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・本編が書きすすすまないので ・時系列的には本来は本編の後に入れる話でしたが、ネタバレはあまりありません ・ゲス人間の行動? ヤ○オクとか頭が回らないDQNだったんでしょう 冬のゆっくりと近づきつつあるその日、野良ゆっくりの一家の訪問を受けた。 「おいじじい、いまからここをまりささまのゆっくりぷれいすにするんだぜ! まりささまはつよいから、さからわないほうがみのためだぜ! いますぐおうちをあけわたしてどれいになれば、いのちだけはたすけてあげなくもないんだぜ!?」 「れいむのまりさはとってもつよいんだよ! からすさんものらねこさんもおいかえすんだよ! にんげんなんか、かんたんにやっつけちゃうよ! ゆふん!!」 「「「「おとーしゃんがんばっちぇー! くしょじじいにゃんかやっちゅけちゃぇー!!」」」」 まりさの左頬に深くめり込んだ人間の右フックは容赦なくまりさの内部の餡子を揺さぶり、ついでに歯を何本かへし折った。 丸い、頭部そのものが全身であるゆっくりの体は人間の手加減気味のパンチを食らっただけでゴムボールのように吹き飛んで、地面に転がる。 その時の拳の感触を何といって表現すればいいのだろう? けして軽くは無いはずの、柔軟で弾力がある饅頭生物は脆いように見えて、しかし意外と殴打したくらいでは結構暴力に耐える。 持ち上げる時には少なくない重量も感じる。 バレーボールくらいの体の大きさから見て体積もそれなりにある。 だが殴ったり蹴り飛ばしたりする時は、まるでギャグマンガみたいに軽く吹っ飛ぶのだ。 意思の作用する力がどうの、思い込みによる観測効果がどうのとか、難しい理屈をこねてゆっくりの不思議に挑む偉い学者もいるが、今はどうでもいい。 人間は地面にうつぶせになってピクピク痙攣しているまりさのくすんだ金色の髪を乱暴に掴み、自分の顔の高さにまで持ち上げた。 「ゆひぃ…ゆひぃ…やべでぐだざい…ばりざがわるがっだでず……にんげんざんのほうが、づよいでず… だずげでぐだざい…いのぢだげは……!」 もう既に何発殴られたのかすら、まりさにはわからないだろう。 ゆっくりは3以上の数を「大きい」「多い」「たくさん」「いっぱい」としか認識できないし、人間のほうも殴った回数をいちいち数えていない。 だから、また一発、今度はストレートで、髪を掴まれたままのまりさの顔面に一撃をぶち込んだ。 「ゆべりゃぁぁぁっ!! もうなぐらないでぇぇぇ!! だずげでぇぇぇ!! やだぁぁぁおうぢがえるぅぅぅ!? もういだいのやだよぉぉぉぉっ!! じんじゃうっ! じにだぐないよぉぉぉ!! ゆっぐりじだいよぉぉぉ!! おねがいごろざないでぇぇぇっ!! ゆるじでぇぇぇぇっ!?」 情けない悲鳴を上げながら命乞いする野良のまりさには、先ほどの人間の玄関前できった啖呵ほどの威勢は既に無い。 顔面を痣だらけにし、目から砂糖水の涙を流し、口の中は殴られすぎて歯が数本しか残っていないという無残な姿で必死に人間に許しを乞うているばかりだ。 今まで街に棲んでいる野良の生物を相手にどのように格闘し、勝利してきたかは人間は知るよしも無い。 だが、カラスや野良猫程度を追っ払えるくらいの実力を背景に、「きっと人間にも勝てる」とか思い上がったのは想像に固くない。 別にそんなゆっくりは、この街には掃いて捨てるほどいるし、人間もこの手の増長した野良ゆっくりに絡まれるのは二度三度では無かった。 だから特に、感慨も無い。 また一発、今度はアッパーを決めて、まりさのアゴだかぺにまむだか、あにゃるだかよくわからん部分に重いダメージを喰らわせた。 「ゆげろぉぉぉっ!!」 口と、口の下の穴から同時に餡子を噴出しながら、野良まりさは仰け反って一瞬空を飛び、そして後頭部から地面に墜落した。 「まりざああああぁぁぁぁ!! もうやべでぐだざいいいいっ!! れいむだぢのまげでずがらあああ!! まりざはもうごうざんじでるでじょおおお!? どうじでまだなぐるのおおおおお!?」 「「「「おとーしゃぁぁぁぁん!? ゆぇぇぇぇぇぇん!!」」」」 後ろのほうで、夫かつ父親が一方的にボコボコにされる一部始終を見せ付けられていた、野良まりさの家族は泣き叫びながらまりさに駆け寄ろうとする。 子らが野良まりさに体を摺り寄せようとし、妻であろう野良れいむは人間と愛する夫との間に庇うように立ち、大粒の涙を流しながら人間に訴えた。 が、人間は素早く野良れいむを片足で踏みつけ、動きを封じ、4匹の子ゆっくりたちのうち子まりさと子れいむを一匹ずつ両手で掴んで捕獲した。 「ゆぎぃぃぃぃ! いだいよぉぉぉはなじでぇぇぇ! どうじでごんなごどずるのぉぉぉぉ!?」 「「ゆぴぃぃぃぃ!! たしゅけちぇおかーしゃぁぁぁぁん!!」」 「れーみゅのいもーちょがくるしがってるよ! やめてあげてね!」 「ゆぇーん!! おにぇーちゃぁぁぁん!!」 人間は両手に少しずつ力を込め、掴んだ子ゆっくりらをじわじわと握りつぶしてゆく。 五本の指は固くぎっちりとテニスボールサイズの子ゆっくりの体を締め付けているため、逃げる事ももがく事すらもままならない。 苦悶の表情と涙を流しながら必死に子まりさ・子れいむは父母に助けを求めたが、父は散々に痛めつけられて倒れたまま動かず、母は人間の足の下でもがき苦しんでいる。 残りの子ゆっくりたちは人間の足にポスポスと体当たりをして母と姉妹達を助けようと懸命な抵抗をするが、全く無意味だった。 「やべでぇぇぇ! ちびぢゃんだぢをはなじでぇぇぇ!!」 「断る」 ゆっくり、ゆっくりと万力のように緩慢に力を込めながら、人間は子ゆっくりの命を奪ってゆく。 締め付けられて縦長に変形した子ゆっくりたちの皮は、中身の餡子を変形させて相当な苦痛をもたらすと共に逃げ場の無くかかる圧力で破れる寸前までになっていた。 そして、野良れいむは愛する我が子が「ゆぴぴぴぴ…」と悶え苦しみながら、最後に口や体の裂けた部分から餡子を漏らして絶命する様を野良れいむは時間をかけてまざまざと見せ付けられた。 「たぢゅげ…おが…ぢゃ…ぐるじ……ゆびゅっ!」 「れーみゅまだちにちゃくにゃ……ぶびゅりゃっ!」 破裂するかのように無残な最期を遂げた我が子らの、人間の指の隙間からはみ出て落ちてきた餡子を顔に浴びながら母れいむは絶叫する。 その傍らで、残りの子ゆっくりらも受けた衝撃の大きさに全身と思考を硬直させ、固まったまま声にならない叫びを上げていた。 「ゆ…ゆわああああああああ!! れいむのおちびぢゃんだぢがあああああああ!! だいじなおちびぢゃんだじがあああああ!! まりざにぞっぐりですできなおちびぢゃんがあああ!! れいむによくにてがわいいおちびぢゃんがああああああ!! どおじでええええええぇぇぇぇっ!? どおじでごんなごどぉぉぉぉぉ!? おちびぢゃんはっ!! おちびぢゃんはなんにもじでないでしょおおおおおおっ!! どうじでっ!! ごろずなられいむだちだけにじでよぉぉぉぉ!! どおじでおちびぢゃんをごろずのおおおおおお!?」 だが人間は、野良れいむには答えない。 その視線は前方に倒れている…いや、倒れて動かないフリをして、実はゆっくりと這って逃走しようとしていた野良まりさに向けられていた。 人間は無言で足元で固まっている残った二匹の子ゆっくり、先ほどと同じ組み合わせである子まりさと子れいむを両手にそれぞれ掴んだ。 「ゆぴぃっ! た…たしゅけちぇぇぇぇ! にんげんしゃんにちゅかまっちゃよぉぉぉ!! つぶしゃれりゅうううう!!」 「ゆっ! まりしゃおしょらを…ゆわぁぁぁぁ!! たしゅけちぇぇぇぇ!!」 姉妹の握りつぶされる様をしっかり見せ付けられていた子ゆっくりは、即座に自分たちが次に殺される番なのだと理解し、泣き叫んで助けを求めるが、 母親は人間に踏みつけられたままで、父親は地面に倒れた姿勢のままプルプル震えている。 前者は動きたくても動けず、どうにか逃れようと体をムニュムニュと動かすのが精一杯だし、後者は既に気絶から覚醒しているのは見え透いているのに起き様としない。 「や、やべでぐだざい! そのごだぢはだずげでぐだざいいいいい!! おねがいでず、ごろざないでぇぇぇ…!!」 野良れいむは踏みつけられた窮屈な状態のまま人間を見上げ、懇願するが人間はれいむの方を見ようともしない。 代わりに、前方で震えているまりさの方に向かって口を開く。 「おい、まりさ」 「……」 「起きてるのはわかっている」 「……!!」 「これからお前の家族を皆殺しにする」 「ゆっ!!」 「だが、お前が身代わりに殺されてもいい、家族を助けてくださいと言うんだったら、そうしてやってもいい」 「……ゆ」 「どっちにする?」 二択だった。 人間が野良まりさの家族を殺すという宣言に間違いが無いのは、先ほど子ゆっくり二匹を容赦なく握りつぶして見せた事からも確かだろう。 この人間はゆっくりを痛めつけたり殺す事に一片の躊躇も持ち合わせていない。 いくら降参しましたと命乞いをしても、何度も何度も殴られ続けたまりさ自身が痛いほど理解しているだろう。 ゆっくりは仲間同士でさえもやたら好戦的な傾向にあるくせに、戦った相手が自分より強いとわかるとすぐに「ごべんなざい!」と謝り、 時には卑屈にへりくだってまでそれ以上攻撃される事を回避しようとする。 謝りさえすれば、全て許してもらえるだろうという魂胆が、ゆっくりの思考の根底にあるからだ。 ゆっくり同士の戦いなら、別にそれでいいんだろう。 他の野生動物も降参した相手の命までは取らない事が多い。 だが、人間という生き物は違う。 ゆっくりと人間は同種ではないし、人間にも様々なのが居る。 ゆっくりを殺したって、別に少しも心を痛めなかったり、むしろ喜んで行う人間も少なくない。 人間社会の大半にとってゆっくりは虫と同じ程度の命の価値だ。 好き好んで愛玩生物として飼育する人間も居るが、それは人間の都合でゆっくりを捕獲・監禁し玩具にしているだけだ。 ゆっくりを大事にしたり保護しようと活動している人も居るが、それは「人間の所有財産」、つまり家畜として、かけたお金や時間の浪費への執着があるから大事なのだったり 人間の自己満足による思想・イデオロギーによって「野生生物としてのゆっくりとの共存」を唱えているに過ぎない。 人間はあくまで人間の価値基準でしかゆっくりを見ない。 居ないなら居ないで、深刻に困るほどじゃない。 邪魔なら邪魔で、ハエでも潰すみたいに駆除する。 別に、ゆっくりがそんな人間という生物を、どんなにゆっくりできない存在で、悪魔みたいに思っていようとも、どうでもいい。 今の野良まりさの状況が、不運によるものか、それとも自業自得の結果なのか、「ゆっくりの習性だから人間に突っかかっていくのは仕方ない」なのか、 どう解釈しようと、それは解釈する人間の好きなようにすればいい。 確かなのは、今野良まりさの目の前に居るのはまりさがどんなに「やめて、ゆるして」と懇願しても、まりさの死か妻と子らの死の どちらかしか要求しない、「謝ったって絶対に許してはくれない」という絶望的な相手だという事だ。 それに対して、まりさは数秒間の間逡巡し、そしてあっけなく答えを出した。 「まりざは……まりざはまだじにだぐないよぉぉぉ! そいづらをごろじでいいがら、まりざはみのがじでね!! ごべんね! れーむもおちびだぢも、まりざのみがわりになっでね! まりざはゆっぐりじないでにげるよ!!」 そう言ってガバ、と体を起こすと猛然と逃走を始める。 それに対して、妻である野良れいむは「まりざああああああ!? ごのうらぎりものおおおおおお!!」と罵声を投げかけ、 子ゆっくりたちは泣き喚きながら自分らを見捨てた父親の後姿に向かって、まだ助けを求めていた。 人間は、そんなまりさの後姿を特に気にすることも無く、見送った。 猛然と逃走と書いたが、それは実際には野良まりさの主観である。 体中をボコボコに殴られて重傷を負っているまりさの動く速度は、跳ねる事も出来ず、かといって這う速度もナメクジの数分の一以下でしかなく、 人間との距離もまだ1mも離れても居ない。 加えて、まりさは歯が殆ど折れ、顔も痣だらけで醜い姿だ。 あんな状態では何日生きられるかも定かではない。 仮に生き延びても、野良の生活環境では満足に怪我を治療する術も無く、体に不具を背負ったまま後遺症に悩み続けるゆん生を送る事になるのだろう。 「ゆひぃ、ゆひぃ! まりさは…しぬのはいやなんだぜ…れいむとおちびたちのぶんまでゆっぐりずるんだぜぇ……! ゆひぃ…ぜぇぜぇ……おうぢにかえっだら…おとっどきのあまあまをたべで…ゆっぐりじで…… あだらじいおよめざんと…あだらじいおちびをづくっで……しあわぜにぃ……ゆひぃ……」 人間が家族を見捨て、自分ばかりが助かりたいと必死に逃げ行くまりさの惨めで哀れな姿から興味なさげに視線を外した時、 まりさはまだようやく人間の家の門柱を通り過ぎて道路にでようとした所でしかなかった。 この後の野良まりさが生きようと死のうと、人間にはどうでもいい。 ノロノロと這いずりながら道路に出て車に轢かれるのかもしれないし、下校途中の悪ガキに見つかって遊び殺されるのかもしれない 野良犬や野良猫やカラスに発見されて、食われるのかもしれない。 運良く自分のおうちまで辿りついたはいいが、他のゆっくりが既におうちを占拠していて住処を奪われた上に殺されるのでも、 あるいは辿りつく前に力尽きるのかもしれない。 それらよりも、人間の興味は既に残された野良まりさの家族たちに移っている。 「どおじでええ…あんなにいっじょにゆっぐりじようっでいっでだのにぃ…まりざぁ…!」 「ゆぇぇぇぇぇぇぇん! まりしゃまだちにたきゅにゃいよぉぉぉぉ! ちゅぶしゃれちゃくにゃいよぉぉぉぉ!!」 「ゆぁぁぁぁぁん! きゃわいいれーみゅだけはたしゅけちぇぇぇぇ! にんげんしゃんをゆっくちしゃせてあげりゅかりゃぁぁぁ!」 足元で踏まれながら悲嘆にくれる野良れいむ。 父親に見捨てられ、絶望の涙を流しながらそれでも生きたいと叫ぶ子れいむ。 どうにかして助けてもらおうと必死に懇願する子まりさ。 人間は子まりさの発言にちょっとだけイラッとした表情を浮かべかけたが、反射的に潰してしまうような短絡的な事はせず 今度は野良れいむに向かって話しかけた。 「おい、れいむ。 子供たちを助けて欲しいか?」 「まりざ…まりざ……ゆっ!?」 「これからお前たちを皆殺しにする。 だが、お前か子供たちのどちらかは殺さないでやってもいい。 どちらを選ぶ?」 何の気まぐれか、人間が突きつけた選択は野良れいむにとって希望の光明に思えた。 内容そのものは先ほど野良まりさに出されたものとほぼ同じだったが、れいむには地獄で唯一の救いを見つけたような思いだった。 どちらを選ぶかなんて、そんなの決まっている。 子らの母親であるれいむは、迷うことなく人間に告げた。 「ゆ…それ、ほんとうだね? うそつかないよね? れいむかちびちゃんたちか、どっちかたすけてくれるんだね!? だったら、ちびちゃんたちをたすけてね! れいむはどうなってもいいよ! れいむをころしてちびちゃんはおうちにかえしてあげてね!!」 母親らしい毅然とした態度で、野良れいむは宣言した。 人間の両手に掴まれている子らもそれを聞いて絶望の叫びから一点して表情が変わる。 「ゆっ…おかあしゃぁぁぁぁん!!」 子まりさはキラキラした涙を一粒落し。 「ゆぅぅぅ! やっちゃよ! れーみゅたしゅかりゅよ! ゆっくち! ゆっくちー!」 子れいむは顔をキラキラ輝かせながらはしゃいで喜びを表現した。 が、しかし、人間は冷静に、野良れいむの我が子を思う自己犠牲の精神を一蹴した。 「…馬鹿かお前は? 子供たちが助かっても親のお前が死んだら、どうやってこいつらを育てるんだ? 子供たちだけでどうやって生きていくんだ? 餌はどうするんだ? 何を食べるのか、どこで手に入れるのか教えてるのか? 教えたとして、こいつら単独でそれができるまで育ってるのか? カラスとかの外敵から身を守る術は? 雨とか風とから隠れられる方法は知ってるのか? 台風とか冬とか特にどうするんだ? それとも、こいつらを預かってくれる奇特な知り合いがどっかにいるのか? 普通いないだろ? さっきの父親は一回お前らを見捨てたぞ? 今から追いかけて行って、子供たちを渡して家に帰すのか? あんなボロボロで汚くて、狩りもできるかどうかもわからない、今にも死にそうなまりさにか? お前たちを裏切って自分だけ助かろうとした、あのまりさにか? おいれいむ、本当にお前が死んでこいつらだけ残していいのか? それがお前の選択か? お前の選択は、はっきり言ってこの二匹に孤児になって飢えて寒くて守ってくれる存在も無くて惨めに死ねって言ってるのと同じだぞ? 自分で頭が悪いと思わないのか?」 「……………!!!」 「ゆ……ゆぅぅぅぅぅぅ! おかーしゃぁぁぁん! まりしゃたちをひちょりにしにゃいでぇぇぇぇ!! まりしゃおかーしゃんいにゃいといきちぇいけにゃいよぉぉぉぉ!!」 「ゆ…ゆっ? ゆぅぅぅ!? それっちぇれーみゅたち、おかーしゃんにすちぇられりゅってこちょにゃのぉぉぉぉ!? そんにゃのやぢゃぁぁぁぁ! いくじほーきしゅるくじゅおやにゃんかしにぇぇぇぇぇ!! れーみゅをゆっくちしゃせにゃいおかーしゃんにゃんか、おやじゃにゃいよぉぉぉぉぉ!!」 冬のゆっくりと近づきつつあるその日、野良ゆっくりの一家の訪問を受けた。 「おねがいじます! まりざとありずのちびちゃんたちを、かいゆっぐりにじでぐだざい! どっでもゆっぐりできるおちびちゃんたぢなんでず! にんげんざんにめいわぐをかけない、にんげんざんをゆっぐりさせるおちびちゃんでずから! もうすぐふゆになるのに、もうどごにもごはんがないんでず!! このままだと、おちびちゃんがうえじにしでじまいまず!! どうか、どうがおねがいじまずうううう!!」 「とってもとかいはなおちびちゃんなんでずう! まりざとありずはがいゆっぐりでした! いまはのらをやっでるけど、おちびちゃんたちはしっがりとかいはにそだててまず! あいさつもできるし、ごはんもぎょうぎよくたべるし、おといれもおぼえさぜでまず! れいぱーにもなりまぜん! だがら、おちびちゃんだぢをゆっぐりざせであげてぐだざい! ごはんとあったかと、ゆっぐりをくれるだけでいいでずがらあ!! おねがい! おちびちゃんがしんじゃううう!!」 そう言いながら、野良まりさとありすがまりさのお帽子の中から取り出したのは、弱りきった子まりさと子ありすだった。 子まりさの目はうつろで、ゆはー、ゆはーと小さい呼吸をしている。 頬もこけて、栄養失調で死に掛けているのだろう。 子ありすはゲホゴホと苦しそうに咳き込んでいる。 どうやら病気にかかっているようだ。 二匹の子ゆっくりはどちらも野良にしては妙に小奇麗で、両親もお帽子の中に入れて風に当たらないように大事に運んで来る辺り 随分と大切に育てられてきたのだろう。 いつか人間に拾ってもらって飼いゆっくりにして貰う時のために躾けもしてきたと言っている。 なるほど、あまりにも馬鹿な規格外品とか低ランク品とか、増長して飼い主を怒らせたとかで捨てられた元飼いゆっくりでは、こうはいかない。 何を思って前の飼い主が捨てたのかの事情はわからないが、少なくとも銀バッジ以上のランクはある飼いゆっくりたちだったようだ。 「そうか、お前らか。 最近この辺の家を回って、子供たちを拾ってもらおうとしている野良ゆっくりというのは」 人間は、近所の噂になっていたその野良の一家の弱りきった子まりさ・ありす姉妹をそっと手に取ると、親ゆっくりたちを見下ろした。 飼ってくれるのか!と期待を込めて人間を見上げる野良まりさと野良ありすであったが、その期待は思わぬ形で裏切られた。 「馬鹿だろう、お前ら」 その言葉と共に野良まりさの顔面に人間の靴の爪先が叩き込まれ、野良まりさは顔面に大きな凹みを作って後方に吹き飛ばされた。 それを、唖然として見つめる野良ありすの頭上に、間髪いれず叩き込まれるのは、同じく人間の踵落とし。 悲鳴すらあげる間もなく、野良の夫婦はビクビク、と痙攣し呻く饅頭になる。 捨てられる飼いゆっくりというのはこの街では珍しくも無い。 一説によれば、飼いゆっくりが飼い主によって不法に捨てられるのは犬や猫に比べて2倍~2.5倍もの割合になるという。 ゆっくりはその知能や受けた教育のレベルごとに等級で定められ、高ランクの金バッジ付きともなればペットショップで数万円、銀バッジでも数千円~1万円台にはなる。 ランクの高いものほど家畜として人間への貢献度が高い個体とされ、低ランクの銅バッジは数百円、バッジ無しではワンコインで買えるが 低ランクが気軽に買えることと、しかし高ランクでも簡単に捨てられてしまう事への関連はあまり無い。 ゆっくりは見た目は可愛い(あるいはキモ可愛い)ので愛玩動物としてはブームが続くほど人気商品であり、ゆっくり用フードや 玩具、衣服、散歩用リードやハウスなど様々な商品が販売され続けるくらいにはペット市場を賑わせている。 だが同時に、ゆっくりを嫌う人間も多い。 その一番の理由は、ゆっくりが「人間の言葉を喋る」ことにある。 ペットと意思疎通が出来るというのは、それが好きだという愛好家にとっては大きな長所である。 誰でも一度は、ペットが何を思っているのか、知りたいし、会話が出来たらいいのにと思う。 また、ゆっくりにはある程度の知能があることと合わせて介助ゆっくりや盲導ゆっくりなどの人間を助ける分野で活躍するゆっくりもおり、 それらの社会貢献の大きさに近年では「プラチナ」という特別ランクも新規に与えられようとする動きすらある。 しかし、常にそれが長所に働くとは限らない。 喋るという事は、同時に「喋って欲しくない時」にも「喋って欲しくない事」にも、喋る可能性があるという事だ。 「一言で言えばな、ウザいんだよお前らは。 人の家の玄関先でギャーギャー喚きやがって… 子供たちを助けて欲しくて必死なのはわかるがな。 昨日も隣と向かいの家で同じ事やってただろ? 聞こえてるんだよ、しっかりとな。 いい加減うるさい。 大声ださなくても人間にはちゃんと聞こえてるんだから少しは黙れ。 そんなんだからお前らは捨てられるんだ。 時と場合と場所を考えろ」 ゆ゛っゆ゛っ…と地面にはいつくばったまま呻いている野良まりさと野良ありすに、人間はいかにもイライラしているという表情を 顕にして言葉を投げかけるが、当のゆっくりたちはちゃんと見えてはいないだろう。 聞こえているかは微妙だが。 ゆっくりを捨てる人の大半は、「ゆっくりが喋ってウザい」事を理由に捨てている。 一旦、見て可愛いとか流行で興味を引かれてとかで購入し買い始めた人間の多くが、半年以内にゆっくりを捨てているという統計もある。 何しろ、ゆっくりは四六時中、何をするにもイチイチ自分の行動を口にするのだ。 「ゆっゆっ ゆっくりはねるよ!」 「ゆっくちころがりゅよ!」 「ごはんをたべるよ! むーしゃむーしゃ! しあわせー!」 「ゆー! しゅーぱーうんうんたーいみゅ! しゅっきり~!」 「ゆっくりおうたをうたうよ! ゆ~ゆゆ~ゆ~♪」 「ゆっくりおひるねするよ! ゆぴー、ゆぴー」 「ゆっくりしずかにすすむよ! そーろそーろ!」 「ゆっくりあそぶよ! ぼーるさんゆっくりころがってね!」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 はしゃぎまわる子供にウザいと感じるタイプの人間には、ゆっくりのこういう喧しさには耐えられない事も多い。 逆に、それが好きだという人間には、そういうゆっくりの性質はお馬鹿で可愛げのある生物に感じる。 無論、不必要に騒がない事を前提に躾けられた高ランク品のゆっくりも売りに出されているが、今度はゆっくりの わざとらしく感じる事さえある幼児語や、子ゆっくり・赤ゆっくりの過剰な崩した赤ちゃん言葉がイライラする、という人もいた。 人間に対して媚びるような感じなのも、裏があるようで嫌だ、という人もいる。 また、ゆっくりという生物が構造的には菓子類、饅頭であることの奇妙さに関連して、「饅頭の癖に子供を作るとか気持ち悪い」 とかいう、ゆっくり自身にとっては理不尽な理由で捨てられる場合もあった。 生物であるゆっくりに、そうした生物らしさを否定するような理由で嫌い、一度飼い始めたものを捨てる人間は大抵の場合 ゆっくりにそもそも非生物的な、アニメのキャラクターやファンシー系マスコットキャラのような「生々しくない」ペットを… つまり所、縫いぐるみとかペットゲームの中の架空のデジタルペットのようなイメージを勝手に抱いて購入した身勝手な人たちだ。 もっともゆっくりは「動く饅頭」であることを売りにする事で犬猫ハムスターより生々しくないペットとして、 ペット制限のあるマンションでも拒否されることは少ない事や非現実的な愛らしさを前面に出して売り始めたのだから こういう誤解が生じるのもある程度は仕方ない。 極端な場合、ゆっくりが飲食し排泄するというだけで嫌になり、捨ててしまう人もいるのだ。 ゆっくりの排泄物は多くが餡子などの糖分であり、衛生的にそれほど問題は無いのも賃貸住居でのペット制限の緩い理由の一つなのだが 嫌いな人には、出すものがなんであるかよりも「行為」の方が重要なのだ。 そういった「ゆっくりを嫌う」人たちの半数は、二度とゆっくりに関わらないか思考や意識から排除するが、 残りの半数はゆっくりを徹底的に嫌悪するようになる。 「そもそも何でお前ら、人間のところになんか来た? お前らを捨てたのは人間だろう。 捨てた人間がたまたま、お前らを気に入らなかっただけで、別の人間なら優しくしてもらえるとでも思っていたのか? 馬鹿なの? 甘いの? 餡子脳はもはや砂糖オンリーでできてるの? 世の中にはお前らが大嫌いで殺したいと思ってる人間なんか大勢居るんだが? 少なくとも、お前らが野良生活やってて、誰もお前らに優しくしたり、可哀想だから拾ってやろうって人間は居なかっただろ? 居たらお前ら、こんな野良生活してることも、子供を死にかけさせる事にもなってないだろ? まあ好きな人間でもお前ら汚い野良なんて、一度捨てられた元飼いゆっくりなんて、拾う奴は居ないよ。 お前たちが前は金バッジだったか銀バッジだったか知らないけがな。 とにかく、お前らは俺が、訪問先の人間が『ゆっくりを好んで痛めつけるタイプの人間』かもしれないとか思ったりしなかったのか?」 人間の長文台詞と長いナレーション解説文の間に、野良まりさと野良ありすはどうにかまともな思考が出来る程度には回復をし始めていた。 「ゆ…ゆびっ…ぞんな……まりざだぢなんにもわるいごどじでないのに……どぼじでっ!」 「……ありずは、ありずはおちびぢゃんだぢをゆっぐりざぜであげだがっただげよ! ありずだぢだって、いっしょうげんめいいぎでるのよ!? どおじでいじめるのよおおおお!! ごんなどがいはじゃないごどずるのおおおおおお!?」 ゆっくりを虐める人間というのは、二種類居る。 まず、楽しいから虐待する人間。 ゆっくりは人間に近い感情を持ち合わせているし、人間の言葉で喋り、泣き叫ぶ。 痛めつけたり泣かせれば、言葉というわかりやすい反応を示してくれる。 それが楽しいという人間で、しかし、それはアングラな趣味であると認識しているから、大抵は人目のある場所でそんな事はしない。少なくとも大っぴらにはしない事が多く、彼らの活動・交流の大半はインターネット上のやり取りだ。 彼らはゆっくりをどんなに虐待しても心が痛まないし、むしろ嬉々として行う。 アングラなコミュニティでは「いかにゆっくりに苦痛と絶望を与えて死なせるか」の方法について、共通の趣味人同士で その方法を議論しあったり、実際の過程の動画が画像をアップロードして楽しんでいる。 次に、嫌いだから、憎いからゆっくりを痛めつけ、殺す人間。 ゆっくりを可愛がる目的で飼ったことのある、もしくはゆっくりの嫌悪し唾棄すべき「生々しい」部分に不快感を覚えた事のある人間でほぼ占められる。 彼らの感情の根本は、ゆっくりに対する失望と「裏切られた」という思いだ。 可愛いペット生物として購入したはずなのに、実際には自分の期待と違った、思い通りにはなってくれなかったという ゆっくり自身から見れば理不尽極まる怒りによる、一種の八つ当たりでゆっくりを虐待し、最後には殺す。 多くがゆっくりという生物が存在することすら嫌悪し、その根絶を(実際に出来るか出来ないかはさておき)しょっちゅう口にする。彼らはゆっくりを虐待・迫害してもなんら心が痛まないのは上記のタイプと同じだが、違うのは、しばしば彼らは ゆっくりを殺すのは正しいと述べることだ。 彼ら曰く、ゆっくりというのは気持ち悪いだけの存在であり、殺したいと思うのは全人類の総意であるという。 ゆっくりに対して明確な憎悪を抱くし、それが悪いと思わないので、往来でも平気で野良ゆっくりを蹴り飛ばしたり、踏み潰す。 彼らは徹底して、この世界に存在するゆっくりは嫌いである。 彼らが殺さないゆっくりと言うのが存在するならば、それはこの世界でペットとして飼われたり野良として路地裏を這いずり回っていないゆっくりであろう。 「…俺はお前たちゆっくりなんて生き物はな、ウザムカつくし不愉快な存在しにか思ってない。 お前たちの馬鹿さ加減にはほとほと呆れるよ。 自分たちの未来に、ゆっくりできる事しか起こらないと思っている。 何でも自分の都合のいい方にしか考えないし、必要なことなのに『ゆっくりできない』と言って、苦難に直面しても逃避する。 そして結果として自滅する。 子供を増やしすぎたり、餌を集められなくて越冬が出来なかったりな。 ロードローラーにひき潰されそうになってるのに、自分は勝てると思って威嚇してる馬鹿も見たことある。 そんな馬鹿の極みの生き物なんかに、優しくしてやるとか思っているのか? 今まで回ってきた家ではそうで無かったんだろうが、出てきた人間がお前たちを問答無用で殺す人間だったらとか 考えた事は無かったのか? それとも考えたくなかったから、逃避したのか? 甘い考えに逃げ込んだのか? そんな馬鹿だから、飼い主にも捨てられるし、子供も死なせかけるんだよ。 後悔しても遅いけどな」 人間は、死刑宣告でも告げるかのように野良ゆっくりたちに冷たい視線と言葉を浴びせた。 そう、後悔しても遅かった、とまりさは思った。 この人間は、自分たちをけしてゆっくりさせてくれない人間なのだと思った。 それが解った所で、もうどうしようもなかった。 「ゆううううううう!! おちびちゃん…まりざとありずのおちびぢゃんがああああああ!!」 「やべでえええええ!! おちびぢゃんだぢをごろざないでええええ!! おねがいじまず、なんでも、なんでもじばずがらああああ!! どうが、とがいはなおちびちゃんたちのいのぢだげはああああああ!!」 冬のゆっくりと近づきつつあるその日、野良ゆっくりの一家の訪問を受けた。 「おねがいでず…これ、これでなにが…たべものを…おちびちゃんだぢにわげであげでくだざい…」 「おにゃかしゅいたよ…」 「ゆぅ…」 「おねーちゃん…ゆぐっ」 買い物袋を提げて玄関の前でポケットから家の鍵を探していた時に、見るからに薄汚い野良ゆっくり達が後ろから声を掛けてきた。 その一家には以前、公園で見たことがあった。 歌を聞かせるから、お金かごはんをちょうだいね! とか言ってド下手糞なパフォーマンスを披露していた野良れいむの一家だ。 母れいむ、子れいむ、赤れいむと、れいむばかりのシングルマザー一家の中に何故か子さなえが混じっている。 さなえは希少種と言われ、ペットショップでは等級が銅バッジでも銀バッジ並の値段で売られている人気品種だが、野良で見るのは珍しい。 一帯どういう経緯でこの一家にさなえが生まれているのかは知らないが、子さなえも他の子れいむ赤れいむと並んで 母れいむの足元で空腹と疲労とで憔悴しきった顔をしてぐったりとしていた。 片目の潰れかけた、というか顔の半分が靴跡状に陥没して潰れかけた母れいむが器用に揉み上げの上に乗せて差し出す厚紙を受け取る。 見れは、そこには1000円札の模様と数字がプリントされていた。 「…何で野良ゆっくりがこんなものを持っているの? 何処で手に入れたんだか知らないけどさ」 「おうたのだいきんとしてもらったんだよ……でも、わるいにんげんさんが、とろうとして…れいむはやべでねっでいっだんだけど! だいじなおちびぢゃんだぢが、ふだりもごろざれで!! どおじで、どおじでごんなごど!! れいむだちががんばっでうだって、おどっで、おかねもらっだのに!! れいむだぢのおがねなのに!!」 残った片目を潤ませて涙声で訴える母れいむ。 そこには悲しさと悔しさが入り混じっていた。 そのゲスな人間は、れいむ一家が公園を出た直後に襲い掛かって一家の子供を二匹も潰し、残りの子供を人質にとって母れいむにお金を渡すように要求したが、 母れいむがついに折れて1000円札を差し出すと、途端に激怒して母れいむを蹴り飛ばし、唾を吐いてその場を立ち去ったという。 そして母れいむは、何故か人間が捨てて行ったその1000円札を持って、生き残ったおちびちゃん達を連れて公園を後にした。 子らの命を奪われた代わりに、どうにかお金を奪われなかった事を幸運に思いながら、残りのおちびちゃんたちにこれで何か 美味しいものを食べさせてあげられる、ベーコンサンドにしようかポンデリングにしようか、パスタにしようかと 楽しみにお店に持っていくが、どうしてかどこも買い物を拒否されるというのだ。 「おみせじゃどこも、これじゃかいものでぎないっで…! おかねなのに、れいむがひっしにまもったおがねなのに…!! おねがいでず、にんげんさん!! どうかそのおがねと、そのたべものをこうかんしでぐだざい! なんでもいいでずがら、ぜいだぐはいいまぜんがら!! おちびちゃんたち、いちにちじゅうがんばっでうだったんでず!! おなかがずいでるんでず!! このざいあめだまでもなんでもいいでずがらあ!! なにが…なにが…」 「うーん…困ったなあ……同情はするんだけどさあ、これじゃ何も買えないのは当たり前だし、 私も食べ物を交換してあげるわけには行かないと思うよ?」 「どぼじで! どぼじでそんないじわる…」 「だってさあ、これ、玩具のお金だもの。 本物じゃないの。 だから、ごめんね?」 母れいむは目を見開き、驚愕の姿勢で硬直した。 何日も何日も、公園で歌った。 今時歌だけじゃ誰も見向きもしてくれないと言われて、踊りも加えた。 下手糞すぎるといわれて、おちびちゃんたちと一生懸命レッスンした。 うるせえ!と罵声と共に石を投げつけられて、おちびちゃんの一人が潰され死んだ。 それでもおちびちゃんたちのために、頑張って毎日公園でパフォーマンスをしていた。 そうすればお金や食べ物がもらえると、信じて。 おちびちゃんたちの中で唯一、違う子の子さなえが言った。 れいむしか居ない一家の中で、何故か一人だけ違う種で生まれてきた変な子だったが、その明るく前向きな笑顔は母れいむを元気付けた。 「おかーさま、しんこうしつづけちぇいれば、いつかしあわせーになれりゅのです! しんじつづけりゅのがだいじです!」 小さな葉っぱの付いた小枝を口にくわえて振る「みこみこごっこ」をして遊ぶ子れいむ達や子さなえの笑顔が母れいむの支えだった。その笑顔を守るためならば、どんなに辛くても我慢すると自分に誓った。 そうして、ようやくお歌の代金を貰えるまでになったと思って、手に入れたお札に家族みんなで喜んで、 これで食べ物が買えると信じて、しかし悪人に奪われそうになり、子が犠牲になって、母れいむも片目を失って あげく、そのお金は偽物で…… 「ゆああああああああ!! そんなのっで! そんなのっでないよおおおおおお!! あんまりだああああ!! どおじで、どおじでごんなごどおおおおおお!? どぼじでかみざまは、れいむだぢばっがりいじめるのおおおおお!! しんじだのに、いっじょうげんめいしんじだのにいいいい!!」 母れいむの今まで耐えてきた分の感情が、やるせなさが決壊したダムのようにあふれ出し、大声で天に向かって慟哭する。 片目から流れ落ちる涙がポツリポツリと足元の子らに落ちて、「ゆっ! あめしゃん!?」と子らは驚いて目を覚ました。 「流石に可哀想になってきた……。 はあ…まったく…。 彼が野良が好きな理由がわかった気もする…。 こうしようか、私がお買い物できる本物のお金を上げる。 その代わり、あんたは……そうだね、その子さなえを私によこしなさい。野良でも希少種だし1000円の価値はあるでしょ」 「ゆっ…!? なにいっでるの!? おちびちゃんをうれだなんで…! れいむのおちびちゃんのなかで、ひとりだけちがうこだからって…!! しんこうとかわけわかんないこどいうこだがらってで…! しんじつづければどがいっで、しんじでもなんにもならながっだのに、きぼうなんがもだぜでれいむをだまじだこだがらっで!! みぞごなわないでね!! れいむをばがに… ……おねがいします、にんげんさん、このちびちゃんあげるから、おかねください」 冬のゆっくりと近づきつつあるその日、庭で飼っているゆっくりたちの家をダンボールから木箱やポリバケツに改修していると、 友人の訪問を受けた。 「こんちわー あの野良子まりさ元気? 何やってるの?」 「…雪が降ったらダンボールの家なんか、重みで潰されるからな。 壊れない家に建て直ししてやってるのさ」 「ふうん…中にタオルとか敷いてあげるんだ? 結構本格的だね。 あれ? なんかゆっくりが増えたね?」 「ああ、二家族ほど。 放っとくと凍死するか餓死するしかない奴らだからな。 俺はそういう奴らを見ると、鬼になりきれない」 「君の所で飼われるゆっくりは、どのみちふしあわせーだろうけどなあ…。 めっちゃ不味いフードか雑草しか食べられないんだから。 あ、そういえばさ、この間希少種のゆっくりさなえ拾ったんだ♪ なんと1000円で!」 「1000円…? ショップで買ったら最低でもその10倍はするだろう。 それホントにさなえか? 髪の色塗っただけのれいむとかじゃないか? 詐欺じゃないか?」 「ちゃんと本物だよ! まあ、野良だったけど…」 「嘘をつけ。 希少種が野良やってたら、一日も経たないで誰かに拾われて、その日のうちにネットで競売されてる。 虐待趣味か愛玩か…落札する奴は相場の3倍出しても欲しがるからな。 …というか、その拾ったさなえはちゃんとペット医に見せたか? 野良は病気を持ってたりして死にやすいんだぞ」 「拾ったのは事実だししょうがないじゃん、そんな事言われても。 お医者? 必要ないでしょ、風邪薬のませればゆっくりは治るんだし、君の所だって野良だらけだけど、病気で死んで無いじゃん」 そんな人間たちの会話を横目に、秋の色の濃い人間の庭でゆっくりの家族たちはそれぞれ紅葉する木々の景色をゆっくりと楽しんでいた。 「おかーしゃん、もみじさんきりぇいだね!」 「ゆっ、そうだね! まっかでひらひらおちてきて、とってもゆっくりしてるね!」 「おとーしゃん、もみじしゃんをおぼうしにつけてあげるにぇ!」 「ありがとうおちびちゃん、おぼうしがとってもきれいになったよ!」 「ゆぎぎ…まりざのうらぎりものおおお!!」 「おかーしゃん、おにゃかすいたよ…くさしゃんがきいろくにゃってたべられないよ…」 「むーしゃむーしゃ…ゆびぇぇ! もみじしゃんおいちくにゃいいい!! ごはんしゃんたべちゃいよおお!」 「おかーしゃん、れーみゅゃにあのこすもすさんとっちぇね! おいしそうだよ、ゆゆーん!」 「ゆっ!だめだよ! かってにたべたらにんげんさんにおこられるよ!」 「そーだよ! まりしゃもうつぶしゃれりゅのいやだよ!!」 「ゆー! れーみゅはおなきゃすいちぇるのに! くしょばばあ! にんげんしゃんにふみつぶしゃれてればよかったんだ!」 「「どおじでぞんなごどいうの(にょ)おおおお!?」」 「おちびちゃん、きょうもおくすりのもうね! はやくよくなってね!」 「ゆええ…おくしゅりにがいからいやなのじぇ…」 「とかいはじゃにゃいわ…」 「だめよ! とかいははにがいおくすりでものむものなのよ! それと、おくすりくれたにんげんさんにかんしゃしましょうね!」 賑やかな庭が冬を銅過ごしたかはまた別の話
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『きゅうきょくのかんぜんせいぶつ』 23KB 制裁 自業自得 日常模様 飼いゆ 野良ゆ 子ゆ ゲス 現代 独自設定 4000逃してもよかろうなのだー! 気ままあき 俺はいま台所で皿や茶碗を洗っている。 一人暮らしをしてるんだから、自分で食ったもんの後始末ぐらい自分でやるのが当たり前ってわけだ。 そしてとりあえず自分の分を洗い終えたとき、足元から声が聞こえた。 「おにーさん!おにーさん!のこりのおさらさんをもってきたんだぜ!」 「ああ……ありがとうな。まりさ」 おっと言い忘れた……俺は一人暮らしではあるがぺットを飼っている。 胴付きの銀バッジまりさだ。 「こっちはもうあらいおわったのぜ?ならまりさがのこったおみずさんをふいとくのぜ!」 「んじゃ頼む。ああそれと食器棚に戻すときは注意しろよ。ちゃんと踏み台を使うようにな」 「ゆっくりりかいしたのぜ!」 そう元気よく返事をすると、まりさはキッチンペーパーで食器に残った水滴を拭きはじめた。 鼻歌まじりに皿を拭いているその姿はなんというか……どことなく楽しそうだ。 実際こいつは胴付きになってから態度がガラリと変わった。 それまでは俺と口喧嘩が絶えなかったり、番や子供を欲しがったりと我侭を言い放題だったが 突然、胴が生えたあの日からそれらの我侭は何故かピタリと言わなくなったのだ。 代わりにまりさは何かと俺の手伝いをしたいと言い出すようになっていったのだ。 胴付きになって出来ることが格段に増えたせいだろうか、 しょっちゅう部屋のあちこちをドタバタと走りまわっては掃除なり片付けなりをするようになった。 俺が料理をしているのを見て、自分もやってみたいとまりさにせがまれた事がある。 あまりにしつこいので試しに炒め物やらせてみたが見事なまでに失敗。 結局俺が作り直したが、自分が失敗した料理を難なくやってのけた俺に対して明らかにまりさの見る目が変わった気がする。 「おにーさん!まりさにゆっくりおりょうりをおしえてほしいんだぜ!」 「まりさあいようのほうきさんで、おへやをきれいきれいにするんだぜ!きれいなのはゆっくりできるんだぜ!」 「きょうはごみさんをだすひさんなのぜ!まりさがなまごみさんをすてに……ゆんやあああっ!ごみしゃんくしゃい! ゆっくじでぎないぃぃぃぃっ!」 なんか胴付きになってからのまりさは妙にチャレンジ精神旺盛で色々な事を進んでやるするようになったな。 あとは……そうだな、飼い主である俺に対してあまり生意気な口を叩かなくなった。 何故かゲス化の兆候もまったく見られない。 普通飼いゆっくりはついつい飼い主を下に見てしまいがちのはずだがな。 飼いゆっくりはどんなに厳しい教育を受けてても飼われ始めたら人間を見下すようになることが実に多い。 だんだん飼い主を『ゆっくりさせてやる』、飼い主は飼いゆっくりの『奴隷』と考える。 まったく働かず何不自由なく毎日をひたすらだらだらとゆっくりしていると、こういう思考に陥りやすいかもしれないな。 まりさも最初はそんな駄ゆっくりになりつつあったが、胴が生えてからがらりと変わった。 毎日なにかしらの仕事をする事で働くことの意味というものを何となく理解したようで、 俺を見下して奴隷扱いどころか、逆にぱっぱっと手際よく片付ける俺を尊敬のまなざしで見るようになっていった。 まあ、これはもともと行動的なまりさ種だからこそ理解できる下地があったかもしれない。 これがれいむ種やぱちゅりー種だったらどうなってたか分からん。 「おにーさん、おしごとぜんぶかんりょうっなのぜ!」 「ありがとなまりさ。おかげで早く片付いたよ」 「ゆんっ!それじゃあまりさはおにわのおはなさんにおみずをあげにいくのぜ!」 「まったくせわしない奴だな……ゆっくりの癖にじっとしている事ができないのか?」 「じっとしてないのが、まりさのゆっくりなのぜー!」 「やれやれ……」 ともあれまりさがあれこれ手伝ってくれるのは色々と助かる。 まあ失敗も多いが……そこはご愛嬌という奴だ。 お互いに助け合って生活していく飼い主とぺットという関係もこれで中々悪くないと思う。 「ゆんゆ~ん♪おはなさん、いますぐおみずをあげるのぜ~♪」 じょうろを手に庭の小さな花壇に水をくれてやるまりさ。 そういやこの前、何十分も飽きもせず花を見てゆっくりしていたな…… こいつにとって花はもはや食料ではなく観賞して愛でる対象のようだ。 人型になると思考や好みも人間のそれに近くなっていってるのかな? 「ゆぷぷっ!あそこにゆっくりしていないゆっくりがいるよ!」 「ほんとうなんだぜ!みにくいどうがついている、ゆっくりしていないまりさなんだぜっ!」 「おおっあわりぇあわりぇ!いくらおちぶれちぇも、ああはなりたくないのじぇぇぇぇっ!」 「どうつきなんてゆっくちちてにゃいにぇえ!」 「ゆっくりしていないまりしゃは、きゃわいいれいみゅにしょのおはなしゃんをけんじょうっちてにぇえ! そちたられいみゅのうんうんどれいにちてやっちぇもいいよ!」 と、俺の家の庭に薄汚い野良ゆっくりの一家が現れた。 見るからに汚らしい野良まりさと野良れいむの番だ。子供はまりちゃが一匹れいみゅが二匹…… こいつらはじょうろを片手にきょとんとしているうちのまりさを自分達の奴隷にするべく、 さらに高圧的な態度で命令してきた。 「おいっ!そこのどうつきのくそまりさっ!ここはまりさのゆっくりぷれいすにするのぜ! かんだいっなまりささまがやさしくくちでいっているうちに、さっさとでていくんだぜぇぇぇっ!」 「くずのくせに、れいむのおはなさんをよこどりするなんて、とんでもないげすだね!げすはせいさいっするよ!」 「おちょうしゃんやっちゃえー!」 「こんにゃきもちわるいどうつきなんきゃ、しゃっしゃっところちてにぇえ!」 「そちたられいみゅにおはなしゃんをむーちゃむーちゃしゃせちぇにぇえ!しゅぐでいいよ!」 ゲス丸出しのニヤニヤ顔で、うちのまりさにじりじりとにじり寄ってくる野良ゆっくり達。 うちのまりさは思わず俺の方を振り向いた。「お兄さんどうしよう?」という困惑顔だ。 まあ胴付きのまりさならば枝をくわえた野良ごときなんでもない。 力もスピードも器用さも天と地なのだから正面から戦っても余裕で撃退できる……が、 うちのまりさはぺットショップ出身でケンカ慣れしてない上に、 胴付きになってすっかり平和ボケしちまってるからなあ……ケンカする事に躊躇しているのだろう。 やれやれ仕方ない。俺が出て行くしかないか。 俺はサンダルをひっかけると庭に下りた。 「ゆゆっ!くそにんげんがでてきたよ!」 「このくそまりさのどれいなのかぜ?ちょうどいいのぜっ!にひきまとめてゆっくりせいさいってやるのぜ―――っ!」 「ゆーん!おとうしゃん、がんばっちぇにぇえ!」 「はやくこのくじゅどもをころちてぇ!いましゅぐでいいよ!」 まったく毎度のことながら口だけは達者な連中だな…… 俺は早く終わらせたいので野良どもに向かって一直線にスタスタと歩いていく。 そしてあっという間に懐に入られたことの重大さにすらまったく気付いていない野良まりさを蹴飛ばした。 「さあっかくごはいいのぜ?くそに……ゆげばぁぁぁぁぁぁっ!?」 「……ゆっ?」 野良まりさは二回、三回とバウンドしてコンクリートブロックの壁に激突した。 れいむとちびどもはまだ何が起きたのか理解できずに固まったままだ。 フリーズしてくれんのならちょうどいい。俺はさらに足を軽く持ち上げて手始めにれいみゅを一匹ー 「ゆぴゅっ!?」 いとも容易く行われるえげつない踏み潰し。 そこまでやってようやく野良どもは現状を把握できたようだ。 「で、でいぶのおちびじゃんがぁぁぁぁぁっ!?」 「おとうしゃんがぁぁぁぁぁっ!?」 「ど、どぼじでいもうちょがしんじぇるにょぉぉぉぉぉっ!?」 「い……いだいんだぜぇぇぇぇぇっ!?なにがおきたのぜぇぇぇぇっ!おがおがいだいんだぜぇぇぇっ!ゆんやあああああっ!」 「見ればわかるだろ。俺が野良まりさを蹴飛ばして、れいみゅを踏み潰しただけだ」 「じ、じじいぃぃぃぃっ!やっぱりおばえのしわざがぁぁぁぁぁっ!」 「俺に言われなければ理解できないなんてお前らは頭の回転が遅いなー。うちのまりさはもう少し理解が早いぞ?」 「だばれぇぇぇっ!おちびちゃんのがたきだっ!きよくただじいでいぶがせいさいっじでやるぅぅぅぅっ!」 身体を動かす仕事はいつもまりさに押し付けてばかりのものぐさな野良でいぶでも、 さすがに目の前で我が子を潰されりゃ怒るものらしい。 俺の足に向かって体当たりを仕掛けてくる……が、俺はズボンが汚れるのが嫌なので避けることにした。 「おおっと」 「よげるなぁぁぁっ!じゃんどあだれぇぇぇぇっ!」 「おっそいなーお前。動きが止まって見えるぞ?とろくて欠伸がでそうだ……ふぁ~~あ」 「ゆぎぎぎぎぃぃぃっ!あくびをずるなあ!あだればじぬんだぁ!おとなじくれいぶにせいさいっざれろぉぉぉっ!」 「やなこったー。ほら当ててみせろよほれほれ」 「ゆがああああああああっ!」 野良れいむの安いプライドを刺激してひたすら無駄な攻撃を仕掛けさせる。 攻撃つっても跳ねて体当たりしかないわけで、要するに俺に向かって飛び跳ねるだけのことだ。 一直線の単純極まりない攻撃なので避けるのは本当に簡単だ。 なのでタイミングを見計らって俺は野良れいむにカウンター気味の蹴りをお見舞いした。 「おーら……よっと」 「ゆぐぼぉぉぉぉぉっ!?」 「お、おきゃーしゃぁぁぁぁぁんっ!」 「ゆんやぁぁぁぁっ!どぼじてごんなひどいごとずるのじぇぇぇぇぇぇっ!?」 「い、いだいぃぃぃぃっ!おぼにほっぺたざんがいだいぃぃぃぃっ!………ゆぐぅ!?」 俺は痛みにのた打ち回っている野良れいむの頭に足を乗せた。 そのまま体重をこめて踏み潰そうと体重をかける。 「おい糞れいむ。これからお前を踏み潰すわけだけど何か言い残すことはあるか?」 「ぐ、ぐぞにんげんの……ぶんざいで…い、いいきにならな……ゆぎぃぃぃぃっ!?」 「言い残すことがないならこのまま潰すから。じゃあな…」 「おきゃーしゃんにひどいこちょしゅるな!このくしょじじいぃぃぃぃっ!」 「さいきょうっのまりちゃがせいさいっ!しゅるのじぇ!いたいのじぇ?いたいのじぇぇぇぇっ!? やめちぇほしかっちゃら、しゃっしゃとおきゃあしゃんがらはなれろぉぉぉぉっ!」 徐々に右足に力を込める俺、うめき声を上げるだけでもはや抵抗もできない野良れいむ、 ぽこんぽこんと俺の左足に半泣きで体当たりをしてくるまりちゃとれいみゅ。 れいみゅにまりちゃ、必死なとこ悪いんだけどもう何をやってもダメなんだ。お前らの未来は俺次第なんだ。 俺がお前らの生殺与奪権を握っているんだ。 あとは俺がこのまま野良れいむを潰すだけ―――― 「まつんだぜ!くそにんげんっっっっ!」 その時。背後から野良まりさの甲高い大声が聞こえてきた。 俺が後ろを振り向くと、いつのまに復活して後ろに回りこんだのか なんとうちのまりさに野良まりさが木の枝を突きつけている。 「けいせいぎゃくてんっなのぜぇぇぇっ!このくそまりさをえださんでぷーすぷーすされたくなかったら、 れいむからあしをどけるんだぜぇぇぇぇっ!」 「ゆ、ゆう……(オロオロしてる)」 「ば、ばりざぁぁぁ……!」 「おとうしゃんかっきょいいのじぇぇぇぇぇっ!」 「おいくしょにんげん!あのくそまりさのいのちがおしいのでしょ?にゃらはやきゅおかあしゃんから、 しょのきちゃないあしをどけちぇね!そちたらしゅぐにちんでにぇえ!」 「うーむ……」 胴付きまりさの足元で偉そうに枝をちらつかせてもなあ…… うちのまりさが逃げようと思えば簡単に逃げられるじゃないか。人質の意味ないだろそれ だがこの事態にうちのまりさはどう対処していいのか分からないようだ。 まったく家事の物覚えは早いくせに自分でなにかを判断するというのは苦手なんだからなこいつは…… 「まりさ、その野良を両手で地面に抑えつけとけ。こっちもすぐ終わらせるから」 「……ゆん!わかったのぜ!」 「ゆっ?おかしなうごきをするんじゃ……ゆがああああっ!はなせっ!はなせぇぇぇぇっ!」 うちのまりさは素早く野良まりさの背後に回り込むと、そのまま両手で野良まりさを地面に押し付けた。 俺ほど力がないので体全体で野良まりさの上にのしかかっている。 「な、なぜなんだぜぇぇぇぇぇっ!?どぼじてごんなゆっくりしていないまりさごときが こうえんのむれでいちばんつよいばりざをおさえつけてるのぜぇぇぇっ!」 「ごめんねだぜ。でもおにーさんのめいれいっだから、かいゆっくりであるまりさはしたがわなくちゃいけないのぜ!」 「ご、ごのにんげんのいぬがぁぁぁぁっ!ごれだからふかんぜんなゆっぐりは!ゆっぐりでぎないんだぜぇぇぇぇっ!」 「ゆゆっ?どういうこと?」 「どうもごうもあるがぁぁぁぁっ!けっかんひんのゆっくりはさっさとまりさのうえからどげぇぇぇぇっ!」 「不完全?欠陥品……?何が言いたいんだあいつ」 「ば、ばりざのいうどおりだよ……れいぶだちはあんあくぞまりざとはちがうんだよ……っ! きゅうきょくっのかんぜんせいぶつなんだがらね……!」 「はあ?なんだそりゃ?」 「ご、ごのきだないあしをどげたらおしえてやっでもいいよ……!」 「ふーん……」 なんか野良どもが面白そうな事を言い出したので俺は野良れいむから一度足をどけた。 野良れいむはしばらく泣き叫ぶ子ゆっくりどもに囲まれてゆひーゆひーと言ってたが、 急にキリッとしたムカつくドヤ顔で俺の方を向いた。 「ゆふんっ!れいむたちはね!きゅうきょくっのかんぜんっせいぶつなんだよ!」 「それはさっき聞いた」 「ゆっくりはかんぜんっせいぶつなんだよ!あのどうつきくそまりさみたいなのはゆっくりじゃないよ!」 「もっと具体的に言え」 「これだからあんこのうはこまるよ!いい?ゆっくりはゆっくりしてるんだよ!だから……」 「……」 どうにもあまりに話が進まないので野良れいむを肉体言語で痛めつけて直接聞いてみた。 苦労はしたが野良れいむの言いたい事を要約するとこういうことらしい。 究極の完全生物とはっ! ひとつ、ゆっくりしている! ふたつ、決してゆっくりできない行為をする事なくッ! みっつ、決して働くことはないッ! よっつ、あらゆる生物を奴隷とし、この世界のすべてをゆっくりプレイスとするッ! 「ぞ、ぞうだよ!ゆっくりにてやあしはひつようないんだよ!」 「でも手足があればもっと色々なことができて便利だろ?」 「ゆぷぷ!そんなのはどれいのくそにんげんにでもやらせればいいでしょ?てやあしなんてじゃまっけなだけだよ!」 「まりさのてあしはどれいなのぜぇぇぇぇっ!ゆっくりはどれいにてきかくっなしじをあたえられる すぐれたずのうさえあればそれでいいんだぜぇぇぇっ!」 「しょうだよ!それにこのれいみゅのきょくせんびさんをみちぇにぇえ!」 「ゆふんっ!みてねっこのれいむたちのうつくしいからださんをっ!おそれおおくもくそにんげんにはいりょしたっ! みろのびーなすもはだしでにげだすっ!きゅうきょくっのかんぜんっぼでーなんだよ!」 「人間に……?どこが?」 「にんげんのてでもちやすいでしょぉぉぉぉっ!どれいがれいむたちをもちはこびするのにてきしたからだなんだよぉぉ!」 「……はあ」 「あしがいらないしょうこさんなのぜ!うごくときはどれいにめいれいっしてはこばせればいいんだから あしさんなんてひつようないんだぜぇぇぇっ!」 「じゃまっけなどうがはえてちゃらこうはいかないんだじぇ!」 「どうつきはばかだにぇ!くそにんげんのようにじぶんからあっちこっちにうごいてせかせかしちぇるよ! じぇんじぇんゆっくちちてにゃいよ!」 「ゆっくりはね!ゆっくりできないげせんなしごとはぜんぶどれいをにやらせて、ゆっくりだけしていればいいんだよ!」 「そうなのぜ……!ゆっくりだけをするために、きゅうきょくしんかっしたかんぜんせいぶつっ!それが……」 「「「ゆっくりなんだよ(ぜ)っっっっ!」」」 うーん……ちょっと目から鱗かもしれない。 確かにゆっくりの身体能力は「ゆっくりする」というただひとつの目的のためだけに構成されている。 生きる為ではなく、ひたすらゆっくりする為だけに特化した生き物だというか。 そう神によって丹念に設計された生き抜く為の肉体の一切は「ゆっくりできない」と断ぜられ、淘汰され、 ひたすら無駄な部分を削ぎ落としていった。 手足、筋肉、爪や牙……生存競争に打ち勝つ為に必要な機能を削いで削いで…… 最後に残された饅頭のごときボディはまさに……ダイヤモンド! 「なるほどねえ……確かにゆっくりするという目的だけで考えたらお前らは究極の完全生物なのかもしれないなあ」 「ゆんっ!ようやくみのほどをしったんだぜ!だったらくそにんげんはさっさとばりざたちをゆっくりさせるんだぜ!」 「あのどうつきくそまりさは、れいぶのすっきりーどれいにしてあげるという、えいよをさずけてあげるよ!」 「わかっちゃら、まりちゃしゃまにしゃっしゃとあみゃあみゃをもっちぇきょい!」 「そちたらちね!れーみゅのめいれいっだよ!いもうちょをころしたばつだよ!くるしんでちんで……ゆぴぃ!?」 れいみゅはそのセリフを最後まで言うことはできなかった。 何故なら俺が軽く蹴飛ばしたから。 ま、あくまでかる~くだからまあ死ぬほど痛いが死にはしないだろう。 「ゆぴぃぃぃっ!くそどれいきゃわいいがれいみゅをげっだぁぁぁぁっ!どれいのぐぜにぃぃぃっ! どれいがはんこうっじだよぉぉぉっ!」」 「れいぶのがわいいおちびじゃんになんでごとずるんだぁぁぁっ!ごのどれいがぁぁぁぁっっ!ゆっぐじじねぇぇぇぇっ!」 「無理だな」 「じね!じね!じ……ゆげべぇぇぇぇっ!?」 俺は逆上して襲いかかってきた野良れいむを真上から再び踏みつける。 野良れいむは俺の右足の下で再び動けなくなった。 まだじたばたともみあげを動かしているが当然のことながらまったく逃れられない。 「ゆがぁぁぁっ!ごのきだないあじをどげろこのぐぞどれ……い、いだいいだいいだいっ!」 「おきゃあしゃん、どぼじてぐぞどれいにまけちゃうんだじぇぇぇぇぇっ!?」 「れいみゅはとっちゃもきゃわいくちぇ、ゆっくちちてるにょにぃぃぃぃっ!」 「そりゃお前らが究極で完全生物だからさ。だからお前らは人間には絶対に勝てない」 「は、はああああああっ!?」 「しょんなわけないでしょぉぉぉぉぉっ!?」 「ゆっくちちているゆっくちはむてきっなんりゃよぉぉぉぉぉっ!」 「おいおいさっき自分で言ったことをもう忘れたのか?ゆっくりはゆっくりする為に究極進化した完全生物なんだろ? ゆっくりするしか能がないんだから戦う力がなくて当然だ。ゆっくりは戦うのに必要な手足も爪や牙もないじゃないか 戦いなんて奴隷にやらせりゃいいんだってな。なら弱くて当然だろ?」 「ゆ、ゆぐっ……!?」 「で、もう一つ間違い。この世の生きとし生ける者はお前らゆっくりの奴隷じゃないから」 「はあああああっ?なにいっちぇるのこいつぅぅぅぅぅっ!?ゆっくりいがいのいきもにょはみんなみんな まりちゃのどれいでちょぉぉぉぉぉっ!?」 「人間が奴隷ならお前らにこうして危害を加えるわけないでしょ?バカなの?死ぬの?」 「くそじじいがいじわるなだけだじぇぇぇぇっ!まりちゃにかしづくどれいっはいっぱいいるんだじぇぇぇぇっ!」 「ならその奴隷をここに連れて来いよ。まあ嘘だから無理だろうけどね。嘘つきまりちゃはゆっくちちんでにぇえ~」 「うそじゃないぃぃぃぃっ!まりちゃがめいれいっすればっ!くそにんげんはたちまちどりぇいになりゅんだぁぁぁっ!」 そう言い捨てると、まりちゃは当然俺に背を向けていずこかへと跳ねだした。 どこへ行く気だ?自分だけ逃げようというのか……と思ったがご丁寧にもまりちゃが自分から説明してくれた。 「おとうしゃん!おきゃあさん!れいみゅ!みんにゃまっちぇるんだじぇ!まりちゃがいますぐほかのくそにんげんを どれいにちてつれてくりゅんだじぇ!そちたらどれいどうしでたたかわせて、そのすきにみんなをたすけるんだじぇ! そちたら、かぞくをきゅうしゅつっしたまりちゃはえいゆんっなのじぇ!ゆっくちー!」 なんともまあ分かりやすい……しかしそんなまりちゃを残された家族は期待に満ちた目で見ていやがる。 親ともども本気で人間を奴隷にできると考えているあたり、 野良ゆっくりというのはもはや救いがたい種族なのかもしれないな。 「ゆ、ゆふふ……あ、あやばるならいまのうちだよ……おちびちゃんがどれいをひきつれてかえってぎたら、 おばえなんか……ゆぶうううううっ!ちゅ、ちゅぶれりゅぅぅぅぅうっ!」 「ゆあああああっ!れいぶゆっくじ!ゆっくじずるんだぜぇぇぇぇっ!」 「ほー。じゃあ賭けてみようか?あのまりちゃが奴隷を得てここに戻ってくるかどうか」 「ぞ、ぞんなのがげるまでもないよ……!」 「まあそうだろうな。結果は目に見えてるし」 「ぞうだよ……!さいしょかられいぶだちのかちにきまっで…」 「いいから黙れ。そして静かにして耳をすませてみ?」 「ゆ……?」 「おいっ!そこのくそにんげんっ!まりちゃのどりぇいになるのじぇ!しゅぐでいいのじぇ! ……ゆんやぁぁぁっ!どぼじてまりちゃをむししゅるんだじぇぇぇぇっ!? まりちゃのどりぇいになれっちぇいっちぇるでしょぉぉぉっ!むしするくそにんげんはせいさいっしゅ……ゆべえ! い、いだいぃぃぃぃっ!どぼじでまりちゃがこんにゃめにあうのじぇぇぇぇっ!? りふじんりゃよ!まりちゃはただゆっくちちて……ゆぴぃっ!?」 俺の家の玄関先で騒いでいたと思われるまりちゃの声が途絶えた。 そして目の前の道路を走り去っていく軽トラックを見るに……轢かれたな。 俺は野良れいむとまりさの方へゆっくりと振り向く。 どちらも先ほどまで聞こえていたまりちゃのセリフで大体の事情は察したのか顔面蒼白だ。 「あーあ、まりちゃ……あんなに叫んでいたのに。結局奴隷になってくれる人間はひとりもいなかったねえ?」 「……」 「それどころか邪魔だとばかりに蹴飛ばされたようだぞ?」 「……」 「で、トドメとばかりに軽トラに轢かれたようだが……念のため確認にいってみる?ぺしゃんこになった まりちゃの死体くらいならまだ地面に残っているかもよ?」 「……ゆ……ゆああああ………」 「お、おちびちゃ……れいぶの…おちびちゃ……」 「これで分かったろ?お前らは自分達をゆっくりする為だけに存在している完全生物だと言ったがな。 だけどお前らの『ゆっくり』は他生物の無償の奉仕を当てにしている、単なる他力本願じゃねえか。 そして自ら喜んでゆっくりの奴隷になる生き物なんかこの世に存在しない。奴隷なんてのはお前らのただの妄想だ。 実力で他者を奴隷にもできず、共存もできず、自分の力で思う存分ゆっくりする事もできない中途半端な生き物。 それがお前らだってことだよ。ゆっくりしないで即座に理解してね」 「ち、ちが……ちがうぅぅぅぅっ!ゆっくりはっ!ゆっぐりはぁぁぁぁっ!」 「不完全で欠陥品はお前らの方だったってこったな」 「ぞんな!ぞんなごと…」 「お前らが常日頃から言っている勝手に生えるだの、言ったもん勝ちのおうち宣言だのと同じさ。 自分にとって都合のいい現実しか受け入れない。たとえそれが嘘でもゆっくりさえできれば 事実として受け入れるんだからな。まったく野良ゆっくりというのは面の皮が厚いというか……」 「うそだったにょ……?れいみゅたちはこのしぇかいのおうしゃまで、ゆっくりいがいのいきもにょは ぜんぶどれいだっちぇ、おとうしゃんれいみゅにいっちぇたにょに……」 「嘘だよ。というかむしろ世界中の生き物がゆっくりを嫌っているよ。傲慢で強欲で自己中極まりない害獣だっってね!」 「う、うそりゃよ……せかいじゅうのみんにゃがきゃわいいれいみゅをあいちてりゅんだよ……? れいみゅはしゅくふくっしゃれてこのよにうまれおちた、てんししゃんなんりゃよ……?」 「だから言っただろ?そんなのはただの妄想だってば。お前が生まれるときに祝福したのはせいぜいお前の親と姉妹だけさ 世界はれいみゅのことなんて関心ないし、知らないし、どうでもいい、むしろ迷惑だから死ねと思ってるよ!」 「し、しょんにゃ……ゆっ!……ゆぶっ!ゆぶぶぶぅぅっ!ゆぶぶぶぶぶぶぅぅぅぅっ!」 「お、おちびぃぃぃぃっ!?あんござんはいちゃだめなんだぜぇぇぇぇっ!」 「どぼじてあんござんはいちゃうのぉぉぉっ!?ゆっくりでぎなくなっじゃうでしょぉぉぉぉっ!?」 身動きできない親どもの必死の呼びかけにもかかわらず、れいみゅは餡子を吐くのをやめない。 それほどまでに自分が世界中から好かれていると本気で思い込んでいたのかね? ちょっと考えればすぐわかるだろうに…… ただでさえ野良というだけで嫌われているれいみゅが誰からも好かれるはずがないと。 「も……もっちょ……ゆっくじ……じたが……」 「おちびじゃぁぁぁぁんっ!」 「ゆあああああああっ!どぼじてぇぇぇ!どぼじでごんなごとにぃぃぃぃぃっ!?」 こうして俺の庭に侵入した子ゆっくりは全員死んだ。 俺に踏み潰され、車に轢かれ、自分の存在を全否定されて致死量の餡子を吐き出して。 さて残るはこの抑えつけている親どもだけだが、こいつらはどうするかな…… 潰すか。それとも痛めつけて逃がすか。少し悩んでいるとうちのまりさが俺に話しかけてきた。 「おにーさん、おにーさん、ちょっといいかぜ?」 「ん?なんだいまりさ」 「もうせいさいっはじゅうぶんだとおもうのぜ……おちびちゃんをぜんゆんうしなってさすがにかわいそうなのぜ。 こののらたちをもうゆるしてやってほしいのぜ……」 「ん……まりさがそう言うのなら」 「ゆゆっ?ばりさたちをゆるしてくれるのぜ!ならさっさとばりさをかいほうっするんだぜ!」 「でいぶはおちびちゃんをみんなうしなっでがわいぞうなんだぞぉぉぉっ! ぐぞにんげんにしゃざいとばいしょうっをようきゅうっするよぉぉぉぉっ! あばあばもっでごいっ!ゆっぐりぷれいすをよごぜっ!でいぶのどれいになってあにゃるをなめろぉぉぉぉっっ!」 「黙れカス」 バキッゴキッグシャッ 「ず、ずびばぜん……ばりざちょうしこいでまじだ……」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 「……よし決めた。お前らをゆっくりさせてやる」 「ゆっ!?」 「ほ、ほんどうに……ゆっぐじ……?」 「ああさせてやるともさ。究極の完全生物に相応しいゆっくりを、な」 きっとこの時……俺は悪魔の如き底意地の悪い顔をしていたに違いない。 「ゆんゆ~ん♪おはなさんきれいにそだつのぜ~~♪」 それから一週間後。うちのまりさはいつもの如く花壇に水をやっている。 俺はそんなまりさを見ながらよく飽きないなあ……と苦笑しつつというと生ゴミを持って庭の片隅に向かった。 そこには新しく設置したコンポストがあるのだ。 フタを取ると、とたんに中からやかましい鳴き声が聞こえてくる。 「お、おにいざんっ!ばりざをごごがらだしでくだざいっ!こんぽすとざんはゆっぐりでぎまぜん!」 「でいぶはなまごみさんをたべるのはもういやなんでず!おねがいでずがらゆっぐじざぜでくだざいっ!」 そこにはあの時の野良まりさと野良れいむがいた。 底部を焼いて生殖機能を奪って身動きがとれなくし、 舌も少し切り取ってお食べなさいを正しく発音させないようにし、 カビと非ゆっくり病防止の薬を与えてこのコンポストに放り込んだのだ。 「はっはっはっ。嘘なんてつかなくてもいいよ。今とてもゆっくりできてるくせに謙遜はよくないな」 「ち、ちがいばず!ほんとうにゆっぐりでぎないんです!ごごはくさいくさいで、ごなまごみさんもげろまずー!で ぜんぜんゆっくじでぎまぜん!」 「なに言ってるの?奴隷の人間にごはんを運ばせて、働かせて、自分は一日中なにもしないで…… それがお前らの言う『ゆっくり』なんだろ?まさに究極の進化をした完全生物のあるべき姿だよね!」 「ごべんなざいっ!なまいぎいっでごべんなざいっっ!でいぶもうここにいたぐないんです! ごんなおひさまもない、くらいくらいなゆっくりぷれいすにはもういだぐないんでずぅぅぅぅっ!」 「またまたー。ほーらお待ちかねの今日のごはんだよーっと」 そう言うと俺は大量の生ゴミをドサドサとコンポストに放り込んだ。 野良まりさとれいむは頭の上から降ってきた生ゴミに心底嫌そうな顔をして逃れようとする。 まあ足焼きしてるから逃げられないけどねえ。 「ゆんやああああっ!くさっ!これめっちゃくさっ!いやじゃ!なまごみざんはもういやじゃぁぁぁぁっ!」 「どぼじでぇぇぇっ!?どぼじででいぶがごんなめにあわなぐっちゃいげないのぉぉぉぉっ!?」 「それ全部食っとけよ。じゃあな完全生物さん♪」 「あ、ああ―――!いがないで!いがないでおにいざぁぁぁぁんっ!」 「ゆっぐじじだいっ!でいぶゆっぐじじだがっだだげなのにぃぃぃっ!あああああっどぼじでごんなぁぁぁぁっ!?」 ー野良まりさと野良れいむはー 2度とコンポストの外へは出られなかった…… 生ゴミ処理係としてお兄さんに永遠に飼われ続けるのだ。 そしてゆっくりしたいと思ってもゆっくりできないので…… ーそのうち野良まりさと野良れいむは考えるのをやめた
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最近、世間はゆっくり達の扱いについて煩くなっている。 虐待や捨て野良などの心無い飼い主の行動。 だが、それを縛る法律は無い。 ゆっくりは生き物として扱われていないのだから。 中には声を高らかに叫ぶ者がいる。 ゆっくりは人語を喋る賢い生物だと。 一般人が言うならば問題ない。 しかし、それなりの権力が持つ者が言い始めると厄介だ。 保護団体活動を始めて同士の輪を広げる。 ゆっくり保護団体。 ゆっくりんピース。 呼び名は様々だ。 保護。 虐待抑制目的。 恵まれないゆっくりに対する募金活動 俺はそんな活動に関心は無い。 当然、運営に対しての文句なども言わない。 遠い地域で行われている活動に興味を示すことはなかった。 だが、近所に支部が出来た。 自宅の裏側に立つテナントに事務所を構えた。 それでも保護活動に対する関心は何一つ湧かなかった。 それから数日後。 事務所が宴会のように騒がしくなる。 壁を伝って大声が絶え間なく聞こえてきた。 平日ならさほど問題無い。 しかし、休日ならば話は別だ。 段々ストレスが溜まっていく。 俺は事務所に抗議をした。 もう少し穏やかに活動をしてくれと。 テナント内部に居たのは成金風の婦人達。 気の無い返事で軽くあしらわれて追い出された。 警察にも足を運んで相談窓口で騒音問題を伝える。 しかし、それも徒労に終わってしまう。 事件性が皆無ならば動くのは難しいと言う説明。 面倒事に関わりあいたくないとの魂胆が見え見えだ。 もう、この一件には関わらないように勤める。 俺が我慢すれば何も問題ないのだから。 「んっほおぉおおっ゛!? まりさのまむまむきつきつねぇええぇっ゛!!」 「いんやぁぁああっ゛!? ずっぎりじだぐないよぉおおっ゛!!」 俺の庭に住み着いた野良ありす。 それと、先程来たどっかの野良まりさ。 庭の端で塀をカリカリ引っ掻きながら脱走を試みているのは野良れいむ。 このれいむは、ありすに襲われている野良まりさのパートナーだ。 「「すっきりーっ!」」 ありすとまりさが良い顔をしてすっきり完了。 まりさの額から緑色の茎が伸びていく。 たわわに実る赤ゆの顔ぶれ。 殆どがありす似の可愛いおチビちゃんだった。 赤ゆは強姦した種を優先する傾向があるらしい。 これらも立派なれいぱーになってくれるだろう。 「まだまだいくわよおおぉおっ゛!? んっほおぉおっ゛!!」 「いやぁあぁあぁっ゛!? ぼうあがぢゃんうびだぐないぃいぃいいっ゛!!」 いや、無理かもしれない。 まりさの頭から次から次に生えてくる緑色の茎。 にょきにょきと伸びた後、茎先の実ゆが黒ずんでいく。 涙の粒を地面に落としながら全身を炭色に変える小さな実ゆ。 力なく茎から毀れ落ちて土の上にその身を投げた。 「「まりさはとかいはだわぁああぁっ! んっふぅうっ゛! べろべろぉおんっ゛!!」」 「んぶぶぶっ゛!? ぎもじわるいよぉおおぉっ゛!!」 何時の間にか野良まりさを囲む数体のありす。 長い舌をまりさに絡めながらすっきり行為を強要する。 べろべろ、にゅちょにゅちょ。 すぱんすぱーんっ! お子様にはとても見せられない光景だ。 「…もっぢょ…ゆっぐ…うげぇえっ゛」 「「すっきり! すっきり! すっきりーっ!!」」 多産したまりさは死んでしまった。 周囲には黒ずんだ実ゆのなれの果てが散らばる。 野良ありすの集団は舌を伸ばして、黒い塊をぱくぱくと食らった。 まりさの体もぺろりと平らげたありすたち。 その大勢の目がれいむに向けられる。 塀にへばりついていた野良れいむは、更に平たくなって壁に張り付く。 必死の回避行動。 涙を流すれいむのまむまむに、無常にもありすのぺにぺにが差し込まれた。 その後は予想通りの大乱交。 ひとつの固体に、我も我もと群がっていくありす達。 れいむは強制的にすっきりをさせられて、死んだ。 「とかいはなれいむだったわっ!」 「でも、しょうじき、しまりがたりないわねっ!」 「まりさのほうがきつきつだったわっ!」 それぞれ感想を言い合う多数のれいぱー。 「…ゆっくち…うみゃれるよっ! きゃわいいれいみゅがうみゃれるよっ!?」 死んだ野良れいむの頭に生い茂っていた茎から声が聞こえた。 全滅状態に近い地獄の中で奇跡的に実った唯一の希望。 小ぶりの赤れいむは、ぷるぷると体を小刻みに動かす。 そして、頭に茎の一部を付けながら生れ落ちた。 落下点は死んだ親れいむ。 残骸の上から地面に向かって転がる赤れいむ。 目を瞑り楽しそうな声を上げている。 赤れいむは、" この可愛い姿にメロメロだ " と、思っているに違いない。 回転がぴたりと停止した赤れいむは元気よく叫んだ。 「ゆっくちしていってにぇっ!」 最高の挨拶。 これは赤ゆが行う最初のお仕事。 挨拶が満足に出来ない赤ちゃんは親から見離されてしまう。 ここで全てのゆん生が決まるのかもしれない大事な儀式。 だが、それは親が健在と言う前提でのお話。 目の前に居るのは野良ありす。 全てを性的な眼差しで見ることが出来るケダモノの群れ。 「れぇいみゅはちょかいはねっ!」 ケダモノの群れから小さなありすが顔を出す。 それはあっという間に距離を詰めて赤れいむの側へと接近する。 赤れいむは友好のすりすり行動をし始める。 「ありちゅはちょてもゆっくちできりゅねっ! れぇいむとおちょもだちになってにぇっ!? ちゅーりちゅーりっ!!」 「ゆ~んっ! ちゅーりっちゅーりっ!!」 しかし、赤ありすのすりすりは、かなり情熱的だった。 頬を紅く染める赤ありす。 対照的に赤れいむの全身は青く染まっていく。 ゆっくり出来ない何かを感じているのだろう。 「にゃんだか、きもちよきゅにゃってきたよっ!?」 「ゆ! ゆ! ゆっ!? はにゃれてにぇ!? ゆっくりできにゃいよっ!?」 「ちぇっくちゅ! ちぇっくちゅ!」 「やめちぇにぇっ! ありちゅは、れぇいみゅからはにゃれてにぇ!?」 「すっきりーっ!」 「いやぁああぁあぁっ゛!? ゆぎぃいいぃいっ゛!」 赤れいむの体が黒く染まっていく。 緑色の茎は瞬時に炭化してボロボロと崩れ落ちる。 何かをやりとげた赤ありすは堂々と胸を張っていた。 「おちびちゃんはとかいはねっ!」 「すばらしいすっきりだったわっ!」 「とってもゆっくりできるよっ!」 親ありす達は赤ちゃんを大絶賛。 褒められて照れた赤ありすの腹が鳴る。 赤ありすはすっきり死させた赤ゆを空きっ腹に収めていく。 親達もれいむの残骸を処理し始める。 庭に投棄していたダンボールの中に入り眠りにつくありすの集団。 その顔はとても幸せそうだった。 「…ゆ? ここからはいれそうだよ」 「まりさはすごいねっ! ほれなおしちゃうよっ!!」 がさがさと物音をさせながら庭に侵入してくるゆっくり達。 その顔は良い所見つけたと言わんばかりの最高の笑顔。 「「ここをゆっくりぷれいすにするよっ!」」 早々に宣言を済ませた進入者。 浮かれきったまりさ達はありすの集団に気づいてはいないようだ。 「「「…とかいはなまりさだわあぁああっ!? んっほおぉおぉっ゛!!」 突撃してくるありすの…、 いや、れいぱーの集団。 大好物のまりさに目標を定めて折り重なるように圧し掛かる。 野良れいむの人気は今ひとつのようだ。 「ゆっんびゅぅうぅっ゛!? ごごはまりざだじのゆっくぢぷれ…」 「「「んっほおぉおおぉっ゛!」」」 「ででいっで…。うわぁああっ゛!? れいぶだずげでぇええぇえっ゛!!」 れいぱーに理屈は通じない。 お家宣言? それってすっきり出来るの? ありす達はそう思っている。 「だずげでぇえええっ゛!? れいばーはゆっぐぢでぎないぃいぃっ゛!!」 「まりさったら、つんでれねっ!?」 「いやよいやよもすきのうちっ!」 「たっぷり、とかいはなあいをかんじさせてあげるわっ!」 泣き喚くまりさに群がるれいぱー達。 助けを求められた野良れいむは、前回同様に塀を穿っているだけ。 なぜならば、脱出する経路が見つからないのだ。 入っていた通路が消えている。 ここは一体何なのだろうと思っているに違いない。 塀の一部に置かれた廃材の一部。 それは外界との一方通行を生み出していた。 道路側から入るときは問題なく進入できる。 しかし、庭から外に出る時は、穴より大きな返しが引っかかって開かないのだ。 偶然が起こした産物。 そう、これは庭に積み上げた廃材が作り出した偶然の産物なのだ。 最初に進入してきたありすは我がもの顔で庭を闊歩し始める。 荒れていく庭に業を煮やした俺は警察へと被害届を出す。 しかし、全く相手にして貰えなかった。 ゆっくりに関しては法的に動けないとの説明を受ける。 俺は肩を落としながら帰宅したのだ。 ありす達に占拠された庭。 食われていく家庭菜園。 さすがに目に余る光景だ。 何か対策をしなければならない。 でも、俺はあんなナマモノは触りたく無い。 ぬめぬめ光っていて、病気でもうつされたらたまらない。 泣き喚く野良れいむに腰を振りながら犯すれいぱーを横目に見ながらそう思っていた。 仕方なく、知り合いのブリーダーへと駆除依頼。 返ってきたのは絶望を味あわせる言葉だった。 最近忙しいからとても遅くなるらしい。 俺はうな垂れながら了承を伝えた。 高級そうな車が歩道に横付けされた。 「さあ、着きました」 「降りましょうね。怪我しないでね?」 「うふふ」 「おほほ」 「ゆっくりしますわっ」 「かっぱっぱ」 「れいむはゆるさなえっ」 「ぷりんだどぅ」 車から降りてきたのは婦人達。 高そうな衣装を身に纏っている。 その側を連れ添っているのは希少種ばかり。 見栄と対抗心が滲み出る。 お高く希少なゆっくり達。 今日も事務所で長いお喋りが始まるのだろう。 婦人達が建物に入る際、遠くでクラクションの音が響いた。 「「「…何?」」」 婦人達は声を揃えて目を向けると道端には一台の車両。 その車に向かって慌しく走る女性の姿。 止めた位置を知らせる目的で鳴らしたらしい。 良くある光景。 婦人達はそれに気を取られてしまった。 極めて短い時間。 しかし、それが致命的なミスを招く。 「「「んっほおおぉおおぉおぉっ゛!?」」」 「「「うわぁああぁぁああっ゛! れいぱーだぁあぁあああっ゛!?」 何と言う偶然なのだろう。 気を取られた婦人の足の間を潜り抜けたれいぱー達。 その一団は分散して希少種へと襲い掛かる。 「んゅほおぉおっ!? とっておじょうひんなまむまむねぇえっ゛!」 「やめてくださいっ!?」 「ぬめぬめして、とってもきもちいぃいわぁああっ!?」 「ぽろろっかーっ!?」 「れいむなんてめじゃないわっ!? とってもとかいはねぇえええっ゛!!」 「れいぱーもゆるさなえっ!?」 ぬちゃぬちゃ。 れいぱー達は思いのままに腰を振る。 「「「ちぇっくちゅ! ちぇっくちゅ! ちゅっきりーっ!」」」 「うばぁあぁんっ゛! ざぐやぁあぁああっ゛!?」 れいぱー集団に突き飛ばされて地面に転がった一体の胴付き。 怖い物知らずの赤ありすの団体は、捕食者とされているゆっくりに群がっていた。 「「「すっきりーっ!」」」 「「「ずっぎりーっ゛!?」」」 何時もとは違う快感を味わったれいぱー達。 あっという間に果てて強引なすっきりを終えた。 頭に生えてくる茎にはありす似の赤ちゃんが連なっていた。 基本、まむまむすっきりでも望まない妊娠ならば植物型が優先される。 しかし、ゆっくり達の精神力が低下すれば不幸な事故を起こす可能性が高まるだろう。 既に一体のお腹が望まない妊娠で膨らみつつある。 「「「きゃぁあぁあぁっ゛!? 私の可愛いゆっくりがぁああぁあっ゛!!」」」 婦人達は甲高い悲鳴を上げる。 顔は有名な絵画みたいな表情をしていた。 涙も半端無い。 「「「ありすにの、かわいいあかちゃんつくってあげたよっ! ゆっくりかんしゃしてねっ! かんしゃしたなら、とかいはなおかしをもってきてねっ!?」」」 満面の笑顔で声を揃えて叫ぶれいぱーの集団。 その側にはすんすん泣く希少種達のぽっこりお腹。 豊富な栄養と強い生命力ですっきり死までには至らなかったようだ。 「「「ちょかいはなありちゅがちゅっきりーっ!」」」 胴付きが泣き喚いたとき、婦人達は行動を起こす。 しかし、何もかもが遅かった。 歩道で繰り広げられている凄惨な光景。 頭にカチューシャをしたゆっくりが悲鳴をあげている。 それに慈悲を微塵もかけずに捻り潰していく鬼の形相をした婦人達。 「いだぁあぁああぃっ゛!? どぼじでごんなごどずるのおおぉっ゛!」 「どがいはじゃないわぁああぁあっ゛!?」 みちみちと体を軋ませながら裂けていく一体のありす。 乳白色をした内容物が道路に散らばっていく。 「ゆんぎいぃいぃっ゛!? あじずじんじゃうよおぉおぉぅ゛!!」 「やめてあげてねっ!? いたがって…ぶぎゅうぅうぅうっ゛!!」 ピンヒールで踏まれた。 ありすのおでこに穴が開く。 そのまま、ぐしゃりと踏み潰された。 「…ゆぎゅっ…えれえれ…ぶぎゅっ!? ゆっ! ゆげぇえぇっ゛!?」 何度も何度も潰される。 ゆっくりなどはさせない。 死の恐怖を与えると言うよりは、完全に殺しにかかってる。 「「「いじゃいよぉおぉおっ゛!? ゆぅわぁああぁああんっ゛!」」」 赤ありすも満遍なく始末されていく。 あるものは握り潰され、蹴られて壁にぶつかり汚い花を咲かせた。 「どがいはなあがぢゃんがぁああぁっ゛!?」 「あじずは、どがいばなずっぎりをじであげただげなのにぃいいぃっ゛!? ずっぎりをざぜでぐれない、にんげ……ぶぼぉおぉおおっ゛!?」 悲痛な叫び。 誰も耳を貸さない。 胴体を引き裂き、中身を穿り、地面へとばら撒いていた。 歯を食いしばりながら涙を流すれいぱーありす。 希少種の側で、力なく呟いて地面に落ちた虫の息だった小さな実ありす。 婦人達はれいぱーが作り出した赤ちゃんを足の裏で磨り潰していく。 ある婦人は緑色の茎を素手で引っこ抜き、実った物体を片手で圧殺する。 実ゆ達は、ゆぎゆぎと呟きながら涙を大量に流して生まれる前に死んでいった。 しかし、それでも腹の虫が収まらない婦人達。 虫の息だったれいぱーを何度も何度も踏み潰す。 半狂乱になりながら希少種のお腹に手を突っ込んでいる婦人もいた。 引きずり出したれいぱーの赤ちゃんを地面に叩きつけて踏み潰す。 ずりずりと地面を這って逃げようとしているありす。 恐怖でれいぱー状態から脱したありすを踏み潰す。 婦人達は怒り収まらぬその気持ちをれいぱーにぶつけていた。 まだまだ続く地獄の一丁目。 サバトが行われている現在位置。 そこは、保護団体支部の事務所前。 " ゆっくりを保護しよう! " 窓にはモデルが笑いながら銘打ったポスターが貼られている。 その前で繰り広げられている正反対の行動。 道行く人は携帯を開いた。 たまたま目撃した最高のネタに飛びつく多数の通行人。 シャッター音が周囲に鳴り響く。 しかし、怒りで沸騰していた婦人達は虐殺を辞める事は無い。 それを見て満足そうな顔をした車両の主がその場から立ち去る。 この惨事は後に話題を攫う。 最高の煽りと最低の見出しは一目を引いて、あらゆる情報機関で波紋を呼んだ。 俺は携帯を閉じる。 駆除依頼の撤回を伝えたのだ。 庭を見てみるとれいぱー達の姿はどこにも無い。 塀の廃材が崩れて大きな穴が外界と繋がっている。 そこから道路に出て行ったのだろう。 駆除される危険を感じて逃げ出したのかもしれない。 偶然と言う物はあるものだ。 無駄な出費が抑えられた事に感謝しなければ。 先程、家の裏で悲鳴が聞こえた。 甲高く響いたその金切り声は俺の耳にも伝わってきた。 何か事件があったのかもしれないな。 でも、その事件がゆっくり関連ならば警察は動かない。 ゆっくりは妊娠しやすい。 外出にはそれなりの覚悟がいるのだ。 飼いゆ達が野良ゆっくりに襲われて孕まされても苦情は通らない。 むしろ、飼い主達の管理不足が問われる。 その場合はお気の毒と言うしかあるまい。 ……まさか、庭に不法滞在していたありすが主犯とか? いやいや。 そんなハズはないだろう。 たまたま、ここに居て逃げ出したれいぱー達が希少種を襲う。 そんな奇跡的な偶然などありえないのだから。 ・ありすをミサイルにするお話 何故か支部の婦人様は金持ち集団 偶然ならば仕方がない ・やっぱりお金持ちには希少種が良く似合う さなえ可愛いです ・一部他作者様の設定をお借りしています ゆるさなえとかちぇっくちゅとかまりさネチョとか 事後承諾になりますがお許しください 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 752 おらべならい ふたば系ゆっくりいじめ 742 お呼び出し ふたば系ゆっくりいじめ 718 完全予約制 ふたば系ゆっくりいじめ 710 基本種 ふんどしれいむの復讐 ふたば系ゆっくりいじめ 683 あんらっき~を乗り越えて ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難 ふたば系ゆっくりいじめ 638 ばうんてぃはんたー ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、6点
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※無断クロスごべんなさい ※レイパーおよびHENTAI注意 ※もうどうにでもな~れ~ 世の中には異能者と呼ばれる連中が少なからず存在する。 異能ってのは夜空を見れば時間が分かるとか、世界と世界を隔てる結界が見えるとか・・・まあ、大体そんな感じだ。 要するに、ほかの連中には真似のできない不思議な行動や技能、特殊な感覚を指す言葉だ。 「へぇ、今回のターゲットはこのお嬢さんかい?」 今、黒いスーツに身を包んで写真片手にタバコを吸っている俺もそんな異能者の一人で、裏の世界の住人でもある。 生業はもちろんアウトローな仕事で、同業者の間では“攫い屋”なんて呼ばれていたりする。 そして、今、手にしている写真に写っているのは言うまでも無く今回の仕事のターゲットである。見たところ、ごくごく平凡な少女。 クセのあるふわふわとした金髪、ツヤとハリのある瑞々しい白い肌、丸顔で目が大きく、やや幼く見える。 が、セーラー服を着ていることを考えると、少なくとも12歳以上だろう。 「そうだ。いつも通りその娘の家の住所は写真の裏に書いている」 「まったく・・・こんな可愛らしいお嬢さんを攫ってどうするつもりなんだか・・・」 「言っておくが・・・」 「分かってるよ。長生きしたかったら余計な詮索はするな、だろ?」 椅子に腰掛けている仲介業者の男に背中を向けると、手をひらひらと振りながらその場を後にした。 さて、冒頭でも話した事だが、俺は異能者である。 そして俺の異能というのは便利なのか不便なのかわからないようでやっぱり便利な能力だ。 その能力というのは・・・・・・ 「おにーさん、れいむになんでもめいれいしてね!」 「まりさもおにーさんのいうことをゆっくりきくよ!」 「「おにーさんのいうことをきくととってもゆっくりできるよ!」」 そう、「言うことを聞いたゆっくりをゆっくりした気持ちにさせる程度」の能力・・・それが俺に与えられた異能だった。 もっとも、細かな指示だとその都度出し直さないといけないので、一緒に動く必要性が生じてしまうのだが。 かと言って、大雑把な指示だとその過程をゆっくりの思考によって成し遂げねばならず、これはこれで使い道がない。 「さてと・・・まずは、お嬢さんのおうちを拝見・・・っと」 早朝、俺は適当に見晴らしがよく、なおかつ人目につかない場所を陣取って、ターゲットの様子を観察していた。 あのお嬢さんはなかなかに良い住まいで暮らしているらしい。 大きな蔵に大きな家、決して狭くない庭と見てると妬ましくなってくるような環境である。 そして、蔵から出てきたドスまりさが庭をのっそのっそと歩いて、家のほうへと跳ねていった。 「・・・・・・はぁ?!」 そこにいたのは普通のゆっくりではなく、ゆっくりの王様、ドスまりさだった。 普通の家では到底飼えない巨大なソレがばいんばいんと、人家の庭で跳躍している。 そして、家の前に着いたところでドアを舌でノックし、例のお嬢さんに出迎えられて家の中へと入っていった。 「どういうことだ、これ?」 俺は予想外の展開にしばし呆然とするしかなかった。 先にも述べたように俺の能力は弱い。だからこそ、有効に活用できる条件を整えるか、条件を満たす者を対象にする必要がある。 で、その条件というのは、対象がゆっくりの言うことを無条件で聞く状態であり、即ちゆっくりを飼っているものということである。 もちろん、しつけの厳しい飼い主や虐待趣味の持ち主には上手く行かないことも多いが、まあ、大体は何とかなる。 「だからってドスまりさはないだろ・・・」 やれやれ、今回はハードな仕事になりそうだ。 視察を終えてあらかじめ借りておいたアパートに帰った俺は、シャワーを浴びてさっぱりすると全裸のまま朝食の支度をする。 その後、食卓の上に朝ごはんを並べて、やっぱり服を着ずに裸のまま椅子に腰掛け、テレビを点ける。 この椅子はどんな仕事の時にでも携帯している特製の椅子で座った時にちょうど股間が来る辺りにゆっくりを置くことができるようになっている。 そして、この椅子と一緒に、俺は常に2匹のよく躾けられたゆっくりを連れて歩いている。 何故、股間の位置にゆっくりをセットできるか・・・察しの良い奴ならもう気付いたんじゃないだろうか? 「ゆゆっ!きょうもたくさんぺ~ろぺ~ろするよ!」 「ゆ~っ!れいむだけずるいよ!つぎはまりさだからね!」 股間の位置に、それも俺のナニのほうを向いて腰を下ろしたこの格好することといえば・・・ 「ふぅ・・・コーヒーにトースト。大事なご子息はヘブン状態。これこそハードボイルドな朝だぜ・・・」 仕事の疲れを癒す朝のすっきり。そう、俺はいわゆるHENTAIお兄さんなのだ。 そして、れいむとまりさは俺の調教と異能によって官能の虜となり果てた饅頭便器。 余談だが、栄養満点の白いジャムは可愛いゆっくり達の朝ごはんになる。 「ごーくごーく、にがくておとなのあじ!」 「まりさも!まりさも!ゆっくりこうたいしてね!」 「れいむ、まりさは朝ごはんがまだだから代わってあげなさい」 「ゆっくりりかいしたよ!ゆっくりかわるね!」 そう言って、れいむが椅子から飛び降りると、今度はまりさが椅子の上に飛び乗り、れいむと同じ事をし始めた。 ちなみに、量が少なくて不公平になるので後からするゆっくりは2回分飲んで言いという決まりになっていたりする。 「ぬほおおおおおおぅ!エクスタシイイイイイイイイイ!」 まりさの予想外の舌使いの前に、思ったより早くすっきりしてしまった。 そんなまりさと俺を眺めながら、れいむはゆっくりとした笑顔を浮かべている。 俺の言うことを聞いて椅子から降りたので異能によってゆっくりを得られたのだ。 「ふぅ、ごちそうさまでした」 3回目が終了したところで、席を立ち、モノをきちんと拭いてから服を着て、朝食に使った食器を片付けた。 その後、俺は再びターゲットの観察へと向かった。 サラリーマン風の地味な服装で例の少女が通っている学校までの通学路の一角に陣取り、愛読している雑誌を読む。 今、俺が手にしている雑誌は『月刊HENTAI』という裏社会のゆっくりレイパー御用達の雑誌で、今月号では少し前に開催されたYRWGの特集記事が組まれている。 「ほう・・・日本の若き新人が5位、か・・・凄いじゃないか・・・」 ぼそぼそと呟きながら熟読していると、行き交う人々は皆変な目で俺を見てくる。ふっ・・・所詮は闇の世界の住人よ。 俺から漂うアウトローな空気が怖いのだろう。目立つのはあまりよろしくないが、こればかりはどうにもなるまい。 彼らの白眼視をまるでないもののよう無視して、黙々と『月刊HENTAI』を読み進める。 「なんだ・・・前回の優勝者は出なかったのか?」 更に黙々と読み進める。そして、ようやく読み終え、顔を上げたその時、ターゲットの少女が引きつった表情を浮かべて通り過ぎていくのを視野に捉えた。 と、同時に俺の全身を過去に1度だけ感じたことのある強烈な衝動が駆け抜け、股間にて灼熱の塊が形作られる。 それは、まさに思春期の真っ盛りのあの時、ゆっくりありすのレイプ現場を見たときのそれを再現していた。 「っく・・・なんだ、これは・・・くそっ・・・収まれ!収まりやがれ!」 耐え難い衝動を堪えながら人目を避けるように近くの茂みへと逃げ込み、偶然そこにいた野良ゆっくりを掴まえる。 そして、欲望の赴くままに哀れな、そして幸福な野良れいむを犯しつくす。 「やべっ!やべでええ!でいぶいぎだぐないぃぃぃ・・・・!?」 「待つんだ!そこの若者!」 「・・・・・・・ッ!?」 しかし、俺のすっきりは無粋で不埒な闖入者によって阻まれてしまった。 見るからに平凡そうな中年の男。だが、俺には一目で分かった。 この男は・・・・・・ゆっくりレイパーだ。それも並の手練じゃない、超一流のレイパーだ。 「若さゆえの過ち、か・・・私にもそういう頃があった。だから咎めるつもりはない」 「・・・くっ、だったらあっちに行けよ!俺の楽しみの邪魔をするな!」 「・・・・・・ゆぐぅ」 悠然とした足取りで、一歩一歩歩み寄ってくる中年男からは百戦錬磨の剛の者のみが放ちうるオーラを纏っていた。 ソレはあまりにも強大かつ圧倒的。彼の気に中てられた俺は、思わず一歩後ずさってしまう。 冷や汗をとめどなく垂れ流しながら戦慄する俺とは対照的に、そいつは余裕と貫禄と威厳に満ちた笑みを浮かべている。 「しかし、人とは少しずつ進化するもの。後輩達の進化ために一肌脱ぐのも先人の役目だと思うんだよ」 そう言うと中年男は俺から野良れいむを引ったくり、両手で優しく包み込むと、振動を与え始めた。 巧い。圧倒的に巧い。俺なんかでは勝負にもならない。 「よく見ておきたまえ。レイパーとはこういうことだ」 男の手の動きがどんどん複雑な、そして緩急を織り交ぜた高度なものへになってゆく。 技巧、速度、タイミング・・・どれをとっても今の俺では手も届かぬはるかな高み。 そして、何よりも男のレイプは・・・愛に満ち溢れていた。 その指捌きの一つ一つが触れれば壊れてしまう芸術品のような儚い美しさを持ちならがも力強かった。 野良れいむの上をなぞるその動きの一つ一つがプロスケーターのように鮮やかで、華やかだった。 何より、手によって嬲られている野良れいむが、野良とは思えぬほどに美しく映えていた。 「こ、これは・・・本当にレイプなのか!?」 「そうだ、若き日の私にそっくりの君ならば分かるだろう?」 否、これは断じてゆっくりレイプなどではない。 たとえるならば、研磨。石ころ同然の塊を輝きを放つ宝石へと磨き上げる職人芸。 磨き上げられたそれに自らの全てを託すが如く、野良れいむという原石を磨き上げる匠の技があった。 「すっきりー!」 絶頂に達した野良れいむの表情は艶かしくも美しく、それでいて清らかな輝きを放っていた。 子どもの頃の俺は酷い人間不信で、いまでもそれが抜けきっていない。 母に望まれぬ生を受け、家庭内暴力に苦しみ続けた挙句、家から飛び出した。 ほかの連中がミドルスクールに通っている頃には俺の脛は傷だらけだった。 そんな時、あの現場を、ありすがれいむをレイプする光景を目の当たりにしたんだ。 「ありすのとかいはなあいをあげるわあああああああああ!!」 その言葉を聞いた瞬間、あの衝動が全身を駆け巡り、股間が熱くなって、涙が溢れ出した。 そして、気がつけばありすを押さえつけ、犯しまくっていた。 胸の中にはたった一つの想いだけが渦巻いていた。 お願いだ、俺にも愛をくれ! それがきっかけでゆっくりレイプに目覚め、ある日異能に気がつき、そんなこんなで今に至る。 思えばアレは俺にとっての初めてのそして唯一の恋だったのだろう。 そして、あの日感じた衝動を再び感じたということは、非常に大きな意味を持つのではないだろうか? 「アンタか?悪いけど、依頼はキャンセルだ」 斡旋屋の男にそう伝え、そいつが喚き散らすのを無視して携帯電話を投げ捨てた。 これからは追われる身になるかもしれない。しかし、それでも俺は新しい一歩を踏み出したかったのだ。 自分のために生きるのではない、新しい人生を始めたかったのだ。 「ゆっくりが自分に何をしてくれるかじゃない、自分がゆっくりに何をしてあげられるか・・・か」 あの男はそんな言葉を残して立ち去っていった。 たった1日で2つの出会いがあった。一つは新たな恋の始まりを告げ、もう一つは新しい生き方を教えてくれた。 すぐさま荷物を纏めた俺は借家を後にし、適当な店で花を買って彼女の家へと歩いてゆく。 好きだ、俺とすっきりしてください! 高鳴る鼓動を抑えながら、心の中で何度も何度も彼女に告げる言葉を反芻した。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ Q.なんでクロスしたがるの?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい Q.この男何者なの?バカなの?しぬの? A.誘拐を生業とするアジア系のアメリカ人です Q.異能に何の意味があったの?バカなの?しぬの? A.自分の目的を達することしか頭にない男の歪みの象徴だとでも思ってください Q.どうしてハーフの子に惚れるの?ロリコンなの?しぬの? A.ボブさんが息子くんに欲情するのと同じ理屈です Q.月刊HENTAIって何なの?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい Q.ハーフの父さんこんなキャラだっけ?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい。でも、彼のゆっくり愛だけは表現できたんじゃないかと・・・ Q.いきなりすっきりを要求とか、バカなの?しぬの? A.クロス元でゆっくりの恋は早いと書いてたので、ゆっくり以外の経験のない男の思考はゆっくり基準かな、と Q.でこの男は結局どうなるの?捕まるの?しぬの? A.ドスにボコられた挙句、捕まるんじゃね? レイパーレイパーってバカにするけどな、実はレイパーのおかげで救われた人もいるんだぜ! というバカみたいな話を書いてみようと思ったらいつの間にかクロスを書いていた・・・ 名無しなんださん、レイパーさん、ごべんなさい。 だって仕方ないじゃない!あれほどの器のある漢を一から作る技量なんてなかったんだもん! ドスの子どものお嬢さんが非常に可愛らしかったんだもん! ・・・・・・ごべんなさい。 byゆっくりボールマン?
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『例の青い肉まんを作ってみた』 5KB 虐待 改造 子ゆ 現代 虐待人間 例の青い肉まん買えなかったので八つ当たり(笑) 素晴らしき設定とネタを築き上げた先達に感謝を捧げます。 例のあの青いのを買えなかったので、その怒りをゆっくりにぶつけてみた。え え、八つ当たりですとも。 『例の青い肉まんを作ってみた』 テレレレ、テレーン。テレレレ、レン。 軽快な入店音とともに、俺はそのコンビニを後にした。そう、もう売り切れて しまっていたのだ。あの、青いニクイあいつらは…。勇者多すぎだろ。 「あ?、1個でいいから実物見たかったなぁ」 俺はとぼとぼと道を歩き出した。そんな、ささくれ立った心の俺の前に生意気 な野良ゆっくりが現れた。 「おいくそにんげん!まりささまにぶぎゅべぇえぇっ!」 俺は一瞬の躊躇も何もなく、その野良まりさを踏み潰す。お約束の断末魔もな く、その野良まりさは生ゴミに転職を果たした。その瞬間、俺の脳裏にあるアイ デアが閃いた。 「までぃざぁぁぁぁ!どうしてえいえんにゆっくりしちゃってるのぉぉぉ?!」 振り返ると、潰した野良まりさにすがって号泣する野良れいむの姿があった。 俺はそのれいむをまじまじと観察する。 (…これだ!) 俺の視線に気がついたのか、野良れいむは俺に向かって来る。 「かわいそうな、みぼうじんっのれいむにあまあm…ゆぶじぇぇっ!」 俺は野良れいむを踏み潰して走り出した。向かう先はスーパーだ! まず購入するのは加工所製の食用子ゆっくり・まりさ種が1ダース入りと、青 い食品用の着色剤だ。 ラムネスプレーとオレンジジュースで溶いた小麦粉を用意する。そしてパック に入った子ゆっくりを容器から取り出して、いよいよ作業開始だ。まずは帽子を すべて取る。そして山形の部分を切り取っておく。余った部分は捨て去る。この 作業の後、子ゆっくりの内1匹を潰してあんこを取り出し、山形部分の端の方に は数カ所切れ込みを入れ中に餡子を詰めていく。 ボールに張ったやや熱めのお湯に子ゆっくりの頭を浸し、手でこすると簡単に 金髪が溶け落ちてハゲ饅頭となる。この時起きそうな奴がいたら、ラムネスプレ ーをかけて眠らせる。ここからが作業の肝だ。 先ほど湯に浸した子ゆっくりの頭は禿げているだけでなく、水分を含んで柔ら かく伸びやすくなっている。もともと成体より伸縮性に富んだ子ゆっくり。面白 いように伸びる。これを左手の指でつまんで長く延ばし、ナイフで切れ込みを入 れた。そこに、右手で餡子を詰め込んだ帽子の山高部分を押し込める。そして切 れ目を閉じてオレンジジュースで溶いた小麦粉を塗ると、きれいに閉じた。上か ら少し山形に出っ張った部分を押したりして形を整えておく。 この手順で全ての子ゆっくりを処理し終えたら、食品用の着色剤で青く塗って ゆく。後は自然に乾くにまかせた。 完成だ!中身が餡子だがな! 「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆ!?ゆっくりしていってね!」×11 俺の声に、青く、帽子の山形部分を埋め込まれて頭頂部が円錐形に尖っている 子まりさの集団が応えた。その姿は、まるっきりあの青い例のモンスターそのま んまである。ただこちらは動く。予想以上の再現率となった。そして、お互いの 姿を見て一斉に騒ぎだす。 「どうなっちぇるのこれぇぇぇぇぇぇ!!」×11 俺は笑いをこらえつつ教えてやる。 「みんなはただの饅頭から、人気キャラクターに転職できたんだよ!お兄さんが してあげたんだ。優しくって、ごめんね!」 「なにがてんしょくだぁぁぁぁぁぁっ!!」 「おぼうしがないとゆっくりできないでしょぉぉぉぉっ!」 「まりちゃの、まりちゃの、ぷろ?ぁんすのたいようさんよりかがやいちぇる、 きんぱつさんぎゃぁぁぁぁっ!」 「あたまがおもいのぜぇぇぇぇ!」 「あおいのきもちわるぃぃぃぃ!どうちて!?なんでぇぇぇぇっ!?」 「ゆっぐぢ!ゆっぐぢぃぃぃぃぃぃっ!!」 そのうちの1匹が俺に向かって跳ねてきた。 「ごのぐぞにんげんん!よぐも…よぐも…までぃざのゆんぜいをかえぜぇぇぇぇ っ!」 飛び跳ねる勢いそのままに、俺の足に攻撃を加えてきた。もちろん痛くも痒く もない。 「おお!?この勇者であるお兄さんと戦うのか!?よし、受けて立ってやろう!」 俺はあらかじめ用意してあった某勇者の剣のおもちゃを手に取る。当の勇者の アクションフィギュアもあるが、汚れると嫌なので飾り棚から見守っていただこ う。 「ミス!ダメージを受けない!」 「そんなことないのぜぇぇぇ!」 「にいさんの攻撃!2ポイントのダメージを与えた!」 「ゆぎゃぁぁぁぁっ!いだい!ぷ?すぷ?すはゆっぐりでぎなぃぃぃぃ!」 俺はこの調子でしゃがみながら改造子まりさの相手をした。 「ゆぴぃぃぃぃ!もうやじゃ!おうちかえるぅっ!!」 「しかし、まわりこまれてしまった!」 「どうちてぇぇぇぇっ!」 俺は逃げ出した改造子まりさの前に移動すると、脳天に某勇者の剣を突き立て る。 「ゆぴぃっ!」 改造子まりさの動きが止まった。俺はそのまま剣をスライドさせて、改造子ま りさの顔面を縦に真っ二つにする。 「会心の一撃!まりちゅらいむをやっつけた!」 『まりちゅらいむ』と言うのは、その場で思いついた名前だったが、悪くない と自分で思った。廚二でごめんね! そして、餡子がこびりついた某勇者の剣を残り10匹の『まりちゅらいむ』に向 けた。 「ゆ、ゆんやぁあぁぁぁぁっ!」 「ぐるなぁぁぁぁぁっ!この、ゆっぐりごろじぃぃぃぃ!」 「いやじゃ!いやじゃ!まりちゃはじにだぐないのじぇぇぇぇ!!」 「おどうざん!おがあざん!どうじでだずげでぐでないのぉぉぉ!?」 「まりざをだずげろぉぉぉ!」 「まりざはおとりになってね!まりざはにげでゆっぐりずるよぉ!」 「どうじでぞんなごどいうのぉぉぉぉ!?」 「うまぐはじれないのぜぇぇぇ!」 「どうじで!なんじぇぇぇぇっ!ゆっぐりじでるのにぃぃぃ!」 「ゆめざんざめでね!?ばりざはおうちでずーやずーやじでるんだよぉぉぉ!」 めいめい勝手なことをわめきながら逃げ惑う『まりちゅらいむ』を、俺は追い かけ回したり、てきとーに突ついて小一時間ほど遊んだ。その頃にはすっかり 『まりちゅらいむ』共はへばって体力も精神力も消耗し尽くしていた。 「ゆ…ぐりぃ…」 「ゆ゛……ゆ゛……」 「ど…ぢ……ゆ゛っ……」 「ば…でぃざ…も……」 限界が来たらしく、そして俺も飽きてきたので、そいつらを一カ所に集めて積 み上げる。崩れないように奇麗なピラミッド型にする。 「まりちゅらいむたちが合体に……はい、失敗ぃぃぃ!!」 「ゆびじぇっ!」×10 俺はまりちゅらいむ共を一気に叩き潰した。後に残るのは青い饅頭皮と餡子の 混じった塊である。 「ふう、すっきりー!!」 俺はゆっくりコンポストの中に『まりちゅらいむ』の残骸を放り込んだ。今度 は成体でやって、『野良ゆっくり vs. まりちゅらいむ』とかやってみようかな。 ( 了 ) anko3684 自家製ゆっくり忌避剤 anko3687 ある農村のゆっくり対策 anko3718 ろーりんぐゆっくり anko3770 ゆっくりお月見 anko3827 おかあさんのおくちはてっぺきっだよ! anko3858 ある温泉街のゆっくり対策 前編 anko3861 ある温泉街のゆっくり対策 後編 anko3886 あまあまばかりじゃない
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※無断クロスごべんなさい ※レイパーおよびHENTAI注意 ※もうどうにでもな~れ~ 世の中には異能者と呼ばれる連中が少なからず存在する。 異能ってのは夜空を見れば時間が分かるとか、世界と世界を隔てる結界が見えるとか・・・まあ、大体そんな感じだ。 要するに、ほかの連中には真似のできない不思議な行動や技能、特殊な感覚を指す言葉だ。 「へぇ、今回のターゲットはこのお嬢さんかい?」 今、黒いスーツに身を包んで写真片手にタバコを吸っている俺もそんな異能者の一人で、裏の世界の住人でもある。 生業はもちろんアウトローな仕事で、同業者の間では“攫い屋”なんて呼ばれていたりする。 そして、今、手にしている写真に写っているのは言うまでも無く今回の仕事のターゲットである。見たところ、ごくごく平凡な少女。 クセのあるふわふわとした金髪、ツヤとハリのある瑞々しい白い肌、丸顔で目が大きく、やや幼く見える。 が、セーラー服を着ていることを考えると、少なくとも12歳以上だろう。 「そうだ。いつも通りその娘の家の住所は写真の裏に書いている」 「まったく・・・こんな可愛らしいお嬢さんを攫ってどうするつもりなんだか・・・」 「言っておくが・・・」 「分かってるよ。長生きしたかったら余計な詮索はするな、だろ?」 椅子に腰掛けている仲介業者の男に背中を向けると、手をひらひらと振りながらその場を後にした。 さて、冒頭でも話した事だが、俺は異能者である。 そして俺の異能というのは便利なのか不便なのかわからないようでやっぱり便利な能力だ。 その能力というのは・・・・・・ 「おにーさん、れいむになんでもめいれいしてね!」 「まりさもおにーさんのいうことをゆっくりきくよ!」 「「おにーさんのいうことをきくととってもゆっくりできるよ!」」 そう、「言うことを聞いたゆっくりをゆっくりした気持ちにさせる程度」の能力・・・それが俺に与えられた異能だった。 もっとも、細かな指示だとその都度出し直さないといけないので、一緒に動く必要性が生じてしまうのだが。 かと言って、大雑把な指示だとその過程をゆっくりの思考によって成し遂げねばならず、これはこれで使い道がない。 「さてと・・・まずは、お嬢さんのおうちを拝見・・・っと」 早朝、俺は適当に見晴らしがよく、なおかつ人目につかない場所を陣取って、ターゲットの様子を観察していた。 あのお嬢さんはなかなかに良い住まいで暮らしているらしい。 大きな蔵に大きな家、決して狭くない庭と見てると妬ましくなってくるような環境である。 そして、蔵から出てきたドスまりさが庭をのっそのっそと歩いて、家のほうへと跳ねていった。 「・・・・・・はぁ?!」 そこにいたのは普通のゆっくりではなく、ゆっくりの王様、ドスまりさだった。 普通の家では到底飼えない巨大なソレがばいんばいんと、人家の庭で跳躍している。 そして、家の前に着いたところでドアを舌でノックし、例のお嬢さんに出迎えられて家の中へと入っていった。 「どういうことだ、これ?」 俺は予想外の展開にしばし呆然とするしかなかった。 先にも述べたように俺の能力は弱い。だからこそ、有効に活用できる条件を整えるか、条件を満たす者を対象にする必要がある。 で、その条件というのは、対象がゆっくりの言うことを無条件で聞く状態であり、即ちゆっくりを飼っているものということである。 もちろん、しつけの厳しい飼い主や虐待趣味の持ち主には上手く行かないことも多いが、まあ、大体は何とかなる。 「だからってドスまりさはないだろ・・・」 やれやれ、今回はハードな仕事になりそうだ。 視察を終えてあらかじめ借りておいたアパートに帰った俺は、シャワーを浴びてさっぱりすると全裸のまま朝食の支度をする。 その後、食卓の上に朝ごはんを並べて、やっぱり服を着ずに裸のまま椅子に腰掛け、テレビを点ける。 この椅子はどんな仕事の時にでも携帯している特製の椅子で座った時にちょうど股間が来る辺りにゆっくりを置くことができるようになっている。 そして、この椅子と一緒に、俺は常に2匹のよく躾けられたゆっくりを連れて歩いている。 何故、股間の位置にゆっくりをセットできるか・・・察しの良い奴ならもう気付いたんじゃないだろうか? 「ゆゆっ!きょうもたくさんぺ~ろぺ~ろするよ!」 「ゆ~っ!れいむだけずるいよ!つぎはまりさだからね!」 股間の位置に、それも俺のナニのほうを向いて腰を下ろしたこの格好することといえば・・・ 「ふぅ・・・コーヒーにトースト。大事なご子息はヘブン状態。これこそハードボイルドな朝だぜ・・・」 仕事の疲れを癒す朝のすっきり。そう、俺はいわゆるHENTAIお兄さんなのだ。 そして、れいむとまりさは俺の調教と異能によって官能の虜となり果てた饅頭便器。 余談だが、栄養満点の白いジャムは可愛いゆっくり達の朝ごはんになる。 「ごーくごーく、にがくておとなのあじ!」 「まりさも!まりさも!ゆっくりこうたいしてね!」 「れいむ、まりさは朝ごはんがまだだから代わってあげなさい」 「ゆっくりりかいしたよ!ゆっくりかわるね!」 そう言って、れいむが椅子から飛び降りると、今度はまりさが椅子の上に飛び乗り、れいむと同じ事をし始めた。 ちなみに、量が少なくて不公平になるので後からするゆっくりは2回分飲んで言いという決まりになっていたりする。 「ぬほおおおおおおぅ!エクスタシイイイイイイイイイ!」 まりさの予想外の舌使いの前に、思ったより早くすっきりしてしまった。 そんなまりさと俺を眺めながら、れいむはゆっくりとした笑顔を浮かべている。 俺の言うことを聞いて椅子から降りたので異能によってゆっくりを得られたのだ。 「ふぅ、ごちそうさまでした」 3回目が終了したところで、席を立ち、モノをきちんと拭いてから服を着て、朝食に使った食器を片付けた。 その後、俺は再びターゲットの観察へと向かった。 サラリーマン風の地味な服装で例の少女が通っている学校までの通学路の一角に陣取り、愛読している雑誌を読む。 今、俺が手にしている雑誌は『月刊HENTAI』という裏社会のゆっくりレイパー御用達の雑誌で、今月号では少し前に開催されたYRWGの特集記事が組まれている。 「ほう・・・日本の若き新人が5位、か・・・凄いじゃないか・・・」 ぼそぼそと呟きながら熟読していると、行き交う人々は皆変な目で俺を見てくる。ふっ・・・所詮は闇の世界の住人よ。 俺から漂うアウトローな空気が怖いのだろう。目立つのはあまりよろしくないが、こればかりはどうにもなるまい。 彼らの白眼視をまるでないもののよう無視して、黙々と『月刊HENTAI』を読み進める。 「なんだ・・・前回の優勝者は出なかったのか?」 更に黙々と読み進める。そして、ようやく読み終え、顔を上げたその時、ターゲットの少女が引きつった表情を浮かべて通り過ぎていくのを視野に捉えた。 と、同時に俺の全身を過去に1度だけ感じたことのある強烈な衝動が駆け抜け、股間にて灼熱の塊が形作られる。 それは、まさに思春期の真っ盛りのあの時、ゆっくりありすのレイプ現場を見たときのそれを再現していた。 「っく・・・なんだ、これは・・・くそっ・・・収まれ!収まりやがれ!」 耐え難い衝動を堪えながら人目を避けるように近くの茂みへと逃げ込み、偶然そこにいた野良ゆっくりを掴まえる。 そして、欲望の赴くままに哀れな、そして幸福な野良れいむを犯しつくす。 「やべっ!やべでええ!でいぶいぎだぐないぃぃぃ・・・・!?」 「待つんだ!そこの若者!」 「・・・・・・・ッ!?」 しかし、俺のすっきりは無粋で不埒な闖入者によって阻まれてしまった。 見るからに平凡そうな中年の男。だが、俺には一目で分かった。 この男は・・・・・・ゆっくりレイパーだ。それも並の手練じゃない、超一流のレイパーだ。 「若さゆえの過ち、か・・・私にもそういう頃があった。だから咎めるつもりはない」 「・・・くっ、だったらあっちに行けよ!俺の楽しみの邪魔をするな!」 「・・・・・・ゆぐぅ」 悠然とした足取りで、一歩一歩歩み寄ってくる中年男からは百戦錬磨の剛の者のみが放ちうるオーラを纏っていた。 ソレはあまりにも強大かつ圧倒的。彼の気に中てられた俺は、思わず一歩後ずさってしまう。 冷や汗をとめどなく垂れ流しながら戦慄する俺とは対照的に、そいつは余裕と貫禄と威厳に満ちた笑みを浮かべている。 「しかし、人とは少しずつ進化するもの。後輩達の進化ために一肌脱ぐのも先人の役目だと思うんだよ」 そう言うと中年男は俺から野良れいむを引ったくり、両手で優しく包み込むと、振動を与え始めた。 巧い。圧倒的に巧い。俺なんかでは勝負にもならない。 「よく見ておきたまえ。レイパーとはこういうことだ」 男の手の動きがどんどん複雑な、そして緩急を織り交ぜた高度なものへになってゆく。 技巧、速度、タイミング・・・どれをとっても今の俺では手も届かぬはるかな高み。 そして、何よりも男のレイプは・・・愛に満ち溢れていた。 その指捌きの一つ一つが触れれば壊れてしまう芸術品のような儚い美しさを持ちならがも力強かった。 野良れいむの上をなぞるその動きの一つ一つがプロスケーターのように鮮やかで、華やかだった。 何より、手によって嬲られている野良れいむが、野良とは思えぬほどに美しく映えていた。 「こ、これは・・・本当にレイプなのか!?」 「そうだ、若き日の私にそっくりの君ならば分かるだろう?」 否、これは断じてゆっくりレイプなどではない。 たとえるならば、研磨。石ころ同然の塊を輝きを放つ宝石へと磨き上げる職人芸。 磨き上げられたそれに自らの全てを託すが如く、野良れいむという原石を磨き上げる匠の技があった。 「すっきりー!」 絶頂に達した野良れいむの表情は艶かしくも美しく、それでいて清らかな輝きを放っていた。 子どもの頃の俺は酷い人間不信で、いまでもそれが抜けきっていない。 母に望まれぬ生を受け、家庭内暴力に苦しみ続けた挙句、家から飛び出した。 ほかの連中がミドルスクールに通っている頃には俺の脛は傷だらけだった。 そんな時、あの現場を、ありすがれいむをレイプする光景を目の当たりにしたんだ。 「ありすのとかいはなあいをあげるわあああああああああ!!」 その言葉を聞いた瞬間、あの衝動が全身を駆け巡り、股間が熱くなって、涙が溢れ出した。 そして、気がつけばありすを押さえつけ、犯しまくっていた。 胸の中にはたった一つの想いだけが渦巻いていた。 お願いだ、俺にも愛をくれ! それがきっかけでゆっくりレイプに目覚め、ある日異能に気がつき、そんなこんなで今に至る。 思えばアレは俺にとっての初めてのそして唯一の恋だったのだろう。 そして、あの日感じた衝動を再び感じたということは、非常に大きな意味を持つのではないだろうか? 「アンタか?悪いけど、依頼はキャンセルだ」 斡旋屋の男にそう伝え、そいつが喚き散らすのを無視して携帯電話を投げ捨てた。 これからは追われる身になるかもしれない。しかし、それでも俺は新しい一歩を踏み出したかったのだ。 自分のために生きるのではない、新しい人生を始めたかったのだ。 「ゆっくりが自分に何をしてくれるかじゃない、自分がゆっくりに何をしてあげられるか・・・か」 あの男はそんな言葉を残して立ち去っていった。 たった1日で2つの出会いがあった。一つは新たな恋の始まりを告げ、もう一つは新しい生き方を教えてくれた。 すぐさま荷物を纏めた俺は借家を後にし、適当な店で花を買って彼女の家へと歩いてゆく。 好きだ、俺とすっきりしてください! 高鳴る鼓動を抑えながら、心の中で何度も何度も彼女に告げる言葉を反芻した。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ Q.なんでクロスしたがるの?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい Q.この男何者なの?バカなの?しぬの? A.誘拐を生業とするアジア系のアメリカ人です Q.異能に何の意味があったの?バカなの?しぬの? A.自分の目的を達することしか頭にない男の歪みの象徴だとでも思ってください Q.どうしてハーフの子に惚れるの?ロリコンなの?しぬの? A.ボブさんが息子くんに欲情するのと同じ理屈です Q.月刊HENTAIって何なの?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい Q.ハーフの父さんこんなキャラだっけ?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい。でも、彼のゆっくり愛だけは表現できたんじゃないかと・・・ Q.いきなりすっきりを要求とか、バカなの?しぬの? A.クロス元でゆっくりの恋は早いと書いてたので、ゆっくり以外の経験のない男の思考はゆっくり基準かな、と Q.でこの男は結局どうなるの?捕まるの?しぬの? A.ドスにボコられた挙句、捕まるんじゃね? レイパーレイパーってバカにするけどな、実はレイパーのおかげで救われた人もいるんだぜ! というバカみたいな話を書いてみようと思ったらいつの間にかクロスを書いていた・・・ 名無しなんださん、レイパーさん、ごべんなさい。 だって仕方ないじゃない!あれほどの器のある漢を一から作る技量なんてなかったんだもん! ドスの子どものお嬢さんが非常に可愛らしかったんだもん! ・・・・・・ごべんなさい。 byゆっくりボールマン
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※無断クロスごべんなさい ※レイパーおよびHENTAI注意 ※もうどうにでもな~れ~ 世の中には異能者と呼ばれる連中が少なからず存在する。 異能ってのは夜空を見れば時間が分かるとか、世界と世界を隔てる結界が見えるとか・・・まあ、大体そんな感じだ。 要するに、ほかの連中には真似のできない不思議な行動や技能、特殊な感覚を指す言葉だ。 「へぇ、今回のターゲットはこのお嬢さんかい?」 今、黒いスーツに身を包んで写真片手にタバコを吸っている俺もそんな異能者の一人で、裏の世界の住人でもある。 生業はもちろんアウトローな仕事で、同業者の間では“攫い屋”なんて呼ばれていたりする。 そして、今、手にしている写真に写っているのは言うまでも無く今回の仕事のターゲットである。見たところ、ごくごく平凡な少女。 クセのあるふわふわとした金髪、ツヤとハリのある瑞々しい白い肌、丸顔で目が大きく、やや幼く見える。 が、セーラー服を着ていることを考えると、少なくとも12歳以上だろう。 「そうだ。いつも通りその娘の家の住所は写真の裏に書いている」 「まったく・・・こんな可愛らしいお嬢さんを攫ってどうするつもりなんだか・・・」 「言っておくが・・・」 「分かってるよ。長生きしたかったら余計な詮索はするな、だろ?」 椅子に腰掛けている仲介業者の男に背中を向けると、手をひらひらと振りながらその場を後にした。 さて、冒頭でも話した事だが、俺は異能者である。 そして俺の異能というのは便利なのか不便なのかわからないようでやっぱり便利な能力だ。 その能力というのは・・・・・・ 「おにーさん、れいむになんでもめいれいしてね!」 「まりさもおにーさんのいうことをゆっくりきくよ!」 「「おにーさんのいうことをきくととってもゆっくりできるよ!」」 そう、「言うことを聞いたゆっくりをゆっくりした気持ちにさせる程度」の能力・・・それが俺に与えられた異能だった。 もっとも、細かな指示だとその都度出し直さないといけないので、一緒に動く必要性が生じてしまうのだが。 かと言って、大雑把な指示だとその過程をゆっくりの思考によって成し遂げねばならず、これはこれで使い道がない。 「さてと・・・まずは、お嬢さんのおうちを拝見・・・っと」 早朝、俺は適当に見晴らしがよく、なおかつ人目につかない場所を陣取って、ターゲットの様子を観察していた。 あのお嬢さんはなかなかに良い住まいで暮らしているらしい。 大きな蔵に大きな家、決して狭くない庭と見てると妬ましくなってくるような環境である。 そして、蔵から出てきたドスまりさが庭をのっそのっそと歩いて、家のほうへと跳ねていった。 「・・・・・・はぁ?!」 そこにいたのは普通のゆっくりではなく、ゆっくりの王様、ドスまりさだった。 普通の家では到底飼えない巨大なソレがばいんばいんと、人家の庭で跳躍している。 そして、家の前に着いたところでドアを舌でノックし、例のお嬢さんに出迎えられて家の中へと入っていった。 「どういうことだ、これ?」 俺は予想外の展開にしばし呆然とするしかなかった。 先にも述べたように俺の能力は弱い。だからこそ、有効に活用できる条件を整えるか、条件を満たす者を対象にする必要がある。 で、その条件というのは、対象がゆっくりの言うことを無条件で聞く状態であり、即ちゆっくりを飼っているものということである。 もちろん、しつけの厳しい飼い主や虐待趣味の持ち主には上手く行かないことも多いが、まあ、大体は何とかなる。 「だからってドスまりさはないだろ・・・」 やれやれ、今回はハードな仕事になりそうだ。 視察を終えてあらかじめ借りておいたアパートに帰った俺は、シャワーを浴びてさっぱりすると全裸のまま朝食の支度をする。 その後、食卓の上に朝ごはんを並べて、やっぱり服を着ずに裸のまま椅子に腰掛け、テレビを点ける。 この椅子はどんな仕事の時にでも携帯している特製の椅子で座った時にちょうど股間が来る辺りにゆっくりを置くことができるようになっている。 そして、この椅子と一緒に、俺は常に2匹のよく躾けられたゆっくりを連れて歩いている。 何故、股間の位置にゆっくりをセットできるか・・・察しの良い奴ならもう気付いたんじゃないだろうか? 「ゆゆっ!きょうもたくさんぺ~ろぺ~ろするよ!」 「ゆ~っ!れいむだけずるいよ!つぎはまりさだからね!」 股間の位置に、それも俺のナニのほうを向いて腰を下ろしたこの格好することといえば・・・ 「ふぅ・・・コーヒーにトースト。大事なご子息はヘブン状態。これこそハードボイルドな朝だぜ・・・」 仕事の疲れを癒す朝のすっきり。そう、俺はいわゆるHENTAIお兄さんなのだ。 そして、れいむとまりさは俺の調教と異能によって官能の虜となり果てた饅頭便器。 余談だが、栄養満点の白いジャムは可愛いゆっくり達の朝ごはんになる。 「ごーくごーく、にがくておとなのあじ!」 「まりさも!まりさも!ゆっくりこうたいしてね!」 「れいむ、まりさは朝ごはんがまだだから代わってあげなさい」 「ゆっくりりかいしたよ!ゆっくりかわるね!」 そう言って、れいむが椅子から飛び降りると、今度はまりさが椅子の上に飛び乗り、れいむと同じ事をし始めた。 ちなみに、量が少なくて不公平になるので後からするゆっくりは2回分飲んで言いという決まりになっていたりする。 「ぬほおおおおおおぅ!エクスタシイイイイイイイイイ!」 まりさの予想外の舌使いの前に、思ったより早くすっきりしてしまった。 そんなまりさと俺を眺めながら、れいむはゆっくりとした笑顔を浮かべている。 俺の言うことを聞いて椅子から降りたので異能によってゆっくりを得られたのだ。 「ふぅ、ごちそうさまでした」 3回目が終了したところで、席を立ち、モノをきちんと拭いてから服を着て、朝食に使った食器を片付けた。 その後、俺は再びターゲットの観察へと向かった。 サラリーマン風の地味な服装で例の少女が通っている学校までの通学路の一角に陣取り、愛読している雑誌を読む。 今、俺が手にしている雑誌は『月刊HENTAI』という裏社会のゆっくりレイパー御用達の雑誌で、今月号では少し前に開催されたYRWGの特集記事が組まれている。 「ほう・・・日本の若き新人が5位、か・・・凄いじゃないか・・・」 ぼそぼそと呟きながら熟読していると、行き交う人々は皆変な目で俺を見てくる。ふっ・・・所詮は闇の世界の住人よ。 俺から漂うアウトローな空気が怖いのだろう。目立つのはあまりよろしくないが、こればかりはどうにもなるまい。 彼らの白眼視をまるでないもののよう無視して、黙々と『月刊HENTAI』を読み進める。 「なんだ・・・前回の優勝者は出なかったのか?」 更に黙々と読み進める。そして、ようやく読み終え、顔を上げたその時、ターゲットの少女が引きつった表情を浮かべて通り過ぎていくのを視野に捉えた。 と、同時に俺の全身を過去に1度だけ感じたことのある強烈な衝動が駆け抜け、股間にて灼熱の塊が形作られる。 それは、まさに思春期の真っ盛りのあの時、ゆっくりありすのレイプ現場を見たときのそれを再現していた。 「っく・・・なんだ、これは・・・くそっ・・・収まれ!収まりやがれ!」 耐え難い衝動を堪えながら人目を避けるように近くの茂みへと逃げ込み、偶然そこにいた野良ゆっくりを掴まえる。 そして、欲望の赴くままに哀れな、そして幸福な野良れいむを犯しつくす。 「やべっ!やべでええ!でいぶいぎだぐないぃぃぃ・・・・!?」 「待つんだ!そこの若者!」 「・・・・・・・ッ!?」 しかし、俺のすっきりは無粋で不埒な闖入者によって阻まれてしまった。 見るからに平凡そうな中年の男。だが、俺には一目で分かった。 この男は・・・・・・ゆっくりレイパーだ。それも並の手練じゃない、超一流のレイパーだ。 「若さゆえの過ち、か・・・私にもそういう頃があった。だから咎めるつもりはない」 「・・・くっ、だったらあっちに行けよ!俺の楽しみの邪魔をするな!」 「・・・・・・ゆぐぅ」 悠然とした足取りで、一歩一歩歩み寄ってくる中年男からは百戦錬磨の剛の者のみが放ちうるオーラを纏っていた。 ソレはあまりにも強大かつ圧倒的。彼の気に中てられた俺は、思わず一歩後ずさってしまう。 冷や汗をとめどなく垂れ流しながら戦慄する俺とは対照的に、そいつは余裕と貫禄と威厳に満ちた笑みを浮かべている。 「しかし、人とは少しずつ進化するもの。後輩達の進化ために一肌脱ぐのも先人の役目だと思うんだよ」 そう言うと中年男は俺から野良れいむを引ったくり、両手で優しく包み込むと、振動を与え始めた。 巧い。圧倒的に巧い。俺なんかでは勝負にもならない。 「よく見ておきたまえ。レイパーとはこういうことだ」 男の手の動きがどんどん複雑な、そして緩急を織り交ぜた高度なものへになってゆく。 技巧、速度、タイミング・・・どれをとっても今の俺では手も届かぬはるかな高み。 そして、何よりも男のレイプは・・・愛に満ち溢れていた。 その指捌きの一つ一つが触れれば壊れてしまう芸術品のような儚い美しさを持ちならがも力強かった。 野良れいむの上をなぞるその動きの一つ一つがプロスケーターのように鮮やかで、華やかだった。 何より、手によって嬲られている野良れいむが、野良とは思えぬほどに美しく映えていた。 「こ、これは・・・本当にレイプなのか!?」 「そうだ、若き日の私にそっくりの君ならば分かるだろう?」 否、これは断じてゆっくりレイプなどではない。 たとえるならば、研磨。石ころ同然の塊を輝きを放つ宝石へと磨き上げる職人芸。 磨き上げられたそれに自らの全てを託すが如く、野良れいむという原石を磨き上げる匠の技があった。 「すっきりー!」 絶頂に達した野良れいむの表情は艶かしくも美しく、それでいて清らかな輝きを放っていた。 子どもの頃の俺は酷い人間不信で、いまでもそれが抜けきっていない。 母に望まれぬ生を受け、家庭内暴力に苦しみ続けた挙句、家から飛び出した。 ほかの連中がミドルスクールに通っている頃には俺の脛は傷だらけだった。 そんな時、あの現場を、ありすがれいむをレイプする光景を目の当たりにしたんだ。 「ありすのとかいはなあいをあげるわあああああああああ!!」 その言葉を聞いた瞬間、あの衝動が全身を駆け巡り、股間が熱くなって、涙が溢れ出した。 そして、気がつけばありすを押さえつけ、犯しまくっていた。 胸の中にはたった一つの想いだけが渦巻いていた。 お願いだ、俺にも愛をくれ! それがきっかけでゆっくりレイプに目覚め、ある日異能に気がつき、そんなこんなで今に至る。 思えばアレは俺にとっての初めてのそして唯一の恋だったのだろう。 そして、あの日感じた衝動を再び感じたということは、非常に大きな意味を持つのではないだろうか? 「アンタか?悪いけど、依頼はキャンセルだ」 斡旋屋の男にそう伝え、そいつが喚き散らすのを無視して携帯電話を投げ捨てた。 これからは追われる身になるかもしれない。しかし、それでも俺は新しい一歩を踏み出したかったのだ。 自分のために生きるのではない、新しい人生を始めたかったのだ。 「ゆっくりが自分に何をしてくれるかじゃない、自分がゆっくりに何をしてあげられるか・・・か」 あの男はそんな言葉を残して立ち去っていった。 たった1日で2つの出会いがあった。一つは新たな恋の始まりを告げ、もう一つは新しい生き方を教えてくれた。 すぐさま荷物を纏めた俺は借家を後にし、適当な店で花を買って彼女の家へと歩いてゆく。 好きだ、俺とすっきりしてください! 高鳴る鼓動を抑えながら、心の中で何度も何度も彼女に告げる言葉を反芻した。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ Q.なんでクロスしたがるの?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい Q.この男何者なの?バカなの?しぬの? A.誘拐を生業とするアジア系のアメリカ人です Q.異能に何の意味があったの?バカなの?しぬの? A.自分の目的を達することしか頭にない男の歪みの象徴だとでも思ってください Q.どうしてハーフの子に惚れるの?ロリコンなの?しぬの? A.ボブさんが息子くんに欲情するのと同じ理屈です Q.月刊HENTAIって何なの?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい Q.ハーフの父さんこんなキャラだっけ?バカなの?しぬの? A.ごべんなさい。でも、彼のゆっくり愛だけは表現できたんじゃないかと・・・ Q.いきなりすっきりを要求とか、バカなの?しぬの? A.クロス元でゆっくりの恋は早いと書いてたので、ゆっくり以外の経験のない男の思考はゆっくり基準かな、と Q.でこの男は結局どうなるの?捕まるの?しぬの? A.ドスにボコられた挙句、捕まるんじゃね? レイパーレイパーってバカにするけどな、実はレイパーのおかげで救われた人もいるんだぜ! というバカみたいな話を書いてみようと思ったらいつの間にかクロスを書いていた・・・ 名無しなんださん、レイパーさん、ごべんなさい。 だって仕方ないじゃない!あれほどの器のある漢を一から作る技量なんてなかったんだもん! ドスの子どものお嬢さんが非常に可愛らしかったんだもん! ・・・・・・ごべんなさい。 byゆっくりボールマン
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『ふみゆ』 5KB いじめ 小ネタ 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「ゆっへっへ!くそちびにんげんが、まりささまのらくえんになんのようなんだぜ!いたみめにあいたくなかったら、あまあまおいて、でていくんだぜ!!」 ニヤニヤと人を見下したような笑みを浮かべて、少年を見上げる薄汚い一匹のゆっくり。 少し縁が切れた黒帽子を被った傷だらけの野良まりさが、公園に入ろうとした少年に向かって高圧的な態度で凄んでみせる。 「ゆふーん!まりさ、とってもわいるどでかっこいいよ!さすがれいむの、さいあいのまりさだね!!」 「ゆわぁぁぁぁ!おとーしゃん、かっこいいー!」 「すごいのじぇー!くしょにんげん、びびってるのじぇー!ゆぉぉぉぉ!!」 そんな野良まりさを見つめながら、満面の笑みを浮かべながら頬を染める、やはり薄汚い成体のれいむ種1匹。 そのれいむの背後から、自分たっぷりに飛び出してきた二匹の子ゆっくり達も同様に、凛々しく眉毛を釣り上げた野良まりさを見て両目を輝かせながら嬉しそうに体を揺らす。 どこにでもいるアホな野良ゆっくりの良い見本。 相手が少年という事もあってか、無駄に強気で能天気にゆんゆんキャッキャと騒ぎ立てる。 それに対して少年は、目の前に飛び出してきた野良まりさを見て満足そうに微笑んでいる。 「ゆゆん?どうしたんぜ?!つよーいまりささまに、びびってしーしーもらしちゃったんだぜ?しんじゃったんだぜ?!ゆぷっぷー!これだから、ひんじゃくおちびはこまるんだぜー!!」 目の前で固まる少年に尻を向け、プスッと屁をこいてケラケラと笑う野良まりさ。 元から強気だったのが、家族の声援を受けてさらに調子に乗る。 「おとーしゃん、さいきょーなのじぇー!つおーいのじぇー!」 「おとーしゃん、とーってもかがやいてるにぇ!たいよーさんより、まぶちぃよぉぉぉぉ!!」 豚はおだてれば木に登るというが、ゆっくりは非常におだてられ易い生物である。 思い込みが強いせいもあるが、少しおだてただけで簡単にのせられる。 農村に降って畑を奪おうとしたり、すぐに人間に喧嘩を売るのはそのせいである。 そしておだてられて調子に乗っている同族を見て、さらに自分達も偉大だとか、最強だとか勘違いをする。 この親子達もその法則に従い、自分達で勝手に盛り上がって増長していく。 「ゆおぉぉぉ!まりささまたちは、さいきょうのゆっくりかぞくなんだぜぇぇぇ!くそにんげんなんか、ぜつめつさせてやるんだぜぇぇぇ!!」 『くしょにんげんなんか、ぜつめつだよぉぉぉぉ!(のじぇぇぇぇ!!)』 大きく仰け反りながら、大口を開いて雄叫びを上げる野良まりさ。 家族達もそれに習い、一緒に仰け反りながら大声で叫ぶ。 この野良一家は、まるでアメ○カ大統領に就任したかのごとく舞い上がっていた。 「ゆぉぉぉぉ!せいさいしてやるんだぜぇぇぇぇぇ!!しねえぇぇ!くそにんげ…」 少年に飛びかかろうと、一瞬身を縮める野良まりさ。 だが少年が野良まりさの頭に片足を乗せ、その動きを封じる。 「ゆぶぅぅぅ?!なにごれぇぇぇ?!やい、ぐぞにんげん!までぃざにざまになにをじたぁぁぁ?!」 グネグネと体を動かし必死に身を捩る野良まりさだが、どんなにもがいても少年の足は退かせない。 そればかりか少年は、野良まりさの感触を楽しむかの様に足を動かす。 「ゆげぇ?!べっべぇ!ごばぐべぇ!ゆんべぇぇぇ?!」 少年が軽く足を動かすだけで、野良まりさは体を大きく変形させて呻き声を上げる。 軽く踏まれる度に涙をこぼし、苦しそうに顔を歪めながら目を白黒させる。 少年は野良まりさの体内の餡子をかき混ぜるかのように、グネグネと足で野良まりさの体をマッサージするかのように踏んでいく。 「ゆべっぶ!ごべぇ!やべっ!ごべんなざっ!ぎぼじわるっ!ゆん!ぶん!ぶん!ぶべぇ!」 両目をぐるぐると回しながら、少年に許しを請う野良まりさ。 体内の餡子を弄り回されるような感覚に耐え切れず、しーしーを漏らしながら苦しそうな呻き声を上げる。 先程までの調子に乗った姿はどこにもない、とても情けない格好である。 だが少年はそんな野良まりさの踏み心地が気に入ったのか、とても嬉しそうな表情で野良まりさを踏み続ける。 「あいつまだ来てないみたいだし…ふみゆでもやって遊んでるかなっと…いくぞ!」 「ぶんっ!ぐんっ!ゆん! 『グチャ!』 ぶっべぇぇぇ?!」 ゆっ しばらく楽しそうに遊んでいた少年が、野良まりさの頭に両足をそろえて飛び乗った。 野良まりさは大きな呻き声を上げると同時に、周囲に餡子を撒き散らして動かなくなった。 「ゆ…?ゆぉぉぉぉぉぉぉぉ?!なにごれぇぇぇぇ?!までぃざぁぁぁぁぁぁ!どぼじでぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっばぁぁぁぁぁぁ!!おとーしゃぁぁぁぁぁぁぁ!ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!」 「ゆっぴぃぃぃぃぃ!ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 固まっていた野良一家が、ようやく再起動する。 妄想とはいえ、一度この世の中で最高の地位まで上り詰めた一家が、目の前で繰り広げる光景を認識するには時間がかかる。 そして夢から覚めても、それを現実と認めたくないと大声を張り上げて主張する。 一家は不規則に体を揺らしながら泣き叫び、この惨劇が夢であってほしいと必死に願う。 「ごれはなんなのぉぉぁぉ?!ゆめでしょぉぉぉぉ!ねえまでぃざぁぁぁぁ!おぎでよぉぉぉぉぉ!めをざばじ 『グチャ!!』 じゅん?!」 く 少年の足の下で潰れている野良まりさに向かって、必死に声をかける野良れいむ。 少年はそんな野良れいむの頭めがけて小さく跳躍すると、両足をそろえて野良れいむの頭に着地する。 野良れいむは両目と共に餡子を噴出させ、歪な形に潰れた。 「ゆっびぃぃぃぃぃぃ!おかー… 『グチャ!』 じゃ!」 り 少年はそのまま片足を上げると、野良れいむの傍にいた薄汚い子れいむを踏み潰した。 子れいむは顔を潰され、少年の足からはみ出した尻から餡子を噴出させながらしばらくブリブリと尻を振る。 「一匹余った!はははっ!他にいないかな?!」 少年はそう言うと、涙としーし塗れになった子まりさを残して公園の中に入っていく。 残された子まりさは、ガタガタと震えながら怯えた目で去っていく少年と、家族の残骸を見比べる。 「どぼじちぇ…にゃんでみんな…ぺしゃんこなの………ゆびゃぁぁぁ…」 子まりさは何が起こったのか理解出来ぬまま、家族の側で何時までも泣き続けるのだった。 「おっ!ゆっくりみっけ!せーの…』 ゆっ グチャ! く グチャ! り グチャ! 「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!おとーしゃぁぁぁぁ!おかーしゃぁぁぁぁ!!」 「はははっ!また一匹余った!」 完 徒然あき
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『たんぺん』 2KB 小ネタ 初投稿、小ネタ2本です 【ゆびあそび】 「殺しはしない」 そう言った青年は、みかんの皮でもむくように れいむの皮を剥いた。 むき出しの中身を瘧のように震わせ 激痛にかみしめた歯はそこかしこが欠けている。 頭のてっぺんから均等にはがされた皮が花弁のように広がって 一見皿に載った餡子の塊に見える。 「ひゅぶ!ひゅっ…!」 口の端から液化した餡子が泡を噴いて飛び散っても れいむは口を開かない。 「そのまま口を開くなよ」 「ひ、びゅご!!」 びしゅ! 曲げた人差し指が勢い良くはじかれ れいむのこめかみだった部分を吹き飛ばす。 「ぐンンンンン゛ン゛ッッ!!」 「我慢しろ」 びしゅ!びしゅ! 「ン!!ぎゅ!!ビュブ!!」 続けて弾かれた指が眉間、左頬と指の形を刻んでいく。 「でないと」 「ぶぐーッ!…びゅぐー…ッ!」 「赤ちゃん死んじゃうぞー」 その一言で、れいむの目に光が戻る。 皮を失っているので、平時のように表情が読みづらいが 僅かに身悶えするものの、続く5連打を耐えきる。 「あとひといきだぞ」 「ふ ビチュ 音が変わる 伸ばした人差し指と親が一気に両目に突きささる。 あしの皮まではがれている筈が、全身の痙攣で2cm程浮かび上がり 次の瞬間絶命する。 「おっと、死んじまった」 青年は約束を守って口の中の子供たちを見逃すことにした。 ほんの数分間とはいえ、自分を楽しませてくれた野良れいむを残して のんびりと家の中に帰っていく。 かみしめた歯は、子供たちを守るために決してゆるまず。 鼠色の曇天はポツポツとしずくを落とし出していた。 【どくはいってる】 「まりささまはしってるのぜ!その『れいぞうこさん』のなかはおいしいものでいっぱいなのぜ!!」 「さすがまりさだね!これでおいしいものをむーしゃむーしゃしほうだいだよ!」 開けていた窓から侵入りこんだ野良ゆっくりの番い まりさとれいむの基本セットだ。 まりさが先導して意気揚々とキッチンの方に向かっていく。 薄汚れた黒帽子には不自然な欠損がみとめられる。 大方棄てられた元野良ゆ 人間様の住居の作りも、大方の処は承知しているらしい。 あけるのぜ!とはしゃいだ声が聞こえる。 キッチンのカウンターからこっそりのぞきこむと 黄ばんだ体をこすりつけて、器用に冷蔵庫を開けるところだった。 「ごはんさん!まりささまにむーしゃむーしゃされるのぜ!!」 「まりさ?どうしたの!はやくれいむにもたべものちょうだいね!」 「すこしまつのぜ!」 引きずり出される冷蔵庫の中身たち。 内容量20L程度の家で一番小さい冷蔵庫だ。 小瓶、タッパー、チューブ、パウチ 小瓶は二個が協力して タッパーは舌で器用に チューブとパウチは幼児のように噛みちぎって 各種スパイスと 赤味噌と 練り辛子とワサビのチューブと 自家製カレー粉を 勢いよく大口に詰め込んで 「「これどくはいってる!!」」 と叫んで爆散した。
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『最強伝説れいむ』 44KB 観察 思いやり 愛情 日常模様 育児 野良ゆ 現代 独自設定 なにが最強なのかって?さあ… 気ままあき 「ゆ……あ…………あっ…………」 雑居ビルが立ち並ぶ街。 ビルとビルとの間にある薄暗い路地裏…… そこには野良ゆっくりの棲家と思われる使い古しのダンボール箱がいくつも立ち並んでいる。 そのダンボール箱のひとつに……その成体れいむは住んでいた。 そのれいむは野良らしく汚れていた。 あんよはカチカチに黒ずんでいて、肌も土まみれ埃まみれ。髪の毛はボサボサ、 命同然のお飾りである紅白リボンも薄汚れている。 しかし汚れてはいるが特に外傷などはなかった。恐らくこのれいむは健康そのものだろう。 それなのになぜか……そのれいむには生気がまったくない。 ダンボールの中で一日中なにをするわけでもなく、日がな一日腐った魚のような無気力な目をしてボーとしているだけ。 何日もごはんを食べてなく、強烈にお腹がすいているはずなのに狩りにいこうという素振りさえない。 一体このれいむに何があったというのか? ぽよん……ぽよん…… それはゆっくりが元気良く跳ねる音。 れいむは思わずその音がする方角へとゆっくり振り向く。 れいむが視線を向けた先には……かすかに遠くに見える表通りを元気良く、 そして仲睦まじく飛び跳ねていく若いまりさとれいむの姿が見えた。 その二匹も薄汚れた身体をしていておかざりにバッジをつけてないゆっくりであり……間違いなく野良ゆだろう。 そんな若い野良まりさと野良れいむの姿を見続けるれいむのの目元から一筋の涙が流れ落ちる。 れいむは若い彼女たちを見て思わず思い出してしまったのだ。 まだ若く、元気いっぱいだった頃の自分を。ゆっくりできる未来を無邪気に信じていたあの頃を…… (ぞうだよ……れいむもむかしは……むかしはあんなふうに………まりさと……いっしょに………れいぶ……は……) そして思い出すのだ。希望とゆっくりに満ち溢れていた、れいむが一番輝いていたあの時代を…… ぽよん!ぽよん! 間の抜けた音が道の向こうから近付いてくる。 これはゆっくりが飛び跳ねる音。なんとも気の抜ける擬音である。 「ゆゆ~~ん!ちこくっ!ちこくぅぅぅ~~~~~~!」 必死に飛び跳ねて先を急いでいる(つもり)のれいむが現れた。 身体全体のい汚れ加減から一目瞭然、どこからどう見ても立派な野良ゆっくり。 野良れいむはこの時ゆっくりしないで先を急いでいた。 今日は待望の生ゴミの日だというのについ寝坊をしてしまったからだ。 このままではしあわせー!なごはんさんを得ることができずにゆっくりできなくなってしまうだろう。 ゆっくり寝坊してから起きた野良れいむは、寝坊した事に気づくと取るものもとりあえず巣を飛び出してきた。 朝御飯はきちんと食べないとゆっくりできないので、それなりー味の葉っぱさんを口にくわえている。 「ゆんっ!あのかどさんをまがれば、ごみすてーしょんさんがみえてくるよ! いまれいむがたぁ~~くさんむーしゃむーしゃしにいってあげるからね!ごはんさんはゆっくりまってて……」 「ゆーん♪きょうもたいりょうっなのぜぇ~~♪ゆっくりおうちにかえ…」 びった―――んっ! なんという事だろう。角を曲がろうとした野良れいむが、同じく反対側から角を曲がろうとした野良まりさと 正面衝突!してしまったではないか。なんか昔の少女漫画の定番みたいな間の抜けた展開である。 「ゆべええええっ!?い、いだぃぃぃぃぃっ!おぼにおがおがいだいぃぃぃぃっ!」 「いだいのぜぇぇぇぇっ!ばりざのかっこいいおかおざんがぁぁぁぁっ!?」 お互いに涙を流しながら、陸にうちあげられた魚のごとく身体をびったんばったんと跳ねまくる。 なんともオーバーな痛がりようである。 一通り痛がった後……二匹はよろよろと起き上がるとキッと顔を上げた。 ぶつかってきた相手に文句のひとつでも言わなければ気がすまないのだろう。だがしかし…… 「ゆっ!?」 「ゆゆっ!?」 不思議な事に野良れいむと野良まりさはお互いの姿を認めた瞬間に固まってしまったのである。 ぶつかった痛みや怒りなどもうどこかに消し飛んでいた。 (ゆ、ゆぅぅぅ……とってもわいるど!でゆっくりしているまりさだよぉぉぉぉ……!) (な、なかなかのびゆっくりなのぜぇ……まりさごのみのゆっくりしたびれいむなのぜぇぇぇ……!) 気が付けばれいむとまりさはお互いをまじまじと凝視していた。 そのままじりじりと相手を観察しつつ、無意識に互いが円を描くようにゆっくりと横に移動していく。 両者の頬に流れる一筋の汗。その様はまさに真剣をもった剣士同士の果し合いのよう。 たっぷり10分間に渡る無言の対峙……その均衡が遂に破れる時がきた。 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!だぜ!」 意を決して発せられた渾身のゆっくりできるご挨拶。 「れ、れいむはれいむだよっ!」 「ま、まりさはまりさなのぜっ!」 そして自己紹介。人間が聞いたら何がどう違うのかさっぱり分からないが、 ゆっくりにとってはこれで充分個体認識できるらしい。 「ま、まりさは……ま、まりさ……はと、とても………とてもゆ…………ゆ、ゆぅぅぅぅぅぅんっ!」 必死の覚悟で何かを言おうとしたれいむ。 しかし結局何もいえずに顔をまっ赤にし、ぴこぴこさんで顔を隠していやいやするように身をもじった。 一体なんなんだろうかこれは……?新手の精神攻撃かなにかなのだろうか? 顔を赤くして何かを言い出せないれいむを見かねて、今度は同じように顔をまっ赤にしたまりさが口を開く。 「れ、れ、れ、れ………れいむはとっても……とってもゆっっっっっくりしてるのぜぇぇぇぇぇっ! ま、まりざと……まりざとっ!ずぅぅぅぅぅぅっっっとゆっぐりしてほしいのぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 「ゆ、ゆううううううううっ!?ま、まりさぁぁぁぁぁっ!」 なんという事だろう。喧嘩でもするのかと思ってたのだが、なんとこれはプロポーズだったらしい。 まりさ一世一代の『だいっ!こくっ!はくっ!』に思わず嬉し涙を流し、感動の目でまりさを見るれいむ。 ついでにうれしーしーも壊れた蛇口のようにぶしゅぅぅぅ!と漏らしてたのだがこれはまあ目をつぶっておこう。 女のれいむから男のまりさ(どっちもメスだが)に愛の告白をするなどはしたない行為。 そんなれいむの女心?をゆっくり理解し、ありったけの勇気を振り絞って自分から告白したまりさ…… その男らしい心遣いは当然れいむもゆっくり理解しているだろう。だかられいむは猛烈に感動したのだ。 そしてその告白を受け入れることに迷いは微塵もなかった。 「も、もちろんだよ!まりさ、れいむといつまでもず~~っといっしょにゆっくりしようねっ!」 「ゆ、ゆぅぅぅぅぅっ!や、やったのぜぇぇぇぇぇっ!びゆっくりのれいむをおよめさんっにできたのぜぇぇぇぇっ! これでまりさもおとなのなかまいりっなのぜぇぇぇぇっ!」 「さっそくおうちでゆっくりしようね!ゆっくりしないではやくゆっくりしようね!」 「まりさのおうちはこっちなのぜ!ゆっくりあんないっするから、れいむはついてくるのぜぇ!」 「ゆゆ~~ん!れいむはゆっくりまりさについていくよ!」 こうしてどこにでもよくある野良ゆっくりの番がまた一組出来上がったのであった。 それにしても……この偶然の出会い→いきなり告白→即カップル誕生までにかかった所要時間は実に20分。 番を決めるという一生の大事をこうも簡単に決めるとはあまりにも異様に決断が早すぎるのでは…・・と思われるだろう。 が、実は野良ゆっくりの世界においては別に珍しいことではなかったりする。 まずゆっくりは名前に反して意外とゆっくりしていない。特にゆっくりを求める事に関しては性急である。 加えて野良という過酷な状況がのんびりとした交際を許さないという事情がある。 まずお友達から始めましょうね~などと相手をじっくりと吟味する暇など野良にはないのだ。 常に野良は一期一会、明日にはお互い命があるかどうかすら分からない。 だから気に入った相手とめぐり合ったならば即アタックが当たり前、即番をゲットするのは当然の事なのである。 そもそもその日暮らしの野良が自分が気に入る相手とめぐり合うこと自体、非常に稀なのだ。 貴重なチャンスをむざむざ逃してるとクズの烙印を押されて一生独身という目になりかねない。 子供に固執するゆっくりにとって一生独身というのは最高にゆっくりできない最低の未来である。 と、いう訳でともあれ……こうして野良ゆっくり同士が出会いそして番となった。 なら次に二匹がするべきこととはなにか? そりゃもちろん性欲に忠実な若い野良二匹が出会えば、後はもうレッツゴーホテルしかないであろう。 「やさしくしてね?やさしくしてね?れいむはじめてだから、らんぼうっはしないでね?」 「まりさもはじめてだから、もしまちがってたらごめんなのぜ……じゃあれいむいくのぜ……?」 「ゆん……きてまりさ……れいむのはじめて、ゆっくりもらってね」 「かわいいのぜれいむぅ……」 そんな気持ちの悪い愛の言葉をぬけぬけと抜かしながら、 まりさのおうちである路地裏の薄汚いダンボールハウスで肌を重ねる二匹の汚物。 そして自称『しんせいっなあいのいとなみさん』が始まった。 「むほぉぉぉぉぉっ!れいぶぅぅぅぅっ!ばりざのれいぶのまむまむぅぅぅっ!ずっっっっんごいのぜぇぇぇぇぇっ! ばりざずぐにでもしょうてんっしじゃうのぜぇぇぇぇぇぇっ!」 「おほぉ!おほぉぉぉぉ!がわいいれいぶがぁぁぁぁぁっ!いどじのまりざにはじめでをざざげでるぅぅぅぅぅっ! れいぶぅぅぅ!しょじょじゃなぐなっでるうぅぅぅぅぅぅっ!けがれちゃっでごめぇぇぇぇんねぇぇぇぇぇぇっ!!」 「いぐぅ!いぐぅぅぅっ!ばりざもういっじゃうのぜぇぇぇぇぇっ!」 「ぎでぇ!ぎでばりざぁぁぁぁっ!がわいいれいぶをはらまぜでぇぇぇっ!がわいいおじびじゃんうまぜでぇぇぇぇっ!」 「れいぶぅ!れいぶぅ!れいぶぅぅぅぅっ!いぐのぜっ!いぐのぜぇぇぇっ!さいきょうっのまりさのっ! さいきょうっのいでんしさんをうげどるのぜぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」 「いぐぅ!いぐいぐいぐいぐぅぅぅぅぅぅぅっ!むほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」 「おほほぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 「「ずっぎりぃぃぃぃぃぃぃ―――――――――――――――っっっっ!!!?!」」 「すてきだったのぜれいむ……」 「ゆんっはずかしいよまりさ……ゆふふっおなかのあかちゃんたち、ゆっくりしてるよぉ……」 事が終われば二匹とも賢者モードに突入である。 ぴこぴこさんでお腹を優しくさすって新しくできた命を大事そうにいとおしむれいむ。 そんなれいむを優しげなまなざしで見守るまりさ。 これがついさっきまで涙とよだれと変な体液を垂れ流しまくって絶叫していた汚物どもだとはとても思えない。 「れいむたち……いますごくゆっくりしているね……」 「まったくなのぜ……まりさたちはいま、まちがいなくせかいでいちばんゆっくりしているのぜ……」 「ゆん……?ねえまりさあれをみてね」 れいむが不意に遠くに見える表通りをぴこぴこさんで指差した。 まりさは何事かとゆっくり指差した方を見て……ゆっくり頷く。 そこには表通りを歩いている「ゆっくりしていない人間さん」がたくさんいた。 「ああ……くそにんげんがゆっくりしないであるいているのぜ。でもそれがどうかしたのぜ……?」 「あいからわずゆっくりしてないなって思ってね……」 「まったくさいていっのいきものなのぜ……くそにんげんってやつは……」 「うまれてくるおちびちゃんたちは、ぜったいにあんなふうになってほしくないよ……」 「だいじょうぶっなのぜ。まりさのれいむのおちびちゃんなんだぜ?ゆっくりしたゆっくりにうまれてくるはずなのぜ」 「ゆふふふ……そうだねまりさ。れいむちょっとふあんになってとりこしくろうをしちゃったよ」 「れいぶ……ゆんっこいつぅ~~」 「ゆふふふっ♪」 ……などという新婚熱々甘甘だるだるな三文芝居が この調子でこの後ず~~~~~~っと続くのであるがあえて割愛しておこう。 このままではこの物語の読み手達のストレスがマッハ全開でブレイク限界してしまうだろうから…… それかられいむとまりさの夫婦生活が始まった。 妊娠してあまり動けないれいむは巣の掃除や整理などを担当し、 まりさは毎日ゴミ捨て場や公園などで餌となりうる生ゴミを手に入れたり雑草を引き抜いてきたりする。 番になってもやる事は相変わらずの野良生活ではあるが、 おちびちゃんというゆっくりできる明日が明確に見えている二匹の表情は明るい。 そして二匹が番になって一週間後……ようやく待望のおちびちゃん出産のときを迎えたのであった。 「ゆぎぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃっ!う、うばれるぅぅぅぅぅぅっ!」 「がんばるのぜれいむ!もうすぐおちびがれいむのぽんぽんからかおをだすのぜ!あともうすこしなのぜっ!」 「ゆ、ゆっぐじ……!れいぶのゆっぐじがぁぁぁ……!みらいへのきぼうざんがぁぁぁぁっ! けがれなきてんじざんがぁぁぁぁぁっ!!い、いまちじょうにこうっりんっずるよぉぉぉぉっ!?」 「もうずぐなのぜ!もうずぐなのぜっ!ゆっくりじたおちびを、さいきょうっのおとーざんが ゆっぐりしたおぼうしでうけとめるのぜっ!」 「ゆぐぐぐぐ…………がぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」 すぽん!ぽ――――んっ! その時!れいむのお腹から打ち出されたパチンコ玉のようにふたつの命が吐き出された。 まるで数日間お通じがよくなくてとことん苦しんだ挙句、やっとこさ下痢便をぶりぶり排泄したかのごとき勢いである。 吐き出されたモノは前もって身構えていたまりさの帽子の中にナイスシュートとばかりに入り込む。 帽子の中に入り込んだモノ達はしばらく帽子の中でもぞもぞしていたが…… やがてれいむのまりさの前に彼女たちはゆっくりとその姿を現した。 「「ゆっくちちていっちぇにぇぇぇぇぇっ!」」 「ゆ、ゆわぁぁぁぁ~~~っ!と、と、と、と~~~ってもゆっくりしたおちびちゃんだよぉぉぉぉっ!」 「ゆっくりしていってね!まりさがまりさだぜ!おとーさんなんだぜっ!」 「ゆっくりしていってねぇ!れいむがれいむだよ!おちびちゃんたちにゆっくりしたおかーさんだよぉぉぉぉっ!」 「おきゃーしゃん!きゃわいいれいみゅにしゅーりしゅーりちてぇ!」 「ゆゆっ!まりちゃおにゃかがしゅいたんだじぇ!」 「まっててねえぇぇぇぇ!すぐにごはんさんをよういしてあげるし、すーりすーりもたくさんっしてあげるからねぇぇっ!」 この後のれいむ達の家族団欒の様子は特に描写すべきことはないだろう。 れいむは野良ゆっくりにありがちな、ゆん生最高のゆっくりを思う存分味わっただけのことだから。 こうしてれいみゅとまりちゃを一匹づつ授かったれいむとまりさは路地裏でさらなるゆっくりを謳歌した。 後から考えてみると……まさにこの頃がれいむのゆん生における絶頂期であったかもしれない。 「ゆっくりのひ~~♪まったりのひ~~~♪」 「ゆゆ~ん!おきゃあしゃんのおうたはゆっくちできりゅにぇ!」 「まりちゃもゆっくちうたうのじぇ!ゆっくちのひ~~♪」 「ゆーん!さすがれいむとまりさのおちびちゃんだよ~。おうたもとてもゆっくりしているね!」 出産してさらに一週間後。路地裏のダンボールハウスで家の留守を守りながら子育てするれいむの姿があった。 子供……特に赤ん坊ほど手のかかるものは他になく、それこそ24時間つきっきりで面倒を見なければいけない存在である。 ゆえにれいむは決してまりさにばかり働かせ、 自分は家で子供と遊んでばかりでだらけているわけではないという事を理解してもらいたい。 「……ゆっ?にぇえにぇえおきゃーしゃん!あれはなんなのじぇ?」 「ゆん……?」 「ゆゆ~~……なんだきゃ、ゆっくちちてにゃいいきもにょだにぇ!」 突然まりちゃが表通りを歩く人間を見つけておさげで指差した。 そういえばれいみゅとまりちゃはまだ『人間』という存在を見たことがなかった。 『人間』がいかなる存在なのかも詳しくは知らないであろう。 ならばここは親として人間とはいかなる存在であるかを教えなければならない。 何故ならば人間を知らずして野良を生き抜くなど不可能だからだ。 「おちびちゃんたちに、ゆっくりとしたおかあさんがゆっくりおしえるよ!あれはね『にんげんさん』ていうんだよっ!」 「ゆゆっ?にんげんしゃん?」 「にんげんしゃんはゆっくちできりゅのじぇ?」 「ゆう……それがね……にんげんさんはぜんぜんっゆっくりできないよっ!」 「ゆ、ゆっくちできないのじぇ?」 「れ、れいみゅしんじられにゃいよ!にゃんでそんなゆっくちできにゃいどーしよーもないのがいりゅにょ!?」 「それはね!にんげんさんはゆっくりじゃないからだよっ!」 「「ゆゆゆっ!?」」 れいむは『人間』をちびちゃん達にゆっくりと教えていく。 人間がいかにゆっくりできない下等生物であるのかを…… ゆっくりのゆっくりっぷりに嫉妬して意地悪ばかりしているという耐えがたい現実を…… 人間はゆっくりできるおうち、あまあま、ゆっくりできるすべてのものを独り占めするゲスだということを…… 一部の物好きな人間はゆっくりを捕まえて『飼いゆっくり』という奴隷にしていることを…… さらにゆっくりを虐待する事に喜びを見出す『虐待鬼意惨』なる最底辺の種まで存在するということを…… 逆にゆっくりを崇め奉る良心的人間もごくごく稀にではあるが存在しているということを…… だがその種類の人間……『愛で派』は本当に数が少なく、絶滅寸前の希少種であるということを…… 「し、しんじられにゃいのじぇ……」 「どぼじて……?どぼじて、そんにゃゆっくちできにゃいのがこのよにいりゅにょ……?」 「ゆん……おちびちゃんたちのきもちは、おかあさんもすごーくわかるよ…… でもね……だからこそゆっくりはにんげんさんたちにかかわっちゃいけないんだよ! そっとしておいてあげなきゃいけないんだよ!りかいできるかな?」 「ゆ、ゆゆっ?」 「ゆっくりしたゆっくりをみるとね、にんげんさんはなぜかゆっくりできないんだよ…… しっとしちゃうといえばわかりやすいかな?」 「まりちゃにしっとしちゃうのじぇ?まりちゃ、きゃっこよくちぇごみぇーんにぇ!なのじぇ!」 まりちゃは嫉妬されていると聞かされて思わずお決まりの『かわいくてごめんね!』系の挨拶をした。 これは自分の可愛さ、格好よさ、ゆっくりっぷりに対して過剰なまでに根拠のない自信をもっているゆっくりが 自分では謙虚に振舞っているつもりだが、実はいい気になって自慢する為にやる傲慢な挨拶である。 しかしれいむはそんなまりちゃの謙虚でゆっくりできるご挨拶に対して悲しそうに首?を横に振った。 それじゃ駄目なのだとれいむはさらに言う。 「だめなんだよ。おちびちゃんがいくらけんきょっにふるまってもね……にんげんさんのしっとはおさまらないんだよ」 「ゆゆゆっ!?」 「ど、どぼじてぇぇぇぇぇっ!?」 「にんげんさんはそれくらいこころがせまい、ゆっくりできないいきものなんだよ…… だったら……もうほっとくしかないよね?ゆっくりはにんげんさんとかかわりあいにならないほうがいいんだよ それが、それだけがにんげんさんがゆっくりできる、たったひとつのほうほうっなんだよ……」 「ゆう……」 「にんげんしゃんというのは、かなしいいきものなのじぇ……」 「みんにゃでゆっくりしたほうがゆっくちできりゅにょににぇ……」 「おちびちゃんたちのいうとおりだよね。でもにんげんさんはそれがりかいできないんだよ…… ゆっくりしてないからね」 「ゆっくち……りきゃいちたよ……」 「まりちゃもりきゃいちたのじぇ……」 「ゆ、ゆん!にんげんさんのおはなしをしたせいでちょっとゆっくりできなかったね! もうにんげんさんのことはわすれて、みんなでゆっくりしようねっ!」 「そうだじぇ!まりちゃはゆっくちしゅるのじぇえ!」 「ゆっくちできにゃいにんげんしゃんなんちぇ、もうれいみゅしらないよ! にんげんしゃんのじごうじとくっなんだからしょうがにゃいよ!」 「そのとおりだよおちびちゃんっ!だかられいむたちはゆっくりしようね! ゆっくりできないにんげんさんのぶんまでね!」 「「ゆっくちしゅるよっ!」」 れいむの物言いには少し問題あるが……野良ゆっくりが人間と関わってはいけないと子供に教えたのは大正解である。 生活が辛くても、あまあまが手に入らなくても、死にたくなければ人間と接触してはいけないのだ。 だが……しかしこんな人間の街のド真ん中で、果たして人間に関わらずに生きていくなんてできるのであろうか? 現にれいむ達家族の食事だって、まりさがゴミ捨て場から拾ってきた人間の食べ残しが多いのだ。 たとえ野良ゆっくりの方から関わり合いになるのを避けたとしても限界がある。 その限界はさらにもう少し時が流れ……まりちゃとれいみゅが子ゆっくりになった頃に突然訪れた。 「ゆ~……おとうしゃんとおかあさん、かえってくるのおそいにぇえ!」 「しんぱいしなくても、すぐにたくさんのごはんさんをもってかえってくるにきまってるのじぇ!」 「ゆんっ!そうだにぇえ!れいみゅはゆっくちおるすびゃんするよ!」 「さいきょうっのまりちゃさまが、おうちをゆっくちまもるのじぇ!」 どうやられいみゅとまりちゃが子ゆっくりにまで成長して家の留守番ができるようになったのをきっかけに、 れいむもまりさと一緒に狩りに赴くようになったらしい。 とはいっても子供をおうちに残して狩りにいくのは、れいむにとって本当に時々やるくらいのことだ。 子供とおうちが心配がゆえに家を空けるのは一週間にわずか二日程度、ゴミ捨て場に生ゴミが出される日だけである。 それも留守にする時間は朝っぱらのほんのわずかな間にすぎない。 たったそれだけの留守の間に何事かなど起きるものか。れいむはそう考えていただろう。 ……だがそれで充分なのだ。野良ゆっくりに突然の不幸が襲いかかるのはまさにそんな間隙の時なのだから…… 「おーい。なんか物音がすると思ったら……こんな路地裏に野良ゆの巣がありやがるぜー」 「へえ……ねえバスが来るまでちょっと暇つぶし、しちゃう?」 「いいねえー」 「「ゆっ?ゆゆっ……?」」 「ゆっゆ~~ん♪きょうもたいっりょうっなのぜぇ~~♪」 「やったねまりさ♪これでおちびちゃんたちもおおよろこびだよっ!」 二匹がおうちを出てから40分後……黒帽子に生ゴミをぱんぱんに詰込んだまりさとれいむが帰ってきた。 上機嫌な様子を見るに狩りの成果は上々のようだ。 はやくおうちに帰りたい、お留守番をしているおちびちゃん達に狩りの成果を見せて尊敬されたい、 家族みんなではやくむーしゃむーしゃしてしあわせーになりたい…… そう二匹の顔に書いてあるかのような満面の笑顔。だが…… 「ゆっ……?ど、どぼじておうちがひっくりかえっでるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」 まりさは自分のおうちを見たとたんに驚愕して思わず叫んだ。 何故ならおうちであるダンボールハウスがわずかに吹き飛ばされており、 中にあった古タオルや備蓄の食糧などが飛び出して辺りに散乱してたからだ。 よく見るとダンボールの側面が少しひしゃげている。まりさには分からないがこれは人間が蹴った跡である。 「ば、ばりざのがっごいいおうちがぁぁぁぁっ!ばりざのゆっくりじでるおうちがどぼじでごんな………ゆっ!? お、おちび?おちびはどこいったのぜ!?お、おちびぃぃぃぃっ!おちびどこなの………ゆっ!?」 一通りおうちの惨状に泣き喚いた後、ようやく子供たちの安否に思いが至ったまりさ。 キョロキョロと周囲を見渡して自分のおちび達を探す。 どうしてこんな有様になったのかをおちび達から聞き出さねばならない。 これはどういう事なのだと。もしおちび達による性質の悪い悪戯だとしたらさすがにちょっときつーいお仕置きを…… そこまで思ったまりさが最初に見つけたもの……それは番であるれいむの後姿であった。 気のせいかれいむの身体が小さく震えている。 まりさはそんなれいむに声をかける事ができずにれいむに近付いていく。 れいむが口にくわえていた『それなりー味な草さん』がバサッと地面に落ちた。 まりさはれいむの身体越しに見てしまった……れいむが見ていたモノを。 そして……れいむは叫んだ。心の底から腹の底からありったけの力で絶望の叫びを。 「れ……れいぶのおちびちゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?ああああああああああああああああああああっっっ!?」 れいむの目の前には我が子のなれの果てが転がっていた。 まりちゃは全身を『木の枝さん』や『爪楊枝さん』でぷーすぷーすされた…… 目も、あにゃるも、舌も、身体中のありとあらゆる場所に何十本と木の枝等をハリネズミのように刺された我が子の姿。 失餡で楽に死ねたわけではない、その事はまりちゃの死に顔が雄弁に物語っている。 非ゆっくり病になるくらいのゆっくりできない苦痛を極限まで与えられたと思われる。 その死に顔はとてつもなく苦痛に歪んでいた。 れいみゅは……おそらくまりちゃに対する見せしめとして、まっ先に殺されたと思われる。 よく観察しながられいみゅの死体を見てみればわかる。 おかざりが半分ちぎられていた。ぴこぴこさんがひっこ抜かれていた。左眼をアマギられていた。 その上で……真上から足で踏み潰されていた。 口から。目から。まむまむから、あにゃるから、れいみゅはありとあらゆる穴から餡子を噴出して絶命したのであろう。 ゆっくりの無力さをさんざん思い知らせた末の見せしめの処刑…… 犯人の残忍性は死体の有様を見ればよくわかるというものだ。 「ゆんやぁぁぁぁぁっ!お、おじびじゃっ!れいぶのおじびじゃんがぁぁぁぁぁぁっ!」 「ばりざにのおじびがぁぁぁぁぁぁっ!ど、どぼじでっ!どぼじでごんなぁぁぁぁぁっ!ゆんやぁぁぁぁぁぁぁっ!」 「ぺーろぺーろ!おじびじゃん、じっがりじでね!いばおがーざんがぺーろぺーろじでなおじであげるがらねっ!」 「おじびぃぃぃっ!えだざんぬげるんだぜ!ゆっぐじじないではやぐぬけるんだぜっ! ぐああああああああああっ!はやぐぬげろぉぉぉぉぉぉっ!このくそえだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 れいむは潰れてぺしゃんこになっているれいみゅを必死にぺーろぺーろして舐め始める。 まりさはまりちゃに刺さった枝を口とおさげで引き抜き始めた。 しかしそんな事をしてもすでに永遠にゆっくりしているれいみゅとまりちゃが生き返るはずもなく…… しばらく無駄な徒労をした後、二匹はそれぞれ作業を放り出して泣き喚いた。とにかく大声で泣き喚き続けた。 「ゆあああああああんっ!れいぶのおじびじゃんがぁぁぁぁっ!れいぶのゆっぐりがなぐなっじゃっだよぉぉぉぉぉっ!」 「あんまりなのぜぇぇぇぇぇっ!ばりざなにもわるいごとじでないのにぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「がえじでぇぇぇぇっ!れいぶのゆっぐじをがえじでよぉぉぉぉぉっ!ゆあぁぁぁぁんっ!」 「いくらばりざがゆっくりじでいるがらって、りふじんすぎるでしょぉぉぉぉぉぉっ!?」 「れいぶはひげきのひろいんさんだよぉぉぉぉぉっ!ふこうっなしんでれらさんだよぉぉぉぉぉぉぉっ! どぼじてみんなじてれいぶにいじわるずるのぉぉぉぉぉっ!?ゆっぐりできないでしょぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」 「「ゆああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!ゆああああああああああんっっ!!」」 さてお気づきであろうとは思うが……れいむとまりさは子供を失った事で悲しんでいるのではない。 子供という『ゆっくりできる事』を失った事を悲しんでいるのだ。 れいむ達……いやゆっくりという種にとって、死んだゆっくりなどそれこそ単なる物扱いである。 おちびちゃんたち痛かっただろうね。辛かっただろうね。お空のゆっくりプレイスでゆっくりしていってね…… などと死者を悼む気持ちなどまったくない。ゆえに犯人を探して謝罪させよう、敵を討とうという気持ちもない。 それよりも自分がゆっくりする方が先なのだ。 おちびちゃんがいないとゆっくりできない、おちびちゃんを失ったれいむはかわいそう、れいむは悲劇のヒロインさん… 今れいむはそれだけしか考えてない。悲しみをゆっくりに変える事しか考えていない。 この状況で少しでもゆっくりしよう、少しでもゆっくりしたいという本能だけがれいむを突き動かす。 その本能が『おちびちゃんが殺された』というゆっくりできない現実を頭の中からきれいに消し去った。 後はただ泣くだけ。悲しみを忘れ悲劇のヒロインを演じてゆっくりする為に大泣きするだけ。 ゆえにれいむとまりさは泣きに泣いた。 人間がめったにこない路地裏であった事が幸いし、人間が騒音被害で乗り込んでくる事がなかったのだけが救いであった。 「ゆぐっ……ゆぐっ……れいぶのゆっぐじ………おちびじゃん………」 「ゆん……れいむ、かなしいのはわかるけどいつまでもないててもしょうがないんだぜ……」 「ばりざ……ばりざぁぁぁぁ……」 「おちびはまたつくればいいよ!とりあえずきょうはもうゆっくりするんだぜ?」 「ゆう……ゆぐっ……どぼじてれいぶばかりこんなめにあうのかな……?れいぶがかわいいからなの……?」 「きっとそうなんだぜ……まりさとれいむがあまりにゆっくりしてたから、ついふこうさんがきちゃったんだぜ」 「ゆぐっゆぐっ……れいむひげきのひろいんさんでごめ~んねぇぇぇぇ………!」 その後まりさは蹴り飛ばされたダンボールを元の状態に戻した。 幸いおうちの損傷は軽微のようで、引き続き住むのになんの不具合もなかった。 おうちを元に戻してれいむと一緒によろよろとおうちの中に入って、まりさ達はとりあえずゆっくりした。 おちびちゃんの死体を埋葬するなどまったくせず、そのまま外にほったらかしでとりあえずゆっくりした。 そして二匹がおうちに入ってわずか10分後…… 「ゆほぉぉぉぉぉっ!ゆほほぉぉぉぉっ!ばりざのれいぶのまむなむ、やっばりずんごいのぜぇぇぇぇぇぇっ!?」 「おほぉ!おほぉ!ばりざぁぁぁっ!ゆっぐりできながっだきょうのふこうざんをわずれざぜてぇぇぇぇっ! しょうしんっのれいぶをゆっぐりなぐざめでねぇぇぇぇぇぇぇっっ!?!」 「なぐさめでやるのぜれいぶぅぅぅぅっ!ぞじだらまだばりざのおちびをうむのぜぇぇぇっ!?」 「うむぅぅぅっ!れいぶもっとおじびじゃんをうむぅぅぅぅっ!もっどもっど!れいぶはゆっぐりずるぅぅぅぅぅっ!」 「いぐぅ!ばりざもういっじゃうぅぅぅぅぅぅっ!」 「ゆっぐりぃ!ゆっぐりゆっぐりぃぃぃぃぃっ!」 「「んほぉぉぉぉぉぉぉっ!ずっぎりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!」」 れいむは番のまりさと自称『けがれなきてんしたんじょうのぎしきさん』ことすっきりー!をしてまた子供を産んだ。 しかも今度は植物妊娠をして8匹もポコポコ産んだのである。 これはおちびちゃんの数が多ければ、たとえ一匹や二匹が不慮の事故で死んだとしても 充分ゆっくりできる数の子供が残るというれいむの計算によるものである。 それだけおとびちゃんという『ゆっくり』を失うことはれいむにとって痛恨の出来事だということであろう。 だがれいむはおちびちゃんに固執するあまり大事なことを忘れていた。それは…… 「ゆ、ゆっくりただいま……だぜ…」 「おそいよまりさ!さっさとごはんさんをだしてね!」 「ゆわ~~い!ごひゃん♪ごひゃん♪」 「まりちゃ、おにゃかいっぴゃいむーちゃむーちゃしゅるのじぇえ!」 しかしまりさの黒帽子の中から出てきたのは、とてもゆっくり10匹分に相当するとはいえない量の食料であった。 せいぜい4~5匹分であろうか?それでも大したものではあるが……でもれいむはそれじゃ満足しないのだ。 「はあああああああっ!?たったこれだけなのぉぉぉぉぉっ!? これっぽっちじゃおちびちゃんみんながむーしゃむーしゃでぎないでしょぉぉぉぉぉぉっ!?」 「ご、ごめんねなのぜ。で、でもまりさがいっかいでできるかりはそれでせいいっぱいなのぜ……」 「いいわけなんてききたくないよ!さっさとのこりのおちびちゃんのぶんのごはんさんもとってきてね! いますぐでいいよ!」 「ぞ、ぞんなぁ……まりざはいまかえってきたばかりでつかれているのぜ?せめてやすませてほしいのぜ……?」 「ばりざはおとうざんでしょおおおおおおおおっ!?さっさとごはんさんもってごいよこのくずぅぅぅぅぅっ!」 「ならせめてれいぶもかりをてつだってほしいのぜ……ばりざひとりだけじゃもうげんかいっなのぜ……」 「やだよっ!おうちをるすにして、またおちびちゃんをうしなうなんてもうまっぴらごめんだよ! れいぶはおうちにいておうちとおちびちゃんをまもるんだよっ!」 「で、でもぉぉぉ……」 「いいからまりざははやくかりにいってね!おちびちゃんぜんいんのごはんさんをとってこないかぎり まりさをおうちにいれないからね!」 「わ、わがったのぜ……ずーり……ずーり……」 赤ゆっくりが一気に8匹も増えれば当然食糧難になるのは目に見えている。 二匹育ててた頃もまりさとれいむが協力して狩りをして、ようやく食料の自給が維持できていたのだ。 親を含めて10匹もの大家族の食い扶持を補うなど野良ゆっくりの能力を遥かに超えている。 れいむは子供を一度失ったことで、子供に対してあまりにも臆病かつ盲目になってしまった。 自然とすべての負担は番のまりさに押し付けられる。 まりさは一日中狩りをしてもまだ追いつかないほどの食料供給のノルマを課せられていた。 「にぇえにぇえ!にゃんでおとーしゃんはゆっくちちてにゃいにょ?」 「おとーしゃんはゆっくちちてにゃいゆっくりなのじぇ!」 「ゆゆっ!それはくずっていうんだじぇ!」 「ゆっくちできにゃいゆっくちはれーみゅのどりぇいにちてあげりゅよ!」 「どれいはまりちゃのうんうんをたべさせちぇやりゅんだじぇえ!」 「うるざいよっ!まりざおとーさんはれいむとおちびちゃんたちのために、ゆっくりしないでかりをしているんだよ! おとうさんをどれいなんていうわるいこはおかあさんがぷくーっするよ!ぷくぅぅぅぅぅっ!!」 「「「「「ゆぴゃぁぁぁぁっ!?きょわいぃぃぃぃぃっ!おかあしゃんごめんなしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」」」」」 断わっておくがれいむは決してでいぶと化したのではない。ただ必死なだけだ。 いまれいむは必死でゆっくりしようとしている。 子供を多く作りすぎたのはまずかったのではないかとれいむも感じてはいた。 だが産んでしまったからにはもう引き返せない。まさか我が子を口減らしに殺すわけにもいかないではないか。 番のまりさに無理を押し付けてすまないと痛感もしている。 第一れいむ自身もおちびちゃんの食事を最優先にしている為ほとんど食事していないのだ。 昔のようにまたまりさと一緒に狩りにいきたい。れいむも本当はそう思っている。 だが最初のおちびちゃん達を失ったあの悪夢が……れいむがおうちから離れる事を激しく躊躇させるのだ。 養いきれないほどの家族、動くに動けないれいむ、そして日々休む暇もなく重労働を課せられるまりさ。 この一家はもうとっくに完全な悪循環……負のスパイラルに飲み込まれていた。 そしてその日の夕方……終わりの始まりが早くも開始される事になる。 「ゆ、ゆっぐ……た、ただい………」 「ゆゆっ?ようやくかえってきたねまりさ!はやくおちびちゃんにごはんさ………ど、どぼじだのばりざぁぁぁぁっ!?」 おうちに帰ってきたまりさはボロボロの瀕死状態であった。 誰かに刺されたのであろう枝を何本も身体に受け、右目にも枝が突き刺さっている。 「ば、ばり……?ばりざ?ど、どぼじ……どぼじてごんな……」 「ゆ、ゆへへ……ばりざちょいと……どじふんじゃったのぜぇ……ばりざがみつけ……ごみすて……ざん…… どごかのむ……なわば……のぜ……。ご、ごめんねだぜ………きょうのごはんざん………は……」 「も、もういいよ!ばりざゆっぐりじでね!?ゆっぐりじでいっでねえぇぇぇぇぇっ!?」 「さいごにひとめ……れいぶをみれで……よかっ……」 「ばりざっ!ばりざぁ!ぞんなゆっぐりでぎないごといわないでよぉぉぉぉぉっ!ばりざぁぁぁぁぁぁっ!!」 「れ、れいぶとつがいになれで………ばり…ざ……ゆっぐり……」 「ばりざっ!ばりざっ!ばりざぁぁぁぁっ!ゆっくりじでよばりざぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 「も………もっと………れいぶ……と……ゆっぐじ………じだが……………た………」 「ゆっ……?ゆあ……ゆああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!」 れいむは初めてまりさと出会った時のように……ぴこぴこさんで顔を隠して号泣した。 番のまりさを失ったことは、れいむにとっておちびちゃんを失うよりも遥かに辛い出来事であった。 さすがのれいむもこの時ばかりは自分のゆっくりをすべて放り出した。 ただただ愛しいまりさの事だけを想って涙を流したのである。 今日、食糧調達に難儀したまりさはつい遠出して隣町のゴミ捨て場まで足を伸ばしたのだ。 だがそこは地元の野良ゆっくり、それもマフィアまがいのゲスゆっくりファミリーの縄張りであった。 まりさは危険を感じてただちに逃走を開始したが、それでも何度もゲスゆっくりに攻撃されて手酷い傷を受けた。 それでもおうちまで帰りつくことができたのは、ひとえにまりさのれいむへの想いゆえであろう。 本来ならばまりさが受けたその傷はその場で永遠にゆっくりしててもかしくないほどの重傷だったからだ。 「おかーしゃ……?」 「どぼちたのじぇえ……?まりちゃまだねむいねむいなのじぇ~?」 「ゆゆっ?にゃにこりぇ?」 「このおぼうち……もちかちて……おとーしゃん……?」 おうちの中でお昼寝していたおちびちゃん達が、れいむの号泣で起こされておうちの外へやってきた。 もう動かない父親……泣いている母親……赤ゆっくり達は状況がまったく理解できずにただおろおろするばかり。 そんな赤ゆっくり達をれいむは両方のぴこぴこさんで強く抱きしめた。 まだ涙は残っている。しかしれいむの瞳には強い決意が灯っていた。 まりさの忘れ形見を立派に育ててみせるという決意……誓い……覚悟が。 (まりさ……おそらのゆっくりぷれいすでみまもっていてね!れいむがこのこたちをしっかりとそだててみせるからね!) だが残念ながら世間は野良ゆっくりに対して優しくはないのである。 しかも今度はれいむ一匹で何から何まで全部やらなければならないのだ。 たった一匹で赤ゆっくり8匹の世話をしつつ8匹分の食料を調達する……無理だ。不可能を通り越して物理的に無理である。 れいむはこの時点で何匹かの赤ゆっくりの養育を諦めるべきであった。 せめて2~3匹程度ならばれいむだけでもかろうじて育てる事ができたであろう。 だがれいむの「母性」が、亡きまりさへの誓いが、れいむに無理を強行することを強いたのであった。 「こんにゃまずいくさしゃんなんきゃたべりゃれにゃいよ!まりちゃはあみゃあみゃがたべちゃいよ!」 「まえにおとーしゃんがもってきてくれちゃ、ばったしゃんがたべちゃいよ!」 「おきゃあさんはゆっくちちないではやきゅばったしゃんをとりにいっちぇにぇ!」 おうちに残した子供が足枷となって、れいむはゴミ捨て場どころか少し離れた狩り場にすらいけない。 当然そのぶん食事の質と量に反映されるわけであり。 以前ほどむーしゃむーしゃできなくなった赤ゆっくり達はすっかりお冠である……が。 れいむは謝罪するわけでもなく、かといってなだめるわけでもなく、ただ黙って子供たちの食事を下げたのだった。 「ゆゆっ?どぼじてごはんしゃんをとっちゃうにょ?」 「まりちゃはまだむーちゃむーちゃちたりないんだじぇ!」 「はやくごひゃんさんをかえちてにぇ!そちたらばったさんをもってきてにぇ!ぷんぷん!」 「まりちゃおこっちぇるのじぇ!もっとおいしいものたべしゃせるのじぇ!」 「うるさいよ!おかあさんがとってきたごはんさんにもんくがあるんならたべなくていいよ! おいしいものがたべたい?うちにはごはんさんはこれしかないんだよ!わがままいうこはごはんさんぬきだよ!」 「ゆ、ゆうううううううっ!?」 「ゆぇぇぇぇんっ!おきゃあしゃんがきゃわいいれいみゅをいじべるぅぅぅぅぅっ!」 「ま、まりちゃたちはまだあかちゃんなのじぇ?おやはあかちゃんをゆっくちしゃせなきゃいけないのじぇ?」 「おきゃあしゃんりきゃいできりゅ?」 「だからなんだというの?おちびちゃんたちがどれだけないてもわめいても、ごはんさんはてでてこないんだよ! ここにあるだけしかないんだよ!それにもんくいうのならじぶんでかりをしてきてね!ばかなの?しぬの?」 「「「「「ゆ、ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」」」」」 れいむもまだ自分ではなにもできない赤ゆっくりに対して無茶を言っているという自覚はある。 自覚はあるのだがそれでもあえて厳しく言わなければならないのだ。 現在のれいむ一家に赤ゆの果てなき欲望を優先できる余裕はどこにもない。 ここは心を鬼にしてでも生き残る方を優先させるべきなのだ。 このまま……おちびちゃん達が狩りができる子ゆっくり、もしくは亜成体にまで成長すれば希望も見えてくる。 それまでは過度なゆっくりなど決して許さない鬼おかんとして振舞うしかないのだ。 そしてさらに少し時が流れた…… 「れいみゅのいもーちょがぁぁぁぁぁぁっ!?」 「おちびじゃん!ゆっぐりなおっでねぇぇぇっ!ぺーろぺーろ!ぺーろぺーろ!どぼじでなおらないのぉぉぉぉっ!?」 「も、もっちょ……ゆっぐじ……」 「ゆんやあああああああっ!」 また一匹、れいむのおちびちゃんであるまりちゃが息を引き取った。 死因は通りすがりの野良猫にひっかかれ、噛み付かれたことである。 まったく不運としか言いようがない末路であった。 まりちゃから喧嘩を売りつけたわけではない。向こうから勝手に近付いてきて物珍しそうにじゃれただけだ。 れいむがが異変に気づいて駆けつけた時にはもう虫の息。当然助かる見込みなどこれっぽっちもなかった。 「ゆぐっゆぐっ……またれいぶのおちびじゃんが、えいえんにゆっぐりじちゃったよぉぉぉぉ………!」 「れいみゅのいもーちょがぁぁぁ……」 「ゆっぐりできないんだじぇ……まりちゃもうこんなのやなんだじぇぇぇぇ……」 番のまりさが死んだ日から今日まで、れいむのおちびちゃん達は様々な理由で次々と死んでいった。 次女れいみゅは、れいむが狩りで留守にしている隙に人間に踏み潰されて死んだ。 四女まりちゃは、小石を踏んづけてあんよが破れ……れいむが帰宅する前に失餡で死んだ。 五女れいみゅは、降雨後できた水溜りに間違えて飛び込んでしまい水に溶けて死んだ。 そんな感じでれいむのおちびちゃんは次々と死んでいく。 もともと脆弱で好奇心旺盛で歩く死亡フラグと言われる赤ゆっくりなのだから当然といえば当然の結果である。 れいむに残されたのはもはや長女れいみゅと末っ子まりちゃだけである。 いや二匹残っただけでも僥倖かもしれない。さらにこの二匹はもう子ゆっくりにまで成長していた。 もうそろそろ狩りに連れて行けるくらい身体が大きくなっている。 れいむの苦難と悲しみの時代は終焉を迎えつつある………ように見えた。 「ゆゆ~~ん!おかあさん、ゆっくりただいまなのぜっ!」 「かわいいれいみゅがかえってきたよぉ!」 「ゆんっ!ゆっくりおかえりなさいだよおちびちゃんたち!」 「きょうもたいりょうっなのぜっ!まりちゃかりのてんさいでごめ~んね!なのぜぇ~~♪」 「れいみゅもたいりょうっだよ!ゆっくりかりのせいかをみていってね!」 (ゆ、ゆん……れいむのおちびちゃんたちこんなにりっぱになって……) れいむの目元に思わず涙が光る。 最後に残った二匹のおちびちゃん達は見事に大人のゆっくりへと成長しつつある。 数多の姉妹たちの犠牲の末に……生き残った二匹は亜成体ゆっくりになっていた。 今では子供たちが狩りをしてれいむを養おうという勢いだ。 (まりさ、おそらのゆっくりぷれいすでみてる?れいむはちゃんとやくそくっを果たしたよ……! れいむとまりさのおちびちゃんは、こんなにもりっぱにそだってるよぉぉぉ……!) 「ゆゆっ?どぼじておかあさんがないているのぜ?」 「おかあさん、まるでおちびちゃんみたいだよ!」 「ゆ、ゆん!こ、これはうれしなみださんなんだよ!おちびちゃんたちがこんなにもりっぱにそだってくれたからね!」 「ゆゆ~ん!それほどでもあるのぜ~~♪」 「おかあさんがれいみゅをゆっくりさせてくれたおかげだよ!ゆっくりありがとうね!」 「ゆふふ……」 れいむは再び幸せの絶頂に登りつめようとしていた。 失われたゆっくりをこの手に取り戻したという達成感に満ち溢れていた。 そう、この時…… 「ゆんっ!じゃあふたりともさっそくごはんさんにしようね!みんなでむーしゃむーしゃしようね!」 「むーしゃむーしゃするのぜ!そだちざかりのまりちゃはたくさんたべるのぜっ!」 「れいみゅもむーしゃむーしゃするよ!」 「じゃあちょっとまっててね!おかあさんがごはんさんをはっぱにもりつけ……」 この瞬間…… 「…………え?な、なに……?ごれ…………?」 ……れいみゅとまりちゃのおしりに『カビさん』を発見するまでは。 「おでがいじまずっ!おでがいじまずぅぅぅぅっ!おじびじゃんをたずげてくだざいっ! かびざんでとっでもくるじんでいるんでずっ!れいぶのさいごのおちびじゃんなんでず! おでがいじまずっ!おでがいじまずっっ!どうがっ!どうがおじびじゃんだちをたずげてぐだざいぃぃぃぃっ!!」 「ゆっ……ゆっ……」 「くるじいよぉぉぉ……ゆっぐじ……ゆっぐじぃぃぃ……」 数日後……表通りで通行人に物乞いをするれいむの姿があった。 不運な事にれいむの子供たちは揃ってゆカビに侵食されていたのだ。 それもかなり以前からじわじわと犯されていたようで発見が遅れたのが致命的であった。 カビを発見したその日かられいむは懸命に直そうと子供をぺーろぺーろしたが、 おちびちゃんの容態は悪化するばかり……とうとう身体の三分の二がカビに犯されてしまったのだ。 「おでがいじまずにんげんざんっ!ゆっぐじでぎるにんげんざんっっっ!どうがれいぶをたずげてぇぇぇぇぇっ!!」 あれほど関わり合いになるなとおちびちゃん達に教えた人間さんに助けを乞う日がこようとは。 れいむだって本当は人間なんかに何かを頼むなどしたくはない。 だが他にゆカビを治療する当てがないのだ。ゆカビは人間さんだけが治せるという言い伝えがある。 いくらむーしゃむーしゃさせても、すーりすーりしても、ぺーろぺーろさせても ゆっくりの力ではカビの治療は不可能だった。だったらもう人間に頭を下げるしかないではないか。 「れいぶにはもうこのごたちじかいないんでずっ!このごたちがれいぶのさいごのきぼうっなんでずっ! このごたちがえいえんにゆっくりしじゃったら、れいぶはもうにどとゆっくじできないんでず! だがらっ!だからおでがいじまず!おじびじゃんを……おじびじゃんをたずげでぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 今れいむは「この子供たちがれいむの最後の希望」と言ったが、この言葉は決してオーバーな表現ではない。 何故ならばまりちゃとれいみゅを失ったが最後、れいむにはもう子供を授かるアテなどないからだ。 子供がいなければれいむ種はゆっくりできない。子供を作る番が必要になるのだが…… れいむは番のまりさを亡くした後ずっと独り身を貫いてきた。だがそれは好きで貫いてたわけではない。 ゆっくりには再婚という概念がないのだ。 いやもしかしたら概念自体はあるのかもしれない……だが野良の世界では完全に形骸化してると言っていい。 何故か?それは現実的に再婚相手を見つけることが不可能だからだ。 ゆっくりが番を選ぶポイントはまず若いこと、そして美ゆっくりであること、あとは種同士の相性である。 相性とは例えばまりさ種はれいむ種もしくはありさ種と結びつきやすいといった事だ。 美ゆっくりかどうかはあまり問題ではない。何故なら身なりがきれいな野良ゆなどまず存在しないから。 気持ち美ゆっくりっぽく感じられればそれで全然おkなのだ。 となると最大のポイントはやはり若さである。 若くてそこそこ美ゆっくりっぽい感じのゆっくり同士が惹かれあって番となる。 れいむのような、もう何回も子供を産んだ年寄りのおばさんゆっくりなど及びでないのだ。 どうせ結婚するのなら若くて未使用な子がいい。ゆっくりはそー思う。人間だってそー思う。 ならあと可能性があるのは同じような境遇で同じぐらいの年齢の野良ゆっくり同士が再婚するパターンしかない。 しかないのだが……確率は天文学的に低いといわざるをえない。 まず野良ゆっくりが高齢になるまで生き延びる事すら稀であるし、 出会ったとしても日々の生活に疲れた老ゆっくりに色気を感じるなどさすがに野良ゆでもそうそうない。 熟年結婚など野良ゆっくりには縁が薄いものだといわざるをえない。 だから野良ゆっくりが番を娶るというのは一生に一度しかない重大な事なのである。 やり直しや後戻りは一切できないのだ。 それでも番さえ生きていれば、おちびちゃんを失ったとしても『また作ればいいよ!』で済んだはずだ。 だがその番であるまりさはもうこの世にいない。 もしれいむが番はいい、おちびちゃんだけ欲しいというのなら道はなくもない。 そこらへんの行きずりの野良ゆやレイパーありす相手にすっきりー!やれいぽぅをされればいいのだ。 だが結婚、出産、家族に少女漫画のような幻想を抱いているれいむにとってそれはゆっくりできない事である。 だからこの選択肢には始めから入っていない。 やはり……れいむにとって、ゆカビに犯された我が子がすべてであり、最後の希望なのだ。 この二匹を失ったられいむは今までなんの為にゆっくりしないで生きてきたのかわからなくなってしまう。 「おでがいじまずっ!おでがいじまずっっ!れいぶのおちびじゃんをたずげでくだざいっ!だずげてぐだざいっ!」 地面にガンガン頭を叩きつけて必死に懇願するれいむ。 だが通行人はみんなそんなれいむを完全に無視している。 わかりきっていた事だ。人間が野良ゆっくりに対して冷淡だという事は充分すぎるほどにわかり切っている。 それでも人間に頼むしかないのだ。万に一つの可能性に賭ける以外に方法などなにもない。 ここであえて言っておこう……れいむは妙に運がいい。 不運にもれいむを助けようとする希少種「愛でお兄さん」に出会う事はなかった。 だが同時に幸運にも「虐待鬼意惨」にも出会う事はなかったのだから。 「ゆっ……ゆっ……もっと……ゆっくじ……」 「ゆっくじ……じた…か……た……」 「ゆっ?お、おちびじゃ……おちびじゃん?お、おへんじしてね?おかあさんにゆっくりおへんじしてね? もうすぐにんげんさんがたずげてくれるがらね?だ、だがらもうすこしだけ……が、がまんじで……がまん……」 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ………ゆんやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」 結局れいむはすべてのおちびちゃんを失ってしまった。 それからのれいむはまさに抜け殻……のそのそと放心状態でおうちに戻った後はもう一日中、 路地裏のダンボールハウスの中で腐った魚のような目をしてボーとしているだけであった。 (もうれいむにはなにもないよ……もういやだよ……いぎでるのがつらいよ……) だがこの路地裏をよく見ると、無気力な生きる屍と化しているのはれいむだけではなかった。 いくつかダンボール箱があり……その中にれいむと同じような野良ゆっくり達のなれの果てがいるのだ。 「とかいば……おちびじゃん……」 「わがらないよー……もうなにも……わがらないぃぃ……」 「むきゅ……きゅ……」 まるで姥捨て山か。この薄暗い路地裏は番とおちびちゃんを軒並み失って 夢も希望もすべてなくした高齢野良ゆっくりの墓場と化していたのだ。 おうちの中でれいむはだんだんと濁ってぼやけていく思考でゆっくりと考えていく。 今まで自分が歩んできたゆん生を…… (れいむは……このままえいえんにゆっくりしちゃうのかな……?べつにそれでもいいよ……でも……) れいむは思う。 (このせかいさんは……つよすぎるよ……れいむはいつもむりょくかんでいっぱいだったよ…… ひとりだちするころにはもう……わかってたよ。もってうまれたものの……どうしようもなさ…… かいゆっくりになんかなれない……しあわせーなあまあまだってぜったいにたべられないんだ…… わかってたよ……れいむはぜんぶぜんぶ、ゆっくりりかいしてたよ……) さらにれいむは思う。 (でも……それでも……れいむにはゆめがあったよ……! かぞくがほしかったよ……まりさと、おちびちゃんとゆっくりしたかったんだよ……! でもそれがきびしかったよ……かなしかったよ……! だって……さいしょのおちびちゃんにはさきだたれて……まりさもいなくなって…… まるでせかいさんにおしつぶされていくようなきもちだったよ……!でも……でもれいむは……!) さらにさらにれいむは思う。 (れいむはせかいさんにこうさんっしなかったよ……!れいむはたたかったよ……! たたかったはずだよ……だから……れいむはなにかになれたのかな……?おそらにいるひと……かみさま…… そうでしょ……?たしかにれいむは……なにもつかめなかったけど……なにものこらなかったけど……でも……) ……くり……て…… (ゆっ……?) ゆっ……し……いってね…… (なにか……なつかしいこえがきこえるよ……かんじるよ……わかるよ……あったかい……なにか……) ゆっくりしていってね!れいむっ (まりさ……) おきゃあしゃん、ゆっくちちていっちぇにぇ! (れいむのおちびちゃんたち……) ゆっくりしていってね!みんないつまでもいっしょだよっ! (あーーあ……あったかいよぉ……さいごのさいごに……いいきもち………あったかい……さいごのさいご…… みんなのゆっくりで……すごくあったいかよ………れいむ……もうじゅうぶん……ゆっくりした……よ……) 翌朝……路地裏に放置されている薄汚いダンボール箱の中にかつてれいむだった、野良ゆっくりの死体があった。 けして幸福とはいえなかった生涯を送ったれいむではあったが、不思議とその死に顔はゆっくりに満ち溢れていたという。