうことになりそうだ。 そして空模様が内臓に反映したのか、胃が重い…(。。; 慣れない船旅がこれほど肉体的に影響を及ぼすとは…orz 湿度の高いじっとりとした空気を纏わせ発券場までたどり着く。 ごちゃごちゃしている路線図を眺め「コスモスクウェア」までの券を購入する。 未だに緊張する自動改札を抜け右左を間違わぬよう電車を待つ。 朝6時過ぎにも関わらず到着した車内にはお客さんが居てる…意外に早起きなのねw どうやら付近はマンションが立ち並び、どうやらベッドタウンかと思われる。 フェリー内での揺れと違った小刻みな振動が内臓を直撃…キツ… うんうんと唸りながら電車は終点コスモスクウェアに到着する。 まだここまでは順調だ。 次に市営地下鉄中央線に乗るため駅内を移動…これがアッサリ発見w 足取りは重くても事は順調に運んでいるw 徐々に車内は人の数が増えてゆくもまだまだ座れる余裕がある。 何度か意識を飛ばしかけながらも、本町駅まで到着。 これからは使い慣れた(?)御堂筋線へと移る予定だ。 構内に掲げられている案内板を頼りに見慣れたカラーリングの電車が往来するホームへ移動する。 不思議な事に何故か迷わない、神のお導きか果たして悪戯か、恐ろしいほど順調に御堂筋線にたどり着けた。 予定では2・3回迷うつもりだったので、幾分予定外の順調さ…ま、遅れるより良いかw 何度も感心するのは地下鉄の回転の早さ、1本見送ってもスグに次がやってくる。 都会になればなるほどガソリン高騰の影響は僅かに感じられる。 かといって地元に地下鉄があったとしても使わないだろうなw あれよあれよと言う間に新大阪駅到着、時刻は7 00…ちょっと早すぎるw 懸念していた乗車券の不足分は「こりこし精算機」にて無事解決w 1つ目のイベントを無事達成し、何はともあれ一服 ( ̄- ̄)y-~ 吐き出した煙が大阪の曇り空に吸い込まれていく。 いわば精神安定剤をドーピングし時計を確認すると7時10分ぐらい。 さぁ、駅内へ戻ろうとしていた時…1組の夫婦が目の前を通る…んんん? 宮川大助・花子師匠!Σ( ̄□ ̄; 大きな荷物を抱えて、マネージャーさんも連れず2人で新大阪駅へと消えて行く。 久々の生芸能人を目の当たりにし密かにテンション↑w 今思えばサインねだるのもアリだったかな~…( ̄_ ̄; 気を取り直して駅内へ戻る。 こんな時間から開いているおみやげ物屋さんを覗いてみる。 昨年買った冷たい黒おたべは今年も売っている…つか人気商品なんだろうなw 新大阪と言えば、寄れば毎回購入している泉寿庵というお店の商品がスッゴイお気に入りw 今回は購入するヒマはなさそうだけど、夏限定の葛のお菓子は絶品でつ…( ̄¬ ̄) なにやら気になるモノを見つけたルカをほったらかしにしつつ、ここで閣下にメールを送る。 一応集合時間は8時過ぎ、電車は8時半ぐらいの新幹線だw 満足気なルカと共に時間まで待合室で待機しようという事に、おみやげ街道の裏にある中央待合室に丁度空席があったので、ちょこんと着席。 のんびり待つかと構えていたら、ウトウト…。 精神的に浮いたり沈んだりを繰り返してたツケが体内の睡魔を呼び起こしたらしいw どれほど眠っていたのか、ルカに体を揺らされて目を覚ますとケン卿が立っていた。 「おはよ…お久しぶりデス…」 日本語っぽい発音を喉の置くから辛うじて搾り出す。 先ほど上がったテンションもぐったり底辺まで下がってしまった。 それでも僅かな睡眠を取れたのは不幸中の幸いだったかもしれない。 2・3言喋ったスグに閣下からの電話が入る。 ウチが寝てる間にメールやら着信やら入ってたようだったが、目覚めるまでの30分ぐらいは完全に睡眠状態でALLヌルー状態だったw 「今、どこ居るん?」 「待合室」 「おみやげ街道のトコロに居るんやけどな。」 「えとね、その後ろかな~。中央待合室って所」 「分かった、探してみるわ。」 いつもの語り口が耳に心地よい。 が、電話を切って待機していても閣下は現れない。 2つある入り口をそれぞれに待ち伏せしているものの閣下の姿は見えず。 付近をウロウロしても見当たらない。 再び閣下からの電話で「中央待合室」を確認しあう。 どうやら「おみやげ街道」は何箇所かあるみたい…。 こんな時はヘタに動けば泥沼になるのが関の山、小さく動いては元の場所に戻るという事を繰り返していると、ケン卿が閣下と連絡を取り合い無事に合流。 ウチとルカの荷物に対して、閣下・ケン卿の荷物は若干少なめ…この差は一体…。 再会の挨拶もほどほどに、朝ご飯となる駅弁を購入すべく売店へ。 1店舗のようにも、2店舗のようにも見える売店で入念に弁当を選ぼうとするも、半数以上が売り切れ状態にちょっとコケるw 結局、ルカは「肉めし」、ウチが「とんかつ弁当」、閣下もとんかつにしようとするがウチが買ったのが最後の1個で「神戸ステーキ弁当」をそれぞれ購入。 ケン卿はというと、しっかりと朝飯を自宅で食してきたらしい…。 曰く「俺はなきっちり生活リズムを守んねん」 ウチとルカにしてみれば昨晩家を出てから生活リズムは崩壊してる状態で、ケン卿の意見に微妙な反応だったw 兎にも角にも電車に乗らないと始まらない、各員万全の準備を整えいざ乗車。 指定席なので急ぐ必要も無く悠々と車内へ、3人で4席を占め対面方式で座る。 やれやれと腰をすえて落ち着く、すぐに閣下がキラリと光る何かを取り出した。 某菓子メーカーの「じゃ○りこ」手羽先味(東海限定)っ! 先週の事、閣下は聖地巡礼に出かけたらしい。 「結果は聞くな!2安打完封負けやで…。」 ちょっとだけ閣下の背中に哀愁が漂ってた。 新幹線は新大阪を出発し、一路江戸を目指す。 新大阪の次は京都、京都と言えばなぜか姫を思い出すw 今回はお仕事の都合で不参加となったが「今なら間に合う」と妙な事を口走る4名。 4名中3名(閣下、ルカ、ウチ)が「パチンコが本業」と自負するメンバーが揃うと話題は自然とそっちの話に。 閣下が今ハマっているのがニューギンさんから出てる「花の慶次」。 この台、かなりキツい台で大ハマリもあれば大連荘もあるという荒モノ台。 しかしそれが世のパチンコファンの心をガッチリ鷲掴みにしちゃって、ハマる人はどっぷり肩までハマっているらしい。 基本、荒い台には座らないウチだけども、つまみ食いっぽく投資してはいるけども今だ当たりナシという相性激悪の台だったりもするw しかし閣下は違う、天性の「引き強」を遺憾なく発揮して結構美味しい思いをしてるらしいw 様々な演出がある台だけども有名(?)なのは「キセル予告」、出現しただけで期待率が大幅UPするというものだ。 それに加えてボタンアクション、なかなか暇しないように巧妙な罠が一杯仕掛けられているw 原作は某週間雑誌「ジャ○プ」に連載されていた漫画。 作画は北○の拳で有名なアノ方です…平たく言うと「濃い」ですw でもゲーム性と画が妙にハマって見事なコラボレーション…。 この台、実は直江兼続さんがすっごく重要な台だったりする。 そうそう某ドラマで話題になったアノ武将サマです♪ とにかく直江サマが現れるとスゴク良い事が起こるのですwww そんな楽しい台にはイロイロなオカルトも多数存在する。 (以下一部、分からない方は各自で調べてくださいw) 「慶次の当たりは右から左へと伝播する」…城門を突破した慶次が左の台に幸福を?これを『城門突破打法』というw 「城門突破失敗および本陣急襲失敗後の襖は純粋にボタン連打数で開く」…これはチョット痛いw 「直江への愛情が高ければ勝つ」…直江兼続の兜が愛だから直江Loveというw などなど…まぁ…オカルトですからw こんな話を真面目に笑いながら語るウチ等は他客からはさぞ迷惑だっただろねw 新大阪で購入した駅弁をとりあえず口にする。 この頃には胃の調子も元に戻りしっかりと味も分かる、ただ高級な豚肉を使った弁当だったのか、妙に柔らかいとんかつに少しびっくり、硬い肉に慣れてる田舎モンにはヒジョーに貴重な体験でした… 名古屋を越え、道程の半ばを過ぎた頃から徐々に会話が途切れ途切れに。 かく言うウチ船→新幹線という過去にない乗り継ぎに旅のHiテンションも切れかける。 そしてふと閣下に目をやるとウトウトとしてる。 ケン卿は平気な顔してToppoを食べているw ルカも平気な顔をしてる。 ウチはというと睡魔の城門突破打法が襲来w 気が付くとウチもつい船を漕いでいたw どれくらい意識が飛んでいたのか、ふと目覚めた時に聞いた車内アナウンス 「まもなく品川~」 ふっ… 寝起きの重たい瞼を擦り、体の節々を軽く動かす。 油の切れたゼンマイ人形のようにギシギシと嫌な音が聞こえそうなほど鈍い。 品川―東京の間にどうにかこうにか頭の中を整理し車窓に目を凝らす。 所かしこに聞いたことのある町名を冠する店の看板が流れている。 あぁ、やっと到着したんだな~と実感が鼓動を早くするのを覚える。 「東京~東京~」 色気の無い車掌の声が戦場への到着を告げる。 時刻はAM11 10、昨夜家を出て13時間が経っていたw 堰を切って流れ出す濁流のように新幹線から人が押し出される。 東京駅はそんな人々を全て飲み込んでいる。 どこをどう通ったのか不明ながらもとある改札口に到着する。 ケン卿が連絡を取ろうとしているが、目の前にある改札口の向こう側に見覚えある人が壁を背に立っている。 「あれっぽぃ」 改札を抜けるとやはりBINGO!だーす卿が待っていてくれていた♪ そしてもう1人、長身のにこやかな人物が剛田卿…長身ですな…Σ( ̄□ ̄; 型どおりの挨拶も程々に歩き始める一行、剛田卿は閣下、ケン卿と旧知の仲で久々の再会(?)に楽しそうだ。 そしてクルリッとウチの方を振り返ると。 剛田卿:「えと…誰がだれやら…」 アンレ:「ん、以前電話ではお話したよね。」 剛田卿:「え?え?」 アンレ:「覚えてないんかな…」 剛田卿:「ダレ?ダレ?」 ケン卿:「これがアンレ。」 剛田卿:「おぉ、よう来た!」 ガッチリ硬い握手、なかなかの手力デスナ!…w (その2へ続く)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/18.html
冒険系 「冒険とは寄生である!」 トーレス航海日誌43日目より抜粋 クエスト系情報 ☆テノチティトラン発見クエスト 1.前提について 「袋のある動物の地図」 (文化度35000以上の開拓地学者から入手) 生物学、生態調査、R6 ヴェラクルス南東の門の外、門から出て北東 2.本命クエスト 「孤立した帝都」 サントドミンゴ冒険者ギルド 視認R8 社交R10 警戒R10 必要名声:冒険60000 海事10000 メリダで情報取得後、ヴェラクルス沖で戦闘 重ガレオン10隻(白兵140名倉105?) 非常に硬いので、速射で混乱→白兵を狙った方が良いらしい。 相手鎖弾なので鎖弾防御あれば入れて、舵と帆に注意。 強力な外科と防御を使ってくる。 戦闘終了後、クエスト変化 3.本命クエスト続き 「別世界」 前クエより変化 視認8 警戒10 考古学10 (社交R10)※情報入手時に必要 ヴェラクルス郊外(南東?)で陸上戦 討伐対象NPCはアルバラード Lv50×1、Lv47×2 艦隊全員が話しかけてから戦闘開始 結構攻撃が痛いので、鎧回復アイテム必須。 1体ずつ攻撃集中させて各個撃破してった方が良いらしい。 生き残らないと情報貰えないので、戦闘弱い人は後衛で守ったほうが良い。 ただ何度でもリトライできるから、気合で! 戦闘終了後、テーブル岩から奥地へ。 視認で史跡発見できる。 スキル系情報 ☆素堀りによるアイテム発掘 ・ナタルの杖やトルクメン腕輪、ガリレオ式望遠鏡など主だったブースト品は 探索R7からが目安となります。 ノコギリも時間は掛かりますが、掘れます。 金鎚は、R14とのことです。 ・ブースト+2のアイテムは、クエストでもそうですが、アイテム枠2つ空け で持てるような気がします。(確証ではないです。) アイテムは1個ではあるが、容量としては2個扱いのようです。 確実を目指すなら、多めにアイテム枠を空けてから発掘しましょ♪ ・発掘時、不必要なアイテムや船倉物を処分する際、発掘場所で処分せず 関係なさげな場所へちょっと移動して捨てましょう。 他の方が掘った時、自分の捨てたものが、発掘継続の邪魔になりますので。 (ライラ) ☆開錠地図 ・R5・・・美術・開錠がR5あればボルドー教会での開錠上げ R8・・・美術・開錠がR8あればナポリ教会での開錠上げ←今流行w 艦隊メンバーで美術あれば、本人開錠のみでも開錠熟練は入ります。 開錠Rが足りない状態で参加すると、熟練はランダムで入ったり入らなかったり ・金庫廻しで地図貯め・・・ヴェネチィアで試しましたが、マッタク地図が出ませんでした。 ・捨てて拾いなおす・・・2枚までは成功(偶然?)、落し物拾いも一定時間過ぎないと 拾えないので、直ぐに集めなおしはムリでしたw 開錠R5前後まではスルタンPTでコツコツと蓄積しつつ、各書庫地図を積み上げましょう。 ・開錠上げの新情報求む。 ボルドーも最初は内緒の範疇だったが、結構広まってしまったねw 開錠上げには皆、敏感ということですね。 (ライラ)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/93.html
2006年 1月7日 大阪にて2回目のオフ会開催 参加者:閣下、アンレ、ライラ、せいじ、レナータ、けんけーん ジョルジュ剛田(電話参加) 1月の加入者:Darwin・だー、アムス、ラルファ 2月14日 アンレーデがクイズ(謎解き)イベントを開催 正解者:なし 2月17日 芋づる式イベント開催。 第一部:商会内模擬戦 第二部:SS撮影会 第三部:松方大会(陸釣り) 参加者: 閣下、だー、SEIJI、Wol、ラルファ matten、レナータ、いざなみ アンレ、アイメル、Chantuu、アムス、バーグ、けんけーん ライラ、くらぷりん、ハガル、シンシア 2月の加入者:ハオ 3月の加入者:ロンメル元帥 4月14日 アムスの企画で名工の大工道具生産イベント開催 参加者:閣下、いざなみ、ひろっち、レナータ、クラプリン、wol、アムス、アンレーデ 4月の加入者:Hierro 5月3日 アンレーデより連休突入クイズの出題あり。 正解者:matten、レナータ 5月14日 バーグよりネーデルランド武装商会とのフーカー交流戦イベント参加要請あり。 参加者:アンレーデ、けんけーん、いざなみ、バーグ、matten、 Wol 5月24日~6月3日 オスマンイベントに商会単位で参戦。 5月の加入者:プレスト、リーベル 6月17日 アムスが諸事情のため長期欠席。 6月23日 FourMaskteers商会と秘境探検イベントに参加 参加者:閣下、ライラ、アンレーデ、アイメル、レナータ 6月の加入者:こうひえ 7月13日 ゴールデン・ルーヴェ商会1周年記念 8月6日 商会発足1周年記念イベント 釣り大会:優勝 れんれん 模擬戦: 優勝 Izanami 準優勝 くらぷりん 参加者:閣下、ライラ、アンレーデ、Izanami、アイメル、Wol、くらぷりん アムス、こうひえ、れんれん(ゑろす商会) 8月12日 第3回オフ会 参加者:閣下、ライラ、アンレーデ、れんれん、せいじ、レナータ ひろっち、こうひえ、けんけーん 電話参加:くらぷりん 先発組オフ:サミー戎 晩餐会:梅田 アジアジアにて会食 8月19日 幽霊船イベント(2回分) 参加者:閣下、アンレーデ、Izanami、せいじ、レナータ、けんけーん 8月~9月 閣下と1VS1 イベント 閣下の成績:7勝2敗 これ以降の対戦はない。 9月5日 閣下祭り(閣下増殖イベント) 10月13日 新陸戦イベント 参加者:閣下、ライラ、アンレーデ、いざなみ、アイメル、レナータ、せいじ、Wol けんけーん 商会No.1 レナータ NO.2 せいじ No.3 閣下 チーム優勝:レナータ・せいじ組 準優勝:閣下・けん組 釣り大会: 優勝 ライラ 10月21日、26日 オスマンイベント 参加者:閣下、ライラ、アンレーデ、Izanami、クリスチーネ(=アイメル)、せいじ くらぷりん、レナータ、シッド、なみあ、Terpsichore、サビオラ 10月の加入者:Terpsichore、サビオラ(期間限定加入) 11月 mattenが脱退。
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/51.html
「越えてきた日々」(中) 商品が届くのを明日に控え、父親は倉庫の状況を確認するため朝から不在だった。クリスチーネはそんな父親の変わりに店へと出て看板娘らしく振る舞いながら母親とともに店番をしていた。 客の多くは馴染みの顔ぶれで、クリスチーネにとっても久方ぶりの陸商売としては苦にならない時間を過ごしていた。 一通りの客波が過ぎてようやく休憩の時間になり、母親と並んで軽い食事を摂っていた。 「ねえ、お母さん。お父さんと一緒になるってすぐに決められた?」 サラダに手を伸ばしながらクリスチーネは口を開いた。 「なぁに、いきなり。」 思いもよらない質問に食事の手が止まる母親。 今まで詳しく聞かれることもなかった母親にとっては、娘クリスチーネがその関心を持つ年頃になったという事を実感していた。 「そうね。最初、素直には喜べなかったわね。」 「なんで?お父さんは結構有名な商人だったんでしょ。」 「それが最大の原因ね。まだ宿屋の娘だった頃、町はさほど発展してなかったし、外からやってくる人達の数はさほど多くはなかったわ。」 自らの半生をゆっくりと振り返るように母親の口調は急ぐ風にない。 その表情は今までの思い出達が蘇ってくる事を楽しんでいると思わせるほど穏やかで少し微笑んでいるようだ。 「そりゃ、お父さんが現れる前にもそれなり数の航海する人が町に来て口説かれもしたわ。でもね、みんな海病なのよ。」 「海病?」 「そう、船での生活が長いと陸にあるもの全てが新鮮に見えてしまうの。そんな人達の口車に乗るなんて馬鹿馬鹿しいでしょう。」 母親の言葉を聞きながらクリスチーネは自らの生活を振り返り、そういえば思い当たる節がある事を思い出す。 「最初はお父さんの事もそんな人達と同じだと思っていたわ。だから、気に留めることもなく宿屋の娘として接していたの。でも、初めて2人だけで過ごす事になった日、お父さんの優しさは町にいるどんな男性よりも繊細で自然だったわ。」 今でもはっきりと覚えているその日の事を「例えばね」と付け加えながら母親は楽しそうに話している。今更知る父親の意外な一面を聞き、自らが振った話題でありながら、聞いている自身が少し恥ずかしくなっていた。そんな気持ちを隠すように抑えるように紅茶とマフィンを口へ運ぶ回数が頻繁になっている。 「それでお母さんはお父さんと一緒になろうと思ったの?」 「その時はこの人が本当にこのままなら一緒になりたいと思っちゃったわね。だから、その日の夜は離れたくない気持ちとそうあってはならないと思う気持ちがぶつかって泣いちゃったわね。」 そういう母親の表情は変わらずに穏やかに見えるが、口元の笑みには最初より生気がこもっているように力強くなっている。ただ時折、遠くを見るような表情を見せたりもしているが、それがクリスチーネにとって何を意味するかまでは十分に理解できていなかった。 「その日以来しばらくお父さんは宿に戻ってこなかったわ。それがお母さんには『やっぱり』と思わせたわね。だからその日を忘れようと懸命に宿の仕事を頑張ったわ、御伽噺みたいな事なんてあるはずないと思ったわ。」 話が続くにつれて母親の顔がどんどん明るくなっている、自身で思い返すには多すぎるとも思える波風が今となってはどれもが自らを形成する糧になっていると感じているようだ。 「それから何週間か後だったかな。再びお父さんが現れたの、当時は迷惑と思ったわ、折角忘れようと努力してきたのが水の泡になっちゃったんですもの。でもね、後々知った事だけどずっと姿を見せない間に父親、クリスのお爺さんにあたる人をずっと説得してたらしいのよ。」 「へぇ。お父さん格好いいじゃん。」 「でしょ。でもね、そう簡単に『うん』と言えかったわ。相手は海を行く名のある商人で、お母さんは町から出たことのない宿屋の娘よ。身分も国籍も違っては互いに苦労するのが目に見えてるわ。」 当時の母親はマラガの町から出ることも出たこともない生粋のマラガ市民だった。それがイングランド国籍で海を行き来する商人との恋など誰が考えても無事に成就すると考えも及ばないのは道理だった。 「それからお父さんの船に乗るまでの日々が今までで一番つらい時期だったわ。」 「なんで?親も認める仲だったんでしょ?」 「父親も一時の気の迷いだろうと高をくくってたのかも知れないわね。海病が治まればこの町を出て行くと思ったんでしょう。ところが実際、お父さんの熱は下がらなかったわ。」 2杯目の紅茶と2個目のマフィンに手をつける母親、このマフィンには地中海で特に質の良いブドウが採れると有名なフランス領モンペリエで作られた干しブドウが入っている。小麦粉独特の甘味と干しブドウの甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。昨今、地中海との交易ルートも確立され身近になりつつある嗜好品ではあるが、普段の食事に使うにはまだ少し値が張るもので、それだけにこの一家が中流家庭以上である事を裏付ける証明でもあった。 「それから胸のもやもやが晴れる事はなかったわ。一緒に居たい、でもいつ海病が治まるかもしれない。一緒になりたい、でも両親や宿の事はどうすれば良いのか?そんなジレンマがいつも胸に痞えてたわ。ずっと夢見ていたいと、分かれ際が切なくて繋いだ手を離せなかった事もあったわ。」 母親の経験が自分の体験したもの以上に辛く厳しいものだと思い知るクリスチーネ。母親の表情が明るくなるにつれ、自身は口を一文字に閉じ母親の強さに気圧されていると実感している。 「宿への帰り道、そして自分の部屋へ戻ってからはもっと大変。もう自分では考えを纏めきれなくて泣きに泣いたわ。でも、家族やお父さんの前では一切それを出してはいけないと頑なに陽気に振舞おうと努めたわ。ただ、バレてたみたいだけどね。だからお父さんは私の見えないところで父親と何度も話し合ってたみたいだし、いつでもそれとなく慰め励ましてくれてたわ。」 「ふぅーん。なんか聞いてるとお父さんって格好いい事するね。」 「だから一緒になりたいと思ったのよ。そして、何ヶ月か過ぎてお父さんの情熱が父親の心を動かしたのね。その日も部屋で泣いてたわ、そこへ父親が入ってきたの」 『2人にとって最高の選択はこの宿にはないだろう。彼のもとへ行って笑顔で居られる時間でいっぱいにしてきなさい。』 「最初は意味が分からなかったわね、そして用意されていたのは大きなバッグ。それを見てようやく悟ったわ。父親としては辛く身を切り裂かれるような決断をしたと思うわ、今あなた達を授かったこの身だから分かる心境ね。」 それが親としていつかやってくる日だという事はクリスを授かった日に定められた運命なのよと母親の言葉は続いた。 「でも、お母さん。向こうとこっちじゃ何もかも違うでしょ。気候も言葉も・・・」 「なぁに女は『こう!』と決めたら強いものなのよ。」 その言葉を言う母親の顔は今まで見た事ない一番の笑顔だとスリスチーネは思った。彼女が父親の故郷に辿り着いてからの生活は、言葉が通じない他国者に対する人言えぬ辛いことも多かっただろう。しかし、夫婦が互いに強い絆で結ばれていたからこそ今日までの艱難辛苦を乗り越えてこられたのだろうと、想像するに容易かった。 「お母さんには3つ捨てられないものがあるの。1つはお父さん、2つ目は貴女達、そして3つ目がスペイン語よ。どんなに今が幸せでもお父さんに会うまで育ててくれたのは何よりイスパニアという国なの、この両国がどんなに喧嘩してもお母さんはイングランド国籍の夫の妻として、貴女達の親としてそしてイスパニア出身者としての誇りをもって生活しなくちゃいけないと思ってるわ。あら・・・お客さんのようね。」 店員を呼ぶ客の声が聞こえる、母親は先に店へ出るから片付けよろしくと言い残しながら席を立った。クリスチーネは逆光に照らし出される母親の背中に釘付けになる、華奢なように見えるいつもの背中が光の差し込む方向へ向かっていく様は堂々としていて力強いように彼女の目に映る。 「ちぇっ、お父さんもお母さんも格好良すぎるよ。そんなの私には無理無理。」 ティーカップの紅茶を一気に飲み干しクリスチーネも席を立つ、食器類を運ぶ途中、母親からの声が飛んでくる。 「クリス、あなたにお客様よ。」 慌てて食器をそのままに店内へ戻る。そこには軽くウェーブ掛かった長い髪を背中で結い合わせ、大きな瞳に目鼻筋のすきっと通った女性が立っている。クリスチーネが所属する商会を発足させたメンバーの一人ミヤがそこに居た。 「あっ・・・ミヤさん。いらっしゃい。」 「やっ、クリス。帰ってきてすぐで申し訳ないけど1週間後に東地中海へ向かってくれないかしら?」 「え?」 「急いであっちに人手が必要になりそうなの、すぐに返答して。」 クリスチーネは困惑した、家族と一緒に過ごすと父親と約束してしまっているだけに協力したい気持ちと約束との板ばさみに揺れている。しかも、商会の大先輩にあたる人がわざわざ足を運んでくるぐらいなので余程の重大事が起こっている事が容易く想像できる。 「えっと・・・どうしよう。」 どう回答して良いか口の中で言葉が篭っている。 「クリス。なにをグズってるのさっさと『分かりました』って返事なさい!」 そう声を出したのは誰でもない母親だった、両腰に手を当ててクリスを睨むように立っている。 「でも、お母さん。お父さんとの約束もあるし・・・。」 「ミヤさんが来られたのよ、あなたにしかできない事が待っているのでしょう。」 それでも答えを渋るクリスチーネ。 ミヤはその顛末に黙っているしかなかった。 「気にしないで行って来なさい。」 その目から訴えるものを察したクリスチーネは自分がどれだけ愛されているか、信じられているかをその身に感じ取る。 「うん・・・うん、お母さんありがとう。ミヤさん、出航は1週間後で良い?」 「そうね。それより早くても良いけど、準備もあるだろうから。それを期限にして。」 「分かりました。準備します。」 「アイメルとウーナも連れてきてくれると嬉しいわ。よろしくね。」 そう言うとミヤは礼儀正しく挨拶すると足早に店を出て行った。 「ごめんね、お母さん。また心配かけるね。」 「ちゃんと仕事して帰ってきなさい、無事こそ私たちの願いよ。さぁ、いろいろ準備があるんでしょう。お店は良いから行ってきなさい。」 「ごめんね・・・。」 クリスチーネは部屋からさまざまな台帳を抱えてくると、店を飛び出した。母親はその後姿を店先から見送っている。 「ったく。忙しい所はあの人の血かしら。これじゃ良い人が寄り付く暇もないわね。」 軽いため息を店先で捨てるように吐き出すと、母親は店内へ戻っていく。街を覆いつくす空は変わらず少し靄かかっていた。 慣れた街を慣れた足取りで決まった路地へと歩いてゆく。 さすがの故郷では厳しい監視の目が光るクリスチーネも着いて来ない。 長女の意地か店番を1人で請け負ってくれたお陰でアイメルとウーナは久方ぶりに羽を伸ばす機会を得て浮き足立っている。 お目当ては通い慣れたカフェ。 店の外見からは特別な魅力を感じる風にない何処にでもありそうなカフェだが、店主の新しいもの好きが客足を離れさせないよう上手い具合に働いている。 「おや、アイメルにウーナ。戻ってたのかい。今日は何にするんだい?」 その一言を聞くだけで、ここの女主人がどんな正確なのか測るに十分なほどの台詞だった。ただ、アイメルとウーナにはそれが懐かしくも嬉しい響きに感じられる。 「んーっとね。セイロンの入ってる?」 「いつものヤツだね。ウーナちゃんもかい?」 2人にとっては悩む事もないオーダーだった。品揃えが良いと知っていても彼女達が注文するのは決まってセイロンティーで、これは姉クリスチーネが好んで飲んでいたものを真似ていたのが自分達のファーストチョイスへとなっていた。 「ねぇアイメルお姉ちゃん。昨日のお父さん達の話って何だったのかな?」 「うーん…。ウーナにはまだ難しいんじゃないかな。」 「えー、そうやってウーナを子ども扱いする。そういうアイメルお姉ちゃんは分かってるの?」 「分かってるよ。」 「じゃ、説明してよ。」 「なんて言えばいいのかな。好きな人と一緒になりなさいって事だよ。」 「一緒に?」 「ウーナは好きな人居るの?」 「居るよ。6番通りにある食品店のマスターは良くしてくれるから好きだよ。」 「だ・か・ら、分かってないって言うのよ」 想像通りの答えにアイメルは笑いを隠せないでいる。 「なんでー。もぅ…」 ウーナはふてくされた表情でアイメルを睨んでいる。真剣に自分が出した答えがそんなに可笑しのかと何の疑問も持っていない様子だ。 そんなタイミングで女主人が紅茶を運んでくる。 「おや、ウーナ。顔が膨れてるね。何も入れずに膨らませるより、これでも食べてた方が余程特だよ。」 女主人は左手に持つ皿をテーブルへと置く。そこには焼きたてのビスケットが並べられている。 「久々に元気なあんた達に会えて気分が良いからね、あたしからのサービスだよ。」 焼けたバターの甘い香りがテーブル一杯に広がる、その香りにさっきまで膨れっ面になっていたウーナはその出来事を忘れビスケットに釘付けになっている。 「良い顔だねぇ、そうやって良い顔をしてないと寄り付く者も逃げちまうよ。」 そんな女主人の台詞は口一杯の幸せに夢中なウーナの耳には届いていなかった。 幸せを味覚と満腹感に感じ取りながら2人は再び街中を散策している。 心地よい日和にも恵まれて自ずと足は軽くなる。 姉妹と言えども各々の趣味も異なるために思いつく先も違い、それぞれを巡っていては2人分の移動距離だが、今の彼女達には全く問題にしないほどの浮かれ気分だった。 「ウーナ、そんなに買い込んでどうするの?」 「えへへ。せっかくクリスお姉ちゃんが居ないんだしぃ。」 目に映る縫製材料を両手に一杯にしてウーナは上機嫌だ。 「クリスお姉ちゃんは『無駄使いはダメ!』とか言ってウーナの欲しい物を買ってくれないんだもん。それに…」 ウーナは横を歩くアイメルが抱えている資料類を横目に見ている。 「それも安くはないよねー?」 意地悪そうな顔をしながらウーナの口調は鬼の首を取ったような口調で語尾が高く跳ね上がる。 「これはあくまでも写しよ。高くないの。」 「嘘だぁ。アイメルお姉ちゃん、それを買ったきり何も買ってないんだもん。」 「さぁ、そろそろお茶でもしようっか。この先のカフェに美味しいフィアドーネを置いてる店へ行きましょうっか」 「えへへ」 勝ち誇ったウーナの顔に比べて、アイメルの顔はどうやってご機嫌を取ろうかと思案にあぐねている様子だ。 大都会のそれとは違い人通りもどこか控えめなのが、過ぎ行く時間を緩やかに感じさせる。この街の中では、その年柄に不釣合いなほどに海を渡った先にある数多くの異国文化に触れてきた2人の格好は垢抜けたというより若干の不釣合い感として捉えられかねない感覚になっている。 アフリカ大陸を遠く越えた先、かの香辛料大国インドよりかは少し欧州に近いアラビア海方面で土着の民族衣装であるガンドゥーラに身を包んでいる。 華やかで流麗な曲線美こそが最も尊ばれる欧州文化にあって、日常の動きやすさを兼ね備えたその服は野暮や粗野と言えず、かといってそれを真っ向から否定するほどの難点もない服だった。さらには、キリスト卿圏と激しく敵対するオスマンの息が掛かった服だと言うことだけで倦厭されがちな風潮もあるが、異国文化を積極的に先端の流行りだと捉える事との板ばさみに、曖昧な国民性が浮き彫りになるという事はこの国の不思議なところでもあった。 更に言えば、この地方に限定すると。大都会の流行でさえそれに当てはまる傾向も屡だった。 時折、2人を好奇の目で見る者も居るが、異国との文化に触れすぎた2人にはそんな視線が向けられる事を今は気に留めることもなく生活している。さらに両親、特に父親はそういう生活を経ていたためか世間的な考えにも理解を示しながらも『服装ぐらい自由で良いんじゃないか?』と言い、母親は幾分納得いかない部分もあり、時折娘達の見えないところで父親と軽い衝突を起こしていたが『良いじゃないか。主張を折る事は彼女達の個性を壊すこと、それは親の責務の範疇ではないさ。』と父親の殺し文句に母親はいつも閉口していた。 父親の理解に助けられて育った3姉妹は、異国の文化に触れてはその感動を素直に受け止め世間の柵に囚われることない感覚を身に着けていた。 「フィアドーネとププランと紅茶っ。」 「ちょっと、ウーナ…1皿多いんじゃないの?」 「えへへ。硬いことは言いっこナシだよ。」 「はいはい…」 圧倒的に立場が悪くなったアイメルはミルクレープと紅茶を注文してウーナの執拗な攻撃が続くのをとりあえずに打ち切る。 椅子に腰を掛けて少しの時間が経つとさすがに元気一杯の2人にも少し疲労の影が見えている。久々に自由三昧だという開放感が彼女達の小さな体に収められている体力を十二分に使い切るほどに歩き回っていた。 本日2度目となる至福時間を迎えて若干の回復を図るものの、その口数は疲労のためかどこか途切れ途切れになっている。 「そう言えばお姉ちゃんの商会の人達は皆元気してるの?」 3姉妹の内、アイメルだけは2人と異なる商会に所属している。 一般女性では考えられないようなゴツゴツした手を持つ女性冒険家との出会い、冒険家として生きる事ですら容易でない時勢に尚且つ女性がその責の一旦を担うなど非現実的な現実を目の当たりにしたとき、彼女は今までで感じたことのない衝撃に打ちひしがれ衝動的にその人物が所属する商会に所属することを決意していた。 今、彼女はその女性冒険家とは異なる分野ではあるものの同じ冒険家兼学者として同じエリアに立っている。 「私は元来怠け者だからね、大した事なんて出来ないのよ。」 女性冒険家が言った台詞だった。 アイメルはその言葉を聞いた時、それを額面どおりに受け止めるだけしかできていなかった。しかし、こうして自分が職業冒険家・学者として生きてゆけるようになって、漸くその言葉に含まれる異なる意味を悟るようになっていた。 学者ゆえの職業病とも言える全ての意味がそれに含まれていること、そして立身出世を求める事がどれだけ自らが求める真理に対して大いなる障壁になるのだということ、煩わしい外聞や偏重主義を嘲笑した言葉の裏返しなのだと今のアイメルは解釈していた。もっともその言葉を口にした冒険家はそんな大層な意味合いを含ませている訳もない事を当人は知らなかった。 「うーん。そう言えば最近、皆と会ってないなー。時折連絡が来てるけど…手紙だと情報も後手に回っちゃうから。」 「へぇ、連絡は来てるんだ…」 「マメな人が居てね、大体の動きは把握してる…ハズよ。」 姉妹だけに何を隠す訳でもないように、アイメルは商会メンバーからの連絡で知りうる限りの事を掻い摘んで話題にし始める。 ウーナは目の前にある2種類のデザートを口に運ぶ手を休めることなく聞いていたが、やがてアイメルの話が長くなり、どの皿も綺麗に平らげると手持ち無沙汰な様子でうんうんと頷くだけになっている。 「ねぇ、お姉ちゃん。その話まだ続く?」 申し訳なさそうな口調で話の腰を折るウーナ。 「どうしたの?」 「えっと…あのね…その…」 言葉が口の中で篭るように歯切れ悪い、その表情も何かを訴えるように下からアイメルを覗き込む形で見ている。 「なるほどね。」 ウーナの思考を感じ取ったアイメルは華奢な手を顎に押し当てながら口元に笑みを滲ませる。 ここにはアイメルの弱味を握ったウーナの主導権で来店したが、ここに来て弱みを握られた側がそのままの立場で強くなるという不思議な現象が起こっている。 ウーナの視線には首尾よく行けばという薄い期待とこれ以上の我侭が通らないかもしれないだろうとの諦めが混じり合っている。 そんな視線だけのやり取りがほんの数秒間繰り広げられると、アイメルは顎に当てた手でウーナを軽く指差した。 「今日だけよ、なんでも注文しなさい。」 ぱっと表情が明るくなる妹の顔。 「んじゃね、もぅ1つププランとミルクレープッッ」 どこから出しているのか覇気の良い声が静けさになれたアイメルの耳の奥にまで響く。 その声に自分の体に一本筋が通ったような錯覚に陥りそうなほどウーナの声は若さに溢れていた。 「たった2つしか違わないのに、こんなに違うものなのかな。」 「ん、なに?お姉ちゃん。」 「なんでもないよ。アンタそんなに食べて晩御飯入らなくなるわよ。」 「それは大丈夫だよ。お母さんの料理は別格だからねー。」 「あーはいはい…左様でございますか…」 新しくやってきたスイーツの味をしっかりと口に頬張りながらウーナは自分が言った言葉に何か引っかかるものを覚える。 「そふぉひぇふぁ、さくふぁんおかひっては…」 「ウーナ…頼むから焦らないで、一応レディーなんだから飲み込んでから話して…」 アイメルの頬杖付く手が額へと移る。思わず天を仰ぎ見るような成りで体の奥底に溜め込んだ何かを出し捨てるように大きく息を吐く。 ミルクレープを紅茶で押し流してウーナがようやく聞き取れる英語を話す。 「そう言えば、昨晩お母さんが言ってた味を守るとか守らないとかってどういう意味?」 「またその話ね。そうね、ウーナはお母さんの料理が待ち遠しい?」 「うん!」 「じゃ、今はまだ分からないかもね。」 狐に摘まれたような表情のウーナ。 「なんで?」 「さて、なんででしょう。」 微笑んだままで、きっぱりとした明言を避けるアイメル。 「うー…分かんない…」 眉間に大きく深い皺を見せながらウーナは悩む。 しかし、そういうアイメルでさえ母親の出した問題に明確な解答を導き出している訳でもなかった。傍から見れば年端も行かぬ2人の少女、女性として人として幾倍も経験ある母親から出された女性としての命題とも言えるあの問題にそう易々と答えられるはずもなかった。 ただ、アイメルは聞いただけの情報を元にそれとなく妹よりかは真理に近い所へ居るものの、実体験の伴わないだけに希薄的な根拠に過ぎなかったが、妹を前にしてつまらぬ意地が彼女の口から『知らない』『分からない』という言葉を出させる事を拒んでいた。 それを自覚していたアイメルはこれ以上ウーナにその事について質問されることを避けるように誘導する。 「ウーナ。早く食べないと遅くなるよ、まだ回る所あるんじゃない?」 そう促されたウーナはフォークをぴたりと止めて、自分が今日に予定していた事がどれだけ残っているかを数えている。そして、大きく2度頷くと目の前にあるププランをテンポ良く口へ放り込んだ。 両手に抱えきれるか否かというぐらいに荷物を両手にしている2人。 思い通りの買い物に上機嫌な顔で広場を横断するように歩く靴音が朝よりわずかに重いように感じられる。 そんな2人の耳に賑やかなリュートの音が聞こえる。 それは諸国を回る大道芸人が奏でていた。 「ここにも来るんだね。」 体の割りに会わない荷物を持ったウーナが反応する。 それは奇抜な格好をしている2人が3メートルもあろうかという2本の棒を両手に平行棒のように構えている。そして1人の道化師がその棒を巧みにバネのように使って高く飛び跳ねる芸を楽器の演奏に会わせて披露している。 「アレって、続けててなにか良いことあるのかな…そんなに儲かる仕事でもなさそうだし。」 ウーナの疑問は素朴なものだった。 「ウーナ。今、あなたの視線はアノ人達より高いところから向けられてるよ。ウーナには難しいかもしれないけど、ああやって技を披露する人達の日常は私達が思っている以上に辛いものなのよ。」 「それは失敗しちゃお金貰えないから?」 「そうじゃないわ、あの人達は見ず知らずの人達の足を止め感動させてこそ仕事と言えるの。今見せている技でさえ、あの人達だからこそ出来るのよ。一見して簡単そうに見えるけどね。」 「ふーん。」 「私達の商売とは違って、自らが極めている技のみで勝負する世界っていうのかな、一分の隙も許されない言わば決闘のような世界なのよ。」 「へぇ…。」 アイメルの説明にあまり関心がないような返事だった。ウーナにはアイメルの言わんとする所を把握しきれず、また理解しようともする気がないようだった。 「見かけ以上に大変って事ね。」 「良く分かんないけど、分かった。」 「よし、んじゃ。暗くなる前に帰りましょう。今日、行けなかった所は明日ね。」 「うん、今日の晩御飯は何だろうね。」 「昨日の献立からして…今日はウーナの好きなバジリコパスタじゃないかな」 「だと良いな。お姉ちゃん早く帰ろう。」 西の空へ大きく傾いた日差しが町全体を赤く染め抜き、街行く人々の影が長く細く伸びてゆく中を2人が足早に通り過ぎる。各所から漂う良い香りがこの街に夕食の時間が近いことを知らせている。2人は家まで2人だけの競争を始めていた。大きな荷物を落とさぬように走る2人の額には汗が滲んでいる。それは宝石を思わせるように夕日を反射させながらきらきらと光っていた。 (つづく)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/73.html
セビリアのお気に入りである喫茶店で彼女は午後のお茶を楽しんでいた。まだ三角巾をしたままで私生活でもそれなりに支障があるようだ、書庫から借りてきた書籍を読みながらロンドンで買い求めた紅茶を店員に無理を言って淹れてもらっている。船員達には適当に休暇を取ってもらった、左手があの様子では彼女の冒険に対する情熱も今はおとなしく「次の出航は14日後を思っているから、それまではゆっくりとして欲しい。」と船員達に伝えていた。 彼女も2日ぐらいはおとなしく船内でゆっくりと養生していたが、あまりの退屈さと痛みに街中へと降りてきた。はっきりと不機嫌そうな顔をしている、それもそのはず、彼女は今女性休暇になってしまったからだ。毎月の事とは言えこの左手の事もあり言い表せない苦痛が彼女を襲う。何かで気を紛らわせないかと思い書庫へと足を向ける。今迄に多くの生物に関する依頼を受けそれに関する書物はほぼ読破したと言っても過言ではない。最近は書庫へ入ると考古学に関するものなら洋の東西を問わず片っ端から読みふけっていた。こうやって少しでも何かに熱中する事で彼女の内臓を抉るような痛みを晴らせる何かに助けを求めていた。 「エジプトの遺跡、遺物に関する調査について」という今日の獲物を書庫で見つけ正規手続きで持ち出しをし、カフェへと向かう。店員に茶葉とチップを渡しいつもの席で早速1ページ目を開いた・・・。読む事に集中している間は痛みも和らぐ、右手だけでの行為に少し読み辛さを感じるが、頁を追うごとにそれも次第に慣れてくる。 昼過ぎには分厚いその獲物の半分以上を読みきっていた。何杯もの紅茶とお菓子を口へ運んではいるが、著者の文章も読み易い事もあって順調に頁を捲っている。 「好きなお茶とケーキを頂きながら好きな本を読む・・・これだけの生活も良いわね。」 と一息入れるように姿勢を正してティーカップに手を伸ばした。 「アンレーデさん、お久しぶりです。」 聞き覚えのある若い声が彼女の耳に入る。 「この席よろしいかしら?」 2人の女性が彼女の返事を待つように立っている。クリスチーネとアイメルだ。 「お久しぶりですね、どうぞお掛けになってください。」 「お変わりないですか?っと言ってもその腕を見ると・・・」 「ふふふ、少しドジを踏んだだけよ、何か飲み物は?」 「先に注文していますから、お気遣い無用です。」 クリスチーネはアンレーデの左腕の事が気になっているようだ。 「気になる?ブリテン島南部でね。」 「え?あの噂ってアンレーデさんだったの?」 「あらあら、巷で噂になっちゃったのね」 「噂もなにも、ギルドマスターに直談判したって噂になってるよ」 「あちゃ、それとコレとは話が違うのだけど・・・」 「そうなの?」 アンレーデはブリテン島南部での出来事からギルドマスターまでの事を簡単に話した。 「そうだったんだ。」 「人の噂なんてそんなモノよ。皆、面白可笑しく想像するからね。」 「一時期、アンレーデさんがギルドマスターの愛人だ。とかの噂もあったよ」 「涙を流しながら部屋を出たらそうなるでしょうね。」 少し呆れた顔をしながらアンレーデは紅茶を口にする。そんな中、アイメルがクリスチーネの服を引っ張って何か合図を送っている。 「そうそう、今日お伺いしたのはね、その話も聞きたかったのだけど。アイメルの事なの」 クリスチーネがそう言うとアイメルは恥ずかしそうに口を開いた。 「私、アンレーデさんの商会に加入申請しました。」 「え?」 「そう言う事なのよ」 「それは私たち商会の人間からしてみれば嬉しい事だけど」 「よろしくお願いします。」 「えっと、歓迎するわ。」 「はい、がんばります。」 「アンレーデさんの所なら安心して預けられるしね。」 「さて、意味がわからないわね。」 「私、軍に籍を置いたんです。」 「え?」 「以前にアンレーデさんにお会いして握手していただいた時にアンレーデさんの手は私と比べて強い手だったんです。私は自分の考えが甘かったって気付いたんです。」 そういわれてアンレーデは自分の手を改めて見てみる。 確かに、女性の手としては手の皮は厚くなり、爪も短く華やかな生活を送っている手ではない。 「だから、軍籍を置いて強くなりながら勉強しようと思うんです。」 「アイメルさん、私の手は銃を握る手でも、剣で賊を討伐する手でもないのよ。私は弱いのよ。」 何かを諭すようにアンレーデはその手を見せる。 「この手は土を掘り、梯子を上り、ツルハシを握った手なの。貴女が言うほど強くないわ。」 「・・・それでも私はアンレーデさんの業績に憧れています。私もその手のようにならなければと思うんです。」 「この手の何処が良いのかしら。痩せて、ごつごつとして、綺麗とは言い難いこの手が。」 アイメルは真剣な眼差しでアンレーデを見つめている。 「でも、軍に籍を置きながら学問で大成した人も居るわ。お互いがんばりましょう。」 「はい!がんばります。」 「難しい話はコレまでよ、もう少しお時間あるかしら?ここのチーズケーキは絶品よ」 「よろこんでっ」 ケーキを食べるアイメルはクリスチーネやアンレーデから比べるとやはり少女の面影が残る。この姉妹、海に出させるのが勿体ないほどの美形姉妹だ、艶やかな金髪を共に緩やかな風になびかせ、整った目鼻立ちは行き交う男性を振り向かせるだろう。しかし、2人ともに海へ出る事を選んだ、どんな経緯があるにせよこれから先、行く先々で彼女達の噂を聞くことが増えるだろうなと彼女は紅茶を味わいながら考えていた。 「これから東へ行くわ」と言いながらクリスチーネ、アイメルがそれぞれに席を立った後、再びアンレーデは書物へと目を向ける。彼女等2人のお陰でその時間は苦しい痛みも忘れた時間になった。こうして1人になってみると、その痛みがじっくりと戻ってくる。 「(今月は辛いわね・・・やはり船でじっとして居ればよかったかしら・・・)」 思わず眉間に手を当てて顰め面になる、毎月の事とはいえ決して楽なものではない。途切れた集中力を取り戻そうと文面に目を戻す。 「失礼する。アンレーデ女史とは貴女かな?」 いつのまにか彼女の正面に立っていた男がそうアンレーデに尋ねる。 「えぇ・・・」 「我輩はジョルジュ・ゴーダであるゴーダと呼んでもらって結構だ。このたびゴールデンルーヴェで厄介になる者だ。以後よろしゅう、この席はよろしいかな?」 口元に髭を蓄え、キリッとした顔立ちだが、頭髪を綺麗に剃っている。その風貌に一瞬驚いたものの、相手に悟られぬように言葉を選ぶ。 「どうぞお掛けください。私、アンレーデですよろしくお願いしますわ。」 突然のことに少しパニックになっている。読んでいた本に栞を挟む事無く閉じる。 「セビリアに立ち寄る度にここへ足を運んだがようやく会えたな。いきなりの訪問で失礼であったかな?」 「いぇ、お会いできて光栄です。」 「我輩はトーレスとは旧知でな。紡績商を生業にしておる。」 「私は・・・」 「トーレスから聞き存じておる、生物学を学ばれているとか、苦労な事だ。むっ、貴女のカップが空のようだ。何か飲まれるか?」 彼女の言葉を遮りながら次々と話かけてくる。言葉遣いはぶっきらぼうだが中身は紳士的なところがあるようだった。 「それでは、紅茶を・・・」 「うむ」 ゴーダはそう言うと店員を呼んでなにやら注文する。 「ゴーダ殿はF・トーレス商会長と如何なる間柄で?」 「うむ、トーレスとは戦友みたいなものだな」 「戦友?」 「ま、詳しく語ることでもあるまいよ」 「それで、ゴールデンルーヴェには誰かの紹介で?」 「トーレスから連絡あってな。ま、興味本位だが協力してやろうと思ってな」 「ご協力いただいて嬉しく思いますわ。」 「この席で本を読む女性が居れば貴女だと聞いていたのでな。」 「何ゆえ未熟な冒険家ですから、一度海へ出ると長らく戻れないですから。」 「結構、学術探求ご苦労である。」 「お褒めいただき嬉しく思いますわ。」 「トーレスが作った商会と聞いて、どんな物好きが居るのかと思ったが。貴女のような方が参加しているとは、トーレスも隅に置けんな。」 「お褒めの言葉として受け止めさせていただきます。」 「うむ」 彼女は目の前に座るゴーダの一挙手一投足を具に観察した。テーブルマナーや行動の端々はしっかりとしている。 「(・・・不思議な方ね。照れ隠し?それとも・・・でも良い方のようね)」 「我輩はこれからバレンシア方面に交易へ行かねばならん。お会いできて良かった。失礼する。」 いきなりにそう言うと、自らの食事代をテーブルへ置き一礼して席を立った。 「・・・トーレスも新しい人が入ると言うのなら、知らせてくれれば良いのに・・・ったく、びっくりしたわ。」 「しかし、今日は忙しい日ね。こんなに来客がある日なんて1年通しても何日ある事かしら。」 痛みの治まらない頭を擡げながら、先ほどまで開いていた頁を探す。 「えっと・・・」 再び書物へと目を戻した彼女はふと思いつく。 「まさか、他にも誰か加入しているんじゃないでしょうね?」 素朴な疑問が彼女の頭に浮かび上がる。 「仕方ない、商会管理局で調べてみるか・・・」 そう言いながら本を閉じると、右手だけでどうにか支払いを済ませて管理局へと向かった。 「ゴールデン・ルーヴェの者です、商会帳簿を見せていただきたいのですが。」 ギルドと異なり、普段から閑散としている商会管理局は殆ど待ち時間なく手続きが完了する。所定の用紙に身分証明するギルド登録証を提示すれば容易く見せてくれる。 「ゴールデン・ルーヴェのファイルはこちらになります。」 薄っぺらいファイルが発足したての商会だという事を示している。そのファイルを手に取り中へ目を通す。 「商会長F・トーレス。会員ライラ、アンレーデ、イザナミ、アイメル、ジョルジュ・ゴーダ、セイジ・・・やっぱり!」 彼女の予感は少なからず的中した。 「あの人もなんだかんだと言いながら一番積極的じゃない。」 ファイルを管理局受付に渡し、管理局を出た。外はもう夕刻と呼べるほどに朱色に染まっている。 「さてと。今日は何で済ませようかな・・・。」 右手一本では出来る事は限りられて来る、左手も使えない事はないが無理に動かして傷を開ける訳にもいかない。さらに、厨房は彼女がここ数日使っても洗い物が出来ていないために大変な状況になっていた。右手だけでは使うだけで精一杯で片付ける所まで手が回らない、洗い場が使ったグラスで一杯になりかけた時に彼女は厨房に入るのを止めた。(すでに手遅れでは有るが)そんな訳ですっかり厨房から足が遠のいた彼女は、外食に頼るようになり船員はまだ帰ってきていない為、気楽な一人暮らしである。 人ごみで溢れかえっている、その中を左手を庇いながら今晩の肴を探して行く。 「そう言えば、そろそろお酒も切れる頃ね・・・」 惣菜を物色しつつ「お酒も無いなら酒場で済ませる方が楽かな?」と考えていた。惣菜屋の店主は冷やかしとも見える彼女に少し苛立っているようだ。 「いぁ、酒場だと飲みすぎちゃうから。やっぱり買って帰ろう。」と呟いて牛肉のワイン煮込み、ほうれん草とキノコのソテーを注文する。先に金貨を手渡し「お釣りは要らないわ」と言うとさっきまで彼女を睨んでいた店主は掌を返すように上機嫌になり。毎度ありと威勢良く返事する、お釣り分とはいかないまでも少々サービスがついたぐらいの量を包むと「気をつけてよ。」と気前良く愛想をふりまいた。彼女にしてみれば、お釣りを取る手間が不便なだけで、機嫌を取ったわけでもなかったが、そういう効果を齎してしまったらしい。 「現金なものね・・・、まぁ私でもそうなるでしょうケド」 彼女はそう独り言を口にしながら一番の繁華街を抜けるように歩いていった。 日が翳ろうとしているセビリアは日中より人の声が多くなり一層賑わっているように思える。 「船に戻って、鎮痛剤を飲まないと・・・」 賑わう街の港までの道を足早に歩く。そんな途中の4つ角で出会い頭に男性とぶつかりそうになる。 「おっと」 互いが同じ言葉を発する。 「あっ」 またしても同じ言葉だった。 「あれーアンレーデさん、元気だった?って怪我してるのか。」 「ふふふ、セイジ殿はどうなのかしら?」 「元気ですよー」 「私の方は見てのとおりよ。」 三角巾に納められている左手をぽんぽんと叩く。 「それは、大変だね。あれ?惣菜?」 「ん?えぇそうよ」 「料理できる船員居ないの?」 「皆は休暇中なの」 「んじゃさ、俺の船においでよ。とびっきりの晩御飯出すよ」 「折角、惣菜買ったからね。お招きありがとう。」 「そんな冷めた料理より、料理は出来たてが一番!食べに来てよ」 「・・・・・・じゃぁ、お邪魔しようかしら」 このセイジという提督はゴールデン・ルーヴェ商会長であるF・トーレスと共に西アフリカへ赴いた時、共に艦隊を組んだことがある。当時はさほど話をする機会がなかったが、物腰の柔らかい好青年であった事は記憶している。切れ長の目に眼鏡をかけ物事を鋭く見つめている風貌から近寄りがたい雰囲気だが、酒場に屯する女性にはなかなかどうして受けのよさそうな青年である。 「大変だったね~。でも、無事でなによりですよ。」 左手の事を聞かれ山賊襲撃からの経緯を大まかに話し、それを聞いた彼の感想である。 屈託のない笑顔で言われると彼女としても返す言葉に困ってしまう。港までのわずかな距離を歩く。 「そう言えば、俺の事覚えてくれてました?」 「それは勿論覚えてるわ。」 「良かった、あの時以来だからねー。忘れてると思ってた。」 「それは私もだわ。」 「いやー、アンレさんは何となく覚え易いというか忘れられないというか」 「聞きようによっては良い風にも悪い風にも取れるけど?」 「もちろん良い意味ですよー」 「本当はどうなのかしら?」 「他意はないですって、ヒドイなー」 コレほどまでに饒舌な彼とは知らなかった。久しぶりの再会に人見知りする事もなく明るく話している。この気さくさが彼の人気を高める所だろう。それに舌が回るだけでもなく、戦闘においてもそのサポートは諸提督を唸らせる程らしい。彼女は戦場を共にした事がないためその腕前を知る由も無かったが、噂では各商会による彼の引き抜き合戦が密かに行われていたと聞いていた。 「あ、足元気をつけてね」 彼の船へと続く艀をエスコートされながら歩いて行く。ここまで丁重にされると彼女としても面映いというか照れ臭さを感じてしまう。 甲板に降り立つ、妙に忙しくなさそうな感じの船員達が仕事をしている。彼女の船の慌しさとはまるで違う。「(これが船員教育の差かしら・・・)」自らも嫌な性分とは分かっていながらも案内されている途中に様々な所を我が船と比較分析している。「(さすが、諸提督が欲しがる人ね)」実にシンプルにまとめられている船内はその提督の実力を現しているようだ。「(良く纏められてるわね・・・ただ、ちょっと飾り気が少ないのが・・・)」 「じゃ、アンレさん適当に座って待っててよ。」 「皆お気に入りの席があるんじゃないの?」 「ん~、じゃ、ここへ座ってて」 薦められた席にちょこんと座る、椅子はどの船も大して変わりは無いようだ。 「何か飲みますか?と言ってもブランデーぐらいしかないかな・・・」 「じゃ、それを頂いてよろしいかしら?」 「おっけー」 新しいボトルとグラスを彼女の前へと運び、慣れた手つきでグラスへと注ぐ。 「アンレさん、お願いがあるんだけど。」 「右手だけで出来ることかしら?」 「うんうん、待ってる間暇でしょ?俺ん所の船員に冒険談でも聞かせてやってよ。」 「あら、口下手な私に?」 「よろしくー、おーい、誰が居るか?」 彼の指示で手が空いている船員が食堂へと集まってくる。 「今日はアンレーデ提督にお越しいただいた。彼女は職業冒険家であり特に生物学に精通しておられる。料理が出来るまでの間、提督に冒険について聞くと良い。ただし、くれぐれも粗相のないように。」 そう言うと彼は厨房の中へと入っていった。 「厨房に入ってなにするの?」 「あれ?言ってなかったっけ、今晩の食事は俺が作るんよ。」 「料理できるんだー。」 「そだよ、出来ると言うよりメッチャ得意やね。」 「便利ね・・・私の船に来ない?」 「いぁ、それはちょっと・・・それより話を聞かせてやってよ。」 「そうね。えっと、何から話そうかしら・・・」 「・・・・っという訳で、なんとか命からがら生き延びたわ。ここに居る皆さんはセイジ提督の元でしっかりと修練を受けてるでしょうから心配ないわね。さて、何か聞きたい事はない?私だけ話しても眠いだけでしょうから。」 他船の船員に経験を話す機会など滅多に無い、それもこんな大人数相手だと何を話していいものやら話のネタに困るものだと彼女は自らの話術の無さに少し辟易している。 「アンレーデ提督ぅ~、生物学って何のためにあるんですか?」 物怖じしない船員達から質問が投げかけられる。 「アンレで良いわ。そうね、今は一部の人たちの物珍しさを蒐集する為に各地を廻らされているようなものね。」 「それじゃー、その一部の人の道楽の為にあるんですか?」 「それは違うわね。ううん、私の中では全く違うわ。一部の人たちの為だけに動くなんてそれは現在の見解ね。私たちは身の回りに居る生物に関して無限に与えられているように錯覚しがちだけど、良く考えてみて私たちが生きているという事は父が居て母が居るの。生物も同じよ、生殖行為を経てその種が存続できるの。いつの日か何かの原因でとある種が激減するかもしれない、その時、私たち生物学者が学んだ事がきっと活かされるの。生物学とは私たちの孫やその孫へと今私たちが享受している恩恵を残す為の学問と私は考えているの。」 一同はしんと静まり返って聞いている。誰として返事に困っているようだ。僅かな沈静の後に再び質問が飛んできた。 「アンレ提督~子孫の為の学問とは良く分かりませんでしたが、提督の子孫は誰と残そうと思っているんですか~?良かったら俺と結婚しませんか~?」 会場がどっと笑いに包まれる。 「アンレ提督はオメーなんか見てねーよっ」 「アンレ提督~うちの提督をどう思う?」 「オレはアンレ提督みたいな美人の所が良いな~」 「提督~オレを冒険で使ってくれ~」 和やかになった場では皆が思い思いの事を口走っている。それを手で制するようにしながら彼女は最初の質問に答える。 「そうね、相手は今のところ秘密にしておくわ。それに私の計算だともぅまもなく料理が運ばれてくるわよ」 そう良いながら厨房の方を指差すような仕草をする。一同の目線がそちらに流れる。 「おーい、出来たよ~」 セイジの軽やかな声と共に皆が注目するドアが開く。そのタイミングにあわせて一同が「おー」と声を上げる。 「ん?どうした?」 自らがドアを開けた瞬間に上がる声に少し驚いたようなセイジ。 「ふふふ、なんでもないわ」 「そーなん?料理出して良い?」 「皆、待ちかねているわ。私の話は彼等の空腹を満たす事はできないみたいね」 「お前達、粗相はしてないやろうな?」 それぞれが首を振ってそれを否定する。 「私も何か手伝おうかしら?」 「いあいあ、アンレさんはお客さんですから座っててください。おい、そうそうオマエ、アンレさんに料理をお取りしろ。そうそう。失礼の無いようにな」 次々にテーブルが料理で埋められて行く。魚介類のピザ、鶏肉香草炒め、キノコとハムのチーズソテー、カルパッチョ、サラダ・・・ 「これって多すぎない?」 目の前に並べられている料理を一見して言葉が口を突いた。 「んー、ちょっと張り切り過ぎたかな。ま、気合で食べてよ」 「気合って・・・」 「まだ、お代わりあるからどんどん食べてね。」 「全部自分で作ったの?」 「うん、料理たのしーよー。さ、食べないと減らないよ。」 この笑顔に騙される、しかし、これでいて市井の色事に噂が立たないというのも彼の不思議な魅力だと彼女は思った。 賑やかな食事が始まった、並べられた料理はどれも唸るほどに美味しい。 「(うーーん、これは私の負けだ・・・。)」 基本的に消費者側の彼女でも僅かに厨房に立つことはある、それなりに自分の腕というものを知っているだけに、セイジの料理には脱帽という感だった。 「アンレさんの船って誰も居ないの?」 「ん~、誰か戻ってきてるかも知れないけど。今は基本的に私だけかな。」 「それってちょっと危なくない?」 「まー、船自体は盗られる事ないし。それに、船内にお宝があるわけでもないから」 「い、いや。それもだけど・・・ほら、アンレさんも一応女性やし。」 「あら、気遣ってくれてるのね?」 くすくすと笑いながら、鶏肉を口へと運ぶ。 「今日はこの船に泊まっていきなよ、空いてる船室もあるし。アンレさんの船にはこっちから見張りを立てとくからさ。やっぱり、1人は危ないよ。」 「これ以上のご厄介になるのも気の毒ね。こんなオバサンを襲う物好きなんて居ないから大丈夫よ。」 「いぁ、絶対危ない。おい副長!食事終わったら適当なのを5人ばかしアンレさんの船の見張りへ向かわせてくれ。」 「いいわよ、そんなに気を遣わなくても。」 「いや、ダメ。決定―!」 会食後の彼女は1人甲板で夜風に当たっている。何もかも人に頼りっぱなしの最近を思うと自分自身が情けなくなってくる。思い当たれば思い当たるだけの人からの厚意に何も出来ない事がこんなにも自分を惨めにしてしまうのかと穏やかに揺れる船の上で考えていた。夢遊病者のようにふらふらと舳へと足を進めては海の良く見えるところへ座り込んだ。 一定の模様を繰り返す海のずっと先にある水平線を目でなぞりながら、彼女は意味をもたらさない時間を作っていた。 「私に出来ること・・・」 空ろな声が口から漏れる。その声を飲み込むかのように海風が彼女に吹付ける。薄着の体にその風だけではない寒さが染み込むように彼女を吹付けている。 「こんな所にいると体壊すよ」 いつの間に居たのか、セイジは持ってきた彼女の上着をそっと肩にかけては彼女の隣に座った。 「料理ご馳走様。」 「いやー、今日は頑張ったよ」 「周りの人が皆すごく思えるわ」 「ん?」 「いあ、なんでもない…」 「アンレさん、考えすぎじゃないの?」 「え?」 「思った以上に自分の手は大きくないよ。誰だって両手の器で海の水全てをを掬いきれるはずないよ。全部自分で抱え込むって案外と出来ないんじゃないかなー。」 「そんなものなのかしらね。」 「それに…」 「それに?」 「あんまり考えすぎると目じりの皺が増えてるよー」 「増えてる?!」 「あははは、ココは寒い。ビスコチョ作ってるからお茶でしようよ。」 「お菓子まで作れるの?」 「趣味ですから~」 セイジは左手の利かぬ彼女の右手を取って彼女を立ち上がらせる。新月を少し越えた月明かりに照らされた2人の影は船内の食堂へと向かっていった。 翌朝セイジはアンレーデを朝食へ誘う為に彼女の部屋へと向かった。昨夜彼女と遅くまで起きていたにも関わらず、しっかりと朝食を作り上げている。 「アンレさん起きてるかなー?」 軽い足取りで彼女へ貸した部屋の前まで来るとドアを軽くノックした。 「アンレさん、朝だよ。起きてる?」 部屋の中から返事はない。 「あれ?・・・アンレさーん、朝だよー」 再びノックと共に彼女へ呼びかけるが同じく返事はない。 「・・・アンレさん?入るよ。」 何かあっても失礼だが、彼はゆっくりとドアを開けて部屋へと入る。そこには綺麗に片付けられたというより使った痕跡が殆ど見当たらない空の部屋だった。ただ、彼女が居たという事は机に置かれているブランデーの瓶とグラスで分かるものの、ベッドやその他には使用して片付けられたそれではなく、最初から使われなかったような状態が残っていた。 「あれ?」 確かに昨夜(といっても今朝に近い時刻)には「そろそろ寝ようか」と盛り上がる話を切り上げ彼女を部屋まで案内した事を彼はしっかりと覚えている。 「また、甲板で座り込んでるのかな?風が冷たい時期にまた体に悪い事してるな。」 彼は部屋を出ると速めの歩調で甲板へ続く通路を通り抜けた。セビリアは寒風が吹いているものの快晴で少しその明るさに目を細めては甲板を見渡した。 「居ないなー、何処行ったんだろ・・・。おぃ、アンレ提督を見なかったか?」 デッキブラシで掃除する船員に尋ねてみる。 「あぁ、アンレ提督は朝一番で街へ出られたそうですよ。行き先は聞いていませんが、後々戻ってくるとは仰ってたそうです。見張り番の話ですが・・・」 「そうか・・・あの人も結構無茶する人だな・・・」 「っと、お帰りになられたようですぜ。」 「ん?」 噂をすれば影とはいかないものの艀を歩いて彼女が戻ってきた。 「セイジ提督おはよう。早いわね。」 「アンレさんの方が早いよ。いきなり居なくなってビックリしたよ。」 「あら、心配かけてごめんなさい。」 「朝食できてるからさ、とりあえず食べようよ。」 「本当に料理得意なのね」 「ばっちり!」 プレーンオムレツに生ハム、サラダ、フルーツジュースが並べられると2人は朝食を摂り始めた。 「あれ?アンレさん、左手はもぅ良いの?」 相変わらずに左手を使わずに居るものの、三角巾を使っていない。 「過激に動かさなければ大丈夫だと医者は言ったからね。とは言うものの本調子とはまだ遠いから半端に不自由ね。」 「そーだね。それよりさ、アンレさん夜寝た?」 「突然なに?あの後は寝たわよ」 「ふぅーん、その割には顔色悪いよ?どっか調子崩してる?」 「色白になって少しは美人に見えるかしら?」 まさか男性に月のものとも言えるはずもない、この苦しみは女性だけに与えられた特権とも言うべき痛みなのだ、男性にそれを伝えたところで苦痛が回避される事でもない。 「体の調子が戻るまでこの船に泊まっていきなよ。」 「ありがとう、でもその言葉だけ貰っておくわ。いつ船員が戻ってくるかも知れないし。」 「うーん」 女性提督はとかく世間的に厳しいのに、船員のサポートも無くましてや怪我をしている彼女をセイジは気がかりで仕方が無いようだ。 「さて、一宿一飯以上のおもてなしを頂いたわ。何かお礼をしなくっちゃね」 そう言うとセイジに耳を貸すように仕草をする。 「今晩私と寝る?」 彼にそっと耳打ちする。 「なっ!」 セイジは慌てて姿勢を戻す。彼の顔が真っ赤に染まっている。 「ふふふ、冗談よ。」 「冗談にも程度があるよっ」 彼女は笑いを手で押し殺しながらテーブルに包みを置いた。 「さてと、冗談は置いといて、コレを受け取ってくれるかしら。今の私にはコレぐらいしかできないの。」 まだ、息が詰まっているような表情を見せているセイジはその包みを開く。 「酒?・・・あ、これってかなり高いんでしょ?」 「さぁね。」 「んー。じゃ、ありがたく貰っておくよ、それにしても酒ってのがアンレさんらしいね。」 「ふふふ、それより貴方の後ろに立ってる人が用事あるんじゃないかしら?」 「ん?」 この船の船員がセイジの後ろで会話が途切れるのを待っている。促されてその船員はようやく用件を伝える時間を得た。 「アンレ提督の船へ数名の船員が戻られたそうです。」 「あら、そう。丁度良いタイミングね。」 「それと、1通手紙が届いておりました。」 「ありがとう。」
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/101.html
「GL定例会議(仮称) 2009」その1 その日は残暑と呼ぶには酷なほどの日和だった。 朝定時に出社したものの、気持ちの半ばはすでに浮かれていて、通常通りの仕事すら面倒と感じるのは、もう二桁開催に届こうかと言うOFF会への期待だったのかもしれない。 ただ夜半に移動を開始するというだけでこの調子ではこれから待ち受けるだろう本土の日々を無事に過ごすことができるか心配でもあった。 長い9時間を過ごした後、お決まりの引継ぎ業務を終える頃を見計らったように就業のチャイムが鳴る。 定例になっている就業後のテニスも前日に断りを入れており、一切の寄り道を許さず帰宅の途についた。 出発は20時45分、前日までに大方の準備は終えており、最後に常飲薬をバッグへと移し換えていよいよ出発を待つのみとなった。 今回は3泊5日というスケジュールになったため、いつもより一回り大きいバッグとなってしまった。 もっとも、いつぞやの江戸遠征の時とは違い、ずっと持ち歩くという事態にはならないだろうと重たくなった荷物にも何ら抵抗はなかった。 今回も最初の移動は海路を選んだ。 時間がかかるという点は否めないが、なによりしっかりと睡眠を取れること、そして現地で動き始める前に1度湯船に浸かれるという点がデメリット分を大きく上回るメリットと感じているからだ。 さすがに夏休み期間を抜けた平日の夜ともなれば乗船客も少なく、唯一危惧していた相部屋もないという事でなかなか良い出だしになったと満足していた。 船中の過ごし方は毎回同じ、まずは1服をしてから売店コーナーで缶チューハイとお茶、そしておつまみを2種購入し部屋へ戻る。 今回も同道する兄ルカ・トニと共に半年の労を労って慎ましく乾杯。 翌日の予定を確認すると共に、TVを見ながらの雑談に興じる。 一通り落ち着いたら、次にゲームコーナーへ。 いわばおみくじのような感覚で4号機を楽しむ。 以前はホールで楽しんでいたこれら機種だったが、今の感覚ではさすがに厳しく感じていまうのは現状に慣れてきているからかもしれない。 飲んだり遊んだりとまったり1時間半を過ごした所で日付が変わり船内の風呂へ向かい、明日への準備を整える。 やはり温めだったサウナで先ほどの酒を抜き、床についた。 神経を逆撫でするような電子音で目を覚ましたのはそれから4時間ほど経った早朝5時だった。 時間は短くとも睡眠内容としては上々な感じか、むくれ顔なのは酒の残りかただの寝相の悪さか…。 あさっての方向を向いている髪の毛も愛嬌として、兄ルカ・トニと入れ替わりつつ朝っ風呂へ向かう。 乗船率を考えれば無人の湯船も貸切と割り切れる。 寝ぼけ眼を窓外に向けると、大阪の空は薄っすらと曇り空が広がっている。 「朝曇りは大日の兆し」という田舎者の知恵袋を思い出す。 一瞬抱いた小さな不安を他所に身支度を整える頃、港へ入港するとのアナウンスが流れ始めた。 時刻は6時をすこし手前に迎えたところ、緩やかな衝撃が着船した事を告げる。 しばらくして下船開始、お決まりのように最後尾付近から船を下りる。 港独特の排ガスと潮の匂いが混じった湿り空気が辺りを包んでいる。 これから始まるぞという期待を込め、慣れてきた電車移動を開始する。 ただ1つだけ気がかりなのは、一昨日からすっきりしない持病の事だけだった。 体調管理だけは特に注意して来たはずだったが、当日になっても薬漬けのままになってしまったが、かれこれ長く付き合っているこいつを宥めながら楽しもうと兵庫県を目指す。 朝の通勤・通学ラッシュに揉まれながらフェリーターミナル駅から移動を開始し、九条駅で阪急電車に乗り換える。 尼崎駅で再び乗り換え三宮駅を目指す。 この旅での出だしを占う大事な場所へ向けて珍しく迷う事無く三宮駅で降りる。 コインロッカーに荷物を預け、これからは徒歩で目的地を探す。 事前に調べた様子では三宮駅からさほど離れていないと、歩き始める。 簡単な地図と直感を頼りに歩き進む事10分少々、突然目の前に目的地が現れた。 荘厳な鳥居、近くに進むほどその大きさに圧倒される。 本日最初の目的地「生田神社」である。 参拝は一に儀礼、ニに儀礼。という事でお手水を探す。 しかし、社殿に目を奪われていた間に通り過ぎていたらしく、あっさりと本殿へ到着する。 ところが、本来なら感動するだろう場面にも関わらず、目の前に現れた朱塗りの社殿は赤色のカラーコーンと危険場所を示す黒黄の柵に囲まれている。 そしてその奥には、強面にニッカポッカが良く似合う屈強な方々が居並んでいる。 よもやこの方々も参拝かと一瞬良からぬ方向へ思考が傾いたが、手際よく作業を開始されている風景を見るにその考えは否定される。 9月20日(日)~27日(日) 式年造替記念奉祝奉納行事 神事に詳しくはないが、文字の並びから何となく想像できる看板が立てられている。 よりによって改修工事中に当るとはどんなお導きなのか。 ご神璽は仮本殿に遷座されているとの案内に従い、そちらへ向かう。 そこは小さな小さな社で、ともすれば祠ともいえる仮本殿だった。 参拝の仕方なる掲示を熟読し生田神社参拝デビューする。 ニ礼ニ拍手一礼 ※礼は体を90度に曲げ深々と。 体の堅い人はどうすれば良いのだろうか。 腰間接の軋み音を体中に響かせながら直角を目指し一礼、ニ礼…。 ある意味ラジオ体操よりも厳しいかもしれない。 こんなところで日頃の不摂生を咎められようとは生田神社恐るべし。 一方で生田神社は勝利・勝運の神を祀られているというのでぐるりとお稲荷様や弁天社を参拝した後、大型のクレーン車がけたたましい音を響かせる横を抜け社務所でお守りを求める。1つは勝守り、さらに2つ目はえんむすび…おぼれる前に藁を掴むか否か。 駅方面へ戻り某サンマ●クカフェで少し遅めの朝食をとる。 只今、コーヒー断ち中なのでアイスティーとサラダサンド+調理パン1個。 手のひらに軽く乗る調理パンが200円…気分だけセレブ感覚を味わえた。 その後はと言うと、尼崎へと足を戻し期待満点のライフワークで瞬殺されるも、兄ルカ・トニが事前調査していた食事処(鰻屋)でランチを堪能。850円でしっかりとしたうな丼(肝吸い付き)でかなり価値のある昼食だった。 しかし、躓いた事には間違いはなくそれから場所を移動しようが何に座ろうが全くの坊主状態で散々な目に遭ってしまった。 夜になり三度四度目の移動の末に本日の最終目的地「魚住」へ到着する。 ここでリアルフレと1年ぶりに再開し、西明石で飲む。 食事よりも飲み優先の店で冷酒を味わう。 肴は秋刀魚の刺身、いい季節になったと舌鼓を打つ。 ヒカリモノ好きにはこれからが本番だろうか。 気付けば日付が変わっている、季節感に満たされながら初日が終了した。 翌朝9時、普段の生活からすると遅い出足になった。 もっとも、都会の目覚めは遅い為これでも充分すぎるほどの余裕がある。 ホテルの1階レストランでバイキング方式の朝食をとる。 ソーセージ3本、ベーコン3枚、ポテトサラダにスクランブルエッグを皿に取り1杯の白米と味噌汁。 今から見れば洋食なのか和食なのか知れない献立であったが、勝負が待ち受けているならとの気概であったのだろうか。 西明石駅初新快速へ乗り込み梅田を目指す。 所要時間は約40分程度、短いのか遠いのか荷物を抱えて車窓の景色に目をやりながら時間の経過のみを待つ。 猫の額と呼ぶには広すぎるものの僅かに開けた土地にぎっしりと詰められた住宅地を眺めると、ついつい地元と比較をしてしまう。 1両編成の電車が普通に走り、自動改札さえない無人駅が最寄となる町と今目の前に広がる町とではどちらが過ごし易いのだろう。 手に入らないものを求めて瀬戸内海を越えたはずが、一晩明けてみれば小さな哲学に足元を掬われている。 卵が先かニワトリが先か結論が出たところで何が変わるはずもない問答を思い出させるとは、さすがは履き倒れの町神戸と言った所か。ただ2つに何の脈略も持たせてはないが。 決まったように何かと使い心地のよい位置にあるコインロッカーに荷物を放り込みJR大阪駅中央改札で閣下の到着を待つ。 内心ではまた遅刻ではなかろうかとの疑念を抱きつつ駅構内を歩く。 そこに閣下からのメールが届き、約10分程度で到着するとの事。 前回のハプニングを活かしてかタイミングを合わせてくる所が、さすが無頼の烈将と呼ばれる所以か。 惜しむらくは10分の試算がおよそ倍ほどの時間になった事を除けば概ね順調と思える頃合に閣下と合流した。 いかにするかという思案を交錯させる間もなく、地下街を歩きつつ勝負するホールへと向かう。 戦場はいつもの場所で、おなじみ感も出てきたホールに決定する。 かつてガン●ムⅡやエヴァン●リオン等の機種で名勝負を繰り広げた所だ。 一通り設置を見て周る。 今、もっとも勝ち星を挙げている機種は満席だったのに驚きを隠せない。 地元では人気薄の機種だけにこの状況は早くも敗戦濃厚かと不安が過る。 それぞれに好きな台を選ぶ形式を取り兄ルカ・トニと別れる。 まず座ったのはガン●ムⅢ、最近リリースされた機種だ。 前回より遥かにじゃじゃ馬っぷりが増したものの、トータルの機械割は前作よりも甘いとか辛いとか。 ただ、この機種で勝ち星の薄い故に遠く離れた大阪ならば何かあるのではという淡い期待を持って挑んだが、妄想は現実の壁に阻まれる羽目に会った。 一撃必殺よりも積み木を組み上げる方式の台へと移動する。 以前にも勝負したエヴァン●リオン。 苦い思い出しか残っていない機種ではあるがガン●ムⅢよりは安定している。 一挙大勝は無いものの演出は楽しめるのが売りとも言える。 移動してすぐに当りを引く。 いろいろと判別する術があるものの、とりあえずは素直に当りを喜ぶ。 一方、閣下は渋い展開に2度目の移動をし粘る。 そこへ兄ルカ・トニが飲み物の差し入れにやってきた。 前回から恐ろしいまでの引きを見せる兄ルカ・トニだが今回も順調なようだ。 閣下の鈍い展開の隣で適度なボーナスを引いているが、やはりシーソー状態では何かと2人とも気まずいものがある。 そしてようやく閣下の台にも動きが見られる。 投資は大台に乗ったすぐだった。 これから次第で十分取り返せる範囲だ。 2人とも持ちコインになってからは緩やかな展開が続く。 劇的に増える事も減る事もなく、時間だけが冴えなく過ぎてゆく。 そんな時間帯にひょっこりと現れたのが兄ルカ・トニ。 道化師と戯れていたが持ちコインを飲まれて台を探しにやってきた。 閣下が初めに座っていた台に腰を下ろすと、あっさりと最少投資でボーナスを引き当てる。 その光景を目の当たりにし、閣下は訝しげに頭を傾げている。 機種の特性上ハイエナという行為が成り立つ訳ではないが、見切りをつけた台の後展開はどうしても気になる所であるし、好転してる様を見るのはさすがに内心厳しいものがある。 ともあれこれで3人揃って持ちコインとなり、後はこれを伸ばして行くだけの作業だ。 時刻は徐々に進みながら、暴走から覚醒のRTを経由しつつ兄弟のコインは徐々に増加傾向にあるものの時給が上がらないのが閣下の台。 追加投資は最小限に抑えられてはいるが、軽い所に居ない為に手元と台とのロンダリングを繰り返している。 回胴遊技機という名を冠していても、楽しさの最たる部分はどれだけ手持ちにしたかという部分に掛かっている。 それ故に、いま閣下が陥っている状況は嗜む者にとっては2番目に嫌悪する状況だ。 長時間、それこそ夕刻までの勝負なら現状も已む無しとして得心もいくが、徐々に切迫してくる次なるスケジュールまでの時刻がそれを許さじという状況を作り上げる。 そろそろ軽い連荘が欲しいところだが、早い所は全てRBに偏るという苦い時間を強いられている。 さりとて、自らが座る台も黄色ばかりの成立で思ったような足が伸びていないのが面白さに陰りを投げかけていた。 13時15分、名残惜しくも終戦の時刻になった。 独特の形状を持つドル箱にコインを移す。 先に兄ルカ・トニが景品交換へと席を立つ。 奇跡のまくり勝利を目指しゲームカウントを増やす閣下であったが、時間の流れには勝てず同時20分に第9回OFF会0次会は終幕した。 遠征2人組はプラス収支、地元有利を活かせず閣下は惜敗。 過去の0次会でお世話になった恩返しと「乗り」で収支を取らせていただきました。 一行三名はホールを出てJR大阪駅へと足を向ける。 集合時刻まで残り2・3分、確実に間に合わない。 しかしさすがは週末の大都会、むせ返るような人ごみに行く手を阻まれるかのように歩調は一定を保たれたままに移動する。 見覚えのあるコインロッカー付近で携帯が震え、局長から現在場所の確認が入る。 GL的にはほぼ定刻通りに中央改札みどりの券売機正面に集合する。 ぶらりツアー参加予定のだーす卿も新幹線の遅れなくば良い頃合だが、その場に居る4名とも違った意味で挙動不審に陥る。 それから数分だーす卿を大人しく待っていたものの、やはり我慢ならなくなり、その場の全員一致意見として駅を出て喫煙スペースを探す。 某家電大型販売店近くで最適な場所を見つけ各々お気に入りの銘柄に火をつける。 それにしても初秋とは思えぬほどの暑気だ。 日差しこそ真夏のそれとは異なるものの秋の入口が遠のいたのではないかと思えるほどの日和である。 旅行者としては雨よりも歓迎する太陽の恵みではあるが、やはり熱気耐性のない田舎者には尋常ならざる暑さに感じえる。 頭頂部から足先まで汗を感じない所がないような状況の2人に対し、閣下・局長は汗を拭う仕草すら見えない。 聞けば一昨日より暑さの戻りが始まったとの事だが、その表情にまだ余裕さえ感じられる。 さすがはGLの両巨頭といったところか。 一息ついた所にだーす卿からの連絡が入り、中央改札で合流する。 3度コインロッカー前を訪れ、総員出撃準備完了したところで御堂筋線へ乗り込み難波を目指す。 だーす卿は長旅の労も見せずに歩いている。 事前に目方が増えたと聞いていたが、いやはや口八丁してやられたと思わず頭を掻いてしまう。 地下鉄移動中は会話のきっかけも疎らで小刻みになる会話を供にしながら難波に到着する。 地上へ戻り、しばし歩いた所で以前から局長より聞き及んでいた大阪の逸品を案内される。 名物のアイスキャンデーだ。 ミックスジュース、オムそばと並び定番中の定番である。 局長お奨めのミルク味を購入し早速頂く。 さすがに美味い。 ただ、個人的に噛んだ時のキシッとする食感が苦手なために食べ方が下手だと罵られながらなんとか完食する。 その後は某フグ料理店と某カニ料理店と某御菓子メーカーの巨大看板を観光し、真先遣隊の予定はほぼ終了してしまった。 これで全くの計画なし状態となり、とりあえずは腰を下ろして休憩しようと商店街を東西に逸れながら北上する。 某ハンバーガーショップを発見するも、ここも全面禁煙という罠にすごすごと退散。 その数十メートル先にあった有名コーヒーショップへ入店する。 先に局長・だーす卿が席を押さえ、残った者は注文へ分かれる。 さすがに昼食抜きだと空腹感を覚えるが、時刻が15時と半端であったため飲み物のみ注文とする。 しかし、閣下と兄ルカ・ニはミラノサンドを美味しそうに頬張っていた。 その様子を見ては心が揺らいだが、晩餐会の開始時間がいつもより早いという事で美味しくお酒を頂くために自重とした。 1服2服し喉も潤った所で漸く落ち着く。 これから予期せぬ事態が起こった。 会話が止まらないのである。 主な話題は以下の通り。 「やはり大海戦は…」 「3役総隠居化計画、肩書きは早い者順??」 「DOLでの生活、そしてその実態は。」 「フットサルは個性の宝庫?」 「閣下の天敵は?」 「移動17分の人生相談」 「儲かりまっか?」 「GLには2つの宇宙が広がっている。」 詳細についてはその場に居た方に聞いてください。 そして話疲れたかのように店を出たのが17時だった。 (その2へ続く)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/77.html
「大江戸愛物語」(初日その3) アンレ :「主役は遅れてやってくるのさ。」 自分に言い聞かせながら、だーす卿とけん卿の後ろを離れながらついてゆく。 けん卿は「顧問がめっちゃ怒ってる。」と戦々恐々な顔をしている。 なにをそんなに激しく焦っているのか…落ち着け、同胞よ…w どこの出口から出たのかさっぱり不明だが、いきなり目の前に現れた紀伊国屋。 その前に見覚えのあるお顔が…顧問サマ♪ ちらりと窺うにけん卿が言うほど顧問サマの顔は険しくない…この器の大きさが顧問サマたる所以だよね♪ その後ろには初見な麗しき方がお二方。アムス嬢とうずまき嬢…だよね?w アムス嬢 :「えっと誰が誰なのか…。」 閣下 :「SEIJIです♪」 アンレ :「こうひえです♪」 GLOFF会鉄板メニューの挨拶を決めたと思ったが、切迫した時間に急かされて笑いも取れず、円陣も組めず総ヌルー。 これで集まったのは、ひぃふぅみぃ…9名。1人足りないw 顧問サマ :「シッドさんらしき人を見かけたんだけど、アヤシイから声かけなかったw」 アンレ :「あらまw」 とここでケータイを確認してみると…鬼のように連絡入ってるッ!Σ( ̄□ ̄; 急いでシッド卿へ連絡する。 アンレ :「お疲れさまです、今着きました。」 シッド卿 :「今どこにいます?」 アンレ :「紀伊国屋?」 シッド卿 :「あぁ、中で立ち読みしてるんで…ちょっと待って。」 アンレ :「あぃ。」 シッド卿 :「どこら辺です?手を上げて…あぁ、居た居た。」 これで全員揃った、時刻は18時20分を軽く過ぎていたww 道端でしかも雨に濡れながらの挨拶も野暮だという事で、さっそく宴会場へと移動する。 もっとも、ウチにとっては戦場ともいえる場所でもある…。 その道すがら… シッド卿 :「あと少しして返事が無かったら帰ろうかと思ってた。」 いぁ、ホンマにごめんなさいっっっ!orz どれもこれも、複雑に入り組んだ道が悪いの…けっして神田周辺で南北を間違えて余計な時間を食った訳じゃないのよ…タブン…きっと…そう思いたい…。 駅から歩いて数分の所にあるビルの5階にあるトルコ料理屋「パムッカレ」ここが今日の主戦場だ。 店内は落ち着いた様子、そのど真ん中にで~んと構える予約席。 場の雰囲気と流れに乗りつつ、さらりと末席に座ろうと椅子に手をかけた時。 アムス嬢 :「アンレさん、席こっちですよ。」 ケン卿 :「アンレ、お前の席決まってるやろ。」 顧問サマ :「どこ行ってんの♪」 んで結局 (剛田卿) (ケン卿) (閣下) (ルカ) (だーす卿) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ (うずまき嬢)(アムス嬢)(アンレ)(顧問サマ)(シッド卿) え~っと…超が付いて尚まだ足りないほどのVIP席! 唯一の救いは対面が閣下な事♪ 偶然の産物か否か、非喫煙者と喫煙者を閣下とウチが境界線になっている感じか。 全員が席につき、まずは乾杯がお約束ということで各員注文を…。 アンレ :「…………ない、か。」 そりゃ天下のトルコ料理屋さん、なんと言っても世界三大料理ですよ。 こしきゆかしき日本の伝統文化「熱燗」なんて入り込む隙間なんて1mmもあるはずは無いでしょうねっ!(T^T) っという訳でウチは無難にジン・リッキを注文。 そしてやってきたグラスにびっくり、ストローとマドラーがセットでやってきた…。なーんかヤな予感がする。 アムス嬢とうずまき嬢は馬頭を象ったマドラーをしきりに褒めていたが…。 全員に飲み物が行き渡り、いよいよ宴会の準備が整った。 アンレ :「じゃ、閣下。いつものように挨拶を♪」 閣下 :「あ?…乾杯w」 毎度恒例の2秒スピーチでいよいよ大江戸OFF晩餐会が開幕した。 料理はというとコースではなく、都度注文する形なので、ウチにとってはヒジョーに嬉しい状況♪ しかし、心の安寧は数分と経たないうちに砕かれる。 席の左側からオーラというか気迫というか熱気というか…もはや殺意に近いものをビンビン感じる。 恐る恐る振り向いてみると、なぜか全身にヤル気モードを溢れさせている方々が…(==; アムス嬢 :「アンレさん、食べてくださいね♪」 おぉぉぅ、そんな気迫に満ちた笑顔で迫られると…天使の笑顔に尖った尻尾が見えてくるよ?ハハハハ…w アムス嬢 :「ライラさんから『食べさせてやってくれ』と勅命受けてますからっ。」 うずまき嬢:「ちゃんと見てますからね~♪」 アンレ :「いぁ…お気遣いなく、うちゃレタス1枚あれば充分やからw」 アムス嬢 :「いやいや、ライラさんからの勅命を受けてますから。」 アンレ :「えーーーっと…ウチの意見は?」 アムス嬢 :「勅命ですから。」 うずまき嬢:「ライラさんの勅命ですからっ。」 ∴ GL影響度 ライラ>アンレーデ 姫…今回の包囲網は過去に例無く強力ですががががががが Σ( ̄□ ̄; さっそくやってきたのはシーフードサラダ。 左から右へのリレーを経由しつつ料理が流れていく。 が、ウチの所へ来た瞬間、お三方の目が(☆_☆)キュピーン! 震える手でレタス2枚、イカ1片を自らの皿へよそい、右の顧問サマへ。 サラダを受け取りながらウチの皿を見下すような視線の顧問サマ…。(゚□゚;)ガクガク 顧問サマ :「ちゃんと取ったんだね~。」 アンレ :ホッ(≡。≡; 最後までこんな感じだと心がもたないかもw 理屈倒れシュターデンの気持ちが良く分かる…(ぉ 酒が入れば、時間が過ぎれば、会話が進めば、きっと手を抜くに違いないっ! それが今ウチに残された一縷の望みw 気を取り直す為に、ジン・リッキーを一口…ん?味がしない? もぅ酔ったのか?と今度はストローで一口…あ、甘ぁ! こ、これは…ライムジュースとジンとソーダが分離してる? いぁ、シェイクされてないだけかっ! プースカフェやあるまいし、お好みで混ぜてくださいか?w 店が店なら「混ぜ混ぜしちゃって良いですか~?」みたいなサービスになっちゃったり? 余りの衝撃に良からぬ思考が脳内を巡っているw まさか、ジンリッキーを自分でステアするとは予想もしなかったw これならジン単体で注文したほうが良かったかもだな…。 さて、宴会の中身はというと、当然のようにDOL関連の話が盛り沢山♪ どんな内容かというと… (DOL経済学) だーす卿 :「アンレさん!DOL内の経済感覚おかし過ぎるよっ。」 アンレ :「そうかの?」 だーす卿 :「相場と比較して桁違いに安すぎるw」 アンレ :「あんなもんちゃうの?」 顧問サマ :「でもウチの中ではGLショップが基準になってる。まずGLチェックしてから探すw」 アンレ :「そういや、タルワールだっけ。あれ200kで置いてたりしてたなw」 アムス嬢 :「あ。その中の1本、私が買いましたw」 アンレ :「買ったんかぃw」 だーす卿 :「アンレさんは、その経済感覚を治さないと資金溜まらんねw」 アンレ :「そういや近衛鎧も500kで出して即売れたね。」 顧問サマ :「安すぎるw」 ルカ :「こいつは金を儲けたら負けと思ってるからなw」 だーす卿 :「でも、造船カンストできるから密かに金持ちか…」 アンレ :「2週間1日8本のノコギリを掘って売ってして稼いだw」 だーす卿 :「なんぼでも儲かる手段あるのに…」 (ケン卿惚気スキル発動) ケン卿 :「アムス、相方ってどうやって躾けたん?」 アムス嬢 :「やっぱり最初が肝心ですよね。」 アンレ :「そりゃ閣下直伝のチョークスリーパーで…」 アムス嬢 :「やってませんw」 ケン卿 :「そうか。」 アムス嬢 :「ダイジョウブですって、ケンさん所はもう治りませんって。」 ケン卿 :「そうなんか…」 (顧問サマの意外な顔) うずまき嬢:「れんさん、相方さんとどれくらい付き合ったの?」 顧問サマ :「ん~、実はこれという期間がなかったんよね。」 他一同 :「え?w」 顧問サマ :「ちょくちょくは遊んでたんだけど、それ以上は…」 ケン卿 :「で、今ラブラブだと?」 顧問サマ :「えっと、恋愛期間があってなかったようなもんだから、互いにほったらかしというか干渉し合わないみたいな感じかな。」 うずまき嬢:「え~。でも、七夕の日にアムスちゃんと3人で食事した時にね。相方さんから電話かかってきて、迎えに来てるとか何とか話してたんよね~。」 他一同 :「…ツンデレかよ!( ̄□ ̄;)」 だーす卿 :「アンレさん、これ絶対書いてね!」 閣下 :「『ツンデレかよ!』って太文字でなっw」 えぇ、ばっちり書きましたヨ♪ (海事の話) だーす卿 :「閣下、グダBCって定例化しない?」 閣下 :「してもええけどな、皆忙しいからな」 だーす卿 :「BCって絶対底上げになるし、定例すると良いよね。」 アンレ :「GLも強い人増えたしね。」 閣下 :「そうやな、この前ウォルにやられたからなw」 アンレ :「やられたんかw」 閣下 :「お前は出ぇへんかったやないか」 アンレ :「この前だけやんw」 閣下 :「ホンマ、ウォルとは(大海戦の)相性が悪すぎるwww」 アンレ :「ウォル卿は気配殺せるからねw」 顧問サマ :「それって本当に強い証拠やね。」 閣下 :「屈辱やでw」 だーす卿 :「だからさ、折角商会で2艦隊出せるからBCやって参加してもらうのが良いと思うんよね。」 閣下 :「ワシはやることないからBCやってるけど、ほんまエエ勉強になるでw」 だーす卿 :「R10制限でやればさ、かなり大海戦の雰囲気に近くなると思う。」 閣下 :「そやな、大海戦って敷居高く感じるもんな。」 アンレ :「ウチのデビュー2戦目は閣下と2人艦隊だったよねw」 閣下 :「ホンマやでwww」 と、まぁこれ以外にもウチのリアルキャラについての事や、時事的な体調管理の事、湧き出てくる話題に皆破顔一笑♪ 時折熱く、でも和やかに会は進んで、酒も進んで上機嫌♪ (閣下-アンレのラインが和やか側と熱く語る側の境界線になってたりw) 一方、料理といえば 「トルコ風パン」 「カルシュック ウズガラ」(3種肉串焼き) 「羊のチーズのトルコ風ピザ」 「トルコ風チーズ春巻き」 「ドネル ケパブ」(いわゆるケパブw) 「ラム肉ソテー」 まぁ、すんごいんですよ、量がっ! んで、ウチのトコロには…皆がよそった後の残り全部が流れてきて…いやはや、お気遣い無用ですぞwww そして猛攻は顧問サマ、アムス嬢、うずまき嬢だけじゃなかった…、よほどの上客なのか、それとも店が暇なのか、GLのスペースにはほぼ付きっ切りの店員さんが全員のグラスや料理に目を光らせていた…お勤めご苦労様ですっ!( ̄^ ̄)ゝ (かなり別嬪さんでしたよw) でもま、よ~く見ると付け合せの野菜がイパーイ残ってるじゃないですかw 「これは勿体無い♪」 ちょっと野菜不足気味な1日のメニューだったのでコレだけは喜んで箸(フォーク)を出しましたw え?肉?…それと野菜と一緒に皿に乗ってたバターライスこれも美味しかった♪ …なになに?肉はどうなったかって?w カナリの量を頑張りましたよw 甘いジンリッキーと共にね…( ̄△ ̄; 宴会開始から3時間が過ぎた頃、肉っぽい料理の注文が収まってきた。 んでもって次に始まったのが、デザートタイム…ふっ、もう入りません( ̄- ̄)y-~ トルコ料理といえばやはり「トルコアイス」、フツーのバニラやゴマ味とか適当に5種ぐらい注文してる…どこに入るのん?w そんなウチの心配なんてお構いなしにトルコアイスは皆の胃袋へと消えてゆく…ハハハ。 ただここでチョットしたハプニング…一緒に注文した紅茶が激しく熱いらしいw しかも、ティーカップではなくチャイ用の器(取っ手なし)に注がれてやってきた。 美しい琥珀色に上品な香り…しかし熱いw 剛田卿、ケン卿、アムス嬢、うずまき嬢、ホットな紅茶・チャイを目の前にただただ沈黙w やはり文化の違いとは恐ろしいですねw ウチはというと、周囲のデザートタイムにも関わらず、お皿に盛られている料理と何故か終盤にして寄せられる肉と必死に格闘中だったりw 時刻にして21 30、ようやく目の前の料理を全て片付けた…ハイスピードで食べたぞw そしてなぜかアムス嬢、うずまき嬢から「スゴイ」と褒められるwww 全てを平らげて一息ついた所に、店のおねーさんから飲み物を勧められチョット気になったアノ紅茶を注文するw 美しい小さなガラス製の器にゆらりゆらりと白い柔らかな湯気を纏いながらヤツがやってきた。 恐る恐る一口…沈黙した理由が良く分かるw が、この1杯で完全に沈黙…ウチの戦いは終わった…。 20 00 顧問サマがチラリと時計を確認した。 顧問サマ :「ごめん、時間きちゃった。」 この一言で楽しい夢の時間が終わった。 軽く勘定を済ませて一同ビルの外へ、夕刻の雨はしっかりとした雨粒に変わっていた。 ビルの入り口で名残惜しい挨拶を交わし皆それぞれへと散っていった。 しっかり傘を用意していたケン卿はともかく、閣下、だーす卿、ルカ、ウチは濡れながら駅へ急ぐ。 しかし、迷い子スキルは全開で再び前後に開いた距離に一時バラバラになったりw 迷い子を探す人が離れ、くっついては離れるの相互作用の合間、下手に動かない方がイチバン良いというのでだーす卿とウチが立ちんぼ…。 だーす卿 :「どうでしたか?」 アンレ :「なにが?」 だーす卿 :「いや、今回うまくできたかなと…」 アンレ :「皆笑ってばかりの宴会で大成功でしょ♪」 だーす卿 :「そうですかね。」 アンレ :「なにより、こうやって東の人と会えたことが何よりやね。」 だーす卿 :「そう!それがイチバン!」 なんとか無事に合流でき、これから2次会という案も出たが、カナリの酩酊っぷりに廃案となっり駅内で大江戸OFF会も散会となった。 丸の内線に乗り込み、宿へと向かう。 いつも以上にカシスオレンジを飲んでいた閣下も平気な顔してる。 それにしても、シッド卿とだーす卿はどんな肝臓をしてるんだろう…最後までビールを飲み続けて全然平気な顔してた。特にシッド卿…あの様子だと朝まであの調子なんだろうなw 宿への車中、明日の予定を閣下と軽く打ち合わせしてどこかの駅で別れたw 神田駅に着いたウチとルカは客引きのオサーンをさらりと無視して、ホテルへと急ぐ。 確かホテルまでの道に天下一品ラーメンがあったのを覚えている、そこで本日のシメをしようと雨に濡れながら向かうと…。あれ?ホテルに着いたw どうしてもラーメンが食べたい2人は再び来た道を戻り何がなんでも天下一品ラーメンを探すが、どこにも見当たらない…。 あったと思ったのは錯覚だったか? いぁ、店舗をみて本店の場所がどうたらこうたらと閣下、ケン卿、だーす卿が話していたのは間違いない。再びホテルへの道へと戻り探してみるも、見つからない。 ここまで探したら意地でも食べたくなってきた、最悪の場合はホテルの正面に地元ラーメン屋がありそこは明かりが点っているのでソコへ行こうと最後の往復をしてみると…。 とある店舗から人影が…オフィス街やから店閉まるの早いね~と思っていたら、そこが天下一品ラーメンだったw 営業時間 11:00~25:00 って書いてるやん!! 時刻は11時手前ですよ? 看板に偽り書いちゃいかんでしょ…(T^T) 暖簾だというのなら仕方ない、先ほど見つけたホテル前のラーメン屋へ向かう。 しかし、もーちょっとで店に着くというところで看板の明かりがフッと消える… え?そういうのアリ?!Σ( ̄□ ̄; 結局、近くのファミ●ーマートでおにぎりと1ℓの水を購入し寂しいシメとなりました…。 ホテルの部屋へ戻り、寂しくシメを頂きながら関係各方面へありがとうメールを送信。 そして、ぼんやり江戸のTVを見ながら時間を潰す。 ようやく眠気が降りてきた所で、地下にある大浴場へ向かう。 さすがにこの時間だと人も少ないだろう、きっと貸切状態にチガイナイ! 鼻歌交じりにエレベーターを降り、浴場へ向かうと数人の先客が…まま、こんぐらいなら許そう♪ そう思ってゆったりと構えていると… 「いぁっほぉぉっぉ~~~~!♪」 静寂を切り裂く無粋な大声…。 どうやら遠征か何かの大学生らしい…良い感じに出来上がった状態で浴場へ突撃してきたっぽい。 お酒に昂ぶったままの状態のヤツ等が数人押し寄せてきやがった…(==; ゆったり静かに明日への事を思っての時間調整が裏目に出たかw 結局、長湯する事もなく鬱陶しい学生どもの声を後ろに聞きながら浴場を後にする。 部屋に戻りヴォルヴィックをガブ飲みし、ベッドへ身を投げ出すといつの間にか眠りについていた。 こうして江戸OFF1日目が終了した。 明日はお江戸ぶらり旅の予定だ♪ (初日おわり)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/26.html
オフ会の記録 オフレポをまとめてみました。書いてくれた方に対しては 事前に掲載許可を取っております。 第12回オフレポ ☆アンレーデ記 第12回オフ会レポ 第11回オフレポ ☆アンレーデ記 第11回オフ会レポ 第10回オフレポ ☆kuragroove記 第10回オフ会レポート1 第10回オフ会レポート2 第9回オフレポ ☆アンレーデ記 ゴールデン・ルーヴェ オフ会2009夏! in 大阪1 ゴールデン・ルーヴェ オフ会2009夏! in 大阪2 ゴールデン・ルーヴェ オフ会2009夏! in 大阪3 第8回オフレポ ☆アンレーデ記 09大阪冬の陣1 09大阪冬の陣2 09大阪冬の陣3 第7回オフレポ ☆アンレーデ記 江戸OFF1 江戸OFF2 江戸OFF3 大江戸愛物語(オフ2日目) 大江戸愛物語(オフ2日目その2) 大江戸愛物語(オフ3日目) 第6回オフレポ 大阪真剣紀行 その1 大阪真剣紀行 その2 第5回オフレポ ☆アンレーデ記 大阪巡礼記 ☆ライラ記 GL商会『夏OFF』 第4回オフレポ ☆アンレーデ記 大阪迷行記 1 大阪迷行記 2 ☆ライラ記 GLオフ会 新年第1弾 第3回オフレポ(アンレーデ記) 大阪遊楽記 その1 大阪遊楽記 その2 第2回オフレポ(アンレーデ記) 大阪激闘録1 大阪激闘録2 大阪激闘録3 第1回オフレポ(アンレーデ記) 大阪奮闘レポ1 大阪奮闘レポ2
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/112.html
第10回オフ会レポート2 大阪感想文2日目~kuragrooveの巻~ 2日目は完全に私の1人旅の模様デス。あらかじめご了承くださいマセ。 というわけで、眠い目をこすりながら何とか起床。 睡眠時間はかなり短いが以外とスッキリという「今日帰るのか」という何ともいえない緊張感からか、テレビをつけすぐシャワーへ。大体のイメージでしか2日目は考えていなかったので、ささっと準備しチェックアウト。 昨日は閣下、アンレさんの後ろをくっついてきただけなので「確かこっちだよな・・・」くらいの具合で梅田駅へ向かっていると「50M先メディアポパイ」の案内が。「昨日けんさんが言ってたネットカフェだ!」と直行w お土産に考えていた「堂島ロール」を買いにいこうと場所を調べる。日曜だし絶対混むであろうと予想していたので今ならまだ朝早いし、いけるかなと思い調べたが、最寄りの駅がなんともいえない位置で「うーーーーーん・・・」と考えた結果、歩くことにw 変な勢いだけはあったので、北海道で買っていた観光の本の地図を片手にトボトボと歩き始める。「おお!あのホテルがあの位置ってことは・・・・」とかブツブツ地図をみながら・・・・・・とととっとと到着!!! なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい・・・・既に物凄い行列ではナイカ・・・・まだ9時半過ぎたとこなのに・・・・・・ 店は改装中らしく、カバーで覆われて中はみえなかったが、近くの橋の中くらいまでの行列(汗)。「うーーーん・・・ヤメタw」というわけでまた歩くことに。堂島の次は1週間くらい前にネットで難波グランド花月のスケジュールをみて、笑い飯が出ると書いていたので、もし都合ついたら見ようと思っていたが、先ほどメディアポパイで調べると出演者が変わっていることに気がつきはしたが、行きたかったので向かうことに。 歩く歩く・・・・・難波はまだまだだな・・・・・・と元町駅を発見!ここから電車で難波へ向かうことに。「えーーっと御堂筋線ですぐか・・」と難波へ到着、ものすごい人だ!!なんだか人は多いわ地下が広すぎるわで完全に迷子(汗)同じところを行ったりきたりしながら、何とかNGKの近くの階段を発見。えーーっとと、また札幌でいえば狸小路のような屋根つきの繁華街へ(大阪ってどこもこんなんなのねwと今更)NGKはこちら的な案内のあるがままに進む。キターw「ここがNGKか!!」と感動しながら一応出演者を確認するがやはり笑い飯はいない。しかたなく脇にあるお土産屋サンへ直行。そこには山積みにされた「オモシロクナ~ル」がw「こ・・・これは!!!」と5個購入wバッファロー吾郎がよくテレビで「今日は2錠飲んできました」とか言ってるのをみてたので(お笑い大好きデスw)友人ようと自分用に購入wブラブラしてこれまた予定していた近くのうどん屋を探す。ダウンタウンのまっちゃんが、テレビでNGKの近くのうどん屋の紹介を以前していたのを見たのでそちらを探すことに。道具屋筋をうろうろさらに裏手をウロウロウロウロしてやっと発見!若目の観光客風の人でまだ11時なのに行列!!20分ほど並びやっと店内へ。テーブル席が4つしかないものすごい小さな店だ。肉うどんだかってのを注文し、あっという間に完食!!さてと・・・・・難波の駅の地下へまた戻り「東京の池袋の駅ってこんな感じだったなあ」なんて思いながらフラフラし、喫茶店で一服。「さて次はどこいこうかな。まだお昼だぜ・・・」と店を出たところで急に一人旅の切なさ寂しさに陥るw「さ・・・・さみしすぎるぜ・・・・」まるで子供のようにアンレさんに電話wwwアンレさんも難波近くに来ているとのこと。「いや~~次どこいこうかと思って」「大阪城はいきやすいで」なんて会話で不思議とパワーを貰ったオイラは大阪城へ向かうことにw 天王寺駅でJRへ乗り換え、大阪城公園駅へ。昨日は梅田のツインタワーの展望台から小さくしかみれなかった大阪城が目の前に!!た・・・たまらんぜええええええと思いながらどんどんどんどん歩くwどんどんどんどん歩くwちょっと道が急になっても歩くw天気予報で「今日は大阪12度になります」なんていってたので、昇りきった時にはオイラ汗だくですw氷点下の国からきたオイラには厳しいっすwマフラーと手袋はサッとカバンにしまいこみせっかくなので天守閣の展望台へ。めっさこんでるし、韓国中国系の方がほんと多いですね。北海道もだけど。エレベーターでギューーン。展望台へついたものの、確かにいい景色だが、昨日ライラさんに連れてっていただいたツインタワーに比べると正直微妙wさらっと階段で下へ下へ。博物館的なとこはかなりちらりとで大阪城を後に・・・・さてと、次はどこいこっかなw大阪城きたんだし、USJはいけないにしてもやっぱ通天閣みとくかwってことでまたも天王寺駅で乗り換えて動物園前駅へ。 またもテレビでみた情報ですが、通天閣の近くの新世界ではおっさんが横になってたり謎の露店が多数あって危ないみたいなことをお笑い番組でやってたので、恐る恐る駅の階段を上り、キョロキョロしながら人の向かう方向へ。早くも新世界の文字がみえる。「あれ?新世界って随分賑やかじゃないか」何ておもいながら通天閣の見える方向へ進む。すごい人いっぱいだし、まあゴチャゴチャはしてるけどそんな危なそうでもないなと思いながら通天閣到着!多い時は何時間待ちとかなるそうですが、そんなんでもなく並ぶ。そしてギューーーーーーーーーンとエレベーターは昇り、展望台へ。「うーーーーーーーん・・」 やはり昨日みた梅田のツインタワーに比べたら・・・・w 通天閣から難波のマンションが見えたので「ちょっと難波方面へ歩いてみるかな」と軽い気持ちで歩くことに。「えーーっとこっちでいいんだよな・・・」と地図を片手にフラフラ。」「新今宮駅があそこだからブツブツ・・」だんだん町並みが変わっていく・・・・「あれ?」おっさんが横たわっている・・・・立ち〇ょんしているおっさんが・・・・・あれれ???謎の露店が・・・・・・ これは・・・・・まさに・・・・テレビで聞いてた新世界ではないか・・・ 明らかに道を間違えたらしく、歩くスピードが上がるw少しあるくと大きな歩道橋が。「お!あそこ右いくと難波方面って書いてる♪」というわけで歩道橋の下を「ぬう!!」ねているおっさんが沢山・・・・・(汗)歩くスピードはMAXにwww・・・・何とか通過し無事に突破w 「さてと・・・・・いらんとこで時間をくってしまった・・・・」 というわけで難波方面へ。そろそろ帰る事を考えなければ・・・・予定では道頓堀の方をまわって難波へ行く予定だったのに・・・あと難波駅は難波駅でも、関空へ行く南海電鉄の難波駅を見つけなければ・・・何て思いながら難波方面へ。「歩くんじゃなかったな・・・」と今更ながら思っていたところでやっと難波の辺りへ。「うわ~~大都会だな」とまた今更ながら思いながらホテルやらなんやらを思いっきり田舎もんで見回していると南海電鉄の難波駅発見w 「これで帰れる♪」やっと一息つき、またも喫茶店にて一服。「さて・・・・土産は結局空港で買うか・・・」と重い腰をあげ南海電鉄へ。 時刻表の見方がまったくわからず駅員さんに「関空へ行きたいんですけども」なんて聞くとやさしく「大体45分みてくださいね。このオレンジ色の・・・」何て教えてくれて、なんとか乗車!堺駅がある事に気がつき、「堺で乗り換えてみっかなw」とわざと快速ではない電車へwこれが大失敗で各駅停車おっそーw「まさか俺・・飛行機乗り遅れるんじゃないべな・・」なんていう不安な気持ちを抱えながら堺で降りたとたんに乗り換えの快速が到着w 「時間があればなあ・・リアル南蛮貿易でも・・・・」なんてのはおいておいて、やっとこ関空着♪土産屋をブラリブラリ。月亭はちみつがCMをやっているみたらしダンゴを購入w他適当に物色して飛行機のチェックインへ。 帰りはなんと羽田で乗り換え新千歳へというなかなかのハードスケジュール。 土日の旅行の予約は早いに越したことないっすねw 18時45分発の羽田行きの搭乗口へ。18時半発の新千歳行きの人で混雑している・・・まだ全然飛行機に人が乗ってないらしいw羽田行きの人なんて関係なくどんどん新千歳行きの人が押しかけてきて、順番なんぞごちゃごちゃに(汗)しまいには羽田行に乗る人達が「なんであの人達横入りするの見逃してんのさ!!」なんて怒りはじめてドッキドキw 何とか突破し飛行機へ・・・さてもう45分なるなあ・・・・なんて思っていると「まだ50名様ほど乗っていません」なんてアナウンスがw「ちょっとちょっと~~~オイラ乗り換えで帰るのよお~~」なんてドキドキしてやっとこ20分遅れでテイクオフ!!ベルト外してオッケーサインがでたあたりでササササと客室乗務員さんが「kuragroove様、羽田で乗り換えですよね」なんていって出口前の席へ場所を変えてくれるとのこと。さすがだなあ何て関心している間に羽田着!!「乗り換えのお客様は出口の係りへお知らせください」何てアナウンスwオイラの他に2名乗り換えの方がいたようで、待ち構えていた係員の後に続き、搭乗口へ直行wもっと遅れたら車に乗せられて搭乗口へ向かうらしいw 羽田で少し時間あるから更に土産でも覗こうと思っていたのに、トイレ行って一服して終わりw なんやかんやで新千歳へテイクオフ!!!そろそろつくかな~なんて思っていたらアナウンスが・・・「新千歳空港の只今の気温はマイナス8度です」・・・まじかああああああああああああ・・・昼の大阪は12度あったってのにいいいいいいい・・・20度違うじゃんwwwwww そんなkuragroove大阪旅行デシタ・・・皆さんとまた会えることを夢見て、これにて終了でございます。ありがとうございました。