約 19,118 件
https://w.atwiki.jp/mnsmns/pages/33.html
登録タグ:グロ 危険度2 真実 メアリー・ヴィンとは、イギリスで8歳で殺害された女の子の名前である。検索するとメアリー・ヴィンの遺体画像がヒットする。流血などの要素は無く、とても綺麗な遺体画像となっているが、それでもキツい事には変わりないので注意が必要。 分類:グロ、真実 危険度:2
https://w.atwiki.jp/chaosevileye/pages/20.html
パーガトリーチルドレン 七教会によって、魔王バアルの体細胞から作られた人工生命体。 それぞれ何らかの感情などが欠落している。 全員生まれて1年足らずであるが成長速度を加速度的に速められており 外見は6~14歳程度である。 しかし細胞の分裂が一定数(外見年齢15歳程度、誤差あり)に達すると 「ニグレドの鎖」と呼ばれる細胞自滅プログラムが発動し死に至る。 すでに半数が死亡しており、残りは5人しか存在しない。 名前が存在せず、コードナンバーで互いを呼び合う。 B-01 最初に作られたパーガトリーチルドレン。 聖なる冠本部より他のパーガトリーチルドレンを扇動し脱出した後「ニグレドの鎖」によって死亡。 遺体は七教会が回収した。 「憎しみ」の感情が欠落していたらしい。 B-02 初期に作られたパーガトリーチルドレン。 B-01同様、「ニグレドの鎖」によってすでに死亡している。 遺体は消息不明。 「驚き」の感情が欠落していたらしい。 B-03 B-01とほぼ同時期に作られたパーガトリーチルドレン。 やはり「ニグレドの鎖」によってすでに死亡している。 遺体も同様に消息不明。 「嫌悪」の感情が欠落していた。 B-04 B-03からやや間を置いて作られたパーガトリーチルドレン。 培養途中に分裂してB-05と双子となっていた。 ニグレドの鎖によって死んだわけではなく七教会の放った追っ手と交戦し B-05共々射殺された。 遺体は七教会が回収した。 「欲望」が欠落していた。 B-05 B-04の双子の弟。 兄同様に七教会の放った追っ手に射殺された。 遺体は七教会に回収された。 「悪意」が欠落していた。 B-06 現在生存しているパーガトリーチルドレンの中で最も成長している。 もはやいつ来てもおかしくはない「ニグレドの鎖」に恐怖している。 「怒り」の感情が欠落している。 B-07 恐らくパーガトリーチルドレンの中で最強と思われる。 「恐怖」が欠落した彼は何がこようと恐れずに冷静に敵を殲滅する。 ニグレドの鎖に恐怖するB-06の感情が理解できない。 B-08 外見年齢12歳程度のパーガトリーチルドレン。 死んでいく仲間を見ても何とも思わない彼は「哀しみ」が欠落している。 哀しみを得た時こそニグレドの鎖より解き放たれると信じている。 B-09 外見年齢9歳程度のパーガトリーチルドレン(女)。 「喜び」が欠落している彼女が笑うことはない。 笑ったとしてもそれは真の意味での笑顔とは別かもしれない。 B-10 外見年齢5歳程度の最後に作られたパーガトリーチルドレン。 「愛する」という感情が欠落している。
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/233.html
Lost://www~ロスト・ワールド・ワイド・ウェブ~ 前⇐前編から ――― <黎明> ジョースター邸 東 ――― 「あの荒木と太田とか言う男…君はどう思う?」 「…愚問だな。『自分』に質問しても仕方が無いだろう。私と君は全く同じ考えを持っているのだから」 「それもそうだな。 …『円卓のナプキン』。それを最初に取る事こそ我々の目的だったが…今その円卓に座っている者はこのヴァレンタインではないらしい。 あの『主催者共』だ。憎たらしい事にな」 「ああ…。だが、『それだけ』だ。奴らはまだ円卓に『座っているだけ』…ナプキンを『取れてはいない』。 『ナプキンを取れる者』とは万人から『尊敬』されていなくてはならない。『敬意』を払われなくてはならない」 「あの主催者共はこのような非人道的で狂った催しをあろうことか『楽しんでいる』。 そこに大した意図は無く、一種の『エンターテインメント』として、ただ自分達の暇潰しとして参加者を殺し合わせている」 「行き過ぎた『暴君』…。そんな奴らにナプキンを取る『資格』などありはしない。 あの二人を叩き潰し、最初のナプキンを取る者はこのヴァレンタインだ…ッ!他の誰でもないッ!」 「私も君と同じ気持ちだ。あのゲス共は必ず『叩き潰す』。そしてそのためには『どんなことでも』しよう…」 C-3、ジョースター邸の東の平原にて月の光が地平の彼方に沈み掛ける闇夜の中、二人の男が互いに向き合って大地に立っていた。 一人は長髪にくるくるとパーマがかかった奇妙な髪型をしており、引き締まった筋肉が衣の上からでも良く分かるほどの良い体つきをしている。 そのどことなく気品さを感じさせる立ち振る舞いから、どこかの上流階級の雰囲気を纏わせる男の名は『ファニー・ヴァレンタイン』。 第23代アメリカ合衆国の大統領だ。 そしてもう一人、ヴァレンタイン大統領の前にいる男もまた、『ヴァレンタイン』だった。 この世界の『隣』にあるという無限に連なる『平行世界』。 『基本世界』とそっくりなその世界を行き来できる事が大統領のスタンド『D4C』の能力である。 大統領は自分のスタンドが正常に機能するかの確認の意味も込めて、現在『隣の世界』でもう一人の大統領と相談している。 この異様な会場においても、D4Cの『隣の世界へ移動する能力』はとりあえず効果は存続しているらしい。この点は大統領にとってひとまず安心できる要素となったろう。 その時、別次元の大統領が視界の端に動くものを捉えた。 「…ん?」 「?…どうした?」 「今、向こうで何かが動いた。あの『ジョースター邸』の辺りだ。恐らく参加者の誰かだろう」 「参加者…成る程。早速というわけか」 「行くのか?」 「あぁ。『基本世界』に戻り、そいつらと接触してみるとしよう。…頼めるかい?」 基本の大統領がそう言うと、隣の大統領は頷いてから基本の自分に向かって歩き出す。 次元を行き来するには大統領自身が何かに『はさまる事』で移動できる。自分が近くにいるのならそいつに地面に『押し込んで』もらう方が手っ取り早い。 隣の大統領は、基本の自分を地面に押し込んでゆく。相手を『自分』と『地面』の間に挟み込む事で基本世界に送るのだ。 彼らは帰り間際に、少しだけ会話を交わす。 「無事、ナプキンを取ってくれ」 「勿論だ。ありがとう」 後には、一人残った大統領が静かに夜風に吹かれて立ち尽くしていた…… ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ――― <黎明> ジョースター邸裏 ――― 「お兄さん、傷はもう大丈夫?歩けるようになった?」 「なんとかだ…。しかし信じられんな。こんな干からびたミイラみたいな脚で歩けるようになるなど…。 しかも、何か分からんが物凄い『エネルギー』を感じる…」 「この紙には『聖人の遺体』って書いてるけど…ねえお兄さん、『せーじん』ってなに?」 「聖人…?確か『死んだ後に奇跡を2度起こした人物』を言うんだったか…?この死体が聖人の遺体…?」 「死んだ後に…?うーん、奇跡を起こせるあの巫女も流石に死んじゃったらそれまでだよねぇ… …ん?今気付いたけどお兄さんのその死体の足、何か掘ってあるよ?」 「何?…これは、ラテン語か…?うむ…『Movere Crus(モヴェーレ・クルース)』意味は…『脚を動かせ』。 どうやら聖人の『奇跡の力』とやらで俺は遺体の脚と一体化して、今動けているらしいな」 「はぇ~~…。何だかよくわかんないけど、とにかくお兄さんが無事歩けるようになって良かったよ!」 そう言ってこの赤毛の少女―火焔猫 燐は黒騎士ブラフォードに向かって屈託の無い、太陽のような笑顔を浮かべる。 そのあたたかい笑顔にブラフォードはかつて自分が忠義を尽くした主君、メアリー女王と重ねた。 親も兄弟もいない天涯孤独の身だった自分に惜しみない微笑みと慈愛を懸けてくれた主君はもう、いない。 (俺の今の主君はディオ様だ。あの方の為ならば俺は命すら投げ打つ覚悟がある。だがこの娘は…) ブラフォードはどこか堪らない気持ちになってお燐に尋ねる。 「…おい、娘よ」 「『娘』じゃなくって!オ・リ・ン!さぁさ!もっかい言った言った!」 「…オリンとやら。お前、主人を探してると言ったな。…会いたいか」 ブラフォードは至極真摯な表情でお燐に聞く。お燐はブラフォードのいきなりの質問に少々戸惑いながらも答えた。 「え…。そ、そりゃあ会いたいさ。…会いたいよ。今すぐにでも…会って、いつものように頭をなでられたいよ… さとり様はホントは、寂しがり屋なんだ。色んな人達から嫌われてる部分もあるし、会って安心させたいし、あたいも安心…したいよ。 そういえば、おくうもこの会場に…来てるんだった…。こいし様も…皆、だいじょ…かなぁ……っひぐ…っ」 お燐はいつの間にか涙を流していた。 自分だけではない。大切な家族の皆までこの恐ろしい殺し合いの場に召喚されているのだ。 怖かった。 死ぬのが怖くてたまらなかった。 もし大好きな主人のさとりやこいしが死んだりしたら。 親友の空と二度と会えなくなったりしたら。 そんな『イメージ』が頭を一瞬よぎってしまったら、もうその光景は離れない。 「……悪かった。………泣くな」 ブラフォードはそんなお燐を見て、自分が少々無神経な事を言ったかもしれないと気付き、謝罪する。 「ん…ううん。お兄さんは全然悪くないよ。ゴメンね…。あたいがちょっぴり弱気になっちゃってたよ。 …うん!もう大丈夫!きっと皆も生きてるさね!元気だそう!」 お燐はその持ち前の明るさと単純さから、すぐに前向きになる。 いつでもどこでも誰にでも明るく振舞う彼女の強さは、この会場においても強い武器となった。 涙を拭きながらニッコリと微笑むお燐を見て、ブラフォードは茫然となる。 ―もしこの少女の『家族』がこの殺し合いの犠牲になってしまったら…彼女はどうなってしまうだろうか― (俺には家族はいない…だが、『守るべき主君』を失ってしまう哀しみは誰よりも分かっているつもりだ) かつて守る事のできなかったメアリー女王。 彼女を失った時のブラフォードとタルカスの愁傷は、やがて怨念と妄執に形を変えてこの現代に蘇った。 今は仕えるべき主君―ディオ―が居るが、メアリーを守れなかった悲しみはブラフォードの記憶にこびり付いて剥がれる事は永遠に無いだろう。 やがてブラフォードが口を開いた。 「オリンよ。主君の名はさとりと言ったな。その者の捜索、このブラフォードが手伝おう」 「え!?で、でも…お兄さんはケガがまだ酷いし…」 「この両の足と髪の毛さえあれば充分。その内どこぞの新鮮な死体から生き血を貰えばすぐに回復するだろう。 まだ少々ぎこちないが、歩けさえすれば何処へも行ける。 戦ではな、オリン。片腕を失った兵はまだ戦える。だが足を失った兵は迷わず捨てられる。動けなければ戦う事すらままならないからだ。 俺はお前に少なからず感謝しているのだぞ?」 「…お兄さんはご主人様の所に戻らなくて良いの?」 「俺は元よりディオ様に『ジョナサン』を倒せとの命を受けている。 そして俺はまだその男と決着は着けていない。このままおめおめと主君の下へ帰るわけにもいかないだろう なに、お前のご主人探しは俺がジョナサンを探すついでにやるものだと思えばよい」 「そっか…お兄さんにも探し人が色々居るんだね。じゃあ分かった!あたいと一緒に頑張ろう! ありがとう、お兄さん!」 今度こそお燐本来の笑顔が戻ってきたように感じた。ブラフォードはそんな彼女を見て思う。 ―もし自分に妹が居たとするなら、これぐらいの歳だろうか…。『家族』を持つ事があったなら『娘』を持つ未来もあったろうか― 人間としての生を終えた彼が、今更叶うはずもない儚い願望を持つ事は許されない。 一瞬だけ頭をよぎった『もしもの未来』はすぐに振り払われ、ブラフォードはお燐と共に歩み始める。 ―――ブラフォードは無意識の内に、『この少女を家族の下へ返してやりたい』と感じ始めていた。 「それじゃお兄さん!まずはこのでっかいお屋敷に入ってみようよ!ここなら誰か人が集まってるかもしれないしね!」 「『ジョースター邸』か…。あの『男』と何か関係がある館なのだろうな。いいだろう、入ってみるか」 「いや、館に入る事は出来ないよ。黒騎士『ブラフォード』。そして妖怪の『火焔猫 燐』だったかな?」 「ッ!?キサマ何者だッ!!」 「だ…誰だいッ!?」 ブラフォードとお燐の前から姿を現したのは、ヴァレンタイン大統領。 彼は二人をじっと見据えながら、まるでカーペットの上を歩む様な優雅さで暗闇の中から現れた… ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 「君は『黒騎士』ブラフォードだな?そして隣にいる少女は『妖怪』の火焔猫 燐。 突然失礼して悪いが、私は名をファニー・ヴァレンタインという」 「キサマ…何故俺とこの娘の名を知っている?」 「妖怪にはちょっぴりだけ詳しいんでね…。彼女が『火車』とやらの妖怪の化け猫だという事はすぐに分かった。 それより私が気になっているのは『君』の事だよ、ブラフォード」 そう言って大統領はあくまで穏やかに語りかける。だがブラフォードは警戒を解かない。 この男は只者ではない。ブラフォードの勘がそう感じ取ったのだ。 「…もう一度聞こう。何故俺の事を知っている?」 「知っているさ。英国人なら誰もが知っている『伝説の騎士』ブラフォードとタルカス。 教科書にすら載っているという有名な二人だ。あの麗しきメアリー女王の忠実なる家来だったと聞く。 私も兵士の端くれだった頃には君の英雄譚をよく聞かされたものだよ。300年前に死んだ人物が何故この場に居るのかは私の知る由ではないがね」 「ほう…この時代にも俺の名が未だ根強く伝え聞かされていたとは、それも一つの『名誉』だな。 だがそれなら知っているだろう?俺が如何にしてこの世を呪い、人を恨んでいって死んだのかをッ!」 ブラフォードは少し誇らしげに、そして哀しみと憎悪が混ざった感情を眼に秘めながら大統領に尋ねる。 そんなブラフォードに対して大統領はまるで演説でもしているかのように淡々と語り続けた。 「あぁ、勿論知っている。女王エリザベスの卑劣なる策略によって謀られ、壮絶な処刑が行われて死んでいった事はな。嘆かわしい事だ… なんでもブラフォード、君は三十キロもの甲冑を身に纏ったまま5キロの湖を渡りきり、敵陣を奇襲した逸話もある程の男。 それ程の『勇気』を持つ者がこの世の全てを恨み、怨念を遺したまま死んでいったとあっては余りにも報われない」 そして大統領は一呼吸置いてブラフォードに告げた。 「黒騎士ブラフォードよ。私の『部下』にならないか」 「…!?」 大統領が告げた言葉は、ブラフォードにとって予想だにしなかった申し入れだった。 世を憎み、既に人間を捨てた肉体である事を知ってなおも、大統領はブラフォードという男を部下として招き入れようとしているのか。 「ブラフォード。私は君に『敬意』を表しているのだ。 このファニー・ヴァレンタイン、アメリカ合衆国の大統領として。人々を束ねる『トップ』として、君が欲しい。 どうかその『剣』を私のために振るってはくれまいか」 「…………その『ダイトーリョー』というものが何なのかはよく分からんが、どうやらお前はあの大陸の『王』らしいな。 そしてその王が今、この俺に忠義を尽くせと申し出てきた…。本来なら名誉ある事なのだろうな……」 「お兄さん……」 ブラフォードはそう呟き、そっと眼を閉じた。隣のお燐もブラフォードを心配そうに覗き込んでいる。 …………そのまま辺りにはしばしの静寂が訪れた。 虫の声も戦いの音も、今は聴こえない。あるのは、霧の湖から流れる一本の川のせせらぎだけだ。 ―――たったの数秒にも思えたし、数分にも感じる程に時間はじっくりと流れていった 大統領はブラフォードの顔を見つめたまま、その場から動じずにじっと返答を待つ。 お燐も今はブラフォードの言葉を待つことしか出来ない。 やがて、ブラフォードはゆっくりと眼を開き、目の前の男に答える。 「ありがとう、異国の王よ。だが俺は既にディオ様に忠義を誓った身。『騎士』としてのこの『誇り』は絶対に裏切れない」 「…ディオ」 「うむ。ディオ様は朽ちゆく俺に新たな生命と意義を与えてくださったお方。あの方を裏切れるであろうはずが無い」 (ディオ…名簿にもあった『DIO(ディオ・ブランドー)』という男か…ディエゴの奴とはまた別人のようだが…) 大統領はブラフォードの言葉を聞きながら、聞き覚えのある名前に疑問を持つ。 そのDIOという男は300年も前に死んだ戦士に新たな生命を与え、いまこの会場のどこかにも存在している。 得体の知れない男だ…。大統領はまだ見ぬDIOに対して用心の心を持つ。 だが今はそれより気になる事が2つある。1つは当然、このブラフォード。そしてもう1つは…… 「成る程。天晴れな忠義心だ、ブラフォード。私はもっと早く君と出会いたかったものだな。 …ならば君にはもう一つ、『聞かなければいけない事』がある。その『脚』について。…そしてそこにある『耳』と『腕』についてだ」 大統領はそう言いながら、リヤカーの中に無造作に落ちている『死体』を指差した。 「あっコレはあたいの支給品だよ。何かよく分かんないけど『せーじんの遺体』だとか…。 両脚はこのお兄さんの無くなった脚にすっぽり吸収されちゃったんだけどね」 自分のデイパックに入っていた支給品の事を聞かれ、今まで殆どだんまりだったお燐がここで大統領の質問に代わりに答えた。 しかし質問に対するお燐の返答を最後まで聞かない内に、大統領の表情は次第に動揺の色が濃く表れてくる。 頭の中であらゆる思考が駆け巡り、やがて一つの結論へ導く。 ―――私の恐れていた事が起こってしまった…ッ! ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ―――私には『愛国心』がある それは例えこの世のどんな奴にも侵害されてはいけないものであったし、いつも私を支えてきた『誇り』あるものだった… 全ては我が祖国の平和のために『絶対』と判断したからでこそ、今までどんな事にも手を染めてきた。 SBRレースを開催したのも、『スタンド使い』達に聖なる遺体を集めさせたのも、全て祖国の平和に繋がるからだと信じてきた。 聖なる遺体の唯一無二の絶対的パワーは、『幸せ』や『美しい』ものだけが集まり、『不幸』や『ひどいもの』はどこかへ吹っ飛ぶ。 それが人間世界の現実であって、あらゆる人間が『幸せ』になる事はありえない。 『美しさ』の陰には『ひどさ』がある。 『プラス』と『マイナス』はいつだって均衡しているのだ。 その遺体が『ルーシー』に宿った時、やっと私の大統領としての『絶対的使命』は達成されたのだと『あの時』思った。 だというのに、何だこれは。 なぜその遺体が『ここにある』のだッ!! なぜその遺体があの主催者のような『ゲス野郎ども』の手に渡っているのだッッ!!! これこそが私の『最も恐れていた事』なのではないのか。 自分の欲望でしか考えないゲスどもの手に遺体が渡る事こそ、私が一番危惧していた事だ。 それは私の国の将来にどれほど残酷な出来事が集まってきて起こる事になるのだろう… いや、『将来』ではない。 既に目の前に迫る『災厄』として、私が身を以って体験しているではないか。 こんな事が許されるはずが無い。 こんな残酷な事があっていいはずが無い。 遺体を正しく『理解』しているのはこの私だけだ。奴らではない。 ―――必ず、取り戻して我が祖国に『持ち帰らなければ』。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 「ブラフォード。君のその『両脚』の部位。それとそこの『両耳』と『左腕』の遺体をすぐに私に渡すのだ」 「……ム?」 「え?」 大統領の突然の要求に、ブラフォードとお燐は一瞬彼の言っている意味を理解しかねないでいた。 大統領はそう告げると、ブラフォードの元へズカズカと歩みを進めてくる。 今までずっと冷静沈着だった大統領に初めて焦りの色が窺えた。 ブラフォードはすぐに威嚇する。 「待て!その場から動くんじゃあないッ!」 「その遺体がここにあると知った以上、動かないわけにはいかない。すぐに渡すのだ、ブラフォード」 ブラフォードは困惑した。大統領の様子がおかしい。 この遺体が何だというのだ?奴にとってコレはそれほど大事なものなのだろうか…? だが… 「確かにこの遺体とやらには凄まじいパワーを感じる。俺の歩けぬ身体を動かしていてくれるのだ。 故に、そう簡単に渡すわけにもいかん。これを失えば俺は再び地に這うことしか出来なくなる。 『主君』の為に戦う事すら出来ないのだ。それは『騎士』にとって何よりの『恥』。 そこで止まれッ!ヴァレンタインッ!!」 ブラフォードの制止を聞くこと無く、大統領は自身のスタンド『D4C』を傍に発現させる。 巨大な2本の角がウサギの耳のように生えた頭部が特徴の人型ヴィジョンのスタンドだ。 それを見てすぐさまブラフォードが右腕で楼観剣を抜き、構えた。 「オリンッ!下がっていろッ!」 (何だ!?奴の傍に立つあの奇妙な像はッ!?) 「え!?えぇ…ッ!?お、お兄さんッ!その傷で戦うの!?無茶だよッ!」 お燐がブラフォードを止めようとするが、既にこの戦い、誰にも止める事は出来ない。 大統領は何としてでもこの遺体を奪うつもりだッ! 「これが最後の警告だヴァレンタインッ!そこで止まれええぇぇぇぇィィッ!!!」 「警告するべきはこちらの方だ。すぐにその遺体を渡せ。私はお前という戦士を尊敬している。なるべくこの手にはかけたくない」 ぶつかるべくしてぶつかった二人の男の戦いの火蓋は、互いに相容れぬまま切って落とされる。 先に仕掛けたのはブラフォードだったッ! 「悪く思うなよッ!我が剣の味を味わってみろ!喰らえィッ!!」 言うや否や、ブラフォードが地を蹴り、一瞬で大統領の目前まで詰めるッ! 戦場において敵の反撃を恐れず、常に敵陣のド真ん中を襲撃するブラフォードの勇猛果敢な性格はこのバトル・ロワイヤルでも健在だッ! (!!速いッ!) 大統領が迎撃の態勢をとるより前にブラフォードの長刀が大統領の懐を襲うッ! しかし、ブラフォードは知らない。 『スタンド』の存在を。そしてそれを用いて戦う『スタンド使い』の存在を。 「D4C!防御しろォッ!」 大統領の叫びと同時にD4Cは左腕を前に構える。 ガ キ イ ィ ィ ィ ン ッ ! ブラフォードの瞬速かつ鋭い一撃は、D4Cのほんの少しの動作によって『いともたやすく』防がれた。 「……ッ!?」 屍生人の万力の様な力でもまるでピクリとも動かない。 大統領はその口元をニヤリと歪ませ、ブラフォードに一言告げた。 「…スタンドには、スタンドでしか対抗できない」 一振りで幽霊十匹分の殺傷力を持つと言われるこの楼観剣をもってしても、スタンドの『ルール』の壁を越えることはできない。 スタンドはスタンド以外の攻撃を受け付けないという法則がある以上、それ以外の攻撃に対して無敵の壁となる。 それを知らずに踏み込んだブラフォードは果たして『迂闊』であっただろうか。 いや、ブラフォードは『笑っている』ッ! 「ニヤリは俺の方だぜ、ヴァレンタインよ」 ブラフォードが言葉を言い終える前に大統領の全身はいきなり『切り刻まれた』ッ! 腕に!脇腹に!頬に!瞬時にして全身を駆け巡る切り傷と痛みは、大統領を驚愕させるには充分だった。 「………ッ!?グ……ッ!」 大統領は堪らず、地面に片膝を突いてしまう。 先の戦いでブラフォードがシーザー・ツェペリの放つ青緑色の波紋疾走を真っ二つに烈断し、離れたシーザーもろともその斬撃の余波を届かせる強靭な剣技を見せ付けた事は記憶に新しい。 いくらスタンドで剣撃そのものを防いだとしても、そこから放たれた見えぬ『余波』までは防ぐ事が出来なかった。 しかもこれほどの至近距離でまともに受けたのだ。そのダメージは決して浅くは無い。 「グフ…ッ!な、るほどな…これが伝説の騎士の技か……。『理解』…したよ…ッ」 「理解?『理解』しただとッ!?まだ終わりではなァァいッ!!お前が理解するのは『ここからだ』ッ! キサマの血をこの肉体の一部としてやるッ!俺の奥義『死髪舞剣(ダンス・マカブヘアー)』の餌食になりなァッ!」 いつの間にだったか。大統領の足にブラフォードの伸縮自在の『髪の毛』が絡み付いている。 その髪はまるで獲物を捕食するタコの様に、瞬く間に大統領の全身に広がりその身体を完全に束縛したッ! 「…ッ!」 伝説の噂に違わぬ実力を持つ強敵に流石の大統領も顔色を強張せるしかない。 見る見るうちに髪が肉体にめり込んでいき、血液が吸収されていく。 ブラフォードはそれをボンヤリ眺めているような馬鹿者ではない。この機を逃さぬと言わんばかりに楼観剣を髪に持ち替え、大統領から距離をとり再び剣を全力で振りかざすッ! 「遺体になるのはお前の方だったなッ!これで俺の勝利イイィィィィッ!!」 ブラフォードの最大にして最高なる最後の一撃は、完全に大統領の正中線上に叩き込まれ、大統領の体はバターの様にスッパリと一刀両断にされる ……ハズだった。 「ムゥッ!?」 大統領に向けて確かに放ったはずの一閃は空を裂き、斬ったのは敵を包み込んでいた己の髪のみ。 一瞬前、身動きが取れずにもがくしかなかった大統領が『消えている』ッ! 「……っ!?どこだ…ッ!?奴は何処へ消えたッ!」 確かに死髪舞剣によって完全に捕らえていたはずだ。突然消える事などありえない。 だが何処を見渡しても虫一匹見当たらない。 「オリンッ!『奴』はどこへ消えたッ!?」 ブラフォードは離れて見ていたお燐にすぐさま聞く。 「わ…分かんないよッ!ここから見てても『突然消えた』ように見えたッ!」 おかしい…理解し難い状況だ。確かに俺の髪は直前まで奴を縛っていた感覚を感じていた。しかし今は全く気配を感じない。 さっきの『人形』と言い、奴は『妙なまやかし』を使う。だが奴はここから『逃げてはいない』。必ずここに戻ってくるはずだ。 何処からだ…!?奴は何処から戻ってくる…ッ!? ↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓ ↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑ 「何だと…!貴様…ヴァレンタインッ!」 「何なの…!?あの人、『2人』いる……ッ!?突然1人現れて、2人に増えちゃった!?」 今、ブラフォードとお燐の目の前にはありえない光景が広がっている。 今の瞬間、ブラフォードは確かに大統領に向けてトドメの一撃を放とうとした。ブラフォードは『勝利目前』だったのだ。 その時どこからともなく突如乱入して来たのは『もう一人の大統領』。 しかし現れた大統領は何か様子がおかしい。顔色も悪く、全身を切り刻まれて既に息も絶え絶え。 正体不明の乱入者にブラフォードは動揺を隠せない。 「ヴァレンタイン…ッ!?貴様、今どこから現れた!?ならば『こっち』の男は誰だッ!?」 「ハァー…ハァー…ブラフォード、お前が驚くのも無理はない… ここは『隣の世界』。そしてこの場所に自由に入ってこられるのは『この私』の能力だけだ…ッ!そして、見事な剣の腕だ…D4Cの防御ですら突破してくるとは…。 だが私を髪の毛で雁字搦めにしたのは『ミス』だったな。D4Cは私が何かの間に『挟まる事』で発動する…。 お前の髪の毛に包まった事で私はこの世界に『来れる事が出来た』…ッ!利用させてもらったよ…」 傷付いた身体を引き摺る様にして大統領はズルズルと二人に向かって歩いてくる。 その隣にはD4Cの体躯が大統領を支えるようにして傍に立つ。 「行け…D4C…ッ!この私が果てる前に、『基本』をあっちへ『移す』のだッ!」 大統領が叫ぶや否や、D4Cの肉体が瞬時に『隣の大統領』に移ったッ! D4Cが別の大統領に移る事で、その大統領こそが全ての世界の『基本の本体』となる。 「!…成る程…理解した。『基本』がこの私に…。隣の世界の『能力』は私に移った…。今、この私が『基本』になったのか…」 基本の世界とは少し違う、無限の数ある『平行世界』。大統領のD4Cは何かに挟まる事により、異次元間を移動できる。 例え大統領が基本の世界で負傷したとしても、『負傷していない』隣の世界の大統領と入れ替わって戻ってくれば、その大統領が全ての『基準』となるのだ。 「この『私』が基準になったと言う事は、私は今から元の世界に帰らなければいけないわけだが…お前も『一緒に』帰るかッ!ブラフォード!!」 大統領が自分を包み込むブラフォードの髪をガッシリと掴みながら引き寄せるッ! ブラフォードは当然、倒れまいと踏ん張るが、しかしッ! 「…ッ!!クッ…!」 「『基本世界』のお前は遺体の力で歩いていたようだが…『こっち』のお前はどうかなッ!?遺体は基本世界にしか存在しないもの!! こっち側のお前はどうやら片脚を失っているようだなッ!簡単に『引き込める』ぞッ!!」 大統領の言う通り、聖人の遺体という物は本来、『基本世界』にしか存在しないもの。 遺体の力で歩く事が出来ていた基本世界のブラフォードだが、遺体の無い隣の世界では元通りの『片脚状態』なのは至極当然の結果である。 故にそんな状態のブラフォードでは当然、大統領の力に対抗出来るはずも無かったッ! ブラフォードが大統領を押し倒す力を利用し、基本となった大統領は『ブラフォード』と『地面』の間に挟まれ、そしてブラフォード自身すらも異次元へと引き摺り込まれてゆく。 「お兄さーーーーーーーーーーんッ!!」 こうして何事も無く『基本世界』へと帰っていった大統領達。 後に残るのは、傷を負った元の大統領とお燐の空しい叫びの余韻のみだった………。 ↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓ ↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑ ―スポンジとスポンジが重なって…そのスキ間がそれのスキ間に入り込むように『2つ』がひとつになって、最後には『消滅』を迎える― 「Dirty deeds done dirt cheap (いともたやすく行われるえげつない行為)。 『同じ世界』に『同じ2人』が同時に存在する事はどんな者だろうと出来ない…この私のスタンド能力以外はな… ブラフォード、お前の『敗北』だ」 「…………俺は、またしても死ぬのか」 『無傷』で戻ってきた大統領と五体不満足であった『隣』のブラフォード。 出会ってしまってはいけない『基本世界』と『別次元』のブラフォードは成す術も無く、この世界で無情にも『出会ってしまった』。 お互いがお互いを引き寄せるように衝突し、次第に体は崩壊を始めていく。 血管がバラバラに切断され、全身の肉という肉が細切れに吹き飛んでいくその痛みは、通常では計り知れない苦痛となる。 しかし、屍生人であるブラフォードには既に痛覚はほとんど無く、その表情はどこか諦念している様な、『死』を受け入れる覚悟を持った眼だ。 それは彼がかつて人間だった頃、愛しの主君メアリー女王を救う為、自ら『処刑』を受け入れた時と同じ眼を輝かせていた。 静かに崩れゆくブラフォードをじっと見据えながら大統領は再び彼に問う。 「D4Cによる消滅を受けた者は、肉体やその魂までもこの世から消えて無くなる。もうお前が2度とこの世へと復活する事は無い。 最後にもう一度だけ聞く。ブラフォードよ、お前は素晴らしい『騎士道』を持った戦士だ。 私の部下として働いてくれ。そうすれば今ならお前の肉体の消滅を止める事は出来る」 「……剣を向けた相手であっても、まだ俺の力が必要だと言うのか…。フフ…お前の方こそ、『王』としてふさわしい『器』を持っているようだ」 ブラフォードは死の直前をもって、しかし笑っていた。 大統領は、そんなブラフォードに対してただ、ただ真っ直ぐに向き合っている。 「……だが、俺の答えは変わらない。俺には主君に仕えるという『誇り』がある。それだけはこのブラフォード、死んでも曲げられん」 「…本当に、君は『誇り』ある騎士だ。そんな男と相交える事が出来て光栄だよ」 「フフ…俺も同じ気持ちだ。奇妙な安らぎを俺は今感じる。もう世への恨みは無い。こんな素晴らしい男と最後の最後に出会えたから… 我が女王の元へ旅立とう…」 既にブラフォードの肉体は首だけとなっていた。男は空を仰ぎ、眼を閉じて辞世の句でも詠むかのように呟く。 「心残りがあるとするなら、やはりジョナサンとの決着…。我が主の事…。 そして、オリン…お前の『家族を探す』という約束…果たす事が出来なかったな…すまぬ…」 ブラフォードは首だけをお燐の方向へ向ける。 お燐は、ただ泣く事しか出来なかった。彼女は結局ブラフォードに対して、何もしてやれなかった。 ほんの短い間だったが、彼女はブラフォードを『兄』の様に感じ始めていたのだ。 「ひっぐ……ひっく…お…にぃ……さ…っ…うぅ…」 「また…泣いているのか。お前には…笑った顔が、よく似合うというのに…」 ブラフォードは最期に大統領に向かって、一言だけ言った。 「…ヴァレンタインよ。『ひとつだけ』…約束して欲しい。 オリンには、手を出さないでくれ。彼女はただ、『家族』に会いたいだけなのだ…。もののけではあるが、ただの『少女』なのだ…」 「……良いだろう。ひとりの男として聖なる遺体の前で『誓う』。『火焔猫 燐には決して手出ししない』…それだけは約束しよう。 私は一度口にして誓った事は必ず実行する。今までも、ずっとそうやって生きてきた」 ブラフォードの最期の言葉を聞き遂げ、大統領は真に迫った雰囲気で誓う。その眼光には確かな固い『信念』が感じ取れる様に見える。 「フフフ……天晴れだ…異国の王、ヴァレンタイン……よ…………」 ―――伝説の戦士、『黒騎士ブラフォード』の肉体と魂は、完全に消滅した 後に残った『遺体の両脚』だけが、彼の存在を物哀しげに語っていた… ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ まるで産まれたばかりの我が子を抱き上げる母親の様な優しい手つきで、大統領はブラフォードの遺した遺体を拾い上げた。 遺体に対する『慈愛』とも見て取れるかの様子をお燐は既に涙の止まった目で、呆然と立ち尽くして眺める。 「『聖人の遺体』…両脚が、私の体へ『入り込んだ』か…遺体は再び『私』を選んだというわけだ」 気付かぬ内に遺体は大統領の体内へ潜った。それを確認した大統領は次に傍に落ちていたブラフォードのデイパックを拾い上げる。 中身を軽く確認し、スッと立ち上がってお燐の方へ振り返った。 ―――そしてお燐を一瞥し、こちらへ、近づいてくる 「…………さて。そこにまだ『2つ』……あるな?」 (…え?な、によ、あの人…?こっちへどんどん、歩いて………くる……?) ―――大統領は歩みを止めず、お燐へと向けて真っ直ぐに近づいてくる 「ちょ…ちょっと……アンタ、来ないでよ……。あたいに、近づかないで……!」 ―――お燐の静止を聞く事なく、大統領は更にどんどん距離を詰めて来る 「ま、まさか…あたいに何かするって言うんじゃあ…!アンタ、お兄さんと『約束』したばっかじゃないのさ…ッ!やだ…来ないで……」 ―――とうとう大統領とお燐の距離は数メートルまで縮まった 「くッ……来るなッ!あたいのそばに来ないでぇーーッ!!」 大統領の異常な圧迫感に耐え切れず、お燐は右手をかざし青白い火焔を連射する。 しかしその業火も、スタンドの前には無力。D4Cの腕一本により、いともたやすく振り払われる。 ―――お燐の目の前まで辿り着いた大統領は、彼女を見下ろす。彼は、まだ何も言わない (なになになんだってのさ、この人間ッ!?この『人形』も不気味だし怖いし、わけが分からない…ッ!怖い!) (助けて!!殺されちゃう!!)(いやだ!!)(誰か…!怖いよ…!) (さとり様…!!)(お兄さん…!!)(みんな…!!) (死にたくない…ッ!) いつも自分を可愛がってくれていた主人のさとりやこいし、親友であった空を想い、それらは走馬灯のようにお燐の頭を駆け巡る。 怯えながら目を瞑るお燐に大統領は手を伸ばしてくる。永く生きてきた妖怪の彼女でも流石に『死』を覚悟した。 あぁ…あたいはここで早くも退場するんだ。せめて最期にみんなの顔を一目見たかった… ―――ぽすんっ。 「おい…。何を勝手に怯えている。別に私はお前に危害を加えるつもりなど『無い』」 ……… …… … 「………………………………へ?」 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 大統領は半ば呆れた顔をしつつ、お燐の頭に手を添える。 てっきり殺されるものかと思ったお燐は拍子抜けしたように呆気に取られながら、大統領を見上げて聞く。 「あ…あたいを殺さないの…?」 「君は私がさっきブラフォードと『誓い』を立てたところを見ていなかったのか?『君に手出しはしない』と彼に誓ったばかりだが」 「え…いや、まぁ…見てたんだけど…さ。アンタが無表情でズカズカ近づくもんだから、あたいてっきり…」 お燐の言い分を聞いた大統領はやれやれといった感じで溜息をつき、再度真摯な表情をお燐に向けて言い切った。 「あれほどの男と誓ったのだ。『火焔猫燐には決して手出ししない』。私は彼を殺したが、君がそれを不安に思っているのなら心配する事はない。 私はあえて嘘をつく事はあるが、一度口にして誓った事は必ず実行してきた。 それは私の『誇り』であり、アメリカの未来を担う者として、父親から受け継いだ『愛国心』があるからだ。 私は祖国の未来のためになら何だってやるつもりだ。その目的を邪魔するものは誰であろうと容赦しない。 ブラフォードは目的の犠牲になってしまったが、君は私の前に立ち塞がった『敵』では無い。だから手出ししない」 大統領はそうハッキリ断言した。その嘘偽りのないある種『信念』みたいな意志を感じ取れたお燐は、この男が自分の私利私欲で動く様な『ウソつき』では無い事を『心』で理解できたのだ。 「もう一度言っておこう。私は『約束は破らない』。目的は遺体を集め、『アメリカへ持ち帰る事』だ。あの主催者共はいずれ必ず叩き潰すがね」 ―――この私が約束を違う事がもしもこの先あるのなら、それは『誇り』を捨ててでも貫くべき『決断』を迫られた時だろうな… そんな未来が来ない事を心の中で願いつつ、大統領は目の前のお燐を真っ直ぐと見つめる。 「…………あ、あたい…さとり様を、『家族』を探してるんです。さっき会ったばかりの…それもお兄さんを…その、殺した本人に頼むのもなんだけど…。 『みんな』を探して欲しいんだ!さとり様やこいし様、おくうも、みんな…あたいだけじゃ、心細くて……」 何故自分がこんな事を頼んでいるか、自分でも理解できなかった。 ただ、気付いたら頼み込んでいた。相手はブラフォードを殺した得体の知れない『人形使い』だというのに。 だがこの男には、何か他人を引き付けるような『求心力』がある。『もしかしたら悪い人ではないかも』…そう思えてきたのだ。 お燐は最早、助けを求めずにはいられなかった。 そんな彼女の切実な思いを受け止め、大統領はその場に座ってお燐の肩に手を添えて言う。 「…『愛国心』はこの世で最も美しい『徳』だ。 国の誇りの為、命を懸けることが『家族』を守る事に繋がると考えるのは『人間の気高さ』だけだ…妖怪もそうなのだろう。これは私が幼い頃、死んだ父親の親友に聞かされた話だよ。今はもう居ないがね…。 燐とやら…。家族を守りたければ『戦え』。愛国心とは『家族愛』の事だ。泣いてばかりでは家族は救えない」 ―――「そしてもし君が私の目的の『手伝い』をしてくれると言うなら、『私も君の家族を探す手伝いをする』と約束しよう」 「…………え?」 お燐は一瞬大統領の言った事が理解出来ずに呆然とした。 確かに自分から頼み込んだ事だが、まさか本当に手伝ってくれるとは思いもしなかったからだ。 大統領はそのまま立ち上がってお燐の横を通り過ぎ、リヤカーに散らばっていた『左腕』と『両耳』を回収して戻ってくる。そしてその左腕をお燐に渡して言った。 「この左腕を持って私に近づけてみろ」 「え…、あっうん」 貴重な骨董品を取り扱うかの様な慎重さでお燐は左腕を言われた通り大統領に近づける。 すると不思議な事に、お燐の持つ左腕に反応するかのように大統領の体から『両脚』が浮き出てきた。 両脚はまるで『引力』に引き合うかのようにしてそのままお燐の体内に潜っていく。 「うわッ!!?わわわわ!!!な、なにこれなにこれッ!?何か入ってきたよッ!?」 「落ち着け。何も痛みなどは無い。私からお前の体に遺体が移っただけだ」 「ふぇぇ…こんな大きいものがあたいの中に入っちゃうなんて…なんか、凄いねぇ…」 「燐よ。私の手伝いというのはこの遺体の各部を集めて来てくれというものだ。 何の因果か、火車の妖怪であるお前の能力は『死体を持ち去る程度の能力』らしいな? この会場に散らばっているであろう遺体を集めるには最も適した能力といえる。君にその『両脚』を預けよう…。 それを使って遺体を探してくれ。君なら出来るはずだ」 大統領はそう言って左腕と両耳を自分の体内に取り込んでいく。 「でで、でもあたいにはこの死体の価値はよくわかんないし…そんなの出来るわけが……」 「家族を守るんじゃあなかったのか?戦うのだ、燐。何も相手を殺せと言ってるのではない。遺体を持つ者が居たら『奪って』逃げるだけで良い。 君の家族の名前は何だ?」 「こ…『古明地さとり』、『古明地こいし』、『霊烏路空』…の3人だよ。…こ、この遺体を集めれば、本当におじさんが皆を探してくれるの?」 「(ムッ…おじさん…)私の目的はあくまで遺体だ。最優先というわけにはいかないが、その3人を見つければ必ず保護して君の元へ送ろう」 ―――この人はきっと、『正しい道』を歩いている。お燐はそう信じる事が出来た。 「………あたい、やるよ。この遺体を探し出しておじさんに届ける。死体を持ち去る事にかけてあたいの右に出る奴なんて居ないさね! その代わり!おじさんもさとり様達のことお願いね!約束っ!」 「勿論だ、ありがとう、燐」 「燐じゃなくて、あたいは『お燐』って呼ばれるのが好きなんだけどなぁ 「む…分かった。約束しよう………お燐。これで良いか?」 「うん!」 すっかり元気を取り戻したお燐は大統領に向けてニッコリ笑うと早速遺体を探しに行こうと、愛用のリヤカーを掴む。 「待て、お燐。これを持って行け、必要になるかもしれない。」 早々と出発しようとするお燐を止め、大統領はデイパックの中から『あるモノ』をお燐に手渡した。 「え…これって、ナイフ?」 「ブラフォードの支給品である『ハンターナイフ』だ。扱いに気をつけろ、『毒』が塗られてあるらしい」 「えぇ!?毒ゥ!?あわわわ……ッ」 物騒な単語を聞いて驚いたお燐は危なくナイフを落とすところだった。 「君は炎を操って戦うみたいだが、まぁ念のためだ。自分を守れる武器はあるに越した事はない。 だが、よく聞いておけ。毒はこの世で最も『卑怯』で『残酷』に人を苦しめる方法だ。 私が兵士だった頃、毒で苦しみながら死んでゆく仲間を何人も見てきた。あまり気軽に使う代物ではない」 「…なーんかさっきからお取り扱い注意な物ばっかりあたいにくれるねぇ…」 お燐が口を尖らせて不満を言いながらナイフをしまった時であった。 フォン フォン フォン フォン ……… どこからともなく奇妙な発信音のような音が聞こえた。 「ん?…あぁ、これはDioからの連絡か。フフ…電話だけに『フォンフォン』鳴るわけだな」 (え……) 大統領のよく分からないボケをお燐は心の中で突っ込む。それを気にせずに大統領は懐から通信機能付き陰陽玉を取り出して話しかける。 ―――「……もしもし。ヴァレンタインだ。聴こえるか?Dio」 ―――………。 「…イタズラ電話なら切るぞ」 ―――………。 「……ブラフォードは葬ってやったが火焔猫燐は…………」 ……… …… … ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ (あの陰陽玉、どっかで見た事あるような…それにしてもおじさん、誰と会話してんだろ?) 背を向けて少し離れた所で会話している大統領をボーッと見つめながら、お燐はリヤカーの上で足をブラブラさせて待っていた。 ―――『愛国心』はこの世で最も美しい『徳』だ。 国の誇りの為、命を懸けることが『家族』を守る事に繋がると考えるのは『人間の気高さ』だけだ――― 先刻の大統領の言葉がお燐の脳裏に蘇ってくる。 (あたいは…国の事とかよく分かんないけど、あの人は国のために戦っている…。この遺体はおじさんにとって本当に大切な物なんだ…) ―――家族を守りたければ『戦え』。愛国心とは『家族愛』の事だ。泣いてばかりでは家族は救えない――― (戦う事が家族を…さとり様達を守ることに繋がる…) ―――もし君が私の目的の『手伝い』をしてくれると言うなら、『私も君の家族を探す手伝いをする』と約束しよう――― (あの人の言葉に、嘘は無いと思う。彼は誓いを裏切らない人…。だったらあたいも、あの人のために…そして『家族』のために、戦わなくちゃあいけないね…!) お燐は深く決断した。大統領の遺体集めは自分が手伝ってあげようと。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 「私はここで『馬』が来るのを待ってから出発するが、お燐はもう行くのか?」 「あぁ、あたいだってダイトリョーさんのお役に立てるって事を証明しなければね!一足先に遺体探しに行くよ!」 「『大統領』だ。ならば君に一つ注意しておく事がある。私の同盟相手である『Dio』の事だ。 奴は南の紅魔館から恐竜という翼を持つ翼竜を数十匹、偵察のために会場全体に向けて飛ばすらしい」 「キョーリュー?大統領さんのお仲間がいるんだね。それがどうかしたのかい?」 「このゲームの全情報を掴むという体ではあるが、間違いなく私やお前にも監視がつくだろう。これより先、私達の動向は常にDioに見張られてると思った方が良い。奴はそういう男だ。 Dioにはなるべく遺体の情報は隠しておきたいが、恐らくいずれは知られるだろう。私なら何とか奴を丸め込めるだろうが、君が単独で奴に出会ってしまうのはマズイ。 君の持つ遺体を全部奪われた後で始末される可能性もある。いいか、『ディエゴ・ブランドーには近づくな』…」 「わ、分かったよ。大統領さんも複雑な事情があるんだねぇ…。じゃああたい達はどこで落ち合ったりしようか?集合場所でも決めとく?」 「Dioの恐竜と通信機を使えば君の居る位置はすぐに割り出せるだろう。会う必要があれば私から君の元へ向かおう。 …それでは、無事を祈っているよ。お燐」 「大統領さんも!さとり様たちに会ったらよろしく言っといて!」 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ リヤカーを引いて勢いよく突っ走っていくお燐を見届けながら大統領は夜風に吹かれる。いつの間にか星々も沈んで、もうすぐ朝の時間帯がやってくるかという頃だ。 一気に静寂が訪れた空間の中で憩う様に、大統領は近くの石に腰掛けて思案する。 (Dio…流石に奴は油断ならない男だ。常に周りの人間の一手二手上を行こうと考える狡猾な男…。少しでも隙を見せた途端、背中から裂かれるだろう…。 遺体のこともいずれ知られるだろうし、私やお燐の持つ遺体を奪おうと画策するかもしれない。ならば私はそれの『更に上』を行ってやろう…) (そしてその遺体を侮辱しているあの主催者も必ず消す。この遺体はアメリカへ必ず持ち帰る!それが大統領たる私の役目…。 そのためにあの『娘』は充分に利用価値はある。遺体をひとつ渡したのはやり過ぎだったかもしれんが…。 この世で遺体を最も理解しているのはこのヴァレンタインただひとりだ…ッ!他の誰でもないッ!!) 心の内にメラメラと燃える主催者達への敵対心は消える事は無く、彼を奮い立たせる強き原動力となる。 そして大統領は無意識にポケットの中のハンカチを握り締めようとする。 自分に『父の愛』と『愛国心』を学ばせてくれた父親の形見のハンカチ。大切な時はいつも持ち歩いており、自分の『心の支え』となってくれたかけがえの無い物だ。 挫けそうな時。困難に立ち向かう時。いつもこれを握り締めて自分を奮い立たせてきた大統領自身の『原点』だ。 だが……… 「……………ッ!?……なにッ!!??」 いつもポケットに忍ばせていたハンカチが『無くなっている』。 どこかで落とすなんて事はありえない。ならば考えられるのは………。 「――――あの主催者共めッ!!とことん人を侮辱した奴らだ…ッ!許せない……許せるわけが無いぞ…ッッ!!」 まさか形見のハンカチまで奪われるとは思ってもいなかった。 遺体だけでなく人の想い出までも平然と奪っていくあの醜悪なる主催者に、流石の大統領も怒りの限度を超えた。 「あの下衆共ッッ!!!必ずこのヴァレンタインがこの世から消滅させてやるッ!!!必ずだッッ!!!」 既に早朝になろうかという刻の平原で、大統領の咆哮が辺りを響かせた。 ―――もうすぐ、夜が明ける。 Side.Funny Valentine…END 【ブラフォード@第1部 ファントムブラッド】死亡 【残り 77/90人】 【C-3 ジョースター邸 裏/黎明】 【ファニー・ヴァレンタイン@第7部 スティール・ボール・ラン】 [状態]:健康 [装備]:楼観剣@東方妖々夢、聖人の遺体・左腕、両耳@ジョジョ第7部(大統領と同化しています)、紅魔館のワイン@東方紅魔郷 [道具]:通信機能付き陰陽玉@東方地霊殿、暗視スコープ@現実、基本支給品×2 [思考・状況] 基本行動方針:遺体を集めつつ生き残る。ナプキンを掴み取るのは私だけでいい。 1:遺体を全て集め、アメリカへ持ち帰る。邪魔する者は容赦しない。 2:形見のハンカチを探し出す。 3:火焔猫燐の家族は見つけたら保護して燐の元へ送る。 4:荒木飛呂彦、太田順也の謎を解き明かし、消滅させる! 5:ジャイロ・ツェペリ、ジョニィ・ジョースターは必ず始末する。 ※参戦時期はディエゴと共に車両から落下し、線路と車輪の間に挟まれた瞬間です。 ※幻想郷の情報をディエゴから聞きました。 ※最優先事項は遺体ですので、さとり達を探すのはついで程度。しかし、彼は約束を守る男ではあります。 ※現在はディエゴの派遣した馬待ちです。 【火焔猫燐@東方地霊殿】 [状態]:人間形態、妖力消耗(小) [装備]:毒塗りハンターナイフ@現実、リヤカー@現実、聖人の遺体・両脚@ジョジョ第7部 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:遺体を探しだし、古明地さとり他、地霊殿のメンバーと合流する。 1:遺体を探しだし、大統領に渡す。 2:家族を守る為に、戦う。 3:地霊殿のメンバーと合流する。 4:シーザーとディエゴとの接触は避ける。 ※参戦時期は東方心綺楼以降です。 ※大統領を信頼しており、彼のために遺体を集めたい。とはいえ積極的な戦闘は望んでいません。 ○毒塗りハンターナイフ 全長26cm×刃長14cmのハンターナイフ。シース付き。 毒を塗って獲物を仕留められるが、毒は携帯していると乾く為、こまめに塗る事が必要。 傷口から毒が体内に拡がるには実際には時間が掛かる為、毒はあくまで相手を弱らせる為に使う。 060:Rainy day,Dream away 投下順 062:Anxious Crimson Eyes~切望する真紅の瞳~ 059:インタビュー・ウィズ・プリズナー 時系列順 063:少女が見た空想風景 010:GUILTY CROWN ディエゴ・ブランドー 082:OOO-オーズ- 010:GUILTY CROWN ファニー・ヴァレンタイン 084:G Free 037:猫は屍生人が好き シーザー・アントニオ・ツェペリ 082:OOO-オーズ- 037:猫は屍生人が好き 火焔猫燐 084:G Free 037:猫は屍生人が好き ブラフォード 死亡
https://w.atwiki.jp/prey/pages/81.html
コピープロテクション コピープロテクション 開始条件 ハルデン・グレイブスのオフィスを見つける ハイデン・グレイブスのオフィスに入る ニューロモッド製造図面のライセンスをリセットする 関連 開始条件 ニューロモッドをいくつか製造すると発生する。 これが発生する前にハイデンの端末を操作すると発生しなくなり、また事前にディビャの遺体を発見しているとセキュリティステーションのコードが手に入らなくなる。 ハルデン・グレイブスのオフィスを見つける ニューロモッド部からタロスIロビーに出るゲート前にディビャ・ナーツの遺体が落ちている。 近くに、メモ「メンテナンストンネルの地図」があり、オフィスまでの道とセキュリティステーションのコード・端末のパスワードが分かる。 ただし、事前に分子成形機で彼の遺体を発見していた場合、これは起こらない(らしい)。 この場合、セキュリティステーションにアクセスするにはハッキングが必須になってしまう。 ハイデン・グレイブスのオフィスに入る 地図に従いボランティア区画からオフィスに侵入する。 近くにはタレット2つを持ったテクノパスと汚染オペレーター3台がいる。 しっかりした装備で挑まないと厳しい。 ニューロモッド製造図面のライセンスをリセットする ハイデンの端末でリセット操作を行う。 関連 メインストーリー 勤務初日 脱出 眺めの良すぎるオフィス おぼろげな鏡の向こう ジャニュアリーと話す 回り道 音声収集 バックアップから復元する
https://w.atwiki.jp/yuzuriha_mansion/pages/182.html
最良の医者 難易度:☆☆☆ 怖い度:☆☆ 本文 脳死が確認されて二週間を経過した彼の皮膚細胞は、無数のチューブに繋がれ、人工呼吸器と点滴によって生き続けていた。 しかしそれも、昨日までの話。彼は死んでしまった。 「すみません。手は尽くしたのですが…」 お医者さんはとても悲しそうな顔で告げた。 彼の亡きがらを抱いた時、とても軽くて、苦しかったんだと思う。 でも、もう苦しまなくていいんだよ?楽になれたね。 「………治療費は結構です」 決して裕福とは言えない私の状況を察してか、なんて優しいお医者さんなのだろう。 私はすぐに泣いた。 「……遺体を見るのは辛いでしょう」 お医者さんがシーツを被せる。 「……思い出は彼と共に焼いて忘れなさい」 この一言で私は立ち直れた ありがとうございます。お医者様。 ヒント なぜ遺体を見せないのだろう。 解説 一般論 彼は臓器を売却されている。 脳死だった彼の遺体から臓器は根こそぎ奪われ売却されていた。 そのため抜け殻となった彼はとても軽く、治療費を請求されなかった。 手術跡を見せるわけには行けなかったので焼いて忘れることを提案したのだ。
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/1669.html
東京にある東京・目黒区にある公園 東急東横線の学芸大学駅ぬ南西に約300メートルの住宅街にぬ。 バラバラ死体 2016.6月23日10時半ごろ、池でバラバラに切断された遺体つか足が発見され大騒動になん。碑文谷公園は、その日からんから封鎖され、警視庁が残りの遺体の捜索と身元の特定。
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/2632.html
. 当ページ下に放り込みログあり(添付ファイル) 2ちゃんねる / 2ch:新・放り込みスレ .
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/303.html
――Q.それでは次の質問ですけど、『スティール・ボール・ラン』レースとは一体どのような催しなんですか? 『まあ、簡単に言えば乗馬による大陸横断レースだ。 総距離約6,000km。世界中から集まった参加者は3,600人を超え、優勝賞金はなんと5,000万ドル(60億円)の超大規模な大会さ』 ――6,000km! 幻想郷の何十倍もの距離を馬のみで! あや~それは無謀というか、鴉天狗でさえ骨の折れる距離ですね~。 で、ジョニィさんはそのレースに出場してたわけですか。 『ああ。もっとも賞金が目当てではなく、半身不随だった脚を再び動かすための旅だったんだ。 僕が出会ったジャイロという男…彼に『回転』の秘密を教えてもらうため、レースの出場を決意した』 ――この名簿にもある『ジャイロ・ツェペリ』さんですか。 …でも、先ほど聞いた話によれば彼は既に…… 『死んでいる。僕の目の前でヴァレンタイン大統領と戦って死んだはずなんだ。 しかし名簿によれば彼は生きてこの会場に居るらしい。ならば僕はなんとしても彼に会って伝えたい言葉がある。 蓮子を救出したらジャイロを探しだし、あの主催者達を叩き潰すつもりだ』 ――大切な、御方なんですね。 …見たところジョニィさんは普通に歩けてるようですが、それもジャイロさんのおかげですか? 『勿論だ。かけがえのない彼の存在とツェペリ家の回転の技術……、まあこれは詳しくは教えられないけど。 …それとある人物の『遺体』の力のおかげ、かな』 ――遺体…? 『僕とジャイロはその遺体をめぐる戦いに巻き込まれた……いや、自ら入り込んだ。 全ての部位を集めると究極の力が手に入るという、聖人の遺体。 SBRレースとはつまり、その遺体を集める為に大統領が仕組んだ計画だったんだ』 ――お、おお…! 俄然話が大きくなってきましたねッ! それで! その遺体とは誰のものだったんです!? ヴァレンタイン氏との決着は!? レースの優勝者は!? 『おいおい、文……、インタビューに答えるとは言ったが、少し突っ込み過ぎじゃあないのか? …ホラ、向こうで露伴が苛立たしそうにコッチ睨んでるぞ。そろそろここを出発したいんだが…』 ――えーーーーそんなぁ~! もうちょっと! 最後にインタビューっぽい締めを一言だけお願いします! 『やれやれ……どこの世界もマスコミは似たようなもんだな。わかったよ、君は命の恩人だ。答えよう』 ――それでは……貴方が大切な人に一番伝えたい言葉を、お願いします。 『……親愛なる友人ジャイロ・ツェペリに、“ありがとう”と』 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『射命丸 文』 【朝】E-4 命蓮寺 本堂 私はどうしてあの人との会話を今更思い出しているのか。 堕ちた道を往くと、心は既に決めている。過去の追憶に意味なんか無い。 それでも、こうやって薄暗い寺内の木造床に寝っ転がって天井を見つめていると、物思いに耽たくもなってしまう。 そういえば…『双竜頭の間』もこんな風に薄暗い部屋だったなぁ。 あの時は岸辺露伴が居たっけ。漫画のネタになりそうなものを発見するたびに足を止めてさらりとスケッチに精を出すような、変な男。 その異常ともいえる好奇心だけは記者である私も見習う所アリ、といったものかしら。 そしてあの時の私はといえば、露伴の体よく動くだけの傀儡。 愚かにもあの主催達へと反抗心を燃やしていた頃の、現実も見れない馬鹿な小娘。 鴉天狗のプライドも粉々。ほんっっとーにムカつくわ。 ……露伴にも、自分にも。 このまま暗い天井を見つめているとその時の事を思い出して、どうにもイライラが収まらない。 軽く唸り声を上げて半身を起こし、膝に顎を乗せる。 ここは由緒正しい妖怪の寺(歴史は浅いが)。露伴がそれを聞けば目を輝かせながらスケッチ片手にお寺参りを開始していただろう。 洗脳されていた頃の私だったら、文句と不満を織り交ぜ更に特盛りの苛立ちをスパイスした言葉をぶつけ続ける姿が目に浮かぶ。 それでも、心のどこかではそんな掛け合いをまるで楽しむかのような、腑抜けた自分がその光景にいた。 露伴がかつて言った言葉のように、私もこの手にカメラがあれば横に並んでカシャカシャやっていたかもしれない。もっともこの寺の取材は何度か経験済みだけど。 ―――いっそ、私の記憶がずっと戻らなければ良かったのに。 一瞬浮かべてしまったその言葉に、自分でも驚くほど嫌気が刺す。 何を考えているのよ、私は…! あのままジョニィさんや露伴についていったところで、無事な生還を遂げられるはずがない。 なにしろ相手は未知数の巨悪。自分とは格が違う。 私は既にしてこの道を選んでしまっているのだ。 チルノも既に殺害している。彼女は最期の最期、私に命を乞ってきた…ように見えた。 その縋る手も見捨て、命を燃やし尽くした。もう後戻りは出来ないのだ。 一縷の希望でもあったジョニィさんも、あっさりと死んだ。私は何も出来なかった。 どうすればいい…? 私にどうしろっていうの…? そんなこと、決まっている。当初の目標に戻っただけじゃない。 狡く、醜く、意地汚く、みっともなく足掻いて、もがいて、騙して、裏切って、そして最後のひとりになる。 これこそが鴉天狗、射命丸文の選んだ道。生き様なの。 ―――なのにどうして、こんなにも胸が痛いのよ…。 私は……私は、自由になったはずなのに。 迷いもしがらみも、全てから解放されたはずなのに。 独りぼっちはこんなにも怖いと、初めて感じた。 心の闇に、圧し潰されそうだった。 私の選んだ道は、これほどまでに孤独の道だったのか。 私は……こんなにも弱い女だったのか。 ジョニィさんなら…どうしただろうか。 普段なら心中見下していたはずの人間という種族である彼は、本当に気高い精神をしていた。 妖怪の私から見た彼の、いうなら『人間賛歌』というものは、眩しいほどに輝いて見えた。 千を生きてきた私から見た、たかだか人間の数十にも満たない人生。 私たちから見ればなんの価値も無いような、瞬きの時間。 …でも、それがどうした。 人間から見れば、そのたった百にも満たない時間こそが人生の全てだったのだ。 私はそれをジョニィさんに教わった。 教わったまま…彼は死んだ。 彼を守ることが出来なかったことが悔しい。 彼の意志を継ぐ勇気が無かった自分の臆病さが悔しい。 彼の歩む道とは正反対の道を行く自分の滑稽さが悔しい。 何もかもが悔しくて、私は無尽に焦燥を募らせる。 ――くそっ。 くそぉ…! (くそ…クソ……ッ!) 「クソォォッ!」 頭をムシャクシャに掻き毟りながら、思わず大声を出して拳を床に叩きつける。 何をやっているのよ……私は…! ジョニィさんの『正しさ』も! 『気高さ』も! 『誇り』も『意思』も! 『想い』も!!! この場所では何の意味もないッ!! それを理解できたからこそ、私は他者の命を『奪う側』に戻ってきたんじゃないの!? なんてザマよ……射命丸文! とっとと目を覚ましなさい! 正義ごっこはもう終わったのよ! 私は…これからも全てを『捨てて』しぶとく生き残ってやるッ! 荒い息を落ち着かせるように、私はゆっくりと立ち上がって窓の方を見やった。 西の空がぼんやりと赤く染まっている。 朝焼けの方角ではない。私が燃やし拡げた火災によるものだろう。 あれから30分は経っただろうか。魔法の森の火災はじわじわと炎の威力を強めて被害を拡大させていく。 このままいけば森の全域が焼け野原になるのも時間の問題か。 「…いや。今はまだ明るいけれど……一雨来るかしら」 窓から見える空模様は今のところ陰りは無い。 だがこれでも千年以上、この空を己の庭として翔び回ってきたのだ。 天候の神様の機嫌など、なんとなく分かってしまうもの。 多分、数時間後には雨が降る。ならばあの火災も思ったよりは拡がらないかもしれない。 (こんなハリボテの世界にも…雨なんて降るのかしらね) そんなことを思いながら、私は呆然と赤い空を見つめ続けていた。 だからだろうか。 気が緩んでいた私の耳に微かに聞こえた人の声。 それに気付いた瞬間、私は情けなくも肩を大きく震わせ、外からの死角に隠れる。 本堂の入り口からそっと顔だけを覗かせると、外に居たのは赤髪の猫又妖怪。 あの特徴的な猫耳と二又の尾は知っている。 地霊殿の火車『火焔猫燐』。 彼女の無防備な背中がこちらを向けて立っていた。 「おっかしいなー。この辺りで人の叫び声が聞こえたと思ったんだよねー」 大きな独り言と共に彼女は首をキョロキョロさせて声の主を探している。 私は思わず舌打ちした。さっきの叫喚が外にも聞こえてしまったか。 どうする? 私の知っている限りではあの妖怪は大した力じゃない。 私の当面の目的である『強い者と行動を共にする』の条件に当てはまるような奴じゃない。 …ここで仕留めるか。 見たところ仲間はいないようね。 だったら事は簡単。何気なく近づき、隠し持った拳銃で脳天にズドン。 それで終わり。私、殺人数2人目。なんのトラブルも無し。あんな弱小妖怪、生かしておく価値も無いわ。 死体を運ぶ火車が死体になる。ミイラ取りが…ナントカってやつよ。 そう決めた私はすぐさま行動に移った。 マヌケそうにあっちを向いて棒立ちする彼女に気付かれないよう、そっと入り口から外に忍び出る。 スイッチが入った瞬間、私の頭の中は嘘みたいにスゥッと透き通っていく。 さっきまでの葛藤はなんだったのか。気持ち悪いぐらいに呼吸が静かだ。 あぁ、やっぱり私とジョニィさんは根っこから違う。 自分が生きる為に引く引き金の、何と軽いことか。 一歩、また一歩。 ゆっくり音をたてずに背中へと忍び寄る。 コイツはまだ気付かない。それでよく今まで猫の妖怪なんかやっていられたものね。 やっぱりダメ。相棒としては全然不合格。 恨むなら自分の力の無さを恨んで死んでね。 とうとう残り1メートルまで近づき、足を止めて懐の拳銃を取り出す。 この距離なら外さないし、致命傷確実。 躊躇なく、息の根を止める。 (Good morning,or DIE……おはようございます、それでは死んでください) 少しだけ祈り、そして指にかける力を強める。 照準はその小さな頭のてっぺん、脳神経をバッチリ破壊する。 さようなら、お燐さん。 あとほんの少しだけ、指に力を込めれば銃弾が発射されるところで、私の視界は突然グラついた。 思わず拳銃を取り落としそうになるところを寸でのところで掴み直し、慌てて懐に仕舞い込む。 (う…! な、なによ…急に目眩が…!?) 頭が痛い…! こんな時に……体調が…! 「う…ぁ痛ッ!? な、なにコレェ…!?」 見れば目の前の彼女も頭を押さえて唸っていた。 尻尾を逆立ててぐりんぐりんと曲げては伸ばしている。 2人して同時に目眩ですって…? どんな、偶然よ…ッ! 「ッッ痛たた……ぁあー、なんとか治まってきたかな――――――およ?」 「………………あ」 悶えていた彼女と目が合ってしまった。最悪。 拳銃は仕舞い込んでいたから、まだ誤魔化し通せる。 いや、待って。もう強行的にさっさと始末しようかしら…? …いやいや落ち着きなさい私。 不意打ちが失敗した以上、考え無しの戦闘は危険よ。相手の支給品次第では返り討ちの可能性も少なからずある。 得意の商売フェイス、商売フェイス…! 「や………やぁ、これはこれは地獄の黒猫、お燐さんではないですか。 こんなところで会うなんて奇遇ですね! どうでしょう、ここはひとつ昨今の地獄の流行についての取材でも…」 しまった、つい仕事グセで余計な一言を付けちゃった… 目の前の彼女はネコ科特有のツリ目をパチクリと瞬かせながら私を見て驚いている。 私は引き攣った笑みを作ったまま、数秒の沈黙が流れた。 やがてお燐は呆然とした表情を満面の笑みに変えて、テトテトとこちらへ近づいてくる。 「あぁ! お姉さんアレだ! いつぞや紅白のお姉さんと地獄に遊びに来てくれた天狗だね!」 …あぁ、そんなこともありましたね。 もっともアレは別に遊びに行ったわけではないし、そもそも陰陽玉で地上から交信してたから私の姿を知ってるわけがないんだけど。 「あはは、声を聞けば一発だよ~♪ 地上はどう? 平和でやっていけてるかな?」 なんか、相変わらず無駄に元気な娘だ。調子良く尻尾までフリフリと振っている。 しかしコイツ……特別仲が良いわけでもないのに随分と馴れ馴れしいわね。 今のこの状況、分かっているのかしら? 「幻想郷の地はいつだって平和ですよ。暇が売れたら大儲けできるってぐらいにも暇ですけど。 でもお燐さん? 今のこの状況はとても平和とはいえませんよ。 この場に居たのが私だったから良いものの、危険な人物だったらどうするんですか」 「やー…メンボクない。でも、うん。会えたのが天狗のお姉さんで良かったよ。優しそうだからねぇ♪」 …どうやら私は舐められてるのかしらね。 目の前のニヤけたユル面に天狗の鉄拳をブチ込んでやろうかと一瞬考えたけど、それは我慢して聞くべきことを聞こう。 「それはどうも。 …ところでお燐さんひとりですか? ここに来るまで誰かと会ったりは……」 「あ! そうだそうだよ! ここに来る途中魔法の森を横切ってきたんだけど、ボウボウと森が燃えてたのさ! もうべらぼうに! まーあたいもこれで火車やってるし、炎なんか怖くないんだけどねぇ。大丈夫かなぁ……」 それは多分私の仕業だろうけど、そんなことが聞きたいんじゃない。 知りたいのは『情報』だ。この娘を始末するのはその後でも良いでしょう。 「森の火事ならここからでもとてもよく見えますよ。 誰の仕業かは存じませんが、環境破壊も度を越えてますね。嘆かわしいことです。 …それで、お燐さんがここに来るまで誰かと出会ったりしましたか?」 「ん? 会ったよ、紅白のお姉さんと黒くてデッカイお兄さんにさ。すぐに別れちゃったけどねぇ」 紅白…霊夢か。 正直言うと、あまり会いたくないかな。あの巫女は無駄に勘が良すぎる。 私が優勝を狙ってることもあっさりバレそうだし、隠れ蓑には不適切。 「霊夢さんと…誰ですって?」 「霊夢お姉さんと承太郎お兄さんだよ。2人はパートナー同士みたいだったねぇ。 承太郎お兄さんは一見強面だったけど、話してみたら案外優しいところもあったよ」 承太郎。露伴の言っていた最強のスタンド使い、空条承太郎か。 聞けば相当に優秀で頭も切れる男だとか。 興味はあるけど、ますます近づけそうにない。パスパス。 …とまで考えた所でふと疑問に思った。 「…あれ? そんな強そうな方々と出会えたのに、どうしてお燐さんは彼女らと一緒に行動しなかったんですか?」 さぞ強かろう2人に会っておいて、コイツはどうして別れてわざわざ単独行動なんてしてるのか。たいして強くもないクセに。 ま、大体分かるんだけど。 「おおっとー待ってください。言わなくていいです、当ててみましょう。 そうですね……霊夢さんに邪険にされたってのがまずひとつとして、他に何か貴方自身の『目的』があったとかですか?」 「ちょっとー邪険にされたってのは余計だよー! でもさっすがジャーナリストの勘はスゴイね! あたい、今ちょっと『探し物』してるのさ♪」 「探し物…ですか?」 はて。こんな恐ろしい会場の中、何を探してるというのか。 見たところ大好きな死体集めでもなければ、マタタビや猫じゃらしに飢えているわけでもなさそうだ。 「まぁ……言うなら『死体』かねぇ。ちょっとその辺ではお目にかかれないような『レア物』の」 前言撤回。やっぱり火車はどこへ行っても火車だったか。 私は冷えた目線で若干後ずさりした。 「あ! ちょっとちょっと変な勘違いしないで欲しいなぁ! 死体集めはあたいの趣味だけど、今回のはもうちょっと尊い行為だよ!」 「死体集めに尊いもなにも」 「ちょいと! あんま死体を馬鹿にしないで欲しいね! って、こんなことが言いたいんじゃなくてさ、単刀直入に聞くけどお姉さん『聖人の遺体』ってのに心当たりあるかな?」 「聖人の、遺体……ですか? よく分かりませんけど、私はそんなもの持って―――」 ―――待って。『聖人の遺体』……ですって? その言葉を聞いた瞬間、脳内に蘇った。 GDS刑務所で、彼と交わした興味本位のインタビュー。 ―――『僕とジャイロはその遺体をめぐる戦いに巻き込まれた…いや、自ら入り込んだ』 ―――『全ての部位を集めると究極の力が手に入るという、聖人の遺体』 ―――『SBRレースとはつまり、その遺体を集める為に大統領が仕組んだ計画だったんだ』 ジョニィさんは言っていた。 自らの半身不随を治すため、友人と共にその遺体を集めていたと。 その遺体には聖なる力が備わっており、様々な力を与えてくれると。 その過程でヴァレンタインという男と闘い、死闘の末に倒したと。 ジョニィさんの集めていた『希望』が、この会場にも存在している…? (――――――ッ!!) 今、完全に理解した… ジョニィさんの亡骸に近づいた時に感じた、謎の『感覚』。 身体の中で何かが動き出すような、違和感の『正体』。 間違い、ない。 ジョニィさんの『希望』が、私の中に入り込んでいる…! 「……? お姉さん? どうしたの? 胸に手を当てていきなり黙りこくっちゃって…」 「…………あ、い…いえ、なんでもありません。 ところで……お燐さんは何故、そのような物を…?」 「あー、コレ言っちゃっていいのかなぁ? あんま話さない方がいいのかもしんないなぁ。 んーーー……、ま! 霊夢お姉さん達にも話しちゃってるし、いっか!」 それから私が聞いたのは驚きの内容。 ヴァレンタインがこの会場においても聖なる遺体を探し回っていること。 お燐がヴァレンタインと『約束』を交わし、遺体集めに奔走していること。 ヴァレンタインの事を話す彼女は『コレ言ってもいいのかな』といったものではあったけど、どこか『期待』に満ちていた。 彼のことを『妄信』、とまではいかないけど、相当に『信頼』を寄せているかのように話していた。 さっき会ったばかりの人間に対してそこまで期待するなんて、ヴァレンタインという男はかなりの『人格者』なのだろうか。 でも、私は知っている。 詳しく聞いたわけでも無いが、ヴァレンタインは……ジョニィさんの敵だった。 遺体を揃え、聖なる力を手に入れようとしたヴァレンタインは、ジョニィさんたちを何度も殺害しようと目論んだ。 そして、最期にジョニィさんの手によって……死亡した、らしい。 この娘はよりによってそんな人を『正義の人』と信じ、あまつさえ彼のために遺体を集めている…? ―――ふざけるな。 アンタが、ジョニィさんの何を知っているの。 あの人は自分の信じる道を突き進んで、そして死んだ。 私の中に眠る遺体は、彼の突き進んだ証。 彼が再び立ち上がれるようになった『軌跡』の証であり、『奇跡』の証でもある。 これは絶対、渡せない。アンタにも、ヴァレンタインにも。 「…お燐さんは、その遺体とやらを持ってるんですか?」 「うん。大統領さんから『両脚』の部位を預かってるんだ。 少しでも集めてあの人の元へ届けないとね。さとり様たちを守ってくれるって言ってたし」 呆れた。どこまでお人好しなんだか。 そんなの嘘に決まってるでしょう。アンタはヴァレンタインに『利用』されてるに過ぎないのよ。 そんなことにも気付かずにヘラヘラ笑いながらヴァレンタインの傀儡になっている彼女を見てると虫唾が走る。 露伴に洗脳されてる頃の私を思い出すから。 「なるほど、お燐さんの目的は理解できました。 私は遺体を持ってませんので尽力することは出来ませんが、他の情報を提供することぐらいは出来ますよ。 どうです? こんな所で立ち話もなんですし、中でじっくりとお話を伺いたいのですが」 「うん、勿論さ♪ いや~ここで天狗のお姉さんに出会ったのは幸運だったかもねぇ」 そうね。全く幸運だわ。 貴方のおかげで遺体の存在を知る事が出来たんですもの。 さて、適当に情報を聞いたらこの娘はさっさと始末しましょう。 私は遺体集めそのものには興味はないけど……ついでだからアンタの『両脚』も頂いていくとするわ。 死体集めが趣味の貴方には、丁度良い末路でしょう。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『火焔猫 燐』 【朝】E-4 命蓮寺 本堂 天狗のお姉さんは嘘をついている。 お姉さんが最初にあたいの後ろから近づいてきた時、確かに感じたんだ。 あたいの体内の『両脚』が騒ぎだしたのを。 それは頭痛という形であたいの頭を襲ったけれど、すぐに治まった。 一瞬、何が起こったのか分からなかったけど、後ろで笑いながら近づいてきたお姉さんを見てすぐに悟った。 ―――このお姉さん、『遺体』を持ってる……って。 あたいったら早速ラッキー♪ まさかこんなに早く遺体を見つけちゃうなんて、いやはや自分で自分の才能が恐ろしいね♪ …でも、その後お姉さんはハッキリと言った。 聖人の遺体など『持っていない』って。 あたいはその言葉がすぐに嘘だと気付いたけど、とりあえずその場は流した。 んー……これってどうするべきなんだろう? 案1 『またまたぁ~! そんなこと言って、嘘ばっかりィ! ホントは持ってるんでしょ?』 なんて猫なで声を出してスリスリと迫ってみようか? でも前にそれやって霊夢お姉さんに鬱陶しがられちゃったからなぁ… 案2 『ねぇ~え~~ん♪ 遺体くれたらイ・イ・コ・ト……してあげるんだけどナァ~♪』 と、猫を被って言い寄る…のはない。これはないや、うん。 大体あたいにそんな色気なんてないし……いや、これ以上自分で言うのはやめよう…空しくなる… 案3 強行的に遺体をネコババ! …う~ん、あたいにしては暴力的だねぇ。でもコレが一番現実的なのかなぁ。 ここまで考えたところで、あたいはふと大統領さんの言葉が浮かんだ。 ―――家族を守りたければ『戦え』。愛国心とは『家族愛』の事だ。泣いてばかりでは家族は救えない。 …そうだ。 あたいがこんなところで悩んでる間にも、みんなが苦しんでいるかもしれないんだ。 自分に出来ることをやらなきゃ。あたいだって戦えるんだ。 あたいは死体のエキスパートだ。聖人だろうが怪人だろうが死体なら持ち帰るのがあたいの仕事。 盗んでやる…! このお姉さんから、遺体を奪うッ! だから、それまで無事でいてよ…! さとり様! こいし様! おくう! ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 「―――私の支給品はこの拳銃だけでした。まあまあ当たりの支給品なのではないでしょうか」 そう言ってお姉さんは拳銃という武器をあたいに見せてくれた。 愛想の良い笑顔で惜しげもなく支給品を見せつけ、それをすぐに懐に仕舞う。 お姉さんはそのままあたいに顔を向けてニコニコ顔を作ったまま、会話が途切れた。 さあ次は貴方が支給品を見せる番ですよ、といったお姉さんの笑顔を眺めながらあたいは思考する。 やっぱりこの人、『嘘吐き』だ。 この人が遺体を所持してるのは分かってる。 それなのにその事を言わないなんて、隠し事がある証拠。 その遺体は元は誰のモノ? 誰かから奪ったの? その人は今どこでどうしてるの? あたいの遺体も狙っているの? 考えれば考えるほど疑心暗鬼に包まれてくる。 あーもう、こんなのあたいのキャラじゃないはずなんだけどなぁ… でも、よく考えたら親しくもない相手にいきなり所持品を全部公開すること自体おかしいことなのかな。 この遺体も見た目はグロテスクだし、へんに見せつけると相手が驚いちゃう、って思っての嘘かも。 んー、じゃあ考え無しに遺体を持ってることを話しちゃったあたいの方が危機感足りなかったのか。 …ダメだぁ、よくわかんないや。 とにかく今は会話を続けないと。 「あたいの支給品はただのリヤカーと、大統領さんから借りた遺体、それとナイフだよ」 このナイフも本当はブラフォードお兄さんの物だったけど……それを言う気にはなれなかった。 毒が塗ってあるらしいこれをあたいが使う時が、もしかしたら来るかもしれない。 「なるほど、お互い身を守る術は揃えてるという訳ですね。 じゃあ次はお燐さんが出会った人物についてですけど…」 「うん。さっきも言った通り霊夢お姉さんと承太郎お兄さんとはジョースター邸の東で会ったよ。 2人とも異変解決に向けて動き出してるみたい。 それと、承太郎お兄さんが言うにはDIOさんって人物は近づいたら危険だってさ」 「……! DIO…!」 ここまでほとんど柔らかい印象だったお姉さんの表情が、初めて険しくなった。 その顔には、どこか軽い『恐怖』のような感情が見えたような気がしてあたいは心配になる。 「お姉さん、DIOさんを知ってるの?」 「…いえ、直接は知りません。ですが、彼の部下らしき人物と遭遇しました。 名前は『ヴァニラ・アイス』……空間を飲み込む能力を持ち、とても残虐な気性の持ち主でした。 私と……私の仲間は、GDS刑務所でそいつと闘い、そして奴は逃げ出した。 …倒しきることが、出来なかった。その、せいで…ジョニィさんは……」 なんだろう…お姉さん、『悲しんでいる』…? そして…『怒っている』、ようにも見えた。 あたいはその『ジョニィ』って人を知らないけど、お姉さんにとってその人はどんな人物だったんだろう… 「…もしかして、そのヴァニラって人にジョニィさんは…」 「…確かに、間接的にジョニィさんを殺めたのはヴァニラといっても良いかもしれません。 ですが直接ジョニィさんに手を下したのは……チルノさんです」 チルノ…? ああ、確かこいし様が地霊殿に帰ってきた時、たまに話していたねぇ。 こいし様が言うにはちょっと頭が弱いけど、無邪気で可愛らしい妖精だって聞いてたけど… 「私の推測では、チルノさんはDIOに操られていたと考えています。 あのチルノさんはあまりにもいつもの彼女とは様子が違いすぎましたから」 操られていた……って、もしかして承太郎お兄さんが言っていた『肉の芽』…! じゃあ、やっぱりブラフォードお兄さんの主であるDIOさんは危険なヒト、なのかな… 「チルノさんは激しい闘いの末、ジョニィさんと『相討ち』になりました。 そして残った仲間の古明地こいしも、チルノさんを見捨てて何処かへ逃げ去りました。 それが、私が先ほど体験した出来事です」 そっか……… ――――――って、 「………………え」 今、このお姉さんの口からさらりと出た名前は、あたいの聞き間違いじゃなければ… 「ちょッ……! お、おおおお姉さんッ!? い、今、誰が何処へ逃げたって言ったのさッ!?」 「……ん? …………あ、そういえば古明地こいしはお燐さんの…」 「だ、大事なご主人さまのひとりだよッ!! こいし様が、お姉さん達を襲ったのかい!? う、嘘…ッ!」 「いえいえ、残念ながら事実です。 お気持ちは察しますが、彼女は明確な殺意を持って私たちを撃ってきました。 ゲームに『乗っている』としか…」 「そんなわけないッッ!!!」 静かな寺内に怒号が響き渡った。 温厚だと思っていたあたいの大声に驚いたのか、お姉さんは座ったまま固まっている。 だって、そんなわけないじゃん。 こいし様が、そんな…人を撃ったなんて……あたいは信じない。信じたくない。 そうだよ…、あの人はちょっと不安定なところはあるけど、純粋で、優しくて、心地の好い、そよ風のような方だ。 何者にも縛られず、気ままで穏やかに生きていくあの人が誰かを本質的に傷付けることなんて――― あっ…… 「―――肉の、芽……?」 ふと、頭に思い浮かんだ単語。 承太郎お兄さんの言葉が瞬間、鮮明に蘇る。 『額にそいつを埋め込むことで相手を従わさせることができるモノだ。DIOという吸血鬼が使える危険な力、だな』 可能性はある。 あたいを冷ややかな目で見つめているお姉さんに、食って掛かるように問い質した。 「お姉さんッ! あの、こいし様の額には何か埋め込まれていなかった…!?」 「わわ! 何ですか急に…! 額……と言われてもあの時はそんなの確認する暇も無かったですよ」 少し困ったような顔をしながらお姉さんは後ずさりした。 あたいは何も言えなかったけど、もしお姉さんの言ったことが本当ならこいし様はきっと肉の芽によって操られてるに違いない。 多分、そのチルノって妖精もそうだったんだ。 「……どうやら、何かものしり顔のようですね。事情を聞いても…?」 お姉さんが険しい表情で聞いてきた。 あたいは説明する。承太郎のお兄さんから聞いた『肉の芽』の性質について。 最後まで聞き終わったお姉さんは納得したように頷いて口を開く。 「なるほど……と、いうことはつまりこいしさんは既にDIOの傘下に入ってしまった可能性が高そうですね」 やっぱりそうなってしまうのかな。 あたいはやりきれない思いで拳を握る。 どうすればこいし様を助けられる? 肉の芽って簡単に引っこ抜ける物なの? ブラフォードお兄さんも、肉の芽に支配されていたのかな…… 「……あの、お姉さん! お願い! あたい、お姉さんについていっても良いかな? そんな状態のこいし様をこのまま放っておけないよ! 今もどこかで誰かを傷付けてるかも…!」 「……はぁ?」 あたいはたまらなくなってお姉さんに詰め寄る。 遺体も大事だけど、こいし様はもっと大事だ。 あたいひとりじゃあこいし様を助けられないかもしれない。 でもこのお姉さんはきっと強い。この人と2人ならこいし様も助けだせるかもしれない。 「ちょっと待ってください。何で私がそこまでしなくちゃならないんです? 私はついさっき彼女に銃を向けられたばかりですよ? ハッキリ言ってもう会いたくはないんですが」 ハッキリ断絶された。 なんだいケチ、とまでは言えなかったけど、無理のない話かもしれない。 それならあたいひとりで……といきたいところだけど、お姉さんは遺体も持っている。 ここで遺体を奪う千載一遇のチャンスをむざむざ放棄し、何処に居るかも分からないこいし様を探しに出るのもなぁ… あの時、大統領さんはあたいに約束してくれた。 自分の手伝いをしてくれれば、家族を探しだして守ってくれると。 あたいは彼の誠意に答えてあげたい。遺体を手に入れるということは、それがあたいの『戦い』になるんだ。 その戦いがそのまま家族を守ることに繋がるんだ! しばらくお姉さんと同行して隙を見て盗むか、何なら今ここで奪わなければあたいはこのまま『臆病者』で終わってしまう! 「お願いだよッ! お姉さん強いんでしょ!? あたいに出来ることは何でもやるからさ! せめてあたいと一緒に行動してほしいんだ!」 強引にお姉さんの肩を掴んで押しせめる。 本当に無茶なことを言ってると思うし、迷惑な行為だろう。 でも、この距離まで密着すればお姉さんの遺体を取り込んで盗めるかもしれない…! お姉さんには悪いけど、このままごねるようなら、今ここで奪って逃げるッ! この遺体は価値の分かる者の手にしか渡っちゃダメなんだと思う。 それは多分、大統領さんだ。あたいやこのお姉さんにとってはこの遺体は所詮『猫に小判』だ。 何故かは分からないけどこの人は、『遺体を持っていない』とあたいに嘘を吐いた。そこにはきっと他意がある。 『嘘吐き』にこの遺体はきっと相応しくない。 大統領さんのように、誓いを守る『正しい人』こそが遺体の所有者となるべきなんだ! ごめんね、お姉さん…! でも、これがあたいの選んだ『正しい道』! あたいなりの『戦い』! 「ちょ……! しつこいですよお燐さん! 行きませんったら行きませんッ! 離してくださいッ!」 「そこを何とか……! あたいひとりじゃあ不安で不安で…!」 揉めるようにお姉さんの身体を掴んで離さない。 今だ…! お姉さんの体内から遺体を取り出して……! 「―――人の遺体を盗む気? いい加減にしなさいよ、この泥棒猫」 カチャ 「―――え」 突然耳に響く冷たい声と、冷たい音。 あたいの額には不気味に光る銃口が突きつけられている。 「もういいわ。聞きたいことは全部聞けたもの。悪いけど貴方はここで終わり」 さっきまでとは全然違う、お姉さんの低い声。 その瞳には冷たく黒い輝きがある。 ―――殺される。そう感じた。 「貴方のご主人……古明地こいしは、私の獲物。残念だけど貴方に家族なんて『守れない』。 貴方を殺して遺体も奪ったら、すぐに彼女も殺しに行くわ。 …それじゃあ、故郷の地獄に帰りなさい」 あまりに突然の事態に身体が動かない。 声も出せずに、家族すら守れずに、あたいの人生は幕を閉じるのか。 い…いやだいやだいやだッ! そんな…死ぬなんて、絶対に――― バン! ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『ホル・ホース』 【朝】E-4 命蓮寺 正門前 「あーーあー……」 この上なく気だるい溜息を吐きながら明るくなってきた空を仰いだのはホル・ホースだった。 ズレ落ちかけるカウボーイハットを片手で押さえながら、そのまま数秒の沈黙が流れる。 (ま……分かっちゃいたんだけどなぁ…。こうハッキリ伝えられちゃあ流石にくるぜ) 『もしかしたら』……可能性は薄いが、有り得たことだ。 先ほどの放送によって直に伝えられた『彼女』の名は、ホル・ホースの心に幾分かの傷を付けた。 自分は彼女の死ぬ瞬間は見ていない。寅丸星に襲われたが、奇跡的に逃げ延びてどこかで生き残っているかもしれない。 ホル・ホースは現実主義者ではあったが、そんなあられもない光明が心の何処かに張り付いていた。 そんな薄い希望も、完全に消滅した。 「死んだ者は死んだ者……だぜ、ホル・ホース。現実見やがれ。 今更都合の良い展開なんか望んじゃいねえよ。こりゃ映画の世界じゃねぇんだ」 既に闇の世界に身を堕としているカウボーイ被れの自分は、死の覚悟なんてとっくに完了している。 だが――― 「ヌルくせー表世界で暮らしてたガキぐらいは……せめてベッドの上で死なせてやりたかったもんだなァ…」 誰に語るわけでも無いその空虚な言葉は、空へと消えた。 キュッと帽子を被り直し、再び前を向く。 過去を振り返ってセンチな感傷を抱くなど自分の性ではない。 今の自分に出来ることは、響子が今際の際に遺した想い……すなわち寅丸星の目を覚まさせることだ。 果たして成功率はどれほどのものだろう。せめて五分程度の勝率は欲しいところだ。 そしてその成功率を限りなく底上げしてくれる人物であろう聖白蓮の治める『命蓮寺』。 彼女の手がかりが掴めるかもしれないという淡い期待を抱きながらホル・ホースはこの場所へ来た。 (……にしても、ジャパニーズ・キャッスルっつーのはどうにも異様だぜ…) 立派に聳え立つ正門を潜り、石の敷き詰められた道を警戒しながら進む。 ホル・ホースとて日本の様式美には疎く、初めて間近で見る和の景色は目を惹かれる物ばかり。 イマイチ用途の掴めない灯篭をコツコツと軽く叩いてみたり、嗅ぎ慣れない木造物の独特な匂いに心浮かれて鼻歌まで歌いだす始末。 こう見えて彼は『芸術』や『美的文化』の嗜好を多少なり持ち合わせている。 間近で見る日本の洗練された芸術に心奪われかけ、この場が殺しの場であることすら忘れそうになってしまった。 「ここが……響子の嬢ちゃんが通っていた寺、か。オレには綺麗すぎる場所でどうにも落ち着かねえ…」 必然的に浮かぶ彼女の顔をブンブンと振り払い、先へと進む。 それに先ほどから足元をよく見れば、何人かの足跡を確認している。既に誰かがこの場を訪れているのだ。 鬼が出るか蛇が出るか。本堂へと近づくたびにホル・ホースは警戒を強めながら、自らのスタンドである『皇帝』を構える。 やがて足を踏み入れたのは一際大きな本堂。 意を決して侵入するホル・ホースの耳に初めに入ったのは女の声だった。 「行きませんったら行きませんッ! 離してくださいッ!」 (女の声…! 少なくとも2人は居るみてーだが、様子がおかしいな) 機敏な動作で入り口の死角に移動し、そっと中を覗き込む。 女2人。片側は頭に猫耳、二又尻尾のおまけ付き。 その姿を見てホル・ホースはまたも彼女を思い出す。 (ワンコの次はニャンコかよ…! 半信半疑だったが響子の嬢ちゃんが語った『幻想郷』っつーのはどうやらマジらしい) となれば彼女らに聞けば聖白蓮についての情報が分かるかもしれない。 しかし何か様子がおかしい。揉め事か…? 慎重に事を見ていたホル・ホースに緊張の汗が伝う。 その時、猫耳の少女に掴まれていたもう片方の黒髪の女が拳銃を取り出し、相手の額に突きつけた。 (!! …オイオイ、ご勘弁願いてぇぜ……、ここまで来てトラブルには関わりたくねぇんだがな…!) 反射的に回れ右。触らぬ神に何とやらだ。 ここまで来て収穫ナシというのは痛恨だが、この場に目的の人物は居ない。 逃げ足の早さには定評のあるホル・ホースはすぐさま決断した。 音をたてぬよう、静かにこの場を去ろうと足を動かして――止めた。 まただ。またも自分は女を見捨てて逃げようとしている。 手の届く距離で、今回こそは救えるかもしれないというこの場面で、見ぬフリして去ろうとしている。 どこまで男を下げれば気が済む、ホル・ホース。 そうやって目の前の災を避け続け、進む先に何が待っている。 男なら誰しも心に『地図』を持っている。荒野を渡りきる自分だけの地図を。 腹に据えた、たった一つの『指針』だけは見失ってはならない。 「……そう、だったな。オレの心の地図に…『後悔』だけは持ち込んじゃいけねえ」 俺が後悔するのは……『あの時』までだぜ。 ――響子の嬢ちゃん。 伏せていた面をキッと上げ、退きかけていた足を勢いよく前に動かす。 眼光炯々に変化した目つきを『敵』と捉えた人物に刺す。 一瞬の早業。 扉の前に躍り出たホル・ホースは声を発することなく、七メートル先の黒髪の少女に『皇帝』を撃ち放った! 炸裂音と共に軌道を描くように発射された弾丸は、女が突きつけていた銃のみを弾き飛ばし、彼女の殺戮の手段を奪う。 「ッ!? 誰です…ッ!?」 「おおーっとォー! フォークダンスの練習中失礼するぜッ! そこのお前ッ! 両手を挙げてその場から動くんじゃねえぜッ! そっちの猫ちゃんもまだ動くなよ!」 突然の乱入者に戸惑う文。 それはお燐にとっても同じで、2人してホル・ホースの方を同時に振り向く。 「オレはある人物を尋ねてこの場所へ来た! 話の分かりそーな奴は見た感じそっちの猫の嬢ちゃんだな。 まず聞くが、こいつはいったいどーいう状況だ? お嬢ちゃんはそっちの黒髪の女に襲われていたって認識で間違いないか?」 予想だにしないタイミングでの男の登場に、文は思わず心の中で舌打ちした。 今の場面を人に見られるとはかなりの痛手だ。 第三者の接近に気が付かぬなんてポカをやらかしてしまった。まず確実に弁明できる状況ではない。 チラリと挙げた右手を見る。 銃で撃たれたにも関わらずほとんど傷が無い。あの距離から銃だけを弾き飛ばすようにギリギリ掠らせて狙ったのだ。 達人級の仕業。主導権を向こうが握っている限り、下手に反撃するのは悪手だろう。 仮に逃げ切れたとしても、自分の危険性について情報をバラ撒かれることは間違いない。 だが、それでも今は逃走を試みるしかない。 鴉天狗のスピードなら、可能だろう。 漆黒の翼を広げ、一か八かの飛翔に挑むその時、お燐の狼狽する声が文を驚愕させた。 「あ、あの! 待って待って帽子のおじさん! あたいとこっちのお姉さんは、その…『友達同士』だよ! あたいを助けようとしてくれたのは嬉しいけど……だから、えと、早まらないで!」 「「―――――――――は?」」 文とホル・ホースの間の抜けた声が重なった。 コイツ悪いやつだからそのまま撃っちゃって!ぐらいの台詞を覚悟していた文からすればまるで予想出来ないお燐の発言である。 「あーーー……オレにはお前が銃を突きつけられてたように見えたんだが?」 皇帝を文に向けながらもホル・ホースはお燐の言葉に首を傾げた。 「あ、あれはぁー……うん、ささいなすれ違いだよ! ちょっとした意見の相違! ケンカケンカ! あ、はははー……」 ちょっとしたケンカがどのような経緯で拳銃を突きつけられる事態になるのだろうか。 女の子のピンチを救うため、アメリカンコミック・ヒーローのようにジャジャーンと颯爽登場したのはいいが、状況が違ってきている。 微妙に引き攣った笑顔を見せるお燐の姿にホル・ホースは大きな違和感を覚えるが、殺されかけていた本人がそう言うのならそうなのかもしれない。 「それじゃあなにか? お前さんら2人は友達同士だったがささいな口論で殺人事件に発展しそうになった。 今は反省しているのでここはみんな仲良く穏便に事を進めよう……こういう事か?」 「いぐざくとりーだよおじさん! 文お姉さん、さっきはあたいも言い過ぎたからさ、また『一緒に』頑張っていこう?」 お燐の眩いほどの笑顔が、文に向けられた。 瞬間、文は察する。お燐の突然の妙な発言。 まるで自分を助けるような物言いの奥に隠された真意……その魂胆が。 (コイツ……もしかして私の『遺体』を逃さないために敢えて私を庇ったってワケ…?) なるほど彼女の目的が遺体ならばここで私を逃すことは望む展開ではない。 それならばいっそのこと身近に置いて、寝首でも掻いてやろう……そんなところか。 (舐めてくれるじゃない…! 本当に、どこまでも躾のなってない泥棒猫ね。 ……いいわ、私にとっても悪くない展開だもの) この聖人の遺体は彼女にとってそこまで執念を燃やすべき案件なのか。それともこれも大統領とやらの人格の成せる業か。 だが自分にとってもこの遺体は何故か絶対に渡したくない、己の意思を超えた物になってきている。 その想いが果たしてジョニィの遺志に通ずるところがあるのか、とにかく文は遺体を誰かに渡すなんて事は絶対にしたくなかった。 それに加え、自身のとりあえずの行動スタンスである『強い者に蓑隠れ』が達成できそうだ。 目の前で素晴らしい銃技を披露してくれたこの男と行動を共にすることは、自分の生存確率を上げてくれるだろう。 鬱陶しく付いてくる猫娘もそのうち遺体を奪いに仕掛けてくるはずだ。 その時は『正当防衛』という大義名分で返り討ちにしてしまえば、ホル・ホースにも筋の通った言い訳がたつ。 所詮は化け猫の急ごしらえで作った浅知恵。 鴉天狗である自分とは妖怪としての『クラス』が違う。 「そうですね。さっきは少しやり過ぎました。すみません、お燐さん。 なにぶんこんな状況ですので、ついカッとなって…… また、『一緒に』頑張っていきましょう!」 「うん! 『一緒に』頑張ろう、お姉さん! それとおじさん! あたいはお燐! 『火焔猫燐』! こっちのお姉さんは鴉天狗の『射命丸文』お姉さんっていうんだ! 誰か探してるのならこっちのお姉さんに聞けばわかるかも。ものしりだからね」 やや強引に話を進められたホル・ホースは困惑しながらも、この場は武器を収めることにした。 やはりさっきの光景はオレの早とちりだったか…? そんな疑問もあるにはあったが、女性を傷付けるのはやはり己の主義に反する。 このまま戦うことも無く、目的の情報を手に入れることが出来れば万々歳。 戦力増強という点でも、見たところ妖怪である彼女らをうまく相棒と出来たならば良い事尽くめだ。 だが…… (猫耳のお嬢ちゃんの方はともかく……あっちの文とかいう黒髪娘の方はどうも“クセー”んだよなあ。 さっきの一場面を考慮するとか以前に、オレの長年の『勘』が疼いてやがる) 長い間汚い仕事に手を染め、その都度にベストパートナーを選んできたおかげで、人を見る目は抜群に培われてきた。 その自慢の鑑識眼を信じるのならば、この黒髪とは行動を共にしたくはない、というのが本音だった。 しかし聖白蓮の捜索に行き詰まりを感じているのもまた事実、というよりこの広い会場でたった一人の人物を当てなく探すというのがそもそも無謀だ。 どうも彼女たち『幻想郷』に住まう者は横の広がりが大きいらしい。 ならばここは人脈を武器として確かな情報を確実に拾っていった方が有益かもしれない。 なにより聖捜索中に例の2人組と出会ってしまったら能力の相性ゆえ、今度は逃げ切れない。やはり相棒は必要なのである。 「……オーケイ。まずはお前さんたちの話を聞こうじゃねえか。 オレはホル・ホース。女には世界一優しいナイスガイだぜ」 彼女らのどこか嘘くさい態度に不安はあるが、ここはホル・ホースが目先の利を取る形となった。 (やれやれ……女の嘘は許すのが男ってもんだ、が……このホル・ホースにどこまでの器量があるかねェ……) 願わくばかつての無様を晒しださぬよう、男は自分だけの指針をもう一度噛み締める。 そして互いの喉笛を狙う鴉と猫は、それぞれの思惑を胸に秘めながら男についてゆくと決めた。 文は黒い感情を静かに燃やし続ける。 (例え卑怯と罵られようと、私は最後まで生き残る…! そしてこの遺体だけは、誰にも渡すつもりはないわ!) 体内から僅かに感じる確かな力は、文がかつて光を見出した人間の残滓。 今となっては意味のないそれを守り通す気持ちの正体は、未だ掴めない。 無意味で余計なだけのその感情を捨て去る勇気は無かった。 非道なる殺し合いに身を投じ、心を任せるだけの機械となりつつある自分にとっての唯一のアイデンティティーと成り得るものが、この遺体な気がした。 それはかつて無気力に生きていたジョニィ・ジョースターが感じた希望を、自分も同じようにこの遺体に感じているのかもしれない。 故に射命丸文は戦う。この『希望』を陥れようとする火焔猫燐は、完膚なきまで叩き潰さなければいけない。 そして、家族を守るために戦うことを決心したお燐はその『希望』を集めることに徹する。 お燐はかつてなく、燃えていた。 (この人…『こいし様を殺す』つもりだ…! そんなこと、あたいが絶対にさせないッ! 戦うことが家族を守ることに繋がる……大統領さんはそう言ってくれた。ここであたいが戦わなきゃ、家族みんなバラバラだ! 絶対に遺体を奪ってみせるッ! ……そしてっ!) 待ち受ける結果は分からない。 だが文がこのままこいしを始末しようというのであれば……手を染めることも、厭わない。 このホル・ホースと行動を共にする手前、文も強行手段に出るわけにはいかないだろう。そのための同行の提案なのだから。 いずれにせよ、文だけは逃がさない。逃がしてはならない。 こうして3人が一堂に集まり、表向きは平穏を保つ同盟のように見えた。 だが3人の指針は全て違う方向を向いている。 籠に隠れながら狡猾に息を潜めようとする鴉天狗。 籠の中の鳥を狙うため、小さな爪を磨く黒猫。 男の信念を守り通すため、先の見えぬ荒野を歩き続けるカウボーイ。 針の先に何があるか。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【E-4 命蓮寺 本堂/朝】 【射命丸文@東方風神録】 [状態]:疲労(小)、体力消耗(小)、胸に銃痕(浅い)、服と前進に浅い切り傷 [装備]:拳銃(6/6)、聖人の遺体・脊髄、胴体@ジョジョ第7部(体内に入り込んでいます) [道具]:不明支給品(0~1)、基本支給品×3、予備弾6発、壊れゆく鉄球(レッキングボール)@ジョジョ第7部 [思考・状況] 基本行動方針:どんな手を使っても殺し合いに勝ち、生き残る 1:ホル・ホースと行動を共にしたい 2:火焔猫燐は隙を見て殺害したい。古明地こいしもいずれ始末したい 3:この遺体は守り通す 4:DIOは要警戒 5:露伴にはもう会いたくない 6:ここに希望はない [備考] ※参戦時期は東方神霊廟以降です。 ※文、ジョニィから呼び出された場所と時代、および参加者の情報を得ています。 ※参加者は幻想郷の者とジョースター家に縁のある者で構成されていると考えています。 ※火焔猫燐と情報を交換しました。 ※古明地こいしが肉の芽の洗脳を受けていると考えています。 【火焔猫燐@東方地霊殿】 [状態]:人間形態、妖力消耗(小) [装備]:毒塗りハンターナイフ@現実、聖人の遺体・両脚@ジョジョ第7部 [道具]:基本支給品、リヤカー@現実 [思考・状況] 基本行動方針:遺体を探しだし、古明地さとり他、地霊殿のメンバーと合流する。 1:家族を守る為に、遺体を探しだし大統領に渡す。 2:射命丸文が持つ遺体の奪取、及び殺害…? 3:ホル・ホースと行動を共にしたい。 4:地霊殿のメンバーと合流する。 5:ディエゴとの接触は避ける。 6:DIOとの接触は控える…? ※参戦時期は東方心綺楼以降です。 ※大統領を信頼しており、彼のために遺体を集めたい。とはいえ積極的な戦闘は望んでいません。 ※古明地こいしが肉の芽の洗脳を受けていると考えています。 【ホル・ホース@第3部 スターダストクルセイダース】 [状態]:鼻骨折、顔面骨折、疲労(中) [装備]:なし [道具]:不明支給品(確認済み)、基本支給品×2(一つは響子のもの)、スレッジハンマー(エニグマの紙に戻してある) [思考・状況] 基本行動方針:とにかく生き残る。 1:響子を死なせたことを後悔。 最期の望みを叶えることでケリをつける。 2:響子の望み通り白蓮を探して謝る。協力して寅丸星を正気に戻す。 3:火焔猫燐、射命丸文と話をする。 4:あのイカレたターミネーターみてーな軍人(シュトロハイム)とは二度と会いたくねー。 5:誰かを殺すとしても直接戦闘は極力避ける。漁父の利か暗殺を狙う。 6:使えるものは何でも利用するが、女を傷つけるのは主義に反する。とはいえ、場合によってはやむを得ない…か? 7:DIOとの接触は出来れば避けたいが、確実な勝機があれば隙を突いて殺したい。 8:あのガキ(ドッピオ)は使えそうだったが……ま、縁がなかったな。 [備考] ※参戦時期はDIOの暗殺を目論み背後から引き金を引いた直後です。 ※響子から支給品を預かっていました。 ※白蓮の容姿に関して、響子から聞いた程度の知識しかありません。 103:ワムウとこいしのDOKIDOKI添い寝物語 投下順 105:人妖彼岸之想塚 103:ワムウとこいしのDOKIDOKI添い寝物語 時系列順 105:人妖彼岸之想塚 097:進むべき道 射命丸文 127:デュプリシティ 084:G Free 火焔猫燐 127:デュプリシティ 083:デッドパロッツQ ホル・ホース 127:デュプリシティ
https://w.atwiki.jp/akitafj/pages/9.html
畠山容疑者「首を絞めて殺した」…死体遺棄も1人で 秋田県藤里町、小学1年米山豪憲(ごうけん)君が殺害され、遺体が放置された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された近所の無職畠山鈴香容疑者(33)が、能代署捜査本部の調べに対し、豪憲君の殺害について、「1人で首を絞めて殺しました」と詳細な供述を始めたことが6日、わかった。 遺体遺棄についても、「1人で車にのせて捨てた」と話しているという。 捜査本部は、殺人容疑での再逮捕を視野に供述の裏付けを進めている。畠山容疑者は、捜査本部の調べに、死体遺棄については全面的に認め、具体的な状況について供述している。 殺害についても関与を認める供述をしていたが、さらに、状況などについて詳しく語り始めた。遺体については、「殺害後、1人ですぐに自分の車にのせ、(遺棄現場の)草むらまで行き、捨てた」と話している。 (読売新聞) - 6月6日15時38分更新 関連トピックス: 秋田小1男児殺害事件 殺人事件 @wikiへ
https://w.atwiki.jp/obradinn_chara/pages/74.html
44 ルイス・ウォーカー 檣楼員 出身 イングランド 死亡シーン Ⅹ.終幕 ロバート・ウィッテレル船長に撲殺された/槍で殺された 広く開けた胸元が印象的。 Ⅹ.終幕まで生き残った乗組員の1人。 影こそ薄いもののクラーケン襲来後ほぼ全てのシーンに登場しており、 反乱時には1人だけ異なる侵入ルートを取って船長にナイフの一撃を喰らわせていることから妙に記憶に残っているプレイヤーも多いのでは。 Ⅵ.海の兵たち その1でメインマストに上っていたり、各シーンで様々な場所に上っていることから檣楼員だと分かる。 現代パートで44番のハンモックが見られる。 Ⅹ.終幕まで残っている船員のうち、ハンモックで寝る階級は彼以外にヘンリー・ブレナンしかいない。ヘンリー・ブレナンは他の理由から推測可能であるため、残ったルイス・ウォーカーがこの44番のハンモックの持ち主だと分かる。 船長室内にある遺体。 Ⅱ.死に至る病Ⅱ.死に至る病 その1 Ⅵ.海の兵たちⅥ.海の兵たち その1 Ⅶ.破滅Ⅶ.破滅 その2 Ⅶ.破滅 その3 Ⅶ.破滅 その4 Ⅶ.破滅 その7 Ⅶ.破滅 その8 Ⅸ.脱出Ⅸ.脱出 その2 Ⅸ.脱出 その3 Ⅸ.脱出 その4 Ⅸ.脱出 その6 Ⅹ.終幕Ⅹ.終幕 その1 Ⅹ.終幕 その2 Ⅹ.終幕 その3 Ⅹ.終幕 その4 Ⅱ.死に至る病 Ⅱ.死に至る病 その1 奥のハンモックがウォーカー。 白くかすんで番号が見えないが、Ⅶ.破滅 その2と照らし合わせると場所がわかる。 ちなみに手前は43マバ。 Ⅵ.海の兵たち Ⅵ.海の兵たち その1 檣楼員として仕事しているシーン。 上の方にいる。 Ⅶ.破滅 Ⅶ.破滅 その2 寝ている。 Ⅶ.破滅 その3 ブレナンと協力して大砲でクラーケンを撃つ。 Ⅶ.破滅 その4 船が傾いてバランスを崩す。 Ⅶ.破滅 その7 横のロープを上っている。 Ⅶ.破滅 その8 その7で死亡したマバの上半身を移動させている。 ちなみにウォーカーとマバはハンモックが隣同士。 Ⅸ.脱出 Ⅸ.脱出 その2 ロープをナイフで切ろうとしている。 このロープはⅢ.殺人 その3で死亡したティモシー・ブーテメントの遺体が引っかかっているロープである。 Ⅸ.脱出 その3 騒ぎに駆け付ける。 階段は使わないのか? Ⅸ.脱出 その4 ボルコフの遺体を海に捨てている。 既に無いポール・モスの遺体もウォーカーによって海に投げられたのだろう。 Ⅸ.脱出 その6 遅れて砲列甲板に降りてきた。 Ⅹ.終幕 Ⅹ.終幕 その1 ナイフを咥えて階段を上る。 Ⅹ.終幕 その2 船長室の後の通路に飛び降りる。 Ⅹ.終幕 その3 船長の脇腹を刺すが、致命傷にはいたらなかった。 船長の反撃によって額を強く打たれて死亡する。 実は「槍で殺された」でも正解(ブレナンの持ち込んだ槍で殴り殺されている)。 Ⅹ.終幕 その4 額部分が黒くなった遺体がある。 船長を刺したナイフが扉左に落ちている。